JP7250574B2 - 画像形成装置、その制御方法、およびプログラム - Google Patents

画像形成装置、その制御方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
画像形成装置は、印刷データを受信すると、両面印刷、集約レイアウト(Nup)、出力用紙サイズ、解像度などの印刷設定にしたがって、印刷データに含まれる描画オブジェクトをデバイス座標にプロットするレンダリング処理を実行する。そして、画像形成装置は、レンダリング処理により生成される画像を用紙などへ印刷する。
特開2009-200837号公報
ところで、印刷に用いる印刷データには、たとえばPostScript形式の印刷データ、PDF形式の印刷データがある。また、これらの印刷データでは、線幅調整処理(自動ストローク調整処理)を設定することが可能である。このように印刷データにおいて線幅調整処理が設定されている場合、画像形成装置は、レンダリング処理などにおいて線幅調整処理を実行する。画像形成装置は、線幅調整処理として、印刷データに基づくレンダリング処理により塗り潰すように決定されたピクセルに対して細線を均一化する処理を実行する。これにより、用紙などへ印刷される画像の画質は、ユーザの意図にしたがって、改善され得る。たとえば、レンダリング処理での塗りピクセル判定では、1ピクセル幅の細線オブジェクトがデバイス座標に対して傾きを持った位置に配置されると、ピクセル境界を跨いで配置される判定部分では複数のピクセルが塗り対象となる。その結果、該判定部分とその上下の部分との間では、線幅が異なる。細線オブジェクトの線幅は、不均一になる。このため、特許文献1では、線幅調整処理の一例として、基準となる軸(水平軸)に対して傾きが45度又は135度である部分を所定の条件を満たす部分である場合、その端点の一方のみを所定の範囲内でずらす処理を行うことを開示する。その結果、該判定部分での線幅は、その上下の部分の線幅と均一になり得る。細線オブジェクトは、均一な線幅により印刷され得る。
しかしながら、上述するように線幅調整処理では、塗りピクセルを実質的に減らすことにより、線幅を均一化するように調整する。したがって、線幅調整処理にしたがって細線を均一化する処理を実行した場合、自動ストローク調整処理を実行しない場合と比べて、塗りピクセルの領域が小さくなる。その結果、線幅調整処理を実行した画像では、たとえば細線が細くなりすぎて視認し難くなることがある。
このように、画像形成装置は、細線の太さのばらつきを抑制する場合に、細線の視認性に影響を与え難くすることが求められている。
本発明に係る画像形成装置は、解釈手段と、複数のラインを含む印刷データと、前記印刷データが同じ幅で異なる傾きの複数のラインを含むときに複数のラインの幅を同じにするために特定のラインの幅に細らせる処理を実行するための所定のコマンドを前記解釈手段に提供する提供手段と、前記印刷データが前記所定のコマンドを含むか否かを判定する判定手段と、前記細らせる処理を実行した前記解釈手段から、前記複数のラインの幅が同じになるよう前記細らせる処理が実行された前記複数のラインを受け付ける受付手段と、前記印刷データが前記所定のコマンドを含むと前記判定手段が判定したことに基づいて、前記受付手段によって前記解釈手段から受け付けた前記複数のラインを太らせる処理を実行する処理手段と、前記処理手段によって実行された前記太らせる処理によって太らせた前記複数のラインを形成する形成手段と、を有する。
本発明では、画像形成装置において、細線の太さのばらつきを抑制する場合に、細線の視認性に影響を与え難くすることができる。
本発明の第一実施形態に係る画像形成装置を含む画像形成システムの一例の模式的な構成図である。 複数の細線の印刷データについての、線幅調整処理(自動ストローク調整処理)による描画の説明図である。 図1の画像形成装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図2の画像形成装置に実現されるソフトウェアモジュールの説明図である。 印刷データに含まれる自動ストローク調整処理のPDLコマンドの設定と、レンダリング処理との対応関係の説明図である。 図3の中央演算装置による印刷データのジョブ実行処理を示すフローチャートである。 図6のステップS1009の座標演算処理の詳細な流れを示すフローチャートである。 図6のステップS1010の細線太らせ処理の詳細な流れを示すフローチャートである。 本発明の第二実施形態において、画像形成装置の操作部に表示される、画像形成装置の線幅調整設定画面の一例である。 図9の線幅調整設定画面に基づく線幅調整処理の流れを示すフローチャートである。 印刷データのPDLコマンドによる自動ストローク調整の設定および画像形成装置の線幅調整設定と、レンダリング処理との対応関係の説明図である。 第二実施形態における中央演算装置による印刷データのジョブ実行処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、以下の実施形態に記載されている構成はあくまで例示に過ぎず、本発明の範囲は実施形態に記載されている構成によって限定されることはない。
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係る画像形成装置101を含む画像形成システム100の一例の模式的な構成図である。図1の画像形成システム100は、画像形成装置101、複数のクライアント端末102、およびこれらを接続するネットワーク103、を有する。クライアント端末102は、たとえば、ユーザが保有するパーソナルコンピュータ端末(PC)、携帯電話端末、多機能携帯電話端末、PDA端末、タブレット端末、である。ネットワーク103は、WANやLANで構成される無線または有線のデータ通信網である。画像形成装置101は、たとえば、スキャン、FAX、プリント(印刷)、コピーなどの様々な機能を有する複合機、プリント機能のみを有するプリンタ、である。クライアント端末102は、ネットワーク103を通じて画像形成装置101へ印刷データを送信する。画像形成装置101は、ネットワーク103から印刷データを受信し、またはスキャンにより原稿読み取った印刷データを生成する。画像形成装置101は、印刷データを取得すると、両面印刷、集約レイアウト(Nup)、出力用紙サイズ、解像度などの印刷設定にしたがって、印刷データに含まれる描画オブジェクトをデバイス座標にプロットするレンダリング処理を実行する。画像形成装置101は、レンダリング処理により生成される画像を用紙などへ印刷する。
ところで、印刷のために画像形成装置101が取得する印刷データには、たとえばPostScript形式の印刷データ、PDF形式の印刷データがある。データ取得手段としての画像形成装置101は、自動ストローク調整処理を指定可能な印刷データとして、PostScript形式の印刷データ、またはPDF形式の印刷データを取得できる。この場合、画像形成装置101は、レンダリング処理として描画オブジェクトの印刷座標をデバイス座標へプロットする場合、印刷データを構成するPDLの印刷仕様にしたがって、塗りピクセルを判断する。ここで、PDLとは、ページ記述言語(Page DescRIP204tion Language)を意味する。画像形成装置101は、PostScriptやPDFの言語仕様をPDL記述として採用する印刷データに基づいてデバイス座標へプロットする場合デバイスピクセルに少しでも触れたら、該ピクセルを塗る、という塗りピクセル判断を実行する。これにより、線は太めに表現されるので、用紙などへ印刷される画像の視認性は、向上し得る。かしながら、この塗りピクセル判断にしたがうと、たとえば1ピクセル幅の細線オブジェクトがデバイス座標に対して傾きを持った位置に配置される場合には、ピクセル境界を跨いで配置された部分において複数のピクセルが塗り対象となる。1ピクセル幅の細線は、複数ピクセル幅で描画されることになる。その結果、細線オブジェクトは、デバイス座標の配列に沿って水平または垂直に描画される場合と比べて、太く且つ不均一な幅で描画されることになる。細線オブジェクトは、その配置角度により線幅が不均一になる。この対策として、画像形成装置101には、印刷データにおいて自動ストローク調整処理が設定されている場合、レンダリング処理において自動ストローク調整処理を実行するものがある。たとえば、PostScriptおよびPDFには、自動ストローク調整(StrokeAdjust)という印刷仕様が存在し、具体的にはたとえば下記のPDLコマンドによりその処理を指定することができる。PSコマンドでは、「自動ストローク調整有効 true setstrokeadjust」により、自動ストローク調整処理の実行を指定することができる。また、「自動ストローク調整無効 false setstrokeadjust」により、自動ストローク調整処理の無効を指定することができる。PDFコマンドでは、「自動ストローク調整有効 /SA true」により、自動ストローク調整処理の実行を指定することができる。また、「自動ストローク調整無効 /SA false」により、自動ストローク調整処理の無効を指定することができる。印刷データにおいて自動ストローク調整処理の実行が指定されると、画像形成装置101は、印刷データに基づくレンダリング処理により塗り潰すように決定されたピクセルに対して細線を均一化する処理を実行する。
しかしながら、このような線幅調整処理を実行した場合、線幅を均一化するために、塗りピクセルを実質的に減らす。したがって、線幅調整処理にしたがって細線を均一化する処理を実行した場合、自動ストローク調整処理を実行しない場合と比べて、塗りピクセルの領域が小さくなる。その結果、線幅調整処理を実行した画像では、たとえば細線が細くなりすぎて視認し難くなることがある。このように、画像形成装置101は、細線の太さのばらつきを抑制する場合に、細線の視認性に影響を与え難くすることが求めらている。
図2は、複数の細線の印刷データについての、線幅調整処理(自動ストローク調整処理)による描画の説明図である。
図2(A)は、複数の細線についての、細線の太さのばらつきを抑制する線幅調整処理を実行しない場合において生成され得る画像の一例である。画像データにおいて、細線幅の自動調整機能(たとえば、StrokeAdjust機能)を無効にしてまたは設定しないで、PostScriptやPDFの塗りルールによる場合、複数の細線は、図2(A)のような画像に生成される。ここで、図中の水平の細線は、描画画像のピクセル配列に対して0度の傾きのものである。そして、45度の傾きの細線の太さは、0度の傾きの細線より太く描画される。このように、所定の種類のPDLで描画を行う場合、同じ太さの細線を描画する印刷データであるにもかかわらず、実際に生成される複数の細線は、その傾きに応じて異なる太さに生成されてしまう。
図2(B)は、複数の細線についての、自動ストローク調整(StrokeAdjust)による線幅調整処理を実行する場合において生成され得る画像の一例である。
図2(B)の線幅調整処理を実行する場合の複数の細線は、2(A)の線幅調整処理を実行しない場合と比べて、均一な線幅となる。図2(B)の場合、傾き0度の細線の太さと、傾き45度の細線の太さとは、図2(A)の場合に比べて均一化されている。しかしながら、線幅を均一化するために塗りピクセルが減っているため、細線は細くなり、全体的に薄い画像となる。このため、細線は、ユーザが視認し難くなる。
図2(C)は、複数の細線についての、線幅調整処理の後に、細線を太らせる線太らせ処理を実行する場合において生成され得る画像の一例である。
なお、図2(C)は、本実施形態で説明する処理により生成され得る画像の一例である。図2(C)では、線幅調整処理の後に線太らせ処理を実行している。このため、複数の細線は、図2(B)と比べて太くなる。細線の太さは、PostScriptやPDFの塗りルールに基づく図2(A)の場合に近づいている。しかも、図2(C)では、図2(B)と同様に、複数の細線は、図2(A)の線幅調整処理を実行しない場合と比べて、均一な線幅となる。傾き0度の細線の太さと、傾き45度の細線の太さとは、略均一になる。このように、図2(C)では、複数の細線の線幅が、細線の傾きの違いによって異なってしまうことを抑制しつつ、視認性のよい太さで複数の細線を生成することができる。
図3は、図1の画像形成装置101のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3の画像形成装置101は、コントローラユニット200、操作部208、プリンタエンジン209、を有する。コントローラユニット200は、中央演算装置201、主記憶装置202、補助記憶装置203、RIP204、ネットワーク(Network)I/F205、操作I/F206、デバイスI/F207、およびこれらを接続するシステムバス212、を有する。ネットワークI/F205は、ネットワーク103に接続される。ネットワークI/F205は、画像形成装置101の外装置との間で、印刷データなどを送受する。デバイスI/F207は、画像形成装置101のデバイスであるプリンタエンジン209に接続される。デバイスI/F207は、この他にもたとえば、スキャンエンジンが接続されてよい。プリンタエンジン209は、電子写真方式またはインクジェット方式により、印刷データの画像を用紙などに印刷する。スキャンエンジンは、原稿の画像を読み取って印刷データを生成する。操作I/F206は、画像形成装置101のユーザインタフェースであり、液晶パネルといった表示デバイス、タッチパネルまたはハードキーといった入力デバイス、を有する。操作I/F206は、この他にも、音の入出力のためにスピーカ、マイク、を備えてよい。RIP204は、中間プリントデータをラスタイメージに展開する処理装置である。RIP204は、たとえば中央演算装置201により主記憶装置202に生成された中間プリントデータを高速かつ、中央演算装置201の実行と並列に、処理する。主記憶装置202は、たとえばRAMである。主記憶装置202は、中央演算装置201の主メモリ、ワークメモリとして機能する。補助記憶装置203は、たとえばハードディストライブである。補助記憶装置203は、プログラムおよびデータを記憶する。中央演算装置201は、たとえばCPUである。中央演算装置201は、補助記憶装置203に記憶されたプログラムを主記憶装置202に読み出して実行する。これにより、中央演算装置201には、画像形成装置101の全体の動作を制御する制御部が実現される。制御部は、システムバス212に接続されている各種のデバイスの動作を制御する。中央演算装置201は、処理において生成したデータを、補助記憶装置203に一時的にあるいは長期的に保持させてよい。
図4は、図2の画像形成装置101に実現されるソフトウェアモジュールの説明図である。図4の各ソフトウェアモジュールは、制御部の機能の一部として画像形成装置101に実現される。図4には、画像形成装置101に実現されるソフトウェアモジュールとして、送受信部301、インタプリタ302、レンダラ304、設定部305、主制御部303、が図示されている。主制御部303は、画像形成装置101に実現されるソフトウェアモジュールの動作を管理し、これらの間での印刷データなどの受け渡しを制御する。送受信部301は、ネットワークI/F205によるデータの送受信を制御する。送受信部301は、データ取得手段として、ネットワークI/F205から印刷データを取得し、主制御部303へ出力する。インタプリタ302は、主制御部303から印刷データを取得する。インタプリタ302は、取得した印刷データに含まれる印刷の設定である自動ストローク調整指定などの描画指定情報を解釈する。レンダラ304は、RIP204を使用して印刷データのレンダリング処理(変換処理)を実行する。レンダラ304は、主制御部303から印刷データを取得すると、インタプリタ302が解釈した描画指定により、印刷データに基づく印刷のためのレンダリング処理を実行する。レンダラ304は、自動ストローク調整指定に基づく処理を実行する。これにより、レンダラ304は、印刷データから印刷用のビットマップイメージを生成する。RIP204は、生成したビットマップイメージを、デバイスI/F207を通じてプリンタエンジン209へ出力する。プリンタエンジン209は、ビットマップイメージを、用紙へ印刷する。設定部305は、操作部208を制御する。設定部305は、操作部208にUI画面を表示させる。設定部305は、操作部208に対するユーザの操作に基づいて、たとえばレンダリング処理における自動ストローク調整処理の設定値を生成する。設定部305は、生成した設定値を、主制御部303へ出力する。主制御部303は、取得した設定値を用いて画像形成装置101の全体的な動作を制御する。主制御部303は、取得した設定値を、たとえば主記憶装置202または補助記憶装置203に記憶させてよい。
図5は、印刷データに含まれる自動ストローク調整処理のPDLコマンドの設定と、レンダリング処理との対応関係の説明図である。
本実施形態では、印刷データに含まれる自動ストローク調整処理のPDLコマンドに基づいて、レンダラ304は、細線の太さのばらつきを抑制する線幅調整処理とともに、細線を太らせる線太らせ処理とを実行する。レンダラ304は、線幅調整処理の後に、線太らせ処理を実行する。これにより、本実施形態では、たとえば図2(C)の画質の画像を得ることができる。
図5に示すように、印刷データは、自動ストローク調整処理のPDLコマンドを含まない指定なしの場合と、自動ストローク調整処理のPDLコマンドを含む場合と、がある。また、自動ストローク調整処理のPDLコマンドには、有効であるTRUE設定と、無効であるFALSE設定と、がある。
そして、解釈手段としてのインタプリタ302は、印刷データに含まれる印刷の設定を解釈する。
たとえば、図5の一行目の指定なしに示すように、自動ストローク調整処理のPDLコマンドを含まない印刷データの場合、インタプリタ302は、自動ストローク調整処理のPDLコマンドを解釈しない。この場合、インタプリタ302は、線幅調整処理および線太らせ処理の双方をレンダラ304へ指示しない。
図5の三行目のFALSEに示すように、無効の自動ストローク調整処理のPDLコマンドを含む印刷データの場合、インタプリタ302は、自動ストローク調整処理のPDLコマンドを解釈する。しかしながら、インタプリタ302は、線幅調整処理および線太らせ処理の双方をレンダラ304へ指示しない。
図5の二行目のTRUEに示すように、有効の自動ストローク調整処理のPDLコマンドを含む印刷データの場合、インタプリタ302は、自動ストローク調整処理のPDLコマンドを解釈する。そして、インタプリタ302は、線幅調整処理および線太らせ処理の双方をレンダラ304へ指示する。
このように実行手段としてのレンダラ304は、印刷データについてのレンダリング処理を実行する際に、細線の太さのばらつきを抑制する処理として、細線の太さのばらつきを抑制する処理とともに、細線を太らせる処理を実行する。
図6は、図3の中央演算装置201による印刷データのジョブ実行処理を示すフローチャートである。
中央演算装置201は、画像形成装置101のデータ取得手段としての送受信部301などが印刷データをジョブとして取得すると、図6の処理を実行する。
図6の処理において、中央演算装置201は、取得した印刷データに自動ストローク調整を指定するコマンドの有無と、コマンドの値とに基づいて、自動ストローク調整処理としての、線幅調整処理および線太らせ処理の双方の実行の有無を決定する。
ステップS1001において、中央演算装置201は、インタプリタ302の自動ストローク調整の設定値に初期値を代入する。
中央演算装置201は、自動ストローク調整の設定値に、無効(false)を初期値として代入する。なお、中央演算装置201は、自動ストローク調整の設定値に、有効(true)を初期値として代入してもよい。
ステップS1002において、中央演算装置201は、受信した印刷データの言語解釈処理を開始する。
中央演算装置201は、言語解釈処理を実施しながらステップS1003~ステップS1008までの処理を、印刷データに含まれるすべてのコマンドの言語解釈を終了するまで繰り返す。
ステップS1003において、中央演算装置201は、受信した印刷データに、インタプリタ302の自動ストローク調整の変更を指示するPDLコマンドが含まれているか否かを判定する。
自動ストローク調整を設定するPDLコマンドが含まれていない場合、中央演算装置201は、処理をステップS1007へ進める。
自動ストローク調整を設定するPDLコマンドが含まれている場合、中央演算装置201は、処理をステップS1004へ進める。
ステップS1004において、中央演算装置201は、ステップS1003で検知した自動ストローク調整のPDLコマンドの指定に記述されている指定を通知し、インタプリタ302の設定値を更新する。
なお、ここでは、PDLコマンドの指定内容が有効(true)、無効(false)であるかは特に検知せず、指定のままにインタプリタ302へ設定値を通知する。
ステップS1005において、中央演算装置201は、ステップS1004で更新されたインタプリタ302の自動ストローク調整の設定値が有効(true)であるか否かを判断する。
自動ストローク調整の設定値が無効(false)である場合、中央演算装置201は、処理をステップS1007へ進める。
自動ストローク調整の設定値が有効(true)である場合、中央演算装置201は、処理をステップS1006へ進める。
ステップS1006において、中央演算装置201は、レンダリング処理に対して細線太らせ処理を実行するか否かを指示する細線太らせ処理用設定値を、初期値から変更して「する」に設定する。
ステップS1007において、中央演算装置201は、インタプリタ302の自動ストローク調整の設定値を、初期値から変更して無効(false)に設定する。
ステップS1008において、中央演算装置201は、レンダリング処理に対して細線太らせ処理を実行するか否かを指示する細線太らせ処理用設定値を、初期値から変更して「しない」に設定する。
これにより、図5にしたがった設定が、インタプリタ302およびレンダラ304に対してなされる。
印刷データに含まれるすべてのコマンドの言語解釈を終えると、中央演算装置201は、受信した印刷データの言語解釈処理を終了する。
ステップS1009において、中央演算装置201は、座標演算処理を実施する。
ステップS1010において、中央演算装置201は、レンダリング処理において細線太らせ処理を実行する。
以上の処理により、画像形成装置101の中央演算装置201は、ジョブ処理を実行する。
図7は、図6のステップS1009の座標演算処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
画像形成装置101の中央演算装置201は、インタプリタ302として、図6のフローにより言語解釈処理を実行して、印刷データに含まれる自動ストローク調整指定コマンドの有無を確認し、自動ストローク調整の設定値を更新する。
その後、インタプリタ302は、自動ストローク調整の設定値がtrueか否かに応じて、細線太らせ処理用の設定値を変更する。
その後、インタプリタ302は、図7のフローにしたがって、自動ストローク調整の設定値を用いて、図6のステップS1009において、印刷データに含まれる描画オブジェクトの印字位置をデバイス座標にプロットする。
図6のステップS1002以降の言語解釈処理が完了すると、インタプリタ302は、ステップS1009の処理において、図7の処理を実行する。
ステップS2001において、中央演算装置201は、印刷データに含まれる描画オブジェクトのデバイス座標上の印字座標を演算により求める。
ステップS2002において、中央演算装置201は、インタプリタ302の自動ストローク調整の設定値が有効(true)であるか否かを判断する。
自動ストローク調整の設定値が有効(true)でない場合、中央演算装置201は、図7の処理を終了する。
自動ストローク調整の設定値が有効(true)である場合、中央演算装置201は、処理をステップS2003へ進める。
ステップS2003において、中央演算装置201は、ステップS2001において算出した描画オブジェクトの印字座標にストローク調整を適用する。
中央演算装置201は、たとえばPostScriptリファレンスマニュアル、またはPDFリファレンスマニュアルの自動ストローク調整に記載されている仕様にしたがってストローク調整処理を実行する。
以上の処理により、画像形成装置101の中央演算装置201は、図7の座標演算処理を実行する。
図8は、図6のステップS1010の細線太らせ処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
画像形成装置101の中央演算装置201は、レンダラ304として、図6のステップS1010において、図8のフローにしたがって、図6のステップS1010において、レンダリング処理を実行する。
ステップS3001において、中央演算装置201は、印刷データに含まれる描画オブジェクトについて、インタプリタ302により設定された塗りつぶしルールの設定にしたがって、塗りつぶし領域を決定する。
中央演算装置201は、印刷データに基づく印刷のためのレンダリング処理において、線幅調整処理を実行する。
自動ストローク調整処理の塗りつぶしルールの設定がない場合、中央演算装置201は、図2(A)のように複数の細線についての塗りつぶし領域を決定する。
自動ストローク調整処理の塗りつぶしルールの設定がある場合、中央演算装置201は、図2(B)のように複数の細線についての塗りつぶし領域を決定する。
ステップS3002において、中央演算装置201は、レンダリング処理のための細線太らせ処理用設定値が「する」であるか否かを判断する。
細線太らせ処理の設定が「する」でない場合、中央演算装置201は、図8の処理を終了する。
細線太らせ処理の設定が「する」である場合、中央演算装置201は、処理をステップS3003へ進める。
ステップS3003において、中央演算装置201は、ステップS3001において決定した塗領域に対して、細線太らせ処理を実行する。
中央演算装置201は、細線太らせ処理において、ステップS3001で決定した塗領域に対して線幅を広げるように塗りつぶす領域を追加する。
中央演算装置201は、たとえば図2(B)の塗りつぶし領域に対して細線太らせ処理を実行し、図2(C)のように複数の細線についての塗りつぶし領域を決定する。
以上の処理により、画像形成装置101の細線太らせ処理が実行される。
以上のように、本実施形態では、取得した印刷データについての、細線の太さのばらつきを抑制する処理を実行する場合、実行手段としての中央演算装置201は、細線の太さのばらつきを抑制する処理を実行した後に、細線を太らせる処理を実行する。たとえば、印刷データに含まれる印刷の設定を解釈することにより、細線の太さのばらつきを抑制を有効とする設定が解釈された場合、中央演算装置201は、細線の太さのばらつきを抑制する処理とともに、細線を太らせる処理を実行する。それ以外の解釈の場合、中央演算装置201は、細線の太さのばらつきを抑制する処理および細線を太らせる処理を実行しない。これにより、本実施形態では、細線の太さのばらつきを抑制することにより細線が細くなる場合に、細線を太らせることができる。印刷データに含まれる細線は、視認し易い太さで、均一な細めの太さとなる。その結果、本実施形態では、細線の太さのばらつきを抑制する設定により細線が視認し難くなるほどに細くなってしまうことを抑制して、細線を、視認性の良い良好な細さにすることができる。
これにより、画像形成装置101は、仮にたとえば細線の印刷での再現能力が十分とは言えない場合であっても、細線が判別しにくくなるということが起き難くなる。また、画像形成装置101は、仮にたとえば印刷処理においてトナー消費量を抑制する設定がなされていたとしても、細線が判別しにくくなるということが起き難くなる。
本実施形態では、自動ストローク調整コマンド(細線幅の自動調整機能)が「true(有効)」である場合に、線幅太らせ化処理を併せて実行することにより、画像の劣化を抑制することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る画像形成装置101を説明する。以下の説明では、主に上述した第一実施形態との相違点について説明する。第一実施形態では、線幅調整処理を実行する場合にはかならず細線太らせ処理を実行し、細線はかならず視認性が改善される。これに対し、本実施形態では、線幅調整処理を実行する場合でも、印刷データの種類などに応じて細線太らせ処理の実行を別に判断する。これにより、細線は、たとえば印刷データの種類などに応じてそれぞれに適した状態に処理され得るようになる。
図9は、本発明の第二実施形態において、画像形成装置101の操作部208に表示される、画像形成装置101の線幅調整設定画面の一例である。
図9(A)は、図3の操作部208に表示される印刷設定画面である。
図9(B)は、図3の操作部208に表示される線幅調整設定画面である。
画像形成装置101の中央演算装置201は、画像形成装置101の印刷やプリントなどの各種のジョブを実行する際に、または画像形成装置101に初期設定する際に、図9(A)や図9(B)の設定画面を、操作部208に表示する。
図9(A)の印刷設定画面は、画像形成処理での用紙サイズ、部数、カラー選択、中間調、RGBプロファイル、線幅調整、などの各種の設定項目の変更ボタン801を表示する。
操作部208は、ユーザの操作に基づいてたとえば線幅調整に対応する「OK」ボタン802が操作されると、その選択入力を中央演算装置201へ出力する。これに応じて、中央演算装置201は、図9(A)の印刷設定画面に基づく設定処理を終了し、他の設定画面やジョブ設定画面を、操作部208に表示する。
操作部208は、ユーザの操作に基づいてたとえば線幅調整に対応する変更ボタン801が操作されると、その選択入力を中央演算装置201へ出力する。これに応じて、中央演算装置201は、図9(B)の線幅調整設定画面を、操作部208に表示する。
図9(B)の線幅調整設定画面は、画像形成装置101としての細線処理のために、設定「しない」ボタン804、「モード1」ボタン805、「モード2」ボタン806、を表示する。
「モード1」とは、細線の太さのばらつきを抑制する線幅調整処理を実行し、細線を太らせる線太らせ処理を実行しない設定モードである。たとえばCAD図形などの細線オブジェクトが多用される印刷データでは、細線が太くなって潰れてしまうような画像は望まれず、細線オブジェクトの精細な描画が求められる。
「モード2」とは、線幅調整処理を実行するとともに、線太らせ処理を実行する設定モードである。たとえばオフィス文章などのグラフオブジェクトを多用する印刷データでは、均一な細線で濃い描画が求められる。これにより、グラフオブジェクトなどが綺麗に見やすくなる。
設定「しない」とは、線幅調整処理を実行しない設定モードである。線幅調整機能が無効となる。この場合、線幅調整処理とともに実行される線太らせ処理も無効となる。
このように「モード1」ボタン805、または「モード2」ボタン806が選択されると、自動ストローク調整機能が有効となる。
画像形成装置101の中央演算装置201は、これらのモード選択などの初期値や設定値を、主記憶装置202または補助記憶装置203へ記録し、その後の印刷データの処理に利用する。
設定取得手段としての中央演算装置201は、印刷データとは別に設定される線幅調整処理などの設定値を取得する。
図10は、図9の線幅調整設定画面に基づく線幅調整処理の流れを示すフローチャートである。
操作部208は、ユーザの操作に基づいてたとえば線幅調整に対応する変更ボタン801が操作されると、その選択入力を中央演算装置201へ出力する。これに応じて、中央演算装置201は、図10の処理を開始する。
ステップS4001において、中央演算装置201は、図9(B)の線幅調整設定変更画面を、操作部208に表示する。
ステップS4002において、中央演算装置201は、ユーザ操作により線幅調整設定が変更されたか否かを判断する。
中央演算装置201は、図9(B)の設定「しない」ボタン804、「モード1」ボタン805、または「モード2」ボタン806の操作入力があると、線幅調整設定が変更されたと判断する。この場合、中央演算装置201は、処理をステップS4003へ進める。
中央演算装置201は、ボタン804~806の操作入力がある前に図9(B)の「OK」ボタン807の操作入力があると、線幅調整設定が変更されないと判断する。この場合、中央演算装置201は、図10の処理を終了する。
ステップS4003において、中央演算装置201は、主記憶装置202または補助記憶装置203に保持している設定値データベースの線幅調整用の設定値を、ステップS4002で操作入力に対応する設定値により更新する。その後、中央演算装置201は、図10の処理を終了する。
以上の処理により、画像形成装置101の中央演算装置201は、図9の設定画面に基づいて、自動ストローク調整設定変更処理が実行される。
図11は、印刷データのPDLコマンドによる自動ストローク調整の設定および画像形成装置101の線幅調整設定と、レンダリング処理との対応関係の説明図である。
図11のデーブルは、設定値データベースの一部として、主記憶装置202または補助記憶装置203に保持される。
図11の第一列は、印刷データに含まれる自動ストローク調整のPDLコマンドの指定である。自動ストローク調整のPDLコマンドは、「指定なし」、「有効(TRUE)」または「無効(FALSE)」の値を有する。「指定なし」とは、印刷データに自動ストローク調整のPDLコマンドの指定が含まれていないことを意味する。
図11の第二列は、画像形成装置101のLUI(ローカルユーザインタフェース)により設定値データベースに設定されている設定値または初期値である。画像形成装置101の設定値または初期値は、「OFF(設定しない)」、「モード1」、「モード2」の値を有する。
そして、図11のテーブル1101は、第一列の値および第二列の値の9通りの組み合わせそれぞれについて、線幅調整処理の設定値、線太らせ処理の設定値を有する。
図12は、第二実施形態における中央演算装置201による印刷データのジョブ実行処理を示すフローチャートである。
中央演算装置201は、画像形成装置101のデータ取得手段としての送受信部301などが印刷データをジョブとして取得すると、図12の処理を実行する。
ステップS5001において、中央演算装置201は、図9(B)のUI画面で設定される設定値のデータベースへアクセスし、UI画面を用いて画像形成装置101に設定された線幅調整の設定値を取得する。
ステップS5002において、中央演算装置201は、ステップS5001で取得した線幅調整の設定値を通知し、更新する。
中央演算装置201は、ステップS5001で取得した線幅調整の設定値から、対応するPDLコマンドを内部的に生成し、インタプリタ302へ出力する。これにより、中央演算装置201は、インタプリタ302の自動ストローク調整の設定値を更新する。
たとえば設定値のデータベースにおいて線幅調整の設定値が有効(TRUE)の場合、中央演算装置201は、PSジョブ用の「true setstrokeadjust」を内部的に生成してインタプリタ302へ出力する。または、中央演算装置201は、PDFジョブ用の「/SA true」のPDLコマンドを内部的に生成してインタプリタ302へ出力する。
設定値のデータベースにおいて線幅調整の設定値が無効(FALSE)の場合、中央演算装置201は、PSジョブ用の「false setstrokeadjust」を内部的に生成してインタプリタ302へ出力する。または、中央演算装置201は、PDFジョブ用の「/SA false」のPDLコマンドを内部的に生成し、インタプリタ302へ出力する。
ステップS5003において、中央演算装置201は、ステップS5001で取得した線幅調整の設定値から、レンダラ304で実施される細線太らせ処理に通知するための細線太らせ処理用の設定値を更新する。
ステップS5004において、中央演算装置201は、受信した印刷データの言語解釈処理を開始する。
中央演算装置201は、言語解釈処理を実施しながらステップS5005~ステップS5011までの処理を、印刷データに含まれるすべてのコマンドについて言語解釈をし終えるまで繰り返す。
ステップS5005において、中央演算装置201は、受信した印刷データにインタプリタ302の自動ストローク調整の変更を指示するPDLコマンドが含まれているか否かを判断する。
自動ストローク調整の変更を指示するPDLコマンドが含まれていない場合、中央演算装置201は、処理を、印刷データに含まれる次のPDLコマンドについての判断へ進める。ただし、印刷データに含まれるすべてのPDLコマンドについての判断が終了した場合、中央演算装置201は、処理を、ステップS5012へ進める。
自動ストローク調整の変更を指示するPDLコマンドが含まれている場合、中央演算装置201は、処理をステップS5006へ進める。
ステップS5006において、中央演算装置201は、図11のテーブル1101を取得する。
ステップS5007において、中央演算装置201は、自動ストローク調整に基づく線幅調整処理に関して設定変更の要否を判断する。
たとえば、中央演算装置201は、印刷データに含まれるPDLコマンドともに、印刷データとは別に設定される線幅調整処理の設定値として画像形成装置101の設定値を取得し、これらを解釈する。印刷データに含まれるPDLコマンドの解釈には、有効、無効、または指定なし、がある。画像形成装置101の設定値には、無効、自動ストローク調整を視認性より優先する第一モード設定、自動ストローク調整より視認性を優先する第二モード設定、がある。そして、中央演算装置201は、双方の値に基づいて図11から選択される設定値と、現在の設定値とを比較し、これらが相違する場合には設定変更が必要と判断し、一致する場合には不要と判断する。
設定変更が不要である場合、中央演算装置201は、処理を、印刷データに含まれる次のPDLコマンドについての判断へ進める。ただし、印刷データに含まれるすべてのPDLコマンドについての判断が終了した場合、中央演算装置201は、処理を、ステップS5012へ進める。
設定変更が必要である場合、中央演算装置201は、処理をステップS5008へ進める。
ステップS5008において、中央演算装置201は、インタプリタ302の自動ストローク調整の設定値を、図11のテーブル1101に基づいて変更する。
ステップS5009において、中央演算装置201は、レンダリング処理に対して細線太らせ処理を実行するか否かを指示する細線太らせ処理用の設定値を、図11のテーブル1101に基づいて変更する。
たとえば、印刷データに含まれるPDLコマンドが「指定なし」であり、画像形成装置101の設定値が「OFF」である場合、中央演算装置201は、図11のテーブル1101に基づいて、線幅調整処理を「FALSE」に設定する。また、線太らせ処理を「しない」に設定する。
印刷データに含まれるPDLコマンドが「指定なし」であり、画像形成装置101の設定値が「モード1」の場合、中央演算装置201は、線幅調整処理を「TRUE」に設定し、線太らせ処理を「しない」に設定する。この場合、実行手段としてのレンダラ304は、細線の太さのばらつきを抑制する処理を実行する。印刷データに含まれるPDLコマンドが「有効(TRUE)」ではない場合、レンダラ304は、通常は線幅調整処理を実行しないが、画像形成装置101の「モード1」の設定に基づいて、線幅調整処理を実行する。
印刷データに含まれるPDLコマンドが「指定なし」であり、画像形成装置101の設定値が「モード2」の場合、中央演算装置201は、線幅調整処理を「TRUE」に設定し、線太らせ処理を「する」に設定する。この場合、実行手段としてのレンダラ304は、細線の太さのばらつきを抑制する処理とともに、細線を太らせる処理を実行する。印刷データに含まれるPDLコマンドが「有効(TRUE)」ではない場合、レンダラ304は、通常は、線幅調整処理を実行しないが、画像形成装置101の「モード1」の設定に基づいて、線幅調整処理と、細線を太らせる処理とを実行する。
印刷データに含まれるPDLコマンドが「有効(TRUE)」であり、画像形成装置101の設定値が「OFF」の場合、中央演算装置201は、線幅調整処理を「TRUE」に設定し、線太らせ処理を「する」に設定する。この場合、実行手段としてのレンダラ304は、画像形成装置101の設定値が有効でない場合でも、PDLコマンドの解釈による細線の太さのばらつきを抑制する有効の設定に基づいて、処理を実行する。具体的には、レンダラ304は、細線の太さのばらつきを抑制する処理とともに、細線を太らせる処理を実行する。
印刷データに含まれるPDLコマンドが「有効(TRUE)」であり、画像形成装置101の設定値が「モード1」の場合、中央演算装置201は、線幅調整処理を「TRUE」に設定し、線太らせ処理を「しない」に設定する。この場合、実行手段としてのレンダラ304は、細線の太さのばらつきを抑制する処理のみを実行し、細線を太らせる処理を実行しない。PDLコマンドが「有効(TRUE)」である場合、レンダラ304は、通常は、細線の太さのばらつきを抑制する処理とともに細線を太らせる処理を実行するが、「モード1」の場合には例外的に線太らせ処理のみを実行しない。
印刷データに含まれるPDLコマンドが「有効(TRUE)」であり、画像形成装置101の設定値が「モード2」の場合、中央演算装置201は、線幅調整処理を「TRUE」に設定し、線太らせ処理を「する」に設定する。
印刷データに含まれるPDLコマンドが「無効(FALSE)」であり、画像形成装置101の設定値が「OFF」の場合、中央演算装置201は、線幅調整処理を「FALSE」に設定し、線太らせ処理を「しない」に設定する。
印刷データに含まれるPDLコマンドが「無効(FALSE)」であり、画像形成装置101の設定値が「モード1」の場合、中央演算装置201は、線幅調整処理を「FALSE」に設定し、線太らせ処理を「しない」に設定する。このようにPDLコマンドの設定が有効でない場合には、実行手段としてのレンダラ304は、画像形成装置101の設定が有効である場合でも、細線の太さのばらつきを抑制する処理、および細線を太らせる処理を実行しない。
印刷データに含まれるPDLコマンドが「無効(FALSE)」であり、画像形成装置101の設定値が「モード2」の場合、中央演算装置201は、線幅調整処理を「FALSE」に設定し、線太らせ処理を「しない」に設定する。このようにPDLコマンドの設定が有効でない場合には、実行手段としてのレンダラ304は、画像形成装置101の設定が有効である場合でも、細線の太さのばらつきを抑制する処理、および細線を太らせる処理を実行しない。
以上の自動ストローク調整のPDLコマンドの解釈処理を終えると、中央演算装置201は、処理を、印刷データに含まれる次のPDLコマンドについての判断へ進める。ただし、印刷データに含まれるすべてのPDLコマンドについての判断が終了した場合、中央演算装置201は、処理を、ステップS5012へ進める。
ステップS5012において、中央演算装置201は、座標演算処理を実施する。中央演算装置201は、線幅調整処理の設定値に応じて、第一実施形態の図7と同様の座標演算処理を実施する。
ステップS5013において、中央演算装置201は、レンダリング処理において細線太らせ処理を実行する。中央演算装置201は、線太らせ処理の設定値に応じて、レンダリング処理の際に、第一実施形態の図8と同様の細線太らせ処理を実行する。
以上の処理により、中央演算装置201は、画像形成装置101のジョブの実行処理を終える。
以上のように、本実施形態では、印刷データとは別に設定される線幅調整処理の設定として有効を取得する場合、細線の太さのばらつきを抑制する処理とともに、細線を太らせる処理を実行する。
これに対し、本実施形態では、印刷データとは別に設定される線幅調整処理の設定として有効の設定を取得しない場合、細線の太さのばらつきを抑制する処理、および細線を太らせる処理を実行しない。
これにより、本実施形態では、印刷データでの、細線の太さのばらつきを抑制する処理の設定にかかわらず、細線の太さのばらつきを抑制する処理とともに、細線を太らせる処理を実行することができる。
印刷データにおいて、細線の太さのばらつきを抑制する処理についての無効の設定やその設定がない場合でも、本実施形態では、細線の太さのばらつきを抑制する処理とともに、細線を太らせる処理を実行することができる。
本実施形態では、画像形成装置101での線幅調整処理の設定が有効でない場合でも、実行手段としてのレンダラ304は、印刷データに含まれる細線の太さのばらつきを抑制する有効の設定に基づいて処理を実行する。具体的には、レンダラ304は、細線の太さのばらつきを抑制する処理とともに、細線を太らせる処理を実行する。
また、レンダラ304は、印刷データに含まれる細線の太さのばらつきを抑制する設定が有効でない場合には、画像形成装置101の線幅調整処理の設定が有効である場合でも、細線の太さのばらつきを抑制する処理、および細線を太らせる処理を実行しない。
これにより、レンダラ304は、画像形成装置101の線幅調整処理の設定より、印刷データに含まれる細線の太さのばらつきを抑制する設定を優先することができる。
特に、本実施形態では、解釈手段としての中央演算装置201は、印刷データについての、細線の太さのばらつきを抑制する設定として、有効、無効、または指定なし、を解釈する。また、中央演算装置201は、印刷データとは別に設定される線幅調整処理の設定として、無効、自動ストローク調整を視認性より優先する第一モード設定、または自動ストローク調整より視認性を優先する第二モード設定、を取得する。
そして、実行手段としてのレンダラ304は、画像形成装置101に第一モード設定が取得される場合、印刷データに含まれる細線の太さのばらつきを抑制する有効の設定に基づいて、細線の太さのばらつきを抑制する処理のみを実行する。この場合、細線を太らせる処理は実行しない。これにより、たとえば、CAD図形などの細線オブジェクトを多用し、かつ、精細な描画結果が求められるものについては、自動ストローク調整を適用して描画オブジェクトを忠実に再現した描画処理を実行することができる。
また、レンダラ304は、画像形成装置101に第二モード設定が取得される場合、印刷データに含まれる細線の太さのばらつきを抑制の設定が指定なしである場合でも、細線の太さのばらつきを抑制する処理とともに、細線を太らせる処理を実行する。これにより、たとえば、オフィス文章のグラフオブジェクトを多用するものは、細線は均一だが、描画結果は濃くして見やすくなるような描画処理を実行できる。
実行手段としてのレンダラ304は、画像に応じて、画像に対応する良好な描画処理を実行することができる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
本発明は、上述の実施の形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワークや記憶媒体を介してシステムや装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータの1つ以上のプロセッサーがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。また、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 画像形成システム
101 画像形成装置
201 中央演算装置
202 主記憶装置
203 補助記憶装置
208 操作部
301 送受信部
302 インタプリタ
304 レンダラ
305 設定部
1101 テーブル

Claims (7)

  1. 解釈手段と、
    複数のラインを含む印刷データと、前記印刷データが同じ幅で異なる傾きの複数のラインを含むときに複数のラインの幅を同じにするために特定のラインの幅に細らせる処理を実行するための所定のコマンドを前記解釈手段に提供する提供手段と、
    前記印刷データが前記所定のコマンドを含むか否かを判定する判定手段と、
    前記細らせる処理を実行した前記解釈手段から、前記複数のラインの幅が同じになるよう前記細らせる処理が実行された前記複数のラインを受け付ける受付手段と、
    前記印刷データが前記所定のコマンドを含むと前記判定手段が判定したことに基づいて、前記受付手段によって前記解釈手段から受け付けた前記複数のラインを太らせる処理を実行する処理手段と、
    前記処理手段によって実行された前記太らせる処理によって太らせた前記複数のラインを形成する形成手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記印刷データは前記所定のコマンドに関する設定をさらに含み、
    前記判定手段は、前記印刷データに含まれる前記設定が前記所定のコマンドを有効化する設定であるか否かを判定し、
    前記印刷データに含まれる前記設定が前記所定のコマンドを有効化する設定であると前記判定手段によって判定されたことに基づいて、前記処理手段は、前記解釈手段から受け付けた前記複数のラインを太らせる処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記印刷データに含まれる前記設定とは異なり、前記所定のコマンドに関する第2の設定を行う操作手段をさらに有し、
    前記第2の設定として前記所定のコマンドを有効化する設定が前記操作手段によって行われていなくても、前記印刷データに含まれる前記設定が前記所定のコマンドを有効化する設定であれば、前記処理手段は、前記解釈手段から受け付けた前記複数のラインを太らせる処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記印刷データに含まれる前記設定とは異なり、前記所定のコマンドに関する第2の設定を行う操作手段をさらに有し、
    前記印刷データが前記所定のコマンドを含んでいないと前記判定手段によって判定され、且つ前記第2の設定として前記所定のコマンドを有効化する設定が前記操作手段によって行われていることに基づいて、前記処理手段は、前記解釈手段から受け付けた前記複数のラインを太らせる処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記印刷データが前記所定のコマンドを含まないと前記判定手段が判定したことに基づいて、前記処理手段によって前記太らせる処理を実行せずに、前記形成手段は前記解釈手段から受け付けた前記複数のラインを形成する請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 複数のラインを含む印刷データと、前記印刷データが同じ幅で異なる傾きの複数のラインを含むときに複数のラインの幅を同じにするために特定のラインの幅に細らせる処理を実行するための所定のコマンドを解釈手段に提供する提供工程と、
    前記印刷データが前記所定のコマンドを含むか否かを判定する判定工程と、
    前記細らせる処理を実行した前記解釈手段から、前記複数のラインの幅が同じになるよう前記細らせる処理が実行された前記複数のラインを受け付ける受付工程と、
    前記印刷データが前記所定のコマンドを含むと前記判定工程で判定されたことに基づいて、前記受付工程において前記解釈手段から受け付けた前記複数のラインを太らせる処理を実行する処理工程と、
    前記処理工程において実行された前記太らせる処理によって太らせた前記複数のラインを形成する形成工程と、を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
  7. 画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記画像形成装置の制御方法は、
    複数のラインを含む印刷データと、前記印刷データが同じ幅で異なる傾きの複数のラインを含むときに複数のラインの幅を同じにするために特定のラインの幅に細らせる処理を実行するための所定のコマンドを解釈手段に提供する提供工程と、
    前記印刷データが前記所定のコマンドを含むか否かを判定する判定工程と、
    前記細らせる処理を実行した前記解釈手段から、前記複数のラインの幅が同じになるよう前記細らせる処理が実行された前記複数のラインを受け付ける受付工程と、
    前記印刷データが前記所定のコマンドを含むと前記判定工程で判定されたことに基づいて、前記受付工程において前記解釈手段から受け付けた前記複数のラインを太らせる処理を実行する処理工程と、
    前記処理工程において実行された前記太らせる処理によって太らせた前記複数のラインを形成する形成工程と、を有することを特徴とするプログラム。
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