JP7244638B2 - デバイスの校正及び方法 - Google Patents

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Description

本発明はデバイスの校正及び方法に関する。
eシガレットなどの電子蒸気供給システム(EVPS:electronic vapour provision system)及び他のエアロゾル送出システムは、揮発材料を気化させるのに十分な電源と、コントロール回路と、加熱要素と、典型的には液体ペイロードとを備える複雑なデバイスである。いくつかのEVPSはまた、通信システム及び/又は計算能力を備える。
使用時、デバイスは、典型的には、揮発材料を気化させるのに十分な温度にペイロードの一部分を加熱することによって、吸引のためにユーザに揮発材料を含む蒸気を送出するように意図される。
しかしながら、ユーザによっては、個人の感性によって、又は普通でない吸引パターンによって、生じる蒸気が熱すぎることがある。
本発明は、この問題を緩和又は軽減することを目的とする。
第1の態様では、電子蒸気供給システム用の温度調整システムが請求項1にしたがって提供される。
別の態様では、電子蒸気供給システム用の温度を調整する方法が請求項15にしたがって提供される。
本発明のそれぞれのさらなる態様及び特徴は、添付の特許請求の範囲に規定される。
次に、添付の図を参照して例によって本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態によるeシガレットの概略図である。 本発明の実施形態によるeシガレットのコントロールユニットの概略図である。 本発明の実施形態によるeシガレットのプロセッサの概略図である。 本発明の実施形態による、移動体端末と通信しているeシガレットの概略図である。 eシガレットのカトマイザーの概略図である。 eシガレットの気化器又はヒーターの概略図である。 本発明の実施形態による移動体端末の概略図である。 本発明の実施形態による、電子蒸気供給システム用の温度を調整する方法のフロー図である。
デバイスの校正及び方法が開示される。以下の説明では、いくつかの特定の詳細が、本発明の実施形態を十分に理解できるようにするために提示される。しかし、本発明を実施するためにこれらの特定の詳細を用いる必要がないことは当業者には明らかであろう。逆に言えば、当業者にとって既知の特定の詳細は、説明を明確にするために必要に応じて省略される。
背景の説明として、eシガレットなどの電子蒸気供給システム及び他のエアロゾル送出システムは一般に、気化される液体、典型的にはニコチン(これは「eリキッド」と呼ばれることもある)のリザーバを含む。ユーザがデバイスで吸引すると、電気(例えば抵抗)ヒーターが作動させられ少量の液体を気化し、ユーザによって吸引されるエアロゾルを実際に生成する。エアロゾルを形成しやすくするために、液体は、エタノール又は水などの溶媒中にグリセリン又はプロピレングリコールとともにニコチンを含んでもよく、また、1つ又は複数の追加の香味料を含んでもよい。当業者であれば、eシガレット及び他のそのようなデバイスに使用することができる多くの異なる液体配合剤を認識しているであろう。
このようにして気化された液体を吸引する行為は、一般に「ベイピング(vaping)」として知られている。
eシガレットは、外部データ通信に対応するためにインターフェースを有してもよい。このインターフェースは、例えば、外部ソースから制御パラメータ及び/又は最新のソフトウェアをeシガレットにロードするために使用されてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、このインターフェースは、eシガレットからデータを外部システムにダウンロードするために利用されてもよい。ダウンロードされるデータは、例えば、eシガレットの使用パラメータ、故障状態などを表してもよい。当業者であれば認識しているように、eシガレットと1つ又は複数の外部システム(別のeシガレットであってもよい)との間で多くの他の形態のデータを交換することができる。
いくつかの場合では、外部システムとの通信を行うeシガレットのインターフェースは、eシガレットへのマイクロUSB、ミニUSB、又は普通のUSB接続を用いるUSBリンクなどの有線接続に基づく。eシガレットが外部システムと通信を行うためのインターフェースはまた、無線接続に基づくものであってもよい。そのような無線接続は、有線接続を超える特定の利点を有する。例えば、ユーザはそのような接続を形成するためにいかなる追加のケーブルも必要としない。さらには、ユーザは、移動、接続の設定、及びペアリングするデバイスの距離範囲に関してより大きな柔軟性を有する。
本説明全体にわたって、「eシガレット」という用語が使用されるが、この用語は、電子蒸気供給システム、エアロゾル送出デバイス、及び他の同様の用語と互換性をもって使用することができる。
図1は、本開示のいくつかの実施形態によるeシガレット10の概略(分解)図である(正確な縮尺ではない)。eシガレットは、本体又はコントロールユニット20、及びカトマイザー30を備える。カトマイザー30は、典型的にはニコチンを含む液体のリザーバ38、ヒーター36、及び吸い口35を含む。eシガレット10は、eシガレットの中心線に沿って、カトマイザー30の一端の吸い口35からコントロールユニット20の反対側の端部(通常、先端部と呼ばれる)まで延在する長手方向軸線又は円筒軸線を有する。この長手方向軸線は、LAで表された破線によって図1に示されている。
カトマイザーの液体リザーバ38は、(e)リキッドを液体の形態で直接保持してもよいし、或いは、液体の保持材として発泡体マトリックス又は綿材料など、なんらかの吸収構造を利用してもよい。次いで、液体はリザーバ38から送られて、ヒーター36を備える気化器に送達される。例えば、液体は毛細管作用によってリザーバ38からウィック(図1には示さず)を介してヒーター36に流れてもよい。
他のデバイスでは、液体は植物材料又は他の(表面上は固体の)なんらかの植物派生材料の形態で提供されてもよい。この場合、液体は、材料を加熱したときに気化する材料中の揮発性物質を示すものとして考えることができる。なお、このタイプの材料を含むデバイスは、一般にウィックを必要とせずに液体をヒーターに移送するが、むしろ、適切に加熱するために材料に対するヒーターの配置を適切にしている。
(処理されたタバコ葉などの)固体材料又はゲルの加熱など、液体以外のペイロードの送出の形態も同様に考えることができることも認識されよう。このような場合、気化する揮発性物質は、吸引される蒸気/エアロゾルの活性成分を提供する。本書で「液体」、「eリキッド」などと称しているものは同様に他のモードのペイロードの送出を含み、同様に「リザーバ」などと称しているものは同様に固体材料用の容器などの他の貯蔵手段を含むことは理解されよう。
コントロールユニット20は、eシガレット10に電力を供給するための再充電可能な電池又はバッテリー54(以降、バッテリーと称す)、及びプリント回路基板(PCB:printed circuit board)28、及び/又はeシガレットを全体的に制御するための他の電子機器を含む。
コントロールユニット20とカトマイザー30は、図1に示すように、互いから取外し可能であるが、デバイス10の使用時は、例えば、ねじ又はバヨネット固定具によって互いに接合されている。カトマイザー30及びコントロールユニット20のコネクタは、図1ではそれぞれ31B及び21Aとして概略的に示されている。コントロールユニットとカトマイザーとの間のこの接続は、2つの間を機械的及び電気的に接続している。
コントロールユニットがカトマイザーから取り外されているとき、カトマイザーに接続するために使用されるコントロールユニットの電気接続部21Aは、充電デバイス(図示せず)を接続するためのソケットとしても機能してもよい。この充電デバイスの他端はUSBソケットに差し込まれて、eシガレットのコントロールユニット内のバッテリー54を再充電することができる。他の実施態様では、eシガレットは、電気接続部21AとUSBソケットとの間を直接接続するための(例えば)ケーブルを備えてもよい。
コントロールユニットは、PCB28と隣り合う空気入口のための1つ又は複数の穴を備える。これらの穴は、コネクタ21Aを通って設けられた空気通路に向かう、コントロールユニットを通る空気通路につながる。これは、次いでカトマイザー30を通って吸い口35に向かう空気経路につながる。なお、ヒーター36及び液体リザーバ38は、コネクタ31Bと吸い口35との間に空気チャネルを設けるように構成される。この空気チャネルはカトマイザー30の中央を通って流れることができ、このとき、液体リザーバ38はこの中央経路の周りの環状領域に閉じ込められた状態になっている。これに代えて(又はこれに加えて)、空気流チャネルは、液体リザーバ38とカトマイザー30の外側ハウジングとの間にあってもよい。
ユーザが吸い口35を通して吸引すると、空気が1つ又は複数の空気入口穴を通ってコントロールユニット20に引き込まれる。この空気流(又はそれに伴う圧力変化)は、センサ、例えば、圧力センサによって検出され、次いで、圧力センサは、ヒーター36を作動させてリザーバ38から供給されたニコチン液を気化させる。空気流は、コントロールユニットから気化器に入り、そこで空気流はニコチン蒸気と混合する。空気流とニコチン蒸気のこの混合物(実際にはエアロゾル)は、次いで、カトマイザー30を通って吸い口35から出て、ユーザによって吸引される。ニコチン液の供給が尽きると(次いで、別のカトマイザーと交換されるとき)、カトマイザー30はコントロールユニットから取り外されて処分されてもよい。
図1に示したeシガレット10は単なる例として提示されており、多くの他の実施態様を採用することができることは認識されよう。例えば、いくつかの実施態様では、カトマイザー30は、液体リザーバ38を含むカートリッジと、ヒーター36を含む別個の気化器部分とに分割される。この構成では、リザーバ38内の液体を使い尽くした後にカートリッジを処分することができるが、ヒーター36を含む別個の気化器部分は保持される。これに代えて、eシガレットは、図1に示すようなカトマイザー30を備えてもよいし、単体(一体型)のデバイスとして構成されてもよいが、液体リザーバ38は(ユーザによって)交換可能なカートリッジの形態である。さらに可能な変形としては、ヒーター36が、カトマイザー30の、図1に示したものとは反対側の端部に、すなわち液体リザーバ38と吸い口35との間に配置されてもよく、或いは、ヒーター36は、カトマイザーの中心軸線LAに沿って配置され、液体リザーバはヒーター35の半径方向外側の環状構造体の形態である。
当業者であれば、また、コントロールユニット20のいくつかの可能な変形を認識しているであろう。例えば、空気流は、PCB28と隣り合う空気流に加えて、又はそれの代わりに、コントロールユニットの先端部、すなわちコネクタ21Aの反対側の端部においてコントロールユニットに入ってもよい。この場合、空気流は典型的には、バッテリー54とコントロールユニットの外壁との間の通路に沿ってカトマイザーの方へ引かれる。同様に、コントロールユニットは、先端部又はその近く、例えば、バッテリーと先端部との間に配置されたPCBを備えてもよい。このようなPCBは、PCB28に加えて、又はPCB28の代わりに設けられてもよい。
さらに、eシガレットは、カトマイザーとコントロールユニットとの間の接続点における充電に加えて、又はその代わりに、先端部において、又はデバイスの他の場所でソケットによって充電することに対応してもよい(いくつかのeシガレットは、本質的に一体化したユニットとして提供され、その場合、ユーザはコントロールユニットからカトマイザーを取り外すことはできないことは認識されよう)。他のeシガレットはまた、有線充電に加えて(又はその代わりに)無線(誘導)充電に対応することができる。
図1に示したeシガレットの可能な変形の上の議論は例としてのものである。当業者であれば、eシガレット10のさらなる可能な変形(及び変形の組み合わせ)を認識しているであろう。
図2は、本開示のいくつかの実施形態による図1のeシガレット10の主要な機能的構成要素の概略図である。なお、図2は、主に電気的な接続及び機能に関するものであり、様々な構成要素の物理的な大きさ、或いはコントロールユニット20又はカトマイザー30内でのそれらの物理的配置の詳細を示すことを意図していない。さらに、コントロールユニット20内に配置された図2に示された構成要素の少なくともいくつかは回路基板28に取り付けられてもよいことは認識されよう。或いは、このような構成要素の1つ又は複数が、その代わりに、回路基板28とともに動作するようにコントロールユニット内に収容されるが、回路基板自体に物理的に取り付けなくてもよい。例えば、これらの構成要素は1つ又は複数の追加の回路基板に配置されてもよく、又は別個に配置されてもよい(バッテリー54など)。
図2に示すように、カトマイザーは、コネクタ31Bを通じて電力を受け取るヒーター310を含む。コントロールユニット20は、カトマイザー30の対応するコネクタ31B(又は、可能性としてはUSB充電デバイス)に接続するための電気ソケット又はコネクタ21Aを含む。その結果、コントロールユニット20とカトマイザー30との間が電気的に接続される。
コントロールユニット20はさらに、(1つ又は複数の)空気入口から(コネクタ21Aを通ってカトマイザー30への)空気出口までのコントロールユニット20を通る空気経路内又はその近傍に配置されたセンサユニット61を含む。センサユニットは、圧力センサ62、及び(これもまた、この空気経路内又はその近傍に)温度センサ63を含む。コントロールユニットは、キャパシタ220、プロセッサ50、電界効果トランジスタ(FET:field effect transistor)スイッチ210、バッテリー54、並びに入力デバイス59及び出力デバイス58をさらに含む。
プロセッサ50、及び圧力センサ62などの他の電子構成要素の動作は、一般的にはプロセッサ(又は他の構成要素)上で走るソフトウェアプログラムによって少なくとも部分的に制御される。このようなソフトウェアプログラムは、プロセッサ50自体に組み込むことができるROMなどの不揮発性メモリに記憶されてもよく、又は別個の構成要素として提供されてもよい。プロセッサ50は、ROMにアクセスして、必要に応じ、且つ、必要なときに、個々のソフトウェアプログラムをロードし実行することができる。プロセッサ50はまた、圧力センサ62などのコントロールユニット20内の他のデバイスと適宜通信するために、適切な通信設備、例えばピン又はパッド(及び対応する制御ソフトウェア)を含む。
(1つ又は複数の)出力デバイス58は、視覚、聴覚、及び/又は触覚に係る出力を提供してもよい。例えば、(1つ又は複数の)出力デバイスは、スピーカー58、バイブレータ、及び/又は1つ又は複数の光源を含んでもよい。光源は、典型的には、同一又は異なる色(又は多色)でもよい1つ又は複数の発光ダイオード(LED:light emitting diode)の形態で設けられる。多色LEDの場合、異なる色のLED、例えば、赤色、緑色、又は青色のLEDを切り替えることによって様々な色が得られ、任意選択で、異なる相対輝度で異なる色のLEDを切り替えることによって対応する相対的な色の変化が得られる。赤色、緑色、及び青色LEDが一緒に提供される場合、すべての範囲の色が可能であるが、赤色、緑色、及び青色の3つのLEDのうち2つだけが提供される場合には、それぞれの部分範囲の色が得られる。
出力デバイスからの出力は、低バッテリー残量の警告などのeシガレット内の様々な状況又は状態をユーザに知らせるために使用することができる。様々な出力信号を、様々な状態又は状況を知らせるために使用することができる。例えば、出力デバイス58が音声スピーカーである場合、異なる状態又は状況は、異なる音の高さ及び/又は持続時間の発信音又はビープ音によって、並びに/或いは、複数のそのようなビープ音又は発信音によって表現することができる。これに代えて、出力装置58が1つ又は複数の光源を含む場合、異なる色、光のパルス、又は連続照明、異なるパルス持続時間などを使用することによって、異なる状態又は状況を表現することができる。例えば、ある表示灯を用いて低バッテリー残量の警告を示し、一方、別の表示灯を使用して液体リザーバ38がほぼ空であることを示してもよい。所与のeシガレットが、複数の異なる出力モード(音声、視覚的なもの)などに対応するように出力デバイスを含むことができることは認識されよう。
(1つ又は複数の)入力デバイス59は、様々な形態で提供することができる。例えば、1つ(又は)複数の入力デバイスは、eシガレットの外側におけるボタン、例えば、機械式、電気式、又は容量式(タッチ)センサとして具現化されてもよい。いくつかのデバイスは、入力方法としてeシガレットへの吹き込み(そのような吹き込みは圧力センサ62によって検出することができ、そのとき、圧力センサは入力デバイス59の形態としても機能する)、並びに/或いは、入力方法の別の形態としてカトマイザー30及びコントロールユニット20との接続/切断に対応してもよい。この場合もまた、所与のeシガレットは、複数の異なる入力モードに対応するように入力デバイス59を含んでもよいことは認識されよう。
上述したように、eシガレット10は、空気入口からeシガレットを通る、圧力センサ62及びカトマイザー30内のヒーター310を通過して吸い口35に至る空気経路を提供する。したがって、ユーザがeシガレットの吸い口で吸引すると、プロセッサ50は、圧力センサ62からの情報に基づいてこのような吸引を検出する。このような検出に応答して、CPUはバッテリー54からヒーターに電力を供給し、以て、ユーザによる吸引のためにニコチンを加熱して液体リザーバ38から気化させる。
図2に示す特定の実施態様では、FET210はバッテリー54とコネクタ21Aとの間に接続されている。このFET210はスイッチとして機能する。プロセッサ50は、FETのゲートに接続されてスイッチを作動させ、以て、プロセッサは、検出された空気流の状態に応じてバッテリー54からヒーター310への電力の流れをオンとオフに切り替えることができる。ヒーター電流は、例えば1~5アンペアの範囲で比較的大きくなり得るので、FET210は、そのような電流制御に対応するように具現化されるべきである(FET210の代わりに使用されることがある任意の他の形態のスイッチに対しても同様である)ことは認識されよう。
バッテリー54からヒーター310に流れる電力の量をよりきめ細かく制御するために、パルス幅変調(PWM:pulse-width modulation)方式を採用してもよい。PWM方式は、例えば1msの繰り返し周期に基づいてもよい。このような各周期内で、スイッチ210は、周期の一部分の間オンにされ、周期の残りの部分に対してはオフにされる。これは、デューティサイクルによってパラメータ化され、以て、0のデューティサイクルは、スイッチが各期間のすべてでオフ(すなわち、実質的に永久にオフ)であることを示し、0.33のデューティサイクルは、スイッチが各期間の1/3の間でオンであることを示し、0.66のデューティサイクルは、スイッチが各期間の2/3の間でオンであることを示し、1のデューティサイクルは、FETが各期間すべてでオンである(すなわち、実質的に永久的にオンである)ことを示す。これらは、デューティサイクルの設定例として示しているだけであり、適宜、中間の値を用いることができることは認識されよう。
PWMを使用することによって、(バッテリー出力電圧とヒーター抵抗に基づく)公称利用可能電力とデューティサイクルとの積によって与えられる有効電力がヒーターに供給される。プロセッサ50は、例えば、吸引の開始時に1のデューティサイクル(すなわち、全力)を使用して、初めのうちに、可能な限り迅速にヒーター310をその所望の動作温度に上昇させることができる。この所望の動作温度が達成されると、プロセッサ50は、次いで、ヒーター310に所望の動作電力を供給するために、デューティサイクルをある適切な値に減少させてもよい。
図2に示すように、プロセッサ50は、無線通信のための、特にブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)Low Energy(BLE)通信に対応するための通信インターフェース55を含む。
任意選択で、ヒーター310は、無線通信を送受信するための通信インターフェース55によって使用するためのアンテナとして利用されてもよい。その動機付けの1つは、コントロールユニット20が金属ハウジング202を有してもよく、一方、カトマイザー部30がプラスチックハウジング302を有してもよいことである(これは、コントロールユニット20は保持され、したがってより耐久性があることが有利であるのに対し、カトマイザー30は使い捨てであるという事実を反映している)。金属ハウジングは、コントロールユニット20自体の中に配置されるアンテナの動作に影響を及ぼし得る遮蔽体又は遮断体として作用する。しかしながら、無線通信のためのアンテナとしてヒーター310を利用することは、カトマイザーがプラスチックハウジングであるのでこの金属遮蔽を回避するのに役立つが、これは、カトマイザーに追加の構成要素又は複雑さ(又はコスト)を加えることなしに可能である。これに代えて、別個のアンテナ(図示せず)を設けてもよく、又は金属ハウジングの一部を使用してもよい。
図2に示すように、ヒーターがアンテナとして使用される場合、プロセッサ50、より具体的には通信インターフェース55は、キャパシタ220によってバッテリー54から(コネクタ31Bを経て)ヒーター310に至る電力線に結合されてもよい。無線通信は、(下でより詳細を論じるように)ヒーターが加熱のために電力を供給されていないときに動作することができるので、この容量性カップリングはスイッチ210の下流で生じる。キャパシタ220は、バッテリー54からヒーター310への電力供給が迂回してプロセッサ50に戻ることを防ぐ助けになることは認識されよう。
なお、容量性カップリングは、通信インターフェース55の出力とのインピーダンス整合も可能なより複雑なLC(インダクタ-キャパシタ)ネットワークを使用して実行されてもよい(当業者には知られているように、このインピーダンス整合は、通信インターフェース55と、アンテナとして機能するヒーター310との間の信号を、接続に沿って反射させるのではなく、そのような信号の適切な伝達に対応する助けとなることができる)。
いくつかの実施態様では、プロセッサ50及び通信インターフェースは、英国のレディング(Reading)を拠点とするDialog Semiconductor PLCのDialog DA14580チップを使用して具現化される。このチップのさらなる情報(及びデータシート)は、http://www.dialog-semiconductor.com/products/bluetooth-smart/smartbond-da14580で入手可能である。
図3は、ブルートゥース(登録商標)Low Energyに対応するための通信インターフェース55を含む、このチップ50の高レベルで単純化された概要を示す。このインターフェースは、特に、信号変調及び復調などを行う無線トランシーバ520、リンク層ハードウェア512、及び高度暗号化機能(advanced encryption facility)(128ビット)511を含む。無線トランシーバ520からの出力は、アンテナ(例えば、容量性カップリング220並びにコネクタ21A及び31Bによってアンテナとして機能するヒーター310)に接続される。
プロセッサ50の残りの部分は、汎用処理コア530、RAM531、ROM532、ワンタイムプログラミング(OTP:one-time programming)ユニット533、(PCB28上の他の構成要素と通信するための)汎用I/O(general purpose I/O)システム560、電力管理ユニット(power management unit)540、及び2つのバスを接続するためのブリッジ570を含む。ROM532及び/又はOTPユニット533に記憶されたソフトウェア命令は、コア530内の1つ又は複数の処理ユニットによる実行のためにRAM531(及び/又はコア530の一部として設けられたメモリ)にロードすることができる。これらのソフトウェア命令は、プロセッサ50に、センサユニット61と接続し、それに応じてヒーターを制御することなど、本書で説明する様々な機能を実行させる。なお、図3に示すデバイスは、通信インターフェース55としても、電子蒸気供給システム10のための全体的なコントローラとしても機能するが、他の実施形態では、これらの2つの機能は2つ以上の異なるデバイス(チップ)に分割されてもよい。例えば、1つのチップが通信インターフェース55として機能し、別のチップが電子蒸気供給システム10のための全体的なコントローラとして機能してもよい。
いくつかの実施態様では、プロセッサ50は、ヒーターが液体をリザーバ38から気化させるために使用されているときに無線通信をさせないように構成することができる。例えば、スイッチ210がオンに入れられているとき、無線通信を一時停止する、終了する、又は始動しないようにすることができる。逆に、無線通信が進行中の場合、例えば、センサユニット61からの空気流の検出を無視すること、及び/又は、無線通信が進行している間、ヒーター310への電力をオンにするようにスイッチ210を動作させないことによってヒーターが作動しないようにすることができる。
いくつかの実施態様では、同時に加熱のためと無線通信のための両方のためにヒーター310を動作させることを防ぐ1つの理由は、ヒーターのPWM制御から生じ得る干渉を回避する助けとするためである。このPWM制御は、典型的には、無線通信に使用される周波数よりもはるかに低いものの、(パルスの繰り返し周波数に基づいた)独自の周波数を有し、2つは互いに干渉する可能性がある。いくつかの状況では、実際には、このような干渉はいかなる問題も引き起こすことがなく、加熱及び無線通信の両方のためのヒーター310の同時動作は(望む場合には)許容され得る。これは、例えば、信号強度及び/又はPWM周波数の適切な選択、適切なフィルタリングの提供などの技法によって容易になり得る。
図4は、eシガレット10と、スマートフォン400又は他の適切な移動体通信デバイス(タブレット、ラップトップ、スマートウォッチなど)上で走るアプリケーション(アプリ)との間のブルートゥース(登録商標)Low Energy通信を示す概略図である。このような通信は、広範な目的、例えば、eシガレット10のファームウェアのアップグレード、eシガレット10からの使用及び/又は診断データの取り出し、eシガレット10のリセット又はロック解除、eシガレットの設定の制御などに使用することができる。
おおまかに言えば、例えば、入力デバイス59を使用することによって、或いは、場合によりカトマイザー30をコントロールユニット20に接合することによって、eシガレット10のスイッチを入れると、eシガレット10はブルートゥース(登録商標)Low Energy通信のアドバタイズを開始する。この下り通信がスマートフォン400によって受信されると、スマートフォン400はeシガレット10への接続を要求する。eシガレットは、出力デバイス58によってこの要求をユーザに知らせ、ユーザが入力デバイス59によってこの要求を受け入れるか拒否するかを待機することができる。この要求が受け入れられた場合、eシガレット10は、スマートフォン400とさらに通信することができる。なお、eシガレットは、スマートフォン400の識別情報を記憶して、将来のそのスマートフォンからの接続要求を自動的に受け入れることができる。接続が確立されると、スマートフォン400及びeシガレット10はクライアント-サーバモードで動作し、スマートフォンはクライアントとして動作を始めてeシガレットに要求を送信し、eシガレットは、したがって、サーバとして動作する(且つ、適宜、要求に応答する)。
ブルートゥース(登録商標)Low Energyリンク(ブルートゥース スマート(Bluetooth Smart)(登録商標)としても知られている)は、IEEE802.15.1規格を満たし、約12cmの波長に対応する2.4~2.5GHzの周波数で動作し、最大1Mbit/sのデータ転送速度である。接続のセットアップ時間は6ms未満で、平均消費電力は非常に低く、1mW以下程度であり得る。ブルートゥースLow Energyリンクは約50mまで延ばすことができる。しかしながら、図4に示す状況では、eシガレット10とスマートフォン400は、典型的には、同じ人物に属しており、したがって、互いに非常に接近している(例えば1m)。ブルートゥースLow Energyについてのさらなる情報は、http://www.bluetooth.com/Pages/Bluetooth-Smart.aspxに見出すことができる。
eシガレット10は、スマートフォン400(又は任意の他の適切なデバイス)と通信するための他の通信プロトコルに対応してもよいことは認識されよう。このような他の通信プロトコルは、ブルートゥースLow Energyの代わりに用いるか、又は追加して用いてもよい。このような他の通信プロトコルの例としては、(低エネルギーのものではない)ブルートゥース(登録商標)(例えば、www.bluetooth.comを参照のこと)、ISO13157による近距離通信(NFC:near field communication)、及びWiFi(登録商標)が挙げられる。NFC通信は、ブルートゥース(13.56MHz)よりもずっと低い波長で動作し、その範囲は一般にずっと短い(例えば、0.2m未満)。しかしながら、この短い範囲でも、図4に示すようなたいていの使用環境に適合する。一方、eシガレット10と遠隔デバイスとの間に、IEEE802.11ah、IEEE802.11v又は同様のものなどの低電力WiFi(登録商標)通信を使用することができる。それぞれの場合において、適切な通信チップセットは、プロセッサ50の一部として、又は別個の構成要素としてPCB28に含むことができる。当業者であれば、eシガレット10に使用することができる他の無線通信プロトコルを認識しているであろう。
図5は、いくつかの実施形態による例示的なカトマイザー30の概略分解図である。カトマイザーは、外側プラスチックハウジング302と、吸い口35(ハウジングの一部として形成されてもよい)と、気化器620と、中空の内側管612と、コントロールユニットに取り付けるためのコネクタ31Bとを有する。カトマイザー30を通る空気流路は、空気入口から始まり、コネクタ31Bを通り、次に気化器625の内部及び中空管612を通り、最後に吸い口35を通って出る。カトマイザー30は、(i)プラスチックハウジング302と、(ii)気化器620及び内側管612との間の環状領域に液体を保持する。コネクタ31Bには、この領域の液体を保持する助けとなり、漏れを防ぐためのシール635が設けられている。
図6は、図5に示した例示的なカトマイザー30の気化器620の概略分解図である。気化器620は、それぞれが実質的に半円形の断面を有する2つの構成要素627A、627Bから形成される実質的に円筒形のハウジング(受け台)を有する。組み立てられると、構成要素627A、627Bの縁は、(少なくともその全長に沿っては)互いに完全には接しておらず、(図5に示すように)僅かな隙間625が残っている。この隙間によって、気化器及び管612の周りの外側リザーバからの液体が気化器620の内部に入ることができる。
気化器の構成要素627Bの1つがヒーター310を支持して図6に示されている。ヒーター310に電力(及び無線通信信号)を供給するための2つのコネクタ631A、631Bが示されている。より詳細には、これらのコネクタ631A、631Bは、ヒーターをコネクタ31Bにつなぎ、そこからコントロールユニット20につなぐ(なお、コネクタ631Aは、ヒーター310の下を通って図6には見えない電気的接続によって、コネクタ31Bから気化器620の遠端のパッド632Aに接合される)。
ヒーター310は、焼結金属繊維材料から形成された加熱要素を含み、一般に、シート又は多孔質の導電性材料(鋼など)の形態である。しかしながら、他の多孔質導電性材料を使用してもよいことは認識されよう。図6の例の加熱エレメントの全抵抗は約1オームである。しかしながら、例えば、利用可能なバッテリー電圧及び加熱要素の所望の温度/電力消費特性を考慮して、他の抵抗を選択してもよいことは認識されよう。これに関して、関連する特性は、対象の原料液体に応じてデバイスの所望のエアロゾル(蒸気)生成特性にしたがって選択されてもよい。
加熱要素の主要部分は、長さ(すなわち、コネクタ31Bと接点632Aとの間を通る方向の長さ)が約20mmで幅が約8mmの概ね長方形である。この例の加熱要素を含むシートの厚さは約0.15mmである。
図6から分かるように、加熱要素の概ね矩形の主要部分は、長辺のそれぞれから内側に延びるスロット311を有する。これらのスロット311は、気化器ハウジング構成要素627Bによって設けられたペグ312と係合し、以て、ハウジング構成要素627A、627Bに対する加熱要素の位置を保つ助けとなる。
スロットは約4.8mm内側に延び、約0.6mmの幅を有する。内側に延びるスロット311は、加熱要素の各側で互いに約5.4mmだけ離れており、対向する側から内側に延びるスロットは、この間隔の約半分だけ互いからずれている。このスロットの配置の結果、加熱要素に沿う電流の流れは実際には蛇行経路をたどらされ、その結果、スロットの端部の周りに電流及び電力が集中する。加熱要素の異なる場所で電流密度/電力密度が異なることは、比較的低い電流密度の領域よりも温度が高くなる比較的高い電流密度の領域が存在することを意味する。このことにより、実際、加熱要素は様々な温度及び温度勾配の範囲を有して、それはエアロゾル供給システムに関して望ましくなり得る。なぜならば、原料液体の異なる成分は異なる温度でエアロゾル化/気化することがあり、したがって、ある範囲の温度の加熱要素を提供することで、原料液体中のある範囲の異なる成分を同時にエアロゾル化するのを助けることができるからである。
図6に示すヒーター310は、一方向に延びた実質的に平面の形状を有しており、アンテナとして機能するのに適している。コントロールユニットの金属ハウジング202とともに、ヒーター310は近似的な双極子構成体を形成し、これは、典型的には、ブルートゥースLow Energy通信の波長と同じ程度の物理的大きさ、すなわち、約12cmの波長に対して(ヒーター310及び金属ハウジング202の両方を考慮して)数センチメートルの大きさを有する。
図6は、ヒーター310(加熱要素)の1つの形状及び構成を示しているが、当業者であれば様々な他の可能性を認識しているであろう。例えば、ヒーターは、コイルとして、又は抵抗線の何らかの他の構成として設けられてもよい。別の可能性としては、ヒーターが、気化される液体(何らかの形態のタバコ製品など)を含むパイプとして構成されていることである。この場合、パイプは、(例えば、コイル又は他の加熱要素によって)熱を、発生させる場所から気化される液体に運ぶために主に使用することができる。このような場合、パイプは加熱される液体に対してヒーターとしても機能する。このような構成もまた、任意選択で、無線構成に対応するためにアンテナとして使用することができる。
前述のように、適切なeシガレット10は、例えばブルートゥース(登録商標)Low Energyプロトコルを使用してデバイスとペアリングすることによって移動体通信デバイス400と通信することができる。
したがって、適切なソフトウェア命令(例えば、アプリの形態)を提供してスマートフォン上を走らせることによって、eシガレット及び/又はeシガレットとスマートフォンとを含むシステムに追加の機能を提供することが可能である。
次に図7を参照すると、典型的なスマートフォン400は、中央処理装置(CPU:central processing unit)(410)を備える。CPUは、適用可能であれば、直接接続、或いはI/Oブリッジ414及び/又はバス430を介してスマートフォンの構成要素と通信することができる。
図7に示す例では、CPUはメモリ412と直接通信し、メモリ412は、オペレーティングシステム及びアプリケーション(アプリ)を記憶するための、例えばフラッシュ(登録商標)メモリなどの永続性メモリ、並びにCPUによってそのとき使用されているデータを保持するためのRAMなどの揮発性メモリを備えてもよい。典型的には、永続性メモリ及び揮発性メモリは、物理的に異なる構成ユニット(図示せず)によって形成される。さらに、メモリは、マイクロSDカードなどのプラグインメモリと、加入者情報モジュール(SIM:subscriber information module)(図示せず)の加入者情報データとを別個に備えてもよい。
スマートフォンはまた、画像処理装置(GPU:graphics processing unit)416を備えてもよい。GPUは、CPUと直接、又はI/Oブリッジを介して通信してもよく、或いはCPUの一部であってもよい。GPUは、RAMをCPUと共有してもよく、又はそれ自体の専用のRAM(図示せず)を有してもよく、移動体電話のディスプレイ418に接続される。ディスプレイは、典型的には、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)又は有機発光ダイオード(OLED:organic light-emitting diode)ディスプレイであるが、電子インクなどの任意の適切な表示技術であってもよい。任意選択で、GPUはまた、スマートフォンの1つ又は複数のラウドスピーカー420を駆動するために使用されてもよい。
これに代えて、スピーカーは、I/Oブリッジ及びバスを介してCPUに接続されてもよい。デバイスにタッチ入力を提供する目的でスクリーン上に重ねられた容量性タッチ面などのタッチ面432、ユーザからの音声を受信するためのマイクロホン434、画像を取り込むための1つ又は複数のカメラ436、スマートフォンの地理的位置の推定値を取得するための全地球測位システム(GPS:global positioning system)ユニット438、及び無線通信手段440を含むスマートフォンの他の構成要素はバスを介して同様に接続されてもよい。
無線通信手段440は、異なる規格及び/又はプロトコルに準拠するいくつかの別個の無線通信システムを含んでもよく、例えば、ブルートゥース(登録商標)(標準又は低エネルギーの変形形態)、前述の近距離通信及びWi-Fi(登録商標)、並びに2G、3G、及び/又は4Gなどの電話に基づく通信も含んでもよい。
これらのシステムは典型的には、USB(図示せず)などのデータリンクの一部であり得る電力入力(図示せず)によって充電可能な場合があるバッテリー(図示せず)によって電力が供給される。
異なるスマートフォンは、異なる特徴(例えば、方位磁石又はブザー)を含んでもよく、上に列挙したものの一部(例えば、タッチ面)を省略してもよいことは認識されよう。
したがって、より一般的には、本開示の一実施形態では、スマートフォン400などの適切な遠隔デバイスは、アプリを記憶して走らせるためのCPU及びメモリ、並びにeシガレット10との無線通信を開始し、維持するように動作可能な無線通信手段を備える。しかしながら、遠隔デバイスは、タブレット、ラップトップ、スマートテレビなどの、これらの能力を有するデバイスであってもよいことは認識されよう。
本発明の実施形態では、(eシガレットなどの)電子蒸気供給システム(EVPS)10用の温度を調整するシステムは、ユーザによって吸引される蒸気のための流路に熱的に結合された温度センサ63を任意選択で備える吸い口35を備える。EVPSはまた、eシガレット内の空気流の少なくとも1つのパラメータを検出するためにセンサ62を、任意選択で吸い口内に、典型的には、吸い口とEVPSのヒーターとの間に備える。システムはまた、eシガレットのパフが熱すぎたというユーザからの指摘を受け取るように構成されたユーザインターフェース(418、432)、並びに、温度センサからのセンサデータ及び空気流の少なくとも1つのパラメータに基づいて、吸い口での蒸気温度を下げるように蒸気生成プロセスの少なくとも第1の態様を変えるように構成されたプロセッサ(50、410)を備える。
したがって、動作時、ユーザが、例えば、本明細書に後で説明するように、EVPSのボタン(図示せず)を押すことによって、又はつなげられたデバイスのタッチスクリーンに触れることによって、与えられたパフが熱すぎたことを知らせると、温度調整システムは、空気流の少なくとも1つのパラメータ、及び、任意選択で温度データを使用して、EVPSの少なくとも1つの動作パラメータを調節することによって、及び/又は、全吸引システムの拡張構成要素として、ユーザ自身のふるまいをどのように適合させるかをユーザに知らせることによって、繰り返して事象が生じる機会を減じる。
しかしながら、高温のパフの問題に大きな効果があるが、気化プロセスに悪い影響がない目標温度に設定することができるほど、ユーザがEVPS内の測定点での蒸気温度を十分に知っていることを期待すべきではないことは認識されよう。さらに、このような目標温度は、すべての環境において適切ではないことがある。
したがって、本発明の実施形態は、あらかじめ決めた目標温度を設定して、フィードバックをかけて、パフ中、その温度を維持するのではない。
むしろ、システムは、環境データ、及び与えられたパフが熱すぎたという指摘に応じて、温度が高すぎると考えられる次のパフを回避すべき、その後の環境条件に対する設定を決定する。
電子蒸気供給システム(EVPS)は、ペイロード(気化用の液体又はゲル、或いは非燃焼加熱して揮発性物質を放出するタバコベース製品であろうとなかろうと)を加熱し、その結果、周囲空気とエアロゾル化したペイロードとが混合した蒸気を発生させることは認識されよう(ここで、「エアロゾル化」は、気化によって、揮発性物質の放出によって、又は任意の他の適切なメカニズムによって空気流に混合された任意のペイロード、又はペイロードの派生物に対する一般用語として扱われる)。その結果、蒸気の温度は周囲温度より高くなる。
うまく設計されたEVPSでは、ヒーターと吸い口との間の流路は、典型的なユーザが吸引するのに快適な温度で蒸気が吸い口に達するのに十分な長さがある。
しかしながら、この設計は特定の仮定に基づいていることがあり、この仮定が常に当てはまる訳ではないことは認識されよう。これらの仮定は、EVPSが用いられている環境条件、又はユーザ自身がデバイスと相互作用する態様に関係し得る。
吸い口での蒸気温度に影響を与え得る環境条件には、例えば、周囲空気の湿度が含まれ得る(水は空気よりも大きな熱容量を有し、したがって、ヒーターからより多くの熱を保持して運ぶことができるので、空気中の高い比率の水は、蒸気内により高い熱容量を生じさせ、その結果、ユーザにより多くの熱を運ぶことができる)。
同様に、周囲の空気温度は世界中で大きく変わり得て、いくつかの国では0℃以下であるが、同時に他の国では40℃より高い。同一の高温のエアロゾル化されたペイロードの同一の量をこのような異なる周囲空気に導入すると、吸い口において異なる全蒸気温度になることは認識することができる。
一方、空気流量は、標高により変わり得て、特に、EVPSの空気取入口に対する瞬間的な風向によって変わり得る。加熱速度が一定の場合に、空気流量が低いと、EVPS内の単位空気量当たりのエアロゾル化されたペイロードは比例的に多くなることは認識されよう。その結果、空気の単位量の平均温度は比例的に高くなり、したがって、吸い口において不快な温度にさえなることがあり、及び/又は、同様に、ユーザに運ばれ得るエアロゾル化されたペイロードの比率が高くなることにより熱容量がより高くなる。
一方、空気圧自体は、2つの成分に分けることができ、例えば、標高や天候に関係する空気静圧は空気の密度を示し、したがって、運ぶことができる熱の量に影響を及ぼし得る。一方、EVPSの文脈内での空気動圧は空気流速の関数であり、より速い空気流は空気圧の降下と関係付けられる。一般に、空気静圧の変化の範囲は、空気流による空気圧の降下に比べると小さい。また、空気静圧に対して空気流による圧力の変化を測定する、又は評価することができ、したがって、動圧成分を取り出して別個に測定することができることは明らかである。このように、空気流速を動圧の代理として用いることができ、また、その逆も可能であることは認識されよう。
この場合、空気動圧の降下は、空気流速の上昇と関係付けられ、より多くの空気量にエアロゾル化されたペイロードを分配するので、概して良いことである。逆に、空気静圧の降下は周囲空気の密度を下げ、それはまた、それに応じてペイロードの気化温度を下げることがあり、これは、同一の加熱に対して、エアロゾル化されたペイロードがより多く生成され、より少ない空気量と混合されることがあることを意味し、その結果、これもまた、ユーザにより多く熱を運ぶ可能性がある。
空気動圧、又は同様に空気流速は、ユーザ自身の吸引プロファイルの関数であり得て、例えば、ユーザが最初、EVPSを急激に吸って、ペイロードの加熱を引き起こすのに十分な空気流速又は動圧降下を生じさせるが、それから緩やかに吸引する(強調された浅い吸引(punctuated shallow inhalation)と呼ばれることがある)だけの場合、空気流速は落ちて動圧は上昇し、次いで、高温のエアロゾル化されたペイロードの塊が、比較的少量の空気に送出され、ユーザに届くと、高温のパフを生成することがあることもまた認識されよう。
したがって、ユーザがユーザインターフェースによってパフが熱すぎたと指摘すると、本発明の実施形態では、温度調整システムは、環境因子が予想された許容誤差からずれた、又はユーザの吸引プロファイルの補正が必要であると推測することができる。
本発明の実施形態では、プロセッサは、環境因子が寄与している可能性があるかどうかを決めることができる。したがって、EVPSのパフが熱すぎたというユーザから受け取った指摘に応答して、プロセッサは、空気流の少なくとも1つのパラメータの差が、予想された値から所定の量だけずれているかどうかを検出するように構成することができ、もしそうであるならば、プロセッサは、空気流の少なくとも1つのパラメータに対応して蒸気生成プロセスの少なくとも第1の態様を変えるように構成することができる。
上記のように、空気流の少なくとも1つのパラメータが湿度の場合があり、これが予想された値より所定の量だけ高い場合(例えば、所定の許容誤差より高い湿度レベルの場合、湿った空気とエアロゾル化されたペイロードとの組み合わせによってより多くの量の潜熱が蓄えられると予想することができる)、プロセッサは、EVPSのヒーターの有効加熱温度及びEVPSの有効空気吸込み量のうちの1つ又は複数を変えるように構成することができる。
同様に、空気流の少なくとも1つのパラメータが加熱前の周囲空気の温度の場合があり、これが、予想された値より所定の量だけ高い場合(例えば、所定の許容誤差より高いレベルの場合、一定の熱レベルがそのときの温度にさらに付け加えられて閾値レベルを超えると予想することができる)、プロセッサは、EVPSのヒーターの有効加熱温度及びEVPSの有効空気吸込み量のうちの1つ又は複数を変えるように構成することができる。
同様に、空気流の少なくとも1つのパラメータが空気静圧の場合があり、これが、予想された値より所定の量だけ低い場合(例えば、空気密度が、高温のエアロゾル化されたペイロードの熱を平均化するのに不十分である場合、又は、標準の加熱量に対して生成される高温のエアロゾル化されたペイロードが多くなりすぎるほどペイロードの気化温度が下がる場合)、プロセッサは、EVPSのヒーターの有効加熱温度及びEVPSの有効空気吸込み量のうちの1つ又は複数を変えるように構成することができる。
それぞれの場合において、このように変えるために、例えば、アクチュエータを使用して空気流路内の初期設定絞りを緩め、以て、空気流断面を増大させることによって、或いは、同様に、例えば、バルブ又は同様のアクチュエータを使用して追加の空気取入れチャネルを開けることによって、EVPSの有効空気吸込み量を増大させるように構成されるプロセッサの形態が採られてもよい。
これに代えて、又はこれに加えて、それぞれの場合において、このように変えるために、EVPSのヒーターの有効加熱温度を所定の量だけ下げ、その結果生じるヒーターの有効加熱温度が、EVPSのペイロードの気化温度より高い温度に留まるように構成されるプロセッサの形態が採られてもよい。
この所定の量はユーザの指摘に関係してもよく、また、固定したもの(例えば、受け取った各指摘に対して摂氏10度のステップ)であってもよい、又は不快さのスライディングスケールに比例したものでもよく、この場合、ユーザに対するユーザインターフェースはそのような入力を与える(例えば、OK、熱すぎる、及び非常に熱すぎる、では下げる温度が異なる)。
これに代えて、又はこれに加えて、所定の量は、(例えば、経験的に決められた)既定の関係に基づいて、空気流の1つ又は各パラメータが予想される標準値からずれる大きさに関係してもよい。言い換えると、プロセッサは、空気流の少なくとも1つのパラメータの検出された量と予想された量との間の差に対応する量だけヒーターの有効加熱温度を下げるように構成されてもよい。
したがって、例えば、有効加熱温度は、周囲温度が所定の閾値を超える大きさに対応する量だけ下げることができる。任意選択で、ユーザが強い拒絶反応を示す場合、この対応関係はこの指摘によって重み付けられて温度をさらに下げることができる(又は、同等に所定の閾値を下げてもよい)。予想される湿度閾値及び空気静圧閾値に対する同様な関係も考えることができる。
複数の空気流パラメータが測定される場合、多変量解を計算することができ、したがって、例えば、高湿度が高空気静圧によって部分的に相殺されることがある。一方、低空気静圧は、気化温度が低いことにより、他のパラメータの1つの超過に対応して、ヒーターをさらに低い温度に下げさせることがある。
熱センサがEVPSの吸い口に組み入れられている場合、ユーザが熱いパフと思う蒸気の直接の温度表示を得ることができることも認識されよう。初期設定の温度は、ユーザにとっては熱すぎると考えられることを経験的に見出して設定することができ、これは、仮想的な「熱いパフ」のユーザの指摘を引き起こすように使用することができる。同様に、ユーザが熱いパフと指摘する平均温度を経時的に確立することができ(例えば、最新のN回の指摘に対応して、任意選択で、最低値を無視して)、これは同様に、例えば、検出された温度がこの平均より所定量だけ高い場合、仮想的な熱いパフのユーザの指摘を引き起こすように使用することができる。この温度表示を使用して、本書で説明した緩和作用の有効性を検出することができ、任意選択で、緩和作用を達成するためにフェードバックを提供することができ、例えば、熱いパフを示した温度からM度だけ吸い口での蒸気温度を下げることができることも認識されよう。
プロセッサは、ヒーター温度を直接下げること、ヒーターのデューティサイクルを変えること(例えば、ヒーター又は電力供給回路が固定されている場合、この方法で有効加熱温度を変えることができる)、及びヒーターの予熱温度を下げること(ヒーターが気化温度に達する、又は場合により気化温度を超えるのに有限時間かかる場合、予熱レベルを下げることは、ヒーターが最高温度になっている時間を短くすることができる)のうちの1つ又は複数によって、EVPSのヒーターの有効加熱温度を下げるように構成されてもよい。この技法を任意に適切に組み合わせて用いることができることは明らかである。
環境的なものであると考えられる湿度、周囲温度、及び静圧に加えて、(例えば、風による)環境的な場合もあるが、典型的にはユーザの吸引行為によるものである空気流速又は空気動圧もある。
いずれにしても、他の環境因子と同様に、空気流の少なくとも1つのパラメータが空気流速であり、これが、予想された値より所定量だけ低い場合、プロセッサは、本明細書に前述したのと同様な態様で、EVPSのヒーターの有効加熱温度、及びEVPSの有効空気吸込み量のうちの1つ又は複数を変えるように同様に構成されてもよい。
同様に、空気流の少なくとも1つのパラメータが空気動圧であり、これが、予想された値より所定量だけ高い場合(例えば、不十分な空気流による、任意選択で、そのときの空気静圧に準じて)、プロセッサは、本明細書に前述したのと同様な態様で、EVPSのヒーターの有効加熱温度、及びEVPSの有効空気吸込み量よりなるリストから選択された1つ又は複数を変えるように構成されてもよい。
本発明の実施形態では、任意選択で、センサ(上のセンサ機能のいずれかに使用されるもの、又は別個のセンサ)は、瞬間的な空気流速、或いは空気動圧、又は可能性としては、ヒーターを通る空気流速の関数として変化する空気/蒸気温度など、瞬間的な空気流速の代理を検出してもよい。
次いで、プロセッサは、このセンサデータに応答してEVPSのヒーターの有効加熱温度を瞬間的に変えるように構成されてもよい。このように、空気流速が落ち、吸引された空気の温度を潜在的に上げると、いくらか熱的な遅れがあるが、ヒーターはまた、(動作範囲なしに)その温度を下げて補償することができる。
さらに、プロセッサは、吸引中にセンサによって検出される瞬間的な空気流速に基づいて、ユーザによる吸引行為の進行中の空気流速を示すユーザの吸引プロファイルをモデル化するように構成されてもよい。
言い換えれば、空気流速検知可能なデータ、又は上記のようなその代理を使って、プロセッサは、ユーザの1つ又は複数の吸引パターンの1つ又は複数のモデルを作ることができる。このようなモデルが、吸引行為の少なくとも一部で低空気流速になる吸引であり得ることを示す場合、プロセッサは熱いパフを予想し、この吸引プロファイルに対応して、本明細書に前述したように蒸気生成プロセスの少なくとも第1の態様を変えることができる。
したがって、例えば、最初、急激に吸引し、次いで、ゆっくり又は浅い吸引が続くユーザは、ヒーターを作動させるが、次いで、ゆっくりとした流れがヒーターを通り、その結果、熱いパフになる可能性がある。このような熱いパフはまた、周囲温度、周囲静圧、及び/又は湿度など、(設けられていれば)センサによって測定される他の因子によることがあり、これらはモデルに含まれてもよいし、又は、使用されるこれらのパラメータのうちのいずれかが、予想された値から所与の閾値偏差を超える別個のモデルが作られてもよい。
したがって、熱いパフが生じていることをユーザが指摘した場合、これを吸引プロファイルと関係付けることができる。さらに、ユーザが使用進行中に熱いパフを複数回指摘した場合、カウンタ、ヒストグラム、又は関連した強さの他の尺度を、吸引プロファイルと関連付けて与えることができ、以て、ユーザにとって特に問題になる吸引プロファイルを特定する。
いずれにしても、ユーザが、熱いパフと関係する吸引プロファイルに一致するような吸引を始めた場合、本明細書に前述したように、プロセッサは、例えば、空気流チャネル又はヒーター挙動を修正することによって、生成プロセス中に緩和行動を採ることができ、その結果、ユーザによる吸引行為の残りの部分が熱いパフになる可能性が下げられる。
しかしながら、本明細書に前述したように、吸引プロファイルに応答して、又はそのときの環境条件が熱いパフをもたらしているというユーザの指摘に応答して蒸気生成プロセスを修正するために、プロセッサが、EVPSのペイロードの気化温度より低くなるようにヒーターの有効温度を変えることを計算した場合、システムはユーザに知らせる。言い換えれば、ユーザの熱いパフの指摘を、EVPSの通常の動作パラメータ内で、利用可能な手段によって緩和することができない場合、温度調整システムはユーザに知らせる。そのとき、ユーザは、環境条件が変わるまで(例えば、風の強い、熱い、又は湿った環境から出るまで)EVPSを使用しないと決めてもよいし、又は熱いパフは受け入れられるが、システムが許す限り最低限にされていることを知ってそれを受け入れながらデバイスを使用し続けることを決めてもよい。
この通知は、警報灯、警告音、又はEVPS内に起こされた振動などの触覚フィードバックなど、適切な形態を採ってもよく、それに代えて、EVPSが、移動体電話、タブレット、又は同様のものなどの遠隔デバイスと通信している場合、通知はこのようなデバイスによって提供されてもよく、この場合もまた、例えば、警報灯、警告音、又は触覚フィードバックの形態、或いは、移動体電話のディスプレイに表示されたメッセージの形態であってもよい。このようなディスプレイは有用な情報を提供する。例えば、熱いパフのありそうな原因が、前述のような1つ又は複数の環境因子である、或いは、ユーザの吸引プロファイルの態様によるものであり、後者の場合、ユーザは、次いで、異なる方法で吸引を試みる立場にある、などである。
EVPSが、移動体電話などの遠隔デバイスと通信する場合、プロセッサはこの遠隔デバイスに配置されてもよく、したがって、温度調整システムは、EVPS及び遠隔デバイスの両方からなることは認識されよう。この場合、センサデータなどはEVPSから送られてもよいが、後の分析は移動体電話によって実行されてもよく、その後、蒸気生成プロセスの1つ又は複数の態様を変えるための命令は移動体電話からEVPSに送られる。同様に、吸引プロファイルなどは移動体電話に集められて、そこで記憶することができる。このようなプロファイル、並びに熱いパフに関係する環境及び他の動作パラメータについての他の関連データは、ユーザアカウントと関係付けられ、その結果、ユーザの登録されたEVPSが異なる電話又は他の遠隔デバイス(例えば、ブルートゥース対応の自動車のダッシュボード)とペアリングされると、これらによって関連情報にアクセスすることができる。
最後に、上の説明は、プロセッサが、熱いパフの通知に応答して蒸気生成プロセスを調節することを提案する一方、任意選択で、これに代えて、又はこれに加えて、プロセッサは、熱いパフが生じる可能性を減じるようにEVPSの設定を変えることができる方法に関してユーザに教えることができる。これは、このような変更がEVPSによって自動的に行うことができない場合に当てはまることがあり、例えば、空気取入れ孔はユーザによって手動で動かすことができるが、EVPS内にアクチュエータがないため、プロセッサによって制御可能とはならないが、それでもプロセッサは、適宜、空気取入れ孔を調節するようにユーザインターフェースによってユーザに知らせることができる。
同様に、他のパラメータは調節可能であるが、プロセッサの直接制御でない場合がある。例えば、ユーザが、標準でない電流を有するバッテリーを取り付けた場合、これは、EVPSに意図したものより多くの熱を生成させることがあり、プロセッサは、このような高い電流を検出して、バッテリーが標準のものではなく、熱いパフの原因であることをユーザに知らせることができる。同様に、プロセッサは、より長い吸い口の使用など、EVPSへの代替の修正を提案してもよく、この場合、このような吸い口は取り換え可能であり、その結果、ヒーターとユーザの口との間で蒸気が混合して冷却される時間がより長くなる。
この場合も同様に、プロセッサは、熱いパフの機会を減らすように、ユーザがその吸引プロファイルを調節することができる方法に関してフィードバックを与えてもよく、これは、例えば、ユーザの吸引の空気流速を示すことによって、また、吸引内のどこで空気流速を増大させることができ、又は、それに応じて、初期空気流速を下げることができるかを提示することによって行うことができ、これは、加熱温度を設定するために使用される。プロセッサは、例えば、中くらいの空気流速で吸引しているときでさえ、例えば、熱いパフの場合を減らすように設計された1つ又は複数の吸引の標準パターンの瞬間的な空気流速をたどるように指導を与えてもよい。
次に、図8も参照すると、電子蒸気供給システム(EVPS)用の温度を調整する方法は、
第1ステップs810では、本明細書に前述したように、EVPS内の空気流の少なくとも1つのパラメータを検出するように動作可能なセンサから空気流センサデータを取得するステップと、
第2のステップs820では、本明細書に前述したように、EVPSのパフが熱すぎたというユーザからの指摘を受け取ったかどうかを検出するステップと、もしそうであるならば、
第3のステップs830では、本明細書に前述したように、空気流の少なくとも1つのパラメータからのセンサデータに基づいて、蒸気生成プロセスの少なくとも第1の態様を変えて、吸い口での蒸気温度を下げるステップと
を含む。
本書で説明し特許請求される装置の様々な実施形態の動作に対応する上記の方法の変形は、本発明の範囲内であると考えられることは当業者には明らかであり、本方法は、限定するものではないが、
空気流の少なくとも1つのパラメータの差が予想された値から所定の量だけずれているかどうかを検出し、もしそうであるならば、空気流の少なくとも1つのパラメータに対応して蒸気生成プロセスの少なくとも第1の態様を変えるステップを含み、
空気流の少なくとも1つのパラメータが空気流速を含み、これが、予想された値より所定の量だけ低い場合、本方法は、EVPSのヒーターの有効加熱温度、及びEVPSの有効空気吸込み量よりなるリストから選択された1つ又は複数を変えるステップを含み、
空気流の少なくとも1つのパラメータが、空気動圧、湿度、及び加熱前の周囲空気温度よりなるリストから選択された1つ又は複数を含み、1つのパラメータ又は各パラメータが、予想された値よりそれぞれの所定の量だけ高く、本方法は、EVPSのヒーターの有効加熱温度、及びEVPSの有効空気吸込み量よりなるリストから選択された1つ又は複数を変えるステップを含み、
蒸気生成プロセスの態様を変えるステップは、ヒーター温度を下げること、ヒーターのデューティサイクルを変えること、及びヒーターの予熱温度を下げることよりなるリストから選択された1つ又は複数によってEVPSのヒーターの有効加熱温度を下げるステップを含み、
ヒーターの有効加熱温度を、VPSのペイロードの気化温度より低い温度に下げる必要がある場合、ユーザに知らせるステップと、
瞬間的な空気流速を検出するステップと、瞬間的な空気流速に応答してVPSのヒーターの有効加熱温度を瞬間的に変えるステップと、
吸引中の瞬間的な空気流速に基づいて、ユーザによる吸引行為の進行中の空気流速を示すユーザの吸引プロファイルをモデル化するステップと、吸引プロファイルに対応して蒸気生成プロセスの少なくとも第1の態様を変えるステップと、
EVPS内で生じる温度センサデータ及び空気流センサデータを取得するステップと、温度センサデータ及び空気流センサデータを、蒸気生成プロセスの少なくとも第1の態様への変化を計算するように構成された遠隔のプロセッサに送るステップと
を本方法は含む。
上記の方法は、ソフトウェアの命令によって適用可能となるように適切に構成された従来のハードウェアで実行することができる、或いは専用のハードウェアを備える又は置き換えることによって実行することができることは認識されよう。
したがって、従来の同等なデバイスの既存部品に適合させるのに必要なことは、フロッピーディスク、光ディスク、ハードディスク、PROM、RAM、フラッシュメモリ、又はこれら若しくは他の記憶媒体の任意の組み合わせなどの非一時的な機械読取可能な媒体に記憶されたプロセッサ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品の形態で具現化することができる、或いは、ASIC(application specific integrated circuit:特定用途向け集積回路)又はFPGA(field programmable gate array:フィールドプログラマブルゲートアレイ)又は従来の同等なデバイスを適合させる際に用いるのに適切な他の構成可能な回路としてハードウェアで実現することができる。これとは別に、このようなコンピュータプログラムは、イーサネット、無線ネットワーク、インターネット、或いはこれら又は他のネットワークの任意の組み合わせなどのネットワークでデータ信号によって送られてもよい。

Claims (24)

  1. 電子蒸気供給システム(EVPS)用の温度調整システムであって、
    前記電子蒸気供給システム内の空気流の少なくとも1つのパラメータを検出するためのセンサと、
    前記電子蒸気供給システムのパフが熱すぎたというユーザからの指摘を受け取るように構成されたユーザインターフェースと、
    前記受け取った指摘に応答して、前記空気流の前記少なくとも1つのパラメータからのセンサデータに基づいて、吸い口での蒸気温度を下げるように蒸気生成プロセスの少なくとも第1の態様を変えるように構成されたプロセッサと、
    を備え
    前記プロセッサが、ユーザによって設定されたあらかじめ決めた目標温度を使用して前記目標温度を維持するフィードバックをパフ中に行わない、電子蒸気供給システム用の温度調整システム。
  2. 前記受け取った指摘に応答して、前記空気流の前記少なくとも1つのパラメータの差が、予想された値から所定の量だけずれているかどうかを検出するように前記プロセッサが構成され、
    もしそうであるならば、
    前記プロセッサが、前記空気流の前記少なくとも1つのパラメータに対応して前記蒸気生成プロセスの少なくとも第1の態様を変えるように構成された、請求項1に記載の電子蒸気供給システム用の温度調整システム。
  3. 前記空気流の前記少なくとも1つのパラメータが空気流速であり、
    これが、予想された値より所定の量だけ低い場合、
    前記プロセッサが、
    i 前記電子蒸気供給システムのヒーターの有効加熱温度、及び
    ii 前記電子蒸気供給システムの有効空気吸込み量
    よりなるリストから選択された1つ又は複数を変えるように構成された、請求項2に記載の電子蒸気供給システム用の温度調整システム。
  4. 前記空気流の前記少なくとも1つのパラメータが空気動圧であり、
    これが、予想された値より所定量だけ高い場合、
    前記プロセッサが、
    i 前記電子蒸気供給システムのヒーターの有効加熱温度、及び
    ii 前記電子蒸気供給システムの有効空気吸込み量
    よりなるリストから選択された1つ又は複数を変えるように構成された、請求項2又は3に記載の電子蒸気供給システム用の温度調整システム。
  5. 前記空気流の前記少なくとも1つのパラメータが湿度であり、
    これが、予想された値より所定量だけ高い場合、
    前記プロセッサが、
    i 前記電子蒸気供給システムのヒーターの有効加熱温度、及び
    ii 前記電子蒸気供給システムの有効空気吸込み量
    よりなるリストから選択された1つ又は複数を変えるように構成された、請求項2~4のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム用の温度調整システム。
  6. 前記空気流の前記少なくとも1つのパラメータが加熱前の周囲空気温度であり、
    これが、予想された値より所定量だけ高い場合、
    前記プロセッサが、
    i 前記電子蒸気供給システムのヒーターの有効加熱温度、及び
    ii 前記電子蒸気供給システムの有効空気吸込み量
    よりなるリストから選択された1つ又は複数を変えるように構成された、請求項2~5のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム用の温度調整システム。
  7. 前記空気流の前記少なくとも1つのパラメータが空気静圧であり、
    これが、予想された値より所定量だけ低い場合、
    前記プロセッサが、
    iii 前記電子蒸気供給システムのヒーターの有効加熱温度、及び
    iv 前記電子蒸気供給システムの有効空気吸込み量
    よりなるリストから選択された1つ又は複数を変えるように構成された、請求項2~6のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム用の温度調整システム。
  8. 前記プロセッサが、前記電子蒸気供給システムの前記ヒーターの前記有効加熱温度を所定の量だけ下げ、その結果生じる前記ヒーターの前記有効加熱温度が、前記電子蒸気供給システムのペイロードの気化温度より高い温度に留まるように構成された、請求項3~7のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム用の温度調整システム。
  9. 前記プロセッサが、
    i 前記ヒーター温度を下げること、
    ii 前記ヒーターのデューティサイクルを変えること、及び
    iii 前記ヒーターの予熱温度を下げること
    よりなるリストから選択された1つ又は複数によって、前記電子蒸気供給システムの前記ヒーターの前記有効加熱温度を下げるように構成された、請求項3~8のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム用の温度調整システム。
  10. 前記プロセッサが、前記空気流の前記少なくとも1つのパラメータの前記検出された量と前記予想された量との間の差に対応する量だけ前記ヒーターの前記有効加熱温度を下げるように構成された、請求項9に記載の電子蒸気供給システム用の温度調整システム。
  11. 瞬間的な空気流速を検出するためのセンサを備え、
    前記プロセッサが、前記センサデータに応答して前記電子蒸気供給システムの前記ヒーターの前記有効加熱温度を瞬間的に変えるように構成された、請求項1~10のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム用の温度調整システム。
  12. 前記プロセッサが、吸引中にセンサによって検出される瞬間的な空気流速に基づいて、前記ユーザによる吸引行為の進行中の空気流速を示す前記ユーザの吸引プロファイルをモデル化するように構成され、
    前記プロセッサが、前記吸引プロファイルに対応して前記蒸気生成プロセスの少なくとも第1の態様を変えるように構成された、請求項1~11のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム用の温度調整システム。
  13. 前記プロセッサが、前記電子蒸気供給システムのペイロードの気化温度より低くなるように前記ヒーターの有効温度を変えることを計算した場合、前記システムが前記ユーザに知らせる、請求項1~12のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム用の温度調整システム。
  14. 前記電子蒸気供給システムが、遠隔デバイスと通信するように動作可能な無線通信ユニットを備え、
    前記プロセッサが前記遠隔デバイスに配置された、請求項1~13のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム用の温度調整システム。
  15. 電子蒸気供給システム(EVPS)用の温度を調整する方法であって、
    前記電子蒸気供給システム内の空気流の少なくとも1つのパラメータを検出するように動作可能なセンサから空気流センサデータを取得するステップと、
    前記電子蒸気供給システムのパフが熱すぎたというユーザからの指摘を受け取ったかどうかを検出するステップと、もしそうであるならば、
    前記空気流の前記少なくとも1つのパラメータからのセンサデータに基づいて、蒸気生成プロセスの少なくとも第1の態様を変えて、吸い口での蒸気温度を下げるステップと、
    を含み、
    前記方法が、ユーザによって設定されたあらかじめ決めた目標温度を使用して前記目標温度を維持するフィードバックをパフ中に行うステップを含まない、方法。
  16. 前記空気流の前記少なくとも1つのパラメータの差が、予想された値から所定の量だけずれているかどうかを検出するステップと、
    もしそうであるならば、
    前記空気流の前記少なくとも1つのパラメータに対応して前記蒸気生成プロセスの少なくとも第1の態様を変えるステップと、
    を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記空気流の前記少なくとも1つのパラメータが空気流速を含み、
    これが、予想された値より所定の量だけ低い場合、
    i 前記電子蒸気供給システムのヒーターの有効加熱温度、及び
    ii 前記電子蒸気供給システムの有効空気吸込み量
    よりなるリストから選択された1つ又は複数を変えるステップを含む、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 前記空気流の前記少なくとも1つのパラメータが、
    i 空気動圧、
    ii 湿度、及び
    iii 加熱前の周囲空気温度
    よりなるリストから選択された1つ又は複数を含み、
    前記パラメータ又は各パラメータが、予想された値よりそれぞれの所定の量だけ高い場合
    i 前記電子蒸気供給システムのヒーターの有効加熱温度、及び
    ii 前記電子蒸気供給システムの有効空気吸込み量
    よりなるリストから選択された1つ又は複数を変えるステップを含む、
    請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記蒸気生成プロセスの態様を変える前記ステップが、
    i 前記ヒーター温度を下げること、
    ii 前記ヒーターのデューティサイクルを変えること、及び
    iii 前記ヒーターの予熱温度を下げること
    よりなるリストから選択された1つ又は複数によって前記電子蒸気供給システムの前記ヒーターの前記有効加熱温度を下げるステップを含む、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記ヒーターの前記有効加熱温度を、前記蒸気供給システムのペイロードの気化温度より低い温度に下げる必要がある場合、前記ユーザに知らせる、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 瞬間的な前記空気流速を検出するステップと、
    瞬間的な前記空気流速に応答して前記蒸気供給システムの前記ヒーターの前記有効加熱温度を瞬間的に変えるステップと、
    を含む請求項15~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 吸引中の瞬間的な空気流速に基づいて、前記ユーザによる吸引行為の進行中の空気流速を示す前記ユーザの吸引プロファイルをモデル化するステップと、
    前記吸引プロファイルに対応して前記蒸気生成プロセスの少なくとも第1の態様を変えるステップと、
    を含む、請求項15~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記電子蒸気供給システム内で生じる温度センサデータ及び空気流センサデータを取得するステップと、
    前記温度センサデータ及び前記空気流センサデータを、前記蒸気生成プロセスの少なくとも前記第1の態様への前記変化を計算するように構成された遠隔のプロセッサに送るステップと、
    を含む、請求項15~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. コンピュータシステムに請求項15~23のいずれか一項に記載の方法を実施させるように構成されたコンピュータ実行可能な命令を有するコンピュータ読取可能な媒体。
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