JP7240894B2 - 振動発生装置及び触感提示装置 - Google Patents
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Description
従って、例えば直進型のアクチュエータ等を利用した場合と同様に、可動プレートを一方向、すなわち第1方向に沿って振動させることができる。これにより、可動プレートの振動を利用して、例えば操作者の指先に対して、力学的な操作感覚を疑似的に作用させることが可能となり、指先に対してクリック感を与えるような触感を与えることができる。
さらに、可動プレートの固有周波数(固有振動数)が振動発生部の振動周波数よりも大きいので、可動プレートの共振を抑制できると共に、振動発生部の振動を効率良く可動プレートに伝えることができ、第1方向に沿って安定的に振動させることができる。
従って、使い勝手に優れた触感提示装置とすることができ、例えば車載用途(カーナビゲーション装置等)、或いは操作者に装着或いは操作者が所持した状態で使用するようなウエラブル用途(スマートフォンやスマートウォッチ等の携帯情報端末等)として好適に利用することができる。さらに、触感提示装置を携帯情報端末等として利用した場合には、操作者の操作とは別に必要に応じて振動発生装置を振動させることで、例えば電話やメールの着信等を操作者に報知することも可能となる。
以下、本発明に係る第1実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、触感提示装置として、車載用のカーナビゲーション装置を例に挙げて説明する。
なお、カーナビゲーション装置1は車両VのインストルメントパネルPに組み込まれているので、図1に示すように、第3方向L3は車両Vの前後方向に相当し、第1方向L1は車両Vの左右方向に相当し、第2方向L2は車両Vの上下方向に相当する。
この際、タッチパネル2は、第1方向L1及び第2方向L2で画成される自身の面内方向に変位可能にケーシング4に対して組み合わされている。具体的には、タッチパネル2は、ケーシング4に対して第1方向L1に相対変位可能にケーシング4に対して組み合わされている。従って、タッチパネル2とケーシング4との間には、第1方向L1において、タッチパネル2の第1方向L1の変位を許容するための僅かな隙間が確保されている。
このように構成されたタッチパネル2は、少なくとも指先による操作時に、振動発生部22からの振動によって瞬間的に第1方向L1に振動するように構成されている。
これにより操作者は、タッチパネル2を指先で触れて所望する仮想ボタンの入力操作を行うことが可能とされている。これにより、入力操作した仮想ボタンに対応する操作内容に基づいた入力信号が制御部6に送られる。
例えばカーナビゲーション装置1は、車両Vの位置を検出(測位)する位置検出部、外部との無線通信を行う通信部、メモリ部、複数の操作スイッチ31(図1参照)、音声をスピーカから出力する音声出力部、地図データを記憶する地図データベース部等を主に備えている。このうち、位置検出部、通信部、メモリ部、音声出力部、地図データベース部は、制御基板30に実装された状態で収容空間10内に収容されている。
なお、図2では、これら位置検出部、通信部、メモリ部、音声出力部、地図データベース部の図示を省略している。
なお、固定部材20のうち表示パネル5側を向いた端面は、平坦な固定面20aとされている。
本実施形態の板ばね部材21は、図1及び図2に示すように、第1方向L1に沿った長さが第2方向L2に沿った長さよりも短い板片状に形成され、表示パネル5の四隅に対して第3方向L3に向かい合うように、第1方向L1及び第2方向L2に間隔をあけて4つ配置されている。
各板ばね部材21は、一端部側が固定部材20における固定面20aに連結され、他端部側が表示パネル5に連結されている。これにより、板ばね部材21は、表示パネル5を介してタッチパネル2を第1方向L1に変位可能に支持している。
ただし、この場合に限定されるものではなく、例えば先に述べたように、表示パネル5を変位不能に収容空間10に配置し、且つタッチパネル2だけを第1方向L1に変位可能に構成した場合には、振動発生部22をタッチパネル2に取り付けるように構成すれば良い。なお、図1及び図2では、振動発生部22の図示を簡略化している。
軸受部50は、例えば含油軸受等の円筒状に形成された滑り軸受とされ、回転軸線Oと同軸に配置されている。ただし、軸受部50は、滑り軸受に限定されるものではなく、例えば内輪と外輪との間にボールが転動可能に保持されたボール軸受等で構成されていても構わない。なお、軸受部50における挿通孔50a内には、後述するシャフト61が挿通されている。
なお、重錘40の材質としては、特に限定されるものではないが、例えば比重の高い金属材料であるタングステン等を用いることが好ましい。また、重錘40は、取付プレート51cに対して、例えば接着、溶着等によって固着されている。
ベースプレート60における中央部分には、例えばベースプレート60を第3方向L3に貫通するシャフト支持孔60aが回転軸線Oと同軸に形成されている。
駆動部63は、図示しない外部電源に電気的に接続されていると共に、コイル62に対して電気的に接続されている。さらに駆動部63は、図示しないホール素子を有し、ホール素子によって磁石52の極性を検知し、検知した極性に応じて外部電源から供給された電流を制御しながらコイル62に供給することが可能とされている。コイル62に電流が供給されることで、コイル62に磁力が発生する。そして、コイル62に発生した磁力と、磁石52の磁力との相互作用を利用して、ロータ42を回転軸線O回りに回転させることが可能となる。これにより、振動発生部22は、ロータ42の回転に伴う重錘40の遠心力を利用して、振動を発生させることが可能とされている。
なお、ホール素子に代わりホール素子を内蔵した駆動ICを駆動部63に設けても良い。この場合、磁石52の極性に応じた駆動信号をコイル62に供給するように駆動ICは機能する。
一方の位置決めリング64は、軸受部50とベースプレート60との間に配置されるように、シャフト61に嵌合されている。他方の位置決めリング64は、軸受部50を間に挟んで位置決めリング64とは第3方向L3の反対側に位置するようにシャフト61に嵌合されている。
例えば、位置決めリング64の材質としては、ポリアセタールやナイロン等の滑り性を有する合成樹脂材料、又は当該合成樹脂に例えばポリテトラフルオロエチレンや超高分子ポリエチレン等の固体潤滑剤が添加された合成樹脂等を採用することができる。
ただし、位置決めリング64は、必須なものではなく、具備しなくても構わない。
上述のように構成された振動発生装置3を具備するカーナビゲーション装置1を使用する場合の作用について説明する。
タッチパネル2が指先で操作されると、制御部6は図3に示す駆動部63を介してコイル62に電流を供給して、コイル62に磁力を発生させる。これにより、コイル62に発生した磁力と、磁石52の磁力との相互作用によって、ロータ42を回転軸線O回りに回転させることができ、重錘40に作用する遠心力を利用して振動を発生させることができる。
ところがタッチパネル2は、図1に示すように、第1方向L1における弾性率と第2方向L2における弾性率とが異なる板ばね部材21によって支持されているので、弾性率の違いによって、第2方向L2よりも第1方向L1に変位し易く支持されている。そのため、振動発生部22から与えられた振動を利用して、タッチパネル2を第1方向L1に積極的に振動させることができる。
これらのことから、振動発生装置3全体として、構成の簡略化及び低コスト化を図ることができる。その結果、カーナビゲーション装置1として、構成の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
なお、上記実施形態において、第1方向L1における弾性率の方が第2方向L2における弾性率よりも2倍以上小さくなるように、板ばね部材21を構成しても良い。この場合には、タッチパネル2をさらに積極的に第1方向L1に沿って振動させることが可能となる。
例えば、カーナビゲーション装置1を車室側から見たときに、車両Vの左右方向に対して斜めにタッチパネル2が振動するように構成することも可能である。
この場合には、タッチパネル2及び表示パネル5の固有周波数(固有振動数)が振動発生部22の振動周波数よりも大きいので、タッチパネル2及び表示パネル5の共振を抑制できると共に、振動発生部22の振動を効率良くタッチパネル2及び表示パネル5に伝えることができ、第1方向L1に沿って安定的に振動させることができる。
次に、本発明に係る第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
なお、図4及び図5では、振動発生部71の図示を簡略化している。
このように構成されたステータ73は、ステータハウジング80に取り付けられたスペーサ81を利用して、表示パネル5に取り付けられている。この際、ステータ73は、ロータ74の回転軸線Oが第2方向L2に対して平行になるように取り付けられている。
コイル及びコイルホルダは、ステータハウジング80内に収容されている。回転シャフト85は、回転軸線Oと同軸に配置されていると共に、ステータハウジング80内から第2方向L2に突出するように形成されている。
各板ばね部材75は、一端部側が固定部材20に連結され、他端部側が表示パネル5に連結されており、表示パネル5を介してタッチパネル2を面内方向に変位可能に支持している。なお、各板ばね部材75は、第1方向L1に沿った長さが第2方向L2に沿った長さよりも短い板片状に形成されている。
上述のように構成された本実施形態のカーナビゲーション装置1であっても、ロータ74の回転軸線Oの方向が第1実施形態と異なるだけで、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
しかも、板ばね部材75は、第3方向L3における弾性率が第1方向L1における弾性率よりも大きいので、第1方向L1よりも第3方向L3に弾性変形し難い。そのため、重錘72を第2方向L2に平行な回転軸線O回りに回転させることで振動を発生させた際、タッチパネル2の操作面2aに対して直交する第3方向L3よりも、第1方向L1に沿ってタッチパネル2を積極的に振動させることができる。従って、タッチパネル2を効率良く第1方向L1に振動させることができる。
この場合において、例えば第3方向L3における弾性率(ばね定数)が第1方向L1における弾性率(ばね定数)と同一、或いは該弾性率よりも小さくなるように板ばね部材75を形成することが好ましい。ただし、この場合に限定されるものではなく、例えば第3方向L3における弾性率(ばね定数)が第2方向L2における弾性率よりも小さい条件を満たしていれば、第1方向L1における弾性率(ばね定数)よりも大きくても構わない。
従って、タッチパネル2を第1方向L1に沿って振動させることができると共に、指先の接触方向でもある第3の方向L3にも振動することができるので、タッチパネル2の振動を利用して、操作者の指先に対して力学的な操作感覚をより強く、且つより疑似的に作用させることができる。その結果、指先に対してクリック感を与えるかのような触感をさらに効果的に与えることが可能である。
なお、第3方向L3における弾性率(ばね定数)が第1方向L1における弾性率(ばね定数)と同一、或いは該弾性率よりも小さくなるように板ばね部材75を形成した場合には、重錘72を第2方向L2に平行な回転軸線O回りに回転させることで振動を発生させた際、タッチパネル2の操作面2aに対して直交する第3方向L3に対して、第1方向L1と同等或いはそれ以上にタッチパネル2を積極的に振動させることが可能となり、好ましい。
特に、制御基板を可動プレートとして利用する場合には、例えば、振動発生部の振動を利用して、制御基板を第3方向に積極的に振動するように構成しても構わない。
L1…第1方向
L2…第2方向
L3…第3方向
1…カーナビゲーション装置(触感提示装置)
2…タッチパネル(可動プレート)
3、70…振動発生装置
4…ケーシング
5…表示パネル
6…制御部
20…固定部材
21、75…板ばね部材(弾性支持体)
22、71…振動発生部
40、72…重錘
41、73…ステータ
42、74…ロータ
Claims (8)
- 固定部材と、
前記固定部材に対して相対変位可能に配置された可動プレートと、
前記固定部材と前記可動プレートとの間に設けられ、前記可動プレートを弾性変形可能に支持する複数の弾性支持体と、
前記可動プレートに組み合わされると共に、前記可動プレートに対して振動を与える振動発生部と、を備え、
前記振動発生部は、回転軸線回りに回転可能で、且つ重心が前記回転軸線に対して偏心した重錘を有し、
前記弾性支持体は、
前記可動プレートの面内方向で互いに交差し合う第1方向及び第2方向において、前記第1方向における弾性率が前記第2方向における弾性率よりも小さくなるように形成され、
前記第1方向における前記弾性支持体の弾性率、及び前記可動プレートの重量の少なくとも2つの要因によって決定される、前記可動プレートの固有周波数は、前記振動発生部の振動周波数よりも大きいことを特徴とする振動発生装置。 - 請求項1に記載の振動発生装置において、
前記弾性支持体は、前記第1方向における弾性率の方が、前記第2方向における弾性率よりも2倍以上小さくなるように形成されている、振動発生装置。 - 請求項1又は2に記載の振動発生装置において、
前記第1方向及び前記第2方向は、互いに直交し合う関係である、振動発生装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の振動発生装置において、
前記振動発生部は、前記第2方向に対して前記回転軸線が平行となるように前記可動プレートに組み合わされている、振動発生装置。 - 請求項4に記載の振動発生装置において、
前記弾性支持体は、前記可動プレートに対して直交する第3方向における弾性率が、前記第1方向における弾性率よりも大きくなるように形成されている、振動発生装置。 - 請求項4に記載の振動発生装置において、
前記弾性支持体は、前記可動プレートに対して直交する第3方向における弾性率が、前記第2方向における弾性率よりも小さくなるように形成されている、振動発生装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の振動発生装置において、
前記振動発生部は、
前記重錘を有し、前記回転軸線回りに回転可能に配置されたロータと、
前記ロータを回転可能に支持するステータと、を備えている、振動発生装置。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の振動発生装置と、
前記固定部材及び前記振動発生部を内部に収容すると共に、前記可動プレートが変位可能に組み合わされるケーシングと、
前記ケーシング内に収容され、前記可動プレートを通じて情報を表示する表示パネルと、を備え、
前記可動プレートは、指先で操作可能とされ、
前記ケーシング内には、前記可動プレートの操作に応じて前記表示パネルの表示を制御する制御部が収容されていることを特徴とする触感提示装置。
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