JP7247296B1 - 出荷支援装置、出荷支援方法、および、出荷支援プログラム - Google Patents

出荷支援装置、出荷支援方法、および、出荷支援プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】伝票単位で出荷する出荷管理において、適切な集約倉庫を自動で提示することにより、集約倉庫の決定の支援をすることを目的とする。【解決手段】出荷支援装置100は、客先から発行された伝票51に含まれる複数の商品の伝票単位での出荷を支援する。倉庫一覧準備部110は、伝票51に含まれる複数の商品の各商品について、現在庫、あるいは、入荷予定在庫を保有する倉庫を抽出し、各商品について抽出された倉庫の一覧の倉庫ごとに、商品の在庫状況を対応付けた倉庫一覧情報53を準備する。倉庫候補抽出部120は、商品の在庫状況に基づいて、倉庫一覧情報53から、伝票51に含まれる複数の商品の全てを集約する集約倉庫55の候補である集約倉庫候補54を抽出する。【選択図】図2

Description

本開示は、出荷支援装置、出荷支援方法、および、出荷支援プログラムに関する。
得意先から伝票単位で注文を受けて商品を納品する際、伝票単位で納品する必要がある。
例えば、ホームセンターのように、扱う商品数が多い、あるいは、類似した商品が多いといった特性を有する得意先がある。このような得意先の場合、納品時の混乱を回避するために、伝票単位で納品するように要求をされることがある。
伝票に含まれる商品は、商品の特質により異なる倉庫に保管されている。また、運送業者は、1つの倉庫に商品を取りに行き、そこから得意先に配送する仕組みになっている。
このような場合、いずれかの倉庫を集約倉庫と設定し、伝票に含まれる商品を事前に集約させる必要がある。
集約倉庫は、以下のような集約倉庫選択条件に基づき、最適な倉庫を選択することが望ましい。
<集約倉庫選択条件>
・得意先との距離が短い。
・欠品のない商品が多い。
・集約倉庫への移動がある倉庫の数、および、移動回数が少ない。
・倉庫間の移動距離が短い。
・在庫移動より発注した方が効率的な場合は、発注を選択する。
特許文献1では、運賃の安さ、得意先への距離、および納期により、倉庫に有利順を付与する。1つの倉庫から納品できない場合には、分納を前提に最適な倉庫の組み合わせと倉庫からの出荷数を定めている。
特開2006-176231号公報
特許文献1では、分納を前提として、最適な倉庫の組み合わせと倉庫からの出荷数を定めている。よって、必ず伝票単位で出荷するという出荷管理には適用できない。
伝票単位で出荷しなければならない場合、在庫をどこに集めるべきかが判断しにくいという課題がある。
本開示では、伝票単位で出荷する出荷管理において、適切な集約倉庫を自動で提示することにより、集約倉庫の決定の支援をすることを目的とする。
本開示に係る出荷支援装置は、客先から発行された伝票に含まれる複数の商品の伝票単位での出荷を支援する出荷支援装置において、
前記伝票に含まれる複数の商品の各商品について、現在庫、あるいは、入荷予定在庫を保有する倉庫を抽出し、各商品について抽出された倉庫の一覧の倉庫ごとに、前記商品の在庫状況を対応付けた倉庫一覧情報を準備する倉庫一覧準備部と、
前記商品の在庫状況に基づいて、前記倉庫一覧情報から、前記伝票に含まれる複数の商品の全てを集約する集約倉庫の候補である集約倉庫候補を抽出する倉庫候補抽出部と
を備える。
前記倉庫候補抽出部は、
前記倉庫が現在庫を保有する商品のうち、前記伝票に含まれる商品の数に基づいて、前記倉庫一覧情報から前記集約倉庫候補を抽出する。
前記倉庫候補抽出部は、
前記倉庫が現在庫を保有する商品のうち、前記伝票に含まれる商品の数が最も多い倉庫を、前記倉庫一覧情報から前記集約倉庫候補として抽出する。
前記倉庫候補抽出部は、前記倉庫一覧情報から複数の集約倉庫候補を抽出し、
前記出荷支援装置は、
前記複数の集約倉庫候補の各集約倉庫候補について、前記集約倉庫候補に前記複数の商品を集約する手配手順を集約手配情報として算出する手配情報算出部と、
前記集約手配情報に基づいて、前記複数の集約倉庫候補から前記集約倉庫を決定する集約倉庫決定部とを備える。
前記出荷支援装置は、
前記集約倉庫決定部により決定された前記集約倉庫の前記集約手配情報を表示機器に表示する画面表示部を備える。
前記手配情報算出部は、
前記複数の集約倉庫候補の各集約倉庫候補について、前記集約倉庫候補に前記複数の商品を集約する際の倉庫の移動回数と移動元倉庫の数とを算出し、
前記集約倉庫決定部は、
前記倉庫の移動回数と前記移動元倉庫の数との和が最も小さい集約倉庫候補を前記集約倉庫として決定する。
前記手配情報算出部は、
前記複数の集約倉庫候補の各集約倉庫候補について、前記集約倉庫候補において不足している商品がある場合に、不足している商品ごとに他の倉庫の現在庫から前記集約倉庫候補に前記不足している商品を移動する現在庫移動シミュレーションを実行し、前記現在庫移動シミュレーションの実行により前記集約手配情報を算出するとともに、前記現在庫移動シミュレーションを実行した際の前記倉庫の移動回数と前記移動元倉庫の数とを算出する。
前記手配情報算出部は、
前記現在庫移動シミュレーションの実行後にさらに前記集約倉庫候補において不足している商品がある場合に、他の倉庫の入荷予定在庫から前記集約倉庫候補に前記不足している商品を移動する入荷予定在庫シミュレーションを実行し、前記入荷予定在庫シミュレーションの実行により前記集約手配情報を更新するとともに、前記現在庫移動シミュレーションと前記入荷予定在庫シミュレーションとを実行した際の前記倉庫の移動回数と前記移動元倉庫の数とを算出する。
前記倉庫一覧準備部は、
前記倉庫一覧情報に含まれる各倉庫の住所を用いて、前記倉庫一覧情報に含まれる倉庫を前記客先からの距離が近い順にソートし、
前記倉庫候補抽出部は、
前記倉庫一覧情報に含まれる倉庫の順番に、前記倉庫を前記集約倉庫候補として抽出するか否かを判定する。
本開示に係る出荷支援方法は、客先から発行された伝票に含まれる複数の商品の伝票単位での出荷を支援する出荷支援装置に用いられる出荷支援方法において、
コンピュータが、前記伝票に含まれる複数の商品の各商品について、現在庫、あるいは、入荷予定在庫を保有する倉庫を抽出し、各商品について抽出された倉庫の一覧の倉庫ごとに、前記商品の在庫状況を対応付けた倉庫一覧情報を準備し、
コンピュータが、前記商品の在庫状況に基づいて、前記倉庫一覧情報から、前記伝票に含まれる複数の商品の全てを集約する集約倉庫の候補である集約倉庫候補を抽出する。
本開示に係る出荷支援プログラムは、客先から発行された伝票に含まれる複数の商品の伝票単位での出荷を支援する出荷支援プログラムにおいて、
前記伝票に含まれる複数の商品の各商品について、現在庫、あるいは、入荷予定在庫を保有する倉庫を抽出し、各商品について抽出された倉庫の一覧の倉庫ごとに、前記商品の在庫状況を対応付けた倉庫一覧情報を準備する倉庫一覧準備処理と、
前記商品の在庫状況に基づいて、前記倉庫一覧情報から、前記伝票に含まれる複数の商品の全てを集約する集約倉庫の候補である集約倉庫候補を抽出する倉庫候補抽出処理と
をコンピュータに実行させる。
本開示に係る出荷支援装置では、倉庫候補抽出部が、各倉庫の商品の在庫状況に基づいて、倉庫一覧情報から、伝票に含まれる複数の商品の全てを集約する集約倉庫の候補である集約倉庫候補を抽出する。よって、本開示に係る出荷支援装置によれば、伝票単位で出荷する出荷管理において、適切な集約倉庫を自動で提示することができ、集約倉庫の決定の支援をすることができる。
実施の形態1に係る出荷支援システムの全体構成例を示す図。 実施の形態1に係る出荷支援装置の構成例を示す図。 実施の形態1に係る出荷支援装置の動作例を示すフロー図。 実施の形態1に係る倉庫一覧情報の構成例を示す図。 実施の形態1に係る倉庫一覧準備処理の詳細フロー図。 実施の形態1に係る倉庫候補抽出処理の詳細フロー図。 実施の形態1に係る手配情報算出処理の詳細フロー図。 実施の形態1に係る現在庫移動シミュレーションの動作例を示すフロー図。 実施の形態1に係る入荷予定在庫シミュレーションの動作例を示すフロー図。 実施の形態1に係る集約倉庫納入分の仕入先発注処理のフロー図。 実施の形態1に係る集約倉庫選択画面の例を示す図。 実施の形態1の変形例に係る出荷支援装置の構成例を示す図。
以下、本開示の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る出荷支援システム500の全体構成例を示す図である。
出荷支援システム500では、ユーザが、客先から発行された伝票に応じて、複数の倉庫400に保有されている商品を伝票単位で出荷するためのシステムである。伝票単位で出荷するとは、伝票に含まれる全ての商品一式のうち、在庫で対応できる商品についてはまとめて出荷し、客先へ納品することである。在庫で対応できない商品とは、複数の倉庫400の在庫を確認しても伝票の注文数に不足し、新たな発注が必要となる商品を示す。
ユーザにより配送を依頼された運送業者は、1つの倉庫に全ての商品一式を取りに行き、そこから客先に配送する。
よって、伝票に含まれる全て商品を、各倉庫から集約倉庫55へ集約する必要がある。
なお、客先とは、例えば、ユーザにおける得意先である。
出荷支援装置100は、伝票に含まれる複数の商品の伝票単位での出荷を支援する装置である。
出荷支援装置100は、倉庫400の各々が備える倉庫装置200から、商品の在庫状況および倉庫400の住所といった、倉庫400に関する情報を受け取る。出荷支援装置100は、客先からの伝票に含まれる商品を伝票単位で効率的に出荷するために、倉庫400に関する情報に基づいて、複数の倉庫400から適切な集約倉庫55を決定し、ユーザに提示する。
図2は、本実施の形態に係る出荷支援装置100の構成例を示す図である。
出荷支援装置100は、コンピュータである。出荷支援装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
出荷支援装置100は、機能要素として、倉庫一覧準備部110と倉庫候補抽出部120と手配情報算出部130と集約倉庫決定部140と画面表示部150と記憶部160を備える。記憶部160には、伝票51と倉庫情報52と倉庫一覧情報53と集約倉庫候補54と集約倉庫55が記憶される。
倉庫一覧準備部110と倉庫候補抽出部120と手配情報算出部130と集約倉庫決定部140と画面表示部150の機能は、ソフトウェアにより実現される。
記憶部160は、メモリ921に備えられる。なお、記憶部160は、補助記憶装置922に備えられていてもよいし、メモリ921と補助記憶装置922に分散して備えられていてもよい。
プロセッサ910は、出荷支援プログラムを実行する装置である。出荷支援プログラムは、倉庫一覧準備部110と倉庫候補抽出部120と手配情報算出部130と集約倉庫決定部140と画面表示部150の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、あるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB(Universal Serial Bus)端子である。なお、入力インタフェース930は、LAN(Local Area Network)と接続されるポートであってもよい。
出力インタフェース940は、ディスプレイといった表示機器941のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。
通信装置950は、ネットワーク300を介して他の装置と通信する。通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、有線または無線で、LAN、インターネット、あるいは電話回線といった通信網に接続している。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。
出荷支援プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、出荷支援プログラムだけでなく、OS(Operating System)も記憶されている。プロセッサ910は、OSを実行しながら、出荷支援プログラムを実行する。出荷支援プログラムおよびOSは、補助記憶装置922に記憶されていてもよい。補助記憶装置922に記憶されている出荷支援プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、出荷支援プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
出荷支援装置100は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、出荷支援プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、出荷支援プログラムを実行する装置である。
出荷支援プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
倉庫一覧準備部110と倉庫候補抽出部120と手配情報算出部130と集約倉庫決定部140と画面表示部150の各部の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えてもよい。出荷支援プログラムは、倉庫一覧準備処理と倉庫候補抽出処理と手配情報算出処理と集約倉庫決定処理と画面表示処理を、コンピュータに実行させる。また、出荷支援方法は、出荷支援装置100が出荷支援プログラムを実行することにより行われる方法である。
出荷支援プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、出荷支援プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
***動作の説明***
以下、本実施の形態に係る出荷支援装置100の動作について説明する。
出荷支援装置100の動作手順は、出荷支援方法および出荷支援処理に相当する。また、出荷支援装置100の動作を実現するプログラムは、出荷支援プログラムに相当する。
図3は、本実施の形態に係る出荷支援装置100の動作を示すフロー図である。
<伝票受付処理:ステップS10>
ステップS10において、出荷支援装置100は、客先から発行された伝票51を受け付け、記憶部160に記憶する。
<倉庫一覧準備処理:ステップS20>
ステップS20において、倉庫一覧準備部110は、伝票51に含まれる複数の商品の各商品について、現在庫、あるいは、入荷予定在庫を保有する倉庫を抽出する。そして、倉庫一覧準備部110は、各商品について抽出された倉庫の一覧の倉庫ごとに、商品の在庫状況を対応付けた倉庫一覧情報53を準備する。
図4は、本実施の形態に係る倉庫一覧情報53の構成例を示す図である。
倉庫一覧情報53には、伝票情報531と、倉庫に関する情報532と、商品の在庫状況533が設定される。
伝票情報531には、ステップS10にて受け付けた客先からの伝票51の情報が設定される。伝票情報531には、明細行と、商品の品番と品名と数量とが設定される。
倉庫に関する情報532には、各商品について抽出された倉庫の倉庫名と住所とが設定される。
商品の在庫状況533には、各商品について、現在庫と入荷予定在庫との各々における引当可能数と引当可否とが設定される。
図5は、本実施の形態に係る倉庫一覧準備処理の詳細フロー図である。
ステップS201において、倉庫一覧準備部110は、伝票51に含まれる各商品について、現在庫あるいは入荷予定在庫を有する倉庫の情報を取得する。
具体的には、以下の通りである。
出荷支援装置100は、各倉庫400の倉庫装置200から、最新の商品の在庫状況を逐次受信するものとする。出荷支援装置100は、受信した各倉庫400の最新の商品の在庫状況を、倉庫情報52に保持する。
ステップS202において、倉庫一覧準備部110は、倉庫情報52から、各倉庫における倉庫に関する情報532と商品の在庫状況533とを取得し、倉庫一覧情報53に設定する。
ステップS203において、倉庫一覧準備部110は、倉庫一覧情報53に含まれる各倉庫の住所を用いて、倉庫一覧情報53に含まれる倉庫を、客先からの距離が近い順にソートする。倉庫一覧準備部110は、ナビゲーションシステムといった地図アプリケーションと連携して倉庫と客先との距離を取得してもよい。
<倉庫候補抽出処理(集約倉庫候補抽出処理ともいう):ステップS30>
ステップS30において、倉庫候補抽出部120は、商品の在庫状況533に基づいて、倉庫一覧情報53から、伝票51に含まれる複数の商品の全てを集約する集約倉庫55の候補である集約倉庫候補54を抽出する。
倉庫候補抽出部120は、倉庫が現在庫を保有する商品のうち、伝票51に含まれる商品の数に基づいて、倉庫一覧情報53から集約倉庫候補54を抽出する。例えば、倉庫候補抽出部120は、倉庫が現在庫を保有する商品のうち、伝票51に含まれる商品の数が最も多い倉庫を、倉庫一覧情報53から集約倉庫候補54として抽出する。
なお、倉庫候補抽出部120は、倉庫一覧情報53から複数の集約倉庫候補54を抽出する場合もある。
具体的には、以下の通りである。
図6は、本実施の形態に係る倉庫候補抽出処理の詳細フロー図である。
倉庫候補抽出処理では、なるべく倉庫間の移動が少なくなるような倉庫を集約倉庫候補54としたい。よって、伝票に含まれる注文数が欠品なしで充足している商品の数が最多の倉庫を集約倉庫候補54として抽出する処理を行う。言い換えると、倉庫候補抽出処理では、伝票に含まれる商品が最もまとまっている倉庫を抽出する処理である。
以下の倉庫候補抽出処理のステップS301からステップS306の処理は、倉庫一覧情報53に設定されている倉庫ごとに実行される。ステップS301からステップS306の処理を、集約倉庫探索処理S900ともいう。また、処理対象の倉庫を対象倉庫と呼ぶ。
倉庫候補抽出部120は、倉庫情報準備処理のステップS203でソートした倉庫の一覧の順番で、倉庫を集約倉庫候補54として抽出するか否かを判定する。
ステップS301において、倉庫候補抽出部120は、対象倉庫が客先に対応した倉庫か否かを判定する。通常、倉庫は、客先と対応して利用されている。よって、客先と対応して利用されている倉庫から優先的に処理することが望ましい。なお、対象倉庫が客先に対応した倉庫か否かを判定する処理は、オプションとしてもよい。
対象倉庫が客先に対応した倉庫であれば、ステップS302に進む。対象倉庫が客先に対応した倉庫でなければ、次の倉庫を対象倉庫としてステップS301から処理を繰り返す。
ステップS302において、倉庫候補抽出部120は、対象倉庫について伝票の商品が最もまとまっているかを判定する。例えば、倉庫候補抽出部120は、倉庫一覧情報53に記憶された倉庫に関して、倉庫が保有する伝票の商品の数を伝票の商品の全ての数で割った値を算出し、その値に基づいて、対象倉庫に伝票の商品が最もまとまっているかを判定する。
対象倉庫に伝票の商品が最もまとまっていれば、ステップS303に進む。対象倉庫に伝票の商品が最もまとまっているのでなければ、次の倉庫を対象倉庫としてステップS301から処理を繰り返す。
ステップS303において、倉庫候補抽出部120は、対象倉庫において、全数欠品あるいは一部欠品の商品があるかを判定する。
全数欠品および一部欠品の商品がない、すなわち、対象倉庫で伝票の商品の全てがそろう場合(ステップS303でNO)は、対象倉庫を集約倉庫候補54として(ステップS304)、次の倉庫を対象倉庫としてステップS301から処理を繰り返す。
一方、全数欠品あるいは一部欠品の商品がある場合(ステップS303でYES)は、ステップS305に進む。
ステップS305において、倉庫候補抽出部120は、対象倉庫が倉庫一覧情報53に記憶された倉庫と比較し、伝票の商品の注文数が一部欠品無しの商品のみで最もまとまっているかを判定する。
一部欠品無しの商品のみで伝票の商品が最もまとまっている場合(ステップS305でYES)は、対象倉庫を集約倉庫候補54として(ステップS306)、次の倉庫を対象倉庫としてステップS301から処理を繰り返す。
一方、一部欠品無しの商品のみで伝票の商品が最もまとまっているとはいえない場合(ステップS305でNO)は、次の倉庫を対象倉庫としてステップS301から処理を繰り返す。
ステップS301からステップS306の処理、すなわち、集約倉庫探索処理S900を倉庫一覧情報53に設定されている倉庫の全てに対して実行すると、ステップS307に進む。
ステップS307において、倉庫候補抽出部120は、集約倉庫候補54が1件以上存在するか否か判定する。
集約倉庫候補54が1件以上存在すれば、ステップS40の手配情報算出処理に進む。
集約倉庫候補54が存在しなければ、ステップS308に進む。
なお、ステップS307において集約倉庫候補54が存在しないとは、客先に対応した倉庫が無い、あるいは、全ての倉庫で伝票の商品の全ての在庫が無い、のいずれかである。
ステップS308において、倉庫候補抽出部120は、客先に対応および非対応に関わらず、倉庫一覧情報53に含まれる全ての倉庫について、集約倉庫探索処理S900を再度実行する。
ステップS309において、倉庫候補抽出部120は、集約倉庫候補54が1件以上存在するか否か判定し、集約倉庫候補54が1件以上存在すれば、ステップS40の手配情報算出処理に進む。
ステップS309において集約倉庫候補54が1件以上存在すると判定された場合、その集約倉庫候補54は客先に未対応の倉庫であるため、客先に対応する倉庫よりも信頼性は小さく、また、大幅な在庫移動を伴う場合がある。
そこで、客先に未対応の倉庫の場合は、後述する集約倉庫選択画面で信用度が低いことをユーザに知らせてもよい。
ステップS309において集約倉庫候補54が存在しない場合、全ての倉庫に対して伝票の商品の全ての在庫が無いことになる。よって、伝票の商品は全て、仕入先発注、あるいは、欠品で出荷するしかない。
そこで、ステップS310において、倉庫候補抽出部120は、客先に対応する倉庫、あるいは、客先に最も近い倉庫を集約倉庫候補54として、仕入れにより集約倉庫候補54に全ての複数の商品を集約する手配手順を集約手配情報541として算出する。このように、倉庫候補抽出部120は、伝票に対する手配を確定し、ステップS60の画面表示処理に進む。
以上の倉庫候補抽出処理により、例えば、4つ(最多)の商品を充足している倉庫が「倉庫11」であれば、「倉庫11」が集約倉庫候補54となる。
また、例えば、3つ(最多)の商品を充足している倉庫が「倉庫12」と「倉庫22」であれば、その2つが集約倉庫候補54となる。
また、オプション機能として、客先に対応する倉庫は全て集約倉庫候補54に含めてもよい。
<手配情報算出処理:ステップS40>
ステップS40において、手配情報算出部130は、複数の集約倉庫候補54の各集約倉庫候補について、集約倉庫候補54に複数の商品を集約する手配手順を集約手配情報541として算出する。
また、手配情報算出部130は、複数の集約倉庫候補54の各集約倉庫候補について、集約手配情報541により示される手配手順において、集約倉庫候補54に伝票の全ての商品を集約する際の倉庫の移動回数と移動元倉庫の数とを算出する。倉庫の移動回数と移動元倉庫の数は、複数の集約倉庫候補54から集約倉庫55を決定する際に用いられる。
図7は、本実施の形態に係る手配情報算出処理の詳細フロー図である。
手配情報算出処理であるステップS410からステップS483の処理は、集約倉庫候補54ごとに実行される。以下において、処理対象の集約倉庫候補54を、対象の集約倉庫候補と呼ぶ。
また、集約倉庫候補54が複数存在する場合は、客先との距離が近い倉庫を優先して手配情報算出処理を行う。つまり、複数の集約倉庫候補54の各々は、客先との距離が近い順に処理される。
ステップS410において、手配情報算出部130は、対象の集約倉庫候補に不足している商品があるかを判定する。
不足している商品が無い場合(ステップS410でNO)、ステップS480に進む。
対象の集約倉庫候補に不足している商品が無いとは、対象の集約倉庫候補により、伝票中の全ての商品が欠品無しで出荷できることを意味する。つまり、対象の集約倉庫候補は、伝票中の全商品を全て在庫引当できる倉庫である。この場合、対象の集約倉庫候補の一か所から引当すれば良いので最も効率的な商品集約といえる。
よって、ステップS480において、手配情報算出部130は、対象の集約倉庫候補を集約倉庫55として決定する。そして、手配情報算出部130は、伝票の全商品を集約倉庫55である対象の集約倉庫候補から在庫引当する手配手順を集約手配情報541として算出する。
このように、手配情報算出部130は、伝票に対する手配を確定し、ステップS60の画面表示処理に進む。
対象の集約倉庫候補に不足している商品がある場合(ステップS410でYES)、ステップS420に進む。
ステップS420において、手配情報算出部130は、対象の集約倉庫候補で不足している商品(以下、不足商品という)が1件以上集まっている他の引当可能倉庫は存在するかを判定する。
不足商品が1件以上集まっている他の引当可能倉庫が存在しない場合、(ステップS420でNO)、ステップS481に進む。不足商品が1件以上集まっている他の引当可能倉庫が存在しないとは、対象の集約倉庫候補以外に伝票中の商品を持つ倉庫は無いことを意味する。
そこで、ステップS481において、手配情報算出部130は、不足商品を全て仕入先に発注する集約手配情報541を算出し、次の集約倉庫候補を対象の集約倉庫候補として、ステップS410から処理を繰り返す。
不足商品が1件以上集まっている他の引当可能倉庫が存在する場合、(ステップS420でYES)、ステップS430に進む。
ステップS430は、対象の集約倉庫候補の不足商品単位で、不足商品が存在する「移動元倉庫」、「移動元倉庫の数」、「倉庫の移動回数」を算出する現在庫移動シミュレーションの処理である。
<<現在庫移動シミュレーション>>
図8は、本実施の形態に係る現在庫移動シミュレーションの動作例を示すフロー図である。
手配情報算出部130は、複数の集約倉庫候補54の各集約倉庫候補について、集約倉庫候補において不足している商品がある場合に、不足している商品ごとに他の倉庫の現在庫から前記集約倉庫候補に不足している商品を移動する現在庫移動シミュレーションを実行する。そして、手配情報算出部130は、現在庫移動シミュレーションの実行により集約手配情報541を算出するとともに、現在庫移動シミュレーションを実行した際の倉庫の移動回数21と移動元倉庫の数22とを算出する。
集約手配情報541とは、他の倉庫の現在庫から集約倉庫候補に不足している商品を移動する手配手順を示す情報である。
具体的には、以下の通りである。
現在庫移動シミュレーションは、対象の集約倉庫候補の不足商品単位で実行される。処理対象の不足商品の対象不足商品とする。
ステップS431において、手配情報算出部130は、対象不足商品の「現在庫(引当可能)」を持っている移動元倉庫候補を全て取得する。このとき、集約倉庫候補は除外する。これは、一部欠品の不足商品を持っている集約倉庫候補も取得されてしまうためである。
次に、ステップS432からステップS438の処理を、ステップS431で取得された移動元倉庫候補ごとに繰り返す。
ステップS432からステップS438の処理を移動元倉庫候補ごとに繰り返すことにより、1つの対象不足商品を1以上の移動元倉庫候補から掻き集めた場合の「移動元倉庫」、「移動元倉庫の数」、および、「倉庫の移動回数」を算出する。
ステップS432において、手配情報算出部130は、移動元倉庫候補から対象の集約倉庫候補へ、対象不足商品を移動する際の情報(以下の(1)および(2))を取得する。
(1)移動元倉庫候補⇒移動先(集約倉庫候補)へ辿り着く日数
を運送業者マスタの出荷リードタイム+移動元倉庫と移動先との距離(速度は60km/h)で算出する。ただし、移動先が倉庫の場合は、さらにこの移動先⇒得意先へ辿り着く日数を同様の方法で算出する。
(2)算出した日数(最終的に得意先へ辿り着く日数)から稼働日を鑑みて、得意先への納入予定日を算出する。
ステップS433において、手配情報算出部130は、移動元倉庫候補から最終的に客先へ着荷される納入予定日が、客先が指定した出荷希望日に間に合っているかを判定する。
間に合っていれば、ステップS434に進む。
間に合っていなければ、次の移動元倉庫候補を対象にステップS432から処理を繰り返す。
ステップS434において、手配情報算出部130は、「対象不足商品の倉庫移動回数」をインクリメントする。「対象不足商品の倉庫移動回数」は、対象の集約倉庫候補における不足商品ごとに保持される。
ステップS435において、手配情報算出部130は、処理対象の移動元倉庫候補が、「今まで処理してきた全ての不足商品」(対象の集約倉庫候補の中で)について、移動元倉庫候補と重複しているかを判定する。これは、不足商品単位にループしているため、同じ倉庫が移動元倉庫候補として算出される場合があり、同じ倉庫は移動元倉庫候補として新規カウントしないようにする。
重複していなければ、ステップS436に進む。
重複していれば、ステップS437に進む。
ステップS436において、手配情報算出部130は、移動元倉庫候補を「移動元倉庫」として保持する。「移動元倉庫」は、集約倉庫候補ごとに保持される。集約倉庫に対して、移動元倉庫が多ければ、在庫移動する倉庫が多い、ということになる。よって、移動元倉庫が多いほど集約倉庫候補は集約倉庫として適さないといえる。
ステップS437において、手配情報算出部130は、対象不足商品における残りの欠品数量が、移動元倉庫候補から在庫移動することで全数集まるかを判定する。
全数集まる場合は、次の不足商品を対象にステップS431から処理を繰り返す。
集まらない場合は、ステップS438に進む。
ステップS438において、手配情報算出部130は、対象の不足商品の欠品数量を再計算し、次の移動元倉庫候補を対象にステップS432から処理を繰り返す。
全ての不足商品について処理が完了すると、現在庫移動シミュレーションが完了する。
図7に戻り説明を続ける。
ステップS440において、手配情報算出部130は、現在庫移動シミュレーションの実行後にさらに集約倉庫候補において不足している商品があるかを判定する。具体的には、手配情報算出部130は、現在庫移動シミュレーションにより、集約倉庫候補における不足商品を移動元倉庫候補から現在庫移動した後、まだ一部欠品となる商品があるかを判定する。
一部欠品となる商品がある場合(ステップS440でYES)、ステップS450に進む。
一部欠品となる商品がない場合(ステップS440でNO)、ステップS482に進む。
一部欠品となる商品がないとは、伝票の商品が全数そろったことを意味する。
よって、ステップS482において、手配情報算出部130は、現在庫を持つ移動元倉庫候補から対象の集約倉庫候補へ現在庫移動する集約手配情報541を算出する。そして、手配情報算出部130は、次の集約倉庫候補を対象の集約倉庫候補としてステップS410から手配情報算出処理を繰り返す。
ステップS450は、現在庫を集約倉庫候補に移動しても一部欠品となる場合、対象の不足商品の入荷予定在庫を持つ倉庫から、一部欠品となる商品を持つ移動元倉庫への在庫移動を行う入荷予定在庫シミュレーションを行う。入荷予定在庫シミュレーションの基本的な流れは、現在庫移動シミュレーションの場合と同様である。
ただし、「移動元倉庫」、および、「倉庫の移動回数」は集約倉庫候補に帰属するため、現在庫移動シミュレーション時に使用したものに加算していく。
<<入荷予定在庫シミュレーション>>
図9は、本実施の形態に係る入荷予定在庫シミュレーションの動作例を示すフロー図である。
入荷予定在庫シミュレーションは、現在庫移動シミュレーションの実行後にさらに対象の集約倉庫候補において不足している商品がある場合に行われる。手配情報算出部130は、他の倉庫の入荷予定在庫から、対象の集約倉庫候補に不足している商品を移動する入荷予定在庫シミュレーションを実行する。そして、手配情報算出部130は、入荷予定在庫シミュレーションの実行により集約手配情報541を算出する。さらに、手配情報算出部130は、現在庫移動シミュレーションと入荷予定在庫シミュレーションとを実行した際の倉庫の移動回数と移動元倉庫の数とを算出する。
具体的には、以下の通りである。
ステップS451からステップS457の入荷予定在庫シミュレーションの処理は、現在庫移動シミュレーション後に一部欠品となっている不足商品ごとに行われる。処理対象の不足商品を対象不足商品とする。
<<<入荷予定在庫シミュレーション(1)>>>
ステップS451において、手配情報算出部130は、対象不足商品について、対象の集約倉庫候補での不足数量を全て賄える「入荷予定在庫(引当可能)」を持つ移動元倉庫候補(入荷予定分)を全て取得する。このとき、対象不足商品の現在庫を持つ移動元倉庫も含めて取得する。現在庫もあるが入荷予定在庫もある倉庫も考慮に入れるためである。
ステップS452において、手配情報算出部130は、不足数量を全て賄える入荷予定在庫を持つ倉庫があるか判定する。
不足数量を全て賄える倉庫がある場合(ステップS452でYES)、ステップS453に進む。
不足数量を全て賄える倉庫がない場合(ステップS452でNO)、ステップS455に進む。
不足数量を全て賄える倉庫がある場合、対象不足商品については、入荷予定在庫のみで集約倉庫候補の不足分を賄える。よって、対象不足商品については、全ての数量を、入荷予定在庫を持つ倉庫から集約倉庫候補へ納入することにしたい。そこで、現在庫移動シミュレーションで加算した移動元倉庫、および、倉庫の移動回数から、対象の入荷予定在庫のみで賄う商品分を除く処理を行う。
ステップS453において、手配情報算出部130は、「対象不足商品の倉庫の移動回数」から、対象の一部欠品商品についての移動回数(対象不足商品の現在庫移動シミュレーションで加算された移動回数)を減算する。そして、手配情報算出部130は、「移動元倉庫」から、対象の一部欠品商品についての倉庫(対象不足商品の現在庫移動シミュレーションで設定された移動元倉庫)を除く。ただし、対象不足商品以外の他の商品で使用している倉庫は除いてはいけない。
次に、ステップS454において、手配情報算出部130は、移動元倉庫候補(入荷予定分)分、「1つの不足商品の入荷予定在庫を複数倉庫から掻き集めた場合の、「移動元倉庫」、「移動元倉庫の数」、「移動回数」を算出する処理」を再度実行する。
すなわち、ステップS432からステップS438と同様の処理を、ステップS451で取得された移動元倉庫候補ごとに繰り返す。
移動元倉庫候補の全てについてステップS432からステップS438と同様の処理が完了すると、次の不足商品を対象不足商品として、ステップS451から処理を繰り返す。
<<<入荷予定在庫シミュレーション(2)>>>
ステップS455の処理は、不足数量を全て賄える入荷予定在庫を持つ倉庫がない場合の処理である。
ステップS455において、手配情報算出部130は、対象不足商品について、集約倉庫候補での不足数量を一部賄える「入荷予定在庫(引当可能)」を持つ移動元倉庫候補(入荷予定分)を全て取得する。このとき、対象不足商品の現在庫を持つ移動元倉庫も含めて取得する。現在庫もあるが入荷予定在庫もある倉庫も考慮に入れるためである。
ステップS456において、手配情報算出部130は、集約倉庫候補での対象不足商品の不足数量を一部賄える入荷予定在庫を持つ倉庫があるか判定する。
不足数量を一部賄える倉庫がある場合(ステップS456でYES)、ステップS457に進む。
不足数量を一部賄える倉庫がない場合(ステップS456でNO)、次の不足商品を対象不足商品として、ステップS451から処理を繰り返す。
不足数量を一部賄える入荷予定在庫を持つ倉庫がある場合、移動元倉庫候補(入荷予定分)分、「1つの不足商品を複数倉庫から掻き集めた場合の、「移動元倉庫」、「移動元倉庫の数」、「倉庫の移動回数」を算出する処理」を再度実行する。
このとき、「移動元倉庫」、「倉庫の移動回数」は現在庫移動シミュレーションの際に保持したものに、入荷予定在庫シミュレーションしたものを加算して保持する。現在庫移動シミュレーションと入荷予定在庫シミュレーションの両方合わせた場合の移動元倉庫、移動回数を保持するためである。
ステップS432からステップS438と同様の処理を、ステップS456で取得された移動元倉庫候補ごとに繰り返す。ステップS432に対応する処理として、移動元倉庫候補⇒移動先(移動元倉庫で不足数量分を全て賄える場合、移動先は全ての集約倉庫候補となる。移動元倉庫で不足数量分を全て賄えない場合、移動先は現在庫を持つ全ての倉庫となる。)へ辿り着く日数が設定される。
移動元倉庫候補の全てについてステップS432からステップS438と同様の処理が完了すると、次の不足商品を対象不足商品として、ステップS451から処理を繰り返す。
現在庫移動シミュレーション後に一部欠品となっている不足商品の全てについて入荷予定在庫シミュレーションが完了すると、ステップS460に進む。
図7に戻り説明を続ける。
ステップS460において、手配情報算出部130は、移動元倉庫候補から不足商品を掻き集めた結果、一部欠品となる商品はあるかを判定する。
一部欠品となる商品が無い場合(ステップS460でNO)、伝票の商品が全てそろったので、対象の集約倉庫候補に商品を集約するための集約手配情報541を算出する(ステップS470)。
そして、次の集約倉庫候補を対象の集約倉庫候補としてステップS410から処理を繰り返す。
一部欠品となる商品がある場合(ステップS460でYES)、ステップS483に進む。
<<集約倉庫納入分の仕入先発注処理:ステップS483>>
図10は、本実施の形態に係る集約倉庫納入分の仕入先発注処理のフロー図である。
ステップS483の集約倉庫納入分の仕入先発注処理は、現在庫移動シミュレーションおよび入荷予定在庫シミュレーションの完了後に、対象の集約倉庫候補において一部欠品となっている不足商品分、繰り返す。処理対象の不足商品を対象不足商品とする。
ステップS483の集約倉庫納入分の仕入先発注処理では、仕入先発注分の移動元倉庫を保持し、移動回数を加算する。
ステップS831において、手配情報算出部130は、対象不足商品を対象の集約倉庫候補へ納入する仕入先発注を行うための集約手配情報541を算出する。
ステップS832において、手配情報算出部130は、「移動元倉庫」と「対象不足商品の倉庫移動回数」との調整を行う。
集約倉庫納入分の仕入先発注処理では、現在庫移動シミュレーションと入荷予定在庫シミュレーションで集約倉庫候補の不足分を賄えないため、仕入先発注を行い、これを集約倉庫候補への納入分としたい。
よって、現在庫移動シミュレーションと入荷予定在庫シミュレーションで加算してきた「移動元倉庫」および「移動回数」から対象の現在庫と入荷予定在庫で賄おうとしていた商品分を除く処理を行う。
手配情報算出部130は、「対象不足商品の倉庫の移動回数」から、対象の一部欠品商品についての移動回数(対象不足商品の現在庫+入荷予定在庫の移動シミュレーションで加算された移動回数)を減算する。そして、手配情報算出部130は、「移動元倉庫」から、対象の一部欠品商品についての倉庫(対象不足商品の現在庫+入荷予定在庫の移動シミュレーションで設定された移動元倉庫)を除く。ただし、対象不足商品以外の他の商品で使用している倉庫は除いてはいけない。
次に、ステップS833において、手配情報算出部130は、「対象不足商品の倉庫移動回数」をインクリメントする。これは、仕入先から集約倉庫候補への納入分である。
ステップS834において、手配情報算出部130は、「移動元倉庫」に発注先の仕入先が存在するかを判定する。
「移動元倉庫」に発注先の仕入先が存在しない場合、ステップS835に進む。
「移動元倉庫」に発注先の仕入先が存在する場合、次の不足商品を対象の不足商品として、ステップS831から処理を繰り返す。
ステップS835において、手配情報算出部130は、仕入先を「移動元倉庫」に保持する。「移動元倉庫」は、集約倉庫候補ごとに保持される。
図3および図7に戻り説明を続ける。
全ての集約倉庫候補について手配情報算出処理S40が完了すると、集約倉庫決定処理S50に進む。
<集約倉庫決定処理S50>
ステップS50において、集約倉庫決定部140は、集約手配情報541に基づいて、複数の集約倉庫候補から集約倉庫55を決定する。具体的には、集約倉庫決定部140は、「倉庫移動回数」と「移動元倉庫」の数との和が最も小さい集約倉庫候補を集約倉庫55として決定する。
これにより、集約倉庫候補ごとにカウントした、集約倉庫候補に在庫移動する在庫移動元倉庫の数、集約倉庫候補に在庫移動する回数、がそれぞれ最も少ない集約倉庫候補を集約倉庫とすることになる。
集約倉庫が複数件ある場合は、以下に当てはまる倉庫とする。条件の優先順も以下の順番でよい。
・客先に対応した集約倉庫優先
・現在庫>入荷予定在庫>仕入先発注のそれぞれの件数順で優先
・全商品が客先に辿り着くまでの距離合計が小さい方
<画面表示処理S60>
ステップS60において、画面表示部150は、集約倉庫決定部140により決定された集約倉庫55の集約手配情報541を表示機器941に表示する。
具体的には、画面表示部150は、図11に示す集約倉庫選択画面50を表示機器941に表示する。
図11は、本実施の形態に係る集約倉庫選択画面50の例を示す図である。
集約倉庫選択画面50における上段の表は、伝票に含まれる商品の現在庫を有する倉庫、および、入荷予定の仕入先の一覧を示す倉庫の一覧501である。倉庫の一覧501は、倉庫情報準備処理のステップS203でソートされた倉庫の一覧である。
また、集約倉庫選択画面50における下段の表は、出荷支援装置100により決定された集約倉庫55と、集約倉庫55に伝票の商品を集約する手配を示す集約手配情報541を示す情報である。
例えば、出荷支援装置100は、伝票51を読み込むとともに、ユーザから伝票51についての集約倉庫選択画面50の表示要求を受け付けると、出荷支援処理を実施する。
出荷支援装置100は、倉庫の一覧501を上段に表示するとともに、出荷支援処理により決定された集約倉庫55と集約手配情報541とを下段に表示する。
図11の集約倉庫選択画面50は、図4の倉庫一覧情報53に基づいているものとする。
図11の倉庫の一覧501では、倉庫の一覧501から、ユーザが手動で集約倉庫を選択することも可能となっている。
図11の下段では、出荷支援処理により決定された集約倉庫55は倉庫2である。また、出荷支援処理により決定された集約手配情報541は、以下の通りである。
・Aドライバの納品分10個については、集約倉庫である倉庫2の現在庫から10個取得する。
・Bボルトの納品分200個については、移動元倉庫である倉庫1から200個移動する。
・Cピットの納品分10個については、集約倉庫である倉庫2の現在庫から10個取得する。
・Dドリルの納品分10個については、現在庫および仕入予定在庫のある倉庫が無いため、仕入先Aに10個発注する。
・E電源の納品分20個については、集約倉庫である倉庫2の現在庫から20個取得する。
・Fボックスの納品分30個については、集約倉庫である倉庫2の現在庫が10個、倉庫3の現在庫が200個である。このため、集約倉庫である倉庫2の現在庫から10個取得し、倉庫3の現在庫から20個取得する。
・Gネジの納品分100個については、集約倉庫である倉庫2の現在庫が10個、倉庫4の現在庫が10個、倉庫5の入荷予定在庫が90個である。移動回数を最小になるように、倉庫2の現在庫から10個取得し、倉庫5の入荷予定分を90個移動する。
・Hハーネスの納品分10個については、集約倉庫である倉庫2の現在庫が1個、倉庫4の現在庫が1個、倉庫5の現在庫が1個である。移動回数を最小になるように、倉庫2の現在庫から1個取得し、仕入先Bに9個発注する。
・Jバッテリーの納品分20個については、集約倉庫である倉庫2の現在庫が5個、倉庫4の現在庫が5個、倉庫5の入荷予定在庫が50個である。移動回数を最小になるように、倉庫2の現在庫から5個取得し、倉庫5の入荷予定在庫を15個移動する。
上述したように、ユーザは、集約倉庫選択画面50の上段の倉庫の一覧501から手動で集約倉庫を選択し、集約手配情報を作成することも可能である。
また、ユーザは、集約倉庫選択画面50の下段の集約手配情報541をそのまま利用してもよいし、集約倉庫選択画面50において下段の集約手配情報541を微調整することも可能である。
***他の構成***
図12は、本実施の形態の変形例に係る出荷支援装置100の構成例を示す図である。
本実施の形態では、出荷支援装置100における、倉庫一覧準備部110と倉庫候補抽出部120と手配情報算出部130と集約倉庫決定部140と画面表示部150の機能がソフトウェアで実現される。しかし、変形例として、倉庫一覧準備部110と倉庫候補抽出部120と手配情報算出部130と集約倉庫決定部140と画面表示部150の機能がハードウェアで実現されてもよい。
すなわち、図12に示すように、図2におけるプロセッサ910を電子回路909に置き換えてもよい。
電子回路909は、倉庫一覧準備部110と倉庫候補抽出部120と手配情報算出部130と集約倉庫決定部140と画面表示部150の機能を実現する専用の電子回路である。電子回路909は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated
Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。
別の変形例として、倉庫一覧準備部110と倉庫候補抽出部120と手配情報算出部130と集約倉庫決定部140と画面表示部150の一部の機能が専用のハードウェアで実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
プロセッサ910と、メモリ921と、電子回路909とを、総称して「プロセッシングサーキットリ」という。つまり、出荷支援装置100の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態に係る出荷支援装置では、伝票単位で出荷する出荷管理において、適切な集約倉庫を自動で提示することができ、ユーザによる集約倉庫の決定の支援をすることができる。
これにより、伝票単位での手配判断の負荷が少なくなり、正確かつ効率的に伝票単位での出荷管理を行うことができる。また、伝票単位での納期短縮にもつながる。
本実施の形態に係る出荷支援装置では、集約倉庫決定に関して、商品の集約状況をログとして残しておけば、在庫補充時にそのログを使用して各倉庫への仕入配分を判別することができる。定番品について在庫補充計画にも使用可能のため、より出荷に向けた在庫補充を行うことができコスト減にもつながる。定番品とは、客先側で用意されている自社分の棚にある商品であり、なくなれば在庫補充の対象となるため、注文が来やすい商品である。
以上の実施の形態1では、出荷支援装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、出荷支援装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。出荷支援装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、出荷支援装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
また、実施の形態1のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、この実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、この実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1では、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示の範囲、本開示の適用物の範囲、および本開示の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。
50 集約倉庫選択画面、51 伝票、52 倉庫情報、53 倉庫一覧情報、501
倉庫の一覧、531 伝票情報、532 倉庫に関する情報、533 在庫状況、54
集約倉庫候補、541 集約手配情報、55 集約倉庫、100 出荷支援装置、110 倉庫一覧準備部、120 倉庫候補抽出部、130 手配情報算出部、140 集約倉庫決定部、150 画面表示部、160 記憶部、200 倉庫装置、300 ネットワーク、400 倉庫、500 出荷支援システム、909 電子回路、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、941 表示機器、950 通信装置。

Claims (7)

  1. 客先から発行された伝票に含まれる複数の商品の伝票単位での出荷を支援する出荷支援装置において、
    前記伝票に含まれる複数の商品の各商品について、現在庫、あるいは、入荷予定在庫を保有する倉庫を抽出し、各商品について抽出された倉庫の一覧の倉庫ごとに、前記商品の在庫状況を対応付けた倉庫一覧情報を準備する倉庫一覧準備部と、
    記倉庫一覧情報から、前記倉庫が現在庫を保有する商品のうち、前記伝票に含まれる商品の数が最も多い倉庫を、前記伝票に含まれる複数の商品の全てを集約する集約倉庫の候補である集約倉庫候補として複数抽出する倉庫候補抽出部と
    抽出された複数の集約倉庫候補の各集約倉庫候補について、前記集約倉庫候補に前記複数の商品を集約する際の倉庫の移動回数と移動元倉庫の数とを集約手配情報として算出する手配情報算出部と、
    前記複数の集約倉庫候補から、前記倉庫の移動回数と前記移動元倉庫の数との和が最も小さい集約倉庫候補を前記集約倉庫として決定する集約倉庫決定部と
    を備えた出荷支援装置。
  2. 前記出荷支援装置は、
    前記集約倉庫決定部により決定された前記集約倉庫の前記集約手配情報を表示機器に表示する画面表示部を備えた請求項に記載の出荷支援装置。
  3. 前記手配情報算出部は、
    前記複数の集約倉庫候補の各集約倉庫候補について、前記集約倉庫候補において不足している商品がある場合に、不足している商品ごとに他の倉庫の現在庫から前記集約倉庫候補に前記不足している商品を移動する現在庫移動シミュレーションを実行し、前記現在庫移動シミュレーションの実行により前記集約手配情報を算出するとともに、前記現在庫移動シミュレーションを実行した際の前記倉庫の移動回数と前記移動元倉庫の数とを算出する請求項1または請求項2に記載の出荷支援装置。
  4. 前記手配情報算出部は、
    前記現在庫移動シミュレーションの実行後にさらに前記集約倉庫候補において不足している商品がある場合に、他の倉庫の入荷予定在庫から前記集約倉庫候補に前記不足している商品を移動する入荷予定在庫シミュレーションを実行し、前記入荷予定在庫シミュレーションの実行により前記集約手配情報を更新するとともに、前記現在庫移動シミュレーションと前記入荷予定在庫シミュレーションとを実行した際の前記倉庫の移動回数と前記移動元倉庫の数とを算出する請求項に記載の出荷支援装置。
  5. 前記倉庫一覧準備部は、
    前記倉庫一覧情報に含まれる各倉庫の住所を用いて、前記倉庫一覧情報に含まれる倉庫を前記客先からの距離が近い順にソートし、
    前記倉庫候補抽出部は、
    前記倉庫一覧情報に含まれる倉庫の順番に、前記倉庫を前記集約倉庫候補として抽出するか否かを判定する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の出荷支援装置。
  6. 客先から発行された伝票に含まれる複数の商品の伝票単位での出荷を支援する出荷支援装置に用いられる出荷支援方法において、
    コンピュータが、前記伝票に含まれる複数の商品の各商品について、現在庫、あるいは、入荷予定在庫を保有する倉庫を抽出し、各商品について抽出された倉庫の一覧の倉庫ごとに、前記商品の在庫状況を対応付けた倉庫一覧情報を準備し、
    コンピュータが、前記倉庫一覧情報から、前記倉庫が現在庫を保有する商品のうち、前記伝票に含まれる商品の数が最も多い倉庫を、前記伝票に含まれる複数の商品の全てを集約する集約倉庫の候補である集約倉庫候補として複数抽出し、
    コンピュータが、抽出された複数の集約倉庫候補の各集約倉庫候補について、前記集約倉庫候補に前記複数の商品を集約する際の倉庫の移動回数と移動元倉庫の数とを集約手配情報として算出し、
    コンピュータが、前記複数の集約倉庫候補から、前記倉庫の移動回数と前記移動元倉庫の数との和が最も小さい集約倉庫候補を前記集約倉庫として決定する出荷支援方法。
  7. 客先から発行された伝票に含まれる複数の商品の伝票単位での出荷を支援する出荷支援プログラムにおいて、
    前記伝票に含まれる複数の商品の各商品について、現在庫、あるいは、入荷予定在庫を保有する倉庫を抽出し、各商品について抽出された倉庫の一覧の倉庫ごとに、前記商品の在庫状況を対応付けた倉庫一覧情報を準備する倉庫一覧準備処理と、
    記倉庫一覧情報から、前記倉庫が現在庫を保有する商品のうち、前記伝票に含まれる商品の数が最も多い倉庫を、前記伝票に含まれる複数の商品の全てを集約する集約倉庫の候補である集約倉庫候補として複数抽出する倉庫候補抽出処理と、
    抽出された複数の集約倉庫候補の各集約倉庫候補について、前記集約倉庫候補に前記複数の商品を集約する際の倉庫の移動回数と移動元倉庫の数とを集約手配情報として算出する手配情報算出処理と、
    前記複数の集約倉庫候補から、前記倉庫の移動回数と前記移動元倉庫の数との和が最も小さい集約倉庫候補を前記集約倉庫として決定する集約倉庫決定処理と
    をコンピュータに実行させる出荷支援プログラム。
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