JP7230871B2 - 鋳型造型方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳型を造型する鋳型造型方法に関する。
鋳型(特に中子)は、材料を混練槽に供給し、混練槽内で材料を混練して発泡混練砂を得て、発泡混練砂を混練槽の射出口から金型に射出することによって造型される。
発泡混練砂を射出する方法としては、ピストンによって発泡混練砂を押圧して射出する方法、および、ピストンの代わりに、圧縮された空気によって発泡混練砂を押圧して射出する方法がある。
例えば、特許文献1には、材料供給装置から混練槽内に材料が供給され、混練槽において材料を混練して得られた発泡混練砂を空気の力によって射出する技術が開示されている。
特開2018-192512号公報(2018年12月6日公開)
ここで、ピストンによって発泡混練砂を押圧して射出する場合、混練槽内の発泡混練砂を射出するピストンの位置から、次の発泡混練砂の射出(ショット)に必要な材料の量が決定される。
一方、空気によって発泡混練砂を押圧して射出する場合、ピストンを用いないため、先述の方法では、次のショットに必要な材料の量を決定できない。そのため、従来は、ロードセルまたはレベルセンサによって射出前後の混練槽内の発泡混練砂の量を計測し、射出した発泡混練砂の量の材料を混練槽に供給していた。
しかしながら、このような従来技術では、鋳型を造型する工程を1サイクルする間に2回発泡混練砂の量を計測するため、先述の工程を1サイクルするのにかかるサイクルタイムが長くなる。
本発明の一態様は、先述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、鋳型を造型する工程を1サイクルするのにかかるサイクルタイムを短縮可能な鋳型造型方法およびその関連技術を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る鋳型造型方法は、1つの鋳型を造型するのに必要な量よりも多い材料を混練槽に供給する材料供給工程と、前記混練槽内の前記材料を混練して発泡混練砂を生成する混練工程と、前記混練槽内の前記発泡混練砂を空気により押圧して射出する射出工程と、前記射出工程の前または後に前記混練槽内の前記発泡混練砂の量を1回計測する計測工程と、を含むサイクルを繰り返し実施する。前記発泡混練砂の量が、第1の閾値以上であるサイクルでは、前記材料供給工程において前記材料の少なくとも一部の供給を省略する。
上記の構成によれば、1サイクルに1回だけ計測工程を行うため、1サイクルに2回計測工程を行う従来技術に比べて、サイクルタイムを短縮できる。また、上記の構成によれば、混練槽内の発泡混練砂の量が、鋳型の造型を重ねる毎に増加することになるが、当該量が第1の閾値以上である場合、材料供給工程において材料の少なくとも一部の供給を省略することになる。このように、射出後に混練槽に残存する発泡混練砂の量が第1の閾値以上である場合等、射出の度に次の材料を供給する必要はない場合には、材料供給工程において材料の少なくとも一部の供給を省略することができる。また、材料供給工程において材料の少なくとも一部の供給を省略することによって、混練槽に材料の少なくとも一部が供給されないため、混練工程における混練時間を短くすることができる。その結果、当該構成によっても、1サイクルに射出前後の発泡混練砂の量を2回計測し、これらの量の差分値を算出して次の射出用の材料の量を決定する従来技術に比べて、サイクルタイムを短縮できる。
本発明の一態様に係る鋳型造型方法において、前記射出工程は、前記混練槽と、該混練槽を開閉する蓋部材とが連結された状態で実施される。前記材料供給工程、前記混練工程および前記計測工程は、前記混練槽と前記蓋部材との連結が解除された状態で実施される。前記計測工程は、前記射出工程の前または後に実施される、ことが好ましい。
上記の構成によれば、射出工程の後に発泡混練砂の量を計測する射出後計測した場合、射出後計測した後の鋳型造型装置の動作と、計測工程の鋳型造型装置の動作とをオーバーラップでき、鋳型造型装置の動作に無駄がない。そのため、上記の構成において、射出後計測した場合、サイクルタイムをより短縮できる。
本発明の一態様に係る鋳型造型方法において、前記発泡混練砂の量が、第1の閾値以上であるサイクルでは、前記混練工程をさらに省略する、ことが好ましい。
上記の構成によれば、発泡混練砂の量が第1の閾値以上である場合、混練時間を0時間にできるため、サイクルタイムをより短縮できる。
本発明の一態様に係る鋳型造型方法において、前記材料供給工程では、前記1つの鋳型を造型するのに必要な重量の105%以上200%以下の重量の前記材料を前記混練槽に供給する、ことが好ましい。
上記の構成のように、混練槽に供給される材料の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の105%以上であることにより、1つの鋳型を造型するのに必要な重量に対して小さすぎない。これにより、混練槽内の発泡混練砂の重量が第1の閾値以上になるのに時間がかかりすぎない。その結果、好適に材料供給工程において材料の少なくとも一部の供給を省略し、サイクルタイムを短縮することができる。また、混練槽に供給される材料の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の200%以下であることにより、1つの鋳型を造型するのに必要な重量に対して大きすぎない。これにより、混練槽に供給される材料の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の200%よりも大きい構成に比べて、混練槽2内から発泡混練砂が溢れる可能性を低くすることができる。また、混練槽に供給される材料の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の200%よりも大きい構成に比べて、混練工程における混練時間を短縮することができる。その結果、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の200%よりも大きい構成に比べて、混練工程を含むサイクルのサイクルタイムを短縮することができる。
本発明の一態様に係る鋳型造型方法において、前記発泡混練砂の量が、第1の閾値以上であるサイクルでは、前記材料供給工程において前記材料のうち水を前記混練槽に供給する、ことが好ましい。
上記の構成によれば、混練槽2に水分を調整可能な水を供給するため、混練槽2内の水分を調整して発泡混練砂を再調製できる。
本発明の一態様に係る鋳型造型方法において、前記発泡混練砂の量が、第2の閾値未満であるサイクルでは、警告を通知する、ことが好ましい。
上記の構成によれば、混練槽の射出口に設けられた弾性体プレート等から発泡混練砂が漏れる等の異常が発生して混練槽内の発泡混練砂が欠乏していても、警告を通知できる。これにより、混練槽内の発泡混練砂が欠乏した状態が続くのを防止することができる。
本発明の一態様に係る鋳型造型方法において、前記警告が通知された場合、前記サイクルを実施する鋳型造型装置をメンテナンスする、ことが好ましい。
上記の構成によれば、混練槽の射出口に設けられた弾性体プレート等から発泡混練砂が漏れる等の異常が発生した場合に、鋳型造型装置をメンテナンスすることによって正常化できる。
本発明の一態様によれば、鋳型を造型する工程を1サイクルするのにかかるサイクルタイムを短縮可能な鋳型造型方法およびその関連技術を実現することができる。
本発明に係る一実施形態の鋳型造型装置の正面図である。 図1に示す切断線A-A´における鋳型造型装置の矢視断面図である。 図1に示す鋳型造型装置の混練槽周辺の構成の斜視図である。 図3に示す鋳型造型装置の混練槽周辺の構成の断面図である。 図4に示す混練槽周辺の構成において、混練槽と蓋部材とが連結部によって連結し一体的になっている状態の断面図である。 図1に示す鋳型造型装置の混練槽を封止する蓋部材の周面に設けられた可変部を示す断面図である。 図1に示す鋳型造型装置の鋳型造型動作の一例について模式的に示す図である。 図1に示す鋳型造型装置の鋳型造型動作の一例について模式的に示す図である。 図1に示す鋳型造型装置による鋳型造型方法の一例を示すフローチャートである。 図1に示す鋳型造型装置の鋳型造型動作の一例について模式的に示す図である。 図1に示す鋳型造型装置による鋳型造型方法の一例を示すフローチャートである。 従来技術に係る鋳型造型装置による鋳型造型方法の一例を示すフローチャートである。 射出前計測および射出後計測の回数と発泡混練砂の重量との関係を示す図である。
〔実施形態1〕
以下、図1から図9を参照して、本発明の一実施形態に係る鋳型造型方法を行うために用いる鋳型造型装置とともに本発明の一実施形態に係る鋳型造型方法について説明する。
(1)鋳型造型装置1の概要
図1は、本実施形態の鋳型造型装置1の全体構成を示す正面図である。また、図2は、図1に示す切断線A-A´において鋳型造型装置1を切断した様子を示す矢視断面図である。本実施形態の鋳型造型装置1は、金型のキャビティに材料を圧入充填して鋳型を造型するプロセスにおいて用いることができる。なかでも、粒子状骨材、水溶性バインダ、界面活性剤および水を攪拌して得られる発泡混練砂を鋳型の材料として用いて、中子を造型するプロセスにおいて好適に用いることができる。
鋳型造型装置1は、射出口を有する混練槽2を備え、この混練槽2内において撹拌羽根51(図2)を用いた発泡混練砂の生成と、生成した発泡混練砂の射出とを行う。また、鋳型造型装置1は、混練槽2内の発泡混練砂を、混練槽2内の上側部に供給した空気によって押圧して射出する。そのため、鋳型造型装置1は、混練槽2を開閉する蓋部材60を更に備えている。また、鋳型造型装置1は、混練から射出までの動作を遂行するために、各種の駆動系も更に具備する。
その駆動系に関し、鋳型造型装置1は、蓋部材60を混練槽2の深さ方向に沿って上下移動させる上下駆動機構3と、混練槽2と蓋部材60とを連結して一体化させたり、当該連結を解除したりすることができる連結部4とを備えている。そして、連結部4により混練槽2と蓋部材60とが連結して一体化している場合には、上下駆動機構3は、混練槽2を蓋部材60とともに前記上下移動させる。その一方で、連結部4が混練槽2と蓋部材60とを連結していない場合(混練槽2と蓋部材60との連結が解除されている場合)には、上下駆動機構3は、混練槽2は上下移動させずに蓋部材60を上下移動させる。このように鋳型造型装置1によれば、混練槽2を上下動させる必要がある場合には、連結部4によって蓋部材60と連結させることによって、上下駆動機構3を用いて上下動させることができる。換言すれば、鋳型造型装置1は、混練槽2と蓋部材60を上下移動させる上下駆動機構3を用いて上下動させる構成となっており、混練槽2に対する上下動のための専用の駆動機構を具備していない。そのため、当該専用の駆動機構を具備する従前の鋳型造型装置に対して、鋳型造型装置1は、構成を簡略化することができ、シンプルな構成とすることができる。また、上下動を必要とする個々の構成要素に対して、それぞれに専用の上下動用の駆動機構を具備すると、駆動における相互の位置関係等の制御が複雑になる。これに対し、本実施形態によれば、上下駆動機構3を蓋部材60と混練槽2との上下動用の駆動機構として共用するため、制御が容易になる。
(2)鋳型造型装置1の詳細
図3は、本実施形態の鋳型造型装置1の混練槽周辺の構成の斜視図である。また、図4は、図3に示す切断線B-B´において鋳型造型装置1を切断した様子を示す矢視断面図である。鋳型造型装置1は、先述したように、射出口20を有する混練槽2と、蓋部材60と、シール用空気供給部65a(図4および図6)と、射出用空気供給部65b(図6)と、蓋部材60、シール用空気供給部65aおよび射出用空気供給部65bの各種機能を制御する押圧制御部(不図示)と、上下駆動機構3と、連結部4とを備えている。鋳型造型装置1は、更に、撹拌羽根(混練部)51および撹拌軸53を有する撹拌機構(混練部)5と、計測部(不図示)を有する止栓機構7(図4)と、材料供給部8(図1および2)と、駆動機構9(図1および図2)と、金型11(図7)と、を備えている。
<混練槽2>
混練槽2は、各種材料を混練して発泡混練砂を生成するための容器であり、且つ、生成した発泡混練砂を射出するまで収納するための容器である。混練槽2は、射出口20が設けられた下側部21と、下側部21に対向配置された上側部22と、下側部21と上側部22との間に配設された透明材料から構成された側方部23と、を有する。側方部23は筒型の構造物であり、当該筒型の構造物の下端側の開口が下側部21によって封止されていることにより、下側部21が釜底となって当該筒型の構造物内部に発泡混練砂を収容できる構成となっている。更に、図3に示すように、混練槽2は、側方部23の外側に、下側部21と上側部22とを連結する支柱部24が複数設けられている。
(下側部21)
下側部21は、図4に示すように、側方部23の外径近傍から側方に突出した形状を有した下フランジ25と、下フランジ25の下に積層された射出プレート体26とを有している。下フランジ25には、側方部23の外径よりも僅かに大きい開口径を有する開口部25aが設けられており、当該開口部25aに側方部23の下端が嵌合することによって、側方部23と連結する。射出プレート体26は、下フランジ25の下面に連結しており、上面の一部の領域が、下フランジ25の開口部25aが設けられた位置において側方部23に向かって露出している。この露出した部分が、混練槽2の釜底の上面を構成する。先述の射出口20は、この射出プレート体26に設けられた貫通孔であり、図3に示すように3つ設けられている。なお、射出口20の数はこれに限定されない。なお、図4に示すように、各射出口20には、混練槽2内に収納された発泡混練砂が漏れ出ないようにする弾性体プレート29が設けられていてもよい。弾性体プレート29は、例えば、スリットが設けられたゴム弁等の周知の弁構造体を採用することができる。
下側部21は、以上のように2枚構造になっており或る程度の厚さを確保することができ、混練槽2の剛性の向上に寄与する。下フランジ25および射出プレート体26は、耐アルカリ性および混練砂剥離性の優れた材料から構成することが好ましく、例えば、ステンレス等の金属、あるいはPTFE等のフッ素樹脂等から構成することができる。これらを金属により構成すればより一層の剛性向上を実現することができる。ただし、金属に限定されるものではなく、また、下フランジ25と射出プレート体26とは同一材料であっても異なる材料であってもよい。
(上側部22)
上側部22は、図3および図4に示すように、側方部23の外径近傍から側方に突出した形状を有した上フランジ27を有する。上フランジ27には、図4に示すように、側方部23の外径よりも僅かに大きい開口径を有する開口部27aが設けられており、当該開口部27aに側方部23の上端が嵌合することによって、側方部23と連結する。上フランジ27は、ステンレス等の金属、あるいはPTFE等のフッ素樹脂から構成することができる。ただし、金属に限定されるものではない。上フランジ27は、或る程度の厚さを有していることにより、混練槽2の剛性の向上に寄与する。更にこれらを金属により構成すればより一層の剛性向上を実現することができる。
上側部22は、更に、上フランジ27の上面に連結されたクランプブッシュ28を有する。クランプブッシュ28は、混練槽2の中心軸を挟んで対向する2箇所に設けられており、その各々には、後述するクランプピン43が挿入される穴28aが設けられている。クランプブッシュ28は、後述するクランプピン43とともに連結部4を構成する。クランプブッシュ28は、上フランジ27と同一材料から構成してもよく、別材料から構成してもよい。
(支柱部24)
支柱部24は、図3に示すように、下側部21と上側部22に連結されている。支柱部24も、下側部21および上側部22と同様に、金属から構成することが好ましい。これにより、支柱部24も、下側部21および上側部22と併せて、混練槽2の剛性向上に寄与することができる。また、支柱部24は、下側部21と上側部22との離間距離を、所定距離で維持することに寄与する。また、本実施形態では、支柱部24は、側方部23の外周にそって等間隔に計4本設けられている。なお、側方部23の外周に沿った設置数は、4本に限定されるものではない。
(側方部23)
側方部23は、下側部21と上側部22とに固定されており、発泡混練砂を収容する釜の側面部分を構成している。側方部23は、透明材料から構成されている。透明材料とすることにより、混練槽2の内部の様子を良好に観察することができる。観察することにより、混練の程度を確認することができるほか、混練槽2の清掃時に除去されるべき付着物の有無および清掃時に当該付着物の残留の有無を確認することができる。更に、後述するシール体61(例えばインフレーションシール)によるシールの具合も確認することができる。透明材料としてはアクリル樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル、ポリスチレン等の硬質プラスチックから選択される。
側方部23は、収容した発泡混練砂の重さ、および圧入充填の際の圧力に耐え得る強度を有していればよい。先述のように混練槽2自体の剛性は、先述の下側部21、上側部22および支柱部24によって確保できるため、側方部23の厚さはを内圧に耐えられる程度に比較的薄く実現できる。
(蓋部材60)
蓋部材60は、混練槽2の上側部22の側の開口の内周面に対向する周面60aを有しており、この周面60aにシール体61が設けられている。
シール体61は、蓋部材60の中心部から周面60aに向かう放射方向(径方向)に変形することができる。これにより、蓋部材60を拡径させることができる。そのため、シール体61を径方向に変形させると、シール体61の先端が混練槽2の内周面に密着して、混練槽2の上部の開口を密閉することができる。換言すれば、シール体61が変形する前は、蓋部材60の周面60aと混練槽2の内周面との間に隙間ができている状態である。シール体61の変形は、シール体61に設けられた中空部分に対する、シール用空気供給部65aによる空気の圧送によって行われる。蓋部材60が混練槽2の上部の開口を閉じれば、混練槽2内が密閉された状態となる。この状態において、射出用空気供給部65bによって混練槽2内に空気を圧送すれば、混練槽2内の発泡混練砂が空気によって押圧されて射出口20から射出される。
蓋部材60には、図4に示すように、撹拌羽根51を下端に備えた撹拌軸53が挿通する軸受け68を有した撹拌軸挿通穴64が設けられている。蓋部材60の上下動と、撹拌軸53および撹拌羽根51の上下動とは、上下駆動機構3によって一体的に駆動、制御されている。
(シール用空気供給部65a)
シール用空気供給部65aは、シール体61の先述の中空部分に空気を圧送する。具体的には、シール用空気供給部65aは、蓋部材60内に設けられた流路62の他端に接続されており、混練槽2内の発泡混練砂を射出口20から射出する工程において、シール体61を変形させるべく、先述の中空部分に空気を圧送する。これにより、混練槽2の上端側の開口が閉塞されて、混練槽2内が密閉された状態となる。
(射出用空気供給部65b)
射出用空気供給部65bは、混練槽2内に空気を供給する。具体的には、射出用空気供給部65bは、図3および図6に示すように蓋部材60に設けられた導入管67に連結しており、導入管67を介して、混練槽2内に空気を供給することができる。射出用空気供給部65bは、後述する止栓機構7が混練槽2の射出口20を開放させた状態で、混練槽2内に空気を供給する。このとき、シール用空気供給部65aは、蓋部材60のシール体61を膨らませて混練槽2内を密閉している。この状態において射出用空気供給部65bが混練槽2内に空気を供給することにより、混練槽2内の発泡混練砂が射出口20から射出される。要するに、シール用空気供給部65aと、射出用空気供給部65bとは、空気を供給するタイミングが異なる。なお、シール用空気供給部65aは、射出用空気供給部65bよりも、供給する空気圧が高い。
混練槽2内への空気の供給に関し、射出用空気供給部65bは、蓋部材60に、不図示のポートおよび圧力ゲージを備え、当該ポートには、ホース、流量計および三方弁を介して圧縮空気供給装置が接続されている。この圧縮空気供給装置は、流量計、三方弁、ホースおよびポートを介して、混練槽2内への圧縮空気の供給が可能とされている。圧力ゲージは、混練槽2内の圧力を測定する。
また、射出用空気供給部65bは、圧力ゲージ、流量計、三方弁および圧縮空気供給装置にそれぞれ接続された空気供給制御部を備えている。空気供給制御部は、圧縮空気供給装置および三方弁の各作動を制御する。
<上下駆動機構3>
上下駆動機構3は、蓋部材60を、混練槽2の深さ方向に沿って上下動させる機構である。上下駆動機構3は、混練槽2を、必要に応じて蓋部材60と一体的に上下動させることができる。なお、上下駆動機構3は、蓋部材60と撹拌機構5とを常に一体的に上下動させる。
上下駆動機構3は、装置上下方向を軸方向として配置されたシリンダ30aおよびロッド30bと、上下駆動用の電動サーボモータ(不図示)とを有している。ロッド30bの下端部は、連結部4を介して蓋部材60に接続されている。更に、ロッド30bの下端部は、連結部4を介して撹拌機構5にも接続されている。これにより、電動サーボモータが作動することにより、蓋部材60と撹拌機構5とが一体的に混練槽2の底部に接近する方向およびその反対方向、言い換えれば装置上下方向、に移動する構成となっている。電動サーボモータは、上下動制御部(不図示)に接続されている。この上下動制御部は、電動サーボモータの作動を制御して、混練槽2において発泡混練砂が混練されている間、および混練槽2から混練された発泡混練砂が射出される間には、蓋部材60と撹拌機構5とを下方位置に下げる。そして、蓋部材60を、混練槽2の上部の開口を閉じる位置に配置するとともに、撹拌機構5の下端部に接続された撹拌羽根51を、混練槽2内の底部近傍の位置に配置する(図5)。一方、混練前あるいは混練後に混練槽2が計量されたり、発泡混練砂の材料が材料供給部(不図示)から混練槽2に投入されたりする間には、上下動制御部は、図4に示すように蓋部材60を混練槽2の上部の開口よりも上方に位置するように、電動サーボモータの作動を制御する。
<連結部4>
連結部4は、上下駆動機構3、蓋部材60および撹拌機構5と、混練槽2とを連結させたり、当該連結を解除したりする釜クランプ機構40を有する。連結は、釜クランプ機構40のクランプピン43が、混練槽2の上側部22の上フランジ27に連結されたクランプブッシュ28の穴28aに挿入されることによって実現される。したがって、釜クランプ機構40およびクランプブッシュ28によって連結部4が構成されている。連結部4の上側部は、上下駆動機構3のロッド30bの下端部が連結固定されており、連結部4の下側部には、板状構造体4aが設けられており、板状構造体4aに蓋部材60が連結固定されている。板状構造体4aは、図1および図2に示すように、撹拌機構5の撹拌軸53を挟んで対向する2箇所に設けられ、それぞれに釜クランプ機構40が連結されている。
(釜クランプ機構40)
釜クランプ機構40は、図4に示すように、ロッド41を有するクランプシリンダ44と、クランプ基台42と、クランプピン43とを含む。釜クランプ機構40は、蓋部材60に固定されている板状構造体4aロッド41を軸支させている。ロッド41の先端には、クランプ基台42が連結しており、クランプ基台42には、板状構造体4aに軸支されているクランプピン43が設けられている。クランプ基台42は、2つあり、各々に2本のクランプピン43が平行に並んで設けられている。
各クランプピン43の突出端は、先述の混練槽2の上側部22の上フランジ27に連結されたクランプブッシュ28の穴28aに挿入される。クランプブッシュ28は、釜クランプ機構40に対応して上フランジ27の周方向に沿って2箇所設けられており、各クランプブッシュ28に、2つの穴28aが設けられている。
クランプシリンダ44は、ロッド41を介して、クランプ基台42を移動させることができる。これにより、クランプ基台42から突出しているクランプピン43が、突出方向に沿って前進または後退し、これに伴って、穴28aへの挿入と当該挿入の解除とを実現する。クランプシリンダ44は、クランプ制御部(不図示)による制御を受けて、クランプピン43を穴28aに挿入させたり、当該挿入を解除したりする。クランプピン43が穴28aに挿入することにより、連結部4と混練槽2とが連結する。これは換言すれば、連結部4に連結固定された上下駆動機構3および蓋部材60と、混練槽2とが連結した状態である。これにより、上下駆動機構3によって蓋部材60が上下動するとともに、混練槽2も上下動することになる。
(釜上下ケーブルキャリア46)
図2に示す釜上下ケーブルキャリア46は、一端が装置フレームFに連結固定されており、他端が連結部4に連結固定されており、鋳型造型装置1内において配されるケーブルを支持案内している。釜上下ケーブルキャリア46は、連結部4が上下駆動機構3による作用によって上下動することに伴って、上下方向の長さを伸縮させる。
<撹拌機構5>
撹拌機構5は、混練槽2に供給された各種材料を混練する。撹拌機構5は、図4に示すように、撹拌羽根51および撹拌軸53と、取付けベース54と、撹拌モータ55(回転モータ)とを有している。撹拌軸53は、鉛直方向に配置される。撹拌羽根51は撹拌軸53の下端に設けられる。撹拌軸53には、撹拌モータ55が連結される。撹拌モータ55の駆動により、撹拌羽根51は回転される。撹拌機構5は、混練槽2に対する撹拌羽根51の高さを、鉛直方向に沿った上下動により調整することができる。撹拌機構5は、撹拌羽根51により、混練槽2内の各種材料を混練する。混練槽2の内部への各種材料(粒子状骨材、水溶性バインダ、界面活性剤および水)の供給は、例えば、各々の供給機構を備える材料供給部8から行われる。
ここで、各種材料としては、例えば、粒子状骨材としての人工砂(例えばエスパール))、水溶性バインダとしての珪酸ナトリウム、界面活性剤としてのアニオン界面活性剤、および水が挙げられる。ただし、これら例示のものに限定されるものではなく、他の添加物等を含んでもよい。
<止栓機構7>
止栓機構7は、図4に示すように、混練槽2の下側部21の射出口20の閉塞用として止め栓7aを有している。止め栓7aは、水平配置された止栓プレート7bから上方側に突出している。また、止栓機構7は、図示しない機構によって図4の紙面左右方向(水平方向)に移動するようになっている。
止栓機構7は、更に、混練槽2内の発泡混練砂の重量を計測する計測部(不図示)を有している。
(計測部)
計測部は、混練槽2内の発泡混練砂の重量を計測するものであり、例えば、ロードセル等が挙げられる。例えば、計測部は、蓋部材60および撹拌羽根51などが混練槽2に接触しない状態で発泡混練砂が収納された混練槽2の重量を計測し、混練槽2の重量を差し引くことによって、発泡混練砂の重量を計測できる。計測部の詳細については後述する。
<材料供給部8>
図1および2に示すように、材料供給部8は、混練槽2に設けられた投入口(不図示)を介して混練槽2に材料を供給する。
本実施形態では、材料供給部8は、1つの鋳型を造型するのに必要な重量よりも多い材料を混練槽2に供給し、発泡混練砂の量が、第1の閾値以上であるサイクルでは、材料の少なくとも一部の供給を省略する。ここで、第1の閾値とは、射出の度に次の材料を供給する必要はないだけ十分な重量であることを示す値であって、混練槽2内から確実に発泡混練砂が溢れない上限値を示す。材料供給部8は、射出後の混練槽2内の発泡混練砂の重量が、第1の閾値以上であるサイクルでは、すべての材料を供給せずに材料供給工程自体を省略してもよいし、混練槽2に水を供給してもよい。また、材料供給部8は、射出後の混練槽2内の発泡混練砂の重量が、第1の閾値未満である場合、1つの鋳型を造型するのに必要な重量よりも多い材料を供給する。具体的には、材料供給部8は、射出後すぐに、次の発泡混練砂の射出に必要な重量の材料をあらかじめ準備しておく。また、材料供給部8は、射出後の混練槽2内の発泡混練砂の重量が、第1の閾値以上である場合、材料の少なくとも一部を供給せず、第1の閾値未満である場合、先述の定量の材料を混練槽2に供給する。
これにより、混練槽2内の発泡混練砂の重量が、鋳型の造型を重ねる毎に増加することになるが、当該重量が第1の閾値以上である場合、混練槽2に材料の少なくとも一部を供給しないことになる。このように、射出後に混練槽2に残存する発泡混練砂の重量が第1の閾値以上である場合等、射出の度に次の材料を供給する必要はない場合には材料の少なくとも一部の供給を省略できる。そのため、材料供給工程自体を省略する場合には、材料供給工程の時間を0時間にでき、材料のうち水を供給する場合には、混練時間を短縮しつつ、混練槽2内の水分を調整して発泡混練砂を再調製できる。このように、混練槽2内の発泡混練砂の重量が第1の閾値以上である場合には、混練槽2に材料の少なくとも一部が供給されないため、撹拌機構5における撹拌羽根51による材料の混練時間を短くすることができる。その結果、先述の各工程を1サイクルする毎に、射出前後の発泡混練砂の重量を2回計測し、これらの重量の差分値である発泡混練砂の使用量を算出して次の射出用の材料の重量を決定する従来技術に比べて、サイクルタイムを短縮できる。
材料供給部8の詳細については後述する。
<駆動機構9>
駆動機構9は、止栓機構7を水平方向(図2の紙面左右方向)に移動させる駆動機構であり、止栓機構7の支持部7dを支持する支持ガイド部91(図1)と、不図示の止栓機構走行シリンダのガイドロッド92とを有する。駆動機構9は、止栓機構走行シリンダを作動させることによって、止栓機構7の止栓プレート7bの位置を水平方向に移動させる。具体的には、止め栓7aが混練槽2の射出口20の直下にある位置(第1の位置)と、混練槽2の射出口20の直下から外れた位置(第2の位置、装置外部であってもよい)との間で移動させる。混練槽2の射出口20の直下から外れた位置とは、混練槽2の射出口20から発泡混練物を金型11に射出する工程において、止め栓7aが混練槽2の射出口20の直下から外れて、射出の妨げにならないまで移動した状態の位置に相当する。
また、駆動機構9は、連結部4により蓋部材60と連結していない状態の混練槽2を、止栓プレート7bに載せて水平方向に沿って移動させることができる。蓋部材60と連結していない状態の混練槽2は、射出口20に止め栓7aが嵌合された状態にある。そのため、混練槽2を止栓プレート7bの上で安定して載置することができ、その状態で、蓋部材60および撹拌機構5等の直下の位置から移動させることができる。このように位置を移動させることができれば、例えば装置外部に移動させて混練槽2を洗浄するメンテナンス作業をおこなうことができる。従前では、混練槽2を水平方向に移動させるための専用の駆動機構を備えているのに対して、本実施形態の鋳型造型装置1は、止栓機構7を図2の紙面左右方向に移動させる駆動機構を用いて、混練槽2を水平方向に移動させる。これにより、鋳型造型装置1は、従前に比べて構成を簡略化することができ、シンプルな構成とすることができる。また、図2の紙面左右方向の移動を必要とする個々の構成要素に対して、それぞれに専用の駆動機構を具備すると、駆動における相互の位置関係等の制御が複雑になる。これに対し、本実施形態によれば、駆動機構9を止栓機構7と混練槽2との双方の水平方向移動用の駆動機構として共用するため、制御が容易になる。また、従前はメンテナンス時に重量がある混練槽を鋳型造型装置から限られたスペースの中で取り外さなければならず、作業性が悪く、混練槽の清掃作業が非常に大変であった。しかしながら、前記の構成によれば、混練槽のメンテナンス作業を従前よりも簡便に実施できる。
金型11は、図7中の(iii)に示すように、鋳型造型装置1の下部側に設けられ、撹拌機構5で混練された発泡混練砂を所定の形状に成形して鋳型を造型するための金型である。金型11には、混練槽2の射出口20に隣接配置される被充填孔11aが貫通形成されている。
また、鋳型造型装置1は、金型11を開くことで金型11から鋳型を取り出すための鋳型押出機構(不図示)も備えている。
(3)鋳型造型装置1による鋳型造型動作
以下に、先述した構成を具備する鋳型造型装置1による鋳型造型動作について、図7を用いて説明する。以下では、混練槽2内にあらかじめ発泡混練砂が収容されている状態から始まる動作を説明する。なお、図7では、説明の都合上、発泡混練砂の図示を省略している。
<クランプ工程>
図7の(i)は、原位置においてクランプ動作を行うクランプ工程の様子を示す。クランプ工程では、まず、クランプピン43を上側部22のクランプブッシュ28に挿入して、撹拌機構5および蓋部材60と混練槽2とを連結させる。
<開放工程>
図7の(ii)は、射出口20を開放する開放工程の様子を示す。開放工程では、射出口20を閉塞していた止め栓7aを外して射出口20を開口させる。具体的には、連結した状態の蓋部材60と混練槽2とが、天頂方向に向かって或る高さ(止栓走行位置)まで上昇することによって、射出口20から止め栓7aを抜く。この状態を、図7の(ii)に示す。図7の(ii)に示す状態となれば、止栓機構7を水平方向に移動させて混練槽2の直下から退避させることができる。
先述の例では、混練槽2をクランプした状態で、上下駆動機構3によって混練槽2を上昇および下降させて、射出口20から止め栓7aを抜き差しする態様となっている。
<射出工程>
図7の(iii)は、クランプした状態で金型11を設置し、混練槽2内の発泡混練砂を空気により押圧して発泡混練砂を射出する射出工程の様子を示す。射出工程では、金型11を設置する金型設置工程と、蓋部材60によって閉じられた混練槽2内に空気を供給することによって金型11に発泡混練砂を圧入する圧入工程とを行う。
まず、射出工程では、金型機構10が金型11を混練槽2の直下に移動する。そして、混練槽2が撹拌機構5および蓋部材60と一体となっている状態において上下駆動機構3が下方向にこれらを射出位置まで下降させることにより、混練槽2の射出口20に、金型11の被充填孔11aを隣接配置する(金型設置工程)。
射出する前に、シール体61が混練槽2の内周面に適切に密着しているかどうか、すなわち、混練槽2の開口を密閉できているかどうかを判定する。具体的には、シール用空気供給部65aからシール体61に送気される空気の圧力を計測し、計測値が閾値を超えているか否かにより判定する。計測値が閾値以上であれば、シール体61が混練槽2の内周面に適切に密着していることを意味する。一方で、計測値が閾値未満である場合は、シール体61から空気漏れなどが生じている可能性を意味する。供給の開始から所定時間がたったときまで閾値未満の状態が続く場合はエラー表示される。この場合、シール体61を点検、交換するなどのメンテナンスを行えばよい。
前記圧入工程では、射出用空気供給部65bから混練槽2内に空気が供給される。これにより、混練槽2内の発泡混練砂が押圧されて、射出口20と被充填孔11aとを介して、金型11のキャビティに発泡混練砂が充填される。キャビティへ発泡混練砂を充填する時間は予めタイマー等で設定されており、設定された時間が経過した段階で射出用空気供給部65bからの空気の供給が終了する。金型11は、図示しない加熱手段によって加熱されており、キャビティに充填された発泡混練砂を加熱硬化することによって鋳型を造型する(造型工程)。その後、造型した鋳型を取り出す。
前記圧入工程が完了したところで、射出工程が終了する。射出工程が終了すると、図7の(iii)の状態から、混練槽2と蓋部材60と撹拌機構5とが一体的に天頂方向に向かって再び止栓走行位置まで引き上げられる(図7の(iv))。そして、止栓機構7が混練槽2の直下に移動して、混練槽2と蓋部材60と撹拌機構5とを僅かに下降させ、止栓7aを射出口20に挿入する(図7の(v))。図7の(v)の状態となった時点で、クランプピン43をクランプブッシュ28の穴28aから外し、混練槽2と、蓋部材60および撹拌機構5との連結を解除する。この間に、金型11は混練槽2の直下から移動される。これにより、射出にかかる一連の動作が終了する。なお、造型工程において、金型11が加熱されて発泡混練砂を加熱硬化している間に、混練槽2と蓋部材60と撹拌機構5とが一体的に天頂方向に向かって止栓走行位置まで引き上げられてもよい。
<計測工程>
図7の(vi)は、射出工程の後であって、図7の(vii)に示す材料供給工程の前に、混練槽2内の発泡混練砂の重量を計測する計測工程を行う様子を示す。図7の(vi)では、図7の(v)の状態からクランプを解除するため、蓋部材60は混練槽2の上端の開口を封止しておらず、当該開口よりも上方にある。撹拌羽根51は、その一部分が混練槽2の上端の開口から混練槽2内に入っている状態である。この状態において、止栓機構7は、止め栓7aが射出口20を閉塞している。また、図7の(vii)に示す材料供給工程においても、クランプが解除されているため、計測工程の鋳型造型装置1の動作は、射出工程の後の材料供給工程の鋳型造型装置1の動作とオーバーラップしており、無駄がない。そのため、先述のように、射出工程の後に、混練槽2内の発泡混練砂の重量を計測することにより、サイクルタイムをより短縮することができる。
計測工程では、図7の(vii)に示す材料供給工程、図7の(viii)に示す混練工程、先述の射出工程を1サイクルする間に、止栓機構7に搭載された計測部が、混練槽2内の発泡混練砂の重量を1回計測する。これにより、1サイクルにおいて発泡混練砂の重量を2回計測する従来技術に比べて、サイクルタイムを短縮できる。なお、図7の(vi)に示すように、蓋部材60および撹拌羽根51を含む混練槽2の上方に位置する構成部材は、混練槽2に接触していない。そのため、計測部は、発泡混練砂が収納された混練槽2の重量のみを正確に計測し、あらかじめ計測された混練槽2の重量を差し引くことによって、混練槽2内の発泡混練砂の重量を計測できる。
また、本実施形態では、鋳型造型装置1は、図7の(iii)の射出工程、図7の(vi)に示す計測工程、図7の(vii)に示す材料供給工程の順に先述のサイクルを実施する。すなわち、計測部は、材料供給工程を省略しない場合には、先述のサイクルにおける射出工程の後に計測工程を実施する(射出後計測する)。ここで、先述のように、連結部4は、混練槽2内の発泡混練砂を射出する射出工程では、混練槽2と蓋部材60とを連結する。また、連結部4は、材料供給工程、混練工程および計測工程では、混練槽2と蓋部材60との連結を解除する。そのため、計測部が、射出工程の後に計測工程を実施することによって、射出工程の後の鋳型造型装置1の動作と、計測工程における鋳型造型装置1の動作とをオーバーラップできる。その結果、サイクルタイムをより短縮することができる。
ここで、計測工程において計測した発泡混練砂の重量が、第2の閾値未満である場合、鋳型造型装置1は、通知部を介してエラー表示およびアラーム等の警告を通知する。ここで、第2の閾値とは、混練槽2内の発泡混練砂が欠乏していることを示す値であって、混練槽2内から確実に発泡混練砂を射出できる最小値である。
これにより、混練槽2の射出口20に設けられた弾性体プレート29から発泡混練砂が漏れる等の異常が発生して混練槽2内の発泡混練砂が欠乏していても、警告を通知することができる。これにより、混練槽2内の発泡混練砂が欠乏した状態が続くのを防止することができる。
また、先述の警告の通知が行われた場合、作業者は、鋳型造型装置1をメンテナンスしてもよい(メンテナンス工程)。例えば、弾性体プレート29のスリットの隙間が劣化し、当該隙間から発泡混練砂が漏れている場合、当該弾性体プレート29を新しいものに交換することによって鋳型造型装置1をメンテナンスしてもよい。また、混練槽2と金型11とが好適に圧着されておらず、発泡混練砂が金型11の上面にばらまかれている場合にも、作業者は、混練槽2と金型11とを好適に圧着する、メンテナンスをしてもよい。このように、鋳型造型装置1をメンテナンスすることによって鋳型造型装置1を正常化できる。
本実施形態のように、射出後計測し、1つの鋳型を造型するのに必要な重量が2kgである場合、第2の閾値は、4kg以上6kg以下であることが好ましい。すなわち、第2の閾値は、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の200%以上300%以下であることが好ましい。第2の閾値が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の200%以上であることにより、1つの鋳型を造型するのに必要な重量に対して小さすぎない。これにより、第2の閾値が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の200%未満である場合に比べて、混練槽2内の発泡混練砂が欠乏しすぎていない状態で、先述の異常が発生していると判定できる。その結果、混練槽2内の発泡混練砂が欠乏した状態が続くのをより好適に防止することができる。第2の閾値が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の300%以下であることにより、1つの鋳型を造型するのに必要な重量に対して大きすぎない。これにより、混練槽2において先述の異常が発生していないのに、材料供給工程および混練工程等、計測工程後の各工程の実施を停止しなくて済む。
なお、第2の閾値は、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の変化に応じて、変化させてもよい。第2の閾値は、上述のように、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の200%以上300%以下であれば好ましい範囲に属するため、幅を持たせてもよい。
また、先述の例では、計測部は発泡混練砂の重量を計測しているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、計測部は、レベルセンサによって、発泡混練砂の高さから発泡混練砂の体積を計測する等、重量以外の量を計測してもよい。すなわち、本実施形態では、発泡混練砂の量に基づく工程を含むサイクルを実施できればよい。
<材料供給工程>
図7の(vii)は、混練槽2内に、粒子状骨材、水溶性バインダ、界面活性剤および水等の材料を供給する材料供給工程を行う様子を示している。
材料供給工程では、図7の(vii)に示すように、混練槽2を止栓プレート7bに載せたまま、蓋部材60および撹拌機構5が、材料供給位置まで上昇する。材料供給工程では、この状態において、混練槽2内に、粒子状骨材、水溶性バインダ、界面活性剤および水等の材料を供給する。材料の供給は図1および図2に示す材料供給部8から、混練槽2に設けた投入口あるいは上側部22の開口を介して行われる。材料供給後に、材料の供給量を管理するべく、材料が供給された混練槽2の重量を計測する。計測は、止栓機構7に搭載された計測部において行うことが可能である。すなわち、この段階では、クランプが解除された状態であり、上下駆動機構3は、蓋部材60も撹拌羽根51も含めて、混練槽2に接触していない。そのため、材料が供給された混練槽2の重量のみを正確に計測することができる。
ここで、本実施形態では、射出口20から発泡混練砂を連続して射出する。そのため、本実施形態における材料供給工程では、混練槽2内の発泡混練砂の重量が、第1の閾値未満である場合、射出の度に1つの鋳型を造型するのに必要な重量よりも多い材料を供給する。すなわち、本実施形態では、図7の(viii)の混練工程を行った後、図7の(i)の状態に戻って先述のサイクルを繰り返す。ただし、本実施形態における材料供給工程では、射出後に混練槽2に残存する発泡混練砂の重量が第1の閾値以上である場合、材料の少なくとも一部を混練槽2に供給しない。このように、射出後に混練槽2に残存する発泡混練砂の重量が第1の閾値以上である場合等、射出の度に次の材料を供給する必要はない場合には材料の少なくとも一部を供給しないため、材料供給工程における材料の少なくとも一部の供給を省略することができる。また、混練槽2に材料の少なくとも一部が供給されないため、撹拌機構5における撹拌羽根51による材料の混練時間を短くすることができる。その結果、サイクルタイムを短縮できる。
混練槽2内の発泡混練砂の重量が、第1の閾値以上である場合、鋳型造型装置1は、例えば、操作受付部を介して作業者から材料供給時間0を選択する操作を受け付ける。操作受付部を介して作業者から材料供給時間0を選択する操作を受け付けなかった場合、鋳型造型装置1は、水以外の材料の供給を省略し、水を混練槽2に供給する。材料供給時間0を選択する操作を受け付けた場合、鋳型造型装置1は、材料供給工程自体を省略し、すべての材料の供給を省略する。
また、本実施形態では、混練槽2内にあらかじめ発泡混練砂が収納されている状態から先述および以下の各工程を行う。射出後計測し、1つの鋳型を造型するのに必要な重量が2kgで射出後計測である場合、混練槽2にあらかじめ収納されている発泡混練砂の重量は、6kg以上12kg以下であることが好ましい。すなわち、混練槽2にあらかじめ収納されている発泡混練砂の重量は、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の300%以上600%以下(鋳型を3回以上6回以下造型できる重量)であることが好ましい。
混練槽2にあらかじめ収納されている発泡混練砂の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の300%以上であることにより、1つの鋳型を造型するのに必要な重量に対して小さすぎない。これにより、あらかじめ収納された発泡混練砂の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の300%未満である構成に比べて、異常が生じても混練槽2内の発泡混練砂の重量が、第2の閾値を下回る可能性が低い。その結果、混練槽2にあらかじめ収納されている発泡混練砂の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の300%未満である構成に比べて、先述の各工程を安全に行うことができる。また、混練槽2にあらかじめ収納されている発泡混練砂の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の300%未満である構成に比べて、第1の閾値に達するのに時間がかからない。そのため、混練槽2に材料の少なくとも一部を供給する工程の実施を省略し、サイクルタイムを短縮することができる。
また、混練槽2にあらかじめ収納されている発泡混練砂の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の600%以下であることにより、1つの鋳型を造型するのに必要な重量に対して大きすぎない。これにより、混練槽2にあらかじめ収納されている発泡混練砂の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の600%よりも大きい構成に比べて、混練槽2内から発泡混練砂が溢れる可能性を低くすることができる。また、混練槽2にあらかじめ収納されている発泡混練砂の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の600%よりも大きい構成に比べて、混練工程における混練時間を短縮することができる。その結果、混練槽2にあらかじめ収納されている発泡混練砂の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の600%よりも大きい構成に比べて、混練工程を含むサイクルのサイクルタイムを短縮することができる。
なお、混練槽2にあらかじめ収納されている発泡混練砂の重量は、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の変化に応じて、変化させてもよい。混練槽2にあらかじめ収納されている発泡混練砂の重量は、上述のように、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の300%以上600%以下であれば好ましい範囲に属するため、幅を持たせてもよい。
また、本実施形態のように、射出後計測し、1つの鋳型を造型するのに必要な重量が2kgである場合、第1の閾値は、8kg以上10kg以下であることが好ましい。すなわち、第1の閾値は、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の400%以上500%以下であることが好ましい。
第1の閾値が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の400%以上であることにより、1つの鋳型を造型するのに必要な重量に対して小さすぎない。これにより、第1の閾値が1つの鋳型を造型するのに必要な重量の400%未満である構成に比べて、射出口20から発泡混練砂から漏れる等の異常が発生しても、混練槽2内の発泡混練砂の重量が1つの鋳型を造型するのに必要な重量を下回る可能性が低い。その結果、第1の閾値が1つの鋳型を造型するのに必要な重量の400%未満である構成に比べて、先述の各工程を含むサイクルを確実の実施することができる。また、第1の閾値が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の500%以下であることにより、1つの鋳型を造型するのに必要な重量に対して大きすぎない。これにより、第1の閾値が1つの鋳型を造型するのに必要な重量の500%よりも大きい構成に比べて、混練槽2内から発泡混練砂が溢れる可能性を低くすることができる。また、混練槽2内の発泡混練砂の重量が第1の閾値以上になるのに時間がかかりすぎない。その結果、材料供給工程において材料の少なくとも一部の供給を好適に省略し、サイクルタイムを短縮することができる。
なお、第1の閾値は、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の変化に応じて、変化させてもよい。第1の閾値は、上述のように、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の400%以上500%以下であれば好ましい範囲に属するため、幅を持たせてもよい。
また、本実施形態のように、射出後計測し、1つの鋳型を造型するのに必要な重量が2kgである場合、混練槽2に供給される材料の重量は、2.1kg以上4kg以下であることが好ましい。すなわち、混練槽2に供給される材料の重量は、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の105%以上200%以下であることが好ましい。
混練槽2に供給される材料の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の105%以上であることにより、1つの鋳型を造型するのに必要な重量に対して小さすぎない。これにより、混練槽2内の発泡混練砂の重量が第1の閾値以上になるのに時間がかかりすぎない。その結果、材料供給工程において材料の少なくとも一部の供給を好適に省略し、サイクルタイムを短縮することができる。また、混練槽2に供給される材料の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の200%以下であることにより、1つの鋳型を造型するのに必要な重量に対して大きすぎない。これにより、混練槽2に供給される材料の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の200%よりも大きい構成に比べて、混練槽2内から発泡混練砂が溢れる可能性を低くすることができる。また、混練槽2に供給される材料の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の200%よりも大きい構成に比べて、混練工程における混練時間を短縮することができる。その結果、混練槽2に供給される材料の重量が、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の200%よりも大きい構成に比べて、混練工程を含むサイクルのサイクルタイムを短縮することができる。
なお、混練槽2に供給される材料の重量は、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の変化に応じて、変化させてもよい。混練槽2に供給される材料の重量は、上述のように、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の105%以上200%以下であれば好ましい範囲に属するため、幅を持たせてもよい。
<混練工程>
図7の(viii)は、材料供給工程の後、混練槽2内に供給した材料を混練して発泡混練砂を生成する混練工程を行う様子を示す。
混練工程では、混練槽2に向かって蓋部材60および撹拌機構5を下降させる。また、混練工程では、混練槽2に対する蓋部材60および撹拌機構5の位置は、クランプピン43がクランプブッシュ28の穴28aに挿入される高さよりも下にある。
混練が完了すると、クランプピン43がクランプブッシュ28の穴28aに挿入される高さと等しくなる位置まで蓋部材60および撹拌機構5を上昇させて、クランプピン43をクランプブッシュ28の穴28aに挿入する。この状態が、図7の(i)に示す状態である。
以上が、鋳型造型装置1の一連の動作である。以上で説明した動作は、射出、鋳型の造型、計測、材料供給、混練の順で動作し、このサイクルを繰り返すことができる。なお、メンテナンス等の目的でサイクルを停止する場合には、図7の(i)に示す状態で停止させる。
ここで、本実施形態における混練工程では、混練槽2内の発泡混練砂の重量が、第1の閾値以上であるサイクルでは、材料供給工程における材料の少なくとも一部の供給に加えて混練工程を省略してもよい。すなわち、射出後に混練槽2に残存する発泡混練砂の重量が第1の閾値以上であるサイクルでは、材料供給工程および混練工程を0時間とし、射出工程を連続して行ってもよい。
例えば、鋳型造型装置1は、混練槽2内の発泡混練砂の重量が、第1の閾値以上であるサイクルでは、操作受付部(不図示)を介して作業者から混練時間0を選択するかどうかの操作を受付けてもよい。鋳型造型装置1は、作業者から混練時間0の選択操作を受け付けた場合、混練工程を省略し、撹拌機構5の撹拌羽根51に混練槽2内の材料を撹拌させなくてもよい。当該選択操作を受け付けなかった場合、鋳型造型装置1は、撹拌羽根51に混練槽2内の材料を撹拌させてもよい。このように、混練槽2内の発泡混練砂の重量が第1の閾値以上であり、当該選択操作を受け付けた場合、混練工程を省略して混練時間を0時間にできるため、サイクルタイムをより短縮できる。また、先述の選択操作を受け付けなかった場合、混練工程を省略せず、撹拌羽根51に混練槽2内の材料を撹拌させることになる。ただし、この場合も、混練槽2に材料の少なくとも一部が供給されないため、混練時間を短縮できる。
なお、材料供給工程および混練工程を省略して射出工程を連続して行う場合、上下駆動機構3は、図7の(vi)の計測工程を行った後の状態から、図7の(i)の状態になり、図7の(i)の状態から上述のサイクルを繰り返す。
<メンテナンス工程>
先述の警告の通知が行われた後でなくても、作業者は、鋳型造型装置1をメンテナンスしてもよい。例えば、図7の(viii)の後にメンテナンスを行う場合には、上述のように図7の(i)に示す状態でサイクルを停止し、クランプピン43をクランプブッシュ28の穴28aから外して、混練槽2を蓋部材60および撹拌機構5から切り離す。これにより、混練槽2は、止栓機構7の止栓プレート7bに載置された状態となる。この状態において、蓋部材60および撹拌機構5を上昇させる。そして、撹拌軸53と撹拌羽根51とが接続している接続部分52が、混練槽2の上側部22の上まで上がり、接続部分52の周辺に作業スペースが確保できた時点で、上昇を止める。この状態を、図8の(ix)に示す。
次に、図8の(ix)に示す状態において、接続部分52を操作して、撹拌軸53から撹拌羽根51を外し、撹拌羽根51のみを混練槽2内に収容させる。この状態を、図8の(x)に示す。撹拌羽根51を収容した混練槽2は、止栓プレート7bに載った状態であるため、そのまま止栓プレート7bを水平方向に移動させることにより、連結部4他の駆動系の直下から外れた位置に混練槽2を移動させる。これにより、連結部4の直下から外れた移動後の位置にて、混練槽2および撹拌羽根51を洗浄する等のメンテナンスを実施することができる。このように撹拌羽根51を外す構成とすれば、撹拌羽根51の下側部までを混練槽2の上側部22よりも上に引き上げる必要がなく、撹拌機構5の上下動域を短く設定することができる。また、上下駆動機構3を小型化させることができる。
(4)鋳型造型装置1による鋳型造型方法
以下、図9を用いて、本実施形態に係る鋳型造型装置1による鋳型造型方法について説明する。図9は、図1に示す鋳型造型装置1の鋳型造型方法の一例を示すフローチャートである。以下では、混練槽2内にあらかじめ発泡混練砂が収容されている状態から始まる鋳型造型方法を説明する。
ステップS101において、鋳型造型装置1の射出用空気供給部65bは、鋳型造型装置1の混練槽2内の発泡混練砂を空気により押圧して射出口20から射出させる(射出工程)。
ステップS102において、射出口20から射出された発泡混練砂を鋳型造型装置1の金型11のキャビティに充填し、加熱硬化することによって鋳型を造型し、当該鋳型を取り出す(造型工程)。
ステップS103において、鋳型造型装置1の止栓機構7における計測部は、ステップS101の射出工程の後に混練槽2内の発泡混練砂の重量を計測する(計測工程)。図9に示すように、計測部は、図7に示す各ステップを含むサイクルにおける射出工程の後に、混練槽2内の発泡混練砂の重量を1回計測する。
ステップS104において、計測部は、混練槽2内の発泡混練砂の重量が第1の閾値未満であるかどうかを判定する。材料供給部8は、混練槽2内の発泡混練砂の重量が第1の閾値未満であると判定した場合(ステップS104のYES)、ステップS105に進む。材料供給部8は、混練槽2内の発泡混練砂の重量が第1の閾値未満でないと判定した場合(ステップS104のNO)、すなわち、混練槽の発泡混練砂の重量が第1の閾値以上であると判定した場合、ステップS108に進む。
ステップS105において、計測部は、ステップS103の計測工程において計測した混練槽2内の発泡混練砂の重量が、第2の閾値以上であるかどうかを判定する。計測部は、混練槽2内の発泡混練砂の重量が、第2の閾値以上であると判定した場合(ステップS105のYES)、ステップS106に進む。計測部は、混練槽2内の発泡混練砂の重量が、第2の閾値未満であると判定した場合(ステップS105のNO)、ステップS111に進む。
ステップS106において、材料供給部8は、1つの鋳型を造型するのに必要な量よりも多い材料を供給する(材料供給工程)。
ステップS107において、鋳型造型装置1の撹拌機構5における撹拌羽根51は、混練槽2内の材料を撹拌することによって混練し、発泡混練砂を生成する(混練工程)。ステップS107の終了後、鋳型造型装置1は、ステップS101に戻り、先述の各工程を含むサイクルを繰り返し実施する。
ステップS108において、鋳型造型装置1は、混練槽2内の発泡混練砂の重量が、第1の閾値以上である場合、水分調整するため水を供給するかどうか、すなわち、材料供給工程自体を省略しないかどうかを判定する。例えば、鋳型造型装置1は、操作受付部を介して作業者から材料供給時間0を選択する操作を受け付けなかった場合、水を供給すると判定し(ステップS108のYES)、ステップS109に進む。鋳型造型装置1は、操作受付部を介して作業者から材料供給時間0を選択する操作を受け付けた場合、ステップS109を省略してステップS110に進む。
ステップS109において、鋳型造型装置1は、水以外の材料の供給を省略し、水を混練槽2に供給する。
ステップS110において、鋳型造型装置1は、混練槽2内の発泡混練砂の重量が、第1の閾値以上である場合、混練槽2内の材料を混練するかどうか、すなわち、混練時間0を選択しないかどうかを判定する。鋳型造型装置1は、例えば、操作受付部を介して作業者から混練時間0を選択する操作を受け付けなかった場合、混練槽2内の材料を混練すると判定する(ステップS110のYES)。この場合、鋳型造型装置1は、ステップS106の材料供給工程における材料の少なくとも一部の供給のみを省略してステップS107に進む。鋳型造型装置1は、操作受付部を介して作業者から混練時間0を選択する操作を受け付けた場合、混練槽2内の材料を混練しないと判定する(ステップS110のNO)。この場合、鋳型造型装置1は、ステップS106の材料供給工程における材料の少なくとも一部の供給に加えてステップS107の混練工程を省略する。ステップS107を省略した場合、鋳型造型装置1は、ステップS101に戻り、先述の工程を含むサイクルを繰り返し実施する。
ステップS111において、発泡混練砂の重量が第2の閾値未満である場合、鋳型造型装置1は、鋳型造型装置1の通知部を介して警告を通知する。ここでは、発泡混練砂の重量が第2の閾値未満であるサイクルにおいて、鋳型造型装置1は、ステップS106の材料供給工程における材料の少なくとも一部の供給およびステップS107の混練工程を省略し、警告を通知する。
ステップS112において、ステップS111における警告の通知が行われた後、作業者は、鋳型造型装置1をメンテナンスし、各工程の実施を終了する。
〔変形例〕
本発明は先述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態1では、鋳型造型装置1は、射出工程の後に計測工程を行っているが、計測工程の後に射出工程を行ってもよい。すなわち、射出後計測の代わりに、射出前計測を行ってもよい。
(5)鋳型造型装置1による鋳型造型動作
以下に、図10を用いて、変形例に係る鋳型造型装置1による鋳型造型動作について説明する。図10は、図1に示す鋳型造型装置の鋳型造型動作の一例について模式的に示す図である。以下でも、図7と同様に発泡混練砂の図示を省略し、混練槽2内にあらかじめ発泡混練砂が収容されている状態から始まる動作を説明する。なお、図10の動作のうち、図7と同様の動作については、その説明を省略する。
図10の(i)は、図7の(i)と同様に、原位置においてクランプ動作を行うクランプ工程の様子を示す。
図10の(ii)は、射出工程の前に、混練槽2内の発泡混練砂の重量を計測する計測工程を行う様子を示す。図10の(ii)では、クランプした状態で射出口20を開放する図7の(ii)の開放工程と異なり、計測工程のために図10の(i)のクランプ工程において行ったクランプを解除する。
ここで、図10の(ii)の計測工程において計測した発泡混練砂の重量が、第2の閾値未満である場合、鋳型造型装置1は、図7の(vi)と同様の動作を行う。ただし、ここでは、射出前計測を行うため、第2の閾値は、理論上、射出後計測を行う実施形態1に記載の第2の閾値と比べて、1つの鋳型を造型するのに必要な重量であって、射出した発泡混練砂の重量(射出量)大きくなる。そのため、変形例のように、射出前計測し、1つの鋳型を造型するのに必要な重量が2kgである場合、第2の閾値は、実施形態1における第2の閾値に射出量だけ加えた6kg以上8kg以下であることが好ましい。すなわち、第2の閾値は、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の300%以上400%以下であることが好ましい。これによっても、発泡混練砂の重量が、第2の閾値未満である場合、混練槽2の射出口20に設けられた弾性体プレート等から発泡混練砂が漏れる等の異常が発生して混練槽2内の発泡混練砂が欠乏しても、警告を通知できる。これにより、混練槽2内の発泡混練砂が欠乏した状態が続くのを防止することができる。また、鋳型造型装置1をメンテナンスすることによって正常化できる。
図10の(iii)は、クランプした状態で射出口20を開放する開放工程の様子を示す。ここで、図10の(iii)の開放工程では、図7の(ii)の開放工程と異なり、開放工程のために図10の(ii)に計測工程の状態から再度クランプする。
このように、射出前計測する場合、射出工程の後の鋳型造型装置1の動作と、計測工程の鋳型造型装置1の動作とがオーバーラップしない。これに対し、実施形態1のように、射出工程、計測工程、材料供給工程の順にサイクルを実施することによって、射出工程の後の材料供給工程の鋳型造型装置1の動作と、計測工程の鋳型造型装置1の動作とがオーバーラップする。そのため、射出後計測する構成は、射出前計測する構成に比べて、鋳型造型装置1の動作に無駄がないため、射出前計測する構成よりもサイクルタイムを短縮できる。
図10の(iv)は、図7の(iii)と同様に、クランプした状態で金型11を設置し、混練槽2内の発泡混練砂を空気により押圧して発泡混練砂を射出する射出工程の様子を示す。
図10の(v)は、図7の(iv)と同様に、クランプした状態で混練槽2と蓋部材60と撹拌機構5とが一体的に天頂方向に向かって再び止栓走行位置まで引き上げられる様子を示す。
図10の(vi)は、図7の(v)と同様に、クランプした状態で止栓機構7が混練槽2の直下の原位置に移動して、止栓7aを射出口20に挿入する様子を示す。
図10の(vii)は、図7の(vii)と同様に、クランプを解除した状態で、混練槽2内に、粒子状骨材、水溶性バインダ、界面活性剤および水等の材料を供給する材料供給工程を行う様子を示す。
ここで、図10の(vii)の材料供給工程では、混練槽2内の発泡混練砂の重量が、第1の閾値未満である場合、図7の(vii)と同様に、1つの鋳型を造型するのに必要な量よりも多い材料を供給する。また、図10の(vii)の材料供給工程では、射出後に混練槽2に残存する発泡混練砂の重量が第1の閾値以上である場合、図7の(vii)と同様に、材料を混練槽2に供給しない。ただし、ここでは、射出前計測を行うことから、第1の閾値は、理論上、射出後計測を行う実施形態1に記載の第2の閾値と比べて射出量だけ多くなる。そのため、変形例のように、射出前計測し、1つの鋳型を造型するのに必要な重量が2kgである場合、第1の閾値は、実施形態1における第1の閾値に射出量だけ加えた10kg以上12kg以下であることが好ましい。すなわち、第1の閾値は、1つの鋳型を造型するのに必要な重量の500%以上600%以下であることが好ましい。これによっても、混練槽2内の発泡混練砂の重量が第1の閾値以上である場合には材料を供給しないため、サイクルタイムを短縮できる。
図10の(viii)は、図7の(viii)と同様に、材料供給工程および連結工程の後、混練槽2内に供給した材料を混練して発泡混練砂を生成する混練工程を行う様子を示す。
図10の(viii)の混練工程では、図7の(viii)と同様に、混練槽2内の発泡混練砂の重量が、第1の閾値以上である場合、材料供給工程を省略し、材料を混練しない。すなわち、混練槽2内の発泡混練砂の重量が第1の閾値以上であり、混練時間0を選択する操作を受付けた場合には、材料供給工程および混練工程を省略し(材料供給工程および混練工程を0時間とし)、射出工程を連続して行ってもよい。図10の(viii)の混練工程の構成によっても、図7の(viii)と同様に、サイクルタイムを短縮することができる。
混練が完了すると、図7の(i)と同様に図10の(i)に示す状態に戻る。以上が、変形例に係る鋳型造型装置1の一連の動作である。以上で説明した動作は、計測、射出、鋳型の造型、材料供給、混練の順で動作し、このサイクルを繰り返すことができる。なお、メンテナンス等の目的でサイクルを停止する場合には、図10の(i)に示す状態で停止させる。メンテナンスは、図8の(ix)および(x)と同様に行うことができる。
(6)鋳型造型装置1による鋳型造型方法
以下、図11を用いて変形例に係る鋳型造型装置1による鋳型造型方法について説明する。図11は、図1に示す鋳型造型装置の鋳型造型方法の一例を示すフローチャートである。以下でも、図9と同様に、混練槽2内にあらかじめ発泡混練砂が収容されている状態から始まる鋳型造型方法を説明する。
ステップS201において、鋳型造型装置1の止栓機構7における計測部は、ステップS202の射出工程の前に混練槽2内の発泡混練砂の重量を計測する(計測工程)。
ステップS202において、鋳型造型装置1の射出用空気供給部65bは、ステップS201の計測工程の後に、鋳型造型装置1の混練槽2内の発泡混練砂を空気により押圧して射出口20から射出させる(射出工程)。
図11に示すステップS203~S212は、第1の閾値および第2の閾値が、実施形態1における第1の閾値および第2の閾値と比べて射出量だけ多い点以外同様である。そのため、ここではステップS203~S212の説明を省略する。
〔実施例〕
以下、鋳型造型装置の一実施例を説明する。試験1~3について、それぞれ以下に示す条件にて試験を行った。
(試験1)
試験1では、新東工業株式会社製のライトコア、型番LYTXを鋳型造型装置として用いた。具体的には、当該鋳型造型装置としては、実施形態1および変形例と同様に、射出口を含む混練槽と、撹拌羽根を含む撹拌機構と、押圧部材と、止栓機構と、金型と、を備えているものを用いた。
また、試験1では、あらかじめ、混練槽の射出口に止め栓が挿入された状態で、骨材、水溶性バインダ、界面活性剤および水等の材料を混練槽において発泡混練した。これにより、試験1では、あらかじめ、4つの鋳型を造型するのに必要な重量(8kg)の発泡混練砂を生成した。
以下、図12を用いて、先述の状態からの試験1(比較例1)における鋳型造型装置の動作について説明する。図12は、従来技術に係る鋳型造型装置による鋳型造型方法の一例を示すフローチャートである。
まず、試験1では、図12のステップS301に示すように、射出前(射出工程前)に混練槽内の発泡混練砂の重量を計測した(計測工程)。すなわち、試験1では射出前計測を行った。
次に、試験1では、図12のステップ302に示すように、混練槽から止め栓を外し、混練槽内の発泡混練砂を、空気により押圧して射出することによって、金型に充填した(射出工程)。
次に、試験1では、図12のステップS303に示すように、金型に射出された発泡混練砂を、150℃以上350℃以下の金型において一定時間加熱し、鋳型を造型した(造型工程)。水溶性バインダの脱水縮合反応が完了後、金型から鋳型を取り出した。
次に、試験1では、図12のステップS304に示すように、射出後(射出工程後)に混練槽内の発泡混練砂の重量を計測した(計測工程)。すなわち、試験1では、射出後計測を行った。
次に、試験1では、ステップS301およびS304において計測した射出前後の混練槽内の発泡混練砂の重量から、これらの重量の差分値を算出した。続いて、試験1では、図12のステップS305に示すように、当該差分値から、射出した発泡混練砂の重量(射出量)を算出した。
次に、試験1では、図12のステップS306に示すように、ステップS305において算出した射出量の材料を混練槽に供給した(材料供給工程)。
次に、試験1では、図12のステップS307に示すように、混練槽内の材料を混練した(混練工程)。
試験1では、鋳型造型装置は、ステップS307の後、先述の各ステップを含むサイクルを自動で繰り返し、先述の各ステップを1サイクルするのにかかったサイクルタイムを計測した。
試験1の結果、先述の各ステップを1サイクルするのにかかったサイクルタイムは150secだった。
(試験2)
試験2(実施例1)では、先述の鋳型造型装置と同様の装置を用いて、図11と同様の鋳型造型方法を行った。
また、試験2では、試験1と同様に、あらかじめ、混練槽の射出口に止め栓が挿入された状態で、先述と同様の材料を混練槽において発泡混練した。これにより、試験2でも、あらかじめ、4つの鋳型を造型するのに必要な重量(8kg)の発泡混練砂を生成した。
以下、図11を用いて、先述の状態からの試験2における鋳型造型装置の動作について説明する。
まず、試験2では、図11のステップS201に示すように、射出前(射出工程前)に混練槽内の発泡混練砂の重量を計測した(計測工程)。すなわち、試験2では、射出前計測を行った。
次に、試験2では、図11のステップ202に示すように、混練槽から止め栓を外し、混練槽内の発泡混練砂を、空気により押圧して射出することによって、金型に充填した(射出工程)。
次に、試験2では、図11のステップS203に示すように、金型に射出された発泡混練砂を、150℃以上350℃以下の金型において一定時間加熱し、鋳型を造型した(造型工程)。水溶性バインダの脱水縮合反応が完了後、金型から鋳型を取り出した。
次に、試験2では、射出後(射出工程後)に射出口に止め栓を挿入した後、図11のステップS204に示すように、混練槽内の発泡混練砂の重量が第1の閾値未満であるかどうかを判定した。また、試験2では、発泡混練砂の重量が第1の閾値(ここでは10kg)未満のサイクルでは、1つの鋳型を造型するのに必要な重量(2kg)よりも多い2.2kgの骨材を混練槽に供給した。また、骨材に加え、水溶性バインダ、界面活性剤および水を含む材料を混練槽に供給した(材料供給工程)。
また、試験2では、発泡混練砂の重量が第1の閾値(ここでは10kg)よりも多いサイクルでは、材料供給工程において水以外の材料の供給を省略し、水分調整のための水を混練槽に供給し、発泡混練砂を再調製した。
また、試験2では、発泡混練砂の重量が第2の閾値(ここでは7kg)未満であるサイクルでは、材料供給工程および混練工程を省略し、警告の通知および鋳型造型装置1のメンテナンスを行うように設定した。すなわち、試験2では、発泡混練砂の重量が第2の閾値未満であるサイクルでは、鋳型造型装置1の設備を停止し、警報を発令した上で、鋳型造型装置1をメンテナンスするように設定した。
次に、試験2では、ステップS207に示すように、混練槽内の材料を混練した(混練工程)。
試験2では、鋳型造型装置は、ステップS207の後、先述の各ステップを含むサイクルを自動で繰り返し、先述の各ステップを1サイクルするのにかかったサイクルタイム(時間)を計測した。
試験2の結果を図13の射出前計測の図に示す。図13は、射出前計測および射出後計測の回数と混練槽2内の発泡混練砂の重量との関係を示す図である。図13に示すように、試験2では、発泡混練砂の重量が第2の閾値を下回る等の異常は発生しなかった。また、試験2では、発泡混練砂の重量が第1の閾値を超えたサイクルが11回計測する(11回造型する)毎に訪れ、当該サイクルでは材料供給工程において水以外の材料の供給を省略した。その結果、材料供給工程において水以外の材料の供給を省略した次の回では、発泡混練砂の重量が1つの鋳型を造型するのに必要な重量である2kgだけ減っていた。
また、試験2の結果、先述の各ステップを1サイクルするのにかかったサイクルタイム(1サイクルの時間)は、材料供給工程において材料を供給したサイクルでは120secだった。また、材料供給工程において水以外の材料の供給を省略したサイクルでは115secだった。
このように、試験2では、材料供給工程において水以外の材料を供給したサイクルにおいても、試験1に比べてサイクルタイムを約20%短縮できた。また、材料供給工程において水以外の材料の供給を省略したサイクルでは、さらにサイクルタイムを短縮できた。
(試験3)
試験3(実施例2)では、試験2のように射出前計測ではなく、射出後計測を行った。具体的には、試験3は、計測工程、射出工程、造型工程、材料供給工程、混練工程の順の代わりに、図9に示すように、射出工程、造型工程、計測工程、材料供給工程、混練工程の順に各工程を実施した。
また、試験3では、発泡混練砂の重量が第1の閾値(ここでは8kg)よりも多いサイクルでは、材料供給工程において水以外の材料の供給を省略し、水分調整のための水を混練槽に供給し、発泡混練砂を再調製した。
また、試験3では、発泡混練砂の重量が第2の閾値(ここでは5kg)未満であるサイクルでは、材料供給工程および混練工程を省略し、警告の通知および鋳型造型装置1のメンテナンスを行うように設定した。
これらの点以外は、試験3は、試験2と同様に上述の工程を含むサイクルを繰り返し実施し、サイクルタイムを計測した。
試験3の結果を図13の射出後計測の図に示す。図13に示すように、試験3においても、試験2と同様に、発泡混練砂の重量が第2の閾値を下回る等の異常は発生しなかった。また、試験3においても、試験2と同様に、発泡混練砂の重量が第1の閾値を超えたサイクルが11回計測する(11回造型する)毎に訪れ、当該サイクルでは材料供給工程において水以外の材料の供給を省略した。その結果、材料供給工程において水以外の材料の供給を省略した次の回では、発泡混練砂の重量が1つの鋳型を造型するのに必要な重量である2kgだけ減っていた。
試験3の結果、先述の各ステップを1サイクルするのにかかったサイクルタイムは、材料供給工程において材料を供給したサイクルでは110secだった。また、材料供給工程において水以外の材料の供給を省略したサイクルでは105secだった。
先述のように、射出後計測をした結果、試験2に比べてサイクルタイムをさらに短縮することができた。
本発明は先述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 鋳型造型装置
2 混練槽
5 撹拌機構
8 材料供給部
20 射出口
51 撹拌羽根
60 蓋部材
65b 射出用空気供給部

Claims (7)

  1. 1つの鋳型を造型するのに必要な量よりも多い材料を混練槽に供給する材料供給工程と、
    前記混練槽内の前記材料を混練して発泡混練砂を生成する混練工程と、
    前記混練槽内の前記発泡混練砂を空気により押圧して射出する射出工程と、
    前記射出工程の前または後に前記混練槽内の前記発泡混練砂の量を1回計測する計測工程と、を含むサイクルを繰り返し実施し、
    前記発泡混練砂の量が、第1の閾値以上であるサイクルでは、前記材料供給工程において前記材料の少なくとも一部の供給を省略する、
    ことを特徴とする鋳型造型方法。
  2. 前記射出工程は、前記混練槽と、該混練槽を開閉する蓋部材とが連結された状態で実施され、前記材料供給工程、前記混練工程および前記計測工程は、前記混練槽と前記蓋部材との連結が解除された状態で実施され、
    前記計測工程は、前記射出工程の前または後に実施される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の鋳型造型方法。
  3. 前記発泡混練砂の量が、第1の閾値以上であるサイクルでは、前記混練工程をさらに省略する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の鋳型造型方法。
  4. 前記材料供給工程では、前記1つの鋳型を造型するのに必要な重量の105%以上200%以下の重量の前記材料を前記混練槽に供給する、
    ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の鋳型造型方法。
  5. 前記発泡混練砂の量が、第1の閾値以上であるサイクルでは、前記材料供給工程において前記材料のうち水を前記混練槽に供給する、
    ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の鋳型造型方法。
  6. 前記発泡混練砂の量が、第2の閾値未満であるサイクルでは、警告を通知する、
    ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の鋳型造型方法。
  7. 前記警告が通知された場合、前記サイクルを実施する鋳型造型装置をメンテナンスする、
    ことを特徴とする請求項6に記載の鋳型造型方法。
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