JP7223308B2 - 画像作成方法および眼底画像処理装置 - Google Patents

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Description

本開示は、眼底画像の処理技術に関し、特に、眼底画像において所定の対象領域を特定し、疾患の診断を支援するための技術に関する。
従来、眼球の治療を対象として様々な研究がなされている。眼球における黄斑領域は、眼球の光センサーの中枢であり、黄斑領域に障害が起こると場合により失明に至る。黄斑領域のポピュラーな疾患として、糖尿病性網膜症(黄斑浮腫)と加齢黄斑変性症があり、視神経疾患の緑内障、水晶体疾患の白内障と並び、眼科分野で早期発見が叫ばれている。しかし、眼底画像上は視神経領域と対照的にコントラストが低く、健常者の眼底でも肉眼で識別が困難な場合も少なくなく、眼底検査で早期の黄斑病変を見つけることは困難である。
眼底画像を用いた緑内障の診断において、視神経領域を正確に特定するにあたり、黄斑位置も特定することが行われている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1の技術では、黄斑領域の解析や診断を行うことは想定していない。幸い、網膜の中で黄斑領域の中枢である中心窩は特有のくぼみがあるため、OCTにより網膜の断層撮影を行えば黄斑領域を特定することは比較的容易である。そのため、糖尿病性網膜症(黄斑浮腫)の自動診断を行うため、眼底画像とOCTを併用する方法も提案されており、OCTによる3次元形状を基に黄斑領域を特定し眼底画像上にマッピングする方法が提案されている(特許文献2参照)。即ち、眼底検査だけで黄斑領域の診断を行うことが困難なため、OCTを用いて黄斑領域の解析や診断を行う方法が現状の主流となっている。
特開平9-313447号公報 特許第6025311号公報
しかしながら、特許文献2に記載の技術は存在するが、OCTは高価なため検診等では使用される機会が少なく、眼底画像に比べて視野が狭いため、視神経や血管など他の網膜領域の病変を見逃しやすいという問題がある。
そこで、本開示は、眼底画像において、黄斑領域に相当する部分を的確に特定することが可能な画像作成方法、眼底画像処理装置を提供することを課題とする。
本開示では、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
RGBの3色成分で構成されるカラー眼底画像に基づいて、黄斑領域を強調した補正カラー眼底画像を作成する画像作成方法であって、
前記カラー眼底画像の色成分ごとの画像に周波数次元変換を施し、色成分ごとに複素数成分で構成される周波数成分データに変換する周波数次元変換ステップと、
所定の周波数より低い低周波数域において、色成分ごとに所定の周波数範囲を改変周波数範囲とし、R成分の改変周波数範囲をG成分またはB成分の改変周波数範囲よりも狭く設定し、前記色成分ごとの周波数成分データのうち前記改変周波数範囲の値を減衰させる周波数成分改変ステップと、
改変された色成分ごとの周波数成分データに周波数次元逆変換を施し、RGBの3色成分で構成される補正カラー眼底画像を作成する空間次元変換ステップと、
を有することを特徴とする画像作成方法を提供する。
また、本開示の画像作成方法は、
前記周波数成分改変ステップは、前記R成分の周波数成分データの複素数成分に対して、前記所定の周波数より高い高周波数域において、所定の周波数範囲をさらに改変周波数範囲と設定し、前記R成分の周波数成分データのうち当該改変周波数範囲の値を減衰させることを特徴とする。
また、本開示の画像作成方法は、
前記改変周波数範囲は、直流成分の位置からの2次元ユークリッド距離が所定の範囲である扇形領域により定められるものであり、前記直流成分の位置は、正方形で表現された前記周波数成分データの4隅であることを特徴とする。
また、本開示の画像作成方法は、
前記周波数成分改変ステップは、前記色成分ごとの周波数成分データの値に対して、所定の倍率で増大する処理を、さらに行うことを特徴とする。
また、本開示の画像作成方法は、
前記空間次元変換ステップは、前記補正カラー眼底画像を作成する際、前記RGBの3色成分の値に対して、とりうる最大値より減算してネガ反転する処理を、さらに行うことを特徴とする。
また、本開示の画像作成方法は、
前記空間次元変換ステップの後に、
前記補正カラー眼底画像の前記R成分の画像を、黄斑領域が特に強調された特定色画像として抽出する特定色画像抽出ステップをさらに有することを特徴とする。
また、本開示の画像作成方法は、
前記特定色画像に対して、
最大値をもつ画素の座標である最大値位置を探索し、
探索された最大値位置を中心に所定の大きさの解析範囲を設定し、
前記最大値に対して1未満の実数値を乗算したしきい値を設定し、
前記解析範囲で前記しきい値以上の値をもつ画素の個数をカウントし、
前記カウントされた画素の個数と前記解析範囲の全画素数との比率を、進行度パラメータとして算出する定量評価ステップを、
さらに有することを特徴とする。
また、本開示の画像作成方法は、
前記カラー眼底画像の画素数をXs×Ysとするとき、Ns/2<Ys≦Xs<Nsを満たす2のn乗 (nは正の整数)の整数Nsを定義し、
前記カラー眼底画像に対してダミー画素を付加して、Ns×Ns画素の拡大カラー眼底画像に変換する画像サイズ拡大ステップをさらに有し、
前記周波数次元変換ステップは、前記拡大カラー眼底画像の色成分ごとにNs×Ns画素で構成される色成分の画像に対して、2次元高速フーリエ変換を施し、色成分ごとにNs×Ns画素の複素数成分で構成される周波数成分データに変換するようにし、
前記周波数成分改変ステップは、前記Ns×Ns画素の複素数成分で構成される周波数成分データに対して改変を加えるようにし、
前記空間次元変換ステップは、改変された前記Ns×Ns画素の周波数成分データの色成分ごとに、2次元高速フーリエ逆変換を施し、RGBの3色成分のNs×Ns画素の補正拡大カラー眼底画像を作成した後、前記補正拡大カラー眼底画像より、前記ダミー画素に対応する画素を除去し、Xs×Ys画素の前記補正カラー眼底画像に変換することを特徴とする。
また、本開示の画像作成方法は、
前記周波数成分改変ステップは、Ns=1024(n=10)の場合、前記低周波数域における改変周波数範囲として、前記2次元ユークリッド距離が1から10の範囲で設定するようにしていることを特徴とする。
また、本開示では、
RGBの3色成分で構成されるカラー眼底画像に基づき、黄斑領域を強調した補正カラー眼底画像を作成する眼底画像処理装置であって、
前記カラー眼底画像の各色成分の画像に周波数次元変換を施し、色成分ごとに複素数成分で構成される周波数成分データに変換する周波数次元変換手段と、
前記周波数成分データの各色成分の複素数成分に対して、
所定の周波数より低い低周波数域において、色成分ごとに所定の周波数範囲を改変周波数範囲とし、R成分の改変周波数範囲を、G成分、B成分の改変周波数範囲よりも狭く設定して減衰させることにより、周波数成分データを色成分ごとに改変する周波数成分改変手段と、
改変された色成分ごとの周波数成分データに周波数次元逆変換を施し、RGBの3色成分で構成される補正カラー眼底画像を作成する空間次元変換手段と、
を有することを特徴とする眼底画像処理装置を提供する。
また、本開示では、
コンピュータを、
カラー眼底画像の各色成分の画像に周波数次元変換を施し、色成分ごとに複素数成分で構成される周波数成分データに変換する周波数次元変換ステップ、
前記周波数成分データの各色成分の複素数成分に対して、所定の周波数より低い低周波数域において、色成分ごとに所定の周波数範囲を改変周波数範囲とし、R成分の改変周波数範囲を、G成分またはB成分の改変周波数範囲よりも狭く設定して減衰させることにより、周波数成分データを色成分ごとに改変する周波数成分改変ステップ、
改変された色成分ごとの周波数成分データに周波数次元逆変換を施し、RGBの3色成分で構成される補正カラー眼底画像を作成する空間次元変換ステップ、
として機能させるためのプログラムを提供する。
また、本開示では、
コンピュータを、
カラー眼底画像の各色成分の画像に周波数次元変換を施し、色成分ごとに複素数成分で構成される周波数成分データに変換する周波数次元変換ステップ、
前記周波数成分データの各色成分の複素数成分に対して、所定の周波数より低い低周波数域において、色成分ごとに所定の周波数範囲を改変周波数範囲とし、R成分の改変周波数範囲を、G成分またはB成分の改変周波数範囲よりも狭く設定して減衰させることにより、周波数成分データを色成分ごとに改変する周波数成分改変ステップ、
改変された色成分ごとの周波数成分データに周波数次元逆変換を施し、RGBの3色成分で構成される補正カラー眼底画像を作成する空間次元変換ステップ、
として機能させるためのプログラムを記録した記録媒体を提供する。
本開示によれば、眼底画像において、黄斑領域に相当する部分を的確に特定することが可能となる。
カラー眼底画像、色空間それぞれにおける眼球内の組織の分布を示す図である。 眼底画像と、図1と異なる色空間それぞれにおける眼球内の組織の分布を示す図である。 カラー眼底画像と断層構造および空間周波数特性の関係を示す図である。 本開示の一実施形態に係る眼底画像処理装置のハードウェア構成図である。 本開示の一実施形態に係る眼底画像処理装置の構成を示す機能ブロック図である。 本実施形態の眼底画像処理装置の処理概要であると同時に、画像作成方法を示すフローチャートである。 本実施形態の画像作成方法、眼底画像処理装置の処理による画像の変化の様子を示す図である。 健常者について、本実施形態に係る画像作成方法、眼底画像処理装置により作成された画像を示す図である。 糖尿病黄斑浮腫の患者について、本実施形態に係る画像作成方法、眼底画像処理装置により作成された画像を示す図である。
以下、本開示の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
<1.本開示の基本概念>
まず、本開示の基本概念について説明する。図1は、カラー眼底画像、色空間それぞれにおける眼底内の組織の分布を示す図である。図1(a)は、カラー眼底画像における各組織の位置を示した図である。図1(b)は、カラー眼底画像における各組織の二次元の色分布をR成分、G成分に対応付けて示した図である。図1においては、代表的な部位である視神経乳頭のDisc領域、視神経乳頭のCup領域、視神経乳頭部の周辺のPPA(β-Peripapillary Atrophy、乳頭周囲網脈絡膜萎縮)領域、動脈血管(Artery)、静脈血管(Vein)、黄斑(Macular)、これらの6領域以外の領域(Background)の大まかな分布を示している。図1(b)に示すように、Disc領域とCup領域は、R成分により他の領域との差が明確となり、G成分によりDisc領域とCup領域の相互の差も明確となる。ところが、黄斑領域は、R成分では、動脈血管、静脈血管との区別が難しく、G成分では、動脈血管、PPAとの区別が難しい。
図2は、眼底画像と、図1と異なる色空間それぞれにおける眼球内の組織の分布を示す図である。図2(a)は、眼底画像における各組織の位置を示した図であり、図1(a)と同じものである。図2(b)は、カラー眼底画像における各組織の二次元の色分布をR-B色差成分、G-B色差成分に対応付けて示した図である。R-B色差成分とは、R成分からB成分を減じた成分であり、G-B色差成分とは、G成分からB成分を減じた成分である。図2においても、図1と同様、代表的な部位である視神経乳頭のDisc領域、視神経乳頭のCup領域、視神経乳頭部の周辺のPPA領域、動脈血管(Artery)、静脈血管(Vein)、黄斑(Macular)、これらの6領域以外の領域(Background)の大まかな分布を示している。図2(b)に示すように、黄斑領域は、R-B成分、G-B成分どちらにおいても、動脈血管、静脈血管との区別が難しい。
図3は、カラー眼底画像と断層構造および空間周波数特性の関係を示す図である。図3(a)は、健常者のカラー眼底画像であり、図3(b)は健常者の黄斑断面、図3(c)は図3(a)のカラー眼底画像に対して周波数次元に変換し、周波数成分データを1次元スペクトルにプロットした空間周波数特性である。また、図3(d)は、比較的進行した加齢黄斑変性の場合のカラー眼底画像であり、図3(e)は加齢黄斑変性の場合の黄斑断面、図3(f)は図3(d)のカラー眼底画像の空間周波数特性である。図3(c)(f)における横軸は、空間周波数に対応し画素と同じ単位で表現したもので、“0”は直流で、“1”は、円形の眼底像の直径(眼球の直径にほぼ等しい)を1周期とする空間周波数に相当し、“2” は、同直径の1/2を周期とする空間周波数に相当する。
図3(b)と図3(e)を比較するとわかるように、加齢黄斑変性等の黄斑病変が進行すると、新生血管から液が滲出し、黄斑を押し上げる。これにより、眼底画像において黄斑領域は拡大して見える。図3(c)と図3(f)を比較するとわかるように、加齢黄斑変性の場合、Rの空間周波数成分は、周波数値15以上になると、G成分、B成分よりも大きくなる。ただし、比較的早期の加齢黄斑変性の場合は、図3(d)に対応する眼底画像や図3(f)に対応する1次元スペクトルで表現された空間周波数特性では、健常者との差を認識することは困難な場合が多い。
前述の通り、図1(b)、図2(b)に示すように、黄斑領域は、R成分、G成分、R-B色差成分、G-B色差成分などの色情報のみから、他の領域と区別することは難しい。しかし、図3(b)と図3(e)に示すように、OCTにより観察される3次元の断層像では深さ方向に顕著な特徴があり、健常者の黄斑領域は中心窩を中心に同心円状のくぼみがあるため、眼底カメラの照明光により反射される輝度分布は他の網膜領域とは異なる空間周波数分布をもつことが推察される。更に、図3(e)のように黄斑浮腫により盛り上がりが起こったり、黄斑変性により黄斑組織の変化や欠損が生じれば、空間周波数分布に顕著な変化が起こることが推察される。ただし、図3(c)と図3(f)に示した1次元スペクトルでは、周波数値が5以下の低域の周波数成分(眼底部の3次元的な球面形状を反映している)が顕著に現れるため、周波数値が5から15以下の範囲に含まれる黄斑領域の周波数成分がマスキングされて、黄斑領域の特徴が識別困難な状態になっている。そこで、本開示では、このような黄斑領域の空間周波数特性を利用して、低域の周波数成分をカットし、黄斑領域を強調した眼底画像を再構築するようにした。
<2.眼底画像処理装置の装置構成>
図4は、本開示の一実施形態に係る眼底画像処理装置のハードウェア構成図である。本実施形態に係る眼底画像処理装置100は、汎用のコンピュータで実現することができ、図41に示すように、CPU(Central Processing Unit)1と、コンピュータのメインメモリであるRAM(Random Access Memory)2と、CPU1が実行するプログラムやデータを記憶するためのハードディスク、フラッシュメモリ等の大容量の記憶装置3と、キーボード、マウス等の指示入力I/F(インターフェース)4と、データ記憶媒体等の外部装置とデータ通信するためのデータ入出力I/F(インターフェース)5と、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである表示部6と、を備え、互いにバスを介して接続されている。本実施形態に係る眼底画像処理装置100は、本開示の一実施形態に係る画像作成方法も実行する。
図5は、本実施形態に係る眼底画像処理装置の構成を示す機能ブロック図である。図5において、10は画像サイズ拡大手段、20は周波数次元変換手段、30は周波数成分改変手段、40は空間次元変換手段、50は特定色画像抽出手段、60は定量評価手段、70は眼底画像記憶手段、80は処理データ記憶手段である。
画像サイズ拡大手段10は、カラー眼底画像の画素数をXs×Ysとするとき、Ns/2<Ys≦Xs<Nsを満たす2のn乗 (nは正の整数)の整数Nsを定義し、カラー眼底画像に対してダミー画素を付加して、Ns×Ns画素の拡大カラー眼底画像に変換する手段である。周波数次元変換手段20は、カラー眼底画像の各色成分の画像に対して、周波数次元変換を施し、色成分ごとに複素数成分で構成される周波数成分データに変換する手段である。周波数成分改変手段30は、周波数成分データの各色成分の複素数成分に対して、所定の周波数より低い低周波数域において、色成分ごとに所定の周波数範囲を改変周波数範囲とし、R成分の改変周波数範囲を、G成分、B成分の改変周波数範囲よりも狭く設定して減衰させることにより、周波数成分データを色成分ごとに改変する手段である。
空間次元変換手段40は、改変された色成分ごとの周波数成分データに対して、周波数次元逆変換を施し、RGBの3色成分で構成される補正カラー眼底画像を作成する手段である。特定色画像抽出手段50は、補正カラー眼底画像のR成分の画像を、黄斑領域が特に強調された特定色画像として抽出する手段である。定量評価手段60は、特定色画像に対して、最大値をもつ画素の座標である最大値位置を探索し、探索された最大値位置を中心に所定の大きさの解析範囲を設定し、最大値に対して1未満の実数値を乗算したしきい値を設定し、解析範囲でしきい値以上の値をもつ画素の個数をカウントし、カウント値と解析範囲の全画素数との比率を、進行度パラメータとして算出する手段である。
画像サイズ拡大手段10、周波数次元変換手段20、周波数成分改変手段30、空間次元変換手段40、特定色画像抽出手段50、定量評価手段60は、CPU1が、記憶装置3に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。眼底画像記憶手段70は、可視光・光源方式の眼底カメラを用いてフルカラーで撮影された、黄斑領域の抽出対象となるカラー眼底画像を記憶した記憶手段であり、記憶装置3により実現される。眼底画像処理装置にカラー眼底画像を読み込ませて、そのまま処理を行う場合は、RAM2が眼底画像記憶手段70としての役割を果たす。
カラー眼底画像とは、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色成分により記録された画像データであり、被験者の眼底が撮影されたものである。本実施形態では、RGB各色8ビット256階調で記録されたフルカラー眼底画像を用いている。処理データ記憶手段80は、空間次元変換手段40、特定色画像抽出手段50等により作成された画像や、定量評価手段60により算出された定量評価等のデータを記憶する記憶手段であり、記憶装置3により実現される。
図5に示した各構成手段は、現実には図4に示したように、コンピュータおよびその周辺機器等のハードウェアに専用のプログラムを搭載することにより実現される。すなわち、コンピュータが、専用のプログラムに従って各手段の内容を実行することになる。なお、本明細書において、コンピュータとは、CPU等の演算処理部を有し、データ処理が可能な装置を意味し、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータだけでなく、タブレット端末やスマートフォン等の携帯型端末も含む。
図4に示した記憶装置3には、CPU1を動作させながら、コンピュータに、画像作成方法を実行させるとともに、コンピュータを、眼底画像処理装置として機能させるための専用のプログラムが実装されている。この専用のプログラムをコンピュータが実行することにより、CPU1は、画像サイズ拡大手段10、周波数次元変換手段20、周波数成分改変手段30、空間次元変換手段40、特定色画像抽出手段50、定量評価手段60としての機能を実現する。すなわち、コンピュータにより画像作成方法が実現され、眼底画像処理装置として機能することになる。このようなプログラムは、コンピュータネットワークを介して流通させたり、CD、DVD、ブルーレイ等、様々な記録媒体に記録させて流通させることができる。また、記憶装置3は、眼底画像記憶手段70、処理データ記憶手段80として機能するだけでなく、画像作成方法、眼底画像処理装置としての処理に必要な様々なデータを記憶する。
<3.画像作成方法>
<3.1.前処理>
まず、処理対象とするカラー眼底画像を用意する。カラー眼底画像としては、デジタル方式の眼底カメラによりフルカラーで撮影した画像ファイルがあれば、そのまま使用できる。また、アナログ方式の眼底カメラにより写真媒体に記録された古いものであれば、保管されていたアナログのカラーのネガ・ポジフィルム、印画紙、インスタント写真等をスキャナによりフルカラーで読み取る等してデジタルのカラー眼底画像ファイルを取得する。一般には、可視光・光源方式の眼底カメラを用いてフルカラーで撮影することによりカラー眼底画像が得られる。取得したカラー眼底画像は、眼底画像処理装置の眼底画像記憶手段70に記憶させる。本実施形態では、カラー眼底画像としてR,G,B各成分8ビット256階調のカラー画像を用意する。
<3.2.処理概要>
次に、図4、図5に示した眼底画像処理装置の処理動作について、本開示の一実施形態に係る画像作成方法とともに、説明する。図6は、本実施形態の眼底画像処理装置の処理概要であると同時に、画像作成方法を示すフローチャートである。上述のように、処理対象であるカラー眼底画像は、RGB各色8ビット256階調の画像データである。したがって、x方向の画素数Xs、y方向の画素数Ysのカラー眼底画像は、色成分を示す変数c=0(Red),1(Green),2(Blue)とすると、Image(x,y,c)=0~255(x=0,・・・,Xs-1;y=0,・・・,Ys-1;c=0,1,2)と定義される。
まず、画像サイズ拡大手段10は、カラー眼底画像Image(x,y,c)に対して、ダミー画素を追加することにより、画像サイズを拡大する(ステップS100)。画像サイズ拡大ステップであるステップS100においては、具体的には、カラー眼底画像Image(x,y,c)に対してダミー画素を追加し、Ns×Ns画素のカラー眼底画像Src(x,y,c)を得る。上述のように、元のカラー眼底画像Image(x,y,c)は、Xs×Ys画素である場合、Nsは、Ns/2<Xs,Ys≦Nsを満たす2nの整数(2のn乗の整数)である。すなわち、Nsは、Xs,Ys以上の数であり、Xs,Ysの2倍に満たない2nの整数である。ここで、nは正の整数である。通常、Xs,Ysの関係は、本実施形態では、Ys≦Xsとしているが、この条件に限定されない。
カラー眼底画像Src(x,y,c)もRGB各色8ビット256階調の画像データである。したがって、x方向の画素数Ns、y方向の画素数Nsのカラー眼底画像Src(x,y,c)は、色成分を示す変数c=0(Red),1(Green),2(Blue)とすると、Image(x,y,c)=0~255(x=0,・・・,Ns-1;y=0,・・・,Ns-1;c=0,1,2)と定義される。ダミー画素は、周波数次元変換を行う際、公知の高速フーリエ変換アルゴリズム(FFT)を適用してCPU上で高速に処理できるようにするために付加されるものであり、変換される周波数成分データにダミー画素に基づくバイアスが加わらないように、本実施形態では、ダミー画素の画素値は、黒を表現したR=G=B=0としている。
図7は、本実施形態の画像作成方法、眼底画像処理装置の処理による画像の変化の様子を示す図である。図7(a)は、拡大カラー眼底画像Src(x,y,c)における画像領域の関係を示す図である。図7においては、Xs=700、Ys=605、Ns=1024とした場合を示している。図7(a)において、元のカラー眼底画像Image(x,y,c)に対応する原画像領域のx方向の画素数XsがY方向の画素数Ysよりも多いため、x方向に長い矩形状となっている。また、ダミー画素を付加して画像サイズ拡大後の拡大カラー眼底画像Src(x,y,c)となった拡大画像領域はx方向の画素数NsとY方向の画素数Nsと等しいため、正方形状となっている。したがって、図7(a)に示す矩形状の原画像領域においては、元のImage(x,y,c)眼底画像と同様、眼底の像を表現しているが、拡大画像領域のうち、原画像領域以外の部分においては、黒一色(R=G=B=0)となっている。
次に、周波数次元変換手段20が、拡大カラー眼底画像に対して、周波数次元変換を行う(ステップS200)。周波数次元変換ステップであるステップS200においては、周波数次元変換手段20は、まず、各画素の各色値を正規化する。具体的には、以下の〔数式1〕に従った処理を実行することにより0~255の整数値をとる色値を0~1の実数値に正規化する。
〔数式1〕
Src´(x,y,c)=Src(x,y,c)/255
上記〔数式1〕に示すように拡大カラー眼底画像Src(x,y,c)の各画素の値を255で除算することにより、各画素の値が正規化された拡大カラー眼底画像Src´(x,y,c)が得られる。
続いて、周波数次元変換手段20は、正規化された拡大カラー眼底画像Src´(x,y,c)に対して周波数次元変換を行う。周波数次元変換の具体的な手法としては、画像を周波数次元の周波数成分データへと変換可能な手法であれば、様々な手法を用いることができるが、本実施形態では、2次元フーリエ変換を用いている。具体的には、以下の〔数式2〕に従った処理を実行することにより、複素数成分で構成される周波数成分データを得る。
〔数式2〕
Fr(u,v,c)=Σy=0,Ns-1Σx=0,Ns-1Src´(x,y,c)・cos(2π(ux+vy)/Ns)
Fi(u,v,c)=Σy=0,Ns-1Σx=0,Ns-1Src´(x,y,c)・sin(2π(ux+vy)/Ns)
〔数式2〕は、公知の2次元離散フーリエ変換を実現する式である。〔数式2〕に基づいて2重の畳み込み演算を実行させると膨大な演算負荷を伴うため、前述の通り画像の縦横サイズNsを2の累乗に拡大しておき、公知の2次元高速フーリエ変換アルゴリズムを適用できるようにした(アルゴリズムの具体的な説明は省略する)。これにより、Ns=1024の場合、通常のCPUで1秒未満のほぼリアルタイムにフーリエ変換が実行できる。〔数式2〕において、Fr(u,v,c)は2次元の周波数成分データの実数成分、Fi(u,v,c)は2次元の周波数成分データの虚数成分である。なお、u,vは空間次元のx,yに対応する水平方向および垂直方向の空間周波数(u=0,・・・,Ns-1;v=0,・・・,Ns-1;)で、最小単位はNs/2を周期とする空間周波数で最大周波数はNs/2になる(u,vともNs/2以上は折り返されu=v=Ns-1の成分は、u=v=0の成分と同じ直流成分になる)。cは拡大カラー眼底画像Src(x,y,c)のcに対応する色成分で、c=0,1,2はそれぞれ(Red)(Green)(Blue)に対応する。拡大カラー眼底画像Src´(x,y,c)に対しては、色成分ごとに〔数式2〕に従った処理が実行され、各色成分に対応した周波数成分データが得られる。
図7(b)は、周波数次元変換後の周波数成分データを2次元でプロットしたスペクトル分布を示す図である。図7(b)に示すように、周波数成分データの範囲は、見かけ上、Ns×Nsであって、画像サイズ拡大後の拡大カラー眼底画像Src(x,y,c)の画素数と等しいが、有効な画素はNs×Ns/2個で、同一の画素値または正負符号が反転した画素値をもつ画素が点対称に存在する(原画像がNs×Ns画素で、フーリエ変換後の画素は実数と虚数合わせてNs×Ns×2画素と見かけ上2倍に膨らむが、Ns×Ns画素は点対称に複写されたものになっている)。即ち、2次元フーリエ変換の特性から、Ns×Nsの範囲の中心を最大周波数Ns/2-1とし4隅の周波数を0(直流)とする、4つの領域が中心から点対称となる周波数分布を示すことになる。
次に、周波数成分改変手段30が、周波数成分データに対して、周波数成分の改変を行う(ステップS300)。周波数成分改変ステップであるステップS300においては、周波数成分改変手段30は、まず、以下の〔数式3〕に従った処理を実行することにより直流成分の原点からの2次元ユークリッド距離r(u,v)を算出する。
〔数式3〕
u<Ns/2の場合du=u、u≧Ns/2の場合du=Ns-1-u
v<Ns/2の場合dv=v、v≧Ns/2の場合dv=Ns-1-v
r(u,v)=(du2+dv21/2
〔数式3〕に従った処理により算出されたdu,dvは、図7(b)に示すように、u、vの値がNs/2以上(図7(b)における右半分と下半分)になると、du,dvの値はu、vの値とは、逆方向に変化する。そして、〔数式3〕に従った処理により算出された2次元ユークリッド距離r(u,v)は、図7(b)に示したNs×Nsの正方形の4隅の頂点それぞれを起点とし、起点からの距離として表現されるものであり、水平方向および垂直方向の空間周波数の幾何平均を示している。
次に、周波数成分改変手段30が、所定の周波数範囲を改変対象である改変周波数範囲として、改変周波数範囲の周波数成分を改変する。具体的には、改変周波数範囲の周波数成分を減衰させる。減衰の程度は、適宜設定することができるが、本実施形態では、数値が0となるように除去している。改変周波数範囲は、所定の周波数より低い低周波数域と、所定の周波数より高い高周波数域に設定される。この場合、所定の周波数としては、Ns=1024の場合、10(空間周波数の単位は国際単位系ではmあたりの周期で表すが、本明細書では周波数の単位は表記しない)とすることができ、低周波数域は2次元ユークリッド距離r(u,v)で10以下が対応する。また、高周波数域として、Ns=1024の場合、しきい値を15に設定し、2次元ユークリッド距離r(u,v)で15以上が対応する。高周波数域は、全周波数範囲においては、高い周波数とはいえないが、所定の周波数より高いという意味で高周波数域と呼ぶことにする。Nsの値に比例して、低周波数域、高周波数域を表現するしきい値も変化する。
改変周波数範囲は、低周波数域については、R,G,Bの全色成分に設定される。しかし、改変周波数範囲は、高周波数域については、R成分のみに設定される。したがって、R成分については、低周波数域における改変周波数範囲と高周波数域における改変周波数範囲の2箇所で改変が行われるが、G成分、B成分については、低周波数域における改変周波数範囲の1箇所のみで改変が行われる。改変周波数範囲としては、適宜設定することができる。2次元ユークリッド距離r(u,v)に対応して表現すると、低周波数域においては、改変周波数範囲は、下限r1(c)から上限r2(c)までとなる。(c)となっているのは、c=0,1,2に対応したR、G、Bの色別にそれぞれ下限と上限が設定されることを示している。高周波数域においては、R成分の改変周波数範囲は、下限rh1から上限rh2までとなる。
図7(c)は、R成分の周波数成分データの改変周波数範囲を示す図である。図7(c)は、図7(b)と軸方向およびサイズが同一であり、図7(b)においてdu,dvは、4隅を0としている。図7(c)には、r1(0)については明記されていないが、r1(0)=1であり、低周波数域は、4隅からの2次元ユークリッド距離r(u,v)がr1(0)以上r2(0)以下の範囲であり、4隅を中心とした扇形領域の網掛けされた範囲となる。なお、2次元ユークリッド距離r(u,v)=0となる4隅の直流成分は改変しない。また、高周波数域は、4隅からの2次元ユークリッド距離r(u,v)がrh1以上rh2以下の範囲であり、rh2は最大周波数であるNs/2-1に設定しているため、実質的にはrh1以上の全ての周波数成分が改変の対象となり周波数成分データの中心まで達する網掛けされた範囲となる。したがって、周波数成分改変手段30は、以下の〔数式4〕に従った処理を実行することにより改変周波数範囲における周波数成分を改変する。
〔数式4〕
c=0,1,2について、
r1(c)≦r(u,v)≦r2(c)、rh1≦r(u,v)≦rh2において、
Fr(u,v,c)=0
Fi(u,v,c)=0
〔数式4〕の例では、実数成分Fr(u,v,c)、虚数成分Fi(u,v,c)ともに“0”として除去しているが、除去しなくても、大きく減衰させればよい。R成分については、〔数式4〕に従った処理を実行して、改変周波数範囲における周波数成分を除去すると、低周波数域、高周波数域に挟まれた成分だけが残る。したがって、図7(c)の例では、網掛けされていない、2次元ユークリッド距離r(u,v)がr2(0)+1からrh1-1の範囲に含まれる周波数の成分だけが残ることになる。
低周波数域、高周波数域における改変周波数範囲の具体的な値としては、適宜設定することができる。本実施形態では、Ns=1024であるため、低周波数域における改変周波数範囲の下限については、各色成分共通でr1(0)=r1(1)=r1(2)=1とし、低周波数域における改変周波数範囲の上限については、Rについてはr2(0)=2、Gについてはr2(1)=5、Bについてはr2(2)=3としている。したがって、低周波数域については、G成分を最も広い範囲で除去し、R成分を最も狭い範囲で除去している。G成分を最も広い範囲で除去する理由は、G成分には血管など種々の眼底組織が多く含まれるためで、低周波数域に含まれる視神経乳頭など黄斑以外の組織を除去する。ただし、フルカラーで観察する際、血管が表示された方が黄斑領域の位置関係がわかりやすくなるため、血管成分を多く含む高周波数域を残す。R成分を最も狭い範囲で除去する理由は、黄斑領域を定量解析するためである。また、本実施形態では、R成分の高周波数域における改変周波数範囲の下限については、rh1=15とし、R成分の高周波数域における改変周波数範囲の上限については、rh2=511としている。R成分については、低周波数域における改変周波数範囲を他の色成分と比較して最も狭くし、さらに高周波数域における改変周波数範囲も改変する。これにより、定量解析の支障となる血管成分を多く含む高周波数域を除去し、黄斑領域を多く含む低周波数域を残すことができ、R成分を用いて黄斑領域を定量的に解析することができる。Nsの値に比例して、2次元ユークリッド距離r(u,v)に対応した改変周波数範囲の上限、下限も変化する。
前述のように、低周波数域、高周波数域における周波数成分を除去する処理を行うと、後述の空間次元変換を行って生成される補正カラー眼底画像の輝度が顕著に小さくなってしまう。特に、全ての色成分において低周波数域の周波数成分は顕著に大きいため、これらを除去してしまうと、全ての色成分において補正カラー眼底画像の輝度が桁違いに低下してしまう。そこで、周波数成分改変手段30は、さらに、各色成分について1より大きい倍率s(c)を設定し、周波数成分改変後の周波数成分データに対して、以下の〔数式5〕に従った処理を実行することにより周波数成分を増大させる。
〔数式5〕
Fr´(u,v,c)=Fr(u,v,c)・s(c)
Fi´(u,v,c)=Fi(u,v,c)・s(c)
〔数式5〕に従った処理は、全てのu,vに対応した全ての周波数に対して行われる。倍率s(c)としては、各色についてそれぞれ異なる値を設定することができる。撮影条件にも影響されるが、倍率s(c)は1より大きい必要がある。本実施形態では、s(0)=s(1)=s(2)=4.0としている。このように、全ての色成分の全ての周波数成分の値に対して増大させることにより、後述の空間次元変換を行って生成される補正カラー眼底画像の輝度が明るくなり、視認性の低下を防ぐことができる。
次に、空間次元変換手段40が、改変周波数成分データに対して、空間次元変換を行う(ステップS400)。空間次元変換ステップであるステップS400においては、周波数次元逆変換である空間次元変換を行う。空間次元変換は、空間次元の画像から周波数次元に変換して得られた周波数成分データを元の空間次元に戻す変換であるため、周波数次元変換の逆変換である周波数次元逆変換となる。したがって、空間次元変換の具体的な手法としては、本来、どのような手法を用いてもよいが、周波数次元変換の手法に合わせる必要がある。本実施形態では、周波数次元変換として2次元フーリエ変換を用いているため、空間次元変換として2次元フーリエ逆変換を用いる。
空間次元変換手段40は、以下の〔数式6〕に従った処理を実行することにより空間次元の逆変換像を得る。
〔数式6〕
Des(x,y,c)=[Σy=0,Ns-1Σx=0,Ns-1Fi(u,v,c)・cos(2π(ux+vy)/Ns)]/(Ns・Ns)-[Σy=0,Ns-1Σx=0,Ns-1Fi(u,v,c)・sin(2π(ux+vy)/Ns)]/(Ns・Ns)
〔数式6〕は、公知の2次元離散フーリエ逆変換を実現する式である。〔数式6〕に基づいて2重の畳み込み演算を実行させると膨大な演算負荷を伴うため、周波数次元変換と同様に、公知の2次元高速フーリエ逆変換アルゴリズムを適用する(アルゴリズムの具体的な説明は省略する)。これにより、Ns=1024の場合、通常のCPUで1秒未満のほぼリアルタイムにフーリエ逆変換が実行できる。〔数式6〕において、Des(x,y,c)は、サイズ拡大後の眼底画像Src(x,y,c)と同一サイズ(同一画素数)の実数イメージであり、各画素は0以上1以下の実数値をとる。
空間次元変換手段40は、さらに実数イメージDes(x,y,c)を画像に戻す処理を行う。具体的には、各画素の値を0以上1以下の実数値から0以上255以下の整数値に変換する。これは、実数イメージDes(x,y,c)の各画素に255を乗じた後、整数化することにより行われる。この処理は、〔数式1〕における正規化に対応する逆の処理である。
空間次元変換手段40は、さらに各画素のネガ反転を行う。ネガ反転を行うことにより、黄斑領域の輝度が他の眼底組織に比べて大きくなり視認性を向上させることができる。ネガ反転とは、大きい値ほど小さい値で置き換え、小さい値ほど大きい値で置き換えることにより大小の関係を反転させるものである。本実施形態では、とりうる最大値(8ビットの場合255)より減算することによりネガ反転を行っている。整数値への変換とネガ反転は、それぞれ個別の処理として行うこともできるが、一括して以下の〔数式7〕に従った処理を実行することにより行うこともできる。
〔数式7〕
Fimg(x,y,c)=[1-Des(x,y,c)]・255
〔数式7〕において、Fimg(x,y,c)は、補正カラー眼底画像であり、各画素は、整数化が行われて、0以上255以下の整数値をとる。最終的に、元のカラー眼底画像に対応した領域が得られればよい。そこで、〔数式7〕の処理は、有効な画像領域である0≦x≦Xs-1および0≦y≦Ys-1の範囲に対して行うことにより、Xs×Ysの画素数をもつ補正カラー眼底画像が作成される。これは、RGBの3色成分のNs×Ns画素の補正拡大カラー眼底画像を作成した後、補正拡大カラー眼底画像より、ダミー画素に対応する画素を除去し、Xs×Ys画素の補正カラー眼底画像に変換する処理と同等である。
以上のようにして、得られた補正カラー眼底画像は、色別に異なる周波数範囲で低周波数域を除去しているため、黄斑領域のコントラストが向上している。そのため、補正カラー眼底画像を表示部6に表示出力することにより、黄斑領域の視認性が向上し、医師の診断時においても的確な判断を行い易くなる。
次に、特定色画像抽出手段50が、フルカラーの補正カラー眼底画像から、特定色画像を抽出する(ステップS500)。特定色画像抽出ステップであるステップS500においては、具体的には、R、G、Bの3色成分のうち、R成分画像だけを抽出する。特定色画像は、補正カラー眼底画像Fimg(x,y,c)のR成分であるため、c=0であり、Fimg(x,y,0)で表現される。このR成分画像は、黄斑領域以外の血管成分などを除去しているため、補正カラー眼底画像と並べて表示部6に表示出力することにより、黄斑領域の視認性がより向上するだけでなく、目視では困難な黄斑病変の進行度を定量的に解析することが可能になる。
次に、定量評価手段60が、特定色画像を用いて定量評価を行う(ステップS600)。定量評価ステップであるステップS600においては、具体的には、特定色画像を用いて進行度パラメータとなる評価値を算出し、この進行度パラメータを用いて定量評価を行う。進行度パラメータは、病態を示す病態パラメータと言い換えることもできる。ステップS600においては、定量評価手段60は、まず、画像領域Xs×Ysのうち、所定の領域を定量解析を適用するのに有効な対象領域として設定する。対象領域を設定する理由は、画像領域内の中央近辺に存在する黄斑領域の中心を特定するためである。対象領域としては、黄斑領域以外の解析対象でない輝度の明るい領域が含まれていない領域であれば、画像領域内のどこに設定してもよいが、なるべく中央寄りが好ましい。本実施形態では、x方向、y方向ともに1/2、全体の画素数として1/4となる領域、すなわち、Xs/4≦x≦Xs・3/4-1、Ys/4≦y≦Ys・3/4-1で特定される領域となる。
続いて、定量評価手段60は、対象領域において最大値Maxrと最大値Maxrをとる画素の座標(xp,yp)を検出する。最大値Maxrと特定色画像の画素との関係は、以下の〔数式8〕により表現される。
〔数式8〕
Maxr=Fimg(xp,yp,0)=MAXXs/4≦x≦Xs・3/4-1、Ys/4≦y≦Ys・3/4-1Fimg(x,y,0)
〔数式8〕において、“MAXXs/4≦x≦Xs・3/4-1、Ys/4≦y≦Ys・3/4-1Fimg(x,y,0)”は、対象領域における画素の最大値(MAX)を示す。次に、定量評価手段60は、最大値Maxrをとる画素を解析中心とした解析範囲を設定する。解析範囲を設定する理由は、特定色画像の外郭周辺に含まれる非眼底領域や撮影枠等の黄斑領域以外の領域を解析対象から外すためである。解析範囲のサイズ(大きさ)は、解析対象の黄斑領域が完全に含まれていれば、どの程度であってもよいが、対象領域と同等であることが好ましい。本実施形態では、解析範囲のx方向の画素数dx、y方向の画素数dyを、それぞれ画像領域のx方向の画素数Xs、y方向の画素数Ysの1/2としている。この場合、矩形状の解析範囲の4隅(x1,y1)、(x2,y1)、(x2,y2)、(x1,y2)は、x1=xp-dx/2、x2=xp+dx/2-1、y1=yp-dy/2、y2=yp+dy/2-1で特定される。
そして、定量評価手段60は、対象領域の最大値Maxrに所定の比率γを乗じて得られる値Maxr・γをしきい値として設定する。γとしては、0.7以上0.9以下とすることが好ましい。本実施形態では、γ=0.8としている。定量評価手段60は、以下の〔数式9〕に従った処理を実行することにより、Rasiorを算出する。
〔数式9〕
Rasior=ΣFimg(x,y,0)>Maxr・γ; x1≦x≦x2,y1≦y≦y21・100/(dx・dy)
〔数式9〕に示すように、Rasiorは、解析範囲においてしきい値Maxr・γより大きい値をとる画素の数の、解析範囲の画素数dx・dyに対する比率を、百分率で示したものである。しきい値Maxr・γより大きい値をとる画素は、明るく表現され、黄斑領域である可能性が高いため、Rasiorは、黄斑領域である可能性が高い領域の解析範囲に占める比率を示すことになる。したがって、Rasiorの値が大きい程、黄斑領域が広がっていると考えることができる。
黄斑病変としては、黄斑変性(加齢黄斑変性症)、黄斑浮腫(糖尿病性網膜症)、黄斑円孔・黄斑前膜(加齢による後部硝子体剥離、硝子体ポケットが要因)などがある。黄斑変性および黄斑浮腫では上記Rasiorが健常眼に比べ増大し、特に黄斑浮腫では顕著に増大する。したがって、Rasiorの値を見れば、黄斑病変の進行度を定量評価することができる。Rasiorが大きければ大きい程、黄斑病変が進行し、症状が悪化していることを示す。所定のしきい値を進行度しきい値として設定しておき、Rasiorと進行度しきい値を比較することにより、進行度が進んでいるか正常であるかを判定することができる。例えば、進行度しきい値として5%などと設定しておき、Rasiorが進行度しきい値5%より大きければ、黄斑病変と判定し、Rasiorが進行度しきい値5%以下であれば、正常と判定することができる。さらに、進行度しきい値を複数設定しておき、Rasiorと各進行度しきい値を比較して、どの範囲に属するかを特定することにより、進行度を段階的に判定することができる。
図8は、健常者について、本実施形態に係る画像作成方法、眼底画像処理装置により作成された画像を示す図である。このうち、図8(a)は、撮像により得られたカラー眼底画像を示している。また、図8(b)は、ステップS400における空間次元変換手段40による空間次元変換後の、補正カラー眼底画像を示している。また、図8(c)は、ステップS500における特定色画像抽出手段50による特定色画像抽出後の、特定色画像(R成分)を示している。
図8(a)の撮像により得られたカラー眼底画像では、肉眼による黄斑領域が識別し難い。これに対して、図8(b)の補正カラー眼底画像では、中央の黄斑領域が肉眼により識別可能となっている。これは、R、G、Bの各色成分において、低周波数域を除去したことによる。特に、図8(b)の例では、G成分について低周波数域の成分も除去しているため、黄斑領域が識別し易くなる。図8(c)に示すように、R成分のみをグレースケール画像として抽出して作成された特定色画像では、図8(b)の補正カラー眼底画像に比べても、一層、黄斑領域の中心窩が識別し易くなっている。図8(c)に示す矩形は、解析範囲を示している。図8(c)に示す解析範囲に対して、ステップS600における定量評価手段60による定量評価を行った結果、352画素×352画素の解析範囲において、最大値(Maxr)231、平均値45、しきい値(Maxr・γ:最大値80%)以上の画素数1188個、比率(Rasior)0.95%となった。進行度しきい値として5%が設定されている場合は、Rasiorが進行度しきい値5%以下であるので、正常と判定される。
図9は、糖尿病黄斑浮腫(糖尿病性網膜症)の患者について、本実施形態に係る画像作成方法、眼底画像処理装置により作成された画像を示す図である。このうち、図9(a)は、撮像により得られたカラー眼底画像を示している。また、図9(b)は、ステップS400における空間次元変換手段40による空間次元変換後の、補正カラー眼底画像を示している。また、図9(c)は、ステップS500における特定色画像抽出手段50による特定色画像抽出後の、特定色画像(R成分)を示している。
図9(a)の撮像により得られたカラー眼底画像では、肉眼による黄斑領域が識別し難い。これに対して、図9(b)の補正カラー眼底画像では、中央の黄斑領域が肉眼により識別可能となっている。これは、R、G、Bの各色成分において、G、Bに比べてR成分の低周波数域を狭範囲で除去したことによる。特に、図9(b)の例では、全ての色成分について低周波数域の成分を除去しているため、黄斑領域が識別し易くなる。図9(c)に示すように、R成分のみをグレースケール画像として抽出して作成られた特定色画像では、図9(b)の補正カラー眼底画像に比べても、一層、黄斑領域の中心窩が識別し易くなっている。図9(c)に示す矩形は、解析範囲を示している。図9(c)に示す解析範囲に対して、ステップS600における定量評価手段60による定量評価を行った結果、352画素×352画素の解析範囲において、最大値(Maxr)255、平均値85、しきい値(Maxr・γ:最大値80%)以上の画素数12660個、比率(Rasior)10.21%となった。進行度しきい値として5%が設定されている場合は、Rasiorが進行度しきい値5%より大きいので、黄斑病変と判定される。
以上、本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、撮影により得られたカラー眼底画像としてRGB各8ビットのフルカラー画像を用いたが、これに限定されず、様々な態様の眼底画像を用いることができる。例えば、近年業務用のデジタルカメラの階調は10ビット以上に拡大しており、各色1024階調等のフルカラー画像を取得することも可能になっており、より階調数の多いカラー画像を用いてもよい。また、より少ない階調数のカラー画像やモノクロ画像を用いてもよい。例えば、赤外線光源で撮像されたモノクロ画像の場合は、特定色画像のR成分と同様な処理をモノクロ画像に適用すれば良い。
1・・・CPU(Central Processing Unit)
2・・・RAM(Random Access Memory)
3・・・記憶装置
4・・・指示入力I/F
5・・・データ入出力I/F
6・・・表示部
10・・・画像サイズ拡大手段
20・・・周波数次元変換手段
30・・・周波数成分改変手段
40・・・空間次元変換手段
50・・・特定色画像抽出手段
60・・・定量評価手段
70・・・眼底画像記憶手段
80・・・処理データ記憶手段
100・・・眼底画像処理装置

Claims (10)

  1. RGBの3色成分で構成されるカラー眼底画像に基づいて、黄斑領域を強調した補正カラー眼底画像を作成する画像作成方法であって、
    前記カラー眼底画像の画素数をXs×Ysとするとき、Ns/2<Ys≦Xs<Nsを満たす2のn乗 (nは正の整数)の整数Nsを定義し、前記カラー眼底画像に対してダミー画素を付加して、Ns×Ns画素の拡大カラー眼底画像に変換する画像サイズ拡大ステップと、
    前記拡大カラー眼底画像の色成分ごとの画像に周波数次元変換を施し、色成分ごとに複素数成分で構成される周波数成分データに変換する周波数次元変換ステップと、
    所定の周波数より低い低周波数域において、色成分ごとに所定の周波数範囲を改変周波数範囲とし、R成分の改変周波数範囲をG成分またはB成分の改変周波数範囲よりも狭く設定し、前記色成分ごとの周波数成分データのうち前記改変周波数範囲における周波数成分を減衰させる周波数成分改変ステップと、
    改変された色成分ごとの周波数成分データに周波数次元逆変換を施し、Ns×Ns画素の補正拡大カラー眼底画像を作成した後、前記補正拡大カラー眼底画像より、前記ダミー画素に対応する画素を除去し、RGBの3色成分で構成される補正カラー眼底画像を作成する空間次元変換ステップと、
    を有し、
    前記周波数成分改変ステップは、前記R成分の周波数成分データに対して、前記所定の周波数より高い高周波数域において、所定の周波数範囲をさらに改変周波数範囲と設定し、前記R成分の周波数成分データのうち当該改変周波数範囲における周波数成分を減衰させることを特徴とする画像作成方法。
  2. 前記改変周波数範囲は、直流成分の位置からの2次元ユークリッド距離が所定の範囲である扇形領域により定められるものであり、前記直流成分の位置は、正方形で表現された前記周波数成分データの4隅であることを特徴とする請求項1に記載の画像作成方法。
  3. 前記周波数成分改変ステップは、前記色成分ごとの周波数成分データの値に対して、所定の倍率で増大する処理を、さらに行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像作成方法。
  4. 前記空間次元変換ステップは、前記補正カラー眼底画像を作成する際、前記RGBの3色成分の値に対して、とりうる最大値より減算してネガ反転する処理を、さらに行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像作成方法。
  5. 前記空間次元変換ステップの後に、
    前記補正カラー眼底画像の前記R成分の画像を、黄斑領域が特に強調された特定色画像として抽出する特定色画像抽出ステップをさらに有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像作成方法。
  6. 前記周波数次元変換は2次元高速フーリエ変換であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像作成方法。
  7. 前記周波数成分改変ステップは、Ns=1024の場合、前記低周波数域における改変周波数範囲として、前記2次元ユークリッド距離が1から10の範囲で設定するようにしていることを特徴とする請求項2に記載の画像作成方法。
  8. RGBの3色成分で構成されるカラー眼底画像に基づき、黄斑領域を強調した補正カラー眼底画像を作成する眼底画像処理装置であって、
    前記カラー眼底画像の画素数をXs×Ysとするとき、Ns/2<Ys≦Xs<Nsを満たす2のn乗 (nは正の整数)の整数Nsを定義し、前記カラー眼底画像に対してダミー画素を付加して、Ns×Ns画素の拡大カラー眼底画像に変換する画像サイズ拡大手段と、
    前記拡大カラー眼底画像の各色成分の画像に周波数次元変換を施し、色成分ごとに複素数成分で構成される周波数成分データに変換する周波数次元変換手段と、
    前記周波数成分データの各色成分の複素数成分に対して、
    所定の周波数より低い低周波数域において、色成分ごとに所定の周波数範囲を改変周波数範囲とし、R成分の改変周波数範囲を、G成分、B成分の改変周波数範囲よりも狭く設定して、各改変周波数範囲における周波数成分を減衰させることにより、周波数成分データを色成分ごとに改変する周波数成分改変手段と、
    改変された色成分ごとの周波数成分データに周波数次元逆変換を施し、Ns×Ns画素の補正拡大カラー眼底画像を作成した後、前記補正拡大カラー眼底画像より、前記ダミー画素に対応する画素を除去し、RGBの3色成分で構成される補正カラー眼底画像を作成する空間次元変換手段と、
    有し、
    前記周波数成分改変手段は、前記R成分の周波数成分データに対して、前記所定の周波数より高い高周波数域において、所定の周波数範囲をさらに改変周波数範囲と設定し、前記R成分の周波数成分データのうち当該改変周波数範囲における周波数成分を減衰させることことを特徴とする眼底画像処理装置。
  9. コンピュータを、
    カラー眼底画像の画素数をXs×Ysとするとき、Ns/2<Ys≦Xs<Nsを満たす2のn乗 (nは正の整数)の整数Nsを定義し、前記カラー眼底画像に対してダミー画素を付加して、Ns×Ns画素の拡大カラー眼底画像に変換する画像サイズ拡大ステップ、
    前記拡大カラー眼底画像の各色成分の画像に周波数次元変換を施し、色成分ごとに複素数成分で構成される周波数成分データに変換する周波数次元変換ステップ、
    前記周波数成分データの各色成分の複素数成分に対して、所定の周波数より低い低周波数域において、色成分ごとに所定の周波数範囲を改変周波数範囲とし、R成分の改変周波数範囲を、G成分またはB成分の改変周波数範囲よりも狭く設定して、各改変周波数範囲における周波数成分を減衰させることにより、周波数成分データを色成分ごとに改変する周波数成分改変ステップ、
    改変された色成分ごとの周波数成分データに周波数次元逆変換を施し、Ns×Ns画素の補正拡大カラー眼底画像を作成した後、前記補正拡大カラー眼底画像より、前記ダミー画素に対応する画素を除去し、RGBの3色成分で構成される補正カラー眼底画像を作成する空間次元変換ステップ、
    として機能させるためのプログラムであって、
    前記周波数成分改変ステップは、前記R成分の周波数成分データに対して、前記所定の周波数より高い高周波数域において、所定の周波数範囲をさらに改変周波数範囲と設定し、前記R成分の周波数成分データのうち当該改変周波数範囲における周波数成分を減衰させる、プログラム
  10. コンピュータを、
    カラー眼底画像の画素数をXs×Ysとするとき、Ns/2<Ys≦Xs<Nsを満たす2のn乗 (nは正の整数)の整数Nsを定義し、前記カラー眼底画像に対してダミー画素を付加して、Ns×Ns画素の拡大カラー眼底画像に変換する画像サイズ拡大ステップ、
    前記拡大カラー眼底画像の各色成分の画像に周波数次元変換を施し、色成分ごとに複素数成分で構成される周波数成分データに変換する周波数次元変換ステップ、
    前記周波数成分データの各色成分の複素数成分に対して、所定の周波数より低い低周波数域において、色成分ごとに所定の周波数範囲を改変周波数範囲とし、R成分の改変周波数範囲を、G成分またはB成分の改変周波数範囲よりも狭く設定して、各改変周波数範囲における周波数成分を減衰させることにより、周波数成分データを色成分ごとに改変する周波数成分改変ステップ、
    改変された色成分ごとの周波数成分データに周波数次元逆変換を施し、Ns×Ns画素の補正拡大カラー眼底画像を作成した後、前記補正拡大カラー眼底画像より、前記ダミー画素に対応する画素を除去し、RGBの3色成分で構成される補正カラー眼底画像を作成する空間次元変換ステップ、
    として機能させるためのプログラムを記録した記録媒体であって、
    前記周波数成分改変ステップは、前記R成分の周波数成分データに対して、前記所定の周波数より高い高周波数域において、所定の周波数範囲をさらに改変周波数範囲と設定し、前記R成分の周波数成分データのうち当該改変周波数範囲における周波数成分を減衰させる、記録媒体。
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