JP7245616B2 - 磁気共鳴イメージング装置及び血管分離表示装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置及び血管分離表示装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、磁気共鳴イメージング装置及び血管分離表示装置に関する。
磁気共鳴イメージング装置は、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波(RF:Radio Frequency)信号で励起し、励起に伴って被検体から発生する磁気共鳴信号(MR(Magnetic Resonance)信号)を再構成して画像を生成する撮像装置である。
磁気共鳴イメージングの分野において、ASL(Arterial Spin Labeling)法と呼ばれる撮像法がある。ASL法は、血管内血液や脳脊髄液(CSF:Cerebrospinal fluid)等の流体の縦磁化をラベリングパルスで標識した後、所定の待ち時間後に励起パルスを伴う撮像シーケンスを印加して、MR信号を収集する撮像法である。ASL法によって、標識された流体の所定の待ち時間後の位置が正しく描出された画像を生成することができる。また、待ち時間を異ならせた複数の撮像を行うことにより、標識された流体の位置の変化、即ち、標識された流体の動きを正しく追跡することもできる。
従来のASL法では、例えば、撮像領域を頭部に設定して頭部の血管を撮像する場合には、頭部血管の上流側となる頸部を横断するスラブにラベリングパルスを印加していた。頭部には複数の血管から血液が流入しているが、従来のASL法では、複数の流入血管の全てが同時にラベリングされるため、撮像領域に流入する血液がどの血管から流入しているのかを区別することができなかった。
米国特許第6564080号明細書
Markus Oelhafen et.al, "Calibration of Echo-Planar 2D-Selective RF Excitation Pulses", Mag. Res. In Medicine 52:1136-1145 (2004).
本発明が解決しようとする課題は、複数の流入血管から撮像領域に血液が流入する状況において、撮像領域内の血液がどの流入血管から流入しているのかを簡便に区別できるようにすることである。
一実施形態の磁気共鳴イメージング装置は、設定部と、生成部と、処理部とを備える。設定部は、撮像領域に血液を供給する第1の流入血管に対して、第1のラベリングパルスを局所的に印加し、前記第1のラベリングパルスの印加から所定の遅延時間後、前記撮像領域から第1の磁気共鳴信号を収集する第1のパルスシーケンスと、前記撮像領域に血液を供給する、前記第1の流入血管とは異なる第2の流入血管に対して、第2のラベリングパルスを局所的に印加し、その後、前記撮像領域からの第2の磁気共鳴信号を収集するための第2のパルスシーケンスと、を設定する。生成部は、前記第1及び第2のパルスシーケンスの印加によって収集された前記第1及び第2の磁気共鳴信号から、第1の画像及び第2の画像を夫々生成する。処理部は、前記第1の画像と前記第2の画像との差分によって、前記撮像領域内の複数の血管を、前記第1の流入血管に由来する第1血管と、前記第2の流入血管に由来する第2血管とに区別する。
実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の全体構成例を示す構成図。 従来のASL法の概略説明図。 実施形態の磁気共鳴イメージング装置における処理回路の機能ブロック図。 第1の実施形態の磁気共鳴イメージング装置の処理例を示すフローチャート。 第1の実施形態で設定するパルスシーケンスを例示する図。 パルスシーケンス内のデータ収集用のシーケンスの一例を示す図。 パルスシーケンス(A)、(B)の実行によって収集されるデータにおける縦磁化の時間的変化を示す図。 第1の実施形態の動作フローの概念説明図。 第1の実施形態で生成される差分画像の一例を示す図。 第1の実施形態におけるMIP処理及びminIP処理の概念説明図。 第1の実施形態の第1変形例を説明する第1の図。 第1の実施形態の第1変形例を説明する第2の図。 第1の実施形態の第2変形例のパルスシーケンスを例示する図。 第1の実施形態の第3変形例のパルスシーケンスを例示する図。 第1の実施形態の第4変形例のパルスシーケンスを例示する図。 第3の実施形態のパルスシーケンスを例示する図。 第3の実施形態の動作フローの概念説明図。 複数の流入血管が撮像領域に流入する状況をモデル化した図。 実施形態の血管分離表示装置の構成例を示すブロック図。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の全体構成を示すブロック図である。実施形態の磁気共鳴イメージング装置1は、磁石架台100、制御キャビネット300、コンソール400、寝台500等を備えて構成される。
磁石架台100は、静磁場磁石10、傾斜磁場コイル11、WB(Whole Body)コイル12等を有しており、これらの構成品は円筒状の筐体に収納されている。寝台500は、寝台本体50と天板51を有している。また、磁気共鳴イメージング装置1は、被検体に近接して配設されるアレイコイル20を有している。
制御キャビネット300は、傾斜磁場電源31(X軸用31x、Y軸用31y、Z軸用31z)、RF受信器32、RF送信器33、及びシーケンスコントローラ34を備えている。
磁石架台100の静磁場磁石10は、概略円筒形状をなしており、被検体(例えば患者)の撮像領域であるボア(静磁場磁石10の円筒内部の空間)内に静磁場を発生させる。静磁場磁石10は超電導コイルを内蔵し、液体ヘリウムによって超電導コイルが極低温に冷却されている。静磁場磁石10は、励磁モードにおいて静磁場用電源(図示せず)から供給される電流を超電導コイルに印加することで静磁場を発生し、その後、永久電流モードに移行すると、静磁場用電源は切り離される。一旦永久電流モードに移行すると、静磁場磁石10は長時間、例えば1年以上に亘って、大きな静磁場を発生し続ける。なお、静磁場磁石10を永久磁石として構成しても良い。
傾斜磁場コイル11も概略円筒形状をなし、静磁場磁石10の内側に固定されている。この傾斜磁場コイル11は、傾斜磁場電源(31x、31y、31z)から供給される電流によりX軸,Y軸,Z軸の方向に傾斜磁場を被検体に印加する。
寝台500の寝台本体50は天板51を上下方向に移動可能であり、撮像前に天板51に載った被検体を所定の高さまで移動させる。その後、撮影時には天板51を水平方向に移動させて被検体をボア内に移動させる。
WBコイル12は、傾斜磁場コイル11の内側に被検体を取り囲むように概略円筒形状に固定されている。WBコイル12は、RF送信器33から伝送されるRFパルスを被検体に向けて送信する一方、水素原子核の励起によって被検体から放出される磁気共鳴信号を受信する。
アレイコイル20はRFコイルであり、被検体から放出される磁気共鳴信号を被検体に近い位置で受信する。アレイコイル20は、例えば、複数の要素コイルから構成される。アレイコイル20は、被検体の撮像部位に応じて、頭部用、胸部用、脊椎用、下肢用、或いは全身用など種々のタイプがあるが、図1では胸部用のアレイコイル20を例示している。
RF送信器33は、シーケンスコントローラ34からの指示に基づいて、WBコイル12にRFパルスを送信する。一方、RF受信器32は、WBコイル12やアレイコイル20によって受信された磁気共鳴信号を検出し、検出した磁気共鳴信号をデジタル化して得られる生データをシーケンスコントローラ34に送る。
シーケンスコントローラ34は、コンソール400による制御のもと、傾斜磁場電源31、RF送信器33およびRF受信器32をそれぞれ駆動することによって被検体のスキャンを行う。そして、シーケンスコントローラ34は、スキャンを行ってRF受信器32から生データを受信すると、その生データをコンソール400に送る。
シーケンスコントローラ34は、処理回路(図示を省略)を具備している。この処理回路は、例えば所定のプログラムを実行するプロセッサや、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアで構成される。
コンソール400は、処理回路40、記憶回路41、ディスプレイ42、及び入力デバイス43を有するコンピュータとして構成されている。
記憶回路41は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)の他、HDD(Hard Disk Drive)や光ディスク装置等の外部記憶装置を含む記憶媒体である。記憶回路41は、各種の情報やデータを記憶する他、処理回路40が具備するプロセッサが実行する各種のプログラムを記憶する。
ディスプレイ42は、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELパネル等の表示デバイスである。入力デバイス43は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、タッチパネル等であり、各種の情報やデータを操作者が入力するための種々のデバイスを含む。
処理回路40は、例えば、CPUや、専用又は汎用のプロセッサを備える回路である。プロセッサは、記憶回路41に記憶した各種のプログラムを実行することによって、後述する各種の機能を実現する。処理回路40は、FPGA(field programmable gate array)やASIC(application specific integrated circuit)等のハードウェアで構成してもよい。これらのハードウェアによっても後述する各種の機能を実現することができる。また、処理回路40は、プロセッサとプログラムによるソフトウェア処理と、ハードウェア処理とを組み合わせて、各種の機能を実現することもできる。
これらの各構成品によって、コンソール400は、磁気共鳴イメージング装置1全体を制御する。具体的には、検査技師等の操作者による、マウスやキーボード等(入力デバイス42)の操作によって撮像条件その他の各種情報や指示を受け付ける。そして、処理回路40は、入力された撮像条件に基づいてシーケンスコントローラ34にスキャンを実行させる一方、シーケンスコントローラ34から送信された生データに基づいて画像を再構成する。再構成された画像はディスプレイ43に表示され、或いは記憶回路41に保存される。
さらに、実施形態の磁気共鳴イメージング装置1では、後述する所定のパルスシーケンスによるスキャンの実行によって得られる撮像領域内のMR信号から画像を再構成し、この画像から、撮像領域に流入する血液がどの血管から流入しているのかを区別するための処理を行う。
本実施形態の磁気共鳴イメージング装置1の動作について説明する前に、従来から行われているASL法について、図2を用いて概略説明しておく。従来のASL法では、ラベリングパルスを有するパルスシーケンス(L)と、コントロールパルスを有するパルスシーケンス(C)の2つのパルスシーケンスがペアとして用いられるのが一般的である。
図2(a)は、従来のASL法におけるラベリングパルスとコントロールパルスの夫々の印加領域と、撮像領域との関係を模式的に示す図である。撮像領域としては、例えば頭部が設定され、脳血管が撮像対象となる。頭部には、右内頸動脈、左内頸動脈、右椎骨動脈、左椎骨動脈等の複数の動脈から血液が流入している。以下、これらの動脈を流入血管と呼ぶものとする。図2(a)では、複数の流入血管のうち、2つの流入血管α、流入血管βのみを例示している。
ラベリングパルスの印加領域は、図2(a)に示すように、通常、撮像領域に流入する血管の上流側に設定される。また、従来のラベリングパルスの印加領域は、所定の厚みと、厚み方向の中心位置とによって規定されるスラブ(平板)として設定される。したがって、撮像領域が頭部の場合、例えば、頸部のアキシャル断面に概略平行な、頸部全体を横断するスラブが撮像領域として設定される。
一方、コントロールパルスの印加領域は、撮像領域を外れた領域、例えば、頭部のさらに上方の位置に、例えば、ラベリングパルスの印加領域のスラブと同じ厚みを有するスラブとして設定される。
図2(b)は、従来のASL法で用いられる2つのパルスシーケンス(L)とパルスシーケンス(C)のペアを例示する図である。ラベリングパルスとコントロールパルスは、所定のフリップ角を有するRFパルスである。ラベリングパルスとコントロールパルスは、印加領域が図2(a)に示すように異なるものの、フリップ角は実質的に同じ値に設定される。
ラベリングパルス又はコントロールパルスの印加時刻から所定の遅延時間PLD(Post Labeling Delay)後に、夫々のパルスシーケンスにおいて、データ収集用のパルスシーケンスが印加される。そして、パルスシーケンス(L)によって収集されたデータを再構成してラベリング画像を生成し、パルスシーケンス(C)によって収集されたデータを再構成してコントロール画像を生成する。
その後、図2(c)に示すように、コントロール画像とラベリング画像とを差分して、血管画像を生成する。差分処理によって、撮像領域内の背景がキャンセルされてゼロに近い値にまで低減されるため、背景に対して大きなコントラストをもつ血管画像を生成することが可能となる。
しかしながら、従来のASL法で生成した血管画像では、撮像領域に複数の流入血管から血液が流入する場合、撮像領域内の血液がどの流入血管から流入しているのかを区別することができない。言い換えると、撮像領域内の血管と、各流入血管との関連付けができない。
本実施形態の磁気共鳴イメージング装置1は、このような問題に対処するものであり、以下、磁気共鳴イメージング装置1の構成及び動作について、より具体的に説明する。
図3は、磁気共鳴イメージング装置1のうち、特に処理回路40の機能ブロック図を示す。図3に示すように、磁気共鳴イメージング装置1の処理回路40は、撮像条件設定機能401、第1画像生成機能402、第2画像生成機能403、及び、画像処理機能410の各機能を実現する。ここで、画像処理機能410は、差分処理機能411、MIP処理機能412、minIP処理機能413、及び、フュージョン画像生成機能414によって構成されている。上述したように、これらの各機能は、例えば、処理回路40が具備するプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現される。
なお、図1に示す磁気共鳴イメージング装置1の構成のうち、コンソール40以外の構成品(制御キャビネット300、磁石架台100及び寝台500)で、収集部600を構成している。
上記各構成のうち、撮像条件設定機能401は、撮像で使用するパルスシーケンスの種類や、パルスシーケンス内の各種のパラメータ等の撮像条件をシーケンスコントローラ34に設定する。これらの撮像条件は、例えば、入力デバイス42を介して操作者によって入力される。或いは、既に記憶されている撮像条件に対して、入力デバイス42を介した操作によって、操作者が変更することもできる。
図4は、第1の実施形態の磁気共鳴イメージング装置1の処理例を示すフローチャートである。以下、このフローチャートと、図5乃至図10を用いて、第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の具体的な処理を順次説明していく。
図4のステップST100で、第1の実施形態で使用する第1のパルスシーケンスと、第2のパルスシーケンスを設定する。ステップST100は、図3の撮像条件設定機能410が行う処理である。ステップST100では、第1のパルスシーケンスに含まれる第1のラベリングパルスの印加領域と、第2のパルスシーケンスに含まれる第2のラベリングパルスの印加領域の設定を含むものである。
図5は、第1の実施形態で設定するパルスシーケンスを例示する図である。第1の実施形態では、撮像領域に血液を供給する第1の流入血管に対して、第1のラベリングパルスを局所的に印加し、第1のラベリングパルスの印加から所定の遅延時間後、撮像領域から第1の磁気共鳴信号を収集する第1のパルスシーケンスと、撮像領域に血液を供給する、第1の流入血管とは異なる第2の流入血管に対して、第2のラベリングパルスを局所的に印加し、その後、撮像領域からの第2の磁気共鳴信号を収集するための第2のパルスシーケンスと、を設定する。
図5(b)は、第1のパルスシーケンスであるパルスシーケンス(A)と、第2のパルスシーケンスであるパルスシーケンス(B)を例示している。
パルスシーケンス(A)は、第1のラベリングパルスであるラベリングパルス(A)と、ラベリングパルス(A)の印加時刻から所定の遅延時間PLD(Post Labeling Delay)後に印加されるデータ収集用のシーケンス(図5(b)において「データ(A)収集」で示すシーケンス)から構成されている。
同様に、パルスシーケンス(B)は、第2のラベリングパルスであるラベリングパルス(B)と、ラベリングパルス(B)の印加時刻から所定の遅延時間PLD後に印加されるデータ収集用のシーケンス(図5(b)において「データ(B)収集」で示すシーケンス)から構成されている。
図5(a)は、ラベリングパルス(A)とラベリングパルス(B)の夫々の印加領域の一例を示す図である。図2(a)と同様に、撮像領域に複数の流入血管から血液が流入している状況を想定する。例えば、撮像領域として頭部を想定し、撮像対象として脳血管を想定した場合、頭部には、右内頸動脈、左内頸動脈、右椎骨動脈、左椎骨動脈等の複数の流入血管から血液が流入している。図5(a)に示す例では、これら複数の流入血管のうち、流入血管αと流入血管βの2つの流入血管を示している。流入血管αは、例えば右内頸動脈であり、流入血管βは、例えば左内頸動脈である。
以下では、撮像領域に流入する血液が、流入血管αと流入血管βのどちらから流入しているかを区別する方法、即ち、2つの流入血管の識別方法を用いる第1の実施形態について説明するが、後述するように、識別可能な流入血管の数は容易に3以上に拡張可能である。
図5(a)から明らかなように、第1の実施形態の磁気共鳴イメージング装置1(他の実施形態も同様)では、2つのラベリングパルスを、夫々別の流入血管にのみ印加するようにしている。例えば、ラベリングパルス(A)を流入血管αのみに局所的に印加し、ラベリングパルス(B)を流入血管βのみに局所的に印加するようにしている。
ここで、「ラベリングパルスを特定の流入血管のみに局所的に印加する」という意味は、当該ラベリングパルスの印加により、当該特定の流入血管の血液の縦磁化のみを、あるフリップ角で倒して縦磁化成分の大きさを変化させ、当該特定の流入血管以外の流入血管の血液の縦磁化成分は、当該ラベリングパルスの印加によっても変化させない、という意味である。したがって、「ラベリングパルスを特定の流入血管のみに排他的に印加する」と言い換えることもできる。
ラベリングパルスの「特定の流入血管への局所的な印加」について、従来のASL法(図2(a))と本実施形態(図5(a))とを比較しつつ、さらに説明する。
従来のASL法におけるラベリングパルスの印加領域はスラブ(平板)形状の領域であり、図2(a)に示すように、スラブの厚み方向が被検体の頭足方向である場合、スラブの厚み方向の中心位置とスラブの厚みが、ラベリングパルス(RFパルス)の中心周波数と帯域、及び、スライス方向の傾斜磁場の大きさによって規定される。しかしながら、スラブの幅方向(例えば被検体の左右方向)や奥行方向(例えば被検体の背腹方向)に対しては、パルスシーケンスによって規定される空間領域としては何ら制約を受けず、スラブの幅方向や奥行方向の広い範囲に亘ってラベリングパルスが印加されることになる。言い換えると、従来のASL法によるラベリングパルスは、スラブの厚み方向のみが1次元的に選択された領域に対して印加されている。このため、従来のASL法では、頸部等を通る複数の流入血管の全てに対して、ラベリングパルスが同時に印加されることになる。
これに対して、本実施形態では、図5(a)に示すように、スラブの厚み方向と幅方向が2次元的に選択された領域に対してラベリングパルスが印加される。つまり、本実施形態では、ラベリングパルスを、スラブの厚み方向と幅方向とで2次元的に規定した局所的な領域に印加するものとしている。この結果、本実施形態では、複数の流入血管からの血液が1つの撮像領域に流入する場合であっても、複数の流入血管の夫々を分離して、ラベリングパルスを印加することが可能となる。
ラベリングパルスを、スラブの厚み方向と幅方向とで2次元的に規定した局所的な領域に印加する手法は、例えば、非特許文献1等に開示されるように、ラベリングパルスを複数のサブパルスからなるRFパルスとして構成する等の公知技術を用いることにより実現できる。
ラベリングパルス(A)及び(B)は、例えばフリップ角が180度で、各流入血管の血液の縦磁化を反転させる反転パルスとして構成してもよいが、フリップ角は必ずしも180°である必要はない。例えば、ラベリングパルス(A)及び(B)のフリップ角は、180°と90°の間でもよいし、90°でもよいし、90°より小さくてもよい。また、ラベリングパルス(A)のフリップ角と、ラベリングパルス(B)のフリップ角は、同じである必要はなく、互いに異なったフリップ角でもよい。
一方、ラベリングパルス(A)又は(B)の後に印加されるデータ収集用のシーケンスに関しても特に制約はない。データ収集用のシーケンスとして、例えば、SSFP(steady-state free precision)法等のGRE(Gradient Echo)系のパルスシーケンスを用いてもよいし、FASE(Fast Asymmetric Spin Echo)法等のSE(Spin Echo)系のパルスシーケンスを用いてもよい。或いは、GRE系又はSE系のEPI(Echo Planar Imaging )法や、DWI(Diffusion Weighted Imaging)を用いてもよい。
図6は、パルスシーケンス(A)において、データ(A)を収集するためのデータ収集用のシーケンスの一例を示す図である。図6の下部には、1つの位相エンコード量に対応するGRE系のパルスシーケンスを例示している。データ収集用のシーケンスでは、位相エンコード量を、PE1、PE2、PE3のように更新しながらk空間データ(データ(A)のMR信号を収集していく。なお、図6に示すように、遅延時間PLDは、厳密には、ラベリングパルスの印加時刻から、位相エンコード量がゼロのk空間データ(ky=0)を収集する時刻までの期間として規定される。
1つのパルスシーケンスで、画像を形成するために必要となる位相エンコード量の全てが収集できない場合には、複数のパルスシーケンスを用いて、位相エンコード方向を分割した複数のセグメントによって、画像を形成するために必要なデータを収集してもよい。
図4のステップST100では、上述したパルスシーケンス(A)及び(B)が設定される。ステップST100の処理は、上述したラベリングパルス(A)及び(B)の印加領域の設定も含むものである。
次に、図4のステップST101では、上述したパルスシーケンス(A)、即ち、第1のパルスシーケンスを実行して、データ(A)、即ち、第1のMR信号を収集する。また、ステップST102では、上述したパルスシーケンス(B)、即ち、第2のパルスシーケンスを実行して、データ(B)、即ち、第2のMR信号を収集する。ステップST101、ステップST102の処理は、図2の収集部600が行う。
次のステップST103では、第1のMR信号を再構成して、第1の画像(絶対値画像)を生成する。同様に、ステップST104では、第2のMR信号を再構成して、第2の画像(絶対値画像)を生成する。ステップST103の処理は、図3の第1画像生成機能402が行う処理であり、テップST104の処理は、第2画像生成機能403が行う処理である。
図7及び図8は、ステップST101からステップST104までの処理の概念を説明する図である。
図7(a)は、パルスシーケンス(A)の実行によって収集されるデータ(A)における縦磁化の時間的変化を示す図である。具体的には、データ(A)の縦磁化を、ア)流入血管αから撮像領域に流入する血管群(以下、α系血管群と呼ぶ)の血液の縦磁化、イ)流入血管βから撮像領域に流入する血管群(以下、β系血管群と呼ぶ)の血液の縦磁化、及び、ウ)撮像領域の背景(α系血管群及びβ系血管群以外の領域)の縦磁化に分けて示した図である。
同様に、図7(b)は、パルスシーケンス(B)の実行によって収集されるデータ(B)における縦磁化の時間的変化を示す図であり、図7(a)と同様に、データ(A)の縦磁化を、ア)α系血管群の血液の縦磁化、イ)β系血管群の血液の縦磁化、及び、ウ)背景の縦磁化に分けて示した図である。
図7(a)及び図7(b)から判るように、撮像領域の背景の縦磁化の値は、データ(A)及びデータ(B)の間で同じであり、時間的にも変化しない。撮像領域には、ラベリングパルス(A)、(B)のどちらも印加されていないからである。
一方、流入血管αの血液の縦磁化は、ラベリングパルス(A)の印加により倒される。ラベリングパルス(A)のフリップ角が90°よりも大きい場合には、図7(a)に実線で示すように、流入血管αの血液の縦磁化の値はラベリングパルス(A)の印加直後に負となり、その後、α系血管群として撮像領域に流入する過程で、元の正の値に向かって回復していく。
これに対して、流入血管βにはラベリングパルス(A)は印加されないため、図7(a)に破線で示すように、流入血管βの血液の縦磁化の値は、ラベリングパルス(A)の印加後も変化せず、撮像領域内のβ系血管群の縦磁化の値も一定の値を示す。
他方、流入血管βの血液の縦磁化は、ラベリングパルス(B)の印加により倒される。ラベリングパルス(B)のフリップ角が90°よりも大きい場合には、図7(b)に破線で示すように、流入血管βの血液の縦磁化の値はラベリングパルス(B)の印加直後に負となり、その後、β系血管群として撮像領域に流入する過程で、元の正の値に向かって回復していく。
これに対して、流入血管αにはラベリングパルス(B)は印加されないため、図7(b)に実線で示すように、流入血管αの血液の縦磁化の値は、ラベリングパルス(B)の印加後も変化せず、撮像領域内のα系血管群の縦磁化の値も一定の値を示す。
図8の左部から中央部にかけては、パルスシーケンス(A)の実行によって収集されるデータ(A)から画像Aを生成する一方、パルスシーケンス(B)の実行によって収集されるデータ(B)から画像Bを生成し、さらに、画像Bと画像Aの差分画像を生成するまでの処理の概念を説明する図である。
周知のように、画像の画素値の値は、収集されるデータ(即ち、MR信号)の値に概ね比例する。そして、収集されるMR信号の値は、各組織の横磁化の値に概ね比例し、また、横磁化の値は、励起パルスの印加時における縦磁化の値に概ね比例する。したがって、画像の画素値は、データ収集時における各組織の縦磁化の値に概ね比例することになる。
また、収集したMR信号を逆フーリエ変換によって再構成した画像の画素値は、そのままの状態では複素数であるが、表示用の画像としては、複素数の絶対値を画素毎に算出し、この絶対値画像をディスプレイ42等に表示するのが一般的である。そこで、ここでは、パルスシーケンス(A)の実行に基づいて生成した画像Aも、パルスシーケンス(B)の実行に基づいて生成した画像Bも、いずれも絶対値画像であるものとする。
さらにここで、画像Aのα系血管群の画素値を|S(α)|と表記し、画像Aのβ系血管群の画素値を|S(β)|と表記し、画像Aの背景の画素値を|S(back)|と表記するものとする。
同様に、画像Bのα系血管群の画素値を|S(α)|と表記し、画像Bのβ系血管群の画素値を|S(β)|と表記し、画像Bの背景の画素値を|S(back)|と表記するものとする。
そうすると、各画素値の間には、次の(式1)~(式3)の関係が成立する。
α系血管群の画素値: |S(α)|>|S(α)| (式1)
β系血管群の画素値: |S(β)|>|S(β)| (式2)
背景の画素値: |S(back)|=|S(back)| (式3)
(式1)~(式3)の関係は、図7(a)及び図7(b)における、α系血管群の縦磁化、β系血管群の縦磁化、及び、背景の縦磁化の夫々の大きさの関係から容易に導き出せる。
ここまでが、図4のステップST101からステップST104までの処理の説明である。次のステップST105では、第2の画像と第1の画像とから差分画像を生成する。例えば、第2の画像の画素値から第1の画像の画素値を減算して差分画像を生成する。ステップST105の処理は、図3の差分処理機能411が行う。
ステップST105の処理により、差分画像は、次の(式4)~(式6)に示すように、概ね正の画素値、概ね負の画素値、概ねゼロの画素値によって構成されることになる。
α系血管群の画素値: |S(α)|-|S(α)|>0: 正 (式4)
β系血管群の画素値: |S(β)|-|S(β)|<0: 負 (式5)
背景の画素値: |S(back)|-|S(back)|=0: ゼロ (式6)
図9(b)は、上記のようにして生成された差分画像の一例を示す図である。なお、図9(a)は、図9(b)との対比のために示しており、図5(a)と同じ図である。
本実施形態では、上記の差分処理により、背景の画素値をゼロにして背景を抑制することができる効果に加えて、撮像領域内の複数の血管群の血液が、複数の流入血管の中のどの流入血管から流入しているのかを、差分画像の画素値の大小関係だけでなく、画素値の正負の符号のみによっても識別することが可能である。
例えば、上記の(式4)、(式5)によって明らかなように、画素値の符号が正の場合はその画素はα系血管群の画素、即ち、流入血管αから流入した血液の画素であると判定することができる。同様に、画素値の符号が負の場合はその画素はβ系血管群の画素、即ち、流入血管βから流入した血液の画素であると判定することができる。
なお、上述した例では、差分画像を、画像Bの画素値から画像Aの画素値を減算して求めているが、逆に、画像Aの画素値から画像Bの画素値を減算して差分画像を求めてもよい。この場合には、(式4)、(式5)から理解できるように、α系血管群の画素値の符号は負となり、β系血管群の画素値の符号は正となる。この場合であっても、差分画像の画素値の正負の符号のみによって、α系血管群とβ系血管群とを分離、識別できることに変わりはない。
図4に戻り、ステップST106では、差分画像に対してMIP(Maximum Intensity Projection)処理を行って、第1流入血管(例えば、流入血管α)に由来する第1血管像を生成する。また、ステップST107では、差分画像に対してminIP(minimum Intensity Projection)処理を行って、第2流入血管(例えば、流入血管β)に由来する第2血管像を生成する。
MIP処理、即ち、最大値投影処理は、3次元的に構築されたデータ(本例では、3次元的な差分画像)に対し、任意の視点方向に投影処理を行い、投影経路中の最大値を抽出して画像を生成する処理である。一方、minIP処理、即ち、最小値投影処理は、3次元的に構築されたデータに対し、任意の視点方向に投影処理を行い、投影経路中の最小値を抽出して画像を生成する処理である。
図8の右部、及び、図10は、上記のステップST106、107の処理を説明する図である。図10(a)は図9(a)と同じ図であり、ステップST105の処理で生成される差分画像を模式的に示す図である。図10(a)に示す差分画像でも、画素値の大きさ、或いは、画素値の正負の符号によって、α系血管群とβ系血管群とを区別することが可能である。
ステップST106、107は、差分画像に対してMIP処理と、minIP処理を行うことにより、α系血管群とβ系血管群を、更に明確に区別する処理である。上述したように、差分画像のα系血管群の画素値は正であり、β系血管群の画素値は負である。このことは、α系血管群の画素値はβ系血管群の画素値よりも常に大きいことを意味している。したがって、差分画像に対してMIP処理を施すことにより、差分画像からα系血管群を抽出し、図10(b)に例示するようなα系血管群画像を生成することができる。同様に、差分画像に対してminIP処理を施すことにより、差分画像からβ系血管群を抽出し、図10(c)に例示するようなβ系血管群画像を生成することができる。
なお、α系血管群を抽出する処理として、差分画像の中から正の画素値の画素のみを抽出する処理を、MIP処理に換えて行ってもよいし、MIP処理に加えて行ってもよい。同様に、β系血管群を抽出する処理として、差分画像の中から負の画素値の画素のみを抽出する処理を、minIP処理に換えて行ってもよいし、minIP処理に加えて行ってもよい。図4のステップST106の処理は、図3のMIP処理機能412が行い、ステップST107の処理は、minIP処理機能413が行う。
なお、上記では、画像Aと画像Bとから差分画像を生成し、生成した差分画像に対してMIP処理やminIP処理を行うことによって、α系血管群とβ系血管群とを分離、識別することを説明したが、差分画像を生成する処理や、MIP処理、或いは、minIP処理を省略することもできる。例えば、画像Aと画像Bの夫々の画素値の、符号を含めた差分値に基づいて、α系血管群とβ系血管群とを分離、識別するようにしてもよい。
その後、図4のステップST108の処理を行ってもよい。ステップST108では、第1血管像(例えば、α系血管群画像)と、第2血管像(例えば、β系血管群画像)を互いに識別可能に合成してフュージョン画像を生成する。例えば、α系血管群画像とβ系血管群画像とを、互いに異なる有彩色となるように加工したり、互いに異なる明度の無彩色となるように加工したりして、両者が容易に識別可能な態様のフュージョン画像を生成する。ステップST108の処理は、図3のフュージョン画像生成機能414が行う。
ステップST109では、生成したフュージョン画像をディスプレイ42に表示させる。ディスプレイ42に表示させる画像は、フュージョン画像だけでなく、例えば、ステップST106、107で生成した、第1血管画像や第2血管画像でもよし、ステップST105で生成した差分画像でもよい。
上述した第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1によれば、例えば2つの流入血管から撮像領域に血液が流入する状況において、撮像領域内の血液がどの流入血管から流入しているのかを簡便に区別できる。また、撮像領域内の血液がどの流入血管に由来するかを、識別容易に表示することができる。
(第1の実施形態の第1変形例)
以下、第1の実施形態の変形例のいくつかについて説明する。以下に説明するいくつかの変形例では、ステップST100の処理において、撮像条件設定機能401が設定するパルスシーケンスの一部のパラメータが上述した第1の実施形態と異なっている。したがって、各変形例においても、磁気共鳴イメージング装置1の構成自体は、図1及び図3に示した構成と同じであり、処理の流れも、図4に示したフローチャートと基本的には同じである。
図11は、第1の実施形態の第1変形例の概念を説明する図である。また、図12は、第1の実施形態の第1変形例に関連して、所謂、MT(Magnetic Transfer)効果について説明する図である。
図12は、MR信号のスペクトル分布図であり、横軸に周波数、縦軸にMR信号スペクトル強度を示す。生体内の自由水信号のスペクトルは狭帯域であるため、図12では自由水信号のスペクトルを黒く太い矢印で表記している。一方、生体内でタンパク質などに結合している結合水のスペクトルは広帯域であり、自由水信号のスペクトルを中心に広がっている。
ここまで説明してきたように、ラベリングパルスは、撮像領域とは異なる領域に印加される。このことは、RFパルスであるラベリングパルスの周波数は、撮像領域の自由水の磁気共鳴周波数に対してオフレゾナントの状態となり、ラベリングパルスは撮像領域の結合水スペクトルに印加されることを意味している。この結果、撮像領域の結合水から自由水に対して磁化移動(Magnetic Transfer)が発生し、自由水信号が減衰する現象が発生する。この自由水の減衰がMT効果と呼ばれている。
上述した第1の実施形態では、図5(a)に示すように、ラベリングパルス(A)の印加領域とラベリングパルス(B)の印加領域を、互いに近接した領域に設定している。この結果、図12に示すように、ラベリングパルス(A)とラベリングパルス(B)のオフレゾナント周波数Δfはいずれも同程度となり、ラベリングパルス(A)とラベリングパルス(B)の印加によるMT効果も同程度となる。したがって、MT効果を受けた撮像領域の背景信号の大きさも、画像Aと画像Bとの間で同程度となり、差分画像において背景信号を良好にキャンセルすることが可能となる。
一方、互いに区別したい2つの流入血管(流入血管αと流入血管β)の位置が離れている場合も有りうる。例えば、図11に例示するように、流入血管αが右内頸動脈であり、流入血管βが左椎骨動脈である場合、ラベリングパルス(A)とラベリングパルス(B)の印加領域を離さざるを得なくなくなる。この結果、ラベリングパルス(A)によるMT効果と、ラベリングパルス()によるMT効果が異なってくる。そこで、第1の実施形態の第1変形例では、図11の下部に示すように、パルスシーケンス(A)のラベリングパルス(A)の直後にコントロールパルス(B)を印加し、パルスシーケンス(B)のラベリングパルス(B)の直後にコントロールパルス(A)を印加するパルスシーケンス(A)、(B)を設定するようにしている。
コントロールパルス(B)は、ラベリングパルス(A)のMT効果をキャンセルするために印加するRFパルスである。このため、コントロールパルス(B)は、撮像領域に影響を与えない領域に印加され(図11の例では、頭部の上方)、かつ、周波数軸上は、図12に示すように、自由水の磁気共鳴周波数に関して、ラベリングパルス(A)のオフレゾナント周波数Δfと対称となる位置に設定される。
同様に、コントロールパルス(A)は、ラベリングパルス(B)のMT効果をキャンセルするために印加するRFパルスである。このため、コントロールパルス(A)は、撮像領域に影響を与えない領域に印加され(図11の例では、鼻の前方)、かつ、周波数軸上は、図12に示すように、自由水の磁気共鳴周波数に関して、ラベリングパルス(B)のオフレゾナント周波数Δfと対称となる位置に設定される。
言い換えると、第1の実施形態の第1変形例では、パルスシーケンス(A)における、ラベリングパルス(A)とコントロールパルス(B)とを組み合わせたMT効果と、パルスシーケンス(B)における、ラベリングパルス(B)とコントロールパルス(A)とを組み合わせたMT効果が等しくなるように、コントロールパルス(A)とコントロールパルス(B)を設定している。
(第1の実施形態の第2変形例)
図13は、第1の実施形態の第2変形例のパルスシーケンス(A)、(B)を例示する図である。第1の実施形態の第2変形例のパルスシーケンス(A)、(B)では、ラベリングパルス(A)、(B)から、夫々異なる遅延時間PLD(A)、PLD(B)でデータ(A)、(B)を収集するようにしている。遅延時間PLD以外は、第1の実施形態と同じである。このようなパルスシーケンス(A)、(B)によっても、撮像領域内の血液が、流入血管αと流入血管βのどちらから流入しているかを識別することができる。
(第1の実施形態の第3変形例)
図14は、第1の実施形態の第3変形例のパルスシーケンス(A)、(B)を例示する図である。第1の実施形態の第3変形例のパルスシーケンス(A)、(B)では、複数の異なる遅延時間PLDで、言い換えると、複数の異なる時相で複数のデータを収集するようにしている。例えば、図14に例示するように、パルスシーケンス(A)では、ラベリングパルス(A)から、夫々3つの遅延時間PLD(1)、PLD(2)、PLD(3)で、データ(A1)、データ(A2)、データ(A3)を収集するようにしている。同様に、パルスシーケンス(B)では、ラベリングパルス(B)から、夫々3つの遅延時間PLD(1)、PLD(2)、PLD(3)で、データ(B1)、データ(B2)、データ(B3)を収集するようにしている。そして、対応する時相ごとに差分画像を生成することにより、撮像領域内の血液が、流入血管αと流入血管βのどちらから流入しているかを、複数の遅延時間PLDごとに(複数の時相ごとに)識別することができる。
(第1の実施形態の第4変形例)
図15は、第1の実施形態の第4変形例のパルスシーケンス(A)、(B)を例示する図である。第1の実施形態の第4変形例のパルスシーケンス(A)、(B)では、図15(a)に示すように、ラベリングパルス(A)、(B)の印加領域が第1の実施形態と異なる。図15に示す例では、流入血管αと流入血管βとの間に流入血管γが介在している。このような血管の配置状態では、ラベリングパルス(A)の印加領域が、流入血管αの他に、識別対象である流入血管β以外の流入血管γを含むことがありうる。このような場合、第1の実施形態の第4変形例のパルスシーケンス(A)、(B)では、ラベリングパルス(B)の印加領域を、流入血管βの他に流入血管γを含むように設定する。言い換えると、流入血管γを、ラベリングパルス(A)とラベリングパルス(B)の夫々の印加領域に共通に含ませるようにしている。このような印加領域の設定により、差分画像において流入血管γの影響が相殺され、撮像領域内の血液が、流入血管αと流入血管βのどちらから流入しているかを識別することが可能となる。
(第2の実施形態)
ここまで説明してきた第1の実施形態、及びその各変形例では、画像Aと画像Bを夫々絶対値画像として生成し、画像Aと画像Bの各画素値(絶対値)を差分して差分画像を生成するという、差分方法を用いている。これに対して、第2の実施形態の磁気共鳴イメージング装置1では、上記の差分方法とは異なる、差分方法の変形例を用いている。
例えば、差分方法の第1変形例として、図4のステップST103、ステップST104において、画像A(第1の画像)と画像B(第2の画像)を、画素値が複素数の実部(リアルパート)で表されるreal画像として生成する。そして、ステップST105では、画像Aと画像Bの各画素値(複素数の実部)を差分して、real画像としての差分画像を生成する。その後、このreal画像としての差分画像に対して、ステップST106のMIP処理やステップST107のminIP処理を行う。
また、差分方法の第2変形例として、画像A及び画像Bを再構成する前に、生データ(即ち、k空間データ)の状態で差分処理を行ってもよい。つまり、パルスシーケンス(A)、(B)の実行によって収集されたk空間データとしてのデータ(A)とデータ(B)を差分して、差分k空間データを生成する。そして、この差分k空間データを逆フーリエ変換によって再構成して複素画像としての差分画像を生成する。その後、この複素画像としての差分画像、或いは、各画素値の実部を用いたreal画像としての差分画像に対して、ステップST106のMIP処理やステップST107のminIP処理を行う。
上述した第2の実施形態の磁気共鳴イメージング装置1によっても、撮像領域内の血液が、流入血管αと流入血管βのどちらから流入しているかを識別することができる。
(第3の実施形態)
上述した第1の実施形態及びその変形例、或いは第2の実施形態では、2つの流入血管(例えば、流入血管αと流入血管β)から撮像領域に血液が流入している場合に、撮像領域内の血液が、流入血管αと流入血管βのどちらから流入しているかを識別する手法を説明してきた。しかしながら、3つ以上の流入血管から撮像領域に血液が流入している場合も当然あり得る。
第3の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1では、3つ以上の複数の流入血管から撮像領域に血液が流入している場合においても、撮像領域内の血液が、複数の流入血管の中のどの流入血管から流入しているかを識別する手法を提供する。
図16及び図17は、第3の実施形態の磁気共鳴イメージング装置1の動作概念を説明する図である。図16及び図17を用いた以下の説明では、3つの流入血管(流入血管α、流入血管β、流入血管γ)からの血液が撮像領域に流入するケースを用いているが、一般性を失うことなく、4以上の流入血管に対しても拡張可能である。
第3の実施形態では、図16(a)に示すように、流入血管α、流入血管β、及び、流入血管γからの血液が撮像領域に流入している場合、図16(b)に示す3つのパルスシーケンス(A)、(B)及び(C)を実行し、撮像領域から夫々3つのデータ(データ(A)、データ(B)、データ(C))を収集する。
そして、第1の実施形態と同様に、パルスシーケンス(A)のラベリングパルス(A)を流入血管αの上流領域に局所的に、或いは、排他的に印加する。つまり、ラベリングパルス(A)を、流入血管βや流入血管γの領域に印加することなく、流入血管αのみに印加する。この結果、ラベリングパルス(A)の印加により、流入血管αから撮像領域に流入する血液のみが、図7(a)と同様に、その縦磁化成分の大きさが変化する一方、流入血管βや流入血管γの血液の縦磁化成分は何ら変化することなく同じ値に維持される。
同様に、パルスシーケンス(B)及び(C)の夫々のラベリングパルス(B)及び(C)も、流入血管β及び流入血管γの上流領域に夫々局所的に、或いは、排他的に印加される。
図17は、2つのパルスシーケンスを用いた第1の実施形態の動作概念を説明する図8を、3つのパルスシーケンスを用いた第3の実施形態の動作概念に拡張した説明図である。第3の実施形態では、パルスシーケンス(A)、(B)及び(C)の実行により収集された各データから、画像A、画像B,及び、画像Cが生成される。各画像は、例えば、絶対値画像である。
ここで、図8の説明と同様に、画像Aのα系血管群の画素値を|S(α)|と表記し、画像Aのβ系血管群の画素値を|S(β)|と表記し、さらに、γ系血管群の画素値を|S(γ)|と表記するものとする。また、画像Aの背景の画素値を|S(back)|と表記するものとする。
同様に、画像Bのα系血管群、β系血管群、及び、γ系血管群の画素値を、夫々、|S(α)|、|S(β)|、及び、|S(γ)|と表記し、画像Bの背景の画素値を|S(back)|と表記するものとする。
また同様に、画像Cのα系血管群、β系血管群、及び、γ系血管群の画素値を、夫々、|S(α)|、|S(β)|、及び、|S(γ)|と表記し、画像Cの背景の画素値を|S(back)|と表記するものとする。
そうすると、各画素値の間には、前述の(式1)~(式3)と類似した以下の関係が成立する。
α系血管群の画素値: |S(α)|=|S(α)|>|S(α)| (式7)
β系血管群の画素値: |S(β)|=|S(β)|>|S(β)| (式8)
γ系血管群の画素値: |S(γ)|=|S(γ)|>|S(γ)| (式8)
背景の画素値: |S(back)|=|S(back)|=|S(back)| (式10)
次に、画像Aと画像Bとから差分画像(1)を、例えば、(画像B-画像A)の演算によって生成する。そうすると、差分画像(1)におけるα系血管群、β系血管群、γ系血管群、及び、背景の画素値の画素値は以下の各式となる。
α系血管群の画素値: |S(α)|-|S(α)|>0: 正 (式11)
β系血管群の画素値: |S(β)|-|S(β)|<0: 負 (式12)
γ系血管群の画素値: |S(γ)|-|S(γ)|=0: ゼロ (式13)
背景の画素値: |S(back)|-|S(back)|=0: ゼロ (式14)
上記の各式から判るように、ノイズ等の影響を無視すれば、差分画像(1)におけるα系血管群の画素値は正であり、β系血管群の画素値は負である一方、γ系血管群と背景の画素値はゼロとなる。したがって、第1の実施形態と同様に、差分画像(1)に対してMIP処理を施すことにより、差分画像(1)からα系血管群を抽出することが可能であり、同様に、差分画像(1)に対してminIP処理を施すことにより、差分画像(1)からβ系血管群を抽出することができる。
同様に、画像Bと画像Cとから差分画像(2)を、例えば、(画像C-画像B)の演算によって生成する。そうすると、差分画像(2)におけるα系血管群、β系血管群、γ系血管群、及び、背景の画素値の画素値は以下の各式となる。
α系血管群の画素値: |S(α)|-|S(α)|=0: ゼロ (式15)
β系血管群の画素値: |S(β)|-|S(β)|>0: 正 (式16)
γ系血管群の画素値: |S(γ)|-|S(γ)|<0: 負 (式17)
背景の画素値: |S(back)|-|S(back)|=0: ゼロ (式18)
上記の各式から判るように、ノイズ等の影響を無視すれば、差分画像(2)におけるβ系血管群の画素値は正であり、γ系血管群の画素値は負である一方、α系血管群と背景の画素値はゼロとなる。したがって、差分画像(2)に対してMIP処理を施すことにより、差分画像(2)からβ系血管群を抽出することが可能であり、同様に、差分画像(2)に対してminIP処理を施すことにより、差分画像(2)からγ系血管群を抽出することができる。
上記のように、撮像領域に流入血管α、流入血管β、及び、流入血管γからの血液が撮像領域に流入している場合であっても、撮像領域内のα系血管群、β系血管群、γ系血管群を簡便な方法で抽出し、識別することができる。
図18は、複数の流入血管が撮像領域に流入する状況をモデル化した図であり、4以上の複数の流入血管に対しても、上述した第3の実施形態を適用可能であることを説明する模式図である。
例えば、図18の中央にある撮像領域に、流入血管α、流入血管β、・・・、流入血管θの8つの流入血管からの血液が流入しているものとする。このような場合、印加領域が流入血管αに排他的に設定されたラベリングパルス(A)を有するパルスシーケンス(A)によって画像Aを生成し、印加領域が流入血管βに排他的に設定されたラベリングパルス(B)を有するパルスシーケンス(B)によって画像Bを生成し、印加領域が流入血管γに排他的に設定されたラベリングパルス(C)を有するパルスシーケンス(C)によって画像Cを生成し、印加領域が流入血管δに排他的に設定されたラベリングパルス(D)を有するパルスシーケンス(D)によって画像Dを生成し、というふうに、8つの画像(画像A~画像H)を生成する。
そして、これらの画像の中から選択した2つの画像の差分画像から、2つの画像に対応する2つの流入血管に由来した、撮像領域内の2つの血液(血管群)を区別することができる。例えば、画像Aと画像Bの差分画像から、撮像領域内の、流入血管αに由来する血液と、流入血管βに由来する血液とを区別することができる。また、画像Bと画像Cの差分画像から、流入血管βに由来する血液と、流入血管γに由来する血液とを区別することができ、画像Cと画像Dの差分画像から、流入血管γに由来する血液と、流入血管δに由来する血液とを区別することができる。また、画像Aと画像Dを差分した差分画像からは、流入血管αに由来する血液と、流入血管δに由来する血液とを区別することができる。
(血管分離表示装置)
図19は、本発明の他の実施形態に係る血管分離表示装置800の構成例を示すブロック図である。図19に示すように、血管分離表示装置800は、処理回路80、記憶回路81、ディスプレイ82、及び入力デバイス83、及び、入力インタフェース801を有する装置、例えば、コンピュータとして構成されている。
処理回路80、記憶回路81、ディスプレイ82、及び入力デバイス83は、前述したコンソール400における処理回路40、記憶回路41、ディスプレイ42、及び入力デバイス43と類似の機能を有しているため、説明を省略する。
血管分離表示装置800の入力インタフェース801は、有線又は無線のネットワーク、或いは、専用又は汎用の通信回線を介してデータを入力したり、光ディスクやUSBメモリ等の記憶媒体を介してデータを入力したりするインタフェース回路である。本実施形態の血管分離表示装置800では、入力インタフェース801を介して、前述した磁気共鳴イメージング装置1で生成された画像A(即ち、第1画像)及び画像B(即ち、第2画像)を、処理回路80の第1画像入力機能802、及び、第2画像入力機能803が入力する。
処理回路80の画像処理機能410が行う処理は、前述した磁気共鳴イメージング装置1と同じであり、説明を省略する。実施形態の血管分離表示装置800によれば、入力した画像A及び画像Bに対する処理によって、撮像領域内の血液がどの流入血管から流入しているのかを簡便に区別することができる。
以上説明してきたように、各実施形態の磁気共鳴イメージング装置及び血管分離表示装置は、複数の流入血管から撮像領域に血液が流入する状況において、撮像領域内の血液がどの流入血管から流入しているのかを簡便に区別することができる。
なお、各実施形態の記載における撮像条件設定機能は、特許請求の範囲の記載における設定部の一例である。また、各実施形態の記載における第1画像生成機能及び第2画像生成機能は、特許請求の範囲の記載における生成部の一例である。また、各実施形態の記載における、画像処理機能は、特許請求の範囲の記載における処理部の一例である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 磁気共鳴イメージング装置
40、80 処理回路
41、81 記憶回路
42、82 ディスプレイ
43、83 入力デバイス
400 コンソール
401 撮影条件設定機能
402 第1画像生成機能
403 第2画像生成機能
410 画像処理機能
411 差分処理機能
412 MIP処理機能
413 minIP処理機能
414 フュージョン画像生成機能
600 収集部
800 血管分離表示装置
801 入力インタフェース
802 第1画像入力機能
803 第2画像入力機能

Claims (11)

  1. 撮像領域に血液を供給する第1の流入血管に対して、第1のラベリングパルスを局所的に印加し、前記第1のラベリングパルスの印加から所定の遅延時間後、前記撮像領域から第1の磁気共鳴信号を収集する第1のパルスシーケンスと、前記撮像領域に血液を供給する、前記第1の流入血管とは異なる第2の流入血管に対して、第2のラベリングパルスを局所的に印加し、その後、前記撮像領域からの第2の磁気共鳴信号を収集するための第2のパルスシーケンスと、を設定する設定部と、
    前記第1及び第2のパルスシーケンスの印加によって収集された前記第1及び第2の磁気共鳴信号から、第1の画像及び第2の画像を夫々生成する生成部と、
    前記第1の画像と前記第2の画像との差分によって、前記撮像領域内の複数の血管を、前記第1の流入血管に由来する第1血管と、前記第2の流入血管に由来する第2血管とに区別する処理部と、
    を有する磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記生成部は、前記第1の画像及び前記第2の画像を夫々絶対値画像として生成し、
    前記処理部は、前記第1の画像及び前記第2の画像の夫々の画素値の、符号を含めた差分値に基づいて、前記撮像領域内の複数の血管を、前記第1の流入血管に由来する前記第1血管と、前記第2の流入血管に由来する前記第2血管とに区別する、
    請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記生成部は、前記第1の画像及び前記第2の画像を夫々絶対値画像として生成し、
    前記処理部は、前記第2の画像から前記第1の画像を減算した差分画像に対して、MIP(Maximum Intensity Projection)法を適用して、前記撮像領域内の複数の血管から前記第1の流入血管に由来する前記第1血管を抽出する一方、前記差分画像に対して、minIP(minimum Intensity Projection)法を適用して、前記撮像領域内の複数の血管から前記第2の流入血管に由来する前記第2血管を抽出する、
    請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記生成部は、前記第1の画像及び前記第2の画像を夫々絶対値画像として生成し、
    前記処理部は、前記第1の画像から前記第2の画像を減算した差分画像に対して、MIP(Maximum Intensity Projection)法を適用して、前記撮像領域内の複数の血管から前記第2の流入血管に由来する前記第2血管を抽出する一方、前記差分画像に対して、minIP(minimum Intensity Projection)法を適用して、前記撮像領域内の複数の血管から前記第1の流入血管に由来する前記第1血管を抽出する、
    請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記処理部は、抽出した前記第1血管と、前記第2血管とを互いに識別可能に合成し、前記撮像領域内の複数の血管が、前記第1の流入血管に由来する前記第1血管と前記第2の流入血管に由来する前記第2血管とに区別されたフュージョン画像を生成する、
    請求項3又は4に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記設定部は、前記第1のラベリングパルスの印加によって生じる第1のMT(Magnetic Transfer)効果と、前記第2のラベリングパルスの印加によって生じる第2のMT効果とが、前記差分によって相殺されるように、前記第1のラベリングパルスの印加領域と前記第2のラベリングパルスの印加領域を設定する、
    請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記設定部は、前記第1のラベリングパルスの印加領域と前記第2のラベリングパルスの印加領域とを、前記第1のラベリングパルスの印加によって生じる第1のMT(Magnetic Transfer)効果と、前記第2のラベリングパルスの印加によって生じる第2のMT効果とが、前記差分によっても相殺されない位置に設定する場合には、前記第のラベリングパルスの直後に前記第2のMT効果を相殺するための第1のコントロールパルスを印加し、前記第ラベリングパルスの直後に前記第1のMT効果を相殺するための第2のコントロールパルスを印加する、
    請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 前記設定部は、前記第1のラベリングパルスの印加領域が、前記第1の流入血管の他に、前記第1の流入血管及び前記第2の流入血管以外の第3の流入血管を含む場合には、前記第2のラベリングパルスの印加領域を、前記第2の流入血管の他に、前記第3の流入血管を含むように設定する、
    請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 前記設定部は、
    前記第1のラベリングパルスを右内頸動脈に印加し、前記第1の磁気共鳴信号を頭部から収集する前記第1のパルスシーケンスと、
    前記第2のラベリングパルスを左内頸動脈に印加し、前記第2の磁気共鳴信号を前記頭部から収集する前記第2のパルスシーケンスと、
    を設定する、
    請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  10. ラベリングパルスと、前記ラベリングパルスの印加から所定の遅延時間後にデータを収集するパルスシーケンスであって、撮像領域に血液を供給する複数の流入血管に対して、前記ラベリングパルスを複数の流入血管にそれぞれ局所的に印加する複数のパルスシーケンス、を設定する設定部と、
    前記複数のパルスシーケンスの印加によって収集された複数の磁気共鳴信号のセットから、複数の画像を夫々生成する生成部と、
    前記複数の画像間の差分によって、前記撮像領域内の複数の血管を、前記複数の流入血管に由来する夫々の血管に区別する処理部と、
    を有する磁気共鳴イメージング装置。
  11. 撮像領域に血液を供給する第1の流入血管に対して、第1のラベリングパルスを局所的に印加し、前記第1のラベリングパルスの印加から所定の遅延時間後、前記撮像領域から第1の磁気共鳴信号を収集する第1のパルスシーケンスと、前記撮像領域に血液を供給する、前記第1の流入血管とは異なる第2の流入血管に対して、第2のラベリングパルスを局所的に印加し、その後、前記撮像領域からの第2の磁気共鳴信号を収集するための第2のパルスシーケンスの印加によって収集された前記第1及び第2の磁気共鳴信号から生成された、第1の画像及び第2の画像を入力する入力部と、
    前記第1の画像と前記第2の画像との差分によって、前記撮像領域内の複数の血管を、前記第1の流入血管に由来する第1血管と、前記第2の流入血管に由来する第2血管とに分離する処理部と、
    分離された前記第1血管及び前記第2血管の少なくとも一方を表示する表示部と、
    を有する血管分離表示装置。
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