<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1~図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの7番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「第1リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「第2リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「黒BAR」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「白BAR」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「LUCKY」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)の11種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの中段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベット数によって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、図8(a)に示すように右下がりラインL4のみが有効ラインとされる場合と、図8(b)に示すように下ラインL3及び右下がりラインL4の2本の組合せラインが有効ラインとされる場合と、図8(c)に示すように折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる場合と、がある。より詳しくは、3枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、右下がりラインL4のみが有効ラインとされ、2枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、下ラインL3及び右下がりラインL4が有効ラインとされる。また、1枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる。上ラインL1,中ラインL2,右上がりラインL5の3本の組合せラインについては、有効ラインとされることがない。以下では、3枚のメダルがベットされて開始されたゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されたゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されたゲームを1ベットゲーム、ともいう。
図9~図11は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第2小役入賞~第26小役入賞は、入賞となる図柄の組合せがそれぞれ異なるものの、3ベットゲームにおいて、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「チェリー」図柄、「白ベル」図柄又は「LUCKY」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄、「青年」図柄、「白ベル」図柄、「赤7」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、が上ラインL1上に停止する、すなわち各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が上ラインL1上に停止する入賞態様である。例えば、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が上段に停止し、中リール32Mの「チェリー」図柄が中段に停止し、右リール32Rの「白BAR」図柄が下段に停止した場合には、第8小役入賞となる。図6に示すように、中リール32Mには、「チェリー」図柄(11番)と上流側の隣接する位置(12番)に「赤ベル」図柄が配置されており、右リール32Rには、「白BAR」図柄(18番)から上流側に1図柄分離れた位置(20番)に「赤ベル」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第8小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が上ラインL1上に停止することとなる。第2小役入賞~第26小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第27小役は、各リール32L,32M,32Rのうち所定のリールとして左リール32Lの停止図柄によって入賞か否かが決定される役であり、具体的には、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止することで第27小役入賞が成立する。この場合、中リール32M、右リール32Rの停止図柄は入賞判定には影響を及ぼさない。言い換えると、中リール32M、右リール32Rの停止図柄に関わらず、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は停止すること、すなわち、「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄が有効ライン上に停止することで第27小役入賞が成立する。第27小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第28小役入賞は、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止する場合であって、右下がりラインL4に「チェリー」図柄が揃って停止する場合がある入賞態様である。より詳しくは、左リール32Lに「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄、中リール32Mに「赤ベル」図柄、「白ベル」図柄又は「チェリー」図柄、右リール32Rに「チェリー」図柄、「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止すると第28小役入賞となる。第29小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
なお、第27小役と第28小役との関係について補足説明すると、左リール32Lの「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止すると中リール32Mと右リール32Rの停止図柄に関わらず第27小役入賞が成立するものの、中リール32Mと右リール32Rの停止図柄によっては第27小役入賞ではなく第28小役入賞が成立する場合がある。すなわち、第27小役入賞となる入賞態様に、第28小役入賞となる入賞態様が含まれる構成であるものの、第27小役入賞と第28小役入賞とは明確に区別されて入賞判定が行われる。
第29小役入賞は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止する入賞態様である。つまり、右下がりラインL4が有効ラインとされる場合、「スイカ」図柄が右下がりに揃って停止することで第29小役入賞が成立する。第29小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第30小役入賞は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が上ラインL1上に停止する入賞態様である。より詳しくは、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第30小役入賞となる。第30小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「黒BAR」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄,「第1リプレイ」と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第31小役入賞となる。第31小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第32小役入賞~第35小役入賞は、3ベットゲームで成立した場合、3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第36小役入賞は、遊技者が例えば各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作していた場合、左リール32Lと中リール32M、又は左リール32Lと右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止する一方、残りのリールの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない、所謂スイカテンパイ外れの停止出目となる入賞態様である。第36小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「黒BAR」図柄,「スイカ」図柄,「チェリー」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄,「白ベル」図柄,「青年」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第37小役入賞となる。図6に示すように、左リール32Lには、「赤ベル」図柄(7番)と下流側の隣接する位置(6番)に「第2リプレイ」図柄が配置されており、主な「白ベル」図柄(3番、12番、15番、20番)と下流側の隣接する位置(2番、11番、14番、19番)に「第1リプレイ」図柄が配置されている。右リール32Rには、主な「赤ベル」図柄(2番,5番,12番,20番)と上流側の隣接する位置(3番,6番,16番,0番)に「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が配置されており、「白ベル」図柄(10番)と上流側の隣接する位置(11番)に「第1リプレイ」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第37小役入賞が成立する場合には、主に、左リール32Lと右リール32Rにおいて「ベル」図柄と「リプレイ」図柄がテンパイする一方で中リール32Mの「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄が停止しない、所謂ダブルテンパイ外れの停止出目となる。第37小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「白BAR」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄,「スイカ」図柄,「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第38小役入賞となる。3ベットゲームにおいて左リール32Lの4番の「チェリー」図柄が上段~下段に到達したタイミングで遊技者が左ストップスイッチを操作していた場合、第38小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「赤ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が中ラインL2上に停止することとなる。第38小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第39小役入賞となる。詳細は後述するが、第39小役入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第39小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第40小役入賞となる。詳細は後述するが、第40小役入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第40小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「黒BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第41小役入賞となる。第41小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第8再遊技入賞がある。また、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。第1再遊技入賞~第8再遊技入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞,CB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、各リール32L,32M,32Rの「白BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2BB入賞となる。これらBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。また、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄,「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。CB入賞が成立した場合には、遊技状態がCB状態に移行する。
加えて、入賞とは異なるものの、遊技状態が第1RT状態に移行する停止出目がある。具体的には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄,「LUCKY」図柄,「赤7」図柄,「白ベル」図柄,「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。また、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄,「青年」図柄,「白ベル」図柄,「赤7」図柄,「第2リプレイ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合にも、遊技状態が第1RT状態に移行する。以下では、上記各図柄の組合せを移行出目という。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図12)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられており、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第3クレジット投入スイッチ58が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56~58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56~58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との間には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。つまり、演出スイッチ66を挟んで左方には、第1クレジット投入スイッチ56及び第3クレジット投入スイッチ58が設けられており、演出スイッチ66の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図12及び図13のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、第3クレジット投入スイッチ58の操作を個別に検出する第3クレジット投入検出センサ58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図14参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図13に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを図14~図41を参照しながら説明する。
図14は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図12参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図15のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203~ステップS215に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、1ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には1枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。ちなみに、本実施形態では2ベットゲームにて再遊技入賞が成立しないようになっているが、2ベットゲームでも再遊技入賞が成立するように変形するのであれば、本自動投入処理にて2枚の仮想メダルを自動投入可能に設定するとよい。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56~58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56~58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、CB状態における規定数として「2」が設定されており、CB状態以外の遊技状態(具体的には、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,BB状態)における規定数として「1」及び「3」が設定されている。つまり、CB状態においては、ベット数が「2」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、CB状態以外ではベット数が「1」又は「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、CB状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「2」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206にてモード移行報知用処理を実行する。かかる移行報知用処理については後に詳細に説明する。
ステップS206の処理を行った後は、ステップS206の処理結果の情報及びステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドをサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS207の処理を実行した後は、ステップS208にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS209にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、3ベットゲームでは、右下がりラインL4のみを有効ラインと設定し、2ベットゲームでは、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。また、1ベットゲームでは折れ曲がりラインL6を有効ラインと設定する。ステップS210では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS211の抽選処理、ステップS212のリール制御処理、ステップS213のメダル払出処理、ステップS214のRT状態処理、ステップS215のボーナス状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS211の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,BB状態,CB状態の6種類の遊技状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。
すなわち、ステップS302では、ベット数と状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグとに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、状態情報格納エリア106cに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作されたことに基づいて、その時点での設定値を今回の設定値とし、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップS302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図17は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306にて、第1BB、第2BB、CBのいずれかに当選しているか否かを判定する。具体的には、第1BB、第2BB、CBのいずれかを含むインデックス値IV(IV=32~48)にてステップS305で肯定判定したか否かを判定する。ステップS306にて肯定判定した場合には、ステップS307にて対応するボーナス当選フラグ(第1BB当選フラグ、第2BB当選フラグ、CB当選フラグ)を、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を行う。ステップS306にて否定判定した場合、又はステップS307の処理を行った後は、ステップS308にて、ステップS305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた各小役の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=32のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS307にて第1BB当選フラグをセットするとともに、ステップS308にて第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。また、IV=15のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS308にて第30小役,第41小役に当選したことを示す当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306~ステップS308では、第1BB,第2BB,CB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB,CB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=32のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットせず、第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=33の時に判定値DVが65535を超えた場合、第2BB当選フラグはセットせず、第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BB,CBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS309にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS310ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図17に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、通常リプレイに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約7.3分の1、強チェリーに当選となる確率(IV=13の際に当選となる確率)は約300分の1、弱チェリーに当選となる確率(IV=14の際に当選となる確率)は約183分の1である。強スイカに当選となる確率(IV=15の際に当選となる確率)は約300分の1、弱スイカに当選となる確率(IV=16の際に当選となる確率)は約218分の1、チャンスAに当選となる確率(IV=17の際に当選となる確率)は約252分の1、チャンスBに当選となる確率(IV=18の際に当選となる確率)は約252分の1である。中段ベルに当選となる確率(IV=19の際に当選となる確率)は約32800分の1、不問ベルに当選となる確率(IV=20の際に当選となる確率)は約65500分の1である。順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2に当選となる確率(IV=21~24の際に当選となる確率)はそれぞれ約43.7分の1、中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2に当選となる確率(IV=25~28の際に当選となる確率)はそれぞれ約21.8分の1である。強チェリー重複1に当選となる確率(IV=32の際に当選となる確率)は約1770分の1、強チェリー重複2に当選となる確率(IV=33の際に当選となる確率)は約4680分の1、弱チェリー重複1に当選となる確率(IV=34の際に当選となる確率)は約3280分の1、弱チェリー重複2に当選となる確率(IV=35の際に当選となる確率)は約6550分の1である。強スイカ重複1に当選となる確率(IV=36の際に当選となる確率)は約3280分の1、強スイカ重複2に当選となる確率(IV=37の際に当選となる確率)は約6550分の1。弱スイカ重複1に当選となる確率(IV=38の際に当選となる確率)は約13100分の1、弱スイカ重複2に当選となる確率(IV=39の際に当選となる確率)は約6550分の1。チャンスA重複1,チャンスA重複2,チャンスB重複1,チャンスB重複2に当選となる確率(IV=40~43の際に当選となる確率)はそれぞれ約3280分の1である。中段ベル重複1,中段ベル重複2に当選となる確率(IV=44,45の際に当選となる確率)はそれぞれ約2620分の1である。第1BB,第2BBに単独当選となる確率(IV=46,47の際に当選となる確率)はそれぞれ約65500分の1である。CBに当選となる確率(IV=48の際に当選となる確率)は約19.9分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.96分の1である。
なお、通常遊技状態用抽選テーブルには、IV=2~12,29~31,49~52のポイント値PVに対して0が設定されている。このため、通常遊技状態では、これらのインデックス値IVにおいて当選とならない。
ステップS308にて当選フラグをセットした後、又はステップS310にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS311に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS312では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301~ステップS311の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS312の処理を実行した後は、ステップS313にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS314では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS306~ステップS308にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、強チェリーに当選(IV=13の際に当選)となり、強チェリー当選フラグがセットされた場合、第28小役、第32小役~第35小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、強チェリー重複1に当選(IV=32の際に当選)となり、強チェリー当選フラグ及び第1BB当選フラグがセットされた場合、第28小役、第33小役、第35小役及び第1BB入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
続くステップS315では、ステップS314にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するように、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
例えば、強チェリー重複1に当選し、第28小役、第33小役、第35小役及び第1BB入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第28小役、第33小役、第35小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、例えば、第1BB当選が持ち越された状況で、通常リプレイに当選し、第1BB入賞及び第1再遊技入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第1再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ステップS315の処理を実行した後は、ステップS316にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップS212のリール制御処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS311にて行ったフリーズ抽選処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。ステップS402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS406~ステップS412に示す停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=24~31の際に当選となった場合すなわち順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2,中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2(以下、これらを総称して「押し順ベル」ともいう。)に当選となった場合(図17参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図19は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば中押しベル1に当選している場合には、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合に第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合に第1小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合に第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、通常遊技モード時のCB状態以外の遊技状態(3ベットゲーム)において、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、右下がりラインL4のみが有効ラインとして設定される。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第2小役図柄は、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄である。また、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄は、第7小役図柄としての機能も有しており、第9小役図柄としての機能も有している。左リール32Lには、第2小役図柄同士(第7小役図柄同士、第9小役同士)の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。例えば左リール32Lの4番の「チェリー」図柄が中段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、図20(a)に示すように、7番の「赤ベル」図柄が上段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞の成立する余地が残る。
中リール32Mの第2小役図柄は「白BAR」図柄である。中リール32Mには、「白BAR」図柄が18番の位置にのみ配置されている。また、中リール32Mの第7小役図柄は「赤7」図柄である。中リール32Mには、「赤7」図柄が14番の位置にのみ配置されている。そして、中リール32Mの第9小役図柄は「チェリー」図柄である。中リール32Mには、「チェリー」図柄が11番の位置にのみ配置されている。このため、中ストップスイッチ43の操作タイミングによって、第2小役図柄、第7小役図柄又は第9小役図柄が有効ライン上に停止したり、第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄のいずれも有効ライン上に停止しなかったりする。
具体的には、13番の「第1リプレイ」図柄~17番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第2小役図柄たる「白BAR」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞の成立する余地が残る。9番の「第2リプレイ」図柄~13番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、図20(b)に示すように、第7小役図柄たる「赤7」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第7小役入賞の成立する余地が残る。6番の「白ベル」図柄~10番の「青年」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第9小役図柄たる「チェリー」図柄が中段に停止する。他のタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、2番の「LUCKY」図柄又は6番の「白ベル」図柄が中段に停止する。
中リール32Mの第7小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第7小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第7小役図柄は「白ベル」図柄である。右リール32Rには、「白ベル」図柄が10番の位置にのみ配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第7小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、6番の「第1リプレイ」図柄~10番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、図20(c)に示すように、第7小役図柄たる「白ベル」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第7小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。例えば、3番の「第2リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、図20(d)に示すように、4番の「スイカ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄,「赤7」図柄,「スイカ」図柄の組合せは、図11に示すように移行出目である。
中リール32Mの第9小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第9小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第9小役図柄は「青年」図柄である。右リール32Rには、「青年」図柄が15番の位置に配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第9小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、11番の「第1リプレイ」図柄~15番の「青年」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第9小役図柄たる「青年」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第9小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「チェリー」図柄,「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。
中リール32Mの第2小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第2小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第2小役図柄は「白BAR」図柄である。右リール32Rには、「白BAR」図柄が18番の位置に配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第2小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、14番の「スイカ」図柄~18番の「白BAR」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第2小役図柄たる「白BAR」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「白BAR」図柄,「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。
中リール32Mの第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄が中段に停止しなかった場合、すなわち中リール32Mの「LUCKY」図柄又は「白ベル」図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止するように停止情報を変更する。
右リール32Rには、「スイカ」図柄及び「第1リプレイ」同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該「スイカ」図柄及び「第1リプレイ」図柄が配置されている。このため、右ストップスイッチ44が操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「LUCKY」図柄(「白ベル」図柄),「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。
このように、中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、第2小役入賞が成立する場合と、第7小役入賞が成立する場合と、第9小役入賞が成立する場合と、移行出目が停止する場合と、のいずれかとなる。
次に、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄が、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄が停止する。
左リール32Lには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1小役図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1小役図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。
以上のとおり、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた1通り又は2通りの操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、小役入賞が成立するか、有効ライン上に移行出目が停止することとなる。ちなみに、中段ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第38小役入賞が成立し、不問ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS414にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS415にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS416にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS213のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第8再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS214のRT状態処理を図21のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS501では、有効ライン上に移行出目が停止したか否かを判定する。移行出目が停止した場合には、ステップS502に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップS503にてRAM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。ステップS501にて有効ライン上に移行出目が停止していないと判定した場合には、ステップS504に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS505にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS503にて第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。また、通常遊技状態以外の遊技状態下で有効ライン上に移行出目が停止した場合には、ステップS505にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS503にて第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS503にて第1RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RT状態であると判別し、第1RT状態用抽選テーブルを選択する。
図22は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルである。第1RT状態用抽選テーブルは、通常遊技状態用抽選テーブル(図17参照)と比較した場合、IV=1~5のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=6~52の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約67.0分の1、IV=2~5の際に当選となる確率はそれぞれ約32.8分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.94分の1である。
ここで、図22に示すように、IV=1の際に当選となった場合には通常リプレイ当選となり、IV=2の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ1当選となり、IV=3の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ2当選となり、IV=4の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ3当選となり、IV=5の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ4当選となる。IV=1~5のいずれかの際に当選となる確率は約7.30分の1である。通常遊技状態下における通常リプレイ当選確率も約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,ボーナスの各役種について通常遊技状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が通常遊技状態と異なるものに変化する。より詳しくは、通常遊技状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞のみが成立し、第1RT状態では、第1再遊技入賞に加えて、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、上述した押し順ベルに当選となった場合に加えて第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(a)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4に当選となった場合には、押し順ベルに当選となった場合と異なり、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第3再遊技入賞が必ず成立する。第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序に第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第1再遊技が対応付けられている。
なお、第1昇格リプレイ2~4では、第1再遊技及び第3再遊技の他に、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技も当選役として振り分けられている。但し、これら第6再遊技~第8再遊技は、上記6通りの操作順序のうちのいずれもが対応付けられていない。そのため、第6再遊技~第8再遊技は、第1昇格リプレイ2~4に当選していても、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず、入賞しない。
より具体的には、第1昇格リプレイ1~4は、それぞれ、第1昇格リプレイ1は第1再遊技及び第3再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ2は第1再遊技及び第3再遊技の他に第6再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ3は第1再遊技及び第3再遊技の他に第7再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ4は第1再遊技及び第3再遊技の他に第8再遊技が振り分けられているものの、いずれの第1昇格リプレイ1~4であっても、入賞する再遊技は第1再遊技と第3再遊技のうちの何れかとなっている。これは、第3再遊技入賞が成立する操作順序をわかりにくくするためである。すなわち、例えば、第1昇格リプレイが1種類であると、第3再遊技入賞に対応する操作順序も1種類となってしまい、第1昇格リプレイ当選時に、意図的に第3再遊技入賞を成立させることが可能となり得るからである。なおこの関係は、第1昇格リプレイ1~4の関係のみに限ったことではなく、他の重複役についても同様のことがいえる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS504にて第2再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS506に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS507にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS508にて第2RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS508にて第2RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第2RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第2RT状態であると判別し、第2RT状態用抽選テーブルを選択する。
図24は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルは、第1RT状態用抽選テーブル(図22参照)と比較した場合、IV=1~10のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=11~52の際に当選となる確率は第1RT状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約13.2分の1、IV=2~5の際に当選とならず、IV=6~8の際に当選となる確率はそれぞれ約10.5分の1、IV=9,10の際に当選となる確率はそれぞれ約7.00分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約150分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、通常遊技状態及び第1RT状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。また、第2RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞に加えて、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞と、第3RT状態に移行する第4再遊技入賞,第5再遊技入賞と、が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、上述した第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4に当選となった場合に加えて、転落リプレイ1~転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(b)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。転落リプレイ1~転落リプレイ3に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第2再遊技入賞が必ず成立する。第2昇格リプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第4再遊技入賞,第5再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。第2昇格リプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第4再遊技入賞が必ず成立する。
なお、図中の第4再遊技に付されている番号は、第4再遊技入賞が成立する際の図柄組合せと対応するものである。「1」は、バラケ目となる図柄組合せと対応し、「2」は、赤7・赤7・黒BAR中段停止となる図柄組合せと対応する(図11参照)。例えば、第2昇格リプレイ1に当選となった際に左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、バラケ目となる図柄組合せが停止して第4再遊技入賞成立となるか、赤7・赤7・黒BAR中段停止となる図柄組合せが停止して第4再遊技入賞成立となる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS506にて第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS509に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞及び第5再遊技入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了する。第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS510にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS511にて第3RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS511にて第3RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第3RT状態であると判別し、第3RT状態用抽選テーブルを選択する。
図25は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルは、第2RT状態用抽選テーブル(図24参照)と比較した場合、IV=9~12のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1~8,13~52の際に当選となる確率は第2RT状態における各当選確率と等しく、IV=9,10の際に当選とならなくなり、IV=11,12の際に当選となる確率はそれぞれ約7.00分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約150分の1である。つまり、遊技状態が第3RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,ボーナスの各役種について第2RT状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が第2RT状態と異なるものに変化する。より詳しくは、第3RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞と、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞と、に加えて、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞と、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞と、が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、BARリプレイ1,BARリプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(c)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。BARリプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第3再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。BARリプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第6再遊技入賞,第8再遊技入賞,第3再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。
次に、ステップS215のボーナス状態処理を図26のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS601では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態がBB状態又はCB状態であるか否かを判定する。ボーナス状態でない場合には、ステップS602~ステップS614に示すボーナス判定処理を行う。
ボーナス判定処理では、ステップS602にて第1BB当選フラグ,第2BB当選フラグ,CB当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれかの当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、CB入賞が成立したか否かを判定する。CB入賞が成立した場合には、ステップS604にて状態情報格納エリア106cにCB設定フラグをセットする。ステップS605では、状態情報格納エリア106cに設けられたボーナス状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに15をセットする。ステップS604~S605の処理を行うことにより、遊技状態がCB状態に移行する。
ここで、CB及びCB状態について簡単に説明する。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄又は「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。各リール32L,32M,32Rには、CB図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該CB図柄が配置されている。このため、CBに当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、CB入賞が成立する。
主制御装置101は、状態情報格納エリア106cにCB設定フラグがセットされている場合、遊技状態がCB状態であると判別する。そして、通常処理のステップS205では、メダルのベット数が「3」ではなく「2」に達しているか否かを判定し、有効ライン設定処理(ステップS209)では、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。
抽選処理のステップS302では、CB状態用抽選テーブルを選択する。CB状態用抽選テーブルの図示は省略するが、CB状態用抽選テーブルでは、IV=1~48のポイント値PVとして「0」が設定されており、IV=49~52のポイント値として「16384」が設定されている(IVと当選役との対応関係については図17等参照)。したがって、CB状態では、CB中小役1に当選となる確率(IV=49の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役2に当選となる確率(IV=50の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役3に当選となる確率(IV=51の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役4に当選となる確率(IV=52の際に当選となる確率)が約4.00分の1となる。外れとなる事象は発生しない。
図27(a)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。詳細な説明は省略するが、CB中小役1~CB中小役4のいずれに当選となった場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、何らかの小役入賞が必ず成立する。CB状態は2ベットゲームであるため、第1小役入賞,第27小役入賞,第31小役入賞,第36小役入賞~第38小役入賞が成立した場合には、15枚のメダル払出が行われ、第2小役入賞~第26小役入賞,第28小役入賞~第30小役入賞,第32小役入賞~第35小役入賞が成立した場合には、14枚のメダル払出が行われる。つまり、CB状態に移行した場合には、必ず14枚又は15枚のメダル払出が行われる。
なお、当選役としてのCB、及び遊技状態としてのCB状態に代え又は加えて、当選役として1ゲームの遊技(JACゲーム)を実行可能となるシングルボーナス(SB)、及びそのシングルボーナス当選(入賞)に基づいて移行するSB状態を設けてもよい。
ボーナス状態処理の説明に戻り、ステップS603にてCB入賞が成立していないと判定した場合には、CB以外のボーナス当選フラグがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS608にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアし、ステップS609にて第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。
そして、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS610にてRAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされているBB当選フラグをクリアするとともに、ステップS611にて状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットする。その後、ステップS612にて、残払出数カウンタに216をセットし、残払出枚数表示部61に216を表示させる処理を行う。ステップS612でセットする数値は、BB状態における上限払出数に対応する数値であり、BB状態において当該数値以上のメダルの払い出しが行われたことを条件に当該BB状態が終了される。
ステップS610~S612の処理を行うことにより、遊技状態がBB状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がBB状態であると判別し、対応するBB状態用抽選テーブルを選択する。
図28は、第1BBや第2BBで移行するBB状態で選択されるBB状態用抽選テーブルである。BB状態用抽選テーブルでは、IV=1~28,32~52のポイント値PVとして「0」が設定されており、IV=29~31のポイント値として「21845」が設定されている。したがって、BB状態では、BB中小役1に当選となる確率(IV=32の際に当選となる確率)が約3.00分の1となり、BB中小役2に当選となる確率(IV=33の際に当選となる確率)が約3.00分の1となり、BB中小役3に当選となる確率(IV=34の際に当選となる確率)が約3.00分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約65500分の1である。
図27(b)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。上述したとおり、第1小役入賞は、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず成立させることができる入賞態様である。したがって、BB中小役1,BB中小役2,BB中小役3のいずれに当選となった場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、第1小役入賞,第39小役入賞,第40小役入賞のいずれかが必ず成立する。BB状態は3ベットゲームであるため、第1小役入賞,第39小役入賞,第40小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。BB状態における外れの確率は約65500分の1であるため、BB状態は、非常に高確率で9枚のメダル払出が行われる遊技状態である、といえる。
ステップS609にて否定判定し、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS613にて持ち越しコマンドをセットする処理を行う。持ち越しコマンドとは、ボーナス当選ゲームにて当該ボーナス入賞が成立せず、所謂持ち越し状態となったことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、かかる持ち越しコマンドはタイマ割り込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて表示制御装置81へ出力される。
ここで、本実施形態では、持ち越し状態において行われるゲームでは、他のボーナスに当選することが制限される。より詳しくは、通常遊技状態用の抽選テーブル(図17)において、IV=32~48のボーナス(第1BB,第2BB,CB)との重複役等に当選した場合には、これらボーナスに対応する当選フラグはセットされない。そのため、例えば、IV=32~45の各小役との重複役に当選した場合には、これら各小役の当選フラグはセットされるものの、ボーナスに対応する当選フラグはセットされず、小役入賞のみが有効となる。すなわち、持ち越し状態とは、ボーナスの抽選が制限される状態ともいえる。
遊技状態がCB状態又はBB状態に移行した場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS614にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、残払出数カウンタの値が0となったか否かを判定し、0となった場合にCB設定フラグ又はBB設定フラグをクリアする処理を行う。また、終了判定処理では、BB設定フラグをクリアした場合、今回のゲームでBB状態が終了したことを示す終了フラグをセットする。なお、当該終了判定処理については、後に詳細に説明する。
ステップS602~ステップS614に示したように、CBに当選するとともにCB入賞が成立した場合には、RT設定フラグをクリアすることなくCB設定フラグをセットしている。このため、CB設定フラグをクリアした場合、すなわちCB状態が終了した場合には、CB入賞が成立した際の遊技状態に復帰することとなる。例えば、通常遊技状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に通常遊技状態に復帰し、第3RT状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に第3RT状態に復帰する。一方、第1BB、第2BBに当選した場合には、対応するBB入賞の成立有無に関わらずステップS608にてRT設定フラグをクリアしている。このため、BB設定フラグをクリアした場合、すなわちBB状態が終了した場合には、仮に第2RT状態下で第1BB入賞が成立したとしても、通常遊技状態に移行することとなる。ちなみに、CB状態に移行した場合、遊技者は、当該CB状態が終了するまでの間に13(=15-2)枚又は25(=14-2+15-2)枚のメダル増加を期待できる。BB状態に移行した場合、遊技者は、当該BB状態が終了するまでの間に約144(=9×24-3×24)枚のメダル増加を期待できる。
第1BB当選フラグ,第2BB当選フラグ,CB当選フラグのいずれもセットされていない場合(ステップS602がNOの場合)と、第1BB入賞,第2BB入賞,CB入賞のいずれも成立しておらず持ち越しコマンドをセットした場合(ステップS613の処理を実行した場合)と、ステップS605、ステップS612にて残払出数カウンタに所定値をセットした場合と、ステップS614にて終了判定処理を行った場合と、には、ステップS606に進み、状態コマンドをセットする。ここで、状態コマンドとは、ゲーム終了時点での遊技状態(すなわち次回のゲームの遊技状態)を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、ステップS606では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグと対応する状態コマンドをセットする。状態コマンドをセットした後、ステップS607では、外部集中端子板121からスロットマシン10外部に出力する外部信号を設定する外部信号設定処理を行う。その後、本処理を終了する。
<遊技状態の移行と表示モードの概要>
ここで、遊技状態の移行について図29を用いて説明する。なお、CB状態については、図示を省略している。
遊技状態がBB状態である場合、当該BB状態下におけるメダル払出数が216に達した場合にBB状態が終了し、遊技状態が通常遊技状態に移行する。
遊技状態が通常遊技状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行し、BB入賞が成立することによって遊技状態がBB状態に移行する。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。通常遊技状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第2RT状態への移行契機となる第1昇格リプレイ1~4や、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2は当選しないため、通常遊技状態からは、第2RT状態及び第3RT状態に移行しない(図17参照)。
遊技状態が第1RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行する。第3再遊技入賞は、第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(a)参照)。第1RT状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2は当選しないため、第1RT状態からは、第3RT状態に移行しない。
また、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各1BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。第1RT状態からは、第3RT状態に移行しない。
遊技状態が第2RT状態である場合、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行する。また、第2再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第4再遊技入賞と第5再遊技入賞は、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1~転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。加えて、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
遊技状態が第3RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行する。また、第2再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第3再遊技入賞は、BARリプレイ1又はBARリプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(c)参照)。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1~転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。加えて、各当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
本スロットマシン10では、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,BB状態,CB状態の6種類の遊技状態を主制御装置101が管理するとともに、大別して通常モード,チャレンジモード,アタックモード(上乗せ特化ゾーン含む),VBモード(上乗せ特化ゾーン含む),BBモードの5種類の表示モードを主制御装置101が管理するようになっている。
図30は、各表示モードの移行を示す図である。
BBモードとは、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立した場合に移行し、BB状態が終了した場合に終了する表示モードである。すなわち、BBモードは、BB状態と対応する表示モードである。したがって、BBモードに移行した場合、遊技者は約144枚のメダル増加を期待できる。
通常モード又はチャレンジモードからBBモードに移行した場合、当該BBモードでは、チャレンジモードへの移行抽選と、アタックモードへの移行抽選と、が行われる。アタックモードへの移行抽選に当選した場合には、BBモードの終了後にアタックモードに移行し、チャレンジモードへの移行抽選に当選した場合には、BBモードの終了後にチャレンジモードに移行する。いずれの移行抽選にも当選しなかった場合には、BBモードの終了後に通常モードに移行する。アタックモードからBBモードに移行した場合には、BBモードの終了後にアタックモードに復帰する。VBモードからBBモードに移行した場合には、BBモードの終了後にVBモードに復帰する。
通常モードとは、押し順ベル当選時と、第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4,転落リプレイ1~転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2,BARリプレイ1,BARリプレイ2(以下、これらを総称して「押し順リプレイ」という。)当選時と、にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されない表示モードである。通常モードでは、チャレンジモードへの移行抽選と、アタックモードへの移行抽選と、が行われる。チャレンジモードへの移行抽選に当選した場合には、通常モードからチャレンジモードに移行し、アタックモードへの移行抽選に当選した場合には、通常モードからアタックモードに移行する。通常モードからは、VBモードに移行しない。
通常モードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、通常モードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されないため、第2RT状態及び第3RT状態に移行することは稀であり、ほぼ通常遊技状態又は第1RT状態と対応することとなる。通常モードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.59枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.06枚減少することを期待できる。
チャレンジモードとは、通常モードと同様、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されない表示モードである。チャレンジモードでは、アタックモードへの移行抽選が行われる。但し、当該チャレンジモードにおけるアタックモードへの移行抽選の当選確率は、通常モードにおけるアタックモードへの移行抽選の当選確率よりも高く設定されている。つまり、チャレンジモードは通常モードと同じように操作順序の報知が行われないものの、アタックモードへ移行し易いモードとして設定されている。アタックモードへの移行抽選に当選した場合には、チャレンジモードからアタックモードに移行する。上記移行抽選に当選することなく所定回数(例えば10回等)のゲームが行われた場合には、チャレンジモードから通常モードに移行する。チャレンジモードからは、VBモードに移行しない。
チャレンジモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、チャレンジモードでは、押し順リプレイ当選時にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されないため、第2RT状態及び第3RT状態に移行することは稀であり、ほぼ通常遊技状態又は第1RT状態と対応することとなる。チャレンジモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.59枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.06枚減少することを期待できる。
アタックモードとは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知される表示モードである。アタックモードは、VBモードへの移行確率が異なる第1アタックモード~第4アタックモードの4つのアタックモードによって構成されており、いずれのアタックモードであっても、通常モードと比してVBモードへの移行確率が高くなっている。VBモードへの移行抽選に当選した場合には、アタックモードからVBモードに移行する。VBモードへの移行抽選に当選することなく所定回数(例えば50回等)のゲームが行われた場合には、アタックモードから通常モードに移行する。
第1アタックモード~第4アタックモードは、VBモードへの移行抽選に当選する確率が異なるように設定されている。より具体的には、VBモードへの移行抽選に当選する確率が、第4アタックモードが最も高く、第1アタックモードが最も低くなるように設定されており、第1アタックモード、第2アタックモード、第3アタックモード、第4アタックモードの順でVBモードへの移行抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。
アタックモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、アタックモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知されるため、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合、ほぼ第2RT状態と対応することとなる。アタックモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.90枚増加することを期待できる。アタックモードは、遊技状態が第2RT状態に移行してから少なくとも50ゲーム継続するため、アタックモードに移行した場合、遊技者は約100枚のメダル増加を期待できる。
VBモードとは、アタックモードと同様、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知される表示モードである。VBモードとアタックモードとの相違点は、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選となった場合に、アタックモードでは第1再遊技入賞を成立させるための操作順序が報知される一方、VBモードでは第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞を成立させるための操作順序が報知される点である(図23(b)参照)。
VBモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、VBモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知され、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選となった場合に第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞を成立させるための操作順序が報知される。このため、VBモードは、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合、ほぼ第3RT状態と対応することとなる。VBモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.90枚増加することを期待できる。VBモードは、遊技状態が第3RT状態に移行してから少なくとも25ゲーム継続するため、VBモードに移行した場合、遊技者は約50枚のメダル増加を期待できる。
遊技者の所有メダルが増加する際の表示モードの移行について説明すると、通常モードからチャレンジモードに移行し、チャレンジモードからアタックモードに移行し、アタックモードから通常モードに戻るという流れが一般的である。そして、アタックモードではVBモードへの移行抽選が行われるため、アタックモードからVBモードに移行し、VBモードからアタックモードに戻るというループが発生した場合、遊技者はより多くの所有メダル増加を期待できる。
上記のように、通常モードとチャレンジモードとで比較すると、アタックモードへの移行抽選に当選する確率が通常モードよりもチャレンジモードの方が高くなるように設定されている。したがって、チャレンジモードはアタックモードへの移行を期待させる所謂チャンスゾーンとも称される。
また、アタックモードにおいて第1アタックモード~第4アタックモードが設定されており、各アタックモードにおいてVBモードへの移行抽選の当選確率が異なっている。そして、通常モード又はチャレンジモードからアタックモードへ移行する場合、基本的には第1アタックモードに移行する。第1アタックモードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、第2アタックモードへの移行抽選が行われる。第2アタックモードへの移行抽選に当選すると、第2アタックモードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。第2アタックモードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、第3アタックモードへの移行抽選が行われる。第3アタックモードへの移行抽選に当選すると、第3アタックモードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。そして、第3アタックモードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、第4アタックモードへの移行抽選が行われる。第4アタックモードへの移行抽選に当選すると、第4アタックモードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。
したがって、アタックモードに移行した場合、第1アタックモード→第2アタックモード→第3アタックモード→第4アタックモードとアタックモードの昇格が行われることで、VBモードへの移行確率が高くなり、アタックモードとVBモードとのループが発生し易くなる。
以上のとおり、本スロットマシン10では、アタックモード,VBモード,BBモードの各表示モードにおいて遊技者が所有メダルの増加を図る構成となっている。そして、各表示モードと連動して、複数のRT状態と、BB状態、CB状態といった複数の状態が各再遊技の入賞又は移行出目の停止等によって行き来する構成となっている。上記のとおり、押し順リプレイ当選時や押し順ベル当選時のストップスイッチ42~43の操作順序によって対応する再遊技入賞が成立したり移行出目が停止したりする。また、アタックモードやVBモードにおいては、押し順ベル当選時に、第1小役入賞を成立させることが可能となる操作順序が報知されることで、所有メダル増加を期待できる。
以下、表示モードに関する構成について説明する。
表示モードに関する構成としては、大別して、(1)表示モードの移行抽選に関する処理、(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理、(3)入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理、(4)サブ側の報知演出に関する処理がある。以下、順番に説明する。
<表示モードの移行抽選に関する処理>
<抽選結果対応処理>
(1)の表示モードの移行抽選に関する処理は、主制御装置101による抽選処理(図16)の抽選結果対応処理(ステップS312)にて行われる。そこで、以下、抽選結果対応処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS701では、今回の抽選結果として、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、チャンスA,B及び中段ベル、強チェリー重複1,2、弱チェリー重複1,2、強スイカ重複1,2、弱スイカ重複1,2、チャンスA重複1,2、チャンスB重複1,2、中段ベル重複1,2(例えば、図17参照、IV=13~19,32~45、以下、これらの役をまとめて「特定役」という)であるか否かを判定する。抽選結果が特定役である場合には、ステップS702にて、既に第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグのうちのいずれかのボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップS702の処理において、既に第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされている場合とは、持ち越し状態であることを示し、第1BBや第2BBに当選したゲームを含まない。つまり、ステップS702において既に第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされていないと判定する場合とは、第1BB又は第2BBとの重複当選となる特定役当選ではない場合の他、第1BB又は第2BBとの重複当選となる特定役当選である場合も含まれる。言い換えると、持ち越し状態中において第1BB又は第2BBとの重複当選となる特定役に当選した場合には、ステップS702にて肯定判定する。
ステップS702にて否定判定した場合、ステップS703~ステップS709の特定役に基づく表示モードの移行用の処理を実行する。一方、ステップS701にて特定役当選ではないと判定した場合又はステップS702にてボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS710~ステップS713にて、表示モード移行用の処理等を行う。
具体的には、ステップS701にて特定役当選であると判定した場合であってステップS702にてボーナス当選フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS703にて、現状の遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態であるか否かを判定する。ステップS703にて肯定判定した場合、ステップS704にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにアタックモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。アタックモード当選フラグは、アタックモードの移行抽選に当選した場合にセットされ、アタックモードへ移行する際にクリアされるフラグである。ステップS704にて否定判定した場合には、ステップS705にて、第1特定役処理を実行する。
<第1特定役処理>
第1特定役処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。
ここで、第1特定役処理が行われる場合とは、通常遊技状態又は第1RT状態であって、且つアタックモードに当選していない状態である。この場合の表示モードとしては、通常モード又はチャレンジモードが対応する。第1特定役処理では、表示モードをチャレンジモードに移行するか否かの移行抽選が行われるとともに、アタックモードに移行するか否かの移行抽選が行われる。また、第1特定役処理では、現状の表示モードがチャレンジモードであれば、チャレンジモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS801にて、現状の表示モードがチャレンジモード中か否かの判定を行う。チャレンジモード中ではない場合とは、現状の表示モードが通常モードであることを意味する。ステップS801にて否定判定した場合には、ステップS802にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからアタックモード抽選用のテーブルとして通常時用テーブルを取得する。一方、ステップS801にて肯定判定した場合には、ステップS803にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからアタックモード抽選用のテーブルとしてチャレンジモード用テーブルを取得する。通常時用テーブルとチャレンジモード用テーブルとでは、特定役の種類に応じてアタックモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。例えば、強チェリーと弱チェリーとでは、強チェリーの方が弱チェリーよりもアタックモードへの移行確率が高く設定されている。また、通常時用テーブルとチャレンジモード用テーブルとでは、全体的にアタックモードへの移行確率が異なっており、通常時用テーブルよりもチャレンジモード用テーブルの方がアタックモードへの移行確率が高くなるように設定されている。
ステップS802又はステップS803にてアタックモード移行抽選用のテーブルを取得した後は、ステップS804にてアタックモード抽選処理を実行する。かかる処理では、抽選用のカウンタをRAM106の各種カウンタエリア106eから取得し、ステップS802又はステップS803にて取得した抽選用のテーブルに照らし合わせることで、アタックモードへの移行抽選を行う。
ステップS805では、ステップS804の処理結果に基づいて、アタックモードへの移行抽選に当選したか否かの判定を行う。アタックモードへの移行抽選に当選した場合には、ステップS806にて、今回当選したアタックモードがスーパーアタックモードか否かを判定する。スーパーアタックモードとは、上乗せ特化ゾーンを経てから開始されるアタックモードである。例えば、通常のアタックモードの初期ゲーム数が50とすると、スーパーアタックモードでは当該初期ゲーム数の50に対し、上乗せ特化ゾーンにて上乗せされたゲーム数を加えたゲーム数でアタックモードが開始される。そのため、通常のアタックモードとスーパーアタックモードとでは遊技者にとっての有利度が異なり、アタックモードよりもスーパーアタックモードの方が遊技者にとって有利なものとなる。スーパーアタックモードは、ステップS804のアタックモード抽選処理にてアタックモードに当選する場合の一部(例えば1%)で当選するように設定されている。
なお、通常時用テーブルを取得した際(ステップS802)と、チャレンジモード用テーブルを取得した際(ステップS803)とで、スーパーアタックモードの当選確率が異なるように設定してもよく、この場合、通常時よりもチャレンジモード時の方がスーパーアタックモードの当選確率を高くすると、チャレンジモードの優位性が担保される。また、通常時の方がチャレンジモードよりもアタックモードの当選確率は低いものの、当選時のスーパーアタックモードの割合が大きくなるように設定してもよい。さらに、特定役の種類に応じてスーパーアタックモードの当選確率やアタックモード当選時のスーパーアタックモードの割合を異ならせてもよい。
ステップS806にて、スーパーアタックモード当選であると判定した場合、ステップS807にて、特化ゾーン当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップS806にて否定判定した場合、又はステップS807の処理を実行した後は、ステップS808にて、アタックモード当選フラグをセットする処理を行う。すなわち、アタックモード当選時にはアタックモード当選フラグがセットされ、そのうちの一部で(スーパーアタックモードに当選した場合には)特化ゾーン当選フラグがセットされることになる。
ステップS808の処理を行った後は、ステップS809~ステップS812にて前兆モードの設定用の処理を行う。前兆モードとは、アタックモードやチャレンジモード等に当選したことを示唆する当選示唆演出が発生し易くなるモードであり、当該前兆モードの各ゲームを経てから、アタックモードやチャレンジモード等に当選したことの当選報知が行われる。前兆モードは0ゲーム~32ゲームに亘って継続し、当選したアタックモードやチャレンジモード等の種類と、ボーナスに同時当選しているか否かとによって、その前兆モードの継続ゲーム数が異なるように設定されている。なお、アタックモードやチャレンジモード等がボーナスと同時当選している場合は、前兆モードを経てからボーナスの当選報知が行われ、そのボーナス状態が終了してから、アタックモードやチャレンジモード等に当選していたことの報知が行われる。また、前兆ゲーム数が0ゲームとして設定される場合、前兆モードを介さずに当選報知が行われることになる。
具体的には、ステップS809では、先ず、前兆ゲーム数テーブルをROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得する処理を行う。図35に示すように、前兆ゲーム数テーブルでは、現状の表示モード(通常モード又はチャレンジモード)と、ボーナスと同時当選したか否かによって、選択される前兆ゲーム数が異なるように設定されている。具体的には、現状の表示モードが通常モードである場合であって、アタックモード当選時においては、ボーナスに同時当選していない場合には、1ゲーム~5ゲームが80%で選択され、6ゲーム~10ゲームが20%で選択される。一方、現状の表示モードが通常モードである場合であっても、アタックモードとボーナスに同時当選している場合には、1ゲーム~5ゲームが10%で選択され、6ゲーム~10ゲームが20%で選択され、11ゲーム~20ゲームが50%で選択され、21ゲーム~32ゲームが20%で選択される。すなわち、表示モードが通常モードである場合、ボーナスに同時当選している場合の方が、同時当選していない場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。言い換えると、ボーナスに同時当選していない場合には、アタックモード当選ゲームから比較的に短いゲーム数で当該アタックモード当選が報知されることになる。一方、現状の表示モードがチャレンジモードである場合には、ボーナス同時当選の有無に関わらず、前兆ゲーム数として0ゲームが選択される。つまり、この場合、前兆モードに設定されず、当選ゲームの次ゲームにおいてアタックモードの当選報知が行われる。
また、上乗せ特化ゾーン付きのアタックモードであるスーパーアタックモード当選時においては、ボーナスに同時当選していない場合には、1ゲーム~5ゲームが70%で選択され、6ゲーム~10ゲームが30%で選択される。一方、アタックモード当選時においてボーナスに同時当選している場合には、1ゲーム~5ゲームは選択されず、6ゲーム~10ゲームが20%で選択され、11ゲーム~20ゲームが30%で選択され、21ゲーム~32ゲームが50%で選択される。すなわち、スーパーアタックモード当選時においても、ボーナスに同時当選している場合のほうが、同時当選していない場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっているし、ボーナスに同時当選していない場合には、スーパーアタックモード当選ゲームから比較的に短いゲーム数で当該スーパーアタックモード当選が報知されることになる。スーパーアタックモード当選時においても、現状の表示モードがチャレンジモードである場合には、ボーナス同時当選の有無に関わらず、前兆ゲーム数として0ゲームが選択される。つまり、この場合、前兆モードに設定されず、当選ゲームの次ゲームにおいてスーパーアタックモードの当選報知が行われる。
ステップS810では、ステップS809にて取得した前兆ゲーム数テーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとに基づいて、今回の前兆モードのゲーム数を抽選する処理を行う。そして、ステップS811にて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに前兆ゲーム数を入力する処理を行う。前兆カウンタは1ゲーム毎に1ずつ減算されるカウンタであり、前兆カウンタが0となることで前兆モードが終了し、アタックモード等の移行抽選に当選したことの当選報知が行われる。
ステップS812では、前兆コマンドをサブ側の制御装置である表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。前兆コマンドには、前兆モードの契機となった抽選結果(前兆モード後に移行する表示モード、上記ステップS812の場合にはBBモード及びアタックモード)及び前兆ゲーム数の情報が含まれている。前兆コマンドを受信したことに基づく表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。ステップS812の処理を実行した後は、第1特定役処理を終了する。
ステップS805にてアタックモードへの移行抽選に当選していないと判定した場合、ステップS813に進む。ステップS813では、チャレンジモード抽選処理を実行する。チャレンジモード抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからチャレンジモード抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。チャレンジモード抽選用のテーブルは、特定役の種類に応じてチャレンジモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。例えば、強チェリーと弱チェリーとでは、強チェリーの方が弱チェリーよりもチャレンジモードへの移行確率が高く設定されている。
ステップS813が実施される場合として、表示モードがチャレンジモードである場合も含まれるが、この場合もステップS813ではチャレンジモード抽選処理を実行し、その抽選用のテーブルは通常モードとチャレンジモードとで共通のテーブルとしている。なお、ステップS801~803のように、チャレンジモード中か否かによって、抽選テーブルを異ならせてもよい。
ステップS814では、ステップS813の処理結果に基づいて、チャレンジモードに当選したか否かの判定を行う。チャレンジモードに当選したと判定した場合には、ステップS815にて、現状の表示モードがチャレンジモードであるか否かを判定する。チャレンジモードではなく通常モードである場合、ステップS816にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにチャレンジモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップS816の処理を行った後は、ステップS809~ステップS812と同様にステップS817~ステップS820にて前兆モード用の設定処理を行う。すなわち、ステップS817にて前兆ゲーム数テーブルを取得し、ステップS818にて前兆ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS819にて前兆ゲーム数をセットし、ステップS820にて前兆コマンドをセットしてから、第1特定役処理を終了する。
ステップS817にて取得する前兆ゲーム数テーブルでは、図35に示すように、チャレンジモード単独で当選している場合には、1ゲーム~5ゲームが90%で選択され、6ゲーム~10ゲームが10%で選択される。一方、チャレンジモードがボーナスと同時当選であった場合には、1ゲーム~5ゲームが20%で選択され、6ゲーム~10ゲームが30%で選択され、11ゲーム~20ゲームが50%で選択される。すなわちチャレンジモード当選時においても、ボーナスに同時当選している場合のほうが、同時当選していない場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっているし、ボーナスに同時当選していない場合には、チャレンジモード当選ゲームから比較的に短いゲーム数で当該チャレンジモード当選が報知されることになる。
前兆ゲーム数について付け加えると、ボーナスに同時当選しているか否かに関わらず、チャレンジモードよりもアタックモードのほうが長い前兆ゲーム数が選択され易く、アタックモードよりもスーパーアタックモードの方が長い前兆ゲーム数が選択され易く、遊技者にとって有利な表示モードに当選していれば長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。また、ボーナスに同時当選していない場合には、10ゲーム以下の前兆ゲーム数が選択されるようになっており、前兆モードが11ゲーム以上継続すれば、ボーナスと同時当選していることが確定する。また、ボーナスと同時当選している場合であっても、チャレンジモードとボーナスの同時当選では20ゲーム以下の前兆ゲーム数が選択されるようになっている一方、アタックモードやスーパーアタックモードとボーナスの同時当選では21ゲーム以上の前兆ゲーム数も選択されるようになっており、前兆モードが21ゲーム以上継続することで、ボーナス+アタックモード又はスーパーアタックモードであることが確定する。このように、前兆ゲーム数との関係で当選内容を予測する楽しみが追加されている。
さらに本実施形態では、特定役当選時において、アタックモードやチャレンジモード等に非当選の場合、疑似前兆モードに移行する場合がある。かかる処理については後述するが、疑似前兆モードとして設定されるゲーム数は、1ゲーム~20ゲームのいずれかとなっている。そのため、当選示唆演出が21ゲーム以上に亘って頻繁に発生することにより、特定役契機で移行した前兆モード又は疑似前兆モードが、前兆モードであることが確定することになる。
ステップS815にてチャレンジモード中に再度チャレンジモードに当選したと判定した場合には、ステップS821~ステップS825にて、チャレンジモードの継続ゲームの上乗せ用の処理を行う。すなわち、ステップS821では、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS822に進み、チャレンジモードの上乗せゲーム数の抽選処理を実行する。
ここで、上乗せとは、チャレンジモードやアタックモードの継続ゲーム数を加算することをいい、上乗せゲーム数とは、当該継続ゲーム数に加算する値に対応する。ステップS822では、チャレンジモードの継続ゲーム数に加算する値を抽選により決定する。
具体的には、上乗せゲーム数の抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからチャレンジモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。チャレンジモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルは、特定役の種類に応じて上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。例えば、強チェリーでは80%の確率で30ゲームのチャレンジモードの上乗せを行い、20%の確率で50ゲームの上乗せを行う。また、弱チェリーでは80%の確率で5ゲームの上乗せを行い、20%の確率で20ゲームの上乗せを行う。
ステップS823では、チャレンジモードのゲーム数上乗せ処理を行う。かかる処理では、チャレンジモードの継続ゲーム数を管理するカウンタ(より詳しくは、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたチャレンジモード継続カウンタ)に、ステップS822により抽選された上乗せゲーム数に対応する値を加算する処理を行う。そして、ステップS824にて、上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第1特定役処理を終了する。上乗せコマンドには、上乗せが発生したこと、上乗せゲーム数及び上乗せを行う対象(チャレンジモード又はアタックモード)の情報が含まれている。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明するが、表示制御装置81では、上乗せコマンドを受信したことに基づいて、これら上乗せコマンドに含まれる情報の報知としての上乗せ報知(上乗せ演出)を行う。
ステップS821にてボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS825に進む。ステップS825では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにチャレンジモード上乗せフラグをセットしてから、本第1特定役処理を終了する。チャレンジモード上乗せフラグは、チャレンジモードのゲーム数の上乗せ条件が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。詳細は後述するが、チャレンジモード上乗せフラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合に、ボーナス終了時にチャレンジモードの上乗せが行われる。すなわち、ボーナス同時当選か否かによって、上乗せ報知が行われるゲームが異なるように設定されている。
抽選結果対応処理の説明(図31)に戻り、ステップS703にて否定判定した場合、又はステップS704にて肯定判定した場合、ステップS706に進む。ステップS706では、現状の遊技状態が、第2RT状態か否かを判定する。第2RT状態である場合には、ステップS707にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。VBモード当選フラグは、VBモードの移行抽選に当選した場合にセットされ、VBモードへ移行する際にクリアされるフラグである。ステップS707にて否定判定した場合には、ステップS708にて、第2特定役処理を実行する。また、ステップS706にて否定判定した場合、又はステップS707にて肯定判定した場合には、ステップS709にて、第3特定役処理を実行する。
<第2特定役処理>
第2特定役処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。
ここで、第2特定役処理が行われる場合とは、第2RT状態であって、且つVBモードに当選していない状態である。この場合の表示モードとしては、アタックモードが対応する。第2特定役処理では、表示モードをVBモードに移行するか否かの移行抽選を行う。また、第2特定役処理では、アタックモードのランクの昇格抽選を行うとともに、アタックモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS901では、アタックモードのランクを把握する処理を行う。既に説明したとおり、本実施形態では、第1アタックモード~第4アタックモードの4つのアタックモードのランクが設けられており、各ランクでVBモードへの移行確率が異なっている。そこで、ステップS901は、現状のアタックモードのランクが第1アタックモード~第4アタックモードのいずれであるかを判定する。
ステップS902では、ステップS901で把握したアタックモードのランクに応じたVBモード抽選テーブルを、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得する。VBモード抽選テーブルでは、特定役の種類に応じてVBモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。例えば、強チェリー1と弱チェリーとでは、強チェリー1の方が弱チェリーよりもVBモードへの移行確率が高く設定されている。また、各ランクのVBモード抽選テーブルでは、全体的にVBモードへの移行確率が異なっており、第1アタックモードのものよりも第2アタックモードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように、第2アタックモードのものよりも第3アタックモードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように、第3アタックモードのものよりも第4アタックモードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように設定されている。
ステップS903では、ステップS902にて取得したテーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとを用いて、VBモードの移行抽選を行う。そして、ステップS904にて、ステップS903の抽選結果が、VBモード当選に対応するものであったか否かの判定を行う。
ステップS904にて肯定判定した場合、ステップS905にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dにVBモード当選フラグをセットする処理を行う。その後、ステップS906~ステップS909にて、前兆ゲーム数の設定用の処理を行う。すなわち、ステップS906にて前兆ゲーム数テーブルを取得し、ステップS907にて前兆ゲーム数を抽選し、ステップS908にて前兆ゲーム数をセットし、ステップS909にて前兆コマンドをセットしてから第2特定役処理を終了する。但し、本実施形態においては、図35に示すように、アタックモード中のVBモード当選については、いずれも前兆ゲーム数が0となるように設定されている。そのため、アタックモード中にVBモードに当選した場合、次ゲームでその当選報知が行われることとなる。
ステップS904にて、VBモード抽選処理の結果がVBモード当選ではないと判定した場合、ステップS910に進む。ステップS910~ステップS913は、アタックモードのランクの昇格用の処理である。
ステップS910では、アタックモード昇格抽選処理を行う。かかる処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから、昇格抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから、抽選用のカウンタを取得する。昇格抽選用のテーブルは、アタックモードのランクに応じて複数設けられており、具体的には第1アタックモード用のテーブル、第2アタックモード用のテーブル、第3アタックモード用のテーブルと、計3つ(第4アタックモードに滞在している状況では昇格抽選を行わない)設けられている。各テーブルでは、特定役の種類に応じて昇格抽選の当選確率がそれぞれ設定されている。例えば、強チェリーと弱チェリーとでは、強チェリーの方が弱チェリーよりも昇格抽選の当選確率が高く設定されている。また、各アタックモード用のテーブルでは、第1アタックモード用のテーブルよりも、第2アタックモード用のテーブルの方が昇格確率が低くなるように、第2アタックモード用のテーブルよりも、第3アタックモード用のテーブルの方が昇格確率が低くなるように設定されており、アタックモードのランクが昇格するにつれて、次のランクに昇格しにくくなるように設定されている。
ステップS911では、ステップS910の抽選結果が、昇格当選であったか否かを判定する。昇格当選であった場合には、ステップS912にて、アタックモードの昇格処理を行う。かかる処理では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに設けられたランクフラグを、現状のアタックモードのランクに対応するランクフラグから1つ上位のランクフラグに書き換える処理を行う。その後、ステップS913にて、昇格コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行う。昇格コマンドには、昇格先のアタックモードの情報が含まれている。昇格コマンドを受信した表示制御装置81では、昇格先のランクのアタックモード用の演出を行うように、補助表示部65等を制御する。補助表示部65におけるアタックモード用の演出として、例えば、アタックモードのランクに応じて異なる背景色の演出が設定されており、表示制御装置81では、上記昇格コマンドを受信した場合に、アタックモードのランクが昇格したことの報知を行うとともに、昇格先のランクに応じた背景色でアタックモード用の演出を行うように制御する。
ステップS911にて昇格抽選に当選していないと判定した場合、又はステップS913の処理を実行した後は、ステップS915~ステップS920にてアタックモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS914では、アタックモードのゲーム数の上乗せ抽選処理を行う。かかる上乗せ抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからアタックモード上乗せ抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。アタックモード上乗せ抽選用のテーブルは、特定役の種類に応じて上乗せ抽選に当選する確率が異なるように設定されている。例えば、強チェリーでは80%の確率で上乗せ抽選に当選し、弱チェリーでは20%の確率で上乗せ抽選に当選する。なお、アタックモードのランクに応じて当選確率を異ならせてもよい。そして、ステップS915にて、上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。上乗せ抽選に当選していないと判定した場合は、そのまま本第2特定役処理を終了する。
上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS916にて、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS917に進み、アタックモードの上乗せゲーム数の抽選処理を行う。かかる上乗せゲーム数の抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからアタックモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。アタックモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルは、特定役の種類に応じて上乗せゲーム数が異なるように設定されている。例えば、強チェリーでは90%の確率で20ゲームのアタックモードの上乗せを行い、10%の確率で80ゲームの上乗せを行う。また、弱チェリーでは95%の確率で5ゲームの上乗せを行い、5%の確率で100ゲームの上乗せを行う。
ステップS918では、アタックモードのゲーム数上乗せ処理を行う。かかる処理では、アタックモードの継続ゲーム数を管理するカウンタ(より詳しくは、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたアタックモード継続カウンタ)に、ステップS917により抽選された上乗せゲーム数に対応する値を加算する処理を行う。そして、ステップS919にて、上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第2特定役処理を終了する。
ステップS916にてボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS920に進む。ステップS920では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにアタックモード上乗せフラグをセットしてから、本第2特定役処理を終了する。アタックモード上乗せフラグは、アタックモードのゲーム数の上乗せ条件が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。詳細は後述するが、アタックモード上乗せフラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合に、ボーナス終了時にアタックモードの上乗せが行われる。すなわち、チャレンジモードのゲーム数上乗せ報知と同様に、ボーナス同時当選か否かによって、上乗せ報知が行われるゲームが異なるように設定されている。
<第3特定役処理>
次に、ステップS709にて実行される第3特定役処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。
第3特定役処理が行われる場合とは、第3RT状態である場合、又は第2RT状態であって、且つVBモードに当選している状態である。この場合の表示モードとしては、アタックモード又はVBモードが対応する。第3特定役処理では、アタックモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1001では、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選処理を行う。かかる処理は、ステップS914の処理と同様である。なお、ステップS914の抽選処理とステップS1001の抽選処理とで、上乗せ抽選の当選確率を異ならせてもよい。
ステップS1002では、ステップS1001の抽選結果が、上乗せ当選結果であったか否かを判定する。上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS1003にて、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS1004に進み、アタックモードの上乗せゲーム数の抽選処理を行う。そして、ステップS1005にてアタックモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1006にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第3特定役処理を終了する。ステップS1003~ステップS1006の処理は、ステップS916~ステップS919の処理と同様である。なお、ステップS916の抽選処理とステップS1004の抽選処理とで、上乗せゲーム数を異ならせてもよい。
ステップS1002にて否定判定した場合には、そのまま第3特定役処理を終了する。また、ステップS1003にてボーナス当選フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1007にてアタックモード上乗せフラグをセットしてから、第3特定役処理を終了する。アタックモード上乗せフラグについては、上述したとおりである。
抽選結果対応処理(図31)の説明に戻り、ステップS701にて今回の抽選処理の結果が、特定役当選ではないと判定した場合又は特定役当選であってもステップS702にてボーナス当選フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS710にて、今回の抽選処理の結果が押し順リプレイや押し順ベル(以下、これらをまとめて「押し順役」ともいう)当選であったか否かを判定する。押し順役当選であった場合には、ステップS711にて押し順役処理を実行する。かかる押し順役処理については、後に詳細に説明する。
ステップS705、ステップS708、ステップS709及びステップS711のいずれかの処理を実行した後、又はステップS710にて否定判定した後は、ステップS712に進む。ステップS712では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに上乗せ特化ゾーンに対応する特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーンフラグは、第7再遊技入賞が成立したことに基づいてセットされるフラグであり、上乗せ特化ゾーンとは、複数回のゲームに亘って、アタックゾーンの継続ゲーム数の上乗せが高確率で発生する状態を示す。ステップS712にて特化ゾーンフラグがセットされている場合には、ステップS713にて特化ゾーン用処理を実行する。かかる特化ゾーンフラグ及び特化ゾーン、特化ゾーン用処理については、後に詳細に説明する。ステップS712にて否定判定した場合、又はステップS713の処理を実行した後は、本抽選結果対応処理を終了する。
以上のように、抽選結果対応処理において、特定役当選と判定された場合には、持ち越し状態中ではないことを条件として、チャレンジモード、アタックモード又はVBモードへの移行抽選や、チャレンジモード又はアタックモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理等が行われる。言い換えると、特定役当選となった場合でも、持ち越し状態中においては、チャレンジモード、アタックモード又はVBモードの移行抽選や、チャレンジモード又はアタックモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理等は行われず、その実施が制限される。チャレンジモード、アタックモード又はVBモードへの移行抽選に当選した場合には、前兆ゲームを経てから、当該移行抽選に当選したことの報知が行われる。そこで、以下、表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理について説明する。
<表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理>
(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理では、表示モードの移行抽選に当選したことの報知を行うための処理と、遊技状態を移行させるための報知を行うための処理と、が行われる。そこで、先ず、移行抽選に当選したことの報知に関する処理について説明する。
<モード移行報知用処理>
移行抽選に当選したことの報知は、通常処理(図15)におけるモード移行報知用処理(ステップS206)にて行われる。モード移行報知用処理は、所定のベット操作が行われた場合(ステップS205のベット数が規定数であると判定された場合)に実施される処理である。以下、モード移行報知用処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1101では、前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する。前兆ゲーム数のカウントは、後述する入賞結果対応処理にて行われ、1ゲーム消化する度に前兆ゲーム数が1ずつ減算される。前兆ゲーム数が0ではない場合は、そのままモード移行報知用処理を終了する。
前兆ゲーム数が0である場合、ステップS1102にてボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードがボーナス当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS1103にてボーナス当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本モード移行報知用処理を終了する。ボーナス当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、例えば、補助表示部65にて「ボーナス確定!!」と表示することにより、ボーナスに当選していることの報知を行う。なお、当選しているボーナスの種類(第1BB及び第2BBのいずれか)を合わせて報知する構成としてもよい。
ちなみに、本実施形態では、ボーナスとアタックモードやチャレンジモード等が同時当選している場合、ステップS1103にて報知したボーナスの終了時にこれらアタックモード等の当選報知が行われる構成としている。かかる当選報知に関する処理については後に詳細に説明するが、ボーナス当選報知に合わせてアタックモード等の当選報知を行う場合、ステップS1103にて設定するボーナス当選報知コマンドに合わせて、アタックモード等の当選報知コマンドを設定する構成とするとよい。
ステップS1102にて否定判定した場合、ステップS1104に進む。ステップS1104では、チャレンジモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、チャレンジモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。チャレンジモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1105にて、チャレンジモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1106にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにチャレンジモードフラグをセットする。チャレンジモードフラグは、現状の表示モードがチャレンジモードであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS1107では、チャレンジモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。チャレンジモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、チャレンジモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。
その後、ステップS1108にて、チャレンジモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたチャレンジモード継続カウンタにチャレンジモードの継続ゲーム数の初期値(例えば10)をセットする。ステップS1108の処理を行った後は、本モード移行報知用処理を終了する。
ステップS1104にてチャレンジモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1109にてアタックモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、アタックモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。アタックモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1110にて、アタックモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1111にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにアタック用報知フラグをセットする。アタック用報知フラグは、アタックモードの移行抽選に当選したことに伴って、遊技状態を第2RT状態へ移行させるためのフラグである。その後、ステップS1112にてアタックモード当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。アタックモード当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、アタックモード移行抽選に当選したことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1112の処理を実行した後は、本モード移行報知用処理を終了する。
ちなみに、本実施形態では、スーパーアタックモードの当選報知の態様は、アタックモードの当選報知の態様と異なる態様としている。そのため、ステップS1112では、スーパーアタックモードか否かの情報を含むように、アタックモード当選報知コマンドを設定する構成とするとよい。アタックモードの当選報知の態様と、スーパーアタックモードの当選報知の態様とは、遊技者が識別可能な程度に異なる態様であればよく、より好ましくは、有利度の高いスーパーアタックモードの当選報知の態様の方が、アタックモードの当選報知の態様よりも派手な態様であるとよい。
なお、これらアタックモードとスーパーアタックモードの当選報知の態様を共通化させる構成としてもよい。このようにすることで、アタックモード当選報知ゲームから開始報知ゲームまでの間に、当選している内容が、アタックモードからスーパーアタックモードに昇格したかのように見せることが可能となり、アタックモード当選報知ゲームと開始報知ゲームとが異なることによる間延びを解消することができる。
ステップS1109にてアタックモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1113にてVBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、VBモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。アタックモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1114にて、VBモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1115にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVB用報知フラグをセットする。VB用報知フラグは、VBモードの移行抽選に当選したことに伴って、遊技状態を第3RT状態へ移行させるためのフラグである。その後、ステップS1116にてVBモード当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、VBモード移行抽選に当選したことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1116の処理を実行した後は、本モード移行報知用処理を終了する。また、ステップS1113にてVBモード当選フラグがセットされていないと判定した場合は、そのままモード移行報知用処理を終了する。
すなわち、前兆モードを経て移行するチャレンジモード、アタックモード及びVBモードのうち、チャレンジモードについては、前兆モードの前兆ゲーム数が0となった際のベット操作に基づいて当該チャレンジモードが開始される。一方、アタックモード及びVBモードについては、前兆モードの前兆ゲーム数が0となった際のベット操作に基づいて、アタックモード移行抽選やVBモード移行抽選に当選したことの報知だけが行われ、前兆ゲーム数が0となってもアタックモードやVBモードは開始されない。これは、表示モードとしてのチャレンジモードは遊技状態の移行を伴わないものである一方、アタックモードやVBモードは遊技状態の移行を伴い、具体的にはアタックモードは第2RT状態へ移行することで開始され、VBモードは第3RT状態へ移行することで開始されることの違いに起因するものである。
既に説明したとおり、第2RT状態へは第1昇格リプレイ1~4に当選した場合であって、第3再遊技入賞が成立した場合に移行し、第3RT状態へは第2昇格リプレイ1,2に当選した場合であって、第4,第5再遊技入賞が成立した場合に移行する。そして、第1昇格リプレイ1~4に当選し、第3再遊技入賞が成立する場合や、第2昇格リプレイ1,2に当選し、第4,第5再遊技入賞が成立する場合とは、これら昇格リプレイ当選時のストップスイッチ42~44の操作順序が、第3再遊技入賞等に対応するものであった場合である。そこで、アタックモードやVBモードへの移行抽選に当選した場合には、その後に、これら遊技状態を移行させることとなる役に当選したゲームにおいて、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知して、遊技状態を移行させることを可能とする構成としている。なお、アタックモードやVBモードの移行抽選に当選したことの報知が行われてから、アタックモードやVBモードが開始されるまで(遊技状態が移行するまで)は、準備状態としての報知(例えば「準備中」という報知)が行われる。
<表示モードの移行に関する説明>
遊技状態を移行させるための報知用の処理は、抽選結果対応処理(図31)における、押し順役処理(ステップS711)にて行われる。ここでは、押し順役処理の説明に先立って、ストップスイッチ42~44の操作順序が報知される場合の概要について図37を参照しながら説明する。
<押し順報知演出の概要>
押し順役当選時の操作順序の報知(押し順報知、押し順報知演出、順序報知)は、主に補助表示部65及び指示モニタ68にて行われる。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。指示モニタ68における押し順報知については、後に詳細に説明する。
図37(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図37(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図37(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
<押し順役処理>
次に、抽選結果対応処理(図31)におけるステップS711にて実行される押し順役処理について、図38のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1201では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1~4のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1201にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第3再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1202に進み、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにアタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、アタック用報知フラグは、モード移行報知用処理(図36)において、アタックモードへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。
アタック用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1203にて、第3再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技及び第3再遊技のうち、第3再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(a)参照)。その後、ステップS1204にて、押し順報知コマンドをサブ側の制御装置である表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。押し順報知コマンドには、今回の表示モードの情報と、抽選結果の情報とが含まれている。押し順報知コマンドを受信したことに基づく表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
なお、ステップS1203にて第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知を行う場合とは、基本的には、アタックモードへの移行抽選に当選し、前兆モードを経てアタックモードの当選報知が行われた後であって、アタックモードへの移行前が想定される。すなわち、第2RT状態や第3RT状態での抽選テーブルでは第1昇格リプレイ1~4は当選しないようになっており、第1RT状態でのみ第1昇格リプレイ1~4に当選する。但し、アタックモード中であっても、誤操作等によって遊技状態が第2RT状態から第1RT状態へ転落してしまう場合もあり、このような場合であっても、第1昇格リプレイ1~4に当選することで、早期に第2RT状態へ復帰させることが可能となっている。
ステップS1201にて否定判定した場合、ステップS1205にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1~3のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1205にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第2再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1206にて、上記アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。アタック用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1207にて、第1再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技及び第2再遊技のうち、第1再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(b)参照)。その後、ステップS1208にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
このように、アタックモードへの移行抽選に当選している状況において第1昇格リプレイ1~4に当選すると、第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第2RT状態に移行させることが可能となる。一方、ステップS1202にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。そのため、例えば、第1RT状態において、アタックモードに当選することなく第1昇格リプレイ1~4に当選しても、第1再遊技入賞が成立する場合と、第3再遊技入賞が成立する場合と、がある。
また、アタック用報知フラグがセットされている状況で転落リプレイ1~3に当選した場合に、第1再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第1RT状態に移行させないようにすることが可能となる。一方、ステップS1206にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。そのため、例えば、アタックモードが終了してアタック用報知フラグがクリアされ、表示モードが通常モードに移行すると、転落リプレイ1~3の当選によって、第2再遊技入賞が成立する場合があり、RT状態が第2RT状態から第1RT状態に移行することになる。
また、例えば、第1RT状態において、アタックモードに当選することなく第1昇格リプレイ1~4に当選し、たまたま操作順序が第3再遊技入賞に対応するものであって第3再遊技入賞が成立した場合であっても(第2RT状態に移行した場合であっても)、転落リプレイ1~3の当選によって、第2再遊技入賞が成立し得る。そのため、上記のように、アタックモードに当選することなくたまたま第2RT状態に移行した場合であっても、その後、速やかに第1RT状態に移行することとなる。
ステップS1205にて否定判定した場合、ステップS1209にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1209にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技、第4再遊技又は第5再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1210にて、上記アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。アタック用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1211にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、VB用報知フラグは、モード移行報知用処理(図36)において、VBモードへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。
VB用報知フラグがセットされている場合、ステップS1212にて第4再遊技又は第5再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技、第4再遊技及び第5再遊技のうち、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(b)参照)。その後、ステップS1213にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1210にて否定判定した場合には、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。一方、ステップS1211にて否定判定した場合には、ステップS1207にて第1再遊技の押し順報知用の処理を実行するとともに、ステップS1208にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。そのため、VBモードに当選することなく、第2昇格リプレイ1,2に当選した場合において、アタックモード中であれば第1再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われ、アタックモード中ではなければ押し順報知演出は行われない。
ステップS1209にて否定判定した場合、ステップS1214にて、今回の抽選結果がBARリプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1214にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によっては、第1再遊技、第3再遊技及び第6再遊技~第8再遊技のいずれかが入賞する場合である。この場合、ステップS1215にて、アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。アタック用報知フラグがセットされている場合、ステップS1216にてVB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。アタック用報知フラグがセットされており、且つVB用報知フラグがセットされている場合、ステップS1217にて、第6再遊技~第8再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技、第3再遊技及び第6再遊技~第8再遊技のうち、第6再遊技入賞~第8再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(c)参照)。その後、ステップS1218にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1215にて否定判定した場合には、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。一方、ステップS1216にて否定判定した場合には、ステップS1207にて第1再遊技の押し順報知用の処理を実行するとともに、ステップS1208にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。そのため、VBモードに当選することなく、BARリプレイ1,2に当選した場合において、アタックモード中であれば第1再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われ、アタックモード中ではなければ押し順報知演出は行われない。
ステップS1214にて否定判定した場合、ステップS1219にて、今回の抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップS1220にて、現状の表示モードが通常モード又はチャレンジモード中であるか否かを判定する。通常モード又はチャレンジモードではない場合には、ステップS1221にて第1小役入賞に対応する操作順序を報知するための押し順報知用の処理を実行する(図19参照)。その後、ステップS1222にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。ステップS1219にて否定判定した場合又はステップS1220にて肯定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま本押し順役処理を終了する。
<入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理>
<入賞結果対応処理>
次に、上記のように遊技状態を移行させるための報知を行った結果、遊技状態を移行させることに対応する役が入賞した場合の処理について説明する(3)。この処理は、リール制御処理(図18)における入賞結果対応処理(ステップS414)にて行われる。以下、入賞結果対応処理について、図39のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1301では、ゲーム数管理処理を実行する。詳細は後述するが、このゲーム数管理処理では、上記の前兆モードにおける前兆ゲーム数のカウントの他、チャレンジモード、アタックモード、VBモード、特化ゾーンにおける継続ゲーム数のカウントを行う。
続くステップS1302では、今回の停止結果が、第3再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第3再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図21)では、遊技状態を第2RT状態に移行するための処理が行われる。この場合、ステップS1303にて、アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。アタック報知用フラグがセットされていない場合とは、アタックモードへの移行条件が成立することなく第3再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、アタックモード開始用の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。アタック用報知フラグがセットされている場合、ステップS1304にて、現状の表示モードがアタックモード中であるか否かを判定する。具体的には、各種フラグ格納エリア106dにアタックモードフラグがセットされているか否かを判定する。アタックモードフラグは、表示モードがアタックモードであることをCPU102が特定するためのフラグである。ちなみに、表示モードを特定するためのフラグとしては、アタックモードフラグの他、チャレンジモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ、BBモードフラグが設けられている。なお、本実施形態では、表示モードがアタックモードよりも上位のRT状態に対応するモード(VBモード、上乗せ特化ゾーン)である場合、アタックモードフラグがそのモードの対応するフラグ(VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ)と並存する構成としている。そのため、例えば、ステップS1304にて、アタックモードフラグがセットされていると判定する場合とは、アタックモード中である場合の他、VBモード中である場合や特化ゾーン中である場合が含まれる。
ステップS1304にて、アタックモードフラグがセットされている場合には、既に表示モードがアタックモードであるため、そのまま、本入賞結果対応処理を終了する。一方、アタックモードフラグがセットされていない場合には、ステップS1305~ステップS1307にてアタックモードの開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS1305では、アタックモードフラグをセットする。続くステップS1306では、アタックモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。アタックモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームからアタックモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。その後、ステップS1307にて、アタックモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたアタックモード継続カウンタにアタックモードの継続ゲーム数の初期値(例えば50)をセットする。
ステップS1307の処理を行った後は、ステップS1308にて特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1308にて肯定判定する場合とは、今回当選したアタックモードがスーパーアタックモードであることを意味し、この場合、ステップS1309にて特化ゾーン当選フラグをクリアしてから、上乗せ特化ゾーン開始用の処理(ステップS1318~ステップS1320)に進む。上乗せ特化ゾーン開始用の処理については、後に説明する。ステップS1308にて否定判定した場合は、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1302にて、第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合、ステップS1310に進む。ステップS1310では、今回の停止結果として、第4,第5再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第4,第5再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図21)では、遊技状態を第3RT状態に移行するための処理が行われる。この場合、ステップS1311にて、VB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。VB用報知フラグがセットされていない場合は、VBモードの移行抽選に当選することなく第4,第5再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、VBモード開始威容の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。VB用報知フラグがセットされている場合、ステップS1312にて、VBモードフラグがセットされているか否かを判定する。VBモードフラグがセットされている場合には、既に表示モードがVBモードであるため、そのまま、本入賞結果対応処理を終了する。一方、VBモードフラグがセットされていない場合には、ステップS1313~ステップS1315にてVBモードの開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS1313では、VBモードフラグをセットする処理を行う。この場合、各種フラグ格納エリア106dには、アタックモードフラグとVBモードフラグとが併存することになる。これは、VBモードがアタックモードを経て移行するモードであるとともに、VBモード終了後は、必ずアタックモードへ移行することによるものである。
その後、ステップS1314にて、VBモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームからVBモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。そして、ステップS1315にて、VBモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたVBモード継続カウンタにVBモードの継続ゲーム数の初期値(例えば60)をセットする。ステップS1315の処理を行った後は、本入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1310にて、第4,第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合、ステップS1316に進む。ステップS1316では、今回の停止結果として、第7再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、第7再遊技入賞が成立している場合、すなわち、左リール32Lの中段に「黒BAR」図柄、中リール32Mの中段に「黒BAR」図柄、右リール32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止して、中段の組合せラインに「黒BAR」図柄が停止した場合、上乗せ特化ゾーンに移行する構成としている。上乗せ特化ゾーンでは、特定役だけでなく、当選し得る全ての役(押し順役、特定役及びボーナス)にて、アタックモードの継続ゲーム数の上乗せを行う。なお、第7再遊技入賞が成立している場合とは、BARリプレイ1に当選した場合であって、且つ第7再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44が操作され(図23(c))、更に、第1,第6,第7再遊技のうちの第7再遊技が入賞することの抽選に当選した場合であり、例えば、BARリプレイ1に当選した場合における20分の1の確率で第7再遊技が入賞することの抽選に当選する。
第7再遊技入賞が成立している場合、ステップS1317にて、VB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。VB用報知フラグがセットされている場合、ステップS1318~ステップS1320にて特化ゾーン開始用の処理を行う。なお、既に説明した通り、スーパーアタックモードの開始時において、ステップS1308にて肯定判定してステップS1309の処理を行った場合にもステップS1318~ステップS1320の処理が行われる。
具体的には、ステップS1318では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーンフラグをセットする処理を行う。特化ゾーンフラグは、上記の上乗せ特化ゾーンであることをCPU102が把握するためのフラグであり、当該特化ゾーンフラグがセットされることにより、VBモードの継続ゲーム数のカウントが停止される。この場合、各種フラグ格納エリア106dには、アタックモードフラグとVBモードフラグと特化ゾーンフラグとが併存することになる。
その後、ステップS1319にて、特化ゾーン開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特化ゾーン開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームから特化ゾーンが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。そして、ステップS1320にて、特化ゾーン継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた特化ゾーン継続カウンタに特化ゾーンの継続ゲーム数の初期値(例えば5)をセットする。ステップS1320の処理を行った後は、本入賞結果対応処理を終了する。また、ステップS1316又はステップS1317にて否定判定した場合、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以上のように、遊技状態を移行させることに対応する役(第3~第5再遊技)の入賞に基づいて、RT状態処理(図21)とは別途、表示モードを移行させるための処理を行う。これは、表示モードの移行抽選に当選していないのにも関わらず、たまたま遊技状態を移行させることに対応する役が入賞したことに基づいてアタックモード等が開始されてしまうことを回避するためである。
また、表示モードの移行に際して、遊技状態の移行を伴うもののうち、上位のモードへの移行、すなわち、通常モードやチャレンジモードからアタックモードへ移行する場合や、アタックモードからVBモードへ移行する場合、又はVBモードから特化ゾーンへ移行する場合には、対応する役の入賞結果に基づいて移行する構成としている。そのため、表示モードの移行と遊技状態の移行とが同じゲームにてセットで行われる。その一方で、下位のモードへの移行の場合には、例えば転落リプレイとしての第2再遊技入賞や移行出目の停止によって遊技状態が移行する際に、表示モードの移行は行われない。下位のモードへ移行する場合、遊技状態は入賞結果によって管理される(RT状態用処理)一方、表示モードはゲーム数によって管理される。そのため、下位のモードへ移行する場合には、遊技状態の移行と表示モードの移行とが別々のゲームにて行われる可能性がある。
<ゲーム数管理処理>
上記入賞結果対応処理のステップS1301にて実行される、ゲーム数管理処理について、図40のフローチャートを参照しながら説明する。ゲーム数管理処理では、前兆モードにおける前兆ゲーム数のカウントを行うとともに、チャレンジモード、アタックモード、VBモード、特化ゾーンにおける継続ゲーム数のカウントを行い、これらの表示モードの継続ゲーム数が0となることに基づいて、対応する表示モードを終了させるための処理を行う。
ゲーム数管理処理では、先ず、ステップS1401にて、ベット数は特定数か否かを判定する。既に説明したとおり、本実施形態では、各遊技を1~3のベット数にて実施可能となっており、ステップS1401では、このうち特定数として、3ベットであるか否かを判定する。3ベットではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。すなわち、1ベットや2ベットのゲームでは、前兆モードのゲーム数や、チャレンジモード等の継続ゲーム数のカウントは行われない。
今回終了するゲームが、3ベットゲームであった場合、ステップS1402に進む。ステップS1402では、ボーナス当選フラグがセットされている状態又はボーナス状態であるか否かを判定する。ステップS1402にて肯定判定した場合、ステップS1403にてチャレンジモードフラグ、アタックモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグの各表示モードフラグをクリアする処理を行った後、本ゲーム数管理処理を終了する。つまり、ボーナス当選フラグがセットされている場合や、ボーナス中はアタックモード等のゲーム数のカウントは行わない。なお、ステップS1403にて、各フラグがセットされていない場合にはその状態を維持する。
ちなみに、ステップS1403では、アタックモードフラグやVBモードフラグ等はクリアする一方で、アタック用報知フラグやVB用報知フラグはクリアしない。そのため、ボーナス終了後は、アタックモード等の準備状態を経てから、これらのフラグによって、遊技状態を移行させるための押し順報知が行われてボーナス前の遊技状態に復帰させることが可能となる。その一方で、チャレンジモード又は特化ゾーン中にボーナス当選した場合には、ボーナス当選によって当該チャレンジモードや特化ゾーンは終了する構成としている。
ステップS1402にて否定判定した場合、ステップS1404にて、前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する。0ではない場合には、ステップS1405にて前兆ゲーム数を1減算する処理を行う。ステップS1404にて前兆ゲーム数が0である場合(前兆モードではない場合)、又はステップS1405の処理を実行した後は、ステップS1406~ステップS1428にて、各モードの継続ゲーム数のカウント処理を行う。
すなわち、ステップS1406では、現状の表示モードがチャレンジモードであるか否かを判定する。チャレンジモードである場合には、ステップS1407に進み、チャレンジモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、チャレンジモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1408にて、チャレンジモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1409にてチャレンジモードフラグをクリアし、ステップS1410にてチャレンジモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。チャレンジモード終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにてチャレンジモードが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。ステップS1410の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1406にてチャレンジモードではないと判定した場合、ステップS1411に進む。ステップS1411では、現状の表示モードがアタックモードであるか否かを判定する。アタックモードである場合には、ステップS1412に進み、アタックモード中の特化ゾーンか否かを判定する。すなわち、スーパーアタックモードのようにアタックモード開始時に特化ゾーンに移行する場合、ステップS1412にて肯定判定することになる。特化ゾーン中である場合には、ステップS1425~ステップS1428にて特化ゾーン用のゲーム数管理処理を行う。これらの処理については、後に説明する。
ステップS1412にて特化ゾーンではないと判定した場合、ステップS1413にて、アタックモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、アタックモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1414にて、アタックモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1415にてアタックモードフラグをクリアし、ステップS1416にてアタック用報知フラグをクリアする。その後、ステップS1417にてアタックモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。アタックモード終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにてアタックモードが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1417の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1411にてアタックモードではないと判定した場合、ステップS1418に進む。ステップS1418では、現状の表示モードがVBモードであるか否かを判定する。VBモードである場合には、ステップS1419に進み、上乗せ特化ゾーンであるか否かを判定する。上乗せ特化ゾーンではない場合には、ステップS1420にてVBモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、VBモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1421にて、VBモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1422にてVBモードフラグをクリアし、ステップS1423にてVB用報知フラグをクリアする。その後、ステップS1424にてVBモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにてVBモードが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1424の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1419にて、上乗せ特化ゾーンであると判定した場合には、ステップS1425に進む。既に説明した通り、ステップS1412にてアタックモード中の特化ゾーンであると判定した場合もステップS1425に進む。ステップS1425では、特化ゾーン継続カウンタを1減算する処理を行うことで、特化ゾーン継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1426にて、特化ゾーン継続カウンタが0であるか否かを判定する。0である場合には、ステップS1427にて特化ゾーンフラグをクリアし、ステップS1428にて特化ゾーン終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特化ゾーン終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにて特化ゾーンが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知としては、例えば、今回の特化ゾーンにてトータルで上乗せに成功したゲーム数の報知を行う。ステップS1428の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。ステップS1418又はステップS1426にて否定判定した場合、そのままゲーム数管理処理を終了する。
<終了判定処理>
次に、ボーナス終了時の処理として、終了判定処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、終了判定処理は、ボーナス状態処理(図26)におけるステップS615にて実施される処理である。終了判定処理では、ボーナス終了条件の成否を判定するとともに、ボーナスを終了する場合には、ボーナスと重複当選等したアタックモード等の当選報知用の処理を行うとともに、ボーナスと重複当選等したアタックモード等のゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1501では、小役入賞が成立したか否かを判定する。既に説明したとおり、ボーナス中は第1小役(BB中小役1)が高確率で成立する(図28)。また、BB中小役2(IV=30)にて当選した場合には、第39小役入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44が操作され(図27(b))、更に、第1小役及び第39小役のうちの第39小役が入賞することの抽選に当選した場合に、第39小役入賞が成立する。本実施形態では、例えば、BB中小役2に当選した場合における100分の1の確率で第39小役が入賞することの抽選に当選する。BB中小役3(IV=31)にて当選した場合には、第40小役入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44が操作され(図27(b))、更に、第1小役及び第40小役のうちの第40小役が入賞することの抽選に当選した場合に、第40小役入賞が成立する。本実施形態では、例えば、BB中BAR揃い役に当選した場合における200分の1の確率で第40小役が入賞することの抽選に当選する。なお、BB中小役2やBB中小役3の当選確率を調節することにより、第39小役入賞や第40小役入賞が成立する確率を調節する構成としてもよい。より詳しくは、BB中小役2を上記構成の約100分の1の確率で当選するようにポイント値PVを割り振り、BB中小役3を上記構成の約200分の1の確率で当選するようにポイント値PVを割り振る。そして、BB中小役2やBB中小役3の当選時に対応する小役(第39小役、第40小役)を狙って停止操作すれば、当該対応する小役入賞を成立させることが可能な構成としてもよい。
ステップS1501にて小役入賞が成立したと判定した場合には、ステップS1502にて、残払出数から今回のゲームの払出数を減算する処理を行う。ステップS1501にて否定判定した場合、又はステップS1502の処理を実行した後は、ステップS1503にて、残払出数が0となったか否かを判定する。0ではない場合には、そのまま終了判定処理を終了する。0である場合には、ステップS1504にてボーナス終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットした後、ステップS1505~ステップS1518にて、アタックモード等の当選報知用の処理や、アタックモード等の継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1505では、アタックモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。アタックモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1506にて前兆ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS1507にて前兆ゲーム数のセットを行い、ステップS1508にて前兆コマンドのセットを行う。ちなみに、本実施形態では、ステップS1506の前兆ゲーム数の抽選処理では、100%の確率で前兆ゲーム数が0となる抽選を行う。すなわち、ステップS1507では、必ず0ゲームの前兆ゲーム数をセットすることになり、ボーナス終了ゲームの次ゲームにてアタックモード等の当選報知が行われることになる。ステップS1508の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
ステップS1505にてアタックモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1509にて、チャレンジモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。チャレンジモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1506~ステップS1508の前兆モード用の処理を行ってから、終了判定処理を終了する。ステップS1509にてチャレンジモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1510にてVBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。VBモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1506~ステップS1508の前兆モード用の処理を行ってから、終了判定処理を終了する。すなわち、チャレンジモードやVBモードについても当選している状況でボーナスが終了すると、ボーナス終了後、前兆ゲームを経て、チャレンジモードやVBモードの当選報知が行われる。
なお、アタックモード当選フラグ又はチャレンジモード当選フラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合とは、アタックモードやチャレンジモード等とボーナスに同時当選した場合か、アタックモードやチャレンジモード等の当選報知の前兆モード中にボーナスに当選した場合である。一方、VBモード当選フラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合とは、アタックモード中においてVBモードとボーナスとに同時当選した場合か、VBモードの当選報知の前兆モード中(この場合、0ゲームの前兆モードが選択されるため、VBモードに当選した次ゲーム)にボーナスに当選した場合である。
ステップS1510にてVBモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1511に進む。ステップS1511では、アタックモード上乗せフラグがセットされているか否かの判定を行う。アタックモード上乗せフラグがセットされている場合、ステップS1512にてアタックモードの上乗せゲーム数抽選処理を行い、ステップS1513にてアタックモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1514にて上乗せコマンドのセットを行う。これらステップS1512~ステップS1514の処理は、ステップS917~ステップS919の処理と同様である。ステップS1514の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
ステップS1511にてアタックモード上乗せフラグがセットされていない場合、ステップS1515にて、チャレンジモード上乗せフラグがセットされているか否かを判定する。チャレンジモード上乗せフラグがセットされている場合、ステップS1516にてチャレンジモードの上乗せゲーム数抽選処理を行い、ステップS1517にてチャレンジモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1518にて上乗せコマンドのセットを行う。これらステップS1516~ステップS1518の処理は、ステップS822~ステップS824の処理と同様である。ステップS1515にて否定判定した場合、又はステップS1518の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
<特化ゾーン用処理>
次に、特化ゾーン用処理について、図42のフローチャートを参照しながら説明する。特化ゾーン用処理は、抽選結果対応処理(図31)におけるステップS713にて実行される処理である。既に説明したとおり、特化ゾーンへはVBモード中に移行し、特化ゾーン中は、毎ゲーム、アタックモードの継続ゲーム数の上乗せが行われる。
すなわち、特化ゾーン用処理では、先ず、ステップS1601にて今回の抽選処理の結果を把握する。続くステップS1602では、アタックモードの上乗せゲーム数抽選処理を行う。続くステップS1603では、アタックモードのゲーム数上乗せ処理を行う。そして、ステップS1604にて、上乗せコマンドをセットしてから、特化ゾーン用処理を終了する。ステップS1602~ステップS1604の処理は、ステップS917~ステップS919の処理と同様である。但し、ステップS1602の上乗せゲーム数抽選処理の方が、ステップS917の上乗せゲーム数抽選処理よりも、選択されるゲーム数が多くなっている。
<サブ側の報知演出に関する処理>
次に、(4)サブ側の報知演出に関する処理として、サブ側の表示制御装置81にて行われる各種報知用の処理を説明する。各種報知用の処理として、所定周期(1.49msec周期)で実行される演出設定処理が設けられている。そこで、当該演出設定処理について、図43のフローチャートを参照しながら説明する。
演出設定処理では、先ずステップS1701にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS1702にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS1701にて否定判定した場合、又はステップS1702の処理を実行した後は、ステップS1703にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップS207にてセットされるベットコマンドの他、モード移行報知用処理(図36)におけるチャレンジモード開始コマンドや、アタックモード当選報知コマンド、VBモード当選報知コマンド、ボーナス当選報知コマンド等がある。これらのベット時コマンドである場合には、ステップS1704にてベット時演出設定処理を実行する。
ステップS1703にて否定判定した場合、又はステップS1704の処理を実行した後は、ステップS1705にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップS313にてセットされる抽選結果コマンドの他、第1~第3特定役処理(図32~図34)にて設定される前兆コマンドや上乗せコマンド、押し順役処理(図38)にて設定される押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS1706にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS1705にて否定判定した場合、又はステップS1706の処理を実行した後は、ステップS1707にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図18)のステップS405にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップS1708にて各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップS1707にて否定判定した場合、又はステップS1708の処理を実行した後は、ステップS1709にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図18)のステップS411にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理(図39)にてセットされるアタックモード開始コマンド、VBモード開始コマンド、特化ゾーン開始コマンド、チャレンジモード終了コマンド、アタックモード終了コマンド、VBモード終了コマンド、特化ゾーン終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップS1710にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップS1709にて否定判定した場合、又はステップS1710の処理を実行した後は、ステップS1711にてその他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS1711では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、ベット時演出設定処理、開始時演出設定処理、各停止操作時演出設定処理、全停止時演出設定処理について、説明する。なお、各演出設定処理の説明では、図55~図60の表示演出の概要図を参照しながら説明する。
<ベット時演出設定処理>
ベット時演出設定処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1801では、今回受信したベット時コマンドとしてチャレンジモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。チャレンジモード開始コマンドが含まれている場合、ステップS1802にて、チャレンジモード開始演出を設定する処理を行う。チャレンジモード開始演出では、例えば、図55(a)に示すように、補助表示部65にて、「チャレンジモードスタート」という文字表示を行うとともに、移行する表示モードがアタックモード移行抽選に当選し易いチャンスモードであることを示唆する表示(例えば所定のキャラクタ表示)を行う。その他、チャレンジモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男性の野太い声で「アタックモードをつかみとれ!」)が発せられるように制御する。
ステップS1801にてチャレンジモード開始コマンドが含まれていない場合、ステップS1803にて、今回受信したベット時コマンドとしてアタックモード当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。アタックモード当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS1804にて、アタックモード当選報知演出を設定する処理を行う。アタックモード当選報知演出では、例えば、図56(a)に示すように、補助表示部65にて、「アタックモード確定」という文字表示を行う。その他、アタックモード当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「アタックナンバーワン!」)が発せられるように制御する。
ステップS1803にてアタックモード当選報知コマンドが含まれていない場合、ステップS1805にて、今回受信したベット時コマンドとしてVBモード当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS1806にて、VBモード当選報知演出を設定する処理を行う。VBモード当選報知演出では、例えば、図56(b)に示すように、補助表示部65にて、「VICTORYBONUS確定」という文字表示を行う。その他、VBモード当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「ヴィクトリー!」)が発せられるように制御する。
ステップS1805にてVBモード当選報知コマンドが含まれていない場合、ステップS1807にて、今回受信したベット時コマンドとしてボーナス当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。ボーナス当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS1808にて、ボーナス当選報知演出を設定する処理を行う。ボーナス当選報知演出では、例えば、補助表示部65にて、「やったぜ ボーナス確定」という文字表示を行う。その他、ボーナス当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「やったぜ!」)が発せられるように制御する。
ステップS1802、ステップS1804、ステップS1806及びステップS1808の何れかの処理を実行した後、又はステップS1807にて否定判定した場合には、ステップS1809にて、その他のベット時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS1809の処理では、例えば、ベットコマンドの受信に対応させて、対応するベット数のクレジット投入スイッチ56~58周辺(又は内部)のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理や、例えば所定時間遊技が行われていないことを一の条件に移行するデモモードから復帰するための処理や、スタートレバー41周辺のランプを点灯させてその操作が有効となったことを報知する処理等を行う。
<開始時演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1901では、表示モード設定処理を行う。かかる処理では、現状、主制御装置101側で設定されている表示モードが、通常モード、チャレンジモード、アタックモード、VBモード、特化ゾーンのいずれであるかを判定し、対応する表示モードにて、補助表示部65の表示演出が行われるように設定する。具体的には、表示制御装置81側のRAM183の各種フラグ格納エリア183aにおいても、表示モードを把握するためのフラグとして、チャレンジモードフラグ、アタックモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグをセットするエリアが設けられており、各モードの開始に際して対応するフラグがセットされ、終了に際して対応するフラグがクリアされる。例えば、上記ステップS1802のチャレンジモード開始演出の設定処理に際しては、チャレンジモードフラグをセットする。ステップS1901では、これらの各種モード対応フラグを把握することで、現状の表示モードを特定し、対応する演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64、上部ランプ63等を制御する。
続くステップS1902では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS1903にて、押し順報知用処理を行う。ここで、押し順報知用処理について、図46のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2001では、今回受信している開始時コマンドとして、押し順報知コマンドが含まれているか否かを判定する。押し順報知コマンドが含まれていない場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。押し順報知コマンドが含まれている場合には、ステップS2002に進む。
ステップS2002では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1~4であるか否かを判定する。第1昇格リプレイ1~4である場合には、ステップS2003にて、第3再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2002にて第1昇格リプレイ1~4当選ではないと判定した場合、ステップS2004にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1~3であるか否かを判定する。転落リプレイ1~3である場合には、ステップS2005に進み、第1再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2004にて転落リプレイ1~3ではないと判定した場合、ステップS2006にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2であるか否かを判定する。第2昇格リプレイ1,2である場合には、ステップS2007にて、既にVBモード当選報知演出を実行済みか否かを判定する。例えば、ステップS1806のVBモード当選報知演出の設定に際して、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにVB当選の報知が行われたことを示す報知済みフラグをセットする。当該報知済みフラグは、VBモードへ移行することに基づいてクリアする。そして、ステップS2007にて、当該報知済みフラグの有無を判定する構成とするとよい。VBモードの当選報知済みである場合には、ステップS2008にて、第4,第5再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。VBモードの当選報知済みではない場合には、ステップS2005に進み、第1再遊技入賞用の押し順報知を行ってから、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2006にて第2昇格リプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS2009にて、今回の抽選結果がBARリプレイ1,2であるか否かを判定する。BARリプレイ1,2である場合には、ステップS2010にて、上記モード対応フラグを確認して、現状の表示モードがVBモードであるか否かを判定する。VBモード中である場合には、ステップS2011にて第6~第8再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。VBモード中ではない場合には、上記ステップS2005に進み、第1再遊技入賞用の押し順報知を行ってから、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2009にてBARリプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS2012にて、今回の抽選結果がベルであるか否かを判定する。ベル当選である場合には、ステップS2013にて、第1小役としてベル入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。ステップS2012にて否定判定した場合には、そのまま押し順報知用処理を終了する。
開始時演出設定処理の説明(図45)に戻り、ステップS1902にて押し順役当選ではないと判定した場合、ステップS1904にて、特定役当選か否かを判定する。特定役当選である場合には、ステップS1905にて特定役報知用処理を行う。特定役報知用処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1904にて否定判定した場合、又はステップS1903若しくはステップS1905の処理を実行した後は、ステップS1906に進む。ステップS1906では、今回の開始時コマンドとして、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合には、ステップS1907にて、上乗せコマンドに対応するゲーム数の上乗せ演出が、停止時に実行されるように、予め上乗せ演出を設定する処理を行う。上乗せ演出としては、例えば、図59(b)に示すように、補助表示部65にて、上乗せゲーム数に対応する数値を「+10」として表示する。その他、上乗せ演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュキュキュキュキュイーン!」)が発せられるように制御する。
ステップS1907の上乗せ演出の設定処理の詳細について、図47のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2101では、今回受信した上乗せコマンドに基づいて、上乗せゲーム数を把握する処理を行う。続くステップS2102では、報知タイミング抽選処理を実行する。報知タイミング抽選処理では、今回のゲームにて上乗せ演出を行うことを前提とし、当該ゲームにおけるどのタイミングで上乗せ演出が行われるかを抽選する処理である。
上乗せ演出は、上乗せゲーム数に応じて実行タイミングが異なるように設定されている。具体的には、図48の抽選テーブルに示すように、今回のゲームにおける上乗せ演出の実行タイミングとして、各リール32L,32M,32Rの停止操作順に、第1リール、第2リール、第3リールとすると、第1リールの停止操作時、第2リールの停止操作時、第3リールの停止操作時が設定されている。そして、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42~44の押圧操作が行われたとする停止ON操作が行われたタイミングと、当該押圧操作を終了したとする停止OFF操作が行われたタイミングと、が設定されている。
ここで、ストップスイッチ42~44の操作態様について、補足説明する。ストップスイッチ42~44は手前側に配置される初期位置から、奥側に配置される操作位置まで変位可能となっている。初期位置に配置される状況では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号はLOW状態となっており、初期位置から操作位置まで操作されることによって、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42~44の押圧操作が行われたとする停止ON操作が行われたと把握する。
また、ストップスイッチ42~44は、バネ等によって初期位置に向けて付勢されている。そのため、ストップスイッチ42~44から手を離して、操作位置に向けて押し込んだ操作力(押圧力)を付与しないようにすると、ストップスイッチ42~44は、上記バネ等の付勢力によって、初期位置に復帰する。この場合、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号は、HI信号からLOW信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がHI信号からLOW信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42~44の押圧操作が終了されたとする停止OFF操作が行われたと把握する。
上乗せ演出は、各ストップスイッチ42~44の停止操作として、停止ON操作時と停止OFF操作時とのいずれでも発生し得るように設定されている。つまり、上乗せ演出が発生するゲームでは、ストップスイッチ42~44を押圧操作したタイミングだけでなく、押圧操作を終了したタイミングでも当該上乗せ演出が発生し得る。
上乗せ演出の実行タイミングテーブルでは、上乗せゲーム数が比較的少ないゲーム数として、例えば5ゲーム~10ゲームの上乗せが発生する場合、第1リールの停止ON操作が行われたタイミングが5%で選択され、第1リールの停止OFF操作が行われたタイミングは10%、第2リールの停止ON操作は15%、第2リールの停止OFF操作は20%、第3リールの停止ON操作は20%、第3リールの停止OFF操作(全リール停止時)は30%で、それぞれ選択される。この場合、各リールの停止ON操作時の方よりも、停止OFF操作時の方が選択され易くなっているとともに、後側の操作の方が選択され易くなっている。
一方、上乗せゲーム数が比較的多いゲーム数として、例えば100ゲーム以上の上乗せが発生する場合、第1リールの停止ON操作が行われたタイミングが5%で選択され、第1リールの停止OFF操作が行われたタイミングは10%、第2リールの停止ON操作は5%、第2リールの停止OFF操作は30%、第3リールの停止ON操作は5%、第3リールの停止OFF操作(全リール停止時)は45%で、それぞれ選択される。この場合も、各リールの停止OFF操作時の方が、停止ON操作時よりも選択され易くなっているとともに、後側の操作の方が比較的、選択され易くなっている。
つまり、本実施形態では、各リールの停止ON操作時よりも停止OFF操作時の方が、上乗せ演出が発生し易くなるように設定されている。また、第1~第3リールを比較すると、第3リールの停止操作時(ON操作、OFF操作)が最も選択され易く、第2リールの停止操作時が次いで選択され易く、第1リールの停止操作時が最も選択され易くなるように設定されている。
上乗せ演出の設定処理の説明に戻り、ステップS2102にて、報知タイミング抽選処理を行った後は、ステップS2103にて、ステップS2102の抽選結果が、いずれかのリールの停止ON時であったか否かを判定する。停止ON時であった場合、ステップS2104にて、上乗せ演出を発生させる対象リールを設定し、当該対象リールの停止ON操作時に上乗せ演出が発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第1リール停止ON操作時フラグ~第3リール停止ON操作時フラグのいずれかをセットする処理を行う。これらのフラグは、上乗せ演出発生タイミングをCPU181が把握するためのフラグである。また、ステップS2104では、かかる停止ON操作時に発生させる上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データを、演出データ記憶エリア182bから読み出し、予め定められた演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させる処理を行う。CPU181は、上記停止ON操作時フラグに対応するタイミングで上乗せ演出が発生することを把握した場合、上記演出データ設定エリアに一時記憶された演出データを読み出し、上乗せ演出が行われるようにする。
ステップS2103にて否定判定した場合、ステップS2105にて、第1リール又は第2リールの停止OFF操作時であったか否かを判定する。これらのリールの停止OFF操作時であった場合、ステップS2106にて、上乗せ演出を発生させる対象リールを設定し、当該対象リールの停止OFF操作時に上乗せ演出が発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第1リール停止OFF操作時フラグ、第2リール停止OFF操作時フラグのいずれかをセットする処理を行う。これらのフラグも、上乗せ演出発生タイミングをCPU181が把握するためのフラグである。また、ステップS2106でも、上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データを、演出データ記憶エリア182bから読み出し、予め定められた演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させる処理を行う。
ステップS2105にて否定判定した場合、ステップS2107にて、今回の上乗せ演出を全リール停止時(第3リールの停止OFF操作時)に発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第3リール停止OFF操作時フラグをセットする処理を行う。また、ステップS2107でも、上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データの一時記憶処理を行う。ステップS2104、ステップS2106又はステップS2107の処理を実行した後は、上乗せ演出の設定処理を終了する。
開始時演出設定処理の説明に戻り、ステップS1906にて上乗せコマンドを受信していない場合、又はステップS1907の処理を実行した後は、ステップS1908にてボーナス中演出設定処理を実行し、ステップS1909にて連続演出設定処理を実行し、その後、ステップS1910にて、その他の開始時演出を設定してから、開始時演出設定処理を終了する。ボーナス中演出設定処理及び連続演出設定処理については、後に詳細に説明する。ステップS1910の処理では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理等を行う。
<各停止操作時演出設定処理>
次に、ステップS1708にて実施される各停止操作時演出設定処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2201では、今回受信した各停止操作時コマンドが、停止ON操作コマンドであるか否かを判定する。停止ON操作コマンドは、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42~44の押圧操作が行われた場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。
ステップS2201にて肯定判定した場合、ステップS2202に進み、今回のゲームの演出として、リールの停止ON操作時に発生する演出が設定されているか否かを判定する。設定されていなければ、そのまま本設定処理を終了する。設定されている場合、ステップS2203にて、今回受信した停止ON操作コマンドが、設定されている停止ON操作時の演出の対象となっているリールの停止操作のものか否かを判定する。対象リールの停止ON操作ではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。対象リールの停止ON操作である場合、ステップS2204にて、停止ON操作時演出が行われるように、補助表示部65等を制御して、その後、本設定処理を終了する。
例えば、今回の停止ON操作時演出として、上乗せ演出が設定されている場合、図50(a)に示すように、ストップスイッチ42~44を押圧操作(ON操作)したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。
また、例えば今回のゲームが押し順役当選であって、押し順報知演出が設定されている場合、各停止ON操作に基づき対応するリールが停止することによって、押し順報知演出が次の操作対象となるリールを示す演出に変化する。具体的には、当該停止ON操作時演出前に全リール32L,32M,32Rが回転している状況であれば、図37(a)に示す第1リールを操作対象とする表示がなされている。そして、第1リールに対応する停止ON操作によって対応するリール(図では中リール32M)が停止すると、図37(b)に示す、次の操作対象となるリール(図では右リール32R)を示す演出に変化する。また、当該停止ON操作時演出前に2つのリールが回転している状況であれば、図37(b)に示す第2リールを停止対象とする表示がなされており、停止ON操作によって第2リールが停止することに基づき、第3リールを停止対象とする表示(図37(c))に変化する。
ステップS2201にて否定判定した場合、ステップS2205に進み、今回受信した各停止操作時コマンドが、停止OFF操作コマンドであるか否かを判定する。停止OFF操作コマンドは、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42~44の押圧操作を終了した場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。
ステップS2205にて肯定判定した場合、ステップS2206に進み、今回のゲームの演出として、リールの停止OFF操作時に発生する演出が設定されているか否かを判定する。設定されていなければ、そのまま本設定処理を終了する。設定されている場合、ステップS2207にて、今回受信した停止OFF操作コマンドが、設定されている停止OFF操作時の演出の対象となっているリールの停止操作のものか否かを判定する。対象リールの停止OFF操作ではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。対象リールの停止OFF操作である場合、ステップS2208にて、停止OFF操作時演出が行われるように、補助表示部65等を制御して、その後、本設定処理を終了する。
例えば、今回の停止OFF操作時演出として、上乗せ演出が設定されている場合、図50(b)に示すように、ストップスイッチ42~44を押圧操作を終了して、当該ストップスイッチ42~44から手を離したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。ステップS2205にて否定判定した場合は、そのまま本演出設定処理を終了する。
<全停止時演出設定処理>
次に、全停止時演出設定処理について、図51のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS2301では、今回受信している停止時コマンドとしてチャレンジモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。チャレンジモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2302にて、チャレンジモード終了演出が行われるように、補助表示部65等を制御する。チャレンジモード終了演出では、例えば、図55(b)に示すように、補助表示部65にて、「チャレンジモード 終了」という文字表示を行う。その他、チャレンジモード終了演出では、チャレンジモードが終了することに対応させた効果音(例えば、男性の野太い声で「もっと精進せい!」)がスピーカ64から発せられるように制御する。
ステップS2301にてチャレンジモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2303にて、今回受信している停止時コマンドとしてアタックモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。アタックモード開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2304にて、アタックモード開始演出を設定する処理を行う。アタックモード開始演出では、例えば、図57(a)に示すように、補助表示部65にて、「アタックモード!!Ver.1」という文字表示を行う。その他、アタックモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「アタックモードスタート!」)が発せられるように制御する。
ちなみに、アタックモード開始演出における「Ver.1」の表示は、アタックモードのランクに対応している。つまり、今回開始されるアタックモードが第1アタックモードであることを示す表示である。そして、アタックモードのランクが第2アタックモードに昇格すると(昇格コマンドを受信すると)、昇格演出として、補助表示部65にて、「アタックモード!!Ver.2」という文字表示が行われる。また、アタックモードのランクが第3アタックモードに昇格すると、「アタックモード!!Ver.3」という文字表示が行われ、第4アタックモードに昇格すると、「アタックモード!!Ver.4」という文字表示が行われる。
ステップS2303にてアタックモード開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2305にて、今回受信している停止時コマンドとしてアタックモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。アタックモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2306にて、アタックモード終了演出を設定する処理を行う。アタックモード終了演出では、例えば、図57(b)に示すように、補助表示部65にて、「アタックモード END」という文字表示を行うとともに、今回のアタックモード(VBモード、特化ゾーンを含む)の継続ゲーム数を表示し、また、今回のアタックモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、アタックモード終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「またね」)が発せられるように制御する。
ステップS2305にてアタックモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2307にて、今回受信している停止時コマンドとしてVBモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2308にて、VBモード開始演出を設定する処理を行う。VBモード開始演出では、例えば、図58(a)に示すように、補助表示部65にて、「777 VICTORY!!」という文字表示を行う。その他、VBモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「ヴィクトリーボーナス開始」)が発せられるように制御する。
ステップS2307にてVBモード開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2311にて、今回受信している停止時コマンドとしてVBモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2312にて、VBモード終了演出を設定する処理を行う。VBモード終了演出では、例えば、図58(b)に示すように、補助表示部65にて、「VICTORY BONUS END」という文字表示を行うとともに、今回のVBモード終了時のアタックモードの継続ゲーム数(VBモード、特化ゾーンを含む)の継続ゲーム数を表示し、また、今回のVBモード終了時のアタックモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、VBモード終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「まだまだ続くぞ」)が発せられるように制御する。
ステップS2311にてVBモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2313にて、今回受信している停止時コマンドとして特化ゾーン開始コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2314にて、特化ゾーン開始演出を設定する処理を行う。特化ゾーン開始演出では、例えば、図59(a)に示すように、補助表示部65にて、「上乗せチャレンジ!!」という文字表示を行うとともに、アタックモードの上乗せが発生し易い特殊なモードであることを示唆するキャラクタの表示を行う。その他、特化ゾーン開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男の子の声で「行くぞ」)が発せられるように制御する。
ステップS2313にて特化ゾーン開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2315にて、今回受信している停止時コマンドとして特化ゾーン終了コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2316にて、特化ゾーン終了演出を設定する処理を行う。特化ゾーン終了演出では、例えば、補助表示部65にて、今回の特化ゾーンにて上乗せを行った総ゲーム数を表示する。その他、特化ゾーン終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュキュキュキュキュイーン!」)が発せられるように制御する。なお、総上乗せゲーム数に応じて補助表示部65の表示内容やスピーカ64から発せられる効果音を異ならせるとよい。
ステップS2315にて特化ゾーン終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2317にて、今回受信している停止時コマンドとしてボーナス終了コマンドが含まれているか否かを判定する。ボーナス終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2318にて、ボーナス終了演出を設定する処理を行う。ボーナス終了演出では、例えば、補助表示部65にて、今回のボーナス中に獲得した総払出枚数を表示するとともに、アタックモードやVBモード、特化ゾーン中に移行したボーナスであれば、アタックモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、ボーナス終了演出では、アタックモードの当否、チャレンジモードの当否、上乗せゲーム数に応じて、これらの内容を示唆するキャラクタ等による演出を行う。
ステップS2302、ステップS2304、ステップS2306、ステップS2308、ステップS2312、ステップS2314、ステップS2316及びステップS2318のいずれかの処理を実行した後、又はステップS2317にて否定判定した後は、ステップS2309、ステップS2319に進む。ステップS2309、ステップS2319では、上乗せ演出が設定されている場合には上乗せ演出を実行するように、補助表示部65等を制御する。既に説明したとおり、上乗せ演出の設定は、開始時演出設定処理における、ステップS1907にて行われる。具体的には、上乗せ演出の設定処理(図47)にて、今回の上乗せ演出の発生タイミングが全停止時に設定された場合、図50(c)に示すように、全ての各リール32L,32M,32Rが停止したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。
その後、ステップS2310、ステップS2320にて、その他の停止時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS2310、ステップS2320では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
以上のように、主制御装置101からの各種コマンドに基づいて、表示モードの移行を報知するための各種処理が表示制御装置81側で行われ、その報知が補助表示部65等により行われる。その他、表示制御装置81側では、これら表示モードの移行の報知以外にも、各種ゲーム中の演出用処理が行われる。
<各種ゲーム中の演出用処理>
本実施形態では、各種ゲーム中の演出として、連続演出及びボーナス中演出が設けられている。連続演出とは、遊技者にとって有利な結果(ボーナスやアタックモード、チャレンジモード、VBモード等に当選していること)を期待させる演出であって、複数回(本実施形態では4回)のゲームに亘って継続され得る演出であり、最終回のゲームにおいて当該有利な結果であったか否かの報知が行われる演出である。ボーナス中演出は、第1BBや第2BB入賞に基づいて移行するボーナス状態中の各ゲームにて行われる演出である。
連続演出について、その概要を、図60を参照しながら説明する。
例えば、図60(a)に示すように、連続演出が設定された1ゲーム目の開始時に連続演出の継続回数を示唆する表示を行う(図では、4ゲームの連続演出に対応させて4段のだるま落とし演出を示している)。そして、当該連続演出が設定された1ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、1段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。連続演出が途切れる場合、当該連続演出が設定された1ゲーム目の終了時において、連続演出が途中で終了することを報知する演出が行われる(例えば、1段目のだるま落としが失敗する演出等)。連続演出の継続の有無に関する演出は、連続演出における各ゲームにおいて同様である。
図60(b)に示すように、連続演出が設定された2ゲーム目の開始時には、残りの連続演出の回数を示唆する表示を行う(図では、残り3段のだるま落とし演出)。そして、当該2ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、2段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。
図60(c)に示すように、連続演出が設定された3ゲーム目の開始時には、残りの連続演出の回数を示唆する表示を行う(図では、残り2段のだるま落とし演出)。そして、当該3ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、3段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。
図60(d)に示すように、連続演出の最終ゲーム(4ゲーム目)の開始時には、連続演出の最終ゲームであることを示唆する表示を行う(図では、1段のだるま落とし演出)。そして、当該最終ゲームの終了時において、遊技者にとって有利な結果であったか否かの演出を行う(図では、最終段のだるま落としが成功したことの演出を示している)。
以上のように、連続演出では、前ゲームの演出を引き継いで次のゲームの演出が設定され、各ゲームの演出が連続性を有している。また、現状のゲームが連続演出開始から何ゲーム目であるか(連続演出終了まで何ゲームあるか)が明確に認識可能となっている。
ここで、連続演出の各ゲームにおいて、次ゲームまで連続演出が継続するか否かは、連続演出のゲームが進行するほど継続率が高くなるように設定されている。すなわち、連続演出の1ゲーム目終了時に、連続演出の非継続が報知される可能性が最も高く、ゲームが進行するほど、非継続が報知される可能性は低くなる。そのため、連続演出においては、現状のゲームが連続演出における何ゲーム目であるかで、遊技者の関心の高さが大きく異なり、開始ゲームから終了ゲームに進行するにつれて高い関心が寄せられるようになる。
以下、上記連続演出やボーナス中演出に関する処理として、開始時演出設定処理(図45)におけるボーナス中演出設定処理(ステップS1908)、特定役報知用処理(ステップS1905)、連続演出設定処理(ステップS1909)について、それぞれ説明する。
<ボーナス中演出処理>
先ず、ボーナス中演出処理について、図52のフローチャートを参照しながら説明する。
ボーナス中演出設定処理では、先ず、ステップS2401にて、今回のゲームからボーナスゲームが開始されるか否かを判定する。ボーナスゲームとは、第1BB又は第2BB入賞した次のゲームから、ボーナス終了までのゲームが該当する。ステップS2401にて肯定判定する場合とは、前ゲームにて第1BB又は第2BB入賞が成立した場合である。この場合、ステップS2402にて、RAM183における各種カウンタエリア183bのボーナス中演出カウンタにボーナス演出ゲーム数をセットする。ボーナス中演出カウンタとは、ボーナスゲームの進行に合わせて毎ゲーム設定された演出を実行するためのカウンタであり、当該カウンタに応じた演出が補助表示部65等により行われる。
既に説明したとおり、本実施形態では、第1BBや第2BBのボーナスゲームでは毎ゲーム9枚のメダル払出が行われる役に当選し、216枚のメダル払出でボーナスが終了する。つまり、第1BBや第2BBのボーナスゲームは、24ゲームで終了する。そして、ボーナスゲームにおける演出は24ゲームに亘って実行されるように設定されており、上記のボーナス中演出カウンタは、24ゲームのうちの何ゲーム目の演出を行うべきかを把握するためのカウンタである。そして、ステップS2402では、ボーナス演出ゲーム数として、ボーナス演出カウンタに24をセットする。ステップS2402の処理を行った後は、ステップS2403にて、各種フラグ格納エリア183aにボーナス中演出フラグをセットする。ボーナス中演出フラグは、ボーナス中演出を実行中であることをCPU181が把握するためのフラグである。ステップS2401にて否定判定した場合、又はステップS2403の処理を実行した後は、本ボーナス中演出設定処理を終了する。
<特定役報知用処理>
次に、ステップS1905にて実行される特定役報知用処理について、図53のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS2501にて、今回の開始時コマンドとして前兆コマンドが含まれているか否かを判定する。前兆コマンドが含まれていない場合には、ステップS2502にて、今回の開始時コマンドとして上乗せコマンドが含まれているか否かを判定する。上乗せコマンドが含まれていない場合には、ステップS2503にてボーナスに当選しているか否かを判定する。ボーナスに当選していない場合、すなわち、抽選結果として特定役当選であった場合であって、チャレンジモードやアタックモード、VBモードへの移行抽選や継続ゲーム数の上乗せ抽選に当選しておらず、且つボーナスにも当選していない場合には、ステップS2504にて、擬似前兆モードの抽選処理を実行する。擬似前兆モードとは、前兆モードと見た目上は識別困難であるものの、前兆モードでは前兆ゲーム数が終了したことに基づいて遊技者に有利な結果(チャレンジモードの当選等)が報知される一方、擬似前兆モードでは、擬似前兆ゲーム数が終了したことに基づいて遊技者にとって有利な結果を報知することなく終了するモードである。
ステップS2504では、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから擬似前兆モード抽選用のテーブルを取得するとともに、各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタを取得して、擬似前兆モードを実行するか否かの抽選を行う。擬似前兆モード抽選用のテーブルでは、当選している特定役の種類に応じて擬似前兆モードの抽選に当選する確率が異なるように設定されており、例えば、強チェリーの方が弱チェリーよりも擬似前兆モードの抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。
ステップS2505では、ステップS2504の処理結果に基づいて、擬似前兆モードの抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS2506にて、擬似前兆モードのゲーム数の抽選処理を行う。かかる処理は、主制御装置101側のステップS810等に対応するものであり、1~32のうちの1の擬似前兆ゲーム数を抽選によりランダムに決定する。続くステップS2507では、ステップS2506にて決定した擬似前兆ゲーム数を、各種カウンタエリア183bに設けられた連続演出カウンタにセットする処理を行う。連続演出カウンタは、結果報知までのゲーム数を把握するためのカウンタであり、1ゲーム毎に1ずつ減算される。例えば、4ゲームの連続演出を行う構成においては、連続演出カウンタが4となるゲームにおいて連続演出が開始され、連続演出カウンタが0となるゲームにて結果報知が行われる。本実施形態では、前兆モードや擬似前兆モードに設定されると、連続演出を経てから当該前兆モードや擬似前兆モードが終了する構成としている。そして、上記ステップS2507にて連続演出カウンタに擬似前兆ゲーム数を入力することで、擬似前兆モードの残りゲーム数が連続演出開始に対応するもの(残り4ゲーム)となると、連続演出が開始されることとなる。
ステップS2508では、各種フラグ格納エリア183aに擬似前兆モードであることを示す擬似フラグをセットする処理を実行する。続くステップS2509では、連続演出フラグをセットする。その後、特定役報知用処理を終了する。また、ステップS2501~ステップS2503のいずれかで肯定判定した場合、又はステップS2505にて否定判定した場合は、そのまま特定役報知用処理を終了する。
<連続演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理(図45)のステップS1909にて行われる連続演出設定処理について、図54のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2601では、今回受信している開始時コマンドとして前兆コマンドが含まれているか否かを判定する。前兆コマンドが含まれている場合には、ステップS2602にて、当該前兆コマンドに含まれる前兆モードの前兆ゲーム数を連続演出カウンタに入力する処理を行う。これにより、前兆モードの残りゲーム数が連続演出開始に対応するもの(残り4ゲーム)となると、連続演出が開始されることとなる。なお、ステップS2602にて1ゲーム~3ゲームの前兆ゲーム数を連続演出カウンタに入力する場合には、連続演出が途中から開始される。例えば、ステップS2602にて連続演出カウンタに2を入力すると、連続演出は今回のゲームから開始され、図60(c)の連続演出3ゲーム目の演出から行われる。また、連続演出カウンタに0を入力する場合、すなわち、前兆モードを経ずにアタックモード等の当選報知が行われる場合には、連続演出は実行されない。ステップS2602の処理を行った後は、ステップS2603にて、連続演出フラグをセットする。
ステップS2601にて否定判定した場合、又はステップS2603の処理を実行した後は、ステップS2604に進む。ステップS2604では、連続演出フラグがセットされているか否かを判定する。連続演出フラグがセットされている場合には、ステップS2605にて連続演出カウンタから1減算する処理を行う。そして、ステップS2606にて、連続演出カウンタが連続演出に対応する数(0~3)であるか否かを判定する。連続演出カウンタが連続演出に対応する数である場合には、ステップS2607にて、擬似フラグがセットされているか否かを判定する。擬似フラグがセットされていない場合には、ステップS2608に進み、各種テーブル記憶エリア182aから本前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS2609にて、本前兆用演出テーブルと連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、ROM182の演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。本前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データとしては、連続演出カウンタが1~3であれば、次ゲームまで連続演出が継続することを示す演出データとなっており、連続演出カウンタが0であれば、今回の連続演出が成功で終了することを示す演出データとなっている。
ステップS2607にて擬似フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS2610に進む。ステップS2610では、各種テーブル記憶エリア182aから擬似前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS2611にて、擬似前兆用演出テーブルと連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、ROM182の演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。擬似前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データとしては、連続演出カウンタが1~3であれば、次ゲームまで連続演出が継続することを示す演出データ又は継続しないことを示す演出データとなっており、連続演出カウンタが0であれば、今回の連続演出が失敗で終了することを示す演出データとなっている。
なお、連続演出カウンタが1~3である場合に擬似前兆用演出テーブルから特定される演出データとしては、連続演出が設定されないものも含まれる。例えば、連続演出カウンタが3及び2の場合には連続演出の演出データが設定されず、連続演出カウンタが1の場合に、図60(a)の次ゲームまで連続演出が継続することを示す連続演出1ゲーム目の演出データが設定され、連続演出カウンタが0の場合に、図60(b)において次ゲームまで連続演出が継続しないことを示す連続演出2ゲーム目の演出データが設定される。このようにすることで、擬似前兆モードの擬似前兆ゲーム数が0となるゲームにて連続演出が途中で途切れる演出を設定することが可能となる。
ステップS2609又はステップS2611の処理を行った後は、ステップS2612にて連続演出カウンタが0であるか否かを判定する。連続演出カウンタが0である場合には、ステップS2613にて連続演出フラグ及び擬似フラグをクリアする処理を行う。なお、擬似フラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。ステップS2606若しくはステップS2612にて否定判定した場合、又はステップS2613の処理を行った後は、本連続演出設定処理を終了する。
ステップS2604にて連続演出フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS2614に進む。ステップS2614では、ボーナス中演出フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップS2615にて、ボーナス中演出カウンタの減算処理を行う。具体的には、ボーナス中演出カウンタを1減算する処理を行う。続くステップS2616では、各種テーブル記憶エリア182aからボーナス用演出テーブルを取得する。そして、ステップS2617にて、ボーナス用演出テーブルとボーナス中演出カウンタとから、対応するボーナス中演出の演出データを特定し、演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回のボーナス中演出として設定する処理を行う。ステップS2618では、ボーナス中演出カウンタが0であるか否かを判定する。ボーナス中演出カウンタが0である場合には、ステップS2619にてボーナス中演出フラグをクリアする処理を行う。その後、本連続演出設定処理を終了する。
以上のように、本スロットマシン10では、遊技媒体としてのメダルの投入、及びスタートレバー41の始動操作に基づいて主制御装置101側の抽選処理が行われるとともに、各リール32L,32M,32Rが回転開始され、ストップスイッチ42~44の停止操作に基づいて各リール32L,32M,32Rは停止し、有効ラインに停止した図柄の組合せが、抽選処理の結果に対応するものである場合、対応する特典が付与される構成において、抽選処理の結果としてリプレイとなる確率が異なる複数のRT状態が設けられており、対応する昇格リプレイや転落リプレイの入賞が成立することでRT状態が移行する。対応するリプレイの入賞の可否は、当否抽選の結果の他、ストップスイッチ42~44の操作順序によって定められており、当該操作順序の報知は、抽選処理の結果に応じて行われる表示モードの移行抽選に当選することで行われる。抽選処理の結果としては押し順ベルが設けられており、当該ストップスイッチ42~44の操作順序によっては、当該押し順ベル入賞を成立させてメダルを獲得することが可能となる。そして、リプレイ確率が向上する遊技状態として第2RT状態や第3RT状態に移行させ、且つ操作順序の報知が行われる表示モードに移行させることで、そのRT状態において、リプレイ確率が向上した状態で押し順ベル入賞を成立させることができ、多量のメダルを獲得することが可能となる。
多量のメダルの獲得の契機となる表示モードの移行抽選やアタックモード等の継続ゲーム数の上乗せ抽選の実行、及びボーナス当否抽選にて当選することとしての契機事象は、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、チャンスA,B、中段ベル等の特定役に当選した場合に発生する。すなわち、特定役として、IV=13~19,32~45の小役(単独役)又は重複役が設定されており、これら特定役に当選した場合に、契機事象として、表示モードの移行抽選や上乗せ抽選が行われたり、ボーナス当否抽選にて当選したりすることとなる。特定役は、ベルやリプレイ等よりも比較的低確率で当選する役であり、レア役とも称される。そのため、遊技者は、かかる比較的低確率の契機事象の発生に期待しながら各ゲームの遊技を行うことになる。
ここで、特定役に基づく表示モードの移行抽選や、ボーナス当否抽選について、図61を参照しながら詳細に説明する。図61は、通常遊技状態用の抽選テーブルと、表示モードの移行抽選と、設定値との関係を示す図である。
既に説明したとおり、特定役としては、IV=13~19の強チェリー等の単独役と、IV=32~45のボーナスとの重複役とが設定されている。
第1BBや第2BBのボーナスは、IV=32~45のボーナスとの重複役に当選した場合、及びIV=46,47のボーナス単独役に当選した場合に、ボーナス当選に対応する当選フラグ(第1BB当選フラグ、第2BB当選フラグ)がセットされる。一方、IV=13~19の単独役当選となった場合にはボーナスには重複当選しない。すなわち、図16の抽選処理のステップS305において、IV=13~19にて当選したと判定した場合には、ステップS308にてこれらIV=13~19に対応する小役の当選フラグ(強チェリー当選フラグ、弱チェリー当選フラグ、強スイカ当選フラグ、弱スイカ当選フラグ、チャンスA当選フラグ、チャンスB当選フラグ、中段ベル当選フラグ)をセットするものの、ステップS307ではボーナス当選フラグ(第1BB当選フラグ、第2BB当選フラグ)はセットしない。つまり、ボーナス当選としての契機事象は、IV=32~45で当選したゲームにて発生し、IV=13~19で当選したゲームでは発生しない。
ボーナス当選としての契機事象は、出玉率に変化を生じさせる設定値によって発生確率が異なり得る。すなわち、IV=32~45のうち、第1BBとの重複役については設定値に関わらず同じ当選確率となっており発生確率は同じである一方、第2BBとの重複役については設定値によって異なる当選確率となっており発生確率が異なる。より詳しくは、強チェリー重複1(IV=32)、弱チェリー重複1(IV=34)、強スイカ重複1(IV=36)、弱スイカ重複1(IV=38)、チャンスA重複1(IV=40)、チャンスB重複1(IV=42)、中段ベル重複1(IV=44)に当選する確率は、設定値に関わらず同じ確率となるように設定されている一方、強チェリー重複2(IV=33)、弱チェリー重複2(IV=35)、強スイカ重複2(IV=37)、弱スイカ重複2(IV=39)、チャンスA重複2(IV=41)、チャンスB重複2(IV=43)、中段ベル重複2(IV=45)に当選する確率は、設定値によって異なるように設定されている。そして、第1BB及び第2BBに単独当選する確率は、設定値に関わらず同じ当選確率となるように設定されている。そのため、第1BBは設定値に関わらず同じ発生確率となるように設定されている一方、第2BBは設定値によって異なる発生確率となるように設定されている。
表示モードの移行抽選については、IV=13~19の単独役及びIV=32~45の重複役のうち設定値によって同じ発生確率となるように設定された重複役に当選した場合に実施される一方、IV=32~45の重複役のうち設定値によって異なる発生確率となるように設定された重複役に当選した場合には実施されない(又は、実施されるもののその当選確率が0となるように設定されている)。つまり、ボーナスとの重複の有無に関わらず、設定値によって当選確率が異なる役の当選時においては表示モードの移行抽選は行われない一方、設定値によって同じ当選確率が設定されている役の当選時においては表示モードの移行抽選は行われる。したがって、本実施形態では、ボーナス当選としての契機事象とは異なり、表示モードに関する契機事象は、設定値によって発生確率が異ならないように定められているといえる。表示モードに関する契機事象については、表示モードの移行抽選だけに関わらず、アタックモードやチャレンジモードの継続ゲーム数の上乗せ抽選の当選確率や当選時の上乗せゲーム数に関しても、その性能が設定値によって異ならないように定められている。
つまり、本実施形態では、小役の当否抽選の確率(抽選テーブル)が変化することで遊技者にとって有利な状態となるボーナス状態としての第1有利状態と、押し順役の操作順序の報知が行われるようになることで遊技者にとって有利な状態となるアタックモード等の第2有利状態とを比較すると、第1有利状態については設定値によって当選確率(移行確率)が異なり、第2有利状態については設定値によって当選確率(移行確率)が異ならないように定められている。
所謂スロットマシンの遊技の醍醐味は、各ゲームにて役の当否抽選を行わせ、その結果に応じて各リールの停止操作を行うという点であり、リール停止操作の操作順序を指示することによって特典を得させようとする第2の有利状態は副次的な遊技であるという考えもある。その考えからすると、設定値によって、第1有利状態の当選確率が異なること自体は許容できても、上記の副次的な遊技の第2有利状態に関してまで当選確率が異なることは、好ましくないと考えられる。上記の副次的な遊技までもが設定値によって当選確率が異なることとなると、主の遊技である各役の当選確率による出玉率の差が小さくなり、結果的に遊技の主従が逆転してしまう可能性が生じ得るからである。
そこで、上記のように第1有利状態によって出玉率を調節し、第2有利状態をあくまで副次的な遊技ととらえることで、スロットマシン本来の遊技性を抹殺することなく、これら第1有利状態と第2有利状態との連携による遊技性を実現可能としている。
このような第1有利状態と第2有利状態に関し、両有利状態はそれぞれ別々に実施され、両状態が重複することがないように設定されている。つまり、図29及び図30に示すように、第1BBや第2BBに当選してボーナス状態(BB状態)へ移行すると規定数の払出が行われるまでかかるボーナス状態は維持され、RT状態等への移行は発生しない。また、表示モードについてもBBモードへ移行し、ボーナス状態が終了するまでかかるBBモードは維持される(アタックモード等への移行は発生しない)。そして、アタックモード中に第1BBや第2BBに当選すると、表示モードはBBモードへ移行し、BBモードが終了してからアタックモードが再開される(図40)。
その一方で、一方の有利状態中に他方の有利状態の契機事象は生じ得る構成としている。より詳しくは、主たる遊技である第1有利状態中には従たる遊技であり第2有利状態に関する契機事象(アタックモードの移行抽選や上乗せ抽選等)は発生しないものの、第2有利状態中においては第1有利状態に関する契機事象(ボーナス当選)は発生し得る構成としている。具体的には、第1有利状態としてのボーナス状態中の各小役(IV=29~31)では、アタックモードの移行抽選や上乗せ抽選等は行われず、第2有利状態に関する契機事象は生じない。一方、第2有利状態としてのアタックモードやVBモード中においてはIV=32~45の重複役に当選し得るため、第1有利状態に関する契機事象は生じ得る。このように両有利状態の重複実施を制限しつつも、他方の契機事象は生じ得るようにしているため、両有利状態の連鎖が生じ易くなり、興趣向上が図られている。
ここで、第2有利状態となって押し順役の操作順序の報知が行われる場合、図37の補助表示部65による押し順報知演出(表示制御装置81による押し順報知演出)の他に、主制御装置101に接続された指示モニタ68でも押し順報知が行われる。かかる指示モニタ68の構成について、図62を参照しながら説明する。図62(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図62(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図62(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図62(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、表示モードが通常モードである状況において、アタックモードやスーパーアタックモード、チャレンジモードへの移行抽選に当選した場合や、アタックモードやスーパーアタックモード、チャレンジモードに同時当選し得るボーナス(第1BB)に当選した場合に点灯される。また、アタックモードやスーパーアタックモード、チャレンジモード、第1BBが終了して通常モードへ移行する場合(前兆モードを経る等して再度アタックモード等へ移行する場合を除く)に消灯される。
つまり、押し順ベルや押し順リプレイの操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなるナビ状態(アタックモードやスーパーアタックモード、高頻度モード)、当該ナビ状態への移行抽選に当選し易くなるチャンス状態(チャレンジモードや第1BB、高確率モード)、又はナビ状態やチャンス状態への移行抽選に当選しているもののこれらナビ状態やチャンス状態に移行していない当選状態(当選モード)を含む区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間中は消灯することにより、有利区間か否かを明確に示すための区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
第8表示用セグメントN8は、これらナビ状態、チャンス状態、当選状態等の有利区間の契機となった遊技結果(強チェリー等の特定役等)に当選し当該遊技結果が成立するゲームを開始ゲームとし、当該開始ゲームの次のゲームにおいて遊技者による遊技操作が許容されるよりも前のタイミングで、有利区間となることの報知として点灯が開始される。より詳しくは、本実施形態では、有利区間の契機となった遊技結果入賞が成立するか否かに関わらず、すなわち、取りこぼしが生じるか否かに関わらず、当該遊技結果当選となったゲームを開始ゲームとし、次のゲームにおいて遊技者による遊技操作としてベット操作が許容されるよりも前のタイミングで、第8表示用セグメントN8を点灯させる。つまり、第8表示用セグメントN8は、有利区間への移行抽選に当選したゲームの次のゲームの開始前には点灯が開始される。
既に説明した通り、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
以下、第8表示用セグメントN8の点灯/消灯に関する処理として、区間表示第1処理及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図63を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図16)におけるステップS316にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップS2701では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。上記のように、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間として、アタックモードやスーパーアタックモード、チャレンジモードへの移行抽選に当選している状態、又はこれらのモード中である場合を示している。ステップS2701にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップS2702に進む。
ステップS2702では、チャレンジモード当選フラグ又はアタックモード当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。第8表示用セグメントN8が消灯しており、且つチャレンジモード当選フラグ又はアタックモード当選フラグのいずれかがセットされている場合とは、今回の抽選処理において、チャレンジモードへの移行抽選や、アタックモードやスーパーアタックモードへの移行抽選に当選した場合である。既に説明したとおり、第1特定役処理(図32)では、チャレンジモードへの移行抽選に当選した場合には、チャレンジモード当選フラグをセットし、アタックモード又はスーパーアタックモードへの移行抽選に当選した場合には、アタックモード当選フラグをセットする。ステップS2702にて、いずれのフラグもセットされていない場合には、そのまま本区間表示第1処理を終了する。
チャレンジモード当選フラグ又はアタックモード当選フラグのいずれかがセットされている場合、ステップS2703に進み、表示開始態様抽選処理を実行する。表示開始態様抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから表示開始態様テーブルを取得し、有利区間への移行に際し、第8表示用セグメントN8の点灯態様を抽選により決定する。本実施形態における表示開始態様テーブルでは、図64に示すように、第8表示用セグメントN8の点灯開始タイミングが、有利区間の内容に応じて異なるように設定されている。
具体的には、本実施形態では、第8表示用セグメントN8の点灯開始タイミングとしては、スタートレバー41の操作時、第1リールの停止ON操作時、第1リールの停止OFF操作時、第2リールの停止ON操作時、第2リールの停止OFF操作時、第3リールの停止ON操作時、第3リールの停止OFF操作時、入賞に基づくメダル払出完了時、のそれぞれが設定されている。この場合、当該区間表示第1処理は、スタートレバー41の操作に基づいて実施される抽選処理のうちの一処理であり、上記点灯開始タイミングのうちスタートレバー41の操作時とは、当該抽選処理の契機となったスタートレバー41の操作時を示し、当該区間表示第1処理後、ただちに点灯が開始される。また、第1リール、第2リール、第3リールとは、3つあるストップスイッチ42~44のうちの最初に停止操作されたリールが第1リールであり、その次に停止操作されたリールが第2リールであり、最後に停止操作されたリールが第3リールである。停止ON操作及び停止OFF操作については、上述のとおりであり、手前側に配置される初期位置から奥側に配置される操作位置へストップスイッチ42~44を押し込む操作が停止ON操作であり、ストップスイッチ42~44から手を離すなどして当該操作位置から初期位置に復帰させる操作が停止OFF操作である。また、メダル払出完了時では、取りこぼしなどにより入賞が成立しなかった場合には、払出処理を介することなく点灯が開始される。
チャレンジモードへ移行する場合(チャレンジモード当選フラグがセットされている場合)には、スタートレバー41の操作時が5%、第1リールの停止ON操作時が10%、第1リールの停止OFF操作時が55%、第2リールの停止ON操作時が5%、第2リールの停止OFF操作時が15%、第3リールの停止ON操作時が3%、第3リールの停止OFF操作時が6%、メダル払出完了時が1%の割合で選択される。また、アタックモードへ移行する場合(アタックモード当選フラグがセットされている場合)には、スタートレバー41の操作時が3%、第1リールの停止ON操作時が3%、第1リールの停止OFF操作時が6%、第2リールの停止ON操作時が10%、第2リールの停止OFF操作時が55%、第3リールの停止ON操作時が5%、第3リールの停止OFF操作時が15%、メダル払出完了時が3%の割合で選択される。そして、スーパーアタックモードへ移行する場合(アタックモード当選フラグがセットされており、且つ特化ゾーンフラグがセットされている場合)には、スタートレバー41の操作時が1%、第1リールの停止ON操作時が2%、第1リールの停止OFF操作時が4%、第2リールの停止ON操作時が8%、第2リールの停止OFF操作時が20%、第3リールの停止ON操作時が8%、第3リールの停止OFF操作時が50%、メダル払出完了時が7%の割合で選択される。
すなわち、本実施形態では、有利区間へ移行する場合において、チャレンジモードに移行する場合と、アタックモードに移行する場合と、スーパーアタックモードに移行する場合と、で選択される区間表示器(第8表示用セグメントN8)の表示開始タイミングが異なり得るように設定されており、チャレンジモードなら第1リールの停止OFF操作時が最も選択され易く、アタックモードなら第2リールの停止OFF操作時が最も選択され易く、スーパーアタックモードなら第3リールの停止OFF操作時が最も選択され易い。チャレンジモードはアタックモードへ移行し易い所謂チャンスゾーンであり、アタックモードは押し順報知が行われ易いナビ状態であり、スーパーアタックモードは上乗せ特化ゾーンを経てアタックモードへ移行するナビ状態であるため、チャレンジモードよりアタックモードの方が遊技者にとっての有利度が高く、アタックモードよりもスーパーアタックモードの方が遊技者にとっての有利度が高い。つまり、第8表示用セグメントN8が点灯して有利区間へ移行する場合において、その有利区間の内容により遊技者にとっての有利度が大きく異なるといえる。このような有利区間の内容及び有利度と第8表示用セグ面とN8とを関連付けた表示開始態様としているため、これらのモードへの移行抽選に当選したゲームにおいて、第8表示用セグメントN8が点灯を開始するタイミングに大きく関心を寄せさせることが可能となる。
また、本実施形態では、第8表示用セグメントN8の点灯開始タイミングが遅いほど遊技者にとって有利なモードの有利区間へ移行し易い。そのため、第8表示用セグメントN8が点灯するか否かのドキドキ感を、徐々に、段階的に得られる工夫が施されている。
しかも、各モードにおいて表示開始タイミングの選択率に優劣をつけながらも、いずれのモード当選時においても、いずれの表示開始タイミングも選択され得るようにしている。すなわち、例えば、スタートレバー41の操作時に第8表示用セグメントN8の点灯が開始された場合、チャレンジモードへの移行抽選に当選した可能性が最も高く、スーパーアタックモードへの移行抽選に当選した可能性が最も低くなるように設定しているものの、最も可能性が低いスーパーアタックモードに関して、その可能性はゼロではない。このようにすることで、遊技者が望むタイミングとは異なるタイミングで第8表示用セグメントN8の点灯が開始された場合であっても、モードの当選報知が行われるまで諦めさせないようにさせることができる。
ここで、既に説明したとおり、チャレンジモードに当選したことの報知(チャレンジモード開始演出、ステップS1802)や、アタックモードに当選したことの報知(アタックモード当選報知演出、ステップS1804)は、前兆モードを経て前兆ゲーム数が0となった次のゲームのベット操作時に行われる。これに対して、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は、チャレンジモード等の移行抽選の契機となった遊技結果が成立したゲームを開始ゲームとし、その次のゲームのベット操作が許容されるよりも前のタイミングで点灯が開始される。つまり、仮に前兆モードを0ゲームとしたとしても、各モード移行の当選報知演出と区間表示器による有利区間の報知とを比較すると、区間表示器による有利区間の報知の方が先に行われる。このような関係において、区間表示器の点灯を開始した際に、いずれのモードに当選しているかを完全に特定可能とはしない構成としたため、区間表示器の点灯が開始されてから各モード移行の当選報知演出が行われる期間のドキドキ感も提供することができる。
また、各リールの停止操作を見ると、停止ON操作時よりも停止OFF操作時の方が選択され易い構成としている。そのため、第8表示用セグメントN8が点灯するか否かの確証がない状況においては、停止ON操作時よりも停止OFF操作時のほうが、点灯することの期待感を抱きながら操作するものと考えられる。この場合、ストップスイッチ42~44を停止ON操作することにより対応するリールが停止すること、及びストップスイッチ42~44の停止OFF操作する際には対応するリールが停止している可能性が高いこと、からして、対応するリールが停止する前の状況よりも対応するリールが停止している状況の方が、上記第8表示用セグメントN8が点灯することへ高い期待感を抱きながらストップスイッチ42~44の操作を行うものと考えられる。
例えば、第27小役の弱チェリー当選時と、第28小役の強チェリー当選時と、を比較すると、これら第27小役当選時と第28小役当選時とで、各リール32L,32M,32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行った場合、左リール32Lの停止出目は共通なものとなっており、いずれも左リール32Lの上段又は下段に「チェリー」図柄が停止する。この場合、中リール32Mを停止させることで、第27小役当選であったか、第28小役当選であったかが判別される。そして、本実施形態では、第27小役及び第28小役のいずれについても有利区間への移行抽選に当選する可能性がある構成としている。つまり、左リール32Lを停止させた状況で第8表示用セグメントN8が点灯していなければ、(1)今回のゲームの遊技結果が弱チェリー当選であって、且つ未だ第8表示用セグメントN8の点灯タイミングに至っていないケース、(2)今回のゲームの遊技結果が弱チェリー当選であって、且ついずれの有利区間への移行抽選にも非当選であったケース、(3)今回のゲームの遊技結果が強チェリー当選であって、且つ未だ第8表示用セグメントN8の点灯タイミングに至っていないケース、(4)今回のゲームの遊技結果が強チェリー当選であって、且ついずれの有利区間への移行抽選にも非当選であったケース、が考えられる。そして、第2リールとして、中リール32Mや右リール32Rを停止させることで、(1)又は(2)のケースか、それとも(3)又は(4)のケースかが判別される。そして、弱チェリー当選時よりも強チェリー当選時の方が有利区間への移行抽選に当選し易い構成であるため、遊技者としては、(1)又は(2)のケースであるよりも、(3)又は(4)のケースであることに期待しながら、中リール32Mや右リール32Rの停止操作を行うものと考えられる。つまり、中リール32Mや右リール32Rにも「チェリー」図柄が所定の位置に停止することで、(3)又は(4)のケースであることが判別されるため、「チェリー」図柄が停止することを願いながら停止操作を行うものと考えられる。そして、その状況での停止OFF操作は、上記(3)のケースか、(4)のケースかのいずれかであるかを判別するための操作ともいえ、より純粋に区間表示器が点灯するか否かを楽しませることができる。言い換えると、「チェリー」図柄が停止することを願いながら停止ON操作する際に、第8表示用セグメントN8が点灯しにくい構成としていることから、その停止ON操作時においては、より純粋に「チェリー」図柄を停止させる遊技を楽しませることができる。このように、遊技者が関心を寄せさせるであろう箇所を重複しにくいように段階的に分けることで、遊技者の注意が散漫になってかえって遊技を楽しめない事象が生じにくいようにすることが可能となる。
区間表示第1処理の説明に戻り、ステップS2703にて表示開始態様抽選処理を実行した後は、ステップS2704にて、ステップS2703の抽選結果に基づいて表示開始態様を設定する処理を行う。この場合、抽選により決定されたタイミングに対応するフラグをセットする処理を行う。そして、区間表示器(第8表示用セグメントN8)の表示開始用の処理として個別に起動される図示しない表示開始用の処理において、これらのフラグに対応するタイミングか否かをそれぞれ判別する処理を行うとともに、対応するタイミングであれば、そのタイミングに相当するフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を開始する。例えば、ステップS2703にて、第1停止OFF操作時が決定された場合には、当該第1停止OFF操作に対応するフラグをセットする。上記表示開始用の処理では、スタートレバー41の操作タイミングであるか否か、第1停止ON操作タイミングであるか否か、第1停止OFF操作タイミングであるか否か、といった各判定処理を行い、第1停止OFF操作タイミングであると判定し、且つ上記のように第1停止OFF操作に対応するフラグがセットされていることを条件として、第8表示用セグメントN8の表示を開始する(消灯状態から点灯状態に切り替える)。なお、上記表示開始用の処理は、所定周期(例えば1.49msec周期)毎に起動される周期処理として構成され、例えばタイマ割込み処理の一処理として起動されるものとする。
付け加えると、主制御装置101では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯状態として表示を開始する際には、スピーカ64から所定の効果音(例えば、機械音で「ガゴッ!」という音)が出力されるように表示制御装置81へ音出力用のコマンドを出力する。表示制御装置81は、当該音出力用のコマンドに基づいて、上記所定の効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。なお、第8表示用セグメントN8の表示開始に際して、補助表示部65や他の表示部において演出を発生させる構成としてもよく、この場合、表示制御装置81に対して対応するコマンドを出力するとともに、表示制御装置81にて対応する演出が行われるよう補助表示部65等の制御を行う構成とするとよい。
ステップS2704の処理を実行した後は、ステップS2705にて、有利区間の継続ゲーム数の計測を開始する処理を実行してから、区間表示第1処理を終了する。有利区間の継続ゲーム数としては、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間ゲーム数AGの計測により行われ、ステップS2705では、当該有利区間ゲーム数AGを初期値である0に設定する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間中の各ゲームにおいて1ずつ加算する処理が実行される。
ステップS2701にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS2706にて、有利区間中の表示を継続する処理を行ってから、本区間表示第1処理を終了する。ステップS2706について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図65のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップS415にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップS2801では、区間表示器として第8表示用セグメントN8を点灯表示中か否かを判定する。消灯(非点灯、非表示)である場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。点灯表示中である場合には、ステップS2802に進む。ステップS2802では、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間中のゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、第8表示用セグメントN8が点灯されている状況で実施されるゲームの回数が計測される。
ステップS2802の処理を実行した後は、ステップS2803にて、有利区間ゲーム数AGが上限値である「1500」に達したか否かを判定する。「1500」に達した場合には、ステップS2804にて、有利区間ゲーム数AGを0にクリアしてから、ステップS2805にて区間表示器の表示の終了処理として、第8表示用セグメントN8を消灯させる処理を行う。そして、ステップS2806にてデータ初期化処理を行ってから、区間表示第2処理を終了する。
データ初期化処理は、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理である。例えば、有利区間への移行に際してチャレンジモード当選フラグやアタックモード当選フラグ等がセットされたり、アタックモード中にVBモード当選フラグがセットされたりし、本初期化処理まで当該フラグがセットされたままであれば、これらの当選フラグをクリアする。また、初期化処理では、アタック用報知フラグや、アタックモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ等がセットされていれば、これらのフラグもクリアする。さらに、前兆カウンタ、アタックモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップS2803にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達していないと判定した場合、ステップS2807に進み、有利区間が終了したか否かを判定する。すなわち、ステップS2807では、チャレンジモード当選フラグ及びアタックモード当選フラグのいずれもがセットされていない状態か否かを判定し、ステップS2808では、チャレンジモードフラグ及びアタックモードフラグのいずれもがセットされていない状態か否かを判定する。ステップS2807及びステップS2808のいずれでも肯定判定する場合とは、有利区間の上限ゲーム数に至る前に当該有利区間が終了したことを意味し、この場合、ステップS2809にて、有利区間ゲーム数AGを0にクリアするとともに、ステップS2810にて区間表示器の表示の終了処理を行ってから区間表示第2処理を終了する。ステップS2807及びステップS2808のいずれかで否定判定した場合は、未だ有利区間中であるとして、そのまま区間表示第2処理を終了する。この場合、区間表示器(第8表示用セグメントN8)の点灯表示は継続することになる。
<押し順表示器及び区間表示器の表示とゲームの進行について>
有利区間の開始及び終了と区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示との関係を、図66及び図67を参照しながら説明する。
本スロットマシン10では、図66に示すように、有利区間ではない通常区間においては、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は消灯している(点灯していない)。この通常区間においては、押し順報知演出は行われない。つまり、押し順報知等の指示機能に係る性能を有する有利区間に対し、通常区間は当該指示機能に係る有さない区間といえる。表示モードが通常モードである状況が、主に通常区間に対応する。
通常区間において、例えば、弱スイカ役当選等によってチャレンジモードやアタックモード等の有利区間への移行抽選に当選すると、当該当選契機となった遊技結果が成立するゲームを開始ゲームとし、当該開始ゲームの次のゲームにおいて遊技者によるベット操作が許容されるよりも前のタイミングで、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が点灯し、有利区間の報知が開始される。
この場合、上記のように弱スイカ役当選となったゲームにおいては、有利区間への移行前の状態であり、通常区間に含まれるゲームである。そうすると、有利区間を示す区間表示器としての第8表示用セグメントN8について、当該有利区間であることの報知が、当該弱スイカ役当選となった開始ゲームの次のゲームのベット操作を許容するタイミング、つまり、有利区間が開始されるゲームを遊技可能となるタイミングで行われるものとしてとらえると、上記のように、弱スイカ役当選ゲーム(開始ゲーム)において第8表示用セグメントN8を点灯状態とする報知は、有利区間であることの報知(状態中報知、モード中報知)よりも前に行われる先報知といえる。そして、上記のように本実施形態では、かかる先報知によって、有利区間であることの報知が行われた場合の当該有利区間の内容乃至有利度を示唆する構成としている。
その後、有利区間であることの報知がなされている状況で、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を利用した押し順報知が発生する。この場合、上記のように第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7によって押し順情報(「1」~「6」)の表示がなされ、かかる押し順情報に基づいて、遊技者は押し順を把握することができる。押し順報知において、押し順情報は、当該ゲームにおいてスタートレバー41の操作時に表示が開始され、当該ゲームにおいて第3リール停止ON操作時にその表示が終了する。かかるゲームが有利区間の最終ゲームではない場合には、第3リール停止ON操作時においては、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7による押し順情報の表示のみ終了し、第8表示用セグメントN8による有利区間の表示は継続される。そして、次ゲーム以降において再度押し順役に当選すると、その押し順役に対応する押し順情報が第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7にて表示される。
有利区間の継続ゲーム数が上限に達する等して、有利区間の最終ゲームとなると、第8表示用セグメントN8も消灯し、有利区間の報知が終了する。有利区間のゲーム数は、第8表示用セグメントN8が点灯しているゲームにおいてカウントされ、具体的には、開始ゲームの次のゲームを1ゲーム目とし、第8表示用セグメントN8が消灯する最終ゲームまでが有利区間のゲーム数となる。
本実施形態では、有利区間の最終ゲームにおいて、メダル払出が終了したタイミングで(払出判定処理の後の処理である区間表示第2処理により)、第8表示用セグメントN8が消灯する。なお、最終ゲームにおいてメダル払い出しが行われない場合には、第3リール停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が消灯する。これにより、遊技者は、当該ゲームが有利区間の最終ゲームであったことを明確に把握することができる。
このように、有利区間中となると第8表示用セグメントN8が点灯し、有利区間が終了すると第8表示用セグメントN8が消灯する。そして、第8表示用セグメントN8は、チャレンジモードやアタックモード等に移行することに基づいて点灯が開始されるだけでなく、チャレンジモードやアタックモード等への移行抽選に当選したことに基づいても点灯が開始される。つまり、これらのモードへの移行抽選に当選したゲームにおいてその報知がなされなくても、第8表示用セグメントN8の点灯の有無を確認することで、移行抽選に当選している状況か否かを明確に把握することができるようになっている。このようにすることで、これらのモードへの移行抽選に当選しているのにも関わらず、それを知らずにゲームを終了してしまう遊技者と、その後に着席する後任の遊技者との有利度に差を生じないようにすることができる。
付け加えると、本スロットマシン10においては、チャレンジモードやアタックモード等の押し順報知により有利度を変化させる遊技性に関し、設定値による有利度の差がないよう構成されている。そのため、押し順報知による遊技性を、各遊技台(設定値)や各ゲーム(状況)において一律の有利度とすることで、遊技者間の有利/不利を排除するとともに、絵柄を狙って特典を得るというスロットマシン10本来の遊技性を存分に楽しみつつ、そしてその付随する押し順報知による遊技性との関連性によりバランスのとれた遊技機とすることが可能となる。
その一方で、押し順報知による遊技性において、チャレンジモードやアタックモード等への移行抽選に当選するか否かやこれらのモードが継続するか否かが遊技者の関心どころであり、それが第8表示用セグメントN8の点灯/非点灯によって一目瞭然となってしまうことは、遊技者間の平等性を担保するという面ではメリットがあるかもしれないが、遊技性や演出効果という面ではデメリットとなり得る。そこで、本実施形態では、区間表示第1処理において、第8表示用セグメントN8の点灯開始タイミング(表示開始態様)を、点灯することにより移行する有利区間の内容によって異ならせる構成としている。
図67は、通常区間において、特定役として弱スイカ役に当選した場合に、第8表示用セグメントN8の点灯タイミングと、その後に当選報知される(移行する)有利区間の内容との関係を示している。
例えば、図67(a)のように、弱スイカ役に当選した場合において、第8表示用セグメントN8が第1リールの停止OFF操作時に点灯開始したとする。遊技者としては、第8表示用セグメントN8が点灯開始したことにより、有利区間への移行抽選に当選したことを把握することが可能となるとともに、第1リールの停止OFF操作時に点灯開始されたことから、今回の有利区間がチャレンジモードであることを予測する(図64参照)。そして、遊技者は、前兆モードを経て、告知ゲームとしてチャレンジモード開始演出が発生することで、今回の有利区間がチャレンジモードであったことを確認する。なお、第8表示用セグメントN8の点灯が開始されてから有利区間の計測が開始されること、すなわち、前兆モード中も有利区間であることは既に説明したとおりである。
図67(b)では、弱スイカ役に当選した場合において、第8表示用セグメントN8が第2リールの停止OFF操作時に点灯開始した場合を示している。この場合、遊技者としては、有利区間への移行抽選に当選したこと、及び今回の有利区間がアタックモードであることを予測する(図64参照)。そして、前兆モードを経て、告知ゲームとしてアタックモード確定演出が発生することで、今回の有利区間がアタックモードであったことを確認する。
図68(c)では、弱スイカ役に当選した場合において、第8表示用セグメントN8が第3リールの停止OFF操作時に点灯開始した場合を示している。この場合、遊技者としては、有利区間への移行抽選に当選したこと、及び今回の有利区間がスーパーアタックモードであることを予測する(図64参照)。そして、前兆モードを経て、告知ゲームとして上乗せ特化ゾーン確定演出が発生することで、今回の有利区間が上乗せ特化ゾーン付きのスーパーアタックモードであったことを確認する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
区間表示器としての第8表示用セグメントN8が点灯することにより有利区間であることが明示され、第8表示用セグメントN8が消灯することにより有利区間ではないことが明示される構成において、第8表示用セグメントN8の点灯開始の態様を異ならせることにより、有利区間か否かの報知機能を担保しつつも、区間表示器(第8表示用セグメントN8)による演出効果を向上させることができる。
第8表示用セグメントN8の点灯開始態様を、有利区間の内容によって異ならせるようにしたことにより、遊技者としては、第8表示用セグメントN8の点灯が開始されることによって有利区間への移行抽選に当選したことを把握するだけでなく、その内容まで予測することが可能となり、第8表示用セグメントN8の点灯時の注目度を大幅に向上させることができる。
特に、第8表示用セグメントN8の点灯開始態様を、有利区間の内容によって抽選により決定する構成としたことにより、点灯開始態様と有利区間の内容とが一対一の関係にならず、仮に遊技者にとって好ましくない態様にて点灯が開始された場合であったとしても、その後に移行するモードへ期待感を持続させながら遊技を進行させることができる。
しかも、第8表示用セグメントN8を開始ゲームの次のゲームまでに点灯開始させる構成を前提とし、第8表示用セグメントN8の点灯が開始された後、移行するチャレンジモードやアタックモードの報知(チャレンジモード開始報知演出やアタックモード当選報知演出等)は、前兆モードを経てから数ゲーム後に発生する構成としたため、点灯開始にて有利区間の内容を予測させ、前兆モード中はその予測内容が正しいか否かのドキドキ感を楽しませる、といったように、第8表示用セグメントN8を所謂確定報知としつつ、当該確定報知後においてもその内容を予測する遊技を行わせることが可能となる。
また、上記のように、第8表示用セグメントN8は、開始ゲームの次のゲームまでに点灯開始されるため、点灯開始タイミングの終期が予め定められている。このような発生終期が定められた演出において、その終期よりも前において、点灯開始した場合の有利区間の内容を第8表示用セグメントN8にて行う構成としたことにより、当該有利区間の内容を報知する演出への注目度を劇的に高めることができる。すなわち、そもそも、有利区間への移行抽選に当選しているか否かに関心を寄せている遊技者にとって、第8表示用セグメントN8が表示開始されるか否かは大きな関心どころであり、しかも、その表示開始タイミングの終期が定められているため、遊技者が第8表示用セグメントN8へ関心を寄せるべきタイミングが集約されているといえる。そのような前提のもと、当該第8表示用セグメントN8において有利区間の内容報知を行う構成とすれば、他のタイミングや他の表示手段にて行う有利区間の内容報知と比較して、圧倒的な注目度を集める報知とすることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、主にストップスイッチ42~44の操作時に点灯する構成としたため、点灯する可能性のあるゲーム(特定役当選時のゲーム)において、点灯することへの期待感を寄せながら停止操作を行わせることが可能となり、遊技者の操作と何ら関係なく点灯する構成と比較して、自らの操作によって点灯させた印象を強めることができる。
また、ストップスイッチ42~44の操作に基づいて点灯し得る構成としたことにより、操作したリールに停止する停止出目との関連性から、点灯の有無を判断させることができる。具体的には、例えば、強チェリー当選や弱チェリー当選時には、チャレンジモードやアタックモード等への移行抽選に当選し得る一方、強チェリーと弱チェリーとで当該移行抽選の当選確率が異なり、強チェリーの方が弱チェリーよりも当選確率が高い。そのため、遊技者としては、今回のゲームの抽選結果が弱チェリーではなく、強チェリー当選であることに期待しながらストップスイッチ42~44を操作するであろうと考えられるし、第8表示用セグメントN8の点灯タイミングとの関係で、強チェリーと弱チェリーとのいずれであるかを予測しながら停止操作を行わせることができる。
<変形例1>
上記第1の実施形態では、第8表示用セグメントN8の表示開始態様を、有利区間の内容に応じて抽選にて決定する構成とし、いずれの表示開始態様にて開始された場合においても、チャレンジモードやアタックモード、スーパーアタックモードの可能性がある構成としたが、表示開始態様と有利区間の内容とが1対1で対応付けられていてもよい。また、1対1で対応付けられている表示開始態様と、対応付けられていない(いずれのモードも可能性がある)表示開始態様とが存在する構成としてもよい。
例えば、図68(a)は、有利区間の内容と第8表示用セグメントN8の表示開始態様とが1対1で対応付けられている表示開始態様テーブルの一例を示している。すなわち、この例においては、今回の有利区間の内容がチャレンジモードである場合は第1リールの停止操作が行われたことに基づいて第8表示用セグメントN8が点灯開始し、今回の有利区間の内容がアタックモードである場合は第2リールの停止操作が行われたことに基づいて第8表示用セグメントN8が点灯開始し、今回の有利区間の内容がスーパーアタックモードである場合は第3リールの停止操作が行われたことに基づいて第8表示用セグメントN8が点灯開始する。このようにすることで、点灯開始態様に基づいて、今回の有利区間の内容を明確に把握することができる。特に、第8表示用セグメントN8は補助表示部65等の他の報知部よりも小さく、遊技を行っている遊技者のみが認識し易いものであり、第8表示用セグメントN8の表示開始態様によって有利区間の内容を把握できるのは、当該遊技機を遊技している遊技者に限られる可能性が高い。そうすると、例えば、第8表示用セグメントN8の表示開始態様によってスーパーアタックモードであることを把握した遊技者は、他の遊技者の知らない情報を知っているという優越感に浸りながら、その後のスーパーアタックモード当選報知演出を待つことも可能となる。
また、この例においても、第1リールの停止操作時よりも第2リールの停止操作時の方が有利な有利区間に移行し、第2リールの停止操作時よりも第3リールの停止操作時の方が有利な有利区間に移行する、といったように、後側の操作時に表示開始された場合の方が有利となるように設定されている。このようにすることで、早く表示開始されて有利区間への移行が確定して欲しいという気持ちと、後側で表示開始されて有利な有利区間へ移行して欲しいという気持ちとのバランスを楽しむ遊技性を実現できる。例えば、第1リールや第2リールを停止させて、その停止出目からスーパーアタックモードにも期待が持てる役(例えば中段ベル役)当選であることを予測/把握していれば、第1リールや第2リールの停止OFF操作時に表示開始されないことを願いながら操作するであろうし、第1リールを停止させてチャレンジモードですら当選の可能性が低い役(例えば弱チェリー役)当選であることを予測/把握していれば、当該第1リールの停止OFF操作時に表示開始されることを願いながら操作するものと考えられる。つまり、表示開始態様と有利区間の内容とが1対1で対応付けられている構成においても、停止ON操作時と停止OFF操作時との選択率の割合を上記の様にすることで、停止出目との関係で表示が開始されるか否かを楽しませることが可能となる。
図68(b)は、有利区間の内容と第8表示用セグメントN8の表示開始態様とが1対1で対応付けられているものと、対応付けられていないものとが存在する表示開始態様テーブルの一例を示している。この例においては、上記図68(a)のテーブルにおける各リールの停止操作時と有利区間の内容との対応付けに加え、払出終了時にも第8表示用セグメントN8が表示開始する場合があり、当該払出終了時は有利区間の内容に関わらず選択され得る構成となっている。このようにすることで、第2リールまで停止操作が完了した時点でスーパーアタックモード当選か、それとも有利区間への移行抽選に外れたか、のいずれかであることが確定する上記図68(a)の例と比較して、最後までドキドキ感を楽しませることができる。
<変形例2>
本実施形態では、遊技状態(遊技状況)として、第8表示用セグメントN8の表示開始態様に影響を与える特定状態(特定状況)を設ける。本変形例において特定状態は、各RT状態やボーナス状態のように通常遊技状態と抽選テーブルが変化するものではないし、チャレンジモードやアタックモード等のように押し順報知に関する性能が変化するものではなく、特定状態か否かで遊技者にとっての有利度に差が生じるものではないものの、特定状態か否かで、有利区間への移行抽選に当選した場合の表示開始態様テーブルが異なる。
図69(a)は、本変形例における抽選処理(図16)の一部を示している。すなわち、本変形例では、ステップS315にて優先設定処理を行った後、ステップS2901にて特定状態用処理を行ってから、ステップS316の区間表示第1処理を実行する。
特定状態用処理では、図69(b)のフローチャートに示すように、先ず、ステップS3001にて第8表示用セグメントN8を表示中(点灯中)か否かを判定する。表示中である(点灯している)場合には、そのまま特定状態用処理を終了する。表示中ではない(消灯している)場合には、ステップS3002にて今回の抽選処理の結果、今回のゲームの遊技結果が特定役当選であるか否かを判定する。特定役当選ではない場合には、そのまま特定状態用処理を終了する。特定役当選である場合には、ステップS3003に進む。
ステップS3003では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに特定状態フラグがセットされているか否かを判定する。特定状態フラグとは、特定状態か否かをCPU102が把握するためのフラグである。特定状態フラグがセットされていない場合には、ステップS3004に進み、チャレンジモード当選フラグ及びアタックモード当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。すなわち、ステップS3004では、今回のゲームにて有利区間の移行抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、そのまま特定状態用処理を終了する。当選していない場合には、ステップS3005に進み、特定状態抽選処理を実行する。特定状態抽選処理は、特定状態へ移行させるか否かを抽選により決定する処理であり、例えば、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。この場合、特定役の種類によって移行抽選の当選確率を異ならせてもよく、例えば、チャレンジモード等への移行抽選のように、強チェリーの方が弱チェリーよりも当選確率を高くなるようにしてもよいし、逆に強チェリーよりも弱チェリーの方が当選確率が高くなるようにしてもよい。チャレンジモード等への移行抽選の当選し易さと逆の関係(チャレンジモード等への移行抽選に当選し易い役ほど特定状態への移行抽選に当選しにくく、チャレンジモード等への移行抽選に当選しにくい役ほど特定状態への移行抽選に当選し易い関係)とすることで、チャレンジモード等への移行抽選に当選しにくい役に対しても遊技者の関心を寄せさせることが可能となる。
ステップS3005にて特定状態抽選処理を行った後は、ステップS3006にて、ステップS3005の結果が当選結果であったか否かを判定する。非当選であった場合には、そのまま特定状態用処理を終了し、当選であった場合にはステップS3007に進む。ステップS3007では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた状態カウンタKに所定値として「3」を入力する処理を行う。状態カウンタKは、特定状態中の継続条件をCPU102が把握するためのカウンタであり、特定役当選毎に1ずつ減算される。続くステップS3008では、特定状態フラグをセットしてから、本特定状態用処理を終了する。ステップS3008にて特定状態フラグがセットされることにより、上記ステップS3003にて肯定判定することが可能となる。
ステップS3003にて特定状態フラグがセットされていると判定した場合、ステップS3009に進む。ステップS3009では、ステップS3004と同様に、チャレンジモード当選フラグ及びアタックモード当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定することで、今回のゲームにて有利区間の移行抽選に当選したか否かを判定する。移行抽選に当選していない場合には、ステップS3010にて状態カウンタKを1減算する処理を行い、ステップS3011にて状態カウンタKが0となったか否かを判定する。状態カウンタKが0ではない場合には、そのまま本特定状態用処理を終了し、状態カウンタKが0である場合には、ステップS3012にて特定状態フラグをクリアしてから特定状態用処理を終了する。また、ステップS3009にて有利区間の移行抽選に当選したと判定した場合には、ステップS3013にて状態カウンタKを0にクリアしてから、ステップS3012にて特定状態フラグをクリアして、特定状態用処理を終了する。
以上のように、本変形例において特定状態は、通常区間であって特定役に当選したゲームにおいて、有利区間への移行抽選に当選しなかった場合の一部で移行し、その後、特定役に当選し且つ有利区間への移行抽選に当選しなかったゲームが所定回数として3回発生するまで継続する。つまり、特定状態とは、有利区間への移行抽選という面で、遊技者にとって不利な事象が生じたことに基づいて移行する状態である。
本変形例における区間表示第1処理において、表示開始態様抽選処理(ステップS2703)では、特定状態か否かによって異なる表示開始態様テーブルを取得する。すなわち、特定状態ではない場合には図64等の表示開始態様テーブルを取得して表示開始態様の抽選を行う一方、特定状態である場合には図70の特定状態用の表示開始態様テーブルを取得して表示開始態様の抽選を行う。特定状態用の表示開始態様テーブルは、通常時用(特定状態ではない状態用)の表示開始態様テーブルとは異なっている。
具体的には、図70に示すように、表示開始態様の選択率が、有利区間の内容だけでなく、メダルの増減率に変化を与える設定値によって異なっている。
例えば、チャレンジモードへの移行抽選に当選している場合、スタートレバー41の操作時と、第1リールの停止OFF操作時と、第3リールの停止OFF操作時と、払出終了時とが選択され得るものの、各タイミングの選択率は設定値によって異なる。具体的には、チャレンジモード当選時において、スタートレバー41の操作時に第8表示用セグメントN8の表示が開始される確率は、設定1、設定3及び設定5よりも設定2、設定4及び設定6の方が高く、奇数設定よりも偶数設定の方が選択され易くなっている。つまり、スタートレバー41操作時に第8表示用セグメントN8が点灯し、その後、チャレンジモードに移行した場合は、本遊技機の設定値が奇数設定よりも偶数設定である可能性が高くなる。また、チャレンジモード当選時において、払出終了時に第8表示用セグメントN8の表示が開始される確率は、設定4より設定5の方が高く、設定5より設定6の方が高く、設定3以下は0となっている。そのため、払出終了時に第8表示用セグメントN8が点灯し、その後、チャレンジモードに移行した場合は、設定4以上であることが確定する。また、チャレンジモード当選時においては、設定1では第3リールの停止OFF操作時が選択されない。そのため、第3リールの停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が点灯し、その後、チャレンジモードに移行した場合は、設定2以上であることが確定する。
一方、アタックモードへの移行抽選に当選している場合、スタートレバー41の操作時と第2リールの停止OFF操作時と、第3リールの停止OFF操作時と、払出終了時とが選択されものの、各タイミングの選択率は設定値によって異なる。具体的には、アタックモード当選時において、スタートレバー41の操作時に第8表示用セグメントN8の表示が開始される確率は、設定2、設定4及び設定6よりも設定1、設定3及び設定5の方が高く、偶数設定よりも奇数設定の方が選択され易くなっている。つまり、チャレンジモードの場合と逆の関係となるように設定されており、スタートレバー41操作時に第8表示用セグメントN8が点灯し、その後、アタックモードに移行した場合は、本遊技機の設定値が偶数設定よりも奇数設定である可能性が高くなり、チャレンジモードに移行した場合は、本遊技機の設定値が奇数設定よりも偶数設定である可能性が高くなる。また、アタックモード当選時においては、設定1では払出終了時が選択されない。つまり、払出終了時に第8表示用セグメントN8が点灯し、その後、チャレンジモードに移行した場合は、上記のように、設定4以上であることが確定するものの、アタックモードに移行した場合は設定2以上であることが確定する。そのため、高い設定値であることが遊技者にとって好ましいという前提に立つと、払出終了時に第8表示用セグメントN8が点灯した場合には、アタックモードよりもチャレンジモードに移行したほうが遊技者にとって好ましく、有利区間の内容の有利度と遊技者にとっての好ましさが逆転する。また、チャレンジモード当選時においては、設定3以下では第3リールの停止OFF操作時が選択されない。そのため、第3リールの停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が点灯し、その後、チャレンジモードに移行した場合は、設定4以上であることが確定する。つまり、第3リールの停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が点灯し、その後、チャレンジモードに移行した場合は、上記のように、設定2以上であることが確定するものの、アタックモードに移行した場合は設定4以上であることが確定する。そのため、第3リールの停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が点灯した場合には、チャレンジモードよりもアタックモードに移行したほうが遊技者にとって好ましく、有利区間の内容の有利度と遊技者にとっての好ましさが合致する。
特定状態用の表示開始態様テーブルにおいて、スーパーアタックモードへの移行抽選に当選している場合は、設定値に関わらず払出終了時が選択される。つまり、特定状態において有利区間への移行抽選に当選した場合、払出終了時よりも前のタイミングで第8表示用セグメントN8の表示が開始されれば、何らかの設定値の推測が行えるし、払出終了時であっても、移行する有利区間がチャレンジモードかアタックモードであれば設定値の推測が行えるものの、第8表示用セグメントN8の点灯開始が払出終了時であって且つスーパーアタックモードであれば、設定値の推測は行えない。このようにすることで、スーパーアタックモードの有利度から当該スーパーアタックモードへ移行して欲しいという気持ちと、設定推測を行いたいという気持ちとを利用した、興趣あふれる遊技性とすることができる。
<変形例3>
本変形例では、第8表示用セグメントN8の表示開始態様として、開始契機となる事象からの経過時間が相違する複数の表示開始態様が設定されている。
図71に示すように、本変形例における表示開始態様テーブルでは、有利区間の内容がいずれであっても、第3リールの停止ON操作後又は払出終了時に第8表示用セグメントN8が点灯開始する。そして、第3リールの停止ON操作後として停止ON操作からの経過時間が異なるように設定されており、第3リールの停止ON操作から0sec後(すなわち、第3リールの停止ON操作時)、第3リールの停止ON操作から5sec後、第3リールの停止ON操作から10sec後、第3リールの停止ON操作から15sec後、のそれぞれが設定され得る。例えば、チャレンジモード当選時においては第3リールの停止ON操作から5sec後が最も選択され易く、アタックモード当選時においては第3リールの停止ON操作から10sec後が最も選択され易く、スーパーアタックモード当選時においては第3リールの停止ON操作から15sec後が最も選択され易い。つまり、第3リールの停止ON操作から第8表示用セグメントN8の点灯タイミングが遅くなるほど、遊技者にとって有利な有利区間へ移行する。
本変形例における区間表示第1処理では、図72のフローチャートに示すように、ステップS3101~ステップS3103にて、上記ステップS2701~ステップS2703の処理と同様の処理を行う。但し、ステップS3103の抽選処理では、上記図71の表示開始態様テーブルに基づいて抽選を行う。ステップS3104では、ステップS3103の処理結果に基づいて、抽選結果に応じた表示開始タイミングを記憶する処理を行う。この場合、例えば、決定した表示開始タイミング(すなわち、第3リールの停止ON操作から何sec後か、又は払出終了時か)を判定可能なフラグ等をセットし、かかるフラグによって事後的に表示開始タイミングを判定可能とする。ステップS3105では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに表示開始ゲームフラグをセットする処理を行う。表示開始ゲームフラグは、今回のゲームにおいて第8表示用セグメントN8の表示を開始することをCPU102が把握するためのフラグである。
ステップS3105の処理を実行した後は、ステップS3106にて有利区間ゲーム数AGの計測を開始してから、区間表示第1処理を終了する。ステップS3106の処理は、ステップS2705の処理と同様である。また、ステップS3101にて第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS3107にて表示継続処理を行ってから、区間表示第1処理を終了する。ステップS3107の処理は、ステップS2706の処理と同様である。
本変形例におけるリール制御処理(図18)では、図73(a)に示すように、ステップS411にて全リール停止したと判定した後、ステップS3201にて区間表示第3処理を行う。ステップS3201の処理を行った後は、ステップS413にて払出判定処理を行い、ステップS414にて入賞結果対応処理を行い、ステップS415にて区間表示第2処理を行い、ステップS416にて入賞結果コマンドをセットしてからリール制御処理を終了する。ステップS413~ステップS416の処理は、上述の通りである。
ステップS3201の区間表示第3処理について、図73(b)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS3301では、表示開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、表示開始ゲームフラグは、区間表示第1処理にてセットされるフラグである。セットされていない場合には、そのまま本区間表示第3処理を終了する。セットされている場合は、ステップS3302にて、当該表示開始ゲームフラグをクリアする処理を行う。そして、ステップS3303にてフリーズ設定処理を行う。フリーズ設定処理は、本変形例において第8表示用セグメントN8を点灯させる場合に、遊技者による操作に基づく処理や遊技の進行を一時的に制限する所謂フリーズ演出を発生させるための処理である。
具体的には、ステップS3303では、フリーズ期間として、1sec、6sec、11sec、16secのいずれかを設定する。ここで、区間表示第3処理が行われるタイミングとは、全てのリールが停止したタイミングであり、第3リールの停止ON操作が行われたタイミングである。そして、上記ステップS3303にて設定されるフリーズ期間は、本変形例において第3リールの停止ON操作後に第8表示用セグメントN8を表示させる場合の各期間に所定期間として1secを加えた期間となっており、それぞれ、第3リールの停止ON操作後0sec+1sec、第3リールの停止ON操作後5sec+1sec、第3リールの停止ON操作後10sec+1sec、第3リールの停止ON操作後15sec+1secとなっている。ステップS3303では、今回の第8表示用セグメントN8の表示開始態様を把握し、把握した開始態様に応じてフリーズ期間を設定する。すなわち、開始態様が第3リールの停止ON操作後0secであればフリーズ期間を1secとし、第3リールの停止ON操作後5secであればフリーズ期間を6secとし、第3リールの停止ON操作後10secであればフリーズ期間を11secとし、第3リールの停止ON操作後15secであればフリーズ期間を16secとする。また、今回の開始態様が払出終了時であれば、第3リールの停止操作後の開始態様である場合に最も長いフリーズ期間となる16secを、今回のフリーズ期間として設定する。フリーズ期間の設定は、例えば、所定周期で更新(減算)されるタイマカウンタにフリーズ期間の長さに応じた値を入力し、当該タイマカウンタの更新を開始する。タイマカウンタが初期値(0)となるまでフリーズ状態が継続するものとし、CPU102はかかるタイマカウンタの値を参照して次の処理(ステップS413の払出判定処理)に進むか否かを決定する。つまり、タイマカウンタが初期値に至るまでは区間表示第3処理にて待機する。
ステップS3304の処理を行った後は、ステップS3305にて表示開始タイミングを設定する処理を行う。すなわち、上記区間表示第1処理のステップS3104にて事後的に判定可能とした表示開始タイミングの情報に基づいて、上記ステップS3305にて設定したフリーズ期間の情報に同期させる処理を行う。具体的には、表示開始タイミングとして第3リールの停止ON操作後0secが設定されている場合はフリーズ開始後0secで第8表示用セグメントN8が表示開始されるように設定し、表示開始タイミングとして停止ON操作後5secが設定されている場合はフリーズ開始後5secで第8表示用セグメントN8が表示開始されるように設定し、表示開始タイミングとして停止ON操作後10secが設定されている場合はフリーズ開始後10secで第8表示用セグメントN8が表示開始されるように設定し、表示開始タイミングとして停止ON操作後15secが設定されている場合はフリーズ開始後15secで第8表示用セグメントN8が表示開始されるように設定する。また、表示開始タイミングとして払出終了時が設定されている場合には、今回のフリーズ期間の終了後、払出終了時に第8表示用セグメントN8が表示開始されるように設定する。この場合、例えば、払出終了時に表示開始することを示すフラグをセットし、かかるフラグの有無を判定することでフリーズ期間中に表示開始すべきか否かを判定するとともに、払出終了時に表示開始すべきか否かを判定する構成とするとよい。
ステップS3305の処理を行った後は、ステップS3306にて表示開始用コマンドをサブ側の制御装置である表示制御装置81に出力してから、区間表示第3処理を終了する。表示開始用コマンドを受信した表示制御装置81では、フリーズ期間に応じたフリーズ演出(例えば、ブラックアウト演出)が補助表示部65にて行われるよう、補助表示部65を制御するとともに、対応する効果音(例えば、機械が壊れるかのような「プシューン」という音)が発せられるようにスピーカ64を制御する。この場合、フリーズ期間の長さに応じて、フリーズ演出及びその効果音が異なる構成としてもよい。
本変形例において、第8表示用セグメントN8が表示開始されるタイミングと、有利区間の内容との関係を、図74のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図74(a)は、遊技者による操作や操作に基づく処理が無効化されるフリーズ期間として6secが設定された場合を示している。ta1のタイミングで第3リールが停止し、そこからta3のタイミングまでの期間に亘ってフリーズ状態となる場合、ta3のタイミングよりも若干早いta2のタイミングで第8表示用セグメントN8が点灯表示される。この場合、フリーズ期間においてフリーズが開始されてから第8表示用セグメントN8までの期間TB1は5secであり、ta2のタイミングにて表示開始されてからta3のタイミングにてフリーズが解除されるまでの期間は1secである。ta3のタイミングにてフリーズが解除されると、メダルの払出が発生しta4のタイミングまでの期間TAに亘ってメダル払出処理が行われる。この場合においては、開始される有利区間はチャレンジモードである可能性が高い。ta4のタイミングでメダル払出処理が完了すると、次のゲームの操作(ベット操作)が許容される。
図74(b)は、フリーズ期間が11secとして設定された場合を示している。tb1のタイミングで第3リールが停止し、そこからtb3のタイミングまでの期間に亘ってフリーズ状態となる場合、tb3のタイミングよりも若干早いtb2のタイミングで第8表示用セグメントN8が点灯表示される。この場合、フリーズ期間においてフリーズが開始されてから第8表示用セグメントN8までの期間TB2は10secであり、上記図74(a)の場合よりも長い一方、tb2のタイミングにて表示開始されてからtb3のタイミングにてフリーズが解除されるまでの期間は1secであり、上記図74(a)の場合と同じ長さである。tb3のタイミングにてフリーズが解除されると、メダルの払出が発生しtb4のタイミングまでの期間TAに亘ってメダル払出処理が行われる。当該ゲームの当選結果が上記図74(a)の場合と同じであれば、メダル払出処理の長さも同じとなり、tb3からtb4までの期間TAは上記図74(a)の場合と同じ長さとなる。この場合においては、開始される有利区間はアタックモードである可能性が高い。tb4のタイミングでメダル払出処理が完了すると、次のゲームの操作(ベット操作)が許容される。つまり、図74(b)の場合、図74(a)の場合よりも、次ゲームの操作が許容されるタイミングが遅くなる。
図74(c)は、フリーズ期間が16secとして設定された場合を示している。tc1のタイミングで第3リールが停止し、そこからtc3のタイミングまでの期間に亘ってフリーズ状態となる場合、tc3のタイミングよりも若干早いtc2のタイミングで第8表示用セグメントN8が点灯表示される。この場合、フリーズ期間においてフリーズが開始されてから第8表示用セグメントN8までの期間TB3は15secであり、上記図74(b)の場合よりも長い一方、tc2のタイミングにて表示開始されてからtc3のタイミングにてフリーズが解除されるまでの期間は1secであり、上記図74(a)や図74(b)の場合と同じ長さである。tc3のタイミングにてフリーズが解除されると、メダルの払出が発生しtc4のタイミングまでの期間TAに亘ってメダル払出処理が行われる。当該ゲームの当選結果が上記図74(a)や図74(b)の場合と同じであれば、期間TAの長さは、図74(a)や図74(b)の場合と同じ長さである。この場合においては、開始される有利区間はスーパーアタックモードである可能性が高い。tc4のタイミングでメダル払出処理が完了すると、次のゲームの操作(ベット操作)が許容される。つまり、図74(c)の場合、図74(a)や図74(b)の場合よりも、次ゲームの操作が許容されるタイミングが遅くなる。
以上のように、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を開始する開始ゲームにおいて、遊技の進行処理を制限するフリーズ状態(フリーズ期間、無効期間)を設定することで、開始タイミングの終期が定められた第8表示用セグメントN8の表示開始演出において、当該表示開始演出を行う期間を確保し、当該表示開始演出の多様化を図ることができる。
しかも、上記フリーズ状態の期間の長さを有利区間の内容と対応付けたことにより、単にフリーズ状態が発生すればよいだけでなく、その期間の長さに対しても関心を持たせることが可能となる。
特に、フリーズ状態の開始から第8表示用セグメントN8の表示開始タイミングまでの期間を、有利区間の内容と対応付けたことにより、フリーズ状態となってからの第8表示用セグメントN8への関心が圧倒的に高められることとなり、単に第8表示用セグメントN8を消灯状態から点灯状態へ切り替えるといった簡素な演出ながらも、多大な演出効果を期待することが可能となる。
<変形例4>
本変形例では、フリーズ状態が全リール停止後ではなく、リールの回転中に生じる。
すなわち、例えば、フリーズ期間として6secが設定される場合、図75(a)に示すように、いずれかのリールが回転中であるta5のタイミングから6sec後であるta7までの期間がフリーズ状態となり、例えば、遊技者がストップスイッチ42~44を操作して回転中のリールを停止しようとしても停止駆動制御が実行されない。第8表示用セグメントN8はta7よりも若干早いta6のタイミングで点灯表示される。つまり、フリーズ状態となってからTA1の期間(5sec)の経過後に区間表示器の表示が開始される。ta8のタイミングで全リールが停止し、ta9からta10のタイミングにてメダル払出処理が行われ、ta10のタイミングで、次のゲームの操作が許容される。
フリーズ期間として11secが設定される場合、図75(b)に示すように、いずれかのリールが回転中であるtb5のタイミングから11sec後であるtb7までの期間がフリーズ状態となる。第8表示用セグメントN8はtb7よりも若干早いtb6のタイミングで点灯表示される。つまり、フリーズ状態となってからTA2の期間(10sec)の経過後に区間表示器の表示が開始される。tb8のタイミングで全リールが停止し、tb9からtb10のタイミングにてメダル払出処理が行われ、tb10のタイミングで、次のゲームの操作が許容される。
フリーズ期間として16secが設定される場合、図75(c)に示すように、いずれかのリールが回転中であるtc5のタイミングから16sec後であるtc7までの期間がフリーズ状態となり、例えば、遊技者がストップスイッチ42~44を操作して回転中のリールを停止しようとしても停止駆動制御が実行されない。第8表示用セグメントN8はtc7よりも若干早いtc6のタイミングで点灯表示される。つまり、フリーズ状態となってからTA3の期間(15sec)の経過後に区間表示器の表示が開始される。tc8のタイミングで全リールが停止し、tc9からtc10のタイミングにてメダル払出処理が行われ、tc10のタイミングで、次のゲームの操作が許容される。
このように、開始ゲームにおいてフリーズ状態とする期間は、次ゲームの操作が許容されるタイミングと有利区間の内容との対応付けがなされていれば、任意のタイミングで設定可能である。
特に、フリーズ状態となることによって、遊技者の操作(上記の例では停止操作)が制限される構成とすることにより、遊技者は、フリーズ状態となったことを当該操作が制限されることを通じて認識することとなり得る。そうすると、上記変形例3のように払出処理等の遊技機側で一方的に行う処理の実行が制限されるフリーズ状態と比較して、当該フリーズ状態の開始タイミングがわかりにくくなる。よって、開始タイミングが分かりにくくなることから当該フリーズ状態の長さもわかりにくくなり、仮に、設定されたフリーズ状態の長さが遊技者にとって好ましくないものであったとしても、期待感を維持させながら区間表示器の表示開始による有利区間の内容示唆を楽しませることが可能となる。
また、上記のように遊技者の操作が制限されるフリーズ状態とすることにより、フリーズ状態の終期もわかりにくくなる。つまり、上記のように、リールの回転中においてフリーズ状態を発生させると、そのフリーズ状態の解除後は、遊技者の操作によって当該回転中のリールを停止させる必要がある。停止操作のタイミングが遊技者に依存するという観点からすると、リール回転中にフリーズ状態が発生する構成の場合には、次ゲームの操作が許容されるタイミングは、フリーズ状態の長さだけでなく遊技者の操作タイミングも影響することになる。以上のようにすることで、設定されたフリーズ状態の長さ以上に期待感を寄せさせながら有利区間の内容報知を楽しませることが可能であるとともに、区間表示器による表示の開始タイミングの終期を遅らせる、といったメリットも生じさせることが可能となる。
<変形例5>
本変形例では、第8表示用セグメントN8は、フリーズ期間中とは異なるタイミングで表示開始される。すなわち、本変形例では、第8表示用セグメントN8を払出終了時に表示開始させる構成としたうえで、開始ゲームにおいてフリーズ状態を発生させ、そのフリーズ期間の長さが有利区間の内容に対応付けられるようにしている。
具体的には、図76(a)に示すように、チャレンジモード当選時においては、ta11からta12までの期間(6sec、TC1)に亘ってフリーズ状態が発生する。ta13のタイミングでリールが停止し、ta14からta15までの期間(TA)においてメダル払出処理が行われる。ta15のタイミングにてメダルの払出が終了すると、第8表示用セグメントN8の表示が開始される。
図76(b)に示すように、アタックモード当選時においては、tb11からtb12までの期間(11sec、TC2)に亘ってフリーズ状態が発生する。tb13のタイミングでリールが停止し、tb14からtb15までの期間(TA)においてメダル払出処理が行われる。tb15のタイミングにてメダルの払出が終了すると、第8表示用セグメントN8の表示が開始される。
図76(c)に示すように、スーパーアタックモード当選時においては、tc11からtc12までの期間(16sec、TC3)に亘ってフリーズ状態が発生する。tc13のタイミングでリールが停止し、tc14からtc15までの期間(TA)においてメダル払出処理が行われる。tc15のタイミングにてメダルの払出が終了すると、第8表示用セグメントN8の表示が開始される。
このように、フリーズ状態中に区間表示器の表示を開始しなくても、フリーズ状態となる期間の長さが有利区間の内容と対応付けられていればよく、当該フリーズ状態の長さから有利区間の内容を予測する遊技を行わせることも可能である。以上のようにすることで、フリーズ状態を発生させるタイミングの自由度を圧倒的に向上させることができる。
<変形例6>
本変形例では、区間表示器の態様が異なっている。図77は、本変形例におけるスロットマシン10の正面図である。
本変形例では、区間表示器として、第9表示部N9が遊技機前面側に設けられている。具体的には、遊技機前面側の遊技パネル25において、表示窓26L,26M,26Rの横隣(正面視で表示窓26Lの左隣)に第9表示部N9が設けられている。第9表示部N9は、その前面パネルが光透過性を有する樹脂部材により形成された発光部であり、当該前面パネルは遊技パネル25と一体形成されている。第9表示部N9において、前面パネルの後方には図示しないLEDが配置されている。そして、当該LEDは主制御装置101に接続されており、主制御装置101のCPU102によりLEDが発光制御される。LEDは、複数色に発光可能となっており、例えば青、緑、赤、白の4色で発光可能である。なお、本変形例においても、第8表示用セグメントN8を有しているが、第9表示部N9を第8表示用セグメントN8の代わりとして備える構成としてもよい。
ちなみに、第9表示部N9のLEDが発光制御される場合、その明度や遊技機前方に向けた照度が、周辺の表示部の明度や遊技機前方に向けた照度(例えば、遊技パネル25のバックライトの明度乃至照度や、補助表示部65の明度乃至照度)よりも高くなるように発光する。そのため、第9表示部N9が発光制御される場合、周辺の表示部よりも目立ちやすくなり、遊技者の見落としが防止される。
また、第9表示部N9における各発光色はいずれについても他の表示部(遊技パネル25等)との関係で目立ち易い色が設定されており、いずれの色により発光される場合であっても、有利区間であることを明示する区間表示器としての機能は担保されている。
図78は、本変形例における表示開始態様テーブルを示している。
本変形例では、区間表示器としての第9表示部N9の表示開始態様のうち、表示開始タイミングを、開始ゲームにおける払出終了時に統一する。その一方で、表示開始態様のうち、第9表示部N9のLEDの発光色を、有利区間の内容に応じて異ならせる。具体的には、チャレンジモード当選の場合には、青、緑、赤のうち青が選択され易く、アタックモード当選の場合には緑が選択され易く、スーパーアタックモード当選の場合には赤が選択され易い。そのため、開始ゲームにおいて第9表示部N9が表示開始される場合、その発光色が赤、緑、青の順で当選している有利区間の内容が有利となり易い。このようにすることで、区間表示器による演出効果を高め、区間表示器への注目度を向上させることができる。
区間表示器としての第9表示部N9は、表示開始時においては有利区間の内容に応じて赤、緑、青のいずれかの色にて発光するものの、開始ゲームの次のゲームからは、すなわち有利区間中においては、その発光色は白色に統一される。つまり、第9表示部N9の表示色から有利区間の内容を予測するという遊技は、開始ゲームに限定されることとなり、注視すべきタイミングが集約化されるため、演出効果が高められる。
また、上記のように表示開始時に発光させる発光色のいずれについても、有利区間中の白色による発光よりも目立ち易い色としている。このような観点からも、第9表示部N9の表示開始時における表示色へ高い関心が寄せられ易くすることが可能となる。
以上のように、区間表示器の開始態様を異ならせることによって有利区間の内容を示唆するうえで、開始態様の相違は表示開始タイミングの相違だけに限定されず、表示開始時の区間表示器における演出内容(色)の相違から有利区間の内容を示唆する構成としてもよい。
特に、各発光色において、いずれの発光色で発光した場合であっても他の表示部との関係で目立ち易い(認識し易い)構成とすることで、有利区間中に点灯状態となるとともに通常区間中は消灯状態となるという、比較的演出要素の低い区間表示器であっても、有利区間を明示する機能を担保しつつも演出要素を期待することが可能である。
<変形例7>
本変形例では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示開始態様を異ならせる構成において、有利区間への移行抽選の契機となった遊技結果に応じて、表示開始態様を異ならせる。図79は、本変形例における表示開始態様テーブルの一例を示している。
例えば、図79(a)は、有利区間への移行抽選の契機となった遊技結果、すなわち、チャレンジモード当選フラグ又はアタックモード当選フラグがセットされることとなったゲームにおける遊技結果が強チェリーであった場合の表示開始態様テーブルを示している。すなわち、強チェリー当選に基づいてチャレンジモードに当選した場合、第8表示用セグメントN8の表示開始態様として、第3リールの停止OFF操作時が選択される。また、強チェリー当選に基づいてアタックモードに当選した場合は第2リールの停止OFF操作時が選択され、スーパーアタックモードに当選した場合は第1リールの停止OFF操作時が選択される。
一方、有利区間への移行抽選の契機となった遊技結果が弱チェリーであった場合、図79(b)に示すように、チャレンジモードに当選した場合には第1リールの停止OFF操作時が選択され、アタックモードに当選した場合には第2リールの停止OFF操作時が選択され、スーパーアタックモードに当選した場合には第3リールの停止OFF操作時が選択される。
強スイカ及び弱スイカに関しては、共通の表示開始態様テーブルにより表示開始態様が決定される。この場合、図79(c)に示すように、チャレンジモードであれば第3リールの停止ON操作時が選択され、アタックモードであれば第3リールの停止OFF操作時が選択され、スーパーアタックモードであれば払出終了時が選択される。
その他の特定役に関しては、図79(d)の表示開始態様テーブルにより表示開始態様が決定される。この場合、チャレンジモードであればスタートレバー41の操作時が選択され、アタックモードであれば第1リールの停止OFF操作時が選択され、スーパーアタックモードであれば払出終了時が選択される。
このような構成とすることにより、遊技結果と、区間表示器の表示開始態様とから、有利区間への移行の有無、及び移行する場合の有利区間の内容を予測する、といった遊技を行わせることができる。具体的には、例えば、左リール32Lの下段又は上段に「チェリー」図柄が停止すると、今回の遊技結果は強チェリー又は弱チェリーとなる。この場合、左リール32Lを最初に停止し、当該左リール32Lが第1リールであるとするならば、左リール32Lを停止操作して第8表示用セグメントN8が点灯すると、チャレンジモード又はスーパーアタックモードへの移行抽選に当選したことが確定する。言い換えると、アタックモードではないことが確定する。強チェリーか弱チェリーかは、中リール32Mや右リール32Rを停止させることにより判別可能であり、これら中リール32Mや右リール32Rの有効ラインに「チェリー」図柄が揃って停止して三連チェリーとなった場合には強チェリーであり、揃って停止しなかった場合には弱チェリーとなる。例えば、第2リールや第3リールを停止操作して、弱チェリーであることが判別されると、上記第1リールの停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が点灯していることからして、今回の有利区間の内容がスーパーアタックモードであることが確定する。一方、第2リールや第3リールを停止操作して、強チェリーであることが判別されると、この場合においては、有利区間の内容がチャレンジモードであることが確定する。つまり、チャレンジモードやアタックモード等への当選確率といった観点からすると、弱チェリーよりも強チェリーのほうが遊技者にとって好ましいといえる一方、上記の状況においては、強チェリーよりも弱チェリーの方が遊技者にとって好ましく、遊技結果に対するイメージが逆転する。
また、左リール32Lに「チェリー」図柄が停止した場合において、第8表示用セグメントN8が点灯しなかった場合、強チェリー当選且つチャレンジモード又はアタックモード当選、弱チェリー当選且つアタックモード又はスーパーアタックモード当選、強チェリー又は弱チェリー当選且つ有利区間への移行抽選に非当選、のいずれかとなる。この場合、第2リールの停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が点灯すると、強チェリー及び弱チェリーのいずれであっても、今回の有利区間がアタックモードであることが確定する。一方、第2リールの停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が点灯しなければ、強チェリー当選且つチャレンジモード当選、弱チェリー当選且つスーパーアタックモード当選、強チェリー又は弱チェリー当選且つ有利区間への移行抽選に非当選、のいずれかとなる。第2リールの停止出目から強チェリーと弱チェリーとの判別が行える場合において、強チェリーであると判別されると、有利区間への移行抽選に当選していないか、それともチャレンジモード当選であるかのいずれかとなる。但し、強チェリーの場合には、そもそも有利区間への移行抽選に当選する可能性が高く、この場合、チャレンジモード当選である可能性が高くなる。一方、弱チェリーであると判別されると、有利区間への移行抽選に当選していないか、それともスーパーアタックモード当選であるかのいずれかとなり、遊技者にとっての有利度としては最も差のある状況となる。但し、弱チェリーの場合には、そもそも有利区間への移行抽選に当選する可能性が低く、この場合、有利区間への移行抽選に当選していない可能性が高くなる。
このように、遊技結果、すなわち停止出目と区間表示器の表示開始態様とを関連付けることにより、各リール32L,32M,32Rの停止操作を行うにつれて当選役の絞り込みが可能となる、といったスロットマシン10の遊技性との関係から、有利区間の内容を予測する、といった遊技を行わせることが可能となる。
<変形例8>
本変形例では、リプレイ(再遊技結果)のうちの所定のリプレイにおいて、チャレンジモード、アタックモード、スーパーアタックモードへの移行抽選を行う。図80(a)は、本変形例における通常遊技状態及び第1RT状態用の当否抽選テーブルの一部を示している。
本変形例では、通常遊技状態及び第1RT状態の当否抽選テーブルにおいて、リプレイ役の一種として、インデックス値IV=53にて当選し第1再遊技又は第7再遊技が入賞することにより入賞が成立する当選リプレイ役が設定されている。当選リプレイ役は、設定値に関わらず同じ当選確率となっており、具体的には、約32000分の1の確率で当選する。上記のとおり、当選リプレイ役の入賞が成立すると、再遊技が付与されて、次ゲームを新たなメダル投入を要することなく遊技可能となる。
本変形例では、当選リプレイ役を強チェリー役等と同様に特定役として取り扱う。そのため、例えば、抽選結果対応処理(図31)におけるステップS701では、当選リプレイ役に当選していれば、特定役当選として肯定判定し、第1特定役処理(ステップS705)等の処理へ進む。そして、本変形例における第1特定役処理では、当選リプレイ役に基づくチャレンジモードやアタックモード、スーパーアタックモードの移行抽選も行われる。
これら、当選リプレイに基づくチャレンジモード、アタックモード、スーパーアタックモードへの移行抽選の当選確率は設定値に関わらず同じ確率となっている。具体的には、チャレンジモードへの移行抽選に当選する確率は設定値に関わらず0%であり、アタックモードへの移行抽選に当選する確率は設定値に関わらず50%であり、スーパーアタックモードへの移行抽選に当選する確率は設定値に関わらず50%である。つまり、通常遊技状態や第1RT状態において、表示モードが通常モード中に当選リプレイに当選した場合には、アタックモード又はスーパーアタックモードに当選し、その割合は1対1である。なお、本変形例においては、チャレンジモード中に当選リプレイに当選した場合は、100%の確率でスーパーアタックモードに当選する構成としている。
上記のとおり、当選リプレイ役入賞が成立すると、他のリプレイ役と同様に、再遊技が付与される。但し、他のリプレイ役と比較して、再遊技の付与に際してのベット処理の構成が異なっている。図80(b)は、本変形例における開始待ち処理を示すフローチャートである。開始待ち処理は、通常処理(図15)におけるステップS204に起動される処理であり、主にゲームの賭数の設定(ベット)を行うための処理である。
ステップS3401では、前回のゲームがいずれかのリプレイ入賞であったか否かを判定する。リプレイ入賞であった場合には、再遊技を付与するためのステップS3402~ステップS3404の処理を行う。この場合、本変形例では、ステップS3402にて、前回のゲームにて入賞したリプレイが、当選リプレイであったか否かを判定する。当選リプレイではない場合には、ステップS3403にて自動ベット処理を行う。自動ベット処理では、前回のゲームのベット数を判定し、そのベット数と同数のベットを設定する処理である。例えば、前回のゲームが3ベットであれば、ステップS3403では、3ベットを設定する処理を行う。また、前回のゲームが1ベットであれば、ステップS3403では1ベットを設定する。ステップS3403の処理を実行した後は、開始待ち処理を終了する。
ステップS3402にて、前回のゲームが当選リプレイ役入賞であったと判定した場合、ステップS3404にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに操作時ベットフラグをセットする。操作時ベットフラグは、今回のゲームが再遊技が付与されるゲームであること、及び未だ再遊技が付与されていない状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。なお、本変形例では、操作時ベットフラグをセットする際に、前回のゲームのベット数をレジスタ等に一時記憶する構成とするが、前回のゲームのベット数に応じて異なる操作時ベットフラグを設ける構成としてもよい。
ステップS3401にて否定判定した場合、又はステップS3404の処理を実行した後は、ステップS3405に進む。ステップS3405では、ベット操作がなされたか否かを判定する。具体的には、いずれかのクレジット投入スイッチ56~58が操作されたか否かを判定する。操作されていない場合にはそのまま待機し、いずれかのクレジット投入スイッチ56~58が操作されることで、ステップS3405にて肯定判定する。なお、ステップS3405の待機中に、メダル投入口45からメダルの投入が行われた場合には、かかるメダル投入に基づくベット処理を行うが、当該構成については説明を省略する。
ステップS3405にて肯定判定すると、ステップS3406に進み、上記の操作時ベットフラグがセットされているか否かを判定する。操作時ベットフラグがセットされていない場合には、ステップS3407にて、操作されたクレジット投入スイッチ(ベットスイッチ)に応じた数のベット処理を行う。すなわち、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合には3ベットを設定し、第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合には1ベットを設定し、第3クレジット投入スイッチ58が操作された場合には2ベットを設定する。一方、ステップS3406にて、操作時ベットフラグがセットされていると判定した場合、ステップS3408にて、再遊技の付与として、前回のゲームのベット数と同数のベットを設定する。例えば、前回のゲームが3ベットであればステップS3408では3ベットを設定し、前記のゲームが1ベットであればステップS3408では1ベットを設定する。ステップS3408の処理を実行した後は、ステップS3409にて、操作時ベットフラグをクリアする。そして、ステップS3407又はステップS3409の処理を実行した後は、開始待ち処理を終了する。
以上のように、当選リプレイと他のリプレイとで、再遊技が付与される際のベット処理の構成が異なっている。他のリプレイについては、自動的に前回のゲームのベット数と同数のベットが設定され、当選リプレイについては、いずれかのクレジット投入スイッチ56~58の操作を契機として、前回のゲームのベット数と同数のベットが設定される。前回のゲームがリプレイ入賞ではない場合、自動ベット処理は行われず、いずれかのクレジット投入スイッチ56~58を操作して今回のゲームを進行させるところ、当選リプレイにて当選した場合は、クレジット投入スイッチ56~58の操作の有無、という観点では、遊技を進行させるための操作がリプレイ以外の遊技結果の場合と共通している。
図81は、本変形例における、区間表示第1処理を示している。
ステップS3501では、第8表示用セグメントN8が表示中であるか否かを判定する。表示中ではない場合には、ステップS3502に進み、チャレンジモード当選フラグ及びアタックモード当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれの当選フラグもセットされていない場合には、そのまま区間表示第1処理を終了する。いずれかの当選フラグがセットされている場合には、ステップS3503に進む。
ステップS3503では、上記ステップS3502にて肯定判定することとなった当選フラグの当選契機を判定する。具体的には、チャレンジモード当選フラグやアタックモード当選フラグの当選契機となった特定役が、当選リプレイであるか否かを判定する。なお、上記のとおり、当選リプレイではチャレンジモードには当選しないため、ステップS3503にて肯定判定する場合とは、アタックモード当選フラグがセットされている場合である。
ステップS3503にて否定判定した場合には、ステップS3504及びステップS3505にて、第8表示用セグメントN8の表示開始態様を抽選により決定し、それを設定するための処理を行う。これらステップS3504及びステップS3505の処理は、ステップS2703及びステップS2704の処理と同様である。
一方、ステップS3503にて、当選契機が当選リプレイであると判定した場合、ステップS3506にて、今回の第8表示用セグメントN8の表示開始態様を、次ゲームのベット操作時に設定する。
ステップS3505又はステップS3506の処理を行った後は、ステップS3507にて、有利区間ゲーム数AGの計測開始処理を行ってから、区間表示第1処理を終了する。また、ステップS3501にて肯定判定した場合、ステップS3508にて区間表示を継続する処理を行ってから、区間表示第1処理を終了する。これら、ステップS3507、ステップS3508の処理は、上記ステップS2705、ステップS2706の処理と同様である。
有利区間の当選契機の相違による、区間表示器の表示が開始される最終タイミングの相違について、図82のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図82(a)は、有利区間の当選契機が当選リプレイ以外の特定役である場合を示している。ta16のタイミングで全リールが停止し、ta17からta18のタイミングでメダルの払出が行われる。そして、ta18のタイミングで今回のゲーム(開始ゲーム)のメダル払出が終了し、ta19のタイミングで、次のゲームのベット操作が有効となる場合、当該ta19のタイミングが区間表示器を表示させるタイミングのうち、最も遅いタイミングとなっている。
このように、区間表示器は、開始ゲームにおいて、次ゲームの操作が許容されるよりも前に表示される構成とすることで、当該次ゲームを実施するか否かの判断をするよりも前、言い換えると、開始ゲーム終了時において遊技を終了するか否かの判断をする際には、区間表示器の表示が開始されていることとなり、有利区間に当選しているのにも関わらず、遊技を終了してしまうことが抑止される。なお、既に説明したとおり、区間表示器の表示開始態様テーブルにおいては、設定されている表示開始態様のうち、最も遅いタイミングとなる表示開始態様は、ta18の払出終了時である。
ta19のタイミングでベット操作が有効となり、例えばta20のタイミングまでにベット操作が行われると、ta21のタイミングの開始操作(スタートレバー41の操作)に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。
一方、前回のゲームが当選リプレイである場合は、図82(b)に示すように、区間表示器を表示させるタイミングの最も遅いタイミングが異なる。具体的には、tb16のタイミングでリールが停止すると、メダルの払出が行われない代わりに、再遊技が付与される。但し、今回のリプレイは当選リプレイであるため、通常処理における開始待ち処理(図80(b))にて、操作時ベットフラグがセットされて、自動ベットではなくベット操作によって再遊技が付与される。
この場合、tb17のタイミングでベット操作が有効となってから有効期間であるtb19のタイミングまでの間の、tb18のタイミングにおいてベット操作が行われると、再遊技が付与されて前回のゲームのベット数と同数のベットが設定されるとともに、区間表示器の表示が開始される。そして、tb20のタイミングで開始操作が行われると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。
このように、当選リプレイに基づいて区間表示器の表示を開始する場合、当選リプレイ入賞後のベット操作時に区間表示器の表示が開始される。ここで、当該当選リプレイ入賞後のベット操作とは、開始ゲームにおいて得た再遊技を得るための操作であり、開始ゲームに付随する操作といえる。つまり、上記構成のようにしても、区間表示器を開始ゲームにおいて表示する、ということによる効果は担保される。
また、上記のように当選リプレイ入賞後のベット操作を、当選リプレイに当選した開始ゲームに付随する操作とするならば、当該開始ゲームの次のゲームは、スタートレバー41の操作から行われる。そうすると、当選リプレイに基づいて区間表示器の表示を開始させる場合、その表示開始タイミングの最も遅いタイミングとは、次ゲームの開始操作時であるtb20のタイミングとなる。
以上のように、リプレイ以外の小役(特定役、払出役)が有利区間の当選契機である場合、区間表示器を次ゲームのベット操作までに表示開始し、所定のリプレイ(当選リプレイ)が有利区間の当選契機である場合、区間表示器を次ゲームのスタートレバー41の操作時までに表示開始する構成とした。このように、区間表示器の表示を開始する最終タイミングを異ならせることで、区間表示器の表示開始態様の大幅な多様化を図ることができる。
しかも、当選リプレイである場合は、当該当選リプレイに基づく再遊技の付与の契機をベット操作とした。つまり、遊技者がベット操作するまでは、当該当選リプレイに当選したゲームが継続している状況とすることで、開始ゲームを引き延ばすことが可能となる。
そして、当選リプレイが有利区間の当選契機である場合には、上記再遊技の付与契機となるベット操作に基づいて区間表示器を表示させる構成とした。通常であれば(他の小役等が当選契機であれば)、ベット操作よりも前に区間表示器の表示が開始されるという前提に立てば、当該当選リプレイに基づく再遊技の付与契機となるベット操作時とは、既に区間表示器の表示が開始されないと諦めている状況と考えられ、このような状況において区間表示器の表示を開始すれば、遊技者を驚喜させることができ、多大な演出効果を発揮させることができる。
上記当選リプレイの停止出目を、以下のようにしてもよい。具体的には、当選リプレイの入賞態様として設定される図柄の組合せが有効ライン上に停止した場合において、他のメダル払出を伴う小役(特に有利区間への移行抽選契機となる特定役、例えば強スイカ)の入賞態様として設定される図柄の組合せが有効ラインとは異なるライン上に停止するようにする。このようにすることで、見た目上、当該他のメダル払出を伴う小役入賞が成立しているかのように思わせる効果が期待でき、ベット操作時までに区間表示器が表示開始していないことを通じて、当該他のメダル払出を伴う小役入賞に基づいて有利区間への移行抽選に非当選であると思わせる効果を増大化させることができる。以上の結果、有利区間への移行抽選の当選を諦めている状況となり易くなり、遊技者を驚喜させる効果をより期待することが可能となる。
<変形例9>
本変形例では、有利区間が上限ゲーム数に達して終了した場合、区間表示器の表示終了態様を異ならせる。図83は、本変形例における区間表示第1処理を示している。
ステップS3601では、第8表示用セグメントN8を表示中であるか否かを判定する。表示中ではない場合には、ステップS3602~ステップS3605にて、上記ステップS2702~ステップS2705と同様の処理を行う。第8表示用セグメントN8を表示中である場合、ステップS3606に進み、有利区間ゲーム数AGの加算処理を行う。すなわち、本変形例では、有利区間ゲーム数AGの管理を、ゲームの終了時に(リール制御処理において)起動される区間表示第2処理ではなく、ゲームの開始時に(抽選処理において)起動される区間表示第1処理にて行う。ステップS3607では、有利区間ゲーム数AGが上限値である「1500」に達したか否かを判定する。上限値に達していなければ、ステップS3608にて、第8表示用セグメントN8の表示を継続する処理を行ってから区間表示第1処理を終了する。
ステップS3607にて、有利区間ゲーム数AGが上限値に達したと判定した場合、すなわち、今回のゲームにて有利区間を終了させるべき強制終了条件が成立したと判定した場合、ステップS3609に進む。ステップS3609では、有利区間ゲーム数AGを初期値(0)にリセットする。そして、ステップS3610では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに強制終了フラグをセットする処理を行う。強制終了フラグは、上記強制終了条件が成立したことをCPU102が把握するためのフラグである。
ステップS3611では、表示終了態様抽選処理を行う。かかる抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから表示終了態様テーブルを取得して、有利区間を終了する際の区間表示器の表示終了態様を抽選により決定する。表示終了態様テーブルでは、図84に示すように、強制終了条件が成立した際の有利区間の内容と、設定値とによって、表示終了態様(表示終了タイミング)が異なるように設定されている。
すなわち、ステップS3611では、強制終了条件が成立したゲーム(ステップS3611の処理を行う場合のゲーム)における表示モードの内容を把握し、表示モードがチャレンジモードやアタックモードである場合には、区間表示器の表示終了態様として、払出終了時を設定する。一方、今回のゲームの表示モードがVBモードや上乗せ特化ゾーンである場合には、第1リールの停止OFF操作時、第2リールの停止OFF操作時、第3リールの停止OFF操作時、及び払出終了時のいずれかを、設定値から決定する。
具体的には、今回のゲームがVBモードである場合、第1リールの停止OFF操作時は設定2以上で選択され、設定1では選択されない。第3リールの停止OFF操作時は設定4以上で選択され、設定3以下では選択されない。また、第2リールの停止OFF操作時は、設定1、設定3、設定5よりも設定2、設定4、設定6の方が選択され易い。
今回のゲームが特化ゾーンである場合、第2リールの停止OFF操作時は設定4以上で選択され、設定3以下では選択されない。第3リールの停止OFF操作時は設定6でのみ選択される。また、第1リールの停止OFF操作時は、設定1、設定3、設定5の方が設定2、設定4、設定6よりも選択され易い。
つまり、有利区間の強制終了条件が成立した時点の状況(表示モード)が遊技者にとって有利なほど設定値の絞り込みが行い易くなるように、表示終了態様テーブルが定められている。つまり、せっかく遊技者にとって有利な状況であり、有利区間の継続ゲーム数に上限さえなければ、更なる継続ゲーム数の上積みが期待できる状況で強制終了条件が成立した場合には、その代わりとして設定値の推測を行わせる遊技を可能とし、まだまだこれから、という状況で有利区間が終了してしまうことに対する喪失感の補てんとすることができる。
ステップS3611にて表示終了態様抽選処理を行った後は、ステップS3612にて抽選結果に応じた表示終了態様を、今回の区間表示器の終了態様として設定してから、区間表示第1処理を終了する。この場合、例えば、第1リールの停止OFF操作時が設定されていれば、CPU102は当該停止OFF操作に基づいて第8表示用セグメントN8の表示を終了するように制御する。また、払出終了時が設定されていれば、CPU102はメダル払出終了に基づいて第8表示用セグメントN8の表示を終了するように制御する。
本変形例における、区間表示第2処理では、図85に示すように、ステップS3701にて第8表示用セグメントN8を表示中か否かを判定する。表示中ではない場合にはそのまま区間表示第2処理を終了し、表示中である場合にはステップS3702に進む。ステップS3702では、上記の強制終了フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS3703にてデータ初期化処理を行ってから、区間表示第2処理を終了する。なお、第8表示用セグメントN8は、上記ステップS3611、ステップS3612の処理により設定された終了態様にてその表示が終了するため、強制終了フラグがセットされている際には、区間表示第2処理ではデータ初期化のみを行う。
ステップS3702にて強制終了フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS3704に進む。ステップS3704~ステップS3707の処理は、ステップS2807~ステップS2810の処理と同様である。
以上のように、押し順報知に関する性能が向上することにより遊技者にとって有利な状態となる有利区間に移行すると表示が開始され、当該有利区間が終了するとその表示が終了するといった区間表示器において、その表示終了態様を終了時の状況によって異ならせることにより、当該終了時の状況を区間表示器からも把握させ、当該終了時の状況の余韻に浸らせることが可能となる。
特に、遊技者にとって有利な状況で有利区間の強制終了条件が成立して当該有利区間が終了する場合には、遊技者にとって有益となり得る情報の一種として設定値の推測が可能となるようにした。このようにすれば、強制終了に際しての喪失感を、低減することができるし、遊技者にとって有利な状況で強制終了条件が成立するほど、設定値の推測が容易となるようにしたことから、強制終了に際しての喪失感と、有益となり得る情報の得易さのバランスのとれた遊技性とすることができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、有利区間への移行抽選の当選契機がボーナスとの重複役である場合に、当該重複役に当選したゲームからボーナス入賞までのゲームにおいて、有利区間の内容を示唆する。ここで、本実施形態における区間表示器の表示態様についての変更点を先に説明する。
上記のとおり、有利区間への移行抽選は強チェリーや強スイカ等の特定役に当選したことに基づいて行われる。また、有利区間への移行抽選は、ボーナスと強チェリー等との重複役(特に第1BBとの重複役)に当選したことに基づいても行われる。本実施形態では、有利区間への移行抽選の当選契機が第1BBとの重複役であるか否かによって、区間表示器の表示開始態様を異ならせる。具体的には、移行抽選の当選契機が第1BBとの重複役ではない場合には、上記第1の実施形態と同様に、当該当選契機である特定役当選となったゲームを、当該特定役が成立したゲームとして開始ゲームとし、次のゲームの操作を許容するよりも前に区間表示器の表示を開始する。
一方、移行抽選の当選契機が第1BBとの重複役である場合には、当該当選契機である特定役のうち第1BB入賞が成立したゲームを、当該特定役が成立したゲームとして開始ゲームとし、次のゲームの操作を許容するよりも前に区間表示器の表示を開始する。
既に説明したとおり、第1BBは所謂取りこぼしのある図柄組合せが入賞態様として設定されており、当選ゲームにて入賞が成立しなければ、第1BB当選フラグは持ち越される。そのため、第1BBとの重複役を契機として有利区間への移行抽選に当選した場合は、当該重複役に当選したゲームと、第1BB入賞が成立して開始ゲームとされるゲームとが異なり得る。そして、第1BBとの重複役を契機として有利区間への移行抽選に当選した場合には、当該重複役当選となったゲームでは区間表示器の表示が開始されず、第1BB入賞が成立するゲームまでその区間表示器の表示開始が持ち越される。
本実施形態では、このような区間表示器の表示開始の持ち越しの有無を利用した遊技性を実現している。以下、その遊技性に関する処理構成を説明する。
図86は、本実施形態におけるリール制御処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、ステップS3801~ステップS3816にて、上記ステップS401~ステップS416と同様の処理を行う。そして、ステップS3817にて、特殊RT状態処理を行い、その後、リール制御処理を終了する。本実施形態では、第1BBや第2BBに当選すると、上記昇格リプレイや転落リプレイ等により移行する第1RT状態~第3RT状態とは異なる特殊RT状態に移行する構成としている。特殊RT状態では、所定のリプレイの当選確率が通常遊技状態と異なる当選確率となり、具体的には通常遊技状態よりも高くなる。これら第1BBや第2BB当選に基づいて移行する特殊RT状態は、移行の契機となった第1BB又は第2BBの入賞が成立することで終了する。その他、本実施形態では、第1BBや第2BB当選に基づかず移行する特殊RT状態も設けられている。特殊RT状態処理は、かかる特殊RT状態の制御用の処理である。
特殊RT状態処理では、図87のフローチャートに示すように、ステップS3901にて、現状の遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態であるか否かを判定する。通常遊技状態又は第1RT状態である場合には、ステップS3902にて、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、通常遊技状態又は第1RT状態において第1BB又は第2BBに当選したか否かを判定する。
いずれかのBBに当選した場合には、ステップS3903にてアタックモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。アタックモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS3904にて、特化ゾーン当選フラグがセットされているか否かを判定する。第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、更に、アタックモード当選フラグ及び特化ゾーン当選フラグがセットされている場合、ステップS3905にて、スーパーアタックモード付き特殊RTコマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。スーパーアタックモード付き特殊RT状態コマンドは、第1BB又は第2BB当選に基づいてRT状態へ移行すること、及びスーパーアタックモードに当選している状態であること、を表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。より詳しくは、スーパーアタックモード付き特殊RT状態コマンドは、第1BB当選に基づいて特殊RT状態へ移行すること、及びスーパーアタックモードへの移行抽選に当選し、且つスーパーアタックモードへの移行前であることを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。かかる特殊RTコマンドを受信した表示制御装置81の処理は後述する。
一方、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、更に、アタックモード当選フラグはセットされているものの特化ゾーンフラグはセットされていない場合には、ステップS3906にて、アタックモード付き特殊RTコマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。アタックモード付き特殊RTコマンドは、第1BB又は第2BB当選に基づいてRT状態へ移行すること、及びアタックモードに当選している状態であること、を表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。より詳しくは、アタックモード付き特殊RT状態コマンドは、第1BB当選に基づいて特殊RT状態へ移行すること、及びアタックモードへの移行抽選に当選し、且つアタックモードへの移行前であることを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。かかる特殊RTコマンドを受信した表示制御装置81の処理は後述する。
ステップS3903にてアタックモード当選フラグがセットされていない、と判定した場合、ステップS3907に進む。ステップS3907では、チャレンジモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。チャレンジモード当選フラグがセットされている場合、ステップS3908にて、チャレンジモード付き特殊RT状態コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を行う。チャレンジモード付き特殊RT状態コマンドは、第1BB又は第2BB当選に基づいてRT状態へ移行すること、及びチャレンジモードに当選している状態であること、を表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。より詳しくは、チャレンジモード付き特殊RT状態コマンドは、第1BB当選に基づいて特殊RT状態へ移行すること、及びチャレンジモードへの移行抽選に当選し、且つチャレンジモードへの移行前であることを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。かかる特殊RTコマンドを受信した表示制御装置81の処理は後述する。
ステップS3907にて、チャレンジモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS3909にて特殊RTコマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。特殊RT状態コマンドは、第1BB又は第2BB当選に基づいてRT状態へ移行することを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。より詳しくは、特殊RT状態コマンドは、第1BB当選に基づいて特殊RT状態へ移行すること、及びアタックモード等の移行抽選に当選していないことを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。かかる特殊RT状態コマンドを受信した表示制御装置81の処理は後述する。
ステップS3902にて第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグのいずれもがセットされていないと判定した場合、ステップS3910に進む。ステップS3910では、今回のゲームにて特定役に当選したか否かを判定する。特定役に当選したと判定した場合、ステップS3911にてチャレンジモード当選フラグ及びアタックモード当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ステップS3910にて特定役に当選していないと判定した場合、又は特定役に当選している場合であってもステップS3911にていずれかの当選フラグがセットされていると判定した場合には、そのまま特殊RT状態処理を終了する。
一方、特定役当選であって、且つチャレンジモード及びアタックモードのいずれにも当選しなかった場合には、ステップS3912にて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた特殊RTカウンタに特殊RT状態の継続ゲーム数として「5」を入力する処理を実行する。特殊RTカウンタは、第1BBや第2BB当選に基づかずに移行する特殊RT状態の継続ゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。なお、特殊RT状態の継続ゲーム数は任意であり、5より少なくてもよく、5より多くてもよい。但し、後に説明する特殊リプレイの当選確率との関係で、当該特殊RT状態の継続ゲーム数を設定するとよい。
続くステップS3913では、フェイク特殊RT状態コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。フェイク特殊RT状態コマンドは、第1BBや第2BB当選に基づかずにRT状態へ移行することを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。より詳しくは、フェイク特殊RT状態コマンドは、第1BBや第2BB当選に基づかずに特殊RT状態へ移行すること、及びアタックモード等の移行抽選に当選していないことを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。かかる特殊RT状態コマンドを受信した表示制御装置81の処理は後述する。
ステップS3905、ステップS3906、ステップS3908、ステップS3909及びステップS3913のいずれかの処理を実行した後は、ステップS3914に進む。ステップS3914では、現状の遊技状態を記憶する処理を実行する。具体的には、現状の遊技状態(通常遊技状態又は第1RT状態)を把握し、第1RT状態であればそのRT設定フラグ(第1RT設定フラグ)を、RAM106の所定の記憶エリアに格納する処理を行う。かかる記憶エリアに格納されたRT設定フラグは後からの読出しが可能であり、例えば、第1BBや第2BBの終了後や、特殊RT状態の終了後に、当該記憶エリアから読み出されたRT設定フラグに基づいてRT状態の設定が可能となっている。
そして、ステップS3915では、上記格納したRT設定フラグをクリアし、ステップS3916にて第4RT設定フラグをセットする処理を行ってから、特殊RT状態処理を終了する。第4RT設定フラグは、特殊RT状態に対応するものである。ステップS3915及びステップS3916の処理により、遊技状態が特殊RT状態としての第4RT状態に移行する。
ここで、第4RT状態における当否抽選テーブルについて、図88及び図89を参照しながら説明する。図88は、第1BBや第2BB当選に基づいて移行する第4RT状態用の当否抽選テーブルを示し、図89は、第1BBや第2BB当選に基づかずに移行する第4RT状態用の当否抽選テーブルを示している。
いずれの第4RT状態用の当否抽選テーブルにおいても、インデックス値IV=13~20、32~45の特定役やIV=21~28の押し順ベルの当選確率は、通常遊技状態や第1RT状態におけるそれと同じ当選確率となっている。但し、第1BBや第2BB当選に基づいて移行する第4RT状態においては、インデックス値IV=32~45の特定役に当選しても、第1BBや第2BB当選とはならない。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされている状況においては、新たに第1BBや第2BBに当選すること(ボーナスが重複当選すること)が回避されている。同様の理由により、第1BBや第2BB当選に基づく第4RT状態では、インデックス値IV=46~48の各種ボーナスに当選しないようになっている。その点、第1BBや第2BBに基づかない第4RT状態においては、インデックス値IV=32~45にて当選すれば、第1BBや第2BBと重複当選となるし、インデックス値IV=46~48の各種ボーナスにも当選可能となっている。
第4RT状態では、リプレイとして、インデックス値IV=1の通常リプレイの当選確率と、インデックス値IV=53,54の特殊リプレイの当選確率が、通常遊技状態や第1RT状態よりも高くなる。より詳しくは、インデックス値IV=53,54の特殊リプレイは、第4RT状態でのみ当選するリプレイであり、他の遊技状態における当選確率はゼロとなっている。なお、他の遊技状態であっても一部(低確率で)当選する構成としてもよい。また、第4RT状態では、インデックス値IV=2~12のポイント値PVに対して0が設定されており、これらのインデックス値に対応する押し順リプレイには当選しない。
インデックス値IV=53の特殊リプレイ1に当選すると、第1再遊技、第9再遊技、第11再遊技~第15再遊技に重複当選する。また、インデックス値IV=54の特殊リプレイ2に当選すると、第1再遊技、第11再遊技~第15再遊技に重複当選する。
第4RT状態では、インデックス値IV=1にて当選する確率は約5.3分の1であり、インデックス値IV=53にて当選する確率は約43.7分の1であり、インデックス値IV=54にて当選する確率は約43.7分の1である。そのため、第4RT状態では、通常遊技状態や第1RT状態よりもトータルのリプレイ確率が高くなり、外れ結果となる確率が低くなる。
ちなみに、第4RT状態におけるリプレイ確率は第2RT状態や第3RT状態のそれよりは低く、外れ結果となる確率は高くなる。そのため、BB入賞よりもリプレイ入賞を優先して成立させるリール制御を行う場合であっても、比較的スムーズにBB入賞を成立させることが可能となっている。
特殊RT状態処理の説明に戻り、ステップS3901にて通常遊技状態又は第1RT状態ではないと判定した場合、ステップS3917に進む。ステップS3917では、上記の第4RT設定フラグがセットされているか否かを判定することで、遊技状態が特殊RT状態であるか否かを判定する。特殊RT状態ではない場合には、そのまま特殊RT状態処理を終了する。特殊RT状態である場合には、ステップS3918に進む。
ステップS3918では、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。すなわち、特殊RT状態が第1BBや第2BB当選に基づいて移行した場合、又は第1BBや第2BB当選に基づかずに移行したものの、その後に第1BBや第2BBに当選した場合、には、そのまま特殊RT状態処理を終了する。ステップS3918にていずれのBB当選フラグもセットされていないと判定した場合、ステップS3919にて、特殊RTカウンタの減算処理を行う。すなわち、上記ステップS3912にてセットした特殊RTカウンタを、ゲームの消化に際して1ずつ減算する処理を行う。
ステップS3920では、上記ステップS3919の処理結果に基づいて特殊RTカウンタが「0」となったか否かを判定する。「0」ではないと判定した場合、ステップS3921にて、チャレンジモード当選フラグ及びアタックモード当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ステップS3921にて肯定判定する場合とは、今回の特殊RT状態が第1BBや第2BBに基づかずに移行した特殊RT状態であるものの、当該特殊RT状態における今回のゲームにおいて、第1BBや第2BBとの重複役ではない特定役を契機としてチャレンジモード又はアタックモード(スーパーアタックモード)に当選したことを意味する。既に説明したとおり、第1BBや第2BBとの重複役ではない特定役を当選契機とする場合、区間表示器は当該ゲームを開始ゲームとして表示を開始する。
ステップS3920にて特殊RTカウンタが「0」であると判定した場合、又はステップS3921にて今回のゲームを開始ゲームとして区間表示器の表示が開始される場合、ステップS3922に進み、上記ステップS3914にて格納したRT設定フラグの読出処理を行う。なお、ステップS3914にて通常遊技状態の場合には、RT設定フラグは格納しておらず、ステップS3914ではRT設定フラグの格納エリアにRT設定フラグが格納されていないことを通じて、移行前の遊技状態が通常遊技状態であったと判定する。そして、ステップS3923では、ステップS3922の読出処理の結果に基づいて、特殊RT状態への移行前の遊技状態に復帰させる処理を行う。ステップS3923の処理を行った後は、特殊RT状態処理を終了する。
なお、特殊RT状態へ移行する際に、移行前の遊技状態を記憶せず、特殊RT状態の終了時に一律の遊技状態(例えば通常遊技状態)に移行させる構成としてもよい。特に、特殊RT状態は、第2RT状態~第3RT状態中は移行しない構成としているところ、通常遊技状態と第1RT状態とにその有利度の差はさほどなく、いずれの遊技状態に復帰させても遊技者の被る損失は少ないものと考えられる。
次に、本実施形態におけるボーナス状態処理について、図90のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態では、ステップS4001にてボーナス状態か否かを判定し、ボーナス状態ではなければ、ステップS4002にてボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS4002にて肯定判定した場合には、ステップS4003にてCB入賞が成立したか否かを判定し、成立していれば、ステップS4004にてCB設定フラグをセットするとともに、ステップS4005にて残払出数を「15」とする。その後、ステップS4006にて状態コマンドをセットし、ステップS4007にて、外部信号設定処理を行ってから、ボーナス状態処理を終了する。これら、ステップS4001~ステップS4007の処理は、上記ステップS601~ステップS607の処理と同様である。
ステップS4003にて否定判定した場合、ステップS4008にて、第1BB又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞が成立している場合、ステップS4009に進み、現状のRT設定フラグをクリアする処理を行う。ステップS4010では、BB当選フラグをクリアする処理を行い、ステップS4011では、BB設定フラグをセットする処理を行う。そして、ステップS4012にて、残払出数に「216」を設定する。その後、ステップS4013にて、区間表示第4処理を行う。区間表示第4処理は、区間表示器の表示に関する処理であり、その詳細は後に説明する。
ステップS4008にてBB入賞が成立していないと判定した場合は、ステップS4014にて持ち越しコマンドをセットする。また、ステップS4001にてボーナス状態中であると判定した場合は、ステップS4015にて終了判定処理を行う。ステップS4013、ステップS4014又はステップS4015の処理を実行した後は、ステップS4005の処理を実行した後と同様に、ステップS4006に進み、状態コマンドのセット処理及び外部信号設定処理を行ってから、ボーナス状態処理を終了する。
次に、本実施形態におけるRT状態処理について、図91のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態においては、ステップS4101にて第4RT設定フラグがセットされているか否かを判定する。第4RT設定フラグがセットされている場合、そのままRT状態処理を終了する。ステップS4101にて第4RT設定フラグがセットされていない、と判定した場合、ステップS4102に進み、上記ステップS501~ステップS511の処理と同様の処理を、ステップS4102~ステップS4112にて行う。
すなわち、第4RT設定フラグがセットされており、特殊RT状態中は、BB入賞又は特殊RT状態の継続ゲーム数が0となるまでは、RT状態の移行が生じない。具体的には、移行出目が停止しても第1RT状態へ移行しないし、他の昇格リプレイや転落リプレイ(第2再遊技~第5再遊技)には当選しない。なお、特殊RT状態(第4RT状態)中において移行出目が停止した場合、第4RT状態に再設定する処理を行う構成としてもよい。この場合、特殊RTカウンタについても再度初期値(5)を設定する構成としてもよい。
次に、本実施形態における区間表示第1処理について、図92のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS4201では、第8表示用セグメントN8の表示中であるか否かを判定する。表示中ではない場合には、ステップS4202にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dに待機期間フラグがセットされているか否かを判定する。待機期間フラグは、有利区間への移行抽選に当選しているものの、BB当選の持ち越しに伴い、区間表示器の表示開始も持ち越されている状態であることをCPU102が把握するためのフラグである。待機期間フラグがセットされている場合には、そのまま区間表示第1処理を終了する。すなわち、待機期間フラグがセットされている状況においては、区間表示第1処理では区間表示器の表示開始用の処理を行わない。
ステップS4202にて否定判定した場合、ステップS4203にて、チャレンジモード当選フラグ及びアタックモード当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれの当選フラグもセットされていなければ、そのまま区間表示第1処理を終了する。いずれかの当選フラグがセットされていれば、ステップS4204に進み、第1BB当選フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS4204にて肯定判定する場合とは、今回のゲームにて有利区間への移行抽選に当選し、且つその当選契機が第1BBとの重複役であることを意味する。
なお、上記のとおり、第2BBとの重複役や第2BBの単独役(IV=47)では有利区間への移行抽選に当選しない構成としているため、上記ステップS4204では、第1BB当選フラグの有無のみを判定する。第2BBとの重複役や第2BBの単独役でも有利区間への移行抽選に当選し得る構成とする場合、上記ステップS4204にて第2BB当選フラグの有無も判定する構成とするとよい。
ステップS4204にて否定判定し、当選契機が重複役ではない場合、ステップS4205~ステップS4207にて、上記ステップS2703~ステップS2705と同様に、区間表示の表示開始態様を設定するとともに、有利区間の継続ゲーム数の計測を開始する処理を行ってから、本区間表示第1処理を終了する。
ステップS4204にて肯定判定し、当選契機が重複役である場合、ステップS4208にて待機期間フラグをセットしてから、本区間表示第1処理を終了する。かかる処理により、次ゲーム以降において、上記ステップS4202にて肯定判定することとなる。
ステップS4201にて第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS4209にてかかる表示を継続する処理を行ってから、区間表示第1処理を終了する。ステップS4209の処理はステップS2706の処理と同様である。
次に、ボーナス状態処理(図90)のステップS4013にて実施される区間表示第4処理について、図93のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS4301では、上記の待機期間フラグがセットされているか否かを判定する。待機期間フラグがセットされていない場合とは、例えば、区間表示器の表示中(有利区間中)に第1BBや第2BBに当選した場合や、今回のボーナスが第2BBである場合である。この場合、ステップS4301では否定判定して、そのまま区間表示第4処理を終了する。待機期間フラグがセットされている場合、ステップS4302に進み、待機期間フラグをクリアする。
そして、ステップS4303にて区間表示器の表示を開始する。つまり、待機期間フラグがセットされている場合には、第1BB入賞に基づいて実施される区間表示第4処理にて、区間表示器の表示が開始され、第1BB入賞が成立するまで、区間表示器の表示開始が持ち越される。ステップS4304では、有利区間ゲーム数のAGの計測開始処理を行う。かかる処理は、ステップS4207等と同様である。つまり、待機期間フラグがセットされている場合、有利区間の継続ゲーム数の計測開始も、第1BB入賞が成立するまで持ち越される。ステップS4304の処理を行った後は、区間表示第4処理を終了する。
特殊RT状態の流れについて、図94を参照しながら説明する。
通常区間において、例えば弱スイカ役入賞となる停止出目が出現すると、(1)今回のゲームがBB(第1BBや第2BB)との重複役ではない特定役であって且つ有利区間への移行抽選に当選したケース、(2)今回のゲームがBB(第1BBや第2BB)との重複役ではない特定役であって且つ有利区間への移行抽選に当選していないケース、(3)今回のゲームがBB(第1BB)との重複役であって且つ有利区間への移行抽選に当選したケース、(4)今回のゲームがBB(第1BBや第2BB)との重複役であって且つ有利区間への移行抽選に当選していないケース、の複数のケースが考えられる。
上記(1)のケースである場合、上記弱スイカ役入賞となる停止出目が出現したゲームが開始ゲームとされ、区間表示器の表示が開始される。一方、上記(2)~(4)のケースでは、上記弱スイカ役入賞となる停止出目が出現したゲームでは、区間表示器の表示が開始されない。そして、これら(2)~(4)のケースの場合、特殊RT状態に移行する。但し、(3)及び(4)のケースであれば、BB入賞が終了条件となる特殊RT状態であり、(2)のケースであれば、継続上限数5のゲーム数の消化が終了条件となる特殊RT状態である。いずれであっても、特殊RT状態中においては、区間表示器の表示は開始されないし、リプレイ当選確率がそれよりも高くなり、BB当選や有利区間当選への期待感が持続される。
特殊RT状態における各ゲームの抽選処理において、いずれのインデックス値においても当選せず、外れ結果となった場合、当選しているBB入賞を成立させることが可能となる。この場合、BB入賞とともに区間表示器の表示が開始されると、上記(3)のケースであったことが判別され、BB入賞とともに区間表示器の表示が開始されないと、上記(4)のケースであったことが判別される。一方、上記(2)のケースでは、特殊RT状態において継続上限数のゲーム数の消化によって、当該特殊RT状態は終了する。そして、この場合、区間表示器の表示も開始されない。
上記のように特殊RT状態となると、リプレイ確率が高くなる。特殊RT状態中に当選するリプレイの多くは通常リプレイであり、稀に特殊リプレイ1又は特殊リプレイ2に当選する。既に説明したとおり、特殊リプレイ1は、第1再遊技、第9再遊技及び第11再遊技~第15再遊技の重複役であり、特殊リプレイ2は、第1再遊技及び第10再遊技~第15再遊技の重複役である。
図95に示すように、第9再遊技~第15再遊技は、いずれも特典として再遊技が付与されるものの、その停止出目が異なる。なお、以下の説明においては、入賞態様に関して、いずれも3ベットゲームにおいて右下がりラインL4が有効ラインと設定された場合を前提として説明している。
具体的には、第9再遊技は、左リール32Lの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。第10再遊技は、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。第11再遊技は、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄、中リール32Mの「黒BAR」図柄、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。第12再遊技は、左リール32Lの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄、右リール32Rの「黒BAR」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。これら、第9再遊技~第12再遊技は、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙っても、いずれのリールにも「黒BAR」図柄が停止しないか、止まっても直線ライン上に「黒BAR」図柄は揃って停止しない停止出目にてリプレイ入賞が成立し、総じて、黒BARテンパイ外れとなる停止出目にて入賞が成立する再遊技である。
より詳しくは、例えば、第9再遊技において各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作をすると、左リール32Lの19番目の「第1リプレイ」図柄を上段に停止させると、18番目の「黒BAR」図柄が中段に停止する。また、中リール32Mの9番目の「第2リプレイ」図柄を中段に停止させると、8番目の「黒BAR」図柄は下段に停止する。そして、右リール32Rの6番目の「第1リプレイ」図柄を下段に停止させると7番目の「黒BAR」図柄が中段に停止する。この場合、「黒BAR」図柄は、左リール32Lから、中段、下段、中段に停止し、左リール32Lと右リール32Rとで中ラインL2に「黒BAR」図柄がテンパイし、且つ中リール32Mにおいて当該テンパイラインに「黒BAR」図柄が停止しないテンパイ外れとなる停止出目(左・右 中段テンパイ外れ)となる。
また、第10再遊技において各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作をすると、左リール32Lの19番目の「第1リプレイ」図柄を上段に停止させると、18番目の「黒BAR」図柄が中段に停止する。また、中リール32Mの7番目の「赤ベル」図柄を中段に停止させると、8番目の「黒BAR」図柄は上段に停止する。そして、右リール32Rの5番目の「赤ベル」図柄を下段に停止させると7番目の「黒BAR」図柄が上段に停止する。この場合、「黒BAR」図柄は、左リール32Lから、中段、上段、上段に停止し、中リール32Mと右リール32Rとで上ラインL1に「黒BAR」図柄がテンパイし、且つ左リール32Lにおいて当該テンパイラインに「黒BAR」図柄が停止しないテンパイ外れとなる停止出目(中・右 上段テンパイ外れ)となる。
第11再遊技において各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作をすると、左リール32Lの20番目の「白ベル」図柄を上段に停止させると、18番目の「黒BAR」図柄が下段に停止する。また、中リール32Mは、中段に8番目の「黒BAR」図柄が停止する。右リール32Rの6番目の「第1リプレイ」図柄を下段に停止させると7番目の「黒BAR」図柄が中段に停止する。この場合、「黒BAR」図柄は、左リール32Lから、下段、中段、中段に停止し、中リール32Mと右リール32Rとで中ラインL2に「黒BAR」図柄がテンパイし、且つ左リール32Lにおいて当該テンパイラインに「黒BAR」図柄が停止しないテンパイ外れとなる停止出目(中・右 中段テンパイ外れ)となる。
第12再遊技において各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作をすると、左リール32Lの19番目の「第1リプレイ」図柄を上段に停止させると、18番目の「黒BAR」図柄が中段に停止する。また、中リール32Mの9番目の「第2リプレイ」を中段に停止させると、8番目の「黒BAR」図柄は下段に停止する。そして、右リール32Rは、7番目又は9番目の「黒BAR」図柄が下段に停止する。この場合、「黒BAR」図柄は、左リール32Lから、中段、下段、下段(上段)に停止し、中リール32Mと右リール32Rとで下ラインL3に「黒BAR」図柄がテンパイし、且つ左リール32Lにおいて当該テンパイラインに「黒BAR」図柄が停止しないテンパイ外れとなる停止出目(中・右 下段テンパイ外れ)となる。
第13再遊技は、左リール32Lの「黒BAR」図柄、中リール32Mの「黒BAR」図柄、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。特に、第13再遊技の入賞態様は、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作をすると、左リール32Lの上下段に「黒BAR」図柄が停止するとともに、中リール32Mの中段に「黒BAR」図柄が停止するものの、右リール32Rには「黒BAR」図柄は停止せず、右下がりラインL4及び右上がりラインL5にて「黒BAR」図柄がテンパイする、黒BARダブルテンパイ外れとなる停止出目が入賞態様として設定されている。
第14再遊技は、左リール32Lの「黒BAR」図柄、中リール32Mの「黒BAR」図柄、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。特に、第14再遊技の入賞態様は、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作をすると、左リール32Lの上下段に「黒BAR」図柄が停止するとともに、中リール32Mの中段に「黒BAR」図柄が停止し、右リール32R上段に「黒BAR」図柄が停止し且つ下段には「黒BAR」図柄が停止せず、右上がりラインL5にて「黒BAR」図柄が揃って停止する、黒BARシングル揃いとなる停止出目が入賞態様として設定されている。
第15再遊技は、左リール32Lの「黒BAR」図柄、中リール32Mの「黒BAR」図柄、右リール32Rの「黒BAR」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。特に、第15再遊技の入賞態様は、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作をすると、左リール32Lの上下段に「黒BAR」図柄が停止するとともに、中リール32Mの中段に「黒BAR」図柄が停止し、右リール32Rの上下段にも「黒BAR」図柄が停止して、右下がりラインL4及び右上がりラインL5にて「黒BAR」図柄が揃って停止する、黒BARテンパイ外れとなる停止出目が入賞態様として設定されている。
ちなみに、特殊リプレイ1及び特殊リプレイ2は、いずれも当選役として第1再遊技が含まれている。既に説明した通り(図11に示す通り)、第1再遊技は、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄、右リール32Rの「赤ベル」図柄、「白ベル」図柄又は「青年」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。この場合、第1再遊技において、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作をすると、左リール32Lの20番目の「白ベル」図柄を上段に停止させると、18番目の「黒BAR」図柄が下段に停止する。また、中リール32Mの9番目の「第2リプレイ」を中段に停止させると、8番目の「黒BAR」図柄は下段に停止する。そして、右リール32Rの5番目の「赤ベル」図柄を下段に停止させると、7番目の「黒BAR」図柄が上段に停止する。この場合、「黒BAR」図柄は、左リール32Lから、下段、下段、上段に停止し、左リール32Lと中リール32Mとで下ラインL3に「黒BAR」図柄がテンパイし、且つ右リール32Rにおいて当該テンパイラインに「黒BAR」図柄が停止しないテンパイ外れとなる停止出目(左・中 下段テンパイ外れ)となる。
特殊リプレイ1と特殊リプレイ2とは、停止順序によって入賞する役が異なる押し順役である。但し、いずれの役が入賞しても付与される特典は再遊技であり、遊技者にとっての有利度は異ならない。つまり、停止順序によって停止出目が異なるものの、遊技者が得られる利益は増減しない。
図96は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。
特殊リプレイ1に当選となった場合には、各リール32L,32M,32Rを「左」→「中」→「右」の第1停止順序で停止させると、第1再遊技入賞が成立し、この場合、停止出目は右下がりラインL4に「リプレイ」図柄が揃って停止する。また、「左」→「右」→「中」の第2停止順序で停止させても、第1再遊技入賞が成立し、右下がりラインL4に「リプレイ」図柄が揃って停止する。各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作しても、上記のとおり、左・中 下段テンパイ外れとなる停止出目にて入賞が成立する。
一方、「中」→「左」→「右」の第3停止順序で停止させると、第9再遊技、第11再遊技、第13再遊技のいずれかの入賞が成立する。この場合、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、これら第9再遊技、第11再遊技、第13再遊技のうちのいずれかが黒BARテンパイ外れ(黒BARダブルテンパイ外れ)となる停止出目にて入賞が成立する。より詳しくは、最初に停止操作する中リール32Mにおいて、中段に「黒BAR」図柄が停止すると、第11再遊技又は第13再遊技は入賞し得るもの、第9再遊技入賞は成立しなくなる。この場合、左リール32Lにおいて、下段に「黒BAR」図柄が停止すると、第11再遊技入賞は成立し得るものの第13再遊技入賞は成立しなくなり、右リール32Rにおいて中段に「黒BAR」図柄が停止して第11再遊技入賞が成立すると、中・右 中段テンパイ外れの停止出目となる。中リール32Mの中段に「黒BAR」図柄が停止した場合において、左リール32Lの上段に「黒BAR」図柄が停止すると、第13再遊技入賞は成立し得るものの第11再遊技入賞は成立しなくなり、右リール32Rにおいて中段に「黒BAR」図柄が停止して第13再遊技入賞が成立すると、右下がりラインL4(及び右上がりラインL5)の黒BARダブルテンパイ外れの停止出目となる。最初に停止操作する中リール32Mにおいて、中段に「黒BAR」図柄が停止せず、下段に「黒BAR」図柄が停止すると、第9再遊技入賞は成立し得るものの、第11再遊技入賞や第13再遊技入賞は成立しなくなる。この場合、左リール32Lと右リール32Rにも「黒BAR」図柄を狙って停止操作しても、左・右 中段テンパイ外れとなる停止出目となる。つまり、いずれの再遊技入賞が成立する場合でも、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作しても、直線ライン上に「黒BAR」図柄は揃って停止せず、黒BARテンパイ外れとなる停止出目となる。つまり、この場合、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作することにより、黒BARダブルテンパイ外れとなる停止出目を出現させることが可能であるとともに、黒BARテンパイ外れとなる停止出目を出現させることが可能であり、その目押し操作が正確であれば、黒BARダブルテンパイ外れとなる停止出目にてリプレイ入賞が成立する。
特殊リプレイ1において、「中」→「右」→「左」の第4停止順序で停止させると、第10再遊技、第11再遊技、第14再遊技のいずれかの入賞が成立する。この場合、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rにおいて「黒BAR」図柄が右上がりラインL5にて揃って停止し、第14再遊技入賞として黒BARシングル揃いの停止出目となる。
「右」→「左」→「中」の第5停止順序で停止させると、第9再遊技、第12再遊技、第13再遊技のいずれかの入賞が成立する。この場合においても、上記第3停止順序の場合と同様に、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、黒BARテンパイ外れの停止出目となる。「右」→「中」→「左」の第6停止順序で停止させると、第9再遊技、第12再遊技、第15再遊技のいずれかの入賞が成立する。この場合、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、第15再遊技入賞として黒BARダブル揃いの停止出目となる。
特殊リプレイ2の場合、上記第1停止順序及び第2停止順序では、いずれも第1再遊技入賞が成立し、特殊リプレイ1と同様に右下がりラインL4に「リプレイ」図柄が揃って停止する。この場合も、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、黒BARテンパイ外れの停止出目にて入賞が成立する。第3停止順序の場合には、特殊リプレイ1とは異なり、第10再遊技、第11再遊技、第14再遊技のいずれかの入賞が成立し、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、第14再遊技入賞として黒BARシングル揃いの停止出目となる。第4停止順序の場合には、特殊リプレイ1とは異なり、第10再遊技、第11再遊技、第13再遊技のいずれかの入賞が成立する。但し、この場合も、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、黒BARダブルテンパイ外れの停止出目となる。
第5停止順序の場合には、特殊リプレイ1とは異なり、第10再遊技、第12再遊技、第15再遊技のいずれかの入賞が成立し、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、第15再遊技入賞として黒BARダブル揃いの停止出目となる。第6停止順序の場合には、特殊リプレイ1とは異なり、第10再遊技、第12再遊技、第13再遊技のいずれかの入賞が成立し、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、黒BARダブルテンパイ外れの停止出目となる。
本実施形態では、このような特殊RT状態中に当選する特殊リプレイ1,2の停止順序による停止出目の相違を利用して、有利区間への移行抽選の内容を示唆する。図97は、本実施形態における押し順役処理を示している。既に説明したとおり、押し順役処理は、主制御装置101における抽選結果対応処理(図31)のステップS711にて実施される処理(図37)である。
本実施形態における押し順役処理は、上記第1の実施形態における押し順役処理と概ね同様であり、その相違点としては、今回の押し順役が、特殊リプレイ1,2当選である場合の処理である。すなわち、ステップS4401~ステップS4422の処理は、上記ステップS1201~ステップS1222の処理と同様であり、当選している押し順役と、表示モード(押し順報知の条件成立の有無)との関係により、押し順報知を行うか否かを判定し、押し順報知を行う場合には、指示モニタ68による押し順報知を行うとともに、表示制御装置81へ押し順報知コマンドを出力する。なお、ステップS4401~ステップS4422の処理は、押し順報知によって遊技者にとっての有利度に変化を生じさせ得る処理である。
本実施形態における押し順役処理では、ステップS4419にて、各種昇格リプレイ等ではなく、且つ押し順ベルでもないと判定した場合、ステップS4423に進む。ステップS4423では、特殊リプレイ1,2であるか否かを判定する。特殊リプレイ1,2のいずれでもない場合には、そのまま押し順役処理を終了する。特殊リプレイ1,2のいずれかである場合には、ステップS4424にて押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、押し順役処理を終了する。
すなわち、特殊リプレイ1,2当選時の押し順報知は、表示モード(押し順報知の条件成立の有無)との関係に関わらず実行されるものの、主制御装置101に接続された指示モニタ68による押し順報知は行われず、表示制御装置81による押し順報知のみが行われる。
図98は、本実施形態における押し順報知用処理を示すフローチャートである。既に説明したとおり、押し順報知用処理は、サブ側の表示制御装置81における開始時演出設定処理(図44)のステップS1903にて実施される処理(図45)である。
押し順報知用処理についても、上記第1の実施形態の押し順報知用処理と概ね同様であり、その相違点としては、今回の押し順役が、特殊リプレイ1,2当選である場合の処理である。具体的には、ステップS4501~ステップS4513にて、上記ステップS2001~ステップS2013と同様に、当選している押し順役と、表示モード(押し順報知の条件成立の有無)との関係により、押し順報知を行うか否かを判定し、押し順報知を行う場合には、補助表示部65による押し順報知演出を行う。
本実施形態における押し順報知用処理では、ステップS4512にて、各種昇格リプレイ等ではなく、且つ押し順ベルでもないと判定した場合、ステップS4514に進む。ステップS4514では、特殊リプレイ1,2であるか否かを判定する。特殊リプレイ1,2のいずれでもない場合には、そのまま押し順報知用処理を終了する。特殊リプレイ1,2のいずれかである場合には、ステップS4515にて特殊RT用報知処理を実行してから、押し順報知用処理を終了する。
上記ステップS4515の特殊RT用報知処理について、図99のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS4601では、スーパーアタックモード付き特殊RTコマンドを受信済みか否かを判定する。既に説明したとおり、表示制御装置81では、演出設定処理(図42)のステップS1701にて新たなコマンドを受信した場合には、ステップS1702にて、受信したコマンドをRAM183のコマンド格納エリアに格納する処理を行う。ステップS4601では、かかるコマンド格納エリアを確認することで、上述の特殊RT状態コマンドを受信済みであるか否かを判定できる。なお、以下の処理において、所定コマンドの受信済みか否かの判定処理も、同様にコマンド格納エリアを確認する。
既に説明した通り、スーパーアタックモード付き特殊RTコマンドは、上記特殊RT状態処理(図87)におけるステップS3905にて、出力設定されるコマンドである。かかるコマンドは、第1BB当選に基づいて特殊RT状態へ移行すること、及びスーパーアタックモードに当選し且つ移行前の状態であることを示すコマンドである。
ステップS4601にて上記コマンドを受信していると判定した場合、ステップS4602にて、黒BARダブル揃いとなる押し順報知演出を行う。具体的には、図96に示すように、今回の遊技結果が特殊リプレイ1であれば、「右」→「中」→「左」の第6停止順序を報知する。また、今回の遊技結果が特殊リプレイ2であれば、「右」→「左」→「中」の第5停止順序を報知する。ステップS4602の処理を行った後は、特殊RT用報知処理を終了する。
この場合、押し順報知演出として、上記各停止順序の報知とともに、「黒BAR」を各リール32L,32M,32Rに狙って停止操作する旨の報知が行われる。例えば、図100(a)に示すように、補助表示部65にて、各リール32L,32M,32Rの停止順序を、各リール32L,32M,32Rの位置関係と対応付けて数字を付して示すとともに、各リール32L,32M,32Rに狙うべき図柄を表示する。図100(a)では、左側に「3」の数字と「黒BAR」のキャラクタが表示され、真ん中に「1」の数字と「黒BAR」のキャラクタが表示され、右側に「2」の数字と「黒BAR」のキャラクタが表示され、今回の停止順序として「中」→「右」→「左」で停止操作すべきであること、及び、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙うべきこと、を示している。また、真ん中の数字及び「黒BAR」のキャラクタについては、男の子がそれを持ち上げて強調表示しており、最初に停止操作すべきことが容易に把握可能となっている。
ちなみに、この場合、補助表示部65による押し順報知演出は行われるものの、指示モニタ68による押し順報知は行われない。これは、今回の押し順報知演出が、遊技者の有利度に変化を生じさせるための押し順報知演出ではないことを示している。言い換えると、遊技者の有利度に変化を生じさせるための押し順報知演出である場合、指示モニタ68により押し順報知が必ず発生している。
ステップS4601にて、スーパーアタックモード付き特殊RTコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS4603に進む。ステップS4603では、アタックモード付き特殊RT状態コマンドを受信しているか否かを判定する。
既に説明したとおり、アタックモード付き特殊RTコマンドは、上記特殊RT状態処理(図87)におけるステップS3906にて、出力設定されるコマンドである。かかるコマンドは、第1BB当選に基づいて特殊RT状態へ移行すること、及びアタックモードに当選し且つ移行前の状態であることを示すコマンドである。
ステップS4603にて上記コマンドを受信していると判定した場合、ステップS4604にて、黒BARシングル揃いとなる押し順報知演出を行う。具体的には、図96に示すように、今回の遊技結果が特殊リプレイ1であれば、「中」→「右」→「左」の第4停止順序を報知する。また、今回の遊技結果が特殊リプレイ2であれば、「中」→「左」→「右」の第3停止順序を報知する。ステップS4604の処理を行った後は、特殊RT用報知処理を終了する。
ステップS4603にて、アタックモード付き特殊RTコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS4605に進む。ステップS4605では、チャレンジモード付き特殊RT状態コマンドを受信しているか否かを判定する。
既に説明したとおり、チャレンジモード付き特殊RTコマンドは、上記特殊RT状態処理(図87)におけるステップS3908にて、出力設定されるコマンドである。かかるコマンドは、第1BB当選に基づいて特殊RT状態へ移行すること、及びチャレンジモードに当選し且つ移行前の状態であることを示すコマンドである。
ステップS4605にて上記コマンドを受信していると判定した場合、ステップS4606にて、報知抽選処理1を実行する。報知抽選処理1とは、特殊リプレイ1又は特殊リプレイ2当選時に押し順報知演出を実行するか否かを抽選する抽選処理であり、その当選確率が第1確率(80%)に設定された処理である。この場合、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから第1確率となる抽選用テーブルを取得するとともに、RAM183の各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタを取得して、抽選処理を行う。
ステップS4605にてチャレンジモード付き特殊RTコマンドを受信していないと判定した場合、ステップS4607に進む。ステップS4607では、特殊RTコマンドを受信しているか否かを判定する。
既に説明したとおり、特殊RTコマンドは、上記特殊RT状態処理(図87)におけるステップS3909にて、出力設定されるコマンドである。かかるコマンドは、第1BB又は第2BB当選に基づいて特殊RT状態へ移行すること、及びアタックモード等への移行抽選に当選していないことを示すコマンドである。
ステップS4607にて上記コマンドを受信していると判定した場合、ステップS4608にて、報知抽選処理2を実行する。報知抽選処理2とは、特殊リプレイ1又は特殊リプレイ2当選時に押し順報知演出を実行するか否かを抽選する抽選処理であり、その当選確率が第1確率よりも低い第2確率(20%)に設定された処理である。この場合、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから第2確率となる抽選用テーブルを取得するとともに、RAM183の各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタを取得して、抽選処理を行う。
ステップS4607にて上記コマンドを受信していないと判定する場合とは、今回の特殊RTが第1BBや第2BBに基づかずに移行した場合であり、フェイク特殊RTコマンドを受信している。フェイク特殊コマンドを受信している場合、ステップS4609にて、報知抽選処理3を実行する。報知抽選処理3とは、特殊リプレイ1又は特殊リプレイ2当選時に押し順報知演出を実行するか否かを抽選する抽選処理であり、その当選確率が第1確率や第2確率よりも低い第3確率(5%)に設定された処理である。この場合、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから第3確率となる抽選用テーブルを取得するとともに、RAM183の各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタを取得して、抽選処理を行う。
ステップS4606、ステップS4608及びステップS4609のいずれかの処理を実行した後は、ステップS4610にて、上記各報知抽選処理にて当選したか否かを判定する。報知抽選処理にて当選していない場合には、そのまま特殊RT用報知処理を終了する。この場合、特殊リプレイ1や特殊リプレイ2当選であっても、押し順報知演出が行われず、例えば、左リール32Lから停止操作を行うと、第1再遊技入賞が成立する。そうすると、特殊リプレイ1や特殊リプレイ2であっても、インデックス値IV=1の通常リプレイとの区別がつかなくなる。
ステップS4610にて、上記各報知抽選処理にて当選していると判定した場合、ステップS4611にて、黒BARダブルテンパイ外れとなる押し順報知演出を行う。具体的には、図96に示すように、今回の遊技結果が特殊リプレイ1であれば、「中」→「左」→「右」の第3停止順序、又は、「右」→「左」→「中」の第5停止順序を報知する。また、今回の遊技結果が特殊リプレイ2であれば、「中」→「右」→「左」の第4停止順序、又は、「右」→「中」→「左」の第6停止順序を報知する。ステップS4611の処理を行った後は、特殊RT用報知処理を終了する。
特殊リプレイ1や特殊リプレイ2に当選した場合の押し順報知演出と、有利区間の内容との関係について、図100(b)を参照しながら説明する。
押し順報知演出に従って各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作を行った結果、黒BARダブル揃いとなる停止出目にてリプレイ入賞(特殊リプレイ1又は特殊リプレイ2のいずれかの入賞)が成立した場合、今回の特殊RT状態が、第1BBに基づく特殊RT状態であること、及び第1BB後はスーパーアタックモードへ移行することが確定する。図61に示すように、第2BBとの重複役は有利区間への移行抽選に当選しないように設定されており、ステップS3905にてスーパーアタックモード付き特殊RTコマンドが出力設定される状況とは、第1BBとの重複役が有利区間への移行抽選の当選契機となっている場合である。そのため、押し順報知演出に従った停止順序で操作して黒BARダブル揃いが停止した場合とは、第1BBと第2BBとのうち第1BB当選に基づく特殊RT状態であって、且つスーパーアタックモードへの移行抽選にも当選していることを示している。
押し順報知演出に従って各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作を行った結果、黒BARシングル揃いとなる停止出目にてリプレイ入賞(特殊リプレイ1又は特殊リプレイ2のいずれかの入賞)が成立した場合、今回の特殊RT状態が、第1BBに基づく特殊RT状態であること、及び第1BB後はアタックモードへ移行することが確定する。上記と同様に、第1BBと第2BBとのうち、第2BBとの重複役ではアタックモードへの移行抽選に当選しない。そのため、ステップS3906にてアタックモード付き特殊RTコマンドが出力設定される状況とは、第1BBとの重複役が有利区間への移行抽選の当選契機となっている場合である。
押し順報知演出に従って各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作を行った結果、黒BARダブルテンパイ外れとなる停止出目にてリプレイ入賞(特殊リプレイ1又は特殊リプレイ2のいずれかの入賞)が成立した場合、今回の特殊RT状態が、(1)第1BBに基づく特殊RT状態であり且つ第1BB後にチャレンジモードへ移行するケース、(2)第1BBに基づく特殊RT状態であり且つ有利区間への移行抽選に当選していないケース、(3)第2BBに基づく特殊RT状態であるケース、(4)第1BBや第2BB当選に基づかない特殊RT状態であるケース、のいずれかである。
但し、上記各報知抽選処理の当選確率の差から、黒BARダブルテンパイ外れの停止出目にてリプレイ入賞が成立すると、報知抽選処理1を経て押し順報知演出が行われたケース、すなわち上記(1)のケースである可能性が最も高く、報知抽選処理2を経て押し順報知演出が行われたケース、すなわち(2)又は(3)のケースである可能性が次いで高くなる。
さらに、特殊RT状態への移行契機となったゲームの停止出目からも、いずれのケースであるかの予測が可能である。例えば、中段ベル入賞となる停止出目が出現して、特殊RT状態に移行した場合、インデックス値IV=19の中段ベル、インデックス値IV=44,45の中段ベル重複1又中段ベル重複2のいずれかに基づいて特殊RT状態へ移行したことになる。インデックス値IV=44の中段ベル重複1の場合、90%の確率でチャレンジモードに当選し、10%の確率でスーパーアタックモードに当選し、アタックモードには当選しないし、いずれのモードにも移行当選しないという事象も生じない。また、インデックス値IV=45の中段ベル重複2の場合には、いずれのモードにも移行当選しない。そのため、中段ベル入賞となる停止出目が出現して特殊RT状態に移行した場合においては、アタックモード当選を示唆する黒BARシングル揃いとなる押し順報知演出は発生しないことになる。
また、中段ベル入賞となる停止出目が出現して特殊RT状態に移行した場合においては、インデックス値IV=44であれば、90%の確率でチャレンジモード付き特殊RTコマンドを受信し、特殊RTコマンドは受信しない。インデックス値IV=44であれば、特殊RTコマンドのみ受信する。そして、インデックス値IV=19にて特殊RT状態へ移行した場合とは、フェイク特殊RTコマンドを受信している。
そうすると、中段ベル入賞となる停止出目が出現して特殊RT状態に移行した場合においては、押し順報知演出に従って「黒BAR」図柄を狙い、且つ黒BARテンパイ外れの停止出目となると、(1)インデックス値IV=44において第1BB及びチャレンジモード当選しているケースか、(2)インデックス値IV=45にて第2BBに当選しているケースか、(3)いずれにも当選していないフェイク特殊RTコマンドに基づくものであるケースか、のいずれかとなる。但し、これら(1)~(3)のケースで報知抽選に当選する確率は、それぞれ80%、20%、5%であり、(1)のケースが最も可能性が高い、と予測することができる。また、(3)のケースとは、中段ベル当選時の10%で発生するいずれのモードにも移行当選しないことを前提としていることからして、報知抽選に当選するとしても、インデックス値IV=19に当選する場合の0.5%となり、可能性は極めて低くなる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1BBや第2BBの持ち越し状態中においては、アタックモード等の有利区間への移行抽選の実行を制限する構成としたうえで、当該持ち越し状態への契機となった遊技結果にて有利区間への移行抽選に当選していた場合、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示開始を、ボーナス入賞まで遅らせる構成とした。このようにすることで、ボーナスと小役との重複役にて有利区間への移行抽選を行う構成において、当選ゲームにて第8表示用セグメントN8の表示が開始されなくても、移行抽選に当選していることへの期待感を持続させることができる。
但し、上記のようにすることによって、有利区間への移行抽選が制限される機会が多くなり、例えば当該持ち越し状態中に特定役当選となっても移行抽選が行われないため、当該持ち越し状態は有利区間への期待感が低下する状況とも考えられ、遊技者にとって好ましくない状況ともいえる。そこで、上記実施形態では、上記持ち越し状態への移行契機となった遊技結果に基づいて実施された有利区間への移行抽選の内容を、持ち越し状態中の特殊リプレイの停止出目を利用して報知、示唆する構成とした。このようにすることで、持ち越し状態中であっても、有利区間への期待感を持ちながら遊技を行わせることが可能となり、興趣向上を図ることができる。
しかも、持ち越し状態とは、基本的にはボーナス当選に基づいて移行する状態であり、ボーナス当選と重複しない特定役にて有利区間への移行抽選に当選した場合、当該ゲームにて区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示が開始される。そのため、例えば、強スイカ等の特定役入賞となる停止出目が出現した場合、区間表示器の表示が開始されていなければ、ボーナスとの重複ではない小役であり且つ移行抽選に非当選であった場合か、ボーナスとの重複であって且つ移行抽選に非当選であった場合か、それともボーナスとの重複であって且つ移行抽選に当選している場合か、のいずれかとなる。このように、ボーナス重複役とボーナス非重複役とを有し、いずれにおいても有利区間への移行抽選を行う構成としたうえで、区間表示器の表示開始タイミングを上記のようにボーナス重複か否かによって異ならせる構成とすれば、当選役と区間表示器の表示開始の有無とのパターンが多様化され、遊技性を大幅に向上させることが可能となる。
特に、例えば、ボーナスとの重複役である強スイカ重複1と、ボーナスとの重複役ではない小役である強スイカとで、停止出目が共通であるため、強スイカ重複1と強スイカとの当選ゲームにおいて、いずれの結果であるかが判断しにくいものとなっている。これにより、その後に、持ち越し状態となるか否かだけでなく、区間表示器の表示開始も含めて、いずれの結果であるかを判断させることが可能となる。
有利区間への移行抽選として、例えば、強スイカと弱スイカとを比較すると、第1BBとの重複の有無に関わらず、強スイカの方が弱スイカよりも有利区間への移行抽選の当選確率が高い(図61)。そのため、強スイカの停止出目が出現し、且つ区間表示器が表示開始されない場合と、弱スイカの停止出目が出現し、且つ区間表示器が表示開始されない場合とを比較すると、前者の方が、持ち越し状態となっている可能性が高いと判断することができる。
また、例えば、強スイカと弱スイカとに関し、第1BBとの重複か否かの割合は、強スイカの方が弱スイカよりも第1BBとの重複の割合が高い(図61)。具体的には、強スイカの停止出目が出現した場合には約4分の1が第1BBとの重複であるのに対し、弱スイカの停止出目が出現した場合には約30分の1が第1BBとの重複となる。そのため、強スイカの停止出目が出現し、且つ区間表示器が表示開始されない場合と、弱スイカの停止出目が出現し、且つ区間表示器が表示開始されない場合とを比較しても、前者の方が、持ち越し状態となっている可能性が高いと判断することができる。
持ち越し状態中においては、特殊リプレイ1,2に当選可能とし、特殊リプレイ1,2の停止出目にて、有利区間の内容を報知・示唆する構成とした。具体的には、特殊リプレイ1,2当選時において、黒BARダブル揃いとなる停止順序の押し順報知演出が行われると、スーパーアタックモードへの移行抽選に当選していることが報知され、黒BARシングル揃いとなる停止順序の押し順報知演出が行われると、アタックモードへの移行抽選に当選していることが報知され、黒BARテンパイ外れとなる停止順序の押し順報知演出が行われると、チャレンジモードへの移行抽選に当選していることが示唆される。このように、区間表示器の表示が開始されていない持ち越し状態中において、有利区間への移行抽選への期待感を持たせていることを前提としながら、その遊技者の関心どころの移行抽選の内容を押し順報知演出によって行えば、当該押し順報知演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
これら、黒BARの押し順報知演出が発生したとしても、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作しなければ、対応する停止出目は出現しない。そのため、停止出目との関係から有利区間の内容を把握・予測しようとする場合には、「黒BAR」図柄の目押しに挑む必要があり、遊技性が高められている。言い換えると、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作して、所望する位置に「黒BAR」図柄を停止させたからこそ、アタックモード等への移行抽選に当選した、という印象を与えることも可能となり、このような印象(狙わないと移行抽選に当選しないという印象)からしても、遊技への積極参加を見込むこともできる。
特殊リプレイ1,2は、停止順序によって停止出目は異なるものの、得られる特典はいずれの停止順序であってもリプレイであり、押し順報知演出は遊技者の利益には関与しないものといえる。そのため、押し順ベル等の押し順報知によって有利度を変化させる有利区間への移行抽選の実行が制限される区間において、当該押し順報知演出を行うこととの整合性が担保されている。
また、特殊リプレイ1,2は他の昇格リプレイ等のように、RT状態の移行に関与しないリプレイである。そのため、付与される再遊技という特典だけでなく、その後の遊技状態の有利度も変化を生じさせることのない結果といえ、上記有利区間への移行抽選が制限されることとの整合性がより担保される。
そして、特殊リプレイ1,2の押し順報知演出を行う場合、主制御装置101側の指示モニタ68における押し順報知は行われず、サブ側の補助表示部65等による演出のみとしている。言い換えると、遊技者の利益に関与する押し順報知を行う際には、主制御装置101側の指示モニタ68における押し順報知が必ず行われる。このようにすることで、例えば遊技ホールの管理者等が、停止順序と付与されている特典との関係を監視しようと思えば、上記指示モニタ68を監視すればよいことが明確化されるし、補助表示部65側において行う押し順報知演出の演出上の自由度が圧倒的に向上する。
上記押し順報知演出が発生し得る特殊リプレイ1,2は、有利区間への移行抽選の契機とならない遊技結果である。そのため、持ち越し状態において移行抽選が制限されるというマイナスイメージを与えることなく、押し順報知演出を純粋に楽しんでもらうことが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、特殊RT状態中に当選可能となる特殊リプレイの構成が異なっている。図101は、本変形例における第1BBや第2BB当選に基づいて移行する特殊RT状態用の当否抽選テーブルであり、図102は第1BBや第2BB当選に基づかずに移行する特殊RT用の当否抽選テーブルである。
本変形例では、特殊リプレイとして、インデックス値IV=53として、第1再遊技及び第9再遊技~第13再遊技からなる特殊リプレイ3と、インデックス値IV=54として、第1再遊技、第9再遊技~第12再遊技及び第14再遊技からなる特殊リプレイ4と、インデックス値IV=55として、第1再遊技、第9再遊技~第12再遊技及び第15再遊技からなる特殊リプレイ5とが設定されている。
第1再遊技や、第9再遊技~第15再遊技の入賞態様は上記のとおりであり、第1再遊技では主に右下がりリプレイとなる停止出目にて入賞が成立し、第9再遊技~第12再遊技は黒BARテンパイ外れとなる停止出目にて入賞が成立し、第13再遊技は黒BARダブルテンパイ外れとなる停止出目にて入賞が成立し、第14再遊技は黒BARシングル揃いとなる停止出目にて入賞が成立し、第15再遊技は黒BARダブル揃いとなる停止出目にて入賞が成立する。また、特殊リプレイ3~5の当選確率は、それぞれ約65.5分の1ずつである。
図103に示すように、特殊リプレイ3~5は、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず対応する再遊技が入賞可能となっている。つまり、例えば、特殊リプレイ5に当選している状況であれば、停止順序に関わらず、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作すれば黒BARダブル揃いとなる停止出目にて第15再遊技入賞が成立する。また、特殊リプレイ5に当選している状況であっても、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙わないで停止操作すると、その停止順序に関わらず、多くは、右下がりリプレイとなる停止出目にて第1再遊技入賞が成立する。
ちなみに、特殊リプレイ3には第14再遊技や第15再遊技が対応付けられていないため、その当選時に各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作しても、その停止順序に関わらず、第14再遊技や第15再遊技は入賞せず、黒BARシングル揃いや黒BARダブル揃いとなる停止出目は出現しない。また、特殊リプレイ4には第13再遊技や第15再遊技が対応付けられていないため、その当選時に各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作しても、その停止順序に関わらず、第13再遊技や第15再遊技は入賞せず、黒BARダブルテンパイ外れや黒BARダブル揃いとなる停止出目は出現しない。同様に、特殊リプレイ5には第13再遊技や第14再遊技が対応付けられていないため、その当選時に各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作しても、その停止順序に関わらず、第13再遊技や第14再遊技は入賞せず、黒BARダブルテンパイ外れや黒BARシングル揃いとなる停止出目は出現しない。
ここで、本スロットマシン10において、特定役を含めて各小役の入賞を成立させるために推奨される遊技態様について説明する。
各ゲームにて当選し得る役のうち、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって入賞させることができない所謂取りこぼしが発生する小役は、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカが設定されている。より詳しくは、既に説明したとおり、強チェリーや強チェリー重複1,2は、第28小役、第32小役~第35小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第28小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄は「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄である。この場合、3ベットゲームにおいて、7番目の「赤ベル」図柄から20番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、上記第28小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄たる「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄のいずれをも、有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、強チェリー役の取りこぼしが発生する。
また、弱チェリーは、第27小役、第32小役~第35小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第27小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄は「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄である。この場合においても、3ベットゲームにおいて、7番目の「赤ベル」図柄から20番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、上記第27小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄たる「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄のいずれをも、有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、弱チェリー役の取りこぼしが発生する。
強スイカや強スイカ重複1,2は、第30小役及び第41小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第30小役図柄及び第41小役図柄は、「スイカ」図柄である。この場合、3ベットゲームにおいて、9番目の「赤7」図柄から3番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、第30小役図柄及び第41小役図柄たる「スイカ」図柄を有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、強スイカ役の取りこぼしが発生する。
弱スイカは、第29小役及び第41小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第29小役図柄及び第41小役図柄は、「スイカ」図柄である。この場合においても、3ベットゲームにおいて、9番目の「赤7」図柄から3番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、第29小役図柄及び第41小役図柄たる「スイカ」図柄を有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、弱スイカ役の取りこぼしが発生する。
そうすると、これら取りこぼしが発生し得る役のいずれについても入賞可能性を残しながら左リール32Lを停止操作する場合、4番目の「チェリー」図柄から6番目の「第2リプレイ」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで停止操作する必要がある。なお、以下の説明では、かかる左リール32Lの操作態様を、取りこぼしを生じさせない操作態様として、特定操作態様(第1操作態様)とも称し、これに対する上記の取りこぼしが生じる各操作態様を非特定操作態様(第2操作態様)とも称する。
さらに、各ゲームにおいては、特定役に当選した可能性が高いゲームでは、その演出として、チャンス報知演出が発生し得る。具体的には、図104(a)に示すように、例えば、補助表示部65にて、「チャンス!!」という文字表示を行うとともに、ビックリマークが付されたキャラクタを各リール32L,32M,32Rに対応させてそれぞれ表示するようにする。その他、チャンス報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュイ」)が発せられるように制御する。
チャンス報知演出では、今回の当選役が特定役のうちのいずれかであることが示唆されるものの、いずれの特定役であるかは判別できない又は判別しにくいように設定されている。すなわち、チャンス報知演出が行われた場合、今回のゲームの当選役として、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ等のいずれかである可能性が高いものの、強チェリー及び弱チェリーのいずれであるかの判別、強スイカ及び弱スイカのいずれであるかの判別、強チェリー及び強スイカのいずれであるかの判別等が行えないようになっている。そのため、遊技者としては、図104(b)に示すように、各特定役のいずれに当選している場合であっても取りこぼしを発生させないように、上記の特定操作態様にて左リール32Lの操作を行うこととなる。
ここで、上記チャンス報知演出は、特殊RT状態中か否かによって、その発生率が異なる。具体的には、図104(c)に示すように、特殊RT状態中以外においては、特定役当選時の80%でチャンス報知演出が発生するのに対して、特殊RT状態中においては、特定役当選時の5%でチャンス報知演出が発生する。これは以下の理由によるものである。すなわち、本実施形態において特殊RT状態は、第1BBや第2BBに当選していることの期待感を引き延ばすことを主な目的として設けられているところ、第1BBや第2BB当選が持ち越されている持ち越し中においては、第1BBや第2BBの重複当選は発生しないし、更に、新たな有利区間の移行抽選の実行も制限される。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされている状況で行われるゲームにて、新たに特定役に当選したとしても、第1BBや第2BBとの重複当選は発生しないし、有利区間への移行抽選に当選することもないため、当該特定役当選は、当選するタイミングという観点からして基本的には遊技者にとって好ましくない。そこで、持ち越し中であることに期待感を寄せさせる特殊RT状態においては、特定役当選であってもチャンス報知演出の発生率を特殊RT状態以外の発生率よりも低くすることで、特定役当選に気付きにくくさせたり、あえて派手な演出を発生させないようにして、遊技者の引き損と感じ得る気持ちを逆撫でしないようにする工夫が施されている。
しかし、持ち越し状態中において特定役当選しても、新たなボーナスの重複当選や有利区間への移行当選に期待が持てないとしても、特定役を取りこぼすこと自体は、メダルの損失という面からして遊技者にとって好ましくない。そのため、遊技者としては、特定役か否かに関わらず、特に、特殊RT状態中においては、取りこぼしを発生させないように、上記の特定操作態様にて左リール32Lの操作を行うものと考えられる。
既に説明したとおり、特殊RT状態中において特殊リプレイ3~5に当選しても、「黒BAR」図柄を狙って停止操作しない限り、第13再遊技~第15再遊技入賞は成立せず、黒BARダブルテンパイ外れや黒BARシングル揃いや黒BARダブル揃いの停止出目は出現しない。言い換えると、特定操作態様にて左リール32Lの操作が行われるであろう場合には、これらの停止出目は出現しない。
本変形例における特殊RT用報知処理について、図105のフローチャートを参照しながら説明する。特殊RT用報知処理は、表示制御装置81による押し順報知用処理(図98)におけるステップS4515にて実施される処理(図99)である。
本変形例では、ステップS4701にて、特殊リプレイ5に当選しているか否かを判定する。当選している場合には、ステップS4702にて、コマンド格納エリアを参照してスーパーアタックモード付き特殊RTコマンドを受信済みか否かを判定する。かかるコマンドを受信している場合には、ステップS4703にて、黒BAR目押し報知演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。
黒BAR目押し報知演出では、例えば、図106(a)に示すように、補助表示部65にて、ハブのキャラクタとマングースのキャラクタとが絡み合いながら戦っている画像を表示する。また、ハブとマングースの戦いの画像とともに、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」を狙うことの目押し指示画像も表示する。その他、黒BAR目押し報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男性の声で「狙うんだ」)が発せられるように制御する。この場合、例えば、遊技者が「黒BAR」図柄を狙って左リール32Lから停止操作した場合、図106(b)のように、左リール32Lの上段に「黒BAR」図柄、中段に「白BAR」図柄、下段に「黒BAR」図柄が停止するため、黒BARダブル揃いや黒BARシングル揃いとなる停止出目が出現することへの期待感が煽られる。
ステップS4703の黒BAR目押し報知演出に基づいて、遊技者が各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、この場合、黒BARダブル揃いとなる停止出目にて第15再遊技入賞が成立する。一方、ステップS4702にて、スーパーアタックモード付き特殊RTコマンドを受信していない場合には、黒BAR目押し報知演出を発生させることなく、そのまま特殊RT用報知処理を終了する。この場合、遊技者は、特定役の取りこぼしを防止すべく、上記のように、特定操作態様にて停止操作を行うものと考えられる。その結果、特殊リプレイ5当選であっても、黒BARダブル揃いとなる停止出目は出現しにくく、第1再遊技や第9再遊技~第12再遊技入賞が成立し易い。
ステップS4701にて特殊リプレイ5当選ではないと判定した場合、ステップS4704にて特殊リプレイ4当選であるか否かを判定する。特殊リプレイ4当選である場合、ステップS4705にて、アタックモード付き特殊RTコマンドを受信しているか否かを判定する。受信している場合には、ステップS4706にて黒BAR目押し報知演出が発生するように補助表示部65やスピーカ64を制御する。この場合、遊技者が各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、黒BARシングル揃いとなる停止出目にて第14再遊技入賞が成立する。一方、ステップS4705にて、アタックモード付き特殊RTコマンドを受信していない場合には、黒BAR目押し報知演出を発生させることなく、そのまま特殊RT用報知処理を終了する。この場合、遊技者は、上記のように、特定操作態様にて停止操作を行うものと考えられる。その結果、特殊リプレイ4当選であっても、黒BARシングル揃いとなる停止出目は出現しにくく、第1再遊技や第9再遊技~第12再遊技入賞が成立し易い。
ステップS4704にて特殊リプレイ4当選ではないと判定した場合、ステップS4707にて特殊リプレイ3当選であるか否かを判定する。特殊リプレイ3当選である場合、ステップS4708にて、チャレンジモード付き特殊RTコマンドを受信しているか否かを判定する。受信している場合には、ステップS4709にて、報知抽選処理1を実行する。かかる報知抽選処理1は、上記ステップS4608と概ね同様の処理であり、第1確率(80%)にて報知を行うことに当選する抽選を行う。チャレンジモード付き特殊RTコマンドを受信していない場合には、ステップS4710にて、特殊RTコマンドを受信しているか否かを判定する。特殊RTコマンドを受信している場合には、ステップS4711にて報知抽選処理2を実行し、特殊RTコマンドを受信していない場合には、ステップS4712にて報知抽選処理3を実行する。これら報知抽選処理2や報知抽選処理3は、ステップS4608やステップS4609の処理と概ね同様であり、報知抽選処理2が第1確率よりも低い第2確率(20%)で報知当選し、報知抽選処理3は第2確率よりも低い第3確率(5%)で報知当選する抽選である。
ステップS4709、ステップS4711又はステップS4712の処理を実行した後は、ステップS4713にてこれらの報知抽選処理にて当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS4714にて黒BAR目押し報知演出を実行するように補助表示部65やスピーカ64を制御する。この場合、遊技者が各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、黒BARダブルテンパイ外れとなる停止出目にて第13再遊技入賞が成立する。一方、ステップS4713にて、報知抽選処理にて非当選であったと判定した場合には、黒BAR目押し報知演出を発生させることなく、そのまま特殊RT用報知処理を終了する。この場合、遊技者は、上記のように、特定操作態様にて停止操作を行うものと考えられる。その結果、特殊リプレイ3当選であっても、黒BARダブルテンパイ外れとなる停止出目は出現しにくく、第1再遊技や第9再遊技~第12再遊技入賞が成立し易い。
ステップS4707にて特殊リプレイ3当選ではないと判定した場合には、そのまま特殊RT用報知処理を終了する。すなわち、通常リプレイ当選や、他の小役当選時においては黒BAR目押し報知演出は発生しない。
以上のようにすることで、押し順報知演出を用いないようにしながら、特殊リプレイ当選時の停止出目を異ならせることができる。よって、押し順ベル等の押し順報知によって有利度を変化させる有利区間に関し、持ち越し状態中の有利区間への移行抽選を制限することの意義をより厳密に担保しつつ、持ち越し状態中に有利区間に関する報知を行う遊技性を実現することができる。
<変形例2>
本変形例では、特殊RT状態において特定役に当選すると所定の報知解除抽選を行い、かかる報知解除抽選に当選した状態で特殊リプレイに当選すると、「黒BAR」図柄を揃えさせるための押し順報知演出を発生させる。なお、本変形例では、上記第2の実施形態における特殊リプレイ1及び特殊リプレイ2に当選し得る特殊RT状態が設定されており、停止順序によって停止出目が異なり得る。
図107は、本変形例における特定役報知処理を示すフローチャートである。既に説明したとおり、特定役報知処理は、表示制御装置81における開始時演出設定処理(図44)のステップS1905にて実施される処理(図52)であり、特定役当選時に実施される処理である。
本変形例における特定役報知処理では、ステップS2501~ステップS2509の処理と同様に疑似前兆モードを設定する処理(ステップS4802~ステップS4810)を行う前に、ステップS4801にて報知解除用処理を行う。
報知解除用処理では、図108(a)のフローチャートに示すように、先ずステップS4901にて特殊RT状態中か否かを判定する。特殊RT状態ではない場合には、そのまま報知解除用処理を終了する。特殊RT状態中である場合には、ステップS4902にて、有利区間への移行抽選に当選しているか否かを判定する。具体的には、チャレンジモード当選フラグ及びアタックモード当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれの当選フラグもセットされていない場合には、そのまま報知解除用処理を終了する。いずれかの当選フラグがセットされている場合には、ステップS4903に進む。
ステップS4903では、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから、特定役に応じた解除率が設定されている解除抽選テーブルを取得する。解除抽選テーブルでは、図108(b)に示すように、例えば、強チェリーでは40%の確率で解除当選となり、弱チェリーでは強チェリーよりも低い5%の確率で解除当選となる。また、強スイカでは強チェリーよりも高い80%の確率で解除当選となり、弱スイカでは20%の確率で解除当選となる。
ステップS4904では、上記ステップS4903にて取得した解除抽選テーブルに基づいて、解除抽選処理を行う。そして、ステップS4905にて、解除抽選に当選したか否かの判定を行う。解除抽選に当選していない場合には、そのまま報知解除用処理を終了する。解除抽選に当選している場合には、ステップS4906にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに解除フラグをセットする処理を行ってから、報知解除用処理を終了する。
図109は、本変形例における特殊RT用報知処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS5001にて、上記解除フラグがセットされているか否かを判定する。解除フラグがセットされていない場合には、ステップS5002にてROM182の各種テーブル記憶エリア182aから非解除状態用の報知テーブルを取得する処理を行う。解除フラグがセットされている場合には、ステップS5003にて各種テーブル記憶エリア182aから解除状態用の報知テーブルを取得する処理を行う。これら報知テーブルは、特殊リプレイ1又は特殊リプレイ2に当選した場合において、黒BARダブル揃いや黒BARシングル揃い、黒BARダブルテンパイ外れとなる停止順序の報知を行うか否かの報知抽選の当選確率が定められたテーブルであり、解除状態用の報知テーブルの方が非解除状態用の報知テーブルよりも、報知抽選の当選確率が高くなっている。
ステップS5002又はステップS5003の処理を行った後は、ステップS5004にて、スーパーアタックモード付き特殊RTコマンドを受信済みか否かを判定する。受信している場合には、ステップS5005に進み、報知抽選処理1を実行する。報知抽選処理1は、黒BARダブル揃いとなる停止順序の押し順報知演出を実行するか否かの抽選処理であり、上記ステップS5002又はステップS5003にて取得した報知テーブルに基づいてその抽選処理を行う。本変形例では、非解除状態における報知抽選処理1では、10%の確率で報知抽選に当選し、解除状態における報知抽選処理1では、非解除状態時よりも高い80%の確率で報知抽選に当選する。
ステップS5006では、上記ステップS5005の処理結果に基づいて報知抽選に当選したか否かを判定し、報知抽選当選していない場合には、そのまま特殊RT用報知処理を終了する。報知抽選に当選している場合には、ステップS5007にて、黒BARダブル揃いとなる停止順序の押し順報知演出を発生させるように補助表示部65やスピーカ64を制御して、特殊RT用報知処理を終了する。
ステップS5004にて否定判定した場合、ステップS5008にてアタックモード付き特殊RTコマンドを受信済みか否かを判定する。受信している場合には、ステップS5009に進み、報知抽選処理2を実行する。報知抽選処理2は、黒BARシングル揃いとなる停止順序の押し順報知演出を実行するか否かの抽選処理であり、上記ステップS5002又はステップS5003にて取得した報知テーブルに基づいてその抽選処理を行う。本変形例では、非解除状態における報知抽選処理2では、10%の確率で報知抽選に当選し、解除状態における報知抽選処理2では、非解除状態時よりも高い80%の確率で報知抽選に当選する。
ステップS5010では、上記ステップS5009の処理結果に基づいて報知抽選に当選したか否かを判定し、報知抽選当選していない場合には、そのまま特殊RT用報知処理を終了する。報知抽選に当選している場合には、ステップS5011にて、黒BARシングル揃いとなる停止順序の押し順報知演出を発生させるように補助表示部65やスピーカ64を制御して、特殊RT用報知処理を終了する。
ステップS5008にて否定判定した場合、ステップS5012にてチャレンジモード付き特殊RTコマンドを受信済みか否かを判定する。受信している場合には、ステップS5013に進み、報知抽選処理3を実行する。報知抽選処理3は、黒BARダブルテンパイ外れとなる停止順序の押し順報知演出を実行するか否かの抽選処理であり、上記ステップS5002又はステップS5003にて取得した報知テーブルに基づいてその抽選処理を行う。本変形例では、非解除状態における報知抽選処理3では、30%の確率で報知抽選に当選し、解除状態における報知抽選処理3では、非解除状態時よりも高い80%の確率で報知抽選に当選する。
ステップS5012にて否定判定した場合、ステップS5014にて特殊RTコマンドを受信済みか否かを判定する。受信している場合には、ステップS5015に進み、報知抽選処理4を実行する。また、受信していない場合には、ステップS5016に進み、報知抽選処理5を実行する。報知抽選処理4及び報知抽選処理5も、黒BARダブルテンパイ外れとなる停止順序の押し順報知演出を実行するか否かの抽選処理であり、上記ステップS5002又はステップS5003にて取得した報知テーブルに基づいてその抽選処理を行う。本変形例では、非解除状態における報知抽選処理4では、10%の確率で報知抽選に当選し、解除状態における報知抽選処理4では、非解除状態時と同じ10%の確率で報知抽選に当選する。また、非解除状態における報知抽選処理5では、5%の確率で報知抽選に当選し、解除状態における報知抽選処理5では、非解除状態時と同じ5%の確率で報知抽選に当選する。
ステップS5013、ステップS5015又はステップS5016の処理を実行した後は、ステップS5017に進む。ステップS5017では、上記各報知抽選処理3~5の処理結果に基づいて報知抽選に当選したか否かを判定し、報知抽選当選していない場合には、そのまま特殊RT用報知処理を終了する。報知抽選に当選している場合には、ステップS5018にて、黒BARダブルテンパイ外れとなる停止順序の押し順報知演出を発生させるように補助表示部65やスピーカ64を制御して、特殊RT用報知処理を終了する。
本変形例の特殊RT状態にて特殊リプレイ当選時の様子について、図110を参照しながら説明する。
例えば、弱スイカ役入賞となる停止出目が出現して特殊RT状態に移行したとする。図110の例では、スーパーアタックモード付きの特殊RT状態に移行した場合を示している。既に説明したとおり、特殊RT状態では、頻繁にリプレイ当選となる。
特殊RT状態中に、例えば弱スイカ役等の特定役に当選した場合、上記報知解除用処理(図108)が行われる。そして、報知解除用処理の解除抽選処理にて解除当選すると、その後に特殊リプレイ1,2に当選した場合に取得する報知テーブルが異なり(ステップS5002、ステップS5003)、解除抽選に当選している方が、報知抽選に当選し易くなる。そして、特殊リプレイ1,2当選時の報知抽選(ステップS5005)に当選すると、黒BARダブル揃いとなる停止順序の押し順報知演出が発生し、当該停止順序で各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、黒BARダブル揃いとなる停止出目にて第15再遊技入賞が成立する。
一方、特殊RT状態において弱スイカ役等の特定役に当選しなかったり、特定役に当選しても解除抽選処理にて当選しなかった場合には、特殊リプレイ1,2当選時の報知抽選に当選する確率が低くなる。その結果、特殊リプレイ1,2当選時には、右下がりリプレイとなる停止出目にて第1再遊技入賞が成立する。
以上のようにすることで、特殊RT状態中に特定役当選となった場合の遊技性が向上する。既に説明したとおり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされている状況では、新たにボーナス当選は発生しないし、有利区間への移行抽選も行われない。そのため、せっかく特定役に当選したのにも関わらず、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされていない状況よりも得られる特典が少なくなり得る。その点、上記のように、特定役当選に基づいて報知解除抽選を行う構成とすれば、その後の有利区間の内容を予測する遊技を行うといったメリットが生じ、特定役当選に基づくボーナス抽選や有利区間抽選の代わりを提供することが可能となる。
特に、特殊RT状態中の特定役当選に基づいて有利区間の内容を示唆する停止出目を出現可能とすることにより、あたかも特殊RT状態中の特定役当選に基づいて有利区間への移行抽選に当選したかのように、遊技者に思わせることができる。よって、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされている状況で、有利区間への移行抽選が行われないことに気付かせにくくすることが可能となる。
また、特殊RT状態中においては、特定役当選に基づく解除抽選に当選していなくても、報知抽選に当選し得る構成としたため、特殊RT状態への移行契機となった特定役にて有利区間に当選したのか、それとも特殊RT状態に移行してから当選した特定役を契機として有利区間に当選したのか、の予測を行ううえでの判断が曖昧なものとなり易くし、当該予測する遊技をより楽しませることが可能となる。
上記変形例のように、持ち越し状態中(特殊RT状態中)の特定役当選に基づいて有利区間への移行抽選の内容を報知可能とする構成によれば、持ち越し状態中における特定役当選に基づいて、既に実行済みの有利区間への移行抽選の内容を報知する、という新たな遊技性を実現することが可能となる。つまり、持ち越し状態においては特定役当選に基づく有利区間への移行抽選の実行が制限されるため、当該特定役当選は遊技者にとって好ましくないともいえる。その点、上記構成によれば、実行済みの移行抽選の内容を報知することからして、あたかも当該特定役当選に基づいて移行抽選が行われたかのように見せることができ、持ち越し状態中に移行抽選が制限されることを悟られないようにすることも可能となる。
既に説明した通り、持ち越し状態への移行契機となる遊技結果の当選ゲームにおいては、有利区間への移行抽選の結果が必ずしも報知されるとは限られず、その報知が制限される場合がある。具体的には、アタックモード等に当選しても、前兆モードを経てその当選したことの報知が行われるところ、その前兆モードにて設定されるゲーム数によっては、有利区間への移行抽選の結果が当該移行抽選の行われたゲームよりも後のゲームにて報知される。そのため、上記のように、持ち越し状態の契機となったボーナスとの重複役にて有利区間への移行抽選が行われた場合、当該持ち越し状態においては、その移行抽選の内容が未報知のままである可能性が高い。このような構成であれば、上記のように特定役当選を契機として当該未報知の内容を報知可能とする構成において、未報知の内容が存在しない、といった事象が生じにくくなる。
また、持ち越し状態において特定役当選ゲームにて上記未報知の内容を報知するのではなく、当該特定役当選ゲームよりも後のゲームにて未報知の内容を報知する構成としたことにより、当該未報知の内容の報知を、より多様なゲームにて行うことが可能となる。
そして、特定役当選ゲームよりも後のゲームにおいて、特殊リプレイ当選となったゲームにて当該未報知の内容を報知する構成としたことにより、特殊リプレイ当選とならなければ報知されないことの余地を残し、仮に移行抽選に当選していなくても、期待感を持続させることが可能となる。
その一方で、上記未報知の内容は、持ち越し状態の終了時、すなわちボーナスの入賞時に区間表示器の点灯の有無によって報知される。このようにすることで、未報知の内容が延々と報知されないといった不都合を生じさせないようにすることができる。
<変形例3>
本変形例では、複数の特殊RT状態が設定されており、各特殊RT状態によって当選する特殊リプレイの種類が異なっている。
具体的には、図111に示すように、特殊RT状態として、第5RT状態~第8RT状態が設定されており、各RT状態で当選する特殊リプレイの種類が異なっている。第5RT状態では、第1再遊技からなる通常リプレイと、第1再遊技、第9再遊技~第12再遊技及び第15再遊技からなる特殊リプレイ5と、が当選し得るリプレイとして設定されている。各リプレイの当選確率は、通常リプレイが約5.3分の1であり、特殊リプレイ5が約21.8分の1であり、トータルのリプレイ確率は約4.3分の1である。
第6RT状態では、第1再遊技からなる通常リプレイと、第1再遊技、第9再遊技~第12再遊技及び第14再遊技からなる特殊リプレイ4と、が当選し得るリプレイとして設定されている。各リプレイの当選確率は、通常リプレイが約5.3分の1であり、特殊リプレイ4が約21.8分の1であり、トータルのリプレイ確率は約4.3分の1である。
第7RT状態では、第1再遊技からなる通常リプレイと、第1再遊技及び第9再遊技~第13再遊技からなる特殊リプレイ3と、が当選し得るリプレイとして設定されている。各リプレイの当選確率は、通常リプレイが約5.3分の1であり、特殊リプレイ3が約21.8分の1であり、トータルのリプレイ確率は約4.3分の1である。
第8RT状態では、第1再遊技からなる通常リプレイが当選し得るリプレイとして設定されており、各特殊リプレイ3~5には当選しない。そして、通常リプレイが約4.3分の1であるため、トータルのリプレイ確率も約4.3分の1である。
本変形例では、特殊RT状態への移行時にそれぞれ異なるRT状態が設定される。図112は、本変形例における特殊RT状態処理を示すフローチャートである。
ステップS5101では、現状の遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態であるか否かを判定する。通常遊技状態又は第1RT状態である場合には、ステップS5102にて第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合、ステップS5103にてアタックモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。アタックモード当選フラグがセットされている場合、ステップS5104にて、特化ゾーン当選フラグがセットされているか否かを判定する。
特化ゾーン当選フラグがセットされており、スーパーアタックモードへの移行抽選に当選している場合、ステップS5105にてスーパーアタックモード付き特殊RTコマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を行う。そして、ステップS5106にて、現状のRT設定フラグを所定の記憶エリアに格納する処理を行うとともに、ステップS5107にて、現状のRT設定フラグをクリアする処理を行う。その後、ステップS5108にて、第5RT設定フラグをセットする処理を行ってから、本特殊RT状態処理を終了する。なお、これらステップS5106~ステップS5108の処理は、セットするRT設定フラグの種類の相違はあるものの、基本的にはステップS3914~ステップS3916の処理と同様であり、以下の説明では各処理の詳細は省略する。
上記処理により、遊技状態は特殊RT状態のうち、第5RT状態へ移行する。つまり、今回の特殊RT状態が第1BB当選に基づく特殊RT状態であって且つスーパーアタックモードへの移行抽選に当選している場合には、第5RT状態へ移行する。この場合、図111に示すように、特殊リプレイ5が成立し得るRT状態となり、「黒BAR」図柄を狙って停止操作すれば、黒BARダブル揃いのリプレイ入賞が成立することとなる。
ステップS5104にてスーパーアタックモード当選フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS5109にてアタックモード付き特殊RTコマンドを出力対象として設定した後、ステップS5110~ステップS5112にて第6RT状態へ移行させるための処理を行ってから、特殊RT状態処理を終了する。
上記処理により、遊技状態は特殊RT状態のうち、第6RT状態へ移行する。つまり、今回の特殊RT状態が第1BB当選に基づく特殊RT状態であって且つアタックモードへの移行抽選に当選している場合には、第6RT状態へ移行する。この場合、図111に示すように、特殊リプレイ4が成立し得るRT状態となり、「黒BAR」図柄を狙って停止操作すれば、黒BARシングル揃いのリプレイ入賞が成立することとなる。
ステップS5103にてアタックモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS5113にてチャレンジモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。チャレンジモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS5114にて、チャレンジモード付き特殊RTコマンドを出力対象として設定する。その後、ステップS5115~ステップS5117にて第7RT状態へ移行させるための処理を行ってから、特殊RT状態処理を終了する。
上記処理により、遊技状態は特殊RT状態のうち、第7RT状態へ移行する。つまり、今回の特殊RT状態が第1BB当選に基づく特殊RT状態であって且つチャレンジモードへの移行抽選に当選している場合には、第7RT状態へ移行する。この場合、図111に示すように、特殊リプレイ3が成立し得るRT状態となり、「黒BAR」図柄を狙って停止操作すれば、黒BARテンパイ外れのリプレイ入賞が成立することとなる。
ステップS5113にてチャレンジモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS5118にて特殊RTコマンドを出力対象として設定する。その後、ステップS5119~ステップS5121にて第8RT状態へ移行させるための処理を行ってから、特殊RT状態処理を終了する。
また、ステップS5102にて第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグのいずれもがセットされていないと判定した場合、ステップS5122に進む。ステップS5122~ステップS5125の処理は、上記ステップS3910~ステップS3913の処理と同様である。ステップS5125にてフェイク特殊RTコマンドの出力設定を行った後は、ステップS5126~ステップS5128にて第8RT状態へ移行させるための処理を行ってから、特殊RT状態処理を終了する。
上記処理により、遊技状態は特殊RT状態のうち、第8RT状態へ移行する。つまり、今回の特殊RT状態が第1BB又は第2BB当選に基づく特殊RT状態であって且つスーパーアタックモードやアタックモード、チャレンジモードへの移行抽選に当選していない場合や、これら第1BB、第2BB及びアタックモード等のいずれにも当選しなかった場合には、第8RT状態へ移行する。この場合、図111に示すように、通常リプレイが頻繁に成立し、特殊リプレイ3~5が成立しないRT状態となり、「黒BAR」図柄を狙って停止操作しても、黒BARダブル揃いや黒BARシングル揃い、黒BARダブルテンパイ外れのリプレイ入賞は発生しない。
ステップS5101にて否定判定した場合、ステップS5129に進む。ステップS5129~ステップS5135の処理は、上記ステップS3917~ステップS3923の処理と同様であるため、説明を省略する。
ちなみに、本実施形態における特殊RT用報知処理では、有利区間の内容に関わらず、特殊リプレイに当選した場合には黒BAR目押し報知演出を発生させる。つまり、RT状態が第5RT状態であれば、黒BAR目押し報知演出に従って操作することで、黒BARダブル揃いとなる停止出目が出現し、第6RT状態であれば、黒BAR目押し報知演出に従って操作することで、黒BARシングル揃いとなる停止出目が出現し、第7RT状態であれば、黒BAR目押し報知演出に従って操作することで、黒BARダブルテンパイ外れとなる停止出目が出現する。第8RT状態では特殊リプレイ当選しないため、黒BAR目押し報知演出は発生しない。
以上のようにすることで、各RT状態において特殊リプレイ3~5の当選確率自体が異なるので、特殊リプレイ当選時の報知に関して抽選等を行う必要がなく、各種黒BARの停止出目から有利区間の内容を予測する遊技を行うことができる。
なお、上記変形例のように、移行するRT状態を有利区間の内容に応じて異ならせる構成においては、遊技結果を、RT状態及び有利区間の内容と対応付けて設定するとよい。具体的には、例えば、強チェリー重複1(IV=32)はスーパーアタックモードに当選し得るものの、アタックモードやチャレンジモードには当選しないようにし、当該強チェリー重複1に基づいて移行する特殊RT状態を、第5RT状態とする。また、弱チェリー重複1(IV=34)はアタックモードに当選し得るものの、スーパーアタックモードやチャレンジモードには当選しないようにし、当該弱チェリー重複1に基づいて移行する特殊RT状態を、第6RT状態とする。強スイカ重複1(IV=36)や弱スイカ重複1(IV=38)はチャレンジモードに当選し得るものの、スーパーアタックモードやアタックモードには当選しないようにし、これら強スイカ重複1や弱スイカ重複1に基づいて移行する特殊RT状態を、第7RT状態とする。その他の重複役(IV=40のチャンスA重複1、IV=42のチャンスB重複1、IV=44の中段ベル重複1)では、スーパーアタックモード、アタックモード及びチャレンジモードのいずれにも当選しないようにし、これらの重複役に基づいて移行する特殊RT状態を、第8RT状態とする。このようにすることで、各RT状態への移行契機となる遊技結果が対応付けられ、遊技の透明性が担保される。
そして、各RT状態において、スーパーアタックモードやアタックモード、チャレンジモードへの移行抽選に当選しているか否かによって、特殊リプレイ当選時の報知抽選確率を異ならせることで、各モードへの移行抽選に当選しているか否かを予測する楽しみを担保することができる。
上記のようにRT状態と遊技結果とを対応付ける構成において、ボーナスの種類を増やす等して、同じ停止出目でも移行抽選に当選し得る有利区間の内容を異ならせる構成としてもよい。例えば、第1BBや第2BBの他に、第3BB及び第4BBを設ける。そして、第1BBと強チェリーとの重複当選となる強チェリー重複Aでは、スーパーアタックモードにだけ当選し得るものとして、移行するRT状態を第5RT状態とする。一方、第3BBと強チェリーとの重複当選となる強チェリー重複Bでは、アタックモードにだけ当選し得るものとして、移行するRT状態を第6RT状態とする。そして、第4BBと強チェリーとの重複当選となる強チェリー重複Cでは、チャレンジモードにだけ当選し得るものとして、移行するRT状態を第7RT状態とする。このようにすることで、RT状態への移行契機となった特定役の停止出目(上記の例では強チェリー入賞となる停止出目)からは、移行し得る有利区間の内容が把握できないようになり、その後の特殊リプレイ当選時にその停止出目から有利区間の内容を予測する遊技をより楽しませることが可能となる。
<変形例4>
本変形例では、上記変形例3のように、有利区間の内容に応じて移行する特殊RT状態を異ならせる構成としたうえで、各特殊RT状態における所定の特殊リプレイの当選確率を異ならせる。
具体的には、図113に示すように、スーパーアタックモードに当選している特殊RT状態である第5RT状態では、第1再遊技からなる通常リプレイと、第1再遊技、第9再遊技~第12再遊技及び第15再遊技からなる特殊リプレイ5と、が当選し得るリプレイとして設定されている。各リプレイの当選確率は、通常リプレイが約5.3分の1であり、特殊リプレイ5が約21.8分の1であり、トータルのリプレイ確率は約4.3分の1である。
第6RT状態では、第1再遊技からなる通常リプレイと、第1再遊技、第9再遊技~第12再遊技及び第15再遊技からなる特殊リプレイ5と、が当選し得るリプレイとして設定されており、当選するリプレイの種類は第5RT状態と同じである。但し、各リプレイの当選確率が異なっており、通常リプレイは約5.0分の1であって上記第5RT状態のそれよりも高い当選確率であり、特殊リプレイ5は約32.8分の1であって上記第5RT状態のそれよりも低い当選確率が設定されている。
第7RT状態も、第1再遊技からなる通常リプレイと、第1再遊技、第9再遊技~第12再遊技及び第15再遊技からなる特殊リプレイ5と、が当選し得るリプレイとして設定されており、当選するリプレイの種類は第5RT状態や第6RT状態と同じである。但し、各リプレイの当選確率が異なっており、通常リプレイは約4.6分の1であって上記第5RT状態や第6RT状態のそれよりも高い当選確率であり、特殊リプレイ5は約65.5分の1であって上記第5RT状態や第6RT状態のそれよりも低い当選確率が設定されている。
第8RT状態では、第1再遊技からなる通常リプレイが当選し得るリプレイとして設定されており、各特殊リプレイ5には当選しない。そして、通常リプレイが約4.3分の1であるため、トータルのリプレイ確率も約4.3分の1である。
ちなみに、本実施形態における特殊RT用報知処理では、有利区間の内容に関わらず特殊リプレイ5当選時には黒BAR目押し報知演出を発生させる。つまり、RT状態の種類に関わらず、特殊リプレイ5当選に基づいて黒BARダブル揃いとなる停止出目が出現する。
以上のように、有利区間の内容に応じて移行する特殊RT状態の種類を異ならせ、特殊RT状態の種類によって特殊リプレイ5の当選確率を異ならせることで、特殊リプレイ5の当選確率によって有利区間の内容を予測する、といった遊技を行わせることができる。よって、特殊リプレイ5当選時に黒BAR目押し報知演出を発生させるか否かの抽選処理の当選確率を有利区間の内容に応じて異ならせる必要が生じず、構成の簡素化が図られる。また、上記のようにすれば、黒BAR目押し報知演出が発生していない状況で「黒BAR」図柄を目押ししても黒BARダブル揃い等の停止出目は出現しないため、演出非発生時に黒BARダブル揃い等の停止出目が出現してしまうことの違和感を低減することができる。
<変形例5>
本変形例では、特殊RT状態への移行を再遊技入賞によって行う構成例を説明する。
図114は、本変形例における入賞態様と付与される特典との関係を示す図である。
本変形例では、上記各実施形態や各変形例において特定役とされた各役(第27小役~第38小役)の入賞時に付与される特典として再遊技を設定するとともに、当該再遊技とともに、第4RT状態、すなわち特殊RT状態へ移行させる構成とする。つまり、例えば、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ等に当選するとともに当選した役入賞が成立すると、再遊技が付与され、第4RT状態に移行する。また、これら各役とボーナスとの重複役(強チェリー重複1,2や強スイカ重複1,2等)についても、当該重複役に当選すると、対応する役入賞が成立して再遊技が付与されるとともに第4RT状態に移行する。
なお、上記強チェリー等の停止出目にて入賞が成立する再遊技に関し、第1再遊技との重複役とする等して、取りこぼしが生じない構成とするとよい。すなわち、強チェリー等の停止出目を停止させることができない場合には、他の停止出目にて入賞が成立し、再遊技が付与され、且つ第4RT状態へ移行する構成とするとよい。
そして、本変形例においては、これら再遊技及び第4RT状態が付与されることとなる各役を特定役(以下、特定再遊技とも称する)とし、当該特定再遊技当選に基づいて有利区間の移行抽選を行う。より詳しくは、例えば抽選結果対応処理(図31)におけるステップS701では、これら特定再遊技に当選している場合には、肯定判定して第1特定役処理~第3特定役処理を行う構成とする。
図115は、本変形例におけるRT状態処理を示すフローチャートである。
ステップS5201にて移行出目が停止したか否かを判定し、停止している場合には、ステップS5202にて第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。すなわち、ステップS5202の処理は、主に、上記再遊技が付与されることとなる各結果のうち、第1BBや第2BBとの重複当選となる結果に基づいて第4RT状態に移行した場合を示している。ステップS5202にて肯定判定した場合には、そのままRT状態処理を終了する。すなわち、この場合、停止出目が停止してもRT状態の移行は行われない。
ステップS5202にて否定判定した場合は、ステップS5203にて通常遊技状態か否かを判定し、通常遊技状態であれば、ステップS5204にて第1RT状態に設定する処理を行う。また、ステップS5205にて否定判定した場合に、ステップS5205にて第2再遊技入賞が成立したか否かを判定し、成立している場合や、ステップS5103にて否定判定した場合には、ステップS5206にてRT設定フラグをクリアしてからステップS5204にて第1RT状態に設定する処理を行う。これらステップS5204~ステップS5206の処理は、上記ステップS503~ステップS505の処理と同様である。
またステップS5205にて、第2再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS5207~ステップS5212にて、ステップS506~ステップS511の処理と同様に、入賞した再遊技に対応するRT状態に設定する処理を行う。
ステップS5210にて第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS5213に進む。ステップS5213では、特定再遊技入賞が成立したか否かを判定する。入賞成立していない場合には、そのままRT状態処理を終了する。入賞成立している場合には、ステップS5214にてRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS5215にて第4RT設定フラグを設定して、遊技状態を第4RT状態に移行させてから、本RT状態処理を終了する。なお、本変形例においても、第4RT状態へ移行させる際に、移行前のRT状態を記憶しておく構成としてもよい。
図116は、本変形例における、特殊RT状態処理を示している。
本変形例の特殊RT状態処理では、上記のように第4RT状態への移行処理を、RT状態処理にて行う構成としていることから、当該特殊RT状態処理における第4RT状態への移行処理を行わない。具体的には、ステップS5301~ステップS5309にて、上記ステップS3901~ステップS3909と同様に、第1BBや第2BBとの重複当選となる特定再遊技当選に基づく各種特殊RTコマンドを設定する処理を行った後は、ステップS3914~ステップS3916の第4RT状態への移行処理を行うことなく、そのまま特殊RT状態処理を終了する。
また、ステップS5302にて、第1BBや第2BBとの重複当選ではないと判定した場合、ステップS5310にて、特定再遊技当選か否かの判定を行い、特定再遊技当選である場合には、アタックモード及びチャレンジモード等へ当選していないことを条件として(ステップS5311:NO)、ステップS5312にてフェイク特殊RTコマンドを設定する処理を行ってから、特殊RT状態処理を終了する。
また、本変形例では、ステップS5301にて通常遊技状態や第1RT状態ではないと判定した場合には、第4RT状態の終了用の処理(ステップS3917~ステップS3923)を行うことなく、そのまま、特殊RT状態処理を終了する。
以上のような構成とすることで、特殊RT状態への移行条件を、他のRT状態への移行条件である各種再遊技入賞が成立した場合における条件とあわせることができる。
また、上記構成においては、第1BBや第2BB当選を経由することなく移行した特殊RT状態を移行出目が停止することを条件として終了させる構成としたことから、特殊RT状態の継続ゲーム数が多様化され、ベルの取りこぼしが生じるまで(移行出目が停止するまで)、特殊RT状態中にその後の有利度(BB当選か否か、有利区間に当選しているか否か)を推測する遊技を楽しませることができる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、特殊RT状態中の特殊リプレイを利用して、有利区間だけでなく、第1BBや第2BBに当選していることの示唆を行う。なお、本実施形態においては、上記第2の実施形態における変形例5のように、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、チャンスA、チャンスB、中段ベル、強チェリー重複1,2、弱チェリー重複1,2、強スイカ重複1,2、弱スイカ重複1,2、チャンスA重複1,2、チャンスB重複1,2、中段ベル重複1,2は、いずれも入賞により再遊技が付与されるとともに第4RT状態が付与されるものとする。
図117は、本実施形態における特殊RT状態中の当否抽選テーブルの一部を示している。上記のように、特殊RT状態中においては、小役等の当選確率は変化せずにリプレイの当選確率が変化する。図117では、当選確率が変化するリプレイについてのみ、その当選役と当選確率とを示している。なお、本実施形態でも、特殊RT状態中においては、インデックス値IV=1の通常リプレイに主に当選し、稀に、特殊リプレイ6~特殊リプレイ11に当選する。特殊リプレイ6~特殊リプレイ11は、第16再遊技~第24再遊技のいずれかの重複役である。
図118に示すように、第16再遊技~第24再遊技は、いずれも特典として再遊技が付与されるものの、その停止出目が異なり、特に各リール32L,32M,32Rにおいて中段に「黒BAR」図柄が停止する数が異なるなお、以下の説明においては、入賞態様に関して、いずれも3ベットゲームにおいて右下がりラインL4が有効ラインと設定された場合を前提として説明している。
第16再遊技は、左リール32Lの「黒BAR」図柄、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。第17再遊技は、左リール32Lの「黒BAR」図柄、中リール32Mの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「黒BAR」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。これら第16再遊技及び第17再遊技は、いずれも各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って操作しても、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止しない入賞態様である。
第18再遊技は、左リール32Lの「白BAR」図柄、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。第19再遊技は、左リール32Lの「黒BAR」図柄、中リール32Mの「黒BAR」図柄、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。第20再遊技は、左リール32Lの「黒BAR」図柄、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄、右リール32Rの「赤7」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。これら第18再遊技~第20再遊技は、いずれも各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って操作した場合、各リール32L,32M,32Rのうちのいずれかの中段に「黒BAR」図柄が1つ停止する入賞態様である。
第21再遊技は、左リール32Lの「白BAR」図柄、中リール32Mの「黒BAR」図柄、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。第22再遊技は、左リール32Lの「白BAR」図柄、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄、右リール32Rの「赤7」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。第23再遊技は、左リール32Lの「黒BAR」図柄、中リール32Mの「黒BAR」図柄、右リール32Rの「赤7」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。これら第21再遊技~第23再遊技は、いずれも各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って操作した場合、各リール32L,32M,32Rのうちのいずれかの中段に「黒BAR」図柄が2つ停止する入賞態様である。
第24再遊技は、左リール32Lの「白BAR」図柄、中リール32Mの「黒BAR」図柄、右リール32Rの「赤7」図柄が有効ラインに停止することで入賞が成立する入賞態様が設定されている。第24再遊技の入賞態様は、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作をすると、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄が揃って停止し、中段の「黒BAR」図柄の停止数は3となる入賞態様である。
特殊リプレイ6~特殊リプレイ11は、停止順序によって入賞する役が異なる押し順役である。但し、いずれの役が入賞しても付与される特典は再遊技であり、遊技者にとっての有利度は異ならない。つまり、これら特殊リプレイ6~特殊リプレイ11は、停止順序によって入賞成立する停止出目が異なるものの、その有利度は変化しない役である。
図119は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。
特殊リプレイ6は、第16再遊技、第18再遊技~第20再遊技の重複役である。特殊リプレイ6に当選となった場合には、各リール32L,32M,32Rを「左」→「中」→「右」の第1停止順序で停止させると、第16再遊技又は第18再遊技入賞が成立し、この場合、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、第16再遊技及び第18再遊技のうちの第18再遊技入賞が成立し、左リール32Lの中段に「黒BAR」図柄が停止する。「左」→「右」→「中」の第2停止順序で停止させると、第16再遊技入賞が成立する。この場合、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄を狙って停止操作しても、いずれのリールにおいても中段には「黒BAR」図柄が停止しない。「中」→「左」→「右」の第3停止順序で停止させると、第16再遊技又は第19再遊技入賞が成立し、この場合、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、第16再遊技及び第19再遊技のうち第19再遊技入賞が成立し、中リール32Mの中段に「黒BAR」図柄が停止する。「中」→「右」→「左」の第4停止順序で停止させると、第16再遊技入賞が成立し、いずれのリールにおいても中段には「黒BAR」図柄が停止しない。「右」→「左」→「中」の第5停止順序で停止させると、第16再遊技又は第20再遊技入賞が成立し、この場合、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄を狙って停止操作すると、第16再遊技及び第20再遊技のうち第20再遊技入賞が成立し、右リール32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止する。「右」→「中」→「左」の第6停止順序で停止させると、第16再遊技入賞が成立し、いずれのリールにおいても中段には「黒BAR」図柄が停止しない。なお、第1停止順序、第3停止順序及び第5停止順序について、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄を狙って停止操作しても、その操作が中段に「黒BAR」図柄を停止できないタイミングであれば、いずれも第16再遊技入賞が成立する。
特殊リプレイ7は、第17再遊技~第20再遊技の重複役である。そして、特殊リプレイ6の場合と同様に、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄を狙って停止操作した場合において、上記第1停止順序、第3停止順序及び第5停止順序のいずれかだと第17再遊技入賞が成立し、いずれのリール32L,32M,32Rにおいても中段に「黒BAR」図柄は停止しない。また、第2停止順序だと第18再遊技入賞が成立し、左リール32Lの中段に「黒BAR」図柄が停止する。第4停止順序だと第19再遊技入賞が成立し、中リール32Mの中段に「黒BAR」図柄が停止する。そして、第6停止順序だと第20再遊技入賞が成立し、右リール32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止する。第2停止順序、第4停止順序及び第6停止順序について、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄を狙って停止操作しても、その操作が中段に「黒BAR」図柄を停止できないタイミングであれば、いずれも第17再遊技入賞が成立する。
特殊リプレイ8は、第16再遊技及び第18再遊技~第22再遊技の重複役である。そして、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作した場合において、上記第2停止順序、第4停止順序及び第6停止順序のいずれかだと第16再遊技入賞が成立し、いずれのリール32L,32M,32Rにおいても中段に「黒BAR」図柄は停止しない。また、第1停止順序又は第3停止順序だと第21再遊技入賞が成立し、左リール32L及び中リール32Mの中段に「黒BAR」図柄が停止する。そして、第5停止順序だと第22再遊技入賞が成立し、左リール32Lと右リール32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止する。第1停止順序、第3停止順序及び第5停止順序について、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄を狙って停止操作しても、その操作が中段に「黒BAR」図柄を停止できないタイミングであれば、第16再遊技入賞、第18再遊技入賞~第20再遊技入賞が成立する。
特殊リプレイ9は、第17再遊技、第18再遊技~第20再遊技、第22再遊技及び第23再遊技の重複役である。そして、各リール32L,32M,32Rに「黒BAR」図柄を狙って停止操作した場合において、上記第1停止順序、第3停止順序及び第5停止順序のいずれかだと第17再遊技入賞が成立し、いずれのリール32L,32M,32Rにおいても中段に「黒BAR」図柄は停止しない。また、第2停止順序だと第22再遊技入賞が成立し、左リール32L及び右リール32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止する。そして、第4停止順序又は第6停止順序だと第23再遊技入賞が成立し、中リール32M及び右リール32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止する。第12停止順序、第4停止順序及び第6停止順序について、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄を狙って停止操作しても、その操作が中段に「黒BAR」図柄を停止できないタイミングであれば、第17再遊技入賞~第20再遊技入賞が成立する。
特殊リプレイ10は、第16再遊技、第18再遊技~第20再遊技及び第24再遊技の重複役である。そして、上記第2停止順序、第4停止順序及び第6停止順序のいずれかだと第16再遊技入賞が成立し、いずれのリール32L,32M,32Rにおいても中段に「黒BAR」図柄は停止しない。また、第1停止順序、第3停止順序及び第5停止順序のいずれかだと第24再遊技入賞が成立し、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄が揃って停止する。第1停止順序、第3停止順序及び第5停止順序について、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄を狙って停止操作しても、その操作が中段に「黒BAR」図柄を停止できないタイミングであれば、第16再遊技入賞、第18再遊技入賞~第22再遊技入賞が成立する。
特殊リプレイ11は、第17再遊技、第18再遊技~第20再遊技、及び第22再遊技~第24再遊技の重複役である。そして、上記第1停止順序、第3停止順序及び第5停止順序のいずれかだと第17再遊技入賞が成立し、いずれのリール32L,32M,32Rにおいても中段に「黒BAR」図柄は停止しない。また、第2停止順序、第4停止順序及び第6停止順序のいずれかだと第24再遊技入賞が成立し、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄が揃って停止する。第2停止順序、第4停止順序及び第6停止順序について、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄を狙って停止操作しても、その操作が中段に「黒BAR」図柄を停止できないタイミングであれば、第17再遊技入賞~第20再遊技入賞、第22再遊技入賞及び第23再遊技入賞が成立する。
上記のように、特定役当選(BB当選又はBB非当選)に基づいて、主制御装置101から各種特殊RTコマンドが表示制御装置81へ出力される。また、既に説明したとおり、表示制御装置81では、主制御装置101からコマンドを受信すると、コマンド格納処理において、受信したコマンドを所定のエリアに格納する等の処理を行う。
ここで、本実施形態にいて、上記各種特殊RTコマンドを受信した場合に起動される、特殊RTコマンド受信処理について、図120のフローチャートを参照しながら説明する。特殊RTコマンド受信処理では、受信したコマンドの種類に応じて、今回の特殊RT状態中の演出パターンを設定するための処理を行う。
具体的には、ステップS5401では、今回受信したコマンドがスーパーアタックモード付き特殊RTコマンドであったか否かを判定する。スーパーアタックモード付き特殊RTコマンドであった場合、ステップS5402にて、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aに記憶されている報知シナリオテーブルを参照し、今回の特殊RT状態中の演出パターンとして報知シナリオAを設定する処理を行ってから、本特殊RTコマンド受信処理を終了する。
図121に示すように、本実施形態における報知シナリオテーブルでは、報知シナリオの種類によって、黒BAR停止カウンタの値に応じた黒BAR停止用の押し順報知演出抽選の当選確率が異なるように設定されている。黒BAR停止カウンタは、今回の特殊RT状態中に、各リール32L,32M,32Rのいずれか中段に「黒BAR」図柄が停止した回数を、CPU181が把握するためのカウンタであり、RAM183の各種カウンタエリア183bに設けられている。また、黒BAR停止用の押し順報知演出抽選は、いずれかの特殊リプレイ当選時に実行される。例えば、報知シナリオAでは、黒BAR停止カウンタが0であれば80%の確率で押し順報知演出抽選に当選し、黒BAR停止カウンタが5であれば30%の確率で押し順報知演出抽選に当選する。
ステップS5401にて否定判定した場合、ステップS5403にて、今回受信したコマンドがアタックモード付き特殊RTコマンドであったか否かを判定する。アタックモード付き特殊RTコマンドであった場合、ステップS5404にて、上記報知シナリオテーブルから、今回の特殊RT状態中の演出パターンとして報知シナリオBを設定する処理を行う。その後、ステップS5405にて、今回の演出パターンにおいて、黒BAR停止カウンタの上限値として5を設定してから、本特殊RTコマンド受信処理を終了する。
ここで、図121に示すように、各報知シナリオでは、黒BAR停止カウンタが所定値以上となると、押し順報知演出抽選に当選しなくなるようにその上限値が定められている。例えば、上記アタックモード付き特殊RTコマンドを受信した場合に設定される報知シナリオBでは、黒BAR停止カウンタの値が0~4では押し順報知演出抽選に当選し得るものの、当該カウンタの値が5になると、押し順報知演出抽選に当選しなくなる。
本実施形態では、特殊RT状態において、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止した数によって、その後の遊技内容を示唆する構成としている。例えば、特殊RT状態中における「黒BAR」図柄の停止数が累計3つ以上となると、その後に第1BBや第2BBのボーナス状態に移行することが確定する。また、特殊RT状態中における「黒BAR」図柄の停止数が累計4つ以上となると、第1BBや第2BBのボーナス状態後に更にチャレンジモードへ移行することが確定する。そして、「黒BAR」図柄の停止数が累計5つ以上となると、第1BBや第2BBのボーナス状態後に更にアタックモードへ移行することが確定し、停止数が累計6つ以上となると、ボーナス状態後に更にスーパーアタックモードへ移行することが確定する。
すなわち、特殊RT状態中において各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止するほど、当該特殊RT状態後に、遊技者にとって有利な状態に移行し易い。そのため、遊技者としては、「黒BAR」図柄の停止数から、その後の状態を推測することが可能となる。
また、特殊RT状態中においては、補助表示部65の表示が当該特殊RT状態に対応する状態演出が行われる。そして、当該状態演出は「黒BAR」図柄の停止数によって変化するように設定されている。具体的には、「黒BAR」図柄の停止数の累計が0→1→2→3→4→5→6と増えるにつれ、当該状態演出の背景色が白→青→黄→緑→赤→金→虹と変化する。つまり、各リール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄を停止させることで、特殊RT状態を示す状態演出の背景色が変化し、当該特殊RT状態後に有利な状態に移行することが把握される。そのため、遊技者に対し、あたかも、特殊RT状態中において「黒BAR」図柄を中段に停止させたからこそ有利な状態へ移行した、と思わせるようにすることができ、特殊RT状態中の遊技性が格段に向上する。
特殊RTコマンド受信処理(図120)の説明に戻り、ステップS5403にて否定判定した場合、ステップS5406にて、今回受信したコマンドがチャレンジモード付き特殊RTコマンドであったか否かを判定する。チャレンジモード付き特殊RTコマンドであった場合、ステップS5407にて、上記報知シナリオテーブルから、今回の特殊RT状態中の演出パターンとして報知シナリオCを設定する処理を行う。その後、ステップS5408にて、今回の演出パターンにおいて、黒BAR停止カウンタの上限値として4を設定してから、本特殊RTコマンド受信処理を終了する。
ステップS5406にて否定判定した場合、ステップS5409にて、今回受信したコマンドが特殊RTコマンドであったか否かを判定する。特殊RTコマンドであった場合、ステップS5410にて、上記報知シナリオテーブルから、今回の特殊RT状態中の演出パターンとして報知シナリオDを設定する処理を行う。その後、ステップS5411にて、今回の演出パターンにおいて、黒BAR停止カウンタの上限値として3を設定してから、本特殊RTコマンド受信処理を終了する。
ステップS5409にて否定判定した場合とは、今回受信したコマンドがフェイク特殊RTコマンドであることを意味する。既に説明したとおり、フェイク特殊RTコマンドは、第1BBや第2BBとの重複役ではない特定役に当選した場合であって、且つ当該特定役を契機としてチャレンジモード、アタックモード及びスーパーアタックモードのいずれにも移行当選していない場合に、主制御装置101から出力されるコマンドである。そして、当該フェイク特殊RTコマンドが出力/受信される場合、移行出目が停止するまで継続する特殊RT状態に移行する。なお、当該移行出目が停止して特殊RT状態が終了すると、通常遊技状態又は第1RT状態に戻ることも、上記第2の実施形態にて説明した通りである。
そして、ステップS5409にて否定判定した場合、ステップS5412にて、報知シナリオ抽選処理を実行する。報知シナリオ抽選処理では、上記報知シナリオテーブルから、今回の特殊RT状態中の演出パターンとして報知シナリオE~報知シナリオGのいずれを設定するかを抽選により決定する。報知シナリオE~報知シナリオGは、黒BAR停止カウンタの値によって押し順報知演出抽選の当選確率がそれぞれ異なるように設定されている。例えば、黒BAR停止カウンタの値が0である場合、押し順報知演出抽選の当選確率は、報知シナリオEでは80%であり、報知シナリオFでは60%であり、報知シナリオGでは50%である。報知シナリオE~報知シナリオGのいずれを設定するかは、フェイク特殊RTコマンドの契機となった特定役の種類によって、その当選確率が異なる。例えば、報知シナリオEは特定役として強チェリーや強スイカを契機としてフェイク特殊RTコマンドの出力/受信が行われた場合の当選確率が高く、報知シナリオFは特定役として弱チェリーや弱スイカを契機としてフェイク特殊RTコマンドの出力/受信が行われた場合の当選確率が高く、報知シナリオGはその他の特定役を契機としてフェイク特殊RTコマンドの出力/受信が行われた場合の当選確率が高い。
ステップS5412にて報知シナリオの抽選処理を行った後は、ステップS5413にて抽選結果に応じた報知シナリオを設定する処理を行う。そして、ステップS5414にて、今回の演出パターンにおいて、黒BAR停止カウンタの上限値として2を設定してから、本特殊RTコマンド受信処理を終了する。
次に、本実施形態における特殊RT用報知処理について、図122のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、特殊RT用報知処理は、表示制御装置81において、特殊リプレイ当選時に、押し順報知用処理(図97)のステップS4515にて実施される処理である。
ステップS5501では、上記特殊RTコマンド受信処理にて設定された報知シナリオを把握する処理を行う。そして、ステップS5502では、現状の黒BAR停止カウンタの値を把握する処理を行う。続くステップS5503では、今回のゲームの特殊リプレイの種類を把握する処理を行う。すなわち、特殊リプレイ6~11のいずれであるかを判定する。
ステップS5504では、上記特殊RTコマンド受信処理にて設定された上限値及び今回の特殊リプレイとの関係から、黒BAR停止カウンタに空きがあるか否かを判定する。すなわち、例えば、現状の黒BAR停止カウンタの値が2であり、上限値が3として設定されている場合(報知シナリオDが設定されている場合)であって、今回の特殊リプレイとして中段に「黒BAR」図柄が1つだけ停止し得る特殊リプレイ6又は特殊リプレイ7である場合、より具体的には、仮に今回のゲームにていずれかのリール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止しても、報知内容(特殊RT状態後の状態の内容)との関係で矛盾が生じない場合、黒BAR停止カウンタの値に空きがあると判定する。一方、現状の黒BAR停止カウンタの値が2であり、上限値が3として設定されている場合(報知シナリオDが設定されている場合)であっても、今回の特殊リプレイとして中段に「黒BAR」図柄が2つ以上停止し得る特殊リプレイ8~特殊リプレイ11である場合、より具体的には、仮に今回のゲームにていずれかのリール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止すると、報知内容(特殊RT状態後の状態の内容)との関係で矛盾が生じ得る場合、黒BAR停止カウンタに空きがないと判定する。また、現状の黒BAR停止カウンタの値が2である場合であっても、上限値が2として設定されている場合(報知シナリオE~報知シナリオGが設定されている場合)は、特殊リプレイの種類に関わらず、黒BAR停止カウンタに空きがないと判定する。
ステップS5504にて黒BAR停止カウンタの値に空きがあると判定した場合、ステップS5505にて、報知抽選処理を実行する。具体的には、今回の報知シナリオと、黒BAR停止カウンタとから、報知抽選の当選確率を把握し、抽選用のカウンタ等を利用して、押し順報知演出抽選を行う。そして、ステップS5506にて、当該ステップS5505の抽選処理の結果を判定し、当選結果であると判定した場合には、ステップS5507にて、今回の押し順報知演出として、黒BAR停止用の押し順報知演出が行われるように補助表示部65等を制御する。具体的には、例えば、今回の特殊リプレイが特殊リプレイ6であれば、図119に示すように、第1停止順序、第3停止順序、第5停止順序のいずれかの押し順を報知するように補助表示部65等を制御する。また、例えば、今回の特殊リプレイが特殊リプレイ11であれば、図119に示すように、第2停止順序、第4停止順序、第6停止順序のいずれかの押し順を報知するように補助表示部65等を制御する。いずれの押し順を報知するかは、抽選等によってランダムに決定するとよい。そして、ステップS5508にて各種フラグ格納エリア183aに報知フラグをセットしてから、特殊RT用報知処理を終了する。
ステップS5504にて、黒BAR停止カウンタに空きがないと判定した場合、又はステップS5506にて空きはあっても報知抽選にて非当選であったと判定した場合、ステップS5509にて、今回の押し順報知演出として、黒BAR非停止用の押し順報知演出が行われるように補助表示部65等を制御する。具体的には、例えば、今回の特殊リプレイが特殊リプレイ6であれば、図119に示すように、第2停止順序、第4停止順序、第6停止順序のいずれかの押し順を報知するように補助表示部65等を制御する。また、例えば、今回の特殊リプレイが特殊リプレイ11であれば、図119に示すように、第1停止順序、第3停止順序、第5停止順序のいずれかの押し順を報知するように補助表示部65等を制御する。いずれの押し順を報知するかは、抽選等によってランダムに決定するとよい。その後、特殊RT用報知処理を終了する。
次に、特殊リプレイが入賞した場合に、表示制御装置81のCPU181にて実施される特殊リプレイ入賞時処理について、図123のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該特殊リプレイ入賞時処理は、演出設定処理(図42)における全停止時演出設定処理(ステップS1710)のうちの一処理として実施される。
先ず、ステップS5601では、各リール32L,32M,32Rの停止出目から、いずれかのリール32L,32M,32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止しているか否かを判定する。停止している場合、ステップS5602にて報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされている状況で「黒BAR」図柄が中段に停止した場合、ステップS5603に進み、「黒BAR」図柄が中段に停止している数を把握する。そして、ステップS5604にて、黒BAR停止カウンタに対し、ステップS5603にて把握した数を加算する処理を行う。例えば、中段に1つ「黒BAR」図柄が停止していれば黒BAR停止カウンタを1加算し、中段に3つ「黒BAR」図柄が停止し、中段黒BAR揃いとなる停止出目であれば黒BAR停止カウンタを3加算する。
続くステップS5605では、加算時報知演出を設定する。具体的には、特殊RT状態用の状態演出の背景色を、加算後の黒BAR停止カウンタの値に対応するように変更する処理を行う。そして、続くステップS5606にて、報知フラグをクリアする処理を行ってから、特殊リプレイ入賞時処理を終了する。
ステップS5601にていずれのリール32L,32M,32Rの中段にも「黒BAR」図柄が停止していないと判定した場合、又はステップS5602にて「黒BAR」図柄は停止しているものの報知フラグがセットされていないと判定した場合は、ステップS5606に進み、報知フラグをクリアする処理を行ってから、特殊リプレイ入賞時処理を終了する。なお、ステップS5606では、報知フラグがセットされていなければ、その状態を維持する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1BBや第2BBに当選した場合に特殊RT状態へ移行する構成としたうえで、特殊RT状態中の特殊リプレイ当選時に第1BBや第2BBに当選しているか否かの示唆を、押し順報知演出によって行う構成とした。このようにすることで、特殊RT状態において当選した一の結果(特殊リプレイ)を利用して停止出目を異ならせることができ、停止出目を利用した上記示唆演出を実現することができる。
ここで、一の結果に対して複数の停止出目を設け、いずれの停止出目を出現させるかを停止順序によって異ならせる構成とすることにより、抽選結果の複雑化を招くことなく停止出目を利用した演出を実現することが可能となる一方で、第1BBや第2BBを持ち越した状況での特殊RT状態においては、有利区間の移行抽選の実行が制限されるため、当該持ち越し状態中において、押し順ベルや押し順リプレイのように停止順序によって有利度が異なり得る遊技結果についての押し順報知を行ってしまうと、有利区間の移行抽選の実行を制限することの趣旨に反する構成となり得る。つまり、かかる持ち越し状態において押し順報知を行うと、ボーナス入賞を意図的に遅らせる行為によって、無制限に押し順報知が行われることとなり得る。その点、上記実施形態によれば、遊技者にとっての有利度に変化を生じさせない押し順報知演出として、特殊リプレイ時の押し順報知演出を行う構成としたことにより、持ち越し状態中において移行抽選の実行を制限することの趣旨に反しない範囲で、停止出目の相違を利用した演出を実現することが可能となる。
停止出目を利用した示唆演出を、「黒BAR」図柄の累積停止数によって行う構成とした。このようにすることで、一のゲームによる示唆から示唆内容を判断しにくくなり、言い換えると、複数ゲームに亘っての示唆によりその内容を予測する構成となり、示唆演出をより長く楽しませることが可能となる。
この場合、各種特殊リプレイにおいて、「黒BAR」図柄が中段に1つも停止しない停止出目となる停止順序を設定したことにより、既に上記累積停止数が示唆内容の上限に達していた場合であっても押し順報知演出を発生させる(0個停止する押し順報知演出を発生させる)ことが可能となり、演出が行われないことによる出来レース感をなくすことが可能となる。
特殊RT状態において特殊リプレイ当選時の報知演出を、特殊RT状態へ移行した際に設定される報知シナリオに従って実行する構成としたことにより、上記のように複数ゲームに亘って実行され得る示唆演出を、特殊リプレイ当選時に前の示唆内容との整合を取りながら行うといった構成を用いることなく、容易に実施することができる。
特殊リプレイ当選時において、押し順報知演出が発生していない状況でたまたま停止順序が黒BAR停止に対応する停止順序と合致した場合であっても、黒BAR停止カウンタの加算処理や加算時報知演出は行われない構成とした。また、特殊リプレイ当選時において、押し順報知演出が発生した場合であっても、「黒BAR」図柄の目押しに失敗した場合には、黒BAR図柄が停止しない第16再遊技や第17再遊技が入賞する。この場合も、黒BAR停止カウンタの加算処理は行われないし、加算時報知演出も行われず、背景色の変化も発生しない。このようにしたことで、特殊RT状態中において、先ずは押し順報知演出が発生することに対して期待感を寄せさせ、押し順報知演出が発生した場合には、黒BAR停止に対応する押し順報知演出であることに期待感を寄せさせることができる。しかも、背景色を変化させるためには、単に押し順が合致すればよいだけでなく、「黒BAR」図柄を狙って停止操作する必要があり、特殊RT状態後の期待度向上につながる演出変化と遊技者の操作とが密接に関連付けられている。よって、遊技者に、自らの停止操作の技量によって特殊RT状態後の期待度を変化させたかのように感じさせることができ、遊技操作の面白みをより向上させることが可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、有利区間の継続ゲーム数の上乗せや、有利区間の上限ゲーム数(1500)に関する構成について詳しく説明する。
先ず、本実施形態における第1特定役処理について、図124を参照しながら説明する。既に説明した通り、第1特定役処理は、主に表示モードが通常モードやチャレンジモードである状況でゲームの抽選結果が特定役となった場合に実施される処理である。
本実施形態における変更点としては、上記各実施形態においてチャレンジモード中か否かに関わらずチャレンジモード抽選処理(ステップS813)を実施し、チャレンジモード中に再度チャレンジモードに当選した場合に当該チャレンジモードのゲーム数の上乗せを行うものとしていた構成を、チャレンジモード中か否かによってモード移行抽選か上乗せ抽選かを異ならせるものとする。
すなわち、ステップS6001~ステップS6012のアタックモードへの移行抽選に関する処理は、上記ステップS801~ステップS812と同様の処理である。ステップS6005にて否定判定し、アタックモードに非当選であると判定した場合、ステップS6013に進む。ステップS6013では、チャレンジモード中であるか否かを判定する。チャレンジモード中ではない場合は、ステップS6014にてチャレンジモード抽選処理を実行する。ステップS6014の処理は、表示モードを通常モードからチャレンジモードへ移行させるか否かの移行抽選であり、通常区間から有利区間への移行抽選である。
ステップS6015では、ステップS6014の抽選処理に当選したか否かを判定する。当選していない場合には、そのまま第1特定役処理を終了する。当選している場合には、ステップS6016に進み、チャレンジモード当選フラグをセットする。ステップS6016~ステップS6020の処理は、上記ステップS816~ステップS820の処理と同様である。
ステップS6013にてチャレンジモード中であると判定した場合、上記のとおり本実施形態では、ステップS6021にてチャレンジモードのゲーム数上乗せ抽選処理を実行する。ステップS6022では、ステップS6021の抽選処理に当選したか否か、すなわちチャレンジモードのゲーム数の上乗せが発生するか否かを判定し、上乗せが発生する場合、ステップS6023に進み、今回の特定役がボーナスとの重複役であるか否かを判定する。ステップS6023~ステップS6027の処理は、上記ステップS821~ステップS825の処理と同様である。ステップS6022にて上乗せが発生しないと判定した場合には、そのまま第1特定役処理を終了する。
次に本実施形態における、区間表示第2処理について、図125を参照しながら説明する。
本実施形態における変更点としては、有利区間ゲーム数AGの加算処理を行った後、有利区間の上限ゲーム数との関係で、上乗せ可能な残ゲーム数を把握、管理する処理(残ゲーム数管理処理、ステップS6103)を行う。
すなわち、ステップS6101にて、ステップS2801と同様に区間表示器が表示中であるか否かを判定し、表示中である場合には、ステップS6102にて、ステップS2802と同様に有利区間ゲーム数AGの加算処理を実行する。そして、ステップS6103にて、残ゲーム数管理処理を実行する。ステップS6104~ステップS6111の処理は、上記ステップS2803~ステップS2810の処理と同様である。
ステップS6107のデータ初期化処理について補足説明する。
既に説明した通り、当該初期化処理を行うことにより、有利区間中に用いられる各種カウンタや各種フラグがクリアされる。例えば、チャレンジモードの継続数やアタックモードの継続数が残存していたとしても強制的に0とされ、また、アタック用報知フラグやアタックモードフラグ等の表示モード移行用のフラグ(押し順報知用のフラグ)もクリアされることから、アタックモード等は強制的に終了することとなる。
この場合、上記のようにアタックモードの継続数等が強制的に0とされることから、ゲーム数管理処理(図40)では、例えば、アタックモード継続数が0となること(ステップS1414にて肯定判定すること)に基づいて、アタックモード終了コマンドが表示制御装置81へ出力される。なお、VBモードや特化ゾーン中に強制終了する場合には、VBモード継続数が強制的に0となることに基づいてVBモード終了コマンドが出力されたり、特化ゾーン継続数が強制的に0となることに基づいて特化ゾーン終了コマンドが出力されることとなるが、表示制御装置81においては、これら各種終了コマンドを重複して受信している場合、アタックモード終了コマンドを受信したことに基づく処理(アタックモード終了演出を行う処理)を優先して行う構成としている。その結果、表示制御装置81では、当該アタックモード終了コマンドを受信したことに基づいて、アタックモード終了演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する(ステップS2306)。
以上のように、有利区間が強制終了される場合も、突然通常モード用の表示演出となるわけではなく、表示演出としてアタックモードの終了演出等が発生することから、遊技機の故障等が発生したのでは、と勘違いさせないようにすることが可能となる。なお、強制終了する際には、通常用のアタックモード終了演出とは異なる演出を設定する構成とし、強制終了されたことをより明確に把握可能とする構成としてもよい。また、強制終了する際にVBモード中等であれば、主制御装置101からVBモード終了コマンド等を出力せず、アタックモード終了コマンドのみを出力する構成としてもよい。
<残ゲーム数管理処理>
残ゲーム数管理処理について、図126を参照しながら説明する。残ゲーム数管理処理では、有利区間において実施される予定の各種モードにおける残りの継続ゲーム数を把握し、当該残りの継続ゲーム数の合計と、既に実行した有利区間のゲーム数とから、上乗せ可能な空きゲーム数(残ゲーム数)を算出する。
すなわち、ステップS6201では、前兆ゲーム数G1を把握する。前兆ゲーム数G1は、例えば現状が有利区間中における前兆モードである場合、残りの前兆モードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図40)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS6202では、チャレンジモード継続数G2を把握する。チャレンジモード継続数G2は、例えば現状が有利区間におけるチャレンジモードである場合、残りのチャレンジモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図40)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS6203では、アタックモード継続数G3を把握する。アタックモード継続数G3は、例えば現状が有利区間におけるアタックモードである場合、残りのアタックモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図40)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS6204では、VBモード継続数G4を把握する。VBモード継続数G4は、例えば現状が有利区間におけるVBモードである場合、残りのVBモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図40)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS6205では、特化ゾーン継続数G5を把握する。特化ゾーン継続数G5は、例えば現状が有利区間における特化ゾーンである場合、残りの特化ゾーンのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図40)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS6206では、BB残りゲーム数G6を把握する。BB残りゲーム数G6は、例えば現状が有利区間におけるBBモード(ボーナス状態)である場合、残りのBBモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図40)が1回起動されるごとに、BBモード中であることを条件に図示しない減算処理にて1ずつ減算される。
ここで、これら継続数G1~G6は、現状が対応するモードやゾーンではない場合であっても0以上の値が入力されている場合がある。具体的には、例えば、VBモードへの移行抽選に当選したものの、未だVBモードへ移行前である状況では、現状のモードはアタックモードであって且つVBモード継続数G4にはVBモードの継続ゲーム数の初期値である「60」が入力されたままの状況となる。また、チャレンジモード中にスーパーアタックモードへの移行抽選に当選したものの、未だスーパーアタックモードへ移行前である状況では、現状のモードはチャレンジモードであって、且つ特化ゾーン継続数G5には特化ゾーンの継続ゲーム数の初期値である「5」が入力されたままであるとともに、アタックモード継続数G3にもアタックモードの継続ゲーム数の初期値である「50」が入力されたままの状況となる。
ステップS6207では、上記ステップS6201~ステップS6206の各処理で把握したG1~G6を積算することで、有利区間の残りゲーム数ZGを算出する処理を行う。かかる処理を行うことにより、有利区間が後何ゲーム継続するかを把握することが可能となる。続くステップS6208では、これまでに実施してきた有利区間のゲーム数(有利区間ゲーム数AG)と上記残りゲーム数ZGとを加算することで、総有利区間ゲーム数SGを算出する処理を行う。そして、ステップS6209にて、有利区間の継続上限ゲーム数である1500Gから上記総有利区間ゲーム数SGを減算することで、空きゲーム数(上乗せ可能な空きゲーム数、残ゲーム数)FGを算出する処理を行う。
ステップS6209の処理を行った後は、ステップS6210にて、空きゲーム数FGが0よりも大きいか否か、すなわち、空きゲーム数があって上乗せ可能であるか否かを判定する。空きゲーム数FGが0よりも大きい場合には、そのまま残ゲーム数管理処理を終了する。一方、空きゲーム数FGが0以下である場合には、ステップS6211にて各種フラグ格納エリア106dに超過フラグをセットする処理を実行してから、残ゲーム数管理処理を終了する。超過フラグは、有利区間の継続ゲーム数の上乗せを行えない状況、より詳しくは、上乗せを行っても、1500ゲーム時の強制終了によって当該上乗せ分のゲームが実施されない状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。
例えば、図127(a)に示すように、ta1のゲームにおいてチャレンジモード当選フラグがセットされることにより有利区間が開始されると、当該ゲームから有利区間ゲーム数AGの計測が開始される。その後、ta1からta2はチャレンジモード、ta2からta3はアタックモード、ta3からta4はVBモード、ta4からta5はアタックモード、とモードの移行を繰り返しつつ有利区間が継続した場合であっても、ta1からta5までのゲーム数は有利区間ゲーム数AGにより把握される。また、ta5の時点において、残りのアタックモード等の継続数は、有利区間残りゲーム数ZG(G1~G6の積算)にて把握され、当該有利区間はta5の時点でta6まで継続することが確定している。図127(a)においては、ta1から1500ゲームとなるta7よりもta6は前のゲームであり、ta6からta7はta5の時点で上乗せ可能な空きゲーム数FGに相当する。つまり、図127(a)においては、超過フラグはセットされない。
一方、図127(b)に示すように、tb1から開始した有利区間が、tb1からtb2のチャレンジモード、tb2からtb3やtb4からtb5のアタックモード、tb3からtb4やtb5からtb6のVBモードを経て、tb7までアタックモードが継続しているとする。この場合、有利区間ゲーム数AGは、tb1からtb7までのゲーム数であり、tb7の時点での有利区間残りゲーム数ZGを当該有利区間ゲーム数AGに加算すると、1500を上回る。つまり、tb7の時点での有利区間残りゲーム数ZGを全て消化することなく、当該有利区間はtb8の時点で強制終了される。この場合、超過フラグがセットされる。
上記のように超過フラグがセットされている状況、すなわち、tb7からtb8の有利区間残りゲーム数ZGのゲームにおいては、仮に特定役に当選してアタックモードの上乗せ契機が生じたとしても、結局はtb8にて強制終了されることから、tb7からtb8のゲームは所謂消化ゲームとなり得るものであり、遊技者の遊技への関心が大きく低下してしまう可能性がある。
また、図127(c)では、特化ゾーンにて多量のゲーム数上乗せが発生した場合の一例を示している。例えば、tc1から開始したチャレンジモードにおいて、スーパーアタックモードに当選したとし、tc2からtc3にて特化ゾーンが実施されたとする。かかる特化ゾーンにてアタックモードの継続ゲーム数の多量の上乗せが発生し、tc3から開始されたアタックモードをtc4まで消化した時点においても、未だ有利区間残りゲーム数ZGが多量に残存しているとする。tc4の時点での有利区間残りゲーム数ZGを、tc1からtc4までの有利区間ゲーム数AGに加算した場合に1500を上回るとすると、当該tc4の時点で多量に残存する有利区間残りゲーム数ZGの全てが、上記のとおり消化ゲームとなる。そうすると、単に遊技の関心が大きく低下してしまうだけでなく、せっかく多量の上乗せを発生させたのにも関わらず、それがかえって注目度低下につながる要因となり得ることから、上乗せの発生に対しても関心の低下が懸念されることとなり得る。しかも、このような消化ゲームとなり得る有利区間が多量に残存すればするほど、当該消化ゲームにおいて上乗せ契機が発生する可能性は高くなるし、上乗せ契機が発生する回数も多くなり得ることとなり、無意味な上乗せ契機の発生に対して遊技者を落胆させてしまう可能性も高くなる。
そこで、本実施形態では、このような空きゲーム数FGが0以下となってゲーム数の上乗せを行ってもそれが無意味なものとなり得る状況において、遊技者を落胆させない工夫が施されている。以下、かかる構成について、空きゲーム数FGが0よりも大きい場合、すなわち上乗せ契機が無意味なものとならない場合の処理について先に説明した後、空きゲーム数FGが0以下である場合の処理について説明する。
<空きゲーム数FGが0よりも大きい場合>
図128は、チャレンジモードやアタックモードのゲーム数上乗せ抽選処理を示すフローチャートである。例えば、チャレンジモードのゲーム数上乗せ抽選処理は、上記第1特定役処理のステップS6021にて実施される(図124)。また、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選処理は、第2特定役処理におけるステップS914(図33)や、第3特定役処理のステップS1001(図34)にて実施される。いずれの場合のゲーム数上乗せ抽選処理も基本的には処理構成が同様のため、以下では、チャレンジモード中に実施される場合やアタックモード中に実施される場合等を、まとめて説明する。
ステップS6301では、上記の超過フラグがセットされているか否かを判定する。超過フラグがセットされておらず、空きゲーム数FGが0よりも大きい場合、ステップS6302に進み、今回の特定役の種類を把握する処理を行う。そして、ステップS6303にて、上乗せ抽選テーブルを取得する処理を行った後、ステップS6304にて上乗せ抽選を実行してから、ゲーム数上乗せ抽選処理を終了する。
上乗せ抽選テーブルは、図129に示すように、特定役の種類と、特定役当選時のモード(上乗せ対象となるモード)とによって、上乗せ当選率が異なるように設定されている。
チャレンジモードのゲーム数上乗せ抽選では、例えば、強チェリーの15%の確率で上乗せに当選し、弱スイカの5%の確率で上乗せに当選する。第1BBとの重複役においても上乗せに当選し得るようになっており、強チェリー重複1では5%の確率で上乗せに当選し、弱スイカ重複1では15%の確率で上乗せに当選する。つまり、同じ強チェリーや弱スイカでも第1BBとの重複の有無によって上乗せ当選確率が異なっており、重複したほうが上乗せ当選確率が高くなるものと低くなるものとが混在している。
アタックモードやVBモード中に行われるアタックモードのゲーム数上乗せ抽選では、例えば、強チェリーの15%の確率で上乗せに当選し、弱スイカの5%の確率で上乗せに当選する。一方、強チェリー重複1や弱スイカ重複1では100%の確率で上乗せに当選し、第1BBとの重複役であれば、高い確率で(いずれも100%の確率で)、アタックモードのゲーム数上乗せが発生するように設定されている。
特化ゾーン中に行われるアタックモードのゲーム数上乗せ抽選では、特定役の種類に関わらず高い確率で(100%の確率で)上乗せに当選するように設定されているとともに、特定役以外の各種押し順リプレイや各種押し順ベルによっても上乗せに当選するように設定されている。そのため、特化ゾーン用処理(図42)のフローチャートにおいては、ゲーム数上乗せ抽選処理を省略した処理構成を示している。
図128のゲーム数上乗せ抽選処理によって上乗せ当選となると、ゲーム数上乗せ抽選処理後に実施される判定処理(ステップS6022、ステップS915、ステップS1002)にて肯定判定し、上乗せゲーム数抽選処理(ステップS6024、ステップS917、ステップS1004)が行われる。なお、上乗せゲーム数抽選処理は、ボーナス終了時(図41、ステップS1512、ステップS1516)や特化ゾーン中(図42、ステップS1602)においても実施される場合があり、この場合の処理も同様の処理構成となっている。そこで、かかる上乗せゲーム数抽選処理について、図130を参照しながらまとめて説明する。
ステップS6401では、超過フラグがセットされているか否かを判定する。今回の場合(上乗せ当選する場合)には超過フラグはセットされていないため、否定判定してステップS6402へ進む。ステップS6402では、特定役の種類を把握する処理を行う。そして、ステップS6403にて、上乗せゲーム数抽選テーブルを取得する処理を行った後、ステップS6404にてゲーム数抽選を実行してから、上乗せゲーム数抽選処理を終了する。
上乗せゲーム数抽選テーブルは、図131に示すように、特定役の種類と、特定役当選時のモード(上乗せ対象となるモード)とによって、上乗せゲーム数が異なるように設定されている。
チャレンジモードの上乗せゲーム数抽選では、例えば、強チェリーでは2ゲーム~20ゲームのうちのいずれかのゲーム数の上乗せが発生し、その平均値は15ゲームとなっている。また、弱スイカでは、5ゲーム~15ゲームのうちのいずれかのゲーム数の上乗せが発生し、その平均値は6ゲームとなっており、特定役の種類によって、上乗せ平均ゲーム数だけでなく、その幅も異なり得るように設定されている。
アタックモードやVBモード中に発生するアタックモードの上乗せゲーム数抽選では、例えば、強チェリーでは20ゲーム~200ゲームのうちのいずれかのゲーム数の上乗せが発生し、その平均値は30ゲームであり、チャレンジモードにおけるそれよりも多いゲーム数の上乗せが発生し得る。また、弱スイカについても、50ゲーム~150ゲームのうちのいずれかのゲーム数の上乗せが発生し、その平均値は60ゲームとなっており、いずれの特定役においても、上乗せ平均ゲーム数やその幅に関し、チャレンジモードにおけるそれよりも多いゲーム数となり得るように設定されている。
特化ゾーン中に発生するアタックモードの上乗せゲーム数抽選では、例えば、強チェリーでは20ゲーム~200ゲームのうちのいずれかのゲーム数の上乗せが発生し、アタックモード中等に発生する場合のそれと同等の幅であるものの、その平均値は50ゲームであり、アタックモード中等に発生する場合のそれよりも多いゲーム数の上乗せが発生し得る。また、弱スイカについても、50ゲーム~150ゲームのうちのいずれかのゲーム数の上乗せが発生し、アタックモード中等に発生する場合のそれと同等の幅であるものの、その平均値は70ゲームとなっており、いずれの特定役においても、アタックモード中等に発生する場合よりも多いゲーム数が選択され易くなるように設定されている。
上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップS6025やステップS918、ステップS1005、ステップS1513、ステップS1517、ステップS1603等にて、ゲーム数上乗せ処理が行われる。いずれのゲーム数上乗せ処理についても、その処理構成は同様であるため、以下、図132を参照しながらまとめて説明する。
ステップS6501では、超過フラグがセットされているか否かを判定する。今回は超過フラグがセットされていないため、否定判定してステップS6502に進む。ステップS6502では、上記上乗せゲーム数抽選処理の処理結果に基づいて、上乗せゲーム数を把握する処理を行う。その後、ステップS6503では、対象となる継続ゲーム数に上乗せゲーム数を加算する処理を行ってから、本ゲーム数上乗せ処理を終了する。
以上の結果、チャレンジモードやアタックモードの継続ゲーム数の上乗せが発生する。既に説明した通り、上乗せが発生する場合には、補助表示部65による上乗せ演出が発生する。そして、遊技者は、当該上乗せ演出にて報知された分のゲーム数を上乗せして有利区間を実施することが可能となったことを把握する。
<空きゲーム数FGが0以下である場合>
次に、空きゲーム数FGが0以下となり、超過フラグがセットされている場合の処理について説明する。
超過フラグがセットされているため、図128のゲーム数上乗せ抽選処理では、ステップS6301にて肯定判定し、ステップS6302側の上乗せ抽選用の処理ではなく、ステップS6305に進む。つまり、超過フラグがセットされている状況で上乗せ契機となる特定役に当選しても、上乗せ抽選用の処理の実行が制限され、当該上乗せ抽選用の処理が実行されない。
ステップS6305では、今回の特定役の種類を把握する処理を行う。そして、ステップS6306にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから第1特別報知抽選テーブルを取得する処理を実行した後、ステップS6307にて第1特別報知を実行するか否かの第1特別報知抽選処理を実行する。
第1特別報知抽選テーブルは、図133に示すように、特定役の種類と、特定役当選時のモードとによって、第1特別報知を実行するという当選確率が異なるように設定されている。すなわち、第1特別報知抽選テーブルは、上乗せ抽選テーブルに相当するものであり、特定役当選時の超過フラグの有無の判定処理は、参照する抽選テーブルを上乗せ抽選テーブルと第1特別報知抽選テーブルとで異ならせる処理ともいえる。
本実施形態において、第1特別報知とは、遊技者にとって有益となり得る情報が提示される報知とされており、具体的には、本スロットマシン10に設定されている設定値を示唆する報知とされている。すなわち、超過フラグがセットされている状況では、特定役当選時に有利区間におけるゲーム数の上乗せ抽選を行わない代わりに、設定値の示唆演出としての第1特別報知を実行するか否かの抽選を行う。
第1特別報知抽選テーブルについて具体的には、アタックモード中やVBモード中の第1特別報知抽選と特化ゾーン中の第1特別報知抽選とでは、特化ゾーン中の方が高確率で第1特別報知抽選に当選し得るように各特定役における当選確率が設定されている。例えば、第1BBとの重複役ではない強チェリーについて、アタックモード中やVBモード中においては15%の確率で第1特別報知抽選に当選する一方、特化ゾーン中においては100%の確率で第1特別報知抽選に当選する。また、第1BBとの重複役ではない弱スイカについて、アタックモード中やVBモード中においては5%の確率で第1特別報知抽選に当選する一方、特化ゾーン中においては100%の確率で第1特別報知抽選に当選する。
既に説明した通り、アタックモード中やVBモード中よりも特化ゾーン中の方が上乗せ抽選に当選し易いし、アタックモード中やVBモード中の上乗せ抽選にて当選した場合よりも、特化ゾーン中の上乗せ抽選にて当選した場合の方が、より多くのゲーム数の上乗せが期待できるものとされている。第1特別報知抽選テーブルでは、かかる上乗せ抽選の当選確率の差や当選時の上乗せゲーム数の期待値に対応させて、第1特別報知抽選の当選確率が設定されており、上乗せ抽選に当選し易い抽選の代わりに実行される第1特別報知抽選ほど、また、多くのゲーム数の上乗せに期待が持てる上乗せ抽選の代わりに実行される第1特別報知抽選ほど、第1特別報知として遊技者に有益となり得る情報の提示、すなわち設定値の示唆演出が行われ易くなっている。
チャレンジモード中の第1特別報知抽選処理では、第1BBとの重複ではない強チェリーや弱チェリー等の特定役では、高確率で(100%の確率で)第1特別報知抽選に当選するように設定されている。そのため、チャレンジモード中において、超過フラグがセットされている状況で特定役に当選した場合には、高確率で(100%の確率で)設定値の示唆が発生する。一方、第1BBとの重複役である強チェリー重複1や弱チェリー重複1では、非重複の場合よりも低い確率で(30%の確率で)第1特別報知抽選に当選するように設定されている。そのため、チャレンジモード中において超過フラグがセットされている状況で特定役として、強チェリー等に入賞する停止出目が出現した場合には、第1BBとの重複でなければ高確率で設定値の示唆演出が発生し、第1BBとの重複であればそれよりも低い確率で設定値の示唆演出が発生する。
アタックモード中やVBモード中の第1特別報知抽選処理では、第1BBとの重複ではない強チェリーや弱チェリー等の特定役では、高確率で(100%の確率で)第1特別報知抽選に当選するように設定されている。そのため、これらのモード中において超過フラグがセットされている状況で特定役に当選した場合には、高確率で(100%の確率で)設定値の示唆が発生する。一方、第1BBとの重複役である強チェリー重複1や弱チェリー重複1では、非重複の場合よりも低い確率で(30%の確率で)第1特別報知抽選に当選するように設定されている。そのため、これらのモード中において超過フラグがセットされている状況で特定役として、強チェリー等に入賞する停止出目が出現した場合には、第1BBとの重複でなければ高確率で設定値の示唆演出が発生し、第1BBとの重複であればそれよりも低い確率で設定値の示唆演出が発生する。
ここで、本スロットマシン10では、チャレンジモードから一旦アタックモード等へ移行すると、アタックモードが終了しても、チャレンジモードに復帰しない構成としている(図30)。そのため、超過フラグがセットされている状況のチャレンジモード中とは、チャレンジモードがアタックモード等への移行抽選に当選せず、且つ上乗せやボーナス当選等を延々と繰り返した結果として、有利区間の上限ゲーム数に達した場合の状況が考えられ、実際にはほとんど発生し得ない状況といえる。但し、仮にかかる状況が発生した場合には、アタックモード等への移行抽選に延々と外れ続けた場合であるため、その気苦労をフォローすべく、高確率で第1特別報知を発生させる構成としている。第1BBとの重複が生じている場合の方が第1特別報知の発生率を低くしている理由は、第1BBとの重複役である場合は、少なくとも第1BB入賞による恩恵を受けることができることとのバランスを担保するためである。
上乗せ抽選との比較を行うと、第1BBとの重複の有無に着目すれば、例えば、上乗せ抽選では、アタックモード中やVBモード中において、第1BBとの重複役ではない弱チェリーでは10%の確率で当選し、第1BBとの重複役である弱チェリー重複1では100%の確率で当選し、第1BBとの重複役の方が10倍の確率で上乗せ抽選に当選する。一方、第1特別報知抽選では、アタックモード中やVBモード中において、第1BBとの重複役ではない弱チェリーでは10%の確率で当選し、第1BBとの重複役である弱チェリー重複1では30%の確率で当選し、第1BBとの重複役の方が第1特別報知抽選の当選確率が高いものの、上乗せ抽選の場合の比率よりも低い割合となっている。
また、特化ゾーン中の上乗せ抽選では、第1BBとの重複役ではない弱チェリー、第1BBとの重複役である弱チェリー重複のいずれも100%の確率で当選する。一方、特化ゾーン中の第1特別報知抽選では、第1BBとの重複役ではない弱チェリーでは100%の確率で当選し、第1BBとの重複役である弱チェリー重複1では30%の確率で当選し、第1BBとの重複役の方が当選確率が低くなっている。
つまり、上乗せ抽選においては、第1BBと重複している方が当該上乗せ抽選に当選する割合が高く、第1特別報知抽選においては、第1BBと重複して方が第1特別報知抽選に当選する割合が、上乗せ抽選の場合の割合よりも低くなるように設定されている。言い換えると、特定役入賞となる停止出目が出現した場合において、上乗せ抽選が行われる場合には、第1BBと重複している方が当該上乗せ抽選に当選していることに期待が持てるものの、上乗せ抽選が行われず第1特別報知抽選が行われる場合には、第1BBと重複している場合であっても上乗せ抽選ほど当該報知抽選の当選には期待が持てないものとなっている。
ここで、有利区間が上限ゲーム数に達することで、有利区間の強制終了処理(ステップS6105~ステップS6107)が行われる場合、表示モードや押し順報知に関する各種カウンタや各種フラグの初期化が行われる一方、遊技状態に関する情報(例えば、RT設定フラグやボーナス当選フラグ)は初期化されずに保持される。つまり、仮に強制終了処理が行われるゲームがボーナス状態中であったり、ボーナス当選フラグがセットされている持ち越し状態であった場合には、かかるボーナス状態や持ち越し状態は消去されずに、保持される。既に説明した通り、ボーナス状態においては、押し順報知の有無に関わらず、高確率でボーナス中小役1~ボーナス中小役3に当選し、メダルの増加が見込める。つまり、ボーナス状態中に強制終了処理が行われた場合、当該ボーナス終了後にアタックモード等へ復帰しないものの、ボーナス状態中のメダル獲得期待値には影響がない。
そうすると、超過フラグがセットされている状況で第1BBとの重複役に当選した場合には、上乗せ抽選は行われないものの、少なくとも第1BB入賞に基づく恩恵は享受することが可能であることからして、第1BBと非重複である場合よりも、遊技者にとっては好ましい結果といえる。そこで、本実施形態では、第1BBとの重複役であれば、第1特別報知抽選の当選確率を低く設定し、第1BB入賞による恩恵とのバランスを担保している。
ステップS6307にて第1特別報知抽選を実行した後は、ステップS6308にて当該第1特別報知抽選に当選したか否かの判定を行う。報知抽選に当選している場合には、ステップS6309にて第1特別報知実行用コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行い、報知抽選に当選していない場合には、ステップS6310にて第1特別報知非実行用コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行う。第1特別報知実行用コマンドは、第1特別報知抽選が行われたこと及びかかる報知抽選に当選したことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、第1特別報知非実行用コマンドは、第1特別報知抽選が行われたこと及びかかる報知抽選に非当選であったことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。ステップS6309又はステップS6310の処理を実行した後は、本ゲーム数上乗せ抽選処理を終了する。
ここで、ゲーム数上乗せ抽選処理において、超過フラグがセットされていることにより第1特別報知用の各処理が行われた場合、その後の上乗せ当選か否かの判定処理(ステップS6022、ステップS915、ステップS1002等)では、肯定判定する構成とする。より詳しくは、上記上乗せ当選か否かの判定処理では、上乗せ抽選に当選した場合及び超過フラグがセットされている場合に肯定判定する構成とする。
そして、超過フラグがセットされている場合、図130の上乗せゲーム数抽選処理のステップS6401では肯定判定することとなり、上乗せゲーム数の抽選等を行わないで、上乗せゲーム数抽選処理を終了する。また、図132のゲーム数上乗せ処理においても、ステップS6501にて肯定判定し、ゲーム数の加算処理等を行わないで、ゲーム数上乗せ処理を終了する。すなわち、空きゲーム数FGが0以下であり超過フラグがセットされている場合には、上乗せゲーム数抽選処理やゲーム数上乗せ処理では、実質的に処理を行わない。
一方、これら実質的な処理を行わない上乗せゲーム数抽選処理やゲーム数上乗せ処理の後に実施される、上乗せコマンドのセット処理(ステップS6026、ステップS919、ステップS1006、ステップS1514、ステップS1518、ステップS1604)では、超過フラグの有無に関わらず、上乗せコマンドをセットする処理を行う。このようにすることで、超過フラグがセットされている状況でも、表示制御装置81側における開始時演出設定処理(図45)のステップS1906にて肯定判定し、上乗せ演出の設定処理が起動されることとなる。
<上乗せ演出の設定処理>
次に、上記第1特別報知実行用コマンドや第1特別報知非実行用コマンドを受信した場合の、表示制御装置81の処理について、図134を参照しながら説明する。既に説明した通り、上乗せ演出の設定処理は、開始時演出設定処理(図45)のステップS1907にて実施される処理である。
ステップS6601では、第1特別報知実行用コマンド及び第1特別報知非実行用コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。いずれのコマンドも受信していない場合とは、主制御装置101において超過フラグがセットされることなく、上乗せコマンドだけを受信している場合である。この場合、ステップS6602に進み、受信している上乗せコマンドに基づいて、上乗せゲーム数を把握する処理を行う。ステップS6602~ステップS6608の処理は、上記ステップS2101~ステップS2107の処理と同様である。
この場合、例えば、アタックモード中等において特定役に当選すると、図136(a)に示すように、チャンス報知演出が発生し、今回のゲームが上乗せ契機となる遊技結果であること、及び、目押し操作によってかかる遊技結果入賞を成立させることが促される。そして、図136(b)に示すように、今回の上乗せゲーム数に対応する上乗せ報知演出が発生し、アタックモード等の継続ゲーム数の上乗せが発生したことを把握することが可能となる。
ステップS6601にて、いずれかの第1特別報知コマンドを受信していると判定した場合、ステップS6609に進む。ステップS6609では、第1特別報知設定処理を行う。第1特別報知設定処理を行った後は、上乗せ演出の設定処理を終了する。
第1特別報知設定処理では、図135のフローチャートに示すように、ステップS6701にて今回受信した第1特別報知コマンドが、第1特別報知実行用コマンドであるか否かを判定する。第1特別報知実行用コマンドではなく第1特別報知非実行用コマンドである場合には、そのまま第1特別報知設定処理を終了する。すなわち、本実施形態において第1特別報知非実行用コマンドは、上乗せ契機が発生したこと、及び当該上乗せ契機が発生したものの上乗せ演出も第1特別報知も行わないことを、表示制御装置81へ把握させるためのコマンドともいえる。
ステップS6701にて第1特別報知実行用コマンドであると判定した場合、ステップS6702に進み、現状の設定値を把握する処理を実行する。なお、主制御装置101のメイン処理において当選確率の設定処理が行われた場合には、対応する設定値の情報を含む設定値コマンドが主制御装置101から表示制御装置81へ出力される。表示制御装置81ではかかる設定値コマンドを所定のエリアに記憶することで、現状の設定値を把握することが可能となっている。
ステップS6703では、第1特別報知種類抽選処理を実行する。第1特別報知種類抽選処理は第1特別報知の種類を抽選する処理であり、図137(a)に示す第1特別報知Aと、図137(b)に示す第1特別報知Bとのいずれの第1特別報知を実行するかを抽選により決定する処理である。第1特別報知Aでは、補助表示部65において、例えば、メインキャラクタである軍人の画像が表示され、より詳しくは当該軍人が武器を構えた画像が表示される。また、第1特別報知Aでは、今回の遊技結果の種類に対応する当選役対応キャラクタの画像が表示される。そして、第1特別報知Aが行われる場合、その効果音として、スピーカ64から、例えば、男性の野太い声により「俺は勝って生き残る!!」というセリフが発せられる。第1特別報知Bでは、補助表示部65において、例えば、メインキャラタが武器を片手に雄叫びを挙げている画像が表示される。また、第1特別報知Bでは、当選役対応キャラクタの画像が表示される。そして、第1特別報知Bが行われる場合、その効果音として、スピーカ64から、例えば、「うおおおお!」という男性の雄叫びが発せられる。つまり、第1特別報知Aと第1特別報知Bとは、補助表示部65の表示内容及びスピーカ64からの効果音によって、遊技者がその違いを明確に把握可能とされている。
第1特別報知Aと第1特別報知Bとのいずれが選択されるかは、設定値によってその確率が異なっている。具体的には、例えば、図137(c)に示すように、設定値が「1」であれば、100%の確率で第1特別報知Aが選択され第1特別報知Bは選択されない。また、設定値が「2」であれば、75%の確率で第1特別報知Aが選択され25%の確率で第1特別報知Bが選択される。設定値が「3」であれば、第1特別報知Aと第1特別報知Bとはいずれも50%の確率で選択される。設定値が「4」であれば、25%の確率で第1特別報知Aが選択され75%の確率で第1特別報知Bが選択される。設定値が「5」又は「6」であれば、100%の確率で第1特別報知Bが選択され第1特別報知Aは選択されない。
すなわち、上記例の第1特別報知種類テーブルにおいては、第1特別報知Aが行われると設定値が低い可能性が高くなり、第1特別報知Bが行われると設定値が高い可能性が高くなる。より詳しくは、第1特別報知Bが行われることにより、設定値が「2」以上であることが確定し、第1特別報知Aが行われることにより、設定値が「4」以下であることが確定する。
このように、特定役当選時に実行され得る第1特別報知の種類から、現状の設定値を予測することが可能となる。また、設定値が「2」から「4」であれば、第1特別報知を複数回発生させた場合の第1特別報知Aと第1特別報知Bの割合から、「2」~「4」のいずれであるかの絞り込みも可能となる。
ステップS6703にて第1特別報知種類抽選処理を行った後は、ステップS6704にて、上記抽選処理の結果が第1特別報知Aであったか否かを判定し、第1特別報知Aであれば、ステップS6705にて第1特別報知Aを実行するように補助表示部65やスピーカ64を制御してから、第1特別報知設定処理を終了する。また、ステップS6704にて第1特別報知Aではないと判定した場合、ステップS6706にて第1特別報知Bを実行するように補助表示部65やスピーカ64を制御してから、第1特別報知設定処理を終了する。
図138は、図127の例において有利区間の残りゲーム数ZGの消化中に特定役当選となった場合の報知内容の相違を示している。
すなわち、図138(a)に示すように、空きゲーム数FGが0よりも大きい場合、残りゲーム数ZGの消化中に特定役当選となった場合、上乗せ抽選が実行される。そして、当該上乗せ抽選に当選すると、上乗せゲーム数の抽選が行われ、対応するゲーム数の上乗せが行われるとともに、対応するゲーム数の上乗せ報知演出が発生する。
ここで、空きゲーム数FGが0よりも大きい状況においては、上乗せ抽選の抽選テーブルや上乗せゲーム数の抽選テーブルは、空きゲーム数FGの値の大小に関わらず共通のテーブルを使用する構成としている。つまり、空きゲーム数FGが0よりも大きい状況であれば、例えば、特定役として強チェリー重複1に当選すると100%の確率で上乗せ抽選に当選する(図129)。そして、空きゲーム数FGの値に関わらず、10G~200Gの上乗せ(平均30G)の上乗せゲーム数の抽選が行われ、抽選結果に応じた上乗せが発生する(図131)。そのため、空きゲーム数FGよりも大きいゲーム数の上乗せが発生し得るものとなっており、例えば、空きゲーム数FGが5であるのにも関わらず、演出上、200ゲームの上乗せ演出が発生し得る。
このようにすることで、上乗せ抽選に関する構成の簡素化が図られるだけでなく、以下の効果も期待できる。すなわち、有利区間の上限が規定されることを前提とすると、空きゲーム数FGが少なくなるにつれて、上乗せ抽選契機となる特定役に当選しても、上乗せゲーム数に関心が寄せられなくなる可能性が高い。その一方で、有利区間の上限を超える上乗せが発生することにより、すなわち、空きゲーム数FGが0以下となることにより、遊技者にとって有益な情報が提示され得ることを前提とすると、空きゲーム数FGが0以下となることは、空きゲーム数FGが0付近である状況においてはむしろ好ましいものといえる。しかも、上記のように有利区間の上限を超えることが、遊技者にとって好ましいことという印象付けがなされていれば、有利区間の上限を大きく超える上乗せが発生したほうがギリギリ上限を超える場合よりも、有利な事象が生じるのではと期待させ易いものと考えられる。そこで、上記のように、空きゲーム数FGが0より大きければその値に関わらず上乗せゲーム数を決定する構成とすることで、上限を超える際の上乗せゲーム数の大小によって実際に有利不利を異ならせることなく、遊技者が感じ得る印象を利用して、あたかも有利不利に影響があるかのような遊技性を実現することが可能となる。
図138(b)に示すように、空きゲーム数FGが0以下となった状況において、残りゲーム数ZGの消化中に特定役当選となった場合、第1特別報知が実行され得る。この場合、第1特別報知の種類によって、設定値の絞り込みが可能となるようにしていることから、当該消化中の特定役当選を、所謂引き損である印象を与えることなく好ましいものとし、有利区間の終了後に遊技を継続させる動機付け乃至継続するか否かの判断材料とすることが可能となる。
図138(c)のように、特化ゾーン等で多量の上乗せが発生する等して、有利区間の早々に空きゲーム数FGが0以下となった場合、残りゲーム数ZGの消化は長時間にわたって行われることとなり得る。その点、第1特別報知種類テーブルにおいては、複数回の第1特別報知の発生によって設定値の絞り込みが可能となるようにしていることから、設定値の絞り込みを行う遊技自体も早々に終了してしまう事象の発生が抑制されている。そのため、図138(c)のように、残りゲーム数ZGの消化に長時間要する場合であっても、遊技を飽きさせないようにすることが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
有利区間の空きゲーム数FGが0以下となった状況で上乗せ契機役として特定役当選した場合、有利区間のゲーム数の上乗せを行う代わりに、設定値の示唆演出としての第1特別報知を実行し得る構成とした。このようにすることで、特定役当選に基づく上乗せが発生しても無意味となり得ることに対する救済とすることができ、空きゲーム数FGが0以下となった状況において消化ゲームとされ得るゲームへの関心が低下してしまうことを回避することができる。
特に、空きゲーム数FGが0以下となった状況において、特定役当選となった場合、有利区間の強制終了を待たずに、有利区間中において、当該特定役当選の度に、その都度、第1特別報知を実行可能としたことにより、所謂消化ゲームとなり得る各ゲームの抽選結果、特に特定役となることに対する意義を担保することができ、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
有利区間の空きゲーム数FGが0以下となった状況で上乗せ契機役としての特定役に当選した場合、設定値の示唆演出を行う構成において、既に説明したとおり、当該上乗せ契機役としての特定役の当選確率は、設定値に関わらず共通しているし、当該特定役当選時の上乗せ抽選の当選確率や上乗せゲーム数についても、設定値に関わらず共通している。つまり、設定値の示唆演出が発生する契機となる特定役は、その当選確率が設定値に関わらず共通しており、示唆演出発生のチャンスは設定値に関わらず平等に発生する。そのため、例えば、設定値の示唆演出の発生確率自体が設定値によって異なり、低設定では発生確率が低くなるような構成と比較して、低設定であるがために示唆演出すら楽しめない、といった事象が生じにくく、設定値の示唆演出、すなわち第1特別報知を楽しませるチャンスを、設定値に関わらず平等に提供することが可能となる。
この場合において、上乗せ抽選の当選確率が高い特定役ほど、設定値の示唆演出の発生確率も高くなるようにしたことにより、ゲーム数の上乗せの代わりとして示唆演出が発生することを理解させ易いし、示唆演出が発生し易いことを上乗せ抽選の確率から容易に予測可能とし、示唆演出の発生に対して心の準備をさせることによって、当該示唆演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、空きゲーム数FGが0以下となっている状況で生じる有利区間中のモード移行抽選について説明する。有利区間中のモード移行抽選とは、チャレンジモード中のアタックモード(スーパーアタックモード)移行抽選や、アタックモード中のVBモード移行抽選や、VBモード中の特化ゾーン移行抽選等があげられる。アタックモードへの移行抽選に当選すると初期ゲーム数を50ゲームとするアタックモードに移行することからして、かかるアタックモードへの移行抽選に当選するということは、有利区間の50ゲームの上乗せが行われるともいえる。また、VBモードへの移行抽選に当選すると初期ゲーム数を60ゲームとするVBモードに移行することからして、かかるVBモードへの移行抽選に当選するということは、有利区間の60ゲームの上乗せが行われるともいえる。そして、特化ゾーンへの移行抽選に当選すると5ゲームの特化ゾーンに移行することからして、かかる特化ゾーンへの移行抽選に当選するということは、有利区間の5ゲームの上乗せが行われるともいえる。
すなわち、これら各モード移行抽選に当選した場合においても、有利区間の残りゲーム数ZGが上乗せされることとなり、空きゲーム数FGが0以下である状況で当該モード移行抽選に当選しても、遊技者にとって無意味なものとなり得る。そこで、本変形例では、かかるモード移行抽選に当選した場合についても、特別報知を実行可能とする。
図139は、本変形例におけるチャレンジモード、アタックモード、VBモードの抽選処理を示すフローチャートである。チャレンジモード抽選処理は、第1特定役処理(図124)におけるステップS6014にて実施される処理であり、アタックモード抽選処理は、第1特定役処理(図124)におけるステップS6004にて実施される処理であり、VBモード抽選処理は、第2特定役処理(図33)におけるステップS903にて実施される処理である。これらの処理は、いずれも処理構成が概ね共通しているため、以下ではまとめて説明する。
すなわち、これらモード抽選処理において、ステップS6801では、特定役の種類を把握し、ステップS6802にて各種テーブル記憶エリア105aからモード抽選テーブルを取得する処理を実行する。そして、ステップS6803にて、モード移行抽選を行う。
モード抽選テーブルは、図141に示すように、現状の表示モードと、抽選契機となる特定役の種類とによって、各モード移行抽選に当選する確率が異なるように設定されている。例えば、チャレンジモード中においてアタックモードへの移行抽選に当選する確率は、強チェリーでは90%の確率で当選する一方、弱チェリーでは30%の確率で当選し、強チェリーの方が弱チェリーよりも移行抽選に当選する確率が高い。一方、同様のチャレンジモード中におけるアタックモードへの移行抽選に当選する確率として、第1BBとの重複役である強チェリー重複1では30%の確率で当選する一方、弱チェリー重複1では40%の確率で当選し、強チェリー重複1よりも弱チェリー重複1の方が移行抽選に当選する確率が高い。
アタックモード中においてVBモードへの移行抽選に当選する確率は、アタックモードのランクによって異なる。例えば、強チェリーに基づくVBモードへの移行抽選では、アタックモードのランクが1であれば15%の確率で当選し、アタックモードのランクが4であれば60%の確率で当選し、ランクが高くなるほどVBモードへの移行抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。一方、VBモードへの移行抽選においては、第1BBとの重複役である各特定役では、いずれも移行抽選に当選しにくい(当選しない)ように当選確率が設定されている。但し、上乗せ抽選には非重複の場合よりも重複の場合の方が当選し易いように設定されており(図129)、特定役に対応する停止出目が出現した場合、第1BBプラス上乗せという恩恵か、VBモードという恩恵か、のいずれの恩恵を享受できるかを楽しみにしながら遊技を行うことが可能となっている。
図139の各種モード抽選処理において、ステップS6803にてモード移行抽選を行った後は、ステップS6804にて超過フラグがセットされているか否かを判定する。超過フラグがセットされていない場合には、そのまま当該モード抽選処理を終了する。一方、超過フラグがセットされている場合には、ステップS6805に進む。
ステップS6805では、特定役の種類を把握する処理を実行する。そして、ステップS6806にて第2特別報知抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップS6807にて第2特別報知抽選処理を実行する。
第2特別報知抽選テーブルは、図142に示す通り、チャレンジモード中のアタックモード移行抽選の代わりとして行われる第2特別報知抽選では、高確率(100%の確率)で第2特別報知の実行抽選に当選するように設定されている。既に説明した通り、空きゲーム数FGが0以下である状況でのチャレンジモードとは、チャレンジモード中にアタックモード等に当選することなく、当該チャレンジモードが延々と継続した場合であり、現実的にはほとんど発生し得ない状況である。そのため、仮にそのような状況が生じた場合には、それまでの気苦労の対価として、すなわち当該気苦労をねぎらうように、第2特別報知を高確率で発生させるようにしている。
一方、アタックモード中のVBモード移行抽選の代わりとして行われる第2特別報知抽選では、特定役の種類によって第2特別報知の実行抽選の当選確率が異なるように設定されている。既に説明した通り、超過フラグがセットされているアタックモード中の状況において特定役に当選すると、上乗せ抽選の代わりとして第1特別報知の実行抽選が行われる。つまり、当該超過フラグがセットされているアタックモード中の状況において特定役に当選すると、第1特別報知の実行抽選とともに、第2特別報知の実行抽選が行われる。各モード移行抽選と上乗せ抽選とは、モード移行抽選が先に実施され、その後上乗せ抽選が実施される処理体系とされており、第2特別報知の実行抽選が第1特別報知の実行抽選よりも先に行われる。そして、本変形例では、図による詳細な説明は省略するが、第2特別報知の実行抽選に当選すると、第1特別報知の実行抽選には当選しない構成としている。つまり、第1特別報知と第2特別報知とが、同じゲームにて重複して実行されないようになっている。
アタックモードからVBモードへの移行抽選の代わりとして実行される第2特別報知抽選では、第1特別報知抽選における当選確率と同じ確率にて第2特別報知抽選に当選するように設定されている(図133)。つまり、本変形例では、アタックモード中に特定役に当選すると、第2特別報知の実行抽選が行われるとともに、第1特別報知の実行抽選が行われ、その当選確率はいずれの実行抽選においても共通している。そのため、両実行抽選において抽選テーブルの共用も可能であり、構成の簡素化が図られている。
この場合、いずれの特定役においても、当選確率が50%を超えないように設定されており、いずれも30%以下の当選確率とされている。そのため、第2特別報知の実行抽選にて当選せず、且つ第1特別報知の実行抽選にて当選しない事象が特定役当選時の約半数(49%)で発生する。このように特別報知の発生確率を抑えることで、両特別報知が行われ得る構成において特別報知の希少性を担保することができ、特別報知が発生した場合の注目度を好適に高めることが可能となる。
各種モード抽選処理においてステップS6807にて第2特別報知抽選を実行した後は、ステップS6808にて報知抽選に当選したか否かの判定を行う。報知抽選に当選している場合には、ステップS6809にて第2特別報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、モード抽選処理を終了する。一方、ステップS6808にて報知抽選に当選していないと判定した場合には、そのまま本モード抽選処理を終了する。第2特別報知コマンドを受信した場合の表示制御装置81の処理については、後に説明する。
次に、VBモード中の特化ゾーン抽選に関し、図140を参照しながら説明する。図140は、入賞結果対応処理の一部を示している。
既に説明した通り、VBモードは基本的には第3RT状態にて実行され、各ゲームの抽選処理は第3RT状態用抽選テーブル(図25)を参照して行われる。そして、特化ゾーンへはBARリプレイ1(IV=11)に当選した場合の5%の確率で入賞する第7再遊技入賞に基づいて移行する。つまり、BARリプレイ1当選を、特化ゾーンへの移行抽選の契機役とすると、当該BARリプレイ1を契機とする特化ゾーン移行抽選の当選確率は5%となっており、他の遊技結果(他の特定役)を契機としては、特化ゾーン移行抽選に当選しない(図142)。
入賞結果対応処理において、ステップS1310にて否定判定した場合、ステップS6901にて第7再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第7再遊技入賞が成立した場合、ステップS6902にてVB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の第7再遊技入賞がVBモード中に生じたものか否かを判定する。VBモード中の第7再遊技入賞であれば、特化ゾーンへの移行条件が成立したとして、ステップS6903に進む。ステップS6901又はステップS6902にて否定判定した場合には、特化ゾーンへの移行条件が成立していないとして、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
ステップS6903では、特化ゾーンフラグをセットする処理を実行し、ステップS6904にて特化ゾーン開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、ステップS6905にて特化ゾーン継続数のカウントを開始する。ステップS6903~ステップS6905の処理は、ステップS1318~ステップS1320の処理と同様である。
続くステップS6906では、超過フラグがセットされているか否かの判定を行う。超過フラグがセットされていなければ、そのまま入賞結果対応処理を終了する。一方、超過フラグがセットされていると判定した場合は、ステップS6907に進む。ステップS6907では、第2特別報知抽選テーブルを取得する処理を実行し、続くステップS6908にて第2特別報知抽選を実行する。
VBモード中の特化ゾーンへの移行抽選の代わりに実行される第2特別報知抽選では、図142に示すように第2特別報知抽選テーブルにおいて、第7再遊技入賞時の100%の確率で第2特別報知が実行されるように当選確率が定められている。また、当該特化ゾーンの代わりに実行される第2特別報知抽選においては、他の遊技結果(他の特定役)では第2特別報知が実行されないように当選確率が定められている。つまり、第2特別報知の実行条件は、特化ゾーンへの移行条件と同等のものとして定められている。
ステップS6908の第2特別報知抽選を実行した後は、ステップS6909にて報知抽選に当選したか否かの判定を行う。報知抽選に当選している場合には、ステップS6910にて第2特別報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行った後、入賞結果対応処理を終了する。また、報知抽選に当選していないと判定した場合は、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
第2特別報知コマンドを受信した場合の表示制御装置81の第2特別報知設定処理について、図143を参照しながら説明する。第2特別報知設定処理は、表示制御装置81における演出設定処理(図43)のその他の処理(ステップS1711)のうちの一処理として実行される。
先ず、ステップS7001では、第2特別報知コマンドを受信したか否かを判定する。受信していない場合には、そのまま本第2特別報知設定処理を終了する。受信している場合には、ステップS7002に進み、第2特別報知カウンタTHに1を加算する処理を行う。第2特別報知カウンタTHは、第2特別報知が行われた回数を把握するためのカウンタである。続くステップS7003では、設定値を把握する処理を行う。そして、ステップS7004にて第2特別報知種類テーブルを取得する処理を実行した後、ステップS7005にて第2特別報知種類抽選処理を実行する。
第2特別報知種類テーブルでは、第2特別報知カウンタTHの値と、設定値とによって第2特別報知の種類が異なるように設定されている。具体的には、第2特別報知としては、図144(a)に示す第2特別報知Aと、図144(b)に示す第2特別報知Bとが設けられている。第2特別報知Aは、例えば、補助表示部65にて蛇のハブのキャラクタが表示されるとともに、その効果音としてスピーカ64から「シャー!」という蛇が舌を出した際の音が発せられる。第2特別報知Bは、例えば、補助表示部65にてマングースのキャラクタが表示されるとともに、その効果音としてスピーカ64から「ウキャー」とマングースの鳴き声が発せられる。つまり、第2特別報知Aと第2特別報知Bとは、補助表示部65の表示内容及びスピーカ64からの効果音によって、遊技者がその違いを明確に把握可能とされている。
第2特別報知種類テーブルは、図144(c)に示すように、設定値1,3,5と設定値2,4,6とで、選択される第2特別報知が異なるように設定されている。具体的には、第2特別報知カウンタTHが1であれば、設定値1,3,5では第2特別報知Aが60%で選択され、第2特別報知Bが40%で選択される。一方、第2特別報知カウンタTHが1であっても、設定値2,4,6では第2別報知Aが40%で選択され、第2特別報知Bが60%で選択される。第2特別報知カウンタTHが2~5であれば、設定値1,3,5では第2特別報知Aが80%で選択され、第2特別報知Bが20%で選択される。一方、第2特別報知カウンタTHが2~5であっても、設定値2,4,6では第2別報知Aが20%で選択され、第2特別報知Bが80%で選択される。そして、第2特別報知カウンタTHが6以上であれば、設定値1,3,5では第2特別報知Aが100%で選択され、第2特別報知Bは選択されない。一方、第2特別報知カウンタTHが6以上である場合、設定値2,4,6では第2別報知Bが100%で選択され、第2特別報知Aは選択され得ない。
つまり、第2特別報知は、その種類によって設定値の偶数/奇数の絞り込みが行えるようになっており、第2特別報知カウンタTHの値が大きくなるほど、すなわち、第2特別報知の実行回数が増えるほど、その偶数/奇数の絞り込み易さが向上する。
既に説明した通り、第2特別報知の実行抽選と第1特別報知の実行抽選とが重複して行われ得る構成において、第2特別報知の実行抽選にて当選した場合には第1特別報知の実行抽選に当選しない構成としている。つまり、第2特別報知の方が第1特別報知よりも実行され易い。
これは、第2特別報知が設定値の偶数/奇数の絞り込みが行うことが可能な設定値示唆である一方、第1特別報知が設定値の高低の絞り込みを行うことが可能な設定値示唆であることと、第2特別報知が複数回の実行によってその絞り込みが可能となる設定値示唆である一方、第1特別報知は1回の実行によって絞り込みが可能となる場合がある設定値示唆である、といった相違によるものである。すなわち、上記のような相違から第2特別報知の方が、設定値の絞り込みを徐々に行うことが可能であり、設定値の絞り込みを行う遊技を長く楽しむことが可能となっており、かかる第2特別報知を優先して実行する構成とすれば、当該絞り込みを行う遊技を好適に実現することができるようになる。
ステップS7005にて第2特別報知種類抽選処理を実行した後は、ステップS7006に進み、当該種類抽選処理の結果が第2特別報知Aであったか否かを判定する。第2特別報知Aであれば、ステップS7007にて第2特別報知Aが行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御してから、第2特別報知設定処理を終了する。第2特別報知Aではなければ、ステップS7008にて第2特別報知Bが行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御してから、第2特別報知設定処理を終了する。
以上のように、ゲーム数の上乗せではなくても、モード移行抽選についても、その抽選の結果としてモード移行することが有利区間の継続ゲーム数に影響を与えないものとなり得るものである場合には、設定値示唆としての第2特別報知を行う構成とすれば、超過フラグがセットされている状況で当該モード移行抽選が行われることに対する代償とすることが可能となる。
モード移行抽選が行われる場合に、モード移行抽選の代わりに第2特別報知を行う構成ではなく、モード移行抽選とともに第2特別報知を実行する構成としたことにより、例えば、超過フラグがセットされている状況において、VBモードへの移行は発生し得るし、特化ゾーンへの移行も発生し得る。特に、特化ゾーンは、上乗せ抽選に当選し易いゾーンであるところ、超過フラグがセットされている状況においては、第1特別報知が実行され易いゾーンともいえる。つまり、特に特化ゾーンに関し、その移行抽選の代わりとして第設定値示唆を行うのではなく、移行抽選とともに設定値示唆を行う構成とすることで、設定値示唆を行い易いゾーンへの移行を許容しつつ、当該特化ゾーンへの移行に伴うゲーム数の上乗せ(5ゲームの上乗せ)の代償としての設定値示唆を行う構成とすることができる。
第2特別報知を、その実行回数によって設定値の絞り込みの行い易さが異なる設定値示唆としたことにより、超過フラグが早期にセットされた場合の方が、当該設定値の絞り込みが行い易くなる。このようにすることで、比較的早期に空きゲーム数FGが0以下となった場合の楽しみを提供することができる。
<変形例2>
本変形例では、超過フラグがセットされている状況で生じた上乗せ契機に基づいて、上乗せゲーム数に相当する値を所定のエリアに記憶する。先ず、ゲーム数上乗せ抽選処理や上乗せゲーム数抽選処理の変更点について、図145を参照ながら説明する。
本変形例におけるゲーム数上乗せ抽選処理では、図145(a)に示すように、ステップS7101にて特定役の種類を把握する処理を実行し、ステップS7102にて上乗せ抽選テーブルを取得し、ステップS7103にて上乗せ抽選を実行してから、本ゲーム数上乗せ抽選処理を終了する。すなわち、本変形例では、超過フラグの有無に関わらず、上乗せ抽選を実行する構成としている。
また、本変形例における上乗せゲーム数抽選処理では、図145(b)に示すように、ステップS7111にて特定役の種類を把握する処理を実行し、ステップS7112にて上乗せゲーム数抽選テーブルを取得し、ステップS7113にてゲーム数抽選を実行してから、本上乗せゲーム数抽選処理を終了する。すなわち、本変形例では、上乗せゲーム数の抽選に関しても、超過フラグの有無に関わらず実行する構成としている。
本変形例におけるゲーム数上乗せ処理について、図146を参照しながら説明する。
先ずステップS7201では、超過フラグがセットされているか否かを判定する。超過フラグがセットされている場合には、ステップS7202及びステップS7203にて上乗せゲーム数の加算処理を行ってから、本ゲーム数上乗せ処理を終了する。これらステップS7202やステップS7203は、ステップS6502やステップS6503と同様の処理である。
ステップS7201にて超過フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS7204に進む。ステップS7204では、上乗せゲーム数抽選処理の処理結果を把握する処理、すなわち、上乗せゲーム数を把握する処理を行う。そして、ステップS7205では、各種カウンタエリア106eに設けられた消滅ゲーム数EGに、上記ステップS7204にて把握した上乗せゲーム数を加算する処理を行う。ステップS7205の処理を実行した後は、本ゲーム数上乗せ処理を終了する。
すなわち、本変形例においては、有利区間の空きゲーム数FGが0以下であって超過フラグがセットされている状況で上乗せ契機が生じた場合であっても、上乗せを実行するか否かの抽選や上乗せを実行する場合のゲーム数抽選を行う。そして、ゲーム数抽選の結果を、有利区間の対応する継続数に加算するのではなく、別途設けられた消滅ゲーム数EGに加算する。
次に、本変形例における上乗せコマンドのセット処理について、図147を参照しながら説明する。上乗せコマンドのセット処理は、第1特定役処理(図124)のステップS6026、第2特定役処理(図33)のステップS919、第3特定役処理(図34)のステップS1006、終了判定処理(図41)のステップS1514、ステップS1518や、特化ゾーン用処理(図42)のステップS1604等で実施される処理である。
ステップS7301では、超過フラグがセットされているか否かを判定する。超過フラグがセットされていない場合には、ステップS7302にて対象となる上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、上乗せコマンドのセット処理を終了する。この場合、表示制御装置81にて上乗せ報知演出が実施される。
ステップS7301にて超過フラグがセットされていると判定した場合、ステップS7303に進み、上記消滅ゲーム数EGを把握する処理を実行する。そして、ステップS7304にて第3特別報知抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップS7305にて第3特別報知抽選を実行する。
第3特別報知抽選テーブルは、図148(a)に示すように、消滅ゲーム数EGの値に応じて第3特別報知抽選の当選確率が異なるように設定されており、消滅ゲーム数EGの値が大きいほど当選し易くなるように設定されている。より詳しくは、消滅ゲーム数EGが0である場合、すなわち、今回のゲーム数上乗せ抽選にて上乗せ当選していない場合には、第3特別報知抽選に当選しない。消滅ゲーム数EGが1~50である場合、すなわち、今回の上乗せゲーム数として1ゲーム~50ゲームのゲーム数が選択されている場合、10%の確率で第3特別報知抽選に当選する。消滅ゲーム数EGが51~100であり、今回の上乗せゲーム数として51ゲーム~100ゲームのゲーム数が選択されている場合、30%の確率で第3特別報知抽選に当選する。消滅ゲーム数EGが101~200であり、今回の上乗せゲーム数として101ゲーム~200ゲームのゲーム数が選択されている場合、50%の確率で第3特別報知抽選に当選する。消滅ゲーム数EGが201以上であり、今回の上乗せゲーム数として201ゲーム以上のゲーム数が選択されている場合、80%の確率で第3特別報知抽選に当選する。すなわち、多いゲーム数の上乗せが発生するはずであった場合ほど、第3特別報知抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップS7305にて第3特別報知抽選を実行した後は、ステップS7306にて当該報知抽選に当選したか否かの判定を行う。当選している場合には、ステップS7307にて第3特別報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。ステップS7306にて否定判定した場合、又はステップS7307の処理を実行した後は、ステップS7308にて消滅ゲーム数EGを初期値(0)にクリアする処理を行ってから、上乗せコマンドのセット処理を終了する。
表示制御装置81では、第3特別報知コマンドを受信したことに基づいて、第3特別報知を実行するための処理を行う。かかる処理の処理構成は、上記第1特別報知設定処理や第2特別報知設定処理と概ね同様であるため、図は省略するが、設定値を把握するとともに、第3特別報知種類テーブルを取得し、第3特別報知種類抽選を行ったうえで、対応する種類の第3特別報知を実行するように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。
第3特別報知の種類としては、例えば、第3特別報知A、第3特別報知B、第3特別報知C、第3特別報知D、第3特別報知E及び第3特別報知Fが設定されており、互いに補助表示部65の表示内容及びスピーカ64の効果音の少なくともいずれかが異なるように設定されており、いずれの種類の第3特別報知かを遊技者が把握可能となっている。
第3特別報知種類テーブルでは、図148(b)に示すように、設定値によって選択される第3特別報知の種類が異なるように設定されている。例えば、設定値が1であれば、第3特別報知Aが100%の確率で選択され、他の第3特別報知B~第3特別報知Fは選択されない。設定値が2であれば、第3特別報知Bは60%の確率で選択され、第3特別報知Cは40%の確率で選択され、その他の第3特別報知は選択されない。設定値が3であれば、第3特別報知Aは55%の確率で選択され、第3特別報知Cは45%の確率で選択され、その他の第3特別報知は選択されない。設定値が4であれば、第3特別報知Bは50%の確率で選択され、第3特別報知Cは45%の確率で選択され、第3特別報知Dは5%の確率で選択され、その他の第3特別報知は選択されない。設定値が5であれば、第3特別報知Aは45%の確率で選択され、第3特別報知Cは45%の確率で選択され、第3特別報知Dは8%の確率で選択され、第3特別報知Eは2%の確率で選択され、その他の第3特別報知は選択されない。設定値が6であれば、第3特別報知Bは40%の確率で選択され、第3特別報知Cは45%の確率で選択され、第3特別報知Dは11%の確率で選択され、第3特別報知Eは1%の確率で選択され、第3特別報知Fは3%の確率で選択され、第3特別報知Aは選択されない。
すなわち、第3特別報知Aが選択されると、設定値が1,3,5のいずれかであることが確定し、第3特別報知Bが選択されると、設定値が2,4,6のいずれかであることが確定する。また、第3特別報知Cが選択されると設定値が2以上であることが確定し、第3特別報知Dが選択されると設定値が4以上であることが確定し、同様に、第3特別報知Eでは設定値が5以上であること、第3特別報知Fでは設定値が6であることが確定する。そのため、第3特別報知の種類の組み合わせによって、設定値の絞り込みが可能となる。
以上のように、上乗せされるはずであったゲーム数を消滅ゲーム数EGに一時記憶したうえで、当該消滅ゲーム数EGの値に応じて第3特別報知の実行抽選を行う構成としたことにより、遊技者が得られるはずであった特典(ゲーム数)との損益を第3特別報知の実行され易さによって調整することが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、変形例2において、消滅ゲーム数EGの値とともに設定値に基づいて第3特別報知抽選を行う。図149は、本変形例における上乗せコマンドのセット処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS7401にて超過フラグがセットされていると判定した場合、ステップS7403にて消滅ゲーム数EGを把握した後、ステップS7404にて設定値を把握する。そして、ステップS7405にて第3特別報知抽選テーブルを取得する処理を実行した後、ステップS7406にて第3特別報知抽選を実行する。
本変形例における第3特別報知抽選テーブルは、図150に示すように、消滅ゲーム数EGの値と、設定値とをパラメータとし、第3特別報知抽選の当選確率がそれぞれ異なるように設定されている。例えば、消滅ゲーム数EGが50以下である場合、設定値が1であれば256分の1の確率で当選し、設定値が6であれば256分の6で当選する、といったように、同じ消滅ゲーム数EGであっても設定値が高いほど、第3特別報知抽選の当選確率が高くなるように設定されている。また、同じ設定値でも消滅ゲーム数EGの値が大きいほど、第3特別報知抽選の当選確率が高くなるように設定されていることは、上記変形例2と同様である。
上乗せコマンドのセット処理において、ステップS7402、ステップS7407~ステップS7409の処理は、上記ステップS7302、ステップS7306~ステップS7308の処理と同様であるため説明を省略する。
以上のように、第3特別報知抽選自体のパラメータとして、消滅ゲーム数EGの値だけでなく設定値を用いることで、各種第3特別報知が行われた場合における設定値の予測の枝が増え、第3特別報知から設定値を予測する遊技を重厚化することができる。
より具体的には、いずれかの第3特別報知が行われた場合には、設定値に関わらず第3特別報知抽選に当選していることを意味し、言い換えると、空きゲーム数FGが0以下である状況で特定役当選となったのにも関わらず、第3特別報知が行われなかった場合とは、上乗せ抽選に当選しなかった場合や、上乗せ抽選に当選したもののその上乗せゲーム数が少なかった場合に加え、設定値が低い場合がその要因として挙げられる。つまり、いずれの第3特別報知であっても当該第3特別報知が行われること自体が、設定値が高いと予測するうえでの重みづけとなり得るとなる。そうすると、遊技者は設定値が高いことを望む、という前提に立てば、仮に第3特別報知の種類が遊技者にとって好ましくない低設定を示唆し得るものであったとしても、第3特別報知が行われていること、という事実から、低設定ではなく高設定であると判断したりしてその判断が鈍くなり、設定値を予測する遊技の楽しみが増加する。
<変形例4>
上記変形例2,3では、第3特別報知を特定役当選時(上乗せ発生時)に、その都度、行う構成としたが、本変形例では、第3特別報知を有利区間の強制終了時に行う。図151は、本変形例における区間表示第2処理を示すフローチャートである。
ステップS7501では、区間表示器を表示中であるか否かを判定する。表示中ではなければ、そのまま区間表示第2処理を終了する。表示中である場合、ステップS7502にて、有利区間ゲーム数AGの加算処理を行い、ステップS7503にて残ゲーム管理処理を実行する。そして、ステップS7504にて有利区間ゲーム数AGが上限値(1500)に達したか否かを判定する。上限値に達した場合には、ステップS7505にて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた総消滅ゲーム数TEGを把握する処理を行う。総消滅ゲーム数TEGは、上記変形例3における消滅ゲーム数EGに対応するものであり、上乗せ当選時に対応するゲーム数に相当する値が加算されるカウンタである。
すなわち、図による詳細な説明は省略するが、本変形例においては、ゲーム数上乗せ処理(図146)の消滅ゲーム数EGに上乗せゲーム数を加算する処理(ステップS7205)にて、消滅ゲーム数EGではなく総消滅ゲーム数TEGに上乗せゲーム数を加算する処理を行う。また、本変形例においては、上乗せコマンドのセット処理において、超過フラグがセットされていると判定した場合(ステップS7301、ステップS7401)には、対象となる上乗せコマンドの出力設定を行わないだけで、第3特別報知に関する各処理(ステップS7303~ステップS7308、ステップS7403~ステップS7409)を行わない構成とする。
ステップS7505にて総消滅ゲーム数TEGを把握した後は、ステップS7506にて第3特別報知抽選テーブルを取得し、ステップS7507にて第3特別報知抽選を行う。第3特別報知抽選テーブルは、例えば、図148(a)のテーブルにおいて参照するパラメータを、消滅ゲーム数EGから総消滅ゲーム数TEGに置き換えたものである。すなわち、総消滅ゲーム数TEGの値が大きいほど、第3特別報知抽選に当選し易くなる。
ステップS7507にて第3特別報知抽選を実行した後は、ステップS7508にて報知抽選に当選したか否かの判定を行い、当選している場合には、ステップS7509にて第3特別報知コマンドを出力設定する処理を行う。ステップS7508にて非当選であると判定した場合、又はステップS7509の処理を実行した後は、ステップS7510にて総消滅ゲーム数TEGを初期値(0)にクリアする処理を行う。
ステップS7511~ステップS7513の終了用の各処理は、上記ステップS6105~ステップS6107の処理と同様である。また、本変形例では、ステップS7514及びステップS7515にていずれも肯定判定して、有利区間の上限ゲーム数に達する前に当該有利区間を終了する場合にも、ステップS7511~ステップS7513の処理に進む構成としている。すなわち、有利区間の上限ゲーム数に達する前に当該有利区間を終了する場合にも、データ初期化処理(ステップS7513)を実施する構成である。このようにすることで、有利区間と通常区間との区別をより明確化することが可能となる。
なお、上記のように有利区間を強制終了する際に第3特別報知を実行する場合、例えば、アタックモードの終了演出として第3特別報知を実行する構成としてもよいし、アタックモードの終了演出よりも前や後に、すなわち当該終了演出と別に第3特別報知を実行する構成としてもよい。
以上のようにすることで、仮に単発の上乗せゲーム数は少なくても、複数回上乗せ契機が発生すれば第3特別報知が実行され易くなる。よって、例えば、弱チェリーのような上乗せゲーム数の平均が少ない特定役当選であっても、当選することの意味を持たせることができ、空きゲーム数FGが0以下となってからの遊技性を向上させることができる。
しかも、空きゲーム数FGが0以下となってからのゲーム数が長いほど上乗せ契機が複数回発生し易くなることから、上記構成においては、第3特別報知が実行され易くなる。よって、仮に、有利区間へ移行してから早くゲーム数で空きゲーム数FGが0以下となったとしても、当該空きゲーム数FGが0以下となってからのゲームを存分に楽しませることができる。
なお、上記構成では第3特別報知抽選テーブルを、基本的には消滅ゲーム数EGを用いたテーブルの数値を流用する構成としたが、総消滅ゲーム数TEGをパラメータとするテーブルを別途設ける構成としてもよい。総消滅ゲーム数TEGは、空きゲーム数FGが0以下となってからの上乗せゲーム数の積算値に相当することから、消滅ゲーム数EGよりも値が大きくなり易いといえる。例えば、総消滅ゲーム数TEGの値が、1回の上乗せゲーム数の上限値(上記例では300ゲーム)を超える場合と超えない場合とで、第3特別報知抽選の当選確率が異なる構成とすると、複数回の上乗せの積算値であることの意義をより担保することができる。
また、有利区間の強制終了時に総消滅ゲーム数TEGに基づいて第3特別報知を行うとともに、有利区間中の上乗せ契機の発生時にも消滅ゲーム数EGに基づいて第3特別報知を行う構成としてもよい。この場合、総消滅ゲーム数TEGに基づく第3特別報知と、消滅ゲーム数EGに基づく第3特別報知とを、異なる演出内容としたり、異なる抽選テーブルとしたり、異なる種類テーブルとしたりするとよい。
<変形例5>
本変形例では、有利区間に上限ゲーム数を設けることに対する代償として設定値示唆により遊技者に有益となり得る情報を提示する構成において、上限ゲーム数に到達した時点での当日の遊技状況を加味して、上記有益となり得る情報を提示する。図152は、本変形例における区間表示第2処理を示すフローチャートである。
ステップS7601では、区間表示器が表示中であるか否かを判定し、表示中ではなければ、そのまま区間表示第2処理を終了する。表示中であれば、ステップS7602にて有利区間ゲーム数AGの加算処理を行い、ステップS7603にて残ゲーム数管理処理を行う。そして、ステップS7604にて有利区間ゲーム数AGが上限値(1500)に到達したか否かを判定する。
上限値に到達した場合には、ステップS7605にて、設定値を把握する処理を実行する。そして、ステップS7606にて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた総ゲーム数TGを確認することで、当日の総ゲーム数を把握する処理を実行する。総ゲーム数TGは、当日の消化ゲーム数(総ゲーム数)をCPU102が把握するためのカウンタである。かかるカウンタは、例えば、当選確率の設定処理が行われること、すなわちRAMクリア処理が行われることに基づいて初期値(0)にクリアされ、ゲーム数管理処理(図40)が1回起動されるごとに、ベット数や遊技状態等に関わらず図示しない増加処理にて1ずつ増加される。
続くステップS7607では、第4特別報知抽選テーブルを取得し、ステップS7608にて第4特別報知抽選を実行する。第4特別報知抽選テーブルは、図153に示すように、総ゲーム数TGの値と、設定値とによって第4特別報知の当選確率が異なるように設定されている。具体的には、総ゲーム数TGの値が大きくなるほど第4特別報知抽選に当選し易く、また、設定値が高くなるほど第4特別報知抽選に当選し易くなるように設定されている。例えば、総ゲーム数TGの値が2000以下である場合には、設定値が1であれば256分の1の確率で当選し、設定値が6であれば256分の6の確率で当選する。また、総ゲーム数TGの値が4001から6000である場合には、設定値が1であれば256分の4の確率で当選し、設定値が6であれば256分の256の確率で当選する。
ステップS7608にて第4特別報知抽選を実行した後は、ステップS7609にて報知抽選に当選したか否かの判定を行う。報知抽選に当選していれば、ステップS7610にて第4特別報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ステップS7609にて報知抽選に当選していないと判定した場合、又はステップS7610の処理を実行した後は、ステップS7611~ステップS7613にて有利区間の終了用の処理を行ってから区間表示第2処理を終了する。また、ステップS7604にて否定判定した場合には、ステップS7614及びステップS7615の終了条件の成否の判定を行い、有利区間を終了する場合には、ステップS7611~ステップS7613の処理を行う。ステップS7611~ステップS7615の処理は、ステップS7510~ステップS7514の処理と同様である。
次に、アタックモード終了演出の設定処理について、図154のフローチャートを参照しながら説明する。なお、アタックモード終了演出の設定処理は、全停止時演出設定処理(図51)におけるステップS2306にて実施される処理であり、アタックモード終了コマンドを受信したことに基づいて実施される。なお、ステップS7614等の初期化処理が行われることに基づいて、ゲーム数管理処理にてアタックモード終了コマンドが出力されることになり、アタックモード終了演出が行われることは既に説明した通りである。
ステップS7701では、有利区間中のメダルの総払出枚数を把握する。なお、総払出枚数は、各種カウンタエリア183bにおける総払出枚数カウンタを参照することで把握可能である。総払出枚数カウンタは、有利区間中の遊技結果として払い出されたメダル数に応じて加算処理がなされ、有利区間が終了する際に初期化されるカウンタである。なお、各ゲームの開始時にベットされることに基づき当該ベット数に応じて減算処理がなされるカウンタとし、払出数から投入数を減じた獲得数に相当する枚数を把握する構成としてもよい。
続くステップS7702では、有利区間の継続ゲーム数を把握する処理を行う。そして、ステップS7703にて、第4特別報知コマンドを受信したか否かを判定する。受信していない場合には、ステップS7704にて通常終了演出を設定する処理を行ってから、アタックモード終了演出の設定処理を終了する。通常終了演出としては、図155(a)や図57(b)に示すように、アタックモードが終了すること、及び継続ゲーム数と総払出枚数の表示がなされる。
ステップS7703にて第4特別報知コマンドを受信していると判定した場合、ステップS7705にて第4特別報知種類テーブルを取得する処理を実行し、ステップS7706にて第4特別報知種類抽選処理を実行する。第4特別報知種類テーブルについて、図による詳細な説明は省略するが、例えば、図144(c)の第2特別報知種類テーブルのように、設定値の偶数/奇数を示唆するものであってもよい。第4特別報知としては、例えば、図155(b)に例示する第4特別報知Aと、図155(c)に例示する第4特別報知Bとを設ける。第4特別報知Aと第4特別報知Bとは、例えば、第1特別報知Aや第1特別報知Bと表示内容において、当選対応キャラクタの代わりに継続ゲーム数と総払出枚数の表示を行う構成としてもよい。
ステップS7706にて第4特別報知種類抽選処理を実行した後は、ステップS7707にて第4特別報知Aであったか否かを判定し、第4特別報知Aであれば、ステップS7708にて第4特別報知Aを実行するように補助表示部65やスピーカ64を制御する。また、第4特別報知Bであれば、ステップS7709にて第4特別報知Bを実行するように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップS7708又はステップS7709の処理を実行した後は、アタックモード終了演出の設定処理を終了する。
上記のようにすることで、有利区間が上限ゲーム数に達して強制終了する際、当日の遊技状況に合わせて設定値の示唆を行うことが可能となる。
ここで、有利区間が強制終了すると、本来ならば、もっと継続したはずなのに、と思う遊技者としては、当該強制終了によって遊技への意欲がそがれ、そのまま遊技を終了してしまう可能性が高くなるとも考えられる。その点、本実施形態に示すように、空きゲーム数FGが0以下となり、強制終了が発生する場合に設定値の示唆を行う構成とすれば、例えば、高設定であることを予測する等、上記のように遊技への意欲がそがれ得る場面であっても、遊技続行の意思決定の後押しとすることが可能である。特に、強制終了が発生する際には、多量のメダルを獲得していることが想定され、かかる多量のメダルを目にした遊技者は、設定値の推測を行うとしても、高設定側に偏重した推測を行い易いと考えられる。つまり、強制終了に合わせて設定値推測を行わせるきっかけを与えることで、単に強制終了のみを行う構成よりも、遊技を続行させる気持ちを掻き立てることが可能と言える。
その一方で、例えば、遊技ホールの開店から間もない段階で強制終了が発生した場合等において、当該遊技台について高設定を示唆する又は高設定が確定する示唆演出が発生すると、当該遊技台を遊技する遊技者にとっては遊技続行の後押しとなるものの、その示唆演出を横目で見た他者は、当該遊技台との関係で他の遊技台の設定値は低いと予測する可能性がある。つまり、遊技ホールの開店から間もない段階乃至状況では、高設定を示唆する示唆演出が発生すると、遊技ホール全体としては好ましくないといえる。逆に、遊技ホールの営業時間の終了間際等においては、出来るだけ高設定を示唆する示唆演出が発生したほうが、遊技ホールの営業戦略としては好ましいと考えられる。
そこで、強制終了に基づいて設定値の示唆を行ううえで、当日の遊技状況を加味して当該設定値の示唆を行う構成とすることで、当該設定値の示唆が行われることのデメリット(高設定の示唆により他の遊技台の稼働率が低下する、低設定の示唆により当該遊技台の稼働率が低下する、等)を極力抑えることが可能となる。
特に、本変形例においては、総ゲーム数TGを用いて当日の遊技状況を加味する構成としたことから、遊技機の構成として従来からある構成を用いて、その情報を設定値の示唆に反映することができる。また、総ゲーム数TGについては、遊技機側で管理されるだけでなく、遊技者は、遊技ホールに設置されているデータ表示器等によっても把握可能であり、そのデータ表示器等から得られる情報に重みづけをしたうえで、設定値の示唆報知から設定値を予測する遊技も行わせることが可能となり、当該設定値を予測する遊技の楽しみが増加する。
更に、総ゲーム数TGについては、当選確率の設定処理が行われたことに基づいて初期値にクリアされる構成としており、単に当該遊技機の電源ON/OFFだけでは、初期値にクリアされない構成としている。そのため、遊技ホールの開店時や閉店時に、設定値の変更や更新が行われず、上記当選確率の設定処理が実施されなければ、前日の総ゲーム数TGが引き継がれることとなる。このようにすれば、設定値の予測を行ううえで、設定値の変更の有無も合わせて当該予測を行わせることが可能となり、予測する遊技の楽しさがより一層高められたものとなる。
<変形例6>
第4特別報知抽選テーブルを以下のように変更してもよい。
図156(a)では、強制終了時の総ゲーム数TGだけでなく、強制終了時の時刻をパラメータとする第4特別報知抽選テーブルを示している。具体的には、総ゲーム数TGが2000以下である場合だけでなく、時刻が13時以前である場合には、設定値が1であれば256分の1の確率で当選し、設定値が6であれば256分の6の確率で当選する。また、総ゲーム数TGが4001以上6000以下である場合だけでなく、時刻が19時以前である場合には、設定値が1であれば256分の4の確率で当選し、設定値が6であれば256分の256の確率で当選する。
上記のようにすることで、例えば、本遊技機の稼働開始が朝一の開店時からではなく昼以降や夕方以降となった場合のように、少ない総ゲーム数で強制終了条件が成立した場合であっても、その強制終了条件が成立した時刻が遅い場合には、設定値示唆としての第4特別報知が実行され易くなる。よって、よりホールでの営業形態や稼働状況に応じた設定値示唆とすることができる。
なお、上記第4特別報知抽選テーブルを参照するうえで、強制終了時の時刻は、遊技機に設けられた所定の内蔵時計等から把握する構成とするとよい。
<変形例7>
図156(b)では、少ないゲーム数や早い時刻で強制終了条件が成立した場合には、低設定ほど設定値示唆としての第4特別報知が実行され易い第4特別報知抽選テーブルを示している。すなわち、総ゲーム数TGが2000以下である場合又は時刻が13時以前である場合には、設定値が1であれば256分の128の確率で当選し、設定値が6であれば256分の4の確率で当選する。一方、総ゲーム数TGが2001以上4000以下である場合、又は時刻が16時以前である場合には、設定値が1であれば256分の2の確率で当選し、設定値が6であれば256分の12の確率で当選する。
上記のようにすることで、比較的早期に強制終了が発生した場合には、高設定であると判断され易い傾向にあることを利用して、低設定の示唆報知の発生率を調節することができる。すなわち、上記のように、消化ゲーム数と獲得メダル数とから、高設定であると判断され易い状況で低設定の設定値示唆が発生しても、既に高設定であるという印象を受けている遊技者としては、その設定値示唆を鵜呑みにせず、遊技が続行され易いと考えられる。そこで、このような状況において低設定の設定値示唆を発生させることで、トータルの設定値示唆の発生確率のうち、低設定の設定値示唆の発生確率のみが低くなる、といった事象が生じにくくすることができる。
<変形例8>
本変形例では、強制終了条件が成立した時点での総ゲーム数に応じて、第4特別報知抽選種類テーブルを異ならせる。具体的には、上記ステップS7705にて第4特別報知種類テーブルを取得する際に、主制御装置101側の総ゲーム数TGに対応するカウンタを把握することで総ゲーム数を把握し、総ゲーム数が2000ゲーム以下である場合と2001ゲーム以上である場合とで、取得する第4特別報知種類テーブルを異ならせる。
図157(a)は、総ゲーム数が2000ゲーム以下である場合に取得される第4特別報知種類テーブルを示しており、図157(b)は、総ゲーム数が2001ゲーム以上である場合に取得される第4特別報知種類テーブルを示している。なお、本変形例では、第4特別報知として、第4特別報知A、第4特別報知B、第4特別報知C、第4特別報知D、第4特別報知E、第4特別報知Fが設定されており、互いに識別可能となる演出内容が設定されている。第4特別報知A~第4特別報知Fは、図148(b)の第3特別報知A~第3特別報知Fに対応するものである。すなわち、第4特別報知Aは奇数設定を示唆し、第4特別報知Bは偶数設定を示唆するものである。また、第4特別報知Cは設定値2以上、第4特別報知Dは設定値4以上、第4特別報知Eは設定値5以上を示唆し、第4特別報知Fは設定値6を示唆するものである。
図157(a)の種類テーブルでは、第4特別報知A~第4特別報知Cが選択され易く、第4特別報知D~第4特別報知Fは選択されないように設定されている。すなわち、総ゲーム数が少ない状況で有利区間の強制終了条件が成立した場合には、偶数/奇数の設定値示唆が選択され易い。
一方、図157(b)の種類テーブルでは、第4特別報知A及び第4特別報知Bだけでなく、第4特別報知C~第4特別報知Fが選択され得るように設定されている。つまり、総ゲーム数が少ない状況でなければ、有利区間の強制終了条件が成立したことに基づいて、総ゲーム数が少ない状況である場合よりも、設定値の絞り込みが行い易くなる。
以上のようにすることで、遊技を進行させる(総ゲーム数を増加させる)ことによって、徐々に設定値の絞り込みが行い易くなり、遊技を進行させてメダル獲得を目指しつつ、設定値の推測を行う楽しみを提供することができる。
特に、遊技状況に応じて種類テーブルを異ならせる構成とすることで、例えば、午前と午後で種類テーブルを異ならせるなど、遊技状況に応じて全く異なる示唆演出を実現することも可能であり、一日を通じて遊技を飽きさせないようにし、遊技を継続させる動機付けとすることができる。
<変形例9>
本変形例では、有利区間を強制終了する場合、総消滅ゲーム数TEGを利用して、有利区間の終了後の通常区間において特別区間を設定する。先ず、本変形例における区間表示第2処理を、図158を参照しながら説明する。
ステップS7801~ステップS7807の処理は、上記ステップS6101~ステップS6107の処理と同様であり、有利区間の強制終了条件が成立したことに基づいて、区間表示器の表示を終了する処理や、データ初期化処理を行う。
ステップS7807のデータ初期化処理について、図159及び図160を参照しながら詳細に説明する。
既に説明した通り、有利区間の強制終了時に実行するデータ初期化処理は、押し順報知により有利度を変化させる遊技性に関連する各種カウンタや各種フラグ等を初期化する処理である。より詳しくは、図159に示すように、主制御装置101のRAM106には、当選フラグ格納エリア106a、停止情報格納エリア106b、状態情報格納エリア106cの他、各種フラグ格納エリア106d、各種カウンタエリア106eが設けられている。これら各エリア106a~106eには、それぞれ、有利区間にて利用される各種情報(有利情報、特定情報)を格納するエリアと、通常区間にも利用される各種情報(通常情報)を格納するエリアとが、別々に設けられている。より詳しくは、有利区間にて利用される各種情報を格納するエリアと、通常区間にも利用される各種情報を格納するエリアとが、互いに重複しないエリアとして、別々に設けられている。
具体的には、当選フラグ格納エリア106aには、有利区間対応当選フラグ格納エリア201と、通常区間対応当選フラグ格納エリア202とが設けられている。停止情報格納エリア106bには、有利区間対応停止情報格納エリア203と、通常区間対応停止情報格納エリア204とが設けられている。状態情報格納エリア106cには、有利区間対応状態情報格納エリア205と、通常区間対応状態情報格納エリア206とが設けられている。各種フラグ格納エリア106dには、有利区間対応各種フラグ格納エリア207と、通常区間対応各種フラグ格納エリア208とが設けられている。各種カウンタエリア106eには、有利区間対応各種カウンタエリア209と、通常区間対応各種カウンタエリア210とが設けられている。
このうち、チャレンジモードフラグやアタックモードフラグ等、各種表示モードを把握するためのフラグを格納するエリアや、チャレンジモード上乗せフラグやアタックモード上乗せフラグ等、上乗せ条件が成立したことを把握するためのフラグを格納するエリアや、超過フラグを格納するエリアは、有利区間対応各種フラグ格納エリア207に設けられている。一方、各ゲームのベット数を把握するためのベット数フラグを格納するエリアや、フリーズ演出の発生条件が成立していることを把握するためのフリーズ演出フラグを格納するエリアや、払出処理を行っている最中であることを把握するための払出中フラグを格納するエリア等は、通常区間対応各種フラグ格納エリア208に設けられている。
また、前兆ゲーム数G1を格納するエリアや、チャレンジモード継続数G2を格納するエリア、アタックモード継続数G3を格納するエリア、有利区間ゲーム数AGを格納するエリア、空きゲーム数FGを格納するエリア等は、有利区間対応各種カウンタエリア209に設けられている。一方、総ゲーム数TGを格納するエリアや、ボーナス間のゲーム数をカウントするためのBB間ゲーム数カウンタを格納するエリア、メダルの払出数をカウントするための払出メダルカウンタを格納するエリア等は、通常区間対応各種カウンタエリア210に設けられている。
本変形例におけるデータ初期化処理では、図160のフローチャートに示すように、ステップS7901にて、有利区間対応当選フラグ格納エリア201を初期化する処理を行う。続くステップS7902では、有利区間対応停止情報格納エリア203を初期化する処理を行う。続くステップS7903では、有利区間対応状態情報格納エリア205を初期化する処理を行う。続くステップS7904では、有利区間対応各種フラグ格納エリア207を初期化する処理を行う。続くステップS7905では、有利区間対応各種カウンタエリア209を初期化する処理を行う。そして、ステップS7906にてその他の有利区間に関する情報乃至パラメータを初期化する処理を行ってから、本データ初期化処理を終了する。
すなわち、有利区間の終了条件が成立したことに基づいて実行するデータ初期化処理では、有利区間に関連する各種エリア201,203,205,207,209の初期化処理を行う一方、有利区間に関連しない又は通常区間と有利区間の区別なしに利用される各種エリア202,204,206,208,210の初期化処理は行わない。そして、上記のようにこれら有利区間に関連する各種エリアと有利区間に関連しない又は通常区間と有利区間の区別なしに利用される各種エリアとが、重複しないように別々のエリアとして設けられていることから、上記のような初期化処理が行われる場合に、初期化処理を行うべきエリアを初期化処理しないというエラーや、初期化処理を行わないべきエリアを初期化処理してしまうエラーの発生が好適に抑制されている。
区間表示第2処理の説明に戻り、ステップS7807にてデータ初期化処理を行った後は、ステップS7808にて特別区間設定処理を行ってから、区間表示第2処理を終了する。また、ステップS7804にて否定判定した場合、ステップS7809やステップS7810にて有利区間の終了条件が成立したか否かの判定を行い、終了条件が成立している場合には、ステップS7805~ステップS7808の処理を行ってから、区間表示第2処理を終了する。終了条件が成立していなければ、ステップS7805~ステップS7808の処理を行うことなく、区間表示第2処理を終了する。なお、ステップS7809やステップS7810の処理は上記ステップS6108やステップS6109の処理と同様である。
特別区間設定処理について、図161のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS8001では、総消滅ゲーム数TEGを把握する処理を行う。ここで、総消滅ゲーム数TEGは、図159に示すように、RAM106のうち、通常区間対応カウンタエリア210に記憶される。そのため、上記データ初期化処理が行われても、総消滅ゲーム数TEGは初期化されない。つまり、上記空きゲーム数FGが0以下となっている状況でゲーム数上乗せ処理を行う場合、アタックモード継続数G3等の有利区間対応各種カウンタエリア209における各種継続数のカウンタに上乗せ数を加算するのではなく、通常区間対応各種カウンタエリア210における総消滅ゲーム数TEGに対応する値を加算する構成としている。
言い換えると、本変形例は、上乗せ契機が生じた場合、有利区間中に用いられる情報としての上乗せゲーム数を有利区間用の各種エリアに記憶する処理を実行する場合と、当該上乗せゲーム数を、通常区間中にも用いられる情報として総消滅ゲーム数TEGとして、通常区間用の各種エリアに記憶する処理を実行する場合と、があり、空きゲーム数FGが0以下であるか否か、すなわち超過フラグがセットされているか否かの判定処理は、いずれのエリアに対する記憶処理を行うかを選択する処理ともいえる。このように、本変形例では、超過フラグの有無によって、有利区間中に生じた事象の情報を記憶するエリアを異ならせることが可能となっている。このようにすることで、有利区間の終了時に初期化処理を行う前提としつつ、有利区間中に生じた事象の情報を、通常区間に引き継ぐことが可能となっている。
続くステップS8002では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから特別区間テーブルを取得する処理を行う。ここで、特別区間とは、有利区間の終了後の通常区間において設定値の示唆演出が発生し易い区間として設けられている。特別区間テーブルは、図162(a)に示すように、総消滅ゲーム数TEGの値に応じて、特別区間のゲーム数が異なるように設定されている。具体的には、総消滅ゲーム数TEGが0であれば特別区間は設定されず、総消滅ゲーム数TEGが1~50であれば10ゲームの特別区間が選択され、総消滅ゲーム数TEGが51~100であれば30ゲームの特別区間が選択される等、総消滅ゲーム数TEGの値が大きいほど長い特別区間が選択されるように設定されている。
ステップS8001及びステップS8002の処理にて、特別区間のゲーム数を特定した後は、ステップS8003にて、その特定したゲーム数に対応する値を特別区間ゲーム数PGに入力する処理を行う。そして、ステップS8004にて、入力された特別区間ゲーム数PGが0より大きいか否かを判定し、0より大きい場合には、ステップS8005にて特別区間フラグをセットする処理を行い、ステップS8006にて特別区間コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行う。これら特別区間ゲーム数PGは特別区間のゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、特別区間フラグは、特別区間であることをCPU102が把握するためのフラグである。また、特別区間コマンドは、特別区間であることを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。
ステップS8003にて特別区間ゲーム数PGが0であると判定した場合、又はステップS8006の処理を実行した後は、ステップS8007に進む。ステップS8007では、総消滅ゲーム数TEGを初期値(0)にクリアする処理を行う。その後、特別区間設定処理を終了する。すなわち、有利区間の終了時において総消滅ゲーム数TEGが0である場合には、特別区間フラグはセットされず、特別区間に設定されない。
本変形例における特別区間では、所定の特殊リプレイ当選時に押し順報知演出を発生させる。上記第2の実施形態等にて示した通り、特殊リプレイとは、停止順序によって入賞する再遊技結果の種類が異なるものの、いずれの再遊技結果が入賞した場合であっても付与される特典は再遊技であり、且つRT状態等、遊技状態の移行が発生しない結果である。
図163は、本変形例における通常遊技状態用抽選テーブルを示している。本変形例においては、通常遊技状態において特殊リプレイとして特殊リプレイ1及び特殊リプレイ2に当選し得る。特殊リプレイ1及び特殊リプレイ2は、図95や図96にて説明した通りであり、特殊リプレイ1は第1再遊技、第9再遊技、第11再遊技~第15再遊技の重複役であり、特殊リプレイ2は第1再遊技、第10再遊技~第15再遊技の重複役である。そして、停止順序によって入賞する再遊技が異なり、右下がりリプレイ、黒BARテンパイ外れ、黒BARダブルテンパイ外れ、黒BARシングル揃い、黒BARダブル揃い、の各停止出目にて対応する再遊技入賞が成立する。なお、特殊リプレイ1、特殊リプレイ2及び通常リプレイの各当選確率の合計値は、上記各実施形態における通常遊技状態用抽選テーブルにおける通常リプレイの当選確率と同じ確率となるように設定されている。
以下、特別区間中の処理について説明する。
図164(a)は、本変形例におけるゲーム数管理処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS1401にてベット数が3であると判定した場合、ステップS8101にて上記の特定区間フラグがセットされているか否かの判定を行う。セットされている場合には、ステップS8102にて、遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態であるか否かを判定する。通常遊技状態又は第1RT状態である場合、ステップS8103にて、特別区間ゲーム数PGを1減算する処理を行う。その後、ステップS8104にて特別区間ゲーム数PGが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS8105にて特定区間フラグをクリアする処理を行う。ステップS8101、ステップS8102若しくはステップS8104にて否定判定した場合、又はステップS8105の処理を実行した後は、ステップS1402に進む。
図164(b)は、本変形例における押し順役処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS4419にて否定判定した場合、ステップS8111に進む。ステップS8111では、今回のゲームの遊技結果が上記の特殊リプレイ1又は特殊リプレイ2当選であるか否かを判定する。特殊リプレイ1及び特殊リプレイ2のいずれかに当選している場合、ステップS8112に進み、特定区間フラグがセットされているか否かを判定する。特定区間フラグがセットされている場合には、ステップS8113にて押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本押し順役処理を終了する。ステップS8111又はステップS8112にて否定判定した場合は、押し順報知コマンドを出力設定することなく、押し順役処理を終了する。
図165は、本変形例における特殊リプレイ用報知処理を示すフローチャートである。特殊リプレイ用報知処理は、上記第2の実施形態等における特殊RT用報知処理に対応するものである。すなわち、押し順報知用処理(図98)のステップS4514にて、特殊リプレイ当選と判定した場合に、ステップS4515にて実施される処理である。
ステップS8201では、設定値を把握する処理を実行する。続くステップS8202では、各種テーブル記憶エリア182aから特殊リプレイ当選時の押し順報知抽選テーブルを取得する処理を実行する。特殊リプレイ当選時の押し順報知抽選テーブルは、図162(b)に示すように、設定値によって押し順報知演出の発生率が異なるとともに、押し順報知演出発生時の入賞態様が異なるように設定されている。
具体的には、設定値が高いほど押し順報知演出が発生する確率が高くなるように設定されているとともに、設定値が高いほど、押し順報知演出発生時の黒BARシングル揃いや黒BARダブル揃いとなる入賞態様の押し順報知演出が選択される割合が高くなるように設定されている。例えば、設定値が1であれば、25%の確率で押し順報知演出が発生し、その発生時の入賞態様はいずれも黒BARダブルテンパイ外れとなる押し順報知演出が選択される。また、設定値が2であれば、設定値が1である場合と同様に25%の確率で押し順報知演出が発生するものの、その一部は黒BARシングル揃いとなる押し順報知演出が選択される。黒BARシングル揃いとなる押し順報知演出は、設定値2以上を示唆する示唆演出に相当する。設定値が4以上となると、押し順報知演出発生時に、黒BARダブル揃いとなる押し順報知演出も選択されるようになり、黒BARダブル揃いとなる押し順報知演出は、設定値4以上を示唆する示唆演出に相当する。
ステップS8203では、ステップS8202にて取得した押し順報知抽選テーブルに基づいて、押し順報知抽選を実行する。かかる抽選処理では、押し順報知を発生させるか否かと、発生させる場合の押し順報知演出の種類(対応する入賞態様)を抽選する。そして、その抽選結果に基づいて、ステップS8204にて、対応する押し順報知演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。
以上のように、超過フラグの有無によって、上乗せ契機に基づいて抽選したゲーム数を上乗せゲーム数として記憶する場合と、総消滅ゲーム数TEGとして記憶する場合とで、記憶する領域を異ならせ、上乗せゲーム数については有利区間終了時の初期化処理の対象とし、総消滅ゲーム数TEGについては当該初期化処理の対象外とした。これにより、有利区間の終了時に初期化処理を行う構成として、有利区間を区間表示器等によって明示することや連荘性能を高め過ぎない、といった趣旨に反しない範囲で、有利区間中に生じた事象の情報を、有利区間後に引き継ぐことが可能となる。これにより、有利区間を強制終了することによって生じ得る、有利区間と通常区間とのギャップを埋め、両区間の演出上の連動性を高めることができる。
そして、総消滅ゲーム数TEGの値に基づいて、有利区間の終了後において、設定値の示唆演出が発生し易い特別区間を設定する構成とした。これにより、有利区間中において超過フラグがセットされている状況での上乗せ契機の発生という、遊技者にとって好ましくない事象が生じるほど、その後に、設定値の推測を行うことが可能となるようにし、上記好ましくない事象に対する補てんとすることができる。
特に、超過フラグがセットされている状況で上乗せ契機が生じても、結局は上限ゲーム数にて強制終了されることから、通常であれば、当該上乗せ契機が生じるほど、遊技続行の意思が崩れ、強制終了時にそのまま遊技を終了するであろうと考えられる。その一方、当該上乗せ契機が生じるほど、長い特別区間が設定され得るようにしたことから、強制終了時に即、遊技を終了するのではなく、せめて当該特別区間を消化してから遊技を終了するように促すことが可能となる。そして、当該特別区間中に、遊技者にとって好ましい設定値示唆が発生すると、そのまま遊技を継続する可能性が高く、稼働率の向上につなげることができる。
本変形例においては、設定値示唆を特殊リプレイの停止出目(停止順序)によって行う構成としていることから、遊技者が好ましい設定値の示唆を、自らの操作によって出現させたかのような印象を与え易く、かかる設定値示唆を行う演出への注目度が好適に高められている。
特殊リプレイは停止順序によって停止出目が異なるところ、遊技者が設定値の示唆を発生させたくなければ、報知された停止順序とは異なる停止順序にて各リール32L,32M,32Rを操作するとよい。このようにしたことにより、遊技者の意思に反して設定値の示唆が発生することを回避させることが可能となる。すなわち、例えば、高設定であることを既に把握している遊技者にとっては、自らの遊技台が高設定であることが周囲の遊技者に知られることは、好ましくないと考える場合もある。そこで、上記のようにすることで、設定値示唆を発生させるか否かを、遊技者自らが選択することが可能とすることで、遊技者の思い通りの演出内容とすることが可能となる。
<変形例10>
本変形例では、特別区間中に押し順報知演出を発生させる構成に代え、又は加えて、特別区間中の前兆ゲーム数テーブルを異ならせる。図166(a)は、特別区間中ではない状況における通常モード時のボーナス前兆ゲーム数テーブルを示しており、図166(b)は、特別区間中の通常モード時のボーナス前兆ゲーム数テーブルを示している。
図166(a)については、図35にて説明した通りであり、前兆ゲーム数は1~32ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されている。そして、ボーナスと重複当選している有利区間の内容によって選択され易い前兆ゲーム数が異なるように設定されている。具体的には、チャレンジモードとの重複当選よりもアタックモードとの重複当選の方が長い前兆ゲーム数が選択され易く、アタックモードとの重複当選よりもスーパーアタックモードとの重複当選の方が更に長い前兆ゲーム数が選択され易い。
図166(b)に示すように、特別区間中は、前兆ゲーム数が0~4ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、上記図166(a)の場合よりも短い前兆ゲーム数となり易い。また、特別区間中は、当該特別区間の設定契機となった総消滅ゲーム数TEGの値が大きいほど、短い前兆ゲーム数が選択され易く、更に、重複当選しているモードが有利なほど短い前兆ゲーム数が選択され易くなるように設定されている。
より詳しくは、チャレンジモードとの重複当選では、今回の特別区間の設定契機となった総消滅ゲーム数TEGが1~50であれば4ゲームの前兆ゲーム数が選択される一方、総消滅ゲーム数TEGが201以上であれば0ゲームの前兆ゲーム数が選択される。また、アタックモードとの重複当選では、今回の特別区間の設定契機となった総消滅ゲーム数TEGが1~50であれば2ゲーム又は4ゲームの前兆ゲーム数が選択される一方、総消滅ゲーム数TEGが201以上であれば0ゲームの前兆ゲーム数が選択される。
この場合、例えば、特別区間フラグとして、総消滅ゲーム数TEGの値に応じて、総消滅ゲーム数TEGが1~50であれば特別区間フラグ1をセットし、総消滅ゲーム数TEGが51~100であれば特別区間フラグ2をセットし、総消滅ゲーム数TEGが101~200であれば特別区間フラグ3をセットし、総消滅ゲーム数TEGが201以上であれば特別区間フラグ4をセットするなどし、特別区間に設定する際の総消滅ゲーム数TEGを事後的に判別可能とするとよい。
以上のように、特別区間の優位性は、設定値示唆に限られず、ボーナスの前兆ゲーム数によっても担保することができる。特に、第1BB等のボーナスに当選した場合には、ボーナス当選が重複して発生することがない構成であることからして、速やかにボーナス入賞を成立させたほうが遊技者の損失は少ない。その点からして、上記のように特別区間中は前兆ゲーム数が短くなり易くなるようにすることで、有利区間中に無効となった上乗せの補てんとすることが可能となる。
<変形例11>
本変形例では、空きゲーム数FGが0以下となる上乗せが発生したことに基づいて、特別報知を実行する。図167は、本変形例におけるゲーム数上乗せ処理を示すフローチャートである。
ステップS8301では、超過フラグがセットされているか否かを判定する。超過フラグがセットされている場合には、そのままゲーム数上乗せ処理を終了する。超過フラグがセットされておらず、未だ空きゲーム数FGは0以上である状況であれば、ステップS8302以降の上乗せ処理に進む。ステップS8302では、今回の上乗せゲーム数を把握する処理を実行する。そして、ステップS8303にて、空きゲーム数FGを把握することにより、今回の上乗せゲーム数は空きゲーム数FG以上であるか否か、すなわち、今回の上乗せによって空きゲーム数FGが0以下となるか否かを判定する。0以下とはならない場合には、ステップS8304にて対象となる継続ゲーム数に上乗せゲーム数を加算する処理を行ってから、ゲーム数上乗せ処理を終了する。
一方、今回の上乗せによって空きゲーム数FGが0以下となる場合には、ステップS8305にて、対象となる継続ゲーム数に上乗せゲーム数を加算する処理を行ったうえで、ステップS8306にて、第1特別報知実行用コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、ゲーム数上乗せ処理を終了する。
この場合、上乗せが発生する場合に、上乗せコマンドが出力される場合と、上乗せコマンドと第1特別報知実行用コマンドとが出力される場合とがある。上乗せコマンドと第1特別報知実行用コマンドとを受信した場合、例えば、図168(a)及び図168(b)に示すように、第1特別演出Aや第1特別演出Bとともに、上乗せゲーム数キャラクタを表示するようにし、上乗せが発生したことと、設定値示唆とを同時に把握させる構成としてもよい。
超過フラグがセットされる契機となる上乗せについても、少なくとも上限ゲーム数の超過分に関しては、その恩恵を十分に受けることができないものであるところ、本変形例によれば、このような損失についても、設定値示唆という遊技者にとって有益となり得る情報の提示によって補てんすることが可能となる。また、例えば、上限ゲーム数ギリギリで発生した上乗せ時に空きゲーム数FGが0以下となった場合等、その後のゲームで特別演出の発生に期待が持てない状況(ゲーム数が少ない状況)等であっても、好適に特別報知を発生させることができる。
しかも、上記のように上乗せが発生したことの情報(上乗せゲーム数対応キャラクタ)と、設定値示唆の情報(第1特別報知Aと第1特別報知B)と、を同時に把握可能とすることにより、設定値示唆の情報を上乗せといった遊技者にとって好ましい事象に密接な関連性を持たせて提示することが可能となり、設定値示唆の情報が遊技者にとって有益となるものである印象をより強めることが可能となる。すなわち、例えば、運こそが遊技の結果に関与するものとし、設定値の高低を軽んじる遊技者にとっては、設定値示唆の情報を提示しても、何ら有益な情報となり得ないとも考えられる。その点、上記のように、設定値示唆の情報を、運の要素の強い上乗せ演出と関連付けて提示することで、設定値示唆についても運の要素が色濃く反映されていることを理解させるとともに、当該設定値示唆を有益なものである印象付けを行うことが可能となる。
なお、設定値示唆の情報と上乗せが発生したことの情報は、両者が完全に同時に提示されるものでなくてもよく、先に上乗せが発生したことの情報が提示され、後から設定値示唆の情報がその上乗せが発生したことの情報とともに提示される、といったように、少なくとも両者が重複して提示される期間が生じる構成であればよい。
<変形例12>
消滅ゲーム数EGや総消滅ゲーム数TEGの値を補助表示部65等にて表示する構成としてもよい。図169は、本変形例における第3特別報知設定処理を示すフローチャートである。第3特別報知設定処理は、第1特別報知設定処理に代えて又は加えて実行される処理であり、上乗せ演出の設定処理の一処理として実施される処理である。
既に説明した通り、第3特別報知は消滅ゲーム数EGや総消滅ゲーム数TEGに基づいて実行される特別報知である。本変形例においては、図147の上乗せコマンドのセット処理において、第3特別報知コマンドに対して消滅ゲーム数EGの情報を設定したうえで、表示制御装置81へ出力する構成とする。そのため、表示制御装置81では、第3特別報知コマンドを受信することで、今回発生するはずであった上乗せ演出の上乗せゲーム数を把握することが可能となる。なお、第3特別報知コマンドに総消滅ゲーム数TEGの情報を設定する構成としてもよい。
ステップS8401では、受信した第3特別報知コマンドに基づいて、消滅ゲーム数EGに対応する情報を把握する処理を行う。そして、ステップS8402にて、今回発生するはずだった上乗せゲーム数を把握する。ステップS8403では、対応する上乗せゲーム数にて上乗せ演出を発生させる。この場合、通常時の上乗せ演出と同様の演出(例えば、図136(b))であってもよいし、例えば背景等を異ならせることによって、通常時の上乗せ演出とは異なるものであることを遊技者が把握可能な構成としてもよい。そして、ステップS8404にて、特別ゲーム数表示部TGHの更新処理を行ってから、第3特別報知設定処理を終了する。
特別ゲーム数表示部TGHは、図170(a)に示すように、補助表示部65において、上限である1500ゲームを加味した有利区間(アタックモード等)の残りゲーム数を表示する通常ゲーム数表示部GHとは、異なる領域に設定されており、より詳しくは、通常ゲーム数表示部GHに隣接する領域に特別ゲーム数表示部TGHが設けられている。そのため、通常ゲーム数表示部GHを視認しようとすると、おのずと特別ゲーム数表示部TGHも目に入り易くなり、遊技者が見落としにくい領域に特別ゲーム数表示部TGHが設けられている。なお、いずれの表示部GH、TGHも、押し順報知演出とは重複しない領域に設定されている。
また、特別ゲーム数表示部TGHにおいてゲーム数を表示するカウンタは、通常ゲーム数表示部GHにおいてゲーム数を表示するカウンタと、色や大きさ、形等が異なるように設定されており、両表示部GT,TGHのカウンタの意味する内容が異なるものである印象を与えやすくなっている。しかも、特別ゲーム数表示部TGHにおいてゲーム数を表示するカウンタは、通常ゲーム数表示部GHのそれよりも大きく表示されるものであり、当該特別ゲーム数表示部TGHのカウンタの方が目立ち易いだけでなく、遊技者にって意味のある内容である印象を与え易いものとなっている。
ここで、有利区間中のゲームの進行に合わせて、通常ゲーム数表示部GHの更新がなされる。すなわち、1ゲーム消化する度に通常ゲーム数表示部GHのカウンタは1ずつ減算されたカウンタとして更新される。一方、特別ゲーム数表示部TGHのカウンタは、上乗せ契機が生じたことに基づいて更新されるものであり、ゲームの消化に際して減算されるものではない。特に、特別ゲーム数表示部TGHが更新される場合とは、図170(b)に示すように、上乗せ契機が生じたことに基づいて、カウンタが減算されるのではなく増加されるように更新される。そのため、通常ゲーム数表示部GHのカウンタが減算されることと見比べると、特別ゲーム数表示部TGHのカウンタは、有利区間の終わりに近づくにつれて増加していくカウンタとなっており、カウンタの増加によって何らかの有益な事象が生じるであろうことを連想させ易く、有利区間が強制終了されることへの喪失感を和らげる効果も期待できる。
本変形例においても、有利区間の強制終了時の総消滅ゲーム数TEGの値に応じて設定値示唆を行う構成(終了時演出として設定値示唆を行う構成や、特別区間を設定することで設定値示唆を行う構成)とする。つまり、実際に、特別ゲーム数表示部TGHの値が大きくなるほど、遊技者にとって有益な情報が提示され易くなり、遊技者の期待感に合わせた遊技演出とすることが可能となる。
上記のとおり、有利区間に上限ゲーム数を設ける構成において、当該上限ゲーム数を超える上乗せが発生した場合には、通常であれば、遊技者はその上限ゲーム数を超える上乗せが無意味になるのであるから、その上乗せが発生したことや上乗せゲーム数を把握したくないものと考えられる。その前提からすると、このような状況で上乗せが発生したことや上乗せゲーム数については、なるべく遊技者に悟られないように、隠すようにする、すなわち、報知しないようにすることが通常の発想である。
その一方で、上記のとおり、本実施形態ではかかる上乗せが発生したことや上乗せゲーム数を有意義なものとする構成としており、特別ゲーム数表示部TGHにより表示された値から、設定値の示唆が行われること等を期待しながら遊技を行わせることが可能となる。このように、通常であれば表示しないゲーム数を、あえて表示するようにすることで、かかるゲーム数に基づいて設定値の示唆等を行う遊技を好適に実現することが可能となる。
しかも、このようにあえて表示することから、仮に設定値の示唆等が行われない構成であったとしても、遊技者としては、何らかの意味があって表示されているのであろう、という予測を行いながら遊技を行うものと考えられる。つまり、あえて表示していることから、その表示されている意義や恩恵を遊技者自身が予測し、その予測自体を楽しませる、という効果も期待できる。
上記の特別ゲーム数表示部TGHを、アタックモードの終了演出等、有利区間の終了時においても表示する構成としてもよい。このようにすることで、有利区間が強制終了されなかった場合の総継続ゲーム数や総獲得メダル数を、遊技者は当該特別ゲーム数表示部TGHから皮算用することが可能となり、例えば、あとどれくらいメダルを獲得できたのに、といったように友人との思い出話のネタとさせることも可能である。
<変形例13>
本変形例では、実際の有利区間残りゲーム数ZGと、表示上の残りゲーム数との関係性を利用した報知を行う。図171は、実際の有利区間残りゲーム数ZGと表示上の残りゲーム数との関係を説明するための図である。
本変形例では、所定の上乗せ演出として、上乗せゲーム数の一部又は全部のゲーム数を、当該上乗せ契機が生じたゲームよりも後のゲームにおいて報知する後乗せ演出を設定する。つまり、有利区間残りゲーム数ZGのうちの一部のゲーム数を有利区間の残りゲーム数として先に報知するとともに、有利区間残りゲーム数ZGのうちの残りのゲーム数を後から報知する。先に報知する側のゲーム数を表示用残数カウンタHGとし、後から報知する側のゲーム数を後乗せカウンタBGとすると、有利区間残りゲーム数ZGは、表示用残数カウンタHGと後乗せカウンタBGとの合計値に等しくなる。表示用残数カウンタHGはゲームを消化する度に1ずつ減算され、後乗せカウンタBGはゲームを消化しても後乗せ演出が発生しない限り減算はなされない。なお、表示用残数カウンタHG及び後乗せカウンタBGは、いずれも表示制御装置81の各種カウンタエリア183bにて管理されるカウンタであるが、主制御装置101にて管理されるカウンタとしてもよい。
例えば、アタックモードを消化している最中において、表示上の残りゲーム数が所定数(本変形例では1)となった場合に、すなわち、表示用残数カウンタHGが所定数(1)となった場合に、後乗せ演出が発生する。後乗せ演出では、例えば、上乗せ演出の場合と同様に、後乗せカウンタBG(150)に対応するゲーム数(図では150)の上乗せが行われたことを報知する。その結果、後乗せカウンタBGはその報知分減算される(図では0となる)とともに、表示用残数カウンタHGは後乗せ演出による報知分が上乗せされて更新され、その表示も表示用残数カウンタHGに対応した値となる(図では1ゲーム消化して150)。
後乗せ演出を行うための処理について、図172及び図173を参照しながら説明する。図172は、本変形例における上乗せ演出設定処理を示し、図173は、後乗せ演出設定処理を示すフローチャートである。後乗せ演出設定処理は、表示制御装置81における演出設定処理(図43)のうち、その他の処理にて実施される。
上乗せ演出設定処理において、ステップS8501にて第1特別報知コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS8502にて上乗せゲーム数を把握する処理を行う。そして、ステップS8503にて、後乗せ抽選処理を実行する。後乗せ抽選処理は、今回の上乗せゲーム数を、当該ゲームにて報知するか、それとも後のゲームにて報知するか、すなわち後乗せとするか否かの抽選処理である。例えば、特定役の種類によって後乗せとする割合が異なるように設定されている。
続くステップS8504では、後乗せ抽選にて当選したか否かを判定する。当選していない場合、すなわち、今回の上乗せゲーム数を当該ゲームにて報知すると判定した場合には、ステップS8505に進み、表示用残数カウンタHGに今回の上乗せゲーム数を加算する処理を行う。その後、ステップS8506~ステップS8511にて、上乗せ報知演出の実行タイミングの抽選、上乗せ報知演出の設定を行う。
一方、今回の上乗せゲーム数を後のゲームにて報知すると判定した場合、ステップS8512にて各種フラグ格納エリア183aに後乗せフラグをセットする処理を行う。なお、ステップS8512にて既に後乗せフラグがセットされている状態であれば、その状態を維持する。そして、ステップS8513にて、後乗せカウンタBGに今回の上乗せゲーム数を加算する処理を行ってから、上乗せ演出の設定処理を終了する。
なお、ステップS8501にて第1特別報知コマンドを受信した場合には、ステップS8514にて第1特別報知設定処理を行うが、本変形例における第1特別報知設定処理については、後に説明する。
後乗せ演出設定処理では、ステップS8601にて、表示用残数カウンタHGが所定値として1であるか否かを判定する。なお、上記のように、表示用残数カウンタHGは有利区間中に1ゲーム消化する度に、図示しない減算処理によって1ずつ減算され、補助表示部65の表示もその減算処理に対応させて更新される。表示用残数カウンタHGが1であれば、ステップS8602にて後乗せフラグがセットされているか否かを判定する。表示用残数カウンタHGが1ではない場合や、後乗せフラグがセットされていない場合は、そのまま後乗せ演出設定処理を終了する。
表示用残数カウンタHGが1であって後乗せフラグがセットされている場合、ステップS8603にて後乗せカウンタBGの値を把握する処理を実行する。そして、ステップS8604にて、今回の後乗せ演出分のゲーム数を抽選により決定する。具体的には、例えば、後乗せカウンタBGの全部を後乗せ演出として報知するか、それとも、後乗せカウンタBGのうちの一部を後乗せ演出として報知するかを決定する。かかる抽選は、後乗せカウンタBGの値の大きさによって、全部とするか一部とするかを異ならせるとともに、一部とする場合にはその割合を異ならせるとよい。なお、本変形例では、いずれの場合であっても全部を後乗せ演出として報知する構成とする。
続くステップS8605では、報知分のゲーム数の上乗せ演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。続くステップS8606では、報知した分の後乗せカウンタBGの値を、表示用残数カウンタHGに加算する処理を行う。そして、ステップS8607にて、報知及び表示用残数カウンタHGに加算した分の値を後乗せカウンタBGから減算する処理を行い、ステップS8608にて後乗せカウンタBGが0であることを条件として、ステップS8609にて後乗せフラグをクリアする処理を行う。ステップS8608にて後乗せカウンタBGが0ではない場合や、ステップS8609の処理を行った後は、後乗せ演出設定処理を終了する。
以上のような後乗せ演出を行う構成においては、例えば、後乗せカウンタBGに多量の上乗せ分が加算されている場合等、空きゲーム数FGが0以下となって超過フラグがセットされている状況であっても、表示上の残りゲーム数からは残りゲーム数が上限に達していることを把握できない特定事象が生じ得る。本変形例では、その特定事象を利用して、特定役当選時の喪失感を解消する構成としている。
本変形例における第1特別報知設定処理を、図174を参照しながら説明する。
ステップS8701では、後乗せフラグがセットされているか否かを判定する。後乗せフラグがセットされていなければ、ステップS8702~ステップS8707にて、第1特別報知用の処理を行う。ステップS8702~ステップS8707の処理は、ステップS6701~ステップS6706の処理と同様である。
後乗せフラグがセットされている場合、ステップS8708に進み、後乗せカウンタBGを把握する処理を行う。そして、ステップS8709にて、疑似的に上乗せを行う場合のゲーム数を抽選により決定する。この場合、疑似上乗せのゲーム数を後乗せカウンタBGを上限とし、例えば、後乗せカウンタBGが100であれば100以下のゲーム数のいずれかが選択されるように抽選により決定する。
具体的には、例えば、図131における通常時の(実際に上乗せを発生させる場合の)上乗せゲーム数抽選テーブルと同様の抽選テーブルを表示制御装置81にも記憶しておく。そして、かかる抽選テーブルと今回の遊技結果とに基づいて、疑似的な上乗せゲーム数を抽選により選択する。当該抽選により選択したゲーム数が、後乗せカウンタBG以下であればそのゲーム数を今回の疑似上乗せのゲーム数として決定する。一方、当該抽選により選択したゲーム数が、後乗せカウンタBGよりも大きければ、後乗せカウンタBGの値を今回の疑似上乗せのゲーム数として決定する。このようにすることで、上乗せ契機となった特定役との関係で、あたかも実際に上乗せが行われているかのようにしつつ、後乗せカウンタBGを超える疑似上乗せを発生させないようにすることができる。
続くステップS8710では、ステップS8709にて決定した疑似上乗せのゲーム数にて上乗せ演出を行うよう、補助表示部65やスピーカ64を制御する。この場合、通常時に発生する上乗せ演出と同じ演出となるようにすると、今回の遊技結果を契機として上乗せが発生した印象を強く与えることが可能となる。
続くステップS8711では、報知分を表示用残数カウンタHGに加算する処理を行い、ステップS8712にて報知分を後乗せカウンタBGから減算する処理を行う。そして、ステップS8713にて後乗せカウンタBGが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS8714にて後乗せフラグをクリアする。ステップS8713にて後乗せカウンタBGが0ではないと判定した場合や、ステップS8714の処理を実行した後は、第1特別報知設定処理を終了する。
以上のように、未報知分の有利区間残りゲーム数ZG(後乗せカウンタBG分)を利用して、空きゲーム数FGが0以下となった場合であっても、疑似的な上乗せ演出を行う構成としたことにより、空きゲーム数FGが0以下となって超過フラグがセットされている状況で上乗せ契機が生じた場合の喪失感を解消することが可能となる。
特に、未報知分の疑似上乗せを後乗せカウンタBGの範囲内で行う構成としていることや、実際の上乗せ抽選・上乗せゲーム数抽選を経て行う構成としていることから、当該疑似上乗せが、単なる演出上のものではなく、特定役当選に基づく実際の上乗せである印象を強めることができ、当該疑似上乗せが行われることに対して、純粋に喜びを感じさせることが可能となる。
<変形例14>
本変形例では、上記変形例13における疑似上乗せを利用して設定値示唆を行う。図175は、本変形例における疑似上乗せゲーム数抽選処理を示すフローチャートである。疑似上乗せゲーム数抽選処理は、上記ステップS8709にて実施される処理である。
ステップS8801では、設定値を把握する処理を行う。続くステップS8802では、設定値示唆抽選処理を行う。設定値示唆抽選処理では、今回の疑似上乗せ時に、設定値示唆を行うか否かを抽選により決定する処理である。具体的には、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから、設定値示唆用の疑似上乗せゲーム数テーブルを取得し、設定値示唆の内容を含むゲーム数にて疑似上乗せを行うか否かを抽選する。
設定値示唆用の疑似上乗せゲーム数テーブルは、図176(a)に示す通り、設定値によって、選択される疑似上乗せのゲーム数が異なるように設定されている。例えば、疑似上乗せのゲーム数として後乗せカウンタBGと同じゲーム数の疑似上乗せ演出は、全設定値で選択され得るものの、高設定ほど選択され易くなるように設定されている。また、後乗せカウンタBGに対して第1数として、例えば10を加えたゲーム数の疑似上乗せ演出は、設定1~設定3で選択され、低設定ほど選択され易くなるように設定されている。後乗せカウンタBGに対して第2数として、例えば56を加えたゲーム数の疑似上乗せ演出は、設定5及び設定6で選択されるように設定されている。後乗せカウンタBGに対して第3数として、例えば77を加えたゲーム数の疑似上乗せ演出は、設定6のみで選択されるように設定されている。
ステップS8802にて上記設定値示唆用の抽選処理を行った後は、ステップS8803にて、設定値示唆の内容を含む各ゲーム数の疑似上乗せ演出に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS8804にて、当選内容に応じたゲーム数を今回の疑似上乗せゲーム数として設定する処理を行ってから、本疑似上乗せゲーム数抽選処理を終了する。
図176(a)に示すように、設定値示唆用の疑似上乗せゲーム数テーブルは、いずれの設定値であっても、これら設定値示唆の内容を含むゲーム数が選択されない設定示唆外れが選択され得るように設定されている。当該設定示唆外れが選択された場合は、以下の処理によって、疑似上乗せ演出のゲーム数が抽選により決定される。
すなわち、ステップS8802の抽選処理の結果が上記設定値示唆外れである場合、ステップS8803にて否定判定することとなり、この場合、ステップS8805に進む。ステップS8805では、通常用の疑似上乗せゲーム数抽選処理を行う。通常用の疑似上乗せゲーム数抽選処理は、上記変形例13で説明したものと同様であり、図131における通常時の上乗せゲーム数抽選テーブルと同様の抽選テーブルと今回の遊技結果とに基づいて、疑似的な上乗せゲーム数を抽選により選択する。
続くステップS8806では、ステップS8805にて選択したゲーム数が、後乗せカウンタBG以下であるか否かの判定を行う。後乗せカウンタBGを超える場合、ステップS8807にて、後乗せカウンタBGの値を今回の疑似上乗せのゲーム数として設定する処理を行ってから、疑似上乗せゲーム数抽選処理を終了する。ステップS8805にて選択したゲーム数が後乗せカウンタBG以下である場合、ステップS8808にて、当該選択したゲーム数を今回の疑似上乗せのゲーム数として設定する処理を行ってから、疑似上乗せゲーム数抽選処理を終了する。
この場合、例えば、上乗せ演出(疑似上乗せ演出)において報知されたゲーム数を、総ゲーム数と残りゲーム数とに加えることで上限値である1500となる場合、設定値示唆用の疑似上乗せゲーム数抽選にて後乗せカウンタBGと同数のゲーム数が選択された可能性がある。上記のように、この後乗せカウンタBGと同数のゲーム数は、高設定ほど選択され易いことから、高設定との予測を行うことが可能である。但し、後乗せカウンタBGと同数のゲーム数の上乗せ演出は、通常用の疑似上乗せゲーム数抽選処理で後乗せカウンタBG以上のゲーム数が選択された場合にも発生する場合がある。そうすると、単に後乗せカウンタBGと同数のゲーム数の上乗せ演出が発生すればよいだけでなく、設定値の予測を行う難易度が高くなっており、当該遊技の面白味が追加されている。
例えば、アタックモード中の強チェリー当選に基づいて行われる上乗せゲーム数テーブルでは、選択される最多ゲーム数は200ゲームとして設定されている(図131)。そのため、例えば、強チェリー当選時に200ゲームを超えるゲーム数として250ゲームの上乗せ演出が発生すると、それは疑似上乗せ演出である可能性が高く、しかもそのゲーム数が後乗せカウンタBGと同数であれば(総ゲーム数と残りゲーム数とに加算すると上限値となれば)、高設定である期待度が高まる結果となる。
一方、同じ250ゲームの上乗せ演出が発生しても、それが弱チェリー当選を契機とするものであれば、弱チェリー時の選択される範囲内のゲーム数となり(図131)、仮に後乗せカウンタBGと同数であったとしても、通常用の疑似上乗せゲーム数抽選処理で後乗せカウンタBG以上のゲーム数が選択された可能性も否定できない。
また、上記例において、強チェリー当選時に200ゲームを超える上乗せ演出が発生しても、それが、後乗せカウンタBGに第1数(10)を加えたゲーム数(260)であると、低設定である可能性が高まる。一方、それが弱チェリー当選を契機とする上乗せ演出であれば、低設定であるとは断言できなくなる。
ここで、上記のように総ゲーム数と表示上の残りゲーム数とから把握される表示上の空きゲーム数が、1回の上乗せゲーム数の上限以上である場合には、後乗せカウンタBGと同数のゲーム数の上乗せ演出が発生すると、それが設定値示唆の内容を含むものであることが明確に把握される。一方、上記表示上の空きゲーム数が1回の上乗せゲーム数の上限未満である場合には、後乗せカウンタBGと同数のゲーム数の上乗せ演出が発生すると、設定値示唆の内容を含むものであるとは断定できなくなる。つまり、上記表示上の空きゲーム数が多い状況の方が、設定値示唆の内容を含む上乗せ演出が発生し易い構成となり、早期に超過フラグがセットされた場合であっても、その分設定値示唆を楽しむことが可能となる、といったメリットを生じさせることができる。また、表示上の空きゲーム数が1回の上乗せゲーム数の上限未満となると、設定値示唆の内容を含む上乗せ演出を望む遊技者にとっては、上限ゲーム数が少ない特定役に基づく上乗せ(例えば、最多で50ゲームのチャンスAやチャンスBに基づく上乗せ)を望むようになる。つまり、多くのゲーム数の上乗せを期待するであろう通常とは全く逆の感覚にて上乗せを望むようになり、従来にはない斬新な遊技性を実現することが可能となる。
また、例えば、発生した上乗せ演出が、後乗せカウンタBGに対して第2数(56)や第3数(77)を加算したゲーム数のものである場合、上記のように高設定を期待することが可能となっている。但し、かかる内容も、表示上の残りゲーム数等、遊技の進行状況によって出現するゲーム数と、示唆内容とが異なる。
例えば、図176(b1)では、総ゲーム数が1045、表示上の残りゲーム数が102であり、後乗せカウンタBGが353である状況において、出現する上乗せゲーム数と設定値の示唆内容との関係を示している。この場合、上乗せゲーム数が353ゲームであれば高設定を示唆し、上乗せゲーム数が363ゲームであれば低設定を示唆するものとなる。また、上乗せゲーム数が409ゲームであれば設定5又は設定6を示唆し、430ゲームであれば設定6が確定する。
一方、図176(b2)のように、同じ総ゲーム数が1045であっても、表示上の残りゲーム数が56であり、後乗せカウンタBGが399である状況においては、上乗せゲーム数が409ゲームであると、低設定を示唆するものとなる。つまり、上記図176(b1)の場合では設定5又は設定6を示唆するゲーム数が、図176(b2)の状況では、低設定を示唆するものとなり、同じゲーム数の上乗せ演出であっても、示唆内容が全く異なるものとなる。
また、図176(b3)のように、同じ総ゲーム数が1045であっても、表示上の残りゲーム数が35であり、後乗せカウンタBGが420である状況においては、上乗せゲーム数が430ゲームであると、低設定を示唆するものとなる。つまり、上記図176(b1)の場合では設定6が確定するゲーム数が、図176(b3)の状況では、低設定を示唆するものとなり、同じゲーム数の上乗せ演出であっても、示唆内容が全く異なるものとなる。
<第5の実施形態>
本実施形態では、特化ゾーンの構成が上記各実施形態と異なっている。上記各実施形態では、VBモード中に第7再遊技入賞が発生したこと基づいて特化ゾーンへ移行するパターンと、スーパーアタックモードへの移行抽選に当選したことに基づいて特化ゾーンへ移行するパターンと、を説明したが、本実施形態では、アタックモードやVBモード中の特定役当選に基づいて移行するパターンを説明する。
図177は、本実施形態における第2特定役処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、第2特定役処理は、特定役当選時に実施される処理であって、表示モードが主にアタックモードである場合に実施される処理である。
本実施形態における第2特定役処理では、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選処理に非当選となった場合の処理が異なっている。すなわち、ステップS10001~ステップS10020の処理は、上記ステップS901~ステップS920の処理と同様であり、特定役当選に基づいて、アタックモードのランクに応じたVBモードへの移行抽選や、アタックモードのランク昇格抽選や、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選を実施し、これら各抽選に当選した場合には、それぞれ対応する特典(VBモードへの移行やランク昇格、ゲーム数上乗せ)を付与するための処理が行われる。
本実施形態では、ステップS10015にて、直前のステップS10014にて実施されたアタックモードのゲーム数上乗せ抽選処理にて非当選であったと判定した場合、ステップS10021へ進む。ステップS10021では、特化ゾーンへの移行抽選を実行する。すなわち、本実施形態では、アタックモード中に特定役に当選した場合において、VBモードへの移行抽選やアタックモードのゲーム数上乗せ抽選等に当選しなかった場合に、特化ゾーンへの移行抽選が行われる。特化ゾーン抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから特化ゾーン移行抽選用のテーブルを取得するとともに、抽選用のカウンタ等によって、表示モードを特化ゾーンへ移行させるか否かの抽選を行う。
特化ゾーン移行抽選用のテーブルは、図179に示すように、特定役の種類によって移行抽選の当選確率が異なるように設定されている。
ここで、本実施形態においては、抽選処理(図16)における特定役の当選確率が上記各実施形態と異なっており、特に、強チェリー(IV=13)、弱チェリー(IV=14)、強スイカ(IV=15)及び弱スイカ(IV=16)の当選確率が異なっている。具体的には、本実施形態では、強チェリーには約600分の1の確率で当選し、弱チェリーには約200分の1の確率で当選する。また、強スイカには約300分の1の確率で当選し、弱スイカには約60分の1の確率で当選する。すなわち、本実施形態においては、強チェリーや弱チェリー(これらをまとめて、単に「チェリー」とも称する)に当選する確率は、合わせて約150分の1であり、強スイカや弱スイカ(これらをまとめて、単に「スイカ」とも称する)に当選する確率は、合わせて約50分の1であり、チェリーよりもスイカの方が圧倒的に当選し易くなっている。これらチェリーやスイカに関して、設定値に関わらず当選確率の差が生じないように設定されており、例えば、設定1のチェリー当選確率と設定6のチェリー当選確率は共通しており、設定3のスイカ当選確率と設定5のスイカ当選確率とは共通している。その他の特定役の当選確率については、上記各実施形態と同様である。また、特定役以外の遊技結果(通常リプレイ、押し順リプレイや押し順ベル、第1BB、第2BB、CB、外れ等)についても、その確率は上記各実施形態と同様である。
特化ゾーン移行抽選用のテーブルでは、例えば、強チェリーに基づく特化ゾーン移行抽選では5%の確率で当選し、弱チェリーに基づく特化ゾーン移行抽選では0.5%の確率で当選する。一方、強スイカに基づく特化ゾーン移行抽選では15%の確率で当選し、弱スイカに基づく特化ゾーン移行抽選では5%の確率で当選する。つまり、チェリーよりもスイカの方が遊技結果としての当選確率が高いだけでなく、特化ゾーン移行抽選においても当選確率が高くなるように設定されている。
これら、特化ゾーン移行抽選における特定役別の当選確率は、いずれに設定値でも共通の当選確率として設定されており、設定値によって異ならないように設定されている。
ステップS10022では、上記ステップS10021の処理結果に基づいて、特化ゾーンへの移行抽選に当選したか否かを判定する。当選していない場合には、そのまま第2特定役処理を終了する。当選している場合には、ステップS10023にて、各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーン当選フラグをセットする処理を行う。そして、ステップS10024にて前兆ゲーム数テーブルを取得する処理を行い、ステップS10025にて前兆ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS10026にて前兆ゲーム数をセットする処理を行い、ステップS10027にて前兆コマンドをセットする処理を行ってから、第2特定役処理を終了する。ステップS10024~ステップS10027の処理は、例えばステップS906~ステップS909の処理と同様であり、前兆モードを設定するための処理である。
次に、本実施形態における第3特定役処理について、図178を参照しながら説明する。既に説明した通り、第3特定役処理は、特定役当選時に実施される処理であって、表示モードが主にVBモードである場合に実施される処理である。
本実施形態における第3特定役処理では、上記第2特定役処理における変更点と同様に、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選処理に非当選となった場合の処理が異なっている。すなわち、ステップS10101~ステップS10107の処理は、上記ステップS1001~ステップS1007と同様であり、特定役当選に基づくアタックモードのゲーム数上乗せ抽選を実施し、かかる上乗せ抽選に当選した場合には、ゲーム数上乗せ処理等が行われる。
本実施形態では、ステップS10102にて、直前のステップS10101にて実施されたアタックモードのゲーム数上乗せ抽選処理にて非当選であったと判定した場合、ステップS10108へ進む。ステップS10108では、特化ゾーンへの移行抽選を実行する。すなわち、本実施形態では、VBモード中に特定役に当選した場合において、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選に当選しなかった場合にも、特化ゾーンへの移行抽選が行われる。特化ゾーン抽選処理は、上記ステップS10021の処理と同様であり、特化ゾーン移行抽選用のテーブルに基づいて行われる。
VBモード中の特化ゾーン移行抽選用のテーブルについても、アタックモード中の特化ゾーン移行抽選用のテーブルと同様に、図179に示すように、特定役の種類によって移行抽選の当選確率が異なるように設定されている。例えば、強チェリーに基づく特化ゾーン移行抽選では10%の確率で当選し、弱チェリーに基づく特化ゾーン移行抽選では1%の確率で当選する。一方、強スイカに基づく特化ゾーン移行抽選では30%の確率で当選し、弱スイカに基づく特化ゾーン移行抽選では10%の確率で当選する。つまり、VBモードにおいても、特化ゾーン移行抽選の当選確率が、チェリーよりもスイカの方が高くなるように設定されている。また、その他の特定役も含め、特化ゾーン移行抽選の当選確率は、アタックモードよりもVBモードの方が高くなるように設定されている。
VBモード中の特化ゾーン移行抽選における特定役別の当選確率についても、上記アタックモード中の当選確率と同様に、いずれに設定値でも共通の当選確率として設定されており、設定値によって異ならないように設定されている。
ステップS10109では、ステップS10108の処理結果に基づいて、移行抽選に当選したか否かの判定を行う。ステップS10109~ステップS10114の処理は、上記ステップS10022~ステップS10027の処理と概ね同様であり、特化ゾーンへの移行抽選に当選した場合において、前兆モードの設定を行うための処理となっている。ただし、ステップS10113では、前兆ゲーム数の抽選処理により決定された前兆ゲーム数に対して、VBモードの残りゲーム数を加算したゲーム数を今回の前兆ゲーム数としてセットする。すなわち、特化ゾーン当選を示唆する前兆演出は、VBモード中から実施されるものの、特化ゾーンへはVBモードが終了してから移行する構成としている。なお、VBモードの残りゲーム数を前兆ゲーム数として設定する構成としてもよく、この場合、前兆ゲーム数の抽選処理等を省略することが可能である。
以上のように、本実施形態では、特化ゾーンへの移行抽選が、アタックモードやVBモードにおいて特定役に基づく上乗せ非当選となったことに基づいて実施される。このような構成とすることで、アタックモードやVBモード中に特定役に当選した場合に得られる可能性のある利益が、直接的なゲーム数の上乗せだけに限定されず、期待感がより高められる。また、特化ゾーンへの移行経路が多様化し、遊技性を大幅に向上させることが可能となる。
表示モードを特化ゾーンへ移行させるための処理として、本実施形態におけるモード移行報知用処理及び押し順役処理について、図180及び図181を参照しながら補足説明する。本実施形態における特化ゾーンは、上記各実施形態と同様に、第7再遊技入賞が成立したことに基づいて移行する。ただし、本実施形態においては、BARリプレイ当選時の抽選(第7再遊技を入賞させるか否かの抽選)によって特化ゾーンへの移行抽選が行われるのではなく、上記のように特定役当選時に移行抽選が行われる。そして、当該特定役当選時の移行抽選に当選すると、特化ゾーン当選フラグがセットされて移行可能となり、その後に、BARリプレイ1に当選した場合に第7再遊技入賞を成立させるための押し順報知が実施されて、特化ゾーンへ移行する構成としている。
すなわち、本実施形態におけるモード移行報知用処理では、図180に示すように、ステップS10201~ステップS10216にて、上記ステップS1101~ステップS1116の処理と同様に、前兆ゲーム数が0となったことに基づいて、対応する表示モードへ移行させるための処理や、対応する遊技状態への移行役となる押し順役当選時の押し順報知を発生させるための処理が行われる。
本実施形態では、ステップS10213にてVBモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS10217に進む。ステップS10217では、特化ゾーン当選フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのままモード移行報知用処理を終了する。セットされている場合には、ステップS10218にて、当該特化ゾーン当選フラグをクリアする処理を行う。そして、ステップS10219にて、各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーン用報知フラグをセットする処理を行う。特化ゾーン用報知フラグは、第7再遊技入賞に対応する押し順報知を実行するためのフラグである。ステップS10219の処理を実行した後は、ステップS10220にて特化ゾーン当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本モード移行報知用処理を終了する。特化ゾーン当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、特化ゾーンに当選したことの報知を行うように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。当該処理は、例えばベット時演出設定処理(図44)のその他のベット時演出設定処理(ステップS1809)にて、特化ゾーン当選報知コマンドを受信していることを条件として実行する構成とするとよい。
本実施形態における押し順役処理では、図181に示すように、ステップS10301~ステップS10313にて、上記ステップS1201~ステップS1213の処理と同様に、第2RT状態や第3RT状態へ昇格させるための押し順報知(第3再遊技~第5再遊技の押し順報知)や、第1RT状態へ転落させないための押し順報知(第1再遊技の押し順報知)を行う。
ステップS10309にて否定判定した場合、本実施形態では、ステップS10314にて、今回の遊技結果がBARリプレイのうち、BARリプレイ1であるか否かを判定する。BARリプレイ1である場合、ステップS10315にて、アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定し、ステップS10316にて、特化ゾーン用報知フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS10315にて否定判定した場合には、今回のBARリプレイ1当選ゲームでは押し順報知を実行せずに、そのまま押し順役処理を終了する。また、ステップS10316にて否定判定した場合、ステップS10307に進み、第1再遊技入賞を成立させるための押し順報知用の処理を行う。
アタック用報知フラグ及び特化ゾーン用報知フラグのいずれもがセットされている場合、ステップS10317にて第7再遊技入賞に対応する押し順報知を実行し、ステップS10318にて当該第7再遊技入賞に対応する停止順序を含む押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、押し順役処理を終了する。
なお、本実施形態においては、BARリプレイ1当選時の停止順序と入賞態様との関係を、第7再遊技入賞と第1再遊技入賞及び第6再遊技入賞とが異なる停止順序となるように設定するとよい(図23(c))。これにより、上記のように第7再遊技入賞に対応する押し順報知に従って停止操作した場合に、より確実に第7再遊技入賞を成立させることが可能となる。また、本実施形態においては、入賞結果対応処理(図39)のステップS1316にて第7再遊技入賞が成立したと判定した場合、ステップS1317にてVB用報知フラグの有無を判定する代わりに、上記特化ゾーン用報知フラグの有無を確認する構成とする。すなわち、第7再遊技入賞が成立し、且つ特化ゾーン用報知フラグがセットされている場合に、特化ゾーンの開始処理(ステップS1318~)が行われるようにする。このようにすることで、たまたま停止順序が第7再遊技入賞に対応する停止順序に合致した場合に、特化ゾーンへ移行してしまうことを回避することができる。
また、本実施形態の押し順役処理においても、ステップS10314にて否定判定した場合、ステップS10319~ステップS10322にて押し順ベル用の処理を行う点は、上記ステップS1219~ステップS1222の処理と同様である。
次に、本実施形態における上乗せ演出の設定処理について、図182を参照しながら説明する。既に説明した通り、上乗せ演出の設定処理は、主制御装置101から上乗せコマンドを受信したことに基づいて表示制御装置81にて実施される処理である。
ステップS10401では、特化ゾーン中か否かを判定する。特化ゾーン中ではない場合には、ステップS10402~ステップS10413にて、上記ステップS8502~ステップS8513と同様に、今回の上乗せを後乗せとするか否かの判定や、後乗せとしない場合には、当該ゲームのいずれのタイミングにて上乗せ演出を発生させるか否かの判定等を行う。
以下の説明では、後乗せ演出との対比として、上乗せ当選ゲームにて発生させる上乗せ演出(後乗せ演出よりも先のタイミングで発生させる上乗せ演出)を、即乗せ演出とも称する。
ステップS10401にて特化ゾーン中に受信した上乗せコマンドである場合、ステップS10414にて特化ゾーン用上乗せ処理を実行してから、上乗せ演出の設定処理を終了する。
ここで、特化ゾーン用上乗せ処理の説明を行う前に、本実施形態における上乗せ特化ゾーン中の演出について、図183~図185を参照しながら説明する。
図183(a)に示すように、上乗せ特化ゾーンへ移行すると、補助表示部65では、「上乗せ確率上昇中」という文字表示が行われる。これにより、ゲーム数上乗せ抽選の当選確率が高い状況であることを遊技者は明確に把握可能となる。また、補助表示部65においては、特化ゾーン中に上乗せしたゲーム数の合計数が、特化ゾーン中上乗せゲーム数TUGにより表示される。特化ゾーン中上乗せゲーム数TUGは、例えば、補助表示部65の中央上部に配置され、特に遊技者の目を引きやすい位置に配置されている。
本実施形態においても、特化ゾーン中では、特定役のみならず押し順ベルや押し順リプレイでも上乗せに当選する(図129)。そのため、毎ゲーム、ゲーム数上乗せが発生し、対応する上乗せ演出が行われるとともに、特化ゾーン中上乗せゲーム数TUGの表示が毎ゲーム更新される。
本実施形態においては、特化ゾーン中の特定役のうち、特に、スイカ及びチェリーについて、当選したゲームにて上乗せ演出が行われる即乗せ演出が選択される場合と、当該特化ゾーンの終了時まで上乗せゲーム数の報知が持ち越される後乗せ演出が選択される場合とがある。
以下の説明では、特化ゾーン中以外の即乗せ演出や後乗せ演出との対比として、特化ゾーン中の当選ゲームにて発生させる上乗せ演出をゾーン中即乗せ演出とも称し、特化ゾーン終了時に発生させる上乗せ演出(ゾーン中即乗せ演出よりも後のタイミングで発生させる上乗せ演出)をゾーン中後乗せ演出とも称する。
図184(a)に示すように、例えば、スイカ当選時においてゾーン中即乗せ演出が選択されると、既に説明した上乗せ演出が発生する。かかる上乗せ演出は、上乗せ当選したことの当選報知と上乗せゲーム数の内容報知とが同時に行われる演出である。一方、スイカ当選時においてゾーン中後乗せ演出が選択されると、スイカ契機で上乗せ当選したことの当選報知として、例えば、スイカに対応する緑色の宝箱を模したキャラクタとして第1後乗せキャラクタBUP1が表示されるとともに、「ゲット!!」という文字表示により、第1後乗せキャラクタBUP1(スイカ契機に基づく上乗せ権利)を獲得したことが示される。また、図184(b)に示すように、チェリー当選時においてゾーン中即乗せ演出が選択されると、スイカ当選時に即乗せ演出が選択された場合と同様に、既に説明した上乗せ演出が発生する。一方、チェリー当選時においてゾーン中後乗せ演出が選択されると、チェリー契機で上乗せ当選したことの当選報知として、例えば、チェリーに対応する赤色の宝箱を模したキャラクタとして第2後乗せキャラクタBUP2が表示されるとともに、「ゲット!!」という文字表示により、第2後乗せキャラクタBUP2(チェリー契機に基づく上乗せ権利)を獲得したことが示される。第1後乗せキャラクタBUP1と第2後乗せキャラクタBUP2とは、遊技者が識別可能となるように表示内容が異なっており、具体的には、上記のようにキャラクタの色が異なっている(BUP1は緑色、BUP2は赤色、図ではドットハッチを異ならせて示している)。
獲得した第1後乗せキャラクタBUP1や第2後乗せキャラクタBUP2は、図183(b)に示すように、特化ゾーン中上乗せゲーム数TUGに並べて表示される。図183(b)においては、第1後乗せキャラクタBUP1が3つ表示され、第2後乗せキャラクタBUP2は1つ表示されており、スイカ契機のゾーン中後乗せ演出が3回発生することを示しているとともに、チェリー契機のゾーン中後乗せ演出が1回発生することを示している。なお、図183(b)においては、特化ゾーン中上乗せゲーム数TUGが「150」に更新されている状況を示しており、かかる状況は、特化ゾーン中の各ゲームでゾーン中即乗せ演出によって合計150ゲームの上乗せが発生したことを示している。より詳しくは、図183(b)の表示がなされている状況とは、特化ゾーンにおいて150ゲームの上乗せが発生し、更に、ゾーン中後乗せ演出が4回(3回+1回)発生することが確定している状況であり、特化ゾーン中上乗せゲーム数TUGに表示されている150ゲームよりも、さらに多いゲーム数の上乗せが潜在的に存在していることを意味している。
特化ゾーンの継続ゲーム数が0となり当該特化ゾーンが終了する場合、上記第1後乗せキャラクタBUP1と第2後乗せキャラクタBUP2とに対応する後乗せ演出が発生する。具体的には、特化ゾーンの最終ゲームの終了時(各リール32L,32M,32Rを停止した後、より詳しくは、メダル払出完了後)に、図185(a)に示すように、「後乗せJudge」という文字表示がなされて、第1後乗せキャラクタBUP1や第2後乗せキャラクタBUP2にて当選報知されている内容報知としてのゾーン中後乗せ演出が発生する状況であることが示される。また、スイカ契機で生じた上乗せ(後乗せ)の総ゲーム数を示す第1後乗せゲーム数BUG1と、チェリー契機で生じた上乗せ(後乗せ)の総ゲーム数を示す第2後乗せゲーム数BUG2と、が表示される。図185(a)においては、ゾーン中後乗せ演出発生前の状況を示しており、いずれの後乗せゲーム数BUG1,BUG2も0ゲームとなっている。
ゾーン中後乗せ演出では、複数表示されている各後乗せキャラクタBUP1,BUP2について、順次(例えば、演出スイッチ66が操作される度に)、内容報知としてのゾーン中後乗せ演出を発生させる。例えば、複数表示されている第1後乗せキャラクタBUP1のうちの1が補助表示部65の略中央に移動して拡大表示され、当該第1後乗せキャラクタBUP1にて示される当選報知に対応する内容報知が行われる。内容報知としては、例えば、第1後乗せキャラクタBUP1として示されている宝箱が開放されて、中身が飛び出すかのような表示がなされる。当該中身は上乗せゲーム数に対応しており、図185(b)では、10ゲームの上乗せ(後乗せ)が発生したことを示している。この場合、第1後乗せゲーム数BUG1が10ゲーム加算されて表示が更新されるとともに、特化ゾーン中上乗せゲーム数TUGの表示も10ゲーム加算されて更新される。その後、残りの第1後乗せキャラクタBUP1についても、順次、内容報知が行われる。
第1後乗せキャラクタBUP1についての内容報知が終了すると、第2後乗せキャラクタBUP2についての内容報知が行われる。この場合、図186(a)に示すように、第2後乗せキャラクタBUP2が補助表示部65の略中央に移動して拡大表示されるとともに、当該第2後乗せキャラクタBUP3にて示される当選報知に対応する内容報知が行われる。例えば、第2後乗せキャラクタBUP2として示されている宝箱が開放されて、中身が飛び出すかのような表示がなされる。第1後乗せキャラクタBUP1の場合と同様に、当該中身は上乗せゲーム数に対応しており、図186(a)では、90ゲームの上乗せ(後乗せ)が発生したことを示している。この場合、第2後乗せゲーム数BUG2が90ゲーム加算されて表示が更新されるとともに、特化ゾーン中上乗せゲーム数TUGの表示も90ゲーム加算されて更新される。
特化ゾーン中に発生した上乗せについてすべての内容報知(ゾーン中後乗せ演出)が終了すると、図186(b)に示すように、当該特化ゾーン中に発生したスイカとチェリーとの上乗せに関し、即乗せと後乗せとの選択比率(選択割合)を示す比率報知が行われる。
具体的には、スイカ契機で発生した上乗せについて、当該スイカ当選したゲームにて上乗せゲーム数の内容報知が行われた回数(即乗せ回数)と、特化ゾーン終了時にスイカ当選を契機とする上乗せゲーム数の内容報知が行われた回数(後乗せ回数)とが第1比率表示HP1として表示される。また、チェリー契機で発生した上乗せについて、当該チェリー当選したゲームにて上乗せゲーム数の内容報知が行われた回数(即乗せ回数)と、特化ゾーン終了時にチェリー当選を契機とする上乗せゲーム数の内容報知が行われた回数(後乗せ回数)とが第2比率表示HP2として表示される。
図186(b)では、今回の特化ゾーンにおいて、スイカ当選を契機とする即乗せ回数は1回であり、スイカ当選を契機とする後乗せ回数は3回であることが、第1比率表示HP1として積み上げ棒グラフにて示されている。また、今回の特化ゾーンにおいて、チェリー当選を契機とする即乗せ回数は2回であり、チェリー当選を契機とする後乗せ回数は1回であることが、第2比率表示HP2として積み上げ棒グラフにて示されている。これらの積み上げ棒グラフにおいて、即乗せ回数を示す領域と、後乗せ回数を示す領域とは、それぞれ異なる色によって示されており、遊技者はそれらの領域の違いを明確に把握することが可能とされている(図ではドットハッチを異ならせて表示している)。より詳しくは、今回の特化ゾーンにおいて、スイカ契機で発生した上乗せは4分の1(25%)で即乗せが選択され、4分の3(75%)で後乗せが選択されたことや、今回の特化ゾーンにおいて、チェリー契機で発生した上乗せは3分の2(約66%)で即乗せが選択され、3分の1(約33%)で後乗せが選択されたことが、視覚的に容易に把握可能に示される。
本実施形態では、特化ゾーン中の上乗せに関し、即乗せが選択される比率と、後乗せが選択される比率とが(後乗せ抽選に当選する確率が)、設定値によって異なるように設定されている。つまり、特化ゾーンについて、上記のように即乗せと後乗せとの比率報知が行われることにより、遊技者は設定値を予測・把握することが可能となる。以下、かかる比率報知を行うための処理を含め、特化ゾーン中の上乗せ報知を行うための処理について、詳細に説明する。
図187は、特化ゾーン用上乗せ処理を示すフローチャートである。
ステップS10501では、今回の上乗せゲーム数を把握する処理を実行する。続くステップS10502では、ゾーン中後乗せ抽選処理を実行する。ゾーン中後乗せ抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから特化ゾーン用の上乗せ演出タイミングテーブルを取得して、今回の上乗せ演出を即乗せとするか後乗せとするかを抽選により決定する。
図188に示すように、特化ゾーン用の上乗せ演出タイミングテーブルでは、上乗せ当選契機となった遊技結果(当選役)と、設定値とによって、上乗せ演出の実行タイミングが異なるように設定されている。具体的には、上乗せ当選契機となった遊技結果として、スイカ(強スイカ、弱スイカ共通)と、チェリー(強チェリー、弱チェリー共通)と、その他とで、上乗せ演出の実行タイミングがそれぞれ異なるように設定されている。
スイカは、設定1では、即乗せが40%で選択され、後乗せが60%で選択される。設定2では、即乗せが45%で選択され、後乗せが55%で選択される。設定3では、即乗せが50%で選択され、後乗せが50%で選択される。設定4では、即乗せが55%で選択され、後乗せが45%で選択される。設定5では、即乗せが60%で選択され、後乗せが40%で選択される。設定6では、即乗せが65%で選択され、後乗せが35%で選択される。つまり、設定値が高くなるほど後乗せの選択率が低くなり、即乗せの選択率が高くなる。
チェリーは、設定1では、即乗せが10%で選択され、後乗せが90%で選択される。設定2では、即乗せが30%で選択され、後乗せが70%で選択される。設定3では、即乗せが50%で選択され、後乗せが50%で選択される。設定4では、即乗せが70%で選択され、後乗せが30%で選択される。設定5では、即乗せが80%で選択され、後乗せが20%で選択される。設定6では、即乗せが90%で選択され、後乗せが10%で選択される。つまり、設定値が高くなるほど後乗せの選択率が低くなり、即乗せの選択率が高くなり、この点はスイカと共通している。
一方、上乗せ契機がスイカの場合と比較して、チェリーの場合には、即乗せと後乗せとの比率の設定値による差が大きくなるように設定されている。すなわち、例えば、即乗せが選択された場合に設定値を予測するうえで、スイカよりもチェリーのほうがその予測材料としての貢献度が高い。言い換えると、スイカの即乗せ/後乗せ比率から設定値を予測するよりも、チェリーの即乗せ/後乗せ比率から設定値を予測するほうがその予測精度が高く、より容易に設定値の予測を行うことが可能となっている。
既に説明した通り、本実施形態では、チェリーよりもスイカの方が圧倒的に当選し易くなるように当選確率が設定されている(図179)。かかる当選確率は、特化ゾーン中においても同様の当選確率であり、当該特化ゾーンにおいてもチェリーよりもスイカの方が当選し易い。そうすると、特化ゾーンにおける即乗せ/後乗せ比率から設定値を予測する遊技において、その予測精度が低いスイカには当選し易く、予測精度の高いチェリーには当選しにくい。このようにすることで、当選確率の低いチェリーに当選した場合の恩恵を、上乗せゲーム数の多少といった有利度に関する恩恵だけでなく、設定値の予測材料という遊技者にとって有益となり得る情報の提示という恩恵を加え、当該有利度に関する恩恵の割合を高めすぎないようにすることが可能となる。
ステップS10502にてゾーン中後乗せ抽選処理を実行した後は、ステップS10503にてゾーン中後乗せ抽選処理に当選したか否かを判定する。当選していない場合、すなわち、即乗せが選択された場合、ステップS10504にて、今回の上乗せ契機がスイカであったか否かを判定する。スイカであった場合には、ステップS10505に進み、各種カウンタエリア106eに設けられたスイカ用即乗せカウンタに1を加算する処理を実行する。スイカ用即乗せカウンタは、今回の特化ゾーン中にスイカ契機で上乗せが発生し、且つ即乗せが選択された場合の回数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップS10504にてスイカ契機ではないと判定した場合、ステップS10506に進む。ステップS10506では、今回の上乗せ契機がチェリーであったか否かを判定する。チェリーであった場合には、ステップS10507に進み、各種カウンタエリア106eに設けられたチェリー用即乗せカウンタに1を加算する処理を実行する。チェリー用即乗せカウンタは、今回の特化ゾーン中にチェリー契機で上乗せが発生し、且つ即乗せが選択された場合の回数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップS10505若しくはステップS10507の処理を実行した後、又はステップS10506にて否定判定した場合、ステップS10508にて、上乗せ演出(ゾーン中即乗せ演出)が今回のゲームにて発生可能となるように上乗せ演出を設定する。なお、この場合の上乗せ演出発生タイミングは、本実施形態では、全リール32L,32M,32R停止時としているが、第1リール停止ON操作時や、第2リール停止OFF操作時等、他のタイミングでゾーン中即乗せ演出が発生する構成としてもよい。
その後、ステップS10509にて、上記ゾーン中即乗せ演出発生タイミングにて(又は当該ゾーン中即乗せ演出発生タイミングから若干遅れたタイミングにて)、特化ゾーン中上乗せゲーム数TUGが今回の上乗せゲーム数が加算された表示に更新されるように、更新演出を設定してから、特化ゾーン用上乗せ処理を終了する。
既に説明した通り、ステップS10508やステップS10509の上乗せ演出用のデータは、予め定められた演出データ設定エリアに当該データを一時記憶される。CPU181は、上記上乗せ演出(ゾーン中即乗せ演出)の発生タイミングにおいて、上記演出データ設定エリアに一時記憶された演出データを読み出し、上乗せ演出が行われるようにする。これは、以下の他の上乗せ演出についても同様である。
ステップS10503にてゾーン中後乗せ抽選に当選したと判定した場合、すなわち、今回の上乗せとして後乗せが選択された場合、ステップS10510に進む。ステップS10510では、今回の上乗せ契機がスイカであったか否かを判定する。スイカであった場合には、ステップS10511に進み、各種カウンタエリア106eに設けられたスイカ用後乗せカウンタに1を加算する処理を実行する。スイカ用後乗せカウンタは、今回の特化ゾーン中にスイカ契機で上乗せが発生し、且つ後乗せが選択された場合の回数をCPU102が把握するためのカウンタである。
続くステップS10512では、RAM106に設けられたスイカ用後乗せ個別エリアに、今回の上乗せゲーム数を記憶する処理を実行する。本実施形態では、スイカ用後乗せ個別エリアとして複数のエリアが設けられており、具体的には、255個のエリアが設けられている。各エリアは、それぞれ0~999のゲーム数を記憶可能に設定されており、スイカ契機に基づいて上乗せされたゲーム数を、事後的に読み出すことが可能となっている。例えば、1番目のエリアに10ゲーム、2番目のエリアに50ゲームがそれぞれ記憶されている場合、特化ゾーンにおいてスイカ契機として上乗せが発生し、且つ後乗せが選択されたもののうち、最初の上乗せについての上乗せゲーム数が10ゲームであり、次の上乗せについての上乗せゲーム数が50ゲームであったことを、事後的に把握可能となる。ステップS10512では、スイカ用後乗せ個別エリアにおいてゲーム数が記憶されていないエリアのうちの最も番号が小さいエリアに、今回のスイカ契機とする上乗せゲーム数を記憶する処理を行う。
その後、ステップS10513にて、スイカ用後乗せキャラとして、第1後乗せキャラクタBUP1が全リール32L,32M,32R停止時に表示されるように、演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させてから、特化ゾーン用上乗せ処理を終了する。なお、第1後乗せキャラクタBUP1の表示タイミングは、上記ゾーン中即乗せ演出の発生タイミングと同じタイミング又はそれよりも若干遅いタイミングであることが好ましい。
ステップS10510にてスイカ契機ではないと判定した場合、ステップS10514に進む。ステップS10514では、今回の上乗せ契機がチェリーであったか否かを判定する。チェリーであった場合には、ステップS10515に進み、各種カウンタエリア106eに設けられたチェリー用後乗せカウンタに1を加算する処理を実行する。チェリー用後乗せカウンタは、今回の特化ゾーン中にチェリー契機で上乗せが発生し、且つ後乗せが選択された場合の回数をCPU102が把握するためのカウンタである。
続くステップS10516では、RAM106に設けられたチェリー用後乗せ個別エリアに、今回の上乗せゲーム数を記憶する処理を実行する。チェリー用後乗せ個別エリアは、スイカ用後乗せ個別エリアに対応するものである。すなわち、本実施形態では、チェリー用後乗せ個別エリアについても複数のエリアが設けられており、具体的には、255個のエリアが設けられている。各エリアは、それぞれ0~999のゲーム数を記憶可能に設定されており、チェリー契機に基づいて上乗せされたゲーム数を、事後的に読み出すことが可能となっている。ステップS10516では、チェリー用後乗せ個別エリアにおいてゲーム数が記憶されていないエリアのうちの最も番号が小さいエリアに、今回のチェリー契機とする上乗せゲーム数を記憶する処理を行う。
その後、ステップS10517にて、チェリー用後乗せキャラとして、第2後乗せキャラクタBUP2が全リール32L,32M,32R停止時に表示されるように、演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させてから、特化ゾーン用上乗せ処理を終了する。なお、第2後乗せキャラクタBUP2の表示タイミングについても、上記ゾーン中即乗せ演出の発生タイミングと同じタイミング又はそれよりも若干遅いタイミングであることが好ましい。また、ステップS10514にて否定判定した場合は、そのまま特化ゾーン用上乗せ処理を終了する。
なお、本実施形態では、特化ゾーンにおいては、スイカ及びチェリー以外の上乗せ契機については、設定値に関わらず即乗せが選択される構成としているため(図188)、ステップS10514にて否定判定することはない。すなわち、ステップS10514の判定処理は、他の上乗せ契機においても後乗せを発生させる場合の拡張用に設けられているといえる。
なお、ステップS10513やステップS10515において、既に表示済みの第1後乗せキャラクタBUP1や第2後乗せキャラクタBUP2がある場合には、当該表示済みの第1後乗せキャラクタBUP1や第2後乗せキャラクタBUP2に並べるように今回の後乗せキャラが表示されるように演出データを設定する構成とするとよい。並べる順番の規則を統一することで(例えば、上段の左→上段の右→下段の左→下段の右といったように順番に並べることで)、後述する特化ゾーン終了時の後乗せ演出が行われる場合において、何番目の上乗せ当選に対応する後乗せかを明確に理解させることが可能である。なお、第1後乗せキャラクタBUP1と第2後乗せキャラクタBUP2とをそれぞれ別々の領域に表示する構成としたが(図185では、第1後乗せキャラクタBUP1を画面の左上、第2後乗せキャラクタBUP2を画面の右上)、それぞれ混在させ且つ並べる順番の規則を統一する構成としてもよい。このようにすることで、スイカとチェリーとで後乗せが発生する特化ゾーンの遊技性において、いつの上乗せ当選に対応する後乗せかが、より容易に把握可能となる。
また、表示済みの後乗せキャラの数と、今回の後乗せキャラとの合計が所定数(例えば5)となった場合には、今回の後乗せキャラと表示済みの後乗せキャラとを合わせた統合表示キャラを表示する構成としてもよい。例えば、第1後乗せキャラクタBUP1が4つ表示されている状況で、新たに第1後乗せキャラクタBUP1の表示契機が生じた場合には、合計5回のスイカ契機とする後乗せが生じている状況を示すための第1統合表示キャラ(例えば、色違いや形違いの宝箱等)を表示する。このようにすることで、限られた表示領域を利用して複数回の上乗せ契機に対応するキャラを表示するうえで、表示可能な表示領域がない又は少ないことによって、上乗せ契機の上限(リミッター)があるかのような印象を与えないようにすることができる。
次に、本実施形態における特化ゾーン終了演出の設定処理について、図189のフローチャートを参照しながら説明する。特化ゾーン終了演出の設定処理は、全停止時演出設定処理(図51)において、主制御装置101からの特化ゾーン終了コマンドを受信したことに基づいて実施される処理である(ステップS2316)。
既に説明した通り、本実施形態においては、特化ゾーン終了時に、後乗せ演出を行うとともに、即乗せ/後乗せの比率の比率報知を行う。具体的には、先ず、ステップS10601では、スイカ用即乗せカウンタとチェリー用即乗せカウンタとを把握する処理を行う。続くステップS10602では、スイカ用後乗せカウンタとチェリー用後乗せカウンタとを把握する処理を行う。そして、ステップS10603にて、スイカを契機とする上乗せの即乗せ/後乗せ比率と、チェリーを契機とする上乗せの即乗せ/後乗せ比率と、をステップS10601及びステップS10602の把握結果に基づいてそれぞれ算出する処理を実行する。そして、ステップS10604では、算出した結果をレジスタ等に一時記憶する処理を行う。
その後、ステップS10605~ステップS10620にて、スイカ及びチェリー契機で上乗せした後乗せ演出を発生させるための処理を実行する。すなわち、ステップS10605では、スイカ用後乗せカウンタが0よりも大きいか否か、すなわち1以上であるか否かを判定する。1以上である場合、ステップS10606に進み、スイカ用後乗せ個別エリアにおいてゲーム数が記憶されているエリアのうちの最も番号が小さいエリアから、上乗せゲーム数を把握する処理を実行する。そして、ステップS10607にて、スイカ用後乗せ演出における前演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。この場合、第1後乗せキャラクタBUP1のうちから、最先に表示された第1後乗せキャラクタBUP1を選択し、かかる第1後乗せキャラクタBUP1を画面略中央に移動する。そして、演出スイッチ66の操作を促す操作指示演出を合わせて発生させる。
ステップS10607の処理を実行した後は、ステップS10608にて演出スイッチ66の操作が行われたか否かの判定を行い、演出スイッチ66の操作が行われるまで待機する。なお、所定時間の経過(例えば5sec)によって、操作の有無にかかわらずステップS10608にて肯定判定する構成としてもよい。
ステップS10608にて肯定判定した後は、ステップS10609にて、上乗せ演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。この場合、画面略中央に配置された第1後乗せキャラクタBUP1としての宝箱のキャラクタが開放されて、中身の宝物として、上乗せゲーム数が飛び出すかのような表示演出を行う(図185(b))。
続くステップS10610では、スイカ用後乗せゲーム数表示として、第1後乗せゲーム数BUG1の表示を、ステップS10609にて行った上乗せ演出の上乗せゲーム数が加算されて更新されるように表示制御する。ステップS10611では、特化ゾーン中上乗せゲーム数TUGの表示を、ステップS10609にて行った上乗せ演出の上乗せゲーム数が加算されて更新されるように表示制御する。そして、ステップS10612にて、スイカ用後乗せカウンタを1減算してから、ステップS10605に戻る。
スイカ用後乗せカウンタが0となることでステップS10605にて否定判定し、ステップS10613に進む。ステップS10613~ステップS10620の処理は、チェリーに基づく後乗せを行うための処理であり、ステップS10605~ステップS10612の処理と略同様である。
すなわち、ステップS10613では、チェリー用後乗せカウンタが0よりも大きいか否か、すなわち1以上であるか否かを判定する。1以上である場合、ステップS10614に進み、チェリー用後乗せ個別エリアにおいてゲーム数が記憶されているエリアのうちの最も番号が小さいエリアから、上乗せゲーム数を把握する処理を実行する。そして、ステップS10615にて、チェリー用後乗せ演出の前演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。この場合、第2後乗せキャラクタBUP2のうちから、最先に表示された第2後乗せキャラクタBUP2を選択し、かかる第2後乗せキャラクタBUP2を画面略中央に移動する。そして、演出スイッチ66の操作を促す操作指示演出を合わせて発生させる。
ステップS10615の処理を実行した後は、ステップS10616にて演出スイッチ66の操作が行われたか否かの判定を行い、演出スイッチ66の操作が行われるまで待機する。なお、所定時間の経過(例えば5sec)によって、操作の有無にかかわらずステップS10616にて肯定判定する構成としてもよい点も、上記ステップS10608と同様である。
ステップS10616にて肯定判定した後は、ステップS10617にて、上乗せ演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。この場合、画面略中央に配置された第2後乗せキャラクタBUP2としての宝箱のキャラクタが開放されて、中身の宝物として、上乗せゲーム数が飛び出すかのような表示演出を行う(図186(a))。
続くステップS10618では、チェリー用後乗せゲーム数表示として、第2後乗せゲーム数BUG2の表示を、ステップS10617にて行った上乗せ演出の上乗せゲーム数が加算されて更新されるように表示制御する。ステップS10619では、特化ゾーン中上乗せゲーム数TUGの表示を、ステップS10617にて行った上乗せ演出の上乗せゲーム数が加算されて更新されるように表示制御する。そして、ステップS10620にて、チェリー用後乗せカウンタを1減算してから、ステップS10613に戻る。
チェリー用後乗せカウンタが0となることでステップS10613にて否定判定し、ステップS10621に進む。ステップS10621では、ステップS10604にて記憶した情報に基づいて、スイカ当選に基づく即乗せ/後乗せの第1比率表示HP1と、チェリー当選に基づく即乗せ/後乗せの第2比率表示HP2とが、補助表示部65にて表示されるように制御する(図186(b))。
その後、ステップS10622にて、各即乗せカウンタや各後乗せカウンタ等、特化ゾーン用の各種カウンタの初期化処理を行ってから、特化ゾーン終了演出の設定処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
上乗せ報知の実行タイミングが設定値によって異なる構成とした。より詳しくは、設定値によって当選確率や当選時の上乗せゲーム数に差がないように設定されている上乗せ抽選に関する結果の内容報知を、設定値によって異なるタイミングで行われるようにした。このようにすることで、特に設定値による遊技性の差が生じにくいアタックモード中の遊技について、設定値による差を生じさせることが可能となる。
上乗せ報知の実行タイミングが異なる演出として、上乗せ契機が生じたゲームにて上乗せ演出を行う即乗せ演出と、上乗せ契機が生じたゲームよりも後のゲームにて上乗せ演出を行う後乗せ演出とを設けたうえで、いずれの演出においても、上乗せ当選したことの報知は上乗せ契機が生じたゲームにおいて実行する構成とした。より詳しくは、後乗せ演出を行う場合であっても、当該ゲームにおいて第1後乗せキャラクタBUP1や第2後乗せキャラクタBUP2を表示する構成とした。これにより、後乗せ演出が選択された場合、当該後乗せ演出における上乗せ演出が発生するよりも前に、上乗せ演出が発生することを遊技者に把握させることができ、それを把握した遊技者は、後乗せ演出において上乗せ演出が行われることを心待ちにしながら遊技を行うことができる。よって、一の上乗せ演出を楽しませる期間をより長くすることが可能となる。
上記のように後乗せ演出が選択された場合であっても、上乗せ抽選に当選したことの報知は事前に行われる構成としたうえで、設定値が高いほど即乗せ演出が選択され易い構成とした。このように、後乗せ演出が選択された場合であっても上乗せ抽選に当選していることを事前に報知しておくことで、その報知により遊技者を少なからず喜ばせた状態で上乗せ演出が発生することとなり、当該後乗せ演出における上乗せ演出によって低設定であることが予測・把握されたとしても、その予測・把握したこと(低設定であること)による遊技者の落胆度合いを補うことが可能となる。
チェリー契機に基づく即乗せ/後乗せの選択比率と、スイカ契機に基づく即乗せ/後乗せの選択比率と、が異なるようにした。このようにすることで、かかる選択比率に基づく設定値の予測・把握を行ううえで、単なる演出上の発生率の設定だけでなく、抽選処理の結果(チェリーであるかスイカであるか)が反映されるようになる。よって、設定値を予測・把握したい遊技者としては、各ゲームにおける抽選結果が所望の選択比率となる結果(上記実施形態では、選択比率における設定差のあるチェリー)となることを望みながら遊技を行うこととなり、各ゲームの抽選結果に対する注目度を高めることが可能となる。
当選確率の低いチェリー契機に基づく即乗せ/後乗せの選択比率のほうが、当選確率の高いスイカ契機に基づく即乗せ/後乗せの選択比率よりも、設定差が大きくなる構成とした。このようにすることで、チェリーに当選することの優位性を、チェリー入賞に基づくメダル払出枚数や、チェリー当選に基づく上乗せ性能等の遊技者の利益に直結する要素以外の要素で担保することができる。よって、出玉率に影響を及ぼさない範囲で、各抽選結果の特典を設定することができる。
<変形例1>
本変形例では、特化ゾーン用の上乗せ演出タイミングテーブルを、特化ゾーンへの移行契機によって異ならせる。図190は、ゾーン中上乗せ抽選処理を示すフローチャートである。既に説明したとおり、ゾーン中上乗せ抽選処理は、特化ゾーン用上乗せ処理(図187)においてステップS10502にて実施される処理である。
ステップS10701では、今回の特化ゾーンの移行契機が、チェリー(強チェリー及び弱チェリーのいずれか)であるか否かを判定する。移行契機がチェリーではない場合には、ステップS10702にて、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから通常用上乗せ報知タイミングテーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップS10701にて今回の特化ゾーンへの移行契機がチェリーであったと判定した場合には、ステップS10703にて、各種テーブル記憶エリア182aから特別用上乗せ報知タイミングテーブルを取得する処理を実行する。いずれかの報知タイミングテーブルを取得した後は、ステップS10704にてかかる報知タイミングテーブルに基づいて後乗せ抽選を実行してから、本ゾーン中後乗せ抽選処理を終了する。
通常用上乗せ報知タイミングテーブルと、特別用上乗せ報知タイミングテーブルとの相違点について、図191を参照しながら説明する。通常用上乗せ報知タイミングテーブルについては、図188に示した通りであり、図191においては、その通常用上乗せ報知タイミングテーブルにおいて、スイカ当選を契機とする上乗せ発生時のパラメータ(即乗せ/後乗せ選択率)を参考値として示している。
すなわち、特別用上乗せ報知タイミングテーブルでは、スイカ当選を契機とする上乗せ発生時のパラメータ(即乗せ/後乗せ選択率)が、上記通常用上乗せ報知タイミングテーブルのものと異なっている。具体的には、特別用上乗せ報知タイミングテーブルでは、設定1では、即乗せが10%で選択され、後乗せが90%で選択される。設定2では、即乗せが30%で選択され、後乗せが70%で選択される。設定3では、即乗せが50%で選択され、後乗せが50%で選択される。設定4では、即乗せが70%で選択され、後乗せが30%で選択される。設定5では、即乗せが80%で選択され、後乗せが20%で選択される。設定6では、即乗せが90%で選択され、後乗せが10%で選択される。つまり、設定値が高くなるほど後乗せの選択率が低くなり、即乗せの選択率が高くなる点は、通常用上乗せ報知タイミングテーブルにおけるスイカ当選時のパラメータと同様である。
一方、通常用上乗せ報知タイミングテーブルと比較して、特別用上乗せ報知タイミングテーブルの場合には、即乗せと後乗せとの比率の設定値による差が大きくなるように設定されている。すなわち、例えば、即乗せが選択された場合に設定値を予測するうえで、チェリー契機で移行した特化ゾーンのほうが、他の特定役契機で移行した特化ゾーンよりも、その予測材料としての貢献度が高い。言い換えると、チェリー契機で移行した特化ゾーンにおける即乗せ/後乗せ比率から設定値を予測するほうが、他の特定役契機で移行した特化ゾーンにおける即乗せ/後乗せ比率から設定値を予測するよりもその予測精度が高く、より容易に設定値の予測を行うことが可能となっている。つまり、チェリー契機で移行する特化ゾーンは、設定値の予測がより容易となるゾーンといえる。
しかも、本変形例における特別用上乗せ報知タイミングテーブルでは、スイカに基づく即乗せ/後乗せ比率と、チェリーに基づく即乗せ/後乗せ比率とが、いずれの設定値においても共通している。このようにすることで、これらの比率に基づく設定値の予測や把握を行ううえで各上乗せ契機を共通のデータとして扱うことができ、母数を増やすことができる。
以上のようにすることで、特化ゾーン中の上乗せ性能を変化させることなく、設定値を予測・把握する遊技性が全く異なる特化ゾーンを設定することが可能となる。これにより、単に上乗せゲーム数の多い特化ゾーンを望むといった従来からの遊技性から脱却した、設定値を予測し易い特化ゾーンを望む新たな遊技性を創出することができる。
特に、当選確率の低いチェリー契機で移行する特化ゾーンを、設定値の予測・把握が行い易い特化ゾーンとしたことで、当選確率の低い結果に当選したことのメリットを、出玉率に影響を及ぼさない範囲で付加することが可能となる。
しかも、チェリー契機で移行する特化ゾーンと、他の特定役契機で移行する特化ゾーンとでは、即乗せ/後乗せの選択において利用する上乗せ報知タイミングテーブルを異ならせるだけであり、小役当選確率や上乗せ当選確率等の変更を要さない、非常に簡素な構成にて、上記優れた遊技性を実現することが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、ゾーン中即乗せ演出が選択されると、上乗せ演出タイミングテーブルが変更される。図192(a)は、本変形例における、ゾーン中後乗せ抽選処理を示すフローチャートである。
ステップS10801では、RAM183の各種カウンタエリア183bから、テーブルカウンタATKを取得する処理を行う。テーブルカウンタATKは、今回の後乗せ抽選において、取得する上乗せ演出タイミングテーブルをCPU181が特定するためのカウンタである。すなわち、ステップS10802では、ステップS10801にて取得したテーブルカウンタATKの値に応じた上乗せ報知タイミングテーブルを、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を行う。
本実施形態では、上乗せ報知タイミングテーブルとして、図193に示すように、複数の上乗せタイミングテーブルが設けられており、第1上乗せ報知タイミングテーブル~第4上乗せ報知タイミングテーブルの4つの上乗せ報知タイミングテーブルが設けられている。なお、本変形例では、即乗せと後乗せの選択率に関し、チェリーやスイカ、その他の特定役、といった差を設けず、いずれの特定役についても、共通の選択率にて即乗せと後乗せとの選択が行われる。そのため、ゾーン中後乗せ演出が選択された場合に表示されるキャラクタについても、第1後乗せキャラクタBUP1や第2後乗せキャラクタBUP2のように後乗せが選択された役に対応付けられたものではなく、共通のキャラクタが表示される。また、本変形例では、特化ゾーン終了時の比率報知は行わない。
第1上乗せ報知タイミングテーブルはテーブルカウンタATKが1である場合に選択されるテーブルである。このテーブルでは、設定値に関わらず、即乗せと後乗せとの選択率がいずれも50%として設定されている。
第2上乗せ報知タイミングテーブルはテーブルカウンタATKが2である場合に選択されるテーブルである。このテーブルでは、設定1では、即乗せが40%で選択され、後乗せが60%で選択される。設定2では、即乗せが45%で選択され、後乗せが55%で選択される。設定3では、即乗せが50%で選択され、後乗せが50%で選択される。設定4では、即乗せが55%で選択され、後乗せが45%で選択される。設定5では、即乗せが60%で選択され、後乗せが40%で選択される。設定6では、即乗せが65%で選択され、後乗せが35%で選択される。つまり、設定値が高くなるほど後乗せの選択率が低くなり、即乗せの選択率が高くなる。
第3上乗せ報知タイミングテーブルはテーブルカウンタATKが3である場合に選択されるテーブルである。このテーブルでは、設定1では、即乗せが30%で選択され、後乗せが70%で選択される。設定2では、即乗せが40%で選択され、後乗せが60%で選択される。設定3では、即乗せが50%で選択され、後乗せが50%で選択される。設定4では、即乗せが60%で選択され、後乗せが40%で選択される。設定5では、即乗せが70%で選択され、後乗せが30%で選択される。設定6では、即乗せが80%で選択され、後乗せが20%で選択される。つまり、設定値が高くなるほど後乗せの選択率が低くなり、即乗せの選択率が高くなる点は第2上乗せ報知タイミングテーブルと共通しているものの、即乗せと後乗せとの比率の設定値による差が、第2上乗せ報知タイミングテーブルよりも第3上乗せ報知タイミングテーブルのほうが大きくなる。
第4上乗せ報知タイミングテーブルはテーブルカウンタATKが4以上である場合に選択されるテーブルである。このテーブルでは、設定1では、即乗せが10%で選択され、後乗せが90%で選択される。設定2では、即乗せが30%で選択され、後乗せが70%で選択される。設定3では、即乗せが50%で選択され、後乗せが50%で選択される。設定4では、即乗せが70%で選択され、後乗せが30%で選択される。設定5では、即乗せが90%で選択され、後乗せが10%で選択される。設定6では、即乗せが100%で選択され、後乗せが0%で選択される(選択されない)。つまり、設定値が高くなるほど後乗せの選択率が低くなり、即乗せの選択率が高くなる点は第2上乗せ報知タイミングテーブルや第3上乗せ報知タイミングテーブルと共通しているものの、即乗せと後乗せとの比率の設定値による差が、第2上乗せ報知タイミングテーブルや第3上乗せ報知タイミングテーブルよりも第4上乗せ報知タイミングテーブルのほうが大きくなる。
ゾーン中後乗せ抽選処理の説明に戻り、ステップS10802にて上記各上乗せ報知タイミングテーブルから一の上乗せ報知タイミングテーブルを取得した後は、ステップS10803にて後乗せ抽選処理を実行する。そして、ステップS10804にて、ステップS10803の抽選結果が即乗せであったか否かを判定する。即乗せであった場合には、ステップS10805にて、テーブルカウンタATKを1加算する処理を実行する。一方、ステップS10804にて即乗せではなく後乗せであると判定した場合には、ステップS10806にて、テーブルカウンタATKを初期値である1に設定する処理を実行する。
すなわち、本変形例では、後乗せ抽選において即乗せが選択されるとテーブルカウンタATKが1ずつ加算され、後乗せが選択されるとテーブルカウンタATKが初期値の1に戻る。上記のように、テーブルカウンタATKの値は、後乗せ抽選において利用される上乗せ報知タイミングテーブルの種類と対応付けられており、テーブルカウンタATKの値が大きい状況で取得される報知タイミングテーブルほど、即乗せ/後乗せ比率の設定値による差が大きくなるように設定されている。
より詳しくは、基本的には(第1上乗せ報知タイミングテーブルを除き)、いずれの報知タイミングテーブルにおいても、高設定ほど即乗せが選択されやすく、低設定ほど即乗せが選択されにくくなるように設定されている。そして、テーブルカウンタATKの値が大きい状況で取得される報知タイミングテーブルほど、高設定での即乗せの選択され易さと、低設定での即乗せの選択され易さの差が大きくなる。例えば、テーブルカウンタATKが2である状況で取得される第2上乗せ報知タイミングテーブルにおいては、設定6では即乗せが65%の確率で選択され、設定1では即乗せが40%の確率で選択され、その差は約1.6倍の確率である。一方、テーブルカウンタATKが4である状況で取得される第4上乗せ報知タイミングテーブルにおいては、設定6では即乗せが100%の確率で選択され、設定1では10%の確率で選択され、その差は10倍の確率である。したがって、テーブルカウンタATKの値が大きくなるほど、すなわち、即乗せが連続して選択されるほど、即乗せと後乗せとの選択割合から設定値を容易に推測することが可能となる。
しかも、即乗せが連続して選択されるほど、高設定側で即乗せが選択され易い報知タイミングテーブルに切り替わる構成であるため、即乗せが連続して選択されること自体が、高設定であることを裏付ける(予測する)材料となり得る。例えば、図193に示すように、第1上乗せ報知タイミングテーブル~第4上乗せ報知タイミングテーブルの切り替わりを用いた場合、4回連続で即乗せが選択される確率は、設定1では0.6%であるのに対して、設定2では2.7%、設定3では6.2%、設定4では11.6%、設定5では18.9%、設定6では26%であり、設定1と設定6との差は約43倍の確率差である。そして、上記のように高設定ほど即乗せが選択されやすい上乗せ報知タイミングテーブルへ切り替えていく構成であるため、このような即乗せの連続性によって設定値を予測させるうえで、連続する確率の設定差が加速度的に広がる構成となる。
つまり、例えば、第2上乗せ報知タイミングテーブルだけを用いる構成(第3、第4上乗せ報知タイミングテーブルへの切り替えを生じさせない構成)の場合、4回連続で即乗せが選択される確率は、設定1では約2.7%であり、設定6では約17.9%であり、設定1と設定6との差は約7倍の確率であり、本変形例のように報知タイミングテーブルの切り替えを行う構成における差よりも小さくなる。その一方、報知タイミングテーブルの切り替えを行わずに設定差を生じさせようとすると、設定値による即乗せ/後乗せ比率の差を大きくする必要があり、第4上乗せ報知タイミングテーブルのように1回の上乗せで高設定か低設定かのある程度の判断が可能となってしまう。
そこで、上記構成のように、報知タイミングテーブルの切り替えを用いることで、設定値の絞り込みを徐々に行えるようにし、設定値を予測する遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
ゾーン中後乗せ抽選処理(図192(a))において、ステップS10805又はステップS10806の処理を行った後は、ステップS10807にて、表示背景変化処理を行ってから、ゾーン中後乗せ抽選処理を終了する。表示背景変化処理では、補助表示部65の特化ゾーン中演出における表示背景色を、テーブルカウンタATKの値に対応付けて変化させる処理を行う。例えば、図192(b)に示すように、テーブルカウンタATKが1であれば、背景色が白色にて表示されるようにし、テーブルカウンタATKが2であれば、背景色が黄色にて表示されるようにし、テーブルカウンタATKが3であれば、背景色が緑色にて表示されるようにし、テーブルカウンタATKが4以上であれば、背景色が赤色にて表示されるようにする。このようにすることで、遊技者は現状のテーブルカウンタATKの値、すなわち、即乗せが連続で選択された回数を容易に把握することができるし、即乗せを積み重ねて設定値の予測に役立てる遊技を演出の変化(背景色の変化)によって盛り上げることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、特化ゾーンが実行される有利区間中のゲーム数等に基づいて、上乗せ報知タイミングテーブルの切り替えを行う。図194は、本変形例におけるゾーン中後乗せ抽選処理を示すフローチャートである。
ステップS10901では、現状の有利区間ゲーム数を把握する処理を行う。なお、上記の通り、有利区間ゲーム数AGについては主制御装置101にて管理されるところ、本変形例においては、表示制御装置81側においても同様のカウンタを有する構成としたり、主制御装置101からコマンド出力する等することにより、表示制御装置81側においても現状の有利区間の消化ゲーム数を把握可能な構成とする。
ステップS10902では、現状の有利区間ゲーム数に応じた上乗せ報知タイミングテーブルを、各種テーブル記憶エリア182aから取得する。そして、ステップS10903にて後乗せ抽選を実行してから、本ゾーン中後乗せ抽選処理を終了する。
本変形例における上乗せ報知タイミングテーブルは、図195(a)に示すように、有利区間の消化ゲーム数(有利区間ゲーム数AG)と、設定値とにより、即乗せ/後乗せ比率が異なるように設定されている。具体的には、有利区間の消化ゲーム数が1~99では、設定値に関わらず即乗せと後乗せとがいずれも50%の確率で選択される。消化ゲーム数が100~499となると、設定1では、即乗せが40%で選択され、後乗せが60%で選択される。設定2では、即乗せが45%で選択され、後乗せが55%で選択される。設定3では、即乗せが50%で選択され、後乗せが50%で選択される。設定4では、即乗せが55%で選択され、後乗せが45%で選択される。設定5では、即乗せが60%で選択され、後乗せが40%で選択される。設定6では、即乗せが65%で選択され、後乗せが35%で選択される。すなわち、消化ゲーム数が100~499の場合では、設定値が高くなるほど即乗せが選択され易くなる。
有利区間の消化ゲーム数が500~999となると、設定1では、即乗せが30%で選択され、後乗せが70%で選択される。設定2では、即乗せが40%で選択され、後乗せが60%で選択される。設定3では、即乗せが50%で選択され、後乗せが50%で選択される。設定4では、即乗せが60%で選択され、後乗せが40%で選択される。設定5では、即乗せが70%で選択され、後乗せが30%で選択される。設定6では、即乗せが80%で選択され、後乗せが20%で選択される。また、消化ゲーム数が1000~1399となると、設定1では、即乗せが10%で選択され、後乗せが90%で選択される。設定2では、即乗せが30%で選択され、後乗せが70%で選択される。設定3では、即乗せが50%で選択され、後乗せが50%で選択される。設定4では、即乗せが70%で選択され、後乗せが30%で選択される。設定5では、即乗せが90%で選択され、後乗せが10%で選択される。設定6では、即乗せが100%で選択され、後乗せが0%で選択される(選択されない)。そして、消化ゲーム数が1400~1500となると、設定1では、即乗せが0%で選択され(選択されず)、後乗せが100%で選択される。設定2では、即乗せが10%で選択され、後乗せが90%で選択される。設定3では、即乗せが50%で選択され、後乗せが50%で選択される。設定4では、即乗せが80%で選択され、後乗せが20%で選択される。設定5や設定6では、即乗せが100%で選択され、後乗せが0%で選択される(選択されない)。
すなわち、有利区間の消化ゲーム数が多くなると、設定値が高くなるほど即乗せが選択され易くなり、即乗せと後乗せとの選択率における設定値の差が大きくなる。このようにすることで、有利区間を消化すればするほど、特化ゾーン中の上乗せ時において設定値の予測をより容易に行うことが可能となり、有利区間が長く継続することに対する特典とし、獲得メダル数という特典以外の特典を付与することが可能となる。
既に説明した通り、有利区間の消化ゲーム数が上限である1500ゲームとなると、当該有利区間は強制的に終了する。そのため、消化ゲーム数が1500ゲームに近くなると、特化ゾーンへ移行してもその恩恵(上乗せ)を十分に得ることができない可能性がある。その点、上記構成のようにすることで、消化ゲーム数が上限近くであり、特化ゾーンにおける上乗せへの期待感が低下し得る状況であっても、特化ゾーンへ移行することに対するメリットを生じさせることができる。
<変形例4>
本変形例では、上記変形例3における上乗せ報知タイミングテーブルのパラメータが異なっている。図195(b)は、本変形例における上乗せ報知タイミングテーブルを示している。
本変形例における上乗せ報知タイミングテーブルは、有利区間の消化ゲーム数と、設定値との関係が、上記変形例3の場合と逆転している。より詳しくは、有利区間の消化ゲーム数が1~99では、設定1や設定2では、即乗せが100%で選択され、後乗せが0%で選択される(選択されない)。設定3では、即乗せが80%で選択され、後乗せが20%で選択される。設定4では、即乗せが50%で選択され、後乗せが50%で選択される。設定5では、即乗せが10%で選択され、後乗せが90%で選択される。設定6では、即乗せが0%で選択され(選択されず)、後乗せが100%で選択される。すなわち、有利区間の序盤においては、低設定ほど即乗せが選択され易く、高設定ほど後乗せが選択され易い。
消化ゲーム数が100~499となると、設定1では、即乗せが100%で選択され、後乗せが0%で選択される(選択されない)。設定2では、即乗せが90%で選択され、後乗せが10%で選択される。設定3では、即乗せが70%で選択され、後乗せが30%で選択される。設定4では、即乗せが50%で選択され、後乗せが50%で選択される。設定5では、即乗せが30%で選択され、後乗せが70%で選択される。設定6では、即乗せが10%で選択され、後乗せが90%で選択される。すなわち、消化ゲーム数が1~99の場合と100~499の場合とを比較すると、設定値が高くなるほど即乗せが選択され易くなる点は上記変形例3と共通しているものの、そもそも、消化ゲーム数が少ない状況においては、設定値による即乗せと後乗せの選択率の差が圧倒的に大きいものとなっている。つまり、有利区間の序盤において、設定値の予測・把握が行い易くなっている。
有利区間の消化ゲーム数が500~999となると、設定1では、即乗せが80%で選択され、後乗せが20%で選択される。設定2では、即乗せが70%で選択され、後乗せが30%で選択される。設定3では、即乗せが60%で選択され、後乗せが40%で選択される。設定4では、即乗せが50%で選択され、後乗せが50%で選択される。設定5では、即乗せが40%で選択され、後乗せが60%で選択される。設定6では、即乗せが30%で選択され、後乗せが70%で選択される。また、消化ゲーム数が1000~1399となると、設定1では、即乗せが65%で選択され、後乗せが35%で選択される。設定2では、即乗せが60%で選択され、後乗せが40%で選択される。設定3では、即乗せが55%で選択され、後乗せが45%で選択される。設定4では、即乗せが50%で選択され、後乗せが50%で選択される。設定5では、即乗せが45%で選択され、後乗せが55%で選択される。設定6では、即乗せが40%で選択され、後乗せが60%で選択される。そして、消化ゲーム数が1400~1500となると、設定値に関わらず即乗せと後乗せとがいずれも50%の確率で選択される。
すなわち、有利区間が進行するにつれて、即乗せ/後乗せの選択率の設定差が小さくなる。このようにすることで、設定値の予測・把握を行う頻度を高めることが可能となる。つまり、例えば、有利区間においてアタックモードの初期ゲーム数は50ゲームであり、かかる50ゲーム間で上乗せ契機が生じれば、少なくとも設定値の予測・把握を行うことが可能である。このようにすることで、設定値の予測・把握を行う遊技が行い易くなり、かかる遊技を存分に楽しませることが可能となる。
<変形例5>
本変形例では、上記変形例3や変形例4における上乗せ報知タイミングテーブルのパラメータとして、有利区間の消化ゲーム数の代わりに表示用残数カウンタHGを用いる。既に説明したとおり、表示用残数カウンタHGは、補助表示部65にて表示されているアタックモードの残りゲーム数を表している。
本変形例における、上記ステップS10901では、有利区間ゲーム数を把握する代わりとして、表示用残数カウンタHGを把握する処理を行う。そして、ステップS10902にて、表示用残数カウンタHGに応じた上乗せ報知タイミングテーブルを取得し、ステップS10903にて後乗せ抽選を行う。
本変形例における上乗せ報知タイミングテーブルは、図195(c)に示すように、表示用残数カウンタHGと、設定値とにより、即乗せ/後乗せ比率が異なるように設定されている。具体的には、表示用残数カウンタHGが1~99の場合、設定1及び設定2では、即乗せが80%で選択され、後乗せが20%で選択される。設定3及び設定4では、即乗せが85%で選択され、後乗せが15%で選択される。設定5及び設定6では、即乗せが90%で選択され、後乗せが10%で選択される。表示用残数カウンタHGが100~299の場合、設定1では、即乗せが30%で選択され、後乗せが70%で選択される。設定2では、即乗せが40%で選択され、後乗せが60%で選択される。設定3では、即乗せが50%で選択され、後乗せが50%で選択される。設定4では、即乗せが60%で選択され、後乗せが40%で選択される。設定5では、即乗せが70%で選択され、後乗せが30%で選択される。設定6では、即乗せが80%で選択され、後乗せが20%で選択される。そして、表示用残数カウンタHGが300以上の場合、設定1及び設定2では、即乗せが20%で選択され、後乗せが80%で選択される。設定3及び設定4では、即乗せが15%で選択され、後乗せが85%で選択される。設定5及び設定6では、即乗せが10%で選択され、後乗せが90%で選択される。
すなわち、表示用残数カウンタHGが1~99の場合と、300以上の場合においては、設定1と設定2、設定3と設定4、設定5と設定6、の即乗せ/後乗せ比率が共通している。そのため、表示用残数カウンタHGが1~99や300以上の場合においては、即乗せ/後乗せ比率から設定値の絞り込みを行ううえで、設定1と設定2、設定3と設定4、設定5と設定6、の区別がつかない。その一方で、表示用残数カウンタHGが200~299の場合においては、設定1~設定6のいずれについても、即乗せ/後乗せ比率が異なるように設定されている。そのため、設定値の絞り込みを行う、という観点からすると、特に、表示用残数カウンタHGが300以上の場合よりも200~299の場合のほうが好ましくなる。つまり、アタックモードの残りゲーム数が多数存在することが報知されており、多量のメダル獲得を期待できるという状況よりも、アタックモードの残りゲーム数の報知がそれよりも少ないゲーム数で報知されている状況のほうが好ましい場面が生じ、メダル獲得を目指すという従来からの一辺倒の遊技から脱却した新たな遊技性を創出することが可能となる。
さらに、表示用残数カウンタHGが1~99の場合と、300以上の場合とを比較すると、即乗せ/後乗せ比率が、いずれの設定値においても逆転している。詳しくは、表示用残数カウンタHGが1~99の場合は、いずれの設定値においても即乗せのほうが後乗せよりも選択され易く、表示用残数カウンタHGが300以上の場合は、いずれの設定値においても後乗せのほうが即乗せよりも選択され易い。すなわち、アタックモードの残りゲーム数が少ない状況である旨の報知が行われている状況では、その残りゲーム数が直ぐに増加される即乗せが選択され易く、アタックモードの残りゲーム数が多い状況である旨の報知が行われている状況では、その残りゲーム数が事後的に増加される後乗せが選択され易い。このようにすることで、前者においては少ない残りゲーム数が増加することによる安心感を提供し、後者においては残りゲーム数を増加させることの権利が貯蓄されることによる優越感を提供することが可能となり、状況と遊技者の感情とに応じた演出とすることが可能となる。
<変形例6>
即乗せ/後乗せ比率に関する構成は、アタックモード中の特化ゾーンにおいてのみ限定されるものではなく、特化ゾーン以外においても適用してもよい。図196は、本変形例における上乗せ演出の設定処理を示すフローチャートである。
ステップS11001では、特化ゾーンか否かを判定し、特化ゾーンである場合には、ステップS11026にて特化ゾーン用上乗せ処理を実行する。かかる上乗せ処理は、上述の通りである。ステップS11001にて特化ゾーンではないと判定した場合、ステップS11002にて今回の上乗せゲーム数を把握し、ステップS11003にて後乗せ抽選を行う。後乗せ抽選において、上乗せ報知タイミングテーブルは、本変形例では図188のようにスイカとチェリーとで即乗せ/後乗せ比率が異なるテーブルを用いる構成を説明するが、他のテーブルを用いてもよい。ステップS11004では、後乗せ抽選に当選したか否かを判定し、当選しておらず即載せが選択されたと判定した場合には、ステップS11005に進む。
ステップS11005では、今回の上乗せがスイカ契機であるか否かを判定する。スイカ契機であった場合、ステップS11006にて、RAM183の各種カウンタエリア183bに設けられた総スイカ即載せカウンタを1加算する処理を実行する。総スイカ即載せカウンタは、今回のアタックモードにおいてスイカ契機で即乗せ演出が発生した回数をCPU181が把握するためのカウンタである。ステップS11005にてスイカ契機ではないと判定した場合、ステップS11007にてチェリー契機であるか否かを判定する。チェリー契機であった場合、ステップS11008にて、RAM183の各種カウンタエリア183bに設けられた総チェリー即載せカウンタを1加算する処理を実行する。総チェリー即載せカウンタは、今回のアタックモードにおいてチェリー契機で即乗せ演出が発生した回数をCPU181が把握するためのカウンタである。これら、ステップS11005~ステップS11008の処理は、ステップS10504~ステップS10507の処理に対応するものである。
ステップS11006及びステップS11008のいずれかの処理を実行した後、又はステップS11007にて否定判定した場合、ステップS11009に進む。ステップS11009~ステップS11015の処理は、上記ステップS10405~ステップS10411の処理と同様である。
ステップS11004にて後乗せ当選であったと判定した場合、ステップS11016に進む。ステップS11016では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに後乗せフラグをセットする処理を実行する。後乗せフラグは、後乗せ演出となる上乗せが少なくとも1回存在することをCPU181が把握するためのフラグである。ステップS11016の処理を実行した後は、ステップS11017~ステップS11024にて後乗せ演出用の処理を行う。ステップS11017~ステップS11024の処理は、上記ステップS10510~ステップS10517の処理に対応するものである。
すなわち、ステップS11017では、今回上乗せがスイカ契機であるか否かを判定する。スイカ契機であった場合、ステップS11018にて、スイカ用後乗せカウンタを1加算する処理を実行する。続くステップS11019では、スイカ用後乗せ個別エリアに、今回の上乗せゲーム数を記憶する処理を実行する。そして、ステップS11020にて、スイカ用後乗せキャラとして第1後乗せキャラクタBUP1の表示設定を行う。
ステップS11017にてスイカ契機ではないと判定した場合、ステップS11021にてチェリー契機であるか否かを半定する。チェリー契機である場合、ステップS11022にて、チェリー用後乗せカウンタを1加算する処理を実行する。続くステップS11023では、チェリー用後乗せ個別エリアに、今回の上乗せゲーム数を記憶する処理を実行する。そして、ステップS11024にて、チェリー用後乗せキャラとして第2後乗せキャラクタBUP2の表示設定を行う。
ステップS11020及びステップS11024のいずれかの処理を実行した後、又はステップS11021にて否定判定した場合、ステップS11025に進む。ステップS11025では、後乗せカウンタBGから今回の上乗せゲーム数を減算する処理を実行してから、上乗せ演出の設定処理を終了する。ステップS11023の処理は、上記ステップS8607の処理に対応するものである。
図による詳細な説明は省略するが、上記の通り、後乗せフラグがセットされることにより、アタックモードの表示上の残りゲーム数が所定ゲームとなった場合に、後乗せ演出が発生する。この場合、図189におけるステップS10605~ステップS10620の処理と同様に、後乗せ対象となる情報が複数存在する場合には、例えば、演出スイッチ66の操作に基づいて、各個別エリアに記憶されている情報の取得及び消去処理を行いながら、上乗せ契機毎に後乗せ演出を発生させる。
この場合、後乗せ演出を実行する場合、スイカ用後乗せカウンタの値をRAM183の各種カウンタエリア183bに設けられた総スイカ用後乗せカウンタに加算する処理を実行し、チェリー用後乗せカウンタの値をRAM183の各種カウンタエリア183bに設けられた総チェリー用後乗せカウンタに加算する処理を実行してから、後乗せ演出における上記ステップS10605~ステップS10620に対応する処理を行う。この場合、上記の通り、スイカ用後乗せカウンタやチェリー用後乗せカウンタは、上乗せ演出を発生させるたびに1ずつ減算される一方、総スイカ用後乗せカウンタや総チェリー用後乗せカウンタの値は上乗せ演出を行っても変化しない。このようにすることで、以下に示すように、事後的に即乗せ/後乗せ比率を算出することが可能となる。
アタックモード終了演出の設定処理について、図197のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、アタックモード終了演出の設定処理は、アタックモード終了ゲームにおいて、各リール32L,32M,32Rが停止した後に、表示制御装置81にて実行される処理である。
先ず、ステップS11101では、総獲得メダル数を把握する修理を実行する。続くステップS11102では、継続ゲーム数を把握する処理を実行する。既に説明したとおり、これら総獲得メダル数や継続ゲーム数は、アタックモード終了演出において表示対象とされており、ステップS11101やステップS11102の処理は、その表示用の処理である。
ステップS11103では、総スイカ用即乗せカウンタ及び総チェリー用即乗せカウンタを把握する処理を実行する。続くステップS11104では、総スイカ用後乗せカウンタ及び総チェリー用後乗せカウンタを把握する処理を実行する。これら総スイカ用後乗せカウンタや総チェリー用後乗せカウンタは、上記の通り、後乗せ演出を行う際にスイカ用後乗せカウンタやチェリー用後乗せカウンタの値が加算されるカウンタである。
そして、ステップS11105にて、総スイカ用即乗せ/後乗せ比率と、総チェリー用即乗せ/後乗せ比率とを算出する処理を行い、ステップS11106にて、これら算出した比率を補助表示部65にて表示するための処理を行う。その後、ステップS11107にて、各種カウンタの初期化処理など、アタックモード終了時の表示側の終了用処理を実行してから、アタックモード終了演出の設定処理を終了する。
アタックモード終了演出の一例を、図198に示す。この例では、図198(a)に示すように、アタックモードが終了したことの報知として、継続ゲーム数の表示と、獲得メダル数の表示を行う。そして、例えば、演出スイッチ66の操作を促す操作指示キャラとして、ボタンを模したキャラクタとともに、そのボタンの操作方向を示す矢印のキャラクタの表示や、そのボタンを押圧操作すべきことの「PUSH」という文字表示を行う。演出スイッチ66が操作された場合、図198(b)に示すように、第3比率表示HP3として、今回のアタックモードにおける総スイカ用即乗せ/後乗せ比率に対応するグラフ表示を行うとともに、第4比率表示HP4として、今回のアタックモードにおける総チェリー用即乗せ/後乗せ比率に対応するグラフ表示を行う。なお、図198(b)の例では、第3比率表示HP3や第4比率表示HP4を円グラフとして表示しているが、図196(b)における第1比率表示HP1や第2比率表示HP2のように、積み上げ棒グラフであってもよい。
以上のようにすることで、上乗せ演出の即乗せ/後乗せ比率に基づく遊技性を、特化ゾーンだけでなく、アタックモード全体を通じて楽しませることが可能となる。特に、チェリーの当選確率が約150分の1であり、スイカの当選確率が約50分の1であることに鑑みると、特化ゾーンという限られたゲーム数(上記各実施形態では5ゲーム)においてこれらチェリーやスイカに当選する機会は極稀である。そうすると、せっかく用意したチェリーやスイカ契機で設定値の予測・把握という遊技を、特化ゾーン中に行わせようにも、なかなかその機会が発生しないものとなり得る。その一方で、それを解消しようとして、チェリーやスイカの当選確率を高くしたり、特化ゾーンの継続ゲーム数を長くしたりする構成とすると、出玉率の高騰が懸念される。そこで、上記構成のように、アタックモード中のチェリーやスイカを、即乗せ/後乗せ比率に基づく遊技性の対象とすることで、出玉率の高騰を回避しながら、かかる遊技性を好適に実現することができる。
<変形例7>
即乗せ/後乗せ比率といった上乗せ報知の実行タイミングに関する情報に関し、補助表示部65にて表示する構成に限定されない。本変形例では、かかる実行タイミングに関する情報を、遊技者の有する携帯端末等により読み取り可能とする構成を説明する。図199は、表示制御装置81にて実行される携帯端末用処理を示すフローチャートである。携帯端末用処理は、例えば、表示制御装置81において周期的に起動される処理にて実施される処理である。なお、本変形例では、携帯端末用処理のうち、特に有利区間中の上記即乗せ/後乗せ比率に関する情報用の処理について説明する。
ステップS11201では、有利区間が開始されたか否かを判定する。有利区間が開始された場合には、ステップS11202にて総スイカ用即乗せカウンタ、総スイカ用後乗せカウンタ、総チェリー用即乗せカウンタ、総チェリー用後乗せカウンタの各カウンタの計測を開始する。より詳しくは、例えば、計測中か否かを判定可能とするフラグをセットする処理を実行する。
ステップS11201にて否定判定した場合、又はステップS11202の処理を実行した後は、ステップS11203にて、ログアウトされたか否かの判定を行う。なお、本変形例では、特に即乗せ/後乗せ比率に関する情報については、遊技機の管理画面にてユーザ情報等が入力され、ログインされている状態でのみ出力可能となる構成としており、上記ステップS11203では、ログインしていたユーザがログアウトしたことで肯定判定する一方、もともとログインしていない状況では肯定判定せずに否定判定するものとしている。ステップS11203にて肯定判定し、ログインしていたユーザがログアウトした場合、ステップS11204にて、総スイカ用即乗せカウンタ、総スイカ用後乗せカウンタ、総チェリー用即乗せカウンタ、総チェリー用後乗せカウンタ等の各カウンタの計測を終了するとともに、これら各カウンタの初期化処理を実行する。すなわち、ログアウトすることにより各カウンタは初期化される。その一方で、有利区間が開始されるとログインの有無に関わらず、各カウンタの計測が開始される。これにより、ログイン忘れによってカウンタの計測がされていない、といった事象を回避しつつ、自らの遊技データを後任の他のユーザに読み取られることが抑止されている。
ステップS11203にて否定判定した場合、又はステップS11204の処理を実行した後は、ステップS11205に進む。ステップS11205では、比率表示の要求操作があったか否かを判定する。この要求操作とは、例えば、上記変形例6において示したアタックモード終了演出中の操作指示キャラ(図198(a))に応じた操作であり、演出スイッチ66の操作等が挙げられる。ステップS11205にて肯定判定した場合、ステップS11206に進み、有利区間中であるか否かを判定する。有利区間中ではない場合は、ステップS11207にて、総スイカ用即乗せ/後乗せ比率や総チェリー用即乗せ/後乗せ比率を表示させるための処理を行う。ちなみに、有利区間中か否かは、有利区間の終了ゲーム(アタックモード終了演出が実行されるゲーム)においては、有利区間中ではないと判定する。
この場合、図198(b)のように補助表示部65にてこれらの比率表示を行う構成に代え、図200(a)に示すように、携帯端末等にて読み取り可能なコード表示(2次元コードやバーコード等)を表示する。遊技者は、かかるコード表示を読み取ることで、自らの携帯端末等にて事後的にデータ解析等を行うことが可能となる。また、このようにすることで、表示内容が他の遊技者に読み取られる可能性を低くすることができ、これらの情報を有することに対する優位性を担保することができる。
ステップS11206にて肯定判定し、有利区間中であると判定した場合、ステップS11208にて、制限中表示が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。制限中表示とは、図200(b)に示すように、補助表示部65にて「制限中」との文字表示を行う一方、即乗せ/後乗せ比率の表示を行わない。すなわち、比率表示の要求操作が有利区間中である場合には、当該要求操作に対する比率表示に関する情報の出力が制限される。このように、有利区間中に比率表示から設定値の推測を行えないようにするとともに、有利区間が終了した後にそれがわかるようにすることで、比率表示に気をとられるあまりせっかくの有利区間を楽しめない、といった事象を回避することができる。
ステップS11207又はステップS11208の処理を実行した後は、ステップS11209にてその他の処理を実行してから、携帯端末用処理を終了する。なお、その他の処理では、携帯端末へ読み取り可能とする他の情報(総実行ゲーム、大当たり回数や子役当選回数等)を管理するための処理が相当する。また、ステップS11205にて否定判定した場合も、そのまま携帯端末用処理を終了する。
以上のようにすることで、上乗せ報知の実行タイミングを、遊技者が事後的に把握し易くなる。特に、上乗せ当選したことや、上乗せゲーム数のような有利な事象の発生回数や内容については、有利な事象を望む遊技者の記憶に残りやすいものの、その有利な事象の報知タイミングについては、有利な事象が発生した時点で遊技者の記憶から消去され易いものと考えられ、その報知タイミングを事後的に思い出すことが困難である。その点、上記構成のように、報知タイミングを携帯端末へ読み取り可能な構成とすることで、かかる報知タイミングをデータ解析する際に、大いに役立てることが可能となる。
<変形例8>
アタックモードの終了時において即乗せ/後乗せ比率を表示(出力)する構成において、アタックモードの終了時の一部でこの表示(出力)を行う構成としてもよい。本変形例では、アタックモードが有利区間の上限(1500ゲーム)によって強制終了される場合に、上記比率の表示(出力)を行う。図201は、本変形例におけるアタックモード終了演出の設定処理を示すフローチャートである。
本変形例の設定処理は、図197のフローチャートと概ね同様の処理である。相違点としては、ステップS11301及びステップS11302にてステップS11101及びステップS11102と同様の処理を行った後、ステップS11303にて強制終了であるか否かを判定する。強制終了である場合には、ステップS11304~ステップS11307にて、ステップS11103~ステップS11106と同様に、比率の表示(出力)用の処理を行う。その後、ステップS11308にて各カウンタの初期化処理を実行してから、アタックモード終了演出の設定処理を終了する。一方、強制終了ではなく、上限に達する前に残りゲーム数が0となって終了する場合は、ステップS11304~ステップS11307を実行することなく、ステップS11308の処理を行ってから、アタックモード終了演出の設定処理を終了する。
以上のように、アタックモードが強制終了したことに基づいて、即乗せ/後乗せ比率に関する情報を出力することで、アタックモードが強制終了したことに対する補填とすることが可能となる。
<第6の実施形態>
本実施形態では、上乗せ演出の実行タイミングを遊技者が選択可能とする。図202は、本実施形態において、上乗せ演出の実行タイミングが選択される様子を説明するための図である。なお、本実施形態においては、上乗せ演出を実行するゲームでは、いずれも全停止時の演出として実行される構成としている。つまり、本実施形態において上乗せ演出の実行タイミングの選択とは、上乗せ演出を実行するゲームを選択することを意味するものとして説明する。
本実施形態では、アタックモード中において上乗せ契機となる特定役当選となるゲームにて、当該特定役契機として上乗せ当選した場合の上乗せ演出の実行タイミングの選択が可能とされる。実行タイミングの選択は、本実施形態では、回転中の各リール32L,32M,32Rのうち、いずれのリールを最初に停止させるか、によって行う。そして、実行タイミングが異なる上乗せ演出としては、上記第5の実施形態等にて示した、上乗せ当選したゲームにて上乗せ演出が発生する即乗せ演出と、上乗せ当選したゲームよりも後のゲームであってアタックモード等の表示上の残りゲーム数が所定数(1)となったゲームにて上乗せ演出が発生する後乗せ演出と、上乗せ当選したゲームから所定数のゲームに亘って前兆モードが実施された後、上乗せ演出が発生する前兆経由演出と、が設定されている。
例えば、図202(a)に示すように、アタックモード中に特定役当選となると、補助表示部65において、報知態様選択演出として、「リール停止で運命を選択するんだ!!」という文字表示により、ストップスイッチ42~44の操作によって上乗せ当選時の上乗せ演出の態様を選択可能である旨が報知される。本実施形態では、左リール32Lを最初が停止操作されると即乗せ演出が選択されたとし、中リール32Mが最初に停止操作されると後乗せ演出が選択されたとし、右リール32Rが最初に停止操作されると前兆経由演出が選択されたとする。そこで、報知態様選択演出では、各リール32L,32M,32Rに対応するストップスイッチ42~44を模したキャラクタと、それぞれのストップスイッチ42~44を操作した場合に選択される演出とを対応付ける対応キャラとを表示する。具体的には、ストップスイッチ42のキャラクタに対応させて即乗せ演出を示す第1対応キャラTP1(例えば、「即」の文字)を表示し、ストップスイッチ43のキャラクタに対応させて後乗せ演出を示す第2対応キャラTP2(例えば、「後」の文字)を表示し、ストップスイッチ44のキャラクタに対応させて前兆経由演出を示す第3対応キャラTP3(例えば、「前」の文字)を表示する。また、当該ゲームが特定役当選であることを示すチャンス報知演出(ビックリマーク)も合わせて発生しており、かかるチャンス報知演出と、上記上乗せ演出の実行タイミングを選択させるための各表示とは、互いに重複しないように表示される。
遊技者が、当該ゲームにおいて左リール32Lを最初に停止操作すると、図202(b1)に示すように、当該停止操作に基づき左リール32Lが停止し、その後、他のリールも停止した後、上乗せ演出が発生する。
遊技者が、当該ゲームにおいて中リール32Mを最初に停止操作すると、図202(b2)に示すように、当該停止操作に基づき中リール32Mが停止し、その後、他のリールも停止した後、後乗せ演出が選択されたことに対応する後乗せ用の演出が発生する。後乗せ用の演出として、この例では、スイカ契機に基づく上乗せ権利を獲得したことを示す第1後乗せキャラクタBUP1が表示される様子が示されている。第1後乗せキャラクタBUP1等に基づく後乗せ演出については、上記第5の実施形態等にて説明した通りである。
遊技者が、当該ゲームにおいて右リール32Rを最初に停止操作すると、図202(b3)に示すように、当該停止操作に基づき右リール32Rが停止し、その後、他のリールも停止した後、前兆経由演出が選択されたことに対応する前兆経由用の演出が発生する。前兆経由用の演出として、この例では、補助表示部65の略中央に「チャンス」という文字表示が行われるとともに、補助表示部65に「チャンス中」という帯表示が発生し、前兆モードに突入したことが示される。この前兆モードを経由する上乗せ演出については後に説明するが、設定されたゲーム数に亘って前兆モードが継続し、設定されたゲーム数が0となることで、上乗せ演出が発生する。
以下、上記演出を実現するための処理構成を説明する。
図203は本実施形態における、上乗せ演出の設定処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、上乗せ演出の設定処理は、特定役当選ゲームにおいて、表示制御装置81にて各リール32L,32M,32Rの回転開始時に実行される処理である。
ステップS12001では、今回の上乗せゲーム数を把握する処理を行う。そして、ステップS12002にて、前兆経由フラグがセットされているか否かを判定する。前兆経由フラグは、上乗せ契機に基づいて、遊技者が前兆経由演出を選択した場合にセットされるフラグである。ステップS12002にて前兆経由フラグがセットされている場合とは、当該ゲームよりも以前のゲームにおいて上乗せ契機が発生し、前兆経由演出が選択され、且つこの選択に基づく前兆モード中であること、すなわち、未だ上乗せ演出が発生していない状況であることを意味する。ステップS12002にて肯定判定した場合、ステップS12003では、前兆モード中の上乗せゲーム数、すなわち、前兆経由演出が選択され、未だ上乗せ演出が発生していない上乗せゲーム数を把握し、把握した上乗せゲーム数を今回の上乗せゲーム数に加算する処理を行う。そして、ステップS12004にて、前兆経由フラグをクリアする処理を実行する。
ステップS12002にて否定判定した場合、又はステップS12004の処理を実行した後は、ステップS12005にて、報知態様選択演出(図202(a))が実行されるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。そして、ステップS12006にて、報知態様選択フラグをセットする処理を実行してから、上乗せ演出の設定処理を終了する。報知態様選択フラグは、今回のゲームにおける第1リールの停止操作が、報知態様選択演出の対象となっている停止操作であることをCPU181が把握するためのフラグである。
次に、報知態様選択演出が実行されるゲームにおいて、第1リールの停止操作が行われた場合の処理(第1停止ON時演出設定処理)を、図204を参照しながら説明する。この処理は、各停止操作時演出設定処理(図49)において、ステップS2204にて実施される処理である。より詳しくは、ステップS2203にて、対象リールとして第1停止ON操作が設定されていると判定した場合に、ステップS2204にて実施される処理である。
ステップS12101では、報知態様選択フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップS12102にて、設定済みの他の第1停止ON時演出を実行してから、第1停止ON時演出設定処理を終了する。
ステップS12101にて報知態様選択フラグがセットされていると判定した場合、ステップS12103にて、報知態様選択フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS12104にて、今回の報知態様選択演出において即乗せ演出が選択されたか、すなわち、今回の第1停止ON操作が、左リール32L(左ストップスイッチ42)の停止ON操作であったか否かを判定する。ステップS12104にて肯定判定した場合、ステップS12105にて即乗せ選択フラグをセットする処理を実行してから、本第1停止ON時演出設定処理を終了する。即乗せ選択フラグは、即乗せ演出が選択されたことをCPU181が把握するためのフラグである。
ステップS12104にて否定判定した場合、ステップS12106にて、今回の報知態様選択演出において後乗せ演出が選択されたか、すなわち、今回の第1停止ON操作が、中リール32M(中ストップスイッチ43)の停止ON操作であったか否かを判定する。ステップS12106にて肯定判定した場合、ステップS12107にて後乗せ選択フラグをセットする処理を実行してから、本第1停止ON時演出設定処理を終了する。後乗せ選択フラグは、後乗せ演出が選択されたことをCPU181が把握するためのフラグである。
ステップS12106にて否定判定した場合とは、今回の報知態様選択演出において前兆経由演出が選択されたこと、すなわち、今回の第1停止ON操作が、右リール32R(右ストップスイッチ44)の停止ON操作であったことを意味する。この場合、ステップS12108にて、前兆選択フラグをセットする処理を実行してから、本第1停止ON時演出設定処理を終了する。前兆選択フラグは、前兆経由演出が選択されたことをCPU181が把握するためのフラグである。
図205は、本実施形態における全停止時上乗せ報知演出用処理を示すフローチャートである。全停止時上乗せ報知演出用処理は、全停止時演出設定処理(図51)において、ステップS2309、ステップS2319にて実施される処理である。なお、上記のとおり、本実施形態では、上乗せ演出はいずれも全停止時演出として実行され、第1停止ON操作時や第2停止OFF操作時等には実行されない。
ステップS12201では、即乗せ選択フラグがセットされているか否かを判定する。即乗せ選択フラグがセットされている場合、ステップS12202にて、即乗せ選択フラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップS12203にて、今回のゲームを契機とする上乗せ演出を実行するように、補助表示部65やスピーカ64を制御する(図202(b1)参照)。
ステップS12201にて否定判定した場合、ステップS12204にて後乗せ選択フラグがセットされているか否かを判定する。後乗せ選択フラグがセットされている場合、ステップS12205にて、後乗せ選択フラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップS12206にて、後乗せ用の演出を実行するように、補助表示部65やスピーカ64を制御する(図202(b2)参照)。そして、ステップS12207にて、個別エリアに今回の上乗せゲーム数を記憶する処理を実行し、ステップS12208にて後乗せフラグをセットする処理を実行する。これらステップS12207及びステップS12208の処理は、ステップS11016や、ステップS11019、ステップS11023等の処理に相当し、上乗せ演出を事後的に発生させるための記憶用の処理である。
ステップS12204にて否定判定した場合、ステップS12209にて前兆選択フラグがセットされているか否かを判定する。前兆選択フラグがセットされている場合、ステップS12210にて、前兆選択フラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップS12211にて、前兆経由用の演出を実行するように、補助表示部65やスピーカ64を制御する(図202(b3)参照)。そして、ステップS12212にて、個別エリアに今回の上乗せゲーム数を記憶する処理を実行し、ステップS12213にて前兆ゲーム数の抽選処理を実行する。そして、ステップS12214にて連続演出カウンタに上記ステップS12213にて抽選した前兆ゲーム数を入力する処理を実行し、ステップS12215にて、連続演出フラグ及び前兆経由フラグをセットする処理を実行する。ステップS12213、ステップS12214及びステップS12215において連続演出フラグをセットする処理は、上記ステップS2506、ステップS2507及びステップS2509の処理に相当し、表示制御装置81側で前兆モードを設定する場合の処理及び、それに基づいて連続演出を実行する場合の処理である。また、ステップS12216にて前兆経由フラグをセットすることにより、以後のゲーム(ステップS12212にて設定された前兆ゲーム数を消化するまでのゲーム)において上乗せ演出の設定処理が実施される場合には、ステップS12002にて肯定判定することになる。
ステップS12203、ステップS12208及びステップS12215のいずれかの処理を実行した後、又はステップS12209にて否定判定した後は、ステップS12216に進む。ステップS12216~ステップS12220の処理は、上乗せ当選ゲームではなく、それ以降のゲームにて上乗せ演出を発生させると選択された場合、すなわち、後乗せ演出や前兆経由演出が選択された場合の処理である。
すなわち、ステップS12216では、後乗せフラグがセットされており、且つ、今回のゲームが後乗せ演出を発生させるゲームであるか否かを判定する。より詳しくは、後乗せフラグがセットされており、且つ、表示用残数カウンタHGが所定値として1である場合に、ステップS12216にて肯定判定する。ステップS12216にて肯定判定した場合、ステップS12217にて後乗せ演出の設定処理を実行する。
ここで、本実施形態における後乗せ演出の設定処理を、図206のフローチャートを参照しながら説明する。なお、本実施形態における後乗せ演出においては、基本的には、上記第5の実施形態に示したゾーン中後乗せ演出(内容報知)と略同様の演出が発生する。
すなわち、ステップS12301では、複数設けられている個別エリアのうち、最も古いデータの記憶された個別エリアを参照し、かかる個別エリアのデータ(上乗せゲーム数)を取得する処理を実行する。この場合、対応する後乗せキャラクタBUP1,BUP2等が補助表示部65の略中央に拡大表示される。続くステップS12302では、演出用操作部として、演出スイッチ66が操作されたか否かを判定し、操作されるまで待機する。操作された場合には、ステップS12303に進み、内容報知として、宝箱が開放される演出とともに、上乗せゲーム数の表示が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する(図185(b))。続くステップS12304では、表示用残数カウンタHGに、ステップS12303にて実行した上乗せ演出のゲーム数に対応する数を加算し、対応する表示が更新されるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。そして、ステップS12305にて、今回の個別エリアのデータを消去する処理を行ってから、ステップS12306にて、未報知の個別エリアのデータが残存しているか否かの判定を行う。
ステップS12306にて、未報知の個別エリアのデータが残存している場合には、ステップS12301に戻り、ステップS12301~ステップS12305の処理を繰り返す。すなわち、後乗せ演出は、上乗せ契機が生じた順に、順次、後乗せ演出を行う構成であり、遊技者は、どのタイミングで生じた上乗せ契機かを思い出しながら、その後乗せ演出を楽しむことが可能となる。
ステップS12306にて未報知の個別エリアのデータが残存していないと判定した場合、ステップS12307に進み、後乗せフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップS12308にて、後乗せ演出の終了処理として、例えば、今回の後乗せ演出にて上乗せした総ゲーム数を報知する等してから、後乗せ演出の設定処理を終了する。
全停止時上乗せ報知用処理の説明に戻り、ステップS12216にて否定判定した場合、又はステップS12217の処理を実行した後は、ステップS12218に進む。ステップS12218では、前兆経由フラグがセットされており、且つ連続演出カウンタが0であるか否かを判定する。既に説明した通り、連続演出カウンタは前兆モードのゲーム数を把握するためのカウンタであり、1ゲーム毎に1ずつ減算されるカウンタである。つまり、連続演出カウンタが0になるゲームが前兆モードの最終ゲームである。この場合、ステップS12219に進み、個別エリアから上乗せゲーム数の読み出しを行う処理を実行する。そして、ステップS12220にて、対応するゲーム数の上乗せ演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップS12218にて否定判定した場合、又はステップS12220の処理を実行した後は、前記停止時上乗せ報知用処理を終了する。
ここで、各種特定役の入賞態様と、報知態様選択演出において選択操作となる第1リールとの関係について補足説明する。
特定役が強チェリーである場合、既に説明した通り、第28小役、第32小役~第35小役に対応する図柄組合せが有効ラインに停止することで、強チェリー入賞が成立する(図17)。第28小役、第32小役~第35小役のいずれについても、左リール32Lの対応図柄は、「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄である(図10)。この場合、「チェリー」図柄は、左リール32Lにおいて4番目に付されており、「第2リプレイ」図柄は、左リール32Lにおいいて6番目に付されている。すなわち、3ベットゲームにおいて、左リール32Lの18番目の「黒BAR」図柄が下段に到達するタイミングから、左リール32Lの4番目の「チェリー」図柄が下段に到達するタイミングまでに左ストップスイッチ42が操作(ON操作)されれば、強チェリーの対応図柄が有効ラインに停止可能となる。言い換えると、左ストップスイッチ42の操作タイミングが、左リール32Lの5番目の「LUCKY」図柄から17番目の「白BAR」図柄が下段に到達するタイミングであれば、強チェリーの対応図柄が有効ラインに停止できず、所謂取りこぼしとなる。
一方、強チェリーにおいて、中リール32Mの対応図柄は、例えば、第28小役においては、「赤ベル」図柄、「白ベル」図柄又は「チェリー」図柄となっており(図10)、これらは、中リール32Mにおいて5図柄以上離間しておらず、中ストップスイッチ43の停止操作のタイミングに関わらず、いずれかの図柄が有効ラインに停止し得るものとなっている。また、強チェリーにおいて、右リール32Rの対応図柄についても、例えば、第28小役においては、「チェリー」図柄、「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄となっており(図10)、これらの図柄についても、右ストップスイッチ44の停止操作のタイミングに関わらず、いずれかの図柄が有効ラインに停止し得るものとなっている。
つまり、上乗せ当選が強チェリーである場合、報知態様選択演出において、左リール32Lを最初に停止して即乗せ演出を選択しようとする場合には、その停止操作に起因して、当該強チェリー入賞を成立させることができず、取りこぼしとなる可能性がある。一方、強チェリーに基づく報知態様選択演出において、中リール32Mや右リール32Rを最初に停止させて後乗せ演出や前兆経由演出を選択しようとする場合には、その停止操作に起因して取りこぼしとなる場合はない。このように、各リール32L,32M,32Rの停止操作に基づいて上乗せ演出の実行タイミングを選択させるうえで、各リール32L,32M,32Rで取りこぼしの可能性の有無が異なる構成としていることから、当該取りこぼしの有無を、上乗せ演出の実行タイミングの選択遊技に加味させることができる。
例えば、選択操作と停止操作とが競合することによって、取りこぼしの可能性が高くなることを懸念する遊技者としては、強チェリー当選を契機とする報知態様選択演出においては、中リール32Mや右リール32Rを最初に停止操作することが考えられる。この場合、上乗せ演出としては、後乗せ演出や前兆経由演出が選択されたこととなり、当該ゲームよりも後のゲームで上乗せ演出が発生する、といった、期待感を持ち越す演出としている。その一方で、取りこぼしの可能性を承知の上で、左リール32Lを最初に停止操作すると、即乗せ演出が選択されたこととなり、当該ゲームにて上乗せが発生するようになる。これにより、仮に取りこぼしが生じたとしても、そのゲームにて上乗せ演出が発生することで、小役非当選であったのか取りこぼしであったのかについても含めて明確に把握することが可能となる。このようにすることで、選択操作と停止操作とが競合するうえで、取りこぼしのリスクを加味した演出とすることができ、これら選択操作による遊技性が高められている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
アタックモード中の特定役当選となったゲームにおいて、当該ゲームの停止操作態様に基づいて、特定役当選を契機とする上乗せ演出の実行タイミング(実行ゲーム)を異ならせる構成とした。より詳しくは、特定役当選ゲームにおいて、左リール32Lを最初に停止操作した場合には即乗せ演出が発生し、中リール32Mを最初に停止操作した場合には後乗せ演出が発生し、右リール32Rを最初に停止操作した場合には前兆経由演出が発生する。このように、上乗せ当選ゲームの停止操作態様によって、上乗せ時の演出実行タイミングを決定する構成とすることで、遊技者の好みに応じた上乗せ演出を実現することができる。
特に、上乗せ演出の実行タイミングの選択を、上乗せ当選ゲームにおいて行う構成としていることから、例えば、アタックモードの開始時や、アタックモード移行前に選択する構成と比較して、実行タイミングの選択を行うタイミングが、上乗せ契機が生じたタイミングに近いタイミングとなり易い。これにより、刻一刻と変化するアタックモードの状況に応じて実行タイミングの選択を行わせることが可能となり、より遊技者に要望を反映させることが可能となる。
アタックモード中は押し順報知が頻繁に発生するところ、上乗せ契機となる特定役当選ゲームにおいては、押し順報知は発生しない。つまり、報知態様選択演出と押し順報知演出とが競合しないように設定されている。これにより、報知態様選択演出において、所望の結果を入賞させる押し順が設定されているあまり、上乗せ演出の選択の余地がない、といった事象が生じない。よって、報知態様選択演出による遊技性を好適に実現することができる。
上記のように、アタックモード中は押し順報知が頻繁に発生する一方、特定役当選時においては押し順報知が発生しないことから、遊技者としては、押し順報知によってメダル獲得を目指しつつも、押し順報知が発生しないゲームが発生することに期待感を寄せながらゲームを進行するものと考えられる。つまり、押し順報知が発生しないゲームにおいて上記報知態様選択演出を発生させる構成としていることから、既に注目度の高められた状況で報知態様選択演出が行われることとなり、かかる演出による遊技性を好適に実現することが可能となる。
既に説明した通り、アタックモードは主に第2RT状態にて実行されるところ、第2RTでは、いずれかのリプレイに当選する確率が高くなり、頻繁にリプレイ入賞が成立する。第2RT状態中に当選し得るリプレイには、転落リプレイ1~3や第2昇格リプレイ1,2といった押し順リプレイの他、通常リプレイといった押し順報知の対象とならないリプレイも存在する。つまり、頻繁にリプレイ当選となる第2RT状態において、押し順報知によって所望のリプレイ入賞を成立させるゲームだけでなく、押し順報知によらずにリプレイ入賞を成立させるゲームも存在する。このような前提のもと、特定役当選となった場合に報知態様選択演出を発生させる構成としていることから、報知態様選択演出が発生するか否かが、特定役当選かそれとも通常リプレイ当選かの分岐演出として機能することとなる。これにより、報知態様選択演出への関心の高さを利用して、通常リプレイ当選ゲームにおける注目度も高めることとなり、アタックモード全体を通して注目度向上を図ることが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、有利期間の上限ゲーム数に近い状況においては、前兆経由演出が選択できないようにする。図207は、本変形例における第1停止ON時演出設定処理を示すフローチャートである。
ステップS12401~ステップS12407の処理は、上記ステップS12101~ステップS12107の処理と同様であり、左リール32Lが第1停止とされたら即乗せ選択フラグをセットし、中リール32Mが第1停止とされたら後乗せ選択フラグをセットする。ステップS12406にて中リール32Mが第1停止ではないと判定した場合には、ステップS12408にて、今回の有利区間の実行ゲーム数が所定ゲーム数(1450ゲーム)を超えているか否かを判定する。すなわち、上記所定ゲーム数を1450ゲームとすると、ステップS12408にて肯定判定する場合とは、有利区間の上限まであと50ゲーム未満である場合である。この場合、右リール32Rを第1停止として前兆経由演出が選択されていたとしても、ステップS12405に進み、即乗せ選択フラグをセットする処理を実行する。すなわち、有利区間の上限に近い状況で上乗せ契機が生じた場合には、前兆経由演出が選択されていても強制的に即乗せ演出が選択されたものとして、上乗せ演出を発生させる。このようにすることで、前兆モード中に有利区間が強制終了されてしまう、といった不都合を回避することができる。なお、ステップS12408にて今回の有利区間の実行ゲーム数が所定ゲーム数以下であると判定した場合には、ステップS12108と同様に、ステップS12409にて、前兆選択フラグをセットしてから、本第1停止ON時演出設定処理を終了する。
以上のように、有利区間の強制終了ゲームとの関係で、報知態様選択演出において選択された演出の実行を制限可能な構成とすることで、選択された演出が実行されないまま有利区間(アタックモード)が終了してしまう事象を回避することができる。
なお、上記構成では、右リール32Rを第1停止とすると前兆経由演出が選択されるという第3対応キャラTP3を表示させることを前提として説明したが、有利区間の強制終了ゲームに近い状況では第3対応キャラTP3を表示させない構成としてもよい。この場合、第3対応キャラTP3に代えて即乗せ演出に対応する第1対応キャラTP1を表示させる構成とするとよい。但し、上記構成のほうが、報知態様選択演出自体の変更を要しないため、演出構成の簡素化が図られる、といったメリットがある。また、報知態様選択演出において右リール32Rが第1停止とされた場合に、強制的に後乗せ演出とする構成としてもよい。
さらに、中リール32Mが第1停止とされ、後乗せ演出が選択された場合において、有利区間の消化ゲーム数に応じて(実行ゲーム数が1450以上であれば)、強制的に即乗せ演出とする構成としてもよい。この場合においても、後乗せ演出に対応する第2対応キャラTP2を表示させない構成としてもよいし、第2対応キャラTP2に代えて即乗せ演出に対応する第1対応キャラTP1を表示させる構成としてもよい。
上乗せ当選時の上乗せゲーム数に応じて、報知態様選択演出において実行された選択操作と、選択された上乗せ報知の実行タイミングとの対応関係を異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば、上乗せゲーム数が所定ゲーム数(100ゲーム)以上である場合は、所定の確率(50%)で、選択操作によって選択した実行タイミングとは異なる実行タイミングで上乗せ演出が実行される構成としてもよい。より詳しくは、上乗せゲーム数が所定ゲーム数以上である場合に、前兆経由演出が選択されたとしても、所定の確率で、選択された前兆経由演出ではなく、即乗せ演出を実行する構成としてもよい。このようにすることで、上乗せゲーム数に対する驚きに、自らの意志と異なるタイミングで実行されたことの驚きが加味され、遊技者をより驚愕させる演出とすることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、通常リプレイに当選したゲーム(上乗せ当選ゲームとは異なるゲーム)において報知態様選択演出を実行する構成とする。図208(a)は通常リプレイ時の演出設定処理を示すフローチャートである。この処理は、表示制御装置81において、アタックモード中の通常リプレイ当選ゲームの開始時演出として開始時演出設定処理中に実施される。
ステップS12501では、RAM183の各種カウンタエリア183bに設けられた選択済みカウンタが1以上であるか否かを判定する。選択済みカウンタは、報知態様選択演出において選択された上乗せ演出の実行タイミングが有効とされるゲーム数を示しており、選択操作によって所定値(20)が入力され、1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
選択済みカウンタが1以上である場合には、そのまま通常リプレイ時の演出設定処理を終了する。一方、選択済みカウンタが0である場合には、ステップS12502にて報知態様選択フラグをセットする処理を行ってから、本演出設定処理を終了する。すなわち、通常リプレイ当選ゲームにおいて、第1停止ON時演出として、報知態様選択演出が実行され得るようになる。
本変形例における第1停止ON時演出設定処理では、図209に示すように、ステップS12601~ステップS12608にて、上記ステップS12101~ステップS12108と同様の処理を実行する。ステップS12605、ステップS12607及びステップS12608のいずれかの処理を実行した後は、ステップS12609に進み、選択済みカウンタに、所定値として例えば「20」を入力する処理を実行してから、第1停止ON時演出設定処理を終了する。これにより、以後20ゲームに亘ってステップS12501にて肯定判定することとなる。より詳しくは、通常リプレイ当選時に選択操作を行うことにより、以後20ゲーム間に再度通常リプレイに当選しても報知態様選択演出は発生しないようになる。
各種上乗せ演出の設定用の処理としては、上記の通り、全停止時上乗せ報知用処理(図205)にて実行される。より詳しくは、通常リプレイ当選時の報知態様選択演出を発生させ、選択操作を行わせることにより、即乗せ選択フラグ、後乗せ選択フラグ、前兆選択フラグのいずれかがセットされ、以後20ゲーム間に上乗せ当選した場合には、その上乗せ当選したゲームよりも前のゲームにて行った上記選択操作に基づいて(即乗せ選択フラグ、後乗せ選択フラグ、前兆選択フラグのフラグに基づいて)、全停止時上乗せ報知用処理にて、上乗せ演出の実行タイミングが設定される。
すなわち、上記通常リプレイ当選時の報知態様選択演出において、左リール32Lが第1停止とされて即乗せ演出が選択された場合、即乗せ選択フラグがセットされ、その後のゲームで上乗せ当選すると当該上乗せ当選したゲームにて上乗せ演出が発生する(即乗せ演出が発生する)。また、上記通常リプレイ当選時の報知態様選択演出において、中リール32Mが第1停止とされて後乗せ演出が選択された場合、後乗せ選択フラグがセットされ、その後のゲームで上乗せ当選すると、アタックモードの表示上の残りゲーム数が所定ゲーム数となった場合に上乗せ演出が発生する(後乗せ演出が発生する)。そして、上記通常リプレイ当選時の報知態様選択演出において、右リール32Rが第1停止とされて前兆経由演出が選択された場合、前兆選択フラグがセットされ、その後のゲームで上乗せ当選すると、前兆モードを経てから上乗せ演出が発生する(前兆経由演出が発生する)。
このように、報知態様選択演出の実行ゲームと、上乗せ当選ゲームとを異なるゲームとなるようにすることで、報知態様選択演出における選択操作と、特定役当選における目押し操作とが競合しないようにすることが可能となる。よって、報知態様選択演出における選択操作に集中するあまり、目押し操作に失敗してしまって取りこぼしが発生する、といった事象をなるべく生じさせないようにすることが可能となる。
本変形例において、選択済みカウンタを管理するための選択済みカウンタ用処理について、図208(b)のフローチャートを参照しながら説明する。選択済みカウンタ用処理は、表示制御装置81において全停止時演出設定処理(図51)における一処理として実施される。
ステップS12511では、選択済みカウンタが1以上であるか否かを判定する。1以上ではない場合、すなわち0である場合には、そのまま選択済みカウンタ用処理を終了する。1以上である場合、ステップS12512にて、選択済みカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS12513にて、選択済みカウンタが0となったか否かを判定し、0ではない場合にはそのまま選択済みカウンタ用処理を終了する。0となった場合には、ステップS12514にて、後乗せ選択フラグ又は前兆選択フラグがセットされているか否かを判定する。これらいずれかのフラグがセットされている場合には、ステップS12515にて、対応するフラグをクリアするとともに、ステップS12516にて、即乗せ選択フラグをセットしてから選択済みカウンタ用処理を終了する。また、ステップS12514にて否定判定し、即乗せ選択フラグがセットされている場合には、選択済みカウンタが0となってもかかる選択フラグを消去せず、そのまま維持して選択済みカウンタ用処理を終了する。
以上のように、アタックモード中の通常リプレイ当選ゲームにおいて報知態様選択演出を発生させ、そのゲームにおける選択操作を所定ゲーム数に亘って有効とみなす構成としたうえで、所定ゲーム経過後や、通常リプレイ当選前に上乗せ契機が生じた場合には、即乗せ演出を発生させる構成とした。つまり、即乗せ演出をデフォルトとし、通常リプレイ当選ゲームの報知態様選択演出によって、その後の所定ゲーム数間の上乗せを、当該デフォルトの即乗せ演出とは異なる実行タイミングとして後乗せ演出や前兆経由演出が行われるように選択させる構成とした。例えば、通常リプレイ当選時の選択操作をアタックモード終了時まで有効とみなす構成も考えられる。ところが、このような構成としてしまうと、選択操作を行った後、遊技状況の変化(アタックモードの残りゲーム数の増減や獲得メダルの増加等)によって、遊技者の望む実行タイミングが変化しても、その変化に対応することが困難となる。これに対して、上記のようにすることで、刻一刻と変化し得るアタックモードの状況に応じた上乗せ演出の実行タイミングを遊技者自身が選択する構成を実現することができる。
しかも、所定ゲーム数をアタックモードの初期ゲーム数(50ゲーム)よりも短いゲーム数(20ゲーム)としたことで、例えば、アタックモードの開始直後に報知態様選択演出が発生した場合には、その後、少なくとも、もう一回、報知態様選択演出が発生する余地が残る。これにより、仮に上乗せが発生しなくても、発生した場合に備えて、アタックモードの前半と後半で、上乗せ演出の実行タイミングを変え、アタックモードの演出に変化を生じさせたい、という遊技者のニーズにも応じることが可能となる。よって、遊技者の多様なニーズに応じた遊技演出を実現することができる。
さらに、通常リプレイ当選といったランダムに発生する事象を契機として、報知態様選択演出を発生させる構成としていることから、上記のように、報知態様を選択できるか否かについても運の要素が追加され、遊技の楽しみを向上させることができる。
<変形例3>
本変形例では、選択操作により選択された上乗せ報知の実行タイミングを事後的に変更可能な構成とする。図210は、本変形例における全停止時上乗せ報知用処理を示すフローチャートである。
本変形例における全停止時上乗せ報知用処理と、図205のフローチャートとの相違点としては、即乗せ選択フラグがセットされている場合の処理である。すなわち、ステップS12701にて即乗せ選択フラグがセットされていると判定した場合、ステップS12702にて即乗せ選択フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS12703にて、今回のゲームの上乗せ演出を実行するように補助表示部65等を制御する。これらステップS12701~ステップS12703の処理は、上記ステップS12201~ステップS12203の処理と同様である。
ステップS12704では、後乗せフラグがセットされているか否かを判定する。ステップS12704にて後乗せフラグがセットされていると判定する場合とは、今回の上乗せ契機よりも前に生じた上乗せ契機では、後乗せ演出を選択したものの、今回の上乗せ契機では即乗せ演出を選択したことを意味する。この場合、ステップS12705にて、修正用処理を実行する。ステップS12704にて後乗せフラグがセットされていない場合、又はステップS12705にて修正用処理を実行した後は、ステップS12718に進む。ステップS12706~ステップS12722の処理は、上記ステップS12204~ステップS12220の処理と同様である。
修正用処理について、図211のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS12801では、前倒し可能演出を設定する。前倒し可能演出とは、後乗せ演出が選択されて、アタックモードの終了間際に発生するはずであった上乗せ演出を、前倒しで、今回のゲームにおいて実行可能であることを報知するための演出である。より詳しくは、後乗せ権利として獲得している第1後乗せキャラクタBUP1や第2後乗せキャラクタBUP2等に基づいて、今回のゲームにて上乗せ演出を発生させることが可能である状況を報知するための演出であり、例えば、補助表示部65において、「貯めた宝箱を開けてみますか?」という文字表示を行う。また、前倒し可能演出において、「YES」と「NO」の文字表示を行い、演出スイッチ66等の操作によって、前倒しで上乗せ演出を発生させるか否かを遊技者が選択可能とする。
ステップS12801にて前倒し可能演出を発生させた後は、ステップS12802にて、前倒しで上乗せ演出を発生させるとする、前倒し指示操作がなされたか否かを判定する。上記例においては、前倒し可能演出において、「YES」の文字表示の選択操作がなされたことを、前倒し指示操作とするとよい。
ステップS12802にて前倒し指示操作がなされてない場合には、ステップS12803にて、前倒しで上乗せ演出を発生させないとする、後乗せ維持操作がなされたか否かを判定する。上記例においては、前倒し可能演出において、「NO」の文字表示の選択操作がなされたことを、後乗せ維持操作とするとよい。また、例えば、いずれかのクレジット投入スイッチ56~58の操作を後乗せ維持操作としてもよい。このような操作は、次ゲームの開始の意思表示ととらえることができ、今回のゲームにおいて前倒しで上乗せ演出を発生させないことの意思表示ともとらえることが可能だからである。
ステップS12803にて後乗せ維持操作がなされたと判定した場合には、そのまま修正用処理を終了する。ステップS12803にて否定判定した場合には、ステップS12802に戻り、前倒し指示操作又は後乗せ維持操作のいずれかが行われるまでループする。
ステップS12802にて前倒し指示操作がなされたと判定した場合、ステップS12804にて、記憶されている個別エリアの個数表示を行う。より詳しくは、例えば、図212(a)に示すように、第1後乗せキャラクタBUP1や第2後乗せキャラクタBUP2を、後乗せ演出が行われるはずであった順番に応じて並べて表示する。これにより、後乗せ権利がいくつ存在するかを遊技者は把握することができる。図212(a)においては、第1後乗せキャラクタBUP1を3つ並べて表示しており、スイカ当選を契機とする後乗せ権利を3つ有することが示されている。
続くステップS12805では、個別エリアの選択操作がなされたか否かを判定する。例えば、図212(a)において、並べた後乗せ権利(宝箱)に対して矢印などのカーソルを表示し、かかるカーソルを移動・決定することで一の後乗せ権利(宝箱)を選択可能とする。後乗せ権利の選択には演出スイッチ66を用いる構成とするとよく、例えば、カーソルを所定周期(例えば、2sec周期)で自動的に移動する構成とし、所望の一の後乗せ権利を指示している状態で演出スイッチ66を操作すると、一の後乗せ権利の選択が行われ、個別エリアの選択操作がなされたとする。個別エリアの選択操作がなされていない場合には、ステップS12805に戻り、選択操作がなされるまで待機する。
選択操作がなされた場合、ステップS12806にて、選択された個別エリアの上乗せゲーム数のデータを読み出す処理を実行する。そして、ステップS12807にて、対応する個別エリアの上乗せ演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する(図212(b))。ステップS12808では、表示用残数カウンタHGに今回の上乗せゲーム数を加算する処理を行い、ステップS12809では、上記ステップS12807にて発生させた上乗せ演出に対応する個別エリアのデータ消去処理を実行する。
ステップS12810では、未報知の個別エリアが存在するか否かを判定する。存在する場合には、ステップS12802に戻り、ステップS12802~ステップS12809を繰り返す。未報知の個別エリアが存在しなくなったら、ステップS12810にて否定判定して、ステップS12811に進み、後乗せフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップS12812にて、後乗せ演出の終了処理を実行してから、本修正用処理を終了する。ステップS12811及びステップS12812の処理は、上記ステップS12307及びステップS12308の処理と同様である。
本変形例における修正用処理では、獲得済みの後乗せ権利に対応するキャラクタを、図212(a)のように順番に並べて表示し、その各キャラクタを獲得順序に関わらず選択可能としている。すなわち、後乗せ演出の契機となった上乗せ契機の発生順序に関わらず、後乗せ演出を発生させることが可能となっており、例えば、先に発生した第1後乗せ権利と後に発生した第2後乗せ権利とが存在する場合、第2後乗せ権利に基づく上乗せ演出を第1後乗せ権利に基づく上乗せ演出よりも先に実行するように選択することが可能である。
より詳しくは、図212(a)では、3つの後乗せ権利として、左から順に、左の宝箱は最初に発生した上乗せ契機に基づく後乗せ権利を示し、中の宝箱は2番目に発生した上乗せ契機に基づく後乗せ権利を示し、右の宝箱は3番目に発生した上乗せ契機に基づく後乗せ権利を示している。図212(a)に示すカーソルは、2番目の後乗せ権利に対応する宝箱を指示している。その状況で、個別エリアの選択操作がなされたと判定した場合(ステップS12805:YES)、ステップS12806では当該2番目の後乗せ権利に対応する個別エリアから上乗せゲーム数を取得し、ステップS12806にて当該2番目の後乗せ権利に基づく上乗せ演出を発生させる(図212(b))。この場合、最初に発生した上乗せ契機に基づく後乗せ権利の上乗せ演出は未だ発生していない。すなわち、上乗せ契機の発生順序と、後乗せ演出における上乗せ演出の発生順序とを相違させることが可能となっている。
以上のように、報知態様選択演出における選択操作によって後乗せ演出が選択された場合であっても、事後的に、かかる後乗せ演出に対応する上乗せ演出を、後乗せ演出が行われるはずであったタイミングよりも前のタイミングにて実行可能とすることで、刻一刻と変化する遊技状況に応じた遊技者の心変わりにも対応することが可能となる。例えば、アタックモードの序盤において上乗せ契機が生じた場合、その後、更に上乗せ契機が発生することを見込んだうえで、今回の上乗せ契機に基づく上乗せ演出を後乗せ演出として選択したとしても、その見込みが外れる等して、上記後乗せ演出として選択した上乗せを後乗せ演出の実行タイミングよりも前に発生させたい、と心変わりする可能性もある。その点、上記のように、選択した後乗せ演出を事後的に即乗せ演出に変更可能としたことにより、遊技者の心変わりに柔軟に対応することが可能となる。
上記の変更を可能とする契機を、上乗せ契機時の即乗せ演出が選択されたこととした。変更を可能とする契機、すなわち、修正用処理の実行契機を、例えば、毎ゲーム発生させる構成等、無制限に変更し得る構成とすると、変更を行うか否かの演出(前倒し可能演出)が頻繁に発生することとなり、煩わしさを感じさせてしまうであろうし、後乗せ演出を選択したことの意志が尊重されない構成ともなり得る。その点、後乗せ演出が選択された後に即乗せ演出が選択された場合には心変わりが生じた可能性が高く、上記構成では、遊技者の心の変化を契機として修正用処理を実行可能な構成としている。これにより、周囲用処理の実行頻度を低くし、演出上の煩わしさを感じさせない範囲で、遊技者のニーズに応じた演出を実現することができる。
<第7の実施形態>
本実施形態では、有利区間の強制終了条件を変更する。既に説明した通り、上記各実施形態では、有利区間中に実行されたゲーム数が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達したことに基づいて、アタックモード等の残りゲーム数に関わらず有利区間を強制的に終了する構成(区間表示第2処理)とした。これに対して、本実施形態では、上記の上限ゲーム数の第1の強制終了条件に加えて、有利区間中のメダル増減数(メダル払出数とメダル使用数との差枚数)が上限増加数(上限枚数、2400枚)に達したことを第2の強制終了条件とする。
具体的に、上限ゲーム数の第1の強制終了条件にて有利区間が終了する場合と、上限増加数の第2の強制終了条件にて有利区間が終了する場合について、その様子を図213及び図214を参照しながら説明する。
図213では、第1の強制終了条件にて有利区間が終了する様子を示している。ta1のタイミングにて例えばチャレンジモードに当選することで有利区間が開始され、ta2のタイミングにてチャレンジモードへ移行したとする。既に説明したとおり、チャレンジモードへの移行抽選に当選し、チャレンジモードへ移行した場合であっても、本スロットマシン10では押し順報知は発生しにくく、ゲームを進行するにつれて持ちメダルは減少する。当該チャレンジモード中にアタックモード当選し、ta3のタイミングにて、アタックモードへの移行が生じると、押し順報知が発生し得るようになり、持ちメダルも増加するようになる。その後、例えば、ta4にてVBモードへの移行が生じ、ta5にてアタックモードへ復帰する等して、ta6のタイミングにて有利区間の消化ゲーム数が上限ゲーム数である1500ゲームに達すると、当該有利区間は強制的に終了する。この例では、ta6のタイミングにおいて有利区間中のメダル増減数は上限増加数(2400枚)に達していないものの、上記の上限ゲーム数である第1の強制終了条件が成立しているので、当該有利区間はアタックモード等の残りゲーム数に関わらず強制的に終了する。
図214では、第2の強制終了条件にて有利区間が終了する様子を示している。tb1のタイミングにて例えばチャレンジモードに当選することで有利区間が開始され、tb2のタイミングにてチャレンジモードへ移行したとする。そして、上記ta3と同様に、tb3のタイミングで押し順報知が発生し得るアタックモードへ移行することで、持ちメダルの増加が見込めるようになる。
ここで、押し順リプレイ当選時の押し順報知によって、RT状態をリプレイ確率の高い第2RT状態や第3RT状態へ移行させ、且つ押し順ベル当選時の押し順報知によって払出枚数の多い役(第1小役)入賞を成立させることで、メダル増加が見込めることは既に説明した通りであり、第2RT状態や第3RT状態を押し順報知有りの状態で消化すると(所謂ART状態として消化すると)、1ゲーム当たり約1.90枚の増加が見込める。また、持ちメダルの増加を見込める(メダル獲得が期待できる)遊技結果として、第1BBや第2BB等のボーナス当選が設けられており、第1BBや第2BB当選に基づくボーナス状態では、216枚を上限払出数としてメダル払出が発生する。ボーナス状態では、毎ゲーム高確率でBB中小役1~BB中小役3のいずれかに当選し、1ゲーム当たり約6.00枚の増加が見込める。つまり、上記のART状態での1ゲーム当たりのメダル増加数(純増枚数)と、ボーナス状態での純増枚数とを比較すると、ボーナス状態のほうが純増枚数は多く、同じ払出枚数を得るためにはボーナス状態を経たほうが少ないゲーム数で足りることとなる。
図214の例では、tb4~tb5のタイミングと、tb6~tb7のタイミングがボーナス状態として有利区間が消化されたことを示している。tb7にてボーナス状態が終了した後、tb8のタイミングにて有利区間中のメダル払出数が上限増加数である2400枚に達すると、当該有利区間は強制的に終了する。この例では、tb8のタイミングにおいて有利区間中の消化ゲーム数は上限数(1500ゲーム、tb9)に達していないものの、上記の上限増加数である第2の強制終了条件が成立しているので、当該有利区間はアタックモード等の残りゲーム数に関わらず強制的に終了する。
すなわち、有利区間中の上限増加数を第2の強制終了条件とする場合、有利区間中の各ゲームがいずれの状態にて実施されたかによって、第2の強制終了条件に至るまでのゲーム数が異なるようになる。図215は、本実施形態における通常遊技状態や第1RT状態~第3RT状態、BB状態用の抽選テーブルをまとめて示している。既に説明した通り、通常遊技状態と第1RT状態は、当選し得るリプレイの種類は異なるものの、トータルのリプレイ確率が共通しており、第2RT状態や第3RT状態と比較すると相対的に低いリプレイ確率となる状態である。また、第2RT状態と第3RT状態も、当選し得るリプレイの種類は異なるものの、トータルのリプレイ確率が共通しており、通常遊技状態と第1RT状態と比較すると相対的に高いリプレイ確率となる状態である。そこで、図215では、通常遊技状態と第1RT状態を低RT状態と称してまとめて表示し、第2RT状態と第3RT状態を高RT状態と称してまとめて表示している。なお、押し順ベルやCBの当選確率や入賞時のメダル払出数数(特典)が、上記各実施形態のそれと異なっているが、これは、純増枚数を調節するための変更である。
図216では、各状態と押し順報知の有無とによる純増枚数の相違を示している。
表示モードが通常モードやチャレンジモードである押し順報知が発生しない状況であって、上記の低RT状態(通常遊技状態及び第1RT状態)では、1ゲーム当たりで期待できる純増枚数は約-1.60枚であり、遊技を行うことにより持ちメダルが減少する。一方、押し順報知が発生しない状況であっても、上記の高RT状態(第2RT状態及び第3RT状態)では、1ゲーム当たりで期待できる純増枚数は約-0.03枚であり、持ちメダルをほとんど減らすことなく遊技を行うことができる。
これに対して、表示モードがアタックモードやVBモードのように押し順報知が発生する状況である場合、低RT状態では、1ゲーム当たりで期待できる純増枚数は約-0.99枚となり、上記の押し順報知が発生しない場合の低RT状態の純増枚数よりも多くなる(減りが少なくなる)。そして、押し順報知が発生する状況であって高RT状態では、1ゲーム当たりで期待できる純増枚数は約+1.90枚となり、多くのメダル獲得を期待できる状況となる。
ここで、上記各純増枚数は、ボーナス当選に基づいて移行するボーナス状態にて獲得できるメダル数を含まない純増枚数としている。すなわち、上記のように第1BBや第2BB当選に基づくボーナス状態においては、1ゲーム当たりで期待できる純増枚数は約+6.00枚である。ボーナス状態の純増枚数は、上記の押し順報知が発生しない状況での低RT状態や高RT状態、押し順報知が発生し得る状況での低RT状態や高RT状態のいずれの純増枚数よりも多く、ボーナス状態を加味することで、各ゲームでの実際に期待できる1ゲーム当たりの純増枚数は、ボーナス状態を加味しないものよりも多くなる。図216では、当該ボーナス状態を加味した純増枚数も表示しており、押し順報知が発生しない状況での低RT状態では約-1.05枚、高RT状態では約+0.52枚、押し順報知が発生し得る状況での低RT状態では約-0.44枚、高RT状態では約+2.46枚である。
ボーナス状態を加味した純増枚数は、1ゲーム当たりのボーナス当選確率と当選時のボーナス状態における獲得枚数とから、ボーナス状態での増加分を1ゲーム当たりで換算値した値を、ボーナス状態を加味しない1ゲーム当たりの純増枚数に対して加算することで算出される。例えば、ボーナス当選確率を約254分の1とし、ボーナス状態での獲得枚数を144枚(216枚-3枚×24ゲーム)とすると、ボーナス状態での増加分を1ゲーム当たりの換算値は、約254分の1×144枚=約0.56枚となる。そして、この換算値が、上記のボーナス状態を加味しない純増枚数に加算されて、ボーナス状態を加味した純増枚数が算出される。
本実施形態において規定する有利区間の第2の強制終了条件である上限増加数(2400枚)は、有利区間の第1の強制終了条件である上限ゲーム数(1500ゲーム)を全て押し順報知が発生し得る高RT状態にて消化された場合の期待獲得枚数(1500ゲーム×約1.90枚=2850枚)や、それにボーナス状態を加味した場合の期待獲得枚数(1500ゲーム×約2.46枚=3690枚)よりも少ない枚数として設定されている。つまり、有利区間を全て押し順報知が発生し得る高RT状態にて消化すると、第1の強制終了条件よりも先に第2の強制終了条件にて有利区間が強制的に終了されることとなる(図214)。
図217は、本実施形態における区間表示第2処理を示すフローチャートである。
ステップS13001では、有利区間中であるか否かを判定する。ここで、本実施形態では、有利区間に移行した後であっても、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が点灯表示していない場合もある。この構成については後に詳細に説明するが、既に説明した通り、区間表示第1処理においては、チャレンジモード当選フラグやアタックモード当選フラグがセットされることにより有利区間のゲーム数のカウント(有利区間ゲーム数AGの加算)を開始する構成としている。そこで、本実施形態では、ステップS13001にて、区間表示器の表示の有無ではなく有利区間ゲーム数AGを把握して、当該有利区間ゲーム数AGが1以上である場合に有利区間中であると判定し、有利区間ゲーム数AGが0である場合に有利区間ではないと判定する。
ステップS13002では有利区間ゲーム数AGの加算処理を実行する。そして、ステップS13003にて各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数ZMの更新処理を実行する。有利区間増減枚数ZMは、有利区間中のメダルの増減枚数(有利区間中の各ゲームでベットされた枚数と払い出された枚数との差枚数)をCPU102が把握するためのカウンタであり、ステップS13003では、今回のゲームの入賞結果(直前の入賞結果対応処理や払出判定処理)に基づいて、今回のゲームのメダル増減数(今回のゲームのメダル払出数-今回のゲームのベット数)を把握し、そのメダル増減数を有利区間増減枚数ZMに加算する処理を行う。例えば、今回のゲームが3ベットゲームであり9枚のメダル払出が行われた場合、メダル増減数は+6であり、ステップS13003では有利区間増減枚数ZMに+6を加算する処理を行う。また、今回のゲームが3ベットゲームでありメダル払出が行われなかった場合、メダル増減数は-3であり、ステップS13003では有利区間増減枚数ZMに-3を加算する処理を行う。
ステップS13003の処理を実行した後は、ステップS13004にて、残ゲーム数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、図218のフローチャートに示すとおりであり、上記各実施形態のものと概ね同様であるが、空きゲーム数FGが0以下となった場合(総有利区間ゲーム数SGが有利区間の上限ゲーム数を超える状況となった場合、ステップS13110:NO)、ステップS13111にて上記の超過フラグの代わりに、第1超過フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする処理を行う。第1超過フラグは、第1の強制終了条件がその後に成立し得る状況であることをCPU102が把握するためのフラグであり、本実施形態では、第2の強制終了条件がその後に成立し得る状況と区別可能な構成としている(第2超過フラグ)。
ステップS13004にて残ゲーム数管理処理を実行した後は、ステップS13005にて残枚数管理処理を実行する。図219は、残枚数管理処理を示すフローチャートである。
ステップS13201では、上記ステップS13003にて更新された有利区間増減枚数ZMを把握する。続くステップS13202では、上記ステップS13004の残ゲーム管理処理にて算出される有利区間残りゲーム数ZG(ステップS13107)と、ROM105に記憶されている有利区間の各ゲームにて期待できる純増枚数(期待増減枚数KM)とから、有利区間の残りゲーム数にて獲得できる残り増減期待枚数NMを算出する処理を実行する。本実施形態では、期待増減枚数KMは、有利区間が上記の押し順報知が発生する状況で高RT状態にて消化された場合であって、ボーナス状態を加味した純増枚数(約+2.46枚)を用いる構成としている。すなわち、例えば、有利区間残りゲーム数ZGが500ゲームであれば、残り増減期待枚数NMは、500ゲーム×2.46枚=1230枚となる。
ステップS13203では、ステップS13201にて把握した有利区間増減枚数ZMと、ステップS13202にて算出した残り増減期待枚数NMとから、現状の有利区間残りゲーム数を加味して今回の有利区間中に獲得することが期待できる枚数(総増減期待枚数SM)を算出する処理を行う。そして、ステップS13204にて、増加可能な空き枚数FMを算出する処理を行う。ステップS13204の処理は、残ゲーム数管理処理におけるステップS13109の加算可能な空きゲーム数FGを算出する処理に対応するものであり、ステップS13109の処理が、その後のゲームにて第1の強制終了条件にて有利区間が強制終了されることを事前に予測する処理であり、ステップS13204の処理は、その後のゲームにて第2の強制終了条件にて有利区間が強制終了されることを事前に予測する処理である。すなわち、ステップS13204では、有利区間の上限増加数である2400枚から、上記ステップS13203にて算出した総増減期待枚数SMを減算する処理を行う。
ちなみに、上記図213や図214のように、有利区間中であっても、アタックモードへの移行が生るよりも前(図213ではta3まで、図214ではtb3まで)においては、各ゲームで持ちメダルが減少し得るものであり、この間の純増枚数はマイナスである。そうすると、この間の各ゲームで行われる予測処理(ステップS13202)では、当該持ちメダルが減少する純増枚数での予測を行うべきとも考えられる。但し、上記のように、上限増加数に達するか否かを現状の有利区間増減枚数ZMとの関係性から予測するうえでは、ta3やtb3までの減少分は現状の有利区間増減枚数ZMに吸収され得るものである。そこで、上記のようにその間の純増枚数を別途算出しない構成とし、処理構成の簡素化が図られている。
ステップS13205では、ステップS13204の処理結果に基づいて、増加可能な空き枚数FMが0以下となり、将来的に第2の強制終了条件にて強制終了されることとなるか否かを判定する。空き枚数FMが1以上である場合には、上限増加数に至らないものとして、そのまま残枚数管理処理を終了する。空き枚数FMが0以下である場合には、ステップS13206に進み、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする処理を行ってから、残枚数管理処理を終了する。第2超過フラグは、第2の強制終了条件がその後に成立し得る状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。
区間表示第2処理では、ステップS13005にて残枚数管理処理を実行した後は、ステップS13006にて上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数ZMが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップS13007に進み、有利区間の終了用の処理を実行する。
すなわち、ステップS13007では、上記有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数ZMを0にクリアする。続くステップS13008では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップS13009にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行ってから、本区間表示第2処理を終了する。区間表示器の表示終了処理や、データ初期化処理については、既に説明した通りである。
また、ステップS13006にていずれの強制終了条件も成立していないと判定した場合であっても、ステップS13010やステップS13011にて通常終了条件が成立したと判定した場合(チャレンジモード当選フラグやアタックモード当選フラグ、チャレンジモードフラグやアタックモードフラグがいずれもセットされていない場合)、ステップS13007に進み、有利区間の終了用の処理を行う。通常終了条件が成立した場合の処理も、上述の処理と同様である。
以上のように、本実施形態では、有利区間の上限ゲーム数を規定する第1の強制終了条件と、有利区間の上限増加数を規定する第2の強制終了条件と、を有し、これら第1の強制終了条件や第2の強制終了条件が将来的に(その後のゲームで)成立することを、事前に予測して、成立すると予測される場合には、それぞれ第1超過フラグや第2超過フラグをセットすることにより、将来的に強制終了されることをCPU102が特定可能としている。
そして、本実施形態では、これら第1超過フラグや第2超過フラグがセットされている状況で、更にアタックモード等の上乗せ抽選に当選して上乗せが発生し得る場合、強制終了によって当該上乗せの恩恵を得られないことの補填として、遊技者にとって有益となり得る情報の提示となるように設定値示唆を行う。
図220は、本実施形態におけるチャレンジモードやアタックモードのゲーム数上乗せ処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、かかる処理は第1特定役処理等のステップS6025やステップS918、ステップS1005、ステップS1513、ステップS1517、ステップS1603等にて実施される処理である。
ステップS13301では、上記の第1超過フラグ及び第2超過フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれの超過フラグもセットされていない場合、ステップS13302に進み、今回の上乗せゲーム数を把握して、ステップS13303にて対象となる継続ゲーム数に上乗せゲーム数を加算する処理を行ってから、本ゲーム数上乗せ処理を終了する。
ステップS13301にていずれかの超過フラグがセットされていると判定した場合、ステップS13304に進む。ステップS13304では、ステップS13302と同様に、今回の上乗せゲーム数を把握する処理を実行する。そして、ステップS13305にて、各種カウンタエリア106eの総消滅ゲーム数TEGに今回の上乗せゲーム数を加算する処理を行う。既に説明した通り、総消滅ゲーム数TEGは、有利区間の強制終了によって消滅することとなる超過ゲーム数を把握するためのカウンタである。
ステップS13305の処理を実行した後は、ステップS13306~ステップS13311にて、設定値示唆(特別報知)用の処理を行う。すなわち、ステップS13306では、今回の上乗せ契機となった特定役を把握する処理を実行する。そして、ステップS13307にて各種テーブル記憶エリア105aから第5特定報知抽選テーブルを取得する処理を実行してから、ステップS13308にて第5特別報知抽選を実行する。
第5特別報知抽選テーブルは、図221に示すように、上乗せ契機(第5特別報知の契機)となった特定役と、現状の表示モード及び上乗せ対象となる表示モードと、セットされている超過フラグの種類によって、第5特別報知抽選の当選確率が異なるように設定されている。
具体的には、上記第1特別報知の抽選テーブルと同様に、表示モードがチャレンジモードである場合は、アタックモードである場合よりも第5特別報知抽選に当選し易くなっており、また、特化ゾーンである場合も、アタックモードである場合よりも第5特別報知抽選に当選し易くなっている。また、弱チェリーよりも強チェリーのほうが当選確率が高くなるといったように、各ゲームの出現率(当選率)の低い役ほど第5特別報知抽選に当選し易いように設定されている。
更に、第1超過フラグのみがセットされている場合と第2超過フラグのみがセットされている場合とを比較すると、第1超過フラグのみがセットされている場合の方が、第2超過フラグのみがセットされている場合よりも第5特別報知抽選に当選し易くなるように設定されている。これは、第1超過フラグがセットされている場合には強制終了が必ず生じる一方、第2超過フラグがセットされている場合にはその後の各ゲームの抽選結果等によっては強制終了が生じないこともあることによる相違である。
また、第1超過フラグ及び第2超過フラグの一方がセットされている場合と、両超過フラグがセットされている場合とでは、第5特別報知抽選の当選確率が異なるように設定されており、本実施形態では、両超過フラグがセットされている場合の方が第5特別報知抽選に当選し易くなるように設定されている。これは、第2超過フラグのみがセットされている場合よりも両超過フラグが(第1超過フラグも)セットされている場合のほうが、強制終了の予測の確実性が増すことや、第1超過フラグのみがセットされている場合よりも両超過フラグが(第2超過フラグも)セットされている場合の方が、上限ゲーム数によって強制終了される場合であっても、その強制終了時には十分なメダル増加を見込めるであろうことによる違いである。
ステップS13308にて第5特別報知抽選を行った後は、ステップS13309にて、当該第5特別報知抽選の結果が当選結果であったか否かを判定する。報知当選であった場合には、ステップS13310にて第5特別報知実行用コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を実行し、報知非当選であった場合には、ステップS13311にて第5特別報知非実行用コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を実行してから、それぞれゲーム数上乗せ処理を終了する。
第5特別報知実行用コマンドや第5特別報知非実行用コマンドは、第1特別報知実行用コマンドや第1特別報知非実行用コマンドに対応するものであり、第5特別報知実行用コマンドを受信した表示制御装置81は、第5特別報知の種類抽選を行い、対応する第5特別報知を実行するように補助表示部65やスピーカ64を制御する。具体的には、図135の第1特別報知設定処理を、第5特別報知設定処理として適用するとよく、例えば、第5特別報知種類抽選処理(ステップS6703)として、複数種類の第5特別報知が設定値によってそれぞれ当選確率が異なるように設定された第5特別報知抽選テーブル(図222(a))を用いて、対応する種類の第5特別報知が実行されるようにするとよい。
第5特別報知抽選テーブルについて、より詳しくは、第5特別報知の種類として、第5特別報知A、第5特別報知B、第5特別報知Cが設けられており、これらは、補助表示部65による表示内容やスピーカ64からの効果音等によってそれぞれ遊技者が識別可能な程度に異なる演出内容が設定されている。
各種第5特別報知は、第1超過フラグと第2超過フラグの設定状況によって、いずれが選択され易いかが異なっている。具体的には、第5特別報知Aは第1超過フラグのみがセットされている状況(第2超過フラグはセットされていない状況)で選択され易く、第5特別報知Bは第2超過フラグのみがセットされている状況(第1超過フラグはセットされていない状況)で選択され易く、第5特別報知Cは両超過フラグがセットされている状況で選択され易い。
ちなみに、上記第5特別報知実行用コマンド等に、第1超過フラグや第2超過フラグのセットの有無に関する情報を含ませることにより、表示制御装置81側においても各超過フラグに基づく上記の種類の選択を行うことが可能である。なお、第1超過フラグや第2超過フラグがセットされた場合に、主制御装置101から表示制御装置81へその旨の情報(コマンド)が出力される構成とし、その情報に基づいて、上記第5特別報知の種類の選択を行う構成としてもよい。
第5特別報知種類抽選では、上記図222(a)の種類テーブルに基づく抽選後、図222(b)の詳細テーブルに基づいて、実際に行う第5特別報知の詳細を決定する。具体的には、第5特別報知Aには第5特別報知a1と第5特別報知a2とが設けられており、第5特別報知Bには第5特別報知b1と第5特別報知b2とが設けられており、第5特別報知Cには第5特別報知c1と第5特別報知c2とが設けられており、これらも、補助表示部65による表示内容やスピーカ64からの効果音等によってそれぞれ遊技者が識別可能な程度に異なる演出内容が設定されている。
各種第5特別報知の詳細な演出内容は、設定値によって、いずれが選択され易いかが異なっている。具体的には、第5特別報知Aのうち、第5特別報知a1は設定1,3,5の奇数設定で選択され易く、第5特別報知a2は設定2,4,6の偶数設定で選択され易い。また、第5特別報知Bのうち、第5特別報知b1は設定3以上が選択され易く、第5特別報知b2は設定2以下が選択され易く、特に、設定5,6では第5特別報知b2は選択されないように設定されている。第5特別報知Cのうち、第5特別報知c1は設定5,6にて選択され得る一方、設定1~4では選択されず、第5特別報知c2は設定1~4では選択され得る一方、設定5,6では選択されない。
つまり、第1超過フラグのみがセットされて、その後に上乗せ契機が生じて第5特別報知Aが行われることによって、設定値の偶奇が予測可能となり、第2超過フラグのみがセットされて、その後に上乗せ契機が生じて第5特別報知Bが行われることによって、設定値の高低が予測可能となる。そして、両超過フラグがセットされて、その後に上乗せ契機が生じて第5特別報知Cが行われることによって、設定5以上であるか、設定4以下であるかの判別が可能となる。
このように、セットされている超過フラグによって、すなわち、いずれの強制終了条件にて将来的に強制終了されると予測されている状況であるかによって、発生する設定値示唆を異ならせることで、設定値の予測を行う楽しみだけでなく、どちらの強制終了条件によって有利区間が終了されることを目指すか、といった楽しみも追加され、有利区間の遊技性が大幅に向上する。
より詳しくは、多くのメダル獲得を目指すという前提からすると、メダルの上限増加数としての第2の強制終了条件にて有利区間が終了することのほうが遊技者にとって好ましいものと考えられるが、第1の強制終了条件が将来的に成立することが予測されることによって発生する設定値示唆を見たい、といった要望からすると、第1の強制終了条件の成立を目指す目的も追加される。
また、第5特別報知は、1回の発生で設定されている設定値が確定しにくいように設定されており、複数回の発生によりその設定値の絞り込みが行われ得る。その点、第5特別報知は、各超過フラグがセットされてから上乗せ条件が成立すると発生し得る構成であることから、各超過フラグがセットされてから上乗せ条件が成立するほど設定値の絞りこみが行い易くなるといえ、当該各超過フラグがセットされてから上乗せ条件が成立するほど遊技者にとって有利な情報が提示されるといえる。
さらに、各超過フラグがセットされてから上乗せ条件が成立するほど有利であることからして、各超過フラグがなるべく早い段階でセットされる方が、遊技者にとって有利となり得る。
つまり、各超過フラグがセットされることによって、有利区間のゲーム数やメダル増減数はそれ以上変化し得ないものとなるものの、超過フラグがセットされてから上乗せ条件が成立するか否かや、超過フラグがセットされるタイミングによって、設定値の絞り込みという遊技については、その遊技の有利度が異なるようになっており、遊技性の向上が図られている。
第1超過フラグや第2超過フラグがセットされる様子について、図223及び図224のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図223は、tc1のタイミングで有利区間が開始され、tc2のタイミングにてチャレンジモード、tc3及びtc5のタイミングでアタックモード、tc4のタイミングでVBモードがそれぞれ開始された場合であって、アタックモード中であるtc6のタイミングを基準として示している。この例では、有利区間中にボーナス当選しておらず、tc3のタイミング~tc6のタイミングのゲームは、表示モードがアタックモードとVBモードの違いはあれど、いずれも純増枚数が約+1.90枚の状態で推移する。
tc6のタイミングにおいては、有利区間ゲーム数AGは有利区間の上限ゲーム数である1500ゲームに至っていないし、有利区間増減枚数ZMも上限増加数である2400枚に至っていない。但し、有利区間の残りゲーム数ZGを現状の有利区間ゲーム数AGに加算すると上限ゲーム数を超える状況であり、この場合、第1超過フラグがセットされる。一方、残り増減期待枚数NMを有利区間増減枚数ZMに加算しても上限増加数を超えない状況であり、この場合、第2超過フラグはセットされない。
この例においては、tc7のタイミングにおいて有利区間ゲーム数AGが1500ゲームに達することで、当該有利区間は強制終了される。その結果、当該有利区間は上限増加数である2400枚のメダルを獲得することなく終了する。
図224は、td1のタイミングで有利区間が開始され、td2のタイミングでチャレンジモード、td3、td5及びtd7のタイミングでアタックモード、td4及びtd6のタイミングでボーナス状態がそれぞれ開始された場合であって、アタックモード中であるtd8のタイミングを基準として示している。この場合、td3のタイミング~td4のタイミング、td5のタイミング~td6のタイミング、td7のタイミング~td8のタイミングのゲームは、いずれも純増枚数が約+1.90枚の状態で推移する。その一方、td4のタイミング~td5のタイミング、td6のタイミング~td7のタイミングのボーナス状態は、いずれも純増枚数が約+6.00枚の状態で推移し、このボーナス状態の分、有利区間中の1ゲーム当たりの増加枚数が実質的に増加することとなる。
td8のタイミングにおいては、有利区間ゲーム数AGは有利区間の上限ゲーム数である1500ゲームに至っていないし、有利区間増減枚数ZMも上限増加数である2400枚に至っていない。但し、残り増減期待枚数NMを有利区間増減枚数ZMに加算すると上限増加数を超える状況であり、この場合、第2超過フラグがセットされる。一方、有利区間の残りゲーム数ZGを現状の有利区間ゲーム数AGに加算しても上限ゲーム数を超えない状況であり、この場合、第1超過フラグがセットされない。
この例においては、有利区間残りゲーム数ZGが消化されるtd10のタイミングよりも前のタイミングであるtd9のタイミングにおいて有利区間増減枚数ZMが2400枚に達し、当該有利区間は強制終了される。その結果、当該有利区間は上限ゲーム数である1500ゲームを消化することなく終了する。
両超過フラグと第5特別報知の発生率との関係を、図225のタイミングチャートを参照しながら説明する。
te1のタイミングから開始された有利区間において、te2のタイミングにて、例えば強チェリー等の特定役に当選するなど上乗せ契機が発生した場合、当該te2のタイミングでは、未だ第1超過フラグ及び第2超過フラグのいずれもセットされていないため、当該上乗せ契機に基づく上乗せ抽選が実施される。そして、上乗せ抽選に当選した場合には、対応するゲーム数の上乗せが発生する。
te3のタイミングで上限ゲーム数に対応する第1超過フラグがセットされ、上限増加数に対応する第2超過フラグはセットされない場合であって、その後のte4のタイミングにおいて上乗せ契機が発生した場合、上記のように第1超過フラグがセットされているため、上乗せは発生せず、その代わりに第5特別報知が発生し得る。上記のように、第5特別報知は、第5特別報知抽選を経て行われるものであり、その当選確率(発生率)は、ここではA%と表示している。
te5のタイミングで上限増加数に対応する第2超過フラグがセットされ、上限ゲーム数ンに対応する第1超過フラグはセットされない場合であって、その後のte6のタイミングにおいて上乗せ契機が発生した場合、上記のように第2超過フラグがセットされているため、上乗せは発生せず、その代わりに第5特別報知が発生し得る。この場合の第5特別報知抽選の当選確率(発生率)は、ここではB%と表示している。
te7のタイミングで上限ゲーム数に対応する第1超過フラグがセットされ、更に、上限増加数に対応する第2超過フラグもセットされた場合であって、その後のte8のタイミングにおいて上乗せ契機が発生した場合、上記のように第1超過フラグ及び第2超過フラグがセットされているため、上乗せは発生せず、その代わりに第5特別報知が発生し得る。この場合の第5特別報知抽選の当選確率(発生率)は、ここではC%と表示している。
既に説明した通り、第5特別報知抽選テーブルでは、第1超過フラグのみがセットされている場合の方が第2超過フラグのみがセットされている場合よりも高い確率で第5特別報知が実行されるように設定されており、また、一方の超過フラグのみがセットされている場合よりも両方の超過フラグがセットされている場合のほうが高い確率で第5特別報知が実行されるように設定されている。すなわち、上記例においては、te4、te6及びte8の各タイミングでの第5特別報知の発生率を比較すると、同じ表示モードであって、同じ特定役であれば、te6のタイミングでの第5特別報知の発生率(B%)が最も低く、te8のタイミングでの第5特別報知の発生率(C%)が最も高く、B%、A%、C%の順で発生率が高くなる。つまり、設定値の示唆という遊技者にとって有益となり得る情報が提示される確率は、第2超過フラグのみがセットされている状況が最も低く、両超過フラグがセットされている状況が最も高くなる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
有利区間の強制終了条件として、上限ゲーム数である第1の強制終了条件と、メダルの上限増加数である第2の強制終了条件を設け、これらの強制終了条件が将来的に成立することを、有利区間の残りゲーム数ZG等から事前に把握可能な構成とし、当該強制終了条件が成立することが把握されている状況で更に有利区間の上乗せが発生した場合には、把握している強制終了条件に応じた設定値示唆を発生させる構成とした。このように、強制終了条件を複数設けることで、有利区間を消化した際に設計者等が意図しないような多大なメダル増加が発生しないようになり、有利区間の有利度の高騰を回避することが可能であるし、それにより、遊技の透明性乃至健全性が担保される。その反面、このような、第2の強制終了条件としてのメダルの上限増加数を設定することにより、遊技者としては、有利区間中に得られる恩恵の最大値が規定されることとなり、有利区間の有利度の高騰を回避するといった設計者側の理由によって、有利区間への関心が低下してしまうことも考えられる。特に、メダル増加を目指すといった遊技目的からすると、将来的に上限増加数に達することが特定された時点で、当該有利区間においてそれ以上のメダル獲得は望めないこととなるので、それ以降の遊技が所謂消化ゲームとなってしまう可能性は高い。その点、上記構成のように、将来的に上限増加数に達することが特定された後であっても、上乗せ契機に基づいて設定値示唆といった遊技者の関心の高い情報の提示を行う構成としたことにより、遊技意欲の低下を回避し、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
第1の強制終了条件である上限ゲーム数に達することが特定されている状況での設定値示唆と、第2の強制終了条件であるメダルの上限増加数に達することが特定されている状況での設定値示唆の種類や発生率を異ならせた。これにより、いずれの強制終了条件によって有利区間が終了されるか、といった点にも関心を持たせることができる。つまり、メダル増加を目指すといった観点からすると、上記第2の強制終了条件にて有利区間が終了される方が遊技者にとって好ましくも思えるが、第1の強制終了条件が将来的に成立することが特定されている状況での設定値示唆の発生を望むといった観点からすると、第1の強制終了条件が成立することを望むようになるであろうし、その逆も考えられる。このように、いずれも有利区間を強制的に終了させる複数の強制終了条件を有する構成において、その強制終了条件が成立した際の有利度だけでなく、成立することが特定された場合に付与される特典(設定値示唆)の種類を異ならせることで、遊技の面白みが格段に向上し、遊技性の大幅な向上が図られる。
<変形例1>
本変形例では、第1の強制終了条件が成立することの特定と第2の強制終了条件が成立することの特定とがいずれが先に行われたかによって、設定値示唆の内容(有利度)を異ならせる。図226(a)は、本変形例における残ゲーム管理処理の一部を示すフローチャートであり、図226(b)は、本変形例における残枚数管理処理の一部を示すフローチャートである。
すなわち、図226(a)に示すように、本変形例における残ゲーム数管理処理では、ステップS13110にて否定判定し、加算可能な空きゲーム数FGが0以下であると判定した場合、ステップS13401に進む。ステップS13401では、上記ステップS13111と同様に第1超過フラグをセットする処理を実行する。続くステップS13402では、第2超過フラグが既にセットされている状況か否かを判定する。すなわち、ステップS13402の処理は、第1の強制終了条件が事後的に成立すると特定した段階で、既に第2の強制終了条件が事後的に成立するとの特定がなされているか否かを判定する処理である。そして、第2超過フラグがセットされている場合には、ステップS13403にて、各種フラグ格納エリア106dに第2先フラグをセットする処理を実行してから、本ゲーム数管理処理を終了する。第2先フラグは、第2の強制終了条件が成立することの特定が、第1の強制終了条件が成立することの特定よりも先に行われたことを、CPU102が把握するためのフラグである。ステップS13402にて第2超過フラグがセットされていない場合には、そのまま残ゲーム数管理処理を終了する。
残枚数管理処理においては、図226(b)に示すように、ステップS13205にて否定判定し、増加可能な空き枚数FMが0以下であると判定した場合、ステップS13451に進む。ステップS13451では、上記ステップS13206と同様に第2超過フラグをセットする処理を実行する。続くステップS13452では、第1超過フラグが既にセットされている状況か否かを判定する。すなわち、ステップS13452の処理は、第2の強制終了条件が事後的に成立すると特定した段階で、既に第1の強制終了条件が事後的に成立するとの特定がなされているか否かを判定する処理である。そして、第1超過フラグがセットされている場合には、ステップS13453にて、各種フラグ格納エリア106dに第1先フラグをセットする処理を実行してから、本ゲーム数管理処理を終了する。第1先フラグは、第1の強制終了条件が成立することの特定が、第2の強制終了条件が成立することの特定よりも先に行われたことを、CPU102が把握するためのフラグである。ステップS13452にて第1超過フラグがセットされていない場合には、そのまま残ゲーム数管理処理を終了する。
ちなみに、既に説明した通り、第1の強制終了条件としての上限ゲーム数を超過する上乗せが生じた場合、その上乗せゲーム数は有利区間残りゲーム数ZGに加算されず総消滅ゲーム数TEGに加算される。また、第2の強制終了条件としてのメダルの上限増加数を超過するか否かは、基本的には有利区間残りゲーム数ZGからの予測される総増減期待枚数SMを利用してその判定が行われる。そうすると、第1超過フラグがセットされ、且つ第2超過フラグがセットされる場合、メダルの上限増加数を超過するであろうと特定されるゲームは、基本的には上限ゲーム数よりも前のゲーム数である。つまり、第1の強制終了条件が成立すると特定され、且つ第2の強制終了条件が成立すると特定されている状況においては、有利区間残りゲーム数ZGが上限ゲーム数に達しており、且つその有利区間残りゲーム数ZGを消化するよりも前にメダルの上限増加数を超過すると特定される状況である。
図226(c)や図226(d)は、本変形例における第5特別報知種類テーブルを示している。図226(c)の第5特別報知種類テーブルのうち、第1超過フラグだけがセットされている場合や第2超過フラグだけがセットされている場合の振り分け先(第5特別報知の種類)は、上記第7の実施形態のもの(図222(a))と概ね同様である。また、図226(d)の第5特別報知種類テーブルの詳細のうち、第5特別報知A及び第5特別報知Bの詳細テーブルについても、上記第7の実施形態のもの(図222(b))と同様である。
本変形例では、第5特別報知の種類の振り分け先として、第5特別報知A、第5特別報知B及び第5特別報知Cの他に、第5特別報知Dが設定されており、当該第5特別報知Dは、両超過フラグがセットされている場合に、主に選択される特別報知である。図226(c)に示すように、第1超過フラグ及び第2超過フラグがセットされている場合において、第1先フラグがセットされており、第2先フラグがセットされていない場合、すなわち、第1の強制終了条件が将来的に成立するとの特定の方が先に行われた場合、第5特別報知の種類の振り分け先として、第5特別報知A及び第5特別報知Bにはそれぞれ10%の確率で振り分けられ、第5特別報知Cは80%の確率で振り分けられ、第5特別報知Dは振り分けられない。これに対して、第1先フラグがセットされておらず、第2先フラグがセットされている場合、すなわち、第2の強制終了条件が将来的に成立するとの特定の方が先に行われた場合は、第5特別報知の種類の振り分け先として、第5特別報知A及び第5特別報知Bにはそれぞれ10%の確率で振り分けられ、第5特別報知Cは振り分けられず、第5特別報知Dは80%の確率で振り分けらる。なお、上記第5特別報知A、第5特別報知B及び第5特別報知Cの関係と同様に、第5特別報知Dについても、第5特別報知A、第5特別報知B及び第5特別報知Cとは異なる報知であることを遊技者が認識可能な程度に異なる演出内容が設定されており、例えば、補助表示部65による表示内容やスピーカ64からの効果音等が異なっている。なお、本変形例では、第1超過フラグのみがセットされている場合と第2超過フラグのみがセットされるにおいては、第5特別報知C及び第5特別報知Dが5%ずつで振り分けられるように変更している。
詳細テーブルでは、図226(d)に示すように、第5特別報知Cは、上記と同様に設定値が5以上であるか否かを示唆する設定値示唆であり、設定値が4以下であれば第5特別報知c1が選択され、設定値が5以上であれば第5特別報知c2が選択される。これに対して、第5特別報知Dは、設定値が4又は5であるか、それともそれ以外(1~3、6)であるかを示唆する設定値示唆であり、設定値が4又は5であれば第5特別報知d1が選択され、設定値が1~3又は6であれば第5特別報知d2が選択される。なお、第5特別報知d1と第5特別報知d2についても、補助表示部65による表示内容やスピーカ64からの効果音等によってそれぞれ遊技者が識別可能な程度に異なる演出内容が設定されている。
すなわち、本変形例によれば、第1の強制終了条件が将来的に成立するとの特定の方が第2の強制終了条件が将来的に成立するとの特定よりも先に行われた場合と、第2の強制終了条件が将来的に成立するとの特定の方が第1の強制終了条件が将来的に成立するとの特定よりも先に行われた場合とで、第5特別報知が発生する場合の設定値示唆の内容が異なっており、前者は主に設定値が5以上であるか否かの設定値示唆(第5特別報知C)が発生し、後者は主に設定値が4又は5であるか否かの設定値示唆(第5特別報知D)が発生する。
第1の強制終了条件の特定と第2の強制終了条件の特定との関係性を説明すると、第1の強制終了条件の特定の方が先に行われる場合とは、同じ有利区間残りゲーム数ZGであっても、有利区間増減枚数ZMが比較的少ない場合であり、第2の強制終了条件の特定の方が先に行われる場合とは、同じ有利区間残りゲーム数ZGであっても、有利区間増減枚数ZMが比較的多い場合である。すなわち、それまでの有利区間において十分なメダルを獲得できていない状況であると、第1の強制終了条件の特定の方が先に行われ易く、第5特別報知Cが発生し易くなる。そして、それまでの有利区間において十分なメダルを獲得できている状況であると、第2の強制終了条件の特定の方が先に行われ易く、第5特別報知Dが発生し易くなる。
このように、強制終了条件の特定の後先は、それまでの有利区間の遊技内容を色濃く反映するものであり、その情報を利用して特別報知としての設定値示唆の内容(遊技者が得られる情報の種類、有益となり得る程度が異なる情報)を異ならせることで、有利区間の遊技内容と特別報知とを関係付けることができる。これにより、遊技内容に沿った特別報知を行うことが可能となる。
第5特別報知Cと第5特別報知Dとを比較すると、第5特別報知は設定値が5以上であるか否かの設定値示唆であり、第5特別報知Dは設定値が4又は5であるか否かの設定値示唆であり、第5特別報知Cと第5特別報知Dとを組み合わせることにより、設定値の絞り込みが可能である。すなわち、第5特別報知c1が発生し且つ第5特別報知d1が発生した場合は設定値が6であることが確定し、第5特別報知c1が発生し且つ第5特別報知d2が発生した場合は設定値が5であることが確定し、第5特別報知c2が発生し且つ第5特別報知d2が発生した場合は設定値が4であることが確定し、第5特別報知c2が発生し且つ第5特別報知d1が発生した場合は設定値が3以下であることが確定する。但し、第5特別報知Cと第5特別報知Dとは、同じ有利区間においては発生しにくいものであることから、このような絞り込みを行ううえでは、複数回の有利区間を経る必要性が高くなる。このようにすることで、有利区間が強制終了された後であっても、新たな有利区間への移行やその有利区間において強制終了条件を成立させることへの意気込みの後押しとすることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、第1の強制終了条件と第2の強制終了条件とのいずれもが成立するとの特定がされている場合、その強制終了条件が成立するであろうそれぞれのゲームのゲーム差に基づいて、設定値示唆の内容(有利度)を異ならせる。図227(a)は、本変形例における残ゲーム管理処理の一部を示すフローチャートであり、図227(b)は、本変形例における残枚数管理処理の一部を示すフローチャートである。
すなわち、図227(a)に示すように、本変形例における残ゲーム数管理処理では、ステップS13110にて否定判定し、加算可能な空きゲーム数FGが0以下であると判定した場合、ステップS13501に進む。ステップS13501では、上記ステップS13111と同様に第1超過フラグをセットする処理を実行する。続くステップS13502では、第2超過フラグが既にセットされている状況か否かを判定する。すなわち、ステップS13502の処理は、上記ステップS13402の処理と同様に、第1の強制終了条件が事後的に成立すると特定した段階で、既に第2の強制終了条件が事後的に成立するとの特定がなされているか否かを判定する処理である。そして、第2超過フラグがセットされている場合には、ステップS13503にて第2先フラグをセットする処理を実行する。
ステップS13503の処理を実行した後は、ステップS13504にて、第1の強制終了条件である上限ゲーム数と、上限増加数を超過することとなるゲーム数との差分を把握する処理を実行する。上限増加数を超過することとなるゲーム数は、第2の強制終了条件が将来的に成立するとの特定が行われた段階、すなわち第2超過フラグがセットされる段階でRAM106の一時記憶エリアに記憶される。この処理については後に説明する。ステップS13504の処理を実行した後、又はステップS13502にて否定判定した場合、残ゲーム数管理処理を終了する。
残枚数管理処理においては、図227(b)に示すように、ステップS13205にて否定判定し、増加可能な空き枚数FMが0以下であると判定した場合、ステップS13551に進む。ステップS13551では、上記ステップS13206と同様に第2超過フラグをセットする処理を実行する。続くステップS13552では、上限増加数を超過することとなるゲーム数をRAM106の一時記憶エリアに記憶する処理を実行する。ちなみに、上限増加数を超過することとなるゲーム数は、現状の有利区間増減枚数ZMと上限増加数(2400)との差分を、期待増減枚数KMにより除算することで得られる上限増加数を超過するまでのゲーム数に、現状の有利区間ゲーム数AGを加算することで算出される。
続くステップS13553では、第1超過フラグが既にセットされている状況か否かを判定する。すなわち、ステップS13553の処理は、上記ステップS13452の処理と同様に、第2の強制終了条件が事後的に成立すると特定した段階で、既に第1の強制終了条件が事後的に成立するとの特定がなされているか否かを判定する処理である。そして、第1超過フラグがセットされている場合には、ステップS13554にて第1先フラグをセットする処理を実行する。
ステップS13554の処理を実行した後は、ステップS13555にて、第1の強制終了条件である上限ゲーム数と、上限増加数を超過することとなるゲーム数との差分を把握する処理を実行する。ステップS13555の処理を実行した後、又はステップS13553にて否定判定した場合、残ゲーム数管理処理を終了する。
本変形例における第5特別報知種類テーブルの一例を、図227(c)に示す。なお、第1超過フラグのみがセットされている場合や、第2超過フラグのみがセットされている場合のテーブルは、上記図226(c)のものと同様であり、図227(c)においてはそれを省略して示している。
第1超過フラグ及び第2超過フラグのいずれもがセットされている場合の第5特別報知種類テーブルでは、上記変形例1と同様に、第1先フラグ及び第2先フラグのいずれがセットされているかによって、振り分けられる第5特別報知の種類が異なっている。更に、本変形例においては、上記ステップS13504やステップS13555にて把握する差分ゲーム数も、振り分けられる第5特別報知の種類に影響を及ぼす構成としている。
より詳しくは、第1先フラグがセットされている場合、すなわち、上限ゲーム数に至ることの特定の方が先に行われた場合であって、概ね、それまでの有利区間において十分なメダル増加が生じていない場合、差分ゲーム数が所定数未満として99ゲーム以下であるか、差分ゲーム数が所定数以上として100ゲーム以上であるかで、振り分けられる種類が異なる。差分ゲーム数が99ゲーム以下である場合、第5特別報知A及び第5特別報知Bがいずれも20%で振り分けられ、第5特別報知Cは60%で振り分けられ、第5特別報知Dは振り分けられない。一方、差分ゲーム数が100ゲーム以上である場合、第5特別報知Cに100%で振り分けられ、他の第5特別報知には振り分けられない。
また、第2先フラグがセットされている場合、すなわち、メダルの上限増加数に至ることの特定の方が先に行われた場合であって、概ね、それまでの有利区間において十分なメダル増加が生じている場合、差分ゲーム数が所定数未満として99ゲーム以下であるか、差分ゲーム数が所定数以上として100ゲーム以上であるかで、振り分けられる種類が異なる。差分ゲーム数が99ゲーム以下である場合、第5特別報知A及び第5特別報知Bがいずれも20%で振り分けられ、第5特別報知Cは振り分けられず、第5特別報知Dは60%で振り分けられる。一方、差分ゲーム数が100ゲーム以上である場合、第5特別報知Dに100%で振り分けられ、他の第5特別報知には振り分けられない。
すなわち、上記変形例では、第1の強制終了条件が成立するゲーム(上限ゲーム数)と、第2の強制終了条件が成立するゲーム(上限増加数に達するゲーム)と、の差分ゲーム数に基づいて、選択される設定値示唆の種類が異なり、差分ゲーム数が多いほど設定値の絞り込みが行われ易い設定値示唆が選択される。上記のように、第1の強制終了条件と第2の強制終了条件とのいずれもが成立すると特定されている場合は、基本的には第2の強制終了条件が先に成立するものであり、上記差分ゲーム数は、上限ゲーム数よりもどれだけ早くメダルの上限増加数に達すかを表すゲーム数といえる。つまり、より少ないゲーム数で上限増加数に達することで、遊技者にとって有益となり易い設定値の示唆が行われる。このようにすることで、より少ないゲーム数で上限増加数に達する場合、すなわち、上限ゲーム数までの残りのゲームを消化することなく強制終了されることに対する補填とすることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、超過分に応じた情報の提示を、強制終了時に行う構成について説明する。図228は、本変形例における区間表示第2処理を示すフローチャートである。
上記実施形態における区間表示第2処理からの変更点としては、有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に達したり、有利区間増減枚数ZMが上限増加数に達して強制終了する際に、上記の超過分に応じた情報の提示用の処理を行う点である。すなわち、ステップS13601~ステップS13606の処理は、上記ステップS13001~ステップS13006の処理と同様であり、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数ZMの更新処理や空きゲーム数FG、空き枚数FMの有無の判定処理を行い、有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に達したり、有利区間増減枚数ZMが上限増加数に達した場合には、ステップS13606にて肯定判定してステップS13607に進む。ステップS13607では、第6特別報知用処理を実行する。かかる処理が超過分に応じた情報の提示用の処理である。ステップS13608~ステップS13612の処理は、上記ステップS13007~ステップS13011の処理と同様である。
ステップS13607の第6特別報知用処理について、図229のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS13701では、有利区間増減枚数ZMが2400以上となっており、今回の有利区間の強制終了(ステップS13606:YES)が、第2の強制終了条件にて行われたか否かを判定する。有利区間増減枚数ZMが2400以上である場合、ステップS13702に進み、総消滅ゲーム数TEGを把握する処理を行う。既に説明した通り、総消滅ゲーム数TEGは、いずれかの超過フラグがセットされている状況で上乗せが発生した場合に、その上乗せゲーム数が加算されるカウンタである。続くステップS13703では、各種テーブル記憶エリア105aから第6特別報知A抽選テーブルを取得する処理を行う。
本変形例では、有利区間が強制終了される場合、総消滅ゲーム数TEGの値に応じて遊技者にとって有益となり得る情報の提示として第6特別報知を発生させる構成としている。第6特別報知の発生率は、総消滅ゲーム数TEGの値に応じて異なっており、更に、今回の強制終了が第1の強制終了条件にて行われたか、それとも第2の強制終了条件にて行われたかによって、第6特別報知の発生率が異なる。上記の第6特別報知A抽選テーブルは、少なくとも第2の強制終了条件が成立している状況で有利区間が終了した場合に取得されるテーブルである。これに対して、第2の強制終了条件が成立することなく(第1の強制終了条件によって)有利区間が終了した場合には、第6特別報知B抽選テーブルが取得される(ステップS13709)。
第6特別報知A抽選テーブルと第6特別報知B抽選テーブルは、図230(a)に示すように、いずれも総消滅ゲーム数TEGの値が大きくなるほど、第6特別報知の発生率が高くなるように設定されているものの、第6特別報知B抽選テーブルの方が(第6特別報知Bの当選率の方が)第6特別報知A抽選テーブルよりも(第6特別報知Aの当選率よりも)、同じ総消滅ゲーム数TEGの値で比較した場合、第6特別報知が発生し易くなるように設定されている。なお、第6特別報知Aと第6特別報知Bとは、上記の第5特別報知と同様に、補助表示部65による表示内容やスピーカ64からの効果音等によってそれぞれ遊技者が識別可能な程度に異なる演出内容が設定されている。
ステップS13703にて第6特別報知A抽選テーブルを取得した後は、ステップS13704にて第6特別報知A抽選処理を実行し、ステップS13705にて、報知抽選に当選したか否かを判定する。報知抽選に当選している場合、ステップS13706にて、第6特別報知A実行用コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定してから、本第6特別報知用処理を終了する。一方、報知抽選に当選していない場合、ステップS13707にて第6特別報知A非実行用コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定してから、本第6特別報知用処理を終了する。
ステップS13701にて有利区間増減枚数ZMが2400に達していないと判定した場合、すなわち、今回の有利区間の強制終了が第2の強制終了条件を満たすことなく行われた場合、ステップS13708に進む。ステップS13708~ステップS13713の処理は、上記ステップS13702~ステップS13707の処理と概ね同様であり、ステップS13708では総消滅ゲーム数TEGを把握する処理を実行し、ステップS13709では、第6特別報知B抽選テーブルを取得する。そして、ステップS13710にて第6特別報知B抽選処理を実行し、ステップS13711にて報知抽選に当選したか否かの判定を行い、報知抽選に当選している場合には、ステップS13712にて第6特別報知B実行用コマンドを、報知抽選に当選していない場合には、ステップS13713にて第6特別報知B非実行用コマンドを、それぞれ表示制御装置81への出力対象として設定してから、第6特別報知用処理を終了する。
これら第6特別報知に関するコマンドを受信した表示制御装置81では、例えば、図154のアタックモード終了演出の設定処理における第4特別報知に関する処理のように、アタックモード終了演出時に第6特別報知を実行するための処理を行う。具体的には、上記図154において、ステップS7703にて第4特別報知コマンドを受信したか否かを判定する処理に代え、又は加えて、第6特別報知A実行用コマンド又は第6特別報知B実行用コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。いずれの第6特別報知に関するコマンドも受信していない場合や、受信していても第6特別報知A非実行用コマンドや第6特別報知B非実行用コマンドである場合には、ステップS7704に進み、通常終了演出を設定してから本設定処理を終了する。
ステップS7703にて第6特別報知A実行用コマンド又は第6特別報知B実行用コマンドを受信していると判定した場合、ステップS7705に進み、第6特別報知詳細テーブルを取得する。第6特別報知詳細テーブルは、図230(b)に示すように、第6特別報知の種類(第6特別報知Aと第6特別報知B)と、設定値によって、第6特別報知の詳細な演出内容が異なるように設定されている。具体的には、第6特別報知Aには第6特別報知a1と第6特別報知a2とが設けられており、第6特別報知Bには第6特別報知b1と第6特別報知b2と第6特別報知b3とが設けられており、これらも、補助表示部65による表示内容やスピーカ64からの効果音等によってそれぞれ遊技者が識別可能な程度に異なる演出内容が設定されている。
各種第6特別報知の詳細な演出内容は、設定値によって、いずれが選択され易いかが異なっている。具体的には、第6特別報知Aのうち、第6特別報知a1は設定1,3,5の奇数設定で選択され易く、第6特別報知a2は設定2,4,6の偶数設定で選択され易い。また、第6特別報知Bのうち、第6特別報知b1は設定1,2では選択される一方、設定3~6では選択されず、第6特別報知b2は設定3,4では選択される一方、設定1,2,5,6では選択されず、第6特別報知b3は設定5,6では選択される一方、設定1~4では選択されない。
つまり、有利区間の上限増加数に達して有利区間が強制終了した場合には第6特別報知Aが行われることによって、設定値の偶奇が予測可能となり、有利区間の上限増加数に達することなく有利区間が強制終了した場合には第6特別報知Bが行われることによって、設定値が所定種類数以下(2種類以下)まで絞り込みが可能となる。
以上のように、有利区間の強制終了が行われることとなった強制終了条件の種類に応じて、異なる設定値示唆が発生し得るようにすることで、いずれの強制終了条件にて有利区間が強制終了されるか、といった点に関して、有利区間の最終段階まで楽しませることが可能となる。すなわち、ゲームを行うことでメダルの増加を望む、といった遊技の目的からすると、有利区間がメダルの上限増加数に達することで強制終了される方が、上限ゲーム数に達することで強制終了されるよりも、遊技者にとって好ましいものといえる。その一方、上限増加数に達することなく強制終了された場合に発生する設定値示唆は、設定値の絞り込みがより容易なものとなり得るし、そもそも、設定値示唆の発生率も、上限増加数に達した場合よりも高くなるように設定されている。そうすると、設定値の看破を行いたい遊技者としては、有利区間が上限増加数に達することなく強制終了されることを望むようになるものと考えられる。
逆に、有利区間を長く楽しみたい遊技者としては、メダルの上限増加数に達することなく、上限ゲーム数まで目一杯消化することを望むものと考えられるが、その場合の設定値示唆は、偶奇の示唆といった、設定値の絞り込み易さという観点では好ましくない設定値示唆が設定されている。
このように、各強制終了条件と、その際に発生する設定値示唆の種類を異ならせることによって、遊技者の多様なニーズに応えながら、遊技の新たな面白みを創出し、有利区間の遊技性を好適に高めることが可能となる。
上記のように、第6特別報知A抽選テーブルと、第6特別報知B抽選テーブルとは、いずれも総消滅ゲーム数TEGの値に応じて、設定値示唆の発生率が異なるものの、第6特別報知A抽選テーブルは、第2の強制終了条件が成立することで有利区間が強制終了された場合に取得されるテーブルであり、第6特別報知B抽選テーブルは、第1の強制終了条件が成立することで有利区間が強制終了された場合に取得されるテーブルである。つまり、いずれの強制終了条件にて有利区間が強制終了されたかによって、総消滅ゲーム数TEGを第1の強制終了条件用の値と第2の強制終了用の値とで使い分ける構成であり、総消滅ゲーム数TEGの値の重みづけが異なる構成といえる。このようにすることで、総消滅ゲーム数TEGといった共通のカウンタを用いながら、それぞれの強制終了条件を超過することとなるゲーム数を別々に記憶する構成と比較して、記憶容量の削減が図られている。なお、第1の強制終了条件にて強制終了されると特定された場合において、それ以降の上乗せゲーム数と、第2の強制終了条件にて強制終了されると特定された場合において、それ以降の上乗せゲーム数と、を別々に記憶しておく構成としてもよく、この場合、ステップS13702やステップS13708にて対応するゲーム数を把握する構成とするとよい。
<変形例4>
本変形例では、上記変形例3をベースとし、強制終了時に、他方の強制終了条件の情報を加味して特典を付与する。
具体的は、図231のフローチャートに示すように、本変形例における第6特別報知用処理では、ステップS13801にて第2の強制終了条件が成立したと判定した場合、ステップS13802にて総消滅ゲーム数TEGを把握した後、ステップS13803にて上限ゲーム数までのゲーム数を把握する処理を実行する。すなわち、両強制終了条件が同時に成立して有利区間が終了されない限り、第2の強制終了条件としてメダルの上限増加数に達することで有利区間が強制終了された場合、上限ゲーム数に達することの第1の強制終了条件は成立していない。ステップS13803の処理は、上限ゲーム数に達するまでの残りゲーム数を把握する処理であり、具体的には、1500から有利区間ゲーム数AGを除算した値を把握する処理である。
続くステップS13804では、第6特別報知A抽選テーブルを取得する処理を実行する。本変形例における第6特別報知A抽選テーブルは、図232(a)に示すように、1500ゲームまでのゲーム数と、枚数超過に相当するゲーム数(総消滅ゲーム数TEG)と、によって、第6特別報知の発生率が異なり、1500ゲームまでのゲーム数が多いほど、第6特別報知の発生率が高くなるように設定されているとともに、上限増加数を超過する上乗せ分が多いほど第6特別報知の発生率が高くなるように設定されている。
すなわち、本変形例では、有利区間のメダル増減数が上限増加数に達して強制終了された場合、消化できなかった有利区間のゲーム数が多いほど、第6特別報知としての設定値示唆が発生し易く、上乗せが発生したのに上限増加数を超過することで得ることができなかったメダルが多いほど、上記設定値示唆が発生し易くなるように設定されている。
ステップS13805~ステップS13808の処理は、上記ステップS13704~ステップS13707の処理と同様であり、第6特別報知A抽選処理を実行した後、報知抽選に当選している場合には、第6特別報知A実行用コマンドを出力設定し、当選していない場合には、第6特別報知A非実行用コマンドを出力設定する。
ステップS13801にて、上限増加数に達していないと判定した場合、すなわち、今回の強制終了が、第2の強制終了条件ではなく第1の強制終了条件にて強制終了された場合、ステップS13809にてゲーム数の超過分に相当する総消滅ゲーム数TEGを把握する処理を実行する。そして、ステップS13810にて、メダルの上限増加数までの残り枚数を把握する処理を実行する。すなわち、第1の強制終了条件として上限ゲーム数に達することで有利区間が強制終了された場合、上限増加数に達することの第2の強制終了条件は成立しておらず、ステップS13810の処理は、上限増加数までの残り増加数を把握する処理であり、具体的には、2400から有利区間増減数ZMを除算した値を把握する処理である。
続くステップS13811では、第6特別報知B抽選テーブルを取得する処理を実行する。本変形例における第6特別報知B抽選テーブルは、図232(b)に示すように、2400枚までの枚数と、ゲーム数超過に相当するゲーム数(総消滅ゲーム数TEG)と、によって、第6特別報知の発生率が異なり、2400枚までの枚数が多いほど、第6特別報知の発生率が高くなるように設定されているとともに、上限ゲーム数を超過する上乗せ分が多いほど第6特別報知の発生率が高くなるように設定されている。
すなわち、第6特別報知A抽選テーブルと同様に、有利区間のゲーム数が上限ゲーム数に達することで強制終了された場合、有利区間中に増加しなかったメダル数が多いほど、第6特別報知としての設定値示唆が発生し易く、上乗せが発生したのに上限ゲーム数を超過することで消化できなかったゲームが多いほど、上記設定値示唆が発生し易くなるように設定されている。
特に、第6特別報知A抽選テーブルと第6特別報知B抽選テーブルとを比較すると、同じ総消滅ゲーム数TEGであっても、第6特別報知B抽選テーブルの方が第6特別報知の発生率が高くなり易いように設定されている。これは、各ゲームの結果としてメダル払出を受け、メダル増加を目指す、といった遊技本来の目的からして、有利区間のメダル上限増加数に達することなく強制終了された場合とは、その目的が達せられていないともいえ、それによる遊技者の喪失感は、ゲーム数が上限ゲーム数に達しなかった場合よりも大きくなるものとの考えによるものである。
ステップS13812~ステップS13815の処理は、上記ステップS13710~ステップS13713の処理と同様であり、第6特別報知B抽選処理を実行した後、報知抽選に当選している場合には、第6特別報知B実行用コマンドを出力設定し、当選していない場合には、第6特別報知B非実行用コマンドを出力設定する。
以上のように、本変形例では、複数の強制終了条件が設定されている構成において、他方の強制終了条件の成立を期待していた期待感を設定値示唆といった特典を付与する構成とすることで、遊技者の喪失感を補うことが可能となる。また、成立した側の強制終了条件に関してその条件による喪失分を、設定値示唆によって補うことが可能となる。つまり、本変形例では、複数の強制終了条件が設定されている構成において、一方の強制終了条件が成立する場合のその成立した側の強制終了条件と他方の強制終了条件との両面から補填を行う構成としており、このようにすることで、遊技者への補填を厚くし、強制終了されることによる遊技意欲の低下を好適に回避することが可能となる。
<変形例5>
本変形例では、上記変形例3や変形例4をベースとし、メダルの上限増加数に達することの予測が行われていたのにも関わらず、上限ゲーム数に達して有利区間が強制終了された場合には、第6特別報知が発生し易くなる。
図233(a)は、本変形例における第6特別報知用処理のフローチャートの一部を示している。すなわち、メダル増減数が上限増加数に達することなく有利区間が強制終了された場合であって(ステップS13701:NO)、ステップS13710にて第6特別報知B抽選処理を実行した後の処理を示している。
ステップS13901では、第6特別報知B抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、上記と同様にステップS13902にて第6特別報知B実行コマンドを出力設定してから、第6特別報知用処理を終了する。一方、ステップS13901にて、非当選と判定した場合、ステップS13903に進み、第2超過フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS13903にて第2超過フラグがセットされていると判定する場合とは、第2超過フラグがセットされているのにもかかわらず、上限増加数に達することなく上限ゲーム数によって強制終了された場合である(ステップS13701:NO)。この場合、ステップS13901にて、第6特別報知B実行コマンドを出力設定してから、第6特別報知用処理を終了する。一方、第2超過フラグがセットされていない場合には、上記と同様にステップS13904にて第6特別報知B非実行用コマンドを出力設定してから、第6特別報知用処理を終了する。すなわち、第2超過フラグがセットされている場合には、第6特別報知B抽選に非当選であっても、当選したものとして第6特別報知Bが実行され、遊技者にとって有利な処理が行われる。
上記第7の実施形態に示したように、有利区間残りゲーム数ZGに基づいて、有利区間の第1の強制終了条件が成立するとの予測が行われる場合(第1超過フラグのみセットされる場合)と、有利区間の第2の強制終了条件が成立するとの予測が行われる場合(第2超過フラグのみがセットされる場合)と、有利区間の両強制終了条件が成立するとの予測が行われる場合(両超過フラグがセットされる場合)とがある。その一方で、両強制終了条件が成立するとの予測が行われていても、両強制終了条件が同時に(同じゲームにて)成立しない限り、一方の強制終了条件が成立した場合には、他方の強制終了条件は成立しないまま有利区間が終了する。
本変形例では、両強制終了条件が成立するとの予測が行われていた場合において、第2の強制終了条件が成立することなく第1の強制終了条件にて強制終了された場合には、遊技者にとって有利となるようにした。このようにすることで、第2強制終了条件が成立するとの期待感を寄せていた遊技者の喪失感を好適にフォローすることが可能となる。
<変形例6>
本変形例では、上記変形例5において、第2の強制終了条件が将来的に成立するとの予測が行われた場合において、その予測がなされたことの報知が発生していたのにもかかわらず、第2の強制終了条件が成立することなく終了した場合には、遊技者にとって有利となるようにする。
図233(b)は、本変形例における第6特別報知用処理のフローチャートの一部を示しており、変形例5のものとの差は、第6特別報知B抽選に非当選であると判定した場合(ステップS13951:NO)、ステップS13953にて、第2超過フラグがセットされたことの特別報知が実行されたか否かを判定する点である。
図による詳細な説明は省略するが、本変形例では、第2超過フラグがセットされた場合、その旨の報知(特別報知)が補助表示部65等にて実行され得る構成としている。そして、当該その旨の報知は、所定の抽選により当選した場合に行われ、当該所定の抽選に当選しなかった場合には、第2超過フラグがセットされていてもその旨の報知は行われない。
例えば、図233(c)と図233(d)に示すように、いずれも総増減期待枚数SMが2410であり、第2超過フラグがセットされている場合であっても、第2超過フラグがセットされた旨の報知として限界超過情報画像GTP(図では、「限界突破!!」との画像)が補助表示部65に表示される場合(図233(d))と、表示されない場合(図233(c))とがある。この場合、図233(c)では、メダル増減数が上限増加数に達するであろうことは直接的には把握できず、図233(d)では、当該上限増加数に達するであろうことが明確に把握可能となっている。
そして、ステップS13953では、上記の限界超過情報画像GTPが表示される特別報知が発生したのにもかかわらず、上限増加数に達することなく強制終了された場合には、ステップS13952にて第6特別報知B実行コマンドを出力設定し、上記特別報知が発生していない場合には、ステップS13954にて第6特別報知B非実行コマンドを出力設定する。
このように、上限増加数に達することの予測が行われた場合であっても、遊技者が上限増加数に達することを事前に把握していたか否かによって、有利とするか否かを異ならせることで、遊技者への有利度が不当に高くなりすぎることを抑制することが可能となる。
<変形例7>
本変形例では、有利区間の強制終了時に超過分や達成できなかった分に基づいて設定値示唆を行う構成において、有利区間の強制終了前に超過分に基づく設定値示唆が発生していた場合には、その分の有利度を差し引いて強制終了時の設定値示唆を発生させる。
図234(a)と図234(b)は、上記変形例5と変形例6に、強制終了前の設定値示唆の分を差し引く思想を適用した場合の第6特別報知用処理のフローチャートの一部を示している。
すなわち、ステップS13704にて第6特別報知B抽選を実行した後、ステップS13961やステップS13971にて報知抽選に当選したか否かを判定し、非当選であると判定した場合、ステップS13963にて第2超過フラグがセットされているかの判定を行ったり、ステップS13973にて第2超過フラグがセットされたことの特別報知が実行されたか否かの判定を行ったりする。これらステップS13963やステップS13973にて肯定判定した場合、本変形例では、ステップS13964やステップS13974にて、有利区間の強制終了前に超過分に基づく設定値示唆として第5特別報知が発生したか否かを判定する。なお、この処理は、第5特別報知を実行することの判定が行われた場合にその情報をRAM106等に一時記憶させておくとよい。
第5特別報知を実行していない場合には、ステップS13962やステップS13972にて第6特別報知B実行コマンドを出力設定し、第5特別報知を実行している場合には、ステップS13965やステップS13975にて第6特別報知B非実行用コマンドを出力設定する。なお、ステップS13963にて第2超過フラグがセットされていない場合や、ステップS13973にてその旨の特別報知が実行されていない場合にも、第6特別報知B非実行用コマンドを出力設定する。
このように、有利区間の強制終了前に超過分等に基づく特典が付与されている場合には、強制終了時にそれを加味して(差し引いて)、強制終了時の特典を設定する(第6特別報知実行の有無を決定する)構成とすることで、超過分等に基づく特典による遊技者の有利度があまりにも高くなりすぎることを解消することができる。
<変形例8>
本変形例では、有利区間の強制終了時において、特別区間を設定する場合の適用例について説明する。第4の実施形態の変形例9等において説明した通り、特別区間とは、有利区間の強制終了時に総消滅ゲーム数TEGに基づいて設定する区間であり、より詳しくは、有利区間の終了後の通常区間において、設定値の示唆演出が発生し易い区間としている。特別区間においては、例えば、特殊リプレイ1,2当選時に設定値に応じた確率で所定の停止出目(「黒BAR」図柄揃いとなる停止出目)となる押し順報知が発生し、設定値の予測が可能となる(図162参照)。本変形例では、総消滅ゲーム数TEGに加え、有利区間残りゲーム数ZGや上限増加数までの差枚数に基づいて特別区間を設定する。図235は、本変形例における特別区間設定処理を示すフローチャートである。特別区間設定処理は、例えば、図158の区間表示第2処理においてステップS7808にて実施される処理であり、有利区間の終了時に実施される。
ステップS14001では、総消滅ゲーム数TEGを把握する処理を行う。そして、ステップS14002にて有利区間残りゲーム数ZGを把握する処理を行う。ちなみに、有利区間残りゲーム数ZGが1以上である場合とは、今回の有利区間の終了処理が第2の強制終了条件によって終了される場合であることを意味する。
続くステップS14003では、有利区間の上限増加数までの差枚数を把握する処理を行う。かかる処理は、上記ステップS13803の処理と同様であり、上限増加数(2400枚)から有利区間増減枚数ZMを減算することで差枚数を把握可能である。なお、ステップS14003では、今回の特別区間設定処理がいずれかの強制終了条件に基づいて実施される場合に、上記の差枚数を把握する。すなわち、ステップS14003は、アタックモードの継続数が0となる等、今回の有利区間がいずれの強制終了条件が成立することなく終了される場合には、上限増加数との差枚数の把握を行わない(又は0として把握する)。
続くステップS14004では、各種テーブル記憶エリア105aから特別区間テーブルを取得する処理を行う。本変形例における特別区間テーブルでは、図236に示すように、総消滅ゲーム数TEGと、有利区間残りゲーム数ZGと、上限増加数までの差枚数とによって、特別区間ゲーム数PGと、特別区間枚数PMとが異なるように設定されている。既に説明した通り、特別区間ゲーム数PGは、特別区間のゲーム数を規定するためのカウンタであり、特別区間中のゲームを1ゲーム実行する度に1ずつ減算されるカウンタである。一方、特別区間枚数PMは、特別区間のゲーム数を規定するためのカウンタであるものの、各ゲームで払い出されたメダル数を把握するためのカウンタであり、払出処理が行われるたびに各ゲームのメダル払出数に相当する値が減算されるカウンタである。
ステップS14005では、特別区間ゲーム数PGに入力する処理を実行する。この場合、図236に示すように、上限増加数までの差枚数が0である場合であって、有利区間残りゲーム数ZGが1以上である場合、すなわち、上限増加数に達し且つ上限ゲーム数に達することなく強制終了された場合(差枚数=0且つZG>0)、残りゲーム数ZGに総消滅ゲーム数TEGの値に対応する値(図では、0~80)を加えた値を特別区間ゲーム数PGに入力する。なお、この場合、上限ゲーム数までのゲーム数に応じたゲーム数を特別区間ゲーム数PGに入力する構成としてもよいし、当該上限ゲーム数までのゲーム数に総消滅ゲーム数TEGの値に対応する値を入力する構成としてもよい。一方、上限増加数に達することなく上限ゲーム数に達して強制終了された場合(差枚数>0且つZG=0)、特別区間ゲーム数PGに0を入力する(値を入力しない)。そして、上限増加数に達し且つ上限ゲーム数に達して強制終了された場合(差枚数=0且つZG=0)、総消滅ゲーム数TEGの値に対応する値を特別区間ゲーム数PGに入力する。なお、両強制終了条件が成立している場合の特別区間ゲーム数PGに入力する値は、一方の強制終了条件だけ成立している場合の特別区間ゲーム数PGに入力する値よりも大きくなりやすいように設定されている。
続くステップS14006では、特別区間枚数PMに入力する処理を実行する。この場合、図236に示すように、上限増加数に達し且つ上限ゲーム数に達することなく強制終了された場合(差枚数=0且つZG>0)、特別区間枚数PMに0を入力する(値を入力しない)。一方、上限増加数に達することなく上限ゲーム数に達して強制終了された場合(差枚数>0且つZG=0)、上限増加数までの差枚数に対応する値を特別区間枚数PMに入力する。そして、上限増加数に達し且つ上限ゲーム数に達して強制終了された場合(差枚数=0且つZG=0)、総消滅ゲーム数TEGの値に対応する値を特別区間枚数PMに入力する。なお、両強制終了条件が成立している場合の特別区間枚数PMに入力する値は、一方の強制終了条件だけ成立している場合の特別区間枚数PMに入力する値よりも大きくなりやすいように設定されている。
ステップS14007では、特別区間ゲーム数PG又は特別区間枚数PMに1以上の値が入力されているか否かを判定する。ステップS14007にて肯定判定した場合、ステップS14008にて特別区間フラグをセットし、ステップS14009にて特別区間コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。ちなみに、特別区間コマンドには、上記特別区間ゲーム数PGや特別区間枚数PMの値の情報が含まれている。ステップS14007にて否定判定した場合、又はステップS14009の処理を実行した後は、ステップS14010にて総消滅ゲーム数TEGをクリアする処理を実行してから、特別区間設定処理を終了する。
本変形例におけるゲーム数管理処理について、図237を参照しながら説明する。図237は、本変形例におけるゲーム数管理処理の一部を示すフローチャートである。
ステップS14101では、特別区間フラグがセットされているか否かを判定する。特別区間フラグがセットされている場合には、ステップS14102にて遊技状態が通常遊技状態か第1RT状態であるか否かを判定する。これらの低RT状態であれば、ステップS14103に進み、特別区間ゲーム数PGの減算処理を実行する。これらの処理は、上記ステップS8101~ステップS8103の処理と同様である。ステップS14104では、今回のゲームの入賞結果に基づいて、特別区間枚数PMの減算処理を実行する。具体的には、今回のゲームのメダル払出枚数を、特別区間枚数PMから減算する処理を実行する。この場合、今回のゲームの結果が外れ結果であったり、入賞成立に対応する停止出目とならずに所謂取りこぼしとなった場合には、メダル払出枚数は0であり、特別区間枚数PMから0が減算される(今回のゲームでは減算されない)。
そして、ステップS14105にて、特別区間ゲーム数PG及び特別区間枚数PMのいずれもが0となったか否かを判定する。いずれもが0である場合には、ステップS14106にて特別区間フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS14107にて特別区間が終了することを表示制御装置81へ把握させるための特別区間終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。これらの処理により、特別区間が終了することとなる。これに対して、ステップS14105にて、いずれかが0ではない場合、すなわち、例えば、特別区間ゲーム数PGが0となっても特別区間枚数PMが0ではない場合等は、ステップS14105にて否定判定することとなる。
このように、本変形例では、有利区間の終了に際して、超過分に応じて特別区間の設定が行われるとともに、上限増加数までの差枚数や上限ゲーム数までのゲーム数や残りゲーム数ZGに応じて特別区間の設定が行われる。このように、有利区間において余分に発生した上乗せに応じた特別区間だけでなく、得られるメダル数や消化可能なゲーム数が他方の強制終了条件によって損失するといった点を、特別区間にてフォローする構成とすることで、遊技者の遊技意欲の低下を好適に軽減することが可能となる。
本変形例における演出内容について説明する。図238は、アタックモード終了演出の設定処理のフローチャートであり、図239は補助表示部65等による演出内容を説明するための図である。アタックモード終了演出の設定処理は、アタックモードの終了時や、有利区間の強制終了時に発生する演出を設定するための表示制御装置81にて実行される処理である。
ステップS14201では、今回の有利区間にて獲得した総獲得メダル数(有利区間増減数ZM)を把握する処理を実行する。そして、ステップS14202にて、今回の有利区間の総継続ゲーム数(有利区間ゲーム数AG)を把握する処理を実行する。そして、ステップS14203にて、上記総獲得メダル数と総継続ゲーム数を含む終了演出を設定する処理を実行する。かかる処理は、上記ステップS7701、ステップS7702、ステップS7704の処理と同様である。
続くステップS14204では、上記の特別区間コマンドを受信しているか否かを判定する。特別区間コマンドを受信していない場合には、そのまま本設定処理を終了する。特別区間コマンドを受信している場合、ステップS14205にて、有利区間の終了後に更に遊技者にとって有利な区間である特別区間が継続することを示す継続演出が補助表示部65等にて行うための処理を実行する。
続くステップS14206では、受信した特別区間コマンドに含まれる特別区間ゲーム数PGの値が1以上であるか否かを判定する。1以上である場合には、ステップS14207にて、今回設定する終了演出後において、それよりも以前に実行していた有利区間の残りゲーム数の表示を継続させるための処理を行う。ステップS14206にて否定判定した場合、又はステップS14207の処理を実行した後は、ステップS14208にて、今回受信した特別区間コマンドに含まれる特別区間枚数PMの値が1以上であるか否かを判定する。1以上である場合には、ステップS14209にて、今回設定する終了演出後において、それよりも以前に実行していた有利区間の残り増加枚数の表示を継続させるための処理を行う。ステップS14208にて否定判定した場合、又はステップS14209の処理を実行した後は、本設定処理を終了する。
補助表示部65等において行われる演出内容に関して、図239を参照しながら説明する。図239(a1)、(b1)、(c1)、(d1)は、有利区間が上限ゲーム数に達して強制終了される場合の演出内容を示し、図239(a2)、(b2)、(c2)、(d2)は、有利区間がメダルの上限増加数に達して強制終了される場合の演出内容を示している。
図239(a1)に示すように、有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数近くとなっており、有利区間残りゲーム数ZGが当該上限ゲーム数に達していて第1超過フラグがセットされている場合、補助表示部65では、例えば、上記の限界超過情報画像GTPが表示される。その後、図239(b1)に示すように、有利区間の上限ゲームに達することにより当該有利区間が強制終了されて、アタックモードの終了演出が行われる。この場合、上記のように、超過分及び、上限増加数までの差枚数に応じた特別区間が設定される。
上記のアタックモードの終了演出が行われている場合において、例えば、所定の操作を契機として(いずれかのクレジット投入スイッチ56~58等の操作に基づいて)、図239(c1)に示す継続演出が発生する。より詳しくは、継続演出では、補助表示部65において、所定のキャラクタとしての軍人の顔がアップで表示されるとともに、スピーカ64から男性の野太い声による「まだです!」との音声を発生させる。なお、かかる継続演出は、例えば、アタックモードの後乗せ報知等においても利用され、有利な状態が終了するかのような疑似終了演出の一部として実行される演出である。より詳しくは、疑似終了演出では、アタックモードの終了演出等の終了報知が発生した後、継続演出としての継続報知が発生する構成としている。つまり、いずれの強制終了条件もが成立することなく終了報知が行われた場合において、その後に継続報知が発生して有利区間が継続される、といった一連の演出を前提としたうえで、上記強制終了時にも継続報知を発生させて特別区間へ移行させることで、特別区間を有利区間が継続されている区間であるかのような印象を強く与えることが可能となる。
上記のように、継続報知が行われた後は、特別区間へ移行する。図239(a1)や図239(b1)に示すように、今回は上限ゲーム数に達することで有利区間が強制終了されていることから、特別区間枚数PMに1以上の値が入力されている。そうすると、上記ステップS14209では、有利区間の残り増加枚数の表示を継続させるための処理が行われる。この場合、図239(d1)に示すように、有利区間の総獲得メダル数の表示とともに、上限増加数までの差枚数(残り払出数)の表示が継続される。これにより、通常区間としての特別区間を、それ以前に行われていた有利区間が継続されている印象をさらに強めることが可能となる。
図239(a2)に示すように、有利区間増減数ZMが上限増加数近くとなっており、総期待増減数SMが上限増加数に達していて第2超過フラグがセットされている場合、補助表示部65では、例えば、上記の限界超過情報画像GTPが表示される。その後、図239(b2)に示すように、有利区間の上限増加数に達することにより当該有利区間が強制終了されて、アタックモードの終了演出が行われる。この場合、上記のように、超過分及び、上限ゲーム数までのゲーム数や残りゲーム数ZGに応じた特別区間が設定される。
図239(c1)と同様に、終了演出(終了報知)後に、補助表示部65等においては、所定の操作を契機として継続演出(継続報知)が発生する。
継続報知が行われた後は、特別区間へ移行する。図239(a2)や図239(b2)に示すように、今回は上限増加数に達することで有利区間が強制終了されていることから、特別区間ゲーム数PGにも1以上の値が入力されている。そうすると、上記ステップS14207では、有利区間の残り増加ゲーム枚数の表示を継続させるための処理が行われる。この場合、図239(d2)に示すように、有利区間の総継続ゲーム数の表示とともに、上限ゲーム数までの残りゲーム数の表示が継続される。これにより、通常区間としての特別区間を、それ以前に行われていた有利区間が継続されている印象をさらに強めることが可能となる。
<変形例9>
本変形例では、実際の有利区間増減枚数ZMが、残枚数管理処理による予測枚数(総増減期待枚数SM)よりも少ない場合の処理について説明する。先ず、図240を参照しながら、有利区間増減枚数ZMが予測よりも少ない場合に生じる事象について説明する。
図240(a)では、有利区間中であるtf1のタイミングを基準として示しており、その時点での有利区間残りゲーム数ZGを消化すると、tf2のタイミングで増減枚数が上限増加数を超えるとして、第2超過フラグがセットされている状況を示している。
この状況で上乗せ契機が生じると、その上乗せゲーム数を有利区間残りゲーム数ZGに加算しても上限ゲーム数(1500ゲーム)に達しないものの、上記のとおり第2超過フラグがセットされていることから、既に説明した通り、この上乗せ分は、総消滅ゲーム数TEGに加算される(図240(b))。
図240(c)は、図240(a)や図240(b)よりも後のタイミングであり、有利区間残りゲーム数ZGを消化しきったtf2のタイミングを基準として示している。この例では、tf1からtf2までの純増枚数が、tf1の時点での予測よりも低くなった場合を示している。つまり、tf1の時点では、その後のtf2のタイミングで増減数が上限増加数に達するとして予測していたのにも関わらず、実際にtf2のタイミングとなっても上限増加数に達しなかった場合を示している。
tf2のタイミングで有利区間残りゲーム数ZGは0となっているものの、上記のとおり、総消滅ゲーム数TEGにはtf1の上乗せゲーム数が加算されている。つまり、有利区間残りゲーム数が0となったからといって、そのまま当該有利区間を終了してしまうと、遊技者は多大な損失を被ることとなる。そこで、このような場合には、再度、上限増加数に達するゲーム数(tf4のタイミング)を予測し、それまでの分(上限増加数に達するまでの分)のゲーム数を総消滅ゲーム数TEGから残りゲーム数ZGへ移動する構成としている(図240(d))。
以下、実際の増減数が予測よりも少ない場合に行う再配分処理について説明する。図241は、再配分処理を示すフローチャートである。再配分処理は、ゲーム数管理処理において、ステップS1408、ステップS1414、ステップS1421、ステップS1426にて肯定判定した後に実施される処理であり、現状の表示モード(チャレンジモードやアタックモード等)の継続数が0となった場合に実施される処理である。
ステップS14301では、チャレンジモード継続数とアタックモード継続数とVBモード継続数と特化ゾーン継続数の全てが0となっているか否かを判定する。つまり、ステップS14301では、直前の処理において例えばアタックモードの継続数が0であると判定した後、通常モードに移行せずに、チャレンジモードに移行する場合等ではないことの判定を行う。全ての継続数が0となっている場合には、ステップS14302にて、総消滅ゲーム数TEGが1以上であるか否かを判定し、1以上である場合には、ステップS14303にて、有利区間の上限ゲーム数又は上限増加数に達して強制終了条件が成立している状況か否かを判定する。ステップS14301及びステップS14302にて肯定判定し、ステップS14303にて否定判定する場合とは、図240(c)の状況である。
すなわち、総消滅ゲーム数TEGに上乗せ分のゲーム数が記憶されているのにもかかわらず有利区間残りゲーム数ZGが0となった場合、ステップS14304に進む。ステップS14304では、総消滅ゲーム数TEGを把握する処理を実行する。そして、ステップS14305にて、当該総消滅ゲーム数TEGを有利区間として消化した場合の、残り増減期待枚数NMを算出する。より詳しくは、総消滅ゲーム数TEGに期待増減枚数KMを乗算することで残り増減期待枚数NMが算出される。続くステップS14306では、残り増減期待枚数NMと、現状の有利区間増減枚数ZMとから、総増減期待枚数SMを算出する処理を実行する。そして、ステップS14307にて、増加可能な空き枚数FMを算出する処理を実行する。すなわち、ステップS14304~ステップS14307の処理は、総消滅ゲーム数TEGを全て有利区間として消化した場合に、上限増加数を超えるか否かの判定を行うための処理である。
ステップS14308では、上限増加数を超えるとして空き枚数FMが0以下となるか否かを判定する。0以下とならず、全ての総消滅ゲーム数TEGを消化しても上限増加数を超えないと予測される場合には、ステップS14309に進み、総消滅ゲーム数TEGの値を、全てアタックモード継続数に入力する処理を実行する。
ステップS14308にて空き枚数FMが0以下となる場合、ステップS14310に進む。ステップS14310では、上限増加数までに要するゲーム数YGを算出する処理を実行する。より詳しくは、現状の有利区間増減枚数ZMと上限増加数との差分を、期待増減枚数KMにて除算することで、上限増加数までに要するゲーム数YGが算出される。そして、ステップS14311では、当該上限増加数までに要するゲーム数YGが、有利区間ゲーム数AGと上限ゲーム数1500ゲームとから算出される空きゲーム数FGよりも大きいか否かを判定する。空きゲームFGの方が大きければ、上限増加数まで有利区間を消化可能であり、この場合、ステップS14312にて、上限増加数に要するゲーム数YGを総消滅ゲーム数TEGから除算する処理を実行し、ステップS14313にて、上限増加数までに要するゲーム数YGをアタックモードの継続数に加算する処理を実行する。
ステップS14311にて、上限増加数までに要するゲーム数YGの方が空きゲーム数FGよりも大きいと判定した場合、ステップS14314にて、空きゲーム数FGに相当するゲーム数を総消滅ゲーム数TEGから除算する処理を実行し、ステップS14315にて、空きゲーム数FGに相当するゲーム数をアタックモードの継続数に加算する処理を実行する。
ステップS14309、ステップS14313及びステップS14315のいずれかの処理を実行した後は、ステップS14316にて、各種フラグ格納エリア106dに再配分フラグをセットする処理を実行する。再配分フラグは、上記の各処理によってアタックモード継続数の再入力が行われたことをCPU102が把握するためのフラグである。その後、ステップS14317にて、上記処理にてアタックモード継続数に加算した分のゲーム数に相当する上乗せコマンドを、表示制御装置81への出力対象として設定してから、本再配分処理を終了する。この場合、後乗せ報知等によって、表示上のゲーム数とアタックモード継続数との調整が行われる。
以上のように、有利区間の増加枚数を予測して第2超過フラグをセットする構成において、当該第2超過フラグをセットした後は、上乗せ契機が生じても上乗せゲーム数を総消滅ゲーム数TEGに加算して残りゲーム数ZMの加算は行わないものの、実際の増加枚数が予測よりも下回ると、増加枚数が上限増加数に至る前に残りゲーム数ZMが0となり得る。そこで、このような事象が生じた場合には、上記の再配分処理により、消滅ゲーム数TEGの値に基づいて、再度、上限増加数までのゲーム数を予測し直して、上限増加数までに要する分のゲーム数だけ、消滅ゲーム数TEGから抜き出す構成とした。よって、第2超過フラグがセットされた後の上乗せが、完全に無効とならず、遊技者が不利益を被ることを好適に回避することが可能となる。
また、再配分処理において、消滅ゲーム数TEGの範囲内で、残りゲーム数ZMの再配分を行う構成としたことから、第2超過フラグがセットされた後に生じた上乗せを超える再配分が行われないようにすることができ、出玉率が高くなりすぎることを予防することができる。
<変形例10>
本変形例では、上記変形例9の構成において、第2超過フラグがセットされた後に上乗せ契機が生じた場合に、全てを消滅ゲーム数TEGに加算するのではなく、一時的に他のカウンタに記憶する構成とする。図242は、本変形例におけるゲーム数上乗せ処理を示すフローチャートである。
すなわち、ステップS14401では、第1超過フラグ及び第2超過フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれもセットされていない場合には、ステップS14402及びステップS14403にて対応する継続ゲーム数に今回の上乗せゲーム数を加算する処理を行ってから、本ゲーム数上乗せ処理を終了する。
ステップS14401にていずれかの超過フラグがセットされていると判定した場合、ステップS14404にて上乗せゲーム数の把握を行った後、本変形例では、ステップS14405にて、第1超過フラグがセットされているか否かを判定する。第1超過フラグがセットされている場合には、上記第7の実施形態と同様に、ステップS14406にて総消滅ゲーム数TEGに今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。
一方、ステップS14405にて第1超過フラグがセットされていない場合、すなわち、第1超過フラグ及び第2超過フラグのうち、第2超過フラグのみがセットされている場合には、ステップS14407に進む。ステップS14407では、各種カウンタエリア106eに設けられた消滅準備ゲーム数EJGに今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。消滅準備ゲーム数EJGは、有利区間の第2の強制終了条件が将来的に成立することが予測されている状況で上乗せが生じた場合に、上乗せゲーム数を一時的に記憶しておくためのカウンタである。
ステップS14406又はステップS14407の処理を実行した後は、ステップS14408~ステップS14413にて第5特別報知用の処理を実行してから、本ゲーム数上乗せ処理を終了する。ステップS14408~ステップS14413の処理は、上記ステップS13306~ステップS13311の処理と同様である。
この場合、上記再配分処理(図241)においては、ステップS14302では、総消滅ゲーム数TEGの代わりに、上記消滅準備ゲーム数EJGが1以上であるか否かを判定する。また、ステップS14304では、総消滅ゲーム数TEGの代わりに、消滅準備ゲーム数EJGを把握して、ステップS14305では、総消滅ゲーム数TEGの代わりに、消滅準備ゲーム数EJGを残り増減期待枚数NMの算出に用いる。そして、ステップS14312では上限ゲーム数までのゲーム数CGを消滅準備ゲーム数EJGから減算する処理を行い、ステップS14314では、空きゲーム数FGを消滅準備ゲーム数EJGから減算する処理を行う。
図243(a)は、消滅準備ゲーム数EJGを総消滅ゲーム数TEGに移動するための消滅ゲーム数移動処理を示すフローチャートである。消滅ゲーム数移動処理は、例えば、残ゲーム数管理処理におけるステップS13111の後に実施される処理であり、第1超過フラグをセットする際に実施される処理であり、空きゲーム数FGが0以下となった状況で実施される処理である。
ステップS14501では、第2超過フラグがセットされているか否かを判定する。第2超過フラグがセットされている場合には、ステップS14502にて、消滅準備ゲーム数EJGを把握して、当該消滅準備ゲーム数EJGの値を総消滅ゲーム数TEGに加算する処理を実行する。この場合、消滅準備ゲーム数EJGの値はクリアされる。ステップS14501にて第2超過フラグがセットされていない場合、又はステップS14502の処理を実行した後は、そのまま消滅ゲーム数移動処理を終了する。
すなわち、本変形例では、第2超過フラグのみがセットされている状況で上乗せが生じると、その上乗せゲーム数に対応する値が消滅準備ゲーム数EJGに一時的に記憶される。そして、第1超過フラグがセットされた時点で、その消滅準備ゲーム数EJGに記憶されているゲーム数が総消滅ゲーム数TEGに移動する。そして、第1超過フラグがセットされるまでに、有利区間残りゲーム数ZGが0となった場合には、消滅準備ゲーム数EJGの値を用いて残りゲーム数ZGへの再配分処理が行われる。つまり、本変形例においては、一旦、総消滅ゲーム数TEGに記憶されたゲーム数が消滅前に減算される事象が生じなうようになる。このように、減少し得る消滅準備ゲーム数EJGと減少しない総消滅ゲーム数TEGとで分けて管理することで、総消滅ゲーム数TEGの管理の容易性が向上するし、総消滅ゲーム数TEGに基づいて遊技者に有益な情報を提示するうえで、その根拠となる総消滅ゲーム数TEGの書き換え頻度やアクセス頻度を低下し、総消滅ゲーム数TEGの保存安定性を担保することができる。よって、例えば、総消滅ゲーム数TEGを誤って消去してしまう等のエラーが生じにくくなり、当該エラーによって、遊技者が得られるべき利益(有益となり得る情報の提示、設定値示唆の発生)が消滅してしまう事象を好適に回避することができる。
上記のとおり、消滅準備ゲーム数EJGへは、第2超過フラグがセットされている状況で上乗せが生じた場合にそのゲーム数が記憶される。そうすると、当該第2超過フラグは、最終的に強制終了条件が成立した場合の総消滅ゲーム数TEGが、消滅準備ゲーム数EJGに一時記憶された可能性があるか否かの判断材料ともいえる。
この場合、上記の強制終了時の第6特別報知用処理において、第2超過フラグの有無によって第6特別報知抽選テーブルを異ならせる構成としてもよい。より詳しくは、例えば、第2超過フラグがセットされている場合には、第6特別報知A抽選テーブルによる処理を行い、第2超過フラグがセットされていない場合には、第6特別報知B抽選テーブルによる処理を行う構成とする。いずれの第6特別報知抽選テーブルにおいても、総消滅ゲーム数TEGの情報を利用するところ、上記構成のようにすることで、消滅準備ゲーム数EJGを経た総消滅ゲーム数TEGに基づく第6特別報知用の処理と、消滅準備ゲーム数EJGを経ていない総消滅ゲーム数TEGに基づく第6特別報知用の処理とを、別々に行うことが可能となるし、それぞれ消滅準備ゲーム数EJGを経たか否かによって、設定値示唆による有利度の差を生じさせることも可能である。
RAM106において、総消滅ゲーム数TEGと消滅準備ゲーム数EJGとは、図243(b)に示すように、総消滅ゲーム数TEGを各種カウンタエリア106eの通常区間対応カウンタエリア210に設けられた総消滅ゲーム数TEGエリアに記憶し、消滅準備ゲーム数EJGを各種カウンタエリア106eの有利区間対応カウンタエリア209に設けられた消滅準備ゲーム数EJGエリアに記憶する構成とするとよい。このように、強制終了条件の超過分のゲーム数を用いて遊技者に有益となる情報を提示する構成において、その超過分としていたものが超過しなくなり得るような第7の実施形態であっても、有利区間中の押し順報知に関連して利用する情報(消滅準備ゲーム数EJG)と、有利区間以外の区間でも用いられる情報(総消滅ゲーム数TEG)と、を別々に記憶しておくことで、有利区間中に生じた情報を有利区間終了後にも引き継ぐことが可能となる。
これら、総消滅ゲーム数TEGが記憶されるエリアと、消滅準備ゲーム数EJGが記憶されるエリアとで、CPU102のアクセス制限の設定を異ならせる構成とするとよい。より詳しくは、総消滅ゲーム数TEGが記憶されるエリアには、有利区間においてステップS14406やステップS14502のゲーム数を加算する処理はアクセスを許容して、例えばゲーム数を減算する処理に際してはアクセスを制限する構成とすると、当該消滅ゲーム数TEGの情報の安定性が担保され、当該消滅ゲーム数TEGに基づく特別報知をより安全に実施することが可能である。一方、消滅準備ゲーム数EJGについては、有利区間において加算処理及び減算処理のいずれにおいてもアクセスを許容する構成とすれば、当該消滅準備ゲーム数EJGの利便性が大幅に向上する。そして、このように、両ゲーム数TEG,EJGのアクセス制限の設定を異ならせることで、有利区間中のゲーム数といった共通する情報を複数の記憶領域に別々に記憶させる意義が高められる。
<変形例11>
本変形例では、上記変形例10に示した再配分処理が行われることに基づいて、その後の有利度を異ならせる。図244は、上記再配分処理が行われたことに基づく有利度の差を、強制終了時の第6特別報知に適用する場合の例を説明するための図であり、本変形例における第6特別報知用処理を示すフローチャートである。
すなわち、ステップS14601では、上記の再配分フラグがセットされているか否かを判定する。再配分フラグがセットされていない場合には、今回の第6特別報知として、第6特別報知A抽選テーブルを用いた特別報知を発生させるための処理(ステップS14602~ステップS14607)を実行する。なお、ステップS14602~ステップS14607の処理は、上記ステップS13702~ステップS13707の処理と同様である。
一方、再配分フラグがセットされており、今回の強制終了前に総消滅ゲーム数TEGや消滅準備ゲーム数EJGの再配分が行われている場合には、今回の第6特別報知として、第6特別報知B抽選テーブルを用いた特別報知を発生させるための処理(ステップS14608~ステップS14613)を実行する。なお、ステップS14608~ステップS14613の処理は、上記ステップS13708~ステップS13713の処理と同様である。
既に説明した通り、第6特別報知A抽選テーブルを用いた設定値示唆と、第6特別報知B抽選テーブルを用いた設定値示唆とは、B抽選テーブルを用いたもののほうがA抽選テーブルを用いたものよりも設定値の絞り込みがし易いものとなっている(図230)。再配分処理は、上限増加数に達するとの予測が行われていたのにも関わらず、上限増加数に達することとなるとして予測されていたゲームでは上限増加数に達しなかった場合であり、予測よりも各ゲームでのメダル払出が少なかった場合である。つまり、遊技者は当初の予測よりも利益を享受していない場合である。そこで、上記のように第6特別報知を行う場合の設定値の絞り込み易さを異ならせることで、上記享受していない利益を設定値示唆といった情報によって補填することが可能となる。
<変形例12>
本変形例では、実際の有利区間増減枚数ZMが、残枚数管理処理による予測枚数(総増減期待枚数SM)よりも少ない場合、有利区間中の純増枚数が増加するように調節する。図245は、本変形例におけるCB用押し順報知処理を示している。CB用押し順報知処理は、押し順役処理(図38)において、図示しないCB当選であると判定した場合に実施される処理であり、例えば、ステップS1219にて否定判定した後に、今回のゲームがCB当選であるか否かの判定を行い、当該判定にて肯定した際に実施される処理である。
ステップS14701では、CB状態における残払出数(図26のボーナス状態処理のステップS605を参照)を参照して、当該残払出数が15であるか否かを判定する。ここで、CB状態における当選役としては、インデックス値IV=49~52のCB中小役1~CB中小役4が設定されており(図17等参照)、CB状態においては、これらCB中小役1~CB中小役4のいずれかに高確率で当選する(いずれかに必ず当選する)。CB状態は2ベットゲームにて行われ、CB中小役1~CB中小役4に当選すると第1小役~第41小役のいずれかの入賞が成立して、その特典として、15枚のメダル払出、又は14枚のメダル払出が行われる(図9及び図10参照)。そして、CB中小役1~CB中小役4において、いずれの小役入賞が成立するかは、ストップスイッチ42~44の停止順序によって管理されている(図27(a)参照)。より詳しくは、CB中小役1とCB中小役2は、いずれの停止順序であっても、15枚のメダル払出となる小役入賞が成立し、CB中小役3とCB中小役4は、停止順序によって15枚のメダル払出となる小役と14枚のメダル払出となる小役との停止順序が異なっている。
ステップS14701にて残払出数が15である状況とは、CB状態における1ゲーム目であることを意味する。残払出数が15である場合、ステップS14702に進み、上記の再配分フラグがセットされているか否かを判定する。再配分フラグがセットされている場合には、ステップS14703にて今回のゲームの抽選結果がCB中小役3又はCB中小役4であるか否かを判定する。すなわち、ステップS14703の処理は、今回のゲームの抽選結果が、停止順序によって払出枚数の異なる結果か否かを判定する処理である。
ステップS14703にて肯定判定した場合、ステップS14704にて、14枚のメダル払出となる停止順序の押し順報知を発生させる。その後、ステップS14705にて、表示制御装置81へ押し順コマンドを出力してから、本CB用押し順報知処理を終了する。ステップS14701~ステップS14703のいずれかにて否定判定した場合、押し順報知用の処理を行うことなく本処理を終了する。この場合、14枚のメダル払出となる結果が入賞したり、15枚のメダル払出となる結果が入賞したりする。
以上のようにすることで、再配分処理が行われた後の純増枚数が増加する。より詳しくは、再配分フラグがセットされた後、CB当選となると、当該CB状態において、14枚のメダル払出と、15枚のメダル払出とを受けることが可能となり、CB状態における増加枚数は、14枚+15枚-2枚×2=25枚となる。これに対して、増加用報知フラグがセットされるよりも前は、例えば、1ゲーム目で15枚のメダル払出を受けると、そのゲームにてCB状態が終了するため、当該CB状態における増加枚数は、15枚-2枚=13枚であり、上記再配分フラグがセットされた後と比較して2倍近くの増加枚数の差が生じることとなる。このようにすることで、再配分処理が行われる状況、すなわち、実際の増加枚数が予想枚数よりも少ない場合に、その予想枚数に近付けることが可能となる。
<変形例13>
本変形例では、実際の有利区間増減枚数ZMが、残枚数管理処理による予測枚数(総増減期待枚数SM)よりも多い場合の処理について説明する。先ず、図246を参照しながら、有利区間増減枚数ZMが予測よりも多い場合に生じる事象について説明する。
図246(a)では、有利区間中であるtg1のタイミングを基準として示しており、その時点での有利区間残りゲーム数ZGを消化するtg2のタイミングでは上限ゲーム数にも至らないし、メダル増減数が上限増加数を超えないとして、第1超過フラグ及び第2超過フラグのいずれもセットされていない状況を示している。
この場合、補助表示部65においては、有利区間残りゲーム数ZGの分だけ残りゲーム数の表示を可能であり、図においては、有利区間残りゲーム数ZGと等しいゲーム数(200ゲーム)が残りゲーム数として表示されている。
図246(b)では、上記tg1のタイミングよりも後のタイミングであるtg3のタイミングを基準として示している。この例においては、tg1のタイミングで予測していた増減数よりも多い枚数の増加が生じ、当該tg3のタイミングにおいて、有利区間の上限増加数を超えた場合を示している。つまり、tg3のタイミングは、tg1のタイミングでの有利区間残りゲーム数ZG(200ゲーム)を消化するはずであったtg2よりも前のタイミングである。この場合、上記のように有利区間の上限増加数を超えたことに基づいて、当該有利区間は強制終了することとなり、補助表示部65においては、例えば、アタックモード終了演出等が行われる。
そうすると、tg1のタイミングにおいては有利区間残りゲーム数ZGに対応する残りゲーム数の報知を補助表示部65にて行っており、tg3のタイミングでは、tg1の時点で報知されていた残りゲーム数を全部消化することなく有利区間が強制終了されたことになり、遊技者は、tg1の報知分のゲーム(図246においては、残り100ゲーム)について、得られるべき利益が不当に搾取されたかのような印象を抱く可能性がある。
図247は、本変形例における第7特別報知用処理を示すフローチャートである。第7特別報知用処理は、例えば、区間表示第2処理において有利区間の強制終了時に実施される処理である(例えば、図228においては、ステップS13606とステップS13607との間)。
ステップS14801では、有利区間増減枚数ZMが2400枚以上であるか否かを判定する。ステップS14801で否定判定し、今回の有利区間が第2の強制終了条件を満たすことなく終了する場合には、そのまま第7特別報知用処理を終了する。第2の強制終了条件を満たしている場合には、ステップS14802にて、有利区間残りゲーム数ZGが0よりも大きいか否かを判定する。有利区間残りゲーム数ZGが0よりも大きい場合とは、有利区間残りゲーム数ZGがあるのにも関わらず、第2の強制終了条件によって強制的に終了する場合である。有利区間残りゲーム数ZGが0である場合には、そのまま第7特別報知用処理を終了し、1以上である場合には、ステップS14803に進む。ステップS14803では、上記ステップS14802にて把握した有利区間残りゲーム数ZGの値が、報知済みのものが含まれるか否かを判定する。より詳しくは、後乗せ報知用のゲーム数(表示制御装置81側の後乗せカウンタBGに相当するゲーム数、図や、以下においては、後乗せカウンタBGとして説明する)を把握し、後乗せカウンタBGが有利区間残りゲーム数ZGと等しければ、有利区間残りゲーム数ZGのゲーム数は報知済みのものが含まれないと判定し、後乗せカウンタBGが有利区間残りゲーム数ZGよりも小さければ、報知済みのものが含まれると判定する。報知済みのものが含まれないと判定した場合には、そのまま第7特別報知用処理を終了する。すなわち、有利区間残りゲーム数ZGがあるのも関わらず、第2の強制終了条件によって強制的に終了する場合であっても、その有利区間残りゲーム数ZGが報知されていなければ、第7特別報知用の処理は行われない。
報知済みのものが含まれる場合、ステップS14804に進む。ステップS14804では、報知分を把握する処理を実行する。この場合、有利区間残りゲーム数ZGから後乗せカウンタBGを減算することで、報知分を把握可能である。続くステップS14805では、各種テーブル記憶エリア105aから第7特別報知抽選テーブルを取得する。第7特別報知抽選テーブルは、図248(a)に示すように、ステップS14804にて把握する報知済みのゲーム数に応じて、第7特別報知の発生率(報知抽選の当選率)が異なるように設定されており、報知済みのゲーム数が多いほど発生率が高くなるように設定されている。
続くステップS14806では、ステップS14804にて把握した報知分のゲーム数と、ステップS14805にて取得した第7特別報知抽選テーブルに基づいて、第7特別報知の実行抽選を行う。そして、ステップS14807にて報知抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップS14808にて第7特別報知実行用コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定し、報知抽選に当選していなければ、ステップS14809にて第7特別報知非実行用コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。ステップS14808又はステップS14809の処理を実行した後は、第7特別報知用処理を終了する。
第7特別報知実行用コマンドや、第7特別報知非実行用コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、他の特別報知実行用コマンド/非実行用コマンドを受信した場合の処理と概ね同様であるため、処理の詳細な説明は省略するが、これら第7特別報知実行用コマンドや第7特別報知非実行用コマンドが、有利区間の終了時に出力されることから、アタックモード終了演出等にて第7特別報知(所定のキャラクタの登場の有無や登場するキャラクタの種類、背景等)を行うようにするとよい。また、表示制御装置81では、第7特別報知を実行する場合(第7特別報知実行用コマンドを受信した場合)、その第7特別報知の種類を、種類抽選等により決定する。第7特別報知の種類テーブルは、図248(b)に示すように、設定値によって、発生する第7特別報知の種類(a1~a4)が異なるように設定されており、遊技者は発生した第7特別報知の種類から、設定値を予測することが可能となる。
但し、第7特別報知は、いずれの種類が発生してもそれだけでは設定値の絞り込みができない又はしにくいように設定されている。すなわち、第7特別報知a1及び第7特別報知a2はいずれの設定値でも発生する。また、第7特別報知a3が発生すると設定3以上であることが確定し、第7特別報知a4が発生すると設定5以上であることが確定する。但し、いずれの設定値であっても、選択される第7特別報知の種類の半数以上は第7特別報知a1と第7特別報知a2とであり、他の特別報知と比較して、設定値の絞り込み難易度が高い。これは、上記図246(b)の状況においては、少なくとも有利区間の上限増加数に達しており、遊技者の実質的な利益としては、図246(a)で予測していたもの(上限増加数に達しない)よりも、遊技者にとって好ましいものとなっていることによるものである。つまり、図246(b)の状況においては、遊技者は実質的な不利益を被っておらず、寧ろ予想よりも多くの利益を享受できているのであり、そのような状況で遊技者にとって有益となり得る情報の提示を行うのであれば、その有益となり得る程度を低くしてもよいであろうとの考えによるものである。よって、遊技者の損失や不利益と情報の提示(補填)とのバランスを保つことが可能となる。
以上のように、有利区間の強制終了条件として、上限ゲーム数の第1の強制終了条件と、上限増加数の第2の強制終了条件とがある構成において、第2の強制終了条件が思いのほか早く(予測よりも早いゲームで)成立すると、有利区間の残りゲーム数の報知内容との関係で食い違いが生じ得る。そこで、その食い違いに起因して遊技者が感じ得るだろう不満を解消すべく、遊技者にとって有益となり得るであろう情報の提示(設定値示唆)を行う構成とした。このようにすることで、遊技者の遊技意欲を削ぐことなく、遊技を好適に楽しませることができる。
<変形例14>
本変形例では、上記変形例13をベースとし、実際の有利区間増減枚数ZMが、残枚数管理処理による予測枚数(総増減期待枚数SM)よりも多く、残りゲーム数の報知を消化することなく上限増加数に達した場合、その消化できなかった報知分を特別区間の設定に用いる。図249は、本変形例における特別区間設定処理を示すフローチャートである。
ステップS14901~ステップS14905の処理は、上記ステップS14001~ステップS14005の処理と同様であり、総消滅ゲーム数TEG、有利区間残りゲーム数ZG、上限増加数までの差枚数に基づいて、特別区間ゲーム数PGが設定される。なお、本変形例では、これらのパラメータに基づく特別区間ゲーム数PGの他に、上記の消化できなかった報知分に基づくゲーム数を特別区間用に設定する構成とするため、上記総消滅ゲーム数TEG、有利区間残りゲーム数ZG、上限増加数までの差枚数に基づく特別区間ゲーム数PGを、第1特別区間ゲーム数PG1と称する。
ステップS14906では、報知済みゲーム数を把握する処理を実行する。ステップS14906の処理は上記ステップS14804の処理と同様であり、有利区間残りゲーム数ZGから後乗せカウンタBGを減算することで報知済みのゲーム数を把握することができる。続くステップS14907では、各種カウンタエリア106eに設けられた第2特別区間ゲーム数PG2に、上記ステップS14906にて把握したゲーム数に対応する値を入力する処理を実行する。なお、ステップS14907にて入力する値は、ステップS14906にて把握した値と完全に同一でなくてもよく、例えば、複数段階に設定されている第2特別区間ゲーム数PG2のうちのいずれかを抽選等によって入力する構成とし、その抽選のパラメータとして上記ステップS14906にて把握した値が用いられる構成としてもよい。
その後、ステップS14908では、第1特別区間ゲーム数PG1及び第2特別区間ゲーム数PG2のうちのいずれかが1以上であるか否かを判定し、いずれかが1以上であれば、ステップS14909及びステップS14910にて特別区間に設定するための処理を行う。ステップS14908にて否定判定した場合、又はステップS14910の処理を実行した後は、ステップS14911にて総消滅ゲーム数TEGをクリアしてから特別区間設定処理を終了する。
本変形例においては、図250(a)に示すように、特別区間ゲーム数の減算処理(15003)では、第1特別区間ゲーム数PG1及び第2特別区間ゲーム数PG2をそれぞれ1ずつ減算する。そして、ステップS15004では、第1特別区間ゲーム数PG1及び第2特別区間ゲーム数PG2のうち、第1特別区間ゲーム数PG1が0となったか否かを判定し、0となっている場合には、ステップS15005にて特別区間フラグをクリアして特別区間を終了する。すなわち、第1特別区間ゲーム数PG1及び第2特別区間ゲーム数PG2を特別区間のゲーム数用のパラメータとして設定するものの、あくまで特別区間のゲーム数自体は第1特別区間ゲーム数PG1により規定される。
これに対して、本変形例における押し順役処理では、特殊リプレイ1,2当選時の押し順報知の発生率が第1特別区間ゲーム数PG1及び第2特別区間ゲーム数PG2が1以上である状況と、第2特別区間ゲーム数PG2が0となった後の状況(第1特別区間PG1のみが1以上である状況)とで異なっている。具体的には、ステップS15051にて特殊リプレイ1,2に当選していると判定した場合、ステップS15052にて特別区間であるか否かを判定する。特別区間である場合には、ステップS15053にて設定値を把握し、ステップS15054にて特殊リプレイ当選時の押し順報知抽選テーブルを取得する。特殊リプレイ当選時の押し順報知テーブルは、図251(a)及び図251(b)に示すように、第2特別区間ゲーム数PG2が0となった後の状況(第1特別区間PG1のみが1以上である状況、図251(a))と、第1特別区間ゲーム数PG1及び第2特別区間ゲーム数PG2が1以上である状況(図251(b))と、で異なっている。図251(a)は、上記図162(b)に示したテーブルと同じであり、設定値によって押し順報知の発生率及び押し順報知を発生させる場合の押し順報知の種類が異なるように設定されている。図251(b)は、図251(a)と同様に、設定値によって押し順報知の発生率及び押し順報知を発生させる場合の押し順報知の種類が異なるように設定されているものの、設定値による押し順報知の発生率の差や、押し順報知を発生させる場合の押し順報知の種類のばらつきが上記図251(a)のものと異なっており、図251(a)のテーブルよりも図251(b)のテーブルの方が、発生率や種類から設定値の絞り込みが行い易いように設定されている。
ステップS15055では、押し順報知抽選処理を実行し、ステップS15056では報知抽選に当選したか否かを判定する。当選した場合には、ステップS15057にて押し順報知コマンドをセットする処理を実行する。
すなわち、強制終了に基づいて特別区間が設定される場合、報知済みのゲーム数の分だけ設定値の絞り込みが行われ易い区間が設定される。このようにすることで、報知済みのゲーム数を消化できなかったことを、設定値の絞り込みが行い易くなる区間によってフォローする構成となり、遊技者の不条理感を好適に解消することができる。
特に、特別区間においては、特別区間に設定されれば遊技者にとって有益な情報が提示されるわけではなく、設定されても特殊リプレイ1,2に当選する必要があるため、遊技者にとって有利となり過ぎる事象を回避し、遊技者の損失や不利益とそのフォローとのバランスを好適に保つことができる。
<変形例15>
本変形例では、残枚数管理処理において第2超過フラグがセットされた場合、上限増加数に達することとなるゲーム数と、報知済みのゲーム数との関係性を利用した新たな遊技性を提供する。図252(a)は、本変形例における残枚数管理処理のフローチャートの一部を示している。
本変形例では、上記ステップS13205にて増加可能な空き枚数FMが0以下であると判定した場合、ステップS15101にて第2超過フラグをセットする。そして、ステップS15102にて、上限増加数に達することとなるまでに要するゲーム数を把握する処理を実行し、ステップS15103にて、報知済みの残りゲーム数を把握する処理を実行する。
ステップS15104では、ステップS15102にて把握した上限増加数に達することとなるまでに要するゲーム数よりも、ステップS15103にて把握した報知済みの残りゲーム数のほうが多いか否かを判定する。報知済みの残りゲーム数のほうが多い場合、すなわち、第2超過フラグをセットした時点で、既に報知済みの残りゲーム数を全て消化するよりも前に上限増加数に達するものとして把握される場合、ステップS15105にて第8特別報知コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定してから、残枚数管理処理を終了する。報知済みの残りゲーム数よりも上限増加数に達するまでの要するゲーム数のほうが多い場合は、第8特別報知コマンドを設定することなく、そのまま残枚数管理処理を終了する。
第8特別報知の演出例を、図252(b)に示す。
この例では、報知済みの残りゲーム数が300ゲームであり、上限増加数に達するまでに要するまでのゲーム数が250ゲームである場合を例として示しており、補助表示部65では残りゲーム数の表示(300ゲーム)と、総獲得メダル数の表示(1900枚)の表示とともに、第2超過フラグがセットされたことに基づく限界超過情報画像GTPが表示されている。
第8特別報知としては、上記残りゲーム数の表示について、当該表示されている残りゲーム数をなるべく残した状態で上限増加数に達して強制終了させることで有利となる旨の報知が補助表示部65にて行われるように設定されている。この例では、女の子のキャラクタとともに、上記残りゲーム数の表示に対して、「たくさん残るとスーパーラッキーよ」との説明表示を行いい、報知済みの残りゲーム数を多く残して強制終了させるほど、その後の特別区間が有利となることの説明が行われる。
このようにすることで、報知済みの残りゲーム数を消化することなく強制終了されるといった事象を、遊技者にとっての不利益とするのではなく、それが生じることをむしろ有利な事象であることの印象付けを行うことが可能となるし、それを利用した新たな遊技性を創出することが可能となる。
特に、本変形例では、早く有利区間を強制終了させたほうが遊技者にとって有利となることから、1ゲーム当たりの期待増減数の多いボーナス状態への期待感をより高めることが可能となる。すなわち、上限増加数に達することが把握されている状況においては、アタックモードの押し順報知等によってメダル増加が生じても、ボーナス状態によってメダル増加が生じても、いずれであっても最終的なメダル増加数は変わらないことから、本来であれば喜ぶべきボーナス当選を喜べないといった事象が生じ得る。これに対して、上記構成のように、より早期に上限増加数に達することで有利となる構成とすることで、ボーナス当選によってより早期の達成が見込めるようになることから、当該ボーナス当選が喜ばしいことである印象を強めることが可能となる。
なお、上記変形例では、強制終了時の報知済みの残りゲーム数が多いほど遊技者にとって有利となる構成としたが、報知済みの残りゲーム数が少ないほど遊技者にとって有利となる構成としてもよいし、報知済みの残りゲーム数がキリのよい数等、予め定められた特定数であれば遊技者にとって有利となる構成としてもよい。
例えば、図253(a)では、上記変形例13にて示した第7特別報知について、強制終了時の報知済みゲーム数が少ないほど、当該第7特別報知の発生率が高くなる第7特別報知抽選テーブルを示している。このようにすることで、なるべく報知済みのゲーム数を消化しきって強制終了させるほうが有利となり、有利区間を最後までじっくり楽しませることが可能となる。
図253(b)は、上記変形例13にて示した第7特別報知について、強制終了時の報知済みゲーム数が10、50、100、200といった予め定められた特定数であると、そうではない場合よりも第7特別報知の発生率が高くなる第7特別報知抽選テーブルを示している。このようにすることで、早期に報知済みゲーム数が枯渇してしまったりその逆となってしまったりして、第7特別報知への期待感が薄れてしまう事象が生じにくく、増減数と報知済みゲーム数の残りとの関係で、各ゲームの遊技結果に最後まで関心を寄せさせることが可能となる。
上記構成において、例えば、上乗せ演出の設定処理(図172等)に際して、第2超過フラグがセットされる状況か否かによって、上乗せ報知を即乗せ報知とするか後乗せ報知とするかを異ならせる構成としてもよい。この場合、例えば、報知済みのゲーム数が多く残った状況で上限増加数にて強制終了されるほど有利となる(第7特別報知が発生し易くなる)構成においては、即乗せ報知が選択されたほうが遊技者にとって好ましく、報知済みのゲーム数が少なくなった状況で上限増加数にて強制終了されるほど有利となる構成においては、後乗せ報知が選択されたほうが遊技者にとって好ましくなる。このようにすることで、上乗せ報知のゲーム数といった、超過フラグがセットされている状況においては、もはや興味の薄れ得る事象ですら、上記報知済みのゲーム数との関係性を利用して、遊技に組み込みことが可能となり、遊技の面白みが向上し得る。
<変形例16>
本変形例では、第2の強制終了条件が将来的に成立し得ることを予測するための構成を変更する。図254は、本変形例における残枚数管理処理を示すフローチャートである。
ステップS15201では、有利区間増減枚数ZMを把握する。続くステップS15202では、有利区間残りゲーム数ZGから、ボーナス当選に期待できる回数の平均値(期待ボーナス当選回数KB)を算出する処理を行う。例えば、有利区間残りゲーム数ZGが500ゲームであり、ボーナス当選確率が約254分の1であれば、期待ボーナス当選回数KBは、500ゲーム×約254分の1=約1.97回として算出される。
ステップS15203では、ステップS15202にて算出した期待ボーナス当選回数KBに基づいて、当該ボーナスにて期待できる増加分(期待ボーナス増加枚数KBM)を算出する。例えば、ボーナスでの獲得枚数が144枚であれば、上記の期待ボーナス増加枚数KBMは、約1.97回(KB)×144枚=約283.68枚として算出される。
続くステップS15204では、期待ボーナス当選回数KBのとおりボーナス当選した場合の、有利区間残りゲーム数ZMにおけるボーナス状態にて実施されるゲーム数を除いたゲーム数(報知ゲーム数HG)を算出する。例えば、有利区間残りゲーム数ZGが500、期待ボーナス当選回数KBが約1.97回であり、ボーナス状態を消化するのに必要なゲーム数を24ゲームとすると、報知ゲーム数HGは、500ゲーム-約1.97回(KB)×24ゲーム=約452.72ゲームとして算出される。
ステップS15205では、上記の報知ゲーム数HG分の有利区間を実行した場合の残り増減期待枚数NMを算出する。この場合、報知ゲーム数HGに対して、ボーナス状態を加味しない純増枚数(約+1.90枚)である期待増減枚数KMを乗算することで、残り増減期待枚数NMを算出する。上記の報知ゲーム数HGが約452.72ゲームである例では、残り増減期待枚数NMは、約452.72ゲーム×1.90枚(KM)=約860.17枚として算出される。
そして、ステップS15206にて、有利区間増減枚数ZMに、残り増減期待枚数NMと、期待ボーナス増加枚数KBMとを加算することで、ボーナス状態での消費ゲーム数を加味した有利区間残りゲーム数ZGでの総増減期待枚数SMを算出する。上記例では、総増減期待枚数SMは、約860.17枚(NM)+約283.68枚(KBM)=1143.85枚に、現状の有利区間増減枚数ZMを加えた値となる。この値は、上記第7の実施形態において同じ有利区間残りゲーム数ZGとして算出した総増減期待枚数SM(1230枚+ZM)よりも少なくなる。その後、ステップS15207にて増加可能な空き枚数FMを算出し、その空き枚数FMが0以下となった場合(ステップS15208)には、第2超過フラグをセットする処理を行う(ステップS15209)。
以上のように、有利区間の残りで期待できるメダルの増減数を予測(算出)するうえで、ボーナス状態での増加分を加味するだけでなく、ボーナス状態で消費される有利区間の残りゲーム数を加味することで、よりメダル増減数の予測を正確に行うことが可能となる。
特に、有利区間をボーナス状態にて消化しても有利区間ゲーム数AGのカウントは継続されるため、ボーナス状態へ移行することで、移行しない場合よりも多くのメダル獲得を期待できる一方、そのボーナス状態の分だけ、アタックモード等の実施ゲーム数が少なくなる。つまり、例えば、アタックモード且つ高RT状態である所謂ARTを所定ゲーム数実行した場合において期待できる増加枚数を、ボーナス状態への移行を加味して算出するならば、ボーナス状態へ移行した際にARTの残りゲーム数のカウントが停止されることから、単にART状態で期待できる増加枚数に、ボーナス状態への移行率やボーナス状態にて期待できる増加枚数を加算することで、その所定ゲーム数でのART中に期待できる増加枚数の算出を行うことができる。より詳しくは、例えば、100ゲームのARTを純増約+1.90枚にて実施し、その間に約254分の1で144枚のメダル獲得を期待できるボーナス抽選も行われる構成であれば、当該100ゲームのARTを消化することで、100ゲーム×約1.90枚+100ゲーム×約254分の1×144枚=約246枚のメダル獲得を期待できることとなり、これを1ゲーム当たりの純増枚数に換算すると、約2.46枚となる。これに対して、ボーナス状態へ移行した際にARTのカウントが停止されない構成であれば、ボーナス状態分のARTゲーム数の減少を加味する必要があり、上記の例であれば、100ゲームのARTを消化することで、(100ゲーム-100ゲーム×約254分の1×24ゲーム(ボーナス状態で必要なゲーム数))×約1.90+100ゲーム×約254分の1×144枚=約227枚のメダル獲得を期待できることとなり、これを1ゲーム当たりの純増枚数に換算すると、約2.27枚となる。このように、有利区間中のボーナス当選で有利区間のカウントが停止されない構成を加味したうえで、期待増加枚数の予測を行う構成とすることで、より正確な予測を行うことが可能となる。
<変形例17>
本変形例では、BB当選の有無により有利区間の純増枚数が上下するブレ幅を小さくする工夫について説明する。図255(a)は、本変形例における第1RT状態用の抽選テーブルの一部を示している。
本変形例では、上記第7の実施形態における第1RT状態中の各種リプレイの当選確率が異なっており、インデックス値IV=1の通常リプレイは上記第7の実施形態よりも当選確率が高く、インデックス値IV=2~5の第1昇格リプレイ1~4は上記第7の実施形態よりも当選確率が低い。その一方、インデックス値IV=1~5までの各種リプレイを合わせたトータルのリプレイ確率は、上記第7の実施形態と同等となるように設定されている。なお、インデックス値IV=6以降については、上記第7の実施形態と同様である。
以上のようにすることで、本変形例における第1RT状態においては、第1昇格リプレイの当選確率が上記第7の実施形態のそれよりも低くなり、押し順報知が発生し得る状況であっても、第2RT状態へ移行するまでの平均ゲーム数が上記第7の実施形態よりも長くなる。押し順報知が発生し得る状況での第1RT状態の純増枚数は、上記図216にて示した通りであり、ボーナス当選を含まないもので1ゲーム当たり約-0.99枚であり、持ちメダルが減少し得る。
図255(b)は、ART中にボーナス当選した場合のメダル増減の様子を、上記第7の実施形態のものと、本変形例とで比較するための図である。
上記第7の実施形態においては、ART中であるth1のタイミングでボーナス当選すると、ボーナス入賞が成立するth2のタイミングまでは、ボーナス持ち越し状態となり、遊技状態は通常遊技状態となる。また、ボーナスが終了するth3のタイミングから第2RT状態に復帰するth4のタイミングまでの復帰状態は、遊技状態は通常遊技状態と第1RT状態とになる。これらの各状態における純増枚数は上記のとおりであり、th1~th2、及びth3~th4は1ゲーム当たり約-0.99枚であり、th2~th3は約+6.00枚であり、th1よりも前やth4以降は約+1.90枚である。
図では、本変形例でも、th5にてボーナス当選し、th6にてボーナス入賞し、th7にてボーナスが終了し、tf8にて第2RT状態へ復帰することを示しており、各状態の純増枚数は、th5~th6、及びth7~th8は1ゲーム当たり約-0.99枚であり、th6~th7は約+6.00枚であり、th5よりも前やth8以降は約+1.90枚である。
上記第7の実施形態と本変形例とでは、ボーナス終了から第2RT状態に復帰するまでの平均ゲーム数が相違し、上記第7の実施形態の平均ゲーム数が図のth3~th4であり、本変形例の平均ゲーム数がth7~th8であり、本変形例の方が長くなり易い。このようにすることで、ART中にボーナス当選した場合の純増枚数は、ART中にボーナス当選した場合の純増枚数の増加(th1からth4までの純増枚数と、th5からth8までの純増枚数)を抑えることができる。よって、ART中にボーナス当選した場合の純増枚数のブレ幅が小さくなり、純増枚数の予測値と実際の値との差を小さくすることが可能となる。
ちなみに、本変形例において、第1RT状態中に第1昇格リプレイの当選確率は約50分の1であり、第2RT状態への移行は平均50ゲームで生じ得る。また、通常遊技状態においては、約5.5分の1で当選するベル当選時の取りこぼし(3分の1)で第1RT状態へ移行することから、その移行は平均16.5ゲームで生じ得る。つまり、ボーナス後、第2RT状態へ復帰するまでに平均66.5ゲーム要することになる。この場合のメダル増減数の平均は約-64.8枚(-0.99×66.5)である。これにボーナスの増加分214枚を加算し、ボーナス状態である24ゲームを合わせた70.5ゲームにて、ボーナス当選からART復帰までの純増枚数を算出すると、約2.12となり、ART中の純増枚数よりも多くなる。仮に、ボーナス入賞までに約8ゲーム要するとすると純増枚数は約+1.90枚となり、ART中の純増枚数とほぼ等しくなる(ほとんど同じとなる、予測ゲーム数に差が生じない程度に等しくなる、遊技者がその差を把握できない程度に等しくなる)。
<変形例18>
本変形例では、残枚数管理処理にて算出された総増減期待枚数SM等に関して、適宜修正を行う。図256は、本変形例における上乗せコマンドの設定処理を示すフローチャートである。上乗せコマンドの設定処理は、アタックモード等のゲーム数上乗せの処理後において、表示制御装置81へ上乗せコマンドを出力設定する際に起動される処理である。なお、本変形例では、上乗せ非当選時であっても上乗せコマンドの設定処理が起動される構成とし、更に、上乗せ報知の実行タイミングとして、即乗せ報知や後乗せ報知、停止ON操作や停止OFF操作のタイミング等を、主制御装置101側で決定する構成とする。
ステップS15301では、今回の上乗せ抽選にて上乗せ当選となったか否かを判定する。既に説明した通り、本変形例では、上乗せ非当選時においても上乗せコマンドの設定処理が起動されるところ、ステップS15301の処理は、当該非当選時に起動された設定処理か否かを判定する処理といえる。また、上記の第1超過フラグや第2超過フラグがセットされている状況においても、ステップS15301では上乗せ抽選に非当選であったと判定する。非当選時に起動されたものではなく、上乗せ当選時のものである場合、ステップS15302に進み、今回の上乗せゲーム数を把握する処理を行う。そして、ステップS15303にて、第1調整処理を実行する。第1調整処理は、前ゲームの区間表示第2処理にて算出されている総増減期待枚数SM等を今回の上乗せに際して修正するための処理である。
第1調整処理について、図257のフローチャートを参照しながら説明する。なお、説明に際しては、図260も適宜参照する。
ステップS15401では、各種カウンタエリア106eに設けられた表示用残数カウンタHGを把握する処理を実行する。この表示用残数カウンタHGは、表示制御装置81側の表示用残数カウンタHGに対応するものであり、現状報知されれている有利区間の残りゲーム数であって、報知済みの有利区間残りゲーム数ZGに対応する。なお、図や以下の説明については、いずれも表示用残数カウンタHGと称する。当該カウンタは、ステップS15402では、表示用残数カウンタHGの値を各種カウンタエリア106eに設けられた算出用カウンタSCに一時入力する処理を行う。算出用カウンタSCは、総増減期待枚数SM等の演算処理にて用いられるカウンタである。
ステップS15403では、表示用残数カウンタHG(報知済みの有利区間残りゲーム数ZG)が入力された算出用カウンタSCに更に今回の上乗せゲーム数を加算する処理を行う。そして、ステップS15404にて、加算後の算出用カウンタSCと最大増減枚数MMとから残り増加最大期待枚数NMMを算出する処理を行う。最大増減枚数MMは1ゲーム当たりで期待できる最大枚数であり、本変形例では、最大増減枚数MMを1ゲーム当たりの最大払出数である15枚からベット数3を差し引いた12とする。なお、算出時の状態やその後の状態において最も当選確率の高い払出役(所謂メイン役、アタックモードであれば押し順ベル)の増加枚数(9枚-3枚=6枚)を最大増減枚数MMとしてもよい。そして、ステップS15405にて、現状の有利区間増減枚数ZMに上記算出した残り増加最大期待枚数NMMを加算して、総増減最大期待枚数SMMを算出する。
図260(a)は、第1調整処理が行われる場合の各ゲーム数やカウンタ等の関係性を説明するための図である。図では、ti1のタイミングにて上乗せが発生した場合の様子を示しており、ti1のタイミングにおいては、有利区間ゲーム数AGに対して、表示用残数カウンタHGに対応するti2までのゲーム数が既に報知されており、今回の上乗せとして、ti2からti4までのゲーム数の上乗せが発生した場合を示している。ti1のタイミングにおいては、直前の区間表示第2処理において総増減期待枚数SMとして予想増加数が求められており、この例においては、上限増加数である2400枚に到達しないとの予想が行われている。
そして、上記のようにステップS15405では、今回の上乗せゲーム数を残りゲーム数ZGに加算したうえ、総増減最大期待枚数SMMを算出する。続くステップS15406では、算出した総増減最大期待枚数SMMが上限増加数を超えるか否かを判定する。上限増加数を超えると判定した場合、ステップS15407にて総最大増加期待枚数SMMから上限増加数を減算して超過分CMを算出し、ステップS15408にて、超過分CMと最大増減枚数MMから超過分CMに対応する超過ゲーム数CGを算出する処理を行う。そして、ステップS15409にて、今回の上乗せに際して、報知済みのゲーム数を消化することなく強制終了される事象が生じない上限である報知上限HJを算出する処理を実行する。より詳しくは、算出用カウンタSCから、表示用残数カウンタHGと超過ゲーム数CGを減算することで報知上限HJが算出される。
図260(a)においては、算出した総増減最大期待枚数SMMから超過分CMに相当する超過ゲーム数CGを算出する。ti1のタイミングを基準として、今回の上乗せを含めて、各ゲームで最大の増加が見込まれる場合、ti4においては上限増加数を超過しており、より詳しくは、最大の増加が見込まれた場合にはti3のゲームにて上限増加数を超過する。この場合、ti3からti4までのゲームが超過ゲーム数CGとして算出され、ti2からti3までのゲーム数が報知上限HJとして算出される。
ステップS15409にて報知上限HJの算出を行った後は、ステップS15410にて各種フラグ格納エリア106dに調整用フラグをセットする処理を実行する。調整用フラグは、今回の上乗せによって、総最大増減期待枚数SMMが上限増加数を超えるものとして超過ゲーム数CGや報知上限HJの算出が行われたことをCPU102が把握するためのフラグである。
続くステップS15411では、各種カウンタエリア106eに設けられた第1調整用カウンタCC1に上記報知上限HJを超える分の上乗せゲーム数、すなわち、超過ゲーム数CGを加算する処理を行う。その後、ステップS15412にて算出用カウンタSCをクリアしてから、本第1調整処理を終了する。また、ステップS15406にて総最大増減期待枚数SMMが上限増加数を超えないと判定した場合は、超過ゲーム数CG等の算出を行うことなく、ステップS15412にて算出用カウンタSCをクリアしてから本第1調整処理を終了する。
上乗せコマンドの設定処理の説明に戻り、ステップS15303にて第1調整処理を実行した後は、ステップS15304にて今回の上乗せ報知を後乗せ報知とするか否かの後乗せ抽選処理を実行する。かかる処理は、表示制御装置81側のステップS8503の処理に相当する処理である。そして、ステップS15305にて、後乗せ報知が選択されたか否かの判定を行い、後乗せ報知ではなく即乗せ報知が選択された場合、ステップS15306にて表示用残数カウンタHGに今回の上乗せゲーム数又は上記第1調整処理にて設定された報知上限HJを加算する処理を行う。この場合、報知上限HJが設定されていない場合には、今回の上乗せゲーム数の報知が当該ゲームにて発生し、報知上限HJが設定されている場合には、報知上限HJに相当する上乗せ報知が当該ゲームにて発生する。ステップS15307~ステップS15312の処理は、上記ステップS8506~ステップS8511の処理に相当するものであり、今回のゲームのいずれのタイミングにて上乗せ報知を発生させるかを設定するための処理である。ステップS15309、ステップS15311及びステップS15312のいずれかの処理を実行した後は、ステップS15313にて上記各処理にて設定された情報を含む上乗せコマンドを出力設定する処理を実行してから、本上乗せコマンドの設定処理を終了する。
ステップS15305にて後乗せ報知が選択されたと判定した場合、ステップS15314にて各種フラグ格納エリア106dに後乗せフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS15315にて、各種カウンタエリア106eに設けられた後乗せカウンタBGに今回の上乗せゲーム数又は報知上限HJを加算する処理を実行する。後乗せカウンタについても、上記表示制御装置81側の後乗せカウンタBGに相当するカウンタであり、図や以下の説明では、いずれも後乗せカウンタBGと称する。その後、ステップS15316にて各種情報が設定された上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象として設定してから、本上乗せコマンドの設定処理を終了する。
ステップS15301にて上乗せ非当選であったと判定した場合、ステップS15317にて第3調整処理を実行し、ステップS15318にて上乗せコマンドを出力設定してから、上乗せコマンドの設定処理を終了する。なお、第3調整処理については、後に詳細に説明する。
次に、本変形例における区間表示第2処理において起動される第2調整処理について、図258のフローチャートを参照しながら説明する。第2調整処理は、上記第1調整処理にて設定された第1調整用カウンタCC1を、今回のゲームの結果に基づいて再調整するための処理であり、例えばステップS13005にて残枚数管理処理が実行された後に起動される。
ステップS15501では表示用残数カウンタHGとして報知済みの有利区間残りゲーム数ZGに対応するゲーム数を把握する。続くステップS15502では、上記報知上限HJに相当するゲーム数を把握する。そして、ステップS15503にて、これら表示用残数カウンタHGと報知上限HJとを算出用カウンタSCに入力する処理を実行する。その後、ステップS15504では、算出用カウンタSCと最大増減枚数MMとから、残り最大増減期待枚数NMMを算出する処理を実行し、ステップS15505にて総最大増減期待枚数SMMを算出する処理を実行する。ステップS15504及びステップS15505の処理は、上記ステップS15404及びステップS15405の処理に対応するものである。
続くステップS15506では、総最大増減期待枚数SMMが上限増加数を超えるか否かを判定し、超えると判定した場合、ステップS15507にて超過分CMを把握してからステップS15508にて超過ゲーム数CGを算出する処理を実行する。これらステップS15506~ステップS15508の処理は、上記ステップS15406~ステップS15408の処理に対応するものである。
続くステップS15509では、第1調整用カウンタCC1と超過ゲーム数CGとの差分を、各種カウンタエリア106eに設けられた第2調整用カウンタCC2へ入力する処理を実行する。ステップS15506にて否定判定した場合、又はステップS15509の処理を実行した後は、算出用カウンタSCをクリアしてから本第2調整処理を終了する。
図260(b)は、上記図260(a)において第1調整処理が行われた後、第2調整処理が行われた場合の状況を示している。第1調整処理はゲームの開始時に行われるのに対して、第2調整処理はゲームの終了時に行われる処理であり、図260(b)は、図260(a)におけるti1のタイミングで開始されたゲームの終了時であるti5のタイミングを基準として示している。
上記のように、上乗せ当選時の報知上限HJは最大増加数から算出されるものであるところ、その最大増加数から導き出される上限増加数を超過するゲームは、今回のゲームの結果が最大増加数に至らなかった場合には、先の予測とは異なるゲームとなる。より詳しくは、図260(a)におけるti1の時点では、上限増加数を超過するゲームをti3として予測していたものの、今回のゲームの結果が最大増加数ではない場合には、そのti3よりも後のゲームであるti6のゲームにて上限増加数を超過するものとして予測される。上記の第2調整処理は、このti3とti6のズレを修正するための処理であり、第1調整用カウンタCC1に入力されていたti3からti4までのゲームのうち、上記ずれの分を第2調整用カウンタCC2に入力する処理である。
上記のように、第1調整処理は上乗せ契機が生じたゲームにて実行される一方、第2調整処理は各ゲームの終了時に実行される。そのため、上記ズレは各ゲームで累積的に第2調整用カウンタCC2に加算されることとなる。
図259は、上記上乗せコマンドの設定処理にて起動される第3調整処理を示すフローチャートである。
ステップS15601では、上記の第2調整用カウンタCC2が1以上であるか否かを判定し、0である場合にはそのまま本処理を終了する。1以上である場合には、ステップS15602にて、疑似上乗せ抽選テーブルを各種テーブル記憶エリア105aから取得する。疑似上乗せとは、今回の上乗せ抽選には当選していないものの、上記第2調整用カウンタCC2に基づいて、すなわち、上乗せ報知制限が行われた分である第1調整用カウンタCC1のうち、その後の遊技状況によって上乗せ報知が可能とされる分のゲーム数を報知する演出であり、上乗せ報知と同様の演出が設定されている。疑似上乗せ抽選テーブルについて、図による詳細な説明は省略するが、上乗せ抽選テーブルと同様に、遊技結果と表示モード等によって疑似上乗せに当選するか否かが設定されている。
ステップS15603では疑似上乗せ抽選処理を実行し、ステップS15604では当該抽選処理に当選したか否かを判定する。非当選である場合には、そのまま第3調整処理を終了し、当選である場合にはステップS15605に進む。ステップS15605では上記第2調整用カウンタCC2のうち報知するゲーム数として、疑似上乗せ報知ゲーム数を抽選等により決定する。そして、ステップS15606にて上乗せ報知演出を設定する処理を実行する。より詳しくは、上記疑似上乗せ報知ゲーム数の上乗せ報知を行わせるための上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。そして、ステップS15607にて、今回の疑似上乗せゲーム数を第2調整用カウンタCC2から減算する処理を行ってから、本第3調整処理を終了する。
以上のように、残りゲーム数として報知しても、その後の遊技状況によって、その報知したゲーム数を消化することなく強制終了されない上限を、最大増加数から算出し、その上限までの上乗せ報知を行う構成とすることで、事後的に報知上の矛盾が生じる事象を回避し、報知済みのゲーム数を消化することなく強制終了されることへの違和感や喪失感を与えないようにすることが可能となる。
また、上記のように報知上限を算出してその上限に基づく上乗せ報知を行う構成としたうえで、実際の遊技状況に応じて、第2調整処理により報知上限の再調整を行う構成としたことで、上乗せ報知が不必要に制限される事象を回避し、上乗せ報知が行われることに対する注目度向上効果を阻害しないようにしながら、上記報知上の矛盾を生じさせないようにすることが可能となる。
上記第2調整処理にて報知可能とされたゲーム数を、上乗せ非当選時に第3調整処理にて疑似上乗せとして報知する構成としたことにより、例えば、上乗せ抽選が制限される状況等においても、あたかも上乗せ抽選が行われたかのような印象を与えることも可能となり、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
<変形例19>
本変形例では、第1超過フラグや第2超過フラグがセットされた後のゲームで起動される残ゲーム数管理処理や残枚数管理処理について説明する。
すなわち、本実施形態においては、有利区間においてアタックモードのゲーム数上乗せ等、残りゲーム数の増加処理が行われた場合、ゲームの消化以外の要因で有利区間残りゲーム数ZGが減算される事象は生じない構成としている。そうすると、残ゲーム数管理処理において、一旦、第1超過フラグがセットされた後は、すなわち、上限ゲーム数に達するとの特定がされた後は、当該特定が覆ることはない。そうすると、残ゲーム数管理処理に関しては、一旦、第1超過フラグがセットされた後は、当該残ゲーム数管理処理を起動しない、又は起動しても第1超過フラグがセットされていることを条件として、ステップS13101~ステップS13111の処理を実行することなく残ゲーム数管理処理を終了する構成としてもよい。
これに対して、第2超過フラグに関しては、すなわち、メダルの上限増加数に達するとの特定がされた後に関しては、上記のように、その後の遊技状況によって、メダルの上限増加数に達しないようになることも生じ得る。この場合の残枚数管理処理について、図261のフローチャートを参照しながら説明する。
本変形例では、ステップS15701にて、第2超過フラグが既にセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップS15702へ進み、ステップS15702~ステップS15707の第2の強制終了条件が将来的に成立することの特定を行うための処理を実行する。ステップS15702~ステップS15707の処理は上記ステップS13201~ステップS13206の処理と同様である。
ステップS15701にて第2超過フラグがセットされていると判定した場合、ステップS15708に進み、予め定められた修正条件が成立したか否かを判定する。修正条件が成立している場合には、上記ステップS15302~ステップS15307の第2の強制終了条件が将来的に成立することの特定を行うための処理を再度実行し、修正条件が成立していなければ、当該特定用の処理を行うことなく残枚数管理処理を終了する。
上記の修正条件とは、例えば、ボーナス当選した場合や、ボーナス入賞した場合、RT状態が低RT状態へ移行した場合(第2RT状態や第3RT状態から第1RT状態や通常遊技状態へ移行した場合)、RT状態が高RT状態から低RT状態へ移行した場合においては、更に高RT状態に復帰した場合、有利区間増減枚数ZMとそれ以前に予測していた枚数(総増減期待枚数SM)との差が所定数を超えた場合、等が挙げられる。
ボーナス当選やボーナス入賞や、RT状態が低RT状態へ移行したことに基づいて修正処理を行う構成とすれば、実質的に期待増減枚数KMが予測に用いたものと異なることとなる状態への移行に基づいて修正を行う構成となり、ボーナスやRT状態の移行率等を事前の予測に加味する必要がなく、予測処理(残枚数管理処理)の処理構成の簡素化が図られる。また、RT状態が高RT状態から低RT状態への移行が生じた場合において、更に高RT状態への復帰したことに基づいて修正処理を行う構成とすれば、低RT状態の滞在ゲーム数を事前に予測するといった処理が省略され、実際の低RT状態での減少分を修正すればよく、更に処理構成の簡素化が図られる。また、実際の増減数と予測枚数との差が所定数を超えた場合に修正を行う構成とすれば、予測枚数との差が生じた後での修正となり、修正処理が行われる回数や可能性を低くすることが可能となり、更なる処理の簡素化が図られる。
<変形例20>
本変形例では、有利区間の終了間近でボーナス当選した場合の様子について説明する。先ず、有利区間の終了間際の様子を、図262を参照しながら説明する。
図262(a)は、アタックモード等の押し順報知が発生する状況であるtj1のゲームにおいて第1BB又は第2BBのボーナス当選フラグがセットされた場合であって、tj1よりも後のtj2にてボーナス入賞が生じた場合を示している。この場合、ボーナス当選することによって、当該ボーナス当選の持ち越し中であるtj1からtj2の遊技状態は通常遊技状態となり、当該通常遊技状態中の純増枚数は、アタックモード中の純増枚数よりも少なくなる。より詳しくは、tj1からtj2のゲームでは、1ゲーム当たり約-0.99枚の増加が見込め、持ちメダルが減少し得る(図216参照)。また、ボーナス状態が終了するtj3から、遊技状態が第2RT状態へ復帰するtj4までの復帰状態においても、遊技状態は通常遊技状態であることから、持ちメダルが減少し得る。tj4にて第2RT状態への移行が生じると、持ちメダルが増加する状態となり、有利区間の残りゲーム数が0となるtj5までメダル増加が見込める。
これに対して、図262(b)は、ボーナス状態が終了するtj3から第2RT状態へ復帰するtj4までの間のtj6にて、有利区間の上限ゲーム数に達する場合を示している。上記のとおり、tj3からtj4までのゲームでは、1ゲーム当たりの純増枚数はマイナスであるところ、持ちメダルが減少している最中であるtj6にて強制終了されることとなる。そうすると、せっかく持ちメダルの大幅な増加が生じ、ゲーム数が上限ゲーム数に達したのにもかかわらず、最終的には持ちメダルが最大数(図ではtj3のタイミング)よりも減った状態で有利区間が強制終了されることとなり、せっかくの遊技が尻すぼみの結果となってしまう。このような事象が生じると、遊技者の満足感を十分に満たすことができなくなり、好ましくない。
そこで、本変形例では、有利区間終了間近のボーナス当選に関し、前兆モードの設定処理に工夫を施している。
図263は、本実施形態におけるボーナス当選時の前兆設定処理を示すフローチャートである。ボーナス当選時の前兆設定処理は、例えば、抽選結果対応処理において第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされている状況下にて実施される処理であり、ボーナス当選に基づいて前兆モードの設定を行うための処理である。なお、上記第1の実施形態では、第1特定役処理~第3特定役処理においても、チャレンジモードやアタックモード等の移行抽選や上乗せ抽選を経て前兆モードの設定が行われる構成を説明しており、前兆モードの設定処理が重複して行われ得るが、この場合、以下のボーナス当選時の前兆設定処理にて設定された前兆モードが優先される構成とする。また、既に説明した通り、前兆モードとは、当選内容を示唆する示唆演出が比較的高確率で発生するモードであるとともに、前兆モードとして設定された前兆ゲーム数が0に近付くと連続演出が発生し、0となることで当選内容が報知されるモードである。すなわち、ボーナス当選に基づく前兆モードでは、ボーナス当選を示唆する示唆演出が発生するとともに、連続演出を経て、ボーナス当選報知が行われる。
ステップS15801では、セットされている第1BB当選フラグや第2BB当選フラグが今回のゲームにてセットされたものであるか否か、すなわち、ボーナス当選ゲームであるか否かを判定する。当選ゲームではなく、ボーナス持ち越し中である場合には、そのまま前兆設定処理を終了する。当選ゲームである場合には、ステップS15802にて前兆テーブルを取得する処理を実行する。前兆テーブルとしては、上記図35に一例を示している。より詳しくは、前兆テーブルには、前兆ゲーム数として0ゲームから32ゲームまでが設定されており、当選した際の表示モードとアタックモード等との同時当選の有無等によって、選択される前兆ゲーム数が異なっている。なお、前兆テーブルは上記図35にて示したものに限定されず、ボーナス当選契機となった遊技結果(例えば、同じ第1BBに当選していても、その契機が強チェリー重複1なのか、弱チェリー重複1なのか等)や、当選しているボーナス種別(例えば、同じ強チェリーとの重複であっても、第1BBとの重複である強チェリー重複1なのか、第2BBとの重複である強チェリー重複2なのか等)によって選択される前兆ゲーム数が異なるように設定してもよい。また、他の結果との重複の有無(例えば、第1BB単独当選なのか、強チェリー重複1なのか等)によって選択される前兆ゲーム数が異なるように設定してもよい。更に、前兆ゲーム数は0ゲームから32ゲームに限定されず、これよりも多いゲーム数が選択され得る構成としてもよいし、常に0ゲームが選択される構成(所謂一発告知)としてもよい。
続くステップS15803では、ステップS15802にて取得した前兆テーブルに基づいて、今回のボーナス当選に基づく前兆モードの前兆ゲーム数を抽選により決定し、その決定した前兆ゲーム数を前兆カウンタに入力する処理を行う。
ステップS15804では、今回のボーナス当選が有利区間中のボーナス当選であるか否かを判定する。有利区間中である場合には、ステップS15805にて、上記第1超過フラグと第2超過フラグのうち、第1超過フラグがセットされているか否かを判定する。第1超過フラグがセットされており、将来的に上限ゲーム数に達することの特定が行われている場合には、ステップS15806~ステップS15810にて、ボーナス状態後の復帰状態中に上限ゲーム数に達するか否か、すなわち、図262(b)の状況が生じるか否かの判定を行う。
より詳しくは、ステップS15806では、現状の有利区間ゲーム数AGと上限ゲーム数(1500)とから、上限ゲーム数までに要するゲーム数(A)を把握する処理を行う。続くステップS15807では、上記ステップS15803の抽選結果に基づいて、今回の前兆ゲーム数(B)を把握する処理を行う。ステップS15808では、今回当選したボーナス状態にて実行されるゲーム数(第1BB状態及び第2BB状態のいずれも24ゲーム)を把握する処理を行う。そして、ステップS15809にて、ボーナス状態が終了してから、押し順報知が行われることによって、第2RT状態への移行が生じるまでの復帰ゲーム数の平均値(D)を把握する処理を行う。本スロットマシン10では、通常遊技状態において押し順ベルの取りこぼしが生じて第1RT状態への移行が生じるまでの平均ゲーム数が約11ゲームであり、第1RT状態において第1昇格リプレイに当選して第2RT状態への移行が生じるまでの平均ゲーム数が約8ゲームであり、復帰ゲーム数の平均値(D)は約19ゲームである。その後、ステップS15810にて、ボーナス状態後の復帰状態中に上限ゲーム数に達するか否かを、上限ゲーム数までに要するゲーム数(A)が、前兆ゲーム数(B)とボーナス状態のゲーム数(C)を積算したものよりも多く、且つ前兆ゲーム数(B)とボーナス状態のゲーム数(C)と復帰ゲーム数の平均値(D)とを積算したものよりも少ないか否かを判定する。
図262(b)に示すように、上限ゲーム数までに要するゲーム数(A)が、前兆ゲーム数(B)とボーナス状態のゲーム数(C)を積算したものよりも少ない場合とは、前兆モード中やボーナス状態中に上限ゲーム数に達する場合であり、上限ゲーム数までに要するゲーム数(A)が、前兆ゲーム数(B)とボーナス状態のゲーム数(C)と復帰ゲーム数の平均値(D)とを積算したものよりも多い場合とは、ボーナス状態終了後において第2RT状態への復帰後に上限ゲーム数に達する場合である。
ステップS15810にて肯定判定した場合、ステップS15811にて、ボーナス状態が終了してから上限ゲーム数に達するまでのゲーム数(E)を把握する処理を実行する。かかる処理は、上限ゲーム数までに要するゲーム数(A)から、前兆ゲーム数(B)及びボーナス状態のゲーム数(C)を減算することで算出される。そして、ステップS15812にて、上記ステップS15811にて算出したゲーム数(E)を調整ゲーム数とし、当該調整ゲーム数を上記ステップS15803にて決定した前兆ゲーム数に加算して、今回の前兆ゲーム数とする処理を実行する。より詳しくは、上記算出した調整ゲーム数(E)を前兆カウンタに加算する処理を行う。
上記ステップS15812の処理を実行した後は、ステップS15813にて今回の前兆ゲーム数の情報を含む前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を行ってから、本前兆設定処理を終了する。この場合、上記の調整ゲーム数(E)が加算されたゲーム数に亘って前兆モードが行われ、当該調整ゲーム数(E)の分を消化した後、ボーナス当選報知が行われることとなる。また、ステップS15804にて否定判定して、有利区間中のボーナス当選ではない場合や、ステップS15805にて第1超過フラグがセットされていない場合、更に、ステップS15810にて、復帰中の上限ゲーム数に達しないと判定した場合は、そのままステップS15813に進み、上記ステップS15812の調整ゲーム数が加算されていない状態の前兆ゲーム数(ステップS15803にて抽選された前兆ゲーム数)の情報を含む前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を行ってから、本前兆設定処理を終了する。
以上の処理の結果、図264に示すように、有利区間中であるtk1のゲームにてボーナス当選した場合の前兆ゲーム数は、本来のtk2までのゲーム数(B)に、tk3までのゲーム数(E)が加算されたものが設定される。その結果、前兆モード中の報知に従うのであれば、ボーナス状態はtk3からtk5にて消化されることとなり、tk5にて強制終了されることとなる。すなわち、調整前ではtk4にて持ちメダルが最大値になり、その後、tk5まで持ちメダルを減らしてから強制終了されるものの、調整後では、持ちメダルが最大値となっている状況で強制終了され、遊技者の満足感が最高潮に達した状況で強制終了されることとなる。
特に、上記のように調整ゲーム数を加算したところで、前兆モードや復帰状態のゲーム数は変わらないため、強制終了に際しての持ちメダルの最大値は変化しない。このようにすることで、遊技者にとっての有利度を大きく異ならせることなく、強制終了に際して遊技者に与える印象を大きく異ならせることが可能となる。
ちなみに、ボーナス当選フラグがセットされることにより、遊技状態はそれまでの高RT状態(第2RT状態や第3RT状態)から低RT状態(ここでは通常遊技状態)に移行し、リプレイ確率が大幅に低くなるし、ボーナス当選に基づくリーチ目も出現し得る。つまり、遊技者は、ボーナス当選をボーナス当選報知が行われるよりも前のタイミングで察知し得るものであり、上記のように、低RT状態においては持ちメダルが減少し得る構成であることからして、ボーナス当選を察知したらなるべく早くボーナス入賞させたほうが、持ちメダルの減りが抑えられる。例えば、図264において、tk1にてボーナス当選した後、速やかにボーナス入賞させた場合には、ボーナス状態後において高RT状態へ復帰してから上限ゲーム数に達することも考えられる。より詳しくは、tk1にてボーナス当選してから、復帰ゲーム数の平均値(D)から調整ゲーム数(E)を減算したゲームを消化するまでの間にボーナス入賞させることで、高RT状態へ復帰してから上限ゲーム数に達するようになる。この間の上限ゲームに達する際の総メダル数へ変動は、ボーナス入賞が遅いほど、高RT状態へ復帰してからの増加数は少なくなり、且つボーナス入賞までの減少数が多くなるため、ボーナス当選時に入賞させた場合の総メダル数が最も多く、復帰ゲーム数の平均値(D)から調整ゲーム数(E)を減算したゲームを消化して入賞させる場合の総メダル数が最も少なくなる。つまり、遊技者の技量(ボーナス察知からボーナス入賞までに要するゲーム数の多い少ない)によっては、強制終了時の持ちメダルの最大値は、上記図264のtk5のものよりも多くなり得る。このように、技術介入の余地を残すことで、遊技者の遊技意欲を掻き立て、遊技への積極参加を促すことが可能となる。
一方、復帰ゲーム数の平均値(D)から調整ゲーム数(E)を減算したゲームを消化した後は、ボーナス入賞が遅いほど、ボーナス入賞までの減少数が多くなり、且つ高RT状態への復帰が見込めないことから、上限ゲームに達する際の総メダル数の変動は、ボーナス入賞が遅いほど総メダル数が少なくなり、その減り幅は、ボーナス当選から復帰ゲーム数の平均値(D)から調整ゲーム数(E)を減算したゲームまでの減り幅よりも大きくなる。つまり、ボーナス当選から復帰ゲーム数の平均値(D)から調整ゲーム数(E)を減算したゲームまでにボーナス入賞させた場合の方が、復帰ゲーム数の平均値(D)から調整ゲーム数(E)を減算したゲーム以降でボーナス入賞させた場合よりも、持ちメダルの減りの削減効果が高いといえる。なお、ボーナス当選から復帰ゲーム数の平均値(D)から調整ゲーム数(E)を減算したゲームを消化した時点を、第1の分岐点とも称する。
そして、ボーナス当選から調整ゲーム数(E)の加算前の前兆ゲーム数(B)を消化した後は、その後、調整ゲーム数(E)を消化するまでは、上限ゲームに達する際の総メダル数は変化しにくいことは上述の通りである。つまり、ボーナス当選から前兆ゲーム数(B)を消化した後は、早期にボーナス入賞させても持ちメダルの減りの削減効果はない。なお、ボーナス当選から調整ゲーム数(E)の加算前の前兆ゲーム数(B)を消化した時点を、第2の分岐点とも称する。
この場合、前兆モードにおけるボーナス当選の有無の示唆演出等の前兆演出の演出態様を、上記各分岐点に基づいて変化させる構成としてもよい。例えば、ボーナス当選時から、第1の分岐点においては、連続演出(図60)が発生する可能性があることの示唆演出を発生させ(前兆演出を第1態様とし)、第1の分岐点から第2の分岐点までは、連続演出が発生することを報知するとともにその連続演出において当選内容となる条件の説明等(だるま落としの段数の説明等)を行い(前兆演出を第2態様とし)、第2の分岐点以降において連続演出を発生させる(前兆演出を第3態様とする)。このようにすることで、第1の分岐点までの演出により連続演出が発生する可能性があると察知した遊技者は、第1の分岐点までに、例えばボーナス当選の有無を確認すべく所望の図柄を狙って停止操作し、また、第1の分岐点以降の演出により連続演出が発生することを明確に認識した遊技者は、第2の分岐点までに、例えばボーナス入賞を成立させるべくボーナス対応図柄を狙って停止操作し、第2の分岐点以降は、早期のボーナス入賞よりも、演出(連続演出)の行方を楽しむものと考えられる。つまり、ボーナス当選から第1の分岐点や第2の分岐点までを目標にボーナス入賞を目指す遊技性と、第2の分岐点以降は、早期のボーナス入賞よりもむしろ演出を楽しんでもらうといった遊技性とが実現される。このように、遊技者の技量と最終的なメダル獲得数との関係で前兆モードの演出態様を設定することで、今までにない面白みのある遊技性を提供できる。
<変形例21>
本変形例では、有利区間の終了間際のボーナス当選に関し、特にチャレンジモードの終了間際のボーナス当選について、区間表示器としての第8表示用セグメントN8との関係性を説明する。図265は、チャレンジモード中の特定役当選の様子を示す図であり、図265(a)は、当選した特定役が強チェリー重複1等のボーナスとの重複役である場合を示しており、図265(b)は、当選した特定役が強チェリー等のボーナスとの重複役ではない場合を示している。なお、既に説明した通り、チャレンジモードとは、アタックモード等への当選確率が通常モードよりも高くなるモードであり、所謂チャンスゾーン(CZ)とも称される。そして、チャレンジモードは予め定められたゲーム数中に、アタックモードへの移行抽選に当選しなければ、当該チャレンジモードは終了する。
図265(a)は、tm1にてチャレンジモードが開始された場合において、当該チャレンジモードが終了するtm3よりも前のtm2のゲームにて特定役に当選した場合を示している。既に説明した通り、チャレンジモードは有利区間に含まれ、当該チャレンジモードへの移行契機となる特定役当選時(tm1)において、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示が開始される。
上記のように、当該tm2で当選した特定役は、例えば、強チェリー重複1等のボーナスとの重複役であり、ここでは、当該強チェリー重複1当選に基づくアタックモード移行抽選に当選したものとする。そうすると、ボーナス当選やアタックモード当選に基づいて、前兆モードの設定が行われる。例えば、tm2にて設定された前兆モードや連続演出が、当該tm2から開始され、上記チャレンジモードの終了ゲームであるtm3よりも後のtm4まで継続する場合、当該tm4のゲームにてボーナス当選やアタックモード当選の当選報知が行われる。そして、tm4にてボーナス状態へ移行し、当該ボーナス状態が終了するtm5以降がアタックモードとなる。
この場合、上記のようにtm3においてチャレンジモードは終了するものの、アタックモード当選フラグがセットされていることから、区間表示第2処理においては、区間表示器の表示終了処理が行われない。つまり、tm1にて開始された区間表示器の表示は、tm3にて終了しないし、tm5以降も継続される。
これに対して、図265(b)では、チャレンジモード中であるtm2にて特定役に当選したものの、当該特定役はボーナスとの重複役ではなく、且つアタックモードへの移行抽選に当選していない。但し、図265(b)におけるtm2の特定役を契機としても、疑似的な前兆モードが設定される場合があり(図53)、例えば、tm2にて設定された前兆モードや連続演出が、当該tm2から開始され、上記チャレンジモードの終了ゲームであるtm3よりも後のtm4まで継続する場合、当該tm4のゲームにてボーナス非当選やアタックモード非当選の非当選報知が行われる(当選報知が行われない)。
この場合、図265(b)においても、tm3にてチャレンジモードは終了するものの、アタックモード当選フラグがセットされていないことから、区間表示第2処理においては、当該tm3にて区間表示器の表示終了処理が行われる。つまり、tm2から開始される連続演出において、tm3までは区間表示器は表示されているものの、tm3からtm4は表示されていない。言い換えると、図265(a)のそれと比較して、図265(b)においては、tm3のチャレンジモードの終了時に区間表示器の表示が終了されることからして、連続演出の終了(tm4)を待たずに、tm2の抽選が非当選であったことが丸わかりとなってしまう。そうすると、単に、非当選であることが判明してしまうだけでなく、実行中の連続演出の滑稽さが際立ち、他の演出も含め、演出への注目度を大きく低下させてしまう可能性もある。
図266は、本変形例におけるチャレンジモード中の重複対象役当選時の前兆設定処理を示すフローチャートである。ここで、重複対象役とは、第1BBや第2BBとの重複当選となる強チェリー重複1,2や弱チェリー重複1,2等の重複結果と、当該重複結果において第1BBや第2BBと重複当選となる非重複結果(強チェリー1,2が重複結果とすると強チェリーが非重複結果、弱チェリー1,2が重複結果とすると弱チェリーが非重複結果)とを含む結果である。チャレンジモード中の重複対象役当選時の前兆設定処理は、例えば、チャレンジモード中の抽選結果対応処理において上記重複対象役当選となった場合に実施される処理であり、ボーナス当選か否かに関わらず前兆モードの設定を行うための処理である。つまり、上記のボーナス当選に基づく前兆モードと、ボーナス非当選に基づく疑似前兆モードとのいずれをも設定する処理である。なお、上記変形例20の場合と同様に、第1特定役処理~第3特定役処理の各種前兆モード設定用の処理と、当該チャレンジモード中の重複対象役当選時の前兆設定処理とは重複し得るものの、当該チャレンジモード中の重複対象役当選時の前兆設定処理にて設定された前兆モードが優先される構成とする。
ステップS15901では、今回のゲームの抽選結果が上記重複対象役であったか否かを判定する。重複対象役ではない場合には、そのまま本前兆設定処理を終了する。重複対象役である場合、ステップS15902にて前兆テーブルを取得する処理を実行し、ステップS15903にて前兆ゲーム数の抽選処理を実行する。かかる処理は、上記ステップS15802及びステップS15803の処理と同様である。なお、前兆テーブルにて設定されている前兆ゲーム数についても上述の通りであり、遊技結果等によって選択される前兆ゲーム数が異なっている。
続くステップS15904では、今回の重複対象役が第1BBや第2BBとの重複結果であるか否かを判定する。第1BBや第2BBとの重複結果である場合、ステップS15905にて、上記ステップS15903にて決定された前兆ゲーム数の情報と、上記ボーナス当選していることの情報(今回の前兆モードがボーナス当選報知を行うための前兆モードであることの情報)を含む前兆コマンドを、表示制御装置81への出力対象として設定してから、本前兆設定処理を終了する。
ステップS15904にて、今回の重複対象役が、上記第1BBや第2BBとの重複結果ではなく、非重複結果である場合、ステップS15906に進む。ステップS15906では、現状のチャレンジモードの残りゲーム数と、上記ステップS15903にて決定された前兆ゲーム数とを比較し、前兆ゲーム数の方がチャレンジモードの残りゲーム数よりも多いか否かを判定する。すなわち、ステップS15906の処理は、今回の前兆モードの結果が報知されるゲーム(前兆カウンタが0となり、当選報知又は非当選報知が行われるゲーム)がチャレンジモード中か否かを判定する処理である。結果報知がチャレンジモード中である場合には、ステップS15905に進み、ステップS15903にて決定された前兆ゲーム数の情報と、上記ボーナス非当選であることの情報(今回の前兆モードがボーナス非当選報知を行うための前兆モードであることの情報)を含む前兆コマンドを、表示制御装置81への出力対象として設定してから、本前兆設定処理を終了する。
ステップS15906にて、前兆モードの結果報知がチャレンジモード後に行われると判定した場合、ステップS15907にて、前兆ゲーム数からチャレンジモードの残りゲー数を減算して、これらの差分ゲーム数を算出する処理を行う。そして、ステップS15908にて、上記ステップS15907にて算出した差分ゲーム数を、チャレンジモード継続数に加算する処理を実行する。この処理により、チャレンジモードは、上記差分ゲーム数の分だけ延長されることとなる。
続くステップS15909では、加算分CM疑似終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を実行する。加算分CM疑似終了コマンドを受信した表示制御装置81では、上記ステップS15908にて加算した分のチャレンジモード中の演出を行わないように制御する。すなわち、上記加算分CM疑似終了コマンドは、実質的にはチャレンジモードのゲーム数は延長されるものの、見た目上はそのチャレンジモードの延長がなされたことを把握できないように又は把握しにくくなるようにするためのコマンドである。
なお、本変形例においては、チャレンジモード中に連続演出が行われる場合、チャレンジモード中であるか否かが、補助表示部65の表示内容から把握可能な構成(例えば、連続演出における表示内容とともに、チャレンジモード中であることの表示が補助表示部65にて行われる構成)を前提としており、上記の加算分CM疑似終了コマンドは、当該連続演出中においてチャレンジモードか否かが把握可能となる表示を行わないようにするためのコマンドといえる。一方、チャレンジモード中に連続演出が行われる場合において、チャレンジモード中であるか否かが、補助表示部65の表示内容から把握できない構成(上記例であれば、連続演出中においてはチャレンジモード中であることの表示が行われない構成)であれば、上記加算分CM疑似終了コマンドを省略することも可能である。
また、上記加算分CM疑似終了コマンドは、その旨の情報が表示制御装置81へ伝達されればよく、例えば、前兆コマンドにその旨の情報が設定される構成としてもよい。
続くステップS15910では、上記差分ゲーム数の延長に際して、上乗せ報知が発生しないようにするための、上乗せ報知非発生用処理を実行する。なお、ステップS15910では、例えば、各種フラグ格納エリア106dに上乗せ非発生フラグをセットする処理を行う。上乗せ非発生フラグは、例えば、第1特定役処理において、上記ステップS15908の延長分に関して、チャレンジモードの上乗せ報知用の処理が行われないようにするための処理である。より詳しくは、上記ステップS15908の延長分に基づく上乗せ報知は発生させないものの、他の契機(他のゲームで特定役当選した場合等)に基づく上乗せ報知の発生は許容するものである。
ステップS15910の処理を実行した後は、ステップS15905に進み、ステップS15903にて決定された前兆ゲーム数にステップS15908にて差分ゲーム数が加算された前兆ゲーム数の情報と、上記ボーナス非当選であることの情報(今回の前兆モードがボーナス非当選報知を行うための前兆モードであることの情報)を含む前兆コマンドを、表示制御装置81への出力対象として設定してから、本前兆設定処理を終了する。
以上の処理の結果、図267に示すように、tn1から開始されたチャレンジモードにおいて、tn2にて非重複結果である重複対象役当選となった場合において、本来であれば、tn3にて終了するはずであったチャレンジモードが、それよりも後のtn4まで延長される。この場合、上記tn2にて設定される前兆モード及び連続演出はtn4まで実行されるものであり、tn1から表示開始されている区間表示器もtn4までその表示が継続される。これにより、区間表示器の表示の有無によって、連続演出の結果が丸わかりとなってしまう事象を回避し、チャレンジモード中の演出効果を好適に高めることが可能となる。
ここで、区間表示器の表示継続の有無によって、連続演出の結果が丸わかりとなってしまう事象を回避するためには、上記のようにチャレンジモード(有利区間)を延長する構成のほか、チャレンジモード(有利区間)は終了するものの、区間表示器の表示だけを継続させる構成も考えられる。ところが、そのような構成としてしまうと、せっかく区間表示器によって有利区間が明示されているのにも関わらず、その意義がないがしろとなってしまい、区間表示器の表示の信ぴょう性そのものが低下してしまうことも考えられる。これに対して、上記構成のように、チャレンジモード自体を延長する構成とすることにより、有利区間と区間表示器との関係性を担保しながらも、連続演出による演出効果を好適に期待できる構成とすることが可能となる。
上記のように、加算分CM疑似終了コマンドが出力されることから、連続演出が行われているtn2からtn4のうち、tn2からtn3に関しては、補助表示部65において、当該連続演出とともに、チャレンジモード中であることの表示がなされ、tn3からtn4に関してはチャレンジモード中であることの表示がされないようになる。このようにすることで、重複対象役として重複結果当選であった場合tm4までの演出態様とtn4までの演出態様が、チャレンジモード中であるか否かの表示という観点では同じ態様となり、その表示から、今回の前兆モード(連続演出)の結果を判断することができなくなる。これにより、連続演出の演出効果が更に高められる。
チャレンジモードの延長に際して、上乗せ報知が発生しないようにしたことにより、せっかく連続演出に合わせてこっそりと延長したことが、上乗せ報知によって遊技者に知られることとなり、台無しとなってしまう事象を回避することができる。
上記構成においては、重複対象役として、第1BBとの重複結果及び第2BBとの重複結果と非重複結果とのいずれであるかによって、チャレンジモードの延長処理を行うか否かを異ならせる構成としたところ、重複結果であってもアタックモード等への当選は確定せず、例えば第1BBとの重複結果であればアタックモードに同時当選する一方、第2BBとの重複結果であればアタックモードに同時当選しない、といった事象も生じ得る。そうすると、ステップS15904において、ボーナスとの重複結果であるとして肯定判定して、チャレンジモードの延長処理を行わない場合であっても、チャレンジモードの終了に際して区間表示器の表示が終了する場合も生じ得る。つまり、連続演出中に区間表示器の表示が終了しても、前兆モードや連続演出の結果として当選報知が行われる場合もある構成としている。このようにすることで、区間表示器の表示が終了しているからといって、全く期待が持てない、といった事象をなくし、連続演出をより楽しませることが可能となる。
<変形例22>
本変形例では、上記変形例21において、非重複結果当選に基づく前兆モードの設定に際して延長するチャレンジモードの有利度を異ならせる。図268は、本変形例におけるチャレンジモード中重複対象役当選時の前兆設定処理を示すフローチャートである。
本変形例においては、上記変形例21の前兆設定処理と概ね同様であり、相違点としては、ステップS16007にて、前兆ゲーム数からチャレンジモードの残りゲーム数を減算して差分ゲーム数を算出した後、ステップS16008にてチャレンジモード継続数に上記差分ゲーム数を加算するのではなく、現状のチャレンジモードとは異なる第2チャレンジモードの継続数に上記差分ゲーム数を加算する。
第2チャレンジモードは、通常のチャレンジモード(以下の説明では、対比のため「第1チャレンジモード」とも称する)と比較して、遊技者にとっての有利度が低くなるように設定されたチャレンジモードである。より詳しくは、アタックモードの当選確率が第1チャレンジモードよりも第2チャレンジモードの方が低くなるように設定されている(図269(b)参照)。
この場合、図269(a)に示すように、tо1にて開始された第1チャレンジモード中であるtо2にて重複対象役当選となり、その重複対象役がボーナス非当選である場合、上記のように、ステップS16008にて第2チャレンジモードの延長処理が行われる。
その結果、tо3にて上記第1チャレンジモードが終了すると、続けて第2チャレンジモードに移行し、tо2から開始される連続演出が終了するtо4まで、当該第2チャレンジモードが継続する。この場合、tо3からtо4の第2チャレンジモードは有利区間ではあるものの、第1チャレンジモードよりも遊技者にとっての有利度が低く設定されており、演出上の都合によって遊技者の有利度を不当に高くなり過ぎることを抑制しながら、区間表示器の表示継続の有無によって、連続演出の結果が丸わかりとなってしまう事象を回避することが可能となる。
この場合、図269(b)に示すように、第2チャレンジモードは、通所モードよりアタックモードへの移行抽選の当選確率が高く、且つ第1チャレンジモードよりアタックモードへの移行抽選の当選確率が低くなるように設定されているものの、実際には、第2チャレンジモードにおけるアタックモード移行抽選の当選確率は、通常モードのそれと比較してほとんど同じか同程度となるように設定されている。このようにすることで、第2チャレンジモードを有利区間としての処理を可能としつつも、演出上の関係から第2チャレンジモードを追加する構成としても、追加しない場合と比較して有利度にほとんど変化を生じさせないようにすることが可能となる。
<変形例23>
本変形例では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の点灯開始条件を変更する。すなわち、上記各実施形態や変形例においては、基本的には、有利区間への移行抽選に当選したゲームを開始ゲームとし、その開始ゲームの次のゲームを遊技可能となるまでのタイミングで点灯処理が行われる構成とした。つまり、当該第8表示用セグメントN8の点灯の有無によって有利区間への移行抽選に当選しているか否かを明確に把握可能とした。但し、このような構成においては、上記変形例21等にて示したように、有利区間中の抽選においても区間表示器の表示継続の有無によって実行している演出の結果が丸わかりとなってしまう、といった不都合も考えられるし、有利区間への移行抽選に関しても、区間表示器の表示開始の有無によって同様の不都合も生じ得る。
そこで、本変形例では、区間表示器の表示開始タイミングを、有利区間のうち、押し順報知が発生し得る状況であって、且つ純増枚数がプラスとなる状況(SIM出玉率が1より大きくなる状況)となる開始条件が成立したゲームとする。この場合、上記構成においては、基本的には、アタックモード開始演出が行われるゲーム(アタックモードが開始されるゲーム)にて上記開始条件が成立する(図51参照)。より詳しくは、アタックモード当選報知によってアタック用報知フラグがセットされて各種押し順報知が発生するようになり(図36、図38)、第2RT状態へ移行することで純増枚数がプラスとなり(図216)、アタックモードが開始されて、上記の区間表示器の表示開始条件が成立する。つまり、チャレンジモードに当選して有利区間が開始されても、区間表示器の表示は開始されない。
その他、例えば、第1BB等のボーナスとアタックモードに同時当選した場合には、ボーナス入賞によって純増枚数がプラスとなるものの、本スロットマシン10においてはボーナス状態中の押し順報知が発生しない構成であることから、当該ボーナス終了時に押し順報知が発生するようになってから(アタックモード当選報知が行われてから)区間表示器の表示開始条件が成立する。また、ボーナス状態中においてアタックモードへの移行抽選に当選した場合においても、当該ボーナス状態中は純増枚数がプラスであるものの、押し順報知が発生し得る状況ではないため、押し順報知が発生し得るボーナス終了時に区間表示器の表示開始条件が成立する。
すなわち、押し順報知が発生し得る状況を第1の開始条件とし、純増枚数がプラスとなる状況を第2の開始条件とし、有利区間への移行後、第1の開始条件と第2の開始条件とが成立したことに基づいて、区間表示器の表示を開始する。そして、本変形例では、第1の開始条件と第2の開始条件とは同時に(同じゲームにて)成立しなくてもよい構成としており、第1の開始条件が成立した後に、第2の開始条件が成立した場合に区間表示器の表示を開始してもよいし、第2の開始条件が成立した後に、第1の開始条件が成立した場合に区間表示器の表示を開始してもよい構成とする。このようにすることで、区間表示器の表示開始ゲームの自由度が大幅に向上し、上記の演出上の不都合を解消するために大いに役立つ構成となり得る。
そして、チャレンジモード中のボーナス当選においては、上記のようにチャレンジモード中は区間表示器の表示は開始されていないし、ボーナス当選時においても区間表示器の表示は開始されず、上記変形例21等にて示した演出上の不都合は生じないようになる。
ところが、区間表示器の表示開始タイミング(開始ゲーム)が、有利区間の開始タイミング(開始ゲーム)と異なる構成となることで、以下のような不都合も生じ得る。
例えば、図270(a)に示すように、tp1にてチャレンジモードに当選する等して有利区間が開始されたとし、その後、tp2にてアタックモードが開始されることにより区間表示器の表示が開始された場合、いずれかの強制終了条件が成立するtp3までを上限として有利区間を継続させることが可能である。この場合、tp1からtp3までの有利区間において、押し順報知によって実質的にメダル増加を見込める区間(実質増加区間)は、tp2からtp3である。
これに対して、図270(b)においては、有利区間の移行はtp1で図270(a)と同じであっても、有利区間移行後において、アタックモードが開始されるtp2が図270(a)の場合よりも遅い場合を示している。そうすると、tp1からtp3までの有利区間において、押し順報知によって実質的にメダル増加を見込める区間であるtp2からtb3の実質増加区間は、上記図270(a)も場合よりも短くなる。つまり、tp1からtp2までの区間の長さによって、実質増加区間の長さが異なることとなり、tp2にてアタックモードが開始されたとしても、図270(a)と図270(b)とでは、遊技者の有利度が潜在的に異なることとなる。
図271は、本変形例における区間表示第1処理を示すフローチャートである。
すなわち、ステップS16101では、区間表示器が表示中であるか否かを判定する。表示中ではない場合には、ステップS16102に進み、有利区間中であるか否かを判定するための処理を行う。より詳しくは、有利区間への移行上限が成立したり、既に移行したりしている状況であるか否かを判定する。有利区間中ではない場合には、そのまま区間表示第1処理を終了する。有利区間中である場合には、ステップS16103に進む。
ステップS16103では、有利区間ゲーム数AGの計測中であるか否かを判定することで、既に有利区間の開始処理が行われた後であるか否かを判定する。有利区間ゲーム数AGの計測開始前である場合には、ステップS16104~ステップS16106にて有利区間の開始処理を行う。
すなわち、ステップS16104では、有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。そして、ステップS16105にて、各種カウンタエリア106eに設けられた開始前ゲーム数MGの計測を開始する処理を行う。開始前ゲーム数MGは、有利区間移行後であって、区間表示器の表示開始前のゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、上記図270におけるtp1からtp2のゲーム数に相当する。その後、ステップS16106にて、当選信号の出力開始処理を行う。当選信号は、主制御装置101に接続されている外部端子から、ホールコンピュータやホールのデータ機器等への外部出力を行う出力信号の一種である。当選信号はその出力状態としてLOW状態とHI状態とが設定されており、ホールコンピュータやデータ機器では、当該当選信号の切り替わりや状態を特定可能となっている。ステップS16106では、当該当選信号をLOW状態からHI状態に切り替えることで、有利区間が開始されたことをホールコンピュータやデータ機器に特定させる。
ステップS16103にて既に有利区間の開始処理を実行済みであると判定した場合、又はステップS16106にて当該開始処理を実行した後は、ステップS16107に進む。ステップS16107では、上記の区間表示器の表示開始条件が成立したか否かを判定する。より詳しくは、第1の開始条件として押し順報知が発生し得る状況となったとしてアタック用報知フラグがセットされており、更に、第2の開始条件として純増枚数がプラスとなる状況、すなわち、第2RT状態への移行が生じたり、ボーナス状態への移行が生じた場合に、上記表示開始条件が成立したと判定する。表示開始条件が成立していない場合には、そのまま区間表示第1処理を終了する。表示開始条件が成立していると判定した場合には、ステップS16108に進み、ステップS16108~ステップS16110にて区間表示器の表示開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS16108では、区間表示器の表示開始処理として、第8表示用セグメントN8の点灯処理を行う。続くステップS16109では残枚数管理処理の予測条件を変更する処理を行う。より詳しくは、総増加期待枚数SMの算出処理(予測処理、ステップS13202、ステップS13203)において、その根拠となる期待増減枚数KMをそれまでの値とは異なる値に変更する。この場合、区間表示器の表示開始前の期待増減枚数KMを低RT状態における純増枚数(約-1.05枚や約-0.44枚、図216参照)とし、区間表示器の表示開始に基づいて期待増減枚数KMを高RT状態における純増枚数として予測処理を行う構成とする。このように、事前区間の減算分を予測枚数(総増加期待枚数SM)に反映させることで、より正確な予測枚数の算出を行うことが可能となる。
続くステップS16110では、上記の当選信号の出力停止処理を行う。より詳しくは、当選信号の出力状態をHI信号からLOW信号に切り替えることで、有利区間の開始後、区間表示器の表示が開始されたことをホールコンピュータやデータ機器に特定させる。そして、ステップS16111にて、表示信号出力処理を行ってから、本区間表示第1処理を終了する。表示信号は、上記当選信号と同様に、主制御装置101に接続されている外部端子から、ホールコンピュータやホールのデータ機器等への外部出力を行う出力信号の一種である。表示信号はその出力状態としてLOW状態とHI状態とが設定されており、ホールコンピュータやデータ機器では、当該表示信号の切り替わりや状態を特定可能となっている。ステップS16111では、当該表示信号をLOW状態からHI状態に切り替えることで、区間表示器の表示が開始され、上記の実質増加区間が開始されたことをホールコンピュータやデータ機器に特定させる。
また、ステップS16101にて区間表示器の表示中であると判定した場合には、ステップS16112にて表示継続処理を行ってから、当該区間表示第1処理を終了する。
次に、本変形例における区間表示第2処理について、図272のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS16201では、有利区間中であるか否かを判定する。有利区間中ではない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間中である場合には、ステップS16202にて、有利区間ゲーム数AGの加算処理を実行する。続くステップS16203では、有利区間増減枚数ZMの更新処理を実行する。これらの処理は既に説明した通りである。
ステップS16204では、区間表示器を表示中であるか否かを判定する。ステップS16204にて否定判定する場合とは、有利区間中であっても区間表示器の表示開始前の状況であり、この場合、ステップS16205にて開始前ゲーム数MGの加算処理を実行する。具体的には、今回のゲームの消化に合わせて、開始前ゲーム数MGに1を加算する処理を実行する。続くステップS16206では、開始前ゲーム数コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を実行する。開始前ゲーム数コマンドは、上記の開始前ゲーム数MGの情報を、表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである、開始前ゲーム数コマンドを受信した表示制御装置81は、補助表示部65の所定領域(例えば右上隅)や、補助表示部65とは異なる表示部にて、上記開始前ゲーム数MGの値に対応する開始前ゲーム数報知を実行する。
ステップS16204にて区間表示器の表示中であると判定した場合、又はステップS16206にて開始前ゲーム数コマンドの設定処理を行った後は、ステップS16207にて残ゲーム数管理処理を実行し、ステップS16208にて残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理や残枚数管理処理についても、上述の通りである。
ステップS16209では、いずれかの強制終了条件が成立したか否かを判定する。いずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップS16210にて、開始前ゲーム数MG、有利区間ゲーム数AG、有利区間増減枚数ZMの初期化処理を実行し、ステップS16211にて、区間表示器が表示中であるか否かを判定する。表示中である場合には、ステップS16212にて区間表示器の表示終了処理を実行する。具体的には、第8表示用セグメントN8を消灯するための処理を行う。ステップS16211にて否定判定した場合、又はステップS16212の処理を実行した後は、ステップS16213にてデータ初期化処理を実行する。その後、ステップS16214にて上記の表示信号の出力停止処理を実行してから、区間表示第2処理を終了する。ステップS16214について詳しくは、表示信号の出力態様をHI信号からLOW信号に切り替える処理を実行する。
ステップS16209にて強制終了条件が成立していないと判定した場合、ステップS16215にて有利区間に対応する各モードの当選フラグの有無を判定し、セットされていない場合には、ステップS16216にて有利区間に対応する各モードフラグの有無を判定し、対応するモードフラグがセットされていない場合には、ステップS16210に進んで有利区間の終了用処理を実行する。これらの処理は、既に説明した通りである。
当選信号や開始信号が出力される様子や、補助表示部65の表示例について、図273を参照しながら説明する。
図273(a)に示すように、tq1にて有利区間が開始された場合、当選信号の出力態様がLOW信号からHI信号に切り替わる。これにより、ホールコンピュータやデータ機器では、有利区間への移行を把握可能となる。tq2にてアタックモードが開始されると、区間表示器の表示開始条件が成立したものとして、区間表示器の表示開始処理が行われる。この場合、遊技者は第8表示用セグメントN8に基づいて、実質増加区間に移行したことを把握可能となる。またこの場合、上記の当選信号の出力態様の切り替え、及び表示信号の出力態様の切り替えが行われる。より詳しくは、tq2では、当選信号がHI信号からLOW信号に切り替えられる。またtq2では、表示信号がLOW信号からHI信号に切り替えられる。
区間表示器の表示や、表示信号のHI信号での出力は、有利区間が終了するtq3まで継続し、tq3にて区間表示器の表示が終了し、表示信号はHI信号からLOW信号に切り替えられる。
tq1からtq2の有利区間開始後であって、区間表示器表示開始前の事前区間においては、例えば補助表示部65では、図273(b)にて示すように、事前区間ゲーム数の表示(開始前ゲーム数MGの値に対応する開始前ゲーム数報知)が行われるとともに、有利区間ゲーム数AGに対応する有利区間ゲーム数の表示が行われる。また、tq2からtq3の区間表示器表示開始後の実質増加区間としての対象区間においては、例えば補助表示部65では、図273(c)にて示すように、上記事前区間ゲーム数の表示、有利区間ゲーム数の表示とともに、対象区間ゲーム数の表示(アタックモード継続数の表示)が行われる。
このように、区間表示器の表示開始タイミングを有利区間の開始タイミングとずらすことで、有利区間への移行抽選や実質増加区間への移行抽選の演出効果を高めつつ、区間表示器の表示開始前において有利区間のゲーム数を遊技者が把握可能とし、実質増加区間へ移行する際の当該実質増加区間における有利程度を理解したうえで、遊技を行わせることが可能となる。これにより、遊技演出の演出効果を高めながら遊技の公平性を担保することが可能となる。
ここで、これら事前区間ゲーム数の表示や、対象区間ゲーム数の表示、有利区間ゲーム数の表示は、サブ側の表示制御装置81側で管理する構成であるところ、例えば、演出の都合上、これらのゲーム数表示を非表示としたり、対応する区間とは異なる表示としたりすることも一演出として可能である。すなわち、例えば、チャレンジモードにおいて、事前区間ゲーム数の表示が行われている状況にて連続演出が発生した場合には、当該事前区間ゲーム数の表示を非表示とすることも可能であるし、連続演出中も当該事前区間ゲーム数の表示を継続するとともに仮にチャレンジモードが終了しても(事前区間が終了しても)、連続演出終了までは当該事前区間ゲーム数の表示を継続することも可能である。これにより、区間表示器による有利区間の信ぴょう性を担保しながら、事前区間ゲーム数表示等によって有利区間の潜在的な有利度を把握可能とし、更に、他の演出との関係で、表示上の自由度を大幅に向上させることが可能となる。
また、事前区間においては当選信号が外部出力され、対象区間において表示信号が外部出力される構成としたことで、区間表示器の表示が開始されていなくても、遊技ホールの管理者等が有利区間に移行している遊技台とそうではない遊技台とを明確に区別することが可能となるし、区間表示器の表示開始後における実質増加区間の有利度の残存度合いも把握可能となる。これにより、例えば、ホール開店時/閉店時のリセット処理の有無の判断材料とすることが可能であるし、営業中であっても、所定の遊技台において多量のメダル払出が行われている場合に、不正行為か否かの特定を行う場合の判断材料として利用することも可能である。
<変形例24>
本変形例では、上記変形例23において、事前区間の遊技状況による実質増加区間(対象区間)の有利度の相違について説明する。
図274(a)は、tr1にて有利区間が開始され、tr2にて区間表示器の表示が開始される場合を示している。既に説明した通り、本実施形態では、有利区間の強制終了条件として上限ゲーム数に達する第1の強制終了条件と、メダルの上限増加数に達する第2の強制終了条件が設定されている。この場合、上記第1の強制終了条件は、tr1からカウントされる有利区間ゲーム数AGにより規定され、その有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に達するtr4にて第1の強制終了条件が成立する。一方、第2の強制終了条件は、tr1からカウントされる有利区間増減枚数ZMにて規定されるところ、tr2の実質増加区間が開始されるまでは、有利区間増減枚数ZMは基本的にはマイナスとなる。
つまり、有利区間増減枚数ZMは、実質増加区間が開始されるtr2からの増加数ではなく、tr1からの増加数が上限増加数に達することで第2の強制終了条件が成立するものであり、tr2にて実質増加区間が開始されてから上限増加数に達するまでの増加数は、上限増加数に対して、r1からtr2までの減少分(α枚)が加算されることとなる。
そうすると、例えば、図274(b)では、上記図274(a)の場合と比較して、有利区間の開始ゲーム(tr1)は同じであるものの、実質増加区間の開始ゲーム(tr2)は、図274(b)の場合の方が遅いことを示しており、tr1からtr2までのメダルの減少分は、図274(a)のα枚よりも図274(b)のβ枚の方が多い。つまり、図274(b)の場合のほうが、有利区間開始から、実質増加区間の開始までのゲーム数が多いものの、実質増加区間が開始されてから、上限増加数に達するまでのメダルの増加数は、図274(a)の場合よりも図274(b)の場合の方が多く、実質増加区間が開示された時点における有利度は、図274(b)の方が遊技者にとって有利なものとなる(2400+α<2400+β)。
但し、既に説明した通り、実質増加区間であっても、第1の強制終了条件である上限ゲーム数に達すると、上限増加数に達する前に有利区間が強制終了される。そうすると、実質増加区間の開始が遅いほど上限増加数に達するまでのメダル増加数が多くなるわけではなく、上限増加数に到達可能となる到達限界の分岐点(第3の分岐点)が存在する。
当該到達限界の分岐点は、事前区間のゲーム数と当該事前区間の純増枚数(約-1.05)と、有利区間の上限ゲーム数(1500)から算出される実質増加区間の上限ゲーム数と当該実質増加区間の純増枚数(約+2.46)と、の合計が上限増加数(2400)となる場合の事前区間のゲーム数であり、本実施形態では、367ゲームである。この場合、事前区間が367ゲームを消化した場合のメダル減少数は約385枚であり、実質増加区間へ移行した際に増加し得るメダルの最大数は、上記約385枚に上限増加数である2400枚を加えた約2785枚となる。
つまり、事前区間を到達限界の分岐点となるゲーム数を消化するまでは、実質増加区間へ移行した際に増加し得るメダルの最大数は徐々に増加する。その一方で、当該到達限界の分岐点となるゲーム数を消化した後は、実質増加区間へ移行した際に増加し得るメダルの最大数は徐々に減少する。
図275(a)は、本変形例における、区間表示第2処理のフローチャートの一部を示している。
ステップS16301~ステップS16303は、上記ステップS16201~ステップS16203の処理と同様であり、有利区間中であることを条件として、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数ZMの更新処理を行う。そして、ステップS16304にて、区間表示器が表示中であるか否かを判定して、上記の事前区間であるか否かを把握する。事前区間である場合には、ステップS16305にて開始前ゲーム数MGの更新処理を行う。そして、ステップS16306にて、開始前ゲーム数MGが上記の到達限界の分岐点に達したか否かを判定する。
到達限界の分岐点に達していない場合には、ステップS16307にて、第1開始前ゲーム数コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を行う。この場合、上記開始前ゲーム数コマンドと同様に、表示制御装置81では、事前区間のゲーム数の表示を行うとともに、実質増加区間へ移行した際に増加し得るメダルの最大数が徐々に増加している状況である旨の報知として、図274(b)に示すように、例えば、補助表示部65にて、「期待枚数増加中!」との表示を行う。
到達限界の分岐点に到達している場合には、ステップS16308にて、第2開始前ゲーム数コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を行う。そして、ステップS16309にて、第2チャレンジモードへの移行処理を行う。本変形例における第2チャレンジモードは、図275(b)に示すように、第1チャレンジモード(ステップS16309の移行処理前のチャレンジモード)よりも、アタックモードへの移行抽選の当選確率が向上したモードとして設定されている。つまり、到達限界の分岐点を超過した場合には、実質増加区間へ移行した際に増加し得るメダルの最大数は減るものの、実質増加区間(アタックモード)への移行率がそれまでよりも高くなる構成としている。第2開始前ゲーム数コマンドを受信した表示制御装置81では、事前区間のゲーム数の表示を行うとともに、実質増加区間へ移行した際に増加し得るメダルの最大数が徐々に減少する代わりに、実質増加区間への移行率が向上している状況である旨の報知として、図274(b)に示すように、例えば、補助表示部65にて、「当選確率増加中!」との表示を行う。
以上のように、事前区間が長くなると、実質増加区間への移行までにメダルが減少することからして有利区間全体でみると有利度は低くなり得るが、上記のように、実質増加区間への移行後に増加し得るメダルの最大数は事前区間が長くなるほど多くなり得る。そのため、実質増加区間への移行抽選になかなか当選しない(実質増加区間へなかなか移行しない)からといって、遊技をあきらめさせることなく、遊技の継続実施を促すことが可能となる。
その一方、事前区間が長くなり過ぎると、上限ゲーム数との関係から、実質増加区間において上限増加数に達することができなくなる。この場合、上記のように、実質増加区間への移行抽選の当選確率をそれまでよりも高くすることで、比較的容易に実質増加区間へ移行可能としたことにより、上限増加数に達しないからといってあきらめさせることなく、実質増加区間を全うさせることも可能となる。
このように、有利区間の開始後であって区間表示器の表示開始前の事前区間の遊技状況が、区間表示器の表示開始後の実質増加区間での有利度に影響する事象を加味して、それを遊技性に組み込むことで、これまでにない斬新な遊技性を創出することが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例はその記載内容に限定されず、その各実施形態や各変形例又は他の各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。また、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。これらの場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。各実施形態や各変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)有利区間として、押し順報知が行われる頻度が通常モードよりも高くなるアタックモード、アタックモードへの移行抽選の当選確率が通常モードよりも高くなるチャレンジモード、上乗せ特化ゾーンを含むスーパーアタックモード、VBモード、及びこれらの各モードに当選し且つ移行前であるモードを含む構成としたが、少なくとも押し順報知に関する機能が通常モードよりも向上するモードを含むものであれば上記のものに限定されない。例えば、チャレンジモードが設定されていないものであってもよい。
(2)疑似ボーナスとしてのVBモードをアタックモード中にのみ移行可能な構成としたが、通常モード中からでも移行可能な構成としてもよい。この場合、VBモードへの移行抽選に当選した場合には、当該当選ゲームを開始ゲームとし、開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前のタイミングで区間表示器の表示を開始する構成とすればよい。また、この場合、第1BBや第2BBにVBモードと同時当選した場合には、第1BBや第2BBへの入賞が成立するゲームを開始ゲームとするとよい。
(3)有利区間への移行抽選や上乗せ抽選等を行う契機となる特定役として、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、等のメダル払出を伴う小役や、これら強チェリー等と入賞態様が共通する特定再遊技、及びこれら小役や特定再遊技とボーナスとの重複役を例として説明したが、上記抽選契機となる結果はこれらの結果に限定されない。例えば、所定のボーナスの単独役や、通常リプレイでも有利区間への移行抽選等を行う構成としてもよい。また、消化ゲーム数や、各結果に基づいて別途付与されるポイントの累積数等に基づいて移行抽選等を行う構成としてもよい。いずれにしても、有利区間への移行抽選等の契機が、設定値による当選確率や発生頻度に差が生じないものであればよい。
(4)有利区間への移行抽選等を行う遊技結果の入賞態様は上記のものに限定されない。例えば、いずれの特定役も共通の入賞態様にて入賞が成立する構成であってもよいし、入賞態様が一部の特定役間で共通している構成であってもよい。また、移行抽選が行われない遊技結果(例えば通常リプレイ)の入賞態様と特定役の入賞態様が一部又は全部共通している構成としてもよい。
(5)区間表示器として、第8表示用セグメントN8や第9表示部N9を例してとして説明したが、区間表示器の構成は上記のものに限定されない。区間表示器として、少なくとも表示態様の切り替えによって、有利区間か否かが明示的に表示される構成であればよく、例えば、第8表示用セグメントN8や第9表示部N9の配置位置やその大きさ、有利区間中の表示態様(点灯態様)を上記のものと異ならせてもよい。例えば、スタートレバー41の操作部や所定のクレジット投入スイッチ56~58の一部又は全部を発光制御可能な構成とし、有利区間となることに基づいて当該操作部やクレジット投入スイッチ56~58を発光させることとし、区間表示器としての機能を所定の操作部にて担保する構成としてもよい。上記のとおり、開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前のタイミングにおいて区間表示器の表示を開始させる構成であるところ、上記の所定の操作部を当該開始タイミングの終期となる操作対象とし、上記のように所定の操作部やその付近にて有利区間の表示を行うようにすることで、有利区間への移行をより把握させ易くなる。
また、補助表示部65の表示画面中に区間表示器の機能を有する表示部が含まれる構成としてもよい。この場合、少なくとも当該区間表示器の機能を有する表示部に関しては、主制御装置101により制御されることが好ましく、補助表示部65自体を主制御装置101が制御し、上記区間表示器の機能を有する表示部と合わせて主制御装置101が制御する構成としてもよい。
更に、区間表示器として、所定の第1位置と当該第1位置とは異なる第2位置とに変位可能な役物を遊技者から視認可能となる位置(例えば遊技機前面部)に設け、当該役物が第1位置に配置されることによる当該役物を含む表示態様と当該役物が第2位置に配置されることによる当該役物を含む表示態様とによって有利区間か否かを報知する構成としてもよい。
(6)区間表示器について、第8表示用セグメントN8や第9表示部N9以外にも複数有している構成としてもよい。すなわち、区間表示器を1つ備える構成であってもよいし、2つ以上である複数備える構成であってもよい。複数備える場合、上記(5)のような他の構成による区間表示器との組み合わせとしてもよい。
(7)区間表示器について、当該区間表示器に付随する乃至区間表示器に隣接する所定の報知手段の報知態様を、区間表示器の表示態様に合わせて変化させる構成としてもよい。区間表示器に付随する所定の報知手段とは、例えば、指示モニタ68中の区間表示器としての第8表示用セグメントN8に付随する第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が例として挙げられる。また、区間表示器に隣接する所定の報知手段とは、例えば補助表示部65や、払出枚数表示部62等が例として挙げられる。
例えば、区間表示器を所定のタイミングで表示開始可能な構成としたうえで、当該所定のタイミングでは上記所定の報知手段を第1の報知態様とし、当該所定のタイミングとは異なる特定のタイミングでは上記所定の報知手段を第1の報知態様とは異なる第2の報知態様とする。この場合、所定の報知手段が第1の報知態様である場合と第2の報知態様である場合とで、区間表示器の表示の視認性や表示内容が異なるように把握され得るものとすると、区間表示器の表示態様を変化させなくても、区間表示器の見え方を変化させることが可能となる。
更に、区間表示器の表示態様を変化させる構成と所定の報知手段の報知態様を変化させる構成とを組み合わせることにより、区間表示器の見え方をより多様なものとすることも可能である。
例えば、所定の報知手段を複数のLED等による発光部により構成し、当該発光部をマトリクス状(例えばx列×y行の格子状)に配置する。そして、当該マトリクスのうちの一要素(例えば、a列目且つb行目の要素)を区間表示器に置き換える。そして、a列目且つb行目の区間表示器を点灯表示させる場合、それの周囲のa+n列目~a-n列目且つb行目やa列目且つb+n列目~b-n行目の発光部を点灯表示させるとともに、その外周の発光部を消灯表示させる。また、a列目且つb行目の区間表示器を消灯表示させる場合、それの周囲のa+n列目~a-n列目且つb行目やa列目且つb+n行目~b-n列目の発光部を消灯表示させるとともに、その外周の発光部を点灯表示させる(x、y、a、b、nはいずれも自然数)。このようにすることで、マトリクス中の一要素となる区間表示器を、他の要素の発光部との関係で認識し易いものとすることができる。また、a列目且つb行目の区間表示器を点灯表示させる場合、それに隣接するa+1列目かつb行目等の発光部を消灯表示させるとともに、他の発光部を点灯表示させる。また、a列目且つb行目の区間表示器を消灯表示させる場合、それに隣接するa列目且つb+1行目等の発光部を点灯表示させることともに、他の発光部を消灯表示させる。このようにすることで、a列目且つb行目の区間表示器の点灯/消灯が、a+1列目且つb行目の発光部やa列目且つb+1行目の発光部の点灯/消灯と区別がつきにくくなり、マトリクス中の一要素となる区間表示器を、他の要素の発光部との関係で認識しにくいものとすることができる。なお、この場合、区間表示器の代わりに点灯表示/消灯表示させる発光部は、区間表示器に隣接する発光部だけに限定されず、例えば、いずれの発光部を点灯表示/消灯表示させるかを抽選等によりランダムに決定する構成としてもよい。
更に、上記他の所定の報知手段を、開始ゲームにおける報知態様と、有利区間中の報知態様とで異ならせる構成としてもよい。
(8)区間表示器としての第8表示用セグメントN8の明度や遊技機前方に向けた照度を高くして、他の表示部(周囲の表示部、他の所定の報知手段)よりも区間表示器の視認性を向上させる構成としたが、区間表示器の表示を行う際に、他の表示部(周囲の表示部、他の所定の報知手段)の明度や照度を低くすることで、視認性を向上させてもよい。また、他の表示部との明度や照度の差は上記のものに限定されず、例えば10倍の明度や照度であってもよい。
更に、他の表示部の表示色との関係で、視認性を向上させる構成としてもよい。すなわち、区間表示器の発光色と他の表示部の表示色(発光色)とを、例えば、補色(反対色)の関係とすることで、区間表示器や他の表示部の視認性を向上させる(区別をつきやすくする)構成としてもよい。
逆に、明度や照度を上記の関係の逆の関係とし、区間表示器の視認性を低下させる構成としてもよい。この場合、区間表示器を視認させにくくして、表示が行われていることに気付かせにくくし、補助表示部65等による演出効果を向上させることも可能であるし、区間表示器よりも他の表示部の視認性が高くなることから、他の表示部への注目度を向上させることも可能である。また、表示色については、区間表示器の発光色と他の表示部の表示色(発光色)とを、例えば、類似色の関係とすることで、区間表示器や他の表示部の区別がつきにくくなり、これら区間表示器と他の表示部とを互いに関連する一体的な演出装置である印象を強めることができる。
(9)区間表示器の表示開始態様テーブルは上記のものに限定されない。例えば、表示開始の契機となった遊技結果の他、当日の又は複数日に亘ったボーナスの当選回数や有利区間の移行回数乃至当選回数等をパラメータとして含むテーブルとしてもよく、これらパラメータに基づいて、表示開始態様が異なるようにするとよい。この場合、例えば、当日の又は複数日に亘ったボーナスや有利区間への当選回数が多いほど、有利区間の内容や設定値が予測し易くなる表示開始態様テーブルとすると、遊技の進行状況に合わせて徐々に遊技内容や設定値を予測し易くなる、といった構成となり、遊技機の演出内容を、遊技者が育成するかのような遊技性を実現することができる。
(10)区間表示器の表示開始態様を有利区間の内容や有利度等に応じて設定する構成において、表示開始態様の抽選を経ずに、有利区間の内容や有利度等と1対1で対応付けられた表示開始態様としてもよい。
(11)区間表示器の表示終了態様テーブルは上記のものに限定されない。例えば、終了時の有利区間の内容だけでなく、終了時の消化ゲーム数(有利区間ゲーム数AGの値)をパラメータとして含む構成としてもよいし、終了時の時間をパラメータとして含む構成としてもよいし、有利区間の開始時の時間をパラメータとして含む構成としてもよいし、有利区間の消化に要した時間の長さをパラメータとして含む構成としてもよく、これらパラメータに基づいて、表示終了態様が異なるようにするとよい。例えば、終了時の消化ゲーム数をパラメータに含む構成の場合、消化ゲーム数が多いほど(有利区間中に得られた特典が多かったであろうほど)遊技者にとって有益な情報が提供され得るような表示終了態様テーブルとしてもよいし、消化ゲーム数が少ないほど(有利区間中に得られた特典が少なかったであろう程)遊技者にとって有益な情報が提供され得るような表示終了態様テーブルとしてもよい。
(12)区間表示器の表示終了態様テーブルにて、遊技者にとって有益な情報が提示され得る構成としたが、表示開始態様テーブルに係る構成を適用してもよい。すなわち、区間表示器の表示開始態様によって、遊技者にとって有益な情報として設定値等が提示され得る構成としてもよい。
(13)区間表示器の表示終了時に提示される遊技者にとって有益な情報として、設定値に関する情報を例として説明したが、例えば、遊技ホールや他の店舗の広告や宣伝が提示される構成としてもよいし、商品の割引券やクーポン等が提示される構成としてもよい。また、特定状態において表示開始態様テーブルが変更される構成において、ボーナスや有利区間等の累積当選数や累積非当選数に応じて有利な表示開始態様テーブルが選択される場合に、その累積数が提示乃至示唆される構成としてもよい。
(14)開始ゲームにおいてフリーズ状態を設定することにより、開始ゲームの次のゲームが開始されることを制限する構成としたが、開始ゲームの次のゲームの操作自体を制限するフリーズ状態として、当該次のゲームが開始されることを制限する構成としてもよい。
(15)開始ゲームにおいてフリーズ状態中に、所定の演出を発生させる構成としてもよい。例えば、フリーズ状態中に各リール32L,32M,32Rを逆回転や低速回転させる特定回転制御を行ったり、当該特定回転制御を行ったうえでフリーズ状態の終了時に所定の絵柄組合せ(例えば、「赤7」図柄揃い)が所定ライン(例えば、中ラインL2)に停止乃至仮停止する演出を発生させる構成としてもよい。この場合、フリーズ状態の期間の長さに応じて、すなわち、区間表示器の表示が開始される場合の有利区間の内容や有利度等に応じて、回転方向や回転速度を異ならせるなど、特定回転制御の態様を異ならせる構成としてもよいし、停止乃至仮停止させる所定の絵柄組合せの種類(例えば、「赤7」図柄揃いと、「黒BAR」図柄揃い)や、停止乃至仮停止させる所定ラインの種類(例えば、上ラインL1と中ラインL2)を異ならせる構成としてもよい。
(16)フリーズ状態の期間の長さを有利区間の内容乃至有利度や区間表示器の表示開始態様に応じて設定する構成において、複数回のフリーズ状態を発生させる構成としたうえで、複数回のフリーズ状態の期間の長さの合計が、有利区間の内容乃至有利度や区間表示器の表示開始態様に対応付けられていてもよいし、複数回のフリーズ状態の発生回数が、有利区間の内容乃至有利度や区間表示器の表示開始態様に対応付けられていてもよい。
(17)第9表示部N9のように区間表示器を複数色に点灯可能な構成において、表示開始態様としていずれの色にて点灯状態とするかを異ならせる構成としたが、表示終了態様としていずれの色にて消灯状態とするかを異ならせる構成としてもよい。この場合、終了ゲームにおいて有利区間中の白色による点灯状態を、対応する色の点灯状態に切り替えたうえで、消灯状態とする構成とするとよい。
(18)ボーナスと特定役との重複役(例えば、強チェリー重複1、強スイカ重複1等)に基づいて有利区間への移行抽選に当選した場合、当該重複役に当選したゲームにおいてフリーズ状態を発生させるとともに、有利区間の内容や有利度等に応じてフリーズ状態の期間の長さを設定し、持ち越し状態を経て、ボーナス入賞ゲームを開始ゲームとして次のゲームの操作を許容するまでに区間表示器の表示を開始する構成としてもよい。さらに、上記ボーナスと特定役との重複役を契機として有利区間への移行抽選に当選した場合、当該重複役に当選したゲームよりも後のゲームであって、且つボーナス入賞ゲームよりも前のゲームにおいてフリーズ状態を発生させるとともに、有利区間の内容や有利度等に応じてフリーズ状態の期間の長さを設定し、ボーナス入賞ゲームを開始ゲームとして次のゲームの操作を許容するまでに区間表示器の表示を開始する構成としてもよい。さらに、上記ボーナスと特定役との重複役を契機として有利区間への移行抽選に当選した場合、当該重複役に当選したゲームよりも後のゲームであって、ボーナス入賞ゲームにおいてフリーズ状態を発生させるとともに、有利区間の内容や有利度等に応じてフリーズ状態の期間の長さを設定し、当該ボーナス入賞ゲームを開始ゲームとして次のゲームの操作を許容するまでに区間表示器の表示を開始する構成としてもよい。持ち越し状態中にフリーズ状態を発生させる構成においては、フリーズ状態を複数ゲームにおいて複数回発生させてもよく、この場合、複数回のフリーズ状態の期間の長さの合計が、有利区間の内容乃至有利度や区間表示器の表示開始態様に対応付けられていてもよいし、複数回のフリーズ状態の発生回数が、有利区間の内容乃至有利度や区間表示器の表示開始態様に対応付けられていてもよい。
(19)当選リプレイに基づいて有利区間への移行抽選に当選した場合に、当該当選リプレイの当選ゲームを開始ゲームとし、当該開始ゲームの次ゲームにおいてベット操作ではなくスタートレバー41の開始操作を区間表示器の開始タイミングの終期としたが、当選リプレイ時において、開始タイミングの終期をベット操作とするか開始操作とするかを抽選により決定する構成としてもよい。また、複数の当選リプレイを設け、当選リプレイの種類によって、ベット操作を終期とするか、開始操作を終期とするかが異なる構成としてもよい。この場合、各当選リプレイで停止出目が異なることが好ましく、開始操作を終期とする側を有効ラインとは異なるラインにて他の払出小役に対応する停止出目(例えばベル揃い)が停止する構成とすると、開始操作に基づいて区間表示器の表示が開始されることに対する驚きの効果をより高めることができる。この場合においても、ベット操作に基づいて開始操作が許容される構成とするとより好ましい。
(20)第1BBや第2BBをボーナス状態への移行役としたが、かかる第1BBや第2BB入賞に基づいてボーナス状態へ移行するとともに再遊技が付与される構成としてもよい。この場合、再遊技が付与されることからして、当該第1BB入賞を開始ゲームとする場合、次のゲームのベット操作ではなくスタートレバー41の開始操作を区間表示器の表示開始タイミングの終期とすることも可能である。
(21)遊技状態が特定状態となった場合に当該特定状態用の表示開始態様テーブルに基づいて区間表示器の表示開始態様を決定する構成において、特定状態への移行条件や特定状態の継続条件(終了条件)のパラメータは上記のものに限定されない。例えば、特定状態への移行条件のパラメータとしては、RAMクリア乃至電源投入からのゲーム数に応じて特定状態への移行設定乃至移行抽選を行う構成や、前回の有利区間の終了からの通常区間のゲーム数に応じて移行設定乃至移行抽選を行う構成や、ボーナス間のゲーム数に応じて特定状態への移行設定乃至移行抽選を行う構成や、特定役、リプレイ、小役、外れ、ボーナス、有利区間等の当選回数、入賞回数乃至移行回数等によって移行設定乃至移行抽選を行う構成等が考えられる。また、これら移行条件の成否を判定する際に、継続ゲーム数を抽選等により決定する構成とし、当該決定される継続ゲーム数の長さも上記各パラメータによって変化する構成としてもよい。特定状態の継続条件(終了条件)のパラメータとしては、特定状態へ移行してからのゲーム数に応じて特定状態への継続設定乃至継続抽選を行う構成や、特定状態中の特定役、リプレイ、小役、外れ、ボーナス等の当選回数、入賞回数乃至移行回数等によって継続設定乃至継続抽選を行う構成等が考えられる。また、特定状態への移行回数や移行契機の発生回数に応じて、移行抽選や継続抽選の当選確率が異なる構成としてもよい。
(22)有利区間の開始時に区間表示器としての第8表示用セグメントN8を開始する場合、当選している有利区間の種類(チャレンジモード、アタックモード、及びスーパーアタックモードのいずれか)に応じて表示開始タイミングや表示開始の発光色等の表示態様を異ならせる構成としたが、当選している有利区間の継続ゲーム数に応じて表示態様を異ならせる構成としてもよい。例えば、チャレンジモードやアタックモード、特化ゾーンにおける初期ゲーム数を可変なものとし、これらのモードの移行抽選時(当選時)に初期ゲーム数を抽選等により決定する構成とする。そして、決定された初期ゲーム数に応じて区間表示器の表示開始態様を決定する構成としてもよい。有利区間の終了時の表示終了態様を異ならせる場合、継続した有利区間の長さに応じて表示終了態様を異ならせる構成としてもよい。また、初期ゲーム数の他に、有利度を変化させるパラメータ(例えば、アタックモードであればVBモードへの移行し易さ等)に応じて表示開始・終了態様を異ならせる構成としてもよい。これらのパラメータと、有利区間の種類との組み合わせによって表示開始・終了態様を異ならせる構成としてもよい。
(23)特殊RT状態への移行契機や終了条件は上記のものに限定されない。例えば、メダル払出を伴う特定役(強チェリー、強スイカ等)や当該特定役とボーナスとの重複役(強チェリー重複1、強スイカ重複1等)、特定役を特定再遊技にて置き換えたもの、の他、これらの組み合わせのいずれかで移行する構成としてもよい。また、終了条件としてボーナス重複時においてはボーナス入賞に基づいて当該特殊RT状態を終了する構成としたが、ボーナス重複時においても所定数のゲームの消化や、移行出目の停止によって特殊RT状態を終了する構成としてもよい。
(24)ボーナス重複役に基づいて有利区間への移行抽選に当選し、特殊RT状態へ移行させる構成において、当該ボーナス重複役となったゲームの停止出目によって、特殊RT状態中の特殊リプレイの停止出目を異ならせる構成としてもよい。例えば、当該重複役として、強スイカ重複1であれば、当該強スイカ重複1に当選したゲームにおいて、強スイカ入賞(第30小役入賞)が成立する停止出目となった場合と、強スイカを取りこぼしした場合(第30小役非入賞となった場合)とで、特殊リプレイの停止出目を異ならせる構成とし、例えば、強スイカ入賞となった場合の方が、当選している有利区間の内容や有利度を予測し易くなるように特殊リプレイの停止出目を異ならせる構成としてもよい。
(25)特殊RT状態へ移行させる構成においては、表示制御装置81による演出として、疑似前兆モードに設定しない構成としてもよい。また、連続演出を発生させない構成としてもよい。
(26)特殊RT状態中の特殊リプレイ当選の押し順報知演出に関し、黒BARテンパイ外れとなる停止出目だけでなく、黒BARダブル揃いとなる停止出目や、黒BARシングル揃いとなる停止出目の押し順報知についても、押し順報知の実行抽選を経て当選した場合に行う構成としてもよい。
(27)特殊RT状態中の特殊リプレイ当選時の押し順報知演出に関し、押し順報知演出の発生回数に上限を設けてもよい。例えば、上限を1回の特殊RT状態において1回とし、黒BARダブル揃いや黒BARシングル揃い等となる押し順報知演出を行って対応する停止出目が1回出現した場合には、以降の特殊リプレイ当選時に同様の押し順報知演出を行わない構成としてもよい。この場合、目押し操作の失敗や、停止順序の誤操作等によって、実行した押し順報知演出とは異なる停止出目が出現した場合には、再度、押し順報知演出を発生可能としてもよい。
(28)特殊RT状態中の特殊リプレイ当選時の押し順報知演出によって、所定の停止出目(黒BARダブル揃いや黒BARシングル揃い等)を出現させて有利区間の内容や有利度を示唆する構成において、当該所定の停止出目の出現回数によって、有利区間の内容や有利度を示唆する構成としてもよい。例えば、所定の停止出目として黒BARシングル揃いが第1数(1回)出現した場合には、チャレンジモードへの移行抽選に当選していることが確定し、所定の停止出目として黒BARシングル揃いが第1数より多い第2数(2回)出現した場合には、チャレンジモードよりも有利なアタックモードへの移行抽選に当選していることが確定する、といった構成としてもよい。この場合、対応する出現数となるように、特殊リプレイ当選時の押し順報知演出を異ならせる構成とするとよい。
(29)特殊RT状態中の特定役を契機として報知解除抽選を行う構成において、既に有利区間への移行抽選に当選している場合に当該解除抽選を行う構成としたが、移行抽選に当選していない場合であっても解除抽選を行う構成としてもよい。この場合、移行抽選に当選していない状態で解除抽選には当選した場合には、押し順報知演出を発生させるものの、黒BARダブル揃いとなる停止出目等の有利区間が確定する停止出目を出現させない押し順報知演出を発生させる構成とするとよい。
(30)特殊RT状態中の特定役を契機として報知解除抽選を行う構成において、解除抽選テーブルの当選確率は上記のものに限定されない。例えば、特定役の種類によらず、一律の当選確率としてもよい。また、特殊RT状態中の特定役の当選回数を記憶し、当該当選回数に応じて当選確率が異なる構成としてもよい。この場合、当選回数が増えるほど、解除当選確率が高くなる構成とするとよい。さらに、特殊RT状態への移行契機となった特定役と、特殊RT状態中に当選した特定役との関係で報知解除抽選の当選確率が異なる構成としてもよく、例えば、当該移行契機となった特定役と、特殊RT状態中に当選した特定役とが同じ特定役(同じインデックス値IV)のものであれば、そうではない場合よりも報知解除抽選に当選し易い構成としてもよい。
(31)特殊RT状態中の特定役を契機として報知解除抽選を行う構成において、解除後に報知される内容を上記のものと異ならせてもよい。具体的には、実行済みの有利区間への移行抽選の内容であればよく、例えば、特殊RT状態への移行契機となる結果よりも前の遊技結果に基づいて行われた有利区間への移行抽選の内容であってもよいし、特殊RT状態への移行契機となった結果について、当該移行抽選が非当選であることの報知や、移行抽選が行われたことの報知でもよい。
(32)特殊RT状態中の特定役を契機として報知解除抽選を行う構成において、特殊RT状態への移行契機となった遊技結果(ボーナスとの重複役)に基づいて実施された有利区間への移行抽選の内容を、当該遊技結果となったゲームにて報知されにくくする構成として、前兆モードの設定を例として説明したが、当該遊技結果となったゲームにて報知されることが制限される構成であればよく、例えば、当該ゲームにて報知が行われないようにする構成としてもよい。この場合、前兆モードの設定を行わないようにしてもよい。
(33)特殊RT状態を複数有し、各特殊RT状態において当選し得る特殊リプレイの種類を異ならせる構成において、特殊リプレイの当選確率を通常リプレイの当選確率よりも高くしてもよい。また、通常リプレイに当選しないようにして特殊リプレイのみ当選する構成としてもよい。このようにすることで、特殊リプレイの成立する頻度(可能性)を高めることができ、各ゲームにおいて「黒BAR」図柄を狙えば、比較的スムーズに所望の停止出目を出現させることが可能となる。よって、各ゲームにおいて「黒BAR」図柄を狙う遊技を飽きさせないようにすることができる。
(34)特殊RT状態を複数有し、各特殊RT状態において当選し得る特殊リプレイの当選確率を異ならせる構成において、特殊リプレイの種類は上記のものに限定されない。例えば、特殊リプレイ3の当選確率を異ならせてもよい。また、当選し得る特殊リプレイの数も1種類ではなく複数種類であってもよく、この場合、それぞれの特殊リプレイの当選確率の相違によって(当選確率のバランスによって)RT状態の種類を予測させ、もって、有利区間の内容を予測させる遊技を行わせる構成としてもよい。より詳しくは、例えば、第6RT状態では、特殊リプレイ3が当選し易く、且つ特殊リプレイ4が当選しにくく、第7RT状態では、特殊リプレイ3が当選しにくく、且つ特殊リプレイ4が当選し易い、といったようにしてもよい。また、所定の特殊リプレイを所定のRT状態にのみ当選可能とする構成としてもよい。例えば、特殊リプレイ5は第5RT状態にのみ当選可能としてもよい。
(35)特殊RT状態中の黒BAR図柄の停止数によってボーナス当選の有無や有利区間の内容を示唆する構成において、ボーナス当選に基づかない特殊RT状態中にボーナス当選した場合、「黒BAR」図柄のカウント(黒BAR停止カウンタ)や報知シナリオや上限値を再設定する構成としてもよい。
(36)特殊RT状態中の停止出目によってボーナス当選の有無や有利区間の内容を示唆する構成において、停止させる図柄は「黒BAR」図柄に限定されないし、停止位置も中段に限定されない。停止位置を例えば、上段、中段、下段とする場合、1リールに複数の対応図柄が停止する構成としてもよい。
(37)特殊RT状態中の対応図柄の停止数によって、ボーナス当選の有無や有利区間の内容を示唆する構成において、示唆内容に応じて報知シナリオを設定する構成としたが、報知シナリオは上記のものに限定されない。例えば、一の示唆内容に対して複数種類の報知シナリオが設定されており、これら複数種類の中から抽選等により一の報知シナリオを選択する構成としてもよい。この場合、例えば、ボーナス当選を示唆するものの黒BAR停止カウンタの上限値が2である報知シナリオが存在する等、複数種類の報知シナリオに、示唆内容と合致しない報知シナリオが含まれる構成としてもよい。
(38)特殊RT状態中の対応図柄の停止数によって、ボーナス当選の有無や有利区間の内容を示唆する構成において、対応図柄のカウント(黒BAR停止カウンタ)が、所定の契機によって減算される構成としてもよい。例えば、対応図柄を停止可能とする停止順序の報知を行ったのにも関わらず、対応図柄が停止しなかった場合(目押し操作に失敗した場合)には、上記対応図柄のカウントを減算する構成としてもよい。また、対応図柄を停止不可とする停止順序の報知を行った場合に、対応図柄のカウントを減算する構成としてもよい。
(39)特殊RT状態中の停止出目によってボーナス当選の有無や有利区間の内容を示唆する構成において、ボーナスの種類についても示唆可能な構成としてもよい。例えば、第1BBと第2BBとのいずれに基づく特殊RT状態かによって示唆の内容を異ならせる(例えば黒BAR停止カウンタの上限値や報知シナリオを異ならせる)構成としてもよい。
(40)遊技状態を特殊RT状態へ移行させたうえで、その特殊RT状態中の停止出目によってボーナス当選の有無や有利区間の内容を示唆する構成としたが、遊技状態を通常遊技状態や第1RT状態のままで、停止出目によってボーナス当選の有無や有利区間の内容を示唆する構成としてもよい。この場合、特殊リプレイについて、持ち越し状態だけでなく通常遊技状態や第1RT状態においても当選可能としたうえで、持ち越し状態やフェイク特殊RT状態に相当する状態(BB非当選、且つ有利区間非当選の特定役当選後のゲーム)においては、当該特殊リプレイ当選に基づいて対応する停止順序の押し順報知演出を発生させる構成としてもよい。言い換えると、特殊RT状態への移行契機とされた遊技結果(特定役や重複役等)となった場合に、特殊リプレイ当選時の押し順報知演出の内容が異なるモード(所定の停止出目となる押し順報知演出を発生させ易いモード)へ移行する構成としてもよい。
(41)特殊RT状態中の対応図柄の停止数によって、ボーナス当選の有無や有利区間の内容を示唆する構成において、複数ゲームに亘る対応図柄の累積停止数と、単独ゲームに係る対応図柄の停止数とで、ボーナス当選の有無や有利区間の内容の示唆が異なる構成や、これら累積停止数と単独ゲームに係る停止数とで示唆の重みづけが異なる構成としてもよい。具体的には、例えば、累積停止数が3以上となるとボーナス当選が確定する構成において、単独ゲームに係る停止数が3となると、すなわち一のゲームにてボーナス当選に対応する累積停止数をクリアした場合には、ボーナス当選とアタックモード当選とが確定する構成としたり、単独ゲームに係る停止数が2以上となるとボーナス当選が確定する構成としてもよい。
(42)特殊RT状態中の特殊リプレイの停止出目を押し順報知演出によって異ならせることで、対応図柄の停止数を異ならせる構成において、一の特殊リプレイの停止順序として、対応図柄が0個となる停止順序が含まれない構成としてもよい。
(43)特殊RT状態中の特殊リプレイの停止出目を押し順報知演出によって異ならせることで、対応図柄の停止数を異ならせる構成において、一の特殊リプレイの停止順序として、対応図柄が1個以上である第1数(1個)と、対応図柄が1個以上であって第1数とは異なる第2数(2個)となる停止順序が含まれる構成としてもよい。
(44)特殊RT状態中の対応図柄の停止数によって、ボーナス当選の有無や有利区間の内容を示唆する構成において、累積停止数や単独ゲームにおける停止数によって示唆内容が確定する場合に、背景色の変化に加えて、対応する内容の確定演出を行う構成としてもよい。例えば、「黒BAR」図柄の累積停止数が3以上となるとボーナス当選が確定する構成においては、累積停止数(黒BAR停止カウンタ)が3となったゲームにおいて、ボーナス当選報知演出を発生させる構成としてもよい。
(45)特殊RT状態として、いずれも通常遊技状態よりもトータルのリプレイ確率が高くなる構成としてが、いずれかの特殊RT状態又はすべての特殊RT状態において、通常遊技状態よりもトータルのリプレイ確率が低くなる構成であってもよい。
(46)特殊RT状態を複数有する構成において、各特殊RT状態におけるトータルのリプレイ確率をいずれも同じ確率となるように設定したが、完全に同じ確率ではなく、若干の差があるものの遊技者の体感では同じものとして認識され得る程度に同様の確率であってもよい。より詳しくは、例えば、特殊RT状態間のリプレイ確率の差が、当該リプレイ確率の10分の1よりも小さいものであれば、同様の確率であると認識されるものと考えられる。また、他のRT状態(第2RT状態や第3RT状態)とのトータルのリプレイ確率との関係も同様であり、完全に同じ確率でなくても、同様の確率であってもよい。
(47)有利区間を以下のように定義してもよい。最大払出枚数に係る入賞に対応する押し順報知が少なくとも1回は発生する区間。より詳しくは、停止順序によって9枚、3枚又は0枚のメダル払出が行われ得る押し順ベルにおいて、9枚のメダル払出が発生することとなる押し順報知を少なくとも1回は発生することとなる区間。
(48)有利区間が継続上限に達しないで終了する場合にも、初期化処理を行う構成としてもよい。
(49)第1BBや第2BBの単独当選時においても、有利区間の移行抽選や上乗せ抽選等を行う構成としてもよい。上記示した各実施形態では、第1BBや第2BBの単独当選は、設定値による当選確率の差が生じないようにしていることからして、かかる単独当選時に有利区間に関する抽選を行っても、不都合は生じないものと考えられる。
(50)第1BBや第2BBのボーナスについて、重複役の当選確率を含めて設定値によって当選確率が異なる構成としたが、設定値によって当選確率が異ならないボーナスを設けてもよい。この場合、かかる設定値によって当選確率が異ならないボーナスの持ち越し状態中にアタックモード等への移行抽選が可能な構成としてもよい。つまり、持ち越し中の特定役当選でアタックモード等への移行抽選を行う場合と、行わない場合とを設けてもよい。また、第1BBや第2BBの単独当選を設定値によって当選確率が同じ構成としたが、異なる構成としてもよい。
(51)遊技状態の移行によって小役確率が変化し得る移行役として、第1BB、第2BBの他、CB(第1CB~第4CB)を設けたが、これらの移行役に加え、又は代えて他の移行役を設けてもよい。他の移行役としては、スベリコマ数の制限を有さないMB(ミドルボーナス)や、第1BBや第2BBよりも上限獲得数の少ないREG(レギュラーボーナス)や、1ゲームのJACゲームを実行可能とするSB(シングルボーナス)等が考えられる。また、各ボーナスにおける上限獲得数は上記のものに限定されない。例えば、CB状態中の上限獲得数を15枚よりも少ない3枚としてもよいし、0枚としてもよい。
(52)移行役(第1BB、第2BB、CB)の入賞時にはメダル払出が行われない構成としたが、メダル払出が行われる構成としてもよい。
(53)ボーナス中にアタックモード等への移行抽選や上乗せ抽選等を行う構成としてもよい。この場合、当選確率や獲得枚数、及びボーナス中のアタックモード等への移行抽選や上乗せ抽選の確率や有利度に設定差の無いボーナス当選時やボーナス中にこれら抽選を行う構成とし、設定差のあるボーナス当選時にはこれら抽選を行わない構成とするとよい。
(54)設定値によってアタックモード等への移行抽選や上乗せ抽選の確率や有利度に差が生じないように、特に設定差の無い抽選結果に基づいてこれら抽選を行う構成としたが、設定差のある抽選結果に基づいて抽選を行うものの、当選時の恩恵(特典、移行抽選等の当選確率や上乗せゲーム数)を調節することで設定差が生じないようにしてもよい。例えば、設定1では100分の1の確率で当選し、設定6では10分の1の確率で当選する特定役を設け、当該特定役当選時のアタックモードの上乗せ抽選の当選確率を、設定1では2分の1とし、設定6では、20分の1とする。このようにすることで、トータルの上乗せ当選確率は、いずれの設定値であっても200分の1となり、設定差がなくなる。
(55)区間表示部の他の報知手段による演出として、補助表示部65による演出内容を主に説明したが、他の報知手段として別の表示部を設け、かかる別の表示部にて演出を発生させる構成としてもよい。
(56)アタックモード等への移行抽選や上乗せ抽選に当選することにより、基本的には遊技者にとって有利な事象が生じることとしたが、例えば、アタックモード等の終了抽選を行う構成としてもよいし、継続ゲーム数の減算抽選を行う構成としてもよい。
(57)ベット数が3である状況でのゲームについて主に説明したが、ベット数が1である1ベットゲームやベット数が2である2ベットゲームに上記発明を適用してもよい。例えば、1ベットゲームや2ベットゲームにて有利区間への移行抽選に当選した場合と、3ベットゲームにて有利区間への移行抽選に当選した場合とで、区間表示器の表示開始態様テーブルを異ならせることで、区間表示器の表示開始態様が異なる構成としてもよい。
(58)超過フラグがセットされている状況において上乗せ契機が発生した場合に設定値示唆を行う構成としたが、例えばアタックモード中に移行し得るゾーンとして、通常のアタックモード中よりも設定値示唆が行われ易くなる特定ゾーンを設け、超過フラグがセットされている状況において上乗せ契機が発生すると当該特定ゾーンへ移行し易くなる構成としてもよい。
(59)超過フラグがセットされている状況で特定役当選といった上乗せ契機が生じた場合に設定値示唆を行う構成としたが、上乗せ契機は上記のものに限定されない。例えば、有利区間中の消化ゲーム数によって上乗せ契機が生じるものであってもよいし、有利区間中の小役の当選数や入賞数、メダル払出数等によって上乗せ契機が生じるものであってもよく、これらの上乗せ契機が超過フラグがセットされている状況で生じた場合に、設定値示唆を行う構成とするとよい。
(60)上乗せ契機が生じた場合に、ゲーム数の上乗せの代わりとして、設定値示唆を行う構成としたが、ゲーム数の上乗せを行ったうえで設定値示唆を行う構成としてもよい。
(61)超過フラグがセットされている状況においてチャレンジモードからアタックモードやアタックモードから特化ゾーン等、モード移行抽選に当選した場合、モード移行を行ったうえで設定値示唆を行う構成としたが、モード移行は行わない構成としてもよい。
(62)超過フラグがセットされている状況において上乗せ契機が生じた場合に設定値示唆を行う構成としたが、超過フラグがセットされていない状況において上乗せ契機が生じた場合であっても、上乗せ抽選に当選しなかった場合には、設定値示唆を行う構成としてもよい。また、上乗せ抽選に当選しなかった場合には、仮に上乗せ抽選に当選したとして、その上乗せゲーム数を総消滅ゲーム数TEG等に加算する構成としてもよい。
(63)強制終了時に総消滅ゲーム数TEGを参照して設定値示唆を行う構成において、強制終了時の表示モードを加味する構成としてもよい。例えば、強制終了時の表示モードによって設定値示唆のテーブル(第3特別報知抽選テーブルや第3特別報知種類テーブル等)をそれぞれ用意する。そして、特化ゾーン中に強制終了する場合には、アタックモード中に強制終了する場合よりも少ない総消滅ゲーム数TEGで設定値示唆が発生し易い構成等としてもよい。
(64)強制終了となるゲームがボーナス中に生じた場合には、ボーナス中ではない状況で生じた場合と、設定値示唆等の処理を異ならせてもよい。例えば、ボーナス中ではない状況で強制終了する場合には、当該強制終了するゲームにおいて設定値示唆を行う一方、ボーナス中に強制終了する場合には、ボーナスの終了を待って設定値示唆を行う構成としてもよい。また、ボーナスの種類に応じて、設定値示唆等の処理を異ならせてもよい。例えば、設定値に関わらず当選確率が共通している第1BB中に強制終了となるゲームが生じた場合には設定値示唆を行う一方、設定値によって当選確率が異なる第2BB中に強制終了となるゲームが生じた場合には設定値示唆を行わない構成、又はその逆の構成としてもよい。また、第1BB中であれば強制終了ゲームにて設定値示唆を行い、第2BB中であればボーナス終了を待って設定値示唆を行う構成、又はその逆の構成としてもよい。これら設定値示唆等の処理を異ならせる場合、抽選によりいずれの処理とするかを決定する構成としたうえで、その当選確率が異なる構成であってもよい。
(65)有利区間の強制終了ゲームは上記の数(1500)に限定されず、それよりも多くてもよいし、少なくてもよい。
(66)上乗せ抽選テーブルや上乗せゲーム数抽選テーブルは上記のものに限定されず、他の契機(小役やリプレイ)によって上乗せ抽選を行う構成としてもよいし、その当選確率や当選時の上乗せゲーム数の範囲や平均等も任意である。例えば、上乗せゲーム数として、有利区間の上限数を超えるゲーム数(2000ゲーム等)が選択され得るものであってもよい。
(67)超過フラグがセットされている状況において上乗せ契機が生じた場合に、その代償として設定値示唆を行うことで遊技者にとって有益な情報を提示する構成としたが、遊技者にとって有益な情報であればよく、設定値示唆に限定されない。例えば、上述の広告やクーポン等であってもよいし、レア画像等の特典が付与される構成であってもよい。
また、超過フラグがセットされている状況において上乗せ契機が生じた場合、押し順ベルや押し順リプレイ当選時の押し順報知の態様が異なるようになることで、遊技者にとって有益な情報が提示されたり特典が付与されたりする構成としてもよい。例えば、押し順ベルを、1枚又は0枚のメダル払出が行われる第1役と、第1役よりも多い9枚のメダル払出が行われる第2役と、第2役よりも多い15枚のメダル払出が行われる役と、の重複役とする。そして、有利区間中以外の通常区間において、押し順報知が行われないと第1役入賞が成立し易い構成とし、有利区間において押し順報知が行われることで第2役や第3役入賞が成立し易くなる構成とする。そして、超過フラグがセットされるまでは、第2役の押し順報知が行われ易く、超過フラグがセットされた後は、上乗せ契機が生じることに基づいて第3役の押し順報知が行われ易くなる構成とする。このようにすることで、超過フラグがセットされている状況において上乗せ契機が生じた場合の特典とすることも可能である。
この場合、3枚ベット時においては第2役入賞によって6枚のメダル増加が期待でき、第3役入賞によって12枚のメダル増加が期待できるところ、第3役入賞は第2役入賞の2回分のメダル増加が期待できるといえる。そこで、上記のように第3役入賞を成立させる押し順報知を発生させた場合には、上限ゲーム数から当該押し順ベル当選の2回分相当のゲーム数を減算する構成とし、その減算された上限ゲーム数にて強制終了が生じるようにする構成としてもよい。このようにすれば、トータルのメダル獲得数を実質的に変化させることなく、有利区間を早期に終了させる、といったメリットを享受させることが可能となる。
(68)強制終了条件をゲーム数ではなく、総メダル払出数又は総メダル獲得数(総メダル払出数マイナス総ベット数)にて規定してもよい。この場合、アタックモード等についてもゲーム数ではなく総メダル払出数や総メダル獲得数の規定数にて管理する構成(規定数となった場合にアタックモード等が終了する構成)とするとよく、上乗せが発生した場合においても、ゲーム数ではなく上記規定数の増加処理を行う構成とするとよい。例えば、有利区間を総メダル獲得数が3000枚となった場合に強制終了する構成とする。そして、上記アタックモード等の規定数の上乗せが行われた結果、当該規定数が3000枚に達した場合に超過フラグがセットされる構成とする。このような構成であると、上記(67)のように超過フラグがセットされている状況で払出枚数の多い役入賞となる押し順報知を行ったとしても、遊技者がトータルで得られるメダル数は変化せず、有利度を変化させないようにしつつも、少ないゲーム数で有利区間を終了させることができる、といったメリットを享受させることが可能となる。
(69)超過フラグがセットされている状況で生じた上乗せ契機の種類毎に、その回数を記憶して、当該回数によって設定値示唆における抽選テーブルや種類テーブルが異なる構成としてもよい。例えば、超過フラグがセットされてから強チェリーに1回当選しており且つ弱チェリーに4回当選している状況で弱チェリーに当選した場合の設定値示唆と、超過フラグがセットされてから強チェリーに4回当選しており且つ弱チェリーに1回当選している状況で弱チェリーに当選した場合の設定値示唆とで、その当選確率や設定値示唆が行われた場合の設定値の絞り込み易さが異なる構成としてもよく、強チェリーの当選しにくさからして、後者の方が遊技者にとって有利な設定値示唆(設定値の絞り込みをし易い設定値示唆)となるようにしてもよい。
(70)当日の遊技状況を加味して設定値示唆を行う構成において、総ゲーム数TGは当選確率の変更処理が行われることにより、すなわちRAMクリアが行われることにより初期化される構成としたが、電源ON/OFFによって初期化される構成としてもよい。
(71)当日の遊技状況を加味して設定値示唆を行う構成において、当日の遊技状況として総ゲーム数TGと時刻以外の情報も加味される構成としてもよい。例えば、時刻の代わりに、又は加えて、電源ONからの経過時間を加味する構成としてもよい。また、例えば、ボーナスや、所定の小役の当選回数、入賞回数等を加味する構成としてもよい。メダルの投入数や払出数を加味する構成としてもよい。強制終了の回数を加味する構成としてもよい。
(72)当日の遊技状況を加味して設定値示唆を行う構成において、比較的早い段階で強制終了される際には設定値示唆が発生しにくい構成や低設定の設定値示唆が発生し易い構成としたが、比較的早い段階で強制終了される際には高設定の設定値示唆が発生し易い構成としてもよいし、低設定の設定値示唆が発生しにくい構成や高設定の設定値示唆が発生しにくい構成としてもよい。
また、朝一や夕方の稼働率が高いという前提に立てば、それ以外の昼間等で強制終了されると設定値示唆が発生し易い構成とすると、当該設定値示唆を見込んだ遊技者による稼働率の増加を期待することができる。この場合、例えば、前日の、又は前日までの複数日に亘った稼働率を内蔵時計やゲーム数カウンタ等から把握可能とし、かかる稼働率に基づいて、設定値示唆用のテーブル(特別報知抽選テーブルや特別報知種類テーブル等)を変更する構成としてもよい。
(73)当日の遊技状況を加味して設定値示唆を行う構成において、総ゲーム数TGのように参照するデータを複数日に亘って管理され得るデータとし、強制終了が発生する際における複数日に亘った遊技状況を加味する構成としてもよい。例えば、総ゲーム数TGについて、当選確率の変更処理が行われても初期化されない構成とするなどし、当該遊技台が遊技ホールに設置されてからの総ゲーム数を加味して設定値示唆を行う構成としてもよい。この場合、導入当初(設置当初)は設定値示唆が発生しにくい/発生し易い構成としてもよい。
(74)有利区間が強制終了される際に当日の遊技状況を加味して設定値示唆を行う構成としたが、他の有利な状態が強制終了される際に当日の遊技状況を加味した設定値示唆を行う構成であってもよい。他の有利な状態としては、例えば、ボーナス状態を払出枚数だけでなく、他の強制終了条件が成立すると(例えば、特定の終了役に当選した場合や当該特定の終了役入賞が成立した場合、所謂パンクが発生した場合に)終了する構成とし、当該ボーナス状態が払出枚数の上限に達する前に強制終了条件成立に基づいて終了する場合に、当日の遊技状況を加味して設定値示唆を行う構成としてもよい。
(75)有利区間用の記憶エリアと、通常区間用の記憶エリアとが、それぞれ重複しないように別々の領域に設けられている構成としたが、CPU102がそれぞれを区別可能であればよく、一部重複していてもよい。
別々の領域に設ける構成として、一のRAMにおいて別領域とする構成ではなく、それぞれ有利区間用のRAMと通常区間用のRAMとを設ける構成としてもよい。この場合、CPUは両RAMにアクセス可能であるものの、両RAMの情報は互いに直接的に(CPUを介さずに)通信されない構成とするとよい。
(76)超過フラグの有無によって、上乗せ契機が生じた場合の情報を、有利区間用の記憶エリアと、通常区間用の記憶エリアとのいずれに記憶させるかを異ならせる構成としたが、超過フラグがセットされている状況で上乗せ契機が生じた場合には、当該有利区間用の記憶エリアに設けられた所定のエリアに当該上乗せ契機に基づく情報(上乗せゲーム数)を記憶する処理を行う構成としたうえで、少なくとも初期化処理が行われるよりも前のタイミングにおいて、当該所定のエリアに記憶した情報を通常区間用の記憶エリア(総消滅ゲーム数TEGや消滅ゲーム数EG)に記憶し直す構成としてもよい。
(77)超過フラグの有無によって、上乗せ契機が生じた場合の情報を、有利区間用の記憶エリアと、通常区間用の記憶エリアとのいずれに記憶させるかを異ならせる構成としたが、上乗せ契機が生じた場合に、いずれの記憶エリアにも対応する情報を記憶する構成としてもよい。具体的には、例えば超過フラグがセットされている状況で上乗せ契機が生じた場合には、上乗せゲーム数をアタックモード等の継続数に加算する処理を行うとともに、上乗せゲーム数を総消滅ゲーム数TEGや消滅ゲーム数EGにも加算する処理を行う構成としてもよい。この場合であっても、強制終了時の初期化処理によって、上記超過フラグがセットされてから加算されたアタックモード等の上乗せゲーム数は初期化される一方、総消滅ゲーム数TEGや消滅ゲーム数EGは初期化されないため、これら総消滅ゲーム数TEG等を通常区間で使用することが可能となる。
(78)有利区間中に生じた事象に対応する情報を通常区間用の記憶エリアに記憶し、当該記憶された情報に基づいて、強制終了された有利区間後の通常区間において特別区間を設定する構成としたが、当該有利区間中に生じた事象に対応する情報を利用する場面は、強制終了後の通常区間に限定されない。例えば、強制終了後に、再度有利区間へ移行した場合に利用される構成(例えば当該再度移行した有利区間において設定値示唆が発生し易くなる構成)としてもよいし、強制終了後に電源ON/OFFが行われた場合に利用される構成(例えば、次の日の朝一は設定値示唆が発生し易い構成)としてもよいし、強制終了後にボーナスに当選した場合においてそのボーナス中に利用される構成(例えば、ボーナス中に設定値示唆が発生し易い構成)としてもよい。
(79)特別区間中は、特別報知として、特殊リプレイ1,2の押し順報知演出が発生したり、ボーナス当選時に短い前兆ゲーム数が選択されたりする構成としたが、これら特殊リプレイ1,2の押し順報知演出や、短い前兆ゲーム数としての特別報知は、特別区間中にのみ発生するのではなく、他の通常区間や有利区間中においても発生する構成としてもよい。この場合、他の通常区間や有利区間よりも特別区間中の方が特別報知の発生確率が高くなる構成や、遊技者にとって有益な報知(設定値が絞り込み易い押し順報知や、短い前兆ゲーム数)となり易い構成であるとよい。
(80)消滅ゲーム数EGや総消滅ゲーム数TEGを補助表示部65において特別ゲーム数表示部TGHとして表示する構成としたが、他の表示部において表示する構成としてもよい。
(81)特別ゲーム数表示部TGHを、総消滅ゲーム数TEGとして上乗せゲーム数に対応させた回数で表示する構成としたが、例えば、総消滅ゲーム数TEGの値によって設定値示唆を発生させる場合には、その発生の有無の閾値となる総消滅ゲーム数TEGを100%とし、その総消滅ゲーム数TEGまでのパーセントを特別ゲーム数表示部TGHにて表示する構成としてもよい。この場合、総消滅ゲーム数TEGが加算される度に、特別ゲーム数表示部TGHのパーセントが100%に近付き、100%となることで、何らかの恩恵が得られるのでは、といった印象を強く与えることが可能となる。
また、特別ゲーム数表示部TGHを複数色で発光可能な発光部とし、その発光色によって、何らかの恩恵が得られることを示唆する(設定値示唆が発生することを期待させる)構成としてもよい。この場合、複数色の発光としては、白→青→黄→緑→赤→虹といった様に、一般的な他の期待演出の発光色の期待度と対応させた関係の色にて発光させる構成とすることで、発光色の変化によって何らかの恩恵が得られる印象を強く与えることができる。
(82)特別ゲーム数表示部TGHにて消滅ゲーム数EGや総消滅ゲーム数TEGを表示する構成において、単に表示するだけで、これら総消滅ゲーム数TEG等によって設定値の示唆等を行わない構成としてもよい。
(83)特別ゲーム数表示部TGHにて消滅ゲーム数EGや総消滅ゲーム数TEGを表示することで、強制終了に伴う上乗せの無効化の代償を期待させる構成は、有利区間の強制終了に限定されず、他の有利な状態の強制終了に適用してもよい。例えば、ボーナス(第1BB、第2BB等)やVBモードの当選確率が相対的に高低となる高確率状態と低確率状態とを設定し、高確率状態中のボーナスやVBモードの当選回数に上限を設ける。そして、例えば、一回の当選によって複数回のボーナスやVBモードに当選可能な構成や、ボーナスやVBモード中においてもボーナスやVBモードに当選し得る構成とすると、当選回数が上限となった後もボーナスやVBモードに当選し得るものとなる。このような構成において、上限に達した後のボーナスやVBモードの当選回数を表示することで、上限にて終了する場合、すなわち上限となった後のボーナスやVBモードが無効化される場合であっても、上限に達した後の当選回数があえて表示されていることからして、何らかの恩恵が得られるのでは、と期待させることが可能である。
(84)後乗せ演出を前提として、超過フラグがセットされている状況で上乗せ契機が生じた場合に、未報知分があれば(後乗せフラグがセットされていれば)、未報知分の範囲内で上乗せ報知を行う構成とし、この場合において、通常時の上乗せゲーム数抽選テーブルを参照して疑似上乗せのゲーム数を決定する構成としたが、疑似上乗せ用の上乗せゲーム数抽選テーブルを用いて疑似上乗せのゲーム数を決定する構成としてもよい。この場合、未報知分が多い場合には多いゲーム数の疑似上乗せが発生し易く、未報知分が少ない場合には少ないゲーム数の疑似上乗せが発生し易い構成としてもよい。
(85)後乗せ演出を前提として、超過フラグがセットされている状況で上乗せ契機が生じた場合、未報知分があれば、未報知分の範囲内で疑似上乗せを行う場合と、未報知分を超えて疑似上乗せを行う場合とを有する構成とし、未報知分を超えて疑似上乗せを行う場合を設定値示唆とする構成としたが、未報知分を超えない範囲で設定値示唆を行う構成としてもよい。
例えば、後乗せカウンタBGから第1数として10を減算した回数の疑似上乗せが発生すると設定1~3が示唆され、後乗せカウンタBGから第2数として56を減算した回数の疑似上乗せが発生すると設定5又は設定6が示唆され、後乗せカウンタBGから第3数として77を減算した回数の疑似上乗せが発生すると設定6が示唆される構成としてもよい。この場合、これら後乗せカウンタBGから各第1数~第3数を減算した回数の疑似上乗せは、設定値示唆として発生するだけでなく、通常の上乗せゲーム数抽選テーブルに基づいても選択され得るものとなる。そのため、これらの回数の疑似上乗せが発生した場合に、それが設定値示唆として発生したのかどうか、といった点も考慮して設定値の予測を行わせるようになり、予測する遊技の楽しみが向上する。
さらに、上記構成のようにすると、設定値示唆が発生する状況が、後乗せカウンタBGが第1数~第3数以上である必要が生じ、このような観点からしても、設定値示唆が行われているのかどうかが判断しにくくなり、設定値の予測の楽しみが向上する。
なお、第1数~第3数の値が上記の値に限定されないことは言うまでもない。
(86)後乗せ演出を前提として超過フラグがセットされている状況で上乗せ契機が生じた場合、未報知分があれば疑似上乗せを発生させる構成においても、対象となる区間は有利区間に限定されず、他の有利な状態乃至区間に適用してもよい。例えば、ボーナス(第1BB、第2BB等)やVBモードの当選確率が相対的に高低となる高確率状態と低確率状態とを設定し、高確率状態中のボーナスやVBモードの当選回数に上限を設ける。そして、例えば、一回の当選によって複数回のボーナスやVBモードに当選可能な構成や、ボーナスやVBモード中においてもボーナスやVBモードに当選し得る構成とすると、当選回数が上限となった後もボーナスやVBモードに当選し得るものとなる。このような構成において、更に、上限に達したことを後から報知する場合がある構成とし、上限に達していても未報知分がある状況で、ボーナスやVBモードに当選した場合に、疑似的な当選報知を行う構成としてもよい。
(87)上乗せゲーム数抽選処理(図130)やゲーム数上乗せ処理(図132)では、超過フラグがセットされているか否かを判定して、その後の処理を実行するか否かを異ならせる構成としたが、少なくともそれ以前のゲーム数上乗せ抽選処理(図128)において、超過フラグがセットされている場合には、ゲーム数の上乗せ抽選が行われておらず、その後の判定処理にて上乗せ当選していないと判定される。そのため、超過フラグがセットされている状況で、上乗せゲーム数抽選処理(図130)やゲーム数上乗せ処理(図132)が実施されることは実質的には生じないものであり、かかる理由から、これらの処理において超過フラグの判定処理を省略する構成としてもよい。
(88)有利区間の上限ゲーム数によって強制終了することに対する補償として、設定値示唆等を行う構成としたが、有利区間がその他の事前に把握可能な要因によって強制終了する場合の補償として設定値示唆等を行う構成としてもよい。例えば、遊技ホールの閉店時間によって強制終了する場合(有利区間の残りゲーム数ZGを営業時間内に全て消化することができない場合)に、設定値示唆等を行う構成としてもよい。
(89)有利区間中に特定役当選となった場合に、ゲーム数の上乗せが発生し得る遊技性を前提として説明したが、特定役当選等、所定契機に基づいてゲーム数の減算と加算とのいずれかが発生し得る遊技性としてもよいし、減算のみが発生し得る遊技性としてもよい。ゲーム数の減算が発生し得ることを前提とすれば、空きゲーム数FGが0以下となっても上限ゲーム数に達するとは限られず、その後のゲームをより楽しませることが可能である。この場合、有利区間へ移行した後、見た目上、上限ゲーム数を超える残りゲーム数の表示を行い、上限ゲーム数に達した場合、又は上限ゲーム数近くまでゲームが進行した場合に、上限ゲーム数まで表示上の残りゲーム数を減算する構成としてもよい。
(90)押し順ベルや押し順リプレイ当選時において、各リール32L,32M,32Rの停止順序によって入賞する役が異なり、付与される特典が異なる構成としたうえで、その停止順序の報知を行うか否かによって遊技者にとっての有利度を異ならせる構成としたが、停止操作に関する報知を行うことで遊技者にとっての有利度が異なることとなる役を用いたものであればよい。
例えば、所定のリールとして左リール32Lにおいて、第1図柄(例えば「黒BAR」図柄)と第2図柄(例えば「赤7」図柄)とを同時に狙えない個所に(5図柄以上離れた位置にそれぞれ)配置する。そして、左リール32Lの第1図柄と、中リール32Mの所定絵柄(例えば「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄)と、右リール32Rの所定絵柄(例えば「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄)と、が有効ラインに停止した場合に第1結果入賞が成立し、左リール32Lの第2図柄と、中リール32Mの所定絵柄(例えば「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄)と、右リール32Rの所定絵柄(例えば「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄)と、が有効ラインに停止した場合に第2結果入賞が成立するように、第1結果と第2結果との入賞態様を設定する。この場合、第1結果当選時に第1図柄を狙って停止操作すれば、当該第1結果入賞が成立し得るものの、第1図柄ではなく第2図柄を狙って停止操作すると、第1結果入賞は成立せず、対応する特典は付与されない。同様に、第2結果当選時に第2図柄を狙って停止操作すれば、当該第2結果入賞は成立し得るものの、第2図柄ではなく第1図柄を狙って停止操作すると、第2結果入賞は成立せず、対応する特典は付与されない。そのうえで、第1結果と第2結果とのいずれかが当選することとなる特定役を設け、当該特定役当選時に、第1結果及び第2結果のいずれに当選しているか(第1図柄及び第2図柄のいずれを狙って左リール32Lを停止操作すればよいか)を報知可能とする。このような構成においても、当該報知によって当選している結果(第1結果及び第2結果のいずれか)を入賞させることが可能となり、当該報知の有無によって遊技者にとっての有利度が変化する。そして、かかる報知が行われやすくなるモードや、当該報知が行われやすくなるモードへの移行確率が高くなるモードや、これらのモードへの移行抽選に当選したものの移行前であるモードの少なくともいずれかのモードを含む状況を有利区間としてもよく、また、上記各モードと押し順役に基づく各モードを含めて、上記各モードの少なくともいずれかのモードを含む状況を有利区間としてもよい。
また、特殊リプレイ当選時に黒BAR目押し報知(図106)を行うことで、第1再遊技ではなく第15再遊技入賞等を成立させる構成を、各特殊リプレイ当選時に押し順報知を行うことで停止出目を異ならせる構成に対して適用してもよい。
すなわち、同じ当選役であっても停止出目を異ならせるための停止操作は停止順序に限定されず、停止操作タイミングを含む停止操作態様であればよく、かかる停止操作態様を行わせるための報知は、押し順報知に限定されず操作態様に関する態様報知であればよい。
(91)有利区間への移行抽選に当選した際の抽選契機となる結果によって、区間表示器の表示開始態様を異ならせ、停止出目と区間表示器の表示開始態様との関連付けを行う構成において、当該抽選契機となる結果の入賞態様や、入賞の有無によっても区間表示器の表示開始態様を異ならせる構成としてもよい。例えば、IV=13の強チェリーは、第28小役、第32小役~第35小役の重複役として設定されているところ、これら重複役のいずれの役によって強チェリー入賞が成立するかによって、区間表示器の表示開始態様を異ならせる構成としてもよい。より具体的には、有効ライン上に「チェリー」図柄が揃って停止して第28小役が成立して強チェリー入賞となった場合と、有効ライン上に「チェリー」図柄が揃うことなく第32小役~第35小役のいずれかが成立して強チェリー入賞となった場合とで、区間表示器の表示開始態様が異なる構成としてもよい。また、取りこぼしが生じ得る特定役において、当該特定役当選時に当該特定役入賞を成立させた場合と、取りこぼしてしまうことによって当該特定役入賞を成立させることができなかった場合とで、区間表示器の表示開始態様が異なる構成としてもよい。
これらの場合、入賞態様や停止出目、取りこぼしの有無が分岐することとなる周回体の停止までは、区間表示器を点灯開始させず、当該分岐となる周回体が停止するタイミングよりも後のタイミングにて区間表示器を点灯開始させる構成としたうえで、当該分岐によって、点灯開始させるタイミングや態様(色等)を異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば、左リール32L→中リール32M→右リール32Rの順で停止操作されることを前提とし、中リール32Mを停止した時点で、入賞態様等が分岐する(強チェリーにおいては、第28小役入賞と第32小役~第35小役入賞との分岐)とした場合、中リール32Mの停止後に区間表示器が点灯開始するように、第2停止OFF時以降のタイミングである第3停止ON時を既定の点灯開始タイミングとして設定する。そして、停止操作が行われることによって、入賞態様等が第1態様(強チェリーにおいては第28小役入賞側)に分岐する場合には、上記規定の第3停止ON時に点灯開始させる一方、入賞態様等が第2態様(強チェリーにおいては第32小役~第35小役入賞側)に分岐する場合には、上記規定の点灯開始タイミング(第3停止ON時)ではなく、変更用の点灯開始タイミングとして第3停止OFF時に点灯開始させる構成とする。このようにすることで、目押し操作の成功の有無と、区間表示器の点灯開始によって有利区間当選を認識可能となるタイミングと、の関係性を利用した楽しみを提供することが可能となる。
(92)有利区間に関し、設定値に関わらず移行抽選の当選確率や当選時の特典(移行モードや上乗せゲーム数等)等が共通する構成としたが、設定値によって当選確率等が異なる構成としてもよい。この場合、移行抽選等の抽選契機となる結果の種類によって、設定値による確率や当選時の特典の差が生じるものと、設定値による確率や当選時の特典の差が生じないものとが存在する構成としてもよい。
(93)指示モニタ68において、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を利用した押し順情報(「1」~「6」)の表示態様は上記のものに限定されない。例えば、押し順役として、最初に停止操作するストップスイッチ42~44によって入賞する役が異なり、第2リール、第3リールの停止順序は入賞する役に関与しない3択の押し順役が含まれる場合、第1表示用セグメントN1、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7を点灯することにより表示される押し順情報(「7」の表示)と、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を点灯することにより表示される押し順情報(「8」の表示)と、第1表示用セグメントN1~第3表示用セグメントN3、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7を点灯することにより表示される押し順情報(「9」の表示)により、これら3択の押し順役の押し順報知を行う構成としてもよい。
(94)指示モニタ68において、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を利用した押し順情報を消灯するタイミングは第3リール停止ON操作時に限定されず、少なくとも、押し順報知によって操作すべきストップスイッチ42~44が把握されるまで当該押し順報知が行われていればよい(押し順情報が表示されていればよい)。例えば、第2リール停止ON操作時であってもよいし、第2リール停止OFF操作時であってもよい。また、3択の押し順役の押し順報知を行う場合には、第1リール停止ON操作時であってもよいし、第1リール停止OFF操作時であってもよい。さらに、これらの操作時から所定時間(例えば0.5sec)が経過してから消灯する構成としてもよい。
さらに、第3リール停止ON操作時よりも遅いタイミングであってもよく、第3リール停止OFF操作時であってもよいし、第3リール停止OFF操作時から所定時間(例えば0.5sec)が経過してから消灯する構成であってもよいし、メダル払い出し終了時であってもよい。
(95)指示モニタ68を、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61や払出枚数表示部62と兼用してもよい。これらの場合、押し順報知が行われるタイミングでは、各表示部60~62において押し順報知を行う一方、押し順報知が行われていないタイミングにおいては、それぞれの表示部60~62本来の表示を行う構成とするとよい。
クレジット表示部60と兼用する場合、少なくともベット操作が行われるまでは当該クレジット表示部60にてクレジット表示を行い、その後、(スタートレバー41の操作に基づき)押し順報知を行う構成とするとよい。押し順報知は、少なくとも、当該ゲームにて獲得した(払い出される)メダル数が増加して更新されるタイミング(メダル払い出しが開始されるタイミング)よりも前のタイミングで終了する(押し順情報を消灯する)とよく、例えば、第3リール停止ОN操作時までに終了する構成とし、メダル払い出しが開始される際には、クレジット表示に切り替わっている構成とするとよい。
残払出枚数表示部61はボーナス中の残払出数を表示する表示部であるところ、例えば、ボーナス状態を、小役の当選確率を高くしてメダルを増加させる遊技性としたうえで、押し順報知を行わない構成(押し順報知によってメダルを増加させる遊技性とは異なる遊技性)とし、残払出枚数表示部61により残払出数の表示が行われるゲームと押し順報知が行われるゲームとが重複しないようにしてもよい。なお、この場合、ボーナス中において、補助表示部65による押し順報知演出は発生可能としてもよい。
払出枚数表示部62と兼用する場合、少なくとも払出枚数表示部62にて当該ゲームの払出メダル数の表示が開始されるよりも前のタイミングで押し順報知が終了する構成とするとよい。例えば、第3リール停止ON操作時に、押し順報知を終了し(押し順情報を消灯し)、払出役が入賞した場合には、当該第3リール停止OFF操作時に、払出枚数を表示する構成とするとよい。かかる構成を残払出枚数表示部61に適用してもよい。
さらに、これらの表示部60~62を利用して押し順報知を行う構成としてもよい。遊技パネル25において、クレジット表示部60は左、残払出枚数表示部61は中、払出枚数表示部62は右に並設されているところ(図1)、各ストップスイッチ42~44と対応付けて、左ストップスイッチ42を操作すべき場合はクレジット表示部60を表示し、中ストップスイッチ43を操作すべき場合は残払出枚数表示部61を表示し、右ストップスイッチ44を操作すべき場合は払出枚数表示部62を表示する等して押し順を報知する構成としてもよい。この場合、上記のように、ベット操作が行われた後~第3リール停止ON操作時までは、表示部60~62のいずれについても、当該表示部60~62にて押し順報知を行ったとしても、その本来の表示機能が担保されるところ、かかるベット操作が行われた後~第3リール停止ON操作時までをこれら表示部60~62による押し順報知が行われる期間とし、それ以外の期間においては、各表示部60~62の本来の表示を行う構成とするとよい。
(96)有利区間中の継続ゲーム数を有利区間ゲーム数AG等により管理する構成としたが、例えば、所定ゲーム数消化するまで(例えば50ゲーム)や所定の終了条件が成立するまで(例えば、リプレイが3連続当選するまで)を1セットして、そのセット数により管理する構成としてもよい。具体的には、アタックモードを、所定ゲーム数(50ゲーム)を1セットとし、アタックモード開始時やアタックモード移行抽選時にセット数を抽選により決定する。そして、その決定されたセット数が消化されることでアタックモードを終了するようにする。この場合、アタックモード中等において特定役当選等、測定条件が成立した場合に、アタックモードの上乗せ抽選として、セット数の上乗せ抽選を行う構成とし、かかる抽選に当選した場合に、その当選内容に応じたセット数の上乗せを行う構成とするとよい。
かかる構成において、有利区間の上限ゲーム数(1500ゲーム)との関係では、例えば、予め定められた所定ゲーム数(例えば50ゲーム)を1セットとしたり、所定の終了条件が成立する(例えば、リプレイが3連続当選するまで)か特定ゲーム数(例えば50ゲーム)を消化するかを1セットとする場合には、上限ゲーム数を所定ゲーム数や特定ゲーム数で除算したセット数(30セット)を上限セット数とし、当該上限セット数消化することで有利区間を強制的に終了する構成としてもよい。この場合、有利区間のセット数を所定のカウンタにて把握し、かかるカウンタが上限値(30)に達した場合に強制終了する構成とするとよい。チャレンジモードや前兆モードを加味するのであれば、これらチャレンジモードや前兆モードもセット数に加味される構成(例えば、前兆モードとチャレンジモードとの合計ゲーム数が1セットとなるようにゲーム数が定められる構成)とすると、これらのモードも含めて、上記カウンタが上限値に達すると、有利区間の上限ゲーム数に達することになる。なお、1セット当たりのゲーム数が変動し得る構成(所定の終了条件が成立するか特定ゲーム数を消化するかを1セットとする構成)においては、有利区間の上限ゲーム数よりも少ないゲーム数で上記セット数のカウンタが上限値になり得る。
超過フラグとの関係では、上記セット数のカウンタにおいて、消化済みのセット数と、未消化のセット数との合計が、セット数の上限値となった場合に超過フラグをセットする構成とするとよい。
(97)チャレンジモードや前兆モードにおいても押し順報知が行われる構成としてもよい。より具体的には、アタックモード、チャレンジモード、前兆モード等を含めて、有利区間としても特定遊技状態へ移行した場合、押し順報知が少なくとも所定回数(1回)は発生するまで当該有利区間が終了しない構成としてもよい。
(98)有利区間中の抽選結果として、上乗せ抽選の結果報知のタイミングを設定値によって即乗せ演出と後乗せ演出とで異ならせる構成としたが、設定値により抽選結果の報知タイミングを異ならせる抽選は上乗せ抽選に限定されず、有利区間中の抽選であれば他の抽選であってもよい。例えば、上乗せゲーム数抽選の結果報知のタイミングを設定値によって異ならせる構成としてもよく、この場合、上乗せゲーム数に応じて即乗せ/後乗せの報知タイミングが設定値によって異なる構成としてもよく、即乗せ/後乗せ比率の設定差が異なる構成としてもよい。また、指示機能に関する抽選に限定されず、例えば、有利区間中のBB抽選の結果報知のタイミングを設定値によって異ならせる構成としてもよく、この場合、BB当選時の前兆ゲーム数を設定値によって異ならせる構成としてもよい。さらに、チェリー等の小役の当選結果の報知タイミングを設定値によって異ならせる構成としてもよく、この場合、当選ゲームにおける報知タイミングを設定値によって異ならせる構成とするとよい。
(99)後乗せ演出を行う場合、第1後乗せキャラクタBUP1や第2後乗せキャラクタBUP2等を当選結果の報知として行う構成としたが、これらのキャラクタBUP1,BUP2等を表示させない構成としてもよい。この場合、上乗せ演出に結果報知(当選報知)と内容報知(当選ゲーム数報知)とがある前提において、後乗せ演出においては、結果報知を後乗せ演出の内容報知と同タイミング又はそれよりも若干早いタイミングで行う構成とするとよく、上乗せ抽選が行われたゲームにおいて結果報知を行わない構成としてもよい。
また、後乗せ演出において、上乗せ抽選に当選した場合に第1後乗せキャラクタBUP1や第2後乗せキャラクタBUP2等を表示する構成としたが、当選しない場合にもこれらのキャラクタBUP1,BUP2を表示する構成としてもよい。この場合、上記キャラクタBUP1,BUP2等は、上乗せ抽選が行われたことを示すキャラクタとなる。上乗せ非当選でこれらキャラクタBUP1,BUP2等を表示させた場合、内容報知において、宝箱が空っぽであった演出や上乗せゲーム数が0ゲームである旨の演出等を行うなどして、内容報知時に結果報知を行う構成としてもよい。
(100)設定差のない抽選として上乗せ抽選の報知タイミングを、設定値によって即乗せ演出と後乗せ演出とで異ならせる構成としたが、設定差のない抽選であれば上乗せ抽選に限定されず、他の抽選であってもよい。例えば、上乗せゲーム数の抽選で会ってもよく、上乗せゲーム数抽選の結果報知のタイミングを設定値によって異ならせる構成としてもよく、この場合、上乗せゲーム数に応じて即乗せ/後乗せの報知タイミングが設定値によって異なる構成としてもよく、即乗せ/後乗せ比率の設定差が異なる構成としてもよい。また、指示機能に関する抽選に限定されず、例えば、通常区間や有利区間中のBB抽選の結果報知のタイミングを設定値によって異ならせる構成としてもよく、この場合、BB当選時の前兆ゲーム数を設定値によって異ならせる構成としてもよい。さらに、チェリー等の小役の当選結果の報知タイミングを設定値によって異ならせる構成としてもよく、この場合、当選ゲームにおける報知タイミングを設定値によって異ならせる構成とするとよい。
(101)特化ゾーン中の上乗せ演出として即乗せ演出が連続したことに基づいて、テーブルカウンタATKを加算して、上乗せ報知タイミングテーブルを切り替える構成としたが、後乗せ演出が連続したことに基づいて上乗せ報知タイミングテーブルを切り替える構成としてもよい。この場合、即乗せ演出が発生したことに基づいてテーブルカウンタATKを初期化(1)する構成とするとよい。
また、即乗せ演出や後乗せ演出の連続性は特化ゾーン中だけに限定されず、アタックモード中に生じた上乗せ演出として、即乗せ演出が連続したことや後乗せ演出が連続したことで上乗せ報知タイミングテーブルを切り替える構成としてもよい。
また、上乗せ報知タイミングテーブルの切り替え契機は、選択される演出の連続性に限定されず、同種の小役による上乗せが連続した場合(例えば、チェリー契機の上乗せが連続した場合)に上乗せ報知タイミングテーブルを切り替える構成とし、他種の小役による上乗せが連続した場合にテーブルカウンタATKを初期化する構成としてもよい。
(102)即乗せ演出が連続することで上乗せ報知タイミングテーブルの切り替えが行われる構成としたが、連続していなくても、単に即乗せ演出の選択回数によって上乗せ報知タイミングテーブルの切り替えが行われる構成としてもよい。この場合、例えば、即乗せ演出の選択回数(テーブルカウンタATK)が1~3回では第1上乗せ報知タイミングテーブルが選択され、即乗せ演出の選択回数(テーブルカウンタATK)が4回~5回では第4上乗せ報知タイミングテーブルが選択され、即乗せ演出の選択回数(テーブルカウンタATK)が6回以上であれば第1上乗せ報知タイミングテーブルが選択される等、選択される上乗せ報知タイミングテーブルに基づく設定値の推測の難易度が、回数によって一律に変化する構成(回数が多くなるほど難易度が高くなる、又は回数が多くなるほど難易度が低くなる)ではなく、一律に変化しない構成であってもよい。
(103)即乗せ演出の連続回数が多くなることで選択される上乗せ報知タイミングに基づく設定値の推測の難易度が低くなる構成としたが、即乗せ演出の連続回数が多くなることで選択される上乗せ報知タイミングに基づく設定値の推測の難易度が高くなる構成としてもよい。
(104)上乗せ報知タイミングテーブルを切り替える構成において、特化ゾーンへの移行契機によってテーブルカウンタATKの初期値が異なる構成としてもよい。具体的には、例えば、特化ゾーンへの移行契機がスイカであれば、テーブルカウンタATKの初期値を1とする一方、特化ゾーンへの移行契機がチェリーであれば、テーブルカウンタATKの初期値を3とする等してもよい。このようにすることで、特化ゾーンへの移行契機に基づいて、設定値の推測の難易度を異ならせることができる。
(105)チェリー契機で移行する特化ゾーンを、即乗せ/後乗せ比率の設定差の大きい特別用上乗せ報知タイミングテーブルが利用される特化ゾーンとしたが、スイカ契機で当該特化ゾーンへ移行する構成としてもよいし、他の特定役契機で当該特化ゾーンへ移行する構成としてもよい。
(106)チェリー契機で移行する特化ゾーンと、他の特定役契機で移行する特化ゾーンとで、上乗せ報知タイミングテーブルを異ならせる構成としたが、利用される上乗せ報知タイミングテーブルが異なる特化ゾーンは2種類に限定されず、3種類であってもよいし、それ以上設定されていてもよい。
(107)即乗せ/後乗せ比率によって設定値の予測を行わせる遊技性において、即乗せ演出及び後乗せ演出とはことなるタイミングにて上乗せ演出が発生し得る構成としてもよい。例えば、前兆経由演出も含めた選択率によって設定値の予測を行わせる遊技性としてもよい。
(108)特化ゾーンの終了時やアタックモードの終了時に、即乗せ/後乗せ比率に関する情報を出力する構成としたが、これら特化ゾーンやアタックモード中に比率の対象となる上乗せが発生しなかった場合、すなわち、スイカやチェリーに当選しなかった場合には、即乗せ/後乗せ比率に関する情報を出力しない構成としてもよい。
(109)即乗せ/後乗せ比率等、報知タイミングに関する情報を抽選により出力可能とする構成としてもよい。例えば、アタックモードの終了時に所定の確率で出力抽選を行い、当該出力抽選に当選した場合に上記報知タイミングに関する情報が出力される構成としてもよい。出力抽選の当選確率は任意であるが、設定値によって当選確率が異なる構成としてもよく、この場合、設定値が高いほど当選確率が高くなる構成としてもよく、その逆であってもよい。また、アタックモード(有利区間)の消化ゲーム数によって当選確率が異なる構成としてもよく、この場合、消化ゲーム数が多いほど当選確率が高くなる構成としてもよく、その逆であってもよい。
(110)即乗せ/後乗せ比率等、報知タイミングに関する情報の出力タイミングは、特化ゾーンの終了時やアタックモードの終了時に限定されず、他のタイミングで出力される構成としてもよい。例えば、有利区間の実行ゲーム数が上限前の所定ゲーム数(例えば1000ゲーム)に至ったことに基づいて出力される構成としてもよい。また、アタックモード中に当選したボーナス状態の開始時や終了時、ボーナス状態中に出力される構成としてもよい。さらに、アタックモード中の特定役当選(例えばチェリー当選)を契機として出力可能とされる構成としてもよい。
(111)即乗せ/後乗せ比率等、報知タイミングに関する情報を出力する構成において、上乗せ抽選を行ったものの上乗せ抽選に非当選となった情報も含めて出力する構成としてもよい。また、チェリー等、取りこぼしが生じる当選役を契機とする上乗せ演出の報知タイミングに関する情報の出力に際し、取りこぼしの有無を含めた情報を出力する構成としてもよい。
(112)即乗せ/後乗せ比率に関する情報を出力する構成において、比率のみを出力し、各即乗せ演出や後乗せ演出の回数に関する情報は出力されない構成としてもよい。このようにすることで、例えば、上乗せ当選回数が少ないことに起因して、遊技者の受ける印象が悪くなることを抑制することを回避することができる。
(113)報知態様選択演出において、取りこぼしが生じるリールを選択操作すると即乗せ演出が選択される構成としたが、取りこぼしが生じるリールを選択操作すると後乗せ演出が選択される構成としてもよいし、前兆経由演出が選択される構成としてもよい。また、取りこぼしの生じるリールと取りこぼしの生じないリールとの関係で、選択操作と選択される上乗せ報知の実行タイミングとを対応付けたが、取りこぼしの可能性が異なるリールを設定したうえで、その取りこぼしの可能性の高さに応じて選択操作と選択される上乗せ報知の実行タイミングとを対応付ける構成としてもよい。より詳しくは、例えば、取りこぼしの可能性が最も高いリール(入賞対応図柄数が少ないリール)を選択操作すると即乗せ演出が選択されたものとする構成としてもよい。
(114)報知態様選択演出において、第1リールの停止操作で上乗せ演出の実行タイミングを選択させる構成としたが、第2リールの停止操作や第3リールの停止操作で実行タイミングを選択させる構成としてもよい。また、所定のリールにおいて、同時に停止させることができない関係となる第1特定図柄、第2特定図柄及び第3特定図柄を設け、いずれの特定図柄を停止させるかによって、実行タイミングを選択させる構成としてもよい。
(115)修正用処理により、後乗せ演出が選択されている状況で各後乗せ演出のデータをそれぞれ個別に即乗せ演出に変更する構成としたが、各データを一律で即乗せ演出に変更可能とする構成としてもよい。また、後乗せ対象となるデータの上乗せ契機の種類に応じて即乗せ演出に変更するか否かを選択可能な構成としてもよい。また、上乗せゲーム数によって即乗せ演出に変更するか否かを選択可能な構成としてもよい。
(116)修正用処理により、後乗せ演出が選択されているデータを即乗せ演出に変更する構成としたが、前兆経由演出に変更する構成としてもよいし、前兆経由演出が選択されているデータを即乗せ演出や後乗せ演出に変更する構成としてもよい。
(117)後乗せ演出や前兆経由演出が選択・決定された場合に記憶する個別エリアの構成は上記のものに限定されない。例えば、記憶可能なゲーム数の上限は上記のものよりも少なくてもよいし、多くてもよい。また、個別データの数も変更可能である。
(118)上乗せデータを記憶する個別エリアに関し、設けられている個別エリア数よりも多い記憶契機(後乗せ演出等の選択)が発生した場合、各個別エリアのいずれか又は複数のエリアのデータに対して、今回の上乗せゲーム数を加算する構成としてもよい。複数のエリアのデータに対して加算する構成の場合、今回の上乗せゲーム数を均等割りにして加算する構成としてもよいし、偏重割りにして加算する構成としてもよい。
(119)後乗せ演出が選択された場合に、上乗せ当選契機に応じて第1後乗せキャラクタBUP1や第2後乗せキャラクタBUP2等を表示する構成としたが、これらの後乗せキャラクタは上記のものに限定されない。例えば、上乗せゲーム数に応じて異なるキャラクタを表示する構成としてもよい。
(120)上乗せ演出の実行タイミングを異ならせる構成は、上乗せ抽選当選時の演出に限定されず、上乗せ抽選非当選時に適用してもよい。
(121)上乗せ演出の実行タイミングを遊技者の選択操作に基づき決定する構成において、上乗せゲーム数と有利区間の上限ゲーム数との関係で、選択操作によって遊技者が選択した実行タイミングとは異なる実行タイミングで上乗せ演出を実行する構成としてもよい。より詳しくは、例えば、有利区間の上限ゲーム数まで後50ゲームである状況(実行ゲーム数が1450ゲームである状況)において、その50ゲームよりも多い100ゲームの上乗せが発生した場合、即乗せ演出が選択されていても、後乗せ演出として上乗せ演出を発生させる。このようにすることで、自らの選択操作とは異なるタイミングの上乗せ演出とされることを通じて、上限ゲーム数以上の上乗せが発生し有利区間が強制終了となることを把握することが可能となる。
なお、この構成を、設定値示唆に利用してもよい。より詳しくは、所定の確率で、遊技者の選択操作による実行タイミングとは異なるタイミングで上乗せ演出が発生する構成とする。そして、設定値が第1設定値(例えば設定1)である場合には上記所定の確率として第1確率(例えば10%)で選択操作とは異なるタイミングで上乗せ演出が実行され、設定値が第1設定値とは異なる第2設定値(例えば設定6)である場合には上記所定の確率として第1確率とは異なる第2確率(例えば80%)で選択操作とは異なるタイミングで上乗せ演出が実行される構成とする。このようにすることで、自らの選択操作とは異なる実行タイミングで上乗せ演出が発生することを通じて、設定値を予測する、といった新たな遊技性を実現することができる。
更に、有利区間の上限ゲーム数までの空きゲーム数よりも多いゲーム数の上乗せが発生した場合に、上記選択操作とは異なる実行タイミングにて上乗せ演出が発生し得る構成としたうえで、その異なる実行タイミングにて上乗せ演出が発生する確率が、設定値によって異なる構成としてもよい。このようにすることで、上限を超える上乗せが発生すると、設定値の予測を行うことが可能となるといったメリットを生じさせることができ、上乗せによる上限の超過を担保することが可能となる。
(122)有利区間の強制終了条件として、上限ゲーム数と上限増加数といった複数の強制終了条件を設ける構成において、これら強制終了条件は上限ゲーム数や上限増加数に限定されず、他の条件としてもよいし他の条件を含む構成としてもよい。他の条件としては、例えば、有利区間中の所定結果(ベルやリプレイ、複数種類の払出結果や、複数種類のリプレイ等であってもよい)の当選回数が上限回数に達した場合や連続当選回数が上限回数に達した場合を一の強制終了条件としたり、例えば、有利区間中の外れ結果の回数が上限回数に達した場合や連続回数が上限回数に達した場合を一の強制終了条件としたり、例えば、有利区間中のボーナス当選回数が上限回数に達した場合や連続当選回数が上限回数に達した場合を一の強制終了条件としたり、例えば、有利区間へ移行してからの消化時間が所定時間に達した場合を一の強制終了条件としたり、例えば、有利区間中の所定演出の発生回数が上限回数に達した場合や連続発生回数が上限回数に達した場合を一の強制終了条件としたりしてもよい。
これらの場合、上記強制終了条件が成立することを、現状の遊技内容(有利区間残りゲーム数ZG)から事前に予測可能とし、その予測結果に基づいて設定値示唆等の遊技者にとって有益となり得る情報の提示や特典の付与等を行う特定処理を実行する構成とするとよい。
(123)上限ゲーム数と上限増加数との複数の強制終了条件が設定される構成において、それぞれの強制終了条件が成立することを事前に特定した場合には、それぞれ第1超過フラグと第2超過フラグとをセットし、それ以降で上乗せ条件が成立した場合には、上乗せゲーム数をいずれも総消滅ゲーム数TEGへ加算する構成としたが、強制終了条件毎に超過分を記憶するカウンタを設け、それぞれ別途記憶する構成としてもよい。例えば、第1超過フラグがセットされている場合にはその後の上乗せゲーム数を各種カウンタエリア106eに設けられた第1総消滅ゲーム数TEG1に加算し、第2超過フラグがセットされている場合にはその後の上乗せゲーム数を各種カウンタエリア106eに設けられた第2総消滅ゲーム数TEG2に加算する構成としてもよい。この場合、第1超過フラグ及び第2超過フラグのいずれもがセットされている場合には、第1総消滅ゲーム数TEG1及び第2総消滅ゲーム数TEG2のうち、第1超過フラグに対応する第1総消滅ゲーム数TEG1に上乗せゲーム数を加算する構成とするとよい。このようにすることで、第2超過フラグがセットされていた状況が事後的に解消された場合の修正用の処理を簡素化することが可能となる。
(124)上限ゲーム数と上限増加数との値や関係性は上記のものに限定されず、上限ゲーム数は1500ゲーム未満でもよいし1500ゲームを超えるものでもよく、上限増加数は2400枚未満でもよいし2400枚を超えるものでもよい。但し、有利区間において上限増加数の増加を目指す、といった遊技性においては、上限ゲーム数の有利区間を消化すると上限増加数に達するように、有利区間の純増枚数が規定されているとよく、より詳しくは、上限ゲーム数よりも少ないゲーム数で上限増加数に達するように純増枚数が規定されている構成とするとよい。
(125)有利区間においてアタックモード等を残りゲーム数に基づく継続数にて継続の有無を管理する構成としたが、払出枚数にて継続の有無を管理する構成としてもよい。より詳しくは、例えば、上記構成においては、アタックモードへ移行する際に初期ゲームとして50ゲームを設定し、当該50ゲームを消化することでアタックモードが終了するようにしたが、例えば、アタックモードへ移行する際に初期払出数として100枚を設定し、当該100枚以上の払出が行われることでアタックモードが終了する構成としてもよい。この場合、上乗せが発生する場合には、ゲーム数の代わりに払出数の加算を行う構成とするとよい。また、払出枚数ではなく、払出枚数から使用枚数を差し引いた増減数を規定する構成としてもよい。
(126)有利区間増減枚数ZMの算出に際し、各ゲームで払い出された遊技媒体の払出枚数から各ゲームで使用した使用枚数を差し引いて算出する構成としたが、有利区間中において算出に反映させるゲームと反映させないゲームとを有する構成としてもよい。例えば、リプレイ当選時においては、差し引きがゼロとなることから、上記有利区間増減枚数ZMの算出を行わない構成としてもよい。このようにすることで、毎ゲーム算出を行う構成と比較して、大幅な処理負荷の軽減効果を見込むことができる。特に、リプレイ当選確率の高い高RT状態における算出が主となる構成であることから、その削減効果は多大なものとなり得る。
また、有利区間中において、所定のベット数での払出枚数や使用枚数を反映しない構成としてもよく、例えば、3ベットモードで行うゲームでの払出枚数や使用枚数は反映するものの、2ベットモードや1ベットモードで行うゲームでの払出枚数や使用枚数は反映しない、といった構成としてもよい。この場合、例えば、2ベットモードが規定数とされるCB状態においては、3ベットモードによるCB当選に起因するゲームとして上記有利区間増減枚数ZMの算出に反映する構成としてもよい。また、例えば、ボーナス当選フラグがセットされている場合には、ベット数に関わらず払出枚数や使用枚数を反映させる構成としてもよく、このようにすることで、ボーナス当選フラグがセットされている持ち越し状態を延々と継続させることにより、実質的に上限ゲーム数を超えるゲーム数を消化するといった行為を行わせにくくすることができる。
(127)上限ゲーム数を超過することの特定が行われた第1超過フラグがセットされている場合と、上限増加数を超過することの特定が行われた第2超過フラグがセットされている場合とで、発生する特別報知の種類(設定値示唆の内容)や特別報知の発生率を異ならせることで遊技者にとっての有利度を異ならせる構成としたが、有利度を異ならせる構成はこれに限定されず、一方は設定値示唆を行い、他方はレア画像を表示する等、それぞれ異なる内容としてもよい。また、有利度の高低は上記実施形態や変形例のものに限定されず逆であってもよいし、有利度が同じ又は同程度のものであってもよいし、同じ特別報知(設定値示唆)が発生するものであってもよい。
また、セットされている超過フラグだけでなく、総消滅ゲーム数TEGによって、発生する特別報知の種類(設定値示唆の内容)や特別報知の発生率を異ならせることで遊技者にとっての有利度を異ならせる構成としたが、当該総消滅ゲーム数TEGについても、その値を反映させる有利度や特別報知の種類や内容は上記実施形態や変形例のものに限定されず、異なるものに反映させる構成としてもよい。例えば、総消滅ゲーム数TEGが少ないほど(上限に到達するとの特定が行われた後の上乗せが少ないほど)遊技者にとって有利な特別報知が発生する構成としてもよい。
(128)上限ゲーム数を超過することの特定と、上限増加数を超過することの特定とのいずれが先に行われるかによって、発生する特別報知の種類(設定値示唆の内容)や特別報知の発生率を異ならせることで遊技者にとっての有利度を異ならせる構成としたが、有利度を異ならせる構成はこれに限定されず、一方は設定値示唆を行い、他方はレア画像を表示する等、それぞれ異なる内容としてもよい。また、有利度の高低は上記実施形態や変形例のものに限定されず逆であってもよいし、有利度が同じ又は同程度のものであってもよいし、同じ特別報知(設定値示唆)が発生するものであってもよい。
(129)各状態別の純増枚数は上記のものに限定されない。例えば、高RT状態にてアタックモードが消化される場合の純増枚数(上記第7の実施形態では、約+1.90枚)は、上記実施形態や変形例のものに限定されず、1ゲーム当たり2枚を下回るものであってもよいし2枚を超えるものであってもよく、例えば、1ゲーム当たり3枚や5枚、10枚、14枚といったような純増枚数を設定してもよい。
(130)設定値によって当選確率が異なる当選役(例えば、第2BBとの重複結果、強チェリー重複2、弱チェリー重複2等)に基づくアタックモード等の移行抽選や上乗せ抽選を行わない構成としたが、行う構成としてもよい。この場合、設定値による当選確率が異なる当選役に基づくボーナス状態(例えば、強チェリー重複2に基づく第2BB状態)においても、アタックモード等の移行抽選や上乗せ抽選等を行う構成としてもよい。
(131)上限ゲーム数や上限増加数といった複数の強制終了条件が成立することの特定が事前に行われた場合において、その特定が行われた場合の有利区間ゲーム数AGに応じて、発生する特別報知の種類等を異ならせることにより、遊技者にとっての有利度が異なる構成としてもよい。例えば、上限ゲーム数や上限増加数に到達することの特定が所定ゲーム数(1000ゲーム)以前に行われた場合とそれよりも後で行われた場合とで、発生させる特別報知の有利度や種類を異ならせる構成としてもよく、所定ゲーム数以前であれば遊技者にとって有利な特別報知が発生する構成としてもよい。
(132)上限ゲーム数と上限増加数といった複数の強制終了条件を設け、いずれかの強制終了条件が成立することで、他方の強制終了条件が成立していなくても有利区間を強制終了する構成としたが、いずれもの強制終了条件が成立するのを待ってから強制終了する構成としてもよい。
(133)上限増加数に達するとの特定が行われた後の遊技状況に応じて、上限増加数に達しない場合、残枚数管理処理において、第2超過フラグをクリアする構成としてもよい。この場合、一旦は上限増加数に達するとの特定が行われたことの情報を一時記憶する構成とし、上限増加数に達するとの特定が全く行われていない状況と、一旦は特定が行われている状況とで、処理を異ならせる構成とするとよく、例えば、その後に上限増加数に達した場合の特別報知の有利度や種類を異ならせる構成とするとよい。また、そのまま強制終了されることなく(上限増加数に達することなく)有利区間が終了される場合に、上記特定が行われたことの情報が一時記憶されている場合には設定値示唆を行う一方、上記特定が行われていない場合には設定値示唆を行わない、又はその逆、としてもよい。
(134)上限増加数については、当該上限増加数に達するとの特定が行われた後の遊技状況に応じて、上限増加数に達しない場合があることを前提として説明したが、上限ゲーム数についても、当該上限ゲーム数に達することの特定が行われた後の遊技状況によって、上限ゲーム数に達しない場合がある構成としてもよい。例えば、有利区間中の遊技結果等に応じて、残りゲーム数ZGの減算処理が行われる構成とすると、上限ゲーム数に達することの特定が行われた場合であっても、当該減算処理が行われる遊技結果の当選状況によって、上限ゲーム数に達しない事象も生じ得る。この場合、上限増加数の達するとの特定が行われた後の遊技状況に応じて、上限増加数に達しない場合の各発明を、上記上限ゲーム数に達するとの特定が行われた後の遊技状況に応じて、上限ゲーム数に達しない場合に適用するとよい。
(135)第2超過フラグがセットされたことの報知が行われた後、上限増加数に達しないで有利区間が終了した場合には、そうではない場合よりも有利となる構成としたが、当該報知が行われた場合には、報知が行われない場合よりも不利となる構成としてもよい。
(136)有利区間の残りゲーム数の報知分を消化することなく上限増加数に達することで強制終了された場合、その報知分の補填を特別報知により行う構成としたが、補填を行わない構成としてもよいし、逆に報知分がない方が有利となる特別報知を発生させる構成としてもよい。上記報知される残りゲーム数は、上乗せ報知が即乗せ報知と後乗せ報知とのいずれが選択されるかによって大きく異なるところ、報知分が多い場合とは即乗せ報知が多く選択され、報知分が少ない場合とは後乗せ報知が多く選択された場合である。そうすると、少なくとも報知分が多い場合とは、多くの演出が行われた(派手な演出が行われた)ものと考えられ、演出の発生量や賑やかしの程度を、特別報知の有利度から差し引く(たくさん演出が発生しているのであれば、十分に楽しんだものとして補填を行わない又は補填をその分少なくする)構成としてもよい。
(137)有利区間が上限ゲーム数に達することで強制終了される場合において、超過分に基づく第6特別報知を実行する場合、第2超過フラグがセットされていたら第6特別報知抽選に非当選であっても当選として扱うことで遊技者にとって有利とする構成としたが、例えば、第6特別報知B抽選テーブルではなく第6特別報知A抽選テーブルを用いて第6特別報知用の処理を行う等、有利な処理を行う構成としてもよい。また、第2超過フラグがセットされていても第5特別報知が実行されていたら、非当選を当選と扱わないことで有利度を高め過ぎない構成としたが、例えば、第6特別報知B抽選テーブルよりも設定値の絞り込みが困難な抽選テーブルを用いて第6特別報知用の処理を行う等してもよい。更に、第5特別報知の実行の有無だけでなく、第5特別報知の実行回数や実行態様を加味して、第6特別報知の設定を行う構成としてもよく、例えば、第5特別報知が所定数以上実行されていたら、第6特別報知を実行しないようにし、所定数未満であれば第6特別報知を実行する等といった構成としてもよい。
(138)上限ゲーム数と上限増加数といった複数の強制終了条件を設ける構成において、いずれの強制終了条件にて終了されるかによって、特別報知の内容を異ならせる等して有利度を異ならせる構成とし、上限ゲーム数にて強制終了したら上限増加数までの差枚数を加味し、上限増加数にて強制終了したら上限ゲーム数までのゲーム数を加味する構成としたが、例えば、上限増加数にて強制終了したら上限ゲーム数までのゲーム数は加味するけど、上限ゲーム数にて強制終了したら上限増加数までの差枚数は加味しない、又はその逆、といったように、一方の強制終了時だけ他方の強制終了条件成立までの状況を加味する構成としてもよい。
(139)上限ゲーム数にて強制終了される場合に、特別区間において、上限増加数までの差枚数を加味して、残り払出数の表示を継続する構成としたが、そもそも有利区間中に(少なくとも強制終了時に)残り増加数の表示を行っていなければ、特別区間においてその払出数の表示を行わなくてよく、上限増加数にて強制終了される場合に、特別区間において、上限ゲーム数までのゲーム数を加味して、残りゲーム数の表示を継続する構成としたが、そもそも有利区間中に(少なくとも強制終了時に)残りゲーム数の表示を行っていなければ、特別区間においてその残りゲーム数の表示を行わなくてもよい。また、強制終了時に表示がされているか否かによって、表示継続の有無を異ならせてもよい。
(140)上限ゲーム数にて強制終了される場合に、特別区間において、上限増加数までの差枚数にて特別区間の継続性を管理し、残り払出数の表示を行う構成としたが、残り増加数にて特別区間の継続性を管理し、残り増加数の表示を行う構成としてもよい。この場合、遊技媒体の増加が見込める状態に移行するまで特別区間が継続し易くなる。
(141)消滅準備ゲーム数EJGと総消滅ゲーム数TEGをそれぞれ、有利区間対応カウンタエリア209と通常区間対応カウンタエリア210とで別々に管理する構成としたが、いずれも有利区間対応カウンタエリア209にて管理する構成としてもよいし、通常区間対応カウンタエリア210にて管理する構成としてもよいし、他のエリアにて管理する構成としてもよい。超過分についての情報を特別報知等に利用するだけで、強制終了時に消去しない構成としてもよく、超過分についての情報を通常区間へ移行してから消去する構成としてもよく、超過分についての情報を次の有利区間への移行時まで通常区間において維持する(次の有利区間への移行時に消去する)構成としてもよく、超過分についての情報を所定のリセット処理(リセットボタンの操作、RAMクリア操作、電源ON/OFF等)が行われるまで維持する(所定のリセット処理に基づいて消去する)構成としてもよい。
(142)消滅準備ゲーム数EJGのゲーム数を、第1超過フラグがセットされたことに基づいて総消滅ゲーム数TEGに移動させる構成としたが、少なくとも強制終了までに総消滅ゲーム数TEGに移動させる構成であればよい。強制終了時に移動させる構成の場合、有利区間中の特別報知は消滅準備ゲーム数EJGに基づいて行い、強制終了時やそれ以降の特別報知は総消滅ゲーム数TEGに基づいて行う構成とするとよい。
(143)消滅準備ゲーム数EJGのゲーム数を、第1超過フラグがセットされたことに基づいて総消滅ゲーム数TEGに移動させる構成としたが、移動させずにそのまま別々に管理する構成としてもよい。この場合、第2超過フラグのみがセットされている場合の超過分を消滅準備ゲーム数EJGとして管理し、第1超過フラグがセットされている場合(第1超過フラグのみがセットされている場合と第1超過フラグ及び第2超過フラグがセットされている場合)の超過分を総消滅ゲーム数TEGとして管理することが可能である。更に、第2超過フラグがセットされた後、第1超過フラグがセットされるまでに生じた超過ゲーム数の差を消滅準備ゲーム数EJGとして把握することが可能である。
(144)消滅準備ゲーム数EJGを介して総消滅ゲーム数TEGに記憶される超過分の情報と、消滅準備ゲーム数EJGを介さずに総消滅ゲーム数TEGに記憶される超過分の情報とを別々に(例えば、別々のカウンタや別々の記憶領域にて)管理する構成としてもよい。なお、同じカウンタ(総消滅ゲーム数TEG)にて管理していても、介した分と介していない分との境界値を記憶しておくなど、少なくとも総消滅ゲーム数TEGに基づく特別報知用の処理を行う際に、上記消滅準備ゲーム数EJGを介したものか否かが判別可能となっていればよい。
(145)報知済みの残りゲーム数を多く残した状態で上限増加数にて強制終了されるほど有利な特別報知としたり、強制終了時に報知済みの残りゲーム数が少ないほど有利な特別報知としたり、強制終了時の報知済みの残りゲーム数がキリの良い数字であるほど有利な特別報知としたが、報知済みの残りゲーム数がある状況で上限増加数にて強制終了されることで何らかの処理が行われる構成であればよく、報知済みの残りゲーム数がない状況で上限増加数や上限ゲーム数にて強制終了される場合の方が有利となる構成としてもよい。
(146)報知済みの残りゲーム数を多く残した状態で上限増加数にて強制終了されるほど有利な特別報知としたり、強制終了時に報知済みの残りゲーム数が少ないほど有利な特別報知としたり、強制終了時の報知済みの残りゲーム数がキリの良い数字であるほど有利な特別報知とする構成において、その有利となる残りゲーム数を補助表示部65等に明示する構成としたり、明示するとともにその明示しているゲーム数に向けて各ゲームの消化に際して残りゲーム数の表示を更新する(例えばカウントダウンにて更新する)等してもよい。
(147)報知済みの残りゲーム数を多く残した状態で上限増加数にて強制終了されるほど有利な特別報知としたり、強制終了時に報知済みの残りゲーム数が少ないほど有利な特別報知としたり、強制終了時の報知済みの残りゲーム数がキリの良い数字であるほど有利な特別報知とする構成において、強制終了時の残りゲーム数ではなく、ボーナス状態への移行等、上限増加数に達することが上限増加数に達するよりも前に確定する特定条件が成立した時点での残りゲーム数として特別報知用の処理を行う構成としてもよい。
(148)第1調整処理~第3調整処理を行う構成において、特に、最大増減枚数MMに基づいてその後の増減数を予測する構成は他の処理にも流用可能であり、例えば、残枚数管理処理において最大増減枚数MMに基づいて総増減期待枚数SMの予測を行うならば、有利区間残りゲーム数ZGと最大増減枚数MMとから残り増減期待枚数NMの算出を行う構成とするとよい。
(149)第2調整処理は、区間表示用第2処理の度に起動される構成としたが、例えば、修正条件が成立した場合に起動される構成としてもよい。修正条件としては、例えば、第1調整処理にて予測した総増減最大期待枚数SMMからのズレが所定値以上となった場合や、遊技状態(RT状態)が他の状態へ移行した場合等である。
(150)有利区間の終盤のボーナス当選時に、当該ボーナス終了後であって高RT状態への復帰状態中に上限ゲーム数に達することが把握された場合、ボーナス終了後から上限ゲーム数に達するまでのゲーム数を前兆ゲーム数に加算する構成としたが、復帰状態の平均ゲーム数を前兆ゲーム数に加算する構成としてもよい。この場合、上記上限ゲーム数に達するまでのゲーム数を算出する処理を省略することも可能である。
(151)利区間の終盤のボーナス当選時に、当該ボーナス終了後であって高RT状態への復帰状態中に上限ゲーム数に達することが把握された場合、ボーナス終了後から上限ゲーム数に達するまでのゲーム数を前兆ゲーム数に加算する構成に代え、又は加えて、尻すぼみとなって強制終了されることをフォローすべく、設定値示唆等の特別報知を発生させる構成としてもよい。また、この場合、上限ゲーム数の実行を待たずに有利区間を強制終了する構成(具体的にはボーナス終了に基づいて強制終了する構成)としてもよい。更に、復帰状態中に上限ゲーム数に達した場合には、高RT状態へ復帰するまで有利区間を延長する構成としてもよい。
(152)チャレンジモードの終盤にボーナス抽選の契機となる重複対象役に当選したことに基づいて、チャレンジモードを延長し得る構成としたが、当該延長対象とするモードはチャレンジモードに限定されず、アタックモードやVBモード等の他の有利区間中のモードであってもよい。
(153)アタックモードやVBモードの終盤に重複対象役に当選したことに基づいて当該モードの延長処理を行う場合、前兆モードの継続数や連続演出だけでなく、RT状態の移行までの平均ゲーム数や実際の移行を加味して延長処理を行う構成としてもよい。すなわち、例えば、RT状態の実際の移行を加味するならば、転落リプレイ当選するまでのゲーム(転落リプレイ当選前までのゲーム)を延長処理の対象する構成としてもよい。
(154)重複対象役に当選したことに基づいて、前兆モードが設定されて最終的に連続演出が発生することを前提としてチャレンジモードの延長処理について説明したが、前兆モードにおいて連続演出に発生しないで当該前兆モードが終了する構成にも適用可能である。
(155)チャレンジモード終盤の重複対象役当選時において、前兆モードが設定されることを前提としてチャレンジモードの延長処理を行う構成としたが、前兆モードの設定が行われなくても重複対象役当選時に延長処理を行う構成としてもよい。
(156)チャレンジモードの終盤に重複対象役に当選したことに基づいて、チャレンジモードを延長し得る構成としたが、チャレンジモードの延長はせず、区間表示器の表示継続ゲームだけを延長する構成としてもよい。
(157)チャレンジモード終盤の重複対象役当選時において、それまでよりも不利な第2チャレンジモードの延長処理を行う構成を、アタックモードやVBモード等を延長する場合に適用してもよい。この場合、例えば通常時の押し順報知の発生し易いアタックモード等を第1アタックモード等と称し、延長処理にて延長される分を押し順報知の発生確率が第1アタックモードよりも低い第2アタックモードとする構成としてもよい。押し順報知の発生確率により有利度を低くする構成に代え、又は加えて、押し順報知が発生した場合の報知する対象役の有利度を異ならせる等(例えば、第1アタックモードでは第1数の払出が生じる第1結果に対応する押し順を報知し、第2アタックモードでは第1数よりも少ない第2数の払出が生じる第2結果に対応する押し順を報知する等)してもよい。
(158)有利区間は、区間表示第2処理における強制終了の他、遊技ホールの管理者等によるRAMクリア処理(リセット処理)によっても初期化される構成であるが、ほかにも初期化処理が行われる構成としてもよい。例えば、有利区間中の所定役(強制終了役)当選や当該所定役入賞が成立すると初期化処理が行われる構成としてもよく、強制終了に際して初期化処理が行われる構成とするとよい。
(159)区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を、有利区間移行後の開始条件が成立してから行う構成において、開始条件は上記のものに限定されず、少なくとも第1の開始条件としての押し順報知が発生し得る状況となることと、第2の開始条件としての遊技媒体の増加が見込める状況となることと、が成立する構成であればよく、これら第1の開始条件と第2の開始条件とが同時に(同じゲームで)成立した場合に、開始条件が成立する構成としてもよい。
また、ボーナスとアタックモード等に同時当選した場合、ボーナス入賞時の他に、ボーナス当選時(アタックモード当選時)に開始条件が成立するものとしてもよいし、ボーナス終了時(アタックモード当選報知時)に開始条件が成立するものとしてもよいし、ボーナス終了後であってアタックモードへの移行が生じた場合に開始条件が成立するものとしてもよい。
(160)事前区間のゲーム数表示(開始前ゲーム数MGに基づく表示)は、上記のものに限定されず、例えば、上記構成に代え、又は加えて、開始前ゲーム数MGの値に応じて背景色が変化する構成(例えば、0~99は青背景、100~199は黄色背景、200~は赤背景等)としてもよい。
(161)事前区間においては各ゲームで持ちメダルが減少し得ることを前提として説明したが、事前区間において持ちメダルが増加する区間が含まれる構成としてもよい。例えば、事前区間中にボーナス当選した場合において、アタックモードには当選しなかった(押し順報知が発生し得る状況にはならなかった場合)には開始条件は成立しないものの、事前区間中に持ちメダルの増加が見込めることとなる。
(162)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(163)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(164)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
例えば、パチンコ機や球使用回胴式遊技機において、出玉率等に変化を与える設定値を複数段階有する構成とし、これらの設定値の示唆や教示演出として、上記各発明を適用してもよい。この場合、大当たり確率が高低となる高確率状態と低確率状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高確率状態として適用してもよく、所定の入球部への入球率が高低となる高入球状態と低入球状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高入球状態として、上記各発明を適用してもよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群に示す発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴AA群>
特徴AA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて実行され、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて特定報知手段(第8表示用セグメントN8)を点灯状態とすることにより報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段を消灯状態とすることにより報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技状態報知手段は、
予め定められた第1態様にて、前記特定報知手段による報知を開始又は終了する第1手段(例えば、主制御装置101において第1停止OFF操作時に区間表示器の表示を開始する処理を実行する機能)と、
前記第1態様とは異なる第2態様にて、前記特定報知手段による報知を開始又は終了する第2手段(例えば、主制御装置101において第3停止OFF操作時に区間表示器の表示を開始する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
この場合、態様報知が行われやすい特定遊技状態へ移行すると特定報知手段による報知が開始され、当該特定遊技状態が終了すると特定報知手段による報知も終了する。つまり、特定報知手段の報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に態様報知による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
しかも本遊技機では、特定報知手段による報知の開始や終了が、第1態様にて行われる場合と、第2態様にて行われる場合とがある。このようにすれば、単に特定遊技状態への移行に際して報知を開始し、特定遊技状態の終了に際して報知を終了する、といった特定報知手段を利用して、遊技における演出効果を存分に期待することも可能となる。また、上記構成を用いれば、例えば、特定遊技状態への移行抽選に当選させて特定報知手段による報知を開始させたり、特定遊技状態を遊技したりすることによって特定報知手段による報知を終了させたゲームを行った遊技者に対し、そのゲームの内容や特定遊技状態の内容等の情報を、特定報知手段の報知の開始/終了態様にて付与することが可能となる。よって、特定報知手段による報知の有無によって遊技者間の平等性を担保しつつ、報知の契機となるゲームを行った遊技者に対する優位性を担保することも可能となる。したがって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
なお、「特定遊技状態報知手段」について、「遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて特定報知手段を点灯状態とすることにより報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段を消灯状態とすることにより報知を終了する」構成としたが、単に「遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて特定報知手段による報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段による報知を終了する」構成としてもよい。これは、以下の他の特徴における「特定遊技状態報知手段」についても同様である。
特徴AA2.前記特定遊技状態報知手段は、前記特定遊技状態の有利度により、前記第1手段によって前記特定報知手段による報知を開始又は終了する場合と、前記第2手段によって前記特定報知手段による報知を開始又は終了する場合とを異ならせることが可能であることを特徴とする特徴AA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知手段による報知の開始や終了が、第1態様にて行われる場合と第2態様にて行われる場合とで、特定遊技状態の有利度によって異なることとなる。よって、特定報知手段による報知が開始/終了する場合の特定報知手段への関心を高めることが可能となる。
特徴AA3.前記特定遊技状態として、遊技者にとっての有利度が異なる複数の所定状態(アタックモード、チャレンジモード、スーパーアタックモード、前兆モード等)を有し、
前記特定遊技状態報知手段は、
前記特定遊技状態が予め定められた第1所定状態である場合には、前記第1手段により前記特定報知手段による報知を開始又は終了し、
前記特定遊技状態が前記第1所定状態とは異なる第2所定状態である場合には、前記第2手段により前記特定報知手段による報知を開始又は終了することを特徴とする特徴AA1又は特徴AA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態の有利度として、特定遊技状態の種類によって第1態様と第2態様とが異なることとなる。第1結果や第2結果の停止操作態様や態様報知による遊技性において、どのような状態に移行することが重要であることからして、上記のようにすることで、特定報知手段の報知の開始への関心を好適に高めることが可能となる。また、報知の終了に際しても、いずれの状態かという情報に対応付けられた態様にて特定報知手段の報知を終了するようにすれば、特定報知手段の報知の終了態様を通じて、これらの状態の余韻を楽しませることが可能となる。
特徴AA4.前記特定遊技状態として、遊技者にとっての有利度が異なる複数の所定状態(アタックモード、チャレンジモード、スーパーアタックモード、前兆モード等)を有し、
前記特定遊技状態報知手段は、
前記特定遊技状態が前記第1所定状態である場合には、前記第1手段により前記特定報知手段による報知を開始し、
前記特定遊技状態が前記第2所定状態である場合には、前記第2手段により前記特定報知手段による報知を開始することを特徴とする特徴AA3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴AA3のうち、報知開始時の効果を好適に奏することができる。
特徴AA5.前記特定遊技状態報知手段は、前記第1手段により報知を開始又は終了する場合と、前記第2手段により報知を開始又は終了する場合とで、同じ態様にて前記特定遊技状態中の報知を行うことを特徴とする特徴AA1乃至AA4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態中は報知態様が同じであるため特定報知手段の報知によって遊技者間の平等性を担保する機能は果たせるし、特定報知手段の報知態様が異なるポイントを開始時や終了時に集約することで、注目すべきタイミングがわかりやすくなり、特定報知手段への注目度を好適に高めることも可能となる。
特徴AA6.前記特定遊技状態報知手段は、前記特定報知手段による報知を開始する場合の前記特定遊技状態の内容に応じて、前記第1態様及び前記第2態様のいずれにて前記特定報知手段による報知を開始するかを設定する開始時設定手段(主制御装置101による区間表示第1処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴AA1乃至AA5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1態様にて報知が開始されるか、それとも第2態様にて報知が開始されるかによって、特定遊技状態の内容が異なる。これにより、いずれの態様か否かへの関心を高め、もって、注目度向上効果を好適に奏することが可能となる。
なお、上記「前記特定遊技状態の内容に応じて」は、例えば、「前記特定遊技状態として、遊技者にとっての有利度が異なる複数の所定状態(アタックモード、チャレンジモード、スーパーアタックモード、前兆モード等)を有し、前記特定遊技状態が第1所定状態であるか前記第1所定状態とは異なる第2所定状態であるかに応じて」等のように、特定遊技状態中の具体的な状態の種類を用いて表現してもよい。また、「前記特定遊技状態の長さに応じて」といったように継続ゲーム数等と対応付けられたものとしてもよい。
特徴AA7.前記特定遊技状態報知手段は、前記特定報知手段による報知を開始する場合の前記特定遊技状態の有利度に応じて、前記第1態様及び前記第2態様のいずれにて前記特定報知手段による報知を開始するかを設定する開始時設定手段(主制御装置101による区間表示第1処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴AA1乃至AA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1態様にて報知が開始されるか、それとも第2態様にて報知が開始されるかによって、特定遊技状態の有利度が異なる。これにより、いずれの態様か否かへの関心を高め、もって、注目度向上効果を好適に奏することが可能となる。
また、本構成を上記特徴AA6に適用する場合、特徴AA6の「開始時設定手段」を本構成の「開始時設定手段」と読み替えてもよいし、特徴AA6の「開始時設定手段」を「第1開始時設定手段」とし、本構成の「開始時設定手段」を「第2開始時設定手段」と読み替えてもよい。すなわち、各特徴を適用するうえで「開始時設定手段」が重複する場合、一方の「開始時設定手段」を他方の「開始時設定手段」の構成にて限定してもよいし、両「開始時設定手段」が併存する構成としてもよい。なお、かかる各手段の限定乃至重複の関係は、以下の各特徴についても同様である。
特徴AA8.前記第1手段により前記特定報知手段の報知が開始又は終了される場合、前記第1態様として第1のタイミングにて当該報知が開始又は終了されるものであり、前記第2手段により前記特定報知手段の報知が開始又は終了される場合、前記第2態様として前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングにて当該報知の開始又は終了されるものであることを特徴とする特徴AA1乃至AA7のいずれか1に記載の遊技機。
特定報知手段の報知を開始/終了する態様として、タイミングの相違の他、表示内容(色違い、画像違い等)の相違や、音の違い等が含まれるところ、上記構成では、第1態様と第2態様とでは、特定報知手段の報知開始/終了タイミングが異なる。そのため、他の相違点(表示内容や音の違い等)を同じものとすることも可能となり、第1手段と第2手段とで特定報知手段の報知の開始/終了時の演出データを共用することができる。よって、簡素な構成にて、上記各特徴の優れた効果を奏することが可能となる。
特徴AA9.前記第2のタイミングは前記第1のタイミングよりも後のタイミングであり、前記第2のタイミングにて前記特定報知手段の報知が開始される方が、前記第1のタイミングにて前記特定報知手段の報知が開始されるよりも、前記特定報知手段による報知対象となる前記特定遊技状態が遊技者にとって有利となり易いことを特徴とする特徴AA8に記載の遊技機。
上記構成によれば、後側の報知開始タイミングの方が遊技者にとって有利となるのであれば、報知開始が後になるほど好ましく、報知が開始されるか否かといったドキドキ感を長く楽しませることが可能となる。
特徴AA10.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記特定遊技状態への移行抽選に当選した状況において、前記有効位置に前記特定結果に対応する特定の絵柄組合せが停止することにより当該特定結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与され得ることとなるゲームを開始ゲームとし、
前記特定遊技状態報知手段は、少なくとも前記開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前のタイミングで前記特定報知手段による報知を開始するものであり、
前記第1のタイミング及び前記第2のタイミングは、前記開始ゲームに含まれることを特徴とする特徴AA9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知手段による報知が開始されるタイミングがより限定的なものとなるため、当該報知が行われるか否かといった遊技において演出の間延びが生じにくくなる。また、特定報知手段による報知が開始されるタイミングの終期が設定されることによって、特定報知手段による報知が行われるか否か(移行抽選に当選したか否か)への注目すべきポイントが集約されて、注目度向上に寄与するし、特徴AA9のように、後側のタイミングの方が遊技者にとって有利なものとなるのであれば、先側のタイミングで報知が開始されて安心感を得られるか、それとも後側のタイミングまでその報知が開始されずにドキドキ感を味わうか、といった遊技性を実現可能となる。
特徴AA11.前記第1手段は、複数の前記停止操作手段のうち第1の停止操作手段が操作されたことに基づいて前記特定報知手段による報知を開始又は終了し、
前記第2手段は、複数の前記停止操作手段のうち前記第1の停止操作手段よりも後に操作される第2の停止操作手段が操作されたことに基づいて前記特定報知手段による報知を開始又は終了することを特徴とする特徴AA1乃至AA10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数ある停止操作手段の操作に合わせて特定報知手段による報知が開始又は終了する。このようにすれば、例えば、特定報知手段による報知が開始されることや終了しないこと、すなわち特定遊技状態となったり特定遊技状態が継続することを望みながら、期待を込めて停止操作手段を操作させることが可能となる。よって、各ゲームの進行に際して、停止操作手段の操作の面白みを増加させることができる。
なお、上記構成を特徴AA6に適用すれば、特に以下の効果を奏する。
操作される停止操作手段の後先によって、特定報知手段による報知対象となる特定遊技状態の内容が異なり得るため、特定報知手段による報知が開始され得るゲームにおいて、段階的に期待度を変化させながら各停止操作手段を操作させることができる。また、各停止操作手段の操作に基づいて対応する周回体が停止して、全周回体が停止することにより遊技結果に対応する絵柄組合せが停止する遊技性からして、後側の停止操作手段の操作の方が、上記遊技結果に対応する絵柄組合せが完成に近づいている可能性が高い。そうすると、特定報知手段の報知が開始されるタイミングでの遊技結果に対応する絵柄組合せの完成度合と、特定報知手段の報知対象とされる特定遊技状態の内容とをリンクさせることができる。したがって、上記構成のようにすれば、各周回体に停止する絵柄との関係性を利用した特定報知手段による報知とすることができ、当該報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
また、上記構成を特徴AA7に適用すれば、特に以下の効果を奏する。
操作される停止操作手段の後先によって、特定報知手段による報知対象となる特定遊技状態の有利度が異なり得るため、特定報知手段による報知が開始され得るゲームにおいて、段階的に期待度を変化させながら各停止操作手段を操作させることができる。また、各停止操作手段の操作に基づいて対応する周回体が停止して、全周回体が停止することにより遊技結果に対応する絵柄組合せが停止する遊技性からして、後側の停止操作手段の操作の方が、上記遊技結果に対応する絵柄組合せが完成に近づいている可能性が高い。そうすると、特定報知手段の報知が開始されるタイミングでの遊技結果に対応する絵柄組合せの完成度合と、特定報知手段の報知対象とされる特定遊技状態の有利度とをリンクさせることができる。したがって、上記構成のようにすれば、各周回体に停止する絵柄との関係性を利用した特定報知手段による報知とすることができ、当該報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴AA12.前記停止操作手段は、初期位置から操作位置まで変位可能となっており、
前記駆動制御手段は、前記停止操作手段が前記初期位置から前記操作位置まで操作されたことに基づいて対応する前記周回体を停止させるように駆動制御するものであり、
前記特定報知手段による報知が開始される場合の前記特定遊技状態の有利度に応じて、前記第1態様として所定の前記停止操作手段が前記初期位置から前記操作位置まで操作されたことに基づいて前記特定報知手段による報知を開始するか、前記第2態様として所定の前記停止操作手段が前記操作位置から前記初期位置に復帰することに基づいて前記特定報知手段による報知を開始するかを設定する開始時設定手段(主制御装置101による区間表示第1処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴AA1乃至AA11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段を初期位置から操作位置まで操作して周回体を停止させたことに基づいて特定報知手段による報知が開始される場合と、停止操作手段を操作位置まで操作して後(周回体の停止後)に初期位置まで復帰させることに基づいて特定報知手段による報知が開始される場合とがあり、それぞれ特定報知手段の報知対象となる特定遊技状態の有利度が異なっている。このようにすることで、各周回体を停止させることの行為と、停止させた後の余韻との関係で特定報知手段による報知を開始させることが可能となり、特定報知手段の報知が開始されることへの注目度がより好適に高められる。
特徴AA13.前記特定遊技状態報知手段は、前記特定報知手段による報知を終了する場合の当該報知対象となっていた前記特定遊技状態の内容に応じて、前記第1態様及び前記第2態様のいずれにて前記特定報知手段による報知を終了するかを設定する終了時設定手段(主制御装置101による区間表示第1処理にて有利区間表示を終了する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴AA1乃至AA12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、実施してきた特定遊技状態の内容によって、第1態様にて報知が終了されるか、それとも第2態様にて報知が終了されるかが異なる。このようにすることで、例えば、特定遊技状態の内容が遊技者が望むものではなかったであろう場合(短いゲーム数で終了してしまった場合等)と、特定遊技状態の内容が遊技者が望むものであったであろう場合(長いゲーム数に亘って継続した場合等)と、で特定報知手段による報知終了態様を異ならせるなどして、終了時の演出効果を期待することが可能となる。
特徴AA14.前記特定遊技状態中において実行される演出であって、当該実行中の前記特定遊技状態に関する内容報知(上乗せ報知演出)を実行する内容報知手段(表示制御装置81における上乗せ報知演出を実行する機能)を備え、
前記内容報知手段による前記内容報知は、その報知の実行契機が生じてから報知が行われるまでの期間が長いほど遊技者にとって有利となる内容となり易く、
前記特定遊技状態報知手段は、前記特定報知手段による報知対象となっている前記特定遊技状態の内容が遊技者にとって有利となるほど、前記第1手段と前記第2手段とのうち、後側に前記報知を開始又は終了する手段にて、前記特定報知手段による報知を開始又は終了し易いことを特徴とする特徴AA1乃至AA13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態報知手段による報知の開始・終了が遅いほど、その報知対象となっている特定遊技状態の内容が遊技者にとって有利となる構成が、特定遊技状態中の内容報知の実行タイミングの関係と関連付けられて、遊技者にとって馴染みやすい乃至わかりやすい報知となる。よって、特定遊技状態報知手段による報知の開始・終了を内容と関連付けて楽しませる遊技を好適に実現することができる。
特徴AA15.前記特定遊技状態報知手段は、
前記移行抽選手段による前記移行抽選が当選となった場合の遊技状況に応じて、前記第1手段により前記特定報知手段による報知を開始するか、前記第2手段により前記特定報知手段による報知を開始するかを異ならせることが可能であることを特徴とする特徴AA1乃至AA14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に特定遊技状態への移行抽選に当選させるだけでなく、どのような遊技状況によって移行抽選に当選させるかによって、特定報知手段による報知の開始態様が異なる。このようにすることで、報知態様の多様化が図られる。
特徴AA16.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記移行抽選手段による移行抽選に非当選であることを一の条件として前記遊技状況を特定状況に設定する状況設定手段(主制御装置101における特定状態用処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技状態報知手段は、前記特定状況ではない状況よりも前記特定状況の方が、遊技者にとって有益となり得る情報が前記特定報知手段による報知の開始態様から示唆され易くなるように、前記第1手段及び前記第2手段のいずれにて前記特定報知手段による報知を開始するかを異ならせることが可能であることを特徴とする特徴AA15に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選結果が特定結果であっても特定遊技状態への移行抽選に非当選となっても、遊技状況が特定状況に設定され得る。特定状況中に特定遊技状態への移行抽選に当選すると、遊技者にとって有益となり得る情報が、特定遊技状態報知手段による報知の開始態様によって示唆される。このようにすれば、単に特定遊技状態への移行抽選に当選するか否かだけでなく、特定状況に設定されるか否かも遊技の肝となり、特定遊技状態への移行抽選に非当選であってもさほど落胆しないようにすることができる。
なお「遊技者にとって有益となり得る情報」とは、例えば、「設定手段により設定されている設定値の情報」等が考えられる。
特徴AA17.前記第1結果は、前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記第2結果は、前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする特徴AA1乃至AA16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知として複数ある周回体の停止順序に関する順序報知が実行され得る。このようにすることで、例えば、周回体に付された所定の絵柄を狙う目押し操作が苦手な遊技者に対しても、態様報知による恩恵を十分に享受させることが可能となる。
なお、上記構成は、「各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様として第1の停止順序で操作されて前記第1結果入賞が成立した場合には前記第1特典(例えば、3ベットゲームにおいて第1小役入賞に基づいて付与される9枚のメダル)が付与され、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様として前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作されて前記第2結果入賞が成立した場合には前記第2特典(例えば、3ベットゲームにおいて第2小役入賞に基づいて付与される3枚のメダル)が付与され、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする」と表現してもよく、この場合、入賞する結果と付与される特典との関係性をより明確に示すことが可能である。
特徴AA18.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記移行抽選手段による移行抽選の当選確率は、前記設定手段により設定される設定値に関わらず同じ当選確率となるものであることを特徴とする特徴AA1乃至AA17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態に関し、設定値による当選確率の差がないため、遊技ホールに複数台設置される遊技機のいずれを選択しても当該特定遊技状態に関する遊技についての平等性は担保される。このような構成を、特定報知手段による状態移行時に一律に報知開始する構成に適用することで、平等性を担保する効果をより高めることが可能となる。
特徴AA19.前記特定遊技状態として、前記通常遊技状態よりも前記態様報知の実行頻度が高くなる高頻度状態、前記通常遊技状態よりも前記高頻度状態へ移行し易い高確率状態、及び前記高頻度状態若しくは前記高確率への移行抽選に当選し且つ移行前である移行前状態(前兆モード)、の少なくともいずれかが設定されていることを特徴とする特徴AA1乃至AA18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態のバリエーションが多様化し、遊技性が向上する。しかも、高確率状態や移行前状態については、いずれも態様報知の実行頻度によって有利度が向上するよりも前の段階であり、各ゲームの有利度については通常遊技状態とほぼ同等のものである。そのような状態を含めて、特定遊技状態へ移行すると特定報知手段によって報知が開始される構成とすることで、特定遊技状態へ移行しているのにも関わらず、それに気づかずに遊技を終了してしまうといった事象を好適に回避させることが可能となる。つまり、高頻度状態へ移行していれば、遊技者は態様報知が行われることによってその状態移行を把握可能であると考えられ、このような高頻度状態の前段階の状態への移行を特定報知手段の報知開始によって知らしめる構成とすることで、特定遊技状態への移行をより好適に把握させることが可能となる。以上の結果、特定報知手段によって平等性を担保する機能を高め、且つ特徴AA1に記載した演出効果や興趣向上を期待することが可能となる。
特徴AA20.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて実行され、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて特定報知手段(第8表示用セグメントN8)を点灯状態とすることにより報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段を消灯状態とすることにより報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技状態報知手段は、
予め定められた第1のタイミングにて、前記特定報知手段による報知を開始又は終了する第1手段(例えば、主制御装置101において第1停止OFF操作時に区間表示器の表示を開始する処理を実行する機能)と、
前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングにて、前記特定報知手段による報知を開始又は終了する第2手段(例えば、主制御装置101において第3停止OFF操作時に区間表示器の表示を開始する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
この場合、態様報知が行われやすい特定遊技状態へ移行すると特定報知手段による報知が開始され、当該特定遊技状態が終了すると特定報知手段による報知も終了する。つまり、特定報知手段の報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に態様報知による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
しかも本遊技機では、特定報知手段による報知の開始や終了が、第1のタイミングにて行われる場合と、第2のタイミングにて行われる場合とがある。このようにすれば、単に特定遊技状態への移行に際して報知を開始し、特定遊技状態の終了に際して報知を終了する、といった特定報知手段を利用して、遊技における演出効果を存分に期待することも可能となる。また、上記構成を用いれば、特定遊技状態への移行抽選に当選させて特定報知手段による報知を開始させたり、特定遊技状態を遊技したりすることによって特定報知手段による報知を終了させたゲームを行った遊技者に対し、そのゲームの内容や特定遊技状態の内容等の情報を、特定報知手段の報知の開始/終了タイミングにて提供することが可能となる。よって、特定報知手段による報知の有無によって遊技者間の平等性を担保しつつ、報知の契機となるゲームを行った遊技者に対する優位性を担保することが可能となる。したがって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴AA21.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて実行され、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて特定報知手段(第8表示用セグメントN8)を点灯状態とすることにより報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段を消灯状態とすることにより報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技状態報知手段は、
予め定められた第1色にて前記点灯状態又は前記消灯状態とすることにより、前記特定報知手段による報知を開始又は終了する第1手段(例えば、主制御装置101において赤色にて区間表示器の表示を開始する処理を実行する機能)と、
前記第1色とは異なる第2色にて前記点灯状態又は前記消灯状態とすることにより、前記特定報知手段による報知を開始又は終了する第2手段(例えば、主制御装置101において緑色にて区間表示器の表示を開始する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
この場合、態様報知が行われやすい特定遊技状態へ移行すると特定報知手段による報知が開始され、当該特定遊技状態が終了すると特定報知手段による報知も終了する。つまり、特定報知手段の報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に態様報知による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
しかも本遊技機では、特定報知手段による報知の開始や終了が、第1色にて行われる場合と、第2色にて行われる場合とがある。このようにすれば、単に特定遊技状態への移行に際して報知を開始し、特定遊技状態の終了に際して報知を終了する、といった特定報知手段を利用して、遊技における演出効果を存分に期待することも可能となる。また、上記構成を用いれば、特定遊技状態への移行抽選に当選させて特定報知手段による報知を開始させたり、特定遊技状態を遊技したりすることによって特定報知手段による報知を終了させたゲームを行った遊技者に対し、そのゲームの内容や特定遊技状態の内容等の情報を、特定報知手段の報知の開始/終了の際の色の違いにて提供することが可能となる。よって、特定報知手段による報知の有無によって遊技者間の平等性を担保しつつ、報知の契機となるゲームを行った遊技者に対する優位性を担保することが可能となる。したがって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
なお、特徴AA20又は特徴AA21に対し、上記特徴AA1乃至AA19の各構成を個別に適用してもよいし、各構成を組み合わせて適用してもよい。
<特徴AB群>
特徴AB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて特定報知手段(第8表示用セグメントN8)を点灯状態とすることにより状態中報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段を消灯状態とすることにより当該状態中報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技状態報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記特定遊技状態への移行抽選に当選した状況において、前記有効位置に前記特定結果に対応する特定の絵柄組合せが停止することにより当該特定結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与され得ることとなるゲームを開始ゲームとし、少なくとも前記開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前のタイミングで前記特定報知手段による状態中報知を開始するものであり、
前記特定遊技状態報知手段による前記状態中報知が開始されるよりも前のタイミングにおいて、当該状態中報知の対象となっている前記特定遊技状態の内容に対応する特別報知を予め定められた特定の報知手段(第8表示用セグメントN8、各リール32L,32M,32R、補助表示部65等)にて実行可能な特別報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理や特殊RT状態処理を実行する機能、表示制御装置81による特殊RT状態用報知手段を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
この場合、態様報知が行われやすい特定遊技状態へ移行すると特定報知手段による状態中報知が開始され、当該特定遊技状態が終了すると特定報知手段による状態中報知も終了する。つまり、特定報知手段の報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に態様報知による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
その一方で、上記のように、状態中報知の開始を時限的なものとすると、最終的に(次ゲームの操作が許容されるまでに)状態中報知が開始されるか否かといった点にのみ遊技者の関心が注がれる恐れがあり、この場合、遊技者として、開始ゲームの次のゲームの操作が許容される際に状態中報知が開始されているか否かを判断すればよいことになるため、開始ゲーム自体の注目度が低下する可能性がある。そこで、本遊技機では、状態中報知に加え、その状態中報知が開始されるよりも前のタイミングである開始ゲームの途中や、移行抽選に当選したタイミング等(主に、開始ゲームの開始タイミング)において、特定遊技状態の内容に対応する特別報知を特定の報知手段にて実行可能とした。このようにすることで、特定報知手段にて状態中報知が開始されるか否かに注目し、開始ゲームの次のゲームへ関心を寄せている遊技者に対し、当該関心の矛先を開始ゲームに移させることができる。
特徴AB2.前記特別報知手段により、第1のタイミングにて前記特別報知が行われた場合と、前記第1のタイミングよりも遅いタイミングである第2のタイミングにて前記特別報知が行われた場合とでは、前記特定報知手段により前記状態中報知が開始される対象となる前記特定遊技状態の有利度が異なることを特徴とする特徴AB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知手段による特別報知が行われるタイミングによって、その後に開始される状態中報知の対象となる特定遊技状態の有利度が異なる。このようにすることで、特別報知手段への特別報知への関心を簡素な構成にて高められる。
特徴AB3.前記特定遊技状態の内容が遊技者にとって有利なほど、前記特別報知手段は、前記第1のタイミングよりも前記第2のタイミングにて前記特別報知を行い易いことを特徴とする特徴AB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の実行タイミングが遅いほど遊技者にとって有利な内容の特定遊技状態となり易いため、開始ゲームにおいて、特別報知が早めに実行されないことを期待しながら、且つ、開始ゲームの次のゲームの操作が許容されるよりも前には状態中報知が開始されることを期待しながら、当該開始ゲームの進行操作を行わせることができる。よって、開始ゲームにおける遊技進行と期待度とを関連付けて段階的に期待度が異なる遊技性を実現することができる。
また、開始ゲームの次のゲームの操作が許容されるよりも前には状態中報知が開始される、といった時限的な報知を前提としているため、その状態中報知よりも前に行われる特別報知の実行タイミングが遅いほど有利な構成とすれば、特別報知と状態中報知の実行/開始タイミングが近いほど遊技者にとって有利となる。このように、状態中報知が開始されることへの意識づけを、特定遊技状態の有利度と特別報知の実行タイミングの相違とを利用して行うことが可能となり、報知態様の自由度が比較的少ない状態中報知であっても、その報知への印象を大きく変化させることが可能となる。
特徴AB4.前記特定遊技状態として、遊技者にとっての有利度が異なる複数の所定状態(アタックモード、チャレンジモード、スーパーアタックモード、前兆モード等)を有し、
前記特別報知手段は、開始される前記状態中報知の対象となっている前記特定遊技状態が予め定められた第1所定状態である場合には第1のタイミングにて前記特別報知を行い易く、開始される前記状態中報知の対象となっている前記特定遊技状態が前記第1所定状態とは異なる第2所定状態である場合には前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングにて前記特別報知を行い易い構成であることを特徴とする特徴AB1乃至AB3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態の種類によって特別報知が実行され易い報知タイミングを異ならせれば、報知タイミングから、その後に移行する(状態中報知が開始される)特定遊技状態の種類を予測する、という遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。
特徴AB5.前記特別報知手段は、所定の前記停止操作手段の操作に基づいて前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴AB1乃至AB4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、状態中報知が行われるまでの各停止操作手段の操作と特別報知とを関連付けることができ、特定遊技状態への移行抽選に当選したのでは、という状況において、特別報知が行われることへの期待を込めて停止操作手段を操作させることができる。
特に、停止操作態様のうち停止順序によって付与される特典が異なり得る結果を利用した遊技性が付加されている遊技機では、各停止操作手段の操作順序にのみ遊技者の目が行きがちであり、各停止操作手段を操作して絵柄を停止させる、といったスロットマシン本来の遊技性が疎かになる可能性がある。その点、上記のように、停止操作手段の操作に基づいて特別報知が行われる構成とすれば、指示された順序通りに停止操作手段を操作して周回体を停止させる、といった受動的な遊技性に加え、停止操作手段を操作して特別報知を発生させる、といった能動的な遊技性を実現することができ、各停止操作手段のそれぞれの操作への注目度を高めることを通じて、各停止操作手段を操作して絵柄を停止させるといったスロットマシン本来の遊技性を再燃乃至担保することが可能となる。
特徴AB6.前記停止操作手段は、初期位置から操作位置まで変位可能となっており、
前記駆動制御手段は、前記停止操作手段が前記初期位置から前記操作位置まで操作されたことに基づいて対応する前記周回体を停止させるように駆動制御するものであり、
前記特別報知手段により、所定の前記停止操作手段が前記初期位置から前記操作位置まで操作されたことに基づいて前記特別報知が行われた場合よりも、所定の前記停止操作手段が前記操作位置から前記初期位置に復帰することに基づいて前記特別報知が行われた場合の方が、前記特定遊技状態の内容が遊技者にとって有利となり易いことを特徴とする特徴AB5に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段を操作位置まで変位させて対応する周回体が停止する、といった構成を前提とし、周回体を停止させつつ特別報知が行われるよりも、周回体が停止した後で特別報知が行われる方が遊技者にとって有利となる。つまり、周回体が停止して特別報知とセットで停止出目を見る場合のほうが、停止前に特別報知のみ行われる場合よりも有利となるため、停止操作によって停止させたこと(所定の出目を出現させたこと)によって有利となった印象を強めることができる。
特徴AB7.前記特別報知手段は、前記特定の報知手段として、前記特定報知手段にて前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴AB1乃至AB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、構成の集約化を図るだけでなく、状態中報知への関心の高さを利用して特別報知への注目度を高めたり、特別報知への関心の高さを利用して状態中報知への注目度を高めることが可能となり、両報知への注目度を好適に高めることができる。
特徴AB8.前記特定報知手段は、消灯状態と点灯状態との切り替えが可能に構成されており、
前記特定遊技状態報知手段は、前記特定報知手段を前記消灯状態から前記点灯状態に切り替えることで前記状態中報知を開始し、前記特定報知手段を前記点灯状態から前記消灯状態に切り替えることで前記状態中報知を終了するものであり、
前記特別報知手段は、前記状態中報知が開始される場合に、前記特定報知手段を前記消灯状態から前記点灯状態に切り替えるタイミングを利用して前記特別報知を行うことを特徴とする特徴AB7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知手段を消灯状態と点灯状態との切り替えという簡素な構成で実現するとともに、その簡素な構成ながらも、点灯状態への切り替えタイミングの相違といった特別報知手段による特別報知によって演出効果を高めることが可能となる。よって、構成の簡素化と演出効果の向上といった相反し得る効果を両立させることが可能となる。
特徴AB9.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果を含む所定の移行結果(第1BB)であって、前記特定遊技状態への移行抽選に当選した状況において、前記有効位置に前記移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止せず前記移行結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与されなかった場合、当該移行結果当選となったゲームを当選ゲームとし、当該移行結果当選を留保することが可能な留保手段(主制御装置101によるステップS609の処理を実行する機能)を備え、
前記留保手段にて前記移行結果当選が留保されている状況において、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止することにより当該移行結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与されることとなるゲームが開始ゲームとされることを特徴とする特徴AB1乃至AB8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選が留保されることにより、特別報知を実行可能なゲームが留保される分だけ増えることとなり、当該特別報知の実行タイミングが多様化する。よって、特別報知により状態中報知の対象となる特定遊技状態の内容を予測/把握する、といった遊技性の興趣向上が図られる。
なお、「移行結果」に関し、「前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果であって、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止した場合、遊技者にとって有利な有利状態(ボーナス状態)に移行させる」構成を限定することで、留保手段による留保が可能な所謂大当たり結果(ボーナス)であることがより明確化される。
特徴AB10.前記特別報知手段は、前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況において、前記当選ゲームから前記開始ゲームまでの間のゲームにおいて前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴AB9に記載の遊技機。
上記構成によれば、当選ゲームから開始ゲームまでの間のゲームにて特別報知が行われるため、特定結果当選が留保されている間のゲームの間延びが抑制される。すなわち、移行結果当選が留保されるようにすることで、移行結果か否かを判断させるゲームを引き延ばして、期待感を持続させるという遊技性が実現可能となるところ、当該留保されるゲームが長いほど、期待感を持続させる効果は期待できる一方、当該留保されるゲームが長くなると間延びが生じ易くかえって注目度が低下してしまう可能性もある。その点、上記構成のように、かかる留保中に特別報知を実行する構成とすれば、当該間延び感を生じさせにくくし、留保により期待感を持続させる効果を好適に奏することが可能となる。
特徴AB11.前記特別報知手段は、前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況において、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた報知対応結果であることに基づいて、前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴AB10に記載の遊技機。
上記構成によれば、留保中の各ゲームの抽選結果に対しても関心を寄せさせることができる。すなわち、単に留保中に特別報知を演出として行うのではなく、留保中の抽選手段の抽選結果に基づいて特別報知を行う構成とすれば、留保中の各ゲームを特別報知待ちや移行結果入賞待ちの消化ゲームとするのではなく、各ゲームの抽選に意味を持たせることが可能となる。
特徴AB12.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果のうちの前記移行結果を含まない第1特定結果(例えば、強スイカの単独役)である場合、当該抽選結果が前記第1特定結果であるゲームが前記開始ゲームとされ、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果のうちの前記移行結果を含む第2特定結果(例えば、強スイカ+第1BBの重複役)である場合、前記移行結果入賞が成立するゲームを前記開始ゲームとされることを特徴とする特徴AB9乃至AB11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果の種類によって、留保されるか否かが異なる。このようにすれば、特別報知の実行及び状態中報知の開始が留保される場合と、特別報知の実行及び状態中報知の開始が留保されない場合と、があることとなり、特別報知の実行及び状態中報知の開始態様が大幅に多様化される。
特徴AB13.前記第1特定結果当選となったゲームと、前記第2特定結果当選となったゲームとで、前記有効位置に共通の絵柄組合せが停止可能となることを特徴とする特徴AB12に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の実行及び状態中報知の開始についても留保されるか否かが、停止出目からは判断できなくなる。これにより、共通の絵柄組合せが停止した場合に特別報知や状態中報知が行われなくても、その後のゲームに期待感を持続させることができる。
特徴AB14.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であり、前記移行抽選に当選していない場合にも、前記共通の絵柄組合せが停止可能となることを特徴とする特徴AB13に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果当選である場合、特定遊技状態への移行抽選に当選の有無に関わらず共通の絵柄組合せが停止し、停止出目が共通なものとなる。そのため、同じ停止出目であっても、留保手段により留保されずに特別報知及び状態中報知が行われるパターンと、留保手段により留保されてその後に特別報知及び状態中報知が行われるパターンと、の他に、そもそも特別報知も状態中報知も行われないパターンが加わることとなる。このようにすれば、共通の絵柄組合せが停止したゲームだけでなく、その後のゲームにおいても、特別報知や状態中報知が行われることへの期待感を持たせつつ遊技を行わせることができる。
特徴AB15.前記第1結果は、前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記第2結果は、前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする特徴AB1乃至AB14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知として複数ある周回体の停止順序に関する順序報知が実行され得る。このようにすることで、例えば、周回体に付された所定の絵柄を狙う目押し操作が苦手な遊技者に対しても、態様報知による恩恵を十分に享受させることが可能となる。
なお、上記構成は、「各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様として第1の停止順序で操作されて前記第1結果入賞が成立した場合には前記第1特典(例えば、3ベットゲームにおいて第1小役入賞に基づいて付与される9枚のメダル)が付与され、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様として前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作されて前記第2結果入賞が成立した場合には前記第2特典(例えば、3ベットゲームにおいて第2小役入賞に基づいて付与される3枚のメダル)が付与され、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする」と表現してもよく、この場合、入賞する結果と付与される特典との関係性をより明確に示すことが可能である。
特徴AB16.前記特定遊技状態として、前記通常遊技状態よりも前記態様報知の実行頻度が高くなる高頻度状態、前記通常遊技状態よりも前記高頻度状態へ移行し易い高確率状態、及び前記高頻度状態若しくは前記高確率への移行抽選に当選し且つ移行前である移行前状態(前兆モード)、の少なくともいずれかが設定されていることを特徴とする特徴AB1乃至AB15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態のバリエーションが多様化し、遊技性が向上する。しかも、高確率状態や移行前状態については、いずれも態様報知の実行頻度によって有利度が向上するよりも前の段階であり、各ゲームの有利度については通常遊技状態とほぼ同等のものである。そのような状態を含めて、特定遊技状態へ移行すると特定報知手段によって報知が開始される構成とすることで、特定遊技状態へ移行しているのにも関わらず、それに気づかずに遊技を終了してしまうといった事象を好適に回避させることが可能となる。つまり、高頻度状態へ移行していれば、遊技者は態様報知が行われることによってその状態移行を把握可能であると考えられ、このような高頻度状態の前段階の状態への移行を特定報知手段の報知開始によって知らしめる構成とすることで、特定遊技状態への移行をより好適に把握させることが可能となる。以上の結果、特定報知手段によって平等性を担保する機能を高め、且つ特徴AB1に記載した演出効果や興趣向上を期待することが可能となる。
<特徴AC群>
特徴AC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて特定報知手段(第8表示用セグメントN8)を点灯状態とすることにより状態中報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段を消灯状態とすることにより当該状態中報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技状態報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記特定遊技状態への移行抽選に当選した状況において、前記有効位置に前記特定結果に対応する特定の絵柄組合せが停止することにより当該特定結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与され得ることとなるゲームを開始ゲームとし、少なくとも前記開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前のタイミングで前記特定報知手段による状態中報知を開始するものであり、
前記開始ゲームの次のゲームの操作が許容されることを制限可能な制限手段(主制御装置101による区間表示第3処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
この場合、態様報知が行われやすい特定遊技状態へ移行すると特定報知手段による状態中報知が開始され、当該特定遊技状態が終了すると特定報知手段による状態中報知も終了する。つまり、特定報知手段の報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に態様報知による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
その一方で、上記のようにすると、状態中報知の開始可能なタイミングが短くなり、開始時の演出効果が見込めない単調な開始演出となってしまったり、当該タイミングが短くなることによって開始されること自体が見逃されることも懸念され得る。その点、本遊技機では、開始ゲームの次のゲームの操作が許容されることを制限可能な制限手段を備えるため、当該次のゲームの操作が許容されることが制限されることを通じて状態中報知が行われることに気付かせることができるし、また、このように次のゲームの操作が許容されることを制限するようにすれば、状態中報知を開始可能な期間が延びることとなり、状態中報知の開始態様の多様化が図られる。
特徴AC2.遊技の進行処理を行う進行処理実行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段による制限が行われることにより、前記開始ゲームにおける前記進行処理のうち特定処理(主制御装置101による払出制御処理を実行する機能)の実行が制限されることを特徴とする特徴AC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、開始ゲームの進行処理のうち特定処理の実行を制限することを通じて、当該開始ゲームの進行を制限し、もって、当該開始ゲームの次のゲームの操作が許容されることを制限することとすることができる。このようにすることで、各ゲームの独立性を担保しながらも、開始ゲームで発生した特定遊技状態への移行という事象を、開始ゲームの次のゲームに反映することができる。
特徴AC3.前記制限手段による制限が行われる制限期間中においては、前記開始ゲームにおける操作も制限されることを特徴とする特徴AC1又は特徴AC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、開始ゲームの操作を制限することを通じて、当該開始ゲームの進行を制限し、もって、当該開始ゲームの次のゲームの操作が許容されることを制限することとすることができる。このようにすることで、各ゲームの独立性を担保しながらも、開始ゲームで発生した特定遊技状態への移行という事象を、開始ゲームの次のゲームに反映することができる。
特徴AC4.前記特定遊技状態報知手段は、前記制限手段による制限期間中に前記状態中報知を開始することが可能であることを特徴とする特徴AC1乃至AC3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作が制限されることを通じて、状態中報知が開始されることを気付かせ、当該状態中報知の開始を好適に確認させることができる。
特徴AC5.前記制限手段による制限が行われる制限期間の長さを設定する制限期間設定手段(主制御装置101による区間表示第3処理におけるフリーズ設定処理を実行する機能)を備え、
前記制限期間設定手段は、前記制限手段による制限が開始されてから前記状態中報知が開始されるまでの期間が、当該状態中報知の報知対象となる前記特定遊技状態の内容に対応するように前記制限期間の長さを設定可能であることを特徴とする特徴AC4に記載の遊技機。
上記構成によれば、開始ゲームの次のゲームの操作が許容されることが制限されてから、状態中報知が開始されるまでの期間が特定遊技状態の内容に対応付けられるため、制限されてからの期間の長さに強い関心を持たせることができ、その期間の長さへの注目度を高めることによって、状態中報知が開始されることへの注目度を好適に高めることができる。
特徴AC6.前記制限手段による制限が行われことにより、遊技者により行われる所定の操作に対応する制御が制限されることを特徴とする特徴AC5に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者により行われる操作に対応する制御が制限されることにより、遊技機側の一方的な処理の進行が制限される構成と比較して、遊技者は、操作することによって制限されていることを気付くこととなり、制限の開始タイミングがわかりにくくなる。よって、特徴AC5のように、制限されている期間の長さが重要な構成において、その長さを明確には把握しにくい構成とし、仮に、状態中報知の開始タイミング(期間の長さ)が遊技者にとって好ましくないものであったとしても、特定遊技状態へ移行するまで期待感を持続させることが可能となる。
特徴AC7.前記制限手段による制限が行われる制限期間の長さを設定する制限期間設定手段(主制御装置101による区間表示第3処理におけるフリーズ設定処理を実行する機能)を備え、
前記制限期間設定手段は、前記状態中報知が開始されてから前記制限手段による制限が終了するまでの期間が、前記特定遊技状態報知手段による前記状態中報知に対応する前記特定遊技状態の内容に対応するように前記制限期間の長さを設定可能であることを特徴とする特徴AC4乃至AC6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、状態中報知が開始されてから次ゲームの操作が許容されるまでの期間が特定遊技状態の内容に対応するため、遊技者としては、先ずは状態中報知が開始されることへ注目し、状態中報知が開始された場合、操作が許容されるタイミングに注目することとなり、経時的乃至段階的な演出とすることが可能となる。
特徴AC8.前記特定遊技状態報知手段は、前記制限手段による制限期間とは異なる期間にて前記状態中報知を開始可能であることを特徴とする特徴AC1乃至AC7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、そもそも操作が制限される期間においては演出的に注目度が高められている期間と考えられ、その期間以外においても状態中報知が開始され得る構成とすれば、遊技への注目度をまんべんなく向上させることが可能となる。
特徴AC9.前記制限手段による制限が行われる制限期間の長さを設定する制限期間設定手段(主制御装置101による区間表示第3処理におけるフリーズ設定処理を実行する機能)を備え、
前記制限期間設定手段は、前記特定遊技状態報知手段による前記状態中報知に対応する前記特定遊技状態の有利度に応じて前記制限期間の長さを設定可能であることを特徴とする特徴AC1乃至AC8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、次ゲームの操作が許容されることが制限されて状態中報知が開始され得る期間が確保されるとともに、その確保された期間(制限期間)の長さが特定遊技状態の有利度に対応することとなる。このようにすれば、状態中報知が開始されるか否かといったドキドキ感が高まる期間の長短によって、更にドキドキ感を高めることが可能となる。例えば、状態中報知が開始され得る期間が長いほど特定遊技状態が有利であれば、状態中報知が開始されるか否かという楽しみだけでなく、開始されてなくてもその期間が長く続くことを望むであろうと考えられるし、開始されていない期間が長くなればなるほど状態中報知が開始されることへ期待を寄せる、といった相乗的な注目度向上効果が期待できる。また、状態中報知が開始され得る期間が短いほど特定遊技状態が有利であれば、状態中報知が開始されるか否かを楽しむ期間が凝縮され、強烈なドキドキ感を提供することが可能となる。
特徴AC10.前記制限期間設定手段は、前記特定遊技状態報知手段による前記状態中報知に対応する前記特定遊技状態の内容が有利なほど、前記制限期間を長く設定し易いことを特徴とする特徴AC9に記載の遊技機。
一般的に、演出時間の長い演出契機ほど、遊技者にとって有利なものとなり易い、という前提に立てば、上記構成のように、制限期間が長いほど特定遊技状態の内容が遊技者にとって有利な内容となる構成は遊技者の理解が得られ易いし、他の演出との演出バランスがとれたものとなり得る。
特徴AC11.前記第1結果は、前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記第2結果は、前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする特徴AC1乃至AC10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知として複数ある周回体の停止順序に関する順序報知が実行され得る。このようにすることで、例えば、周回体に付された所定の絵柄を狙う目押し操作が苦手な遊技者に対しても、態様報知による恩恵を十分に享受させることが可能となる。
なお、上記構成は、「各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様として第1の停止順序で操作されて前記第1結果入賞が成立した場合には前記第1特典(例えば、3ベットゲームにおいて第1小役入賞に基づいて付与される9枚のメダル)が付与され、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様として前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作されて前記第2結果入賞が成立した場合には前記第2特典(例えば、3ベットゲームにおいて第2小役入賞に基づいて付与される3枚のメダル)が付与され、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする」と表現してもよく、この場合、入賞する結果と付与される特典との関係性をより明確に示すことが可能である。
特徴AC12.前記特定遊技状態として、前記通常遊技状態よりも前記態様報知の実行頻度が高くなる高頻度状態、前記通常遊技状態よりも前記高頻度状態へ移行し易い高確率状態、及び前記高頻度状態若しくは前記高確率への移行抽選に当選し且つ移行前である移行前状態(前兆モード)、の少なくともいずれかが設定されていることを特徴とする特徴AC1乃至AC11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態のバリエーションが多様化し、遊技性が向上する。しかも、高確率状態や移行前状態については、いずれも態様報知の実行頻度によって有利度が向上するよりも前の段階であり、各ゲームの有利度については通常遊技状態とほぼ同等のものである。そのような状態を含めて、特定遊技状態へ移行すると特定報知手段によって報知が開始される構成とすることで、特定遊技状態へ移行しているのにも関わらず、それに気づかずに遊技を終了してしまうといった事象を好適に回避させることが可能となる。つまり、高頻度状態へ移行していれば、遊技者は態様報知が行われることによってその状態移行を把握可能であると考えられ、このような高頻度状態の前段階の状態への移行を特定報知手段の報知開始によって知らしめる構成とすることで、特定遊技状態への移行をより好適に把握させることが可能となる。以上の結果、特定報知手段によって平等性を担保する機能を高め、且つ特徴AC1に記載した演出効果や興趣向上を期待することが可能となる。
<特徴AD群>
特徴AD1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて特定報知手段(第8表示用セグメントN8)を点灯状態とすることにより状態中報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段を消灯状態とすることにより前記状態中報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技状態報知手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記特定遊技状態への移行抽選に当選した状況において、前記有効位置に前記特定結果に対応する特定の絵柄組合せが停止することにより当該特定結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与され得ることとなるゲームを開始ゲームとし、少なくとも前記開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前のタイミングで前記特定報知手段による状態中報知を開始するものであり、
前記開始ゲームにおいて前記有効位置に第1特定の絵柄組合せが停止する場合、前記特定報知手段による前記状態中報知を第1態様にて開始する第1手段(例えば、スーパーアタックモード当選時に、主制御装置101において強チェリーに対応する停止出目のゲームの第1停止OFF操作時に区間表示器の表示を開始する処理を実行する機能)と、
前記開始ゲームにおいて前記有効位置に前記第1特定の絵柄組合せとは異なる第2特定の絵柄組合せが停止する場合、前記特定報知手段による前記状態中報知を前記第1態様とは異なる第2態様にて開始する第2手段(例えば、スーパーアタックモード当選時に、主制御装置101において弱チェリーに対応する停止出目のゲームの第3停止OFF操作時に区間表示器の表示を開始する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
この場合、態様報知が行われやすい特定遊技状態へ移行すると特定報知手段による状態中報知が開始され、当該特定遊技状態が終了すると特定報知手段による状態中報知も終了する。つまり、特定報知手段の報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に態様報知による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
その一方で、上記のように、状態中報知の開始を限定的なものとすると、状態中報知の開始態様が単純化してしまう可能性がある。かといって、状態中報知の開始態様を多様化しようにも限度がある。その点、本遊技機では、開始ゲームにおける停止出目、すなわち、特定結果の種類や特定結果当選となった場合の入賞態様によって、状態中報知の開始態様を異ならせる構成としている。これにより、各周回体の停止出目との関係で状態中報知を開始させることが可能となり、特定報知手段の構成の変更を要することなく状態中報知による演出効果を大幅に高めることができる。
特徴AD2.前記特定結果として第1特定結果(例えば、強チェリー)と第2特定結果(例えば、弱チェリー)とが含まれており、
前記抽選手段の抽選結果が前記第1特定結果である場合、前記有効位置に前記第1特定の絵柄組合せ(三連チェリー)が停止することで前記第1特定結果に対応する特典が付与され、
前記抽選手段の抽選結果が前記第2特定結果である場合、前記有効位置に前記第2特定の絵柄組合せ(単チェリー)が停止することで前記第2特定結果に対応する特典が付与されることを特徴とする特徴AD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果の種類によって停止出目が異なるため、特徴AD1の遊技機において、特定結果の種類によって状態中報知の開始態様が異なる構成となる。このようにすることで、何を契機として特定遊技状態への移行抽選に当選したかを把握しながら、その後の展開を予測する楽しみが追加され、興趣向上が図られる。
特徴AD3.前記特定結果として第3特定結果(例えば、強チェリー)が含まれており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第3特定結果であった場合、前記有効位置に前記第1特定の絵柄組合せが停止することで前記第3特定結果に対応する特典が付与され、且つ前記有効位置に前記第2特定の絵柄組合せが停止することで前記第3特定結果に対応する特典が付与されることを特徴とする特徴AD1又は特徴AD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じ第3特定結果であっても、第1特定の絵柄組合せが停止して入賞が成立する場合と、第2特定の絵柄組合せが停止して入賞が成立する場合とで、状態中報知の開始態様が異なる。このようにすることで、停止出目への関心を特に強めることができる。
特徴AD4.前記特定結果として第4特定結果(例えば、強スイカ)が含まれており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第4特定結果であった場合、前記有効位置に前記第1特定の絵柄組合せが停止することで前記第4特定結果に対応する特典が付与され、且つ前記有効位置に前記第2特定の絵柄組合せが停止することで前記第4特定結果に対応する特典が付与されないことを特徴とする特徴AD1乃至AD3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第4特定結果の場合、第1特定の絵柄組合せが停止して入賞が成立する場合と、第2特定の絵柄組合せが停止して入賞が成立せず、所謂取りこぼしとなる場合とで、状態中報知の開始態様が異なる。このようにすることで、停止出目への関心を特に強めることができる。
特徴AD5.前記第1手段は、各前記周回体のうちの特定番目(強チェリーと弱チェリーでは2番目)に停止する特定周回体の停止以前(例えば、強チェリーでスーパーアタックモードに当選した場合は第1停止OFF操作時)において前記第1態様により前記状態中報知を開始可能であり、
前記第2手段は、前記特定周回体の停止以後(例えば、弱チェリーでスーパーアタックモードに当選した場合は3停止OFF操作時)において前記第2態様により前記状態中報知を開始可能であることを特徴とする特徴AD2乃至AD4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、状態中報知の開始タイミングが所定周回体の停止前か後かで状態中報知の契機となる遊技結果が異なることとなる。つまり、各停止操作手段をそれぞれ操作して周回体を停止させる遊技において、第1特定結果に基づいて状態中報知が開始される場合は特定番目の操作の前に状態中報知が開始され、第2特定結果に基づいて状態中報知が開始される場合は特定番目の操作の後に状態中報知が開始される。このようにすることで、例えば、特定番目の操作よりも前に、今回のゲームの結果が第1特定結果当選と第2特定結果当選のいずれであるかが判別しきれていない状況であれば、仮にその時点において状態中報知が開始されていなくても特定遊技状態への移行抽選に当選していることへ望みをつなげる、といった楽しみを提供することができる。また、今回のゲームの結果が第1特定結果当選であることが判別できている状況であれば、特定番目の操作までに状態中報知が開始されることを望みながらゲームを進行するであろうと考えられ、また、今回のゲームの結果が第2特定結果当選であることが判別できている状況であれば、特定番目の操作移行で状態中報知が開始されることを望みながらゲームを進行するであろうと考えられる。さらに、第3特定結果当選や第4特定結果当選であることを判別できている状況であっても、特定番目の操作までに状態中報知が開始されるかそれよりも後で開始されるかは、停止出目によって異なり、第1特定の絵柄組合せと第2特定の絵柄組合せとの停止出目の関係性(共通性、相違性)から状態中報知の開始タイミングを予測しながらゲームを進行するであろうと考えられ、いずれにおいても、状態中報知が開始されるか否かについて関心を寄せさせる期間が集約化され、遊技の抑揚をつけることが可能となる。
特徴AD6.前記第1特定の絵柄組合せと前記第2特定の絵柄組合せとで、前記特定番目までにおいて前記有効位置に停止する絵柄が共通し得る(例えば、強チェリー及び弱チェリーの左リール)ことを特徴とする特徴AD5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果当選か第2特定結果当選かが、停止出目からは特定番目までは判別できないし、第4特定結果においては特定番目までは取りこぼしが生じていないこととなるため、仮に特定周回体を停止させるまでに状態中報知が開始されていなくても、特定番目以降の周回体の停止操作を行うにあたって、特定遊技状態への移行抽選に当選していることへ望みをつなげながら遊技を行うことができる。
特徴AD7.前記第1特定の絵柄組合せと前記第2特定の絵柄組合せとで、前記特定周回体において前記有効位置に停止する絵柄が異なっていることを特徴とする特徴AD5又は特徴AD6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定周回体を停止させることによって、第1特定結果当選か第2特定結果当選かが判別可能となったり、第3特定結果の入賞態様が判別されたり、第4特定結果入賞か否かが判別可能となる。そのため、特に、それ以前に状態中報知が開始されていない状況においては、当該特定周回体を停止させることが、例えば、第1特定結果や第4特定結果当選を契機として特定遊技状態への移行抽選に当選している可能性がなくなるどうかの分岐点となる。よって、当該特定周回体の停止操作がより面白みを増すことになり、興趣向上が図られる。
特徴AD8.前記特定結果として第1特定結果(例えば、強チェリー)と第2特定結果(例えば、弱チェリー)とが含まれており、
前記抽選手段の抽選結果が前記第1特定結果である場合、前記有効位置に前記第1特定の絵柄組合せ(三連チェリー)が停止することで前記第1特定結果に対応する特典が付与され、
前記抽選手段の抽選結果が前記第2特定結果である場合、前記有効位置に前記第2特定の絵柄組合せ(単チェリー)が停止することで前記第2特定結果に対応する特典が付与され、
前記移行抽選手段による移行抽選では、前記抽選手段の抽選結果が前記第1特定結果である場合は第1確率で前記特定遊技状態への移行抽選に当選し、前記抽選手段の抽選結果が前記第2特定結果である場合は第2確率で前記特定遊技状態への移行抽選に当選することを特徴とする特徴AD1乃至AD7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果の種類によって移行抽選の当選確率が異なるため、移行抽選に当選し易い結果入賞となる停止出目が停止した場合と、移行抽選に当選しにくい結果入賞となる停止出目が停止した場合とで、開始ゲームにおいて状態中報知が開始される可能性が異なる。このようにすれば、第1態様にて状態中報知が開始される場合と、第2態様にて状態中報知が開始される場合とで、その開始され易さを含めて停止出目から判断させることができ、停止出目への関心をより高めることが可能となる。
特徴AD9.前記特定結果として第1特定結果(例えば、強チェリー)と第2特定結果(例えば、弱チェリー)とが含まれており、
前記抽選手段の抽選結果が前記第1特定結果である場合、前記有効位置に前記第1特定の絵柄組合せ(三連チェリー)が停止することで前記第1特定結果に対応する特典が付与され、
前記抽選手段の抽選結果が前記第2特定結果である場合、前記有効位置に前記第2特定の絵柄組合せ(単チェリー)が停止することで前記第2特定結果に対応する特典が付与され、
前記第1特定結果に基づく前記移行抽選手段による移行抽選と、前記第2特定結果に基づく前記移行抽選手段による移行抽選とでは、前記特定遊技状態の内容が異なり得ることを特徴とする特徴AD1乃至AD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定の絵柄組合せが停止して第1態様にて状態中報知が開始される場合と、第2特定の絵柄組合せが停止して第2態様にて状態中報知が開始される場合とで、開始された場合の特定遊技状態の内容が異なる。そのため、第1特定の絵柄組合せが停止した場合と第2特定の絵柄組合せが停止した場合とで嬉しさが異なることとなり、停止出目への関心をより高めることが可能となる。
特徴AD10.前記特定結果として、所定数の遊技媒体の払出が行われる払出結果と、新たな遊技媒体を要することなく次ゲームを再遊技可能となる再遊技結果と、が含まれており、
前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果である場合、前記有効位置に前記第1特定の絵柄組合せが停止することで前記第1特定結果に対応する特典として前記所定数の遊技媒体の払出が行われ、
前記抽選手段の抽選結果が前記再遊技結果である場合、前記有効位置に前記第2特定の絵柄組合せが停止することで前記再遊技結果に対応する特典として前記再遊技可能となり、
前記第1手段は、前記特定結果が前記払出結果である場合、前記第1態様として、前記開始ゲームの次のゲームにおいて遊技媒体を受け付ける受付操作(ベット操作)を許容するまでに前記状態中報知を開始し、
前記第2手段は、前記特定結果が前記再遊技結果である場合、前記第2態様として、前記開始ゲームの次のゲームにおいて前記始動操作手段の始動操作を許容するまでに前記状態中報知を開始することを特徴とする特徴AD1乃至AD9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、払出結果なら第1特定の絵柄組合せが停止し、再遊技結果なら第2特定の絵柄組合せが停止する構成において、いずれの絵柄組合せが停止するかによって、状態中報知の開始タイミングの終期が異なる。より詳しくは、払出結果に基づいて特定遊技状態へ移行する場合には、開始ゲームにおいて第1特定の絵柄組合せが停止し、次ゲームの遊技媒体の受付操作が許容されるまでに状態中報知が開始され、再遊技結果に基づいて特定遊技状態へ移行する場合には、開始ゲームにおいて第2特定の絵柄組合せが停止し、次ゲームの始動操作手段の始動操作が許容されるまでに状態中報知が開始される。このようにすることで、状態中報知が開始されるまでの終期のバリエーションを多様化することができる。しかも、終期のバリエーションを停止出目と関連付けることで、遊技ホールの管理者等が、いずれの結果によって状態中報知が開始されたかを確認しようとする場合、例えば、第1特定の絵柄組合せが停止した場合において、受付操作以降に状態中報知が開始された場合等は、前ゲームが開始ゲームではなく今回のゲームが開始ゲームであることが確定する等、状態中報知の開始タイミングと開始ゲームとを停止出目から確認することが可能となる。
特徴AD11.前記始動操作手段は、所定の受付手段(例えば、第1クレジット投入スイッチ56)に対して前記受付操作が行われることにより前記始動操作が許容される構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技結果であって、前記有効位置に前記第2特定の絵柄組合せが停止する場合、前記表示部を介して視認可能な位置であって前記有効位置とは異なる特定位置に前記第1特定の絵柄組合せが停止するように、各前記周回体の絵柄が付されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技結果である場合、次ゲームにおいて前記受付手段に対して前記受付操作が行われることで前記再遊技可能となるようにする手段(主制御装置101において操作時ベットフラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴AD10に記載の遊技機。
上記構成によれば、有効位置に第2特定の絵柄組合せが停止して再遊技結果入賞となる場合、有効位置とは異なる特定位置に第1特定の絵柄組合せが停止する。そのため、見た目上、再遊技結果入賞が成立しているか、それとも払出結果入賞が成立しているかが判断しにくくなっている。しかも、再遊技入賞が成立した次のゲームにおいては、所定の受付手段に対して受付操作をすることで当該次のゲームを再遊技可能となることから、新たな遊技媒体を要するか否かの違いはあるものの、次ゲームにおいて遊技者が行う操作としては、払出結果と再遊技結果とでは同じ操作となる。このようにすることで、払出結果と再遊技結果とで状態中報知の開始タイミングの終期が異なる構成において、いずれの結果によって状態中報知が開始されるか、乃至開始されたかを、遊技者からはわかりにくくすることが可能となる。よって、いつ状態中報知が開始されるかといったドキドキ感をより楽しませることができる。
特徴AD12.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果当選である場合において、前記第1特定の絵柄組合せを停止させる第1停止手段(例えば、強スイカとボーナスとの重複役の当選時に、主制御装置101においてボーナス入賞となる停止出目を停止させる処理を実行する機能)と、前記第2特定の絵柄組合せを停止させる第2停止手段(例えば、強スイカとボーナスとの重複役の当選時に、主制御装置101においてスイカ入賞となる停止出目を停止させる機能)とを備えていることを特徴とする特徴AD1乃至AD11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じ特定結果であっても第1特定の絵柄組合せが停止する場合と、第2特定の絵柄組合せが停止する場合とがある。そのため、同じ特定結果であっても、第1態様にて状態中報知が開始される場合と、第2態様にて状態中報知が開始される場合とがあり、抽選結果が同じであっても、抽選結果の複雑化等を生じさせない範囲で、異なる停止出目や異なる報知態様による注目度向上効果を期待することができる。
なお、上記構成は特徴AD5の具体的構成である。
特徴AD13.前記第1結果は、前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記第2結果は、前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする特徴AD1乃至AD12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知として複数ある周回体の停止順序に関する順序報知が実行され得る。このようにすることで、例えば、周回体に付された所定の絵柄を狙う目押し操作が苦手な遊技者に対しても、態様報知による恩恵を十分に享受させることが可能となる。
なお、上記構成は、「各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様として第1の停止順序で操作されて前記第1結果入賞が成立した場合には前記第1特典(例えば、3ベットゲームにおいて第1小役入賞に基づいて付与される9枚のメダル)が付与され、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様として前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作されて前記第2結果入賞が成立した場合には前記第2特典(例えば、3ベットゲームにおいて第2小役入賞に基づいて付与される3枚のメダル)が付与され、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする」と表現してもよく、この場合、入賞する結果と付与される特典との関係性をより明確に示すことが可能である。
特徴AD14.前記特定遊技状態として、前記通常遊技状態よりも前記態様報知の実行頻度が高くなる高頻度状態、前記通常遊技状態よりも前記高頻度状態へ移行し易い高確率状態、及び前記高頻度状態若しくは前記高確率への移行抽選に当選し且つ移行前である移行前状態(前兆モード)、の少なくともいずれかが設定されていることを特徴とする特徴AD1乃至AD13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態のバリエーションが多様化し、遊技性が向上する。しかも、高確率状態や移行前状態については、いずれも態様報知の実行頻度によって有利度が向上するよりも前の段階であり、各ゲームの有利度については通常遊技状態とほぼ同等のものである。そのような状態を含めて、特定遊技状態へ移行すると特定報知手段によって報知が開始される構成とすることで、特定遊技状態へ移行しているのにも関わらず、それに気づかずに遊技を終了してしまうといった事象を好適に回避させることが可能となる。つまり、高頻度状態へ移行していれば、遊技者は態様報知が行われることによってその状態移行を把握可能であると考えられ、このような高頻度状態の前段階の状態への移行を特定報知手段の報知開始によって知らしめる構成とすることで、特定遊技状態への移行をより好適に把握させることが可能となる。以上の結果、特定報知手段によって平等性を担保する機能を高め、且つ特徴AD1に記載した演出効果や興趣向上を期待することが可能となる。
<特徴AE群>
特徴AE1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて実行され、前記設定手段により設定される設定値に関わらず同じ当選確率となる抽選であって、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
少なくとも遊技状態が前記特定遊技状態へ移行する特定ゲームにおける予め定められた特定タイミングまでに、特定報知手段(第8表示用セグメントN8)を点灯状態とすることによる状態中報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段を消灯状態とすることにより前記状態中報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技状態報知手段は、
前記特定結果のうちの第1特定結果(例えば、強スイカ)を契機として前記特定遊技状態への移行抽選に当選した場合、前記特定タイミングとして第1特定タイミング(ベット操作を許容するタイミング)までに前記状態中報知を開始し、
前記特定結果のうちの前記第1特定結果とは異なる第2特定結果(例えば、当選リプレイ)を契機として前記特定遊技状態への移行抽選に当選した場合、前記特定タイミングとして前記第1特定タイミングよりも遅い第2特定タイミングまでに前記状態中報知を開始することを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
この場合、態様報知が行われやすい特定遊技状態へ移行すると特定報知手段による状態中報知が開始され、当該特定遊技状態が終了すると特定報知手段による状態中報知も終了する。つまり、特定報知手段の報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に態様報知による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
ここで、状態中報知は、少なくとも特定遊技状態へ移行する特定遊技状態における特定タイミングまでにはその報知が開始され、報知開始の終期が定められているところ、その終期を超えると、状態中報知への期待感が一気に薄れてしまい、特定遊技状態となり得るゲームにおいて注目度が低下してしまう恐れがある。その点、上記構成においては、状態中報知の終期を特定遊技状態への移行抽選の当選契機となった遊技結果によって異ならせることで、仮に一方の終期を超えた場合であっても、状態中報知への期待感を残しながら遊技を続行させることが可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴AE2.前記抽選手段による抽選結果として、所定数の遊技媒体の払出が行われる払出結果と、新たな遊技媒体を要することなく次ゲームを再遊技可能となる再遊技結果と、が含まれており、
前記第1特定結果は前記払出結果であり、
前記第2特定結果は前記再遊技結果であることを特徴とする特徴AE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、払出結果か再遊技結果かによって、特定遊技状態報知手段による状態中報知の開始終期が異なることとなる。このように、従来からある払出結果や再遊技結果を用いて状態中報知の開始終期を異ならせる構成とすることで、特殊な遊技結果を設定する必要がなく、比較的簡素な構成にて、特徴AE1の効果を奏することが可能となる。
特徴AE3.前記特定遊技状態報知手段は、
前記特定結果が前記払出結果である場合、前記特定ゲームにおいて遊技媒体を受け付ける受付操作(ベット操作)を許容するタイミングを前記第1特定タイミングとして前記状態中報知を開始し、
前記特定結果が前記再遊技結果である場合、前記特定ゲームにおいて前記始動操作手段の始動操作を許容するタイミングを前記第2特定タイミングとして前記状態中報知を開始することを特徴とする特徴AE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作が許容されるタイミングをそれぞれの終期として設定されており、払出結果であれば受付操作を許容するタイミングであり、再遊技結果であれば始動操作を許容するタイミングである。このように、遊技者の操作を許容するタイミングを終期とすることで、報知が開始されるまで待つのではなく、積極的に遊技を進行させることが可能となる。また、一般的に、再遊技結果は、受付操作を要することなく始動操作が許容されるところ、各遊技結果に応じた操作態様とあわせて終期が設定されているので、構成の複雑化を招くことなく、上記優れた効果を奏することが可能となる。
特徴AE4.前記始動操作手段は、所定の受付手段(例えば、第1クレジット投入スイッチ56)に対して前記受付操作が行われることにより前記始動操作が許容される構成であり、
前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であって、前記有効位置に前記第1特定結果に対応する第1特定の絵柄組合せが停止した場合、前記特典として前記所定数の遊技媒体の払出を行う構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技結果であって、前記有効位置に前記第1特定の絵柄組合せとは異なる第2特定の絵柄組合せが停止する場合、前記表示部を介して視認可能な位置であって前記有効位置とは異なる特定位置に前記第1特定の絵柄組合せが停止するように、各前記周回体の絵柄が付されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技結果である場合、前記特定ゲームにおいて前記受付手段に対する前記受付操作が行われることで前記再遊技可能となるようにする手段(主制御装置101において操作時ベットフラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴AE3に記載の遊技機。
上記構成によれば、有効位置に第2特定の絵柄組合せが停止して再遊技結果入賞となる場合、有効位置とは異なる特定位置に第1特定の絵柄組合せが停止する。そのため、見た目上、再遊技結果入賞が成立しているか、それとも払出結果入賞が成立しているかが判断しにくくなっている。しかも、再遊技入賞が成立した次のゲームにおいては、所定の受付手段に対して受付操作をすることで当該次のゲームを再遊技可能となることから、新たな遊技媒体を要するか否かの違いはあるものの、次ゲームにおいて遊技者が行う操作としては、払出結果と再遊技結果とでは同じ操作となる。このようにすることで、払出結果と再遊技結果とで状態中報知の開始タイミングの終期が異なる構成において、いずれの結果によって状態中報知が開始されるか、乃至開始されたかを、遊技者からはわかりにくくすることが可能となる。よって、いつ状態中報知が開始されるかといったドキドキ感をより楽しませることができる。
特徴AE5.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果であって、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な有利状態に移行させる移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となった場合、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止するまで、当該移行結果当選を留保する第1留保手段(主制御装置101によるステップS609の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定結果として、前記再遊技結果と前記移行結果との第3特定結果が含まれており、
前記特定遊技状態報知手段は、前記重複結果に基づいて前記特定遊技状態へ移行する場合、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止するまで、前記状態中報知の開始を留保する第2留保手段(主制御装置101による区間表示第1処理及び区間表示第4処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴AE2乃至AE4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選結果として有利状態へ移行する契機となる移行結果(所謂大当たり結果)が含まれているとともに、再遊技結果と移行結果との重複結果も含まれている。そして、重複結果の場合には、再遊技結果及び移行結果のうちの移行結果入賞が成立するまで移行結果当選が留保される。このような構成において、重複結果に基づいて特定遊技状態へ移行する場合、当該特定遊技状態へ移行するゲームである特定ゲームは、移行結果入賞が成立するゲームまで留保される。このようにすることで、重複結果のうちの移行結果当選に基づいて特定ゲームへの移行抽選に当選したことの印象を強めることが可能となるし、移行結果当選が留保されることとの整合性を担保することができる。
特徴AE6.前記特定遊技状態報知手段は、前記特定結果のうちの第3特定結果を契機として前記特定遊技状態への移行抽選に当選した場合、前記特定タイミングとして前記第1特定タイミングまでに前記状態中報知を開始することを特徴とする特徴AE5に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選が留保された結果として、特定ゲーム自体も留保された場合、特定ゲームにおける状態中報知の開始終期は、払出結果のそれと合致する。このように、払出結果と再遊技結果とで状態中報知の開始終期が異なる構成(特徴AE2)において、再遊技結果と移行結果との重複当選となる第3特定結果における開始終期を定めることで、移行結果当選に基づいて再遊技が付与されないものであっても、遊技結果に応じて異なる遊技操作と開始終期とに齟齬が生じないようにすることができる。
特徴AE7.前記第1結果は、前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記第2結果は、前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする特徴AE1乃至AE6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知として複数ある周回体の停止順序に関する順序報知が実行され得る。このようにすることで、例えば、周回体に付された所定の絵柄を狙う目押し操作が苦手な遊技者に対しても、態様報知による恩恵を十分に享受させることが可能となる。
なお、上記構成は、「各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様として第1の停止順序で操作されて前記第1結果入賞が成立した場合には前記第1特典(例えば、3ベットゲームにおいて第1小役入賞に基づいて付与される9枚のメダル)が付与され、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様として前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作されて前記第2結果入賞が成立した場合には前記第2特典(例えば、3ベットゲームにおいて第2小役入賞に基づいて付与される3枚のメダル)が付与され、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする」と表現してもよく、この場合、入賞する結果と付与される特典との関係性をより明確に示すことが可能である。
特徴AE8.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記移行抽選手段による移行抽選の当選確率は、前記設定手段により設定される設定値に関わらず同じ当選確率となるものであることを特徴とする特徴AE1乃至AE7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態に関し、設定値による当選確率の差がないため、遊技ホールに複数台設置される遊技機のいずれを選択しても当該特定遊技状態に関する遊技についての平等性は担保される。このような構成を、特定報知手段による状態移行時に一律に報知開始する構成に適用することで、平等性を担保する効果をより高めることが可能となる。
特徴AE9.前記特定遊技状態として、前記通常遊技状態よりも前記態様報知の実行頻度が高くなる高頻度状態、前記通常遊技状態よりも前記高頻度状態へ移行し易い高確率状態、及び前記高頻度状態若しくは前記高確率への移行抽選に当選し且つ移行前である移行前状態(前兆モード)、の少なくともいずれかが設定されていることを特徴とする特徴AE1乃至AE8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態のバリエーションが多様化し、遊技性が向上する。しかも、高確率状態や移行前状態については、いずれも態様報知の実行頻度によって有利度が向上するよりも前の段階であり、各ゲームの有利度については通常遊技状態とほぼ同等のものである。そのような状態を含めて、特定遊技状態へ移行すると特定報知手段によって報知が開始される構成とすることで、特定遊技状態へ移行しているのにも関わらず、それに気づかずに遊技を終了してしまうといった事象を好適に回避させることが可能となる。つまり、高頻度状態へ移行していれば、遊技者は態様報知が行われることによってその状態移行を把握可能であると考えられ、このような高頻度状態の前段階の状態への移行を特定報知手段の報知開始によって知らしめる構成とすることで、特定遊技状態への移行をより好適に把握させることが可能となる。以上の結果、特定報知手段によって平等性を担保する機能を高め、且つ特徴AE1に記載した演出効果や興趣向上を期待することが可能となる。
<特徴BA群>
特徴BA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果であって、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な有利状態に移行させる移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となった場合、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止するまで、当該移行結果当選を留保する留保手段(主制御装置101によるステップS609の処理を実行する機能)と、
前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況(持ち越し状態)において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記移行抽選手段による抽選の実行を制限する制限手段(主制御装置101によるステップS702の処理を実行する機能)と、
遊技状態が前記特定遊技状態であって、且つ前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況において、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(例えば、特殊リプレイ1,2)である場合、前記有効位置に第1特定の絵柄組合せが停止可能となるように各前記周回体の停止制御を実行する第1制御手段(主制御装置101において、例えば黒BARダブル揃いの停止出目にてリプレイ入賞が成立するように制御する機能)と、
遊技状態が前記通常遊技状態であって、且つ前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果(例えば、特殊リプレイ)である場合、前記有効位置に前記第1特定の絵柄組合せとは異なる第2特定の絵柄組合せが停止可能となるように各前記周回体の停止制御を実行する第2制御手段(主制御装置101において、例えば黒BAR非停止となる停止出目にてリプレイ入賞が成立するように制御する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果が移行結果となり、当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止すると遊技者にとって有利な有利状態に移行し、移行用の絵柄組合せが停止しなければ、当該移行結果当選が留保される。このような構成において、更に、周回体の停止操作態様によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止操作態様に関する態様報知の有無によって有利度を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。そして、抽選手段による抽選結果が特定結果となると、特定遊技状態への移行抽選が行われ得るため、各ゲームにおいて有利状態と特定遊技状態との連鎖が生じ得るようになり、遊技性が格段に向上する。
その一方で、有利状態への移行が確定している状態において、更に特定遊技状態への移行抽選を行う構成であると、移行用の絵柄組合せを停止させないような停止操作を行う等して、有利状態への移行をなかなか発生させないようにし、特定遊技状態への移行抽選を無制限に発生させる行為が行われる可能性がある。そうすると、当該移行用の絵柄組合せを停止させない停止操作を行うことが可能な遊技者と、そのような停止操作を行えない遊技者との有利度の差が顕著となり、遊技の公平性の観点から好ましくないし、そもそも、設計上、意図した払出率とは異なる払出率となり得るため、そのような観点からも好ましくない。そこで、有利状態への移行が確定している状態においては、特定遊技状態への移行抽選の実行を制限する構成とすることで、上記意図した払出率とすることができるし、遊技の公平性を担保することができる。
また、移行結果当選を留保可能とすることにより、内部的には有利状態への移行が確定している状況で、それを演出等で示唆しながら遊技を行わせれば、有利状態への移行に対する期待感を持続させる、といったメリットもある。但し、留保手段により移行結果当選が留保されている状況では特定遊技状態への移行抽選が行われないため、有利状態への期待感は向上し得るものの、特定遊技状態への期待感といった観点からすると、当該留保手段により移行結果当選が留保されている状況は、遊技者としては好ましくないともいえる。
そこで、上記構成においては、留保手段により移行結果当選が留保されている状況において、特定遊技状態への移行抽選に当選しているか否かによって、特別結果当選時の停止出目が異なるようにしている。具体的には、特定遊技状態であって、且つ留保手段により移行結果当選が留保されていれば、特別結果当選時の停止出目を第1特定の絵柄組合せとし、通常遊技状態であって、且つ留保手段により移行結果当選が留保されていれば、特別結果当選時の停止出目を第2特定の絵柄組合せとしている。このようにすることで、留保手段により移行結果当選が留保され、特定遊技状態への移行抽選が制限される状況であっても、第1特定の絵柄組合せが出現すれば、特定遊技状態への移行抽選に当選していることが把握され、特定遊技状態への期待感を持続させながら遊技を行わせることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴BA2.遊技状態が前記特定遊技状態であって、且つ前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況において、前記有効位置に前記第1特定の絵柄組合せが停止する頻度を異ならせる特別手段(例えば、表示制御装置81において報知抽選処理1を実行する機能、特殊リプレイ当選確率が異なる特殊RT状態用の抽選テーブル)を備えていることを特徴とする特徴BA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態において、第1特定の絵柄組合せが停止する頻度が特別手段によって変化し得ることから、例えば、特別結果当選となって第1特定の絵柄組合せが停止しなくても、特定遊技状態であることが完全に否定されるわけではなく、特定遊技状態への期待感を継続させることができる。つまり、留保手段により移行結果当選が留保されている状況において、第1特定の絵柄組合せの停止頻度から、特定遊技状態であるか否かを予測する、という遊技が追加され、留保中の遊技の興趣を好適に向上させることができる。
なお、上記構成の具体的構成としては、例えば、「前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記第1制御手段により前記第1特定の絵柄組合せを停止可能とする特定制御を実行するか否かの判定を行う手段(表示制御装置81において報知抽選処理1を実行する機能)、又は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となる確率を変化させる手段(特殊リプレイ当選確率が異なる特殊RT状態用の抽選テーブル)の少なくともいずれかを備えている」等が考えられる。
特徴BA3.前記特別手段は、前記特定遊技状態の内容に応じて、前記第1特定の絵柄組合せが停止する頻度を異ならせることが可能であることを特徴とする特徴BA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、留保手段により移行結果当選が留保されている状況において、第1特定の絵柄組合せの停止頻度によって、特定遊技状態の内容を予測する、といった遊技が追加される。このように、単に特定遊技状態であるか否かだけでなく、その内容についても停止出目から予測可能とすれば、留保中における遊技性が格段に向上する。
特徴BA4.前記第1特定の絵柄組合せとして、第1種特定の絵柄組合せ(例えば、黒BARシングル揃い)と当該第1種特定の絵柄組合せとは異なる第2種特定の絵柄組合せ(例えば、黒BARテンパイ外れ)とが設定されており、
前記特別手段は、前記特定遊技状態の内容に応じて、前記第1種特定の絵柄組合せと前記第2種特定の絵柄組合せとの停止頻度を異ならせることが可能であることを特徴とする特徴BA3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定の絵柄組合せのうちの、第1種特定の絵柄組合せが停止するか、それとも第2種特定の絵柄組合せが停止するかによって、特定遊技状態の内容が異なるため、停止出目への関心をより高めることが可能となる。
特徴BA5.前記特定遊技状態として、遊技者にとっての有利度が異なる複数の所定状態(アタックモード、チャレンジモード、スーパーアタックモード、前兆モード等)を有し、
前記特別手段は、前記特定遊技状態が第1所定状態である場合、前記第1種特定の絵柄組合せが停止し易くなるように前記特別報知を行い、前記特定遊技状態が前記第1所定状態とは異なる第2所定状態である場合、前記第2種特定の絵柄組合せが停止し易くなるようにすることを特徴とする特徴BA4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴BA4の効果を具体的な構成によって奏することが可能となる。
特徴BA6.前記特別手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記第1特定の絵柄組合せを停止可能とする特別報知(黒BAR目押し報知演出)の実行頻度を変化させることにより、前記第1特定の絵柄組合せの停止頻度を変化させることを特徴とする特徴BA2乃至BA5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、報知の有無によって第1特定の絵柄組合せの停止頻度を調節するため、移行前モードであることの示唆、教示等を演出として行う構成となり、かかる示唆、教示等による遊技性を比較的容易な構成にて実現することができる。
特徴BA7.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、各前記周回体を第1特定の停止順序にて停止させると前記第1制御手段により前記第1特定の絵柄組合せを停止可能とする制御が行われ、各前記周回体を前記第1特定の停止順序とは異なる第2特定の停止順序にて停止させると前記第2制御手段により前記第2特定の絵柄組合せを停止可能とする制御が行われ、
前記特別手段は、前記特別報知として前記第1特定の停止順序に関する報知を行うことを特徴とする特徴BA6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選時の停止順序によって、第1特定の絵柄組合せが停止するか第2特定の絵柄組合せが停止するかが異なる構成としたうえで、特別手段は、特別報知として、当該第1特定の絵柄組合せに対応する第1特定の停止順序に関する報知を行うことで、第1特定の絵柄組合せの停止頻度を異ならせる構成としたため、停止順序をはじめとする停止操作態様に基づいて有利度が変化する特定遊技状態との親和性が高くなり、当該特別報知が行われることが特定遊技状態(移行前モード)の示唆であることを遊技者に理解させ易くなる。
特徴BA8.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、各前記周回体における特定周回体を第1のタイミングで停止操作すると、前記第1特定の絵柄組合せを構成する特定絵柄が前記有効位置に停止可能となり、当該特定周回体を前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで停止操作すると、前記有効位置に前記特定絵柄が停止不可となる構成であり、
前記特別手段は、前記特別報知として前記特定周回体を前記第1のタイミングで停止操作することの報知を行うことが可能であることを特徴とする特徴BA6又は特徴BA7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定周回体を目押し操作することで第1特定の絵柄組合せが停止可能となるため、絵柄を狙って停止操作して特典を得る、といスロットマシン本来の遊技性を特定遊技状態の示唆・教示等の演出に取り入れた構成となる。このようにすれば、特定遊技状態を自らの停止操作によって勝ち取ったかのようにも思わせることができ、遊技(停止操作)の楽しさを増大させることが可能となる。
特徴BA9.前記特典付与手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記第1特定の絵柄組合せが停止した場合、前記特別結果に対応する特典として特別特典(再遊技)を付与し、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記第2特定の絵柄組合せが停止した場合、前記特別特典を付与することを特徴とする特徴BA6乃至BA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選時においては、停止順序や停止タイミングによって停止出目が異なり得るものの、いずれの停止出目(停止順序、停止タイミング)であっても得られる特典は共通なものとなる。このようにすることで、留保手段により移行結果当選が留保されている状況において、移行抽選手段による抽選の実行が制限されることとの整合性を担保することができる。つまり、特定結果当選時の有利度は特別報知によって変化しないため、留保手段により移行結果当選が留保されている状況で、移行結果入賞を意図的に遅らせても、特定結果に基づく利益は不当に享受することにはならない。
特徴BA10.少なくとも前記抽選手段と前記態様報知手段とを有する第1制御手段(主制御装置101)と、
少なくとも前記特別手段を有する第2制御手段(表示制御装置81)と、
を有し、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果又は前記第2結果である場合、前記第1制御手段における前記態様報知手段にて前記態様報知が行われ、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記第2制御手段における前記特別手段による前記特別報知が行われる一方、前記第1制御手段における前記態様報知手段による前記態様報知は行われないことを特徴とする特徴BA6乃至BA9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特に特徴BA7を引用する特徴BA9において、特別結果の停止順序を報知するにあたり、入賞する結果が異なる第1結果や第2結果との差を明確化することができる。つまり、遊技者の利益に関わる抽選手段や態様報知手段については、第1制御手段に集約することで不正行為を好適に回避する策を施し易くし、利益に関与しない主に演出等を行う機能について第2制御手段に集約し、機能の分散化が図られている。このような構成において、特別手段による特別報知を第2制御手段側の機能とすれば、特別結果に基づく停止出目の変化が、直接的に利益に関与しないものであることが明確化され、例えば特別手段について設計変更等を行う場合、新たな出玉率の算出等を要することなく行うことができる。よって、特別手段による優れた遊技性を、比較的に容易な構成にて実現することが可能となる。
特徴BA11.遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて特定の報知手段(第8表示用セグメントN8)を点灯状態とすることにより報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定の報知手段を消灯状態とすることにより報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)を備え、
前記特定結果として、前記移行結果を含む重複結果(例えば、強チェリー重複1、強スイカ重複1、チャンスA重複1)が設定されており、
前記特定遊技状態報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記重複結果であって、前記特定遊技状態への移行抽選に当選した場合、前記移行用の絵柄組合せが停止することにより前記有利状態に移行するゲームを開始ゲームとし、当該開始ゲームよりも前のタイミングで前記特定の報知手段による報知を開始せず、且つ前記開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前のタイミングで前記特定の報知手段による報知を開始するものであることを特徴とする特徴BA1乃至BA10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態へ移行すると特定遊技状態報知手段による報知が開始され、当該特定遊技状態が終了するとその報知も終了する。つまり、特定遊技状態報知手段による報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に順序報知による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
しかも、特定遊技状態への移行が移行結果を含む重複結果当選に基づくものである場合、移行用の絵柄組合せが停止して有利状態に移行する開始ゲームまで、特定遊技状態報知手段による報知の開始が制限される。つまり、上記のように、特定遊技状態に関して遊技者間の不平等感を解消しつつも、留保手段により移行結果当選が留保されている状況では、特定遊技状態に関する報知も制限して、特別結果当選時に第1特定の絵柄組合せが出現することの嬉しさ(特定遊技状態への移行抽選に当選していることを知ることの嬉しさ)を低減させないようにすることが可能となる。よって、特定遊技状態報知手段により遊技者間の平等性を担保しつつも、留保手段による移行結果当選が留保されている状況での遊技性を好適に向上させることが可能となる。
特徴BA12.前記特定結果として、前記移行結果を含まない非重複結果(例えば、強チェリー、強スイカ、チャンスA)が設定されており、
前記特定遊技状態報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記非重複結果であって、前記特定遊技状態への移行抽選に当選した場合、当該特定結果に当選したゲームを開始ゲームとし、当該開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前のタイミングで前記特定の報知手段による報知を開始するものであることを特徴とする特徴BA11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態報知手段による報知の開始が制限される場合が、移行結果との重複当選時に限定され、特定遊技状態に移行しているのにも関わらず、遊技を終了してしまうといった事象を、極力減らすことが可能となる。よって、特定遊技状態報知手段を備えることによる遊技者間の平等性を担保する機能をより向上させることができる。
特徴BA13.前記重複結果として、前記特定結果のうちの第1特定結果(例えば、強チェリー)との重複結果である第1重複結果(例えば、強チェリー重複1)が設定されており、
前記非重複結果として、前記特定結果のうちの前記第1特定結果(例えば、強チェリー)の非重複結果である第1非重複結果(例えば、強チェリー)が設定されており、
前記特典付与手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1重複結果である場合、前記有効位置に第1特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第1特定結果に対応する特典を付与し、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1非重複結果である場合、前記有効位置に前記第1特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第1特定結果に対応する特典を付与することを特徴とする特徴BA12に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果と移行結果との重複当選となる第1重複結果に当選したゲームと、第1特定結果の単独当選となる第1非重複結果に当選したゲームとで、いずれも、第1特定結果用の絵柄組合せが停止して第1特定結果入賞を成立させることが可能となるため、これら第1重複結果及び第1非重複結果のいずれに当選したかを、停止出目からは判断しにくくなる。その一方で、特定遊技状態報知手段による報知は、第1重複結果であれば移行結果入賞が成立するゲームを開始ゲームとし、第1非重複結果であれば第1特定結果入賞が成立するゲームを開始ゲームとする。そのため、いずれの結果を契機として特定遊技状態への移行抽選に当選している場合であっても、特定遊技状態報知手段の報知の開始の有無(開始タイミング)が異なる、という事象が生じ得る。つまり、第1特定結果用の絵柄組合せが停止した場合であって、当該ゲームの次のゲームの操作が許容されるまでに特定遊技状態報知手段による報知が開始されなくても、当該第1特定結果用の絵柄組合せが第1重複結果における第1特定結果に基づくものである可能性を残すことができ、特定遊技状態への移行抽選に当選していない場合であっても、期待感を持続させることが可能となる。
しかもこの場合、特別結果当選時の停止出目によって、その特定遊技状態への移行抽選の当選の有無が判別可能となることから、その後の停止出目を大きな関心を寄せさせることが可能となる。
特徴BA14.前記重複結果として、前記特定結果のうちの第2特定結果(例えば、強スイカ)との重複結果である第2重複結果(例えば、強スイカ重複1)が設定されており、
前記非重複結果として、前記特定結果のうちの前記第2特定結果(例えば、強スイカ)の非重複結果である第2非重複結果(例えば、強スイカ)が設定されており、
前記特典付与手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2重複結果である場合、前記有効位置に第2特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第2特定結果に対応する特典を付与し、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2非重複結果である場合、前記有効位置に前記第2特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第2特定結果に対応する特典を付与するものであり、
前記移行抽選手段による移行抽選に当選する確率が、前記第1特定結果に基づく抽選と、前記第2特定結果に基づく抽選とで異なっていることを特徴とする特徴BA13に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴BA13の遊技性において、移行抽選手段による移行抽選に当選する確率も加味される。すなわち、例えば、第1特定結果の方が第2特定結果よりも移行抽選に当選し易い構成であれば、第1特定結果用の絵柄組合せが停止し、且つ特定遊技状態報知手段による報知が開始されていなければ、第2特定結果用の絵柄組合せが停止し、且つ特定遊技状態報知手段による報知が開始されていない場合よりも、特定遊技状態に当選している可能性が高くなり、第1特定の絵柄組合せが出現することへの期待感がより増大化される。一方、第2特定結果用の絵柄組合せが停止し、且つ特定遊技状態報知手段による報知が開始されていない場合には、その後に第1特定の絵柄組合せが出現した場合の驚きの効果が高められる。以上のように、移行抽選手段による移行抽選の当選確率を加味して停止出目を楽しませることで、留保中において停止出目から特定遊技状態当選の有無を予測する遊技性が格段に向上する。
特徴BA15.前記重複結果として、前記特定結果のうちの第3特定結果(例えば、チャンスA)との重複結果である第3重複結果(例えば、チャンスA重複1)が設定されており、
前記非重複結果として、前記特定結果のうちの前記第3特定結果(例えば、チャンスA)の非重複結果である第3非重複結果(例えば、チャンスA)が設定されており、
前記特典付与手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記第3重複結果である場合、前記有効位置に第3特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第3特定結果に対応する特典を付与し、
前記抽選手段による抽選結果が前記第3非重複結果である場合、前記有効位置に前記第3特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第3特定結果に対応する特典を付与するものであり、
前記抽選手段による抽選において前記重複結果と前記非重複結果となる割合が、前記第1重複結果と前記第1非重複結果となる割合と、前記第3重複結果と前記第3非重複結果となる割合とで異なっていることを特徴とする特徴BA13又は特徴BA14に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴BA13や特徴BA14の遊技性において、移行結果に当選する確率も加味される。すなわち、例えば、第1重複結果と第1非重複結果の割合の方が、第3重複結果と第3非重複結果の割合よりも、移行結果との重複結果となる割合が高い構成(同じ停止出目でも移行結果当選となっている可能性が高い構成)であれば、第1特定結果用の絵柄組合せが停止し、且つ特定遊技状態報知手段による報知が開始されていなければ、第3特定結果用の絵柄組合せが停止し、且つ特定遊技状態報知手段による報知が開始されていない場合よりも、留保手段により移行結果当選が留保されている状況である可能性が高くなる。言い換えると、特徴BA14の構成において、非重複結果であって特定遊技状態であれば、特定遊技状態報知手段による報知がそのゲームで開始されるのであるから、上記のように第1特定結果用の絵柄組合せが停止し、且つ特定遊技状態報知手段による報知が開始されていなければ、第3特定結果用の絵柄組合せの場合よりも、特定遊技状態に当選している可能性も高まる。以上のように、移行結果当選となる確率を加味して停止出目を楽しませることで、留保中において停止出目から特定遊技状態当選の有無を予測する遊技性が格段に向上する。
特徴BA16.前記特別結果は、前記移行抽選手段による前記特定遊技状態への移行抽選の契機とならない結果であることを特徴とする特徴BA1乃至BA15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、留保手段により移行結果当選が留保され、特定遊技状態への移行抽選が制限されている状況において、当該特定遊技状態への移行抽選の制限対象とされる結果とは異なる結果にて、特定遊技状態への移行抽選に当選しているか否か(移行前モードであるか否か)の報知を停止出目によって行う構成となる。よって、制限対象となる結果であることによる喪失感を感じさせることなく、純粋に停止出目を楽しませることができる。
特徴BA17.前記留保手段により前記移行結果当選が留保される状況では、前記留保手段により前記移行結果当選が留保されていない状況よりも、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果当選となる確率が高くなることを特徴とする特徴BA1乃至BA16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、留保中においては特別結果となる確率が高くなるので、第1特定の絵柄組合せが停止するか、それとも第2特定の絵柄組合せが停止するかを楽しむ遊技を行いやすくすることができる。
特徴BA18.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に当該特別結果に対応する絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該特別結果に対応する特典として再遊技を付与する、又は当該特別結果当選となったゲームのベット数と同数以下の遊技媒体の払出を行うことを特徴とする特徴BA17に記載の遊技機。
上記構成によれば、留保中における有利度を高め過ぎることなく、停止出目により特定遊技状態を推測する遊技を実現することができる。つまり、例えば、特別結果入賞時の特典によって遊技媒体の増加が見込める構成とすると、特別結果入賞によって利益を享受可能となってしまい、遊技媒体の増加を期待して特別結果当選を望むようになり、純粋に停止出目を楽しむ遊技性の障壁となり得る。
特徴BA19.前記第1結果は、前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記第2結果は、前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする特徴BA1乃至BA18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知として複数ある周回体の停止順序に関する順序報知が実行され得る。このようにすることで、例えば、周回体に付された所定の絵柄を狙う目押し操作が苦手な遊技者に対しても、態様報知による恩恵を十分に享受させることが可能となる。
なお、上記構成は、「各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様として第1の停止順序で操作されて前記第1結果入賞が成立した場合には前記第1特典(例えば、3ベットゲームにおいて第1小役入賞に基づいて付与される9枚のメダル)が付与され、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様として前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作されて前記第2結果入賞が成立した場合には前記第2特典(例えば、3ベットゲームにおいて第2小役入賞に基づいて付与される3枚のメダル)が付与され、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする」と表現してもよく、この場合、入賞する結果と付与される特典との関係性をより明確に示すことが可能である。
特徴BA20.前記特定遊技状態として、前記通常遊技状態よりも前記態様報知の実行頻度が高くなる高頻度状態、前記通常遊技状態よりも前記高頻度状態へ移行し易い高確率状態、及び前記高頻度状態若しくは前記高確率への移行抽選に当選し且つ移行前である移行前状態(前兆モード)、の少なくともいずれかが設定されていることを特徴とする特徴BA1乃至BA19のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態のバリエーションが多様化し、遊技性が向上する。しかも、高確率状態や移行前状態については、いずれも態様報知の実行頻度によって有利度が向上するよりも前の段階であり、各ゲームの有利度については通常遊技状態とほぼ同等のものである。そのような状態を含めて、特定遊技状態へ移行すると特定報知手段によって報知が開始される構成とすることで、特定遊技状態へ移行しているのにも関わらず、それに気づかずに遊技を終了してしまうといった事象を好適に回避させることが可能となる。つまり、高頻度状態へ移行していれば、遊技者は態様報知が行われることによってその状態移行を把握可能であると考えられ、このような高頻度状態の前段階の状態への移行を特定報知手段の報知開始によって知らしめる構成とすることで、特定遊技状態への移行をより好適に把握させることが可能となる。以上の結果、特定報知手段によって平等性を担保する機能を高め、且つ特徴BA1に記載した特定遊技状態への期待感を高める効果を向上させることが可能となる。
<特徴BB群>
特徴BB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合には、第1結果に対応する第1態様の絵柄組合せが停止可能となり、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合には、前記第1結果とは異なる第2結果に対応する絵柄組合せであって、前記第1態様の絵柄組合せとは異なる第2態様の絵柄組合せが停止可能となる第1操作態様結果(例えば、押し順ベル)と、
各前記停止操作手段が第3の停止操作態様で操作された場合には、第3結果に対応する前記第3態様の絵柄組合せが停止可能となり、各前記停止操作手段が前記第3の停止操作態様とは異なる第4の停止操作態様で操作された場合には、前記第3結果に対応する絵柄組合せであって、前記第3態様の絵柄組合せとは異なる第4態様の絵柄組合せが停止可能となる第2操作態様結果(例えば、特殊リプレイ)と、が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様、又は前記第3の停止操作態様及び前記第4の停止操作態様を含む操作態様に関する第1態様報知(押し順報知演出)を第1報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第1態様報知手段(表示制御装置81による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果であって、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な有利状態に移行させる移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となった場合、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止するまで、当該移行結果当選を留保する留保手段(主制御装置101によるステップS609の処理を実行する機能)と、
前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況(持ち越し状態)において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記移行抽選手段による抽選の実行を制限する制限手段(主制御装置101によるステップS702の処理を実行する機能)と、
前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記第2操作態様結果であることに基づいて、前記第1態様報知手段による前記第1態様報知を実行可能な特別報知手段(表示制御装置81のよる特殊RT用報知処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果が移行結果となり、当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止すると遊技者にとって有利な有利状態に移行し、移行用の絵柄組合せが停止しなければ、当該移行結果当選が留保される。このような構成において、更に、周回体の停止操作態様によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止操作態様に関する第1態様報知の有無によって有利度を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。そして、抽選手段による抽選結果が特定結果となると、特定遊技状態への移行抽選が行われ得るため、各ゲームにおいて有利状態と特定遊技状態との連鎖が生じ得るようになり、遊技性が格段に向上する。
その一方で、有利状態への移行が確定している状態において、更に特定遊技状態への移行抽選を行う構成であると、移行用の絵柄組合せを停止させないような停止操作を行う等して、有利状態への移行をなかなか発生させないようにし、特定遊技状態への移行抽選を無制限に発生させる行為が行われる可能性がある。そうすると、当該移行用の絵柄組合せを停止させない停止操作を行うことが可能な遊技者と、そのような停止操作を行えない遊技者との有利度の差が顕著となり、遊技の公平性の観点から好ましくないし、そもそも、設計上、意図した払出率とは異なる払出率となり得るため、そのような観点からも好ましくない。そこで、有利状態への移行が確定している状態においては、特定遊技状態への移行抽選の実行を制限する構成とすることで、上記意図した払出率とすることができるし、遊技の公平性を担保することができる。
また、移行結果当選を留保可能とすることにより、内部的には有利状態への移行が確定している状況で、それを演出等で示唆しながら遊技を行わせれば、有利状態への移行に対する期待感を持続させる、といったメリットもある。但し、留保手段により移行結果当選が留保されている状況では特定遊技状態への移行抽選が行われないため、当該移行抽選が行われないことがあからさまに把握可能な構成であると、遊技者としては好ましくない。
その点、上記構成においては、留保手段により移行結果当選が留保されて特定遊技状態への移行抽選が制限される状況であっても、第2操作態様結果に基づく第1態様報知は実行される。第2操作態様結果は、第1操作態様結果と同様に、停止操作態様によって停止出目が異なるものの、その停止出目によって入賞する結果は同じものとして設定されている。つまり、第2操作態様結果であれば、第1態様報知を行っても、遊技者の有利度は変化しない。そこで、上記のように特定遊技状態への移行抽選が制限される状況において、第2操作態様結果に基づく第1態様報知を行う構成とすれば、留保手段により移行結果当選が留保される状況で特定遊技状態への移行抽選を制限する趣旨に反しない範囲で、第1態様報知を実行することが可能となり、当該第1態様報知の実行によって、かかる移行抽選が制限される状況をわかりにくくすることができる。よって、遊技の公平性を担保しつつも、留保中の遊技性を向上させることができる。
特徴BB2.前記第1態様報知手段は、前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記第1操作態様結果であっても、前記第1態様報知を実行しないことを特徴とする特徴BB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、留保手段により移行結果当選が留保されている状況において第1態様報知が実行される場合とは、第1操作態様結果と第2操作態様結果のうち第2操作態様結果である場合に限定される。上述のとおり、第1操作態様結果と第2操作態様結果とは、第1操作態様結果はその停止操作態様によって入賞する結果が異なり得るものである一方、第2操作態様結果は停止操作態様に関わらず同じ結果が入賞する。このようにすることにより、移行結果当選が留保されている状況において、特定遊技状態への移行抽選の実行を制限することの意義を担保しつつも、当該留保されている状況での第1態様報知が実行可能となる。
特徴BB3.前記抽選手段による抽選結果が前記第1操作態様結果である場合、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む停止操作態様に関する第2態様報知を前記第1報知手段とは異なる第2報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な第2態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴BB1又は特徴BB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1態様報知手段では、第1操作態様結果及び第2操作態様結果のいずれでも第1態様報知が実行される一方、第2態様報知手段では第1操作態様結果について第2態様報知を実行する。上述のとおり、第1操作態様結果と第2操作態様結果とでは、第1操作態様結果はその停止操作態様によって入賞する結果が異なり得るものである一方、第2操作態様結果は停止操作態様に関わらず同じ結果が入賞する。つまり、第1態様報知と第2態様報知とでは、第2態様報知は遊技者の利益に変化を生じさせるものであり、第1態様報知は同利益に変化を生じさせないものも含まれる。そうすると、例えば、遊技ホールの管理者等が、停止操作態様と入賞している結果との関係を監視するうえでは、第2報知手段による第2態様報知を監視すればよいことになる。このように、遊技者の利益と対応付けられた報知を第2態様報知に委ねることで、第1態様報知を演出用の報知とすることも可能となり、利益に関与する報知としたり利益に関与しない報知としたりする等、報知の自由度が圧倒的に高められる。
特徴BB4.少なくとも前記抽選手段及び前記第2態様報知手段を有する第1制御装置(主制御装置101)と、
少なくとも前記第1態様報知手段を有する第2制御装置(表示制御装置81)と、
を備えていることを特徴とする特徴BB3に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者の利益に直結する抽選手段や第2態様報知手段と、演出用の第1態様報知手段とが別々の制御装置に搭載された構成となるため、当該利益に関する構成に対し集中的に不正対策を講じることが可能となるし、機能の分散化によって処理負荷の局所的な増大化を抑止することが可能となる。
なお、「第2制御装置」について、「前記第1制御装置とは別途設けられ」という限定をすることにより、別々の制御装置であることによる効果がより明確に奏される。
特徴BB5.前記特定遊技状態へ移行することに基づいて所定の報知手段(第8表示用セグメントN8)を点灯状態とすることにより報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記所定の報知手段を消灯状態とすることにより報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)を備え、
前記第1態様報知手段は、前記特定遊技状態報知手段による報知が開始されているか否かに関わらず前記第1態様報知を実行可能である一方、前記第2態様報知手段は、前記特定遊技状態報知手段による報知が開始されていることを一の条件として前記第2態様報知を実行可能であることを特徴とする特徴BB3又は特徴BB4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態に関し、特定遊技状態へ移行すると特定遊技状態報知手段による報知が開始され、当該特定遊技状態が終了するとその報知も終了する。つまり、特定遊技状態報知手段による所定の報知手段に報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に特別報知による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
そのうえで、第1態様報知と第2態様報知とに関し、第2態様報知を特定遊技状態報知手段による報知が開始されていることを一の条件に実行可能な構成としたことにより、第2態様報知が利益に直結するものであることの意義がより強められ、特定遊技状態報知手段による報知とともに、第2態様報知の監視の重要性が高められる。また、第1態様報知については、特定遊技状態報知手段による報知の開始の有無に関わらず実行可能としていることから、第1態様報知を行う際の自由度が向上し、演出としての機能をより高めることが可能となる。
特徴BB6.前記移行抽選手段は、前記移行結果当選に基づいて前記特定遊技状態への移行抽選を実行可能であり、
前記留保手段により前記移行結果当選が留保される状況において、当該移行結果当選に基づいて実行された前記特定遊技状態への移行抽選の結果に対応する前記特定遊技状態報知手段による報知の開始を、少なくとも当該移行結果入賞が成立するまで制限することが可能な手段(例えば、主制御装置101においてステップS4204、ステップS4208、区間表示第4処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴BB5に記載の遊技機。
上記構成によれば、留保手段により移行結果当選が留保されている状況で特定遊技状態への移行抽選が制限されることと、当該状況において第2態様報知が行われないこととの整合性を担保することが可能となるし、移行結果当選が留保されている状況において、特定遊技状態への移行抽選にも当選していることへの期待感を持続させることが可能となる。
特徴BB7.前記特別報知手段により前記第1態様報知が行われることにより、前記留保手段により留保されている前記移行結果を契機として実行された前記移行抽選手段による移行抽選の結果に対応する特定内容が示唆されることを特徴とする特徴BB6に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選が留保されている状況において、第2操作態様結果に基づく第1態様報知が行われることにより、当該留保されている移行結果を契機とする特定遊技状態への移行抽選の内容が示唆されるため、かかる状況において特定遊技状態への移行抽選の実行が制限されていても、当該移行抽選への関心を途切れさせないようにすることができる。
特徴BB8.前記特定遊技状態として、遊技者にとっての有利度が異なる複数の所定状態(アタックモード、チャレンジモード、スーパーアタックモード、前兆モード等)を有し、
前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況において、当該移行結果当選に基づいて実行された前記移行抽選手段による結果が、第1所定状態への移行当選である場合、前記特別報知手段は、前記第2操作態様結果における前記第3順序の絵柄組合せが停止可能となる前記第3の停止操作態様についての前記第1態様報知を実行し、
前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況において、当該移行結果当選に基づいて実行された前記移行抽選手段による結果が、前記第1所定状態とは異なる第2所定状態への移行当選である場合、前記特別報知手段は、前記第2操作態様結果における前記第4順序の絵柄組合せが停止可能となる前記第4の停止操作態様についての前記第1態様報知を実行することを特徴とする特徴BB7に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作態様を異ならせて停止出目が変化する第2操作態様結果を利用して、特定遊技状態への移行抽選の当選内容を報知することが可能となる。このようにすることで、利益に直結する態様報知が制限され得る状況において態様報知を利用した新たな遊技性を実現することが可能となる。
特徴BB9.前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により再遊技が特典として付与され得る複数種類の再遊技結果が設けられており、
前記複数種類の再遊技結果として、前記特典付与手段により前記再遊技が付与され、且つ遊技状態の移行契機となる移行再遊技結果(例えば、昇格リプレイ)と、前記特典付与手段により前記再遊技が付与され、且つ遊技状態の移行契機とならない非移行再遊技結果(例えば、特殊リプレイ)と、が設けられており、
前記第2操作態様結果は、前記非移行再遊技結果であることを特徴とする特徴BB1乃至BB8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選が留保されている状況において、第2操作態様結果当選となっても、遊技状態は移行しないし、単に再遊技が付与されるだけとなる。このような遊技結果を利用して態様報知を行うことで、移行結果当選が留保されている状況で特定遊技状態への移行抽選が制限されることの趣旨に反しない範囲で、特徴BB1の効果を奏することが可能となる。
特徴BB10.前記第1操作態様結果は、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様として第1の停止順序で操作された場合には、前記第1結果に対応する前記第1態様の絵柄組合せが停止可能となり、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様として前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合には、前記第2結果に対応する前記第2態様の絵柄組合せが停止可能となものであり、
前記第2操作態様結果は、各前記停止操作手段が前記第3の停止操作態様として第3の停止順序で操作された場合には、前記第3結果に対応する前記第3態様の絵柄組合せが停止可能となり、各前記停止操作手段が前記第4の停止操作態様として前記第3の停止順序とは異なる第4の停止順序で操作された場合には、前記第3結果に対応する前記第4態様の絵柄組合せが停止可能となるものであり、
前記第1態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1操作態様結果又は前記第2操作態様結果である場合、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序、又は前記第3の停止順序及び前記第4の停止順序を含む停止順序に関する第1順序報知(押し順報知演出)を前記第1態様報知として前記第1報知手段にて実行可能であることを特徴とする特徴BB1乃至BB9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知として複数ある周回体の停止順序に関する順序報知が実行され得る。このようにすることで、例えば、周回体に付された所定の絵柄を狙う目押し操作が苦手な遊技者に対しても、態様報知による恩恵を十分に享受させることが可能となる。
なお、上記構成は、「前記第1操作態様結果は、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様として第1の停止順序で操作された場合には、前記第1態様の絵柄組合せが停止して前記第1結果入賞が成立し、前記特典付与手段により第1特典(例えば、3ベットゲームにおいて第1小役入賞に基づいて付与される9枚のメダル)が付与され、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様として前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合には、前記第2態様の絵柄組合せが停止して前記第2結果入賞が成立し、前記特典付与手段により前記第1特典とは異なる第2特典(例えば、3ベットゲームにおいて第2小役入賞に基づいて付与される3枚のメダル)が付与されるものであり、
前記第2操作態様結果は、各前記停止操作手段が前記第3の停止操作態様として第3の停止順序で操作された場合には、前記第3態様の絵柄組合せが停止して前記第3結果入賞が成立し、前記特典付与手段により第3特典(リプレイ)が付与され、各前記停止操作手段が前記第4の停止操作態様として前記第3の停止順序とは異なる第4の停止順序で操作された場合には、前記第4態様の絵柄組合せが停止して前記第3結果入賞が成立し、前記特典付与手段により前記第3特典が付与されるものであり、
前記第1態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1操作態様結果又は前記第2操作態様結果である場合、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序、又は前記第3の停止順序及び前記第4の停止順序を含む停止順序に関する第1順序報知(押し順報知演出)を前記第1態様報知として前記第1報知手段にて実行可能であることを特徴とする」と表現してもよく、この場合、入賞する結果と付与される特典との関係性をより明確に示すことが可能である。
特徴BB11.前記特定遊技状態として、前記通常遊技状態よりも前記態様報知の実行頻度が高くなる高頻度状態、前記通常遊技状態よりも前記高頻度状態へ移行し易い高確率状態、及び前記高頻度状態若しくは前記高確率への移行抽選に当選し且つ移行前である移行前状態(前兆モード)、の少なくともいずれかが設定されていることを特徴とする特徴BB1乃至BB10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態のバリエーションが多様化し、遊技性が向上する。しかも、高確率状態や移行前状態については、いずれも態様報知の実行頻度によって有利度が向上するよりも前の段階であり、各ゲームの有利度については通常遊技状態とほぼ同等のものである。そのような状態を含めて、特定遊技状態へ移行すると特定報知手段によって報知が開始される構成とすることで、特定遊技状態へ移行しているのにも関わらず、それに気づかずに遊技を終了してしまうといった事象を好適に回避させることが可能となる。つまり、高頻度状態へ移行していれば、遊技者は態様報知が行われることによってその状態移行を把握可能であると考えられ、このような高頻度状態の前段階の状態への移行を特定報知手段の報知開始によって知らしめる構成とすることで、特定遊技状態への移行をより好適に把握させることが可能となる。以上の結果、特定報知手段によって平等性を担保する機能を高め、且つ特徴BB1に記載した特定遊技状態への期待感を高める効果を向上させることが可能となる。
<特徴BC群>
特徴BC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果であって、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な有利状態に移行させる移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となった場合、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止するまで、当該移行結果当選を留保する留保手段(主制御装置101によるステップS609の処理を実行する機能)と、
前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況(持ち越し状態)において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記移行抽選手段による抽選の実行を制限する制限手段(主制御装置101によるステップS702の処理を実行する機能)と、
前記制限手段により前記移行抽選手段による移行抽選の実行が制限される場合、当該制限手段による制限対象となった前記特定結果当選に基づいて、実行済みの前記移行抽選手段による移行抽選に関する特別報知を実行可能な特別報知手段(表示制御装置81による報知解除用処理、特殊RT用報知処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果が移行結果となり、当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止すると遊技者にとって有利な有利状態に移行し、移行用の絵柄組合せが停止しなければ、当該移行結果当選が留保される。このような構成において、更に、周回体の停止操作態様によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止操作態様に関する態様報知の有無によって有利度を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。そして、抽選手段による抽選結果が特定結果となると、特定遊技状態への移行抽選が行われ得るため、各ゲームにおいて有利状態と特定遊技状態との連鎖が生じ得るようになり、遊技性が格段に向上する。
その一方で、有利状態への移行が確定している状態において、更に特定遊技状態への移行抽選を行う構成であると、移行用の絵柄組合せを停止させないような停止操作を行う等して、有利状態への移行をなかなか発生させないようにし、特定遊技状態への移行抽選を無制限に発生させる行為が行われる可能性がある。そうすると、当該移行用の絵柄組合せを停止させない停止操作を行うことが可能な遊技者と、そのような停止操作を行えない遊技者との有利度の差が顕著となり、遊技の公平性の観点から好ましくないし、そもそも、設計上、意図した払出率とは異なる払出率となり得るため、そのような観点からも好ましくない。そこで、有利状態への移行が確定している状態においては、特定遊技状態への移行抽選の実行を制限する構成とすることで、上記意図した払出率とすることができるし、遊技の公平性を担保することができる。
また、移行結果当選を留保可能とすることにより、内部的には有利状態への移行が確定している状況で、それを演出等で示唆しながら遊技を行わせれば、有利状態への移行に対する期待感を持続させる、といったメリットもある。但し、留保手段により移行結果当選が留保されている状況では特定遊技状態への移行抽選が行われないため、有利状態への期待感は向上し得るものの、特定遊技状態への期待感といった観点からすると、当該留保手段により移行結果当選が留保されている状況は、遊技者としては好ましくないともいえる。
特に、抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果である場合、普段であれば移行抽選が行われるといった利益を享受できず、遊技者は損をした気分になり得るし、移行結果当選が留保されているゲーム数が多くなればなるほど、そのような事象が生じる可能性は高くなる。そこで、上記構成のように、特定結果当選時に特定遊技状態への移行抽選が制限される場合において、それ以前に行われている移行抽選に関する報知を行う構成とすれば、あたかも当該特定結果当選時に特定遊技状態への移行抽選が行われたかのように思わせることができ、当該移行抽選が制限されていることを悟られにくくすることが可能となる。よって、有利状態と特定遊技状態とによる遊技性を好適に実現することができる。
特徴BC2.前記特別報知手段は、前記実行済みの前記移行抽選手段による移行抽選に関するものであって、且つ未報知の内容を報知可能であることを特徴とする特徴BC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知手段による報知内容がより限定的なものとなる。より詳しくは、特別報知手段による報知内容は、報知済みの移行抽選に関するものは含まれず未報知の抽選に関するものとなるため、特定結果となったものの移行抽選が制限されたゲームに近いゲームで実行された移行抽選に関する報知となり、近いゲームでの内容であることからして、特定結果に基づいて移行抽選が行われたかのように思わせる効果をより高められる。
特徴BC3.前記移行抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果であることに基づいて、前記特定遊技状態の移行抽選を実行可能であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果であるゲームにおいて、当該移行結果を契機とする前記移行抽選手段による抽選に関する報知が実行されることを制限可能な手段(表示制御装置81においてアタックモード等に当選した際、前兆モードを設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴BC1又は特徴BC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果に基づいて移行抽選手段による移行抽選が行われた場合、当該移行抽選に関する報知の実行が制限されるため、留保手段により移行結果当選が持ち越されている状況で、特定結果当選となった場合、それよりも前に移行抽選が行われていない、といった事象を極力少なくすることができる。
特徴BC4.前記特別報知手段は、前記制限手段により制限対象とされた前記特定結果となったゲームよりも後のゲームにおいて前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴BC1乃至BC3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行抽選が制限される特定結果当選となったゲームよりも後のゲームにて、当該特定結果となったゲームよりも前に実行済みの移行抽選に関する報知が行われる。このようにすることで、特別報知が行われるゲームが当該特定結果当選となったゲームに限定されず、特別報知の多様化が図られるし、仮に移行抽選の結果が遊技者にとって好ましくないものであったとしても、特別報知の内容変化に期待しながら特定結果後のゲームを楽しませることができる。
特徴BC5.前記特別報知手段は、前記制限手段により制限対象とされた前記特定結果となったゲームよりも後のゲームおいて、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果となった場合に、前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴BC4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知が行われる場合、抽選手段による抽選結果が特別結果であることが加味されるため、仮に当該特別結果とならないまま移行結果入賞が成立した場合であっても、報知されるはずであった特別報知の内容に期待感を寄せさせることができる。つまり、特別報知が行われることで移行抽選の結果が遊技者にとって好ましいものとなるような構成において、特別報知が行われなくても、その特別報知が行われなかった要因が、移行抽選の結果が遊技者にとって好ましくないものである場合だけでなく、特別結果当選とならなかった場合もあり、期待感を持続させることができる。特に、特別報知の実行タイミングが、留保手段により移行結果当選が留保されている状況という時限的なものであるため、移行結果入賞までに特別結果とならない場面が多くなり、上記特別報知が行われなかった要因となる可能性が高くなる。よって、上記のような期待感を持続させる効果を好適に奏することが可能となる。
特徴BC6.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記有効位置に第1特別の絵柄組合せが停止可能となるように各前記周回体を制御する第1制御手段(主制御装置101において、例えば黒BARダブル揃いの停止出目にてリプレイ入賞が成立するように制御する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記有効位置に前記第1特別の絵柄組合せとは異なる第2特別の絵柄組合せが停止可能となるように各前記周回体を制御する第2制御手段(主制御装置101において、例えば黒BAR非停止となる停止出目にてリプレイ入賞が成立するように制御する機能)と、
を備え、
前記特別報知手段は、前記特別報知として、前記第1特別の絵柄組合せを停止可能とする報知を実行することを特徴とする特徴BC5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選時の停止出目によって特別報知が行われる。このようにすることで、特別結果当選に基づいて特別報知を行う構成において、特定結果当選前後で、特別結果当選となる確率を変化させる等の構成が必要なくなり、簡素な構成にて特徴BC5の効果を奏することができる。
特徴BC7.前記特別報知手段は、前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況において、前記制限手段により前記移行抽選手段による移行抽選の実行が制限されることとなる前記特定結果当選となったゲームを契機ゲームとし、当該契機ゲームの前のゲームよりも後のゲームの方が、前記実行済みの前記移行抽選手段による移行抽選に関する報知が行われ易くなるようにすることを特徴とする特徴BC1乃至BC6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選が留保されている状況において特定結果当選となると、当該特定結果当選となったゲームを契機ゲームとし、契機ゲームの前のゲームより後のゲームの方が、実行済み移行抽選に関する報知が行われ易くなる。このようにすることで、実行済みの移行抽選であっても、あたかも契機ゲームの特定結果に基づいて移行抽選が行われたかのように思わせることが可能となる。
特徴BC8.前記特定結果は複数種類設定されており、
前記特別報知手段は、前記制限手段により前記移行抽選手段による前記移行抽選が制限されることとなる前記特定結果の種類に応じて、前記契機ゲームの前のゲームよりも後のゲームの方が、前記実行済みの前記移行抽選手段による移行抽選に関する報知が行われ易くなるようにする確率を異ならせることが可能であることを特徴とする特徴BC7に記載の遊技機。
上記構成によれば、留保中の特定結果の種類に応じて、当該特定結果当選となったゲームよりも後のゲームにおいて移行抽選に関する報知が行われ易くなる確率が異なるため、より、特別報知手段による報知を、移行抽選の実情に沿った演出とすることができる。具体的には、例えば、特定結果として移行抽選に当選し易い結果と当選しにくい結果とがあることが一般的であり、その当選確率に応じて、留保中の報知率の変化も調節することで、契機ゲームの特定結果に基づいて移行抽選が行われたかのような印象をより強めることが可能となる。
特徴BC9.前記留保手段により前記移行結果当選が留保され、その後前記移行結果入賞が成立した場合、前記実行済みの前記移行抽選手段による抽選に関する報知を実行可能な手段(主制御装置101による区間表示第4処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴BC1乃至BC8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、留保中において特定結果に当選しなかったり、特定結果に当選した場合であっても例えば特徴BC5のように、特別結果当選に基づいて特別報知を行うような構成において、特別報知が行われないまま移行結果入賞が成立した場合であっても、実行済みの移行抽選手段による抽選に関する報知が行われないで有利状態に移行する、といった事象を極力少なくすることができる。このようにすることで、移行抽選手段による抽選に関する報知を好適に実行することができる。
特徴BC10.前記第1結果は、前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記第2結果は、前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする特徴BC1乃至BC9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知として複数ある周回体の停止順序に関する順序報知が実行され得る。このようにすることで、例えば、周回体に付された所定の絵柄を狙う目押し操作が苦手な遊技者に対しても、態様報知による恩恵を十分に享受させることが可能となる。
なお、上記構成は、「各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様として第1の停止順序で操作されて前記第1結果入賞が成立した場合には前記第1特典(例えば、3ベットゲームにおいて第1小役入賞に基づいて付与される9枚のメダル)が付与され、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様として前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作されて前記第2結果入賞が成立した場合には前記第2特典(例えば、3ベットゲームにおいて第2小役入賞に基づいて付与される3枚のメダル)が付与され、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする」と表現してもよく、この場合、入賞する結果と付与される特典との関係性をより明確に示すことが可能である。
特徴BC11.前記特定遊技状態として、前記通常遊技状態よりも前記態様報知の実行頻度が高くなる高頻度状態、前記通常遊技状態よりも前記高頻度状態へ移行し易い高確率状態、及び前記高頻度状態若しくは前記高確率への移行抽選に当選し且つ移行前である移行前状態(前兆モード)、の少なくともいずれかが設定されていることを特徴とする特徴BC1乃至BC10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態のバリエーションが多様化し、遊技性が向上する。しかも、高確率状態や移行前状態については、いずれも態様報知の実行頻度によって有利度が向上するよりも前の段階であり、各ゲームの有利度については通常遊技状態とほぼ同等のものである。そのような状態を含めて、特定遊技状態へ移行すると特定報知手段によって報知が開始される構成とすることで、特定遊技状態へ移行しているのにも関わらず、それに気づかずに遊技を終了してしまうといった事象を好適に回避させることが可能となる。つまり、高頻度状態へ移行していれば、遊技者は態様報知が行われることによってその状態移行を把握可能であると考えられ、このような高頻度状態の前段階の状態への移行を特定報知手段の報知開始によって知らしめる構成とすることで、特定遊技状態への移行をより好適に把握させることが可能となる。以上の結果、特定報知手段によって平等性を担保する機能を高め、且つ特徴BC1に記載した特定遊技状態への期待感を高める効果を向上させることが可能となる。
<特徴BD群>
特徴BD1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果であって、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な有利状態に移行させる移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となった場合、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止するまで、当該移行結果当選を留保する留保手段(主制御装置101によるステップS609の処理を実行する機能)と、
前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況(持ち越し状態)において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記移行抽選手段による抽選の実行を制限する制限手段(主制御装置101によるステップS702の処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が所定の再遊技結果となる確率が通常遊技状態とは異なる複数の再遊技状態(特に、第5RT状態~第8RT状態)が設定されており、
前記留保手段により前記移行結果当選が留保される当選条件を含む特定条件が成立した場合、遊技状態を前記複数の再遊技状態のうちにいずれかに移行させることが可能な再遊技状態移行手段(主制御装置101の特殊RT状態処理において、第5RT状態~第8RT状態のいずれかに移行させる処理を実行する機能)と、
前記再遊技状態移行手段により遊技状態を前記再遊技状態に移行させる場合、前記特定遊技状態に関する特定事象に基づいて、移行させる前記再遊技状態を選択可能な選択手段(主制御装置101の特殊RT状態処理において、チャレンジモード当選フラグ、アタックモード当選フラグ及び特化ゾーン当選フラグの有無によってRT状態を設定する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果が移行結果となり、当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止すると遊技者にとって有利な有利状態に移行し、移行用の絵柄組合せが停止しなければ、当該移行結果当選が留保される。このような構成において、更に、周回体の停止操作態様によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止操作態様に関する態様報知の有無によって有利度を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。そして、抽選手段による抽選結果が特定結果となると、特定遊技状態への移行抽選が行われ得るため、各ゲームにおいて有利状態と特定遊技状態との連鎖が生じ得るようになり、遊技性が格段に向上する。
その一方で、有利状態への移行が確定している状態において、更に特定遊技状態への移行抽選を行う構成であると、移行用の絵柄組合せを停止させないような停止操作を行う等して、有利状態への移行をなかなか発生させないようにし、特定遊技状態への移行抽選を無制限に発生させる行為が行われる可能性がある。そうすると、当該移行用の絵柄組合せを停止させない停止操作を行うことが可能な遊技者と、そのような停止操作を行えない遊技者との有利度の差が顕著となり、遊技の公平性の観点から好ましくないし、そもそも、設計上、意図した払出率とは異なる払出率となり得るため、そのような観点からも好ましくない。そこで、有利状態への移行が確定している状態においては、特定遊技状態への移行抽選の実行を制限する構成とすることで、上記意図した払出率とすることができるし、遊技の公平性を担保することができる。
また、移行結果当選を留保可能とすることにより、内部的には有利状態への移行が確定している状況で、それを演出等で示唆しながら遊技を行わせれば、有利状態への移行に対する期待感を持続させる、といったメリットもある。その一方で、移行用の絵柄組合せ自体をなかなか停止させることができなかったりすると、特定結果となって特定状態に関する抽選の実行が制限される場面も多くなり、遊技者は損をした気分になり得る。そこで、このような状況が生じ得る状況、すなわち、留保手段に移行結果当選が留保される状況となることに基づいて、所定の再遊技結果となる確率が変化する再遊技状態、所謂RT状態に移行させる構成としたうえで、特定遊技状態に関する特定事象に基づいて、その再遊技状態の種類が選択される構成とした。このようにすることで、再遊技状態の種類から、特定遊技状態に関する特定事象を予測する、といった遊技が追加され、特定結果となって特定遊技状態に関する抽選の実行が制限される状況であっても、特定遊技状態に関する遊技を楽しませることが可能となる。以上の結果、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴BD2.前記移行抽選手段は、前記移行結果当選に基づいて前記移行抽選を実行可能であり、
前記特定事象とは、前記移行結果当選に基づいて行われた前記移行抽選の内容であることを特徴とする特徴BD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選に基づいて再遊技状態に移行する構成において、当該移行結果当選に基づいて行われた移行抽選の内容によって、移行する再遊技状態が異なる。このようにすることで、移行した再遊技状態から移行抽選の内容を予測するといった遊技を好適に実現することができる。
特徴BD3.前記抽選手段による抽選結果が特定再遊技結果(特殊リプレイ)である場合、前記有効位置に特定再遊技用の絵柄組合せを停止可能とするように各前記周回体を制御する手段(主制御装置101におけるリール制御処理を実行する機能)を備え、
前記選択手段により選択される前記再遊技状態の種類によって、前記特定再遊技用の絵柄組合せが停止する頻度が異なることを特徴とする特徴BD1又は特徴BD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技状態の種類によって、特定再遊技結果当選時に出現し得る特定再遊技用の絵柄組合せの停止頻度が異なる。このようにすることで、特定再遊技用の絵柄組合せの停止頻度から、再遊技状態の種類を予測し、それにより、特定遊技状態に関する特定事象を予測する、といった遊技を行わせることが可能となる。
特徴BD4.前記再遊技状態の種類によって、前記特定再遊技結果となる確率が異なることを特徴とする特徴BD3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定再遊技結果の当選確率自体が異なるので、再遊技状態の種類によって特定再遊技用の絵柄組合せの出現率も異なり得る。このようにすれば、例えば、特定再遊技結果当選時に、停止順序や停止タイミング等によって、特定再遊技用の絵柄組合せを停止させるか否か、といった制御を行う必要が生じない。よって、比較的簡素な構成にて、特定再遊技用の絵柄組合せの出現率から特定遊技状態についての特定事象を予測する、という遊技を実現することができる。
特徴BD5.前記再遊技状態の種類に関わらず、前記抽選手段による抽選結果がいずれかの前記再遊技結果となる確率が同じ確率又はほぼ同じ確率であることを特徴とする特徴BD1乃至BD4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選が留保されている状況において、特定遊技状態についての特定事象を予測するという遊技を実現するうえで、当該留保中に移行する再遊技状態の有利度を異ならせる必要が生じない。よって、出玉率等を考慮することなく、当該特定遊技状態についての遊技性を実現することができる。
なお、「同じ確率又はほぼ同じ確率」とは、完全に同じ確率である場合だけでなく、遊技者がその確率の違いを体感しにくい程度の確率の差も含まれる。
特徴BD7.前記特定条件には、前記留保手段により前記移行結果当選が留保されることなく成立する非当選条件(例えば、BB非当選となる重複役)が含まれており、
前記非当選条件が成立したことに基づいて前記選択手段により選択される前記再遊技状態と、前記当選条件が成立したことに基づいて前記選択手段により選択される前記再遊技状態と、で前記抽選手段による抽選結果がいずれかの前記再遊技結果となる確率が同じ確率又はほぼ同じ確率であることを特徴とする特徴BD1乃至BD6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、留保手段により移行結果当選が留保されることに基づいて移行する再遊技状態と、そうではない再遊技状態とで、再遊技結果となる確率が同じ確率又はほぼ同じ確率となる。このようにすることで、再遊技状態へ移行した際に移行結果当選が留保されているか否かを予測する、といった遊技も行う場合、再遊技結果の当選確率からはそれを予測することができないようにして、予測遊技の重厚化を図ることができる。
特徴BD8.前記通常遊技状態において当選し得る前記再遊技結果として通常再遊技結果(通常リプレイ)が設定されており、
前記再遊技状態において当選し得る前記再遊技結果として特定再遊技結果(特殊リプレイ)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記通常再遊技結果である場合、前記有効位置に通常再遊技用の絵柄組合せを停止可能とするように各前記周回体を制御する手段(主制御装置101のリール制御処理において通常リプレイの停止出目にてリプレイ入賞させる処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が特定再遊技結果(特殊リプレイ)である場合、前記有効位置に特定再遊技用の絵柄組合せを停止可能とするように各前記周回体を制御する手段(主制御装置101のリール制御処理において例えば黒BAR停止の停止出目にてリプレイ入賞させる処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が特定再遊技結果(特殊リプレイ)である場合、前記有効位置に前記通常再遊技用の絵柄組合せを停止可能とするように各前記周回体を制御する手段(主制御装置101のリール制御処理において通常リプレイの停止出目にてリプレイ入賞させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記選択手段により選択される前記再遊技状態の種類に応じて、前記特定再遊技用の絵柄組合せが停止する頻度が異なることを特徴とする特徴BD1乃至BD7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定再遊技用の絵柄組合せの出現率から再遊技状態の種類を予測するという遊技性において、特定再遊技結果当選時であっても、通常再遊技結果と同じ停止出目となる場合が生じ得る。このようにすることで、特定再遊技結果の当選確率を異ならせることなく、特定再遊技結果当選時において、特定再遊技用の絵柄組合せを停止させるか、それとも通常再遊技用の絵柄組合せを停止させるか、を異ならせるだけで、特定再遊技用の絵柄組合せの出現率を変化させることができる。よって、比較的簡素な構成にて、特定再遊技用の絵柄組合せの出現率から再遊技状態の種類を予測し、それにより特定遊技状態に関する特定事象を予測する、という遊技性を実現することができる。
特徴BD9.前記移行抽選手段は、前記移行結果当選に基づいて前記移行抽選を実行可能であり、
前記移行結果として第1移行結果と第2移行結果とが含まれており、
前記特定遊技状態として、遊技者にとっての有利度が異なる複数の所定状態(アタックモード、チャレンジモード、スーパーアタックモード、前兆モード等)を有し、
前記移行抽選手段は、前記第1移行結果当選に基づいて前記移行抽選を実行する場合、前記特定遊技状態のうちの第1所定状態への移行抽選を行い、前記第2移行結果当選に基づいて前記移行抽選を実行する場合、前記特定遊技状態のうちの前記第1所定状態とは異なる第2所定状態への移行抽選を行うものであり、
前記再遊技状態移行手段は、前記留保手段により前記第1移行結果当選が留保されることを条件として前記複数の再遊技状態のうちの第1再遊技状態に移行させ、前記留保手段により前記第1移行結果当選が留保されることを条件として前記複数の再遊技状態のうちの前記第1再遊技状態とは異なる第2再遊技状態に移行させるものであることを特徴とする特徴BD1乃至BD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果の種類と、再遊技状態の種類と、移行抽選が行われる特定遊技状態の内容と、がそれぞれ紐付けられる。言い換えると、第2移行結果当選であるのにも関わらず第1再遊技状態へ移行したり、第1移行結果当選であるのにも関わらず第2再遊技状態へ移行したりする事象が生じない。よって、遊技の透明性が担保され、再遊技状態の種類から特定遊技状態を予測する遊技を好適に実現することができる。
特徴BD10.遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて所定の報知手段(第8表示用セグメントN8)を点灯状態とすることにより報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記所定の報知手段を消灯状態とすることにより報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)と、
前記再遊技状態移行手段により遊技状態を前記再遊技状態に移行させる場合、前記特定遊技状態報知手段による報知の開始を制限可能な手段(表示制御装置81においてアタックモード等に当選した際、前兆モードを設定する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴BD1乃至BD9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態に関し、特定遊技状態へ移行すると特定遊技状態報知手段による報知が開始され、当該特定遊技状態が終了するとその報知も終了する。つまり、特定遊技状態報知手段による所定の報知手段に報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に特別報知による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
そのうえで、再遊技状態移行手段により再遊技状態に移行する際には、特定遊技状態報知手段による報知の開始が制限される場合がある。このようにすることで、留保手段により移行結果当選が留保されることに基づいて再遊技状態に移行した場合、特定遊技状態に関する特定事象を再遊技状態の種類から予測する、という遊技を好適に実行することができる。つまり、特定遊技状態報知手段により報知が開始されていると、特定遊技状態への移行の有無を特定事象とするような構成においては、当該特定遊技状態報知手段による報知によってその特定事象を予測するまでもなく把握されてしまうからである。
特徴BD11.前記第1結果は、前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記第2結果は、前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする特徴BD1乃至BD10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知として複数ある周回体の停止順序に関する順序報知が実行され得る。このようにすることで、例えば、周回体に付された所定の絵柄を狙う目押し操作が苦手な遊技者に対しても、態様報知による恩恵を十分に享受させることが可能となる。
なお、上記構成は、「各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様として第1の停止順序で操作されて前記第1結果入賞が成立した場合には前記第1特典(例えば、3ベットゲームにおいて第1小役入賞に基づいて付与される9枚のメダル)が付与され、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様として前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作されて前記第2結果入賞が成立した場合には前記第2特典(例えば、3ベットゲームにおいて第2小役入賞に基づいて付与される3枚のメダル)が付与され、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする」と表現してもよく、この場合、入賞する結果と付与される特典との関係性をより明確に示すことが可能である。
特徴BD12.前記特定遊技状態として、前記通常遊技状態よりも前記態様報知の実行頻度が高くなる高頻度状態、前記通常遊技状態よりも前記高頻度状態へ移行し易い高確率状態、及び前記高頻度状態若しくは前記高確率への移行抽選に当選し且つ移行前である移行前状態(前兆モード)、の少なくともいずれかが設定されていることを特徴とする特徴BD1乃至BD11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態のバリエーションが多様化し、遊技性が向上する。しかも、高確率状態や移行前状態については、いずれも態様報知の実行頻度によって有利度が向上するよりも前の段階であり、各ゲームの有利度については通常遊技状態とほぼ同等のものである。そのような状態を含めて、特定遊技状態へ移行すると特定報知手段によって報知が開始される構成とすることで、特定遊技状態へ移行しているのにも関わらず、それに気づかずに遊技を終了してしまうといった事象を好適に回避させることが可能となる。つまり、高頻度状態へ移行していれば、遊技者は態様報知が行われることによってその状態移行を把握可能であると考えられ、このような高頻度状態の前段階の状態への移行を特定報知手段の報知開始によって知らしめる構成とすることで、特定遊技状態への移行をより好適に把握させることが可能となる。以上の結果、特定報知手段によって平等性を担保する機能を高め、且つ特徴BD1に記載した特定遊技状態への期待感を高める効果を向上させることが可能となる。
特徴BD13.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果であって、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な有利状態に移行させる移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となった場合、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止するまで、当該移行結果当選を留保する留保手段(主制御装置101によるステップS609の処理を実行する機能)と、
前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況(持ち越し状態)において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記移行抽選手段による抽選の実行を制限する制限手段(主制御装置101によるステップS702の処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が所定の再遊技結果となる確率が通常遊技状態とは異なる複数の再遊技状態(特に、第5RT状態~第8RT状態)が設定されており、
前記複数の再遊技状態は、前記再遊技結果のうちの特定再遊技結果となる確率が異なるように設定されており、
前記移行抽選手段は、前記移行結果当選に基づいて前記特定遊技状態への移行抽選を実行可能であり、
前記留保手段により前記移行結果当選が留保される当選条件を含む特定条件が成立した場合、遊技状態を前記複数の再遊技状態のうちにいずれかに移行させることが可能な再遊技状態移行手段(主制御装置101の特殊RT状態処理において、第5RT状態~第8RT状態のいずれかに移行させる処理を実行する機能)と、
前記再遊技状態移行手段により遊技状態を前記再遊技状態に移行させる場合、前記特定遊技状態への移行抽選の当選期待度に応じて、移行させる前記再遊技状態を選択可能な選択手段(主制御装置101の特殊RT状態処理において、チャレンジモード当選フラグ、アタックモード当選フラグ及び特化ゾーン当選フラグの有無によってRT状態を設定する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果が移行結果となり、当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止すると遊技者にとって有利な有利状態に移行し、移行用の絵柄組合せが停止しなければ、当該移行結果当選が留保される。このような構成において、更に、周回体の停止操作態様によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止操作態様に関する態様報知の有無によって有利度を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。そして、抽選手段による抽選結果が特定結果となると、特定遊技状態への移行抽選が行われ得るため、各ゲームにおいて有利状態と特定遊技状態との連鎖が生じ得るようになり、遊技性が格段に向上する。
その一方で、有利状態への移行が確定している状態において、更に特定遊技状態への移行抽選を行う構成であると、移行用の絵柄組合せを停止させないような停止操作を行う等して、有利状態への移行をなかなか発生させないようにし、特定遊技状態への移行抽選を無制限に発生させる行為が行われる可能性がある。そうすると、当該移行用の絵柄組合せを停止させない停止操作を行うことが可能な遊技者と、そのような停止操作を行えない遊技者との有利度の差が顕著となり、遊技の公平性の観点から好ましくないし、そもそも、設計上、意図した払出率とは異なる払出率となり得るため、そのような観点からも好ましくない。そこで、有利状態への移行が確定している状態においては、特定遊技状態への移行抽選の実行を制限する構成とすることで、上記意図した払出率とすることができるし、遊技の公平性を担保することができる。
また、移行結果当選を留保可能とすることにより、内部的には有利状態への移行が確定している状況で、それを演出等で示唆しながら遊技を行わせれば、有利状態への移行に対する期待感を持続させる、といったメリットもある。その一方で、移行用の絵柄組合せ自体をなかなか停止させることができなかったりすると、特定結果となって特定状態に関する抽選の実行が制限される場面も多くなり、遊技者は損をした気分になり得る。そこで、このような状況が生じ得る状況、すなわち、留保手段に移行結果当選が留保される状況となることに基づいて、特定再遊技結果となる確率がそれぞれ異なる複数の再遊技状態のうちのいずれかに移行させる構成としたうえで、特定遊技状態への移行抽選の当選期待度に応じて、その再遊技状態の種類が選択される構成とした。このようにすることで、特定再遊技結果の当選確率から、再遊技状態の種類を予測・把握し、特定遊技状態への移行抽選の当選期待度を予測する、といった遊技が追加され、特定結果となって特定遊技状態に関する抽選の実行が制限される状況であっても、特定遊技状態に関する遊技を楽しませることが可能となる。以上の結果、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
なお、特徴BD13に対し、上記特徴BD1乃至BD12の各構成を個別に適用してもよいし、各構成を組み合わせて適用してもよい。
<特徴BE群>
特徴BE1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて特定報知手段(第8表示用セグメントN8)による報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段による報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果であって、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な有利状態に移行させる移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となった場合、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止するまで、当該移行結果当選を留保する留保手段(主制御装置101によるステップS609の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定結果として、前記移行結果を含む重複結果(例えば、強チェリー重複1、強スイカ重複1、チャンスA重複1)と、前記移行結果を含まない非重複結果(例えば、強チェリー、強スイカ、チャンスA)が設定されており、
前記特定遊技状態報知手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記非重複結果であって、前記特定遊技状態への移行抽選に当選した場合、当該非重複結果に当選したゲームを開始ゲームとし、当該開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前のタイミングで前記特定報知手段による報知を開始する手段(主制御装置101における区間表示第1処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記重複結果又は前記移行結果であって、前記特定遊技状態への移行抽選に当選した場合、前記移行用の絵柄組合せが停止することにより前記有利状態に移行するゲームを開始ゲームとし、当該開始ゲームよりも前のタイミングで前記特定報知手段による報知を開始せず、且つ前記開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前のタイミングで前記特定報知手段による報知を開始する手段(主制御装置101における区間表示第4処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
この場合、態様報知が行われやすい特定遊技状態へ移行すると特定報知手段による報知が開始され、当該特定遊技状態が終了すると特定報知手段による報知も終了する。つまり、特定報知手段の報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に態様報知による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
しかも、特定遊技状態報知手段による報知は、少なくとも特定遊技状態への移行抽選に当選契機となった抽選結果が入賞し得るゲームを開始ゲームとし、当該開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前で開始され、報知の開始タイミングが時限的な報知とされている。このような構成とすることにより、特定遊技状態への移行抽選に当選しているのにも関わらず遊技を終了してしまうことを、極力減らすことが可能となる。
その一方で、上記のように移行抽選の報知を時限的なものとしてしまうと、移行抽選の結果は、特定遊技状態報知手段による報知が開始されるか否かによって明確に判断可能となることからして、演出上の面白みが欠けるもとという見方もされ得る。
そこで、上記構成においては、特定遊技状態への移行抽選を、有利状態への移行契機となるものであって、入賞が成立するまでその当選が留保され得る移行結果(所謂大当たり)との重複結果と、当該移行結果との重複ではない非重複結果とにより行うことが可能な構成としたうえで、重複結果と非重複結果とでは、特定遊技状態報知手段による報知開始を異ならせた。
より詳しくは、非重複結果を契機として特定遊技状態への移行抽選に当選した場合には、当該非重複結果当選となったゲームを開始ゲームとし、その次のゲームの操作を許容するよりも前に特定遊技状態報知手段による報知が開始され、移行結果を含む結果(主に重複結果)を契機として特定遊技状態への移行抽選に当選した場合には、当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止して有利状態へ移行するゲームを開始ゲームとし、その次のゲームの操作を許容するよりも前に特定遊技状態報知手段による報知が開始される。
このようにすることで、仮に特定遊技状態への移行抽選の契機となる結果に対応する停止出目が出現した場合において、当該ゲームにて特定遊技状態報知手段による報知が開始されなくても、上記重複結果である可能性が残されるため、特定遊技状態報知手段による報知を時限的なものとしつつも、演出効果の高い報知とすることが可能となる。よって、興趣向上を好適に図ることができる。
特徴BE2.前記重複結果として、前記特定結果のうちの第1特定結果(例えば、強チェリー)との重複結果である第1重複結果(例えば、強チェリー重複1)が設定されており、
前記非重複結果として、前記特定結果のうちの前記第1特定結果(例えば、強チェリー)の非重複結果である第1非重複結果(例えば、強チェリー)が設定されており、
前記特典付与手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1重複結果である場合、前記有効位置に第1特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第1特定結果に対応する特典を付与し、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1非重複結果である場合、前記有効位置に前記第1特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第1特定結果に対応する特典を付与することを特徴とする特徴BE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果と移行結果との重複当選となる第1重複結果に当選したゲームと、第1特定結果の単独当選となる第1非重複結果に当選したゲームとで、いずれも、第1特定結果用の絵柄組合せが停止して第1特定結果入賞を成立させることが可能となるため、これら第1重複結果及び第1非重複結果のいずれに当選したかを、停止出目からは判断しにくくなる。その一方で、特定遊技状態報知手段による報知は、第1重複結果であれば移行結果入賞が成立するゲームを開始ゲームとし、第1非重複結果であれば第1特定結果入賞が成立するゲームを開始ゲームとする。そのため、いずれの結果を契機として特定遊技状態への移行抽選に当選している場合であっても、特定遊技状態報知手段の報知の開始の有無(開始タイミング)が異なる、という事象が生じ得る。つまり、第1特定結果用の絵柄組合せが停止した場合であって、当該ゲームの次のゲームの操作が許容されるまでに特定遊技状態報知手段による報知が開始されなくても、当該第1特定結果用の絵柄組合せが第1重複結果における第1特定結果に基づくものである可能性を残すことができ、特定遊技状態への移行抽選に当選していない場合であっても、期待感を持続させることが可能となる。
特徴BE3.前記重複結果として、前記特定結果のうちの第2特定結果(例えば、強スイカ)との重複結果である第2重複結果(例えば、強スイカ重複1)が設定されており、
前記非重複結果として、前記特定結果のうちの前記第2特定結果(例えば、強スイカ)の非重複結果である第2非重複結果(例えば、強スイカ)が設定されており、
前記特典付与手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2重複結果である場合、前記有効位置に第2特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第2特定結果に対応する特典を付与し、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2非重複結果である場合、前記有効位置に前記第2特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第2特定結果に対応する特典を付与するものであり、
前記移行抽選手段による移行抽選に当選する確率が、前記第1特定結果に基づく抽選と、前記第2特定結果に基づく抽選とで異なっていることを特徴とする特徴BE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴BE2の遊技性において、移行抽選手段による移行抽選に当選する確率も加味される。すなわち、例えば、第1特定結果の方が第2特定結果よりも移行抽選に当選し易い構成であれば、第1特定結果用の絵柄組合せが停止し、且つ特定遊技状態報知手段による報知が開始されていなければ、第2特定結果用の絵柄組合せが停止し、且つ特定遊技状態報知手段による報知が開始されていない場合よりも、移行当選している可能性が高くなり、第1特定の絵柄組合せが出現することへの期待感がより増大化される。一方、第2特定結果用の絵柄組合せが停止し、且つ特定遊技状態報知手段による報知が開始されていない場合には、その後に第1特定の絵柄組合せが出現した場合の驚きの効果が高められる。以上のように、移行抽選手段による移行抽選の当選確率を加味して停止出目を楽しませることで、留保中において停止出目から移行抽選の結果を予測する遊技性が格段に向上する。
特徴BE4.前記重複結果として、前記特定結果のうちの第3特定結果(例えば、チャンスA)との重複結果である第3重複結果(例えば、チャンスA重複1)が設定されており、
前記非重複結果として、前記特定結果のうちの前記第3特定結果(例えば、チャンスA)の非重複結果である第3非重複結果(例えば、チャンスA)が設定されており、
前記特典付与手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記第3重複結果である場合、前記有効位置に第3特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第3特定結果に対応する特典を付与し、
前記抽選手段による抽選結果が前記第3非重複結果である場合、前記有効位置に前記第3特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第3特定結果に対応する特典を付与するものであり、
前記抽選手段による抽選において前記重複結果と前記非重複結果となる割合が、前記第1重複結果と前記第1非重複結果となる割合と、前記第3重複結果と前記第3非重複結果となる割合とで異なっていることを特徴とする特徴BE2又は特徴BE3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴BE2や特徴BE3の遊技性において、移行結果に当選する確率も加味される。すなわち、例えば、第1重複結果と第1非重複結果の割合の方が、第3重複結果と第3非重複結果の割合よりも、移行結果との重複結果となる割合が高い構成(同じ停止出目でも移行結果当選となっている可能性が高い構成)であれば、第1特定結果用の絵柄組合せが停止し、且つ特定遊技状態報知手段による報知が開始されていなければ、第3特定結果用の絵柄組合せが停止し、且つ特定遊技状態報知手段による報知が開始されていない場合よりも、留保手段により移行結果当選が留保されている状況である可能性が高くなる。言い換えると、特徴BE3の構成において、非重複結果であって特定遊技状態であれば、特定遊技状態報知手段による報知がそのゲームで開始されるのであるから、上記のように第1特定結果用の絵柄組合せが停止し、且つ特定遊技状態報知手段による報知が開始されていなければ、第3特定結果用の絵柄組合せの場合よりも、特定遊技状態に当選している可能性も高まる。以上のように、移行結果当選となる確率を加味して停止出目を楽しませることで、留保中において停止出目から移行抽選の結果を予測する遊技性が格段に向上する。
特徴BE5.前記重複結果として、前記特定結果のうちの第4特定結果(例えば、中段ベル)との重複結果である第4重複結果(例えば、中段ベル重複1)が設定されており、
前記非重複結果として、前記特定結果のうちの前記第4特定結果(例えば、中段ベル)の非重複結果である第4非重複結果(例えば、中段ベル)が設定されており、
前記特典付与手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記第4重複結果である場合、前記有効位置に第4特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第4特定結果に対応する特典を付与し、
前記抽選手段による抽選結果が前記第4非重複結果である場合、前記有効位置に前記第4特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第4特定結果に対応する特典を付与するものであり、
前記特定遊技状態として、遊技者にとっての有利度が異なる複数の所定状態(アタックモード、チャレンジモード、スーパーアタックモード、前兆モード等)を有し、
前記移行抽選手段による移行抽選として、第1所定状態(チャレンジモード)への移行抽選である第1移行抽選と、前記第1所定状態とは異なる第2所定状態(アタックモード)への移行抽選である第2移行抽選とが設定されており、
前記第1特定結果に基づいて実行される前記第1移行抽選及び前記第2移行抽選では、いずれの移行抽選でも当選し得る一方、前記第4特定結果に基づいて実行される前記第1移行抽選及び前記第2移行抽選では、いずれか一方の移行抽選にて当選しないように設定されていることを特徴とする特徴BE2乃至BE4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態のうち第1所定状態と第2所定状態とで、特定結果の種類によって移行しないものも含まれる。つまり、第1特定結果の場合、第1所定状態と第2所定状態とのいずれにも移行し得るものの、第4特定結果の場合は、いずれか一方には移行し得ない。このようにすることで、第1重複結果又は第1非重複結果に対応する第1特定結果用の絵柄組合せが停止した場合と、第4重複結果又は第4非重複結果に対応する第4特定結果用の絵柄組合せが停止した場合とで、留保されるか否かといった観点、特定遊技状態報知手段による報知が開始されるか否かという観点に加え、いずれの所定状態への移行抽選が行われたか、といった観点からも、その後の動向を楽しむ遊技を行うことができる。
特徴BE6.前記重複結果として、前記特定結果のうちの第5特定結果(例えば、中段ベル)との重複結果である第5重複結果(例えば、中段ベル重複1)が設定されており、
前記非重複結果として、前記特定結果のうちの前記第5特定結果(例えば、中段ベル)の非重複結果である第5非重複結果(例えば、中段ベル)が設定されており、
前記特典付与手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記第5重複結果である場合、前記有効位置に第5特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第5特定結果に対応する特典を付与し、
前記抽選手段による抽選結果が前記第5非重複結果である場合、前記有効位置に前記第5特定結果用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該第5特定結果に対応する特典を付与するものであり、
前記特定遊技状態として、遊技者にとっての有利度が異なる複数の所定状態(アタックモード、チャレンジモード、スーパーアタックモード、前兆モード等)を有し、
前記移行抽選手段による移行抽選として、第1所定状態(チャレンジモード)への移行抽選である第1移行抽選と、前記第1所定状態とは異なる第2所定状態(スーパーアタックモード)への移行抽選である第2移行抽選とが設定されており、
前記第1特定結果に基づいて実行される前記第1移行抽選及び前記第2移行抽選では、いずれの移行抽選でも当選しない場合がある一方、前記第5特定結果に基づいて実行される前記第1移行抽選及び前記第2移行抽選では、少なくともいずれか一方の移行抽選では当選するように設定されていることを特徴とする特徴BE2乃至BE5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態のうち第1所定状態と第2所定状態とで、特定結果の種類によって必ずいずれかの所定状態に移行するものが含まれる。つまり、第1特定結果の場合、第1所定状態と第2所定状態とのいずれにも移行しない場合があり、第5特定結果の場合は、いずれか一方には必ず移行する。このようにすることで、第1重複結果又は第1非重複結果に対応する第1特定結果用の絵柄組合せが停止した場合と、第5重複結果又は第5非重複結果に対応する第5特定結果用の絵柄組合せが停止した場合とで、留保されるか否かといった観点、特定遊技状態報知手段による報知が開始されるか否かという観点に加え、いずれの所定状態へ移行するか、といった観点からも、その後の動向を楽しむ遊技を行うことができる。
特徴BE7.前記第1結果は、前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記第2結果は、前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合に入賞成立となり、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする特徴BE1乃至BE7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知として複数ある周回体の停止順序に関する順序報知が実行され得る。このようにすることで、例えば、周回体に付された所定の絵柄を狙う目押し操作が苦手な遊技者に対しても、態様報知による恩恵を十分に享受させることが可能となる。
なお、上記構成は、「各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様として第1の停止順序で操作されて前記第1結果入賞が成立した場合には前記第1特典(例えば、3ベットゲームにおいて第1小役入賞に基づいて付与される9枚のメダル)が付与され、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様として前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作されて前記第2結果入賞が成立した場合には前記第2特典(例えば、3ベットゲームにおいて第2小役入賞に基づいて付与される3枚のメダル)が付与され、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする」と表現してもよく、この場合、入賞する結果と付与される特典との関係性をより明確に示すことが可能である。
特徴BE8.前記特定遊技状態として、前記通常遊技状態よりも前記態様報知の実行頻度が高くなる高頻度状態、前記通常遊技状態よりも前記高頻度状態へ移行し易い高確率状態、及び前記高頻度状態若しくは前記高確率への移行抽選に当選し且つ移行前である移行前状態(前兆モード)、の少なくともいずれかが設定されていることを特徴とする特徴BE1乃至BE7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態のバリエーションが多様化し、遊技性が向上する。しかも、高確率状態や移行前状態については、いずれも態様報知の実行頻度によって有利度が向上するよりも前の段階であり、各ゲームの有利度については通常遊技状態とほぼ同等のものである。そのような状態を含めて、特定遊技状態へ移行すると特定報知手段によって報知が開始される構成とすることで、特定遊技状態へ移行しているのにも関わらず、それに気づかずに遊技を終了してしまうといった事象を好適に回避させることが可能となる。つまり、高頻度状態へ移行していれば、遊技者は態様報知が行われることによってその状態移行を把握可能であると考えられ、このような高頻度状態の前段階の状態への移行を特定報知手段の報知開始によって知らしめる構成とすることで、特定遊技状態への移行をより好適に把握させることが可能となる。以上の結果、特定報知手段によって平等性を担保する機能を高め、且つ特徴BE1に記載した特定遊技状態への期待感を高める効果を向上させることが可能となる。
<特徴CA群>
特徴CA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合には第1態様用の絵柄組合せが停止可能となり、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合には前記第1態様用の絵柄組合せとは異なる第2態様用の絵柄組合せが停止可能となる操作態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果であって、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な有利状態に移行させる移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となった場合、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止するまで、当該移行結果当選を留保する留保手段(主制御装置101によるステップS609の処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が再遊技結果となる確率が通常遊技状態よりも高くなる再遊技状態が設定されており、
前記留保手段により前記移行結果当選が留保されることで成立する当選条件と、前記留保手段により前記移行結果当選が留保されることなく成立する非当選条件と、を含む特定条件が成立した場合、遊技状態を前記再遊技状態へ移行させることが可能な再遊技状態移行手段(主制御装置101による特殊RT状態処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段は、前記再遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が前記操作態様結果となった場合、当該再遊技状態が前記特定条件として前記当選条件が成立したことに基づいて移行したものであれば前記第1の停止操作態様に関する前記態様報知を実行し易く、当該再遊技状態が前記特定条件として前記非当選条件が成立したことに基づいて移行したものであれば前記第2の停止操作態様に関する前記態様報知を実行し易い特別態様報知手段(表示制御装置81による特殊RT用報知処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果が移行結果となり、当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止すると遊技者にとって有利な有利状態に移行し、移行用の絵柄組合せが停止しなければ、当該移行結果当選が留保される。
さらに、遊技状態として再遊技結果となる確率が通常遊技状態よりも高くなる再遊技状態(所謂RT状態)が設定されており、移行結果当選が留保されることを条件として再遊技状態へ移行する場合と、移行結果当選が留保されないことを条件として再遊技状態へ移行する場合とがある。そのため、再遊技状態へ移行した場合、移行結果当選が留保されているか否かによってその後の遊技者の有利度が大きく異なり、遊技者の関心どころは、当該留保の有無となると考えられる。
ここで、再遊技結果は所謂取りこぼしが生じない結果である。そのため、例えば上記留保の有無を演出等で行う構成とした場合、当該再遊技状態中の目押しが必要となる頻度が相対的に低くなることは、当該留保の有無の演出を見逃してしまうことを抑止するという観点からすると好ましい。その一方で、一般的には再遊技結果入賞の停止出目は一律なものであるところ、停止出目が単調なものとなり得る、といった課題が生じる可能性がある。
その点、上記構成においては、再遊技状態中に操作態様結果当選となった場合の態様報知を異ならせることにより、第1態様用の絵柄組合せが停止するかそれとも第2態様用の絵柄組合せが停止するかによって、上記留保の有無を予測する、といった遊技が追加されている。つまり、再遊技状態中において遊技者が関心を寄せる留保の有無を、停止出目によって示唆し、それを把握させることにより、再遊技状態における停止出目の単調化を回避するだけでなく、当該停止出目への注目度を劇的に向上させる、といった演出効果を見込むことが可能となる。以上の結果、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴CA2.遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記留保手段により前記移行結果当選が留保されている状況(持ち越し状態)において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記移行抽選手段による抽選の実行を制限する制限手段(主制御装置101によるステップS702の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴CA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選が留保されている状況において、態様報知に関する特定遊技状態への移行抽選の実行が制限される。つまり、再遊技状態において、態様報知に関する特定遊技状態への移行抽選の実行が制限されていれば移行結果当選の留保が確定し、態様報知に関する特定遊技状態への移行抽選の実行が制限されていなければ移行結果当選を留保していないことが確定する。言い換えると、移行抽選の実行が制限されるといった遊技者にとって好ましくない状況であれば、移行結果当選の留保という遊技者にとって好ましい状況であることとなり、逆に移行抽選の実行が制限されないといった遊技者にとって好ましい状況であれば、移行結果当選が留保されていないという遊技者にとって好ましくない状況であることとなり、いずれであっても遊技者にとっては何らかの好ましい状況となる。よって、バランスのとれた遊技性とすることができる。
特徴CA3.前記第1態様用の絵柄組合せは、各前記周回体において前記表示部を介して視認可能となる特定位置(中ラインL2)に、予め定められた特定絵柄が第1個数停止することにより成立し、
前記第2態様用の絵柄組合せは、各前記周回体において前記特定位置に、前記特定絵柄が前記第1個数よりも少ない第2個数停止することにより成立するものであることを特徴とする特徴CA1又は特徴CA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1態様用の絵柄組合せと第2態様用の絵柄組合せとの停止出目の相違を、特定絵柄の停止個数によって把握させることができる。このようにすることで、例えば、停止出目の相違によって留保の有無を予測させる遊技を、特定絵柄の停止数により判断させるといったように、よりわかりやすいものとすることが可能となる。
特徴CA4.前記第2個数は0個であることを特徴とする特徴CA3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1態様用の絵柄組合せが停止する場合と、第2態様用の絵柄組合せが停止する場合とで、停止出目の差が、特定位置に特定絵柄が停止するか否か、といったより明確な差となる。よって、留保の有無を予測させるうえでよりシンプルな遊技性とすることができる。
さらに、例えば、上記予測させる遊技において、それ以上、特定位置に特定絵柄を停止させたくない場合等においては、上記構成のようにすれば、例えばそれ以上、操作態様結果に当選しないようにするなどといった複雑な構成を用いなくても、停止操作態様の差によって特定絵柄の停止の有無を調節することが可能となり、より簡素な構成にて上記予測させる遊技を実現することができる。
特徴CA5.前記再遊技状態における複数ゲームに亘って前記特定絵柄が前記特定位置に停止した数を数える特定手段(黒BAR停止カウンタ)を備え、
前記特別態様報知手段は、前記特定手段により数えられた数が特定数に達した場合、前記再遊技状態が前記特定条件として前記非当選条件が成立したことに基づいて移行したものであれば前記第1の停止操作態様に関する前記態様報知の実行を不可とする手段(表示制御装置81において報知シナリオと黒BAR停止カウンタの値とから黒BAR非停止用の押し順報知演出を設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴CA4に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選が留保されていない再遊技状態において、特定絵柄の停止数が特定数に達すると、第1態様用の絵柄組合せに対応する第1の停止操作態様についての態様報知が実行されなくなる。その結果、第1態様用の絵柄組合せとして特定絵柄が第1個数停止することはなくなるため、第2態様用の絵柄組合せとして特定絵柄が特定位置に停止しないようになる。これにより、特定絵柄が特定位置に停止した数が特定数を超えないことを通じて移行結果当選が留保されていないことを予測させ、逆に、特定絵柄が特定位置に停止した数が特定数を超えることを通じて移行結果当選が留保されていることを把握させることが可能となる。
特徴CA6.前記特別態様報知手段は、前記特定手段により数えられた数が前記特定数未満であっても、前記再遊技状態が前記特定条件として前記非当選条件が成立したことに基づいて移行したものであって、且つ前記特定手段により数えられた数に前記第1個数を加算した場合に前記特定数を超える場合、前記第1の停止操作態様に関する前記態様報知の実行を不可とする手段(表示制御装置81において特殊リプレイの種類と黒BAR停止カウンタの値とから黒BAR非停止用の押し順報知演出を設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴CA5に記載の遊技機。
上記構成によれば、留保手段により移行結果当選が留保されていないのにも関わらず、特定絵柄が特定位置に停止する数が特定数を超える事象を未然に回避することが可能となる。よって、停止数から留保の有無を予測する遊技において、停止数と留保の有無との矛盾が生じにくくなる。
特徴CA7.前記操作態様結果として、前記第1態様用の絵柄組合せが停止した場合に前記特定位置に前記特定絵柄が停止する数が異なる複数の操作態様結果が設けられており、
前記複数の操作態様結果のいずれについても、前記第2態様用の絵柄組合せが停止した場合に前記特定位置に前記特定絵柄が停止する数は0個であることを特徴とする特徴CA3乃至CA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定絵柄の停止数によって留保の有無を予測させる遊技において、その停止数の増加数を操作態様結果の種類によって異ならせ、増加率の多様化を図りつつも、特徴CA5のように停止数と留保の有無との関係から、それ以上増加させたくない場合には、第2の停止操作態様の態様報知を行うだけでよく、上記留保の有無を予測させる遊技を好適に実現することができる。
特徴CA8.前記特定手段により数えられた数に応じて特定報知手段(補助表示部65)における特定演出の内容(背景色)を変化させることが可能な手段(表示制御装置81による加算時演出を設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴CA3乃至CA7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知手段による所定演出の内容から、特定位置に特定絵柄が停止した数を把握可能となり、遊技者が自ら数を数えなくてもよくなる。よって、停止数から、留保の有無を予測する遊技をより行いやすくすることができる。
特徴CA9.前記抽選手段による抽選結果が前記操作態様結果であって、前記第1の停止操作態様にて各前記周回体を停止させる場合、各前記周回体のうち所定周回体の停止タイミングが第1のタイミングであれば前記第1態様用の絵柄組合せが停止する一方、前記所定周回体の停止タイミングが前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングであれば前記第1態様用の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せであって、前記特定位置に前記特定絵柄が停止する数が前記第1個数よりも少ない低個数用の絵柄組合せが停止することを特徴とする特徴CA3乃至CA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作態様が第1の停止操作態様と合致していても(例えば、停止操作態様が停止順序であって、第1の停止順序と合致していても)、第1個数の特定絵柄が特定位置に停止するとは限られず、停止操作のタイミング、すなわち、目押し操作によって第1個数の特定絵柄が停止する第1態様用の絵柄組合せが停止するか、第1個数よりも少ない数の特定絵柄が停止する低個数用の絵柄組合せが停止するかが異なることとなる。このようにすれば、自らの停止操作によって特定絵柄を停止させ、移行結果当選を勝ち取ったかのように思わせることが可能となり、再遊技状態中の遊技性を向上させることが可能となる。
特徴CA10.前記当選条件が成立することにより前記再遊技状態へ移行することとなるゲームにおいて各前記周回体に停止する停止出目と、前記非当選条件が成立することにより前記再遊技状態へ移行することとなるゲームにおいて各前記周回体に停止する停止出目とが共通していることを特徴とする特徴CA1乃至CA9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技状態への移行契機となるゲームの停止出目からは、移行結果当選の留保の有無を判断することができなくなる。よって、再遊技状態中の停止出目から留保の有無を予測・把握するという遊技性を損なうことがない。
特徴CA11.前記非当選条件が成立することにより移行した前記再遊技状態でのゲーム数を把握する把握手段(特殊RTカウンタ)と、
前記把握手段により把握されるゲーム数が予め定められた所定数に達したことに基づいて、当該再遊技状態から、当該再遊技状態へ移行する前の遊技状態へ復帰させる手段(主制御装置101において特殊RTカウンタが0となることに基づいて元の遊技状態へ復帰させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴CA1乃至CA10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選が留保されることなく移行した再遊技状態を限定的なものとすることができる。よって、移行結果当選が留保されていないのにも関わらず、再遊技結果当選となる確率が高い再遊技状態が延々と継続する不都合を解消することが可能となる。
なお、「所定数」に関し、「前記抽選手段による抽選結果が前記操作態様結果となる確率の分母数よりも大きい数」である構成とすれば、再遊技状態中に平均して少なくとも1回は操作態様結果当選となることが期待でき、停止出目を利用した遊技性を好適に実現することが可能となるメリットがある。逆に、「所定数」に関し、「前記抽選手段による抽選結果が前記操作態様結果となる確率の分母数よりも小さい数」である構成とすれば、再遊技状態中に操作態様結果当選となりにくくなり、操作態様結果に基づく停止出目の希少性を高めることができ、当該停止出目への注目度を高めることができるというメリットがある。
特徴CA12.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて実行され、前記設定手段により設定される設定値に関わらず同じ当選確率となる抽選であって、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)を備え、
前記移行結果として、前記設定手段により設定される設定値によって前記抽選手段による当選確率が異なる第1移行結果(第2BB)が設けられていることを特徴とする特徴CA1乃至CA11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選手段による抽選結果が移行結果となり、当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止すると遊技者にとって有利な有利状態に移行し、移行用の絵柄組合せが停止しなければ、当該移行結果当選が留保されるという遊技性に加え、操作態様結果当選時に、停止操作態様に関する態様報知の有無によって停止出目を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。そして、抽選手段による抽選結果が特定結果となると、特定遊技状態への移行抽選が行われ得るため、各ゲームにおいて有利状態と特定遊技状態との連鎖が生じ得るようになり、遊技性が格段に向上する。しかも、特定遊技状態については、遊技媒体の増減率等に変化を生じさせる設定値によって、移行抽選の当選率に差が生じないように設定されており、当選の有無について、より運の要素が高められ遊技の公平性が担保される。その一方で、このように設定値による差が生じないと、遊技ホールにおいて複数設置されている遊技台から一の遊技台を選択する、という楽しみ、つまりいずれの設定値が設定されているかを予測しながら行う遊技の楽しみが抹殺されてしまう可能性もある。そこで、上記構成においては、移行結果として設定値によって当選確率が異なる第1移行結果を設けたことにより、上記設定値を予測するという遊技を、再遊技状態中の停止出目によって留保の有無を予測しつつ行いながらも、特定遊技状態と連動する遊技性を楽しませることが可能となる。
なお、「特定遊技状態」について、「前記特定遊技状態として、前記通常遊技状態よりも前記態様報知の実行頻度が高くなる高頻度状態、前記通常遊技状態よりも前記高頻度状態へ移行し易い高確率状態、及び前記高頻度状態若しくは前記高確率への移行抽選に当選し且つ移行前である移行前状態(前兆モード)、の少なくともいずれかが設定されている」としてもよく、この場合、「上記構成によれば、特定遊技状態のバリエーションが多様化し、遊技性が向上する。しかも、高確率状態や移行前状態については、いずれも態様報知の実行頻度によって有利度が向上するよりも前の段階であり、各ゲームの有利度については通常遊技状態とほぼ同等のものである。そのような状態を含めて、特定遊技状態へ移行すると特定報知手段によって報知が開始される構成とすることで、特定遊技状態へ移行しているのにも関わらず、それに気づかずに遊技を終了してしまうといった事象を好適に回避させることが可能となる。つまり、高頻度状態へ移行していれば、遊技者は態様報知が行われることによってその状態移行を把握可能であると考えられ、このような高頻度状態の前段階の状態への移行を特定報知手段の報知開始によって知らしめる構成とすることで、特定遊技状態への移行をより好適に把握させることが可能となる。以上の結果、特定報知手段によって平等性を担保する機能を高めることが可能となる。」という効果を奏する。なお、「特定遊技状態」のバリエーションについては、以下の各特徴についても同様である。
特徴CA13.前記移行結果として、前記設定手段により設定される設定値に関わらず前記抽選手段による当選確率が共通する第2移行結果(第1BB)が設けられており、
前記再遊技状態移行手段は、前記第1移行結果当選及び前記第2移行結果当選のいずれが前記留保手段に留保される場合であっても共通の前記再遊技状態へ移行させることを特徴とする特徴CA12に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技状態において留保の有無を予測しつつ設定値を予測する遊技を複雑化することができる。つまり、再遊技状態において留保の有無を判別したとしても、留保されているのが設定値による当選確率の差がある第1移行結果なのか、それとも設定値による当選確率の差の無い第2移行結果なのかといったように、設定値の予測における枝が増え、設定値を予測する遊技をより多様なものとすることができ、遊技性が向上する。
特徴CA14.遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記移行抽選手段は、前記移行結果当選に基づいて前記特定遊技状態への移行抽選を実行可能であり、
遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて特定報知手段(第8表示用セグメントN8)を点灯状態とすることにより報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段を消灯状態とすることにより報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技状態報知手段は、
前記移行抽選手段による移行抽選の契機となった遊技結果が前記移行結果を含まない結果である場合、当該結果入賞が成立するゲームを開始ゲームとし、当該開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前のタイミングで前記特定報知手段による報知を開始する第1手段(主制御装置101による区間表示第1処理を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による移行抽選の契機となった遊技結果が前記移行結果を含む結果である場合、前記移行結果入賞が成立ゲームを開始ゲームとし、当該開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前のタイミングで前記特定報知手段による報知を開始する第2手段(主制御装置101による区間表示第4処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴CA1乃至CA13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選手段による抽選結果が移行結果となり、当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止すると遊技者にとって有利な有利状態に移行し、移行用の絵柄組合せが停止しなければ、当該移行結果当選が留保されるという遊技性に加え、操作態様結果当選時に、停止操作態様に関する態様報知の有無によって停止出目を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。そして、抽選手段による抽選結果が特定結果となると、特定遊技状態への移行抽選が行われ得るため、各ゲームにおいて有利状態と特定遊技状態との連鎖が生じ得るようになり、遊技性が格段に向上する。
このような構成において、特定遊技状態へ移行すると特定報知手段による報知が開始され、当該特定遊技状態が終了するとその報知も終了する。つまり、特定報知手段による報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に特別報知による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
しかも、特定報知手段による報知は、少なくとも特定遊技状態の開始契機となった抽選結果が入賞する開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前で開始され、報知の開始タイミングが時限的な報知とされている。より詳しくは、開始契機となった抽選結果が移行結果を含まない結果であり、移行結果当選が留保されることのない結果であれば、当該抽選結果入賞が成立したゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前に報知が開始され、開始契機となった抽選結果が移行結果を含む結果であり、移行結果当選が留保され得る結果であれば、移行結果入賞が成立したゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前に報知が開始される。言い換えるならば、基本的には、特定遊技状態の開始契機となった抽選結果当選のゲームにおいて報知が開始されるものの、移行結果当選が留保される場合は当該移行結果入賞が成立するまで特定遊技状態報知手段による報知の開始が制限される。そうすると、例えば、特定遊技状態の開始契機となり得る遊技結果となったゲームにおいて、特定遊技状態報知手段による報知が開始されなかった場合、(1)特定遊技状態への移行抽選に当選しており且つ留保手段により移行結果当選が留保されている場合か、(2)特定遊技状態への移行抽選に当選しておらず且つ留保手段により移行結果当選が留保されている場合か、(3)特定遊技状態への移行抽選にも移行結果にも当選していない場合か、のいずれかとなる。その点、上記特徴CA1のように、移行結果当選の有無を操作態様結果の停止出目から推測する遊技が可能となっているため、特定遊技状態報知手段による報知の開始の有無との関係で、当該報知が開始されていない場合には、操作態様結果の停止出目から、上記(1)又は(2)のケースであるか、(3)のケースであるかの絞り込みが可能となる。このようにすることで、停止出目に基づいて留保の有無を推測する遊技性をより高度なものとすることができ、興趣向上が図られる。
特に、特徴CA12や特徴CA13のように、移行結果として、設定値による当選確率の差がある第1移行結果や差がない第2移行結果を有する構成において、特定遊技状態への移行抽選の当選確率が設定値によって差がないようにすることを前提とするならば、第1移行結果では特定遊技状態への移行抽選を行うことができず、第2移行結果では特定遊技状態への移行抽選を行うことが可能な構成となる。そうすると、上記(1)及び(2)のケースにおいては、第1移行結果が留保されていれば(2)のケースであることとなり、第2移行結果が留保されていれば(1)のケースであることとなり、移行結果の種類との関係からも、いずれのケースであるかを絞り込むことが可能となる。
特徴CA15.前記操作態様結果として、
各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様で操作された場合には、前記第1態様用の絵柄組合せとして第1結果に対応する第1態様の絵柄組合せが停止可能となり、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様で操作された場合には、前記第2態様用の絵柄組合せとして前記第1結果とは異なる第2結果に対応する絵柄組合せであって、前記第1態様の絵柄組合せとは異なる第2態様の絵柄組合せが停止可能となる第1操作態様結果(例えば、押し順ベル)と、
各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様で操作された場合には、前記第1態様用の絵柄組合せとして第3結果に対応する第3態様の絵柄組合せが停止可能となり、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様で操作された場合には、前記第2態様用の絵柄組合せとして前記第3結果に対応する絵柄組合せであって、前記第3態様の絵柄組合せとは異なる第4態様の絵柄組合せが停止可能となる第1操作態様結果(例えば、特殊リプレイ)と、が設定されており、
前記特別態様報知手段は、前記操作態様結果が前記第2操作態様結果であれば前記態様報知を実行する一方、前記操作態様結果が前記第1操作態様結果であれば前記態様報知を実行しないことを特徴とする特徴CA1乃至CA14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様結果当選時の停止出目から留保の有無を予測するという遊技において、操作態様結果が第2操作態様結果であれば態様報知により停止出目の調節を行う一方、第1操作態様結果であれば態様報知を行わず停止出目の調節を行わない。第1操作態様結果と第2操作態様結果とは、第1操作態様結果はその停止操作態様によって入賞する結果が異なり得るものである一方、第2操作態様結果は停止操作態様に関わらず同じ結果が入賞する。そのため、上記操作態様結果当選時の停止出目から留保の有無を予測する遊技を、遊技者の利益に変化を生じさせない範囲で実現することが可能となる。よって、当該予測する遊技を設定するうえで、出玉率等を考慮する必要がなく、純粋な演出効果を見込んで設定することができる。
特徴CA16.前記操作態様結果として、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様として第1停止順序で操作された場合には前記第1態様用の絵柄組合せが停止可能となり、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様として前記第1停止順序とは異なる第2停止順序で操作された場合には前記第2態様用の絵柄組合せが停止可能となる順序対応結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記順序対応結果である場合、前記第1停止順序及び前記第2停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする特徴CA1乃至CA15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知として複数ある周回体の停止順序に関する順序報知が実行され得る。このようにすることで、例えば、周回体に付された所定の絵柄を狙う目押し操作が苦手な遊技者に対しても、態様報知による恩恵を十分に享受させることが可能となる。
なお、上記構成は、「各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様として第1の停止順序で操作されて前記第1結果入賞が成立した場合には前記第1特典(例えば、3ベットゲームにおいて第1小役入賞に基づいて付与される9枚のメダル)が付与され、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様として前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作されて前記第2結果入賞が成立した場合には前記第2特典(例えば、3ベットゲームにおいて第2小役入賞に基づいて付与される3枚のメダル)が付与され、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を前記態様報知として前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする」と表現してもよく、この場合、入賞する結果と付与される特典との関係性をより明確に示すことが可能である。
<特徴CB群>
特徴CB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合には、第1結果に対応する第1態様の絵柄組合せが停止可能となり、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合には、前記第1結果とは異なる第2結果に対応する絵柄組合せであって、前記第1態様の絵柄組合せとは異なる第2態様の絵柄組合せが停止可能となる第1操作態様結果(例えば、押し順ベル)と、
各前記停止操作手段が第3の停止操作態様で操作された場合には、第3結果に対応する第3態様の絵柄組合せが停止可能となり、各前記停止操作手段が前記第3の停止操作態様とは異なる第4の停止操作態様で操作された場合には、前記第3結果に対応する絵柄組合せであって、前記第3態様の絵柄組合せとは異なる第4態様の絵柄組合せが停止可能となる第2操作態様結果(例えば、特殊リプレイ)と、が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1操作態様結果である場合、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む停止操作態様に関する第1態様報知(押し順報知)を第1報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な第1態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2操作態様結果である場合、前記第3の停止操作態様及び前記第4の停止操作態様を含む停止操作態様に関する第2態様報知(押し順報知演出)を第2報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第2態様報知手段(表示制御装置81による押し順報知用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1態様報知手段による前記第1態様報知と前記第2態様報知手段による前記第2態様報知のいずれについても、その実行が許容される第1特定状態(有利区間)と、
前記第1態様報知手段による前記第1態様報知の実行は制限される一方、前記第2態様報知手段による前記第2態様報知の実行は許容される第2特定状態(通常区間)と、
が設定されており、
前記第2特定状態において、前記第2態様報知手段による前記第2態様報知に基づいて、当該第2特定状態後の有利度を示唆する示唆手段(表示制御装置81による特殊RT用報知処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、更に、周回体の停止操作態様によって入賞する結果が異なる第1操作態様結果が設定されており、第1操作態様結果当選時の第1態様報知の有無によって有利度を変化させる遊技性が実現可能となっている。それに加え、周回体の停止操作態様によって入賞する結果が共通する第2操作態様結果も設定されているため、第1特定状態として、第2操作態様結果当選時の第2態様報知を第1態様報知に織り交ぜて発生させる等することにより、有利度を過度に変化させることなく、射幸性を抑えた遊技性を実現することが可能となる。
このような構成において、第1態様報知と第2態様報知とのうち第1態様報知の実行は制限される一方、第2態様報知の実行は許容される第2特定状態が設定されている。このような第2特定状態を設定することにより、態様報知を行いつつも当該態様報知によって有利度に変化を生じさせない遊技性を実現することができ、態様報知によって単に遊技媒体の獲得を目指す一辺倒な遊技性から脱却した新たな遊技性の創出に寄与することができる。かといって、遊技者としては、そのような新たな遊技性を楽しみたいとは考えるであろうものの、遊技媒体の獲得等を望まないわけではなく、有利度への関心は未だ高いことが実情といえる。そこで、第2特定状態において、態様報知を利用して第2特定状態後の有利度を示唆する構成とすれば、態様報知によってその後の展開を予測するという遊技が追加されることとなり、態様報知自体によって有利度に変化が生じない第2特定状態における遊技性を向上させることができる。以上の結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴CB2.前記第1特定状態は、少なくとも前記第1態様報知手段による前記第1態様報知の実行頻度が、通常遊技状態よりも高くなり得る状態であり、
遊技状態を前記第1特定状態へ移行させるか否かの第1移行抽選を実行する第1移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による第1移行抽選に当選したことに基づいて特定報知手段(第8表示用セグメントN8)による報知を開始し、当該第1特定状態が終了することに基づいて前記特定報知手段による報知を終了する特定報知実行手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、前記第1移行抽選手段による第1移行抽選に当選している場合であっても、前記第2特定状態においては前記特定報知手段による報知を行わないことを特徴とする特徴CB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1態様報知及び第2態様報知の実行が許容される第1特定状態と、第2態様報知のみその実行が許容される第2特定状態とを有する構成において、第1特定状態は、第1態様報知の実行頻度が通常遊技状態よりも高くなり得るように設定されているため、遊技者としては、第1特定状態へ移行することを期待しながら遊技を行うものと考えられる。その点、第1特定状態への第1移行抽選に当選すると特定報知手段による報知が開始され、当該第1特定状態が終了すると特定報知手段による報知が終了するため、特定報知手段による報知の有無によって、第1特定状態か否かを確認することが可能となる。このようにすることで、例えば、第1特定状態への第1移行抽選に当選しているのにも関わらず、それに気づかずに遊技を終了してしまうことを抑制することができ、その遊技を終了してしまう遊技者と、その後に遊技を行う後任の遊技者との利益の偏重を解消することができる。
このように、第1特定状態か否かを明示する特定報知手段を備えれば、上記のような遊技の公平性を担保する効果は期待できるものの、その一方で、遊技結果や停止出目、演出の発生等に関わらず、遊技者は特定報知手段にのみ注目することとなり得るため、演出効果が低下する可能性もある。そこで、上記構成では、そもそも第2特定状態においては特定報知手段の報知を行わないようにしているため、第1移行抽選手段による第1移行抽選の結果、すなわち特定報知手段の報知の開始へ最大限の関心を注いでいた遊技者に対し、第2特定状態において発生する第2態様報知へその関心の矛先を移させるように促すことができ、当該第2態様報知に基づいてその後の有利度を予測する、という遊技性を好適に実現することが可能となる。
特徴CB3.前記示唆手段は、前記第3の停止操作態様についての前記第2態様報知を行う場合と、前記第4の停止操作態様についての前記第2態様報知を行う場合とで、前記第2特定状態後の有利度が異なるようにすることを特徴とする特徴CB1又は特徴CB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、示唆手段によって、第3の停止操作態様で停止操作を行って第3態様の絵柄組合せが停止した場合と、前記第4の停止操作態様で停止操作を行って第4態様の絵柄組合せが停止した場合とで、第2特定状態後の有利度が異なる。このように、停止出目を利用して示唆を行う構成とすれば、共通の第3結果が入賞するものであったとしても、その停止操作への関心を高め、その後の有利度を予測する遊技性を好適に向上させることができる。
特徴CB4.前記示唆手段は、前記第3の停止操作態様についての前記第2態様報知を行い且つ前記第3態様の絵柄組合せが停止した場合に特定演出(背景色変化)を実行可能であり、前記第4の停止操作態様についての前記第2態様報知を行い且つ前記第4態様の絵柄組合せが停止した場合に前記特定演出を実行可能である一方、前記第3の停止操作態様についての前記第2態様報知を行い且つ前記第4態様の絵柄組合せが停止した場合には前記特定演出を実行せず、前記第4の停止操作態様についての前記第2態様報知を行い且つ前記第3態様の絵柄組合せが停止した場合に前記特定演出を実行しないことにより、前記第2特定状態後の有利度を示唆可能であることを特徴とする特徴CB3に記載の遊技機。
上記構成によれば、示唆手段は、第2態様報知に従って停止操作を行えば示唆の一種として特定演出を実行するものの、第2態様報知に従わずに停止操作を行うと当該特定演出は実行しない。つまり、第2態様報知と停止出目のセットが合致して示唆が成立する構成となる。このようにすることで、入賞する結果がいずれも第3結果だからといって、第2態様報知に従わない遊技を行いにくくさせることができ、示唆手段を用いた遊技性を好適に実施させることができる。
特徴CB5.遊技状態を前記第2特定状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)を備え、
前記第2移行抽選手段による抽選結果として、第2特定状態の後に前記第1特定状態へ移行しない第1結果(例えば第2BB当選や、ボーナス及びアタックモード等に非当選となった特定役)と、前記第2特定状態の後に前記第1特定状態へ移行し得る第2結果(例えば第1BB当選)が含まれていることを特徴とする特徴CB1乃至CB4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定状態において、当該第2特定状態の後に第1特定状態へ移行しないパターンと、当該第2特定状態の後に第1特定状態へ移行するパターンとが生じるため、当該第2特定状態において行う第2態様報知による示唆を利用して、その後に第1特定状態へ移行するか否かについても示唆することも可能となる。特に、第1特定状態は両態様報知が許容される状態であり態様報知によって有利度が変化するものであるので、態様報知(第2態様報知)によって行う示唆との親和性が高く、第2態様報知による示唆から第1特定状態を容易に連想させ易くすることが可能となる。
特徴CB6.前記示唆手段は、前記第2特定状態後の有利度として、当該第2特定状態後に前記第1特定状態へ移行するか否かを示唆することが可能であることを特徴とする特徴CB5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴CB5の効果を具体的構成により奏することができる。
特徴CB7.前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により所定数の遊技媒体を前記特典として付与されることとなる払出結果が設定されており、
遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が所定の前記払出結果となる確率が通常遊技状態よりも高くなる第3特定状態(ボーナス状態)が設定されており、
前記第2移行抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、前記第2特定状態の後に前記第3特定状態に移行し、
前記第2移行抽選手段による抽選結果が前記第2結果である場合、前記第2特定状態の後に前記第3特定状態に移行し、その後前記第1特定状態へ移行することを特徴とする特徴CB5又は特徴CB6に記載の遊技機。
上記構成によれば、払出結果入賞が成立すれば所定数の遊技媒体の払出が行われるため、第3特定状態となると多数の遊技媒体の増加が見込める。このような第3特定状態が、第1結果及び第2結果のいずれでも第2特定状態の後に生じるようにするとともに、第1結果と第2結果とによってその第3特定状態後に第1特定状態へ移行するか否かが異なるようにした。このようにすれば、いずれの結果に基づいて第2特定状態に移行した場合であっても、第2特定状態後には少なくとも第3特定状態が生じることとなり、第2特定状態への期待感をより高めることが可能となる。
特徴CB8.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記第2移行抽選手段による抽選結果が前記第1結果となる確率は前記設定手段により設定される前記設定値によって異なり得るものであり、前記第2移行抽選手段による抽選結果が前記第2結果となる確率は前記設定手段により設定される前記設定値に関わらず共通していることを特徴とする特徴CB5乃至CB7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定状態後に第1特定状態へ移行しない第1結果の確率は、遊技媒体の増減率等に変化を生じさせる設定値によって異なるものであり、第2特定状態後に第1特定状態へ移行する第2結果の確率は設定値に関わらず共通なものとなる。つまり、第1態様報知(第2態様報知も)が行われることにより有利度に変化が生じる第1特定状態については、移行する確率が設定値に関わらず共通なものとなり得る。このようにすることで、第1特定状態へ移行するか否かを、より運の要素が強いものとすることができ、第1特定状態に基づく遊技の公平性が担保される。その一方で、このように設定値による差が生じないと、遊技ホールにおいて複数設置されている遊技台から一の遊技台を選択する、という楽しみ、つまりいずれの設定値が設定されているかを予測しながら行う遊技の楽しみが抹殺されてしまう可能性もある。そこで、上記構成においては、第2特定状態後に第1特定状態へ移行しない場合については、設定値による差が生じ得るものとしたことにより、当該設定値を予測しながら遊技を行う楽しみを抹殺しない範囲で、第1特定状態に基づく遊技の公平性を担保することができる。
特徴CB9.前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により所定数の遊技媒体を前記特典として付与されることとなる払出結果が設定されており、
遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が所定の前記払出結果となる確率が通常遊技状態よりも高くなる第3特定状態(ボーナス状態)が設定されており、
遊技状態を前記第2特定状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)を備え、
前記第2移行抽選手段による抽選結果として、前記第2特定状態の後に前記第3特定状態へ移行しない第3結果(ボーナス及びアタックモード等に非当選となった特定役)と、前記第2特定状態の後に前記第3特定状態へ移行し得る第4結果(例えば第1BB当選)が含まれていることを特徴とする特徴CB1乃至CB8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、払出結果入賞が成立すれば所定数の遊技媒体の払出が行われるため、第3特定状態となると多数の遊技媒体の増加が見込める。このような第3特定状態を設定したうえで、上記構成のようにすることで、第2特定状態において、当該第2特定状態の後に第3特定状態へ移行しないパターンと、当該第2特定状態の後に第3特定状態へ移行するパターンとが生じるため、当該第2特定状態において行う第2態様報知による示唆を利用して、その後に第3特定状態へ移行するか否かについても示唆することも可能となる。
特徴CB10.前記示唆手段は、前記第2特定状態後の有利度として、当該第2特定状態後に前記第3特定状態へ移行するか否かを示唆することが可能であることを特徴とする特徴CB9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴CB9の効果を具体的構成により奏することができる。
特徴CB11.前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により再遊技が前記特典として付与されることとなる再遊技結果が設定されており、
前記第2操作態様結果は、前記再遊技結果のうちの特定再遊技結果であり、
遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が所定の前記再遊技結果当選となる確率が通常遊技状態よりも高くなる複数の再遊技状態が設定されており、
前記第2特定状態へ移行することに基づいて、前記複数の再遊技状態のうち前記特定再遊技結果当選となる確率が通常遊技状態よりも高くなる特定再遊技状態へ移行させる手段(主制御装置101による特殊RT状態処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴CB1乃至CB10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の再遊技状態が設定されている構成において、そのうちの特定再遊技状態が第2特定状態として設定されている。特定再遊技状態では、第2操作態様結果としての特定再遊技結果当選となる確率が高くなる。このように再遊技状態を利用することで、上記の第3特定状態のような所謂大当たり状態を用いることなく、遊技結果の当選確率を変化させることができ、第2特定状態へ移行した際に第2操作態様結果当選となる可能性を高めることが可能となる。
特徴CB12.前記第1操作態様結果は、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様として第1の停止順序で操作された場合には、前記第1結果に対応する前記第1態様の絵柄組合せが停止可能となり、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様として前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合には、前記第2結果に対応する前記第2態様の絵柄組合せが停止可能となものであり、
前記第2操作態様結果は、各前記停止操作手段が前記第3の停止操作態様として第3の停止順序で操作された場合には、前記第3結果に対応する前記第3態様の絵柄組合せが停止可能となり、各前記停止操作手段が前記第4の停止操作態様として前記第3の停止順序とは異なる第4の停止順序で操作された場合には、前記第3結果に対応する前記第4態様の絵柄組合せが停止可能となるものであり、
前記第1態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1操作態様結果又は前記第2操作態様結果である場合、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序、又は前記第3の停止順序及び前記第4の停止順序を含む停止順序に関する第1順序報知(押し順報知演出)を前記第1態様報知として前記第1報知手段にて実行可能であることを特徴とする特徴CB1乃至CB11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知として複数ある周回体の停止順序に関する順序報知が実行され得る。このようにすることで、例えば、周回体に付された所定の絵柄を狙う目押し操作が苦手な遊技者に対しても、態様報知による恩恵を十分に享受させることが可能となる。
なお、上記構成は、「前記第1操作態様結果は、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様として第1の停止順序で操作された場合には、前記第1態様の絵柄組合せが停止して前記第1結果入賞が成立し、前記特典付与手段により第1特典(例えば、3ベットゲームにおいて第1小役入賞に基づいて付与される9枚のメダル)が付与され、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様として前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合には、前記第2態様の絵柄組合せが停止して前記第2結果入賞が成立し、前記特典付与手段により前記第1特典とは異なる第2特典(例えば、3ベットゲームにおいて第2小役入賞に基づいて付与される3枚のメダル)が付与されるものであり、
前記第2操作態様結果は、各前記停止操作手段が前記第3の停止操作態様として第3の停止順序で操作された場合には、前記第3態様の絵柄組合せが停止して前記第3結果入賞が成立し、前記特典付与手段により第3特典(リプレイ)が付与され、各前記停止操作手段が前記第4の停止操作態様として前記第3の停止順序とは異なる第4の停止順序で操作された場合には、前記第4態様の絵柄組合せが停止して前記第3結果入賞が成立し、前記特典付与手段により前記第3特典が付与されるものであり、
前記第1態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1操作態様結果又は前記第2操作態様結果である場合、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序、又は前記第3の停止順序及び前記第4の停止順序を含む停止順序に関する第1順序報知(押し順報知演出)を前記第1態様報知として前記第1報知手段にて実行可能であることを特徴とする」と表現してもよく、この場合、入賞する結果と付与される特典との関係性をより明確に示すことが可能である。
<特徴DA群>
特徴DA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な順序報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記順序報知手段による前記順序報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記通常遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態にて実行された実行回数を把握する第1把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記特定遊技状態の残回数を把握する第2把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記特定遊技状態において前記第2把握手段により把握される前記残回数に基づいて、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第1終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において前記第1把握手段にて把握される前記実行回数が予め定められた上限回数に達したことに基づいて、前記第2把握手段により把握される前記残回数の有無に関わらず、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第2終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残回数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記第1把握手段により把握される前記実行回数と、前記第2把握手段により把握される前記残回数との合計が前記上限回数に達している特定状況において、前記特定条件が成立した場合、又は前記特定条件成立に基づく前記増加処理を行うことにより前記特定状況となる場合に、前記増加処理に基づく事象とは異なる事象であって、遊技者に有益となり得る特定事象を生じさせることが可能な特定事象実行手段(主制御装置101による超過フラグがセットされている状況で特別報知用の各処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体の停止順序によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止順序に関する順序報知の有無によって有利度を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。そして、抽選手段による抽選結果が特定結果となると、特定遊技状態への移行抽選が行われ得るし、特定遊技状態中に特定条件が成立すると、当該特定遊技状態の残回数の増加処理、所謂上乗せが発生し得るため、各ゲームにおける遊技性が格段に向上する。
但し、所謂スロットマシン本来の遊技性としては、周回体の絵柄を狙って停止させて特典を得ることにあるところ、順序報知を利用した遊技により得られ得る特典を多くしすぎると、当該本来の遊技性が疎かになり得るし、順序報知を利用した特定遊技状態を無制限に実行可能とすると、設計者の意図した出玉率を凌駕する出玉が生じ得る可能性もある。そこで、上記構成においては、特定遊技状態の残回数に関わらず上限回数に達したら終了するようにしている。このようにすることで、順序報知を利用した遊技性を、上記本来の遊技性に付随する遊技性とし、両遊技性を存分に楽しませることが可能となる。
ところが、上記のように上限回数を規定すると、実行回数と残回数との合計が既に上限回数に達しているような特定状況においては、特定条件が成立しても上乗せが発生しないことから、そのような状況におけるゲームは所謂消化ゲームとなり、ゲームの面白味が極端に低下し得る。
そこで上記構成では、実行回数と残回数との合計が既に上限回数に達しているような特定状況や特定条件成立に基づいて増加処理を行うと特定状況となる場合においては、増加処理(上乗せ)とは異なる事象であって遊技者に有益となり得る特定事象が生じるようにしている。このようにすることで、当該特定事象を、上乗せが行われない又は上乗せが行われても無意味であることに対する代わりとすることができ、上記特定状況であっても各ゲームの面白味を増加させることが可能となる。よって、興趣向上を好適に図ることができる。
なお、「第1結果」や「第2結果」に関し、「各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果」と表現してもよい。この場合、「停止順序」を「停止操作態様」、「順序報知」を「態様報知」、「順序報知手段」を「態様報知手段」として読み替えて適用するとよい。
特徴DA2.前記特定事象は、前記順序報知の発生確率、発生頻度及び発生回数に関与しない事象であることを特徴とする特徴DA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、上限回数を設定し増加処理を行わないこととの整合性をより担保することができる。
なお、上記構成は、「前記特定事象が生じた場合と生じない場合とで、前記順序報知の発生確率、発生頻度及び発生回数が変化しない」と表現することも可能である。
特徴DA3.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定事象実行手段は、前記特定事象として、前記設定手段により設定されている設定値の情報を示唆する示唆報知を行うことを特徴とする特徴DA1又は特徴DA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象として設定値の示唆情報が提示されるため、遊技者は、特定遊技状態が上限回数に達して終了した後、遊技続行の判断材料とすることができる。すなわち、低設定を示す示唆報知であれば特定遊技状態終了後に遊技を終了すべきと判断可能であるし、高設定を示す示唆報知であれば特定遊技状態が終了した後も遊技を続行すべきと判断可能となり、遊技媒体の増加を望むとともに、遊技媒体が減少しないことを望む遊技者にとっては、かかる設定値の示唆報知は有益なものといえる。
特徴DA4.前記特定条件は、前記設定手段により設定されている設定値に関わらず成立確率が共通していることを特徴とする特徴DA3に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加処理は設定値に関わらずその発生確率が共通している。つまり、上限回数に達している状況において、増加処理の契機となる特定条件は設定値に関わらず共通の発生確率で発生する一方、発生すると設定値の示唆報知が行われることとなる。このようにすることで、設定値の示唆報知が行われることを、運の要素が強く関与するものとすることができる。これにより、例えば、高設定ほど設定値の示唆報知のチャンスが発生し易いことによって低設定では実質的に示唆報知が発生しない、等といった不都合の発生を回避することができる。
しかも、上記のように特定条件の成立確率が設定値に関わらず共通していることからして、特定遊技状態が上限回数に達する可能性も設定値に関わらず同等なものとなり得る。つまり、設定値の示唆報知が行われ得る特定状況が生じる確率自体も、設定値に関わらず共通することとなり、設定値の示唆報知の発生率に関し、設定値が関与しない独立性をより高めることが可能となる。
特徴DA5.前記増加処理が行われる場合の前記特定条件は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果であることに基づいて成立し得るものであり、
前記特別結果の種類に応じて前記増加処理が行われる場合の前記特定条件の成立確率が異なるものであり、
前記増加処理が行われる場合の前記特定条件の成立確率が高くなる前記特定結果の種類ほど、前記特定事象が生じる場合の前記特定条件の成立確率が高くなり易いことを特徴とする特徴DA1乃至DA4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果となって増加処理が行われる場合の確率と、特別結果となって特定事象が生じる場合の確率とがリンクする。このようにすることで、特別結果となったことに基づいて増加処理が行われる代わりとして特定事象が生じることを、容易に理解させることができる。そのため、例えば、特定状況において、高い確率で増加処理が行われる特別結果当選となった場合には、特定事象が発生することへの期待感を事前に高めることが可能となり、遊技者の心の準備を行わせることを通じて、特定事象への注目度を高めることが可能となる。
特徴DA6.前記特定遊技状態として、第1所定状態(アタックモード)と当該第1所定状態とは異なる第2所定状態(特化ゾーン)を含む複数種類の所定状態が設定されており、
前記増加処理が行われる場合の前記特定条件は、前記抽選手段による抽選結果が同じ種類の前記特別結果であっても、前記第1所定状態と前記第2所定状態とでは成立確率が異なるものであり、
前記特定遊技状態において、前記増加処理が行われる場合の前記特定条件の成立確率が高くなる所定状態ほど、前記特定事象が生じる場合の前記特定条件の成立確率が高くなり易いことを特徴とする特徴DA5に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じ種類の特別結果でも特定遊技状態の種類(所定状態)によって増加処理が行われる確率が変化する構成において、特定事象が生じる場合の確率についても特定遊技状態の種類(所定状態)によって変化し、増加処理の場合とリンクする。このようにすることで、特別結果となったことに基づいて増加処理が行われる代わりとして特定事象が生じることを理解させ易くなることによる効果を、より高めることが可能となる。
特徴DA7.前記特定遊技状態として、最少継続ゲーム回数が定められた特別状態(VBモード、特化ゾーン)が設定されており、
前記特定遊技状態中において、予め定められた特別条件が成立したことに基づいて、当該特定遊技状態を前記特別状態へ移行させる特別移行手段(例えば、主制御装置101によるVB用報知フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記特定事象実行手段は、前記特定状況で前記特別条件が成立した場合、又は前記特別条件成立に基づいて前記特別状態へ移行することにより前記特定状況となる場合、前記特定事象を生じさせることが可能であることを特徴とする特徴DA1乃至DA6にいずれか1に記載の遊技機。
特定遊技状態中に特別状態に移行すると、最少継続ゲーム回数に亘って当該特別状態が継続することからして、特別状態への移行は、特定遊技状態のゲーム回数的には、当該最少継続ゲーム回数の増加処理が行われることと同等なものと捉えることができる。そうすると、特定状況において特別状態へ移行することや、特別状態へ移行することによって特定状況となることは、遊技者にとって無意味なものとなり得る。そこで、上記構成においては、このような特別状態に関しても、特定事象の対象とすることで、上記無意味なものと感じさせることを回避することが可能となる。
特徴DA8.前記増加処理が行われる場合の前記特定条件は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果であることに基づいて成立し得るものであり、
前記増加処理が行われる場合の前記特定条件は、前記抽選手段による抽選結果が同じ種類の前記特別結果であっても、前記特別状態の方が前記特定遊技状態中の他の状態よりも成立確率が高くなる構成であり、
前記特定事象が生じる場合の前記特定条件の成立確率も、前記特別状態の方が前記特定遊技状態中の他の状態よりも高くなる構成であり、
前記特定事象実行手段は、前記特定状況で前記特別条件が成立した場合、又は前記特別条件成立に基づいて前記特別状態へ移行することにより前記特定状況となる場合に前記特定事象を生じさせる場合、当該特別条件成立に基づく前記特別状態への移行を許容することを特徴とする特徴DA7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態へ移行すると増加処理が行われ易くなる構成において、特定状況において特別状態へ移行する場合や、特別状態へ移行することで特定状況となる場合に特定事象を生じさせる際、特別状態へ移行すること自体は許容される。そのため、当該特別状態の移行時において特定事象を生じさせつつ、更に、特別状態中においても特定事象が生じることを許容する構成となる。このように、特別状態を増加処理が行われ易い状態とするとともに、特定事象が生じ易い状態とすることで、特定遊技状態中に特別状態へ移行することを、特定状況や当該特定状況が近づいてきた状況であっても楽しみにさせることが可能となる。
特徴DA9.前記特定状況で前記特定条件が成立した場合、又は前記特定条件成立に基づいて前記増加処理が行われることにより前記特定状況となる場合、当該特定条件成立に基づいて前記増加処理が行われた場合に増加される回数に対応する回数情報を、回数情報記憶手段(消滅ゲーム数EG)に記憶させる記憶手段(主制御装置101による消滅ゲーム数EGに上乗せゲーム数を加算する処理を実行する機能)を備え、
前記特定事象実行手段は、前記回数情報記憶手段に記憶されている前記回数情報に基づいて前記特定事象を生じさせることが可能であることを特徴とする特徴DA1乃至DA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況において特定条件が成立すると、増加処理が行われた場合の回数に基づいて特定事象が生じる場合がある。このようにすることで、例えば、回数情報が多いほど特定事象が生じ易くなる等、増加処理によって得られるはずであった特典に対する補償として特定事象を生じさせることが可能となる。
特徴DA10.前記回数情報記憶手段に記憶されている前記回数情報は、少なくとも前記特定事象が生じた前記特定遊技状態が前記通常遊技状態へ移行するまで記憶されるものであって、当該記憶情報が記憶されている状況で、新たに、前記特定状況で前記特定条件が成立した場合、又は前記特定条件成立に基づいて前記増加処理が行われることにより前記特定状況となる場合、当該特定条件成立に基づいて前記増加処理が行われた場合に増加される回数に対応する回数情報を、記憶済みの前記回数情報に加算して更新可能であり、
前記特定事象実行手段は、前記特定遊技状態から前記通常遊技状態へ移行させる場合、前記回数情報記憶手段に記憶されている前記回数情報に基づいて前記特定事象を生じさせることが可能であることを特徴とする特徴DA9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況において特定条件が複数回成立すると、増加処理が行われた場合の回数情報がそれぞれ積算され、トータルの回数情報に基づいて、特定遊技状態の終了時に特定事象が生じる。このようにすることで、特徴DA9の構成において、各特定条件成立に基づく回数情報が少なくても、複数回、特定条件を成立させれば特定事象を生じさせることが可能となり、特定事象への期待感を持続させることができる。
特に、特定遊技状態となってから比較的早期に特定状況となると、当該特定遊技状態の実行回数が上限回数に至るまでのゲーム、すなわち所謂消化ゲームとなり得るゲームが、長期に亘って実施されることとなる。その点、上記構成のように、複数回の増加処理の積算によって特定事象が生じ得る構成とすることで、当該消化ゲームとなり得るゲームが多いほど特定事象が生じ易くなり、消化ゲームと感じさせることを抑制することができる。
特徴DA11.前記特定事象実行手段は、前記特定条件が成立したことに基づいて、その都度、前記特定事象を生じさせることが可能であり、且つ前記第2終了手段により当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させることに基づいて、前記回数情報記憶手段に記憶されている前記回数情報に基づいて前記特定事象を生じさせることが可能であることを特徴とする特徴DA10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件が成立する度に特定事象が生じ、且つ、特定遊技状態の終了時においては増加処理が行われた場合の積算値によって特定事象が生じ得る。このようにすることで、その都度、特定事象が生じることにより特定遊技状態を飽きさせない効果と、特定条件を複数回成立させることによる長期に亘って特定遊技状態を楽しませる効果とを、共に享受させることが可能となる。
特徴DA12.前記特定事象実行手段は、前記特定条件が成立したことに基づく前記特定事象を、当該特定条件が成立した前記特定遊技状態の終了後における前記通常遊技状態中に生じさせることが可能であることを特徴とする特徴DA1乃至DA11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態中に特定条件が成立したことを、当該特定遊技状態の終了後である通常遊技状態に特定事象として引き継ぐことも可能となる。そして、当該特定事象は増加処理とは異なる事象であることからして、特定遊技状態を上限回数によって強制終了させることの意義に反しない範囲で、特定遊技状態中の事象を通常遊技状態に引き継ぐ構成となる。このようにすることで、特定遊技状態と通常遊技状態との連動性を高め、遊技の興趣向上が図られる。
特徴DA13.前記特定状況で前記特定条件が成立した場合、又は前記特定条件成立に基づいて前記増加処理が行われることにより前記特定状況となる場合、当該特定条件成立に基づいて前記増加処理が行われた場合に増加される回数に対応する情報を、所定の情報記憶手段(消滅ゲーム数EG)に記憶させる手段(主制御装置101による消滅ゲーム数EGに上乗せゲーム数を加算する処理を実行する機能)と、
少なくとも前記第2終了手段により前記特定遊技状態から前記通常遊技状態へ移行させる場合、当該特定遊技状態中に用いられた前記順序報知に関与する特定情報を初期化する初期化処理を実行可能な初期化手段(主制御装置101による初期化処理を実行する機能)と、
前記初期化手段により前記初期化処理が行われる場合、前記情報記憶手段により記憶されている情報が初期化されることを制限する手段(主制御装置101において消滅ゲーム数を通常区間用エリアに設けられたエリアに記憶する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴DA12に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態中の実行回数が上限回数に至った場合に当該特定遊技状態を終了する際、順序報知に関与する特定情報が初期化されるため、特定遊技状態を強制的に終了したのにも関わらず、当該強制的に終了した特定遊技状態中の情報に基づいて、再度、特定遊技状態へ移行するといった所謂連荘が発生しないようにしつつも、特徴DA11の効果を期待することが可能となる。
特徴DA14.前記増加処理は、前記特定状況で前記特定条件が成立した場合、又は前記特定条件成立に基づく前記増加処理を行うことにより前記特定状況となる場合であっても、前記増加処理を実行可能であることを特徴とする特徴DA1乃至DA13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成においては、特定状況にて特定条件が成立したり、特定条件成立に基づく増加処理によって特定状況となる場合であっても、当該増加処理自体は制限されるものではないことが明確化される。つまり、例えば、特定遊技状態ではない通常遊技状態では増加処理を含めて所定の順序報知に関する処理の実行が制限される構成においては、上記特定状況に関する増加処理はその制限対象となるものではないことが明確化される。但し、上記のような状況において増加処理を行っても、上限回数によって無意味となり得ることは上述の通りであり、このような状況において特定事象を生じさせることで、特徴DA1の優れた効果を期待することができる。
特徴DA15.遊技状態が前記通常遊技状態から前記特定遊技状態へ移行することに基づいて特定報知手段(第8表示用セグメントN8)を点灯状態とすることにより報知を開始し、当該特定遊技状態が前記通常遊技状態へ移行することに基づいて前記特定報知手段を消灯状態とすることにより報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技状態報知手段は、前記第2終了手段により前記特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる場合であっても前記特定報知手段を前記消灯状態とすることにより報知を終了することを特徴とする特徴DA1乃至DA14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常遊技状態から特定遊技状態へ移行すると特定報知手段による報知が開始され、当該特定遊技状態が終了して通常遊技状態へ移行するとその報知も終了する。つまり、特定報知手段による報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に特別報知による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
特に、特定遊技状態が上限回数に達して通常遊技状態へ移行する場合においても、特定報知手段による報知が終了するため、遊技者は当該特定遊技状態が終了したこと、すなわち、特定状況において特定条件が成立しても増加処理が行われなかったことを、明確に把握することができる。そうすると、このような特定報知手段の報知が厳密に終了する構成からして、特定状況において特定条件が成立していても、特定遊技状態が終了したことの余韻を楽しませることは困難となる。その点、特徴DA1のように、特定事象を生じさせ得る構成とすれば、特定報知手段によって特定遊技状態が強制的に終了したことを明確に把握可能となる構成であっても、特定事象を通じて、特定条件成立に基づく余韻を楽しませることも可能となる。
特徴DA16.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な順序報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記順序報知手段による前記順序報知の実行頻度が通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記通常遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態にて実行された実行回数を把握する第1把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記特定遊技状態の残回数を把握する第2把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記特定遊技状態において前記第2把握手段により把握される前記残回数に基づいて、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第1終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において前記第1把握手段にて把握される前記実行回数が予め定められた上限回数に達したことに基づいて、前記第2把握手段により把握される前記残回数の有無に関わらず、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第2終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残回数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記第1把握手段により把握される前記実行回数と、前記第2把握手段により把握される前記残回数との合計が前記上限回数に達している特定状況において、前記特定条件が成立した場合、又は前記特定条件成立に基づく前記増加処理を行うことにより前記特定状況となる場合に、前記増加処理に基づく事象とは異なる事象である特定事象を生じさせることが可能な特定事象実行手段(主制御装置101による超過フラグがセットされている状況で特別報知用の各処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体の停止順序によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止順序に関する順序報知の有無によって有利度を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。そして、抽選手段による抽選結果が特定結果となると、特定遊技状態への移行抽選が行われ得るし、特定遊技状態中に特定条件が成立すると、当該特定遊技状態の残回数の増加処理、所謂上乗せが発生し得るため、各ゲームにおける遊技性が格段に向上する。
但し、所謂スロットマシン本来の遊技性としては、周回体の絵柄を狙って停止させて特典を得ることにあるところ、順序報知を利用した遊技により得られ得る特典を多くしすぎると、当該本来の遊技性が疎かになり得るし、順序報知を利用した特定遊技状態を無制限に実行可能とすると、設計者の意図した出玉率を凌駕する出玉が生じ得る可能性もある。そこで、上記構成においては、特定遊技状態の残回数に関わらず上限回数に達したら終了するようにしている。このようにすることで、順序報知を利用した遊技性を、上記本来の遊技性に付随する遊技性とし、両遊技性を存分に楽しませることが可能となる。
ところが、上記のように上限回数を規定すると、実行回数と残回数との合計が既に上限回数に達しているような特定状況においては、特定条件が成立しても上乗せが発生しないことから、そのような状況におけるゲームは所謂消化ゲームとなり、ゲームの面白味が極端に低下し得る。
そこで上記構成では、実行回数と残回数との合計が既に上限回数に達しているような特定状況や特定条件成立に基づいて増加処理を行うと特定状況となる場合においては、増加処理(上乗せ)とは異なる事象である特定事象が生じるようにしている。このようにすることで、当該特定事象を、上乗せが行われない又は上乗せが行われても無意味であることに対する代わりとすることができ、上記特定状況であっても各ゲームの面白味を増加させることが可能となる。よって、興趣向上を好適に図ることができる。
なお、「第1結果」や「第2結果」に関し、「各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果」と表現してもよい。この場合、「停止順序」を「停止操作態様」、「順序報知」を「態様報知」、「順序報知手段」を「態様報知手段」として読み替えて適用するとよい。
<特徴DB群>
特徴DB1.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間)とが設定されており、
前記高有利状態にて実行された実行回数を把握する第1把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記高有利状態の残回数を把握する第2把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記高有利状態において前記第2把握手段により把握される前記残回数に基づいて、当該高有利状態を前記低有利状態へ移行させる第1終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記高有利状態において前記第1把握手段にて把握される前記実行回数が予め定められた上限回数に達したことに基づいて、前記第2把握手段により把握される前記残回数の有無に関わらず、当該高有利状態を前記低有利状態へ移行させる第2終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
当日の遊技状況に対応する特定情報(総ゲーム数)を把握する特定情報把握手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、総ゲーム数を把握する処理を実行する機能)と、
前記設定手段により設定されている設定値の情報を示唆する示唆報知を実行する示唆報知実行手段(表示制御装置81による第4特別報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記示唆報知実行手段は、前記第2終了手段により前記高有利状態から前記低有利状態へ移行させる場合において、前記特定情報把握手段により把握される前記特定情報に基づき前記示唆報知を実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがあり、高有利状態は、当該高有利状態の残回数に基づいて終了する場合と、上限回数に達したことに基づいて終了する場合とがあるため、高有利状態の有利度が極端に高められることが抑制されている。但し、遊技者としては高有利状態が長く継続することを望むものと考えられ、上限回数に達したことに基づいて残回数があっても強制的に高有利状態が終了してしまうことは好ましくないし、当該強制的に高有利状態が終了すると、遊技続行の意思が極端に低下し得るものと考えられる。そこで、このような強制的に高有利状態が終了する際には、遊技媒体の増減率や増減態様に変化を生じさせる設定値の示唆報知が行われるようにすることで、例えば、高設定の示唆報知を行うなどして、遊技続行の動機付けとすることが可能となる。
その一方で、高有利状態が上限回数に達した状況によっては、上記のような設定値の示唆報知を行うと、遊技続行の動機付けとなるどころか、かえって遊技終了の動機付けともなり得る。すなわち、例えば、高有利状態が上限回数に達した状況が遊技ホールの開店から間もない状況等であると、上記のように高設定の示唆報知が行われると、当該遊技台を遊技する遊技者にとっては遊技続行の動機付けとなり得るものの、他の遊技台については、当該遊技台が高設定であることとの関係で当該他の遊技台は低設定であると判断されて遊技終了の動機付けとされる可能性がある。また、例えば、高有利状態が上限回数に達した状況が遊技ホールの閉店間際である状況においては、遊技続行の動機付けや遊技終了の動機付けを加味するよりも、純粋に設定値の示唆報知が行った方が良い場合も考えられる。そこで、高有利状態が上限回数に達した状況において、当日の遊技状況に対応する特定情報を加味したうえで設定値の示唆報知を行う構成とすることで、高有利状態を強制的に終了する場合において、遊技者の遊技継続の意思低下を好適に抑制することが可能となる。
特徴DB2.前記高有利状態の継続率又は継続数に関する特定処理を実行する特定実行手段(例えば、主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)を備え、
前記特定実行手段は、前記設定手段により設定される設定値に関わらず前記特定処理を実行するものであることを特徴とする特徴DB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続率や継続数に関する特定処理は設定値に関わらず実行される一方、その特定処理の結果として高有利状態が上限回数に達して終了すると、設定値示唆が発生し得る。この場合、高有利状態が上限回数に達したことは運の要素が強く設定値の高低に関係がないものであるが、高有利状態が上限回数に達した時点では多量の遊技媒体を獲得していることが多いと考えられ、このような状況下では、遊技者は、実際の設定値よりも高い設定値を予測し易い傾向があると考えられる。但し、高有利状態が上限回数に達したとしても、それまでに多量の遊技媒体を要していたりするなど、当該上限回数に達した時点で多量の遊技媒体を獲得しているとしても当日の遊技状況によってはトータルの出玉率は高いとは限られない。そこで、上記のような高有利状態に関し、強制終了時に遊技状況を加味して設定値の示唆報知を行うことで、獲得している遊技媒体に対して遊技者が抱く印象を設定値の示唆報知に利用しつつ、当該強制終了時の遊技続行の後押しとすることができる。
なお、「特定実行手段」についてより詳しくは、例えば、「予め定められた条件が成立したことに基づいて、前記低有利状態から前記高有利状態へ移行させるか否かの移行抽選を実行可能な移行抽選手段(主制御装置101によるモード抽選処理を実行する機能)」や、例えば、「予め定められた条件が成立したことに基づいて、前記残回数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)」や、例えば、「予め定められた条件が成立したことに基づいて、前記高有利状態の終了抽選を実行可能な手段」としてもよい。
さらに、「特定実行手段」について、「前記設定手段により設定される設定値の高低に関わらず、一律の確率にて前記特定処理を実行するものである」と表現してもよいし、「前記設定手段により設定される設定値の高低に関わらず、共通の確率にて前記特定処理を実行するものである」と表現してもよいし、「前記設定手段により設定される設定値の高低に関わらず、前記特定処理の結果が共通している」と表現してもよい。
特徴DB3.前記特定情報把握手段は、前記当日の遊技状況のうち、ゲームの総実行回数を前記特定情報として把握可能であり、
前記示唆報知実行手段は、前記第2終了手段により前記高有利状態から前記低有利状態へ移行させる場合において、前記特定情報把握手段により把握される前記総実行回数が予め定められた特定回数(2000回)以下である場合は当該総実行回数が前記特定回数を超える場合よりも前記示唆報知の実行確率が低くなる、又は、前記特定回数以下である場合に実行される前記示唆報知の方が前記特定回数を超える場合に実行される前記示唆報知よりも遊技者が前記設定値の予測を行いにくい態様となるように前記示唆報知を実行するものであることを特徴とする特徴DB1又は特徴DB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、総実行回数が特定回数以下である場合と特定回数を超える場合とを比較すると、前者の場合の方が設定値の示唆報知が実行されにくかったり、実行されても設定値の予測がしにくい態様であったりする。そのため、特定回数以下である状況で高有利状態が上限回数に達しても、設定値の絞り込みは行いにくい。このようにすることで、遊技ホールの開店から間もない段階で設定値が判別されて、当該遊技台又は他の遊技台の稼働率が低下してしまう事象を回避することができる。
特徴DB4.前記特定情報把握手段は、前記当日の遊技状況のうち、時刻情報を前記特定情報として把握可能であり、
前記示唆報知実行手段は、前記第2終了手段により前記高有利状態から前記低有利状態へ移行させる場合において、前記特定情報把握手段により把握される前記時刻情報が予め定められた特定時刻(13時)以前である場合は当該時刻情報が前記特定時刻よりも後である場合よりも前記示唆報知の実行確率が低くなる、又は、前記特定時刻以前である場合に実行される前記示唆報知の方が前記特定時刻よりも後で実行される前記示唆報知よりも遊技者が前記設定値の予測を行いにくい態様となるように前記示唆報知を実行するものであることを特徴とする特徴DB1乃至DB3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、強制終了時の時刻が特定時刻以前である場合と特定時刻よりも後である場合とを比較すると、前者の場合の方が設定値の示唆報知が実行されにくかったり、実行されても設定値の予測がしにくい態様であったりする。そのため、特定時刻以前である状況で高有利状態が上限回数に達しても、設定値の絞り込みは行いにくい。このようにすることで、遊技ホールの開店から間もない段階で設定値が判別されて、当該遊技台又は他の遊技台の稼働率が低下してしまう事象を回避することができる。
特に、上記構成を特徴DB3に追加することにより、当日の稼働開始時刻に応じた設定値示唆とすることができる。具体的には、例えば、特徴DB3において、当日の稼働開始が遅かったりすると、朝一から稼働して特定回数を超えた場合よりも遅い段階で特定回数を超えたと判定される場合がある。そうすると、設計者が意図した通りの設定値示唆とならない可能性がある。そこで、上記特徴DB4の構成を特徴DB3の構成と併せ持つことにより、設計者の意図通りの設定値の示唆報知を発生させることが可能となる。
特徴DB5.前記特定情報把握手段は、前記当日の遊技状況のうち、電源投入からの総実行回数又は時刻情報の少なくとも一方を前記特定情報として把握可能であり、
前記示唆報知実行手段は、前記第2終了手段により前記高有利状態から前記低有利状態へ移行させる場合において、前記特定情報把握手段により把握される前記総実行回数が予め定められた特定回数(2000回)以下若しくは前記時刻情報が予め定められた特定時刻(13時)以前の第1特定状況である場合は、前記総実行回数が前記特定回数を超える若しくは前記時刻情報が前記特定時刻よりも後の第2特定状況である場合よりも低設定を示唆する前記示唆報知の実行確率が高くなる、又は、前記第1特定状況である場合に実行される前記示唆報知の方が前記第2特定状況で実行される前記示唆報知よりも遊技者が前記設定値の予測として低設定の前記設定値を予測し易い態様となるように前記示唆報知を実行するものであることを特徴とする特徴DB1乃至DB4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技ホールの開店から比較的早い段階で高有利状態が上限回数に達して強制終了した場合においては、低設定の絞り込みが行いやすい示唆報知が実行される。比較的早い段階で高有利状態が上限回数に達した状況とは、多量の遊技媒体を獲得し且つトータルの出玉率も高い状況と考えられ、このような状況においては、実際の設定値よりも高い設定値を予測し易い傾向があると考えられ、上記のように設定値の示唆報知として低設定の絞り込みが行いやすい示唆報知が行われても、遊技を続行する可能性が高いと考えられる。よって、このような状況を見計らって低設定側の設定値の示唆報知を行う構成とすれば、稼働率の低下を招くことなく、高設定側の設定値の示唆報知との出現率のバランスを保つことができる。
特徴DB6.前記示唆報知実行手段は、
前記設定値の示唆報知として、複数種類の示唆報知に対応する情報が記憶された示唆報知情報群を利用して、当該示唆報知情報群から一の示唆報知に対応する情報を選択し、当該選択した示唆報知に対応する情報に基づいて前記示唆報知を実行する構成であり、
前記第2終了手段により前記高有利状態から前記低有利状態へ移行させる場合において、前記第1特定状況で利用する前記示唆報知情報群と、前記第2特定状況で利用する前記示唆報知情報群と、を異ならせることで、前記低設定を示唆する前記示唆報知の実行確率が高くなる又は前記低設定の前記設定値を予測し易い態様となるように前記示唆報知を実行するものであることを特徴とする特徴DB5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴DB5の構成を、示唆報知情報群、すなわち示唆報知に用いられるテーブルの切り替えといった簡素な構成にて実現することができる。
特徴DB7.抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果(第2BB)となったことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させることが可能な移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備え、
各ゲームにおける遊技媒体の増加率は、前記高有利状態中よりも前記特別遊技状態中の方が高くなり易い構成であり、
前記特別遊技状態は前記高有利状態中においても移行可能に設定されており、
前記第1把握手段は、前記特別遊技状態中に実行されたゲーム回数も含めて前記実行回数を把握することを特徴とする特徴DB1乃至DB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の増加率の高い所謂大当たり状態としての特別遊技状態が設定されており、当該特別遊技状態中のゲーム数も実行回数に加味されるため、上限に達するまでの高有利状態において特別遊技状態が介在していた方が、特別遊技状態が介在しない場合よりも最終的な遊技媒体の獲得数は多くなり得る。つまり、上限回数が設定されている高有利状態において、上限回数によって高有利状態が終了する際の、最終的な遊技媒体の獲得数が多様化される。このようにすることで、上限回数によって高有利状態が終了する際に、例えば、多い獲得数であれば高設定を予測し、少ない獲得数であれば低設定を予測する、といった様に、当該終了時に設定値を予測する楽しみが追加される。
特徴DB8.前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果当選となる確率は、前記設定手段により設定される前記設定値によって異なり得ることを特徴とする特徴DB7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴DB7の構成において、高有利状態の強制終了時における獲得数が、設定値によって実際に異なり得るようになる。これにより、強制終了時に設定値の示唆報知を行う意義を高めることが可能となる。
特徴DB9.前記特定情報把握手段は、前記当日の遊技状況のうち、ゲームの総実行回数を前記特定情報として把握可能であり、
前記総実行回数は、前記設定手段により設定される前記設定値の変更処理が行われた場合には初期化される一方、当該遊技機の電源投入又は電源遮断に基づいては初期化されないことを特徴とする特徴DB1乃至DB8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、強制終了時の示唆報知に反映される遊技状況としての総実行回数は、電源投入や電源遮断によっては初期化されず、設定値の変更処理によって初期化されるものであるため、遊技ホールにおいて閉店時や開店時に設定値の変更を行わずに電源をON/OFFした場合には、前日の総実行回数が引き継がれることになる。これにより、設定値の示唆報知だけではなく、設定値の変更が行われたか否かといった要素からも設定値を予測する遊技を行わせることが可能となり、遊技性が大幅に向上する。
特徴DB10.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な順序報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記順序報知手段による前記順序報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記通常遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記低有利状態は前記通常遊技状態であり、
前記高有利状態は前記特定遊技状態であることを特徴とする特徴DB1乃至DB9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成の遊技機は、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体の停止順序によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止順序に関する順序報知の有無によって有利度を異ならせる、といった高有利状態としての特定遊技状態が設けられている。このような構成の遊技機に対して、特徴DB1の遊技状況に応じた設定値示唆に関する構成を適用すれば、特定遊技状態が上限回数に達した場合のその後の稼働率を好適に調節することができる。
特に、遊技状態の移行を伴う特別遊技状態、すなわち大当たり状態と比較して、上記の特定遊技状態は、順序対応結果当選時の報知の有無や報知の頻度、報知の態様等によって遊技者にとっての有利度が変化するものである。このような構成においては、遊技状態の移行のように遊技結果と一対一で対応付けられたものと比較して、継続条件の設定に自由度が高く、特定遊技状態の継続回数が厳密に定められていない遊技性、すなわち、特定遊技状態がいつまで継続するかを楽しませる遊技性を実現し易い。その一方で、このような遊技性において、上限回数に達して特定遊技状態が終了すると、その後の遊技続行の意思が低下し得るものと考えられ、稼働率の低下が懸念される。その点、上記特徴DB1の構成をこのような遊技機に対して適用することで、特定遊技状態の継続性を楽しませつつ、その継続回数が上限回数に達した後であっても、遊技を続行させる動機づけとすることが可能となる。
<特徴DC群>
特徴DC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な順序報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記順序報知手段による前記順序報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記通常遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理を実行する機能)と、
所定の終了条件が成立したことに基づいて、前記特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理にて有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態にて用いられる情報であって前記順序報知に関与する特定情報を記憶可能な特定記憶手段(主制御装置101によるRAM106における有利区間用の各種エリアに対応する情報を記憶する処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態以外においても用いられ得る情報であって前記順序報知に関与しない通常情報を記憶可能な通常記憶手段(主制御装置101によるRAM106における通常区間用の各種エリアに対応する情報を記憶する処理を実行する機能)と、
前記特定終了手段により前記特定遊技状態から前記通常遊技状態へ移行させる場合、前記特定記憶手段に記憶された前記特定情報の初期化処理を実行可能な初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理中の初期化処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態中に生じる特定事象(例えば超過フラグがセットされていない状況でのゲーム数の上乗せ契機)について、当該特定事象に対応する情報(上乗せゲーム数)を前記特定情報として前記特定記憶手段に記憶させる記憶処理を実行可能な第1手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理において上乗せゲーム数を対応する継続数に加算する処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態中に生じる前記特定事象(例えば超過フラグがセットされている状況でのゲーム数の上乗せ契機)について、当該特定事象に対応する情報(消滅ゲーム数)を前記通常情報として前記通常記憶手段に記憶させる記憶処理を実行可能な第2手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理において上乗せゲーム数を消滅ゲーム数に加算する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体の停止順序によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止順序に関する順序報知の有無によって有利度を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられており、各ゲームの遊技性が向上されている。
但し、所謂スロットマシン本来の遊技性としては、周回体の絵柄を狙って停止させて特典を得ることにあるところ、順序報知を利用した遊技により得られ得る特典を多くしすぎると、当該本来の遊技性が疎かになり得るし、順序報知を利用した特定遊技状態の連荘性能を高くするなどして当該特定遊技状態を無制限に実行可能とすると、設計者の意図した出玉率を凌駕する出玉が生じ得る可能性もある。更に、特定遊技状態の連荘性能を高めると、特定遊技状態が終了したと思って遊技を終了しても、実際には特定遊技状態が継続している等の事例が生じ易くなり、当該遊技を終了してしまう遊技者と、当該終了した遊技台に後から着席した後任の遊技者との公平性が担保されないものとなり得る。
そこで、上記構成においては、特定遊技状態の終了時に、特定遊技状態中の特定事象について、順序報知に関与する特定情報として記憶する特定記憶手段の初期化処理を行う構成としていることから、特定遊技状態の連荘性能を高め過ぎることもないし、遊技者間の不公平感も解消することが可能となる。
但し、上記構成のようにすると、特定遊技状態の遊技性と通常遊技状態の遊技性とがそれぞれ別々の遊技性である印象が強くなり、これら両遊技状態の連動性が低下し、トータルで見ると遊技性が低下し得ることも懸念される。そこで、上記構成においては、特定遊技状態中の特定事象に関して、その情報を特定情報として記憶するのではなく、順序報知に関与しない通常情報として記憶する第2手段を備えるようにしていることから、特定遊技状態中の特定事象の情報を、順序報知とは異なる情報として通常遊技状態に引き継ぐことが可能となる。よって、特定遊技状態の連荘性能を高め過ぎないようにしたり、遊技者間の平等性を担保しつつも、特定遊技状態と通常遊技状態との連動性を高めることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴DC2.前記特定記憶手段に対応する特定記憶領域(RAM106における有利区間用の各種エリア)と、
前記通常記憶手段に対応する通常記憶領域(RAM106における通常区間用の各種エリア)と、
が設けられており、
前記特定記憶領域と前記通常記憶領域とは、それぞれ重複しない記憶領域として設定されていることを特徴とする特徴DC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴DC1の構成において、それぞれの情報を記憶する箇所が物理的に異なるようになるので、例えば、初期化処理の際に通常記憶手段の通常情報が初期化されてしまう、といったエラーが生じにくくなるし、特定遊技状態終了後も特定情報が初期化されずに残存する、といった事象も生じにくくなる。
特徴DC3.前記第2手段により前記通常記憶手段に記憶された前記特定事象に対応する前記通常情報を利用して、当該特定事象が生じた前記特定遊技状態の終了後に、特定の報知手段にて特別報知を実行可能な特別報知手段(表示制御装置81による特殊リプレイ用報知処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴DC1又は特徴DC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態中に生じた特定事象に対する特別報知が、特定遊技状態の終了後において実行されることから、特定遊技状態と通常遊技状態との連動性を、特別報知という遊技演出を通じて図ることが可能となる。
特徴DC4.前記特定事象が生じた場合、前記第1手段及び前記第2手段のいずれの記憶処理を実行するかを選択する選択手段(主制御装置101において超過フラグがセットされているか否かを判定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴DC1乃至DC3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象に関する情報が、特定情報か通常情報かのいずれかとして記憶される。このようにすることで、両情報が重複して記憶されることがないので、記憶容量を削減することができるし、特定遊技状態終了時に特定事象に基づく通常情報を引き継ぐ場合、特定情報が関連して引き継がれる可能性(何らかの不都合で初期化されない可能性)を低下させることができる。
特徴DC5.前記抽選手段による抽選結果が特定結果(特定役)であることに基づいて、前記特定遊技状態の残回数を増加させる増加処理を実行するか否かの増加判定を実行可能な増加判定手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ抽選処理を実行する機能)と、
前記増加判定手段による判定結果が前記増加処理を実行するとの結果であることに基づいて、前記残回数の増加処理を実行可能な増加処理手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
を備え、
前記選択手段は、
前記特定事象として、前記増加判定手段による判定結果が前記増加処理を実行するとの結果である場合、前記第1手段による前記記憶処理を実行するように選択し、
前記特定事象として、前記増加判定手段による判定結果が前記増加処理を実行しないとの結果である場合、前記第2手段による前記記憶処理を実行するように選択することを特徴とする特徴DC4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象として、特定遊技状態の継続ゲーム数を増加させるか否かの判定が行われる場合、継続ゲーム数を増加させると判定した場合は、順序報知に関与する特定情報として第1手段による記憶処理が行われ、継続ゲーム数を増加させないと判定した場合は、順序報知に関与しない通常情報として第2手段による記憶処理が行われる。特定遊技状態の継続ゲーム数が増加したほうが遊技者にとって有利となり、遊技者は増加処理が行われることを望むという前提にたてば、当該判定が遊技者にとって好ましくない結果となったことの情報が、通常情報として記憶されて特定遊技状態後まで引き継がれ得ることになる。このようにすることで、特定遊技状態中の利益を通常遊技状態に引き継ぐことなく、特定遊技状態において存分に享受できなかった利益に対応する情報を通常遊技状態に引き継ぐことができ、あたかも当該利益が通常遊技状態において享受可能となるかのようにする等して、特定遊技状態と通常遊技状態との連動性を高めることができる。
特徴DC6.予め定められた所定条件が成立している場合、前記増加判定手段による判定結果が前記増加処理を実行するとの結果となること、又は前記増加処理の実行を制限する制限処理を実行可能な制限手段(主制御装置101により超過フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記選択手段は、前記制限手段による前記制限処理が行われることに基づいて、前記第2手段による前記記憶処理が行われるように選択することを特徴とする特徴DC5に記載の遊技機。
所定条件が成立すると、増加判定手段による判定結果が増加処理を実行するとの結果となることや、増加処理の実行自体が制限されるため、特定遊技状態中に当該所定条件が成立すると、抽選手段による抽選結果が特定結果となっても、特定遊技状態中においては遊技者にとってのメリットはなく、むしろ、所定条件が成立していない状況で特定結果となればよかったのに、と残念がる結果となり得る。その点、上記構成では、その残念な結果となったことの情報が、通常遊技状態に引き継がれるように記憶処理が行われることから、当該残念な結果となったとしても、特定遊技状態の終了後において、何らかの恩恵が得られるのでは、と期待感を持たせることができる。
特徴DC7.前記特定遊技状態にて実行された実行回数を把握する第1把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記残回数を把握する第2把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
を備え、
前記特定終了手段は、
前記特定遊技状態において前記第2把握手段により把握される前記残回数に基づいて、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第1終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において前記第1把握手段にて把握される前記実行回数が予め定められた上限回数に達したことに基づいて、前記第2把握手段により把握される前記残回数の有無に関わらず、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第2終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定条件は、前記第1把握手段により把握される前記実行回数と、前記第2把握手段により把握される前記残回数との合計が前記上限回数に達することで成立することを特徴とする特徴DC6に記載の遊技機。
上記構成は、特定遊技状態は、当該特定遊技状態の残回数に基づいて終了する場合と、上限回数に達したことに基づいて終了する場合とがあり、特徴DC5における所定条件は、実行回数と残回数との合計が上限回数に達することで成立する構成となる。つまり、これ以上、増加処理を行っても残りゲーム回数の増加が見込めない状況となると、増加処理の契機となる特定結果となることに基づいて、第2処理による記憶処理が行われる。特定遊技状態においてなるべく多くのゲーム数を消化したい遊技者にとっては、特定遊技状態における各ゲームにて、増加処理が行われること、すなわち、遊技結果が特定結果となることを望むものと考えられる一方、増加処理を行っても残りゲーム回数の増加が見込めない状況となると、当該状況におけるゲームの遊技結果への関心も低下するし、特定遊技状態自体への関心も低下し、遊技への注目度が極端に低下してしまう可能性がある。その点、上記構成のように、そのような状況であっても、特定結果当選となった場合に、第2手段による記憶処理が行わるようにすることで、無意味となり得る特定結果当選の情報を、特定遊技状態後に引き継ぐことが可能となり、当該状況において特定結果となることを意義あるものとすることができる。よって、特定遊技状態中の遊技性を向上させることが可能となる。
特徴DC8.前記所定条件が成立している状況において前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となった場合、前記第2手段は、前記増加判定手段による判定結果が前記増加処理を実行するとの結果となった場合の当該増加処理にて前記残回数を増加させる特定回数を前記通常情報とし、前記通常記憶手段に記憶させる記憶処理を実行することを特徴とする特徴DC6又は特徴DC7に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定条件成立時に特定結果当選となると、増加処理にて増加させるはずであった特定回数を、そのまま通常情報として記憶する構成となる。このようにすることで、第1手段ではなく第2手段にて記憶処理を行わせるうえで、情報の変換処理など、特殊な処理を要さず、簡素な構成にて特徴DC6等の効果を期待できる。
特徴DC9.前記通常遊技状態において、予め定められた特別報知が実行され得る特別状態(特別区間)が設定されており、
前記特定終了手段により前記特定遊技状態を前記通常遊技状態に移行させる場合、前記特別状態へ移行させることが可能な手段(主制御装置101による特別区間フラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記第2手段による前記記憶処理が行われた前記特定回数の情報に基づいて、前記特別状態の実行回数を選択する手段(主制御装置101による特別区間テーブルに基づき特別区間ゲーム数PGに対応する値を入力する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴DC8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態を通常遊技状態に移行させる場合に特別報知が実行され得る特別状態に移行する場合があり、その特別状態の実行回数が、第2手段により記憶処理が行われた特定回数の情報によって定められる。よって、特定遊技状態中の増加処理が行われなかったことの情報が、特別報知が行われる特別状態の継続性、という情報として引き継がれることになり、特定遊技状態と通常遊技状態とを特別状態を介して連動させることができる。
特徴DC10.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知は、前記設定手段により設定される前記設定値の情報としての示唆報知であることを特徴とする特徴DC9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態中に増加処理が行われなかった代わりとして、示唆報知が特定遊技状態後に実行され得るものとなる。遊技者は高設定を望むことを前提とすれば、設定値の示唆報知は、遊技者にとって有益な情報となり、このような有益な情報が提示されるようにすることで、増加処理が行われないことに対する代償とすることが可能となる。
特徴DC11.前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第3の停止順序で操作された場合には第3特定の絵柄組合せが停止して第3結果入賞が成立可能となり、各前記停止操作手段が前記第3の停止順序とは異なる第4の停止順序で操作された場合には前記第3特定の絵柄組合せとは異なる第4特定の絵柄組合せが停止して前記第3結果入賞が成立可能となる第2順序対応結果(例えば、特殊リプレイ)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第3の停止順序及び前記第4の停止順序を含む停止順序に関する第2順序報知(押し順報知演出)を前記特別報知として特定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第2順序報知手段(表示制御装置81による特殊リプレイ用報知処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴DC9又は特徴DC10に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止順序によって停止出目は異なるものの得られる特典が変化しない第2順序対応結果であれば、通常遊技状態中に行ったとしても、有利度に変化を生じさせる第1順序報知(特徴DC1の順序報知、上記構成との関係では第1順序報知と称し、特徴DC1の順序対応結果を第1順序対応結果とも称する)が行われる特定遊技状態を、上限回数の定められたものとした意義に反しない範囲で、当該停止出目を利用した報知によって特別報知を実現することができる。
特徴DC12.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果となった場合、当該特別結果当選であることの当選報知を特別報知手段(例えば補助表示部65)にて報知可能な当選報知手段(表示制御装置81によるボーナス当選報知演出を実行する機能)と、
前記特別結果当選となったゲームから、前記当選報知手段にて前記当選報知を行うゲームまでの当選報知ゲーム数を設定するゲーム数設定手段(表示制御装置81による前兆ゲーム数の抽選処理を実行する機能)と、
を備え、
前記ゲーム数設定手段により設定される前記当選報知ゲーム数は、前記特別報知が行われる場合の方が前記特別報知が行われない場合よりも短くなり易いことを特徴とする特徴DC9乃至DC11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選を早く知りたい遊技者にとっては、特別報知が行われることによって短い当選報知ゲーム数が設定される方が好ましく、その点からすると、特定遊技状態中に増加処理が行われないことに対する代償とすることが可能となる。
<特徴DD群>
特徴DD1.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間)とが設定されており、
前記高有利状態にて実行された実行回数を把握する第1把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記高有利状態の残回数を把握する第2把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記高有利状態において前記第2把握手段により把握される前記残回数に基づいて、当該高有利状態を前記低有利状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記高有利状態において前記第1把握手段にて把握される前記実行回数が予め定められた上限回数に達したことに基づいて、前記第2把握手段により把握される前記残回数の有無に関わらず、当該高有利状態を前記低有利状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残回数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理が行われたことの増加報知(上乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な増加報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ報知演出を実行する機能)と、
前記第1把握手段により把握される前記実行回数と、前記第2把握手段により把握される前記残回数との合計が前記上限回数に達している状況において、前記増加処理が行われた場合の前記上限回数を超える超過分についての特定報知を、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行可能な特定報知実行手段(表示制御装置81による第3特別報知設定処理において特別ゲーム数表示部の更新処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがあり、高有利状態は、当該高有利状態の残回数に基づいて終了する場合と、上限回数に達したことに基づいて終了する場合とがあるため、高有利状態の有利度が極端に高められることが抑制されている。このような構成において、特定条件が成立すると高有利状態の残回数が増加されるといった所謂上乗せ機能を有しており、当該特定条件が成立することへの期待感が高められている。
その一方で、特定条件が成立するゲームが、実行回数と残回数の合計が上限回数に達する前であれば、上記のように遊技者にとっては好ましいものであるものの、当該合計が上限回数に達した後は、どれだけ特定条件が成立しても上限回数に達すると高有利状態が終了することからして、特定条件の成否への関心は低下してしまうし、当該上限回数に達するまでのゲームが所謂消化ゲームとなり、遊技への注目度が極度に低下していしまう可能性がある。
その点、上記構成では、当該合計が上限回数に達した後であっても、増加処理が行われたとした場合の超過分についての特定報知が行われる構成とし、上限回数を超過することによってその恩恵を十分に受けることができなかった回数を、あえて、遊技者に知らしめる構成としている。つまり、増加処理が行われても上限回数によってその増加処理が無かったこととなることからして、通常であれば当該増加処理については報知しないようにする方がよいと考えられるものの、あえてそれを報知するようにすることで、仮に上限回数を超えて増加処理が行われていれば得ていたであろう恩恵を皮算用させたり、当該恩恵を受けることができなかったことに対して何らかの補償が行われるのではという期待感を抱かせたりすることが可能となる。つまり、増加処理による恩恵を享受できないことを隠すのではなく、あえてそれを明示する、という逆転の発想により、当該恩恵を享受できないことに基づく喪失感とは異なる感情を想起させるようにし、もって、当該上限回数に達した状況での遊技性を向上させることが可能となる。
特徴DD2.前記特定報知実行手段は、前記超過分に対応する回数を前記特定報知として報知可能であり、当該回数を、前記残回数とは別の回数として把握可能なように報知することを特徴とする特徴DD1に記載の遊技機。
残回数に対して超過分を加算して、同じ回数表示上で表示することも可能であるところ、上記構成においては、これらを別々の回数表示とすることで、超過分を把握させ易いだけでなく、超過分がわざわざ別途表示されていることからして、当該超過分によって何らかの補償が行われるのでは、という印象を強く抱かせることが可能となる。
特徴DD3.前記増加手段は、前記増加処理を行う場合、複数種類の回数情報が記憶された回数情報群を利用して一の回数を選択し、当該選択された回数だけ前記残回数を増加させるものであり、
前記特定報知実行手段は、前記超過分の回数として、前記回数情報群又は当該回数情報群と同種類の回数情報が記憶された情報群を利用して一の回数を選択し、当該選択された回数に対応する前記増加報知を前記特定報知として実行可能であることを特徴とする特徴DD1又は特徴DD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、実際の増加報知と同じ又は同様の情報群(テーブル)を使用して、特定報知において報知する回数を決定するため、仮に増加処理が行われた場合の超過分を明確に把握させることができる。また、同じ情報群を利用して回数を決定する構成とすれば、それ専用に情報群を記憶しておく必要が生じず、記憶容量の削減にも貢献することができる。
特徴DD4.前記特定報知実行手段は、
前記超過分に対応する回数の報知として、所定の回数情報を報知可能であり、
前記選択された回数に対応する前記増加報知を行うことにより、前記所定の回数情報に対して当該選択された回数を加算したうえで当該所定の回数情報を更新して報知可能であることを特徴とする特徴DD3に記載の遊技機。
上記構成によれば、上限回数を超える増加処理が複数回行われた場合には、その各増加処理に対応する回数が積算されて報知される。このようにすることで、実行回数と残回数との合計が上限回数に達した後であっても、報知されている超過分を加算させて増やしていく楽しみが追加され、当該報知されている回数が徐々に増加することによって、実行されるであろう補償内容も手厚くなるのでは、と期待感を抱かせることができる。
特徴DD5.前記特定報知実行手段による前記特定報知における前記超過分の回数に基づいて、予め定められた特別報知を実行可能な特別報知実行手段(表示制御装置81による第3特別報知設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴DD1乃至DD4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、超過分に対する補償として特別報知が実行される。例えば、特別報知が行われることによって遊技者に有益な情報が提示されるような構成であれば、特別報知が行われれば遊技者は満足するであろうし、有益な情報ではなくても、特別報知を、例えば、派手な演出とする等しても、当該派手な演出を見ることで、増加処理が行われなかったことに対する遊技者の喪失感を、少なからず補うことが可能となる。
特徴DD6.前記特別報知実行手段は、前記第2移行手段により前記高有利状態から前記低有利状態に移行させる場合の移行報知(アタックモード終了演出)として、前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴DD5に記載の遊技機。
上記構成によれば、高有利状態が終了する際の移行報知が特別報知となり、超過分が反映されたものとなる。高有利状態が終了する際の移行報知においては、一般的には、当該高有利状態中に獲得した遊技媒体数や継続ゲーム数等が報知されるものであり、これらの報知に対して超過分を反映させることで、上限回数がなければあと何ゲーム継続したと、とか、上限回数がなかった場合の獲得遊技媒体数などを連想させ易くなる。また、このような移行報知を写真などで撮影する際には、当該超過分の情報が映り込むこととなり、例えば、当該撮影した写真をもとに、友人に報告する際の楽しみも増えるし、自ら後から見直す場合においても、思い出に浸らせることも可能となる。
特徴DD7.前記特別報知実行手段は、前記第2移行手段により前記高有利状態から前記低有利状態に移行された後の当該低有利状態において、前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴DD5又は特徴DD6に記載の遊技機。
上記構成によれば、高有利状態の超過分を、当該高有利状態ではなく、低有利状態にて反映させることができる。よって、当該超過分を利用して、高有利状態と低有利状態との演出上の連動性を高めることが可能となる。
特徴DD8.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知実行手段は、前記特別報知として、前記設定手段により設定されている設定値の情報を示唆する示唆報知を実行可能であることを特徴とする特徴DD5乃至DD7のいずれか1に記載の遊技機。
遊技者は高設定を望むという前提に立てば、設定値の示唆報知は遊技者にとって有益な情報となり得る。そこで、上記のように、超過分に基づいて、設定値の示唆報知が行われるようにすれば、特定報知によって報知されている超過分から、設定値の示唆が行われることを予測するとともに、当該設定値の示唆が行われた場合には、設定値の予測を行う、といった遊技性を実現することができ、その遊技の始点である特定報知への関心を高めることが可能となる。
特徴DD9.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な順序報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記順序報知手段による前記順序報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記通常遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記低有利状態は前記通常遊技状態であり、
前記高有利状態は前記特定遊技状態であることを特徴とする特徴DD1乃至DD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成の遊技機は、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体の停止順序によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止順序に関する順序報知の有無によって有利度を異ならせる、といった高有利状態としての特定遊技状態が設けられている。このような構成の遊技機に対して、特徴DD1の特定報知に関する構成を適用すれば、特定遊技状態の実行回数と残回数の合計が上限回数に達した後の遊技性を好適に向上させることができる。
特に、遊技状態の移行を伴う特別遊技状態、すなわち大当たり状態と比較して、上記の特定遊技状態は、順序対応結果当選時の報知の有無や報知の頻度、報知の態様等によって遊技者にとっての有利度が変化するものである。このような構成においては、遊技状態の移行のように遊技結果と一対一で対応付けられたものと比較して、継続条件の設定に自由度が高く、特定遊技状態の継続回数が厳密に定められていない遊技性、すなわち、特定遊技状態がいつまで継続するかを楽しませる遊技性を実現し易い。その一方で、このような遊技性について、上限回数を定めることで特徴DD1に記載した課題も生じ易いともいえる。その点、上記特徴DD1の構成をこのような遊技機に対して適用することで、特定遊技状態の継続性を楽しませつつ、その継続回数が上限回数に達することが確定した場合の遊技性を向上させることが可能となる。
<特徴DE群>
特徴DE1.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間)とが設定されており、
前記高有利状態にて実行された実行回数を把握する第1把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記高有利状態の残回数を把握する第2把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記高有利状態において前記第2把握手段により把握される前記残回数に基づいて、当該高有利状態を前記低有利状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記高有利状態において前記第1把握手段にて把握される前記実行回数が予め定められた上限回数に達したことに基づいて、前記第2把握手段により把握される前記残回数の有無に関わらず、当該高有利状態を前記低有利状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残回数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理が行われたことの増加報知(上乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な増加報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ報知演出を実行する機能)と、
を備え、
前記増加報知実行手段は、前記増加処理により増加される回数の一部又は全部である特別回数の増加分の前記増加報知を、前記増加処理が行われたゲームよりも後のゲームにて実行可能とする後報知実行手段(表示制御装置81による後乗せ演出設定処理を実行する機能)を有しており、
前記第1把握手段により把握される前記実行回数と、前記第2把握手段により把握される前記残回数との合計が前記上限回数に達しており、且つ前記後報知実行手段により前記増加処理に係る前記特別回数として未報知分が存在する特定状況(超過フラグがセットされ、且つ後乗せフラグがセットされている状況)において、前記特定条件が成立した場合、当該未報知分の範囲内で、前記増加報知としての第1特別報知(疑似上乗せ報知)を前記所定の報知手段にて実行可能な第1特別報知実行手段(表示制御装置81による第1特別報知設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがあり、高有利状態は、当該高有利状態の残回数に基づいて終了する場合と、上限回数に達したことに基づいて終了する場合とがあるため、高有利状態の有利度が極端に高められることが抑制されている。このような構成において、特定条件が成立すると高有利状態の残回数が増加されるといった所謂上乗せ機能を有しており、当該特定条件が成立することへの期待感が高められている。しかも、残回数の増加処理が行われても、その一部又は全部の回数の報知が直ぐに行われない場合もあるため、特定条件が成立した場合の期待感を長く継続させることが可能となる。
その一方で、特定条件が成立するゲームが、実行回数と残回数の合計が上限回数に達する前であれば、上記のように遊技者にとっては好ましいものであるものの、当該合計が上限回数に達した後は、どれだけ特定条件が成立しても上限回数に達すると高有利状態が終了することからして、特定条件の成否への関心は低下してしまうし、当該上限回数に達するまでのゲームが所謂消化ゲームとなり、遊技への注目度が極度に低下していしまう可能性がある。
そこで、上記構成においては、上記合計が上限回数に達した後であっても、増加処理の未報知分が存在する場合には、その未報知分を利用し、当該未報知分の回数の範囲内で増加報知を実行可能な構成としたため、増加報知と高有利状態の継続ゲーム数との不一致を発生させることなく、残回数が増加した印象を与えることができる。よって、合計が上限回数に達した後のゲームを好適に行わせることが可能となる。
特徴DE2.前記増加手段は、前記増加処理を行う場合、複数種類の回数情報が記憶された回数情報群を利用して一の回数を選択し、当該選択された回数だけ前記残回数を増加させるものであり、
前記第1特別報知実行手段は、前記未報知分の回数として前記回数情報群又は当該回数情報群と同種類の回数情報が記憶された情報群を利用して一の回数を選択し、当該選択された回数に対応する前記増加報知としての前記第1特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴DE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、実際の増加報知と同じ又は同様の情報群(テーブル)を使用して、第1特別報知において報知する回数を決定するため、上限回数に達している状況であっても実際に増加処理が行われている印象を強めることができる。また、同じ情報群を利用して回数を決定する構成とすれば、それ専用に情報群を記憶しておく必要が生じず、記憶容量の削減にも貢献することができる。
特徴DE3.前記第1特別報知実行手段は、前記選択した回数が、前記未報知分の回数を超える場合、前記未報知分の回数を前記第1特別報知として報知可能であることを特徴とする特徴DE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、未報知分の範囲内で増加報知を行う、という第1特別報知のメリットを享受しつつも、回数選択に係る構成の簡素化乃至実際の増加処理に似せる効果を期待することができる。
特徴DE4.前記特定状況において、前記特定条件が成立した場合、当該未報知分の範囲を超えて、前記増加報知としての第2特別報知(疑似上乗せ報知)を前記所定の報知手段にて実行可能な第2特別報知実行手段(表示制御装置81による第1特別報知設定処理を実行する機能)と、
前記第2特別報知実行手段による前記第2特別報知が行われることにより、前記増加処理が行われることに基づく特典とは異なる特別特典を付与可能な付与手段(表示制御装置81による疑似上乗せ報知により設定値示唆を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴DE1乃至DE3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、未報知分の回数の範囲内となる増加報知としての第1特別報知を前提としつつ、未報知分の回数の範囲を超える増加報知としての第2特別報知が行われることにより増加処理とは異なる特別特典が付与されるため、増加報知と高有利状態の継続ゲーム数との不一致が仮に生じたとしても、それが遊技者にとって嬉しい事象につながるものとなり、実行回数と残回数との合計が上限に達した後の遊技性を高めることが可能となる。
特に、第2特別報知について、増加処理の未報知分が存在することを条件として実行するものとしていることから、未報知分がない場合、すなわち、実行回数と残回数との合計が上限回数に達していることを遊技者が把握してしまった後ではなく、それを把握する前に第2特別報知が行われる構成としている。このようにすることで、上記合計が上限回数に達するまでの増加処理を望んでいる遊技者に対し、第2特別報知はその期待感以上のものとなり、第2特別報知が行われた場合の嬉しさを増大化させることができる。つまり、既に上記合計が上限回数に達していることを遊技者が把握している状況においては、遊技者の関心は増加処理から特別特典の付与へ移っているものと考えられる。そうすると、このような状況で特別特典を付与しても、特別特典分以上の喜びを提供することは困難と考えられる。そこで、その特別特典とは異なるもの(増加処理)を望んでいる状況で、増加処理とともに特別特典とを付与することで、その特別特典分以上の喜びを提供することが可能となる。
特徴DE5.前記第2特別報知実行手段は、前記第2特別報知として、前記未報知分の回数に対し予め定められた特定回数(10回、56回、77回)を加えた前記増加報知を実行可能であることを特徴とする特徴DE4に記載の遊技機。
未報知分の回数とは、高有利状態の上限回数から、実行回数と残回数のうちの報知分の回数とを減算した回数となるところ、高有利状態の遊技が進行するごとに、すなわち実行回数が増加するごとに未報知分の回数は減少するし、後報知手段により未報知とされる割合によっても特別回数は変化する。そうすると、上記構成のように、未報知分の回数に対して特定回数を加算した回数の増加報知が行われることにより特別特典が付与される構成において、当該特別特典が付与されることとなる増加報知の回数は、遊技の進行状況によって変化することとなる。このようにすることで、特別特典の付与契機となる増加報知を一見して分かりにくくすることができ、当該遊技台を遊技しており遊技状況を把握している遊技者と、その遊技を横目で見る等している他者とで、特別特典が付与されることに対する気付き易さを異ならせることができる。つまり、特別特典が付与されることを、当該遊技台を遊技している遊技者が気付き易く、且つ他者が気付きにくいものとすることで、当該遊技台を遊技している遊技者の優位性を担保することができる。
特徴DE6.前記第2特別報知実行手段は、前記未報知分の回数に対して前記特定回数として第1特定回数(10回)を加えた前記増加報知を実行可能であり、且つ前記未報知分の回数に対して前記特定回数として前記第1特定回数と異なる第2特定回数(56回、77回)を加えた前記増加報知を実行可能であり、
前記第1特定回数を加えた前記増加報知が実行された場合と前記第2特定回数を加えた前記増加報知が実行された場合とで、前記付与手段により付与される前記特別特典の内容が異なっていることを特徴とする特徴DE5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴DE5の構成において、特別特典が付与されることとなる増加報知の回数がより多様化され、更に、どの特別特典が付与されるか、についても複雑化することから、当該遊技台を遊技している遊技者の優位性をより担保することができる。
特徴DE7.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)と、
前記特定状況において、前記特定条件が成立した場合、当該未報知分の範囲を超えて、前記増加報知としての第2特別報知(疑似上乗せ報知)を前記所定の報知手段にて実行可能な第2特別報知実行手段(表示制御装置81による第1特別報知設定処理を実行する機能)と、
前記第2特別報知実行手段による前記第2特別報知が行われることにより、前記増加処理が行われることに基づく特典とは異なる特別特典を付与可能な付与手段(表示制御装置81による疑似上乗せ報知により設定値示唆を行う機能)と、
を備え、
前記付与手段は、前記設定手段により設定されている設定値の情報を示唆する示唆報知を実行することで前記特別特典を付与可能であることを特徴とする特徴DE1乃至DE6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、未報知分の回数の範囲内となる増加報知としての第1特別報知を前提としつつ、未報知分の回数の範囲を超える増加報知としての第2特別報知が行われることにより増加処理とは異なる特別特典が付与されるため、増加報知と高有利状態の継続ゲーム数との不一致が仮に生じたとしても、それが遊技者にとって嬉しい事象につながるものとなり、実行回数と残回数との合計が上限に達した後の遊技性を高めることが可能となる。
特に、第2特別報知について、増加処理の未報知分が存在することを条件として実行するものとしていることから、未報知分がない場合、すなわち、実行回数と残回数との合計が上限回数に達していることを遊技者が把握してしまった後ではなく、それを把握する前に第2特別報知が行われる構成としている。このようにすることで、上記合計が上限回数に達するまでの増加処理を望んでいる遊技者に対し、第2特別報知はその期待感以上のものとなり、第2特別報知が行われた場合の嬉しさを増大化させることができる。つまり、既に上記合計が上限回数に達していることを遊技者が把握している状況においては、遊技者の関心は増加処理から特別特典の付与へ移っているものと考えられる。そうすると、このような状況で特別特典を付与しても、特別特典分以上の喜びを提供することは困難と考えられる。そこで、その特別特典とは異なるもの(増加処理)を望んでいる状況で、増加処理とともに特別特典とを付与することで、その特別特典分以上の喜びを提供することが可能となる。
上記構成においては、特に、特別特典として設定値の示唆情報が提示される構成としている。つまり、未報知分の範囲を超える第2特別報知が行われることにより、設定値の情報が提示されるため、遊技者としては、高有利状態が終了した後に遊技を続行するか否かの有力な判断材料とすることができる。
しかも、高有利状態が上限回数に達して終了する場合とは、多量の遊技媒体を獲得している状況と考えられ、仮に低設定を示す情報が提示されたとしても、多量の遊技媒体を獲得しているが故に、高設定であると判断される可能性が高いし、遊技を続行すると判断され易くなるものと考えられる。よって、例えば、上限回数に達しない場合に設定値の示唆を行う構成等と比較して、設定値の示唆を行いつつも、遊技続行の判断基準を続行側に緩くさせる効果も期待できる。
特徴DE8.前記特定条件の成立確率は、前記設定手段により設定される設定値に関わらず共通していることを特徴とする特徴DE7に記載の遊技機。
上記構成によれば、設定値に関わらず同じ成立確率にて成立する特定条件が成立した場合に、第2特別報知によって上限回数を超える報知が行われた場合に設定値の示唆が行われるようにすることで、高有利状態に関して設定値が関与する部分が少なくても、設定値の重要性を遊技者に知らしめるようにすることができ、遊技ホールに設置した複数の遊技台から遊技を行う遊技台を選択する楽しさを提供することができる。
特徴DE9.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む停止順序に関する順序報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な順序報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記順序報知手段による前記順序報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記通常遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記低有利状態は前記通常遊技状態であり、
前記高有利状態は前記特定遊技状態であることを特徴とする特徴DE1乃至DE8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成の遊技機は、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体の停止順序によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止順序に関する順序報知の有無によって有利度を異ならせる、といった高有利状態としての特定遊技状態が設けられている。このような構成の遊技機に対して、特徴DE1の第1特別報知に関する構成を適用すれば、特定有利状態の実行回数と残回数の合計が上限回数に達した後の遊技性を好適に向上させることができる。
特に、遊技状態の移行を伴う特別遊技状態、すなわち大当たり状態と比較して、上記の特定遊技状態は、順序対応結果当選時の報知の有無や報知の頻度、報知の態様等によって遊技者にとっての有利度が変化するものである。このような構成においては、遊技状態の移行のように遊技結果と一対一で対応付けられたものと比較して、継続条件の設定に自由度が高く、特定遊技状態の継続回数が厳密に定められていない遊技性、すなわち、特定遊技状態がいつまで継続するかを楽しませる遊技性を実現し易い。その一方で、このような遊技性について、上限回数を定めることで特徴DE1に記載した課題も生じ易いともいえる。その点、上記特徴DE1の構成をこのような遊技機に対して適用することで、特定遊技状態の継続性を楽しませつつ、その継続回数が上限回数に達することが確定した場合の遊技性を向上させることが可能となる。
<特徴EA群>
特徴EA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記特定遊技状態中において前記抽選手段による抽選結果に基づき行われる抽選であって、予め定められた特定抽選の結果に対応する特定報知を、特定報知手段(補助表示部65)にて報知可能な特定報知実行手段(例えば、表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知実行手段は、
前記設定手段により設定される設定値が第1設定値である場合、前記特定報知を、第1態様(上乗せ演出であれば、即乗せ演出の実行タイミング)にて実行可能な第1報知手段(表示制御装置81により上乗せ当選ゲームにて上乗せ報知演出を発生させる処理を実行する機能)と、
前記設定手段により設定される設定値が前記第1設定値とは異なる第2設定値である場合、前記特定報知を、前記第1態様とは異なる態様である第2態様(上乗せ演出であれば、後乗せ演出の実行タイミング)にて実行可能な第2報知手段(主制御装置101により上乗せ当選ゲームよりも後のゲームにて上乗せ報知演出を発生させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
ここで、遊技媒体の増減率や増減態様は設定手段により設定される設定値によって管理される構成においては、各設定値によって抽選手段による抽選の確率を異ならせることが一般的である。その一方、上記のような遊技性を創出するうえで、態様報知の有無や特定遊技状態への移行確率、継続性等にまで設定値による差を設けると、設定差のあるパラメータが多くなりすぎることにより、各パラメータの上ぶれ乃至下ぶれが重複する等して遊技媒体の増減率や増減態様の上ぶれ乃至下ぶれの幅も増大化し得る可能性もある。かといって、特定遊技状態中の遊技において、何ら設定値による差が設けられていない構成としてしまうと、かかる特定遊技状態中の楽しみが低下し得る。
そこで、上記構成においては、特定遊技状態中において実行される特定抽選の結果報知(特定報知)の態様を、設定値によって異ならせる構成としたことにより、設定値による出玉率に影響が及びにくい範囲内で設定値による遊技性の差を生じさせることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
なお、「第1態様」や「第2態様」を「第1タイミング」や「第2タイミング」表現してもよい。このように、タイミングの相違だけで上記構成を実現すれば、より簡素な構成にて上記の優れた効果を発揮することが可能となる。
特徴EA2.前記特定報知実行手段は、前記特定報知として、前記特定抽選に当選したことの第1特定報知(ゾーン中即乗せ演出においては上乗せ報知演出、ゾーン中後乗せ演出においては第1後乗せキャラクタBUP1や第2後乗せキャラクタBUP2の表示)と、前記特定抽選に当選した場合の内容に関する第2特定報知(ゾーン中即乗せ演出においては上乗せ演出におけるゲーム数の報知、ゾーン中後乗せ演出においては特化ゾーン終了時の上乗せゲーム数の報知)と、を実行可能であり、
前記第1報知手段は、前記第1特定報知を特定態様にて実行し、前記第2特定報知を前記第1態様にて実行するものであり、
前記第2報知手段は、前記第1特定報知を前記特定態様にて実行し、前記第2特定報知を前記第2態様にて実行するものであることを特徴とする特徴EA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知として、特定遊技状態に関する特定抽選が当選したことの第1特定報知と、当該特定抽選の当選内容に関する第2特定報知とが設けられているうえで、第1特定報知については設定値に関わらず共通の態様(特定態様)にて実行され、第2特定報知については設定値によって異なる態様にて実行される。そのため、特定抽選に当選したことに気づかずに遊技を終了してしまう事象等の発生しやすさが設定値によって異なることとならないようにしつつも、第2特定報知の実行態様によって設定値の差を演出に反映する遊技性(設定値を予測・把握させる遊技性)を実現することができる。
特徴EA3.前記設定手段により前記第1設定値が設定されている場合、前記第2設定値が設定されている場合よりも遊技媒体の増加率が高くなる構成であり、
前記第1態様は前記第2態様よりも先のタイミングとして設定されていることを特徴とする特徴EA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の増加率が高くなる設定値ほど、第2特定報知の実行タイミングが早くなる。遊技者は増加率が高くなる設定値が設定されていることを望み、またそのような設定値が設定されている遊技台を優先して選択するものであることを前提とすると、特定抽選の当選内容としての第2特定報知は早く実行されるほうが好ましい。このように、第2特定報知の実行タイミングを利用して設定値を予測・把握させることができる。
ここで、このような設定値を予測・把握させる遊技性において、予測・把握した設定値が遊技者にとって好ましくないものであった場合(上記例では第2設定値である場合)、遊技者の遊技への意欲は急激に低下してしまう可能性がある。その点、上記構成においては、第2特定報知によって遊技者にとって好ましくない第2設定値であることが予測・把握されたとしても、それよりも前に第1特定報知によって特定抽選に当選したことの報知が行われているのであるから、その第1特定報知によって遊技者を若干でも喜ばせたうえでの第2特定報知となり、遊技への意欲の低下を緩和することができる。
特徴EA4.前記特定抽選は前記抽選手段による抽選結果が特定結果(特定役)となったことに基づいて実行されるものであり、
前記特定結果として、少なくとも第1特定結果(スイカ)と第2特定結果(チェリー)とが設けられており、
前記特定報知が前記第1報知手段により行われる場合と前記第2報知手段により行われる場合との比率を報知比率(即乗せ/後乗せ比率)とし、前記第1設定値である場合の前記報知比率と、前記第2設定値である場合の前記報知比率との差である報知比率差が、前記第1特定結果に基づく前記特定報知と前記第2特定結果に基づく前記特定報知とで異なっていることを特徴とする特徴EA1乃至EA3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が第1態様で行われる場合と第2態様で行われる場合との報知比率に関し、第1設定値である場合の報知比率と第2設定値である場合の報知比率との報知比率差が、第1特定結果の場合と第2特定結果の場合とで異なっている。例えば、第1特定結果に基づく特定報知の報知比率差が第2特定結果に基づく報知比率差よりも大きい場合、設定値を予測・把握する遊技においては、第1特定結果に基づく特定報知のほうが第2特定結果に基づく特定報知よりも、その予測・把握材料として有力な根拠となり得る。このように、特定結果の種類によって、その予測・把握のし易さを異ならせる構成とすることで、特定報知の契機となる特定結果についても関心を高め、各ゲームの抽選結果に対する注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴EA5.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果となる確率よりも、前記第2特定結果となる確率のほうが高くなるように設定されており、
前記第1特定結果に基づく前記特定報知の前記報知比率差が、前記第2特定結果に基づく前記特定報知の前記報知比率差よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴EA4に記載の遊技機。
報知比率差が大きいほど設定値の予測・把握材料として有力な根拠となり得る、という前提に立てば、当選確率の低い第1特定結果のほうが、第2特定結果よりも報知比率差が大きい構成とすれば、第1特定結果による特定報知のほうが設定値を予測・把握するうえで有力な根拠となり得る。そのため、当選確率の低い第1特定結果当選となったメリットを、第1特定結果に基づく特定抽選や特定抽選の当選時による恩恵といったメリット以外にも創出することが可能となる。よって、第1特定結果当選となることへの注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、特定抽選による恩恵を、特定遊技状態中の継続性に関する恩恵とする等、出玉率に関与する恩恵とする場合、上記のような報知によるメリットを提供する構成とすることで、出玉率とは異なる観点でのメリットを提供することが可能となり、出玉率の高騰等を招かないようにしながら第1特定結果となることへのメリットを高めることができる。
特徴EA6.前記特定遊技状態中の遊技状態として、第1特定遊技状態(チェリー契機の特化ゾーン)と第2特定遊技状態(チェリー以外の特定役契機の特化ゾーン)とが設定されており、
前記第1特定遊技状態においては、前記第1特定結果に基づく前記特定報知の前記報知比率差が、前記第2特定結果に基づく前記特定報知の前記報知比率差よりも大きくなるように設定されており、
前記第2特定遊技状態においては、前記第1特定結果に基づく前記特定報知の前記報知比率差が、前記第2特定結果に基づく前記特定報知の前記報知比率差よりも小さくなるように設定されていることを特徴とする特徴EA4又は特徴EA5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とで、第1特定結果と第2特定結果とに基づく報知比率差が逆転する。つまり、第1特定遊技状態においては特徴EA5の効果を奏し、第2特定遊技状態においては当選確率の高い第2特定結果当選となった場合に設定値の予測・把握が行い易くなる。そのため、第2特定遊技状態は、第1特定遊技状態よりも設定値の予測・把握が行い易い状態となる。このようにすることで、いずれの特定遊技状態となるかという観点でも設定値の予測・把握を行う遊技を楽しませることができ、遊技の多様化を通じ、興趣向上が図られる。
特徴EA7.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果となる確率よりも、前記第2特定結果となる確率のほうが高くなるように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させる手段を備えていることを特徴とする特徴EA6に記載の遊技機。
上記構成によれば、当選確率の低い第1特定結果となると、設定値の予測・把握を行い易い第2特定遊技状態へ移行する場合がある。このようにすることで、第1特定結果当選に基づくメリットを、当該当選に基づく特定報知、という観点だけでなく、特定遊技状態の移行、という観点からも提供することが可能となり、第1特定結果の優位性をより向上させることが可能となる。
特徴EA8.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果となる確率、及び前記第2特定結果となる確率は、遊技状態に関わらず共通していることを特徴とする特徴EA4乃至EA7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選手段による抽選確率を変化させることなく、第1特定結果や第2特定結果を利用した遊技性を実現することができる。よって、例えば、抽選テーブルの変更等の必要がないし、小役当選確率が通常遊技状態と異なる大当たり状態等といった限られた状態でのみ適用可能な構成と比較して、上記遊技性を実現するうえでの自由度が大幅に向上する。
特徴EA9.前記第1報知手段は、前記第1態様として、前記特定報知を前記特定抽選が行われたゲームにおいて実行し、
前記第2報知手段は、前記第2態様として、前記特定報知を前記特定抽選が行われたゲームよりも後のゲームにおいて実行することを特徴とする特徴EA1乃至EA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知手段による特定報知と第2報知手段による特定報知との態様の相違が、異なるゲームにおける態様の相違となる。このようにすることで、特定抽選の結果がそのゲームで報知されるか、それともそれよりも後のゲームにて報知されるか、といった違いとなり、かかる報知態様が相違することによる遊技性を長期間にわたって楽しませることが可能となる。
特徴EA10.前記特定遊技状態の残回数を把握する手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記特定遊技状態において前記残回数に基づいて、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定抽選は、前記残回数を増加させる増加処理に関する抽選であることを特徴とする特徴EA1乃至EA9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選は特定遊技状態の残回数を増加させる増加処理に関する抽選、すなわち上乗せ抽選となる。特定遊技状態において態様報知が行われることにより遊技者にとって有利となる遊技性からすると、特定遊技状態が長く継続したほうが有利となり、かかる残回数の増加は遊技者にとって好ましい事象といえる。特に、特定遊技状態へ移行した後は、特定遊技状態が長く継続することを望みながら遊技が行われるはずであるから、増加処理に関する特定抽選は遊技者が大きな関心を寄せる抽選といえる。そのうえで、残回数の増加処理に関する特定報知の実行態様を設定値によって異ならせる構成とすることで、その実行態様の差に関しても遊技者に大きな関心を寄せさせることが可能となり、増加処理の当選確率等について実際には設定差を設けなくとも、設定値と増加処理とを関連付けながら楽しませることが可能となる。
特徴EA11.前記特定報知実行手段は、前記特定報知として、前記増加処理が行われることの第1特定報知(ゾーン中即乗せ演出においては上乗せ報知演出、ゾーン中後乗せ演出においては第1後乗せキャラクタBUP1や第2後乗せキャラクタBUP2の表示)と、前記増加処理が行われる場合の前記残回数の増加数に関する第2特定報知(ゾーン中即乗せ演出においては上乗せ演出におけるゲーム数の報知、ゾーン中後乗せ演出においては特化ゾーン終了時の上乗せゲーム数の報知)と、を実行可能であり、
前記第1報知手段は、前記第1特定報知を特定態様にて実行し、前記第2特定報知を前記第1態様にて実行するものであり、
前記第2報知手段は、前記第1特定報知を前記特定態様にて実行し、前記第2特定報知を前記第2態様にて実行するものであることを特徴とする特徴EA10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態においてゲーム数の上乗せ(増加処理)に当選したことの第1特定報知と、上乗せゲーム数に関する第2特定報知とが設けられている構成を前提とし、第1特定報知については設定値に関わらず共通の態様(特定態様)にて実行され、第2特定報知については設定値によって異なる態様にて実行される。そのため、第1特定報知によって上乗せが行われることを通じて遊技者を喜ばせたうえで、肝心の上乗せゲーム数に関する第2特定報知を設定差のある態様で行う構成となり、第2特定報知は、その報知への関心が予め高められた状況で行われることとなる。つまり、今か今かと待ち構えている遊技者に対し、その報知態様の差は大きな印象を与えるものと考えられ、第2特定報知の報知態様について設定差を設けたメリットをより好適に発揮させることが可能となる。
特徴EA12.前記第1報知手段は、前記特定態様として前記第1特定報知を前記特定抽選が行われたゲームにて実行し、前記第1態様として前記第2特定報知を前記特定抽選が行われたゲームにて実行し、
前記第2報知手段は、前記特定態様として前記第1特定報知を前記特定抽選が行われたゲームにて実行し、前記第2態様として前記特定抽選が行われたゲームよりも後のゲームにて実行することを特徴とする特徴EA10又は特徴EA11に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知手段による上乗せ報知(特定報知)が行われる場合には、特定抽選が行われたゲームにおいて上乗せ当選したことの報知(第1特定報知)と上乗せゲーム数の報知(第2特定報知)が行われ、所謂即乗せ報知となる。一方、第2報知手段による上乗せ報知(特定報知)が行われる場合には、特定抽選が行われたゲームにおいて上乗せ当選したことの報知(第1特定報知)が行われ、その後のゲームにおいて上乗せゲーム数の報知(第2特定報知)が行われ、所謂後乗せ報知となる。このように、上乗せ報知における即乗せ報知と後乗せ報知とを設定値によって異ならせる構成とすることで、上乗せ当選率や当選時の上乗せゲーム数に関して設定値による差を生じさせなくても、ゲーム数の上乗せに対して設定値を関与させることが可能となる。
特徴EA13.前記特定遊技状態にて実行された実行回数を把握する手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記特定遊技状態において前記実行回数が予め定められた上限回数に達したことに基づいて、前記残回数の有無に関わらず、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知が前記第1報知手段により行われる場合と前記第2報知手段により行われる場合との比率を報知比率とし、前記第1設定値である場合の前記報知比率と、前記第2設定値である場合の前記報知比率との差である報知比率差が、前記実行回数に応じて異なることを特徴とする特徴EA10乃至EA12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態に上限回数が設定されていることを前提とし、特定報知が第1態様で行われる場合と第2態様で行われる場合との報知比率に関し、第1設定値である場合の報知比率と第2設定値である場合の報知比率との報知比率差が、特定遊技状態の実行回数によって異なり、設定値の予測・把握の難易度が変化する。例えば、上限回数までまだまだゲーム数の余裕がある状況であれば、遊技者は多くのゲーム数を上乗せして欲しいと考えるであろうし、上限回数までの残りゲーム数が少ない状況であれば、ゲーム数の上乗せが発生しても遊技者としてはさほど嬉しさを感じず、むしろ上限を超える上乗せが発生した場合に損をしたと考えるであろうと思われる。その点、上記構成のようにすることで、上限回数までの残りゲーム数との関係で設定値の予測・把握の難易度を異ならせることで、上乗せ発生時の嬉しさをかかる予測・把握のし易さという観点で補填等することが可能となる。
特徴EA14.前記残回数に対応する回数表示を所定の表示手段にて表示可能な回数表示手段(表示制御装置81による表示用残数カウンタHGに対応する表示を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知が前記第1報知手段により行われるか、前記第2報知手段により行われるかが、前記回数表示により表示される回数に応じて異なることを特徴とする特徴EA10乃至EA13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、上乗せ報知としての特定報知が第1態様で行われるか、それとも第2態様で行われるかが、特定遊技状態の残回数に対応する回数表示との関係で異なる。特定抽選として上乗せ当選した場合、例えば、回数表示が少ない状況では、上乗せによりかかる回数表示が多くなることで遊技者は安堵感を得られるであろうし、逆に回数表示が多い状況では、遊技者によっては、回数表示が直ぐに多くなることよりも潜在的な残回数が回数表示よりも多いという優越感を得たほうが好ましい、と感じることもある。そこで、上記構成のように、かかる回数表示より表示される回数に応じて、上乗せ報知の態様が異なるようにすることで、上記のような上乗せされることによる感情の相違を利用した演出とすることが可能となる。よって、遊技者を惹きつける効果的な演出を実現できる。
特徴EA15.判定契機が生じたことに基づいて遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果であったことに基づいて、遊技者に当該付与対応結果に対応する特典を付与可能とする特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記付与判定手段による判定結果に基づく遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による判定結果に基づいて実行される判定であって、前記設定手段により設定される設定値に関わらず当選確率が共通する特定判定を実行する特定判定手段(主制御装置101による第1特定役処理~第2特定役処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による判定結果に対応する特定報知を、予め定められた特定報知手段(補助表示部65)にて実行可能な特定報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、
前記設定手段により設定される設定値が第1設定値である場合、前記特定報知を、第1態様(上乗せ演出であれば、即乗せ演出の実行タイミング)にて実行可能な第1報知手段(表示制御装置81により上乗せ当選ゲームにて上乗せ報知演出を発生させる処理を実行する機能)と、
前記設定手段により設定される設定値が前記第1設定値とは異なる第2設定値である場合、前記特定報知を、前記第1態様とは異なる態様である第2態様(上乗せ演出であれば、後乗せ演出の実行タイミング)にて実行可能な第2報知手段(主制御装置101により上乗せ当選ゲームよりも後のゲームにて上乗せ報知演出を発生させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、付与判定手段による判定結果に基づく遊技媒体の増減率や増減態様に変化を生じさせる設定値が設定される構成において、かかる設定値は特定判定手段による当選確率に影響を及ぼさないものの、特定判定手段による判定結果に対応する結果報知としての特定報知の実行態様に影響を及ぼし、第1設定値である場合と第2設定値である場合とでその実行態様が異なる。このようにすることで、付与判定手段による判定結果に基づいて実行される特定判定に関し、その当選確率については設定値による差を設けなくても、設定値と特定判定とを関連付けることが可能となる。
ここで、遊技媒体の増加を望む遊技者は、より良い設定値が設定されている遊技台を探し出して遊技を行うものと考えられ、設定手段により設定される設定値を示唆等する示唆演出を設けることで、遊技をより興趣あふれるものとすることが可能といえる。その一方、示唆演出について設定値によりその発生確率が異なるような構成としてしまうと、設定されている設定値によっては示唆演出自体が発生しない又は発生しにくい構成となり、せっかく用意した示唆演出が有効に利用されない事態も生じ得るし、例えば、出現したら所定の設定値である旨が確定する等の示唆演出を設けるには、その所定の設定値用の示唆演出を別途用意する必要もある。その点、上記構成においては、示唆演出としての機能を有する特定報知に関し、その契機となる特定判定の当選確率自体は設定値による差が生じないようにしているため、特定報知の発生率も全設定値で共通なものとすることができるし、特定報知の実行態様を異ならせるだけであるため、各設定値で別々の特定報知を用意する必要も生じない。よって、示唆演出をより簡素且つ効果的に実施することができ、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
なお、「第1態様」や「第2態様」を「第1タイミング」や「第2タイミング」表現してもよい。このように、タイミングの相違だけで上記構成を実現すれば、より簡素な構成にて上記の優れた効果を発揮することが可能となる。
なお、特徴EA15に対し、上記特徴EA1乃至EA14の各構成を個別に適用してもよいし、各構成を組み合わせて適用してもよい。この場合、上記特徴EA15における「付与判定手段」を「抽選手段」と読み替える等、適宜、構成間の用語の整合をとったうえで適用するとよい。
<特徴EB群>
特徴EB1.予め定められた判定条件が成立したことに基づいて、遊技者にとって有利な特定事象を実行する否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101による第1特定役処理~第3特定役処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による判定結果が前記特定事象の実行に対応する結果であったことに基づいて、前記特定事象を実行する事象実行手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理等を実行する機能)と、
前記特定事象が実行されたこと又は前記特定事象が実行されることに対応する特定報知を特定報知手段(補助表示部65)にて実行可能な特定報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)と、
前記特定事象の回数を把握する回数把握手段(表示制御装置81によるスイカ用後乗せカウンタやスイカ用即乗せカウンタを管理する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、
前記特定報知を、第1タイミングにて実行可能な第1報知実行手段(表示制御装置81においてゾーン中即乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記特定報知を、前記第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて実行可能な第2報知実行手段(表示制御装置81においてゾーン中後乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記回数把握手段により把握される回数に応じて、前記第1報知実行手段及び前記第2報知実行手段を含む複数の報知実行手段から前記特定報知を実行する報知実行手段を選択する選択手段(表示制御装置81においてテーブルカウンタATKに応じた上乗せ報知タイミングテーブルを選択する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定判定にて当選して遊技者にとって有利な特定事象が生じる場合、その特定事象に対応する特定報知に基づいて、遊技者は当該特定事象を把握することができる。例えば、特定事象が大当たりとすると、特定報知は大当たり報知であり、遊技者はその大当たり報知によって大当たりを存分に楽しみ、優越感に浸ることも可能である。
ここで、遊技者にとって有利な特定事象が発生する場合、各発生回でその特定事象の有利度は変化しなくても、特定事象が発生した場合の遊技者の感情は、各発生回で微妙な変化が生じるものと考えられる。詳しくは、初回の発生回においては、当該特定事象の発生を大いに喜ぶであろうと考えられる一方、その後、回数を経るごとに発生に対する「慣れ」が生じ、初回の発生回ほどの喜びは感じられなくなってしまうものと考えられる。
そこで、上記構成においては、各発生回でその特定事象の発生に対する特定報知の実行タイミングを異ならせる構成としたことにより、各発生回の遊技者の微妙な変化に応じた特定報知を実現することが可能となり、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴EB2.前記選択手段は、前記回数把握手段により把握される回数が少ないほど、前記第1報知実行手段により前記特定報知が行われるように選択し易いことを特徴とする特徴EB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとって有利な特定事象の発生回数が少ないほど、その報知が早く行われる。有利な特定事象が発生するか否かを心待ちにしている遊技者としては、その報知が早く行われるほうが好ましいと考えられるし、既に有利な特定事象が何回か発生した後は、その有利な特定事象が予想もしないタイミングで報知されるほうが期待していなかった分だけ喜びを感じ得るものと考えられる。そこで、上記構成のようにすることで、各発生回で変化し得る遊技者の感情に応じた特定報知を、好適に実現することが可能となる。
特徴EB3.前記回数把握手段は、前記特定事象の回数のうち、前記第1報知実行手段により前記特定報知が実行されることとなった前記特定事象の回数である第1特定事象回数、又は前記第2報知実行手段により前記特定報知が実行されることとなった前記特定事象の回数である第2特定事象回数の、いずれか一方を把握する特定回数把握手段(例えば、表示制御装置81においてスイカ用即乗せカウンタを管理する処理を実行する機能)を備え、
前記選択手段は、前記特定回数把握手段により把握された前記第1特定事象回数又は前記第2特定事象回数に応じて、前記第1報知実行手段及び前記第2報知実行手段を含む複数の報知実行手段から前記特定報知を実行する報知実行手段を選択することを特徴とする特徴EB1又は特徴EB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、単なる特定事象の実行回数ではなく、第1タイミング(又は第2タイミング)にて特定報知が実行された回数によって、次の特定報知の実行タイミングが選択される。この場合、例えば、第1タイミングにて多数実行されていれば、次は第2タイミングが選択され易いようにしたり、次も第1タイミングが選択され易いようにしたりするなど、それまでに実行された特定報知のタイミングを考慮して、新たな特定報知の実行タイミングを決定することが可能となり、特定報知の実行タイミングによって遊技者に与える印象の微妙な違いをうまく調整することができる。
特徴EB4.前記特定回数把握手段により把握される側の報知実行手段による前記特定報知とは異なる報知実行手段により前記特定報知が実行されたことに基づいて、前記特定回数把握手段により把握される前記第1特定事象回数又は前記第2特定事象回数を初期化することが可能な手段(表示制御装置81によるステップS10806の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴EB3に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、特定回数把握手段が第1特定事象回数を把握している場合、第1報知実行手段により特定報知が実行されると第1特定事象回数は1加算される一方、第2報知実行手段により特定報知が実行されると上記第1特定事象回数は初期化(リセット)される。つまり、特定回数把握手段により把握される回数は、第1報知実行手段により特定報知が実行された連続回数、又は第2報知実行手段により特定報知が実行された連続回数、となる。これにより、例えば、第1タイミングでの特定報知が連続していれば、更に第1タイミングでの特定報知が行われ易くなるようにする等、把握回数に応じて特定報知の実行タイミングを決定するうえで、それまでの連続数に応じた決定を行うことができる。
特徴EB5.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記選択手段は、前記回数把握手段により把握される回数と、前記設定手段により設定される設定値とから、前記特定報知を実行する報知実行手段の選択を行うことが可能であることを特徴とする特徴EB1乃至EB4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の増減率や増減態様に変化を生じさせる設定値によっても、特定報知の実行タイミングが変化する。例えば、設定値が良い設定値であることに起因して遊技媒体を多量に獲得している状況と、設定値が悪い設定値であることに起因して遊技媒体を獲得できていない状況と、で、有利な特定事象が発生した場合を比較すると、前者よりも後者のほうが、その発生に対する遊技者の喜びは大きいと考えられる。そこで、上記構成のようにすることで、有利な特定事象と設定値の良し悪しとに基づいた、遊技者の感情の微妙な変化に応じた特定報知を実現することが可能となる。
特徴EB6.前記選択手段は、
前記回数把握手段により把握される回数が第1回数であって、且つ前記設定手段により設定される設定値が第1設定値である場合、第1確率にて所定の報知実行手段を選択し、前記回数把握手段により把握される回数が前記第1回数であって、且つ前記設定手段により設定される設定値が前記第1設定値とは異なる第2設定値である場合、前記第1確率とは異なる第2確率にて前記所定の報知実行手段を選択し、
前記回数把握手段により把握される回数が前記第1回数よりも多い第2回数であって、且つ前記設定手段により設定される設定値が前記第1設定値である場合、第3確率にて前記所定の報知実行手段を選択し、前記回数把握手段により把握される回数が前記第2回数であって、且つ前記設定手段により設定される設定値が前記第2設定値である場合、前記第3確率とは異なる第4確率にて前記所定の報知実行手段を選択するものであり、
前記第1確率と前記第2確率の確率差よりも、前記第3確率と前記第4確率の確率差のほうが大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴EB5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象の回数と設定値とによる報知実行手段の選択に際し、回数が多くなるほど設定値の影響が大きくなり、逆に回数が少なくなるほど設定値の影響が小さくなる。このようにすることで、例えば、特定報知の実行タイミングによって設定値の示唆を行う構成の場合、特定事象の実行回数が多くなるほど、設定値の絞り込みがし易くなる。言い換えると、特定事象の実行回数が少ない状況で設定値が絞り込まれてしまうことを抑制し、徐々に設定値の絞り込みを行う遊技の楽しさを抹殺しないようにすることができる。
なお、「所定の報知実行手段」についてより詳しくは、「第1報知実行手段」又は「第2報知実行手段」である。
特徴EB7.前記第1回数が1回である場合、前記第1確率と前記第2確率とが同じ確率であることを特徴とする特徴EB6に記載の遊技機。
上記構成によれば、初回の特定事象の実行時には、特定報知の実行タイミングについて設定値による差が生じない。このようにすることで、初回から設定値の判別がついてしまう事象を回避することができ、設定値を予測する遊技性を好適に実現することができる。
特徴EB8.前記回数把握手段により把握される回数に応じて、前記第1報知実行手段及び前記第2報知実行手段を含む複数の報知実行手段から前記特定報知を実行する報知実行手段の情報が記憶された報知実行手段情報群(上乗せ報知タイミングテーブル)がそれぞれ設定されており、
前記選択手段は、前記回数把握手段により把握される回数に応じて、利用する前記報知実行手段情報群を切り替えて前記特定報知を実行させる報知実行手段を選択することを特徴とする特徴EB1乃至EB7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象の実行回数に応じて報知実行手段情報群(テーブル)を切り替えるだけで、選択手段により選択される報知実行手段を異ならせることができる。よって、比較的簡素な構成にて、特徴EB1の効果を奏することが可能となる。
特徴EB9.遊技状態として、通常遊技状態(通常区間)と、前記通常遊技状態より遊技者にとって有利な特定遊技状態(有利区間)と、が少なくとも設定されており、
前記特定事象は、前記特定遊技状態の残回数を増加させることが可能な事象であることを特徴とする特徴EB1乃至EB8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象は、そもそも遊技状態が有利な特定遊技状態中に実行されるものであり、その特定事象が発生すると、特定遊技状態の残回数が増加する。つまり、特定事象は特定遊技状態の上乗せである。このような上乗せが発生する場合の特定報知(上乗せ報知)の実行タイミングを、上乗せの発生回数に応じて異ならせる構成とすることで、例えば、上乗せの発生回数が少なくて残回数が少ない場合と、上乗せの発生回数が多くて残回数が多い場合とで、上乗せが発生した場合の遊技者の感情の微妙な違いを利用した上乗せ報知とすることが可能となる。
<特徴EC群>
特徴EC1.予め定められた判定条件が成立したことに基づいて、遊技者にとって有利な特定事象を実行するか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101による第1特定役処理~第3特定役処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による判定結果が前記特定事象の実行に対応する結果であったことに基づいて、前記特定事象を実行する事象実行手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理等を実行する機能)と、
前記特定事象が実行されたこと又は前記特定事象が実行されることに対応する特定報知を特定報知手段(補助表示部65)にて実行可能な特定報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)と、
前記特定報知実行手段により前記特定報知が実行されるタイミングに関する情報を記憶可能な特定記憶手段(表示制御装置81によるスイカ用後乗せカウンタやスイカ用即乗せカウンタを管理する処理を実行する機能)と、
前記特定報知実行手段により前記特定報知が実行されたタイミングよりも後のタイミングにおいて、前記特定記憶手段に記憶された情報に対応する特定情報を出力可能な特定出力手段(表示制御装置81によるスイカ用即乗せ/後乗せ比率やチェリー用即乗せ/後乗せ比率を表示するための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定判定にて当選して遊技者にとって有利な特定事象が生じる場合、その特定事象に対応する特定報知に基づいて、遊技者は当該特定事象を把握することができる。例えば、特定事象が大当たりとすると、特定報知は大当たり報知であり、遊技者はその大当たり報知によって大当たりを存分に楽しみ、優越感に浸ることも可能である。特定報知は様々なタイミングで行われ得るところ、上記構成においては特定報知が実行されたタイミングが記憶され、事後的にそのタイミングに関する特定情報の出力が行われる。ここで、例えば遊技のデータを事後的に集計する場合、大当たり等の特定事象については遊技ホールのデータ表示器等に表示される場合があるほか、このような遊技者にとって有利な事象は記憶に残り易く、後から容易に思い出すことが可能と考えられる。その一方で、遊技者にとって有利な特定事象が生じることの特定報知の実行タイミングについては、かかる特定報知が行われた時点で遊技者の欲求が満たされるであろうし、特定事象が生じることにより遊技者の高揚感は更に高まるであろうから、それよりも前に実行された特定報知に関しては、高揚感の高まりとともに記憶から薄れていき易いものと考えられる。つまり、特定報知に関し、特に実行タイミングについては、遊技者の記憶に残りにくいものと考えられる。そこで、上記構成のように、このような記憶に残りにくい情報を遊技機側で記憶しておき、事後的に読み出し(出力)可能としておくことで、遊技者のデータ収集の手助けとすることが可能となる。
特徴EC2.前記特定事象として、遊技者にとっての有利度が異なる複数の特定事象(ゲーム数の異なる上乗せ)とが設定されており、
前記特定記憶手段は、前記特定事象として同じ有利度であっても、前記特定報知が実行されるタイミングが異なる場合、それぞれ別々の情報として記憶可能であることを特徴とする特徴EC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利度が同じ特定事象であっても特定報知の実行タイミングが異なれば、別々に集計可能となる。つまり、同じような大当たりであっても、その大当たりの報知タイミングが異なれば、それぞれ別々の情報として集計することができる。例えば、従来からある集計方法では、大当たりと小当たりとで別々に集計するものの、同じ大当たりであれば報知タイミングが異なっていても同じ情報として集計されることが一般的である。上記構成によれば、かかる従来技術との差をより明確にし、特徴EC1に示した報知タイミングの集計をより好適に実現することが可能となる。
特徴EC3.前記特定報知実行手段は、
前記特定報知を、第1タイミングにて実行可能な第1特定報知実行手段(表示制御装置81による即乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記特定報知を、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングにて実行可能な第2特定報知実行手段(表示制御装置81による後乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定出力手段は、前記第1特定報知実行手段により実行された前記特定報知と、前記第2特定報知実行手段により実行された前記特定報知との比率情報を前記特定情報として出力可能であることを特徴とする特徴EC1又は特徴EC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の実行タイミングに関する情報として、第1タイミングにて実行された割合と第2タイミングにて実行された割合との比率情報が出力される。このようにすることで、集計の容易化が図られるだけでなく、例えば、特定事象の実行回数が少ない場合には回数を出力しないで比率のみを出力するようにする等、遊技者にとって好ましくない情報が如実に表現されてしまうことを回避することも可能となる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記特定報知実行手段は、
前記特定報知を、第1タイミングにて実行可能な第1特定報知実行手段(表示制御装置81による即乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記特定報知を、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングにて実行可能な第2特定報知実行手段(表示制御装置81による後乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定出力手段は、前記第1特定報知実行手段により実行された前記特定報知と、前記第2特定報知実行手段により実行された前記特定報知との比率情報を前記特定情報として出力可能である一方、前記第1特定報知実行手段により実行された前記特定報知と、前記第2特定報知実行手段により実行された前記特定報知との回数情報は出力しない」構成。
特徴EC4.前記特定事象が実行されている状況又は前記特定事象に基づく遊技が行われている状況である特定状況(有利区間)において、前記出力手段により前記特定情報の出力が行われることを制限可能な制限手段(表示制御装置81によるステップS11206の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴EC1乃至EC3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象中や特定事象に基づく遊技が行われている特定状況においては、特定情報の出力が制限される。例えば、大当たり中は大当たり報知の実行タイミングについての情報が出力されない構成である。このようにすることで、特定状況中にデータ収集を行おうとするあまり、特定事象等を存分に楽しめなくなる、といった事象を生じさせないようにすることができる。また、このような構成を前提とすることにより、特定情報の出力がより後のタイミングとなり得るため、かかる特定情報を記憶しておく意義が高められる。
特徴EC5.前記特定報知実行手段は、所定の情報群(設定値の情報を含む上乗せ報知タイミングテーブル)を利用して、前記特定報知の実行タイミングを決定したうえで当該特定報知を実行するものであり、
前記所定の情報群に設定されている情報は、遊技者にとって有益な情報となり得るものであることを特徴とする特徴EC1乃至EC4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の情報群に設定されている情報を利用して特定報知の実行タイミングが決定されることろ、かかる実行タイミングを集計することで、所定の情報群に設定されている情報を予測・把握することが可能となる。所定の情報群に設定されている情報は遊技者にとって有益な情報となり得るものであることからして、実行タイミングの集計も遊技者にとって有益となり得る情報を収集するための行為といえる。よって、特定情報が出力されることの意義がより高められ、かかる特定情報の出力により遊技者のメリットを生じさせることが可能となる。
特徴EC6.前記特定記憶手段において、前記特定報知が実行されるタイミングに関する情報を記憶する特定領域は、複数の前記特定報知が実行されるタイミングに関する情報を記憶可能に構成され、
前記特定出力手段は、前記複数記憶されている情報の累計情報を前記特定情報として出力可能であることを特徴とする特徴EC1乃至EC5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が複数回実行された場合など、特定報知の実行タイミングに関する情報が複数存在する場合には、その累計情報が特定情報として出力される。そのため、遊技者は、当該特定情報に基づいてデータ解析をより容易に行うことが可能となる。
特徴EC7.前記判定条件として第1判定条件(チェリー)と第2判定条件(スイカ)とが設定されており、
前記特定情報記憶手段は、前記第1判定条件成立に基づく前記特定報知の実行タイミングに対応する情報と、前記第2判定条件成立に基づく前記特定報知の実行タイミングに対応する情報とを、それぞれ別々に記憶可能であることを特徴とする特徴EC1乃至EC6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、判定条件の種類毎に、特定報知の実行タイミングに対応する情報が記憶されるため、種類毎に得られる情報が異なる場合など、より有益なデータ解析を行うことが可能となる。
特徴EC8.遊技者が操作可能な操作部(演出スイッチ66)を有し、
前記操作部の操作に基づいて、前記特定記憶手段に記憶された情報を消去可能な手段(表示制御装置81によるステップS11203及びステップS11204の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴EC1乃至EC7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定記憶手段に記憶された情報を消去するか否かを、遊技者が自由に選択することができる。このようにすることで、自ら遊技した遊技データを後任者に引き継がせないようにすることもでき、特定情報を収集することの優位性を担保することができる。
特徴EC9.前記操作部の操作に基づいて、前記特定出力手段により前記特定情報の出力が行われる構成であり、
前記特定記憶手段は、前記操作部の操作の有無にかかわらず、前記特定報知が実行されるタイミングに関する情報を記憶可能であることを特徴とする特徴EC8に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作部の操作により、特定報知の実行タイミングに関する情報の消去や出力がなされる構成を前提とし、特定報知の実行タイミングに関する情報の記憶は、操作部の操作の有無にかかわらず行う構成となり、特定情報を収集することを遊技者による操作に委ねてその優位性を担保しつつも、操作忘れ等によって、特定情報の出力を行えない、といった不都合を回避することができる。
特徴EC10.遊技状態として、通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態と、が設定されており、
前記特定遊技状態の残回数に応じて当該特定遊技状態を終了する第1終了手段(主制御装置101において有利区間を通常終了する処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態の残回数に関わらず当該特定遊技状態を終了する第2終了手段(主制御装置101において有利区間を強制終了する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定出力手段は、前記特定遊技状態が前記第2終了手段により終了されることに基づいて前記特定情報を出力可能となることを特徴とする特徴EC1乃至EC9のいずれか1に記載の遊技機。
遊技者にとって有利な特定遊技状態は、実行可能な残回数に応じて終了する場合と、残回数に関わらず終了する場合とがある。前者は通常の終了態様であり、後者は例えば実行回数が上限回数に達した場合などの強制終了が相当する。このような構成においては、第2終了手段により強制終了されると、まだまだ特定遊技状態を堪能したい遊技者としては、得られる利益が搾取されたかのような印象を受けかねない。そこで、上記構成のように、特定情報をその代わりとして出力する構成とすることで、特定遊技状態が強制終了したことに対するフォローとすることができる。
<特徴ED群>
特徴ED1.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間)とが設定されており、
前記高有利状態にて実行された実行回数を把握する第1把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記高有利状態の残回数を把握する第2把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記高有利状態において前記第2把握手段により把握される前記残回数に基づいて、当該高有利状態を前記低有利状態へ移行させる第1終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記高有利状態において前記第1把握手段にて把握される前記実行回数が予め定められた上限回数に達したことに基づいて、前記第2把握手段により把握される前記残回数の有無に関わらず、当該高有利状態を前記低有利状態へ移行させる第2終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残回数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理が行われたことの増加報知(上乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な増加報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記増加報知実行手段は、前記増加報知を行う場合、前記実行回数に応じて、前記設定手段により設定されている設定値の情報を示唆する特定報知を実行可能な特定報知実行手段(表示制御装置81によるゾーン中後乗せ演出とゾーン中即乗せ演出とを実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがあり、高有利状態は、当該高有利状態の残回数に基づいて終了する場合と、上限回数に達したことに基づいて終了する場合とがあるため、高有利状態の有利度が極端に高められることが抑制されている。このような構成において、特定条件が成立すると高有利状態の残回数が増加されるといった所謂上乗せ機能を有しており、当該特定条件が成立することへの期待感が高められている。
その一方で、特定条件が成立して残回数が増加されても、例えば実行回数が上限回数間近のような状況のように、残回数を増加すると上限回数に達してしまう場合等、十分な増加が見込めない状況もあり、上限回数が設定された高有利状態においては、その状況によって残回数の増加に対する期待感が大きく異なる。
そこで、上記構成においては、増加処理が行われることに対応する増加報知を行ううえで、実行回数に応じて設定値の示唆を実行可能としたことにより、仮に残回数の増加が見込めずに特定条件成立のメリットを十分に享受できない状況であっても、そのメリットを設定値の示唆によってフォローすることが可能となる。よって、高有利状態を存分に楽しませることができ、興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴ED2.前記特定報知実行手段は、前記第1把握手段により把握される前記実行回数が前記上限回数に近くなるほど、前記特定報知において前記設定手段により設定されている設定値の情報が把握し易くなるように示唆可能であることを特徴とする特徴ED1に記載の遊技機。
上記構成によれば、実行回数が多くなって上限回数に近くなり、増加処理が行われてもそのメリットを十分に享受できなくなるほど、特定報知によって設定値が把握し易くなる。これにより、増加処理にて享受できない分のメリットを、設定値の示唆により補填することが可能となる。
特徴ED3.前記特定報知実行手段は、
前記第1把握手段により把握される実行回数が第1回数であって、且つ前記設定手段により設定される設定値が第1設定値である場合、第1確率にて前記特定報知の実行態様を特定態様となるようにして前記設定値の情報の示唆を行い、前記第1把握手段により把握される実行回数が前記第1回数であって、且つ前記設定手段により設定される設定値が前記第1設定値とは異なる第2設定値である場合、前記第1確率とは異なる第2確率にて前記特定報知の実行態様を前記特定態様となるように前記設定値の情報の示唆を行い、
前記第1把握手段により把握される実行回数が前記第1回数よりも多い第2回数であって、且つ前記設定手段により設定される設定値が前記第1設定値である場合、第3確率にて前記特定報知の実行態様を前記特定態様となるように前記設定値の情報の示唆を行い、前記第1把握手段により把握される実行回数が前記第2回数であって、且つ前記設定手段により設定される設定値が前記第2設定値である場合、前記第3確率とは異なる第4確率にて前記特定報知の実行態様を前記特定態様となるように前記設定値の情報の示唆を行うものであり、
前記第1確率と前記第2確率の確率差よりも、前記第3確率と前記第4確率の確率差のほうが大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴ED2に記載の遊技機。
上記構成によれば、実行回数が多くなって上限回数に近くなり、増加処理が行われてもそのメリットを十分に享受できなくなるほど、特定報知の実行態様が特定態様となって設定値の示唆が行われる確率における設定値の差が大きくなる。これにより、特徴ED2の効果を具体的構成により奏することができる。
特徴ED4.前記特定報知実行手段は、前記特定報知として、前記増加報知の実行タイミングにより前記設定値の情報の示唆を行うことが可能であることを特徴とする特徴ED1乃至ED3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加報知の実行タイミングの相違を利用した設定値の示唆であれば、複数段階設定される設定値用にそれぞれ異なる態様の演出を用意する等の必要がない。これにより、演出構成の複雑化を招くことなく、簡素な構成にて特定報知を実現することができる。
特徴ED5.前記特定報知実行手段は、前記設定手段により設定される設定値が第1設定値である場合、前記増加報知を第1のタイミングにて実行し、前記設定手段により設定される設定値が前記第1設定値とは異なる第2設定値である場合、前記増加報知を前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングにて実行することで、前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴ED4に記載の遊技機。
上記構成によれば、より具体化された構成により特徴ED4の効果をそうすることができる。
特徴ED6.前記第2のタイミングは、前記第1のタイミングよりも後のゲームであることを特徴とする特徴ED5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1のタイミングと第2のタイミングとが異なるゲームとなる。この場合、第1のタイミングにて特定報知が実行される場合の残回数と、第2のタイミングにて特定報知が実行された場合の残回数とは異なることとなる。例えば、特定報知が残回数の少ない状況で報知される場合と、残回数の多い場合で報知される場合とでは、残回数が増加されることに対する嬉しさは前者のほうが大きいものと考えられる。つまり、増加報知によって残回数の増加処理が行われた場合に遊技者が受ける印象は大きく異なることとなる。このような遊技者の受ける印象の違いを利用して、設定値の示唆を行う構成とすることで、例えば、遊技者が増加報知を嬉しいと感じるようなタイミングで低設定の示唆を行うことで、低設定であることに対する悲しさを和らげることができるし、その逆として、増加報知をさほど嬉しくないと感じるようなタイミングで高設定の示唆を行うことで、増加報知の嬉しさを補うことができる。
特徴ED7.前記特定報知実行手段は、
前記設定手段により設定される設定値が第1設定値である場合、前記増加報知を第1のゲームにて実行し、前記設定手段により設定される設定値が前記第1設定値よりも遊技者にとって有利となる第2設定値である場合、前記増加報知を前記第1のゲームよりも後のゲームである第2のゲームにて実行する構成であり、
前記設定手段により設定される設定値が同じ設定値においては、
前記把握手段により把握される前記実行回数が第1実行回数である場合、前記第1のゲームよりも前記第2のゲームが選択される特定選択率が第1選択率となり、
前記把握手段により把握される前記実行回数が前記第1実行回数よりも多い第2実行回数である場合、前記特定選択率が前記第1選択率よりも高い第2選択率とすることで、前記特定報知を実行可能であることを特徴ED4乃至ED6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、高設定ほど後のゲームにて増加報知が実行され易い構成としたうえで、同じ設定値で比較すると、特定遊技状態の実行回数が少ない序盤よりも、それよりも実行回数の多くなる終盤ほど、後のゲームにて増加報知が実行され易い構成としたことで、特定遊技状態の実行回数が少ない序盤においては、増加報知が第1ゲームにて実行されて低設定である旨の示唆が行われ易くなるものの、増加報知が行われることに対する嬉しさによって、低設定であることの悲しさを和らげることができる。また逆に、特定遊技状態の終盤において高設定である旨の示唆が行われ易くなるため、増加報知をさほど嬉しくないと感じるような状況であっても、高設定であることの示唆によってフォローすることが可能となる。
特徴ED8.前記増加報知は、
前記特定条件が成立したゲームにて前記増加報知を実行する第1手段(表示制御装置81において即乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記特定条件が成立したゲームよりも後のゲームにて前記増加報知を実行する第2手段(表示制御装置81において後乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記増加手段は、前記特定条件が成立したゲームにて前記増加処理を実行することを特徴とする特徴ED4乃至ED7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加処理自体は、特定条件が成立したゲームにて実行されることから、第2手段のように事後的なゲームにて増加報知が行われる構成としても、演出上の違いだけでよくなり、実行回数や上限回数等を管理しながら増加報知の実行タイミングの相違によって特定報知を行ううえでの構成の簡素化が図られる。
特徴ED9.所定の報知手段にて前記残回数に対応する回数報知を実行可能な回数報知手段(表示制御装置81による表示用残数カウンタHGを管理するための処理を実行する機能)を備え、
前記回数報知手段は、前記第2手段により前記特定条件が成立したゲームよりも後のゲームにて前記増加報知が実行される場合、前記特定条件が成立したゲームにて実行された増加処理の結果を反映することなく前記回数報知を行い、前記第2手段により前記増加報知が行われたことに基づいて当該増加報知についての前記増加処理の結果を前記回数報知に反映させることを特徴とする特徴ED8に記載の遊技機。
上記構成によれば、回数報知手段によって残回数をある程度把握させつつ、事後的に増加報知が行われる場合には、その回数報知には増加報知が発生するまで増加処理の結果が反映されない。これにより、増加報知を事後的なゲームにて行うことによる効果を奏しつつも、特徴ED8のような処理構成の簡素化を図ることによる効果を奏することが可能となる。
特徴ED10.前記特定報知実行手段は、前記回数報知手段により報知される前記回数報知についての情報に応じて、前記特定報知を行うことが可能であることを特徴とする特徴ED9に記載の遊技機。
上記構成によれば、表示上の回数報知についての情報も加味して、増加報知を行うことによる設定値の示唆(特定報知)が行われる。このようにすれば、例えば、実際には残回数が多く残っているものの、表示上の回数報知では少ない回数が表示されている場合などにおいても、増加報知を嬉しいと感じるであろうケースとして扱うことが可能となる。よって、特に特徴ED6のような構成を適用する場面が多くなり、特徴ED1の演出効果をより好適に発揮させることが可能となる。
<特徴FA群>
特徴FA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記通常遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態の残回数を把握する把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記特定遊技状態において前記把握手段により把握される前記残回数に基づいて、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残回数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理が行われたことの増加報知(上乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な増加報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記増加報知実行手段は、
前記増加報知を、第1態様にて実行可能な第1報知実行手段(表示制御装置81において即乗せ選択フラグに基づく上乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記増加報知を、前記第1態様とは異なる第2態様にて実行可能な第2報知実行手段(表示制御装置81において後乗せ選択フラグに基づく上乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1報知実行手段は、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されない特定ゲームにおいて、前記停止操作手段が第1特定の停止操作態様にて操作され、対応する周回体が停止することに基づいて、前記増加処理が行われた場合の前記増加報知を前記第1態様にて実行し、
前記第2報知実行手段は、前記特定ゲームにおいて、前記停止操作手段が前記第1特定の停止操作態様とは異なる第2特定の停止操作態様にて操作され、対応する周回体が停止することに基づいて、前記増加処理が行われた場合の前記増加報知を前記第2態様にて実行することを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、停止操作手段の停止操作態様によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止操作態様に関する態様報知の有無によって有利度を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。しかも、特定遊技状態において特定条件が成立すると、特定遊技状態の残回数が増加される場合があり、特定遊技状態を長く継続させることによって、多量の遊技媒体を獲得することが可能ともなり得るため、各ゲームの遊技性が格段に向上されている。
その一方で、特定遊技状態においては、遊技機側の態様報知に基づき遊技者が停止操作を行い対応する結果を入賞させる、といったように、遊技機からの一方的な遊技となり易く、遊技者が周回体の絵柄を狙って停止させて特典を得る、といったスロットマシン本来の遊技性から鑑みると、上記の遊技機主導の遊技は好ましくない。
そこで、上記構成においては、特定条件成立に基づく増加処理が行われた場合の増加報知の実行態様を、態様報知が行われない特定ゲームにて、停止操作手段による停止操作の態様によって遊技者に選択させる構成とした。このようにすることで、特定遊技状態において、遊技者を遊技に介入させることが可能となり、遊技機主導となり得る遊技性において、遊技者の参加を促すことが可能となる。
なお、「前記態様報知手段による前記態様報知が実行されない特定ゲーム」について、「前記抽選手段による抽選結果として特別結果(特定役、通常リプレイ)が設けられている」構成としたうえで、「前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様で操作されることで前記特別結果入賞が成立可能となり、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様ので操作されることで前記特別結果入賞が成立可能となる」構成とし、「前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である」ゲームを「特定ゲーム」としてもよい。
なお、「第1態様」や「第2態様」を「第1タイミング」や「第2タイミング」表現してもよい。このように、タイミングの相違だけで上記構成を実現すれば、より簡素な構成にて上記の優れた効果を発揮することが可能となる。
特徴FA2.前記抽選手段による抽選結果として、新たな遊技媒体を要することなく次ゲームを再遊技可能となる再遊技結果が設けられており、
前記特定遊技状態となると、前記抽選手段の抽選結果が所定の再遊技結果となる確率が前記通常遊技状態よりも高くなる再遊技状態に移行し得ることを特徴とする特徴FA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知が行われる特定遊技状態へ移行すると、所定の再遊技結果となる確率が高くなる所謂RT状態へ移行し得る。再遊技結果は、停止操作手段の停止操作態様に関わらず入賞が成立するものが一般的であるところ、上記RT状態においては、態様報知が行われてそれに従った停止操作態様にて特典を得る第1結果又は第2結果当選となるゲームの他、当選確率が高くなった所定の再遊技結果当選となるゲームが頻繁に発生することが考えられる。上記のように、再遊技結果は、停止操作態様に関わらず入賞が成立するものが一般的であることからして、これらのゲームは、遊技機側からの指示に従った停止操作が行われるゲームか、停止操作態様が入賞の有無に何ら関与しないゲームとなり、遊技者がその遊技に介入する余地が少なくなり得る。その点、特徴FA1に記載のように、態様報知が行われない特定ゲームの停止操作態様に基づいて、増加報知の実行態様が決定される構成としていることから、例えば、上記再遊技結果当選ゲームを特定ゲームとすることも可能となる。以上の結果、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
なお、上記構成は、「前記抽選手段による抽選結果が特定の再遊技結果当選である場合、各前記停止操作手段による停止操作態様に関わらず前記特定の再遊技結果入賞が成立する」ことを限定することで、上記効果をより明確に奏することが可能となる。
特徴FA3.前記抽選手段による抽選結果が特定結果であることに基づいて、前記特定条件が成立する構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様で操作されることで前記特定結果入賞が成立可能となり、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様で操作されることで前記特定結果入賞が成立可能となることを特徴とする特徴FA1又は特徴FA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加処理の実行契機となる特定結果当選ゲームにおいては、停止操作手段の停止操作態様にかかわらず特定結果入賞が成立する。つまり、態様報知手段による態様報知の実行対象とならないゲームが増加処理の契機となり、かかるゲームの停止操作態様によって増加処理が行われた場合の増加報知の実行態様が決定される。特定遊技状態において、増加処理が行われることを望みながら遊技を行っているものであることを前提とすると、このような態様報知が行われないゲームへの関心は他のゲーム(態様報知が行われるゲーム)と比較すると高いものと考えられる。そこで、上記構成のように、もともと関心の高いゲームにおいて増加報知の実行態様を決定させる構成とすることで、増加報知を自ら選択する遊技性を存分に楽しませることが可能となる。
特徴FA4.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であるゲームが前記特定ゲームとなることを特徴とする特徴FA3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果当選ゲームが特定ゲームとなる。つまり、増加処理が行われるゲームと増加処理が行われた場合の増加報知の実行態様を選択するゲームとが同じゲームとなる。増加報知が行われた場合の遊技者の喜びは、その実行態様だけでなく、遊技の進行状況(特定遊技状態の状況)によっても異なるものと考えられるところ、上記構成とすることで、増加報知の実行態様の選択を、刻一刻と変化する進行状況により近い状況で行わせることが可能となる。つまり、例えば、遊技開始時や特定遊技状態の開始時に特別報知の実行態様を選択させる構成も考えられるところ、このような構成においては、遊技の進行に伴って当初望んでいた実行態様とは異なる実行態様にて増加報知が行われる可能性もある。その点、上記構成によれば、より遊技者の好みに応じた増加報知を実現することが可能となる。
特徴FA5.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記有効位置に前記特定結果に対応する特定の絵柄組合せが停止することで前記特定結果入賞が成立する構成であり、
各前記周回体のうちの特定周回体において、前記特定の絵柄組合せを構成する特定絵柄は、対応する停止操作手段が第1停止態様にて停止操作された場合には前記有効位置に停止可能である一方、前記第1停止態様とは異なる第2停止態様にて停止操作された場合には前記有効位置に停止不可となるように、前記特定周回体に付されていることを特徴とする特徴FA4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果は所謂取りこぼしありの結果となることから、特定結果当選ゲームにおける停止操作態様にて増加報知の実行態様を選択させる遊技性において、かかる選択を行うための停止操作を、特定結果の取りこぼしを生じさせないようにしつつ行わせる構成となり、その操作の難易度が高くなって遊技性が向上する。
特徴FA6.前記第2態様は前記第1態様よりも後のタイミングであり、
前記第1特定の停止操作態様は、各前記停止操作手段のうちの第1停止操作手段を特定番目に停止操作する停止操作態様であり、
前記第2特定の停止操作態様は、各前記停止操作手段のうちの前記第1停止操作手段とは異なる第2停止操作手段を前記特定番目に停止操作する停止操作態様であり、
前記特定周回体に対応する停止操作手段は、前記第1停止操作手段であることを特徴とする特徴FA5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定番目に停止操作する停止操作手段をいずれにするかによって増加報知の実行態様を選択させる構成としたうえで、特定結果当選ゲームにおいて、取りこぼしのある周回体についての停止操作手段を特定番目に停止操作すると、第1の態様が選択されたこととなる。このようにすることで、取りこぼしが発生したとしても、比較的に早いタイミングで増加報知が行われるようになり、取りこぼしだったのか、それとも、そもそも特定結果に当選していなかったのか、といった複数の可能性による疑問や不安を、より早期に解決する構成とすることができる。
特徴FA7.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であるゲームよりも前のゲームが前記特定ゲームであることを特徴とする特徴FA3に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加処理の契機となる特定結果当選ゲームよりも前のゲームの停止操作態様によって、増加処理が行われた場合の増加報知の実行態様を選択させる構成となる。このようにすることで、選択させる操作と、特定結果入賞を成立させようとする操作とを別々のゲームにて行わせることが可能となり、各操作に集中させることができる。
特徴FA8.前記特定遊技状態へ移行したことに基づいて、当該特定遊技状態へ移行したことの移行報知(アタックモード開始演出)を所定の報知手段にて実行可能な手段(表示制御装置81によるアタックモード開始演出を実行する機能)を備え、
前記移行報知が行われるゲームよりも後のゲームが前記特定ゲームとなることを特徴とする特徴FA1乃至FA7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態中のゲームにおける一のゲームが特定ゲームであることが明確化され、特定遊技状態開始前や開始時に選択させる遊技性との差がより明確なものとなる。つまり、特定遊技状態が開始された後のゲームにおいて、態様報知が行われないゲームの楽しみを高める効果をより明確に奏することが可能となる。
特徴FA9.前記第2態様は、前記第1態様が含まれるゲームとは異なるゲームに含まれることを特徴とする特徴FA1乃至FA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定ゲームにおける停止操作態様によって、増加報知が行われるゲームが異なるゲームとなり得る。このような構成とすることで、遊技者による選択結果を複数のゲームに亘る演出に影響させることができ、選択の重要性や意義を高めることが可能となる。
特徴FA10.前記特定ゲームにおいて前記停止操作手段が前記第2特定の停止操作態様にて操作された場合、前記第2態様が含まれる対象ゲームよりも前のゲームが更に前記特定ゲームとされた場合、前記増加報知実行手段は、後側の前記特定ゲームにおける前記停止操作手段の停止操作態様に応じた態様にて前記増加報知を実行することを特徴とする特徴FA9に記載の遊技機。
特徴FA9のようにゲームを跨いで後のゲームにて増加報知が行われる構成においては、後のゲームを選択している状況で、更に特定ゲームとなる場面も考えられる。その点、上記構成では、後側の選択を優先する構成としたため、より選択時の状況を加味した態様にて増加報知を実行させることが可能となる。
特徴FA11.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記通常遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態の残回数を把握する把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記特定遊技状態において前記把握手段により把握される前記残回数に基づいて、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残回数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理が行われたことの増加報知(上乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な増加報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記増加報知実行手段は、
前記増加報知を、第1態様にて実行可能な第1報知実行手段(表示制御装置81において即乗せ選択フラグに基づく上乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記増加報知を、前記第1態様とは異なる第2態様にて実行可能な第2報知実行手段(表示制御装置81において後乗せ選択フラグに基づく上乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1報知実行手段は、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されない特定ゲームにおいて、前記停止操作手段が第1特定の停止操作態様にて操作されたことに基づいて、前記増加処理が行われた場合の前記増加報知を前記第1態様にて実行し、
前記第2報知実行手段は、前記特定ゲームにおいて、前記停止操作手段が前記第1特定の停止操作態様とは異なる第2特定の停止操作態様にて操作されたことに基づいて、前記増加処理が行われた場合の前記増加報知を前記第2態様にて実行することを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、停止操作手段の停止操作態様によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止操作態様に関する態様報知の有無によって有利度を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。しかも、特定遊技状態において特定条件が成立すると、特定遊技状態の残回数が増加される場合があり、特定遊技状態を長く継続させることによって、多量の遊技媒体を獲得することが可能ともなり得るため、各ゲームの遊技性が格段に向上されている。
その一方で、特定遊技状態においては、遊技機側の態様報知に基づき遊技者が停止操作を行い対応する結果を入賞させる、といったように、遊技機からの一方的な遊技となり易く、遊技者が周回体の絵柄を狙って停止させて特典を得る、といったスロットマシン本来の遊技性から鑑みると、上記の遊技機主導の遊技は好ましくない。
そこで、上記構成においては、特定条件成立に基づく増加処理が行われた場合の増加報知の実行態様を、態様報知が行われない特定ゲームにて、停止操作手段による停止操作の態様によって遊技者に選択させる構成とした。このようにすることで、特定遊技状態において、遊技者を遊技に介入させることが可能となり、遊技機主導となり得る遊技性において、遊技者の参加を促すことが可能となる。
なお、「前記態様報知手段による前記態様報知が実行されない特定ゲーム」について、「前記抽選手段による抽選結果として特別結果(特定役、通常リプレイ)が設けられている」構成としたうえで、「前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様で操作されることで前記特別結果入賞が成立可能となり、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様ので操作されることで前記特別結果入賞が成立可能となる」構成とし、「前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である」ゲームを「特定ゲーム」としてもよい。
また、「第1態様」や「第2態様」を「第1タイミング」や「第2タイミング」表現してもよい。このように、タイミングの相違だけで上記構成を実現すれば、より簡素な構成にて上記の優れた効果を発揮することが可能となる。
特徴FA12.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記通常遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態の残回数を把握する把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記特定遊技状態において前記把握手段により把握される前記残回数に基づいて、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残回数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理が行われたことの増加報知(上乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な増加報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記増加報知実行手段は、
前記増加報知を、第1態様にて実行可能な第1報知実行手段(表示制御装置81において即乗せ選択フラグに基づく上乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記増加報知を、前記第1態様とは異なる第2態様にて実行可能な第2報知実行手段(表示制御装置81において後乗せ選択フラグに基づく上乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1報知実行手段は、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されないゲームにおいて各前記周回体が周回中である特定状況において、前記停止操作手段が第1特定の停止操作態様にて操作されたことに基づいて、前記増加処理が行われた場合の前記増加報知を前記第1態様にて実行し、
前記第2報知実行手段は、前記特定状況において、前記停止操作手段が前記第1特定の停止操作態様とは異なる第2特定の停止操作態様にて操作されたことに基づいて、前記増加処理が行われた場合の前記増加報知を前記第2態様にて実行することを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、停止操作手段の停止操作態様によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止操作態様に関する態様報知の有無によって有利度を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。しかも、特定遊技状態において特定条件が成立すると、特定遊技状態の残回数が増加される場合があり、特定遊技状態を長く継続させることによって、多量の遊技媒体を獲得することが可能ともなり得るため、各ゲームの遊技性が格段に向上されている。
その一方で、特定遊技状態においては、遊技機側の態様報知に基づき遊技者が停止操作を行い対応する結果を入賞させる、といったように、遊技機からの一方的な遊技となり易く、遊技者が周回体の絵柄を狙って停止させて特典を得る、といったスロットマシン本来の遊技性から鑑みると、上記の遊技機主導の遊技は好ましくない。
そこで、上記構成においては、特定条件成立に基づく増加処理が行われた場合の増加報知の実行態様を、態様報知が行われない特定ゲームにて、停止操作手段による停止操作の態様によって遊技者に選択させる構成とした。このようにすることで、特定遊技状態において、遊技者を遊技に介入させることが可能となり、遊技機主導となり得る遊技性において、遊技者の参加を促すことが可能となる。
なお、「前記態様報知手段による前記態様報知が実行されないゲーム」について、「前記抽選手段による抽選結果として特別結果(特定役、通常リプレイ)が設けられている」構成としたうえで、「前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様で操作されることで前記特別結果入賞が成立可能となり、各前記停止操作手段が前記第2の停止操作態様ので操作されることで前記特別結果入賞が成立可能となる」構成とし、「前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である」ゲームを「前記態様報知手段による前記態様報知が実行されないゲーム」としてもよい。
また、「第1態様」や「第2態様」を「第1タイミング」や「第2タイミング」表現してもよい。このように、タイミングの相違だけで上記構成を実現すれば、より簡素な構成にて上記の優れた効果を発揮することが可能となる。
<特徴FB群>
特徴FB1.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間)とが設定されており、
前記高有利状態の残回数を把握する把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記高有利状態において前記把握手段により把握される前記残回数に基づいて、当該高有利状態を前記低有利状態へ移行させる移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残回数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理が行われたことの増加報知(上乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な増加報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記増加報知実行手段は、
遊技者による第1選択操作が行われたことに基づいて、所定の特定条件を契機とする前記増加報知を、第1タイミングにて実行可能な第1報知実行手段(表示制御装置81において即乗せ選択フラグに基づく上乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
遊技者による第2選択操作が行われたことに基づいて、前記所定の特定条件を契機とする前記増加報知を、第1タイミングよりも後の第2タイミングにて実行可能な第2報知実行手段(表示制御装置81において後乗せ選択フラグに基づく上乗せ演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記第2選択操作が行われた後であって、前記第2タイミングとなるまでの間の特定状況において、遊技者による第3選択操作が行われたことに基づいて、前記所定の特定条件を契機とする前記増加報知を、前記第2タイミングとは異なる第3タイミングにて実行されるようにする第3報知実行手段(表示制御装置81において修正用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがある構成において、特定条件が成立すると高有利状態の残回数が増加されるといった所謂上乗せ機能を有しており、残回数が増加される場合には上乗せ報知としての増加報知が行われることから、当該特定条件が成立することへの期待感が高められている。
しかも、本遊技機においては、増加報知の実行タイミングとして、第1タイミングとそれよりも後の第2タイミングのいずれにて実行させるかを遊技者が選択可能とされているため、増加報知に関し遊技者がカスタマイズする機能を有し、遊技者のニーズに応じた遊技機とすることが可能となっている。そのうえで、更に、第2タイミングでの増加報知が選択されている状況で、第2タイミングに至る前の特定状況において、遊技者の選択によって、第2タイミングとは異なる第3タイミングにおいて増加報知を発生させるように変更可能な機能も有している。このようにすることで、一旦は、第2タイミングを選択したものの、その後の遊技状況等により心変わりが発生した場合に、事後的に増加報知の実行タイミングを変更可能とし、多様なニーズに応じた遊技機が実現される。
特徴FB2.前記第2報知実行手段により前記第2タイミングにて実行するとした前記所定の特定条件を契機とする前記増加処理の結果を、予め定められた記憶領域に記憶可能な記憶手段(表示制御装置81による個別エリア)を備え、
前記第3報知実行手段は、
前記記憶手段に記憶された前記所定の特定条件を契機とする前記増加処理の結果を取得する手段(表示制御装置81によるステップS12806の処理を実行する機能)と、
前記取得した前記増加処理の結果に対応する前記増加報知を前記第3タイミングにて実行する手段(表示制御装置81によるステップS12807の処理を実行する機能)と、
前記取得した前記増加処理の結果を前記記憶手段から消去する手段(表示制御装置81によるステップS12809の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴FB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2タイミングにて実行するはずであった増加報知の内容が、重複や欠落が生じないようにしながら、第3タイミングにて実行するように変更することができる。このようにすることで、遊技者が不利益を被ってしまったり、演出上の不一致が発生したりする不都合を回避しつつ、特徴FB1の遊技性を実現することが可能となる。
特徴FB3.前記記憶手段は、複数の前記増加処理の結果を個別に記憶可能であり、
前記第3報知実行手段は、遊技者による前記第3選択操作に基づいて、前記個別に記憶されている前記増加処理の結果に対する前記増加報知を、それぞれ別々に前記第3タイミングにて実行可能であることを特徴FB1又は特徴FB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2タイミングにて実行するはずであった増加報知に対応する情報が複数存在する場合、それぞれを個別に第3タイミングにて実行するように変更することが可能となる。このようにすることで、より遊技者のニーズに応じた演出を実現することができる。
特徴FB4.前記記憶手段は、第1特定契機に基づいて前記増加処理が行われたものであって、前記第2タイミングにて実行すると選択された前記増加処理の結果に対応する情報と、前記第1特定契機とは異なる第2特定契機に基づいて前記増加処理が行われたものであって、前記第2タイミングにて実行すると選択された前記増加処理の結果に対応する情報と、をそれぞれ別々に記憶可能であり、
遊技者による前記第3選択操作に基づいて、前記第1特定契機に基づいて前記増加処理が行われたものであって、前記第2タイミングにて実行すると選択された前記増加処理の結果に対応する情報を、前記第3タイミングにて実行可能であり、且つ前記第2特定契機に基づいて前記増加処理が行われたものであって、前記第2タイミングにて実行すると選択された前記増加処理の結果に対応する情報を、前記第2タイミングにて実行可能であることを特徴とする特徴FB3に記載の遊技機。
上記構成は、特徴FB3の具体的構成である。
なお、「第2特定契機」について「前記第1特定契機とは異なる」とは、「特定条件」が成立した場合の契機の種類が異なることだけでなく、契機の種類は同じであっても「特定条件」が成立したタイミング(ゲーム)が異なることも含むものである。
特徴FB5.前記記憶手段は、第1特定契機に基づいて前記増加処理が行われたものであって、前記第2タイミングにて実行すると選択された前記増加処理の結果に対応する情報と、前記第1特定契機よりも先に生じた第2特定契機に基づいて前記増加処理が行われたものであって、前記第2タイミングにて実行すると選択された前記増加処理の結果に対応する情報と、をそれぞれ別々に記憶可能であり、
遊技者による前記第3選択操作に基づいて、前記第1特定契機に基づいて前記増加処理が行われたものであって、前記第2タイミングにて実行すると選択された前記増加処理の結果に対応する情報を、前記第3タイミングにて実行可能であり、且つ前記第2特定契機に基づいて前記増加処理が行われたものであって、前記第2タイミングにて実行すると選択された前記増加処理の結果に対応する情報を、前記第2タイミングにて実行可能であることを特徴とする特徴FB3又は特徴FB4に記載の遊技機。
上記構成によれば、先に生じた第2特定契機についての増加報知を第2タイミングのままとしつつ、後に生じた第1特定契機についての増加報知を第2タイミングよりも先の第3タイミングにて実行することが可能となる。つまり、増加処理の結果をそれぞれ個別に記憶可能な構成を利用して、増加処理が行われた順序とは異なる順序にて、増加報知を行わせることが可能となる。
特徴FB6.所定の表示画面(補助表示部65)を有する表示制御手段(表示制御装置81)と、
前記特定状況において、前記記憶手段に前記個別に記憶されている前記増加処理の結果に対する情報に対応する対応情報を、前記所定の表示画面にてそれぞれ表示可能な手段(表示制御装置81によるステップS12804の処理を実行する機能)と、
遊技者による第3選択操作に基づいて、前記表示されている対応情報の一の情報を選択可能とする手段(表示制御装置81によるステップS12805及びステップS12806の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第3報知実行手段は、前記選択された対応情報についての前記増加報知を前記第3タイミングにて実行するものであることを特徴とする特徴FB2乃至FB5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、所定の表示画面に表示された対応情報のうちから一の対応情報を選択することで、第3タイミングにて増加報知を実行させることが可能となる。このように、表示画面にて表示しながら選択させることにより、直感的にわかりやすく、遊技に慣れていない遊技者に対しても、容易に選択操作を行わせることが可能となる。よって、ユーザーフレンドリーに富んだ遊技機とすることができる。
特徴FB7.前記第1タイミングが存在するゲームと、前記第2タイミングが存在するゲームとは異なるゲームであることを特徴とする特徴FB1乃至FB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、第1選択操作と第2選択操作とによって、増加報知が異なるゲームにて行われることを前提とする遊技機に、上記特徴FB1の構成を適用すれば、第1タイミングと第2タイミングとが、より時間的に離れたタイミングとなり、第2タイミングが選択されており、且つそれよりも前の特定状況が生じやすくなるばかりか、かかる特定状況において、第3選択操作をさせる猶予時間を確保することが可能となる。
特徴FB8.前記第1タイミングは前記特定条件が成立した第1ゲームに存在し、
前記第2タイミングは当該第1ゲームよりも後の第2ゲームに存在し、
前記第3タイミングは、前記第2ゲームよりも前の第3ゲームにおいて存在し、
前記第3報知実行手段は、前記第3選択操作が行われた場合、前記第3ゲームにおいて前記増加報知を実行することを特徴とする特徴FB7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1選択操作が行われると、特定条件が成立したゲームにて増加報知が発生し、第2選択操作が行われると、特定条件が成立したゲームよりも後のゲームにおいて増加報知が発生する。このような構成を前提とし、第3選択操作が行われると、当該選択操作が行われたゲームにおいて増加報知が発生する。このようにすることで、第3選択操作が行われた場合に増加報知が直ぐに実行されるため、遊技者にとって理解し易いものとすることが可能となるだけでなく、第3選択操作が行われた場合に新たに情報を記憶し直す必要が生じないため、構成の簡素化も図ることができる。
<特徴GA群>
特徴GA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を実行可能な払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態(アタックモード等を含む有利区間)とを設け、
前記第1特定遊技状態に含まれる状態として、当該第1特定遊技状態における他の状態(例えば、チャレンジモード)よりも遊技者にとって有利となり易い第2特定遊技状態(例えば、アタックモード)が設定されており、
通常遊技状態において、前記第1特定遊技状態へ移行させるか否かの第1移行抽選を実行する第1移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理においてチャレンジモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による抽選結果が前記第1特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記第1特定遊技状態へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてチャレンジモードへ移行させる処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理におけるアタックモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記第2移行抽選手段による抽選結果が前記第2特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてアタックモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態において、当該第2特定遊技状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残数を把握する第1把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記第1特定遊技状態の実行回数及び前記第1特定遊技状態にて増減した遊技媒体の増減数の少なくとも一方を把握する第2把握手段(有利区間ゲーム数AG、有利区間増減枚数ZM)と、
前記第1把握手段により把握される残数に基づいて、前記第2特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第1終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記第2把握手段にて把握される前記実行回数が予め定められた上限回数に達したこと及び前記増減数が上限増加数に達したことの少なくとも一方に基づいて、前記第1把握手段により把握される前記残数に関わらず、前記第2特定遊技状態を含む前記第1特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第2終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第2特定遊技状態の増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記第2把握手段により把握される前記実行回数と、前記第1把握手段により把握される前記残数との合計が前記上限回数に達している、又は前記第2把握手段により把握される増減数と、前記第1把握手段により把握される前記残数に基づく予定増減数との合計が前記上限増加数に達している特定状況において前記特定条件が成立したことに基づいて、又は前記特定条件成立に基づく前記増加処理を行うことにより前記特定状況となることに基づいて、前記増加処理に基づく事象とは異なる事象であって、遊技者に有益となり得る特定事象を生じさせることが可能な特定事象実行手段(主制御装置101による第1超過フラグ又は第2超過フラグがセットされている状況で特別報知用の各処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば払出手段により遊技媒体の払出が行われ得るといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い第1特定遊技状態が設けられており、その第1特定遊技状態に含まれる状態として更に有利な第2特定遊技状態が設けられているため、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態を目指す、といったように段階に有利となる状態移行を前提とした遊技性が実現され、興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
これら第1特定遊技状態や第2特定遊技状態は、第2特定遊技状態の終了条件までの残数に基づいて第2特定遊技状態が終了する場合の他、第1特定遊技状態の実行回数が上限回数に達したり、遊技媒体の増減数が上限増加数に達した場合には、第2特定遊技状態の残数に関わらず第1特定遊技状態を終了する場合を設定しているため、第1特定遊技状態や第2特定遊技状態が延々と継続することにより、設計者の予想を凌駕する遊技媒体の増加が生じたり、遊技者がなかなか遊技を終了できないといった不都合が回避されている。
ところが、上記のように第1特定遊技状態の上限回数や上限増加数を規定すると、第2特定遊技状態の増加処理といった所謂上乗せが発生した場合に、現状の実行回数と残数の合計が上限回数を超過したり、現状の増減数と残数に基づく予定増減数との合計が上限増加数を超過したりすると、それ以上の増加は見込めないこととなるため、上記増加処理の発生への期待感が極端に低下してしまうし、当該増加処理が行われることがかえって損をしたと捉えられるなど、遊技への関心が大いに削がれる結果となりかねない。
そこで、上記構成においては、上記の上限回数や上限増加数を超過している特定状況や増加処理を行うことによって特定状況となる場合には、増加処理(上乗せ)とは異なる事象であって遊技者に有益となり得る特定事象が生じるようにしている。このようにすることで、当該特定事象を、上乗せが行われない又は上乗せが行われても無意味であることに対する代わりとすることができ、上記特定状況であっても各ゲームの面白味を増加させることが可能となる。
しかも、上記構成では、第2特定遊技状態は第1特定遊技状態に含まれる状態であって、第1特定遊技状態が終了すると、それと同時に第2特定遊技状態も終了するし、逆に、第2特定遊技状態が終了すると第1特定遊技状態も終了するようにしている。例えば、第2特定遊技状態を終了しても第1特定遊技状態が終了されないような構成においては、第1特定遊技状態の上限回数や上限増加数が規定されていると、第1特定遊技状態が継続したままで第2特定遊技状態が終了してから第2特定遊技状態へ移行した際、当該第1特定遊技状態の上限回数や上限増加数までの回数や増加数が少ない、といった事象が生じ易くなる。これに対して、上記構成のように、第2特定遊技状態の終了に際して第1特定遊技状態も終了するようにしておけば、第1特定遊技状態において第2特定遊技状態へ移行する際は、それまでの第1特定遊技状態において第2特定遊技状態にて消化された分は存在しないようになり、上記のような上限回数や上限増加数までの回数や増加数が少ないといった事象は生じにくくなる。よって、これら上限回数や上限増加数が規定された第1特定遊技状態と、それに含まれる第2特定遊技状態との遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
なお、「前記特定遊技状態にて増減した遊技媒体の増減数」とは、より詳しくは、「前記特定遊技状態にて前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記特定遊技状態にて使用した遊技媒体の使用数と、の差分である増減数」である。
また、「第1特定遊技状態」や「第2特定遊技状態」に関し、「前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)」を備えるようにしたうえで、「第1特定遊技状態」を、「前記態様報知に関する事象が前記通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態」とし、「第2特定遊技状態」を「前記態様報知に関する事象が前記第1特定遊技状態における他の状態よりも遊技者にとって有利となり易い第2特定遊技状態」と表現してもよい。なお、この点は、他の構成(他の特徴群を含む)においても適用可能である。
特徴GA2.前記第2終了手段は、前記実行回数が前記上限回数に達した場合、前記増減数が前記上限増加数に達していなくても前記第1特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させ、前記増減数が前記上限増加数に達した場合、前記実行回数が前記上限回数に達していなくても前記第1特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させることを特徴とする特徴GA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、実行回数が上限回数に達するか、増減数が上限増加数に達することで第1特定遊技状態が第2終了手段によって強制的に終了されて通常遊技状態へと移行する。このように、いずれか一方の強制終了条件(上限)が成立すれば他方の状況にかかわらず終了するようにすることで、強制終了条件を複数種類設けている意義がより高められる。つまり、両終了条件の成立を待って第2終了手段によって強制終了される構成とした方が、強制終了される場合の条件がより重厚化されて、誤って強制終了される事象が回避されるといった効果が期待できるが、上記構成のように、いずれか一方の強制終了条件が成立することで強制終了される構成とすれば、いずれの強制終了条件によって強制終了されるかによって遊技者の利益に差が生じ得ることとなり、このような複数の強制終了条件を利用して遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴GA3.前記実行回数が前記上限回数に達するよりも前に前記増減数が前記上限増加数に達し得る構成であることを特徴とする特徴GA1又は特徴GA2に記載の遊技機。
遊技結果に応じて遊技媒体の払出を受け、遊技媒体の増加を目指すといった遊技の前提に立てば、上限増加数に達することで第2終了手段によって第1特定遊技状態が終了されることは、むしろその遊技の目指す目標を達成したともいえる。これに対して、上限増加数に達することなく実行回数が上限回数に達して第1特定遊技状態が終了されると、当該目標が未達成のまま終了することとなる。上記構成は、このような上限回数と上限増加数との違いに基づき上限増加数の優位性を担保するための構成であり、上記構成のように、実行回数が上限回数に達していなくても上限増加数に達し得る構成とすることで、言い換えると、実行回数が上限回数に達しても上限増加数に達し得ないような構成としないことで、遊技の目指すところを明確なものとし、遊技者の遊技意欲を削がないような上限設定を行うことが可能となる。
特徴GA4.前記第2特定遊技状態中の1ゲーム当たりで期待できる期待増減数の平均値と前記上限回数とを乗算した結果が、前記上限増加数よりも多いことを特徴とする特徴GA1乃至GA3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、期待増減数の平均値として所謂純増枚数と上限回数とを乗算した結果が上限増加数よりも多いことを規定するものであり、このような構成を有することにより、例えば特徴GA3のように上限回数に達するよりも前に上限増加数となることが、たまたまの事象ではなく、普通に(平均的に)起こり得る事象となる。つまり、上限増加数を超えることを目指し易くなり、上限回数によって強制的に終了されるよりも前に上限増加数に達しさせる、といった遊技の目標が明確なものとなる。
そのうえで、上記構成では、第1特定遊技状態を全て第2特定遊技状態にて遊技した場合において、上限回数に達するよりも前に上限増加数となるようにしているため、第1特定遊技状態において第2特定遊技状態ではない状態が含まれる場合には、その実行回数だけ、上限回数に達するゲームと上限増加数に達するゲームとの差が縮まったり逆転したりし得るものとなる。つまり、第2特定遊技状態ではない状態の実行回数が多いと、上限増加数に達するよりも前に上限回数に達し得る。このようにすることで、如何に第1特定遊技状態において第2特定遊技状態へ移行させるか、といった遊技の目指すところがより明確となり、遊技の面白みをわかり易く引き出すことが可能となる。
特徴GA5.前記特定事象実行手段は、
前記第2把握手段により把握される前記実行回数と、前記第1把握手段により把握される前記残数との合計が前記上限回数に達している第1特定状況において前記特定条件が成立したことに基づいて、又は前記特定条件成立に基づく前記増加処理を行うことにより前記第1特定状況となることに基づいて、前記増加処理に基づく事象とは異なる事象であって、遊技者に有益となり得る第1特定事象を生じさせることが可能な第1実行手段(主制御装置101による第1超過フラグがセットされていることに基づく各種特別報知を行うための処理を実行する機能)と、
前記第2把握手段により把握される前記増減数と、前記第1把握手段による前記残数に基づいて把握される当該残数に対応する予定増減数との合計が前記上限増加数に達している第2特定状況において前記特定条件が成立したことに基づいて、又は前記特定条件成立に基づく前記増加処理を行うことにより前記第2特定状況となることに基づいて、前記増加処理に基づく事象とは異なる事象であって、遊技者に有益となり得る第2特定事象を生じさせることが可能な第2実行手段(主制御装置101による第2超過フラグがセットされていることに基づく各種特別報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴GA1乃至GA4のいずれか1に記載の遊技機。
上限回数と上限増加数といった複数の終了条件が設定されている構成においては、上限回数を超過する第1特定状況と、上限増加数を超過する第2特定状況とが想定されるところ、第1特定状況と第2特定状況とでは、遊技者が得られなくなる利益に差が生じ得る。そこで、上記構成のようにこれらを別々に管理するとともに、いずれの特定状況かによって生じさせる特定事象を異ならせることで、これらの特定状況による利益の損失に応じた特定事象を設定することが可能となる等、遊技者の補填を特定事象によってより好適に行うことが可能となる。
特徴GA6.前記第1特定事象と前記第2特定事象とで、遊技者にとっての有利度若しくは遊技者にとって有益となり得る程度が異なり得る構成、又は前記第1実行手段により前記第1特定事象を生じさせるか否かの第1抽選において当該第1抽選に当選する確率と、前記第2実行手段により前記第2特定事象を生じさせるか否かの第2抽選において当該第2抽選に当選する確率とが異なり得る構成、の少なくとも一方であることを特徴とする特徴GA5に記載の遊技機。
第2特定遊技状態の回数の超過分が消失することと、増減数(増加数)の超過分が消失することとを比較すると、両者が遊技者に与え得る喪失感の程度は異なり得る。上記構成は、このような遊技者の喪失感の程度を、各特定事象や特定事象の生じ易さによってフォローする構成であり、このようにすることで、遊技者の補填をより好適に行うことが可能となる。
特徴GA7.前記第1特定事象よりも前記第2特定事象の方が遊技者にとって有益となり得る事象である構成、又は前記第1実行手段により前記第1特定事象を生じさせるか否かの第1抽選において当該第1抽選に当選する確率よりも、前記第2実行手段により前記第2特定事象を生じさせるか否かの第2抽選において当該第2抽選に当選する確率の方が高い確率である構成、の少なくとも一方であることを特徴とする特徴GA6に記載の遊技機。
第2特定遊技状態の回数の超過分が消失することと、増減数(増加数)の超過分が消失することとを比較すると、増減数(増加数)の超過分が消失することの方が遊技者の利益に直結しており、遊技者に与え得る喪失感は後者(増加数の消失)の方が大きくなり得る。上記構成は、このような利益に直結するか否かやその利益損失による喪失感の程度を、各特定事象や特定事象の生じ易さによってフォローする構成であり、このようにすることで、遊技者の補填をより好適に行うことが可能となる。
特徴GA8.前記第1把握手段により把握される前記残数に基づいて前記予定増減数を算出する算出手段(主制御装置101による残払出数管理処理において、期待増減枚数KMに基づく予測処理を実行する機能)を備え、
前記算出手段は、前記残数と、前記第2特定遊技状態中の1ゲーム当たりで期待できる期待増減数の平均値とに基づいて、前記予定増減数を算出可能であることを特徴とする特徴GA6又は特徴GA7に記載の遊技機。
上記構成によれば、1ゲーム当たりの期待増減数と残回数とに基づいて、予定増減数の算出が行われる。このような構成であれば、第2特定遊技状態における期待増減数をあらかじめ記憶しておくだけでよく、比較的簡素な構成にて予定増減数の算出を行うことができる。
特徴GA9.前記第1把握手段により把握される前記残数に基づいて前記予定増減数を算出する算出手段(主制御装置101による第1調整処理や第2調整処理において、最大増減枚数MMに基づく予測処理を実行する機能)を備え、
前記算出手段は、前記残数と、前記第2特定遊技状態中の1ゲーム当たりで期待できる期待増減数の最大値とに基づいて、前記予定増減数を算出可能であることを特徴とする特徴GA5乃至GA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、1ゲーム当たりの期待増減数の最大値と残回数とに基づいて、予定増減数の算出が行われる。よって、第2特定遊技状態における期待増減数の最大値をあらかじめ記憶しておくだけでよく、比較的簡素な構成にて予定増減数の最大値の算出を行うことができる。
特に、上記構成では、期待増減数の最大値を用いることから、算出される予定増減数は最大値となり、実際の増減数がそれよりも上回る事象は生じない。このようにすることで、例えば、上回ることによって予定よりも早く第1特定遊技状態が終了してしまう等の不都合を生じないようにすることが可能となる。
なお、上記特徴GA9を特徴GA8に適用する場合、特徴GA8の「算出手段」を「第1算出手段」とし、特徴GA9の「算出手段」を「第2算出手段」として表現してもよいし、同じ「算出手段」がそれぞれ「平均値」及び「最大値」に基づく算出を可能な構成としてもよい。
特徴GA10.前記抽選手段による抽選結果として、前記払出手段による遊技媒体の払出対象となる結果となる確率が、それまでの状態とは異なり得る移行遊技状態への移行を許容する移行結果(第1BBや第2BB等)が設けされており、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果であり、前記有効位置に前記移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を前記移行遊技状態へ移行させる移行用手段(主制御装置101のボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果であり、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止するまで、当該移行結果を留保可能な留保手段(主制御装置101による第1BB当選フラグや第2BB当選フラグを対応するBB入賞までクリアしない機能)と、を備え、
前記移行遊技状態は、移行することにより少なくとも所定回数のゲームを実行可能となっており、
前記第1把握手段により把握される前記残数に基づいて前記予定増減数を算出する算出手段(主制御装置101による残枚数管理処理を実行する機能)を備え、
前記算出手段は、前記移行遊技状態中の遊技媒体の増減数と、前記残数から前記所定回数を除いた数及び前記第2特定遊技状態中の1ゲーム当たりで期待できる期待増減数の平均値又は最大値に基づいて、前記予定増減数を算出可能であることを特徴とする特徴GA5乃至GA9のいずれか1に記載の遊技機。
移行遊技状態への移行が生じると、遊技媒体の払出対象となる結果の当選確率が異なるため、遊技媒体の増減数も異なり得るところ、例えば、第2特定遊技状態中に期待できる遊技媒体の増減数を算出するのであれば、第2特定遊技状態中の各ゲームでの増減数に、移行遊技状態への移行率や移行遊技状態中の増減数を加算することで、当該所定ゲーム実行した際の増減数を算出可能である。ところが、第1特定遊技状態中のゲーム数が上限ゲーム数に至った場合に当該第1特定遊技状態が強制終了されることを前提とすると、移行遊技状態に移行することで、その分のゲーム数を第1特定遊技状態、特に第2特定遊技状態にて消化できないことにつながり、単に、移行遊技状態での増減数を第2特定遊技状態での増減数に加算するだけでは予測増減数の正確性に欠ける結果となり得る。そこで、上記構成では、移行遊技状態にて消化された分のゲーム数は第2特定遊技状態の消化ゲーム数から除く構成としたうえで、予定増減数の算出を行う構成としたことで、強制終了条件との関係で利用し易い増減数の算出を行うことが可能となる。
特徴GA11.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定事象実行手段は、前記特定事象として、前記設定手段により設定されている設定値の情報を示唆する示唆報知を行うことを特徴とする特徴GA1乃至GA10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象として設定値の示唆情報が提示されるため、遊技者は、第1特定遊技状態が上限回数や上限増加数に達して終了した後、遊技続行の判断材料とすることができる。すなわち、低設定を示す示唆報知であれば第1特定遊技状態終了後に遊技を終了すべきと判断可能であるし、高設定を示す示唆報知であれば第1特定遊技状態が終了した後も遊技を続行すべきと判断可能となり、遊技媒体の増加を望むとともに、遊技媒体が減少しないことを望む遊技者にとっては、かかる設定値の示唆報知は有益なものといえる。
特徴GA12.所定の前記特定条件は、前記設定手段により設定されている設定値に関わらず成立確率が共通していることを特徴とする特徴GA11に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加処理は設定値に関わらずその発生確率が共通している。つまり、上限回数や上限増加数に達している状況において、増加処理の契機となる特定条件は設定値に関わらず共通の発生確率で発生する一方、発生すると設定値の示唆報知が行われることとなる。このようにすることで、設定値の示唆報知が行われることを、運の要素が強く関与するものとすることができる。これにより、例えば、高設定ほど設定値の示唆報知のチャンスが発生し易いことによって低設定では実質的に示唆報知が発生しない、等といった不都合の発生を回避することができる。
しかも、上記のように特定条件の成立確率が設定値に関わらず共通していることからして、第1特定遊技状態が上限回数や上限増加数に達する可能性も設定値に関わらず同等なものとなり得る。つまり、設定値の示唆報知が行われ得る特定状況が生じる確率自体も、設定値に関わらず共通することとなり、設定値の示唆報知の発生率に関し、設定値が関与しない独立性をより高めることが可能となる。
特徴GA13.前記増加処理が行われる場合の前記特定条件は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果であることに基づいて成立し得るものであり、
前記特別結果の種類に応じて前記増加処理が行われる場合の前記特定条件の成立確率が異なるものであり、
前記増加処理が行われる場合の前記特定条件の成立確率が高くなる種類の前記特別結果ほど、前記特定事象が生じる場合の前記特定条件の成立確率が高くなり易いことを特徴とする特徴GA1乃至GA12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果となって増加処理が行われる場合の確率と、特別結果となって特定事象が生じる場合の確率とがリンクする。このようにすることで、特別結果となったことに基づいて増加処理が行われる代わりとして特定事象が生じることを、容易に理解させることができる。そのため、例えば、特定状況において、高い確率で増加処理が行われる特別結果当選となった場合には、特定事象が発生することへの期待感を事前に高めることが可能となり、遊技者の心の準備を行わせることを通じて、特定事象への注目度を高めることが可能となる。
特徴GA14.前記第2特定遊技状態として、第1所定状態(アタックモード)と当該第1所定状態とは異なる第2所定状態(特化ゾーン)を含む複数種類の所定状態が設定されており、
前記増加処理が行われる場合の前記特定条件は、前記抽選手段による抽選結果が同じ種類の前記特別結果であっても、前記第1所定状態と前記第2所定状態とでは成立確率が異なるものであり、
前記第2特定遊技状態において、前記増加処理が行われる場合の前記特定条件の成立確率が高くなる所定状態ほど、前記特定事象が生じる場合の前記特定条件の成立確率が高くなり易いことを特徴とする特徴GA13に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じ種類の特別結果でも第2特定遊技状態の種類(所定状態)によって増加処理が行われる確率が変化する構成において、特定事象が生じる場合の確率についても第2特定遊技状態の種類(所定状態)によって変化し、増加処理の場合とリンクする。このようにすることで、特別結果となったことに基づいて増加処理が行われる代わりとして特定事象が生じることを理解させ易くなることによる効果を、より高めることが可能となる。
特徴GA15.前記第2特定遊技状態として、最少継続ゲーム回数が定められた特別状態(VBモード、特化ゾーン)が設定されており、
前記第2特定遊技状態中において、予め定められた特別条件が成立したことに基づいて、当該第2特定遊技状態を前記特別状態へ移行させる特別移行手段(例えば、主制御装置101によるVB用報知フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記特定事象実行手段は、前記特定状況で前記特別条件が成立した場合、又は前記特別条件成立に基づいて前記特別状態へ移行することにより前記特定状況となる場合、前記特定事象を生じさせることが可能であることを特徴とする特徴GA1乃至GA14にいずれか1に記載の遊技機。
第2特定遊技状態中に特別状態に移行すると、最少継続ゲーム回数に亘って当該特別状態が継続することからして、特別状態への移行は、第2特定遊技状態のゲーム回数的には、当該最少継続ゲーム回数の増加処理が行われることと同等なものと捉えることができる。そうすると、特定状況において特別状態へ移行することや、特別状態へ移行することによって特定状況となることは、遊技者にとって無意味なものとなり得る。そこで、上記構成においては、このような特別状態に関しても、特定事象の対象とすることで、上記無意味なものと感じさせることを回避することが可能となる。
特徴GA16.前記増加処理が行われる場合の前記特定条件は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果であることに基づいて成立し得るものであり、
前記増加処理が行われる場合の前記特定条件は、前記抽選手段による抽選結果が同じ種類の前記特別結果であっても、前記特別状態の方が前記第2特定遊技状態中の他の状態よりも成立確率が高くなる構成であり、
前記特定事象が生じる場合の前記特定条件の成立確率も、前記特別状態の方が前記第2特定遊技状態中の他の状態よりも高くなる構成であり、
前記特定事象実行手段は、前記特定状況で前記特別条件が成立した場合、又は前記特別条件成立に基づいて前記特別状態へ移行することにより前記特定状況となる場合に前記特定事象を生じさせる場合、当該特別条件成立に基づく前記特別状態への移行を許容することを特徴とする特徴GA15に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態へ移行すると増加処理が行われ易くなる構成において、特定状況において特別状態へ移行する場合や、特別状態へ移行することで特定状況となる場合に特定事象を生じさせる際、特別状態へ移行すること自体は許容される。そのため、当該特別状態の移行時において特定事象を生じさせつつ、更に、特別状態中においても特定事象が生じることを許容する構成となる。このように、特別状態を増加処理が行われ易い状態とするとともに、特定事象が生じ易い状態とすることで、第2特定遊技状態中に特別状態へ移行することを、特定状況や当該特定状況が近づいてきた状況であっても楽しみにさせることが可能となる。
特徴GA17.前記特定状況で前記特定条件が成立した場合、又は前記特定条件成立に基づいて前記増加処理が行われることにより前記特定状況となる場合、当該特定条件成立に基づいて前記増加処理が行われた場合に増加される残数に対応する増加情報を、増加情報記憶手段(総消滅ゲーム数TEG)に記憶させる記憶手段(主制御装置101による総消滅ゲーム数TEGに上乗せゲーム数を加算する処理を実行する機能)を備え、
前記特定事象実行手段は、前記増加情報記憶手段に記憶されている前記増加情報に基づいて前記特定事象を生じさせることが可能であることを特徴とする特徴GA1乃至GA16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況において特定条件が成立すると、増加処理が行われた場合の増加情報に基づいて特定事象が生じる場合がある。このようにすることで、例えば、増加情報が多いほど特定事象が生じ易くなる等、増加処理によって得られるはずであった特典に対する補償として特定事象を生じさせることが可能となる。
特徴GA18.前記増加情報記憶手段に記憶されている前記増加情報は、少なくとも前記特定条件が成立した前記第1特定遊技状態が前記通常遊技状態へ移行するまで記憶されるものであって、当該増加情報が記憶されている状況で、新たに、前記特定状況で前記特定条件が成立した場合、又は前記特定条件成立に基づいて前記増加処理が行われることにより前記特定状況となる場合、当該特定条件成立に基づいて前記増加処理が行われた場合に増加される残数に対応する増加情報を、記憶済みの前記増加情報に加算して更新可能であり、
前記特定事象実行手段は、前記第1特定遊技状態から前記通常遊技状態へ移行させる場合、前記増加情報記憶手段に記憶されている前記増加情報に基づいて前記特定事象を生じさせることが可能であることを特徴とする特徴GA17に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況において特定条件が複数回成立すると、増加処理が行われた場合の増加情報がそれぞれ積算され、トータルの増加情報に基づいて、第1特定遊技状態の終了時に特定事象が生じる。このようにすることで、特徴GA17の構成において、各特定条件成立に基づく増加情報が少なくても、複数回、特定条件を成立させれば特定事象を生じさせることが可能となり、特定事象への期待感を持続させることができる。
特に、第1特定遊技状態(第2特定遊技状態)となってから比較的早期に特定状況となると、当該第1特定遊技状態の実行回数が上限回数に至ったり増減数が上限増加数に至ったりするまでのゲーム、すなわち所謂消化ゲームとなり得るゲームが、長期に亘って実施されることとなる。その点、上記構成のように、複数回の増加処理の積算によって特定事象が生じ得る構成とすることで、当該消化ゲームとなり得るゲームが多いほど特定事象が生じ易くなり、消化ゲームと感じさせることを抑制することができる。
特徴GA19.前記特定事象実行手段は、前記特定条件が成立したことに基づいて、その都度、前記特定事象を生じさせることが可能であり、且つ前記第2終了手段により当該第1特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させることに基づいて、前記増加情報記憶手段に記憶されている前記増加情報に基づいて前記特定事象を生じさせることが可能であることを特徴とする特徴GA18に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件が成立する度に特定事象が生じ、且つ、第1特定遊技状態の終了時においては増加処理が行われた場合の積算値によって特定事象が生じ得る。このようにすることで、その都度、特定事象が生じることにより第1特定遊技状態を飽きさせない効果と、特定条件を複数回成立させることによる長期に亘って第1特定遊技状態を楽しませる効果とを、共に享受させることが可能となる。
特徴GA20.前記特定事象実行手段は、前記特定条件が成立したことに基づく前記特定事象を、当該特定条件が成立した前記第1特定遊技状態の終了後における前記通常遊技状態中に生じさせることが可能であることを特徴とする特徴GA1乃至GA19のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態(第1特定遊技状態)中に特定条件が成立したことを、当該第1特定遊技状態の終了後である通常遊技状態に特定事象として引き継ぐことも可能となる。そして、当該特定事象は増加処理とは異なる事象であることからして、第1特定遊技状態を上限回数や上限増加数によって強制終了させることの意義に反しない範囲で、第2特定遊技状態(第1特定遊技状態)中の事象を通常遊技状態に引き継ぐ構成となる。このようにすることで、第2特定遊技状態(第1特定遊技状態)と通常遊技状態との連動性を高め、遊技の興趣向上が図られる。
特徴GA21.前記特定状況で前記特定条件が成立した場合、又は前記特定条件成立に基づいて前記増加処理が行われることにより前記特定状況となる場合、当該特定条件成立に基づいて前記増加処理が行われた場合の増加情報を、所定の増加情報記憶手段(総消滅ゲーム数TEG)に記憶させる手段(主制御装置101による総消滅ゲーム数TEGに上乗せゲーム数を加算する処理を実行する機能)と、
少なくとも前記第2終了手段により前記第1特定遊技状態から前記通常遊技状態へ移行させる場合、当該第1特定遊技状態中に用いられた各種情報を初期化する初期化処理を実行可能な初期化手段(主制御装置101による初期化処理を実行する機能)と、
前記初期化手段により前記初期化処理が行われる場合、前記増加情報記憶手段により記憶されている情報が初期化されることを制限する手段(主制御装置101において総消滅ゲーム数TEGを通常区間用エリアに設けられたエリアに記憶する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴GA20に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定遊技状態中の実行回数が上限回数に至ったり増減数が上限増加数に至ったりした場合に当該第1特定遊技状態を終了する際、当該第1特定遊技状態中に用いられた各種情報が初期化されるため、第1特定遊技状態を強制的に終了したのにも関わらず、当該強制的に終了した第1特定遊技状態中の情報に基づいて、再度、第1特定遊技状態へ移行するといった所謂連荘が発生しないようにしつつも、特徴GA20の効果を期待することが可能となる。
特徴GA22.前記特定状況で前記特定条件が成立した場合、又は前記特定条件成立に基づいて前記増加処理が行われることにより前記特定状況となる場合、当該特定条件成立に基づいて前記増加処理が行われた場合の増加情報を、前記所定の増加情報記憶手段とは異なる別情報記憶手段(消滅準備ゲーム数EJG)に記憶させる手段(主制御装置101による消滅準備ゲーム数EJGに上乗せゲーム数を加算する処理を実行する機能)と、
少なくとも前記初期化手段により前記初期化処理が行われるよりも前に、前記別情報記憶手段に記憶されている前記増加情報を前記増加情報記憶手段に記憶させる手段(主制御装置101による消滅ゲーム数移動処理を実行する機能)と、
を備え、
前記別情報記憶手段により記憶される情報は前記初期化手段による初期化処理の対象となる一方、前記増加情報記憶手段により記憶される情報は前記初期化手段による初期化処理の対象とならないことを特徴とする特徴GA21に記載の遊技機。
上記構成によれば、初期化処理の前に、初期化処理の対象とならない増加情報記憶手段へと情報を移動させることで、増加情報を利用して特定事象を生じさせるうえでの利便性乃至その精度が向上する。より詳しくは、例えば、初期化対象となる領域とならない領域とでアクセス制限を設けるなどすることで、初期化処理に際して対象としない情報についても初期化してしまうといった事象を回避する場合もあり、このような場合、初期化対象となる領域の方が初期化対象とならない領域よりも容易にアクセスが可能なものとされ得る。そうすると、初期化対象となる別情報記憶手段へ増加情報を一時記憶させておくことで、当該増加情報に利便性が向上するし、初期化処理に際しては、増加情報記憶手段にその増加情報を移動させることで、当該増加情報が初期化されてしまう事象も回避することができる。
特徴GA23.前記第2把握手段により把握される増減数と、前記第1把握手段により把握される前記残数に基づく予定増減数との合計が前記上限増加数に達している特定状況において前記特定条件が成立したことに基づいて、又は前記特定条件成立に基づく前記増加処理を行うことにより前記特定状況となった後、前記第2把握手段により把握される増減数が前記上限増加数に達しない特別事象が生じ得る構成であり、
前記特別事象が生じたこと基づいて、前記別情報記憶手段に記憶されている前記増加情報を前記第1把握手段により把握される残数に対応する情報を記憶する記憶手段へ記憶させる手段(主制御装置101による再配分処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴GA22に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況がその後解消され得る構成である場合、増加情報を残数として扱わないと遊技者に多大な不利益が生じる。そこで、別情報記憶手段に増加情報を一時記憶させたうえで、特定状況が解消された場合には、その一時記憶された情報を戻す構成とすれば、遊技者に不利益が生じないようになる。そのうえで、上記特徴GA22のように、増加情報記憶手段とは異なる別情報記憶手段に一時記憶させる構成とすることで、増加情報を用いて特定事象を生じさせるうえでの利便性や精度がより向上し得る。つまり、増加情報をそのまま増加情報記憶手段に記憶させる構成であると、上記のようにアクセス制限が設けられる場合を想定すると、特定状況が解消された場合にそのアクセス制限を解除したうえで増加情報記憶手段の増加情報を残数として移動させる必要があり、これに対して、上記のようにアクセス制限が設けられない(初期化対象となる)別情報記憶手段に一時記憶させることで、そのようなアクセス制限の解除といった処理が不要となり、利便性が高められる。
特徴GA24.前記増加処理は、前記特定状況で前記特定条件が成立した場合、又は前記特定条件成立に基づく前記増加処理を行うことにより前記特定状況となる場合であっても、前記増加処理を実行可能であることを特徴とする特徴GA1乃至GA23のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成においては、特定状況にて特定条件が成立したり、特定条件成立に基づく増加処理によって特定状況となる場合であっても、当該増加処理自体は制限されるものではないことが明確化される。但し、上記のような状況において増加処理を行っても、上限回数や上限増加数によって無意味となり得ることは上述の通りであり、このような状況において特定事象を生じさせることで、特徴GA1の優れた効果を期待することができる。
特徴GA25.遊技状態が前記通常遊技状態から前記第1特定遊技状態へ移行することに基づいて、又は遊技状態が前記通常遊技状態から前記第1特定遊技状態へ移行し、所定の開始条件が成立することに基づいて特定報知手段(第8表示用セグメントN8)を点灯状態とすることにより報知を開始し、当該第1特定遊技状態が前記通常遊技状態へ移行することに基づいて前記特定報知手段を消灯状態とすることにより報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技状態報知手段は、前記第2終了手段により前記第1特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる場合であっても前記特定報知手段を前記消灯状態とすることにより報知を終了することを特徴とする特徴GA1乃至GA24のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行すると、又はその後に所定の開始条件が成立すると特定報知手段による報知が開始され、当該第1特定遊技状態が終了して通常遊技状態へ移行するとその報知も終了する。つまり、特定報知手段による報知の有無を確認すれば、第1特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、第1特定遊技状態が継続しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に特別報知による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
特に、第1特定遊技状態が上限回数に達したり上限増加数に達したりして通常遊技状態へ移行する場合においても、特定報知手段による報知が終了するため、遊技者は当該第1特定遊技状態が終了したこと、すなわち、特定状況において特定条件が成立しても増加処理が行われなかったことを、明確に把握することができる。そうすると、このような特定報知手段の報知が厳密に終了する構成からして、特定状況において特定条件が成立していても、第1特定遊技状態が終了したことの余韻を楽しませることは困難となる。その点、特徴GA1のように、特定事象を生じさせ得る構成とすれば、特定報知手段によって第1特定遊技状態が強制的に終了したことを明確に把握可能となる構成であっても、特定事象を通じて、特定条件成立に基づく余韻を楽しませることも可能となる。
特徴GA26.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を実行可能な払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態(アタックモード等を含む有利区間)とを設け、
前記第1特定遊技状態に含まれる状態として、当該第1特定遊技状態における他の状態(例えば、チャレンジモード)よりも遊技者にとって有利となり易い第2特定遊技状態(例えば、アタックモード)が設定されており、
通常遊技状態において、前記第1特定遊技状態へ移行させるか否かの第1移行抽選を実行する第1移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理においてチャレンジモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による抽選結果が前記第1特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記第1特定遊技状態へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてチャレンジモードへ移行させる処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理におけるアタックモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記第2移行抽選手段による抽選結果が前記第2特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてアタックモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態において、当該第2特定遊技状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残数を把握する第1把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記第1特定遊技状態の実行回数及び前記第1特定遊技状態にて増減した遊技媒体の増減数の少なくとも一方を把握する第2把握手段(有利区間ゲーム数AG、有利区間増減枚数ZM)と、
前記第1把握手段により把握される残数に基づいて、前記第1特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第1終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記第2把握手段にて把握される前記実行回数が予め定められた上限回数に達したこと及び前記増減数が上限増加数に達したことの少なくとも一方に基づいて、前記第1把握手段により把握される前記残数に関わらず、前記第2特定遊技状態を含む前記第1特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第2終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第2特定遊技状態の増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記第2把握手段により把握される前記実行回数と、前記第1把握手段により把握される前記残数との合計が前記上限回数に達している、又は前記第2把握手段により把握される増減数と、前記第1把握手段により把握される前記残数に基づく予定増減数との合計が前記上限増加数に達している特定状況において前記特定条件が成立したことに基づいて、又は前記特定条件成立に基づく前記増加処理を行うことにより前記特定状況となることに基づいて、前記増加処理に基づく事象とは異なる特定事象を生じさせることが可能な特定事象実行手段(主制御装置101による第1超過フラグ又は第2超過フラグがセットされている状況で特別報知用の各処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば払出手段により遊技媒体の払出が行われ得るといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い第1特定遊技状態が設けられており、その第1特定遊技状態に含まれる状態として更に有利な第2特定遊技状態が設けられているため、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態を目指す、といったように段階に有利となる状態移行を前提とした遊技性が実現され、興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
これら第1特定遊技状態や第2特定遊技状態は、第2特定遊技状態の終了条件までの残数に基づいて第1特定遊技状態が終了する場合の他、第1特定遊技状態の実行回数が上限回数に達したり、遊技媒体の増減数が上限増加数に達した場合には、第2特定遊技状態の残数に関わらず第1特定遊技状態を終了する場合とを設定しているため、第1特定遊技状態や第2特定遊技状態が延々と継続することにより、設計者の予想を凌駕する遊技媒体の増加が生じたり、遊技者がなかなか遊技を終了できないといった不都合が回避されている。
ところが、上記のように第1特定遊技状態の上限回数や上限増加数を規定すると、第2特定遊技状態の増加処理といった所謂上乗せが発生した場合に、現状の実行回数と残数の合計が上限回数を超過したり、現状の増減数と残数に基づく予定増減数との合計が上限増加数を超過したりすると、それ以上の増加は見込めないこととなるため、上記増加処理の発生への期待感が極端に低下してしまうし、当該増加処理が行われることがかえって損をしたと捉えられるなど、遊技への関心が大いに削がれる結果となりかねない。
そこで、上記構成においては、上記の上限回数や上限増加数を超過している特定状況や増加処理を行うことによって特定状況となる場合には、増加処理(上乗せ)とは異なる特定事象が生じるようにしている。このようにすることで、当該特定事象を、上乗せが行われない又は上乗せが行われても無意味であることに対する代わりとすることができ、上記特定状況であっても各ゲームの面白味を増加させることが可能となる。よって、興趣向上を好適に図ることができる。
なお、「前記特定遊技状態にて増減した遊技媒体の増減数」とは、より詳しくは、「前記特定遊技状態にて前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記特定遊技状態にて使用した遊技媒体の使用数と、の差分である増減数」である。
特徴GA27.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を実行可能な払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態(通常区間)と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い特定遊技状態(有利区間におけるアタックモード等)とを設け、
通常遊技状態において、前記特定遊技状態へ移行させるか否かの移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理においてアタックモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてアタックモードへ移行させる処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、当該特定遊技状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残数を把握する第1把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記特定遊技状態を含む所定遊技状態(有利区間)の実行回数及び前記所定遊技状態にて増減した遊技媒体の増減数の少なくとも一方を把握する第2把握手段(有利区間ゲーム数AG、有利区間増減枚数ZM)と、
前記第1把握手段により把握される残数に基づいて、前記特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第1終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記第2把握手段にて把握される前記実行回数が予め定められた上限回数に達したこと及び前記増減数が上限増加数に達したことの少なくとも一方に基づいて、前記第1把握手段により把握される前記残数に関わらず、前記特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第2終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記特定遊技状態の増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記第2把握手段により把握される前記実行回数と、前記第1把握手段により把握される前記残数との合計が前記上限回数に達している、又は前記第2把握手段により把握される増減数と、前記第1把握手段により把握される前記残数に基づく予定増減数との合計が前記上限増加数に達している特定状況において前記特定条件が成立したことに基づいて、又は前記特定条件成立に基づく前記増加処理を行うことにより前記特定状況となることに基づいて、前記増加処理に基づく事象とは異なる事象であって、遊技者にとって有益となり得る特定事象を生じさせることが可能な特定事象実行手段(主制御装置101による第1超過フラグ又は第2超過フラグがセットされている状況で特別報知用の各処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば払出手段により遊技媒体の払出が行われ得るといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い特定遊技状態が設けられており、特定遊技状態は、特定遊技状態の終了条件が成立するまでの残数に基づいて終了する場合の他、特定遊技状態を含む所定状態の実行回数が上限回数に達したり、遊技媒体の増減数が上限増加数に達した場合には、特定遊技状態の残数に関わらず終了する場合とを設定しているため、特定遊技状態が延々と継続することにより、設計者の予想を凌駕する遊技媒体の増加が生じたり、遊技者がなかなか遊技を終了できないといった不都合が回避されている。
ところが、上記のように上限回数や上限増加数を規定すると、特定遊技状態の増加処理といった所謂上乗せが発生した場合に、現状の実行回数と残数の合計が上限回数を超過したり、現状の増減数と残数に基づく予定増減数との合計が上限増加数を超過したりすると、それ以上の増加は見込めないこととなるため、上記増加処理の発生への期待感が極端に低下してしまうし、当該増加処理が行われることがかえって損をしたと捉えられるなど、遊技への関心が大いに削がれる結果となりかねない。
そこで、上記構成においては、上記の上限回数や上限増加数を超過している特定状況や増加処理を行うことによって特定状況となる場合には、増加処理(上乗せ)とは異なる特定事象が生じるようにしている。このようにすることで、当該特定事象を、上乗せが行われない又は上乗せが行われても無意味であることに対する代わりとすることができ、上記特定状況であっても各ゲームの面白味を増加させることが可能となる。よって、興趣向上を好適に図ることができる。
なお、「前記特定遊技状態にて増減した遊技媒体の増減数」とは、より詳しくは、「前記特定遊技状態にて前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記特定遊技状態にて使用した遊技媒体の使用数と、の差分である増減数」である。
特徴GA28.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を実行可能な払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態(通常区間)と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い特定遊技状態(有利区間におけるアタックモード等)とを設け、
通常遊技状態において、前記特定遊技状態へ移行させるか否かの移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理においてアタックモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてアタックモードへ移行させる処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、当該特定遊技状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残数を把握する第1把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記特定遊技状態を含む所定遊技状態(有利区間)の実行回数及び前記所定遊技状態にて増減した遊技媒体の増減数の少なくとも一方を把握する第2把握手段(有利区間ゲーム数AG、有利区間増減枚数ZM)と、
前記第1把握手段により把握される残数に基づいて、前記特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第1終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記第2把握手段にて把握される前記実行回数が予め定められた上限回数に達したこと及び前記増減数が上限増加数に達したことの少なくとも一方に基づいて、前記第1把握手段により把握される前記残数に関わらず、前記特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第2終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記特定遊技状態の増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記第2把握手段により把握される前記実行回数と、前記第1把握手段により把握される前記残数との合計が前記上限回数に達している、又は前記第2把握手段により把握される増減数と、前記第1把握手段により把握される前記残数に基づく予定増減数との合計が前記上限増加数に達している特定状況において前記特定条件が成立したことに基づいて、又は前記特定条件成立に基づく前記増加処理を行うことにより前記特定状況となることに基づいて、前記増加処理に基づく事象とは異なる特定事象を生じさせることが可能な特定事象実行手段(主制御装置101による第1超過フラグ又は第2超過フラグがセットされている状況で特別報知用の各処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば払出手段により遊技媒体の払出が行われ得るといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い特定遊技状態が設けられており、特定遊技状態は、特定遊技状態の終了条件が成立するまでの残数に基づいて終了する場合の他、特定遊技状態を含む所定状態の実行回数が上限回数に達したり、遊技媒体の増減数が上限増加数に達した場合には、特定遊技状態の残数に関わらず終了する場合とを設定しているため、特定遊技状態が延々と継続することにより、設計者の予想を凌駕する遊技媒体の増加が生じたり、遊技者がなかなか遊技を終了できないといった不都合が回避されている。
ところが、上記のように上限回数や上限増加数を規定すると、特定遊技状態の増加処理といった所謂上乗せが発生した場合に、現状の実行回数と残数の合計が上限回数を超過したり、現状の増減数と残数に基づく予定増減数との合計が上限増加数を超過したりすると、それ以上の増加は見込めないこととなるため、上記増加処理の発生への期待感が極端に低下してしまうし、当該増加処理が行われることがかえって損をしたと捉えられるなど、遊技への関心が大いに削がれる結果となりかねない。
そこで、上記構成においては、上記の上限回数や上限増加数を超過している特定状況や増加処理を行うことによって特定状況となる場合には、増加処理(上乗せ)とは異なる特定事象が生じるようにしている。このようにすることで、当該特定事象を、上乗せが行われない又は上乗せが行われても無意味であることに対する代わりとすることができ、上記特定状況であっても各ゲームの面白味を増加させることが可能となる。よって、興趣向上を好適に図ることができる。
なお、「前記特定遊技状態にて増減した遊技媒体の増減数」とは、より詳しくは、「前記特定遊技状態にて前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記特定遊技状態にて使用した遊技媒体の使用数と、の差分である増減数」である。
また、上記特徴GA26乃至GA28に、特徴GA1乃至GA25にて示した各構成を個別に又は組み合わせて適用してもよい。
<特徴GB群>
特徴GB1.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間)とが設定されており、
前記高有利状態に含まれる状態として、当該高有利状態における他の状態(例えば、チャレンジモード)よりも遊技者にとっての有利度が高い特定高有利状態(例えば、アタックモード)が設定されており、
前記特定高有利状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残数を把握する残数把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、前記特定高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、強制終了条件が成立することなく有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、予め定められた第1特定条件が成立したことに基づいて、前記特定高有利状態を含む前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる第1特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に至ったことに基づいて有利区間を強制終了する処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、予め定められた条件であって前記第1特定条件とは異なる第2特定条件が成立したことに基づいて、前記特定高有利状態を含む前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる第2特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、有利区間増減枚数ZMが上限増加数に達したことに基づいて有利区間を強制終了する処理を実行する機能)と、
前記特定高有利状態において、前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、前記第1特定条件が成立することを事前に特定可能な第1特定手段(主制御装置101による残ゲーム管理処理を実行する機能)と、
前記特定高有利状態において、前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、前記第2特定条件が成立することを事前に特定可能な第2特定手段(主制御装置101による残枚数管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがあり、高有利状態には、遊技者にとっての有利度が更に高い特定高有利状態が含まれる構成において、特定高有利状態は、当該特定高有利状態の残数に基づいて終了する場合と、高有利状態における第1特定条件や第2特定条件が成立したことに基づいて当該高有利状態とともに終了する場合とがあるため、特定高有利状態を含めて高有利状態の有利度が極端に高められることが抑制されている。高有利状態、特に特定高有利状態が長く継続することを望む遊技者としては、特定高有利状態の残数の把握もさながら、当該特定高有利状態が含まれる高有利状態における第1特定条件や第2特定条件があとどれくらいで成立するかを把握したいものと考えられる。そこで、上記構成においては、第1特定条件や第2特定条件を条件成立前にそれぞれ特定可能な構成としていることで、例えば、その特定結果を遊技進行に合わせて報知する等、遊技者の知りたい内容を遊技性に利用することも可能である。特に、第1特定条件と第2特定条件といった異なる条件によって高有利状態を終了可能なようにし、それらをそれぞれ別途特定可能なようにしていることから、高有利状態の終了態様が多様化され、高有利状態のドキドキ感が高められるし、そのドキドキ感と両特定条件の相互の関係性と利用した遊技性を好適に実現することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、「前記第1特定条件が成立することを事前に特定可能」や「前記第2特定条件が成立することを事前に特定可能」は、例えば、「前記第1特定条件が成立することを、当該第1特定条件が成立するよりも前のゲームにて特定可能」や「前記第2特定条件が成立することを、当該第2特定条件が成立するよりも前のゲームにて特定可能」と表現することも可能である。
また、「第1特定終了手段」や「第2特定終了手段」は、例えば、「前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、予め定められた第1特定条件が成立したことに基づいて、当該特定高有利状態を終了することにより前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる第1特定終了手段」や、「前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、予め定められた条件であって前記第1特定条件とは異なる第2特定条件が成立したことに基づいて、当該特定高有利状態を終了することにより前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる第2特定終了手段」と表現してもよい。
さらに、「第1特定条件」や「第2特定条件」を、「前記特定高有利状態を含む前記高有利状態の終了条件として設定された第1特定条件」や「前記特定高有利状態を含む前記高有利状態の終了条件として設定された条件であって前記第1特定条件とは異なる第2特定条件」と表現してもよい。
特徴GB2.前記第1特定手段により前記第1特定条件が成立することが特定された場合、遊技者にとって有益となり得る第1特定事象を、前記第1特定条件が成立するよりも前に生じさせることが可能な第1特定事象実行手段(主制御装置101や表示制御装置81による、第1超過フラグがセットされている状況での各種特別報知を行うための処理を実行する機能)と、
前記第2特定手段により前記第2特定条件が成立することが特定された場合、遊技者にとって有益となり得る第2特定事象を、前記第2特定条件が成立するよりも前に生じさせることが可能な第2特定事象実行手段(主制御装置101や表示制御装置81による、第2超過フラグがセットされている状況での各種特別報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴GB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定条件や第2特定条件が成立することが事前に特定されるだけでなく、その特定結果に基づいて、第1特定条件や第2特定条件が成立するよりも前に遊技者にとって有益となり得る第1特定事象や第2特定事象が生じ得る。このようにすることで、第1特定条件や第2特定条件が成立することを把握する構成において、その把握を、第1特定条件や第2特定条件が成立するよりも前に把握する意義が高まるし、高有利状態(特に特定高有利状態)において、その第1特定条件や第2特定条件が成立することを事前に確定(特定)させて第1特定事象や第2特定事象を生じさせるといった遊技性が加わり、遊技の面白みが向上する。
なお、「遊技者にとって有益となり得る第1特定事象を、前記第1特定条件が成立するよりも前に生じさせることが可能な第1特定事象実行手段」や、「遊技者にとって有益となり得る第2特定事象を、前記第2特定条件が成立するよりも前に生じさせることが可能な第2特定事象実行手段」は、「前記第1特定条件が成立するよりも前に、遊技者に第1特典を付与可能な第1特典付与手段」や、「前記第2特定条件が成立するよりも前に、遊技者に第2特典を付与可能な第2特典付与手段」と表現してもよい。これは、他の特徴や他の特徴群にて規定される「特定事象実行手段」についてでも同様であり、逆に他の特徴や他の特徴群にて規定される「特典付与手段」を「特定事象実行手段」として表現することも可能である。
特徴GB3.前記第1特定事象実行手段による前記第1特定事象は、前記特定高有利状態において早く前記第1特定条件が成立すると特定されるほど、遊技者にとって有益となり得るものであり(早く第1超過フラグがセットされたほうが、例えば、第5特別報知としての設定値示唆が行われる回数は多くなり、設定値の絞り込みが行われ易い)、
前記第2特定事象実行手段による前記第2特定事象は、前記特定高有利状態において早く前記第2特定条件が成立すると特定されるほど、遊技者にとって有益となり得るものである(早く第1超過フラグがセットされたほうが、例えば、第5特別報知としての設定値示唆が行われる回数は多くなり、設定値の絞り込みが行われ易い)ことを特徴とする特徴GB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定高有利状態において、第1特定条件や第2特定条件が成立することを確定(特定)させて、高有利状態(特定高有利状態)終了前に第1特定事象や第2特定事象を生じさせる、といった遊技性において、なるべく早く第1特定条件や第2特定条件が成立することを確定させる、といった更なる面白みが追加され、高有利状態の終了条件を利用した新たな遊技性が創出される。
特徴GB4.前記第1特定手段は、前記残数把握手段により把握される残数に基づいて前記第1特定条件が成立しないことを事前に特定可能であり、
前記第2特定手段は、前記残数把握手段により把握される残数に基づいて前記第2特定条件が成立しないことを事前に特定可能であることを特徴とする特徴GB1乃至GB3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定条件や第2特定条件が現状の残数によっては成立しないことを事前に特定可能であり、このような状況が存在することを前提としたうえで、上記特徴GB1のように、第1特定条件や第2特定条件が成立することをそれぞれ別々に特定可能とすることで、例えば、第1特定条件は成立するけど第2特定条件は成立しない、や第2特定条件は成立するけど第1特定条件は成立しない、といった状況をそれぞれ特定可能となる。よって、複数の特定条件を設けることの意義をより高め、それぞれの特定条件の成否を事前に特定した場合の処理や演出等に大いに役立てることが可能となる。
特徴GB5.前記第1特定手段により前記第1特定条件が成立するとの特定がなされ、且つ前記第2特定手段により前記第2特定条件が成立するとの特定がなされたことに基づいて、遊技者にとって有益となり得る第3特定事象を生じさせることが可能な第3特定事象実行手段(主制御装置101や表示制御装置81による、第1超過フラグ及び第2超過フラグがセットされている状況での各種特別報知を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定手段により前記第1特定条件が成立するとの特定がなされた後、前記第2特定手段により前記第2特定条件が成立するとの特定がなされた場合と、前記第2特定手段により前記第2特定条件が成立するとの特定がなされた後、前記第1特定手段により前記第1特定条件が成立するとの特定がなされた場合とで、前記第3特定事象実行手段による前記第3特定事象の有利度又は有益となり得る程度が異なっている(第1先フラグ及び第2先フラグの違いによる第5特別報知の種類差)ことを特徴とする特徴GB1乃至GB4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定手段による第1特定条件が成立するとの特定と、第2特定手段による第2特定条件が成立するとの特定との、後先によって、生じる第3特定事象の有利度や有益となり得る程度が異なる。このようにすることで、複数の強制終了条件としての第1特定条件や第2特定条件を事前に特定させるうえで、いずれの特定を先に行わせるかといった遊技性を、遊技に盛り込むことが可能となり、遊技の面白みが高められる。
特徴GB6.前記残数把握手段は、前記特定高有利状態の残数として残ゲーム数を把握するものであり、
前記第1特定終了手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数に関わらず、当該高有利状態の実行ゲーム数が予め定められた上限ゲーム数に至ったことを前記第1特定条件の成立として、当該高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させるものであり、
前記第2特定終了手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数に関わらず、当該高有利状態の各ゲームの遊技結果に応じて払い出された遊技媒体の払出数と各ゲームで使用した遊技媒体の使用数との差分である増減数が予め定められた上限増加数に至ったことを前記第2特定条件の成立として、当該高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させるものであることを特徴とする特徴GB1乃至GB5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、上限ゲーム数に達するとの特定が先で上限増加数に達するとの特定が後である場合と、上限増加数に達するとの特定が先で上限ゲーム数に達するとの特定が後である場合とを、同じ高有利状態の実行数で比較すると、前者のほうが、実行数のわりに増減数が少ないことが想定される、といったように、上限ゲーム数と上限増加数とを強制終了条件とする場合には、いずれの特定が先となるかは、それまでの遊技状況が色濃く反映される情報となり得る。そこで、例えば、上記特徴GB5のように、これらの特定の後先によって、第3特定事象の有利度等を異ならせることで、それまでの遊技状況に沿った第3特定事象を生じさせることができる。
特徴GB7.前記第1特定手段により前記第1特定条件が成立すると特定されている状況において前記第2特定手段により前記第2特定条件が成立すると特定された場合、又は第2特定手段による前記第2特定条件が成立すると特定されている状況において前記第1特定手段により前記第1特定条件が成立すると特定された場合、前記第1特定条件と前記第2特定条件のいずれが先に成立するかを把握可能な特定把握手段(主制御装置101による、上限ゲーム数と上限増加数を超過することとなるゲーム数との差分を把握する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴GB1乃至GB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定条件の成立と第2特定条件の成立とを事前に特定可能な構成において、両特定条件が成立すると特定される場合には、どちらの特定条件が先に成立するかが特定把握手段により把握される。いずれの特定条件も高有利状態を終了させるものであるため、同じゲームにて両特定条件が成立しない限り、どちらかの特定条件が成立すれば、他方の特定条件は成立しないことになる。そこで、上記構成のように、どちらの特定条件が先に成立するかを把握することで、成立しない可能性の高い特定条件を把握することが可能となり、その成立しない側の特定条件に合わせた(それをフォローする等の)処理を行うことも可能となる。
特徴GB8.前記特定把握手段は、前記第1特定条件が成立すると特定されるゲームと前記第2特定条件が成立すると特定されるゲームとの差を把握可能であることを特徴とする特徴GB7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定条件の成立と第2特定条件の成立とを事前に特定可能な構成において、両特定条件が成立すると特定される場合には、その特定条件が成立するゲームの差が把握可能となる。これにより、例えば、第1特定条件は比較的早期に成立するけど、第2特定条件はなかなか成立しない、や、その逆のように、両特定条件の成立ゲームに差がある場合には成立しない側の特定条件が規定する高有利状態による恩恵は十分に得ることができないまま高有利状態が終了することとなるし、第1特定条件が成立するゲームと第2特定条件が成立するゲームとがほとんど同じゲームである場合には、両特定条件が規定する高有利状態による恩恵を十分に得たうえで高有利状態が終了することとなる、といったように、高有利状態終了までに受けることができた恩恵(利益)を予測しながら、その予測に応じた処理を行うことが可能となる。
なお、「高有利状態の実行ゲーム数が予め定められた上限ゲーム数に達したことに基づいて第1特定条件が成立する」構成においては、「前記第1特定条件が成立すると特定されるゲーム」とは、「高有利状態の実行ゲーム数が予め定められた上限ゲーム数となるゲーム」である。
特徴GB9.前記第2特定手段により前記第2特定条件が成立することが事前に特定された場合であっても、その後の遊技状況により、当該第2特定条件が成立せずに前記高有利状態が終了される場合があることを特徴とする特徴GB1乃至GB8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定条件が成立すること、すなわち、将来的に高有利状態が第2特定終了手段により終了されることが特定されていたとしても、その後の遊技状況によっては、例えば特定高有利状態の終了とともに第2特定条件が成立することなく高有利状態が終了する場合もあるため、仮に第2特定条件の成立が遊技者にとって好ましいものであるのであれば、その後の遊技状況によって第2特定条件が成立しないようになることは遊技者にとっては好ましくなく、逆に第2特定条件の成立が遊技者にとって好ましくないものであるならば、その後の遊技状況によって第2特定条件が成立しないようになることは遊技者にとって好ましいものとなる。つまり、このように第2特定手段による特定結果がその後の遊技状況によって変化し得る余地を残すことで、第2特定手段による特定結果を利用した遊技性を創出しながらも、その後の遊技の注目度の低下を好適に抑制することが可能となる。
特徴GB10.前記第2特定手段により前記第2特定条件が成立することが事前に特定された場合であって、その後の遊技状況により、当該第2特定条件が成立せずに前記高有利状態が終了された場合、遊技者にとって有益となり得る第3特定事象を生じさせる第3特定事象実行手段(主制御装置101や表示制御装置81において、再配分処理に基づく各種特別報知を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴GB9に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定条件の成立が遊技者にとって好ましいものであるとの前提のもと、その後の遊技状況によって第2特定条件が成立しないまま高有利状態が終了した場合には、遊技者にとって有益となり得る第3特定事象が生じる。このようにすることで、第2特定条件が成立することに期待した遊技者の喪失感を第3特定事象によってフォローすることが可能となる。
特徴GB11.前記第2特定手段により前記第2特定条件が成立することが事前に特定された特定状況において、当該特定されたことを含む特定報知を所定の報知手段にて実行可能な特定報知手段(主制御装置101による第2超過フラグがセットされたことの特別報知を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特定状況において前記特定報知が実行された場合の方が、前記特定状況において前記特定報知が実行されなかった場合よりも、その後の遊技状況により、当該第2特定条件が成立せずに前記高有利状態が終了された場合の前記第3特定事象の有利度が遊技者にとって有利となり易いように設定されていることを特徴とする特徴GB10に記載の遊技機。
第2特定条件の成立が遊技者にとって好ましい事象であることという前提に立てば、第2特定条件が成立することが特定されたことの特定報知が実行された場合には、遊技者は当該第2特定条件が将来的に成立するものとして、優越感に浸りながら遊技を進めたり、第2特定条件成立による利益を皮算用したりする等、第2特定条件が成立するまでの遊技を存分に楽しむものと考えられる。その一方で、第2特定条件が成立することが特定された場合であっても、遊技者がそれを知る由もなければ、このような皮算用することもなく、仮に第2特定条件が成立しないようになったとしても、遊技者の落胆度合いは低いものと考えられる。上記構成は、第2特定条件が成立することの報知による不都合(仮に第2特定条件が成立しなかった場合に遊技者を落胆させてしまうこと等)を解消するためのものであり、第3特定事象の有利度を調節することで、上記不都合が生じたとしてもそれを好適にフォローすることが可能となる。あわせて、第2特定条件が成立するとの特定が行われていても、その特定報知が行われていない場合には、第3特定事象の有利度を低くすることが可能であり、遊技者にとっての有利度を高く設定し過ぎないようにして、遊技の健全化を図ることが可能となる。
特徴GB12.前記第2特定手段により前記第2特定条件が成立することが特定された場合、遊技者にとって有益となり得る第2特定事象を、前記第2特定条件が成立するよりも前に生じさせることが可能な第2特定事象実行手段(主制御装置101や表示制御装置81による、第2超過フラグがセットされたことに基づいて各種特別報知を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定事象実行手段による前記第2特定事象が生じている場合よりも、前記第2特定事象実行手段による前記第2特定事象が生じていない場合の方が、第3特定事象の有利度が遊技者にとって有利となり易いように設定されていることを特徴とする特徴GB10又は特徴GB11に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定条件が成立せずに高有利状態が終了した場合において、終了前に第2特定条件が成立することの期待感を煽ったとしても、第2特定事象によってその分の利益を遊技者は享受できていたとして、第3特定事象の有利度が低下する。このように、遊技者の有利度を不当に高めすぎることがないようにし、遊技のバランスを保つことができる。
特徴GB13.前記残数把握手段は、前記特定高有利状態の残数として残ゲーム数を把握するものであり、
前記第1特定終了手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数に関わらず、当該高有利状態の実行ゲーム数が予め定められた上限ゲーム数に至ったことを前記第1特定条件の成立として、当該高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させるものであり、
前記第2特定終了手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数に関わらず、当該高有利状態の各ゲームの遊技結果に応じて払い出された遊技媒体の払出数と各ゲームで使用した遊技媒体の使用数との差分である増減数が予め定められた上限増加数に至ったことを前記第2特定条件の成立として、当該高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させるものであることを特徴とする特徴GB1乃至GB12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲーム数が上限ゲーム数に至るという第1特定条件と、遊技媒体の増減数が上限増加数に至るという第2特定条件という複数の強制終了条件が設定されている遊技機において、これら上限ゲーム数に至るか否かが上限ゲーム数に至るよりも前に第1特定手段により特定され、増減数が上限増加数に至るか否かが上限増加数に至るよりも前に第2特定手段により特定される。遊技媒体の増減数は、各ゲームの遊技結果に基づき増減するものであるから、基本的には、高有利状態のゲーム数と増減数とはリンクするものの、遊技結果の如何によっては、ゲーム数と増減数との関係が一定の関係とはならない場合もある。そこで、ゲーム数と増減数とをそれぞれ別々に予測する構成とすることで、高有利状態が将来的に強制終了されることを的確に予測することが可能となる。
特徴GB14.前記第2特定手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数と、前記特定高有利状態において1ゲーム当たりで期待できる期待増減数の平均値とから、当該残ゲーム数にて得ることが期待できる第1期待増減数を予測する第1予測手段(主制御装置101による残払出数管理処理において、期待増減枚数KMに基づく予測処理を実行する機能)を備え、当該第1予測手段の予測結果に基づいて、前記第2特定条件が成立することを事前に特定可能であることを特徴とする特徴GB13に記載の遊技機。
上記構成によれば、残ゲーム数と、特定高有利状態中の1ゲーム当たりで期待できる期待増減数の平均値(すなわち平均純増)とを用いて、将来的な増減数を予測し、その予測結果に基づいて、増減数が上限増加数に達することを特定する。このようにすることで、複雑な計算処理を用いずとも、上記平均値をあらかじめ記憶しておくだけで、上限増加数に達することの予測・特定を行うことが可能となる。
特徴GB15.前記第2特定手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数と、前記特定高有利状態において1ゲーム当たりで期待できる期待増減数の最大値とから、当該残ゲーム数にて得ることが期待できる第2期待増減数を予測する第2予測手段(主制御装置101による第1調整処理や第2調整処理において、最大増減枚数MMに基づく予測処理を実行する機能)を備え、当該第2予測手段の予測結果に基づいて、前記第2特定条件が成立することを事前に特定可能であることを特徴とする特徴GB13又は特徴GB14に記載の遊技機。
上記構成によれば、残ゲーム数と、特定高有利状態中の1ゲーム当たりで期待できる期待増減数の最大値(すなわち最大純増)とを用いて、将来的な増減数を予測し、その予測結果に基づいて、増減数が上限増加数に達することを特定する。このようにすることで、複雑な計算処理を用いずとも、上記最大値をあらかじめ記憶しておくだけで、上限増加数に達することの予測・特定を行うことが可能となる。
特にこの構成であれば、予期せず上限増加数に達することを好適に回避することができる。すなわち、各ゲームでの期待増減数の最大値であれば、それよりも増加数が多くなることはないので、上限増加数に達しないと予測していたのにも関わらず、上限増加数に達するといった事象は生じない。
特徴GB16.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間におけるアタックモード等)とが設定されており、
前記高有利状態において、当該高有利状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残数を把握する残数把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、強制終了条件が成立することなく有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、予め定められた第1特定条件(有利区間の上限ゲーム数に達すること)が成立したことに基づいて、前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる第1特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に至ったことに基づいて有利区間を強制終了する処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、予め定められた条件であって前記第1特定条件とは異なる第2特定条件(有利区間の上限増加数に達すること)が成立したことに基づいて、前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる第2特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、有利区間増減枚数ZMが上限増加数に達したことに基づいて有利区間を強制終了する処理を実行する機能)と、
前記高有利状態において、前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、前記第1特定条件が成立することを事前に特定可能な第1特定手段(主制御装置101による残ゲーム管理処理を実行する機能)と、
前記高有利状態において、前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、前記第2特定条件が成立することを事前に特定可能な第2特定手段(主制御装置101による残枚数管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがあり、高有利状態は、当該高有利状態の残数に基づいて終了する場合と、第1特定条件や第2特定条件が成立したことに基づいて終了する場合とがあるため、高有利状態の有利度が極端に高められることが抑制されている。高有利状態が長く継続することを望む遊技者としては、高有利状態の残数の把握もさながら、第1特定条件や第2特定条件があとどれくらいで成立するかを把握したいものと考えられる。そこで、上記構成においては、第1特定条件や第2特定条件を条件成立前にそれぞれ特定可能な構成としていることで、例えば、その特定結果を遊技進行に合わせて報知する等、遊技者の知りたい内容を遊技性に利用することも可能である。特に、第1特定条件と第2特定条件といった異なる条件によって高有利状態を終了可能なようにし、それらをそれぞれ別途特定可能なようにしていることから、高有利状態の終了態様が多様化され、高有利状態のドキドキ感が高められるし、そのドキドキ感と両特定条件の相互の関係性と利用した遊技性を好適に実現することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、「前記第1特定条件が成立することを事前に特定可能」や「前記第2特定条件が成立することを事前に特定可能」は、例えば、「前記第1特定条件が成立することを、当該第1特定条件が成立するよりも前のゲームにて特定可能」や「前記第2特定条件が成立することを、当該第2特定条件が成立するよりも前のゲームにて特定可能」と表現することも可能である。
また、「第1特定条件」や「第2特定条件」を、「前記高有利状態を含む所定状態(有利区間)の終了条件として設定された第1特定条件」や「前記高有利状態を含む所定状態の終了条件として設定された条件であって前記第1特定条件とは異なる第2特定条件」と表現してもよい。
さらに、上記特徴GB16に、特徴GB1乃至GB15にて示した各構成を個別に又は組み合わせて適用してもよい。
この場合、例えば、特徴GB6においては、「前記残数把握手段は、前記高有利状態の残数として残ゲーム数を把握するものであり、
前記第1特定終了手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数に関わらず、当該高有利状態を含む所定状態(有利区間)の実行ゲーム数が予め定められた上限ゲーム数に至ったことを前記第1特定条件の成立として、当該高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させるものであり、
前記第2特定終了手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数に関わらず、当該高有利状態を含む所定状態(有利区間)の各ゲームの遊技結果に応じて払い出された遊技媒体の払出数と各ゲームで使用した遊技媒体の使用数との差分である増減数が予め定められた上限増加数に至ったことを前記第2特定条件の成立として、当該高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させるものである」等と表現を修正したうえで適用するとよく、かかる修正は、対応する他の構成を特徴GB16に適用する場合にも同様である。
<特徴GC群>
特徴GC1.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間)とが設定されており、
前記高有利状態に含まれる状態として、当該高有利状態における他の状態(例えば、チャレンジモード)よりも遊技者にとっての有利度が高い特定高有利状態(例えば、アタックモード)が設定されており、
前記特定高有利状態において、当該特定高有利状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残数を把握する残数把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、前記特定高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、強制終了条件が成立することなく有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、予め定められた第1特定条件が成立したことに基づいて、前記特定高有利状態を含む前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる第1特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に至ったことに基づいて有利区間を強制終了する処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、予め定められた条件であって前記第1特定条件とは異なる第2特定条件が成立したことに基づいて、前記特定高有利状態を含む前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる第2特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、有利区間増減枚数ZMが上限増加数に達したことに基づいて有利区間を強制終了する処理を実行する機能)と、
前記第1特定終了手段により前記高有利状態が終了される場合、遊技者にとって有益となり得る第1特定事象を生じさせることが可能な第1特定事象実行手段(例えば、主制御装置101により上限ゲーム数に基づき有利区間を強制終了する場合の第6特別報知用処理を実行する機能)と、
前記第2特定終了手段により前記高有利状態が終了される場合、遊技者にとって有益となり得る第2特定事象を生じさせることが可能な第2特定事象実行手段(例えば、主制御装置101により上限増加数に基づき有利区間を強制終了する場合の第6特別報知用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがあり、高有利状態には、遊技者にとっての有利度が更に高い特定高有利状態が含まれる構成において、特定高有利状態は、当該特定高有利状態の残数に基づいて終了する場合と、高有利状態における第1特定条件や第2特定条件が成立したことに基づいて当該高有利状態とともに終了する場合とがあるため、特定高有利状態を含めて高有利状態の有利度が極端に高められることが抑制されている。遊技者は高有利状態、特に特定高有利状態が長く継続することを望むであろうことからすると、特定高有利状態の残数にかかわらず第1特定条件や第2特定条件によって高有利状態が終了してしまうと、遊技者は、残りの特定高有利状態が搾取されてしまったかのような印象を受け、遊技続行や再遊技の意欲が削がれてしまう可能性がある。そこで、第1特定条件や第2特定条件成立に基づいて高有利状態を終了する場合、遊技者にとって有益となり得る特定事象が生じ得るようにすることで、このような高有利状態が強制的に終了し得る場合の不都合を解消することができる。
しかも、上記構成においては、第1特定条件により強制終了されるか、第2特定条件により強制終了されるかによって、生じる特定事象が異なっている。このようにすること、どちらの特定条件にて強制終了されるかに関心を寄せさせ、高有利状態が強制的に終了されるといった事象ですら、遊技に利用することが可能となる。よって、遊技の興趣向上が図られる。
なお、「第1特定終了手段」や「第2特定終了手段」は、例えば、「前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、予め定められた第1特定条件が成立したことに基づいて、当該特定高有利状態を終了することにより前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる第1特定終了手段」や、「前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、予め定められた条件であって前記第1特定条件とは異なる第2特定条件が成立したことに基づいて、当該特定高有利状態を終了することにより前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる第2特定終了手段」と表現してもよい。
さらに、「第1特定条件」や「第2特定条件」を、「前記特定高有利状態を含む前記高有利状態の終了条件として設定された第1特定条件」や「前記特定高有利状態を含む前記高有利状態の終了条件として設定された条件であって前記第1特定条件とは異なる第2特定条件」と表現してもよい。
特徴GC2.前記高有利状態が前記第1特定終了手段により終了される場合、前記第2特定条件が成立するまでの前記特定高有利状態の残数を特定する第1特定手段(例えば、主制御装置101によるステップS13810の処理を実行する機能)と、
前記高有利状態が前記第2特定終了手段により終了される場合、前記第1特定条件が成立するまでの前記特定高有利状態の残数を特定する第2特定手段(例えば、主制御装置101によるステップS13803の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定事象実行手段は前記第1特定手段による特定結果に基づいて前記第1特定事象を生じさせることが可能であり、
前記第2特定事象実行手段は前記第2特定手段による特定結果に基づいて前記第2特定事象を生じさせることが可能であることを特徴とする特徴GC1に記載の遊技機。
第1特定条件と第2特定条件といった複数の強制終了条件が設定されている構成においては、第1特定条件と第2特定条件とが同時に成立しない限り、第1特定条件が成立して高有利状態が終了する場合には第2特定条件は成立しておらず、第2特定条件が成立して高有利状態が終了する場合には第1特定条件は成立しておらず、いずれかの特定条件にて規定する高有利状態の恩恵を最大限に享受することなく当該高有利状態が終了することとなる。上記構成はこのような享受できない恩恵を、第1特定事象や第2特定事象として補おうという構成であり、このようにすることで、複数の強制終了条件を有する構成において、いずれの強制終了条件にて高有利状態を終了させるか、といった遊技の面白みをより引き出すことが可能となる。
特に、高有利状態に特定高有利状態が含まれる構成において、第1特定事象や第2特定事象が特定高有利状態の残数に対応付けられる構成としたため、成立しない側の特定条件を成立させることができたなら享受できていたであろう恩恵を最大限考慮して第1特定事象や第2特定事象を生じさせる構成とすることができ、各特定事象への遊技者の関心をより高めることが可能となる。
なお、「第1特定手段」や「第2特定手段」は、例えば、「前記高有利状態が前記第1特定終了手段により終了される場合、前記第2特定条件が成立するまでの前記残数把握手段により把握される残数を特定する第1特定手段」や、「前記高有利状態が前記第2特定終了手段により終了される場合、前記第1特定条件が成立するまでの前記残数把握手段により把握される残数を特定する第2特定手段」と表現してもよい。
特徴GC3.前記残数把握手段は、前記特定高有利状態の残数として残ゲーム数を把握するものであり、
前記第1特定終了手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数に関わらず、当該高有利状態の実行ゲーム数が予め定められた上限ゲーム数に至ったことを前記第1特定条件の成立として、当該高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させるものであり、
前記第2特定終了手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数に関わらず、当該高有利状態の各ゲームの遊技結果に応じて払い出された遊技媒体の払出数と各ゲームで使用した遊技媒体の使用数との差分である増減数が予め定められた上限増加数に至ったことを前記第2特定条件の成立として、当該高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させるものであり、
前記第2特定事象よりも前記第1特定事象の方が遊技者にとっての有利度が高い又は有益となり得る程度が大きいことを特徴とする特徴GC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲーム数が上限ゲーム数に至るという第1特定条件と、増減数が上限増加数に至るという第2特定条件という複数の強制終了条件が設定されている遊技機において、上限増加数に至る前に上限ゲーム数に至る第1特定条件が成立したとして強制終了された場合に生じる第1特定事象と、上限ゲーム数に至る前に上限増加数に至る第2特定条件が成立したとして強制終了された場合に生じる第2特定事象とを比較すると、第1特定事象の方が第2特定事象よりも遊技者にとって有利度が高いもの又は有益となり得る程度が大きいものとなっている。すなわち、各ゲームの結果として遊技媒体の払出を受けて、遊技媒体の増加を目論む、といった遊技の前提からすると、上限ゲーム数に達して強制終了された側については、更なる遊技媒体の増加が見込めたといった消失感があるものの、上限増加数に達して強制終了された側については、遊技媒体の増加数としては上限まで得たのであってもう十分であろう、との考えもある。そこで、上記構成のように、上限ゲーム数に達した側の補填を大きくし、上限増加数に達した側の補填を小さくすることで、両補填(特典)のバランスを保ち、遊技の好適化を図ることができる。
特徴GC4.前記残数把握手段は、前記特定高有利状態の残数として残ゲーム数を把握するものであり、
前記第1特定終了手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数に関わらず、当該高有利状態の実行ゲーム数が予め定められた上限ゲーム数に至ったことを前記第1特定条件の成立として、当該高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させるものであり、
前記第2特定終了手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数に関わらず、当該高有利状態の各ゲームの遊技結果に応じて払い出された遊技媒体の払出数と各ゲームで使用した遊技媒体の使用数との差分である増減数が予め定められた上限増加数に至ったことを前記第2特定条件の成立として、当該高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させるものであり、
前記第1特定終了手段又は前記第2特定終了手段により前記高有利状態が終了される場合、当該高有利状態の終了後の前記低有利状態において、遊技者にとって有利な特別状態(特別区間)を設定可能な特別状態設定手段(主制御装置101による特別区間設定処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定事象実行手段は、前記特別状態設定手段により設定される前記特別状態の終了条件を、前記第2特定手段により特定される前記上限増加数までの増加数に対応する対応数の遊技媒体が当該特別状態にて払い出された場合に成立することとして当該終了条件を設定することを前記第1特定事象として設定可能であり、
前記第2特定事象実行手段は、前記特別状態設定手段により設定される前記特別状態の終了条件を、前記第1特定手段により特定される前記上限ゲーム数までのゲーム数に対応するゲーム数が実行された場合に成立することとして当該終了条件を設定することを前記第2特定事象として設定可能であることを特徴とする特徴GC2又は特徴GC3に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲーム数が上限ゲーム数に至るという第1特定条件と、増減数が上限増加数に至るという第2特定条件という複数の強制終了条件が設定されている遊技機において、いずれかの強制終了条件にて高有利状態が終了すると、低有利状態において遊技者にとって有利な特別状態が設定され、その特別状態の終了条件として、上限ゲーム数に至るまでのゲーム数や上限増加数に至るまでの増加数が利用される。より詳しくは、上限ゲーム数に達して強制終了される場合には、上限増加数に至るまでの増加数が特別状態の終了条件に利用され、上限増加数に達して強制終了される場合には、上限ゲーム数に至るまでのゲーム数が特別状態の終了条件に利用される。このようにすることで、高有利状態の複数の強制終了条件が設定されている構成において、一方の強制終了条件にて終了する場合に他方の強制終了条件を満たすことができなかった喪失感を特別状態により補うことが可能となる。
特徴GC5.前記特定高有利状態において、前記高有利状態の前記上限ゲーム数までのゲーム数に対応する第1情報を所定の報知手段にて報知可能な第1情報報知手段(表示制御装置81による残りゲーム数表示を行う処理を実行する機能)と、
前記特定高有利状態において、前記高有利状態の前記上限増加数までの増加数に対応する第2情報を所定の報知手段にて報知可能な第2情報報知手段(表示制御装置81による残り増加枚数表示を行う処理を実行する機能)と、
前記第1特定事象実行手段にて前記上限増加数までの増加数に対応する対応数が、前記特別状態の終了条件として設定される場合、前記特定高有利状態において報知されていた前記第2情報報知手段による前記第2情報の報知を当該特別状態において継続させることが可能な手段(表示制御装置81によるステップS14209の処理を実行する機能)と、
前記第2特定事象実行手段にて前記上限ゲーム数までのゲーム数に対応するゲーム数が、前記特別状態の終了条件として設定される場合、前記特定高有利状態において報知されていた前記第1情報報知手段による前記第1情報の報知を当該特別状態において継続させることが可能な手段(表示制御装置81によるステップS14206の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴GC4に記載の遊技機。
上記構成によれば、上限ゲーム数に達して強制終了される場合には、上限増加数に至るまでの増加数が特別状態に利用され、上限増加数に達して強制終了される場合には、上限ゲーム数に至るまでのゲーム数が特別状態に利用される構成において、それまでの特定高有利状態にて報知されていた上限増加数までの増加数に対応する情報の報知や、上限ゲーム数までのゲーム数に対応する情報の報知が、特別状態に引き継がれて報知される。このようにすることで、あたかも、実際には満たすことができなかった側の強制終了条件が満たされるまで高有利状態(特に特定高有利状態)が継続するかのように思わせることもできるし、特別状態へ移行したことが認識されたとしても、高有利状態において満たすことができなかった側の強制終了条件までの差分が、その特別状態に引き継がれたことが理解され易いし、その特別状態にて強制終了条件までの差分が補われることを明確に把握させることができる。
特徴GC6.前記特定高有利状態から前記低有利状態へ移行する場合、当該特定高有利状態が終了することの終了報知を所定の報知手段にて実行可能な終了報知実行手段(表示制御装置81によるステップS14203の処理を実行する機能)と、
前記特定高有利状態から前記低有利状態へ移行しない場合において、前記特定高有利状態が終了することを示唆する疑似終了報知を所定の報知手段にて実行可能な疑似終了報知実行手段(表示制御装置81による、後乗せ報知が発生する場合の終了演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記疑似終了報知実行手段による前記疑似終了報知は、所定の報知手段にて前記終了報知を実行した後、前記特定高有利状態が継続することを遊技者に認識させる継続報知を実行する構成となっており、
前記特別状態設定手段による前記特別状態の設定が行われる場合、前記終了報知実行手段により前記終了報知が実行された後、前記継続報知を所定の報知手段にて実行可能な疑似継続報知実行手段(表示制御装置81によるステップS14205の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴GC5に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了報知によって特定高有利状態が終了するように思わせつつも、継続報知によって特定高有利状態が継続する、といった疑似終了報知実行手段による疑似終了報知が行われ得ることを前提とし、特定高有利状態(高有利状態)が強制終了されて特別状態へ移行する場合にも疑似終了報知と同じ流れの報知を行うことで、特別状態をあたかも特定高有利状態が継続している状態かのような印象を与えることが可能となる。このようにすることで、上限ゲーム数までの情報や、上限増加数までの情報が特別状態にて引き継がれることの効果をより一層高めることが可能となる。
特徴GC7.前記特定高有利状態において、予め定められた増加条件が成立したことに基づいて、前記特定高有利状態の増加処理を実行可能な増加処理手段(主制御装置101によるアタックモード等のゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される現状の残数に基づいて前記第1特定条件又は前記第2特定条件が事後的に成立することが特定されている特定状況にて前記増加条件が成立した場合、又は前記増加処理手段により前記増加処理を行うことにより前記特定状況となる場合、当該増加条件の成立に基づく前記増加処理に対応する前記特定高有利状態の超過情報を記憶する超過情報記憶手段(総消滅ゲーム数TEG)と、
を備え、
前記第1特定終了手段は、前記第1特定条件が成立した場合、前記超過情報記憶手段に記憶されている超過情報に関わらず前記高有利状態を終了させ、
前記第2特定終了手段は、前記第2特定条件が成立した場合、前記超過情報記憶手段に記憶されている超過情報に関わらず前記高有利状態を終了させ、
前記高有利状態が前記第1特定終了手段により終了される場合、前記超過情報記憶手段に記憶されている前記超過情報を特定する第3特定手段(例えば、主制御装置101によるステップS13708の処理を実行する機能)と、
前記高有利状態が前記第2特定終了手段により終了される場合、前記超過情報記憶手段に記憶されている前記超過情報を特定する第4特定手段(例えば、主制御装置101によるステップS13702の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定事象実行手段は、前記第3特定手段による特定結果に基づいて前記第1特定事象を設定可能であり、
前記第2特定事象実行手段は、前記第4特定手段による特定結果に基づいて前記第2特定事象を設定可能であることを特徴とする特徴GC1乃至GC6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成においては、第1特定条件や第2特定条件が成立することが事前に特定されている場合には、特定高有利状態の残数の超過分が超過情報として記憶され、その後、第1特定条件や第2特定条件が成立すると、超過情報に関わらず高有利状態が終了する。そうすると、第1特定条件や第2特定条件が成立すると特定される特定状況までは、なるべく特定高有利状態の残数が多くなる増加処理が実行されることを望むものの、特定状況となると、遊技者は増加処理が行われても無意味と感じざるを得ず、遊技意欲の大幅な低下が懸念される。そこで、その特定高有利状態における超過分を用いて、高有利状態の終了時に特定事象が生じ得る構成とすることで、超過分を増加させることに対して意義を生じさせることが可能となり、遊技意欲の低下を抑制することができる。
なお、上記構成を特徴GC2乃至特徴GC6に適用する場合、上記構成における「第1特定事象実行手段」や「第1特定事象」と、特徴GC2乃至GC6の「第1特定事象実行手段」や「第1特定事象」とは同じものであってもよいし異なるものであってもよい。異なるものである場合、それを明確に区別すべく、上記構成における「第1特定事象実行手段」や「第1特定事象」を、それぞれ「第3特定事象実行手段」や「第3特定事象」と表現してもよい。また、上記構成における「第2特定事象実行手段」や「第2特定事象」と、特徴GC2乃至GC6の「第2特定事象実行手段」や「第2特定事象」とは同じものであってもよいし異なるものであってもよい。異なるものである場合、それを明確に区別すべく、上記構成における「第2特定事象実行手段」や「第2特定事象」を、それぞれ「第4特定事象実行手段」や「第4特定事象」と表現してもよい。
特徴GC8.前記残数把握手段は、前記特定高有利状態の残数として残ゲーム数を把握するものであり、
前記第1特定終了手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数に関わらず、当該高有利状態の実行ゲーム数が予め定められた上限ゲーム数に至ったことを前記第1特定条件の成立として、当該高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させるものであり、
前記第2特定終了手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数に関わらず、当該高有利状態の各ゲームの遊技結果に応じて払い出された遊技媒体の払出数と各ゲームで使用した遊技媒体の使用数との差分である増減数が予め定められた上限増加数に至ったことを前記第2特定条件の成立として、当該高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させるものであり、
前記超過情報記憶手段は、
前記増加処理に対応するゲーム数の情報を前記超過情報として記憶する第1記憶手段(主制御装置101による第1超過フラグがセットされている場合の総消滅ゲーム数TEGに上乗せゲーム数を加算する処理を実行する機能)と、
前記増加処理に対応するゲーム数にて期待できる遊技媒体の増加数の情報を前記超過情報として記憶する第2記憶手段(主制御装置101による第2超過フラグがセットされている場合の総消滅ゲーム数TEGに上乗せゲーム数を加算する処理を実行する機能)と、を備え、
前記第3特定手段は、前記第1記憶手段に記憶されている前記ゲーム数の超過情報を特定するものであり、
前記第4特定手段は、前記第2記憶手段に記憶されている前記増加数の超過情報を特定するものであることを特徴とする特徴GC7に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲーム数が上限ゲーム数に至るという第1特定条件と、増減数が上限増加数に至るという第2特定条件という複数の強制終了条件が設定されている遊技機において、これらの強制終了条件の成立が事前に特定された場合、その特定後の所謂上乗せ処理としての増加処理が行われた場合には、その増加処理に対応する超過分が、それぞれゲーム数の超過情報と増加数の超過情報として記憶される。そして、強制終了される場合には、これらの超過情報に基づいて特定事象が生じる構成となっており、上限ゲーム数にて強制終了された場合にはゲーム数の超過情報に基づいて特定事象が生じ、上限増加数にて強制終了された場合には増加数の超過情報に基づいて特定事象が生じる。このようにすることで、強制終了されなければ受けていたであろう恩恵と、強制終了の理由とがリンクし、強制終了による遊技者の喪失感を好適にフォローすることが可能となる。
特徴GC9.前記特定高有利状態において、予め定められた増加条件が成立したことに基づいて、前記特定高有利状態の増加処理を実行可能な増加処理手段(主制御装置101によるアタックモード等のゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される現状の残数に基づいて前記第1特定条件又は前記第2特定条件が事後的に成立することが特定されている特定状況にて前記増加条件が成立した場合、又は前記増加処理手段により前記増加処理を行うことにより前記特定状況となる場合、当該増加条件が成立したことに基づく前記増加処理に対応する前記特定高有利状態の超過情報を記憶する超過情報記憶手段(総消滅ゲーム数TEG)と、
を備え、
前記第1特定終了手段は、前記第1特定条件が成立した場合、前記超過情報記憶手段に記憶されている超過情報に関わらず前記高有利状態を終了させ、
前記第2特定終了手段は、前記第2特定条件が成立した場合、前記超過情報記憶手段に記憶されている超過情報に関わらず前記高有利状態を終了させ、
前記高有利状態が前記第1特定終了手段により終了される場合、前記第2特定条件が成立するまでの前記特定高有利状態の残数を特定する第1特定手段(主制御装置101によるステップS13810の処理をじっこうする機能)と、
前記高有利状態が前記第2特定終了手段により終了される場合、前記第1特定条件が成立するまでの前記特定高有利状態の残数を特定する第2特定手段(主制御装置101によるステップS13803の処理を実行する機能)と、
前記高有利状態が前記第1特定終了手段により終了される場合、前記超過情報記憶手段に記憶されている前記超過情報を特定する第3特定手段(主制御装置101によるステップS13809の処理を実行する機能)と、
前記高有利状態が前記第2特定終了手段により終了される場合、前記超過情報記憶手段に記憶されている前記超過情報を特定する第4特定手段(主制御装置101によるステップS13802の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定事象実行手段は前記第1特定手段による特定結果及び前記第3特定手段による特定結果に基づいて前記第1特定事象を設定可能であり、
前記第2特定事象実行手段は前記第2特定手段による特定結果及び前記第4特定手段による特定結果に基づいて前記第2特定事象を設定可能であることを特徴とする特徴GC1乃至GC8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成においては、第1特定条件や第2特定条件が成立することが事前に特定されている場合には、残数の超過分が超過情報として記憶され、その後、第1特定条件や第2特定条件が成立すると、超過情報に関わらず高有利状態が終了する。そうすると、第1特定条件や第2特定条件が成立すると特定される特定状況までは、なるべく特定高有利状態の残数が多くなる増加処理が実行されることを望むものの、特定状況となると、遊技者は増加処理が行われても無意味と感じざるを得ず、遊技意欲の大幅な低下が懸念される。そこで、その超過分を用いて、特定高有利状態(高有利状態)の終了時に特定事象を生じさせる構成とすることで、超過分を増加させることに対して意義を生じさせることが可能となり、遊技意欲の低下を抑制することができる。
ところが、これら第1特定条件や第2特定条件といった第1特定条件と第2特定条件といった複数の強制終了条件が設定されている構成においては、第1特定条件と第2特定条件とが同時に成立しない限り、第1特定条件が成立して高有利状態が終了する場合には第2特定条件は成立しておらず、第2特定条件が成立して高有利状態が終了する場合には第1特定条件は成立しておらず、いずれかの特定条件にて規定する高有利状態の恩恵を最大限に享受することなく当該高有利状態が終了することとなる。つまり、例えば、第1特定条件にて強制終了した場合、第1特定条件側の超過分に基づいて特定事象を生じさせる構成とすると、それによりいくらか遊技者の喪失感は和らげることができるが、第2特定条件側の恩恵を期待していた遊技者にとっては、第1特定条件にて強制終了した場合にはその恩恵を十分に受けることができなかったとして不満足感が残る結果となり得る。
そこで、上記構成においては、強制終了時に当該強制終了となった側の超過分に加えて、強制終了に至らなかった側の恩恵を加味して特定事象を生じさせる構成としている。このようにすることで、複数の強制終了条件を設定した遊技機において、強制終了時の喪失感をより好適にフォローすることが可能となる。
特徴GC10.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間における例えばアタックモード)とが設定されており、
前記高有利状態において、当該高有利状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残数を把握する残数把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、強制終了条件が成立することなく有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、予め定められた第1特定条件(有利区間の上限ゲーム数に達すること)が成立したことに基づいて、前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる第1特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に至ったことに基づいて有利区間を強制終了する処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、予め定められた条件であって前記第1特定条件とは異なる第2特定条件(有利区間の上限増加数に達すること)が成立したことに基づいて、前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる第2特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、有利区間増減枚数ZMが上限増加数に達したことに基づいて有利区間を強制終了する処理を実行する機能)と、
前記第1特定終了手段により前記高有利状態が終了される場合、遊技者にとって有益となり得る第1特定事象を生じさせることが可能な第1特定事象実行手段(例えば、主制御装置101により上限ゲーム数に基づき有利区間を強制終了する場合の第6特別報知用処理を実行する機能)と、
前記第2特定終了手段により前記高有利状態が終了される場合、遊技者にとって有益となり得る第2特定事象を生じさせることが可能な第2特定事象実行手段(例えば、主制御装置101により上限増加数に基づき有利区間を強制終了する場合の第6特別報知用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがあり、高有利状態は、当該高有利状態の残数に基づいて終了する場合と、高有利状態における第1特定条件や第2特定条件が成立したことに基づいて終了する場合とがあるため、高有利状態の有利度が極端に高められることが抑制されている。遊技者は高有利状態が長く継続することを望むであろうことからすると、高有利状態の残数にかかわらず第1特定条件や第2特定条件によって高有利状態が終了してしまうと、遊技者は、残りの高有利状態が搾取されてしまったかのような印象を受け、遊技続行や再遊技の意欲が削がれてしまう可能性がある。そこで、第1特定条件や第2特定条件成立に基づいて高有利状態を終了する場合、遊技者にとって有益となり得る特定事象が生じ得るようにすることで、このような高有利状態が強制的に終了し得る場合の不都合を解消することができる。
しかも、上記構成においては、第1特定条件により強制終了されるか、第2特定条件により強制終了されるかによって、生じる特定事象が異なっている。このようにすること、どちらの特定条件にて強制終了されるかに関心を寄せさせ、高有利状態が強制的に終了されるといった事象ですら、遊技に利用することが可能となる。よって、遊技の興趣向上が図られる。
なお、「第1特定条件」や「第2特定条件」を、「前記高有利状態を含む所定状態(有利区間)の終了条件として設定された第1特定条件」や「前記高有利状態を含む所定状態(有利区間)の終了条件として設定された条件であって前記第1特定条件とは異なる第2特定条件」と表現してもよい。
また、上記特徴GC10に、特徴GC1乃至GC9にて示した各構成を個別に又は組み合わせて適用してもよい。
この場合、例えば、特徴GC3においては、「前記残数把握手段は、前記高有利状態の残数として残ゲーム数を把握するものであり、
前記第1特定終了手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数に関わらず、当該高有利状態を含む所定状態(有利区間)の実行ゲーム数が予め定められた上限ゲーム数に至ったことを前記第1特定条件の成立として、当該高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させるものであり、
前記第2特定終了手段は、前記残数把握手段により把握される残ゲーム数に関わらず、当該高有利状態を含む所定状態(有利区間)の各ゲームの遊技結果に応じて払い出された遊技媒体の払出数と各ゲームで使用した遊技媒体の使用数との差分である増減数が予め定められた上限増加数に至ったことを前記第2特定条件の成立として、当該高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させるものであり、
前記第2特定事象よりも前記第1特定事象の方が遊技者にとっての有利度が高い又は有益となり得る程度が大きい」等と表現を修正したうえで適用するとよく、かかる修正は、対応する他の構成を特徴GC10に適用する場合にも同様である。
<特徴GD群>
特徴GD1.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間)とが設定されており、
前記高有利状態に含まれる状態として、当該高有利状態における他の状態(例えば、チャレンジモード)よりも遊技者にとっての有利度が高い特定高有利状態(例えば、アタックモード)が設定されており、
各ゲームの結果に応じて遊技媒体の払出を行う払出手段(払出装置53)と、
前記特定高有利状態において、当該特定高有利状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残数に対応する残数情報を予め定められた残数領域に記憶する残数情報記憶手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記残数情報記憶手段により記憶されている残数情報に対応する残数を把握する残数把握手段(例えば、主制御装置101による区間表示第2処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、当該特定高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、強制終了条件が成立することなく有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記高有利状態の各ゲームの遊技結果に応じて払い出された遊技媒体の払出数と各ゲームで使用した遊技媒体の使用数との差分である増減数が予め定められた上限増加数に至ったことを含む第1特定条件が成立したことに基づいて、前記残数情報記憶手段により記憶されている残数情報に関わらず、前記特定高有利状態を含む前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる第1特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、有利区間増減枚数ZMが上限増加数に達したことに基づいて有利区間を強制終了する処理を実行する機能)と、
予め定められた増加条件が成立したことに基づいて、前記特定高有利状態の増加処理を実行可能な増加処理手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加処理による増加分のゲームを消化した場合に期待できる遊技媒体の期待増減数を把握する期待増減数把握手段(主制御装置101による残枚数管理処理を実行する機能)と、
前記期待増減数とそれまでの前記増減数との合計が前記上限増加数を超過する場合、当該超過分に対応する残数の超過情報を、前記残数領域とは異なる超過領域(消滅準備ゲーム数EJG)に記憶する超過記憶手段(主制御装置101によるステップS14407の処理を実行する機能)と、
前記残数領域に記憶されている残数情報が前記通常終了手段による終了処理の契機となる特定数に対応する特定情報となった場合であって、前記超過領域に前記超過情報が記憶されている場合、当該超過情報に対応する残数を前記残数領域へ残数情報として記憶させる特定記憶手段(主制御装置101による再配分処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがあり、高有利状態には、遊技者にとっての有利度が更に高い特定高有利状態が含まれる構成において、特定高有利状態は、当該特定高有利状態の残数に基づいて終了する場合と、特定高有利状態が含まれる高有利状態にて払い出された遊技媒体の増減数が上限増加数に達したことに基づいて終了する場合とがあるため、高有利状態、特に特定高有利状態の有利度が極端に高められることが抑制されている。特定高有利状態では、増加条件成立に基づいて増加処理といった所謂上乗せが発生する場合があり、その増加処理が行われた場合、その増加処理の増加分のゲームを消化した場合に期待できる遊技媒体の期待増減数とそれまでの増減数とが上限増加数を超える場合には、その超過分に対応する残数の超過情報が、残数に対応する残数情報の記憶される残数領域とは異なる超過領域に記憶される。このように超過情報を残数に対応する残数情報の記憶される領域とは別領域に記憶するようにしておくことで、超過分(超過領域に記憶されている情報)を利用した遊技性を実現し易くなり、上限増加数が定められている高有利状態の興趣向上を図るうえでの処理構成の簡素化に役立てることができる。
そのうえで、このような超過領域に超過情報が記憶されるている場合において、各ゲームの進行状況によっては、残数領域に記憶されている分の特定高有利状態を消化しても、高有利状態中の増減数が上限増加数に達しない場合も考えられる。そこで、このような場合には、超過領域に記憶されている超過情報を残数領域に残数情報として記憶し直す構成とした。このようにすることで、上記のように処理のエラーによる遊技者の損失の発生を抑制しながらも、せっかく増加処理が行われたのにもかかわらず、その分の特定高有利状態の実施が制限されてしまう事象を好適に回避することができる。
なお、「残数情報」や「超過情報」は、例えば、「第1情報」や「第2情報」と表現することも可能である。この場合、「残数情報記憶手段」や「超過情報記憶手段」、「残数領域」や「超過領域」も「第1情報記憶手段」や「第2情報記憶手段」、「第1領域」や「第2領域」と表現し、他の構成についても、適宜、表現の修正を行うとよい。かかる修正は、他の特徴や他の特徴群における対応する箇所にも適用可能である。
また、「特定記憶手段」について、「当該超過情報に対応する残数を前記残数領域へ残数情報として記憶させる」場合、「当該残数領域へ残数情報として記憶させた分の前記超過情報を前記超過情報記憶手段から消去する」構成とすると、「超過情報」が「超過領域」に一時的に記憶される構成であることがより明確に把握される。なお、「特定記憶手段」について、「前記残数領域に記憶されている残数情報が前記通常終了手段による終了処理の契機となる特定数に対応する特定情報となった場合であって、前記超過領域に前記超過情報が記憶されている場合、当該超過情報に対応する残数を前記残数領域へ残数情報として移動させる移動処理を実行可能な手段」と表現してもよい。かかる修正も、他の特徴や他の特徴群における対応する箇所にも適用可能である。
特徴GD2.前記第1特定終了手段により前記高有利状態が終了される場合、前記超過領域に記憶されている前記超過情報が消去される構成であることを特徴とする特徴GD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、上限増加数に達して終了する際に超過領域に記憶される超過情報を消去される構成とすることで、消去対象となる超過領域と、特定高有利状態中に常に利用する残数領域とが別領域となることから、上限増加数に達していない場合に消去してしまう等の処理のエラーの発生を未然に防ぎ、当該エラーによって遊技者が被るリスクを軽減することが可能となる。
特徴GD3.前記高有利状態にて実行されたゲーム数が予め定められた上限ゲーム数に達したことを含む第2特定条件が成立したことに基づいて、前記残数情報記憶手段により記憶されている残数情報に関わらず、前記特定高有利状態を含む前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる第2特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に至ったことに基づいて有利区間を強制終了する処理を実行する機能)と、
前記特定高有利状態において、前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、当該特定高有利状態が含まれる前記高有利状態の前記第2特定条件が成立することを事前に特定可能な第2特定手段(主制御装置101による残ゲーム数管理処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2特定終了手段により前記高有利状態が終了される場合も、前記超過領域に記憶されている前記超過情報が消去される構成であり、
前記第2特定手段により前記第2特定条件が成立すると特定されたことに基づいて、前記超過領域に記憶されている前記超過情報に対応する残数のうち、前記上限ゲーム数を超過すると特定される超過ゲーム数に対応する残数を、前記残数領域及び前記超過領域とは異なる確定領域に確定情報として記憶させる確定情報記憶手段(主制御装置101による消滅ゲーム数移動処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴GD1又は特徴GD2に記載の遊技機。
増減数はゲームの結果によって上下するものであるところ、上限増加数に達するであろうとして超過情報が記憶された場合であっても、上限増加数に達しない場合があり、上記特徴GD1ではそのような場合を想定して、超過情報を残数情報として記憶し直す構成としている。これに対して、ゲーム数が上限ゲーム数に至って強制終了される構成においては、上限ゲーム数に至ることが事前に特定された場合、上限増加数に達する等して上限ゲーム数に達するよりも前に高有利状態が終了することはあっても、上限ゲーム数を超過して高有利状態が継続する可能性は低い。つまり、上限ゲーム数を超過する分については、その後の遊技状況によって、残数領域に記憶し直すといった事象は発生しないものと考えられる。そこで、上記構成においては、上限ゲーム数を超過する分については消滅情報として確定領域に記憶する構成としたことで、高有利状態において常に使用する残数情報を記憶する残数領域と、超過するであろう超過情報を一時的に記憶する超過領域と、超過することが確定した分である確定情報を記憶する確定領域と、いった各領域を用いる構成としている。このように、特定高有利状態中の残数に関する情報という共通する情報をそれぞれ異なる領域に分けて記憶することで、高有利状態中の処理構成の簡略化、エラーの防止、等を見込むことが可能となる。
なお、「確定情報」は、例えば、「第3情報」と表現することも可能であり、この場合、「確定情報記憶手段」や「確定領域」も「第3情報記憶手段」や「第3領域」と表現し、他の構成についても、適宜、表現の修正を行うとよい。
また、「確定情報記憶手段」について、「前記上限ゲーム数を超過すると特定される超過ゲーム数に対応する残数を、前記残数領域及び前記超過領域とは異なる確定領域に確定情報として記憶させる」場合、「当該確定領域へ確定情報として記憶させた分の前記超過情報を前記超過情報記憶手段から消去する」構成とすると、「超過情報」が「超過領域」に一時的に記憶される構成であることがより明確に把握される。なお、「確定情報記憶手段」について、「前記第2特定手段により前記第2特定条件が成立すると特定されたことに基づいて、前記超過領域に記憶されている前記超過情報に対応する残数のうち、前記上限ゲーム数を超過すると特定される超過ゲーム数に対応する残数を、前記残数領域及び前記超過領域とは異なる確定領域に確定情報として移動させる移動処理を実行可能な手段」と表現してもよい。
特徴GD4.前記高有利状態が終了される場合、当該高有利状態に用いた各種情報を初期化する初期化処理を実行可能な初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理において初期化処理を実行する機能)を備え、
前記残数領域及び前記超過領域は、前記初期化手段による前記初期化処理の対象となる一方、前記確定領域は前記初期化手段による前記初期化処理の対象とならないことを特徴とする特徴GD3に記載の遊技機。
上記構成によれば、残数領域に記憶される残数情報や超過領域に記憶される超過情報は高有利状態の終了に際して初期化される一方、確定領域に記憶される確定情報は初期化の対象とならないため、確定情報を高有利状態の終了後まで引き継ぐことができる。つまり、特徴GD2に記載したように、確定情報は高有利状態中に使用され得ない残数の情報であることから、高有利状態の終了の際の初期化処理の対象としなくても、初期化処理が設けられた意義には反しないものと考えられる。そこで、上記構成のようにすることで、確定情報を高有利状態から低有利状態へ引き継いで、低有利状態中の遊技演出に利用するなど、高有利状態と低有利状態の遊技進行の好適化を図ることができる。
特徴GD5.前記確定情報記憶手段は、前記第2特定手段により前記第2特定条件が成立すると特定された場合であって、前記超過領域に前記超過情報が記憶されていない場合、前記残数領域に記憶されている残数のうち、前記上限ゲーム数を超過すると特定される超過ゲーム数に対応する残数を、前記残数領域及び前記超過領域とは異なる確定領域に確定情報として記憶させることを特徴とする特徴GD3又は特徴GD4に記載の遊技機。
上記構成によれば、上限ゲーム数に達するとの予測がなされた時点で、超過情報が記憶されていない場合、第1情報の残数情報から超過ゲーム数に対応する残数が、確定情報として記憶される。つまり、上限ゲーム数に達するとの予測がなされる場合、それよりも前に増減数が上限増加数に達するとの予測がなされている場合もあれば、その予測がなされていない場合もあり、上記構成は予測がなされていない状況での確定情報の記憶を規定する。このような構成であれば、確定領域の存在意義がより明確化されることを通じて、超過情報を記憶する超過領域が確定領域へ確定情報を記憶させる前の一時的な記憶領域であることがより明確化され、特徴GD1にて記載した超過領域へ一時記憶させることのメリットをより際立たせることが可能となる。
特徴GD6.前記確定情報記憶手段により前記確定領域に記憶された前記確定情報が、前記残数領域に記憶されていた前記残数情報に基づくものか、前記超過領域に記憶されていた前記超過情報に基づくものか、を判別可能な判別手段(主制御装置101による第2超過フラグの有無を判定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴GD5に記載の遊技機。
上記構成によれば、確定領域に記憶される確定情報のルーツとして、残数領域の残数情報と超過領域の超過情報といった複数のルーツが存在する構成において、当該確定情報のルーツが判別手段によって事後的に判別可能となることから、例えば、残数情報をルーツとする確定情報と、超過情報をルーツとする確定情報とで異なる取り扱いを行う等(異なる特典を付与したり、有利度が異なる事象を生じさせたりする等)、ルーツの違いを利用した遊技性を実現可能となる。
特徴GD7.前記判別手段により、前記確定領域に記憶された前記確定情報が、前記残数領域に記憶されていた前記残数情報に基づくものであると判別されたことに基づいて、第1処理を実行する第1処理実行手段(主制御装置101による第2超過フラグがセットされていない場合の総消滅ゲーム数TEGに基づく第6特別報知用の処理を実行する機能)と、
前記判別手段により、前記確定領域に記憶された前記確定情報が、前記超過領域に記憶されていた前記超過情報に基づくものであると判別されたことに基づいて、前記第1処理とは異なる第2処理を実行する第2処理実行手段(主制御装置101による第2超過フラグがセットされている場合の総消滅ゲーム数TEGに基づく第6特別報知用の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴GD6に記載の遊技機。
上記構成は、特徴GD6の機能を明確化するための具体的構成である。
特徴GD8.前記第2処理実行手段により前記第2処理が行われた場合よりも、前記第1処理実行手段により前記第1処理が行われた場合の方が、遊技者にとって有利となり易いように設定されていることを特徴とする特徴GD7に記載の遊技機。
上記構成によれば、超過情報として一旦記憶されてから確定情報として記憶される場合とは、増減数が上限増加数に達するとの予測が行われた後、上限ゲーム数に達するとの予測が行われた場合であり、超過情報として記憶されることなく残数情報からそのまま確定情報として記憶される場合とは、上限増加数に達するとの予測よりも先に、上限ゲーム数に達するとの予測が行われた場合である。つまり、高有利状態、特に特定高有利状態において、少ないゲーム数で多くの払出を受けている状況だと同じ残りゲーム数でも上限増加数に達すると予測され易く、言い換えると、高有利状態(特定高有利状態)における払出が少ないほど、上限増加数に達することの予測よりも上限ゲーム数に達することの予測の方が先に行われ易い。しかも、上限増加数に達するとの予測よりも前に上限ゲーム数に達するとの予測が行われた場合、上限増加数に達することなく上限ゲーム数に達する可能性が高い。そこで、上記構成のように、上限増加数に達するとの予測よりも前に上限ゲーム数に達するとの予測が行われた場合の処理(第1処理)の方が、上限増加数に達するとの予測後に上限ゲーム数に達するとの予測が行われた場合の処理(第2処理)よりも、遊技者にとって有利なものとなり易いようにすることで、高有利状態中に払い出された遊技媒体数の差をその有利度の差で補うことが可能となり得る。
特徴GD9.前記特定高有利状態において、予め定められた増加条件が成立したことに基づいて、前記特定高有利状態の増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加処理が行われたことに対応する増加報知を、所定の報知手段にて実行可能な第1増加報知手段(主制御装置101や表示制御装置81による上乗せ報知用の処理を実行する機能)と、
前記特定記憶手段により、前記超過領域に記憶されている前記超過情報に基づいて、前記残数領域への前記残数情報の記憶が行われる場合、前記増加報知を所定の報知手段にて実行可能な第2増加報知手段(主制御装置101によるステップS14317の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴GD1乃至GD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加条件が成立した場合に増加処理が行われて、その増加報知が発生する、といった所謂上乗せ報知が設定されている構成において、上限増加数に達するものとして、一旦、超過情報として記憶したものの、上限増加数に達する前に残数情報が特定情報となった場合には、残数情報の残数領域への再記憶とともに、増加報知が発生する。このようにすることで、例えば、残数領域に記憶されている残数情報に対応する報知(例えば、残りゲーム数の報知)が行われている場合等、上記残数情報の再記憶に伴う報知上の矛盾を、比較的違和感を与えにくい構成にて解消することが可能となる。
特徴GD10.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間のうち、例えばアタックモード)とが設定されており、
各ゲームの結果に応じて遊技媒体の払出を行う払出手段(払出装置53)と、
前記高有利状態において、当該高有利状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残数に対応する残数情報を予め定められた残数領域に記憶する残数情報記憶手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記残数情報記憶手段により記憶されている残数情報に対応する残数を把握する残数把握手段(例えば、主制御装置101による区間表示第2処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、当該高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、強制終了条件が成立することなく有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記高有利状態を含む所定状態(有利区間)の各ゲームの遊技結果に応じて払い出された遊技媒体の払出数と各ゲームで使用した遊技媒体の使用数との差分である増減数が予め定められた上限増加数に至ったことを含む第1特定条件が成立したことに基づいて、前記残数情報記憶手段により記憶されている残数情報に関わらず、前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる第1特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、有利区間増減枚数ZMが上限増加数に達したことに基づいて有利区間を強制終了する処理を実行する機能)と、
予め定められた増加条件が成立したことに基づいて、前記高有利状態の増加処理を実行可能な増加処理手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加処理による増加分のゲームを消化した場合に期待できる遊技媒体の期待増減数を把握する期待増減数把握手段(主制御装置101による残枚数管理処理を実行する機能)と、
前記期待増減数とそれまでの前記増減数との合計が前記上限増加数を超過する場合、当該超過分に対応する残数の超過情報を、前記残数領域とは異なる超過領域(消滅準備ゲーム数EJG)に記憶する超過記憶手段(主制御装置101によるステップS14407の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定終了手段により前記高有利状態が終了される場合、前記超過領域に記憶されている前記超過情報が消去される構成であり、
前記残数領域に記憶されている残数情報が前記通常終了手段による終了処理の契機となる特定数に対応する特定情報となった場合であって、前記超過領域に前記超過情報が記憶されている場合、当該超過情報に対応する残数を前記残数領域へ残数情報として記憶させる特定記憶手段(主制御装置101による再配分処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがあり、高有利状態は、当該高有利状態の残数に基づいて終了する場合と、高有利状態を含む所定状態にて払い出された遊技媒体の増減数が上限増加数に達したことに基づいて終了する場合とがあるため、高有利状態の有利度が極端に高められることが抑制されている。高有利状態では、増加条件成立に基づいて増加処理といった所謂上乗せが発生する場合があり、その増加処理が行われた場合、その増加処理の増加分のゲームを消化した場合に期待できる遊技媒体の期待増減数とそれまでの増減数とが上限増加数を超える場合には、その超過分に対応する残数の超過情報が、残数に対応する残数情報の記憶される残数領域とは異なる超過領域に記憶される。このように超過情報を残数に対応する残数情報の記憶される領域とは別領域に記憶するようにしておくことで、超過分(超過領域に記憶されている情報)を利用した遊技性を実現し易くなり、上限増加数が定められている高有利状態の興趣向上を図るうえでの処理構成の簡素化に役立てることができる。しかも、超過領域に記憶される超過情報は上限増加数に達して終了する際に消去される構成としており、上記構成のようにすることで、消去対象となる超過領域と、高有利状態中に常に利用する残数領域とが別領域となることから、上限増加数に達していない場合に消去してしまう等の処理のエラーの発生を未然に防ぎ、当該エラーによって遊技者が被るリスクを軽減することが可能となる。
そのうえで、このような超過領域に超過情報が記憶されるている場合において、各ゲームの進行状況によっては、残数領域に記憶されている分の高有利状態を消化しても、遊技媒体の増減数が上限増加数に達しない場合も考えられる。そこで、このような場合には、超過領域に記憶されている超過情報を残数領域に残数情報として記憶し直す構成とした。このようにすることで、上記のように処理のエラーによる遊技者の損失の発生を抑制しながらも、せっかく増加処理が行われたのにもかかわらず、その分の高有利状態の実施が制限されてしったりする事象を好適に回避することができる。
なお、上記特徴GD10に、特徴GD1乃至GD9にて示した各構成を個別に又は組み合わせて適用してもよい。
<特徴GE群>
特徴GE1.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間)とが設定されており、
前記高有利状態に含まれる状態として、当該高有利状態における他の状態(例えば、チャレンジモード)よりも遊技者にとっての有利度が高い特定高有利状態(例えば、アタックモード)が設定されており、
前記特定高有利状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残数を把握する残数把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、前記特定高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、強制終了条件が成立することなく有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される残数に対応する残数情報を、所定の報知手段にて報知可能な残数報知手段(表示制御装置81による表示用残数カウンタHGに対応する残りゲーム数報知を行うための処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、予め定められた特定条件(2400枚の上限増加数)が成立したことに基づいて、当該特定高有利状態を含む前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、有利区間増減枚数ZMが上限増加数に達したことに基づいて有利区間を強制終了する処理を実行する機能)と、
前記高有利状態が前記特定終了手段により終了される場合、前記残数報知手段により報知されている残数情報を把握する報知残数把握手段(例えば、主制御装置101によるステップS14803の処理を実行する機能)と、
前記報知残数把握手段による把握結果に基づいて、遊技者にとって有益となり得る特定事象を生じさせることが可能な特定事象実行手段(例えば、主制御装置101による第7特別報知用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがあり、高有利状態には、遊技者にとっての有利度が更に高い特定高有利状態が含まれる構成において、特定高有利状態は、当該特定高有利状態の残数に基づいて終了する場合と、特定条件が成立したことに基づいて終了する場合とがあるため、高有利状態、特に特定高有利状態の有利度が極端に高められることが抑制されている。特定条件が成立した場合は、特定高有利状態の残数に関わらず高有利状態が終了されるところ、特定条件が成立して終了されるよりも前にその残数が報知されている場合には、遊技者は、報知されていた残数が意図的に消滅させられ、それが搾取されたかのような印象を受ける可能性があり、遊技意欲の低下が懸念される。かといって、報知されている残数が消化されるのを待って高有利状態を終了する構成としてしまうと、せっかく特定条件といった強制終了条件を設けた意義が全く担保されないし、残数を報知しないようにしても、高有利状態の継続性に高い関心を寄せるであろう遊技者のニーズには応えることができない。そこで、上記構成のように、報知の有無に関わらず特定条件成立で高有利状態を終了する構成としたうえで、報知されていた分の残数に応じて特定事象を生じさせる構成とすることで、遊技者の遊技意欲の低下を回避し、遊技者の多様なニーズに応える遊技機を提供することが可能となる。
なお、「特定条件」を、「前記特定高有利状態を含む前記高有利状態の終了条件として設定された特定条件」と表現してもよい。
特徴GE2.各ゲームの結果に応じて遊技媒体の払出を行う払出手段(払出装置53)を備え、
前記特定条件は、前記高有利状態の各ゲームの遊技結果に応じて払い出された遊技媒体の払出数と各ゲームで使用した遊技媒体の使用数との差分である増減数が予め定められた上限増加数に至ったことに基づいて成立するものであり、
前記特定事象実行手段は、前記特定事象として、遊技者にとって有益となり得る情報を提示可能であることを特徴とする特徴GE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲームを行うことでその結果として遊技媒体の払出を受けて、遊技媒体の増加を見込む、といった遊技機の前提からすると、遊技媒体の増減数が上限増加数に至ることは高有利状態の究極目標といえる。つまり、高有利状態における特定高有利状態の残数に関わらず特定終了手段により終了される場合であっても、遊技媒体の増減数が上限増加数に至っている場合には、高有利状態の目標を達成しており、報知済みの残数を消化することなく高有利状態が終了されたとしても、遊技者は十分に満足しているだろうという考えもある。そこで、上記構成のように、報知済みの残数に基づいて生じさせる特定事象を、遊技者にとって有益となり得る情報の提示に留め、このような特定事象を生じさせることによって有利度が高騰しすぎないようにすることが可能となる。
特徴GE3.前記残数把握手段により把握される残数は、前記特定高有利状態にて実行可能なゲーム数に対応するものであり、
前記残数報知手段により報知される残数情報は、前記ゲーム数に対応するものであることを特徴とする特徴GE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴GE2の効果がより明確化される。つまり、残数把握手段により把握される残数とは特定高有利状態の残りゲーム数に対応するものであり、高有利状態中の遊技媒体の増減数が上限増加数に至った場合には、特定高有利状態の残りゲーム数に関わらず、高有利状態が強制的に終了される。そして、特定事象実行手段は、当該強制終了時に報知されていた残りゲーム数に対応する情報に基づいて、遊技者にとって有益となり得る情報の提示を特定事象として実行する。このように明確化することで、各ゲームの遊技結果として遊技媒体の増加を見込むという、遊技の目的と、その遊技に際する報知上の矛盾を、特定事象にて補う特徴GE1の構成と、のバランスが保たれることがより明確に理解される。
特徴GE4.前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、前記特定条件が事後的に成立する特定状況であることを把握可能な特定状況把握手段(主制御装置101による残枚数管理処理を実行する機能)と、
前記特定状況把握手段により前記特定状況であることが把握されたことに対応する特定状況報知を、所定の報知手段にて実行可能な特定状況報知手段(主制御装置101による第8特別報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴GE1乃至GE3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件といった強制終了条件が事後的に成立するであろう特定状況となると、特定状況報知が所定の報知手段にて行われるため、遊技者は、当該特定状況であることを把握可能となるとともに、残数報知手段にて報知されている残数情報に基づいて特定条件成立時に特定事象が生じることを把握可能となる。そうすると、例えば、報知されている残数情報に対応する残数が多いほど有利な特定事象が生じるような構成であれば、特定状況報知が行われると、遊技者としては、報知されている残数情報に対応する残数をなるべく消化しないで特定条件が成立することを望むようになると考えられる。このようにすることで、特定状況となった後、単に特定条件が成立するまで残数を消化させるのではなく、特定条件成立までの遊技の面白みが追加され、遊技の興趣向上が図られる。
特徴GE5.各ゲームの結果に応じて遊技媒体の払出を行う払出手段(払出装置53)を備え、
前記特定条件は、前記高有利状態の各ゲームの遊技結果に応じて払い出された遊技媒体の払出数と各ゲームで使用した遊技媒体の使用数との差分である増減数が予め定められた上限増加数に至ったことに基づいて成立するものであり、
前記高有利状態における各ゲームの結果として、第1数の遊技媒体の払出が行われ得る第1結果(例えば、3枚のメダル払出が行われる強チェリー役)と、前記第1数よりも多い第2数の遊技媒体の払出が行われ得る第2結果(例えば、9枚のメダル払出が行われるベル役)と、が設けられていることを特徴とする特徴GE4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件は、高有利状態中の遊技媒体の増減数が上限増加数に至ったことで成立するものであることから、特定状況報知が行われた後、なるべく早い特定条件の成立を目指すのであれば、ゲームの結果が払出数の多い第2結果となることを期待しながら遊技を行うものと考えられる。このようにすることで、特定状況となった後の遊技の興趣向上が図られる。
特徴GE6.前記特定事象実行手段は、前記特定終了手段により前記高有利状態が終了される場合に前記残数報知手段による残数情報の報知が多い残数に対応するものであるほど、遊技者にとって有利な特定事象を生じさせることが可能な構成であることを特徴とする特徴GE4又は特徴GE5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況となり特定状況報知が行われた後は、なるべく早く特定条件を成立させたほうが有利となる。このようにすることで、高有利状態を終了させたくないといった遊技者の気持ちを、高有利状態を早く終了させたい、といった全く逆の目標に切り替えさせることができる。よって、特定条件といった強制終了条件が設定されている高有利状態における遊技性を、好適に高めることが可能となる。
特徴GE7.前記特定事象実行手段は、前記特定終了手段により前記高有利状態が終了される場合に前記残数報知手段による残数情報の報知が少ない残数に対応するものであるほど、遊技者にとって有利な特定事象を生じさせることが可能な構成であることを特徴とする特徴GE4又は特徴GE5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況となり特定状況報知が行われた後は、なるべく特定条件の成立を遅らせたほうが有利となる。このようにすることで、高有利状態を最後まで楽しませることができ、特定条件といった強制終了条件が設定されている高有利状態における遊技性を、好適に高めることが可能となる。
特徴GE8.前記特定事象実行手段は、前記特定終了手段により前記高有利状態が終了される場合に前記残数報知手段による残数情報の報知が、予め定められた特別数に対応する報知である場合、そうではない場合と比較して、遊技者にとって有利な特定事象を生じさせることが可能な構成であることを特徴とする特徴GE4乃至特徴GE7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況となり特定状況報知が行われた後は、残数報知に対応する残数が特別数である状況で特定条件が成立すると、そうではない場合よりも有利となる。つまり、例えば、特別数をキリの良い数とすると、そのキリの良い数が報知されている状況で強制終了されると有利な構成である。このようにすることで、特定状況となった後、特定条件が成立するまでの遊技において、遊技者は、なるべく特別数にて特定条件が成立するように遊技操作を調節したり、それを願って遊技を進行するものと考えられ、当該特定状況下の遊技性が大幅に向上し得る。
特徴GE9.前記特定高有利状態において、予め定められた増加条件が成立したことに基づいて、前記特定高有利状態の増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加処理が行われたことに対応する増加報知を、所定の報知手段にて実行可能な増加報知手段(主制御装置101や表示制御装置81による上乗せ報知用の処理を実行する機能)と、
前記増加手段による前記増加処理が行われたことに基づいて、前記残数把握手段により把握される残数が前記特定条件の成立に対応するものとなるか否かを特定可能な特定手段(例えば、主制御装置101によるステップS13301の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴GE1乃至GE8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定高有利状態の残数を増加させる所謂上乗せ処理としての増加処理が行われる場合、その増加処理によって高有利状態の強制終了条件としての特定条件が成立するか否かが特定される。このようにすることで、どうせ高有利状態が強制終了されるのであれば、その増加処理に基づく報知を行わないようにしたり、残数報知手段による残数情報の報知にその増加処理を反映させないようにしたりする等、遊技者をぬか喜びさせないようにすることができ、特定終了手段による強制終了時に特定事象が生じる機会をなるべく減らすことが可能となる。また、特定終了手段による強制終了時に特定事象が生じることを前提とするならば、上記のような増加処理によって特定条件が成立することが特定された場合には、強制終了によって特定事象が生じることを期待させる報知も可能であり、単に残数を増加させるといった遊技性から脱却し、新たな遊技性の創出にも役立てることが可能となる。
特徴GE10.前記増加報知手段は、前記増加処理に基づいて報知する残数の増加分を、前記特定手段の特定結果に応じて調整可能であることを特徴とする特徴GE9に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加処理に基づいて報知する増加分を特定条件といった強制終了条件の成否によって調整することが可能となるため、例えば、特定条件成立までの増加分については報知する一方、特定条件が成立する残数を超過する増加分については報知しないようにしたり、特定条件が生じることとなる増加数との関係で報知する増加分の情報を決定したりする等、遊技者をぬか喜びさせないようにしたり、消化できない分の残数の増加を利用して遊技者を楽しませる工夫を施すことができる。
特徴GE11.前記増加報知手段は、
前記増加処理が行われたことに基づいて前記増加報知を実行する第1手段(表示制御装置81により上乗せ報知を即乗せ報知として行う処理を実行する機能)と、
前記残数報知手段により報知されている残数情報が所定情報となったことに基づいて前記増加報知を実行する第2手段(表示制御装置81により上乗せ報知を後乗せ報知として行う処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定手段による特定結果に基づいて、今回の前記増加処理に対応する増加報知を、前記第1手段及び前記第2手段のいずれにて行うかの選択が可能であることを特徴とする特徴GE9又は特徴GE10に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加処理が行われたことに基づいて増加報知を行う、所謂即乗せ報知と、残数報知手段による残数情報が所定情報となったことに基づいて増加報知を行う、所謂後乗せ報知とがある構成においては、特定条件が事後的に成立すると特定された場合には今回の上乗せ報知(増加報知)として即乗せ報知と後乗せ報知の選択が行われる。このようにすることで、特定条件の成否がその後の遊技状況等によって事後的に覆る可能性がある構成において、増加報知を後回しにしておくことで、遊技者をぬか喜びさせたり、ぬか喜びさせないようにしたりして、残数情報との関係を利用した遊技の面白みを向上させることが可能となる。
特徴GE12.前記特定手段により前記特定条件が成立することが事前に特定された場合であっても、その後の遊技状況により、当該特定条件が成立せずに前記高有利状態が終了される場合があることを特徴とする特徴GE9乃至GE11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、将来的に特定条件が成立することが特定されていたとしても、その後の遊技状況によっては特定条件が成立することなく高有利状態が終了する場合もある。そのため、増加処理時に増加処理を行わないようにする構成としてしまうと、特定条件が成立しなかった場合に遊技者は多大な不利益を被ることとなる。これに対して、上記特徴GE9等に記載しているように、特定条件が将来的に成立するか否かを特定するだけに留め、増加処理自体は実行する構成とし、報知側で調節する構成としておけば(報知してしまった分で特定事象を生じさせたり、報知しなかったりする等しておけば)、増加処理分が消失してしまう不都合を回避しながら、事後的に特定条件が成立しないようになっても、遊技の違和感を与えないようにすることが可能となる。
特徴GE13.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間におけるアタックモード等)とが設定されており、
前記高有利状態において、当該高有利状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残数を把握する残数把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、強制終了条件が成立することなく有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される残数に対応する残数情報を、所定の報知手段にて報知可能な残数報知手段(表示制御装置81による表示用残数カウンタHGに対応する残りゲーム数報知を行うための処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、予め定められた特定条件(2400枚の上限増加数)が成立したことに基づいて、前記高有利状態を終了して前記低有利状態へと移行させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、有利区間増減枚数ZMが上限増加数に達したことに基づいて有利区間を強制終了する処理を実行する機能)と、
前記高有利状態が前記特定終了手段により終了される場合、前記残数報知手段により報知されている残数情報を把握する報知残数把握手段(例えば、主制御装置101によるステップS14803の処理を実行する機能)と、
前記報知残数把握手段による把握結果に基づいて、遊技者にとって有益となり得る特定事象を生じさせることが可能な特定事象実行手段(例えば、主制御装置101による第7特別報知用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがあり、高有利状態は、当該高有利状態の残数に基づいて終了する場合と、特定条件が成立したことに基づいて終了する場合とがあるため、高有利状態の有利度が極端に高められることが抑制されている。特定条件が成立した場合は、高有利状態の残数に関わらず終了されるところ、特定条件が成立して終了されるよりも前にその残数が報知されている場合には、遊技者は、報知されていた残数が意図的に消滅させられ、それが搾取されたかのような印象を受ける可能性があり、遊技意欲の低下が懸念される。かといって、報知されている残数が消化されるのを待って高有利状態を終了する構成としてしまうと、せっかく特定条件といった強制終了条件を設けた意義が全く担保されないし、残数を報知しないようにしても、高有利状態の継続性に高い関心を寄せるであろう遊技者のニーズには応えることができない。そこで、上記構成のように、報知の有無に関わらず特定条件成立で高有利状態を終了する構成としたうえで、報知されていた分の残数に応じて特定事象を生じさせる構成とすることで、遊技者の遊技意欲の低下を回避し、遊技者の多様なニーズに応える遊技機を提供することが可能となる。
なお、「特定条件」を、「前記高有利状態を含む所定状態(有利区間)の終了条件として設定された特定条件」と表現してもよい。
また、上記特徴GE13に、特徴GE1乃至GE12にて示した各構成を個別に又は組み合わせて適用してもよい。
この場合、例えば、特徴GE2においては、「各ゲームの結果に応じて遊技媒体の払出を行う払出手段(払出装置53)を備え、
前記特定条件は、前記高有利状態を含む所定状態(有利区間)の各ゲームの遊技結果に応じて払い出された遊技媒体の払出数と各ゲームで使用した遊技媒体の使用数との差分である増減数が予め定められた上限増加数に至ったことに基づいて成立するものであり、
前記特定事象実行手段は、前記特定事象として、遊技者にとって有益となり得る情報を提示可能である」等と表現を修正したうえで適用するとよく、かかる修正は、対応する他の構成を特徴GE13に適用する場合にも同様である。
<特徴GF群>
特徴GF1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を実行可能な払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態(アタックモード等を含む有利区間)とを設け、
前記第1特定遊技状態に含まれる状態として、当該第1特定遊技状態における他の状態(例えば、チャレンジモード)よりも遊技者にとって有利となり易い第2特定遊技状態(例えば、アタックモード)が設定されており、
通常遊技状態において、前記第1特定遊技状態へ移行させるか否かの第1移行抽選を実行する第1移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理においてチャレンジモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による抽選結果が前記第1特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記第1特定遊技状態へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてチャレンジモードへ移行させる処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理におけるアタックモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記第2移行抽選手段による抽選結果が前記第2特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてアタックモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態において、当該第2特定遊技状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残りゲーム数に対応する残数情報を把握する第1把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記第1特定遊技状態の実行ゲーム数に対応する実行情報を把握する第2把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記第1把握手段により把握される前記残数情報に基づいて、当該第2特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記第2把握手段にて把握される前記実行情報が予め定められた上限ゲーム数に対応する情報となったことに基づいて、前記第1把握手段により把握される前記残数情報に関わらず、前記第2特定遊技状態を含む前記第1特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第1特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
前記第1把握手段により把握される残数情報に基づいて、当該残数情報に対応するゲームが実行されるよりも前に、当該第2特定遊技状態にて増減する遊技媒体の予測増減数を予測可能な予測手段(主制御装置101による残枚数管理処理や第1調整処理、第2調整処理等を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い第1特定遊技状態が設けられており、その第1特定遊技状態に含まれる状態として更に有利な第2特定遊技状態が設けられているため、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態を目指す、といったように段階に有利となる状態移行を前提とした遊技性が実現され、興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
これら第1特定遊技状態や第2特定遊技状態は、第2特定遊技状態の終了条件までの残りゲーム数(残数情報)に基づいて終了する場合の他、第1特定遊技状態の実行回数が上限回数に達した場合には、第2特定遊技状態の残数に関わらず終了する場合を設定しているため、第1特定遊技状態や第2特定遊技状態が延々と継続することにより、設計者の予想を凌駕する遊技媒体の増加が生じたり、遊技者がなかなか遊技を終了できないといった不都合が回避されている。
しかも、上記構成においては、第2特定遊技状態の残りゲーム数に基づいて、当該第2特定遊技状態中に増減する遊技媒体の増減数の予測が行われる。このような構成を備えれば、第2特定遊技状態の残りゲーム数との関係で、あとどれくらいの払出が行われるかといった点を把握しながら遊技を行わせることができる等、第2特定遊技状態中の遊技性の向上の手助けとなり、遊技性の向上を好適に図ることが可能となる。
特徴GF2.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を実行可能な払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態(アタックモード等を含む有利区間)とを設け、
前記第1特定遊技状態に含まれる状態として、当該第1特定遊技状態における他の状態(例えば、チャレンジモード)よりも遊技者にとって有利となり易い第2特定遊技状態(例えば、アタックモード)が設定されており、
通常遊技状態において、前記第1特定遊技状態へ移行させるか否かの第1移行抽選を実行する第1移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理においてチャレンジモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による抽選結果が前記第1特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記第1特定遊技状態へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてチャレンジモードへ移行させる処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理におけるアタックモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記第2移行抽選手段による抽選結果が前記第2特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてアタックモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態において、当該第2特定遊技状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残りゲーム数に対応する残数情報を把握する第1把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記第1特定遊技状態の実行ゲーム数に対応する実行情報を把握する第2把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記第1把握手段により把握される前記残数情報に基づいて、当該第2特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記第2把握手段にて把握される前記実行情報が予め定められた上限ゲーム数に対応する情報となったことに基づいて、前記第1把握手段により把握される前記残数情報に関わらず、前記第2特定遊技状態を含む前記第1特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第1特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
前記第1把握手段により把握される残数情報に基づいて、当該残数情報に対応するゲームが実行されるよりも前に、当該第2特定遊技状態にて増減する遊技媒体の予測増減数を予測可能な予測手段(主制御装置101による残枚数管理処理や第1調整処理、第2調整処理等を実行する機能)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記予測増減数の修正処理を実行可能な修正手段(主制御装置101による第1調整処理~第3調整処理や、修正条件が成立したことに基づく残枚数管理処理や予測条件の変更処理が行われた後の残枚数管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い第1特定遊技状態が設けられており、その第1特定遊技状態に含まれる状態として更に有利な第2特定遊技状態が設けられているため、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態を目指す、といったように段階に有利となる状態移行を前提とした遊技性が実現され、興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
これら第1特定遊技状態や第2特定遊技状態は、第2特定遊技状態の終了条件までの残りゲーム数(残数情報)に基づいて終了する場合の他、第1特定遊技状態の実行回数が上限回数に達した場合には、第2特定遊技状態の残数に関わらず終了する場合を設定しているため、第1特定遊技状態や第2特定遊技状態が延々と継続することにより、設計者の予想を凌駕する遊技媒体の増加が生じたり、遊技者がなかなか遊技を終了できないといった不都合が回避されている。
しかも、上記構成においては、第2特定遊技状態の残りゲーム数に基づいて、当該第2特定遊技状態中に増減する遊技媒体の増減数の予測が行われる。このような構成を備えれば、第2特定遊技状態の残りゲーム数との関係で、あとどれくらいの払出が行われるかといった点を把握しながら遊技を行わせることができる等、第2特定遊技状態中の遊技性の向上の手助けとなる。但し、各ゲームの抽選結果や各ゲームの停止態様によって、予測増減数は実際の増減数と大きく異なるものとなる場合がある。そこで、その予測増減数の修正処理を可能とすることで、予測増減数を用いた遊技において予測の誤差による矛盾等が生じる可能性を低くし、遊技性の向上を好適に図ることが可能となる。
特徴GF3.前記予測手段は、1ゲーム当たりで期待できる期待払出数の最大値を用いて、前記予測増減数の最大値を予測可能な手段(主制御装置101による第1調整処理において最大枚数に対応する最大増減枚数MMを用いた予測を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴GF1又は特徴GF2に記載の遊技機。
上記構成によれば、予測増減数が最大値となり、実際の増減数がそれよりも上回る事象は生じない。このようにすることで、当該上回ることに基づく不都合の発生を回避することが可能となる。
特徴GF4.前記抽選手段による抽選結果として、前記払出手段による遊技媒体の払出対象となる所定の払出結果(例えばベル)が設けられており、
前記払出手段は、前記抽選手段による抽選結果が、前記所定の払出結果のうち滞在している状態において最も当選確率が高い特定払出結果であり、前記有効位置に当該特定払出結果に対応する特定の絵柄組合せが停止したことに基づいて特定数の遊技媒体の払出を行うものであり、
前記予測手段は、各ゲームの期待増減数を前記特定数として前記予測増減数の予測を実行可能な手段(主制御装置101による第1調整処理においてメイン役の枚数に対応する最大増減枚数MMを用いた予測を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴GF1乃至GF3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、最も当選確率の高い特定払出結果として所謂メイン役を用いて、当該メイン役に毎ゲーム当選したものとして予測増減の予測が行われる。予測増減の予測を行ううえでは、例えば、特徴GF3のように、増減数が最大数となる払出結果に毎ゲーム当選したものとしてその予測を行う構成も考えられ、このようにすることで実際の増減数が予測よりも多くなることはあり得なくなる一方、その最大数となる払出結果の当選確率は比較的低く設定されていることが多く、このような払出結果に毎ゲーム当選するとする予測は現実的ではないとも考えられる。そこで、上記構成のようにすることで、より実際に起こり得る範囲で、最も多い増減数の予測を行うことが可能となり、予測結果の有用性を高めるとともに、修正の必要性を低下させることが可能となる。
特徴GF5.前記抽選手段による抽選結果として、前記払出手段による遊技媒体の払出対象となる所定の払出結果(例えばベル)と、当該抽選手段による抽選結果が前記所定の払出結果となる確率が通常遊技状態よりも高くなる特別状態への移行が可能となる移行結果(例えば第1BB)と、が設定されており、
前記第2特定遊技状態中の1ゲーム当たりで期待できる第1期待増減数よりも、前記特別状態中の1ゲーム当たりで期待できる第2期待増減数の方が多い構成であり、
前記第2特定遊技状態中に前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となった場合、前記特別状態への移行が生じるまでの移行前状態及び当該特別状態の終了後に前記特定遊技状態への移行が生じるまでの移行後状態での1ゲーム当たりで期待できる第3期待増減数は、前記第1期待増減数よりも少ないことを特徴とする特徴GF1乃至GF4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態中の予測増減数を予測するうえで、期待増減数が多くなる特別状態が設定されており、このような特別状態への移行が第2特定遊技状態中に何回生じるかによって、予測増減数と実際の増減数との差は大きくなり得る。その一方、第2特定遊技状態中に特別状態への移行が生じ得る移行結果当選となった場合、当該特別状態への移行が生じるまでの移行前状態と特別状態終了後であって第2特定遊技状態への移行が生じるまでの移行後状態の期待増減数は、第2特定遊技状態中に期待増減数よりも少ない。つまり、これら移行前状態や移行後状態の分の期待増減数を加味すると、特別状態中の増加分が移行前状態や移行後状態での減少分によって相殺され、第2特定遊技状態中の予測増減数と実際の増減数との差分が小さくなり得る。
特徴GF6.前記特別状態の継続ゲーム数の平均値と前記第2期待増減数とから算出される当該特別状態で増減する遊技媒体の第1総増減数と、前記移行前状態及び前記移行後状態の継続ゲーム数の平均値と前記第3期待増減数とから算出される当該移行前状態及び前記移行後状態で増減する遊技媒体の第2総増減数との合計と、これら前記特別状態、前記移行前状態及び前記移行後状態の継続ゲーム数の平均値とから算出される、1ゲーム当たりで期待できる第4期待増減数が、前記第1期待増減数と同数又は同程度となるように設定されていることを特徴とする特徴GF5に記載の遊技機。
上記構成は、特徴GF5の効果をより好適に奏するための、具体的な構成である。
特徴GF7.予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記予測増減数の修正処理を実行可能な修正手段(主制御装置101による修正条件が成立したことに基づく残枚数管理処理を実行する機能)を備え、
前記予測手段は、滞在している状態における1ゲーム当たりで期待できる期待増減数の平均値を用いて、前記予測増減数を予測可能な構成であり、
前記修正手段は、前記滞在している状態から異なる状態へ移行したこと、又は前記異なる状態への移行が許容されることである移行事象が生じたことに基づいて、前記修正処理を実行可能であることを特徴とする特徴GF1乃至GF6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、滞在している状態の期待増減数の平均値を用いて予測増減数の予測が行われるようにし、状態が異なる状態へ移行することに基づいて予測増減数の修正が行われるようにいたため、状態の移行を事前に予測したうえで予測増減数の予測を行うといったような複雑な処理を経ることなく、上記特徴GF1等の効果を奏することが可能となる。
特徴GF8.前記予測手段は、前記第1特定遊技状態を含めて前記予測増減数を予測可能な構成であり、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記予測増減数の修正処理を実行可能な修正手段(主制御装置101による予測条件修正処理:ステップS16109を実行する機能)と、
遊技状態が前記第1特定遊技状態へ移行することに基づいて、又は遊技状態が前記第1特定遊技状態へ移行し、前記停止操作手段による操作態様に関する態様報知が実行され得る状態となることを含む所定の開始条件が成立することに基づいて特定報知手段(第8表示用セグメントN8)による報知を開始し、当該第1特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段による報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理、区間表示第2処理を実行する機能)と、
を備え、
前記修正手段は、前記特定遊技状態報知手段による前記特定報知手段の報知が開始されることに基づいて、前記修正処理を実行可能であることを特徴とする特徴GF1乃至GF7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知手段を設けることで、第1特定遊技状態への移行の有無が明確に理解可能となり、少なくとも開始条件が成立した後においては、第1特定遊技状態へ移行しているのにもかかわらずそれを知らずに遊技を終了してしまう、といった事象を生じさせにくくすることができる。そして、このような特定報知手段の開始条件には停止操作手段による操作態様に関する態様報知が実行され得る状態となることが含まれ、態様報知によって入賞する結果が異なり得ることからして、特定遊技状態における遊技媒体の増減数は、開始条件の成立前後で大きく異なり得る。そこで、上記の修正処理を、特定報知手段の報知が開始されることとすれば、報知の有無を判定すればよいだけなので、比較的容易に修正処理を行うべき状況か否かを判断することが可能である。
特徴GF9.予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記予測増減数の修正処理を実行可能な修正手段(主制御装置101による修正条件が成立したことに基づく残枚数管理処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、前記払出手段による遊技媒体の払出対象となる所定の払出結果(例えばベル)と、当該抽選手段による抽選結果が前記所定の払出結果となる確率が通常遊技状態よりも高くなる特別状態への移行が可能となる移行結果(例えば第1BB)と、が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となることに基づいて、前記特定条件が成立し得ることを特徴とする特徴GF1乃至GF8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の払出結果となる確率が高くなる特別状態への移行が可能となる移行結果当選となると、特定条件が成立して上記予測増減数の修正処理が行われる。このように、実際の増減数が予測増減数よりも多くなった場合やなることが確実視される場合に修正処理を行う構成とすれば、予め移行結果当選を加味して予測増減数の予測を行う等といった複雑な処理を用いなくても、予測増減数と実際の増減数との齟齬を小さくすることが可能となる。
特徴GF10.予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記予測増減数の修正処理を実行可能な修正手段(主制御装置101による修正条件が成立したことに基づく残枚数管理処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、次ゲームを新たな遊技媒体を要することなく実行可能となる再遊技が付与される所定の再遊技結果が設定されており、
遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が前記所定の再遊技結果となる確率が異なる第1再遊技状態(例えば、通常遊技状態、第1RT状態)と、第2再遊技状態(例えば、第2RT状態、第3RT状態)と、が設定されており、
所定の遊技状態から、前記第1再遊技状態又は前記第2再遊技状態への移行が生じたことに基づいて前記特定条件が成立し得ることを特徴とする特徴GF1乃至GF9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の再遊技状態となる確率が異なる第1再遊技状態と第2再遊技状態とが設定されている構成において、所定の遊技状態から第1再遊技状態や第2再遊技状態への移行が生じると、すなわち、再遊技結果の当選確率がそれまでの状態とは異なる状態となると、特定条件が成立して上記予測増減数の修正処理が行われる。再遊技結果は新たな遊技媒体を要することなく次ゲームの実行が許容されるものであることから、再遊技結果の確率は、第2特定遊技状態中の遊技媒体の増減数の総数に大きく影響を及ぼし得るものである。つまり、再遊技結果に当選し易ければ増減数の総数もおのずと多くなり得る。そこで、上記構成のように、再遊技結果の確率が異なることとなる事象が生じた場合に修正処理を行う構成とすれば、予め再遊技結果の変動を加味する等といった複雑な処理を用いなくても、予測増減数と実際の増減数との齟齬を小さくすることが可能となる。
特徴GF11.前記第2特定遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記予測増減数の修正処理を実行可能な修正手段(主制御装置101による修正条件が成立したことに基づく残枚数管理処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、次ゲームを新たな遊技媒体を要することなく実行可能となる再遊技が付与される所定の再遊技結果が設定されており、
遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が前記所定の再遊技結果となる確率が異なる第1再遊技状態(例えば、通常遊技状態、第1RT状態)と、第2再遊技状態(例えば、第2RT状態、第3RT状態)と、が設定されており、
前記第1再遊技状態にて前記第2特定遊技状態が消化されるよりも前記第2再遊技状態にて前記第2特定遊技状態が消化される方が、1ゲーム当たりで期待できる期待増減数が多くなり得るものであり、
前記第2特定遊技状態において、所定の遊技状態から、前記第2再遊技状態への移行が生じたことに基づいて前記特定条件が成立し得ることを特徴とする特徴GF1乃至GF10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の再遊技状態となる確率が異なる第1再遊技状態と第2再遊技状態とが設定されている構成において、第2特定遊技状態は第2再遊技状態にて消化されたほうが期待増減数が多くなる構成となっており、第2特定遊技状態中は主に第2再遊技状態での遊技が想定される。つまり、第2特定遊技状態において何らかの事情によって、第2再遊技状態から他の遊技状態へ移行した場合には、予測手段による予測増減数と実際の増減数との差が生じ得るものと考えられる。そこで、これら他の遊技状態へ移行した場合、第2再遊技状態へ復帰した際に修正処理が行われるようにしたことから、上記予測増減数と実際の増減数との差を小さくなるように修正することが可能となる。
特に、上記構成では、他の遊技状態へ移行した際ではなく、第2再遊技状態へ復帰した際に修正処理が行われるようにしたため、他の遊技状態へ移行することに基づいて生じる予測増減数と実際の増減数との差を修正処理に事前に反映させる必要がない。つまり、第2再遊技状態へ復帰した際に修正処理を行う構成であれば、実際に生じた差の分だけ修正を行えばよく、より簡素な構成にて、予測増減数と実際の増減数との差を小さくすることが可能となる。
特徴GF12.前記第2特定遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記予測増減数の修正処理を実行可能な修正手段(主制御装置101による修正条件が成立したことに基づく残枚数管理処理を実行する機能)を備え、
前記予測手段による前記予測増減数と、実際の増減数との差が予め定められた特別数となったことに基づいて、前記特定条件が成立し得ることを特徴とする特徴GF1乃至GF11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、予測増減数と実際の増減数との差が生じた場合に修正処理が行われる構成となり、状態の移行等を把握する必要がなく、よりシンプルにその差を修正することが可能となる。
特徴GF13.前記第2特定遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記予測増減数の修正処理を実行可能な修正手段(主制御装置101による第1調整処理~第3調整処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定遊技状態において、予め定められた増加条件が成立したことに基づいて、前記第1把握手段により把握される残数情報を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)を備え、
前記増加条件が成立したことに基づいて、前記特定条件が成立することを特徴とする特徴GF1乃至GF12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態の残りゲーム数が増加される所謂上乗せが発生した場合に、特定条件が成立して予測増減数の修正処理が行われる。第2特定遊技状態の上乗せが発生すれば、その分だけ、増減数も多くなり得るものであり、上記のように上乗せを契機に予測増減数の修正を行うことで、より的確な修正処理を実施することが可能である。
なお、例えば、所謂ボーナス状態のように、複数ゲームに亘って小役当選確率が高くなる状態を消化可能となる状態への移行が可能となる抽選結果が設けられている構成においては、第2特定遊技状態中に上記状態への移行が可能となる抽選結果当選となることは、第2特定遊技状態の残数を増加させることにつながる結果といえ、当該結果に当選することは、上記増加条件が成立することに含まれ得る。
特徴GF14.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を実行可能な払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い特定遊技状態(有利区間におけるアタックモード等)とを設け、
通常遊技状態において、前記特定遊技状態へ移行させるか否かの移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理においてアタックモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてアタックモードへ移行させる処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、当該特定遊技状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残りゲーム数に対応する残数情報を把握する第1把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記特定遊技状態を含む所定遊技状態(有利区間)の実行ゲーム数に対応する実行情報を把握する第2把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記第1把握手段により把握される前記残数情報に基づいて、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記第2把握手段にて把握される前記実行情報が予め定められた上限ゲーム数に対応する情報となったことに基づいて、前記第1把握手段により把握される前記残数情報に関わらず、前記特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第1特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
前記第1把握手段により把握される残数情報に基づいて、当該残数情報に対応するゲームが実行されるよりも前に、当該特定遊技状態にて増減する遊技媒体の予測増減数を予測可能な予測手段(主制御装置101による残枚数管理処理や第1調整処理、第2調整処理等を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い特定遊技状態が設けられており、特定遊技状態は、特定遊技状態の終了条件が成立するまでの残りゲーム数(残数情報)に基づいて終了する場合の他、特定遊技状態の実行回数が上限回数に達した場合には、特定遊技状態の残数に関わらず終了する場合を設定しているため、特定遊技状態が延々と継続することにより、設計者の予想を凌駕する遊技媒体の増加が生じたり、遊技者がなかなか遊技を終了できないといった不都合が回避されている。
しかも、上記構成においては、特定遊技状態の残りゲーム数に基づいて、当該特定遊技状態中に増減する遊技媒体の増減数の予測が行われる。このような構成を備えれば、特定遊技状態の残りゲーム数との関係で、あとどれくらいの払出が行われるかといった点を把握しながら遊技を行わせることができる等、特定遊技状態中の遊技性の向上の手助けとなり、遊技性の向上を好適に図ることが可能となる。
特徴GF15.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を実行可能な払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い特定遊技状態(有利区間におけるアタックモード等)とを設け、
通常遊技状態において、前記特定遊技状態へ移行させるか否かの移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理においてアタックモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてアタックモードへ移行させる処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、当該特定遊技状態の所定の終了条件(例えば、アタックモードの残りゲーム数が0となることやアタックモードの実行ゲーム数が設定ゲーム数に達すること、枚数管理の構成においては残り払出枚数や増加枚数が0となったり、払出枚数や増加枚数が設定枚数に達すること)が成立するまでの残りゲーム数に対応する残数情報を把握する第1把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記特定遊技状態を含む所定遊技状態(有利区間)の実行ゲーム数に対応する実行情報を把握する第2把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記第1把握手段により把握される前記残数情報に基づいて、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記第2把握手段にて把握される前記実行情報が予め定められた上限ゲーム数に対応する情報となったことに基づいて、前記第1把握手段により把握される前記残数情報に関わらず、前記特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる第1特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
前記第1把握手段により把握される残数情報に基づいて、当該残数情報に対応するゲームが実行されるよりも前に、当該特定遊技状態にて増減する遊技媒体の予測増減数を予測可能な予測手段(主制御装置101による残枚数管理処理や第1調整処理、第2調整処理等を実行する機能)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記予測増減数の修正処理を実行可能な修正手段(主制御装置101による第1調整処理~第3調整処理や、修正条件が成立したことに基づく残枚数管理処理や予測条件の変更処理が行われた後の残枚数管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い特定遊技状態が設けられており、特定遊技状態は、特定遊技状態の終了条件までの残りゲーム数(残数情報)に基づいて終了する場合の他、特定遊技状態の実行回数が上限回数に達した場合には、特定遊技状態の残数に関わらず終了する場合を設定しているため、特定遊技状態が延々と継続することにより、設計者の予想を凌駕する遊技媒体の増加が生じたり、遊技者がなかなか遊技を終了できないといった不都合が回避されている。
しかも、上記構成においては、特定遊技状態の残りゲーム数に基づいて、当該特定遊技状態中に増減する遊技媒体の増減数の予測が行われる。このような構成を備えれば、特定遊技状態の残りゲーム数との関係で、あとどれくらいの払出が行われるかといった点を把握しながら遊技を行わせることができる等、特定遊技状態中の遊技性の向上の手助けとなる。但し、各ゲームの抽選結果や各ゲームの停止態様によって、予測増減数は実際の増減数と大きく異なるものとなる場合がある。そこで、その予測増減数の修正処理を可能とすることで、予測増減数を用いた遊技において予測の誤差による矛盾等が生じる可能性を低くし、遊技性の向上を好適に図ることが可能となる。
なお、上記特徴GF14や特徴GF15に、特徴GF1乃至GF13にて示した各構成を個別に又は組み合わせて適用してもよい。
<特徴GG群>
特徴GG1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い特定遊技状態(チャレンジモード等を含む有利区間)と、を設け、
通常遊技状態において、前記特定遊技状態へ移行させるか否かの移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理においてチャレンジモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてチャレンジモードへ移行させる処理を実行する機能)と、
遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて、又は遊技状態が前記特定遊技状態へ移行し、所定の開始条件が成立することに基づいて特定報知手段(第8表示用セグメントN8)による報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段による報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理、区間表示第2処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、遊技者に有利な有利事象を生じさせるか否か有利判定を行う有利判定手段(主制御装置101によるCM中重複対象役当選時の前兆設定処理において、ステップS15904やステップS16004の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技状態報知手段は、前記有利判定手段による前記有利判定の結果が前記有利事象を生じさせるとする対応結果である場合、少なくとも当該有利事象が生じるまで前記特定報知手段による報知を継続する構成であり、
前記有利判定の結果が前記有利事象を生じさせないとする非対応結果であった場合、前記特定遊技状態の延長処理を行う延長手段(主制御装置101によるCM中重複対象役当選時の前兆設定処理において、ステップS15908やステップS16008の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い特定遊技状態が設けられており、特定遊技状態へ移行すると、又はその後に開始条件が成立すると特定報知手段による報知が開始され、当該特定遊技状態が終了すると特定報知手段による報知も終了する。つまり、特定報知手段の報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に特定遊技状態による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
しかも、特定遊技状態においては遊技者にとって有利な有利事象を生じさせるか否かの有利判定が行われる場合があり、有利事象が生じても、特定報知手段による報知は継続される構成としていることから、特定遊技状態中の遊技性の向上を図りつつ、特定報知手段による遊技の平等化といった効果が担保されている。
ところが、例えば、特定遊技状態の終了間際に有利判定が行われた場合において、有利判定が、有利事象が生じるとする対応結果であれば特定報知手段による報知は継続される一方、有利判定の結果が有利事象が生じないとする非対応結果であると、特定報知手段による報知は特定遊技状態の終了とともに終了するといったように、せっかくの有利判定といった遊技者の関心どころの結果が、特定報知手段の報知の継続の有無から丸わかりとなってしまう事象が生じ得る。
そこで、上記構成においては、有利判定の結果が非対応結果となった場合、有利事象は生じさせないものの、特定遊技状態の延長処理が行われる構成とした。その結果、上記のように特定遊技状態の終了間際に有利判定が行われて、それが非対応結果となった場合であっても、特定報知手段による報知は上記の延長処理の分だけ終了が先延ばしにされる。このようにすることで、特定報知手段による遊技の平等化といった効果を得つつも、有利判定の結果が丸わかりとなってしまう事象を回避し、特定遊技状態中の遊技性の向上を好適に図ることが可能となる。
なお、「前記特定遊技状態に含まれる状態として、当該特定遊技状態における他の状態(例えば、チャレンジモード)よりも遊技者にとって有利となり易い特別遊技状態(例えば、アタックモード)を設定し」たうえで、「特定遊技状態報知手段」を、「遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて、又は遊技状態が前記特定遊技状態へ移行し、前記特別遊技状態への移行が許容される許容条件を含む所定の開始条件が成立することに基づいて特定報知手段による報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段による報知を終了する特定遊技状態報知手段」や、「遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて、又は遊技状態が前記特定遊技状態へ移行し、前記特別遊技状態への移行抽選に当選したことの当選報知が行われる報知条件を含む所定の開始条件が成立することに基づいて特定報知手段による報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段による報知を終了する特定遊技状態報知手段」と表現してもよい。
特徴GG2.前記有利判定が行われた場合、所定の報知手段により当該有利判定の結果に対応する有利報知を実行可能な有利報知手段(表示制御装置81による前兆モード中の演出や連続演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記延長手段は、前記有利報知手段による有利報知が行われることに基づいて、前記延長処理を実行可能であることを特徴とする特徴GG1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定が行われると、その結果に対応する有利報知が所定の報知手段にて行われ、有利判定の結果が気になる遊技者としては当該有利報知へ大きな関心を寄せるものとなる。そして、上記特徴GG1に記載したように、有利判定の結果が非対応結果であっても特定遊技状態の延長処理が行われることによって、特定報知手段の報知の継続の有無からは有利判定の結果が判断できないようになるため、上記の有利報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
言い換えると、このように有利判定の結果を有利報知として行う構成において、仮に、特定報知手段の報知の継続の有無からその結果が丸わかりとなってしまうと、せっかくの有利報知への注目度が高められないだけでなく、有利判定の結果が非対応結果であることが把握されてしまっているのにも関わらず有利報知が行われることによって、その有利報知の滑稽さが際立ち、遊技演出への無関心化が懸念される。その点、上記構成のように、このような有利報知を行う構成に上記特徴GG1の構成を適用することで、遊技演出への関心を好適に高めることが可能となる。
特徴GG3.前記延長手段は、前記有利報知手段による有利報知が行われることに基づいて、前記有利判定の結果に関わらず、前記延長処理を実行可能であることを特徴とする特徴GG2に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定の結果に関わらず、結局は特定報知手段による報知が継続されることとなるため、有利判定の判定結果を参照しない分だけ、延長処理の処理構成の簡素化が図られる。その一方で、有利報知の発生を延長処理の実行条件とするため、有利判定が行われる場合に一律に延長処理を行う構成と比較して、不必要に有利度を高め過ぎないようにすることも可能である。
特徴GG4.前記有利報知手段は、複数である所定数のゲームに亘って前記有利報知を実行可能であり、
前記延長手段は、前記有利報知手段による前記有利報知が行われるゲーム数に応じて、前記延長処理を実行可能であることを特徴とする特徴GG2又は特徴GG3に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利報知手段による有利報知が複数のゲームに亘って行われる構成を前提とし、その有利報知が行われるゲーム数に応じた延長処理が行われる構成としたため、例えば、延長処理によって特定遊技状態の有利度が過度に高くなり過ぎることがないようにする等、延長処理による有利度の変化を小さく留めることが可能となる。よって、有利事象を生じさせるか否かといった有利判定に非当選(非対応結果)であることの意義が担保される範囲で(有利度を高めすぎることなく)、特定遊技状態の延長処理を行う構成とすることが可能となる。
特徴GG5.前記有利報知が開始される場合の前記特定遊技状態の残りゲーム数を把握する把握手段(主制御装置101によるCM中重複対象役当選時の前兆設定処理においてステップS15906、ステップS15907やステップS16006、ステップS16007の処理を実行する機能)を備え、
前記延長手段は、前記把握手段により把握される前記残りゲーム数を前記所定数から差し引いたゲーム数に対応する延長処理を実行可能であることを特徴とする特徴GG4に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利報知が行われる所定数のゲーム数から、有利報知が開始される場合の特定遊技状態の残りゲーム数を差し引いた分だけ特定遊技状態の延長処理が行われる。このようにすることで、有利報知の終了と特定遊技状態の終了とを合わせることも可能となり、例えば、有利報知が終了しているのにも関わらず、特定遊技状態だけ延長されているといったように、不必要な延長処理をなくし、演出上の調整に際して有利度が高くなり過ぎる不都合を解消することが可能となる。言い換えると、演出効果を求めるあまり、有利度が高くなり過ぎてしまうといった不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴GG6.前記有利報知として、第1所定数のゲームに亘って実行される第1有利報知と、前記第1所定数とは異なる第2所定数のゲームに亘って実行される第2有利報知とが設定されており、
前記有利報知手段は、前記第1有利報知及び前記第2有利報知を含む複数種類の有利報知から一の有利報知を選択する選択手段(主制御装置101による前兆ゲーム数の抽選処理を実行する機能)を備え、当該選択手段により選択された有利報知を前記所定の報知手段にて実行可能な構成であり、
前記延長手段は、前記選択手段により選択された有利報知が行われるゲーム数に応じて、前記特定遊技状態の延長処理を実行可能であることを特徴とする特徴GG2乃至GG5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利報知が複数種類設定されている構成とすることで演出の多様化が図られるし、このように複数種類設定されていてもそれに合わせたゲーム数にて延長処理が行われるため、有利報知が行われている状況と特定遊技状態の延長とを的確に合わせることが可能となる。
特徴GG7.少なくとも前記抽選手段、前記有利判定手段及び前記延長手段を有する第1制御装置(主制御装置101)と、前記有利報知手段を有する第2制御装置(表示制御装置81)と、を備え、
前記第1制御装置は、
前記有利報知を実行するか否かの報知実行抽選手段(主制御装置101による前兆ゲーム数の抽選処理を実行する機能)と、
前記報知実行抽選手段による抽選結果を前記第2制御装置へ出力可能な出力手段(主制御装置101による前兆コマンドを出力設定する処理を実行する機能)と、
を備えることを特徴とする特徴GG2乃至GG6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選手段や有利判定手段、延長手段といった遊技者の利益に直結する機能を有する第1制御装置と、有利報知手段といった演出機能を有する第2制御装置とを、別々に設ける構成とすることで、機能の分担化を図り、処理負荷の局所的な増大化を防止するとともに、利益に関する機能を第1制御装置側に集約することで、不正行為に対する対処を施し易くして、不正行為によって遊技者や遊技ホールが不利益を被る可能性を低減することが可能となる。そのうえで、有利報知を契機として延長処理を行う構成を、このような複数の制御装置を有する遊技機に適用する場合、上記構成のように、有利報知の実行の有無を第1制御装置側で管理してその情報を第2制御装置へ出力する構成とすれば、例えば、第2制御手段から第1制御手段へ有利報知手段による何らかの情報を出力する等といった構成としなくてもよくなり、第1制御装置と第2制御装置との独立性を担保し、上記不正対策を強化しつつも、延長処理を好適に実現することが可能となる。
特徴GG8.予め定められた延長条件が生じたことに基づいて、前記特定遊技状態の延長処理(上乗せ)を実行可能な第2延長手段(主制御装置101によるアタックモード等の上乗せ処理を実行する機能)を備え、
前記第2延長手段による延長処理が行われる場合、当該延長処理が行われることの報知(上乗せ報知)が実行される一方、前記延長手段による延長処理が行われる場合、当該延長処理が行われることの報知が実行されないことを特徴とする特徴GG1乃至GG7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2延長手段による延長処理が行われる場合、その旨の報知として所謂上乗せ報知が発生する。このような構成を前提とし、上記有利判定に基づく延長手段による延長処理が行われた場合は、上乗せ報知は発生しない。このようにすることで、特定報知手段の報知が継続されていることを、有利判定の結果が有利事象を生じさせる結果であることに基づくものであるといった印象を強く与えるようにすることが可能となる。
特徴GG9.前記特定遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利特定遊技状態(第1チャレンジモード)と低有利特定遊技状態(第2チャレンジモード)とが設定されており、
前記延長手段による前記延長処理が行われることに基づいて、当該延長分の前記特定遊技状態を前記低有利特定遊技状態とすることが可能な手段(主制御装置101によるステップS16008の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴GG1乃至GG8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、延長処理に基づく特定遊技状態の延長分を、低有利特定遊技状態とすることで、延長処理といった演出上の不都合を解消するために遊技者の有利度が不必要に高騰してしまうことを回避することが可能となる。
特徴GG10.前記低有利特定遊技状態の有利度は、前記通常遊技状態の有利度と同等又は同程度であることを特徴とする特徴GG9に記載の遊技機。
上記構成によれば、実質的に有利度を高めることなく特定報知手段の報知終了タイミングを先延ばしにすることが可能となる。
特徴GG11.前記特定遊技状態として、当該特定遊技状態における有利度が相対的に高低となるように高有利特定遊技状態(アタックモード等)と低有利特定遊技状態(チャレンジモード)とが設定されており、
前記低有利特定遊技状態は、前記高有利特定遊技状態への移行抽選の当選確率又は実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる状態であり、
前記抽選手段による抽選結果として、前記特典として所定数の遊技媒体の払出が行われる所定の払出結果の当選確率が前記通常遊技状態と異なる移行状態への移行が許容される移行結果(第1BB、第2BB)が設定されており、
更に、前記抽選手段による抽選結果として、予め定められた特定結果が前記移行結果と重複して当選となる重複結果(例えば、強チェリー重複1)と、前記特定結果が前記移行結果と重複して当選とならない非重複結果(例えば、強チェリー)とを含む特別結果(特定役)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果であり、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を前記移行状態へ移行させる移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、当該特別結果として前記移行結果が含まれているか否かの判定を前記有利判定として行う構成であり、
前記延長手段は、前記低有利特定遊技状態において前記有利判定手段による有利判定の結果が、前記移行結果を含まないとの判定結果となったことに基づいて、前記延長処理を実行可能であることを特徴とする特徴GG1乃至GG10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態において相対的に有利度が高い高有利特定遊技状態と、その高有利特定遊技状態への移行抽選の当選確率や実行頻度が通常遊技状態よりも高くなる低有利特定遊技状態(所謂チャンスゾーン)とが設けられている構成においては、遊技の流れとして、通常遊技状態から低有利特定遊技状態へ移行し、低有利特定遊技状態から高有利特定遊技状態への移行が生じるといったルートが想定される。このような構成においては、低有利特定遊技状態中に如何に高有利特定遊技状態への移行を生じさせるか、といった点に遊技者の関心が寄せられるところ、低有利特定遊技状態中の移行状態への移行が、高有利特定遊技状態への呼び水として機能する場合があり、低有利特定遊技状態においては、高有利特定遊技状態への移行とともに、移行状態への移行が生じることとなる移行結果となること、すなわち特別結果となって有利判定が行われることへ、大きな期待が寄せられるものと考えられ、このような有利判定が行われた場合の演出への注目度が高められる。ところが、低有利特定遊技状態において、特別結果となって有利判定が行われても、特定報知手段による報知の継続の有無によってその有利判定の結果が丸わかりになってしまう可能性がある。そこで、低有利特定遊技状態中に有利判定が行われてその結果が移行結果を含まない結果であった場合には低有利特定遊技状態の延長処理を行って特定報知手段の報知を延長することで、その報知によって結果が丸わかりになってしまうことを好適に回避することが可能となる。
特徴GG12.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い特定遊技状態(チャレンジモード等を含む有利区間)とを設け、
通常遊技状態において、前記特定遊技状態へ移行させるか否かの移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理においてチャレンジモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてチャレンジモードへ移行させる処理を実行する機能)と、
遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて、又は遊技状態が前記特定遊技状態へ移行し、所定の開始条件が成立することに基づいて特定報知手段(第8表示用セグメントN8)による報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段による報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理、区間表示第2処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、遊技者に有利な有利事象を生じさせるか否かの有利判定を行う有利判定手段(主制御装置101によるCM中重複対象役当選時の前兆設定処理において、ステップS15904やステップS16004の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技状態報知手段は、前記有利判定手段による前記有利判定の結果が前記有利事象を生じさせるとする対応結果である場合、少なくとも当該有利事象が生じるまで前記特定報知手段による報知を継続する構成であり、
前記有利判定の結果が前記有利事象を生じさせないとする非対応結果であった場合、前記特定報知手段の報知継続ゲームを所定ゲーム数延長する延長処理を行う延長手段(主制御装置101によるCM中重複対象役当選時の前兆設定処理において、ステップS15908やステップS16008の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い特定遊技状態が設けられており、特定遊技状態へ移行すると、又はその後に開始条件が成立すると特定報知手段による報知が開始され、当該特定遊技状態が終了すると特定報知手段による報知も終了する。つまり、特定報知手段の報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に特定遊技状態による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
しかも、特定遊技状態においては遊技者にとって有利な有利事象を生じさせるか否かの有利判定が行われる場合があり、有利事象が生じても、特定報知手段による報知は継続される構成としていることから、特定遊技状態中の遊技性の向上を図りつつ、特定報知手段による遊技の平等化といった効果が担保されている。
ところが、例えば、特定遊技状態の終了間際に有利判定が行われた場合において、有利判定が、有利事象が生じるとする対応結果であれば特定報知手段による報知は継続される一方、有利判定が有利事象が生じないとする非対応結果であると、特定報知手段による報知は特定遊技状態の終了とともに終了するといったように、せっかくの有利判定といった遊技者の関心どころの結果が、特定報知手段の報知の継続の有無から丸わかりとなってしまう事象が生じ得る。
そこで、上記構成においては、有利判定の結果が非対応結果となった場合、有利事象は生じさせないものの、特定報知手段の報知継続ゲームを所定ゲーム数延長する延長処理が行われる構成とした。その結果、上記のように特定遊技状態の終了間際に有利判定が行われて、それが非対応結果となった場合であっても、特定報知手段による報知は上記の延長処理の分だけ終了が先延ばしにされる。このようにすることで、特定報知手段による遊技の平等化といった効果を得つつも、有利判定の結果が丸わかりとなってしまう事象を回避し、特定遊技状態中の遊技性の向上を好適に図ることが可能となる。
なお、「前記特定遊技状態に含まれる状態として、当該特定遊技状態における他の状態(例えば、チャレンジモード)よりも遊技者にとって有利となり易い特別遊技状態(例えば、アタックモード)を設定し」たうえで、「特定遊技状態報知手段」を、「遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて、又は遊技状態が前記特定遊技状態へ移行し、前記特別遊技状態への移行が許容される許容条件を含む所定の開始条件が成立することに基づいて特定報知手段による報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段による報知を終了する特定遊技状態報知手段」や、「遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて、又は遊技状態が前記特定遊技状態へ移行し、前記特別遊技状態への移行抽選に当選したことの当選報知が行われる報知条件を含む所定の開始条件が成立することに基づいて特定報知手段による報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段による報知を終了する特定遊技状態報知手段」と表現してもよい。
なお、上記特徴GG12に、特徴GG1乃至GG11にて示した各構成を個別に又は組み合わせて適用してもよい。
<特徴GH群>
特徴GH1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)とを設け、
通常遊技状態において、前記特定遊技状態へ移行させるか否かの移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理においてチャレンジモードやアタックモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてチャレンジモードやアタックモードへ移行させる処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態の所定の終了条件が成立したことに基づいて、当該特定遊技状態から前記通常遊技状態へ移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
遊技状態が前記特定遊技状態へ移行することに基づいて、又は遊技状態が前記特定遊技状態へ移行し、所定の開始条件が成立することに基づいて特定報知手段(第8表示用セグメントN8)による報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段による報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理、区間表示第2処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となるように高有利特定遊技状態(第1チャレンジモード)と低有利特定遊技状態(第2チャレンジモード)とが設定されており、
前記通常遊技状態と前記低有利特定遊技状態とで、遊技者にとっての有利度が同じ又は同程度であり、
予め定められた第1延長条件(上乗せ条件)が成立したことに基づいて、前記高有利特定遊技状態の延長処理を実行可能な第1延長手段(主制御装置101によるチャレンジモードの上乗せ処理を実行する機能)と、
前記第1延長条件とは異なる第2延長条件(主制御装置101によるステップS16006にて肯定判定したこと)が成立したことに基づいて、前記低有利特定遊技状態の延長処理を実行可能な第2延長手段(主制御装置101によるステップS16008の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技状態報知手段は、
前記第1延長手段により延長された前記高有利特定遊技状態において前記特定報知手段による報知を継続させることが可能であり、
前記第2延長手段により延長された前記低有利特定遊技状態において前記特定報知手段による報知を継続させることが可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い特定遊技状態が設けられており、特定遊技状態へ移行すると、又はその後に開始条件が成立すると特定報知手段による報知が開始され、当該特定遊技状態が終了すると特定報知手段による報知も終了する。つまり、特定報知手段の報知の有無を確認すれば、特定遊技状態か否かを容易に判断可能となっており、例えば、特定遊技状態に移行しているのにも関わらずそれに気づかずに遊技を終了してしまう遊技者と、その遊技を終了した遊技台に後から着席した遊技者との不平等感を解消することができる。よって、全ての遊技者に対し、平等に特定遊技状態による遊技を存分に楽しんでもらうことが可能となる。
ところが、上記のように特定報知手段による報知を規定することにより、例えば特定遊技状態の継続の有無を楽しませるといった遊技に支障が生じ得る。具体的には、特定報知手段が終了すると特定報知手段による報知が終了されるため、特定遊技状態が継続するか否かといった演出を行うにしても、結局は特定報知手段の報知によってそれが丸わかりとなってしまう。かといって、演出を行っている限り特定遊技状態を継続させる構成とすると、特定遊技状態の有利度が不必要に高くなる可能性も生じ得る。
そこで、特定遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となるように高有利特定遊技状態と低有利特定遊技状態とを設定したうえで、低有利特定遊技状態の有利度を通常遊技状態と同程度に設定し、高有利特定遊技状態を延長させる場合と、低有利特定遊技状態を延長させる場合とを設けることで、いずれを延長させる場合であっても特定報知手段の報知を終了させることなく、特定遊技状態の有利度を高めすぎないようにしながら特定遊技状態を継続させる(延長させる)ことが可能となる。
なお、「前記通常遊技状態と前記低有利特定遊技状態とで、遊技者にとっての有利度が同じ又は同程度である」とは、「前記通常遊技状態において1ゲーム当たりで期待できる期待特典付与数(純増枚数)と、前記低有利特定遊技状態において1ゲーム当たりで期待できる期待特典付与数と、が同じ又は同程度である」と表現してもよい。
特徴GH2.前記特定遊技状態は、前記第2延長手段による前記延長処理が行われる分が前記低有利特定遊技状態であって、他は前記高有利特定遊技状態であることを特徴GH1に記載の遊技機。
上記構成によれば、低有利特定遊技状態にて遊技されるゲームがより限定的となり、特定遊技状態が、遊技者にとって有利な状態(高有利特定遊技状態)である印象を損なわせることなく、有利度を高め過ぎないようにしながら特定報知手段の報知が行われるゲームを延長するといった効果を期待できる。
特徴GH3.前記第2延長手段は、前記高有利特定遊技状態において前記第2延長条件が成立したことに基づいて、前記低有利特定遊技状態の延長処理として、当該高有利特定遊技状態から前記低有利特定遊技状態へ移行するようにして前記延長処理を実行することを特徴とする特徴GH2に記載の遊技機。
上記構成は、特徴GH2の具体的構成である。
特徴GH4.前記第2延長手段は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(重複対象役)であることに基づいて、前記第2延長条件が成立したか否かの判定を行う成立判定手段(主制御装置101によるステップS16006の処理を実行する機能)を備え、
前記成立判定手段は、前記高有利特定遊技状態の残りゲーム数が予め定められた特定数(前兆ゲーム数)未満である状況で前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記第2延長条件が成立したと判定可能である一方、前記高有利特定遊技状態の残りゲーム数が前記特定数以上である状況で前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記第2延長条件が成立していないと判定することを特徴とする特徴GH2又は特徴GH3に記載の遊技機。
上記構成によれば、高有利特定遊技状態の残りゲーム数が特定数未満となる終盤に特別結果当選となると、低有利特定遊技状態の延長処理が行われ得る一方、残りゲーム数が特定数以上である場合には特別結果当選となっても低有利特定遊技状態の延長処理が行われない。このようにすることで、ゲームの結果に応じて延長処理を行うといった、比較的簡素な構成としつつも、高有利特定遊技状態の残りゲーム数がまだまだある状況等において特別結果当選となった場合に、意図せず低有利特定遊技状態に設定されてしまうといった不都合を解消することが可能となる。言い換えると、特別結果当選に基づいて延長処理を実行し得る構成において、特別結果当選となる当選確率を残りゲーム数に応じて異ならせる等といった複雑な構成を用いずに、高有利特定遊技状態の終盤において的確に延長処理を行うことが可能となる。
特徴GH5.複数のゲームに亘って継続し得る連続演出を、所定の演出手段にて実行可能な連続演出実行手段(表示制御装置81による連続演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記第2延長手段は、前記連続演出実行手段による前記連続演出が、前記高有利特定遊技状態の終了ゲームを跨いで実行される場合、前記第2延長条件が成立したものとして前記低有利特定遊技状態の延長処理を実行可能であることを特徴とする特徴GH1乃至GH4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、連続演出実行手段による連続演出が、高有利特定遊技状態の終了ゲームを跨いで実行される場合、低有利特定遊技状態の延長処理が行われる。その結果、高有利特定遊技状態から低有利特定遊技状態へ移行するものの、連続演出自体を、特定遊技状態の終了ゲームを跨がないようにして実行されるようにすることが可能となる。これにより、例えば連続演出が特定遊技状態の継続性に関連する演出等の場合において、特定遊技状態が終了することに伴って特定報知手段の報知が終了し、その報知の終了によって連続演出が無意味なものなることを回避することが可能となる。
特徴GH6.前記高有利特定遊技状態の残りゲーム数と、前記連続演出実行手段による前記連続演出の継続ゲーム数との差分ゲーム数を把握する差分ゲーム数把握手段(主制御装置101によるステップS16007の処理を実行する機能)を備え、
前記第2延長手段は、前記差分ゲーム数把握手段により把握される前記差分ゲーム数だけ前記低有利特定遊技状態が前記高有利特定遊技状態後に実施されるように、前記低有利特定遊技状態の延長処理を実行可能であることを特徴とする特徴GH5に記載の遊技機。
上記構成によれば、高有利特定遊技状態の終了後に実行される連続演出の分だけ、低有利特定遊技状態が追加されることになり、特定遊技状態を不当に長く延長してしまったり、逆にせっかく延長処理を行ったのに連続演出よりも前に特定遊技状態が終了してしまう事象を回避することが可能となる。
特徴GH7.前記特定遊技状態の延長処理が行われることに基づいて、所定の報知手段にて当該延長処理に対応する延長報知を実行可能な延長報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ報知演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記第1延長手段により前記高有利特定遊技状態の延長処理が行われた場合には、前記延長報知実行手段による前記延長報知の実行を許容する一方、前記第2延長手段により前記低有利特定遊技状態の延長処理が行われた場合には、前記延長報知実行手段による前記延長報知の実行を制限する手段(主制御装置101による上乗せ報知非発生用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴GH1乃至GH6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、延長処理が行われたことに対応する延長報知として、所謂上乗せ報知演出が発生することを前提とし、高有利特定遊技状態の延長処理が行われた場合には当該上乗せ報知演出が発生する一方、低有利特定遊技状態の延長処理が行われた場合には上乗せ報知演出が発生しないようにしたため、低有利特定遊技状態の延長処理が行われたことを遊技者は把握しにくい。このようにすることで、特定報知手段の報知が継続されている事象を、そもそも高有利特定遊技状態の残りゲーム数がまだまだ存在することに起因している、といった印象を与えることが可能となり、特定報知手段の報知終了を先延ばしすることによる効果をより好適に発揮させることが可能となる。
<特徴GI群>
特徴GI1.遊技状態として、遊技媒体の獲得期待度が相対的に高低となる低期待状態(通常区間)と高期待状態(有利区間)とが設定されており、
前記高期待状態の実行数を把握する把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記把握手段により把握される実行数が予め定められた上限数(1500)となったことに基づいて、当該高期待状態を終了して前記低期待状態へと移行させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、強制終了条件が成立することにより有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記高期待状態として、各ゲームで遊技媒体の増加が期待できる第1高期待状態(アタックモード等のART)及び第2高期待状態(ボーナス状態)と、各ゲームで遊技媒体の減少が期待できる第3高期待状態(アタックモード中に生じるボーナス持ち越し状態、復帰状態)と、が設定されており、
前記第1高期待状態から前記第2高期待状態への移行が生じる場合、前記第1高期待状態と前記第2高期待状態との間に前記第3高期待状態が存在し得るように設定可能な第1設定手段(主制御装置101によるボーナス持ち越し状態に設定する処理を実行する機能)と、
前記第2高期待状態から前記第1高期待状態への移行が生じる場合、前記第2高期待状態と前記第1高期待状態との間に前記第3高期待状態が存在し得るように設定可能な第2設定手段(主制御装置101によるボーナス状態後の遊技状態を通常遊技状態に設定する処理を実行する機能)と、
前記第2設定手段により設定される前記第3高期待状態中に、前記把握手段により把握される実行数が前記上限数となる特定事象が生じるか否かを、前記第1設定手段による前記第3高期待状態の設定に際して特定可能な特定手段(主制御装置101によるステップS15810の処理を実行する機能)と、
前記特定手段により前記特定事象が生じると特定される場合、前記第2設定手段により設定される前記第3高期待状態の第2継続数(E)を前記第1設定手段により設定される前記第3高期待状態の第1継続数(B)に加算する加算処理を実行可能な第3設定手段(主制御装置101によるステップS15812の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の獲得期待度が相対的に高低となる高期待状態と低期待状態とがあり、高期待状態はその実行数が上限数に達することで強制終了される場合があるため、高期待状態の有利度が極端に高められることが抑制されている。高期待状態には、各ゲームで遊技媒体が増加し得る第1高期待状態及び第2高期待状態と、各ゲームで遊技媒体が減少し得る第3高期待状態とが設定されており、第1高期待状態から第2高期待状態へ移行する場合、第1高期待状態と第2高期待状態との間に第3高期待状態が介在し、更に第2高期待状態から第1高期待状態への移行が生じる場合、第2高期待状態と第1高期待状態との間にも第3高有利状態が介在し得る構成となっている。このような構成において、第3高期待状態の遊技媒体が減少し得る状況にて、第3高期待状態中に実行数が上限数に至って高期待状態が終了されると、せっかくの高期待状態が最終的には遊技媒体数を減らして尻すぼみで終了してしまうことになる。
そこで、上記構成においては、特に、第1高期待状態→第3高期待状態→第2高期待状態→第3高期待状態→第1高期待状態といった移行が生じる構成を前提とし、後側の第3高期待状態の継続数を先側の第3高期待状態の継続数に加算する構成とし、第3高期待状態の存在し得る位置(タイミング)を異ならせる構成とした。このようにすることで、最終的に遊技媒体を減らして高期待状態が終了するはずであったものが、遊技媒体を減らすことなく高期待状態が終了するように変更され、遊技媒体の増加数を異ならせることなく高期待状態への満足感を損なわせないようにすることができる。このように、強制終了時に遊技者の受ける印象を利用しながら当該強制終了を行うようにすることで、高期待状態の強制終了による有利度の高騰を抑える効果と、高期待状態により遊技者の満足感を充足する効果とを両立させることが可能となる。
なお、上記構成において、「前記高期待状態の所定の終了条件が成立するまでの残数を把握する残数把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、当該高期待状態を終了して前記低期待状態へと移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、強制終了条件が成立することなく有利区間を終了させる処理を実行する機能)と」を備えるようにしたうえで、「特定終了手段」を、「前記把握手段により把握される実行数が予め定められた上限数となったことに基づいて、前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、前記当該高期待状態を終了して前記低期待状態へと移行させる特定終了手段」と表現してもよい。
特徴GI2.前記第3設定手段による加算処理が行われない場合、前記第2高期待状態と前記第1高期待状態との間の前記第3高期待状態において、前記特定終了手段により前記高期待状態が終了される場合の当該第3高期待状態の継続数を把握する第2把握手段(主制御装置101によるステップS15811の処理を実行する機能)を備え、
前記第3設定手段は、前記第2把握手段により把握される継続数を前記第2継続数として、前記加算処理を実行可能であることを特徴とする特徴GI1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2高期待状態前の第3高期待状態を第1継続数及び第2継続数消化すると、第2高期待状態の終了ゲームにて前記高期待状態が強制終了される。このように、強制終了を遊技媒体の増加が期待できる第2高期待状態の終了時とすることで、遊技者の満足感が最高潮のなか、強制終了させる構成となり、強制終了に際しての遊技者の印象が良くなる。
特徴GI3.前記第2設定手段により設定される前記第3高期待状態は、ゲームの抽選結果が予め定められた特定結果(第1昇格リプレイ)となることに基づいて、前記第1高期待状態への移行が許容される構成であることを特徴とする特徴GI1又は特徴GI2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2高期待状態の後に存在する第3高期待状態は、遊技機側の抽選結果の如何によってその継続数が変化するものであることが前提となり、遊技者がその継続数に関与できる範囲が限定的となる。そのため、例えば、操作態様を工夫しても、遊技媒体を減らした状況で高期待状態が強制終了される可能性は高くなる。このような構成に対して、上記特徴GI1を適用すれば、遊技者がいくら頑張っても解消できない不満足感を、遊技機側でより好適に解消することが可能となる。
特徴GI4.前記第1設定手段は、ゲームの抽選結果が前記第2高期待状態への移行に対応する移行結果(第1BB、第2BB)となることに基づいて前記第3高期待状態の設定を行うことが可能であり、
ゲームの抽選結果が前記移行結果であり、遊技者により前記移行結果に対応する移行操作が行われることに基づいて、前記第2高期待状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
ゲームの抽選結果が前記移行結果であり、当該ゲームにて前記第2移行手段により前記第2高期待状態への移行が生じない場合、当該移行結果を前記第2高期待状態への移行が生じるまで留保可能な留保手段(主制御装置101による持ち越し状態に設定する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴GI1乃至GI3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、前側の第3高期待状態の設定契機となる移行結果は第2高期待状態への移行が生じるまで留保される結果であり、第2高期待状態への移行は遊技者が移行操作を行うことで生じるものであることから、第3高期待状態において遊技者が移行操作を行うか否かによって第2高期待状態への移行が生じるまでのゲーム数が異なることになる。第3高期待状態をなるべく早期に終了させて第2高期待状態へ移行させることで、第3高期待状態での遊技媒体の減少数が少なくなるので、第2高期待状態前の第3高期待状態においては、遊技者の操作如何によってその減少数が変化し、その結果、高期待状態が強制終了される際の遊技媒体数も変化し得る。このように、遊技機側においては、減少中に強制終了されないような設定に際して強制終了される際の遊技媒体数を増減させないようにしながらも、遊技者側の技量によっては遊技媒体数の増減が生じ得る構成とすることで、遊技者の遊技意欲を掻き立てることが可能となる。
なお、上記構成は、例えば、「前記第1設定手段により設定される前記第3高期待状態は、遊技者の遊技操作によりその継続数が変化する」と表現することも可能である。この表現において、上記特徴GI3を表現すると、「前記第2設定手段により設定される前記第3高期待状態は、遊技者の遊技操作によってはその継続数が変化しない又は変化しにくい」となる。
特徴GI5.前記第2設定手段により設定される前記第3高期待状態は、ゲームの抽選結果が予め定められた特定結果(第1昇格リプレイ)となることに基づいて、前記第2高期待状態への移行が許容される構成であり、
ゲームの抽選結果が前記特定結果であり、遊技者により前記特定結果に対応する特定操作が行われることに基づいて、前記第1高期待状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置101によるRT状態処理を実行する機能)と、
ゲームの抽選結果が前記特定結果であり、当該ゲームにて前記第1移行手段により前記第1高期待状態への移行が生じない場合、当該特定結果を消去可能な消去手段(主制御装置101において各ゲームの終了に際して当選フラグをクリアする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴GI4に記載の遊技機。
上記構成によれば、前側の第3高期待状態では移行結果当選が留保されるので、その移行結果に対応する移行操作を行うか否かが当該第3高期待状態の継続数に大きな影響を及ぼすのに対して、第2高期待状態の後側の第3高期待状態では特定結果当選が留保されないので、当該第3高期待状態においては特定結果当選となるゲームがその継続数に大きく関係することになる。このような構成であれば、第2高期待状態前の第3高期待状態において遊技者による技術介入の余地があり、逆に、第2高期待状態後の第3高期待状態において遊技者による技術介入の余地が少ないことが明確化される。よって、第2高期待状態前の遊技への遊技意欲をより掻き立てる遊技性を実現できる。
特徴GI6.前記第3設定手段による加算処理が行われることにより、前記第2高期待状態の前の前記第3高期待状態において、前記特定終了手段により前記高期待状態が終了される際の当該高期待状態にて期待できる遊技媒体の総獲得数は、前記第1継続数のゲームが実行された第1分岐点以降であって、前記第1継続数及び前記第2継続数のゲームが実行される第2分岐点まで変化しない又は変化しにくいことを特徴とする特徴GI4又は特徴GI5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2高期待状態の前の第3高期待状態の継続数をなるべく少なくすることで遊技媒体の減りを少なくすることができる、といった技術介入の余地を残しつつも、第1継続数のゲームが実行された後、第1継続数及び第2継続数のゲームが実行されるまでである第3設定手段により加算される分の第3高期待状態においては、なるべく早期の第2高期待状態への移行を生じさせることに成功しても、高期待状態の強制終了時の総獲得数が変化しにくくなる。このようにすることで、第2高期待状態前の第3高期待状態における遊技意欲を掻き立てつつも、第3設定手段により第2継続数を加算する意義を担保することが可能となる。
特徴GI7.前記第2高期待状態の前の前記第3高期待状態において、所定の演出手段により特定演出(前兆演出、連続演出)を実行可能な特定演出実行手段(主制御装置101や表示制御装置81による前兆モード中の演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特定演出実行手段は、前記第1分岐点の前後において前記特定演出の演出態様を異ならせることが可能であることを特徴とする特徴GI6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出の演出態様の変化によって、遊技者は、第1分岐点に到達したことを明確に把握することができる。このようにすれば、遊技者はそれ以降のゲームでは早期の移行を生じさせてもさほど意味がないことを理解でき、特定演出を楽しむなど気持ちを切り替えることができる。これにより、遊技媒体が増加している最中に強制終了されるといった事象を生じ易くすること、すなわち、第2高期待状態前の第3高期待状態を第1継続数及び第2継続数となるまで消化させ易くすることが可能となる。
特徴GI8.前記第1設定手段は、前記第1高期待状態から前記第2高期待状態への移行が生じるまでの前記第3高期待状態において、所定の演出手段にて実行される演出の演出継続数を前記第1継続数として設定し、
前記第3設定手段は、当該演出継続数が前記第1継続数に前記第2継続数が加算された数として設定されるようにするものであり、
前記第3高期待状態において前記第2高期待状態への移行は、前記演出継続数に関わらず生じ得るものであることを特徴とする特徴GI1乃至GI7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2高期待状態から第1高期待状態への移行が生じる際に第3高期待状態が介在する場合において、第1設定手段や第3設定手段により設定される継続数は演出上の継続数であり、その設定された継続数に関わらず、第2高期待状態への移行は生じ得る構成となる。このようにすることで、設定された第3高期待状態の継続数の消化が強要される事象が生じないようになり、遊技の自由度を担保しながら、演出の継続数を異ならせるといった簡素な構成にて、実際の遊技媒体の増減との関係で強制終了時のイメージを大幅に異ならせることが可能となる。
特徴GI9.遊技状態として、遊技媒体の獲得期待度が相対的に高低となる低期待状態(通常区間)と高期待状態(有利区間)とが設定されており、
前記高期待状態の実行数を把握する把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記把握手段により把握される実行数が予め定められた上限数(1500)となったことに基づいて、当該高期待状態を終了して前記低期待状態へと移行させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、強制終了条件が成立することにより有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記高期待状態として、各ゲームで遊技媒体の増加が期待できる第1高期待状態(アタックモード等のART)及び第2高期待状態(ボーナス状態)と、各ゲームで遊技媒体の減少が期待できる第3高期待状態(アタックモード中に生じるボーナス持ち越し状態、復帰状態)と、が設定されており、
前記第1高期待状態から前記第2高期待状態への移行が生じる場合、前記第1高期待状態と前記第2高期待状態との間に前記第3高期待状態が存在し得るように設定可能な第1設定手段(主制御装置101によるボーナス持ち越し状態に設定する処理を実行する機能)と、
前記第2高期待状態から前記第1高期待状態への移行が生じる場合、前記第2高期待状態と前記第1高期待状態との間に前記第3高期待状態が存在し得るように設定可能な第2設定手段(主制御装置101によるボーナス状態後の遊技状態を通常遊技状態に設定する処理を実行する機能)と、
前記第2設定手段により設定される前記第3高期待状態中に、前記把握手段により把握される実行数が前記上限数となる特定事象が生じるか否かを、前記第1設定手段による前記第3高期待状態の設定に際して特定可能な特定手段(主制御装置101によるステップS15810の処理を実行する機能)と、
前記特定手段により前記特定事象が生じると特定される場合、予め定められた特定処理を実行可能な第3設定手段(主制御装置101によるステップS15812の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の獲得期待度が相対的に高低となる高期待状態と低期待状態とがあり、高期待状態はその実行数が上限数に達することで強制終了される場合があるため、高期待状態の有利度が極端に高められることが抑制されている。高期待状態には、各ゲームで遊技媒体が増加し得る第1高期待状態及び第2高期待状態と、各ゲームで遊技媒体が減少し得る第3高期待状態とが設定されており、第1高期待状態から第2高期待状態へ移行する場合、第1高期待状態と第2高期待状態との間に第3高期待状態が介在し、更に第2高期待状態から第1高期待状態への移行が生じる場合、第2高期待状態と第1高期待状態との間にも第3高有利状態が介在し得る構成となっている。このような構成において、第3高期待状態の遊技媒体が減少し得る状況において、第3高期待状態中に実行数が特定数に至って高期待状態が終了されると、せっかくの高期待状態が最終的には遊技媒体数を減らして尻すぼみで終了してしまうことになる。
そこで、上記構成においては、このような尻すぼみとなる特定事象を事前に特定し、その特定結果に基づく特定処理を実行可能な構成としたことで、上記尻すぼみとなる事象を好適に解消したり、尻すぼみとなったことの補填を行ったりすることが可能となる。
<特徴GJ群>
特徴GJ1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を実行可能な払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を設け、
通常遊技状態において、前記特定遊技状態へ移行させるか否かの移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理においてチャレンジモードへの移行抽選を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてチャレンジモードやアタックモードへ移行させる処理を実行する機能)と、
遊技状態が前記特定遊技状態へ移行し、所定の開始条件が成立することに基づいて、特定報知手段(第8表示用セグメントN8)を点灯状態とすることにより状態中報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段を消灯状態とすることにより当該状態中報知を終了する特定遊技状態報知手段(主制御装置101による区間表示第1処理~区間表示第4処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態の実行数を把握する第1把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記第1把握手段にて把握される前記実行数が予め定められた上限数に達したことに基づいて、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態へ移行してから前記開始条件が成立するまでの事前状態(事前区間)の実行数を把握する第2把握手段(開始前ゲーム数MG)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い特定遊技状態が設けられており、特定遊技状態へ移行して開始条件が成立すると状態中報知が開始され、特定遊技状態が終了すると当該状態中報知が終了するため、遊技者は、態様報知によって特典が得易くなる状況を状態中報知から明確に把握することができ、例えば、その状況となっていることを知らずに遊技を終了してしまうといった不利益の発生を回避させることができる。しかも、特定遊技状態は、実行数が上限数に達すると強制終了し得る構成となっており、特定遊技状態の有利度を高め過ぎず、遊技のバランスの好適化が図られている。
ところが、上記のように、特定遊技状態へ移行後、開始条件が成立してから状態中報知が開始される構成であることから、状態中報知が開始されるよりも前の事前状態においては、上限数までにどれくらいのゲーム数が残存しているかといった事柄を遊技者は知る由もなく、状態中報知が開始されてすぐに上限数に達してしまう遊技者と状態中報知が開始された後、かなりのゲーム数を特定遊技状態として実行可能な遊技者との利益に不平等性が生じ得る。
そこで、上記構成においては、特定遊技状態移行後において開始条件が成立するまでの事前状態のゲーム数を把握可能な構成としたことから、その把握結果を報知する等して、遊技者に上限数までのゲーム数を認識させることが可能となる。よって、遊技の平等性を担保することが可能となる。
なお、上記構成において、「前記特定遊技状態の所定の終了条件が成立するまでの残数を把握する残数把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、強制終了条件が成立することなく有利区間を終了させる処理を実行する機能)と」を備えるようにしたうえで、「特定終了手段」を、「前記第1把握手段により把握される実行数が予め定められた上限数となったことに基づいて、前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、前記当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる特定終了手段」と表現してもよい。
また、「前記特定遊技状態に含まれる状態として、当該特定遊技状態における他の状態(例えば、チャレンジモード)よりも遊技者にとって有利となり易い特別遊技状態(例えば、アタックモード)を設定し」たうえで、「特定遊技状態報知手段」を、「遊技状態が前記特定遊技状態へ移行し、前記特別遊技状態への移行が許容される許容条件を含む所定の開始条件が成立することに基づいて特定報知手段による報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段による報知を終了する特定遊技状態報知手段」や、「遊技状態が前記特定遊技状態へ移行し、前記特別遊技状態への移行抽選に当選したことの当選報知が行われる報知条件を含む所定の開始条件が成立することに基づいて特定報知手段による報知を開始し、当該特定遊技状態が終了することに基づいて前記特定報知手段による報知を終了する特定遊技状態報知手段」と表現してもよい。
特徴GJ2.前記事前状態では、当該事前状態の各ゲームの遊技結果に応じて払い出される遊技媒体の払出数よりも、各ゲームで使用する遊技媒体の使用数のほうが多くなり易いことを特徴とする特徴GJ1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態へ移行した後であっても開始条件が成立するまでの事前状態においては、各ゲームで払い出される遊技媒体の払出数から使用数を減算するとマイナスとなり、所謂純増がマイナスとなる状態となる。そうすると、当該事前状態においては、特定遊技状態報知手段による特定報知手段の報知も開始されていないし、純増もマイナスであることからして、その後に開始条件が成立して態様報知が発生するようになるとしても、遊技者はそれを知らずに遊技を終了してしまう可能性が高い。その点、上記特徴GJ1のように、開始条件が成立するまでの事前状態のゲーム数が把握されるようになっているので、その把握結果が表示されるなどすれば、遊技者は特定遊技状態への移行が生じていることも把握可能となる。つまり、開始条件が成立してからの有利度とともに、その事前状態であることも把握可能となり、特定遊技状態と特定遊技状態報知手段との関係性をうまく補完することが可能となる。
特徴GJ3.前記所定の開始条件には、前記特定遊技状態の各ゲームの遊技結果に応じて払い出される遊技媒体の払出数のほうが、各ゲームで使用する遊技媒体の使用数よりも多くなり易くなる増加条件が含まれることを特徴とする特徴GJ1又は特徴GJ2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の開始条件には各ゲームで払い出される遊技媒体の払出数から使用数を減算するとプラスになり、所謂純増がプラスとなる増加条件が含まれる。このような構成であるからこそ、特定遊技状態において実質的な恩恵が得られる状況で特定報知手段による報知が行われることとなり、特定遊技状態と特定報知手段の報知との関連性が明確化される。
その一方で、有利な状態の残りゲーム数の報知等、開始条件成立後の残数や実行数を把握して報知する場合が多く、このような報知に、純増がマイナスの区間が含まれてしまうと、遊技者としては当該マイナスの区間によって上記残数や実行数が搾取されたものと感じ易いため、上記有利な状態の残りゲーム数の報知等には、そのマイナスとなる区間が含まれないようすることが一般的であり、そうであるならば、開始条件には増加条件が含まれるようにするものと考えられる。
ところが、このような構成であると、上限数に達して強制終了される特定終了手段との関係性は、上記の報知からは把握することができないし、仮にそれを報知するとしても、その報知も開始条件が成立してからとするものと考えられることから、事前状態においてはこれらを知る由もなくなる。そこで、このような遊技機に対して、特徴GJ1の発明を適用することで、事前状態において残存している利益等の情報を理解させながら遊技を行わせることが可能となる。
特徴GJ4.前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
前記所定の開始条件には、前記態様報知手段による前記態様報知が実行され得る状態となる報知条件が含まれており、
前記特定遊技状態報知手段は、前記報知条件と前記増加条件とが異なるゲームにて成立した場合であっても前記開始条件が成立したものとして、前記特定報知手段による報知を開始することを特徴とする特徴GJ3に記載の遊技機。
上記構成によれば、入賞する結果が異なり得る態様報知が行われ、その態様報知が実行され得る報知条件が特定報知手段の報知開始の条件に含まれ、その報知条件と開始条件といった複数の条件が開始条件に含まれる構成において、報知開始の条件の成否が緩和され、遊技の多様化が見込まれる。そして、このような構成であるからこそ、事前状態の実行数が変化しやすく、例えば、態様報知が開始されているのにもかかわらず、遊技媒体の増加が見込めない状況が長く継続したことによって、開始条件成立から上限数までに得られる恩恵が少なくなる、といった事象も生じ易くなる。
なお、上記構成は、「前記特定遊技状態報知手段は、前記報知条件が成立した後、前記増加条件が成立した場合であっても前記開始条件が成立したものとして前記特定報知手段による報知を開始し、前記増加条件が成立した後、前記報知条件が成立した場合であっても前記開始条件が成立したものとして前記特定報知手段による報知を開始する」と表現してもよい。
特徴GJ5.前記特定遊技状態において、当該特定遊技状態の所定の終了条件が成立するまでの残数を把握する残数把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
前記残数把握手段により把握される前記残数に基づいて、当該特定遊技状態から前記通常遊技状態へ移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定終了手段は、前記特定遊技状態において前記第1把握手段にて把握される前記実行数が予め定められた上限数に達したことに基づいて、前記残数把握手段により把握される前記残数の有無に関わらず、当該特定遊技状態から前記通常遊技状態へ移行させるものであり、
前記残数把握手段により把握される前記残数のカウントは、前記開始条件が成立してから開始されるものである一方、前記第1把握手段により把握される前記実行数のカウントは、前記開始条件が成立するよりも前から開始されるものであることを特徴とする特徴GJ1乃至GJ4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成の遊技機に特徴GJ1を適用すれば、事前状態のカウントを行う意義がより明確化される。
なお、「前記第1把握手段により把握される前記実行数のカウントは、前記開始条件が成立するよりも前から開始される」とは、より詳しくは、「前記第1把握手段により把握される前記実行数のカウントは、前記開始条件が成立するよりも前であって、前記特定遊技状態への移行から開始される」である。
特徴GJ6.所定の報知手段により、前記第2把握手段により把握される実行数に対応する対応情報についての特定報知を実行可能な手段(表示制御装置81による開始前ゲーム数コマンドに基づく報知を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴GJ1乃至GJ5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、事前状態の実行数を遊技者は特定報知により把握可能となる。これにより、上限数との関係で、特定遊技状態において得られる恩恵の残り具合を予測可能となり、遊技台の選択等に役立てることが可能となる。
特徴GJ7.前記第2把握手段により把握される実行数に対応する対応情報を、外部の機器へ出力可能な手段(主制御装置101によるステップS16106の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴GJ1乃至GJ6のいずれか1に記載の遊技機。
外部の機器としては、例えば、遊技ホールのホールコンピュータやデータ機器が想定され、これらの機器に事前状態の実行数に対応する対応情報を出力する構成とすれば、遊技ホールの管理者等も、特定報知手段の報知だけでは把握できない特定遊技状態の恩恵の残り具合を明確に把握することができる。よって、例えば、閉店時に特定遊技状態の恩恵の残りが少ない遊技台についてはリセット処理を行う等、遊技者が不利益を被ることを解消するための情報として利用させることができる。
特徴GJ8.前記特定遊技状態の各ゲームの遊技結果に応じて払い出された遊技媒体の払出数と各ゲームで使用した遊技媒体の使用数との差分である増減数が予め定められた上限増加数に至ったことに基づいて、当該特定遊技状態から前記通常遊技状態へ移行させる第2特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、上限増加数に達したことにより有利区間を強制終了させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴GJ1乃至GJ7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態へ移行してから、遊技媒体の払出数と使用数との差し引きである増減数が上限増加数に至ると強制終了されるようになるため、特定遊技状態の有利度が設計者の意図する内容を凌駕するものとなってしまう事象を回避することができる。このような構成においては、事前状態にて遊技媒体数が減少し開始条件が成立してから増加するようになる場合、その事前状態の減少分は、開始条件が成立してから上限数に達するまでの増加分に上積みされることとなり、事前状態の遊技状況が開始条件成立後の恩恵に大きく影響を及ぼすようになる。その点、上記特徴GJ1のように、事前状態の実行数が把握されるため、その内容に基づいて、上記開始条件成立後の恩恵に応じた報知を行う等することが可能となる。
なお、上記構成を特徴GJ1に適用する場合、特徴GJ1の「特定終了手段」を「第1特定終了手段」と読み替えて適用するとよい。
<特徴GK群>
特徴GK1.遊技状態として、遊技媒体の獲得期待度が相対的に高低となる低期待状態(通常区間)と高期待状態(有利区間)とが設定されており、
前記高期待状態の各ゲームの遊技結果に応じて払い出された遊技媒体の払出数と各ゲームで使用した遊技媒体の使用数との差分である増減数が予め定められた上限増加数に至ったことに基づいて、当該高期待状態を終了して前記低期待状態へと移行させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、上限増加数に達することにより有利区間を終了させる処理を実行する機能)を備える遊技機であって、
前記高期待状態は、各ゲームで遊技媒体の減少が期待できる事前高期待状態(チャレンジモード等の事前区間)を経て、各ゲームで遊技媒体の増加が期待できる実質高期待状態(アタックモード等の実質増加区間)へ移行し得る構成であり、
前記事前高期待状態の実行数を把握する把握手段(開始前ゲーム数MG)と、
前記把握手段により把握される実行数に対応する対応情報についての対応報知を、所定の報知手段にて実行可能な対応報知実行手段(表示制御装置81による第1開始前ゲーム数コマンドや第2開始前ゲーム数コマンドに基づく報知を行う処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の獲得期待度が相対的に高低となる高期待状態と低期待状態とがあり、高期待状態は、遊技媒体の増減数が上限増加数に達することで残数に関わらず強制終了される場合があるため、高期待状態の有利度が極端に高められることが抑制されている。高期待状態は、各ゲームで遊技媒体が減少し得る事前高期待状態を経て、各ゲームで遊技媒体が増加し得る実質高期待状態へ移行する構成であるところ、事前高期待状態の減少分は、実質高期待状態へ移行してから上限増加数に達するまでの増加分に上積みされることとなり、事前高期待状態の遊技状況が実質高期待状態の恩恵に大きく影響を及ぼすようになる。つまり、遊技媒体の減少が生じている期間が長いほどその後の恩恵が大きくなり得る構成であり、その現象が生じている期間に対応する対応情報についての対応報知を行う構成とすることで、なかなか実質高期待状態へ移行しない、という遊技者の苛立ちを解消することができる。よって、遊技の興趣向上が図られる。
なお、上記構成において、「前記高期待状態の所定の終了条件が成立するまでの残数を把握する残数把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、当該高期待状態を終了して前記低期待状態へと移行させる通常終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、強制終了条件が成立することなく有利区間を終了させる処理を実行する機能)と」を備えるようにしたうえで、「特定終了手段」を、「前記残数把握手段により把握される残数に関わらず、前記高期待状態の各ゲームの遊技結果に応じて払い出された遊技媒体の払出数と各ゲームで使用した遊技媒体の使用数との差分である増減数が予め定められた上限増加数に至ったことに基づいて、当該高期待状態を終了して前記低期待状態へと移行させる特定終了手段」と表現してもよい。
特徴GK2.前記対応報知実行手段は、前記対応報知として、その後の前記実質高期待状態で増加可能となる上限に関する情報の上限報知(期待枚数増加中!!の表示)を実行可能であることを特徴とする特徴GK1に記載の遊技機。
上記構成によれば、その後の実質高期待状態にて受けられる恩恵の上限が直接的に表現された対応報知となり、事前高期待状態での苛立ちを解消する効果を好適に期待できるし、このような直接的な表現であると、各ゲームの結果に応じて遊技媒体を獲得して遊技媒体の増加を見込む、といった遊技の目的からして、当該事前高期待状態にて遊技を終了させにくくすることができる。よって、遊技継続の意思決定の後押しともすることが可能となる。
特徴GK3.前記高期待状態の実行数を把握する第2把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記第2把握手段により把握される実行数が予め定められた上限ゲーム数(1500)となったことに基づいて、当該高期待状態を終了して前記低期待状態へと移行させる第2特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、強制終了条件が成立することにより有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2特定終了手段は、前記増減数が前記上限増加数に至っていなくても、前記高期待状態を終了させることを特徴とする特徴GK1又は特徴GK2に記載の遊技機。
上記構成によれば、高期待状態の実行数が上限ゲーム数に至った場合には遊技媒体の増減数が上限増加数に至っていなくても強制終了されるので、事前高期待状態の実行数が多ければ多いほど実質高期待状態での増加可能な増加数が多くなるわけではなく、高期待状態の実行数との兼ね合いも生じてくる。このようにすることで、事前高期待状態において、どの段階までは実質高期待状態での増加可能な増加数が増え、どの段階からは第2特定終了手段による強制終了の対象となって上限増加数に至らなくなる、といった内容を加味させながら、遊技を楽しませることができる。よって、把握手段により把握される事前高期待状態の実行数に関する対応報知の必要性や当該態様報知への関心を好適に高められる。
特徴GK4.前記対応報知実行手段は、前記対応報知として、その後の前記実質高期待状態で増加可能となる上限に関する情報の上限報知(期待枚数増加中!!の表示)を可能な上限報知手段を備え、
前記上限報知手段は、第1ゲーム数の前記実質高期待状態を実行した場合の各ゲームの遊技結果に応じて払い出しが期待できる遊技媒体の期待払出数から各ゲームで使用する遊技媒体の使用数を差し引いた実質増加分と、前記上限ゲーム数から前記第1ゲーム数を差し引いた第2ゲーム数の前記事前高期待状態を実行した場合の各ゲームで使用する遊技媒体の使用数から各ゲームの遊技結果に応じて払い出しが期待できる遊技媒体の期待払出数を差し引いた実質減少分との合計が前記上限増加数となる分岐ゲームまで、前記事前高期待状態における前記上限報知を実行可能であることを特徴とする特徴GK3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴GK3との関係で、上限報知が嘘にならない範囲で行われる。このようにすることで、上限報知の信ぴょう性を高め、当該上限報知によって遊技の継続を促す効果をより高めることが可能となる。
特徴GK5.第1ゲーム数の前記実質高期待状態を実行した場合の各ゲームの遊技結果に応じて払い出しが期待できる遊技媒体の期待払出数から各ゲームで使用する遊技媒体の使用数を差し引いた実質増加分と、前記上限ゲーム数から前記第1ゲーム数を差し引いた第2ゲーム数の前記事前高期待状態を実行した場合の各ゲームで使用する遊技媒体の使用数から各ゲームの遊技結果に応じて払い出しが期待できる遊技媒体の期待払出数を差し引いた実質減少分との合計が前記上限増加数となる分岐ゲームの前記事前高期待状態が消化された後は、前記実質高期待状態への移行期待度が前記分岐ゲームよりも前より高くなり易いことを特徴とする特徴GK3又は特徴GK4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴GK3との関係で、分岐ゲーム以後も遊技を継続させる後押しとすることができる。つまり、分岐ゲーム以後は、実質的な増加可能な増加数は減っていくものの、実質高期待状態への移行確率が高くなるので、比較的容易に遊技媒体の増加が見込めるようになり、当該分岐ゲーム以後の遊技を行う意義が高められる。
特徴GK6.前記分岐ゲームの以後の前記事前高期待状態において、前記実質高期待状態への移行確率が高くなり易いことに関する情報の報知(当選確率増加中!!の表示)を、所定の報知手段にて実行可能な手段を備えていることを特徴とする特徴GK5に記載の遊技機。
上記構成によれば、実質高期待状態へ移行しやすい状態である旨が報知されることから、分岐ゲームを超えている場合であっても、事前高期待状態での苛立ちを解消する効果を好適に期待できるし、このような直接的な表現であると、各ゲームの結果に応じて遊技媒体を獲得して遊技媒体の増加を見込む、といった遊技の目的からして、当該分岐ゲームを超えている状況であっても、事前高期待状態にて遊技を終了させにくくすることができる。よって、遊技継続の意思決定の後押しともすることが可能となる。
特徴GK7.所定の操作により、少なくとも前記増減数の情報を初期化可能な初期化手段(主制御装置101によるリセット処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴GK1乃至GK6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴GK1のような遊技性を創出しつつも、例えば、実質高期待状態の恩恵がほとんど残っていない場合等、遊技を行うことで遊技者が十分な恩恵を受けることができない状況も生じ、このような状況での遊技者の不利益を解消することが可能となる。
なお、「所定の操作」は、遊技者による自由な操作が可能ではない構成が好ましく、「前記所定の操作が行われる操作手段(リセットボタン)を備え、当該操作手段は、遊技者による操作が不可能又は困難な位置に設けられている」構成や、「各ゲームの抽選結果に応じた所定の操作」とするとよい。
なお、以上詳述した特徴AA群乃至特徴GK群の各構成に対して、他の特徴AA群乃至特徴GK群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。