以下、本発明の一実施形態に係る血圧測定装置1の一例について、図1乃至図31を用いて以下例示する。
図1は、本発明の一実施形態に係る血圧測定装置1の構成を示す斜視図である。図2は、血圧測定装置1の構成を分解して示す斜視図である。図3は、血圧測定装置1の構成を示す側面図である。図4は、血圧測定装置1を手首200に装着した状態を示す説明図である。図5は、血圧測定装置1の構成を示すブロック図である。図6は、血圧測定装置1の構成を示す斜視図である。図7は、血圧測定装置1の外郭ケース31の構成を示す斜視図である。
図8は、血圧測定装置1の構成を一部省略して示す斜視図であり、具体的には、血圧測定装置1のケース11内の構成を示す斜視図である。図9は、血圧測定装置1の構成を一部分解して示す斜視図であり、具体的には、電力供給部18が分解された状態を示す斜視図である。図10は、血圧測定装置1の構成を一部省略して示す平面図であり、具体的には、血圧測定装置1のケース11内の構成を示す平面図である。図11は、外郭ケース31の、孔31c及びその近傍の構成を示す断面図である。
図12は、血圧測定装置1の構成を示す断面図であり、具体的には、ポンプ14及び電力供給部18、及びその近傍の構成を示す断面図である。図13は、開閉弁16及び圧力センサ17の構成を示す斜視図である。図14は、開閉弁16及び圧力センサ17の構成を、手首200側から見た状態を示す平面図である。
図15は、血圧測定装置1のカーラ5及びカフ構造体6の構成を示す分解して示す斜視図である。図16は、血圧測定装置1のカーラ5及びカフ構造体6の構成を示す断面図である。図17は、血圧測定装置1のカーラ5及びカフ構造体6の構成を示す断面図である。
図18は、血圧測定装置1の引張カフ74の構成を示す断面図である。図19は、血圧測定装置1の引張カフ74の構成を示す断面図である。図20は、血圧測定装置1のカーラ5の構成を示す斜視図である。図21は、血圧測定装置1のカフ構造体6の手首200側の構成示す平面図である。図22は、カフ構造体6をカーラ5の内周面側から見た状態を示す平面図である。図23は、血圧測定装置1の押圧カフ71の構成を示す平面図である。図24は、押圧カフ71の構成を示す図23中XXIV-XXIV線断面で示す断面図である。
図25は、血圧測定装置1のセンシングカフ73の構成を示す平面図である。図26は、血圧測定装置1のセンシングカフ73の構成を示す図25中XXVI-XXVI線断面で示す断面図である。図27は、血圧測定装置1の使用の一例を示す流れ図である。図28は、血圧測定装置1を手首200に装着する一例を示す斜視図である。図29は、血圧測定装置1を手首200に装着する一例を示す斜視図である。図30は、血圧測定装置1を手首200に装着する一例を示す斜視図である。図31は、血圧測定装置1が手首200に取り付けられた状態を模式的に示す断面図である。
血圧測定装置1は、生体に装着する電子血圧測定装置である。本実施形態においては、生体の手首200に装着するウェアラブルデバイスの態様をもつ電子血圧測定装置を用いて説明する。
図1乃至図6に示すように、血圧測定装置1は、装置本体3と、手首200に装置本体3を固定するベルト4と、ベルト4及び手首200の間に配置されるカーラ5と、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74を有するカフ構造体6と、装置本体3及びカフ構造体6を流体的に接続する流体回路7と、カーラ5に設けられた給電部8と、を備えている。
図1乃至図5に示すように、装置本体3は、例えば、ケース11と、表示部12と、操作部13と、ポンプ14と、流路部15と、開閉弁16と、圧力センサ17と、電力供給部18と、振動モータ19と、制御基板20と、を備えている。装置本体3は、ポンプ14、開閉弁16、圧力センサ17及び制御基板20等によって、カフ構造体6に流体を供給する。
図1乃至図6に示すように、ケース11は、外郭ケース31と、外郭ケース31の手首200側とは反対側(外方側)の開口を覆う風防32と、外郭ケース31の内部の手首200側に設けられた基部33と、外郭ケース31の手首200側を覆う裏カバー35と、裏カバー35の下面に設けられるシール部材36と、フィルタ37と、を備えている。
図6に示すように、外郭ケース31は、円筒状に形成される。外郭ケース31は、外周面の周方向で対称位置にそれぞれ設けられた一対のラグ31aと、2つの一対のラグ31a間にそれぞれ設けられるバネ棒31bと、を備えている。また、図7及び図11に示すように、外郭ケース31の外周面の一対のラグ31aの間の、裏カバー35側の端部は、面取りがされており、外郭ケース31の中心線に対して傾斜する面に構成される。外周面31fの、この面取りされた部分を、面取り部31hとする。
面取り部31hは、図7及び図11に示すように、ベルト4が装着された状態では、ベルト4のケース11側の一端により覆われることで、外部に露出することを抑制される。面取り部31hは、ベルト4の外郭ケース31側の一端との間に、所定の隙間を有する例えば曲面に構成される。
外郭ケース31は、外郭ケース31の内部及び外部を連続する孔31cを有する。孔31cは、一方の一対のラグ31a間、及び他方の一対のラグ31aに形成される。孔31cは、外郭ケース31を厚み方向に貫通する。孔31cは、一対のラグ31a間に、例えば複数、具体例として2つ形成される。これら2つの孔31cは、外郭ケース31の周方向に並んで配置される。
図11に示すように、孔31cは、直線状に延びる。孔31cの外郭ケース31の内面に配置される第1開口端31dは、外郭ケース31の外面に配置される。第1開口端31dは、外郭ケース31の内周面の、周方向で一対のラグ31aの間の部分に配置される。第1開口端31dは、外郭ケース31の軸方向Dで、第2開口端31eに対して風防32側に配置される。
孔31cの外郭ケース31の外面に配置される第2開口端31eは、外郭ケース31の外周面31fの、周方向で一対のラグ31aの間の部分であって、外郭ケース31の軸方向Dで、手首200側、換言すると裏カバー35側に位置する。
本実施形態では、第2開口端31eは、一例として、外郭ケース31の外周面31fの面取り部31hに配置される。一方の一対のラグ31a間に形成される孔31cの第2開口端31eは、ベルト4の後述する第1ベルト61に対向し、第1ベルト61に覆われる。他方の一対のラグ31a間に形成される孔31cの第2開口端31eは、ベルト4の後述する第2ベルト62に対向し、第2ベルト62に覆われる。
このように構成された孔31cは、当該孔31cの延びる方向が、例えば外郭ケース31の中心線に対して傾斜する形状に構成される。孔31cの延びる方向は、外郭ケース31の中心線に対して、例えば、45度傾斜する方向に設定される。
風防32は、例えば、円形状のガラス板である。
基部33は、表示部12、操作部13、ポンプ14、開閉弁16、圧力センサ17、電力供給部18、振動モータ19及び制御基板20を保持する。また、基部33は、例えば、ポンプ14及びカフ構造体6を流体的に連続する流路部15の一部を構成する。
裏カバー35は、中央側が開口する環状に構成される。裏カバー35は、外郭ケース31の手首200側の端部の外周縁側を覆う。このような裏カバー35は、カーラ5と一体に組み合わされることで、中央の開口がカーラ5により覆われ、そしてカーラ5とともに外郭ケース31の手首200側の端部を覆う裏蓋を構成する。具体的には、裏カバー35は、4つの第1締結部材35aによってカーラ5に固定されるとともに、4つの第2締結部材35bによって外郭ケース31の手首200側の端部に固定される。裏カバー35は、底部に設けられ、カーラ5に固定される第1締結部材35aを挿通する4つの孔部35cと、外周部の4箇所が径方向に突出し、この突出した部位に設けられた外郭ケース31に固定される第2締結部材35bを挿通する4つの孔部35dと、を有する。
第1締結部材35a及び第2締結部材35bは、螺子、ボルト、ビス、リベット等の二つの部品を機械的に締結する部材である。本実施形態において、第1締結部材35a及び第2締結部材35bは、ネジである。
シール部材36は、裏カバー35のカーラ5と接触する領域の形状に形成された、例えば両面テープである。シール部材36は、カーラ5及び裏カバー35の間に存することで、カーラ5及び裏カバー35間をシールする。
フィルタ37は、図11に示すように、孔31cの第1開口端31dに設けられる。フィルタ37は、第1開口端31dを覆う。フィルタ37は、空気を通して、水の通過を規制する機能を有する。ここで言う規制とは、水の通過量を制限することを意味する。フィルタ37は、水の通過を防止する性能を有することが好ましい。
表示部12は、外郭ケース31の基部33上であって、且つ、風防32の直下に配置される。図5に示すように、表示部12は、電気的に制御基板20に接続される。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。表示部12は、日時や最高血圧及び最低血圧などの血圧値や心拍数等の測定結果を含む各種情報を表示する。
操作部13は、使用者からの指令を入力可能に構成される。例えば、操作部13は、図5に示すように、ケース11に設けられた複数の釦41と、釦41の操作を検出するセンサ42と、表示部12又は風防32に設けられたタッチパネル43と、を備える。操作部13は、使用者が操作することで、指令を電気信号に変換する。センサ42及びタッチパネル43は、電気的に制御基板20に接続され、電気信号を制御基板20へ出力する。
複数の釦41は、例えば3つ設けられる。釦41は、基部33に支持されるとともに、外郭ケース31の外周面から突出する。複数の釦41及び複数のセンサ42は、基部33に支持される。タッチパネル43は、例えば、風防32に一体に設けられる。
図9に示すように、ポンプ14は、例えば圧電ポンプである。ポンプ14は、空気を圧縮し、流路部15を介して圧縮空気をカフ構造体6に供給する。ポンプ14は、電気的に制御基板20に接続される。
ポンプ14は、例えば、平面視で矩形状に構成される。ポンプ14は、ポンプ14の風防32側の面14cの一つの辺14a、すなわち端部が、外郭ケース31の軸方向Dに直交する方向で外郭ケース31の中心側に配置され、風防32側の面14cの辺14aに対向する辺14b、すなわち他端部が、フィルタ37側に配置される。辺14aは、ポンプ14の、外郭ケース31の中心側の端部の一例である。
ポンプ14の風防32側の面14cは、図11に示すように、一方の一対のラグ31aから他方の一対のラグ31aへ向かう方向で、第1開口端31dと対向する位置に配置される。ポンプ14は、図9に示すように、吸い込み孔14dを有する。吸い込み孔14dは、面14cに配置される。吸い込み孔14dは、一例として複数設けられ、具体例として3つ設けられる。ここで、3つの吸い込み孔14dを、第1吸い込み孔14d1、第2吸い込み孔14d2、及び第3吸い込み孔14d3とする。
ポンプ14は、外郭ケース31内で、外郭ケース31の軸方向Dに直交する方向で開閉弁16から離れた位置に配置される。さらに、ポンプ14の外郭ケース31内の位置について説明する。ここで、一方の一対のラグ31aから他方の一対のラグ31aへ向かう方向に平行な方向を第1方向と称する。第1方向に直交し、かつ外郭ケース31の軸方向Dに直交する方向を第2方向と称する。ポンプ14は、第2方向で外郭ケース31の中心側であって、かつ、第1方向で外郭ケース31の中心よりも一方側に配置される。ポンプ14は、具体例として、第1方向でフィルタ37に対向する位置に配置される。ポンプ14は、一例として、両面テープで、基部33に固定される。第1吸い込み孔14d1は、辺14aの近傍で、2方向で中心側に配置される。
第2吸い込み孔14d2は、第1方向で孔31cの第1開口端31d側であって、かつ、第2方向で一方側に配置される。第2吸い込み孔14d2は、風防32側の面14cの、例えば、辺14a及び辺14bを結ぶ2つの辺14eの一方の近傍で、辺14a及び辺14bの間の中心よりもフィルタ37側に配置される。
第3吸い込み孔14d3は、第1方向で孔31cの第1開口端31d側であって、かつ、第2方向で他方側に配置される。第3吸い込み孔14d3は、例えば、辺14a及び辺14bを結ぶ2つの辺14eの他方の近傍で、辺14a及び辺14bの間の中心よりもフィルタ37側に配置される。
流路部15は、図5に示すように、ポンプ14から押圧カフ71及び引張カフ74へつながる流路、及び、ポンプ14からセンシングカフ73へつながる流路を構成する。また、流路部15は、押圧カフ71及び引張カフ74から大気へつながる流路、及び、センシングカフ73から大気へつながる流路を構成する。流路部15は、基部33等に設けられた中空部、溝、流路タンク及びチューブ等により構成された空気の流路である。
開閉弁16は、流路部15の一部を開閉する。開閉弁16は、複数、具体例として、図5に示すように、4つ設けられ、各開閉弁16の開閉の組み合わせによりポンプ14から押圧カフ71及び引張カフ74へつながる流路、ポンプ14からセンシングカフ73へつながる流路、押圧カフ71及び引張カフ74から大気へつながる流路、及び、センシングカフ73から大気へつながる流路を選択的に開閉する。具体例として、4つの開閉弁16は、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dにより構成される。第1開閉弁16Aは、ポンプ14とセンシングカフ73とを接続する流路を開閉する。第2開閉弁16Bは、ポンプ14と引張カフ74とを接続する流路を開閉する。第2開閉弁16B及び第3開閉弁16Cは、ポンプ14と押圧カフ71とを接続する流路を開閉する。第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dは、ポンプ14及び大気を接続する流路を開閉する。
図8乃至図10、図13及び図14に示すように、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dは、ポンプ14及び電力供給部18に対して、外郭ケース31の軸方向Dで直交する方向で、離れた位置に配置される。第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dは、具体例として、外郭ケース31内で、第2方向で外郭ケース31の中心より一方側に配置される。
第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dは、支持板39に支持される。支持板39に支持された第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dは、外郭ケース31の軸方向Dに対して直交する方向で、ポンプ14及び電力供給部18に対して離れた位置に配置される。換言すると、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dは、外郭ケース31の軸方向Dで、ポンプ14及び電力供給部18と重ならない。本実施形態では、一例として、支持板39も、外郭ケース31の軸方向Dに対して直交する方向で、ポンプ14及び電力供給部18と離れた位置に配置される。
第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dは、制御基板20に電気的に接続される。
第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dは、一例として、支持板39の裏カバー35側の面に固定される。第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dは、一例として、第2方向で、外郭ケース31の中心を挟んで釦41に対して反対側に配置される。
このように構成された第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dは、図10中に点線で示すように、第1方向でポンプ14側の一端側から他端側へ、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、第4開閉弁16Dの順番で並んで配置される。
圧力センサ17は、図5に示すように、少なくともセンシングカフ73の圧力を検出する。圧力センサ17は、例えば、第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bを備える。圧力センサ17は、検出した圧力を電気信号に変換し、制御基板20へ出力する。例えば、第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bは、流路部15の第1圧力センサ17A及びセンシングカフ73を接続する流路に設けられる。この流路は押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74とポンプ14とが、各開閉弁の開閉によって連続することから、これら流路内の圧力がポンプ14のつながる押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74の内部空間の圧力となる。
具体例として圧力センサ17は、第1開閉弁16Aが開であり、そして、第2開閉弁16Bを閉であるときにセンシングカフ73の圧力、換言すると、ポンプ14及びセンシングカフ73を接続する流路部15の圧力を検出する。また、圧力センサ17は、第1開閉弁16A及び第2開閉弁16Bが開であり、そして、第3開閉弁16Cが閉であるときに、センシングカフ73及び引張カフ74の圧力、換言すると、ポンプ14、センシングカフ73及び引張カフ74を接続する流路部15の圧力を検出する。さらに、圧力センサ17は、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B及び第3開閉弁16Cが開であり、そして、第4開閉弁16Dが開又は閉であるときに、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74の圧力、換言すると、ポンプ14、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74を接続する流路部15の圧力を検出する。
第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bは、外郭ケース31の軸方向Dに対して直交する方向で、ポンプ14及び電力供給部18からは離れた位置に配置される。換言すると、第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bは、外郭ケース31の軸方向Dで、ポンプ14及び電力供給部18と重ならない。第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bは、具体例として、図13に示すように、例えば、支持板39に支持される。
このように構成された第1圧力センサ17A、及び第2圧力センサ17Bは、図10中に点線で示すように、第1方向で、第1開閉弁16Aよりもポンプ14側の一端側に配置される。さらに、第1圧力センサ17A、及び第2圧力センサ17Bは、第1方向でポンプ14側の一端側から他端側へ、第1圧力センサ17A、第2圧力センサ17Bの順番で配置される。
電力供給部18は、例えば、リチウムイオンバッテリ等の二次電池である。電力供給部18は、図5に示すように、制御基板20に電気的に接続される。電力供給部18は、制御基板20に電力を供給する。
電力供給部18は、ポンプ14の風防32側の面18aに固定される。電力供給部18は、一方向に長い形状に構成され、一例として、直方体状に構成される。図8及び図9に示すように、電力供給部18の短手方向の長さは、電力供給部18がポンプ14に固定された状態における電力供給部18の短手方向に沿うポンプ14の長さと略同じ長さである。換言すると、電力供給部18の短手方向の幅は、ポンプ14の第2方向に沿う幅と略同じである。
電力供給部18は、長手方向が第1方向に沿う姿勢で、長手方向の一方側がポンプ14に対向して配置される。ここで言う一方側がポンプ14に対向するとは、ポンプ14の長手方向の中心が、ポンプ14のケース11の中心側の端部となる辺14aと、外郭ケース31の軸方向Dで対向すること、および、ポンプ14のケース11の中心の近傍が、ポンプ14のケース11の中心側の端部となる辺14aと対向することを含む。さらに、電力供給部18は、例えば、電力供給部18の短手方向の中心が、ポンプ14の第2方向の中心と対向して配置される。
図9に示すように、電力供給部18は、ポンプ14のケース11の中心側の端部である、風防32側の面14cの、外郭ケース31の中心側の辺14a側に、両面テープ38により固定される。両面テープ38は、ポンプ14の面14cの第2方向の両端部のそれぞれに設けられる。なお、一方の両面テープ38は、ポンプ14の面14cに配置された第2吸い込み孔14d2よりも辺14a側に配置される。他方の両面テープ38は、面14cに配置された第3吸い込み孔14d3よりも辺14a側に配置される。両面テープ38は、第1方向に沿う帯状に構成される。
このように構成された電力供給部18の長手方向の一方側は、外郭ケース31の軸方向Dで、ポンプ14と対向する。電力供給部18の長手方向の他方側は、外郭ケース31の軸方向Dで、制御基板20に対して風防32側に配置される。電力供給部18及び制御基板20を接続する配線は、電力供給部18の、長手方向で、制御基板20側の一端に配置される。
図11に示すように、両面テープ38は、電力供給部18及びポンプ14の間に設けられ、ポンプ14及び電力供給部18を固定する。両面テープ38は、両面テープ38の厚みに応じた隙間Sを、ポンプ14及び電力供給部18間に生じさせる。隙間Sは、第1方向で、フィルタ37を介して孔31cの第1開口端31dと対向する。換言すると、隙間Sは、外郭ケース31の軸方向Dで、第1開口端31dの一部と同じ高さ位置に存する。
図5に示すように、制御基板20は、例えば、基板51と、加速度センサ52と、通信部53と、記憶部54と、制御部55と、を備えている。制御基板20は、加速度センサ52、通信部53、記憶部54及び制御部55が基板51に実装されることで構成される。
基板51は、ケース11の基部33にビス等によって固定される。
加速度センサ52は、例えば、3軸加速度センサである。加速度センサ52は、装置本体3の互いに直交する3方向の加速度を表す加速度信号を制御部55に出力する。例えば、加速度センサ52は、検出された加速度から血圧測定装置1を装着した生体の活動量を測定するために用いられる。
通信部53は、外部の装置と無線又は有線によって情報を送受信可能に構成される。通信部53は、例えば、制御部55によって制御された情報や測定された血圧値及び脈拍等の情報を、ネットワークを介して外部の装置へ送信し、また、外部の装置からネットワークを介してソフトウェア更新用のプログラム等を受信して制御部に送る。
本実施形態において、ネットワークは、例えばインターネットであるが、これに限定されず、病院内に設けられたLAN(Local Area Network)等のネットワークであってもよく、また、USB等の所定の規格の端子を有するケーブルなどを用いた外部の装置との直接的な通信であってもよい。このため、通信部53は、無線アンテナ及びマイクロUSBコネクタ等の複数を含む構成であってもよい。
記憶部54は、血圧測定装置1全体及び流体回路7を制御するためのプログラムデータ、血圧測定装置1の各種機能を設定するための設定データ、圧力センサ17で測定された圧力から血圧値や脈拍を算出するための算出データ等を予め記憶する。また、記憶部54は、測定された血圧値や脈拍等の情報を記憶する。
制御部55は、単数又は複数のCPUにより構成され、血圧測定装置1全体の動作、及び、流体回路7の動作を制御する。制御部55は、表示部12、操作部13、ポンプ14、各開閉弁16及び各圧力センサ17に電気的に接続されるとともに、電力を供給する。また、制御部55は、操作部13及び圧力センサ17が出力する電気信号に基づいて、表示部12、ポンプ14及び開閉弁16の動作を制御する。
例えば、制御部55は、図5に示すように、血圧測定装置1全体の動作を制御するメインCPU(Central Processing Unit)56及び流体回路7の動作を制御するサブCPU57を有する。例えば、メインCPU56は、圧力センサ17が出力する電気信号から、最高血圧及び最低血圧などの血圧値や心拍数などの測定結果を求め、この測定結果に対応した画像信号を表示部12へ出力する。
例えば、サブCPU57は、操作部13から血圧を測定する指令が入力されると、ポンプ14及び開閉弁16を駆動して押圧カフ71及びセンシングカフ73に圧縮空気を送る。また、サブCPU57は、圧力センサ17が出力する電気信号に基づいて、ポンプ14の駆動及び停止、並びに、開閉弁16の開閉を制御する。サブCPU57は、ポンプ14及び開閉弁16を制御することで、圧縮空気を押圧カフ71及びセンシングカフ73に選択的に送るとともに、押圧カフ71及びセンシングカフ73を選択的に減圧する。
このように構成された制御基板20は、図9に示すように、外郭ケース31の軸方向Dに直交する方向で、ポンプ14、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、第4開閉弁16D、第1圧力センサ17A、及び第2圧力センサ17Bに対して離れた位置に配置される。制御基板20は、具体的には、第1方向で、ポンプ14に対して離れた位置であって、第2方向で、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、第4開閉弁16D、第1圧力センサ17A、及び第2圧力センサ17Bに対して離れた位置に配置される。制御基板20は、例えば、粘着テープにより、基部33に固定される。
図1乃至図4に示すように、ベルト4は、一方の一対のラグ31a及びバネ棒31bに設けられた第1ベルト61と、他方の一対のラグ31a及びバネ棒31bに設けられた第2ベルト62と、を備える。ベルト4は、カーラ5を介して手首200に巻き付けられる。
第1ベルト61は、所謂親と呼ばれ、第2ベルト62と連結可能な帯状に構成される。第1ベルト61は、図1乃至図3に示すように、ベルト部61a及び尾錠61bを有する。ベルト部61aは、帯状に構成される。ベルト部61aは、弾性変形可能な樹脂材料で形成される。また、ベルト部61aは、可撓性を有するとともに、ベルト部61aの長手方向の伸縮が抑制されるシート状のインサート部材を内部に有する。ベルト部61aは、一方の端部に形成され、ベルト部61aの長手方向に直交する第1孔部61c及び他方の端部に形成され、第1ベルト61の長手方向に直交する第2孔部61dを有する。
図4に示すように、第1孔部61cは、ベルト部61aの端部に設けられる。第1孔部61cは、バネ棒31bを挿入可能、且つ、バネ棒31bに関して第1ベルト61が回転可能な内径を有する。即ち、第1ベルト61は、一対のラグ31aの間であって、且つ、バネ棒31bに第1孔部61cが配置されることで、外郭ケース31に回転可能に保持される。
図1及び図3に示すように、第2孔部61dは、ベルト部61aの先端に設けられる。第2孔部61dは、尾錠61bが取り付けられる。
このように構成されたベルト部61aのケース11側の一端は、外郭ケース31の面取り部31hに対向する。
図1及び図3に示すように、尾錠61bは、矩形枠状の枠状体61eと、枠状体61eに回転可能に取り付けられたつく棒61fと、を有する。枠状体61eは、つく棒61fが取り付けられた一辺が第2孔部61dに挿入され、ベルト部61aに関して回転可能に取り付けられる。
第2ベルト62は、所謂剣先と呼ばれ、枠状体61eに挿入可能な幅を有する帯状に構成される。第2ベルト62は、弾性変形可能な樹脂材料で形成される。また、第2ベルト62は、可撓性を有するとともに、第2ベルト62の長手方向の伸縮が抑制されるシート状のインサート部材を内部に有する。
また、第2ベルト62は、図1及び図2に示すように、つく棒61fが挿入される小孔62aを複数有する。また、第2ベルト62は、一方の端部に設けられ、第2ベルト62の長手方向に直交する第3孔部62bを有する。第3孔部62bは、バネ棒31bを挿入可能、且つ、バネ棒31bに関して第2ベルト62が回転可能な内径を有する。即ち、第2ベルト62は、一対のラグ31aの間であって、且つ、バネ棒31bに第3孔部62bが配置されることで、外郭ケース31に回転可能に保持される。
このように構成された第2ベルト62のケース11側の一端は、外郭ケース31の面取り部31hに対向する。
このようなベルト4は、第2ベルト62が枠状体61eに挿入され、小孔62aにつく棒61fが挿入されることで、第1ベルト61及び第2ベルト62が一体に接続され、外郭ケース31とともに、手首200の周方向に倣った環状となる。ベルト4は、手首200の周方向に倣った環状となることで、カーラ5を押圧し、カーラ5を血圧測定装置1の装着者の手首200の周方向に倣うように、弾性変形させる。
カーラ5は、図1乃至図4に示すように、手首200の周方向に倣って湾曲する帯状に構成される。カーラ5は、一端と他端が離間して形成される。カーラ5は、例えば、一端側の外面が装置本体3の裏カバー35に固定される。カーラ5は、一端及び他端が裏カバー35よりも手首200の一方の側方側に突出した位置に配置される。これにより、カーラ5は、血圧測定装置1を手首200に装着したときに、一端及び他端が手首200の側方に配置される。また、カーラ5は、所定の距離だけ離間して一端及び他端が隣接する。カーラ5は、例えば、樹脂材料で形成される。具体例として、カーラ5は、ポリプロピレンによって厚さが1mm程度に形成される。
具体例として、図1乃至図4に示すように、カーラ5は、手首200の周方向に倣って湾曲する帯状に構成される。また、カーラ5は、一端側の手首200の手の甲側に対向する位置に設けられ、裏カバー35とともに裏蓋を構成する円板状のカバー部5a、カバー部5aの周囲に設けられ、及び、外郭ケース31及び裏カバー35を固定する第2締結部材35bを移動可能な逃げ部5bを有する。カーラ5は、例えば、カバー部5a及びその隣接する部位が平板状に形成されるとともに、カバー部5aよりも一端側及び他端側が所定の曲率で湾曲して形成される。そして、カーラ5は、カバー部5aから一端までの長さが、カバー部5aから他端までの長さよりも短く形成される。具体例として、カーラ5は、カバー部5aから一端までの短手側が、手首200の手の甲側に配置され、そして、カバー部5aから他端までの長手側が、手首200の手の甲側から一方の側方を通って手首200の手の平側まで延びる。
また、図20に示すように、カーラ5は、一端及び他端が近接したときに、一端側の内周面側に他端が位置する形状に形成される。具体例として、カーラ5の手首200の幅方向の幅は、カーラ5の手首200の手の平側よりもカーラ5の手首200の手の甲側が大きく設定される。そして、カーラ5は、手首200の手の甲側の一端の曲率半径が手首200の手の平側の他端の曲率半径よりも大きく設定される。このような構成により、カーラ5は、カーラ5の両端側が当接すると、一端よりも他端がカーラ5の内方に配置される。また、カーラ5は、カバー部5aの一部、及び、カバー部5aから一端側の外面、さらに言えば、カバー部5aから延びる短手側の外面に、カバー部5aに隣接して設けられた窪み5cが設けられる。
カバー部5aは、インサートされた補強用のインサート部材5dを含む。カバー部5aは、固定された裏カバー35を介して外郭ケース31の手首200側に固定される。カバー部5aは、裏カバー35の4つの孔部35cと対向する位置に設けられ、裏カバー35を固定する第1締結部材35aが螺合される螺子孔5e、及び、カバー部5aは、カフ構造体6を装置本体3に接続するための3つ孔部5fを有する。
逃げ部5bは、裏カバー35側から外郭ケース31に裏カバー35を第2締結部材35bにより固定するときに、第2締結部材35bがカーラ5に干渉せずに第1締結部材35aを裏カバー35に配置するため及び第2締結部材35bを回転させる工具を配置するための逃げである。
3つの孔部5fは、押圧カフ71の後述する接続部84を挿入可能な内径に形成された第1孔部5f1と、センシングカフ73の後述する接続部93を挿入可能な内径に形成された第2孔部5f2と、引張カフ74の後述する接続部103を挿入可能な内径に形成された第3孔部5f3と、である。本実施形態において、第2孔部5f2は、第1孔部5f1及び第3孔部5f3よりも、カバー部5a内のカーラ5の手の平側の他端側に配置される。
このようなカーラ5は、一端及び他端がベルト4の第2ベルト62と対向する向きで外郭ケース31に固定される。また、カーラ5は、少なくとも、手首200の手の平側と対向する位置が、手首200の手の平側に沿って周方向に沿って湾曲することで、手首200の手の平側と対向するカフ構造体6を、手首200の手の平側の形状に倣って湾曲させた状態で保持する。
また、カーラ5は、可撓性及び形状保持性を有する硬さを有する。ここで、可撓性とは、カーラ5にベルト4の外力が印加されたときに径方向に形状が変形することをいう。例えば、可撓性とは、ベルト4によってカーラ5が押圧されたときに、手首200に近接するか、手首200の形状に沿うか、又は、手首200の形状に倣うように側面視の形状が変形することをいう。また、形状保持性とは、外力が印加されないときに、カーラ5が予め賦形された形状を維持できることをいう。例えば、形状保持性とは、本実施形態においてはカーラ5の形状が手首200の周方向に沿って湾曲する形状を維持できることである。
カーラ5は、内周面にカフ構造体6が配置され、そして、カーラ5の内周面形状に沿ってカフ構造体6を保持する。具体例として、カーラ5は、押圧カフ71及び引張カフ74が内周面に配置され、カーラ5並びに押圧カフ71及び引張カフ74との間に設けられる接合層75により、カフ構造体6が固定されることで、カフ構造体6を保持する。本実施形態においては、接合層75は、接着剤や両面テープである。
図1乃至図3、図15、図21及び図22に示すように、カフ構造体6は、押圧カフ71と、背板72と、センシングカフ73と、引張カフ74と、を備えている。また、カフ構造体6は、各構成同士、及び、カーラ5とカフ71、74を接合する接合層75を備えている。カフ構造体6は、カーラ5に固定される。カフ構造体6は、押圧カフ71、背板72及びセンシングカフ73が積層してカーラ5に配置され、引張カフ74が押圧カフ71、背板72及びセンシングカフ73と離間してカーラ5に配置される。
具体例として、カフ構造体6は、図4に示すように、カーラ5の手首200の手の平側の内周面に、カーラ5の内周面から手首200側に向かって、押圧カフ71、背板72及びセンシングカフ73の順に積層して固定される。また、カフ構造体6は、カーラ5の手首200の手の甲側の内周面に引張カフ74が配置される。カフ構造体6の各部材は、積層方向に隣接する部材に接合層75によって固定される。
押圧カフ71は、流路部15を介してポンプ14に流体的に接続される。押圧カフ71は、膨張することで背板72及びセンシングカフ73を手首200側に押圧する。押圧カフ71は、図15乃至図17に示すように、複数の、例えば二層の空気袋81と、カーラ5と対向する空気袋81に設けられた被接合部82と、空気袋81と連通する流路体83と、流路体83の先端に設けられた接続部84と、を含む。このような押圧カフ71は、複数のシート部材86を一体に溶着することで構成される。
ここで、空気袋81とは、袋状構造体であり、本実施形態においては血圧測定装置1がポンプ14により空気を用いる構成であることから、空気袋を用いて説明するが、空気以外の流体を用いる場合には、袋状構造体は当該流体により膨張する流体袋であればよい。複数の空気袋81は、積層され、積層方向に流体的に連通する。
空気袋81は、一方向に長い矩形状の袋形状に形成される。また、空気袋81は、短手方向の幅が、カーラ5の短手方向の幅と同じ幅に設定される。空気袋81は、例えば、二枚のシート部材86を組み合わせ、図21乃至図24に溶着部81aを示すように、一方向に長い矩形枠状に熱により溶着することで構成される。また、二層の空気袋81は、二つの空気袋81を熱により溶着して一体に組み合わせるか、又は、隣り合う空気袋81の対向するシート部材86同士を溶着したあとに空気袋81を溶着して形成することで構成される。具体例として、二層の空気袋81は、互いに対向するシート部材86に設けられた開口によって流体的に連続する。また、二層の空気袋81は、対向するシート部材86同士を外周縁に位置する溶着部81aよりも小さい四辺枠状にブリッジ溶着し、このブリッジ溶着部81bで複数の開口を囲うことで、隣り合う空気袋81を一体に形成し、そして、ブリッジ溶着部81bの内側で流体的に連続させる。ここで、ブリッジ溶着及びブリッジ溶着部81bのブリッジとは、隣り合う空気袋81を一体に接合することを意味する。
被接合部82は、カーラ5と隣接して配置される空気袋81の縁部の少なくとも一部に、単数又は複数設けられる。被接合部82は、空気袋81を構成するシート部材86の一部によって形成される。
本実施形態においては、被接合部82は、図15乃至図17、図21乃至図24に示すように、空気袋81の短手方向の縁部のそれぞれに一つずつ設けられる例を用いて説明する。なお、例えば、被接合部82は、スリットにより空気袋81の長手方向に分割されていてもよく、また、空気袋81の長手方向に複数設けられていてもよい。被接合部82は、押圧カフ71がカーラ5の内周面に配置されたときに、少なくとも、カーラ5の外周面に接合される。また、例えば、二つの被接合部82は、積層され、そして溶着される。
なお、二つの被接合部82は、例えば、空気袋81の短手方向の長さが異なる長さに設定される。この例においては、二つの被接合部82は、カーラ5の短手方向の一端側において積層されて溶着される。なお、二つの被接合部82は、先端がカーラ5の外周面に配置可能であれば、その長さは適宜設定可能であり、積層可能であってもなくてもよいが、積層可能な長さに設定される場合には、先端がカーラ5の外周面の外縁よりも外方に延設されない長さが好ましい。
流路体83は、図15乃至図18に示すように、一つの空気袋81、例えば、カーラ5に隣接する空気袋81の長手方向の一方の縁部の一部に一体に設けられる。具体例として、流路体83は、空気袋81の装置本体3に近い端部に設けられる。また、流路体83は、空気袋81の短手方向の幅よりも小さい幅で一方向に長い形状に形成され、先端が円形状に形成される。流路体83は、先端に接続部84を有する。流路体83は、接続部84を介して流路部15に接続され、装置本体3の流路部15と空気袋81との間の流路を構成する。
流路体83は、二枚のシート部材86に接続部84を配置した状態で、シート部材86の空気袋81を構成する領域に隣接するシート部材86の一部を一方向に長い枠状に熱により溶着することで構成される。このような流路体83は、カーラ5の内周面及び引張カフ74の間に配置され、先端がカーラ5のカバー部5aが設けられた領域の手首200側の主面であって、且つ、第1孔部5f1と対向する位置に配置される。また、流路体83の溶着部83aを除く幅は、例えば、3.8mmに形成される。
なお、流路体83が設けられる空気袋81は、二枚のシート部材86を矩形枠状に溶着する溶着部81aの一部を非溶着とし、流路体83を構成する溶着部83aと連続する構成とすることで、空気袋81が流路体83に流体的に連続する。
接続部84は、例えばニップルである。接続部84は、流路体83の先端に設けられる。接続部84の先端は、流路体83を構成する二枚のシート部材86のうち、カーラ5と対向するシート部材86から露出する。接続部84は、カーラ5の第1孔部5e1に挿通され、流路部15に接続される。
具体例として、押圧カフ71は、図16及び図17に示すように、手首200側から、第1シート部材86aと、第1シート部材86aと一層目の空気袋81を構成する第2シート部材86bと、第2シート部材86bと一体に接合されるとともに、被接合部82を構成する第3シート部材86cと、第3シート部材86cと二層目の空気袋81及び流路体83を構成する第4シート部材86dと、を備える。なお、押圧カフ71は、隣り合うシート部材86が熱による溶着により接合されることで一体に構成される。
第1シート部材86a及び第2シート部材86bは、空気袋81と同様の矩形状に構成され、四辺の周縁部が溶着されることで空気袋81を構成する。第2シート部材86b及び第3シート部材86cは、対向して配置され、それぞれ、二つの空気袋81を流体的に連続させる複数の開口86b1、86c1を有する。また、第2シート部材86b及び第3シート部材86cは、複数の開口86b1、86c1の周囲を、空気袋81を溶着した四辺よりも小さい四辺枠状に熱により溶着されることで、一体に接合される。
第3シート部材86cは、例えば、空気袋81、被接合部82及び流路体83を構成可能な形状に構成される。第4シート部材86dは、例えば、空気袋81及び流路体83を構成可能な形状に構成される。また、第4シート部材86dは、例えば、接続部84の先端を挿入可能な孔部86d1を有する。
第3シート部材86c及び第4シート部材86dは、対向して配置され、空気袋81及び流路体83が流体的に連続するように、空気袋81及び流路体83の周縁形状に沿って熱により溶着され、所定の形状に裁断されることで空気袋81、被接合部82及び流路体83を構成する。
第4シート部材86dは、孔部86d1に接続部84が配置され、そして、孔部86d1の周囲が接続部84と熱により溶着される。さらに、第4シート部材86dは、カーラ5の内周面に、第3シート部材86cの被接合部82はカーラ5の外周面に、それぞれ接合層75を介して接合される。
背板72は、図16及び図17に示すように、接合層75により押圧カフ71の第1シート部材86aの外面に貼付される。背板72は、樹脂材料で板状に形成される。背板72は、例えば、ポリプロピレンからなり、厚さが1mm程度の板状に形成される。背板72は、形状追従性を有する。
ここで、形状追従性とは、配置される手首200の被接触箇所の形状を倣うように背板72が変形可能な機能をいい、手首200の被接触箇所とは、背板72が対向する手首200の領域をいい、ここでの接触とは、直接的な接触及びセンシングカフ73を介した間接的な接触の双方を含む。
例えば、図17に示すように、背板72は、背板72の両主面に長手方向に対して直交する方向に延びる複数の溝72aを有する。図17に示すように、溝72aは、背板72の両主面にそれぞれ複数設けられる。両主面に設けられた複数の溝72aは、背板72の厚さ方向においてそれぞれ対向する。また、複数の溝72aは、背板72の長手方向に等間隔に配置される。
背板72は、複数の溝72aを有する部位が溝72aを有さない部位に比べて薄肉となることで、複数の溝72aを有する部位が変形しやすいことから、手首200の形状に倣って変形し、手首200の周方向に延在する形状追従性を有する。背板72は、手首200の手の平側を覆う長さに形成される。背板72は、手首200の形状に沿った状態で、押圧カフ71からの押圧力をセンシングカフ73の背板72側の主面に伝達する。
センシングカフ73は、流路部15を介してポンプ14に流体的に接続される。センシングカフ73は、背板72の手首200側の主面に固定される。センシングカフ73は、図4及び図16に示すように、手首200の動脈210が存する領域に直接接触する。ここで、動脈210とは、橈骨動脈及び尺骨動脈である。センシングカフ73は、背板72の長手方向及び幅方向で、背板72と同一形状か、又は、背板72よりも小さい形状に形成される。センシングカフ73は、膨張することで手首200の手の平側の動脈210が存する領域を圧迫する。センシングカフ73は、膨張した押圧カフ71により、背板72を介して手首200側に押圧される。
具体例として、センシングカフ73は、図16、図17、図25及び図26に示すように、一つの空気袋91と、空気袋91と連通する流路体92と、流路体92の先端に設けられた接続部93と、を含む。センシングカフ73は、空気袋91の一方の主面が背板72に固定される。例えば、センシングカフ73は、背板72の手首200側の主面に接合層75により接合される。このようなセンシングカフ73は、二枚のシート部材96を一体に溶着することで構成される。
ここで、空気袋91とは、袋状構造体であり、本実施形態においては血圧測定装置1がポンプ14により空気を用いる構成であることから、空気袋を用いて説明するが、空気以外の流体を用いる場合には、袋状構造体は当該流体により膨張する流体袋であればよい。
空気袋91は、一方向に長い矩形状に構成される。空気袋91は、例えば、一方向に長い二枚のシート部材96を組み合わせ、図16、図17、図21、図25及び図26に溶着部91aを示すように、一方向に長い矩形枠状に熱により溶着することで構成される。また、空気袋91は、例えば、空気袋91を背板72に接合層75を用いて接合するための面積を確保するために、接合代91bを有する。接合代91bは、例えば、背板72に対向するシート部材96により形成される。
流路体92は、空気袋91の長手方向の一方の縁部の一部に一体に設けられる。具体例として、流路体92は、空気袋91の装置本体3に近い端部に設けられる。また、流路体92は、空気袋91の短手方向の幅よりも小さい幅で一方向に長い形状に形成され、先端が円形状に形成される。流路体92は、先端に接続部93を有する。流路体92は、先端に、接続部93を有する。流路体92は、接続部93を介して流路部15に接続され、装置本体3の流路部15と空気袋91との間の流路を構成する。
流路体92は、二枚のシート部材96に接続部93を配置した状態で、シート部材96の空気袋91を構成する領域に隣接するシート部材96の一部を一方向に長い枠状に熱により溶着することで構成される。なお、空気袋91は、二枚のシート部材96を矩形枠状に溶着する溶着部91aの一部を非溶着とし、流路体92を構成する溶着部92aと連続する構成とすることで、空気袋91及び流路体92を流体的に連続する。このような流路体92は、カーラ5の内周面及び引張カフ74の間に配置され、先端がカーラ5のカバー部5aが設けられた領域の手首200側の主面であって、且つ、第2孔部5f2と対向する位置に配置される。また、流路体92の溶着部92aを除く幅は、例えば、3.8mmに形成される。
接続部93は、例えばニップルである。接続部93は、流路体92の先端に設けられる。また、接続部93の先端は、流路体92を構成する二枚のシート部材96のうち、カーラ5及び背板72と対向するシート部材96から外部に露出する。接続部93は、カーラ5の第2孔部5e2に挿通され、流路部15に接続される。
具体例として、センシングカフ73は、図16及び図17に示すように、手首200側から第5シート部材96a及び第6シート部材96bを備える。なお、センシングカフ73は、隣り合うシート部材96が熱による溶着により接合されることで構成される。
例えば、第5シート部材96a及び第6シート部材96bは、空気袋91、接合代91b及び流路体92を構成可能な形状に構成される。第5シート部材96a及び第6シート部材96bは、対向して配置され、空気袋91及び流路体92が流体的に連続するように、空気袋91及び流路体92の周縁形状に沿って熱により溶着され、所定の形状に裁断されることで空気袋91及び流路体92を構成する。
また、第6シート部材96bは、例えば、接続部93の先端を挿入可能な孔部96b1を有する。第6シート部材96bは、孔部96b1に接続部93が配置され、そして、孔部96b1の周囲が接続部93と熱により溶着される。第6シート部材96bは、背板72の内周面に、接合層75を介して接合される。
引張カフ74は、流路部15を介してポンプ14に流体的に接続される。引張カフ74は、膨張することで手首200から離間するようにカーラ5を押圧することで、ベルト4及びカーラ5を手首200の手の甲側に引っ張る。引張カフ74は、複数の、例えば六層の空気袋101と、カーラ5と対向する空気袋101に設けられた被接合部102と、カーラ5と対向する空気袋101に設けられた接続部103と、少なくともカーラ5と対向する空気袋101に設けられた切欠部104と、を含む。このような引張カフ74は、複数のシート部材106を一体に溶着することで構成される。また、引張カフ74は、流路体83、92が設けられた領域、及び、カバー部5aを含むカーラ5の手首200の手の甲側に固定される。即ち、カーラ5の手首200の手の甲側及び引張カフ74の間に、押圧カフ71の流路体83及びセンシングカフ73の流路体92が配置される。
また、引張カフ74は、膨張方向、本実施形態においては、カーラ5及び手首200の対向する方向で、膨張時の厚さが、押圧カフ71の膨張方向における膨張時の厚さ、及び、センシングカフ73の膨張方向における膨張時の厚さよりも厚く構成される。即ち、引張カフ74の空気袋101は、押圧カフ71の空気袋81及びセンシングカフ73の空気袋91よりも多い層構造を有し、カーラ5から手首200に向かって膨張したときの厚さが押圧カフ71及びセンシングカフ73よりも厚い。
本実施形態において、六層の空気袋101を含む引張カフ74は、一つの空気袋101により構成される第1外層111、第1外層111に熱により溶着して一体に組み合わされた二層の空気袋101により構成される第1中間層112、第1中間層112に熱により溶着して一体に組み合わされた二層の空気袋101により構成される第2中間層113、及び、第2中間層112に熱により溶着して一体に組み合わされた一つの空気袋101により構成される第2外層114を備える。
ここで、空気袋101とは、袋状構造体であり、本実施形態においては血圧測定装置1がポンプ14により空気を用いる構成であることから、空気袋を用いて説明するが、空気以外の流体を用いる場合には、袋状構造体は当該流体により膨張する流体袋であればよい。複数の空気袋101は、積層され、積層方向に流体的に連通する。
空気袋101は、一方向に長い矩形状の袋形状に形成される。また、空気袋101は、短手方向の幅が、カーラ5の短手方向の幅と同じ幅に設定される。空気袋101は、例えば、二枚のシート部材106を組み合わせ、図18、図19、図21及び図22に溶着部101aを示すように、一方向に長い矩形枠状に熱により溶着することで構成される。六層の空気袋101は、互いに対向するシート部材106に設けられた開口によって流体的に連続する。
また、六層の空気袋101は、第1外層111及び第1中間層112、第1中間層112及び第2中間層113、並びに、第2中間層113及び第2外層114がそれぞれ対向するシート部材106同士を外周縁に位置する溶着部81aよりも小さい四辺枠状にブリッジ溶着し、このブリッジ溶着部101bで複数の開口を囲うことで、隣り合う空気袋101を一体に形成し、そして、溶着部101bの内側で流体的に連続させる。
第1外層111は、手首200側に配置される一つの空気袋101により形成される。第1外層111は、六層の空気袋101のうち、手首200側から第一層の空気袋101を構成する。
第1中間層112は、第1外層111に積層される。第1中間層112は、二層の空気袋101により形成される。第1中間層112は、六層の空気袋101のうち、手首200側から第二層及び第三層の空気袋101を構成する。第1中間層112は、二層の空気袋101が外周縁で一体に溶着されることで構成される。換言すると、第1中間層112は、4枚のシート部材106を空気袋101の外周縁形状で一体に溶着することで形成される。
第2中間層113は、第1中間層112に積層される。第2中間層113は、二層の空気袋101により形成される。第2中間層113は、六層の空気袋101のうち、手首200側から第四層及び第五層の空気袋101を構成する。第2中間層113は、二層の空気袋101が外周縁で一体に溶着されることで構成される。換言すると、第2中間層113は、4枚のシート部材106を空気袋101の外周縁形状で一体に溶着することで形成される。
第2外層114は、カーラ5側に配置される一つの空気袋101により形成される。第2外層114は、六層の空気袋101のうち、手首200側から第六層の空気袋101を構成する。
被接合部102は、カーラ5と隣接して配置される空気袋101の縁部の少なくとも一部に、単数又は複数設けられる。被接合部102は、空気袋101を構成するシート部材106の一部によって形成される。
本実施形態においては、被接合部102は、空気袋101の短手方向の縁部のそれぞれに、空気袋101の長手方向で二つずつ設けられる例を用いて説明する。なお、例えば、被接合部102は、カーラ5のカバー部5aと対向する位置を避けて空気袋101に設けられる。また、例えば、被接合部102は、カーラ5に設けられた給電部8の後述する給電端子8bと対向する部位に、給電端子8bを外部に露出させるための逃げ部102aを有する。逃げ部102aは、例えば、給電端子8bを外部に露出可能な開口であり、一例として円形状である。
被接合部102は、引張カフ74がカーラ5の内周面に配置されたときに、少なくとも、カーラ5の外周面に接合される。また、空気袋101の短手方向で同じ位置に配置される被接合部102は、積層され、そして溶着される。
なお、二つの被接合部102は、例えば、空気袋101の短手方向の長さが異なる長さに設定される。この例においては、二つの被接合部102は、カーラ5の短手方向の一端側において積層されて溶着される。なお、二つの被接合部102は、先端がカーラ5の外周面に配置可能であれば、その長さは適宜設定可能であり、積層可能であってもなくてもよいが、積層可能な長さに設定される場合には、先端がカーラ5の外周面の外縁よりも外方に延設されない長さが好ましい。
接続部103は、例えばニップルである。接続部103は、カーラ5と隣接して配置される空気袋101の長手方向で中央側であって、且つ、カバー部5aの第3孔部5f3と対向する位置に設けられる。接続部103の先端は、空気袋101を構成する二枚のシート部材106のうち、カーラ5と対向するシート部材106から露出する。接続部103は、カバー部5aの第3孔部5f3に挿通され、流路部15に接続される。
切欠部104は、カーラ5に設けられた逃げ部5bと対向する位置に設けられる。切欠部104は、第2外層114を形成する第六層の空気袋101に設けられる。
具体例として、引張カフ74は、図18及び図19に示すように、手首200側から、第7シート部材106aと、第8シート部材106bと、第9シート部材106cと、第10シート部材106dと、第11シート部材106eと、第12シート部材106fと、第13シート部材106gと、第14シート部材106hと、第15シート部材106iと、第16シート部材106jと、第17シート部材106kと、第18シート部材106lと、を備えている。なお、引張カフ74は、隣り合うシート部材106が熱による溶着により接合されることで一体に構成される。
第7シート部材106a乃至第18シート部材106lは、空気袋101と同様の矩形状に構成される。第7シート部材106a及び第8シート部材106bは、空気袋101の四辺の周縁部形状に沿って熱により溶着されることで、手首200側から一層目の空気袋101を構成する。即ち、第7シート部材106a及び第8シート部材106bは、第1外層111を構成する。
第8シート部材106b及び第9シート部材106cは、対向して配置され、それぞれ、二つの空気袋101を流体的に連続させる複数の開口106b1、106c1を有する。また、第8シート部材106b及び第9シート部材106cは、複数の開口106b1、106c1の周囲を、空気袋101を溶着した四辺よりも小さい四辺枠状に熱によりブリッジ溶着されることで、一体に接合される。
第9シート部材106c及び第10シート部材106dは、空気袋101の四辺の周縁部形状に沿って熱により溶着されることで、手首200側から二層目の空気袋101を構成する。
第10シート部材106d及び第11シート部材106eは、図18及び図19に示すように、対向して配置され、それぞれ、二つの空気袋101を流体的に連続させる複数の開口106d1、106e1を有する。第11シート部材106e及び第12シート部材106fは、空気袋101の四辺の周縁部形状に沿って熱により溶着されることで、手首200側から三層目の空気袋101を構成する。
なお、第9シート部材106e、第10シート部材106d、第11シート部材106e及び第12シート部材106fは、空気袋101の四辺の周縁部形状に沿って熱により一体に溶着され、されることで、第二層及び第三層の空気袋101が一体に形成された第1中間層112を構成する。
第12シート部材106f及び第13シート部材106gは、図18及び図19に示すように、対向して配置され、それぞれ、二つの空気袋101を流体的に連続させる複数の開口106f1、106g1を有する。また、第12シート部材106f及び第13シート部材106gは、複数の開口106f1、106g1の周囲を、空気袋101を溶着した四辺よりも小さい四辺枠状に熱によりブリッジ溶着されることで、一体に接合される。
第13シート部材106g及び第14シート部材106hは、空気袋101の四辺の周縁部形状に沿って熱により溶着されることで、手首200側から四層目の空気袋101を構成する。
第14シート部材106h及び第15シート部材106iは、図18及び図19に示すように、対向して配置され、それぞれ、二つの空気袋101を流体的に連続させる複数の開口106h1、106i1を有する。第15シート部材106i及び第16シート部材106jは、空気袋101の四辺の周縁部形状に沿って熱により溶着されることで、手首200側から五層目の空気袋101を構成する。
なお、第13シート部材106e、第14シート部材106d、第15シート部材106e及び第16シート部材106fは、空気袋101の四辺の周縁部形状に沿って熱により一体に溶着されることで、第四層及び第五層の空気袋101が一体に形成された第2中間層113を構成する。
第16シート部材106j及び第17シート部材106kは、図18及び図19に示すように、対向して配置され、それぞれ、二つの空気袋101を流体的に連続させる複数の開口106j1、106k1を有する。また、第17シート部材106kは、例えば、空気袋101及び被接合部102を構成可能な形状に構成される。第16シート部材106j及び第17シート部材106kは、複数の開口106j1、106k1の周囲を、空気袋101を溶着した四辺よりも小さい四辺枠状に熱によりブリッジ溶着されることで、一体に接合される。
第17シート部材106k及び第18シート部材106lは、空気袋101の四辺の周縁部形状に沿って熱により溶着され、所定の形状に裁断されることで、手首200側から六層目の逃げ部104を有する空気袋101及び被接合部102を構成する。
また、第18シート部材106lは、例えば、接続部103の先端を挿入可能な孔部106l1を有する。第18シート部材106lは、孔部106l1に接続部103が配置され、そして、孔部106l1の周囲が接続部103と熱により溶着される。また、第18シート部材106lは、カーラ5の内周面に、第17シート部材106kの被接合部102はカーラ5の外周面に、それぞれ接合層75を介して接合される。
また、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74を形成する各シート部材86、96、106は、熱可塑性樹脂材料により形成される。熱可塑性樹脂材料は、熱可塑性エラストマーである。シート部材86、96、106を構成する熱可塑性樹脂材料としては、例えば、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(Thermoplastic PolyUrethane、以下TPUと表記する)、塩化ビニル樹脂(PolyVinyl Chloride)、エチレン酢酸ビニル樹脂(Ethylene-Vinyl Acetate)、熱可塑性ポリスチレン系樹脂(Thermoplastic PolyStyrene)、熱可塑性ポリオレフィン樹脂(Thermoplastic PolyOlefin)、熱可塑性ポリエステル系樹脂(ThermoPlastic Polyester)及び熱可塑性ポリアミド樹脂(Thermoplastic PolyAmide)を用いることができる。なお、押圧カフ71、センシングカフ73は、少なくとも空気袋81、101を構成する複数のシート部材86、106のうち、少なくともカーラ5と溶着されるシート部材86、106がカーラ5と同種材料で構成される。
例えば、シート部材86、96、106は、Tダイ押し出し成形や射出成形等の成形方式が用いられる。シート部材86、96、106は、各成形方式で成形された後、所定の形状にサイジングされ、そして、サイジングした個片を溶着等により接合することで袋状構造体81、91、101を構成する。溶着の方式としては、高周波ウェルダーやレーザー溶着が用いられる。
流体回路7は、ケース11、ポンプ14、流路部15、開閉弁16、圧力センサ17、押圧カフ71、センシングカフ73、及び、引張カフ74によって構成される。以下、流体回路7の具体例を説明する。
流体回路7は、図5に示すように、例えば、第1開閉弁16Aを介してポンプ14とセンシングカフ73、第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bとを連続する第1流路7aと、ポンプ14及び第1開閉弁16Aの間の第1流路7aから分岐されることで構成され、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dを順次介してポンプ14と大気とを連続する第2流路7bと、第2流路7bの第2開閉弁16B及び第3開閉弁16C間の中途部が分岐されることで構成され、ポンプ14から引張カフ74を連続する第3流路7cと、第2流路7bの第3開閉弁16C及び第4開閉弁16D間の中途部が分岐されることで構成され、ポンプ14から押圧カフ71を連続する第4流路7dと、を備えている。
このような流体回路7は、第2開閉弁16B及び第3開閉弁16Cが開き、第1開閉弁16A及び第4開閉弁16Dが閉じることで、第2流路7bから分岐する第3流路7c及び第4流路7dがポンプ14と接続し、ポンプ14、押圧カフ71及び引張カフが流体的に接続される。
流体回路7は、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B及び第3開閉弁16Cが開き、そして、第4開閉弁16Dが閉じることで、第1流路7a、第2流路7bから分岐する第3流路7c及び第4流路7dがポンプ14と接続され、ポンプ14、押圧カフ71及び引張カフ、並びに、ポンプ14及びセンシングカフ73が流体的に接続される。流体回路7は、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dが開き、そして、第1開閉弁16Aが閉じることで、第2流路7b、第3流路7c及び第4流路7dがポンプ14と接続され、ポンプ14、押圧カフ71、引張カフ74及び大気が流体的に接続される。また、流体回路7は、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dが開くことで、第1流路7a、第2流路7b、第3流路7c及び第4流路7dがポンプ14と接続され、ポンプ14、押圧カフ71、センシングカフ73、引張カフ74及び大気が流体的に接続される。
給電部8は、図3、図6及び図15に示すように、装置本体3から突出するカーラ5の一端側の外面に形成された窪み5cに設けられる。例えば、給電部8は、充電器の充電ケーブルに設けられたコネクタと接続可能に構成される。
図2、図6及び図15に示すように、給電部8は、配線部8aと、給電端子8bと、カーラ5の窪み5cに配置された配線部8aを覆うカバー8cと、を備えている。配線部8aは、一端が給電端子8bに、他端が制御部55に接続される。給電端子8bは、例えば二つの円形状の端子により構成される。例えば、配線部8a及び給電端子8bは、ポリイミド等のベースフィルムに導電性金属膜等が設けられたFPC(Flexible printed circuits)等により形成される。カバー8cは、窪み5cと同形状に形成され、窪み5cを覆うとともに、窪み5cに設けられたときに、上面が、カーラ5の短手側の外面と面一となる。
次に、血圧測定装置1を使用した血圧値の測定の一例について、図27乃至図31を用いて説明する。図27は、血圧測定装置1を用いた血圧測定の一例を示す流れ図であり、ユーザの動作及び制御部55の動作の双方を示す。また、図28乃至図30は、ユーザが手首200に血圧測定装置1を装着する一例を示す。
先ず、ユーザは、手首200に血圧測定装置1を装着する(ステップST1)。具体例として、例えば、ユーザは、図28に示すように、手首200の一方をカーラ5内に挿入する。
このとき、血圧測定装置1は、装置本体3及びセンシングカフ73がカーラ5の相対する位置に配置されることから、センシングカフ73を手首200の手の平側の動脈210が存する領域に配置される。これにより、装置本体3及び引張カフ74は、手首200の手の甲側に配される。次いで図29に示すように、ユーザが血圧測定装置1を配した手とは反対の手によって、第1ベルト61の尾錠61bの枠状体61eに第2ベルト62を通す。次いで、ユーザは、第2ベルト62を引っ張り、カーラ5の内周面側の部材、即ち、カフ構造体6を手首200に密着させ、小孔62aにつく棒61fを挿入する。これにより、図30に示すように、第1ベルト61及び第2ベルト62が接続され、血圧測定装置1が手首200に装着される。
次に、ユーザは、操作部13を操作して、血圧値の測定開始に対応した指令の入力を行う。指令の入力操作が行われた操作部13は、測定開始に対応した電気信号を制御部55へ出力する(ステップST2)。制御部55は、当該電気信号を受信すると、例えば、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B及び第3開閉弁16Cを開くとともに、第4開閉弁16Dを閉じ、ポンプ14を駆動し、第1流路7a、第2流路7b、第3流路7c及び第4流路7dを介して押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74へ圧縮空気を供給する(ステップST3)。これにより、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74は膨張を開始する。
ポンプ14が駆動されると、ポンプ14は、ケース11内の空気を吸い込む。この為、ケース11内は、負圧となる。ケース11内が負圧となると、孔31cを通してケース11外からケース11内へ空気が流入する。
このとき、孔31c内へ流入する空気に伴ってケース11の外側から第2開口端31eを通って孔31cに浸入して、フィルタ37に到達した水は、フィルタ37により、ケース11内へ侵入することが抑制される。ここで言う水は、使用者の汗、雨水、生活水等を含む。
また、孔31cが、外郭ケース31の中心線に対して傾斜する形状を有することから、例えば、使用者が表示部12を確認する場合等に、手首200を使用者の頭部の下方に移動し、かつ、ケース11をユーザにより表示部12を視認可能な姿勢とすると、孔31cが水平方向に対して傾斜する姿勢となるので、孔31c内に浸入した水は、重力の作用によって、第2開口端31e側に移動される。
第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bは、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74の圧力を検出し、この圧力に対応した電気信号を制御部55へ出力する(ステップST4)。制御部55は、受信した電気信号に基づいて、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74の内部空間の圧力が血圧測定のための所定の圧力に達しているか否かを判断する(ステップST5)。例えば、押圧カフ71及び引張カフ74の内圧が所定の圧力に達しておらず、且つ、センシングカフ73の内圧が所定の圧力に達した場合には、制御部55は、第1開閉弁16Aを閉じ、第2流路7b、第3流路7c、第4流路7dを介して圧縮空気を供給する。
押圧カフ71及び引張カフ74の内圧並びにセンシングカフ73の内圧が、全て所定の圧力に達した場合には、制御部55は、ポンプ14の駆動を停止する(ステップST5でYES)。このとき、図4に二点鎖線示すように、押圧カフ71及び引張カフ74は十分に膨張しており、膨張した押圧カフ71は、背板72を押圧する。また、引張カフ74は、手首200から離間する方向に、カーラ5を押圧することから、ベルト4、カーラ5及び装置本体3は、手首200から離間する方向に移動し、結果、押圧カフ71、背板72、センシングカフ73が手首200側に引っ張られる。加えて、引張カフ74の膨張によってベルト4、カーラ5及び装置本体3が手首200から離間する方向に移動するときに、ベルト4及びカーラ5が、手首200の両側方に向かって移動し、手首200の両側方に密着した状態で、ベルト4、カーラ5及び装置本体3が移動する。このため、手首200の皮膚に密着したベルト4及びカーラ5は、手首200の両側方の皮膚を手の甲側に引っ張る。なお、カーラ5は、手首200の皮膚を引っ張ることができれば、例えば、シート部材86、106を介して間接的に手首200の皮膚に接触する構成であってもよい。
さらに、センシングカフ73は、内圧が血圧を測定するために要する圧力となるように所定の空気量が供給され、膨張しており、そして、押圧カフ71に押圧された背板72によって手首200に向かって押圧される。このため、センシングカフ73は、手首200内の動脈210を押圧し、図31に示すように動脈210を閉塞する。
また、制御部55は、例えば、第3開閉弁16Cを制御し、第3開閉弁16Cの開閉を繰り返すか、又は、第3開閉弁16Cの開度を調整することで、押圧カフ71の内部空間の圧力を加圧させる。この加圧の過程において第2圧力センサ17Bが出力する電気信号に基づいて、制御部55は、最高血圧及び最低血圧等の血圧値や心拍数等の測定結果を求める(ステップST6)。制御部55は、求めた測定結果に対応した画像信号を、表示部12へ出力し、測定結果を表示部12に表示する(ステップST7)。また、制御部55は、血圧測定終了後、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dを開く。
表示部12は、画像信号を受信すると、当該測定結果を画面に表示する。使用者は、表示部12を視認することで、当該測定結果を確認する。なお、使用者は、測定終了後、小孔62aからつく棒61fを外し、枠状体61eから第2ベルト62を外し、カーラ5から手首200を抜くことで、手首200から血圧測定装置1を取り外す。
このように構成された本実施形態に係る血圧測定装置1は、外郭ケース31内で、開閉弁16は、外郭ケース31の軸方向Dでポンプ及び電力供給部18から離れた位置に配置される。この為、ケース11の、外郭ケース31の軸方向Dで薄型化することが可能となる。
さらに、電力供給部18がポンプ14上に配置され、電力供給部18のポンプ14に対向する面の縁部が、両面テープ38によってポンプ14に固定される。この為、電力供給部18のポンプ14に対向する面18aの中央側とポンプ14との間に、両面テープ38の厚みに応じた隙間Sが設けられる。この為、電力供給部18が劣化等により膨張したときに、電力供給部18のポンプ14側の面がポンプ14に向かって膨らんでも、電力供給部18がポンプ14に直接接触することを抑制できるので、ポンプ14で生じた熱が電力供給部18に伝わることを抑制できる。
さらに、孔31cのケース11内の開口端である第1開口端31dが、第1方向で隙間Sと対向する位置に配置される。この為、ポンプ14が駆動することでケース11外から孔31cを通ってケース11内に流入した空気を、スムーズに隙間Sに流入できる。この為、ケース11外から流入した空気により、ポンプ14を効率よく冷却可能となる。
さらに、電力供給部18は、電力供給部18の長手方向の一方側が、ポンプ14に外郭ケース31の軸方向Dで対向する。この為、電力供給部18が劣化等により膨張し、電力供給部18がポンプ14側に膨むと、電力供給部18の第1方向で第1開口端31d側と、ポンプ14の第1方向で第1開口端31d側との間の隙間が広がる。
結果、ポンプ14及び電力供給部18間の隙間Sへ空気が流入しやすくなることで、ポンプ14及び電力供給部18の冷却効率が向上する。この為、電力供給部18の劣化を抑制できる。
さらに、両面テープ38は、電力供給部18のポンプ14に対向する面18aの長手方向に沿う縁部に設けられる。そして、ポンプ14の第2吸い込み孔14d2及び第3吸い込み孔14d3が、面14cの、電力供給部18の長手方向に沿う縁部に対向する位置に配置される。
この為、孔31cの第1開口端31dからの空気を、2つの両面テープ38の間を通してスムーズに隙間Sに流入させることが可能となる。さらに、電力供給部18は劣化等により面18aの中央側が膨張することで、電力供給部18の長手方向の一端が、ポンプ14から離間する。結果、電力供給部18及びポンプ14間の隙間が広がる。この為、電力供給部18が膨張しても、第2吸い込み孔14d2及び第3吸い込み孔14d3が、電力供給部18により閉塞されることを抑制できる。
さらに、孔31cは、外郭ケース31の中心線に対して傾斜する形状に構成される。この為、孔31c及び隙間Sを通ってポンプ14まで導かれる空気の流路が大きく屈曲することがないので、孔31c及び隙間Sを含む空気の流路の流路抵抗を小さくできる。
さらに、孔31cの、外郭ケース31の外周面31fに配置される第2開口端31eは、ベルト4のケース11側の端部により覆われる位置に配置される。この為、孔31cがベルト4により覆われることで外部に露出することが抑制されることで孔31cを目立たなくすることが可能となり、血圧測定装置1の意匠性が向上する。
さらに、血圧測定装置1は、孔31cが、外郭ケース31の軸方向Dに対して傾斜する直線状の孔に構成されるので、ケース11外から孔31c内に水が浸入しても、この水を、第2開口端31eに向かって移動しやすくなる。
さらに、血圧測定装置1は、孔31cの第1開口端31dに、フィルタ37を有している。この為、孔31c内に水が浸入した場合であっても、フィルタ37によって、水がケース11内に浸入することを抑制できる。この為、血圧測定装置1の防水性を向上できる。
上述したように本実施形態に係る血圧測定装置1によれば、ケース11を薄型化できる。
なお、上述した例では、外郭ケース31は、一例として円筒状に構成された例が説明されたがこれに限定されない。外郭ケース31は、例えば、矩形の筒状に構成されてもよい。
即ち、上述した各実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。