JP7224437B2 - レーザー転写装置、及び、レーザー転写方法 - Google Patents

レーザー転写装置、及び、レーザー転写方法 Download PDF

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Description

本発明は、転写元基板のマイクロLED等の素子をレーザー光により転写するレーザー転写装置及びレーザー転写方法に関する。
特許文献1には、素子(半導体発光装置62a)が設けられた転写元基板(サファイア基板60及び半導体発光装置62a)にレーザー光を照射して、前記の素子を転写元基板から転写先基板(発光装置埋め込み用板64)に転写する技術が開示されている(段落0047など)。
特開2006-147876号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、レーザー光の照射位置が誤差等により転写元基板に対して相対的にずれた場合に、レーザー光が転写元基板の余計な部分(例えば、転写対象の素子の周囲にある非転写対象の素子が形成された部分など)に当たってしまうことがある。
この発明は、レーザー光が転写元基板の余計な部分に当たってしまうことを防止したレーザー転写装置及びレーザー転写方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るレーザー転写装置は、
複数の素子が形成された転写元基板にレーザー光を上方から照射し、前記複数の素子のうち転写対象である複数の転写対象素子を前記転写元基板の下方に位置する転写先基板に転写するレーザー転写装置であって、
パルス状の前記レーザー光を出射する出射機構と、
前記転写元基板を覆うマスクであって、前記上方から見たときに前記転写先基板における前記複数の転写対象素子それぞれの転写位置と重なる位置に前記パルス状のレーザー光を透過する複数の透過部を有し、少なくとも当該複数の透過部の周囲は前記パルス状のレーザー光を透過させないマスクと、
前記レーザー光の照射位置を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させる移動機構と、
前記複数の転写対象素子それぞれが前記複数の透過部それぞれと前記転写先基板の前記転写位置それぞれとの間に配置されるよう前記転写元基板を支持する支持機構と、
前記移動機構及び前記出射機構を制御し、前記照射位置を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させるとともに前記照射位置が前記複数の透過部それぞれに位置する各タイミングにて前記出射機構から前記パルス状のレーザー光を出射させるスキャンを実行するコントローラと、
を備え
前記パルス状のレーザー光は、前記複数の透過部それぞれよりも大きく、トップハット形状の強度分布を有する。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るレーザー転写方法は、
複数の素子が形成された転写元基板にレーザー光を上方から照射し、前記複数の素子のうち転写対象である複数の転写対象素子を前記転写元基板の下方に位置する転写先基板に転写するレーザー転写方法であって、
パルス状の前記レーザー光を照射する照射位置を、前記転写元基板を覆うマスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させるとともに、前記パルス状のレーザー光を前記転写元基板に照射するスキャンを行うスキャンステップを備え、
前記マスクは、前記上方から見たときに前記転写先基板における前記複数の転写対象素子それぞれの転写位置と重なる位置に前記パルス状のレーザー光を透過する複数の透過部を有し、少なくとも当該複数の透過部それぞれの周囲は前記パルス状のレーザー光を透過させず、
前記パルス状のレーザー光は、前記複数の透過部それぞれよりも大きく、トップハット形状の強度分布を有し、
前記スキャンステップでは、
前記転写元基板の前記複数の転写対象素子それぞれを、前記複数の透過部それぞれと前記転写先基板の前記転写位置それぞれとの間に配置し、
前記照射位置が前記複数の透過部それぞれに位置する各タイミングにて前記パルス状のレーザー光を前記複数の透過部それぞれを介して前記転写元基板に照射する。
本発明によれば、マスクにより、レーザー光が転写元基板の余計な部分に当たってしまうことを防止できる。
本発明の一実施形態に係るレーザー転写装置の構成図である。 マイクロLED転写後の転写先基板の一部平面図である。 マイクロLED転写前の転写元基板の平面図である。 レーザー光の形状及び強度部分を示す図である。 マスクの断面図である。 第1移動機構、第2移動機構などの平面図である。 転写先基板と転写元基板とマスクとの位置関係を示す平面図である。 スキャンの軌跡を示す図である。 照射位置を移動させレーザー光を照射するときのレーザー光の照射タイミングを示す説明図である。 転写先基板と転写元基板とマスクとの位置関係を示す平面図である。 変形例に係る判定結果データの一例を示す図である。 変形例に係る説明図であって、照射位置を移動させレーザー光を照射するときのレーザー光の照射タイミングを示す説明図である。 変形例に係る輝度レベルデータの一例を示す図である。 変形例に係る転写データの一例を示す図である。
(レーザー転写装置100の構成)
以下、本発明の一実施形態に係るレーザー転写装置100及びレーザー転写方法を図1~図10を参照して説明する。
レーザー転写装置100は、図1などに示すように、基板11にマイクロLED(Light Emitting Diode)12が形成された転写元基板10(ウェハー等とも言われる)にレーザー光を照射し、レーザーアブレーションによりマイクロLED12を基板11から剥離(リフトオフ)する。剥離したマイクロLED12は下方(マイナスZ方向)に落ち、転写元基板10の下方に位置する転写先基板20(TFT(Thin Film Transistor)基板等)に移動する(転写される)。転写先基板20に移動したマイクロLED12は適宜の方法で転写先基板20に固定される。
転写先基板20には、マイクロLED12として、図2に示すように、赤(R)のマイクロLED12R、緑(G)のマイクロLED12G、及び、青(B)のマイクロLED12Bが転写される。転写先基板20における、各マイクロLED12が転写される転写位置(マイクロLED12と電気的に接続される電極等)は、XY方向にマトリクス状に配置されている。レーザー転写方法は、各マイクロLED12が転写されたあとの転写先基板20を製造する方法でもある。
転写元基板10は、サファイヤ基板などの基板11と、GaNなどの各種材料によって形成されたマイクロLED12と、を備える。なお、マイクロLED12の基材として、基板11上にポリイミド膜等の樹脂膜を形成してもよい。1つの転写元基板10には、マイクロLED12R、マイクロLED12G、マイクロLED12Bのうちのいずれかが形成される。図3に、マイクロLED12Rが形成された転写元基板10を示す(マイクロLED12Rは、基板11の裏面に設けられるため、図3の平面図では点線で描かれている)。図3に示すように、転写元基板10は、XY方向にマトリクス状に配置されたマイクロLED12を含む。
レーザー転写装置100は、まず、赤のマイクロLED12Rが形成された転写元基板10を用いて赤のマイクロLED12Rの転写を一通り行い、その後、緑のマイクロLED12Gが形成された転写元基板10を用いて緑のマイクロLED12Gの転写を一通り行う。レーザー転写装置100は、その後、青のマイクロLED12Bが形成された転写元基板10を用いて青のマイクロLED12Bの転写を行う。
レーザー転写装置100は、レーザー110と、光学系120と、スキャン機構130と、マスク140と、可動部150と、第1移動機構160と、第2移動機構170と、コントローラ180と、を備える。
レーザー110は、266nmの波長を有するレーザー光L1を出射する固体レーザーである。レーザー110は、シングルモードのNd:YAGレーザーである。レーザー110は、1064nmのレーザー光を波長変換した266nmのレーザー光(4次高調波)をパルス状に出力する。以下、パルス1つのレーザー光を、レーザー光L1という(図1の符号L1を付した線は、レーザー光L1の光路を示している)。レーザー110はシングルモードなので、レーザー光L1の形状は円形であり、強度分布がガウシアン形状となっている。本明細書で説明されるレーザー光の形状は、当該レーザー光をその光軸に直交する方向に切ったときの当該レーザー光の断面形状である。レーザー光L1は、355nmの波長の光であってもよいし、超短パルスレーザーであってもよい。レーザー光L1の波長等は、転写元基板10の材料等によって適宜決定すればよい。
光学系120は、レーザー光L1を、図4に示すような、形状が四角形で、強度分布がトップハット形状のレーザー光L2に成形する(図1の符号L2を付した線は、レーザー光L2の光路を示している)。図4中のX方向及びY方向は、レーザー光L2が、スキャン機構130等により方向を変えられてマスク140に到達するとき(詳細は後述)の方向であり、可動部150の移動方向であるX方向及びY方向(詳細は後述)に対応している。
光学系120は、ビームエキスパンダ121、DOE(Diffractive Optical Element、回折光学素子)122、及び、ビームレデューサ123を備える。ビームエキスパンダ121は、例えば、ズーム式であり、レーザー光L1の形状を大きくする。DOE122は、ビームエキスパンダ121により広げられたレーザー光L1の形状を四角形に成形し、かつ、当該レーザー光L1の強度部分をトップハット形状に成形するよう設計されている。このようなDOE122により成形されたレーザー光L1は、ビームレデューサ123により縮小(集光)され、レーザー光L2として、スキャン機構130に出射される。
スキャン機構130は、パルス状のレーザー光L2をXY方向にスキャン(走査)する。スキャン機構130は、ガルバノスキャナ131及びFθレンズ132を備える。
ガルバノスキャナ131は、例えば、第1ガルバノミラーと、第1ガルバノミラーを回転させる第1ガルバノモータと、第2ガルバノミラーと、第2ガルバノミラーを回転させる第2ガルバノモータと、を含んで構成されている(なお、図1では、模式的に1つのミラーのみが記載されている)。ガルバノスキャナ131は、第1ガルバノミラーによりレーザー光L2をX方向に振り、第2ガルバノミラーによりレーザー光L2をY方向に振る。
Fθレンズ132は、スキャニングレンズとして使用され、ガルバノスキャナ131からのレーザー光L2を集光するとともに、当該レーザー光L2の入射角に対応した位置にレーザー光L2を出射する。
レーザー光L2は、ガルバノスキャナ131及びFθレンズ132の組み合わせにより、均一の強さでXY方向にスキャンされる。
マスク140は、レーザー光L2のうちの余計な光が転写元基板10に照射されないよう、また、転写元基板10における余計な部分(転写したい素子が設けられた部分以外の部分)にレーザー光L2が照射されないよう、転写元基板10をマスクする。平面視(Z方向ないし上方から見た場合)におけるマスク140の形状は、転写先基板20とほぼ同じである。マスク140は、レーザー光L2を透過させず乱反射する非透過部145と、レーザー光L2を透過させる複数の透過部146と、を備える。マスク140は、転写元基板10を覆うとともに、転写元基板10を介して転写先基板20を覆う。マスク140として、赤のマイクロLED12Rの転写に使用されるマスク140R、緑のマイクロLED12Gの転写に使用されるマスク140G、及び、青のマイクロLED12Bの転写に使用されるマスク140Bが用意されている(図1では、マスク140Rが用いられている)。
マスク140Rの各透過部146は、転写先基板20における赤の各マイクロLED12Rが転写される各転写位置と、一対一で対応している。マスク140Gの各透過部146は、転写先基板20における緑の各マイクロLED12Gが転写される各転写位置と、一対一で対応している。マスク140Bの各透過部146は、転写先基板20における青の各マイクロLED12Bが転写される各転写位置と、一対一で対応している。透過部146は、平面視したときに、マイクロLED12と同形状か若干大きい相似形状とし、マイクロLED12全部を覆う形状とするとよい。
マスク140は、図5に示すように、ガラス基板141と、誘電体多層膜142と、を備える。誘電体多層膜142は、高屈折率と低屈折率の誘電体薄膜を交互に積層して得られる。誘電体多層膜142は、レーザー光L2の波長の光(例えば266nm)を全反射かつ乱反射する。誘電体多層膜142の一部は、エッチング等により取り除かれている。マスク140のうち、誘電体多層膜142が残っている部分が非透過部145であり、誘電体多層膜142が取り除かれた部分が透過部146である。レーザー光L2は、透過部146(ガラス基板141)を透過する。
可動部150は、水平方向、つまり、XY方向に移動可能に設けられている。可動部150は、転写先基板20が載置されるステージ151と、ステージ151上に固定され、マスク140を転写先基板20の上方で支持する4つの支持部材152と、備える。
4つの支持部材152それぞれは、Z方向(上下方向)に伸縮することで、マスク140をZ方向に移動させ、転写先基板20から離したり、近づけたりできる。各支持部材152は、マスク140を把持する把持部152Aと、当該把持部152Aが固定されたロッド152Bとを備える。各支持部材152は、ロッド152BをZ方向に移動させることでZ方向に伸縮する。ロッド152BをZ方向に移動させる機構としては、リニアモータ、油圧シリンダ、空圧シリンダ、ラックアンドピニオン、又は、ボールネジ等を用いた各種機構を採用すればよい。
可動部150(ステージ151)が移動することで、ステージ151に載置された転写先基板20と、ステージ151上の支持部材152に支持されたマスク140とが一体に移動する。
第1移動機構160は、可動部150をXY方向に移動させる。第1移動機構160は、図6に示すように、一対のレール161と、ボールネジ機構162と、移動部材163と、一対のレール164と、ボールネジ機構165と、を備える。
レール161は、X方向に沿って延びており、移動部材163が載っている。ボールネジ機構162は、ボールネジを利用して移動部材163をX方向に移動させる機構であり、モータ162Aと、移動部材163の例えば下面から突出した螺合部と螺合しているネジ162Bと、を備える。モータ162Aがネジ162Bを回転させることで、移動部材163がレール161上をX方向に移動する。
レール164は、移動部材163上に設けられており、Y方向に沿って延びている。レール164には、可動部150(ステージ151)が載っている。ボールネジ機構165は、ボールネジを利用して可動部150をY方向に移動させる機構であり、モータ165Aと、ステージ151の例えば下面から突出した螺合部と螺合しているネジ165Bと、を備える。モータ165Aがネジ165Bを回転させることで、可動部150(ステージ151)がレール164上をY方向に移動する。
以上のような構成により、第1移動機構160は、可動部150が載った移動部材163をX方向に移動させ、移動部材163上で可動部150をY方向に移動させることできるので、可動部材150をXY方向に移動させることができる。さらに、この可動部材150の移動により、転写先基板20及びマスク140を一体にXY方向に移動させることができる。
第2移動機構170は、転写元基板10を支持し、当該転写元基板10を、転写先基板20及びマスク140とは独立してXY方向に移動させる。第2移動機構170は、転写元基板10のマイクロLED12(特に転写対象のマイクロLED12)が、マスク140の複数の透過部146それぞれと、転写先基板20におけるマイクロLED12が転写される複数の転写位置それぞれとの間に配置されるよう、転写元基板10を支持する。第2移動機構170は、転写元基板10を保持する保持部材171と、保持部材171を支持してXY方向に移動させる一対の移動機構172及び173を有する。
保持部材171は、板状部材であり、Y方向に沿って並べて配置された2つの貫通孔171Aを備える。各貫通孔171Aは、転写元基板10の形状に合わせた円形に形成されており、各貫通孔171A内に転写元基板10が配置される。各貫通孔171Aの内壁は、下側(転写先基板20側)部分が内側に突出した段差を有する。各貫通孔171A内に配置された転写元基板10は、前記の段差により、マイクロLED12が保持部材171の下面から露出した状態で保持される。このようにして、保持部材171は、2つの転写元基板10を保持する。保持部材171、つまり、転写元基板10は、マスク140と転写先基板20との間に配置されている。
移動機構172は、図6に示すように、レール172Aと、ボールネジ機構172Bと、移動部材172Cと、支持部材172Dと、を備える。
レール172Aは、X方向に沿って延びている。レール172Aには、移動部材172Cが載っている。ボールネジ機構172Bは、ボールネジを利用して移動部材172CをX方向に移動させる機構であり、モータ172BAと、移動部材172Cの例えば下面から突出した螺合部と螺合しているネジ172BBと、を備える。モータ172BAがネジ172BBを回転させることで、移動部材172Cがレール172A上をX方向に移動する。
支持部材172Dは、移動部材172C上に設けられ、保持部材171を支持する。支持部材172Dは、支持部材152と同様にZ方向(上下方向)に伸縮することで、保持部材171をZ方向に移動させる。支持部材172Dは、保持部材171を把持する把持部172DAと、当該把持部172DAが固定されたロッド172DBと、を備える。支持部材172Dは、ロッド172DBをZ方向に移動させることで上下方向に伸縮する。ロッド172DBをZ方向に移動させる機構としては、リニアモータ、油圧シリンダ、空圧シリンダ、ラックアンドピニオン、又は、ボールネジ等を用いた各種機構を採用すればよい。
把持部172DAは、Y方向に伸縮可能に設けられている。把持部172DAは、先端で保持部材171を把持するロッド172DAAを備え、当該ロッド172DAAをY方向に移動させることで、Y方向に伸縮する。把持部172DAのY方向への伸縮は、支持部材172DのY方向への伸縮ともいえる。ロッド172DAAをY方向に移動させる機構としては、リニアモータ、油圧シリンダ、空圧シリンダ、ラックアンドピニオン、又は、ボールネジ等を用いた各種機構を採用すればよい。
移動機構173は、移動機構172と対をなしており、Y方向に沿って反対の配置となっている以外、構成は略同じであるので、詳細な説明は移動機構172の説明に準じる。移動機構173は、図6に示すように、レール173A(レール172Aに対応)と、ボールネジ機構173B(ボールネジ機構172Bに対応)と、移動部材173C(移動部材172Cに対応)と、支持部材173D(支持部材172Dに対応)と、を備える。ボールネジ機構173Bは、ボールネジ機構172Bと同様に、モータ173BAとネジ173BBとを備える。支持部材173Dは、支持部材172Dと同様に、把持部173DA及びロッド173DBを備え、把持部173DAは、把持部172DAと同様にロッド173DAAを備える。
以上のような構成により、ボールネジ機構172B及び173Bが同期して動作することで、移動部材172C及び移動部材173CをX方向に移動させることができ、これにより、移動部材172C及び173C上の支持部材172D及び支持部材173Dにより支持された保持部材171つまり転写元基板10をX方向に移動させることができる。さらに、把持部172DAと把持部173DAとのうち一方を伸ばし、他方を縮ませることにより、保持部材171つまり転写元基板10をY方向に移動させることができる。さらに、支持部材172D及び支持部材173Dは、支持部材152と同様に、上下方向(Z方向)に伸縮することで、保持部材171つまり転写元基板10をZ方向に移動させ、転写先基板20から離したり、近づけたりできる。
コントローラ180は、コンピュータ等により構成され、レーザー転写装置100全体を制御する。特に、コントローラ180は、レーザー110(パルス状のレーザー光の出射)、スキャン機構130(ガルバノスキャナ131)、支持部材152(支持部材152を伸縮させるためのモータ、油圧回路又は空圧回路など)、第1移動機構160(モータ162A及び165A)、及び、第2移動機構170(モータ172BA及び173BAと、支持部材172D及び173D(支持部材172D及び173DをZ方向及びY方向に伸縮させるためのモータ、油圧回路又は空圧回路など))を同期制御して、これらを駆動し、マイクロLED12の転写を行うレーザー転写処理を実行する。
(レーザー転写処理)
レーザー転写処理の開始に当たって、ユーザ又は所定のロボットは、転写元基板10、転写先基板20、マスク140をセットし、かつ、今回転写するマイクロLED12の色(マイクロLED12R、マイクロLED12G、マイクロLED12Bのいずれか。ここでは赤とする。つまり、マスク140がマスク140Rであるとする。)をコントローラ180に入力する。転写元基板10等をセットする際、支持部材152、支持部材172D、及び、支持部材173DはZ方向に伸びた状態となっている。転写先基板20とマスク140Rは、マスク140Rの各透過部146が、平面視したときに、転写先基板20におけるマイクロLED12Rの転写位置それぞれと一対一で重なるようにセットされる。なお、以下では、マイクロLED12、透過部146、及び、転写位置のX方向の並びを「行」といい、マイクロLED12、透過部146、及び、転写位置のY方向の並びを「列」という。
さらに、コントローラ180は、前記入力があると、第1移動機構160を制御し、転写先基板20及びマスク140を転写開始位置に移動させ、かつ、第2移動機構170を制御し、転写元基板10を転写開始位置に移動させる。各転写開始位置は、図7(保持部材171は省略している。図8、図10も同じ。)に示すように、平面視において、転写元基板10(ここでは、図6の紙面上側の転写元基板10とする)の最左列の各マイクロLED12R(その後のスキャンにより転写される転写対象素子)が、マスク140Rの最左列の各透過部146及び転写先基板20に転写される最左列のマイクロLED12Rの各転写位置と重なる位置である。なお、このような位置関係では、転写元基板10の左から4列目、7列目の各マイクロLED12R(転写対象素子)が、マスク140Rの左から2列目、3列目の各透過部146及び転写先基板20の左から4列目、7列目の転写位置(赤のみで考えると、2列目、3列目のマイクロLED12Rの転写位置)と重なる。これは、転写元基板10のマイクロLED12Rそれぞれの位置が、転写先基板20の各色のマイクロLED12の各転写位置と対応しているからである(このようなことは、他の色の転写元基板10についても同様である)。
その後、コントローラ180は、支持部材152、支持部材172D、及び、支持部材173Dを駆動して、これらをZ方向に縮め、転写元基板10及びマスク140Rを転写先基板20に近づける(例えば、図1の位置)。転写元基板10とマスク140Rとの第1間隔、及び、マスク140Rと転写先基板20との第2間隔は、できるだけ狭い方がよい。
次に、コントローラ180は、ガルバノスキャナ131を駆動し、レーザー光L2を照射する位置であるレーザー光L2の照射位置を転写元基板10ないしマスク140R上で図8の矢印Sの軌跡に沿って移動させる。ここでは、転写元基板10とマスク140とが重なる領域の各透過部146をなぞるようにレーザー光L2の照射位置を1行毎に移動させる(ここでは、8行3列分移動する。)。なお、レーザー光L2は、パルス状であるので、前記の照射位置は、実際にレーザー光L2が照射されない位置も含む。図8に示す照射位置の軌跡(矢印S)は、仮にレーザー光L2を連続光とした場合の照射の軌跡に相当する。
コントローラ180は、ガルバノスキャナ131によりレーザー光L2の照射位置を連続的(停止させず)に動かし、図9に示すように、当該照射位置が透過部146を通過するタイミングに、レーザー110にレーザー光L1を出射させ、当該レーザー光L1に基づくレーザー光L2を透過部146に到達させる。このようにして、レーザー光L2の照射位置を移動させ、かつ、照射位置が透過部146を通過するタイミングに、レーザー110にレーザー光L1を出射させることで、レーザー光L2のマスク140ないし転写元基板10のスキャンが実行される。
透過部146の位置や間隔は予め決まっているので、コントローラ180は、例えば、ガルバノスキャナ131を制御し、同じ行の透過部146間の照射位置の移動距離と、行が変わるときの照射位置の移動距離とが同じとなるよう照射位置を移動させ、かつ、照射位置を一定速度で移動させ、所定周期でレーザー110にレーザー光L1を出射させることで、レーザー光L2をピンポイントで、各透過部146に照射するスキャンを実行できる。
図9に示すように、レーザー光L2は、透過部146よりも大きいとよい(透過部146とレーザー光L2との中心が一致する場合に、レーザー光L2の輪郭の内側に透過部146が位置し、当該透過部146はレーザー光L2の輪郭からはみ出ないようにするとよい)。当該大きさは、Fθレンズの位置等によって調整するとよい。レーザー光L2の焦点は、ここでは、マイクロLED12Rにおける転写元基板10との境界部分(基材としてのポリイミド膜等の樹脂膜の部分、樹脂膜がない場合のGaN等の部分)に合わせられている。
前記1回のスキャンにおいて出射された各レーザー光L2は、各透過部146を透過し、転写元基板10(マイクロLED12R)に到達して、転写元基板10の基板11とマイクロLED12Rとの境界部分をレーザーアブレーション(GaNのガス化、ポリイミド等の樹脂膜の分子結合の切断等。転写元基板10の材料やレーザー光L2の波長等によって具体的なレーザーアブレーションは異なる)し、マイクロLED12Rを転写元基板10から剥離させ、下の転写先基板20に落とす(転写する)。これにより、転写元基板10の左から1、4、7列目のマイクロLED12Rがレーザー光L2によりスキャンされ転写される。
その後、コントローラ180は、支持部材152、支持部材172D、及び、支持部材173Dを駆動し、転写元基板10及びマスク140Rを転写先基板20から離す。また、転写元基板10とマスク140Rとの間も離す。その後、コントローラ180は、第1移動機構160を駆動し、転写先基板20及びマスク140を図10に示すように、転写元基板10に対して相対的に、マイクロLED12Rの8行分、Y方向(ここでは、マイナスY方向)に移動させる(転写先基板20及びマスク140は一体で移動する)。このとき、コントローラ180は、第2移動機構170も駆動し、保持部材171に保持された転写元基板10をY方向に移動させてもよい。さらに、コントローラ180は、第2移動機構170を制御し、転写元基板10を左方向に、マイクロLED12Rの1列分移動させる。これにより、平面視において、図10に示すように、左から1、2、3列目かつ9行目以降の透過部12Bそれぞれと、転写元基板10のマイクロLED12R(2、5、8列目のマイクロLED12R)それぞれと、を重ねることができる。
その後、コントローラ180は、支持部材152、支持部材172D、及び、支持部材173Dを制御し、転写元基板10及びマスク140Rを転写先基板20に近づける(例えば、図1の位置)。次に、コントローラ180は、ガルバノスキャナ131を制御し、上記と同様にして、レーザー光L2をマスク140Rないし転写元基板10に対してスキャンする。これにより、転写先基板20には、左から1、4、7列目かつ9行目から16行目までのマイクロLED12(赤のみであれば、1、2、3列目かつ9行目から16行目までのマイクロLED12R)が転写される。
コントローラ180は、上記のような制御を繰り返し、マイクロLED12Rを転写していく。なお、1枚目の転写元基板10のマイクロLED12Rが全て転写された場合には、2枚目の転写元基板10のマイクロLED12Rが転写される。保持部材171に保持されている2つの転写元基板10の位置関係は決まっているので、コントローラ180は、1枚目の転写元基板10について転写が終了したあと、第1移動機構160及び第2移動機構170を駆動して、2枚目の転写元基板10をマスク140等に対して相対的に所定量移動させ、転写元基板10とマスク140等との位置関係を、マイクロLED12Rを転写可能な位置関係とする。2つの転写元基板10についての転写終了後、転写元基板10を交換する。
コントローラ180は、転写先基板20に、左から1、4、7列目の全てのマイクロLED12(赤のみであれば、1、2、3列目の全てのマイクロLED12R)を転写したあとは、上記と同様にして、転写先基板20及びマスク140をY方向(ここではプラスY方向)に移動させ、かつ、X方向(ここではマイナスX方向)に移動させ(転写元基板10も移動させてもよい)、図7の位置関係よりも、転写元基板10を転写先基板20及びマスク140に対して右側に位置するようにして、再度転写していく。
さらに、赤のマイクロLED12Rを全て転写したあとには、続いて、緑のマイクロLED12G、青のマイクロLED12Bについても同様の転写を行う(マスク140も適宜変更される)。
(効果)
この実施の形態では、マイクロLED12の転写時に、レーザー光L2をマスク140を介して転写元基板10に照射するので、レーザー光L2の光軸が多少ずれたとしても、非透過部145により転写元基板10の余計な部分にレーザー光L2が照射されることを防止できる。さらに、マイクロLED12の転写時に、レ-ザー光L2の照射位置をXY方向にスキャンし、かつ、照射位置が透過部146を通過するタイミングでレーザー光L2をパルス状に出射するので、レーザー光L2の無駄な出射等がなく、効率的にレーザー光を照射できる。特に、エキシマレーザー等の高出力レーザーを使用する必要がないので、レーザー転写装置の初期費用やランニングコストを抑えることができる。
さらに、レーザー光L2は、各透過部146それぞれよりも大きく、トップハット形状の強度分布を有するので、レーザー光L2の光軸が多少ずれても、上記レーザーアブレーションを起こすことができ、マイクロLED12の転写を精度良く行える。さらに、レーザー光L2の焦点が、転写元基板10の基板11とマイクロLED12との境界部分に設定されているので、レーザー光L2の光軸が多少ずれても、当該レーザー光L2を、透過部146を介して転写元基板10の所望の箇所に照射することができ、マイクロLED12の転写を精度良く行える。
さらに、上記では、マスク140が、透過部146以外の非透過部145に、レーザービームを全反射(実質的に全反射していると言えればよく、厳密な意味での全反射よりも広い概念とする。例えば、95%以上反射すればよい)かつ乱反射する、誘電体多層膜142を備える。これにより、マスク140のレーザー光L2の吸収による劣化等を押さえることができ、かつ、乱反射により、レーザー光L2がスキャン機構130ないしレーザー110に逆流することを防止できる。
マスク140は、転写元基板10とFθレンズ132との間に配置されているので、転写元基板10におけるレーザー光L2の照射位置とマスク140の透過部146との位置関係を調整しやすい。特に、マスク140と転写元基板10との間にレンズ等の光学系の部材を含む各種部材を介さないこと(つまり、マスク140が転写元基板10を直接覆うこと)で、レーザー光L2の照射位置とマスク140の透過部146との位置関係を調整しやすい。
上記では、ある回数目(例えば、1回目)のスキャンが行われるときに、透過部146と位置がずれてスキャンの対象とならない(レーザー光L2が照射されない)マイクロLED12R(例えば、2、5、8列目のマイクロLED)がある。そして、前記ある回数目の次のスキャン(例えば、2回目)を行うときに、マスク140と転写先基板20とを、一体、かつ、転写元基板10に対して相対的に移動させることにより、前記でスキャンの対象とならなかったマイクロLED12R(例えば、2、5、8列目のマイクロLED12)を透過部146の位置に移動させる。これにより、マイクロLED12を効率的に使用でき、転写に使用されないマイクロLED12が多く発生してしまうことを防止できる。
さらに、マスク140と転写元基板10とを上昇させ、マスク140と転写元基板10との距離を離し、かつ、転写元基板10と転写先基板20との距離を離してから、マスク140及び転写先基板20と転写元基板10とを相対的に移動させることで、例えば、マスク140と転写元基板10と転写先基板20とのうちの少なくとも1つに付着したゴミ等により、転写先基板20及び又は転写元基板10が傷ついてしまうことを防止できる。
さらに、複数(ここでは、2枚であるが、3枚以上であってもよい)の転写元基板10を保持部材171により保持するので、複数の転写元基板10を用いて連続的に転写を行うことができ、生産性が向上している。
(変形例等)
以下、上記実施形態の変形例を説明する。以下の変形例の少なくとも一部は組み合わせることができる。なお、上記実施の形態の構成や下記の構成は、上記「発明が解決しようとする課題」等に係る構成であるか否かに関わらず、どの構成であっても省略できる(その場合には、別の発明となりうる)。
(変形例1)
スキャン機構130を設けずにレーザー光L2の照射位置を固定とし、上記スキャン時には、マスク140、転写元基板10、転写先基板20を移動させてもよい。例えば、このときには、上記第1移動機構160及び第2移動機構170により、マスク140、転写元基板10、転写先基板20を移動させてもよい。レーザー転写装置100は、前記照射位置をマスク140、転写元基板10、及び、転写先基板20に対して相対的に移動させる移動機構(レーザー光L2の照射位置を移動させる場合のスキャン機構130、レーザー光L2の照射位置を固定とする場合の第1移動機構160及び第2移動機構170など)を備えればよい。スキャン機構130は、ガルバノスキャナ131とFθレンズ132との組み合わせ以外の機構であってもよい。
(変形例2)
上記では、転写元基板10のマイクロLED12のうち、マスク140の透過部146と重なるもの全て(上記では、1、4、7列目かつ1~8行目のマイクロLED12等)を一度にスキャンしているが、重なるものを複数回に分けてスキャンしてもよい。この場合、1回のスキャン毎に、第1移動機構160及び第2移動機構170を制御し、転写元基板10、転写先基板20、マスク140を一緒にXY方向に移動させ、転写元基板10等におけるスキャン範囲を変えていく。例えば、1回目のスキャンで、1、4、7列目かつ1~4行目のマイクロLED12(1回目のスキャンでの転写対象素子)ないしこれらと重なる透過部146をスキャンし、その後に1、4、7列目かつ5~8行目のマイクロLED12(2回目のスキャンでの転写対象素子)ないしこれらと重なる透過部146をスキャンしてもよい。この場合、1、4、7列目かつ1~4行目のマイクロLED12のスキャン終了後、転写元基板10、転写先基板20、マスク140を一緒にY方向(マイナスY方向)に移動させ、その後に、1、4、7列目かつ5~8行目のマイクロLED12のスキャンを行う。このようなことは、ガルバノミラーのスキャン範囲に対して、転写元基板10が大きい場合に特に有用である。
(変形例3)
上記転写の前に、転写元基板10の各マイクロLED12を検査し、不良のマイクロLED12があった場合には、上記転写の際に、当該不良のマイクロLED12へのレーザー光L2の照射は行わないようにしてもよい。以下、この点をマイクロLED12Rを例にして説明する。
例えば、転写元基板10の各マイクロLED12Rに紫外線を当てて各マイクロLED12Rの良否を画像検査等により判定する。コントローラ180には、この判定結果を示す判定結果データが入力される。当該判定結果データは、例えば、転写元基板10の各マイクロLED12R毎に良/不良を特定するデータ(前記判定結果に基づく、各マイクロLED12R毎の転写、非転写のデータであってもよい)、又は、転写元基板10のマイクロLED12Rのうち良又は不良のマイクロLED12Rの位置を特定するデータ(前記判定結果に基づく、非転写のマイクロLED12Rの位置を特定するデータであってもよい)とする。
例えば、転写元基板10の各マイクロLED12RにXY座標(図3における左から1列目をX=1とし、上から1行目をY=1とする座標。(X,Y)=(3,3)は、図3における左から3つ目、上から3つ目のマイクロLED12RのXY座標を示す。)を設定する。判定結果データは、図11に示すように、マイクロLED12Rの位置を特定するXY座標のデータと、その位置のマイクロLED12Rの良/不良(レーザー光L2を照射する転写/レーザー光L2を照射しない非転写としてもよい)を特定するデータと、をXY座標(マイクロLED12R)ごとに対応付けたデータとする。図11では、(1,2)のマイクロLED12R(図3における左から1つ目、上から2つ目のマイクロLED12Rが不良となっており、それ以外は良となっている。判定結果データは、良又は不良のマイクロLED12RのXY座標を特定するデータであってもよい。
コントローラ180は、前記判定結果データに基づいて、レーザー光L2の照射位置が、不良のマイクロLED12Rの位置の透過部145を通っても、レーザー光L2の出射は行わないようにする(レーザー光L1のパルス発射を行わない)。レーザー光L2のスキャンの軌跡(レーザー光L2を照射する照射位置の移動の軌跡)は、予め定められており、かつ、スキャンされる転写元基板10におけるマイクロLED12Rの位置も、そのスキャンが何回目であるか等との関係で予め定められている。従って、前記判定結果データで、不良のマイクロLED12RのXY座標が特定できれば、レーザー光L2を照射すべきでない照射位置(透過部146ないしマイクロLED12R)を特定することができる。
例えば、上記実施の形態の各スキャンでレーザー光L2が照射される各透過部146に重なるマイクロLED12RのXY座標は、1回目のスキャンでは、(1,1)→(4,1)→(7,1)→(7,2)→(4,2)→(1,2)→(1,3)→(4,3)→(7,3)→・・・となり、2回目のスキャンでは、(2,1)→(5,1)→(8,1)→(8,2)→(5,2)→(2,2)→(2,3)→(5,3)→(8,3)→・・・となる。図11では、XY座標(1,2)のマイクロLED12Rが不良であるので、コントローラ180は、1回目のスキャンにおける、レーザー光L2の6回目の照射(XY座標(1,2)に重なる透過部146への照射)時に、レーザー光L1の出射つまりレーザー光L2の照射をしないようにして、他の照射位置ではレーザー光L1の出射つまりレーザー光L2の照射を行う(図12参照)。これにより、不良のマイクロLED12Rの転写が防止される。
転写を行わなかった位置でのマイクロLED12Rの転写は、別途行えばよい(レーザー転写装置100で行われてもよいし、他のレーザー転写装置を用いて行われてもよい)。これら転写は、マイクロLED12G及び12Bでも同様に行う。これにより、マイクロLED12が全て転写された転写先基板の歩留まりが良好となる。
(変形例4)
上記転写の前に、転写元基板10の各マイクロLED12の一定条件下での発光時の輝度(後述の輝度レベル等)を検査し、検査結果に基づいて転写元基板10の各マイクロLED12の転写先基板12における転写位置(転写先の位置)を決定してもよい。以下、この点をマイクロLED12Rを例にして説明する。
例えば、転写元基板10の各マイクロLED12Rに紫外線を当てたときの各マイクロLED12Rの輝度を画像検査等により検査する。そして、検査結果に基づいて、転写元基板10におけるマイクロLED12Rの位置と、その位置でのマイクロLED12Rの輝度レベル(輝度を数値範囲毎に分けたレベル)と、を対応付けた輝度レベルデータを作成する。輝度レベルデータは、図13に示すように、マイクロLED12Rの位置を特定するXY座標のデータ(上記変形例3と同様)と、その位置のマイクロLED12Rの輝度レベルを特定するデータと、をXY座標(マイクロLED12)ごとに対応付けたデータからなる。輝度レベルは、「0」~「3」の値をとり、「0」は不良(非発光)を示し、「1」~「3」はその値が大きいほど輝度が高い(「3」が最高)ことを示す。輝度レベルは、4レベル以上に区分けされてもよい。
輝度レベルデータとは別に、転写先基板20のマイクロLED12Rの各転写位置について、どの輝度レベルのマイクロLED12Rを転写するかの転写データも用意しておく。例えば、転写データは、図14に示すように、転写先基板20のマイクロLED12Rの各転写位置を特定するXY座標のデータと、その転写位置で転写すべきマイクロLED12Rの輝度レベルを特定するデータと、をXY座標(マイクロLED12)ごとに対応付けたデータからなる。XY座標は、転写先基板20にマイクロLED12Rが転写される転写位置のうち、図2の左から1列目をX=1とし、上から1行目をY=1とする座標である。(X,Y)=(3,3)は、図2におけるから左から3列目(全色のマイクロLED12では7列目)、上から3行目のマイクロLED12RのXY座標を示す。
転写データは、転写先基板20に全てのマイクロLED12Rが転写され、各マイクロLED12Rに一定の電流を流したときの各マイクロLED12Rの輝度の、当該転写先基板20の所定面積の領域毎の平均値(各領域に属するマイクロLED12Rそれぞれの前記輝度の平均値)が均一(略均一(例えば、中央値から±20%以内など)も含む)になる輝度レベルの配置を示すデータである。
輝度レベルデータ及び転写データは、転写実行前にコントローラ180に入力されるものとする(輝度レベルデータは、転写元基板10毎に作成され、転写データは、マイクロLED12の色毎に作成される)。
コントローラ180は、レーザー光L2のスキャンを実行する際、第2移動機構170を制御し、転写元基板10を輝度レベルデータ及び転写データに基づいて移動させる。具体的に、コントローラ180は、レーザー光L2の照射位置が、各透過部146に達するごとに、その透過部146(照射位置が到達した透過部146)に対応する転写位置に転写すべきマイクロLED12Rの輝度レベルを前記転写データに基づき特定し、転写元基板10における前記特定した輝度レベルのマイクロLED12Rの位置を輝度レベルデータにより特定する。コントローラ180は、当該特定後、当該マイクロLED12Rの位置を、前記その透過部146の位置に合わせるよう、第2移動機構170を制御し、転写元基板10を移動させ、レーザー光L2の照射を行う。
上記実施の形態でレーザー光L2が照射される各透過部146に重なる転写位置のXY座標は、1回目のスキャンでは、(1,1)→(2,1)→(3,1)→(3,2)→(2,2)→(1,2)→(1,3)→(2,3)→(3,3)→・・・となる。図13及び図14の例では、レーザー光L2の照射位置が、(1,1)の転写位置に重なる透過部146(1回目のスキャンの最初の透過部146)に位置したときに、当該透過部146に、転写元基板10における(1,3)のマイクロLED12Rが重なるように、転写元基板10が移動する。転写データでは転写位置(1,1)に対応する輝度レベルが「1」であり、輝度レベルデータにおいて輝度レベルが「1」のマイクロLED12Rの位置は(1,3)であるからである。その後、(2,1)以降についても同様に転写元基板10が移動する。このような転写元基板10の移動は、2回目以降のスキャンにおいて行われる。なお、輝度レベルデータにおいて、該当する輝度レベルを有するマイクロLED12Rがある場合、コントローラ180は、ランダム等の予め設定された方法で転写対象のマイクロLED12R(透過部146に位置を合わせるマイクロLED12)を特定するとよい。
前記の特定及び転写元基板10の移動、つまり、所望の輝度のマイクロLED12Rの透過部146への位置合わせは、レーザー光L2の照射位置が透過部146に位置するタイミングに合わせて行われればよく、上記のように照射位置が透過部146に位置したときの他、レーザー光L2の照射位置が移動している際中に行われてもよい。前記位置合わせが前記タイミングに合わせて行われるとは、例えば、照射位置が透過部146に位置してレーザー光L2を照射する直前までに前記の位置合わせを完了させることであればよい。前記の特定及び転写元基板10の移動は、転写先基板20の一部領域毎に行われてもよい。また、転写元基板10の移動時には、マスク140と転写元基板10とを上昇させてもよいが、スキャンの効率化のため、マスク140と転写元基板10とを上昇させなくてもよい。この場合、マスク140と転写元基板10と転写先基板20との各間隔を最初からある程度確保しておくとよい。前記の転写は、マイクロLED12G、マイクロLED12Bでも行われる。
このようにして、コントローラ180は、転写先基板20に全てのマイクロLED12(12R、12G、12Bのいずれか)が転写された場合の各マイクロLED12の発光時の輝度の転写先基板20における所定領域毎の平均値が均一になるよう、レーザー光L2の照射位置が透過部146それぞれに位置するごとに、転写元基板10をマスク140及び転写先基板20に対して相対的に移動させて(ここでは、マスク140及び転写先基板20を不動としている)当該照射位置が位置する当該透過部146に転写先基板20のマイクロLED12のうちのいずれかを合わせていく。このような構成により、マイクロLED12が転写された転写先基板20の輝度ムラを低減することができる。
なお、どの転写位置にどのマイクロLED12を転写するかをランダムに決定してもよい。これによっても、転写先基板20に全てのマイクロLED12(12R、12G、12Bのいずれか)が転写された場合の各マイクロLED12の発光時の輝度の転写先基板20における所定領域毎の平均値を略均一とすることができる。また、転写先基板20の各転写位置のマイクロLED12の輝度レベルをある程度把握できれば、マイクロLED12を駆動する駆動回路等により各マイクロLED12の輝度を補正できるので、転写データは、前記のような各マイクロLED12の輝度の前記領域毎の平均値を均一化するものでなくてもよい(転写データは、各マイクロLED12の輝度レベルの配置を示すものであればよい)。
(変形例5)
ハーフミラー等により、レーザー光の光路を分岐させ、複数行を同時にスキャンするようにしてもよい。また、レーザー光L2の形状を例えば、Y方向に長尺とすることで複数行を同時にスキャンするようにしてもよい。また、行と列は、逆でもよい。
(変形例6)
レーザー光L2の形状は、四角形の他、円形、楕円形等であってもよい。レーザー光L2の形状は、透過部146及びマイクロLED12の形状等に合わせた形状であるとよい。例えば、透過部146及びマイクロLED12が平面視したときに円形であれば、レーザー光L2の形状も円形とし、透過部146及びマイクロLED12が平面視したときに四角形であれば、レーザー光L2の形状も四角形とするとよい。レーザー光L2は、透過部146以外の照射位置で照射されてもよい。
(変形例7)
マスク140は、誘電体多層膜142の代わりに、レーザー光を全反射かつ乱反射する金属膜を有してもよい。マスク140は、各透過部146の周囲が遮光されていれば、レーザー光L2の照射位置とは関係ない位置などに透過部を有してもよい。マスク140は、金属板等に透過部146としての貫通孔を設けたものであってもよい。
(変形例8)
転写元基板10、転写先基板20、マスク140、レーザー光L2の照射位置などは、他の部材等に対して相対的に移動するものであればよい。上記のように、レーザー転写装置100は、転写元基板10をマスク140及び転写先基板20に対して相対的に移動(駆動)させることが可能な各種の駆動機構を備える。駆動機構は、上記では第1移動機構160及び/又は第2移動機構170から構成されている。例えば、変形例4での転写元基板10の相対的な移動では第2移動機構170が前記の駆動機構に相当する。上記実施の形態でのスキャン時の転写元基板10の相対的な移動(1回目のスキャン後の移動)では第1移動機構160及び第2移動機構170が前記の駆動機構に相当する。しかし、駆動機構は、このような構成に限らず、各種ロボット等により構成されてもよい。さらに、上記のように、レーザー転写装置100は、マスク140と転写元基板10との間、及び、転写元基板10と前記転写先基板20との間を離す離間機構を備える。当該離間機構は、上記では、支持部材152、支持部材172D及び173D(各支持部材152を伸縮させるためのモータ、油圧回路又は空圧回路などを適宜含む)などを含んで構成されている。しかし、離間機構は、このような構成に限らず、各種ロボット等により構成されてもよい。例えば、上記駆動機構、離間機構として、転写先基板20及びマスク140(可動部150)を支持及びXY方向に移動させる一以上の多関節ロボットと、可動部150等に搭載されマスク140を転写先基板20に対してZ方向に移動させる一以上の多関節ロボットと、転写元基板10を支持(例えば、上記のように保持部材171を介した支持)及びXYZ方向に移動させる一以上の多関節ロボットと、を採用してもよい。なお、マスク140は、転写先基板20よりも小さいものであってもよい。つまり、RGBそれぞれについて、マスク140の透過部146の数よりも、転写先基板20のマイクロLED12(12R、12G、又は、12B)の転写位置の数の方が多くてもよい。この場合、マスク140は、多関節ロボット等により、転写先基板20に対してXY方向に相対的に移動可能とするとよい。例えば、コントローラ180は、多関節ロボットを制御し、スキャンの実行に際して、マスク140を移動させ、透過部146を転写先基板20の転写位置(そのスキャンでのレーザー光L2の照射対象)に合わせるとよい。但し、上記のように、透過部146と転写位置とは、数が同じでそれぞれが一対一で対応している方がマスク140を転写先基板20に対してXY方向に移動させる手間がなくなり生産性がよい。
(変形例9)
マイクロLED12R、マイクロLED12G、マイクロLED12Bそれぞれを別のレーザー転写装置で転写してもよい。これにより、マスクの交換が不要になり、転写の生産性が向上する。
(変形例11)
上記の説明では、理解の容易のため、マイクロLEDの数を実際よりも少なくして説明しているが、実際には多数のマイクロLEDが1つの転写元基板10に形成され転写先基板20に転写される。本発明は、マイクロLED以外の他の素子の転写にも適用可能である。
(本明細書が開示する構成)
本明細書が開示する構成(上記実施の形態及び変形例を一例とする構成)を以下に列記する。
(1)複数の素子が形成された転写元基板にレーザー光を上方から照射し、前記複数の素子のうち転写対象である複数の転写対象素子を前記転写元基板の下方に位置する転写先基板に転写するレーザー転写装置であって、
パルス状の前記レーザー光を出射する出射機構と、
前記転写元基板を覆うマスクであって、前記上方から見たときに前記転写先基板における前記複数の転写対象素子それぞれの転写位置と重なる位置に前記パルス状のレーザー光を透過する複数の透過部を有し、少なくとも当該複数の透過部の周囲は前記パルス状のレーザー光を透過させないマスクと、
前記レーザー光の照射位置を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させる移動機構と、
前記複数の転写対象素子それぞれが前記複数の透過部それぞれと前記転写先基板の前記転写位置それぞれとの間に配置されるよう前記転写元基板を支持する支持機構と、
前記移動機構及び前記出射機構を制御し、前記照射位置を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させるとともに前記照射位置が前記複数の透過部それぞれに位置する各タイミングにて前記出射機構から前記パルス状のレーザー光を出射させるスキャンを実行するコントローラと、
を備えるレーザー転写装置。
(2)前記コントローラは、前記スキャンにおいて、前記照射位置が前記複数の転写対象素子のうち不良の素子に対応する前記透過部に位置するタイミングでは前記パルス状のレーザー光を前記出射機構から出射させない、
上記(1)に記載のレーザー転写装置。
(3)前記転写元基板を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させることが可能な第1駆動機構を備え、
前記素子は、発光素子であり、
前記コントローラは、前記複数の転写対象素子それぞれの発光時の輝度を示す輝度データを取得し、取得した前記輝度データに基づいて前記第1駆動機構を制御し、前記照射位置が前記複数の透過部それぞれに位置するタイミングに合わせて、前記転写元基板を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させて当該照射位置が位置する当該透過部に前記複数の転写対象素子のうちのいずれかを合わせていく、
上記(1)に記載のレーザー転写装置。
(4)前記パルス状のレーザー光は、前記複数の透過部それぞれよりも大きく、トップハット形状の強度分布を有する、
上記(1)から(3)のいずれかに記載のレーザー転写装置。
(5)前記マスクは、前記透過部の周囲に、前記パルス状のレーザー光を全反射かつ乱反射する、誘電体多層膜を備える、
上記(1)から(4)のいずれかに記載のレーザー転写装置。
(6)前記移動機構は、ガルバノスキャナとFθレンズとを備え、
前記マスクは、前記転写元基板と前記Fθレンズとの間に配置されている、
上記(1)から(5)のいずれかに記載のレーザー転写装置。
(7)前記転写元基板を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させることが可能な第2駆動機構を備え、
前記転写元基板に形成された前記複数の素子には、前記コントローラによる所定回数目の前記スキャンのときに、前記透過部とは位置がずれて転写対象とならない一以上の対象外素子が含まれ、
前記コントローラは、前記所定回数目の後の前記スキャンを行うときに、前記第2駆動機構を制御し、前記転写元基板を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させ、前記一以上の対象外素子のうちの少なくとも一部の対象外素子と前記複数の透過部のうちの一以上の透過部とを合わせる、
上記(1)から(6)のいずれかに記載のレーザー転写装置。
(8)前記マスクと前記転写元基板との間、及び、前記転写元基板と前記転写先基板との間を離す離間機構をさらに備え、
前記コントローラは、前記離間機構を制御し、前記マスクと前記転写元基板との間、及び、前記転写元基板と前記転写先基板との間を離してから、前記転写元基板を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させる、
上記(7)に記載のレーザー転写装置。
(9)複数の素子が形成された転写元基板にレーザー光を上方から照射し、前記複数の素子のうち転写対象である複数の転写対象素子を前記転写元基板の下方に位置する転写先基板に転写するレーザー転写方法であって、
パルス状の前記レーザー光を照射する照射位置を、前記転写元基板を覆うマスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させるとともに、前記パルス状のレーザー光を前記転写元基板に照射するスキャンを行うスキャンステップを備え、
前記マスクは、前記上方から見たときに前記転写先基板における前記複数の転写対象素子それぞれの転写位置と重なる位置に前記パルス状のレーザー光を透過する複数の透過部を有し、少なくとも当該複数の透過部それぞれの周囲は前記パルス状のレーザー光を透過させず、
前記スキャンステップでは、
前記転写元基板の前記複数の転写対象素子それぞれを、前記複数の透過部それぞれと前記転写先基板の前記転写位置それぞれとの間に配置し、
前記照射位置が前記複数の透過部それぞれに位置する各タイミングにて前記パルス状のレーザー光を前記複数の透過部それぞれを介して前記転写元基板に照射する、
レーザー転写方法。
(10)前記転写元基板に不良の素子が形成されているかを検査する第1検査ステップをさらに備え、
前記スキャンステップでは、前記第1検査ステップによる検査結果に基づいて、前記照射位置が前記不良の素子に対応する前記透過部に位置するタイミングでは前記パルス状のレーザー光を照射しない、
上記(9)に記載のレーザー転写方法。
(11)良品の素子を、前記転写先基板における前記不良の素子を転写するはずだった転写位置に転写する転写ステップをさらに備える、
上記(10)に記載のレーザー転写方法。
(12)前記素子は、発光素子であり、
前記転写元基板に形成された前記複数の素子それぞれの発光時の輝度を検査する検査ステップをさらに備え、
前記スキャンステップでは、前記検査ステップの検査結果に基づいて、前記照射位置が前記複数の透過部それぞれに位置するタイミングに合わせて、前記転写元基板を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させて当該照射位置が位置する当該透過部に前記複数の転写対象素子のうちのいずれかを合わせていく、
上記(9)に記載のレーザー転写方法。
(本発明の範囲)
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
10・・・転写元基板、11・・・基板、12(12R、12G、12B)・・・マイクロLED、20・・・転写先基板、100・・・レーザー転写装置、110・・・レーザー、120・・・光学系、122・・・DOE、130・・・スキャン機構、131・・・ガルバノスキャナ、132・・・Fθレンズ、140(140R、140G、140B)・・・マスク、141・・・基板、142・・・誘電体多層膜、145・・・非透過部、146・・・透過部、150・・・可動部、151・・・ステージ、152・・・支持部材、160・・・第1移動機構、170・・・第2移動機構、174・・・支持部材、178・・・支持部材、180・・・コントローラ、L1,L2・・・レーザー光

Claims (11)

  1. 複数の素子が形成された転写元基板にレーザー光を上方から照射し、前記複数の素子のうち転写対象である複数の転写対象素子を前記転写元基板の下方に位置する転写先基板に転写するレーザー転写装置であって、
    パルス状の前記レーザー光を出射する出射機構と、
    前記転写元基板を覆うマスクであって、前記上方から見たときに前記転写先基板における前記複数の転写対象素子それぞれの転写位置と重なる位置に前記パルス状のレーザー光を透過する複数の透過部を有し、少なくとも当該複数の透過部の周囲は前記パルス状のレーザー光を透過させないマスクと、
    前記レーザー光の照射位置を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させる移動機構と、
    前記複数の転写対象素子それぞれが前記複数の透過部それぞれと前記転写先基板の前記転写位置それぞれとの間に配置されるよう前記転写元基板を支持する支持機構と、
    前記移動機構及び前記出射機構を制御し、前記照射位置を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させるとともに前記照射位置が前記複数の透過部それぞれに位置する各タイミングにて前記出射機構から前記パルス状のレーザー光を出射させるスキャンを実行するコントローラと、
    を備え
    前記パルス状のレーザー光は、前記複数の透過部それぞれよりも大きく、トップハット形状の強度分布を有する、
    レーザー転写装置。
  2. 前記コントローラは、前記スキャンにおいて、前記照射位置が前記複数の転写対象素子のうち不良の素子に対応する前記透過部に位置するタイミングでは前記パルス状のレーザー光を前記出射機構から出射させない、
    請求項1に記載のレーザー転写装置。
  3. 前記転写元基板を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させることが可能な第1駆動機構を備え、
    前記素子は、発光素子であり、
    前記コントローラは、前記複数の転写対象素子それぞれの発光時の輝度を示す輝度データを取得し、取得した前記輝度データに基づいて前記第1駆動機構を制御し、前記照射位置が前記複数の透過部それぞれに位置するタイミングに合わせて、前記転写元基板を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させて当該照射位置が位置する当該透過部に前記複数の転写対象素子のうちのいずれかを合わせていく、
    請求項1に記載のレーザー転写装置。
  4. 前記マスクは、前記透過部の周囲に、前記パルス状のレーザー光を全反射かつ乱反射する、誘電体多層膜を備える、
    請求項1からのいずれか1項に記載のレーザー転写装置。
  5. 前記移動機構は、ガルバノスキャナとFθレンズとを備え、
    前記マスクは、前記転写元基板と前記Fθレンズとの間に配置されている、
    請求項1からのいずれか1項に記載のレーザー転写装置。
  6. 前記転写元基板を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させることが可能な第2駆動機構を備え、
    前記転写元基板に形成された前記複数の素子には、前記コントローラによる所定回数目の前記スキャンのときに、前記透過部とは位置がずれて転写対象とならない一以上の対象外素子が含まれ、
    前記コントローラは、前記所定回数目の後の前記スキャンを行うときに、前記第2駆動機構を制御し、前記転写元基板を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させ、前記一以上の対象外素子のうちの少なくとも一部の対象外素子と前記複数の透過部のうちの一以上の透過部とを合わせる、
    請求項1からのいずれか1項に記載のレーザー転写装置。
  7. 前記マスクと前記転写元基板との間、及び、前記転写元基板と前記転写先基板との間を離す離間機構をさらに備え、
    前記コントローラは、前記離間機構を制御し、前記マスクと前記転写元基板との間、及び、前記転写元基板と前記転写先基板との間を離してから、前記転写元基板を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させる、
    請求項に記載のレーザー転写装置。
  8. 複数の素子が形成された転写元基板にレーザー光を上方から照射し、前記複数の素子のうち転写対象である複数の転写対象素子を前記転写元基板の下方に位置する転写先基板に転写するレーザー転写方法であって、
    パルス状の前記レーザー光を照射する照射位置を、前記転写元基板を覆うマスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させるとともに、前記パルス状のレーザー光を前記転写元基板に照射するスキャンを行うスキャンステップを備え、
    前記マスクは、前記上方から見たときに前記転写先基板における前記複数の転写対象素子それぞれの転写位置と重なる位置に前記パルス状のレーザー光を透過する複数の透過部を有し、少なくとも当該複数の透過部それぞれの周囲は前記パルス状のレーザー光を透過させず、
    前記パルス状のレーザー光は、前記複数の透過部それぞれよりも大きく、トップハット形状の強度分布を有し、
    前記スキャンステップでは、
    前記転写元基板の前記複数の転写対象素子それぞれを、前記複数の透過部それぞれと前記転写先基板の前記転写位置それぞれとの間に配置し、
    前記照射位置が前記複数の透過部それぞれに位置する各タイミングにて前記パルス状のレーザー光を前記複数の透過部それぞれを介して前記転写元基板に照射する、
    レーザー転写方法。
  9. 前記転写元基板に不良の素子が形成されているかを検査する第1検査ステップをさらに備え、
    前記スキャンステップでは、前記第1検査ステップによる検査結果に基づいて、前記照射位置が前記不良の素子に対応する前記透過部に位置するタイミングでは前記パルス状のレーザー光を照射しない、
    請求項に記載のレーザー転写方法。
  10. 良品の素子を、前記転写先基板における前記不良の素子を転写するはずだった転写位置に転写する転写ステップをさらに備える、
    請求項に記載のレーザー転写方法。
  11. 前記素子は、発光素子であり、
    前記転写元基板に形成された前記複数の素子それぞれの発光時の輝度を検査する検査ステップをさらに備え、
    前記スキャンステップでは、前記検査ステップの検査結果に基づいて、前記照射位置が前記複数の透過部それぞれに位置するタイミングに合わせて、前記転写元基板を前記マスク及び前記転写先基板に対して相対的に移動させて当該照射位置が位置する当該透過部に前記複数の転写対象素子のうちのいずれかを合わせていく、
    請求項に記載のレーザー転写方法。
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