JP7225015B2 - 鋼桁施工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、橋梁などの構造物を構成する床版の架け替え(既設床版の撤去とこれに替わる新設床版の設置)時に当該構造物を構成する鋼桁に処理を施すための鋼桁施工装置に関する。
橋梁は、例えば、複数の橋脚と、各々が複数の橋脚の上に跨がって橋軸方向に延びる複数の鋼桁(例えばH形鋼又はI形鋼)と、複数の鋼桁の上に跨がって配設される床版と、を含んで構成される。床版は、例えば鉄筋コンクリート製である。かかる床版については、長年の使用によるコンクリートの劣化や内部の鉄筋の腐食などの理由で、架け替え(既設床版の撤去と新設床版の設置)が求められる場合がある。
床版の架け替えに用いられる装置としては、例えば特許文献1に記載の床版架設機が知られている。これは、橋軸方向前後の門型フレームを連結してなる無軌条・自走式の門型構造体と、門型構造体の天井部の下面側に前後方向及び横方向に移動可能に設けられる吊上装置(例えばチェーンブロック)と、を備えている。ここにおいて、新設床版はプレキャストコンクリート製である。
このような架設機を用いた新設床版の架設作業は、
(1)架設機の後部での新設床版の取込み、すなわち、架設機の後部に位置させた吊上装置による、新設床版の長辺を橋軸方向に向けた状態での、新設床版の吊上げ
(2)吊上装置の前側への移動による、新設床版の架設位置までの移送
(3)新設床版の長辺を橋軸直角方向に向けるように、新設床版の向きの変更(90°回転)
(4)そして、所定位置への設置
という工程で行われる。
また、既設床版の撤去作業は、入れ替わりで、ほぼ逆の工程で行われる。
特許第3901657号公報
ところで、撤去前の既設床版については、通常、鋼桁に密着している。ゆえに、既設床版を鋼桁から撤去すると、鋼桁の上面にコンクリート片などの付着物が残留してしまう。
また、既設床版の撤去後に鋼桁の防錆などを目的として鋼桁を塗装する場合に、鋼桁の角部が直角であると、当該角部での塗料の乗りが悪く、それゆえ、当該角部で十分な塗装膜厚を確保することが難しかった。
本発明は、このような実状に鑑み、既設床版が撤去された後の鋼桁の上面や角部の最適化を図ることを目的とする。
そのため本発明の参考例では、床版架け替え方法は、鋼桁上に設けられた床版を架け替える方法である。床版架け替え方法は、既設床版を鋼桁から撤去する既設床版撤去工程と、既設床版が撤去された鋼桁に処理を施す鋼桁処理工程と、該処理が施された鋼桁上に新設床版を設置する新設床版設置工程と、を含む。鋼桁処理工程は、鋼桁の上面にケレン処理を施すこと、及び/又は、鋼桁の角部に面取り処理を施すことを含む。
本発明では、鋼桁施工装置は、既設の鋼桁に沿って延びるレールと、レールに沿って走行可能な走行装置と、走行装置に取り付けられて鋼桁に処理を施す鋼桁処理装置と、を備える。鋼桁処理装置は、鋼桁の上面にケレン処理を施すケレン装置、及び/又は、鋼桁の角部に面取り処理を施す面取り装置を含む。ここで、走行装置の走行方向に対して平面視で交差する方向を横方向として、走行装置における横方向両側にそれぞれ鋼桁処理装置が取り付けられている。
本発明の参考例によれば、既設床版が撤去された鋼桁に処理を施す鋼桁処理工程は、鋼桁の上面にケレン処理を施すこと、及び/又は、鋼桁の角部に面取り処理を施すことを含む。ゆえに、既設床版が撤去された鋼桁については、ケレン処理によって鋼桁の上面の清掃を行うことができることにより、及び/又は、面取り処理によって鋼桁の角部での塗料の乗りを良くすることができることにより、当該鋼桁の最適化を図ることができる。
本発明によれば、鋼桁施工装置を構成する鋼桁処理装置は、鋼桁の上面にケレン処理を施すケレン装置、及び/又は、鋼桁の角部に面取り処理を施す面取り装置を含む。ゆえに、既設床版が撤去された鋼桁に対して鋼桁施工装置を用いることで、当該鋼桁については、ケレン処理によって鋼桁の上面の清掃を行うことができることにより、及び/又は、面取り処理によって鋼桁の角部での塗料の乗りを良くすることができることにより、当該鋼桁の最適化を図ることができる。
本発明の一実施形態における床版架け替え方法を示すフローチャート 同上実施形態における新設床版の設置準備方法を示すフローチャート 同上実施形態における新設床版の設置方法を示すフローチャート 同上実施形態における既設床版を撤去する前の状態を示す図 同上実施形態における新設床版の設置準備方法を示す図 同上実施形態における新設床版の設置準備方法を示す図 同上実施形態における新設床版の設置方法を示す図 同上実施形態における新設床版の設置方法を示す図 同上実施形態における新設床版の設置方法を示す図 同上実施形態の鋼桁施工装置の第1態様における鋼桁施工装置の正面図 同上実施形態の鋼桁施工装置の第1態様における鋼桁施工装置の上面図 同上実施形態における鋼桁施工装置の制御部を示す図 同上実施形態の鋼桁施工装置の第1態様における鋼桁施工装置での押圧力制御方法を示すフローチャート 同上実施形態の鋼桁施工装置の第2態様における鋼桁施工装置の正面図 同上実施形態の鋼桁施工装置の第2態様における鋼桁施工装置での押圧力制御方法を示すフローチャート 同上実施形態の鋼桁施工装置の第3態様における鋼桁施工装置の正面図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
図1は、本発明の一実施形態における床版架け替え方法を示すフローチャートである。図2は、本実施形態における新設床版の設置準備方法を示すフローチャートである。図3は、本実施形態における新設床版の設置方法を示すフローチャートである。図4は、本実施形態における既設床版を撤去する前の状態を示す図である。図5A及び図5Bは、本実施形態における新設床版の設置準備方法を示す図である。図6A~図6Cは、本実施形態における新設床版の設置方法を示す図である。ここで、図5A、図5B、及び図6Bは、図6AのI-I断面に対応している。
本実施形態では、本発明に係る床版架け替え方法及び鋼桁施工装置が適用され得る構造物として橋梁を挙げて以下説明する。また、本実施形態では、平面視で橋梁の橋軸方向(図6A及び図6C参照)に対して直角に交わる方向(橋軸直角方向)を左右方向(横方向)として、以下説明する(図4~図6C参照)。
橋梁を構成する複数の鋼桁1は、橋軸直角方向に互いに間隔を空けて、各々が橋軸方向に延びている(図6A及び図6C参照)。
本実施形態における床版架け替え方法では、これら複数の鋼桁1の上に跨って配設されたコンクリート製の既設床版2(図4参照)の撤去と、これに替わる新設床版15(図6A~図6C参照)の設置とを行う。
ここで、本実施形態では、既設床版2が鉄筋コンクリート製である(RC床版である)として以下説明するが、この他、既設床版2は、プレキャストコンクリート製であってもよい(PCa床版であってもよい)。新設床版15は、プレキャストコンクリート製である(すなわち、PCa床版である)。鋼桁1は、ウェブ1wと、上フランジ1fと、下フランジ(図示せず)とからなるH形鋼又はI形鋼である(図4~図6C参照)。
図1に示すように、本実施形態における床版架け替え方法では、まず、ステップS1にて、鋼桁1から既設床版2(図4参照)を撤去する。ここで、このステップS1が、本発明の「既設床版撤去工程」に対応する。
既設床版2が撤去された鋼桁1の上フランジ1fの上面1a(つまり、鋼桁1の上面1a)には、コンクリート片などの付着物が残留し得る。また、鋼桁1の上フランジ1fの上面1aの橋軸直角方向中央部(横方向中央部)に、スタッドジベルの一部が、橋軸方向に間隔を空けて複数残留し得る。
次に、ステップS2にて、既設床版2が撤去された鋼桁1に新設床版15を設置するための準備(新設床版15の設置準備)を行う。
この新設床版15の設置準備方法について図2、図5A及び図5Bを用いて説明する。
図2に示す新設床版15の設置準備方法では、まず、ステップS11にて、既設床版2が撤去された鋼桁1に以下の処理(1)~(3)を施す。ここで、このステップS11が、本発明の「鋼桁処理工程」に対応する。
(1)ケレン処理
(2)面取り処理
(3)塗装処理
ここで、図5Aは、上記処理(1)~(3)が施される前の状態を示す。
本実施形態では、「(1)ケレン処理」と「(2)面取り処理」との両方を施した後、「(3)塗装処理」を施すが、この他、「(1)ケレン処理」と「(2)面取り処理」とのいずれか一方を施した後、「(3)塗装処理」を施してもよい。すなわち、「(1)ケレン処理」と「(2)面取り処理」とのいずれか一方を省略してもよい。
本実施形態では、「(1)ケレン処理」を施した後に「(2)面取り処理」を施すが、これとは逆に、「(2)面取り処理」を施した後に「(1)ケレン処理」を施してもよい。
本実施形態では、鋼桁施工装置20を用いて、「(1)ケレン処理」と「(2)面取り処理」とが施され得る。鋼桁施工装置20の詳細については後述する。
「(1)ケレン処理」は、既設床版2が撤去されて外部に露出している鋼桁1の上フランジ1fの上面1aに残留しているコンクリート片などの付着物を除去すること、及び/又は、当該上面1aを研磨(研削)すること(清掃すること)を含み得る。
本実施形態では、特に、鋼桁1の上フランジ1fの上面1aの左右両方の側部5(後述する縁部8を含む)に対して、鋼桁施工装置20を用いて、「(1)ケレン処理」が施される。これは、後述するシール部材10(図5B及び図6B参照)との接触部分のシール性を確保するためである。
「(2)面取り処理」では、鋼桁1の上フランジ1fの上側の角部6と、下側の角部7との少なくとも一方の面取りが行われる。この点、本実施形態では、鋼桁1の上フランジ1fの上側の角部6と、下側の角部7との両方の面取りが行われる。
尚、ここでの面取りは、C面取り又はR面取りである。
また、鋼桁1の上フランジ1fの角部6,7が、本発明の「鋼桁の角部」に対応する。
「(3)塗装処理」では、鋼桁1の防錆などを目的として鋼桁1(その上面1a及び角部6,7を含む)に塗料を塗布する(塗装が施される)。
次に、ステップS12では、鋼桁1の上フランジ1fの上面1aにおける左右両方の縁部8上に、例えば硬質のスポンジからなるシール部材(フランジシール)10を設置する(図5B参照)。シール部材10は、橋軸方向に沿って延びる板状である。シール部材10は、後述するステップS23(図3参照)にて新設床版15と鋼桁1とを固定して一体化する際に新設床版15と鋼桁1との間の空間16(図6B参照)内に打設されるモルタルが空間16外に漏れ出ることを防ぐためのものである。シール部材10は、スポンジからなるものに限らず、例えばゴム製であってもよい。
ここで、このステップS12が、本発明の「シール部材設置工程」に対応する。
次に、ステップS13では、新設床版15の設置高さを調整するための複数の高さ調整材12を、鋼桁1の上フランジ1fの上面1aにおける橋軸直角方向中央部(横方向中央部)に設置する(図5B参照)。高さ調整材12は、弾性変形可能な物体であり、例えばゴム製である。高さ調整材12は、例えば、直方体状又は円柱状である。高さ調整材12については、後述するステップS21(図3参照)にて新設床版15が高さ調整材12を介して鋼桁1に載置される際に高さ調整材12が圧縮変形したときに高さ調整材12の上面(新設床版15の下面15b)が所定の高さとなるように予め調整されている。
本実施形態では、複数の高さ調整材12が、橋軸方向に互いに間隔を空けて、橋軸方向に並んでいる。
本実施形態では、シール部材10の設置後に高さ調整材12の設置を行っているが、この他、シール部材10の設置に先立って高さ調整材12の設置を行ってもよい。すなわち、ステップS12とステップS13とを入れ替えてもよい。
以上のようにして、新設床版15の設置準備が行われる。
図1に戻って、次に、ステップS3にて、新設床版15の設置準備が行われた鋼桁1に新設床版15を設置する。ここで、このステップS3が、本発明の「新設床版設置工程」に対応する。
この新設床版15の設置方法について図3及び図6A~図6Cを用いて説明する。
図3に示す新設床版15の設置方法では、まず、ステップS21にて、鋼桁1の上フランジ1fの上面1aに設置された複数の高さ調整材12に、新設床版15を載置する(図6A及び図6B参照)。これにより、鋼桁1の上フランジ1fの上面1aと、新設床版15の下面15bと、シール部材10とによって囲まれた空間16が形成される。
ここで、新設床版15が高さ調整材12を介して鋼桁1に載置されることにより、新設床版15がシール部材10上に配置され得る。
尚、新設床版15には、鋼桁1の上フランジ1fの上面1aに相対するように、複数の貫通孔15aが形成されている。
次に、ステップS22では、図6Cに示すように、複数のスタッドジベル18を、新設床版15の貫通孔15a内に位置するように、鋼桁1の上フランジ1fの上面1aに溶接固定する(設置する)。
次に、ステップS23では、高さ調整材12を介して鋼桁1に載置された新設床版15の貫通孔15aから空間16内(図6B参照)にモルタルを注入・打設することで、このモルタルとスタッドジベル18(図6C参照)とにより、新設床版15と鋼桁1とが固定されて一体化される。
以上のようにして、新設床版15の設置が行われる。
次に、前述のステップS11の「(1)ケレン処理」及び「(2)面取り処理」にて用いられる鋼桁施工装置20について、図7~図13を用いて説明する。
図7及び図8は、本実施形態の鋼桁施工装置20の第1態様における鋼桁施工装置20の正面図及び上面図である。図9は、本実施形態における鋼桁施工装置20の制御部24を示す図である。図10は、本実施形態の鋼桁施工装置20の第1態様における鋼桁施工装置20での押圧力制御方法を示すフローチャートである。図11は、本実施形態の鋼桁施工装置20の第2態様における鋼桁施工装置20の正面図である。図12は、本実施形態の鋼桁施工装置20の第2態様における鋼桁施工装置20での押圧力制御方法を示すフローチャートである。図13は、本実施形態の鋼桁施工装置20の第3態様における鋼桁施工装置20の正面図である。
図7~図10に示す鋼桁施工装置20の第1態様では、鋼桁施工装置20は、鋼桁1の上フランジ1fの上側の角部6に面取り処理を施すことが可能なように構成されている。図11及び図12に示す鋼桁施工装置20の第2態様では、鋼桁施工装置20は、鋼桁1の上フランジ1fの下側の角部7に面取り処理を施すことが可能なように構成されている。つまり、図7~図12に示す鋼桁施工装置20の第1及び第2態様では、鋼桁施工装置20は、鋼桁1の角部6,7に面取り処理を施すことが可能なように構成されている。
図13に示す鋼桁施工装置20の第3態様では、鋼桁施工装置20は、鋼桁1の上フランジ1fの上面1a(鋼桁1の上面1a)にケレン処理を施すことが可能なように構成されている。
図7、図8、図11、及び図13に示すように、鋼桁施工装置20は、レール21と、走行装置22と、鋼桁処理装置23とを含んで構成される。
レール21は、既設床版2が撤去された鋼桁1の上フランジ1fの上面1aの橋軸直角方向中央部(横方向中央部)の上方に配置されており、橋軸方向(鋼桁1の長手方向)に沿って延びている。
レール21は、上下方向を短辺、左右方向を長辺とする矩形状の断面を有し、その左右両側面には、鋼桁1に沿って延びる溝21aが凹設されている。この溝21aには、走行装置22の車輪22aが噛み合うことが可能である。
レール21の上面には、橋軸方向(鋼桁1の長手方向)に沿って延びるラック21bが設置されている。
レール21は、鋼桁1の上フランジ1fの上面1a上に設置されて鋼桁1の長手方向(橋軸方向)に間隔を空けて並んでいる複数の支持台25によって、下方から支持されている。レール21は、図示しない固定手段を介して、複数の支持台25に固定されている。
支持台25は、左右一対の脚部25aと、これら脚部25aの上端部に左右両端部がそれぞれ連結された枕木部材25bとにより構成されている。
脚部25aはマグネット25cを備え、このマグネット25cによって、支持台25が鋼桁1の上フランジ1fの上面1aに着脱可能に固定されている。
ここで、マグネット25cの一例としては、マグスイッチ・テクノロジー社製のマグスイッチ(登録商標)(例えば、マグマウント(商品名))を挙げることができる。
走行装置22は、レール21の左右両側面の溝21aに噛み合いつつ転動可能な複数の車輪22aと、下端部にてこれら車輪22aを回転自在に支持する本体部22bとにより構成される。
本体部22bには走行装置22の走行の駆動源となるモータ(図示せず)が内蔵されており、このモータの上下方向に延びる出力軸の下端部にピニオンギア22cが取り付けられている。このピニオンギア22cは、前述のラック21bに噛合している。
走行装置22は、前述のモータを作動させることで、前述のピニオンギア22c及びラック21bを介して、レール21に対して橋軸方向(鋼桁1の長手方向)に沿って走行可能である。すなわち、走行装置22の走行方向は、橋軸方向(鋼桁1の長手方向)に沿っている。ゆえに、橋軸直角方向(横方向)は、走行装置22の走行方向に対して平面視で交差する方向となっている。
本実施形態では、走行装置22の左右両側(横方向両側)にそれぞれ鋼桁処理装置23が設けられている。
鋼桁処理装置23は、鋼桁1に処理を施す装置であり、具体的には、鋼桁1の角部6,7に面取り処理を施す面取り装置30(図7及び図11参照)、及び/又は、鋼桁1の上面1aにケレン処理を施すケレン装置40(図13参照)である。ここで、本実施形態では、鋼桁施工装置20の第1態様及び第2態様において鋼桁処理装置23は面取り装置30であり、鋼桁施工装置20の第3態様において鋼桁処理装置23はケレン装置40である。
鋼桁処理装置23は、第1アーム27と、昇降装置28と、第2アーム29とを介して走行装置22に取り付けられている。
第1アーム27は、その基端部27aが走行装置22に取り付けられて、走行装置22から横方向に張り出している。第2アーム29は上下方向に延びており、その上端部29aが昇降装置28を介して第1アーム27の先端部27bに取り付けられている。
第2アーム29の下端部29bには、鋼桁処理装置23を把持可能な把持部29cが設けられている。鋼桁処理装置23は把持部29cによって第2アーム29の下端部29bに着脱可能に取り付けられている。把持部29cは、例えば万力のように2つの口金間に鋼桁処理装置23を挟み込むようにして当該口金を介して鋼桁処理装置23を把持するように構成されてもよい。
第1アーム27の基端部27a側は、走行装置22の本体部22bの上面上を橋軸直角方向(横方向)に摺動可能に構成されている。それゆえ、第1アーム27の先端部27b側が走行装置22から横方向に張り出す量を適宜調整することが可能である。すなわち、第1アーム27は、走行装置22に対して橋軸直角方向(横方向)に位置調整可能である。
尚、第1アーム27の基端部27aには、第1アーム27を摺動させるときに作業員が押し引きするためのハンドル27cが設けられている。また、走行装置22の本体部22bの上面上には、第1アーム27の基端部27a側を走行装置22に固定するための複数の固定用レバー27dが設けられている。固定用レバー27dを締め付ける方向に操作すると、第1アーム27の基端部27a側を走行装置22に固定することができる。一方、固定用レバー27dを緩める方向に操作すると、第1アーム27の基端部27a側の走行装置22への固定が解除されて、第1アーム27が走行装置22の本体部22bの上面に対して摺動可能となる。
昇降装置28は、第1アーム27に対して第2アーム29を上昇・下降させることが可能なように構成されている。ゆえに、第2アーム29は、昇降装置28を介して、第1アーム27に対して上下方向に位置調整可能である。
本実施形態において、鋼桁処理装置23(面取り装置30,ケレン装置40)は、市販されている手持ち式の電動工具である。本実施形態では、鋼桁処理装置23に供給される電流を測定可能な電流計23a(図9参照)が設けられている。
本実施形態では、面取り装置30として、例えば、特開2000-176719号公報に開示の面取り機や、宮川工業株式会社製の電丸くん(商品名)を用いることができる。すなわち、面取り装置30として、周知の手持ち式の面取り装置を採用可能である。
面取り装置30は、例えば、その本体31に取り付けられた円板状のガイドプレート32と、ガイドプレート32の中央に設けられた開口部を貫通して外部に露出している回転切削刃33とを含んで構成される。回転切削刃33は、本体31に組み込まれているモータの出力軸(図示せず)に設けられており、本体31及びガイドプレート32に対して回転自在である。ここで、回転切削刃33の回転軸(モータの出力軸の回転軸)は、橋軸直角方向(横方向)に延びている。また、所望の面取りの種類(C面取り・R面取り)及び大きさに応じて回転切削刃33が適宜選択され得る。
面取り装置30による面取り処理では、鋼桁1の上フランジ1fの側面にガイドプレート32を当接させた状態で、高速回転している回転切削刃33を面取り処理対象の角部(図7では上側の角部6であり、図11では下側の角部7である)に当接させることで、当該面取り処理対象の角部に面取り処理を施すことができる。
本実施形態では、ケレン装置40として、周知の手持ち式のグラインダー又はサンダー(例えば、ディスクグラインダー又はディスクサンダー)を採用することができる。ケレン装置40としては、例えば、大塚刷毛製造株式会社製のNEWアートサンダーF(商品名)を用いることができる。
ケレン装置40は、例えば、その本体41に回転自在に取り付けられた円板状の研削砥石42を含んで構成される。研削砥石42は、本体41に組み込まれているモータの出力軸(図示せず)に設けられており、本体41に対して回転自在である。ここで、研削砥石42の回転軸(モータの出力軸の回転軸)は上下方向に延びている。
ケレン装置40によるケレン処理では、高速回転している研削砥石42を鋼桁1の上フランジ1fの上面1aに当接させることで、上面1a(特に、上面1aの縁部8を含む、上面1aの側部5)にケレン処理を施すことができる。
走行装置22の本体部22bは、操作パネル22dと制御部24(図9参照)とを有する。図9に示すように、制御部24には、操作パネル22dからの操作指示信号と、電流計23aにて測定された電流値に対応する信号とが信号線(図示せず)を介して入力される。
制御部24の走行制御部24aは、入力された操作指示信号に基づいて、走行装置22の走行制御を行う。本実施形態では、走行装置22は自走可能であり、操作パネル22dの走行開始ボタン(図示せず)が押されると、走行装置22の自走が開始される。走行装置22の自走が所定距離進むと自動的に走行を停止するように制御部24が走行装置22の走行を制御するようにしてもよい。又は、レール21における走行装置22の自走停止位置に予めストッパーを設けておき、このストッパーに走行装置22が到達すると走行装置22の走行が停止するように構成されてもよい。すなわち、走行装置22の自走の停止手法は任意である。
制御部24の昇降制御部24bは、入力された操作指示信号に基づいて、昇降装置28を作動させること(すなわち、第1アーム27に対して第2アーム29を昇降させること)が可能である。
また、制御部24の昇降制御部24bは、電流計23aにて測定された電流値に基づいて、鋼桁処理装置23を処理対象(角部6,7、上面1a)に押し当てる力(押圧力)を制御する。この押圧力制御は所定の時間間隔を空けて繰り返し実行され得る。
図10に示すように、鋼桁施工装置20の第1態様(鋼桁1の上フランジ1fの上側の角部6に面取り処理を施す態様)における鋼桁施工装置20での押圧力制御方法では、まず、ステップS31にて、電流計23aでの電流測定値Vmが第1所定値Vs1未満であるか否かを判定する。ここで、第1所定値Vs1は、前述の押圧力が過度に小さいか否かを判定するための値であり、予め設定されている。また、第1所定値Vs1は、後述する第2所定値Vs2より小さい値である。
ステップS31にて、電流測定値Vmが第1所定値Vs1未満である場合には、前述の押圧力が過度に小さいと判定されて、ステップS32に進み、昇降装置28を作動させて、第1アーム27に対して第2アーム29を所定量下降させる。ここで、所定量とは、ごく僅かな変位量である。
ステップS31にて、電流測定値Vmが第1所定値Vs1以上である場合には、ステップS33に進み、電流測定値Vmが第2所定値Vs2より大きいか否かを判定する。ここで、第2所定値Vs2は、前述の押圧力が過度に大きいか否かを判定するための値であり、予め設定されている。
ステップS33にて、電流測定値Vmが第2所定値Vs2より大きい場合には、前述の押圧力が過度に大きいと判定されて、ステップS34に進み、昇降装置28を作動させて、第1アーム27に対して第2アーム29を所定量上昇させる。ここで、所定量とは、ごく僅かな変位量である。
ステップS33にて、電流測定値Vmが第2所定値Vs2以下である場合には、ステップS35に進み、昇降装置28を作動させず、第1アーム27に対して第2アーム29を昇降させない。
このようにして、鋼桁施工装置20の第1態様(鋼桁1の上フランジ1fの上側の角部6に面取り処理を施す態様)での押圧力制御方法が実行され得る。尚、これと同様の押圧力制御方法が、鋼桁施工装置20の第3態様(鋼桁1の上フランジ1fの上面1aにケレン処理を施す態様)にも適用され得る。
図12に示すように、鋼桁施工装置20の第2態様(鋼桁1の上フランジ1fの下側の角部7に面取り処理を施す態様)における鋼桁施工装置20での押圧力制御方法については、前述の図10に示した押圧力制御方法において、ステップS32とステップS34とを入れ替えたものになっている。
つまり、ステップS31にて、電流測定値Vmが第1所定値Vs1未満である場合には、前述の押圧力が過度に小さいと判定されて、ステップS34に進み、昇降装置28を作動させて、第1アーム27に対して第2アーム29を所定量上昇させる。
また、ステップS33にて、電流測定値Vmが第2所定値Vs2より大きい場合には、前述の押圧力が過度に大きいと判定されて、ステップS32に進み、昇降装置28を作動させて、第1アーム27に対して第2アーム29を所定量下降させる。
次に、図2のステップS11におけるケレン処理及び面取り処理の実施方法の一例を説明する。
まず、鋼桁施工装置20を前述の第3態様(鋼桁1の上フランジ1fの上面1aにケレン処理を施す態様)として、既設床版2が撤去された鋼桁1に鋼桁施工装置20を設置する。
次に、走行装置22を自走させつつ、ケレン装置40により、鋼桁1の上フランジ1fの上面1aの左右両側の側部5にケレン処理を施す。このケレン処理中には、前述の押圧力制御(図10参照)が実行される。
そして、走行装置22の自走が停止すると、ケレン装置40をケレン装置40用の把持部29cから分離し、ケレン装置40用の把持部29cを面取り装置30用の把持部29cに取り替えて、この面取り装置30用の把持部29cに面取り装置30を装着する。
次に、鋼桁施工装置20を前述の第1態様(鋼桁1の上フランジ1fの上側の角部6に面取り処理を施す態様)として、走行装置22を自走させつつ、面取り装置30により、鋼桁1の上フランジ1fの左右両方の上側の角部6に面取り処理を施す。この面取り処理中には、前述の押圧力制御(図10参照)が実行される。
そして、走行装置22の自走が停止すると、第1アーム27を走行装置22から横方向に若干張り出させて、昇降装置28を作動させて第1アーム27に対して第2アーム29を下降させ、前述の若干張り出させた第1アーム27を元に戻すことで、鋼桁施工装置20を前述の第2態様(鋼桁1の上フランジ1fの下側の角部7に面取り処理を施す態様)とする。
次に、走行装置22を自走させつつ、面取り装置30により、鋼桁1の上フランジ1fの左右両方の下側の角部7に面取り処理を施す。この面取り処理中には、前述の押圧力制御(図12参照)が実行される。
そして、走行装置22の自走が停止すると、鋼桁施工装置20が鋼桁1から取り外される。この取り外された鋼桁施工装置20は、次の施工場所に移設され得る。
このようにして、ケレン処理及び面取り処理が実施され得る。
尚、このケレン処理及び面取り処理の実施方法の一例では、ケレン処理が行われた後に面取り処理が行われているが、これに代えて、面取り処理が行われた後にケレン処理が行われてもよい。
また、このケレン処理及び面取り処理の実施方法の一例では、鋼桁施工装置20の第1態様(鋼桁1の上フランジ1fの上側の角部6に面取り処理を施す態様)と、鋼桁施工装置20の第2態様(鋼桁1の上フランジ1fの下側の角部7に面取り処理を施す態様)との切り替えを、昇降装置28を作動させて第1アーム27に対して第2アーム29を昇降させることで実現しているが、当該切り替えの手法は昇降装置28を用いるものに限らない。例えば、昇降装置28を用いる代わりに、当該第1態様用の把持部29cと、当該第2態様用の把持部29cとを予め準備しておき、これら把持部29c同士を取り替えることで、当該第1態様と当該第2態様との切り替えを実現してもよい。
本実施形態によれば、床版架け替え方法は、鋼桁1上に設けられた床版を架け替える方法である。床版架け替え方法は、既設床版2を鋼桁1から撤去する既設床版撤去工程(ステップS1)と、既設床版2が撤去された鋼桁1に処理を施す鋼桁処理工程(ステップS2,S11)と、この処理が施された鋼桁1上に新設床版15を設置する新設床版設置工程(ステップS3,S21~S23)と、を含む。鋼桁処理工程(ステップS2,S11)は、鋼桁1の上面1a(上フランジ1fの上面1a)にケレン処理を施すこと、及び/又は、鋼桁1の角部6,7(上フランジ1fの角部6,7)に面取り処理を施すことを含む。ゆえに、既設床版2が撤去された鋼桁1については、ケレン処理によって鋼桁1の上面1aの清掃を行うことができることにより、及び/又は、面取り処理によって鋼桁1の角部6,7での塗料の乗りを良くすることができることにより、当該鋼桁1の最適化を図ることができる。
また本実施形態によれば、鋼桁処理工程(ステップS11)は、鋼桁1の上面1a(上フランジ1fの上面1a)にケレン処理が施された後、及び/又は、鋼桁1の角部6,7(上フランジ1fの角部6,7)に面取り処理が施された後に、鋼桁1に塗装を施すことを更に含む。これにより、新設床版15の設置に先立って鋼桁1の防錆対策などを実施することができる。
また本実施形態によれば、床版架け替え方法は、鋼桁処理工程(ステップS11)の後であって、かつ、新設床版設置工程(ステップS3)に先立って、前記塗装が施された鋼桁1の上面1a(上フランジ1fの上面1a)における両縁部8上にそれぞれシール部材10を設置するシール部材設置工程(ステップS12)を更に含む。これにより、新設床版15と鋼桁1とを固定して一体化する際に新設床版15の貫通孔15aから空間16内に打設されるモルタルが空間16外に漏れ出るのを防ぐことができる。
また本実施形態によれば、新設床版設置工程(ステップS3)は、新設床版15をシール部材10上に配置すること(ステップS21)、及び、新設床版15の下面15bと鋼桁1の上面1a(上フランジ1fの上面1a)とシール部材10とによって囲まれた空間16内にモルタルを充填すること(ステップS23)を含む。これにより、新設床版15と鋼桁1とが固定されて一体化され得る。
また本実施形態によれば、鋼桁施工装置20は、既設の鋼桁1に沿って延びるレール21と、レール21に沿って走行可能な走行装置22と、走行装置22に取り付けられて鋼桁1に処理を施す鋼桁処理装置23と、を備える。鋼桁処理装置23は、鋼桁1の上面1a(上フランジ1fの上面1a)にケレン処理を施すケレン装置40、及び/又は、鋼桁1の角部6,7(上フランジ1fの角部6,7)に面取り処理を施す面取り装置30を含む。ゆえに、既設床版2が撤去された鋼桁1に対して鋼桁施工装置20を用いることで、鋼桁1については、ケレン処理によって鋼桁1の上面1aの清掃を行うことができることにより、及び/又は、面取り処理によって鋼桁1の角部6,7での塗料の乗りを良くすることができることにより、鋼桁1の最適化を図ることができる。
また本実施形態によれば、鋼桁施工装置20は、鋼桁1の上面1a上(上フランジ1fの上面1a上)に設置されてレール21を支持する複数の支持台25を更に備える。複数の支持台25は、鋼桁1の長手方向に間隔を空けて並んでいる。これにより、例えば、既設床版2の撤去時に鋼桁1の上フランジ1fの上面1a上に残ったスタッドジベルの一部を避けて支持台25を設置することができるので、レール21の敷設を効率良く行うことができる。
また本実施形態によれば、支持台25はマグネット25cを備え、マグネット25cによって支持台25が鋼桁1の上面1a(鋼桁1の上フランジ1fの上面1a)に着脱可能に固定されている。これにより、支持台25及びレール21の設置・撤去を効率良く行うことができる。
また本実施形態によれば、鋼桁処理装置23は、第1アーム27及び第2アーム29を介して走行装置22に取り付けられている。第1アーム27は、走行装置22の走行方向に対して平面視で交差する方向を横方向として、基端部27aが走行装置22に取り付けられて走行装置22から横方向に張り出している。第2アーム29は、上端部29aが第1アーム27の先端部27bに取り付けられて上下方向に延びている。鋼桁処理装置23は、第2アーム29の下端部29bに取り付けられている。第1アーム27は、走行装置22に対して横方向に位置調整可能である。第2アーム29は、第1アーム27に対して上下方向に位置調整可能である。ゆえに、走行装置22に対する鋼桁処理装置23の位置を上下方向及び横方向に任意に調整することができる。
また本実施形態によれば、第2アーム29の下端部29bには鋼桁処理装置23を把持可能な把持部29cが設けられている。把持部29cによって鋼桁処理装置23が第2アーム29の下端部29bに着脱可能に取り付けられている。これにより、鋼桁処理装置23の第2アーム29への装着と離脱とを容易に行うことができる。
また本実施形態によれば、走行装置22の走行方向に対して平面視で交差する方向を横方向として、走行装置22における横方向両側にそれぞれ鋼桁処理装置23が取り付けられている。これにより、走行装置22を走行させつつ、鋼桁1の左右両側(上フランジ1fの左右両側)で同時にケレン処理及び/又は面取り処理を行うことができる。
本実施形態において、第1アーム27の先端部27bと昇降装置28との間に、第1アーム27の先端部27bに対する昇降装置28の位置を微調整可能な手段を追加してもよい。
本実施形態において、昇降装置28と第2アーム29の上端部29aとの間に、昇降装置28に対する第2アーム29の上端部29aの位置を微調整可能な手段を追加してもよい。
本実施形態において、第2アーム29の下端部29bと把持部29cとの間に、第2アーム29の下端部29bに対する把持部29cの位置を微調整可能な手段を追加してもよい。
本実施形態において、鋼桁処理装置23(面取り装置30及びケレン装置40)は、市販されている既製品であるが、この他、市販されていない、専用の装置としてもよいことは言うまでもない。
本実施形態では、走行装置22の左右両側に鋼桁処理装置23が1つずつ設けられているが、この他、走行装置22の左右両側の各々に複数の鋼桁処理装置23が設けられてもよい。この場合には、複数の鋼桁処理装置23が、走行装置22の左右両側の各々において、走行方向(橋軸方向)に互いに間隔を空けて並び得る。また、この場合において、面取り装置30とケレン装置40とを走行方向(橋軸方向)に沿って直列に並べることで、走行装置22を走行させつつ、面取り処理とケレン処理とを連続的に実施することができる。
本実施形態では、走行装置22の左右両側に鋼桁処理装置23が設けられているが、この他、走行装置22の左右いずれか一方に鋼桁処理装置23が設けられてもよい。
本実施形態では、レール21上を走行する走行装置22の台数が1台であるが、レール21上を走行する走行装置22の台数は1台に限らず、複数台であってもよい。レール21上を走行する走行装置22の台数が複数台である場合には、走行装置22毎に処理内容(ケレン処理・面取り処理)を異ならせるのが好ましい。
本実施形態によれば、1台のコンパクトな鋼桁施工装置20で、鋼桁1の上フランジ1fの角部6,7の面取り処理と、鋼桁1の上フランジ1fの上面1aのケレン処理との双方を実現することが可能であるので、産業上の利用可能性は大である。
図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
尚、出願当初の請求項は以下の通りであった。
[請求項1]
鋼桁上に設けられた床版を架け替える方法であって、
既設床版を前記鋼桁から撤去する既設床版撤去工程と、
既設床版が撤去された前記鋼桁に処理を施す鋼桁処理工程と、
該処理が施された前記鋼桁上に新設床版を設置する新設床版設置工程と、
を含み、
前記鋼桁処理工程は、前記鋼桁の上面にケレン処理を施すこと、及び/又は、前記鋼桁の角部に面取り処理を施すことを含む、床版架け替え方法。
[請求項2]
前記鋼桁処理工程は、前記鋼桁の上面にケレン処理が施された後、及び/又は、前記鋼桁の角部に面取り処理が施された後に、前記鋼桁に塗装を施すことを更に含む、請求項1に記載の床版架け替え方法。
[請求項3]
前記鋼桁処理工程の後であって、かつ、前記新設床版設置工程に先立って、前記塗装が施された前記鋼桁の上面における両縁部上にそれぞれシール部材を設置するシール部材設置工程を更に含む、請求項2に記載の床版架け替え方法。
[請求項4]
前記新設床版設置工程は、新設床版を前記シール部材上に配置すること、及び、新設床版の下面と前記鋼桁の上面と前記シール部材とによって囲まれた空間内にモルタルを充填することを含む、請求項3に記載の床版架け替え方法。
[請求項5]
既設の鋼桁に沿って延びるレールと、
前記レールに沿って走行可能な走行装置と、
前記走行装置に取り付けられて前記鋼桁に処理を施す鋼桁処理装置と、
を備え、
前記鋼桁処理装置は、前記鋼桁の上面にケレン処理を施すケレン装置、及び/又は、前記鋼桁の角部に面取り処理を施す面取り装置を含む、鋼桁施工装置。
[請求項6]
前記鋼桁処理装置は、第1アーム及び第2アームを介して前記走行装置に取り付けられており、
前記第1アームは、前記走行装置の走行方向に対して平面視で交差する方向を横方向として、基端部が前記走行装置に取り付けられて前記走行装置から横方向に張り出しており、
前記第2アームは、上端部が前記第1アームの先端部に取り付けられて上下方向に延びており、
前記鋼桁処理装置は、前記第2アームの下端部に取り付けられており、
前記第1アームは、前記走行装置に対して横方向に位置調整可能であり、
前記第2アームは、前記第1アームに対して上下方向に位置調整可能である、請求項5に記載の鋼桁施工装置。
[請求項7]
前記走行装置の走行方向に対して平面視で交差する方向を横方向として、前記走行装置における横方向両側にそれぞれ前記鋼桁処理装置が取り付けられている、請求項5又は請求項6に記載の鋼桁施工装置。
1…鋼桁、1a…上面、1f…上フランジ、1w…ウェブ、2…既設床版、5…側部、6,7…角部、8…縁部、10…シール部材、12…高さ調整材、15…新設床版、15a…貫通孔、15b…下面、16…空間、18…スタッドジベル、20…鋼桁施工装置、21…レール、21a…溝、21b…ラック、22…走行装置、22a…車輪、22b…本体部、22c…ピニオンギア、22d…操作パネル、23…鋼桁処理装置、23a…電流計、24…制御部、24a…走行制御部、24b…昇降制御部、25…支持台、25a…脚部、25b…枕木部材、25c…マグネット、27…第1アーム、27a…基端部、27b…先端部、27c…ハンドル、27d…固定用レバー、28…昇降装置、29…第2アーム、29a…上端部、29b…下端部、29c…把持部、30…面取り装置、31…本体、32…ガイドプレート、33…回転切削刃、40…ケレン装置、41…本体、42…研削砥石

Claims (2)

  1. 既設の鋼桁に沿って延びるレールと、
    前記レールに沿って走行可能な走行装置と、
    前記走行装置に取り付けられて前記鋼桁に処理を施す鋼桁処理装置と、
    を備え、
    前記鋼桁処理装置は、前記鋼桁の上面にケレン処理を施すケレン装置、及び/又は、前記鋼桁の角部に面取り処理を施す面取り装置を含み、
    前記走行装置の走行方向に対して平面視で交差する方向を横方向として、前記走行装置における横方向両側にそれぞれ前記鋼桁処理装置が取り付けられている、鋼桁施工装置。
  2. 前記鋼桁処理装置は、第1アーム及び第2アームを介して前記走行装置に取り付けられており、
    前記第1アームは、前記走行装置の走行方向に対して平面視で交差する方向を横方向として、基端部が前記走行装置に取り付けられて前記走行装置から横方向に張り出しており、
    前記第2アームは、上端部が前記第1アームの先端部に取り付けられて上下方向に延びており、
    前記鋼桁処理装置は、前記第2アームの下端部に取り付けられており、
    前記第1アームは、前記走行装置に対して横方向に位置調整可能であり、
    前記第2アームは、前記第1アームに対して上下方向に位置調整可能である、請求項1に記載の鋼桁施工装置。
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