JP7229921B2 - 多着花スイカ - Google Patents

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Description

ATCC PTA-123747
本発明は、増加した数の雄花を示す新規なスイカ植物に関する。本発明は、前記植物の種子および部分、例えば果実にも関する。本発明は、このような種子および植物を作製および使用する方法にさらに関する。本発明は、増加した数の雄花に関連する新規な遺伝的決定因子および前記新規な遺伝的決定因子に関連付けられた分子マーカーにも関する。
スイカ[Citrullus lanatus(Thunb.)Matsum and Nakai]は、南アフリカのカラハリ砂漠に近い地域が原産であると考えられる重要な特殊農作物である(Dane&Liu,2007)。スイカは、全ての主要な農業生産地域における普通作物であり、2013年の世界生産量は、109,601,914トンであった(国連食糧農業機関(Food and Agriculture Organization)によって提供されるデータに基づく)。米国は、2013年に約1,771,734トンの生産量(4億8300万米ドルまでに相当)であり、世界で6番目のスイカ生産国である(USDA Vegetables 2015 Summary)。
米国におけるスイカ作付の大部分は、種なしスイカである。三倍体種なしスイカでは、二倍体の種ありスイカより高い収量が得られる。1990年代半ば以降、米国におけるスイカの生産性および農業価値の著しい増加ならびに生産作付面積の減少は、商業生産において三倍体種なしスイカ品種を用いた結果である。種なしスイカの生産は、通常、種ありスイカで得られるものをはるかに上回る平均市場価格を得られるため、種なしスイカの作付面積は、世界的にも増加している。
三倍体種なしスイカは、雌性親としての四倍体スイカと、雄性親としての二倍体スイカとの間の真のF1雑種である(Kihara,1951)。通常の種あり二倍体スイカは、22の染色体(2N=2X=22)を有する一方、四倍体スイカは、44の染色体(2N=4X=44)を有する。四倍体スイカの雌花が種あり二倍体スイカ植物の雄花によって授粉されると、四倍体植物の果実から産生される種子は、三倍体雑種種子である。三倍体種子から成長した三倍体雑種植物は、三倍体接合子が正常な生育可能な配偶子を産生できないことにより、自家不稔性である(Fehr,1987)。したがって、種なしスイカ果実の産生を確実にするために、三倍体雑種植物は、同じ圃場において三倍体雑種植物と間作(inter-planted)された、二倍体スイカ植物(いわゆる二倍体授粉種植物)の花粉によって授粉されなければならない。
種なしスイカ植物の十分な受粉を提供するために、圃場表面の約25~33%にわたって二倍体授粉種植物を間作することが現在の慣例である(例えば、国際公開第2003/075641号、表2)。圃場の残りの部分に三倍体植物が植えられる。したがって、圃場における作物の価値を最大にするために、生産者は、高収量で市場性のある二倍体スイカ品種を使用し、これは、最終的に日光、栄養および空間を巡って三倍体種なし品種と競合する。三倍体種なしスイカ植物の受粉は、種なし果実の生産にとって重要であるため、前記三倍体種なしスイカ植物の収量を維持するかまたは増加させながら、三倍体種なし植物に効率的に授粉し得る、改良された授粉種二倍体スイカ植物が必要とされている。
国際公開第2000/70933号は、小型で市場性のない果実を産生する三倍体種なしスイカのための授粉種を開示している。しかしながら、この授粉種の使用は、古典的な授粉種植物の使用と比較して、市場性のある種なし果実の全収量を減少させた。また、収穫されない開示される授粉種植物の果実は、将来の病害の宿主になり、それらの種子は、発芽し、雑草へと成長して、それによって収量をさらに減少させる。
国際公開第2003/075641号は、小型であり、簡単に処分できるスイカ果実を産生する改良された二倍体授粉種スイカ植物を提供する。授粉種植物は、授粉種が、三倍体種なしスイカ植物と競合せずに、それらに極めて接近して生育されることを可能にする小さな葉も有する。米国特許第6,759,576号明細書は、このような改良された二倍体授粉種植物の一例としてSP-1、すなわちSuper Pollenizer 1を記載している。
改良された二倍体授粉種スイカ植物を提供するためのあらゆる取り組みにもかかわらず、三倍体種なしスイカ植物の安定した受粉は、依然として種なしスイカ果実の産生における大きな制約であり、さらなる改良された二倍体授粉種スイカ植物に対する長い間満たされていない必要性が依然としてある。
本発明は、多着花(prolific flowering)形質を含む新規なスイカ植物を含み、それを提供することにより、三倍体種なしスイカ植物のより安定した受粉に対する必要性に対処するものである。特定の実施形態において、本発明は、任意選択的に、より長い期間、単位面積当たりより多くの開花した雄花を産生し、それにより三倍体種なし植物に授粉するスイカ植物の能力を向上させることが可能な新規なスイカ植物を開示する。単位面積当たりでより多くの開花した雄花の存在は、受粉が起こる可能性を高める。したがって、二倍体スイカ植物の授粉能力を向上させることにより、三倍体雌花のより安定したかつより完全な受粉が起こり得、これは、三倍体果実の生産力に好影響を与えるであろう。さらに、ある実施形態において、スイカ植物の二倍体雄花の量を増加させることにより、生産者は、圃場における三倍体植物に対する二倍体植物の比率を低下させ、それにより生産コストを削減し、三倍体種なしスイカの生産のための土地の使用の有効性を高めることができる。
三倍体種なし植物の受粉に対する有用性を有することに加えて、本発明は、花粉受容体からの雄花と比較して、花粉供与体からの雄花の割合を高めることにより、雑種スイカ種子生産の効率を高めることにも有用性を有する。これは、管理されていない生産に設定された雑種種子のより高い割合をもたらすことが予測される。
要するに、本発明に開示される多着花スイカ植物の特徴は、三倍体種なしスイカ果実の生産または雑種スイカ種子の生産のために、二倍体授粉種スイカ植物を用いた場合の経済的および商業的効率を高めるための新規な解決策をスイカ生産者に提供する。
多着花形質は、開花した雄花の数の増加を引き起こし、それぞれ染色体1、3および7上に位置する3つの異なる遺伝性の遺伝的決定因子によって支えられる。これらの遺伝的決定因子は、一緒に多着花形質を制御/指令することが分かっている。本発明は、特定の分子マーカーをさらに開示し、この分子マーカーは、これらの新規な遺伝的決定因子に関連付けられ、決定因子の同定および決定因子の、任意の望ましい植物の遺伝的背景(background)への遺伝子移入を可能にする。
第1の実施形態において、多着花形質の発現を指令または制御する3つの遺伝的決定因子を含む多着花スイカ植物であって、ピーク開花期に1平方メートル当たり少なくとも40個の開花した雄花を産生する多着花スイカ植物が提供される。
さらなる実施形態において、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物は、多着花形質と同時分離し、かつそれぞれマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836を含む群において選択される3つのマーカー遺伝子座に遺伝的にまたは物理的に関連付けられる3つの遺伝的決定因子を含む。
さらなる実施形態において、本発明のスイカ植物は、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物であり、前記遺伝的決定因子は、それぞれマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836に遺伝的にまたは物理的に関連付けられ、
a)マーカー遺伝子座IIH2119は、オリゴヌクレオチドプライマーの対:配列番号1のフォワードプライマーおよび配列番号2のリバースプライマーならびに配列番号3のプローブによるDNA断片の増幅によるPCRにおいて同定され得、
b)マーカー遺伝子座IIH5250は、オリゴヌクレオチドプライマーの対:配列番号4のフォワードプライマーおよび配列番号5のリバースプライマーならびに配列番号6のプローブによるDNA断片の増幅によるPCRにおいて同定され得、
c)マーカー遺伝子座IIH4836は、オリゴヌクレオチドプライマーの対:配列番号7のフォワードプライマーおよび配列番号8のリバースプライマーならびに配列番号9のプローブによるDNA断片の増幅によるPCRにおいて同定され得る。
さらなる実施形態において、本発明のスイカ植物は、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物であり、前記遺伝的決定因子は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先の遺伝的背景を有するドナー植物から得ることができる。
さらなる実施形態において、本発明のスイカ植物は、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物であり、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先は、前記多着花遺伝的決定因子の源であり、系統SP-7の代表的な種子は、ATCC受託番号PTA-123747で寄託されている。
さらなる実施形態において、本発明のスイカ植物は、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物であり、前記植物は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先を、多着花遺伝的決定因子を含まないスイカ植物と交配させることによって得られる。
さらなる実施形態において、本発明のスイカ植物は、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物であり、前記植物は、近交系、二ゲノム性半数体、雑種、三倍体または四倍体植物である。
先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物から得ることができる植物部分、器官または組織であって、葉、茎、根、花もしくは花部、果実、シュート、配偶体、胞子体、花粉、葯、小胞子、卵細胞、接合子、胚、分裂組織部位、カルス組織、種子、挿木、細胞もしくは組織培養物、または特に果実を産生する植物へと成長した場合、本発明に係る多着花形質を依然として示す植物の任意の他の部分もしくは産物を含むが、これらに限定されない、植物部分、器官または組織を提供することがさらなる実施形態である。
先行する実施形態のいずれか1つに記載のスイカ植物の種子を提供することがさらなる実施形態である。
別の実施形態において、三倍体種なし果実を産生および収穫するための、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物、植物部分または種子の使用が考えられる。
別の実施形態において、本発明は、いずれかの実施形態に記載のスイカ植物、植物部分または種子の使用に関し、スイカ植物、植物部分または種子は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先である。
別の実施形態において、本発明は、多着花スイカ植物、植物部分または種子を提供する方法であって、
a)多着花遺伝的決定因子を欠く第1の植物を、いずれかの実施形態に記載の第2のスイカ植物と交配させる工程と、
b)子孫スイカ植物を得る工程と、
c)任意選択的に、前記子孫の植物を選択する工程と
を含む方法において、前記植物は、ピーク開花期に少なくとも40個の開花した雄花を産生することを特徴とする方法に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、第2のスイカ植物が、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先である、先行する実施形態に記載の方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、多着花スイカ植物を産生するための方法であって、
a)先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物の種子を提供する工程と、
b)前記種子を発芽させ、かつそれから成熟した繁殖力のある植物を成長させる工程と、
c)a)の前記植物の自家受粉を誘発し、果実を成長させ、かつそれから繁殖力のある種子を収穫する工程と、
d)c)で収穫された種子から植物を成長させ、かつ多着花スイカ植物を選択する工程と
を含む方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、多着花形質と同時分離し、かつそれぞれマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836を含む群において選択される3つのマーカー遺伝子座に遺伝的にまたは物理的に関連付けられる3つの遺伝的決定因子を含むスイカ植物を同定する方法であって、前記スイカ植物は、ピーク開花期に少なくとも40個の開花した雄花を産生し、前記方法は、
a)多着花形質について分離する集団を提供する工程と、
b)多着花形質を含むメンバーについて分離集団をスクリーニングする工程であって、前記形質は、多着花形質と同時分離し、かつマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836である3つのマーカー遺伝子座の存在によって同定され得る、工程と、
c)分離集団の1つのメンバーを選択する工程であって、前記メンバーは、多着花形質を含む、工程と
を含む、方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、スイカ植物の雄花の数を増加させるための方法であって、
a)多着花形質を含むスイカを選択する工程であって、前記多着花形質は、スイカ植物における前記多着花形質の発現を指令または制御することが可能な3つの遺伝的決定因子に関連しており、前記形質は、多着花形質と同時分離し、かつマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836を含む群において選択される3つのマーカー遺伝子座の存在により、または統計的に相関があり、かつしたがって多着花形質と同時分離する任意の隣接するマーカー遺伝子座により同定され得る、工程と、
b)多着花形質を含む工程a)の前記植物を、多着花形質を含まず、かつ工程a)の前記植物と比較してより少ない数の雄花を示すスイカ植物、特に栽培品種スイカ植物と交配させる工程と、
c)工程b)の植物と比較して増加した数の雄花を示し、かつ工程a)の3つのマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836との多着花形質の関連を示す前記交配種から子孫を選択する工程と
を含む方法に関する。
Woodland(CA)において生育された様々な遺伝子型についての、ピーク開花期における1平方メートル当たりの開花した雄花の数を示す。
実施形態
第1の実施形態において、本発明は、スイカ植物、特に栽培品種スイカ植物、より特定的に二倍体授粉種スイカ植物に関し、前記植物は、一緒に多着花形質の発現を指令または制御する3つの遺伝的決定因子を含み、前記多着花植物は、ピーク開花期に1平方メートル当たり少なくとも40個の開花した雄花を産生する。さらなる実施形態において、前記多着花植物は、ピーク開花期に1平方メートル当たり少なくとも45個、より好ましくは少なくとも50個の開花した雄花を産生する。
別の実施形態において、本発明は、スイカ植物、特に栽培品種スイカ植物、より特定的に二倍体授粉種スイカ植物に関し、前記植物は、多着花形質の発現を指令または制御する3つの遺伝的決定因子を含み、前記多着花植物は、前記3つの遺伝的決定因子を欠くスイカ植物と比較して、ピーク開花期に1平方メートル当たり30%多い開花した雄花を産生する。さらなる実施形態において、前記多着花植物は、前記遺伝的決定因子を欠くスイカ植物と比較して、ピーク開花期に1平方メートル当たり50%、より好ましくは70%であるが、さらにより好ましくは100%多い開花した雄花を産生する。
別の実施形態において、本発明は、多着花形質の発現を指令または制御する3つの遺伝的決定因子を含むスイカ植物に関し、前記組み合わされた3つの遺伝的決定因子は、前記3つの遺伝的決定因子を含まない同系スイカ植物と比較して、ピーク開花期に1平方メートル当たりで増加した数の開花した雄花をもたらす。
さらなる実施形態において、本発明の3つの遺伝的決定因子は、それぞれ染色体1、3および7上に位置する。
さらなる一実施形態において、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物が提供され、3つの遺伝的決定因子は、多着花形質と同時分離し、かつそれぞれマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836を含む群において選択される3つのマーカー遺伝子座に遺伝的にまたは物理的に関連付けられる。
別の実施形態において、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物が提供され、前記遺伝的決定因子は、それぞれ3つのマーカー遺伝子座に遺伝的にまたは物理的に関連付けられ、
i.マーカー遺伝子座IIH2119は、オリゴヌクレオチドプライマーの対:配列番号1のフォワードプライマーおよび配列番号2のリバースプライマーならびに配列番号3のプローブによるDNA断片の増幅によるPCRにおいて同定され得、
ii.マーカー遺伝子座IIH5250は、オリゴヌクレオチドプライマーの対:配列番号4のフォワードプライマーおよび配列番号5のリバースプライマーならびに配列番号6のプローブによるDNA断片の増幅によるPCRにおいて同定され得、
iii.マーカー遺伝子座IIH4836は、オリゴヌクレオチドプライマーの対:配列番号7のフォワードプライマーおよび配列番号8のリバースプライマーならびに配列番号9のプローブによるDNA断片の増幅によるPCRにおいて同定され得る。
別の実施形態において、本発明のスイカ植物は、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物であり、前記植物は、配列番号3、配列番号6および配列番号9を含む。
さらなる実施形態において、本発明のスイカ植物は、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物であり、前記遺伝的決定因子は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先の遺伝的背景を有するドナー植物から得ることができる。
さらなる実施形態において、本発明のスイカ植物は、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物であり、前記遺伝的決定因子は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先の遺伝的背景を有するドナー植物に含まれるようなものである。
さらなる実施形態において、本発明のスイカ植物は、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物であり、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先は、前記多着花遺伝的決定因子の源であり、系統SP-7の代表的な種子は、ATCC受託番号PTA-123747で寄託されている。
さらなる実施形態において、本発明のスイカ植物は、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物であり、前記植物は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先を、多着花遺伝的決定因子を含まないスイカ植物と交配させることによって得られる。
さらなる実施形態において、本発明のスイカ植物は、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物であり、前記遺伝的決定因子は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先の遺伝的背景を有するドナー植物から遺伝子移入される。
さらなる実施形態において、本発明は、スイカ植物の多着花形質に寄与する3つの遺伝的決定因子を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物に関し、前記遺伝的決定因子は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先のゲノム中の3つのマーカー遺伝子座に遺伝的にまたは物理的に関連付けられる、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先中に存在する対応する対立遺伝子と同一であり、このマーカー遺伝子座は、多着花形質と同時分離し、かつスイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先のゲノム中で同定され得、このマーカー遺伝子座は、マーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836である。
本発明の一実施形態において、スイカ植物は、先行する実施形態のいずれかに記載の植物、特に栽培品種スイカ植物、特に半数体、二ゲノム性半数体、近交系、雑種、二倍体、三倍体または四倍体の栽培品種スイカ植物である。
先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物から得ることができる植物部分、器官または組織であって、葉、茎、根、花もしくは花部、果実、シュート、配偶体、胞子体、花粉、葯、小胞子、卵細胞、接合子、胚、分裂組織部位、カルス組織、種子、挿木、細胞もしくは組織培養物、または特に果実を産生する植物へと成長した場合、本発明に係る多着花形質を依然として示す植物の任意の他の部分もしくは産物を含むが、これらに限定されない、植物部分、器官または組織を提供することがさらなる実施形態である。
先行する実施形態のいずれか1つに記載のスイカ植物へと成長する種子を提供することがさらなる実施形態である。
別の実施形態において、本発明は、三倍体種なし果実を産生および収穫するための、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物、植物部分または種子の使用に関する。
別の実施形態において、本発明は、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物、植物部分または種子の使用に関し、スイカ植物、植物部分または種子は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先である。
さらなる実施形態において、本発明は、圃場、温室またはビニールハウスに播種するための、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物の使用に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、スイカ台木としての、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物の使用に関する。さらなる実施形態において、本発明は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先のスイカ台木としての使用に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、多着花形質を、前記形質を欠くスイカ植物に与えるための、多着花形質と同時分離し、かつそれぞれマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836である3つのマーカー遺伝子座に遺伝的にまたは物理的に関連付けられる遺伝的決定因子の使用に関する。
別の実施形態において、本発明に係る植物は、雄性不稔性である。
別の実施形態において、本発明に係る植物は、成熟したスイカ果実を成長させ、前記成熟した果実の内側の果肉は、黄色、赤色、緑色、オレンジ色または白色である。
一実施形態において、本発明は、多着花遺伝的決定因子を含む、雑種スイカ植物、特に栽培品種スイカ植物である、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物を提供する。
一実施形態において、本発明は、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物によって産生されるスイカ果実を提供する。
さらなる実施形態において、遺伝的決定因子は、多着花形質と同時分離する3つのマーカー遺伝子座に遺伝的に関連付けられ、前記遺伝的決定因子は、前記遺伝的決定因子を含むスイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先の遺伝的背景を有するドナー植物から得ることができ、多着花形質と同時分離する3つのマーカー遺伝子座は、マーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836である。
本発明は、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物へと成長するスイカ植物種子、特に栽培品種スイカ植物種子にさらに関する。
本発明は、前記多着花形質を欠くスイカ植物に多着花形質を遺伝子移入するための、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物の使用にさらに関する。
本発明は、圃場、温室またはビニールハウスに播種するための、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物の使用にさらに関する。
本発明は、前記多着花形質を欠くスイカ植物の雄花の数を増加させるための、本明細書に開示される実施形態のいずれかに記載の遺伝的決定因子の使用にさらに関する。
本発明は、スイカ植物における多着花形質の発現を指令または制御する遺伝的決定因子にさらに関する。さらなる実施形態において、本発明の遺伝的決定因子は、それぞれ染色体1、3および7上に位置する。本発明のさらなる実施形態において、遺伝的決定因子は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先の遺伝的背景を有し、かつ前記遺伝的決定因子を含むドナー植物から得ることができる。
さらなる実施形態において、本発明の遺伝的決定因子は、多着花形質と同時分離し、かつマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836である3つのマーカー遺伝子座または統計的に相関があり、かつしたがって多着花形質と同時分離する任意の隣接するマーカーに遺伝的にまたは物理的に関連付けられる。
別の実施形態において、本発明の前記遺伝的決定因子またはその機能的部分は、それぞれ3つのマーカー遺伝子座に遺伝的に関連付けられ、
i.マーカー遺伝子座IIH2119は、オリゴヌクレオチドプライマーの対:配列番号1のフォワードプライマーおよび配列番号2のリバースプライマーならびに配列番号3のプローブによるDNA断片の増幅によるPCRにおいて同定され得、
ii.マーカー遺伝子座IIH5250は、オリゴヌクレオチドプライマーの対:配列番号4のフォワードプライマーおよび配列番号5のリバースプライマーならびに配列番号6のプローブによるDNA断片の増幅によるPCRにおいて同定され得、
iii.マーカー遺伝子座IIH4836は、オリゴヌクレオチドプライマーの対:配列番号7のフォワードプライマーおよび配列番号8のリバースプライマーならびに配列番号9のプローブによるDNA断片の増幅によるPCRにおいて同定され得る。
本発明は、スイカ植物、特に栽培品種スイカ植物における多着花形質遺伝子座の検出のためのキットを開示し、前記キットは、
a.配列番号1のフォワードプライマーおよび配列番号2のリバースプライマーによって表されるプライマー対ならびに配列番号3のプローブ、または
b.配列番号4のフォワードプライマーおよび配列番号5のリバースプライマーによって表されるプライマー対ならびに配列番号6のプローブ、または
c.配列番号7のフォワードプライマーおよび配列番号8のリバースプライマーによって表されるプライマー対ならびに配列番号9のプローブ、または
統計的に相関があり、かつしたがって多着花形質と同時分離する隣接するマーカーを表す別のプライマーまたはプライマー対
から選択される少なくとも1つのPCRオリゴヌクレオチドプライマー対およびプローブを含む。
本発明は、スイカ植物、特に栽培品種スイカ植物における多着花形質遺伝子座の診断選択(diagnostic selection)および/または遺伝子型決定のための、本発明に係るこれらのDNAマーカーのいくつかまたは全ての使用も開示する。
本発明は、スイカ植物、特に栽培品種スイカ植物、特に本発明に係るスイカ植物において多着花形質遺伝子座の存在を同定するための、および/またはスイカ植物、特に栽培品種スイカ植物、特に本明細書に記載される本発明に係るスイカ植物における多着花形質遺伝子座の遺伝子移入をモニターするための、これらのDNAマーカーのいくつかまたは全ての使用をさらに開示する。
本発明は、配列番号1および配列番号2、配列番号4および配列番号5、配列番号7および配列番号8からなる群から選択される少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーまたはPCRオリゴヌクレオチドプライマーの対を必要とし、配列番号3、配列番号6もしくは配列番号9を含む群から選択されるプローブと、または統計的に相関があり、かつしたがって多着花形質と同時分離する隣接するマーカーを表す別のプライマーにより、または開示されるマーカーの1つと反応させるPCR反応において得ることができるポリヌクレオチド(増幅産物)をさらに開示し、この増幅産物は、それぞれのマーカー遺伝子座が前記スイカ植物中に依然として存在し、および/またはその対立遺伝子であると見なされ得ることを条件として、同一のプライマーまたはプライマー対を用いたPCR反応において、前記遺伝的決定因子を含むスイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先から得ることができる増幅産物に対応する。
上記のPCR反応において得ることができる前記増幅産物のヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を示す前記増幅産物および/またはポリヌクレオチドの配列と少なくとも90%、特に少なくとも95%、特に少なくとも96%、特に少なくとも97%、特に少なくとも98%、特に少なくとも99%の配列同一性を有するポリヌクレオチドも本明細書において想定される。
次に、本明細書において上述される本発明に係る増幅産物は、多着花形質遺伝子座を同定するのに使用され得る新たなプライマーおよび/またはプローブを作成または開発するのに使用され得る。
したがって、本発明は、一実施形態において、当該技術分野において公知の方法により、本明細書において上述される本発明に係る増幅産物から開発される派生(derived)マーカー、特に派生プライマーまたはプローブにさらに関し、この派生マーカーは、多着花形質遺伝子座に遺伝的に関連付けられる。
別の実施形態において、本発明は、多着花スイカ植物、植物部分または種子を提供する方法であって、
a)多着花遺伝的決定因子を欠く第1の植物を、いずれかの実施形態に記載の第2のスイカ植物と交配させる工程と、
b)子孫スイカ植物を得る工程と、
c)任意選択的に、前記子孫の植物を選択する工程と
を含む方法において、前記植物は、ピーク開花期に1平方メートル当たり少なくとも40個の開花した雄花を産生することを特徴とする方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、工程c)の前記植物が、ピーク開花期に1平方メートル当たり少なくとも45個、より好ましくは少なくとも50個の開花した雄花を産生する、先行する実施形態に記載の方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、多着花スイカ植物、植物部分または種子を提供する方法であって、
a)多着花遺伝的決定因子を欠く第1の植物を、いずれかの実施形態に記載の第2のスイカ植物と交配させる工程と、
b)子孫スイカ植物を得る工程と、
c)任意選択的に、前記子孫の植物を選択する工程と
を含む方法において、前記植物は、前記3つの遺伝的決定因子を欠く工程a)のスイカ植物と比較して、ピーク開花期に1平方メートル当たり30%多い開花した雄花を産生することを特徴とする方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、工程c)の前記植物が、前記遺伝的決定因子を欠く工程a)のスイカ植物と比較して、ピーク開花期に1平方メートル当たり50%、より好ましくは70%であるが、さらにより好ましくは100%多い開花した雄花を産生する、先行する実施形態に記載の方法に関する。
さらなる実施形態において、工程a)の第2のスイカ植物が、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法が考えられる。
別の実施形態において、多着花スイカ植物を産生するための方法であって、
a)いずれかの実施形態に記載のスイカ植物の種子を提供する工程と、
b)前記種子を発芽させ、かつそれから成熟した繁殖力のある植物を成長させる工程と、
c)a)の前記植物の自家受粉を誘発し、果実を成長させ、かつそれから繁殖力のある種子を収穫する工程と、
d)c)で収穫された種子から植物を成長させ、かつ多着花スイカ植物を選択する工程と
を含む方法が考えられる。
さらなる実施形態において、本発明は、多着花形質を有するスイカ植物、特に栽培品種スイカ植物を産生するための方法であって、
a.多着花形質を含むスイカ植物を選択する工程であって、前記多着花スイカ形質は、スイカ植物における前記多着花形質の発現を指令または制御することが可能な3つの遺伝的決定因子に関連しており、前記遺伝的決定因子は、多着花形質と同時分離し、かつマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836である3つのマーカー遺伝子座または統計的に相関があり、かつしたがって多着花形質と同時分離する任意の隣接するマーカーまたは開示されるマーカー遺伝子座のいずれかと遺伝的に関連付けられる、工程と、
b.多着花形質を含む工程a)の前記植物を、多着花形質を含まないスイカ植物、特に栽培品種スイカ植物と交配させる工程と、
c.多着花スイカ形質を含み、かつ工程a)の前記3つのマーカー遺伝子座との関連を示し、かつ多着花を示す前記交配種から子孫スイカ植物を選択する工程と
を含む方法に関する。
本発明は、多着花形質を含むスイカ植物を同定する方法であって、
a)多着花について分離する集団を提供する工程と、
b)多着花形質を含むメンバーについて分離集団をスクリーニングする工程であって、前記形質は、3つのマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836の存在によって同定され得る、工程と、
c)分離集団の1つのメンバーを選択する工程であって、前記メンバーは、多着花形質を含む、工程と
を含む方法をさらに開示する。
本発明は、多着花形質を含むスイカ植物を同定する方法であって、
a)多着花について分離する集団を提供する工程と、
b)多着花形質を含むメンバーについて分離集団をスクリーニングする工程であって、前記形質は、それぞれ染色体1、3および7上にあり、多着花形質と同時分離する3つのマーカー遺伝子座によって同定され得、PCRオリゴヌクレオチドプライマーまたは配列番号1のフォワードプライマーならびに配列番号2のリバースプライマーによって表されるプライマー対の群から選択されるPCRオリゴヌクレオチドプライマーの対、続いてマーカー遺伝子座IIH2119を同定する配列番号3のプローブによる検出、配列番号4のフォワードプライマーおよび配列番号5のリバースプライマーによって表されるプライマー対、続いてマーカー遺伝子座IIH5250を同定する配列番号6のプローブによる検出、および配列番号7のフォワードプライマーおよび配列番号8のリバースプライマーによって表されるプライマー対、続いてマーカー遺伝子座IIH4836を同定する配列番号9のプローブによる検出によって同定され得る、工程と、
c)分離集団の1つのメンバーを選択する工程であって、前記メンバーは、多着花形質を含む、工程と
を含む方法をさらに開示する。
さらに別の実施形態において、本発明は、多着花を与える遺伝的決定因子または多着花を与えるその部分に関し、これは、配列番号1のフォワードプライマー、配列番号2のリバースプライマーならびに配列番号3のプローブを含むPCRオリゴヌクレオチドプライマーの第1の対によって表される少なくとも第1のDNAマーカー、および/または配列番号4のフォワードプライマー、配列番号5のリバースプライマーならびに配列番号6のプローブを含むPCRプライマーの第2の対によって表される少なくとも第2のDNAマーカー、および/または配列番号7のフォワードプライマー、配列番号8のリバースプライマーならびに配列番号9のプローブを含むPCRプライマーの第3の対によって表される少なくとも第3のDNAマーカーに関連しており、特に前記遺伝的決定因子または多着花を与えるその部分は、前記第1、第2および第3のDNAマーカーによってカバーされる。
さらに別の実施形態において、本発明は、オリゴヌクレオチドプライマーの対:配列番号1のフォワードプライマーおよび配列番号2のリバースプライマーならびに配列番号3のプローブ、または配列番号4のフォワードプライマーおよび配列番号5のリバースプライマーならびに配列番号6のプローブ、または配列番号7のフォワードプライマーおよび配列番号8のリバースプライマーならびに配列番号9のプローブによるPCR増幅により、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物のゲノム、好ましくはスイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先のゲノムから増幅されるDNAマーカーの使用に関し、前記DNA断片は、多着花形質を含み、かつそれを示すスイカ植物を同定するためにスイカ植物における多着花形質の存在を示す。
本発明は、多着花スイカ植物を産生するためにスイカ植物を生育するための、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物から得ることができる多着花繁殖材料の使用にも関し、前記多着花は、標準的なアッセイ、特に以下の実施例2Aに記載されるアッセイにおいて評価され得る。
本発明は、スイカ果実を産生するための、先行する実施形態のいずれかに記載のスイカ植物から得ることができる多着花繁殖材料の使用にも関する。
本発明は、雌ずい群および/または増加した数の雌花に関連する遺伝的決定因子に関連する本発明の多着花遺伝的決定因子の使用も想定している。
スイカ植物の雄花の数を増加させるための方法であって、
a)多着花形質を含むスイカ植物を選択する工程であって、前記多着花形質は、スイカ植物における前記多着花形質の発現を指令または制御することが可能な3つの遺伝的決定因子に関連しており、前記形質は、多着花形質と同時分離し、かつマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836である3つのマーカー遺伝子座の存在により、または統計的に相関があり、かつしたがって多着花形質と同時分離する任意の隣接するマーカーにより同定され得る、工程と、
b)多着花形質を含む工程a)の前記植物を、多着花形質を含まないスイカ植物、特に栽培品種スイカ植物と交配させる工程と、
c)工程b)の植物と比較して増加した数の雄花を示し、かつ工程a)の3つのマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836との多着花の関連を示す前記交配種から子孫を選択する工程と
を含む方法を提供することが本発明のさらなる実施形態である。
スイカ植物の雄花の数を増加させるための方法であって、
a)多着花形質を含むスイカ植物を選択する工程であって、前記多着花形質は、スイカ植物における前記多着花形質の発現を指令または制御することが可能な3つの遺伝的決定因子に関連しており、前記形質は、3つのマーカー遺伝子座の存在により、または統計的に相関があり、かつしたがって多着花形質と同時分離する任意の隣接するマーカーにより同定され得る、工程と、
b)多着花形質を含む工程a)の前記植物を、多着花形質を含まず、かつ工程a)の前記植物と比較してより少ない数の雄花を示すスイカ植物、特に栽培品種スイカ植物と交配させる工程と、
c)工程b)の植物と比較して増加した数の雄花を示し、かつ工程a)の3つのマーカー遺伝子座との多着花の関連を示す前記交配種から子孫を選択する工程と
を含む方法を提供することが本発明のさらなる実施形態である。
多着花遺伝的決定因子は、突然変異誘発、例えば化学的突然変異誘発、例えばEMS突然変異誘発によっても導入され得る。代わりに、多着花遺伝的決定因子は、TILLING技術を用いることによっても同定および/または導入され得る。
さらなる実施形態において、本発明は、スイカ植物における多着花表現型を操作するための、本発明の遺伝的決定因子の使用に関し、前記操作は、遺伝子組み換えによって行われ、前記遺伝子組み換えは、TILLINGによって導入される。好ましくは、本発明の遺伝的決定因子は、本明細書に開示される配列により、より好ましくは標的配列を表す配列番号3、6および9により特徴付けられる。
多着花遺伝的決定因子は、標的化された突然変異誘発により、例えば相同的組み換え、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、オリゴヌクレオチドによる突然変異誘発、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、規則的な間隔をもってクラスター化された短鎖反復回文配列(clustered regularly interspaced short palindromic repeat)(CRISPR)システムまたはゲノムを編集するための任意の代替的な技術によっても導入され得る。
代わりに、多着花遺伝的決定因子は、ベクターに含まれ得るヌクレオチド構築物を介してトランスジェニックまたはシスジェニックな(cis-genic)方法によっても導入され得る。
本発明の説明に基づいて、本明細書に記載されるように、前記遺伝的決定因子を含むスイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先を把握している当業者は、本明細書に開示されるマーカー遺伝子座を用いて、当該技術分野において周知の育種技術を用いて本発明の前記遺伝的決定因子を様々なタイプの他のスイカ植物に移すのに何らの困難もない。
定義
本出願の範囲内で使用される技術用語および表現は、一般に、本明細書において以下に特に示されない場合、植物の育種および栽培の関連技術においてそれらに一般的に適用される意味を与えられるべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される際、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上特に明記されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「植物」への言及は、1つまたは複数の植物を含み、「細胞」への言及は、細胞、組織などの混合物を含む。
「栽培品種のスイカ」植物は、本発明の範囲内において、もはや自然の状態ではなく、人の管理により、農業利用のためにおよび/または人の食用に開発および栽培品種化された植物を指すものと理解され、スイカ(Citrullus lanatus)cv「Egun」などの野生スイカ受託番号を除外する。単なる例として、実施形態において、本発明に係るスイカ植物は、黄色の果実を生育することが可能である。代わりにまたは加えて、本発明に係る栽培品種スイカ植物は、脆い皮を備える(例えば、スイカ系統SP-1(国際公開第2003/075641号)において見出されるように、ホモ接合性状態における遺伝子e)。さらなる実施形態において、栽培品種スイカ植物は、二倍体植物、四倍体植物および/または三倍体植物である。
「発現を指令または制御する遺伝的決定因子」は、DNA自体のレベル、最終的なポリペプチド産物の翻訳、転写および/または活性化のレベルにおけるこの多着花形質の発現に影響を与えることにより、植物の多着花に寄与することが可能な遺伝性の遺伝要素を本明細書において指すものと理解される。
好ましい一実施形態において、本発明に係る植物の形質に寄与する遺伝的決定因子は、スイカ属(Citrullus)の生来のものである。本発明に係る遺伝的決定因子は、異種遺伝物質および/またはスイカ属(Citrullus)の外来の遺伝物質を含む遺伝子組み換え事象を含まない。
「対立遺伝子」は、本発明の範囲内において、同一のまたは異なる形態の遺伝子または任意の種類の同定可能な遺伝的決定因子に関連する様々な遺伝単位の代替型または異型を指すものと理解され、これらは、相同染色体における同じ遺伝子座に位置するため、遺伝的形質において代替的である。このような代替型または異型は、一塩基多型、挿入、反転、転座もしくは欠失の結果であり得、または例えば化学的もしくは構造的修飾、転写調節もしくは翻訳後修飾/調節によって引き起こされる遺伝子調節の結果であり得る。二倍体細胞または生物において、所与の遺伝子または遺伝要素の2つの対立遺伝子は、典型的に、相同染色体の対上の対応する遺伝子座を占有する。
質的形質に関連する対立遺伝子は、同一のもしくは単一の遺伝子もしくは複数の遺伝子またはそれらの産物、あるいはさらに遺伝子座によって表される表現型に寄与する遺伝的決定因子を破壊するか、またはそれによって制御される遺伝子に関連するものを含む様々な遺伝単位の代替型または異型を含み得る。
「多着花スイカ」は、多着花形質を欠く植物と比較して増加した雄花数の原因になる前記形質を有するスイカ植物として本明細書において定義される。
相対的に言うと、「増加した雄花数」という用語は、本発明に係る、すなわち多着花遺伝的決定因子を含む植物がピーク開花期に1平方メートル当たり少なくとも40個の雄花を産生することが可能であることを意味することが本明細書において理解される。
「ピーク開花期」は、ほとんどの開花した雄花が全ての土地にわたって記録されたときの週として本明細書において理解される。
「形質」という用語は、特徴または表現型を指す。本発明に関して、多着花形質は、増加した雄花数である。形質は、顕性もしくは潜性形式または部分顕性もしくは不完全顕性形式で遺伝され得る。形質は、単一遺伝子性もしくは多遺伝子性であり得、または1つまたは複数の遺伝子と環境との相互作用から生じ得る。スイカ植物は、ヘテロ接合性または形質についてヘテロ接合性であり得る。
「雑種」、「雑種植物」および「雑種子孫」という用語は、遺伝的に異なる親から生成された個体(例えば、遺伝的にヘテロ接合性またはほぼヘテロ接合性の個体)を指す。
「近交系」という用語は、遺伝的にホモ接合性またはほぼホモ接合性の集団を指す。近交系は、例えば、兄弟/姉妹育種もしくは自殖のいくつかの周期を通してまたは二ゲノム性半数体生成において得られる。
「二ゲノム性半数体系統」という用語は、別の培養物に由来する安定した近交系を指す。特定の培地および環境で栽培されたいくつかの花粉粒(半数体)は、n個の染色体を含有する胚を発達させ得る。次に、これらの胚は、「倍化」され、2n個の染色体を含有する。これらの胚の子孫は、「二ゲノム性半数体」と呼ばれ、本質的にもはや分離しない(安定している)。
「栽培品種」または「品種」という用語は、天然の品種と区別される、園芸のための派生品種を指す。本発明のある実施形態において、栽培品種または品種は、市販されている。
「遺伝的に固定される」という用語は、遺伝要素を通常含有しない植物のゲノム中に安定的に組み込まれた遺伝要素を指す。遺伝的に固定される場合、遺伝要素は、有性交配によって容易かつ予測可能な形式で他の植物に伝達され得る。
「植物」または「植物部分」という用語は、以後、本発明に係るスイカ植物から得ることができる植物部分、器官または組織であって、葉、茎、根、花もしくは花部、果実、シュート、配偶体、胞子体、花粉、葯、小胞子、卵細胞、接合子、胚、分裂組織部位、カルス組織、種子、挿木、細胞もしくは組織培養物、または特に果実を産生する植物へと成長した場合、本発明に係る多着花形質を依然として示す植物の任意の他の部分もしくは産物を含むが、これらに限定されない、植物部分、器官または組織を指す。
「植物」は、任意の発達段階における任意の植物である。
スイカ植物種子は、実施形態にいずれかに記載のスイカ植物へと成長する種子である。
「植物細胞」は、プロトプラストおよび細胞壁を含む植物の構造的および生理的単位である。植物細胞は、単離された単一の細胞もしくは培養された細胞の形態であり得、または例えば植物組織、植物器官もしくは植物全体などの高度に組織化された単位の一部としてのものであり得る。
「植物細胞培養物」は、例えば、プロトプラスト、細胞培養細胞、植物組織中の細胞、花粉、花粉管、胚株、胚嚢、接合子および様々な発達段階における胚などの植物単位の培養物を意味する。
「植物器官」は、根、茎、葉、花芽または胚など、明確で視覚的に構造化された植物の分化した部分である。
本明細書において使用される際、「植物組織」は、構造的および機能的単位へと組織化された植物細胞の群を意味する。植物中または培養物中の任意の植物組織が含まれる。この用語は、限定はされないが、植物全体、植物器官、植物種子、組織培養物ならびに構造的および/または機能的単位へと組織化された植物細胞の任意の群を含む。上に列挙されるかまたはこの定義によって包含される任意の特定のタイプの植物組織と併せたまたはそれを伴わないこの用語の使用は、任意の他のタイプの植物組織を除外することが意図されない。
本明細書において使用される際、「スイカ」という用語は、スイカ(Citrullus lanutus)の任意の品種、栽培品種または個体群を意味する。
本明細書において使用される際、市場性のある果実の「収量」は、生産面積当たりで産生される収穫可能な果実(frt)の数(frt/Ha)を指す。
本明細書において使用される際、「マーカー対立遺伝子」という用語は、表現型形質の変動性に寄与する染色体上の対立遺伝子を含有する遺伝子座の位置を特定するためのマーカーとして使用される場合、本明細書において上に定義される遺伝単位の代替型または異型を指す。
本明細書において使用される際、「育種」という用語およびその文法的変化形は、子孫の個体を生成する任意のプロセスを指す。育種は、有性もしくは無性またはそれらの任意の組合せであり得る。例示的な非限定的な育種のタイプは、交配、自殖、倍加半数体の派生的生成およびそれらの組合せを含む。
本明細書において使用される際、「確立された育種集団」という語句は、育種計画、例えば商業的育種計画において親によって生成され、および/または親として使用される潜在的育種パートナーの集合を指す。確立された育種集団のメンバーは、典型的に、遺伝子的におよび/または表現型的に十分に特性決定されている。例えば、対象とするいくつかの表現型形質は、例えば、異なる環境条件下、複数の場所および/または異なる時間で評価され得る。代わりにまたは加えて、表現型形質の発現に関連する1つまたは複数の遺伝子座が同定され得、育種集団のメンバーの1つまたは複数は、1つまたは複数の遺伝子座に関して、および1つまたは複数の遺伝子座に関連する1つまたは複数の遺伝子マーカーに関して遺伝子型を決定され得る。
本明細書において使用される際、「二倍体個体」という語句は、2組の染色体を有する個体を指し、典型的に、1つは、その2つの親のそれぞれからのものである。しかしながら、ある実施形態において、二倍体個体は、例えば、植物が自殖して植物の次の世代を生成する場合、同じ単一の生物からその「母親」および「父親」の染色体の組を受け継ぎ得ることが理解される。
「ホモ接合性」は、本発明の範囲内において、相同染色体上の1つまたは複数の対応する遺伝子座における同様の対立遺伝子を指すものと理解される。
「ヘテロ接合性」は、本発明の範囲内において、相同染色体上の1つまたは複数の対応する遺伝子座における異なる対立遺伝子を指すものと理解される。
「戻し交配」は、本発明の範囲内において、雑種の子孫が元の親の一方と繰り返し交配されるプロセスを指すものと理解される。異なる反復親が後の戻し交配において使用され得る。
「遺伝子座」は、本発明の範囲内において、遺伝子または形質に寄与する任意の他の遺伝要素もしくは因子を含む染色体上の領域を指すものと理解される。
本明細書において使用される際、「マーカー遺伝子座」は、個体のゲノムに存在し、対象とする1つまたは複数の遺伝子座に関連するヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列を含む染色体上の領域を指し、これは、遺伝子または形質に寄与する任意の他の遺伝的決定因子もしくは因子を含み得る。「マーカー遺伝子座」は、プローブとして使用される核酸の配列などのゲノム配列と相補的なポリヌクレオチド配列を含む染色体上の領域も指す。
「遺伝的連鎖」は、本発明の範囲内において、遺伝子座間の組み換え率(センチモルガン、cM)によって測定される、同じ染色体上の近接した遺伝子の位置に起因する遺伝的形質における性質の関連性を指すものと理解される。
本発明の趣旨では、「同時分離」という用語は、形質に関する対立遺伝子およびマーカーに関する対立遺伝子が同じ染色体上で互いに物理的に近接し(それらの物理的近接性によるそれらの間の減少した組み換え)、同じ染色体上でのそれらの近接性の結果としてそれらの対立遺伝子の選択的な関連性をもたらすため、一緒に伝達される傾向にあることを指す。「同時分離」は、その少なくとも1つが遺伝的であることが知られており、偶然により容易に説明できない単一の植物内の2つ以上の形質の存在も指す。
本明細書において使用される際、「量的形質遺伝子座における遺伝的構造」という用語は、対象とする表現型形質に統計的に相関があり、対象とする表現型形質の根本的な遺伝的基盤を表すゲノム領域を指す。
本明細書において使用される際、本開示の主題に関連する「有性交配」および「有性生殖」という語句は、配偶子の融合により(例えば、植物において受粉により種子を生成するなどの受精によって)子孫を生成することを指す。「有性交配」または「他家受精」は、ある実施形態において、一個体の、別の個体による受精(例えば、植物における他花受粉)である。「自殖」という用語は、ある実施形態において、自家受精または自家受粉による種子の生成、すなわち花粉および胚珠が同じ植物からのものであることを指す。
本明細書において使用される際、「遺伝子マーカー」という語句は、対象とする1つまたは複数の遺伝子座に関連する個体のゲノムの特徴(例えば、個体のゲノムに存在するヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列)を指す。ある実施形態において、遺伝子マーカーは、文脈に応じて、対象とする集団において多型であるか、または多型によって占有される遺伝子座である。遺伝子マーカーとしては、多くの他の例の中でも、例えば一塩基多型(SNP)、インデル(すなわち挿入/欠失)、単純反復配列(SSR)、制限酵素断片長多型(RFLP)、ランダム増幅多型DNA(RAPD)、切断増幅多型配列(CAPS)マーカー、多様性アレイ技術(DArT)マーカーおよび増幅断片長多型(AFLP)が挙げられる。遺伝子マーカーは、例えば、表現型形質の変動性に寄与する染色体上の対立遺伝子を含有する遺伝子座の位置を特定するのに使用され得る。「遺伝子マーカー」という語句は、プローブとして使用される核酸の配列などのゲノム配列と相補的なポリヌクレオチド配列も指し得る。
「遺伝子マーカー」は、それが関連する遺伝子座内または遺伝子座外にある(すなわちそれぞれ遺伝子内または遺伝子外の)染色体上の位置に物理的に位置し得る。換言すれば、遺伝子マーカーは、典型的に、対象とする遺伝子座に対応する、遺伝子または機能的変異の染色体上、例えば遺伝子の外部の制御要素内の位置が同定されておらず、遺伝子マーカーと、対象とする遺伝子座との間にゼロ以外の組み換え率がある場合に用いられるが、本開示の主題は、物理的に遺伝子座の境界内にある(例えば、限定はされないが、遺伝子のイントロンまたはエクソン内の多型などの遺伝子に対応するゲノム配列内の)遺伝子マーカーを用いることもできる。本開示の主題のある実施形態において、1つまたは複数の遺伝子マーカーは、1~10個のマーカーを含み、ある実施形態において、1つまたは複数の遺伝子マーカーは、10個を超える遺伝子マーカーを含む。
本明細書において使用される際、「遺伝子型」という用語は、細胞または生物の遺伝子構成を指す。個体の「一連の遺伝子マーカーに対する遺伝子型」は、個体のハプロタイプに存在する1つまたは複数の遺伝子マーカー遺伝子座に対する特定の対立遺伝子を含む。当該技術分野において公知であるように、遺伝子型は、遺伝子座が関連しているかもしくは関連していないか、および/または連鎖しているかもしくは連鎖していないかにかかわらず、単一の遺伝子座または複数の遺伝子座に関連し得る。ある実施形態において、個体の遺伝子型は、遺伝子の1つまたは複数が、対象とする表現型(例えば、本明細書に定義される量的形質)の発現に関与するという点で関連する1つまたは複数の遺伝子に関連する。したがって、ある実施形態において、遺伝子型は、量的形質の1つまたは複数の遺伝子座における個体内に存在する1つまたは複数の対立遺伝子の概略を含む。ある実施形態において、遺伝子型は、ハプロタイプ(本明細書において以下に定義される)に関して発現される。
本明細書において使用される際、「遺伝資源」という用語は、集団または他の個体群(例えば、種)の遺伝子型の全体を指す。「遺伝資源」という用語は、植物材料、例えば様々な対立遺伝子のレポジトリとして機能する植物の群も指し得る。「適合された遺伝資源」という語句は、例えば、所与の環境的または地理的領域に対して遺伝子的優位性が証明された植物材料を指す一方、「非適合遺伝資源」、「原遺伝資源」および「外来遺伝資源」という語句は、例えば、所与の環境的または地理的領域に対して遺伝的価値が未知であるかまたは証明されていない植物材料を指し、したがって、「非適合遺伝資源」という語句は、ある実施形態において、確立された育種集団の一部ではなく、確立された育種集団のメンバーに対する公知の関係を有さない植物材料を指す。
本明細書において使用される際、「連鎖」という用語およびその文法的変化形は、同じ染色体上の異なる遺伝子座における対立遺伝子が、それらの伝達が独立している場合、ある実施形態において、それらの物理的近接性の結果として、偶然により予測される以上の頻度で共に分離する傾向を指す。
本明細書において使用される際、「核酸」という語句は、ヌクレオチドのポリマー(例えば、典型的なDNA、cDNAまたはRNAポリマー)、修飾オリゴヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル化オリゴヌクレオチドなど、生物学的RNAまたはDNAに典型的ではない塩基を含むオリゴヌクレオチド)などを含む、ヌクレオチドの鎖に対応し得るモノマー単位の任意の物理的鎖を指す。ある実施形態において、核酸は、一本鎖、二本鎖、複数鎖またはそれらの組合せであり得る。特に示されない限り、本開示の主題の特定の核酸配列は、任意選択的に、明示的に示される任意の配列に加えて相補的な配列を含むかまたはそれをコードする。
本明細書において使用される際、「複数」という用語は、2つ以上を指す。したがって、「複数の個体」は、少なくとも2つの個体を指す。ある実施形態において、複数という用語は、全体の半分超を指す。例えば、ある実施形態において、「複数の集団」は、その集団のメンバーの半分超を指す。
本明細書において使用される際、「子孫」という用語は、特定の交配の子孫を指す。典型的に、子孫は、2つの個体の育種から生じるが、いくつかの種(特にいくつかの植物および雌雄同体の動物)は、自殖し得る(すなわち同じ植物が雄性および雌性配偶子の両方のドナーとしての役割を果たす)。子孫は、例えば、F1、F2または任意の次世代のものであり得る。
本明細書において使用される際、「量的形質」という語句は、数値的に記載され得る(すなわち定量または定量化される)表現型形質を指す。量的形質は、典型的に、集団の個体間の連続的な変化を示し、すなわち、表現型形質の数値の差は、わずかであり、互いに段階的である。高い頻度で、定量的な表現型形質の集団における度数分布は釣鐘曲線を示す(すなわち2つの極値間の正規分布を示す)。
「量的形質」は、典型的に、環境と相互作用する遺伝子座または互いにおよび/または環境と相互作用する複数の遺伝子座の結果である。量的形質の例としては、植物の高さおよび収量が挙げられる。
本発明の趣旨では、「同時分離」という用語は、形質に関する対立遺伝子およびマーカーに関する対立遺伝子が同じ染色体上で互いに物理的に近接し(それらの物理的近接性によるそれらの間の減少した組み換え)、同じ染色体上でのそれらの近接性の結果としてそれらの対立遺伝子の選択的な関連性をもたらすため、一緒に伝達される傾向にあることを指す。「同時分離」は、その少なくとも1つが遺伝的であることが知られており、偶然により容易に説明できない単一の植物内の2つ以上の形質の存在も指す。
本明細書において使用される際、「量的形質遺伝子座」(QTL)および「マーカー形質関連性」という用語は、遺伝子マーカーと、対象とする形質の表現型に影響を与える染色体領域および/または遺伝子との間の関連性を指す。典型的に、これは、統計的に、例えば文献に公開される1つまたは複数の方法に基づいて決定される。QTLは、表現型形質(量的形質または質的形質のいずれか)に異なる影響を与える少なくとも2つの対立遺伝子を有する染色体領域および/または遺伝子座であり得る。
本明細書において使用される際、「質的形質」という語句は、主要な表現型効果を示す1つまたはいくつかの遺伝子によって制御される表現型形質を指す。このため、質的形質は、典型的に単純に遺伝する。植物における例としては、限定はされないが、花の色およびいくつかの公知の病害抵抗性、例えば真菌の斑点病(Fungus spot)抵抗性またはトマトモザイクウイルス(Tomato Mosaic Virus)抵抗性などが挙げられる。
「マーカーによる選択」は、本発明の範囲内において、例えば植物由来の1つまたは複数の核酸を検出する遺伝子マーカーの使用を指すものと理解され、選択的育種計画においてそれらの植物が使用(または回避)され得るように、核酸は、望ましい(または望ましくない)形質に関する遺伝子を有する植物を同定するように所望の形質に関連している。
「マイクロサテライトまたはSSR(単純配列反復)マーカー」は、本発明の範囲内において、植物のゲノム全体にわたる遺伝子座において見られ、高度に多型性である可能性を有する、DNA塩基の短い配列の多くの繰り返しからなる遺伝子マーカーのタイプを指すものと理解される。
DNA中の単一部位における変異である一塩基多型(SNP)は、ゲノムの変異の最もよく見られるタイプである。一塩基多型(SNP)は、ゲノム(または他の共有配列)中の一塩基(A、T、CまたはG)が生物学的種のメンバー間または個体の対合染色体間で異なるときに起こるDNA配列の変異である。例えば、異なる個体由来の2つの配列決定されたDNA断片、
Figure 0007229921000001
と、
Figure 0007229921000002
とは、一塩基の相違を含む。この場合、2つの対立遺伝子:CおよびTがある。SNPアレイの基本原理は、DNAマイクロアレイと同じである。これらは、DNAハイブリダイゼーション、蛍光顕微鏡法およびDNA捕捉の集合である。SNPアレイの3つの構成要素は、核酸配列(すなわち増幅配列または標的)を含むアレイ、1つまたは複数の標識された対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブおよびハイブリダイゼーションシグナルを記録し、それを解釈する検出システムである。
所望の対立遺伝子の有無は、二本鎖DNA色素または蛍光レポータープローブ法を用いたリアルタイムPCRによって決定され得る。
「PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)」は、本発明の範囲内において、ゲノムのDNAの特定の領域またはサブセットを比較的大量に生成し、それにより、それらの領域に基づく様々な分析を可能にする方法を指すものと理解される。
「PCRプライマー」は、本発明の範囲内において、DNAの特定領域のPCR増幅において使用される一本鎖DNAの比較的短い断片を指すものと理解される。
「表現型」は、本発明の範囲内において、遺伝的に制御される形質の区別できる特性を指すものと理解される。
本明細書において使用される際、「表現型形質」という語句は、そのゲノム、プロテオームおよび/またはメタボロームと環境との相互作用から生じる個体の外見または他の検出可能な特性を指す。
「多型」は、本発明の範囲内において、2つ以上の異なる形態の遺伝子、遺伝子マーカーもしくは遺伝した形質または例えば選択的スプライシング、DNAメチル化などによって得ることができる遺伝子産物の集団の存在を指すものと理解される。
「選択的育種」は、本発明の範囲内において、親として望ましい形質を有するかまたはそれを示す植物を使用する育種の計画を指すものと理解される。
「試験用」植物は、本発明の範囲内において、試験される植物における形質を遺伝的に特性決定するのに使用されるトウガラシ属(Capsicum)の植物を指すものと理解される。典型的に、試験される植物は、「試験用」植物と交配され、交配の子孫における形質の分離比が採点される。
本明細書において使用される際、「プローブ」は、特定の標的分子または細胞構造を認識しそれに結合することができ、したがって標的分子または構造の検出を可能にする原子または分子の群を指す。特に、「プローブ」は、分子ハイブリダイゼーションによって相補的な配列の存在を検出し、それを定量化するのに使用され得る標識されたDNAまたはRNA配列を指す。
本明細書において使用される際、「ハイブリダイズする」という用語は、従来のハイブリダイゼーション条件、好ましくは5×SSPE、1%のSDS、1×デンハート液が溶液として使用され、および/またはハイブリダイゼーション温度が35℃~70℃、好ましくは65℃であるハイブリダイゼーション条件を指す。ハイブリダイゼーション後、好ましくは、まず2×SSC、1%のSDSを用いて、続いて0.2×SSCを用いて、35℃~75℃、特に45℃~65℃であるが、特に59℃の温度で洗浄が行われる(SSPE、SSCおよびデンハート液の定義に関しては、Sambrook et al.の引用箇所を参照されたい)。例えば、Sambrook et al(上記)に記載される高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件が特に好ましい。特に好ましいストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、例えば、ハイブリダイゼーションおよび洗浄が上で示されるように65℃で行われる場合に存在する。例えば、45℃で行われるハイブリダイゼーションおよび洗浄を用いた非ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、より好ましくなく、35℃ではさらにより好ましくない。
「配列相同性または配列同一性」は、本明細書において同義的に使用される。2つ以上の核酸またはタンパク質配列に関する「同一の」またはパーセント「同一性」という用語は、同じであるか、または以下の配列比較アルゴリズムの1つを使用してもしくは目視検査によって測定される際、最大の一致について比較および整列したとき、同じアミノ酸残基もしくはヌクレオチドの特定のパーセンテージを有する2つ以上の配列または部分配列を指す。互いに比較される2つの配列の長さが異なる場合、配列同一性は、好ましくは、より長い配列のヌクレオチド残基と同一であるより短い配列のヌクレオチド残基のパーセンテージに関連する。本明細書において使用される際、2つの配列間のパーセント同一性/相同性は、2つの配列の最適アラインメントのために導入される必要があるギャップの数および各ギャップの長さを考慮に入れて、配列に共有される同一位置の数の関数である(すなわち%同一性=同一位置の数/位置の総数×100)。配列の比較および2つの配列間のパーセント同一性の決定は、本明細書において後述されるように数学アルゴリズムを用いて行われ得る。例えば、配列同一性は、従来のように、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,575 Science Drive Madison,WI 53711)などのコンピュータプログラムを用いて決定され得る。Bestfitは、2つの配列間の最も高い配列同一性を有するセグメントを発見するために、Smith and Waterman,Advances in Applied Mathematics 2(1981),482-489の遺伝子座相同性アルゴリズムを利用する。特定の配列が例えば本発明の参照配列と95%の同一性を有するかどうかを決定するためにBestfitまたは別の配列アラインメントプログラムを使用する場合、パラメータは、好ましくは、同一性のパーセンテージが参照配列の全長にわたって計算されるように、および参照配列におけるヌクレオチドの総数の5%までの相同性ギャップが許容されるように調整される。Bestfitを使用する場合、いわゆる任意選択的パラメータは、好ましくは、それらの予め設定された(「初期」)値のままである。所与の配列と、本発明の上記の配列との間の比較において見られる逸脱は、例えば、付加、欠失、置換、挿入または組み換えによって引き起こされ得る。このような配列比較は、好ましくは、プログラム「fasta20u66」(William R.Pearsonおよびthe University of Virginiaによるバージョン2.0u66、1998年9月;W.R.Pearson(1990),Methods in Enzymology 183,63-98、添付の例およびhttp://workbench.sdsc.edu/も参照されたい)を用いても行われ得る。この目的のために、「初期」パラメータ設定が使用され得る。
2つの核酸配列が実質的に同一であるという別の示唆は、2つの分子がストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズすることである。「特異的にハイブリダイズする」という語句は、特定のヌクレオチド配列が複雑な混合物(例えば、細胞全体の)DNAまたはRNA中に存在する場合、ストリンジェントな条件下でその配列のみに分子が結合、二重鎖形成またはハイブリダイズすることを指す。「実質的に結合する」は、プローブ核酸と標的核酸との間の相補的ハイブリダイゼーションを指し、標的核酸配列の所望の検出を達成するために、ハイブリダイゼーション媒体のストリンジェンシーを低下させることによって適合され得る小さいミスマッチを包含する。
サザンおよびノーザンハイブリダイゼーションなどの核酸ハイブリダイゼーション実験に関する「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」および「ストリンジェントなハイブリダイゼーション洗浄条件」は、配列依存的であり、異なる環境パラメータ下で異なる。より長い配列は、より高い温度で特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションの広範囲にわたる指針は、Tijssen(1993)Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology-Hybridization with Nucleic Acid Probes part I chapter 2“Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays”Elsevier,New Yorkに見られる。一般に、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、規定のイオン強度およびpHで特定の配列について熱的融点より約5℃低くなるように選択される。典型的に、「ストリンジェントな条件」下において、プローブは、その標的部分配列にハイブリダイズするが、他の配列にハイブリダイズしない。
「熱的融点」は、(規定のイオン強度およびpHで)標的配列の50%が完全に一致するプローブにハイブリダイズする温度である。非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブの溶融温度(Tm)に等しくなるように選択される。サザンまたはノーザンブロットにおいてフィルタ上に100個を超える相補的残基を有する相補的核酸のハイブリダイゼーションのためのストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は、42℃で、1mgのヘパリンを含む50%のホルムアミドであり、ハイブリダイゼーションは、一晩行われる。高度にストリンジェントな洗浄条件の例は、約15分間にわたって72℃で0.15MのNaClである。ストリンジェントな洗浄条件の例は、15分間にわたって65℃で0.2倍のSSC洗浄である(SSC緩衝液の説明については、Sambrook(下記)を参照されたい)。多くの場合、高ストリンジェンシー洗浄前に、バックグラウンドプローブシグナルを除去するための低ストリンジェンシー洗浄が行われる。例えば、100個を超えるヌクレオチドの二重鎖に対する中程度ストリンジェンシー洗浄の例は、15分間にわたって45℃で1倍のSSCである。例えば、100個を超えるヌクレオチドの二重鎖に対する低ストリンジェンシー洗浄の例は、15分間にわたって40℃で4~6倍のSSCである。短いプローブ(例えば、約10~50個のヌクレオチド)の場合、ストリンジェントな条件は、典型的に、pH7.0~8.3で約1.0M未満のNaイオンの塩濃度、典型的に約0.01~1.0MのNaイオン濃度(または他の塩)を含み、温度は、典型的に、少なくとも約30℃である。ストリンジェントな条件は、ホルムアミドなどの不安定化剤の添加によっても達成され得る。一般に、特定のハイブリダイゼーションアッセイにおいて無関係のプローブについて観察されるものの2倍(またはそれを超える)の信号対雑音比は、特定のハイブリダイゼーションの検出を示す。ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸は、それらがコードするタンパク質が実質的に同一である場合、依然として実質的に同一である。これは、例えば、核酸のコピーが、遺伝子コードによって許容される最大のコドンの縮退を用いて形成される場合に生じる。
種子寄託詳細
本出願人は、スイカ(二倍体スイカ(Citrullus lanatus))系統SP-7の2500個の種子をATCC受託番号PTA-123747で2016年12月14日にブダペスト条約(Budapest Treaty)に従ってATCC(Manassas,VA,USA)に寄託した。本出願人は、専門家の解決を選択する。
参考文献
・Dane F.and Liu J.,2007,Diversity and origin of cultivated and citron type watermelon(Citrullus lanatus),Genetic Resources and Crop Evolution,Volume 54,Issue 6,pp 1255-1265.
・Food and Agriculture Organization of the United Nations,Statistics Division,FAOSTAT,Http://faostat3.fao.org/browse/Q/*/E.
・United States Department of Agriculture,National Agricultural Statistics Service,Vegetables 2015 Summary,Http://usda.mannlib.cornell.edu/usda/current/VegeSumm/VegeSumm-02-04-2016.pdf.
・KiharaH.,1951,Triploid watermelons,Proc.Amer.Soc.Hort.Sci.,58:217-230.
・Fehr W.R.,1987,Principles of cultivar development,theory and technique,Vol.1,Macmillian Publishing Company.

図1は、Woodland(CA)において生育された様々な遺伝子型についての、ピーク開花期における開花した雄花の数を示す。
配列
配列番号1
5’ CGTTGAGACGTTCGCTGTTC 3’
配列番号2
5’ GACGGAGACCCATGATAAGGA 3’
配列番号3
Figure 0007229921000003
配列番号4
5’ GGTCGGCAATGACTAGACGAAT 3’
配列番号5
5’ TCCTCCATCGCTCCAAACCT 3’
配列番号6
Figure 0007229921000004
配列番号7
5’ TCGACAAATGGAGAAGGTTCAACT 3’
配列番号8
5’ ACCTTTGTGTCCTTCCCAGAA 3’
配列番号9
Figure 0007229921000005
実施例1:遺伝資源および集団の開発
組み換え近交系(RIL)遺伝的集団を、野生スイカ受託番号PI595203[スイカ(Citrullus lanatus)cv「Egun」]を最近の栽培品種PI635731[スイカ(Citrullus lanatus)cv「Dixielee」]と交雑させることによって構築し、全ての観察可能な表現型形質が固定され、各系統が独自の特性を示すまで単粒系統を用いて自家交雑させた。集団(ED-RIL集団とも呼ばれる)を露地試験において栽培し、様々な形質についての表現型を決定した。これにより、雄花数の大きな増加を示した極端な表現型(「多着花」と呼ばれる)が観察された。ED268と示される系統が、増加した数の雄花のために最も好ましい系統であった。いくつかのED-RILが多着花を発現したが、いくつかは発現せず、これは、表現型の個別の遺伝的制御を示している。この集団の連続した観察により、多着花が遺伝形質であることが示された。多着花は、いずれかの親では観察されず、これは、EgunおよびDixieleeの両方に由来する対立遺伝子の特定の組合せが表現型の発現を制御することを示している。さらなる研究により、少なくとも3つの遺伝的決定因子(1つは、Egun由来であり、および2つは、Dixielee由来である)が多着花の制御に関与することが示された。
系統ED268を選択し、多着花形質を含む新たなスイカ植物を開発するために系統SP-6と交配させた。得られたF1植物を自家交雑させ、続いて固定し、得られた系統を多着花について再度表現型決定した。いくつかの系統が多着花形質(例えば、系統SP-7)を発現した一方、いくつかは発現せず(例えば、SP-7の非多着花姉妹系統)、表現型の個別の遺伝的制御が確認された。これにより、多着花形質が異なる遺伝的背景に遺伝子移入され得ることも確認された。
SP-7と示される系統は、増加した数の雄花のために選択される最も好ましい系統として同定され、保持されており、2016年12月14日に番号ATCC PTA-123747でATCCにおいて寄託された。系統SP-7は、多着花形質について固定され、すなわち、系統SP-7は、ホモ接合性状態で3つの有利な遺伝的決定因子を含む。
実施例2:表現型決定
実施例2A.多着花:雄花数を測定する方法
各遺伝子型の土地を、植物間に24インチ(61cm)の間隔を空けて露地条件で耕作した。全てのデータは、ブロックとして処理される3回の反復を有する完備型乱塊法(randomized complete block design)において野外試験設定から得られる。1平方メートルの面積内の開花した雄花の数を計数することによって雄花数を推定した。各土地につき1週間単位で2回の測定を行った。ピーク開花期は、ほとんどの開花した雄花が全ての土地にわたって記録されたときの週として決定された。
実施例2B.表現型決定結果
図1は、以下の遺伝子型の多着花表現型決定結果を示す:(i)寄託された系統SP-7およびその祖先:系統SP-6および系統ED268、(ii)系統ED268の祖先:EgunおよびDixielee、(iii)SP-7の非多着花姉妹系統、ならびに(iv)無関係の非多着花系統:Estrella。
ピーク開花期に、ED268の親であるDixieleeおよびEgunは、ED268が示した開花した雄花数のそれぞれわずか12.44%および34.74%を示した。SP-7、SP-6の非多着花親は、SP-7がピーク開花期に示した雄花の数の約32.57%を示した。SP-7がピーク開花期に示した雄花数のわずか43.96%を示したその非多着花姉妹系統ED268/SP-6(非多着花)よりはるかに多い雄花数をSP-7が有することも示される。これは、多着花形質が、育種プロセス中に有利にまたは不利に選択され得る個別の遺伝形質であることを実証している。
表1は、SP-7が他の非多着花品種とどのように区別されるかをさらに実証している。統計的分析は、SP-7が、これらの実験に含まれる全ての他の品種と比較して、ピーク開花に示される単位面積当たりの雄花の数について有意に異なることを示す。さらに、フィッシャーのLSD法を用いて、これらの実験に含まれる多着花形質を有するスイカ遺伝子型(SP-7およびED268)は、多着花形質を有さないスイカ遺伝子型より単位面積当たりで有意に多い数の雄花を有する。
Figure 0007229921000006
実施例3:遺伝子型決定およびQTLの発見
実施例3A.多着花形質の根底にある遺伝的決定因子を同定する方法
QTLの発見のために、「ED-RIL」集団からの166個の組み換え近交系(RIL)を、ゲノムにわたる260個の遺伝子マーカーで遺伝子型決定し、遺伝子地図を作成した。これらの系統を、標準的な生育方法を用いてWoodland(CA)の露地で生育し、多着花について表現型決定した。
QTLの検出を、R統計的枠組みにおいてR/qtlパッケージを用いて行った。まず、関数「calc.genoprob」を用いて遺伝子型の確率を計算した(1cM刻み)。Haley-Knott回帰を行って、標準的な区間マッピングの結果の概算を得た。次に、完全自動化モデル選択前向き/後ろ向きアルゴリズムを提供する関数「stepwiseqtl」を実行した。主要な影響についてのLOD閾値を10,000の置換(permutation)によって決定した。このアルゴリズムは、様々な可能な相互作用(例えば、エピスタシス)を考慮に入れる。関数「refineqtl」を用いて、複数のQTLモデルに関するQTLの位置を絞り込んだ(最尤推定値)。関数「fitqtl」を用いて、定義されたQTLモデルに適合させ、QTLの影響の推定値を得た。3つのQTLを多着花表現型に基づいて同定した(表2)。
実施例3B.多着花に対する染色体1、3および7上に位置するQTLの影響
表2は、染色体位置、QTL、LODスコアの影響、多着花および有利な遺伝子型について染色体1、3および7上の各QTLによって説明される変異のパーセントを示す。
Figure 0007229921000007
実施例3C.QTL配列情報
表3は、それぞれマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836に関連するヌクレオチド配列を示す。各マーカー遺伝子座について、表は、染色体位置、マーカーDNA断片を増幅することを可能にする(フォワードおよびリバース)プライマーおよび標的配列を示す。各標的配列について、有利なSNP対立遺伝子が太字で示される。
Figure 0007229921000008
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕多着花形質の発現を指令または制御する3つの遺伝的決定因子を含む多着花スイカ植物であって、ピーク開花期に1平方メートル当たり少なくとも40個の開花した雄花を産生する多着花スイカ植物。
〔2〕前記3つの遺伝的決定因子は、前記多着花形質と同時分離し、かつそれぞれマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836を含む群において選択される3つのマーカー遺伝子座に遺伝的にまたは物理的に関連付けられる、前記〔1〕に記載のスイカ植物。
〔3〕前記遺伝的決定因子は、それぞれマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836に遺伝的にまたは物理的に関連付けられ、
a)マーカー遺伝子座IIH2119は、オリゴヌクレオチドプライマーの対:配列番号1のフォワードプライマーおよび配列番号2のリバースプライマーならびに配列番号3のプローブによるDNA断片の増幅によるPCRにおいて同定され得、
b)マーカー遺伝子座IIH5250は、オリゴヌクレオチドプライマーの対:配列番号4のフォワードプライマーおよび配列番号5のリバースプライマーならびに配列番号6のプローブによるDNA断片の増幅によるPCRにおいて同定され得、
c)マーカー遺伝子座IIH4836は、オリゴヌクレオチドプライマーの対:配列番号7のフォワードプライマーおよび配列番号8のリバースプライマーならびに配列番号9のプローブによるDNA断片の増幅によるPCRにおいて同定され得る、前記〔1〕または〔2〕に記載のスイカ植物。
〔4〕前記遺伝的決定因子は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先の遺伝的背景を有するドナー植物から得ることができる、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載のスイカ植物。
〔5〕スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先は、前記多着花遺伝的決定因子の源であり、系統SP-7の代表的な種子は、ATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載のスイカ植物。
〔6〕スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先を、多着花遺伝的決定因子を含まないスイカ植物と交配させることによって得られる、前記〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載のスイカ植物。
〔7〕近交系、二ゲノム性半数体、雑種、三倍体または四倍体植物である、前記〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載のスイカ植物。
〔8〕前記〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載のスイカ植物から得ることができる植物部分、器官または組織であって、葉、茎、根、花もしくは花部、果実、シュート、配偶体、胞子体、花粉、葯、小胞子、卵細胞、接合子、胚、分裂組織部位、カルス組織、種子、挿木、細胞もしくは組織培養物、または特に果実を産生する植物へと成長した場合、本発明に係る多着花形質を依然として示す前記植物の任意の他の部分もしくは産物を含むが、これらに限定されない、植物部分、器官または組織。
〔9〕前記〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載のスイカ植物の種子。
〔10〕三倍体種なし果実の産生および収穫のための、前記〔1〕~〔9〕のいずれか一項に記載のスイカ植物、植物部分または種子の使用。
〔11〕前記スイカ植物、植物部分または種子は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先である、前記〔10〕に記載のスイカ植物、植物部分または種子の使用。
〔12〕多着花スイカ植物、植物部分または種子を提供する方法であって、
a)多着花遺伝的決定因子を欠く第1の植物を、前記〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載の第2のスイカ植物と交配させる工程と、
b)子孫スイカ植物を得る工程と、
c)任意選択的に、前記子孫の植物を選択する工程と
を含む方法において、前記植物は、ピーク開花期に1平方メートル当たり少なくとも40個の開花した雄花を産生することを特徴とする方法。
〔13〕前記第2のスイカ植物は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫もしくは祖先である、前記〔12〕に記載の方法。
〔14〕多着花スイカ植物を産生するための方法であって、
a)前記〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載のスイカ植物の種子を提供する工程と、
b)前記種子を発芽させ、かつそれから成熟した繁殖力のある植物を成長させる工程と、
c)a)の前記植物の自家受粉を誘発し、果実を成長させ、かつそれから繁殖力のある種子を収穫する工程と、
d)c)で収穫された前記種子から植物を成長させ、かつ多着花スイカ植物を選択する工程と
を含む方法。
〔15〕多着花形質と同時分離し、かつそれぞれマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836である3つのマーカー遺伝子座に遺伝的にまたは物理的に関連付けられる3つの遺伝的決定因子を含むスイカ植物を同定する方法であって、前記スイカ植物は、ピーク開花期に1平方メートル当たり少なくとも40個の開花した雄花を産生し、前記方法は、
a)前記多着花形質について分離する集団を提供する工程と、
b)多着花形質を含むメンバーについて前記分離集団をスクリーニングする工程であって、前記形質は、前記多着花形質と同時分離し、かつマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836である3つのマーカー遺伝子座の存在によって同定され得る、工程と、
c)前記分離集団の1つのメンバーを選択する工程であって、前記メンバーは、前記多着花形質を含む、工程と
を含む、方法。
〔16〕スイカ植物の雄花の数を増加させるための方法であって、
a)多着花形質を含むスイカを選択する工程であって、前記多着花形質は、前記スイカ植物における前記多着花形質の発現を指令または制御することが可能な3つの遺伝的決定因子に関連しており、前記形質は、前記多着花形質と同時分離し、かつマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836である3つのマーカー遺伝子座の存在により、または統計的に相関があり、かつしたがって前記多着花形質と同時分離する任意の隣接するマーカー遺伝子座により同定され得る、工程と、
b)多着花形質を含む工程a)の前記植物を、多着花形質を含まず、かつ工程a)の前記植物と比較してより少ない数の雄花を示すスイカ植物、特に栽培品種スイカ植物と交配させる工程と、
c)工程b)の前記植物と比較して増加した数の雄花を示し、かつ工程a)のマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836を含む群において選択される3つのマーカー遺伝子座との前記多着花形質の関連を示す前記交配種から子孫を選択する工程と
を含む方法。

Claims (15)

  1. 多着花形質の発現を指令または制御する3つの遺伝的決定因子を含む多着花スイカ植物であって、
    3つの遺伝的決定因子は、それぞれマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836であり、
    a)マーカー遺伝子座IIH2119は、配列番号3の101位に対応するヌクレオチドGを含み、
    b)マーカー遺伝子座IIH5250は、配列番号6の101位に対応するヌクレオチドAを含み、
    c)マーカー遺伝子座IIH4836は、配列番号9の101位に対応するヌクレオチドCを含み、
    マーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836についてホモ接合性である、多着花スイカ植物。
  2. 前記遺伝的決定因子は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫の遺伝的背景を有するドナー植物から得ることができる、請求項1に記載のスイカ植物。
  3. スイカ系統SP-7またはその子孫は、前記多着花遺伝的決定因子の源であり、系統SP-7の代表的な種子は、ATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、請求項2に記載のスイカ植物。
  4. 近交系、二ゲノム性半数体、雑種、三倍体または四倍体植物である、請求項1~のいずれか一項に記載のスイカ植物。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載のスイカ植物から得ることができる植物部分、器官または組織。
  6. 葉、茎、根、花もしくは花部、果実、シュート、配偶体、胞子体、花粉、葯、小胞子、卵細胞、接合子、胚、分裂組織部位、カルス組織、種子、挿木、細胞もしくは組織培養物である、請求項に記載の植物部分、器官または組織。
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載のスイカ植物の種子。
  8. 三倍体種なし果実の産生および収穫のための、請求項1~のいずれか一項に記載のスイカ植物、植物部分または種子の使用。
  9. 前記スイカ植物、植物部分または種子は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫である、請求項に記載のスイカ植物、植物部分または種子の使用。
  10. 多着花スイカ植物、植物部分または種子を提供する方法であって、
    a)多着花遺伝的決定因子を欠く第1の植物を、請求項1~のいずれか一項に記載の第2のスイカ植物と交配させる工程と、
    b)子孫スイカ植物を得る工程と
    を含む方法。
  11. c)多着花形質を有する前記子孫の植物を選択する工程
    を更に含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第2のスイカ植物は、スイカ系統SP-7であって、その代表的な種子がATCC受託番号PTA-123747で寄託されている、スイカ系統SP-7またはその子孫である、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 多着花スイカ植物を産生するための方法であって、
    a)請求項1~のいずれか一項に記載のスイカ植物の種子を提供する工程と、
    b)前記種子を発芽させ、かつそれから成熟した繁殖力のある植物を成長させる工程と、
    c)b)の前記植物の自家受粉を誘発し、果実を成長させ、かつそれから繁殖力のある種子を収穫する工程と、
    d)c)で収穫された前記種子から植物を成長させ、かつ多着花スイカ植物を選択する工程と
    を含む方法。
  14. 請求項1に記載の多着花スイカ植物を同定する方法であって、
    a)前記多着花形質について分離する集団を提供する工程と、
    b)多着花形質を含むメンバーについて前記分離集団をスクリーニングする工程であって、前記形質は、前記多着花形質と同時分離し、かつマーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836である3つのマーカー遺伝子座の存在によって同定される、工程と、
    c)前記分離集団の1つのメンバーを選択する工程であって、前記メンバーは、前記多着花形質を含む、工程と
    を含み、
    i)マーカー遺伝子座IIH2119は、配列番号3の101位に対応するヌクレオチドGを含み、
    ii)マーカー遺伝子座IIH5250は、配列番号6の101位に対応するヌクレオチドAを含み、
    iii)マーカー遺伝子座IIH4836は、配列番号9の101位に対応するヌクレオチドCを含む、方法。
  15. スイカ植物の雄花の数を増加させるための方法であって、
    a)請求項1に記載の多着花スイカ植物を選択する工程と、
    b)多着花形質を含む工程a)の前記植物を、多着花形質を含まず、かつ工程a)の前記植物と比較してより少ない数の雄花を示すスイカ植物と交配させる工程と、
    c)マーカー遺伝子座IIH2119、IIH5250およびIIH4836を含む前記交配種から子孫を選択する工程と
    を含み、
    i)マーカー遺伝子座IIH2119は、配列番号3の101位に対応するヌクレオチドGを含み、
    ii)マーカー遺伝子座IIH5250は、配列番号6の101位に対応するヌクレオチドAを含み、
    iii)マーカー遺伝子座IIH4836は、配列番号9の101位に対応するヌクレオチドCを含む方法。
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