<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2及び図3に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図5に基づいて説明する。図5は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33,下作動口34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。なお、一般入賞口31は複数設けられているとともに、スルーゲート35も複数設けられている。
各一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及び各スルーゲート35に対しては1対1で対応させて入賞用の検知センサが設けられている。これら検知センサはいずれも遊技盤24の背面側に配設されており、検知結果は後述する主制御装置に対して出力される。なお、検知センサとしては、電磁誘導型の近接センサが用いられているが、遊技球の入賞を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球の発生が検知されると、所定数の賞球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、上作動口33への入球が発生した場合及び下作動口34への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口33に係る賞球個数よりも下作動口34に係る賞球個数が多いといったように、両作動口33,34の賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置32に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口31に係る賞球個数よりも少ない構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された電動役物駆動部34bに連結されており、当該電動役物駆動部34bにより駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、下作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物34aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物34aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、下作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは可変入賞装置32として一体的に設けられた可変入賞駆動部に連結されており(連結箇所については図示略)、当該可変入賞駆動部により駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。
また、可変入賞装置32には、大入賞口32aを介して可変入賞装置32に入賞した遊技球が必ず通過する位置に入賞用通過部が形成されており、さらに当該入賞用通過部の位置に検知部が存在するようにして大入賞口検知センサが設けられている。当該大入賞口検知センサによって可変入賞装置32に入賞した遊技球が個別に検知される。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。メイン表示部43による表示結果は、内部抽選結果を表す情報であり、いわゆる特別図柄(特図)に相当する。本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄(表示情報)として、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。役物用表示部44による表示結果は、いわゆる普通図柄(普図)に相当する。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられているとともに、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。
図柄表示装置41の表示内容について、図6を参照して詳細に説明する。図6は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図6(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
図6(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて表示画面Gにおいて遊技回用の演出が行われる場合には、各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1~Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で遊技回用の演出が終了される。
また、遊技回用の演出が終了する場合、後述する確変大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の奇数の数字が付された図柄の組み合わせが形成され、後述する通常大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の偶数の数字が付された図柄の組み合わせが形成される。また、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせではないが所定の図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)が形成される構成としてもよい。
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
また、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、図5に示すように、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム42の右上部分には、役物用表示部44に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
なお、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
ここで、本パチンコ機10では遊技盤24に、異常検知手段として、磁石検知センサ24aと、電波検知センサ24bとが設けられている。
磁石検知センサ24aは、上作動口33周辺における遊技盤24の背面側に設置されている。上記のとおり上作動口33は内部抽選のトリガとなるため、窓パネル57の前方において上作動口33周辺に磁石を近付け、不正に上作動口33へと遊技球を誘導させようとする行為が想定される。これに対して、磁石検知センサ24aが設けられていることにより、上記磁石を用いた不正行為が行われた場合に、それを検知することが可能となる。
磁石検知センサ24aは後述する主制御装置と電気的に接続されており、磁石検知センサ24aの検知結果は主制御装置に入力される。
なお、磁石検知センサ24aの位置は、上記のものに限定されることはなく、例えば、上記磁石を用いて一般入賞口31への入賞を不正に行わせようとする不正行為を抑制すべく、一般入賞口31周辺に磁石検知センサ24aを配置してもよい。
電波検知センサ24bは、上作動口33及び下作動口34周辺における遊技盤24の背面側に設置されている。この位置についてより詳細には、電波検知センサ24bは高さ方向において上作動口33及び下作動口34の両方と略同一の高さ位置に配置されているとともに、横方向において上作動口33及び下作動口34よりも遊技機本体12の回動基端側に配置されている。ここで、遊技球の払出を実行する後述する払出装置は遊技機本体12の回動基端側寄りの位置に配置されているため、電波検知センサ24bは横方向において作動口装置と払出装置との間に配置されているとも言える。
上記のとおり上作動口33及び下作動口34は内部抽選のトリガとなるため、パチンコ機10前方において上作動口33又は下作動口34に向けて電波を不正に出力し、上作動口用の検知センサ又は下作動口用の検知センサに遊技球の通過を誤検知させようとする行為が想定される。これに対して、電波検知センサ24bが設けられていることにより、上記電波を用いた不正行為が行われた場合に、それを検知することが可能となる。電波検知センサ24bは後述する主制御装置と電気的に接続されており、電波検知センサ24bの検知結果は主制御装置に入力される。
なお、電波検知センサ24bの位置は、上記のものに限定されることはなく、例えば、作動口装置よりも遊技機本体12の回動先端側であってもよく、作動口装置と可変入賞装置32との間の高さ位置に配置してもよい。また、電波検知センサ24bは所定の周波数として50MHz~3GHzの電波を検知可能となっているが、上作動口33又は下作動口34への誤検知を行わせ得る周波数の電波を検知可能であれば当該周波数の範囲は任意であり、さらに検知対象とする周波数の範囲を変更できる構成としてもよい。
また、可変表示ユニット36には、可動役物が設けられている。当該可動役物について図7~図9を参照しながら説明する。図7は遊技盤24に設けられた可動役物を説明するための説明図、図8は図7における可動役物のA-A線断面図、図9は各駆動部の駆動状態と各可動板の位置との関係を説明するための説明図である。
図7(a)に示すように、可変表示ユニット36は可動役物200を備えている。当該可動役物200は、図8に示すように、パチンコ機10前後方向において互いに重なる2つの可動板201,202を有し、それら可動板201,202の一端部には軸部201a,202aがそれぞれ設けられている。軸部201a,202aは、センターフレーム42の前面開口部42aの上方であって前面板42bの裏側となる位置に設けられ、可動板201,202は、軸部201a,202aを中心点として回転することで、センターフレーム42の裏側に隠れた位置(図7(a)の2点鎖線で示す位置)と、センターフレーム42から現出して図柄表示装置41の画面前方となる位置(図7(a)に実線で示す位置)とで変位可能となっている。2つの可動板201,202のうちパチンコ機10前側の可動板201は、パチンコ機10が節電状態であることを報知するための報知用可動部材であり、パチンコ機10後ろ側の可動板202は、可変表示ユニット36による遊技演出に用いられる演出用可動部材である。
図7(b)に示すように、両可動板201,202はいずれも略T字状をなす同形状かつ同寸法の部材である。可動板201は、節電報知用の報知情報を表示する情報表示部203を有しており、その情報表示部203には、例えば「節電稼働中です。遊技可能です。」等の報知メッセージが記載されている。これ以外に、情報表示部203には、節電状態からの復帰に関する情報が付されていてもよく、例えば「ハンドルに触れたら復帰します。」等の報知メッセージが記載されていてもよい。
また、可動板202は、遊技演出用の報知情報を表示する情報表示部204を有しており、その情報表示部204には、例えば「激アツです!!」等の報知メッセージが記載されている。
図8に示すように、可動板201の軸部201aは中実状をなしているのに対し、可動板202の軸部202aは中空状をなしており、軸部202aの中空部に軸部201aが挿入されることによりそれら各軸部201a,202aが内外二重で且つ同軸に配置されている。なお、後側の可動板202には、前側の可動板201の軸部201aを貫通させるための貫通孔202bが形成されている。
各軸部201a,202aにはそれぞれモータ等よりなる駆動部205,206が設けられており、それらの各駆動部205,206により各可動板201,202が各々独立して動作可能になっている。各駆動部205,206が非駆動の状態(モータ非通電の状態)にある場合には、各可動板201,202が自重により図柄表示装置41の画面前方となる位置に現出し、各駆動部205,206が駆動されることにより(モータ通電されることにより)、各可動板201,202が自重に抗してセンターフレーム42の背後位置に持ち上げられて保持されるようになっている。
なお、両可動板201,202は互いに同形状且つ同寸法の部材であるため、モータ非通電時に各可動板201,202が自重により図柄表示装置41の画面前方となる位置に現出した状態、特に両可動板201,202が前後に重なった状態では、演出用の可動板202が節電報知用の可動板201により隠されてパチンコ機10前方から視認できない又は視認困難になるようになっている。なお、節電報知用の可動板201を演出用の可動板202よりも大きくすることで、両可動板201,202が前後に重なった状態で演出用の可動板202がパチンコ機10前方から一層視認困難になるようにすることも可能である。
図9(a)に示すように、パチンコ機10の遊技中においては遊技基本位置として、可動役物200の両可動板201,202がいずれもセンターフレーム42の背後位置に保持されており、かかる状態では遊技者がパチンコ機10前方から可動役物200(可動板201,202)を視認することが不可となっている。
そしてパチンコ機10の遊技中において所定の遊技演出が実施されることに伴い、図9(b)に示すように、遊技演出用の可動板202が図柄表示装置41の画面前方となる位置に現出する。なお、このとき、可動板202側の駆動部206を非駆動(モータ非通電)とすれば自重で可動板202が所定の現出位置に現出するが、駆動部206の駆動制御により所定速度で可動板202を所定の現出位置に移動させるのが望ましい。節電報知用の可動板201についてはセンターフレーム42の背後位置に配置されたままとなっている。
一方、パチンコ機10に対して電源が投入されていない状態では、図9(c)に示すように、両駆動部205,206が共に非駆動(モータ非通電)の状態になっているため、両可動板201,202がいずれも自重により所定の現出位置、すなわち図柄表示装置41の画面前方位置に現出する。このとき、2つの可動板201,202のうち節電報知用の可動板201が前側に位置している。節電モードでは、画面前方に節電報知用の可動板201が存在していることにより、遊技ホール内にいる遊技者が、例えば新たに遊技を行うパチンコ機を選んでいる際に、図柄表示装置41を覗き込むのと同時に可動板201を見ることにより、そのパチンコ機10(遊技者による遊技がされていない非遊技状態の遊技機)が節電状態であることが認知される。この場合、図柄表示装置41において遊技中とは異なる表示形態で表示がなされていても、それが節電のためであっていつでも遊技可能であることを認知できる。例えば、節電モードでは、図柄表示装置41において停止画像が表示されたままとなったり、液晶バックライトの照度が落とされたりして表示形態が変更されてもそれが節電のためであると認知できる。なお、節電モードについては後ほど詳述する。
図5の説明に戻り、遊技盤24には、内レール部48と外レール部49とが取り付けられており、これら内レール部48と外レール部49とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構51から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構51は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、誘導レールに向けて延びる発射レール52と、後述する上皿61aに貯留されている遊技球を発射レール52上に供給する球送り装置53と、発射レール52上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド54と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置55が操作されることによりソレノイド54が駆動制御され、遊技球が発射される。
次に、発射操作装置55の構成について図10に基づいて説明する。図10(a)は前方から見た発射操作装置55の斜視図であり、図10(b)は後方から見た発射操作装置55の斜視図である。
発射操作装置55は、図10(a),(b)に示すように、前扉枠14に固定される基部220と、発射操作装置55の前面側を構成する前面ユニット221と、基部220及び前面ユニット221の間に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作(回転操作)される操作ハンドル222と、を備えている。
基部220は、ABS樹脂などの不透明な材料により筒状に形成されており、一方の開口側はその内径及び外径が共に拡径されている(以下、この拡径された領域を拡径領域223という)。また、基部220には、拡径領域223と同一軸線上において当該軸線と同一方向に延びる軸孔部が一体形成されている。軸孔部には、ハンドル用軸部材が上記軸線を中心として回動可能に支持されており、このハンドル用軸部材の中間位置に形成された固定用環部に固定させて操作ハンドル222が設けられている。
操作ハンドル222は、ABS樹脂により形成されており、その周面全体に金属膜がメッキされている。当該金属膜が、遊技者による遊技操作の有無を検出するための操作検出電極となっている。なお、操作ハンドル222の周面全体に金属膜がメッキされているのではなく、操作ハンドル222の一部に、例えば操作ハンドル外周部に突状に設けられた指掛け部に金属膜がメッキされている構成としてもよく、操作ハンドル222を金属製としてもよい。
操作ハンドル222には、操作ハンドル222を遊技者が操作していることを検知するためのハンドル用タッチセンサ224が設けられている。ハンドル用タッチセンサ224は、操作ハンドル222に設けられた電極(上記の金属膜)からなるタッチ検出部225と、当該タッチ検出部225に対して電気的に接続された信号処理部226とを備えている。信号処理部226にはコンデンサが内蔵されており、遊技者の手がタッチ検出部225の外表面に接触してコンデンサの静電容量が変化すると、ハンドル操作検知に対応した所定の電気信号(以下、タッチ検出信号という)を発射制御部に出力する。ハンドル用タッチセンサ224は、ハンドル操作時にはHIレベル信号を出力し、ハンドル非操作時にはLOWレベル信号を出力する。なお、これらLOW及びHIの関係が逆であってもよい。発射制御部では当該タッチ検出信号に基づいて、遊技者の手が操作ハンドル222の外表面に接触していること、すなわち遊技者による遊技が行われていることを認識する。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部56が形成されている。窓部56は、略楕円形状をなし、窓パネル57が嵌め込まれている。窓パネル57は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル57を通じて遊技領域を視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部56の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部58aが窓部56の上方に設けられている。また、表示ランプ部58aの左右両側であって前扉枠14の上側の隅角部分には左右一対のエラーランプ部58bが設けられている。また、エラーランプ部58bに隣接させて、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部59が設けられている。
前扉枠14における窓部56の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部61と下側膨出部62とが上下に並設されている。上側膨出部61内側には上方に開口した上皿61aが設けられており、下側膨出部62内側には同じく上方に開口した下皿62aが設けられている。上皿61aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構51側へ導くための機能を有する。また、下皿62aは、上皿61a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
上側膨出部61においてパチンコ機10前方を向く領域には、例えば押しボタン装置よりなり、遊技者により手動操作される操作部を具備する演出用操作装置60が設けられている。演出用操作装置60の操作部は、図柄表示装置41の表示画面などにおける演出内容を所定の演出内容とするために遊技者により手動操作される。
本パチンコ機10では、演出用操作装置60の操作に基づき図柄表示装置41の表示画面における表示モードが切り換えられる。具体的には、遊技回が開始されるまでの間に表示される待機画像や遊技回が実行されている状況で表示される遊技回画像における背景画像が複数種類(例えば、3種類)設定されており、遊技回や開閉実行モードが実行されていない状況で演出用操作装置60が操作されることで背景画像が切り換えられるようになっている。また、遊技回が実行されている状況における所定の条件下で演出用操作装置60が操作されたことに基づき、操作に対応した画像が図柄表示装置41に表示されることとなる。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71と、音声やランプ表示及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声発光制御装置72と、が搭載されている。
なお、主制御装置71の基板ボックス71aに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置71や音声発光制御装置72を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。
裏パックユニット15について図3及び図4に基づいて説明する。
裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック73を備えており、当該裏パック73に対して、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75が取り付けられている。裏パック73は、払出機構部74などが取り付けられるベース部119と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部122とを有する。
ベース部119には、その右上部に外部端子板81が設けられている。外部端子板81には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理コンピュータに対して各種信号が出力される。
ベース部119には、保護カバー部122を迂回するようにして払出機構部74が配設されている。すなわち、裏パック73の最上部には上方に開口したタンク76が設けられており、タンク76には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク76の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール132が連結され、タンクレール132の下流側には上下方向に延びるケースレール133が連結されている。ケースレール133の最下流部には払出装置77が設けられている。払出装置77より払い出された遊技球は、当該払出装置77の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿61a又は下皿62aに排出される。
払出機構部74には、裏パック基板135が設置されている。裏パック基板135には、例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ135aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部119の下端部には、制御装置集合ユニット75が取り付けられている。制御装置集合ユニット75は、払出装置77を制御する機能を有する払出制御装置78と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置55の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置79と、を備えている。これら払出制御装置78と電源及び発射制御装置79とは、払出制御装置78がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック73には、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75以外にも、外部端子板81が設けられている。外部端子板81は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板81は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。
払出制御装置78は、基板ボックス144内に払出装置77を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置78から払出装置77への払出指令の信号は上述した裏パック基板135により中継される。また、払出制御装置78には状態復帰スイッチ145が設けられている。例えば、払出装置77における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ145が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置79は、基板ボックス146内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射操作装置55の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。
また、電源及び発射制御装置79にはRAM消去スイッチ147が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<パチンコ機10の電気的構成>
図11は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。なお、図11では、電源及び発射制御装置79から主制御装置71、音声発光制御装置72、払出制御装置78、表示制御装置121及び図柄表示装置41への動作電力の供給ラインやその他の電力の供給ラインを二重線矢印で示し、それ以外の信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板91と、電源を監視する停電監視基板(電断監視基板)96と、を具備している。主制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92には、ROM93及びRAM94が内蔵されている。
ROM93は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM93は、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
RAM94は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM93よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
また、MPU92又は主制御基板91には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置71以外の制御装置についても同様である。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。なお、入出力ポートが設けられており、入力用と出力用とで必要に応じて切り換えられる構成としてもよい。これは主制御装置71以外の制御装置のMPUについても同様である。MPU92の入力側及び出力側には、各種制御装置が接続されているとともに、各種センサ、各種駆動部及び各種表示部が接続されている。先ず各種センサ、各種駆動部及び各種表示部との接続に係る構成について説明する。
MPU92の入力側には、遊技領域の一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35に対して設けられた入賞用の検知センサ31a,32d,33a,34c,35a(以下、これらをまとめて入賞用検知センサという)が電気配線を介して電気的に接続されている。この場合、主制御基板91と各入賞用検知センサとがそれぞれ1の電気配線を介して接続されている構成としてもよく、各信号経路の途中に中継基板が介在している構成としてもよい。これは他の機器との接続に係る構成についても同様である。MPU92では、各入賞用検知センサから信号を受信し、その受信結果に基づいて各入賞部への入賞判定(入球判定)が行われる。
MPU92の入力側には、上記各入賞用検知センサ以外にも磁石検知センサ24a及び電波検知センサ24bが電気配線を介して電気的に接続されている。MPU92では、磁石検知センサ24a及び電波検知センサ24bから信号を受信し、その受信結果に基づいて、それぞれの検知対象となっている異常の発生の有無が判定される。
MPU92の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32cと、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、が電気配線を介して電気的に接続されている。また、MPU92の出力側には、メイン表示部43と、役物用表示部44と、が電気配線を介して電気的に接続されている。主制御基板91には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU92は各種駆動部32c,34bの駆動制御を実行するとともに各種表示部43,44の表示制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU92において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるようにMPU92において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU92においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU92において役物用表示部44の表示制御が実行される。
ちなみに、図示による説明は省略するが、MPU92の出力側には、外部端子板81が接続されている。MPU92は、RAM94に対して、遊技の進行に応じた情報の設定を行う。そして、RAM94に設定された情報に応じて信号出力用の設定を外部端子板81に対して行い、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させる。
払出制御装置78は、払出装置77を通じた遊技球の払出の制御を司る払出制御基板101を具備している。
当該払出装置77には、タンク76から払出装置77に供給されている遊技球をそれよりも下流側へ流下しないように通過を阻止する状態と、当該遊技球を下流側へ送り出す状態とに切り換える回転体などの球止め部材を駆動する払出モータ77aが設けられているとともに、上記下流側へと送り出される遊技球を個別に検知する払出検知センサ77bが設けられている。払出制御装置78の出力側には払出モータ77aが電気配線を介して電気的に接続されているとともに、払出制御装置78の入力側には払出検知センサ77bが電気配線を介して電気的に接続されている。払出制御装置78では、払出制御基板101に設けられたドライバ回路を通じて払出モータ77aに駆動信号を供給することで遊技球の払出を実行させるとともに、払出検知センサ77bの検知結果に基づいて払出が完了した遊技球の個数を把握する。
また、払出制御基板101は、裏パックユニット15に設けられた球貸用接続端子板105と電気配線を通じて電気的に接続されているとともに、当該球貸用接続端子板105が電気配線を通じて球貸装置Yと電気的に接続されている。
球貸装置Yは所謂CRユニットであり、図示による説明は省略するが外枠11の側方に設けられており、球貸装置Yの前面側にはカード挿入口が設けられている。そのカード挿入口へのカードの挿入を行うとともに、パチンコ機10に設けられた貸球操作装置(図示略)を適宜手動操作することによりカードに記憶された金額に相当する数の遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。払出制御装置78は、球貸装置Yとの間で電気信号の送受信を行うことで貸球の制御を実行する。
なお、遊技球の貸し出しを受ける上で球貸装置Yに挿入されるものはカードに限定されることはなく、現金であってもよく、また現金情報が記憶されたコインであってもよい。
また、払出制御基板101には上記払出装置77や球貸装置Y以外にも、下皿62aといった球受け皿が遊技球の満杯状態となっているかを検知する満杯検知センサが電気的に接続されているとともに、タンク76が球無状態となっているかを検知する球無し検知センサが電気的に接続されている。
MPU92の出力側には、音声発光制御装置72の音声発光制御基板72aが接続されている。音声発光制御基板72aは、MPU92から受信したコマンドに基づき、表示ランプ部58a、エラーランプ部58b及びスピーカ部59を駆動制御するとともに、表示制御装置121の表示制御基板121aにコマンドを送信する。また、音声発光制御装置72には演出用操作装置60が接続されており、表示ランプ部58a、スピーカ部59及び表示制御装置121の制御が演出用操作装置60への手動操作に基づいて実行されるようにもなっている。さらに音声発光制御装置72には、可動役物200が接続されており、音声発光制御装置72は主制御装置71から受信したコマンドに基づいて駆動部205,206を駆動制御する。
表示制御基板121aは、音声発光制御装置72から受信した各種コマンドを解析し、その解析結果に基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置41の表示画面Gにおける画像の表示を制御する。
電源及び発射制御装置79は電源及び発射制御基板111を備えており、当該電源及び発射制御基板111には、主制御装置71、払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121といった各制御装置や、図柄表示装置41、各種モータ等の駆動部、ランプ類、センサ類などの各種電気機器に必要な動作電圧を各々生成する機能を有する電源回路112が設けられている。電源回路112には、電入時用電源部113と、電断時用電源部114とが設けられている。
電入時用電源部113は、例えば遊技ホール等における商用電源(外部電源)に電源スイッチ135aを介して接続されており、その商用電源から供給される外部電力に基づいて、主制御装置71、払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121といった各制御装置や、図柄表示装置41等の各種電気機器に必要な動作電圧を各々生成するとともに、その生成した動作電圧を上記の各制御装置や各種電気機器に対して供給する。その概要としては、電入時用電源部113は、裏パックユニット15に設けられた電源スイッチ135aを介して交流24V電源を取り込み、主制御装置71の停電監視基板96へ供給するための+24V電圧、各種センサやモータ等を駆動するための+12V電圧、ロジック用の+5V電圧などを生成する。電入時用電源部113は、+24V電圧を主制御装置71の停電監視基板96に供給し、+5V電圧を主制御装置71以外の各制御装置に供給する。また、+12V電圧を、上記の各制御装置及び図柄表示装置41に供給する。ここで、払出制御装置78及び音声発光制御装置72は、それぞれ各種モータ等の駆動部や、ランプ類、センサ類などの各種電気機器を制御対象として各種制御を実施するものであり、その制御対象となる各種電気機器に対しては、各制御装置からそれぞれ+12V電圧が供給されるようになっている。例えば、各種ランプ部58a,58b及び可動役物200の駆動部205,206に対しては音声発光制御装置72を介して+12V電圧が供給される。
なお、電源スイッチ135aは、既に述べたように裏パック基板135に設けられており、ホール管理人の操作によってON・OFFが切り替えられ、その切替操作によりパチンコ機10の電源(主電源)がON・OFFされる。
主制御装置71は、電入時用電源部113から電力供給を受けている状況下で、同じく電入時用電源部113から電力供給を受ける他の制御装置(払出制御装置78、音声発光制御装置72、表示制御装置121)についてその電力供給状態を制御できる機能を有している。つまり、主制御装置71は、電入時用電源部113に対して電力供給許可信号(電力供給指令)を出力する構成となっており、その電力供給許可信号に基づいて、電入時用電源部113では、主制御装置71以外の各制御装置(払出制御装置78、音声発光制御装置72、表示制御装置121)に対して+5V電圧及び+12V電圧を供給する状態(電力供給状態)と+5V電圧及び+12V電圧を供給しない状態(電力遮断状態)との切替が行われる。
電源スイッチ135aのオン操作による電源投入時には、主制御装置71から出力される電力供給許可信号が例えばHIレベルに操作されることにより、電入時用電源部113を介して所定の制御装置や所定の電気機器に電力が供給される。また、電源投入後において、電力供給許可信号が例えばLOWレベルに操作されることにより、所定の制御装置や所定の電気機器への電力供給が遮断される。こうした電力遮断により、パチンコ機10に対する電源投入状態(すなわち電源スイッチ135aのオン状態)においてパチンコ機10の消費電力低減(節電)が可能となっている。ただし、その節電処理の詳細は後述する。
主制御装置71において、電入時用電源部113とMPU92との電力供給経路の途中位置には停電監視基板96が設けられている。停電監視基板96は、電入時用電源部113にて生成される最大電圧である+24Vの電圧を監視するとともに、+24Vを+5V電圧に変換してMPU92へ出力する。そして、この電圧が+22V未満になると電源遮断の発生と判断し、MPU92に停電信号(電断信号)の出力設定を停電(電源遮断)の発生に対応したものとする。具体的には、電源遮断が発生していないと判断している状況ではLOWレベルの停電信号を送信し、電源遮断が発生していると判定している状況ではHIレベルの停電信号を送信する。なお、これらLOW及びHIの関係が逆であってもよい。
電断時用電源部114は蓄電手段としてのコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(商用電源からの電力供給が行われている場合)に電入時用電源部113から供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(商用電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部114から放電されRAM94に対して記憶保持用電力(バックアップ電力)が供給される。よって、かかる状況であっても、電断時用電源部114から記憶保持用電力が供給されている間はRAM94に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
ちなみに、電断時用電源部114の容量は、電源遮断前にRAM94に記憶されていた情報が、予め定められた所定の期間内において保持できる容量であればよく、本実施例では、1日や2日程度の記憶保持が可能となる容量としている。また、電断時用電源部114はコンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などの蓄電手段であってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源部114への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
また、+24Vの電圧が22V未満になると、停電監視基板96を介してMPU92に供給される駆動電圧が+5Vに対して変動するおそれがあり、かかる状況下においてMPU92を作動させようとしてもそれに支障が及ぶことが懸念される。この点、電源及び発射制御基板111では、+24Vの電源が22V未満になった後においても、電断時用電源部114から所定時間の放電を実施することにより、MPU92に対して制御系の駆動電源である+5Vの出力を正常値に維持するように構成されている。本パチンコ機では、例えば、+24Vの電源が22V未満になった場合、停電監視基板96からの停電信号=HIの出力に応じて、MPU92で停電時用の処理が実行されるが、その停電時用の処理の実施に十分な時間(MPU92の1処理回に要する数msecよりも長い時間)で、電断時用電源部114からMPU92に対して電力供給が実施される。これにより、MPU92は、停電時用の処理を正常に実行し完了することができる。
また、停電監視基板96では上述したとおり、電入時用電源部113からの入力電圧が+22Vとなった場合にMPU92に停電の発生に対応した停電信号を出力する。ここで、停電監視基板96は、停電信号の出力をするために必要な駆動電圧(例えば、+5V)が決められている。停電監視基板96への入力電圧が+22Vよりも大きな値から駆動電圧よりも小さい値に急低下した場合には、主制御装置71への停電信号を出力できなくなってしまう。本パチンコ機10では、停電監視基板96は設計上意図していない寄生容量を有しており、実際には入力電圧が駆動電圧よりも小さい値となってから1秒程度の動作が可能となっている。よって、電入時用電源部113から主制御装置71への電力供給が急に遮断された場合であっても、主制御装置71は電断時用電源部114によって電力が供給され且つ停電監視基板96からの停電信号を受信することができ、停電の発生を検知することが可能となる。なお、上記入力電圧の急低下が発生した状況における停電監視基板96の動作可能な時間は1秒程度に限られず、停電監視基板96が有する寄生容量の大きさによって決定される。
ここで、電源回路112から主制御装置71、払出制御装置78、音声発光制御装置72、表示制御装置121及び図柄表示装置41への動作電力の供給に係る構成を詳細に説明する。
電入時用電源部113からの電力は、主制御装置71のMPU92のVCC端子、払出制御基板101の入力端子、音声発光制御基板72aの入力端子及び表示制御基板121aの入力端子に供給される。各端子に供給された電力により、商用電源からの電力供給が行われている状況において、各制御装置71,72,78,121にて各種制御処理が実行される。
一方、電断時用電源部114からの電力は、主制御装置71のMPU92のVBB端子に供給されているが、払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121には供給されていない。つまり、電断時用電源部114からの記憶保持用電力は、RAM94に供給されるが、払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121に設けられたRAMには供給されない。したがって、商用電源からの電力供給が遮断されている状況において、主制御装置71のRAM94では情報の記憶保持が行われるが、払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121に設けられたRAMでは情報の記憶保持が行われない。
上記のように電断時用電源部114からの記憶保持用電力が主制御装置71のRAM94に供給されるが、払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121に設けられたRAMには供給されない構成とすることにより、電断時用電源部114の小容量化が図られる。これにより、パチンコ機10のイニシャルコストの削減が図られる。
電源及び発射制御基板111には、電源回路112以外にも、遊技球の発射制御を担う発射制御回路115が設けられている。発射制御回路115には、条件成立の送信回路116と、発射許可の受信回路117と、発射用IC118と、が設けられている。
条件成立の送信回路116は、予め定められた遊技球の発射条件が成立している場合においてMPU92に対して所定の信号形態の条件成立信号を送信する機能を有している。
当該発射条件の成立を判別する構成として、発射制御回路115には、発射操作装置55の操作ハンドル222が遊技者により触れられていることを検知するハンドル用タッチセンサ224と、操作ハンドル222が回転操作されている状況であっても遊技球の発射を停止させるべく遊技者により手動操作される球止めスイッチ55bと、が電気的に接続されている。また図示は省略するが、発射制御回路115は、払出制御基板101と電気的に接続されており、球貸装置Yが球貸用接続端子板105に対して電気的に接続されているか否かを示す信号を入力する。
条件成立の送信回路116は、ハンドル用タッチセンサ224から操作ハンドル222が遊技者により触れられていることを示す信号(タッチ検出信号)を受信するとともに、球止めスイッチ55bから遊技者により手動操作されていないことを示す信号を受信し、さらに払出制御装置78から球貸装置Yが接続されている旨の信号を受信している場合に、MPU92に対してHIレベルの条件成立信号(条件成立に対応した信号)を送信する。なお、上記各信号のいずれかを受信していない場合には、MPU92に対してLOWレベルの条件成立信号(条件成立に対応していない信号)を送信する。但し、かかる構成に限定されることはなく、LOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。
ハンドル用タッチセンサ224は主制御装置71にも接続されており、ハンドル用タッチセンサ224から出力されるタッチ検出信号は主制御装置71にも入力される。主制御装置71は、ハンドル用タッチセンサ224からのタッチ検出信号を監視することで、遊技者が遊技を行っているか否かを判定し、その判定結果に基づいて通常モードから節電モードへのモード移行を実施するか否かの判定を実行する。節電モードに移行することで、遊技がされていない状況において消費電力の低減を図ることが可能となる。節電モードについての処理は後で詳細に説明する。
発射許可の受信回路117は、条件成立の送信回路116からMPU92に対してHIレベルの条件成立信号が送信されていることを一の条件としてMPU92から送信されるHIレベルの発射許可信号(発射許可に対応した信号)を受信するとともに、当該発射許可信号を受信している場合にそれに対応した信号を発射用IC118に継続して供給する機能を有している。なお、MPU92は、条件成立の送信回路116からHIレベルの条件成立信号を受信していない場合にはLOWレベルの発射許可信号(発射許可に対応していない信号)を送信するが、発射許可信号のLOWレベル信号とHIレベル信号との関係が逆であってもよい。また、MPU92は、HIレベルの条件成立信号の受信を開始するたびにHIレベルの発射許可信号の送信を新たに開始するとともにHIレベルの条件成立信号の受信が終了した場合にはHIレベルの発射許可信号の送信を終了する。
発射用IC118は、発射許可の受信回路117からHIレベルの発射許可信号又はそれに対応した信号を受信している場合に、遊技球発射機構51の発射ソレノイド54及び球送り装置53のそれぞれに対して定期的に駆動信号を出力する機能を有している。この場合、発射用IC118は、パルス信号として各駆動信号を出力するとともに、その出力周期は0.6secとなっている。また、発射レール52に1個の遊技球が供給された後に、当該遊技球が発射されるように、駆動信号の出力タイミングは球送り装置53の方が発射ソレノイド54よりも早く設定されている。
なお、発射操作装置55には上記のとおり操作ハンドル222が設けられており、当該操作ハンドル222の操作量が多いほど発射ソレノイド54による遊技球の発射強度が強くなる。この場合、発射操作装置55には操作ハンドル222の操作量を検知するための操作量検知手段として可変抵抗器が設けられており、発射用IC118では当該可変抵抗器から入力する電圧を通じて発射ソレノイド54に供給する駆動信号の電圧を調整して発射強度を調整する。なお、当該調整機能が発射用IC118に設けられていることは必須ではなく、発射用IC118と発射ソレノイド54との信号経路の途中に調整回路が設けられている構成としてもよい。
<MPU92にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、MPU92にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図12を用いて説明する。
MPU92は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図12に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、RAM94の抽選用カウンタエリア94aに設けられている。
各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留格納エリア94bに格納される。
保留格納エリア94bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1~RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1~第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1~RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア94bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM93における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0~29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア94bに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンド(15R)に設定されている。
また、本パチンコ機10では、可変入賞装置32の1回の開放態様として、大入賞口32aが開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間(開放継続期間)が29secに設定されている。
本パチンコ機10では、発射操作装置55が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構51が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。したがって、可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口32aに対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待される。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)と低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM93における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブルとして記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果と、確変大当たり結果とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
振分テーブルでは、「0~29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~14」が通常大当たり結果に対応しており、「15~29」が確変大当たり結果に対応している。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア94bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが実行される遊技回では変動表示後の停止表示結果が大当たりに対応した表示結果(特別表示結果)となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面Gの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM93のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間(表示継続期間)と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間(表示継続期間)とをMPU92において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述するメイン処理及びタイマ割込み処理のそれぞれにて更新され、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSの値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、ROM93の変動表示時間テーブル記憶エリアに予め記憶されている変動表示時間テーブルが参照される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM94に設けられた電役保留エリア94cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<MPU92にて実行される各種処理について>
次に、MPU92にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるMPU92の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
先ず、図13のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
先ずステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。また、主制御装置71の出力ポートから電入時用電源部113へ電力供給許可信号としてHIレベルの信号を出力する。電力供給許可信号は、電入時用電源部113から所定の制御装置や所定の装置への電力供給を許可するための信号である。
続くステップS102ではRAM94のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてMPU92の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源及び発射制御装置79に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RAM94の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RAM94の初期化として当該RAM94をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRAM94の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置72に送信する。また、払出制御装置78のRAMの初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出制御装置78に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
当該ステップS109では、可動役物200の初期化処理も実行する。可動役物200の初期化処理では、図9(a)に示すような遊技基本位置に可動役物200の可動板201,202が配置されるように、駆動部205,206を駆動制御するためのコマンドを音声発光制御装置72に送信する。
その後、ステップS110~ステップS113の残余処理に進む。つまり、MPU92はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110~ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110~ステップS113の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、先ずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。乱数初期値カウンタCINIはRAM94に設けられており、大当たりを発生させるか否かの抽選に使用する大当たり乱数カウンタの初期値として使用される。また、変動種別カウンタCSも同様にRAM94に設けられており、メイン表示部43及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する乱数として使用される。
これらの更新処理では、RAM94の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110~ステップS113の処理を繰り返す。
ここで、上記のように残余処理では、割込み禁止の処理及び割込み許可の処理に挟まれるようにして乱数初期値更新処理及び変動用カウンタ更新処理が設定されているのみであるため、タイマ割込み処理が開始されるタイミングは常にステップS110の直前となる。そうすると、タイマ割込み処理が終了した後は常にステップS110から開始すればよいこととなり、タイマ割込み処理後の戻りアドレスが一義的なものとなる。よって、タイマ割込み処理の開始に際して現状の戻りアドレスを記憶する必要はなく、タイマ割込み処理の開始に際しての処理負荷が軽減される。
また、MPU92において所定のデータの演算を行っている途中でタイマ割込み処理が発生することもないため、タイマ割込み処理の開始に際してMPU92のレジスタにその時点で格納されているデータのRAM94への退避処理を実行する必要がなく、同様にタイマ割込み処理の終了に際してMPU92のレジスタへのデータの復帰処理を実行する必要がない。よって、タイマ割込み処理の開始に際しての処理負荷が軽減されるとともに、タイマ割込み処理の終了に際しての処理負荷も軽減される。
また、乱数初期値カウンタCINIの更新途中や変動種別カウンタCSの更新途中でタイマ割込み処理が開始されることがないため、これらの更新途中であるにも関わらず、タイマ割込み処理にてこれらカウンタの数値情報が取得されたり、さらなる更新処理が実行されてしまうことを防止できる。
<タイマ割込み処理>
次に、図14のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、MPU92にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板91には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路とMPU92との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングをMPU92にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路からMPU92に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。MPU92では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、MPU92における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力はMPU92における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、MPU92の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、先ずステップS201にて節電モード中フラグがセットされているか否かを判定する。節電モード中フラグは、RAM94に設けられており、遊技者によって遊技が所定の期間されてない場合にセットされる。パチンコ機10は、節電モード中フラグがセットされている場合には、節電モードへ移行する。節電モードに移行すると、所定の制御装置及び所定の電気機器への電力供給が停止されることとなり、通常モード時よりも電力の消費が抑えられる。また、節電モード中フラグは、遊技者によって遊技が開始されることでクリアされる。節電モード中フラグがクリアされると、パチンコ機10は通常モードへ移行する。
ステップS201にて否定判定をした場合には、ステップS202~ステップS225の通常モード用の処理を実行する。
ステップS202では、停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板96から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には、停電時の遊技状態の情報を記憶するための停電時処理を実行する。停電情報記憶処理を実行することで、停電復帰時に停電前の遊技状態と同じ状態で遊技を再開することが可能となる。
続くステップS203では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。大当たり乱数カウンタC1は大当たり発生の抽選に使用されるカウンタであり、大当たり種別カウンタC2は大当たりの種別を判定する際に使用するカウンタであり、リーチ乱数カウンタC3は図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するカウンタである。上記各カウンタは、RAM94に設けられており、上作動口33又は下作動口34への入賞を契機に入賞時のカウンタ値がRAM94の保留格納エリアに格納される。また、電動役物開放カウンタC4は下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用するカウンタであって、RAM94に設けられている。電動役物開放カウンタC4は、スルーゲート35への入賞を契機に入賞時のカウンタ値がRAM94の電役保留エリアに格納される。
抽選乱数更新処理として、具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS204ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS205にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS206では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、前回又は前回以前のタイマ割込処理において磁石検知センサ24a又は電波検知センサ24bの検知信号により不正行為が検知されているか否かを判定し、不正行為が検知されている場合には、遊技の進行を停止すべき状況であると判断し、遊技を進行させるための処理の実行を停止する。なお、不正検知の処理は、後述するステップS212にて行われる処理である。
その後、ステップS207では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS208以降の処理を実行する。
ステップS208では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口32aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部32cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、下作動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS209では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS210では、各入賞用検知センサから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入賞検知処理を実行する。また、ステップS211では、RAM94に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。
続くステップS212では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。具体的には、磁石検知センサ24a又は電波検知センサ24bにて検知信号が出力されているか否かを監視する。磁石検知センサ24a又は電波検知センサ24bにて検知信号が出力されている場合には、次回のタイマ割込み処理のステップS206にて遊技の進行を停止すべき状況と判断する。
続くステップS213では、遊技球の発射制御を実行する発射制御処理を実行する。また、ステップS214では、入力状態監視処理として、ステップS209の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞用検知センサの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS215では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理では、保留格納エリア94bに記憶されている保留情報の数が上限数未満である状況で上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、その時点における大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留情報として、保留格納エリア94bに時系列的に格納していく処理を実行する。また、特図特電制御処理では、遊技回中及び開閉実行モード中ではなく且つ保留情報が記憶されていることを条件に、その保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。また、特図特電制御処理では、当否判定処理及び振分判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における変動種別カウンタCSの数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する継続時間の選択処理を実行する。そして、それら各処理の結果に応じた継続時間の情報を含む変動用コマンドと、遊技結果の情報を含む種別コマンドとを、音声発光制御装置72に送信するとともに、メイン表示部43における絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて遊技回用の演出が開始される。
なお、大当たり当選である場合、及び大当たり非当選であってリーチ判定処理の処理結果がリーチ発生に対応した結果である場合には、変動種別カウンタCSの数値情報を利用して、遊技回の継続時間としてリーチ表示の発生に対応した継続時間が決定されることにより、音声発光制御装置72側では変動用コマンドからリーチ表示の種類を特定することが可能となる。
また、特図特電制御処理では、1遊技回の実行中にはその遊技回の終了タイミングであるか否かを判定し、終了タイミングである場合には遊技結果に対応した表示を行った状態で、その遊技回を終了させる処理を実行する。この場合、遊技回を終了させるべきことを示す最終停止コマンドを音声発光制御装置72に送信する。また、特図特電制御処理では、遊技回の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果である場合には、当該開閉実行モードを開始させるための処理を実行する。この開始に際しては、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置72に送信する。また、特図特電制御処理では、各ラウンド遊技を開始させるための処理及び各ラウンド遊技を終了させるための処理を実行する。これら各処理に際して、ラウンド遊技が開始されることを示す開放コマンドを音声発光制御装置72に送信するとともに、ラウンド遊技が終了されることを示す閉鎖コマンドを音声発光制御装置72に送信する。また、特図特電制御処理では、開閉実行モードを終了させる場合にそのことを示すエンディングコマンドを音声発光制御装置72に送信するとともに、開閉実行モード後の当否抽選モードやサポートモードを設定するための処理を実行する。
タイマ割込み処理においてステップS215の特図特電制御処理を実行した後は、ステップS216にて、普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に電動役物開放カウンタC4の数値情報を取得するための処理を実行するとともに、当該数値情報が記憶されている場合にその数値情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、下作動口34の電動役物34aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS217では、直前のステップS215及びステップS216の処理結果に基づいて、メイン表示部43に係る保留情報の増減個数を第1保留ランプ部45に反映させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44に係る保留情報の増減個数を第2保留ランプ部46に反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS217では、直前のステップS215及びステップS216の処理結果に基づいて、メイン表示部43の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS218では、遊技回及び開閉実行モードの両方が実行されていない状況においてパチンコ機10の状態をデモ表示状態へ移行させることで、図柄表示装置41の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行する。
デモ表示状態とは、図柄表示装置41にてデモ表示(すなわち待機中表示)を行っている状態である。また、デモ表示とは、前回の遊技回の停止結果を表示して確定時間が経過してから、又は前回の開閉実行モードのエンディングが終了してから、予め定められたデモ待ち時間(例えば、0.1sec)が経過している場合に、図柄表示装置41の表示画面Gに開始待ち演出の画像を表示させるとともに、表示ランプ部58aやスピーカ部59にてそれに即した演出を行うことをいう。
ちなみに、図柄表示装置41におけるデモ表示では、有効ライン上に表示されている図柄について、図柄変動しない状態のまま横ゆれの状態になる等、所定の動作を行っている画像が表示されるが、これに限定されることはなく、例えば、メーカ名、機種名若しくは所定のキャラクタによる動画が表示される構成としてもよく、図柄が所定の動作を行っている画像の表示の後に上記メーカ名等が表示される構成としてもよい。
続くステップS219では、パチンコ機10がデモ表示状態となった後のハンドル用タッチセンサ224の検知信号に基づいて、通常モードから節電モードへのモード移行のための処理(節電モード移行処理)を実行する。この節電モード移行処理では、デモ表示状態においてハンドル用タッチセンサ224の検知信号が30秒間入力されない場合に、パチンコ機10を節電モードへ移行させる。パチンコ機10が節電モードに移行した場合、主制御装置71以外の所定の制御装置や所定の電気機器、つまり払出制御装置78、音声発光制御装置72、表示制御装置121、各種ランプ部58a,58b及び駆動部205,206への電力は電源回路112から供給されない状態となる。
なお、節電モード移行処理におけるモード移行の条件は上記以外であってもよい。例えば、図柄表示装置41における図柄変動が終了してから所定時間(例えば30秒)が経過した場合、上作動口33又は下作動口34への最後の入賞から所定時間(例えば60秒)が経過した場合のいずれかで、パチンコ機10を節電モードへ移行させる構成であってもよい。
続くステップS220では、払出制御装置78から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS221では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
続くステップS222では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように、外部端子板81への信号出力の状態を切り換えるための外部情報設定処理を実行する。また、ステップS223では、試射試験情報を編集するための処理を実行する。
なお、ステップS218のデモ表示用処理、ステップS219の節電モード移行処理については、後に個別に説明する。
ステップS207にて肯定判定をした場合、又はステップS208~ステップS223の処理を実行した後は、ステップS224に進む。ステップS224では、割込み終了宣言の設定を実行する。主制御装置71のMPU92では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップS224では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。また、ステップS225では、割込み許可の設定を行う。MPU92では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップS225では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
ステップS201にて、肯定判定をした場合には、ステップS226に進み節電モード用の処理として節電時処理を実行するとともに、本タイマ割込み処理を終了する。
<デモ表示用処理>
以下に、図15のフローチャートを参照しながら、ステップS218のデモ表示用処理について説明する。
先ずステップS301では、特図特電カウンタが「0」であるか否かを判定する。特図特電カウンタは、タイマ割込み処理における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて値が変化するカウンタであり、RAM94に設けられている。特図特電カウンタが「0」である場合とは、遊技回用の演出が実行されておらず、さらに開閉実行モードでもない状況であることを意味する。
ステップS301にて、特図特電カウンタが「0」ではないと判定した場合には、そのまま本デモ表示用処理を終了し、特図特電カウンタが「0」であると判定した場合には、ステップS302に進む。ステップS302では、デモ表示状態であるか否かを判定する。具体的には、デモ表示状態であるか否かをMPU92のデモ表示フラグに「1」がセットされているか否かにて判定する。
ステップS302にてデモ表示状態であると判定した場合には、そのまま本デモ表示用処理を終了し、デモ表示状態ではないと判定した場合には、ステップS303に進む。ステップS303では、デモ表示待ち状態であるか否かを判定する。デモ表示待ち状態とは、デモ待ち時間の計測を既に開始している状態であることをいい、MPU92のデモ待ちフラグに「1」がセットされている状態である。
デモ表示待ち状態ではない場合には、ステップS304に進み、ROM93に予め記憶されているデモ待ち時間の情報を読み出し、そのデモ待ち時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。続くステップS305では、MPU92のデモ待ちフラグに「1」をセットすることで、デモ表示待ち状態に設定する。その後、本デモ表示用処理を終了する。
一方、ステップS303にて、デモ表示待ち状態であると判定した場合には、ステップS306にて、特図特電タイマカウンタが「0」であるか否かを判定する。特図特電タイマカウンタは、時間の経過に応じた特図特電カウンタの更新タイミングをMPU92にて特定するために利用されるカウンタであって、RAM94に設けられている。特図特電タイマカウンタはデクリメントカウンタであり、タイマ割込み処理のステップS210にて実行されるタイマ更新処理にて「0」となるまで処理回ごとに1減算される。特図特電タイマカウンタが「0」ではない場合には、本デモ表示用処理を終了する。
特図特電タイマカウンタが「0」である場合には、ステップS307にて、MPU92のデモ表示フラグに「1」をセットすることで、デモ表示状態に設定する。なお、この際、デモ待ちフラグを「0」クリアしてデモ表示待ち状態を解除する。また、デモ表示状態は、遊技回用の演出が新たに開始された場合にデモ表示フラグが「0」クリアされることで解除される。
続くステップS308では、デモ開始コマンドを出力対象に設定する。その後、本デモ表示用処理を終了する。
デモ開始コマンドは、音声発光制御装置72に対してデモ表示を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置72では、演出系のコマンドとしてデモ開始コマンドを受信したか否かを判定し、デモ開始コマンドを受信している場合には、当該デモ開始コマンドに対応した演出系の音声発光パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、デモ表示に対応した演出が表示ランプ部58a及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従ってデモ表示用の演出を表示ランプ部58a及びスピーカ部59にて行わせる。
また、音声発光制御装置72は、デモ開始コマンドを表示制御装置121に送信する。
表示制御装置121では、そのコマンドからデモ表示用の演出が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従ってデモ表示用の演出を図柄表示装置41にて実行させる。
デモ開始コマンドを受信した場合、表示制御装置121では、デモ表示状態が終了するまでデモ表示が繰り返し実行される。
<節電モード移行処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS219にて実行される節電モード移行処理について図16のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS401では、RAM94に設けられた節電モード中フラグがセットされているか否かを判定する。節電モード中フラグは、デモ表示状態にてハンドル用タッチセンサ224の入力が無い状態が30秒以上発生した場合にセットされるフラグであって、節電モード中であることを示すフラグである。当該節電モード中フラグは、節電モードが終了した場合にクリアされる。
ステップS401にて肯定判定をした場合には、本節電モード移行処理を終了する。ステップS401にて否定判定をした場合には、続くステップS402にて、デモ表示状態且つハンドル用タッチセンサ224の入力が無い状態であるか否かを判定する。
ステップS402にて否定判定した場合、ステップS403にて非操作カウンタを「0」クリアする。非操作カウンタはRAM94に設けられており、パチンコ機10がデモ表示状態且つハンドル用タッチセンサ224の入力が無い状態となってからの経過時間を示すカウンタである。非操作カウンタは、ステップS402にて肯定判定されている場合にはタイマ割込み処理ごとに1加算され、ステップS402にて否定判定された場合に「0」クリアされる。ステップS403を実行した後は、本節電モード移行処理を終了する。
ステップS402にて肯定判定をした場合には、ステップS404にて非操作カウンタの値を1加算する。
ステップS404の実行後は、ステップS405にて非操作カウンタの値が「7500」(30sec相当)であるか否かを判定する。ステップS405にて否定判定をした場合には、そのまま本節電モード移行処理を終了する。
ステップS405にて肯定判定をした場合には、ステップS406に進み、節電モード中フラグをセットするとともに、続くステップS407にて非操作カウンタをクリアする。
続くステップS408にて、電力遮断処理を実行する。電力遮断処理では、主制御装置71は、電源及び発射制御装置79の電入時用電源部113への電力供給許可信号をLOWレベルにする。電入時用電源部113は、LOWレベルの電力供給許可信号を入力することで、既に述べた所定の制御装置及び所定の電気機器への電力供給を停止する。その後、本節電モード移行処理を終了する。
上記節電モード移行処理にて、節電モード中フラグがセットされるとともに電力遮断処理が実行されることで、パチンコ機10は節電モードへ移行する。節電モード中は、タイマ割込み処理(図14)において通常モード中に実行される処理とは異なる節電時処理が実行される。
<節電時処理>
次にタイマ割込み処理(図14)のステップS226にて実行される節電時処理について図17のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS501にて特図表示処理を実行する。特図表示処理では、メイン表示部43において複数のセグメント発光部が所定の発光態様で点灯し続けるように当該メイン表示部43を表示制御する。
パチンコ機10が節電モード中である場合には、表示ランプ部58aは電力が供給されていない状態となっており、かつ図柄表示装置41は節電モードでの所定の表示形態(停止画像のままとなる状態や液晶バックライトの照度を低下させている状態)となっているため、遊技者はパチンコ機10が停止中又は故障中であると認識してしまう可能性がある。この点、特図表示処理にてメイン表示部43のセグメントを点灯し続けることで、遊技者はパチンコ機10が動作中であることを認識可能となる。また特に、メイン表示部43による絵柄表示(特図表示)は、パチンコ機規則上、主制御装置71により実施されるようになっており、こうした規則を把握しているホール従業員等にとっては主制御装置71が正常動作していることの確認が可能となる。節電モード中のメイン表示部43の表示態様としては、変動表示ではなく所定の表示態様を表示し続ける表示(非変動表示)とすることが望ましい。節電モードでのメイン表示部43の表示を非変動表示とすることで、パチンコ機10が大当たり抽選している場合の変動表示との差別化を図ることができる。
続くステップS502では、カウンタ更新処理を実行する。カウンタ更新処理では、タイマ割込み処理のステップS203にて実行される抽選用乱数更新処理と同様の処理を実行することで、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。
ステップS502aでは、節電中における所定の不正監視処理を実施する。不正監視処理として具体的には、磁石検知センサ24a又は電波検知センサ24bにて検知信号が出力されているか否かを監視する。その他に、前扉枠14の開放を検知する開放センサを設けておき、その開放センサの検知信号に基づいて、節電中に前扉枠14が不正に開放されたか否かを監視する構成であってもよい。不正行為があったと判定された場合(例えば磁石検知センサ24a又は電波検知センサ24bにて検知信号が出力されている場合)には、その旨の信号を遊技ホールの管理コンピュータに対して出力する。又は、電力復帰処理(後述のステップS505)による音声発光制御装置72の動作復帰を待って、その音声発光制御装置72に対して不正表示のコマンドを出力する。
その後、ステップS503では、タッチセンサ入力監視処理を実行する。タッチセンサ入力監視処理では、ハンドル用タッチセンサ224から出力されている信号のレベルを確認する。
続くステップS504では、ハンドル用タッチセンサ224から検知信号が出力されているか否かを判定する。具体的には、ハンドル用タッチセンサ224と接続されている端子にHIレベルの信号が入力されているか否かを判定する。
ステップS504にて否定判定をした場合には、そのまま本節電時処理を終了する。ステップS504にて肯定判定をした場合には、ステップS505にて電力復帰処理を実行する。
電力復帰処理では、主制御装置71は、電源及び発射制御装置79の電入時用電源部113への電力供給許可信号をHIレベルとする。電入時用電源部113は、HIレベルの電力供給許可信号を入力することで、所定の制御装置及び所定の電気機器への電力供給を開始する。また、電力復帰処理では、音声発光制御装置72に報知停止コマンドを送信する。報知停止コマンドを受信した音声発光制御装置72は、可動役物200の可動板201,202を既に説明した遊技基本位置(図9(a)の位置)に配置するように駆動部205,206を駆動制御する。
なお、電力復帰処理に伴い払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121への電力供給が再開されて、これら各制御装置の動作が再開される場合において、これら各制御装置で起動処理が実行されている最中に、主制御装置71から各制御装置に各種のコマンドが出力されないようにしておくとよい。つまり、主制御装置71は、払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121における起動処理の完了を待って、コマンドの出力を開始するとよい。例えば、電力供給許可信号をHIレベルにしてから所定時間が経過した後に、コマンド出力を許可することとする。
続くステップS506では、節電モード中フラグをクリアするとともに、本節電時処理を終了する。
<電力遮断及び復帰のための電気的構成>
次に、電力遮断処理及び電力復帰処理を実行するための電気的構成について図18を用いて説明する。図18は、電源及び発射制御装置79に設けられた電入時用電源部113について電力遮断処理及び電力復帰処理を実行するための構成を示す回路図である。
電入時用電源部113は、商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置71、払出制御装置78、音声発光制御装置72、表示制御装置121及び図柄表示装置41に対して動作電圧を供給する。
電入時用電源部113は、電圧変換回路230と、出力切替回路231a,231b,231cと、リセット回路236とを備えている。電圧変換回路230は、電源スイッチ135aを介して供給される交流24Vを+24V、+12V、+5Vの電圧に変換して出力する。図18において、主制御装置71の停電監視基板96に対して+24V電圧が供給され、主制御装置71以外の各制御装置(払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121)に対して+5V電圧と+12V電圧とが供給され、図柄表示装置41に対して+12V電圧が供給されるようになっている。
出力切替回路231a,231b,231cは、電圧変換回路230から各制御装置(払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121)に対する電力供給を実施する状態(電力供給状態)と実施しない状態(電力遮断状態)とを切り替えるものである。
出力切替回路231a,231b,231cは、出力切替用トランジスタ232a,232b,232cをそれぞれ有してなる。出力切替用トランジスタ232a,232b,232cは、例えばNPNトランジスタである。出力切替用トランジスタ232a,232b,232cのコレクタは、電圧変換回路230の電圧出力端子(+5V出力端子、+12V出力端子)に接続されており、エミッタは、払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121に接続されている。また、ベースは主制御装置71の出力ポート235に接続されている。この場合、出力ポート235からは電力供給許可信号が出力され、この電力供給許可信号により出力切替用トランジスタ232a,232b,232cがオン/オフする。
電力供給許可信号がHIレベルの場合には、各トランジスタ232a,232b,232cがオン状態となり、電圧変換回路230からの出力電圧(+5V、+12V)が払出制御装置78、音声発光制御装置72、表示制御装置121に印加される。この場合、音声発光制御装置72を介して各種ランプ部58a,58b及び可動役物200(役物駆動部)に所定の電圧が印加される。
また、電力供給許可信号がLOWレベルの場合には、各トランジスタ232a,232b,232cがオフ状態となり、電圧変換回路230からの出力電圧(+5V、+12V)は払出制御装置78、音声発光制御装置72、表示制御装置121に印加されない。音声発光制御装置72への電力供給がされないことにより、各種ランプ部58a,58bへの電力供給や、可動役物200(役物駆動部)への電力供給が停止される。
上述した節電モード移行処理では、電力遮断処理としてLOWレベルの電力供給許可信号が出力されるため(図16のステップS408)、その信号出力に伴い払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121への電力供給が遮断され、これら各制御装置の動作が停止されるとともに、各種ランプ部58a,58bへの電力供給や、可動役物200(役物駆動部)への電力供給も併せて停止される。そして、可動役物200(役物駆動部)への電力供給が停止されると、図9(c)で説明したとおり、両可動板201,202がいずれも自重により所定の現出位置、すなわち図柄表示装置41の画面前方位置に現出し、節電モードに移行したことが、節電報知用の可動板201に記載された節電中メッセージにより報知される。このとき、可動板201の節電中メッセージは、パチンコ機10において遊技者が最も目にしやすい(注目しやすい)と考えられる図柄表示装置41の表示画面上に現れるため、遊技者にとっては、パチンコ機10が今現在節電モードにあることを容易に把握できることとなる。
ただし、表示制御装置121の一部と図柄表示装置41に対しては、電圧変換回路230から出力切替回路を介さずに電力供給がなされており、電圧変換回路230から電圧出力されている状態下、すなわち電源スイッチ135aがオンである場合には常に電力供給状態が維持されている。
表示制御装置121は、図柄表示装置41に表示させる画像を決定する画像データ決定部240と、当該画像データ決定部によって決定された画像データを図柄表示装置41へ出力する出力制御部241と、を有している。
これら画像データ決定部240及び出力制御部241は、それぞれ演算プロセッサにより構成されており、画像データ決定部240は、図柄表示装置41にて表示される画像データを生成するための情報を出力制御部241へ出力する。出力制御部241は、1画面分の画像データを記憶することが可能な記憶部241aを有しており、画像データ決定部から出力された情報に基づいて生成した画像データを当該記憶部241aに記憶する。その後、出力制御部241は、記憶部241aに記憶された画像データを図柄表示装置41へ出力する。図柄表示装置41では、出力制御部241から出力された画像データに対応した画像が表示される。画像データ決定部240は、表示画像の切り替えタイミングに基づいて切り替え用の画像の情報を出力制御部241へ出力する。画像データ決定部からの情報が出力制御部241へ入力される毎に記憶部の内容が更新され、図柄表示装置41にて表示される画像が切り替えられる。
表示制御装置121において、画像データ決定部240と出力制御部241とでは電源供給系統の構成が相違しており、画像データ決定部240には出力切替回路231aを介して電圧変換回路230から駆動電力が供給されるのに対し、出力制御部241には出力切替回路231aを介さず電圧変換回路230から駆動電力が供給される構成となっている。
節電モードでは、表示制御装置121における画像データ決定部240には電圧変換回路230からの電力供給が遮断され、出力制御部241には電力供給が維持される。また、既に述べたように、節電モードでは図柄表示装置41にも電力が供給されている。節電モードにおいて、出力制御部241及び図柄表示装置41に電圧変換回路230からの電力が供給されていることにより、図柄表示装置41は記憶部241aに記憶されている画像データに対応した画像を表示することが可能となっている。節電モードでは、画像データ決定部240への電力が遮断されていることで、記憶部241aの内容の更新が停止される。これにより、節電モード中は、節電モード移行前において最後に更新された記憶部241aの内容に対応した画像が停止画像として図柄表示装置41にて表示され続けることとなる。
そして、電力復帰処理として、電力供給許可信号がHIレベルに戻されると(図17のステップS505)、それに伴い払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121への電力供給が再開される。したがって、これら各制御装置の動作が再開されるとともに、各種ランプ部58a,58bへの電力供給や、可動役物200(役物駆動部)への電力供給も併せて再開される。このとき、可動役物200(役物駆動部)は、図9(c)に示す報知状態から図9(a)に示す非報知状態に戻るため、遊技者は節電モードが解除されたことを容易に把握できる。
また、図18の回路構成においては、各制御装置(払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121)への電源投入時においてその投入直後の所定期間をリセット期間とし、そのリセット期間の経過後にこれら各制御装置が動作を開始する構成となっている。つまり、電入時用電源部113にはリセット回路236が設けられており、このリセット回路236により、各制御装置への電源投入直後にそれら各制御装置のリセット入力に+5Vが入力される。リセット入力に+5Vが入力されている場合には、払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121は待機状態となり動作を開始しない。また、リセット入力に0Vが入力された場合には、LOWレベルの信号が入力されていることとなり、払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121は動作を開始する。
リセット回路236は、払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121の動作開始を指示する回路であって、遅延回路237及びリセット用トランジスタ238からなる。遅延回路237は、入力電圧の変化を所定の期間遅延させて出力電圧として出力するものであり、出力側はリセット用トランジスタ238に接続されている。リセット用トランジスタ238は、NPNトランジスタからなり、ベースは遅延回路237の出力側に接続されており、コレクタは出力切替回路231aの出力側に接続されており、エミッタは接地されている。リセット用トランジスタ238は、HIレベルの信号が入力されることでオン状態となり、LOWレベルの信号が入力される又は無入力となることでオフ状態となる。
リセット回路236が設けられていることにより、主制御装置71からHIレベルの電力供給許可信号が出力されて出力切替回路231aの出力が+5V(HIレベル)となったタイミングよりも所定の期間遅延させて出力切替回路231bの入力を0V(LOWレベル)とすることができ、出力切替回路231bの出力を出力切替回路231aの出力よりも遅延させてLOWレベルとすることが可能となる。
主制御装置71は、自身にリセット回路239を有しており、当該リセット回路239にて電圧変換回路230から入力された電圧よりも遅延させたリセット信号が生成され、動作を開始する。
払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121へのリセット入力が電圧入力よりも遅延することで、電圧入力への電圧が安定した状態で遊技機の動作を開始させることが可能となる。
上述したとおり、本パチンコ機10は電力遮断及び復帰のための構成として、以下の特徴的な構成を備えている。
複数の制御手段として主制御装置71、払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121が設けられており、第1制御手段として設けられた主制御装置71には電圧変換回路230から直接電力が供給されているのに対し、第2制御手段として設けられた主制御装置71以外の他の制御装置には出力切替回路231を介して電圧変換回路230からの電力が供給されている。電圧変換回路230は、駆動電力生成回路として各制御装置を駆動するための電力を生成している。出力切替回路231は、電圧変換回路230から第2制御手段への電力供給を遮断可能な電力遮断回路である。
主制御装置71では、節電モードへの移行条件又は節電モードの解除条件が成立したか否かを判定するための処理(ステップS402、S405、S504の処理)が実行され、節電要否を判定する手段として用いられる。主制御装置71は、節電モードへの移行条件が成立した場合には、LOWレベルの電力供給許可信号を出力ポート235から出力切替回路231に出力することによって、電圧変換回路230から他の制御装置への電力供給を遮断する。また、節電モードの解除条件が成立した場合には、HIレベルの電力供給許可信号を出力ポート235から出力切替回路231に出力することによって、電圧変換回路230から他の制御装置への電力供給を遮断する。このように主制御装置71は、電力供給許可信号を制御することによって電圧変換回路230から他の制御装置への電力供給を制御可能となっている。
また、第1制御手段である主制御装置71は、外部電源の供給時においては、電源投入ウェイト処理(ステップS101)を実行することで出力切替回路231に対して電力供給指令を行うためにHIレベルの電力供給許可信号を出力し、電圧変換回路230から他の制御装置への電力供給を実行させる。当該電源投入ウェイト処理にて実行される電力供給指令用の処理は、節電モードから復帰する場合に実行される電力復帰処理(ステップS505)と同一の処理となっている。
また、主制御装置71には、遊技者の遊技状態を監視するため手段としてタッチ検出部225が接続されている。主制御装置71は、当該タッチ検出部225の検出結果(遊技状態の監視結果)に基づいて、遊技者による遊技がされていない非遊技状態であると判定することにより、節電モードへ移行する判定を行う。
また、主制御装置71は、他の制御装置に電圧変換回路230からの電力供給が実行されている通常モード中において、大当たり乱数カウンタC1を、所定の数値範囲内にて順次更新している。大当たり乱数カウンタC1は、タイマ割込み処理のステップS203の抽選用乱数更新処理において、開閉実行モードを発生させるか否かの抽選を行う際に利用される。主制御装置71は、他の制御装置に電圧変換回路230からの電力供給が遮断されている節電モード中においても、当該抽選用乱数更新処理と同様の処理をステップS502のカウンタ更新処理にて実行している。
また、主制御装置71は、予め定められた条件である上作動口33又は下作動口34への入賞を契機として、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて遊技者へ特典を付与するか否かの処理を実行する。具体的には、大当たりの抽選処理をステップS215の特図特電制御処理にて実行し、抽選結果表示手段として設けられたメイン表示部43を制御することで大当たりの抽選結果を表示する。
主制御装置71は、電圧変換回路230から主制御装置71以外の他の制御装置への電力供給が遮断されている節電モード時において、メイン表示部43を所定の表示態様での表示が行われるように制御する。具体的には、所定のセグメントが発光態様にて点灯し続けるように制御するステップS501の特図表示処理を実行する。
また、本パチンコ機10には、節電モード中において遊技者に対しパチンコ機10が節電モード中であることを報知する報知手段としての可動役物200が設けられている。当該可動役物200は、電圧変換回路230から音声発光制御装置72への電力供給が遮断されることに伴い非報知状態から報知状態に移行する。
また、節電モードに移行する場合に複数の制御手段の電源制御の主体としては、遊技者に特典を付与するか否かを決定する主制御装置71が定められている。他の制御装置は、主制御装置71からの制御指令に基づいて各種の制御を実施するサブ制御装置(払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121)である。
本パチンコ機10は節電モードであることを遊技者に報知するための報知手段として設けられた可動役物200の構成として、以下の特徴的な構成を備えている。
パチンコ機10の前面側には、遊技者に視認可能な態様で動作する動作部としての図柄表示装置41及びランプ部58a,58bが設けられており、該動作部は、表示制御装置121及び音声発光制御装置72によって制御されている。表示制御装置121及び音声発光制御装置72は駆動電力を供給する電源手段としての電入時用電源部113に接続されており、表示制御装置121及び音声発光制御装置72と電入時用電源部113の間には電入時用電源部113から表示制御装置121及び音声発光制御装置72への電力供給を遮断することが可能な出力切替回路231が設けられている。主制御装置71では、節電モード移行処理におけるステップS402,S405の処理が遊技状態検出手段として実行されることで、パチンコ機10が非遊技状態であることを検出することが可能となっており、非遊技状態であることが検出された場合には、パチンコ機10が節電モードに移行する。節電モードに移行した場合には、出力切替回路231によって電入時用電源部113から表示制御装置121及び音声発光制御装置72への電力供給が遮断される。可動役物200は、表示制御装置121及び音声発光制御装置72への電力供給が遮断されたことを契機として、非報知状態から報知状態へと移行することで遊技者に対して節電中であることを報知する。
また、可動役物200は、電入時用電源部113からの電力供給により動作可能となるように設けられている。出力切替回路231は、電入時用電源部113から表示制御装置121及び音声発光制御装置72への電力供給を遮断する場合に、表示制御装置121及び音声発光制御装置72を介して電力が供給されている可動役物200についても電力供給を遮断する構成となっている。可動役物200は、電入時用電源部113からの電力供給の遮断に伴い、非報知状態から報知状態に移行する。
また、可動役物200は、節電モード中であることを遊技者に視認させる報知情報としての情報表示部203が付与されている報知用の可動板201と、電入時用電源部113からの電力により駆動され、可動板201を、パチンコ機10前方から視認可能となる第1位置(具体的には、現出位置)と、パチンコ機10前方から視認不可となる第2位置(具体的には、遊技基本位置)とで移動させる駆動部205を備えている。可動板201は、電入時用電源部113から駆動部205への電力供給が出力切替回路231により遮断されることに伴い第1位置への移動が可能となっている。
また、可動板201は、自重により第1位置に移動可能であるとともに、駆動部205の駆動により第2位置に移動するように構成されている。
また、可動役物200は演出装置として、パチンコ機10前方から視認可能となる位置と視認不可となる位置とで移動可能な演出用の可動板202を備えており、遊技の進行に応じた演出として可動板202を動作させる。
また、動作部としては、遊技演出に関する絵柄を表示領域として設けられた表示画面Gに変動表示させる表示手段である図柄表示装置41が設けられている。第1位置は、表示画面Gのパチンコ機10前方となる位置であり、第2位置は、表示画面Gを囲む囲い部として設けられたセンターフレーム42の背後となる位置となっている。
また、パチンコ機10は、可動役物200を第1報知手段として備える一方、電入時用電源部113から電力が供給されている状態で、節電モードであることを報知可能な第2報知手段としてメイン表示部43を備えている。出力切替回路231により音声発光制御装置72への電力供給が遮断される場合において、電入時用電源部113から可動役物200への電力供給を遮断するとともに、電入時用電源部113からメイン表示部43への電力供給を実施する。
また、上記第2報知手段であるメイン表示部43は、予め定められた条件である上作動口33又は下作動口34への入賞を契機として大当たり乱数カウンタC1の値に基づき遊技者に特典を付与するか否かを決定する主制御装置71に接続されている。メイン表示部43は、上記特典付与の抽選結果を表示すべく、主制御装置71によって表示態様が制御される抽選結果表示手段として設けられている。パチンコ機10が節電モードに移行する場合、電入時用電源部113から主制御装置71への電力供給は継続され、メイン表示部43は、電入時用電源部113から電力が供給されている状態で、節電モード中であることを報知する。
さらに、本パチンコ機10は節電モード中における図柄表示装置41の表示についての構成として、以下の特徴的な構成を備えている。
図柄表示装置41は、絵柄を変動表示する絵柄表示手段として設けられており、その表示内容は表示制御手段としての表示制御装置121によって制御されている。これら図柄表示装置41及び表示制御装置121に対して駆動電力を供給する電源手段としては電入時用電源部113が設けられている。表示制御装置121には、図柄表示装置41に表示させる画像に関する画像データを逐次更新しながら決定する第1画像表示制御手段と、該第1画像表示制御手段により決定された画像データを入力するとともに、その入力の都度、画像データを記憶部に記憶し、該記憶した画像データを図柄表示装置41に対して出力する第2画像表示制御手段と、が設けられている。具体的には、第1画像表示制御手段として画像データ決定部240、記憶部として記憶部241a、第2画像表示制御手段として出力制御部241が設けられている。
電入時用電源部113は、第1画像表示制御手段としての画像データ決定部240と、第2画像表示制御手段としての出力制御部241に対する電力供給を行うための供給経路をそれぞれ別々に備えている。主制御装置71の節電モード移行処理におけるステップS402,S405の処理にてパチンコ機10が非遊技状態であることが検出された場合、電入時用電源部113は、画像データ決定部240への供給経路における電力供給を遮断する一方、出力制御部241への供給経路における電力供給は継続して実施する。
<電源投入時における表示制御について>
本実施の形態では、電源スイッチ135aの投入や上記節電モードからの復帰に伴い表示制御装置121に対して電源投入される場合において、その電源投入直後に、表示制御装置121での表示演出に使用される全画像データのうち常用データとして規定される所定の画像データをROM領域からRAM領域に転送することとしており、そのデータ転送の完了前か完了後かのいずれであるかに応じて、表示演出の内容を変更する構成としている。具体的には、データ転送の完了前であれば、表示演出の簡素化を実施することとしている。例えば、予告表示を行わず、リーチ演出もすべてノーマルリーチで代用する。以下に、表示制御装置121にて実行される演出に係る構成について説明する。
<表示制御に係る電気的構成>
まずは、図柄表示装置41の表示制御に係る電気的構成について図19のブロック図を参照しながら説明する。
音声発光制御装置72に設けられた音声発光制御基板72aには、MPU97が搭載されている。MPU97には、当該MPU97により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM98と、そのROM98内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM99と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU97には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU97の入力側には演出用操作装置60及び主制御装置71が接続されているとともに、MPU97の出力側には各種ランプ部58a,58b、スピーカ部59、可動役物200及び表示制御装置121が接続されている。
MPU97は、既に説明した変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)や、オープニングコマンド、エンディングコマンド、開放コマンド及び閉鎖コマンドといった大当たり演出用コマンド(大当たり演出用情報)等のコマンドを主制御装置71から受信し、それら受信したコマンドに基づいて各種ランプ部58a,58b及びスピーカ部59を駆動制御する。
また、MPU97は、主制御装置71から受信した上記各コマンドを、その情報形態を維持したまま表示制御装置121に送信する。さらに、MPU97は、演出用操作装置60から操作発生信号を受信しているか否かを判定することで、当該演出用操作装置60が操作されているか否かの操作発生判定を行い、操作されていると判定した場合には操作発生コマンドを表示制御装置121に送信する。
表示制御装置121は、表示CPU302と、プログラムROM303と、ワークRAM304と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)305と、キャラクタROM306と、VDP側RAM308と、がそれぞれ搭載された表示制御基板121aを備えている。なお、表示CPU302や該表示CPU302の制御に用いる各メモリ(プログラムROM303、ワークRAM304等)が図18の画像データ決定部240に相当し、VDP305や出力ポート336が図18の出力制御部241に相当する。
表示CPU302は、表示制御装置121においてメイン制御部としての機能を有している。詳細には、表示CPU302は表示制御基板121aに搭載された入力ポート311に対してバスを介して接続されており、音声発光制御装置72から送信された各種コマンドは入力ポート311を通じて表示CPU302に入力される。また、表示CPU302はバスを介してプログラムROM303及びワークRAM304と接続されている。
プログラムROM303は、表示CPU302により実行される各種の制御プログラムや固定値データといった制御用情報を記憶するための制御用不揮発性記憶部である。プログラムROM303は、不揮発性の半導体メモリであり、詳細にはNOR型フラッシュメモリが用いられている。なお、記憶容量は、256Mビットであるが、かかる記憶容量は表示CPU302における制御が良好に実行されるのであれば任意である。上記固定値データの一部は、プログラムROM303の各エリア303a~303dに予め記憶されている。これら各エリア303a~303dの詳細については、表示CPU302にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
ワークRAM304は、表示CPU302による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するための制御用揮発性記憶部である。ワークRAM304は、揮発性の半導体メモリであり、詳細にはDRAMが用いられている。但し、DRAMに限定されることはなくSRAMを用いてもよい。なお、記憶容量は、64Mビットであるが、かかる記憶容量は表示CPU302における制御が良好に実行されるのであれば任意である。上記ワークデータやフラグ等はワークRAM304の各エリア304a~304dに記憶される。これら各エリア304a~304dの詳細については、表示CPU302にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
表示CPU302では、プログラムROM303及びワークRAM304を用いて、音声発光制御装置72から受信した各種コマンドに基づいて演算処理を実行する。また、表示CPU302はバスを介してVDP305と接続されている。そして、表示CPU302では、上記演算処理の結果としてVDP305に対して所定の指示を与える制御を実施する。
VDP305は、制御用ROM331及び制御用RAM332を有しており、表示CPU302による指示に基づき、キャラクタROM306に記憶されているデータの一部をVDP側RAM308に転送させる機能を有している。また、VDP305は、表示CPU302による指示に基づきキャラクタROM306及びVDP側RAM308に記憶保持されているデータを用いて、具体的にはデータを加工することにより図柄表示装置41に対して描画処理を行う機能を有している。詳細には、VDP305は図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路(描画手段又は描画用制御部)である。VDP305はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。
キャラクタROM306は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータや、背景データを記憶するための画像データ(画像情報)用不揮発性記憶部である。キャラクタROM306は、不揮発性の半導体メモリであり、詳細にはNAND型フラッシュメモリが用いられている。キャラクタROM306として8GビットのNAND型フラッシュメモリが2個設けられていることにより記憶容量は16Gビットである。このキャラクタROM306には、各種キャラクタのビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表示色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が記憶保持されているとともに、背景画像用のJPEG形式画像データが記憶保持されている。
VDP305は、バスを介してVDP側RAM308と接続されている。VDP側RAM308は、キャラクタROM306に記憶保持された画像データ生成のためのベースデータをVDP305におけるデータの読み出し用に一時的に記憶保持するための画像ベースデータ(画像情報)用揮発性記憶部である。VDP側RAM308は、揮発性の半導体メモリからなるVRAM(ビデオRAM)であり、詳細にはSDRAMが用いられている。但し、これに限定されることはなく、DRAM、SRAM又はデュアルポートRAMといった他のRAMを用いてもよい。VDP側RAM308として256MビットのSDRAMが2個設けられていることにより記憶容量は512Mビットである。つまり、VDP側RAM308の記憶容量は、キャラクタROM306の記憶容量よりも小さく設定されている。
VDP305は、表示CPU302(図18における画像データ決定部240)による指示に基づきVDP側RAM308にアクセスし、表示CPU302による指示に対応した表示出力用の画像データをVDP305の制御用RAM332に設けられた描画エリア335(図18における記憶部241a)に作成する。当該描画エリア335は図柄表示装置41における1フレーム分のデータを格納可能となっている。また、VDP305は、表示制御基板121aに搭載された出力ポート336と接続されており、当該出力ポート336は図柄表示装置41に接続されている。そして、VDP305(図18における出力制御部)は、描画エリア335に記憶されている画像データに基づいて描画用信号を図柄表示装置41に出力し、図柄表示装置41の表示画面Gにて所定の画像を表示させる。
ちなみに、VDP305、出力ポート及び図柄表示装置41には、電圧変換回路230からの電圧が常に供給されており、出力ポート235から出力切替回路231a,231cへLOWレベルの電力供給許可信号が出力されている場合にも、描画エリア335に格納された画像データに基づいて所定の画像を図柄表示装置41に表示することが可能となっている。
上記のとおりキャラクタROM306としてNAND型フラッシュメモリを用いることでNOR型フラッシュメモリを用いる構成に比べ、製造コストを抑えつつ大容量化を図ることができる。また、NAND型フラッシュメモリを用いることでパチンコ機10の開発段階においては繰り返し書き換えが可能となり、開発コストを抑えることも可能となる。
但し、NAND型フラッシュメモリはNOR型フラッシュメモリに比べてデータ転送速度が遅い。例えば、NOR型フラッシュメモリが360Mbit/secであるのに対して、NAND型フラッシュメモリは60Mbit/secとなっている。
これに対して、上記のとおりVDP側RAM308といった読み出し用のRAMが設けられていることにより、表示出力用画像データの生成に必要な画像ベースデータをこれらRAM308に事前に読み出しておくことができる。よって、VDP305における描画タイミングにおいてはキャラクタROM306からではなくVDP側RAM308から画像ベースデータを読み出すことで、VDP305における画像データの作成を良好に行うことができる。
なお、キャラクタROM306の記憶容量及びVDP側RAM308の具体的な記憶容量は任意である。また、キャラクタROM306を構成する各メモリの単独の記憶容量やメモリの個数は任意であるとともに、VDP側RAM308を構成する各メモリの単独の記憶容量やメモリの個数も任意である。
ここで、VDP側RAM308には、常用エリア337が設定されている。常用エリア337には、キャラクタROM306に記憶されている各種画像ベースデータのうち、表示CPU302において使用頻度の高い描画指示に対応した画像ベースデータが格納されるとともに、当該常用エリア337に格納された画像データは基本的に常駐されることとなる。
具体的には、常用エリア337に格納された常用データ群は、対応する画像の描画指示が発生し得る状況が継続している間は記憶保持される。また、対応する画像の描画指示が発生し当該画像の表示が一旦行われたとしても、その後に新たな描画指示が発生し得る状況においては記憶保持される。さらにまた、少なくとも一部の常用データ群は、対応する画像の描画指示が発生し得る状況ではなくなったとしても、予め定められた消去条件が成立するまでは記憶保持される。常用エリア337が設けられていることにより、表示CPU302から頻繁に描画指示がなされたとしても、VDP305は常用エリア337にアクセスすることで当該描画指示に対応した画像の描画を良好に行うことができる。
次に、キャラクタROM306のソフト構成を説明する。図20はキャラクタROM306のソフト構成を説明するための説明図である。
キャラクタROM306は、単位データを記憶するための単位エリアを多数有している。かかる多数の単位エリアのそれぞれに対して個別に単位データが記憶されている。そして、所定の組み合わせの単位データにより、所定期間に亘って図柄表示装置41にて表示されることとなる画像パターンを表示するためのデータ群が構成されているとともに、複数種類の画像パターンに1対1で対応させてデータ群が設定されている。
複数種類のデータ群としては、第1背景用データ群と、通常図柄用データ群と、第2背景用データ群と、第3背景用データ群と、デモ表示用データ群と、予告A用データ群と、予告B用データ群と、ノーマルリーチ用データ群と、スーパーリーチ用データ群と、確変大当たり用データ群と、通常大当たり用データ群と、が少なくとも設定されている。
第1背景用データ群、第2背景用データ群及び第3背景用データ群は、通常図柄による変動表示が行われている状況において背景画像を表示するためのデータ群である。この場合、本パチンコ機10では、演出用操作装置60の操作に応じて表示モードが切り換えられる構成となっており、第1背景用データ群は第1表示モードに対応した背景画像を表示するためのデータ群であり、第2背景用データ群は第2表示モードに対応した背景画像を表示するためのデータ群である。
通常図柄用データ群は、通常図柄を表示するためのデータ群である。当該通常図柄は、図6に示すように、9種類の主図柄と1種類の副図柄とを含み、それぞれの図柄に対応したデータ群が設定されている。
デモ表示用データ群は、パチンコ機10がデモ表示状態となった場合の画像を表示するためのデータ群である。
予告A用データ群及び予告B用データ群は、遊技回の途中で期待演出の一種である予告表示の画像を表示するためのデータ群である。本パチンコ機10では予告表示がそれぞれ表示態様を異ならせて複数種類、具体的には予告Aと予告Bとの2種類が設定されており、それぞれの予告表示に対応させてデータ群が設定されている。
ノーマルリーチ用データ群は、遊技回の途中で期待演出の一種であるリーチ表示のうちノーマルリーチ表示の画像を表示するためのデータ群である。
スーパーリーチ用データ群は、遊技回の途中で期待演出の一種であるリーチ表示のうちスーパーリーチ表示の画像を表示するためのデータ群である。ちなみに、スーパーリーチ表示とは、ノーマルリーチ表示の場合よりも大当たり結果の発生を遊技者に期待させるためのリーチ表示であり、スーパーリーチ表示が発生する場合にはノーマルリーチ表示を経由することとなる。
確変大当たり用データ群は、確変大当たり結果となった場合の開閉実行モード中に図柄表示装置41にて行う大当たり演出の画像を表示するためのデータ群である。当該確変大当たり結果に対応した大当たり演出には、大当たり開始演出、各ラウンドに対応した演出、大当たり終了演出が含まれており、確変大当たり用データ群には、これら各演出の画像を表示するためのデータ群が含まれている。
通常大当たり用データ群は、通常大当たり結果となった場合の開閉実行モード中に図柄表示装置41にて行う大当たり演出の画像を表示するためのデータ群である。当該通常大当たり結果に対応した大当たり演出には、大当たり開始演出、各ラウンドに対応した演出、大当たり終了演出が含まれており、通常大当たり用データ群には、これら各演出の画像を表示するためのデータ群が含まれている。
上記各データ群のうち、第1背景用データ群と、通常図柄用データ群と、第2背景用データ群と、第3背景用データ群と、デモ表示用データ群と、がパチンコ機10の電源投入状況においてVDP側RAM308のうち常用エリア337に転送され、ここに記憶(常駐)されることとなる常用データ群である。
各背景用データ群及び通常図柄用データ群が常用データ群として設定されていることにより、遊技回の開始条件が成立した場合に図柄表示装置41にて即座に図柄の変動表示を開始することが可能となる。すなわち、遊技領域に設けられた作動口33,34への入賞は任意のタイミングで発生するものであり、保留情報が記憶されていない状況で作動口33,34への入賞が発生して新たに保留情報が取得された場合には当該保留情報に係る遊技回が即座に開始されることとなる。この場合に、保留情報の取得が特定された後にキャラクタROM306からVDP側RAM308に各背景用データ群や通常図柄用データ群の読み出しを行っていたのでは、キャラクタROM306の読み出し速度が遅いことに起因して、それだけ図柄表示装置41における図柄の変動表示の開始が遅れることとなる。
これに対して、各背景用データ群及び通常図柄用データ群が常用データ群として設定されていることにより、任意のタイミングで作動口33,34への入賞が発生したとしても、その時点で各背景用データ群及び通常図柄用データ群が常用エリア337に読み出されているため、即座に図柄の変動表示の画像を表示することができる。
<図柄表示装置41の表示制御に係る処理構成>
次に、図柄表示装置41の表示制御に係る処理構成について説明する。表示制御装置121では表示CPU302にて各種処理が実行されるとともに、当該表示CPU302による指示に基づいてVDP305にて各種処理が実行されることで、図柄表示装置41が表示制御される。
表示CPU302により実行される処理には、パチンコ機10の電源立ち上げ時に実行されるメイン処理と、当該メイン処理後に実行される通常処理とが含まれており、各処理においてVDP305に対して所定の指示が実行される。以下、表示CPU302のメイン処理並びに当該メイン処理での指示に基づき実行されるVDP305の処理を説明し、その後に、表示CPU302の通常処理を説明する。
<表示CPU302のメイン処理>
図21は、表示CPU302におけるメイン処理を示すフローチャートである。図21に示すように、ステップS601では、常用データ群の初期設定の指示処理を実行する。
当該指示処理では、プログラムROM303のコマンド記憶エリア(指示情報記憶手段)303aから読み出したVDP305用の初期設定コマンドをVDP305に送信する。
VDP305では初期設定コマンドを受信することで、常用データ群をキャラクタROM306からVDP側RAM308の常用エリア337に転送するための処理を実行する。
ステップS601にて、常用データ群の初期設定の指示処理を実行した後は、ステップS602に進む。ステップS602では、第1背景用データ群の常用エリア337への転送が完了しているか否かを判定する。当該判定は、第1背景用データ群に対応した書き込み完了信号をVDP305から受信しているか否かを判定することにより行う。
第1背景用データ群の常用エリア337への転送が完了していない場合には、ステップS602の処理を繰り返し実行し、第1背景用データ群の常用エリア337への転送が完了している場合には、ステップS603に進む。ステップS603では、第1背景用画像の描画指示処理を実行する。具体的には、第1背景用画像を図柄表示装置41の表示画面Gにて表示するように、第1背景用画像に対応した描画リストの情報をプログラムROM303の描画リスト情報記憶エリア303bから読み出し、この読み出した描画リスト情報をVDP305に送信する。
ここで、描画リスト情報とは、表示画面Gにおける1フレーム分の描画指示が設定された情報であり、ビットマップ画像のデータ情報及びビットマップ画像の各ドットの表示色を決定するための色パレットテーブルの情報が含まれている。
続くステップS604では、第1背景用画像の表示の終了タイミングか否かを判定する。かかる終了タイミングの測定は、ワークRAM304に設けられた各種カウンタエリア304cの終了タイミング用カウンタを用いて行われ、当該終了タイミング用カウンタには、最初に検査用画像の描画指示処理を実行した際に終了基準値の情報がセットされる。
そして、ステップS604にて否定判定をする度に当該終了タイミング用カウンタの値が1減算されるように更新され、当該終了タイミング用カウンタの値が「0」となった場合にステップS604にて肯定判定をする。なお、かかる終了タイミングの測定に係る構成は、後述するステップS607においても同様である。
ステップS604にて終了タイミングでないと判定した場合には、ステップS603にて再度、第1背景用画像の描画指示処理を実行する。この場合における検査用画像の描画指示処理では新たな第1背景用画像の描画指示タイミングか否かを判定し、描画指示タイミングである場合には再度、検査用画像に対応した描画リスト情報をVDP305に送信する。つまり、検査用画像に対応した描画リスト情報は、終了タイミングとなるまでは描画指示タイミングとなる度にVDP305に送信される。ステップS604にて終了タイミングであると判定した場合には、ステップS605に進む。
続くステップS605では、通常図柄用データ群の常用エリア337への転送が完了しているか否かを判定する。当該判定は、通常図柄用データ群に対応した書き込み完了信号をVDP305から受信しているか否かを判定することにより行う。
通常図柄用データ群の常用エリア337への転送が完了していない場合には、ステップS605の処理を繰り返し実行し、通常図柄用データ群の常用エリア337への転送が完了している場合には、ステップS606に進む。ステップS606では、通常図柄用画像の描画指示処理を実行する。具体的には、通常図柄用画像を図柄表示装置41の表示画面Gにて表示するように、通常図柄用画像に対応した描画リストの情報をプログラムROM303の描画リスト情報記憶エリア303bから読み出し、この読み出した描画リスト情報をVDP305に送信する。
続くステップS607では、通常図柄用画像の表示の終了タイミングか否かを判定する。かかる終了タイミングの測定は、ステップS604同様、ワークRAM304に設けられた各種カウンタエリア304cの終了タイミング用カウンタを用いて行われる。
ステップS607にて終了タイミングでないと判定した場合には、ステップS606にて再度、通常図柄用画像の描画指示処理を実行する。ステップS607にて終了タイミングであると判定した場合には、本メイン処理から通常処理に移行する。
なお、図21において各処理の順序は任意であり、例えば、ステップS602~S604の処理と、ステップS605~S607の処理とを前後に入れ替えて実施する構成としてもよい。
<初期設定に際してVDP305にて実行される処理>
次に、表示CPU302による初期設定の指示処理(ステップS601)に際してVDP305にて実行される処理について説明する。図22は、VDP305における初期転送処理を示すフローチャートである。なお、VDP305では複数種の処理を含むVDP側メイン処理が所定の周期(例えば、4msec)で繰り返し起動されており、当該VDP側メイン処理の一部の処理として、初期転送処理が設定されている。
図22に示すように、ステップS701にて、表示CPU302から初期設定コマンドを受信しているか否かを判定する。初期設定コマンドを受信していない場合にはステップS702にて、常用データ群の初期設定状態か否かを判定する。常用データ群の初期設定状態でない場合(ステップS702:NO)には、そのまま本初期転送処理を終了する。
一方、初期設定コマンドを受信している場合(ステップS701:YES)には、ステップS703にて、VDP305の状態を常用データ群の初期設定状態に設定する。ここで、各種状態の設定に際してはVDP305の制御用RAM332に設定対象の状態に対応した設定フラグの格納が行われ、各種状態の解除に際しては解除対象の状態に対応した設定フラグの消去が行われる。これは他の状態の設定及び解除においても同様である。
また、ステップS703では、初期設定に対応した初期転送テーブルをVDP305の制御用ROM331から制御用RAM332に読み出す。初期転送テーブルには、キャラクタROM306からデータを読み出す場合に参照すべきエリアのアドレス情報と、当該アドレス情報を順次参照していく場合の参照順序情報とが設定されている。
ステップS703の処理を実行した後は、ステップS704に進む。また、ステップS702にて、常用データ群の初期設定状態であると判定した場合にもステップS704に進む。
ステップS704では、キャラクタROM306における読み出し対象の単位データをVDP側RAM308の常用エリア337へ書き込むための書き込み処理を実行する。この場合、上記初期転送テーブルには、各単位データを常用エリア337におけるいずれのアドレスの単位エリアに書き込むのかを、VDP305にて特定するための情報が設定されている。VDP305では単位データを常用エリア337に書き込む場合、その単位データについて予め定められている常用エリア337の単位エリアに対して書き込みを行う。このとき、常用データ群に含まれる各データ群のいずれかについて所定の単位データごとに書き込みが実施される。
続くステップS705では、一群の画像データ群の書き込みが完了したか否かを判定する。当該判定は、上記初期転送テーブルを参照して、一群の画像データ群として設定されている多数の単位データのうち、最後の順番の単位データについて書き込みが完了したタイミングであるか否かを判定することにより行う。
書き込みが完了していない場合には、そのまま本初期転送処理を終了する。書き込みが完了している場合には、ステップS706にて、所定の画像データ群について常用エリア337への書き込みが完了したことを表示CPU302に認識させるための書き込み完了信号を表示CPU302に対して送信する。当該書き込み完了信号は、各画像データ群に対して1対1で対応させて設定されており、ステップS706では、対応する書き込み完了信号を表示CPU302に対して送信する。
続くステップS707では、書き込み完了処理を実行する。書き込み完了処理では、常用エリア337に記憶されている画像データ群をVDP305にて特定可能とするための処理を実行する。具体的には、VDP305の制御用RAM332には、常用エリア337に書き込まれる可能性がある画像データ群に1対1で対応させてデータ群フラグ格納エリアが設定されている。書き込み完了処理では、ステップS705にて常用エリア337への書き込みが完了したと判定した画像データ群について、当該画像データ群に対応したデータ群フラグ格納エリアにデータ群フラグを格納する。なお、各データ群フラグ格納エリアに格納されたフラグは、対応する画像データ群が常用エリア337から消去された場合に消去される。
続くステップS708では、初期設定が完了したか否かを判定する。当該判定は、上記初期転送テーブルを参照して、常用データ群として設定されている複数の画像データ群のうち、最後の順番の画像データ群について書き込みが完了したタイミングであるか否かを判定することにより行う。初期設定が完了していない場合にはそのまま本初期転送処理を終了し、初期設定が完了している場合にはステップS709にて常用データ群の初期設定状態を解除した後に、本初期転送処理を終了する。
<描画指示に対してVDP305にて実行される処理>
次に、描画指示に対してVDP305にて実行される処理について説明する。描画指示に対してVDP305にて実行される処理としては、描画データの設定処理と、描画用信号の出力処理とが設定されている。以下、先ず描画データの設定処理について説明しその後に描画用信号の出力処理について説明する。
<描画データの設定処理>
図23は、VDP305における描画データの設定処理を示すフローチャートである。
ステップS801では、表示CPU302から描画リストの情報を受信しているか否かを判定する。受信していない場合にはそのまま本設定処理を終了し、受信している場合にはステップS802に進む。
ステップS802では、描画リストの情報に対応したデータが常用エリア337に記憶されているか否かを判定する。この判定は、VDP305の制御用RAM332に描画リストの情報に対応したデータに係るデータ群フラグが格納されているかを判定することにより行う。
描画リストの情報に対応したデータが常用エリア337に記憶されている場合には、ステップS803にて、常用エリア337から必要なデータを読み出し、ステップS804にてその読み出したデータをVDP305の描画エリア335に書き込む。その後、ステップS805にて今回の描画リストの情報に対応した画像データの作成が完了したか否かを判定する。作成が完了していない場合には、ステップS803及びステップS804の処理を繰り返し実行する。作成が完了している場合には、本描画データの設定処理を終了する。
一方、描画リストの情報に対応したデータが常用エリア337に記憶されていない場合(ステップS802:NO)には、ステップS806にて、変更用エリア、すなわちキャラクタROM306から必要なデータを読み出す。そして、その読み出したデータをステップS807にて、VDP305の描画エリア335に書き込む。その後、ステップS808にて今回の描画リストの情報に対応した画像データの作成が完了したか否かを判定する。作成が完了していない場合には、ステップS806及びステップS807の処理を繰り返し実行する。作成が完了している場合には、本設定処理を終了する。
上記ステップS806~ステップS808の処理による描画データの作成は、予告表示やリーチ表示などの描画指示処理に基づいて描画リストの情報が出力された場合に実行される。
<描画用信号の出力処理>
次に、描画用信号の出力処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS901にて、描画データの出力タイミングであるか否かを判定する。描画データの出力タイミングの情報は、当該描画データに対応した描画リストの情報に含まれている。描画データの出力タイミングでない場合には、そのまま本出力処理を終了する。描画データの出力タイミングである場合には、ステップS902に進む。
ステップS902では、描画エリア335を参照し、ステップS903にてその参照したデータに対応した描画用信号を出力ポート336を通じて図柄表示装置41に出力する。その後、ステップS904にて今回の描画データに対応した画像の描画処理が完了したか否かを判定する。描画処理が完了していない場合には、ステップS902及びステップS903の処理を繰り返し実行する。描画処理が完了している場合には、本描画用信号の出力処理を終了する。
<表示CPU302の通常処理>
次に、表示CPU302の通常処理における処理を説明する。図25は通常処理を示すフローチャートである。なお、当該通常処理はメイン処理の完了後に実行されるとともに、メイン処理の完了後においては所定の周期(例えば、4msec)で繰り返し実行される。
ステップS1001では、各遊技回用の演出を図柄表示装置41にて表示させるための遊技回制御処理を実行する。続くステップS1002では、開閉実行モード用の演出を図柄表示装置41にて表示させるための大当たり制御処理を実行する。
大当たり制御処理には、確変大当たり結果となる遊技回が終了してから当該大当たり結果に対応した開閉実行モードが終了するまで大当たり用の演出を制御するための演出制御処理と、通常大当たり結果となる遊技回が終了してから当該大当たり結果に対応した開閉実行モードが終了するまで大当たり用の演出を制御するための演出制御処理と、が設定されている。
続くステップS1003では、図柄表示装置41にて表示される背景画像として第1背景画像、第2背景画像及び第3背景画像のいずれかを表示させるための背景画像制御処理を実行する。背景画像制御処理では、背景用に設けられたカウンタの値に対応させて図柄表示装置41にて表示させる背景画像を決定する処理を行う。上記背景用に設けられたカウンタの値は、演出用操作装置60の操作が発生したことに基づいて更新される。
続くステップS1004では、デモ表示用の演出を図柄表示装置41にて表示させるためのデモ表示処理を実行する。デモ表示処理では、先ず主制御装置71からデモ開始コマンドを受信しているか否かを判定する。デモ開始コマンドを受信している場合には、表示CPU302がVDP305にデモ表示用の描画指示をすることで、デモ表示用の画像を図柄表示装置41に表示させる。その後、本通常処理を終了する。
<表示CPU302の遊技回制御処理>
先ず、ステップS1001の遊技回制御処理について、図26のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1101では、主制御装置71から送信され音声発光制御装置72にて中継された変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。ここで、音声発光制御装置72から受信したコマンドはワークRAM304に設けられたコマンド格納エリア304aに格納される。当該コマンド格納エリア304aはコマンドを格納するためのエリアを複数有するとともに、書き込みポインタにより設定されたエリアに対してコマンドを書き込み、読み出しポインタにより設定されたエリアからコマンドを読み出すリングバッファである。
変動用コマンドを受信している場合には、ステップS1102にて、通常図柄による変動開始処理を実行した後に本遊技回制御処理を終了する。
以下、ステップS1102の通常図柄による変動開始処理を説明する。
<表示CPU302における通常図柄による変動開始処理>
図27は通常図柄による変動開始処理を示すフローチャートである。
先ずステップS1201では、受信している変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、大当たり当選の有無の情報、大当たり結果が発生する場合には大当たり種別の情報及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報を表示CPU302のレジスタに記憶する。
続くステップS1202では停止情報の設定処理を実行する。停止情報の設定処理では、今回の遊技回において最終停止させる図柄の組み合わせの情報を決定するための処理を実行する。
具体的には、ワークRAM304には図柄更新用カウンタと図柄情報取得用エリアが設けられている。図柄更新用カウンタには、上図柄列用のカウンタと、中図柄列用のカウンタと、下図柄列用のカウンタとが設けられており、これらカウンタには、図柄表示装置41における各図柄列Z1~Z3に設定されている図柄の数に対応したカウンタ値が設定されている。
つまり、上図柄列Z1及び下図柄列Z3には、既に説明したように、主図柄及び副図柄の総数として、18個の図柄が設定されていることに対応させて、上図柄列用のカウンタ及び下図柄列用のカウンタには、「0~17」の数値範囲が設定されている。また、中図柄列Z2には、主図柄と副図柄の総数として、20個の図柄が設定されていることに対応させて、中図柄列用のカウンタには、「0~19」の数値範囲が設定されている。各図柄列用のカウンタはそれぞれ異なる周期でカウンタ値の更新がなされている。なお、各図柄列用のカウンタの値は対応する図柄列において左ライン上に停止する図柄の種類に対応している。そして、所定の周期(例えば、4msec)で、各図柄列用のカウンタにおいて更新されている情報が全て取得され、その取得された情報は図柄情報取得用エリアに格納される。
図柄情報取得用エリアには、確変大当たり用エリアと、通常大当たり用エリアと、外れリーチ用エリアと、完全外れ用エリアと、が設定されている。そして、各図柄列用のカウンタの全てから取得された情報が、確変大当たり結果、通常大当たり結果、外れリーチ、完全外れのいずれかに対応しているか否かが判定され、図柄情報取得用エリアのうち対応するエリアの情報が更新される。
ステップS1202の停止情報の設定処理では、先ず今回の遊技回が、確変大当たり結果、通常大当たり結果、外れリーチ結果又は完全外れ結果のいずれであるかを判定する。
そして、図柄情報取得用エリアのうち上記判定結果に対応したエリアから最終停止させる図柄の組み合わせの情報を取得し、表示CPU302のレジスタに記憶する。この図柄の組み合わせの情報には確変大当たり結果の図柄の組み合わせ、通常大当たり結果の組み合わせ、外れリーチ図柄の組み合わせを停止させる有効ラインの情報が含まれている。
ちなみに、確変大当たり結果に対応した図柄の組み合わせは、同一の奇数の図柄(特定図柄)が一の有効ライン上に停止表示される態様である。また、通常大当たり結果に対応した図柄の組み合わせは、同一の偶数の図柄(非特定図柄)が一の有効ライン上に停止表示される態様である。また、外れリーチに対応した図柄の組み合わせは、上記予め定められた態様とは異なる態様でリーチ外れとなる態様である。
なお、以下の説明において大当たり結果に対応した停止情報とは、確変大当たり結果又は通常大当たり結果に対応している停止情報のことである。
続くステップS1203では、予告表示の抽選処理を実行する。予告表示の抽選処理では、ワークRAM304の成立抽選用カウンタとプログラムROM303に記憶された成立抽選用テーブルとを用いる。成立抽選用カウンタは「0~99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、通常処理(図25)が起動される度に、すなわち約4msec周期で1加算される構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。
また、成立抽選用テーブルは、確変大当たり結果、通常大当たり結果、外れリーチ及び完全外れのそれぞれに対応させて設定されている。これら成立抽選用テーブルは、各大当たり結果及び外れリーチに対応した成立抽選用テーブルでは予告表示が100%で当選されるように設定されているとともに、外れリーチ→通常大当たり結果→確変大当たり結果の順で予告Bが選択される確率が高くなるように設定されている。また、完全外れに対応した成立抽選用テーブルでは予告A及び予告Bの両方が行われない確率が最も高くなっており、次に予告Aの確率が高くなっており、予告Bの確率が最も低くなっている。この予告Bの確率は外れリーチの場合よりも低く設定されている。
なお、完全外れ結果となる場合であって保留情報の個数が多いほど短い変動表示時間が選択される構成においては、完全外れ結果となる場合であって所定時間よりも短い変動表示時間である場合には予告表示の抽選処理が実行されず、予告表示の実行が規制される構成としてもよい。
ステップS1203では、先ず今回の遊技回が、確変大当たり結果、通常大当たり結果、外れリーチ結果又は完全外れ結果のいずれであるかを判定し、その判定結果に対応した成立抽選用テーブルを読み出すとともに、成立抽選用のカウンタ値を読み出す。そして、成立抽選用テーブルを参照して、上記読み出した成立抽選用のカウンタ値が予告A若しくは予告Bのいずれかに対応しているか否か又は予告A及び予告Bの両方を行わないか否かを判定する。続くステップS1204では、ステップS1203における予告表示の抽選処理の結果情報を取得し、表示CPU302のレジスタに記憶する。
続くステップS1205では、今回の遊技回においてリーチ表示が発生するか否かを判定する。リーチ表示が発生する場合にはステップS1206にて、今回の遊技回におけるリーチパターンを決定するためのリーチパターンの設定処理を実行する。
リーチパターンの設定処理では、プログラムROM303に記憶されたリーチパターン用テーブルを用いる。リーチパターン用テーブルは、ステップS1201にて把握した変動表示時間の情報(主制御装置71にて決定された変動表示時間)に応じたリーチパターンを決定するためのテーブルである。具体的には、ノーマルリーチのみを行う態様と、ノーマルリーチの後にスーパーリーチを行う態様とが、変動表示時間の情報に対応付けて設定されている。ステップS1205では、リーチパターン用テーブルを参照して、今回の変動表示時間に対応したリーチ種別の情報を取得し、表示CPU302のレジスタに記憶する。
なお、既に説明したとおり各遊技回の変動表示時間は主制御装置71にて決定される構成であり、主制御装置71では各遊技回においてリーチ表示を発生させるか否かを判定し、その判定結果に応じて変動表示時間を決定している。
今回の遊技回においてリーチ表示が発生しない場合(ステップS1205:NO)又はステップS1206の処理を実行した後は、ステップS1207にて、今回の遊技回及び大当たり結果が発生する場合には大当たり用の演出において図柄表示装置41の表示制御を行う場合に適宜参照されることとなる表示テーブルを設定するための処理を実行する。
表示テーブルについては、後で詳述する。
続くステップS1208では、ステップS1201にて把握した変動表示時間の情報を、ワークRAM304の各種カウンタエリア304cに設けられた表示用の変動時間計測手段としての計測用カウンタにセットする。
続くステップS1209では、ワークRAM304の各種カウンタエリア304cに表示モード把握手段として設けられた背景用カウンタを参照する。背景用カウンタは、表示CPU302において現状設定されている背景画像の種類を把握するための記憶手段であり、当該背景用カウンタには各表示モードに対して1対1で対応させてカウンタ値が設定されている。
具体的には、表示モードとして、第1背景画像が表示されることとなる第1表示モードと、第2背景画像が表示されることとなる第2表示モードと、第3背景画像が表示されることとなる第3表示モードが設定されているため、これらに対応させて背景用カウンタのカウンタ値は「0」と「1」と「2」が設定されている。当該背景用カウンタのカウンタ値は、遊技回及び開閉実行モードが実行されていない状況において演出用操作装置60が操作されることに基づき交互に切り換えられる。なお、この切り換えに係る処理については後に説明する。
続くステップS1210では、通常図柄による遊技回用の演出を図柄表示装置41の表示画面Gにて開始させる処理を実行した後に、本変動開始処理を終了する。ステップS1210では、ステップS1207にて設定した表示テーブルを参照するとともにステップS1209における背景用カウンタの参照結果に基づいて、変動開始時における描画リストの情報を特定し、その特定した描画リストの情報を描画リスト情報記憶エリア303bから読み出す。そして、その読み出した描画リスト情報をVDP305に送信する。
VDP305では、描画データの設定処理及び描画用信号の出力処理を実行し、変動開始時の画像を図柄表示装置41の表示画面Gに表示させる。この場合、各背景用データ群及び通常図柄用データ群が常用エリア337に記憶されていれば、キャラクタROM306からの画像データの読み出しを要することなく、即座に変動開始時の画像を表示させることができる。
<表示テーブルの設定に係るテーブル構成及び処理構成>
ここで、表示テーブルの設定に係るテーブル構成及び処理構成について説明する。表示テーブルには、遊技回の途中や大当たり用の演出の途中においてVDP305に描画リスト情報を出力するタイミング及びその描画リスト情報の種類を特定するための情報が含まれる。
また、本パチンコ機10では、既に説明したとおり、予告及びリーチ表示のときに図柄表示装置41の表示制御を行う場合にキャラクタROM306からVDP305が画像データを読み出す。この場合に、VDP側RAM308の記憶容量は、各遊技回や大当たり用の演出に対応したデータ群(図20の常用データ群及び変更用データ群)の全てを一度に記憶できない記憶容量となっている。例えば、スーパーリーチが表示される場合の遊技回では、遊技回の開始から終了までの一連の演出を表示するのに必要なデータ群の記憶容量は3Gビットを超えることとなるが、VDP側RAM308の記憶容量は約1.5Gビットとなっている。
これに対して、本パチンコ機10では、一連の演出を複数の演出範囲として分割し、各演出範囲に対応したデータ群をVDP側RAM308に順次転送するとともに、その転送に際して既にVDP側RAM308に記憶されているデータ群であって不必要となったデータ群に対して上書きする構成となっている。つまり、所定の演出範囲が開始される前までに当該所定の演出範囲に対応したデータ群が事前にVDP側RAM308に転送される。この場合、所定の演出範囲よりも先に実行対象となるように設定されている前側演出範囲が実行されている。また、所定の演出範囲が実行されている状況において当該所定の演出範囲よりも後に実行対象となるように設定されている後側演出範囲に対応したデータ群がVDP側RAM308に転送される。この場合、当該後側演出範囲に対応したデータ群は前側演出範囲に対応したデータ群に対して上書きされる。なお、この上書きに際しては、新たに書き込まれる側のデータ群と消去される側のデータ群との関係で、消去される側のデータ群の一部が消去される状況又は消去される側のデータ群の全部が消去される状況が発生する。
表示テーブルには、描画リスト情報を出力するタイミング及びその描画リスト情報の種類を特定するための情報だけでなく、キャラクタROM306からVDP側RAM308への各種データ群の転送指示タイミングを特定するための情報が含まれる。表示テーブルの設定を行う場合には、プログラムROM303に変動表示用情報群記憶手段として設けられた変動表示用テーブル記憶エリア303cが参照されるとともに、プログラムROM303に大当たり演出用情報群記憶手段として設けられた大当たり演出用テーブル記憶エリア303dが参照される。
次に、ステップS1207にて実行される表示テーブルの設定処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。
図28に示すように、先ずステップS1301では、今回の遊技回においてリーチ表示が発生するか否かを判定する。リーチ表示が発生しない場合には、ステップS1302にて、完全外れに対応したベース用テーブルを取得するための処理を実行する。
ここで、変動表示用テーブル記憶エリア303cには、ベース用テーブル群が記憶されている。当該ベース用テーブル群には、完全外れ用のテーブル群と、リーチ発生用のテーブル群とが含まれている。完全外れ用のテーブル群には、変動表示の開始から完全外れ結果となるまでのタイミングにおいて描画リスト情報を出力するタイミング及びその描画リスト情報の種類を特定するための情報(以下、かかる情報を表示用情報ともいう)が示された完全外れ用テーブルが多数含まれている。これら完全外れ用テーブルは、変動表示時間と停止情報との任意の組み合わせに対して1対1で対応させて用意されている。
リーチ発生用のテーブル群には、変動表示の開始からリーチ発生となるまでのタイミングにおける表示用情報が示されたリーチ発生用テーブルが多数含まれている。これらリーチ発生用テーブルは、変動表示時間とリーチ図柄との任意の組み合わせに対して1対1で対応させて用意されている。
また、完全外れとなる場合及び変動表示の開始からリーチ発生となるまでにおける図柄の変動表示の画像は、背景画像及び通常図柄の画像のみにより構成される。
ステップS1302では、上記ベース用テーブル群のうち、今回の遊技回における変動表示時間と停止情報との組み合わせに対応した完全外れ用テーブルを取得し、その取得したテーブル情報を表示テーブル記憶エリア304bに格納する。
その後、ステップS1303にて、常用データ群の全てのデータ転送が完了しているか否かを判定する。ステップS1303にて否定判定をした場合には、本表示テーブルの設定処理を終了する。上記構成により、常用データ群の全てのデータ転送が完了していない場合には予告要求があっても予告表示を行わないようにすることが可能となる。データ転送中に実行される演出の内容を制限することで、データ転送中にて要求された表示が可能かどうかの判断をする必要がなくなり、表示制御の処理を簡素化することができる。
なお、ステップS1303がNOになる場合、すなわち常用データ群の全てのデータ転送が完了していない場合には、予告用テーブルへの情報書き込み(ステップS1306,S1307)が不要となる。そのため、かかる場合において、予告表示に関する抽選処理(図27のステップS1203)を実施しないようにしてもよい。
上記ステップS1303では、データ個々について転送完了したか否かを判定するようにしているが、これに代えて、例えばデータ転送開始からの所要時間に基づいてデータ転送の完了を判定してもよい。データ転送完了を判定するための判定値(所要時間を判定する時間幅)は、常用データ群のデータ量に基づいて定められているとよい。後述のステップS1309や、図30のステップS1503も同様である。
ステップS1303にて肯定判定をした場合には、ステップS1304にて今回の遊技回において予告Aが発生するか否かを判定するとともに、ステップS1305にて、今回の遊技回において予告Bが発生するか否かを判定する。
予告Aが発生する場合(ステップS1303:YES)には、ステップS1306にて、予告A用テーブルを取得するための処理を実行する。また、予告Bが発生する場合(ステップS1305:YES)には、ステップS1307にて、予告B用テーブルを取得するための処理を実行する。また、予告A及び予告Bの両方が発生しない場合(ステップS1305:NO)にはそのまま本設定処理を終了する。
ここで、変動表示用テーブル記憶エリア303cには、予告用テーブル群が記憶されている。当該予告用テーブル群には、予告A用テーブルと予告B用テーブルとが含まれている。予告A用テーブルには、変動表示の開始から最初の図柄列における図柄の変動表示が停止されるまでのタイミングにおいて予告Aの画像を表示するために必要な表示用情報が示されている。予告B用テーブルには、変動表示の開始から最初の図柄列における図柄の変動表示が停止されるまでのタイミングにおいて予告Bの画像を表示するために必要な表示用情報が示されている。
また、予告A用テーブル及び予告B用テーブルのそれぞれには、キャラクタROM306から予告A用データ群又は予告B用データ群をVDP側RAM308に転送させるための転送指示タイミングを特定するための情報が設定されている。本パチンコ機10では、図柄の変動表示の開始直後において予告A用データ群又は予告B用データ群の転送指示が行われるように転送指示タイミングが設定されている。この場合、ベース用テーブル群に含まれている完全外れ用テーブル及びリーチ発生用テーブルのうち、予告表示が実行される場合に選択され得るテーブルでは、変動表示の開始から最初の図柄列における図柄の変動表示が停止されるまでの期間として、予告A及び予告Bのいずれについても、予告用データ群の転送が完了した後に予告表示を完了する上で十分な期間が確保されている。
なお、予告表示に対応したデータ群の転送が予告表示の開始までに完了できるのであれば、転送指示タイミングは上記のものに限定されることはなく任意である。
ステップS1306では、変動表示用テーブル記憶エリア303cから予告A用テーブルを取得し、その取得したテーブル情報を表示テーブル記憶エリア304bに記憶されているベース用テーブルの情報に対して上書きする。また、ステップS1307では、変動表示用テーブル記憶エリア303cから予告B用テーブルを取得し、その取得したテーブル情報を表示テーブル記憶エリア304bに記憶されているベース用テーブルの情報に対して上書きする。
予告A及び予告Bは、ベース用テーブルに基づいて図柄の変動表示が行われている状況においてその図柄部分と同時に実行される演出であるため、当該演出に対応した画像を表示するためには図柄の変動表示及び予告表示の両方を同時に表示するための描画リスト情報を設定する必要がある。この場合に、予告用テーブルを取得する処理では、図柄の変動表示及び予告表示の両方を同時に表示するための描画リスト情報を設定可能なように、表示テーブル記憶エリア304bに既に記憶されているベース用テーブルの情報に対して予告用テーブルの情報を上書きする。
また、表示テーブル記憶エリア304bには、表示用情報を記憶するための表示用エリアと、転送指示タイミングの情報を記憶するための転送指示用エリアとが設定されており、予告用テーブルを取得する処理では、転送指示タイミングの情報を転送指示用エリアに記憶させる。具体的には、転送指示用エリアには、想定され得る転送指示タイミングに対して個別にフラグ格納エリアが設定されているとともに、各転送指示タイミングに対応させて想定され得る転送対象のデータ群に対して個別にフラグ格納エリアが設定されている。転送指示タイミングの情報を転送指示用エリアに記憶させる場合には、今回設定すべき転送指示タイミングに対応したエリアに対してフラグを格納するとともに、今回設定すべき転送対象のデータ群に対応したエリアであって上記転送指示タイミングに関連付けて設定されたエリアに対してフラグを格納する。なお、当該転送指示用エリアへの情報の設定に係る構成は、ノーマルリーチ用テーブル、スーパーリーチ用テーブル及び大当たり演出用テーブルといった他のテーブルの取得に基づき行う場合も同様である。
表示テーブルの設定処理(図28)の説明に戻り、今回の遊技回においてリーチ表示が発生する場合(ステップS1301:YES)には、ステップS1308に進む。ステップS1308では、リーチ表示に対応したベース用テーブルを取得するための処理を実行する。具体的には、既に説明したベース用テーブル群のうち、今回の遊技回における変動表示時間とリーチ図柄との組み合わせに対応したリーチ発生用テーブルを取得し、その取得したテーブル情報を表示テーブル記憶エリア304bに格納する。
続くステップS1309では、常用データ群のデータ転送が完了しているか否かを判定する。ステップS1309にて肯定判定をした場合には、ステップS1310に進む。
ステップS1310では、今回の遊技回において予告Aが発生するか否かを判定する。
予告Aが発生する場合には、ステップS1311にて、変動表示用テーブル記憶エリア303cから予告A用テーブルを取得し、その取得したテーブル情報を変動表示テーブル記憶エリア304bに記憶されているベース用テーブルの情報に対して上書きする。予告Aが発生しない場合には、今回はリーチ表示が発生する遊技回でありリーチ表示が発生する遊技回では予告表示が確実に発生することとなるため、ステップS1312にて、変動表示用テーブル記憶エリア303cから予告B用テーブルを取得し、その取得したテーブル情報を変動表示テーブル記憶エリア304bに記憶されているベース用テーブルの情報に対して上書きする。これら予告用テーブルの取得に係る処理内容は、ステップS1306及びステップS1307の場合と同様である。
ステップS1311又はステップS1312の処理を実行した後は、ステップS1313にて、今回の遊技回ではノーマルリーチのみが発生し、スーパーリーチが発生しないか否かを判定する。ノーマルリーチのみが発生する場合又はステップS1309にて否定判定をした場合には、ステップS1314にて、ノーマルリーチ用テーブルを取得するための処理を実行する。上記構成により、常用データ群の全てのデータ転送が完了していない場合には予告要求やスーパーリーチの要求があっても予告表示やスーパーリーチに対応した表示を行わないようにすることが可能となる。データ転送中に実行される演出の内容を制限することで、データ転送中にて要求された表示が可能かどうかの判断をする必要がなく表示制御の処理を簡素化することができる。
ステップS1313にて、今回の遊技回ではスーパーリーチが発生すると判定した場合には、ステップS1315に進む。ステップS1315では、スーパーリーチ用テーブルを取得するための処理を実行する。
ステップS1314又はステップS1315の実行後は、ステップS1316にて、今回の遊技回において大当たり結果が発生するか否かを判定し、大当たり結果が発生しない場合には、そのまま本設定処理を終了する。
ステップS1316にて、今回の遊技回において大当たり結果が発生すると判定した場合には、肯定判定をしてステップS1317に進む。ステップS1317では、今回の遊技回において確変大当たり結果が発生するか否かを判定し、さらにステップS1318では、今回の遊技回において通常大当たり結果が発生するか否かを判定する。
確変大当たり結果が発生する場合(ステップS1317:YES)には、ステップS1319にて、確変大当たり用テーブルを取得するための処理を実行した後に、本設定処理を終了する。また、通常大当たり結果が発生する場合(ステップS1318:YES)には、ステップS1320にて、通常大当たり用テーブルを取得するための処理を実行した後に、本設定処理を終了する。確変大当たり及び通常大当たりのどちらも発生しない場合(ステップS1318:NO)には、本設定処理を終了する。
遊技回制御処理(図26)の説明に戻り、変動用コマンドを受信していない場合(ステップS1101:NO)には、ステップS1103にて、通常図柄による変動表示中であるか否かを判定する。当該判定は、ワークRAM304の各種フラグ格納エリア304dにおける通常変動中フラグ格納エリアに通常変動中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。通常変動中フラグは、通常図柄による変動開始時に格納され、当該遊技回の終了に際して消去される。
通常図柄による変動表示中でない場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。通常図柄による変動表示中である場合には、ステップS1104にて通常図柄による変動中処理を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
<通常図柄による変動中処理>
次に、ステップS1104の通常図柄による変動中処理を説明する。図29は通常図柄による変動中処理を示すフローチャートである。
図29に示すように、ステップS1401では、主制御装置71から送信され音声発光制御装置72にて中継された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合には、ステップS1402にて、ワークRAM304の計測用カウンタを参照するとともに、ステップS1403にて、ワークRAM304の表示テーブルを参照する。
続くステップS1404では、ステップS1402にて特定した遊技回の経過時間の情報と、ステップS1403にて特定した表示テーブルとを照合し、描画リストの設定タイミングであるか否かを判定する。
描画リストの設定タイミングである場合には、ステップS1405にて、描画リストの設定処理を実行する。
描画リスト設定処理にて設定された内容の描画リスト情報は、続くステップS1406にてVDP305に出力される。これにより、VDP305では、所定の画像を図柄表示装置41の表示画面Gに表示させる。
描画リスト情報を出力するための処理(ステップS1406)を実行した場合又は描画リストの設定タイミングでないと判定した場合(ステップS1404:NO)には、ステップS1407にて、データ転送指示処理を実行した後に、本変動中処理を終了する。
データ転送指示処理では、プログラムROM303のコマンド記憶エリア303aから転送対象となったデータ用の転送コマンドを読み出し、その読み出したコマンドをVDP305に送信する。
一方、変動終了コマンドを受信している場合(ステップS1401:YES)には、ステップS1408に進む。ステップS1408では、現状記憶されている表示テーブルを参照し、当該表示テーブルにて最後の設定タイミングとして設定されているものに対応した描画リスト情報を描画リスト情報記憶エリア303bから読み出し、その読み出した描画リスト情報をVDP305に出力する。VDP305では、描画データの設定処理及び描画用信号の出力処理を実行し、当該遊技回における最後の画像を図柄表示装置41の表示画面Gに表示させる。これにより、1遊技回分の図柄の変動表示が終了される。
その後、ステップS1409にて、遊技回用の演出を進行させるためにワークRAM304に格納したフラグを消去する等の処理を実行するための変動終了処理を実行した後に、本変動中処理を終了する。
<表示CPU302の背景画像制御処理>
次に、ステップS1003の背景画像制御処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1501では、遊技回用の演出中か否かを判定する。遊技回用の演出中である場合には、そのまま本背景画像制御処理を終了し、遊技回用の演出中でない場合には、ステップS1502に進む。ステップS1502では、大当たり演出中か否かを判定する。大当たり演出中である場合には、そのまま本背景画像制御処理を終了し、大当たり演出中でない場合には、ステップS1503に進む。
ステップS1503では、常用データ群の転送が完了しているか否かを判定する。常用データ群の転送が完了していない場合には、ステップS1504にて、第1表示モードに対応した描画リスト情報の種類を特定し、その特定した描画リスト情報をプログラムROM303の描画リスト情報記憶エリア303bから読み出してVDP305に出力する。
その後、本待機画像制御処理を終了する。VDP305では、ステップS1504にて出力された描画リスト情報を受け取ることで、描画データの設定処理及び描画用信号の出力処理を実行し、第1背景用の画像を図柄表示装置41の表示画面Gに表示させる。
ここで、常用データ群の転送が完了していない状況において通常図柄用データ群の転送が完了している状況とは、電源立ち上げ時において第1背景用データ群及び通常図柄用データ群の常用エリア337への転送は完了しているが、第2背景用データ群及び第3背景用データ群の常用エリア337への転送が完了していない状況である。つまり、電源立ち上げ時において全表示モードに対応したデータ群の転送は完了していないが、基準表示モードに対応したデータ群の転送は完了している状況である。このような状況において、表示モードに関わらず第1背景用の画像の表示を実行することで、第1背景用の画像以外の背景用の画像の表示要求があっても当該要求に応じた表示を行わないようにすることが可能となる。データ転送中に実行される演出の内容を制限することで、データ転送中にて要求された表示が可能かどうかの判断をしなくても確実に表示を実行することができる。
一方、常用データ群の転送が完了している場合(ステップS1503:YES)には、ステップS1505に進む。ステップS1505では、音声発光制御装置72から操作発生コマンドを受信しているか否かを判定する。操作発生コマンドを受信している場合には、ステップS1506にて、背景用カウンタの更新処理を実行する。既に説明したとおり、表示モードには第1背景画像が表示される第1表示モードと、第2背景画像が表示される第2表示モードと、第3背景画像が表示される第3表示モードの3種類が設定されている。したがって、ステップS1506では、第1表示モードに対応したカウンタ値である場合には第2表示モードに対応したカウンタ値に更新し、第2表示モードに対応したカウンタ値である場合には第3表示モードに対応したカウンタ値に更新し、第3表示モードに対応したカウンタ値である場合には第1表示モードに対応したカウンタ値に更新する。
ステップS1505にて否定判定をした場合又はステップS1506の実行後は、ステップS1507にて背景用カウンタの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理では、背景用カウンタの値を確認して、ワークRAM304に一時的に記憶する。
続くステップS1508では、ステップS1507にて一時的に確認した背景用カウンタの値に対応した描画リストの情報を出力する処理を実行する。具体的には、先ず背景用カウンタの値が、どの表示モードに対応しているかを判定する。背景用カウンタの値は、「0」に対応していれば第1表示モードに対応しており、「1」に対応していれば第2表示モードに対応しており、「2」に対応していれば第3表示モードに対応している。次に、背景カウンタの値に対応した表示モードの背景画像と各図柄列における現状の停止図柄とに対応した描画リスト情報の種類を特定し、その特定した描画リスト情報をプログラムROM303の描画リスト情報記憶エリア303bから読み出してVDP305に出力する。その後、本演出制御処理を終了する。VDP305では、ステップS1508にて出力された描画リスト情報を受け取ることで、描画データの設定処理及び描画用信号の出力処理を実行し、背景カウンタの値に対応した表示モードの背景画像を用いた待機画像を図柄表示装置41の表示画面Gに表示させる。
ここで、VDP305にて背景画像を表示するために参照される第1背景用データ群、第2背景用データ群及び第3背景用データ群は、電源の立ち上げ時に、常用データ群としてキャラクタROM306からVDP側RAM308の常用エリア337に転送され、電源投入中において遊技回用の演出や大当たり用の演出が行われていない状況ではその状態が維持される。これら背景用データ群が常用エリア337に記憶されていない構成を想定すると、表示モードの切り換えタイミングとなる度にキャラクタROM306から画像データを読み出す必要が生じ、キャラクタROM306にNAND型フラッシュメモリが用いられている構成においてはその転送速度が遅いことに起因して、演出用操作装置60の操作タイミングに対して表示モードが切り換えられるタイミングが遅くなってしまうことが懸念される。これに対して、上記のように各背景用データ群が常用エリア337に記憶されていることにより、演出用操作装置60が操作されたら即座に表示モードを切り換えることができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
複数の制御手段として主制御装置71、払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121が設けられており、第1制御手段として設けられた主制御装置71には電圧変換回路230から直接電力が供給されているのに対し、第2制御手段として設けられた主制御装置71以外の他の制御装置には出力切替回路231を介して電圧変換回路230からの電力が供給されている。電圧変換回路230は、駆動電力生成回路として各制御装置を駆動するための電力を生成している。出力切替回路231は、電圧変換回路230から第2制御手段への電力供給を遮断可能な電力遮断回路である。
主制御装置71では、節電モードへの移行条件又は節電モードの解除条件が成立したか否かを判定するための処理(ステップS402、S405、S504の処理)が実行され、節電要否を判定する手段として用いられる。主制御装置71は、節電モードへの移行条件が成立した場合には、LOWレベルの電力供給許可信号を出力ポート235から出力切替回路231に出力することによって、電圧変換回路230から他の制御装置への電力供給を遮断する。また、節電モードの解除条件が成立した場合には、HIレベルの電力供給許可信号を出力ポート235から出力切替回路231に出力することによって、電圧変換回路230から他の制御装置への電力供給を遮断する。
上記構成によれば、例えば遊技者による遊技が行われていない場合等、パチンコ機10を節電モードとする場合において、主制御装置71が、電圧変換回路230から他の制御装置への電力供給を遮断するように出力切替回路231の状態を制御し、これにより他の制御装置での電力消費量や、該他の制御装置を経由して電力供給される電気機器等(可動役物200や各種ランプ部58a,58b)での電力消費量が低減される。また、例えば遊技者による遊技が新たに開始される場合等、節電モードを解除する場合において、主制御装置71が、電圧変換回路230から他の制御装置への電力供給を行わせるように出力切替回路231の状態を制御し、これによりパチンコ機10が通常モード(非節電モード)に復帰する。
かかる場合、複数の制御装置のうち電源制御の主体として定められた主制御装置71については出力切替回路231を介さずに電圧変換回路230から電力供給が行われ、その状態で、主制御装置71により他の制御装置等の電力消費量が制御される。そのため、外部電源が供給されている状態(電源スイッチ135aがオンになっている状態)であっても、遊技機としての電力消費量の削減を実施できる。また、節電モードになった後に、節電モード解除を適宜実施できる。
また、第1制御手段である主制御装置71は、外部電源の供給時においては、電源投入ウェイト処理(ステップS101)を実行することで出力切替回路231に対して電力供給指令を行うためにHIレベルの電力供給許可信号を出力し、電圧変換回路230から他の制御装置への電力供給を実行させる。当該電源投入ウェイト処理にて実行される電力供給指令用の処理は、節電モードから復帰する場合に実行される電力復帰処理(ステップS505)と同一の処理となっている。
上記構成によれば、パチンコ機10に対する外部電源の供給開始時と、節電モードからの電力供給の復帰時(他の制御装置に対する電力遮断の解除時)とでは、主制御装置71の処理が同一となり、いずれも出力切替回路231に対するHIレベルの電力供給許可信号の出力処理が行われる。この場合、外部電源の供給開始時と節電モードからの復帰時とで、個別に電力遮断のための回路等を要することはなく、それら各時に電力供給のための制御を各々実施する上で構成の煩雑化が生じることを抑制できる。
また、主制御装置71には、遊技者の遊技状態を監視するため手段としてタッチ検出部225が接続されている。主制御装置71は、当該タッチ検出部225の検出結果(遊技状態の監視結果)に基づいて、遊技者による遊技がされていない非遊技状態であると判定することにより、節電モードへ移行する判定を行う。
上記構成によれば、遊技者による遊技がなされていない非遊技状態において、パチンコ機10の節電を好適に実施できる。節電モード中は遊技者が遊技をしていない状況であるため、パチンコ機10の動作を制御する主制御装置71以外の制御装置についての電力供給を遮断しても問題となることはなく、良好に消費電力の削減を図ることが可能となる。
また、主制御装置71は、他の制御装置に電圧変換回路230からの電力供給が実行されている通常モード中において、大当たり乱数カウンタC1を、所定の数値範囲内にて順次更新している。大当たり乱数カウンタC1は、タイマ割込み処理のステップS203の抽選用乱数更新処理において、開閉実行モードを発生させるか否かの抽選を行う際に利用される。主制御装置71は、他の制御装置に電圧変換回路230からの電力供給が遮断されている節電モード中においても、当該抽選用乱数更新処理と同様の処理をステップS502のカウンタ更新処理にて実行している。
ここで、電圧変換回路230から他の制御装置への電力供給が遮断されている節電モードは、非遊技の状態であり、いわゆる抽選用乱数等の数値情報に関しては更新処理を実施する必要はない。ただし上記構成では、節電モードでも抽選用乱数等の数値情報について更新を実施している。これにより、節電モードでの不正対策が可能となる。
また、主制御装置71は、予め定められた条件である上作動口33又は下作動口34への入賞を契機として、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて遊技者へ特典を付与するか否かの処理を実行する。具体的には、大当たりの抽選処理をステップS215の特図特電制御処理にて実行し、抽選結果表示手段として設けられたメイン表示部43を制御することで大当たりの抽選結果を表示する。
主制御装置71は、電圧変換回路230から主制御装置71以外の他の制御装置への電力供給が遮断されている節電モード時において、メイン表示部43を所定の表示態様での表示が行われるように制御する。具体的には、所定のセグメントが発光態様にて点灯し続けるように制御するステップS501の特図表示処理を実行する。
他の制御装置への電力供給が遮断されている節電モードは、メイン表示部43において抽選の結果が表示されることはない。つまり、メイン表示部43での表示は不要である。
ただし上記構成では、節電モードでもメイン表示部43による表示を実施している。ここで、メイン表示部43は、主制御装置71により表示動作が制御されるものであり、メイン表示部43において所定の発光態様の表示が表示され続けていることは主制御装置71の動作が継続されていることを意味する。したがって、節電の実施下において、遊技機自体の電源が切られているのではなく、遊技の再開が可能であることを遊技者等に知らせることができる。
なお、電圧変換回路230から他の制御装置への電力供給が遮断されている状態(節電モード)において、メイン表示部43では、抽選結果の表示時とは異なる態様で、節電モードであることの表示が実施されるとよい。例えば、抽選結果の表示時には、LED等の発光部材を点滅させることで表示を行い、節電モードであることの表示時には、LED等の発光部材を継続点灯させることで表示を行うようにする。
ちなみに、メイン表示部43は、主制御装置71に信号線を介して接続されており、主制御装置71からの制御信号に応じてメイン表示部43が大当たり抽選の結果を表示するものとなっている。
また、本パチンコ機10には、節電モード中において遊技者に対しパチンコ機10が節電モード中であることを報知する報知手段としての可動役物200が設けられている。当該可動役物200は、電圧変換回路230から音声発光制御装置72への電力供給が遮断されることに伴い非報知状態から報知状態に移行する。
上記構成によれば、パチンコ機10が節電モード(非遊技状態)になっている場合において、可動役物200の報知によって、遊技者(例えば遊技ホール内で新たに遊技する遊技機を選んでいる遊技者)はパチンコ機10が節電モードであることを把握でき、遊技機を選ぶこと等に支障が及ぶことを抑制できる。
また、節電モードに移行する場合に複数の制御手段の電源制御の主体としては、遊技者に特典を付与するか否かを決定する主制御装置71が定められている。他の制御装置は、主制御装置71からの制御指令に基づいて各種の制御を実施するサブ制御装置である。
上記構成によれば、主制御装置71とサブ制御装置とのうち主制御装置71が電源制御の主体として定められている。そして、節電モードにおいて、主制御装置71に対しては電圧変換回路230から電力供給が継続され、サブ制御装置に対しては電圧変換回路230からの電力供給が遮断される。この場合、節電の実施下にあっても、主制御装置71の動作が可能であり、不正抑制を図る処理を適宜実施できる。
パチンコ機10の前面側には、遊技者に視認可能な態様で動作する動作部としての図柄表示装置41及びランプ部58a,58bが設けられており、該動作部は、表示制御装置121及び音声発光制御装置72によって制御されている。表示制御装置121及び音声発光制御装置72は駆動電力を供給する電源手段としての電入時用電源部113に接続されており、表示制御装置121及び音声発光制御装置72と電入時用電源部113の間には電入時用電源部113から表示制御装置121及び音声発光制御装置72への電力供給を遮断することが可能な出力切替回路231が設けられている。主制御装置71では、節電モード移行処理におけるステップS402,S405の処理が遊技状態検出手段として実行されることで、パチンコ機10が非遊技状態であることを検出することが可能となっており、非遊技状態であることが検出された場合には、パチンコ機10が節電モードに移行する。節電モードに移行した場合には、出力切替回路231によって電圧変換回路230から表示制御装置121及び音声発光制御装置72への電力供給が遮断される。可動役物200は、表示制御装置121及び音声発光制御装置72への電力供給が遮断されたことを契機として、非報知状態から報知状態へと移行することで遊技者に対して節電中であることを報知する。
上記構成によれば、パチンコ機10が非遊技状態になっている場合において、節電モードとなり、かかるモード下では表示制御装置121及び音声発光制御装置72への電力供給が遮断されることで消費電力の削減を図ることができる。このとき、節電モード下で表示制御装置121及び音声発光制御装置72への電力供給が遮断されることにより、例えば動作部としての図柄表示装置41において表示が停止される、同一の表示がなされたままとなる、動作部としてのランプ部58a,58bにおいて発光の照度が落とされる、同発光が停止される等、いずれかの節電処理が実施されることになり、一見すると、その非遊技状態にあるパチンコ機10が遊技可能かどうかを把握できないことが生じ得るが、可動役物200の報知によって、遊技者(例えば遊技ホール内で新たに遊技する遊技機を選んでいる遊技者)はパチンコ機10が節電状態であることを把握でき、遊技機を選ぶこと等に支障が及ぶことを抑制できる。
また、可動役物200は、電入時用電源部113からの電力供給により動作可能となるように設けられている。出力切替回路231は、電入時用電源部113から表示制御装置121及び音声発光制御装置72への電力供給を遮断する場合に、表示制御装置121及び音声発光制御装置72を介して電力が供給されている可動役物200についても電力供給を遮断する構成となっている。可動役物200は、電入時用電源部113からの電力供給の遮断に伴い、非報知状態から報知状態に移行する。
上記構成によれば、電入時用電源部113から表示制御装置121及び音声発光制御装置72への電力供給の遮断時には、電入時用電源部113から可動役物200への電力供給についても遮断される。そして、電入時用電源部113から可動役物200への電力供給が遮断されている場合に、可動役物200が報知状態となる。この場合、節電のための情報報知に際して電力の使用を必須としない。そのため、電力消費の観点からしてより望ましい構成となる。
また、可動役物200は、節電モード中であることを遊技者に視認させる報知情報としての情報表示部203が付与されている報知用の可動板201と、電入時用電源部113からの電力により駆動され、可動板201を、パチンコ機10前方から視認可能となる第1位置(具体的には、現出位置)と、パチンコ機10前方から視認不可となる第2位置(具体的には、遊技基本位置)とで移動させる駆動部205を備えている。可動板201は、電入時用電源部113から駆動部205への電力供給が出力切替回路231により遮断されることに伴い第1位置への移動が可能となっている。
上記構成によれば、電入時用電源部113から可動役物200の駆動部205への電力供給が遮断されると、それに伴い可動板201が第1位置(遊技者が視認可能となる位置)に移動する。この場合、電力供給状態から電力遮断状態に移行することで、すなわち通常モード(非節電状態)から節電モードに移行することで、可動板201が、パチンコ機10前方から視認できない第2位置から、パチンコ機10前方から視認できる第1位置に移動することになる。このとき、通常モードでは視認されていない可動板201が、節電モードで視認されるようになるため、遊技者にとっては、可動板201の存在の有無によって節電モードを把握できる。つまり、かかる構成では一見するだけで節電モードを認知でき、その認知度を上げることができる。したがって、節電のための報知情報を各遊技者に認知させる上で好適である。
また、可動板201は、自重により第1位置に移動可能であるとともに、駆動部205の駆動により第2位置に移動するように構成されている。
上記構成によれば、節電状態において、可動板201の重量を利用して、可動板201を第1位置(遊技者が視認可能となる位置)に保持できる。また、自然界において常に生じている重力を利用して可動板201を第1位置に移動させる構成としたことにより、駆動部205へ電力が供給されていない状態であっても確実に第1位置へ移動させることが可能となる。
また、可動役物200は演出装置として、パチンコ機10前方から視認可能となる位置と視認不可となる位置とで移動可能な演出用の可動板202を備えており、遊技の進行に応じた演出として可動板202を動作させる。
上記構成によれば、演出装置である可動役物200において、パチンコ機10前方から視認可能となる位置と視認不可となる位置とで可動板202が移動可能となっており、遊技中においては可動板202の動きが遊技者に大いに注目されるものとなっている。また、可動役物200には、可動板202と同様に、パチンコ機10前方から視認可能となる位置(第1位置)と視認不可となる位置(第2位置)とで移動可能な、報知用の可動板201が設けられている。この場合、可動板202と可動板201とは概ね同様の形態で動作するものとなっており、可動板201について、節電モード(非遊技状態)での遊技者による注目度を高めることができる。
また、動作部としては、遊技演出に関する絵柄を表示領域として設けられた表示画面Gに変動表示させる表示手段である図柄表示装置41が設けられている。第1位置は、表示画面Gのパチンコ機10前方となる位置であり、第2位置は、表示画面Gを囲む囲い部として設けられたセンターフレーム42の背後となる位置となっている。
上記構成によれば、パチンコ機10が節電モードになっている場合に、可動板201が、表示画面Gのパチンコ機10前方となる位置(すなわちパチンコ機10前方に重なる位置)に移動する。この場合、パチンコ機10において遊技に際して絵柄が変動表示する表示画面Gは、遊技者に注目されがちな部分であり、その表示画面Gのパチンコ機10前方となる位置に可動板201が存在することにより、可動板201に付された報知情報(節電モードであることを表す情報表示部203)が遊技者に見られる可能性が高まる。したがって、パチンコ機10が節電モードにあることを、遊技者に好適に認知させることができる。
また、パチンコ機10は、可動役物200を第1報知手段として備える一方、電入時用電源部113から電力が供給されている状態で、節電モードであることを報知可能な第2報知手段としてメイン表示部43を備えている。出力切替回路231により音声発光制御装置72への電力供給が遮断される場合において、電入時用電源部113から可動役物200への電力供給を遮断するとともに、電入時用電源部113からメイン表示部43への電力供給を実施する。
上記構成によれば、節電モード(非遊技状態)において、第1報知手段である可動役物200では、電入時用電源部113からの電力供給が遮断された状態下で節電報知が行われ、第2報知手段であるメイン表示部43では、電入時用電源部113からの電力供給が実施された状態下で節電報知が行われる。この場合、可動役物200とメイン表示部43との両方を用いて報知を行うことにより、(1)電入時用電源部113による電力供給が節電のために電力遮断手段により遮断されている状態なのか、(2)電入時用電源部113の電力供給自体が停止されている状態(例えば、電源スイッチ135aがオフとなっている状態、電源系が故障している状態など)なのかを判別できる。
より具体的な構成に言っておけば、上記(1)の状態では、可動役物200とメイン表示部43とが共に報知状態になるのに対し、上記(2)の状態では、可動役物200が報知状態、メイン表示部43が非報知状態となる。故に、上記(1)、(2)の判別が可能となる。
また、上記第2報知手段であるメイン表示部43は、予め定められた条件である上作動口33又は下作動口34への入賞を契機として大当たり乱数カウンタC1の値に基づき遊技者に特典を付与するか否かを決定する主制御装置71に接続されている。メイン表示部43は、上記特典付与の抽選結果を表示すべく、主制御装置71によって表示態様が制御される抽選結果表示手段として設けられている。パチンコ機10が節電モードに移行する場合、電入時用電源部113から主制御装置71への電力供給は継続され、メイン表示部43は、電入時用電源部113から電力が供給されている状態で、節電モード中であることを報知する。
ここで、節電モードは、非遊技の状態であり、メイン表示部43において抽選の結果が表示されることはない。つまり、メイン表示部43での表示は不要である。ただし上記構成では、節電モードにおいて、節電報知の一手段としてメイン表示部43による表示を実施している。ここで、メイン表示部43は、主制御装置71により表示動作が制御されるものであり、不正防止等の観点から、節電の実施時にも主制御装置71に対する電源供給が継続されるのが望ましいことを考えると、メイン表示部43を第2報知手段として用いることは好都合であると言える。
なお、電圧変換回路230から第2制御手段への電力供給が遮断されている状態(節電モード)において、メイン表示部43では、抽選結果の表示時とは異なる態様で、節電モードであることの表示が実施されるとよい。例えば、抽選結果の表示時には、LED等の発光部材を点滅させることで表示を行い、節電モードであることの表示時には、LED等の発光部材を継続点灯させることで表示を行うようにする。
図柄表示装置41は、絵柄を変動表示する絵柄表示手段として設けられており、その表示内容は表示制御手段としての表示制御装置121によって制御されている。これら図柄表示装置41及び表示制御装置121に対して駆動電力を供給する電源手段としては電入時用電源部113が設けられている。表示制御装置121には、図柄表示装置41に表示させる画像に関する画像データを逐次更新しながら決定する第1画像表示制御手段と、該第1画像表示制御手段により決定された画像データを入力するとともに、その入力の都度、画像データを記憶部に記憶し、該記憶した画像データを図柄表示装置41に対して出力する第2画像表示制御手段と、が設けられている。具体的には、第1画像表示制御手段として画像データ決定部240、記憶部として記憶部241a、第2画像表示制御手段として出力制御部241が設けられている。
電入時用電源部113は、第1画像表示制御手段としての画像データ決定部240と、第2画像表示制御手段としての出力制御部241に対する電力供給を行うための供給経路をそれぞれ別々に備えている。主制御装置71の節電モード移行処理におけるステップS402,S405の処理にてパチンコ機10が非遊技状態であることが検出された場合、電入時用電源部113は、画像データ決定部240への供給経路における電力供給を遮断する一方、出力制御部241への供給経路における電力供給は継続して実施する。
上記構成によれば、パチンコ機10が非遊技状態である場合において、電入時用電源部113から画像データ決定部240の表示CPU302に対する電力が供給されないことで、遊技がされない期間を利用して消費電力の削減を図ることが可能となる。また、消費電力が削減されている節電状態では、出力制御部241のVDP305及び図柄表示装置41に対する電力供給は継続しているため、節電状態であっても記憶部241aである制御用RAM332に記憶された画像データについての絵柄表示手段における表示を継続することが可能となる。これにより、消費電力の削減を図りつつ、パチンコ機10が節電モードに移行した後も意図に即した絵柄を表示させておくことができる。
なお、電入時用電源部113において、表示CPU302に対する電力供給を行う手段としては、例えば電力遮断回路としての出力切替回路231を介して表示CPU302に対する電力供給が行われる構成となっており、VDP305及び図柄表示装置41に対する電力供給を行う手段としては、例えば出力切替回路231を介さずにVDP305及び図柄表示装置41に対する電力供給が行われる構成となっている。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、出力切替回路へ電力供給許可信号を出力する制御装置(節電時における電源管理を行う制御装置)が上記第1の実施の形態と異なり、払出制御装置78となっている。パチンコ機10が節電モードへ移行した場合には、電入時用電源部113から払出制御装置78以外の制御装置、つまり主制御装置71、音声発光制御装置72及び表示制御装置121への電力供給が遮断される構成となっている。また、本実施の形態では、主制御装置71ではなく払出制御装置78にパチンコ機10の非遊技状態を検出する機能が付与されている。
また、電源スイッチ135aをON状態とした場合に、電入時用電源部113から各制御装置への電源供給の方法も上記第1の実施の形態とは異なっている。具体的には、電源スイッチ135aをOFF状態からON状態とした場合に、上記第1の実施の形態では主制御装置71へ電力が供給された後にその他の制御装置に対して電力が供給される構成であったのに対し、本実施の形態では主制御装置71、音声発光制御装置72、払出制御装置78及び表示制御装置121へ一斉に電源が供給される構成となっている。
上記相違する構成について以下に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態と同様の構成については基本的にその説明を省略する。図31は本実施の形態における電力遮断処理及び電力復帰処理を実行するための構成を説明するための説明図である。
電入時用電源部113は、第1の実施の形態と同様、商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置71、払出制御装置78、音声発光制御装置72、表示制御装置121及び図柄表示装置41に対して動作電圧を供給する。
商用電源から電源スイッチ135aを介して電入時用電源部113へ入力された交流24Vは、電圧変換回路230にて+5V、+12V及び+24Vに変換される。払出制御装置78には、電圧変換回路230から+5V及び+12Vが直接入力されている。また、ハンドル用タッチセンサ224の信号は、第1の実施の形態とは異なり、払出制御装置78に入力されている。
主制御装置71、音声発光制御装置72及び表示制御装置121には、出力切替回路231a~231dを介して電圧変換回路230から各電圧が入力されている。具体的には、+5Vは、出力切替回路231a,231bを介して音声発光制御装置72、表示制御装置121へ入力され、+12Vは出力切替回路231cを介して音声発光制御装置72、表示制御装置121へ入力され、+24Vは出力切替回路231dを介して主制御装置71へ入力されている。
出力切替回路231a~231dには、それぞれ出力切替用トランジスタ400a~400dとしてNPNトランジスタが設けられており、出力切替用トランジスタ400a~400cのコレクタは電圧変換回路230の出力、音声発光制御装置72及び表示制御装置121に接続されており、エミッタは接地されており、ベースは払出制御装置78の出力ポート401と接続されている。出力切替用トランジスタ400dのコレクタは電圧変換回路230の出力及び主制御装置71に接続されており、エミッタは接地されており、ベースは出力ポート401と接続されている。
出力切替用トランジスタ400a~400dは、払出制御装置78からの出力ポート401からHIレベルの電力供給許可信号が出力されている場合には、オン状態となり、主制御装置71、音声発光制御装置72及び表示制御装置121への各入力電圧がLOWレベルとなり、電圧変換回路230からの出力電圧は主制御装置71、音声発光制御装置72及び表示制御装置121に印加されない。一方、払出制御装置78の出力ポート401からLOWレベルの電力供給許可信号が出力されている場合には、オフ状態となり、電圧変換回路230からの出力電圧が払出制御装置78、音声発光制御装置72及び表示制御装置121に印加される。払出制御装置78の出力ポート401からは、初期状態であればLOWレベルの電力供給許可信号が出力されている。
本実施形態では、本パチンコ機10を節電モードにする場合における電力供給許可信号の論理レベルが図18の構成とは逆であり、節電モードにする場合(電力遮断を行う場合)には、払出制御装置78の出力ポート401からHIレベルの電力供給許可信号が出力され、節電モードを解除する場合(電力復帰を行う場合)には、払出制御装置78の出力ポート401からLOWレベルの電力供給許可信号が出力されるようになっている。
なお、上述のとおり電源回路112には電断時用電源部114が設けられている。そのため、払出制御装置78から出力される電力供給許可信号により主制御装置71への電力供給が遮断されても、電断時用電源部114からバックアップ電力が供給され、主制御装置71でのRAM記憶情報等が意図せず消去されることはない。
リセット回路236は、音声発光制御装置72及び表示制御装置121の動作開始を指示する回路であって、遅延回路237及びリセット用トランジスタ238からなる。リセット用トランジスタ238は、NPNトランジスタからなり、ベースは遅延回路237の出力側に接続されており、コレクタは出力切替回路231aの出力側に接続されており、エミッタは接地されている。
主制御装置71は、第1の実施の形態と同様、リセット回路239を備えている。主制御装置71では、停電監視基板96を介して主制御基板91に+5Vが入力されたタイミングよりも遅延させたタイミングにて、リセット回路239からMPU92へLOWレベルのリセット信号が出力され、そのリセット信号の出力に伴い主制御装置71は動作を開始する。
払出制御装置78は、主制御装置71と同様、自身にリセット回路402を有している。電圧変換回路230から+5Vが入力されたタイミングよりも遅延させたタイミングにて、リセット回路402から払出制御装置78のMPUへLOWレベルのリセット信号が出力され、そのリセット信号の出力に伴い払出制御装置78は動作を開始する。
次に、パチンコ機10が節電モードとなる場合に主制御装置71及び払出制御装置78にて実行される処理について説明する。
図32は本実施の形態の主制御装置71にて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。本タイマ割込み処理は、上述の図14に置き換えて実施されるものである。このタイマ割込み処理においてステップS1603~ステップS1617にて実行される処理はステップS203~ステップS217にて実行される処理と同一の処理であり、ステップS1619~ステップS1624にて実行される処理はステップS220~ステップS225にて実行される処理と同一の処理であるため、説明を省略する。
先ず、ステップS1601にて停電情報記憶処理が実行される。停電情報記憶処理について図33のフローチャートを参照しながら説明する。
停電情報記憶処理では、先ずステップS1701にてMPU92の入力ポートに受信している停電信号の情報を読み込む処理を実行する。この場合、電源遮断が発生していないことに対応した停電信号(LOWレベルの停電信号)を受信している場合には入力ポートに非電断情報として「0」の情報が格納されており、電源遮断が発生していることに対応した停電信号(HIレベルの停電信号)を受信している場合には入力ポートに電断発生情報として「1」の情報が格納されている。ステップS1701では、かかる停電信号の情報をMPU92のレジスタに読み込む処理を実行する。
続くステップS1702では、ステップS1701にて読み込んだ停電信号がHIレベルであるか否かを判定する。停電信号がLOWレベルである場合には、ステップS1703にてRAM94の停電フラグに「0」をセットした後、本停電節電時処理を終了する。
ステップS1702にて停電信号がHIレベルである場合にはステップS1704に進む。ステップS1704では、RAM94の停電フラグに「1」をセットし、続くステップS1705にて特図表示処理を実行する。特図表示処理では、メイン表示部43において複数のセグメント発光部が所定の発光態様で点灯し続けるように当該メイン表示部43を表示制御する。
続くステップS1706では、カウンタ更新処理を実行する。カウンタ更新処理では、タイマ割込み処理のステップS1603にて実行される抽選用乱数更新処理と同様の処理を実行することで、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。
続くステップS1707では、チェックサム算出処理を実行する。ここで算出されたチェックサムはRAM94に記憶される。その後、本停電情報記憶処理を終了する。
タイマ割込み処理(図32)の説明に戻り、ステップS1602にて停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS1602にて否定判定をした場合には、ステップS1603以降の処理を実行する。ステップS1602にて肯定判定をした場合には、本タイマ割込み処理を終了する。
次にステップS1618にて実行されるデモ表示用処理について図34を参照しながら説明する。このデモ表示用処理は、上述の図15に置き換えて実施されるものである。デモ表示用処理においてステップS1801~ステップS1808については、図15のステップS301~ステップS308と同一の処理であるため説明を省略する。
本実施の形態では、第1の実施の形態とは異なり、ステップS1807にてデモ表示状態に設定した後、ステップS1808にてデモ開始コマンドを出力対象に設定する処理に加えて、ステップS1809にてデモ表示信号をHIレベルに設定する。デモ表示信号は、主制御装置71から払出制御装置78へ送信される信号であり、パチンコ機10がデモ表示状態となっていることを払出制御装置78にて認識可能とさせるための信号である。
上記デモ表示信号は、デモ表示フラグが「1」となっている場合にHIレベルに設定され、デモ表示フラグが「0」となっている場合にLOWレベルに設定される。
次に、払出制御装置78にて定期的(例えば4msec)に実行される各処理について図35~37を参照しながら説明する。図35は節電モード制御処理を示すフローチャートであり、図36は節電モード移行処理を示すフローチャートであり、図37は節電モード中処理を示すフローチャートである。
節電モード制御処理は、図35に示すように、ステップS1901にて節電モード中フラグが払出制御装置78に設けられたRAMにセットされているか否かを判定する。節電モード中フラグは、パチンコ機10が節電モード中であることを示すフラグであり、節電モードへの移行条件が成立した場合にセットされ、解除条件が成立した場合にクリアされる。節電モードの移行条件及び解除条件については後述する。
ステップS1901にて否定判定をした場合には、ステップS1902にて節電モード移行処理を実行する。
節電モード移行処理では、図36に示すように、先ずステップS2001にて主制御装置71から入力されているデモ表示信号がHIレベル且つハンドル用タッチセンサ224からの入力がない状態であるか否かを判定する。
ステップS2001にて否定判定をした場合には、ステップS2002にて非操作カウンタを「0」クリアする。非操作カウンタは払出制御装置78のRAMに設けられており、パチンコ機10がデモ表示状態且つハンドル用タッチセンサ224の入力が無い状態となってからの経過時間を示すカウンタである。非操作カウンタは、ステップS2001にて肯定判定されている場合にはタイマ割込み処理ごとに1加算され、ステップS2001にて否定判定された場合に「0」クリアされる。ステップS2002を実行した後は、本節電モード移行処理を終了する。
ステップS2001にて肯定判定をした場合には、ステップS2003にて非操作カウンタの値を1加算する。
ステップS2003の実行後は、ステップS2004にて非操作カウンタの値が「7500」(30sec相当)であるか否かを判定する。ステップS2004にて否定判定をした場合には、そのまま本節電モード移行処理を終了する。
ステップS2004にて肯定判定をした場合には、ステップS2005に進み、節電モード中フラグをセットするとともに、続くステップS2006にて非操作カウンタをクリアする。続くステップS2007では、電力遮断処理を実行する。
電力遮断処理では、払出制御装置78は電入時用電源部113へ電力供給許可信号をHIレベルにする。電入時用電源部113は、電力供給許可信号をHIレベルにすることで、払出制御装置78以外の制御装置への電力供給を停止する。その後、本節電モード移行処理を終了する。
節電モード制御処理(図35)の説明に戻り、ステップS1902における節電モード移行処理の実行後は本節電モード制御処理を終了する。
ステップS1901にて節電モード中フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1903に進み、節電モード中処理を実行する。
節電モード中処理では、図37に示すように、先ずステップS2101にて払出制御装置78のRAMに設けられた繰り返しカウンタをクリアする。続くステップS2102では、4msecが経過したか否かを判定する。4msecが経過していない場合にはステップS2102の処理を再度実行する。この時間の測定は、ステップS2102の処理回数をカウントすることにより行われる。例えば、ステップS2102にて否定判定をしてから再度ステップS2102の処理を実行するまでに要する時間が0.1msecである場合には、カウント値が40回となることでステップS2101の処理から4msec経過したと判定する。
ステップS2102にて肯定判定をした場合には、ステップS2103にて、ハンドル用タッチセンサ224から出力されている信号のレベルを確認するとともにハンドル用タッチセンサ224から検知信号が出力されているか否かを判定する。具体的には、ハンドル用タッチセンサ224と接続されている端子にHIレベルの信号が入力されているか否かを判定する。
ステップS2103にて否定判定をした場合には、ステップS2101~ステップS2103の処理を繰り返し実行する。ステップS2103にて肯定判定した場合には、ステップS2104にて電力復帰処理を実行する。
電力復帰処理では、出力ポート401から出力される電力供給許可信号をLOWレベルとする。電入時用電源部113は、LOWレベルの電力供給許可信号を受信することで、主制御装置71、音声発光制御装置72及び表示制御装置121への電力供給を開始する。続くステップS2105にて節電モード中フラグをクリアし、本節電モード中処理を終了する。
節電モード制御処理(図35)の説明に戻り、ステップS1903における節電モード中処理の実行後は、本節電モード制御処理を終了する。
上述したとおり、本実施の形態におけるパチンコ機10は電力遮断及び復帰のための構成として、以下の特徴的な構成を備えている。
第1の実施の形態とは異なり、サブ制御装置である払出制御装置78は第1制御手段として電圧変換回路230から直接電力が供給されており、遊技者に特典を付与するか否かを決定する主制御装置71は第2制御手段として電圧変換回路230から出力切替回路231を介して電力が供給されている。また、第1制御手段である払出制御装置78は、節電モードに移行する場合に複数の制御手段の電源制御の主体として定められている。
上記構成によれば、主制御装置71とサブ制御装置とのうちサブ制御装置である払出制御装置78が電源制御の主体として定められている。複数のサブ制御装置のうちいずれかの制御装置(払出制御装置78、音声発光制御装置72又は表示制御装置121)が電源制御の主体(第1制御手段)として定められているとよい。そして、節電モードにおいて、サブ制御装置に対しては電圧変換回路230から電力供給が継続され、主制御装置71に対しては電圧変換回路230からの電力供給が遮断される。この場合、主制御装置71とサブ制御装置とを比べると、前者の方が演算の処理負荷が大きく、故に消費電力も大きい。この点、節電の実施下においてサブ制御装置への電力供給が継続され、かつ主制御装置71への電力供給が遮断されることにより、電力消費量の低減を図ることができる。
また、電圧変換回路230から主制御装置71への電力供給が遮断された場合に、当該主制御装置71に対して一時的に補助電力を供給する補助電源手段として、電入時用電源部113が設けられている。
上記構成によれば、節電モードにおいて、サブ制御装置に対しては電圧変換回路230から電力供給が継続され、主制御装置71に対しては電圧変換回路230からの電力供給が遮断されている状況下にあっても、主制御装置71の動作が可能であり、不正抑制を図る処理を適宜実施できる。
<第3の実施の形態>
本実施形態では、パチンコ機10が節電モードに移行した状態での、図柄表示装置41の表示画像に関する制御について説明する。本実施形態では、パチンコ機10が節電モードへ移行しても、表示制御装置121は図柄表示装置41における表示画像の更新処理を直ぐには停止せず、所定の停止用画像が表示されるまで表示画像の更新処理を継続する。
所定の停止用画像が表示されると表示制御装置121は更新処理を停止する。
具体的には、主制御装置71におけるタイマ割込み処理のステップS219にて実行される節電モード移行処理(図16)及び表示制御装置121にて実行される通常処理(図25)が上記第1の実施の形態と異なっている。当該相違する構成について以下に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態と同様の構成については基本的にその説明を省略する。
先ず、本実施の形態における電気的構成について図38を参照しながら説明する。図38は本実施の形態における図柄表示装置41の表示制御についての構成を説明するための説明図である。図38に示す構成は概ね図18の構成に準ずるものであり、その一部を変更したものである。
既に説明したように、表示制御装置121において、表示CPU302を含む画像データ決定部240(図18参照)とVDP305を含む出力制御部241(図18参照)とでは電源供給系統の構成が相違しており、表示CPU302(画像データ決定部240)には出力切替回路231aを介して電圧変換回路230から駆動電力が供給されるのに対し、VDP305及び出力ポート336(出力制御部241)には出力切替回路231aを介さず電圧変換回路230から駆動電力が直接供給される構成となっている。また、図柄表示装置41に対してもVDP305と同様、電圧変換回路230から駆動電力が直接供給されるようになっている。これにより、主制御装置71が電入時用電源部113に対して出力される電力供給許可信号をLOWレベルにしても、VDP305、出力ポート336及び図柄表示装置41に対しては継続的に電力供給がなされることとなる。換言すれば、節電モード中であっても、VDP305から図柄表示装置41へ画像データの出力動作が可能となっている。
また、表示制御装置121には、補助電源手段としてのバックアップ電源420が設けられている。このバックアップ電源420は、蓄電手段としてのコンデンサからなり、電入時用電源部113から表示制御装置121に対して電力供給が行われている状態下で充電される。このバックアップ電源420により、電圧変換回路230から表示CPU302(画像データ決定部240)への電力供給が遮断された場合に、表示CPU302(画像データ決定部240)に対して一時的に補助電力が供給されるようになっている。つまり、主制御装置71が節電モードとなることにより、表示制御装置121への電力供給が遮断された場合であっても、表示CPU302(画像データ決定部240)の動作が一時的に可能となっている。例えば、主制御装置71から送信された節電モード用のコマンドを処理することが可能となっている。上記バックアップ電源420により表示制御装置121へ電力が供給される時間は、デモ表示用の演出の実行に要する時間(デモ表示用の演出時間)よりも長い時間に設定されている。
<主制御装置71の節電モード移行処理>
次に、MPU92にて実行されるタイマ割込み処理の節電モード移行処理(図14のステップS219)について図39のフローチャートを参照しながら説明する。図39の処理は図16の処理に置き換えて実施される。本実施の形態では、節電モードへの移行条件が成立した場合に、表示制御装置121へ節電モード移行コマンドを送信する点が第1の実施の形態と異なっている。節電モード移行コマンドは、パチンコ機10が節電モードへ移行したことを表示制御装置121へ認識させるためのコマンドである。
ここで、ステップS2201~ステップS2207は第1の実施の形態におけるステップS401~ステップS407と同一の処理となるため説明を省略する。
ステップS2201~2205にて節電モードへの移行条件が成立していると判定した場合、ステップS2208にて節電モード移行コマンドを音声発光制御装置72への出力対象に設定する。節電モード移行コマンドを出力対象に設定することで、当該節電モード移行コマンドは音声発光制御装置72を介して表示制御装置121へ送信される。続くステップS2209では、電入時用電源部113への電力供給許可信号をLOWレベルにすることで電力遮断処理を実行する。
上述したステップS2208では、節電モード移行コマンドを出力対象に設定する処理に加えて、ウェイト処理が実行される。ウェイト処理によってステップS2208の実行後からステップS2209の実行が開始されるまでの期間を調節することができる。本実施の形態では、ステップS2208の処理が実行されてから出力対象に設定した節電モード移行コマンドが表示制御装置121で受信完了となり、節電モード移行コマンドの受信に基づいて実行される処理が完了するまでに必要な時間の経過後にステップS2209が実行される。これにより、電力供給許可信号がLOWレベルとなることによって、電圧変換回路230から音声発光制御装置72への電力供給が遮断され、表示制御装置121に節電モード移行コマンドが到達しないことを防止できる。
<表示CPU302にて実行される通常処理>
本実施の形態では、表示制御装置121において主制御装置71から受信した節電モード移行コマンドに基づいて特定の処理が通常処理にて実行される。当該通常処理にて実行される特定の処理について図40~42のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理は、上述の図25に置き換えて実施されるものである。
本実施の形態における通常処理は、図40に示すように、節電モード中の表示を実行するための節電中表示処理が設けられている点で、第1の実施の形態における通常処理(図25)と異なっている。ここで、図40のステップS2301~ステップS2303は、ステップS1001~ステップS1003と同一の処理となるため説明を省略する。以下、ステップS2304にて実行されるデモ表示処理と、ステップS2305にて実行される節電中表示処理について詳細に説明する。
<デモ表示処理>
ステップS2304にて実行されるデモ表示処理では、図41に示すように、先ずステップS2401にて主制御装置71からデモ開始コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS2401にて肯定判定をした場合には、ステップS2402にてデモ表示用の表示テーブルをプログラムROM303から読み出してワークRAM304の表示テーブル記憶エリア304bに格納するとともに、続くステップS2403にてワークRAM304に設けられたデモ表示フラグをセットする。デモ表示フラグは、図柄表示装置41にてデモ表示中であることを示すフラグであって、通常処理にて実行されるステップS2301の遊技回制御処理が開始されることによってクリアされる。
続くステップS2404では、ワークRAM304に設けられたデモ表示カウンタをクリアする。デモ表示カウンタは、デモ表示が開始されてから経過した時間をカウントするためのカウンタであって、通常処理が実行されるごとに1加算される。デモ表示用の演出は、所定時間(例えば30秒)に亘る一連の表示が繰り返し実行される構成となっており、デモ表示カウンタは一連のデモ表示の演出時間(30秒)を1周期とするカウンタであり、その演出時間が経過するごとにクリアされる構成となっている。
表示CPU302は、デモ表示カウンタの値を確認することで、一連のデモ表示が開始されてから経過した時間を把握することが可能となる。ここで、デモ表示が開始されてから経過した時間と図柄表示装置41にて表示される画像との対応付けが可能となっている。よって、表示CPU302はデモ表示カウンタの値を確認することで、図柄表示装置41にて表示されている画像の内容を把握することが可能となる。
ステップS2401にて否定判定をした場合又はステップS2404の実行後は、ステップS2405にてデモ表示フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS2405にて否定判定をした場合には、そのまま本デモ表示処理を終了する。
ステップS2405にて肯定判定をした場合には、ステップS2406に進み、デモ表示カウンタの値を1加算する。
続くステップS2407にて、描画リストの設定タイミングであるか否かを判定する。
具体的には、ワークRAM304のデモ表示カウンタにおいて計測されている演出の経過時間と、表示テーブル記憶エリア304bに現状記憶されている表示テーブルとを参照することで、描画リストの設定タイミングが否かを判定する。ステップS2407にて否定判定をした場合には、本デモ表示処理を終了する。
ステップS2407にて肯定判定をした場合には、ステップS2408に進む。ステップS2408では、表示テーブル記憶エリア304bに記憶されたテーブル情報とデモ表示カウンタの情報とを照合することで今回の描画リストの情報を特定し、その特定した描画リストの情報を描画リスト情報記憶エリア303bから読み出す。そして、その読み出した描画リスト情報をVDP305に送信する。これにより、VDP305では、既に説明した描画データの設定処理(図23)及び描画用信号の出力処理(図24)を実行し、デモ表示が進行するように図柄表示装置41の表示画面Gにおける画像を更新する。ステップS2408の実行後は、本デモ表示処理を終了する。
<節電中表示処理>
次に、図40のステップS2305にて実行される節電中表示処理について図42のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2501では、主制御装置71から送信された節電モード移行コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS2501にて肯定判定をした場合には、ステップS2502にてワークRAM304に設けられた節電モードフラグをセットする。節電モードフラグは、パチンコ機10が節電モード中であることを表示CPU302に認識させるためのフラグである。
ステップS2501にて否定判定をした場合又はステップS2502の実行後は、ステップS2503にて節電モードフラグがセットされているか否かを判定する。
ステップS2503にて否定判定をした場合には、本節電中表示処理を終了する。ステップS2503にて肯定判定をした場合には、ステップS2504にてVDP305に現在出力している描画リスト情報が停止用画像に対応したものか否かを判定する。描画リスト情報は、停止用画像に対応したものか否かの情報を有している。ここで、停止用画像としては、一連のデモ表示の最後に表示されるタイトルロゴ画像が設定されている。このタイトルロゴ画像は一定時間静止表示され、機種名、メーカ名等の静止画像からなる。停止用画像としては、一連のデモ表示の最後に表示される画像に限られず、一連のデモ表示の途中にて表示される画像であってもよい。その場合には、一連のデモ表示の途中であっても所定の動作の始まりや終りなど、区切りのよいタイミングにて表示される画像を設定するとよい。
ステップS2504にて否定判定をした場合には、本節電中表示処理を終了する。ステップS2504にて肯定判定をした場合には、ステップS2505にて節電モード中フラグをクリアする。そして表示制御装置121に設けられたバックアップ電源420が完全遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
上述したとおり、本実施の形態におけるパチンコ機10は節電モード中における図柄表示装置41の表示についての構成として、以下の特徴的な構成を備えている。
デモ表示用の画像として予め定められた一連の連続画像を図柄表示装置41に表示可能であり、該一連の連続画像の表示に際し、節電中に電力が供給されない第1画像表示制御手段である表示CPU302が逐次画像データを決定する。該決定した画像データが、節電中に電力が供給される第2画像表示制御手段であるVDP305により図柄表示装置41に対して出力される。
表示制御装置121は、節電モード移行時など電入時用電源部113から表示CPU302への電力供給が遮断された場合に、表示CPU302に対して一時的に補助電力を供給する補助電力手段としてのバックアップ電源420を備えている。表示CPU302は、バックアップ電源420からの補助電力の供給により動作している期間において、節電中表示処理(図42)のステップS2503~S2505の処理を実行することで、デモ表示用の画像の中から図柄表示装置41に表示させるための画像データを選択的に決定する。
上記構成によれば、バックアップ電源420を備えることにより、節電モード移行時など電入時用電源部113による表示CPU302への電力供給が遮断された場合にあっても、表示CPU302が補助電力の供給を受けて一時的に動作可能となる。これにより、電入時用電源部113による表示CPU302への電力供給が遮断されても、暫くの間は、表示CPU302による画像データの更新が継続され、ひいてはVDP305において制御用RAM332に記憶される画像データの更新も継続される。この場合、電入時用電源部113による表示CPU302への電力供給が遮断されると直ちに画像データの更新が停止される構成とは異なり、その電力遮断後において、画像データの更新の停止タイミングを調整できる。そのため、遊技機が非遊技状態(節電モード)にある場合において、図柄表示装置41における画像を任意に選択すること、すなわち所望とする画像を表示させることが可能となる。
また、図柄表示装置41による表示画像として、上作動口33又は下作動口34への入賞の発生に伴う大当たり抽選が実施された場合にその抽選結果を表示する演出時用の画像と、上記抽選結果に関係なく表示される待機用の画像であるデモ表示用の画像とが設定されている。デモ表示用の画像は、演出時用の画像が表示されていない期間において図柄表示装置41に表示される一連の連続画像である。表示CPU302は、バックアップ電源420からの補助電力の供給により動作している期間において、デモ表示用の画像のうちいずれかの画像を図柄表示装置41に表示させるための画像データとして決定する。
遊技者により遊技されているパチンコ機10が非遊技状態に移行する場合、図柄表示装置41では演出時用の画像からデモ表示用の画像への切り替えが行われ、そのデモ表示用の画像が表示される状態になっており、かかる状態下で、節電モード移行処理(図39)によって非遊技状態であることが検出されることが考えられる。この点、上記のとおりデモ表示用の画像のうちいずれかの画像を、非遊技状態で図柄表示装置41に表示させるようにした構成によれば、表示CPU302において画像データの更新を停止すると、そのまま非遊技状態での表示画像を決定することができる。したがって、処理の簡素化が可能となる。
上記構成では、非遊技状態での表示画像(専用画像)を新たに用意しなくてもよく、画像データを準備する上でも有利である。
また、デモ表示用の画像の一部には、タイトルロゴ画像が含まれている。表示CPU302は、バックアップ電源420からの補助電力の供給により動作している期間において、デモ表示用の画像のうちタイトルロゴ画像を、図柄表示装置41に表示させるための画像データとして決定する。
上記構成によれば、パチンコ機10が非遊技状態(節電モード)にある場合において、図柄表示装置41にタイトルロゴ画像が表示され続けることになる。この場合、仮に一連の連続画像のうち中途半端なタイミングでの静止画像が表示されたままになると、それを見る遊技者にとっては違和感が生じ、場合によっては遊技機が故障していると誤認識されるおそれが生じる。この点、上記のとおりタイトルロゴ画像が表示されたままになることで、遊技者が違和感を生じる等の不都合を抑制できる。
タイトルロゴ画像は、例えば、一定時間静止される静止画像であり、機種名やメーカ名、本機の特徴、遊技内容の説明等が同画像内に含まれるものである。また、「がんばってね。」、「大当たりはもうすぐよ。」など、遊技者による遊技の実施を促すメッセージや画像が含まれていてもよい。
また、表示CPU302は、バックアップ電源420からの補助電力の供給により動作している期間において、一連の連続画像の中から、図柄表示装置41に表示させるための画像データを選択的に決定した後は、画像データの更新を実施しない。
上記構成によれば、パチンコ機10が非遊技状態(節電モード)にある場合において、図柄表示装置41に表示させるべき画像が決定された後は、画像データの更新処理が不要となる。これにより、余分な電力消費を無くすことができる。
また、本パチンコ機10では、大当たり抽選を実施する主制御装置71に対して、外部電源が供給されている状態で電入時用電源部113から駆動電力が供給される。電入時用電源部113は、図柄表示装置41、表示制御装置121、主制御装置71の各駆動電力を生成する駆動電力生成回路として電圧変換回路230を備えている。該電圧変換回路230と表示制御装置121の表示CPU302との間の電力供給経路には、電圧変換回路230から表示CPU302に対する電力供給を遮断する電力遮断回路としての出力切替回路231が設けられている。表示制御装置121のVDP305に対しては、出力切替回路231を介さずに電圧変換回路230から電力供給が行われている。主制御装置71は、外部電源が供給されている状態において、パチンコ機10が非遊技状態であることが検出された場合に、電圧変換回路230から表示CPU302への電力供給を遮断する。
上記構成によれば、パチンコ機10が非遊技状態である場合において、主制御装置71が、電圧変換回路230から表示CPU302への電力供給を遮断するように出力切替回路231の状態を制御し、これにより表示制御装置121での電力消費量の低減等を実施できる。また、表示制御装置121の表示CPU302及びVDP305について、非遊技状態(節電モード)での電源管理を適正に実施できる。
<第4の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、可動役物200の可動板201,202をセンターフレーム42の裏側に隠れた位置にて保持している間、駆動部205,206へ駆動電力が供給され続ける。これに対して、本実施の形態では、駆動部へ駆動電力を供給していなくても可動役物を上記位置にて保持することが可能な構成となっている点で上記第1の実施の形態と異なっている。
上記相違する構成について以下に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態と同様の構成については基本的にその説明を省略する。
先ず、本実施の形態における可動役物の構成について図43及び図44を参照しながら説明する。図43(a)は可変表示ユニット36の正面図であり、図43(b)は可動役物を右側から見た側面図である。図44は、各駆動部の駆動状態と各可動板の位置との関係を説明するための説明図である。
図43(a)に示すように、可変表示ユニット36には可動役物450が設けられている。可動役物450は、第1の実施の形態における可動役物200と同様、可動板201,202と、これら可動板201,202に接続された駆動部205,206を有している。さらに、可動役物450は、可動板201,202をセンターフレーム42の裏側に隠れた位置にて保持するための可動板ストッパ451と、当該可動板ストッパ451を駆動するための駆動部452と、を備えている。駆動部452は、各可動板201,202用の駆動部205,206と同様、音声発光制御装置72により制御される。
可動板ストッパ451は、軸部201a,202aと同様、パチンコ機10前後方向に延びる軸として形成されており、センターフレーム42の前面開口部42aの上方において前面板42bの裏側となる位置であって可動板201,202の回転軌道上となる位置に設けられている。
可動板ストッパ451は、図43(b)に示すように、駆動部452と接続されており、パチンコ機10前後方向へ変位可能となっている。具体的には、可動板201,202が回転動作しても可動板ストッパ451と可動板201,202とが当たらない非当接位置(図43(b)の実線で示す位置)と、可動板201,202が回転動作すると可動板ストッパ451と可動板201,202とが当たる当接位置(図43(b)の2点鎖線で示す位置)とで変位可能となっている。
図44(a)に示すように、パチンコ機10の遊技中においては遊技基本位置として可動役物450の可動板201,202がいずれもセンターフレーム42の背後位置に保持されており、パチンコ機10前方から視認不可となっている。可動板ストッパ451は、駆動部452によって当接位置に配置されており、可動板201,202を下方から支持可能となっている。
可動板ストッパ451が下方から可動板201,202を支持している状態では、可動板201,202の回転動作が規制されるため、可動板201,202は駆動部205,206によって駆動されていなくても表示画面Gの前方となる位置に現出することがない。これにより、可動板201,202の停止位置を保持するために駆動部205,206にて消費される電力を低減することが可能となる。
そしてパチンコ機10の遊技中において所定の遊技演出が実施されることに伴い、図44(b)に示すように、遊技演出用の可動板202が表示画面Gの前方となる位置に現出する。この場合、先ず駆動部205,206を通電することにより、両可動板201,202をモータ駆動力で現在位置(センターフレーム42の背後位置)に保持し、その状態で、可動板ストッパ451を非当接位置に変位させることにより、両可動板201,202の回動規制を解除する。その後、所定の遊技演出の内容に応じた駆動制御により、可動板202を表示画面Gの前方に現出させることが可能となる。所定の遊技演出の実行中において、節電報知用の可動板201は、駆動部205によってセンターフレーム42の背後位置にて保持されたままとなっており、表示画面Gの前方には現出しないように制御されている。なお、上記所定の遊技演出が終了した場合には、主制御装置71から音声発光制御装置72へ可動板201,202を遊技基本位置に配置する制御を指示するための報知停止コマンドが送信され、可動板201,202は図44(a)の状態となる。
一方、パチンコ機10の電源オフ時又は節電モードでは、駆動部205,206が共に非駆動状態となっており、さらに可動板ストッパ451は駆動部452によって非当接位置に配置されるため、可動板201,202はいずれも自重により表示画面Gの前方に現出する。この場合、遊技者からは可動板202よりも前方に配置された可動板201の情報表示部203が視認可能となる。
次に、可動役物450を駆動するための構成について図45を参照しながら説明する。
図45は、可動役物450の駆動に係る電気的構成を示すブロック図である。
音声発光制御装置72には、電入時用電源部113の出力切替回路231a~231cから+5Vと+12Vの電圧が供給されている。音声発光制御装置72は、+12Vの電圧を可動役物450の駆動部205,206や駆動部452へ駆動電力として供給している。音声発光制御装置72は、主制御装置71から送られるコマンドを受信することに基づいて駆動部205,206や駆動部452へ駆動信号を出力する。上記のとおり、音声発光制御装置72を介して電入時用電源部113から駆動部205,206や駆動部452へ駆動電力が供給されているため、外部電源のオフ時及び節電モード時のいずれにおいても駆動部205,206や駆動部452への駆動電力は遮断される構成となっている。
次に、MPU92のタイマ割込み処理にて実行される節電モード移行処理(図14のステップS219)について図46のフローチャートを参照しながら説明する。本節電モード移行処理は、第1の実施の形態で説明した節電モード移行処理(図16)の代わりに実行される。本実施の形態では、節電モードへ移行する際に、駆動部205,206や駆動部452の駆動処理を実行してから電力遮断処理を実行する点で第1の実施の形態と異なっている。
ここで、ステップS2601~ステップS2607は第1の実施の形態におけるステップS401~ステップS407と同一の処理となるため説明を省略する。
ステップS2601~2605にて節電モードへの移行条件が成立していると判定した場合、ステップS2608にて節電報知コマンドを出力対象に設定する。当該節電報知コマンドは音声発光制御装置72へ送信される。音声発光制御装置72は、節電報知コマンドを受信すると、節電報知用の可動板201を表示画面Gの前方に配置するように駆動部205,206や駆動部452へ駆動信号を出力する。
上記ステップS2608では、節電報知コマンドを出力対象に設定する処理のほかにウェイト処理を実行する。ウェイト処理では、ステップS2608にて音声発光制御装置72へ節電報知コマンドが送信されてから、当該節電報知コマンドに対応した駆動制御が音声発光制御装置72にてなされ、可動役物450が節電モード用の状態となるまでの時間が経過するまで次の処理に進行することなく待機する。
続くステップS2609では、電入時用電源部113への電力供給許可信号をLOWレベルにすることで電力遮断処理を実行する。
次に、可動役物450を駆動制御するために音声発光制御装置72にて実行される可動役物駆動処理について図47のフローチャートを参照しながら説明する。
可動役物駆動処理では、先ずステップS2701にて可動板201,202を遊技基本位置へ配置するための報知停止コマンドが主制御装置71から受信されているか否かを判定する。報知停止コマンドは、主制御装置71におけるメイン処理(図13)にて実行される電源投入設定処理、節電時処理(図17)にて実行される電力復帰処理及び遊技演出用の可動板202を用いる所定の遊技演出の終了後において、主制御装置71から音声発光制御装置72へ送信される。
ステップS2701にて肯定判定をした場合には、ステップS2702にて駆動部452を駆動することで可動板ストッパ451を非当接位置に配置する。続くステップS2703にて駆動部205,206を駆動することで可動板201,202を表示画面Gの前方からセンターフレーム42の背後位置に配置する。続くステップSにて駆動部452を駆動することで可動板ストッパ451を当接位置に配置する。続くステップS2705にて駆動部205,206を非駆動状態にするとともに、本可動役物駆動処理を終了する。
これにより、可動役物450は、図44(a)の状態となる。
ステップS2701にて否定判定をした場合には、ステップS2706にて演出用可動部材を用いた演出に対応した演出系コマンドが主制御装置71から受信されているか否かを判定する。上記演出系コマンドは、保留情報の取得に伴う遊技回用の抽選結果に基づいて主制御装置71から音声発光制御装置72へ送信される。
ステップS2706にて肯定判定をした場合には、ステップS2707にて、駆動部205,206を駆動することで可動板201,202をセンターフレーム42の背後位置にて保持する。続くステップS2708では、ステップS2702と同様、可動板ストッパ451を非当接位置に配置する。
ここで、駆動部205,206は、可動板ストッパ451が非当接位置となっている状況において、可動板201,202を表示画面Gの前方に現出しない位置にて保持することにより所定の遊技演出についての準備状態となっている。音声発光制御装置72は、所定の遊技演出の内容に応じて駆動部206を駆動制御することで、所定のタイミングにて可動板202を表示画面Gの前方に現出させたりセンターフレーム42の背後位置に配置したりすることが可能となっている。これにより、可動役物450を、図44(b)の状態とすることが可能となる。なお、所定の遊技演出の実行中は、駆動部205は駆動状態となっており可動板201を表示画面Gの前方に現出しない位置にて保持し続ける。ステップS2708の実行後は、本可動役物駆動処理を終了する。
ステップS2706にて否定判定をした場合には、ステップS2709にて節電報知コマンドが主制御装置71から受信されているか否かを判定する。上記節電報知コマンドは、節電モード移行処理(図46)にて節電モードへ移行する際に主制御装置71から音声発光制御装置72へ送信される。
ステップS2709にて肯定判定をした場合には、ステップS2702及びステップS2708と同様、ステップS2710にて可動板ストッパ451を非当接位置に配置する。続くステップS2711では、ステップS2705と同様、駆動部205,206を非駆動状態にするとともに、本可動役物駆動処理を終了する。これにより、可動役物450は、図44(c)の状態となる。
上述したとおり、本実施の形態におけるパチンコ機10は可動役物450に設けられた可動板201を報知状態又は非報知状態にて保持する構成として、以下の特徴的な構成を備えている。
本実施の形態では、第1の実施の形態とは異なり、駆動部205の非駆動状態において可動板201が当接することで当該可動板201を第2位置に保持する保持手段としての可動板ストッパ451が設けられている。パチンコ機10が通常モードである場合、可動板ストッパ451により可動板201をパチンコ機10前方から視認できない第2位置に保持しておく構成となっている。
上記構成によれば、パチンコ機10が節電モードでない場合、すなわち非遊技状態でない場合において、可動役物450の駆動部205に対して電力供給を実施していなくても、可動板201を第2位置(遊技機前方から視認不可となる位置)に保持しておくことができる。これにより、一層の消費電力の削減を図ることができる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記各実施の形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記各実施の形態の構成に適用してもよい。
(1)上記各実施の形態において、演出についての表示を行う図柄表示装置41として画面表示(画像表示状態)の保持に電力を必要とする液晶表示装置ではなく、画面表示の保持に電力を必要としない電子ペーパーにて表示を行う構成としてもよい。電子ペーパーとは、画面表示の保持に電力を必要とせず、画面の書き換えも低電力にて行うことのできる表示媒体である。
当該構成によれば、節電モード時のパチンコ機10において、図柄表示装置41への電力供給を遮断したとしても画面表示を継続することが可能となる。また、図柄表示装置41への電力供給が不要となることで、図柄表示装置41の表示内容に対応した画像データを出力する出力制御部(VDP305及び出力ポート336)への節電モード時の電力供給を遮断することが可能となる。これにより、節電モード中のパチンコ機10において更なる電力の削減を図ることが可能となる。
(2)上記各実施の形態において、演出についての表示を行う図柄表示装置41として、バックライト及び外光を利用して表示されている内容を視認可能とする半透過型液晶にて表示を行う構成としてもよい。半透過型液晶とは、液晶パネルの裏にマジックミラーのような素材を挟むことで透過型と反射型を融合した方式で、暗いところではバックライトを、明るいところでは外光を利用することで、両者の利点を生かした液晶表示装置である。半透過型液晶を用いることで、外光の反射を利用して図柄表示装置41の表示を認識することができ、節電モードにおいて液晶表示装置のバックライトをオフしても図柄表示装置41の表示を認識することができる。これにより、節電モード中のパチンコ機10において更なる電力の削減を図ることができる。
(3)上記第3の実施の形態では、パチンコ機10が節電モードとなった場合に、バックアップ電源420から表示CPU302への電力供給により表示CPU302による画像データの更新及び送信が継続されるとともに、その逐次更新及び送信される画像データが節電時表示用の画像データとしてVDP305の制御用RAM332に記憶される構成としたが、これを変更し、節電モード中において表示CPU302での画像データの更新及び送信が行われず、表示CPU302以外から節電時表示用の画像データが提供される構成としてもよい。その構成としては、以下のような構成が考えられる。
パチンコ機10が節電モードに移行した場合において、表示CPU302からVDP305への描画リストの送信が停止されると、VDP305では、その送信停止の検出に基づいて、パチンコ機10が節電モードとなったことを検知する。また、VDP305の制御用ROM331には、パチンコ機10が節電モード中であることを遊技者に認識させるための所定の画像に対応した画像データ(節電時表示用の画像データ)が記憶されており、VDP305は、節電モードへの移行を検知した場合に、制御用ROM331に記憶された所定の画像データに基づいて図柄表示装置41に所定の画像に対応したデータを送信する。この場合、図柄表示装置41では、所定の画像に対応したデータを受信することで所定の画像を表示画面Gに表示させる。
上記構成により、パチンコ機10が節電モードになった場合、すなわち電圧変換回路230による表示CPU302への電力供給が遮断された場合に、VDP305において、制御用ROM331に記憶されている所定の画像データに基づいて、図柄表示装置41における所定の画像の表示が実施される。これにより、電圧変換回路230による表示CPU302への電力供給が遮断された後であっても、図柄表示装置41において、節電モード中であることの報知を実施できる。この場合、節電モード中において表示CPU302への電力供給はバックアップ電源420の供給も含めて全て停止してよいことになるため、バックアップ電源420が不要となるし、さらに一層の消費電力の低減を実現できる。
(4)上記第1の実施の形態では、可動役物200において可動板201を自重によってパチンコ機10前方から視認できない第2位置からパチンコ機10前方から視認できる第1位置に移動させる構成とした。これに限定されず、可動役物200において、可動板201を、バネ等の付勢手段により、所定の現出位置(図柄表示装置41の画面前方位置)に常時付勢する構成としてもよい。すなわち、バネ等の付勢手段を可動役物200に設け、その付勢力により、可動板201を所定の現出位置(第1位置)に移動させる向きに常時付勢するとともに、駆動部205の駆動力により、付勢手段の付勢力に抗して可動板201をセンターフレーム42の背後位置である遊技基本位置(第2位置)にとどめておく構成とする。この場合、パチンコ機10の通常モードでは、可動板201がパチンコ機前方から視認できない位置に保持される。そして、パチンコ機10が節電モードになり駆動部205が非通電になると、付勢手段の付勢力により可動板201がパチンコ機前方から視認できる位置に移動する。これにより、節電モードでの可動板201による節電報知が実施される。
(5)上記第3の実施の形態において、表示CPU302がバックアップ電源420からの補助電力の供給により動作している期間において、デモ表示用の画像のうちタイトルロゴを図柄表示装置41に表示させるための画像データとして決定する構成としたが、タイトルロゴに限定されていなくてもよい。
例えば、デモ表示用の画像として図柄表示装置41での表示状態における瞬時消費電力が他画像よりも小さい低電力消費画像が含まれており、該低電力消費画像を図柄表示装置41に表示させる画像データとする構成が考えられる。デモ表示用の画像として、消費電力の小さい背景色(例えば白色)を用いた画像と、それよりも消費電力の大きい背景色(例えば黒色)を用いた画像とが含まれる場合に、その前者の画像を低電力消費画像として定めておくとよい。また、輝度の違いから消費電力が各々異なる画像を含む場合に、そのうちいずれかの画像を低電力消費画像として定めておいてもよい。
上記構成によれば、遊技機が非遊技状態(節電モード)にある場合において、図柄表示装置41に低電力消費画像が表示され続けることになる。この場合、図柄表示装置41における電力消費量の低減を実現できる。
(6)上記各実施の形態において、非遊技状態を検出する手段として、例えばパチンコ機10前方における遊技者の有無を検出する人感センサの検出結果を用いる構成としてもよい。例えば、赤外線を検知するセンサがパチンコ機10前面側に設けられている構成や圧電素子等を用いて重量を検知するセンサが遊技機ごとの椅子に設けられている構成とするとよい。
(7)上記第2の実施の形態に示す主制御装置71とサブ制御装置(払出制御装置78、表示制御装置121及び音声発光制御装置72)とを備え、サブ制御装置の1つで他の制御装置の電源管理を実施する構成において、払出制御装置78以外のサブ制御装置、つまり表示制御装置121又は音声発光制御装置72で、その他の制御装置の電源管理を実施する構成としてもよい。この場合、電源管理を実施するサブ制御装置にハンドル用タッチセンサ224を接続し、当該電源管理を実施するサブ制御装置にてパチンコ機10が遊技状態であるか非遊技状態であるかの判断をさせる構成とする。
(8)上記各実施の形態において、遊技者に対して節電状態であることを報知する報知手段として、可動役物200以外を用いる構成としてもよい。すなわち、報知手段としての可動役物200では、報知用可動部としての可動板201を、遊技機前方から視認可能となる第1位置(表示画面Gの前方位置)と、遊技機前方から視認不可となる第2位置(センターフレーム42の背後位置)とで移動させる構成とし、節電モードにおいて、可動板201を第1位置に配置する構成としたが、これを変更する。例えば、報知情報が付与されている情報表示板を、節電/非節電の両モードで遊技機前方から視認可能となる位置(例えば表示画面Gの前方位置)に配置しておき、その配置の状態のまま、情報表示板を、節電モードでは情報表示状態に、非節電モード(通常モード)では情報非表示状態に、それぞれ移行させるとよい。この場合、情報表示板を情報表示状態/情報非表示状態で切り替える手段としては、報知情報が付与されている表面と、報知情報が付与されていない裏面とを反転させる構成や、発光手段(ランプ等)のオン/オフにより情報表示状態/情報非表示状態が切り替えられる構成が考えられる。
(9)また、報知手段として、ケースと、そのケースから出し入れ可能なスクリーンとを有するスクリーン装置(ロールスクリーン装置等)を用いることも可能である。この場合、スクリーン装置を遊技機の前面側に設けておき、スクリーンには、節電中であることのメッセージ等を記載しておく。例えば、スクリーンはパチンコ機の前面ガラスの前方で出し入れされるとよい。そして、節電していない通常モードではスクリーンをケース内に収納しておき、節電モードの移行時においてスクリーンをケースから引き出す構成とする。この場合、スクリーン装置は電力供給に応じてスクリーンの出し入れを行うものとし、電力供給に伴う駆動部の駆動によりスクリーンをケース内に収容する(巻き取る)とともに、電力供給の遮断によりスクリーンを自重で引き出させるようにするとよい。
(10)上記各実施の形態において、遊技演出用の可動板202と節電報知用の可動板201の両方を可動役物200に備える構成でなく、遊技演出用の可動板202と節電報知用の可動板201とを別々に備える構成としてもよい。この場合、遊技演出用の可動板202が現出する位置とは異なる位置において節電報知用の可動板201が現出する構成とするとよい。
(11)上記各実施の形態において、パチンコ機10が節電モードとなった場合に、主制御装置71がメイン表示部43にて所定の表示態様を表示させる構成としたが、他の遊技機特有の構成を利用してパチンコ機10が遊技可能であることを報知する構成としてもよい。
上記構成としては、例えば下作動口34の電動役物34aや可変入賞装置32の大入賞口32aを利用する構成が考えられる。節電モード中において、電動役物34aの開閉動作を行うこととし、パチンコ機10が高頻度サポートモード中であるかのような節電モード用の擬似演出を行う構成としたり、大入賞口32aの開閉動作を行うこととし、開閉実行モード中であるかのような節電モード用の擬似演出を行う構成としたりする。これにより、上記の擬似演出を見た遊技者は遊技を開始することを促され、遊技者に当該パチンコ機10を選び易くさせることができる。
(12)節電時に電力遮断される電気機器として、球貸装置Y(図11参照)が含まれていてもよい。すなわち、主制御装置71が電力遮断処理(図16のステップS408)を実施することにより球貸装置Yへの電力供給が停止され、電力復帰処理(図17のステップS505)を実施することにより球貸装置Yへの電力供給が再開されるようにする。
(13)上記各実施の形態では、パチンコ機10について説明したが、これに限られず、例えば、複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体と、前記各周回体について各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示部と、操作された場合に前記周回体の回転が開始される始動操作手段と、前記各周回体毎に設けられ、該各周回体を回転させる駆動手段と、操作された場合に前記各周回体の回転が停止される停止操作手段と、前記始動操作手段が操作された場合に、役の抽選を行う抽選手段と、前記始動操作手段が操作された場合に前記各周回体の回転を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に前記各周回体の回転を停止させるように、前記各駆動手段を駆動制御する駆動制御手段と、前記抽選手段の抽選結果に基づいた演出内容を表示する演出表示手段とを備え、前記抽選手段の抽選結果を前記各周回体の停止態様によって表示するスロットマシン等の遊技機に適用してもよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技機の各種動作を制御するための複数の制御手段(主制御装置71、音声発光制御装置72、払出制御装置78及び表示制御装置121)と、
当該遊技機に外部電源が供給されている状態で、前記複数の制御手段に対してそれら各制御手段が要する駆動電力を供給する電源手段(電入時用電源部113)と、を備え、
前記複数の制御手段には、第1制御手段(主制御装置71)と第2制御手段(音声発光制御装置72等)とが含まれており、
前記電源手段は、
前記駆動電力を生成する駆動電力生成回路(電圧変換回路230)と、
該駆動電力生成回路と前記第2制御手段との間の電力供給経路に設けられ、前記駆動電力生成回路から前記第2制御手段に対する電力供給を遮断する電力遮断回路(出力切替回路231)と、を有し、前記第1制御手段に対しては、前記電力遮断回路を介さずに前記駆動電力生成回路から電力供給が行われるようになっており、
前記複数の制御手段のいずれかは、当該遊技機における節電実施の要否を判定する節電要否判定手段(例えば主制御装置71においてステップS402,S405,S504を実行する機能)を有し、
前記第1制御手段は、当該遊技機に前記外部電源が供給されている状態において、前記節電要否判定手段により節電を実施するとの判定がなされた場合に前記駆動電力生成回路から前記第2制御手段への電力供給を遮断し、前記節電要否判定手段により節電を実施するとの判定が解除された場合に前記駆動電力生成回路から前記第2制御手段への電力供給を行わせるように、前記電力遮断回路の状態を制御することを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、例えば遊技者による遊技が行われていない場合等、遊技機を節電状態とする場合において、第1制御手段が、駆動電力生成回路から第2制御手段への電力供給を遮断するように電力遮断回路の状態を制御し、これにより第2制御手段での電力消費量や、その第2制御手段を経由して電力供給される電気機器等での電力消費量が低減される。また、例えば遊技者による遊技が新たに開始される場合等、節電状態を解除する場合において、第1制御手段が、駆動電力生成回路から第2制御手段への電力供給を行わせるように電力遮断回路の状態を制御し、これにより遊技機が通常状態(非節電状態)に復帰する。
かかる場合、複数の制御手段のうち電源制御の主体として定められた第1制御手段については電力遮断回路を介さずに駆動電力生成回路から電力供給が行われ、その状態で、第1制御手段によりそれ以外の制御手段(第2制御手段)等の電力消費量が制御される。そのため、遊技機に外部電源が供給されている状態(電源スイッチがオンになっている状態)であっても、遊技機としての電力消費量の削減を実施できる。また、節電状態になった後に、節電解除を適宜実施できる。
特徴A2.前記第1制御手段は、
前記外部電源の供給開始時において、前記電力遮断回路に対して電力供給指令信号(電力供給許可信号)を出力することにより、前記駆動電力生成回路から前記第2制御手段への電力供給を行わせる給電開始時制御手段(主制御装置71においてステップS101を実行する機能)と、
前記電力遮断回路により前記第2制御手段への電力供給が遮断されている状態下で、その電力遮断を解除する場合において、前記電力遮断回路に対して前記電力供給指令信号を出力することにより、前記駆動電力生成回路から前記第2制御手段への電力供給を行わせる給電復帰時制御手段(主制御装置71においてステップS505を実行する機能)と、を備えることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、遊技機に対する外部電源の供給開始時と、節電状態からの電力供給の復帰時(第2制御手段に対する電力遮断の解除時)とでは、第1制御手段の処理が同一となり、いずれも電力遮断回路に対する電力供給指令信号の出力処理が行われる。この場合、外部電源の供給開始時と節電状態からの復帰時とで、個別に電力遮断のための回路等を要することはなく、それら各時に電力供給のための制御を各々実施する上で構成の煩雑化が生じることを抑制できる。
特徴A3.遊技者の遊技状態を監視する監視手段(タッチ検出部225)を備え、
前記節電要否判定手段は、前記監視手段による監視結果に基づいて、遊技者による遊技がなされていない非遊技状態であると判定されることにより、節電実施すると判定するものであることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、遊技者による遊技がなされていない非遊技状態において、上記のとおり遊技機の節電を好適に実施できる。節電状態中は遊技者が遊技をしていない状況であるため、遊技機の動作を制御するための第2制御手段についての電力供給を遮断しても問題となることはなく、良好に消費電力の削減を図ることが可能となる。
特徴A4.前記第1制御手段及び前記第2制御手段のいずれかは、予め定められた数値範囲内において数値情報(大当たり乱数カウンタC1等)を順次更新するとともに、予め定められた取得条件が成立した場合に、前記数値情報を取得し、該取得した数値情報に基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を実施する主制御手段(主制御装置71)であり、
前記主制御手段は、前記駆動電力生成回路から前記第2制御手段への電力供給が遮断されている場合において、前記数値情報の更新処理を実行する手段(ステップS502を実行する機能)を備えることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、以下の作用効果を奏する。第2制御手段への電力供給が遮断されている節電状態は、例えば非遊技の状態であり、いわゆる乱数等の数値情報に関しては更新処理を実施する必要はない。ただし上記構成では、節電状態でも乱数等の数値情報について更新を実施している。これにより、節電状態での不正対策が可能となる。
特徴A5.前記第1制御手段及び前記第2制御手段のいずれかは、予め定められた数値範囲内において数値情報(大当たり乱数カウンタC1等)を順次更新するとともに、予め定められた取得条件が成立した場合に、前記数値情報を取得し、該取得した数値情報に基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を実施する主制御手段(主制御装置71)であり、
前記抽選の結果を表示すべく前記主制御手段により表示態様が制御される抽選結果表示手段(メイン表示部43)を備え、
前記主制御手段は、前記駆動電力生成回路から前記第2制御手段への電力供給が遮断されている場合において、前記抽選結果表示手段を、所定の表示態様での表示が実施されるように制御する手段(ステップS501を実行する機能)を備えることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、以下の作用効果を奏する。第2制御手段への電力供給が遮断されている節電状態は、例えば非遊技の状態であり、抽選結果表示手段において抽選の結果が表示されることはない。つまり、抽選結果表示手段での表示は不要である。ただし上記構成では、節電状態でも抽選結果表示手段による表示を実施している。ここで、抽選結果表示手段は、主制御手段により表示動作が制御されるものであり、抽選結果表示手段において所定の表示態様での表示が実施されていることは主制御手段の動作が継続されていることを意味する。したがって、節電の実施下において、遊技機自体の電源が切られているのではなく、遊技の再開が可能であることを遊技者等に知らせることができる。
なお、駆動電力生成回路から第2制御手段への電力供給が遮断されている状態(節電状態)において、抽選結果表示手段では、抽選結果の表示時とは異なる態様で、節電状態であることの表示が実施されるとよい。例えば、抽選結果の表示時には、LED等の発光部材を点滅させることで表示を行い、節電状態であることの表示時には、LED等の発光部材を継続点灯させることで表示を行うようにする。
ちなみに、抽選結果表示手段(メイン表示部43)は、主制御手段(主制御装置71)に信号線を介して接続されており、主制御手段から入力した制御信号に応じて抽選結果表示手段が特典付与抽選の結果を表示するものとなっている。
特徴A6.遊技者に対して節電状態であることを報知する報知手段(可動役物200)を備え、
前記報知手段は、前記駆動電力生成回路から前記第2制御手段への電力供給が遮断されることに伴い非報知の状態から報知状態に移行するものであることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、遊技機が節電状態(非遊技状態)になっている場合において、報知手段の報知によって、遊技者(例えば遊技ホール内で新たに遊技する遊技機を選んでいる遊技者)は遊技機が節電状態であることを把握でき、遊技機を選ぶこと等に支障が及ぶことを抑制できる。
特徴A7.前記複数の制御手段として、所定条件の成立に応じて遊技者に特典を付与するか否かを決定する主制御手段(主制御装置71)と、当該主制御手段からの制御指令に基づいて各種の制御を実施するサブ制御手段(音声発光制御装置72、払出制御装置78及び表示制御装置121)を備え、
前記第1制御手段として前記主制御手段を用いる一方、
前記第2制御手段として前記サブ制御手段を用いることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、主制御手段とサブ制御手段とのうち主制御手段が電源制御の主体として定められている。そして、節電状態において、主制御手段に対しては駆動電力生成回路からの電力供給が継続され、サブ制御手段に対しては駆動電力生成回路からの電力供給が遮断される。この場合、節電の実施下にあっても、主制御手段の動作が可能であり、遊技者に対する利益の均等化を図る処理や、不正抑制を図る処理を適宜実施できる。
特徴A8.前記複数の制御手段として、所定条件の成立に応じて遊技者に特典を付与するか否かを決定する主制御手段(主制御装置71)と、当該主制御手段からの制御指令に基づいて各種の制御を実施するサブ制御手段(音声発光制御装置72、払出制御装置78及び表示制御装置121)を備え、
前記第1制御手段として前記サブ制御手段(払出制御装置78)を用いる一方、
前記第2制御手段として前記主制御手段を用いることを特徴とすることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、主制御手段とサブ制御手段とのうちサブ制御手段が電源制御の主体として定められている。サブ制御手段を複数備える場合には、そのうちいずれか1つが電源制御の主体(第1制御手段)として定められているとよい。そして、節電状態において、サブ制御手段に対しては駆動電力生成回路からの電力供給が継続され、主制御手段に対しては駆動電力生成回路からの電力供給が遮断される。この場合、主制御手段とサブ制御手段とを比べると、前者の方が演算の処理負荷が大きく、故に消費電力も大きい。この点、節電の実施下においてサブ制御手段への電力供給が継続され、かつ主制御手段への電力供給が遮断されることにより、電力消費量の低減を図ることができる。
特徴A9.前記駆動電力生成回路から前記主制御手段への電力供給が遮断された場合に、当該主制御手段に対して一時的に補助電力を供給する補助電源手段(電断時用電源部114)を備えることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、節電状態において、サブ制御手段に対しては駆動電力生成回路から電力供給が継続され、主制御手段に対しては駆動電力生成回路からの電力供給が遮断されている状況下にあっても、主制御手段の動作が可能であり、不正抑制を図る処理を適宜実施できる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技機の前面側に設けられ、遊技者に視認可能な態様で動作する動作部(図柄表示装置41、ランプ部58a,58b)と、
前記動作部を制御する制御手段(表示制御装置121、音声発光制御装置72)と、
前記制御手段に対して駆動電力を供給する電源手段(電入時用電源部113)と、
遊技者による遊技がなされていない非遊技状態であることを検出する遊技状態検出手段(主制御装置71においてステップS402,S405を実行する機能)と、
前記遊技状態検出手段により非遊技状態であることが検出された場合に、遊技機を所定の節電状態とすべく前記電源手段から前記制御手段への電力供給を遮断する電力遮断手段(主制御装置71においてステップS408の実行する機能、及び出力切替回路231c)と、
遊技者に対して前記節電状態であることを報知する報知手段(可動役物200)と、を備え、
前記報知手段は、前記電力遮断手段により前記制御手段への電力供給が遮断されることに伴い、非報知の状態から報知状態に移行するものであることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遊技機が非遊技状態になっている場合において、本遊技機が所定の節電状態となり、かかる状態下では制御手段への電力供給が遮断されることで消費電力の削減を図ることができる。このとき、節電状態下で制御手段への電力供給が遮断されることにより、例えば動作部としての表示装置(図柄表示装置41)において表示が停止される、同一の表示がなされたままとなる、動作部としてのランプ部(ランプ部58a,58b)において発光の照度が落とされる、同発光が停止される等、いずれかの節電処理が実施されることになり、一見すると、その非遊技状態にある遊技機が遊技可能かどうかを把握できないことが生じ得るが、報知手段の報知によって、遊技者(例えば遊技ホール内で新たに遊技する遊技機を選んでいる遊技者)は遊技機が節電状態であることを把握でき、遊技機を選ぶこと等に支障が及ぶことを抑制できる。
特徴B2.前記報知手段は、前記電源手段からの電力供給により動作可能であり、
前記電力遮断手段は、前記電源手段から前記制御手段への電力供給を遮断する場合に、前記報知手段についても電力供給を遮断するものであり、
前記報知手段への電力供給の遮断に伴い、前記報知手段が非報知の状態から報知状態に移行することを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、電源手段から制御手段への電力供給の遮断時には、電源手段から報知手段への電力供給についても遮断される。そして、電源手段から報知手段への電力供給が遮断されている場合に、報知手段が報知状態となる。この場合、節電のための情報報知に際して電力の使用を必須としない。そのため、電力消費の観点からしてより望ましい構成となる。
特徴B3.前記報知手段は、
前記節電状態であることを遊技者に視認させる報知情報が付与されている報知用可動部(可動板201)と、
前記電源手段からの電力供給により駆動され、前記報知用可動部を、遊技機前方から視認可能となる第1位置と、遊技機前方から視認不可となる第2位置とで移動させる駆動部(駆動部205)と、を備え、
前記報知用可動部は、前記電源手段から前記駆動部への電力供給が前記電力遮断手段により遮断されることに伴い前記第1位置への移動が可能となっていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、電源手段から報知手段の駆動部への電力供給が遮断されると、それに伴い報知用可動部が第1位置(遊技者が視認可能となる位置)に移動する。この場合、電力供給状態から電力遮断状態に移行することで、すなわち非節電状態から節電状態に移行することで、報知用可動部が、遊技機前方から視認できない第2位置から、遊技機前方から視認できる第1位置に移動することになる。このとき、非節電状態では視認されていない報知用可動部が、節電状態で視認されるようになるため、遊技者にとっては、報知用可動部の存在の有無によって節電状態を把握できる。つまり、かかる構成では一見するだけで節電状態を認知でき、その認知度を上げることができる。したがって、節電のための報知情報を各遊技者に認知させる上で好適である。
特徴B4.前記報知用可動部は、自重により前記第1位置に移動可能であるとともに、前記駆動部の駆動により前記第2位置に移動するものであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、節電状態において、報知用可動部の重量を利用して、報知用可動部を第1位置(遊技者が視認可能となる位置)に保持できる。また、自然界において常に生じている重力を利用して報知用可動部を第1位置に移動させる構成としたことにより、駆動部へ電力が供給されていない状態であっても確実に第1位置へ移動させることが可能となる。
特徴B5.前記報知用可動部は、付勢手段(バネ等)の付勢力により前記第1位置に移動可能であるとともに、前記付勢手段の付勢力に抗して前記駆動部が駆動されることにより前記第2位置に移動するものであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B5によれば、節電状態において、付勢手段の付勢力を利用して、報知用可動部を第1位置(遊技者が視認可能となる位置)に保持できる。
特徴B6.遊技機前方から視認可能となる位置と視認不可となる位置とで移動可能な演出用可動部(可動板202)を有する演出装置(可動役物200)を備え、遊技の進行に応じた演出として前記演出用可動部を動作させる遊技機であって、
前記演出装置に前記報知用可動部が設けられていることを特徴とする特徴B3乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、演出装置において、遊技機前方から視認可能となる位置と視認不可となる位置とで演出用可動部が移動可能となっており、遊技中においては演出用可動部の動きが遊技者に大いに注目されるものとなっている。また、演出装置には、演出用可動部と同様に、遊技機前方から視認可能となる位置(第1位置)と視認不可となる位置(第2位置)とで移動可能な、報知用可動部が設けられている。この場合、演出用可動部と報知用可動部とは概ね同様の形態で動作するものとなっており、報知用可動部について、節電状態(非遊技状態)での遊技者による注目度を高めることができる。
特徴B7.前記動作部として、遊技演出に関する絵柄を表示領域(表示画面G)に変動表示させる表示手段(図柄表示装置41)を備え、
前記第1位置は、前記表示領域の遊技機前方となる位置であり、前記第2位置は、前記表示領域を囲む囲い部(センターフレーム42)の背後となる位置であることを特徴とする特徴B3乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、遊技機が節電状態になっている場合に、報知用可動部が、表示領域の遊技機前方となる位置(すなわち遊技機前方に重なる位置)に移動する。この場合、遊技機において遊技に際して絵柄が変動表示する表示領域は、遊技者に注目されがちな部分であり、その表示領域の遊技機前方となる位置に報知用可動部が存在することにより、報知用可動部に付された報知情報(節電状態であることを表す報知情報)が遊技者に見られる可能性が高まる。したがって、遊技機が節電状態にあることを、遊技者に好適に認知させることができる。
特徴B8.前記駆動部の非駆動状態において、前記報知用可動部に当接することで当該報知用可動部を前記第2位置に保持する保持手段(可動板ストッパ451)をさらに備え、
遊技機を前記節電状態にしない場合において、前記保持手段により前記報知用可動部を前記第2位置に保持しておくことを特徴とする特徴B3乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、遊技機が節電状態でない場合、すなわち非遊技状態でない場合において、報知手段の駆動部に対して電力供給を実施していなくても、報知用可動部を第2位置(遊技機前方から視認不可となる位置)に保持しておくことができる。これにより、一層の消費電力の削減を図ることができる。
特徴B9.前記報知手段を第1報知手段として備える一方、前記電源手段から電力が供給されている状態で、前記節電状態であることを報知可能な第2報知手段(メイン表示部43)を備え、
前記電力遮断手段により前記制御手段への電力供給が遮断される場合において、前記電源手段から前記第1報知手段への電力供給を遮断し、かつ前記電源手段から前記第2報知手段への電力供給を実施することを特徴とする特徴B2乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、節電状態(非遊技状態)において、第1報知手段では、電源手段からの電力供給が遮断された状態下で節電報知が行われ、第2報知手段では、電源手段からの電力供給が実施された状態下で節電報知が行われる。この場合、第1報知手段と第2報知手段との両方を用いて報知を行うことにより、(1)電源手段による電力供給が節電のために電力遮断手段により遮断されている状態なのか、(2)電源手段の電力供給自体が停止されている状態(例えば、電源スイッチがオフとなっている状態、電源系が故障している状態など)なのかを判別できる。
より具体的な構成を言っておけば、上記(1)の状態では、第1報知手段と第2報知手段とが共に報知状態になるのに対し、上記(2)の状態では、第1報知手段が報知状態、第2報知手段が非報知状態となる。故に、上記(1)、(2)で各報知手段の状態が異なりそれら(1)、(2)の判別が可能となる。
特徴B10.予め定められた数値範囲内において数値情報(大当たり乱数カウンタC1等)を順次更新し、かつ予め定められた取得条件が成立した場合に、前記数値情報を取得し、該取得した数値情報に基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を実施する主制御手段(主制御装置71)と、
前記抽選の結果を表示すべく前記主制御手段により表示態様が制御される抽選結果表示手段(メイン表示部43)と、を備え、
遊技機を前記節電状態とする場合に、前記電源手段から前記主制御手段への電力供給を継続する構成とし、
前記抽選結果表示手段を前記第2報知手段として用いることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、以下の作用効果を奏する。節電状態は、非遊技の状態であり、抽選結果表示手段において抽選の結果が表示されることはない。つまり、抽選結果表示手段での表示は不要である。ただし上記構成では、節電状態において、節電報知の一手段として抽選結果表示手段による表示を実施している。ここで、抽選結果表示手段は、主制御手段により表示動作が制御されるものであり、不正防止等の観点から、節電の実施時にも主制御手段に対する電源供給が継続されるのが望ましいことを考えると、抽選結果表示手段を第2報知手段として用いることは好都合であると言える。
なお、駆動電力生成回路から第2制御手段への電力供給が遮断されている状態(節電状態)において、抽選結果表示手段では、抽選結果の表示時とは異なる態様で、節電状態であることの表示が実施されるとよい。例えば、抽選結果の表示時には、LED等の発光部材を点滅させることで表示を行い、節電状態であることの表示時には、LED等の発光部材を継続点灯させることで表示を行うようにする。
<特徴C群>
特徴C1.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記絵柄表示手段による表示内容を制御する表示制御手段(表示制御装置121)と、
前記絵柄表示手段及び前記表示制御手段に対して駆動電力を供給する電源手段(電入時用電源部113)と、
遊技者による遊技がなされていない非遊技状態であることを検出する遊技状態検出手段(主制御装置71においてステップS402,S405を実行する機能)と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記絵柄表示手段に表示させる画像に関する画像データを逐次更新しながら決定する第1画像表示制御手段(画像データ決定部240(表示CPU302))と、
該第1画像表示制御手段により決定された画像データを入力するとともに、その入力の都度、前記画像データを記憶部(制御用RAM332)に記憶し、該記憶した画像データを前記絵柄表示手段に対して出力する第2画像表示制御手段(出力制御部241(VDP305))とを有し、
前記電源手段は、前記第1画像表示制御手段に対する電力供給を行う手段と、前記第2画像表示制御手段及び前記絵柄表示手段に対する電力供給を行う手段とを各々有しており、
前記遊技状態検出手段により非遊技状態であることが検出された場合に、前記第1画像表示制御手段に対する電力供給を遮断する一方、前記第2画像表示制御手段及び前記絵柄表示手段に対する電力供給を継続して実施することを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技機が非遊技状態である場合において、電源手段から第1画像表示制御手段に対する電力が供給されないことで、遊技がされない期間を利用して消費電力の削減を図ることが可能となる。また、消費電力が削減されている節電状態では、第2画像表示制御手段及び絵柄表示手段に対する電力供給は継続しているため、節電状態であっても記憶部に記憶された画像データについての絵柄表示手段における表示を継続することが可能となる。これにより、消費電力の削減を図りつつ、遊技機が節電状態に移行した後も意図に即した絵柄を表示させておくことができる。
なお、電源手段(電入時用電源部113)において、第1画像表示制御手段(表示CPU302)に対する電力供給を行う手段としては、例えば電力遮断回路(出力切替回路231)を介して第1画像表示制御手段に対する電力供給が行われる構成となっており、第2画像表示制御手段(VDP305)及び絵柄表示手段(図柄表示装置41)に対する電力供給を行う手段としては、例えば電力遮断回路(出力切替回路231)を介さずに第2画像表示制御手段及び絵柄表示手段に対する電力供給が行われる構成となっている。
特徴C2.予め定められた一連の連続画像(デモ表示用の画像)を前記絵柄表示手段に表示可能であり、該一連の連続画像の表示に際し、前記第1画像表示制御手段が逐次画像データを決定し、該決定した画像データが、前記第2画像表示制御手段により前記絵柄表示手段に対して出力されるようになっている遊技機であって、
前記電源手段による前記第1画像表示制御手段への電力供給が遮断された場合に、当該第1画像表示制御手段に対して一時的に補助電力を供給する補助電源手段(バックアップ電源420)を備え、
前記第1画像表示制御手段は、前記補助電源手段からの補助電力の供給により動作している期間において、前記一連の連続画像の中から、前記絵柄表示手段に表示させるための画像データを選択的に決定することを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、補助電源手段を備えることにより、電源手段による第1画像表示制御手段(表示CPU302)への電力供給が遮断された場合にあっても、第1画像表示制御手段が補助電力の供給を受けて一時的に動作可能となる。これにより、電源手段による第1画像表示制御手段への電力供給が遮断されても、暫くの間は、第1画像表示制御手段による画像データの更新が継続され、ひいては第2画像表示制御手段(VDP305)において記憶部(制御用RAM332)に記憶される画像データの更新も継続される。この場合、電源手段による第1画像表示制御手段への電力供給が遮断されると直ちに画像データの更新が停止される構成とは異なり、その電力遮断後において、画像データの更新の停止タイミングを調整できる。そのため、遊技機が非遊技状態(節電状態)にある場合において、絵柄表示手段における画像を任意に選択すること、すなわち所望とする画像を表示させることが可能となる。
特徴C3.前記絵柄表示手段による表示画像として、所定条件の成立に伴う特典付与抽選(大当たり抽選)が実施された場合にその抽選結果を表示する演出時用の画像と、前記抽選結果に関係なく表示される待機時用の画像(デモ表示用の画像)とが設定されており、前記演出時用の画像が表示されていない期間に、前記待機時用の画像が前記絵柄表示手段に表示される遊技機であって、
前記待機時用の画像が前記一連の連続画像であり、
前記第1画像表示制御手段は、前記補助電源手段からの補助電力の供給により動作している期間において、前記待機時用の画像のうちいずれかの画像を、前記絵柄表示手段に表示させるための画像データとして決定することを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、以下の作用効果を奏する。遊技者により遊技されている遊技機が非遊技状態に移行する場合、その前提として絵柄表示手段(図柄表示装置41)では演出時用の画像から待機時用の画像(デモ表示用の画像)への切り替えが行われ、その待機時用の画像が表示される状態になっており、かかる状態下で、遊技状態検出手段によって非遊技状態であることが検出されることが考えられる。この点、上記のとおり待機時用の画像のうちいずれかの画像を、非遊技状態で絵柄表示手段に表示させるようにした構成によれば、第1画像表示制御手段(表示CPU302)において画像データの更新を停止すると、そのまま非遊技状態での表示画像を決定することができる。したがって、処理の簡素化が可能となる。
上記構成では、非遊技状態での表示画像(専用画像)を新たに用意しなくてもよく、画像データを準備する上でも有利である。
特徴C4.前記待機時用の画像の一部に所定のタイトルロゴ画像が含まれており、
前記第1画像表示制御手段は、前記補助電源手段からの補助電力の供給により動作している期間において、前記待機時用の画像のうち前記タイトルロゴ画像を、前記絵柄表示手段に表示させるための画像データとして決定することを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、遊技機が非遊技状態(節電状態)にある場合において、絵柄表示手段にタイトルロゴ画像が表示され続けることになる。この場合、仮に一連の連続画像のうち中途半端なタイミングでの静止画像が表示されたままになると、それを見る遊技者にとっては違和感が生じ、場合によっては遊技機が故障していると誤認識されるおそれが生じる。この点、上記のとおりタイトルロゴ画像が表示されたままになることで、遊技者が違和感を生じる等の不都合を抑制できる。
タイトルロゴ画像は、例えば、一定時間静止される静止画像であり、機種名やメーカ名、本機の特徴、遊技内容の説明等が同画像内に含まれるものである。また、「がんばってね。」、「大当たりはもうすぐよ。」など、遊技者による遊技の実施を促すメッセージや画像が含まれていてもよい。
特徴C5.前記待機時用の画像において、前記絵柄表示手段での表示状態における瞬時消費電力が他画像よりも小さい低電力消費画像が含まれており、
前記第1画像表示制御手段は、前記補助電源手段からの補助電力の供給により動作している期間において、前記待機時用の画像のうち前記低電力消費画像を、前記絵柄表示手段に表示させるための画像データとして決定することを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C5によれば、遊技機が非遊技状態(節電状態)にある場合において、絵柄表示手段に低電力消費画像が表示され続けることになる。この場合、絵柄表示手段における電力消費量の低減を実現できる。
例えば、待機時用の画像(デモ表示用の画像)として、消費電力の小さい背景色(例えば白色)を用いた画像と、それよりも消費電力の大きい背景色(例えば黒色)を用いた画像とが含まれる場合に、その前者の画像を低電力消費画像として定めておくとよい。また、輝度の違いから消費電力が各々異なる画像を含む場合に、そのうちいずれかの画像を低電力消費画像として定めておいてもよい。
特徴C6.前記第1画像表示制御手段は、前記補助電源手段からの補助電力の供給により動作している期間において、前記一連の連続画像の中から、前記絵柄表示手段に表示させるための画像データを選択的に決定した後は、前記画像データの更新を実施しないことを特徴とする特徴C2乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、遊技機が非遊技状態(節電状態)にある場合において、絵柄表示手段に表示させるべき画像が決定された後は、画像データの更新処理が不要となる。これにより、余分な電力消費を無くすことができる。
特徴C7.前記第2画像表示制御手段は、
前記遊技状態検出手段により非遊技状態であると検出されたことを判定する判定手段(例えば、表示CPU302からVDP305へのデータ送信が停止されたことにより非遊技状態であることを判定する手段)と、
前記非遊技状態であることを示す特定画像のデータを記憶している特定画像データ記憶手段(制御用ROM331)と、
前記判定手段により前記非遊技状態であることの判定がなされた場合に、前記特定画像データ記憶手段に記憶されている特定画像のデータに基づいて、前記絵柄表示手段に前記特定画像を表示させる手段と、を備えることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C7によれば、遊技機が非遊技状態になった場合、すなわち電源手段による第1画像表示制御手段(表示CPU302)への電力供給が遮断された場合に、第2画像表示制御手段(VDP305)において、特定画像データ記憶手段(VDP305自身が有するメモリ)に記憶されている特定画像のデータに基づいて、絵柄表示手段への特定画像の表示が実施される。これにより、電源手段による第1画像表示制御手段への電力供給が遮断された後であっても、絵柄表示手段において、非遊技状態下で節電実施されていること等の表示(報知)を実施できる。(またこの場合、非遊技状態下において、第1画像表示制御手段への電源供給はバックアップ電源の供給も含めて全て停止してよいことになるため、バックアップ電源(バックアップ電源420)が不要となるし、さらに一層の消費電力の低減を実現できる。)
特徴C8.所定条件の成立に伴う特典付与抽選(大当たり抽選)を実施する主制御手段(主制御装置71)を備え、当該主制御手段に対して、外部電源が供給されている状態で前記電源手段から駆動電力が供給される遊技機であって、
前記電源手段は、
前記絵柄表示手段、前記表示制御手段及び前記主制御手段の各駆動電力を生成する駆動電力生成回路(電圧変換回路230)と、
該駆動電力生成回路と前記表示制御手段の第1画像表示制御手段との間の電力供給経路に設けられ、前記駆動電力生成回路から前記第1画像表示制御手段に対する電力供給を遮断する電力遮断回路(出力切替回路231)と、を有し、前記表示制御手段の第2画像表示制御手段に対しては、前記電力遮断回路を介さずに前記駆動電力生成回路から電力供給が行われるようになっており、
前記主制御手段は、前記外部電源が供給されている状態において、前記遊技状態検出手段により非遊技状態であることが検出された場合に、前記駆動電力生成回路から前記第1画像表示制御手段への電力供給を遮断することを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C8によれば、遊技機が非遊技状態である場合において、主制御手段が、駆動電力生成回路から第1画像表示制御手段への電力供給を遮断するように電力遮断回路の状態を制御し、これにより表示制御手段での電力消費量の低減等を実施できる。また、表示制御手段の各画像表示制御手段について、非遊技状態(節電状態)での電源管理を適正に実施できる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
<その他>
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、主制御装置、払出制御装置、表示制御装置など複数の制御装置が設けられており、遊技の進行についての処理を実行している。また、主制御装置には入賞検知センサ、払出制御装置には払出モータ、表示制御装置には図柄表示装置やランプなど複数の装置等が接続されている(例えば、特許文献1参照)。上記複数の制御装置は電源装置と接続されており、当該電源装置から電力が供給されている(例えば、特許文献1:特開2007-7465号公報)。
近年、パチンコ遊技機等において消費電力の低減が望まれており、所定期間遊技がされていない場合に、図柄表示装置やランプなど演出に使用される装置について消費電力化(節電)を実施することが検討されている。
しかしながら、既存の技術では節電の実施中における遊技機の状態を適正化することが困難であった。すなわち、節電中の遊技機において複数の制御装置のそれぞれを所望の状態に制御しておくことが困難であったり、遊技機前方の状態からして遊技者にとって遊技機が節電状態にあることを認識しづらいものとなっていたりする。
本技術的思想は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、節電の実施中における遊技機の状態を適正化することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
<手段>
本技術的思想は、遊技機の各種動作を制御するための複数の制御手段と、当該遊技機に外部電源が供給されている状態で、前記複数の制御手段に対してそれら各制御手段が要する駆動電力を供給する電源手段と、を備え、前記複数の制御手段には、第1制御手段と第2制御手段とが含まれており、前記電源手段に設けられ、前記駆動電力を生成する駆動電力生成回路と、当該駆動電力生成回路と前記第2制御手段の制御部との間の電力供給経路に設けられ、前記駆動電力生成回路から前記第2制御手段の制御部に対する電力供給を抑制する抑制回路と、を備え、前記第1制御手段に対しては、前記抑制回路を介さずに前記駆動電力生成回路から電力供給が行われるようになっており、当該遊技機における節電実施の要否を判定する節電要否判定手段を備え、前記抑制回路は、当該遊技機に前記外部電源が供給されている状態において、前記節電要否判定手段により節電を実施するとの判定がなされた場合に前記駆動電力生成回路から前記第2制御手段の制御部への電力供給を抑制し、前記節電要否判定手段により節電を実施するとの判定が解除された場合に前記駆動電力生成回路から前記第2制御手段の制御部への電力供給を行うものであり、前記第1制御手段は、当該第1制御手段の制御部において予め定められた第1の数値範囲内において第1数値情報を順次更新し、予め定められた第2の数値範囲内において第2数値情報を順次更新し、かつ、予め定められた取得条件が成立した場合に前記第1数値情報及び第2数値情報を取得し、それら取得した第1数値情報及び第2数値情報に基づいて特典付与の抽選を実施する主制御手段であり、前記駆動電力生成回路から前記第2制御手段の制御部への電力供給が行われている場合及び当該電力供給が抑制されている場合の何れにおいても同じ周期にて前記第1数値情報及び前記第2数値情報の更新を行う構成となっていることを特徴とする。
<効果>
本技術的思想によれば、節電の実施中における遊技機の状態を適正化することが可能となる。