JP7226979B2 - 蓄電デバイス用外装材及び蓄電デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、スマートフォン、タブレット等の携帯機器に使用される電池やコンデンサ、ハイブリッド自動車、電気自動車、風力発電、太陽光発電、夜間電気の蓄電用に使用される電池やコンデンサ等の蓄電デバイス用の外装材および該外装材で外装された蓄電デバイスに関する。
なお、本明細書において、「ぬれ張力」の語は、JIS K6768-1999に準拠して測定されるぬれ指数(表面張力)を意味する。
近年、スマートフォン、タブレット端末等のモバイル電気機器の薄型化、軽量化に伴い、これらに搭載されるリチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気2重層コンデンサ等の蓄電デバイスの外装材としては、従来の金属缶に代えて、耐熱性樹脂層/接着剤層/金属箔層/接着剤層/熱可塑性樹脂層(内側シーラント層)からなる積層体が用いられている。また、電気自動車等の電源、蓄電用途の大型電源、キャパシタ等も上記構成の積層体(外装材)で外装されることも増えてきている。前記積層体に対して張り出し成形や深絞り成形が行われることによって、略直方体形状等の立体形状に成形される。このような立体形状に成形することにより、蓄電デバイス本体部を収容するための収容空間を確保することができる。
このような立体形状にピンホールや破断等なく良好状態に成形するには内側シーラント層の表面の滑り性を向上させることが求められる。内側シーラント層の表面の滑り性を向上させて良好な成形性を確保するものとして、内側シーラント層にアンチブロッキング剤(AB剤)を含有せしめた構成のものが公知である(特許文献1参照)。
更に、耐熱性樹脂層の表面にも滑剤のコーティング層を形成することで、成形性をさらに向上させて成形深さの深い成形を行うことが提案されている(特許文献2参照)。
特開2001-266811号公報 特許第6222183号公報
ところで、外装材で外装された電池は、他の電子回路等と一緒に筐体内に収納されることが多いが、この時、電池が他の電子回路と接触しないように電池外装材の外面に粘着テープを貼り付けて固定することが行われているが、外装材の外面に滑剤が存在していてはテープの密着性が十分に得られない(粘着テープが剥がれやすい)という問題があった。脂肪酸アマイド系滑剤は、内側シーラント層の中で移動しやすいものであることから、多用されている。外装材を作製した後に、耐熱性樹脂層と内側シーラント層とが接触するようにロール状に外装材を巻き取り、加熱エージング処理を行うことにより接着剤の硬化を行うが、このような加熱エージング処理によって内側シーラント層の脂肪酸アマイド系滑剤が、耐熱性樹脂層の表面に十分に転写されやすいものの、この時、加熱エージング処理によって脂肪酸アマイド系滑剤の疎水部が最表面側に配向するものとなることで表面の濡れ性が低下する。その結果、テープの密着性や印字性が悪くなる(印字がにじむ)という問題があった。即ち、脂肪酸アマイド系滑剤を使用することにより転写が十分なものになって成形性は向上させることができる一方、テープ密着性を低下させてしまうという問題があった。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、テープ密着性が良好であると共に成形性に優れた蓄電デバイス用外装材を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]外側層としての耐熱性樹脂層と、内側層としての熱融着性樹脂層と、これら両層間に配置された金属箔層と、を含む蓄電デバイス用外装材であって、
前記耐熱性樹脂層の外面に脂肪酸アマイド系滑剤を含むスリップ層が形成され、前記耐熱性樹脂層における少なくともスリップ層側の表面領域に界面活性剤を含有することを特徴とする蓄電デバイス用外装材。
[2]前記耐熱性樹脂層における界面活性剤含有領域での界面活性剤含有率が500ppm~30000ppmである前項1に記載の蓄電デバイス用外装材。
[3]外側層としての耐熱性樹脂層と、内側層としての熱融着性樹脂層と、これら両層間に配置された金属箔層と、を含む蓄電デバイス用外装材であって、
前記耐熱性樹脂層の外面に保護樹脂層が形成され、前記保護樹脂層の外面に脂肪酸アマイド系滑剤を含むスリップ層が形成され、前記保護樹脂層における少なくともスリップ層側の表面領域に界面活性剤を含有することを特徴とする蓄電デバイス用外装材。
[4]前記保護樹脂層における界面活性剤含有領域での界面活性剤含有率が500ppm~30000ppmである前項3に記載の蓄電デバイス用外装材。
[5]前記スリップ層における脂肪酸アマイド系滑剤の含有量が0.10μg/cm2~1.0μg/cm2である前項1~4のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
[6]前記熱融着性樹脂層は、脂肪酸アマイド系滑剤およびアンチブロッキング剤を含有するポリオレフィン樹脂で形成されている前項1~5のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
[7]蓄電デバイス本体部と、
前項1~6のいずれか1項に記載の外装材と、を備え、
前記蓄電デバイス本体部が、前記外装材で外装されていることを特徴とする蓄電デバイス。
[1]の発明では、外面に脂肪酸アマイド系滑剤を含むスリップ層が形成されているので、成形性に優れている。また、スリップ層に接して界面活性剤含有層(耐熱性樹脂層)が存在するので、濡れ性が良くテープ密着性が良好である。これは、ヒートエージングにより加熱された時に脂肪酸アマイド系滑剤に起こる配向(疎水基が表面側に揃うこと)が界面活性剤により阻害されるので、おそらく滑剤の親水基の少なくとも一部を表面側に露出させることができて、脂肪酸アマイド系滑剤が存在していても濡れ性が良くなると推定される(推定であって定かではない)。
[2]の発明では、界面活性剤含有率が500ppm~30000ppmであるから、表面の濡れ性をより向上できてテープ密着性をさらに向上できると共に、耐熱性樹脂層の透明性や機械的特性を損なうことがない。
[3]の発明では、外面に脂肪酸アマイド系滑剤を含むスリップ層が形成されているので、成形性に優れている。また、スリップ層に接して界面活性剤含有層(保護樹脂層)が存在するので、濡れ性が良くテープ密着性が良好である。これは、ヒートエージングにより加熱された時に脂肪酸アマイド系滑剤に起こる配向(疎水基が表面側に揃うこと)が界面活性剤により阻害されるので、おそらく滑剤の親水基の少なくとも一部を表面側に露出させることができて、脂肪酸アマイド系滑剤が存在していても濡れ性が良くなると推定される(推定であって定かではない)。
[4]の発明では、界面活性剤含有率が500ppm~30000ppmであるから、表面の濡れ性をより向上できてテープ密着性をさらに向上できると共に、耐熱性樹脂層の透明性を損なうことがない。
[5]の発明では、0.10μg/cm2以上であることで成形性をより向上できると共に、1.0μg/cm2以下であることで白粉発生によるテープ密着性の低下や透明性の低下を抑止できる。
[6]の発明では、熱融着性樹脂層は、脂肪酸アマイド系滑剤およびアンチブロッキング剤を含有するポリオレフィン樹脂で形成されているので、連続生産において外装材がロール状に巻かれて保管されるのであるが、この際にスリップ層と熱融着性樹脂層とが密着状態で保管されるので、熱融着性樹脂層からの脂肪酸アマイド系滑剤のスリップ層への転写移行が行われて、スリップ層の滑剤量の調整が容易になる。
[7]の発明では、外装材のテープ密着性が良好である蓄電デバイスを提供できる。
本発明に係る蓄電デバイス用外装材の一実施形態を示す断面図である。 本発明に係る蓄電デバイス用外装材の他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る蓄電デバイスの一実施形態を示す断面図である。 図3の蓄電デバイスを構成する外装材(平面状のもの)、蓄電デバイス本体部及び外装ケース(立体形状に成形された成形体)をヒートシールする前の分離した状態で示す斜視図である。
本発明に係る蓄電デバイス用外装材1の一実施形態を図1に示す。この蓄電デバイス用外装材1は、外側層としての耐熱性樹脂層2と、内側層としての熱融着性樹脂層3と、これら両層間に配置された金属箔層4と、を含む構成であり、前記耐熱性樹脂層2の外面に脂肪酸アマイド系滑剤を含むスリップ層11が形成され、前記耐熱性樹脂層における少なくともスリップ層側の表面領域に界面活性剤を含有する構成である。この蓄電デバイス用外装材1では、外面に脂肪酸アマイド系滑剤を含むスリップ層11が形成されているので、成形性に優れている。また、スリップ層11に接して界面活性剤含有層(耐熱性樹脂層)が存在するので、濡れ性が良くてテープ密着性が良好である。この理由は、ヒートエージングにより加熱された時に脂肪酸アマイド系滑剤に起こる配向(疎水基が表面側に揃うこと)が界面活性剤により阻害されるので、おそらく滑剤の親水基の少なくとも一部を表面側に露出させることができて、脂肪酸アマイド系滑剤が存在していても濡れ性が良くなると推定される(推定であって定かではない)。
本発明に係る蓄電デバイス用外装材1の他の実施形態を図2に示す。この蓄電デバイス用外装材1は、外側層としての耐熱性樹脂層2と、内側層としての熱融着性樹脂層3と、これら両層間に配置された金属箔層4と、を含む構成であって、前記耐熱性樹脂層2の外面に保護樹脂層12が形成され、前記保護樹脂層12の外面に脂肪酸アマイド系滑剤を含むスリップ層11が形成され、前記保護樹脂層12における少なくともスリップ層側の表面領域に界面活性剤を含有する構成である。この蓄電デバイス用外装材1では、外面に脂肪酸アマイド系滑剤を含むスリップ層11が形成されているので、成形性に優れている。また、スリップ層11に接して界面活性剤含有層(保護樹脂層12)が存在するので、濡れ性が良くてテープ密着性が良好である。
なお、図1、2に示す上記実施形態では、前記外装材1は、金属箔層4の一方の面(上面)に外側接着剤層(第1接着剤層)5を介して耐熱性樹脂層(外側層)2が積層一体化されると共に、前記金属箔層4の他方の面(下面)に内側接着剤層(第2接着剤層)6を介して熱融着性樹脂層(内側層)3が積層一体化された構成である。
前記脂肪酸アマイド系滑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド等が挙げられる。前記飽和脂肪酸アミドとしては、例えば、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。前記不飽和脂肪酸アミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等が挙げられる。このような脂肪酸アマイド系滑剤を前記熱融着性樹脂層3に含有せしめるのが好ましい。外装材を作製した後に、耐熱性樹脂層2と熱融着性樹脂層3とが接触するように、又は保護樹脂層12と熱融着性樹脂層3とが接触するようにロール状に外装材を巻き取り、この巻き取り状態で所定温度でエージング処理を行うことにより、上記接着剤の硬化を行うが、このようなエージング処理によって熱融着性樹脂層3の脂肪酸アマイド系滑剤が、前記耐熱性樹脂層2の表面又は保護樹脂層12の表面に転写されて脂肪酸アマイド系滑剤を含むスリップ層11が形成される(図1、2参照)。前記熱融着性樹脂層3における脂肪酸アマイド系滑剤の含有率は、500ppm~7000ppmの範囲に設定するのが好ましい。
本発明において、前記界面活性剤の添加量は、500ppm~30000ppmの範囲に設定するのが好ましく、1000ppm~20000ppmの範囲に設定するのがより好ましい。即ち、界面活性剤を外側層2に含有せしめる場合には、外側層(耐熱性樹脂層)における界面活性剤含有領域での界面活性剤の含有率は500ppm~30000ppmであるのが好ましい。また、界面活性剤を保護樹脂層12に含有せしめる場合には、保護樹脂層12における界面活性剤含有領域での界面活性剤の含有率は500ppm~30000ppmであるのが好ましい。前記「界面活性剤含有領域」という表現は、例えば、保護樹脂層12が単層で構成されている場合には、保護樹脂層の全体(領域)を意味し、保護樹脂層が2層で構成されていて、スリップ層側の層のみに界面活性剤が添加されているときは、保護樹脂層(2層積層)におけるスリップ層側の層(領域)を意味するものである。
前記界面活性剤としては、親水基を有する界面活性剤を用いるのが好ましい。例えば、アニオン界面活性剤では、スルホ基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはホスホン酸基を有する界面活性剤を用いるのが好ましい。カチオン界面活性剤では、4級アンモニウム塩、ピリジニウム基またはポリエチレンポリアミン基を有する界面活性剤を用いるのが好ましい。ノニオン界面活性剤では、アミノアルコール基、グリセリン基、ソルビトール基、多価アルコール基またはポリエチレングリコール基を有する界面活性剤を用いるのが好ましい。両イオン界面活性剤では、アミノ酸基、ベタイン基、スルホベタイン基またはアミノ硫酸エステル基を有する界面活性剤を用いるのが好ましい。
本発明において、前記外側層2は、耐熱性樹脂層で形成されている。前記耐熱性樹脂層2を構成する耐熱性樹脂としては、外装材1をヒートシールする際のヒートシール温度で溶融しない耐熱性樹脂を用いる。前記耐熱性樹脂としては、熱融着性樹脂層3を構成する熱融着性樹脂の融点より10℃以上高い融点を有する耐熱性樹脂を用いるのが好ましく、熱融着性樹脂の融点より20℃以上高い融点を有する耐熱性樹脂を用いるのが特に好ましい。
前記耐熱性樹脂層(外側層)2は、良好な成形性を確保する役割を主に担う部材である、即ち成形時のアルミニウム箔のネッキングによる破断を防止する役割を主に担うものである。
前記耐熱性樹脂層(外側層)2としては、特に限定されるものではないが、例えば、延伸ナイロンフィルム等の延伸ポリアミドフィルム、延伸ポリエステルフィルム等が挙げられる。中でも、前記耐熱性樹脂層2としては、二軸延伸ナイロンフィルム等の二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、又は二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いるのが好ましい。また、前記耐熱性樹脂層2としては、同時2軸延伸法により延伸された耐熱性樹脂2軸延伸フィルムを用いるのが好ましい。前記ナイロンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、6ナイロン、6,6ナイロン、MXDナイロン、610ナイロン(PA610)、11ナイロン(PA11)、12ナイロン(PA12)等が挙げられる。なお、前記耐熱性樹脂フィルム層2は、単層(単一の延伸フィルム)で形成されていても良いし、或いは、例えば延伸ポリエステルフィルム/延伸ポリアミドフィルムからなる複層(延伸PETフィルム/延伸ナイロンフィルムからなる複層等)で形成されていても良い。
前記耐熱性樹脂層2の厚さは、10μm~50μmであるのが好ましい。上記好適下限値以上に設定することで外装材として十分な強度を確保できると共に、上記好適上限値以下に設定することで張り出し成形時や絞り成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。
前記保護樹脂層12を設ける場合には、最外層であるこの保護樹脂層12に界面活性剤を含有させる。前記保護樹脂層12は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタアクリル酸エステル樹脂およびポリエチレンイミン樹脂からなる群より選ばれる1種または2種以上の樹脂の水性エマルジョン(水系エマルジョン)に界面活性剤を添加した塗工液を、スプレーコート法、グラビアロールコート法、リバースロールコート法、リップコート法等により塗布して乾燥させることによって形成することができる。或いは、ウレタン樹脂を含む主剤と、ポリイソシアネートを含む硬化剤と、界面活性剤とを含む塗工液を塗布して乾燥させることによって形成してもよい。前記保護樹脂層12の厚さは、2μm~5μmに設定されるのが好ましい。前記保護樹脂層12を構成する樹脂としては、上記樹脂以外に、例えば、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素系樹脂、フェノキシ系樹脂等が挙げられる。
前記保護樹脂層12には、平均粒径が1μm~10μmの微粒子を添加してもよい。前記微粒子としては、例えば、シリカ、カオリン、硫酸バリウム等の無機微粒子の他、シリコーン樹脂ビーズ、アクリル樹脂ビーズ、フッ素樹脂ビーズ等の有機微粒子などが挙げられる。その他、シリコーン樹脂、ポリエチレンワックス、フッ素含有ポリエチレンワックスを添加してもよい。また、滑剤を添加してもよい。
前記スリップ層11は、上述したとおり、熱融着性樹脂層3の脂肪酸アマイド系滑剤が、前記耐熱性樹脂層2の表面又は保護樹脂層12の表面に転写されて形成されたものであるのが好ましい。或いは、前記耐熱性樹脂層2の表面又は保護樹脂層12の表面に直接に塗工することにより、脂肪酸アマイド系滑剤を含有するスリップ層11を形成してもよい。前記スリップ層11における脂肪酸アマイド系滑剤の量は、0.10μg/cm2~1.0μg/cm2であるのが好ましい。
本発明において、前記金属箔層4は、外装材1に酸素や水分の侵入を阻止するガスバリア性を付与する役割を担うものである。前記金属箔層4としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、SUS箔、Cu箔、Ni箔、Ti箔等が挙げられ、アルミニウム箔が一般的に用いられる。前記金属箔層4の厚さは、5μm~50μmであるのが好ましい。5μm以上であることで金属箔を製造する際の圧延時のピンホール発生を防止できると共に、50μm以下であることで張り出し成形、絞り成形等の成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。
前記金属箔層4は、少なくとも内側の面(熱融着性樹脂層3側の面)に、化成処理が施されているのが好ましい。このような化成処理が施されていることで内容物(電池の電解液等)による金属箔表面の腐食を十分に防止できる。例えば次のような処理をすることによって金属箔に化成処理を施す。即ち、例えば、脱脂処理を行った金属箔の表面に、
1)リン酸と、
クロム酸と、
フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
2)リン酸と、
アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
3)リン酸と、
アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、
フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
上記1)~3)のうちのいずれかの水溶液を塗工した後、乾燥することにより、化成処理を施す。
前記化成皮膜は、クロム付着量(片面当たり)として0.1mg/m2~50mg/m2が好ましく、特に2mg/m2~20mg/m2が好ましい。
前記熱融着性樹脂層(内側層)3は、リチウムイオン二次電池等で用いられる腐食性の強い電解液等に対しても優れた耐薬品性を具備させるとともに、外装材にヒートシール性を付与する役割を担うものである。
前記熱融着性樹脂層3を構成する樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、エチレンアクリル酸エチル(EEA)、エチレンアクリル酸メチル(EMA)、エチレンメタクリル酸メチル樹脂(EMMA)、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン等が挙げられる。
前記熱融着性樹脂層3の厚さは、10μm~100μmに設定されるのが好ましい。10μm以上とすることで十分なヒートシール強度を確保できるとともに、100μm以下に設定することで薄膜化、軽量化に資する。中でも、前記熱融着性樹脂層3の厚さは、10μm~80μmに設定されるのがより好ましい。前記熱融着性樹脂層3は、熱融着性樹脂無延伸フィルム層で形成されているのが好ましく、前記熱融着性樹脂層3は、単層であっても良いし、複層であっても良い。
前記外側接着剤層5の厚さは1μm~5μmであるのが好ましい。前記外側接着剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、2液硬化型ウレタン系接着剤等が挙げられる。
前記内側接着剤層6の厚さは1μm~5μmであるのが好ましい。前記内側接着剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、オレフィン系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤の他、熱硬化性接着剤等が挙げられる。
本発明の蓄電デバイス用外装材1を成形(深絞り成形、張り出し成形等)することにより、外装ケース(電池ケース等)14を得ることができる(図3、4参照)。なお、本発明の外装材1は、成形に供されずにそのまま使用することもできる(図3、4参照)。
図1の蓄電デバイス用外装材1を用いて構成された蓄電デバイス30の一実施形態を図3に示す。この蓄電デバイス30は、リチウムイオン2次電池である。本実施形態では、図3、4に示すように、外装材1を成形して得られた外装ケース14と、平面状の外装材1とにより外装部材15が構成されている。しかして、本発明の外装材1を成形して得られた外装ケース14の収容凹部内に、略直方体形状の蓄電デバイス本体部(電気化学素子等)31が収容され、該蓄電デバイス本体部31の上に、本発明の外装材1が成形されることなくその熱融着性樹脂層3側を内方(下側)にして配置され、該平面状外装材1の熱融着性樹脂層3の周縁部と、前記外装ケース14のフランジ部(封止用周縁部)29の熱融着性樹脂層3とがヒートシールによりシール接合されて封止されることによって、本発明の蓄電デバイス30が構成されている(図3、4参照)。なお、前記外装ケース14の収容凹部の内側の表面は、熱融着性樹脂層3になっており、収容凹部の外面が基材層(外側層)2になっている(図4参照)。
図3において、39は、前記外装材1の周縁部と、前記外装ケース14のフランジ部(封止用周縁部)29とが接合(溶着)されたヒートシール部である。なお、前記蓄電デバイス30において、蓄電デバイス本体部31に接続されたタブリードの先端部が、外装部材15の外部に導出されているが、図示は省略している。
前記蓄電デバイス本体部31としては、特に限定されるものではないが、例えば、電池本体部、キャパシタ本体部、コンデンサ本体部等が挙げられる。
なお、上記実施形態では、外装部材15が、外装材1を成形して得られた外装ケース10と、平面状の外装材1と、からなる構成であったが(図3、4参照)、特にこのような組み合わせに限定されるものではなく、例えば、外装部材15が、一対の平面状の外装材1からなる構成であってもよいし、或いは、一対の外装ケース14からなる構成であってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
6ナイロンペレットに対し15000ppmの濃度となるように平均分子量3000のポリエチレングリコール系ノニオン界面活性剤を添加した後、チューブラー法により厚さ25μmの2軸延伸ナイロンフィルム(外側層)2を作成した。
厚さ40μmのアルミニウム箔4の両面に、リン酸、ポリアクリル酸(アクリル系樹脂)、クロム(III)塩化合物、水、アルコールからなる化成処理液を塗布した後、180℃で乾燥を行って、化成皮膜を形成した。この化成皮膜のクロム付着量は片面当たり10mg/m2であった。
次に、前記化成処理済みアルミニウム箔4の一方の面に、2液硬化型のウレタン系接着剤(厚さ2μm)5を介して前記二軸延伸ナイロンフィルム(外側層)2をドライラミネートした(貼り合わせた)。
次に、エチレン-プロピレンランダム共重合体および1000ppmのエルカ酸アミドを含有してなる厚さ6μmの第1無延伸フィルム、エチレン-プロピレンブロック共重合体および1000ppmのエルカ酸アミドを含有してなる厚さ28μmの第2無延伸フィルム、エチレン-プロピレンランダム共重合体および1000ppmのエルカ酸アミドを含有してなる厚さ6μmの第3無延伸フィルムがこの順で3層積層されるようにTダイを用いて共押出することにより、厚さ40μmのシーラントフィルム(内側層)3を得た後、該シーラントフィルム3の第1無延伸フィルム面を、2液硬化型のマレイン酸変性ポリプロピレン接着剤(厚さ3μm)を介して前記ドライラミネート後のアルミニウム箔4の他方の面に重ね合わせて、ゴムニップロールと、100℃に加熱されたラミネートロールとの間に挟み込んで圧着することによりドライラミネートし、しかる後、二軸延伸ナイロンフィルム2と第3無延伸フィルムとが接触する態様で外装材をロール状に巻き取り、この巻き取り状態で40℃で10日間エージングする(加熱する)ことによって、シーラントフィルム(内側層)から滑剤(エルカ酸アミド)がナイロンフィルム2の表面に転写されてスリップ層11が形成されてなる、図1に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。スリップ層11の滑剤量は0.20μg/cm2であった。
参考例2
ウレタン樹脂の水性エマルジョンに平均分子量3000のポリエチレングリコール系ノニオン界面活性剤をウレタン樹脂量に対し10000ppmの濃度となるように添加した塗工液を厚さ25μmの2軸延伸ナイロンフィルム(外側層)2の一方の面に塗布して乾燥させることによって、保護樹脂層12を形成した(形成量:0.1g/m2)。
厚さ40μmのアルミニウム箔4の両面に、リン酸、ポリアクリル酸(アクリル系樹脂)、クロム(III)塩化合物、水、アルコールからなる化成処理液を塗布した後、180℃で乾燥を行って、化成皮膜を形成した。この化成皮膜のクロム付着量は片面当たり10mg/m2であった。
次に、前記化成処理済みアルミニウム箔4の一方の面に、2液硬化型のウレタン系接着剤(厚さ2μm)5を介して前記二軸延伸ナイロンフィルム(外側層)2の他方の面をドライラミネートした(貼り合わせた)。
次に、エチレン-プロピレンランダム共重合体および1000ppmのエルカ酸アミドを含有してなる厚さ6μmの第1無延伸フィルム、エチレン-プロピレンブロック共重合体および1000ppmのエルカ酸アミドを含有してなる厚さ28μmの第2無延伸フィルム、エチレン-プロピレンランダム共重合体および1000ppmのエルカ酸アミドを含有してなる厚さ6μmの第3無延伸フィルムがこの順で3層積層されるようにTダイを用いて共押出することにより、厚さ40μmのシーラントフィルム(内側層)3を得た後、該シーラントフィルム3の第1無延伸フィルム面を、2液硬化型のマレイン酸変性ポリプロピレン接着剤(厚さ3μm)を介して前記ドライラミネート後のアルミニウム箔4の他方の面に重ね合わせて、ゴムニップロールと、100℃に加熱されたラミネートロールとの間に挟み込んで圧着することによりドライラミネートし、しかる後、二軸延伸ナイロンフィルム2と第3無延伸フィルムとが接触する態様で外装材をロール状に巻き取り、この巻き取り状態で40℃で10日間エージングする(加熱する)ことによって、シーラントフィルム(内側層)から滑剤(エルカ酸アミド)が保護樹脂層12の表面に転写されてスリップ層11が形成されてなる、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。スリップ層11の滑剤量は0.50μg/cm2であった。
参考例3
保護樹脂層12の形成を次のようにして行った以外は、実施例2と同様にして、保護樹脂層12の表面にスリップ層11が形成されてなる、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。転写により形成されたスリップ層11の滑剤量は0.40μg/cm2であった。即ち、厚さ25μmの2軸延伸ナイロンフィルム(外側層)2の一方の面に、ウレタン樹脂を含む主剤と、芳香族ジイソシアネート及び脂肪族ジイソシアネートを含む硬化剤と、平均粒径2μmのシリカ粒子と、10000ppmの平均分子量3000のポリエチレングリコール系ノニオン界面活性剤と、を混合した塗工液をグラビアロールを用いて塗工した後、乾燥させて乾燥厚さ3μmの保護樹脂層12を形成した。
参考例4
シーラントフィルム(内側層)3における滑剤含有率を2500ppmに変更した以外は、実施例2と同様にして、保護樹脂層12の表面にスリップ層11が形成されてなる、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。転写により形成されたスリップ層11の滑剤量は0.80μg/cm2であった。
参考例5>
シーラントフィルム(内側層)3における滑剤含有率を4000ppmに変更した以外は、実施例2と同様にして、保護樹脂層12の表面にスリップ層11が形成されてなる、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。転写により形成されたスリップ層11の滑剤量は1.20μg/cm2であった。
<実施例6>
2軸延伸ナイロンフィルム(外側層)2におけるポリエチレングリコール系ノニオン界面活性剤の含有率を30000ppmに設定した以外は、実施例1と同様にして、シーラントフィルム(内側層)から滑剤(エルカ酸アミド)がナイロンフィルム2の表面に転写されてスリップ層11が形成されてなる、図1に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。スリップ層11の滑剤量は0.50μg/cm2であった。
参考例7>
2軸延伸ナイロンフィルム(外側層)2におけるポリエチレングリコール系ノニオン界面活性剤の含有率を40000ppmに設定した以外は、実施例1と同様にして、シーラントフィルム(内側層)から滑剤(エルカ酸アミド)がナイロンフィルム2の表面に転写されてスリップ層11が形成されてなる、図1に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。スリップ層11の滑剤量は0.50μg/cm2であった。
参考例8
保護樹脂層12におけるポリエチレングリコール系ノニオン界面活性剤の含有率を1000ppmに設定した以外は、実施例2と同様にして、保護樹脂層12の表面にスリップ層11が形成されてなる、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。転写により形成されたスリップ層11の滑剤量は0.50μg/cm2であった。
参考例9>
保護樹脂層12におけるポリエチレングリコール系ノニオン界面活性剤の含有率を200ppmに設定した以外は、実施例2と同様にして、保護樹脂層12の表面にスリップ層11が形成されてなる、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。転写により形成されたスリップ層11の滑剤量は0.50μg/cm2であった。
参考例10
ポリエチレングリコール系ノニオン界面活性剤に代えて、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(アニオン界面活性剤)を用いた以外は、実施例2と同様にして、保護樹脂層12の表面にスリップ層11が形成されてなる、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。転写により形成されたスリップ層11の滑剤量は0.50μg/cm2であった。
参考例11
ポリエチレングリコール系ノニオン界面活性剤に代えて、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(カチオン界面活性剤)を用いた以外は、実施例2と同様にして、保護樹脂層12の表面にスリップ層11が形成されてなる、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。転写により形成されたスリップ層11の滑剤量は0.50μg/cm2であった。
<比較例1>
外装材をロール状に巻き取ることを行わずに、得られた外装材を矩形状にカットし、その後、二軸延伸ナイロンフィルムと第3無延伸フィルムとが接触しないようにこれらの間に紙を挟んで、この状態で40℃で10日間エージングを行った以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装材を得た。ナイロンフィルム(外側層)2の表面にスリップ層11は形成されていなかった。
<比較例2>
外装材をロール状に巻き取ることを行わずに、得られた外装材を矩形状にカットし、その後、保護樹脂層と第3無延伸フィルムとが接触しないようにこれらの間に紙を挟んで、この状態で40℃で10日間エージングを行った以外は、実施例2と同様にして、蓄電デバイス用外装材を得た。保護樹脂層12の表面にスリップ層11は形成されていなかった。
<比較例3>
外装材をロール状に巻き取ることを行わずに、得られた外装材を矩形状にカットし、その後、保護樹脂層と第3無延伸フィルムとが接触しないようにこれらの間に紙を挟んで、この状態で40℃で10日間エージングを行った以外は、実施例3と同様にして、蓄電デバイス用外装材を得た。保護樹脂層12の表面にスリップ層11は形成されていなかった。
<比較例4>
保護樹脂層にポリエチレングリコール系ノニオン界面活性剤を含有せしめない構成とした以外は、実施例2と同様にして、保護樹脂層12の表面にスリップ層11が形成されてなる蓄電デバイス用外装材を得た。
<比較例5>
シーラントフィルム(内側層)3における滑剤含有率を0ppmに変更した(滑剤を添加しない構成とした)以外は、実施例2と同様にして、蓄電デバイス用外装材を得た。保護樹脂層12の表面にスリップ層11は形成されていなかった。
Figure 0007226979000001
上記のようにして得られた蓄電デバイス用外装材について、スリップ層の滑剤量を評価する一方、外装材の成形性、濡れ性およびテープ密着性を評価した。
<スリップ層の滑剤量の評価法>
各蓄電デバイス用外装材から縦100mm×横100mmの矩形状の試験片を2枚切り出した後、これら2枚の試験片を外側層(スリップ層のある側)が内側になるように重ね合わせて互いの周縁部同士をヒートシール温度250℃でシール幅5mmでヒートシールして袋体を作製した。この袋体の内部空間内にシリンジを用いてアセトン1mLを注入し、この袋体の内面とアセトンとが接触した状態で3分間放置した後、袋体内のアセトンを抜き取った。この抜き取った液中に含まれる成分量をガスクロマトグラフを用いて測定、分析することにより、スリップ層11に存在する滑剤量(μg/cm2)を求めた。
<成形性評価法>
外装材1に対し、プレス成型機を用いて縦150mm×横150mm×深さ5mmの成形を行って成形品を得た際の成形品を目視で調べて、割れ、ピンホールが全く発生しなかったものを「○」とし、割れ又はピンホールが発生していたものを「×」とした。
<濡れ性評価法>
JIS K6768-1999に準拠した濡れ性試薬を用いて、各蓄電デバイス用外装ケースの外側層の表面のぬれ指数(表面張力)を判定し、下記判定基準に基づいて評価した。
(判定基準)
「◎」…ぬれ張力が35mN/m以上である
「○」…ぬれ張力が30mN/m以上、35mN/m未満である
「×」…ぬれ張力が30mN/m未満である。
<テープ密着性評価法>
蓄電デバイス用外装材から縦150mm×横200mmの矩形状の試験片を採取した。前記試験片におけるスリップ層11の表面(外面)に幅5mm×長さ100mmの両面粘着テープを貼り付けた後、外装材と粘着テープを一体で幅5mm×長さ150mmの大きさで切り取った後、これを厚さ1.5mmのアクリル板に貼り付けた。次に、外装材側を上にしてアクリル板を水平台の上に水平に載置した状態で、重さ2kgのローラーで外装材に荷重をかけながらローラーを外装材上で5往復させて粘着テープで十分に貼り付けを行った。その後、25℃の室内で1時間静置した。次に、JIS K6854-2(1999)に準拠して、島津製作所製ストログラフAGS-5kNXを用いて、一方のチャックで前記試験片(外装材)を挟着固定し、他方のチャックでアクリル板(粘着テープを含む)を挟着固定して、外装材と粘着テープの間の180°剥離強度を測定した。この剥離強度から下記判定基準に基づいてテープ密着性を評価した。
(判定基準)
「◎」(合格)…剥離強度が6N/5mm以上である
「○」(合格)…剥離強度が5N/5mm以上、6N/5mm未満である
「×」…剥離強度が5N/5mm未満である。
表から明らかなように、本発明の実施例1~11の外装材は、成形性が良好であると共にテープ密着性も良好であった。
これに対し、本発明の規定範囲を逸脱する比較例1~5では、「成形性」、「濡れ性」及び「テープ密着性」のうち少なくとも1つ以上の評価が悪かった。
本発明に係る蓄電デバイス用外装材は、具体例として、例えば、
・リチウム2次電池(リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池等)などの蓄電デバイス
・リチウムイオンキャパシタ
・電気2重層コンデンサ
等の各種蓄電デバイスの外装材として用いられる。また、本発明に係る蓄電デバイスは、上記例示した蓄電デバイスの他、全固体電池も含む。
1…蓄電デバイス用外装材
2…耐熱性樹脂層(外側層)
3…熱融着性樹脂層(内側層)
4…金属箔層
11…スリップ層
12…保護樹脂層
30…蓄電デバイス
31…蓄電デバイス本体部

Claims (3)

  1. 外側層としての耐熱性樹脂延伸フィルムと、内側層としての熱融着性樹脂層と、これら両層間に配置された金属箔層と、を含む蓄電デバイス用外装材であって、
    前記耐熱性樹脂延伸フィルムの外面に脂肪酸アマイド系滑剤を含むスリップ層が形成され、前記耐熱性樹脂延伸フィルムにおける少なくともスリップ層側の表面領域に界面活性剤を含有し、
    前記耐熱性樹脂延伸フィルムにおける界面活性剤含有領域での界面活性剤含有率が500ppm~30000ppmであり、
    前記スリップ層における脂肪酸アマイド系滑剤の含有量が0.10μg/cm2~1.0μg/cmであり、
    前記スリップ層における脂肪酸アマイド系滑剤の疎水基が表面側に揃っていないことを特徴とする蓄電デバイス用外装材。
  2. 前記熱融着性樹脂層は、脂肪酸アマイド系滑剤およびアンチブロッキング剤を含有するポリオレフィン樹脂で形成されている請求項1に記載の蓄電デバイス用外装材。
  3. 蓄電デバイス本体部と、
    請求項1または2に記載の外装材と、を備え、
    前記蓄電デバイス本体部が、前記外装材で外装されていることを特徴とする蓄電デバイス。
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