JP7238189B2 - 呼吸装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸い込まれた空気中のCO2レベルを増加させるための呼吸装置に関する。吸い込まれた空気中のCO2レベルを増加させるための、幾つかの呼吸装置が知られている。そのような装置は、ユーザの口及び鼻を覆う単純なマスク、若しくは、呼吸している間に伸縮可能な袋に接続されたマスクであってもよい。マスクは、バルブ若しくはバルブ類似物を備え付けていてもよく、これによって、新鮮な空気がマスクに入ることが可能となる。
様々な一般的な医学的障害(それらの中でも、片頭痛、癲癇、腰椎穿刺性頭痛、熱性痙攣、特発性呼吸困難、過呼吸症候群、パニック不安、喘息、及びある心臓病)では、患者によって吸い込まれる空気中のCO2濃度を上げることによって、明確な治療効果を得られることが実証されている。体内では、CO2濃度を上げることは、他の効果の中でも、体液のpH値を下げ、大脳血流を増やし、且つ神経系の興奮性を下げるであろう。
本発明の目的は、吸い込まれた空気中のCO2レベルを増加させるための呼吸装置に関して、改善を提供することである。
本発明の別の目的は、1つの装置を提供することであり、前記装置は、片頭痛、腰椎穿刺性頭痛、若しくは他のタイプの頭痛の症状を和らげるかもしれない、又は、片頭痛に苦しむユーザにおける片頭痛の発作を任意選択的に抑える、及び/若しくは防ぐかもしれない。
更なる目的は、1つの装置を提供することであり、前記装置は、癲癇性発作及び/若しくは熱性痙攣を和らげるために、又は防ぐために、使用してもよい。
更なる目的は、1つの装置を提供することであり、前記装置は、喘息の予防的治療のために使用してもよい。
更なる目的は、1つの装置を提供することであり、前記装置は、心拍停止後の回復を改善するために使用してもよい。
更なる目的は1つの装置を提供することであり、前記装置は、CO2の血管拡張作用によって、大脳血流及び脳への酸素給送を増加させるのに役立つかもしれない。
更なる目的は、1つの装置を提供することであり、前記装置は、使用中に、ユーザの中にアシドーシスを誘発することによって、神経系の興奮性を減少させるかもしれない。これは、吸い込まれたCO2の分圧を増加させることによって仲介されるものである。
本発明は、呼吸装置に関し、前記呼吸装置は、
・吸い口の第1の端部と第2の端部との間の接続部を形成するための呼吸経路を形成する吸い口であって、第1の端部は、ユーザが、呼吸開口部を通して、吸い口の中に息を吹き込むことを目的として構成される、吸い口と、
・吸い口の第2の端部に取り付けられ、それによって、呼吸経路と流体連通している、少なくとも部分的に可撓性の再呼吸空気チャンバであって、再呼吸空気チャンバは、少なくとも部分的に可撓性の壁部(複数可)によって形成され、前記壁部は、前記壁部に設けられた複数の細孔によって、気体に対して透過性である第1の壁部を有する、少なくとも部分的に可撓性の再呼吸空気チャンバと、
を備える。
好ましくは、少なくとも部分的に可撓性の再呼吸チャンバは、前記壁部に設けられた複数の細孔、及び/若しくは貫通開口部のような1つ以上のものによって、気体に対して透過性である第1の壁部を有し、及び/若しくは好ましくは、吸い口は、呼吸経路と前記周囲大気との間の流体連通を可能にする、1つ以上の貫通開口部を備えてもよい。
本発明はまた、吸い込まれた空気の中のCO2レベルを増加させるための、呼吸装置に関する。
再呼吸空気チャンバの壁は、多数の貫通開口部及び/若しくは細孔を有する壁部を更に備えてもよく、ここで多数の貫通開口部及び/若しくは細孔は、気体に対する透過性を提供すると共に、組み合わされて、全体としての流れコンダクタンスGを有する。壁部材料は、それ自体は気体に対して非透過性であってもよく、且つ、壁部をまたぐ圧力差によって変形可能であり、これによって、実質的な時間で正規化されたコンプライアンスCを壁部に与える。ここでCは、壁部をまたぐ圧力差あたり、一秒あたりの、再呼吸チャンバの体積膨張として決定される。
呼吸装置はまた、再呼吸空気チャンバを備えてもよく、ここで再呼吸空気チャンバは、壁部(複数可)に設けられた複数の細孔によって、気体に対して透過性である、少なくとも部分的に可撓性の壁部によって形成される。
呼吸装置はまた、可撓性の壁部によって形成してもよく、ここで可撓性の壁部は、可撓性の壁部に分布する、線若しくは列の形で配置された複数の細孔によって、気体に対して透過性である。
再呼吸空気チャンバの形は、好ましくは、直方体のような立方体、回転楕円体のような球体、袋タイプ、実質的に四面体のような四面体、実質的にピラミッドのような四角ベースのピラミッド、実質的に八面体のような八面体、実質的にプリズムのような六辺形プリズム、実質的に十二面体のような十二面体、円筒形、若しくは楕円柱、を備えるグループから選択される。
次のことを観察されたい。即ち、再呼吸空気チャンバの可撓性のせいで、その形状は、内部と外部との間の圧力差によって、わずかに変動し、それによって、例えば、立方体は直方体に変形されることが可能であり、その場合、立方体の縁部は、壁板の丸みのせいで、ある程度無くなる、ということである。
本発明の別の実施形態では、再呼吸空気チャンバは、立方体のような直方体の形であってもよく、ここで前記直方体は、それぞれが立方体の面を定義する6つの壁部を備える。6つの壁部のうちの5つは、好ましくは、第1の可撓性の壁部タイプによって形成され、且つ6つの壁部のうちの1つは、第2の可撓性の壁部タイプによって形成される。第2の可撓性の壁部タイプは、気体に対して非透過性であり、且つ第1の壁部タイプは、透過性の部分を備えてもよいか、又は、可撓性の第1の壁部タイプの中に分布する、好ましくは線若しくは列の形で配置された複数の細孔によって、気体に対して透過性であってもよい。
第1の壁部及び第2の壁部は、気体に対して非透過性であってもよい。
可撓性の第1の壁部タイプの透過性部分は、10-2mよりも小さな厚さを有してもよく、前記厚さは、10-3mよりも小さいなどであり、好ましくは、20×10-6mに等しいか、若しくは20×10-6mに満たない。
可撓性の第1の壁部は、非透過性の部分を更に備えてもよく、ここで前記非透過性の部分は、10-2mよりも小さな厚さを有し、前記厚さは、10-3mよりも小さいなどであり、好ましくは、40×10-6mに等しいか、若しくは40×10-6mに満たない。
非透過性の第2の可撓性の壁部タイプは、10-2mよりも小さな厚さを有してもよく、前記厚さは、10-3mよりも小さいなどであり、好ましくは、40×10-6mに等しいか、若しくは40×10-6mに満たない。
本発明の別の実施形態では、再呼吸空気チャンバは、可撓性の壁部の上に/中に配置された呼吸経路を更に備えてもよく、これによって、使用中、再呼吸空気チャンバに入る、及び/若しくは再呼吸空気チャンバから出る際の、ユーザの口との流体連通を可能にする。
呼吸経路は、少なくとも1つの貫通開口部を有してもよく、これによって、呼吸装置に入る、及び/若しくは呼吸装置から出る際の、周囲大気との流体連通を可能にする。
好ましくは、貫通開口部の1つ以上は、再閉止可能である、及び/若しくは調節可能である。
貫通開口部は、2つの平行な長手方向の壁部の間に配置された滑動部によって設けられた、開口部の形をしていてもよい。滑動部が、2つの平行な長手方向の壁部の間の一方の側に移動する場合、滑動部は、呼吸経路の中への開口部を提供する。滑動部は、好ましくは、前記再呼吸空気チャンバの中への空気の流れを調節するために、構成される。
呼吸経路は、2つの平行な長手方向の壁部を更に備えてもよく、ここで前記壁部は、呼吸経路を通って、呼吸方向に対して垂直な方向に突出しており、その間の距離は3cm未満、2cm未満などであり、好ましくは1cm未満である。2つの平行な長手方向の壁部は、指で呼吸装置を保持している間に、ユーザが指で貫通開口部を塞ぐことを妨げるように構成してもよい。貫通開口部は、好ましくは、2つの平行な長手方向の壁部の間に配置される。
本発明の別の実施形態では、呼吸空気チャンバは、1つ以上の再閉止可能な開口部、及び/若しくは調節可能な開口部を備え、好ましくは、滑動部が、2つの平行な長手方向の壁部の間に配置される。滑動部は、好ましくは、可撓性の壁部の上に配置され、滑動部が2つの平行な長手方向の壁部の間の一方の側に移動する場合、滑動部は、呼吸空気チャンバの中への開口部を提供する。滑動部は、周囲大気から再呼吸空気チャンバの中への空気の流れを調節することを目的として、構成してもよい。
可撓性の壁部は、好ましくは、ひだをつけるなどによって、折りたたみ可能である。
再呼吸空気チャンバは、立方体を形成するべく一緒に溶着された複数の壁要素によって、組み立ててもよい。
再呼吸空気チャンバはまた、立方体を形成するべく一緒に溶着された4つの壁要素によって、組み立ててもよく、4つの壁要素の各々は、1つの正方形の壁要素の互いに反対側に配置される2つの三角形の壁要素によって形成される。
複数の細孔は、可撓性の壁部(複数可)の中に等距離に分布していてもよい。
好ましくは、前記細孔の水力直径は、10-2mよりも小さく、前記水力直径は、10-3mよりも小さいなどであり、好ましくは、180×10-6mに等しいか、若しくは180×10-6mよりも小さい。他の実施形態では、水力直径は、100×10-6mと2cmとの間で選択され、前記水力直径は、貫通開口部あたり、100×10cm-6mと3cmとの間にあるなどである。
呼吸開口部は、パイプ、ダクト、若しくは他の接続部のような、呼吸装置を顔マスクに接続するのに適した接続部を備えてもよい。
第1の壁部及び/若しくは第2の壁部は、好ましくは、完全に若しくは部分的に疎水性である。
再呼吸空気チャンバは、1リットルと16リットルとの間の体積を有してもよく、前記体積は、2リットルと8リットルの間などにあり、好ましくは4リットルと6リットルとの間にある。
第1の壁部及び/若しくは第2の壁部は、ひだをつけるなどで、折りたたみ可能であってもよい。
再呼吸空気チャンバは、第1の壁部の幾何形状を変化させることによって、大きさが調整可能であってもよい。
呼吸経路は、好ましくは、少なくとも1.0cm2の断面を有し、前記断面は、少なくとも1.5cm2などであり、好ましくは少なくとも2.0cm2である。呼吸経路は、複数の経路によって形成してもよい。
好ましくは、第1の壁部は、約2ナノメートルと2ミリメートルとの間の平均細孔サイズを有する。
細孔は、好ましくは、レーザ穿孔によって作製してもよい。
透過性材料及び/若しくは多孔質材料は、20℃及び標準大気(101.325kPa)で決定された標準空気に対する気体透過流速を有してもよく、そこでは、気体透過流速は、好ましくは、本明細書で開示されるような圧力差において、少なくとも約0.0005m3/(秒*m2*kPa)である。
透過性材料は重合体膜を備え、前記重合体膜は、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリビニリデン・ジフルオリド(PVDF)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、紙、植物繊維、及び/若しくは前述の重合体のうちのいずれかを備える組み合わせを備える。
好ましくは、再呼吸空気チャンバの少なくとも一部分は折りたためない。好ましくは、再呼吸空気チャンバの少なくとも一部分は折りたためず、且つ、再呼吸空気チャンバの少なくとも一部分は折りたためる。より好ましくは、再呼吸空気チャンバは、部分的に折りたため、且つ、再呼吸空気チャンバの中への呼吸開口部に最も近い少なくとも副区画は、折りたためないか、若しくは、呼吸開口部から離れた副区画よりは、少なくとも折りたたみにくい。
呼吸装置は、好ましくは吸い口に設けられた少なくとも1つの貫通開口部を備えてもよく、これによって、呼吸装置に入る、及び/若しくは呼吸装置から出る際の、周囲大気との流体連通を可能にする。
好ましくは、少なくとも1つの貫通開口部の1つ以上にはバルブが備え付けられ、ここで前記バルブは、好ましくは、隙間を通して気体の流れを調整するための、調節可能なバルブである。調節可能なバルブは、手動及び/若しくは自動で調節してもよい。
再呼吸空気チャンバは、圧縮した水を排出するためのバルブを備えてもよい。
呼吸デバイスは、CO2若しくはO2の感知装置を備えてもよく、前記感知装置は、吸い込まれた空気及び/若しくは吐き出された空気のCO2レベル及び/若しくはO2レベルを測定するように構成される。
呼吸装置は、少なくとも1つの湿気吸収要素を備えてもよく、前記湿気吸収要素は、再呼吸空気チャンバから湿気を吸収するように構成される。湿気吸収要素(複数可)は、好ましくは、再呼吸空気チャンバの中に少なくとも部分的に設置される。湿気吸収要素は、取り外し可能且つ取り替え可能な要素であってもよい。
呼吸装置は香り付け装置を備えてもよく、ここで前記香り付け装置は、メントールの香りを有するべく、香り付けするようなものであり、再呼吸気体の匂いを変化させるように構成される。
第1及び/若しくは第2の壁部は、水輸送要素を備えてもよく、前記水輸送要素は、再呼吸空気チャンバから水を排出するように構成される。水輸送要素は、好ましくは、ある材料でできているか、若しくはある材料を備え、前記材料は、再呼吸空気チャンバから、周囲大気へ若しくは水収集ユニットへ、水を輸送するための経路を提供する。
呼吸装置は、小室を更に備えてもよく、前記小室の内部には、使用していない場合、吸い口及び再呼吸空気チャンバが格納される。
吸い口及び再呼吸空気チャンバは、好ましくは、小室の中で/上で及び/若しくは位置変更的に取り替え可能である、及び/若しくは位置変更的に配置される。
小室は、好ましくは、蓋のような2つの着脱可能な小室要素を備え、各々は、小室の端部に着脱可能に取り付けられる。2つの着脱可能な小室要素は、装置が使用されない場合、再呼吸空気チャンバ若しくは呼吸経路のいずれかへのアクセスを妨げてもよい。着脱可能な小室要素は、取り外された場合、再呼吸空気チャンバ及び/若しくは呼吸経路へのアクセスを提供するように構成してもよい。
小室要素は、使用していない間、再呼吸空気チャンバ若しくは呼吸経路のいずれかへのアクセスがある場合に、好ましくは、端部に隣接する2つの側面に取り付けられることを目的として構成してもよく、その結果として、使用の際、呼吸装置に対するより良い把持を提供する。
好ましくは、再呼吸空気チャンバは、吸い口から着脱可能であると共に、吸い口に対して再取り付け可能である。
呼吸装置は、安定チャンバ/構造体を更に備えてもよく、ここで前記安定チャンバ/構造体は、再呼吸空気チャンバに取り付けられ(しかし、好ましくは、再呼吸空気チャンバと直接に流体連通していない)、再呼吸の吸い込み段階の間、再呼吸空気チャンバ若しくは吸い口がつぶれるのを妨げるように構成される。
呼吸装置はまた、1つ以上の放出バルブを備えてもよく、前記放出バルブは、再呼吸空気チャンバの空気を空にするように構成される。
呼吸装置は、片頭痛の治療に使用してもよい。
呼吸装置は、癲癇の治療に使用してもよい。
呼吸装置は、熱性痙攣の治療に使用してもよい。
呼吸装置は、喘息の予防的治療に使用してもよい。
呼吸装置は、心拍停止後の治療/回復に使用してもよい。
呼吸装置は、腰椎穿刺性頭痛の治療に使用してもよい。
再呼吸空気チャンバは、好ましくは、そのサイズを低減させるべく、折りたたみ可能である。
更なる態様では、本発明は、本明細書で提示されるような再呼吸空気チャンバ接続器を備える呼吸装置に関し、これは、再呼吸空気チャンバを吸い口それ自体に接続するための再呼吸空気チャンバ接続器であるか、若しくは、再呼吸空気チャンバが吸い口を形成する場合の、再呼吸空気チャンバのための再呼吸空気チャンバ接続器である。そのような態様では、再呼吸空気チャンバ接続器は、好ましくは、前記接続器に配置された、数多くの、好ましくは平行に伸びる折りたたみ線を備えることによって、折りたたみ可能であり、その結果として、空気呼吸接続器は、好ましくは、直方体である空隙を定義する配置に折りたたまれることが可能である。呼吸空気チャンバ接続器の寸法は、好ましくは、折りたたまれた配置にある場合、そのような全ての再呼吸空気チャンバの少なくとも一部分、好ましくはほとんどが、空隙の内部に収容されるように、選択される。空隙の内部に収容される場合、再呼吸空気チャンバは折りたたまれている、ことに注意されたい。
好ましくは、そのような再呼吸空気チャンバ接続器は、好ましくは滑動部を備えてもよく、ここで前記滑動部は、前記滑動部が一方の側へ移動した場合、前記再呼吸空気チャンバの中への開口部を提供し、前記滑動部は、好ましくは、1つ以上の貫通開口部の覆いをとること、若しくは前記貫通開口部を覆うことによって、前記再呼吸空気チャンバの中への空気の流れを調節することを目的として構成される。
好ましくは、そのような再呼吸空気チャンバ接続器は、1つ以上の貫通開口部を備えてもよく、若しくは、好ましくは1つ以上の貫通開口部を更に備えてもよく、ここで前記1つ以上の貫通開口部は、好ましくはサイズにおいて調節可能でなく、且つ、再呼吸空気チャンバに入る、及び/若しくは再呼吸空気チャンバから出る際の、周囲大気との流体連通を可能にする。好ましくは、そのような空気チャンバ接続器は、好ましくは細長い展開要素34を備えてもよく、ここで前記細長い展開要素は、前記接続器の表面に沿って、好ましくは折りたたみ線に垂直である方向に滑動可能に伸びると共に、1つの端部で前記接続器に固定され、その結果として、前記細長い展開要素は、ユーザが、固定されている端部とは反対側の端部で、細長い展開要素を引っ張ることによって、再呼吸空気チャンバ接続器を、その折りたたまれた配置から展開することを目的として構成される。
好ましくは、そのような再呼吸空気チャンバ接続器は、前記接続器上の案内位置に、好ましくは細長い展開要素を維持する案内要素を備えてもよい。
好ましくは、そのような細長い展開要素及び/若しくはそのような再呼吸空気チャンバ接続器は、好ましくは掛け金を備えてもよく、ここで前記掛け金は、前記再呼吸空気チャンバ接続器がその展開された配置にある場合、細長い展開要素の位置に掛け金をかけることを目的として構成される。
好ましくは、再呼吸空気チャンバは、再呼吸空気チャンバの壁部に取り付けられたつまみのような細片を備えてもよく、これによって、ユーザは、折りたたまれた配置から、好ましくは再呼吸空気チャンバを展開するべく、再呼吸空気チャンバを膨張させることが可能であり、その結果として、ユーザは、再呼吸空気チャンバの中に空気を吐き出すことが容易になる。
本発明の個々の態様は、他の態様のいずれかと、それぞれ組み合わせてもよい。本発明のこれらの態様及び他の態様は、説明された実施形態を参照することで、次の説明から明らかとなるであろう。
本文脈では、数多くの用語が、当業者にとっては普通であるやり方で使用される。しかしながら、これらの用語の幾つかは、以下で明らかにされる。
再呼吸空気チャンバは、好ましくは、呼吸装置の袋を意味する/表すために使用される。
RBRは、再呼吸比を意味する/表すために使用される。再呼吸比は、比A/Bであり、ここでAは、以前に吐き出された気体で構成される、吸い込まれた空気流量の部分集合であり、そしてBは、吸い込まれた空気流量の合計である。
第1の壁部は、好ましくは、再呼吸空気チャンバの一部を意味する/表すために使用され、ここで第1の壁部は、気体に対して透過性であり、且つ、コンダクタンスGを有する。
第2の壁部は、好ましくは、再呼吸空気チャンバの一部分を意味する/表すために使用され、ここで第2の壁部は、気体に対して非透過性であり、且つ、コンプライアンスCを有する。
Gは、好ましくは、RCの壁部(複数可)のコンダクタンスを意味する/表すために使用され、即ち、壁部をまたぐ圧力差あたり、一秒あたりの、壁部を通る体積流量である。
Cは、好ましくは、RCの壁部(複数可)の時間で正規化されたコンプライアンスを意味する/表すために使用され、即ち、壁部をまたぐ圧力差あたり、一秒あたりの、再呼吸チャンバの体積膨張である。
VDAは、好ましくは、体内の解剖学上の空所を意味する/表すために使用される。
VDDは、好ましくは、呼吸装置の吸い口の剛体の空所を意味する/表すために使用される。
ACO2は、好ましくは、CO2の平均肺胞分圧を意味する/表すために使用される。
aCO2は、好ましくは、CO2の動脈分圧を意味する/表すために使用される。
ICO2は、好ましくは、肺に対する吸い込まれたCO2割合を意味する/表すために使用される。
A_dotは、好ましくは、肺の肺胞腔への、新鮮な空気の一分あたりの給送を意味する/表すために使用される。
滑動部は、好ましくは、呼吸装置の中に開口部を設けるために構成された壁要素を意味する/表すために使用される。滑動部は、回転バルブのような、他の形状を有してもよい。
部分的に可撓性であることは、好ましくは、再呼吸空気チャンバを形成する壁の少なくとも一部分は可撓性であり、これに対して、別の部分は非可撓性である、ということを意味する。
図は、本発明を履行する1つの方法を示しており、且つ、添付された一揃いの請求項の範囲内に入る、他の可能な実施形態を制限するものと解釈されるべきではない。
再呼吸空気チャンバ及び吸い口から構成される呼吸装置を例示したものである。 呼吸装置における流れの概念図を例示したものである。 E_dot(一分あたりの全換気)の関数として、VA_dot(肺の肺胞腔への新鮮な空気の給送)を例示したものである。 RBR(再呼吸比)の関数として、PaCO2(CO2の動脈分圧)を例示したものである。 再呼吸空気チャンバ及び吸い口を格納可能な小室を例示したものである。 再呼吸空気チャンバ及び吸い口が展開されたバージョンで示されている小室を例示したものである。 呼吸装置の一実施形態を例示したものであり、前記実施形態では、再呼吸空気チャンバの壁全体は、均等に分布した同じ孔があけられた材料から成る。 呼吸装置の一実施形態を例示したものであり、前記実施形態では、再呼吸空気チャンバの壁は、2つの線の形で配置された細孔による孔があけられている。 構造安定チャンバ及び一方向放出バルブを備える呼吸装置の一実施形態を例示したものである。 呼吸装置の一実施形態を例示したものであり、前記実施形態では、再呼吸空気チャンバは立方体の形をしている。 呼吸装置の一実施形態を例示したものであり、前記実施形態では、再呼吸空気チャンバは、立方体の形をしており、且つ、可撓性の壁部に受け口及び滑動部を備える。 呼吸装置の一実施形態を例示したものであり、前記実施形態では、再呼吸空気チャンバは、立方体の形をしており、且つ、可撓性の壁部に受け口及び再閉止可能な開口部を備える。 滑動部及び貫通開口部を備える吸い口を模式的に例示したものである。 小室を模式的に例示したものであり、前記小室には、使用していない間、再呼吸空気チャンバ及び吸い口が格納される。この図では、吸い口は展開されたバージョンで示されている。 使用していない間、再呼吸空気チャンバ及び吸い口が格納される小室を模式的に例示したものである。図13では、小室要素が取り付けられている蝶番と共に、吸い口が展開されたバーションで示されている。 呼吸装置の一実施形態を例示したものであり、前記実施形態では、再呼吸空気チャンバは、立方体の形をしており、且つ、吸い口と、吸い口における静的な貫通開口部はもちろんのこと、吸い口においてバルブの形をした再閉止可能な開口部と、を備える。 本発明の一態様を例示したものであり、前記態様によれば、再呼吸空気チャンバ接続器は、好ましくは、その折りたたまれた状態で再呼吸空気チャンバを収容するべく、折りたたみ可能である。 RBR(再呼吸比)を測定するために使用可能である実験構成を例示したものである。
呼吸装置1を例示する図1を参照する。呼吸装置は吸い口2を備え、吸い口2は、吸い口2の第1の端部と第2の端部との間の接続部を形成するべく、呼吸経路を形成する。第1の端部は、ユーザが、呼吸開口部5を通して、吸い口の中に息を吹き込むことを目的として構成される。呼吸開口部5は、パイプ、ダクト、若しくは他の接続部のような、呼吸装置を顔マスクに接続するのに適した接続部を備える。吸い口2は、好ましくは、ユーザの口に係合するべく適合しており、それで、ユーザは、吸い口2の中に息を吹き込む。しかしながら、吸い口はまた、ユーザの口と付加的な接続器との間の中間物として使用してもよく、ここで付加的な接続器は、吸い口2に接続される顔マスクのようなものである。
呼吸装置の一実施形態は、少なくとも部分的に可撓性の再呼吸空気チャンバ15を備える。再呼吸空気チャンバ15は、吸い口の第2の端部に取り付けられ、これによって、呼吸経路と流体連通している。再呼吸空気チャンバは、少なくとも部分的に可撓性の壁部(複数可)によって形成され、ここで前記壁部は、壁部に設けられた複数の細孔及び/若しくは貫通開口部27のような、1つ以上の孔によって気体に対して透過性である、少なくとも第1の壁部3、10、11、16、28を有し、及び/若しくは、吸い口2は、呼吸経路と周囲大気との間の流体連通を可能にする、1つ以上の貫通開口部19、35を備える。複数の細孔は、少なくとも部分的に可撓性の壁部(複数可)の中に等距離に分布している。細孔の水力直径は、2cmよりも小さく、前記水力直径は、10-2mよりも小さい、10-3mよりも小さいなどであり、好ましくは180×10-6mに等しい、若しくは180×10-6mよりも小さい。
呼吸装置の別の実施形態は、再呼吸空気チャンバ15を備える。再呼吸空気チャンバは、吸い口の第2の端部に取り付けられ、これによって、呼吸経路と流体連通している。再呼吸空気チャンバ15は、壁部3に多数の孔を備え、これらの孔は、気体に対して透過性であり、且つ、結合コンダクタンスG(即ち、壁部をまたぐ圧力差あたり、一秒あたりの、壁部を通る体積流量の尺度)を有する。壁部3の材料は、気体に対して非透過性であり(即ち、気体は、部分3での孔を通してのみ流れることが可能であり、且つ、材料を通して拡散しない)、壁部は、時間で正規化されたコンプライアンスCを有する(時間で正規化されたコンプライアンスは、壁部をまたぐ圧力差あたり、一秒あたりの、再呼吸チャンバの体積膨張の尺度である)。C値及び、調節可能なG値の範囲を有する装置を設計することは望ましく、その結果として、ある与えられたユーザ(装置を使用する際、一回呼吸量、呼吸リズム及びVRC,EIの個々の値を有する)は、0.5と0.95との間など、0.5と0.9との間のRBRを得るであろう。
呼吸装置の別の実施形態では、再呼吸空気チャンバは、空気に対して透過性である第1の壁部3と、空気に対して非透過性である第2の壁部4と、を備える。
再呼吸空気チャンバ15は、可撓性の壁部3及び/若しくは可撓性の第2の壁部によって形成してもよく、これらの壁部は、壁部3に設けられた複数の細孔及び/若しくは貫通開口部によって、気体に対して透過性である。再呼吸装置のこの実施形態は、図7に例示されている。細孔及び/若しくは貫通開口部は、再呼吸空気チャンバから周囲大気までの流体連通を提供する。
本発明の別の実施形態では、再呼吸チャンバ15は、可撓性の壁部11によって形成してもよく、ここで可撓性の壁部11は、可撓性の壁部11に分布する、線若しくは列の形で配置された複数の細孔及び/若しくは貫通開口部によって、気体に対して透過性である。この実施形態は、図8に例示される。図8は、呼吸装置の一実施形態を例示するが、前記実施形態では、細孔及び/若しくは貫通開口部が、可撓性の壁部11に2つの線の形で配置される。しかしながら、可撓性の壁部は、1つの線の細孔及び/若しくは貫通開口部を備えてもよく、又は、2つ以上の線の細孔及び/若しくは貫通開口部を備えてもよい。図8に示されるように、線は、可撓性の壁部11に、長手方向若しくは横方向に(図示せず)配置してもよい。
本発明の別の実施形態では、呼吸装置は、再呼吸空気チャンバ接続器26を更に備える。接続器26は、
・顔マスク若しくは前記吸い口2を再呼吸空気チャンバ15に接続することを目的として、又は、
・前記接続器26が吸い口2を形成するように、
構成される。
接続器の少なくとも一部分28は、第1の壁部及び/若しくは第2の壁部の、少なくとも一部分を形成する。再呼吸空気チャンバ接続器26は、再呼吸空気チャンバ15に入る、及び/若しくは再呼吸空気チャンバ15から出る際の、ユーザの息との流体連通を可能にする。
再呼吸空気チャンバ15は、次の形の1つによって形成してもよい。即ち、直方体のような立方体、回転楕円体のような球体、袋タイプ、実質的に四面体のような四面体、実質的にピラミッドのような四角ベースのピラミッド、実質的に八面体のような八面体、実質的にプリズムのような六辺形プリズム、実質的に十二面体のような十二面体、円筒形、若しくは楕円柱の1つによって、形成してもよい。基本的な考えは、呼吸経路から、再呼吸空気チャンバの壁上の任意の点までの距離を最小にすることである。再呼吸空気チャンバの壁上の全ての点までの最小距離のための構築をしないことによって、吸い込み中に吸い口2の第2の端部上で袋がつぶれることを回避するために、支持構造体を適切な場所に設置しなければならない。
本発明の別の実施形態では、再呼吸空気チャンバ15の形は、上述の形状の任意のものに従って選択される。再呼吸空気チャンバは壁板を備え、各壁板は、再呼吸空気チャンバの面を定義する。壁板の1つ以上及び/若しくは壁板の1つの少なくとも一部分は、第1の可撓性の壁部を形成し、且つ壁板の少なくとも1つは、第2の可撓性の壁部18の少なくとも一部分を形成する。第1の壁部は、好ましくは、透過性部分を備えるか、又は、可撓性の第1の壁部に分布する、好ましくは線若しくは列の形で配置された複数の細孔及び/若しくは貫通開口部によって、気体に対して透過性である。
図10では、再呼吸空気チャンバ15は、直方体のような立方体の形で模式的に例示されている。直方体形状のような立方体は、ユーザが再呼吸空気チャンバを膨らませる場合に形成される。
別の実施形態では、そこでは、再呼吸空気チャンバは、直方体のような立方体の形をしているが、壁板の1つ以上は、第1の可撓性の壁部及び第2の可撓性の壁部を備える。壁板及び/若しくは壁部は、4mmよりも小さな厚さを有してもよく、前記厚さは、2mmよりも小さいなど、1mmよりも小さいなどである。
別の実施形態(図に示されていない)では、第1の壁部16及び第2の壁部18は、気体に対して非透過性であってもよい。呼吸装置のこの実施形態では、吸い口2に配置された貫通開口部19が必要である。
本発明の実施形態では、そこでは、再呼吸空気チャンバは、図10及び図11に例示されるように、立方体の形をしているが、可撓性の第1の壁部タイプ16の透過性部分は、好ましくは、10-2mよりも小さな厚さを有し、前記厚さは、10-3mよりも小さいなどであり、好ましくは、20×10-6mに等しいか、若しくは20×10-6mに満たない。可撓性の第1の壁部タイプ16は、非透過性部分を更に備えてもよく、前記非透過性部分は、10-2mよりも小さな厚さを有し、前記厚さは、10-3mよりも小さいなどであり、好ましくは、40×10-6mに等しいか、若しくは40×10-6m満たない。非透過性の第2の可撓性壁部タイプ18は、10-2mよりも小さな厚さを有してもよく、前記厚さは、10-3mよりも小さいなどであり、好ましくは、40×10-6mに等しいか、若しくは40×10-6mに満たない。
再呼吸空気チャンバは、透過性であってもよい、若しくは非透過性であってもよい。
第2の壁部18(そこには呼吸経路が配置される)は、第1の壁部16より厚くてもよく、その結果として、壁部18が使用下でつぶれないこと、及び、これによって、再呼吸空気チャンバから呼吸経路までの流体の流れを妨げないことを保証する。
図10及び図11に例示される呼吸装置の実施形態は、再呼吸空気チャンバ接続器26に配置された呼吸経路を更に備えてもよく、これによって、使用中に、再呼吸空気チャンバ15に入る、及び/若しくは再呼吸空気チャンバ15から出る際の、ユーザの口との流体連通を可能にする。呼吸経路は、パイプ、ダクト、若しくは他の接続部のような、呼吸装置を顔マスクに接続するのに適した接続部を接続することを目的として、構成してもよい。この構成は、再呼吸空気チャンバ15が、完全に非透過性であることを可能にする。しかしながら、本発明の別の実施形態では、再呼吸空気チャンバ15が部分的に透過性である状態で、同じ構成を使用することが可能である。
呼吸経路は、少なくとも1つの貫通開口部19を更に備えてもよく、これによって、図10及び図11に示されるように、呼吸装置に入る、及び/若しくは呼吸装置から出る際の、周囲大気との流体連通が可能になる。これらの貫通開口部は、例えばバルブ機構によって、再閉止可能であり、及び/若しくは、サイズの調節が可能であり、それで、ユーザは、貫通開口部の幾つかを手動で開閉することによって、呼吸装置に入る、及び/若しくは呼吸装置から出る空気の流れを調節することが可能である。呼吸経路に設けられた貫通開口部30は、滑動部24によって覆ってもよく、ここで滑動部は、図10若しくは図11に例示されるように、2つの平行な長手方向の壁部25の間に配置されている。滑動部24が、2つの平行な長手方向の壁部25の間で直動的に移動する場合、滑動部は、呼吸経路2の中への貫通開口部30を提供する。ユーザは、一方の側へ滑動部をある距離だけ移動させることによって、再呼吸空気チャンバ15の中への空気の流れを調節してもよい。
呼吸経路は、図12に示されるような、2つの平行な長手方向の壁部20を更に備えてもよく、ここで前記壁部20は、呼吸経路まで、呼吸方向に対して垂直な方向に突出している。2つの平行な長手方向の壁部の間の距離は、好ましくは3cm未満であり、前記距離は、2cm未満などであり、好ましくは1cm未満である。2つの平行な壁部20のこの配置は、呼吸装置を指で保持している間に、ユーザが指で貫通開口部を塞ぐことを妨げる。貫通開口部19は、2つの平行な長手方向の壁部20の間に配置される。2つの平行な長手方向の壁部は、呼吸装置に入る、及び/若しくは呼吸装置から出る空気の流れを、ユーザが塞ぐことを妨げるための安全機能である。
本発明の別の実施形態では、再呼吸空気チャンバは、再呼吸空気チャンバ接続器26の上に配置された、調節可能でない貫通開口部27を備え、これによって、再呼吸空気チャンバに入る、及び/若しくは再呼吸空気チャンバから出る際の、周囲大気との流体連通を可能にする。
図11は、本発明の一実施形態を例示し、そこでは、呼吸空気チャンバ15は受け口29を備え、前記受け口29は、再呼吸空気チャンバを吸い口へ接続することを目的として構成されるが、その一方で、再呼吸空気チャンバに入る、及び/若しくは再呼吸空気チャンバ出る際の流体連通を可能にし、且つ、1つ以上の再閉止可能な開口部、及び/若しくは調節可能な開口部は、好ましくは、2つの平行な長手方向の壁部25の間に配置された滑動部24を備える。滑動部は、可撓性の壁部18上に配置され、且つ、前記滑動部24が、2つの平行な長手方向の壁部25の間の一方の側に移動する場合、滑動部は、呼吸空気チャンバ15の中への開口部を提供する。滑動部24は、前記呼吸空気チャンバ15の中への空気流を調節することを目的として構成される。受け口29は、再呼吸空気チャンバ接続器26の一部分であり、且つ、顔マスク若しくは吸い口につながることを目的として構成される。再呼吸空気チャンバ接続器26は、再呼吸空気チャンバ15と吸い口との間の中間物である。永続的に若しくは一時的に、接着剤若しくは溶着を用いて、再呼吸袋に接続される。再呼吸空気チャンバ接続器26は、スナップ錠によって再呼吸空気チャンバに接続される。再呼吸空気チャンバ接続器26は、PP、PE、若しくは生分解性材料で作製してもよい。接続器は、折りたたむこと、若しくは巧みに操作することが可能であり、その結果として、接続器は、再呼吸空気チャンバを、コンパクトな方法で保持することが可能である。このことは、接続器26が、再呼吸空気チャンバのための、それ自身が包装物として使用され得ることを意味する。
本発明のこの実施形態では、呼吸経路/吸い口及び滑動部は、図11に示されるように、可撓性の壁部18の上に、互いに対して独立に配置される。本発明の別の実施形態では、受け口29は吸い口2を形成し、それで、ユーザは、吸い口を通して、再呼吸空気チャンバの中に息を吹き込んでもよい。
図11aに例示されるように、再呼吸空気チャンバ接続器26は、調節可能でない貫通開口部27を備え、ここで貫通開口部27は、再呼吸空気チャンバに入る、及び/若しくは再呼吸空気チャンバから出る際の、周囲大気との流体連通を可能にする。貫通開口部19、27は、再呼吸空気チャンバから出ていく流体を、ユーザの顔から遠ざけるように向けることを目的として構成される。
図では、貫通開口部19、27は、円形若しくは丸みのある形状を有するものとして例示されているが、しかしながら、貫通開口部19、27は、長方形及び/若しくは楕円形の形をしていてもよい。
貫通開口部19、27の水力直径は、貫通開口部19、27あたり、100×10-6mから2cmまでの間にある。
図10及び図11に例示される、本発明の実施形態によれば、可撓性の壁部16、18は、ひだをつけるなどで、折りたたんでもよい。
図10及び図11に例示される再呼吸空気チャンバ15は、立方体を形成するべく一緒に溶着された複数の壁板によって、組み立ててもよい。立方体を組み立てる別の方法は、4つの壁板が、1つの正方形の壁要素の互いに反対側に配置される2つの三角形の壁要素によって形成される方法である。2つの三角形壁要素は、正方形要素の延長であり、且つ、正方形要素に溶着されていない。これらの4つの壁板は、一緒に溶着されて、立方体を形成する。この構造のために、非透過性の壁部16は、透過性の壁要素18の結果として、透過性部分を備える。ここで透過性の壁要素18は、壁部16の一部分である2つの三角形の壁要素を有する。
図11では、壁部16,18の溶着点から伸びる部分は、壁部18の余分な部分である。壁部18の反対側で、2つの壁部16の溶着点から伸びる部分は、壁部16の余分な部分である。
本発明の別の実施形態では、複数の細孔及び/若しくは貫通開口部は、第1の可撓性の壁部10の中に等距離に分布している。細孔及び/若しくは貫通開口部の水力直径は、2cmよりも小さく、前記水力直径は、10-3mよりも小さいなどであり、好ましくは180×10-6mに等しい、若しくは180×10-6mよりも小さい。
呼吸開口部5はまた、ユーザの口に係合するように使用してもよく、それで、ユーザは、呼吸開口部5の中に息を吹き込む。
再呼吸空気チャンバ15は、呼吸経路2に着脱可能に取り付けてもよい。
本発明の別の実施形態では、呼吸開口部5は、パイプ、ダクト、若しくは他の接続部のような、好ましくは呼吸装置を顔マスクへ接続するのに適した接続部を備える。
第1の壁部3及び/若しくは第2の壁部は、完全に若しくは部分的に疎水性である。
再呼吸空気チャンバ15は、1リットルと16リットルとの間の体積を有し、前記体積は、2リットルと8リットルの間、好ましくは4リットルと6リットルとの間などであり、且つ、再呼吸空気チャンバの幾何形状を変化させることにより、体積的に大きさが調整可能であり、及び/若しくは、第1の壁部の透過性は、大きさが調整可能である。再呼吸空気チャンバの幾何形状を変化させることによって、ユーザは、周囲大気と流体連通する細孔及び/若しくは貫通開口部の量を調節することが可能である。
第1の壁部3及び/若しくは第2の壁部は、ひだをつけるなどで、折りたたみ可能である。
呼吸経路2は、少なくとも1.0cm2の断面を有し、前記断面は、少なくとも1.5cm2などであり、好ましくは少なくとも2.0cm2である。呼吸経路2は、本発明の別の実施形態では、呼吸経路2の中に1つ以上の内部経路を備えてもよい。
第1の壁部3、10、16は、約2ナノメートルと2ミリメートルとの間の、若しくは、好ましくは2mmより上の、平均的な細孔サイズ及び/若しくは貫通開口部サイズを有する。
細孔及び/若しくは貫通開口部は、レーザ穿孔によって作製される。
透過性材料は、20℃及び標準大気(101.325kPa)で決定された標準空気に対する気体透過流速を有し、そこでは、気体透過流速は、少なくとも約0.0005m3/(秒*m2*kPa)であり、且つ、再呼吸空気チャンバの内部と周囲大気との間の圧力差は、5パスカルと35パスカルとの間である。
透過性材料は重合体膜を備え、前記重合体膜は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリビニリデン・ジフルオリド(PVDF)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、紙、植物繊維、生分解性材料、及び/若しくは前述の重合体のうちのいずれかを備える組み合わせを備える。生分解性材料は、微生物の活動によって急速に破壊される(分解される)ことが可能な材料を意味する。
再呼吸空気チャンバ15の少なくとも一部分は、折りたためるものではない。好ましくは、再呼吸空気チャンバ15の少なくとも一部分は、折りたためるものではなく、且つ、再呼吸空気チャンバ15の一部分は、折りたためるものである。より好ましくは、再呼吸空気チャンバ15は、部分的に折りたため、且つ、再呼吸空気チャンバ15の中への呼吸開口部5に最も近い少なくとも副区画は、折りたためない、若しくは、呼吸開口部5から離れた副区画よりは、少なくとも折りたたみにくい。この特徴は、ユーザが再呼吸空気チャンバからの流体を吸い込む場合に、再呼吸空気チャンバがつぶれることを保証する。
再呼吸空気チャンバは、「操作された」後で形状が変化しないように、常に「静止した状態」にあるであろう。即ち、ユーザは再呼吸空気チャンバを引っ張ることが可能であり、且つ、ユーザが放置した後で、再呼吸空気チャンバは、その引っ張られた形状を保つであろう。
再呼吸空気チャンバは、剛体部分を備えてもよく、ここで前記剛体部分は、再呼吸空気チャンバの中に入り、且つ、開口部からから離れるように再呼吸空気チャンバを押す。これは、小さな影のような物体であり得るであろう。この小さな影のような物体は、吸い込みに際して、再呼吸空気チャンバが、小室/吸い口の中に吸い込まれにくくすることを保証する。
少なくとも1つの貫通開口部(図には示されず)が呼吸装置の中に設けられ、これによって、呼吸装置に入る、及び/若しくは呼吸装置から出る際の、周囲大気との流体連通を可能にする。貫通開口部は、好ましくは、使用中、下向き若しくは上向きに面する吸い口2に設けてもよい。貫通開口部は、例えば、衣服、指などによって遮断されるのを避けるべく、呼吸開口部から一定の距離に配置される。
少なくとも1つの貫通開口部の1つ以上には、バルブが、好ましくは隙間を通して気体流を調整するための調節バルブが備え付けられる。調節可能なバルブは、自動的に調節される。バルブは、望ましいRBRを提供するように調節される。
再呼吸空気チャンバ15は、圧縮した水を排出するためのバルブを備えてもよい。
好ましい実施形態(図示せず)では、呼吸装置は、呼吸装置の中に組み込まれたCO2感知センサ若しくはO2感知センサを備え、前記センサは、吸い込まれた空気及び/若しくは吐き出された空気のCO2及び/若しくはO2レベルを測定するように構成される。そのようなセンサは、CO2がある一定の制限を超えるかどうか、若しくはCO2がある一定の制限未満であるかどうか、及び/又は、酸素レベルがある一定の制限未満であるかどうか、並びに、これらの状況のいずれかがが起こるか、を監視するために使用することが可能であり、ユーザに対して、警告の信号を送ってもよい。もしそのような警告の信号が送られる場合、通過する流量を増加させる/減少させるために、吸い口の中に貫通開口部のバルブを設定し、それによって、貫通開口部を通して追い出される/吸い込まれる気体の量を変えることが可能である。
別の実施形態(図示せず)では、呼吸装置は、呼吸装置に組み込まれたO2感知装置を備え、ここで前記O2感知装置は、ユーザの皮膚の表面を通して、ユーザの血液のO2レベルを測定するように構成される。
呼吸装置の好ましい実施形態は、再呼吸空気チャンバ15から湿気を吸収するように構成された、少なくとも1つの湿気吸収要素を備える。湿気吸収要素(複数可)は、再呼吸空気チャンバ15の中に、少なくとも部分的に設置される。そのような湿気吸収要素は、取り外し可能且つ取り替え可能であってもよい。
呼吸装置は、香り付け装置を備えてもよく、ここで前記香り付け装置は、メントールの香りを有するべく、香り付けするようなものであり、再呼吸気体の匂いを変化させるように構成される。
第1及び/若しくは第2の壁部4は、再呼吸空気チャンバ15から水を排出するように構成された、水輸送要素を備えてもよい。水輸送要素は、再呼吸空気チャンバ3、4から周囲大気若しくは水収集ユニットへ水を輸送するための経路を提供する材料でできている、若しくは前記材料を備える。
呼吸装置はまた、小室9、21、22を更に備え、前記小室の内部には、使用していない場合、谷状開口部及び/若しくは滑動部のような吸い口2の一部分、及び再呼吸空気チャンバ15が格納される。吸い口は、小室を形成することが可能であり、且つ、この逆も成り立つ。
吸い口2及び再呼吸空気チャンバ15は、小室の中で位置変更的に配置されるなど、取り替え可能である。
図5は小室9を例示し、小室9の中には、再呼吸空気チャンバ及び吸い口の一部分を格納することが可能である。再呼吸空気チャンバは、折りたたんで、小室の内部に設置することが可能である。吸い口は、蓋によって覆うことが可能である。
図6では、小室9の1つのバーションが示され、そこでは、再呼吸空気チャンバは、展開されたバージョンにある。再呼吸空気チャンバは、折りたたまれた状態にある場合、図6で点線によって例示された折りたたみ線に沿って折りたたまれる。それによって、折りたたまれた再呼吸空気チャンバは、小室の下側の幅及び広さよりもわずかに小さい幅及び広さを有し、これによって、折りたたまれた再呼吸空気チャンバは、小室の内部に収容され、且つ、蓋によって覆われることが可能になる。更に、蓋を除去することによって(図5参照)、吸い口が露出されるであろう。
図13では、小室21の別の実施形態が例示されている。小室は、蓋のような、2つの着脱可能な小室要素22を備え、各々は、小室21の端部に位置変更的に取り替え可能である。2つの着脱可能な小室要素は、装置を使用していない場合、前記再呼吸空気チャンバ15若しくは呼吸経路2のいずれかへのアクセスを妨げることを目的として構成される。着脱可能な小室要素22は、位置が変更されるなどで、はずされる若しくは取り替えられる場合、前記再呼吸空気チャンバ15及び/若しくは前記呼吸経路2へのアクセスを提供するように、構成される。
小室要素22は、端部に隣接する2つの側面23上で位置変更するなどで、取り替えられることを目的として構成されるが、これは、使用していない間に、前記端部で、再呼吸空気チャンバ15若しくは呼吸経路2のいずれかへのアクセスがある場合に当てはまり、その結果として、使用時に呼吸装置をより良く把持することが提供される。このことは、図13において、側面23に対して取り替えが行われる場合、小室要素22の方向を示す矢印によって例示される。呼吸装置が使用されていない場合、蓋22は、吸い口2及び再呼吸空気チャンバを覆うべく、小室21上に配置される。呼吸装置が使用されている場合、蓋は、2つの側面23へ手動で移してもよく、それで、ユーザは、呼吸装置のより良い把持を提供することが可能である。
取り替えられると、小室要素は、吸い口の一部と再呼吸空気チャンバの両方を覆い、且つ、これによって、吸い口は清潔なままであることと、再呼吸空気チャンバ接続器及び再呼吸室は手をつけていない状態のままであることとが保証される。そのことはまた、呼吸装置が、装置内部で必要とされる全てのものに対応できることを保証する。
図14は、小室21の別の実施形態に模式的に蝶番をつけたものであり、そこでは、蝶番31は、模式的に例示されている。蝶番は、小室要素が、2つの側面上で、位置変更するなどで、単に取り替えられ得ることを保証する。貫通開口部19(図示せず)は、小室21内部に形成された呼吸経路の中につながる小室21に設けてもよい。
呼吸装置の別の実施形態が、図7に例示されており、前記実施形態では、再呼吸空気チャンバの壁全体は、同じ孔があけられた材料10から成り、即ち、透過性の壁部3と非透過性の壁部4との間の違いは無い。
呼吸装置の別の実施形態は、図8に例示されており、前記実施形態では、再呼吸チャンバの可撓性の壁部11には、2つの線の細孔/孔により孔があけられている。
図7及び図8に示される実施形態では、壁における穿孔/細孔/孔は、コンダクタンスGを有する、大気への流れの接続を提供し、その一方で、孔があけられていない壁材料は、コンダクタンスGexpand若しくはコンプライアンスCによって特徴付けられる膨張可能な体積を提供する。
本発明の別の実施形態では、再呼吸空気チャンバ15は、吸い口2から着脱可能であり、且つ、吸い口2に対して取り外し可能である。
図9に例示される、本発明の別の実施形態では、装置は、第2の空気チャンバである構造安定チャンバ(13)を備え、この構造安定チャンバ(13)は、再呼吸空気チャンバ15に取り付けられる(しかし、再呼吸空気チャンバに直接には流体連通していない)。
第2の空気チャンバは、加圧された空気チャンバであり、それによって、再呼吸の吸い込み段階の間に再呼吸空気チャンバが完全につぶれるのを妨げるべく、適切で十分な構造安定性及び剛性を保証し、それによって、そのようにつぶれることが、吸い口(2)の遠位端の閉鎖、及び/若しくは再呼吸空気チャンバの壁の透過性部の閉鎖、又は前記壁にある細孔の閉鎖につながることを妨げる。その加圧された状態にある間は、構造安定チャンバは、A)吸い口と、B)再呼吸空気チャンバ及び、その壁における任意の細孔及び/若しくはフィルタとの間の、永続的で遮断されない空気流を保証する。このことは、再呼吸袋の最大体積のおおよそ0~10%の持続的な空所を創り出すことによって、達成される。
構造安定空気チャンバの活性化は、再呼吸装置を使用する前に開始されるが、その開始は、ユーザが、吸い口(2)を通して息を吐き出すことで、及び/又は、構造安定チャンバ及び/若しくは吸い口に取り付けられたベローズ若しくは逆止めバルブ(12)を通して息を吐き出すことで、空気を供給することによって行われる。空気をバルブの中に吐き出すことによって、若しくはベローズの活性化によって、構造安定チャンバは、加圧されて、自身を膨張させる。
任意選択的に、構造安定チャンバをふくらませる逆止めバルブ(12)は、吸い口(2)の内部に設置してもよい。
逆止めバルブは、好ましくは、再呼吸空気チャンバの非透過性の壁と同じ材料で作られるか、若しくは、金型設計品であることも可能であろう。逆止めバルブの機能性及び効率は、構造安定チャンバの外側に作用する大気圧と構造安定チャンバの内側の圧力との間の圧力差に基づいている。大気圧における変化は、構造安定チャンバの体積における変化につながる可能性があり、その場合、ユーザは、逆止めバルブを用いて、構造安定チャンバを収縮させるか、若しくは更に膨らませることが望ましいかもしれない。
構造安定チャンバは、円錐形の設計を有してもよく、前記設計では、近位端から遠位端まで寸法が減少する(近位/遠位は、呼吸開口部5に関して定義される)。
図9に例示された呼吸装置の実施形態はまた、再呼吸空気チャンバ15に接続された、1つ以上の付加的な逆止めバルブ14(「放出バルブ(複数可)」)を含む。
再呼吸装置の使用の終了時若しくは完了時には、放出バルブ(複数可)は、ユーザが、実際には指で触ることで空気チャンバを圧縮することによって、容易に装置の空気チャンバの空気を空にすることを可能にし、且つ、その結果、チャンバ内部の圧力増加を作り出し、これによって、放出バルブを通して空気を追い出す。そのような放出バルブは、従って、次のことを保証するのに役立つ。ここで前記次のこととは、構造安定チャンバ及び/若しくは再呼吸空気チャンバが、完全な可撓性を回復するべく空にされ、且つ、更に、小室(9)の中の格納位置に再包装されることを保証するべく平らにされ得る、ということである。
2つの放出バルブに更に付け加えて、第3のバルブ(図9に示されず)を、再呼吸チャンバの遠位端に設置することが可能であるが、これは、圧縮の間に発生した、再呼吸空気チャンバの内側壁に蓄積された流体を除去すること、若しくは軽く叩いて落とすことを可能にするためである。
別の実施形態では、構造安定チャンバの壁は、弾性材料で作られ、且つ、流体及び、外側大気への調節可能な接続を提供する閉止バルブ(図9に示されず)を備えるが、壁材料の弾性によって、一旦閉止バルブが開くと、構造安定チャンバが自動的且つ即時につぶれることが可能となる。
[機能性]
次の節は、本発明の範囲を制限することを意図したものではなく、本発明による呼吸装置の好ましい実施形態を使用する上で関係する物理上の提示/指示を提供するために、提示されるものである。
ユーザは、吸い口2の中に/吸い口2を通して、息を吹き込む。再呼吸空気チャンバの壁は、部分的に半透過性材料でできており、且つ、部分的に非透過性材料でできている。ここで部分的に非透過性材料は、代わりに、孔があけられた材料によるものである。使用において、ユーザから吐き出された流れの一部分は、再呼吸空気チャンバに入り、そして残りは、第1の壁部3を通して大気に入る。ユーザが吸い込む場合、再呼吸空気チャンバに集められた空気は、第1の壁部を通して大気から入った幾らかの新鮮な空気と一緒に再び吸い込まれ、これによって、ユーザが装置を使用しない場合に比べて、一分当たりに吸い込まれる新鮮な空気の量(肺胞換気量)を減少させる。比A/Bは、再呼吸比(RBR)として表され、ここでAは、以前に吐き出された気体で構成される、吸い込まれた空気流量の部分集合であり、そしてBは、吸い込まれた空気流量の合計である。
代わりに、全換気(全換気=吸い込まれた袋の空気+吸い込まれた新鮮な空気)によって除算される、吸い込まれた「袋の空気」の量(再呼吸空気チャンバ15からの空気)は、再呼吸比(RBR)として定義してもよい。
理論によって束縛されることなく、次のことが信じられている。次のこととは、呼吸装置を使用することによって、安定な状態を達成することが可能であり、前記安定な状態では、吸い込まれた身体のCO2レベルは、望ましい範囲(吸い込まれたCO2割合(FICO2)が1~6%)に上げられ、その一方で、酸素飽和はわずかに減少する(5パーセントポイント未満)、ということである。
aCO2における増加は、次の生理学的な近似によれば、肺胞換気量(VA_dot=肺への新鮮な空気の送給)を低下させることによって達成される。
Figure 0007238189000001
ここでPACO2=CO2の肺胞分圧、VCO2_dot=一分あたりのCO2生産量(mL/分)である。
方程式(1)によれば、30%のPaCO2における増加は、肺胞換気量を23%だけ低下させることによって達成することが可能である。ただし、PaCO2における正確な変化は、人に依存して、いくらか異なるかもしれない。
患者における肺胞換気量を減少させるには、幾つかの方法がある。最初に、呼吸速度及び/若しくは呼吸深さにおける変化は、患者による意識的な努力によって(もし患者が、実際に意識がある場合)、若しくは、機械的に換気される患者に対しては、換気装置の設定を調整することによって、影響され得る。
別の方法は、シュノーケルの場合におけるように、固定された体積による、患者の空所VD(即ち、血液との気体交換に参加しない気管の空気体積)を増加させることによるものであり、これは、VA_dotを計算するための公式から、以下のように推測される。
Figure 0007238189000002
ここで、fR=呼吸周波数(/分)、VT=一回呼吸量(即ち、一回の息の吐き出しの体積)である。
第3の選択肢は、可変体積によって、例えば、袋若しくは他の空気可変体積チャンバ/貯蔵庫を用いて、空所を増加させることであり、前記チャンバ/貯蔵所の体積は、その内部の気体の圧力及び/若しくは質量に応じて、変化することが可能である。そのような可変体積の再呼吸装置では、(大気若しくは酸素リッチな混合気体のような)酸素リッチな気体の源との接続を提供する必要があり、もしPaCO2における増加が、安定な増加しないレベルを達成することを意図しない場合、ユーザの血液における酸素飽和は、装置を使用している間、連続的に降下しないはずである。
呼吸装置の全体としての目的は、ユーザのCO2の動脈分圧(PaCO2)を30%だけ増加させることであり、これは、脳への酸素給送を増加させると共に、神経系の興奮性を減少させるためである。
もしPaCO2が、初めに通常値(40mmHg)を有する場合、50mmHgへの25%のPaCO2の増加は、大脳血流(CBF)をおおよそ70%増加させるであろう。これによって、脳への酸素給送を増加させ、局所的若しくは全域的な大脳酸素欠乏に対抗する。
加えて、PaCO2を上げることによって、呼吸アシドーシスが誘発され、これは、理論によって束縛されることなく、神経系の興奮性における強い減少につながる。
呼吸装置は、片頭痛の治療に使用してもよい。
呼吸装置は、癲癇の治療に使用してもよい。
呼吸装置は、熱性痙攣の治療に使用してもよい。
呼吸装置は、腰椎穿刺性頭痛の治療に使用してもよい。
呼吸装置は、一般に、身体のCO2レベルを上げると共に、体液のpH値を下げるために、使用してもよい。
呼吸装置は、喘息の予防的治療に使用してもよい。
呼吸装置は、心拍停止の治療及び回復に使用してもよい。
[物理の説明]
呼吸装置における流れの概念図が、図2に模式的に例示されている。
図2では、装置ユーザの肺がLと表され、体内の解剖学上の空所(VDA)と流体連通しており、肺は、口によって、装置の吸い口の剛体の空所(VDD)につながり、吸い口は、流れ開口部6によって、再呼吸空気チャンバと流体連通している。体積L及び体積V2は、融通のきく大きさのものであり、且つ、換気リズムと共に振動する(即ち、息の吐き出しの最後は、Lは小さく、且つV2は大きく、そして、息の吸い込みの最後では、その逆が成り立つ)。流れの概念的分析の目的のために、再呼吸空気チャンバは、2つの構成副体積に分割することが可能である。即ち、大気圧に等しい内部圧力を有する融通のきく体積V2、及び流れ分割副体積の固定された小さな体積V1である。V1とV2との境界は、実際には流体であり、且つ段階的ではあるが、V2は、壁に近い再呼吸空気チャンバの体積と考えることが可能であり、且つ、V1は、吸い口の遠位開口部に対してちょうど遠位の体積と考えることが可能である。V1は、流れ開口部8によって大気ATに接続されるが、流れ開口部8は、単一の孔、多数の孔、膜、フィルタ、若しくは別のタイプの流れ接続部であってもよい。流れ開口部7は、実際の流れ制限物であるが、しかし、ここでは再呼吸空気チャンバの膨張に対する抵抗を概念的に表すものと考えられる。
ユーザが息を吐くと、ユーザから吐き出された気体は、L及びVDAからVDDへ流れ、そしてV1に入るであろう。体積V1における質量の結果的な増加は、V1における圧力を大気圧より上に増加させるであろう。もし流れ開口部8を通過する流れ(例えば、第1の壁部を通って、大気の中に入る流れ)に対する抵抗が、V2の膨張に対する抵抗よりも大幅に大きい場合(後者の流れ抵抗は、図2では、流れ開口部7によって象徴される)、V1での圧力における増加は、V1から主にV2の中への流れにつながるであろう。その場合、外側大気と、患者の体及び装置によって構成される系との間には、非常に少ない気体の交換があるだけであり、このことは、VA_dotにおける非常に大きな減少につながるであろう。もし、他方では、V2の中への流れに対する抵抗が、流れ開口部8の流れ抵抗よりも大幅に大きい場合、患者の全換気のほとんどは、大気の中に流れ出し、このことは、VA_dotにおける非常に小さな減少につながるであろう。
もしV1及びV2が、例えば、ユーザの肺活量(即ち、最大吸い込み後の最大吐き出し体積)よりも大きな体積を有する薄壁のポリエチレン再呼吸空気チャンバの形態にある場合、V2の中への空気の流れは、主として、A)再呼吸空気チャンバの膨張及び、B)流れ開口部8を通して大気の中に吐き出された空気の流れにつながり、単に副次的に、V2での圧力の増加につながるであろう(即ち、再呼吸空気チャンバは、ほとんど完全な空気貯蔵庫及び圧力緩衝器として機能する)。その結果、装置が使用中である場合、そのような構成では、V1において単に無視できる背圧が構築されるが、このことは望ましい。
方程式(2)と比較して、そのような膨張可能な空所装置に対するVA_dotを計算するために、次の式が引き出される。
Figure 0007238189000003
ここで、fRは呼吸速度であり、VTは一回呼吸量(一呼吸の体積)、VD,Aは解剖学上の空所、VD,Dは装置の吸い口の空所、及びRBRは再呼吸比である。
代替的な公式では、RBRは、吐き出された気体の全体積(V6_dot、即ち、開口部6を通る体積流)によって除算された再呼吸空気チャンバに入る体積(V7_dot、即ち、開口部7を通る体積流)として定義してよい。
Figure 0007238189000004
図3は、基線でのVE_dot(VE_dot=一分あたりの全換気、空所換気を含む)の関数としてのVA_dot(緑、破線)、それに対して、1.5リットルのシュノーケルタイプの剛体空所を通して呼吸した場合のVA_dot(赤、点線)、及び0.8のRBRを有する膨張可能な空所を有する呼吸装置を通して呼吸した場合のVA_dot(青、実線)を例示しており、呼吸周波数は、全ての状況及び換気速度で一定と仮定されている。
シュノーケル体積及びRBR値とは無関係に、方程式(3)は、VA_dot/VE_dotである傾きはスノーケルタイプの再呼吸とは反対の呼吸装置に対して、常にあまり急峻ではないであろう。その理由として、呼吸装置については、再呼吸体積は一回呼吸量の規模となり、その結果として、もし患者が、上昇したFICO2に対して非常に強い換気反応を有する場合、患者は、シュノーケルタイプの装置に関するよりも、PaCO2における上昇を、あまり減らすことができないであろう。
図3が更に例示しているのは、呼吸装置は、一般に、シュノーケルタイプの装置と比べて、ある与えられたVA_dotに対して、より低いVE_dotを有する、ということである。
RBRは一定ではなく、各呼気に対して変化する。時間に依存するのとは別に、RBRの大きさは、他の因子の中でも、次のものに依存する。即ち、
・再呼吸チャンバのコンプライアンスC(これは、チャンバの体積と同様に、大部分はチャンバの壁材料及び厚さの関数である)、
・再呼吸チャンバ及び/若しくは吸い口の壁にある孔の結合コンダクタンスG(装置の好ましい実施形態では、Gは調節可能であるが、それは、例えば、再呼吸チャンバ若しくは吸い口の壁における孔のサイズ及び/若しくは数を制御するバルブ若しくは滑動部を使用することによる)、
・再呼吸サイクルの間に到達する再呼吸チャンバの最も小さな体積(吸い込みの最後に到達するものであり、それでVRC,EIと表される)、
・一回呼吸量、
・吸い込み及び吐き出しのタイミングおよび持続時間、
に依存する。
(以下で、決定因子からRBRの導出を参照のこと)
C値及び、調節可能なG値の範囲を有する装置を設計することは望ましく、その結果として、ある与えられたユーザ(装置を使用する場合、一回呼吸量、呼吸リズム及びVRC,EIの個々の値を有する)は、0.5と0.95との間など、0.5と0.9との間のRBRを得るであろう。
[G、C、及び他の決定因子からのRBRの導出]
この節のための用語:
(陳述の順に)
RC,I(t)=吸い込みの間の再呼吸チャンバ(RC)の体積(時間に依存)
RC,EE=吐き出しの終わりでのRCの体積
dVRC,I/dt=吸い込みの間のRC体積変化率
dVI/dt=吸い込みの間の、吸い込まれた空気の流速(即ち、RCから出る流れ)
dVatm,I/dt=吸い込みの間の、大気からRCの中への空気の流速
t=時間
ΔP=RCの内部と大気との間の圧力差
dVLA,RC,I/dt=吸い込み間の、RCにおける以前に吐き出された肺空気の体積の変化率
LA,RC,I(t)=吸い込みの間の、以前に吐き出された肺空気から構成されるRC体積の割合(時間に依存)
LA,RC,I(t)=吸い込みの間の、RCにおける以前に吐き出された肺空気の体積(時間に依存)、即ち、全RC体積の副体積
RC,EI=吸い込みの終わりでのRCの体積
I=吸い込み段階に関する積分定数
T=一回呼吸量
RC,E(t)=吐き出しの間の再呼吸チャンバ(RC)の体積(時間に依存)
dVRC,E/dt=吐き出しの間のRC体積変化率
dVE/dt=吐き出しの間の、吐き出された空気の流速(即ち、RCの中への流れ)
dVatm,E/dt=吐き出しの間の、大気の中に入る、RCから出る空気の流速
dVLA,RC,E/dt=吐き出しの間の、RCの中で以前に吐き出された肺空気の体積の変化率
LA,RC,E(t)=吐き出しの間の、肺空気で構成されるRC体積の割合(時間に依存)
LA,RC,E(t)=吐き出しの間の、RCの中で以前に吐き出された肺空気の体積(時間に依存)、即ち、全RC体積の副体積
E=吐き出し段階に関する積分定数
EI=吸い込み時間点の終わり
EE=吐き出し時間点の終わり
=吸い込みの終わりでのVLA,RCと、吸い込みの初めでのVLA,RCとの間の比
RBRとその決定因子との間の相互依存性は、以下のように引き出すことが可能であり、そこでは、
・RCの中での完全な混合(これは、かなりの乱れのために、ユーザの一回呼吸量の大きさのオーダーの範囲内の体積を有するRCにおいて仮定される)、
・系を通して、無視してよい気体の密度差(即ち、密度における2%未満の変動。これは、大気圧に比べた場合の圧力差が、大気圧の0.5kPa=0.5%を超えることはほとんどないような、通常の呼吸条件における場合であろう)、
・安定状態、周期的呼吸(即ち、呼吸間の一回呼吸量などにおける有意な変化がない)、
を仮定している。
吸い込みの間、RCの体積は、終わりの吐き出し体積で始まり、且つ、ユーザがRCから空気を吸い込むにつれて変化し、そして新しい大気の空気流が、次に外部から流れ込むが、これによって、以下の式をもたらす。
Figure 0007238189000005
大気からRCの中への流れは、コンダクタンス及び、RC壁をまたぐ圧力差に依存する。
Figure 0007238189000006
そして、RC体積における変化は、RCのコンプライアンス及び、RC壁をまたぐ圧力差に依存する。
Figure 0007238189000007
RCにおける肺空気の変化率は、以下の通りである。
Figure 0007238189000008
即ち、RC内の肺空気の割合が高くなればなるほど、RCから除去される肺空気の体積は、ユーザによってRCから吸い込まれる空気流によって、ますます多くなる。RC内の肺空気の割合は、吸い込みの過程で変化するが、この理由は、それが、RC内の肺空気の体積及びRCの体積の関数であることによる。
方程式5及び方程式6を方程式4に挿入し、且つ、その後、方程式7において挿入すると、以下の通りとなる。
Figure 0007238189000009
これは、以下の解に関する通常の微分方程式である。
Figure 0007238189000010
これは、(VRC,EE=VRC,EI+VT)を用いて、以下のように書き換えることが可能である。
Figure 0007238189000011
RBRは、任意の与えられた時間(FLA,RC,I)に、吸い込まれた空気全体の中の、吸い込まれた肺空気の割合に等しいという定義による。方程式4から方程式9を組み合わせると、これは以下をもたらす。
Figure 0007238189000012
吐き出し段階については、肺空気は、RCに入る及びRCから出る、の両方である(ユーザから入り、且つ、吐き出しの間は、RC内部の過大圧力のために、大気へ出る)。方程式7と比べて、流れの方向は逆であるので、次の式が、吐き出しの間、RCの体積に適用される。
Figure 0007238189000013
吸い込み段階に対して、類似の議論を用いると、次の結果が得られる。
Figure 0007238189000014
これは、通常の微分方程式であり、その解は、以下のとおりである。
Figure 0007238189000015
方程式9及び方程式14における積分定数KI及びKEは、呼吸段階の初めと終わりで、値VLA,RCに影響を及ぼす。それらの定数は、周期的な安定状態の合理的な仮定(即ち、呼吸サイクルは1つの呼吸サイクルから次の呼吸サイクルの初めに向かう際に、全ての値をそれらの元の値へ戻すという仮定)によって決定される。(吸い込み及び吐き出しの間に起こるバルク流とは反対に)RCの内部と大気との間の拡散が無視できるという仮定と結合させると、次の要求が得られる。
Figure 0007238189000016
方程式15及び方程式16は、方程式9及び方程式14を用いて、拡張することが可能であり、その結果として、以下の式をもたらす。
Figure 0007238189000017
方程式17を方程式18によって除算することによって、KIは除去され、且つKEは分離され得る。
Figure 0007238189000018
方程式19において3回現れる、(ΔP*C*ΔtI+VRC,EI+VT(1-G/C)/(VRC,EI+VT(1-G/C)という表現は、吸い込みの終わりにおけるVLA,RCと、吸い込みの初めにおけるVLA,RCとの間の比であり、且つ、簡単のために、RIと表されるが、KEに対するより簡単な表現をもたらすであろう。RIは、方程式17に挿入されて、KIに対する表現をもたらすことが可能であり、これが、再び方程式10に挿入されて、決定因子の関数としてのRBRに対する最終方程式をもたらすことが可能である。
Figure 0007238189000019
方程式20及び方程式21は、任意の部分的な呼吸装置の数学的/物理的な土台を構成し、且つ、望ましい装置のRBR比を産み出すように、G及びCの大きさを合わせる場合、方程式20及び方程式21を設計及び実験プロセスを導くために使用することが可能である。
[G及びCの測定]
RC壁部(複数可)のコンダクタンスGの決定は、フィルタ材料に対する標準的な空気透過性試験によって決定することが可能である(例えば、材料をまたぐ予め指定された圧力差において、材料を通る誘発された流れを測定することによって)。
RCのコンプライアンスCの決定は、再呼吸空気チャンバに関する実験によって行うことが可能であろう。第2の壁部の幾何形状及び/若しくは材料を変化させることによって、Cの様々な値が得られる。
第1のタイプの実験は、生理学的であり得るだろう。即ち、吸い込まれたCO2パーセント、一分換気量、及び前CO2生産量(これは、作業肺活量測定機器を使用して行うことが可能である)、並びに患者の動脈中のCO2を測定することである。
別のタイプの実験は、RCチャンバの中の全ての孔がすっかり閉じられた場合、再呼吸空気チャンバの様々な体積変化率(dV/dt)における圧力を測定することを含むであろう。実験を行う1つの方法は、大きな空気注射器を持ってきて、例えば、それぞれ、1秒、2秒、3秒、及び4秒、吸い口の中に入れて空気注射器を空にし、且つ、吸い口の遠位端で過大圧力(ΔP=P1-Patm)を測定する。これは、再呼吸空気チャンバを膨張させる圧力である。この実験における流速は予め決定されているので(それ故、既知である)、且つ、流速は、再呼吸空気チャンバの体積膨張率(dV/dt)に大雑把に対応しているので(RV壁における全ての孔は閉じられているので)、Cは、今では拡張圧力によって除算された体積膨張率(=(dVRC/dt)/ΔP)として計算することが可能である。
[PaCO2に対するRBRの影響]
方程式1から方程式3を組み合わせることによって、RBRの関数としてのPaCO2の次の近似表現及びVD,Dの装置固有の値が、以下のように与えられる。
Figure 0007238189000020
aCO2に対してRBRが大きな影響を与えることが、方程式22から分かる。加えて、動脈中のPaCO2レベルを測定することから生じる一分換気量の増加を考慮することが必要である。PaCO2を通常よりも上げる場合、VE_dotは直線的に増加する(傾きは、人ごとに変化するが)。即ち、表現は次の形となる。
Figure 0007238189000021
方程式22と方程式23を組み合わせると、最終的な表現が、以下のように達成される。
Figure 0007238189000022
この表現から、装置のRBRの関数としてのPaCO2の曲線を計算することが可能であるが、それは、吸い込まれたCO2に対する通常の換気応答(a=2.4)を有する患者に対するものか、それと同様に、低応答(a=1.2)及び高応答(a=3.6)を有する患者に対するものかの、いずれかである。理論によって束縛されることなく、次のことが示された。即ち、CO2に対して高換気応答を有する個人はまた、低基線PaCO2を有し、且つCO2に対して低換気応答を有する個人は、高基線PaCO2を有する、ということが示された。このことによって、方程式(9)に対する入力パラメータについての知識が提供され、且つ、前述の曲線をプロットすることが可能になる。
図4に例示された計算は、次の結果を与える。
基線から20%だけPaCO2を増加させるために(20%は、臨床的観点から、平均的に望まれる値である)、次のRBR値が必要とされる。
高応答者の患者(a=3.6)、低基線PaCO2(=31mmHg):RBR=0.82。安定状態でこのRBRを有する吸い込まれたCO2割合(FICO2)=4.0%。
平均的応答者(a=2.4)、通常基線PaCO2(=38mmHg):RBR=0.83。FICO2=安定状態で5.0%。
低応答者(a=1.2)、高基線PaCO2(=45mmHg):RBR=0.77。FICO2=安定状態で5.5%。
もしPaCO2における単に10%の増加が望まれる場合、高応答者、平均的応答者、及び低応答者に対するRBR値は、それぞれ0.68、0.69、0.60であり、その場合のFICO2値は、安定状態で3.0%、3.8%、及び3.9%である。
上記のFICO2値から示されるように、吸い込まれたCO2割合をRBRに関連させて、以下のように方程式を導出することが可能であり、従って、装置の機能性(その吸い込まれたCO2割合)が装置のRBRにいかに依存するかを説明する。
Figure 0007238189000023
CO2に対する換気応答の変動性の故に、ある与えられたRBRに関するPaCO2における増加は、上で示されたように、個人の間で変動するであろう。PaCO2増加を望ましいレベルに調節するために、このタイプの呼吸装置の幾つかの実施形態は、呼吸装置の内部と大気(例えば、吸い口の壁の中に位置する)との間で調節可能な流れ接続部を提供する、調節可能なバイパスバルブを備え付けることが可能であろう。呼吸装置のRBRは、従って、バルブを開くことによって調節されるか、若しくは、別の方法で、呼吸装置内部の空気の体積と新鮮な気体(それが、外側の大気であれ、若しくは別の気体源であれ)の源との間の流れ接続のコンダクタンスを増加させることによって、調節されるであろう。
代わりに、異なるRBR値は、透過性の壁部及び非透過性の壁部の異なる相対的エリアを有する再呼吸チャンバの間で変化することによって、及び/又は、異なる孔サイズ及び/若しくは孔間隔を有する再呼吸チャンバの間で変化することによって、提供することが可能である。そのような幾何学的違いは、G、C、及びRBRの異なる値につながり、それによって、装置によって引き出されるPaCO2増加が変動することを可能にする。
図2によって表される簡単化された数学的モデルにおける代替的な公式化では、V7_dot及びV8_dotを次のように計算することが可能である。
Figure 0007238189000024
ここで、P(V1)=V1における全圧力、PAT=全大気圧力、R7=Rexpand=第2の壁部の流れ抵抗(再呼吸空気チャンバの膨張に対する抵抗であり、これには圧力差によって打ち勝つ必要がある)、G7=Gexpand=第2の壁部のコンダクタンス(逆の流れ抵抗)、R8=Rout=第1の壁部の流れ抵抗、G8=Gout=第1の壁部のコンダクタンス、である。
RBRは、吐き出された気体の全体積によって除算された、再呼吸空気チャンバに入る気体の体積として定義されるか、若しくは、コンダクタンスの観点から、RBR=Gexpand/(Gexpand+Gout)と表され、RBRは、0.5と0.9との間の値を有する。
(コンダクタンスGoutを有する)第1の壁部の流れ抵抗Routの決定は、第1の壁部の幾何形状及び材料を用いて、数学的に行うことが可能である。好ましくは、第1の壁部のRoutは、フィルタ材料に対する標準的な空気透過性試験によって決定することが可能である(例えば、材料をまたぐ予め指定された圧力差において、材料を通る誘発された流れを測定することによって)。
expandの決定は、再呼吸空気チャンバに関する実験によって、行うことが可能であろう。第2の壁部の幾何形状及び/若しくは材料を変化させることによって、Gexpandの様々な値が得られる。
第1のタイプの実験は、生理学的であり得るだろう。即ち、吸い込まれたCO2パーセント、一分換気量、及び全CO2生産量(これは、作業肺活量測定機器を使用して行うことが可能である)、並びに患者の動脈中のCO2を測定することである。上記のパラメータが測定され、且つGoutが既知である場合、方程式(7)から、Gexpandを推測することが可能である。
別のタイプの実験は、再呼吸空気チャンバの様々な体積変化率(dV/dt)における圧力を測定することを含むであろう。これを行う1つの方法は、大きな空気注射器を持ってきて、例えば、1秒、2秒、3秒、及び4秒、吸い口の中に入れて空気注射器を空にし、且つ、吸い口の遠位端で過大圧力(ΔP=P1-Patm)を測定する。これは、再呼吸空気チャンバを膨張させる圧力である。この実験における流速は予め決定されているので(それ故、既知である)、且つ、流速は、再呼吸空気チャンバの体積膨張率(dV/dt)に大雑把に対応しているので、Gexpandは、今では方程式(5)によって計算することが可能であり、このことは、Gexpand=(体積膨張率)/(拡張圧力)=(dV/dt)/P1-Patm)であることを述べている。方程式1、方程式3、方程式4、方程式5、及び方程式6を組み合わせると、VD,D、Gexpand、及びGoutの装置固有の値の関数として、PaCO2の次の近似表現が与えられる。
Figure 0007238189000025
D,D、Gexpand、及びGoutの寸法を決めることは、PaCO2に大きな影響を及ぼすことが方程式(7)から分かる。加えて、動脈中のPaCO2レベルを測定することから生じる一分換気量の増加を考慮することが必要である。PaCO2を通常よりも上げる場合、VE_dotは直線的に増加する(傾きは、人ごとに変化するが)。即ち、表現は次の形となる。
Figure 0007238189000026
方程式(7)及び方程式(8)を組み合わせると、最終的な表現が、次のように達成される。
Figure 0007238189000027
この表現から、装置のRBRの関数としてのPaCO2の曲線を計算することが可能であるが、それは、吸い込まれたCO2に対する通常の換気応答(a=2.4)を有する患者に対するものか、それと同様に、低応答(a=1.2)及び高応答(a=3.6)を有する患者に対するものかの、いずれかである。理論によって束縛されることなく、次のことが示された。即ち、CO2に対して高換気応答を有する個人はまた、低基線PaCO2を有し、且つCO2に対して低換気応答を有する個人は、高基線PaCO2を有する、ということが示された。このことによって、方程式(9)に対する入力パラメータについての知識が提供され、且つ、前述の曲線をプロットすることが可能になる。
図4に例示された計算は、次の結果を与える。
基線から20%だけPaCO2を増加させるために(20%は、臨床的観点から、平均的に望まれる値である)、次のRBR値が必要とされる。
高応答者の患者(a=3.6)、低基線PaCO2(=31mmHg):RBR=0.82。安定状態でこのRBRを有する吸い込まれたCO2割合(FICO2)=4.0%。
平均的応答者(a=2.4)、通常基線PaCO2(=38mmHg):RBR=0.83。FICO2=安定状態で5.0%。
低応答者(a=1.2)、高基線PaCO2(=45mmHg):RBR=0.77。FICO2=安定状態で5.5%。
もしPaCO2における単に10%の増加が望まれる場合、高応答者、平均応答者、及び低応答者に対するRBR値は、それぞれ0.68、0.69、0.60であり、その場合のFICO2値は、安定状態で3.0%、3.8%、及び3.9%である。
上記のFICO2値から示されるように、吸い込まれたCO2割合をRBRに関連させて、以下のように方程式を導出することが可能であり、従って、装置の機能性(その吸い込まれたCO2割合)がその設計(ある一定のRBRをもたらす、コンダクタンスのGexpand及びGoutの値)にいかに依存するかを説明する。
Figure 0007238189000028
CO2に対する換気応答の変動性の故に、ある与えられたRBRに関するPaCO2における増加は、上で示されたように、個人の間で変動するであろう。PaCO2増加を望ましいレベルに調節するために、このタイプの呼吸装置の幾つかの実施形態は、呼吸装置の内部と大気(例えば、吸い口の壁の中に位置する)との間で調節可能な流れ接続部を提供する、調節可能なバイパスバルブを備え付けることが可能であろう。呼吸装置のRBRは、従って、バルブを開くことによって調節されるか、若しくは、別の方法で、呼吸装置内部の空気の体積と新鮮な気体(それが、外側の大気であれ、若しくは別の気体源であれ)の源との間の流れ接続のコンダクタンスを増加させることによって、調節されるであろう。
代わりに、異なるRBR値は、透過性の壁部及び非透過性の壁部の異なる相対的エリアを有する再呼吸チャンバの間で変化することによって、及び/又は、異なる孔サイズ及び/若しくは孔間隔を有する再呼吸チャンバの間で変化することによって、提供することが可能である。そのような幾何学的な違いは、Gexpand、Gout、及びRBRの異なる値につながり、それによって、装置によって引き出されるPaCO2増加が変動することを可能にする。
呼吸装置の機能性を測定するための代替的な方法:呼吸装置の機能性を測定するための別の方法は、図17における実験構成を用いてRBRを測定することであろう。
制御された量の純粋なCO2が、吸い口を通して、再呼吸空気チャンバ(上記の図では「立方体」)の中にポンプで注入され、且つ、吸い口を通して、ポンプで逆に再び出され、その場合のCO2レベル及び流量が、センサによって測定される。CO2及び流量のセンサ測定は、同期化されると共に、少なくとも100測定点に分割された、初めの吸い込みから終わりの吸い込みまでの時間に対応したサンプリングレートを有するべきであるCO2は、トレーサとして作用するが、その理由は、吸い込まれた空気中で測定される全てのCO2は、吐き出された空気に由来することが知られているからである。
RBRは、その後、次の方程式によって計算することが可能である。
Figure 0007238189000029
ここで、
inspired_from_cubeは、以前に吐き出された空気によって構成される吸い込まれた空気(吸い込まれた空気=ポンプLを通して汲み上げられた空気)の体積、
inspired_totalは、吸い込まれた空気の全体積、
CO2_inspiredは、吸い込まれたCO2の全体積、
tは時間、
t_start_inspは、ポンプIを介した吸い込みが始まる時間、
t_end_inspは、ポンプIを介した吸い込みが終わる時間、
V_dot(t)は、時間tにおける体積流速である。
CO2(t)は、時間tにおけるCO2の割合である(0=0%CO2、1=100%CO2)。理論によって束縛されることなく、この実験によって、異なるG値及びC値を有する呼吸装置に対してRBRを測定すると共に、上記のRBRの導出において識別された他の因子(因子の中でも、呼吸サイクル(吸い込み、吸い込みから吐き出しまでの休止、吐き出し、吐き出しから吸い込みまでの休止)の様々な段階のタイミング及び長さ、呼吸サイクルの間に到達する再呼吸チャンバの最も小さな体積、及び一回呼吸量)によって、いかにRBRが影響されるかを調査することもまた可能であろう。
吐き出された空気において純粋なCO2を使用することは強制ではないが、しかし、純粋なCO2は、方程式27を使用できるので、RBRの計算をより簡単にする。
図16aから図16cを参照すると、これらの図は、本発明の一態様による、再呼吸空気チャンバ接続器26を展開するステップを模式的に例示している。図16aでは、接続器16は、折りたたまれた配置で例示さており、且つ、図16b及び図16cでは、接続器16は、展開された配置で例示されている。図16Cは、Xとラベルされた細片(#37)を引っ張ることによって、再呼吸空気チャンバ15を展開するプロセスを例示する。
図16aから図16cで例示されるように、再呼吸空気チャンバ接続器26は、前記接続器26に配置された多数の平行に伸びる折りたたみ線32を備えることによって、折りたたみ可能であり、これによって、空気呼吸接続器26が、好ましくは、図16aに例示されるような直方体である空隙33を定義する配置に折りたたまれることを可能にする。再呼吸空気チャンバ接続器26の寸法は、好ましくは、折りたたまれた配置における場合、再呼吸空気チャンバ15の少なくとも一部分が、図16aに例示されるような空隙33の内部に収容されるように、選択される。空隙内部に収容される場合、再呼吸空気チャンバは折りたたまれていることに注意されたい。折りたたみ線32は、好ましくは、局所的により薄い材料厚さの形をしていてもよく、ここで前記材料厚さは、接続器26の残りの部分よりも容易に曲がる部分を定義し、その結果として、これらの折りたたみ線32は、各々が蝶番機構を形成する。
図16bに例示されるように、再呼吸空気チャンバ接続器は滑動部24を有し、滑動部24は、前記滑動部が一方の側に移動する場合(且つ、再呼吸空気チャンバが、図16b及び図16cに例示されるように、展開されている場合)、前記再呼吸空気チャンバ15の中への開口部を提供する。図16b及び図16cに例示されるように、滑動部は、開口部の覆いをとり、そして滑動部の位置は、ユーザによって変えられるので、開口部のサイズは、ユーザによって調節することが可能であり、従って、滑動部(24)は、1つ以上の貫通開口部30の覆いをとる、若しくは前記貫通開口部30を覆うことによって、前記再呼吸空気チャンバ15の中への空気の流れを調節することを目的として構成されている、と見ることが可能である。図16b及び図16cに例示されるように、滑動部はロール面として形成してもよい。
図16aから図16cに例示されるような再呼吸空気チャンバ接続器26は、好ましくは本発明の他の実施形態と関連して開示される、1つ以上の貫通開口部27を更に備え、前記貫通開口部27は、サイズにおいて調整可能でないものであり、且つ、再呼吸空気チャンバに入る、及び/若しくは再呼吸空気チャンバから出る際の、周囲大気との流体連通を可能にする。幾つかの実施形態では、滑動部機構24若しくは貫通開口部27の1つは省いてもよい、ということに注意されたい。なお更なる実施形態では、滑動部機構及び貫通開口部27のどちらも、接続器26に設けられない。
図16aから図16cにもまた例示されるように、再呼吸空気チャンバ接続器26は、細長い展開要素34(通常、細片の形をしている)を備え、前記展開要素34は、前記接続器26の表面に沿う折りたたみ線に垂直な方向に滑動可能に伸びる。展開要素34は、1つの端部34aで接続器26に固定されるが、1つの端部で固定される範囲内では、展開要素34が接続器26と一体で作られることも考えられる。従って、展開要素34を、しかも固定された端部34aと反対側の端部で(通常はユーザによって)引っぱることによって、その折りたたまれた配置から、再呼吸空気チャンバ接続器26を展開する。このことは、図16a及び図16bに、図16bにおける太い矢印によって例示されるが、図16bは、太い矢印の方向に引っ張ることによって、接続器26が、図16aにおける折りたたまれた配置から、図16bに示された展開された配置へ展開することを示している。
接続器26に対して相対的に、細長い展開要素34をその望ましい位置に維持するために、再呼吸空気チャンバ接続器26は、前記接続器26上の案内された位置に細長い展開要素34を維持するための案内要素35を備える。これらの案内要素35は、細長い展開要素34が横向きに移動するのを妨げながら、細長い展開要素34において引っぱる作用を可能とするように設計されている。
細長い展開要素34及び/若しくは再呼吸空気チャンバ接続器26は、通常、掛け金を備え、この掛け金は、前記再呼吸空気チャンバ接続器26が展開された配置にある場合、細長い展開要素の位置を掛け金で留めることを目的として構成される。この掛け金は、図16aから図16cに例示されていない(しかし、これらの図では、「カチッ」という表現によって示されている)。掛け金は、通常、知られているような、固定用細片でできており、且つ、細長い展開要素上、若しくは接続器上のいずれかに設けられた突出部を備え、この突出部は、他の部分上にある突出部若しくは刻み目と係合する。
図16aから図16cにもまた例示されるように、再呼吸空気チャンバ15は、再呼吸空気チャンバの壁部に取り付けられたつまみのような細片37を備え、これによって、ユーザが、再呼吸空気チャンバ15を膨張させ、好ましくは、折りたたまれた配置から再呼吸空気チャンバを展開することを可能にし、その結果として、ユーザは、再呼吸空気チャンバの中に空気を吐き出すことが容易になる。
以下には、本発明の好ましい実施形態及び態様が、項目のリストとして提示される。
[項目1]
呼吸装置(1)であって、
吸い口(2)の第1の端部と第2の端部との間の接続部を形成するべく、呼吸経路を形成する吸い口(2)であって、前記第1の端部は、ユーザが、呼吸開口部(5)を通して前記吸い口の中に息を吹き込むことを目的として構成される、吸い口(2)と、
前記吸い口の前記第2の端部に取り付けられ、それによって、前記呼吸経路と流体連通している、少なくとも部分的に可撓性の再呼吸空気チャンバ(15)であって、前記再呼吸空気チャンバは、少なくとも部分的に可撓性の壁部(複数可)によって形成される、少なくとも部分的に可撓性の再呼吸空気チャンバ(15)と、
を備え、
前記少なくとも部分的に可撓性の再呼吸チャンバ(15)は、前記壁部に設けられた複数の細孔(36)及び/若しくは貫通開口部(27)のような1つ以上のものによって、気体に対して透過性である第1の壁部(3,10,11,16,28)を有し、
前記吸い口(2)は、前記呼吸経路と周囲大気との間の流体連通を可能にする1つ以上の貫通開口部(19,35)を備える、呼吸装置。
[項目2]
項目1に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ(15)は、
前記少なくとも部分的に可撓性の第1の壁部(3,10,11,16,28)にある多数の貫通開口部及び/若しくは細孔であって、前記貫通開口部及び/若しくは細孔は、気体に対する透過性を提供し、且つ全体としての流れコンダクタンスGを有する、多数の貫通開口部及び/若しくは細孔、
を備え、
前記細孔及び/若しくは貫通開口部から離れた前記第1の壁部は、気体に対して非透過性であり、且つ、前記第1の壁部にまたがる圧力差によって変形可能であり、前記圧力差は、前記再呼吸チャンバの中にユーザが息を吹き込むことによって提供される大きさのものであり、これによって、前記第1の壁部は、前記第1の壁部によって取り囲まれる前記再呼吸チャンバに、実質的な時間で正規化されたコンプライアンスCを与え、ここでCは、前記壁部にまたがる圧力差あたり、一秒あたりの、前記再呼吸チャンバの体積膨張として決定され、
前記再呼吸空気チャンバは、好ましくは0.5と0.95の間など、0.5と0.9の間の値として、ここでは定義される再呼吸比を有する、呼吸装置。
[項目3]
項目1若しくは項目2に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ(3,4)は、
気体に対して透過性であると共に、第1のコンダクタンスGoutを有する前記第1の壁部(3)と、
気体に対して非透過性であると共に、第2のコンダクタンスGexpendを有する第2の壁部(4)と、
を備え、
前記第1及び第2の壁部は、0.5と0.9の間のRBR=Gexpand/(Gout+Gexpand)として定義されるRBRを提供するように構成される、呼吸装置。
[項目4]
項目1から項目3のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバは、空気に対して透過性である第1の壁部(3)と空気に対して非透過性である第2の壁部(4)とを備える、呼吸装置。
[項目5]
項目1から項目4のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ(15)は、前記可撓性の第1の壁部(3)及び/若しくは、前記壁部の中に設けられた複数の細孔及び/若しくは貫通開口部により気体に対して透過性である可撓性の第2の壁部によって形成される、呼吸装置。
[項目6]
項目1から項目5のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記可撓性の壁部(11)によって形成される前記再呼吸チャンバ(15)は、前記可撓性の壁部(11)に分布する、線若しくは列の形で配置された複数の細孔及び/若しくは貫通開口部により気体に対して透過性である、呼吸装置。
[項目7]
項目1から項目6のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記呼吸装置(1)は、再呼吸空気チャンバ接続器(26)を更に備え、
前記接続器(26)は、
・顔マスク若しくは前記吸い口(2)を前記再呼吸空気チャンバ(15)に接続することを目的として、若しくは、
・前記接続器(26)が前記吸い口(2)を形成するように、
構成され、
前記接続器(28)の少なくとも一部分は、前記第1の壁部及び/若しくは第2の壁部の少なくとも一部分を形成し、前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、前記再呼吸空気チャンバ(15)に入る、及び/若しくは前記再呼吸空気チャンバ(15)から出る際の、ユーザの息との流体連通を可能にする、呼吸装置。
[項目8]
項目1から項目7のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ(15)の形は、直方体のような立方体、回転楕円体のような球体、袋タイプ、実質的に四面体のような四面体、実質的にピラミッドのような四角ベースのピラミッド、実質的に八面体のような八面体、実質的にプリズムのような六辺形プリズム、実質的に十二面体のような十二面体、円筒形、若しくは楕円柱、を備えるグループから選択される、呼吸装置。
[項目9]
項目1から項目8のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
再呼吸装置(15)の前記形は、項目5に従って選択され、且つ前記再呼吸空気チャンバは、各々が前記再呼吸チャンバの面を定義する壁板を備え、前記壁板の1つ以上及び/若しくは、前記壁板の1つの少なくとも一部分は、前記第1の可撓性の壁部を形成し、且つ、項目3に依存する場合、前記壁板の少なくとも1つは、前記第2の可撓性の壁部(18)の少なくとも一部分を形成し、前記第1の壁部は、好ましくは、透過性の部分を備えるか、若しくは、好ましくは、前記可撓性の第1の壁部に分布する、線若しくは列の形で配置された複数の細孔及び/若しくは貫通開口部により気体に対して透過性である、呼吸装置。
[項目10]
項目9に記載の呼吸装置であって、
前記壁板の1つ以上は、第1の可撓性の壁部及び/若しくは第2の可撓性の壁部を備える、呼吸装置。
[項目11]
項目9若しくは項目10に記載の呼吸装置であって、
前記壁板及び/若しくは壁部は、4mmよりも小さな厚さを有し、前記厚さは、2mmよりも小さい、1mmよりも小さいなどである、呼吸装置。
[項目12]
項目7から項目11のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバは、前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)に配置された前記呼吸経路を更に備え、これによって、使用中、前記再呼吸空気チャンバ(15)に入る、及び/若しくは前記再呼吸空気チャンバ(15)から出る際の、前記ユーザの口との流体連通を可能にする、呼吸装置。
[項目13]
項目7から項目12のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記呼吸経路は、少なくとも1つの貫通開口部(19,35)を有し、これによって、前記呼吸装置に入る、及び/若しくは前記呼吸装置から出る際の、前記周囲大気との流体連通を可能にする、呼吸装置。
[項目14]
項目13に記載の呼吸装置であって、
前記貫通開口部の1つ以上は、閉止可能であり、及び/若しくは、例えば、バルブ機構(38)によって、サイズ(34)が調節可能である、呼吸装置。
[項目15]
項目13若しくは項目14に記載の呼吸装置であって、
前記呼吸経路に設けられた前記貫通開口部(30)は、1つ以上の開口部の形をしており、好ましくは、2つの平行な長手方向の壁部(25)の間に配置された滑動部(24)によって覆われ、前記滑動部(24)が前記2つの平行な長手方向の壁部(25)の間で直動的に移動する場合、前記滑動部は、前記呼吸経路(2)の中に開口部を提供し、前記滑動部(24)は、前記再呼吸空気チャンバ(15)の中への空気の流れを調節することを目的として構成される、呼吸装置。
[項目16]
項目13から項目15のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、前記呼吸経路は、2つの平行な長手方向の壁部(20)を更に備え、前記2つの平行な長手方向の壁部(20)は、2cm未満の距離、好ましくは1cm未満など、3cm未満の距離を有する前記呼吸経路を通って、呼吸方向に対して垂直な方向に突出しており、前記呼吸装置を指で保持する間に、ユーザが前記貫通開口部を指で塞ぐことを妨げるために構成され、前記貫通開口部(19)は、2つの平行な長手方向の壁部(20)の間に配置される、呼吸装置。
[項目17]
項目7から項目16のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバは、前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)上に配置された、調節可能でない貫通開口部(27)を備え、これによって、前記再呼吸空気チャンバに入る、及び/若しくは前記再呼吸空気チャンバから出る際の、前記周囲大気との流体連通を可能にする、呼吸装置。
[項目18]
項目7から項目12のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、受け口(29)を更に備え、前記受け口(29)は、前記再呼吸空気チャンバに入る、及び/若しくは前記再呼吸空気チャンバから出る際の流体連通を可能にしながら、前記再呼吸空気チャンバを前記吸い口に接続することを目的として構成される、呼吸装置。
[項目19]
項目18に記載の呼吸装置であって、
1つ以上の再閉止可能な、及び/若しくは調節可能な開口部は、好ましくは、2つの平行な長手方向の壁部(25)の間に配置された滑動部(24)を備え、前記滑動部は、前記可撓性の壁部(18)上に配置され、前記滑動部(24)は、前記滑動部(24)が前記2つの平行な長手方向の壁部(25)の間で一方の側に移動する場合、前記再呼吸空気チャンバ(15)の中への開口部を提供し、前記滑動部(24)は、前記再呼吸空気チャンバ(15)の中への空気の流れを調節することを目的として構成される、呼吸装置。
[項目20]
項目18若しくは項目19に記載の呼吸装置であって、
前記受け口(29)は、前記吸い口(2)を形成する、呼吸装置。
[項目21]
項目7から項目20のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、調節可能でない貫通開口部(27)を備え、これによって、前記再呼吸空気チャンバに入る、及び/若しくは前記再呼吸空気チャンバから出る際の、前記周囲大気との流体連通を可能にする、呼吸装置。
[項目22]
項目1から項目21のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記貫通開口部(19,27)及び/若しくは滑動部/バルブの可変開口部(30)は、前記再呼吸空気チャンバから出ていく流体を、ユーザの顔から遠ざけるように向ける/角度をつけることを目的として構成される、呼吸装置。
[項目23]
項目1から項目22のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記貫通開口部(19,27)は、円形、長方形、及び/若しくは楕円形の形をしている、呼吸装置。
[項目24]
項目1から項目23のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記貫通開口部(19,27)の水力直径は、貫通開口部(19,27)あたり、100×10cm-6mから3cmの間など、100×10-6mから2cmの間である、呼吸装置。
[項目25]
項目9から項目24のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記可撓性の壁部(16,18)は、ひだをつけるなどにより、折りたたみ可能である、呼吸装置。
[項目26]
項目9から項目25のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ(15)は、立方体を形成するべく、一緒に溶着された複数の壁板によって組み立てられる、呼吸装置。
[項目27]
項目9から項目26のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ(15)は、立方体(17)を形成するべく、一緒に溶着された4つの壁板によって組み立てられ、前記4つの壁板の各々は、1つの正方形の壁要素の互いに反対側に配置される2つの三角形の壁要素によって形成される、呼吸装置。
[項目28]
項目1から項目27のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記複数の細孔及び/若しくは貫通開口部は、前記第1の可撓性の壁部(10)に等距離に分布する、呼吸装置。
[項目29]
項目1から項目28のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記細孔及び/若しくは貫通開口部の水力直径は、2cmよりも小さく、前記水力直径は、10-3mよりも小さいなどであり、好ましくは、180×10-6mに等しい、若しくは180×10-6mよりも小さい、呼吸装置。
[項目30]
項目1から項目29のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記呼吸開口部(5)は、パイプ、ダクト、若しくは他の接続部のような、好ましくは前記呼吸装置を顔マスクに接続するのに適した接続部を備える、呼吸装置(1)。
[項目31]
項目1から項目30のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記第1の壁部(3)及び/若しくは第2の壁部(4)は、存在する場合、完全に若しくは部分的に疎水性である、呼吸装置(1)。
[項目32]
項目1から項目31のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記再呼吸空気チャンバ(15)は、1リットルと16リットルとの間の体積を有し、前記体積は、2リットルと8リットルとの間などにあり、好ましくは4リットルと6リットルとの間にある、呼吸装置(1)。
[項目33]
項目1から項目32のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記第1の壁部(3)及び/若しくは第2の壁部は、ひだをつけるなどで、折りたたみ可能である、呼吸装置(1)。
[項目34]
項目1から項目33のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記再呼吸空気チャンバ(15)は、前記再呼吸空気チャンバの幾何形状を変化させることによって、体積的に大きさが調整可能であり、及び/若しくは、前記第1の壁部の透過性は、例えば、細孔及び/若しくは貫通開口部の覆いをとることによって、例えば、前記細孔及び/若しくは貫通開口部を覆うために取り付けられた細片を少なくとも部分的に除去することによって、大きさが調整可能である、呼吸装置(1)。
[項目35]
項目1から項目34のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記呼吸経路は、少なくとも1.0cm2の最小断面を有し、前記最小断面は、少なくとも1.5cm2などであり、好ましくは、少なくとも2.0cm2である、呼吸装置(1)。
[項目36]
項目1から項目35のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記第1の壁部(3,10,16)若しくは吸い口(2)は、約2ナノメートルと2ミリメートルとの間の、好ましくは2mmを超える、平均的な細孔サイズ及び/若しくは貫通開口部サイズを有する、呼吸装置(1)。
[項目37]
項目1から項目36のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記細孔及び/若しくは貫通開口部は、レーザ穿孔によって作製される、呼吸装置(1)。
[項目38]
項目1から項目37のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
第1の壁部は、20℃及び標準大気(101.325kPa)で決定された標準空気に対する気体透過流速を有し、前記気体透過流速は、少なくとも約0.0005m3/(秒*m2*kPa)であり、且つ、前記再呼吸空気チャンバの内部と前記周囲大気との間の圧力差は、5パスカルと35パスカルとの間である、呼吸装置(1)。
[項目39]
項目1から項目38のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記第1の壁部(3,10,16)は重合体膜を備え、前記重合体膜は、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリビニリデン・ジフルオリド(PVDF)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、紙、植物繊維、生分解性材料、及び/若しくは上述の重合体のうちの任意のものを備える組み合わせを備える、呼吸装置(1)。
[項目40]
項目1から項目39のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記再呼吸空気チャンバ(15)の少なくとも一部分は折りたためるものではなく、好ましくは、再呼吸空気チャンバ15の少なくとも一部分は折りたためるものではなく、且つ、前記再呼吸空気チャンバ(15)の一部分は折りたためるものであり、より好ましくは、前記再呼吸空気チャンバ(15)は部分的に折りたためるものであり、且つ、前記再呼吸空気チャンバ(15)の中に入る前記呼吸開口部(5)に近い少なくとも副区画は、折りたためるものではなく、若しくは、前記呼吸開口部(5)から離れた副区画よりは、少なくとも折りたたみにくい、呼吸装置(1)。
[項目41]
項目1から項目40のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記少なくとも1つの貫通開口部の1つ以上は、バルブ(38)、好ましくは、開口部を通る気体の流れを調整するための調節可能なバルブを備え付けており、前記調節可能なバルブは、好ましくは自動的に調節される、呼吸装置(1)。
[項目42]
項目1から項目41のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記再呼吸空気チャンバ(15)は、圧縮した水を排出するためのバルブを備える、呼吸装置(1)。
[項目43]
項目1から項目42のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記呼吸装置は、前記呼吸装置の中に組み込まれたCO2感知装置若しくはO2感知装置を備え、これらの装置は、吸い込まれた空気及び/若しくは吐き出された空気のCO2レベル及び/若しくはO2レベルを測定するように構成される、呼吸装置(1)。
[項目44]
項目1から項目43のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記呼吸装置は、O2感知装置を備え、前記O2感知装置は、ユーザの血液のO2レベルを測定することを目的として構成される、呼吸装置(1)。
[項目45]
項目1から項目44のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記呼吸装置は、前記再呼吸空気チャンバ(15)から湿気を吸収するように構成された少なくとも1つの湿気吸収要素を備え、前記湿気吸収要素(複数可)は、好ましくは、前記再呼吸空気チャンバ(15)の中に少なくとも部分的に設置され、より好ましくは、前記湿気吸収要素は、取り外し可能且つ取り替え可能な要素である、呼吸装置(1)。
[項目46]
項目1から項目45のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記呼吸装置は香り付け装置を備え、前記香り付け装置は、メントールの香りを有するべく香り付けをするなど、前記再呼吸気体の匂いを変化させるように構成される、呼吸装置(1)。
[項目47]
項目1から項目46のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記第2の壁部(4)及び/若しくは第1の壁部(3)は、前記再呼吸空気チャンバ(15)から水を排出するように構成された水輸送要素を備え、前記水輸送要素は、ある材料から作製されるか、若しくは、ある材料を備え、前記ある材料は、前記再呼吸空気チャンバ(15)から前記周囲大気へ、若しくは水収集ユニットへ水を輸送するための通路を提供する、呼吸装置(1)。
[項目48]
項目1から項目47のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
小室(9,21,22)を更に備え、前記小室(9,21,22)の内部には、使用されていない場合、前記吸い口(2)の一部分及び前記再呼吸空気チャンバ(15)が格納される、呼吸装置(1)。
[項目49]
項目48に記載の呼吸装置(1)であって、
前記吸い口(2)の前記一部分及び前記再呼吸空気チャンバ(15)は、小室の中で位置変更的に配置されるなど取り替え可能である、呼吸装置(1)。
[項目50]
項目48若しくは項目49に記載の呼吸装置(1)であって、
前記小室(21)は、蓋のような2つの着脱可能な小室要素(22)を備え、各々は、前記小室(21)の端部に位置変更的に配置されるなど取り替え可能であり、前記2つの着脱可能な小室要素は、装置が使用されない場合、前記再呼吸空気チャンバ(15)若しくは呼吸経路のいずれかへのアクセスを妨げ、前記着脱可能な小室要素(22)は、位置変更されるなど、取り外される若しくは取り替えられる場合、前記再呼吸空気チャンバ(15)へのアクセス、及び/若しくは前記呼吸経路(2)へのアクセスを提供するように構成される、呼吸装置(1)。
[項目51]
項目47から項目49のいずれか一項目に記載の呼吸装置(1)であって、
前記小室要素(22)は、使用していない間に、前記再呼吸空気チャンバ(15)若しくは呼吸経路へのアクセスがある端部に隣接する2つの側(23)で位置変更されるなどで、取り替えられるように構成され、それによって、使用中に前記呼吸装置をより良く把持することを提供する、呼吸要素(1)。
[項目52]
項目1から項目51のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ(15)は、前記吸い口(2)から着脱可能であると共に、前記吸い口(2)に再取り付け可能である、呼吸装置。
[項目53]
項目1から項目52のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ(15)に、好ましくは直接流体連通ではなく、取り付けられた安定チャンバ/構造体(13)を更に備え、前記安定チャンバ/構造体(13)は、再呼吸の吸い込み段階の間に、前記再呼吸空気チャンバが完全につぶれることを妨げるように構成される、呼吸装置。
[項目54]
項目1から項目53のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ(15)は、前記再呼吸空気チャンバの空気を空にするように構成された、1つ以上の放出バルブ(14)を備える、呼吸装置。
[項目55]
項目1から項目54のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
片頭痛の治療に使用するための、呼吸装置。
[項目56]
項目1から項目54のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
癲癇の治療に使用するための、呼吸装置。
[項目57]
項目1から項目56のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
熱性痙攣の治療に使用するための、呼吸装置。
[項目58]
項目1から項目57のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
腰椎穿刺性頭痛の治療に使用するための、呼吸装置。
[項目59]
項目1から項目58のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
喘息の予防的治療に使用するための、呼吸装置。
[項目60]
項目1から項目59のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
心拍停止の治療に使用するための、呼吸装置。
[項目61]
項目1から項目60のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバは、そのサイズを減少させるべく、折りたたみ可能である、呼吸装置。
[項目62]
項目7から項目61のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、前記接続器(26)に配置された多数の平行に伸びる折りたたみ線(32)を備えることによって、折りたたみ可能であり、これによって、空気呼吸接続器(26)が、好ましくは直方体である空隙(33)を定義する配置に折りたたまれることを可能にし、好ましくは、前記呼吸用空気チャンバ接続器(26)の寸法は、折りたたまれた配置にある場合、前記再呼吸空気チャンバ(15)の少なくとも一部分が、前記空隙(33)の内部に収容されるように、選択される、呼吸装置。
[項目63]
項目62に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は滑動部(24)を備え、前記滑動部(24)は、前記滑動部(24)が一方の側に移動する場合、前記再呼吸空気チャンバ(15)の中への開口部を提供し、前記滑動部(24)は、1つ以上の貫通開口部(30)の覆いをとる、若しくは1つ以上の貫通開口部(30)を覆うことによって、前記再呼吸空気チャンバ(15)の中への空気の流れを調節することを目的として構成される、呼吸装置。
[項目64]
項目62若しくは項目63に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、1つ以上の貫通開口部(27)を備える、若しくは1つ以上の貫通開口部(27)を更に備え、前記1つ以上の貫通開口部(27)は、好ましくはサイズが調節可能ではなく、且つ、前記再呼吸空気チャンバに入る、及び/若しくは前記再呼吸空気チャンバから出る際の、前記周囲大気との流体連通を可能にする、呼吸装置。
[項目65]
項目62から項目64のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、細長い展開要素(34)を備え、前記細長い展開要素(34)は、前記接続器(26)の表面に沿う折りたたみ線に好ましくは垂直である方向に滑動可能に伸びると共に、1つの端部(34a)で前記接続器(26)に固定され、その結果として、固定された端部の反対側の端部で前記細長い展開要素(34)をユーザが引っ張ることによって、その折りたたまれた配置から前記再呼吸空気チャンバ接続器を展開することを目的として構成される、呼吸装置。
[項目66]
項目65に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、前記接続器(26)上の案内位置に前記細長い展開要素(34)を維持する案内要素(35)を備える、呼吸装置。
[項目67]
項目65若しくは項目66に記載の呼吸装置であって、
前記細長い展開要素(34)及び/若しくは前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、掛け金を備え、前記掛け金は、前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)がその展開された配置にある場合、前記細長い展開要素の位置を掛け金で留めることを目的として構成される、呼吸装置。
[項目68]
項目1から項目67のいずれか一項目に記載の呼吸装置であって、
前記再呼吸空気チャンバ(15)は、前記再呼吸空気チャンバの壁部に取り付けられた細片(37)を備え、前記細片(37)は、ユーザが、好ましくは折りたたまれた配置から前記再呼吸空気チャンバを展開するべく、前記再呼吸空気チャンバ(15)を膨張させることを可能にし、その結果として、ユーザが、前記再呼吸空気チャンバの中に空気を吐き出すことを容易にする、呼吸装置。
[総論]
本発明の実施形態の個々の要素は、単一ユニットにおいて、複数のユニットにおいて、若しくは別々の機能的なユニットの一部としてなど、任意の適切な方法で、物理的に、機能的に、及び論理的に履行してもよい。本発明は、単一ユニットで履行してもよく、若しくは、異なるユニット及びプロセッサの間で物理的及び機能的の両方に分配されたものであってもよい。
本発明は、指定された実施形態に関連して説明されてきたが、提示された実施例に限定されるものと解釈されるべきではない。本発明の範囲は、添付された一揃いの請求項に照らして解釈されるべきである。請求項の文脈において、「備える」(”comprising”若しくは”comprise”)という用語は、他の可能な要素若しくはステップを排除しない。また、”a”若しくは”an”などのような参照に関する言及は、複数を排除するものと解釈されるべきでなない。図で示される要素に関する、請求項における参照符号の使用もまた、発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。更に、異なる請求項で述べられた個々の特徴は、できるかぎり有利に組み合わせてもよく、且つ、異なる請求項でこれらの特徴を述べることは、特徴の組み合わせが可能でない及び有利でない、ということを排除しない。
1 呼吸装置
2 吸い口/呼吸経路
3 第1の壁部
4 第2の壁部
5 呼吸開口部
6 流れ開口部
7 流れ開口部
8 流れ開口部
9 小室
10 孔があけられた壁材料、好ましくは可撓性である
11 孔の列で孔あけされた可撓性の壁部
12 構造支持チャンバ13をふくらませるための逆止めバルブ
13 構造安定チャンバ
14 放出バルブ
15 再呼吸空気チャンバ
16 可撓性の第1の壁
17 立方体
18 可撓性の第2の壁
19 貫通開口部
20 壁部
21 小室
22 小室要素
23 隣接する側
24 滑動部
25 壁部
26 再呼吸空気チャンバ接続器
27 調節可能でない谷状開口部
28 谷状開口部との接続器の一部分
29 受け口
30 貫通開口部
31 蝶番
32 折りたたみ線
33 空隙、好ましくは近位端部及び遠位端部で開いている
34 展開要素
34a 細長い展開要素34の固定位置
35 案内要素
36 細孔
37 つまみのような細片
38 機械的バルブ

Claims (67)

  1. 呼吸装置(1)であって、
    吸い口(2)の第1の端部と第2の端部との間の接続部を形成するべく、呼吸経路を形成する吸い口(2)であって、前記第1の端部は、ユーザが、呼吸開口部(5)を通して前記吸い口の中に息を吹き込むことを目的として構成される、吸い口(2)と、
    前記吸い口の前記第2の端部に取り付けられ、それによって、前記呼吸経路と流体連通している、少なくとも部分的に可撓性の再呼吸空気チャンバ(15)であって、前記再呼吸空気チャンバは、少なくとも部分的に可撓性の壁部によって形成される、少なくとも部分的に可撓性の再呼吸空気チャンバ(15)と、
    を備え、
    前記少なくとも部分的に可撓性の再呼吸チャンバ(15)は、再呼吸空気チャンバ接続器(26)に設けられた貫通開口部(27)のような1つ以上のものによって、気体に対して透過性である第1の壁部(3,10,11,16,28)を有し、前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、1つ以上の前記貫通開口部が再閉止可能及び/若しくは調整可能な開口部であり、
    前記吸い口(2)は、前記呼吸経路と周囲大気との間の流体連通を可能にする1つ以上の貫通開口部(19,35)を備え、1つ以上の前記貫通開口部は再閉止可能及び/若しくはサイズが調整可能である、呼吸装置。
  2. 請求項1に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ(15)は、
    前記少なくとも部分的に可撓性の第1の壁部(3,10,11,16,28)にある多数の貫通開口部及び/若しくは細孔であって、前記貫通開口部及び/若しくは細孔は、気体に対する透過性を提供し、且つ全体としての流れコンダクタンスGを有する、多数の貫通開口部及び/若しくは細孔、
    を備え、
    前記細孔及び/若しくは貫通開口部から離れた前記第1の壁部は、気体に対して非透過性であり、且つ、前記第1の壁部にまたがる圧力差によって変形可能であり、前記圧力差は、前記再呼吸チャンバの中にユーザが息を吹き込むことによって提供される大きさのものであり、これによって、前記第1の壁部は、前記第1の壁部によって取り囲まれる前記再呼吸チャンバに、実質的な時間で正規化されたコンプライアンスCを与え、ここでCは、前記壁部にまたがる圧力差あたり、一秒あたりの、前記再呼吸チャンバの体積膨張として決定され、
    前記再呼吸空気チャンバは、0.5と0.95の間の値として、ここでは定義される再呼吸比を有する、呼吸装置。
  3. 請求項1若しくは請求項2に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ(15)は、
    気体に対して透過性であると共に、第1のコンダクタンスGoutを有する前記第1の壁部(16)と、
    気体に対して非透過性であると共に、第2のコンダクタンスGexpendを有する第2の壁部(18)と、
    を備え、
    前記第1及び第2の壁部は、0.5と0.9の間のRBR=Gexpand/(Gout+Gexpand)として定義されるRBRを提供するように構成される、呼吸装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバは、空気に対して透過性である第1の壁部(16)と空気に対して非透過性である第2の壁部(18)とを備える、呼吸装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ(15)は、前記可撓性の第1の壁部(16)及び/若しくは、前記壁部の中に設けられた複数の細孔及び/若しくは貫通開口部により気体に対して透過性である可撓性の第2の壁部によって形成される、呼吸装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記可撓性の壁部(16)によって形成される前記再呼吸チャンバ(15)は、前記可撓性の壁部(16)に分布する、線若しくは列の形で配置された複数の細孔及び/若しくは貫通開口部により気体に対して透過性である、呼吸装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記呼吸装置(1)は、再呼吸空気チャンバ接続器(26)を更に備え、前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、
    ・顔マスク若しくは前記吸い口(2)を前記再呼吸空気チャンバ(15)に接続することを目的として、若しくは、
    ・前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)が前記吸い口(2)を形成するように、
    構成され、
    前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)の少なくとも一部分は、前記第1の壁部及び/若しくは第2の壁部の少なくとも一部分を形成し、前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、前記再呼吸空気チャンバ(15)に入る、及び/若しくは前記再呼吸空気チャンバ(15)から出る際の、ユーザの息との流体連通を可能にする、呼吸装置。
  8. 請求項1から項請求7のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ(15)の形は、直方体のような立方体、回転楕円体のような球体、袋タイプ、実質的に四面体のような四面体、実質的にピラミッドのような四角ベースのピラミッド、実質的に八面体のような八面体、実質的にプリズムのような六辺形プリズム、実質的に十二面体のような十二面体、円筒形、若しくは楕円柱、を備えるグループから選択される、呼吸装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ(15)の形は、直方体のような立方体、回転楕円体のような球体、袋タイプ、実質的に四面体のような四面体、実質的にピラミッドのような四角ベースのピラミッド、実質的に八面体のような八面体、実質的にプリズムのような六辺形プリズム、実質的に十二面体のような十二面体、円筒形、若しくは楕円柱、を備えるグループから選択され、且つ前記再呼吸空気チャンバは、各々が前記再呼吸チャンバの面を定義する壁板を備え、前記壁板の1つ以上及び/若しくは、前記壁板の1つの少なくとも一部分は、前記第1の可撓性の壁部を形成し、且つ、前記再呼吸空気チャンバ(15)は、気体に対して透過性であると共に第1のコンダクタンスG out を有する前記第1の壁部(16)と、気体に対して非透過性であると共に第2のコンダクタンスG expend を有する第2の壁部(18)と、を備え、前記第1及び第2の壁部は、0.5と0.9の間のRBR=G expand /(G out +G expand )として定義されるRBRを提供するように構成される場合、前記壁板の少なくとも1つは、前記第2の可撓性の壁部(18)の少なくとも一部分を形成し、前記第1の壁部は、透過性の部分を備えるか、若しくは、前記可撓性の第1の壁部に分布する、線若しくは列の形で配置された複数の細孔及び/若しくは貫通開口部により気体に対して透過性である、呼吸装置。
  10. 請求項に記載の呼吸装置であって、
    前記壁板の1つ以上は、第1の可撓性の壁部及び/若しくは第2の可撓性の壁部を備える、呼吸装置。
  11. 請求項若しくは請求項10に記載の呼吸装置であって、
    前記壁板及び/若しくは壁部は、4mmよりも小さな厚さを有する、呼吸装置。
  12. 請求項7に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバは、前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)に配置された前記呼吸経路を更に備え、これによって、使用中、前記再呼吸空気チャンバ(15)に入る、及び/若しくは前記再呼吸空気チャンバ(15)から出る際の、前記ユーザの口との流体連通を可能にする、呼吸装置。
  13. 請求項7から請求項12のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記呼吸経路は、少なくとも1つの貫通開口部(19,35)を有し、これによって、前記呼吸装置に入る、及び/若しくは前記呼吸装置から出る際の、前記周囲大気との流体連通を可能にする、呼吸装置。
  14. 請求項13に記載の呼吸装置であって、
    前記貫通開口部の1つ以上は、閉止可能であり、及び/若しくは、サイズ(34)が調節可能である、呼吸装置。
  15. 請求項13若しくは請求項14に記載の呼吸装置であって、
    前記呼吸経路に設けられた前記貫通開口部(30)は、1つ以上の開口部の形をしており、2つの平行な長手方向の壁部(25)の間に配置された滑動部(24)によって覆われ、前記滑動部(24)が前記2つの平行な長手方向の壁部(25)の間で直動的に移動する場合、前記滑動部は、前記呼吸経路(2)の中に開口部を提供し、前記滑動部(24)は、前記再呼吸空気チャンバ(15)の中への空気の流れを調節することを目的として構成される、呼吸装置。
  16. 請求項13から請求項15のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記呼吸経路は、2つの平行な長手方向の壁部(20)を更に備え、前記2つの平行な長手方向の壁部(20)は、3cm未満の距離を有する前記呼吸経路を通って、呼吸方向に対して垂直な方向に突出しており、前記呼吸装置を指で保持する間に、ユーザが前記貫通開口部を指で塞ぐことを妨げるために構成され、前記貫通開口部(19)は、2つの平行な長手方向の壁部(20)の間に配置される、呼吸装置。
  17. 請求項7に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバは、前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)上に配置された、調節可能でない貫通開口部(27)を備え、これによって、前記再呼吸空気チャンバに入る、及び/若しくは前記再呼吸空気チャンバから出る際の、前記周囲大気との流体連通を可能にする、呼吸装置。
  18. 請求項7に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、受け口(29)を更に備え、前記受け口(29)は、前記再呼吸空気チャンバに入る、及び/若しくは前記再呼吸空気チャンバから出る際の流体連通を可能にしながら、前記再呼吸空気チャンバを前記吸い口に接続することを目的として構成される、呼吸装置。
  19. 請求項18に記載の呼吸装置であって、
    1つ以上の再閉止可能な、及び/若しくは調節可能な開口部は、2つの平行な長手方向の壁部(25)の間に配置された滑動部(24)を備え、前記滑動部は、前記可撓性の壁部(18)上に配置され、前記滑動部(24)は、前記滑動部(24)が前記2つの平行な長手方向の壁部(25)の間で一方の側に移動する場合、前記再呼吸空気チャンバ(15)の中への開口部を提供し、前記滑動部(24)は、前記再呼吸空気チャンバ(15)の中への空気の流れを調節することを目的として構成される、呼吸装置。
  20. 請求項18若しくは請求項19に記載の呼吸装置であって、
    前記受け口(29)は、前記吸い口(2)を形成する、呼吸装置。
  21. 請求項7に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、調節可能でない貫通開口部(27)を備え、これによって、前記再呼吸空気チャンバに入る、及び/若しくは前記再呼吸空気チャンバから出る際の、前記周囲大気との流体連通を可能にする、呼吸装置。
  22. 請求項15または請求項19に記載の呼吸装置であって、
    前記貫通開口部(19,27)及び/若しくは前記滑動部/バルブの可変開口部(30)は、前記再呼吸空気チャンバから出ていく流体を、ユーザの顔から遠ざけるように向ける/角度をつけることを目的として構成される、呼吸装置。
  23. 請求項1から請求項22のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記貫通開口部(19,27)は、円形、長方形、及び/若しくは楕円形の形をしている、呼吸装置。
  24. 請求項1から請求項23のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記貫通開口部(19,27)の水力直径は、貫通開口部(19,27)あたり、100×10cm-6mから3cmの間に選択される、呼吸装置。
  25. 請求項8から請求項24のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記可撓性の壁部(16,18)は、ひだをつけるなどにより、折りたたみ可能である、呼吸装置。
  26. 請求項8から請求項25のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ(15)は、立方体を形成するべく、一緒に溶着された複数の壁板によって組み立てられる、呼吸装置。
  27. 請求項8から請求項26のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ(15)は、立方体(17)を形成するべく、一緒に溶着された4つの壁板によって組み立てられ、前記4つの壁板の各々は、1つの正方形の壁要素の互いに反対側に配置される2つの三角形の壁要素によって形成される、呼吸装置。
  28. 請求項1から請求項27のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記複数の細孔及び/若しくは貫通開口部は、前記第1の可撓性の壁部(16)に等距離に分布する、呼吸装置。
  29. 請求項1から請求項28のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記細孔及び/若しくは貫通開口部の水力直径は、2cmよりも小さい、呼吸装置。
  30. 請求項1から請求項29のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記呼吸開口部(5)は、パイプ、ダクト、若しくは他の接続部のような、前記呼吸装置を顔マスクに接続するのに適した接続部を備える、呼吸装置(1)。
  31. 請求項1から請求項30のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記第1の壁部(16)及び/若しくは第2の壁部(18)は、存在する場合、完全に若しくは部分的に疎水性である、呼吸装置(1)。
  32. 請求項1から請求項31のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記再呼吸空気チャンバ(15)は、1リットルと16リットルとの間の体積を有する、呼吸装置(1)。
  33. 請求項1から請求項32のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記第1の壁部(16)及び/若しくは第2の壁部は、ひだをつけるなどで、折りたたみ可能である、呼吸装置(1)。
  34. 請求項1から請求項33のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記再呼吸空気チャンバ(15)は、前記再呼吸空気チャンバの幾何形状を変化させることによって、体積的に大きさが調整可能であり、及び/若しくは、前記第1の壁部の透過性は、きさが調整可能である、呼吸装置(1)。
  35. 請求項1から請求項34のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記呼吸経路は、少なくとも1.0cm2の最小断面を有する、呼吸装置(1)。
  36. 請求項1から請求項35のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記第1の壁部(3,10,16)若しくは吸い口(2)は、約2ナノメートルを超える、平均的な細孔サイズ及び/若しくは貫通開口部サイズを有する、呼吸装置(1)。
  37. 請求項1から請求項36のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    第1の壁部は、20℃及び標準大気(101.325kPa)で決定された標準空気に対する気体透過流速を有し、前記気体透過流速は、少なくとも約0.0005m3/(秒*m2*kPa)であり、且つ、前記再呼吸空気チャンバの内部と前記周囲大気との間の圧力差は、5パスカルと35パスカルとの間である、呼吸装置(1)。
  38. 請求項1から請求項37のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記第1の壁部(3,10,16)は重合体膜を備え、前記重合体膜は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリビニリデン・ジフルオリド(PVDF)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、紙、植物繊維、生分解性材料、及び/若しくは上述の重合体のうちの任意のものを備える組み合わせを備える、呼吸装置(1)。
  39. 請求項1から請求項38のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記再呼吸空気チャンバ(15)の少なくとも一部分は折りたためるものではな、呼吸装置(1)。
  40. 請求項1から請求項39のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記少なくとも1つの貫通開口部の1つ以上は、バルブ(38)を備え付けている、呼吸装置(1)。
  41. 請求項1から請求項40のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記再呼吸空気チャンバ(15)は、圧縮した水を排出するためのバルブを備える、呼吸装置(1)。
  42. 請求項1から請求項41のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記呼吸装置は、前記呼吸装置の中に組み込まれたCO2感知装置若しくはO2感知装置を備え、これらの装置は、吸い込まれた空気及び/若しくは吐き出された空気のCO2レベル及び/若しくはO2レベルを測定するように構成される、呼吸装置(1)。
  43. 請求項1から請求項42のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記呼吸装置は、O2感知装置を備え、前記O2感知装置は、ユーザのO2レベルを測定することを目的として構成される、呼吸装置(1)。
  44. 請求項1から請求項43のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記呼吸装置は、前記再呼吸空気チャンバ(15)から湿気を吸収するように構成された少なくとも1つの湿気吸収要素を備え、呼吸装置(1)。
  45. 請求項1から請求項44のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記呼吸装置は香り付け装置を備え、前記香り付け装置は、メントールの香りを有するべく香り付けをするなど、再呼吸気体の匂いを変化させるように構成される、呼吸装置(1)。
  46. 請求項1から請求項45のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記第2の壁部(18)及び/若しくは第1の壁部(16)は、前記再呼吸空気チャンバ(15)から水を排出するように構成された水輸送要素を備え、前記水輸送要素は、ある材料から作製されるか、若しくは、ある材料を備え、前記ある材料は、前記再呼吸空気チャンバ(15)から前記周囲大気へ、若しくは水収集ユニットへ水を輸送するための通路を提供する、呼吸装置(1)。
  47. 請求項1から請求項46のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    小室(9,21,22)を更に備え、前記小室(9,21,22)の内部には、使用されていない場合、前記吸い口(2)の一部分及び前記再呼吸空気チャンバ(15)が格納される、呼吸装置(1)。
  48. 請求項47に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記吸い口(2)の前記一部分及び前記再呼吸空気チャンバ(15)は、取り替え可能である、呼吸装置(1)。
  49. 請求項47若しくは請求項48に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記小室(21)は、蓋のような2つの着脱可能な小室要素(22)を備え、各々は、取り替え可能であり、前記2つの着脱可能な小室要素は、装置が使用されない場合、前記再呼吸空気チャンバ(15)若しくは呼吸経路のいずれかへのアクセスを妨げ、前記着脱可能な小室要素(22)は、位置変更されるなど、取り外される若しくは取り替えられる場合、前記再呼吸空気チャンバ(15)へのアクセス、及び/若しくは前記呼吸経路(2)へのアクセスを提供するように構成される、呼吸装置(1)。
  50. 請求項46から請求項48のいずれか一項に記載の呼吸装置(1)であって、
    前記小室要素(22)は、使用していない間に、前記再呼吸空気チャンバ(15)若しくは呼吸経路へのアクセスがある端部に隣接する2つの側(23)で位置変更されるなどで、取り替えられるように構成され、それによって、使用中に前記呼吸装置をより良く把持することを提供する、呼吸要素(1)。
  51. 請求項1から請求項50のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ(15)は、前記吸い口(2)から着脱可能であると共に、前記吸い口(2)に再取り付け可能である、呼吸装置。
  52. 請求項1から請求項51のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ(15)に、直接流体連通ではなく、取り付けられた安定チャンバ/構造体(13)を更に備え、前記安定チャンバ/構造体(13)は、再呼吸の吸い込み段階の間に、前記再呼吸空気チャンバが完全につぶれることを妨げるように構成される、呼吸装置。
  53. 請求項1から請求項52のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ(15)は、前記再呼吸空気チャンバの空気を空にするように構成された、1つ以上の放出バルブ(14)を備える、呼吸装置。
  54. 請求項1から請求項53のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    片頭痛の治療に使用するための、呼吸装置。
  55. 請求項1から請求項54のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    癲癇の治療に使用するための、呼吸装置。
  56. 請求項1から請求項55のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    熱性痙攣の治療に使用するための、呼吸装置。
  57. 請求項1から請求項56のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    腰椎穿刺性頭痛の治療に使用するための、呼吸装置。
  58. 請求項1から請求項57のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    喘息の予防的治療に使用するための、呼吸装置。
  59. 請求項1から請求項58のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、心
    拍停止の治療に使用するための、呼吸装置。
  60. 請求項1から請求項59のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバは、そのサイズを減少させるべく、折りたたみ可能である、呼吸装置。
  61. 請求項7に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、前記接続器(26)に配置された多数の平行に伸びる折りたたみ線(32)を備えることによって、折りたたみ可能であり、これによって、空気呼吸接続器(26)が、直方体である空隙(33)を定義する配置に折りたたまれることを可能にし、前吸空気チャンバ接続器(26)の寸法は、折りたたまれた配置にある場合、前記再呼吸空気チャンバ(15)の少なくとも一部分が、前記空隙(33)の内部に収容されるように、選択される、呼吸装置。
  62. 請求項61に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は滑動部(24)を備え、前記滑動部(24)は、前記滑動部(24)が一方の側に移動する場合、前記再呼吸空気チャンバ(15)の中への開口部を提供し、前記滑動部(24)は、1つ以上の貫通開口部(30)の覆いをとる、若しくは1つ以上の貫通開口部(30)を覆うことによって、前記再呼吸空気チャンバ(15)の中への空気の流れを調節することを目的として構成される、呼吸装置。
  63. 請求項61若しくは請求項62に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、1つ以上の貫通開口部(27)を備える、若しくは1つ以上の貫通開口部(27)を更に備え、前記1つ以上の貫通開口部(27)は、サイズが調節可能ではなく、且つ、前記再呼吸空気チャンバに入る、及び/若しくは前記再呼吸空気チャンバから出る際の、前記周囲大気との流体連通を可能にする、呼吸装置。
  64. 請求項61から請求項63のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、細長い展開された要素(34)を備え、前記細長い展開された要素(34)は、前記接続器(26)の表面に沿う折りたたみ線に垂直である方向に滑動可能に伸びると共に、1つの端部(34a)で前記接続器(26)に固定され、その結果として、固定された端部の反対側の端部で前記細長い展開された要素(34)をユーザが引っ張ることによって、その折りたたまれた配置から前記再呼吸空気チャンバ接続器を展開することを目的として構成される、呼吸装置。
  65. 請求項64に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、前記接続器(26)上の案内位置に前記細長い展開された要素(34)を維持する案内要素(35)を備える、呼吸装置。
  66. 請求項64若しくは請求項65に記載の呼吸装置であって、
    前記細長い展開要素(34)及び/若しくは前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)は、掛け金を備え、前記掛け金は、前記再呼吸空気チャンバ接続器(26)がその展開された配置にある場合、前記細長い展開要素の位置を掛け金で留めることを目的として構成される、呼吸装置。
  67. 請求項1から請求項66のいずれか一項に記載の呼吸装置であって、
    前記再呼吸空気チャンバ(15)は、前記再呼吸空気チャンバの壁部に取り付けられた細片(37)を備え、前記細片(37)は、ユーザが、折りたたまれた配置から前記再呼吸空気チャンバを展開するべく、前記再呼吸空気チャンバ(15)を膨張させることを可能にし、その結果として、ユーザが、前記再呼吸空気チャンバの中に空気を吐き出すことを容易にする、呼吸装置。
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