さらに、図面が1つの実施例の多様な構成要素の縮尺を表すことができるが、開示される実施例がこの特定の縮尺のみに限定されない、ことを理解されたい。
本発明による種々の例示の構造の以下の説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照し、添付図面では、例示として、種々の例示のデバイス、システム、及び本発明の態様を実施することができる環境が示される。部品、例示のデバイス、システム、及び環境の他の特定の配置構成も利用され得ること、並びに本発明の範囲から逸脱することなく構造的修正及び機能的修正も行われ得ることを理解されたい。また、本明細書では、「頂部」、「底部」、「前方」、「後部」、「側方」、及び「後方」などの用語が本発明の例示の種々の特徴及び要素を説明するのに使用され得るが、これらの用語は、本明細書では、例えば、図に示される例示の向き又は典型的な使用時の向きに基づいて、便宜的に使用されるものである。本明細書では、本発明の範囲に収めるために構造の特定の三次元の向きが必要であるとは解釈されない。また、添付図面が必ずしも正確な縮尺ではないことに留意されたい。
加えて、本明細書で使用される「複数の」という用語は、必要に応じて無限数を最大の数として、選言的に又は連言的に、2以上の任意の数を示している。
本明細書で使用される場合の「概して平行」は、第1の線、線分、平面、縁部、表面などが、第1の線、線分、又は縁部の長さの少なくとも50%にわたって、或は平面又は表面などの面積の少なくとも50%にわたって、別の線、平面、縁部、表面などからほぼ等距離(この例では、5%の範囲内)である、ことを意味する。いくつかの実例では、線、線分、又は縁部は、これらの線、線分、又は縁部が、これらの考察される線、線、又は縁部の長さの少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、又はさらには少なくとも95%にわたって、別のそれぞれの線、セグメント、又は縁部に対して概して等距離(±5%)である場合に、「概して平行」とみなされ得る。加えて、平面又は表面は、これらの平面又は表面が、これらの考察される平面又は表面の表面積の少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、又はさらには少なくとも95%にわたって、別のそれぞれの平面又は表面に対して概して等距離(±5%)である場合に、「概して平行」とみなされ得る。
本明細書で使用される場合の「概して垂直」は、第1の線、線分、平面、縁部、表面などが、第1の線、線分、又は縁部の長さの少なくとも50%にわたって、或は平面又は表面などの面積の少なくとも50%にわたって、別の線、平面、縁部、表面などに対して概して垂直(この例では、5%の範囲内)である、ことを意味する。いくつかの実例では、線、線分、又は縁部は、これらの線、線分、又は縁部が、これらの考察される線、線分、又は縁部の長さの少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、又はさらには少なくとも95%にわたって、別のそれぞれの線、セグメント、又は縁部に対して概して垂直(±5%)である場合に、「概して垂直」とみなされ得る。加えて、平面又は表面は、これらの平面又は表面が、これらの考察される平面又は表面の表面積の少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、又はさらには少なくとも95%にわたって、別のそれぞれの平面又は表面に対して概して垂直(±5%)である場合に、「概して垂直」とみなされ得る。
概して、本発明の態様は、スーツケース又は入れ物に関連し、さらに、ラッチング組立体、ホイール組立体、及び他のサブアセンブリなどの、スーツケースの態様に関連する。種々の態様及び実施例によると、本明細書で説明されるスーツケース及びラッチング組立体が、金属(金属合金を含む)、ポリマー、複合材料などの、多様な材料のうちの1つ又は複数の材料で形成され得、本発明の範囲から逸脱することなく、多様な構成のうちの1つの構成で形成され得る。スーツケースが複数の異なる材料で作られる構成要素を含むことができることを理解されたい。加えて、構成要素が多様な形成手法によって形成され得る。例えば、金属の構成要素が、鍛造、成形、鋳造、圧縮成形、機械加工、及び/又は他の既知のテクニックにより、形成され得る。加えて、ポリマーの構成要素が、種々の成形テクニック及び鋳造テクニック、並びに/或は他の既知のテクニックなどの、ポリマー加工テクニックにより、形成又は製造され得る。
本出願の種々の図が本開示によるスーツケースの実例を示す。2つ以上の図面で同じ参照符号が現れる場合、この参照符号は本明細書及び図面で一貫して使用され、全体を通して同じ又は同様の部品を示す。スーツケースが、限定しないが、衣服、履物、電子機器、又は任意の他のアイテムを含めたアイテムを、収容したり、保管したり、持ち運んだりするように構成され得る。加えて又は別法として、スーツケースが、本明細書で説明される開示の範囲から逸脱することなく、壊れやすい用具を保管するように構成され得る。
図1~8がスーツケース100の図を描いている。スーツケース100が、一体に結合され得るベース102及び蓋104を備えることができる。例えば、ベース102及び蓋104が回転可能に一体に連結され得、その結果、ベース102及び蓋104がヒンジ106又は複数のヒンジ106によって接続される。ベース102及び蓋104が、本明細書でより完全に考察されるように、物品を収容するための空隙を形成する構造であってよい。いくつかの実例では、ベース102及び蓋104が同様の容量(volumetric displacement)を有することができ、その結果、ベース102の内部空隙103のサイズが蓋104の内部空隙105のサイズと実質的に等しいか、又はベース102の空隙の容積が蓋104の空隙の容積の10パーセントの範囲内によってよい。いくつかの実施例では、スーツケース100の容積が約42,000立方センチメートルであってよいか又は35,000立方センチメートルから45,000立方センチメートルの範囲内にあってよい。ベース102及び蓋104の形状が立方体又は概略立方体であってよい。例えば、いくつかの実施例では、スーツケース100が、約55.9cm(22インチ)の長さ、約35.6cm(14インチ)の幅、及び22.9cm(9インチ)の高さを有することができる。他の実施例では、スーツケース100が異なる寸法を有することができる。他の実例では、ベース102の形状が角錐台又は概略角錐台であってよい(例えば、五角柱、六角柱、又は七角柱など)。他の実例では、ベース102の形状が概略円筒形であってよいか又はベース102が概略台形の断面を有することができる。本発明から逸脱することなく、種々の他の形状が使用されてもよい。
スーツケース100が、引手(tow pull)又は延伸可能な手押しハンドル組立体400と、複数のハンドル160と、スーツケース100の底部に位置する複数のホイール168と、複数のラッチ組立体180と、旅行中にスーツケース100を固定するためにパッドロックを装着するのを可能にするための一対のラチェット式のパッドロック・ループ178、179と、をさらに有することができる。加えて、スーツケース100が耐水性又は防水性となるように構成され得、つまりスーツケース100の内部に水又は湿気を浸入させるのを実質的に一切許容しないように構成され得る。別の特徴として、スーツケース100の外側部分が、それらのプロフィールを最小にするために、及び旅行中の他の物体との衝突からの可能性のあるダメージに対しての露出を最小にするために、ラッチ組立体180と、ヒンジ106と、手押しハンドル組立体400と、ホイール168とを受け入れるための複数の凹部を有することができる凹凸形状を有することができる。
ベース102が、第1の側部110と、第1の側部110の反対側の第2の側部112と、第1の側部110の縁部と第2の側部112の縁部との間を延在する第3の側部114と、第3の側部114の反対側の第4の側部116と、を有する下側シェル構造108を有することができる。下側シェル108が、ベース102の内部空隙103のための開口部の近くに第1の端部118及び第2の端部120をさらに有することができる。下側シェル108が、テーブル又は地面などの表面上でスーツケース100を支持するように構成される、下側シェル構造108の第1の端部118に接続される底部分122をさらに有することができる。同様に、蓋104が、第1の側部126と、第1の側部126の反対側の第2の側部128と、第1の側部126の縁部と第2の側部128の縁部との間を延在する第3の側部130と、第3の側部130の反対側の第4の側部132と、を有する上側シェル構造124を有することができる。上側シェル構造124が、蓋104の内部空隙105のための開口部の近くに第1の端部134及び第2の端部136をさらに有することができる。上側シェル構造124が、テーブル又は地面などの表面上でスーツケース100を支持するように構成される、上側シェル構造124の第1の端部134に接続される頂部分138をさらに有することができる。
いくつかの実例では、上側シェル124及び下側シェル108の両方が、各々、一体の部材すなわち単一の部材として形成され得、その結果、各々のシェルがシームレスとなる。加えて、上側シェル124及び下側シェル108が、外部表面からベース102及び蓋104のそれぞれの内部空隙103、105の中まで貫通又は延在するアパーチャ又は開口部を一切有さなくてよい。外側部分から内部まで延在する開口部を有さないシェル108、124を有することにより、スーツケース100が、有利には、スーツケース100の内部に湿気又は水が浸入するのを一切防止することができる。シェル108、124が、一般に、2mmから4mmの範囲内にあるか又は1.5mmから6mmの範囲内にある厚さを有することができる。シェル108、124が、局所的な領域において変化する壁厚をさらに有することができる。例えば、いくつかのエリアが、種々の構成要素のための取り付けのためのロケーションを提供するためにシェル108、124の他の領域より厚くてよい。これらのより厚い領域が、機械的固定具又は他の接続部材を受けるように配置され得る。別の特徴として、シェル108、124が、シェルのスティフネス及び強度を向上させることを目的として及びさらにはシェル108、124のためのさらなる保護を実現することを目的として、下側シェル108及び上側シェル124の外側表面又は内側表面に沿って配置され得るリブ又はラブレール109を有することができる。例えば、リブ109が、上側シェル124の頂部分138の長さに沿うように及び下側シェル108の底部分122に沿うように方向付けられ得る。いくつかの実施例では、リブ109が上側シェル124の第1の側部126及び第2の側部128から均等に離間され得、一対のリブ109として構成され得る。
上で考察したように、上側シェル124及び下側シェル108がスーツケース100の外側部分の大部分を形成することができ、上側シェル124及び下側シェル108の各々が、主表面と、隆起表面と、複数の凹部とを有する凹凸形状を有することができ、凹部が構成要素を衝突又はダメージから保護することができる。例えば、上側シェル124が、上側シェル124の周縁部の周りで第2の端部120の近くで及び/又は第2の端部120に沿うように延在する隆起突出表面140を有することができる。隆起表面140が上側シェルの主表面142から固定の距離でオフセットされ得る。複数の上側ラッチ凹部144が少なくとも部分的に隆起表面140内に形成され得る。各上側ラッチ凹部144が、ラッチ組立体180からの保護を実現するために各々のラッチ組立体180の厚さに等しいか又はそれより大きい深さを有することができる。上側ラッチ凹部144が概略長方形形状を有することができるか又は別法としてラッチ組立体180の形状に厳密に適合する形状を有することができる。各ラッチ凹部144が、凹部144内でラッチ組立体180を固定するための受け構造部を有することができる。受け構造部が、ラッチ組立体180のためのピン又は他の設置用ハードウェアを受けるための、凹部144のいずれかの側にあるポケットを備えることができる。
上側シェル124と同様に、下側シェル108が、主表面146と、下側シェル108の周縁部の周りで第2の端部136の近くで及び/又はこの第2の端部136に沿って延在する隆起突出表面148と、を有することができる。隆起表面148が、上側シェルの主表面146から固定の距離でオフセットされ得る。複数の下側ラッチ凹部150が少なくとも部分的に隆起表面148内に形成され得る。各下側ラッチ凹部150が、各々のラッチ組立体180の厚さに等しいか又はそれより大きい深さを有することができる。下側ラッチ凹部150が、上側ラッチ凹部144の深さと概して等しい深さを有することができる。ラッチ凹部150が、凹部150に跨って延在し、下側シェル108を上側シェル124に固定するためにラッチ組立体180のための係合表面を提供する、ラッチ・キーパ182を有することができる。各凹部150が概略長方形形状を有することができるか又は別法としてラッチ組立体180の形状に厳密に適合する形状を有することができる。凹部144、150の形状及びサイズが互いに鏡像であってよく、ラッチ組立体180の全体を受けるための大きい凹部を形成するように位置合わせされ得る。
手押しハンドル組立体400が底部分122の外側部分に沿って下側シェル108に取り付けられ得る。手押しハンドル組立体400が別個の部材として形成され得、下側シェル108に取り付けられ得る。下側シェル108が、下側シェル108の底部分122上に、主表面146からオフセットされる引手凹部又は手押しハンドル凹部154を有することができる。引手凹部154が図2に示されるように概略U形であってよいか、又は手押しハンドル組立体400を受けるために一対の対称な細長い凹部154であってよい。凹部154が、手押しハンドル組立体400を衝撃から十分に保護するために手押しハンドルの延伸部分の厚さに等しいか又はそれより大きい深さを有することができる。手押しハンドル組立体400が、図9に示されるように、使用者がスーツケース100を容易に引くための細長いグリップを提供するためにスーツケースの頂部から上方に摺動する延伸可能な延伸組立体410を有することができる。
加えて、使用者がスーツケース100を容易に引くのを可能にするために、スーツケースの底部が、スーツケース100の背面及び底部に位置する複数のホイール組立体164を有することができる。各ホイール組立体164が図10A及び10Bに示されるように別個の部材として形成され得、円形状を有するホイール・ハウジング166と、少なくとも一方の端部に位置する少なくとも1つの設置用フランジ167と、アクスル(図示せず)上に設置されるホイール168とを有することができ、その結果、アクスルが円形状の中心に位置合わせされる。設置用フランジ167が設置用孔を有することができる。下側シェル108が、ホイール組立体164を受けるためのホイール凹部170を有することができる。ホイール組立体164が、設置用フランジ167内に配置される設置用孔を通って延在する少なくとも1つの機械的固定具を使用してホイール凹部に固定され得る。例示の実施例に示されるように、スーツケース100が一対のホイール組立体164を備えることができるが、他の実施例では、スーツケースがさらなる追加のホイール組立体164を有することができる。ホイール組立体164がスーツケース100の側部から均等に離間され得る。ハウジング166が、ポリアミド(ナイロン)又は同様の材料などの、ポリマー材料から形成され得、対して、ホイール168が、ポリウレタンなどのポリマー材料又は同様の材料から形成され得る。
図11A~11Dが、スーツケース100上に装着され得るホイール組立体264のための別の選択肢を示す。ホイール組立体264が、円形状を有するホイール・ハウジング266、及び設置用フランジ267を有することができる。ホイール組立体264が、アクスル269上に設置されるホイール268をさらに有することができる。ハウジング266が、ハウジング266の各側部に沿って配置される一対の水平に方向付けられる突出部271をさらに有することができ、突出部271が下側シェル108の凹部270内で方向付けられる一対の溝273の中に挿入され得る。一対の突出部の各突出部271が一対の溝の各溝273の中で受けられ、それにより凹部270内でハウジング266を垂直方向で支持する。したがって、ホイール組立体264が、フランジ267上の設置用孔を通ってシェル108の肥厚部分の中まで延在する機械的固定具によって水平方向において固定され得、それにより、固定具がシェルの内部まで貫通することが防止される。別の選択肢として、ハウジング266が、ハウジング266の前方端部上に戻り止め275又は突出部をさらに有することができる。戻り止め275が凹部270の後方端部の近くでスロット277内で受けられ得、それによりホイール組立体264を水平方向においてさらに支持する。
いくつかの実施例では、スーツケース100の底部(上側シェル124の第4の側部132に対応する)が、加えて及び/又は別法として、テーブル又は地面などの表面上でスーツケース100を支持することができる1つ又は複数の脚部172Aを有することができる。脚部172が上側シェル124に取り付けられ得、図8に示されるように適切なバランスを与えるためにホイール組立体164の反対側に位置することができる。脚部172が、ゴム、エラストマ、又は他の同様の材料などの、滑り止め処理を施されているか又は摺動しない衝撃吸収材料で形成され得る。例えば、脚部172が、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)ゴム(エチレンプロピレンジエンモノマー)又は同様の材料から形成され得る。脚部が、接着剤、超音波溶接テクニック、又は電磁接着(Emabond(登録商標))を利用してシェルに取り付けられ得る。接着テクニック又は溶接テクニックを利用して脚部を取り付けることにより、シェル108、124がそれらの内部への侵入のない状態を維持することができる。
脚部172の各々が、上側シェル124の隆起表面148内に形成され得る脚部凹部174内で受けられ得る。脚部172が、概略楕円形状、正方形形状、又は任意の形状を有することができる。加えて、各脚部172が、各ホイール168がスーツケースを越えて延在するのを等しい距離で延在することができる。したがって、地面上で静止しているときに、スーツケース100の頂部が概して水平となり得る。別の選択肢として、1つ又は複数の脚部172Bがシェル108、124の第2の側部112、128に沿って位置してもよく、その結果、脚部172Bが上側シェル124及び下側シェル108の両方において互いに反対側に配置される。図6に示されるように、脚部172Bが、上側シェル124の第2の側部128に沿うように及び下側シェル108の第2の側部112に沿うように配置され得る。脚部172Bが、スーツケース100の底部において、脚部172Aと同様の材料から形成され得る。同じ材料を有するが、脚部172Bの形状は脚部172Aとはわずかに異なっていてよく、ここでは、脚部172Bが概して切頂楕円形状を有することができる。脚部172がヒンジ106のうちの1つのヒンジに概して位置合わせされ得、ここでは、脚部172Bの平坦部分がヒンジ106の縁部から離間される。加えて、脚部172Bが、開いているときにヒンジにかかるか又はスーツケース100の他の構成要素にかかる衝撃力を低減するために、スーツケース100を完全に開けるときに互いに接触するように配置され得る。
スーツケース100の別の特徴が、図12A~12Cに示されるように、使用者がスーツケース100を容易に識別するのを補助するための識別タグ・ホルダ250である。識別タグ・ホルダ250が蓋104又はベース102に位置することができる。例えば、識別ホルダ250が手押しハンドル組立体400の延伸組立体410の間に位置することができる。識別タグ・ホルダ250が、透明カード・スリーブ252、及び摺動可能カード・マウント254を有することができる。カード・マウント254が中央開口部253を有することができ、下側シェル108内に配置されるスロット255に摺動可能に係合され得、その結果、カード・マウント254が垂直方向に移動する。カード・マウント254がカード・スリーブ252を固定するためのポケットを有することができる。カード・スリーブ252が、ビジネス・カード又は使用者の認証情報を含むことができる同様の用具などの認証タグ257を受けるための開口部を有することができる。カード・マウント254が、使用者がカード・スリーブ252を装着してカード・マウント254をスロット255の中へ下方に摺動させるのを可能にするために、ポケットを露出する開位置までスロット255に沿って上方に摺動することができる。カード・マウント254が、スロット255内に配置される戻り止め260又は突出部を受けるための、カード・マウント254の各々の側に配置される一対の溝又は窪み258を有することができる。カード・マウント254がスロット255内で下方に摺動させられるとき、戻り止め260がカード・マウント254の溝258の中で受けられ得る。カード・マウント254が、溝258に係合される戻り止め260により、スロット255内で固定され得る。スロット255が一対の戻り止め260を有することができ、戻り止め260がスロット255の両側に位置する。溝258が下側端部259の近くに配置され得る。したがって、認証用具がカード・マウント254の開口部253を通して容易に視認され得る。いくつかの実施例では、戻り止め260がカード・マウント254上に配置され得、溝258がスロット255内に配置され得る。
スーツケース100の安全性を向上させるのを補助することを目的として、スーツケース100が、スーツケース100が無断で開けられるのを一切防止するためにパッドロック(図示せず)を受けるための一対のパッドロック・ループ178、179を有することができる。第1のパッドロック・ループ178が上側シェル124に接続され得、第2のパッドロック・ループ179が下側シェル108に接続され得、その結果、第1のパッドロック・ループ178が第2のパッドロック・ループ179に位置合わせされ、それにより各パッドロック・ループ178、179の開口部の中にパッドロックを挿入することが可能となる。各パッドロック・ループ178、179が格納可能であり、ここでは、パッドロック・ループ178、179がそれぞれのシェル124、108上のスロットの中まで回転することができ、それにより非使用時にパッドロック・ループ178、179が保管及び保護される。
上側シェル124及び下側シェル108を有するスーツケース100が、1つ又は複数の金属、合金、ポリマー、セラミック、又は繊維強化材料などの、多様な材料から形成され得る。いくつかの実例では、上側シェル124及び下側シェル108が、両方のシェル108、124を形成するように成形される、ポリカーボネート合金、熱可塑性オレフィン(TPO)、又は他の同様の材料などの、ポリマー材料で形成され得る。いくつかの構成では、シェル108、124が、当業者によって理解されるような、射出成形プロセス、又はロト成形/回転成形プロセス(図示せず)を利用して形成される。しかし、本発明から逸脱することなく、多様な他の種類の成形プロセス又は他の製造プロセス(例えば、圧縮成形、鋳造、及び鍛造など)がスーツケース100を形成するのに利用されてもよい。
上で考察したように、ベース102及び蓋104が互いに回転可能に結合され得る。ヒンジ106が、ベース102及び蓋104を互いから離して最大少なくとも180度で回転させて図13に示されるように完全な開位置にするのを可能にするための、連続ピアノ・ヒンジ、ダブル・ヒンジ、ボール・ジョイント・ヒンジ、及びリビング・ヒンジなどダブル・ヒンジを含めた多様な種類のヒンジにうちの1つのヒンジであってよい。いくつかの実例では、蓋104が、ヒンジ106のところでベース102に取り外し可能に又は永続的に取り付けられ得る。開構成にあるとき、ベース102及び蓋104の両方の内部空隙103、105が使用者にとってアクセス可能となり得る。閉構成では、ヒンジ106が、スーツケース100内で中身を固定するために蓋104及びベース102の回転を容易にすることができる。
加えて、図13に示されるように、蓋104及びベース102の両方の内部105、103が、柔らかい内部表面を提供するためにライナ115を有することができる。ライナ115が、スーツケース100の中身のためのさらなるレベルの湿気保護を実現するための防水性の織物材料を含むことができる。別の選択肢として、複数の磁気要素又は強磁性要素が、ベース102の下側シェル108の第2の端部120に沿う内側縁部の周りに、及びさらには蓋104の上側シェル124の第2の端部136に沿う内側縁部に沿う形で、配置され得る。これらの磁気要素が、蓋104及びベース102を位置合わせしたり閉じたりするのを補助することができる。
加えて、いくつかの構成では、スーツケース100が、ガスケット176又は他の密閉デバイスを有することができる。ガスケット176が蓋104又はベース102に配置され得、スーツケース100の閉構成時に蓋104及びベース102を密閉するのを補助することができる。ガスケット176が蓋104内の凹部又はチャンネル内に配置され得る。別法として、ガスケット176が、ベース102内に形成される凹部又はチャンネル内に配置され得る。いくつかの実例では、ガスケット176が、概略円形断面を有する従来のガスケットであってよい。
他の実施例では、スーツケース100が、(国際電気標準会議によって示される)IP52等級から最大IP67等級を達成することが可能となり得る。例えば、一実施例では、スーツケース100が、限定的な防塵浸入から保護されさらにはIP52等級を達成するのに対応する水噴霧試験に対しての耐水性を有するように、製造され得る。他の実施例では、スーツケース100が、8時間の試験での防塵性を有するように及び1メートルの水での30分の試験に対しての防水性を有するように、製造され得る。いくつかの実施例では、スーツケース100が、8時間の試験でダストの侵入がないことつまりダストから完全に防護されていること並びに所定の圧力条件及び時間条件において密閉箱が水に浸される(最大1mの浸水)ときに悪影響を及ぼす量の水の浸入が不可能であることを規定するIP67等級を達成することが可能となり得る。IP67のダスト試験は8時間の長さであり、密閉箱が真空内で試験される。IP67の水試験は30分の長さであり、密閉箱の最低位置を水面下1000mmmとすること、及び最高位置を水面下150mmとすること、のうちのより深い方を用いて、密閉箱が試験される。IP等級に応じて、スーツケース100が一方向の通気孔を有することができる。例えば等級がIP52である場合、一方向の通気孔が必要ない可能性があるが、等級がIP67などといったようにより高い場合、一方向の通気孔が必要となる可能性がある。
いくつかの構成では、スーツケース100が1つ又は複数のハンドル160を有することができる。ハンドル160が下側シェル108に沿ってベース102の1つ又は複数の部分上に配置され得る。ハンドル160がスーツケース100の頂側部及び右側側部に配置され得る。ハンドル160が下側シェル108の隆起表面148に固定され得る。ハンドル160がポリマーから形成され得、使用者の握持のための柔らかい快適な表面を提供する熱可塑性ウレタン(TPU)を用いて成形され得る。ハンドル160が、ブラケット162に取り付けられるカム・リングに接続され得る。ブラケット162が機械的固定具を使用して下側シェル108に係合/固定され得、ここでは、機械的固定具が下側シェル108の内部まで延在しない。
上で考察したように、スーツケース100が、1つ又は複数のラッチ組立体180をさらに有することができる。ラッチ組立体180がロック位置及びロック解除位置を有することができ、蓋104の閉構成時にベース102に対して蓋104をロックするように構成され得る。ラッチ組立体180が、スーツケース100と一体に形成されるか又はスーツケース100に他の形で取り付けられる1つ又は複数の部分を有することができる。図14A~16Bに示されるように、スーツケース100が、下側ラッチ凹部150内に位置するラッチ・キーパ182を有することができる。ラッチ・キーパ182が下側シェル108の下側ラッチ凹部150の側壁から延在することができる。凹部150が、後でより詳細に考察されるように、ロック部材190の一部分を受けるように構成される形状を有する。ラッチ・キーパ182が、上側表面184と、内側表面186と、下側表面188とを有することができる。後でより詳細に考察するように、ラッチ組立体180が、スーツケース100の閉構成時にベース102に対して蓋104をロックするためにラッチ・キーパ182に係合され得る。
いくつかの実施例では、ラッチ組立体180が、蓋104に装着される前に蓋ラッチ・マウント181に回転可能に結合され得る。ラッチ組立体180が、ピン203又はヒンジを使用して、蓋ラッチ・マウント181に結合され得る。ピン203が、図15A及び15Bに示されるように、ラッチ組立体180のラッチ・ボディ200内の開口部に、及び蓋ラッチ・マウント181の側部にある一対の開口部に、挿入され得る。蓋ラッチ・マウント181が上側シェル124の上側ラッチ凹部144内で受けられ得る。蓋ラッチ・マウント181が第1の側部126の表面に対して平行な方向において凹部144内に装着され得、ラッチ・マウント181のフランジ183上の開口部の中に挿入される少なくとも1つの機械的固定具を使用してシェル124に固定され得る。フランジ183を上側シェル124に固定する機械的固定具がシェル124の肥厚部分内のねじ孔に挿入され得、それにより固定具がシェル124の内部まで貫通するのを防止することができる。ピン203が平行ピン又は段付きピンであってよく、刻み付きの構造部を有することができる。
同様に、いくつかの実例では、ベース・ラッチ・マウント185が、図15Cに示されるように、下側シェル108の下側ラッチ凹部150内で受けられ得る。ラッチ・キーパ182が、ベース102に装着される前に、ベース・ラッチ・マウント185の中に装着され得る。ベース・ラッチ・マウント185が第1の側部110の表面に概して平行な方向において凹部150内に装着され得、蓋ラッチ・マウント185のフランジ187上の開口部の中に挿入される少なくとも1つの機械的固定具を使用して下側シェル108に固定され得る。フランジ187をシェル108に固定する機械的固定具がシェル108の肥厚部分内のねじ孔に挿入され得、それにより固定具がシェル108の内部まで貫通するのを防止する。
次に、図15A~18に示されるラッチ組立体180を参照すると、ラッチ組立体180が、ラッチ・ボディ200と、ロック部材190と、付勢部材220と、作動部材230とを含む複数の構成要素を有することができる。上で考察したように、ラッチ組立体180が、ロック位置及びロック解除位置を有することができる。
ラッチ・ボディ200が蓋104に枢動可能に係合され得る。図17に示されるように、ラッチ・ボディ200が、ピン又はヒンジ203を使用して蓋104に枢動可能に係合され得るが、任意適切な枢動可能な係合が利用されてよい。いくつかの実施例では、ヒンジ203がスーツケース100に取り外し可能に係合され得る。このヒンジ203が、ダメージを受けた場合のラッチ組立体180を使用者が容易に取り外して交換するのを可能にすることができる。ラッチ・ボディ200が内側表面204及び外側表面206を有することができる。外側表面206が凹凸を有してよく、下側シェル108の隆起表面148又は上側シェル124の隆起表面140の外側縁部の外側へ延在しなくてよい。さらに、内側表面204が湾曲していてよく、複数の異なる構造部をさらに有することができる。ラッチ・ボディ200上に含まれ得る1つの例示の構造部が1つ又は複数の係合ラグ208であってよい。後でより詳細に考察されるように、係合ラグ208がベース102又はラッチ・キーパ182に係合され得、スーツケース100のベース102に対して蓋104を押し付けるのを補助することができる。
ラッチ・ボディ200がさらにロック部材190に係合され得る。図16A及び16Bに示されるように、ロック部材190がラッチ・ボディ200に摺動可能に係合され得、その結果、ロック部材190が上方位置と下方位置との間で実質的に直線経路で移動することができる。ロック部材190が、ロック部材190の下方位置時に蓋104を閉構成でロックするように構成され得、ロック部材190の上方位置時に蓋104をロック解除するように構成され得る。
主として図18に示されるように、ロック部材190が1つ又は複数のガイド部材192に移動可能に係合され得、その結果、ロック部材190がガイド部材192に沿って上方及び下方に摺動することができる。一実施例では、ロック部材190がロック部材190を通過するアパーチャ194を有することができ、ガイド部材192がアパーチャ194をさらに通過することができる。ガイド部材192が頂端部195及び底端部196のところでラッチ・ボディ200に係合され得る。図18に示されるように、ガイド部材192が円筒形棒であるが、ロック部材190の上方及び下方の移動を可能にする任意適切な形状が使用され得る。例えば、ガイド部材192の形状が角錐台又は概略角錐台であってよい(例えば、五角柱、六角柱、又は七角柱など)。他の実例では、ラッチング組立体180が、ロック部材190とラッチ・ボディ200との間での概略線形の移動を可能にするのに適する、例えばレールを含めた、他のデバイスを有することができる。
図18に示されるように、ラッチ組立体180が、ラッチ・ボディ200及びロック部材190に係合される少なくとも1つの付勢部材220をさらに有することができる。後でより詳細に考察されるように、付勢部材220が、ロック部材190を下方位置まで付勢するように構成される。付勢部材220が図18に示される圧縮ばねであってよいが、代替の実施例では、ロック部材190を下方位置まで付勢するための任意適切なデバイスであってもよい。
ロック部材190が、ベース部分210、及びベース部分から内側に延在するフック部分212を有することができる。フック部分212が、下側表面214、及び内側を向く表面216を有することができる。図15に示されるように、ラッチ組立体180がロック位置にあるとき、ロック部材190のフック部分212の下側表面214がラッチ・キーパ182の上側表面184に係合され得、フック部分212の内側を向く表面216がラッチ・キーパ182の内側表面186に係合され得る。加えて、ラッチ組立体180がロック位置にあるとき、係合ラグ202の上側表面がラッチ・キーパ182の下側表面188に係合され得る。
ラッチ・ボディ200がさらに、作動部材230に枢動可能に係合され得る。作動部材230がさらにロック部材190に係合され得、下方位置から上方位置までロック部材190を移動させるように構成され得る。図15及び16に示されるように、作動部材230が、ラッチ・ボディ200及び作動部材230を通って延在するヒンジ232により、ラッチ・ボディ200に枢動可能に係合され得る。作動部材230が、握持部分234と、作動バレル236と、握持部分234及び作動バレル236を接続する1つ又は複数のアーム238とを有することができる。図16Bに示されるように、握持部分234が、下側シェル108の凹部150の下側表面から一定の距離で離間される。この距離が、使用者が凹部150の下側表面と握持部分234との間に自分の指を置くことにより握持部分234の背面240を握持するのを可能にすることができる。図15及び16に示されるように、作動部材230の作動バレル236がロック部材190に係合され得る。作動バレル236が隆起部分242を有することができる。後でより詳細に考察するように、使用者が作動部材230の握持部分234を前方に引くことができ、それにより、作動バレル236の隆起部分242を回転させてロック部材190を上方に持ち上げることできる。この移動によりラッチ組立体180がロック解除され、蓋104を閉構成から開構成まで移動させるのを可能にする。
次に図16A及び16Bを参照すると、ラッチ組立体180の実施例をロック位置からロック解除位置まで移動させるための手順が示されており、ここでは、ラッチ組立体180並びにベース102及び蓋104の一部分の側断面図が用いられる。図16A及び16Bが、ラッチ組立体180を説明するのに焦点を合わせるために、単純化されたバーションのベース102及び蓋104を示す。図16Aがロック位置にあるラッチ組立体180を描いており、図16Bがロック解除位置にあるラッチ組立体180を描いている。図16Aに示されるように、ロック位置では、フック部分212の下側表面214がラッチ・キーパ182の上側表面184に係合され、フック部分212の内側を向く表面216がラッチ・キーパ182の内側表面186に係合され、係合ラグ202がラッチ・キーパ182の下側表面188に係合される。
図16Bに示されるように、矢印で示されるように作動部材230を回転させることにより、ラッチング組立体180がロック解除位置まで移動させられ得る。この回転が、使用者が背面240を前方に引くことにより、達成され得る。作動バレル236が回転すると、隆起部分242がロック部材190に係合され、ロック部材190を持ち上げる。
ラッチ・ボディ200と、ロック部材190と、作動部材230とを有するラッチ組立体180が、各々、別個に形成され得、プラスチック材料、又は所望の形状となるように形成又は成形され得る別の適切な材料などの、材料で形成され得る。ラッチ組立体180が、経時的にラッチがラッチ・キーパ182に係合される/ラッチ・キーパ182から係合解除されるときの繰り返しの応力サイクル耐えるのに、十分なサイズを有し、十分な厚さを有し、適切な材料である、構成で作られ得る。本明細書で説明されるスーツケースが、耐久性及び耐摩耗性を提供しながら、スーツケースの容易な且つ効率的な製造を保証する種々の特徴を有する。
図19~20が、ベース102に対して蓋104をロック及びロック解除するための代替のラッチング組立体280を備えるスーツケース100を示している。ラッチング組立体280が、下側シェル108の第1の側部110及び上側シェル124の第1の側部126に対して概して垂直となるように概略的に方向付けられる軸を中心として回転することができるハンドル282を有することができる。ハンドル282が蓋104に永続的に取り付けられ得、ラッチ又はフックを有することができ、その結果、ロック状態の向きであるとき、ラッチがベース102に係合されてベース102に対して蓋104をロックする。スーツケース100をロック解除するために、ハンドル282が、ラッチをベース102から係合解除するために約90度回転させられ得、それにより蓋104がベース102を基準として移動することが可能となる。
図21~29が、スーツケース100のための別の選択肢を示す。この実施例では、スーツケース100が、内部空隙103、105の一方又は両方に取り付けられる配備可能なバッグ300を有することができる。図21が、蓋104の内部空隙105から取り外れた状態からバックパックへ変換されるときの、バッグ300の変換を示している。図21がさらに、開構成にあるバッグ300を示しており、ここでは前方ポケットのファスナーが開いている。示される実施例は蓋104の内部空隙105に解除可能に取り付けられる配備可能なバッグ300を示すが、配備可能なバッグ300がベース102の内部空隙103に解除可能に取り付けられ得る。配備可能なバッグ300がスーツケース100内で固定され得、後で取り外され得、それにより使用者によって容易に持ち運ばれ得る携帯バッグへと容易に変換され得る。配備可能なバッグ300が、少なくとも1つの持ち運び用ストラップ、又は示されるような一対の持ち運び用ストラップ302を有することができ、その結果、バッグ300が使用者によってバックパックとして着用され得る。
配備可能なバッグ300が、ストラップ302を固定及び保管することができる背面側ポケット304を含む複数のポケットを有することができ、その結果、バッグ300が、バッグ300の頂部に位置するハンドル306A又はバッグ300の側部に位置するハンドル306Bにより、持ち運び可能となる。バッグ300が、バッグ300の内部にアクセスするのを可能にする、バッグの前側にあるクロージャ320と、側部に沿うクロージャ322とをさらに有することができる。前側クロージャ320が、蓋104内でバッグ300が固定される場合でも、バッグ300の内部に使用者がアクセスするのを可能にする。バッグ300が防水性を有することができ、約20リットルの容積又は15リットルから30リットルの範囲内の容積を有することができる。サイズを画定する別の手法として、バッグ300が、蓋104の内部空隙105の容積を実質的に占有することができる。配備可能なバッグ300のための別の選択肢として、スーツケース100内でのバッグの容積を最小にすることを目的としてバッグ300から空気を除去するためにバッグ300を圧縮するのを可能にする一方向の通気孔が提供され得る。
加えて、バッグ300が、バッグ300の外部周縁部に沿って配置される複数のアタッチメント・ループ308を有することができる。例えば、アタッチメント・ループ308が、バッグ300の頂側部、底側部、左側側部、及び右側側部に沿って均等に離間され得る。バッグ300の各側部が少なくとも2つのアタッチメント・ループ308を有することができるか、又はいくつかの実施例では、バッグ300の各側部が3つ以上のアタッチメント・ループ308を有することができる。各アタッチメント・ループ308が、蓋104の内部空隙105の側部に沿って位置するフック310に係合され得る。図27に示されるように、フック310がループ308に係合されてループ308を通って延在することができ、それによりバッグ300をスーツケース100に固定する。図28が、バッグ300をスーツケース100から係合解除することを目的としたフック310からのループ308の取り外しを示す。フック310が蓋104の内部側方表面312に永続的に接続されていてよい。フック310が側方表面312から外側に延在する外側部材314を備えることができ、外側部材314の縁部から蓋104の内部底側表面318の方に延在する下向き部材316を備えることができる。
アタッチメント・ループ308がバッグ300の外部表面に取り付けられる外側バンドの一部であってよいか、又は別法として、ループ308がバッグの外部表面に沿って個別に配置され得る。アタッチメント・ループ308がナイロン又は他の適切な織物材料から形成され得る。代替形態として、アタッチメント・ループ308が、フック・ループ式の固定具、磁性要素などの、代替の固定手法、又はバッグ300の周縁部の周りに配置され得る他の解除可能な要素に置き換えられてもよい。
別の選択肢として、バッグ300が、蓋104の内部に取り外し可能に結合される複数の配備可能なバッグ300に置き換えられてもよい。複数の配備可能なバッグ300が多様なサイズのモジュール式のバッグであってよい。例えば、複数の配備可能なバッグ300が、内部空隙105の約半分を占有する第1のバッグと、内部空隙105の約4分の1を各々占有する第2及び第3のバッグとを有することができる。加えて、複数のバッグのうちの少なくとも1つのバッグが防水性であってよいか又は複数のバッグのすべてが防水性であってよい。
スーツケース100が、手押しハンドル組立体400又は引手ハンドルをさらに有することができる。手押しハンドル組立体又は引手は、スーツケースの操作性を向上させてスーツケースを容易に押したり又は引いたりするためのスーツケース上にあるホイールと併せて、使用され得る。手押しハンドル組立体400が、スーツケース100のベース102に接続されさらにはハンドル又はグリップ402により互いに接続される一対の延伸組立体410を備えることができる。手押しハンドル組立体400の構成要素が多様な形成手法によって形成され得る。例えば、金属の構成要素が、鍛造、押し出し、成形、鋳造、圧縮成形、機械加工、及び/又は他の既知のテクニックにより、形成され得る。ポリマーの構成要素が、種々の成形テクニック及び鋳造テクニック、並びに/或は他の既知のテクニックなどの、ポリマー加工テクニックにより、形成又は製造され得る。
上で考察したように、それらのプロフィールを最小にするために、及び旅行中の他の物体との衝突からの可能性のあるダメージに対しての露出を最小にするために、スーツケース100の外側部分が、ラッチ組立体と、手押しハンドル組立体400と、ホイール168とを受け入れるための複数の凹部を有することができる凹凸形状を有することができる。例えば、下側シェル108が、下側シェル108の底部分122上に、主表面146からオフセットされる引手凹部154を有することができる。引手凹部154が、手押しハンドル組立体400を衝撃から十分に保護するために延伸組立体410の厚さに等しいか又はそれより大きい深さを有することができる。手押しハンドル組立体400が、図30に示されるように、スーツケース100の頂部から上方に延在することができる一対の延伸可能な延伸組立体410を有することができ、それにより使用者がスーツケース100を容易に引くための持ち上げグリップ(elevated grip)402を提供する。延伸組立体410が、大きい方の延伸部分420、及び1つ又は複数の小さい方の延伸部分430、460を有することができ、ここでは、小さい方の延伸部分が大きい方の延伸部分420の中央開口部内で入れ子状であってよく、大きい方の延伸部分420に摺動可能に係合され得る。
図31~34が、手押しハンドル組立体400の例示のグリップ又はハンドル402を示す。上で考察したように、グリップ402が延伸組立体410の間を延在することができ、手押しハンドル400を延伸及び降下させるための使用者のためのインターフェースとして機能することができる。グリップ402が、解除ボタン411、上側グリップ・ハウジング413、及び下側グリップ・ハウジング415を有することができる。下側グリップ・ハウジング415が、上側グリップ・ハウジング413の上側表面419から離れるように延在する一対の延伸部材417を有することができる。これらの延伸部材417が、小さい方の延伸部分430或は第3又は第2の小さい方の延伸部分460のプロフィールよりわずかに大きい形状及びプロフィールを有する開口部431を有することができ、その結果、一番の上の延伸部材430、460が開口部431に挿入され得、固定され得る。さらに、延伸部材430、460が、当業者には既知の手段により、グリップ402に固定され得る。
解除ボタン411が、グリップ402に沿って、水平方向及び垂直方向の両方向において、中央に位置することができる。加えて、上側表面419が、スーツケースの隣接する表面に適合するように凹凸を有することができ、それによりすっきりとした美的外観が得られる。解除ボタン411が、グリップ402の上側表面419に対応する凹凸の上側表面433をさらに有することができる。さらに、解除ボタン411が、上側グリップ・ハウジング413及び下側グリップ・ハウジング415が取り外された状態で示される図33及び34で示されるように、ラック・ピニオン歯車組立体435に結合され得る。解除ボタン411が、一対のラック歯車部材439の各々のラック歯車部材上に位置する係合部材411に接触する、ボタン411の各端部上にある2つの下側係合部材437を有することができる。各ラック歯車部材439が、係合部材441と、第1の端部のところにあるラック歯車部分443と、ベース部材445と、第1の端部の反対側の第2の端部のところにある伝達部材447とを有することができる。各々のラック歯車部材439のラック歯車部分443がピニオン歯車449に係合され得る。ピニオン歯車449が、解除ボタン411の下で、中央に位置することができ、その結果、解除ボタン411が押されるときに解除ボタン411がグリップ402の上側表面419に対して概して垂直な方向に移動することができる。ボタン411が押されるとき、傾斜表面461を有することができる下側係合部材437が、ラック歯車部材439上で、係合部材441の対応する傾斜表面463に接触してそれに沿って摺動することができる。傾斜表面463がベース部材445の上側表面を基準とした複合角度を有することができ、ここでは、この複合角度が、ベース部材445の上側表面に対してやはり垂直である2つの直交平面に対して角度をつけられる。表面463の複合角度が、2つの直交平面に対して、1度から60度の間の鋭角を形成することができる。傾斜表面461、463が互いに沿って移動するとき、ラック歯車部材439の両方が外側に移動するように付勢される。ピニオン歯車449が両方の歯車部材439の間での移動を一定の状態及び制御下の状態で維持するのを補助することができる。歯車部材439が外側に移動するとき、伝達部材447が、下側延伸部分417内に位置するスロット内に位置する作動部材465に力を加える。伝達部材447が、作動部材465の傾斜表面に接触する傾斜表面を有することができる。作動部材465が、手押しハンドル組立体400のためのロック機構を係合解除することができ、それによりグリップ402を上方に引いて延伸組立体410を延伸させることが可能となる。
図35~52が例示のスーツケース500を示す。スーツケース500の構造部は、図1~30の実施例で使用される「1xx」ではなく、参照符号「5xx」シリーズの同様の参照符号を使用して示される。したがって、図1~30に示される既に上で説明したスーツケース100の特定の構造部があまり詳細には説明されない可能性があるか又は全く説明されない可能性がある。加えて、スーツケース500が、上述した、ラッチ組立体180及び手押しハンドル400をさらに有することができる。例示のスーツケース500が、ヒンジ506又は複数のヒンジ506により一体に回転可能に結合されるベース502及び蓋504を有することができる。
ベース502が、第1の側部510と、第1の側部510の反対側の第2の側部512と、第1の側部510の縁部と第2の側部512の縁部との間を延在する第3の側部514と、第3の側部514の反対側の第4の側部516と、を有する下側シェル構造508を有することができる。下側シェル508が、ベース502の内部空隙503のための開口部の近くに第1の端部518及び第2の端部520をさらに有することができる。下側シェル508が、テーブル又は地面などの表面上でスーツケース500を支持するように構成される、下側シェル構造508の第1の端部518に接続される底部分522をさらに有することができる。同様に、蓋504が、第1の側部526と、第1の側部526の反対側の第2の側部528と、第1の側部526の縁部と第2の側部528の縁部との間を延在する第3の側部530と、第3の側部530の反対側の第4の側部532と、を有する上側シェル構造524を有することができる。上側シェル構造524が、蓋504の内部空隙505のための開口部の近くに第1の端部534及び第2の端部536をさらに有することができる。上側シェル構造524が、テーブル又は地面などの表面上でスーツケース100を支持するように構成される、上側シェル構造524の第1の端部534に接続される底部分538をさらに有することができる。
例示のスーツケース100と同様に、上側シェル524及び下側シェル508の両方が、各々、一体の部材すなわち単一の部材として形成され得、その結果、各々のシェルがシームレスとなる。加えて、上側シェル524及び下側シェル508が、シェル524、508に対してスーツケース500の種々の構成要素が組み付けられるとき、外部表面からベース502及び蓋504のそれぞれの内部空隙503、505の中まで貫通又は延在するアパーチャ又は開口部を一切有さなくてよい。シェル508、524が、一般に、2mmから4mmの範囲内にあるか又は1.5mmから6mmの範囲内にある厚さを有することができる。シェル508、524が変化する壁厚をさらに有することができる。別の特徴として、シェル508、524が外部リブ(又は、ラブレール)509を有することができ、外部リブ(又は、ラブレール)509が下側シェル108及び上側シェル524の外側表面又は内側表面に沿って配置され得、シェルのスティフネス及び強度を向上させることができ、さらにはシェルを衝撃から保護することができる。
上側シェル524及び下側シェル508がスーツケース500の外側部分の大部分を形成することができ、上側シェル524及び下側シェル508の各々が、主表面と、隆起表面と、複数の凹部とを有する凹凸形状を有することができ、凹部が構成要素を衝突又はダメージから保護することができる。例えば、上側シェル524が、上側シェル524の周縁部の周りで第2の端部520の近くで及び/又は第2の端部520に沿うように延在する外側を向く隆起表面540を有することができる。外側を向く隆起表面540が上側シェル524の外側を向く主表面542から固定の距離でオフセットされ得る。複数の上側ラッチ凹部544及びヒンジ凹部545が隆起表面540内に形成され得る。各上側ラッチ凹部544が、ラッチ組立体180からの保護を実現するために各々のラッチ組立体180の厚さに等しいか又はそれより大きい深さを有することができる。いくつかの実例では、各上側ラッチ凹部が、後方表面544Aと、上側表面544Bと、一対の対向する側方表面544Cと、上側表面545Bの反対側の開口部544Dとを有することができる。ラッチ凹部544の上側凹部の深さが、外側を向く表面540から後方表面544Aの間の水平距離として画定され得る。上側ラッチ凹部544が概略長方形形状を有することができるか又は別法としてラッチ組立体180の形状に厳密に適合する形状を有することができる。各ラッチ凹部544が、凹部544内でラッチ組立体180を固定するための受け構造部を有することができる。受け構造部が、ラッチ組立体180のためのピン又は他の受け用ハードウェアを受けるための、凹部544のいずれかの側にあるポケットを備えることができる。同様に、各ヒンジ凹部545が隆起表面540内に形成され得る。各上側ヒンジ凹部545が、ヒンジ506を衝撃から保護するのを実現するために各ヒンジ506の各々の厚さに等しいか又はそれより大きい深さを有することができる。
上側シェル124と同様に、下側シェル508が、外側を向く主表面546と、下側シェル508の周縁部の周りで第2の端部536の近くで及び/又は第2の端部536に沿って延在する外側を向く隆起表面548と、を有することができる。外側を向く隆起表面548が、下側シェル508の外側を向く主表面546から固定の距離でオフセットされ得る。複数の下側ラッチ凹部550及び下側ヒンジ凹部551が隆起表面548内に形成され得る。各下側ラッチ凹部550が、各々のラッチ組立体180の厚さに等しい又はそれより大きい深さを有することができる。下側ラッチ凹部550が、上側ラッチ凹部544の深さに概して等しい深さを有することができる。いくつかの実例では、各下側ラッチ凹部550が、後方表面550A、上側表面550B、及び一対の対向する側方表面550C、並びに上側表面550Bの反対側にある開口部550Dを有することができる。下側ラッチ凹部550の下側凹部深さが、外側を向く表面548から後方表面550Aの間の水平距離として画定され得る。ラッチ凹部550が、凹部550に跨って延在し、下側シェル508を上側シェル524に固定するためにラッチ組立体180のための係合表面を提供する、ラッチ・キーパ182を有することができる。各凹部550が概略長方形形状を有することができるか又は別法としてラッチ組立体180の形状に厳密に適合する形状を有することができる。ラッチ凹部544、550の形状及びサイズが互いに鏡像であってよく、スーツケース500の閉構成時にラッチ組立体180の全体を受けるための大きい凹部を形成するように位置合わせされ得る。この大きい凹部内でラッチ組立体180の全体を受けることにより、ラッチ組立体180の露出表面が外側を向く表面540、548の下方にあってよく、さらに、ラッチ組立体180の側部の周りで保護され得、その結果、スーツケースが閉構成にあるとき、ラッチ組立体180の周縁部が、上側ラッチ凹部544及び下側ラッチ凹部550の組み合わせの周縁部内に位置することができる。
いくつかの実例では、図44B及び44Cに示されるように、ラッチ組立体180が、蓋504に装着される前に蓋ラッチ・マウント181に回転可能に結合され得る。蓋ラッチ・マウント181が上側ラッチ凹部544内で受けられ得るボディ部材189と、凹部544内でシェルフに設置され得るか又は上側ラッチ凹部544に隣接する表面に設置され得るフランジ183とを有することができる。蓋ラッチ・マウント181が第1の側部526の表面に対して平行な方向において凹部544内に装着され得、蓋ラッチ・マウント181のフランジ183上の開口部の中に挿入される少なくとも1つの機械的固定具を使用してシェル124に固定され得る。フランジ183を上側シェル524に固定する機械的固定具がシェル524の肥厚部分内のねじ孔に挿入され得、それにより固定具がシェル524の内部まで貫通するのを防止することができる。上述したように、いくつかの実例では、ベース・ラッチ・マウント185が下側シェル508の下側ラッチ凹部550内で受けられ得る。ラッチ・キーパ182がベース102に装着される前にベース・ラッチ・マウント185の中に装着され得る。ベース・ラッチ・マウント185が、下側ラッチ凹部550内で受けられ得るベース部材191と、凹部544内でシェルフに設置され得るか又は上側ラッチ凹部544に隣接する表面に設置され得るフランジ部材187とを有することができる。下側ラッチ・マウント185が第1の側部110の表面に概して平行な方向において下側ラッチ凹部550内に装着され得、蓋ラッチ・マウント185のフランジ187上の開口部の中に挿入される少なくとも1つの機械的固定具を使用して下側シェル508に固定され得る。フランジ187をシェル108に固定する機械的固定具がシェル508の肥厚部分内のねじ孔に挿入され得、それにより固定具がシェル508の内部まで貫通するのを防止することができる。ラッチ・マウント181、185をそれらのそれぞれのシェル524、508に固定する機械的固定具623が互いに概して平行に方向付けられ得、さらに、シェル508の第1の側部510に平行であってよく、さらに、シェル524の第1の側部526に平行であってよい。
下側ヒンジ凹部551が隆起表面548内に形成され得る。各下側ヒンジ凹部551が、ヒンジ506を衝撃から保護するのを実現するために各ヒンジ506の各々の厚さに等しいか又はそれより大きい深さを有することができる。凹部545、551の形状及びサイズが互いに鏡像であってよく、ヒンジ506の全体を受けるための大きい凹部を形成するように位置合わせされ得る。凹部545、551から形成される大きい凹部が、ヒンジ組立体506の周縁部の大部分を囲む形状を有することができる。
図43Aに示されるように、スーツケース500が内部ライナ600を有することができる。内部ライナ600が成形され得、ベース502の内部空隙503又は蓋504の内部空隙505の中に解除可能に固定され得る。内部ライナ600が、内部空隙503、505の内部プロフィールに適合する成形された外部プロフィールを有することができる。内部ライナ600が、多様な荷物を受け入れるための、ライナ600の上側表面608から窪んでいる保管空洞602を有することができる。例えば、保管空洞602が、多様な形状のアイテムを受けて保護するための複数の多様な形状の空洞を有することができる。内部ライナ600が成形プロセスを介して形成され得、ここでは、ライナ600が、ゴム、ポリマー、又はエチレンビニルアセテート(EVA)などの発泡材料、或は他の同様の材料から成形される。ライナ600がライナ600の外側部分の周りで離間されるクリップ又はフックなどの機械的要素604を有することができ、ここでは、機械的要素604が、ベース502及び蓋504の内部に沿って配置されるループなどの対応する機械的要素に係合される。任意選択で、内部ライナ600が、接着剤、フック・ループ式の固定具(ベルクロ(登録商標))、磁気要素、又は他の接続手法を利用して固定されてもよい。例えば、内部ライナ600が、周縁部及び/又は底部表面に沿って配置される複数の磁性要素又は強磁性要素を有することができ、これらの複数の磁性要素又は強磁性要素が、シェル508、524の内部表面に沿って配置されるか又はその中に配置される対応する磁性要素又は強磁性要素に取り付けられ得る。いくつかの例では、スーツケース500が複数の内部ライナ600を有することができ、ここでは、内部ライナ600が、固定すべき中身に応じて、スーツケース500の中に交換可能に装着され得る。いくつかの実例では、ライナ600が、ライナ600内でアイテムをさらに固定するための解除可能な網又は層606を有することができる。
ベース・シェル508の内部空隙503又は蓋シェル524の内部空隙505の中に内部ライナ600を解除可能に固定するための別の選択肢として、ライナ600が、ベース・アタッチメント部材639に解除可能に係合されるライナ・アタッチメント組立体620を有することができる。図43B~43Eが、ライナ600をシェル508、524のいずれかに解除可能に取り付けるための代替の手段を示す。ライナ・アタッチメント組立体620が、ライナ600をシェル508、524のうちの1つのシェルに固定するためのロック位置と、ライナ600をスーツケース500から取り外すのを可能にするロック解除位置との間で移動することができる。ライン・アタッチメント部材620が内部ライナ600に永続手的に取り付けられ得、ベース・アタッチメント部材639がベース・シェル508又は蓋シェル524の内部表面507、525に永続的に取り付けられ得る。ライナ・アタッチメント組立体620が、テール部材622、フランジ部材627、及び握持部材634を有することができる。テール部材622が、テール・ボディ部材624から外側に延在するロック用突出部625を備えるテール・ボディ部材624を有することができる。図43Eに示される実例などの、いくつかの事例では、テール部材622が、互いに反対に配置される一対のロック用突出部625を有することができる。ロック用突出部625が、ベース・アタッチメント部材639に堅固に係合されるための少なくとも1つのテーパ状表面を有することができる。加えて又は任意選択で、各ロック用突出部625が、ベース・アタッチメント部材639上の対応する凹部又は戻り止めに係合されるための戻り止め又は凹部を有することができ、それによりアタッチメント組立体620がロック位置に到達したときに明確なフィードバック(positive feedback)を提供する。テール部材622のボディ部材624が概略円筒形状を有することができるか又は中心軸を中心として対称である任意の形状を有することができる。フランジ部材627が、ライナ600に永続的に固定され得る(つまり、縫い合わせ、リベット、接着剤、又は当業者に既知の他の手段を介して)フランジ・ボディ629、及びフランジ開口部631を有することができる。フランジ開口部631がテール部材622の一部分を受けることができ、握持部材634が、フランジ開口部631の中まで延在するテール部材622の一部分に取り付けられ得る。握持部材634が任意の形状であってよく、使用者が握持部材634を掴んで回転させるのを可能にするための表面を提供することができる。
ベース・アタッチメント部材639が第1の壁641及び第2の壁643を有することができ、ここでは、各壁641、643がベース・シェル508の内部表面507から離れるように延在することができ、内部表面のところに第1の端部645を有し、第1の端部645の反対側に第2の端部647を有する。第1の壁641が、第2の壁643の方に延在する、第2の端部647のところに位置する第1のベース・ロック用突出部649を有することができ、第2の壁643が、第1の壁643の方向に延在する、第2の端部のところに位置する第2のベース・ロック用突出部649を有する。第1の壁641及び第2の壁643が互いから固定の距離で離間され得る。ベース・ロック用突出部649の各々が、テール部材622を受けるための凹凸の縁部形状651を有することができ、その結果、アタッチメント組立体620がロック位置にあるとき、ボディ部材624、凹凸の縁部形状651、及び開口部631が互いに同軸となり得る。
握持部材634を所定の分だけ第1の方向に回転させることにより、ライナ・アタッチメント組立体620がロック解除位置からロック位置まで移動させられ得、握持部材634を所定の分だけ第2の方向に回転させることにより、ライナ・アタッチメント組立体620がロック位置からロック解除位置まで移動させられ得、ここでは、第2の方向が第1の方向の反対である。例えば、握持部材634を第1の方向に約90度回転させることにより、ライナ・アタッチメント組立体620がロック解除位置からロック位置まで移動させられ得、握持部材634を第2の方向に約90度回転させることにより、ライナ・アタッチメント組立体620がロック位置からロック解除位置まで移動させられ得、第2の方向が第1の方向の反対である。いくつかの実例では、握持部材634が、アタッチメント組立体620をロック位置からロック解除位置まで移動させるために同じ方向に所定の分だけ移動させられ得る。ロック位置にあるとき、ライナ・アタッチメント組立体のロック用突出部が第1のベース・ロック用突出部又は第2のベース・ロック用突出部の下に少なくとも部分的に配置される。
ライナが、ベース・アタッチメント部材639に取り付けられ得る複数のライナ・アタッチメント組立体620を有することができる。例えば、ライナ・アタッチメント組立体620が、保管空洞602内に位置することができるか、或は側壁又は底部表面などの、ライナ600上の任意の場所に位置することができる。同様に、シェル508、524が、対応するシェルの内部表面に沿う任意の場所に配置され得る複数のベース・アタッチメント部材639を有することができる。例えば、ベース・アタッチメント部材639が、シェル508、524の内部側方表面及び/又は底部表面に沿って配置され得る。別の選択肢として、バックパック300がライナ・アタッチメント組立体620をさらに有することができ、上述したシェル508、524に解除可能に固定され得る。
図43F及び43Gが、ライナ600をベース502及び蓋504に解除可能に固定するための取り付け構成の別の実例を示す。図43Fが、内部表面507に沿って配置される複数の機械的コネクタ660を備えるベース502の実例を示す。示されないが、蓋504が、同様の形で配置される複数の機械的コネクタ660を有することができる。この実例では、ライナ600が、下側シェル508及び上側シェル524の内部に沿って配置される複数の対応する機械的コネクタ660に解除可能に係合される複数の機械的コネクタ660を有することができる。機械的コネクタ660が、蓋504のベース502の内部表面507、525に取り付けられ得る。機械的コネクタ660が、それぞれのベース502及び蓋504の内部表面507、525の各々に沿って均等に又は不規則に離間され得る。機械的コネクタ660が、接着剤、テープ、又は当業者に既知である他の手段を使用して、内部表面507、525に取り付けられ得る。いくつかの実例では、内部表面507、525が、図43Gに示されるように、機械的コネクタ660の周縁部の一部分に沿って所定の距離でオフセットされて配置されるリブ552を有することができる。いくつかの実例では、リブ552が、コネクタ660の縁部から2mm未満のところに、或は縁部から4mm未満又は縁部から8mm未満のところに位置することができる。リブ552が、機械的コネクタ660を衝撃から保護するように、及び任意の機械的コネクタ660が緩むのを防止するために機械的コネクタ660に剪断力が作用するのを一切防止するように、機能することができる。リブ552が、機械的コネクタ660の周縁部全体の周りで連続していてよいか、又は示される実例で示されるように不連続であってもよい。例えば、リブ552が、リブ552の長さの範囲内で開口部或は複数の開口部又は中断部分553を有することができる。この不連続性又は開口部553により、使用者がリブ552内の開口部553を通してツールを摺動させて機械的コネクタ660に係合させることが可能となり得、さらには、使用者がダメージを受けたコネクタ660を修理又は交換するためにコネクタ600をこじ開けることが可能となり得る。各リブ552がシェル508、524の一部分として形成され得る。示される実例は円形の機械的コネクタ660及びリブ552を示すが、機械的コネクタ660及びリブ552は、長方形形状、三角形形状、又は他の幾何学的形状などの、任意の形状を有することができる。別法として、コネクタ660が、ライナ600上の相補的なコネクタに解除可能に係合される磁性要素又は強磁性要素を有することができる。
加えて、ベース502及び蓋504の両方が、内部表面507、525にそれぞれ取り付けられる複数の設置部又はプラグ556を有することができる。図43F及び43Hが設置部556を示す。設置部556が、ベース・シェル508及び蓋シェル524と共に形成されるボス558に取り付けられるプラグであってよい。設置部556が溝560を有することができる。設置部556が、スーツケース500の第1の側部上で設置部556にストラップ(図示せず)を解除可能に接続してストラップをスーツケース500の第2の側部に跨るように伸ばすのを可能にすることができ、それによりスーツケース500内で保管されるすべての中身を固定する。いくつかの実例では、設置部556が、ライナ600内に位置する開口部を通って延在することができ、それにより、ライナがベース502及び/又は蓋504に固定されるとき、使用者が解除可能なストラップを取り付けるために設置部556にアクセスすることが可能となる。
図44Aが、いくつかの構成要素が取り外された状態の、開構成のスーツケースの正面図を示す。ベース502及び蓋504を一体に接合する複数のヒンジ506がベース502及び蓋504に固定され得、その結果、ヒンジ506の蓋部分及びベース部分がそれぞれのヒンジ凹部545、551の中へ摺動させられ得、機械的固定具などの機械的要素621を使用して固定され得る。機械的要素621が、ベース502の底部分552に対して概して垂直となるように方向付けられ得る。同様に、ラッチ組立体180を蓋ラッチ凹部544の中へ摺動させて機械的固定具などの機械的要素623を使用してラッチ組立体180を蓋504に固定することにより、ラッチ組立体180が蓋504の中に装着され得、ここでは、器械的要素623がやはりベース502の底部表面522に対して概して垂直となるように方向付けられ得る。
上で考察したように、スーツケース500がガスケット576又は他の密閉デバイスを有することができる。示されるように、ガスケット576が、蓋504の第2の端部536のところで下側表面537上に配置される凹部577内に配置され得る。ベース502が、ベース502の第2の端部520のところで上側表面521に沿って配置される密閉リブ581を有することができ、スーツケース500の閉構成時、密閉リブ581がガスケット576に係合される。加えて、スーツケース500が閉構成であるとき、ガスケット576及び密閉リブ581の係合がベース502の上側表面521が蓋504の下側表面に接触するのを防止することができ、ここでは、上側表面及び下側表面並びに第4の端部表面が互いに離間され、蓋504がベース502から固定の距離で離間され、それによりそれらの間に隙間を作る。ガスケット576がゴム又は高分子材料から形成され得、いくつかの実例では、概略円形断面を有することができる。別法として、ガスケット576が、ベース502内に形成される凹部又はチャンネル内に配置され得る。
図44Dに示されるように、凹部577が、密閉リブ581の係合との反対側でガスケット576に係合されるように上方に延在するリブ578を有することができる。凹部内のリブ578が、ガスケット576にかかる対称な荷重を作り出すのを補助することができ、それによりガスケット576が依然として十分なシールを提供しながら円形断面を有することが可能となる。
加えて、スーツケース500のベース502が、底部分522と第4の表面516との間にテーパ領域523を有することができる。テーパ領域523が一対のホイール組立体564の間に位置することができ、底部分522の中央領域と鋭角を形成することができる。このテーパ部分が、底部分522の中央部分からテーパ領域523の下側表面(又は、テーパ領域523の下側表面に対しての接平面)までで測定して1度から30度の範囲内にある角度で延在することができる。テーパ部分523が、多様な身長を有する使用者に対応するために多様な位置で手押しハンドル400を使用してスーツケース500を引くのを可能にする。
図63及び64がヒンジ506を示す。ヒンジ組立体506が、少なくとも2つの連結部626、ベース・ヒンジ挿入物628、蓋ヒンジ挿入物630、及び複数の連結ピン632を有することができる。各連結部626の一部分が連結ピン632を介して蓋504に接続され得、各連結部626の一部分が連結ピン632を介してベース502に接続され得る。ヒンジ組立体506が、ベース502を基準とした蓋504の回転のためのヒンジ軸633を画定することができる。ヒンジ軸633がベース502の外側に位置してよく、さらには蓋504の後方縁部の外側に位置してよい。加えて、ヒンジ軸633がヒンジ組立体506の物理的幾何形状の外側であってよい。ベース・ヒンジ挿入物628及び蓋ヒンジ挿入物630の各々がそれぞれ凹部636、638を有することができる。ヒンジ凹部636、638が複数の連結部626を受けることができる。各凹部636、638がヒンジ挿入物628、630のそれぞれの頂部表面640及び底部表面642から凹部の底部表面までで測定する深さを有することができる、この深さが各々の連結部626の厚さより大きい。この構成により、ヒンジ挿入物628、630が連結部626をいかなるダメージからも保護することが可能となる。
各連結部626が頂部表面640及び頂部表面640の反対側の底部表面642を有することができ、さらに、頂部表面640と底部表面642との間を延在する側方表面644を有することができる。一対の孔646が側方表面644を通って延在することができ、ここでは、孔646が連結ピン632を受ける。例えば、連結部626が、開口部646を通ってベース・ヒンジ挿入物628内の開口部の中まで延在する第1の連結ピン632を受ける第1の連結部開口部646と、開口部646を通って蓋ヒンジ挿入物630内の開口部の中まで延在する第2の連結ピン632を受ける第2の連結部開口部646とを有することができる。したがって、各連結部626がベース502及び蓋504の両方に接続される。加えて、底部表面642が、スーツケースの閉構成時に連結ピン632のうちの1つの連結ピンを受けるスロット648と、スーツケースの開構成時に連結ピン632のうちの1つの連結ピンを受ける、頂部表面640上にあるスロット650とを有することができる。連結部626が互いに隣接して配置され得、ここでは、第1の連結部が、スーツケース500の開構成時に頂部表面640を蓋504及びベース502の両方の頂部周縁部の方に向けるように、方向付けられ得、第2の連結部が、図45に示されるように、スーツケース500の開構成時に底部表面642を蓋504及びベース502の両方の頂部周縁部の方に向けるように、方向付けられ得る。
ベース・ヒンジ挿入物628及び蓋ヒンジ挿入物630の各々がスーツケース500の左側から見て概略長方形形状を有することができる。上で考察したように、各ヒンジ挿入物628、630がヒンジ凹部636、638を有し、各ヒンジ凹部が一方の端部で開いており、残りの側でヒンジ挿入物の壁によって囲まれる。装着時、各凹部636、638の開いている端部が互いに位置合わせされ得、それにより連結部626を受けて連結部626を移動させるのを可能にするためのヒンジ凹部の全体を形成する。各ヒンジ挿入物628、630が、凹部636、638の開いている端部を有する、ヒンジ挿入物628、630の端部のところでヒンジ挿入物から延在するヒンジ・フランジ652を有することができる。ヒンジ・フランジ652が、ベース502及び蓋504のそれぞれのヒンジ凹部550、551内でヒンジ506を固定する機械的要素621を受けるための少なくとも1つの開口部を有することができる。
スーツケース100の構成と同様に、脚部572がヒンジ506のうちの1つ又は複数のヒンジに概して位置合わせされ得、ここでは、脚部572Bの平坦部分がヒンジ506の縁部から離間される。加えて、脚部572Bが、図46に示されるように開いているときにヒンジにかかるか又はスーツケース500の他の構成要素にかかる衝撃力を低減するために、スーツケース500を完全に開けるときに互いに接触するように構成され得る。示される例示のスーツケース500は3つのヒンジ組立体506を有するが、スーツケース500は2つのみのヒンジ506を有してもよく、又は4つ以上のヒンジを有してもよい。
連結部626、ヒンジ挿入物628、630、連結ピン632などの、ヒンジ組立体506の構成要素が、十分な強度及びスティフネスを提供するために、鋼鉄又はアルミニウムなどの金属材料で形成され得る。別法として、これらの構成要素が、繊維充填ポリマーなどの高分子材料又は複合材料から形成され得る。構成要素が、鋳造、機械加工、及び成形などの、既知の方法を使用して製造され得る。
スーツケース100と同様に、スーツケース500が、スーツケース500の後方・底部の角部の近くに配置される複数のホイール組立体564を有することができる。図47に示されるように、ホイール組立体564が下側シェル508のホイール凹部570の中に装着され得る。ホイール組立体564が、円形形状を有するホイール組立体566、及び設置用フランジ567を有することができる。ホイール組立体564が、アクスル及び軸受(図示せず)上に設置されるホイール568をさらに有することができる。ハウジング566が、ホイール・ハウジング566の側方表面に沿って方向付けられる複数のガイド・レール569と、ホイール・ハウジング566の頂部表面に沿って配置される複数のガイド・レール571とをさらに有することができる。ガイド・レール569、571が、下側シェル508のホイール凹部570内に配置される対応するガイド・スロット573、575の中に摺動することになる。ガイド・スロット573、575及びガイド・レール569、571が、ホイール組立体564をその最終位置まで摺動させるときに、緊密な嵌合を確立するための少なくとも1つのテーパ状表面を有することができる。さらに、ガイド・レール573、575及びガイド・スロット569、571が、(スーツケース500の背面図で見て)ホイール組立体564を横方向及び垂直方向の両方において固定することができる。ホイール組立体564が、設置用フランジ567内に配置される設置用孔を通って延在する機械的固定具などの少なくとも1つの機械的要素を使用してホイール凹部570に固定され得、ここでは、機械的要素が、ヒンジ506及びラッチ組立体180をそれぞれ固定する機械的要素621及び624に平行に方向付けられる。示される実例に示されるように、各ホイール組立体が単一の機械的固定具を用いて固定され得る。
各ホイール組立体564が図47及び48に示されるように別個の部材として形成され得る。各ホイール組立体564が、円形形状を有するホイール・ハウジング566、及び少なくとも一方の端部に位置する少なくとも1つの設置用フランジ567、並びにアクスル及び軸受(図示せず)上に設置されるホイール568を有することができ、その結果、アクスルが円形形状の中心に位置合わせあれる。加えて、各ホイール・ハウジング566が、スーツケースの底部表面522の凹凸に概して従いさらにテーパ部分523を有する凹凸表面を有することができる。装着時、ホイール・ハウジング566の外側を向く表面583が底部表面522及びベース502のテーパ部分523の外側に離間される。外側を向く表面583をベース502から離間させることにより、ベース502をいかなる衝撃からも保護するのを補助することができる。
示される実例に示されるように、スーツケース500が一対のホイール組立体564を備えることができ、他の実施例では、スーツケースが追加のホイール組立体564を有することができる。ホイール組立体564が均等に離間され得、スーツケース500の外側縁部に位置することができ、その結果、ホイール・ハウジング566がベース502の少なくとも3つの側で露出される。ハウジング566が、ポリアミド(ナイロン)又は同様の材料などの、ポリマー材料から形成され得、対して、ホイール568が、ポリウレタンなどのポリマー材料又は同様の材料から形成され得る。いくつかの実例では、ホイール568が、より良好なトラクション及び摩耗のために、ゴムのコーティング又はゴムの外側部分を含むことができる。
上で考察したように、ベース502が下側シェル508を有することができ、蓋504が、保管される中身を保護するためのバリアを形成することができる剛体構造を提供するための上側シェル524を有することができる。下側シェル508及び上側シェル524が、1つ又は複数の金属、合金、ポリマー、セラミック、又は繊維強化材料などの、種々の材料から形成され得る。いくつかの実例では、上側シェル124及び下側シェル108が、両方のシェル508、524を形成するように成形される、ポリカーボネート合金、熱可塑性オレフィン(TPO)、又は他の同様の材料などの、ポリマー材料で形成され得る。いくつかの構成では、シェル508、524が、当業者によって理解されるような、射出成形プロセス、又はロト成形/回転成形プロセス(図示せず)を利用して形成される。構造をさらに改善するために、シェル508、524が、ラッチ組立体180及びヒンジ506の周りのエリアで構造をさらに補強するための細長いリブ構造を有することができる。例えば、図49及び50に示されるように、上側シェル524が、各々の上側ラッチ凹部544の下の表面から上側シェル524の頂部分538上の内部表面まで延在する1組の細長いリブ527を有することができる。同様に、1組の細長いリブ527が各々の上側ヒンジ凹部545の下の表面から上側シェル524の頂部分538の内部表面まで延在することができる。各々の組の各リブ527、529が隣の隣接するリブから均等に離間され得、ここでは、各リブが各リブ527、529の厚さの約9.5倍の距離で互いから離間され得るか、或は各リブ527、529の厚さの8倍から10倍の範囲内で互いから離間され得るか又は各リブ527、529の厚さの6倍から12倍の範囲内で互いから離間され得る。各リブ527、529が約1.6mmの厚さを有することができるか又は1.0mmから2.2mmの範囲内の厚さを有することができる。同様に、図51及び52に示されるように、下側シェル508が、各々の下側ラッチ凹部550の下の表面から下側シェル508の内部表面底部分522まで延在する1組の細長いリブ511を有することができる。同様に、1組の細長いリブ513が、各々の下側ヒンジ凹部551の下の表面から下側シェル508の底部分522の内部表面まで延在することができる。その1組のリブ内の各リブ511、513が隣の隣接するリブから均等に離間され得、ここでは、各リブ511、513が各リブ511、513の厚さの約9.5倍の距離で互いから離間され得るか、或は各リブ511、513の厚さの8倍から10倍の範囲内で互いから離間され得るか又は各リブ511、513の厚さの6倍から12倍の範囲内で互いから離間され得る。各リブ511、513が約1.6mmの厚さを有することができるか又は1.0mmから2.2mmの範囲内の厚さを有することができる。リブ構造511、513、527、529がさらに、それぞれの蓋シェル524及びベース・シェル508のシェル構造の隣接する内部表面に接続され得る。リブ構造511、513、527、529がシェル508、524を補強及び強化するのを補助する。別の選択肢として、下側シェル508が、一方向の圧力解放弁を受けるためのヒンジ凹部551のうちの1つのヒンジ凹部の下でリブ513内に配置される開口部515を有することができる。
図53~70が、スーツケース100に対してのそのアタッチメントと共に、手押しハンドル組立体400を示す。手押しハンドル組立体400が、シェル108の底部分122の外側部分に沿って下側シェル108に取り付けられ得る。手押しハンドル400が別個の部材又は組立体として形成され得、下側シェル108に取り付けられ得る。手押しハンドル400が一対の延伸組立体410を備えることができ、使用者によって把持されるためのグリップ402が一対の延伸組立体410の間を延在する。いくつかの実施例では、手押しハンドル400が単一の延伸組立体410を備えることができる。各延伸組立体410が、大きい方の延伸部分420、小さい方の延伸部分430、大きい方の延伸部分420と小さい方の延伸部分との間に配置される頂部キャップ又は大きい方のブッシュ440、及び大きい方の延伸部分420の底端部に取り付けられる底部キャップ450を有することができる。別法として、各延伸組立体410が、大きい方の延伸部分420、小さい方の延伸部分430、第3の延伸部分又は第2の小さい方の延伸部分460、大きい方の延伸部分420と小さい方の延伸部分430との間に配置される頂部キャップ440、第3の延伸部分460と小さい方の延伸部分430との間に配置される上側キャップ又は小さい方のブッシュ404、及び大きい方の延伸部分420の底端部に取り付けられる底部キャップ450を有することができる。他の実施例では、各々の延伸組立体410内の延伸部分の数が単一の延伸部分又は4つ以上の延伸部分を含むことができる。
図61及び65~67に示されるように、延伸組立体410の延伸部分420、430、460が入れ子構成として構成され得る。大きい方の延伸部分420が外側壁429によって囲まれる中央開口部422を有することができ、ここでは、中央開口部422が概略長方形形状を有することができ、位置合わせ部材429Aが外側シェル429の後方側部上に配置される。位置合わせ部材429Aが、他の延伸部分430、460を互いに対して移動させるときに他の延伸部分430、460を開口部422、432内に位置合わせするのを補助するための、開口部422の中まで延在する、外側壁429に沿って中央に位置する凹み部分であってよい。例示の位置合わせ部材429Aは台形形状を有するが、位置合わせ部材429Aは、湾曲形状、三角形形状、又は他の幾何学的形状を有してもよい。小さい方の延伸部分430が、大きい方の延伸部分420の開口部422の形状に概して対応する形状又はプロフィールを有する外部表面434を有することができ、その結果、小さい方の延伸部分430が大きい方の延伸部分420の開口部422に挿入され得る。小さい方の延伸部分430の外形が開口部422の内部表面から所定の距離でオフセットされ得、大きい方の延伸部分420の開口部422内で上方に及び下方に小さい方の延伸部分430が自由に摺動するのを可能にするための位置合わせ部材434Aを有することができ、それにより手押しハンドル400が使用位置まで延伸したり又は保管位置まで引っ込んだりすることが可能となる。同様に、第3の延伸部分460が、小さい方の延伸部分430の中央開口部432の形状に概して対応する形状又はプロフィールを有する外部表面464を有することができ、その結果、第3の延伸部分460が小さい方の延伸部分430の開口部432に挿入され得る。第3の延伸部分460の外部形状が開口部432の内部表面から所定の距離でオフセットされ得、小さい方の延伸部分430の開口部432内で上方に及び下方に第3の延伸部分460が自由に摺動するのを可能にするための位置合わせ部材464Aを有することができる。グリップ402が各々の延伸組立体410の第3の延伸部分460に固定され得る。いくつかの例では、小さい方の延伸部分430が延伸組立体410の最も上側の延伸部分であってよく、ここでは、グリップ402が一対の小さい方の延伸部分430の間で固定される。
大きい方の延伸部分420、小さい方の延伸部分430、及び第3の延伸部分460が、各々、単一の一体部片として形成され得、ここでは、各延伸部分420、430、460が概して一定の断面プロフィールを有することができる。図61が入れ子状の配置構成をさらに示しており、大きい方の延伸部分420の断面プロフィールが中央開口部422を有することができ、チャンネル424が大きい方の延伸部分420の前方側部上で中央開口部422に隣接して配置され、中央スロット423がチャンネル424の中まで延在する。外側チャンネル壁426がスロット423のいずれかの側から延在して、中央開口部422を囲む外側壁429に接続されるまで回り込む。
図53~70に示されるように、手押しハンドル組立体400がスーツケース100のベース102に外側で固定され得、ここでは、ベース102又は下側シェル108がシェル108を通って延在するアパーチャを一切有さない。手押しハンドル組立体400の各延伸組立体410が、複数の設置用クリップ470を使用して、下側シェル108に固定され得る。図53に示されるように、複数の設置用クリップ470が下側シェル108の引手凹部154内で固定され得る。複数の設置用クリップ470が均等に離間される3つの設置用クリップ470を有することができ、第1のクリップ470が凹部154の上側領域で固定され、第2のクリップが凹部154の中央領域で固定され、第3のクリップが凹部154の下側領域で固定される。しかし、他の構成要素が2つの設置用クリップ470を備えてもよいか又は4つの設置用クリップ470を備えてもよい。手押しハンドル400をスーツケース100上に装着するために、各延伸組立体410が引手凹部154の中まで下方に摺動させられ得、その結果、大きい方の延伸部分420の外側チャンネル424内の中央スロット423が各々の設置用クリップ470の上を摺動し、最終的に、設置用クリップ470の各々の外側ばねアーム482が、大きい方の延伸部分420の外側チャンネル壁426に隣接して位置するレシーバ425に係合される。図54、55A~B、60及び61に示されるように、外側チャンネル424が中央開口部422に隣接してよく、大きい方の延伸部分420の前方側部に配置され得、その結果、外側チャンネル壁426が下側シェル108の引手凹部154の方を向く。大きい方の延伸部分420のレシーバ425が、中央スロット423から外側に延在するスロットを備えることができる。各々の大きい方の延伸部分420が複数のレシーバ425を有することができる。複数のレシーバ425が1つの組として配置され得、ここでは、各組のレシーバ425の数が設置用クリップ470上のばねバーム482の数に等しい。例えば、図に示される例示の実施例では、4つのレシーバ425が、各設置用クリップ470上の4つの外側ばねアーム482に対応するように1つの組として配置され得る。
図70に最良に示されるように、設置用クリップ470が、頂端部474と、底端部476と、前方側部478と、後方側部480と、左側側部484及び右側側部486の両方に配置される複数の外側ばねアーム482と、中央ボディ472の前方側部478から延在する中央ばねアーム488と、中央ボディ472を通って延在する複数の設置用孔479とを備える中央ボディ472を有することができる。各外側ばねアーム482が、中央ボディ472に取り付けられる固定される端部492と、自由端494とを有することができ、その結果、外側ばねアーム482が固定される端部から片持ちとなる。加えて、各自由端494が、上側表面495、後方表面496、及び下側表面497を有することができる。上側表面495及び後方表面496によって形成される角度498が鈍角であってよい。例えば、角度498が約115度であってよいか又は91度から135度の範囲内であってよい。このように角度498を構成することにより、大きい方の延伸部分420が外側ばねアーム482を内側に押すことが可能となり得、それにより、上側設置用クリップ470により延伸部分420を下方の途中でロックさせることなく、延伸部分420が底部に到達するまで設置用クリップ470の上を下方に摺動することが可能となる。図55A及び55Bで最も良好に見ることができるように、大きい方の延伸部分420が下方に移動するとき、レシーバ425の上側縁部427が上側表面495に接触することができ、外側ばねアーム482を前方側部478の方に内側に押すことができ、それにより大きい方の延伸部分がその最終的な組み立て位置に達するまで継続して下方に移動することが可能となる。加えて、自由端494の後方表面496及び下側表面497が鋭角である角度499を形成する。例えば、角度499が約85度であってよいかたは45度から89度の範囲内であってよい。下側表面497及び後方表面を鋭角499で構成することにより、ばねアーム482がその対応するレシーバ425に係合された後で、大きい方の延伸部分420が上方に引かれることにより取り外されることが不可能になり得る。ばねアーム482が係合された後、大きい方の延伸部分420が上方に引かれる場合、レシーバ425の下側縁部428が下側表面497に接触することができ、ここでは、角度をつけられた下側表面497により外側ばねアーム482が内側に移動することに抵抗するようになり、それにより大きい方の延伸部分420が上方に移動しないようになる。
図56に示されるように、各設置用クリップ470が、設置用クリップ470の各設置用孔479を通して挿入される機械的固定具406を使用して下側シェルに固定され得る。固定具406が下側シェル108内に形成される止まり穴159の中に挿入され得、その結果、止まり穴159がスーツケース100の内部空隙の中までは延在せず、それにより下側シェル108がそのボディを通って延在する開口部を一切有さないようになる。下側シェル108が、設置用クリップ470を固定する領域内で下側シェル108の大部分の壁厚より大きい壁厚を有することができる。
各設置用クリップ470が大きい方の延伸部分420の移動を一方向のみで可能にするように構成されることを理由として、設置用クリップ470がその適切な動作を保証するようにスーツケース上に設置され得る。各設置用クリップ470が後方側部480上にポケット493を有することができ、ポケット493が引手凹部154内に構成されるボス155に係合され得る。各ボス155が、対応する非対称形状を有するポケット493に係合される止まり穴159の軸と交差する少なくとも1つの平面に沿って非対称形状を有することができる。ボス155が、各設置用クリップ470上に配置されるポケット493に係合されるように対として配置され得る。例えば、図57A及び57Bに示されるように、ボス155が、各凹部154内の3つの設置用クリップ470に接続されるように各凹部154内で3組の対のボス155として配置され得る。これらの対のボス155の数はシェル108に取り付けられる設置用クリップ470の数に等しくてよい。各ボス155がD形であってよく、上側領域が曲線であり、下側領域が直線である。ボス155及びポケット493の非対称性が、設置用クリップ470が下側シェル108に不正確に組み付けられるのを防止するのを補助することができる。別法として、各対のボス155の一方のボス155のみが非対称形状を有してもよい。
加えて、手押しハンドル400をスーツケースに堅固に装着するのを確立するための手段として、設置用クリップ470の中央ばねアーム488が、延伸組立体410をシェル108にさらに固定するのを及びスーツケース100を基準とした手押しハンドル400内でのいかなる振動も低減するのを補助するための水平方向の力を提供することができる。上で考察したように、中央ばねアーム488が中央ボディ472の前方側部478から底端部476の方に外側に延在することができる。ばねアーム488が設置用クリップ470の前方側部478上にある固定される端部489と、前方側部478から離間される自由端490とを有することができる。自由端490が、中央開口部422とチャンネル424との間に配置される、大きい方の延伸部分420の外側壁429の部分に接触することができる。自由端490が外側壁429を接触すると、中央ばねアーム488が圧縮され、ばねが圧縮されるときにばねが大きい方の延伸部分420に対して力を作用させ、それによりいかなる振動も低減し、手押しハンドル400を下側シェル108に固定した状態を維持する。
延伸組立体410が、延伸部分420、430、460が互いを基準として移動するときにごみ及びデブリにより延伸部分420、430、460が動かなくなるのを防止するための手段を有することができる。各延伸部分420、430、460が、組立体410に入ったいかなるごみ又はデブリもその中央を容易に通過させるのを可能にするための中央開口部422、432、462をそれぞれ有する。加えて、図63及び68に示されるように、延伸組立体410が、大きい延伸部分420の頂部のところで中央開口部422に挿入される頂部キャップ440を有することができる。頂部キャップ440が、大きい延伸部分420の頂部表面421上に載置される上側リップ442と、中央開口部422に挿入される下側部分444とを有することができる。頂部キャップ440が、小さい方の延伸部分430の外部表面434に対応する形状を有する、頂部キャップ440を通って延在する中央開口部446を有することができる。上側リップ442が複数の内側を向く溝448を有することができる。これらの溝448がダスト及びデブリを通過させるのを可能にするための小さい開口部を提供し、その結果、小さい方の延伸部分430の摺動運動に影響することなく及び大きい方の延伸部分420を基準として小さい方の延伸部分430を自由に移動させるのを可能にすることなく、ダストが延伸組立体410の内部に沿って移動することが可能となる。同様に、上側キャップ404が小さい方の延伸部分430の開口部432に挿入され得、第3の延伸部分460を受けるための中央開口部を有することができる。上側キャップ404が、ダスト及びデブリを通過させるのを可能にするための複数の内側を向く溝などの、頂部キャップ440の上で考察した構造部のすべてを有することができ、その結果、第3の延伸部分460の摺動運動に影響することなく及び大きい方の延伸部分430を基準として第3の延伸部分460を自由に移動させるのを可能にすることなく、ダストが延伸組立体410の内部に沿って移動することが可能となる。
加えて、各延伸組立体410の底部キャップ450が手押しハンドル400をスーツケース100にさらに固定するための手段を提供することができ、さらに、ごみ及びデブリを各延伸組立体410の外に出すのを可能にするための手段を提供することができる。底部キャップ450が大きい方の突出部420の底部で中央開口部422に挿入され得る。図56、58、42、及び20に示されるように、底部キャップ450が、大きい方の延伸部分420の中央開口部422の中まで延在する上側部分451と、大きい方の延伸部分420の外側に留まって延伸組立体410の底部分を形成する下側部分452と備えることができる。下側部分452が、底部キャップ450の底部表面454から離れるように下方に延在する下側ばねアーム453を備えることができる。下側ばねアーム453が固定される端部455及び自由端456を有することができ、ここでは、自由端456が図56に示されるように凹部154の側方方面157に接触することができる。下側ばねアーム453が、振動を抑制するために及び延伸組立体410をシェル108にさらに固定するために大きい方の延伸部分に上向きの力を作用させることができる。底部キャップ450が、キャップ450の下側部分452に沿うチャンネル458をさらに有することができる。加えて、底部キャップ450が底部表面454を通る中央開口部457を有することができ、中央開口部457が、図58に示されるように下側ばねアーム453を底部表面454から延在させるように、形成され得る。中央開口部457がごみ及びデブリを延伸組立体410から外に出すのを可能にすることができる。図64に最も良好に示されるように、底部キャップ450が、ごみ及びデブリを延伸組立体410から外に出すのを可能にするために底部表面454を通って延在する、中央開口部457のいずれかの側に配置される複数の側方開口部459をさらに有することができる。側方開口部459が、示される実施例で示される概略長方形、或は、円形、楕円形、又は他の形状などの、任意の幾何学的形状であってよい。加えて、引手凹部154の側方表面157が、ごみ及びデブリを延伸組立体410から外へ移動させるのを補助するために下向きに角度をつけられ得る。
図71~86が、スーツケース500のベース502に取り付けられ得る代替の手押しハンドル700を示す。手押しハンドル組立体700の構造部は、図1~70の実施例で使用される「4xx」ではなく、参照符号「7xx」シリーズの同様の参照符号を使用して示される。したがって、図1~70に示される既に上で説明した手押しハンドル組立体700の特定の構造部があまり詳細には説明されない可能性があるか又は全く説明されない可能性がある。手押しハンドル組立体700が、下側シェル508の底部分522の外側部分に沿って下側シェル508に取り付けられ得る。手押しハンドル組立体400と同様に、手押しハンドル組立体700が別個の部材又は組立体として形成され得、下側シェル508に取り付けられ得る。手押しハンドル組立体700が、一対の延伸組立体710と、一対の延伸組立体710の間を延在する使用者によって把持されるためのグリップ702とを備えることができる。いくつかの実施例では、手押しハンドル組立体700が単一の延伸組立体710を備えることができる。各延伸組立体710が、大きい方の延伸部分720、小さい方の延伸部分730、第3の延伸部分又は第2の小さい方の延伸部分760、大きい方の延伸部分720と小さい方の延伸部分730との間に配置される頂部キャップ又は大きい方のブッシュ740、及び第3の延伸部分760と小さい方の延伸部分730と間に配置される上側キャップ又は小さい方のブッシュ704を有することができる。他の実例では、延伸部分の数が、単一の延伸部分、2つの延伸部分、又は4つ以上の延伸部分を含むことができる。
延伸組立体410と同様に、延伸組立体710が入れ子構成を有することができる。大きい方の延伸部分720が外側壁729によって囲まれる中央開口部722を有することができ、ここでは、中央開口部722が概略長方形形状を有し、位置合わせ部材729Aが外側壁729の後方側部上に配置される。位置合わせ部材729Aが、他の延伸部分730、760を互いに対して移動させるときに他の延伸部分730、760を開口部722、732内に位置合わせするのを補助するための、開口部722の中まで延在する、外側壁729に沿って中央に位置する窪み部分であってよい。例示の位置合わせ部材729Aは台形形状を有するが、位置合わせ部材729Aは、湾曲形状、三角形形状、又は他の幾何学的形状を有してもよい。小さい方の延伸部分730が、大きい方の延伸部分720の開口部722の形状に概して対応する形状又はプロフィールを有する外部表面734を有することができ、その結果、小さい方の延伸部分730が開口部722に摺動可能に係合され得る。同様に、外部表面764が、小さい方の延伸部分730の中央開口部732の形状に概して対応する形状又はプロフィールを有することができ、その結果、第3の延伸部分760が小さい方の延伸部分730の開口部732に摺動可能に係合され得る。握持部分702が各々の延伸組立体710の第3の延伸部分760に固定され得る。いくつかの例では、小さい方の延伸部分730が、手押しハンドル組立体700の最も上側の延伸部分を備えることができ、さらに、一対の小さい方の延伸部分730の間で固定されるグリップ702を有することができる。
図74~76が、入れ子構成を示すために種々の構成要素が取り外された状態の、手押しハンドル組立体700を示す。例えば、図74が、延伸組立体710のうちの1つの延伸組立体から大きい方の延伸部分720が取り外された状態の、手押しハンドル組立体700を示す。図74が大きい方の延伸部分720の下にある小さい方の延伸部分730を示す。加えて、大きい方のブッシュ740が、延伸組立体710の頂部で大きい方の延伸部分720と小さい方の延伸部分730との間に配置され得る。大きい方の停止部781が小さい方の延伸部分730の底部に配置され得、大きい方の停止部781が小さい方の延伸部分730の底端部に接触するシェルフ783を有する。大きい方の停止部781が、図75に示されるように大きい方の停止部781を延伸組立体710に固定するのを補助するための、小さい方の延伸部分730の開口部732の中まで延在するプラグ部分785を有することができ、図75が、大きい方の延伸部分720、小さい方の延伸部分730、の両方を備える延伸組立体710を示しており、大きい方のブッシュ740が取り外されている。図75が、第3の延伸部分760の頂部に取り付けられる小さい方のブッシュ704をさらに示す。図76がさらに第3の延伸部分760を取り外した状態を示しており、さらに、第3の延伸部分760の底端部に配置される中間停止部787を示す。大きい方の停止部781と同様に、中間停止部787が、第3の延伸部分760に接触するシェルフ789と、図76に示されるように中間停止部787を延伸組立体710に固定するのを補助するための、第3の延伸部分760の開口部762の中まで延在するプラグ部分791とを有することができる。プッシュ・ロッド793が、握持部分702を上方に引いて延伸組立体710を延伸させるのを可能にするため作動部材765からロック機構に接続される。
手押しハンドル組立体400の延伸部分と同様に、大きい方の延伸部分720、小さい方の延伸部分730、及び第3の延伸部分760が、各々、単一の一体部片として形成され得、ここでは、各延伸部分720、730、760が図72Bに示される概して一定の断面プロフィールを有することができる。
図77~82に示されるように、手押しハンドル組立体700が、ベース502又は下側シェル508に外側において固定され得る。各延伸組立体710が、複数の設置用クリップ770を使用して下側シェル508に固定され得る。図78に示されるように、複数の設置用クリップ770が下側シェル508の引手凹部554内で固定され得る。複数の設置用クリップ770が2つの設置用クリップ770を有することができ、第1のクリップ770が凹部554の上側領域内にあり、第2のクリップが凹部554の下側領域内で固定される。他の実施例が3つの設置用クリップ770を備えることができるか、又は4つの設置用クリップ770を備えることができる。手押しハンドル組立体700をスーツケース500上に装着するために、各延伸組立体710がスーツケース500の前方の方向の引手凹部554内まで降下させられ得、その結果、大きい方の延伸部分720の外側チャンネル724内の中央スロット723及びレシーバ725が各々の設置用クリップ770上で摺動する。したがって、延伸組立体710が頂部表面514の方に上方に摺動することができる(ホイール組立体564から離れる)。レシーバ425の下側縁部725Aが設置用クリップ770の上側シェル773の下側表面771に係合されるとき、延伸組立体710が停止することができる。ばねアーム782が、チャンネル壁426を設置用クリップ770の後方側部780に接触させた状態で外側チャンネル壁726に係合され得る。大きい方の延伸部分720のレシーバ725が、中央スロット723から外側に延在するスロットを備えることができる。各大きい方の延伸部分760が複数のレシーバ725を有することができる。複数のレシーバ725が1つの組として配置され得、ここでは、各組のレシーバ725の数が設置用クリップ770うえのばねアーム782の数に等しい。例えば、図に示される例示の実施例では、2つのレシーバ725が、各設置用クリップ770上の2つの外側ばねアーム782に対応する1つの組として配置され得る。延伸組立体710が設置用クリップ770に係合されると、底部キャップ750が各凹部554内に配置され得、各延伸組立体710を下方に移動させるのを防止するためにシェル508に固定され得る。底部キャップ750が固定されると、手押しハンドル組立体700がスーツケース500に固定される。底部キャップ750が延伸組立体710及びひいては手押しハンドル組立体700をスーツケースの底部の方に下方(複数のホイール564の軸によって平面に向かう方向)に移動させるのを防止することができる。
図81に最も良好に示されるように、設置用クリップ770が、頂端部774と、底端部776と、前方側部778と、後方側部780と、左側側部784及び右側側部786の両方に配置される複数の外側ばねアーム782と、中央ボディ772を通って延在する設置用孔とを有する中央ボディ772を有することができる。各外側ばねアーム782が、中央ボディ772に取り付けられる固定される端部792と、自由端794とを有することができ、その結果、外側ばねアーム782が固定される端部792から片持ちとなる。設置用クリップ770の各ばねアーム782が、延伸組立体710をシェル508にさらに固定するのを及びスーツケース500を基準とした手押しハンドル組立体700のいかなる振動も低減するのを補助するための水平方向の力を提供することができる。自由端794が外側チャンネル壁726に接触すると、ばねアーム782が圧縮され、ばねが圧縮されるときにばねが大きい方の延伸部分720に対して力を作用させ、それによりいかなる振動も低減し、手押しハンドル組立体700を下側シェル508に固定した状態を維持する。
図77に示されるように、各設置用クリップ770が、設置用クリップ770の各々の設置用孔779を通して挿入される機械的固定具706を使用して、下側シェル508に固定され得る。固定部706が下側シェル508内に形成されるねじ切りされた止まり穴559の中に挿入され、その結果、ねじ切りされた止まり穴559がスーツケース500の内部空隙の中までは延在しない。各設置用クリップ770が大きい方の延伸部分702を一方向のみに移動させるのを可能にするように構成され得、設置用クリップ770がその適切な動作を保証するようにスーツケース上に設置され得る。各設置用クリップ770が、凹部554内に位置するポケット557内に配置され得る。ポケット557が、ポケットの中心から離れて位置する設置用孔559を有することができ、その結果、設置用孔770が一方向のみにおいてシェル508に取り付けられ得る。
延伸組立体410と同様に、延伸組立体710が、延伸部分720、730、760が互いを基準として移動するときにごみ及びデブリにより延伸部分720、730、760が動かなくなるのを防止するための手段を有することができる。各延伸部分720、730、760が、組立体710に入ったいかなるごみ又はデブリもその中央を容易に通過させるのを可能にするための中央開口部772、732、762をそれぞれ有することができる。加えて、図72A~76及び82~83に示されるように、各延伸組立体710が、大きい延伸部分720の頂部のところで中央開口部722に挿入される頂部キャップ740を有することができる。大きい方のブッシュ740が、大きい方の延伸部分720の中に挿入される下側部分744と、小さい方の延伸部分730の外部表面734に対応する形状を有する、頂部キャップ740を通って延在する中央開口部746とを有することができる。上側シェルフ742が複数の内側を向く溝748を有することができる。これらの溝748が、ダスト及びデブリを通過させるのを可能にするための小さい開口部を提供することができ、その結果、小さい方の延伸部分730の摺動運動に影響することなく及び大きい方の延伸部分720を基準とした小さい方の延伸部分730を自動に移動させるのを可能にすることなく、ダストが延伸組立体710の内部に沿って移動することが可能となる。同様に、小さい方のブッシュ704が、小さい方の延伸部分730の開口部732に挿入される下側部分703と、小さい方の延伸部分730の頂上に載置される上側シェルフ708と、第3の延伸部分760を受けるための中央開口部707とを有することができる。上側キャップ704が、ダスト及びデブリを通過させるのを可能にするための複数の内側を向く溝705などの、頂部キャップ740の上で考察した構造部のすべてを有することができ、その結果、第3の延在部760の摺動運動に影響することなく及び大きい方の延在部730を基準として第3の延伸部分760を自由に移動させるのを可能にすることなく、ダストが延伸組立体710の内部に沿って移動することが可能となる。
加えて、図84に示されるように、手押し組立体700の各底部キャップ750がごみ及びデブリを各延伸組立体710から外に出すのを可能にするための手段を提供することができる。加えて、底部キャップ750が、ごみ及びデブリを延伸組立体710から外に出すのを可能にするための、底部表面754を通って少なくとも1つの開口部757を有することができる。
図85~86が、手押しハンドル組立体700の例示のグリップ又はハンドル702を示す。グリップ702の構造部は、図1~70の実施例で使用される「4xx」ではなく、参照符号「7xx」シリーズの同様の参照符号を使用して示される。したがって、図1~70に示される既に上で説明した握持部分702の特定の構造部があまり詳細には説明されない可能性があるか又は全く説明されない可能性がある。上で考察したように、握持部分702が延伸組立体710の間を延在することができ、手押しハンドル組立体700を延伸及び降下させるための使用者のためのインターフェースとして機能することができる。グリップ702が、解除ボタン711、上側グリップ・ハウジング(図示せず)、及び下側グリップ・ハウジング715を有することができる。解除ボタン711がグリップ702に沿って水平方向及び垂直方向の両方において中央に位置することができる。シール709が、いかなるごみ又は湿気がグリップ部分702に入るのを防止するために解除ボタン711の周りに配置され得る。例えば、解除ボタン711がゴム又は柔らかいポリマー材料で外側被覆され得る。加えて又は任意選択で、シール709が、解除ボタン711のベースの周縁部の周りにワイパー・ガスケットをさらに有することができる。
握持部分402と同様に、解除ボタン711が、上側グリップ・ハウジング及び下側グリップ・ハウジング715を取り外した状態の図86に示されるように、ラック・ピニオン歯車組立体735に結合され得る。解除ボタン711が、一対のラック・歯車部材739の各々に位置する係合部材741に接触する、ボタン711の各端部上にある2つの下側係合部材737を有することができる。ボタン711が押されると、傾斜表面761を有することができる下側係合部材737がラック歯車部材739上の係合部材741の対応する傾斜表面763に接触してこの傾斜表面763に沿って摺動することができる。傾斜表面761、763が互いに沿って移動するとき、ラック歯車部材739の両方が外側に移動するように付勢される。ピニオン歯車749が両方の歯車部材739の間での移動を一定の状態及び制御下の状態で維持するのを補助することができる。歯車部材739が外側に移動するとき、伝達部材747が、下側延伸部分717内に位置するスロット内に位置する作動部材765に力を加えることができる。伝達部材747が、作動部材765の傾斜表面に接触する傾斜表面を有することができる。作動部材765が、ロック機構を係合解除してグリップ702を延伸組立体710から上方に引くのを可能にするために、プッシュ・ロッド793に接続され得る。
いくつかの実施例では、本開示がベースに回転可能に接続される蓋を備えるスーツケースに関連し、蓋が一体部材として形成される上側シェルを有することができ、ベースが一体部材として形成される下側シェルを有する。スーツケースが開構成又は閉構成として構成され得、閉構成では、複数のラッチ組立体が蓋をベースに固定する。加えて、上側シェル及び下側シェルが、外部表面から内部表面を通って延在するアパーチャ又は開口部を有さなくてよい。別の選択肢として、ラッチ組立体が、それぞれ蓋及びベース上に位置する上側ラッチ凹部及び下側ラッチ凹部内に位置することができる。加えて、ハウジング、ホイール、及びアクスルを備えるホイール組立体が、別個の部材として、下側シェル上に形成される凹部内で受けられるように、形成され得る。
上記において及び添付図面において、多様な実例を参照して本開示を開示してきた。しかし、本開示の目的は、本開示の関連する多様な特徴及び概念の例を提供することであり、本発明の範囲を限定することではない。本開示の範囲から逸脱することなく、上述の実例に対して多数の変形形態及び修正形態が作られ得ることを当業者であれば認識するであろう。