JP7229485B2 - 塗膜剥離剤 - Google Patents

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Description

本発明は、塗膜剥離剤に関する。
塗膜は経時により劣化するため、塗り替え補修が必要となる場合がある。例えば橋梁などの構造物や船底などは、定期的な塗り替え補修が必要である。
塗り替え補修の際には、劣化塗膜の剥離が行われる場合がある。劣化塗膜の剥離には、従来、ブラスト処理や動力工具による物理的作用による方法が広く採用されている。しかし、これら方法では粉塵や破片の飛散が懸念される。また、処理を行う際に発生する騒音も懸念される。
そこで、物理的作用による劣化塗膜の剥離ではなく、塗膜剥離剤を用いた化学的作用により劣化塗膜を剥離することが行われる場合がある。塗膜剥離剤としては、塩素系溶剤が主成分であり水を含まない溶剤系タイプのものや、溶剤と水を含有する水系タイプのもの(典型的には水分比率は5~60質量%程度)などが知られている。水系タイプの塗膜剥離剤は、さらに、水に溶剤分を(あるいは溶剤分に水を)分散させたエマルジョンタイプのものや、水と溶剤分とが相溶化剤等を介して均一に混ざったタイプのものなどに分類可能である。
近年、法規制や環境配慮などから、水系タイプの塗膜剥離剤の需要が高まってきている。
水系タイプの塗膜剥離剤の例としては、特許文献1~4に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、アルコール系溶剤、水、無機系増粘剤を含有する船底塗膜剥離剤が記載されている
特許文献2には、沸点が100℃以上の1価又は2価のアルコール系溶剤、水および非アルカリ金属塩である金属石けん(レオロジーコントロール剤)を含む塗膜剥離剤が記載されている。
特許文献3には、水、芳香族アルコール、アルカリ成分および特定の構造のアルキルホスホン酸又はその塩類(可溶化剤)を含む塗膜剥離剤が記載されている。
特許文献4には、水、芳香族基を有するアルコール、芳香族基を有するエーテル及び少なくとも1種のセルロース誘導体を含み、pHが5~9であり、5℃および25℃での粘度などが特定された塗膜剥離組成物が記載されている。
特開2013-091677号公報 特開2019-131651号公報 特許第6654314号公報 国際公開第2020/045361号
上記のように、従来、様々な水系の塗膜剥離剤が開発されている。
しかし、本発明者らの過去の知見や予備的検討によると、剥離性能や作業性の点で、従来の水系の塗膜剥離剤には改善の余地があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的の1つは、剥離性能や作業性が良好な水系の塗膜剥離剤を提供することである。
本発明者らは、以下に提供される発明を完成させ、上記課題を解決した。
[1]本発明によれば、
水(A)と、芳香族アルコール(B)と、芳香族アルコールではないアルコール(C)と、チキソトロピック調整剤(D)とを含み、
前記アルコール(C)は、グリコールおよびアルカノールアミンからなる群より選ばれる少なくともいずれかを含み、前記グリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびジプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくともいずれかを含み、
前記チキソトロピック調整剤(D)は、フュームドシリカを含み、
温度25℃、剪断速度0.1s-1でのレオメータ測定で得られる粘度をη0.1とし、温度25℃、剪断速度1000s-1でのレオメータ測定で得られる粘度をη1000としたとき、η0.1/η1000の値が150~5000であり、
前記芳香族アルコール(B)の濃度50~80質量%であり、
無機アルカリの含有率が0.5質量%以下である塗膜剥離剤
が提供される。
[2]また、本発明によれば、
水(A)と、芳香族アルコール(B)と、芳香族アルコールではないアルコール(C)と、チキソトロピック調整剤(D)とを含み、
前記アルコール(C)は、グリコールを含み、前記グリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびジプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくともいずれかを含み、
温度25℃、剪断速度0.1s-1でのレオメータ測定で得られる粘度をη0.1とし、温度25℃、剪断速度1000s-1でのレオメータ測定で得られる粘度をη1000としたとき、η0.1/η1000の値が150~5000であり、
前記芳香族アルコール(B)の濃度が50~80質量%であり、
前記チキソトロピック調整剤(D)は、フュームドシリカを含む塗膜剥離剤
が提供される。
[3]さらに、本発明によれば、
水(A)と、芳香族アルコール(B)と、芳香族アルコールではないアルコール(C)と、チキソトロピック調整剤(D)とを含み、
前記アルコール(C)は、グリコールを含み、前記グリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびジプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくともいずれかを含み、
温度25℃、剪断速度0.1s -1 でのレオメータ測定で得られる粘度をη 0.1 とし、温度25℃、剪断速度1000s -1 でのレオメータ測定で得られる粘度をη 1000 としたとき、η 0.1 /η 1000 の値が150~5000であり、
前記芳香族アルコール(B)の濃度が50~80質量%であり、
前記チキソトロピック調整剤(D)は、層状無機添加剤を含む塗膜剥離剤
が提供される。
本発明によれば、剥離性能や作業性が良好な水系の塗膜剥離剤が提供される。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本明細書中、数値範囲の説明における「X~Y」との表記は、特に断らない限り、X以上Y以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
<塗膜剥離剤>
本実施形態の塗膜剥離剤は、水(A)と、芳香族アルコール(B)と、芳香族アルコールではないアルコール(C)と、チキソトロピック調整剤(D)とを含む。
アルコール(C)は、グリコールおよびアルカノールアミンからなる群より選ばれる少なくともいずれかを含む。
本実施形態の塗膜剥離剤の、温度25℃、剪断速度0.1s-1でのレオメータ測定で得られる粘度をη0.1とし、温度25℃、剪断速度1000s-1でのレオメータ測定で得られる粘度をη1000としたとき、η0.1/η1000の値は150~5000である。
本実施形態の塗膜剥離剤においては、アルコール(C)が、水(A)と芳香族アルコール(B)との相溶化剤として働くと考えられる。グリコールおよびアルカノールアミンは、水と芳香族アルコールとの「中間的」な極性を有するために良好な相溶性を有し、本実施形態の塗膜剥離剤が層分離することなどを抑える。その結果、安定して良好な剥離性能を得ることができる。
また、本実施形態の塗膜剥離剤においては、η0.1/η1000の値は150~5000であることによっても良好な剥離性能を得ることができる。具体的には、η0.1/η1000の値が150~5000であるということは、(i)本実施形態の塗膜剥離剤を剥離対象の塗膜に塗る際には高い流動性を有する(粘度が小さい)一方、(ii)塗膜剥離剤が剥離対象の塗膜に塗られた後においてはあまり流動しない(粘度が大きくなる)ということである。(ii)の特性により、塗膜剥離剤は剥離対象の塗膜から垂れ流れにくくなり、塗膜に長くとどまることができるため、良好な剥離性能を得ることができる。また、(i)の特性により、塗膜剥離剤を容器から取り出しやすかったり、塗りやすかったり、といった効果を得ることができる。
η0.1/η1000の値は、150~5000であればよいが、好ましくは200~4500、より好ましくは400~4000、さらに好ましくは1000~4000である。η0.1/η1000が適度に大きいことにより、塗膜剥離剤が塗膜に十二分に長くとどまることができる。一方、現実的な処方設計の観点から、η0.1/η1000の値は通常5000以下である。
本実施形態の塗膜剥離剤は、適切な素材を選択することにより製造することができる。例えば、チキソトロピック調整剤(D)として適当なものを適量用いることなどにより、η0.1/η1000の値を150~5000である本実施形態の塗膜剥離剤を製造することができる。チキソトロピック調整剤(D)の具体例については後述する。
本実施形態の塗膜剥離剤の構成成分や物性などに関する説明を続ける。
(水(A))
本実施形態の塗膜剥離剤は、水(A)を含む。これにより、本実施形態の塗膜剥離剤は、塩素系溶剤が主成分であり水を含まない溶剤系タイプの塗膜剥離剤に比べて、環境性能に優れる。
塗膜剥離剤が良好な性能を奏する限りにおいて、水は、水道水、蒸留水などのいずれであってもよい。
塗膜剥離剤中の水(A)の含有率は、好ましくは5~50質量%、より好ましくは10~50質量%、さらに好ましくは10~40質量%、特に好ましくは12.5~30質量%である。
(芳香族アルコール(B))
本実施形態の塗膜剥離剤は、芳香族アルコール(B)を含む。これにより、塗膜剥離性が発現すると考えられる。
念のため述べておくと、フェノール化合物(芳香環にヒドロキシ基が直結している化合物)は、芳香族アルコール(B)から除外される。
芳香族アルコール(B)として具体的には、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノール、ヒドロキシベンジルアルコール、ヒドロキシフェネチルアルコールなどを挙げることができる。これらの中でも、ベンジルアルコールが、良好な塗膜剥離性、他成分との相溶性、入手性などのバランスの点で好ましい。
本実施形態の塗膜剥離剤は、1のみの芳香族アルコール(B)を含んでもよいし、2以上の芳香族アルコール(B)を含んでもよい。
本実施形態の塗膜剥離剤中の芳香族アルコール(B)の濃度は、例えば40~95質量%、好ましくは40~90質量%、より好ましくは45~80質量%、さらに好ましくは50~80質量%である。
(芳香族アルコールではないアルコール(C))
本実施形態の塗膜剥離剤は、上記の芳香族アルコール(B)に該当しないアルコール(C)を含む。アルコール(C)は、グリコールおよびアルカノールアミンからなる群より選ばれる少なくともいずれかである。前述のように、これらアルコールは、水(A)と芳香族アルコール(B)との相溶化剤として働くことで、良好で安定的な剥離性能に寄与すると考えられる。
グリコールとして具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびジプロピレングリコールからなる群より選ばれる1または2以上であることが好ましい。これらは、特に良好な相溶化能を示す。
アルカノールアミンとして具体的には、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンからなる群より選ばれる1または2以上であることが好ましい。
好ましいアルコール(C)の選択の観点として、SP値を挙げることができる。SP値が適切なアルコール(C)を用いることで、相溶性が一層高まり、結果としてより良好な安定性、塗膜剥離性などにつながる。
具体的には、アルコール(C)は、SP値が12~17(cal/cm1/2であるアルコールを含むことが好ましく、SP値が12.5~16.5(cal/cm1/2であるアルコールを含むことがより好ましい。このようなSP値を有するアルコール(C)は、水(A)と芳香族アルコール(B)の両方と十二分に親和的であり、相溶性の一層の向上に寄与すると考えられる。
SP値としては、ハンセン法によるSP値を採用することができる。ハンセン法によるSP値の詳細については、例えば、特開2018-104637号公報の段落0023の記載や、特開2010-76160号公報の段落0110~0114の記載などを参考とすることができる。
本実施形態の塗膜剥離剤は、1のみのアルコール(C)を含んでもよいし、2以上のアルコール(C)を含んでもよい。
本実施形態の塗膜剥離剤中のアルコール(C)の濃度は、例えば3~30質量%、好ましくは5~25質量%、より好ましくは7~25質量%である。
(チキソトロピック調整剤(D))
本実施形態の塗膜剥離剤は、チキソトロピック調整剤(D)を含む。これにより、η0.1/η1000の値を150~5000としやすい。
チキソトロピック調整剤(D)は、好ましくは、フュームドシリカ、層状無機添加剤およびセルロース系化合物からなる群より選ばれる少なくともいずれかを含む。これらをチキソトロピック調整剤(D)として用いることで、特にη0.1/η1000の値を150~5000としやすい。
フュームドシリカは、通常、四塩化珪素の燃焼加水分解によって製造され、乾式シリカ、高分散シリカなどと呼ばれることもある。
フュームドシリカには、親水性と疎水性の両タイプがある。親水性タイプのフュームドシリカは、通常、表面処理がほとんどまたは全くされていないフュームドシリカである(表面のシラノール基がむき出しであることにより親水性を有する)。一方、疎水性フュームドシリカは、通常、ヘキサメチルジシラザンやシリコーンオイルなどにより表面が疎水化処理されている。本実施形態において使用可能なフュームドシリカは限定されないが、η0.1/η1000の値を150~5000としやすく、そしてより良好な塗膜剥離性を得る観点では、親水性タイプのフュームドシリカが好ましく用いられる。詳細は不明であるが、おそらく、本実施形態の塗膜剥離剤は水(A)を含むため、親水性タイプのフュームドシリカと水が相互作用して良好な流動特性が実現されやすいと推測される。
フュームドシリカのBET比表面積は、例えば40m/g以上、好ましくは100~500m/gである。フュームドシリカの平均粒径(一次粒子径がわかる場合は一次粒子径)は1~100nmが好ましく、1~50nmがより好ましい。適当な粒径や比表面積のフュームドシリカを用いることにより、η0.1/η1000の値をより150~5000としやすく、そしてより良好な塗膜剥離性を得やすい。
フュームドシリカは、日本アエロジル株式会社、株式会社トクヤマなどから入手可能である。例えば日本アエロジル株式会社からは、親水性や疎水性の各種フュームドシリカを入手することができる。市場で入手可能なフュームドシリカの平均粒径(一次粒子径)やBET比表面積などについては、カタログ値や仕様書を参照することができる。
層状無機添加剤としては、有機変性ベントナイト、Na置換型ベントナイト、有機変性された鉱物の混合物、ヘクトライト、合成ヘクトライトなどのうち1以上を含むものを挙げることができる。層状無機添加剤の市販品としては、例えば、BYK社の、TIXOGEL(登録商標)シリーズ、CLAYTONE(登録商標)シリーズ、GARAMITE(登録商標)シリーズ、LAPONITE(登録商標)シリーズ、OPTIGEL(登録商標)シリーズ、OPTIBENT(登録商標)シリーズなどを挙げることができる。
セルロース系化合物としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の半合成高分子化合物を挙げることができる。セルロース系化合物は、好ましくは水溶性もしくは水分散性を有する。セルロース系化合物の市販品としては、例えば、信越化学工業社製のメトローズ(登録商標)シリーズを挙げることができる。
本実施形態の塗膜剥離剤は、1のみのチキソトロピック調整剤(D)を含んでもよいし、2以上のチキソトロピック調整剤(D)を含んでもよい。
本実施形態の塗膜剥離剤中のチキソトロピック調整剤(D)の濃度は、例えば0.5~10質量%、好ましくは1~8質量%、より好ましくは2~8質量%、さらに好ましくは2.5~7質量%である。
(その他成分)
本実施形態の塗膜剥離剤は、上記以外の成分を含んでもよいし、含まなくてもよい。
例えば、本実施形態の塗膜剥離剤は、pH調整などを目的に、無機酸および/または無機アルカリ、有機酸および/または有機アルカリを含んでもよい。その他、着色を目的とした染料および/または顔料、体質顔料、矯臭を目的とした香料、防錆剤、消泡剤、界面活性剤、塗膜に対する湿潤剤、有効成分の蒸発を防ぐためのポリオレフィンワックス、難燃剤等を含んでもよい。
ただし、好ましい態様において、塗膜剥離剤中の無機酸の含有率は0.5質量%以下であり、かつ、塗膜剥離剤中の無機アルカリの含有率は0.5質量%以下である。有機酸および/または有機アルカリの含有率も同程度であることが好ましい。酸/塩基添加により、チキソトロピック調整剤(D)の状態が変わり、所望の粘度特性、安定性、剥離性能などが得られない場合があるためである。もちろん、η0.1/η1000が150~5000であり、良好な剥離性能が得られる限りにおいて、本実施形態の塗膜剥離剤は無機酸および/または無機アルカリを含んでもよい。
(物性、性状)
本実施形態の塗膜剥離剤において、η1000の値は、好ましくは0.02~1Pa・s、より好ましくは0.05~1Pa・s、さらに好ましくは0.05~0.5Pa・s、特に好ましくは0.1~0.5Pa・sである。η1000が適当な数値であることにより、例えば、塗膜剥離剤を容器から取り出しやすくなったり、刷毛塗り性が高まったりなどのメリットを得ることができる。
本実施形態の塗膜剥離剤において、η0.1の値は、例えば10~1500Pa・s、好ましくは10~1000Pa・s、より好ましくは50~1000Pa・s、さらに好ましくは100~1000Pa・s、一層好ましくは150~1000Pa・s、とりわけ好ましくは200~1000Pa・sである。η0.1が適当な数値であることにより、例えば、塗布後のタレが一層抑えられ、その結果として一層良好な塗膜剥離性を得ることができる。
本実施形態の塗膜剥離剤は、好ましくは-10℃において凍結しない。特に、芳香族アルコール(B)を多めに用いることで、塗膜剥離剤を凍結しにくくすることができる。この特性は、冬季や寒冷地における塗膜剥離剤の使用に望ましい特性である。
本実施形態の塗膜剥離剤は、水を含むが、好ましくはエマルション型ではない。エマルション型ではないということは、本実施形態の塗膜剥離剤が、冬季の保管などにより一度凍結したとしても、融解後には基本的に同性能が得られるということを意味する。エマルション型の場合には、凍結によりエマルション構造が壊れ、分離を生じることがあるため、融解後に同性能を得ることは難しい。また、エマルションは高温貯蔵時にも崩壊して成分が分離することがあるため、例えば夏季の保管性の観点でも、本実施形態の塗膜剥離剤はエマルション型ではないことが好ましい。
本実施形態の塗膜剥離剤は、上記成分を容器に入れて混合することで製造される。混合には例えば市販の撹拌機などを用いることができる。特に、塗膜剥離剤の粘度が大きい場合、攪拌翼の径や容器の径を適切に選択することで、各成分が均一に溶解/分散した塗膜剥離剤を製造することができる。容器の大きさに比して小さすぎる攪拌翼を使うと、容器の壁面付近で十分な混合がなされないおそれがあるため、容器の大きさに応じた大きさの攪拌翼で混合を行うことが好ましい。
本実施形態の塗膜剥離剤は、濃縮された形態で製造・流通され、使用直前に希釈して用いてもよい。例えば、水が少ない塗膜剥離剤を製造し、それを使用直前に水で希釈して用いてもよい。この場合、水で希釈後の塗膜剥離剤が、上記のη0.1/η1000値などの各種態様を満たすことが好ましい。
<塗膜剥離剤の使用方法(塗膜の剥離方法)>
本実施形態の塗膜剥離剤の使用方法は特に限定されない。
典型的には、まず、剥離対象である塗膜に塗膜剥離剤を塗布する。塗布方法としては、刷毛、ローラー、スプレー等を用いることができる。そして、塗膜剥離剤を塗膜中に浸透させる。これにより、浸透した塗膜剥離剤の成分が塗膜(樹脂)の基材に対する付着力を弱めたり、塗膜を膨潤、軟化させたりする。塗膜剥離剤を塗膜に接触させる時間は、塗膜の種類や膜厚および/または塗布時の環境温度に応じて適宜調整すればよい。接触時間は例えば1~24時間程度である。その後、塗膜を、スクレーパー等によって除去する。
本実施形態の塗膜剥離剤は、η0.1/η1000の値が150~5000であることにより垂れが抑えられるため、地面と水平ではない面にも長く留まりやすい。その結果、橋梁などの構造物の塗膜剥離においても良好な剥離性を得ることができる。
本実施形態の塗膜剥離剤は、様々な種類の塗膜の剥離に好ましく用いられる。具体的には、エポキシ系塗料、ウレタン系塗料、メラミン焼付塗料、アクリル系焼付塗料、ウレタン系粉体塗料、ラッカー塗料、外壁材などの様々な種類の塗膜において、良好な剥離性を奏する。このような、様々な種類の塗膜の剥離性が良好であることは、本実施形態の塗膜剥離剤の特徴の1つといえる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
水(A)と、芳香族アルコール(B)と、芳香族アルコールではないアルコール(C)と、チキソトロピック調整剤(D)とを含み、
前記アルコール(C)は、グリコールおよびアルカノールアミンからなる群より選ばれる少なくともいずれかを含み、
温度25℃、剪断速度0.1s -1 でのレオメータ測定で得られる粘度をη 0.1 とし、温度25℃、剪断速度1000s -1 でのレオメータ測定で得られる粘度をη 1000 としたとき、η 0.1 /η 1000 の値が150~5000である塗膜剥離剤。
2.
1.に記載の塗膜剥離剤であって、
前記チキソトロピック調整剤(D)は、フュームドシリカを含む塗膜剥離剤。
3.
1.または2.に記載の塗膜剥離剤であって、
前記チキソトロピック調整剤(D)は、層状無機添加剤を含む塗膜剥離剤。
4.
1.~3.のいずれか1つに記載の塗膜剥離剤であって、
前記チキソトロピック調整剤(D)は、セルロース系化合物を含む塗膜剥離剤。
5.
1.~4.のいずれか1つに記載の塗膜剥離剤であって、
前記芳香族アルコール(B)は、ベンジルアルコールを含む塗膜剥離剤。
6.
1.~5.のいずれか1つに記載の塗膜剥離剤であって、
当該塗膜剥離剤は、前記アルコール(C)としてグリコールを含み、
前記グリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびジプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくともいずれかを含む塗膜剥離剤。
7.
1.~6.のいずれか1つに記載の塗膜剥離剤であって、
前記水(A)の含有率が、5~50質量%である塗膜剥離剤。
8.
1.~7.のいずれか1つに記載の塗膜剥離剤であって、
η 1000 が0.02~1Pa・sである塗膜剥離剤。
9.
1.~8.のいずれか1つに記載の塗膜剥離剤であって、
η 0.1 が10~1000Pa・sである塗膜剥離剤。
10.
1.~9.のいずれか1つに記載の塗膜剥離剤であって、
無機酸の含有率が0.5質量%以下であり、かつ、無機アルカリの含有率が0.5質量%以下である塗膜剥離剤。
11.
1.~10.のいずれか1つに記載の塗膜剥離剤であって、
-10℃において凍結しない塗膜剥離剤。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。念のため述べておくと、本発明は実施例のみに限定されない。
<塗膜剥離剤の製造>
(実施例1)
エーエムエンジニアリング社製ポリカップに、ベンジルアルコール76質量部、水10質量部、プロピレングリコール10質量部を入れ、アズワン製撹拌翼SUSディスパーを取り付けたアズワン製トルネード撹拌機を用いて、300rpmで撹拌した。その後、撹拌状態を維持しながら、ポリカップにアエロジル300(日本アエロジル社製)を4質量部加え、1200rpmにて1時間撹拌した。
(実施例2~18、比較例1~6)
各成分およびそれらの量を後掲の表に記載のようにした以外は、実施例1と同様にして塗膜剥離剤を製造した。
<塗膜剥離剤の均一性の確認>
上記で製造した各塗膜剥離剤を透明容器に入れ、目視で観察した。
各成分が均一に溶解/分散していた場合を○(均一性良好)、2層分離が観察されるなど、各成分が均一に溶解/分散していなかった場合を×(均一性不良)と評価した。
なお、この評価が「×」であった塗膜剥離剤については、以後の測定・評価を行わなかった。
<レオメータを用いた粘度測定>
大日製罐株式会社製の口径40mmの1リットル角缶に、製造直後の塗膜剥離剤1kgを入れて24時間静置した。その後、缶ごと10回振ったのちに中身の塗膜剥離剤を取り出し、以下の測定条件により、塗膜剥離剤の粘度η0.1およびη1000を測定した。
(1)レオメータ装置:TAインスツルメント社製、AR-G2
(2)コーン:PLATE AL ST 40mm
(3)ギャップ距離:100μm
(4)試験温度:25℃
(5)測定手順:せん断速度10-1で1分間、その後、せん断速度10-1-1で5分間せん断を付与した。
せん断速度10-1でのせん断付与開始から終了までの1分間の粘性値を平均することで、η1000を求めた。
また、せん断速度10-1-1でのせん断付与開始4分後から5分後の1分間の粘性値を平均することで、η0.1を求めた。
<性能評価>
(剥離試験用サンプルの作成または入手)
A4サイズの冷延鋼板(規格:SPCC-SD、幅210mm、長さ297mm、厚さ0.8mm)に種々の塗料をそれぞれ乾燥膜厚50μmになるよう塗布し、乾燥/硬化させることで、各試験板を作成した。
・二液ウレタン塗料サンプル
白色の二液硬化型ウレタン塗料(製品名:スターク(登録商標)1、ナトコ株式会社製)を、カタログ記載の主剤:硬化剤比で混合し、シンナーで適宜希釈して塗装した後、20℃雰囲気下で7日間静置した。
・下塗:エポキシプライマー、上塗:二液ウレタン塗料サンプル
一液硬化型エポキシ樹脂下塗塗料(製品名:スターク(登録商標)Eプライマー一液速乾α、ナトコ株式会社製)をシンナーで希釈して塗装した。20℃雰囲気下で30分静置した後、上記の二液ウレタン塗料塗布サンプルの作成方法と同様にして白色の二液硬化型ウレタン塗料を塗装し、20℃雰囲気下で7日間静置した。
・メラミン焼付塗料サンプル
白色のメラミン樹脂焼付塗料(製品名:ハイメリット、ナトコ株式会社製)をシンナーで希釈して塗装し、100℃で20分間焼付けた後、20℃雰囲気下で3日間静置した。
・アクリル焼付塗料サンプル
白色のアクリル樹脂焼付塗料(製品名:アクリスト(登録商標)Hi、ナトコ株式会社製)をシンナーで希釈して塗装し、120℃で20分間焼き付けた後、20℃雰囲気下で3日間静置した。
・ウレタン系粉体塗料サンプル
白色のポリエステルウレタン粉体塗料(製品名:エコナ(登録商標)52A、ナトコ株式会社製)をコロナ静電塗装ガンで塗装し、180℃で20分間焼き付けた後、20℃雰囲気下で3日間静置した。
・ラッカー塗料サンプル
白色の変性アクリル樹脂塗料(製品名:スピージット(登録商標)、ナトコ株式会社製)をシンナーで希釈して塗装し、20℃雰囲気下で7日間静置した。
・外壁材サンプル
商社経由で入手した塗装付き外壁材をサンプルとして準備した。
(タレ留まり性および剥離性能の評価)
25℃雰囲気下、垂直に立てた各サンプルに、刷毛を用いて塗膜剥離剤を0.7kg/m塗布した。その後、4時間静置した。
4時間静置後に、目視により、以下基準でタレ留まり性を評価した。
◎(とても良い):タレは見られない
○(良い):ごく一部にのみタレが見られる
△(やや悪い):塗布部の半分程度にタレが見られる
×(悪い):塗布部の全てがタレている
また、各サンプルをスクレーパーでこすって塗膜を落とすことによって剥離性能を評価した。評価基準は以下の5段階とした。
5:容易に剥離剤塗布部の塗膜の全面を剥離することができる
4:剥離剤塗布部の塗膜の全面を剥離することができる
3:一部を除いて剥離剤塗布部の塗膜のほぼ全面を剥離することができる
2:剥離剤塗布部の塗膜の一部のみを剥離することができる
1:剥離剤塗布部に塗膜の膨潤が見られず、剥離が困難
(その他の性能評価)
・容器からの取り出しやすさ
大日製罐株式会社製の口径40mmの1リットル角缶に、塗膜剥離剤1kgを入れて24時間静置した。その後、10回振った後に中身の塗膜剥離剤を取り出した。このときの取り出しやすさを以下基準で評価した。
◎(とても良い):流動性が高く、塗膜剥離剤をスムーズに取り出すことができる
○(良い):塗膜剥離剤を取り出すことができる
△(やや悪い):流動性が低く、塗膜剥離剤が取り出しにくい。
×(悪い):流動性が極めて低く、自然落下ではほとんど塗膜剥離剤を取り出すことができない
・刷毛塗り性
上記のタレ留まり性および剥離性能の評価の際の塗工のしやすさを、以下基準で評価した。
◎(とても良い):軽い刷毛捌きで全くひっかかることなくスムーズに塗工できる。
○(良い):ほとんどひっかかることなく塗工できる。
△(やや悪い):刷毛捌きが重く、塗工しにくい。もしくは粘度が低すぎて塗工しにくい(タレてしまう、平面状に塗布した塗膜剥離剤が液滴状となり塗布部の面積が減少してしまう、等)。
×(悪い):刷毛での塗工が困難
・低温下(-10℃)での作業性
-10℃環境下にて24時間静置した塗膜剥離剤を、同じく-10℃環境下にて刷毛塗りを行った。その際の作業性を以下基準で評価した。
○(良い):凍結は見られず、刷毛塗りすることができる
△(やや悪い):刷毛塗りすることは可能だが、粘度が低すぎるため、あるいは高すぎるため、作業性に劣る
×(悪い):凍結しており刷毛塗りはできない
塗膜剥離剤の組成、粘度、性能評価結果をまとめて下表に示す。
下表において、各成分の量の単位は、質量部である。
下表において、フュームドシリカは、日本アエロジル社より購入したものである。
下表において、層状無機添加剤およびウレア変性ウレタンは、BYK-chemie社より購入したものである。なお、ウレア変性ウレタンBYK-425は、有効成分50%の液状の調整剤であるが、下表には有効成分以外も包含したBYK-425の使用量を記載している。すなわち、比較例4において、チキソトロピック調整剤の正味の量は2.0質量部である。
下表において、メトローズ60SH-4000は、信越化学工業株式会社より購入したものである。
下表において、アマイドワックスPFA-220は、楠本化成株式会社より購入したものである。なお、アマイドワックスPFA-220は、溶剤を含み、有効成分20%のペースト状の調整剤であるが、下表には有効成分以外も包含したアマイドワックスPFA-220の使用量を記載している。すなわち、比較例3において、チキソトロピック調整剤の正味の量は0.1質量部である。
Figure 0007229485000001
Figure 0007229485000002
上表に示されるとおり、水と、芳香族アルコールと、グリコールおよびアルカノールアミンからなる群より選ばれる少なくともいずれかのアルコールと、チキソトロピック調整剤とを含み、η0.1/η1000の値が150~5000である塗膜剥離剤(実施例1~18)は、様々な種類の塗膜について、良好な剥離性能を示した。
また、実施例1~18の塗膜剥離剤は、容器からの取り出しやすさ、刷毛塗り性、低温下での作業性などの点で、良好な作業性を示した。
一方、芳香族アルコールではないアルコールとして、イソプロパノールやエチレングリコールモノメチルエーテルを用いた例では、そもそも均一な塗膜剥離剤を得ることができなかった(比較例1および2)。水と芳香族アルコールという「水と油」を相溶させるためには、グリコールなどの適切なアルコールを用いることが重要なことが理解される。
また、チキソトロピック調整剤としてアマイドワックスを用いた場合も、均一な塗膜剥離剤を得ることができなかった(比較例3)。本実施形態の塗膜剥離剤は水を含むところ、水に適切に溶解または分散するチキソトロピック調整剤の選択が重要であることが理解される。
さらに、η0.1/η1000の値が150未満である比較例4~6の塗膜剥離剤によっては、十分な剥離性能を得ることはできなかった。η0.1/η1000の値が150未満であるために、垂直に立てたサンプルから塗膜剥離剤が垂れてしまい、塗膜剥離剤が塗膜にとどまっていた時間が短かったことが、十分な剥離性能が得られなかった原因と考えられる。
ちなみに、比較例4~6で用いたチキソトロピック調整剤は、塗料組成物などにおいてしばしば用いられるチキソトロピック調整剤であるが、これらチキソトロピック調整剤を用いても、η0.1/η1000を150~5000とすることはできなかった。すなわち、適切なチキソトロピック調整剤を適量用いることによってはじめてη0.1/η1000が150~5000である塗膜剥離剤を製造可能であることが理解される。

Claims (9)

  1. 水(A)と、芳香族アルコール(B)と、芳香族アルコールではないアルコール(C)と、チキソトロピック調整剤(D)とを含み、
    前記アルコール(C)は、グリコールおよびアルカノールアミンからなる群より選ばれる少なくともいずれかを含み、前記グリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびジプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくともいずれかを含み、
    前記チキソトロピック調整剤(D)は、フュームドシリカを含み、
    温度25℃、剪断速度0.1s-1でのレオメータ測定で得られる粘度をη0.1とし、温度25℃、剪断速度1000s-1でのレオメータ測定で得られる粘度をη1000としたとき、η0.1/η1000の値が150~5000であり、
    前記芳香族アルコール(B)の濃度が50~80質量%であり、
    無機アルカリの含有率が0.5質量%以下である塗膜剥離剤。
  2. 水(A)と、芳香族アルコール(B)と、芳香族アルコールではないアルコール(C)と、チキソトロピック調整剤(D)とを含み、
    前記アルコール(C)は、グリコールを含み、前記グリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびジプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくともいずれかを含み、
    温度25℃、剪断速度0.1s-1でのレオメータ測定で得られる粘度をη0.1とし、温度25℃、剪断速度1000s-1でのレオメータ測定で得られる粘度をη1000としたとき、η0.1/η1000の値が150~5000であり、
    前記芳香族アルコール(B)の濃度が50~80質量%であり、
    前記チキソトロピック調整剤(D)は、フュームドシリカを含む塗膜剥離剤。
  3. 水(A)と、芳香族アルコール(B)と、芳香族アルコールではないアルコール(C)と、チキソトロピック調整剤(D)とを含み、
    前記アルコール(C)は、グリコールを含み、前記グリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびジプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくともいずれかを含み、
    温度25℃、剪断速度0.1s -1 でのレオメータ測定で得られる粘度をη 0.1 とし、温度25℃、剪断速度1000s -1 でのレオメータ測定で得られる粘度をη 1000 としたとき、η 0.1 /η 1000 の値が150~5000であり、
    前記芳香族アルコール(B)の濃度が50~80質量%であり、
    前記チキソトロピック調整剤(D)は、層状無機添加剤を含む塗膜剥離剤。
  4. 請求項1~のいずれか1項に記載の塗膜剥離剤であって、
    前記芳香族アルコール(B)は、ベンジルアルコールを含む塗膜剥離剤。
  5. 請求項1~のいずれか1項に記載の塗膜剥離剤であって、
    前記水(A)の含有率が、5~50質量%である塗膜剥離剤。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載の塗膜剥離剤であって、
    η1000が0.02~1Pa・sである塗膜剥離剤。
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載の塗膜剥離剤であって、
    η0.1が10~1000Pa・sである塗膜剥離剤。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載の塗膜剥離剤であって、
    無機酸の含有率が0.5質量%以下であり、かつ、無機アルカリの含有率が0.5質量%以下である塗膜剥離剤。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載の塗膜剥離剤であって、
    -10℃において凍結しない塗膜剥離剤。
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