JP7237142B2 - 再ロフトスパンボンドウェブを含むエアフィルタ媒体、並びにその製造方法及び使用方法 - Google Patents

再ロフトスパンボンドウェブを含むエアフィルタ媒体、並びにその製造方法及び使用方法 Download PDF

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Description

エアフィルタ媒体は、空気から微粒子物質を除去する目的で広く使用されている。
広範な要約では、本明細書において、8.0%未満~少なくとも3.0%のソリディティを呈し、かつ少なくとも0.30の品質係数を呈する、再ロフト(relofted)スパンボンド不織布ウェブが開示される。再ロフトウェブを製造する方法もまた開示される。空気濾過ウェブとしての、例えば、フィルタ媒体又はフィルタ媒体の層としての再ロフトウェブの使用もまた開示される。これら及び他の態様は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、この広範な要約は、請求可能な主題を限定するように解釈してはならず、かかる主題は、出願において最初に出願された特許請求の範囲に提示されているか、又は、出願経過中に修正されたか又は他の方法で提示された請求項に提示されているかどうかに関わらない。
例示的な再ロフトスパンボンド不織布ウェブの一部の、上部から見た倍率1250倍での走査型電子顕微鏡写真である。 例示的な再ロフトスパンボンド不織布ウェブの別部分の、上部から見た倍率740倍での走査型電子顕微鏡写真である。 そこから再ロフトウェブが得られ得る例示的な前駆体スパンボンド不織布ウェブの一部の、上部から見た倍率20倍での光学写真である。 例示的な再ロフトスパンボンド不織布ウェブの一部の、上部から見た倍率20倍での光学写真である。 本明細書に開示されるような再ロフトスパンボンド不織布ウェブを含む、例示的なエアフィルタ媒体の一部の斜視図である。
様々な図における同様の参照番号は、同様の要素を示す。いくつかの要素は、同一又は等価の複数で提示されることが可能であり、つまり1つのみ又はそれ以上の代表的要素が参照番号で示されることが可能な場合であっても、かかる参照番号は、かかる同一要素の全てに適用されると理解されたい。特に指示がない限り、本文書における全ての図及び図面は、縮尺どおりではなく、本発明の異なる実施形態を例示する目的で選択される。特に、様々な構成要素の寸法は、指示のない限り、単に例示的な意味合いとして示されているにすぎず、様々な構成要素の寸法間の関係は、図面から推測されるべきではない。「上部」、「下部」、「上側」、「下側」、「下」、「上」、「前」、「後」、「外側」、「内側」、「上方」及び「下方」、並びに「第1」及び「第2」などの用語が本開示に使用され得るが、特に断らない限り、これらの用語はあくまで相対的な意味においてのみ使用される点を理解すべきである。
特性又は属性の修飾子として本明細書で使用する場合、「概ね(generally)」という用語は、特に定めのない限り、当業者には、高度の近似を要することなく(例えば、定量化可能な特性の場合、+/-20%以内)性質又は属性を容易に認識可能であることを意味する。特に定めのない限り、「実質的に」という用語は、高度の近似(例えば、定量化可能な特性の場合、+/-10%以内)を意味する。用語「本質的に」は、非常に高い程度の近似(例えば、定量化可能な特性の場合、プラスマイナス2%範囲内)を意味するが、語句「少なくとも本質的に」は、「厳密」一致の特定の例を包含することが理解されよう。しかし、「厳密な」一致、又は例えば、同じ、等しい、同一、均一、一定などの用語を使用する任意の他の特徴付けであっても、絶対の正確さ又は完全な一致を必要とするというよりもむしろ、特定の状況に当てはまる通常の許容範囲又は測定誤差の範囲内であることを理解されたい。本明細書で使用する場合、例えば「本質的に含まない」などの用語は、例えば、慣習的な洗浄手順に供される大規模製造設備を使用する際に生じ得るような、いくつかの非常に低い、例えば0.1%以下の量における材料の存在を排除するものではない。「構成される」などの用語は、少なくとも「適応される」という用語と同程度に制限的であり、明記された機能を遂行する単なる物理的な能力ではなく、その機能を遂行しようとする実際の設計意図を必要とする。数値パラメータ(寸法、比率など)に対する本明細書の全ての参照は、(特に断らない限り)パラメータの複数の測定値から導き出される平均値を用いて計算可能であると理解される。
用語「スパンボンドされた」は、メルトスパン繊維からなる不織布ウェブを指し、その繊維の少なくとも一部は、例えば本明細書で後述するような自己結合によりもたらされるような繊維-繊維結合を呈する。
用語「メルトスパン」は、1組のオリフィスからフィラメントを押し出し、フィラメントを冷却及び固化させて繊維を形成することにより形成される繊維を指す。ここでフィラメントは、フィラメントの冷却を助けるために空気の空間(移動空気流を含み得る)を通過し、フィラメントを少なくとも部分的に延伸させるために細長化(すなわち、延伸)ユニットを通過する。
用語「ソリディティ」は、繊維ウェブの、固体(例えば、ポリマーの繊維)材料により占められる総体積の割合を表す無次元分率(dimensionless fraction)(通常は%で報告される)を意味する。ソリディティを得るための更なる説明及び方法は、実施例の項に見られる。ロフトは100%からソリディティを引いたものであり、固体材料により占められていないウェブの総体積の割合を表す。
用語「品質係数」は、空気から粒子を濾過する際のフィルタ媒体の全体的な性能に関する性能指数であり、本明細書で後ほど定義され、論じられる。
用語「自己支持型」は、従来のウェブハンドリングプロセス(例えば、巻き取り、巻き戻しなど)で扱われるのに、かつこれらのプロセスに供されるのに十分な機械的一体性を呈するスパンボンドウェブ(再ロフトされているかに関わらず)を意味する。
8.0%未満~少なくとも3.0%のソリディティを呈し、かつ少なくとも0.30の品質係数を呈する再ロフトスパンボンド不織布ウェブを含むエアフィルタ媒体が、本明細書にて開示される。用語「スパンボンドされた」は、メルトスパン繊維からなる不織布ウェブを指し、その繊維の少なくとも一部は、例えば本明細書で後述するような自己結合により提供されるような繊維-繊維結合を呈する。用語「メルトスパン」は、1組のオリフィスからフィラメントを押し出し、フィラメントを冷却及び固化させて繊維を形成することにより形成される繊維を指す。ここでフィラメントは、フィラメントの冷却を助けるために空気の空間(移動空気流を含み得る)を通過し、フィラメントを少なくとも部分的に延伸させるために細長化(すなわち、延伸)ユニットを通過する。メルトブローは、押し出しオリフィスのきわめて近くに配置された空気吹き込みオリフィスにより導入される収束高速空気流へのフィラメントの押し出しを伴うという点で、溶融紡糸はメルトブローと区別することができる。
ウェブ10は、再ロフトスパンボンドウェブである。用語「再ロフトされた」は、スパンボンド不織布ウェブのロフトを増加させる(ソリディティを低下させる)後処理工程に供されたスパンボンド不織布ウェブを意味する。定義により、再ロフトウェブは、上で定義したように自己支持型である。本明細書において後ほど詳細に論じるように、少なくとも破断した繊維-繊維結合の存在により再ロフトスパンボンドウェブを識別し、再ロフトされていないスパンボンドウェブと区別することができる。再ロフトウェブ10の繊維11の、例示的な破断した繊維-繊維結合12は、図1及び図2に提示された走査型電子顕微鏡写真において指し示されている。
特に、既に高ロフト(すなわち、10%未満のソリディティとして現れるように)であるスパンボンド前駆体ウェブ上で実施された場合、再ロフトプロセスは著しい利点を付与することが見出されている。例えば再ロフトスパンボンドウェブは、前駆体スパンボンドウェブと比較して、(本明細書の実施例の項で論じるような圧力降下測定により現れるような)空気流抵抗の著しい減少(例えば、最大50%の)を呈する場合がある。しかしながら、再ロフトスパンボンドウェブでは、(本明細書の実施例の項で論じるような透過率測定により現れるような)空気中の微粒子がウェブを通過する能力が、かなり少ししか増加しない場合がある。この特性の有利な組み合わせは、品質係数により表現される。品質係数はエアフィルタ媒体に使用されることが多い周知の性能指数であり、本明細書の実施例の項で論じるような圧力降下及び透過率の両方を考慮したものである。高ロフトスパンボンドウェブを再ロフトすると、品質係数が著しく向上(増加)する(例えば、最大50、70、又は更には90%以上の係数にまで)ことが見出されている。これは、高ロフトスパンボンドウェブが最初から比較的高い品質係数を呈する場合が多いことを考慮すると、驚くべき結果である。また更に、再ロフトスパンボンドウェブでは、本明細書の実施例で証明されるように、粉塵保持容量が著しく向上することが見出されている。
再ロフトウェブ10は、前駆体スパンボンドウェブ9を後処理することにより製造される。例示的な前駆体スパンボンドウェブ9を、図3の光学写真に示す。前駆体ウェブ9は、メルトスパン繊維11を含む。上で与えられたメルトスパン繊維の定義及び説明から、メルトスパン繊維及び得られるスパンボンドウェブは、メルトブローンウェブと(例えば、細長化プロセス中にメルトスパン繊維に付与される分子配向により)区別できることは明らかであろう。メルトスパン繊維はまた、時々統計的に発生する繊維の破断を除いて典型的には連続しているメルトスパン繊維とは対照的に、典型的に所望の長さに切断されるステープル繊維と区別することもできる。メルトスパン繊維及びスパンボンドウェブはまた、例えば、カードウェブ(典型的に、スパンボンドウェブには存在しない、カーディングプロセスにより付与された顕著な繊維配列を呈する)、及び更には、エアレイドウェブ、湿式ウェブなどと区別することができる。
メルトスパン繊維11は、メルトスパンすることができる任意の好適な有機ポリマー材料から製造することができる。様々な実施形態では、このような繊維は、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなど)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ナイロン、並びにこれらいずれかのコポリマー及び/又はブレンドから構成され得る。いくつかの実施形態では、メルトスパン繊維11の少なくとも一部又は全ては、単成分繊維である。用語「単成分」は繊維の有機ポリマー材料を指し、均一なポリマー組成物の連続相が断面全体及び繊維の長さにわたり広がった繊維を意味する。いくつかの都合のよい実施形態では、単成分繊維はポリプロピレン繊維であってもよい。単成分という用語は、有機ポリマー成分材料が繊維の唯一の成分であることを必要とはしない。むしろ、様々な実施形態では、任意の好適な添加剤、例えば、酸化防止剤、可塑剤、加工助剤などのうちの1つ以上が、任意の望ましい目的のために存在してもよい。特定の実施形態では、繊維は、安定な電荷(「エレクトレット」)を繊維に付与させる目的のために帯電添加剤を含んでもよい。
上で定義及び記載された単成分繊維は、2成分繊維などの多成分繊維を除外する。しかしながら、代替的実施形態では、メルトスパン繊維11の少なくとも一部又は全ては、異なる有機ポリマー組成物の少なくとも2つの相を含む多成分繊維であってもよい。このような繊維は、例えば、シースコア型、サイドバイサイド型、海島型などから選択される任意の好適な構成を有し得る。いくつかの実施形態では、このような繊維は、メルトスパン繊維の相互の結合、例えば溶融結合を促進又は強化する組成物を有する、少なくとも1つの有機ポリマー相を含み得る。多成分繊維は、繊維の相のうち少なくとも1つに、上記添加剤のいずれか、例えば帯電添加剤を好適に含んでもよい。
メルトスパン繊維は、任意の好適な溶融紡糸法を用いて生成(例えば、押し出し、固化、及び細長化)並びに収集してもよい。いくつかの実施形態では、その全体が本明細書に援用される、米国特許第8240484号に提示された装置及び方法を使用してもよい。‘484号特許に詳細に記載されるように、本明細書で開示されるアプローチにより、例えば、例えば8.0%未満のソリディティにより現れるような、比較的高いロフトを呈する前駆体メルトスパンウェブを形成させることが可能となる。
メルトスパン繊維は、例えば、統計的に有意な数の繊維を光学検査して決定されるような、任意の好適な平均径を有し得る。様々な実施形態では、メルトスパン繊維は、少なくとも1、2、4、6、10、15、又は20ミクロンの平均繊維径を呈し得る。更なる実施形態では、メルトスパン繊維は、最大で50、40、30、25、18、又は12ミクロンの平均繊維径を呈し得る。多くの実施形態では、メルトスパン繊維は単峰性の繊維径分布を呈する。すなわち、このような実施形態では、前駆体ウェブ9及びそれに由来する再ロフトウェブ10は、例えば微細な繊維及び粗い繊維の、別個の集団を呈する複合混合物を含まない。(概して、本明細書に記載されるような、例えば繊維径などの繊維特性は、前駆体ウェブ9及びそれに由来する再ロフトウェブ10の両方に適用することが理解されることに留意する。)
前駆体ウェブ9(及びそれに由来する再ロフトウェブ10)はスパンボンドウェブであり、これは少なくともいくつかの繊維-繊維結合を含むウェブを意味する。繊維-繊維結合は、繊維が互いに接触している場所における、少数の繊維(典型的には5つ以下、ほとんどの場合は2つ)間の結合(例えば、溶融結合)を意味する。繊維-繊維結合において、各繊維は、その個々の特徴(例えば、外観及び形状)を実質的に保持する。定義により、繊維-繊維結合は、任意選択的に存在してもよい、本明細書で後に論じられる、多数の繊維が互いに結合している多繊維結合(multi-fiber bonds)とは区別される。多くの実施形態では、繊維-繊維結合は自己結合である。これは、ウェブ上に固体接触圧力を加えることなく、メルトスパン繊維の集合体を、(例えば、オーブン及び/又は制御された温度の空気流を使用することにより達成されるような)高温に供することで得られる繊維-繊維溶融結合を意味する。いくつかの実施形態では、このような結合は、例えば、この目的のためにその全体が本明細書に援用される米国特許出願公開第2008/0038976号で詳細に論じられている制御加熱装置の使用により、加熱空気をウェブ上に、及びウェブを通過させて導くことにより実行される、いわゆるスルーエア結合(through-air bonding)であってもよい。特定の実施形態では、結合は、この目的のためにその全体が本明細書に援用される米国特許第9976771号に開示される装置及び方法の使用により実行されてもよい。自己結合、例えばスルーエア結合は、ウェブを著しく圧縮又は高密度化することなく(例えば、ウェブのロフトを押しつぶすことなく、さもなければ著しく縮小させることなく)繊維をお互いに結合させて自己支持型ウェブを形成することができると理解されよう。したがって、自己結合及び結果として生じる結合は、例えば、カレンダ加工、超音波結合などのプロセスにより実施される結合とは区別される。いくつかの実施形態では、繊維-繊維結合は(例えば、‘771号特許に記載されるような)単成分繊維間のものであってもよい。他の実施形態では、繊維-繊維結合は多成分(例えば、2成分)繊維の特定成分間のものであってもよい。
いくつかの実施形態では、スパンボンド前駆体ウェブ、したがってそれに由来する再ロフトウェブは、カレンダ加工、超音波結合などにより実現される結合により例示されるタイプの多繊維領域結合(multi-fiber area-bonds)を、(上記の繊維-繊維結合に加えて)任意選択的に含んでもよい。例示的なカレンダ加工された領域結合14は、図3の光学写真において可視である。このような領域結合に特徴的なように、各結合14は、結合領域におけるそれら個々の特徴(外観及び形状)を実質的に失うように、比較的広い領域にわたり共に溶融され、かつ固められた多数の(例えば、10個以上の)繊維セグメントを含むように見える。いくつかの実施形態では、スパンボンドウェブは、比較的低濃度でそのような領域結合を含んでもよい。そのような濃度は、ウェブの特性(例えば、濾過性能)に著しく悪影響を及ぼすことなくウェブの機械的一体性を向上させ得る。様々な実施形態では、そのような領域結合は、前駆体ウェブ又はそれに由来する再ロフトウェブ内に、0%超であるが、5.0、4.0、3.0、2.5、2.0、1.5、1.0、又は0.5%未満であるウェブの面積百分率で存在してもよい。具体例として、図3のウェブは、1.3~1.5%の範囲であると推定される面積百分率で存在するように見える多繊維領域結合を含む。
様々な実施形態では、再ロフトウェブが由来する前駆体スパンボンド不織布ウェブは、(平均値として)10.0、9.0、8.0、又は7.0%以下のソリディティを呈し得る。いくつかの実施形態では、再ロフトウェブが由来する前駆体スパンボンド不織布ウェブは、電荷(例えば、一般にエレクトレットと称される半永久的な電荷)が付与された少なくともいくつかの繊維を含んでもよい。様々な実施形態では、ウェブは、例えば、コロナチャージ又はハイドロチャージされていてもよい。このような実施形態では、エレクトレット電荷を容認できないほど減少させないようにして、任意の後続の再ロフトプロセスを実行すべきであることが理解されるであろう。繊維及びウェブを帯電させる方法、並びに繊維が電荷を受け入れて保持する能力を向上させることができる添加剤は、例えば、米国特許第8613795号及び同第8790449号、並びに米国特許出願公開第2016/0206984号に開示されており、これらは全て、この目的のためにその全体が本明細書に援用される。
本明細書に開示される再ロフトプロセスは、任意の好適なスパンボンドウェブ上で実行されてもよい。特に好適であり得るスパンボンドウェブとしては、例えば、Berriganの米国特許出願公開第20080038976号に記載されている一般的なタイプのものが挙げられる。所望の場合には、このような媒体は、いずれもエレクトレットを形成するために帯電させることができる。いくつかの実施形態では、スパンボンドウェブは、高ロフトスパンボンドウェブであり得る。本明細書で使用する場合、これは、10.0%未満のソリディティを呈するウェブを表す。再ロフトに好適であり得る特定の高ロフトスパンボンドウェブ(例えば、8.0%未満のソリディティを有するもの)、及びこのようなウェブを製造する方法は、Foxの米国特許第8162153号に開示されており、これはその全体が本明細書に援用される。
前駆体スパンボンドウェブ9は、再ロフトプロセスに供されて再ロフトウェブ10を形成する。先に述べたように、再ロフトプロセスは、ウェブのロフトを増加させる(ソリディティを低下させる)ために、前駆体スパンボンドウェブに適用される後処理工程である。このプロセスでは、破断した結合12が例えば図1のように見えるよう、有意な割合(例えば、5%超)の上記繊維-繊維結合が破断される。当業者は、スパンボンドウェブの従来のハンドリング及び処理において、少数の破断した繊維-繊維結合が生じ得ることを容易に理解するであろう。しかしながら、スパンボンドウェブを製造及びハンドリングする当業者であれば、任意の実際のウェブ生産プロセスで時々統計的に発生し得るようなこのような現象は、ウェブのロフトを増加させるためにかなりの割合の繊維-繊維結合を意図的に破壊した現在の例とは区別できることを容易に理解するであろう。
スパンボンドウェブは、破断された相当数の繊維-繊維結合の存在により、再ロフトウェブとして識別することができる。再ロフトウェブは、他の識別できるような特色(identifying features)を呈し得る。例えば、再ロフトウェブでは繊維の少なくとも一部が物理的に動かされ、互いに分離され、変形され、再編成されるなどする。これにより、ウェブはよりフィブリル化された外観を呈し得る。換言すれば、再ロフトウェブは、それが由来する前駆体ウェブよりも視覚的に「けば立って」いてもよい。実際、再ロフトウェブは、略式の目視検査において、典型的なスパンボンドウェブよりも「けば立って」いる場合がある。
そのような特性は、ウェブが任意選択的な多繊維領域結合を含む実施形態において特に明らかであり得る。図3に示されるような前駆体ウェブ9により明示されるように、典型的なスパンボンドウェブにおいて、任意の多繊維領域結合14は、繊維がその領域内部でその個々の情報を失った平坦な領域として容易に観察可能であり、結合領域を覆う個々の繊維はきわめて少ない又は存在しない。図4に示されるように、このような前駆体ウェブに由来する再ロフトウェブは、領域結合の一部又は大部分が上を覆う繊維により少なくとも部分的に覆い隠されるように再編成された、前駆体ウェブ繊維の少なくとも一部を有していてもよい。
場合によっては、再ロフトウェブの少なくとも一部の繊維は、繊維が再ロフトプロセスに相応するかなりのせん断に曝されていることを示す特徴(例えば、応力白化、応力亀裂、ひび割れ、配向、断面収縮など)を呈し得る。したがって、当業者は、再ロフトスパンボンドウェブが、再ロフトプロセスに起因する個々の繊維及び/又はウェブ全体のいくつかの特徴のいずれか又は全てにより識別され得ることを理解するであろう。以下で論じるように、ニードルパンチ及び/又は水流交絡などの方法により再ロフトされたスパンボンドウェブは、図2の目に見える(項目15としての)破断繊維の存在により、そのようなプロセスに供されたものとして容易に識別され得る。
再ロフトのパターン及び領域範囲は、再ロフトウェブが、ウェブの巨視的(例えば、少なくとも10平方cmの)領域にわたり平均化された全体的な方式で、望ましい特性を呈するようなものである。したがって、例えば、ソリディティ、粒子の透過率、圧力降下、品質係数などの特性は、再ロフトウェブの好適な巨視的領域にわたって得られる平均的な特性であると理解されるであろう。用語「再ロフトされた」は、ウェブの領域の少なくとも30%が再ロフトされることを必要とし、その結果、ウェブ全体の、例えば品質係数の全体的な向上が得られ得る。様々な実施形態では、ウェブの領域の少なくとも約40、60、80、90、95、98、又は本質的に100%が再ロフトされてもよい。このような面積百分率は、ウェブの再ロフト領域(再ロフト領域の外周部により画定されるようなもの)の、ウェブの総面積に対する比から得られることが理解されるであろう。
いくつかの実施形態では、再ロフトプロセスは、前駆体ウェブ内に、及び/又は前駆体ウェブを通して、エンティティの多数の局所的な衝突及び貫入を実行することにより達成され得る。いくつかの実施形態では、このような再ロフトプロセスはニードルパンチプロセスである。したがって、再ロフト及びニードルパンチされたウェブに対する本明細書での言及は、再ロフトされ、更に何らかの他の目的のためにニードルパンチされたウェブではなく、ニードルパンチにより再ロフトされたウェブを意味する。ニードルパンチとは、とげのある多数の針を繊維の塊内に及び/又は繊維の塊を通って貫入させ、次いで、繊維が絡まるように針を抜くプロセスを指す。当業者であれば、ニードルパンチは、典型的には、例えば、カーディング、ガーネッティング(garnetting)、エアレイ(例えば、ランドウェーバー)などの乾式プロセスで収集した繊維を機械的に連結する方法として使用されることを理解するであろう。すなわち、ニードルパンチは一般に、繊維を共に「結合」して、例えば自己支持型ウェブを形成するために使用されるプロセスとして考えられる。対照的に、本発明では、本明細書で先に論じたように、ニードルパンチは、既に結合されて繊維-繊維結合を含んだ不織布ウェブに適用される。すなわち今回の場合、ニードルパンチは、図1に示されるニードルパンチされたウェブの走査型電子顕微鏡写真において、破壊又は破断された結合のように見えるもの12により明示されるように、スパンボンドウェブの既に存在する繊維-繊維結合の少なくとも一部を破断するために使用される。
ニードルパンチはこれまで、図2に示されるニードルパンチされたウェブの走査型電子顕微鏡写真における破断した繊維端15により明示されるように、繊維を破断すると考えられてきた。実際、ニードルパンチは、ウェブ内に穿孔を作り出すことにより濾過効率に悪影響を及ぼすものとして言及されてきた(例えば、米国特許第7015158号の背景技術を参照)。したがって本発明において、ニードルパンチが、スパンボンド不織布前駆体ウェブを再ロフトして、ロフトが増加し、かつ例えば品質係数及び粉塵保持容量により現れるような優れた濾過性能を呈する空気濾過ウェブをもたらす便利で成功した方法であることが見出されたことは、驚くべき結果である。
ニードルパンチは、任意の好適な方式で実施することができる。各個々の針の貫入はウェブの局所的なゾーンにのみ影響を与えると考えられ得るが、本発明では、ニードルパンチされた領域により再ロフトウェブが集合的にもたらされる(すなわち、ウェブ総面積の少なくとも30%を構成する1つ以上の領域(area or areas))ようにして、ニードルパンチを実行できることが見出された。この再ロフトウェブは、ウェブ又はその再ロフトされた領域の長さ及び幅にわたり、比較的均一な特性を呈する。したがって、様々な実施形態では、ウェブは、ウェブ1平方センチメートル当たり少なくとも4、8、12、16、20、24、30、35、又は40パンチのパンチ密度でニードルパンチされてもよい。例えば、針の間隔/密度、針を打つ速度、ニードルパンチ装置を通してウェブを前進させる速度などのプロセス及び装置パラメータは、所望のロフト増加を実現するばかりでなく、所望の均一性を実現するために、望ましいように調整することができる。ウェブは、必須ではない場合もあるが、例えば領域の均一性を更に向上させるために、ニードルパンチを複数回通過することができる、及び/又はウェブの両側からニードルパンチされることができる。
いくつかの実施形態では、再ロフトプロセスは水流交絡プロセスであってもよい。したがって、再ロフト及び水流交絡されたウェブに対する本明細書での言及は、再ロフトされ、何らかの他の目的のために水流交絡されたウェブではなく、水流交絡により再ロフトされたウェブを意味する。水流交絡は、(とげのある針ではなく)きわめて細かい高速のウォータージェットを使用して繊維を絡ませるプロセスを指す。したがって、水流交絡において衝突/貫入するエンティティはウォータージェットであり、水流交絡は「水圧ニードリング(hydraulic needling)」とよばれる場合もある。当業者であれば、水流交絡は多くの場合(例えばニードルパンチの代わりに)、例えば、カーディング、ガーネッティング、エアレイ(例えば、ランドウェーバー)などの乾式プロセスで収集した繊維を機械的に「結合」するために使用されることを理解するであろう。対照的に、本明細書に開示されるように、水流交絡は、本明細書で先に論じたように、既に結合されて繊維-繊維結合を含んだ不織布ウェブに適用される。すなわち、水流交絡は、スパンボンドウェブの既に存在する繊維-繊維結合の少なくとも一部を破断して、空気濾過特性が向上した空気濾過ウェブをもたらすために使用される。
水流交絡は、任意の好適な方式で実施することができる。したがって、例えば、ウォータージェットの間隔密度(spacing density)、水の速度及び圧力、ウェブへの水の衝突角度、水流交絡装置を通してウェブを前進させる速度などのプロセス及び装置パラメータを、望ましいように調整することができる。特に、ウォータージェットがスパンボンドウェブに衝突する密度(例えば、ウォータージェットの間隔及びウェブが水流交絡装置を通過する速度により確立されるものとして)は、任意の好適な値、例えば、ウェブの1平方センチメートル当たり少なくとも4、8、12、16、20、24、30、35、又は40回の衝突とすることができる。ウェブは、所望の場合には、水流交絡を複数回通過することができる、及び/又はウェブの両側から水流交絡されることができる。
当業者であれば、ニードルパンチ及び水流交絡などのプロセスが、物理的な「結合」として機能し得る繊維の絡み合いを引き起こし得ることを理解するであろう。このような繊維の絡み合いは、比較的少数の繊維-繊維結合が破断されず残っていたとしても、再ロフトウェブの一体性/自己支持性に寄与し得る。しかしながら、多くの実施形態では、多数の破断していない繊維-繊維結合が、このように再ロフトされたウェブ内に依然として存在し得る。
再ロフトプロセスは、濾過性能を改善させることが望ましい任意の空気濾過ウェブ上で実施され得る。しかしながら、再ロフトプロセスは(いかに実行されようとも)、比較的高いロフトを既に有するウェブ上で実施するのに特に適していることが見出された。すなわち、高ロフトウェブを再ロフトすることは、ウェブを介した粒子の透過率に対してはわずかな又は無視できる影響を与えながら、ウェブを介した圧力降下を著しく減少させることが見出された。これにより、品質係数が著しく改善する。比較的低ロフトのウェブ(例えば、ソリディティが10%以上)で再ロフトを実施した場合、圧力降下は再び著しく減少したが、ウェブを介した粒子の透過率は著しく増加した。したがって、これら両因子を考慮した品質係数は、著しくは改善されなかった。
したがって、本明細書に開示される再ロフトプロセスでは、比較的高ロフトのウェブを使用して、ロフトを更に高い値に増加させることができる。そうすることで、品質係数及び粉塵保持容量などの濾過パラメータを増加させることができる。様々な実施形態では、再ロフトされる前駆体ウェブは、10.0、9.0、8.0、7.0、又は6.0%未満のソリディティを呈し得る。様々な実施形態では、再ロフトプロセスにより、ソリディティが少なくとも0.1、0.2、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、又は3.0%減少し得る。(この割合は、実際のソリディティ自体を基準として表される。すなわち、ソリディティが8.0%である前駆体ウェブが再ロフトされて6.5%のソリディティを有する場合、これは1.5%のソリディティ低下である。)様々な実施形態では、再ロフトウェブは、9.0、8.0、7.0、6.0、5.0、又は4.0%未満のソリディティを呈し得る。更なる実施形態では、再ロフトウェブは、1.0、2.0、又は3.0%超のソリディティを呈し得る。品質係数により特徴付けられるような濾過性能の大幅及び有用な増加は、測定されたソリディティの大幅な減少を必ずしも必要としないことに留意されたい。したがって場合によっては、ソリディティが、例えば、0.2、0.1、又は更には0.05%という小さな減少であるにも関わらず、品質係数の有用な増加に対応する場合がある。様々な実施形態では、再ロフト空気濾過ウェブは、少なくとも0.5、0.7、1.0、1.3、又は1.5の品質係数を呈し得る。
再ロフトウェブは、任意の好適な坪量であってもよい。例えば、再ロフトプロセスがウェブ上全体に及ぶ効果を有する機械的作業プロセスである実施形態では、その坪量は前駆体ウェブの坪量からわずかに減少する場合があり、そうでなければ、その坪量は比較的変化しないままであり得る。様々な実施形態では、再ロフトウェブは、1平方メートル当たり300、200、150、100、90、又は80グラム以下の坪量を呈し得る。更なる実施形態では、再ロフトウェブは、1平方メートル当たり少なくとも30、40、又は50グラムの坪量を呈し得る。既に高ロフトである空気濾過ウェブを再ロフトすることで、ウェブが高い坪量(例えば、1平方メートル当たり100グラム以上)を有していたり、又はウェブが深くエンボス加工された(例えば、バッグのような)ポケットを含んでいたりする必要なく、粉塵保持容量を著しく(例えば、本明細書の実施例に明示されるように、2倍以上)増加させることができることは、注目に値する。様々な実施形態では、再ロフト空気濾過ウェブは、1平方メートル当たり少なくとも30、40、50、又は60グラムの粉塵保持容量を呈し得る。
先に述べたように、いくつかの実施形態では、再ロフト空気濾過ウェブ10はプリーツ化されていてもよい。したがって、図5の例示的実施形態に示されるように、再ロフト空気濾過ウェブ10は、プリーツ401及びプリーツ山部402を含むようにプリーツ化されたエアフィルタ媒体1をもたらすか、又はその層であり得る。「プリーツ化」は、当業者にはよく理解されるように、その少なくとも一部が折りたたまれて、概ね、平行な反対向きの折り目の列を形成した基材(単層又は多層のいずれか)を意味する。空気濾過媒体のプリーツ加工は、典型的には、名目上の(平面投影された)面積内で利用可能な媒体の総表面積を増やすために役立つ。プリーツ加工は、典型的には、例えば、ロフト及び粒子の透過率などの媒体固有の特性を著しく変化させることはない。
プリーツ化ウェブのプリーツ高さ及びプリーツ間隔は、任意の好適な範囲であってもよい。プリーツ高さ(プリーツ振幅)は、プリーツ化ウェブの主平面全体に対して直交する方向に沿った上流山部から下流山部までの距離である。様々な実施形態では、プリーツ高さは、少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、30、又は40mmであってもよい。更なる実施形態では、プリーツ高さは、最大で110、90、70、50、35、25、又は14mmであってもよい。プリーツ間隔は、フィルタ媒体主平面内のある方向に沿った、最も近傍にある同じ側のプリーツ山部間の距離である。様々な実施形態では、プリーツ間隔は、最大で約30、25、20、15、12、10、8、6、又は4mmであってもよい。更なる実施形態では、プリーツ間隔は、少なくとも約3、5、7、9、又は11mmであってもよい。プリーツは任意の望ましい曲率半径を有してもよい。例えば、プリーツは比較的正弦波形状の外観であってもよく、又はプリーツは比較的鋭利に傾斜していてもよい。
所望の場合には、プリーツ化エアフィルタ媒体1(再ロフト空気濾過ウェブ10のみの形態であるか、又はウェブ10が濾過層である多層構造の形態であるかに関わらず)は、任意の好適な方式で安定化され得る。これは、例えば、再ロフトプロセスが媒体の剛度を感知できるほどまで低下させる場合に特に有用であり得る。したがって、例えばいくつかの実施形態では、エアフィルタ媒体は、任意の好適な1つ以上のプリーツ安定化要素(pleat-stabilizing item or items)を備えてもよい。概して、このような要素は、部材、ストリップ、フィラメント、フィラメントの集合体、穴のある厚紙シートなどの形態をとり得る。このようなプリーツ安定化要素は、(図5に示されるような例示的な支持スクリム403のように)プリーツの山部のみと接触(例えば、結合)していてもよい、又はプリーツ安定化要素は媒体のプリーツを少なくとも部分的になぞっていてもよく、したがってプリーツの壁部及び/若しくは谷部にも同様に結合されていてもよい。前者のタイプのプリーツ安定化要素としては、例えば板紙ストリップ、ポリマーストランドなどが挙げられ得る。後者のタイプのプリーツ安定化要素としては、例えば、金網又はチキンワイヤータイプの金属格子(例えば、フィルタ媒体に適用された後にそれと共にプリーツ化されたもの)、プリーツ化媒体に適用されたふりかけ接着剤(drizzle glue)の小さな玉、プリーツ化前に媒体表面に突き出たフィラメントなどが挙げられ得る。
いくつかの実施形態では、プリーツ化媒体は、プリーツ化媒体と不連続に接触するようにして、媒体の主要な側のプリーツ山部と結合した架橋フィラメントと共に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、架橋フィラメントは、米国特許仮出願第62/346179号及び国際公開第2017/213926号に記載されている一般的なタイプのものであってよく、これらは両方、この目的のためにその全体が本明細書に援用される。いくつかの実施形態では、プリーツ化媒体は、プリーツ化媒体と連続的に接触した(すなわち、媒体と共にプリーツ化された)連続的な接触フィラメントと共に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、連続的な接触フィラメントは、この目的のためにその全体が本明細書に援用される、PLEATED AIR FILTER WITH REINFORCING FILAMENTS COMPRISING LOCALLY-THINNED BENDING ZONES(局所的に薄い曲げゾーンを含む強化フィラメントを備えたプリーツ化エアフィルタ)と題された、米国特許仮出願第-/-号、代理人整理番号80992US002に記載の一般的なタイプのものであってもよい。
所望の場合には、周辺部支持フレーム404を、例えば図5に例示的な方式で示されるような、再ロフト空気濾過ウェブ10を含むエアフィルタ媒体1(例えば、プリーツ化エアフィルタ媒体1)の主縁部に取り付けてもよい。図5ではプリーツ401を示すためにフレーム404の一部が省略されており、更に図5は例示的な表現であること、及び媒体1の特定の特色(例えば、プリーツ山部402の形状)は、描かれているものとは異なる場合があることを強調する。多くの都合のよい実施形態では、エアフィルタ媒体は矩形(この用語は正方形の形状を包含する)であり、周辺部支持フレームが取り付けられる4つの主縁部を有する。このようなフレームは、結果として得られるフレーム付きエアフィルタを好適な場所、例えばHVACシステムの還気ダクト内、室内空気清浄機の区画内などに設置できるよう、支持及び剛性をもたらし得る。
当業者であれば、高ロフトのスパンボンドウェブ(特に、例えば6.0%未満のソリディティを有するきわめて高ロフトなウェブ)は、それらが、例えば巨大なものに巻かれ、次の処理工程を待つ間その状態で保持又は保管される場合、圧縮されやすい場合があることを理解するであろう。このような圧縮は長期的又は永続的なものであり得、濾過性能に悪影響を及ぼし得る。しかしながら、溶融紡糸/結合プロセスを、プリーツ加工及び/又はフレーム加工と直接インラインで稼働させるのは面倒な場合がある。したがって、高ロフトのスパンボンドウェブを製造し、ロフトが維持されるように、それをプリーツ加工及び/又はフレーム加工プロセスに直接供給するのは困難な場合がある。
対照的に、再ロフトプロセス(例えば、ニードルパンチ操作及び/又は水流交絡操作)を、プリーツ加工及び/又はフレーム加工プロセスとインラインで稼働させることは、比較的簡単であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、空気濾過ウェブを再ロフトするプロセスは、ウェブをプリーツ加工するプロセス、及び/又はウェブをフレーム加工するプロセスとインラインで実行され得る。これにより、有利なことに、再ロフトウェブを巨大なものに一切巻き込む必要なしに、再ロフトウェブをプリーツ加工及び/又はフレーム加工プロセスに直接入力することができる。
本明細書に開示される再ロフトウェブは、空気濾過ウェブの定義によるものである。これは、再ロフトウェブが移動するガス流の微粒子の濾過を実行するように意図的に構成されていることを意味し、具体的には、再ロフトウェブが少なくとも0.30の品質係数を呈することを意味する。(本明細書における品質係数への全ての言及は、別段の指定がない限り、フタル酸ジオクチル(DOP)で試験することにより得られる品質係数を指す。)このような再ロフトウェブは、空気濾過媒体として単独で機能し得る、又は再ロフトウェブは、多層空気濾過媒体の濾過層として使用され得る。再ロフト空気濾過ウェブは、例えば、例えば衛生製品、おむつの構成材料、洗浄ワイプなどのような用途のための、液体を吸収するための吸収性材料として構成された不織布ウェブとは区別される。特に、気流から粒子を捕捉する能力を向上させるために帯電された再ロフト空気濾過ウェブは、液体を吸収するように構成されたウェブとは区別される。
特定の実施形態では、再ロフト空気濾過ウェブ(例えば、帯電したウェブ)は、親水性繊維、粉末など(例えば、吸水を促進するために不織布ウェブに含まれることが多いセルロースパルプ繊維)を、少なくとも本質的に含まない。空気濾過ウェブに関して期待されるように、少なくともいくつかの実施形態では、再ロフト空気濾過ウェブは、貫通穴、貫通スリット、貫通開口部を一切含まない、又は概して、空気中の粒子がどの繊維にも遭遇することなくウェブを通過することを可能とする通路を一切含まない。
例示的実施形態のリスト
実施形態1は、8.0%未満~少なくとも3.0%のソリディティを呈し、かつ少なくとも0.30の品質係数を呈する再ロフトスパンボンド不織布ウェブを含むエアフィルタ媒体であって、再ロフトスパンボンド不織布ウェブが、ニードルパンチされたウェブ、水流交絡されたウェブ、又はニードルパンチ及び水流交絡されたウェブである、エアフィルタ媒体である。
実施形態2は、再ロフトウェブが、7.0%未満~少なくとも4.0%のソリディティを有する、実施形態1に記載のエアフィルタ媒体である。
実施形態3は、再ロフトウェブが、帯電した少なくともいくつかのメルトスパン繊維を含む、実施形態1~2のいずれか1つに記載のエアフィルタ媒体である。
実施形態4は、再ロフトウェブが、ハイドロチャージされた少なくともいくつかのメルトスパン繊維を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載のエアフィルタ媒体である。
実施形態5は、再ロフトウェブが、単成分繊維である少なくともいくつかの帯電したメルトスパン繊維を含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載のエアフィルタ媒体である。
実施形態6は、空気濾過ウェブが少なくとも約0.70の品質係数を有する、実施形態1~5のいずれか1つに記載のエアフィルタ媒体である。
実施形態7は、ウェブが少なくとも約1.0の品質係数を有する、実施形態1~5のいずれか1つに記載のエアフィルタ媒体である。
実施形態8は、再ロフトウェブが繊維-繊維結合を含み、破断した繊維-繊維結合もまた含む、実施形態1~7のいずれか1つに記載のエアフィルタ媒体である。
実施形態9は、再ロフトウェブが、2.5%以下の面積率で存在する多繊維領域結合を含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載のエアフィルタ媒体である。
実施形態10は、再ロフトウェブがプリーツ化再ロフトウェブである、実施形態1~9のいずれか1つに記載のエアフィルタ媒体である。
実施形態11は、エアフィルタ媒体の4つの主縁部各々に取り付けられた周辺部支持フレームを更に含む、実施形態1~10のいずれか1つに記載のエアフィルタ媒体である。
実施形態12は、ウェブがニードルパンチされたウェブである、実施形態1~11のいずれか1つに記載のエアフィルタ媒体である。
実施形態13は、ウェブが水流交絡されたウェブである、実施形態1~11のいずれか1つに記載のエアフィルタ媒体である。
実施形態14は、気流の流れを濾過する方法であって、実施形態1~13のいずれか1つに記載のエアフィルタ媒体を通して気流の流れを通過させることを含む、方法。
実施形態15は、スパンボンド前駆体ウェブを再ロフトするプロセスであって、10%以下のソリディティを有するスパンボンド前駆体ウェブをニードルパンチ及び/又は水流交絡して、8.0%未満~少なくとも3.0%のソリディティを有し、かつ少なくとも0.30の品質係数を有する再ロフトスパンボンド空気濾過ウェブを製造することを含む、プロセスである。
実施形態16は、再ロフトプロセスがニードルパンチプロセスである、実施形態15に記載のプロセスである。
実施形態17は、再ロフトプロセスが水流交絡プロセスである、実施形態15に記載のプロセスである。
実施形態18は、再ロフトプロセスが、再ロフトスパンボンド空気濾過ウェブをプリーツ加工する後続のプロセスとインラインで実行される、実施形態15~17のいずれか1つに記載のプロセスである。
実施形態19は、再ロフトプロセスが、再ロフトスパンボンド空気濾過ウェブの主縁部に周辺部支持フレームを取り付ける後続のプロセスとインラインで実行される、実施形態15~18のいずれか1つに記載のプロセスである。
試験方法
ソリディティ及びロフト
ソリディティは、不織布繊維ウェブの嵩密度の測定値をウェブの固体部分を構成する材料の密度で割ることによって求める。ウェブの嵩密度は、最初にウェブの(例えば、10cm×10cmの切片の)重量を測定することによって決定することができる。ウェブの重量の測定値をウェブの面積で割ることでウェブの坪量が得られ、g/m単位で報告される。ウェブの厚さは、直径135mmのウェブのディスクを(例えば、ダイカットによって)得て、直径100mmの230gおもりをウェブ上の中央に置いてウェブ厚さを測定することによって、測定することができる。ウェブの嵩密度は、ウェブの坪量をウェブの厚さで割ることによって決定され、g/mとして報告される。
次に、不織布繊維ウェブの嵩密度を、ウェブの固体フィラメントを構成する材料(例えば、ポリマー)の密度で割ることによって、ソリディティを決定する。バルクポリマーの密度は、供給業者が材料密度を特定していない場合、標準的手段によって測定することができる。ソリディティは、通常は百分率で報告される無次元分数である。
ロフトは通常、100%からソリディティを引いた値として報告される(例えば、7%のソリディティは、93%のロフトに等しい)。
透過率(%)、圧力降下、及び品質係数
DOP(フタル酸ジオクチル)液滴を含有する課題のエアロゾルを使用し、(特に指示がない限り)85リットル/分の流速で供給して14cm/秒の面速度とし、TSI(登録商標)モデル8130高速自動フィルタテスタ(TSI Inc.,Shoreview,MNから市販されている)を使用して評価することにより、不織布繊維ウェブの(粒子)透過率、圧力降下、及び濾過品質係数(Quality Factor、QF)を決定する。DOP試験では、エアロゾルは直径が約0.185μmの粒子を含有してもよく、自動フィルタテスタを、ヒータをオフ、粒子ニュートラライザをオンにした状態で動作させてもよい。フィルタの入口と出口で較正済みの光度計を使用して、粒子濃度及びフィルタを通る粒子透過率(%)を測定してもよい。フィルタを通した圧力降下(ΔP、mmH2O)は、MKS圧力変換器(MKS Instruments,Wilmington,MAから市販されている)を使用して測定してもよい。QFの計算に、等式:
Figure 0007237142000001
を、圧力降下及び(粒子)透過率からQFを計算するために使用することができる。
粉塵保持容量(Dust Holding Capacity、DHC)
フィルタの粉塵保持容量(並びに、例えばフィルタの捕捉効率、捕集効率、及び最低効率報告値(Minimum Efficiency Reporting Value、MERV)などの他の濾過特性)は、ASHRAE規格52.2(「Method of Testing General Ventilation Air-Cleaning Devices for Removal Efficiency by Particle Size(粒子サイズによる除去効率に関する一般的な換気空気清浄装置の試験方法)」)における一般的な方法に従い測定する。粉塵保持容量試験は、ウェブをフィルタ(例えば、プリーツ化及び/又はフレーム付きのフィルタ)として構成することと、フィルタを試験ダクトに設置し、フィルタを、ASHRAE 52.2規格に示されるような合成粉塵を使用した漸増的な粉塵負荷工程に供することと、を伴う。粉塵保持容量は、漸増的な粉塵負荷工程の全てを通してエアフィルタサンプルにより捕捉された合成粉塵の総重量である。この場合、粉塵保持容量を試験したサンプルは以下のようにしてプリーツ化した。したがって、全サンプルの粉塵保持容量をエアフィルタサンプルの表面積に対して正規化し、1平方メートル当たりの塵埃のグラム数で報告する。
実施例
高ロフトスパンボンドウェブを得た。メルトスパン繊維は、概して、米国特許第8240484号の実施例に記載の手順に従い製造及び収集した。収集した繊維を、概して、米国特許第9976771号に記載の手順に従い自己結合させて自己支持型スパンボンドウェブを形成し、更に、‘484号特許に記載の一般的な方式であるカレンダ加工法を使用して領域結合させた。領域結合は、およそ1.5~1.6%のウェブの面積百分率で存在すると推定された。ウェブは概して、米国特許出願公開第2012/0017910号に開示された手順に従いハイドロチャージした。ウェブを、1平方メートル当たりおよそ55グラムの坪量、及びおよそ7.5のソリディティを呈するグレード55、並びに1平方メートル当たりおよそ75グラムの坪量、及びおよそ7.9.のソリディティを呈するグレード75の2つのグレードで得た。材料の両グレードは、平坦なウェブサンプルとして得た。
平坦なウェブサンプルを、ニードルパンチにより再ロフトした。針を、(上部の穴板と下部の穴板とを、それらの間におよそ50mmの垂直方向の間隔がある状態で備えた、上側をパンチする配置で)32列で与えた。各列は水平方向の(クロスウェブの)幅85cmの端から端に及び、列は28.5cmのダウンウェブの範囲に沿って間隔を空けて配置した。各列には104本の針があった(したがって、列内の針間隔はおよそ8mmであった)。針は、Foster Needle Co.(Manitowoc,WI)により、商品名F20-9-28-7-B、Needle#5230160、15x18x30x3.5RBで入手可能な一般的なタイプのものであった。ウェブを、1分当たり約1.5メートルの速度で、連続方式にてニードルパンチャーに通した。ウェブがニードルパンチユニットを通過する際、ウェブを、ストロークの深さが60mmの状態で1分当たりおよそ150ストロークの速度でニードルパンチした。これらのパラメータから、ウェブは、ウェブ材料1平方センチメートル当たりおよそ40パンチの密度でパンチされたと推定された。一方の側(上側)のみからパンチを行った。
ウェブのロフトの増加は、略式の目視検査においても顕著に明らかであった。すなわち、再ロフトウェブは得たままのウェブよりも著しく厚く、かつ「けば立って」おり、きわめて少ない領域結合領域が依然として目に見えた。むしろ領域結合領域は、それらを覆う繊維によって覆い隠されていると思われた。再ロフトウェブは、きわめて均一な外観を呈した。
これら再ロフトサンプルのソリディティ及び品質係数を、得たままのウェブのものと共に表1に提示する。これらは平坦なウェブサンプル上で測定した。各データポイントは、複数回の測定における平均値である。本明細書で述べたように、このような全ての測定値は再ロフトウェブの巨視的領域にわたって得られたものである。したがって、結果は全体的な値である。
再ロフトしたグレード55サンプルに関する粉塵保持容量(DHC)もまた含まれる。DHC試験では、サンプルをプリーツ化して、全体(名目上の)サイズが16インチ×20インチであり、プリーツ高さが0.75インチであり、かつプリーツ密度が1インチ当たりおよそ1.1プリーツであるプリーツ化フィルタを形成した。「そのままの」(再ロフトしていない)グレード55対照サンプルを、同様にプリーツ化した。
Figure 0007237142000002
表1から明らかなように、これらの再ロフトサンプルでは、品質係数がおよそ70%からおよそ80%へと向上した(得たままのサンプルと比較した%増加)。粉塵保持容量に関して試験した再ロフトサンプル(グレード55)は、「そのままの」ウェブと比較して、粉塵保持容量がきわめて大幅に向上した。
変更
他のニードルパンチ条件
サンプルを、1平方cm当たりおよそ30パンチ~1平方cm当たりおよそ280パンチの範囲であると推定される様々なパンチ密度でニードルパンチした。これらの全サンプルを、品質係数又は粉塵保持容量について特徴付けたわけではなかった。しかしながら、それらは上記サンプルと物理的に類似しているように見受けられ、それらは上記の実施例と少なくとも概ね同様に(又はそれよりも良好に)実施されると考えた。
コロナチャージ
グレード55と概ね同様であるが、およそ50の坪量を呈し、ハイドロチャージするのではなく、当技術分野における従来の方法を使用してコロナチャージしたサンプルを得た。上述したようなものと同様の方式で、サンプルをニードルパンチにより再ロフトした。再ロフトサンプルは、およそ0.55の品質係数を呈した得たままのサンプルと比較して、およそ1.0の品質係数を呈した。
前述の実施例は、理解を明確にするためにのみ提示したものであり、これらの実施例による不要な限定はないものと理解される。実施例に記載の試験及び試験結果は、予測的なものではなく、例示的なものであることが意図され、試験手順の変更により、異なる結果がもたらされることが予想され得る。実施例中の全ての定量値は、用いられた手順に含まれる周知の許容誤差を考慮した近似的なものと理解される。本明細書に開示される特定の例示的な要素、構造、特色、詳細、構成などは、多数の実施形態において修正及び/又は組み合わせ可能であることは、当業者には明らかであろう。かかる全ての変形及び組み合わせは、単に例示的な例示としての役割を果たすように選択された代表的な設計ではなく、着想された発明の範囲内にあると発明者は考える。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載された特定の例示的な構造に限定してはならず、少なくとも請求項の言語によって記載された構造及びそれらの構造の均等物に拡張される。本明細書において選択肢として積極的に記載されている要素はいずれも、所望に応じた任意の組み合わせで、請求項に明示的に含めてもよい、又は請求項から除外してもよい。オープンエンド言語(例えば、「を含む」とその派生語)で本明細書に記載される要素又は要素の組み合わせのいずれかは、クローズドエンド言語(例えば、「からなる」とその派生語)及び部分的クローズドエンド言語(例えば、「から本質的になる」とその派生語)で更に記載されると考えられる。様々な理論及び可能な機構が本明細書で検討され得るが、いかなる場合であっても、このような検討は、特許請求可能な主題を限定するものではない。本明細書の記載と、参照によって本明細書に組み込んだいずれかの文書の開示との間に何らかの矛盾又は不一致が存在するが、それに対する優先性が主張されていない場合、本明細書の記載が優先するものとする。

Claims (1)

  1. 8.0%未満~少なくとも3.0%のソリディティを呈し、かつ少なくとも0.30の品質係数を呈するスパンボンド不織布ウェブを含むエアフィルタ媒体であって、前記スパンボンド不織布ウェブが、繊維-繊維結合を含み、破断した繊維-繊維結合もまた含む、エアフィルタ媒体を製造する方法であって、
    10%以下のソリディティを有するスパンボンド前駆体ウェブをニードルパンチ及び/又は水流交絡すること
    を含み、
    前記スパンボンド前駆体ウェブをニードルパンチ及び/又は水流交絡することが、前記繊維-繊維結合のいくつかを破断する、方法
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