JP7245289B2 - 細菌感染症の処置方法 - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は米国仮特許出願第62/152,668号(2015年4月24日出願;これは本書によりその全体が参照によって組み込まれる)の優先権の利益を主張する。
本出願の実施形態は、治療剤としての抗菌剤化合物、抗菌剤組成物、それらの使用および調製に関する。
抗生物質が、過去半世紀の間、様々な感染性疾患の処置における効果的な手段となっている。抗生物質治療が開発されてから1980年代後半までに、様々な細菌感染症に対するほほ完全な抑制が先進国ではもたらされた。しかしながら、抗生物質使用の圧力に対応して、様々な多剤耐性機構が現在では広範囲に及んでおり、抗細菌剤治療の臨床有用性を脅かしている。抗生物質耐性菌株における増大が、主要な病院およびケアセンターでは特に日常的になってきている。耐性菌株における増大の結果として、より高い羅病率および死亡率、より長い患者入院、ならびに、処置費用における増加が挙げられる。
様々な細菌が、様々なβ-ラクタム系薬剤の効力を無効にするβ-ラクタム不活性化酵素(すなわち、β-ラクタマーゼ)を進化させてきた。β-ラクタマーゼは、そのアミノ酸配列に基づいて4つのクラスに、すなわち、AmblerのクラスA、クラスB、クラスCおよびクラスDに分類することができる。クラスA、クラスCおよびクラスDにおける酵素には、活性部位がセリンであるβ-ラクタマーゼが含まれ、一方、クラスBの酵素は、それほど頻繁には遭遇しない酵素であり、Zn依存性である。これらの酵素はβ-ラクタム系抗生物質の化学的分解を触媒し、これによりそれらを不活性にする。いくつかのβ-ラクタマーゼは様々な細菌株および細菌種の中およびそれらの間で伝達することができる。細菌耐性の急速な拡大および多剤耐性菌株の進化のために、利用可能となるβ-ラクタム処置選択肢が厳しく限定される。
クラスDのβ-ラクタマーゼを発現する細菌株(例えば、アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetobacter baumannii)など)の増大は、新たな多剤耐性の脅威になっている。A.バウマンニイの菌株は、A、CおよびDのクラスのβ-ラクタマーゼを発現する。クラスDのβ-ラクタマーゼ(例えば、OXAファミリーなど)は、カルバペネム型β-ラクタム系抗生物質(例えば、イミペネム、すなわち、Merck社のPrimaxin(登録商標)の活性カルバペネム成分)を破壊することにおいて特に効果的である(Montefour,K.他、Crit.Care Nurse、2008、28、15;Perez,F.他、Expert Rev.Anti Infect.Ther.、2008、6、269;Bou,G.、Martinez-Beltran、J.Antimicrob.Agents Chemother.、2000、40、428.2006、50、2280;Bou,G.他、J.Antimicrob.Agents Chemother.、2000、44、1556)。このことは、細菌感染症を処置するための、また、防止するためのそのようなカテゴリーにおける薬物の効果的な使用に対する差し迫った脅威となっている。実際、分類されたセリン型β-ラクタマーゼの数が、1970年代における10未満から、300を超える変異体にまで爆発的に増大している。これらの問題は五つの「世代」のセファロスポリン系薬剤の開発を促進させた。最初に臨床診療に許可されたとき、広域スペクトルのセファロスポリン系薬剤により、広く見出されるクラスAのβ-ラクタマーゼ(TEM-1およびSHV-1)による加水分解が阻止された。しかしながら、TEM-1およびSHV-1における単一アミノ酸置換の進化による耐性菌株の発生は、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)表現型の出現をもたらした。
カルバペネム系部類の抗微生物剤(これには、イミペネム、ビアペネム、ドリペネム、メロペネムおよびエルタペネムが含まれる)、同様にまた、他のβ-ラクタム系抗生物質を加水分解する様々な新しいβ-ラクタマーゼが近年では進化してきている。これらのカルバペネマーゼは、分子クラスA、BおよびDに属する。主に肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)で報告され、しかし、今では他の腸内細菌科、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)およびアシネトバクター・バウマンニイでもまた報告されるKPCタイプのクラスAカルバペネマーゼ。KPCカルバペネマーゼは、1996年にノースカロライナ州で最初に記載されたが、それ以降、米国では広く広まっている。これは、主要な病院の内部での拡大および患者罹患率のいくつかの報告が報告されているニューヨーク市域では特に問題となっている。これらの酵素はまた、近年にはフランス、ギリシア、スウェーデン、英国でも報告されており、ドイツにおける大発生が最近になって報告されている。カルバペネム系薬剤による耐性菌株の処置は転帰不良を伴う可能性がある。
カルバペネム系薬剤に対するβ-ラクタマーゼ媒介耐性の別の機構には、ベータ-ラクタマーゼの過剰産生と一緒になった透過性機構または排出機構の組合せが伴う。一例が、ampC型ベータ-ラクタマーゼの過剰産生と一緒になったポーリンの喪失が緑膿菌におけるイミペネムに対する耐性をもたらすというものである。ampC型β-ラクタマーゼの過剰産生と一緒になった排出ポンプ過剰発現もまた、カルバペネム系薬剤(例えば、メロペネムなど)に対する耐性をもたらす可能性がある。
3つの主要な分子クラスのセリン型β-ラクタマーゼが存在し、これらのクラスのそれぞれがかなりの数のβ-ラクタマーゼ変異体を含むので、1つまたは少数のβ-ラクタマーゼの阻害が治療的価値を有するとは考えられない。従来からのβ-ラクタマーゼ阻害剤は大部分が、少なくともクラスAのカルバペネマーゼに対して、染色体媒介およびプラスミド媒介のクラスCのセファロスポリナーゼに対して、また、クラスDのオキサシリナーゼの多くに対して効果がない。したがって、改善されたβ-ラクタマーゼ阻害剤組合せ療法が求められている。
本明細書中に記載されるいくつかの実施形態は、細菌感染症を処置するための方法であって、効果的な量の化合物I:
Figure 0007245289000001
(化合物I)またはその医薬的に許容され得る塩およびメロペネムをその必要性のある対象に投与することを含み、前記化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩の前記量が約1.0g~約3.0gであり、かつ、メロペネムの前記量が約1.0g~約3.0gである方法に関する。
本明細書中に記載されるいくつかの実施形態は、細菌感染症を処置するための方法であって、低下した腎機能を患っている、細菌感染症の処置を必要としている対象を処置のために選択すること、効果的な量の化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩およびメロペネムを前記対象に投与することを含む方法に関する。
本明細書中に記載されるいくつかの実施形態は、下気道感染症を処置または改善する方法であって、効果的な量の化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩およびメロペネムをその必要性のある対象に投与することを含む方法に関する。
いくつかの実施形態において、本方法はさらに、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤または抗アレルギー剤から選択されるさらなる医薬品を投与することを含む。
いくつかの実施形態において、上記で記載される方法によって処置される対象は哺乳動物である。いくつかのさらなる実施形態において、前記対象はヒトである。
様々な用量の化合物Iの血漿濃度プロファイル(mg/L)を実施例1に開示される研究における健康な対象での単回IV注入後の時間の関数として示すグラフである。
実施例1に開示される研究における健康な対象での単回服用または複数回服用の後における化合物I用量対AUC(hrmg/L)を示すグラフである。
単独およびメロペネムとの組合せでの化合物Iの血漿濃度プロファイル(mg/L)を実施例2に開示される研究における健康な成人対象での3時間注入の後において示すグラフである。
単独および化合物Iとの組合せでのメロペネムの血漿濃度プロファイル(mg/L)を実施例2に開示される研究における健康な成人対象での3時間注入の後において示すグラフである。
単独およびメロペネムとの組合せでの化合物Iの血漿濃度プロファイル(mg/L)を実施例3に開示される研究における健康な成人対象での3時間注入による単回服用および7日間のTID(すなわち、1日3回)服用の後において示すグラフである。
単独および化合物Iとの組合せでのメロペネムの血漿濃度プロファイル(mg/L)を実施例3に開示される研究における健康な成人対象での3時間注入による単回服用および7日間のTID(すなわち、1日3回)服用の後において示すグラフである。
単独および2gのメロペネムとの組合せでの2gの化合物Iの血漿濃度プロファイル(mg/L)を実施例4に開示される研究における健康な対象での3時間注入による単回服用および複数回服用の後において示すグラフである。
単独および2gのメロペネムとの組合せでの2gの化合物Iの血漿濃度プロファイル(mg/L)を実施例4に開示される研究における健康な対象での1時間注入による単回服用および複数回服用の後において示すグラフである。
化合物Iの平均血漿濃度プロファイル(mg/L)を実施例4に開示される研究における健康な対象での2gのメロペネムとの組合せでの2gの化合物Iの1時間注入または3時間注入の後において示すグラフである。
単独および2gの化合物Iとの組合せでの2gのメロペネムの血漿濃度プロファイル(mg/L)を実施例4に開示される研究における健康な対象での3時間注入による単回服用および複数回服用の後において示すグラフである。
単独および2gの化合物Iとの組合せでの2gのメロペネムの血漿濃度プロファイル(mg/L)を実施例4に開示される研究における健康な対象での1時間注入による単回服用および複数回服用の後において示すグラフである。
メロペネムIの平均血漿濃度プロファイル(mg/L)を実施例4に開示される研究における健康な対象での2gのメロペネムとの組合せでの2gの化合物Iの1時間注入または3時間注入の後において示すグラフである。
メロペネム開環ラクタムの血漿濃度プロファイル(mg/L)を実施例4に開示される研究における健康な対象での単独および2gの化合物Iとの組合せでの2gのメロペネムの1時間注入の後において示すグラフである。
メロペネム開環ラクタムの平均血漿濃度プロファイル(mg/L)を実施例4に開示される研究における健康な対象での2gの化合物Iとの組合せでの2gのメロペネムの1時間注入または3時間注入の後において示すグラフである。
1gの化合物Iと1gのメロペネムとの組合せのクリアランスを実施例5に開示される研究における様々な程度の腎機能障害を有する対象でのクレアチニンクリアランスに応じて示すグラフである。
メロペネムの平均血漿濃度プロファイル(μg/mL)を実施例6に開示される研究における3時間にわたる3回目のメロペネムの2g注入の開始前および開始後において示すグラフである。
化合物Iの平均血漿濃度プロファイル(μg/mL)を実施例6に開示される研究における3時間にわたる3回目の化合物Iの2g注入の開始前および開始後において示すグラフである。
実施例6に開示される研究における(メロペネムの2g用量が3時間にわたって注入された)気管支肺胞洗浄(BAL)を伴う気管支鏡検査のときのメロペネムの平均血漿濃度および平均上皮内層液(ELF)濃度のプロファイル(μg/mL)を示すグラフである。
実施例6に開示される研究における(化合物Iの2g用量が3時間にわたって注入された)気管支肺胞洗浄(BAL)を伴う気管支鏡検査のときの化合物Iの平均血漿濃度および平均上皮内層液(ELF)濃度のプロファイル(μg/mL)を示すグラフである。
化合物Iおよびメロペネムの平均血漿濃度プロファイル(μg/mL)を実施例6に開示される研究における3時間にわたる3回目のメロペネムの2g/化合物Iの2gの注入の開始前および開始後において示すグラフである。
実施例6に開示される研究における(メロペネムの2g用量が3時間にわたって注入された)気管支肺胞洗浄(BAL)を伴う気管支鏡検査のときの化合物Iおよびメロペネムの平均上皮内層液(ELF)濃度プロファイル(μg/mL)を示すグラフである。
3時間注入によって8時間毎に投与される1gのメロペネム/1gの化合物Iの、カルバペネム耐性肺炎桿菌のいくつかの菌株に対する活性をインビトロ中空繊維モデルにおいて示すグラフである。
3時間注入によって8時間毎に投与される1gのメロペネム/1gの化合物Iの、カルバペネム耐性肺炎桿菌のいくつかの菌株に対する活性をインビトロ中空繊維モデルにおいて示すグラフである。
3時間注入によって8時間毎に投与される2gのメロペネム/2gの化合物Iの、カルバペネム耐性肺炎桿菌のいくつかの菌株に対する活性をインビトロ中空繊維モデルにおいて示すグラフである。
3時間注入によって8時間毎に投与される1gのメロペネム/1gの化合物Iの、いくつかの緑膿菌株に対する活性をインビトロ中空繊維モデルにおいて示すグラフである。
8時間毎に3時間注入によって投与される2gのメロペネムおよび2gの化合物Iの代表的な薬物動態プロファイルをインビトロ中空繊維モデルにおいて示すグラフである。
8時間毎に3時間注入によって投与される2gのメロペネムの、いくつかの緑膿菌株に対する活性をインビトロ中空繊維モデルにおいて示すグラフである。
3時間注入によって8時間毎に投与される2gのメロペネム/2gの化合物Iの、いくつかの緑膿菌株に対する活性をインビトロ中空繊維モデルにおいて示すグラフである。
(定義)
用語「薬剤」または用語「試験薬剤」には、どのような物質、分子、構成要素、化合物、実体またはそれらの組合せであっても含まれる。これには、例えば、タンパク質、ポリペプチド、ペプチドまたは模倣体、小さい有機分子、多糖類およびポリヌクレオチドなどが含まれるが、これらに限定されない。天然産物、合成化合物または化学化合物、あるいは、2つ以上の物質の組合せであることが可能である。別途規定される場合を除き、「薬剤」、「物質」および「化合物」の用語は本明細書中では交換可能に使用される。
用語「哺乳動物」はその通常の生物学的意味で使用される。したがって、用語「哺乳動物」には具体的には、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ラットおよびマウスが含まれ、しかし、多くの他の種もまた含まれる。
用語「微生物感染(症)」は、生物が、脊椎動物、無脊椎動物、魚類、植物、鳥類または哺乳動物であろうと、病原性微生物による宿主生物への侵入を示す。これには、哺乳動物または他の生物の体内または体表に通常の場合には存在する微生物の過度の成長が含まれる。より一般的には、微生物感染(症)は、微生物集団(1つまたは複数)の存在が宿主哺乳動物にとって有害であるどのような状況であってもあり得る。したがって、過度な数の微生物集団が哺乳動物の体内または体表に存在するとき、あるいは、微生物集団(1つまたは複数)の存在の影響が哺乳動物の細胞または他の組織に障害を与えているとき、哺乳動物は微生物感染(症)に「罹患している」。具体的には、この記述は細菌感染症に当てはまる。なお、好ましい実施形態の化合物はまた、細胞培養物または他の媒体の微生物成長または微生物混入を処置することにおいて、また、無生物表面または無生物物体を処置することにおいて有用であり、したがって、本明細書中のいかなるものも、請求項において明示的にそのように規定される場合を除いて、当該好ましい実施形態を高等生物の処置だけに限定してはならないことに留意されたい。
用語「医薬的に許容され得るキャリア」または用語「医薬的に許容され得る賦形剤」には、ありとあらゆる溶媒、分散媒体、被覆、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などが含まれる。医薬的に活性な物質のためのそのような媒体および薬剤の使用は、当該技術分野において周知である。どのような媒体または薬剤であれ、従来の媒体または薬剤が有効成分と不適合性である場合を除いて、治療組成物におけるその使用が意図される。補助的な有効成分もまた、組成物に組み込むことができる。加えて、様々な補助剤(例えば、この技術分野で一般に使用されるようなもの)も含まれる場合がある。これらおよび他のそのような化合物が参考文献には記載されており、例えば、Merck Index(Merck&Company、Rahway、NJ)に記載されている。様々な成分が医薬組成物に含まれることについての検討が、例えば、Gilman他(編)(1990);Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Basis of Therapeutics(第8版、Pergamon Press)に記載される。
用語「医薬的に許容され得る塩」は、好ましい実施形態の化合物の生物学的な有効性および特性を保持する塩で、生物学的に、または他の点で望ましくない塩を示す。多くの場合、好ましい実施形態の化合物は、アミノ基および/またはカルボキシル基あるいはそれらに類似する基の存在により酸および/または塩基の塩を形成することができる。医薬的に許容され得る酸付加塩を無機酸および有機酸により形成させることができる。塩が誘導され得る無機酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸などが含まれる。塩が誘導され得る有機酸には、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸およびサリチル酸などが含まれる。医薬的に許容され得る塩基付加塩を無機塩基および有機塩基により形成させることができる。塩が誘導され得る無機塩基には、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガンおよびアルミニウムなどが含まれる;特に好ましいものが、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩である。塩が誘導され得る有機塩基には、例えば、第一級アミン、第二級アミンおよび第三級アミン、置換されたアミン(天然に存在する置換されたアミンを含む)、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂などが含まれ、具体的には、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンおよびエタノールアミンなどが含まれる。多くのそのような塩が、WO87/05297(Johnston他、1987年9月11日公開、これは参照によってその全体が本明細書中に組み込まれる)に記載されるようにこの技術分野では知られている。
「溶媒和物」は、溶媒とEPIとの相互作用によって形成される化合物、その代謝産物または塩を示す。好適な溶媒和物が、水和物を含む医薬的に許容され得る溶媒和物である。
「対象」は、本明細書中で使用される場合、ヒトまたはヒト以外の哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ヒト以外の霊長類、あるいは鳥(例えば、ニワトリ)、同様にまた、どのような他の脊椎動物または無脊椎動物をも意味する。
治療効果は感染の症状の1つまたは複数をある程度軽減させ、また、治療効果には、感染症を治癒させることが含まれる。「治癒させる」は、能動的感染の症状が除かれること
(これには、当該感染に関与する微生物の生存可能な微生物の過度な一部分を除くことが含まれる)を意味する。しかしながら、感染のある特定の長期的影響または永続的影響が、治癒が得られた後でさえ存在する場合がある(例えば、広範な組織障害など)。
「処置する(treat)」、「処置(treatment)」または「処置する(treating)」は、本明細書中で使用される場合、医薬組成物を予防目的および/または治療目的のために投与することを示す。用語「予防的処置」は、まだ感染していないが、ある特定の感染症にかかりやすい患者、または、他の場合にはその危険性がある患者を処置し、それによって、当該処置により、当該患者が感染症を発症する可能性が低減されることを示す。用語「治療的処置」は、感染症に既に罹患している患者に処置を施すことを示す。
処置方法
本明細書中に記載されるいくつかの実施形態は、細菌感染症を処置するための方法であって、効果的な量の化合物I:
Figure 0007245289000002
(化合物I)またはその医薬的に許容され得る塩およびメロペネムをその必要性のある対象に投与することを含み、前記化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩の前記量が約1.0g~約3.0gであり、かつ、メロペネムの前記量が約1.0g~約3.0gである方法に関する。
いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩の量が約2.0gである。いくつかの実施形態において、メロペネムの量が約2.0gである。いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩とメロペネムとの両方の量が約2.0gである。
いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩とメロペネムとが1日あたり少なくとも1回で投与される。いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩とメロペネムとが1日あたり3回で投与される。いくつかのさらなる実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩の1日用量が約6.0gであり、メロペネムの1日用量が約6.0gである。
いくつかの実施形態において、投与は静脈内注入による。いくつかのそのような実施形態において、静脈内注入は約1時間~約5時間で完了する。いくつかのさらなる実施形態において、静脈内注入は約3時間で完了する。
いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩が、メロペネムに先立って、またはメロペネムに続いて投与される。いくつかの他の実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩とメロペネムとは単一投薬形態になっている。いくつかの実施形態において、単一投薬形態はさらに、医薬的に許容され得る賦形剤、希釈剤またはキャリアを含む。
腎機能が低下した対象
本明細書中に記載されるいくつかの実施形態は、細菌感染症を処置するための方法であって、低下した腎機能を患っている、細菌感染症の処置を必要としている対象を処置のために選択すること、効果的な量の化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩およびメロペネムを前記対象に投与することを含む方法に関する。いくつかの実施形態において、前記対象は、クレアチニンクリアランスが30ml/分以上で、50ml/分未満である。いくつかの実施形態において、前記対象は、クレアチニンクリアランスが20ml/分以上で、30ml/分未満である。いくつかの実施形態において、前記対象は、クレアチニンクリアランスが10ml/分以上で、20ml/分未満である。いくつかの実施形態において、前記対象は、クレアチニンクリアランスが10ml/分未満である。いくつかの実施形態において、細菌感染は下気道感染である。
いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩が約250mg~約2.0gの用量範囲で投与される。いくつかのさらなる実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩が約500mg~約1.0gの用量で投与される。いくつかのそのような実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩が約1.0gの用量で投与される。いくつかの他の実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩が約500mgの用量で投与される。いくつかの実施形態において、メロペネムが約250mg~約2.0gの用量範囲で投与される。いくつかのさらなる実施形態において、メロペネムが約500mg~約1.0gの用量で投与される。いくつかのそのような実施形態において、メロペネムが約1.0gの用量で投与される。いくつかの他の実施形態において、メロペネムが約500mgの用量で投与される。いくつかのさらなる実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩とメロペネムとの両方が約1.0gの用量で投与される。いくつかの他の実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩とメロペネムとの両方が約500mgの用量で投与される。
いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩とメロペネムとが1日あたり少なくとも1回で(24時間毎に)投与される。いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩とメロペネムとが1日あたり2回で
(12時間毎に)投与される。いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩とメロペネムとが1日あたり3回で(8時間毎に)投与される。いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩の1日用量が約3.0gであり、メロペネムの1日用量が約3.0gである。いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩の1日用量が約2.0gであり、メロペネムの1日用量が約2.0gである。いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩の1日用量が約1.0gであり、メロペネムの1日用量が約1.0gである。いくつかのさらなる実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩の1日用量が約500mgであり、メロペネムの1日用量が約500mgである。
いくつかの実施形態において、投与は静脈内注入による。いくつかのそのような実施形態において、静脈内注入は約1時間~約5時間で完了する。いくつかのさらなる実施形態において、静脈内注入は約3時間で完了する。
いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩が、メロペネムに先立って、またはメロペネムに続いて投与される。いくつかの他の実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩とメロペネムとは単一投薬形態になっている。いくつかの実施形態において、単一投薬形態はさらに、医薬的に許容され得る賦形剤、希釈剤またはキャリアを含む。
下気道感染を有する対象
本明細書中に記載されるいくつかの実施形態は、下気道感染症を処置または改善する方法であって、効果的な量の化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩およびメロペネムをその必要性のある対象に投与することを含む方法に関する。
いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩が約250mg~約5.0gの用量範囲で投与される。いくつかのさらなる実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩が約1.0g~約3.0gの用量範囲で投与される。さらにいくつかのさらなる実施形態において、化合物Iの量が約2.0gである。いくつかの実施形態において、メロペネムが約250mg~約5.0gの用量範囲で投与される。いくつかのさらなる実施形態において、メロペネムが約1.0g~約3.0gの用量範囲で投与される。さらにいくつかのさらなる実施形態において、メロペネムの量が約2.0gである。いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩とメロペネムとの両方が約2.0gの用量で投与される。
いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩と、メロペネムとが、1日あたり少なくとも1回で投与される。いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩と、メロペネムとが、1日あたり3回で投与される。いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩の1日用量が約3.0g~約6.0gであり、メロペネムの1日用量が約3.0g~約6.0gである。いくつかのさらなる実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩の1日用量が約6.0gであり、メロペネムの1日用量が約6.0gである。
いくつかの実施形態において、投与は静脈内注入による。いくつかのそのような実施形態において、静脈内注入は約1時間~約5時間で完了する。いくつかのさらなる実施形態において、静脈内注入は約3時間で完了する。
いくつかの実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩が、メロペネムに先立って、またはメロペネムに続いて投与される。いくつかの他の実施形態において、化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩と、メロペネムとは、単一投薬形態である。いくつかの実施形態において、単一投薬形態はさらに、医薬的に許容され得る賦形剤、希釈剤またはキャリアを含む。
本明細書中に記載される方法の任意の実施形態において、上記方法はさらに、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤または抗アレルギー剤から選択されるさらなる医薬品を投与することを含む場合がある。
いくつかの実施形態において、上記で記載される方法によって処置される対象は哺乳動物である。いくつかのさらなる実施形態において、前記対象はヒトである。
本明細書中に記載される方法の任意の実施形態において、処置は、カルバペネム耐性腸内細菌科によって引き起こされる感染についてである。
適応症
本明細書中に記載される化合物Iおよびカルバペネム系化合物のメロペネムを含む組成物は、様々な細菌感染症を処置するために使用することができる。化合物Iおよびメロペネムの組合せにより処置することができる細菌感染症は、広範囲の細菌を含むことができる。例となる生物には、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌、好気性細菌および嫌気性細菌が含まれ、例えば、ブドウ球菌属(Staphylococcus)、乳酸桿菌属(Lactobacillus)、連鎖球菌属(Streptococcus)、サルシナ属(Sarcina)、大腸菌属(Escherichia)、エンテロバクター属(Enterobacter)、クレブシエラ属(Klebsiella)、シュードモナス属(Pseudomonas)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、プロテウス属(Proteus)、カンピロバクター属(Campylobacter)、シトロバクター属(Citrobacter)、ナイセリア属(Nisseria)、バチルス属(Baccillus)、バクテロイデス属(Bacteroides)、ペプトコッカス属(Peptococcus)、クロストリジウム属(Clostridium)、サルモネラ属(Salmonella)、赤痢菌属(Shigella)、セラチア属(Serratia)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、ブルセラ属(Brucella)および他の生物などが含まれる。
細菌感染症のより多くの例には、緑膿菌、シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・アシドボランス(Pseudomonas acidovorans)、シュードモナス・アルカリゲネス(Pseudomonas alcaligenes)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、ステノトロホモナス・マルトフィラ(Stenotrophomonas maltophilia)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、アエロモナス・ヒドロフィリア(Aeromonas hydrophilia)、大腸菌(Escherichia coli)、シトロバクター・フロインディ(Citrobacter freundii)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、チフス菌(Salmonella typhi)、パラチフス菌(Salmonella paratyphi)、腸炎菌(Salmonella enteritidis)、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、シゲラ・フレクスネリ(Shigella flexneri)、シゲラ・ソンネイ(Shigella sonnei)、エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)、エンテロバクター・エアロゲネス(Enterobacter aerogenes)、肺炎桿菌、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)、モルガネラ・モルガニイ(Morganella morganii)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、プロビデンシア・アルカリファシエンス(Providencia alcalifaciens)、プロビデンシア・レットゲリ(Providencia rettgeri)、プロビデンシア・スツアルチイ(Providencia stuartii)、アシネトバクター・バウマンニイ、アシネトバクター・カルコアセチカス(Acinetobacter calcoaceticus)、アシネトバクター・ヘモリチカス(Acinetobacter haemolyticus)、エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia
enterocolitica)、ペスト菌(Yersinia pestis)、偽結核菌(Yersinia pseudotuberculosis)、エルシニア・インテルメジア(Yersinia intermedia)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、パラ百日咳菌(Bordetella parapertussis)、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、ヘモフィルス・ヘモリチカス(Haemophilus haemolyticus)、ヘモフィルス・パラヘモリチカス(Haemophilus parahaemolyticus)、ヘモフィルス・デュクレイ(Haemophilus ducreyi)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、パスツレラ・ヘモリチカ(Pasteurella haemolytica)、ブランハメラ・カタルハリス(Branhamella catarrhalis)、ピロリ菌(Helicobacter pylori)、カンピロバクター・フェツス(Campylobacter fetus)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクター・コリ(Campylobacter coli)、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、ビブリオ・パラヘモリチカス(Vibrio parahaemolyticus)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、キンゲラ属(Kingella)、モラクセラ属(Moraxella)、ガルドネレラ・バギナリス(Gardnerella vaginalis)、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ジスタソニス(Bacteroides distasonis)、バクテロイデス3452A相同性群、バクテロイデス・ブルガツス(Bacteroides vulgatus)、バクテロイデス・オバルス(Bacteroides ovalus)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス・ユニホルミス(Bacteroides uniformis)、バクテロイデス・エッゲルチイ(Bacteroides eggerthii)、バクテロイデス・スプランクニカス(Bacteroides splanchnicus)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、マイコバクテリウム・イントラセルラレ(Mycobacterium intracellulare)、らい菌(Mycobacterium leprae)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、コリネバクテリウム・ウルセランス(Corynebacterium ulcerans)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、ストレプトコッカス・アガラクチアエ(Streptococcus agalactiae)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・サプロフィチカス
(Staphylococcus saprophyticus)、スタフィロコッカス・インテルメジウス(Staphylococcus intermedius)、スタフィロコッカス・ヒカス亜種ヒカス(Staphylococcus hyicus subsp.hyicus)、スタフィロコッカス・ヘモリチカス(Staphylococcus haemolyticus)、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)またはスタフィロコッカス・サッカロリチカス(Staphylococcus saccharolyticus)が含まれる。
いくつかの実施形態において、感染症は、緑膿菌、シュードモナス・フルオレセンス、ステノトロホモナス・マルトフィラ、大腸菌、シトロバクター・フロインディ、ネズミチフス菌、チフス菌、パラチフス菌、腸炎菌、志賀赤痢菌、シゲラ・フレクスネリ、シゲラ・ソンネイ、エンテロバクター・クロアカエ、エンテロバクター・エアロゲネス、肺炎桿菌、クレブシエラ・オキシトカ、セラチア・マルセセンス、アシネトバクター・カルコアセチカス、アシネトバクター・ヘモリチカス、エルシニア・エンテロコリチカ、ペスト菌、偽結核菌、エルシニア・インテルメジア、インフルエンザ菌、パラインフルエンザ菌、ヘモフィルス・ヘモリチカス、ヘモフィルス・パラヘモリチカス、ピロリ菌、カンピロバクター・フェツス、カンピロバクター・ジェジュニ、カンピロバクター・コリ、コレラ菌、ビブリオ・パラヘモリチカス、レジオネラ・ニューモフィラ、リステリア・モノサイトゲネス、淋菌、髄膜炎菌、モラクセラ属、バクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・ブルガツス、バクテロイデス・オバルス、バクテロイデス・テタイオタオミクロン、バクテロイデス・ユニホルミス、バクテロイデス・エッゲルチイまたはバクテロイデス・スプランクニカスから選択される細菌によって引き起こされる。
いくつかの実施形態において、細菌感染はグラム陰性感染である。いくつかの実施形態において、細菌感染は下気道感染である。いくつかの実施形態において、細菌感染は緑膿菌によって引き起こされる。いくつかの実施形態において、細菌感染は肺炎桿菌によって引き起こされる。
抗菌性化合物
化合物Iは、下記のように示される構造を有する:
Figure 0007245289000003
いくつかの実施形態において、ホウ素エステルの容易な交換のために、化合物Iは様々な代替形態に変わる場合があり、または、様々な代替形態との平衡状態で存在する場合がある。したがって、いくつかの実施形態において、化合物Iは、これらの形態の1つまたは複数との組合せで存在する場合がある。例えば、化合物Iは、1つまたは複数の開鎖形態(式Ia)、二量体形態(式Ib)、環状二量体形態(式Ic)、三量体形態(式Id)および環状三量体形態(式Ie)などとの組合せで存在する場合がある。化合物Iおよびそのエナンチオマー、ジアステレオ異性体もしくは互変異性体または医薬的に許容され得る塩が、米国特許第8,680,136号に記載される(これは参照によってその全体が組み込まれる)。
Figure 0007245289000004
Figure 0007245289000005
メロペネムは、広範囲の様々な感染症を処置するために使用される超広域スペクトルの注射可能な抗生物質である。メロペネムはβ-ラクタム系薬剤であり、カルバペネムのサブグループに属する。メロペネムは、下記のように示される構造を有する:
Figure 0007245289000006
いくつかの実施形態には、細菌感染症を治療または防止するための方法であって、効果的な量の化合物Iおよびメロペネムをその必要性のある対象に投与することを含み、化合物Iが、上記で記載される形態のいずれか1つの形態またはその組合せであり得る、方法が含まれる。
いくつかの実施形態はさらに、さらなる医薬品を別個の組成物において、または同じ組成物においていずれかで投与することを含む。いくつかの実施形態において、さらなる医薬品には、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤または抗アレルギー剤が含まれる。いくつかの実施形態において、さらなる医薬品は抗菌剤(例えば、さらなるβ-ラクタム系薬剤など)を含む。
いくつかの実施形態において、さらなるβ-ラクタム系薬剤には、アモキシシリン、アンピシリン(ピバンピシリン、ヘタシリン、バカンピシリン、メタンピシリン、タランピシリン)、エピシリン、カルベニシリン(カリンダシリン)、チカルシリン、テモシリン、アズロシリン、ピペラシリン、メズロシリン、メシリナム(ピブメシリナム)、スルベニシリン、ベンジルペニシリン(G)、クロメトシリン、ベンザチンベンジルペニシリン、プロカインベンジルペニシリン、アジドシリン、ペナメシリン、フェノキシメチルペニシリン(V)、プロピシリン、ベンザチンフェノキシメチルペニシリン、フェネチシリン、クロキサシリン(ジクロキサシリン、フルクロキサシリン)、オキサシリン、メチシリン、ナフシリン、ファロペネム、ビアペネム、ドリペネム、エルタペネム、イミペネム、パニペネム、トモペネム(Tomopenem)、ラズペネム(Razupenem)、テビペネム、スロペネム(Sulopenem)、セファゾリン、セファセトリル、セファドロキシル、セファレキシン、セファログリシン、セファロニウム、セファロリジン、セファロチン、セファピリン、セファトリジン、セファゼドン、セファザフル、セフラジン、セフロキサジン、セフテゾール、セファクロル、セファマンドール、セフミノクス、セフォニシド、セフォラニド、セフォチアム、セフプロジル、セフブペラゾン、セフロキシム、セフゾナム、セフォキシチン、セフォテタン、セフメタゾール(Cefmetazole)、ロラカルベフ、セフィキシム、セフタジジム、セフトリアキソン、セフカペン、セフダロキシム(Cefdaloxime)、セフジニル、セフジトレン、セフェタメト、セフメノキシム、セフォジジム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフピミゾール、セフピラミド、セフポドキシム、セフスロジン、セフテラム、セフチブテン、セフチオレン(Ceftiolene)、セフチゾキシム、フロモキセフ、ラタモキセフ、セフェピム、セフォゾプラン、セフピロム、セフキノム(Cefquinome)、セフトビプロール、セフタロリン、セフトロザン(Ceftolozane)、CXA-101、RWJ-54428、MC-04,546、ME1036、BAL30072、SYN2416、セフチオフル、セフキノム、セフォベシン(Cefovecin)、アズトレオナム、チゲモナム(Tigemonam)、カルモナム、RWJ-442831、RWJ-333441、RWJ-333442、S649266、GSK3342830およびAIC499が含まれる。
いくつかの実施形態において、さらなるβ-ラクタム系薬剤には、セフタジジム、ドリペネム、エルタペネム、イミペネムまたはパニペネムが含まれる。
いくつかの実施形態には、前述の化合物のいずれか1つの治療効果的な量と、医薬的に許容され得る賦形剤とを含む医薬組成物が含まれる。
投与および医薬組成物
いくつかの実施形態には、(a)安全かつ治療効果的な量の化合物Iまたはその対応するエナンチオマー、ジアステレオ異性体もしくは互変異性体、あるいは医薬的に許容され得る塩と、(b)メロペネムと、(c)医薬的に許容され得るキャリアとを含む医薬組成物が含まれる。
化合物Iおよびメロペネムが、治療効果的な投薬量で投与され、例えば、これまでに記載された疾患状態のための処置を提供するために十分である投薬量で投与される。いくつかの実施形態において、化合物Iおよびメロペネムの単回用量が、約250mgから約5000mgまでの、または約1000mgから約3000mgまでの範囲である場合がある。いくつかの実施形態において、化合物Iおよびメロペネムを1日あたり少なくとも1回で投与することができ、例えば、1日あたり1回~5回で投与することができる。
化合物Iまたはその対応するエナンチオマー、ジアステレオ異性体、互変異性体、あるいはその医薬的に許容され得る塩と、メロペネムとを含む組合せを投与することが、経口的、皮下的、静脈内、鼻腔内、局所的、経皮的、腹腔内、筋肉内、肺内、膣的、直腸的または眼内(これらに限定されない)を含めて、類似する有用性を果たす薬剤のための受け入れられている投与様式のいずれかによることが可能である。静脈内投与、経口投与および非経口投与が、好ましい実施形態の対象である適応症を処置することにおいて慣例となっている。
化合物Iと、メロペネムとは、これらの状態を処置する際に使用されるための医薬組成物に配合することができる。標準的な製剤配合技術が使用され、例えば、Remington’s The Science and Practice of Pharmacy(第21版、Lippincott Williams&Wilkins(2005)、これはその全体が参照により組み込まれる)に開示される技術などが使用される。
化合物Iおよびメロペネムに加えて、いくつかの実施形態には、医薬的に許容され得るキャリアを含有する組成物が含まれる。用語「医薬的に許容され得るキャリア」は、本明細書中で使用される場合、哺乳動物への投与のために好適である1つまたは複数の適合し得る固体または液体のフィラー希釈剤または封入用物質を意味する。用語「適合し得る」は、本明細書中で使用される場合、組成物の成分が、組成物の薬学的効力を通常の使用状況のもとで実質的に減少させるかもしれない相互作用が何ら生じないような様式で、対象化合物と混合され、かつ、相互に混合され得ることを意味する。医薬的に許容され得るキャリアは当然のことながら、投与、好ましくは、処置される動物(好ましくは哺乳動物)への投与に当該キャリアが好適であるために十分に高純度かつ十分に低毒性でなければならない。
医薬的に許容され得るキャリアまたはその成分として役立ち得る物質のいくつかの例には、糖(例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロースなど)、デンプン(例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなど)、セルロースおよびその誘導体(例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよびメチルセルロースなど)、粉末化トラガカント、麦芽、ゼラチン、タルク、固体滑剤(例えば、ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウムなど)、硫酸カルシウム、植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびカカオ脂など)、ポリオール(例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなど)、アルギン酸、乳化剤(例えば、TWEENSなど)、湿潤化剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなど)、着色剤、香味矯臭剤、錠剤化剤、安定剤、抗酸化剤、保存剤、発熱物質非含有水、等張性生理食塩水およびリン酸塩緩衝剤溶液が挙げられる。
上記組合せと併せて使用されるための医薬的に許容され得るキャリアの選択は基本的には、当該組合せが投与されることになる方法によって決定される。
本明細書中に記載される組成物は好ましくは、単位投薬形態で提供される。本明細書中で使用される場合、「単位投薬形態」は、動物に、好ましくは哺乳動物対象に、正しい医療行為に従って単回用量で投与するために好適である量の化合物を含有する組成物である。しかしながら、単回投薬形態または単位投薬形態の調製は、当該投薬形態が1日あたり1回で、または1クールの治療あたり1回で投与されることを暗示しない。そのような投薬形態は、1日あたり1回、2回、3回またはそれ以上で投与されることが意図され、また、一定の期間(例えば、約30分から、約2時間~6時間までの期間)にわたって注入として投与される場合があり、または、持続的注入として投与される場合があり、また、1クールの治療の期間中に1回よりも多く与えられる場合がある。だが、単回投与は特に除外されない。当業者は、配合物が治療の全過程を特に意図しておらず、そのような決定は、配合物ではなく、むしろ、処置の当業者に委ねられることを認識する。
上記で記載されるように有用である組成物は、様々な投与経路のための、例えば、経口投与経路、鼻腔投与経路、直腸投与経路、(経皮投与経路を含む)局所投与経路、眼投与経路、脳内投与経路、頭蓋内投与経路、クモ膜下腔内投与経路、動脈内投与経路、静脈内投与経路、筋肉内投与経路または他の非経口投与経路のための様々な好適な形態のいずれかであり得る。当業者は、経口組成物および鼻腔組成物が、吸入によって投与される組成物で、利用可能な方法論を使用して作製される組成物を含むことを理解する。所望される特定の投与経路に依存して、当該技術分野において周知である様々な医薬的に許容され得るキャリアが使用される場合がある。医薬的に許容され得るキャリアには、例えば、固体または液体の増量剤、希釈剤、ヒドロトロピー剤、表面活性剤および封入用物質が含まれる。必要に応じて使用される医薬活性物質が含まれることがあり、この場合、この物質は化合物の阻害活性を実質的に妨げない。化合物と併せて用いられるキャリアの量は、投与のための実用的な物質量を当該化合物の単位用量あたり提供するために十分である。本明細書中に記載される方法において有用である投薬形態を作製するための様々な技術および組成物が下記の参考文献に記載されており、これらのすべてが参照によって本明細書中に組み込まれる:Modern Pharmaceutics、第4版、9章および10章
(編者:Banker&Rhodes、2002)、Lieberman他、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets(1989)、および、Ansel、Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms、第8版(2004)。いくつかの実施形態において、医薬組成物は静脈内投与される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は経口投与される。いくつかの他の実施形態において、医薬組成物は腹腔内投与される。
様々な経口投薬形態を使用することができ、これらには、錠剤、カプセル、顆粒剤およびバルク粉末剤のような固体形態物が含まれる。これらの経口形態物は、安全かつ効果的な量の、通常の場合には少なくとも約5%の、最大では約90%の化合物を含む。錠剤は、圧縮錠、すりこみ錠、腸溶性被覆錠、糖衣錠、フィルム被覆錠または多重圧縮錠とすることができ、これらは、好適な結合剤、滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香味矯臭剤、流動誘発剤および融解剤を含有する。液体の経口投薬形態には、水溶液、エマルション、懸濁液、非発泡性顆粒から再構成される溶液および/または懸濁液、ならびに、発泡性顆粒から再構成される発泡性調製物が含まれ、これらは、好適な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味剤、融解剤、着色剤および香味矯臭剤を含有する。
経口投与のための単位投薬形態を調製するために好適である医薬的に許容され得るキャリアは、当該技術分野において周知である。錠剤は典型的には、従来の医薬的に適合し得る補助剤で、不活性な希釈剤としてのもの(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトースおよびセルロースなど)、結合剤としてのもの(例えば、デンプン、ゼラチンおよびスクロースなど)、崩壊剤としてのもの(例えば、デンプン、アルギン酸およびクロスカルメロースなど)、滑剤としてのもの(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルクなど)を含む。流動促進剤(例えば、二酸化ケイ素など)を、粉末混合物の流動特性を改善するために使用することができる。着色剤(例えば、FD&C色素など)を外観のために加えることができる。甘味剤および香味矯臭剤(例えば、アスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミントおよび果実フレーバーなど)は、咀嚼錠のための有用な補助剤である。カプセルは典型的には、上記で開示される1つまたは複数の固体希釈剤を含む。キャリア成分の選択は、味覚、コストおよび貯蔵安定性のような二次的考慮事項に依存し、しかし、そのような二次的検討は重要ではなく、当業者によって容易に行うことができる。
経口組成物にはまた、液体溶液、エマルションおよび懸濁剤などが含まれる。そのような組成物を調製するために好適である医薬的に許容され得るキャリアは当該技術分野において周知である。シロップ、エリキシル剤、エマルションおよび懸濁物のためのキャリアの典型的な成分として、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液状スクロース、ソルビトールおよび水が挙げられる。懸濁液について、典型的な懸濁化剤として、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、AVICEL RC-591、トラガカントおよびアルギン酸ナトリウムが挙げられ、典型的な湿潤化剤として、レシチンおよびポリソルベート80が挙げられ、典型的な保存剤として、メチルパラベンおよび安息香酸ナトリウムが挙げられる。経口用の液体組成物はまた、上記で開示される1つまたは複数の成分(例えば、甘味剤、香味矯臭剤および着色剤など)を含有する場合がある。
そのような組成物はまた、対象化合物が胃腸管において、所望の局所的適用の近傍で、または所望の作用を伸ばすための様々な時点で放出されるように、従来の方法によって、典型的にはpH依存的または時間依存的な被覆により被覆される場合がある。そのような投薬形態は典型的には、セルロースアセタートフタラート、ポリビニルアセタートフタラート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、エチルセルロース、Eudragit被覆、ワックスおよびシェラックの1つまたは複数(これらに限定されない)を含む。
本明細書中に記載される組成物は他の薬物活性物質を必要に応じて含む場合がある。
対象化合物の全身送達を達成するために有用である他の組成物には、舌下投薬形態、口腔投薬形態および鼻腔投薬形態が含まれる。そのような組成物は典型的には、可溶性フィラー物質(例えば、スクロース、ソルビトールおよびマンニトールなど)および結合剤(例えば、アラビアゴム、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)の1つまたは複数を含む。上記で開示される流動促進剤、滑剤、甘味剤、着色剤、抗酸化剤および香味矯臭剤もまた含まれる場合がある。
局所的な眼用使用のために配合される液体組成物が、当該組成物が眼に局所投与され得るように配合される。快適さができる限り最大化されなければならず、だが、ときには、配合での様々な検討事項(例えば、薬物安定性)により、最適ではない快適さが余儀なくされる場合がある。快適さを最大限にすることができない場合、液体組成物は、当該液体が局所的な眼用使用のために患者にとって許容可能であるように配合されなければならない。加えて、眼に許容され得る液体は単回使用のために包装されなければならず、または、多数回の使用にわたって混入を防止するために保存剤を含有しなければならない。
眼適用のために、様々な溶液または医薬品が多くの場合、生理学的な生理食塩水溶液を主たるビヒクルとして使用して調製される。眼用溶液は好ましくは、適切な緩衝剤系により、快適なpHで維持されなければならない。配合物はまた、従来の医薬的に許容され得る保存剤、安定剤および界面活性剤を含有する場合がある。
本明細書中に開示される医薬組成物において使用され得る保存剤には、塩化ベンザルコニウム、PHMB、クロロブタノール、チメロサール、フェニル水銀,酢酸塩、および硝酸フェニル水銀が含まれるが、これらに限定されない。有用な界面活性剤が、例えば、Tween80である。同様に、様々な有用なビヒクルが、本明細書中に開示される眼用調製物において使用される場合がある。これらのビヒクルには、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよび精製水が含まれるが、これらに限定されない。
張性調節剤が必要に応じて、または便宜上、加えられる場合がある。張性調節剤には、塩(特に、塩化ナトリウム、塩化カリウム)、マンニトールおよびグリセリン、または、どのような他の好適な眼用に許容され得る張性調節剤であっても含まれるが、これらに限定されない。
pHを調節するための様々な緩衝剤および手段が、得られた調製物が眼に許容され得る限り使用される場合がある。多くの組成物について、pHは4~9の間であろう。したがって、緩衝剤には、酢酸塩緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤、リン酸塩緩衝剤およびホウ酸塩緩衝剤が含まれる。酸または塩基が、これらの配合物のpHを必要に応じて調節するために使用される場合がある。
同じように、眼に許容され得る抗酸化剤には、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびブチル化ヒドロキシトルエンが含まれるが、これらに限定されない。
眼用調製物に含まれ得る他の賦形剤成分がキレート化剤である。有用なキレート化剤はエデト酸二ナトリウムであるが、他のキレート化剤が、その代わりに、またはそれと併せて使用されてもよい。
局所使用のために、本明細書中に開示される化合物を含有するクリーム、軟膏、ゲル、溶液または懸濁液などが用いられる。局所用配合物は一般に、医薬用キャリア、共溶媒、乳化剤、浸透強化剤、保存剤システムおよび皮膚軟化剤から構成される場合がある。
静脈内投与のために、本明細書中に記載される化合物および組成物は、医薬的に許容され得る希釈剤(例えば、生理食塩水またはデキストロース溶液など)に溶解または分散される場合がある。好適な賦形剤が、所望のpHを達成するために含まれる場合があり、これには、NaOH、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、HClおよびクエン酸が含まれるが、これらに限定されない。様々な実施形態において、最終組成物のpHは2から8までの範囲であり、好ましくは4から7までの範囲である。抗酸化性賦形剤には、重亜硫酸ナトリウム、アセトン-重亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒド、スルホキシラート、チオウレアおよびEDTAが含まれる場合がある。最終的な静脈内組成物において見出される好適な賦形剤の他の限定されない例には、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウム、クエン酸、酒石酸、ゼラチンおよび炭水化物(例えば、デキストロース、マンニトールおよびデキストランなど)が含まれる場合がある。さらなる許容され得る賦形剤が、Powell他、Compendium of Excipients for Parenteral Formulations、PDA J Pharm Sci and
Tech、1998、52、238-311、および、Nema他、Excipients and Their Role in Approved Injectable
Products:Current Usage and Future Directions、PDA J Pharm Sci and Tech、2011、65、287-332に記載される(これらはともに、その全体が参照によって本明細書中に組み込まれる)。抗微生物剤がまた、静菌性または静真菌性の溶液を達成するために含まれる場合があり、これには、硝酸フェニル水銀、チメロサール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、フェノール、クレゾールおよびクロロブタノールが含まれるが、これらに限定されない。
得られた組成物は所定の期間にわたって患者に注入される場合がある。様々な実施形態において、注入時間は、5分から持続的注入までの範囲、10分から8時間までの範囲、30分から4時間までの範囲、および、1時間から3時間までの範囲である。1つの実施形態において、薬物は3時間の期間にわたって注入される。注入は所望の服用間隔で繰り返される場合があり、この場合、服用間隔には、例えば、6時間、8時間、12時間または24時間が含まれる場合がある。
静脈内投与のための組成物は、好適な希釈剤(例えば、滅菌水、生理食塩水またはデキストロース水溶液など)により投与直前に再構成される1つまたは複数の固体物の形態で介護者に提供される場合がある。再構成された高濃度溶液はさらに、体積が約25ml~約1000mlである非経口用溶液に、または約30ml~約500mlである非経口用溶液に、または約50ml~約250mlである非経口用溶液に希釈される場合がある。他の実施形態において、組成物は、すぐに非経口投与できる溶液で提供される。さらに他の実施形態において、組成物は、投与前にさらに希釈される溶液で提供される。本明細書中に記載される化合物と、別の薬剤との組合せを投与することを含む実施形態では、当該組合せが混合物として介護者に提供される場合があり、または、介護者がこれら2つの薬剤を投与前に混合する場合があり、または、これら2つの薬剤が別々に投与される場合がある。
本明細書中に記載される活性な化合物の実際の用量は、その具体的な化合物および治療すべき状態に依存する;適切な用量の選択は十分に当業者の知識の範囲内である。
静脈内投与用のキット
いくつかの実施形態には、化合物Iと、カルバペネム系抗菌剤のメロペネムとを含むキットが含まれる。いくつかの実施形態において、キットは静脈内投与のために使用される。
1つの実施形態において、両方の成分が、ただ1つの無菌容器で供給される。再構成用の固体物の場合、これらの薬剤は事前に混合され、容器に同時に加えられる場合があり、または、2つの別個の工程で容器に乾燥粉末充填される場合がある。いくつかの実施形態において、固体物は無菌の結晶性生成物である。他の実施形態において、固体物は凍結乾燥物である。1つの実施形態において、両方の成分が一緒に凍結乾燥される。凍結乾燥を助けるための薬剤の限定されない例には、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウム、クエン酸、酒石酸、ゼラチンおよび炭水化物(例えば、デキストロース、マンニトールおよびデキストランなど)が含まれる。1つの実施形態には、容器への導入前または導入後のどちらかで放射線照射される非無菌の固体物が含まれる。
液体の場合、薬剤は、投与の用意ができた希釈剤に溶解または分散される場合がある。別の実施形態において、溶液または分散液は投与前にさらに希釈される場合がある。いくつかの実施形態には、前記液体をIVバッグで提供することが含まれる。液体は、安定性を改善するために凍結される場合がある。
1つの実施形態において、容器は、他の成分、例えば、pH調節剤、可溶化剤または分散化剤などを含む。pH調節剤の限定されない例には、NaOH、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、HClおよびクエン酸が含まれる。
代替となる実施形態において、上記2つの成分が別々の容器で提供される場合がある。それぞれの容器が、固体物、溶液または分散液を含む場合がある。そのような実施形態において、これら2つの容器がただ1つの包装物で提供される場合があり、または別々に提供される場合がある。1つの実施形態において、本明細書中に記載される化合物は溶液として提供され、一方で、さらなる薬剤(例えば、抗菌剤)が、再構成の用意ができた固体物として提供される。1つのそのような実施形態において、本明細書中に記載される化合物の溶液は、他方の薬剤を再構成するための希釈剤として使用される。
いくつかの実施形態において、キットは、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤または抗アレルギー剤から選択される1つまたは複数のさらなる医薬品を含む場合がある。さらなる医薬品は、上記で記載されるのと同じ方法で調製することができる。
下記の実施例は、実験および達成される結果を含めて、例示目的のためだけに提供され、本出願を限定するものとして解釈してはならない。
実施例1
実施例1では、ベータ-ラクタマーゼ阻害剤である化合物Iの安全性、忍容性および薬物動態の、健康な成人対象における臨床研究のまとめが提供される。
方法:56名の健康な対象が、単回漸増用量段階(250mg、500mg、750mg、1000mg、1250mg、1500mgおよび2000mg)における、それぞれが8名の対象からなる7つのコホートの1つに登録された。32名のさらなる対象がその後、多数回用量段階(250mg、1000mg、1500mgおよび2000mg、これが7日間にわたってq8hで与えられる)における4つのコホートの1つに登録された。それぞれのコホートの中では、対象を化合物I(n=6)または通常の生理食塩水プラセボ(n=2)にランダムに割り当てた。すべての注入を3時間にわたって施した。血漿および尿のサンプルを単回服用または複数回服用の後で得て、検証されたHPLC/MS法を使用して化合物Iの含有量についてアッセイした。
結果:表1には、異なる用量での化合物Iの平均薬物動態がまとめられる。単回IV注入後の時間の関数としての化合物Iの濃度プロファイルと、用量の関数としての化合物IのAUCプロファイルとが、図1および図2にそれぞれ例示される。
Figure 0007245289000007
化合物Iについての最大濃度が3時間注入の終了時に達成された。化合物Iの曝露(CmaxおよびAUC)が、単回服用および複数回服用の後、用量比例様式で増大した(図1および図2を参照のこと)。複数回服用による蓄積の証拠は何ら認められず、これは、観察された終末相半減期(terminal half-life)(2時間未満)と一致していた。分布容積および血漿クリアランスの両方が用量に依存していなかった。図1および図2の高い濃度が尿において測定された。尿中回収率が、すべての用量群にわたり48時間にわたって80%以上であった。
どの対象も有害事象(AE)のために研究を中断せず、また、重篤な有害事象(SAE)が何ら認められなかった。AEは、化合物I処置対象と、プラセボ処置対象との間で類似しており、AEの発生率または重篤度が用量の増大とともに増大する証拠は何ら認められず、すべてのAEが軽度または中程度であった。
結論:化合物Iは、試験されたすべての用量において安全であり、十分に許容された。AUCおよびCmaxが、用量とは無関係に比例して増大した。
実施例2
実施例2では、ベータ-ラクタマーゼ阻害剤である化合物Iの単独、メロペネムの単独、および、両者の組合せの安全性、忍容性および薬物動態の、健康な成人対象における臨床研究のまとめが提供される。
方法:80名の健康な対象が、単回漸増用量段階(1gまたは2gのメロペネムとの組合せでの250mg、1000mg、1500mgおよび2000mgの化合物I)における5つのコホートの1つに登録された。それぞれのコホートの中で、対象には、化合物Iまたはメロペネムのどちらかの単回用量を1日目に投与し、そして、化合物Iまたはメロペネムを3日目に投与した。両方の薬物の組合せを7日目に投与した。すべての薬物を3時間にわたって注入した。血漿および尿のサンプルを得て、検証されたHPLC/MS法を使用してアッセイした。健康な成人対象での3時間注入の後における化合物Iの単独およびメロペネムとの組合せでの薬物動態と、健康な成人対象での3時間注入の後におけるメロペネムの単独および化合物Iとの組合せでの薬物動態とが、図3および図4にそれぞれ例示される。
結果:単独、ならびに、化合物Iおよびメロペネムの組合せでのそれぞれの薬剤についての、非コンパートメンタル(non-compartmental)法を使用して導かれる薬物動態パラメーターが、下記において表2および表3に示される。表2には、健康な志願者に対して3時間注入として単独またはメロペネムとの組合せで投与される化合物Iの単回服用後における化合物Iの薬物動態パラメーターがまとめられる(データは平均±標準偏差である)。表3には、健康な志願者に対して3時間注入として単独または化合物Iとの組合せで投与されるメロペネムの単回服用後におけるメロペネムの薬物動態パラメーターがまとめられる(データは平均±標準偏差である)。
Figure 0007245289000008
Figure 0007245289000009
化合物Iおよびメロペネムの最大濃度が3時間注入の終了時に達成された。化合物Iおよびメロペネムの曝露(CmaxおよびAUC)が、用量とともに比例して増大した。単独または組合せでの単回服用の後における化合物IおよびメロペネムのPKパラメーターは、大きな変化をどちらかの薬物のPK特性において何ら示していない(表2および表3)。本研究において認められる単独および化合物Iとの組合せでのメロペネムのPKは、発表された文献と一致している。例えば、Lodise T.P.他、“Penetration of meropenem into epithelial lining
fluid of patients with ventilator-associated pneumonia”、Antimicrob Agents Chemother.、2011、55(4):1606-10、および、Kuti J.L.他、“Use of Monte Carlo simulation to design
an optimized pharmacodynamics dosing strategy for meropenem”、J Clin Pharmacol.、2003、43(10):1116-23を参照のこと。
表4には、化合物Iおよびメロペネムの組合せを受ける3名以上の対象において認められる処置中発生有害事象(AE)がまとめられる。どの対象も有害事象(AE)のために中断とならず、また、SAEが何ら認められなかった。AEの数または重篤度が単独または組合せでのどちらかの薬物の用量の増大とともに増大する証拠は何ら認められず、すべてのAEが重篤度において軽度または中等度であった。
Figure 0007245289000010
結論:単独および1gまたは2gのメロペネムとの組合せでの化合物Iは、試験されたすべての用量において安全であり、十分に忍容性があった。AUCおよびCmaxが用量とともに比例して増大した一方で、化合物Iおよびメロペネムの薬物動態パラメーターは類似している。メロペネムまたは化合物Iの、他方の薬剤のPKに対する影響は何ら認められなかった。
実施例3
実施例3では、7日間のTID(1日あたり3回)の後における、ベータ-ラクタマーゼ阻害剤である化合物Iの単独、メロペネムの単独、および、両者の組合せの安全性、忍容性および薬物動態の、健康な成人対象における臨床研究のまとめが提供される。
方法:80名の健康な対象が、単回漸増用量段階(1gまたは2gのメロペネムとの組合せでの250mg、1000mg、1500mgおよび2000mgの化合物I)における5つのコホートの1つに登録された。それぞれのコホートの中で、対象には、化合物Iまたはメロペネムのどちらかを1日目に投与し、その後、対象を3日目に化合物Iまたはメロペネムに入れ替え、その後、対象には、組合せでの化合物Iおよびメロペネムの両方を7日目に投与し、続いて、7日間のTID服用を施した。すべての注入を3時間にわたって施した。血漿および尿の集約的なPKサンプリングを服用後に得て、検証されたHPLC/MS法を使用してアッセイした。健康な対象での3時間注入による単回服用および7日間のTID服用の後における化合物Iの単独およびメロペネムとの組合せでの血漿中薬物動態と、健康な対象での3時間注入による単回服用および7日間のTID服用の後におけるメロペネムの単独および化合物Iとの組合せでの血漿中薬物動態とが、図5および図6にそれぞれ例示される。
結果:化合物I/メロペネムの1g/1gコホートおよび2g/2gコホートにおける単独および組合せでのそれぞれの薬剤についての、非コンパートメンタル法を使用して導かれる薬物動態パラメーターが、下記の表5および表6に示される。表5には、健康な対象に対して3時間注入としてメロペネムとの組合せで投与される化合物Iの単独での単回服用の後(単回)、および、1日だけのTID服用の後(最初)、その後での7日間のTID服用の後(最後)における化合物Iの薬物動態パラメーター(平均±標準偏差)がまとめられる。表6には、健康な対象に対して3時間注入として化合物Iとの組合せで投与されるメロペネムの単独での単回服用の後(単回)、および、1日だけのTID服用の後
(最初)、その後での7日間のTID服用の後(最後)におけるメロペネムの薬物動態パラメーター(平均±標準偏差)がまとめられる。
Figure 0007245289000011
Figure 0007245289000012
化合物Iおよびメロペネムの最大濃度が3時間注入の終了時に達成された。化合物Iおよびメロペネムの曝露(CmaxおよびAUC)が、用量とともに比例して増大した。単独または組合せでの化合物IおよびメロペネムのPKパラメーターは、大きな変化をどちらかの薬物のPK特性において何ら示していない(表5および表6を参照のこと)。化合物Iまたはメロペネムのどちらかの蓄積が7日間のTID服用の後において何ら認められなかった。本研究において認められる単独および化合物Iとの組合せでのメロペネムのPKは、発表された文献と一致している。
表7には、少なくとも1つの処置中発生AEを有する対象の数(%)と、多数回用量段階の期間中における有害事象の数がまとめられる。メロペネムの1g/化合物Iの2gを受けた1名の対象が血栓性静脈炎のAEのために早期の中断となった。2を除いて、すべてのAEが重篤度において軽度または中程度であった。軽度の悪心が、単独または組合せでのどちらでもメロペネムの2gを受けた対象においてだけ認められた。化合物Iの添加がメロペネムのAEプロファイルを変化させたという証拠は何ら認められない。
Figure 0007245289000013
結論:化合物Iは単独および1gまたは2gのメロペネムとの組合せで、試験されたすべての用量において安全であり、十分に忍容性があり、メロペネムの安全性プロファイルが化合物Iの添加によって変化したという証拠は何ら認められなかった。化合物Iまたはメロペネムのどちらかの蓄積は7日間のTID服用の後において何ら認められなかった。化合物Iの薬物動態に対するメロペネムの影響、または、逆に、メロペネムの薬物動態に対する化合物Iの影響は何ら認められなかった。
実施例4
実施例4では、1時間注入または3時間注入による健康な成人対象における化合物I(2g)およびメロペネム(2g)の組合せの薬物動態の予備的研究のまとめが提供される。
結果:健康な対象における3時間注入または1時間注入の後における化合物I(単独および2gのメロペネムとの組合せでの2gの化合物I)の薬物動態が、図7および図8にそれぞれ例示される。健康な対象における2gのメロペネムとの組合せでの2gの化合物Iの1時間注入または3時間注入の後における化合物Iの平均薬物動態が図9にまとめられる。化合物Iに関して、化合物Iの薬物動態に対するメロペネムの影響はどちらの注入速度を用いても何ら認められなかった。加えて、化合物Iの曝露に対する注入速度の有意な影響は何ら認められない(p=0.18)。
健康な対象における3時間注入または1時間注入の後におけるメロペネム(単独および2gの化合物Iとの組合せでの2gのメロペネム)の薬物動態が、図10および図11にそれぞれ例示される。健康な対象における2gの化合物Iとの組合せでの2gのメロペネムの1時間注入または3時間注入の後におけるメロペネムの平均薬物動態が図12にまとめられる。単独および2gの化合物Iとの組合せでの2gの1時間注入の後におけるメロペネム開環ラクタムの薬物動態と、2gの化合物Iとの組合せでの2gのメロペネムの1時間注入または3時間注入の後におけるメロペネム開環ラクタムの平均薬物動態とが、図13および図14に例示される。
メロペネムについて、メロペネムの薬物動態に対する化合物Iの影響は、どちらの注入速度を用いても何ら認められなかった。2gのメロペネムの3時間注入の後におけるメロペネム曝露(AUC)が、発表された文献と一致している。3時間注入と比較して、1時間注入によるメロペネム曝露(AUC)における増大が認められた。2gのメロペネムの1時間注入の後におけるメロペネム曝露(AUC)が、2gのメロペネムの3時間注入の後で認められるメロペネム曝露(AUC)よりも約48%大きい(211mgh/L対142mgh/L)。2gのメロペネムの1時間注入の後におけるメロペネムの体重調節クリアランス(CI)が、3時間注入の後で認められるメロペネムの体重調節クリアランス(CI)よりも約25%遅い(0.14l/h/kg対0.19l/h/kg;p=0.015)。メロペネムの体重調節クリアランスにおいて認められる違いについての考えられる理由は、大きいCmaxまたはより長い注入に起因する2gの用量での飽和し得る腎クリアランスが「用量」を分解のために低下させるためであるかもしれない(β-ラクタム環が開環することにより、メロペネム開環ラクタムの形成が生じる)。
実施例5
実施例5では、標準的な血液透析を伴う患者を含めて、低下した腎機能を有する対象における化合物Iおよびメロペネムの組合せの安全性および薬物動態の非盲検研究のまとめが提供される。
3時間にわたって注入された1gのメロペネムおよび1gの化合物Iの単回IV用量の安全性および薬物動態を評価した。41名の対象が、腎機能不全のその程度に基づいて5つの群に登録された。5つのコホートには、以下の患者が含まれた:正常な腎機能(CrClが90ml/分以上)を有する患者、軽度の腎機能障害(CrClが60ml/分~89ml/分)を有する患者、中度の腎機能障害(CrClが30ml/分~60ml/分未満)を有する患者、重度の腎機能障害(CrClが30ml/分未満)を有する患者、および、血液透析を必要とする末期腎疾患の患者。(持続的静脈-静脈血液ろ過、持続的静脈-静脈血液透析および持続的腎代替療法を含む)標準的な血液透析とは異なる腎代替療法を受けている患者は調べられなかった。
図15には、推定GFRと、メロペネムまたは化合物Iの血漿クリアランスとの関係が示される。両方の薬物の血漿クリアランスが、腎機能の低下に伴う値のクラスター形成およびクリアランスにおける直線的低下によって証明されるように、腎機能範囲全体にわたって類似したままであった。
血液透析期間中におけるメロペネムおよび化合物Iの除去を、長期血液透析を受けている9名の重度腎機能不全の患者において調べた。患者はメロペネムの1g/化合物Iの1gの単回用量を受け、その後、血液透析が実施された。メロペネムおよび化合物Iはともに、血液透析によって血漿から除かれた。これらのデータは、(根底にある内因性腎機能の程度について調節される)それぞれの薬物の維持量が透析後に投与されなければならないことを示している。
腎機能障害の患者における化合物I/メロペネムの組合せの投薬量の決定
腎機能障害の程度に応じた投薬量調節を、それぞれの対象の薬物動態の推定値を分析し、曝露をメロペネムまたは化合物Iの可能な投薬計画に従って決定することによって決定した。この目的は、(AUCとしての)曝露を、腎機能の幅広い範囲の全体にわたって可能な限り一致しているように腎機能範囲の全体にわたって維持することであった。AUCが化合物Iについての効力に関連づけられることを示す非臨床モデルにおけるPK-PD分析を考慮すると、AUCが、この薬剤についての効力を適切に制御するものであった。T>MICであることがメロペネムの重要なPK-PD指標であるので、種々の服用間隔を、T>MIC分岐点が効力のための閾値を超えていたこと(T>MIC>40%)を保証するために評価した。この分析の目的のために、2グラムの用量および3時間の注入に基づいたメロペネムについての予測された感受性分岐点が8μg/mlであった。遊離薬物をメロペネムおよび化合物Iの両方について考慮した(6%および33%の血漿タンパク質結合、それぞれ)。
メロペネム
表Aは、ぞれぞれの患者で測定されるメロペネムのAUCと、それぞれの患者における3つの可能性のある投薬計画のためのPK-PD指標とを、それぞれの対象における測定されたメロペネムのPKに応じて示す。メロペネムの投薬計画を、目標曝露(少なくとも40%のMICを超えるT)をすべての被験体において満たすであろう、または達成するであろう腎機能階層のそれぞれについて特定した(影付きセルを参照のこと)。
表Aには、個々の対象による異なるメロペネム服用計画の分析がまとめられる。メロペネムについてのPK-PD目標が、MICが8μg/mLである投薬間隔の少なくとも40%のMICをTが超えていることである。異なるクレアチニンクリアランス群における網掛けは、推奨されるメロペネム服用計画を表す。
Figure 0007245289000014
化合物I
表Bは、それぞれの患者で測定される化合物IのAUCと、3つの可能性のある投薬計画のための24時間AUCと、それぞれの対象における測定された化合物Iのクリアランスに応じて示す。AUCは目標PK測定基準であり、かつ、化合物Iのクリアランスはメロペネムのクリアランスに近いままであったので、単位用量および24時間用量は腎機能範囲全体にわたって1:1の比率のままであった。
クレアチニンクリアランスが10ml/分未満である対象のための検討
図15に示されるように、クレアチニンクリアランスが10ml/分未満になると、メロペネムの非腎臓クリアランスが総クリアランスのより大きい割合を担っている。対照的に、化合物Iには、測定可能な非腎臓クリアランスがない。したがって、1:1の用量比を維持して、それぞれの成分の治療的曝露を提供するために、かつ、化合物Iの蓄積を避けるために、クレアチニンクリアランスが10ml/分未満である患者は、血液透析を約3日毎に(すなわち、週に2回)受けなければならない。
表Bには、研究に登録された個々の対象による異なる化合物I服用計画の分析のまとめが提供される。異なるクレアチニンクリアランス群における網掛けは、推奨されるメロペネム服用計画を表す。
Figure 0007245289000015
上記分析に基づいて、表Cにおける化合物I/メロペネム組合せ投薬計画を、腎機能が損なわれた対象のために使用することができる。
Figure 0007245289000016
両方の薬物が、腎機能が低下するにつれ同様に影響を受けるので、腎機能についての用量調節はメロペネムまたは化合物Iのどちらにも基づくことができると結論される。クレアチニンクリアランスが50ml/分以上である対象については、用量調節の必要性はない。TID(8時間毎)による2gの化合物I/2gのメロペネムの標準的な投薬量を使用することができる。クレアチニンクリアランスが30ml/分以上で、50ml/分未満である対象については、TID(8時間毎)による1gの化合物I/1gのメロペネムの削減された投薬量を使用することができ、このメロペネム削減投薬量により、所望の効果を依然として達成することができる。クレアチニンクリアランスが20ml/分以上で、30ml/分未満である対象については、12時間毎に投与される1gの化合物I/1gのメロペネムの削減された投薬量を使用することができる。クレアチニンクリアランスが10ml/分以上で、20ml/分未満である対象については、12時間毎に投与される500mgの化合物I/500mgのメロペネムの削減された投薬量を使用することができる。クレアチニンクリアランスが10ml/分未満である対象については、24時間毎に投与される500mgの化合物I/500mgのメロペネムの削減された投薬量を使用することができる。
実施例6
実施例6では、2gの化合物I/2gのメロペネムの組合せ(「組合せ」)の血漿中の濃度、上皮内層液(ELF)での濃度および肺胞マクロファージ(AM)での濃度を健康な成人対象において評価する無作為化非盲検臨床研究のまとめが提供される。
下気道感染症について、上皮内層液(ELF)および肺胞マクロファージ(AM)が、ありふれた細胞外病原体および細胞内病原体のための重要な感染部位としてそれぞれ主張されている。気管支鏡検査および気管支肺胞洗浄(BAL)ではELFおよびAMの中への抗生物質の肺内浸透を確実に評価することができるので、気管支鏡検査および気管支肺胞洗浄(BAL)による研究が必要である。この薬物動態研究の主たる目的が、健康な男性および女性の成人対象において多数回の静脈内服用の後で投与される化合物Iおよびメロペネム(3回の服用についてq8hで投与される2gのメロペネム/2gの化合物I)の血漿濃度、ELF濃度およびAM濃度を求め、比較することである。この研究の二次的な目的の1つが、この組合せの静脈内投与の安全性および忍容性を健康な成人対象において評価することであった。
薬物動態分析のための方法
研究設計および対象。研究参加基準を満たし、薬物動態研究のすべての段階を完了した合計で25名(n=25)の男性対象および女性対象がこの薬物動態分析に含まれた。それぞれの対象が、研究現場での直接の観察のもと、合計で3回の服用について8時間毎に投与される組合せ(2gのメロペネム/2gの化合物I)を受けた。血液サンプルを、血漿中の薬物濃度を測定するために、3回目の組合せ用量の3時間静脈内注入の開始前(時間0)ならびに開始後の1.5時間、2.95時間、3.083時間、3.25時間、3.5時間、4時間、6時間および8時間において集めた。それぞれの対象が、下記の表に示されるような、組合せの最後の服用の後における一定の時間間隔で予定されるBALを伴う1回だけの標準化された気管支鏡検査を受けた。
Figure 0007245289000017
尿素が、ELFの見かけの体積を推定するための内因性マーカーとして一般に使用されている。血漿中の尿素濃度を求めるための血液サンプルを、予定された気管支鏡検査の直前に得た。BALのアリコートを、BALにおける尿素濃度を求めるために、また、血球分画算定を行うために得た。肺内サンプルを採取するための、BALを伴う標準化された気管支鏡検査手順はこれまでに、下記に列挙される参考文献に記載されている。
薬物および尿素のアッセイ。血漿、ELFおよびAMにおけるメロペネム濃度、化合物I濃度およびメロペネム開環ラクタム濃度のためのサンプル調製手順およびアッセイを、MicroConstants,Inc.(San Diego、CA)において、質量分析検出を備えた高速液体クロマトグラフィーにより行った(レポートMC14B-0013、MC14B-0015、MC14I-011およびMC14I-0012)。血漿およびBALにおける尿素濃度を、MicroConstants,Inc.(San Diego、CA)において、O-フタルアルデヒド発色液を用いたマイクロプレート型方法により行った。
血漿濃度の薬物動態計算。非コンパートメンタル法を使用して、血漿におけるメロペネム、化合物Iおよびメロペネム開環ラクタムについての薬物動態パラメーターを得た。ピーク血漿濃度(Cmax)およびCmaxまでの時間(Tmax)を3回目の組合せ用量の静脈内注入の開始後における観測された血漿濃度-時間プロファイルから読み取った。3回目の服用の後における8時間にわたる血漿濃度-時間曲線の下側の面積(AUC0-8)を、線形対数台形公式(WinNonlin(登録商標)、バージョン6.3、Pharsight Corporation、Cary、North Carolina)を用いて計算した。排出速度定数(β)を非線形最小二乗回帰によって求めた。排出半減期(t1/2)を、βを2の自然対数に分割することによって計算した。メロペネムおよび化合物Iについて、見掛けのクリアランス(CL)および分布容積(Vss)の項を、WinNonlin(登録商標)プログラムに埋め込まれた標準的な非コンパートメンタル式により計算した。
ELF体積ならびにELFおよびAMにおける抗生物質濃度の計算。ELF体積ならびにELFおよびAMにおける薬物濃度の計算を、2回目、3回目および4回目の滴下から回収される吸引物(BAL2)から得られるBAL上清および肺(肺胞)の細胞(「細胞ペレット」)を用いて行った。上皮内層液(ELF)における薬物の濃度(ABXELF)を下記のように求めた:ABXELF=ABXBAL×(VBAL/VELF)式中、ABXBALは、BAL液におけるメロペネム、化合物Iまたはメロペネム開環ラクタムの測定された濃度であり、VBALは吸引BAL液の体積であり、VELFは、BALによってサンプリングされたELFの体積である。VELFが下記の式から得られる:VELF=VBAL×尿素BAL/尿素式中、尿素BALはBAL液における尿素の濃度であり、尿素は血漿における尿素の濃度である。
肺胞細胞(AC)における薬物の濃度(ABXAM)を下記のように求めた:ABXAM=ABX/VAC式中、ABXは、1mlの細胞懸濁物におけるメロペネム、化合物Iまたはメロペネム開環ラクタムの測定された濃度であり、VACは、1mlの細胞懸濁物における肺胞細胞の体積である。血球分画算定を、存在するマクロファージの数を求めるために行った。2.42μl/106細胞の平均マクロファージ細胞体積を、ペレット懸濁物における肺胞細胞の体積のための計算において使用した。
同時血漿濃度に対するELFおよびAMの濃度比をそれぞれの対象について計算し、それぞれのサンプリング時間においてそれぞれの群についてまとめた。気管支肺サンプリング時間(例えば、1.5時間、3.25時間、4時間、6時間および8時間)から得られるメロペネムおよび化合物Iの平均濃度およびメジアン濃度を使用して、血漿、ELFおよびAMのAUC0-8を推定した。8時間のサンプリング時間はまた、血漿、ELFおよびAMの面積項を求めるための時間ゼロにおける値として使用した。それぞれの行列のためのAUC0-8を線形台形法により求めた。ELF対血漿およびAM対血漿のAUC0-8の比を計算した。
結果
26名の健康な成人対象がこの研究に登録された。1名の対象が有害事象のために研究からの中断となり、薬物動態段階(例えば、血漿における薬物濃度を測定するための血液サンプル採取、および、予定されたサンプリング時間[4時間]でのBALを伴う気管支鏡検査)が行われなかった。組合せを3回の服用にわたって受け、薬物動態研究の全段階を完了する25名の研究対象の特徴が表8に報告される。
3回目の組合せ用量の静脈内注入の開始前および開始後におけるメロペネムの平均(±SD)血漿濃度が図16に示される。血漿中のメロペネム濃度についての平均(±SD)CmaxおよびAUC0-8がそれぞれ、58.2±10.8μg/mLおよび185.5±33.6μg・h/mLであった。血漿におけるメロペネムの平均(±SD)薬物動態パラメーターが表9にまとめられる。3回目の組合せ用量の静脈内注入の開始前および開始後における化合物Iの平均(±SD)血漿濃度が図17に示される。血漿中の化合物I濃度についての平均(±SD)CmaxおよびAUC0-8がそれぞれ、59.0±8.4μg/mLおよび204.2±34.6μg・h/mLであった。血漿における化合物Iの平均(±SD)薬物動態パラメーターが表10にまとめられる。
気管支肺サンプリング時間での血漿およびELFにおけるメロペネムの平均(±SD)濃度が図18に例示される。血漿およびELFにおけるメロペネムの平均濃度がそれぞれ、1.36μg/mL~41.2μg/mLおよび2.51μg/mL~28.3μg/mLの範囲であった。5つの気管支肺サンプリング時間での血漿、ELFおよびAMにおける最後の服用の後におけるメロペネムの平均(±SD)濃度が表11に報告される。肺胞細胞におけるメロペネムの濃度がすべてのサンプルについて定量可能限界未満であった。
気管支肺サンプリング時間での血漿、ELFおよびAMにおける化合物Iの平均(±SD)濃度が図19に例示される。血漿およびELFにおける化合物Iの平均濃度がそれぞれ、2.74μg/mL~51.1μg/mLおよび2.61μg/mL~26.1μg/mLの範囲であった。図20および図21は、血漿およびELFにおけるメロペネムおよび化合物Iについての濃度の類似する大きさおよび経時的経過を例示する。5つの気管支肺サンプリング時間での血漿、ELFおよびAMにおける最後の服用の後における化合物Iの平均(±SD)濃度が表12に報告される。化合物Iの肺胞マクロファージ濃度がすべてのサンプルについて測定可能であり、1.26μg/mL~93.9μg/mLの範囲であった。
メロペネムについてのELF濃度対同時血漿濃度の平均(±SD)比率が表13に報告される。薬物投与後8時間の期間の期間中におけるメロペネムについてのELF濃度対同時血漿濃度の平均比率が0.525~2.13の範囲であった。平均ELF濃度およびメジアンELF濃度に基づくAUC0-8値がそれぞれ、111.7μg・h/mLおよび102.4μg・h/mLであった。平均AUC0-8値およびメジアンAUC0-8値に基づくELFメロペネム濃度対総血漿メロペネム濃度の比率がそれぞれ、0.63および0.58であった。平均AUC0-8値およびメジアンAUC0-8値に基づくELFメロペネム濃度対非結合型血漿メロペネム濃度(タンパク質結合=2%)の比がそれぞれ、0.65および0.59であった。
化合物IについてのELF濃度およびAM濃度の同時血漿濃度に対する平均(±SD)比率が表14に報告される。薬物投与後8時間の期間中における化合物IについてのELF濃度およびAM濃度の同時血漿濃度に対する平均比率がそれぞれ、0.45~1.01および0.062~2.58の範囲であった。平均ELF濃度およびメジアンELF濃度に基づくAUC0-8値がそれぞれ、105.1μg・hr/mLおよび96.7μg・hr/mLであった。平均AUC0-8値およびメジアンAUC0-8値に基づくELF化合物I濃度対総血漿化合物I濃度の比率がそれぞれ、0.53および0.48であった。平均AUC0-8値およびメジアンAUC0-8値に基づくELF化合物I濃度対非結合型血漿化合物I濃度(タンパク質結合=33%)の比率がそれぞれ、0.79および0.72であった。
まとめ
8時間毎に3時間IV注入として投与される組合せ(2gのメロペネム/2gの化合物I)により、血漿およびELFにおけるメロペネム濃度および化合物I濃度の類似する時間的経過および大きさが達成された。ELF濃度および総血漿濃度のAUC0-8値に基づくメロペネムおよび化合物Iの肺内浸透がそれぞれ、およそ63%および53%であった。非結合型の血漿濃度を考慮したとき、浸透がメロペネムおよび化合物Iについてそれぞれ、65%および79%であった。本研究から得られる結果は、メロペネムの2g/化合物Iの2gの組合せを、感受性病原体によって引き起こされる下気道の細菌感染症を処置するための潜在的な抗菌剤として詳しく調べることを支持している。
肺胞細胞におけるメロペネムの濃度がすべてのサンプルについて定量可能限界未満であった。対照的に、化合物Iの濃度がすべての肺胞細胞サンプルについて測定可能であり、AM濃度が1.26μg/mL~93.9μg/mLの範囲であった。6時間のサンプリング時間の2名の対象がAMにおける化合物Iの最も高い報告された濃度(35.4μg/mLおよび93.9μg/mL)を有し、これにより、結果的にはAM濃度対血漿濃度の平均比率が増大したこと(2.58±3.57、表14)に注目することは価値がある。これらの対象の両方が、AM濃度のそのような高い測定値に寄与していたかもしれないそのBAL液における赤血球のきわめて高い濃度(176,000細胞/mmおよび226,250細胞/mm)を有した。
メロペネム開環ラクタム対メロペネムの全身曝露の比率が、最大血漿濃度およびAUC0-8の値に基づいてそれぞれ、およそ11%および15%であった。メロペネム開環ラクタムの平均ELF濃度がメロペネム投与後の最初の6時間の期間中においてほんの1.81μg/mLから2.69μg/mLまでの範囲であり、メロペネム開環ラクタムのすべてのELF濃度が8時間のサンプリング時間において定量可能限界未満であった。メロペネム開環ラクタムの3つだけのAM濃度が測定可能であり、1.91μg/mLから8.46μg/mLまでの範囲であった。
Conte他は、メロペネムを合計で4回の服用について、30分IV注入として、8時間毎に500mg、1gまたは2gの用量で投与した。1時間、2時間、3時間、5時間および8時間における平均メロペネムELF濃度が、500mgの用量については5.3μg/mL、2.7μg/mL、1.9μg/mL、0.7μg/mLおよび0.2μg/mLであり、1グラムの用量については7.7μg/mL、4.0μg/mL、1.7μg/mL、0.8μg/mLおよび0.03μg/mLであった。これらのサンプリング時間におけるELF濃度対総血漿濃度の比率が、500mgの用量については0.49から2.3までの範囲であり、1グラムの用量については0.32から0.53までの範囲であった。ELF濃度および総血漿濃度のAUC0-8値に基づくメロペネムの肺内浸透が、500mgおよび1gの用量についてそれぞれ、およそ43%および28%であった。2グラムの用量については、1時間および3時間のサンプリング時間における平均メロペネムELF濃度および浸透比率がそれぞれ、2.9μg/mLおよび2.8μg/mLであり、0.05および0.22であった。2グラムの用量については、観測の数が限られ(n=8)、ELFについてのAUC0-8値の計算ができなかった。
本研究におけるメロペネムの所見は、研究設計における相違のために、Conte他の所見と直接には比較できない。本研究では、3時間の長期注入として、また、化合物Iとの組合せで投与される2g用量のメロペネムが評価された。加えて、本研究では、AUC0-8値の正確な推定を可能にした8時間の服用間隔の期間中におけるELF濃度のより広範な収集(n=30)が含まれた。長期注入による2グラム投与の後での血漿およびELFにおけるメロペネムのより大きい平均濃度(範囲:1.36μg/mL~41.2μg/mLおよび2.51μg/mL~28.3μg/mL、それぞれ)が認められた。カルバペネム系薬剤のより多くの長期注入が、ビアペネムについて以前に報告されているように(Kikuchi他)、ELF内へのより大きい浸透をもたらし得ることもまた可能である。8時間の期間中におけるメロペネムについてのELF濃度対同時血漿濃度の平均比率が0.525から2.13までの範囲であった。平均ELF濃度およびメジアンELF濃度に基づくAUC0-8値がそれぞれ、111.7μg・h/mLおよび102.4μg・h/mLであった。平均AUC0-8値およびメジアンAUC0-8値に基づくELFメロペネム濃度対総血漿メロペネム濃度の比率がそれぞれ、0.63および0.58であった。これらのデータはさらに、肺感染症を治療するための化合物I/メロペネム組合せのさらなる研究を裏付けている。
Figure 0007245289000018
Figure 0007245289000019
Figure 0007245289000020
Figure 0007245289000021
Figure 0007245289000022
Figure 0007245289000023
Figure 0007245289000024
実施例7
実施例7では、8時間毎に3時間注入によって与えられる2つの異なる服用計画における化合物Iおよびメロペネムの組合せ(2gのメロペネム/2gの化合物I、および、1gのメロペネム/1gの化合物I)の薬物動態プロファイルの中空繊維モデル研究のまとめが提供される。本組合せは、KPC産生で、カルバペネム耐性である腸内細菌科の肺炎桿菌、そして緑膿菌を含めて、グラム陰性病原体に対して非常に活性である。本研究の目的は、緑膿菌の臨床単離体に対する化合物Iとの組合せでのメロペネムの効力を、インビトロ中空繊維モデルにおける模擬されたヒト曝露を使用して明らかにすることであった。この薬物動態模擬実験は、実施例2に開示される臨床研究からのデータに基づいた。
方法:3つの緑膿菌株を試験した。最小発育阻止濃度(MIC)を、CLSI参照方法に合わせて使用する微量液体希釈アッセイによって求めた。最小発育阻止濃度が表Dに示される。
Figure 0007245289000025
インビトロPK-PDモデル:6つの中程度の大きさの中空繊維カートリッジ(FiberCell Systems)を実験あたり使用した。二連で調べられる3つの菌株をそれぞれの実験のために使用した。対数期の細胞を接種し、処置開始前に2時間インキュベーションして、約10CFU/mLを達成した。目標PKパラメーターが表Eおよび表Fに列挙される。曝露は、実施例2に開示される発表された文献に基づいた。サンプルを、薬物濃度を32時間の期間にわたって求めるために中央区画から集め、LC-MS/MS法を使用して分析した。
Figure 0007245289000026
Figure 0007245289000027
腸内細菌科の肺炎桿菌カルバペネマーゼ(KPC)産生菌株(メロペネム単独のMICが8μg/mlから512μg/mlまでの範囲にあり、メロペネム/化合物Iの場合(この場合、化合物Iが8μg/mlの固定された濃度で、メロペネムと一緒に投与され、メロペネムのMICが0.06μg/ml以下から8μg/mlまでの範囲にある))、同様にまた、メロペネムおよびメロペネム/化合物IのMICが2μg/ml~8μg/mlである緑膿菌株を使用した。
結果:
1gのメロペネムと1gの化合物Iとの組合せの服用計画からの曝露には、肺炎桿菌のKPC産生菌株の32時間での効果的な死滅と、再成長が生じないこととが、メロペネム単独の場合(MICが8μg/mlから64μg/mlまでの範囲にあった)、および、メロペネムと化合物Iとの組合せの場合(この場合、化合物Iが4μg/mlの固定された濃度で、メロペネムと一緒に投与され、メロペネムのMICが0.06μg/ml以下から2μg/mlまでの範囲にある)に伴っていた(図22および図23を参照のこと)。32時間で生存していたKP1061株、KP1087株、KP1004株およびKP1074株のいくつかのクローンを、メロペネムおよびメロペネム/化合物Iの組合せに対する感受性について試験し、これらは、事前に曝露された菌株と識別できないことが見出された。
一方で、それほどではない死滅が、KP1099株について、メロペネム単独(MICが128μg/mlである)により、また、メロペネムと化合物Iとの組合せにより認められた(化合物Iが4μg/mlの固定された濃度で投与されたとき、メロペネムのMICが4μg/mlに低下した)。図23を参照のこと。再成長が処置開始から16時間後に認められた。1gのメロペネム/1gの化合物Iの3回の用量に対する曝露に耐えたKP1099のコロニーをいくつか調べたとき、メロペネム/化合物Iに対するそれらの感受性が1/16~1/32に低下した。このことは、不十分な曝露の条件のもとでは耐性が選択されることを示している。
重要なことに、2gのメロペネム/2gの化合物Iの服用計画からの曝露には、効率的な死滅と、再成長/耐性発達が生じないこととが、様々な菌株をメロペネム単独およびメロペネム/化合物Iとともに使用した場合には伴っていた。KP1094株については、メロペネム単独についてのMICが512μg/mlもの大きさであった。しかしながら、化合物Iが8μg/mlの固定された濃度で、メロペネムと一緒に投与されたとき、メロペネムの観測されたMICが8μg/mlに低下した(図24を参照のこと)。
1gのメロペネム/1gの化合物Iの服用計画からの曝露では、効果的な死滅と、再成長がないこととが、緑膿菌の菌株PAM3210についてはメロペネムおよびメロペネム/化合物Iによる耐性発達のために32時間で生じた(化合物Iが4μg/mlまたは8μg/mlの固定された濃度で投与されたとき、メロペネムのMICは2μg/mlのままである)。しかしながら、再成長および耐性発達がPAM3353株およびPAM3377株では生じ、MICがメロペネムについて8μg/mlであった(図25を参照のこと)。
インビトロ中空繊維モデルにおける緑膿菌に対する化合物Iの2g/メロペネムの2gの組合せと比較されるメロペネムの模擬されたヒト曝露の効力について、このモデルはメロペネムおよび化合物Iの両方のヒト曝露を効果的に模擬することが認められた。(図26を参照のこと)。このモデルにおけるメロペネムの抗菌活性が図27に示される。3時間注入によるq8hでのメロペネムの2gは、4logを超える細菌死滅を、MICが2mg/Lである菌株に対してもたらし、また、ほぼ4logの死滅を、MICが4mg/L~8mg/Lである菌株に対してもたらした。耐性が、MICが8mg/Lである菌株において発達した。このモデルにおける2gのメロペネム/2gの化合物Iの組合せの抗菌活性が図28に示される。この組合せは、4logを超える細菌死滅を、試験されたすべての菌株に対してもたらし、再成長または耐性発達が32時間の試験期間にわたって全く生じなかった。2gのメロペネム/2gの化合物Iの服用計画は、3つすべての菌株に対して有効であった。耐性変異体が、生存する細菌の中に全く確認されなかった(図28を参照のこと)。これらの結果が下記の表Gにまとめられる。
Figure 0007245289000028
まとめると、感染症のインビトロモデルにおけるPK/PD研究により、メロペネム/化合物Iの2g/2gの組合せからのヒト曝露には、標的病原体の広範な死滅と、耐性の阻止とが、固定された8μg/mlでの化合物Iを用いて、メロペネムのMICが8μg/ml以下である場合の菌株については伴うことが明らかにされる。加えて、2g/2gの用量組合せは、耐性発生が伴う曝露を低下させた。
加えて、8時間毎に3時間注入によって投与される化合物Iの2g/メロペネムの2gの組合せは、MICが8mg/Lもの大きさである緑膿菌に対してこのインビトロモデルにおいて非常に有効であり、再成長および耐性発生が32時間の研究の過程にわたっていずれも認められなかった。3時間注入によりq8hでのメロペネムの2gは3つの菌株のうちの2つに対して効果的であり、しかし、耐性が、8mg/LのMICを有する第3の菌株において発生した。

Claims (9)

  1. 細菌感染症を処置または改善するための組み合わせ医薬であって、
    クレアチニンクリアランスが10ml/分未満である、低下した腎機能を患っている、細菌感染症の処置を必要としている対象を処置するためのものであり、
    効果的な量の化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩およびメロペネムを透析後に投与し、インビボにおける化合物I 24hAUCとして、約28mg*h/Lから約470mg*h/Lを達成する為のものであり、
    化合物Iまたはその医薬的に許容され得る塩及びメロペネムをそれぞれ該対象に24時間毎に500mgずつ投与する為のものであり、
    ここで、化合物Iは下記構造を有する:
    Figure 0007245289000029
    (化合物I)
    組み合わせ医薬。
  2. 前記投与が、3時間にわたる注入によってなされる、請求項1に記載の組み合わせ医薬。
  3. 前記投与が静脈内注入による、請求項1又は2のいずれか項に記載の組み合わせ医薬。
  4. 前記細菌感染症が、下気道感染症である、請求項1~のいずれか項に記載の組み合わせ医薬。
  5. 前記細菌感染が、腸内細菌科の細菌によって引き起こされる、請求項に記載の組み合わせ医薬。
  6. さらに、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、または抗アレルギー剤から選択される追加の医薬を投与する、請求項1又は2のいずれか1項に記載の組み合わせ医薬。
  7. 前記化合物Iまたはその薬学的に許容される塩が、メロペネムより前又は後に投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の組み合わせ医薬。
  8. 前記化合物Iまたはその薬学的に許容される塩及びメロペネムが単一の剤形である、請求項1~のいずれか1項に記載の組み合わせ医薬。
  9. 前記単一の剤形が、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体をさらに含む、請求項に記載の組み合わせ医薬。
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