JP7249166B2 - 電力管理装置、電力管理方法及びプログラム - Google Patents

電力管理装置、電力管理方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、電力管理装置、電力管理方法及びプログラムに関する。
一電力需要家の余剰する電力量を他の電力需要家に電力を融通する際に、一電力需要家にて余剰する電力量及び他の電力需要家の要求電力量を把握するようにされた電力管理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。これにより、電力需要家間で融通する電力量と、各電力需要家が使用する商用交流電力量とのうちでその使用の割り合いが不明確となることが抑制される。
特開2011-101532号公報
複数の需要家間で電力を融通し合う場合において、例えば或る需要家が融通を受けた電力について、いずれの需要家からどれだけ融通されたものであるのか、といったことを把握したい場合がある。あるいは、或る需要家が逆潮流した電力が、融通を受けた側の需要家のそれぞれにて、どれだけが融通されたのか、といったことを把握したい場合がある。つまり、複数の需要家間で電力を融通し合う場合において、融通された電力についての内訳を定めたい場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、複数の需要家間で電力を融通し合う場合において、融通された電力についての内訳を適正に定めることができるようにすることを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、自家で余剰する余剰電力を逆潮流させる供給需要家施設と、需要電力を順潮流させる受給需要家施設との間で、供給需要家施設の余剰電力が受給需要家施設に対して融通される電力管理地域に対応して電力管理を行う電力管理装置であって、供給需要家施設ごとに、逆潮流させた余剰電力のうちで受給需要家施設の需要電力として利用されたとする有効融通電力を決定する有効融通電力決定部を備える電力管理装置である。
本発明の一態様は、自家で余剰する余剰電力を逆潮流させる供給需要家施設と、需要電力を順潮流させる受給需要家施設との間で、供給需要家施設の余剰電力が受給需要家施設に対して融通される電力管理地域に対応して電力管理を行う電力管理装置における電力管理方法であって、供給需要家施設ごとに、逆潮流させた余剰電力のうちで受給需要家施設の需要電力として利用されたとする有効融通電力を決定する有効融通電力決定ステップを備える電力管理方法である。
本発明の一態様は、自家で余剰する余剰電力を逆潮流させる供給需要家施設と、需要電力を順潮流させる受給需要家施設との間で、供給需要家施設の余剰電力が受給需要家施設に対して融通される電力管理地域に対応して電力管理を行う電力管理装置としてのコンピュータを、供給需要家施設ごとに、逆潮流させた余剰電力のうちで受給需要家施設の需要電力として利用されたとする有効融通電力を決定する有効融通電力決定部として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、複数の需要家間で電力を融通し合う場合において、融通された電力についての内訳を適正に定めることができるようになるという効果が得られる。
第1実施形態における電力管理システムの構成例を示す図である。 第1実施形態における需要家施設の構成例を示す図である。 第1実施形態における蓄電池の運転スケジュール策定の一例を示す図である。 第1実施形態における蓄電池の運転スケジュール策定の一例を示す図である。 第1実施形態における蓄電池の運転スケジュール策定の一例を示す図である。 第1実施形態における蓄電池の運転スケジュール策定の一例を示す図である。 第1実施形態における電力管理装置の構成例を示す図である。 第1実施形態における電力管理装置が実行する処理手順例を示すフローチャートである。 第2実施形態における蓄電池の運転スケジュール策定の一例を示す図である。 第2実施形態における蓄電池の運転スケジュール策定の一例を示す図である。 第2実施形態における電力管理装置が実行する処理手順例を示すフローチャートである。 第2実施形態の変形例における蓄電池の運転スケジュール策定の他の一例を示す図である。 第2実施形態の変形例における電力管理装置が実行する処理手順例を示すフローチャートである。 第3実施形態における有効融通電力量の決定例を示す図である。 第3実施形態における有効融通電力量の決定例を示す図である。 第3実施形態における電力管理装置の構成例を示す図である。 第3実施形態における電力管理装置が、有効融通電力量の決定に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。 第4実施形態における有効融通電力量の決定例を示す図である。 第4実施形態における有効融通電力量の決定例を示す図である。 第4実施形態における電力管理装置が、有効融通電力量の決定に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係る電力管理システム1の構成例を示す図である。本実施形態における電力管理システム1は、例えば、所定の地域範囲における複数の需要家施設に対応する住宅、商業施設、産業施設などの需要家施設における電力を一括して管理するものである。このような電力管理システム1は、例えばTEMS(Town Energy Management System)やCEMS(Community Energy Management System)などに対応する。
本実施形態の電力管理システム1は、同図において電力管理エリア10として示す一定範囲の地域における需要家施設100ごとの電気設備を対象として電力管理を行う。需要家施設100は、例えば、住宅、商業施設、あるいは産業施設などに該当する。
なお、本実施形態の電力管理エリア10が対応する地域は、1つのまとまった地域範囲により形成されてもよいし、地理的に離散している複数の地域範囲により形成されてもよい。
本実施形態の電力管理システム1は、複数の需要家施設100間で、電力線を経由して相互に電力の授受(融通)が可能なようにされている。
電力管理装置300は、電力管理エリア10に属する需要家施設100における電気設備を対象として電力制御を実行する。このために、同図の電力管理装置300は、ネットワークNWを介して需要家施設100の各々と相互に通信が可能なように接続される。これにより、電力管理装置300は、需要家施設100が備える電気設備の運転を制御することができる。
本実施形態の電力管理装置300は、例えば所定の単位期間(例えば1日(24時間)に対応して予め策定した電力制御計画に基づいて、需要家施設100が備える電気設備の運転を制御することができる。
電力制御計画には、例えば、需要家施設100が備える蓄電池の充放電について策定されたスケジュールや、需要家施設100が備える所定の電気設備(負荷)のオンオフや稼働状態についてのスケジュールが含まれる。
図2は、需要家施設100における電気設備の一構成例を示している。同図の需要家施設100は、電力測定部101、発電装置103、蓄電池104、負荷105、及び施設内電力管理装置200を備える。同図は、発電装置と蓄電池とのいずれも備える需要家施設100の例を示している。
電力測定部101は、順潮流電力と逆潮流電力とを測定する。即ち、電力測定部101は、受給電力を測定する。受給電力は、例えば順潮流電力と逆潮流電力との差分である。
需要家施設100において、一般送配電事業者側の商用電源ラインDLから、電力測定部101、発電装置103、蓄電池104の電力の結合点Pに供給される電力が順潮流電力である。一方、発電装置103や蓄電池104から出力され、結合点Pから電力測定部101を経由して商用電源ラインDLに供給される電力が逆潮流電力である。
順潮流の方向を正方向とした場合、順潮流電力に対して逆潮流電力が小さければ、受給電力は正の値として測定され、順潮流電力に対して逆潮流電力が大きければ受給電力は負の値として測定される。
発電装置103は、太陽光を受けて発電を行う設備である。発電装置103は、太陽電池とPCS(Power Conditioning System)とを備える。発電装置103は、太陽光を受けて発電し、発電により得られた電力をPCSにより交流に変換して出力する。
発電装置103にて発電された電力は、負荷105の電源として供給することができる。また、発電装置103にて発電された電力は、蓄電池104に充電することができる。また、発電装置103にて発電された電力は、結合点Pから電力測定部101を経由して商用電源ラインDLに出力することで逆潮流させることができる。
なお、発電装置103は、例えば風力、地熱等の他の再生可能エネルギーを利用して発電するような装置であってもよい。
蓄電池104は、充電のために入力される電力を蓄積し、また、蓄積した電力を放電して出力する設備である。蓄電池104は、例えば蓄電池とインバータ(パワーコンディショナ)とを備える。蓄電池は電力の蓄積(充電)と蓄積された電力の出力(放電)を行う。インバータは、蓄電池に充電するための電力を交流から直流に変換し、蓄電池から放電により出力される電力を直流から交流に変換する。つまり、インバータは、蓄電池104が入出力する電力の双方向変換を行う。
蓄電池104は、結合点Pを介して供給される商用電源の電力を入力して充電することができる。また、蓄電池104は、発電装置103により発電された電力を入力して充電することができる。
また、蓄電池104は、蓄積された電力を負荷105の電源として供給することができる。また、蓄電池104は、蓄積された電力を結合点Pから電力測定部101を経由して商用電源ラインDLに出力することで逆潮流させることができる。
負荷105は、需要家施設100において自己の動作のために電力を消費する所定の機器や設備などを一括して示したものである。なお、各需要家施設100が備える負荷としての機器や設備などの種類及び数などはそれぞれ異なっていて構わない。
負荷105は、結合点Pから供給される商用電源を入力して動作することができる。また、負荷105は、発電装置103により発電された電力を入力して動作することができる。また、負荷105は、蓄電池104から出力された電力を入力して動作することができる。
施設内電力管理装置200は、需要家施設100における電気設備(発電装置103、蓄電池104、及び負荷105など)を制御する。
また、施設内電力管理装置200は、電力測定部101にて測定される受給電力の情報を入力し、入力された受給電力の情報を各種制御に利用することができる。
また、施設内電力管理装置200は、電力管理装置300と通信を行う。
なお、電力管理装置300と、需要家施設100における電気設備とが通信を行うように構成されてもよいが、本実施形態のように需要家施設100において施設内電力管理装置200が電気設備を統括して制御するようにしたうえで、電力管理装置300と施設内電力管理装置200とが通信を行う構成としたほうが、電力管理システム1における電力管理を効率的に行える。
上記構成による電力管理システム1においては、電力管理装置300が、単位期間(例えば、1日(24時間))の電力制御計画を策定するにあたり、以下のように需要家施設100が備える蓄電池104についての運転ケジュールを策定する。
まず、理解のため、図3、図4を参照して、2つの需要家施設間での電力の授受(融通)に対応する蓄電池104の運転スケジュールの策定例について説明する。
図3においては、予測余剰電力GA1-1、GB1-1が示されている。
予測余剰電力GA1-1は、複数の需要家施設100のうちの1つである需要家施設A1にて、単位期間(ここでは、1日(24時間)の場合を例に挙げる)における所定の区分期間(ここでは1時間の場合を例に挙げる)ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。需要対応余剰電力とは、1つの需要家施設100に対応するものであって、1つの需要家施設100において、発電装置103の発電により得られた発電電力と、負荷105により消費される電力(需要電力)とに基づいて導出される。具体的に、需要対応余剰電力は、1つの需要家施設100における発電電力に対する需要電力の差分として求めることができる。
また、予測余剰電力GB1-1は、複数の需要家施設100のうちで需要家施設A1以外の1つである需要家施設B1にて、単位期間における区分期間ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。
予測余剰電力GA1-1によれば、需要家施設A1においては、区分期間T1において1kW、区分期間T2において2kW、区分期間T3において2kW、区分期間T4において1kWの需要対応余剰電力の発生が予測されている。
また、需要家施設A1における蓄電池104の蓄積最大容量は4kWhであり、定格電力(許容最大電力の一例)は2kWである。定格電力は、蓄電池104が備えるインバータの仕様に応じて決まるもので、充電(及び放電)に際して許容される電力の最大値である。蓄積最大容量は、蓄電池104に蓄積が可能な電力量の最大値である。
本実施形態では、蓄積最大容量は、例えば蓄電池104の仕様として定められた充電容量を用いてもよいし、仕様として定められた新品時の充電容量に対して蓄電池104の劣化を考慮して求められた充電容量を用いてもよい。また、蓄電最大容量は、必ずしもSOC(State Of Charge)の最小値を0%とし最大値を100%とした場合において、蓄電池104に充電可能な容量として定義されなくともよい。例えば、蓄電最大容量の定義におけるSOCの最小値は、0%よりも大きい所定値であってもよいし、SOCの最大値は、100%よりも小さい所定値であってもよい。
本実施形態においてこのような蓄積最大容量、定格電力等が蓄電池104についての制約条件となる。
また、上記の例では、蓄電池104の定格電力をそのまま許容最大電力としている。しかしながら、許容最大電力は、例えば蓄電池104の定格電力に所定のマージンを与えるようにして定格電力より小さい値が使用されてもよい。
予測余剰電力GB1-1によれば、需要家施設B1においては、区分期間T1において1kW、区分期間T2において3kW、区分期間T3において3kW、区分期間T4において1kWの需要対応余剰電力の発生が予測されている。
また、需要家施設B1における蓄電池104の制約条件として、蓄積最大容量は10kWhであり、定格電力は4kWである。
この場合において、需要家施設A1において発生した需要対応余剰電力を、同じ需要家施設A1において蓄電池104にSOCが0%の状態から充電を開始していくとした場合には以下のようになる。
まず、区分期間T1における1kWh(1kW×1h)の需要対応余剰電力量は、需要家施設A1の蓄電池104に充電できる。また、次の区分期間T2における2kWhの需要対応余剰電力量も、需要家施設A1の蓄電池104に充電できる。
しかし、区分期間T2を終了した段階で、需要家施設A1の蓄電池104に蓄積された電力量(蓄積電力量)は3kWhであり、充電が可能な蓄積電力量の残りは1kWhである。このため、区分期間T3においては、開始から30分が経過した途中の時点で需要家施設A1の蓄電池104の蓄積電力量が4kWhとなり、これ以上の電力を蓄積できなくなる。
従って、この場合の需要家施設A1においては、区分期間T3における後半30分の1kWhと、区分期間T4における1kWhとの2kWhの需要対応余剰電力量が、需要家施設A1の蓄電池104に充電できずに余剰する状態の生じることが判定される。
このように、1つの需要家施設100において蓄電池104に充電されることなく余剰した需要対応余剰電力については、充電対応余剰電力とも記載する。
一方、需要家施設B1において発生した需要対応余剰電力を、同じ需要家施設B1において蓄電池104にSOCが0%の状態から充電を開始していくとした場合には以下のようになる。
まず、区分期間T1における1kWhの需要対応余剰電力量は、需要家施設B1の蓄電池104に充電できる。また、次の区分期間T2における3kWhの需要対応余剰電力量も、需要家施設B1の蓄電池104に充電できる。また、次の区分期間T3における3kWhの需要対応余剰電力量も、需要家施設B1の蓄電池104に充電できる。また、次の区分期間T4における1kWhの需要対応余剰電力量も、需要家施設B1の蓄電池104に充電できる。
このように、需要家施設B1においては、蓄電池104の蓄積最大容量が10kWhであるのに対して、区分期間T1~T4により発生する需要対応余剰電力量の合計が8kWhである。このため、蓄電池104に区分期間T1~T4により発生する需要対応余剰電力量を全て充電することができると判定される。
即ち、上記の例の場合、電力管理装置300は、予測余剰電力GA1-1、GB1-1に基づき、需要家施設A1において充電対応余剰電力が生じるが、需要家施設B1において充電対応余剰電力は生じないことを判定する。
電力管理装置300は、充電対応余剰電力が生じる需要家施設100を供給需要家施設として分類し、充電対応余剰電力が生じない需要家施設100を受給需要家施設として分類する。
供給需要家施設は、電力の融通にあたり、充電対応余剰電力を他の需要家施設に供給する需要家施設100である。受給需要家施設は、供給需要家施設からの充電対応余剰電力の供給を受けて、供給された充電対応余剰電力を蓄電池104に充電する需要家施設100である。
同図の例では、電力管理装置300は、需要家施設A1を供給需要家施設として分類し、需要家施設B1が受給需要家施設として分類する。
ここで、予測余剰電力GA1-1において区分期間T3の後半30分の期間で発生した充電対応余剰電力量は1kWhである。一方、需要家施設B1は、区分期間T3の後半30分の期間において、既に、自己の発電電力により蓄電池104に対して3kWでの充電を行っている。需要家施設B1の蓄電池104の定格電力は4kWであるため、区分期間T3の後半30分の期間において、需要家施設B1の蓄電池104に充電可能な残りの電力量は0.5(=(4-3)kW×0.5時間)kWhである。このため、区分期間T3の後半30分の期間において、需要家施設A1において生じている1kWhの充電対応余剰電力量のうち、充電対応余剰電力量W1に対応する0.5kWhは需要家施設B1の蓄電池104に充電可能であるが、充電対応余剰電力量W2に対応する残る0.5kWhは充電できない。
次の区分期間T4では、需要家施設A1にて生じている1kWhの充電対応余剰電力量W3は、需要家施設B1の蓄電池104に充電することができる。
このように、同図の予測余剰電力GA1-1、GB1-1の例では、需要家施設A1にて生じた2kWhの充電対応余剰電力量のうち、0.5kWhを需要家施設B1に融通できないとの結果が得られる。また、この場合において、需要家施設B1の蓄電池104の蓄積電力量の合計は9.5kWhであり、10kWhの蓄積最大容量に対して0.5kWhの余裕がある。
電力管理エリア10における発電電力の利用効率の観点からすれば、受給需要家施設に充電できない充電対応余剰電力量はできるだけ削減されることが好ましい。
以降において、1の供給需要家施設にて、受給需要家施設に充電できない充電対応余剰電力については超過電力とも記載する。
そこで、本実施形態の電力管理装置300は、上記のように超過電力が生じることが判定された場合には、以下のように受給需要家施設の蓄電池104の運転スケジュールを策定することで、超過電力の削減を図る。
受給需要家施設の蓄電池104の充電に関する運転スケジュール策定の一例として、同図においては、予測余剰電力融通結果GA1-2、GB1-2が示されている。
予測余剰電力融通結果GA1-2、GB1-2によれば、需要家施設B1の蓄電池104の運転スケジュールとして、まず、区分期間T1においては、需要家施設B1にて生じた1kWの需要対応余剰電力に応じて、1kWの充電電力での充電を需要家施設B1の蓄電池104に行わせる。
次に、区分期間T2においては、需要家施設B1にて生じた3kWの需要対応余剰電力に応じて、3kWでの充電電力での充電を需要家施設B1の蓄電池104に行わせる。
次に、区分期間T3としての1時間にわたっては、需要家施設A1の蓄電池104については1kWの充電電力で充電を行わせるようにする。これにより、区分期間T3において需要家施設A1は、自家で発生する2kWhの需要対応余剰電力量のうち、1kWhの電力量が需要家施設A1の蓄電池104に充電され、残る1kWhの電力量が需要家施設A1から逆潮流されることになる。
また、需要家施設B1の蓄電池104については、定格電力に対応する4kWの充電電力での充電を行わせるようにする。この結果、区分期間T3において需要家施設B1は、自家で発生する3kWhの需要対応余剰電力量と、系統(商用電源ラインDL)から供給される1kWhの電力量とを、自家の蓄電池104に充電することになる。この結果、区分期間T3において需要家施設B1は、需要家施設A1にて発生する2kWhの需要対応余剰電力量のうち、1kWhの充電対応余剰電力量W5を需要家施設B1の蓄電池104に充電させることができる。
また、次の区分期間T4においては、需要家施設A1の蓄電池104については0kWの充電電力を設定して充電が行われないようにする。また、需要家施設B1の蓄電池104については2kWの充電電力で充電を行わせるようにする。これにより、需要家施設A1にて生じている1kWhの充電対応余剰電力量W3を需要家施設B1の蓄電池104に充電することができる。
この場合、区分期間T4が終了した段階では、需要家施設A1の蓄電池104の蓄積電力量は、蓄積最大容量と等しい4kWhとなり、需要家施設B1の蓄電池104の蓄積電力量は、蓄積最大容量と等しい10kWhとなる。
また、予測余剰電力GA1-1、GB1-1の状態に対応して、電力管理装置300は、予測余剰電力融通結果GA1-2、GB1-2に代えて、図4の予測余剰電力融通結果GA1-3、GB1-3のようにも需要家施設B1の蓄電池104の運転スケジュールを策定できる。
つまり、電力管理装置300は、まず、区分期間T1において以下のように運転スケジュールを設定する。つまり、電力管理装置300は、需要家施設A1にて生じた1kWの需要対応余剰電力に応じて、1kWの充電電力による充電を需要家施設A1の蓄電池104に行わせる運転スケジュールを設定する。また、電力管理装置300は、需要家施設B1にて生じた1kWの需要対応余剰電力に応じて、1kWの充電電力による充電を需要家施設B1の蓄電池104に行わせる運転スケジュールを設定する。
次に、電力管理装置300は、区分期間T2において以下のように運転スケジュールを設定する。つまり、電力管理装置300は、需要家施設A1にて生じた2kWの需要対応余剰電力に対して、1kWの充電電力による充電を需要家施設A1の蓄電池104に行わせる運転スケジュールを設定する。また、電力管理装置300は、需要家施設B1にて生じた3kWの需要対応余剰電力よりも1kW高い、4kWの充電電力による充電を需要家施設B1の蓄電池104に行わせる運転スケジュールを設定する。
この結果、区分期間T2においては、需要家施設A1にて発生する2kWhの需要対応余剰電力量のうち1kWhの充電対応余剰電力量W4を需要家施設B1の蓄電池104に充電させることができる。
次に、区分期間T3において、以下のように運転スケジュールを設定する。つまり、電力管理装置300は、需要家施設A1にて生じた2kWの需要対応余剰電力に対して、1kWの充電電力による充電を需要家施設A1の蓄電池104に行わせる運転スケジュールを設定する。また、電力管理装置300は、需要家施設B1にて生じた3kWの需要対応余剰電力よりも1kW高い、4kWでの充電を需要家施設B1の蓄電池104に行わせる運転スケジュールを設定する。この結果、区分期間T3においても、需要家施設A1にて発生する2kWhの需要対応余剰電力量のうち、1kWhの充電対応余剰電力量W5を需要家施設B1の蓄電池104に充電させることができる。
この場合、区分期間T3が終了した段階では、需要家施設A1の蓄電池104の蓄積電力は、蓄積最大容量(4kWh)より1kWh少ない3kWhであり、需要家施設B1の蓄電池104の蓄積電力は、蓄積最大容量(10kWh)より1kWh少ない9kWhである。
そこで、電力管理装置300は、次の区分期間T4においては以下のように運転スケジュールを設定する。つまり、電力管理装置300は、需要家施設A1にて生じた1kWの需要対応余剰電力に応じて、1kWの充電電力での充電を需要家施設A1の蓄電池104に行わせる運転スケジュールを設定する。また、需要家施設B1にて生じた1kWの需要対応余剰電力に応じて、1kWの充電電力での充電を需要家施設B1の蓄電池104に行わせる運転スケジュールを設定する。
これにより、区分期間T4においては、需要家施設A1にて生じている1kWの需要対応余剰電力が需要家施設A1の蓄電池104に充電され、需要家施設B1にて生じている1kWの需要対応余剰電力が需要家施設B1の蓄電池104に充電される。
この場合にも、区分期間T4が終了した段階では、需要家施設A1の蓄電池104の蓄積電力量は、蓄積最大容量と等しい4kWhとなり、需要家施設B1の蓄電池104の蓄積電力量は、蓄積最大容量と等しい10kWhとなる。
即ち、電力管理装置300は、単位期間内で超過電力が生じた区間(超過電力区間)以前の期間(超過電力区間を含む)において、需要家施設B1の需要対応余剰電力(即ち、蓄電池104への充電電力)が蓄電池104の定格電力より小さい区間(余裕区間)の有無を判定してよい。電力管理装置300は、余裕区間が有ると判定した場合、余裕区間が対応する時間帯において、需要家施設B1の蓄電池104について、インバータの定格電力を越えない範囲で、需要家施設B1にて生じた需要対応余剰電力よりも高い充電電力による充電を行わせるようにしてよい。
また、図5、図6を参照して、供給需要家施設と受給需要家施設とがそれぞれ複数である場合の、受給需要家施設の蓄電池104の運転スケジュールの策定例について説明する。同図の説明にあたっては、供給需要家施設と受給需要家施設とがそれぞれ2つである場合を例に挙げる。
図5においては、予測余剰電力GA11-1、GA12-1、GB11-1、GB12-1が示されている。
予測余剰電力GA11-1は、複数の需要家施設100のうちの1つである需要家施設A11にて、単位期間(1日)における所定の区分期間(1時間)ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。
予測余剰電力GA12-1は、複数の需要家施設100のうちの1つである需要家施設A12にて、単位期間における所定の区分期間ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。
予測余剰電力GB11-1は、複数の需要家施設100のうちの1つである需要家施設B11にて、単位期間(1日)における所定の区分期間(1時間)ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。
予測余剰電力GB12-1は、複数の需要家施設100のうちの1つである需要家施設B12にて、単位期間における所定の区分期間ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。
また、需要家施設A11、A12、B11、B12のそれぞれにおける蓄電池104の制約条件(蓄積最大容量、インバータの定格電力)については、以下である場合を例に挙げる。
需要家施設A11の蓄電池104は、蓄積最大容量が10kWhであり、定格電力が4kWである。
需要家施設A12の蓄電池104は、蓄積最大容量が3kWhであり、定格電力が2kWである。
需要家施設B11の蓄電池104は、蓄積最大容量が6kWhであり、定格電力が2kWである。
需要家施設B12の蓄電池104は、蓄積最大容量が7kWhであり、定格電力が2kWである。
予測余剰電力GA11-1によれば、需要家施設A11においては、区分期間T1において1kW、区分期間T2において4kW、区分期間T3において4kW、区分期間T4において2kWの需要対応余剰電力の発生が予測されている。
この場合において、上記のように需要家施設A11にて発生した需要対応余剰電力を、同じ需要家施設A11の蓄電池104に対して、SOCが0%の状態から充電させていった場合には、区分期間T4の前半30分が経過したタイミングで、蓄積電力量が蓄積最大容量と等しい10kWhとなる。従って、需要家施設A11においては、区分期間T4の後半30分に対応する1kWhの需要対応余剰電力量が、充電対応余剰電力量として発生する。
また、予測余剰電力GA12-1によれば、需要家施設A12においては、区分期間T1において1kW、区分期間T2において2kW、区分期間T3において2kW、区分期間T4において1kWの需要対応余剰電力の発生が予測されている。
この場合において、需要家施設A12にて発生した需要対応余剰電力を、同じ需要家施設A12の蓄電池104に対して、SOCが0%の状態から充電させていった場合には、区分期間T2が経過したタイミングで、蓄積電力量が蓄積最大容量と等しい3kWhとなる。従って、需要家施設A12においては、区分期間T3、T4に対応する3kWhの需要対応余剰電力量が、充電対応余剰電力量として発生する。
また、予測余剰電力GB11-1によれば、需要家施設B11においては、区分期間T1において1kW、区分期間T2において2kW、区分期間T3において1kW、区分期間T4において0kWの需要対応余剰電力の発生が予測されている。
この場合において、需要家施設B11にて発生した需要対応余剰電力を、同じ需要家施設B11の蓄電池104に対して、SOCが0%の状態から充電させていった場合には、区分期間T3までの4kWhの需要対応余剰電力量の全てを充電させることができる。従って、需要家施設B11においては、充電対応余剰電力は発生しない。この段階で、需要家施設B11の蓄電池104には、まだ2kWhを蓄積できる余裕がある。
また、予測余剰電力GB12-1によれば、需要家施設B12においては、区分期間T1において1kW、区分期間T2において2kW、区分期間T3において2kW、区分期間T4において0kWの需要対応余剰電力の発生が予測されている。
この場合において、需要家施設B12にて発生した需要対応余剰電力を、同じ需要家施設B12の蓄電池104に対して、SOCが0%の状態から充電させていった場合には、区分期間T3までの5kWhの需要対応余剰電力量の全てを充電させることができる。従って、需要家施設B12においては、充電対応余剰電力は発生しない。この段階で、需要家施設B12の蓄電池104には、まだ2kWhの電力量を蓄積できる余裕がある。
そこで、この場合の電力管理装置300は、需要家施設A11、A12を供給需要家施設として分類し、需要家施設B11、B12を供給需要家施設として分類する。
次に、電力管理装置300は、以下のように供給需要家施設において超過電力区間が存在するか否かについて判定する。
この場合、まず、供給需要家施設としての需要家施設A11においては、区分期間T4の後半30分にて1kWh(2kW×0.5h)の充電対応余剰電力量W11が発生する。充電対応余剰電力量W11については、区分期間T4の後半30分において、定格電力と同等の2kWの充電電力で1kWhを需要家施設B11の蓄電池104に充電させることができる(この際、需要家施設A11の蓄電池104の充電電力は0kWとしている)。この充電により、需要家施設B11の蓄電池104の蓄積容量は5kWhとなるから、需要家施設B11の蓄電池104には、6kWhの蓄積最大容量に対してまだ1kWhの電力量を蓄積できる余裕がある。
また、上記のように充電対応余剰電力量W11が需要家施設B11の蓄電池104に充電されたことで、需要家施設A11においては、全ての需要対応余剰電力が充電されたことになる。従って、需要家施設A11においては、超過電力区間は存在しない。
次に、もう1つの供給需要家施設としての需要家施設A12においては、区分期間T3おける2kWhの充電対応余剰電力量と、区分期間T4における1kWhの充電対応余剰電力量とが発生する。
この場合、区分期間T3においては、需要家施設B11の蓄電池104により2kWの充電電力で充電させる。これにより、需要家施設A12における2kWhの充電対応余剰電力量のうち1kWhの充電対応余剰電力量W12を、需要家施設B11の蓄電池104に充電させることができる。
しかしながら、この充電の段階で、区分期間T3においては、需要家施設B11の蓄電池104は定格電力と同等の2kWの充電電力で充電を行うことになる。また、需要家施設B12の蓄電池104は、既に、需要家施設B12にて発生している需要対応余剰電力の充電のために、定格電力と同等の2kWの充電電力で充電を行っている。このため、需要家施設A12にて残る1kWhの充電対応余剰電力量W13については、需要家施設B11、B12のいずれの蓄電池104にも充電させることができない。
また、需要家施設A12では、区分期間T4において1kWh(1kW×1h)の充電対応余剰電力量W14が発生している。需要家施設A12の区分期間T3が終了したタイミングでは、需要家施設B12の蓄電池104の蓄積容量は5kWhであり、7kWhの蓄積最大容量に対して2kWhの余裕がある。また、需要家施設B12では区分期間T4において需要対応余剰電力が発生していない。そこで、区分期間T4において1kWの充電電力により需要家施設B12の蓄電池104の充電動作を実行させることで、充電対応余剰電力量W14を需要家施設B12の蓄電池104に充電させることができる(この際、需要家施設A12の蓄電池104の充電電力は0kWとしている)。
このように、同図の例においては、需要家施設A12について、区分期間T3に対応して充電対応余剰電力量W13による超過電力区間が存在することが判定される。
この場合、電力管理装置300は、図6に示すように、受給需要家施設である需要家施設B11、B12のそれぞれにおける蓄電池104の運転スケジュールを策定する。
この場合において、まず、電力管理装置300は、区分期間T3において、需要家施設A12の蓄電池104により1kWの充電電力で充電を行わせ、需要家施設B11の蓄電池104により2kWの充電電力で充電を行わせる運転スケジュールを設定する。これにより、需要家施設A12における2kWhの充電対応余剰電力量のうち1kWhの充電対応余剰電力量W12を、需要家施設B11の蓄電池104に充電させる(融通させる)ことができる。
ここで、上記のように充電対応余剰電力量W12を、需要家施設B11の蓄電池104に充電させるようにした場合には、図5にて説明したように、同じ区分期間T3における1kWhの充電対応余剰電力量W13については、需要家施設B11、B12のいずれにも充電させることができなくなる。
そこで、この場合の電力管理装置300は、充電対応余剰電力量W13に代えて、区分期間T1における1kWhの充電対応余剰電力量W16を、需要家施設B12の蓄電池104に充電させるものとして決定する。このために、電力管理装置300は、以下のように区分期間T1における運転スケジュールを設定する。つまり、電力管理装置300は、需要家施設A12の蓄電池104が0kWの充電電力で充電を行い、需要家施設B12の蓄電池104が2kWの充電電力で充電が行われるように設定する。
また、区分期間T4における充電対応余剰電力量W14については、需要家施設A12の蓄電池104の充電電力を0kWとし、需要家施設B12の蓄電池104を1kWの充電電力で充電させるように設定することで、需要家施設B12の蓄電池104に対して融通させればよい。
このように、供給需要家施設と受給需要家施設とがそれぞれ複数である場合にも、電力管理装置300は、単位期間における超過電力区間以前の期間において、受給需要家施設の余裕区間を特定する。電力管理装置300は、余裕区間が対応する期間において、受給需要家施設の蓄電池104について、定格電力を越えない範囲で、当該受給需要家施設にて生じた需要対応余剰電力よりも高い充電電力による充電を行わせるように運転スケジュールを策定する。
このように蓄電池104の運転スケジュールが策定されることにより、本実施形態においては、供給需要家施設にて生じる超過電力を抑制することが可能となる。
図7を参照して、本実施形態の電力管理装置300の構成例について説明する。同図の電力管理装置300は、通信部301、制御部302、及び記憶部303を備える。
通信部301は、ネットワークNWを経由して、電力管理エリア10における需要家施設100の施設内電力管理装置200と通信を実行する。
制御部302は、電力管理装置300における各種制御を実行する。制御部302としての機能は、電力管理装置300において備えられるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
制御部302は、需要対応余剰電力取得部321、需要家施設分類部322、電力制御計画策定部323、及び電力制御部324を備える。
需要対応余剰電力取得部321は、需要家施設100ごとに、単位期間における予測発電電力と予測需要電力とに基づいて予測される需要対応余剰電力を取得する。
予測発電電力は、単位期間において発電装置103が発電することで得られる発電電力の時間軸に応じた遷移についての予測結果である。予測需要電力は、単位期間において負荷105が消費する電力(需要電力)の時間軸に応じた遷移についての予測結果である。
需要対応余剰電力取得部321は、例えば予測発電電力と予測需要電力との導出(予測)に用いるパラメータ(予測パラメータ)を電力管理実績記憶部333から取得する。予測パラメータとしては、例えば対応の需要家施設100についての過去の一定期間における発電電力と需要電力の実績の情報を含む。さらには、例えば天気予報等の情報もパラメータに含まれてよい。需要対応余剰電力取得部321は、取得したパラメータを利用して単位期間における予測発電電力と予測需要電力とを導出する。
そのうえで、需要対応余剰電力取得部321は、単位期間における時間ごとの予測発電電力と予測需要電力との差分を求めることにより、単位期間における時間ごとの需要対応余剰電力を導出する。このようにして、需要対応余剰電力取得部321により、需要対応余剰電力が取得される。
需要家施設分類部322は、需要家施設100ごとに、需要対応余剰電力取得部321により取得された需要対応余剰電力と、蓄電池104の蓄積最大容量とに基づいて、単位期間において蓄電池104に需要対応余剰電力を充電した場合に、充電対応余剰電力が生じる供給需要家施設と、充電対応余剰電力が生じない受給需要家施設とに分類する。
電力制御計画策定部323は、単位期間において、供給需要家施設の需要対応余剰電力と受給需要家施設の需要対応余剰電力とにより、受給需要家施設の蓄電池104(対象蓄電池の一例)に対して、定格電力に対応する許容最大電力で充電した場合に、超過電力区間があるか否かについて判定する。
電力制御計画策定部323は、超過電力区間があると判定した場合には、超過電力区間以前の期間において、受給需要家施設の需要対応余剰電力が許容最大電力より小さい区間にて、供給需要家施設の需要対応余剰電力が対象蓄電池に充電されるように電力制御の計画を策定する。
電力制御部324は、電力制御として、需要家施設100における電気設備の動作を制御する。
このために、電力制御部324は、通信部301を介して、需要家施設100の施設内電力管理装置200に対してコマンドを送信する。コマンドの受信に応じて、施設内電力管理装置200は、需要家施設100内の電気設備を制御する。このように、施設内電力管理装置200による電力制御は、需要家施設100の施設内電力管理装置200を経由して行われる。
記憶部303は、電力管理装置300において利用される各種の情報を記憶する。同図の記憶部303は、需要家施設情報記憶部331、電力制御計画記憶部332、電力管理実績記憶部333を備える。
需要家施設情報記憶部331は、電力管理システム1における需要家施設100ごとの需要家施設情報を記憶する。需要家施設情報は、対応の需要家施設100に関する各種の情報を含む。例えば、需要家施設情報は、対応の需要家の氏名、住所等に関する個人的情報、対応の需要家施設100に備えられる電気設備に関する情報等が含まれる。
本実施形態の場合、需要家施設情報は、対応の需要家施設100において備えられる蓄電池104についての仕様に関する情報を含む。蓄電池104についての仕様に関する情報は、充電容量、定格電力等の情報を含む。
電力制御計画記憶部332は、電力制御計画策定部323により策定された電力制御計画の情報を記憶する。
電力制御部324は、電力制御計画記憶部332に記憶された電力制御計画の情報に基づいて、需要家施設100ごとの電気設備を制御する。これにより、電力管理システム1において、策定された電力制御計画に従って需要家施設100ごとの電気設備が動作することができる。
電力管理実績記憶部333は、電力管理システム1の過去における電力管理実績が記憶される。電力管理実績においては、過去の単位期間ごとにおける、各需要家施設100の発電電力、需要電力の実績を含む。また、過去の単位期間ごとにおける各需要家施設100における蓄電池104の充放電動作の実績を含む。
なお、需要家施設100の施設内電力管理装置200が、それぞれ、対応の需要家施設100における電力管理実績を記憶するようにしてもよい。この場合、電力管理装置300は、需要家施設100のそれぞれから電力管理実績を収集することで、電力管理実績記憶部333に記憶されているのと同じ情報を得ることができる。この場合には、電力管理実績記憶部333は省略されてよい。
図8のフローチャートを参照して、本実施形態の電力管理装置300が、運転計画における蓄電池104の運転スケジュールの策定に関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:図3、図5にて説明したように、蓄電池104の運転スケジュールの策定にあたっては、電力管理システム1における需要家施設100のそれぞれを供給需要家施設と受給需要家施設とのいずれかに分類することが行われる。
そこで、電力管理装置300における需要家施設分類部322は、電力管理システム1における需要家施設100のうちから、分類対象とする1つの需要家施設100を選択する。
ステップS102:需要対応余剰電力取得部321は、ステップS101にて選択された分類対象の需要家施設100の予測発電電力と予測需要電力との導出(予測)に利用するパラメータ(予測パラメータ)を取得する。
需要対応余剰電力取得部321は、例えば前述のように、分類対象の需要家施設100についての過去の発電電力、需要電力等の実績を予測パラメータとして、電力管理実績記憶部333から取得してよい。
また、需要対応余剰電力取得部321は、運転スケジュール策定対象となる単位期間に対応する時間帯の天気予報の情報等も予測パラメータとして取得してよい。
ステップS103:需要対応余剰電力取得部321は、ステップS102により取得した予測パラメータを利用して、分類対象の需要家施設100における、運転スケジュール策定対象の単位期間における発電電力と需要電力とを導出(予測)する。導出された発電電力と需要電力が、それぞれ、予測発電電力と予測需要電力である。
本実施形態において、予測発電電力と予測需要電力との予測手法については特に限定されない。
また、本実施形態における予測発電電力と予測需要電力は、前述のように、予測対象の単位期間における時間ごとの値を示す。
ステップS104:需要対応余剰電力取得部321は、ステップS103により導出された予測発電電力と予測需要電力とに基づいて、分類対象の需要家施設100の需要対応余剰電力を導出する。需要対応余剰電力取得部321は、例えば予測発電電力と予測需要電力との差分に基づいて、需要対応余剰電力を導出してよい。
ステップS105:需要家施設分類部322は、分類対象の需要家施設100が備える蓄電池104の蓄積最大容量を導出する。需要家施設分類部322は、前述のように、需要家施設情報記憶部331が記憶する分類対象の需要家施設100が備える蓄電池104の仕様として示される充電容量に基づいて、蓄積最大容量を導出してよい。
ステップS106:需要家施設分類部322は、分類対象の需要家施設について、供給需要家施設と受給需要家施設とのいずれかに分類する。
このために、需要家施設分類部322は、例えば、ステップS104にて導出された需要対応余剰電力とステップS105にて導出された蓄積最大容量とにより、充電対応余剰電力が生じるか否かについて判定する。
最も簡易な判定の例として、需要家施設分類部322は、需要対応余剰電力が蓄積最大容量よりも大きければ充電対応余剰電力が生じると判定し、需要対応余剰電力が蓄積最大容量よりも小さければ充電対応余剰電力が生じないと判定してよい。
そして、需要家施設分類部322は、分類対象の需要家施設100について、充電対応余剰電力が生じたと判定した場合には供給需要家施設として分類し、充電対応余剰電力が生じないと判定した場合には受給需要家施設として分類する。
ステップS107:ステップS106の処理の後、需要家施設分類部322は、電力管理システム1において分類対象となる全ての需要家施設100について分類が完了したか否かについて判定する。
未分類の需要家施設100が残っている場合、ステップS101に処理が戻されることで、未分類の需要家施設100についての分類が実行される。
ステップS108:ステップS106にて、分類対象となる全ての需要家施設100について分類が完了したことが判定された場合、電力制御計画策定部323は、供給需要家施設として分類された需要家施設100のうちから、運転計画策定対象としての1つの供給需要家施設を選択する。以降の説明にあたり、ステップS108にて選択された需要家施設100については、対象供給需要家施設と記載する。
ステップS109:電力制御計画策定部323は、対象供給需要家施設について、運転スケジュール策定対象の単位期間において超過電力区間の特定を行う。
このため、電力制御計画策定部323は、対象供給需要家施設において発生する需要対応余剰電力を、同じ対象供給需要家施設の蓄電池104に充電していくようにシミュレーションした場合に、蓄電池104のSOCが100%となって充電できなかった需要対応余剰電力(即ち、充電対応余剰電力)が発生する区間を特定する。具体的に、図3における予測余剰電力GA1-1との対応では、区分期間T3の後半30分、及び区分期間T4が、充電対応余剰電力の発生する区間である。
次に、電力制御計画策定部323は、特定された区間における充電対応余剰電力を、同じ特定された区間において、受給需要家施設の蓄電池104に充電させるシミュレーションを行う。この際には、受給需要家施設の蓄電池104の制約条件である蓄積最大容量と定格電力とを越えないようにすることを前提として、充電のシミュレーションが行われる。
シミュレーションの結果、充電対応余剰電力の全てを受給需要家施設の蓄電池104に充電することができた場合には、超過電力が発生しなかったことになる。この場合、電力制御計画策定部323は、超過電力区間は存在しないとの特定結果を得ることになる。
また、シミュレーションの結果、受給需要家施設の蓄電池104に充電できずに残った充電対応余剰電力がある場合には、超過電力が発生したことになる。この場合、電力制御計画策定部323は、超過電力が発生した区間を超過電力区間として特定する。
具体的に、図3における予測余剰電力GA1-1との対応では、区分期間T3の後半30分において充電対応余剰電力量W2としての超過電力が発生していることから、区分期間T3の後半30分が超過電力区間として特定される。
ステップS110;ステップS109の後、電力制御計画策定部323は、全ての供給需要家施設について、超過電力区間についての特定が行われたか否かについて判定する。
まだ、超過電力区間について特定されていない供給需要家施設がある場合には、ステップS108に処理が戻される。
ステップS111:電力制御計画策定部323は、受給需要家施設の蓄電池104の運転スケジュールを策定する。
即ち、ステップS109にて特定された超過電力区間以前の期間において、受給需要家施設の需要対応余剰電力が許容最大電力より小さい区間にて、供給需要家施設の需要対応余剰電力が対象蓄電池に充電されるように、需要家施設(供給需要家施設、受給需要家施設)の蓄電池104の時間ごとの充電電力を設定する。
この場合、電力制御計画策定部323は、需要家施設の蓄電池104の制約条件である充電可能容量と定格電力とを考慮して、需要家施設の蓄電池104の時間ごとの充電電力を設定する。
ステップS112:電力制御計画策定部323は、ステップS111により策定された受給需要家施設の蓄電池104の運転スケジュールを、電力制御計画に反映させる。
受給需要家施設の蓄電池104の運転スケジュールが反映された電力制御計画は電力制御計画記憶部332に記憶される。電力制御部324は、電力制御計画記憶部332に記憶される電力制御計画に従って、電力管理システム1における電気設備等の制御を行う。
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態として、超過電力を抑制するための需要家施設の蓄電池104の運転スケジュール策定手法の一具体例について説明する。本実施形態に関する説明は、図8のステップS111としての処理の一具体例についての説明となる。
先に、図3~図6により説明した運転スケジュール策定の例は、特に特定のアルゴリズムに従うことなく、超過電力を最大限削減するにあたって可能な融通のパターン例を説明するものであった。図9、図10を参照して、本実施形態の運転スケジュール策定手法の一例に従った蓄電池104の運転スケジュール策定の具体例について説明する。
まず、図9を参照して、最も簡単な例の1つとして、2つの需要家施設間での電力の授受(融通)に対応する蓄電池104の運転スケジュールの策定例について説明する。
同図においては、図3と同様に、供給需要家施設である需要家施設A1の予測余剰電力GA1-1と、受給需要家施設である需要家施設B1の予測余剰電力GB1-1が示されている。
また、同図においては、需要家施設A1、B1のそれぞれにおける蓄電池104の制約条件も、図3と同様である。つまり、需要家施設A1における蓄電池104の制約条件は、蓄積最大容量が4kWh、定格電力(許容最大電力の一例)が2kWである。需要家施設B1における蓄電池104の制約条件が、蓄積最大容量が10kWhであり、定格電力が4kWである。
また、同図においても、区分期間T1の開始時においては、需要家施設A1、B1の各蓄電池104のSOCは0%である場合を例に挙げる。
また、同図の予測余剰電力GA1-1、GB1-1に関しては、図3と同様に、超過電力が発生した区間において超過電力を融通させる制御を行った場合には、超過電力の一部である充電対応余剰電力量W2を融通できないとの結果が示されている。
同図の予測余剰電力GA1-1、GB1-1の場合に対応して、本実施形態の電力管理装置300の電力制御計画策定部323は、同図の予測余剰電力融通結果GA1-4、GB1-4として示すように、蓄電池104の運転スケジュールの策定(充放電スケジュールの設定)を行う。
まず、電力制御計画策定部323は、電力制御の計画の策定対象となる対象区間のうち、最初の対象区間である区分期間T1を対象として、以下の判定を行う。つまり、電力制御計画策定部323は、供給需要家施設である需要家施設A1から、受給需要家施設である需要家施設B1に対して電力の融通が可能であるか否かについて判定する。この際、電力制御計画策定部323は、需要家施設B1の蓄電池104の制約条件が満たされることを考慮する。
区分期間T1においては、需要家施設A1にて1kWhの需要対応余剰電力量W21が発生している。一方、同じ区分期間T1において、需要家施設B1においては1kWhの需要対応余剰電力量が発生している。
この場合、需要家施設B1の蓄電池104に対して需要対応余剰電力量W21を融通したと仮定すると、需要家施設B1の蓄電池104は、自家において発生した1kWhの需要対応余剰電力量と需要対応余剰電力量W21とで合計で2kWhの電力量が充電されることになる。この場合、需要家施設B1の蓄電池104は、10kWhの蓄積最大容量のうちの2kWhが蓄積されるので、充電が可能な蓄積電力量の残りは8kWhであり、4kWの定格電力未満で充電ができる。つまり、需要家施設B1の蓄電池104の制約条件を満たして、電力制御計画策定部323は、需要家施設A1にて発生した1kWhの需要対応余剰電力量W21の全てを融通可能であると判定する。
そこで、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T1において、需要家施設A1の蓄電池104については0kWの充電電力を設定して充電を行わせず、需要家施設B1の蓄電池104については、2kW(=1kW+1kW)の充電電力での充電を行うように設定する。この結果、需要家施設A1は、自家で発生する1kWhの需要対応余剰電力量W21を、自家の蓄電池104に充電させるのではなく、系統に逆潮流させることになる。また、需要家施設B1は、自家で発生する1kWhの需要対応余剰電力量と、需要家施設A1から逆潮流された1kWhの需要対応余剰電力量W21との、計2kWhを自家の蓄電池104に充電させることになる。
次に、電力制御計画策定部323は、区分期間T1に続く区分期間T2において、同様に、需要家施設A1から需要家施設B1に対して電力の融通が可能であるか否かについて判定する。
区分期間T2において、需要家施設A1では2kWの需要対応余剰電力が発生しており、需要家施設B1では3kWの需要対応余剰電力が発生している。需要家施設B1の蓄電池104の定格電力は4kWであるので、定格電力に達するまでには1kWの余裕がある。また、区分期間T2において、需要家施設B1の蓄電池104に4kWhを充電したとしても、区分期間T1~T2により需要家施設B1の蓄電池104における蓄積電力量の合計は6kWh(=2kWh+4kWh)であり、4kWhまで蓄積可能である。従って、この場合には、電力制御計画策定部323は、需要家施設A1にて発生した2kWhの需要対応余剰電力量のうち、1kWhの需要対応余剰電力量W22を、需要家施設B1の蓄電池104に融通可能であると判定する。
そこで、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T2において、需要家施設A1の蓄電池104について1kWの充電電力で充電を行うように設定し、需要家施設B1の蓄電池104について4kW(=3kW+1kW)の充電電力で充電を行うように設定する。この結果、需要家施設A1にて発生した需要対応余剰電力量W22を需要家施設B1の蓄電池104に充電させるようにして融通させることができる。
次に、電力制御計画策定部323は、区分期間T2に続く区分期間T3において、同様に、需要家施設A1から需要家施設B1に対して電力の融通が可能であるか否かについて判定する。
区分期間T3において、需要家施設A1では2kWの需要対応余剰電力が発生しており、需要家施設B1では3kWの需要対応余剰電力が発生している。需要家施設B1の蓄電池104の定格電力は4kWであるので、定格電力に達するまでには1kWの余裕がある。また、区分期間T3において、需要家施設B1の蓄電池104に4kWhを充電したとしても、区分期間T1~T3により需要家施設B1の蓄電池104における蓄積電力量の合計は10kWh(=2kWh+4kWh+4kWh)であり、蓄電池104への充電が可能である。従って、この場合には、電力制御計画策定部323は、需要家施設A1にて発生した2kWhの需要対応余剰電力のうち、1kWhの需要対応余剰電力量W23を、需要家施設B1の蓄電池104に融通可能であると判定する。
そこで、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T3において、需要家施設A1の蓄電池104について1kWの充電を行うように設定し、需要家施設B1の蓄電池104については、4kW(=3kW+1kW)の充電を行うように設定する。この結果、需要家施設A1にて発生した需要対応余剰電力量W23を需要家施設B1の蓄電池104に充電させるようにして融通させることができる。
次に、電力制御計画策定部323は、区分期間T3に続く区分期間T4において、同様に、需要家施設A1から需要家施設B1に対して電力の融通が可能であるか否かについて判定する。
区分期間T4において、需要家施設A1では1kWの需要対応余剰電力が発生しており、需要家施設B1では1kWの需要対応余剰電力が発生している。この場合、需要家施設B1の蓄電池104は、区分期間T3の段階で、蓄積電力量が蓄積最大容量である10kWhに達していることから、これ以上の充電はできない。このため、電力制御計画策定部323は、区分期間T4において、需要家施設A1から需要家施設B1に対する電力の融通は不可であると判定する。
図9に関するこれまでの説明から理解されるように、本実施形態の運転スケジュールの策定手法では、まず、最初の対象区間から順に、供給需要家施設から受給需要家施設の蓄電池104に融通可能な需要対応余剰電力があれば、必ず融通するように運転スケジュールを策定していく。このため、同図の区分期間T4の場合のように、全ての対象区間が完了しない段階で、受給需要家施設の蓄電池104の蓄積電力量が蓄積最大容量に達し、これ以上は充電できなくなる状態となる場合がある。一方で、供給需要家施設の蓄電池104は、蓄積電力量が蓄積最大容量に達しておらず充電が可能な状態となっている場合がある。同図には、区分期間T4に至った段階での需要家施設B1の蓄電池104が、このような状態となっている例が示される。
この場合、供給需要家施設の蓄電池104においては蓄積可能な容量の残りに余裕があるのに対して、受給需要家施設の蓄電池104においては蓄積可能な容量の残りに余裕がない状態である。即ち、受給需要家施設にて超過電力が発生するという逆転状態が発生する。超過電力を極力抑制するには、このような逆転状態を解消または抑制できるようにすることが好ましい。
そこで、電力制御計画策定部323は、供給需要家施設から受給需要家施設に対する電力の融通が不可であると判定された場合には、さらに以下の手順を行ってよい。
つまり、電力制御計画策定部323は、区分期間T4において、受給需要家施設の需要対応余剰電力を供給需要家施設の蓄電池104に融通可能であるか否かについて判定する。同図の例では、区分期間T3までおける需要家施設A1の蓄電池104の蓄積電力量は2kWhであり、4kWhの蓄積最大容量に対して2kWhの余裕がある。
また、区分期間T4において、需要家施設A1では1kWhの需要対応余剰電力量W24(予測余剰電力GA1-1における充電対応余剰電力量W3に相当する)が発生している。
一方、区分期間T4において、需要家施設B1では1kWhの需要対応余剰電力量W25が発生している。この場合には、同図に示されるように、需要対応余剰電力量W25を、需要家施設A1に融通した場合には、需要家施設A1の蓄電池104には定格電力と同じ2kWによる充電が行われ、この結果、蓄積電力量は4kWhとなって蓄積最大容量と等しくなる。
従って、この場合には、電力制御計画策定部323は、需要家施設B1の需要対応余剰電力量W25を、需要家施設A1の蓄電池104に融通可能であると判定する。
そこで、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T4において、需要家施設B1の蓄電池104については充電を行わせず、需要家施設A1の蓄電池104については、2kWの充電電力での充電を行うように設定する。
このような区分期間T4における運転スケジュールの設定により、受給需要家施設にて生じる需要対応余剰電力量W25としての超過電力を解消できる。
なお、上記の受給需要家施設にて生じる超過電力の削減のための手順は、受給需要家施設の蓄電池104の蓄積電力量が蓄積最大容量に達したことで、供給需要家施設から受給需要家施設に対する電力の融通が不可であると判定されたことに応じて行われている。
しかしながら、受給需要家施設にて生じる超過電力の削減のための手順は、受給需要家施設の蓄電池104に対する充電電力が定格電力を越えることにより、供給需要家施設から受給需要家施設に対する電力の融通が不可であると判定された場合にも行われてよい。
このように、電力制御計画策定部323は、電力制御の計画の策定対象となる対象区間の時刻の早い順に従って、対象区間ごとに、受給需要家施設の蓄電池104の制約条件(蓄積可能電力量と許容最大電力)に基づいて、供給需要家施設の需要対応余剰電力のうちで受給需要家施設の蓄電池104に融通が可能であるか否かについて判定する。電力制御計画策定部323は、融通が可能であると判定した場合には、融通が行われるように、対象区間における受給需要家施設の蓄電池の充電電力を設定する。
そのうえで、電力制御計画策定部323は、1の対象区間において、供給需要家施設の需要対応余剰電力を受給需要家施設の蓄電池104に融通できないと判定した場合、供給需要家施設の蓄電池104の制約条件に基づいて、受給需要家施設の需要対応余剰電力の少なくとも一部を供給需要家施設の蓄電池104に融通が可能であるか否かについて判定する。融通が可能な電力があると判定した場合には、電力制御計画策定部323は、融通が行われるように、1の対象区間における供給需要家施設の蓄電池の充電電力を設定する。
次に、図10を参照して、供給需要家施設と受給需要家施設とがそれぞれ複数である場合の、本実施形態における運転スケジュールの策定例について説明する。
同図においては、図5と同様に、供給需要家施設が需要家施設A11、A12の2つであり、受給需要家施設が需要家施設B11、B12の2つである場合の例が示される。また、需要家施設A11、A12、B11、B12のそれぞれについて予測される予測余剰電力のパターンも、図5の予測余剰電力GA11-1、GA12-1、GB11-1、GB12-1と同様である場合の例が示される。
また、需要家施設A11、A12、B11、B12のそれぞれにおける蓄電池104の制約条件(蓄積最大容量、定格電力)についても、図5と同様である。つまり、需要家施設A11の蓄電池104は、蓄積最大容量が10kWhであり、定格電力が4kWである。需要家施設A12の蓄電池104は、蓄積最大容量が3kWhであり、定格電力が2kWである。需要家施設B11の蓄電池104は、蓄積最大容量が6kWhであり、定格電力が2kWである。需要家施設B12の蓄電池104は、蓄積最大容量が7kWhであり、インバータの定格電力が2kWである。
また、同図においても、区分期間T1の開始時においては、需要家施設A11、A12、B11、B12の各蓄電池104のSOCは0%である場合を例に挙げる。
この場合において、超過電力が発生した区間において超過電力を融通させる制御を行った場合には、図5にて充電対応余剰電力量W13として示したのと同様に、需要家施設A11について、区分期間T3に対応して超過電力が発生する。
同図に示される予測余剰電力に対応して、電力管理装置300の電力制御計画策定部323は、同図の予測余剰電力融通結果GA11-3、GA12-3、GB11-3、GB12-3として示すように、各蓄電池104の運転スケジュールの策定(充放電スケジュールの設定)を行う。
まず、電力制御計画策定部323は、電力制御の計画の策定対象となる対象区間のうち、最初の対象区間である区分期間T1を対象として、以下の判定を行う。つまり、電力制御計画策定部323は、供給需要家施設である需要家施設A11、A12から、受給需要家施設である需要家施設B11、B12に対して電力の融通が可能であるか否かについて判定する。この際、電力制御計画策定部323は、需要家施設B11、B12の蓄電池104の制約条件が満たされることを考慮する。
区分期間T1においては、需要家施設A11にて1kWhの需要対応余剰電力量W31が発生しており、需要家施設A12にて1kWhの需要対応余剰電力量W32が発生している。一方、同じ区分期間T1において、需要家施設B11においては1kWhの需要対応余剰電力量が発生しており、需要家施設B12においては1kWhの需要対応余剰電力量が発生している。
この場合、電力制御計画策定部323は、需要家施設A11から需要家施設B11の蓄電池104に対して需要対応余剰電力量W31を融通することが可能であると判定する。また、電力制御計画策定部323は、需要家施設A12から需要家施設B12の蓄電池104に対して需要対応余剰電力量W32を融通することが可能であると判定する。
なお、この場合の電力制御計画策定部323は、需要家施設A11から需要家施設B12の蓄電池104に対して需要対応余剰電力量W31を融通し、需要家施設A12から需要家施設B11の蓄電池104に対して需要対応余剰電力量W32を融通することが可能であると判定してもよい。
そこで、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T1において、需要家施設A11、A12の蓄電池104については、それぞれ0kWの充電電力での充電を行い(即ち充電を実行させない)、需要家施設B11、B12の蓄電池104については、それぞれ2kW(=1kW+1kW)の充電電力での充電を行うように設定する。これにより、需要家施設B11、B12の蓄電池104は、自家施設で発生した各1kWhの需要対応余剰電力量とともに、それぞれ、需要対応余剰電力量W31、W32を充電することができる。つまり、需要家施設B11、B12には、それぞれ需要対応余剰電力量W31、W32が融通される。
次に、電力制御計画策定部323は、区分期間T2において、同様に、需要家施設A11、A12から需要家施設B11、B12に対して電力の融通が可能であるか否かについて判定する。
区分期間T2において、需要家施設B11では定格電力と等しい2kWhの需要対応余剰電力が発生しており、需要家施設B12でも定格電力と等しい2kWhの需要対応余剰電力が発生している。この場合、需要家施設B11、B12のいずれの蓄電池104も定格電力と等しい需要対応余剰電力を充電するので、これ以上の電力の充電は定格電力を越えることとなって不可能である。
そこで、電力制御計画策定部323は、区分期間T2においては、需要家施設A11、A12から需要家施設B11、B12に対して電力の融通は可能ではないと判定する。
この場合、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T2において、需要家施設A11の蓄電池104については4kWの充電電力での充電、需要家施設A12の蓄電池104については2kWの充電電力での充電、需要家施設B11の蓄電池104については、2kWの充電電力での充電、需要家施設B12の蓄電池104については、2kWの充電電力での充電を行うように設定する。これにより、需要家施設A11、A12、B11、B12の各蓄電池104は、それぞれ自家施設にて発生した需要対応余剰電力を充電することになる。
次に、電力制御計画策定部323は、区分期間T3において、需要家施設A11、A12から需要家施設B11、B12に対して電力の融通が可能であるか否かについて判定する。
区分期間T3において、需要家施設A11では4kW、需要家施設A12では2kW、需要対応余剰電力が発生している。また、需要家施設B11では1kW、需要家施設B12では2kWの需要対応余剰電力が発生している。この場合、需要家施設B12においては、需要対応余剰電力が2kWであり定格電力と等しいため、蓄電池104への充電は不可能である。
一方、需要家施設B11においては、2kWの定格電力に対して需要対応余剰電力が1kWであるため、さらに1kWの充電が可能である。この場合、需要家施設B11の蓄電池104に対しては、需要家施設A11、A12のいずれからも1kWhの電力量を融通することが可能である。
ただし、需要家施設A12において、蓄電池104の蓄積最大容量は3kWであることから、発生した2kWhの需要対応余剰電力量のうち、1kWhの需要対応余剰電力量W33については自家施設で充電することができずに超過電力となる。
一方、需要家施設A11では、区分期間T2の終了時点で蓄電池104の蓄積容量は4kWhであり、6kWhを蓄積可能な状態にある。つまり、需要家施設A11では、区分期間T3において発生した4kWhの需要対応余剰電力量を蓄電池104に充電可能である。
そこで、この場合の電力制御計画策定部323は、需要家施設A12にて超過電力となる1kWhの需要対応余剰電力量W33を、需要家施設B11に融通可能であると判定する。この判定結果に従って、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T3において、需要家施設A11の蓄電池104については4kWの充電電力での充電、需要家施設A12の蓄電池104については1kWの充電電力での充電、需要家施設B11の蓄電池104については2kW(=1kW+1kW)の充電電力での充電、需要家施設B12の蓄電池104については2kWの充電電力での充電を行うように設定する。これにより、需要家施設A12から需要家施設B11に対して、1kWhの需要対応余剰電力量W33が融通される。
次に、電力制御計画策定部323は、区分期間T4において、需要家施設A11、A12から需要家施設B11、B12に対して電力の融通が可能であるか否かについて判定する。
区分期間T3が終了した段階において、需要家施設B11では蓄積容量が6kWhであり、蓄積最大容量に達している。このため、電力制御計画策定部323は、区分期間T3に続く区分期間T4において需要家施設B11に対する電力の融通は不可能であると判定する。一方、需要家施設B12では区分期間T4において需要対応余剰電力は発生していない。また、需要家施設B12の蓄電池104の区分期間T3終了時の蓄積容量は6kWhであり、さらに1kWhを蓄積可能な状態であるから、区分期間T4としての1時間において最大で1kWでの充電が可能である。
一方で、区分期間T4において、需要家施設A11、A12の需要対応余剰電力は、それぞれ2kW、1kWである。この場合、需要家施設B12の蓄電池104に対しては、需要家施設A11、A12のいずれからも1kWhの電力量を融通することが可能である。
ただし、需要家施設A12において、蓄電池104の蓄積最大容量は3kWhであることから、発生した1kWhの充電対応余剰電力量W34(この場合、需要対応余剰電力量でもある)は自家施設で充電することができずに超過電力となる。
一方、需要家施設A11では、区分期間T3の終了時点で蓄電池104の蓄積容量は8kWhであり、2kWhを蓄積可能な状態にある。つまり、需要家施設A11では、区分期間T4において発生した2kWhの需要対応余剰電力量を蓄電池104に充電可能である。
一方、需要家施設B11の蓄電池104の蓄積容量は、区分期間T3が終了した時点で6kWhの蓄積最大容量に達していることから、これ以上充電することはできない。
そこで、この場合の電力制御計画策定部323は、需要家施設A12にて超過電力となる1kWhの充電対応余剰電力量W34を、需要家施設B12に融通可能であると判定する。この判定結果に従って、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T4において、需要家施設A11の蓄電池104については2kWの充電電力での充電、需要家施設A12の蓄電池104については0kWの充電電力での充電、需要家施設B11の蓄電池104については0kWの充電電力での、需要家施設B12の蓄電池104については1kWの充電電力での充電を行うように設定する。これにより、需要家施設A12から需要家施設B12に対して、1kWhの充電対応余剰電力量W34が融通される。
図11のフローチャートを参照して、本実施形態の電力管理装置300が運転スケジュールの策定に関して実行する処理手順例について説明する。同図の処理は、図8のステップS111の処理として適用されてよい。
以降においては、図11の処理手順例が、図8のステップS111における処理である場合を例に挙げる。なお、図11の処理手順例を図8のステップS111の処理として適用した場合には、事前に超過電力区間を特定しなくともよいことから、図8のステップS108~S110の処理は省略されてよい。
ステップS201:電力管理装置300において電力制御計画策定部323は、図8のステップS101~S107の処理による分類結果として、全ての需要家施設が受給需要家施設(充電対応余剰電力が生じないと判定された需要家施設)として分類されたか否かについて判定する。
ステップS202:全ての需要家施設が受給需要家施設であると判定された場合、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、各需要家施設にて、対象区間ごとに発生された需要対応余剰電力が充電されるように、蓄電池104の充電電力を設定する。
ステップS203:ステップS201にて全ての需要家施設が受給需要家施設として分類されなかった場合には、分類対象とされた需要家施設のグループは、供給需要家施設と受給需要家施設とを含むことになる。この場合、電力制御計画策定部323は、対象区間のうちから、時刻の早い順に従って1つの対象区間を選択する。
ステップS204:次に、電力制御計画策定部323は、ステップS203にて選択された対象区間において、供給需要家施設から受給需要家施設への需要対応余剰電力の融通が可能であるか否かについて判定する。
ステップS205:供給需要家施設から受給需要家施設に需要対応余剰電力を融通可能であると判定された場合、電力制御計画策定部323は、融通元の供給需要家施設から融通先の受給需要家施設に融通可能な電力量を算出する。
ステップS206:電力制御計画策定部323は、ステップS205により算出された電力量が融通される結果となるように、選択された対象区間における運転スケジュールとして、供給需要家施設と受給需要家施設とのそれぞれにおける蓄電池104の充電電力を設定する。
供給需要家施設では、選択された対象区間において、当該ステップS206により設定された充電電力に応じた充電電力量よりも需要対応余剰電力量が多ければ、需要対応余剰電力量から充電電力量を差し引いた電力量を逆潮流させる。
また、受給需要家施設では、選択された対象区間において、設定された充電電力で蓄電池104が充電動作を行うことで、供給需要家施設から逆潮流されている場合には逆潮流電力を充電することになる。この際、逆潮流電力が、受給需要家施設に設定された充電電力よりも小さい(逆潮流電力がゼロの場合も含む)場合、受給需要家施設では、充電電力に対する逆潮流電力の差分の電力に応じた電力量を蓄電池104に充電する。
ステップS207:ステップS204にて、供給需要家施設から受給需要家施設への需要対応余剰電力の融通が不可であると判定された場合、電力制御計画策定部323は、ステップS204とは逆の融通の方向である、受給需要家施設から供給需要家施設への需要対応余剰電力の融通が可能であるか否かについて判定する。
ステップS208:受給需要家施設から供給需要家施設への需要対応余剰電力の融通が可能であると判定された場合、電力制御計画策定部323は、融通元の受給需要家施設から融通先の供給需要家施設に融通可能な電力量を算出する。
ステップS209:電力制御計画策定部323は、ステップS208により算出された電力量が融通される結果となるように、選択された対象区間における運転スケジュールとして、供給需要家施設と受給需要家施設とのそれぞれにおける蓄電池104の充電電力を設定する。
ステップS210:ステップS207にて受給需要家施設から供給需要家施設に需要対応余剰電力を融通できないと判定された場合には、供給需要家施設と受給需要家施設との間でいずれの方向においても電力を融通できない状態であることになる。
この場合、電力制御計画策定部323は、需要家施設のうちで、自家施設にて需要対応余剰電力の蓄電池104への充電が可能な需要家施設については、需要対応余剰電力が充電されるように充電電力を設定する。また、自家施設にて需要対応余剰電力の蓄電池104への充電が行えない需要家施設については、需要対応余剰電力を超過電力として逆潮流させる。このように逆潮流された超過電力は、特に他の需要家施設の蓄電池104に充電されるものではない。
ステップS211:ステップS206またはステップS210の処理の後、電力制御計画策定部323は、全対象区間の各需要家施設の充電電力の設定が終了したか否かについて判定する。
需要家施設の充電電力の設定がされていない対象区間が残っている場合には、ステップS203に処理が戻される。需要家施設の充電電力の設定が終了した場合には、同図の処理が終了される。
なお、上記各実施形態において、電力の融通元となる需要家施設と、融通先となる需要家施設は、1対1の関係に限定されるものではなく、1対多、もしくは多対1であってもよい。
なお、上記各実施形態のように策定される蓄電池104の運転スケジュールは、需要対応余剰電力の融通に対応するものであることから、融通元と融通先の需要家施設の蓄電池104については、充電電力についての説明を行っている。しかしながら、上記各実施形態のもとでは、例えば蓄電池104について充電が指定されない対象区間においては、自家施設の負荷105への電力供給などのために蓄電池104に或る放電電力により放電させる内容が運転スケジュールに含まれてよい。
<第2実施形態の変形例>
上記第2実施形態では、最初の対象区間から順に、供給需要家施設から受給需要家施設の蓄電池104に融通可能な需要対応余剰電力があれば、必ず融通するように運転スケジュールを策定していくようにされている。そのうえで、受給需要家施設の蓄電池104の蓄積電力量が蓄積最大容量に達している一方で、供給需要家施設の蓄電池104の蓄積電力量が蓄積最大容量に達しておらず充電可能な状態となった区間は、受給需要家施設の需要対応余剰電力を供給需要家施設側に供給してもよいようにされていた。
これに対して、本変形例においては、所定数の連続する区分期間(単位連続区分期間)において供給需要家施設にて発生する超過電力量の総量(単位総超過電力量)を求め、対応の単位連続区分期間において、求められた単位総超過電力量が受給要家施設に融通されるように運転スケジュールを策定するようにされる。なお、単位連続区分期間は、単位期間に相当するものであってもよいし、単位期間における一部の区分期間が連続する期間であってもよい。
図12は、本変形例における運転スケジュール策定の一例を示している。同図においては、図9と同じ予測余剰電力GA1-1、GB1-1である場合の例を示している。また、同図の説明にあたり、単位連続区分期間は、区分期間T1~T4である場合を例に挙げる。
この場合、本変形例の電力制御計画策定部323は、対象の単位連続区分期間(T1~T4)において、供給需要家施設である需要家施設A1にて発生する単位総超過電力量を求める。対象の単位連続区分期間(T1~T4)において需要家施設A1にて発生する需要対応余剰電力が6kWhであり、蓄電池104の蓄積最大容量が4kWhである。このため、電力制御計画策定部323は、単位総超過電力量について2kWh(6kWh-4kWh)であると算出する。
そのうえで、電力制御計画策定部323は、対象の単位連続区分期間において、例えば区分期間T1~T4について時間経過に従った順(時間経過に対して逆順でもよいしランダム順でもよい)で、需要家施設A1から需要家施設B1に融通可能な需要対応余剰電力量を算出する。そして、電力制御計画策定部323は、算出された需要対応余剰電力量が融通されるように、対応の区分期間における需要家施設A1、B1におけるそれぞれの蓄電池104の充電電力を設定する。電力制御計画策定部323は、このような処理を、融通電力量の総計が、単位総超過電力量に応じた電力量に至るまで行う。電力制御計画策定部323は、以降の区分期間については、需要家施設A1から需要家施設B1への電力融通を考慮することなく、需要家施設A1と需要家施設B1とについて、それぞれ、自家で発生した需要対応余剰電力が充電されるように、需要家施設A1、B1におけるそれぞれの蓄電池104の充電電力を設定する。
具体的に、同図の例では、まず、電力制御計画策定部323は、区分期間T1において、1kWhの充電対応余剰電力量W21を融通可能であると判定する。そこで、電力制御計画策定部323は、区分期間T1に対応させて、需要家施設A1の蓄電池104については1kWの充電電力を設定し、需要家施設B1の蓄電池104については、2kWの充電電力を設定する。この段階での融通電力量の総計は1kWhである。
次に、電力制御計画策定部323は、区分期間T2において、1kWhの充電対応余剰電力量W22を融通可能であると判定する。そこで、電力制御計画策定部323は、区分期間T2に対応させて、需要家施設A1の蓄電池104については1kWの充電電力を設定し、需要家施設B1の蓄電池104については、4kWの充電電力を設定する。そして、この段階での融通電力量の総計は2kWhとなる。
そこで、電力制御計画策定部323は、続く、区分期間T3、T4においては、需要家施設A1、B1にて発生する需要対応余剰電力がそれぞれ自家の蓄電池104に充電されるように、需要家施設A1、B1の蓄電池104の充電電力を設定する。
つまり、電力制御計画策定部323は、区分期間T3においては、需要家施設A1の蓄電池104について2kWの充電電力を設定し、需要家施設B1の蓄電池104について3kWの充電電力を設定する。
また、電力制御計画策定部323は、区分期間T4においては、需要家施設A1の蓄電池104について1kWの充電電力を設定し、需要家施設B1の蓄電池104について1kWの充電電力を設定する。
このような本変形例の運転スケジュールの策定によっても、蓄電池104の定格電力や蓄電最大容量の制約に対応して有効に電力融通を行うことが可能になる。
図13のフローチャートを参照して、本実施形態の電力管理装置300が運転スケジュールの策定に関して実行する処理手順例について説明する。同図の処理は、図8のステップS111の処理として適用されてよい。
以降においては、図13の処理手順例が、図8のステップS111における処理である場合を例に挙げる。なお、図13の処理手順例を図8のステップS111の処理として適用した場合には、事前に超過電力区間を特定しなくともよいことから、図8のステップS108~S110の処理は省略されてよい。
ステップS2101、S2102の処理は、図11のステップS201、S202の処理と同様でよい。
ステップS2103:ステップS201にて全ての需要家施設が受給需要家施設として分類されなかった場合には、分類対象とされた需要家施設のグループは、供給需要家施設と受給需要家施設とを含むことになる。
この場合、電力制御計画策定部323は、単位連続区分期間において発生する総超過電力量を算出する。電力制御計画策定部323は、算出された総超過電力量を現在の残総超過電力量とする。
ステップS2104:電力制御計画策定部323は、単位連続区分期間における区分期間のうちから時刻の早い順に従って1つの対象区間を選択する。
ステップS2105:次に、電力制御計画策定部323は、ステップS2104により選択された対象区間について、現在における残総超過電力量がゼロより大きいか否かについて判定する。残総超過電力量は、現在の残総超過電力量から、ステップS2107が実行されるごとに算出された融通可能電力量の総計を差し引いた値である。
ステップS2106:残総超過電力量がゼロより大きい場合、電力制御計画策定部323は、ステップS2104にて選択された対象区間において、供給需要家施設から受給需要家施設への需要対応余剰電力の融通が可能であるか否かについて判定する。
ステップS2107:供給需要家施設から受給需要家施設に需要対応余剰電力を融通可能であると判定された場合、電力制御計画策定部323は、融通元の供給需要家施設から融通先の受給需要家施設に融通可能な電力量を算出する。この場合において、電力制御計画策定部323は、残総超過電力量がゼロより小さくなる結果を生じないように融通可能な電力量を算出してよい。
ステップS2108:電力制御計画策定部323は、現在の残総超過電力量から、今回のステップS2107により算出された融通可能な電力量を差し引くことで、残総超過電力量を更新する。
ステップS2109:ステップS2105にて残総超過電力量がゼロより大きくない(即ち、ゼロである)と判定された場合、あるいはステップS2106にて需要対応余剰電力の融通が可能でないと判定された場合、あるいはステップS2108の処理の後、電力制御計画策定部323は、以下の処理を実行する。つまり、電力制御計画策定部323は、供給需要家施設と受給需要家施設とのそれぞれにおける蓄電池104の充電電力を設定する。
ステップS2105にて残総超過電力量がゼロより大きくないと判定された場合、あるいはステップS2106にて需要対応余剰電力の融通が可能でないと判定された場合には、供給需要家施設から受給需要家施設への電力融通がない。このような場合、電力制御計画策定部323は、自家で発生した需要対応余剰電力が充電されるように、供給需要家施設と受給需要家施設とのそれぞれにおける蓄電池104の充電電力を設定する。
また、ステップS2108の処理を経た場合には、ステップS2107で算出された電力量が融通される結果となるように、供給需要家施設と受給需要家施設とのそれぞれにおける蓄電池104の充電電力を設定する。
ステップS2110:ステップS2109の処理の後、電力制御計画策定部323は、全対象区間の各需要家施設の充電電力の設定が終了したか否かについて判定する。
需要家施設の充電電力の設定がされていない対象区間が残っている場合には、ステップS2104に処理が戻される。需要家施設の充電電力の設定が終了した場合には、同図の処理が終了される。
<第3実施形態>
続いて、第3実施形態について説明する。上記各実施形態において各図に示した余剰電力の融通結果としては、1の供給需要家施設にて発生した超過電力が受給需要家施設への融通によって解消されるパターンを示した。
しかしながら、上記各実施形態のように運転スケジュールを策定して運転制御を行ったとしても、例えば発電装置103が予測よりも相当に多くの発電電力を発生させたなどの事情で、供給需要家施設にて発生した超過電力が解消されない結果を生じる場合がある。
図14は、上記のように、供給需要家施設にて発生した超過電力が解消されない結果を生じた場合の一事例を示している。
同図は、図10の例に準じている。つまり、同図では、供給需要家施設が需要家施設A11、A12の2つであり、受給需要家施設が需要家施設B11、B12の2つである場合の例が示される。
また、同図では、需要家施設A11、A12、B11、B12のそれぞれについての、策定された運転スケジュールに従って運転制御を行ったことに応じて得られた、需要家施設A11、A12と需要家施設B11、B12との間での電力融通結果(GA11-11、GA12-11、GB11-11、GB12-11)が示されている。
また、需要家施設A11、A12、B11、B12のそれぞれにおける蓄電池104の制約条件(蓄積最大容量、定格電力)も、図10と同様である。つまり、需要家施設A11の蓄電池104は、蓄積最大容量が10kWhであり、定格電力が4kWである。需要家施設A12の蓄電池104は、蓄積最大容量が3kWhであり、定格電力が2kWである。需要家施設B11の蓄電池104は、蓄積最大容量が6kWhであり、定格電力が2kWである。需要家施設B12の蓄電池104は、蓄積最大容量が7kWhであり、定格電力が2kWである。
また、同図においても、区分期間T1の開始時においては、需要家施設A11、A12、B11、B12の各蓄電池104のSOCは0%である場合を例に挙げる。
同図に示される余剰電力パターンは、図10に示された余剰電力パターンと以下の点が異なっている。つまり、区分期間T4において、需要家施設A11にて、さらに2kWhの充電対応余剰電力量W35が発生している点が、図10の余剰電力パターンと異なっている。
そのうえで、同図においては、図10の場合と同じ運転スケジュールを策定し、策定された運転スケジュールに従って運転制御を行った結果を示す余剰電力パターンが示されている。
つまり、区分期間T1においては、需要家施設A11にて発生した1kWhの需要対応余剰電力量W31と、需要家施設A12にて発生した1kWhの需要対応余剰電力量W32とが、需要家施設B11、B12の蓄電池104に充電されたものとして融通された。
また、区分期間T3においては、需要家施設A12にて発生した1kWhの需要対応余剰電力量W33が需要家施設B11の蓄電池104に充電されたものとして融通された。
また、区分期間T4においては、需要家施設A11にて2kWhの充電対応余剰電力量W35が発生し、需要家施設A12にて1kWhの充電対応余剰電力量W34が発生している。区分期間T4に至った段階で需要家施設A11、B11の蓄電池104は既に満充電の状態であるために、充電を行わないので、これらの充電対応余剰電力量W35、W34は、逆潮流される。
このように、区分期間T4においては、需要家施設A11、A12にて、計3kWhの充電対応余剰電力が逆潮流される一方で、需要家施設B12にて1kWhの充電電力量W36を蓄電池104に充電している。
同図の区分期間T4のように、1の区分期間において供給需要家施設側の充電対応余剰電力のほうが受給需要家施設側の蓄電池104の充電可能容量(空き容量)よりも大きい場合には、当該区分期間にて、供給需要家施設側で、融通しきれずに残る(解消されない)、融通不可の超過電力が発生したことになる。具体的には、同図の区分期間T4においては、需要家施設A11、A12で発生した計3kWhの充電対応余剰電力量のうち、1kWhが融通されたが、融通不可の超過電力量として2kWhが発生した。
この場合、区分期間T4において、需要家施設B12に融通された1kWhの充電電力量W36は、需要家施設A11、A12から逆潮流された計3kWhの充電対応余剰電力量の一部が融通されたものとして捉えてよい。
そのうえで、需要家施設間での電力融通の実績に応じた料金設定などを考慮すると、複数の供給需要家施設から1の受給需要家施設に融通された電力の内訳が適切に定められることが好ましい。
そこで、本実施形態では、同図の例のように供給需要家施設側の充電対応余剰電力のほうが受給需要家施設側の蓄電池104の充電可能容量(空き容量)よりも大きい場合においては、複数の供給需要家施設から1の受給需要家施設に融通された電力の内訳を、以下のように定める。つまり、本実施形態においては、複数の供給需要家施設のそれぞれから、1の受給需要家施設に対して均等に電力量を融通したものと定める。
具体的に、同図では、区分期間T4において、需要家施設B12に融通された1kWhの充電電力量W36について、1kWhを2等分した0.5kWhを、需要家施設A11、A12のそれぞれが融通したものとして定められた例が示される。
つまり、需要家施設A11については、2kWhの充電対応余剰電力量W35のうち、0.5kWhの電力量W351を需要家施設B12に融通し、残る1.5kWhの電力量W352については、融通不可の超過電力量とする。
また、需要家施設A12については、1kWhの充電対応余剰電力量W34のうち、0.5kWhの電力量W341を需要家施設B12に融通し、残る0.5kWhの電力量W342については、融通不可の超過電力量とする。
このように、複数の供給需要家施設から受給需要家施設に融通した電力の内訳を決定することで、受給需要家施設側では、融通を受けた電力量全体について、どれだけの量をどの供給需要家施設から融通されたかの内訳が定められる。また、供給需要家施設では、どれだけの電力量をどの受給需要家施設に融通し、融通不可の超過電力量がどれだけであるのかの内訳が定められる。
そのうえで、本実施形態においては、複数の供給需要家施設から1の受給需要家施設に融通される有効融通電力量について、複数の供給需要家施設間で均等となるようにしていることで、有効融通電力量の決定に関する適正性が得られるようにしている。
また、図14の例とは逆に、供給需要家施設側の充電対応余剰電力量に対して、受給需要家施設の蓄電池104の充電可能電力量のほうが多い状態となるような場合がある。
図15は、上記のように、供給需要家施設側の充電対応余剰電力量に対して、受給需要家施設の蓄電池104の充電可能電力量のほうが多い状態となった場合の一事例を示している。
同図においては、図14と同様に、供給需要家施設が需要家施設A11、A12の2つであり、受給需要家施設が需要家施設B11、B12の2つである場合の例が示される。
同図では、需要家施設A11、A12、B11、B12のそれぞれについての、策定された運転スケジュールに従って運転制御を行ったことに応じて得られた、需要家施設A11、A12と需要家施設B11、B12との間での電力融通結果(GA11-12、GA12-12、GB11-12、GB12-12)が示されている。
同図に対応する需要家施設A11、A12、B11、B12のそれぞれにおける蓄電池104の制約条件(蓄積最大容量、定格電力)については、以下のようになる。つまり、需要家施設A11の蓄電池104は、蓄積最大容量が10kWhであり、定格電力が4kWである。需要家施設A12の蓄電池104は、蓄積最大容量が3kWhであり、定格電力が2kWである。需要家施設B11の蓄電池104は、蓄積最大容量が8kWhであり、定格電力が2kWである。需要家施設B12の蓄電池104は、蓄積最大容量が7kWhであり、インバータの定格電力が2kWである。つまり、図14の場合との比較では、需要家施設B11の蓄電池104の蓄積最大容量が6kWではなく、8kWhである場合を例に挙げている。
また、同図について、区分期間T1の開始時においては、需要家施設A11、A12、B11、B12の各蓄電池104のSOCは0%である場合を例に挙げる。
同図に示される余剰電力パターンは、図14に示された余剰電力パターンと以下の点が異なっている。つまり、図14において区分期間T4の需要家施設A11にて発生していた2kWhの充電対応余剰電力量W35は、同図では発生していない。
そのうえで、同図では、運転スケジュールについては、区分期間T1~T3までにおいては図14の場合と同じとされたうえで、区分期間T4においては、以下のように策定している。
つまり、図14の例では、需要家施設B11の蓄電池104は、区分期間T3が終了した段階で既に満充電の状態であったため、区分期間T4においては、蓄電池104への充電は行われていなかった。
これに対して、同図の場合には、区分期間T4が開始された段階で、需要家施設B11の蓄電池104は、8kWhの蓄積最大容量に対して、2kWhの余裕がある。このため、同図では、区分期間T4において、需要家施設B11の蓄電池104が2kWhの充電を行うように運転スケジュールが設定された例を示している。また、需要家施設B12の区分期間T4においては、図14の場合と同様に、蓄電池104が1kWhの充電を行うように運転スケジュールが設定された例を示している。
この結果、区分期間T1においては、需要家施設A11にて発生した1kWhの需要対応余剰電力量W31と、需要家施設A12にて発生した1kWhの需要対応余剰電力量W32とが、需要家施設B11、B12の蓄電池104に充電されたものとして融通された。
また、区分期間T3においては、需要家施設A12にて発生した1kWhの需要対応余剰電力量W33が需要家施設B11の蓄電池104に充電されたものとして融通された。
また、区分期間T4においては、需要家施設A12にて1kWhの充電対応余剰電力量W34が発生した。区分期間T4において、需要家施設A12の蓄電池104は既に満充電の状態であって充電を行わないので、充電対応余剰電力量W34は逆潮流された。
このように、区分期間T4においては、供給需要家施設側にて、計1kWhの充電対応余剰電力が逆潮流された。一方で、受給需要家施設側では、区分期間T4が開始されたタイミングでは、需要家施設B11における2kWhの充電可能容量(空き容量)と、需要家施設B12における1kWhの充電可能容量との計3kWhの充電可能容量があった。そして、区分期間T4にわたって、計3kWhの充電可能容量に対して充電が行われた。
この場合、区分期間T4において、需要家施設A12から逆潮流された充電対応余剰電力量W34は、需要家施設B11、B12側にて蓄電池104に充電された計3kWhに含まれるように融通されたものとして捉えてよい。このような場合にも、図14の場合と同様に、1の供給需要家施設から複数の受給需要家施設に融通された電力の内訳が適切に定められることが好ましい。
そこで、本実施形態では、供給需要家施設側の充電対応余剰電力のほうが受給需要家施設側の蓄電池104の充電可能容量(空き容量)よりも少ない場合において、1の供給需要家施設から複数の受給需要家施設に融通された電力の内訳を、以下のように定める。つまり、本実施形態においては、1の供給需要家施設が逆潮流させた電力について、複数の受給需要家施設に対して均等に融通されたものと定める。
具体的に、同図では、区分期間T4において、需要家施設A12から逆潮量された1kWhの充電対応余剰電力量W34のうち、2等分したうちの1つである0.5kWhの電力量W342を需要家施設B11に融通し、もう1つの0.5kWhの電力量W341を需要家施設B12に融通したものとする。
このようにして、複数の供給需要家施設から受給需要家施設に融通した電力の内訳を決定することで、また、供給需要家施設については、どれだけの電力量をどの受給需要家施設に融通したかについての内訳が定められる。受給需要家施設については、蓄電池104に充電した電力量のうちで、どれだけの電力量が供給需要家施設から融通され、また融通以外の電力量であるのかについての内訳が定められる。
この場合にも、1の供給需要家施設から複数の受給需要家施設に融通される有効融通電力量について、複数の受給需要家施設間で均等となるようにしていることで、有効融通電力量の決定に関する適正性が得られるようにしている。
図16は、本実施形態の電力管理装置300の構成例を示している。同図において、図7と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
同図の電力管理装置300は、制御部302において、有効融通電力決定部325をさらに備える。
有効融通電力決定部325は、供給需要家施設ごとに、逆潮流させた充電対応余剰電力(余剰電力の一例)のうちで、受給需要家施設の蓄電池104への充電電力(需要電力の一例)として利用されたとする有効融通電力量を決定する。有効融通電力は、具体的には、図14における電力量W341、W351や、図15における電力量W341、W342等である。本実施形態において、有効融通電力は、電力値ではなく電力量として扱われる。
また、同図の電力管理装置300は、記憶部303において、電力内訳情報記憶部334をさらに備える。
電力内訳情報記憶部334は、需要家施設100ごとに、有効融通電力決定部325による有効融通電力の決定結果が反映された電力内訳情報を記憶する。
1の需要家施設100に対応する電力内訳情報としては、例えば単位期間ごとにおける融通電力量、融通不可の超過電力量、被融通電力量が示されるものであってよい。また、電力内訳情報は、1の単位期間において、例えば区分期間等の所定時間ごとに融通電力量、融通不可の超過電力量、被融通電力量を示すものであってよい。
図17のフローチャートを参照して、本実施形態の電力管理装置300が、有効融通電力(有効融通電力量)の決定に関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS301:電力管理装置300において、有効融通電力決定部325は、有効融通電力量の決定にあたり、有効融通電力量の決定対象とされる、過去における一定期間の電力管理実績を、電力管理実績記憶部333から取得する。以降の説明にあたり、ステップS301では、一定期間の電力管理実績として、所定の1の単位期間の電力管理実績が取得される場合を例に挙げる。
ステップS302:有効融通電力決定部325は、単位期間における1つの区分期間を、有効融通電力の決定対象(対象区分期間)として選択する。ステップS302の処理が繰り返されるごとに、例えば単位期間における1番目から最後の区分期間までが、順次、対象区分期間として選択されるようにしてよい。
ステップS303:有効融通電力決定部325は、ステップS302により選択された区分期間の電力管理実績に基づき、対象区分期間において、電力管理エリア10に含まれる需要家施設100を、供給需要家施設と受給需要家施設とのいずれかに分類する。そのうえで、有効融通電力決定部325は、対象区分期間において、供給需要家施設側の充電対応余剰電力が受給需要家施設側の充電可能容量以上であるか否かについて判定する。
ステップS304:ステップS303にて供給需要家施設側の充電対応余剰電力が受給需要家施設側の充電可能容量以上であると判定された場合、有効融通電力決定部325は、以下の処理を実行する。つまり、有効融通電力決定部325は、受給需要家施設の充電電力量を等分する。この際、有効融通電力決定部325は、受給需要家施設が複数存在する場合には、例えば複数の受給需要家施設の充電電力量の合計値を等分してよい。
ステップS305:有効融通電力決定部325は、ステップS304により等分された充電電力量を、対象区分期間における供給需要家施設のそれぞれが受給需要家施設に融通した有効融通電力量とする。
ステップS306:ステップS303にて、供給需要家施設側の充電対応余剰電力が受給需要家施設側の充電可能容量未満であると判定された場合、有効融通電力決定部325は、以下の処理を実行する。つまり、有効融通電力決定部325は、供給需要家施設の充電対応余剰電力量を等分する。この際、有効融通電力決定部325は、供給需要家施設が複数存在する場合には、例えば複数の供給需要家施設の充電対応余剰電力の合計値を等分してよい。
ステップS307:有効融通電力決定部325は、ステップS306により等分された充電対応余剰電力量を、対象区分期間において、供給需要家施設から受給需要家施設のそれぞれに融通した有効融通電力量とする。
ステップS308:ステップS305の処理の後、もしくはステップS307の処理の後、有効融通電力決定部325は、全ての区分期間について有効融通電力量を決定する処理を完了させたか否かについて判定する。
まだ有効融通電力量を決定する処理の対象とされていない区分期間が残っている場合には、ステップS302に処理が戻される。
ステップS309:全ての区分期間について有効融通電力量を決定する処理が完了すると、有効融通電力決定部325は、対象の単位期間に対応して、これまでの有効融通電力量の決定結果が反映された電力内訳情報を生成する。有効融通電力決定部325は、生成された電力内訳情報を、電力内訳情報記憶部334に記憶させる。
<第3実施形態の変形例>
上記の第3実施形態では、複数の供給需要家施設から1の受給需要家施設への有効融通電力量について、複数の供給需要家施設間で等分していた。
これに対して、本変形例では、複数の供給需要家施設のそれぞれから1の受給需要家施設に融通する有効融通電力量について、複数の供給需要家施設間で、供給需要家施設に融通されることなく系統に逆潮流される電力量(非利用電力量)が同じ(均等)となるように決定する。
具体例として、図14の区分期間T4のように充電対応余剰電力量が発生している場合には、需要家施設A11については、2kWhの充電対応余剰電力量のうち、1kWhが需要家施設B12への有効融通電力量であるとして設定する。この場合、区分期間T4における需要家施設A11の蓄電池104は、3kWの充電電力が設定される。この結果、需要家施設A11では、区分期間T4において1kWhの非利用電力量が生じる。
また、需要家施設A12については、1kWhの充電対応余剰電力量のうち、需要家施設B12への有効融通電力量は0kWhであると設定する。この場合、区分期間T4における需要家施設A12の蓄電池104は、0kWの充電電力が設定される。この場合、需要家施設A12では、区分期間T4において、逆潮流はされるが受給需要家施設への融通が為されない非利用電力量が1kWh生じる。
即ち、上記の例では、区分期間T4において電力融通を行うにあたり、需要家施設A11、A12の間で非利用電力量が1kWhで同じとなるようにされている。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。先の第3実施形態では、有効融通電力量の決定にあたり、受給需要家施設の充電電力量または供給需要家施設の充電対応余剰電力量を等分していた。これに対して、本実施形態の電力管理装置300は、有効融通電力量の決定にあたり、過去の一定期間における供給需要家施設間の充電対応余剰電力の総量の比に基づいて充電電力量を分配する。また、本実施形態の電力管理装置300は、有効融通電力量の決定にあたり、過去の一定期間における受給需要家施設間の蓄電池104の充電可能容量の総量の比に基づいて充電対応余剰電力を分配する。
図18は、本実施形態における有効融通電力量の決定例として、供給需要家施設側の充電対応余剰電力が受給需要家施設側の充電可能容量以上である場合の例を示している。同図においては、図14と同じ電力融通結果(GA11-13、GA12-13、GB11-13、GB12-13)の結果が示される。
同図に示される電力融通の結果のもとで、電力管理装置300の有効融通電力決定部325は、以下のように、区分期間T4において、需要家施設A11、A12のそれぞれから需要家施設B12に対して融通されたとする有効融通電力量を決定する。
まず、有効融通電力決定部325は、電力管理実績記憶部333に記憶される過去の一定期間の電力管理実績の情報を利用して、過去の一定期間における需要家施設A11、A12ごとに発生した充電対応余剰電力の総量を算出する。
ここでの過去の一定期間については、特に限定されないが、例えば現在日時を起点として過去1年、過去1ヶ月、過去1週間などが設定されてよい。また、過去の一定期間は、例えば昨日といったように、過去における1日であってもよい。さらに過去の一定期間は、例えば直前の区分期間のように、過去における或る1つの区分期間であってもよい。
次に、有効融通電力決定部325は、需要家施設A11の充電対応余剰電力量の総量と、需要家施設A12の充電対応余剰電力量の総量との比を算出する。具体例として、同図の場合には、需要家施設A11の充電対応余剰電力量の総量と、需要家施設A12の充電対応余剰電力量の総量との比(余剰電力総量比)が「2:1」であった。
有効融通電力決定部325は、上記のように算出された余剰電力総量比に応じた分配比率により、区分期間T4における需要家施設B12の蓄電池104に充電された充電電力量W36を分配する。
つまり、有効融通電力決定部325は、充電電力量W36を、2:1の比に従って、2/3kWhと1/3kWhとに分配する。有効融通電力決定部325は、1kWhの充電電力量W36のうち、2/3kWhが、需要家施設A11から融通された電力量であり、1/3kWhが、需要家施設A12から融通された電力量であると決定する。
このような決定結果に伴い、有効融通電力決定部325は、区分期間T4における2kWhの充電対応余剰電力量W35については、2/3kWhの電力量W351が、需要家施設B12に対する有効融通電力量であり、(1+1/3)kWhの電力量W352が融通不可の超過電力量であると決定する。
また、有効融通電力決定部325は、区分期間T4における1kWhの充電対応余剰電力量W34については、1/3kWhの電力量W341が、需要家施設B12に対する有効融通電力量であり、2/3kWhの電力量W342が融通不可の超過電力量であると決定する。
このように、本実施形態では、供給需要家施設側の充電対応余剰電力量が受給需要家施設側の充電可能容量以上である場合には、供給需要家施設ごとの充電対応余剰電力量の総量の比に基づいて受給需要家施設での充電電力を分配して有効融通電力量を決定する。これにより、供給需要家施設間で、充電対応余剰電力量に応じて有効融通電力量を適正に定めることができる。
また、図19は、本実施形態における有効融通電力量の決定例として、供給需要家施設側の充電対応余剰電力に対して、受給需要家施設側の充電可能容量のほうが多い場合の例を示している。同図においては、図15と同じ電力融通結果(GA11-14、GA12-14、GB11-14、GB12-14)が示される。
同図に示される電力融通の結果のもとで、電力管理装置300の有効融通電力決定部325は、以下のように、区分期間T4において、需要家施設A12から需要家施設B11、B12に対して融通されたとする有効融通電力量を決定する。
この場合、有効融通電力決定部325は、電力管理実績記憶部333に記憶される過去の一定期間の電力管理実績の情報を利用して、過去の一定期間において需要家施設B11、B12ごとの蓄電池104にて生じていた充電可能容量の総量を算出する。
次に、有効融通電力決定部325は、需要家施設B11の充電可能容量の総量と、需要家施設B12の充電可能容量の総量との比を算出する。具体例として、同図の場合には、需要家施設B11の充電可能容量の総量と、需要家施設B12の充電可能容量の総量との比(充電可能容量総量比)が「3:1」であった。
有効融通電力決定部325は、上記のように算出された充電可能容量比に応じた分配比率により、区分期間T4における需要家施設A12の充電対応余剰電力量W34を分配する。
つまり、この場合の有効融通電力決定部325は、充電対応余剰電力量W34を、3:1の比に従って、3/4kWhと1/4kWhとに分配する。有効融通電力決定部325は、1kWhの充電対応余剰電力量W34のうち、3/4kWhが、需要家施設B11に対する有効融通電力量であり、1/4kWhが、需要家施設B12に対する有効融通電力量であると決定する。
このような決定結果に伴い、有効融通電力決定部325は、区分期間T4における2kWhの需要家施設B11の充電電力量のうち、3/4kWhの電力量W342が、需要家施設A12から融通された有効融通電力量であり、残りの(1+1/4)kWhの電力量が、例えば系統(商用電源ラインDL)からの買電等の有効融通電力量以外に由来するものであると決定する。
また、有効融通電力決定部325は、区分期間T4における1kWhの需要家施設B12の充電電力量のうち、1/4kWhの電力量W341が、需要家施設A12から融通された有効融通電力量であり、残りの3/4kWhの電力量が、有効融通電力量以外に由来するものであると決定する。
このように、本実施形態では、供給需要家施設側の充電対応余剰電力に対して、受給需要家施設側の充電可能容量のほうが多い場合には、受給需要家施設ごとの充電可能容量の総量の比に基づいて供給需要家施設での充電可能容量を分配することにより、受給需要家施設にて融通された有効融通電力量を決定する。これにより、受給需要家施設間で、蓄電池104の充電可能容量に応じて、供給需要家施設から融通されたとする有効融通電力量を適正に定めることができる。
図20のフローチャートを参照して、本実施形態の電力管理装置300が、有効融通電力(有効融通電力量)の決定に関連して実行する処理手順例について説明する。本実施形態の電力管理装置300の構成は、図16と同様でよい。
ステップS401:電力管理装置300において、有効融通電力決定部325は、有効融通電力量の決定にあたり、有効融通電力量の決定対象とされる、過去における一定期間の電力管理実績を、電力管理実績記憶部333から取得する。この場合にも、図17の処理手順例の場合と同様、ステップS401では、一定期間の電力管理実績として、所定の1の単位期間の電力管理実績が取得される場合を例に挙げる。
ステップS402:有効融通電力決定部325は、単位期間における1つの区分期間を、有効融通電力の決定対象(対象区分期間)として選択する。
ステップS403:有効融通電力決定部325は、ステップS402により選択された区分期間の電力管理実績に基づき、対象区分期間において、需要家施設100を、供給需要家施設と受給需要家施設とのいずれかに分類する。そのうえで、有効融通電力決定部325は、対象区分期間において、供給需要家施設側の充電対応余剰電力が受給需要家施設側の充電可能容量以上であるか否かについて判定する。
ステップS404:ステップS403にて供給需要家施設側の充電対応余剰電力が受給需要家施設側の充電可能容量以上であると判定された場合、有効融通電力決定部325は、以下の処理を実行する。つまり、有効融通電力決定部325は、過去の一定期間(単位期間)における供給需要家施設ごとの充電対応余剰電力の総量を算出する。
ステップS405:次に、有効融通電力決定部325は、ステップS404にて算出された、供給需要家施設ごとの充電対応余剰電力の総量の比(余剰電力総量比)を算出する。そのうえで、有効融通電力決定部325は、算出された余剰電力総量比に基づく分配比率により、受給需要家施設の充電電力量を分配する。この際、有効融通電力決定部325は、受給需要家施設が複数存在する場合には、例えば複数の受給需要家施設の充電電力量の合計値を分配してよい。
ステップS406:有効融通電力決定部325は、ステップS405により分配された充電電力量のそれぞれを、対応の供給需要家施設のそれぞれに割り当てる。有効融通電力決定部325は、このように分配して割り当てられた充電電力量を、対象区分期間において供給需要家施設のそれぞれから受給需要家施設に融通した有効融通電力量として決定する。
ステップS407:ステップS403にて、供給需要家施設側の充電対応余剰電力が受給需要家施設側の充電可能容量未満であると判定された場合、有効融通電力決定部325は、以下の処理を実行する。
つまり、有効融通電力決定部325は、過去の一定期間(単位期間)における受給需要家施設ごとの充電可能容量の総量を算出する。
ステップS408:次に、有効融通電力決定部325は、ステップS407にて算出された、受給需要家施設ごとの充電可能容量の総量の比(充電可能容量総量比)を算出する。そのうえで、有効融通電力決定部325は、算出された充電可能容量総量比に基づく分配比率により、供給需要家施設の充電対応余剰電力量を分配する。この際、有効融通電力決定部325は、供給需要家施設が複数存在する場合には、例えば複数の供給需要家施設の充電対応余剰電力量の合計値を分配してよい。
ステップS409:有効融通電力決定部325は、ステップS408により分配された充電対応余剰電力量のそれぞれを、対応の受給需要家施設のそれぞれに割り当てる。有効融通電力決定部325は、このように分配して割り当てられた充電対応余剰電力量を、対象区分期間において供給需要家施設から受給需要家施設のそれぞれに融通された有効融通電力量として決定する。
ステップS410:ステップS406の処理の後、もしくはステップS409の処理の後、有効融通電力決定部325は、全ての区分期間について有効融通電力量を決定する処理を完了させたか否かについて判定する。
まだ有効融通電力量を決定する処理の対象とされていない区分期間が残っている場合には、ステップS402に処理が戻される。
ステップS411:全ての区分期間について有効融通電力量を決定する処理が完了すると、有効融通電力決定部325は、対象の単位期間に対応して、これまでの有効融通電力量の決定結果が反映された電力内訳情報を生成する。有効融通電力決定部325は、生成された電力内訳情報を、電力内訳情報記憶部334に記憶させる。
<第4実施形態の変形例>
上記の第4実施形態においては、複数の供給需要家施設から1の受給需要家施設に電力融通を行うにあたり、過去の一定期間における供給需要家施設ごとの充電対応余剰電力量の総量に基づいて複数の供給需要家施設ごとに、融通電力量の分配比率を決定するようにされていた。
しかしながら、第4実施形態の変形例として、有効融通電力決定部325は、充電対応余剰電力量に代えて、過去の一定期間における複数の供給需要家施設ごとの需要対応余剰電力量の総量に基づく分配比率により、複数の供給需要家施設の融通電力量を決定してよい。この場合には、需要対応余剰電力量の総量が多い供給需要家施設ほど有効融通電力量が多くなるように分配比率が設定されてよい。
あるいは、有効融通電力決定部325は、過去の一定期間における複数の供給需要家施設ごとの有効融通電力量の総量に基づく分配比率により、複数の供給需要家施設の融通電力量を決定してよい。この場合には、有効融通電力量の総量が多い供給需要家施設ほど、今回の電力融通における有効融通電力量が多くなるように分配比率が設定されてよい。
あるいは、有効融通電力決定部325は、複数の供給需要家施設から1の受給需要家施設に融通される電力量について、過去の一定期間における複数の供給需要家施設ごとの非利用電力量の総量に基づく分配比率により決定してよい。この場合には、有効融通電力決定部325は、非利用電力量の多い供給需要家施設ほど有効融通電力量が多くなるように分配比率を設定してよい。逆に、有効融通電力決定部325は、非利用電力量の多い供給需要家施設ほど有効融通電力量が少なくなるように分配比率を設定してよい。
あるいは、有効融通電力決定部325は、複数の供給需要家施設から1の受給需要家施設に電力融通するにあたり、過去の一定期間における充電対応余剰電力量、または需要対応余剰電力量、または有効融通電力量の総量が多い供給需要家施設ほど、非利用電力量が多くなるように、非利用電力量についての分配比率を決定してよい。この場合には、1の供給需要家施設は、充電対応余剰電力量から非利用電力量を差し引いた電力量を、受給需要家施設に融通する。
<その他変形例>
なお、第3実施形態及び第4実施形態による有効融通電力量の決定に関する構成は、電力融通を行っている状態のもとで実行されてもよい。例えば、有効融通電力決定部325は、現区分期間において、次の区分期間を対象として、融通可能な電力量を算出し、算出結果に基づいて各需要家施設の充電電力を決定するようにしてよい。
なお、第3実施形態または第4実施形態による有効融通電力量の決定に関する構成は、第1実施形態や第2実施形態以外の需要家施設間の電力融通の構成に適用されてよい。例えば、第3実施形態または第4実施形態による有効融通電力量の決定に関する構成は、以下のような電力融通の構成にも適用できる。つまり、電力管理地域において、電力管理サーバが、電力を融通したい融通希望需要家からの申請と、電力の融通を受けたい被融通希望需要家からの申請とを受理する。そのうえで、電力管理装置は、申請に基づいて、所定の期間における、融通希望需要家ごとの逆潮流電力量と、被融通希望需要家ごとの充電電力とを決定し、決定された逆潮流電力量と充電電力とが得られるように各需要家の設備を制御する。このようにして行われる電力融通の構成のもとでも、電力融通された結果について、第3実施形態または第4実施形態による有効融通電力量の決定を行うことができる。
なお、第3実施形態または第4実施形態による有効融通電力量の決定にあたっては、供給需要家施設から受給需要家施設に融通される電力は、受給需要家施設が備える蓄電池に充電される電力だけではなく、同時に負荷にて消費される電力も含めた需要電力であってよい。
なお、上述の電力管理装置300等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の電力管理装置300等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
1 電力管理システム、10 電力管理エリア、100 需要家施設、101 電力測定部、103 発電装置、104 蓄電池、105 負荷、106 通信モデム、200 施設内電力管理装置、300 電力管理装置、301 通信部、302 制御部、303 記憶部、321 需要対応余剰電力取得部、322 需要家施設分類部、323 電力制御計画策定部、324 電力制御部、325 有効融通電力決定部、331 需要家施設情報記憶部、332 電力制御計画記憶部、333 電力管理実績記憶部、334 電力内訳情報記憶部

Claims (6)

  1. 自家で余剰する余剰電力を逆潮流させる供給需要家施設と、需要電力を順潮流させる受給需要家施設との間で、供給需要家施設の余剰電力が受給需要家施設に対して融通される電力管理地域に対応して電力管理を行う電力管理装置であって、
    供給需要家施設ごとに、逆潮流させた余剰電力のうちで受給需要家施設の需要電力として利用されたとする有効融通電力を決定する有効融通電力決定部を備え
    前記有効融通電力決定部は、
    複数の供給需要家施設ごとに対応して、所定の1以上の受給需要家施設の需要電力を等分した電力のそれぞれを、前記複数の供給需要家施設ごとの有効融通電力とする
    電力管理装置。
  2. 自家で余剰する余剰電力を逆潮流させる供給需要家施設と、需要電力を順潮流させる受給需要家施設との間で、供給需要家施設の余剰電力が受給需要家施設に対して融通される電力管理地域に対応して電力管理を行う電力管理装置であって、
    供給需要家施設ごとに、逆潮流させた余剰電力のうちで受給需要家施設の需要電力として利用されたとする有効融通電力を決定する有効融通電力決定部を備え、
    前記有効融通電力決定部は、
    所定の1以上の受給需要家施設の需要電力を複数の供給需要家施設のそれぞれから融通した結果として、前記複数の供給需要家施設のそれぞれにおいて融通されない余剰電力が同じとなるように、前記複数の供給需要家施設ごとの有効融通電力を決定する
    力管理装置。
  3. 自家で余剰する余剰電力を逆潮流させる供給需要家施設と、需要電力を順潮流させる受給需要家施設との間で、供給需要家施設の余剰電力が受給需要家施設に対して融通される電力管理地域に対応して電力管理を行う電力管理装置であって、
    供給需要家施設ごとに、逆潮流させた余剰電力のうちで受給需要家施設の需要電力として利用されたとする有効融通電力を決定する有効融通電力決定部を備え、
    前記有効融通電力決定部は、
    複数の供給需要家施設ごとの過去の一定期間における余剰電力の総量に基づいて前記複数の供給需要家施設ごとに設定した分配比率により、所定の1以上の受給需要家施設の需要電力を分配し、分配された電力のそれぞれを、対応の供給需要家施設の有効融通電力とする
    力管理装置。
  4. 自家で余剰する余剰電力を逆潮流させる供給需要家施設と、需要電力を順潮流させる受給需要家施設との間で、供給需要家施設の余剰電力が受給需要家施設に対して融通される電力管理地域に対応して電力管理を行う電力管理装置であって、
    供給需要家施設ごとに、逆潮流させた余剰電力のうちで受給需要家施設の需要電力として利用されたとする有効融通電力を決定する有効融通電力決定部を備え、
    前記有効融通電力決定部は、
    所定の1以上の受給需要家施設の需要電力を複数の供給需要家施設のそれぞれから電力を融通した結果として、前記複数の供給需要家施設のそれぞれにおいて融通されない余剰電力の比が、複数の供給需要家施設ごとの過去の一定期間における余剰電力の総量の比に対応するように、前記複数の供給需要家施設ごとの有効融通電力を決定する
    力管理装置。
  5. 自家で余剰する余剰電力を逆潮流させる供給需要家施設と、需要電力を順潮流させる受給需要家施設との間で、供給需要家施設の余剰電力が受給需要家施設に対して融通される電力管理地域に対応して電力管理を行う電力管理装置であって、
    供給需要家施設ごとに、逆潮流させた余剰電力のうちで受給需要家施設の需要電力として利用されたとする有効融通電力を決定する有効融通電力決定部を備え、
    前記有効融通電力決定部は、
    複数の受給需要家施設ごとに対応して、1の供給需要家施設の余剰電力を等分した電力のそれぞれを、前記1の供給需要家施設から前記複数の受給需要家施設のそれぞれに融通された有効融通電力とする
    力管理装置。
  6. 自家で余剰する余剰電力を逆潮流させる供給需要家施設と、需要電力を順潮流させる受給需要家施設との間で、供給需要家施設の余剰電力が受給需要家施設に対して融通される電力管理地域に対応して電力管理を行う電力管理装置であって、
    供給需要家施設ごとに、逆潮流させた余剰電力のうちで受給需要家施設の需要電力として利用されたとする有効融通電力を決定する有効融通電力決定部を備え、
    前記有効融通電力決定部は、
    複数の受給需要家施設ごとの過去の一定期間における蓄電池の空き容量の総量に基づいて前記複数の受給需要家施設ごとに設定した分配比率により、1の供給需要家施設の余剰電力を前記複数の受給需要家施設ごとに対応させて分配した電力のそれぞれを、対応の受給需要家施設ごとに融通された有効融通電力とする
    力管理装置。
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