JP7248170B2 - 印字システム、印字装置、印字方法およびプログラム - Google Patents

印字システム、印字装置、印字方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、印字システム、印字装置、印字方法およびプログラムに関する。
対象物の表面に文字、記号、コード等を印字する装置が知られている。たとえば特開2016-36840号公報(特許文献1)は、ワークの表面上でレーザビームを走査させることにより、ワークの表面の所定の印字予定位置に所望のキャラクタを印字するレーザ印字装置を開示する。
特開2016-36840号公報
対象物の種類あるいは材料が変更されたときには、たとえば印字の位置あるいは印字面の高さといったような印字条件を変更する必要が生じうる。このような変更を実現するために、印字装置を改造あるいは変更する可能性がある。装置の改造が不要である場合にも、ソフトウェアの設定を変更する必要が生じる可能性がある。したがって、印字条件の設定を変更するために費用および工数を要するという課題がある。
本発明の目的は、対象物に応じて印字条件をより柔軟に変更できる装置および方法を提供することである。
本開示の一例では、印字システムは、対象物に印字を行うためのマーカと、対象物とマーカとの間の相対位置を3以上の自由度で変化させることが可能なようにマーカを移動させる、マーカ移動装置と、制御プログラムを実行することによりマーカおよびマーカ移動装置を制御するコントローラと、コントローラの内部または外部に設けられ、マーカによる対象物への印字のための印字パラメータを設定する第1の設定部と、コントローラの内部または外部に設けられ、印字パラメータと、対象物の三次元形状および位置に関する情報とに基づいて、コントローラの制御プログラムを設定する第2の設定部とを備える。
この開示によれば、マーカは、マーカ移動装置によって、対象物との間の相対位置を3以上の自由度で変化させることができる。したがって、対象物のさまざまな位置に印字を行うことができる。さらに、マーカ自体の印字可能範囲よりも広い範囲で印字を行うことができる。あるいは静止した対象物だけでなく移動する対象物にも印字を行うことができる。コントローラの制御プログラムを設定することにより、このような印字のための条件を設定することができる。制御プログラムは、印字パラメータと、対象物の三次元形状および位置に関する情報とにより設定可能である。したがって、装置を改造することなく印字条件を変更することができる。
なお、「印字」とは、対象物に、文字、記号、図形、コード等を付すことを意味する。
上述の開示において、印字パラメータは、対象物の個体識別情報を含む。第1の設定部は、外部からの指示を受け付けることにより個体識別情報を設定する。
この開示によれば、対象物の所望の位置に個体識別情報を付すことができる。
上述の開示において、印字パラメータは、対象物の基準位置に対する印字位置と、基準位置からの印字方向とを含む。
この開示によれば、対象物の所望の位置において任意の方向に印字を行うことができる。
上述の開示において、第2の設定部は、さらに、対象物の移動速度と、マーカ移動装置の可動範囲と、マーカ移動装置の三次元形状およびマーカの三次元形状と、マーカの印字可能距離の範囲と、のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、制御プログラムを設定する。
この開示によれば、対象物が移動する場合において、マーカあるいはマーカ移動装置と、対象物との衝突あるいは干渉を回避しながら、対象物に印字を行うことができる。
上述の開示において、印字システムは、対象物の位置を計測するセンサを含む。第2の設定部は、センサにより計測された対象物の位置に基づいてマーカの目標位置を決定する。
この開示によれば、マーカの目標位置をセンサの計測結果に基づいて決定することができるので、マーカを目標位置に移動させて、対象物に印字を行うことができる。したがって対象物の所定の印字位置に印字が可能である。
上述の開示において、コントローラは、対象物とマーカとの間の相対位置を変化させながら段階的に印字を実行するように、マーカおよびマーカ移動装置を制御する。
この開示によれば、印字位置を変化させながら段階的に印字を行うことができる。たとえば対象物の表面に起伏がある場合、あるいは、対象物の表面が曲面である場合には、印字面とマーカとの距離が一定ではない。このような場合、印字面とマーカとの距離が一定であるとの前提でワークに印字を行うと、印字の品質が劣化する可能性がある。しかし、段階的に印字を行うことにより、常に望ましい印字条件で印字を行うことができる。したがって印字品質の低下を抑えることができる。
上述の開示において、第2の設定部は、対象物の三次元形状および位置の情報に基づいて、対象物に印字が可能であるかどうかを判定するように構成される。印字システムは、第2の設定部による判定の結果をユーザに通知する通知部をさらに備える。
この開示によれば、実際の印字に先立って、対象物に印字が可能かどうかをユーザが知ることができる。
上述の開示において、印字パラメータは、冗長性をもつ印字位置情報を含む。コントローラは、センサの計測結果および印字位置情報に基づいて、印字位置を調整するように、マーカおよびマーカ移動装置を制御する。
この開示によれば、印字位置において印字が不可と判定される場合であっても、他の印字位置において、印字が可能であることが期待できる。したがって、対象物への印字が可能となる確率を高めることができる。対象物の印字可能な位置に印字が行われるよう、センサの計測結果および印字位置情報に基づいて、マーカおよびマーカ移動装置を制御することができる。したがって、たとえば複雑な形状を有する対象物において、印字を可能とすることができる。
上述の開示において、マーカは、レーザマーカである。
この開示によれば、レーザマーカを用いた印字において、対象物に応じて印字条件を柔軟に変更することができる。これにより利便性に優れたレーザマーカを提供できる。
本開示の一例では、印字装置は、対象物に印字を行うためのマーカ部と、対象物とマーカ部との間の相対位置を3以上の自由度で変化させることが可能なようにマーカ部を移動させるマーカ移動部と、制御プログラムを実行することによりマーカ部およびマーカ移動部を制御する制御部とを備え、制御部は、印字パラメータ、ならびに、対象物情報取得部により取得された対象物の三次元形状および位置に基づいて、対象物の所定の位置に印字が行われるように、マーカ部およびマーカ移動部を制御する。
この開示によれば、マーカ部は、マーカ移動部によって、対象物との間の相対位置を3以上の自由度で変化させることができる。制御部の制御プログラムを設定することにより、このような印字のための条件を設定することができる。制御プログラムは、印字パラメータと、対象物の三次元形状および位置に関する情報とにより設定可能である。したがって、装置を改造することなく印字条件を変更することができる。
本開示の一例では、印字方法は、マーカと、マーカと対象物との間の相対位置を3以上の自由度で変化させることが可能なようにマーカを移動させるマーカ移動装置と、コントローラとを備えた印字システムによる、印字方法である。印字方法は、対象物の三次元形状および位置に関する情報を取得するステップと、印字パラメータを設定するステップと、印字パラメータと、対象物の三次元形状および位置とに基づいて、コントローラの制御プログラムを設定するステップと、制御プログラムをコントローラが実行することにより、マーカおよびマーカ移動装置を制御して対象物に印字するステップとを備える。
この開示によれば、制御プログラムを設定することにより装置を改造することなく印字条件を変更することができる。したがって、システムあるいは装置の複雑な改造あるいは変更を伴わずに対象物に応じた印字が可能となる。
上述の開示において、印字するステップは、対象物とマーカとの間の相対位置を変化させながら印字を行うことを繰り返すステップを含む。
この開示によれば、印字位置を変化させながら繰り返し印字することにより、常に望ましい印字条件で印字を行うことができる。したがって印字品質の低下を抑えることができる。
上述の開示において、印字パラメータは、冗長性をもつ印字位置情報を含む。印字方法は、対象物の三次元形状、対象物の位置および印字位置情報に基づいてマーカおよびマーカ移動装置を制御して印字位置を調整するステップを含む。
この開示によれば、ある印字位置において印字が不可であっても、他の印字位置において、印字が可能であることが期待できる。したがって、対象物への印字が可能となる確率を高めることができる。対象物の印字可能な位置に印字が行われるよう、センサの計測結果および印字位置情報に基づいて、マーカおよびマーカ移動装置を制御することができる。したがって、たとえば複雑な形状を有する対象物において、印字を可能とすることができる。
本開示の一例では、プログラムは、コントローラに、対象物の三次元形状および位置に関する情報を取得するステップと、印字パラメータと、対象物の三次元形状および位置とに基づいて、マーカと、マーカと対象物との間の相対位置を3以上の自由度で変化させる
ことが可能なようにマーカを移動させるマーカ移動装置とを制御して、対象物に印字するステップとを実行させる、プログラムである。
この開示によれば、制御プログラムを設定することにより装置を改造することなく印字条件を変更することができる。したがって、システムあるいは装置の複雑な改造あるいは変更を伴わずに対象物に応じた印字が可能となる。
上述の開示において、印字するステップは、対象物とマーカとの間の相対位置を変化させながら印字を行うことを繰り返すステップを含む。
この開示によれば、印字位置を変化させながら繰り返し印字することにより、常に望ましい印字条件で印字を行うことができる。したがって印字品質の低下を抑えることができる。
上述の開示において、印字パラメータは、冗長性をもつ印字位置情報を含み、印字するステップは、対象物の三次元形状、対象物の位置および印字位置情報に基づいてマーカおよびマーカ移動装置を制御して印字位置を調整するステップを含む。
この開示によれば、ある印字位置において印字が不可であっても、他の印字位置において、印字が可能であることが期待できる。したがって、対象物への印字が可能となる確率を高めることができる。対象物の印字可能な位置に印字が行われるよう、センサの計測結果および印字位置情報に基づいて、マーカおよびマーカ移動装置を制御することができる。したがって、たとえば複雑な形状を有する対象物において、印字を可能とすることができる。
本発明によれば、対象物に応じて印字装置の印字条件を柔軟に変更することができる。
本実施の形態に係る印字システムの一つの構成例を示すブロック図である。 図1に示したコントローラのハードウエア構成を示す図である。 図1に示すレーザマーカの第1の構成例を示した図である。 図1に示すレーザマーカの第2の構成例を示した図である。 印字システムの運用時における印字システムの動作を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る印字システムの処理の流れを示すフローチャートである。 ワークの裏面への印字のために用いられるコンベアの形状を説明する模式図である。 ワークの裏面への印字のために用いられるトレイの構造を説明する模式図である。 ワークWの表面が曲面である場合の印字を説明するための模式図である。 ワークの側面への印字を説明する図である。 観測座標系からマーカ座標系への座標変換を説明するための図である。 印字パラメータを設定するための設定画面の例を示した図である。 ワークにおける印字位置の指定の例を示した図である。 印字可否の判断のフローの例を示したフローチャートである。 印字可否の判断の別の例を示す図である。 複数のワークが配置された例示的なトレイの上面図である。 図16に示した各ワークの側面図である。 本実施の形態に係る印字システムとリーダとを組み合わせたシステムの構成図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
<適用例>
まず、図1を参照して、本発明が適用される場面の一例について説明する。図1は、本実施の形態に係る印字システムの一つの構成例を示すブロック図である。図1に示すように、印字システム100は、レーザマーカ10と、ロボット20と、センサ30と、コントローラ40と、設定装置50と、上位システム60と、ネットワーク70とを含む。たとえばワークWは、コンベア(図示せず)により、製造ラインを移動する。印字システム100が適用される製造工程は特に限定されない。
レーザマーカ10は、対象物であるワークWに印字を行うためのマーカである。この実施形態では、マーカとしてレーザマーカが適用される。しかしマーカは、インクジェット方式のマーカでもよい。印字パターンは特に限定されない。たとえば印字パターンはヒューマンリーダブルなシンボル(たとえば英数字等のシンボル)からなるパターンでもよく、QRコード(登録商標)などの情報シンボルでもよいし、任意の図形、直線、曲線または点であってもよい。
ロボット20は、レーザマーカ10を移動させるためのマーカ移動装置である。レーザマーカ10は、ロボット20に装着される。この実施の形態では、ロボット20は、対象物(ワークW)とレーザマーカ10との間の相対位置を3以上の自由度で変化させることが可能なように、レーザマーカ10を移動させる。ロボットの自由度は3以上であればよく、特に限定されない。したがってロボットの種類も限定されるものではない。垂直多関節ロボット、スカラロボット、直交ロボットのいずれも本実施の形態に適用することができる。たとえばロボット20は、多関節ロボットアームである。
さらに、ロボット20を固定する方法は特に限定されない。ロボット20は上方から吊り下げられるタイプのロボットでもよく、床に据え置かれるタイプのロボットでもよい。
本実施の形態では、対象物とレーザマーカ10との間の相対位置を3以上の自由度で変化させるために、複数のロボット軸が組み合わされてもよい。たとえばロボット20は、直線レールの上を移動する垂直多関節ロボットであってもよい。
センサ30は、ワークWの三次元形状および位置に関する情報を取得するセンサであってもよい。センサ30は、ワークWおよび環境(たとえばコンベアあるいはトレイ等)の一方または両方をセンシングしてもよい。したがって公知の種々のセンサを本実施の形態に適用することができる。センサ30として、画像センサ、変位センサ、3Dセンサ、光学式シンボルリーダ、光電センサ、ロータリエンコーダ等を適用することができるが、センサ30の種類はこれらに限定されるものではない。センサ30はロボット20に装着されてもよく、ロボット20とは離れて設置されてもよい。
センサ30の個数は限定されない。センサ30は、複数の種類のセンサの組み合わせにより実現されてもよい。
コントローラ40は、制御プログラムを実行することによりレーザマーカ10およびロボット20を制御する。具体的には、コントローラ40は、ワークWあるいは環境に関す
る情報(ワーク到来の検出、画像情報、3D情報など)を、センサ30から取得する。コントローラ40は、その情報に基づいてロボット20を制御して、ワークWに応じてレーザマーカ10の位置および姿勢を変化させる。さらにコントローラ40は、ワークWに印字を行うようレーザマーカ10を制御する。
図1には、1つのコントローラが示される。しかし、1台の装置によりコントローラ40が実現されるものと限定されない。たとえば、コントローラ40は、レーザマーカ10のためのコントローラと、ロボット20のためのコントローラとを含むのでもよい。
設定装置50は、レーザマーカ10、センサ30、コントローラ40に対して設定を行う。設定装置50は、たとえばパーソナルコンピュータ(PC)と、モニタとにより実現することができる。
設定装置50は、第1の設定部51と、第2の設定部52とを含む。第1の設定部51は、レーザマーカ10による印字のための印字パラメータを設定する。第2の設定部52は、その印字パラメータと、ワークWの三次元形状の情報と、ワークWの位置の情報とに基づいて、コントローラ40により実行される制御プログラムの設定を行う。これにより、印字条件を変更することができる。なお、設定装置50の構成は上記のように限定されない。第2の設定部52が印字パラメータを設定し、第1の設定部52が、その印字パラメータと、ワークWの三次元形状の情報と、ワークWの位置の情報とに基づいて、コントローラ40により実行される制御プログラムの設定を行ってもよい。
第2の設定部52が、ワークWの位置の情報およびワークWの三次元形状の情報を取得するための方法は特に限定されるものではない。第2の設定部52は、ワークWの三次元形状の情報およびワークWの位置の情報をセンサ30から取得してもよい。あるいは、第2の設定部52は、ワークWの三次元形状の情報を上位システム60から取得してもよい。たとえば、上位システム60から取得されるワークWの三次元形状の情報は、ワークWの三次元CADの情報でもよい。
第1の設定部51および第2の設定部52の少なくとも一方が、設定装置50以外の装置に含まれてもよい。たとえば上位システム60が第1の設定部51および第2の設定部52の少なくとも一方を含むのでもよい。コントローラ40が第1の設定部51および第2の設定部52の少なくとも一方を含むのでもよい。
上位システム60は、生産指示情報(たとえば製品の品種、シリアル番号など)をコントローラ40に送信する。コントローラ40、設定装置50および上位システム60は、ネットワーク70を通じて相互に通信することができる。
この実施形態によれば、ロボット20が、レーザマーカ10をワークWの形状あるいは位置に応じて移動させることができる。したがって、ワークWの形状が複雑であっても、ワークWの所定の印字予定位置に印字を行うことができる。あるいは、従来は、印字が困難であったワークの面(たとえば裏面等)にも印字が可能となる。あるいは、ワーク表面の印字対象エリアがレーザマーカの印字可能エリアより大きい場合にも、ワークWの所定の印字予定位置に印字を行うことができる。
さらに、ワークWがコンベア上で移動する場合においても、ロボット20によるレーザマーカ10の移動とワークWの移動とを同期させることができる。たとえばレーザマーカ10の移動速度をワークWの移動速度と同じにすることで、印字システム100は、移動中のワークWの表面に印字することができる。
このように本実施の形態によれば、対象物に応じて印字システム100の印字条件を柔軟に変更することができる。したがって、システムあるいは装置の複雑な改造あるいは変更を伴わずに対象物に応じた印字が可能となる。
なお、本発明の実施の形態は、印字装置として実現することも可能である。この場合、レーザマーカ10、ロボット20およびコントローラ40は、それぞれ、実施の形態に係る印字装置の「マーカ部」、「マーカ移動部」および「制御部」を実現する。
<コントローラのハードウエア構成>
図2は、図1に示したコントローラ40のハードウエア構成を示す図である。コントローラ40は、プロセッサ2と、BIOSや各種データを格納するROM(Read Only Memory)3と、RAM4と、記憶装置5とを含む。
プロセッサ2は、記憶装置5に格納された制御プログラム9を読み出して、当該制御プログラム9をRAM(Random Access Memory)4に展開する。以下ではプロセッサ2がプログラムを実行することで必要な処理が実現される構成例について説明するが、これらの提供される処理の一部または全部を、専用のハードウエア回路(たとえば、ASICまたはFPGA等)を用いて実装してもよい。
記憶装置5は、プロセッサ2で実行されるプログラムなどを不揮発的に格納する。記憶装置5は、例えばSSD(Solid State Drive)等の不揮発性のデバイスであり、プロセ
ッサ2が実行する各種機能を実現するための制御プログラム9を保持する。
コントローラ40は、さらに通信インタフェース6と、I/O(Input/output)インタフェース7と、R/W(リーダライタ)デバイス8とを含むことができる。通信インタフェース6は、コントローラ40がネットワーク70を通じて外部の機器(設定装置50および上位システム60等)と通信するためのインタフェースである。I/Oインタフェース7は、コントローラ40への入力またはコントローラ40からの出力のインタフェースである。I/Oインタフェース7は、入力装置44とディスプレイ45とに接続され、ユーザが入力装置44を操作して入力した情報を受け付ける。ディスプレイ45は、コントローラ40の動作に関する情報を表示する。
R/W(リーダライタ)デバイス8は、外部の記憶媒体43を脱着自在に装着することができる。記憶媒体43は、コンピュータその他装置、機械等が記録されたプログラム等の情報を読み取り可能なように、当該プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的または化学的作用によって蓄積する媒体であってもよい。コントローラ40は、記憶媒体43から、制御プログラム9を取得してもよい。
上述のように、コントローラ40は、第1の設定部51および第2の設定部52の少なくとも一方を含んでもよい。コントローラ40のプロセッサ2が必要なプログラムを実行することにより、コントローラ40を、第1の設定部51および第2の設定部52を含む装置として実現することができる。
<設定装置のハードウエア構成例>
設定装置50は、コンピュータにより実現可能である。したがって、設定装置50の基本的なハードウエア構成は、図2に示す構成と同じである。コンピュータのプロセッサが必要なプログラムを実行することにより、コンピュータを、第1の設定部51および第2の設定部52を含む設定装置50として実現することができる。
<レーザマーカの構成例>
レーザマーカは、レーザ光をワークの表面に照射することによりワークに印字する装置である。図3は、図1に示すレーザマーカの第1の構成例を示した図である。図3に示すように、レーザマーカ10は、レーザ光源11と、光学系12とを含む。レーザ光源11と、光学系12とは筐体13に収容される。
レーザ光源11は所望の波長および所望のパワーを有するレーザ光を発生させる。レーザ光源11の種類は限定されない。たとえばレーザ光源11は、固体レーザ、気体レーザ、ファイバレーザ等であってもよい。ファイバレーザは、MOPA(Master Oscillator Power Amplifier)方式のレーザでもよい。
光学系12は、たとえば、レーザ光ビームを収束させるレンズを含むことができる。光学系12は、上記の光学要素の他にも光学要素を含むことができる。たとえば、光学系12は、レーザ光を走査するためのガルバノミラーを含んでもよい。
図4は、図1に示すレーザマーカの第2の構成例を示した図である。図4に示すように、レーザマーカ10は、本体15とヘッド16とに分離される。本体15はレーザ光源11を収容し、ヘッド16は光学系12を収容する。レーザ光源11と光学系12とはケーブル14により接続される。このケーブル14は、レーザ光源11で発生させたレーザ光を光学系12に伝播するための光ファイバを含むことができる。
本体15は、たとえば床に据え置かれ、ヘッド16がロボット20に装着される。本体15とヘッド16とを分離することにより、ヘッド16のサイズおよび重量を小さくすることができるので、ロボット20によるレーザマーカの移動の点において有利である。したがって、印字装置の印字条件を変更する際の制約をより小さくすることができる。
<印字システムの基本制御>
ワークWに印字を行うに先立ち、コントローラ40が設定される。図1を再び参照して、コントローラ40は、印字パラメータを取得する。この実施の形態では、印字パラメータはワークWの種類ごとに設定される。コントローラ40は、印字パラメータを設定装置50の第1の設定部51から取得する。上位システム60が第1の設定部51を有してもよい。この場合には、コントローラ40は、上位システム60から印字パラメータを取得する。
印字パラメータは、ワークの基準位置に対する印字位置、およびその基準位置からの印字方向を含むことができる。しかし、印字パラメータに含まれる情報は、上述の情報に限定されない。たとえば印字パラメータは、印字フォーマットを含んでもよい。
図5は、印字システムの運用時における印字システムの動作を説明するための模式図である。コントローラ40は、ラインに投入されるワークWの品種およびシリアル番号を取得する。ワークWの品種およびシリアル番号は、たとえば上位システム60からコントローラ40に送られる。
コンベア80によってワークWが移動する(図5中の符号(1)~(3)を参照)。コンベア80には、コンベア80の速度(すなわちワークWの移動速度)を検知するためのセンサ31が設置される。センサ31は、たとえばロータリエンコーダである。
センサ32はトリガセンサである。センサ32がワークWを検出すると、センサ32は信号をコントローラ40に送る。この信号をトリガとして、コントローラ40は、ロボット20およびレーザマーカ10を制御する。図5に示された例では、センサ32がコンベア80の上方に設置されているが、システムごとにセンサ32の設置方向は適切に調整さ
れる。したがってセンサ32の設置方向は、上方に限定されるものではない。
コントローラ40は、ワークWの3D形状の情報および印字位置の情報を用いて、ロボット20を制御する。具体的には、コントローラ40は、レーザマーカ10が装着されたロボットアームを所定の位置に移動させるようにロボット20を制御する。そして、コントローラ40は、レーザマーカ10を制御してワークWに印字する。
ワークWの3D形状の情報は、ティーチング等により予め取得されてもよい。あるいは、上位システム60から、ワークWの三次元CADの情報をワークWの3D形状の情報として予め取得してもよい。あるいは、ワークWの3D形状の情報は、ロボット20に装着されたセンサ33により、印字処理を実行するたびに取得されてもよい。このような目的のため、センサ33を、画像センサあるいは3Dセンサとすることができる。コントローラ40は、センサ33により取得されたワークWの形状の情報を用いて、予め取得されたワークWの情報を補正してもよい。
図6は、本実施の形態に係る印字システムの処理の流れを示すフローチャートである。印字システム100は、このフローチャートに従って処理を実行することにより、印字方法を実行する。
まず印字システムの設定(事前設定)が実行される。ステップS1において、印字パラメータが設定される。上述のように、第1の設定部51が、ワークWに印字を行うための印字パラメータを設定する。次にステップS2において、第2の設定部52が、ワークWの3D形状の情報と、ワークWの位置情報とを取得する。その取得された情報に基づいて、コントローラ40の制御プログラムを設定する。ステップS2において、図5に示すセンサ33により、ワークWの3D形状の情報と、ワークWの位置情報とを予め取得することができる。しかし、ワークWの3D形状の情報と、ワークWの位置情報とはティーチングにより予め取得されてもよい。あるいは、上位システム60から、ワークWの三次元CADの情報をワークWの3D形状の情報として予め取得してもよい。
なお、ステップS1,S2の処理は、図6に示した順番に従って実行されるように限定されるものではない。たとえばステップS2の処理が先に実行され、ステップS1の処理が後で実行されるのでもよい。
続いて、印字処理が実行される(印字システムの運用)。一例として、ステップS11において、コントローラ40がワークWの品種およびシリアル番号を取得する。ステップS11において、コントローラ40がワークWの品種のみ取得するのでもよい。ステップS12において、センサ32によりワークWが検出される。ステップS13において、コントローラ40は、ワークWの3D形状の情報および印字位置の情報を用いて、ロボット20を制御する。これにより、レーザマーカ10が所定の位置に移動する。コントローラ40が印字パラメータに従ってレーザマーカ10を制御する。これによりレーザマーカ10はワークWに印字する。ステップS13の処理が終了すると、次のワークへの印字のため、処理はステップS11へと戻される。
<制御オプション>
図5を再び参照して、コントローラ40は、センサ31の検出値からワークWの移動速度を求めることができる。コントローラ40は、さらに、センサ32によりワークWを検出した時刻、そのワークWが検出された位置、および、ロボット20がレーザマーカ10を所定の位置に移動させるのに要する所要時間に関する情報を取得する。その情報に基づき、コントローラ40は、センサ33およびレーザマーカ10の移動先の目標位置(目標値)を定めることができる。その目標位置にレーザマーカ10を移動させることにより、
ワークWの所定の印字位置に印字が可能である。
レーザビーム走査型のレーザマーカである場合、レーザビームを走査することにより、ワークWに印字が行われる。レーザマーカ10がレーザビーム走査型のレーザマーカである場合、ワークWとレーザマーカ10との間の相対速度が大きいと、良好な印字結果が得られない可能性がある。たとえばワークWに付された文字が歪むといった問題が生じうる。本実施の形態では、ワークWに対するレーザマーカ10の相対速度ができるだけ小さくなる(相対速度を0に近づける)ようにロボットアームを追従動作させてもよい。これにより、印字の品質の低下を防ぐことができる。
レーザマーカ10を移動させるために、事前に設定した経路に基づいて、コントローラ40がロボット20を制御してもよい。ロボット20の移動経路の設定には種々の方法を用いることができる。一実施形態では、ワークWの三次元形状の情報およびワークW上の印字位置に基づいて、最適な経路を事前に設定することができる。ワークWの三次元形状の情報には、たとえばワークWの三次元CADの情報を用いてもよい。
ワークWおよびその周囲環境を3Dセンサで計測することにより三次元情報を取得して、その得られた三次元情報から、経路を動的に算出してもよい。経路の算出を実行する装置は特に限定されない。コントローラ40が、三次元情報から動的に経路を算出してもよい。設定装置50が経路を算出することも可能である。その算出された経路に基づいて、コントローラ40がロボット20を制御してもよい。
さらに本実施の形態では、ロボット20がレーザマーカ10を3以上の自由度で移動させることが可能であるので、様々な方向からワークWに対してレーザ光を照射できる。コンベアあるいはトレイ(台座)の形状を工夫することにより、ワークWの裏面あるいは側面に印字が可能となる。
図7は、ワークWの裏面への印字のために用いられるコンベアの形状を説明する模式図である。図8は、ワークWの裏面への印字のために用いられるトレイの構造を説明する模式図である。図7および図8に示されるように、ワークWを載せたトレイ81は、レール状のコンベア80により移動させられる。トレイ81は、フレーム構造を有する。
レーザマーカ10(図示せず)が、コンベア80の下方に配置されるように、コントローラ40は、ロボット20を制御する。これによりワークWの裏面への印字が可能である。コントローラ40は、さらに、コンベア80の移動速度に同期してレーザマーカ10が移動するようにロボット20を制御してもよい。
コントローラ40は、品種の切り替え指示を受けることができる。この場合、次のワークが到来するまで、コントローラ40はロボット20を所定の位置に待機させてもよい。待機位置に関して、コントローラ40は、品種ごとに最適な待機位置を算出してもよい。待機位置は、たとえばワークの三次元形状の情報、印字位置、ワークWの移動速度(コンベア80の速度)等に基づいて決定することができる。最適な位置を算出して、その位置にロボット20を待機させることにより、ロボット20の移動経路を短くすることができる。たとえばワークWが高速に流れるラインにおいて、ワークの印字を行いやすくすることができる。
品種の切り替え指示は、上位システム60からコントローラ40に送られてもよい。あるいは、品種の切り替え指示を発するRFIDタグをトレイ81に取り付けてもよい。コントローラ40は、そのRFIDタグからの指示に応じて、ロボット20の待機位置を決定してもよい。
<起伏を有する面あるいは曲面への印字>
ワークWの表面に起伏がある場合、あるいはワークWの表面が曲面である場合には、印字面とレーザマーカとの距離が一定ではない。一般的なレーザマーカでは、その焦点深度が浅い。したがって、印字面とレーザマーカとの距離が一定であるとの前提で、起伏のある表面、あるいは曲面に印字を行うと、印字の品質が劣化する可能性がある。この実施の形態では、ワークWとレーザマーカ10との間の相対位置を変化させながら段階的に印字を実行する。
図9は、ワークWの表面が曲面である場合の印字を説明するための模式図である。図9において、ワークWの曲面の一部が印字範囲である。この実施の形態では、ロボット20が曲面の形状に追従して動くことにより曲面に印字が可能である。たとえば図9に示すように、コントローラ40は、レーザマーカ10が印字面M1,M2,M3,M4に垂直な軸Aの方向に沿って移動するようにロボット20を制御するとともに、ワークWの印字範囲のうちのレーザ光の焦点が合う部位のみ印字するように、レーザマーカ10を制御する。なお、軸Aは、レーザマーカ10から出射されるレーザ光ビームの光軸に一致してもよい。図9に示した例においては、印字面M1,M2,M3,M4は仮想的な平面であり、レーザマーカ10の印字可能範囲に基づいて決定される。
印字面の軸Aの方向の位置を変化させながら、レーザ光の焦点が合う部位のみ印字することが複数回実行される。一例では、1回目の印字では、印字面M1と印字面M2との間の領域が印字範囲に設定される。2回目の印字では、印字面M2と印字面M3との間の領域が印字範囲に設定される。3回目の分字では、印字面M3と印字面M4との間の領域が印字範囲に設定される。ただし印字の順序は上述のように限定されるものではない。
上記のように印字を繰り返すことによって、レーザ光の焦点が常に合っている状態で、印字範囲内に印字が行われる。これにより印字品質の劣化を避けることができる。
図9に示したレーザマーカ10は、レーザ光の焦点を調整しつつレーザ光を二次元に走査することができる。しかし、本実施の形態は、起伏を有する面あるいは曲面に印字するためには、このような仕様を備えるレーザマーカが必要であると限定するものではない。本実施の形態において、レーザマーカがレーザ光の焦点の調整機能を有することは必須ではない。さらに、レーザマーカは、レーザ光を二次元方向に走査可能であると限定されない。レーザマーカは、レーザ光を一次元方向に走査するものであってもよい。たとえばワークWの表面の形状が円筒側面であり、かつ、その面に沿って円弧状に印字を行うような場合、ロボット20を円弧に沿って移動させることにより、ワークWの表面に印字可能である。
<透視変換>
図10は、ワークW1の側面への印字を説明する図である。図10に示した例では、印字範囲W11は、ワークW1の側面の一部である。図10において符号(1)により示されるように、本実施の形態では、レーザ光ビームLの光軸をワークW1の表面の法線の方向と平行になるように、レーザマーカ10の姿勢を制御してもよい。これにより印字範囲W11に印字が可能となる。レーザマーカ10からの距離が一定になるので、良好な印字品質を得ることができる。さらに、レーザ光ビームLの光軸と印字面とが垂直であるので、透視変換歪み(台形歪み)を低減できる。
図10の例では、印字面は平面である。しかし、印字面が曲面であっても、レーザ光ビームLの光軸がその曲面の法線の方向と平行になるように、レーザマーカ10の姿勢を制御すればよい。
一方、ワークW1の印字位置、および環境に依存して、レーザマーカ10の姿勢を制御しても良好な印字品質が得られない可能性がある。図10において符号(2)により示された例では、印字範囲W12に印字を行うため、レーザマーカ10が印字面の法線の方向に配置される。しかし、印字面の法線の方向に障害物W2が存在する。したがってレーザ光ビームLが障害物W2によって遮られる。障害物W2は、たとえばワークW1とともにラインを流れる他のワークである。
図10において符号(3)により示された例では、レーザマーカ10は、障害物W2によって遮られない方向から印字範囲W12にレーザ光ビームLを照射する。したがって印字範囲W12に印字が可能である。しかし、印字範囲W12を含む面の法線方向から見たときには、像が歪んで見える。このことは印字品質の低下につながる。なお、図10では説明を分かりやすくするために、平面の組み合わせからなるワークWを例示するが、上述の課題は、ワークWの表面が平面のみからなる場合に生じるものと限定されるものではない。ワークWの表面が曲面であっても、同様の課題が生じ得る。
このような問題を回避するため、本実施の形態では、観測座標系からマーカ座標系に座標変換を行い、そのマーカ座標系に従って印字を実行する。観測座標系とは、印字面(印字面が曲面である場合には、その接平面)およびその法線からなる座標系である。マーカ座標系とは、レーザマーカ10の位置を原点として、レーザ光ビームLの光軸方向を含む座標系である。この実施の形態では、座標変換に透視変換(Homography Transformation)
を適用することができる。
図11は、観測座標系からマーカ座標系への座標変換を説明するための図である。図11に示すように、点P1は観測点である。観測座標系C1上の任意の点P2をワークWの対象面に投影する。点P3は、点P2をワークWの対象面に投影することにより得られた点であり、投影線とワークWの対象面との交点である。この交点(点P3)をマーカ座標系に透視変換することによってマーカ座標系C2上の点P4の座標を得ることができる。なお、点P5は、レーザマーカ10の位置を示す点(基準点)である。
このように、レーザ光ビームLの光軸が印字面に対して垂直ではない場合にも、透視変換によって点P2と点P4との間での座標変換を行うことにより、印字された文字、記号等の歪みを防ぐことができる。したがって印字品質を良好にすることができる。レーザマーカの焦点深度が浅い場合は、対象面への印字において、図9に示されるような、レーザ光の焦点を調整しつつレーザ光を二次元に走査する印字を複数回繰り返して適用してもよい。
<印字パラメータの設定>
本実施の形態において、印字システム100は印字パラメータに従ってワークWの印字を実行する。印字パラメータは、ワークの基準位置に対する印字位置と、その基準位置からの印字方向とを含む。さらに、印字パラメータは、印字パターンを含むことができる。上述のように、印字パターンは特に限定されず、ヒューマンリーダブルなシンボル(たとえば英数字等のシンボル)からなるパターンでもよく、QRコード(登録商標)などの情報シンボルでもよいし、任意の図形、直線、曲線または点であってもよい。
本実施の形態において、設定装置50はユーザの入力を受け付けることにより印字パラメータを設定することができる。ユーザは設定画面を参照しながら設定装置50に印字パラメータを入力することができる。
図12は、印字パラメータを設定するための設定画面の例を示した図である。設定装置
50は、ディスプレイに設定画面55を表示させる。設定画面55は、レーザマーカ10およびワークWを表示する。たとえばワークWの3次元CADデータを設定装置50に入力することにより、ワークWの三次元透視像が設定画面55に表示される。
ワークWの表面には、印字位置W21が表示される。さらに、印字パターンを編集するための編集エリア57、およびツールアイコン58が設定画面55に表示される。ユーザは、マウス等のポインティングデバイスを操作して、ツールアイコンを選択する。これにより、ユーザは、印字位置、印字方向、印字パターンを設定あるいは変更することができる。
<印字可否の判断>
設定装置50により印字位置を設定したとしても、実際には、その指定された位置に印字ができない可能性がある。図13に例示されたワークWにおいて、印字位置W31が指定される。しかし、トレイ81の構造体などのような、ワークWの周囲環境物がロボットあるいはセンサと干渉する場合がある。このような場合には、印字位置W31に印字を行うことができない。
指定された位置に印字を行うと印字品質が低下する可能性がある。このような場合にも、その指定された位置には印字ができない。このような場合としては、たとえば、ワークWの表面が粗面(鋳肌など)である場合、あるいは、ワークWの表面が汚れている場合などがある。この実施の形態では、実際の印字に先立って、指定された印字位置において印字が可能か否かを判断することができる。
図14は、印字可否の判断のフローの例を示したフローチャートである。このフローチャートに示された処理は、第2の設定部52により実行される。図13および図14を参照して、ステップS21において、ワークWの周囲環境をセンシングして、周囲環境に関する情報を取得する。たとえば画像センサあるいは3Dセンサ(図5に示すセンサ33に相当)によりワークWの周囲環境をセンシングすることができる。この場合、たとえばワークWの三次元形状および位置の情報が取得される。
ステップS22において、設定装置50は、設定画面55(図12を参照)に表示される仮想空間上で、ワークWがロボット20あるいはセンサと干渉するか否かを判定する。ステップS23において、設定装置50は、判定結果をユーザに通知する。たとえば設定装置50は、設定画面55上に判定結果を示すメッセージを表示させてもよい。設定画面55により通知部を実現することができる。
ステップS21において、画像センサ(図5に示すセンサ33に相当)を用いてワークWの表面の画像を取得してもよい。ステップS22において、設定装置50はその画像を解析することにより、指定した位置に印字ができないと判断してもよい。たとえばワークWの表面が粗面である、あるいは、ワークWの表面が汚れている場合には、指定した位置に印字ができないと判断される。
設定装置50は、予め、印字位置を複数指定してもよい。したがって、この場合には、印字位置情報は冗長性を有する。図13に示した例では、印字位置W31だけでなく、印字位置W32も指定される。印字位置W31において印字が不可と判断された場合でも、印字位置W32において印字が可能である。この場合、コントローラ40は、センサの計測結果および印字位置情報に従って、レーザマーカ10およびロボット20を制御して、印字位置W32に印字を行う。このように、印字位置情報に冗長性を持たせることにより、複雑な形状を有するワークに印字ができる可能性を高めることができる。
また、設定装置50は、印字位置W31を含む印字範囲を、本来の印字範囲よりも予め広くしてもよい。この場合にもワークWに印字ができる可能性を高めることができる。
印字可否の判断は設定装置50のみが実行するものと限定されない。コントローラ40がワークWの表面の画像から、確実に印字できる場所をリアルタイムで探索して印字位置を決定してもよい。コントローラ40は、その決定された位置に印字が行なわれるようにロボット20およびレーザマーカ10を制御することができる。
さらに本実施の形態では、レーザマーカ10とワークWとの干渉を回避しつつワークWに印字するように、レーザマーカ10およびロボット20を制御することができる。このような実施の形態を以下に説明する。
図15は、印字可否の判断の別の例を示す図である。図15に示した例では、印字位置W31が、ワークWの裏側の奥まった領域にある。ワークWはトレイ81に載せられて、トレイ81はコンベア80により移動する。トレイ81およびコンベア80の構成は、図7および図8に示した構成であってもよい。
印字位置W31に印字を行う際に、レーザマーカ10がワークWと衝突するおそれがある。本実施の形態では、ロボット20(ロボットアーム)の先端をコンベア80の速度に追従させながら、レーザマーカ10とワークWとの間の距離が変化するようにロボット20がコントローラ40(図15に示さず)により制御される。たとえば時刻Tにおいて、レーザマーカ10と印字位置W31との間の相対距離が最も小さいとする。しかし、時刻Tよりも少し前の時刻(T-ΔT)および、時刻Tよりも少し後の時刻(T+ΔT)では、レーザマーカ10がワークWに衝突することを回避するため、レーザマーカ10がワークWから離れるようにロボット20がレーザマーカ10を移動させる。したがって、レーザマーカ10がワークW(またはトレイ81)に衝突することを回避することができる。
上記のようなレーザマーカ10の移動を実現するためのロボット20(ロボットアーム)の経路は、コンベア80の速度、ロボット20の可動範囲、ロボット20(ロボットアーム)の三次元形状情報、レーザマーカ10の三次元形状情報、トレイ81の三次元形状情報、コンベア80の三次元形状情報、およびワークWの三次元形状情報、レーザマーカ10の印字可能距離の範囲(たとえば焦点深度)を利用して干渉(衝突)が生じないかどうかを判定して求められる。このような経路の判定処理は、第2の設定部52により、事前設定の段階で実行されてもよい。あるいは、運用の段階でコントローラ40が経路の判定処理を実行してもよい。
ワークWの印字位置によっては、経路を決定できない可能性、言い換えると経路の解が存在しない可能性がある。事前設定の段階において、設定装置50の計算により経路の解が存在しないことが判明した場合、設定装置50はユーザに対してエラーを通知することができる。運用時の経路計算で解が存在しないことが分かった場合は、その時点でコントローラ40が上位システム60にエラーを通知してもよく、コントローラ40がエラー内容をログとして記録してもよい。
衝突あるいは干渉のリスクについては、段階(レベル)を設けてもよい。リスクのレベルをユーザが設定装置50あるいはコントローラ40に対して設定してもよい。たとえば、レベル1を「ワークの破損リスクあり」と設定し、レベル2を「トレイ破損リスクあり」と設定することができる。設定装置50あるいはコントローラ40は、その設定されたレベルに応じた制約を設けて経路解を求めてもよい。このような実施の形態においても、経路解がない場合に、設定装置50あるいはコントローラ40は、エラーを通知してもよい。
<複数のワークへの印字>
上述の実施形態では、1つのトレイに1つのワークが載せられる。しかし、製造現場においては、1つのトレイ内に配置された複数の製品のそれぞれに個体識別番号などの印字を行う場合もある。以下では複数のワークへの印字について説明する。
図16は、複数のワークが配置された例示的なトレイの上面図である。図17は、図16に示した各ワークの側面図である。トレイ81には4つのワークWA,WB,WC,WDが配置される。図17には、代表的に、ワークWAが示されるとともに、ワークWAの形状および印字位置W41が示される。
画像センサあるいは3Dセンサ(図5のセンサ33に相当)により、各ワークの3次元形状に関する情報が取得される。コントローラ40は、各ワークの三次元形状および位置に関する情報に基づいて、各ワークの位置と姿勢を認識し、各ワークの印字位置を求める。コントローラ40は、ロボット20を制御してレーザマーカ10を移動させるとともに、レーザマーカ10を制御して各ワークの印字位置に印字を行う。
この実施形態では、印字情報は、検出されたワークの位置と、指示された採番ルールに従って決定することができる。図16に示すように、トレイ81にはRFIDタグ82が取り付けられる。コントローラ40は、RFIDタグ82から読み出された情報および、予め定められた採番ルールに従って、ワークWA~WDに印字を行う。
図16に示した例では、品種は「X」であり、個体識別番号の基準値は「21」である。またトレイ81の上方から見て、トレイ81内の左上に位置するワーク、トレイ81内の右上に位置するワーク、トレイ81内の右下に位置するワーク、トレイ81内の左下に位置するワークの順番に番号がインクリメントするように採番ルールが設定される。したがって、ワークWA,WB,WC,WDに、それぞれ「X021」、「X022」、「X023」、「X024」との個体識別番号が付与される。
図16の例では、トレイ81は仕切り壁を有しているが、複数のワークを配置するための仕切りはなくてもよい。トレイ81が仕切り壁を有することにより複数のワークは互いに接触していない。しかし、トレイ81が仕切り壁を有していない場合、トレイ81の移動により、2つ以上のワークが互いに接触する可能性、少なくとも1つのワークがトレイ81の壁に接触する可能性、あるいは、2つ以上のワークが互いに積み重なっている可能性が生じる。このような場合にも、画像センサあるいは3Dセンサ(図5のセンサ33に相当)により、各ワークの三次元形状および位置に関する情報が取得されて、その取得された情報に基づいてロボット20の経路解が、コントローラ40あるいは設定装置50によって計算される。したがって印字システム100は、各ワークに印字を行うことができる。計算の結果、経路解が見つからない場合、印字システム100は、エラー処理(たとえばユーザへの通知)を行ってもよい。
また、たとえば一部のワークが裏返しあるいは横倒しになっている場合にも経路解が見つからない。しかしながら、候補位置をワークの各面に事前に設定することによって、印字位置に冗長性を持たせることができるので、ワークへの印字が可能となる。
種類によっては、ワークがコンベアに直接載って流れることも想定される。このような場合には、コントローラ40は、たとえば上位システム60から品種情報を受け取ってもよい。コントローラ40は、ワークを検出した時間順に個体識別番号を採番することができる。これによりRFIDタグを有するトレイがなくても、印字システム100は個体識別番号をワークに印字することができる。
<印字システムとリーダとの組み合わせ>
図18は、本実施の形態に係る印字システムとリーダとを組み合わせたシステムの構成図である。図18に示す例では、製造システム200は、4つの工程(工程A、工程B、工程C、工程D)を実行するためのシステムである。製造システム200において、製造工程は、工程A、工程B、工程C、工程Dの順に実行される。各工程の具体的な内容は特に限定されるものではない。
工程Aでは、コントローラ40Aが、レーザマーカ10Aおよびロボット20Aを制御して、ワークWに印字を行う。
工程Bでは、コントローラ40Bが、リーダ10Bおよびロボット20Bを制御する。これによりリーダ10Bが動かされて、リーダ10Bは、レーザマーキングによってワークWに付された情報を読み取る。
工程Cおよび行程Dでは、行程Bと同様に、リーダ10C、リーダ10DがワークWに付された情報を読み取る。コントローラ40Cは、リーダ10Cおよびロボット20Cを制御し、コントローラ40Dがリーダ10Dおよびロボット20Dを制御する。
レーザマーカ10Aにより、ワークWの所定位置に印字がなされると、リーダ10B,10C,10Dの各々は、その位置に付された情報を読み取る。したがって、4つのロボット20A,20B,20C,20Dの動作には共通性がある。工程Aを実行するロボット20Aの動作(経路)を設定装置により設定し、その設定情報をコントローラ40Aにコピーしてもよい。さらにその設定情報を、ネットワーク等を用いて、コントローラ40B,40C,40Dにコピーしてもよい。
あるいは上位システム60で設定データを一括管理し、コントローラ40A,40B,40C,40Dが、その設定データをダウンロードするのでもよい。これによりシステムの設定あるいは変更が容易になる。
工程Aにおいて、レーザマーカ10Aに加えてリーダをロボット20Aに搭載してもよい。このリーダを、印字品質の検証に用いることができる。たとえばワークWに印字を行った直後にリーダで印字を読み取る。コントローラ40Aは、リーダの読み取り結果に基づいて、たとえば、正しく印字がされているか否か、あるいは、印字品質が十分か否かを検証してもよい。
印字品質に問題がある場合のコントローラ40Aの制御は特に限定されない。たとえば、ワークWをラインから排出してもよい。あるいは、ワークWの異なる場所に印字を行うようレーザマーカ10Aを制御してもよい。あるいは、印字された領域のうち、不鮮明な個所にもう一度印字を行ってもよい。
[付記]
以上のように、本実施形態は以下のような開示を含む。
(構成1)
対象物(W)に印字を行うためのマーカ(10)と、
前記対象物(W)と前記マーカ(10)との間の相対位置を3以上の自由度で変化させることが可能なように前記マーカ(10)を移動させる、マーカ移動装置(20)と、
制御プログラムを実行することにより前記マーカ(10)および前記マーカ移動装置(20)を制御するコントローラ(40)と、
前記コントローラ(40)の内部または外部に設けられ、前記マーカ(10)による前記対象物(W)への印字のための印字パラメータを設定する第1の設定部(51)と、
前記コントローラ(40)の内部または外部に設けられ、前記印字パラメータと、前記対象物(W)の三次元形状および位置に関する情報とに基づいて、前記コントローラ(40)の前記制御プログラムを設定する第2の設定部(52)とを備える、印字システム。
(構成2)
前記印字パラメータは、前記対象物(W)の個体識別情報を含み、
前記第1の設定部(51)は、外部からの指示を受け付けることにより前記個体識別情報を設定する、構成1に記載の印字システム。
(構成3)
前記印字パラメータは、
前記対象物(W)の基準位置に対する印字位置と、前記基準位置からの印字方向とを含む、構成1または構成2に記載の印字システム。
(構成4)
前記第2の設定部(52)は、さらに、
前記対象物(W)の移動速度と、
前記マーカ移動装置(20)の可動範囲と、
前記マーカ移動装置(20)の三次元形状および前記マーカ(10)の三次元形状と、
前記マーカ(10)の印字可能距離の範囲と、
のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、前記制御プログラムを設定する、構成1から構成3のいずれか1つに記載の印字システム。
(構成5)
前記対象物(W)の位置を計測するセンサ(33)を含み、
前記第2の設定部(52)は、前記センサ(33)により計測された前記対象物(W)の位置に基づいて前記マーカ(10)の目標位置を決定する、構成1から構成4のいずれか1つに記載の印字システム。
(構成6)
前記コントローラ(40)は、前記対象物(W)と前記マーカ(10)との間の前記相対位置を変化させながら段階的に印字を実行するように、前記マーカ(10)および前記マーカ移動装置(20)を制御する、構成1から構成5のいずれか1つに記載の印字システム。
(構成7)
前記第2の設定部(52)は、前記対象物(W)の前記三次元形状および前記位置の情報に基づいて、前記対象物(W)に印字が可能であるかどうかを判定するように構成され、
前記印字システムは、
前記第2の設定部(52)による判定の結果をユーザに通知する通知部(55)をさらに備える、構成4または構成5に記載の印字システム。
(構成8)
前記印字パラメータは、冗長性をもつ印字位置情報を含み、
前記コントローラ(40)は、前記センサ(33)の計測結果および前記印字位置情報に基づいて、印字位置を調整するように、前記マーカ(10)および前記マーカ移動装置(20)を制御する、構成5に記載の印字システム。
(構成9)
前記マーカ(10)は、レーザマーカである、構成1から構成8のいずれか1つに記載の印字システム。
(構成10)
対象物(W)に印字を行うためのマーカ部(10)と、
前記対象物(W)と前記マーカ部(10)との間の相対位置を3以上の自由度で変化させることが可能なように前記マーカ部(10)を移動させるマーカ移動部(20)と、
制御プログラムを実行することにより前記マーカ部(10)および前記マーカ移動部(20)を制御する制御部(40)とを備え、
前記制御部(40)は、印字パラメータ、ならびに、前記対象物(W)情報取得部により取得された前記対象物(W)の前記三次元形状および前記位置に基づいて、前記対象物(W)の所定の位置に印字が行われるように、前記マーカ部(10)および前記マーカ移動部(20)を制御する、印字装置。
(構成11)
マーカ(10)と、前記マーカ(10)と対象物(W)との間の相対位置を3以上の自由度で変化させることが可能なように前記マーカ(10)を移動させるマーカ移動装置(20)と、コントローラ(40)とを備えた印字システムによる、印字方法であって、
前記対象物(W)の三次元形状および位置に関する情報を取得するステップ(S2)と、
印字パラメータを設定するステップ(S1)と、
前記印字パラメータと、前記対象物(W)の前記三次元形状および前記位置とに基づいて、前記コントローラ(40)の制御プログラムを設定するステップ(S2)と、
前記制御プログラムを前記コントローラ(40)が実行することにより、前記マーカ(10)および前記マーカ移動装置(20)を制御して前記対象物(W)に印字するステップ(S13)とを備える、印字方法。
(構成12)
前記印字するステップは、
前記対象物(W)と前記マーカ(10)との間の前記相対位置を変化させながら印字を行うことを繰り返すステップを含む、構成11に記載の印字方法。
(構成13)
前記印字パラメータは、冗長性をもつ印字位置情報を含み、
前記対象物(W)の三次元形状、前記対象物(W)の位置および前記印字位置情報に基づいて前記マーカ(10)および前記マーカ移動装置(20)を制御して印字位置を調整するステップを含む、構成11に記載の印字方法。
(構成14)
コントローラ(40)に、
対象物(W)の三次元形状および位置に関する情報を取得するステップ(S2)と、
印字パラメータと、前記対象物(W)の前記三次元形状および前記位置とに基づいて、マーカ(10)と、前記マーカ(10)と前記対象物(W)との間の相対位置を3以上の自由度で変化させることが可能なように前記マーカ(10)を移動させるマーカ移動装置(20)とを制御して、前記対象物(W)に印字するステップ(S13)とを実行させる、プログラム。
(構成15)
前記印字するステップは、
前記対象物(W)と前記マーカ(10)との間の前記相対位置を変化させながら印字を行うことを繰り返すステップを含む、構成14に記載のプログラム。
(構成16)
前記印字パラメータは、冗長性をもつ印字位置情報を含み、
前記印字するステップは、
前記対象物(W)の三次元形状、前記対象物(W)の位置および前記印字位置情報に基づいて前記マーカ(10)および前記マーカ移動装置(20)を制御して印字位置を調整するステップを含む、構成14に記載のプログラム。
今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組み合わせても、実施することが意図される。
2 プロセッサ、3 ROM、4 RAM、5 記憶装置、6 通信インタフェース、7 I/Oインタフェース、8 R/Wデバイス、9 制御プログラム、10,10A レーザマーカ、10B,10C,10D リーダ、11 レーザ光源、12 光学系、13 筐体、14 ケーブル、15 本体、16 ヘッド、20,20A,20B,20C,20D ロボット、30,31,32,33 センサ、40,40A,40B,40C,40D コントローラ、43 記憶媒体、44 入力装置、45 ディスプレイ、50
設定装置、51 第1の設定部、52 第2の設定部、55 設定画面、57 編集エリア、58 ツールアイコン、60 上位システム、70 ネットワーク、80 コンベア、81 トレイ、82 RFIDタグ、100 印字システム、200 製造システム、A 軸、C1 観測座標系、C2 マーカ座標系、L レーザ光ビーム、M1,M2,M3,M4 印字面、P1,P2,P3,P4,P5 点、S1,S2,S11,S12,S13,S21,S22,S23 ステップ、W,W1,WA,WB,WC,WD ワーク、W2 障害物、W11,W12 印字範囲、W21,W31,W32,W41 印字位置。

Claims (8)

  1. レーザ光を走査して対象物に印字を行うためのマーカと、
    前記対象物と前記マーカとの間の相対位置を3以上の自由度で変化させることが可能なように前記マーカを移動させる、マーカ移動装置と、
    前記対象物の三次元形状および位置を計測するセンサと、
    制御プログラムを実行することにより前記マーカおよび前記マーカ移動装置を制御するコントローラとを備え、
    前記対象物が移動する場合に、前記コントローラは、前記センサの計測結果に基づいて、前記対象物と前記マーカとの間の相対速度がより小さくなるように、前記マーカ移動装置を制御するとともに、前記対象物に印字を行うための前記レーザ光の走査を行うように前記マーカを制御する、印字システム。
  2. 前記コントローラは、前記対象物に対する前記マーカの相対速度を0に近づける、請求項1に記載の印字システム。
  3. 前記コントローラは、前記センサから取得した情報から、前記マーカ移動装置の経路を動的に算出して、その算出した経路に基づいて前記マーカ移動装置を制御する、請求項2に記載の印字システム。
  4. 対象物に印字を行うためのマーカと、
    前記対象物と前記マーカとの間の相対位置を3以上の自由度で変化させることが可能なように前記マーカを移動させる、マーカ移動装置と、
    制御プログラムを実行することにより前記マーカおよび前記マーカ移動装置を制御するコントローラとを備え、
    前記対象物が移動する場合に、前記コントローラは、前記対象物の三次元CADの情報および前記対象物の印字位置に基づいて予め設定された経路に基づいて、前記対象物と前記マーカとの間の相対速度がより小さくなるように前記マーカ移動装置を制御する、印字システム。
  5. 前記マーカは、レーザ光を走査して前記対象物に印字を行うためのマーカである、請求項4に記載の印字システム。
  6. レーザ光を走査して対象物に印字を行うためのマーカ部と、
    前記対象物と前記マーカ部との間の相対位置を3以上の自由度で変化させることが可能なように前記マーカ部を移動させるマーカ移動部と、
    制御プログラムを実行することにより前記マーカ部および前記マーカ移動部を制御する制御部とを備え、
    前記対象物が移動する場合に、前記制御部は、前記対象物の三次元形状および位置を計測するセンサの計測結果に基づいて、前記対象物と前記マーカ部との間の相対速度がより小さくなるように、前記マーカ移動部を制御するとともに、前記対象物に印字を行うための前記レーザ光の走査を行うように前記マーカを制御する、印字装置。
  7. レーザ光を走査して対象物に印字を行うためのマーカと、前記マーカと前記対象物との間の相対位置を3以上の自由度で変化させることが可能なように前記マーカを移動させるマーカ移動装置と、コントローラとを備えた印字システムによる、印字方法であって、
    前記対象物の三次元形状および位置に関する情報を取得するステップと、
    前記対象物が移動する場合に、前記対象物の前記三次元形状と前記位置とに基づいて、前記対象物と前記マーカとの間の相対速度がより小さくなるように、前記マーカおよび前記マーカ移動装置を制御するととともに、前記レーザ光の走査を行うように前記マーカを制御して前記対象物に印字するステップとを備える、印字方法。
  8. コントローラに、
    対象物の三次元形状および位置に関する情報を取得するステップと、
    印字パラメータと、前記対象物の前記三次元形状および前記位置とに基づいて、前記対象物が移動する場合に、前記対象物と、レーザ光を走査して前記対象物に印字を行うためのマーカとの間の相対速度がより小さくなるように、前記マーカと、前記マーカと前記対象物との間の相対位置を3以上の自由度で変化させることが可能なように前記マーカを移動させるマーカ移動装置と、前記マーカによる前記レーザ光の走査とを制御して、前記対象物に印字するステップとを実行させる、プログラム。
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