JP7230354B2 - 立体造形用粉末、樹脂粉末、立体造形物の製造装置、及び立体造形物の製造方法 - Google Patents
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Description
立体造形用粉末を硬化してなる立体造形物の、JIS K7191(ISO 75)に準拠した、曲げ応力1.8MPaにおける荷重たわみ温度が、60℃以上である。
本発明の立体造形用粉末は、示差走査熱量測定において、ISO 3146に準拠して測定した10℃/minにて、融点より30℃高い温度まで昇温したときに得られる吸熱ピークの融解熱量をQ1とし、その後、10℃/minにて、20℃以下まで降温し、更に、融点より30℃高い温度まで10℃/minにて昇温したときの再融解熱量をQ2としたとき、前記Q1と前記Q2との比(Q1/Q2)が、1.10以上であり、
立体造形用粉末を硬化してなる立体造形物の、JIS K7191(ISO 75)に準拠した、曲げ応力1.8MPaにおける荷重たわみ温度が、60℃以上であり、必要に応じて、その他の成分を含有する。
また、本発明の立体造形用粉末は、ファイバーフィラーなどの強化剤を含まずに、耐熱性が高い立体造形物を製造することができる。更に、本発明の立体造形用粉末は、ファイバーフィラーなどの強化剤を含む必要がないため、軽量性に優れた立体造形物を製造することができる。
示差走査熱量測定による再融解熱量Q2の測定方法としては、例えば、前記融解開始熱量Q1を測定した後、10℃/minにて、20℃以下まで降温し、更に、10℃/minにて、融点より30℃高い温度まで昇温したときの吸熱ピークの再融解熱量を測定し、Q2とすることができる。
前記融解開始熱量Q1と前記再融解熱量Q2との比(Q1/Q2)が1.10以上であると、立体造形用粉末の結晶性が非常に高く、立体造形物の造形後も結晶性が高い状態を維持できるため、耐熱性に優れる立体造形物を製造することができる。
また、立体造形用粉末としては、高い耐熱性を維持する点から、強化剤を含まないことが好ましい。
前記立体造形用粉末は、樹脂を含有することが好ましい。
前記樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。
前記熱可塑性樹脂とは、熱をかけると可塑化し、溶融するものを意味する。前記熱可塑性樹脂の中でも、結晶性熱可塑性樹脂が好ましい。なお、前記結晶性熱可塑性樹脂とは、ISO 3146(プラスチック転移温度測定方法、JIS K7121)の測定をした場合に、融解ピークを有するものを意味する。
前記結晶性熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアリールケトン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer、LCP)、ポリアセタール(Polyoxymethylene、POM、融点:175℃)、ポリイミド、フッ素樹脂等のポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンが好ましい。
前記結晶性熱可塑性樹脂の結晶配向は、揃うことが好ましい。
前記結晶サイズが均一、及び前記結晶配向が揃うことにより、前記結晶性熱可塑性樹脂の結晶性が高くなる。これにより、高温環境下における立体造形プロセスにおいて、リコート処理によるエラーを低減させることができる。
前記外部刺激を用いる方法としては、例えば、熱処理、延伸、超音波処理、外部電場印加処理などが挙げられる。
前記外部刺激を用いない方法としては、例えば、結晶核剤を用いて結晶性成長等の工程を経る方法、溶媒に溶解しゆっくりと揮発させる方法などが挙げられる。
なお、結晶性をより高める点から、前記結晶性熱可塑性樹脂に結晶核剤を加え、その後アニーリング処理などを行ってもよい。
前記ノズル口の形状としては、柱体形状が略円柱体である場合には、ノズル口も円形形状がよく、柱体形状が直方体である場合は、ノズル口は長方形又は正方形形状がよい。
前記ノズルの口の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多ければ多いほど生産性が向上する。
前記ノズル口の寸法精度としては、高ければ高いほどよく、面の部分の円形形状の場合、半径において少なくとも10%以内が好ましい。
前記延伸の段数としては、結晶化度を高める点から、1段で所望の延伸倍率に達成させるよりも、2段以上に分けて延伸倍率を達成させることが好ましく、結晶化度を更に高める点から、3段以上に分けて延伸することがより好ましい。
前記粉砕に好適に用いることができる粉砕装置としては、例えば、ピンドミル、カウンタージェットミル、バッフルプレート衝撃粉砕機などが挙げられる。
前記立体造形用粉末は、個々の粒子の形状が独立した柱体形状であることが好ましい。
なお、前記粒子の形状は、例えば、走査型電子顕微鏡(装置名:S4200、株式会社日立製作所製)、湿式フロー式粒子径・形状分析装置(装置名:FPIA-3000、マルバーン社製)などにより観察することができる。得られた粒子を球状化処理したり、外添加材で処理したりして、粉体流動性を更に向上してもよい。
前記柱体形状としては、向かい合う面を有することが好ましい。前記向かい合う面は傾斜がついていてもよく、生産性とレーザー造形の安定性から、平行で互いに傾斜がついていないものがより好ましい。
前記柱体形状の底面における直径及び長辺に対する高さは、例えば、走査型電子顕微鏡を用いて、300倍の倍率における粒子の画像を確認し、少なくとも20個の柱体について、基準長を元に柱体の底面における直径又は長辺と、高さとを実測し、その平均値より算出することができる。
前記略円柱体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真円柱体、楕円柱体などが挙げられる。これらの中でも、真円柱体が好ましい。なお、前記略円柱体の円部分は、一部が欠けていてもよい。また、略円とは、長径と短径との比(長径/短径)が、1~10であるものを意味する。
前記向かい合う面の円の大きさが多少ずれていてもよいが大きい面と小さい面との円の直径の比(大きい面/小さい面)としては、1.5倍以下が好ましく、形が統一されていた方が密に詰めることができる点から、1.1倍以下がより好ましい。
前記略円柱体の高さ(両面間の距離)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上200μm以下が好ましい。
前記直方体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、長方体、立方体などが挙げられる。これらの中でも、立方体が好ましい。なお、前記直方体は、一部が欠けていてもよいが、分散度が狭まりより密に詰まる点から、各辺の長さが近しい正方形が好ましい。
また、前記直方体は、長方形又は正方形の向かい合う面を有することが好ましい。
前記直方体の高さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上200μm以下が好ましい。前記高さとは、直方体の底面に対する高さ方向を意味する。
前記略円柱体においては、直径と高さが近いものがより再現性の観点から好ましく、同様な理由で直方体についても辺と高さが等しい立方体がより好ましい。
なお、図5は、SEM(走査型電子顕微鏡)観察による写真である。
なお、図5に示すように、第一の面の外周領域22bおよび第二の面の外周領域23bは、側面24に沿って延伸してなり、側面24上に位置する。また、第一の面の外周領域22bおよび第二の面の外周領域23bと、側面24と、の接続領域近辺を覆う第一の面および第二の面の特徴的な構造は、ボトルキャップ形状とも称する。
このように、柱体形状の粒子において頂点を持たないような形状にすることで、流動性が向上し、充填密度をより一層高めることができ、立体造形物の強度を高める上で非常に有効である。
なお、前記頂点を持たない柱体形状の粒子においては、整った略円柱体あるいは多角柱体である必要はなく、側面の投影像においてくびれを有する形状や、端部が引き伸ばされた形状、あるいは押しつぶされたり、曲がったりした形状のものを含んでいてもよい。
その他の成分としては、任意の劣化防止剤、流動化剤、強化剤、難燃剤、可塑剤、熱安定性添加剤や結晶核剤等の添加剤、非結晶性樹脂等のポリマー粒子などを含んでいてもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリマー粒子としては、前記ポリマー粒子を混合して使用しても、前記ポリマー粒子の表面にポリマー粒子を被覆したものを使用してもよい。
前記立体造形用粉末は、前記立体造形用粉末を構成する分子の熱安定性を維持し、樹脂劣化を抑制する点から、劣化防止剤を含有することが好ましい。
前記劣化防止剤としては、例えば、金属キレート材、紫外線吸収剤、重合禁止剤、酸化防止剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
2種以上の劣化防止剤を併用する場合、より顕著な効果が得られる組み合わせも存在する。例えば、劣化防止剤としてヒンダートフェノール化合物と、リン化合物とを組み合わせて用いることにより、相補的に安定性を向上させる効果がある事から、長期熱安定性がより向上する。
前記ホスフェート化合物、ホスファイト化合物としては、後述する酸価防止剤と同様のものを用いることができる。
前記ヒンダードフェノール化合物は、例えば、ラジカル捕捉剤などの添加剤として用いられる。
前記ヒンダードフェノール化合物の中でも、高温安定性の点から、テトラキス[メチレン-3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼンが好ましい。
また、前記ヒンダードフェノール化合物の中でも、3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼンがより好ましい。
前記ホスファイト化合物の中でも、高温安定性の点から、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス{2,4-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェニル}ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
前記二価フェノール類と反応し、環状構造を有する化合物としては、例えば、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)(2-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが挙げられる。
前記ホスホナイト化合物の中でも、前記ホスファイト化合物と併用可能である点から、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4'-ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6-ジ-tert-ブチルフェニル)-3,3’-ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-フェニルホスホナイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-3-フェニル-フェニルホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4'-ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-フェニルホスホナイトがより好ましい。
前記流動化剤とは、前記立体造形用粉末の表面の一部又はすべてを被覆することにより、立体造形用粉末の流動性を高める効果を有するものをいう。
前記流動化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機材料からなる球状粒子などが挙げられる。
前記無機材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化鉄、酸化銅、水和シリカ、シランカップリング剤により表面を変性させたシリカ、ケイ酸マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、流動性を向上させる点から、シリカ、チタニア、水和シリカ、シランカップリング剤により表面を変性させたシリカが好ましい。
前記シランカップリング剤により表面を変性させたシリカとしては、表面を疎水性に変性させたシリカがより好ましい。
前記疎水化処理の方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。前記疎水化処理に用いられる疎水化処理剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)等のシランカップリング剤、ジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル処理剤などが挙げられる。これらの中でも、シランカップリング剤が好ましい。
前記粉末混合機としては、例えば、V型混合機、ヘンシェルミキサー、ロッキングミキサー、ナウターミキサー、スーパーミキサーなどが挙げられる。
前記平均一次粒径は、例えば、粒径測定システム(装置名:ELSZ-2000ZS、大塚電子株式会社製)を用いて測定することができる。
立体造形物に、強化剤を含有していない場合も十分な耐熱性を有するが、強化剤を含有してもよい。前記強化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ファイバーフィラー、ビーズフィラー、国際公開第2008/057844号パンフレットに記載のガラスフィラー、ガラスビーズ、カーボンファイバー、アルミボール、セルロースナノファイバー、タルクナノコンポジット、カーボンナノチューブなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビーズフィラーの含有量としては、立体造形用粉末全量に対して、5質量%以上60質量%以下が好ましい。前記含有量が5質量%以上であると、得られる立体造形物の強度を向上できる。前記含有量が60質量%以下であると、目的とする立体造形物の造形性が向上する。
前記難燃剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハロゲン化合物、リン化合物、無機水和金属化合物、窒素化合物、シリコーン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記難燃剤を2種以上併用する場合、ハロゲン化合物と無機水和金属化合物との組合せが、難燃性能を高くすることができる点で好ましい。
(1)示差走査熱量測定において、ISO 3146に準拠して、10℃/minにて、融点より30℃高い温度まで昇温したときの吸熱ピークの融解開始温度をTmf1(℃)とし、その後、10℃/minにて、-30℃以下まで降温し、更に、10℃/minにて、融点より30℃高い温度まで昇温したときの吸熱ピークの融解開始温度をTmf2(℃)としたときに、(Tmf1-Tmf2)≧3℃であるため、(Tmf1-Tmf2)≧5℃が好ましく、(Tmf1-Tmf2)≧10℃がより好ましい。なお、前記吸熱ピークの融解開始温度は、融点での吸熱が終了した後に、熱量の一定となった所から低温側へx軸に対して平行な直線を引き、前記直線から-15mW下がった時点での温度である。
(2)示差走査熱量測定において、ISO 3146に準拠して、10℃/minにて、融点より30℃高い温度まで昇温したときの吸熱ピークのエネルギー量から求められる結晶化度をCd1(%)とし、その後、10℃/minにて、-30℃以下まで降温し、更に、10℃/minにて、融点より30℃高い温度まで昇温したときの吸熱ピークのエネルギー量から求められる結晶化度をCd2(%)としたときに、(Cd1-Cd2)≧3%であるため、(Cd1-Cd2)≧5%が好ましく、(Cd1-Cd2)≧10%がより好ましい。
(3)X線回折測定により得られる結晶化度をCx1(%)とし、窒素雰囲気下10℃/minにて、融点より30℃高い温度まで昇温し、その後、10℃/minにて、-30℃以下まで降温し、更に、10℃/minにて、融点より30℃高い温度まで昇温したときのX線回折測定により得られる結晶化度をCx2(%)としたときに、(Cx1-Cx2)≧3%であるため、(Cx1-Cx2)≧5%が好ましく、(Cx1-Cx2)≧10%がより好ましい。
前記耐熱性としては、立体造形用粉末を硬化してなる立体造形物の、JIS K7191(ISO 75)に準拠した、曲げ応力1.8MPaにおける荷重たわみ温度が、60℃以上である。
前記荷重たわみ温度としては、例えば、JIS K7191に準じて、フラットワイズ方式で、曲げ応力:1.8MPaの荷重をかけ、0.34mm変動したときの温度とすることができる。
前記荷重たわみ温度は、例えば、熱変形試験機(装置名:HOT TESTER 3M-2、株式会社東洋精機製作所製)を用いて測定することができる。
前記立体造形用粉末の50%累積体積粒径としては、5μm以上200μm以下が好ましく、5μm以上100μm以下がより好ましく、寸法安定性の点から、5μm以上50μm以下が更に好ましく、20μm以上50μm以下が特に好ましい。なお、前記50%累積体積粒径は、例えば、粒度分布測定装置(装置名:microtrac MT3300EXII、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記立体造形用粉末の体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、造形精度を向上させる点から、2.50以下が好ましく、2.00以下がより好ましく、1.50以下が更に好ましく、1.20以下が特に好ましい。
なお、体積平均粒径、及び個数平均粒径は、例えば、粒度分布測定装置(装置名:microtrac MT3300EXII、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記立体造形用粉末の、ISO 3146に準拠して測定したときの融点としては、100℃以上であると、製品の外装等に使用されうる耐熱温度の範囲であるため好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることが特に好ましい。
なお、前記融点は、ISO 3146(プラスチック転移温度測定方法、JIS K7121)に準拠して、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定することができ、複数の融点が存在する場合は、高温側の融点を使用する。
前記立体造形用粉末の比重としては、0.8g/mL以上が好ましい。前記比重が、0.8g/mL以上であると、立体造形物の造形時に層を形成するリコート処理時の粒子の2次凝集を抑止できるため好ましい。また、前記比重としては、金属を代替する軽量化のニーズから、3.0g/mL以下が好ましい。前記立体造形用粉末の比重は、真比重を測定することにより、求めることができる。
前記立体造形用粉末の真比重は、例えば、前記立体造形用粉末を入れたサンプルの体積を予め求めておき、気相置換法を用いた乾式自動密度計(装置名:アキュピック1330、株式会社島津製作所製)を用いて、一定温度で気体(Heガス)の体積と圧力とを変化させ、前記サンプルの体積から質量を計測し、サンプルの密度を測定することにより、求めることができる。
前記立体造形用粉末の平均円形度としては、0.5μm以上200μm以下の粒径の範囲において、0.7以上0.98以下が好ましく、0.83以上0.98以下がより好ましい。
前記円形度とは、円らしさを表す指標であり、1が最も円に近いことを意味する。前記円形度は、面積(画素数)をSとし、周囲長をLとしたときに、下記式(2)より求めることができる。
円形度=4πS/L2 ・・・式(2)
前記立体造形用粉末の嵩密度としては、PBF方式でのレーザー焼結度を促進する点から、樹脂自身の持っている密度に差異があるが嵩密度は大きい方が好ましく、タップ密度として0.35g/mL以上がより好ましく、0.40g/mL以上が更に好ましく、0.5g/mL以上が特に好ましい。
また、本発明の樹脂粉末は、立体造形用樹脂粉末として使用する他、例えば、表面収縮剤、スペーサー、滑剤、塗料、砥石、添加剤、二次電池セパレーター、食品、化粧品、衣服等において好適に利用される。さらに、本発明の樹脂粉末は、自動車、精密機器、半導体、航空宇宙、医療等の分野において用いられる材料や金属代替材料として用いることもできる。
なお、本発明の樹脂粉末を用いて得られる成形品のJIS K7191(ISO 75)に準拠した、曲げ応力1.8MPaにおける荷重たわみ温度としては、60℃以上であり、耐熱性の点から、66℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上が特に好ましい。
本発明の立体造形物の製造装置は、本発明の立体造形用粉末が貯蔵されている供給槽と、前記立体造形用粉末を含む層を形成する層形成手段と、前記層の選択された領域内の粉末同士を接着させる粉末接着手段と、を有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
前記立体造形用粉末としては、本発明の立体造形用粉末と同様のものを用いることができる。
図2において、造形装置1は、立体造形用粉末Pを収容する収容手段の一例としての供給槽11、供給槽11に収容されている立体造形用粉末Pを供給するローラ12、ローラ12によって供給された立体造形用粉末Pが配され、レーザーLが走査されるレーザー走査スペース13、電磁線としてのレーザーLの照射源である電磁照射源18、及び電磁照射源18によって照射されたレーザーLをレーザー走査スペース13の所定位置へ反射させる反射鏡19を有する。また、造形装置1は、供給槽11、及びレーザー走査スペース13に収容される立体造形用粉末Pをそれぞれ加熱するヒータ11H,13Hを有する。
本発明の立体造形物の製造方法は、本発明の立体造形用粉末を含む層を形成する層形成工程と、前記層の選択された領域内の粉末同士を接着させる粉末接着工程と、を繰り返し、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記粉末接着工程が、前記形成された層に電磁照射し、溶融させた後に冷却後硬化する硬化工程を含むことが好ましい。
前記立体造形物の製造方法は、前記立体造形物の製造装置により好適に実施することが
できる。
前記立体造形用粉末としては、本発明の立体造形用粉末と同様のものを用いることができる。
前記立体造形用粉末から立体造形物を製造するためにSMSプロセスを使用する場合、立体造形用粉末の赤外吸収特性を増強させる物質を含有させることが好ましい。
前記赤外吸収特性を増強させる物質としては、例えば、熱吸収剤、暗色物質などが挙げられる。
前記熱吸収剤、暗色物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンファイバー、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、セルロースナノファイバーなどが挙げられる。
前記立体造形物は、本発明の立体造形物の製造方法により好適に製造されることができる。
前記融点は、ISO 3146(プラスチック転移温度測定方法、JIS K7121)に準拠して、示差走査熱量測定装置(装置名:DSC-60A、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。
示差走査熱量測定において、ISO 3146に準拠して、示差走査熱量測定装置(装置名:DSC-60A、株式会社島津製作所製)を用いて、10℃/minにて、融点より30℃高い温度まで昇温したときの吸熱ピークの融解開始熱量を測定し、Q1とした。その後、10℃/minにて、20℃以下まで降温し、更に、10℃/minにて、融点より30℃高い温度まで昇温したときの吸熱ピークの再融解熱量を測定し、Q2とした。得られたQ1とQ2とから、融解開始熱量Q1と再融解熱量Q2との比(Q1/Q2)を求めた。
粒度分布測定装置(装置名:microtrac MT3300EXII、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて、立体造形用粉末ごとの粒子屈折率を使用し、溶媒は使用せず、乾式(大気)法にて、得られた立体造形用粉末の50%累積体積粒径、体積平均粒径、及び個数平均粒径を測定した。また、得られた体積平均粒径、及び個数平均粒径から体積平均粒径/個数平均粒径の比を算出した。
なお、前記粒子屈折率は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂:1.57、ポリアミド66(PA66)樹脂:1.53、ポリプロピレン(PP)樹脂:1.48と設定した。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5020、三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製、融点:218℃)99.8質量部に、劣化防止剤として、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン(商品名:AO-330、株式会社ADEKA製)0.2質量部を加え、一軸押出し機(装置名:D2020、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、ペレットを混錬しながら温度250℃で押し出した。押し出された繊維状物質を、1段目の延伸により1.3倍の長さにし、更に2段目の延伸により2.5倍の長さにし、直径:60μmの繊維を作製して巻き取った。その後、切断装置(装置名:NZI0606、株式会社荻野精機製作所製)を用いて、得られた繊維を幅:60μm以上70μm以下になるように切断し、粉末を得た。得られた粉末は、50%累積体積粒径:65μmであった。また、得られた粉末は、走査電子顕微鏡(装置名:JSM-7800FPRIME、日本電子株式会社製)を用いたところ、線径:60μm、直径:60μmであった。次に、得られた粉末を、装置名:マルチパーパスミキサ(日本コークス工業株式会社製)を用いて、回転数:1,000rpmにて20分間処理し、機械摩擦により表面溶融させ、略柱体形状の粒子を得た。これを実施例1の立体造形用粉末とした。
実施例1において、2段目の延伸により2.5倍の長さにした後、更に3段目の延伸により1.1倍の長さにし、直径:60μmの繊維を作製して巻き取った以外は、実施例1と同様にして、実施例2の立体造形用粉末を得た。
なお、切断後の粉末は、50%累積体積粒径:65μmであった。
実施例2において、強化剤として、ガラスビーズ(商品名:GB731、ポッターズ・バロティーニ社製)42.9質量部を加えた以外は、実施例2と同様にして、実施例3の立体造形用粉末を得た。
なお、切断後の粉末は、50%累積体積粒径:68μmであった。
実施例2において、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂を、ポリアミド66(PA66)樹脂(商品名:レオナ1300S、旭化成ケミカルズ株式会社製、融点:265℃)に変更し、更に、劣化防止剤として、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(商品名:アデカスタブPEP-24G(商標)、旭電化工業株式会社製)0.2質量部、酢酸銅0.1質量部を加え更に、混錬時の温度を295℃に変更した以外は、実施例2と同様にして、実施例4の立体造形用粉末を得た。
実施例2において、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂を、ポリプロピレン(PP)樹脂(商品名:ノバテックMA3、日本ポリプロ株式会社製、融点:160℃、ガラス転移温度:0℃)に変更し混錬時の温度を190℃に変更した以外は、実施例2と同様にして、実施例5の立体造形用粉末を得た。
実施例1において、押し出された繊維状物質を、1段目の延伸により1.3倍の長さにし、直径:60μmの繊維を作製して巻き取った以外は、実施例1と同様にして、比較例1の立体造形用粉末を得た。
比較例1において、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂を、ポリアミド66(PA66)樹脂(商品名:レオナ1300S、旭化成ケミカルズ株式会社製、融点:265℃)に変更し、更に、ペレットを混錬しながら押し出す時の温度を、295℃に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例2の立体造形用粉末を得た。
比較例1において、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂を、ポリプロピレン(PP)樹脂(商品名:ノバテックMA3、日本ポリプロ株式会社製、融点:160℃、ガラス転移温度:0℃)に変更し混錬時の温度を190℃に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例3の立体造形用粉末を得た。
得られた立体造形用粉末を用いて、SLS方式造形装置(株式会社リコー製、AM S5500P)を使用し、立体造形物の製造を行った。設定条件として、0.1mmの層平均厚み、10ワット以上150ワット以下のレーザー出力に設定し、0.1mmのレーザー走査スペース、融点より3℃低い温度にて部品床温度を使用した。
製造した立体造形物について、JIS K7191に準じて、熱変形試験機(装置名:HOT TESTER 3M-2、株式会社東洋精機製作所製)を使いて、荷重たわみ試験を行った。なお、前記荷重たわみ試験は、フラットワイズ方式で、曲げ応力:1.8MPaの荷重をかけ、0.34mm変動したときの温度を荷重たわみ温度とした。なお、荷重たわみ温度は、60℃以上が実施可能レベルである。
<1> 示差走査熱量測定において、ISO 3146に準拠して測定した10℃/minにて、融点より30℃高い温度まで昇温したときに得られる吸熱ピークの融解熱量をQ1とし、その後、10℃/minにて、20℃以下まで降温し、更に、融点より30℃高い温度まで10℃/minにて昇温したときの再融解熱量をQ2としたとき、前記Q1と前記Q2との比(Q1/Q2)が、1.10以上であり、
立体造形用粉末を硬化してなる立体造形物の、JIS K7191(ISO 75)に準拠した、曲げ応力1.8MPaにおける荷重たわみ温度が、60℃以上であることを特徴とする立体造形用粉末である。
<2> 前記Q1と前記Q2との比(Q1/Q2)が、1.20以上である前記<1>に記載の立体造形用粉末である。
<3> 前記Q1と前記Q2との比(Q1/Q2)が、1.30以上である前記<2>に記載の立体造形用粉末である。
<4> 強化剤を含まない前記<1>から<3>のいずれかに記載の立体造形用粉末である。
<5> 前記曲げ応力1.8MPaにおける前記荷重たわみ温度が、66℃以上である前記<1>から<4>のいずれかに記載の立体造形用粉末である。
<6> 前記曲げ応力1.8MPaにおける前記荷重たわみ温度が、70℃以上である前記<5>に記載の立体造形用粉末である。
<7> 前記曲げ応力1.8MPaにおける前記荷重たわみ温度が、80℃以上である前記<6>に記載の立体造形用粉末である。
<8> 50%累積体積粒径が、5μm以上200μm以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載の立体造形用粉末である。
<9> 50%累積体積粒径が、5μm以上100μm以下である前記<8>に記載の立体造形用粉末である。
<10> 体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)が、2.50以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載の立体造形用粉末である。
<11> 体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)が、2.00以下である前記<10>に記載の立体造形用粉末である。
<12> 結晶性熱可塑性樹脂を含む前記<1>から<11>のいずれかに記載の立体造形用粉末である。
<13> 前記結晶性熱可塑性樹脂が、ポリエステル、ポリアミド、及びポリオレフィンから選択される少なくとも1種である前記<12>に記載の立体造形用粉末である。
<14> ISO 3146に準拠して測定したときの融点が、100℃以上である前記<1>から<13>のいずれかに記載の立体造形用粉末である。
<15> ISO 3146に準拠して測定したときの融点が、150℃以上である前記<14>に記載の立体造形用粉末である。
<16> ISO 3146に準拠して測定したときの融点が、200℃以上である前記<15>に記載の立体造形用粉末である。
<17> 前記結晶性熱可塑性樹脂が、2段以上延伸された結晶性熱可塑性樹脂である前記<1>から<16>のいずれかに記載の立体造形用粉末である。
<18> 前記結晶性熱可塑性樹脂が、3段以上延伸された結晶性熱可塑性樹脂である前記<17>に記載の立体造形用粉末である。
<19> 柱体である前記<1>から<18>のいずれかに記載の立体造形物用粉末である。
<20> 前記<1>から<19>のいずれかに記載の立体造形用粉末が貯蔵されている供給槽と、
前記立体造形用粉末を含む層を形成する層形成手段と、
前記層の選択された領域内の粉末同士を接着させる粉末接着手段と、を有することを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<21> 前記粉末接着手段が、前記形成された層に電磁照射し、溶融させた後に冷却後硬化する硬化手段を有する前記<20>に記載の立体造形物の製造装置である。
<22> 前記<1>から<19>のいずれかに記載の立体造形用粉末を含む層を形成する層形成工程と、
前記層の選択された領域内の粉末同士を接着させる粉末接着工程と、を繰り返すことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<23> 前記粉末接着工程が、前記形成された層に電磁照射し、溶融させた後に冷却後硬化する硬化工程を含む前記<22>に記載の立体造形物の製造方法である。
<24> 示差走査熱量測定において、10℃/minにて、融点より30℃高い温度まで昇温したときに得られる吸熱ピークの融解熱量をQ1とし、その後、10℃/minにて、20℃以下まで降温し、更に、融点より30℃高い温度まで10℃/minにて昇温したときの再融解熱量をQ2としたとき、前記Q1と前記Q2との比(Q1/Q2)が、1.10以上であり、
曲げ応力1.8MPaにおける荷重たわみ温度が、60℃以上であることを特徴とする樹脂粉末である。
Claims (12)
- 示差走査熱量測定において、ISO 3146に準拠して測定した、10℃/minにて、融点より30℃高い温度まで昇温したときに得られる吸熱ピークの融解熱量をQ1とし、その後、10℃/minにて、20℃以下まで降温し、更に、融点より30℃高い温度まで10℃/minにて昇温したときの再融解熱量をQ2としたとき、前記Q1と前記Q2との比(Q1/Q2)が、1.10以上1.60以下である立体造形用粉末であって、
前記立体造形用粉末は、ポリエステル、ポリアミド、及びポリオレフィンから選択される少なくとも1種からなり、
前記立体造形用粉末の50%累積体積粒径が20μm以上であり、
前記立体造形用粉末を以下の硬化条件によって硬化してなる立体造形物の、JIS K7191(ISO 75)に準拠した、曲げ応力1.8MPaにおける荷重たわみ温度が、60℃以上であることを特徴とする立体造形用粉末。
[硬化条件]
SLS方式造形装置を使用し、設定条件として、0.1mmの層平均厚み、10ワット以上150ワット以下のレーザー出力に設定し、0.1mmのレーザー走査スペース、融点より3℃低い温度にて部品床温度を使用した。 - 前記Q1と前記Q2との比(Q1/Q2)が、1.20以上である請求項1に記載の立体造形用粉末。
- 前記Q1と前記Q2との比(Q1/Q2)が、1.30以上である請求項2に記載の立体造形用粉末。
- 前記曲げ応力1.8MPaにおける前記荷重たわみ温度が、66℃以上である請求項1から3のいずれかに記載の立体造形用粉末。
- 前記曲げ応力1.8MPaにおける前記荷重たわみ温度が、70℃以上である請求項1から4のいずれかに記載の立体造形用粉末。
- 前記曲げ応力1.8MPaにおける前記荷重たわみ温度が、80℃以上である請求項5に記載の立体造形用粉末。
- 50%累積体積粒径が、20μm以上100μm以下であり、かつ、
体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)が、2.50以下である請求項1から6のいずれかに記載の立体造形用粉末。 - 柱体である請求項1から7のいずれかに記載の立体造形用粉末。
- 請求項1から8のいずれかに記載の立体造形用粉末が貯蔵されている供給槽と、
前記立体造形用粉末を含む層を形成する層形成手段と、
前記層の選択された領域内の粉末同士を接着させる粉末接着手段と、を有することを特徴とする立体造形物の製造装置。 - 立体造形用粉末を含む層を形成する層形成工程と、
前記層の選択された領域内の粉末同士を接着させる粉末接着工程と、を繰り返す、立体造形物の製造方法であって、
前記立体造形用粉末は、示差走査熱量測定において、ISO 3146に準拠して測定した、10℃/minにて、融点より30℃高い温度まで昇温したときに得られる吸熱ピークの融解熱量をQ1とし、その後、10℃/minにて、20℃以下まで降温し、更に、融点より30℃高い温度まで10℃/minにて昇温したときの再融解熱量をQ2としたとき、前記Q1と前記Q2との比(Q1/Q2)が、1.10以上1.60以下であり、
前記立体造形用粉末は、ポリエステル、ポリアミド、及びポリオレフィンから選択される少なくとも1種からなり、
前記立体造形用粉末の50%累積体積粒径が20μm以上であり、
前記立体造形用粉末を以下の硬化条件によって硬化してなる立体造形物の、JIS K7191(ISO 75)に準拠した、曲げ応力1.8MPaにおける荷重たわみ温度が、60℃以上であることを特徴とする立体造形物の製造方法。
[硬化条件]
SLS方式造形装置を使用し、設定条件として、0.1mmの層平均厚み、10ワット以上150ワット以下のレーザー出力に設定し、0.1mmのレーザー走査スペース、融点より3℃低い温度にて部品床温度を使用した。 - 前記粉末接着工程が、前記形成された層に電磁照射し、溶融させた後に冷却後硬化する硬化工程を含む請求項10に記載の立体造形物の製造方法。
- 示差走査熱量測定において、ISO 3146に準拠して測定した、10℃/minにて、融点より30℃高い温度まで昇温したときに得られる吸熱ピークの融解熱量をQ1とし、その後、10℃/minにて、20℃以下まで降温し、更に、融点より30℃高い温度まで10℃/minにて昇温したときの再融解熱量をQ2としたとき、前記Q1と前記Q2との比(Q1/Q2)が、1.10以上1.60以下である樹脂粉末であって、
前記樹脂粉末は、ポリエステル、ポリアミド、及びポリオレフィンから選択される少なくとも1種からなり、
前記樹脂粉末の50%累積体積粒径が20μm以上であり、
前記樹脂粉末を以下の硬化条件によって硬化してなる硬化物の、JIS K7191(ISO 75)に準拠して測定した、曲げ応力1.8MPaにおける荷重たわみ温度が、60℃以上であることを特徴とする樹脂粉末。
[硬化条件]
SLS方式造形装置を使用し、設定条件として、0.1mmの層平均厚み、10ワット以上150ワット以下のレーザー出力に設定し、0.1mmのレーザー走査スペース、融点より3℃低い温度にて部品床温度を使用した。
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