上述した従来の往復信兼用封筒100、110は、いずれも往信用封筒の全部又はその一部を返信用封筒として用いるものであることから、往信の封筒本体101、111を開封した後、返信の際には、再び開封の跡が残された封筒本体101、111に収容物を収容して封筒本体101、111を封止する必要があり、封止作業が煩わしいばかりか、返信の封筒本体101、111に一度開封した跡や往信の際の切手の消印が残り、美感を損なうものであった。
また、特許文献1の往復信兼用封筒100は、封筒本体101に窓孔102、103、104を形成し、封筒本体101と別に往復信兼用封筒用ホルダー106を用意する必要があるので、郵便の規格に準拠した汎用の封筒を利用することができなかった。
また、特許文献2の往復信兼用封筒110は、封筒本体111の表紙の上方と下方に往信の宛先112と返信の宛先113を印刷するので、往信や返信の差出人を表示することができないという問題があった。
更に、往復信兼用封筒110は、往信の宛先112と返信の宛先113が固定されている場合に予め印刷しておき、返信の際に宛先を手書きで記載する手間を省けるが、いずれか一方が不特定の場合には、利用できなかった。
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、往信と返信にそれぞれ汎用の封筒を利用して、受取人若しくは差出人の住所と氏名若しくは名称を封筒に記載する手間を省いた往復信兼用封筒を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、請求項1に記載の往復信兼用封筒は、封筒本体の表紙に、往信の受取人と返信の差出人、又は往信の差出人と返信の受取人が共通する共通人の住所と氏名若しくは名称とからなる共通人情報を表示する共通人情報表示領域と、共通人情報表示領域の上方に、往信又は返信の宛先を表示可能な宛先表示領域とが設定され、封筒本体の表紙の共通人情報表示領域に、共通人情報が印刷され、宛先表示領域と共通人情報表示領域との間に、共通人情報表示領域に印刷された共通人情報を、宛先とするか、差出人の住所と氏名若しくは名称とするかを選択して表示する選択マークが印刷されていることを特徴とする。
共通人情報表示領域の共通人情報と選択マークを印刷した共通の封筒から、共通人情報表示領域に印刷された共通人情報を、宛先とする封筒と差出人とする封筒の2種類の封筒が得られる。
共通人情報を差出人とした封筒を往信用封筒とする場合には、共通人情報表示領域に印刷された共通人情報を差出人の住所と氏名若しくは名称としたことを選択マークによって表示するとともに、宛先表示領域に所望の宛先を記載し、共通人情報表示領域に印刷された差出人から宛先表示領域に記載された宛先に郵送される往信用封筒とする。
また、共通人情報表示領域に印刷された共通人情報を宛先としたことを選択マークによって表示することによって、往信の差出人を宛先とする返信用封筒となり、この返信用封筒を折りたたみ、往信用封筒に収容して郵送すれば、往信用封筒の受取人は、返信用封筒の宛先を記載する手間を省いて、往信の差出人へ返信用封筒を郵送できる。
共通人情報を宛先とした封筒を往信用封筒とする場合には、共通人情報表示領域に印刷された共通人情報を宛先としたことを選択マークによって表示し、任意の差出人から共通人情報表示領域に印刷された共通人情報に示される宛先に郵送される往信用封筒とする。
また、共通人情報表示領域に印刷された共通人情報を差出人の住所と氏名若しくは名称としたことを選択マークによって表示することによって、往信の宛先を差出人とする返信用封筒となり、往信用封筒の受取人は、返信用封筒とした宛先表示領域に往信用封筒の差出人を記載することによって、返信用封筒の差出人を記載する手間を省いて、往信の差出人へ返信用封筒を郵送できる。
請求項2に記載の往復信兼用封筒は、共通人情報表示領域に、往信の差出人と返信の受取人が共通する第1共通人の住所と氏名若しくは名称とからなる第1共通人情報が印刷され、往信用とする封筒本体の宛先表示領域に、往信の受取人と返信の差出人が共通する第2共通人の住所と氏名若しくは名称とからなる第2共通人情報が表示された第1宛先粘着シートが貼り付けられることを特徴とする。
第1共通人を差出人とする往信用封筒とする場合には、共通人情報表示領域に印刷された第1共通人情報を差出人の住所と氏名若しくは名称としたことを選択マークによって表示するとともに、封筒本体の宛先表示領域に第1宛先粘着シートを貼り付け、第1共通人から第2共通人に郵送される往信用封筒とする。
また、返信用とする封筒保管対の宛先表示領域に、第1宛先粘着シートを貼り付けなければ、共通人情報表示領域に印刷された第1共通人情報のみが表示され、第1共通人情報を宛先としたことを選択マークによって表示するだけで、第1共通人を宛先とする返信用封筒となる。
返信用とする封筒本体の裏表紙などの宛先表示領域以外の場所に往信用封筒から剥がした第1宛先粘着シートを貼り付ければ、返信用封筒に差出人を記載することなく、返信用封筒の差出人を表示できる。
請求項3に記載の往復信兼用封筒は、共通人情報表示領域に、往信の受取人と返信の差出人が共通する第2共通人の住所と氏名若しくは名称とからなる第2共通人情報が印刷され、返信用とする封筒本体の宛先表示領域に、往信の差出人と返信の受取人が共通する第1共通人の住所と氏名若しくは名称とからなる第1共通人情報が表示された第2宛先粘着シートが貼り付けられることを特徴とする。
第2共通人を受取人とする往信用封筒とする場合には、共通人情報表示領域に印刷された第2共通人情報を宛先としたことを選択マークによって表示するだけで、第2共通人を宛先とする往信用封筒となる。
また、第2共通人を差出人とする返信用封筒とする場合には、共通人情報表示領域に印刷された第2共通人情報を差出人の住所と氏名若しくは名称としたことを選択マークによって表示するとともに、封筒本体の宛先表示領域に第2宛先粘着シートを貼り付け、第2共通人から第1共通人に郵送される返信用封筒とする。
請求項4に記載の往復信兼用封筒は、封筒本体の表紙の下方に、封筒本体に収容される収容物を示す郵送物表示マークが印刷されていることを特徴とする。
郵送物表示マークにより、往信用封筒または返信用封筒により郵送される郵便物の種類が表示される。
請求項5に記載の往復信兼用封筒セットは、往信の差出人の住所と氏名若しくは名称を記入する記入欄が設けられた第3宛先粘着シートと、第3宛先粘着シートが剥離自在に貼り付けられる粘着台紙と、表紙の共通人情報表示領域に、往信の受取人と返信の差出人が共通する共通人の宛先の郵便番号と住所と氏名若しくは名称が印刷され、共通人情報表示領域の上方に、少なくとも共通人の宛先の郵便番号と重なり、第3宛先粘着シートが貼り付けられるシート貼付領域が設定された封筒本体とを備え、
返信用とする封筒本体のシート貼付領域に、往信の差出人の住所と氏名若しくは名称を記入した第3宛先粘着シートが貼り付けられることを特徴とする。
不特定の往信の差出人は、粘着台紙に貼り付けられた第3宛先粘着シートの記入欄に往信の差出人の住所と氏名若しくは名称を記入し、往信用とする封筒本体に収容する。往信用とする封筒本体の共通人情報表示領域には、往信の受取人と返信の差出人が共通する共通人の宛先の郵便番号と住所と氏名若しくは名称が印刷され、共通人情報表示領域の上方のシート貼付領域には、第3宛先粘着シートが貼り付けられていないので、封筒本体は、共通人を宛先とする往信用封筒となり、往信の差出人の住所と氏名若しくは名称が記入された第3宛先粘着シートが、往信用封筒に収容されて共通人へ郵送される。
往信用封筒を受け取った共通人は、返信用とする封筒本体のシート貼付領域に、往信用封筒に収容された第3宛先粘着シートを貼り付けることにより、第3宛先粘着シートに記入された往信の差出人の住所と氏名若しくは名称が、返信用封筒の宛先として封筒本体の表紙に表示される。共通人情報表示領域に印刷されている共通人の宛先の郵便番号は、シート貼付領域に貼り付けられる第3宛先粘着シートによって覆われ、残りの共通人情報表示領域に印刷された共通人の宛先の住所と氏名若しくは名称が、返信用封筒の差出人として表示されるので、往信用封筒に収容された第3宛先粘着シートをシート貼付領域に貼り付けるだけで、共通人から往信の差出人宛に郵送される返信用封筒となる。
請求項6に記載の往復信兼用封筒セットは、前記共通人が、販促キャンペーンを主催する主催者であり、往信の差出人が、共通人が企画する販促キャンペーンに応募する応募者であり、粘着台紙が、販促キャンペーンに応募するキャンペーン応募用紙であり、キャンペーン応募用紙に、販促キャンペーンの応募要件となる応募シールの貼付欄が印刷されていることを特徴とする。
販促キャンペーンに応募する応募者は、キャンペーン応募用紙の貼付欄に応募シールを貼り付け、キャンペーン応募用紙に貼り付けられた第3宛先粘着シートの記入欄に応募者の住所と氏名若しくは名称を記入し、往信用とする封筒本体に収容する。往信用とする封筒本体の共通人情報表示領域には、主催者の宛先の郵便番号と住所と氏名若しくは名称が印刷され、共通人情報表示領域の上方のシート貼付領域には、第3宛先粘着シートが貼り付けられていないので、封筒本体は、主催者を宛先とする往信用封筒となり、応募者の住所と氏名若しくは名称が記入された第3宛先粘着シートが貼り付けられたキャンペーン応募用紙は、往信用封筒に収容されて共通人へ郵送される。
主催者は、不特定多数の応募者から郵送された往信用封筒に収容されるキャンペーン応募用紙の全部若しくはその一部を抽出し、抽出した各キャンペーン応募用紙に貼り付けられた第3宛先粘着シートを、返信用とする封筒本体のシート貼付領域に貼り付ける。シート貼付領域に貼り付けられた第3宛先粘着シートに記入された応募者の住所と氏名若しくは名称は、返信用封筒の宛先として封筒本体の表紙に表示される。共通人情報表示領域に印刷されている主催者の宛先の郵便番号は、シート貼付領域に貼り付けられる宛先粘着シートで覆われ、残りの共通人情報表示領域に印刷された主催者の住所と氏名若しくは名称が、返信用封筒の差出人として表示されるので、往信用封筒に収容された第3宛先粘着シートをシート貼付領域に貼り付けるだけで、主催者が抽出したキャンペーン応募用紙を郵送した応募者宛に販促キャンペーンの対象賞品を郵送する返信用封筒となる。
請求項1の発明によれば、往信の受取人と返信の差出人、又は往信の差出人と返信の受取人が共通する往信用封筒と返信用封筒を、共通人情報を印刷した1種類の封筒から制作できるので、1種類の封筒制作費で、往信用封筒と返信用封筒が得られる。
また、1種類の封筒を保管し、管理するだけで、往信用封筒と返信用封筒の2種類の封筒とすることができる。
また、往信用封筒と返信用封筒に、宛先又は差出人の住所と氏名若しくは名称(差出人情報)の一方が共通人情報として印刷されているので、封筒に宛先または差出人情報を記載する手間が省ける。
請求項2の発明によれば、特定の第2共通人毎に予め用意しておく第1宛先粘着シートを、封筒本体の宛先表示領域に貼り付けるだけで、第2共通人の宛先を記載する必要がなく、第2共通人を宛先とする往信用封筒とすることができるので、往信用封筒に宛先と差出人を記載する手間が省ける。
また、返信用とする封筒本体の宛先表示領域には、第1宛先粘着シートが貼り付けられていないので、共通人情報表示領域に印刷された第1共通人情報を宛先としたことを選択マークによって表示するだけで、往信の差出人である第1共通人宛に返信する返信用封筒とすることができ、返信用封筒に宛先を記載する手間が省ける。
請求項3の発明によれば、往信用とする封筒本体の宛先表示領域に、第2宛先粘着シートが貼り付けられていないので、共通人情報表示領域に印刷された第2共通人情報を宛先としたことを選択マークによって表示するだけで、第2共通人宛ての往信用封筒とすることができ、往信用封筒に宛先を記載する手間が省ける。
また、特定の第1共通人毎に予め用意しておく第2宛先粘着シートを、封筒本体の宛先表示領域に貼り付けるだけで、第1共通人の宛先を記載する必要がなく、第1共通人を宛先とする返信用封筒とすることができるので、返信用封筒に宛先と差出人を記載する手間が省ける。
請求項4の発明によれば、郵送物表示マークに表示するだけで、往信用封筒または返信用封筒により郵送される郵便物の内容を、封筒を開封する前に確認できる。
請求項5の発明によれば、往信の差出人から共通人宛てに郵送する往信用封筒と、共通人から返信の受取人宛てに郵送する返信用封筒を、共通人の宛先の郵便番号と住所と氏名若しくは名称を印刷した1種類の封筒から制作できるので、1種類の封筒制作費で、往信用封筒と返信用封筒が得られる。
また、1種類の封筒を用意するだけで、受け取った多数の往信用封筒から特定の受取人にのみ返信用封筒を郵送することができる。
また、往信の差出人は、往信用封筒に宛先を記入する必要がなく、表紙の共通人情報表示領域に、往信の受取人である共通人の宛先の郵便番号が、住所と氏名若しくは名称とともに表示されているので、往信用封筒は、正確に共通人宛てに郵送される。
また、返信の差出人である共通人は、往信用封筒に収容された第3宛先粘着シートをシート貼付領域に貼り付けるだけで、返信の受取人宛に郵送される返信用封筒とすることができ、返信用封筒に宛先と差出人情報を記載する必要がない。
請求項6の発明によれば、応募シールを貼り付けたキャンペーン応募用紙を主催者へ郵送する往信用封筒と、応募者の全部若しくは一部に、販促キャンペーンの対象賞品を郵送する返信用封筒とを、1種類の封筒から製作でき、受け取った多数の往信用封筒から抽出数に応じた枚数の返信用封筒のみを郵送することができる。
特に、往信用封筒の総枚数に比べて、抽出することにより返信用封筒の枚数が極めて少ない場合であっても、両者の合計必要枚数に見合った1種類の封筒を製作し、管理するだけで、販促キャンペーンに用いる往信用封筒と返信用封筒の2種類の封筒とすることができる。
応募者は、応募シールを貼り付け、第3宛先粘着シートの記入欄に応募者の住所と氏名若しくは名称を記入したキャンペーン応募用紙を封筒本体に収容した往信用封筒を郵送するだけで、販促キャンペーンに応募できる。
主催者は、不特定多数の応募者が郵送した往信用封筒に収容されるキャンペーン応募用紙から、その全部若しくは一部を抽出し、抽出した各キャンペーン応募用紙に貼り付けられた第3宛先粘着シートを、返信用とする封筒本体のシート貼付領域に貼り付け、封筒本体に販促キャンペーンの対象賞品を収容するだけで、返信用封筒に宛先や差出人を記載することなく、主催者販促キャンペーンの対象賞品を、抽出した応募者宛に郵送できる。
以下、本発明の第1実施の形態に係る往復信兼用封筒1を、図1乃至図3を用いて説明する。以下の本明細書中の説明では、図1に図示する上下左右方向を上下左右方向として説明する。本実施の形態に係る往復信兼用封筒1は、1種類の往復信兼用封筒1を往信の差出人と返信の受取人が共通する往信用封筒1Aと返信用封筒1Bのいずれにも用いる。
往復信兼用封筒1は、図示するように、縦長長方形で上端に封筒を封止するフラップ30が一体に形成された封筒本体2からなっている。封筒本体2の大きさは、ここでは、定形郵便物として最も安い郵便料金が適用される幅120mm、高さ235mmの長形3号の封筒としている。
封筒本体2の表紙2aには、その上端から、左上隅の郵便切手を貼り付ける切手貼付欄8と、その下方の宛先表示領域4を残して、その下方に選択マーク5が印刷されている。宛先表示領域4は、図2に示す往信の宛先7を記入するために仮想設定された領域であり、図2に示すように、少なくとも宛先表示領域4の内側に往信の宛先7の郵便番号、住所、氏名若しくは名称を記載できる大きさに設定する。図中では、宛先表示領域4の境界を破線で表示しているが、往復信兼用封筒1を返信用の返信用封筒1Bとして用いる場合に紛らわしいので、表紙2a上に表示しないのが望ましい。
選択マーク5は、後述するその下方に印刷された共通人情報6が、宛先であるか、差出人の住所と氏名若しくは名称であるかを示すためのものであり、共通人情報6が差出人の住所と氏名若しくは名称であることを示す「□from」の選択マーク5Aと、共通人情報6が宛先であることを示す「□to」の選択マーク5Bが横書きで印刷されている。
選択マーク5が印刷された下方には、その内側に共通人情報6を表示する共通人情報表示領域3が仮想設定される。共通人情報6は、往信の差出人と返信の受取人が共通する共通人に関する共通人の住所と氏名若しくは名称であり、表紙2aの共通人情報表示領域3内に印刷して表示される。従って、共通人情報表示領域3の大きさは、その内側に共通人情報6を印刷できる大きさに設定されるが、宛先表示領域4と同様に、共通人情報表示領域3の境界は紛らわしいので、表紙2a上に表示しないのが望ましい。
封筒本体2の表紙2aの下端部には、往信用封筒1Aと返信用封筒1Bに収容される郵便物の種別を表す複数の郵送物表示マーク9が印刷されている。本実施の形態では、「□見積書」、「□納品書」、「□請求書」、「□ご案内」、「□返信書類」の郵送物表示マーク9が横書き二段に分けて並記されている。
このように構成された往復信兼用封筒1を往信用の往信用封筒1Aとして用いる場合には、図2に示すように、宛先表示領域4内に往信の宛先7となる郵便番号、住所、氏名若しくは名称を記載する。また、印刷されている共通人情報6が往信の差出人の住所と氏名若しくは名称であることを示すため、「□from」の選択マーク5Aにチェックを加えるとともに、ここでは往信用封筒1Aに「納品書」を収容して郵送するものとして、「□納品書」の郵送物表示マーク9にチェックを加え、往信用封筒1Aとする。
往復信兼用封筒1を返信用の返信用封筒1Bとして用いる場合には、図3に示すように、宛先表示領域4内には何も書き込まず、封筒本体2の表紙2aに印刷されている共通人情報6が返信の宛先であることを示すため、「□to」の選択マーク5Bにチェックを加えるとともに、ここでは返信用封筒1Bに「受領書」を収容して送信の差出人へ郵送するものとして、「□返信書類」の郵送物表示マーク9にチェックを加え、返信用封筒1Bとする。
上述した往信用封筒1Aと返信用封筒1Bとは、同一仕様の往復信兼用封筒1から作成できるので、往信の差出人と返信の受取人が共通する共通人側で、多数の往復信兼用封筒1を用意しておき、往信の宛先毎に上述した要領で一組の往信用封筒1Aと返信用封筒1Bとを作成することができる。作成した返信用封筒1Bを折り畳んで、往信用封筒1Aに同封し、往信の受取人宛に郵送すれば、往信の差出人は、往信用封筒1Aに差出人を記載する必要がなく、返信の差出人も返信用封筒1Bに宛先を記載する必要がない。
次に、本発明の第2実施の形態に係る往復信兼用封筒10を、図4乃至図7を用いて説明する。尚、この往復信兼用封筒10の説明において、第1実施の形態にかかる往復信兼用封筒1と同一若しくは同様に作用する構成については、同一の番号を用いてその説明を省略する。
本実施の形態に係る往復信兼用封筒10も、1種類の往復信兼用封筒10を往信の差出人と返信の受取人が共通する往信用封筒10Aと返信用封筒10Bに用いる。往信の差出人と返信の受取人が共通する共通人について、封筒本体2の表紙2aの共通人情報表示領域3内に印刷される共通人情報6は、図4に示すように、共通人の住所と氏名若しくは名称の他にその上方に印刷される共通人の住所の郵便番号6aを含んでいる。
また、本実施の形態では、共通人情報6が、宛先であるか、差出人の住所と氏名若しくは名称であるかを示す選択マーク5は、共通人情報6が差出人の住所と氏名若しくは名称であることを示す「□差出人」の選択マーク5Aと、共通人情報6が宛先であることを示す「□宛先」の選択マーク5Bが横書きで印刷されている。
第1実施の形態に係る往復信兼用封筒1では、往信用の往信用封筒1Aとして用いる場合に、宛先表示領域4内に往信の宛先7となる郵便番号、住所、氏名若しくは名称を記載したが、本実施の形態では、裏面に粘着層が形成された宛先表示領域4の大きさの宛先粘着シート11に、予め往信の宛先7毎に、往信の宛先7となる郵便番号、住所、氏名若しくは名称を記載若しくは印刷しておき、図5に示すように、往信用封筒10Aの宛先表示領域4に宛先7が表示された宛先粘着シート11を貼り付ける。これにより、往信用封筒10Aに往信の宛先や差出人を記載する手間が省ける。
また、印刷されている共通人情報6が往信の差出人の住所と氏名若しくは名称であることを示すため、「□差出人」の選択マーク5Aにチェックを加えるとともに、光学的読み取り装置が、印刷されている共通人の住所の郵便番号6aを往信用封筒10Aの宛先の郵便番号と誤認識しないように、郵便番号6a上に取消線12を加筆しておく。
更に、往信用封筒10Aで「案内書」を郵送するものとして、「□ご案内」の郵送物表示マーク9にチェックを加え、往信用封筒10Aとする。
往復信兼用封筒10を返信用の返信用封筒10Bとして用いる場合には、図6に示すように、宛先表示領域4に宛先粘着シート11を貼り付けず、表紙2aに印刷されている共通人情報6が返信の宛先であることを示すため、「□宛先」の選択マーク5Bにチェックを加えるとともに、ここでは返信用封筒10Bに「注文書」を収容して送信の差出人へ郵送するものとして、「□返信書類」の郵送物表示マーク9にチェックを加え、返信用封筒10Bとする。
また、往信用封筒10Aの宛先表示領域4に貼り付けられていた宛先粘着シート11を剥がして、図7に示すように、返信用封筒10Bとする封筒本体2の裏表紙2bに貼り付ければ、返信用封筒10Bの差出人として表示するすることができる。
この第2実施の形態によれば、往信用封筒10Aと返信用封筒10Bとを、同一仕様の往復信兼用封筒10から作成できる。
また、往信の差出人が、特定の往信の宛先7について、往信の宛先7の郵便番号、住所、氏名若しくは名称を表示した宛先粘着シート11を用意しておくだけで、往信用封筒10Aと返信用封筒10Bのいずれにも、差出人と宛先を記載する手間が省ける。
更に、また、返信用封筒10Bに宛先の郵便番号6aが印刷されているので、正確に往信の差出人宛に返信用封筒10Bを郵送できる。
上述の第1、第2実施の形態では、往信の差出人と返信の受取人が共通する共通人についての共通人情報6を、封筒本体2の表紙2aの共通人情報表示領域3内に印刷しているが、往信の受取人と返信の差出人が共通する共通人についての共通人情報6を、封筒本体2の表紙2aの共通人情報表示領域3内に印刷しておいてもよい。この場合には、1種類の往復信兼用封筒1、10から往信用封筒と返信用封筒を作成することができ、往信用封筒に宛先を記載する手間と、返信用封筒に差出人を記載する手間を省くことができる。
また、上述の第1、第2実施の形態では、往信の差出人と返信の受取人及び往信の受取人と返信の差出人のいずれもがそれぞれ共通する例で説明したが、往信用封筒に応答して返信用封筒を郵送するものであれば、往信の差出人と返信の受取人若しくは往信の受取人と返信の差出人のいずれかが共通する場合にも適用できる。
また、収容物の種別を表示する必要がなければ、郵送物表示マーク9は必ずしも印刷しておかなくてもよい。
次に、本発明の第3実施の形態に係る往復信兼用封筒セットを、図8乃至図10を用いて説明する。この第3実施の形態の説明においても、第1実施の形態にかかる構成と同一若しくは同様に作用する構成については、同一番号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係る往復信兼用封筒セットは、販促キャンペーンを主催する主催者が往信の受取人と返信の差出人で共通する共通人となる販促キャンペーンに用いられ、図8(a)に示す往復信兼用封筒20と、図8(b)に示す宛先粘着シート22が貼り付けられた粘着台紙であるキャンペーン応募用紙21とから構成される。
往復信兼用封筒20の封筒本体2の共通人情報表示領域3には、共通人である主催者の宛先の郵便番号6aと、主催者の住所と、主催者の会社名及びその担当部署からなる共通人情報6が印刷され、これにより、1種類の往復信兼用封筒20が、販促キャンペーンに応募する応募者から主催者へキャンペーン応募用紙21を郵送する往信用封筒20Aと、主催者から応募者へ販促キャンペーンで提供する賞品28を郵送する返信用封筒20Bとなる。本実施の形態における販促キャンペーンは、例えば、販促対象商品のパッケージに印刷された応募シール25を5枚集めることを応募条件とし、所定のキャンペーン期間中に郵送で受け付けた多数のキャンペーン応募用紙21から抽選で特定数のキャンペーン応募用紙21を抽出し、抽出したキャンペーン応募用紙21の宛先粘着シート22に記載の応募者へ販促キャンペーンの賞品である一組の観戦チケット28を郵送する。
封筒本体2の表紙2aの上方には、図8(a)に示すように、下端部が共通人情報6が印刷された共通人情報表示領域3の上端部と重なったシート貼付領域27が仮想設定される。シート貼付領域27は、宛先粘着シート22を貼り付けるための領域で、宛先粘着シート22の大きさにほぼ等しく、共通人情報表示領域3の上端部と重なることによって、印刷された主催者の宛先の郵便番号6aがその内側に含まれる位置に設定される。
また、往復信兼用封筒1、10の郵便切手貼付欄8に代えて往復信兼用封筒20の表紙2aには、販促キャンペーンの応募者が主催者へ郵送する往信用封筒20Aの郵便料金を負担する料金別納郵便のスタンプ26が印刷されているが、このスタンプ26もシート貼付領域27の内側に含まれるように領域27の境界が設定される。
裏面に粘着層が形成されることによりキャンペーン応募用紙21の中央に剥離自在に貼り付けられた宛先粘着シート22には、応募者の郵便番号、住所及び氏名25を記載する応募者記載欄22aが印刷されている。応募者記載欄22aへの記載事項23は、そのまま返信用封筒20Bの宛先7として表示されるように、上段から応募者の郵便番号、応募者の住所及び応募者の氏名を記載する欄が順に設けられている。尚、販促キャンペーンの主催者側が宛先粘着シート22に印刷した応募者記載欄22aに、応募者が住所や氏名等を記入するので、応募者の氏名を記載する欄の右端には、応募者の敬称である「様」の文字が印刷されている。
また、宛先粘着シート22が貼り付けられたキャンペーン応募用紙21の上方の余白には、粘着台紙21が販促キャンペーンの応募用紙であることを示す文字29が印刷され、キャンペーン応募用紙21の上方の余白には、応募条件である5枚の応募シール25を貼り付ける応募シール貼付欄24が印刷されている。
宛先粘着シート22が貼り付けられたキャンペーン応募用紙21は、そのまま往信用封筒20Aとなる往復信兼用封筒20に収容され、販促キャンペーンの対象商品を販売する店舗や販売棚付近に配置され、販促キャンペーンに応募する応募者に提供される。
応募シール25を5枚集めて販促キャンペーンに応募する応募者は、応募シール貼付欄24に集めた5枚の応募シール25を貼り付け、宛先粘着シート22の応募者記載欄22aに、応募者の郵便番号、住所及び氏名23を記載したキャンペーン応募用紙21を、往信用封筒20に収容し、フラップ30で封印して投函する。
図9に示すように、封筒本体の表紙2aの共通人情報表示領域3に、主催者の宛先の郵便番号6aと、主催者の住所と、主催者の社名及びその担当部署からなる共通人情報6が印刷され、その上方に、郵便料金を主催者側が負担する料金別納郵便のスタンプ26が印刷されているので、往復信兼用封筒20はそのまま往信用封筒20Aとなって主催者に郵送される。従って、応募者は、応募者記載欄22aに応募者の郵便番号、住所及び氏名25を記載し、応募シール貼付欄24に5枚の応募シール25を貼り付けたキャンペーン応募用紙21を往信用封筒20Aに入れて投函するだけで、販促キャンペーンに応募できる。
販促キャンペーンの主催者は、販促キャンペーンで提供する多数組の観戦チケット28と、観戦チケット28を応募者へ郵送する為の往復信兼用封筒20を用意しておく。往復信兼用封筒20は、上述した販促キャンペーンの対象商品を販売する店舗や販売棚付近に配置されるを往復信兼用封筒20と同一であり、一連の印刷工程から得られる1種類の往復信兼用封筒20から用意することができる。
主催者は、キャンペーン期間中に多数の応募者から往信用封筒20Aで郵送されたキャンペーン応募用紙21から、無作為に特定数のキャンペーン応募用紙21を抽出し、抽出したキャンペーン応募用紙21を郵送した応募者を賞品28を提供する当選者とする。主催者は、更に、抽出したキャンペーン応募用紙21(当選者から往信用封筒20Aで郵送されたキャンペーン応募用紙21)に貼り付けられた宛先粘着シート22を、往復信兼用封筒20のシート貼付領域27に貼り付ける。
図10に示すように、シート貼付領域27に貼り付けられた宛先粘着シート22は、料金別納郵便のスタンプ26と主催者の宛先の郵便番号6aを覆い、印刷された主催者の住所と、主催者の社名及びその担当部署からなる共通人情報6の上方に、宛先粘着シート22の応募者記載欄22aに書き込まれた応募者の郵便番号、住所及び氏名23が表示され、特に、応募者の氏名が記載された右端に敬称である「様」の文字が印刷されているので、応募者の郵便番号、住所及び氏名23は宛先として認識され、往復信兼用封筒20は、主催者を差出人として当選者である応募者宛に郵送される返信用封筒20Bとなる。
従って、主催者は、多数のキャンペーン応募用紙21から抽出したキャンペーン応募用紙21に貼り付けられた宛先粘着シート22をシート貼付領域27に貼り付け、郵便切手を貼り付けて、一組の観戦チケット28を収容した返信用封筒20Bをフラップ30で封印して投函するだけで、当選者へ販促キャンペーンの対象賞品28を郵送できる。
この第3実施の形態によれば、販促キャンペーンに応募する応募者から主催者へキャンペーン応募用紙21を郵送する為の往信用封筒20Aと、主催者から応募者のうちの当選者へ賞品28を郵送する為の返信用封筒20Bとを、同一印刷工程を経て製作した一種類の往復信兼用封筒20から作成できる。
また、応募者は、往信用封筒20Aに宛先や差出人を記載することなく、往信用封筒20Aを主催者宛に郵送することができ、主催者は、返信用封筒20Bに宛先や差出人を記載することなく、返信用封筒20Bを応募者のうちの特定の当選者宛てに郵送できる。
この第3実施の形態に係る往復信兼用封筒20においては、料金別納郵便のスタンプ26を印刷し、応募者による切手貼付の負担をなくしたが、郵便切手貼付欄8を印刷し、応募者が往信用封筒20Aに郵便切手を貼り付けるようにしてもよい。
上述の各実施の形態の封筒本体2は、縦長長方形の長形3号の封筒で説明したが、他の大きさや形状であってもよい。