JP7230342B2 - 細菌の薬剤感受性の判定方法及び細菌の薬剤感受性の判定装置 - Google Patents

細菌の薬剤感受性の判定方法及び細菌の薬剤感受性の判定装置 Download PDF

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Description

本発明は、細菌の薬剤感受性の判定方法及び細菌の薬剤感受性の判定装置に関する。
近年、抗菌性物質が広く使用されるに伴って、抗菌性物質に対して感受性から耐性へと変化した細菌が分離されるようになってきた。そのため、感染症治療における薬剤感受性試験の重要性が高まっている。
薬剤感受性の検出方法としては、患者から分離された菌の薬剤感受性遺伝子を増幅する方法が知られており、例えば、結核菌の薬剤感受性遺伝子増幅用プライマー対を含む薬剤感受性の検出用キットが提案されている(例えば特許文献1)。しかし、この方法は薬剤感受性遺伝子が既知の場合にしか用いることができない。一方、細菌を抗菌剤の存在下で培養して感受性を確かめる方法もあるが、通常患者検体から分離培養された感染症起因菌を、薬剤存在下で少なくとも一昼夜培養する必要がある。そのため、より簡易かつ迅速に薬剤感受性を判定する方法の開発が求められている。
特開2013-59354号公報
本発明の一実施態様は、(a)薬剤濃度が互いに異なる複数の培地で、細菌を所定時間培養する工程と、(b)前記工程(a)で同じ薬剤濃度で培養された細菌群(薬剤濃度群)毎に、測定期間中の細菌細胞の動きの量を測定する工程と、(c)前記薬剤濃度群の間で前記細菌細胞の動きの量を比較して、前記細菌の前記薬剤に対する感受性を判定する工程と、を含む、細菌の薬剤感受性の判定方法である。
また、本発明の一実施態様は、薬剤濃度が互いに異なる複数の培地で、細菌を培養する培養部と、同じ薬剤濃度で培養された細菌群(薬剤濃度群)毎に、測定期間中の細菌細胞の動きの量を測定する測定部と、前記薬剤濃度群毎に測定された細菌細胞の動きの量を比較して、細菌の薬剤感受性を判定する判定部と、を備える、細菌の薬剤感受性の判定装置である。
また、本発明の一実施態様は、薬剤濃度が互いに異なる複数の培地で、細菌を培養する培養部と、同じ薬剤濃度で培養された細菌群(薬剤濃度群)毎に、測定期間中の複数の時点に、前記細菌の細菌細胞の画像を撮像する撮像部と、前記複数の時点に撮像された複数の画像中の任意の2枚の画像を比較して、特定の細菌細胞の変位量を測定し、前記変位量の測定を複数回行って、前記複数の変位量を積算して細菌細胞の動きの量を取得する測定部と、前記細菌細胞の動きの量に基づいて、細菌の薬剤感受性を判定する判定部と、を備える、細菌の薬剤感受性の判定装置である。
走化性を有する細菌細胞の動きの量の測定方法の一例を示す図である。 走化性を有する細菌細胞の動きの量の測定方法の一例を示す図である。 走化性を有さない細菌細胞の動きの量の測定方法の一例を示す図である。 走化性を有さない細菌細胞の動きの量の測定方法の一例を示す図である。 本発明の1実施形態に係る薬剤感受性判定装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の1実施形態に係る薬剤感受性判定装置の演算部の一例を示す概略構成図である。 本発明の1実施形態に係る薬剤感受性判定装置が備える細菌情報記憶部の一例を示す図である。 本発明の1実施形態に係る薬剤感受性判定装置が備える薬剤濃度記憶部の一例を示す図である。 大腸菌を用いて、細菌細胞の動きの量を測定した例を示す図である。 大腸菌を用いて、細菌細胞の動きの量を測定した例を示す図である。 各ゲンタマイシン濃度群の大腸菌の動きの量を比較した図である。 黄色ブドウ球菌を用いて、細菌細胞の動きの量を測定した例を示す図である。 黄色ブドウ球菌を用いて、細菌細胞の動きの量を測定した例を示す図である。 黄色ブドウ球菌を用いて、細菌細胞の動きの量を測定した例を示す図である。 各ペニシリン濃度群の黄色ブドウ球菌の動きの量を比較した図である。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一又は対応する符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図における寸法比は、説明のため誇張している部分があり、必ずしも実際の寸法比とは一致しない。
[細菌の薬剤感受性の判定方法]
1実施形態において、本発明は、細菌の薬剤感受性の判定方法を提供する。本実施形態の細菌の薬剤感受性判定方法は、(a)薬剤濃度が互いに異なる複数の培地で、細菌を所定時間培養する工程、(b)前記工程(a)の後、前記薬剤濃度毎に、測定期間中の細菌の動きの量を測定する工程、及び(c)前記薬剤濃度群の間で、前記細菌の動きの量を比較して、前記細菌の前記薬剤に対する感受性を判定する工程、を含む。
以下、本実施形態の方法の各工程について説明する。
<工程(a)>
工程(a)は、薬剤濃度が互いに異なる複数の培地で、細菌を所定時間培養する工程である。
本工程において培養する細菌は、薬剤感受性判定の対象となる細菌である。例えば、感染症患者から分離された病原性細菌の薬剤感受性を判定することは、当該患者に対する治療方針を策定する上で極めて重要である。したがって、本実施形態の方法において、薬剤感受性を判定する細菌としては、感染症患者から分離された細菌が例示される。例えば、感染症患者の検体(血液、唾液、咽頭ぬぐい液、喀痰、尿、糞便、組織片等)から分離培養された細菌を、本実施形態の方法による薬剤感受性判定の対象とすることができる。
例えば、本工程において培養する細菌は、臨床検体から分離培養によって得られた単独コロニーを用いてもよい。あるいは、臨床検体における病原性細菌の優先度が高いと考えられる場合には、臨床検体をそのまま又は適宜希釈して用いてもよい。検体の採取、及び細菌の分離培養等は、例えば、CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute, Wayne, P.A)で推奨されている方法に従って行うことができる。
本実施形態の方法において、薬剤感受性判定の対象となる細菌種は、特に限定されない。例えば、Aeromonas hydrophila、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Bacteroides fragilis、Candida albicans、Candida glabrata、Candida parapsilosis、Citrobacter freundii、Citrobacter koseri、Corynebacterium striatum、Enterobacter aerogenes、Enterobacter cloacae、Enterococcus faecalis、Enterococcus faecium、Escherichia coli、Klebsiella oxytoca、Klebsiella pneumoniae、Morganella morganii、Proteus mirabilis、Proteus vulgaris、Pseudomonas aeruginosa、Serratia marcescens、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Staphylococcus captitis、Streptococcus agalactiae、Streptococcus anginosus、Streptococcus mitis、Streptococcus pneumoniae等の病原性細菌等が挙げられるが、これらに限定されない。
本工程において用いる薬剤は、細菌の薬剤感受性判定の対象となる薬剤である。薬剤は、判定対象の細菌が属する細菌種に応じて適宜選択することができる。例えば、薬剤は、当該細菌種による感染症の治療に一般的に使用される薬剤であってもよい。あるいは、当該細菌種に対する抗菌活性が知られている薬剤であってもよい。
一例として、薬剤は、当該細菌種に対するブレイクポイントが定められている薬剤であってもよい。ブレイクポイントは、in vitroの薬剤感受性結果から、抗菌薬の治療効果を予測するために用いられる基準値である。ブレイクポイントとしては、例えば、CLSI、日本化学療法学会、及びEUCAST(European Committee on Antimicrobial Susceptibility Testing)等が推奨するブレイクポイントが知られている。通常、対象細菌の対象薬剤で求められた最小発育阻止濃度(Minimum Inhibitory Concentration)とブレイクポイントとを比較して、感受性(S:sensitive)か、耐性(R:resistant)か、中間(I:intermediate)か、が判定される(SIR判定)。
本工程では、薬剤濃度が互いに異なる複数の培地を用意する。薬剤濃度は、一例として、ブレイクポイントに基づいて設定される。例えば、当該細菌種における対象薬剤で推奨されるブレイクポイント(S,I,R)の薬剤濃度をカバーする範囲で薬剤濃度を設定することができる。薬剤濃度が互いに異なる複数の培地は、例えば、段階希釈により準備することができる。また、薬剤濃度が0μg/mLである培地を準用意してもよい。
本工程で用いる培地及び培養条件は、判定対象の細菌が属する細菌種に応じて、適宜選択することができる。培地及び培養条件は、一例として、CLSIで推奨されている方法に従うことができるが、これに限定されるものではない。
本工程で用いる培養容器は、特に限定されない。細菌を所定時間培養できるものであればよい。例えば、24穴、48穴、96穴等のウェルプレートであってもよく、シャーレやフラスコ等を用いてもよい。また、培養期間中に、培養液が乾燥しない限り、平板プレート上に培養液を収容可能な区画を設けて、培養槽として用いてもよい。
本工程における培養時間は、後述の工程(b)で測定される細菌細胞の動きの量に基づいて、工程(c)で当該細菌の薬剤感受性を判定可能な時間である。本実施形態の方法は、後述する実施例に示されるように、細菌をMIC以上の薬剤濃度で所定時間以上培養すると、細菌細胞の動きの量が低下するという知見に基づく。すなわち、本実施形態の方法では、この現象に基づいて、細菌の薬剤感受性を評価する。したがって、本工程における培養時間は、MIC以上の薬剤濃度で対象細菌細胞の動きの量が低下する培養時間とすることができ、それ以上の培養時間としてもよい。そのような培養時間としては、一例として、180分以上が例示される。また、別の態様として、60分以上であってもよく、100分以上であってもよく、120分以上であってもよい。あるいは、200分以上であってもよく、240分以上であってもよい。
一例として、所定時間毎(例えば、30分毎、60分毎など)に、後述の工程(b)及び工程(c)を行い、特定の薬剤濃度以上で培養した薬剤濃度群において、当該薬剤濃度未満で培養した薬剤濃度群と比較して、培養中の細菌細胞の動きの量が低下した場合には、当該低下が検出されるまでの時間を、本工程における培養時間とすることもできる。
別の例として、薬剤感受性判定の対象とする細菌種及び薬剤について、当該細菌種の標準株等を用いて、予め本工程における培養時間を設定するための試験を行ってもよい。例えば、予め、CLSIが推奨する方法等に基づき微量液体希釈法等を実施し、標準株の対象薬剤についてのMICを決定する。次いで、前記MICを含む薬剤濃度範囲で標準株を培養し、所定時間毎(例えば、30分毎、60分毎など)に、後述の工程(b)及び工程(c)と同様の方法で標準株細胞の動きの量を測定する。その結果、MIC未満の薬剤濃度群と比較して、MIC以上の薬剤濃度群において、細菌細胞の動きの量の低下が検出されるようになる培養時間を、本工程における培養時間として設定してもよい。
<工程(b)>
工程(b)は、前記工程(a)で同じ薬剤濃度で培養された細菌群(薬剤濃度群)毎に、測定期間中の細菌細胞の動きの量を測定する工程である。
「細菌細胞の動きの量」とは、細菌を1細胞毎又は細胞塊(コロニー)毎に観察し、当該1細胞又は1コロニーにおける測定期間中の動きを測定することにより求められる量である。なお、「細胞塊(コロニー)」とは、複数の細菌細胞が集まって形成された細胞の塊を意味し、1細胞が増殖して形成されたものであってもよく、複数の細胞が凝集して形成されたものであってもよい。また、細菌細胞の動きの量は、コロニーを構成する一部の細胞の動きの量であってもよい。細菌細胞の動きの量は、細菌細胞の運動活性ということもできる。細菌細胞の動きの量としては、例えば、測定期間中に細菌細胞が移動した距離、及び測定期間中に細菌細胞が振動した量等が挙げられる。なお、本明細書において、「細菌細胞」とは、細菌の1細胞、1コロニー又はコロニーの一部を意味し、「複数個の細菌細胞」という場合には細菌の複数個の細胞、複数のコロニー、又は複数のコロニーの一部を意味する。
本工程で、動きの量を測定する細菌細胞は、前記工程(a)において同じ薬剤濃度で培養された細菌群(薬剤濃度群)毎に、1個の細菌細胞であってもよく、2個以上の細菌細胞であってもよい。すなわち、工程(a)における薬剤濃度毎に、1個の細菌細胞の動きの量を測定してもよく、複数個の細菌細胞の動きの量を測定してもよい。複数個の細菌細胞の動きの量を測定する場合には、その平均値を算出し、当該薬剤濃度群における細菌細胞の動きの量としてもよい。動きの量を測定する細菌細胞の数は、特に限定されず、薬剤濃度群毎に、例えば、1個以上、2個以上、3個以上、5個以上、8個以上、又は10個以上等とすることができる。動きの量を測定する細菌細胞の数の上限は特に限定されず、例えば、処理可能な上限数の細菌細胞の動きの量を測定してもよい。動きの量を測定する細菌細胞の数としては、薬剤濃度群毎に、例えば、1~10個、3~10個、5~100個、5~50個、又は5~20個等が例示される。
本工程において、細菌細胞の動きの量を測定する測定期間の長さは、細菌細胞の動きの量が検出できる程度の長さであれば、特に限定されない。測定期間は、例えば、1秒以上、2秒以上、5秒以上、8秒以上、又は10秒以上等とすることができる。測定期間の上限は、特に限定されないが、迅速性を考慮して、例えば、180秒以下、120秒以下、60秒以下、30秒、20秒以下等とすることができる。測定期間としては、例えば、1~80秒、2~120秒、5~60秒、8~30秒、又は10~20秒等が例示される。
細菌細胞の動きの量の測定は、前記工程(a)の後、細菌細胞を別の容器やスライドガラス等に移すことなく、そのまま工程(a)で用いた培養容器中の細菌細胞を観察することによって行うことができる。あるいは、細菌細胞の動きの量の測定は、前記工程(a)の後、細菌細胞を別の容器やスライド等に移して、当該容器内やスライドガラス上で細菌細胞の動きの量を測定することもできる。
細菌細胞の動きの量を測定する方法は、特に限定されないが、一例として、測定期間中に複数の画像を撮像し、当該複数の画像中の任意の2枚の画像を比較して、当該2枚の画像における特定の細菌細胞の変位量を測定する方法等が挙げられる。さらに、別の2枚の画像を比較して、前記特定の細菌細胞の変位量を測定し、それらの変位量の積算値を当該細菌細胞の動きの量としてもよい。
(細菌細胞の動きの量の測定例1)
次に、図1及び図2を参照して、細菌が走化性を有する場合について、細菌細胞の動きの量の測定例を説明する。
図1は、測定期間中、経時的に撮像された一連の画像である。測定期間開始時(t)の画像(P-0)では、細菌細胞aの位置座標は(x,y)である。走化性を有する細菌は移動することができるため、細菌細胞aの位置座標は、時間の経過とともに、時間tにおける画像(P-1)では(x,y)、時間tにおける画像(P-2)では(x,y)と変化する(図2参照)。ここで、画像(P-0)と画像(P-1)との間で、細菌細胞aの位置座標が変化した距離dは、[(x1-x0-(y1-y0]の平方根により求めることができる。
時間tn-1の画像(P-n-1)を第1画像とし、時間tの画像(P-n)を第2画像とすると、第1画像における細菌細胞の位置座標(xn-1,yn-1)と、第2画像における細菌細胞の位置座標(x,y)との距離d(時間tn-1から時間tの細菌細胞aの変位量)は、下記式(1)により算出することができる。
Figure 0007230342000001
~dの積算値は、時間tから時間tの細菌細胞aの総移動距離として求められ、これを時間tから時間tの細菌細胞aの動きの量とすることができる。また、時間tから時間tの細菌細胞aの動きの量は、d~dから任意に選択された2つ以上の値の積算値としてもよい。
また、細菌細胞aとは異なる細菌細胞についても同様に、測定期間中の動きの量を求めることができる。
画像の撮像間隔は特に限定されず、例えば、0.1秒毎であってもよく、0.2秒毎であってもよく、0.3秒毎であってもよく、又は他の所定間隔毎であってもよい。例えば、0.05~1秒、0.06~0.5秒、又は0.08~0.3秒毎に画像の撮像を行ってもよい。また、画像の撮像は、必ずしも所定間隔毎に行う必要はない。画像の撮像は、測定期間中の任意の2時点以上であればよく、例えば、5時点以上、10時点以上、20時点以上、50時点以上等とすることができる。
また、上記の例では、隣接する時点に撮像された画像どうしを比較して細菌細胞aの距離を求めたが、比較する画像は、必ずしも隣接する時点で撮像された画像どうしでなくてもよい。例えば、任意の2時点の画像を選択して、当該画像間での特定の細菌細胞の距離を算出してもよい。
なお、前記のように算出された移動距離を移動時間で割って走化性速度を算出し、前記走化性速度を動きの量としてもよい。
(細菌細胞の動きの量の測定例2)
次に、図2を参照して、細菌が走化性を有さない場合について、細菌細胞の動きの量の測定例を説明する。
図2は、測定期間中、経時的に撮像された一連の画像である。細菌が走化性を有さない場合には、測定期間中、細菌細胞の位置座標はほとんど変化しない。ただし、細菌細胞は振動しており、その振動による運動量を細菌細胞の動きの量とすることができる。例えば、測定時間開始時(t)における画像(P-0)と、時間tにおける画像(P-1)との差分画像(D-1)を取得し、特定のコロニーbが存在する領域Rを指定して、領域Rにおける画素値の代表値pを算出する(図4参照)。この代表値pを、画像(P-0)と画像(P-1)との間のコロニーbの変位量とすることができる。時間tn-1における画像(P-n-1)を第1画像とし、時間tにおける画像(P-n)を第2画像とすると、画像(P-n-1)と画像(P-n)との差分画像(D-n)における領域Rbの代表値pを、時間tn-1から時間tまでのコロニーbの変位量とすることができる。前記代表値pは、差分画像(D-n)における領域Rの画素値の平均値であってもよく、領域Rの画素値の積算値であってもよい。
~pの積算値は、時間tから時間tのコロニーbの総変位量として求められ、これを時間tから時間tのコロニーbの動きの量とすることができる。また、時間tから時間tのコロニーbの動きの量は、p~pから任意に選択された2つ以上の値の積算値としてもよい。
また、コロニーbとは異なるコロニーについても同様に、測定期間中の動きの量を求めることができる。
画像の撮像間隔は特に限定されず、例えば、0.2秒毎であってもよく、0.25秒毎であってもよく、0.3秒毎であってもよく、又は他の所定間隔毎であってもよい。例えば、0.1~2秒、0.15~1秒、又は0.2~0.5秒毎に画像の撮像を行ってもよい。また、画像の撮像は、必ずしも所定間隔毎に行う必要はない。画像の撮像は、測定期間中の任意の2時点以上であればよく、例えば、5時点以上、10時点以上、20時点以上、50時点以上等とすることができる。
また、上記の例では、隣接する時点に撮像された画像どうしの差分画像を取得したが、差分画像を取得する画像は、必ずしも隣接する時点で撮像された画像どうしでなくてもよい。例えば、任意の2時点の画像を選択して、差分画像を取得してもよい。
また、上記の例では、コロニーb全体を含む領域Rの画素値の代表値を求めたが、画素値の代表値を求める領域(以下、「画素値取得領域」という場合がある。)は、必ずしもコロニー全体を含む必要はない。画素値取得領域は、例えば、コロニーbの一部を含む領域であってもよい。また、細菌がコロニーを形成しない場合には、1個の細菌細胞のみを含む領域を画素値取得領域としてもよい。
同じ薬剤濃度群で複数個の細菌細胞の動きの量を測定する場合、各細菌細胞に対する画素値取得領域のサイズは、同じであってもよく、異なっていてもよい。また、画素値取得領域のサイズは、異なる薬剤濃度群で、同じであってもよく、異なっていてもよい。一例として、画素値取得領域のサイズは、同一薬剤濃度群及び複数の薬剤濃度群の間で、全て同じサイズとすることができる。
<工程(c)>
工程(c)は、薬剤濃度群の間で、前記工程(b)において薬剤濃度群毎に測定された細菌細胞の動きの量を比較して、細菌の薬剤に対する感受性を判定する工程である。
前記工程(b)において、1つの薬剤濃度群で複数個の細菌細胞の動きの量を測定した場合には、本工程(c)において、その平均値を用いてもよい。
例えば、薬剤濃度群の間で細菌細胞の動きの量を比較して、細菌細胞の動きの量が低下する薬剤濃度群を特定し、前記特定した薬剤濃度群における薬剤濃度とブレイクポイントとを比較して、細菌の薬剤感受性を判定することができる。本工程において求められる細菌細胞の動きの量が低下する薬剤濃度は、微量液体希釈法により求められるMICと近似する。そのため、MICと同様に、ブレイクポイントと比較することにより、細菌の薬剤感受性(感受性(S),中間(I),耐性(R))を判定することができる。
一方、ブレイクポイント(S,I,R)の薬剤濃度をカバーする薬剤濃度群を設定した場合であって、薬剤濃度群の間で、細菌の動きの量に差が認められなかった場合には、細菌は、対象薬剤に対して耐性(R)であると判定することができる。一例として、薬剤非添加(薬剤濃度0μg/mL)及びブレイクポイント(S,I,R)の薬剤濃度群の間で、細菌の動きの量に差が認められなかった場合に、細菌は対象薬剤に対して耐性(R)であると判定される。
前記工程(b)において、細菌細胞の動きの量を、複数個の細菌細胞の動きの量の平均値として求めた場合、本工程では、薬剤濃度群の間で、前記平均値を比較して、前記平均値が低下する薬剤濃度群を特定してもよい。そして、前記特定した薬剤濃度群における薬剤濃度とブレイクポイントとを比較することにより、細菌の薬剤感受性を判定することができる。
本実施形態の薬剤感受性の判定方法によれば、細菌細胞の動きの量に基づいて、細菌の薬剤感受性を判定しているため、従来方法のように細菌を一昼夜培養する必要がない。そのため、臨床検体から分離培養された細菌の薬剤感受性を迅速に判定することができる。
[細菌の薬剤感受性の判定装置]
1実施形態において、本発明は、細菌の薬剤感受性の判定装置を提供する。本実施形態の判定装置は、薬剤濃度が互いに異なる複数の培地で、細菌を培養する培養部と、同じ薬剤濃度で培養された細菌群(薬剤濃度群)毎に、測定期間中の細菌細胞の動きの量を測定する測定部と、前記薬剤濃度群毎に測定された細菌細胞の動きの量を比較して、細菌の薬剤感受性を判定する判定部と、を備える。
<判定装置の構成例>
図5は、本実施形態の判定装置の一例を示す概略構成図である。薬剤感受性判定装置1は、培養部10、撮像部20、演算部30、表示部40を備えている。演算部30は、薬剤濃度群毎に細菌細胞の動きの量を測定する測定部31(動きの量測定部)と、対象細菌の対象薬剤に対する薬剤感受性を判定する判定部32とを唱えている。
培養部10は、薬剤濃度が互いに異なる複数の培地で細菌の培養を行なう。培養部10は、複数の培養槽を備える構成であってもよく、複数のウェル等を備えた培養プレート等を設置できる構成であってもよい。培養部10は、培養槽を所定温度に維持する温度制御部を備えていてもよい。当該温度制御部により、各培養槽は、培養期間中、細菌の生育に適した温度(例えば、30~38℃)に維持される。
撮像部20は、培養開始から所定期間経過後に、培養部10で培養された細菌の画像を、薬剤濃度群毎に撮像する。撮像部20は、所定の測定期間中、複数の時点で、薬剤濃度群毎に画像の撮像を行なう。
演算部30は、撮像部20で撮像された画像から、薬剤濃度群毎に細菌の動きの量を測定する測定部31、及び薬剤濃度群毎の細菌の動きの量から、細菌の薬剤感受性を判定する判定部32を備えている。
図6は、演算部30の一例を示す図である。測定部31は、撮像部20で撮像された画像を、薬剤濃度群毎に取得する。測定部31では、例えば、上記[細菌の薬剤感受性の判定方法]の<工程(b)>で例示したように、取得画像を解析して、各画像間での細菌細胞の変位量を求め、それらの積算値等として細菌細胞の動きの量を算出する。
判定部32は、測定部31で測定された細菌細胞の動きの量に基づいて、細菌の薬剤感受性を判定する。より具体的には、薬剤濃度群の間で、細菌細胞の動きの量を比較し、その比較結果に基づいて判定を行なう。一例として、判定部32は、図6に示すように。MIC特定部321及びSIR判定部322を備えていてもよい。MIC特定部321は、薬剤濃度群の間で、細菌細胞の動きの量を比較し、細菌細胞の動きの量が低下する薬剤濃度群を特定する。そして、前記薬剤濃度群における薬剤濃度をMIC近似値として特定し、SIR判定部322に出力する。また、薬剤濃度群の間で、細菌細胞の動きの量が低下する薬剤濃度群を特定できなかった場合には、その旨をMIC特定情報としてSIR判定部に出力する。
SIR判定部322は、MIC特定部からMIC特定情報を取得し、ブレイクポイントと比較して、SIR判定を行なう。ブレイクポイントのデータは、ブレイクポイントのデータを記憶する記憶装置から取得してもよく、薬剤感受性判定装置1に接続する入力装置等から入力されたものであってもよい。
ブレイクポイントを含む細菌情報を記憶する細菌情報記憶部の一例を図7に示す。図7に示す細菌情報記憶部51では、細菌の属種及び薬剤に対応するブレイクポイント(S,I,R)のデータを備えている。細菌情報記憶部51の例では、培養部10における培養開始から撮像部20により撮像を開始するまでの培養時間、及び細菌の走化性情報も記憶されている。細菌情報記憶部51は、この他に、培地の種類、培養温度などの培養情報等を記憶していてもよい。
表示部40は、判定部32における薬剤感受性の判定結果を表示する。また、当該判定結果に基づく治療支援情報等を表示してもよい。
このほか、薬剤感受性判定装置1は、全体の動作を制御する制御部、培養部における各培養槽の薬剤濃度を記憶する薬剤濃度記憶部(図8参照)、撮像部20により撮像された画像を薬剤濃度群毎に記憶する画像記憶部、培養部における各培養槽に所定濃度の薬剤を含む培地を送液する送液制御部、細菌を前培養する前培養部、前培養した細菌を各培養槽に接種する細菌接種部等を備えていてもよい。
<動作例>
次に、薬剤感受性判定装置1の動作例を説明する。
まず、培養部10の各培養槽に、薬剤濃度が互いに異なる複数の培地を準備する。薬剤は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。ただし、いずれの場合も、1種類の薬剤に対して、複数種類の薬剤濃度の培地を準備する。薬剤濃度は、例えば、細菌情報記憶部51のブレイクポイント情報を参照して設定されてもよく、送液制御部等により設定した薬剤濃度の培地が準備されてもよい。培養部の各培養槽に準備された培地に、臨床検体等から分離培養された細菌を接種して、培養を開始する。
培養部10では、撮像部20による撮像までの間、所定時間培養される。培養時間は、MIC以上の薬剤濃度において細菌細胞の動きの量が低下し得る時間である。培養時間は、例えば、細菌情報記憶部51を参照して設定されてもよく、入力装置等により設定されたものであってもよい。
所定の培養時間経過後、撮像部20は、薬剤濃度群毎に、培養部10で培養される細菌の画像を撮像する。より具体的には、撮像部20は、各培養槽の画像を撮像する。画像の撮像は、所定の測定期間中の複数の時点で行われる。画像の撮像は、測定期間中、所定間隔毎に行われてもよく、任意の複数の時点で行われてもよい。
測定部31は、撮像部20で撮像された画像を取得し、薬剤濃度群毎に、任意の2枚の画像を比較して、特定細菌細胞について当該画像間の変位量を測定する。測定部31は、同様の操作を複数回行って、前記特定細菌細胞について複数の変位量を測定し、それらの変位量を積算して、測定期間中の細菌細胞の動きの量を取得する。測定部31は、複数の細菌細胞の動きの量を取得して、その平均値を当該薬剤濃度群における細菌細胞の動き量として取得してもよい。
より具体的には、測定部31は、薬剤濃度群毎に、経時的に撮像された画像P-0~P-nを取得する。測定部31は、例えば、薬剤濃度記憶部52のを参照して、各培養槽の薬剤濃度を取得し、取得画像の薬剤濃度を特定してもよい。測定部31は、特定の薬剤濃度Cの薬剤濃度群の画像P-0~P-nにおいて、特定の細菌細胞を選択し、当該細菌細胞の各画像間での変位量を算出する。変位量の算出は、例えば、上記「[細菌の薬剤感受性の判定方法]<工程(b)>」の項で記載した(細菌細胞の動きの量の測定例1)又は(細菌細胞の動きの量の測定例2)と同様の方法で行われる。測定部31は、例えば、細菌情報記憶部51を参照し、対象細菌が走化性を有する場合には、細菌細胞の移動距離を細菌細胞の変位量として算出し(上記測定例1)、対象細菌が走化性を有しない場合には細菌細胞の振動を細菌細胞の変位量として算出することができる(上記測定例2)。細菌の走化性情報は、入力装置等から入力されてもよい。また、各画像を比較し、細菌細胞の座標が移動している場合には、細菌細胞の移動距離を細菌細胞の変位量として算出し、細菌細胞の座標が移動していない場合には、細菌細胞の振動を細菌細胞の変位量として算出するようにしてもよい。前記のようにして算出された各画像間の細菌細胞の変位量は、積算されて、当該薬剤濃度群における細菌細胞の動きの量として求められる。
測定部31は、薬剤濃度群毎に同様のプロセスを行い、薬剤濃度群毎に細菌細胞の動きの量を取得する。
判定部32は、薬剤濃度群毎に取得された細菌の動きの量を比較して、細菌の薬剤感受性の判定を行なう。例えば、判定部32では、MIC特定部321において、薬剤濃度群間の細菌細胞の動きの量を比較して、細菌細胞の動きの量が低下する薬剤濃度群を特定する。そして、当該薬剤濃度群の薬剤濃度をMIC特定情報としてSIR判定部322に出力する。SIR判定部322は、MIC特定部321からMIC特定情報を取得し、ブレイクポイントと比較して、細菌の薬剤感受性を判定する。SIR判定部322は、細菌情報記憶部51を参照してブレイクポイント情報を取得してもよく、入力装置等から入力されたブレイクポイント情報を利用してもよい。細菌の薬剤感受性は、例えば、感受性(S)、中間(I)、又は耐性(R)と判定される。
判定部32により判定された細菌の薬剤感受性情報は、細菌の属種名等とともに表示部40に表示される。
本実施形態の薬剤感受性判定装置によれば、細菌細胞の動きの量に基づいて、細菌の薬剤感受性を判定するため、細菌の薬剤感受性判定を迅速に行うことができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
ゲンタマイシン濃度が0、4、8、又は16μg/mLである培地で、大腸菌(Escherichia coli)(ATCC25922)を培養した。60分の培養時間経過後に、10秒間の測定期間で、培養液中の大腸菌のタイムラプス画像を取得した。画像の取得は、測定期間中、0.1秒毎に行った。図9に、0~0.5秒における取得画像を示す。前記取得した各画像において、特定の細菌細胞の位置座標(x、y)を取得し、各画像を取得した時間内に当該細胞が移動した距離を算出した。前記細菌細胞について、各時間における位置座標及び移動距離を算出した結果を表1に示す。表1に示したのは、測定期間中、6.20秒までの結果である。細菌細胞の位置座標の取得には、ImageJを用いた。
Figure 0007230342000002
測定期間中の前記細菌細胞の総移動距離のグラフを図10に示す。測定期間中の前記細菌細胞の総移動距離から、前記細菌細胞走化性速度(移動速度)を算出した。
上記と同様の操作を総計15以上の細菌細胞について行い、それぞれの細菌細胞の測定期間中の走化性速度を算出した。得られた走化性速度から、走化性速度の平均値及び標準偏差を算出した。
120分の培養時間経過後、及び180分の培養時間経過後にも、同様の操作を行い、それぞれの培養時間経過後における走化性速度の平均値及び標準偏差を求めた。
結果を図11に示す。図11中、点線の丸で囲んだ濃度は、CLSIが推奨する方法に従った微量液体希釈法により求めた最小発育阻止濃度(MIC)である。培養開始から60分後、120分後及び180分後のいずれにおいても、MIC未満の濃度(0μg/mL、4μg/mL)と比較して、MIC以上の濃度における走化性速度は顕著に低下した。これらの結果は、ゲンタマイシン存在下で60分以上培養した後、所定の測定期間における細菌細胞の総移動距離(もしくは走化性速度)が低下する薬剤濃度を特定することにより、MICに近似する値を得られることを示す。
[実験例2]
ペニシリン濃度が0、0.015、0.3、0.6μg/mLである培地で、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を培養した。120分の培養時間経過後に、10秒間の測定期間で、培養液中の黄色ブドウ球菌のタイムラプス画像を取得した。画像の取得は、測定期間中、0.25秒毎に行った。取得した各画像について、ImageJを用いて、前フレームとの差分画像を取得した。図12に、0~1.0秒における取得画像及び差分画像を示す。ImageJを用いて、取得した各差分画像において、特定の細菌コロニーが存在する領域を選択し、選択領域内の平均輝度を測定した。測定された平均輝度を、差分画像を取得した時間内における前記細菌コロニーの運動量とした。
図13に各時間における前記細菌コロニーの運動量を示し、図14に各時間までの総運動量を示す。測定期間中の前記細菌コロニーの総運動量から、1秒間の運動量を求め、前記細菌コロニーの運動活性とした。
上記と同様の操作を総計15以上の細菌コロニーについて行い、それぞれの細菌コロニーの測定期間中の運動活性を算出した。得られた運動活性から、運動活性の平均値及び標準偏差を算出した。
180分の培養時間経過後にも、同様の操作を行い、それぞれの培養時間経過後における運動活性の平均値及び標準偏差を求めた。
結果を図15に示す。図15中、点線の丸で囲んだ濃度は、CLSIが推奨する方法に従った微量液体希釈法により求めた最小発育阻止濃度(MIC)である。培養開始から120分後では、MICにおける運動活性は、MIC未満の濃度(0μg/mL、0.015μg/mL)と比較して、顕著な差は認められなかった。一方、培養開始から180分後では、MICにおける運動活性は、MIC未満の濃度(0μg/mL、0.015μg/mL)と比較して、顕著に低下した。これらの結果は、ペニシリン存在下で180分以上培養した後、所定の測定期間における細菌コロニーの運動量(振動量)が低下する薬剤濃度を特定することにより、MICに近似する値を得られることを示す。
1…薬剤感受性判定装置、10…培養部、20…撮像部、30…演算部、31…測定部、32…判定部、321…MIC特定部、322…SIR判定部、40…表示部、51…細菌情報記憶部、52…薬剤濃度記憶部

Claims (7)

  1. (a)薬剤濃度が互いに異なる複数の培地で、細菌を所定時間培養する工程と、
    (b)前記工程(a)で同じ薬剤濃度で培養された細菌群(薬剤濃度群)毎に、測定期間中の前記細菌の15以上の細菌細胞の総移動距離を測定し、前記各細菌細胞の走化性速度を算出し、前記走化性速度の平均値を算出する工程と、
    (c)前記薬剤濃度群の間で前記走化性速度の平均値を比較して、前記細菌の前記薬剤に対する感受性を判定する工程と、を含み、
    前記工程(a)における前記薬剤濃度は、前記細菌が属する細菌種における前記薬剤のブレイクポイントに基づいて設定され、
    前記細菌細胞総移動距離が、
    前記測定期間中の複数の時点に撮像された複数の画像中の任意の2枚の画像を比較して、特定の細菌細胞の変位量を測定し、前記変位量の測定を複数回行って、前記測定された複数の変位量を積算することにより得られる値である、
    細菌の薬剤感受性の判定方法。
  2. 前記工程(b)における前記測定期間が5秒以上であり、
    前記複数の画像における前記測定期間中の前記複数の時点が5時点以上である、
    請求項1に記載の細菌の薬剤感受性の判定方法。
  3. 前記工程(c)が、前記薬剤濃度群の間で前記走化性速度の平均値を比較して、前記走化性速度の平均値が低下する薬剤濃度群を特定し、前記特定した薬剤濃度群における薬剤濃度とブレイクポイントとを比較して、細菌の薬剤感受性を判定する工程である、請求項1又は2に記載の細菌の薬剤感受性の判定方法。
  4. 前記特定の細菌細胞の変位量が、
    第1画像における前記特定の細菌細胞の位置座標と、第2画像における前記特定の細菌細胞の位置座標と、の距離である、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の細菌の薬剤感受性の判定方法。
  5. (a)薬剤濃度が互いに異なる複数の培地で、細菌を180分以上培養する工程と、
    (b)前記工程(a)で同じ薬剤濃度で培養された細菌群(薬剤濃度群)毎に、測定期間中の前記細菌の15以上の細菌コロニー振動による総運動量を測定し、前記各細菌コロニーの1秒間の運動量として運動活性を算出し、前記運動活性の平均値を算出する工程と、
    (c)前記薬剤濃度群の間で前記運動活性の平均値を比較して、前記細菌の前記薬剤に対する感受性を判定する工程と、を含み、
    前記工程(a)における前記薬剤濃度は、前記細菌が属する細菌種における前記薬剤のブレイクポイントに基づいて設定され、
    前記細菌コロニー総運動量が、
    前記測定期間中の複数の時点に撮像された複数の画像中の任意の2枚の画像の差分画像を取得し、前記差分画像において、特定の細菌コロニーが存在する領域平均輝度を測定し、前記平均輝度の測定を複数回行って、前記測定された複数の平均輝度を積算することにより得られる値である、
    細菌の薬剤感受性の判定方法。
  6. 前記工程(b)における前記測定期間が5秒以上であり、
    前記複数の画像における前記測定期間中の前記複数の時点が5時点以上である、
    請求項5に記載の細菌の薬剤感受性の判定方法。
  7. 前記工程(c)が、前記薬剤濃度群の間で前記運動活性の平均値を比較して、前記運動活性の平均値が低下する薬剤濃度群を特定し、前記特定した薬剤濃度群における薬剤濃度とブレイクポイントとを比較して、細菌の薬剤感受性を判定する工程である、請求項5又は6に記載の細菌の薬剤感受性の判定方法。
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