JP7229223B2 - 多重レセプター-リガンド相互作用スクリーニング - Google Patents
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Description
本出願は、2017年7月5日に出願された米国仮特許出願第62/528,833号の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、医薬および創薬の分野に関する。
Gタンパク質共役レセプター(GPCR)は、薬物標的の最も重要なクラスの1つであり、現在市販されている薬物の約3分の1がGPCRを介してその効果を有する。Gタンパク質共役レセプター(GPCR)は、現在の薬物標的の50~60%を占める。膜タンパク質のこのファミリーは、現在の創薬において重要な役割を果たしている。古典的には、GPCRに基づく多数の薬物が、心血管疾患、代謝疾患、神経変性疾患、精神疾患、および腫瘍疾患などの様々な適応症のために開発されてきた。
または配列番号2またはその断片、例えば配列番号2の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、225、250、275、300、301、302、304、305、306、307、308、309、310、312、313、314、または315の連続した核酸の断片と少なくとも、多くとも、または厳密に70、75、80、85、90、95、96、97、98、または99%同一である配列を含む(またはその中の誘導可能な任意の範囲)。
または配列番号3またはその断片、例えば配列番号3の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、205、210、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、または231個の連続した核酸の断片と少なくとも、多くとも、または厳密に70、75、80、85、90、95、96、97、98、または99%同一である配列(またはその中の誘導可能な任意の範囲)を含む。
本開示のなおさらなる態様は、本開示の核酸、ベクター、またはウイルス粒子を含む細胞に関する。さらなる実施形態は、本開示のベクターの複数のコピーを含む細胞に関する。いくつかの実施形態では、細胞は、ベクターの少なくとも3つのコピーを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、ベクターの少なくとも4つのコピーを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、ベクターの少なくとも、多くとも、または厳密に3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、もしくは20コピー(またはその中の誘導可能な任意の範囲)を含む。
(i)異種レセプター遺伝子と;
(ii)レセプター応答性エレメントを含む誘導性レポーターであって、
該レポーターの発現は、該レセプター遺伝子によってコードされるレセプターの活性の活性化に依存し、
該レポーターは、該異種レセプター遺伝子に固有であるインデックス領域を含むバーコードを含む、
誘導性レポーターと
を含む、核酸。
[本発明1002]
本発明1001の核酸を含むベクター。
[本発明1003]
異種レセプター遺伝子を含むベクター。
[本発明1004]
誘導性レポーターをさらに含み、該レポーターの発現が、前記レセプター遺伝子によってコードされるレセプターの活性の活性化に依存し、該レポーターが、前記異種レセプター遺伝子に固有のインデックス領域を含むバーコードを含む、本発明1003のベクター。
[本発明1005]
誘導性レポーターを含むベクターであって、該レポーターがバーコードを含む、ベクター。
[本発明1006]
前記レセプター遺伝子がGタンパク質共役レセプター(GPCR)をコードする、本発明1002~1004のいずれかのベクター。
[本発明1007]
前記レセプター遺伝子が、補助ポリペプチドをコードする1つ以上のさらなるポリヌクレオチドをさらに含む、本発明1002~1006のいずれかのベクター。
[本発明1008]
前記補助ポリペプチドが、選択可能またはスクリーニング可能なタンパク質を含む、本発明1007のベクター。
[本発明1009]
前記補助ポリペプチドがタンパク質タグを含む、本発明1007または1008のベクター。
[本発明1010]
前記補助ポリペプチドが転写因子を含む、本発明1007~1008のいずれかのベクター。
[本発明1011]
前記レセプター遺伝子が、レセプター遺伝子および補助ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする、本発明1010のベクター。
[本発明1012]
前記融合タンパク質が、レセプター遺伝子と補助ポリペプチドとの間にプロテアーゼ部位を含む、本発明1011のベクター。
[本発明1013]
前記補助ポリペプチドが、1つ以上の輸送タグを含む、本発明1002~1012のいずれかのベクター。
[本発明1014]
前記補助ポリペプチドが2つの輸送タグを含む、本発明1013のベクター。
[本発明1015]
前記輸送タグが、Lucyおよび/またはRhoタグを含む、本発明1013または1014のベクター。
[本発明1016]
前記レポーターが、GPCRの活性化時のシグナル伝達によって誘導される、本発明1002~1015のいずれかのベクター。
[本発明1017]
前記レセプター応答性エレメントが、cAMP応答エレメント(CRE)、活性化T細胞応答要素の核因子(NFAT-RE)、血清応答エレメント(SRE)、がおよび血清応答因子応答エレメント(SRF-RE)のうちの1つ以上を含む、本発明1002~1016のいずれかのベクター。
[本発明1018]
前記レセプター応答性エレメントがCREを含む、本発明1017のベクター。
[本発明1019]
前記CREが、配列番号1の少なくとも5つの繰り返しを含む、本発明1018のベクター。
[本発明1020]
前記レセプター応答性エレメントが、前記補助ポリペプチド転写因子によって結合されるDNAエレメントを含む、本発明1010~1019のいずれかのベクター。
[本発明1021]
前記補助ポリペプチド転写因子が逆テトラサイクリン制御トランスアクチベーター(rtTA)を含み、前記レセプター応答性エレメントがテトラサイクリン応答性エレメント(TRE)を含む、本発明1020のベクター。
[本発明1022]
GPCRが嗅覚レセプター(OR)である、本発明1006~1021のいずれかのベクター。
[本発明1023]
前記レセプターがアドレナリンレセプターを含む、本発明1002~1022のいずれかのベクター。
[本発明1024]
前記アドレナリンレセプターがβ-2アドレナリンレセプターを含む、本発明1023のベクター。
[本発明1025]
前記レセプター遺伝子が核ホルモンレセプター遺伝子を含む、本発明1002~1022のいずれかのベクター。
[本発明1026]
レセプター遺伝子がレセプターチロシンキナーゼ遺伝子を含む、本発明1002~1022のいずれかのベクター。
[本発明1027]
前記レセプターが膜貫通レセプターである、本発明1002~1026のいずれかのベクター。
[本発明1028]
前記レセプターが細胞内レセプターである、本発明1002~1026のいずれかのベクター。
[本発明1029]
ウイルスベクターを含む、本発明1002~1028のいずれかのベクター。
[本発明1030]
レンチウイルスベクターを含む、本発明1029のベクター。
[本発明1031]
前記レセプター遺伝子が構成的プロモーターを含む、本発明1002~1029のいずれかのベクター。
[本発明1032]
前記レセプター遺伝子が条件的プロモーターを含む、本発明1002~1029のいずれかのベクター。
本発明1032.1
前記異種レセプター遺伝子が、条件的プロモーターに作動可能に連結される、本発明1002~1032のいずれかのベクター。
本発明1032.2
前記条件的プロモーターがテトラサイクリン応答エレメントである、本発明1032.1のベクター。
[本発明1033]
バーコードが少なくとも10個の核酸である、本発明1002~1032のいずれかのベクター。
[本発明1034]
前記レポーターが、オープンリーディングフレーム(ORF)を含むか、またはさらに含み、
前記遺伝子が、3’非翻訳領域(UTR)を含む、
本発明1002~1032のいずれかのベクター。
[本発明1035]
前記バーコードが、蛍光タンパク質の遺伝子の3’UTRに位置する、本発明1034のベクター。
[本発明1036]
前記ORFが、選択可能またはスクリーニング可能なタンパク質をコードする、本発明1034または1035のベクター。
[本発明1037]
前記ORFがルシフェラーゼタンパク質をコードする、本発明1036のベクター。
[本発明1038]
レセプター遺伝子が、5’末端および/または3’末端でインスレーター配列に隣接している、本発明1002~1037のいずれかのベクター。
[本発明1039]
レポーターが、5’および/または3’末端でインスレーター配列に隣接している、本発明1002~1037のいずれかのベクター。
[本発明1040]
インスレーターがcHS4インスレーターを含む、本発明1038または1039のベクター。
[本発明1041]
第2、第3、または第4のバーコードを含む、本発明1002~1040のいずれかのベクター。
[本発明1042]
前記第2、第3、または第4のバーコードのうちの少なくとも1つが、アッセイ条件またはマイクロプレート上の位置の1つまたは複数に固有のインデックス領域を含む、本発明1041のベクター。
[本発明1043]
本発明1002~1040のいずれかのベクターを含むウイルス粒子。
[本発明1044]
本発明1003~1039のいずれかのベクターまたは本発明1043のウイルス粒子を含む、細胞。
本発明1044.1
本発明1002~1042のいずれかのベクターの複数のコピーを含む細胞。
本発明1044.2
前記ベクターの少なくとも3つのコピーを含む、本発明1044.1の細胞。
[本発明1045]
細胞の集団であって、
各細胞は、
(i)異種レセプター遺伝子と;
(ii)レセプター応答性エレメントを含む誘導性レポーターであって、
該レポーターの発現は、該レセプター遺伝子によってコードされるレセプターの活性の活性化に依存し、
該レポーターは、該異種レセプター遺伝子に固有であるインデックス領域を含むバーコードを含む、
誘導性レポーターと
を含み、
前記細胞は、異なる異種レセプターを発現し、各単一の細胞は、1つの特定の異種レセプターの1つ以上のコピーおよび1つの特定のレポーターの1つ以上のコピーを有する、
細胞の集団。
[本発明1046]
(i)異種レセプター遺伝子と;
(ii)レセプター応答性エレメントを含む誘導性レポーターであって、
該レポーターの発現は、該レセプター遺伝子によってコードされるレセプターの活性の活性化に依存し、
該レポーターは、該異種レセプター遺伝子に固有であるインデックス領域を含むバーコードを含む、
誘導性レポーターと
を含む、細胞。
[本発明1047]
前記レセプター遺伝子がGPCRをコードする、本発明1044.2~1046のいずれかの細胞。
[本発明1048]
前記レポーターが、GPCRの活性化時のシグナル伝達によって誘導される、本発明1047の細胞。
[本発明1049]
前記レセプター遺伝子が、補助ポリペプチドをコードする1つ以上のさらなるポリヌクレオチドをさらに含む、本発明1044.2~1048のいずれかの細胞。
[本発明1050]
前記補助ポリペプチドが、選択可能またはスクリーニング可能なタンパク質を含む、本発明1049の細胞。
[本発明1051]
前記補助ポリペプチドがタンパク質タグを含む、本発明1049または1050の細胞。
[本発明1052]
前記補助ポリペプチドが転写因子を含む、本発明1049~1051のいずれかの細胞。
[本発明1053]
前記レセプター遺伝子が、該レセプター遺伝子および前記補助ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする、本発明1049~1052のいずれかの細胞。
[本発明1054]
前記融合タンパク質が、レセプター遺伝子と補助ポリペプチドとの間にプロテアーゼ部位を含む、本発明1053の細胞。
[本発明1055]
前記誘導性レポーターが、cAMP応答エレメント(CRE)、活性化T細胞応答エレメントの核因子(NFAT-RE)、血清応答エレメント(SRE)、および血清応答因子応答エレメント(SRF-RE)のうちの1つ以上を含む、本発明1047~1054のいずれかの細胞。
[本発明1056]
前記GPCRが嗅覚レセプター(OR)である、本発明1047~1055のいずれかの細胞。
[本発明1057]
1つ以上のアクセサリータンパク質をコードする1つ以上の遺伝子をさらに含む、本発明1044~1056のいずれかの細胞。
[本発明1058]
前記1つ以上のアクセサリータンパク質が、Gαサブユニット、Ric-8B、RTP1L、RTP2、RTP3、RTP4、CHMR3、およびRTP1Sのうちの1つ以上を含む、本発明1057の細胞。
本発明1058.1
前記細胞が、1つ以上のアクセサリー因子遺伝子をコードする1つ以上の外因性ヌクレオチドの安定な組み込みを含み、アクセサリー因子遺伝子が、RTP1S、RTP2、Gαサブユニット、およびRic-8bを含む、本発明1044.2~1058のいずれかの細胞。
[本発明1059]
前記1つ以上のアクセサリータンパク質がアレスチンタンパク質を含む、本発明1057の細胞。
[本発明1060]
前記アレスチンタンパク質がプロテアーゼに融合されている、本発明1059の細胞。
[本発明1061]
前記レセプター遺伝子が核ホルモンレセプター遺伝子を含む、本発明1044.2~1060のいずれかの細胞。
[本発明1062]
前記レセプター遺伝子がレセプターチロシンキナーゼ遺伝子を含む、本発明1044.2~1061のいずれかの細胞。
[本発明1063]
レセプターが膜貫通レセプターである、本発明1044.2~1062のいずれかの細胞。
[本発明1064]
前記1つ以上のアクセサリータンパク質が、シャペロンタンパク質、Gタンパク質、およびグアニンヌクレオチド交換因子の1つ以上を含む、本発明1057~1063のいずれかの細胞。
[本発明1065]
前記異種レセプター遺伝子から発現されるレセプタータンパク質をさらに含む、本発明1044.2~1064のいずれかの細胞。
g [本発明1066]
前記レセプタータンパク質が細胞内に局在する、本発明1065の細胞。
[本発明1067]
前記異種レセプター遺伝子と少なくとも80%同一であるタンパク質をコードする内因性遺伝子を欠いている、本発明1044.2~1066のいずれかの細胞。
[本発明1068]
前記レセプター遺伝子が細胞のゲノムに組み込まれている、本発明1044.2~1067のいずれかの細胞。
[本発明1069]
前記誘導性レポーターが細胞のゲノムに組み込まれている、本発明1044.2~1068のいずれかの細胞。
[本発明1070]
前記レセプター遺伝子および誘導性レポーターが遺伝的に連結されている、本発明1068または1069の細胞。
[本発明1071]
前記レセプター遺伝子および誘導性レポーターが遺伝的に連結されていない、本発明1068または1069の細胞。
[本発明1072]
組み込まれた前記レセプター遺伝子および/または誘導性レポーターが、標的指向させた組み込みによって組み込まれている、本発明1068~1071のいずれかの細胞。
[本発明1073]
前記組み込みが、H11セーフハーバー遺伝子座内である、本発明1072の細胞。
[本発明1074]
組み込まれた前記レセプター遺伝子および/または誘導性レポーターが、ゲノムにランダムに組み込まれている、本発明1068~1071のいずれかの細胞。
[本発明1075]
前記ランダムな組み込みが、前記レセプター遺伝子および/または誘導性レポーターの転位を含む、本発明1074の細胞。
[本発明1076]
少なくとも2コピーのレセプター遺伝子および/または誘導性レポーターを含む、本発明1044.2~1075のいずれかの細胞。
[本発明1077]
前記レセプター遺伝子が構成的プロモーターを含む、本発明1044.2~1076のいずれかの細胞。
[本発明1078]
前記レセプターの発現が構成的である、本発明1065~1077のいずれかの細胞。
[本発明1079]
前記レセプター遺伝子が条件的プロモーターを含む、本発明1044.2~1076のいずれかの細胞。
[本発明1080]
前記レセプターの発現が条件的である、本発明1065~1076または1079のいずれかの細胞。
[本発明1081]
前記バーコードおよび/またはインデックス領域が少なくとも10個の核酸である、本発明1044.2~1080のいずれかの細胞。
[本発明1082]
前記レポーターが蛍光タンパク質の遺伝子を含むか、またはさらに含み、該遺伝子が3’非翻訳領域(UTR)を含む、本発明1044.2~1081のいずれかの細胞。
[本発明1083]
前記バーコードが、前記蛍光タンパク質の遺伝子の3’UTRに位置する、本発明1082の細胞。
[本発明1084]
前記遺伝子がルシフェラーゼタンパク質をコードする、本発明1082または1083に細胞の細胞。
[本発明1085]
前記レセプター遺伝子が、5’末端および3’末端でインスレーター配列に隣接している、本発明1068~1084のいずれかの細胞。
[本発明1086]
前記レポーターが、5’および3’末端でインスレーター配列に隣接している、本発明1068~1085のいずれかの細胞。
[本発明1087]
前記異種レセプターの発現レベルが、生理学的に関連する発現レベルである、本発明1044.2~1086のいずれかの細胞。
[本発明1088]
凍結されている、本発明1044.2~1087のいずれかの細胞。
[本発明1089]
哺乳動物細胞である、本発明1044.2~1088のいずれかの細胞。
[本発明1090]
ヒト胎児由来腎臓293T(HEK293T)細胞である、本発明1090の細胞。
[本発明1091]
本発明1044~1090のいずれかの細胞を含むアッセイシステム。
[本発明1092]
リガンドおよびレセプターの結合をスクリーニングするための方法であって、
本発明1044~1090のいずれかの細胞をリガンドと接触させる工程と、
1つ以上のレポーターを検出する工程と、
1つ以上のレポーターの同一性を決定する工程と
を含み、
前記レポーターの同一性は、結合したレセプターの同一性を示す、
方法。
[本発明1093]
前記レポーターの同一性を決定する工程が、細胞から核酸を単離することを含む、本発明1092の方法。
[本発明1094]
前記核酸がRNAを含む、本発明1093の方法。
[本発明1095]
前記単離されたRNAに対して逆転写酵素反応を行ってcDNAを作製する工程をさらに含む、本発明1094の方法。
[本発明1096]
前記RTが前記溶解物中で行われる、本発明1095の方法。
[本発明1097]
前記単離された核酸を増幅する工程をさらに含む、本発明1093~1096のいずれかの方法。
[本発明1098]
単離された前記核酸を配列決定する工程をさらに含む、本発明1093~1097のいずれかの方法。
[本発明1099]
前記1つ以上のレポーターを検出する工程が、前記細胞からの蛍光レベルを検出することを含む、本発明1092~1098のいずれかの方法。
[本発明1100]
少なくとも2つの異なる異種レセプターが前記細胞において発現される、本発明1092~1099のいずれかの方法。
[本発明1101]
細胞の集団が1つの組成物中で共混合される、本発明1092~1100のいずれかの方法。
[本発明1102]
細胞の集団が基材に接着している、本発明1092~1101のいずれかの方法。
[本発明1103]
細胞の集団が、基材の1つのウェル内または1つの細胞培養皿内に含まれる、本発明1092~1102のいずれかの方法。
[本発明1104]
前記細胞をプレーティングする工程をさらに含む、本発明1092~1103のいずれかの方法。
[本発明1105]
前記細胞が96ウェル細胞培養プレート上にプレーティングされる、本発明1104の方法。
[本発明1106]
前記細胞が凍結されており、前記方法が、凍結された細胞を解凍する工程をさらに含む、本発明1092~1105のいずれかの方法。
[本発明1107]
以下の工程を含む、リガンドおよびレセプターの結合をスクリーニングするための方法:
細胞の集団をリガンドと接触させる工程であって、
細胞の集団の各細胞は、
(i)異種レセプター遺伝子と;
(ii)レセプター応答性エレメントを含む誘導性レポーターであって、
該レポーターの発現は、該レセプター遺伝子によってコードされるレセプターの活性の活性化に依存し、
該レポーターは、該異種レセプター遺伝子に固有であるインデックス領域を含むバーコードを含む、
誘導性レポーターと
を含み、
前記細胞の集団は、前記異種レセプター遺伝子に由来する少なくとも300個の異なるレセプターを発現し、各単一の細胞は、1つの特定の異種レセプターの1つ以上のコピーおよび1つの特定のレポーターの1つ以上のコピーを有する、
工程と、
1つ以上のレポーターを検出する工程と、
1つ以上のレポーターの同一性を決定する工程であって、レポーターの同一性は、結合したレセプターの同一性を示す、工程。
[本発明1108]
少なくとも2つの異なるベクターを含むベクターライブラリーであって、該ベクターが、異なる異種レセプター遺伝子および異なる誘導性レポーターを含む、ベクターライブラリー。
[本発明1109]
本発明1045~1090のいずれかの細胞の集団を含む細胞ライブラリー。
[本発明1110]
前記ウイルス粒子が、異なる異種レセプター遺伝子および異なる誘導性レポーターを含む、本発明1043の少なくとも2つのウイルス粒子を含むウイルスライブラリー。
[本発明1111]
レセプタータンパク質を含む細胞のライブラリーを作製するための方法であって、
(i)本発明1001の核酸もしくは本発明1002~1039のいずれかのベクターを細胞中で発現させる工程;または
(ii)細胞を本発明1043のウイルスに感染させる工程
を含み、
前記細胞は、異なる異種レセプターを発現し、各単一の細胞は、1つの特定の異種レセプターの1つ以上のコピーおよび1つの特定のレポーターの1つ以上のコピーを発現する、方法。
[本発明1112]
本発明1108~1110のいずれかのライブラリーを含むキット。
[本発明1113]
(i)誘導性プロモーターに作動可能に連結された異種レセプター遺伝子と;
(ii)レセプター応答性エレメントを含むレポーターであって、
該レポーターの発現は、異種レセプター遺伝子によってコードされるレセプターの活性の活性化に依存し、
該レポーターは、該異種レセプター遺伝子に固有であるインデックス領域を含むバーコードを含む、
レポーターと
を含む、核酸。
[本発明1114]
本発明1113の核酸の少なくとも2コピー~少なくとも6コピーを含む、細胞。
本発明の他の目的、特徴および利点は以下の詳細な記載から明らかとなるであろう。しかしながら、詳細な説明および具体例は、本発明の好ましい態様を示してはいるが、それらは例示としてのみ提示されていることを理解すべきである。なぜなら、本発明の趣旨および範囲内の種々の変更および改変は、この詳細な説明から、当業者には明らかだからである。
ブルートフォース化学的スクリーニングは、かなりの財政的コスト、スケーリング問題を有し、嗅覚レセプターなどのいくつかのレセプターの場合、スクリーニングはまた、信頼できない機能的発現に悩まされる。最近、ヒトレセプターの包括的嗅覚スクリーニングを実施するための大規模な努力が、73種の臭気物質にわたって394種のORをアッセイした。研究者らは、一過性トランスフェクションと組み合わせて、機能的OR発現に必要な全ての因子の発現を可能にする細胞株を構築した。一過性にトランスフェクトされたORの活性化は、ルシフェラーゼレポーター発現をもたらし、これは、マルチウェルプレートにおいてアッセイすることができる。このスクリーニングは、50,000を超える個々の測定を必要とし、長年を要した。この研究は、単独で、既知数のリガンド-レセプター結合対を2倍にし、27個のヒトORレセプターをそれらの化学リガンドにマッピングした。このアプローチの成功にもかかわらず、この比較的小さな化学的スクリーニングを実施するために必要とされる規模は、全ての化合物が、数百のORにわたる濃度範囲で試験されなければならず、各試験が別々の一過性トランスフェクションを必要とするので、非常に大きかった。したがって、このような方法は、本開示の方法のタイプにスケーリングする機会がほとんどない。
本開示の現方法、核酸、ベクター、ウイルス粒子、および細胞は、リガンドが係合すると、レセプター応答性エレメントを介してレポーターの転写を誘導するレセプタータンパク質に関する。従って、レポーターは、レセプタータンパク質の直接的な制御下にあるか、またはレセプタータンパク質によって間接的に制御されるかのいずれかである。「レセプター応答性エレメント」という語は、レセプターによって結合される誘導性レポーターのプロモーター領域におけるエレメント、またはレセプターおよびリガンドの係合後のレセプターの下流エレメントをいう。いくつかの実施形態では、レセプタータンパク質は、Gタンパク質共役レセプター(GPCR)であるか、またはレセプター遺伝子は、GPCRをコードする。Gタンパク質結合レセプター(GPCR)は、広範な種々の正常な生物学的プロセスを調節し、そしてそれらの下流シグナル伝達活性の調節不全に際して、多くの疾患の病態生理学において役割を果たす。GPCRのリガンドには、神経伝達物質、ホルモン、サイトカイン、および脂質シグナル伝達分子が含まれる。GPCRは、視覚、嗅覚、自律神経系、および行動などの多種多様な生物学的プロセスを調節する。その細胞外リガンドの他に、それぞれのGPCRは、下流のシグナル伝達経路を活性化するG-アルファ、G-ベータ、およびG-ガンマサブユニットからなる特異的な細胞内ヘテロ三量体Gタンパク質に結合する。これらの細胞内シグナル伝達経路には、cAMP/PKA、カルシウム/NFAT、ホスホリパーゼC、プロテインチロシンキナーゼ、MAPキナーゼ、PI-3-キナーゼ、一酸化窒素/cGMP、Rho、およびJAK/STATが含まれる。GPCR機能またはシグナル伝達の破壊は、神経障害から免疫障害、ホルモン障害に至るまで、それらのリガンドおよびそれらが調節する工程に応じて変化する病理学的状態に寄与する。GPCRは、全ての現在の薬物開発標的の30%を占める。薬物スクリーニングアッセイを開発するには、選択された細胞ベースのモデルシステムにおける標的および関連するGPCR発現および機能の両方、ならびに直接的および潜在的なオフターゲット副作用の両方を評価するための関連するGPCRの発現の調査が必要である。
http://www.genenames.org/cgi-bin/download?title=Genefam+data&submit=submit&hgnc_dbtag=on&preset=genefam&status=Approved&status=Entry+Withdrawn&status_opt=2&=on&format=text&limit=&.cgifields=&.cgifields=chr&.cgifields=status&.cgifields=hgnc_dbtag&where=gd_gene_fam_name%20RLIKE%20'(%5e|%20)OR7($|,)'&order_by=gd_app_sym_sort
A.核酸レポーター
レポーターは、活性化レセプターを同定することができるインデックス領域を含むバーコード領域を含む。インデックス領域は、少なくとも、多くとも、または厳密に5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200またはそれ以上(またはその中の誘導可能な任意の範囲)のヌクレオチド長のポリヌクレオチドであり得る。バーコードは、1つ以上のユニバーサルPCR領域、アダプター、リンカー、またはそれらの組み合わせを含み得る。
1.大規模並列シグネチャ配列決定(MPSS)。
次世代配列決定技術の最初のもの、大規模並列シグネチャ配列決定(すなわちMPSS)は、1990年代にLynx Therapeuticsで開発された。MPSSは、アダプター連結の複雑なアプローチを使用し、続いてアダプターを解読し、4ヌクレオチドずつ配列を読み取る、ビーズベースの方法であった。この方法は、配列特異的バイアスまたは特異的配列の損失を受けやすくした。この技術は非常に複雑であったので、MPSSは、Lynx Therapeuticsによって「社内」でのみ実施され、DNA配列決定機械は、独立した研究所に販売されなかった。Lynx Therapeuticsは、2004年にSolexa (後にIlluminaによって買収された)と合併し、Manteia Predictive Medicineから得られされたより単純なアプローチである合成による配列決定の開発につながり、MPSSが旧式になった。しかし、MPSS出力の本質的な特性は、何十万もの短いDNA配列を含む、後の「次世代」データ型に典型的であった。MPSSの場合、これらは、典型的には、遺伝子発現レベルの測定のためにcDNAを配列決定するために使用された。実際、強力なIllumina HiSeq2000、HiSeq2500、およびMiSeqシステムは、MPSSに基づいている。
ハーバードのGeorge M.Churchの研究室で開発されたPolony配列決定法は、最初の次世代配列決定システムの1つであり、2005年に完全なゲノムを配列決定するために使用された。これは、インビトロ対タグライブラリーを乳剤PCR、自動化マイクロスコープ、およびライゲーションベースの配列決定ケミストリーと組み合わせて、大腸菌ゲノムを>99.9999%の精度で配列決定し、サンガー配列決定の約1/9の費用を要した。この技術は、Agencourt Biosciencesにライセンス供与され、その後Agencourt Personal Genomicsにスピンアウトされ、最終的には、現在Life Technologiesが所有するApplied Biosystems SOLiDプラットホームに組み込まれた。
パイロシークエンシングの並列バージョンは、454 Life Sciencesによって開発されたが、これは以来Roche Diagnosticsによって取得されている。該方法は、水滴中のDNAをオイル溶液(乳剤PCR)中で増幅し、各々の液滴は、単一のプライマー被覆ビーズに結合した単一のDNA鋳型を含み、次いで、クローンコロニーを形成する。配列決定機は、各々が単一のビーズおよび配列決定酵素を含む多くのピコリットル容積のウェルを含む。ピロシークエンシングは、ルシフェラーゼを使用して、新生DNAに付加された個々のヌクレオチドの検出のための光を生成し、そして組み合わされたデータは、配列読み出しを生成するために使用される。このテクノロジーは、一方の末端ではサンガー配列決定、他方の末端ではSolexaおよびSOLiD配列決定と比較して、中間の読み取り長さおよび塩基当たりの価格を提供する。
現在、Illuminaの一部であるSolexaは、内部で開発した、可逆的色素-ターミネーター技術に基づく配列決定法、および操作されたポリメラーゼを開発した。終了した化学は、Solexaで内部的に開発され、Solexaシステムの概念は、ケンブリッジ大学の化学部門からBalasubramanianおよびKlennermanによって発明された。2004年、Solexaは、表面上のDNAのクローン増幅を含む「DNAクラスター」に基づく大規模並列配列決定技術を得るために、Manteia Predictive Medicine社を買収した。クラスター技術は、カリフォルニア州のLynx Therapeuticsと共同取得した。Solexa Ltd.は後にLynxと合併し、Solexa Inc.を設立した。
Applied Biosystemsの(現在はLife Technologies銘柄)SOLiD技術は、ライゲーションによる配列決定を用いる。ここで、固定長の全ての可能なオリゴヌクレオチドのプールは、配列決定された位置に従って標識される。オリゴヌクレオチドはアニーリングされ、ライゲーションされる;マッチング配列のためのDNAリガーゼによる優先的ライゲーションは、その位置でのヌクレオチドの情報を与えるシグナルを生じる。配列決定の前に、該DNAを乳剤PCRにより増幅する。得られたビーズ(各々が同じDNA分子の単一コピーを含む)をスライドガラス上に置く。その結果、Illumina配列決定に匹敵する量および長さの配列が得られる。ライゲーション法によるこの配列決定は、配列決定パリンドローム配列のいくつかの問題を有することが報告されている。
Ion Torrent Systems Inc.(現在、Life Technologiesによって所有されている)は、標準的な配列決定化学を使用するが、新規な半導体ベースの検出システムを有するシステムを開発した。この配列決定方法は、他の配列決定システムで使用される光学的方法とは対照的に、DNAの重合中に放出される水素イオンの検出に基づく。配列決定される鋳型DNA鎖を含むマイクロウェルを、単一型のヌクレオチドで溢れさせる。導入されたヌクレオチドがリーディング鋳型ヌクレオチドに相補的である場合、それは成長する相補的ストランドに組み込まれる。これは、反応が起こったことを示す、過敏性イオンセンサーを誘発する水素イオンの放出を引き起こす。単独重合体の繰り返しが鋳型配列中に存在する場合、多数のヌクレオチドが単一周期で組み込まれる。これにより、対応する数の水素が放出され、それに比例して高い電子信号が得られる。
DNAナノボール配列決定は、生物の全ゲノム配列を決定するために使用されるハイスループット配列決定技術の一種である。コンプリートゲノミクス社は、このテクノロジーを用いて、独立した研究者から提出された試料を配列決定する。この方法は、ローリングサークル複製を使用して、ゲノムDNAの小さな断片をDNAナノボールに増幅する。次いで、ライゲーションによる非鎖配列決定を使用して、ヌクレオチド配列を決定する。このDNA配列決定方法は、他の次世代配列決定プラットホームと比較して、1回のラン当たりおよび低い試薬コストで多数のDNAナノボールが配列決定されることを可能にする。しかし、DNAの短い配列のみが、各DNAナノボールから決定され、これは、短い読み取りを参照ゲノムにマッピングすることを困難にする。この技術は、複数のゲノム配列決定プロジェクトのために使用されており、より多くのために使用される予定である。
ヘリスコープ配列決定は、Helicos Biosciencesによって開発された単一分子配列決定の方法である。それは、フローセル表面に付着したポリAテールアダプターが付加されたDNA断片を使用する。次の工程は、蛍光標識ヌクレオチド(Sanger法と同様に、一度に1つのヌクレオチド型)を用いたフローセルの周期的洗浄による延ベースの配列決定を含む。読み取りは、ヘリスコープシーケンサによって実行される。読み取りは短く、1回のラン当たり55塩基までであるが、最近の改良は、1種類のヌクレオチドの延伸のより正確な読み取りを可能にする。この配列決定方法および装置を用いて、M13バクテリオファージのゲノムを配列決定した。
SMRT配列決定は、合成アプローチによる配列決定に基づく。DNAは、ゼロモード導波管(ZMW)-ウェルの底部に位置する捕捉ツールを有する小さなウェル様容器中で合成される。配列決定は、未修飾ポリメラーゼ(ZMW底部に付着)および溶液中を自由に流れる蛍光標識ヌクレオチドを用いて行う。ウェルは、ウェルの底部によって生じる蛍光のみが検出されるように構築される。蛍光標識は、DNAストランドへの取り込み時にヌクレオチドから分離され、未修飾DNAストランドを残す。Pacific Biosciences(SMRT技術開発者)によれば、この方法論は、ヌクレオチド修飾(シトシンメチル化など)の検出を可能にする。これは、ポリメラーゼ動力学の観察を通して起こる。このアプローチは、5キロベースの平均読み取り長で、20,000ヌクレオチド以上の読み取りを可能にする。
本開示の実施形態は、レポーターバーコードおよび/またはレポーター遺伝子またはオープンリーディングフレームの発現を決定することに関する。レポーターの発現は、バーコードまたはインデックス領域のRNA転写物およびレポーター構築物から発現される任意の他のポリヌクレオチドのレベルを測定することによって決定され得る。この目的に適した方法には、RT-PCR、ノーザンブロット、インサイチュハイブリダイゼーション、サザンブロット、スロットブロット、核酸保護アッセイおよびオリゴヌクレオチドアレイが含まれるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、レセプター遺伝子および/または誘導性レポーターシステムは、1つ以上の補助ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチド配列を含む。例示的な補助ポリペプチドには、転写因子、タンパク質またはペプチドタグ、およびスクリーニング可能または選択可能な遺伝子が含まれる。
本開示の特定の実施形態において、誘導性レポーターおよび/またはレセプター遺伝子は、選択またはスクリーニング遺伝子を含み得るか、またはさらに含み得る。さらに、本開示の細胞、ベクター、およびウイルス粒子は、選択またはスクリーニング遺伝子をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、選択またはスクリーニング遺伝子は、選択またはスクリーニングタンパク質に融合されたレセプタータンパク質を含む1つの融合タンパク質が細胞中に存在するように、レセプター遺伝子に融合される。このような遺伝子は、同定可能な変化を細胞に付与し、異種レセプター遺伝子の活性化を有する細胞の容易な同定を可能にする。一般に、選択可能な(すなわち、選択遺伝子)遺伝子は、選択を可能にする特性を付与する遺伝子である。陽性選択遺伝子は、遺伝子または遺伝子産物の存在がその選択を可能にする遺伝子であり、一方、陰性選択遺伝子は、その遺伝子または遺伝子産物の存在がその選択を妨げる遺伝子である。陽性選択遺伝子の例は、抗生物質耐性遺伝子である。
例示的なタンパク質/ペプチドタグには、AviTag、酵素BirAによるビオチン化を可能にするペプチドであり、ストレプトアビジン(GLNDIFEAQKIEWHE、配列番号4)によってタンパク質を分離できる;カルモジュリンタグ、タンパク質カルモジュリンが結合したペプチド(KRRWKKNFIAVSAANRFKKISSSGAL、配列番号5);ポリグルタミン酸タグ、Mono-Q(EEEEEE、配列番号6)などの陰イオン交換樹脂に効率的に結合するペプチド;Eタグ、抗体によって認識されるペプチド(GAPVPYPDPLEPR、配列番号7);FLAGタグ、抗体によって認識されるペプチド(DYKDDDDK、配列番号8);HAタグ、抗体によって認識される血球凝集素由来のペプチド(YPYDVPDYA、配列番号9);Hisタグ、ニッケルまたはコバルトキレートが結合した5-10個のヒスチジン(HHHHHH、配列番号10);Myc-tag、抗体によって認識されるc-mycに由来するペプチド(EQKLISEEDL、配列番号11);NEタグ、モノクローナルIgG1抗体によって認識される新規18アミノ酸合成ペプチド(TKENPRSNQEESYDDNES、配列番号12)、これは、ウエスタンブロット法、ELISA、フローサイトメトリー、免疫細胞化学、免疫沈降を含む幅広いアプリケーションおよび組換えタンパク質のアフィニティ精製、に有用であり;Sタグ、リボヌクレアーゼA由来のペプチド(KETAAAKFERQHMDS、配列番号13);SBPタグ、ストレプトアビジンに結合するペプチド(MDEKTTGWRGGHVVEGLAGELEQLRARLEHHPQGQREP、配列番号14);Softag1、哺乳類発現用(SLAELLNAGLGGS、配列番号15);Softag3、原核生物発現用(TQDPSRVG、配列番号16);Strepタグ、ストレプトアビジンまたはストレプトアクチンと呼ばれる修飾ストレプトアビジンに結合するペプチド(Strepタグ II:WSHPQFEK、配列番号17);TCタグ、FlAsHおよびReAsH二ヒ素化合物(CCPGCC、配列番号18)によって認識されるテトラシステインタグ;V5タグ、抗体によって認識されるペプチド(GKPIPNPLLGLDST、配列番号19);VSVタグ、抗体によって認識されるペプチド(YTDIEMNRLGK、配列番号20);Xpressタグ(DLYDDDDK、配列番号21);共有結合ペプチドタグ、イソペプタグ、ピリン-Cタンパク質に共有結合するペプチド(TDKDMTITFTNKKDAE、配列番号22);SpyTag、SpyCatcherタンパク質に共有結合するペプチド(AHIVMVDAYKPTK、配列番号23);SnoopTag、SnoopCatcherタンパク質に共有結合するペプチド(KLGDIEFIKVNK、配列番号24);BCCP(ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質)、ストレプトアビジンによる認識を可能にするBirAによりビオチン化されたタンパク質ドメイン;固定化グルタチオンに結合するタンパク質であるグルタチオン-S-トランスフェラーゼ-タグ;緑色蛍光タンパク質タグ、自然発生的に蛍光を発し、ナノボディに結合できるタンパク質;HaloTagは、反応性ハロアルカン基質に共有結合する変異細菌ハロアルカンデハロゲナーゼであり、これにより、多種多様な基質への結合が可能になる;マルトース結合タンパク質タグ、アミロースアガロースに結合するタンパク質;ヌスタグ、チオレドキシンタグ;二量体化と可溶化を可能にする、免疫グロブリンFcドメインに由来するFcタグ、を含む。プロテインAセファロース、アミノ酸(P、E、S、T、A、Q、Gなど)を促進する障害を含む設計された固有障害タグ、およびTyタグでの精製に使用できる。
いくつかの実施形態において、レセプター遺伝子は、レセプタータンパク質および補助ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、補助ポリペプチドは転写因子である。関連する実施形態において、誘導性レポーターは、レセプター応答性エレメントを含み、ここで、レセプター応答性エレメントは、転写因子によって結合される。このような転写因子および応答エレメントは、当該分野で公知であり、そして例えば、テトラサイクリン応答性エレメント(TRE)を介して転写を誘導し得る逆テトラサイクリン制御トランスアクチベーター(rtTA)、GAL1プロモーターを介して転写を誘導するGal4p、およびリガンドに結合した場合に、エストロゲン応答エレメントを介して発現を誘導するエストロゲンレセプターを含む。したがって、関連する実施形態は、補助ポリペプチド転写因子の転写を活性化するためにリガンドを投与することを含む。
本開示は、異種レセプター遺伝子および誘導性レポーターの1つ以上を含む核酸の実施形態を含む。用語「オリゴヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド」、および「核酸」は、交換可能に使用され、天然または修飾されたモノマーまたは結合の直鎖状オリゴマー(デオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオシド、それらのα-アノマー形態、ペプチド核酸(PNA)などを含む)であって、ワトソン-クリック型の塩基対、塩基積み重ね、フーグスティーン型またはリバースフーグスティーン型の塩基対などのモノマー-モノマー相互作用の規則的なパターンによって標的ポリヌクレオチドに特異的に結合することができるものを含む。通常、モノマーは、ホスホジエステル結合またはその類似体によって連結されて、数単量体単位、例えば3~4から数十単量体単位の大きさの範囲のオリゴヌクレオチドを形成する。オリゴヌクレオチドが「ATGCCTG」などの一連の文字によって表される場合はいつでも、特に断らない限り、ヌクレオチドは左から右へ5’→3’の順序であり、「A」はデオキシアデノシンを示し、「C」はデオキシシチジンを示し、「G」はデオキシグアノシンを示し、「T」はチミジンを示すことが理解されるであろう。ホスホジエステル結合のアナログには、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホラニリデート、ホスホラミデートなどが含まれる。天然または非天然ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドが使用され得る場合(例えば、酵素によるプロセシングが必要とされる場合)、通常、天然ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドが必要とされる場合は、当業者に明らかである。
本明細書中で使用される場合、用語「細胞」、「細胞株」および「細胞培養物」は、交換可能に使用され得る。これらの用語の全てはまた、新たに単離された細胞およびインビトロで培養または増殖された細胞の両方を含む。これらの用語の全てはまた、それらの子孫(これは、任意のおよび全ての後続の世代である)を含む。全ての子孫は、意図的または不注意な変異のために同一ではないかもしれないことが理解される。異種核酸配列を発現する文脈において、「宿主細胞」または単に「細胞」は、原核細胞または真核細胞を指し、ベクターを複製することができるか、またはベクターもしくは組み込まれた核酸によってコードされる異種遺伝子を発現することができる任意の形質転換可能な生物を含む。宿主細胞は、ベクター、ウイルス、および核酸のレシピエントとして使用することができ、かつ使用されている。宿主細胞は、「トランスフェクト」または「形質転換」され得、これは、組換えタンパク質をコードする配列のような外因性核酸が宿主細胞に移入または導入されるプロセスをいう。形質転換細胞は、一次対象細胞およびその子孫を含む。
A.標的指向させた組み込み
本開示は、核酸の組み込みを標的指向するための方法を提供する。これはまた、本明細書および当技術分野において「遺伝子編集」とも呼ばれる。いくつかの実施形態では、標的指向させた組み込みは、部位特異的リコンビナーゼおよび/または標的指向エンドヌクレアーゼなどのDNA消化剤/ポリヌクレオチド修飾酵素の使用によって達成される。用語「DNA消化剤」は、核酸のヌクレオチドサブユニット間の結合(すなわち、ホスホジエステル結合)を切断することができる薬剤を指す。
本明細書中に記載されるアッセイは、大規模スクリーニングを、時間および費用の両方で効果的にする。さらに、本明細書中に記載されるアッセイは、オンおよびオフターゲット効果についてのリガンドのスクリーニング、特定のリガンドまたはリガンドの組に対する1つ以上のレセプターのバリアントの活性の決定、リガンド結合に必要とされるレセプターにおいて必要とされる重要な残基のマッピング、およびレセプターにおけるどの残基がリガンド結合に重要ではないかの決定に役立つ。
本開示の特定の態様はまた、本開示の核酸、ベクター、または細胞を含むキットに関する。キットは、本開示の方法を実施するために使用することができる。いくつかの実施形態では、キットを使用して、レセプター遺伝子またはレセプター遺伝子群の活性化を評価することができる。いくつかの実施形態では、キットを使用して、単一遺伝子のバリアントを評価することができる。特定の実施形態では、キットは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、100、500、1,000またはそれ以上の、あるいは少なくともまたは多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、100、500、1,000またはそれ以上の、核酸プローブ、プライマー、または合成RNA分子、またはその中で導き出せる任意の値または範囲および組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、リガンドによるレセプターの活性化または関与を評価するためのキットが存在する。いくつかの実施形態では、バーコードまたはレセプターを増幅、同定、または配列決定するためのユニバーサルプローブまたはプライマーが含まれる。このような試薬はまた、スクリーニングにおいて使用され得る宿主細胞を生成または試験するために使用され得る。
以下の実施例は、本開示の好ましい実施形態を実証するために含まれる。以下の実施例において開示される技術は、本開示の実施において十分に機能することが発明者によって発見された技術を表し、したがって、その実施のための好ましいモードを構成すると考えることができることが、当業者によって理解されるべきである。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、開示された特定の実施形態において多くの変更を行うことができ、それでも、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、同様のまたは同様の結果を得ることができることを理解すべきである。
哺乳動物嗅覚は非常に複雑な過程であり、おそらく最も理解されていない感覚である。嗅覚レセプター(OR)は、臭気知覚の第1の層である。ヒトORは、鼻上皮に位置するニューロンにおいて単一対立遺伝子的に発現される400種のGタンパク質共役レセプター(GPCR)のセットである。臭気物質は、レセプターに多対多様式で結合し、そのパターンは嗅球に伝達され、皮質における知覚に変換される。高親和性リガンドが同定されたヒトORはわずか約5%であり、多数のオーファンレセプターによって、嗅覚を支配する下流の神経生物学を調査する可能性が阻害されている。以前の脱アルファ化の試みは、それぞれの臭気物質-レセプター対を個別にスクリーニングする異種細胞ベースのアッセイを利用した。多数の潜在的なレセプター-臭気物質の組み合わせ、および異種OR発現を達成することの困難さは、「一度に1つ」のアプローチのスループットを制限した。代わりに、本発明者らは、多重化された臭気物質-レセプタースクリーニングを可能にする安定なOR発現細胞株を操作した。
本発明者らは、ハイスループットフォーマットで次世代配列決定によりマルチプレックスで読み取ることができる安定なヒト細胞株レポーターのライブラリーを構築することにより、マルチプレックスレセプター-リガンドプロファイリングのためのプラットホームを開発した。この技術は、多くの他のクラスのレセプターに一般化され、そして薬学的に関連するGPCRについての薬物発見のためのハイスループットスクリーニングを可能にする。
1.臭気レセプター活性化ルシフェラーゼアッセイ(一過性)
Dual-Glo Luciferase Assay System (Promega)を使用して、以前に記載されたように(ZhuangおよびMatsunami 2008)、OR-臭気物質応答を測定した。HEK293T細胞(ATCC#11268)を、100ulのDMEM(Thermo Fisher Scientific)中、1ウェルあたり7,333細胞の密度で、ポリ-D-リジンでコーティングされた白色96ウェルプレート(Corning)中にプレーティングした。24時間後、リポフェクタミン2000(Thermo Fisher Scientific)を使用して、ORをコードするプラスミド5ng/ウェルで、サイクリックAMP応答エレメントによって駆動されるのルシフェラーゼ10ng/ウェルまたは、ORおよびルシフェラーゼ遺伝子の両方をコードするプラスミド10ng/ウェルで、どちらの場合も、ウミシイタケルシフェラーゼをコードするプラスミド5ng/ウェルで、細胞をトランスフェクトした。アクセサリー因子を用いて行った実験には、RTP1S(遺伝子ID:132112)およびRTP2(遺伝子ID:344892)をコードするプラスミド5ng/ウェルが含まれた。誘発的に発現したORは、トランスフェクション培地に1ug/mlドキシサイクリン(Sigma-Aldrich)を追加してトランスフェクションした。10~100mM臭素ストックは、DMSOまたはエチルアルコール中で確立された。トランスフェクションの24時間後、トランスフェクション培地を除去し、そしてCD293(Thermo Fisher Scientific)中にストックから希釈した25ul/ウェルの適切な濃度の臭気物質で置き換えた。臭気物質刺激の4時間後、Dual-Gloルシフェラーゼアッセイキットを、製造業者の説明書に従って投与した。発光を、M1000プレートリーダー(Tecan)を用いて測定した。全ての発光値を、所与のウェルにおけるトランスフェクション効率をコントロールするために、ウミシイタケルシフェラーゼ活性に対して標準化した。データをMicrosoft ExcelおよびRで分析した。
組み合わされたレセプター/レポータープラスミドと組み込まれたHEK293TおよびHEK293T由来細胞を、ポリ-D-リジン被覆96ウェルプレート中の100uLDMEM中に7333細胞/ウェルの密度で播種した。24時間後、1ug/mlのドキシサイクリンをウェル培地に添加した。臭気刺激、ルシフェラーゼ試薬付加、および発光測定を、一過性アッセイと同様の方法で行った。構成的に発現されたORを、ドキシサイクリンを添加せずに、同じ様式でアッセイした。データをMicrosoft ExcelおよびRで分析した。
組み合わされたレセプター/レポータープラスミドと転位したHEK293TおよびHEK293T由来細胞を、2mLのDMEM中に200k細胞/ウェルの密度で、6ウェルプレートに播種した。24時間後、1ug/mlのドキシサイクリンをウェル媒体に添加した。10~100mM臭素ストックは、DMSOまたはエチルアルコール中で確立された。ドキシサイクリン添加の24時間後、臭気物質をOptiMEMで希釈し、培地を吸引し、1mLの臭気物質-OptiMEM溶液で置き換えた。臭気刺激の3時間後、臭気培地を吸引し、600uLの緩衝液RLT(Qiagen)を各ウェルに添加した。細胞をQiashredder Tissue and Cell ホモジナイザー(Qiagen)で溶解し、RNAを、RNEasy MiniPrep Kit (Qiagen)を用いて、製造業者のプロトコルに従って任意のオンカラムDNAse工程で精製した。
バーコード化されたレポーター遺伝子(OL003)の遺伝子特異的プライマーを用いて、スーパースクリプトIV(Thermo-Fisher)を用いて、1試料当たり5ugの全RNAを逆転写した。反応条件は以下の通りである:アニーリング:[65℃で5分間、0℃で1分間]伸長:[52℃で60分間、80℃で10分間]cDNAライブラリー容量の10%を、HiFiマスターミックス(Kapa Biosystems)を用いて5サイクル(OL004FおよびR)増幅した。反応およびサイクル条件は、以下のように最適化される:95℃で3分間、98℃で20秒間、59℃で15秒間、および72℃で10秒間の5サイクル、続いて72℃で1分間の延長。PCR産物を、DNAクリーンアンドコンセントレーターキット(ザイモリサーチ)を用いて10ulに精製し、それぞれの試料1ulを、CFXコネクトサーモサイクラー(Biorad)を有するSYBR FAST qPCRマスターミックス(Kapa Biosystems)を用いて増幅し(OL005FおよびR)、ライブラリー増幅に要するPCRサイクル数を決定した。反応およびサイクル条件は、以下のように最適化される:95℃で3分間、95℃で3秒間、および60℃で20秒間の40サイクル。qPCR後、5ulの予め増幅されたcDNAライブラリーを、以前に決定されたCqよりも大きい4サイクルにわたってqPCRに使用されたのと同じプライマーを用いて、第1の増幅と同じサイクル条件で第2回目に増幅した。次いで、PCR産物を、Zymoclean Gel DNA Recovery Kit(Zymo Research)を用いて1%アガロースゲルからゲル単離した。ライブラリー濃度を、Tape Station 2200(Agilent)を用いて定量し、20%PhiXスパイクインを有するHi-Seq 3000上に等モルでロードし、カスタムプライマーで配列決定した:リード1(OL003)およびi7インデックス(OL006)。
Gibson Assembly Hifi Mastermix (SGI-DNA)との等温アッセンブリーを用いて、骨格プラスミド(ORおよびバーコードを除く全ての遺伝エレメント)を作製した。短い断片を、15個のランダムヌクレオチドを含むプライマーで増幅して、HiFiマスターミックスを用いてバーコード配列(OL007FおよびR)を作製した。反応およびサイクル条件は、以下のように最適化される:95℃で3分間、98℃で20秒間、60℃で15秒間、および72℃で20秒間の35サイクル、続いて72℃で1分間の延長。アンプリコンおよび骨格プラスミドを制限酵素MluIおよびAgeI(New England Biolabs)で消化し、T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)と一緒に連結した。DH5α大腸菌コンピテント細胞(New England Biolabs)を、バーコードライブラリーの多様性を維持するために、抗生物質を含む液体培養物に直接形質転換した。
HEK293T細胞およびHEK293T由来細胞を、2mlのDMEM中の6ウェルプレートに350k細胞/ウェルの密度で播種した。播種の24時間後、細胞を、レセプター/レポータートランスポゾンおよびSuper PiggyBac Transposase (Systems Bioscience)をコードするプラスミドで、製造業者の説明書に従ってトランスフェクトした。リポフェクタミン3000で1ウェルあたり1ugのトランスポゾンDNAと200ngのトランスポザーゼDNAをトランスフェクトした。トランスフェクションの3日後、細胞を6ウェルプレートに1:10で継代し、継代の1日後、8ug/mlのブラスチシジンを細胞に添加した。細胞を選択しながら7~10日間増殖させた。ORライブラリーを個々に転置し、等しい細胞数で一緒にプールした。
HEK293T由来細胞を、ORライブラリー統合セクションにおける転位プロトコルに従って、Tet-Onプロモータープール等モルによって誘導的に駆動されるアクセサリー因子遺伝子RTP1S、RTP2、Gα olf(遺伝子ID:2774)、およびRic8b(遺伝子ID:237422)をコードするプラスミドで転位した。細胞を2ug/mlのピューロマイシン(Thermo Fisher)で選択した。選択後、細胞を0.5細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種した。ウェルを、3日後に単一コロニーについて試験し、そして7日後に24ウェルプレートに拡大した。クローンを、一過性ルシフェラーゼアッセイでOlfr62およびOR7D4の強力な活性化についてスクリーニングすることによって、アクセサリー因子発現についてスクリーニングした(図11)。両方のレセプターについて最高の倍数活性化を有し、顕著な成長欠陥を有さないクローンを、多重化スクリーニングについて確立した。
gDNAを、ORレポーターベクターで転位した細胞から、およびQuick-gDNA Miniprepキットを用いて単一コピーランディングパッドを含む細胞から精製した。50ngのgDNAを、製造業者のプロトコルを使用して、CFXコネクトサーモサイクラー上でSYBR FAST qPCRマスターミックス(Kapa Biosystems)を使用して、それぞれの試料由来の外因性DNAの領域にアニールするプライマーを用いて増幅した。反応およびサイクル条件は、以下のように最適化される:95℃で3分間、95℃で3秒間、および60℃で20秒間の40サイクル。転位されたORのCq値は、コピー数を決定するために、単一コピーランディングパッドに対して正規化された。
レンチウイルスベクターは、Mirus TransIT-293を用いて、レンチウイルストランスファープラスミド、pCMVΔR8.91およびpCAGGS-VSV-Gで293T細胞を一過性トランスフェクションすることにより作製した。HEK293T細胞を、50%コンフルエントでm2rtTA転写因子(Tet-On)を発現するように形質導入し、形質導入の1日前に播種した。クローンは、0.5細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに細胞を播種することによって単離した。ウェルを、7日後に単一コロニーについて試験し、24ウェルプレートに拡大した。一過性ルシフェラーゼアッセイを用いてMOR42-3(遺伝子ID:257926)の強力な活性化についてスクリーニングすることにより、m2rtTA発現についてクローンを評価した。
ORライブラリー細胞株を、液体窒素凍結ストックからT-225フラスコ(Corning)に3日間解凍した後、スクリーニングのために96ウェルプレートに播種した。このライブラリーを、100ulのDMEM中に、1ウェルあたり6,666細胞で播種した。24時間後、DMEM中の1ug/mlのドキシサイクリンのワーキング濃度をウェルに添加した。誘導の24時間後、培地を各プレートから除去し、OptiMEMで希釈した臭気物質25ulで置き換えた。各臭気を、3つの異なる濃度(10uM、100uM、1mM)で、同じ量の最終DMSO(1%)と共に3連で添加した。各プレートは、3連の3つの濃度(10uM、100uM、1mM)の2つの対照臭気物質、および培地に溶解した1%DMSOを含有する3つのウェルを含有した。ライブラリーを、蓋を取り除いた細胞培養インキュベーター中で臭気物質と共に3時間インキュベートした。
試料は、各ウェル(5’末端)に固有であり、各プレート(3’末端)に固有であるアダプターをPCRインデックスによってインデックス付けすることによって同定した。ウェルバーコードは、(Illumina Sequencing Library Preparation for Highly Multiplexed Target Capture and Sequencing Matthias Meyer、Martin Kircher、Cold Spring Harb Protoc; 2010; doi:10.1101/pdb.prot5448)の7bpインデックス方式に従った。プレートインデックス方式は、イルミナインデックス方式に従った。配列決定データを逆多重化し、15bpバーコード配列を、カスタムのpythonスクリプトおよびbashスクリプトによる正確な一致のみで計数した。
次いで、差次的発現包装体EdgeRを使用して、カウントデータを分析した。低表示のORをフィルターで除去するために、ORが1954の試験試料のうち399を超えるものからのリードの少なくとも0.5%を含まなければならないカットオフを設定した。これは、細胞ライブラリー(MOR172-1、MOR176-1およびMOR181-1)において過小表示された42のORのうちの3つをフィルターで除去した。正規化係数は、EdgeRパッケージ機能calcNormFactorsを使用して決定され、glmFitは、40個のORのみがライブラリーに存在し、傾向分散値がデータによく適合したので、タグごとの分散に設定された分散と共に使用された。臭気物質が特異的ORを刺激したかどうかを決定するために、一般化直鎖状模型を計数データに当てはめることにより、それぞれのOR臭気物質相互作用の平均活性化とp値の両方を決定することができた。次に、このp値を、Benjamini&Hochberg補正を用いた内蔵のp.adjust機能を使用して複数の仮説検定について補正し、誤発見率(FDR)を得た。本発明者らは、相互作用する臭気物質-OR対を決定するために、1%の保守的カットオフを設定した。臭気物質とORとの間のそれぞれの相互作用について、本発明者らはさらに、OR-臭気物質相互作用が、2つの異なった濃度の臭気物質において、またはちょうど1000uM濃度において、カットオフを超えることを必要とした。
本発明者らは、Gomez-Bombarelliらに記載されているようなオートエンコーダを使用して、化学的空間におけるOR-化学相互作用を可視化した。著者らのアドバイスに従い、本発明者らは、オリジナルのインプリメンテーションが機能しないPython包装体を必要とするので、オートエンコーダの再インプリメンテーションを使用した。このモデルは、SMILESが120文字より長い分子を除いて、ChEMBL23データベース全体で0.99の検証精度に予め訓練されている。本発明者らは、この予め訓練されたモデルを使用して、本発明者らの168の化学物質(SMILES表示を見出すことができた)およびChEMBL23からの250,000のランダムにサンプリングされた化学物質の両方の潜在的表示を生成した。次に、scikit-learnを用いて主成分解析を行い、得られたマトリックスを2次元に投影した。
変異体ライブラリーの作成および機能評価の概要。本発明者らは、オリゴヌクレオチドマイクロアレイ上で変異配列を合成するが、各オリゴの長さ限界は約230ntであり、ADRB2は約1200nt長である。タンパク質の長さをカバーするために、8つの部分にセグメント化し、各変異体8番目を合成し、別々の背景ベクターにクローニングしなければならなかった。バリアントセグメントを増幅およびクローニングする場合、本発明者らは、15ntのランダムバーコードを各配列に付着させた。クローニングに際して、本発明者らは、次の遺伝子配列決定を用いて、各バーコードを各バリアントにマッピングした。その後、本発明者らは、バーコードをタンパク質の残りの部分にクローニングし、Gsシグナル伝達の際に発現する環状AMP応答エレメント(CRE)レポーター遺伝子の3’UTRに転位した。そこから、本発明者らは、セリンリコンビナーゼ技術を用いて、ΔADRB2 HEK293T細胞中の規定されたゲノム遺伝子座におけるライブラリーを、細胞当たり単一コピーで組み込んだ(多重化アッセイにおける変異体間のクロストークを防ぐために必須)。組み込み、種々のイソプロテレノール濃度を有するライブラリセルラインを刺激し、バーコードシークエンスでRNA-seqを実施した。各バーコードの相対的存在量は、表現のための正規化後の各B2バリアントの相対的活性として推論することができる。これを図21に示す。
Claims (15)
- 哺乳動物細胞の集団であって、
該哺乳動物細胞の集団の各哺乳動物細胞は、
(i)条件的プロモーターに作動可能に連結された異種レセプター遺伝子と;
(ii)レセプター応答性エレメントを含む誘導性レポーター
を含み、
該レセプター応答性エレメントが、
cAMP応答エレメント(CRE)、
活性化T細胞応答エレメントの核因子(NFAT-RE)、
血清応答エレメント(SRE)、または
血清応答因子応答エレメント(SRF-RE)
のうちの1つ以上を含み、
該誘導性レポーターは、該異種レセプター遺伝子によってコードされる異種レセプタータンパク質の活性化時に誘導され、
該誘導性レポーターは、該異種レセプター遺伝子に固有であるインデックス領域を含むバーコードを含み、
該個々の細胞は、異なる異種レセプター遺伝子を発現する、
前記哺乳動物細胞の集団。 - 前記異種レセプター遺伝子がGPCRをコードする、請求項1に記載の哺乳動物細胞の集団。
- 前記細胞が、1つ以上のアクセサリータンパク質をコードする1つ以上の遺伝子をさらに含み、該1つ以上のアクセサリータンパク質が、Gαサブユニット、Ric-8B、RTP1L、RTP2、RTP3、RTP4、CHMR3、およびRTP1Sのうちの1つ以上を含む、請求項1または2に記載の哺乳動物細胞の集団。
- 前記細胞が、前記異種レセプタータンパク質をコードする内因性核酸を欠いている、請求項1~3のいずれか1項に記載の哺乳動物細胞の集団。
- 前記異種レセプター遺伝子および/または前記誘導性レポーターが細胞のゲノムに組み込まれている、請求項1~4のいずれか1項に記載の哺乳動物細胞の集団。
- 組み込まれた前記異種レセプター遺伝子および/または誘導性レポーターが、標的指向させた組み込みによって組み込まれている、請求項5に記載の哺乳動物細胞の集団。
- 前記組み込みが、H11セーフハーバー遺伝子座内である、請求項6に記載の哺乳動物細胞の集団。
- 前記細胞が、少なくとも2コピーの前記異種レセプター遺伝子および/または誘導性レポーターを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の哺乳動物細胞の集団。
- 前記異種レセプター遺伝子の発現が条件的である、請求項1~8のいずれか1項に記載の哺乳動物細胞の集団。
- 前記バーコードおよび/またはインデックス領域が少なくとも10個の核酸である、請求項1~9のいずれか1項に記載の哺乳動物細胞の集団。
- 前記レポーターが蛍光タンパク質の遺伝子を含むか、またはさらに含み、該遺伝子が3’非翻訳領域(UTR)を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の哺乳動物細胞の集団。
- 前記バーコードが前記蛍光タンパク質の遺伝子の3’UTRに位置する、請求項11に記載の哺乳動物細胞の集団。
- 前記遺伝子がルシフェラーゼタンパク質をコードする、請求項11または12に記載の哺乳動物細胞の集団。
- 前記異種レセプター遺伝子が、5’末端および3’末端でインスレーター配列に隣接している、および/または前記レポーターが、5’および3’末端でインスレーター配列に隣接している、請求項1~13のいずれか1項に記載の哺乳動物細胞の集団。
- リガンドおよびレセプターの結合をスクリーニングするための方法であって、
請求項1~14のいずれか1項に記載の哺乳動物細胞の集団をリガンドと接触させる工程と、
1つ以上のレポーターを検出する工程と、
該1つ以上のレポーターの同一性を決定する工程と
を含み、
該レポーターの同一性は、結合したレセプターの同一性を示す、
方法。
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