JP7227542B2 - 光変調器の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多モード干渉(Multi Mode Interference:以下、MMIとする)導波路を有する光デバイスである光変調器の製造方法に関する。
近年、爆発的なデータ通信量の増大に伴い、光通信システムの大容量化が求められている。また、光通信システムに使われる光デバイスについても、集積化、複雑化、信号の高速化が進められている。
このような光デバイスとして、例えば光変調器が挙げられる。最近では、伝送容量を増大するため、光変調器の一例として、I/Q変調を行う光I/Q変調器が用いられる機会が多くなっている。但し、Iは、波形の同相(In-phase)成分を示すもので、Qは、直交位相(Quadrature)成分を示すものである。この光I/Q変調器は、様々な多値変調に対応するマッハ・ツェンダ(Mach-Zehnder:以下、MZとする)型光変調器をベースとしている。多値変調の一例として、四位相偏移変調(Quadrature Phase Shift Keying:QPSK)が挙げられる。また、多値変調の他の例として、16直角移送振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation:QAM)が挙げられる。
一方、光送信器モジュールの小型化、低駆動電圧化等が課題となっている。そこで、小型で低駆動電圧化が可能な半導体MZ型光変調器(以下、MZ型光変調器とする)の研究開発が精力的に進められている。MZ型光変調器の場合、製造時に半導体をエッチングで加工した後、再度結晶再成長を行い、埋め戻してから再度半導体をエッチングするという具合に、加工・埋戻しの処理工程が多数行われ、非常に処理工程が複雑となっている。このため、安定的な高歩留まり化が難しいと言われており、厳密な工程管理が非常に重要視されている。
ところで、従来では、MZ型光変調器等の光デバイスの製造時の作製工程中に作製後の光学特性を正確に推定することができないため、ウエハ完成前の外観検査等の光学特性評価の段階で光学特性を詳細に評価し、良否判定している。しかしながら、こうした手法によれば、良品のみならず、不良品までを作製から検査に至るまでの流れで実施することになるため、製品のチップのコストが増大する一因となっている。また、作製工程中に光学特性の良否判定を正確に行うことができず、ウエハにおいて突発的に歩留まりが低下する事態が発生することがあり、これが非常に問題となっている。
MZ型光変調器では、一般的に作製プロセスの完了後にチップ化してから光学特性を測定評価し、光学特性の良否を判定することになる。光学特性としては、消光比、挿入損失等が挙げられる。全ての作製工程を済ませ、検査する段階に至るまでを考えると、非常に時間を要するため、検査後に不良品が発生することは、製造コストを大幅に上げる要因に繋がってしまう。このため、検査に至るまで待たず、できるだけ早い段階で光学特性の良否を判定できるようにすることが製造コストを抑える上で重要である。具体的に云えば、作製工程中の検査で光学特性の良否を判定し、不良品扱いの場合には測定評価を行わない、ウエハ製造を途中で止める、或いは途中の工程をやり直して修正する等、を具現化できればコスト削減に非常に有効である。
MMI導波路を有する光変調器を例にすれば、MMI導波路幅の最適値は、大きく光学特性に影響を与えるため、これを管理することが非常に重要と考えられる。このMMI導波路幅の最適値は、シミュレーションに基づく設計値と、実際に作製したMMI導波路幅とでは、最適なMMI導波路幅にずれを生じている場合が多い。こうした場合、設計値を指標に光変調器を製造すると、作製時のMMI導波路幅が工程上でばらついた場合には、突発的に歩留まりが大きく低下する問題を生じ得る。
尚、MMI導波路を有する光変調器の製造に関連する周知技術として、非特許文献1には、リン化インジウムInPによる基板材料をベースに構成され、MMI光導波路を有するMZ型光変調器が開示されている。このMZ型光変調器によれば、MMI光導波路を加工するためのMMI導波路加工用マスク幅を適値にして製造すれば、光学特性を良好にできると説明されている。しかしながら、このMZ型光変調器では、製造工程において歩留まりの向上を実現するための具体的な技術については、考慮されていない。このため、非特許文献1記載の技術を適用しても、製造工程において製造途中でMMI導波路を有するチップの良否を判定し、歩留まりの向上を具現することが困難となっている。
InP PIC technologies for high-performance Mach-Zehnder modulator(28 January 2017)
本発明に係る実施形態は、上記問題点を解決するためになされたものである。本発明に係る実施形態の目的は、製造途中でMMI導波路を有する光変調器の良否を判定でき、歩留まりの向上を実現できる光変調器の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、MMI導波路を有する光変調器の製造方法であって、光変調器のチップ内に存在するMMI導波路を加工するために用いる導波路加工用マスク幅を少なくとも1箇所以上で測長するマスク幅測長ステップと、機械学習により導波路加工用マスク幅と光変調器の光学特性との関係を解析して予め作成した当該光変調器の標本データに基づいて、マスク幅測長ステップで測長した当該導波路加工用マスク幅が当該標本データの許容範囲に存在するか否かにより、事前にチップの光学特性の良否を予測判定するチップ良否判定ステップと、マスク幅測長ステップで測長した導波路加工用マスク幅がターゲットとなる導波路マスク幅からずれた場合、チップ良否判定ステップでの予測判定の結果で光学特性の否を示す頻度が予め規定した度合いに到達すると、マスク作製をし直すマスク作製し直しステップと、を有することを特徴とする。
上記プロセスを採用すれば、製造途中でMMI導波路を有する光変調器の良否を判定でき、歩留まりの向上を実現できるようになる。
本発明の光変調器の製造方法で製造対象となる光変調器の一例に係る半導体偏波多重型光I/Q変調器の機能構成を示した概略図である。(A)は半導体偏波多重型光I/Q変調器の上面方向からの平面図である。(B)は半導体偏波多重型光I/Q変調器を片偏波I/Q変調器として2分割した想定を模式化した平面図である。(C)は半導体偏波多重型光I/Q変調器におけるMMI導波路のX偏波、Y偏波に関する存在箇所を説明するために示したライン分けの平面図である。 周知のMZ型光変調器の製造方法に係るウエハ作製の概略を工程順に示したフローチャートである。 図1に示す半導体偏波多重型光I/Q変調器の製造方法のプロセスの要部となる導波路作製を工程順に示したフローチャートである。(A)は本発明の実施形態1に係る導波路作製を工程順に示したフローチャートである。(B)は一般的な導波路作製を工程順に示したフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態に係る光変調器の製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態)
図1は、本発明の光変調器の製造方法で製造対象となる光変調器の一例に係る半導体偏波多重型光I/Q変調器(以下、偏波多重型光I/Q変調器とする)10の機能構成を示した概略図である。図1(A)は偏波多重型光I/Q変調器10の上面方向からの平面図である。図1(B)は偏波多重型光I/Q変調器10を片偏波I/Q変調器10a、10bとして2分割した想定を模式化した平面図である。図1(C)は偏波多重型光I/Q変調器10におけるMMI導波路3のX偏波、Y偏波に関する存在箇所を説明するために示したライン分けの平面図である。
この偏波多重型光I/Q変調器10は、上記非特許文献1に開示されたもので、InPを材料とする半導体基板1をベースに構成され、MMI光導波路3を有するMZ型光変調器となっている。偏波多重型光I/Q変調器10の作製には、一般に半導体基板1の上面に形成される光入力を行う光導波路を分岐させ、分岐数分の制御・動作を行う電極を設け、分岐の合波を経て、X偏波、Y偏波の2系統の光出力が得られる構成とする。
図1(A)及び図1(C)を参照して、偏波多重型光I/Q変調器10のMMI導波路3の存在箇所を説明する。光入力側では、半導体基板1の上面に形成した光入力用の一つの光導波路2から3段分岐で横方向に8本の導波路を形成し、縦方向の3列のラインL1、L2、L3上に存在する合計7個の分岐箇所がMMI導波路3となっている。尚、横方向の8本の導波路の直線状部分には、それぞれ長尺の制御・動作用電極4aと短尺の制御・動作用電極4bとが直列に接続されている。
また、光出力側では、半導体基板1の上面における横方向の8本の導波路から2段の分岐の合波で横方向に2本で形成した導波路をX偏波、Y偏波の光出力用の二つの光導波路2a、2bとしている。そして、光出力側では、縦方向の2列のラインL4、L5上に存在する合計6個の分岐箇所がMMI導波路3となっている。尚、光出力側の1列目のラインL4の分岐の合波の箇所から2列目のラインL5の分岐の合波の箇所に至る横方向の4本の導波路の直線状部分にも、他の短尺の制御・動作用電極4cが接続されている。
要するに、偏波多重型光I/Q変調器10を作製する場合には、一つの光導波路2から3段分岐で横方向の8本の導波路を形成し、分岐の合波を経てX偏波、Y偏波の光出力用の二つの光導波路2a、2bを形成する必要がある。ここでは、分岐と合波との動作を担うMMI導波路3として、縦方向の5列分のラインL1~L5上に存在する総計13個分を使用することになる。この偏波多重型光I/Q変調器10では、X偏波、Y偏波が対称構造であるため、例えばラインL2~L5上に存在するMMI導波路3は、X偏波、Y偏波で同じ縦方向の列のラインL2~L5上に存在することになる。
更に、参考構成とする図1(B)を参照すれば、偏波多重型光I/Q変調器10を2分割して片偏波I/Q変調器10a、10bとした場合には、上述した光入力側の光入力用の一つの光導波路2が存在しなくなる。このため、片偏波I/Q変調器10a、10bのそれぞれで合計6個のMMI導波路3が必要となる。ここで、MMI導波路3の数を意図的に増設したレイアウト等にすることも可能であるが、MMI導波路3は、光学特性に大きく影響を与える要件の1つであるため、なるべく少なくなるように設計することが望ましい。また、導波路パターンの密度、プロセスの安定性を考慮すると、X偏波とY偏波とでは、導波路パターンが対称構造とされるのが一般的である。即ち、X偏波及びY偏波とI/Qとの間でMMI導波路3の位置を変えることも可能であるが、上記理由により同じレイアウトとするため、MMI導波路3が縦方向に同じ列に並んで存在することになる。
次に、MMI導波路3の機能について説明する。MMI導波路3は、入射されて導波路を伝搬した光を分岐、合波して出射用の導波路へ伝搬するために用いられている。MMI導波路3の仕上がりサイズが設計上のMMI導波路3の長さ、幅等が最適値から大きくずれてしまうと、光学特性(特に消光比及び挿入損失)が大きく劣化することが知られている。この点は、InP材料による光変調器で用いられる一般的なMMIは、波長依存性を有し、サイズが最適値からずれると、使用波長範囲内で長波側又は短波長側の波長特性が大きく劣化し、不良品を作製してしまうことを意味する。尚、上記波長依存性は、例えばMMIの過剰損失について、横軸を波長、縦軸をMMIの過剰損失とすると、上方に凸状の2次曲線形状のカーブを描く場合を想定している。
こうした事情により、MMI導波路3のサイズ(特に幅及び長さ)を管理することは、非常に重要であると言える。特に、一般的にMMI導波路3の形状は、長さと比べて幅の方が非常に小さく、しかもMMI導波路3の幅はサイズの揺らぎに敏感であるため、MMI導波路3の幅を管理することが最重要であると考えられる。例えば、MMI導波路3の幅と比べてMMI導波路3の長さは、10~20倍程度のものが用いられることが多い。これに対し、MMI導波路3の幅は10μm以下のものが用いられることが多く、少なくともサブミクロンオーダーでの管理が求められている。
図2は、周知のMZ型光変調器の製造方法に係るウエハ作製の概略を工程順に示したフローチャートである。尚、以下では、作製工程と製造工程とが同じ意味を示し、処理は工程を示すものとする。
図2を参照すれば、係るウエハ作製の工程では、作製開始により、まず結晶成長(ステップS201)の処理において、リン化インジウムInPを材料として基板となる半導体の結晶成長を実施する。その他の代替材料として、ヒ化ガリウムGaAs、シリコンSi等を用いても良い。次に、半導体加工(ステップS202)の処理において、エッチング等により半導体基板を所望の形状に加工する。更に、結晶再成長(ステップS203)の処理において、加工された半導体基板への結晶再成長を実施する。
引き続き、導波路加工(ステップS204)の処理において、半導体基板の上面を二酸化シリコンSiO等による薄膜で覆い、設定済み微細導波路パターンに従って光導波路を形成する。尚、光導波路は、光の通り路となるコアをクラッドで覆って構成される。また、パッシベーション(絶縁)膜成膜(ステップS205)の処理において、絶縁膜を成膜して光導波路を覆う。この後、パッシベーション(絶縁)膜加工(ステップS206)の処理において、エッチング等により電極形成箇所が得られるように不要な絶縁膜を除去する。
更に、電極蒸着(ステップS207)の処理において、電極形成箇所に対して金属ガス等を蒸着させて電極を設ける。この後は、誘電体膜形成(ステップS208)の処理において、絶縁が必要な箇所へ誘電体膜を形成する。そして、誘電体膜加工(ステップS209)の処理において、エッチング等により電極メッキを施す箇所を確保するように不要な誘電体膜を除去する。
この後、電極メッキ(ステップS210)の処理において、確保した領域に電極メッキを施す。最終的に、外観検査(ステップS211)の処理を実施し、欠陥が不良品の認定要因とならない程度であれば、ウエハ完成に至る。但し、外観検査(ステップS211)の処理だけでは、見落としが生じる場合もあるため、その他に測定評価が行われる場合が多い。
このように、半導体の結晶成長、半導体基板の加工、電極の形成等を経て、ウエハ外観検査を行った結果、不良品の認定要因が無ければウエハプロセスを完了する。しかし、こうした一般的なMZ型光変調器の製造方法に係るウエハの作製工程の流れでは、作製工程中での良否判定、やり直し工程が想定されていないため、作製後の外観検査で良否判定をすることになる。このため、ウエハ外観検査の作製工程のやり直しがあると、MZ型光変調器の光学特性が良品判定されるまでの段階に至る製造コストをアップさせる要因となってしまう。
そこで、本発明は、ウエハの作製工程中の検査で光学特性の良否を判定し、不良品扱いの場合には光学特性の測定評価を行わない、ウエハ製造を途中で止める、或いは途中の工程をやり直して修正する等、を具現することを目的とする。本発明者等は、種々研究・実験を重ねた結果、図2を参照して説明したウエハの製造工程のうち、特に導波路加工(ステップS204)の処理での光学特性の不良発生が高くなっていることを発見した。それ故、この処理で検査を実施し、やり直しが必要であれば実施すれば、外観検査(ステップS211)の処理の結果を待たずに早期に光学特性の良否判定が可能となり、歩留まりの低下を防いで歩留まりの向上を実現できることを見出した。
図3は、上述した偏波多重型光I/Q変調器10の製造方法のプロセスの要部となる導波路作製を工程順に示したフローチャートである。図3(A)は本発明の実施形態1に係る導波路作製を工程順に示したフローチャートである。図3(B)は一般的な導波路作製を工程順に示したフローチャートである。尚、偏波多重型光I/Q変調器10の製造方法に係る作製工程の要部となる導波路作製は、図2を参照して説明したMZ型光変調器の作製工程中の導波路加工(ステップS204)の処理に代替できるものである。また、それ以外の作製工程を図2の作製工程と同じ手順で適用すれば、偏波多重型光I/Q変調器10を製造することができる。
図3(A)を参照すれば、導波路作製の工程では、まずハードマスク材料堆積(ステップS301)の処理として、結晶再成長が実施された半導体基板の上面にSiO等によるハードマスク材料を堆積する。この後、ソフトマスク材料塗布(ステップS302)の処理において、フォトレジストとなるソフトマスク材料をハードマスク材料の上面に塗布する。更に、露光(ステップS303)の処理として、描画装置でソフトマスク材料に所望の導波路パターン(MMI導波路3を含む)をパターニングして描画することにより、露光を行う。露光後には、レジストマスク幅が存在することになる。そして、ハードマスク加工(ステップS304)の処理として、エッチング等によりハードマスク材料を所望の形状に加工する。
引き続き、ハードマスク幅測長(ステップS305)の処理において、マスク幅測長ステップを実行する。このマスク幅測長ステップは、偏波多重型光I/Q変調器10のチップ内に存在するMMI導波路3を加工するために用いる導波路加工用マスク幅を少なくとも1箇所以上で測長するものである。そして、機械学習結果に基づくハードマスク幅の良否判定(ステップS306)の処理において、チップ良否判定ステップを実行する。このチップ良否判定ステップは、機械学習により導波路加工用マスク幅と光変調器の光学特性との関係を解析してMMI導波路3の幅を所定に振って予め作成した偏波多重型光I/Q変調器10の標本データを利用する。具体的に云えば、チップ良否判定ステップでは、マスク幅測長ステップ(ステップS305)で測長した導波路加工用マスク幅が標本データの許容範囲に存在するか否かにより、事前にチップの光学特性の良否を予測判定するものである。
上記判定(ステップS306)の処理の結果、ハードマスク幅の不良(否)が判定され、その光学特性の否を示す頻度が予め規定した度合い(割合)に到達すると、マスク作製をし直す。マスク作製し直しでは、ハードマスク除去(ステップS307)の処理を行ってからハードマスク材料堆積(ステップS301)の処理へ戻る。この流れがマスク作製をし直すことを意味し、マスク作製し直しステップが実施されることになる。尚、初期時及びマスク作製し直し時における導波路加工用マスク幅は、例えば後述する回帰モデルで直前に推定された導波路マスク幅の最適値に設定する場合を例示できる。このマスク作製し直しステップは、マスク幅測長ステップ(ステップS305)で測長した導波路加工用マスク幅がターゲットとなる導波路マスク幅からずれた場合に実施される。本実施形態では、機械学習による予測判定の結果、不良(否)判定の頻度が予め規定した割合として、10%以上のチップ数に至れば、マスク作製をし直す場合を例示できる。換言すれば、上記判定(ステップS306)の処理の結果、ハードマスク幅の不良(否)が判定されても、その頻度が10%に到達しなければ、ハードマスク幅の良判定時と同様に、導波路加工(ステップS309)の処理へ移行する。
尚、マスク幅測長ステップ(ステップS305)では、偏波多重型光I/Q変調器10のチップ内に存在する全ての段における少なくとも1箇所以上の導波路加工用マスク幅(ハードマスク幅)を測長する。また、チップ良否判定ステップでは、全ての段における少なくとも1箇所以上の導波路加工用マスク幅(ハードマスク幅)を用いて、チップの光学特性の良否を予測判定する。チップの光学特性は、消光比、挿入損失等が挙げられ、3種類以上の光学特性データを利用することが好ましい。更に、チップ良否判定ステップでは、測長される導波路加工用マスク幅(ハードマスク幅)と、偏波多重型光I/Q変調器10の少なくとも3種類以上の光学特性と、に基づいて、機械学習により導波路マスク幅の最適値を算出する。機械学習の細部については、後文で詳述する。
ところで、導波路加工用マスク幅(ハードマスク幅)とターゲットの導波路マスク幅とのずれが生じたまま導波路加工(ステップS309)が実施されると、光学特性の劣化を来す要因となることは、一般的に知られている。そこで、実施形態では、マスク作製し直しステップを実施するようにしている。このマスク作製し直しステップでは、ハードマスク幅がターゲットとなる導波路マスク幅からずれた場合、チップ良否判定ステップでの予測判定の結果で光学特性の否を示す頻度が予め規定した度合いに到達すると、マスク作製をし直す。規定の度合いは、上述したようにハードマスク幅がターゲットとなる導波路マスク幅からチップ群で構成されるウエハ面内で10%以上のチップ数に至ってずれている場合に該当する。この規定の度合いは、上記機械学習による統計処理の利用の一例を示したもので、適宜変更することが可能である。
また、上記判定(ステップS306)の処理の結果、導波路加工用マスク幅(ハードマスク幅)の良好(良)が判定されると、導波路加工(ステップS309)の処理に移行する。この導波路加工(ステップS309)の処理は、上述したようにハードマスク幅が不良判定されても、その頻度が10%に到達しない場合においても実施される。導波路加工(ステップS309)の処理において、設定済み微細導波路パターンに従って、先のハードマスク加工(ステップS304)の処理後の半導体基板の上面を導波路加工する。これにより、光導波路を形成し、導波路完成とする。
図3(B)を参照すれば、一般的な導波路作製の工程では、図3(B)に示すステップS305の処理、ステップS306の処理、及びステップS307の処理が実施されない。即ち、この導波路作製の工程では、ハードマスク材料堆積(ステップS311)の処理、ソフトマスク材料塗布(ステップS312)の処理、露光(ステップS313)の処理、ハードマスク加工(ステップS314)の処理が実施される。そして、この後に継続して導波路加工(ステップS315)の処理が実施され、導波路完成に至る流れになる。
一般的な導波路作製の工程においても、マスク幅等を観察することが有り得るとしても、その場合にはウエハ全体で数箇所等の非常に数が少ない箇所を観察するものと推察される。本実施形態の場合、ハードマスク加工(ステップS304)の処理の後、マスク幅測長ステップ(ステップS305)でチップ毎に導波路加工用マスク幅(ハードマスク幅)を少なくとも1箇所測長している。そして、チップ良否判定ステップにおいて、機械学習により測長した導波路加工用マスク幅(ハードマスク幅)と偏波多重型光I/Q変調器10の光学特性との関係を解析して予め標本データを作成している。また、マスク幅測長ステップ(ステップS305)で測長した導波路加工用マスク幅(ハードマスク幅が標本データの許容範囲に存在するか否かにより、事前にチップの光学特性の良否を予測判定している。更に、機械学習結果に基づくハードマスク幅の良否判定(ステップS306)による予測判定の結果で光学特性の否を示す頻度が予め規定した度合いに到達すると、マスク作製をし直すようにしている。
この結果、導波路作製のプロセス工程中の検査データから外観検査の結果を待たず、早期にチップの光学特性の良否判定を行うことができる。また、ターゲットとなる導波路マスク幅から大幅にずれたことが確認された場合には、半導体エッチングによる導波路加工(ステップS309)の処理の実施前であるため、導波路作製のプロセス工程をやり直すことが可能になる。これにより、ウエハ作製時の歩留まりの低下を防ぎ、歩留まりの向上を実現することができる。
ところで、図3(A)に示す導波路作製の工程では、最も導波路加工に近いという理由でハードマスク幅を検査対象として選択した場合を例示しているが、これに代えて露光後のレジストマスク幅を検査対象にしても良い。但し、レジストマスク幅を対象として選択した場合には、ハードマスク加工(ステップS304)の処理時の条件、ばらつき等を加味し、チップの光学特性の良否を判定する必要がある。検査対象は、ハードマスク幅、レジストマスク幅等のMMI導波路加工用マスク幅であれば良いので、以下は導波路加工用マスク幅とする。
図3(A)に示す導波路作製の場合、一般的な導波路作製とは異なり、1チップ毎に導波路加工用マスク幅を少なくとも1箇所以上で測長することになるため、見かけ上の検査時間が増加することになる。しかしながら、やり直しを実施することで復活させることが可能となり、その後の無駄な不良品の発生が極力減じることを考慮すれば、製造コストを低減化させる上で有効になるため、やり直しの影響は十分小さいと言える。また、やり直しコストを考慮すれば、上述したようにウエハ面内で10%以上のチップが導波路加工用マスク幅の光学特性の良否判定で不良判定された場合のみ、作製工程をやり直す判断を下すようにすれば、コスト面で有効となる。
その他、1チップ毎に少なくとも1箇所以上の導波路加工用マスク幅を測長するとなると、3インチウエハを想定すると、少なくとも数百箇所の導波路加工用マスク幅を測長することになる。このため、自動測長走査型電子顕微鏡(SEM)が必要となり、MMI導波路3の幅依存性を考えると、上記電子顕微鏡(SEM)の分解能は、0.05μm以下であることが望ましい。
また、1チップ当たり1箇所の導波路加工用マスク幅のみを測長する上で最も特性に影響を与える1段目のMMI導波路3を選択することが望ましいが、勿論別の段のMMI導波路3を選択しても良い。更に、チップの光学特性の良否判定の精度を高める上で全数のMMI導波路3の導波路加工用マスク幅を測長することが望ましいが、こうした場合には1ウエハ当たりの測長数が増え過ぎてしまうことが問題になる。このため、チップの光学特性の良否判定の精度を維持する場合には、少なくとも1段の縦方向で1つ以上のMMI導波路3の導波路加工用マスク幅を測長するのが最も効率が良いと言える。
図1(C)に示す偏波多重型光I/Q変調器10を参照して、最も効率が良いMMI導波路3の選択を具体的に説明する。光入力側では、1列目のラインL1上のMMI導波路3を1つ、2列目のラインL2上の2つのMMI導波路3のうちの何れか1つ、3列目のラインL3上の4つのMMI導波路3のうちの任意の1つをそれぞれ測長することを示す。光出力側では、4列目のラインL4上の4つのMMI導波路3のうち任意の1つ、5列目のラインL5上の2つのMMI導波路3のうち任意の1つをそれぞれ測長することを示す。
以下は、機械学習の技術による導波路マスク幅の最適値の算出、及びチップの光学特性の良否判定についての細部を説明する。最適な導波路マスク幅の算出には、機械学習のデータとして、導波路加工用マスク幅のデータ、及び係る導波路加工用マスク幅によるチップ作成後の3種類以上の光学特性のデータが必要となる。3種類以上の光学特性のデータとして、使用波長帯域における少なくとも中心波長、短波長、及び長波長の3波長以上のデータが挙げられる。
上記3波長以上のデータが必要な理由は、MMI導波路3が波長依存性を有しているためである。例えば、1波長だけに注目してしまうと、長波側のみを観ていた場合には、長波側を一層良い状態にすると、短波側の光学特性が劣化するという事態が生じる。この結果、間違った導波路マスク幅の最適値を見つけてしまう事態に至り易くなる。こうした事情により、少なくとも中心波長、短波長、及び長波長の3波長以上の光学特性のデータが必要となる。光学特性のデータとしては、導波路マスク幅が最も影響を与える要素である消光比、及び挿入損失のうちの少なくとも一方のデータを用いることが望ましい。
以下は、具体的に、消光比を光学特性のデータとして用いた場合の機械学習による導波路マスク幅の最適値の算出方法について説明する。但し、ここでは、図1(C)を参照して説明したMMI導波路3の選択パターンとは異なる選定を説明する。
まず、C帯波長全域の特性を担保するために短波長(1527nm)、中心波長(1550nm)、及び長波長(1565nm)の3波長に対して、機械学習では、それぞれ回帰モデルを構築する必要がある。例えば、波長j(j=1:1527nm、j=2:1550nm、j=3:1565nm)に対する回帰モデルを、従属変数yに対して、y=b-Σ{I(m>tij)wij +I(m≦tij)wij }xij[但し、Σはi=1から7までを加算する]なる関係式で与える。
但し、上記関係式の従属変数yは、波長jの場合の消光比である。iは、MMI導波路3の選定される位置を示す。例えば、i=1は第1の位置が1段目のMMI導波路3にあり、i=2は第2の位置が2段目のMMI導波路3にあり、i=3,4は第3の位置,第4の位置が3段目のMMI導波路3にあることを示す。また、i=5,6は第5の位置,第6の位置が4段目のMMI光導波路3にあり、i=7は第7の位置が5段目のMMI導波路3にある場合を例示できる。mは、MMI導波路3に係る導波路加工用マスク幅m=(m、m、…、m、…、m)なる関係に含まれる任意な位置の導波路加工用マスク幅を示す。tijは、任意な位置のMMI導波路3に係る導波路マスク幅の最適値t=(t1j、…、tij、…、t7j)なる関係に含まれ、波長jに対する導波路マスク幅の最適値を表わす。xijは、説明変数x=(x1j、…、xij、…、x7j)なる関係に含まれ、i番目の導波路加工用マスク幅mの波長jにおける導波路マスク幅の最適値tijからの誤差で与える値を示す。I(m>tij)は、指示関数を示し、括弧内のm>tijが成立する場合に1、成立しない場合に0となる。その他、回帰モデルの正の数で与えられるパラメータw=(b、w1j 、…、wij 、…、w7j 、…、w1j 、…、wij 、…、w7j )なる関係に含まれるwij 、wij は、重み付けであり、+表記は増加、-表記は減少を示す。また、パラメータwに含まれるbは、波長j毎に与える定数である。尚、ここでは、i番目の導波路加工用マスク幅mが導波路マスク幅の最適値tijから離れる程、消光比が小さくなると仮定する。そして、回帰モデルおいて、パラメータwの全ての要素が0以上になるように制約を与えて観測データから学習し、チップの光学特性の良否を予測判定する。
このような回帰モデルを用いて、導波路マスク幅の最適値を以下に示す手順1)~3)に従って算出する。手順1)では、機械学習の一般的な手法である交差確認(交差検証とも呼ばれる)により、波長j毎に消光比の予想誤差が最小になるMMI導波路3に係る導波路加工用マスク幅を、導波路マスク幅の最適値tijの推定値として推定する。尚、交差確認は、統計処理を用いた機械学習において、一般的に知られる技術で、例えばサイト「https://mathwords.net/kousakakunin、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E5%B7%AE%E6%A4%9C%E8%A8%BC」等に概要が記載されている。
手順2)では、波長j毎のMMI導波路3に係る導波路マスク幅の最適値tijの推定値を用いた場合の回帰モデルにおけるパラメータwの最適値の推定値を推定する。手順3)では、回帰モデルを用いて計算される複数の波長に対する消光比の推定値の平均が最大になるMMI導波路3に係る導波路マスク幅を最適値moptとして推定する。このような手順1)~3)の解析手法を適用することにより、3波長を総合的に観た場合に、消光比が最良となるMMI導波路3に係る導波路マスク幅の最適値tijを算出することができる。
但し、ここで説明した解析手法は一例であり、消光比の場合のみを表わしているが、MMI導波路3に係る導波路マスク幅の最適値tijを挿入損失に基づいて算出することも可能である。この場合にも、上述した手順1)~3)の解析手法を適用することができ、手順3)で挿入損失の推定値の平均を最小にするMMI導波路3に係る導波路マスク幅を最適値tijとして算出すれば良い。その理由は、光学特性において、消光比は値が大きい程、良好な特性であり、挿入損失は値が小さい程、良好な特性を示すためである。このようにして、消光比、及び挿入損失の何れかに基づいて、MMI導波路3の幅を最適化することができる。更に、消光比及び挿入損失の両方が最適化されるようにMMI導波路3に係る導波路マスク幅の最適値tijを算出して、導波路マスク幅を設定し、導波路マスク幅を最適化すれば、最も望ましいと言える。尚、回帰モデルには、統計処理上で知られる最小二乗法を利用した重回帰モデル等もあり、こうした重回帰モデルへの適用も可能である。従って、回帰モデルは、開示した内容に限定されない。
何れにせよ、信頼できる光学特性の良否判定を実現するためには、予め作成する光変調器の標本データのデータベースとしての質が重要になる。標本データは、予めMMI導波路3の幅を±2~3%程度振った試作チップの光学特性のデータ及び導波路マスク幅のデータを1000チップ分程度使用して作成しておくことが望ましい。また、標本データの許容範囲は、上記±2~3%程度を超えた導波路加工用マスク幅の偏差に該当するように設定すれば良い。これは、統計処理上で解析及び光学特性の良否判定の精度を高めるために必要な観点である。マスク作製をし直すための光学特性の否を示す頻度について規定する度合いは、状況に応じて任意に変更することが望ましい。尚、図2を参照して説明したMZ光変調器、図1と図3(A)及び図3(B)とを参照して説明した偏波多重型光I/Q変調器10は、実施形態の製造対象となる光変調器の例示とみなして良い。但し、こうした場合、リン化インジウムInPの基板材料をベースに構成されることになるが、その他の代替材料として、ヒ化ガリウムGaAs、シリコンSi等を用いても良い旨は、上述した通りである。
チップ良否判定ステップに適用される機械学習に係る技術は、下記のように総括できる。即ち、チップ良否判定ステップでは、導波路マスク幅の最適値の算出に際し、測長される導波路加工用マスク幅と光学特性とに対して、それぞれに構築した回帰モデルを用いる。そして、チップ良否判定ステップでは、交差確認法により光学特性の予想誤差が最小になるような導波路マスク幅の最適値を波長毎に推定値として推定する第1処理を実施する。また、チップ良否判定ステップでは、波長毎の最適値の推定値を用いた場合の回帰モデルのパラメータの最適値の推定値を推定する第2処理を実施する。更に、チップ良否判定ステップでは、回帰モデルを用いて計算される複数の波長に対する光学特性の推定値の平均が最大又は最小となる導波路マスク幅を最適値として推定する第3処理を実施する。
上記チップ良否判定ステップでは、光学特性を消光比、及び挿入損失の少なくとも一方とし、第3処理は、光学特性が消光比であれば光学特性の推定値の平均が最大となるようにする。これに対し、光学特性が挿入損失であれば光学特性の推定値の平均が最小となるようにする。こうした場合、チップ良否判定ステップでは、光学特性を少なくとも光変調器の使用波長帯の中心波長、短波長、及び長波長を含む波長データとする。また、第3処理は、波長データにおける消光比、及び挿入損失の少なくとも一方が最良となる導波路マスク幅を最適幅として推定する。
以上に説明した光変調器の製造方法によれば、良好な光学特性を実現するため、導波路作製時にMMI光導波路3を加工するための使用波長帯全域を考慮した導波路加工用マスク幅を少なくとも1箇所以上で測長している。そして、機械学習により導波路加工用マスク幅と光変調器の光学特性との関係を解析して予め作成した標本データを利用している。即ち、測長した導波路加工用マスク幅が標本データの許容範囲に存在するか否かにより、事前にチップの光学特性の良否を予測判定し、予測判定の結果で光学特性の否を示す頻度が予め規定した度合いに到達すると、導波路作製をやり直す。この結果、製造途中でMMI導波路3を有する光変調器のチップ良否を判定でき、ウエハ作製時の歩留まりの低下を防ぎ、歩留まりの向上を実現できるようになる。

Claims (8)

  1. 半導体基板上に形成された多モード干渉導波路を有するマッハ・ツェンダ型の光変調器の製造方法であって、
    前記光変調器のチップ内に存在する前記多モード干渉導波路を加工するために用いる導波路加工用マスク幅を少なくとも1箇所以上で測長するマスク幅測長ステップと、
    機械学習により前記導波路加工用マスク幅と前記光変調器の光学特性との関係を解析して予め作成した当該光変調器の標本データに基づいて、前記マスク幅測長ステップで測長した当該導波路加工用マスク幅が当該標本データの許容範囲に存在するか否かによって、事前に前記チップの光学特性の良否を予測判定するチップ良否判定ステップと、
    前記マスク幅測長ステップで測長した前記導波路加工用マスク幅がターゲットとなる導波路マスク幅からずれた場合、前記チップ良否判定ステップでの前記予測判定の結果で前記光学特性の否を示す頻度が予め規定した度合いに到達すると、マスク作製をし直すマスク作製し直しステップと、を有する
    ことを特徴とする光変調器の製造方法。
  2. 前記マスク幅測長ステップは、前記光変調器のチップ内に存在する全ての段における少なくとも1箇所以上の前記導波路加工用マスク幅を測長し、
    前記チップ良否判定ステップは、前記全ての段における少なくとも1箇所以上の前記導波路加工用マスク幅を用いて、前記チップの光学特性の良否を予測判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光変調器の製造方法。
  3. 前記マスク作製し直しステップは、前記導波路加工用マスク幅がターゲットとなる前記導波路マスク幅から前記チップを成すウエハ面内で10%以上のチップ数に至ってずれていれば、前記マスク作製をし直す
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光変調器の製造方法。
  4. 前記チップ良否判定ステップは、前記マスク幅測長ステップで測長される前記導波路加工用マスク幅と、前記光変調器の少なくとも3波長以上の光学特性と、に基づいて、前記機械学習により前記導波路マスク幅の最適値を算出する
    ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の光変調器の製造方法。
  5. 前記チップ良否判定ステップは、前記導波路マスク幅の前記最適値の算出に際し、測長される前記導波路加工用マスク幅と前記光学特性とに対して、それぞれに構築した回帰モデルを用いて、交差確認法により当該光学特性の予想誤差が最小になるような当該導波路マスク幅の最適値を波長毎に推定値として推定する第1処理、当該波長毎の当該最適値の推定値を用いた場合の当該回帰モデルのパラメータの最適値の推定値を推定する第2処理、及び当該回帰モデルを用いて計算される複数の波長に対する当該光学特性の推定値の平均が最大又は最小となる当該導波路マスク幅を最適値として推定する第3処理を実施する
    ことを特徴とする請求項4に記載の光変調器の製造方法。
  6. 前記チップ良否判定ステップは、前記光学特性を消光比、及び挿入損失の少なくとも一方とし、
    前記第3処理は、前記光学特性が前記消光比であれば前記光学特性の推定値の平均が前記最大となるようにし、前記光学特性が前記挿入損失であれば前記光学特性の推定値の平均が前記最小となるようにする
    ことを特徴とする請求項5に記載の光変調器の製造方法。
  7. 前記チップ良否判定ステップは、前記光学特性を少なくとも前記光変調器の使用波長帯の中心波長、短波長、及び長波長を含む波長データとし、
    前記第3処理は、前記波長データにおける前記消光比、及び前記挿入損失の少なくとも一方が最良となる前記導波路マスク幅を最適幅として推定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の光変調器の製造方法。
  8. 前記光変調器として、InP、GaAs、Siから選ばれた基板材料をベースに構成されるマッハ・ツェンダ型変調器又は偏波多重型光I/Q変調器を製造対象とする
    ことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の光変調器の製造方法。
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