JP7243884B2 - 変倍光学系、これを用いた光学機器および撮像機器 - Google Patents

変倍光学系、これを用いた光学機器および撮像機器 Download PDF

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Description

本発明は、変倍光学系、これを用いた光学機器および撮像機器に関する。
以前から、写真用カメラ、電子スチルカメラ、ビデオカメラ等に適した変倍光学系が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。しかし、従来の変倍光学系にあっては、光学性能が不十分であった。
特開平4-293007号公報
第1の態様に係る変倍光学系は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、後続レンズ群とを有し、変倍の際、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化し、前記第3レンズ群と前記後続レンズ群との間隔が変化し、最も像面側に配置された正レンズと、前記正レンズの物体側に並んで配置された負レンズとを有し、前記後続レンズ群は、合焦の際に移動する合焦レンズ群を有し、前記合焦レンズ群は、1枚の正レンズと1枚の負レンズとからなり、前記第3レンズ群は、前記第3レンズ群の最も物体側から順に並んだ、第1の正レンズと、第2の正レンズとを有し、
前記第2レンズ群が以下の条件式を満足する部分群を有し、
1.40<fvr/f2<2.10
但し、fvr:前記部分群の焦点距離、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離、
さらに以下の条件式を満足する。
1.80<f1/fw≦2.441
0.84<(-f2)/f3<1.20
但し、f1:前記第1レンズ群の焦点距離、
fw:広角端状態における前記変倍光学系の焦点距離
f3:前記第3レンズ群の焦点距離。
第2の態様に係る変倍光学系は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、後続レンズ群とを有し、変倍の際、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化し、前記第3レンズ群と前記後続レンズ群との間隔が変化し、広角端状態から望遠端状態への変倍の際、前記第1レンズ群と最も像面側に配置されたレンズ群とが物体側へ移動し、前記後続レンズ群は、合焦の際に移動する合焦レンズ群を有し、前記合焦レンズ群は、1枚の正レンズと1枚の負レンズとからなり、前記第3レンズ群は、前記第3レンズ群の最も物体側から順に並んだ、第1の正レンズと、第2の正レンズとを有し、前記最も像面側に配置されたレンズ群は、2枚のレンズからなり、
前記第2レンズ群が以下の条件式を満足する部分群を有し、
1.40<fvr/f2<2.10
但し、fvr:前記部分群の焦点距離、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離、
さらに前記部分群は、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有するレンズと、正の屈折力を有するレンズとからなり、以下の条件式を満足する。
1.80<f1/fw≦2.441
0.80<nN/nP≦0.942
但し、f1:前記第1レンズ群の焦点距離、
fw:広角端状態における前記変倍光学系の焦点距離
nN:前記部分群における前記負の屈折力を有するレンズの屈折率、
nP:前記部分群における前記正の屈折力を有するレンズの屈折率。
第3の態様に係る光学機器は、上記変倍光学系を備えて構成される。
第4の態様に係る撮像機器は、上記変倍光学系と、上記変倍光学系によって形成される像を撮像する撮像部とを備えて構成される。
本実施形態の第1実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。 図2(a)は、第1実施例に係る変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図であり、図2(b)は、0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 第1実施例に係る変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。 図4(a)は、第1実施例に係る変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図であり、図4(b)は、0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 図5(a)、図5(b)、および図5(c)はそれぞれ、第1実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。 本実施形態の第2実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。 図7(a)は、第2実施例に係る変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図であり、図7(b)は、0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 第2実施例に係る変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。 図9(a)は、第2実施例に係る変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図であり、図9(b)は、0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 図10(a)、図10(b)、および図10(c)はそれぞれ、第2実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。 本実施形態の第3実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。 図12(a)は、第3実施例に係る変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図であり、図12(b)は、0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 第3実施例に係る変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。 図14(a)は、第3実施例に係る変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図であり、図14(b)は、0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 図15(a)、図15(b)、および図15(c)はそれぞれ、第3実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。 本実施形態の第4実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。 図17(a)は、第4実施例に係る変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図であり、図17(b)は、0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 第4実施例に係る変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。 図19(a)は、第4実施例に係る変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図であり、図19(b)は、0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 図20(a)、図20(b)、および図20(c)はそれぞれ、第4実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。 本実施形態の第5実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。 図22(a)は、第5実施例に係る変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図であり、図22(b)は、0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 第5実施例に係る変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。 図24(a)は、第5実施例に係る変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図であり、図24(b)は、0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 図25(a)、図25(b)、および図25(c)はそれぞれ、第5実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。 本実施形態の第6実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。 図27(a)は、第6実施例に係る変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図であり、図27(b)は、0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 第6実施例に係る変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。 図29(a)は、第6実施例に係る変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図であり、図29(b)は、0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 図30(a)、図30(b)、および図30(c)はそれぞれ、第6実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。 本実施形態に係る変倍光学系を備えたカメラの構成を示す図である。 本実施形態に係る変倍光学系の製造方法を示すフローチャートである。
以下、本実施形態に係る変倍光学系、光学機器および撮像機器について図を参照して説明する。本実施形態に係る変倍光学系(ズームレンズ)ZLの一例としての変倍光学系ZL(1)は、図1に示すように、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、少なくとも一つのレンズ群から構成される後続レンズ群GR(第4レンズ群G4および第5レンズ群G5)とを有して構成される。変倍の際、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が変化し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が変化し、第3レンズ群G3と後続レンズ群GRとの間隔が変化する。また、後続レンズ群GRは、合焦の際に移動する合焦レンズ群を有している。
本実施形態に係る変倍光学系ZLは、図6に示す変倍光学系ZL(2)でも良く、図11に示す変倍光学系ZL(3)でも良く、図16に示す変倍光学系ZL(4)でも良く、図21に示す変倍光学系ZL(5)でも良く、図26に示す変倍光学系ZL(6)でも良い。なお、図6、図11、図21、および図26に示す変倍光学系ZL(2),ZL(3),ZL(5),ZL(6)の各群は、図1に示す変倍光学系ZL(1)と同様に構成される。図16に示す変倍光学系ZL(4)においては、後続レンズ群GRが第4レンズ群G4から構成される。
本実施形態の変倍光学系ZLは、少なくとも4つのレンズ群を有し、変倍の際、各レンズ群間隔を変化させることによって、変倍時の良好な収差補正を図ることができる。また、後続レンズ群GRに合焦レンズ群を配置することにより、合焦レンズ群を小型軽量化できる。
上記構成の下、本実施形態に係る変倍光学系ZLは、第2レンズ群G2が以下の条件式を満足する部分群を有する。
1.40<fvr/f2<2.30 ・・・(1)
1.80<f1/fw<3.50 ・・・(2)
但し、fvr:部分群の焦点距離、
f2:第2レンズ群G2の焦点距離、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離、
fw:広角端状態における変倍光学系ZLの焦点距離。
条件式(1)は、(第2レンズ群G2の)部分群の焦点距離と第2レンズ群G2の焦点距離との比の適正範囲を規定するものである。条件式(1)を満足することで、ブレ補正を行った際の性能劣化を効果的に抑えることができる。また、広角端状態から望遠端状態への変倍時の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
条件式(1)の対応値が上限値を上回ると、第2レンズ群G2の屈折力が強くなり、変倍時の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。条件式(1)の
上限値を2.20に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(1)の上限値を2.10に設定することが好ましい。
条件式(1)の対応値が下限値を下回ると、部分群の屈折力が強くなり、ブレ補正を行った際に発生する偏芯コマ収差を補正することが困難となる。条件式(1)の下限値を1.50に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(1)の下限値を1.60に設定することが好ましい。
条件式(2)は、第1レンズ群G1の焦点距離と広角端状態における変倍光学系ZLの焦点距離との比の適正範囲を規定するものである。条件式(2)を満足することで、鏡筒の大型化を防ぎ、広角端状態から望遠端状態への変倍時の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
条件式(2)の対応値が上限値を上回ると、第1レンズ群G1の屈折力が弱くなり、鏡筒が大型化する。条件式(2)の上限値を3.30に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(2)の上限値を3.10に設定することが好ましい。
条件式(2)の対応値が下限値を下回ると、第1レンズ群G1の屈折力が強くなり、変倍時の球面収差をはじめとする諸収差を補正することが困難となる。条件式(2)の下限値を1.90に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(2)の下限値を2.00に設定することが好ましく、条件式(2)の下限値を2.10に設定することがより好ましい。
本実施形態の変倍光学系は、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
3.70<f1/(-f2)<5.00 ・・・(3)
条件式(3)は、第1レンズ群G1の焦点距離と第2レンズ群G2の焦点距離との比の適正範囲を規定するものである。条件式(3)を満足することで、広角端状態から望遠端状態への変倍時の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
条件式(3)の対応値が上限値を上回ると、第2レンズ群G2の屈折力が強くなり、変倍時の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。条件式(3)の上限値を4.90に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(3)の上限値を4.80に設定することが好ましい。
条件式(3)の対応値が下限値を下回ると、第1レンズ群G1の屈折力が強くなり、変倍時の球面収差をはじめとする諸収差を補正することが困難となる。条件式(3)の下限値を3.90に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(3)の下限値を3.95に設定することが好ましい。
本実施形態の変倍光学系は、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
3.20<f1/f3<5.00 ・・・(4)
但し、f3:第3レンズ群G3の焦点距離。
条件式(4)は、第1レンズ群G1の焦点距離と第3レンズ群G3の焦点距離との比の
適正範囲を規定するものである。条件式(4)を満足することで、広角端状態から望遠端状態への変倍時の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
条件式(4)の対応値が上限値を上回ると、第3レンズ群G3の屈折力が強くなり、変倍時の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。条件式(4)の上限値を4.80に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(4)の上限値を4.60に設定することが好ましい。
条件式(4)の対応値が下限値を下回ると、第1レンズ群G1の屈折力が強くなり、変倍時の球面収差をはじめとする諸収差を補正することが困難となる。条件式(4)の下限値を3.40に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(4)の下限値を3.60に設定することが好ましい。
本実施形態の変倍光学系は、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
0.18<(-fF)/f1<0.30 ・・・(5)
但し、fF:合焦レンズ群の焦点距離。
条件式(5)は、合焦レンズ群の焦点距離と第1レンズ群G1の焦点距離との比の適正範囲を規定するものである。条件式(5)を満足することで、広角端状態から望遠端状態への変倍時の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。また、無限遠物体から近距離物体への合焦時の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
条件式(5)の対応値が上限値を上回ると、第1レンズ群G1の屈折力が強くなり、変倍時の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。条件式(5)の上限値を0.29に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(5)の上限値を0.28に設定することが好ましい。
条件式(5)の対応値が下限値を下回ると、合焦レンズ群の屈折力が強くなり、合焦時の球面収差をはじめとする諸収差を補正することが困難となる。条件式(5)の下限値を0.19に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(5)の下限値を0.20に設定することが好ましい。
本実施形態の変倍光学系は、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
0.84<(-f2)/f3<1.20 ・・・(6)
但し、f3:第3レンズ群G3の焦点距離。
条件式(6)は、第2レンズ群G2の焦点距離と第3レンズ群G3の焦点距離との比の適正範囲を規定するものである。条件式(6)を満足することで、広角端状態から望遠端状態への変倍時の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
条件式(6)の対応値が上限値を上回ると、第3レンズ群G3の屈折力が強くなり、変倍時の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。条件式(6)の上限値を1.15に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(6)の上限値を1.10に設定することが好ましい。
条件式(6)の対応値が下限値を下回ると、第2レンズ群G2の屈折力が強くなり、変倍時の球面収差をはじめとする諸収差を補正することが困難となる。条件式(6)の下限値を0.87に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(6)の下限値を0.90に設定することが好ましい。
本実施形態の変倍光学系において、広角端状態から望遠端状態への変倍の際、第1レンズ群G1が物体側へ移動することが好ましい。これにより、広角端状態でのレンズ全長の短縮ができ、変倍光学系の小型化を図ることができる。
本実施形態の変倍光学系において、合焦レンズ群は、少なくとも一つの正の屈折力を有するレンズと、少なくとも一つの負の屈折力を有するレンズとを有することが好ましい。これにより、無限遠物体から近距離物体への合焦時の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
本実施形態の変倍光学系において、(第2レンズ群G2の)部分群は、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有するレンズと、正の屈折力を有するレンズとからなることが好ましい。これにより、ブレ補正を行った際の性能劣化を効果的に抑えることができる。
本実施形態の変倍光学系は、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
0.80<nN/nP<1.00 ・・・(7)
但し、nN:部分群における負の屈折力を有するレンズの屈折率、
nP:部分群における正の屈折力を有するレンズの屈折率。
条件式(7)は、(第2レンズ群G2の)部分群における負の屈折力を有するレンズの屈折率と、部分群における正の屈折力を有するレンズの屈折率との比の適正範囲を規定するものである。条件式(7)を満足することで、ブレ補正を行った際の性能劣化を効果的に抑えることができる。
条件式(7)の対応値が上限値を上回ると、部分群における正の屈折力を有するレンズの屈折率が低くなり、ブレ補正を行った際に発生する偏芯コマ収差を補正することが困難となる。条件式(7)の上限値を0.98に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(7)の上限値を0.96に設定することが好ましい。
条件式(7)の対応値が下限値を下回ると、部分群における負の屈折力を有するレンズの屈折率が低くなり、ブレ補正を行った際に発生する偏芯コマ収差を補正することが困難となる。条件式(7)の下限値を0.82に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(7)の下限値を0.84に設定することが好ましい。
本実施形態の変倍光学系は、以下の条件式(8)を満足することが望ましい。
1.20<νN/νP<2.40 ・・・(8)
但し、νN:部分群における負の屈折力を有するレンズのアッベ数、
νP:部分群における正の屈折力を有するレンズのアッベ数。
条件式(8)は、(第2レンズ群G2の)部分群における負の屈折力を有するレンズのアッベ数と、部分群における正の屈折力を有するレンズのアッベ数との比の適正範囲を規定するものである。条件式(8)を満足することで、ブレ補正を行った際の性能劣化を効
果的に抑えることができる。
条件式(8)の対応値が上限値を上回ると、部分群における正の屈折力を有するレンズのアッベ数が小さくなりすぎるため、ブレ補正を行った際に発生する色収差を補正することが困難となる。条件式(8)の上限値を2.30に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(8)の上限値を2.20に設定することが好ましい。
条件式(8)の対応値が下限値を下回ると、部分群における負の屈折力を有するレンズのアッベ数が小さくなりすぎるため、ブレ補正を行った際に発生する色収差を補正することが困難となる。条件式(8)の下限値を1.30に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(8)の下限値を1.40に設定することが好ましい。
本実施形態の変倍光学系において、(第2レンズ群G2の)部分群は、像ブレを補正するために光軸と垂直な方向の変位成分を有するように移動可能な防振レンズ群であることが好ましい。これにより、ブレ補正を行った際の性能劣化を効果的に抑えることができる。
本実施形態の変倍光学系において、後続レンズ群GRは、合焦レンズ群の像側に配置された負の屈折力を有するレンズと、当該負の屈折力を有するレンズの像側に配置された正の屈折力を有するレンズとを有することが好ましい。これにより、コマ収差をはじめとする諸収差を効果的に補正することができる。
本実施形態の変倍光学系は、以下の条件式(9)を満足することが望ましい。
0.70<(-fN)/fP<2.00 ・・・(9)
但し、fN:合焦レンズ群の像側に配置された負の屈折力を有するレンズの焦点距離、
fP:負の屈折力を有するレンズの像側に配置された正の屈折力を有するレンズの焦点距離。
条件式(9)は、合焦レンズ群の像側に配置された負の屈折力を有するレンズの焦点距離と、合焦レンズ群の像側に(負の屈折力を有するレンズの像側に)配置された正の屈折力を有するレンズの焦点距離との比の適正範囲を規定するものである。条件式(9)を満足することで、コマ収差をはじめとする諸収差を効果的に補正することができる。
条件式(9)の対応値が上限値を上回ると、合焦レンズ群の像側に配置された正の屈折力を有するレンズの屈折力が強くなり、コマ収差を補正することが困難となる。条件式(9)の上限値を1.90に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(9)の上限値を1.80に設定することが好ましい。
条件式(9)の対応値が下限値を下回ると、合焦レンズ群の像側に配置された負の屈折力を有するレンズの屈折力が強くなり、コマ収差を補正することが困難となる。条件式(9)の下限値を0.80に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実にするために、条件式(9)の下限値を0.90に設定することが好ましい。
本実施形態の光学機器および撮像機器は、上述した構成の変倍光学系を備えて構成される。その具体例として、上記変倍光学系ZLを備えたカメラ(本願発明の撮像機器に対応)を図31に基づいて説明する。このカメラ1は、図31に示すように撮影レンズ2が交
換可能なレンズアッセンブリ構成であり、この撮影レンズ2に上述した構成の変倍光学系が設けられている。すなわち、撮影レンズ2が本願発明の光学機器に対応する。カメラ1はデジタルカメラであり、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2で集光されて、撮像素子3へ到達する。これにより被写体からの光は、当該撮像素子3によって撮像されて、被写体画像として不図示のメモリに記録される。このようにして、撮影者はカメラ1による被写体の撮影を行うことができる。なお、このカメラは、ミラーレスカメラでも、クイックリターンミラーを有した一眼レフタイプのカメラであっても良い。
以上の構成により、上記変倍光学系ZLを撮影レンズ2に搭載したカメラ1は、合焦レンズ群を小型軽量化することで、鏡筒を大型化することなく、高速なAF、AF時の静粛性を実現することができる。さらに、広角端状態から望遠端状態への変倍時の収差変動、並びに無限遠物体から近距離物体への合焦時の収差変動を良好に抑え、良好な光学性能を実現することができる。
続いて、図32を参照しながら、上述の変倍光学系ZLの製造方法について概説する。まず、物体側から順に並べて、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、後続レンズ群GRとを配置する(ステップST1)。そして、変倍の際、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が変化し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が変化し、第3レンズ群G3と後続レンズ群GRとの間隔が変化するように構成する(ステップST2)。また、後続レンズ群GRが、合焦の際に移動する合焦レンズ群を有するように構成する(ステップST3)。さらに、第2レンズ群G2が少なくとも上記条件式(1)~(2)を満足する部分群を有するように、レンズ鏡筒内に各レンズを配置する(ステップST4)。
以下、本実施形態の実施例に係る変倍光学系(ズームレンズ)ZLを図面に基づいて説明する。図1、図6、図11、図16、図21、図26は、第1~第6実施例に係る変倍光学系ZL{ZL(1)~ZL(6)}の構成及び屈折力配分を示す断面図である。変倍光学系ZL(1)~ZL(6)の断面図の下部には、広角端状態(W)から望遠端状態(T)に変倍する際の各レンズ群の光軸に沿った移動方向を矢印で示す。さらに、合焦レンズ群が無限遠から近距離物体に合焦する際の移動方向を、「合焦」という文字とともに矢印で示している。
これら図1、図6、図11、図16、図21、図26において、各レンズ群を符号Gと数字の組み合わせにより、各レンズを符号Lと数字の組み合わせにより、それぞれ表している。この場合において、符号、数字の種類および数が大きくなって煩雑化するのを防止するため、実施例毎にそれぞれ独立して符号と数字の組み合わせを用いてレンズ群等を表している。このため、実施例間で同一の符号と数字の組み合わせが用いられていても、同一の構成であることを意味するものでは無い。
以下に表1~表6を示すが、この内、表1は第1実施例、表2は第2実施例、表3は第3実施例、表4は第4実施例、表5は第5実施例、表6は第6実施例における各諸元データを示す表である。各実施例では収差特性の算出対象として、d線(波長λ=587.6nm)、g線(波長λ=435.8nm)を選んでいる。
[レンズ諸元]の表において、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序を示し、Rは各光学面の曲率半径(曲率中心が像側に位置する面を正の値としている)、Dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔、ndは光学部材の材質のd線に対する屈折率、νdは光学部材の材質のd線を基準とするアッベ数を、それぞれ示す。物面とは物体面のことを示し、曲率半径の「∞」は平面又は開
口を、(絞りS)は開口絞りSを、像面は像面Iを、それぞれ示す。空気の屈折率nd=1.00000の記載は省略している。
[各種データ]の表において、fはレンズ全系の焦点距離、FNОはFナンバー、2ωは画角(単位は°(度)で、ωが半画角である)、Ymaxは最大像高を示す。TLは無限
遠合焦時の光軸上でのレンズ最前面からレンズ最終面までの距離にBFを加えた距離を示し、BFは無限遠合焦時の光軸上でのレンズ最終面から像面Iまでの距離(バックフォーカス)を示す。なお、これらの値は、広角端(W)、中間焦点距離(M)、望遠端(T)の各変倍状態におけるそれぞれについて示している。
[可変間隔データ]の表は、[レンズ諸元]を示す表において面間隔が「可変」となっている面番号での面間隔を示す。ここでは無限遠および近距離に合焦させたときのそれぞれについて、広角端(W)、中間焦点距離(M)、望遠端(T)の各変倍状態における面間隔を示す。
[レンズ群データ]の表において、第1~第5レンズ群(もしくは第4レンズ群)のそれぞれの始面(最も物体側の面)と焦点距離を示す。
[条件式対応値]の表には、上記の条件式(1)~(9)に対応する値を示す。
以下、全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径R、面間隔D、その他の長さ等は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。
ここまでの表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での重複する説明は省略する。
(第1実施例)
第1実施例について、図1~図5および表1を用いて説明する。図1は、本実施形態の第1実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。第1実施例に係る変倍光学系ZL(1)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。広角端状態(W)から望遠端状態(T)に変倍する際、第1~第5レンズ群G1~G5がそれぞれ図1の矢印で示す方向に移動する。本実施例では、第4レンズ群G4および第5レンズ群G5が後続レンズ群GRを構成する。各レンズ群記号に付けている符号(+)もしくは(-)は各レンズ群の屈折力を示し、このことは以下の全ての実施例でも同様である。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12および両凸形状の正レンズL13からなる接合正レンズと、から構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凸形状の正レンズL22と、両凹形状の負レンズL23と、両凹形状の負レンズL24および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL25からなる接合負レンズと、から構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32および両凹形状の負レンズL33からなる接合正レンズと、開口絞りS
と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL34および両凸形状の正レンズL35からなる接合正レンズと、両凸形状の正レンズL36と、から構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL41と、両凹形状の負レンズL42と、から構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL51と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL52と、から構成される。第5レンズ群G5の像側に、像面Iが配置される。
第1実施例に係る変倍光学系ZL(1)では、第4レンズ群G4の全体が合焦レンズ群を構成し、第4レンズ群G4の全体を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。また、第1実施例に係る変倍光学系ZL(1)では、第2レンズ群G2の負レンズL24および正メニスカスレンズL25からなる接合負レンズが、光軸と垂直な方向へ移動可能な防振レンズ群(部分群)を構成し、手ブレ等による結像位置の変位(像面I上の像ブレ)を補正する。
なお、全系の焦点距離がfで、防振係数(ブレ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量比)がKのレンズで角度θの回転ブレを補正するには、ブレ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向に移動させればよい。第1実施例
の広角端状態において、防振係数は0.97であり、焦点距離は72.1mmであるので、0.30°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.39mmである。第1実施例の望遠端状態において、防振係数は2.01であり、焦点距離は292.0mmであるので、0.20°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.51mmである。
以下の表1に、第1実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表1)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 121.1094 4.980 1.48749 70.31
2 474.6427 0.200
3 104.9110 1.700 1.83400 37.18
4 63.9583 9.069 1.49700 81.73
5 -1816.1542 可変
6 153.9285 1.000 1.83400 37.18
7 37.0130 9.180
8 41.8122 5.321 1.80518 25.45
9 -148.0087 1.552
10 -153.0936 1.000 1.90366 31.27
11 74.4958 4.888
12 -65.0702 1.000 1.69680 55.52
13 35.9839 3.310 1.83400 37.18
14 121.5659 可変
15 85.1793 3.534 1.80400 46.60
16 -101.3301 0.200
17 38.9890 5.033 1.49700 81.73
18 -62.2191 1.200 1.95000 29.37
19 378.6744 1.198
20 ∞ 19.885 (絞りS)
21 44.8832 1.200 1.85026 32.35
22 20.5002 4.485 1.51680 63.88
23 -586.4581 0.200
24 64.4878 2.563 1.62004 36.40
25 -357.2881 可変
26 -801.6030 2.383 1.80518 25.45
27 -50.3151 1.298
28 -57.1873 1.000 1.77250 49.62
29 26.1668 可変
30 -21.0000 1.300 1.77250 49.62
31 -28.8136 0.200
32 58.9647 3.137 1.62004 36.40
33 524.5289 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.05
W M T
f 72.1 99.9 292.0
FNO 4.57 4.79 5.88
2ω 33.24 23.82 8.24
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 191.32 204.14 241.16
BF 38.52 42.04 60.52
[可変間隔データ]
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 2.000 22.163 69.630 2.000 22.163 69.630
d14 41.783 30.929 2.000 41.783 30.929 2.000
d25 2.000 3.259 2.000 2.462 3.867 3.166
d29 14.999 13.740 14.999 14.538 13.133 13.833
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 167.635
G2 6 -39.933
G3 15 37.727
G4 26 -36.765
G5 30 2825.740
[条件式対応値]
条件式(1) fvr/f2=1.807
条件式(2) f1/fw=2.325
条件式(3) f1/(-f2)=4.198
条件式(4) f1/f3=4.443
条件式(5) (-fF)/f1=0.219
条件式(6) (-f2)/f3=1.058
条件式(7) nN/nP=0.925
条件式(8) νN/νP=1.493
条件式(9) (-fN)/fP=1.011
図2(a)および図2(b)はそれぞれ、第1実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図、および0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。図3は、第1実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図4(a)および図4(b)はそれぞれ、第1実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図、および0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。図5(a)、図5(b)、および図5(c)はそれぞれ、第1実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
図2~図5の各収差図において、FNOはFナンバー、NAは開口数、Yは像高をそれぞれ示す。なお、球面収差図では最大口径に対応するFナンバーまたは開口数の値を示し、非点収差図および歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。dはd線(波長λ=587.6nm)、gはg線(波長λ=435.8nm)をそれぞれ示す。非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。なお、以下に示す各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用い、重複する説明は省略する。
各諸収差図より、第1実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
(第2実施例)
第2実施例について、図6~図10および表2を用いて説明する。図6は、本実施形態の第2実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。第2実施例に係る変倍光学系ZL(2)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。広角端状態(W)から望遠端状態(T)に変倍する際、第1~第5レンズ群G1~G5がそれぞれ図6の矢印で示す方向に移動する。本実施例では、第4レンズ群G4および第5レンズ群G5が後続レンズ群GRを構成する。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12および両凸形状の正レンズL13からなる接合正レンズと、から構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凸形状の正レンズL22および両凹形状の負レンズL23からなる接合正レンズと、両凹形状の負レンズL24および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL25からなる接合負レンズと、から構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32および両凹形状の負レンズL33からなる接合正レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL34および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL35からなる接合負レンズと、両凸形状の正レンズL36と、から構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL41と、両凹形状の負レンズL42と、から構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL51と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL52と、から構成される。第5レンズ群G5の像側に、像面Iが配置される。
第2実施例に係る変倍光学系ZL(2)では、第4レンズ群G4の全体が合焦レンズ群を構成し、第4レンズ群G4の全体を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。また、第2実施例に係る変倍光学系ZL(2)では、第2レンズ群G2の負レンズL24および正メニスカスレンズL25からなる接合負レンズが、光軸と垂直な方向へ移動可能な防振レンズ群(部分群)を構成し、手ブレ等による結像位置の変位(像面I上の像ブレ)を補正する。
なお、全系の焦点距離がfで、防振係数(ブレ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量比)がKのレンズで角度θの回転ブレを補正するには、ブレ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向に移動させればよい。第2実施例
の広角端状態において、防振係数は0.93であり、焦点距離は72.1mmであるので、0.30°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.41mmである。第2実施例の望遠端状態において、防振係数は1.90であり、焦点距離は292.0mmであるので、0.20°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.54mmである。
以下の表2に、第2実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表2)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 114.5391 5.639 1.48749 70.31
2 663.8041 0.200
3 103.9783 1.700 1.83400 37.18
4 62.4686 8.805 1.49700 81.73
5 -43979.1830 可変
6 146.6152 1.000 1.77250 49.62
7 35.8241 11.693
8 37.5245 4.696 1.68893 31.16
9 -254.6834 1.000 1.83400 37.18
10 64.6045 5.066
11 -60.5874 1.000 1.56883 56.00
12 39.1203 2.952 1.75520 27.57
13 93.1442 可変
14 92.3597 3.688 1.80400 46.60
15 -87.7395 0.200
16 36.8528 5.291 1.49700 81.73
17 -63.3187 1.200 1.95000 29.37
18 264.8384 1.289
19 ∞ 19.911 (絞りS)
20 52.0583 1.200 1.85026 32.35
21 20.7485 3.983 1.51680 63.88
22 439.3463 0.200
23 64.0215 2.788 1.62004 36.40
24 -130.2911 可変
25 -343.5287 2.371 1.80518 25.45
26 -47.6881 1.474
27 -51.9782 1.000 1.77250 49.62
28 29.6298 可変
29 -21.0360 1.300 1.60300 65.44
30 -30.1613 0.200
31 64.8879 2.981 1.57501 41.51
32 614.9077 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.05
W M T
f 72.1 99.9 292.0
FNO 4.59 4.76 5.87
2ω 33.22 23.72 8.22
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 191.32 205.16 240.15
BF 38.52 41.03 60.02
[可変間隔データ]
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 2.000 23.304 67.717 2.000 23.304 67.717
d13 40.383 30.413 2.000 40.383 30.413 2.000
d24 2.000 3.305 2.001 2.487 3.962 3.248
d28 15.588 14.284 15.587 15.101 13.626 14.340
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 161.728
G2 6 -38.469
G3 14 38.469
G4 25 -39.083
G5 29 -12107.081
[条件式対応値]
条件式(1) fvr/f2=2.028
条件式(2) f1/fw=2.243
条件式(3) f1/(-f2)=4.204
条件式(4) f1/f3=4.204
条件式(5) (-fF)/f1=0.242
条件式(6) (-f2)/f3=1.000
条件式(7) nN/nP=0.894
条件式(8) νN/νP=2.031
条件式(9) (-fN)/fP=0.968
図7(a)および図7(b)はそれぞれ、第2実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図、および0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。図8は、第2実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図9(a)および図9(b)はそれぞれ、第2実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図、および0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。図10(a)、図10(b)、および図
10(c)はそれぞれ、第2実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
各諸収差図より、第2実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
(第3実施例)
第3実施例について、図11~図15並びに表3を用いて説明する。図11は、本実施形態の第3実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。第3実施例に係る変倍光学系ZL(3)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。広角端状態(W)から望遠端状態(T)に変倍する際、第1~第5レンズ群G1~G5がそれぞれ図11の矢印で示す方向に移動する。本実施例では、第4レンズ群G4および第5レンズ群G5が後続レンズ群GRを構成する。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12および両凸形状の正レンズL13からなる接合正レンズと、から構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凸形状の正レンズL22および両凹形状の負レンズL23からなる接合正レンズと、両凹形状の負レンズL24および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL25からなる接合負レンズと、から構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32および両凹形状の負レンズL33からなる接合正レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL34および両凸形状の正レンズL35からなる接合正レンズと、から構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL41と、両凹形状の負レンズL42と、から構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL51と、両凸形状の正レンズL52と、から構成される。第5レンズ群G5の像側に、像面Iが配置される。
第3実施例に係る変倍光学系ZL(3)では、第4レンズ群G4の全体が合焦レンズ群を構成し、第4レンズ群G4の全体を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。また、第3実施例に係る変倍光学系ZL(3)では、第2レンズ群G2の負レンズL24および正メニスカスレンズL25からなる接合負レンズが、光軸と垂直な方向へ移動可能な防振レンズ群(部分群)を構成し、手ブレ等による結像位置の変位(像面I上の像ブレ)を補正する。
なお、全系の焦点距離がfで、防振係数(ブレ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量比)がKのレンズで角度θの回転ブレを補正するには、ブレ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向に移動させればよい。第3実施例
の広角端状態において、防振係数は0.96であり、焦点距離は72.1mmであるので、0.30°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.39mmである。
第3実施例の望遠端状態において、防振係数は2.00であり、焦点距離は292.0mmであるので、0.20°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.51mmである。
以下の表3に、第3実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表3)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 268.8673 3.827 1.48749 70.31
2 -1922.6559 0.200
3 111.5860 1.700 1.62004 36.40
4 61.6123 8.761 1.49700 81.73
5 -1745.4439 可変
6 124.2629 1.000 1.77250 49.62
7 34.3759 7.147
8 35.3149 5.189 1.60342 38.03
9 -190.5775 1.000 1.77250 49.62
10 75.4448 4.904
11 -65.2960 1.000 1.67003 47.14
12 37.2634 3.301 1.80518 25.45
13 119.9726 可変
14 80.9765 3.968 1.77250 49.62
15 -78.4621 0.200
16 33.2120 5.701 1.49700 81.73
17 -56.7466 1.200 1.85026 32.35
18 108.8392 1.685
19 ∞ 18.569 (絞りS)
20 40.1917 1.200 1.85026 32.35
21 18.3878 4.752 1.54814 45.79
22 -98.0255 可変
23 -121.4042 2.367 1.75520 27.57
24 -36.6433 2.111
25 -37.5895 1.000 1.77250 49.62
26 35.8631 可変
27 -21.0000 1.300 1.60311 60.69
28 -30.2149 0.200
29 95.7916 3.938 1.67003 47.14
30 -115.9256 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.05
W M T
f 72.1 99.9 292.0
FNO 4.61 4.79 5.87
2ω 33.52 23.90 8.28
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 191.32 207.98 243.25
BF 38.52 41.37 61.52
[可変間隔データ]
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 2.000 25.429 72.273 2.000 25.429 72.273
d13 43.342 33.718 2.000 43.342 33.718 2.000
d22 2.000 3.210 3.710 2.512 3.900 5.147
d26 19.235 18.025 17.525 18.723 17.335 16.088
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 169.647
G2 6 -39.988
G3 14 38.817
G4 23 -37.515
G5 27 207.702
[条件式対応値]
条件式(1) fvr/f2=1.860
条件式(2) f1/fw=2.353
条件式(3) f1/(-f2)=4.242
条件式(4) f1/f3=4.370
条件式(5) (-fF)/f1=0.221
条件式(6) (-f2)/f3=1.030
条件式(7) nN/nP=0.925
条件式(8) νN/νP=1.852
条件式(9) (-fN)/fP=1.529
図12(a)および図12(b)はそれぞれ、第3実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図、および0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。図13は、第3実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図14(a)および図14(b)はそれぞれ、第3実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図、および0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。図15(a)、図15(b)、および図15(c)はそれぞれ、第3実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
各諸収差図より、第3実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
(第4実施例)
第4実施例について、図16~図20および表4を用いて説明する。図16は本実施形態の第4実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。第4実施例に係る変倍光学系ZL(4)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成されている。広角端状態(W)から望遠端状態(T)に変倍する際、第1~第4レンズ群G1~G4がそれぞれ図16の矢印で示す方向に移動する。本実施例では、第4レンズ群G4が後続レンズ群GRを構成する。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12および両凸形状のL13からなる接合正レンズと
、から構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凸形状の正レンズL22および両凹形状の負レンズL23からなる接合正レンズと、両凹形状の負レンズL24および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL25からなる接合負レンズと、から構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32および両凹形状の負レンズL33からなる接合正レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL34および両凸形状の正レンズL35からなる接合正レンズと、から構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL41と、両凹形状の負レンズL42と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL43と、両凸形状の正レンズL44と、から構成される。第4レンズ群G4の像側に、像面Iが配置される。
第4実施例に係る変倍光学系ZL(4)では、第4レンズ群G4の正メニスカスレンズL41および負レンズL42が合焦レンズ群を構成し、第4レンズ群G4の正メニスカスレンズL41および負レンズL42を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。また、第4実施例に係る変倍光学系ZL(4)では、第2レンズ群G2の負レンズL24および正メニスカスレンズL25からなる接合負レンズが、光軸と垂直な方向へ移動可能な防振レンズ群(部分群)を構成し、手ブレ等による結像位置の変位(像面I上の像ブレ)を補正する。
なお、全系の焦点距離がfで、防振係数(ブレ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量比)がKのレンズで角度θの回転ブレを補正するには、ブレ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向に移動させればよい。第4実施例
の広角端状態において、防振係数は1.05であり、焦点距離は72.1mmであるので、0.30°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.36mmである。第4実施例の望遠端状態において、防振係数は2.20であり、焦点距離は292.0mmであるので、0.20°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.46mmである。
以下の表4に、第4実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表4)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 384.8872 4.307 1.48749 70.31
2 -459.3665 0.200
3 108.5471 1.700 1.62004 36.40
4 59.1633 8.722 1.49700 81.73
5 -3828.8091 可変
6 116.0785 1.000 1.77250 49.62
7 33.3782 6.789
8 34.8547 5.123 1.64769 33.73
9 -166.2311 1.000 1.80400 46.60
10 68.6485 5.021
11 -58.3172 1.000 1.66755 41.87
12 33.1524 3.543 1.80518 25.45
13 108.5224 可変
14 80.6236 4.111 1.77250 49.62
15 -73.7947 0.200
16 32.8485 5.846 1.49700 81.73
17 -53.4390 1.200 1.85026 32.35
18 100.1735 1.748
19 ∞ 17.032 (絞りS)
20 45.6071 1.200 1.80100 34.92
21 18.9488 5.048 1.54814 45.79
22 -90.5382 可変
23 -106.0821 2.387 1.72825 28.38
24 -35.2284 2.066
25 -36.8890 1.000 1.77250 49.62
26 46.9619 可変
27 -21.5153 1.300 1.60311 60.69
28 -31.7338 0.200
29 126.4587 3.612 1.77250 49.62
30 -132.9868 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.05
W M T
f 72.1 99.9 292.0
FNO 4.60 4.77 5.88
2ω 33.56 23.82 8.26
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 192.32 210.67 244.12
BF 38.52 40.08 57.94
[可変間隔データ]
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 2.000 25.713 69.580 2.000 25.713 69.580
d13 40.783 32.701 2.000 40.783 32.701 2.000
d22 2.000 3.163 5.584 2.559 3.917 7.234
d26 23.661 23.661 23.661 23.103 22.908 22.012
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 164.404
G2 6 -37.386
G3 14 38.634
G4 23 -61.380
[条件式対応値]
条件式(1) fvr/f2=1.802
条件式(2) f1/fw=2.280
条件式(3) f1/(-f2)=4.397
条件式(4) f1/f3=4.255
条件式(5) (-fF)/f1=0.268
条件式(6) (-f2)/f3=0.968
条件式(7) nN/nP=0.924
条件式(8) νN/νP=1.645
条件式(9) (-fN)/fP=1.378
図17(a)および図17(b)はそれぞれ、第4実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図、および0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。図18は、第4実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図19(a)および図19(b)はそれぞれ、第4実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図、および0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。図20(a)、図20(b)、および図20(c)はそれぞれ、第4実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
各諸収差図より、第4実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
(第5実施例)
第5実施例について、図21~図25および表5を用いて説明する。図21は本実施形態の第5実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。第5実施例に係る変倍光学系ZL(5)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。広角端状態(W)から望遠端状態(T)に変倍する際、第1~第5レンズ群G1~G5がそれぞれ図21の矢印で示す方向に移動する。本実施例では、第4レンズ群G4および第5レンズ群G5が後続レンズ群GRを構成する。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12および物体側に両凸形状の正レンズL13からなる接合正レンズと、から構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と、両凹形状の負レンズL23および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL24からなる接合負レンズと、から構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32および両凹形状の負レンズL33からなる接合正レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL34および両凸形状の正レンズL35からなる接合正レンズと、から構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL41と、両凹形状の負レンズL42と、から構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL51と、両凸形状の正レンズL52と、から構成される。第5レンズ群G5の像側に、像面Iが配置される。
第5実施例に係る変倍光学系ZL(5)では、第4レンズ群G4の全体が合焦レンズ群
を構成し、第4レンズ群G4の全体を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。また、第5実施例に係る変倍光学系ZL(5)では、第2レンズ群G2の負レンズL23および正メニスカスレンズL24からなる接合負レンズが、光軸と垂直な方向へ移動可能な防振レンズ群(部分群)を構成し、手ブレ等による結像位置の変位(像面I上の像ブレ)を補正する。
なお、全系の焦点距離がfで、防振係数(ブレ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量比)がKのレンズで角度θの回転ブレを補正するには、ブレ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向に移動させればよい。第5実施例
の広角端状態において、防振係数は1.02であり、焦点距離は72.1mmであるので、0.30°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.37mmである。第5実施例の望遠端状態において、防振係数は2.10であり、焦点距離は292.0mmであるので、0.20°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.49mmである。
以下の表5に、第5実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表5)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 494.4763 3.486 1.48749 70.31
2 -654.7200 0.200
3 104.3848 1.700 1.62004 36.40
4 60.0944 8.673 1.49700 81.73
5 -2277.9468 可変
6 131.3496 1.300 1.80400 46.60
7 35.6812 7.900
8 36.7192 2.871 1.68893 31.16
9 62.4101 4.726
10 -66.4912 1.000 1.70000 48.11
11 36.3174 3.414 1.80518 25.45
12 127.2974 可変
13 90.0733 3.862 1.80400 46.60
14 -78.6804 0.200
15 33.8033 5.583 1.49700 81.73
16 -57.6791 1.200 1.85026 32.35
17 101.7237 1.726
18 ∞ 19.598 (絞りS)
19 49.9975 1.200 1.85026 32.35
20 20.1023 4.713 1.54814 45.79
21 -72.4003 可変
22 -158.4470 2.458 1.71736 29.57
23 -37.7406 1.732
24 -39.9149 1.000 1.77250 49.62
25 43.7406 可変
26 -22.3495 1.300 1.69680 55.52
27 -32.8093 0.200
28 139.7659 3.301 1.80610 40.97
29 -141.5832 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.05
W M T
f 72.1 99.9 292.0
FNO 4.68 4.85 5.88
2ω 33.48 23.86 8.26
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 192.32 208.96 243.67
BF 38.32 41.06 60.32
[可変間隔データ]
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 2.000 26.074 74.834 2.000 26.074 77.834
d12 45.487 35.318 2.000 45.487 35.318 2.000
d21 2.000 3.315 2.845 2.597 4.123 4.511
d25 21.171 19.856 20.326 20.574 19.048 18.660
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 171.348
G2 6 -41.929
G3 13 40.969
G4 22 -45.959
G5 26 423.598
[条件式対応値]
条件式(1) fvr/f2=1.695
条件式(2) f1/fw=2.377
条件式(3) f1/(-f2)=4.087
条件式(4) f1/f3=4.182
条件式(5) (-fF)/f1=0.268
条件式(6) (-f2)/f3=1.023
条件式(7) nN/nP=0.942
条件式(8) νN/νP=1.890
条件式(9) (-fN)/fP=1.209
図22(a)および図22(b)はそれぞれ、第5実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図、および0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。図23は、第5実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図24(a)および図24(b)はそれぞれ、第5実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図、および0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。図25(a)、図25(b)、および図25(c)はそれぞれ、第5実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
各諸収差図より、第5実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
(第6実施例)
第6実施例について、図26~図30および表6を用いて説明する。図26は本実施形態の第6実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。第6実施例に係る変倍光学系ZL(6)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。広角端状態(W)から望遠端状態(T)に変倍する際、第1~第5レンズ群G1~G5がそれぞれ図26の矢印で示す方向に移動する。本実施例では、第4レンズ群G4および第5レンズ群G5が後続レンズ群GRを構成する。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11および両凸形状の正レンズL12からなる接合正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、から構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23と、両凹形状の負レンズL24および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL25からなる接合負レンズと、から構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32および両凹形状の負レンズL33からなる接合正レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL34および両凸形状の正レンズL35からなる接合正レンズと、から構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL41と、両凹形状の負レンズL42と、から構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL51と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL52と、から構成される。第5レンズ群G5の像側に、像面Iが配置される。
第6実施例に係る変倍光学系ZL(6)では、第4レンズ群G4の全体が合焦レンズ群を構成し、第4レンズ群G4の全体を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。また、第6実施例に係る変倍光学系ZL(6)では、第2レンズ群G2の負レンズL24および正メニスカスレンズL25からなる接合負レンズが、光軸と垂直な方向へ移動可能な防振レンズ群(部分群)を構成し、手ブレ等による結像位置の変位(像面I上の像ブレ)を補正する。
なお、全系の焦点距離がfで、防振係数(ブレ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量比)がKのレンズで角度θの回転ブレを補正するには、ブレ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向に移動させればよい。第6実施例
の広角端状態において、防振係数は1.01であり、焦点距離は72.1mmであるので、0.30°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.37mmである。第6実施例の望遠端状態において、防振係数は2.10であり、焦点距離は292.0mmであるので、0.20°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.49mmである。
以下の表6に、第6実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表6)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 139.3408 1.700 1.64769 33.73
2 77.5654 9.455 1.49700 81.73
3 -496.0322 0.200
4 144.5249 3.734 1.48749 70.31
5 357.2933 可変
6 142.3498 3.303 1.84666 23.80
7 -361.0297 1.824
8 -451.3220 1.300 1.83400 37.18
9 33.3045 7.193
10 35.8308 3.147 1.71736 29.57
11 69.2532 4.718
12 -63.1663 1.000 1.66755 41.87
13 34.7105 3.239 1.80518 25.45
14 102.2323 可変
15 73.7312 3.697 1.77250 49.62
16 -95.2978 0.200
17 33.5557 5.512 1.49700 81.73
18 -68.5312 1.200 1.90366 31.27
19 129.3820 1.534
20 ∞ 17.193 (絞りS)
21 40.0826 1.200 1.85026 32.35
22 17.3868 5.268 1.56732 42.58
23 -141.3282 可変
24 297.2824 2.624 1.64769 33.73
25 -42.2438 0.835
26 -48.9103 1.000 1.77250 49.62
27 31.0082 可変
28 -22.3095 1.300 1.69680 55.52
29 -31.0148 0.200
30 73.8865 3.135 1.80100 34.92
31 3043.5154 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.05
W M T
f 72.1 100.0 292.0
FNO 4.65 4.93 5.88
2ω 33.24 23.86 8.28
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 192.32 206.35 244.34
BF 38.32 42.77 60.32
[可変間隔データ]
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 2.000 22.642 74.835 2.000 22.642 74.835
d14 44.818 33.757 2.000 44.818 33.757 2.000
d23 2.000 3.329 2.024 2.604 4.116 3.661
d27 19.472 18.143 19.448 18.869 17.356 17.812
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 176.000
G2 6 -42.283
G3 15 38.971
G4 24 -44.470
G5 28 381.600
[条件式対応値]
条件式(1) fvr/f2=1.620
条件式(2) f1/fw=2.441
条件式(3) f1/(-f2)=4.162
条件式(4) f1/f3=4.516
条件式(5) (-fF)/f1=0.253
条件式(6) (-f2)/f3=1.085
条件式(7) nN/nP=0.924
条件式(8) νN/νP=1.645
条件式(9) (-fN)/fP=1.286
図27(a)および図27(b)はそれぞれ、第6実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図、および0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。図28は、第6実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図29(a)および図29(b)はそれぞれ、第6実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図、および0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。図30(a)、図30(b)、および図30(c)はそれぞれ、第6実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
各諸収差図より、第6実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
上記各実施例によれば、合焦レンズ群を小型軽量化することで、鏡筒を大型化することなく、高速なAF(オートフォーカス)、AF時の静粛性を実現し、さらに、広角端状態から望遠端状態への変倍時の収差変動、並びに無限遠物体から近距離物体への合焦時の収差変動を良好に抑えた変倍光学系を実現することができる。
ここで、上記各実施例は本願発明の一具体例を示しているものであり、本願発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の内容は、本実施形態の変倍光学系の光学性能を損なわない範囲で適宜採用することが可能である。
本実施形態の変倍光学系の数値実施例として4群構成のものと5群構成のものを示したが、本願はこれに限られず、その他の群構成(例えば、6群等)の変倍光学系を構成することもできる。具体的には、本実施形態の変倍光学系の最も物体側や最も像面側にレンズ又はレンズ群を追加した構成でも構わない。なお、レンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
合焦レンズ群とは、合焦時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズ
を有する部分を示す。すなわち、単独または複数のレンズ群、または部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群としても良い。この合焦レンズ群は、オートフォーカスにも適用でき、オートフォーカス用の(超音波モータ等を用いた)モータ駆動にも適している。
本実施形態の変倍光学系の各実施例において、防振機能を有する構成のものを示したが、本願はこれに限られず、防振機能を有していない構成とすることもできる。
レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工および組立調整が容易になり、加工および組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないので好ましい。
レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれでも構わない。また、レンズ面は回折面としても良く、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしても良い。
開口絞りは、第3レンズ群に配置されるのが好ましいが、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用しても良い。
各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し、コントラストの高い光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施しても良い。これにより、フレアやゴーストを軽減し、高コントラストの高い光学性能を達成することができる。
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群 G4 第4レンズ群
G5 第5レンズ群
GR 後続レンズ群
I 像面 S 開口絞り

Claims (9)

  1. 物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、後続レンズ群とを有し、
    変倍の際、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化し、前記第3レンズ群と前記後続レンズ群との間隔が変化し、
    最も像面側に配置された正レンズと、前記正レンズの物体側に並んで配置された負レンズとを有し、
    前記後続レンズ群は、合焦の際に移動する合焦レンズ群を有し、
    前記合焦レンズ群は、1枚の正レンズと1枚の負レンズとからなり、
    前記第3レンズ群は、前記第3レンズ群の最も物体側から順に並んだ、第1の正レンズと、第2の正レンズとを有し、
    前記第2レンズ群が以下の条件式を満足する部分群を有し、
    1.40<fvr/f2<2.10
    但し、fvr:前記部分群の焦点距離、
    f2:前記第2レンズ群の焦点距離、
    さらに以下の条件式を満足する変倍光学系。
    1.80<f1/fw≦2.441
    0.84<(-f2)/f3<1.20
    但し、f1:前記第1レンズ群の焦点距離、
    fw:広角端状態における前記変倍光学系の焦点距離
    f3:前記第3レンズ群の焦点距離。
  2. 物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、後続レンズ群とを有し、
    変倍の際、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化し、前記第3レンズ群と前記後続レンズ群との間隔が変化し、
    広角端状態から望遠端状態への変倍の際、前記第1レンズ群と最も像面側に配置されたレンズ群とが物体側へ移動し、
    前記後続レンズ群は、合焦の際に移動する合焦レンズ群を有し、
    前記合焦レンズ群は、1枚の正レンズと1枚の負レンズとからなり、
    前記第3レンズ群は、前記第3レンズ群の最も物体側から順に並んだ、第1の正レンズと、第2の正レンズとを有し、
    前記最も像面側に配置されたレンズ群は、2枚のレンズからなり、
    前記第2レンズ群が以下の条件式を満足する部分群を有し、
    1.40<fvr/f2<2.10
    但し、fvr:前記部分群の焦点距離、
    f2:前記第2レンズ群の焦点距離、
    さらに前記部分群は、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有するレンズと、正の屈折力を有するレンズとからなり、
    以下の条件式を満足する変倍光学系。
    1.80<f1/fw≦2.441
    0.80<nN/nP≦0.942
    但し、f1:前記第1レンズ群の焦点距離、
    fw:広角端状態における前記変倍光学系の焦点距離
    nN:前記部分群における前記負の屈折力を有するレンズの屈折率、
    nP:前記部分群における前記正の屈折力を有するレンズの屈折率。
  3. 前記第1レンズ群は、3枚のレンズからなる請求項1または2に記載の変倍光学系。
  4. 前記合焦レンズ群は、負の屈折力を有する請求項1~3のいずれか一項に記載の変倍光学系。
  5. 以下の条件式を満足する請求項1~4のいずれか一項に記載の変倍光学系。
    3.70<f1/(-f2)<5.00
  6. 以下の条件式を満足する請求項1~5のいずれか一項に記載の変倍光学系。
    3.20<f1/f3<5.00
    但し、f3:前記第3レンズ群の焦点距離。
  7. 以下の条件式を満足する請求項1~6のいずれか一項に記載の変倍光学系。
    0.18<(-fF)/f1<0.30
    但し、fF:前記合焦レンズ群の焦点距離。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の変倍光学系を備えて構成される光学機器。
  9. 請求項1~7のいずれか一項に記載の変倍光学系と、前記変倍光学系によって形成される像を撮像する撮像部とを備えて構成される撮像機器。
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