JP7249166B2 - 電力管理装置、電力管理方法及びプログラム - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態に係る電力管理システム1の構成例を示す図である。本実施形態における電力管理システム1は、例えば、所定の地域範囲における複数の需要家施設に対応する住宅、商業施設、産業施設などの需要家施設における電力を一括して管理するものである。このような電力管理システム1は、例えばTEMS(Town Energy Management System)やCEMS(Community Energy Management System)などに対応する。
なお、本実施形態の電力管理エリア10が対応する地域は、1つのまとまった地域範囲により形成されてもよいし、地理的に離散している複数の地域範囲により形成されてもよい。
本実施形態の電力管理装置300は、例えば所定の単位期間(例えば1日(24時間)に対応して予め策定した電力制御計画に基づいて、需要家施設100が備える電気設備の運転を制御することができる。
電力制御計画には、例えば、需要家施設100が備える蓄電池の充放電について策定されたスケジュールや、需要家施設100が備える所定の電気設備(負荷)のオンオフや稼働状態についてのスケジュールが含まれる。
需要家施設100において、一般送配電事業者側の商用電源ラインDLから、電力測定部101、発電装置103、蓄電池104の電力の結合点Pに供給される電力が順潮流電力である。一方、発電装置103や蓄電池104から出力され、結合点Pから電力測定部101を経由して商用電源ラインDLに供給される電力が逆潮流電力である。
順潮流の方向を正方向とした場合、順潮流電力に対して逆潮流電力が小さければ、受給電力は正の値として測定され、順潮流電力に対して逆潮流電力が大きければ受給電力は負の値として測定される。
また、蓄電池104は、蓄積された電力を負荷105の電源として供給することができる。また、蓄電池104は、蓄積された電力を結合点Pから電力測定部101を経由して商用電源ラインDLに出力することで逆潮流させることができる。
負荷105は、結合点Pから供給される商用電源を入力して動作することができる。また、負荷105は、発電装置103により発電された電力を入力して動作することができる。また、負荷105は、蓄電池104から出力された電力を入力して動作することができる。
また、施設内電力管理装置200は、電力測定部101にて測定される受給電力の情報を入力し、入力された受給電力の情報を各種制御に利用することができる。
また、施設内電力管理装置200は、電力管理装置300と通信を行う。
図3においては、予測余剰電力GA1-1、GB1-1が示されている。
予測余剰電力GA1-1は、複数の需要家施設100のうちの1つである需要家施設A1にて、単位期間(ここでは、1日(24時間)の場合を例に挙げる)における所定の区分期間(ここでは1時間の場合を例に挙げる)ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。需要対応余剰電力とは、1つの需要家施設100に対応するものであって、1つの需要家施設100において、発電装置103の発電により得られた発電電力と、負荷105により消費される電力(需要電力)とに基づいて導出される。具体的に、需要対応余剰電力は、1つの需要家施設100における発電電力に対する需要電力の差分として求めることができる。
また、予測余剰電力GB1-1は、複数の需要家施設100のうちで需要家施設A1以外の1つである需要家施設B1にて、単位期間における区分期間ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。
また、需要家施設A1における蓄電池104の蓄積最大容量は4kWhであり、定格電力(許容最大電力の一例)は2kWである。定格電力は、蓄電池104が備えるインバータの仕様に応じて決まるもので、充電(及び放電)に際して許容される電力の最大値である。蓄積最大容量は、蓄電池104に蓄積が可能な電力量の最大値である。
本実施形態では、蓄積最大容量は、例えば蓄電池104の仕様として定められた充電容量を用いてもよいし、仕様として定められた新品時の充電容量に対して蓄電池104の劣化を考慮して求められた充電容量を用いてもよい。また、蓄電最大容量は、必ずしもSOC(State Of Charge)の最小値を0%とし最大値を100%とした場合において、蓄電池104に充電可能な容量として定義されなくともよい。例えば、蓄電最大容量の定義におけるSOCの最小値は、0%よりも大きい所定値であってもよいし、SOCの最大値は、100%よりも小さい所定値であってもよい。
本実施形態においてこのような蓄積最大容量、定格電力等が蓄電池104についての制約条件となる。
また、上記の例では、蓄電池104の定格電力をそのまま許容最大電力としている。しかしながら、許容最大電力は、例えば蓄電池104の定格電力に所定のマージンを与えるようにして定格電力より小さい値が使用されてもよい。
また、需要家施設B1における蓄電池104の制約条件として、蓄積最大容量は10kWhであり、定格電力は4kWである。
まず、区分期間T1における1kWh(1kW×1h)の需要対応余剰電力量は、需要家施設A1の蓄電池104に充電できる。また、次の区分期間T2における2kWhの需要対応余剰電力量も、需要家施設A1の蓄電池104に充電できる。
しかし、区分期間T2を終了した段階で、需要家施設A1の蓄電池104に蓄積された電力量(蓄積電力量)は3kWhであり、充電が可能な蓄積電力量の残りは1kWhである。このため、区分期間T3においては、開始から30分が経過した途中の時点で需要家施設A1の蓄電池104の蓄積電力量が4kWhとなり、これ以上の電力を蓄積できなくなる。
従って、この場合の需要家施設A1においては、区分期間T3における後半30分の1kWhと、区分期間T4における1kWhとの2kWhの需要対応余剰電力量が、需要家施設A1の蓄電池104に充電できずに余剰する状態の生じることが判定される。
このように、1つの需要家施設100において蓄電池104に充電されることなく余剰した需要対応余剰電力については、充電対応余剰電力とも記載する。
まず、区分期間T1における1kWhの需要対応余剰電力量は、需要家施設B1の蓄電池104に充電できる。また、次の区分期間T2における3kWhの需要対応余剰電力量も、需要家施設B1の蓄電池104に充電できる。また、次の区分期間T3における3kWhの需要対応余剰電力量も、需要家施設B1の蓄電池104に充電できる。また、次の区分期間T4における1kWhの需要対応余剰電力量も、需要家施設B1の蓄電池104に充電できる。
このように、需要家施設B1においては、蓄電池104の蓄積最大容量が10kWhであるのに対して、区分期間T1~T4により発生する需要対応余剰電力量の合計が8kWhである。このため、蓄電池104に区分期間T1~T4により発生する需要対応余剰電力量を全て充電することができると判定される。
電力管理装置300は、充電対応余剰電力が生じる需要家施設100を供給需要家施設として分類し、充電対応余剰電力が生じない需要家施設100を受給需要家施設として分類する。
供給需要家施設は、電力の融通にあたり、充電対応余剰電力を他の需要家施設に供給する需要家施設100である。受給需要家施設は、供給需要家施設からの充電対応余剰電力の供給を受けて、供給された充電対応余剰電力を蓄電池104に充電する需要家施設100である。
同図の例では、電力管理装置300は、需要家施設A1を供給需要家施設として分類し、需要家施設B1が受給需要家施設として分類する。
次の区分期間T4では、需要家施設A1にて生じている1kWhの充電対応余剰電力量W3は、需要家施設B1の蓄電池104に充電することができる。
電力管理エリア10における発電電力の利用効率の観点からすれば、受給需要家施設に充電できない充電対応余剰電力量はできるだけ削減されることが好ましい。
以降において、1の供給需要家施設にて、受給需要家施設に充電できない充電対応余剰電力については超過電力とも記載する。
予測余剰電力融通結果GA1-2、GB1-2によれば、需要家施設B1の蓄電池104の運転スケジュールとして、まず、区分期間T1においては、需要家施設B1にて生じた1kWの需要対応余剰電力に応じて、1kWの充電電力での充電を需要家施設B1の蓄電池104に行わせる。
次に、区分期間T2においては、需要家施設B1にて生じた3kWの需要対応余剰電力に応じて、3kWでの充電電力での充電を需要家施設B1の蓄電池104に行わせる。
次に、区分期間T3としての1時間にわたっては、需要家施設A1の蓄電池104については1kWの充電電力で充電を行わせるようにする。これにより、区分期間T3において需要家施設A1は、自家で発生する2kWhの需要対応余剰電力量のうち、1kWhの電力量が需要家施設A1の蓄電池104に充電され、残る1kWhの電力量が需要家施設A1から逆潮流されることになる。
また、需要家施設B1の蓄電池104については、定格電力に対応する4kWの充電電力での充電を行わせるようにする。この結果、区分期間T3において需要家施設B1は、自家で発生する3kWhの需要対応余剰電力量と、系統(商用電源ラインDL)から供給される1kWhの電力量とを、自家の蓄電池104に充電することになる。この結果、区分期間T3において需要家施設B1は、需要家施設A1にて発生する2kWhの需要対応余剰電力量のうち、1kWhの充電対応余剰電力量W5を需要家施設B1の蓄電池104に充電させることができる。
また、次の区分期間T4においては、需要家施設A1の蓄電池104については0kWの充電電力を設定して充電が行われないようにする。また、需要家施設B1の蓄電池104については2kWの充電電力で充電を行わせるようにする。これにより、需要家施設A1にて生じている1kWhの充電対応余剰電力量W3を需要家施設B1の蓄電池104に充電することができる。
この場合、区分期間T4が終了した段階では、需要家施設A1の蓄電池104の蓄積電力量は、蓄積最大容量と等しい4kWhとなり、需要家施設B1の蓄電池104の蓄積電力量は、蓄積最大容量と等しい10kWhとなる。
この結果、区分期間T2においては、需要家施設A1にて発生する2kWhの需要対応余剰電力量のうち1kWhの充電対応余剰電力量W4を需要家施設B1の蓄電池104に充電させることができる。
そこで、電力管理装置300は、次の区分期間T4においては以下のように運転スケジュールを設定する。つまり、電力管理装置300は、需要家施設A1にて生じた1kWの需要対応余剰電力に応じて、1kWの充電電力での充電を需要家施設A1の蓄電池104に行わせる運転スケジュールを設定する。また、需要家施設B1にて生じた1kWの需要対応余剰電力に応じて、1kWの充電電力での充電を需要家施設B1の蓄電池104に行わせる運転スケジュールを設定する。
これにより、区分期間T4においては、需要家施設A1にて生じている1kWの需要対応余剰電力が需要家施設A1の蓄電池104に充電され、需要家施設B1にて生じている1kWの需要対応余剰電力が需要家施設B1の蓄電池104に充電される。
この場合にも、区分期間T4が終了した段階では、需要家施設A1の蓄電池104の蓄積電力量は、蓄積最大容量と等しい4kWhとなり、需要家施設B1の蓄電池104の蓄積電力量は、蓄積最大容量と等しい10kWhとなる。
図5においては、予測余剰電力GA11-1、GA12-1、GB11-1、GB12-1が示されている。
予測余剰電力GA11-1は、複数の需要家施設100のうちの1つである需要家施設A11にて、単位期間(1日)における所定の区分期間(1時間)ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。
予測余剰電力GA12-1は、複数の需要家施設100のうちの1つである需要家施設A12にて、単位期間における所定の区分期間ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。
予測余剰電力GB11-1は、複数の需要家施設100のうちの1つである需要家施設B11にて、単位期間(1日)における所定の区分期間(1時間)ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。
予測余剰電力GB12-1は、複数の需要家施設100のうちの1つである需要家施設B12にて、単位期間における所定の区分期間ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。
需要家施設A11の蓄電池104は、蓄積最大容量が10kWhであり、定格電力が4kWである。
需要家施設A12の蓄電池104は、蓄積最大容量が3kWhであり、定格電力が2kWである。
需要家施設B11の蓄電池104は、蓄積最大容量が6kWhであり、定格電力が2kWである。
需要家施設B12の蓄電池104は、蓄積最大容量が7kWhであり、定格電力が2kWである。
この場合において、上記のように需要家施設A11にて発生した需要対応余剰電力を、同じ需要家施設A11の蓄電池104に対して、SOCが0%の状態から充電させていった場合には、区分期間T4の前半30分が経過したタイミングで、蓄積電力量が蓄積最大容量と等しい10kWhとなる。従って、需要家施設A11においては、区分期間T4の後半30分に対応する1kWhの需要対応余剰電力量が、充電対応余剰電力量として発生する。
この場合において、需要家施設A12にて発生した需要対応余剰電力を、同じ需要家施設A12の蓄電池104に対して、SOCが0%の状態から充電させていった場合には、区分期間T2が経過したタイミングで、蓄積電力量が蓄積最大容量と等しい3kWhとなる。従って、需要家施設A12においては、区分期間T3、T4に対応する3kWhの需要対応余剰電力量が、充電対応余剰電力量として発生する。
この場合において、需要家施設B11にて発生した需要対応余剰電力を、同じ需要家施設B11の蓄電池104に対して、SOCが0%の状態から充電させていった場合には、区分期間T3までの4kWhの需要対応余剰電力量の全てを充電させることができる。従って、需要家施設B11においては、充電対応余剰電力は発生しない。この段階で、需要家施設B11の蓄電池104には、まだ2kWhを蓄積できる余裕がある。
この場合において、需要家施設B12にて発生した需要対応余剰電力を、同じ需要家施設B12の蓄電池104に対して、SOCが0%の状態から充電させていった場合には、区分期間T3までの5kWhの需要対応余剰電力量の全てを充電させることができる。従って、需要家施設B12においては、充電対応余剰電力は発生しない。この段階で、需要家施設B12の蓄電池104には、まだ2kWhの電力量を蓄積できる余裕がある。
この場合、まず、供給需要家施設としての需要家施設A11においては、区分期間T4の後半30分にて1kWh(2kW×0.5h)の充電対応余剰電力量W11が発生する。充電対応余剰電力量W11については、区分期間T4の後半30分において、定格電力と同等の2kWの充電電力で1kWhを需要家施設B11の蓄電池104に充電させることができる(この際、需要家施設A11の蓄電池104の充電電力は0kWとしている)。この充電により、需要家施設B11の蓄電池104の蓄積容量は5kWhとなるから、需要家施設B11の蓄電池104には、6kWhの蓄積最大容量に対してまだ1kWhの電力量を蓄積できる余裕がある。
また、上記のように充電対応余剰電力量W11が需要家施設B11の蓄電池104に充電されたことで、需要家施設A11においては、全ての需要対応余剰電力が充電されたことになる。従って、需要家施設A11においては、超過電力区間は存在しない。
この場合、区分期間T3においては、需要家施設B11の蓄電池104により2kWの充電電力で充電させる。これにより、需要家施設A12における2kWhの充電対応余剰電力量のうち1kWhの充電対応余剰電力量W12を、需要家施設B11の蓄電池104に充電させることができる。
しかしながら、この充電の段階で、区分期間T3においては、需要家施設B11の蓄電池104は定格電力と同等の2kWの充電電力で充電を行うことになる。また、需要家施設B12の蓄電池104は、既に、需要家施設B12にて発生している需要対応余剰電力の充電のために、定格電力と同等の2kWの充電電力で充電を行っている。このため、需要家施設A12にて残る1kWhの充電対応余剰電力量W13については、需要家施設B11、B12のいずれの蓄電池104にも充電させることができない。
また、需要家施設A12では、区分期間T4において1kWh(1kW×1h)の充電対応余剰電力量W14が発生している。需要家施設A12の区分期間T3が終了したタイミングでは、需要家施設B12の蓄電池104の蓄積容量は5kWhであり、7kWhの蓄積最大容量に対して2kWhの余裕がある。また、需要家施設B12では区分期間T4において需要対応余剰電力が発生していない。そこで、区分期間T4において1kWの充電電力により需要家施設B12の蓄電池104の充電動作を実行させることで、充電対応余剰電力量W14を需要家施設B12の蓄電池104に充電させることができる(この際、需要家施設A12の蓄電池104の充電電力は0kWとしている)。
このように、同図の例においては、需要家施設A12について、区分期間T3に対応して充電対応余剰電力量W13による超過電力区間が存在することが判定される。
この場合において、まず、電力管理装置300は、区分期間T3において、需要家施設A12の蓄電池104により1kWの充電電力で充電を行わせ、需要家施設B11の蓄電池104により2kWの充電電力で充電を行わせる運転スケジュールを設定する。これにより、需要家施設A12における2kWhの充電対応余剰電力量のうち1kWhの充電対応余剰電力量W12を、需要家施設B11の蓄電池104に充電させる(融通させる)ことができる。
このように蓄電池104の運転スケジュールが策定されることにより、本実施形態においては、供給需要家施設にて生じる超過電力を抑制することが可能となる。
制御部302は、需要対応余剰電力取得部321、需要家施設分類部322、電力制御計画策定部323、及び電力制御部324を備える。
予測発電電力は、単位期間において発電装置103が発電することで得られる発電電力の時間軸に応じた遷移についての予測結果である。予測需要電力は、単位期間において負荷105が消費する電力(需要電力)の時間軸に応じた遷移についての予測結果である。
需要対応余剰電力取得部321は、例えば予測発電電力と予測需要電力との導出(予測)に用いるパラメータ(予測パラメータ)を電力管理実績記憶部333から取得する。予測パラメータとしては、例えば対応の需要家施設100についての過去の一定期間における発電電力と需要電力の実績の情報を含む。さらには、例えば天気予報等の情報もパラメータに含まれてよい。需要対応余剰電力取得部321は、取得したパラメータを利用して単位期間における予測発電電力と予測需要電力とを導出する。
そのうえで、需要対応余剰電力取得部321は、単位期間における時間ごとの予測発電電力と予測需要電力との差分を求めることにより、単位期間における時間ごとの需要対応余剰電力を導出する。このようにして、需要対応余剰電力取得部321により、需要対応余剰電力が取得される。
電力制御計画策定部323は、超過電力区間があると判定した場合には、超過電力区間以前の期間において、受給需要家施設の需要対応余剰電力が許容最大電力より小さい区間にて、供給需要家施設の需要対応余剰電力が対象蓄電池に充電されるように電力制御の計画を策定する。
このために、電力制御部324は、通信部301を介して、需要家施設100の施設内電力管理装置200に対してコマンドを送信する。コマンドの受信に応じて、施設内電力管理装置200は、需要家施設100内の電気設備を制御する。このように、施設内電力管理装置200による電力制御は、需要家施設100の施設内電力管理装置200を経由して行われる。
本実施形態の場合、需要家施設情報は、対応の需要家施設100において備えられる蓄電池104についての仕様に関する情報を含む。蓄電池104についての仕様に関する情報は、充電容量、定格電力等の情報を含む。
電力制御部324は、電力制御計画記憶部332に記憶された電力制御計画の情報に基づいて、需要家施設100ごとの電気設備を制御する。これにより、電力管理システム1において、策定された電力制御計画に従って需要家施設100ごとの電気設備が動作することができる。
ステップS101:図3、図5にて説明したように、蓄電池104の運転スケジュールの策定にあたっては、電力管理システム1における需要家施設100のそれぞれを供給需要家施設と受給需要家施設とのいずれかに分類することが行われる。
そこで、電力管理装置300における需要家施設分類部322は、電力管理システム1における需要家施設100のうちから、分類対象とする1つの需要家施設100を選択する。
需要対応余剰電力取得部321は、例えば前述のように、分類対象の需要家施設100についての過去の発電電力、需要電力等の実績を予測パラメータとして、電力管理実績記憶部333から取得してよい。
また、需要対応余剰電力取得部321は、運転スケジュール策定対象となる単位期間に対応する時間帯の天気予報の情報等も予測パラメータとして取得してよい。
本実施形態において、予測発電電力と予測需要電力との予測手法については特に限定されない。
また、本実施形態における予測発電電力と予測需要電力は、前述のように、予測対象の単位期間における時間ごとの値を示す。
このために、需要家施設分類部322は、例えば、ステップS104にて導出された需要対応余剰電力とステップS105にて導出された蓄積最大容量とにより、充電対応余剰電力が生じるか否かについて判定する。
最も簡易な判定の例として、需要家施設分類部322は、需要対応余剰電力が蓄積最大容量よりも大きければ充電対応余剰電力が生じると判定し、需要対応余剰電力が蓄積最大容量よりも小さければ充電対応余剰電力が生じないと判定してよい。
そして、需要家施設分類部322は、分類対象の需要家施設100について、充電対応余剰電力が生じたと判定した場合には供給需要家施設として分類し、充電対応余剰電力が生じないと判定した場合には受給需要家施設として分類する。
未分類の需要家施設100が残っている場合、ステップS101に処理が戻されることで、未分類の需要家施設100についての分類が実行される。
このため、電力制御計画策定部323は、対象供給需要家施設において発生する需要対応余剰電力を、同じ対象供給需要家施設の蓄電池104に充電していくようにシミュレーションした場合に、蓄電池104のSOCが100%となって充電できなかった需要対応余剰電力(即ち、充電対応余剰電力)が発生する区間を特定する。具体的に、図3における予測余剰電力GA1-1との対応では、区分期間T3の後半30分、及び区分期間T4が、充電対応余剰電力の発生する区間である。
次に、電力制御計画策定部323は、特定された区間における充電対応余剰電力を、同じ特定された区間において、受給需要家施設の蓄電池104に充電させるシミュレーションを行う。この際には、受給需要家施設の蓄電池104の制約条件である蓄積最大容量と定格電力とを越えないようにすることを前提として、充電のシミュレーションが行われる。
シミュレーションの結果、充電対応余剰電力の全てを受給需要家施設の蓄電池104に充電することができた場合には、超過電力が発生しなかったことになる。この場合、電力制御計画策定部323は、超過電力区間は存在しないとの特定結果を得ることになる。
また、シミュレーションの結果、受給需要家施設の蓄電池104に充電できずに残った充電対応余剰電力がある場合には、超過電力が発生したことになる。この場合、電力制御計画策定部323は、超過電力が発生した区間を超過電力区間として特定する。
具体的に、図3における予測余剰電力GA1-1との対応では、区分期間T3の後半30分において充電対応余剰電力量W2としての超過電力が発生していることから、区分期間T3の後半30分が超過電力区間として特定される。
まだ、超過電力区間について特定されていない供給需要家施設がある場合には、ステップS108に処理が戻される。
即ち、ステップS109にて特定された超過電力区間以前の期間において、受給需要家施設の需要対応余剰電力が許容最大電力より小さい区間にて、供給需要家施設の需要対応余剰電力が対象蓄電池に充電されるように、需要家施設(供給需要家施設、受給需要家施設)の蓄電池104の時間ごとの充電電力を設定する。
この場合、電力制御計画策定部323は、需要家施設の蓄電池104の制約条件である充電可能容量と定格電力とを考慮して、需要家施設の蓄電池104の時間ごとの充電電力を設定する。
受給需要家施設の蓄電池104の運転スケジュールが反映された電力制御計画は電力制御計画記憶部332に記憶される。電力制御部324は、電力制御計画記憶部332に記憶される電力制御計画に従って、電力管理システム1における電気設備等の制御を行う。
続いて、第2実施形態として、超過電力を抑制するための需要家施設の蓄電池104の運転スケジュール策定手法の一具体例について説明する。本実施形態に関する説明は、図8のステップS111としての処理の一具体例についての説明となる。
同図においては、図3と同様に、供給需要家施設である需要家施設A1の予測余剰電力GA1-1と、受給需要家施設である需要家施設B1の予測余剰電力GB1-1が示されている。
また、同図においては、需要家施設A1、B1のそれぞれにおける蓄電池104の制約条件も、図3と同様である。つまり、需要家施設A1における蓄電池104の制約条件は、蓄積最大容量が4kWh、定格電力(許容最大電力の一例)が2kWである。需要家施設B1における蓄電池104の制約条件が、蓄積最大容量が10kWhであり、定格電力が4kWである。
また、同図においても、区分期間T1の開始時においては、需要家施設A1、B1の各蓄電池104のSOCは0%である場合を例に挙げる。
また、同図の予測余剰電力GA1-1、GB1-1に関しては、図3と同様に、超過電力が発生した区間において超過電力を融通させる制御を行った場合には、超過電力の一部である充電対応余剰電力量W2を融通できないとの結果が示されている。
この場合、需要家施設B1の蓄電池104に対して需要対応余剰電力量W21を融通したと仮定すると、需要家施設B1の蓄電池104は、自家において発生した1kWhの需要対応余剰電力量と需要対応余剰電力量W21とで合計で2kWhの電力量が充電されることになる。この場合、需要家施設B1の蓄電池104は、10kWhの蓄積最大容量のうちの2kWhが蓄積されるので、充電が可能な蓄積電力量の残りは8kWhであり、4kWの定格電力未満で充電ができる。つまり、需要家施設B1の蓄電池104の制約条件を満たして、電力制御計画策定部323は、需要家施設A1にて発生した1kWhの需要対応余剰電力量W21の全てを融通可能であると判定する。
そこで、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T1において、需要家施設A1の蓄電池104については0kWの充電電力を設定して充電を行わせず、需要家施設B1の蓄電池104については、2kW(=1kW+1kW)の充電電力での充電を行うように設定する。この結果、需要家施設A1は、自家で発生する1kWhの需要対応余剰電力量W21を、自家の蓄電池104に充電させるのではなく、系統に逆潮流させることになる。また、需要家施設B1は、自家で発生する1kWhの需要対応余剰電力量と、需要家施設A1から逆潮流された1kWhの需要対応余剰電力量W21との、計2kWhを自家の蓄電池104に充電させることになる。
区分期間T2において、需要家施設A1では2kWの需要対応余剰電力が発生しており、需要家施設B1では3kWの需要対応余剰電力が発生している。需要家施設B1の蓄電池104の定格電力は4kWであるので、定格電力に達するまでには1kWの余裕がある。また、区分期間T2において、需要家施設B1の蓄電池104に4kWhを充電したとしても、区分期間T1~T2により需要家施設B1の蓄電池104における蓄積電力量の合計は6kWh(=2kWh+4kWh)であり、4kWhまで蓄積可能である。従って、この場合には、電力制御計画策定部323は、需要家施設A1にて発生した2kWhの需要対応余剰電力量のうち、1kWhの需要対応余剰電力量W22を、需要家施設B1の蓄電池104に融通可能であると判定する。
そこで、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T2において、需要家施設A1の蓄電池104について1kWの充電電力で充電を行うように設定し、需要家施設B1の蓄電池104について4kW(=3kW+1kW)の充電電力で充電を行うように設定する。この結果、需要家施設A1にて発生した需要対応余剰電力量W22を需要家施設B1の蓄電池104に充電させるようにして融通させることができる。
区分期間T3において、需要家施設A1では2kWの需要対応余剰電力が発生しており、需要家施設B1では3kWの需要対応余剰電力が発生している。需要家施設B1の蓄電池104の定格電力は4kWであるので、定格電力に達するまでには1kWの余裕がある。また、区分期間T3において、需要家施設B1の蓄電池104に4kWhを充電したとしても、区分期間T1~T3により需要家施設B1の蓄電池104における蓄積電力量の合計は10kWh(=2kWh+4kWh+4kWh)であり、蓄電池104への充電が可能である。従って、この場合には、電力制御計画策定部323は、需要家施設A1にて発生した2kWhの需要対応余剰電力のうち、1kWhの需要対応余剰電力量W23を、需要家施設B1の蓄電池104に融通可能であると判定する。
そこで、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T3において、需要家施設A1の蓄電池104について1kWの充電を行うように設定し、需要家施設B1の蓄電池104については、4kW(=3kW+1kW)の充電を行うように設定する。この結果、需要家施設A1にて発生した需要対応余剰電力量W23を需要家施設B1の蓄電池104に充電させるようにして融通させることができる。
区分期間T4において、需要家施設A1では1kWの需要対応余剰電力が発生しており、需要家施設B1では1kWの需要対応余剰電力が発生している。この場合、需要家施設B1の蓄電池104は、区分期間T3の段階で、蓄積電力量が蓄積最大容量である10kWhに達していることから、これ以上の充電はできない。このため、電力制御計画策定部323は、区分期間T4において、需要家施設A1から需要家施設B1に対する電力の融通は不可であると判定する。
この場合、供給需要家施設の蓄電池104においては蓄積可能な容量の残りに余裕があるのに対して、受給需要家施設の蓄電池104においては蓄積可能な容量の残りに余裕がない状態である。即ち、受給需要家施設にて超過電力が発生するという逆転状態が発生する。超過電力を極力抑制するには、このような逆転状態を解消または抑制できるようにすることが好ましい。
つまり、電力制御計画策定部323は、区分期間T4において、受給需要家施設の需要対応余剰電力を供給需要家施設の蓄電池104に融通可能であるか否かについて判定する。同図の例では、区分期間T3までおける需要家施設A1の蓄電池104の蓄積電力量は2kWhであり、4kWhの蓄積最大容量に対して2kWhの余裕がある。
また、区分期間T4において、需要家施設A1では1kWhの需要対応余剰電力量W24(予測余剰電力GA1-1における充電対応余剰電力量W3に相当する)が発生している。
一方、区分期間T4において、需要家施設B1では1kWhの需要対応余剰電力量W25が発生している。この場合には、同図に示されるように、需要対応余剰電力量W25を、需要家施設A1に融通した場合には、需要家施設A1の蓄電池104には定格電力と同じ2kWによる充電が行われ、この結果、蓄積電力量は4kWhとなって蓄積最大容量と等しくなる。
従って、この場合には、電力制御計画策定部323は、需要家施設B1の需要対応余剰電力量W25を、需要家施設A1の蓄電池104に融通可能であると判定する。
そこで、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T4において、需要家施設B1の蓄電池104については充電を行わせず、需要家施設A1の蓄電池104については、2kWの充電電力での充電を行うように設定する。
このような区分期間T4における運転スケジュールの設定により、受給需要家施設にて生じる需要対応余剰電力量W25としての超過電力を解消できる。
しかしながら、受給需要家施設にて生じる超過電力の削減のための手順は、受給需要家施設の蓄電池104に対する充電電力が定格電力を越えることにより、供給需要家施設から受給需要家施設に対する電力の融通が不可であると判定された場合にも行われてよい。
そのうえで、電力制御計画策定部323は、1の対象区間において、供給需要家施設の需要対応余剰電力を受給需要家施設の蓄電池104に融通できないと判定した場合、供給需要家施設の蓄電池104の制約条件に基づいて、受給需要家施設の需要対応余剰電力の少なくとも一部を供給需要家施設の蓄電池104に融通が可能であるか否かについて判定する。融通が可能な電力があると判定した場合には、電力制御計画策定部323は、融通が行われるように、1の対象区間における供給需要家施設の蓄電池の充電電力を設定する。
同図においては、図5と同様に、供給需要家施設が需要家施設A11、A12の2つであり、受給需要家施設が需要家施設B11、B12の2つである場合の例が示される。また、需要家施設A11、A12、B11、B12のそれぞれについて予測される予測余剰電力のパターンも、図5の予測余剰電力GA11-1、GA12-1、GB11-1、GB12-1と同様である場合の例が示される。
また、需要家施設A11、A12、B11、B12のそれぞれにおける蓄電池104の制約条件(蓄積最大容量、定格電力)についても、図5と同様である。つまり、需要家施設A11の蓄電池104は、蓄積最大容量が10kWhであり、定格電力が4kWである。需要家施設A12の蓄電池104は、蓄積最大容量が3kWhであり、定格電力が2kWである。需要家施設B11の蓄電池104は、蓄積最大容量が6kWhであり、定格電力が2kWである。需要家施設B12の蓄電池104は、蓄積最大容量が7kWhであり、インバータの定格電力が2kWである。
また、同図においても、区分期間T1の開始時においては、需要家施設A11、A12、B11、B12の各蓄電池104のSOCは0%である場合を例に挙げる。
この場合において、超過電力が発生した区間において超過電力を融通させる制御を行った場合には、図5にて充電対応余剰電力量W13として示したのと同様に、需要家施設A11について、区分期間T3に対応して超過電力が発生する。
まず、電力制御計画策定部323は、電力制御の計画の策定対象となる対象区間のうち、最初の対象区間である区分期間T1を対象として、以下の判定を行う。つまり、電力制御計画策定部323は、供給需要家施設である需要家施設A11、A12から、受給需要家施設である需要家施設B11、B12に対して電力の融通が可能であるか否かについて判定する。この際、電力制御計画策定部323は、需要家施設B11、B12の蓄電池104の制約条件が満たされることを考慮する。
この場合、電力制御計画策定部323は、需要家施設A11から需要家施設B11の蓄電池104に対して需要対応余剰電力量W31を融通することが可能であると判定する。また、電力制御計画策定部323は、需要家施設A12から需要家施設B12の蓄電池104に対して需要対応余剰電力量W32を融通することが可能であると判定する。
なお、この場合の電力制御計画策定部323は、需要家施設A11から需要家施設B12の蓄電池104に対して需要対応余剰電力量W31を融通し、需要家施設A12から需要家施設B11の蓄電池104に対して需要対応余剰電力量W32を融通することが可能であると判定してもよい。
そこで、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T1において、需要家施設A11、A12の蓄電池104については、それぞれ0kWの充電電力での充電を行い(即ち充電を実行させない)、需要家施設B11、B12の蓄電池104については、それぞれ2kW(=1kW+1kW)の充電電力での充電を行うように設定する。これにより、需要家施設B11、B12の蓄電池104は、自家施設で発生した各1kWhの需要対応余剰電力量とともに、それぞれ、需要対応余剰電力量W31、W32を充電することができる。つまり、需要家施設B11、B12には、それぞれ需要対応余剰電力量W31、W32が融通される。
区分期間T2において、需要家施設B11では定格電力と等しい2kWhの需要対応余剰電力が発生しており、需要家施設B12でも定格電力と等しい2kWhの需要対応余剰電力が発生している。この場合、需要家施設B11、B12のいずれの蓄電池104も定格電力と等しい需要対応余剰電力を充電するので、これ以上の電力の充電は定格電力を越えることとなって不可能である。
そこで、電力制御計画策定部323は、区分期間T2においては、需要家施設A11、A12から需要家施設B11、B12に対して電力の融通は可能ではないと判定する。
この場合、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T2において、需要家施設A11の蓄電池104については4kWの充電電力での充電、需要家施設A12の蓄電池104については2kWの充電電力での充電、需要家施設B11の蓄電池104については、2kWの充電電力での充電、需要家施設B12の蓄電池104については、2kWの充電電力での充電を行うように設定する。これにより、需要家施設A11、A12、B11、B12の各蓄電池104は、それぞれ自家施設にて発生した需要対応余剰電力を充電することになる。
区分期間T3において、需要家施設A11では4kW、需要家施設A12では2kW、需要対応余剰電力が発生している。また、需要家施設B11では1kW、需要家施設B12では2kWの需要対応余剰電力が発生している。この場合、需要家施設B12においては、需要対応余剰電力が2kWであり定格電力と等しいため、蓄電池104への充電は不可能である。
一方、需要家施設B11においては、2kWの定格電力に対して需要対応余剰電力が1kWであるため、さらに1kWの充電が可能である。この場合、需要家施設B11の蓄電池104に対しては、需要家施設A11、A12のいずれからも1kWhの電力量を融通することが可能である。
ただし、需要家施設A12において、蓄電池104の蓄積最大容量は3kWであることから、発生した2kWhの需要対応余剰電力量のうち、1kWhの需要対応余剰電力量W33については自家施設で充電することができずに超過電力となる。
一方、需要家施設A11では、区分期間T2の終了時点で蓄電池104の蓄積容量は4kWhであり、6kWhを蓄積可能な状態にある。つまり、需要家施設A11では、区分期間T3において発生した4kWhの需要対応余剰電力量を蓄電池104に充電可能である。
そこで、この場合の電力制御計画策定部323は、需要家施設A12にて超過電力となる1kWhの需要対応余剰電力量W33を、需要家施設B11に融通可能であると判定する。この判定結果に従って、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T3において、需要家施設A11の蓄電池104については4kWの充電電力での充電、需要家施設A12の蓄電池104については1kWの充電電力での充電、需要家施設B11の蓄電池104については2kW(=1kW+1kW)の充電電力での充電、需要家施設B12の蓄電池104については2kWの充電電力での充電を行うように設定する。これにより、需要家施設A12から需要家施設B11に対して、1kWhの需要対応余剰電力量W33が融通される。
区分期間T3が終了した段階において、需要家施設B11では蓄積容量が6kWhであり、蓄積最大容量に達している。このため、電力制御計画策定部323は、区分期間T3に続く区分期間T4において需要家施設B11に対する電力の融通は不可能であると判定する。一方、需要家施設B12では区分期間T4において需要対応余剰電力は発生していない。また、需要家施設B12の蓄電池104の区分期間T3終了時の蓄積容量は6kWhであり、さらに1kWhを蓄積可能な状態であるから、区分期間T4としての1時間において最大で1kWでの充電が可能である。
一方で、区分期間T4において、需要家施設A11、A12の需要対応余剰電力は、それぞれ2kW、1kWである。この場合、需要家施設B12の蓄電池104に対しては、需要家施設A11、A12のいずれからも1kWhの電力量を融通することが可能である。
ただし、需要家施設A12において、蓄電池104の蓄積最大容量は3kWhであることから、発生した1kWhの充電対応余剰電力量W34(この場合、需要対応余剰電力量でもある)は自家施設で充電することができずに超過電力となる。
一方、需要家施設A11では、区分期間T3の終了時点で蓄電池104の蓄積容量は8kWhであり、2kWhを蓄積可能な状態にある。つまり、需要家施設A11では、区分期間T4において発生した2kWhの需要対応余剰電力量を蓄電池104に充電可能である。
一方、需要家施設B11の蓄電池104の蓄積容量は、区分期間T3が終了した時点で6kWhの蓄積最大容量に達していることから、これ以上充電することはできない。
そこで、この場合の電力制御計画策定部323は、需要家施設A12にて超過電力となる1kWhの充電対応余剰電力量W34を、需要家施設B12に融通可能であると判定する。この判定結果に従って、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T4において、需要家施設A11の蓄電池104については2kWの充電電力での充電、需要家施設A12の蓄電池104については0kWの充電電力での充電、需要家施設B11の蓄電池104については0kWの充電電力での、需要家施設B12の蓄電池104については1kWの充電電力での充電を行うように設定する。これにより、需要家施設A12から需要家施設B12に対して、1kWhの充電対応余剰電力量W34が融通される。
以降においては、図11の処理手順例が、図8のステップS111における処理である場合を例に挙げる。なお、図11の処理手順例を図8のステップS111の処理として適用した場合には、事前に超過電力区間を特定しなくともよいことから、図8のステップS108~S110の処理は省略されてよい。
ステップS205:供給需要家施設から受給需要家施設に需要対応余剰電力を融通可能であると判定された場合、電力制御計画策定部323は、融通元の供給需要家施設から融通先の受給需要家施設に融通可能な電力量を算出する。
ステップS206:電力制御計画策定部323は、ステップS205により算出された電力量が融通される結果となるように、選択された対象区間における運転スケジュールとして、供給需要家施設と受給需要家施設とのそれぞれにおける蓄電池104の充電電力を設定する。
供給需要家施設では、選択された対象区間において、当該ステップS206により設定された充電電力に応じた充電電力量よりも需要対応余剰電力量が多ければ、需要対応余剰電力量から充電電力量を差し引いた電力量を逆潮流させる。
また、受給需要家施設では、選択された対象区間において、設定された充電電力で蓄電池104が充電動作を行うことで、供給需要家施設から逆潮流されている場合には逆潮流電力を充電することになる。この際、逆潮流電力が、受給需要家施設に設定された充電電力よりも小さい(逆潮流電力がゼロの場合も含む)場合、受給需要家施設では、充電電力に対する逆潮流電力の差分の電力に応じた電力量を蓄電池104に充電する。
ステップS208:受給需要家施設から供給需要家施設への需要対応余剰電力の融通が可能であると判定された場合、電力制御計画策定部323は、融通元の受給需要家施設から融通先の供給需要家施設に融通可能な電力量を算出する。
ステップS209:電力制御計画策定部323は、ステップS208により算出された電力量が融通される結果となるように、選択された対象区間における運転スケジュールとして、供給需要家施設と受給需要家施設とのそれぞれにおける蓄電池104の充電電力を設定する。
この場合、電力制御計画策定部323は、需要家施設のうちで、自家施設にて需要対応余剰電力の蓄電池104への充電が可能な需要家施設については、需要対応余剰電力が充電されるように充電電力を設定する。また、自家施設にて需要対応余剰電力の蓄電池104への充電が行えない需要家施設については、需要対応余剰電力を超過電力として逆潮流させる。このように逆潮流された超過電力は、特に他の需要家施設の蓄電池104に充電されるものではない。
需要家施設の充電電力の設定がされていない対象区間が残っている場合には、ステップS203に処理が戻される。需要家施設の充電電力の設定が終了した場合には、同図の処理が終了される。
なお、上記各実施形態のように策定される蓄電池104の運転スケジュールは、需要対応余剰電力の融通に対応するものであることから、融通元と融通先の需要家施設の蓄電池104については、充電電力についての説明を行っている。しかしながら、上記各実施形態のもとでは、例えば蓄電池104について充電が指定されない対象区間においては、自家施設の負荷105への電力供給などのために蓄電池104に或る放電電力により放電させる内容が運転スケジュールに含まれてよい。
上記第2実施形態では、最初の対象区間から順に、供給需要家施設から受給需要家施設の蓄電池104に融通可能な需要対応余剰電力があれば、必ず融通するように運転スケジュールを策定していくようにされている。そのうえで、受給需要家施設の蓄電池104の蓄積電力量が蓄積最大容量に達している一方で、供給需要家施設の蓄電池104の蓄積電力量が蓄積最大容量に達しておらず充電可能な状態となった区間は、受給需要家施設の需要対応余剰電力を供給需要家施設側に供給してもよいようにされていた。
これに対して、本変形例においては、所定数の連続する区分期間(単位連続区分期間)において供給需要家施設にて発生する超過電力量の総量(単位総超過電力量)を求め、対応の単位連続区分期間において、求められた単位総超過電力量が受給要家施設に融通されるように運転スケジュールを策定するようにされる。なお、単位連続区分期間は、単位期間に相当するものであってもよいし、単位期間における一部の区分期間が連続する期間であってもよい。
具体的に、同図の例では、まず、電力制御計画策定部323は、区分期間T1において、1kWhの充電対応余剰電力量W21を融通可能であると判定する。そこで、電力制御計画策定部323は、区分期間T1に対応させて、需要家施設A1の蓄電池104については1kWの充電電力を設定し、需要家施設B1の蓄電池104については、2kWの充電電力を設定する。この段階での融通電力量の総計は1kWhである。
そこで、電力制御計画策定部323は、続く、区分期間T3、T4においては、需要家施設A1、B1にて発生する需要対応余剰電力がそれぞれ自家の蓄電池104に充電されるように、需要家施設A1、B1の蓄電池104の充電電力を設定する。
つまり、電力制御計画策定部323は、区分期間T3においては、需要家施設A1の蓄電池104について2kWの充電電力を設定し、需要家施設B1の蓄電池104について3kWの充電電力を設定する。
また、電力制御計画策定部323は、区分期間T4においては、需要家施設A1の蓄電池104について1kWの充電電力を設定し、需要家施設B1の蓄電池104について1kWの充電電力を設定する。
以降においては、図13の処理手順例が、図8のステップS111における処理である場合を例に挙げる。なお、図13の処理手順例を図8のステップS111の処理として適用した場合には、事前に超過電力区間を特定しなくともよいことから、図8のステップS108~S110の処理は省略されてよい。
この場合、電力制御計画策定部323は、単位連続区分期間において発生する総超過電力量を算出する。電力制御計画策定部323は、算出された総超過電力量を現在の残総超過電力量とする。
ステップS2107:供給需要家施設から受給需要家施設に需要対応余剰電力を融通可能であると判定された場合、電力制御計画策定部323は、融通元の供給需要家施設から融通先の受給需要家施設に融通可能な電力量を算出する。この場合において、電力制御計画策定部323は、残総超過電力量がゼロより小さくなる結果を生じないように融通可能な電力量を算出してよい。
ステップS2108:電力制御計画策定部323は、現在の残総超過電力量から、今回のステップS2107により算出された融通可能な電力量を差し引くことで、残総超過電力量を更新する。
ステップS2105にて残総超過電力量がゼロより大きくないと判定された場合、あるいはステップS2106にて需要対応余剰電力の融通が可能でないと判定された場合には、供給需要家施設から受給需要家施設への電力融通がない。このような場合、電力制御計画策定部323は、自家で発生した需要対応余剰電力が充電されるように、供給需要家施設と受給需要家施設とのそれぞれにおける蓄電池104の充電電力を設定する。
また、ステップS2108の処理を経た場合には、ステップS2107で算出された電力量が融通される結果となるように、供給需要家施設と受給需要家施設とのそれぞれにおける蓄電池104の充電電力を設定する。
需要家施設の充電電力の設定がされていない対象区間が残っている場合には、ステップS2104に処理が戻される。需要家施設の充電電力の設定が終了した場合には、同図の処理が終了される。
続いて、第3実施形態について説明する。上記各実施形態において各図に示した余剰電力の融通結果としては、1の供給需要家施設にて発生した超過電力が受給需要家施設への融通によって解消されるパターンを示した。
しかしながら、上記各実施形態のように運転スケジュールを策定して運転制御を行ったとしても、例えば発電装置103が予測よりも相当に多くの発電電力を発生させたなどの事情で、供給需要家施設にて発生した超過電力が解消されない結果を生じる場合がある。
同図は、図10の例に準じている。つまり、同図では、供給需要家施設が需要家施設A11、A12の2つであり、受給需要家施設が需要家施設B11、B12の2つである場合の例が示される。
また、同図では、需要家施設A11、A12、B11、B12のそれぞれについての、策定された運転スケジュールに従って運転制御を行ったことに応じて得られた、需要家施設A11、A12と需要家施設B11、B12との間での電力融通結果(GA11-11、GA12-11、GB11-11、GB12-11)が示されている。
また、需要家施設A11、A12、B11、B12のそれぞれにおける蓄電池104の制約条件(蓄積最大容量、定格電力)も、図10と同様である。つまり、需要家施設A11の蓄電池104は、蓄積最大容量が10kWhであり、定格電力が4kWである。需要家施設A12の蓄電池104は、蓄積最大容量が3kWhであり、定格電力が2kWである。需要家施設B11の蓄電池104は、蓄積最大容量が6kWhであり、定格電力が2kWである。需要家施設B12の蓄電池104は、蓄積最大容量が7kWhであり、定格電力が2kWである。
また、同図においても、区分期間T1の開始時においては、需要家施設A11、A12、B11、B12の各蓄電池104のSOCは0%である場合を例に挙げる。
つまり、区分期間T1においては、需要家施設A11にて発生した1kWhの需要対応余剰電力量W31と、需要家施設A12にて発生した1kWhの需要対応余剰電力量W32とが、需要家施設B11、B12の蓄電池104に充電されたものとして融通された。
また、区分期間T3においては、需要家施設A12にて発生した1kWhの需要対応余剰電力量W33が需要家施設B11の蓄電池104に充電されたものとして融通された。
このように、区分期間T4においては、需要家施設A11、A12にて、計3kWhの充電対応余剰電力が逆潮流される一方で、需要家施設B12にて1kWhの充電電力量W36を蓄電池104に充電している。
この場合、区分期間T4において、需要家施設B12に融通された1kWhの充電電力量W36は、需要家施設A11、A12から逆潮流された計3kWhの充電対応余剰電力量の一部が融通されたものとして捉えてよい。
そのうえで、需要家施設間での電力融通の実績に応じた料金設定などを考慮すると、複数の供給需要家施設から1の受給需要家施設に融通された電力の内訳が適切に定められることが好ましい。
つまり、需要家施設A11については、2kWhの充電対応余剰電力量W35のうち、0.5kWhの電力量W351を需要家施設B12に融通し、残る1.5kWhの電力量W352については、融通不可の超過電力量とする。
また、需要家施設A12については、1kWhの充電対応余剰電力量W34のうち、0.5kWhの電力量W341を需要家施設B12に融通し、残る0.5kWhの電力量W342については、融通不可の超過電力量とする。
そのうえで、本実施形態においては、複数の供給需要家施設から1の受給需要家施設に融通される有効融通電力量について、複数の供給需要家施設間で均等となるようにしていることで、有効融通電力量の決定に関する適正性が得られるようにしている。
図15は、上記のように、供給需要家施設側の充電対応余剰電力量に対して、受給需要家施設の蓄電池104の充電可能電力量のほうが多い状態となった場合の一事例を示している。
同図においては、図14と同様に、供給需要家施設が需要家施設A11、A12の2つであり、受給需要家施設が需要家施設B11、B12の2つである場合の例が示される。
同図では、需要家施設A11、A12、B11、B12のそれぞれについての、策定された運転スケジュールに従って運転制御を行ったことに応じて得られた、需要家施設A11、A12と需要家施設B11、B12との間での電力融通結果(GA11-12、GA12-12、GB11-12、GB12-12)が示されている。
また、同図について、区分期間T1の開始時においては、需要家施設A11、A12、B11、B12の各蓄電池104のSOCは0%である場合を例に挙げる。
そのうえで、同図では、運転スケジュールについては、区分期間T1~T3までにおいては図14の場合と同じとされたうえで、区分期間T4においては、以下のように策定している。
つまり、図14の例では、需要家施設B11の蓄電池104は、区分期間T3が終了した段階で既に満充電の状態であったため、区分期間T4においては、蓄電池104への充電は行われていなかった。
これに対して、同図の場合には、区分期間T4が開始された段階で、需要家施設B11の蓄電池104は、8kWhの蓄積最大容量に対して、2kWhの余裕がある。このため、同図では、区分期間T4において、需要家施設B11の蓄電池104が2kWhの充電を行うように運転スケジュールが設定された例を示している。また、需要家施設B12の区分期間T4においては、図14の場合と同様に、蓄電池104が1kWhの充電を行うように運転スケジュールが設定された例を示している。
また、区分期間T3においては、需要家施設A12にて発生した1kWhの需要対応余剰電力量W33が需要家施設B11の蓄電池104に充電されたものとして融通された。
このように、区分期間T4においては、供給需要家施設側にて、計1kWhの充電対応余剰電力が逆潮流された。一方で、受給需要家施設側では、区分期間T4が開始されたタイミングでは、需要家施設B11における2kWhの充電可能容量(空き容量)と、需要家施設B12における1kWhの充電可能容量との計3kWhの充電可能容量があった。そして、区分期間T4にわたって、計3kWhの充電可能容量に対して充電が行われた。
この場合にも、1の供給需要家施設から複数の受給需要家施設に融通される有効融通電力量について、複数の受給需要家施設間で均等となるようにしていることで、有効融通電力量の決定に関する適正性が得られるようにしている。
同図の電力管理装置300は、制御部302において、有効融通電力決定部325をさらに備える。
有効融通電力決定部325は、供給需要家施設ごとに、逆潮流させた充電対応余剰電力(余剰電力の一例)のうちで、受給需要家施設の蓄電池104への充電電力(需要電力の一例)として利用されたとする有効融通電力量を決定する。有効融通電力は、具体的には、図14における電力量W341、W351や、図15における電力量W341、W342等である。本実施形態において、有効融通電力は、電力値ではなく電力量として扱われる。
電力内訳情報記憶部334は、需要家施設100ごとに、有効融通電力決定部325による有効融通電力の決定結果が反映された電力内訳情報を記憶する。
1の需要家施設100に対応する電力内訳情報としては、例えば単位期間ごとにおける融通電力量、融通不可の超過電力量、被融通電力量が示されるものであってよい。また、電力内訳情報は、1の単位期間において、例えば区分期間等の所定時間ごとに融通電力量、融通不可の超過電力量、被融通電力量を示すものであってよい。
ステップS301:電力管理装置300において、有効融通電力決定部325は、有効融通電力量の決定にあたり、有効融通電力量の決定対象とされる、過去における一定期間の電力管理実績を、電力管理実績記憶部333から取得する。以降の説明にあたり、ステップS301では、一定期間の電力管理実績として、所定の1の単位期間の電力管理実績が取得される場合を例に挙げる。
まだ有効融通電力量を決定する処理の対象とされていない区分期間が残っている場合には、ステップS302に処理が戻される。
上記の第3実施形態では、複数の供給需要家施設から1の受給需要家施設への有効融通電力量について、複数の供給需要家施設間で等分していた。
これに対して、本変形例では、複数の供給需要家施設のそれぞれから1の受給需要家施設に融通する有効融通電力量について、複数の供給需要家施設間で、供給需要家施設に融通されることなく系統に逆潮流される電力量(非利用電力量)が同じ(均等)となるように決定する。
具体例として、図14の区分期間T4のように充電対応余剰電力量が発生している場合には、需要家施設A11については、2kWhの充電対応余剰電力量のうち、1kWhが需要家施設B12への有効融通電力量であるとして設定する。この場合、区分期間T4における需要家施設A11の蓄電池104は、3kWの充電電力が設定される。この結果、需要家施設A11では、区分期間T4において1kWhの非利用電力量が生じる。
また、需要家施設A12については、1kWhの充電対応余剰電力量のうち、需要家施設B12への有効融通電力量は0kWhであると設定する。この場合、区分期間T4における需要家施設A12の蓄電池104は、0kWの充電電力が設定される。この場合、需要家施設A12では、区分期間T4において、逆潮流はされるが受給需要家施設への融通が為されない非利用電力量が1kWh生じる。
即ち、上記の例では、区分期間T4において電力融通を行うにあたり、需要家施設A11、A12の間で非利用電力量が1kWhで同じとなるようにされている。
次に、第4実施形態について説明する。先の第3実施形態では、有効融通電力量の決定にあたり、受給需要家施設の充電電力量または供給需要家施設の充電対応余剰電力量を等分していた。これに対して、本実施形態の電力管理装置300は、有効融通電力量の決定にあたり、過去の一定期間における供給需要家施設間の充電対応余剰電力の総量の比に基づいて充電電力量を分配する。また、本実施形態の電力管理装置300は、有効融通電力量の決定にあたり、過去の一定期間における受給需要家施設間の蓄電池104の充電可能容量の総量の比に基づいて充電対応余剰電力を分配する。
同図に示される電力融通の結果のもとで、電力管理装置300の有効融通電力決定部325は、以下のように、区分期間T4において、需要家施設A11、A12のそれぞれから需要家施設B12に対して融通されたとする有効融通電力量を決定する。
ここでの過去の一定期間については、特に限定されないが、例えば現在日時を起点として過去1年、過去1ヶ月、過去1週間などが設定されてよい。また、過去の一定期間は、例えば昨日といったように、過去における1日であってもよい。さらに過去の一定期間は、例えば直前の区分期間のように、過去における或る1つの区分期間であってもよい。
有効融通電力決定部325は、上記のように算出された余剰電力総量比に応じた分配比率により、区分期間T4における需要家施設B12の蓄電池104に充電された充電電力量W36を分配する。
つまり、有効融通電力決定部325は、充電電力量W36を、2:1の比に従って、2/3kWhと1/3kWhとに分配する。有効融通電力決定部325は、1kWhの充電電力量W36のうち、2/3kWhが、需要家施設A11から融通された電力量であり、1/3kWhが、需要家施設A12から融通された電力量であると決定する。
このような決定結果に伴い、有効融通電力決定部325は、区分期間T4における2kWhの充電対応余剰電力量W35については、2/3kWhの電力量W351が、需要家施設B12に対する有効融通電力量であり、(1+1/3)kWhの電力量W352が融通不可の超過電力量であると決定する。
また、有効融通電力決定部325は、区分期間T4における1kWhの充電対応余剰電力量W34については、1/3kWhの電力量W341が、需要家施設B12に対する有効融通電力量であり、2/3kWhの電力量W342が融通不可の超過電力量であると決定する。
同図に示される電力融通の結果のもとで、電力管理装置300の有効融通電力決定部325は、以下のように、区分期間T4において、需要家施設A12から需要家施設B11、B12に対して融通されたとする有効融通電力量を決定する。
次に、有効融通電力決定部325は、需要家施設B11の充電可能容量の総量と、需要家施設B12の充電可能容量の総量との比を算出する。具体例として、同図の場合には、需要家施設B11の充電可能容量の総量と、需要家施設B12の充電可能容量の総量との比(充電可能容量総量比)が「3:1」であった。
有効融通電力決定部325は、上記のように算出された充電可能容量比に応じた分配比率により、区分期間T4における需要家施設A12の充電対応余剰電力量W34を分配する。
つまり、この場合の有効融通電力決定部325は、充電対応余剰電力量W34を、3:1の比に従って、3/4kWhと1/4kWhとに分配する。有効融通電力決定部325は、1kWhの充電対応余剰電力量W34のうち、3/4kWhが、需要家施設B11に対する有効融通電力量であり、1/4kWhが、需要家施設B12に対する有効融通電力量であると決定する。
このような決定結果に伴い、有効融通電力決定部325は、区分期間T4における2kWhの需要家施設B11の充電電力量のうち、3/4kWhの電力量W342が、需要家施設A12から融通された有効融通電力量であり、残りの(1+1/4)kWhの電力量が、例えば系統(商用電源ラインDL)からの買電等の有効融通電力量以外に由来するものであると決定する。
また、有効融通電力決定部325は、区分期間T4における1kWhの需要家施設B12の充電電力量のうち、1/4kWhの電力量W341が、需要家施設A12から融通された有効融通電力量であり、残りの3/4kWhの電力量が、有効融通電力量以外に由来するものであると決定する。
ステップS405:次に、有効融通電力決定部325は、ステップS404にて算出された、供給需要家施設ごとの充電対応余剰電力の総量の比(余剰電力総量比)を算出する。そのうえで、有効融通電力決定部325は、算出された余剰電力総量比に基づく分配比率により、受給需要家施設の充電電力量を分配する。この際、有効融通電力決定部325は、受給需要家施設が複数存在する場合には、例えば複数の受給需要家施設の充電電力量の合計値を分配してよい。
つまり、有効融通電力決定部325は、過去の一定期間(単位期間)における受給需要家施設ごとの充電可能容量の総量を算出する。
ステップS408:次に、有効融通電力決定部325は、ステップS407にて算出された、受給需要家施設ごとの充電可能容量の総量の比(充電可能容量総量比)を算出する。そのうえで、有効融通電力決定部325は、算出された充電可能容量総量比に基づく分配比率により、供給需要家施設の充電対応余剰電力量を分配する。この際、有効融通電力決定部325は、供給需要家施設が複数存在する場合には、例えば複数の供給需要家施設の充電対応余剰電力量の合計値を分配してよい。
まだ有効融通電力量を決定する処理の対象とされていない区分期間が残っている場合には、ステップS402に処理が戻される。
上記の第4実施形態においては、複数の供給需要家施設から1の受給需要家施設に電力融通を行うにあたり、過去の一定期間における供給需要家施設ごとの充電対応余剰電力量の総量に基づいて複数の供給需要家施設ごとに、融通電力量の分配比率を決定するようにされていた。
しかしながら、第4実施形態の変形例として、有効融通電力決定部325は、充電対応余剰電力量に代えて、過去の一定期間における複数の供給需要家施設ごとの需要対応余剰電力量の総量に基づく分配比率により、複数の供給需要家施設の融通電力量を決定してよい。この場合には、需要対応余剰電力量の総量が多い供給需要家施設ほど有効融通電力量が多くなるように分配比率が設定されてよい。
あるいは、有効融通電力決定部325は、過去の一定期間における複数の供給需要家施設ごとの有効融通電力量の総量に基づく分配比率により、複数の供給需要家施設の融通電力量を決定してよい。この場合には、有効融通電力量の総量が多い供給需要家施設ほど、今回の電力融通における有効融通電力量が多くなるように分配比率が設定されてよい。
あるいは、有効融通電力決定部325は、複数の供給需要家施設から1の受給需要家施設に融通される電力量について、過去の一定期間における複数の供給需要家施設ごとの非利用電力量の総量に基づく分配比率により決定してよい。この場合には、有効融通電力決定部325は、非利用電力量の多い供給需要家施設ほど有効融通電力量が多くなるように分配比率を設定してよい。逆に、有効融通電力決定部325は、非利用電力量の多い供給需要家施設ほど有効融通電力量が少なくなるように分配比率を設定してよい。
あるいは、有効融通電力決定部325は、複数の供給需要家施設から1の受給需要家施設に電力融通するにあたり、過去の一定期間における充電対応余剰電力量、または需要対応余剰電力量、または有効融通電力量の総量が多い供給需要家施設ほど、非利用電力量が多くなるように、非利用電力量についての分配比率を決定してよい。この場合には、1の供給需要家施設は、充電対応余剰電力量から非利用電力量を差し引いた電力量を、受給需要家施設に融通する。
なお、第3実施形態及び第4実施形態による有効融通電力量の決定に関する構成は、電力融通を行っている状態のもとで実行されてもよい。例えば、有効融通電力決定部325は、現区分期間において、次の区分期間を対象として、融通可能な電力量を算出し、算出結果に基づいて各需要家施設の充電電力を決定するようにしてよい。
Claims (6)
- 自家で余剰する余剰電力を逆潮流させる供給需要家施設と、需要電力を順潮流させる受給需要家施設との間で、供給需要家施設の余剰電力が受給需要家施設に対して融通される電力管理地域に対応して電力管理を行う電力管理装置であって、
供給需要家施設ごとに、逆潮流させた余剰電力のうちで受給需要家施設の需要電力として利用されたとする有効融通電力を決定する有効融通電力決定部を備え、
前記有効融通電力決定部は、
複数の供給需要家施設ごとに対応して、所定の1以上の受給需要家施設の需要電力を等分した電力のそれぞれを、前記複数の供給需要家施設ごとの有効融通電力とする
電力管理装置。 - 自家で余剰する余剰電力を逆潮流させる供給需要家施設と、需要電力を順潮流させる受給需要家施設との間で、供給需要家施設の余剰電力が受給需要家施設に対して融通される電力管理地域に対応して電力管理を行う電力管理装置であって、
供給需要家施設ごとに、逆潮流させた余剰電力のうちで受給需要家施設の需要電力として利用されたとする有効融通電力を決定する有効融通電力決定部を備え、
前記有効融通電力決定部は、
所定の1以上の受給需要家施設の需要電力を複数の供給需要家施設のそれぞれから融通した結果として、前記複数の供給需要家施設のそれぞれにおいて融通されない余剰電力が同じとなるように、前記複数の供給需要家施設ごとの有効融通電力を決定する
電力管理装置。 - 自家で余剰する余剰電力を逆潮流させる供給需要家施設と、需要電力を順潮流させる受給需要家施設との間で、供給需要家施設の余剰電力が受給需要家施設に対して融通される電力管理地域に対応して電力管理を行う電力管理装置であって、
供給需要家施設ごとに、逆潮流させた余剰電力のうちで受給需要家施設の需要電力として利用されたとする有効融通電力を決定する有効融通電力決定部を備え、
前記有効融通電力決定部は、
複数の供給需要家施設ごとの過去の一定期間における余剰電力の総量に基づいて前記複数の供給需要家施設ごとに設定した分配比率により、所定の1以上の受給需要家施設の需要電力を分配し、分配された電力のそれぞれを、対応の供給需要家施設の有効融通電力とする
電力管理装置。 - 自家で余剰する余剰電力を逆潮流させる供給需要家施設と、需要電力を順潮流させる受給需要家施設との間で、供給需要家施設の余剰電力が受給需要家施設に対して融通される電力管理地域に対応して電力管理を行う電力管理装置であって、
供給需要家施設ごとに、逆潮流させた余剰電力のうちで受給需要家施設の需要電力として利用されたとする有効融通電力を決定する有効融通電力決定部を備え、
前記有効融通電力決定部は、
所定の1以上の受給需要家施設の需要電力を複数の供給需要家施設のそれぞれから電力を融通した結果として、前記複数の供給需要家施設のそれぞれにおいて融通されない余剰電力の比が、複数の供給需要家施設ごとの過去の一定期間における余剰電力の総量の比に対応するように、前記複数の供給需要家施設ごとの有効融通電力を決定する
電力管理装置。 - 自家で余剰する余剰電力を逆潮流させる供給需要家施設と、需要電力を順潮流させる受給需要家施設との間で、供給需要家施設の余剰電力が受給需要家施設に対して融通される電力管理地域に対応して電力管理を行う電力管理装置であって、
供給需要家施設ごとに、逆潮流させた余剰電力のうちで受給需要家施設の需要電力として利用されたとする有効融通電力を決定する有効融通電力決定部を備え、
前記有効融通電力決定部は、
複数の受給需要家施設ごとに対応して、1の供給需要家施設の余剰電力を等分した電力のそれぞれを、前記1の供給需要家施設から前記複数の受給需要家施設のそれぞれに融通された有効融通電力とする
電力管理装置。 - 自家で余剰する余剰電力を逆潮流させる供給需要家施設と、需要電力を順潮流させる受給需要家施設との間で、供給需要家施設の余剰電力が受給需要家施設に対して融通される電力管理地域に対応して電力管理を行う電力管理装置であって、
供給需要家施設ごとに、逆潮流させた余剰電力のうちで受給需要家施設の需要電力として利用されたとする有効融通電力を決定する有効融通電力決定部を備え、
前記有効融通電力決定部は、
複数の受給需要家施設ごとの過去の一定期間における蓄電池の空き容量の総量に基づいて前記複数の受給需要家施設ごとに設定した分配比率により、1の供給需要家施設の余剰電力を前記複数の受給需要家施設ごとに対応させて分配した電力のそれぞれを、対応の受給需要家施設ごとに融通された有効融通電力とする
電力管理装置。
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