JP7242779B2 - 剥離ライナー付き粘着シート及び剥離ライナー - Google Patents
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Description
[1] 剥離ライナー、粘着剤層及び基材シートがこの順に積層されてなる剥離ライナー付き粘着シートであって、
前記剥離ライナーは、前記粘着剤層に接する剥離処理面に、互いに平行な複数のストライプ状凸部を有し、
前記ストライプ状凸部の幅が10~150μmであり、前記ストライプ状凸部の高さが5~40μmであり、
前記ストライプ状凸部同士の中心線間隔が200~1000μmであり、
前記ストライプ状凸部同士の間に、凹凸部が設けられており、前記凹凸部の最大高さ粗さRzが3μmより大きく、かつ、前記ストライプ状凸部の高さよりも小さく、
前記凹凸部の高さが不揃いである、剥離ライナー付き粘着シート。
前記ストライプ状凸部の幅が10~150μmであり、前記ストライプ状凸部の高さが5~40μmであり、
前記ストライプ状凸部同士の中心線間隔が200~1000μmであり、
前記ストライプ状凸部同士の間に、凹凸部が設けられており、前記凹凸部の最大高さ粗さRzが3μmより大きく、かつ、前記ストライプ状凸部の高さよりも小さく、
前記凹凸部の高さが不揃いである、剥離ライナー。
本発明の剥離ライナー付き粘着シートについて、図面を引用しながら説明する。なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
ここに示す剥離ライナー付き粘着シート1は、剥離ライナー10、粘着剤層20及び基材シート30がこの順に積層されてなり、剥離ライナー10は、粘着剤層20に接する剥離処理面に、互いに平行な複数のストライプ状凸部11を有し、ストライプ状凸部11の幅12が10~150μmであり、ストライプ状凸部11の高さ13が5~40μmであり、ストライプ状凸部11同士の中心線間隔14が200~1000μmであり、ストライプ状凸部11同士の間に凹凸部15が設けられており、凹凸部15の最大高さ粗さRzが3μmより大きく、かつ、ストライプ状凸部11の高さ13よりも小さいものである。
前記剥離ライナーは、剥離処理面に、互いに平行な複数のストライプ状凸部を有する。
前記ストライプ状凸部の幅は10~150μmであり、20~130μmであることが好ましく、40~110μmであることがより好ましい。
前記凹凸部の最大高さ粗さRzは3μmより大きく、5μmより大きいことが好ましく、7μmより大きいことがより好ましい。また、前記凹凸部の最大高さ粗さRzは前記ストライプ状凸部の高さよりも小さく、前記ストライプ状凸部の高さの80%より小さいことが好ましく、前記ストライプ状凸部の高さの70%より小さいことがより好ましい。
剥離ライナーの製造方法としては、剥離ライナー用基材に、エンボスロールなどを用いる従来公知の方法により、所定の形状を形成し、さらにシリコーンなどの剥離剤を塗布することによって剥離処理面を設ける。
例えば、金属ロール全面をサンドブラスト処理した後、互いに平行な複数のストライプ状凹部をエッチング処理し、こうして得た金属ロールを剥離ライナー用基材に押し当てることにより、剥離ライナー用基材に所定の形状を形成し、さらに剥離剤を塗布することによって、金属ロールのストライプ状凹部に対応する互いに平行な複数のストライプ状凸部11、及び、このストライプ状凸部11同士の間に、金属ロールのサンドブラスト処理面に対応する高さの不揃いな凹凸部15が設けられた、剥離ライナー10を作製することができる。
また、金属ロール全面を一定深さの円錐形状にエッチング処理した後、互いに平行な複数のストライプ状凹部をエッチング処理し、こうして得た金属ロールを剥離ライナー用基材に押し当てることにより、剥離ライナー用基材に所定の形状を形成し、さらに剥離剤を塗布することによって、金属ロールのストライプ状凹部に対応する互いに平行な複数のストライプ状凸部11、及び、このストライプ状凸部11同士の間に、金属ロールの円錐形状のエッチング処理面に対応する高さが規則的に揃った凹凸部15が設けられた、剥離ライナー10を作製することができる。
本発明の粘着シートに用いる基材シートとしては、特に制限はなく、従来粘着剤層を有する粘着シートなどの基材シートとして慣用されている各種のプラスチックシートや紙類などを用いることができる。上記材料の表面には印刷、印字、蒸着、スパッタリング等の装飾層や、ハードコート、汚染防止コート、光沢度調整コート等の機能層が形成されてもよい。
紙類としては、上質紙、アート紙、コート紙、クラフト紙などが用いられる。基材シートに紙類を用いる場合、坪量は、通常40~120g/m2の範囲で選定される。
ここで、「基材シートの厚さ」とは、基材シート全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる基材シートの厚さとは、基材シートを構成するすべての層の合計の厚さを意味する。なお、基材シートの厚さの測定方法としては、例えば、任意の5箇所において、接触式厚み計を用いて厚さを測定し、測定値の平均を算出する方法等が挙げられる。
前記粘着剤層は、公知のものを適宜使用できる。
粘着剤層は、これを構成するための各種成分を含有する粘着剤組成物を用いて形成できる。粘着剤組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、粘着剤層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15~30℃の温度等が挙げられる。
アクリル系粘着剤は、粘着性を付与する単量体、凝集力を付与する単量体及び架橋性官能基を含有する単量体からなる共重合体を、架橋剤で架橋したものが挙げられる。
粘着性を付与する単量体としては、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
凝集力を付与する単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
官能基を含有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤が挙げられる。
剥離ライナー付き粘着シートは、上述の各層を対応する位置関係となるように順次積層することで製造できる。各層の形成方法は、先に説明したとおりである。
JIS B0601:2013に準拠して、株式会社ミツトヨ製の「SURFTEST SV-3000」を用いて、ストライプ状凸部間の凹凸部の表面粗さを測定し、凹凸部の最大高さ粗さRzを求めた。
サンプルを50mm×50mmにカットし、剥離ライナーを剥がした粘着シートを直径15mmの円形の空気溜まりができるようにメラミン塗装板に貼り、その粘着シートをスキージにより圧着して、下記の基準に従って評価した。
○:空気溜まりが消失した。
×:空気溜まりが消失しなかった。
剥離ライナー付き粘着シートを幅50mm×長さ100mmにカットして試験体とした。粘着シートを貼り付ける下地材として、平らなメラミン塗装板の表面をエタノールで清拭した物を準備した。続いて、剥離ライナー付き粘着シートから剥離ライナーを剥離し、粘着剤層がメラミン塗装板と接するように試験体を配置した。10秒後、粘着シートの粘着剤層とメラミン塗装板とを接触させた状態で、下地材に沿う方向に粘着シートを移動(スライド)させた。
○:下地材に沿う方向に粘着シートを滑らかに移動できた。
△:下地材に沿う方向に粘着シートを、引っ掛かりがあったが移動できた。
×:下地材に沿う方向に粘着シートを移動できなかった。
(基材シートの製造)
下記ベース樹脂を溶融させて得られた基材シート用組成物を、カレンダーにより80μmの厚みに成膜することにより、基材シートを得た。
ポリ塩化ビニル(PVC):100質量部、フタル酸ジオクチル:20質量部、エポキシ系可塑剤:5質量部、バリウム亜鉛系安定剤:2質量部、酸化チタン(顔料):10質量部
単量体成分として、アクリル酸ブチル92質量部、及びアクリル酸8質量部、溶剤として、酢酸エチル200質量部、重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を反応器に入れ混合した。4時間窒素ガスで脱気を行い、60℃まで徐々に昇温した後、24時間撹拌しながら重合反応を行い、重量平均分子量が65万のアクリル系共重合体を含む酢酸エチル溶液(乾燥質量濃度33質量%)を得た。酢酸エチル溶液100質量部に対してイソシアネート系架橋剤1質量部を添加することにより、粘着剤組成物を得た。
金属ロール全面をサンドブラスト処理した後、互いに平行な複数のストライプ状凹部をエッチング処理し、こうして得た金属ロールを、紙基材にポリエチレンをラミネートした剥離ライナー用基材のポリエチレン面に押し当てることにより、剥離ライナー用基材に図2に示す所定形状の表面を形成し、さらにシリコーンからなる剥離剤を厚さ0.1μmとなるよう塗布することによって、金属ロールのストライプ状凹部に対応する互いに平行な複数のストライプ状凸部11、及び、このストライプ状凸部11同士の間に、金属ロールのサンドブラスト処理面に対応する高さの不揃いな凹凸部15が設けられた、実施例1の剥離ライナーを作製した。
得られた剥離ライナーの、ストライプ状凸部の幅は80μmであり、ストライプ状凸部の高さは20μmであり、ストライプ状凸部同士の中心線間隔は600μmであり、ストライプ状凸部同士の間の、不揃いな高さの凹凸部の最大高さ粗さRzは10.2μmであった。
この実施例1の剥離ライナーに、粘着剤組成物を、乾燥後の粘着剤層の厚さが30μmとなるように塗布し、90℃で1分間乾燥した後に、前記基材シートに転写して粘着剤層を形成し、実施例1の剥離ライナー付き粘着シートを作製した。この粘着シートの性能評価結果を表1に示す。
(剥離ライナーの製造)
金属ロール全面を一定深さの円錐形状にエッチング処理した後、互いに平行な複数のストライプ状凹部をエッチング処理し、こうして得た金属ロールを、紙基材にポリエチレンをラミネートした剥離ライナー用基材のポリエチレン面に押し当てることにより、剥離ライナー用基材に所定形状の表面を形成し、さらにシリコーンからなる剥離剤を厚さ0.1μmとなるよう塗布することによって、金属ロールのストライプ状凹部に対応する互いに平行な複数のストライプ状凸部11、及び、このストライプ状凸部11同士の間に、金属ロールのエッチング処理面に対応する一定高さの円錐形状の凹凸部15が設けられた、実施例2の剥離ライナーを作製した。
得られた剥離ライナーの、ストライプ状凸部の幅は80μmであり、ストライプ状凸部の高さは20μmであり、ストライプ状凸部同士の中心線間隔は600μmであり、ストライプ状凸部同士の間の、一定高さの円錐形状の凹凸部の最大高さ粗さRzは10.0μmであった。
この実施例2の剥離ライナーに、実施例1と同様、粘着剤組成物を、乾燥後の粘着剤層の厚さが30μmとなるように塗布し、90℃で1分間乾燥した後に、前記基材シートに転写して粘着剤層を形成し、実施例2の剥離ライナー付き粘着シートを作製した。この粘着シートの性能評価結果を表1に示す。
金属ロール全面へのサンドブラスト処理の条件を調整して、凹凸部の最大高さ粗さRzが1.2μmとなるようにした他は、実施例1と同様にして、比較例1の剥離ライナー付き粘着シートを作製した。この粘着シートの性能評価結果を表1に示す。
金属ロールへの互いに平行な複数のストライプ状凹部のエッチング処理の条件を調整して、ストライプ状凸部の幅を8μm、ストライプ状凸部の高さが5μmとなるようにした他は、比較例1と同様にして、比較例2の剥離ライナー付き粘着シートを作製した。この粘着シートの性能評価結果を表1に示す。
金属ロールへの互いに平行な複数のストライプ状凹部のエッチング処理の条件を調整して、ストライプ状凸部の高さが3μmとなるようにした他は、比較例1と同様にして、比較例3の剥離ライナー付き粘着シートを作製した。この粘着シートの性能評価結果を表1に示す。
Claims (2)
- 剥離ライナー、粘着剤層及び基材シートがこの順に積層されてなる剥離ライナー付き粘着シートであって、
前記剥離ライナーは、前記粘着剤層に接する剥離処理面に、互いに平行な複数のストライプ状凸部を有し、
前記ストライプ状凸部の幅が10~150μmであり、前記ストライプ状凸部の高さが5~40μmであり、
前記ストライプ状凸部同士の中心線間隔が200~1000μmであり、
前記ストライプ状凸部同士の間に、凹凸部が設けられており、前記凹凸部の最大高さ粗さRzが3μmより大きく、かつ、前記ストライプ状凸部の高さよりも小さく、
前記凹凸部の高さが不揃いであり、
前記ストライプ状凸部は、互いに平行なもののみを有するか、又は、格子状、平行四辺形、ひし形形状若しくは三角形状である、剥離ライナー付き粘着シート。 - 剥離処理面に、互いに平行な複数のストライプ状凸部を有し、
前記ストライプ状凸部の幅が10~150μmであり、前記ストライプ状凸部の高さが5~40μmであり、
前記ストライプ状凸部同士の中心線間隔が200~1000μmであり、
前記ストライプ状凸部同士の間に、凹凸部が設けられており、前記凹凸部の最大高さ粗さRzが3μmより大きく、かつ、前記ストライプ状凸部の高さよりも小さく、
前記凹凸部の高さが不揃いであり、
前記ストライプ状凸部は、互いに平行なもののみを有するか、又は、格子状、平行四辺形、ひし形形状若しくは三角形状である、剥離ライナー。
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