JP7221506B1 - 揚鉱装置 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】海上におけるキャリア物質と海底物質の分離を簡単に行うことができ、且つ、海底物質の管路内への取り込み時に多量の海水を取り込んでしまうことを防止できる揚鉱装置を提供する。【解決手段】 揚鉱装置は、管路と、前記管路内に充填されるとともに下降管の上端から上昇管の上端に至るまで前記管路内を送られるキャリア物質と、前記キャリア物質中に混入され内部に海底物質又は不要物質を収納可能なカプセルと、第1連結管に設けられ、通過する前記カプセルを第1開口部を上に向けた上向き姿勢で位置決め可能な第1位置決め部と、前記第1位置決め部に設けられ前記第1位置決め部で位置決めされたカプセルの蓋体を開閉可能な第1駆動部と、前記第1位置決め部に設けられ、開放した状態の前記第1開口部を介して前記カプセル内に前記海底物質を投入する第1投入部と、を備える。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用 令和4年1月7日に公開された刊行物であるシンポジウム講演集および令和4年1月13日に行われた2022年第48回岩盤力学に関するシンポジウムにて、発明の新規性喪失の例外の規定の適用を受けるための証明書に記載の内容を開示した。
本発明は、海底物質を揚鉱できる揚鉱装置に関する。
海底の有価鉱物を揚鉱する揚鉱装置および揚鉱方法が開示されている(例えば、特許文献1~3参照)。この揚鉱装置および揚鉱方法では、下降管および上昇管を含む環状に形成した管路内に粘性流動物質であるキャリア物質を循環させ、有価物質の平均沈降速度を低減することで、海底の有価物質の揚鋼を効率的にしている。揚鉱された有価鉱物は、海上にて回収される。
特許第6878721号公報 特許第6938300号公報 特許第6570000号公報
上記従来の揚鉱装置および揚鉱方法では、海上におけるキャリア物質と有価物質の分離に手間がかかり、コスト増となる問題があった。また、有価物質を環状の管路内に取り込む際に、一緒に多量の海水を取り込んでしまうことになるため、管内でキャリア物質の濃度が薄まって、有価物質の平均沈降速度の低減効果が十分に得られなくなる問題があった。さらに、輸送効率を最大にするために、海底から海上まで海底物質(鉱石)の粒度、密度、混入率などの揚鉱条件を一定に保つことが必要であるが、揚鉱条件は、鉱床の性状や採掘の条件によって変動してしまう問題があった。
従って、本発明の目的は、海上におけるキャリア物質と海底物質の分離を簡単に行うことができ、且つ、海底物質の管路内への取り込み時に多量の海水を取り込んでしまうことを防止できるとともに、揚鉱条件を一定にして輸送効率を高めることができる揚鉱装置を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明(1)の揚鉱装置は、
海上より海底に達する下降管と、前記海底から前記海上に達する上昇管と、前記下降管の下端と前記上昇管の下端とを連結する第1連結管と、を有する管路と、
前記管路内に充填されるとともに前記下降管の上端から前記上昇管の上端に至るまで前記管路内を送られるキャリア物質と、
前記キャリア物質中に混入され内部に海底物質又は不要物質を収納可能なカプセルであって、カプセル本体と、前記カプセル本体の外周面の一部に設けられ前記海底物質又は前記不要物質を出し入れ可能な第1開口部と、前記第1開口部を閉塞したり開放したりするように前記カプセル本体に対して移動可能な蓋体と、を有するカプセルと、
前記第1連結管に設けられ、通過する前記カプセルを前記第1開口部を上に向けた上向き姿勢で位置決め可能な第1位置決め部と、
前記第1位置決め部に設けられ前記第1位置決め部で位置決めされたカプセルの前記蓋体を開閉可能な第1駆動部と、
前記第1位置決め部に設けられ、開放した状態の前記第1開口部を介して前記カプセル内に前記海底物質を投入する第1投入部と、
を備える。
また、本発明(2)の揚鉱装置は、(1)記載の揚鉱装置であって、
前記第1位置決め部は、前記第1連結管の内面に前記カプセルと係合する第1係合部を有し、
前記カプセルは、前記第1係合部と係合することで前記第1投入部に対して前記第1開口部を位置合わせ可能な第2係合部を有する。
また、本発明(3)の揚鉱装置は、(2)記載の揚鉱装置であって、
前記第1投入部は、第1シャッターを含み、前記第1シャッターは、前記管路内と周囲環境とを遮断した第1位置と、前記管路内と前記周囲環境とを連通した第2位置と、の間で移動可能である。
また、本発明(4)の揚鉱装置は、(3)記載の揚鉱装置であって、
前記第1駆動部は、前記第1シャッターを前記第1位置と前記第2位置との間で移動させることが可能である。
また、本発明(5)の揚鉱装置は、(2)~(4)のいずれか1項に記載の揚鉱装置であって、
前記カプセル本体は、円筒状をなし、
前記蓋体は、環状をなして前記カプセル本体の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ前記第1開口部に対応する貫通孔部を有するとともに、前記貫通孔部が前記第1開口部に重なった第1開放位置と、前記貫通孔部が前記第1開口部から外れた閉塞位置と、の間で前記第1駆動部により回転可能である。
また、本発明(6)の揚鉱装置は、(2)記載の揚鉱装置であって、
前記管路は、前記上昇管の上端と前記下降管の上端とを連結する第2連結管を有し、
前記キャリア物質は、前記第2連結管内を前記上昇管の上端から前記下降管の上端まで送られる。
また、本発明(7)の揚鉱装置は、(6)記載の揚鉱装置であって、
前記第2連結管に設けられ、通過する前記カプセルを前記第1開口部を下に向けた下向き姿勢で位置決め可能な第2位置決め部と、
前記第2位置決め部で位置決めされたカプセルの前記蓋体を開閉可能な第2駆動部と、
前記第2位置決め部に設けられ、開放した状態の前記第1開口部から前記海底物質を放出する第1放出部と、
を備える。
また、本発明(8)の揚鉱装置は、(7)記載の揚鉱装置であって、
前記第2位置決め部は、前記第2連結管の内面に前記カプセルと係合する第3係合部を有し、
前記第2係合部は、前記第3係合部と係合することで前記第1放出部に対して前記第1開口部を位置合わせ可能である。
また、本発明(9)の揚鉱装置は、(8)記載の揚鉱装置であって、
前記第1放出部は、第2シャッターを含み、前記第2シャッターは、前記管路内と周囲環境とを遮断した第3位置と、前記管路内と前記周囲環境とを連通した第4位置と、の間で移動可能である。
また、本発明(10)の揚鉱装置は、(9)記載の揚鉱装置であって、
前記第2駆動部は、前記第2シャッターを前記第3位置と前記第4位置との間で移動させることが可能である。
また、本発明(11)の揚鉱装置は、(7)~(10)のいずれか1項に記載の揚鉱装置であって、
前記カプセル本体は、円筒状をなし、
前記蓋体は、環状をなして前記カプセル本体の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ前記第1開口部に対応する貫通孔部を有するとともに、前記貫通孔部が前記第1開口部に重なった第1開放位置と、前記貫通孔部が前記第1開口部から外れた閉塞位置と、の間で前記第2駆動部により回転可能である。
また、本発明(12)の揚鉱装置は、(2)記載の揚鉱装置であって、
前記第2連結管に設けられ、通過する前記カプセルを位置決め可能な第2位置決め部と、
前記第2位置決め部で位置決めされたカプセルの前記蓋体を開閉可能な第2駆動部と、
前記カプセルの第1開放位置にある第1開口部又は第2開放位置にある第2開口部から前記海底物質を放出する第1放出部と、
を備え、
前記カプセル本体は、円筒状をなし、
前記カプセルは、前記カプセル本体の前記第1開口部とは反対側に設けられた前記第2開口部を有し、
前記蓋体は、環状をなして前記カプセル本体の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ前記第1開口部および前記第2開口部に対応する貫通孔部を有するとともに、前記貫通孔部が前記第1開口部に重なった第1開放位置と、前記貫通孔部が前記第2開口部に重なった前記第2開放位置と、前記貫通孔部が前記第1開口部および前記第2開口部から外れた閉塞位置と、の間で前記第2駆動部により回転可能である。
また、本発明(13)の揚鉱装置は、(2)記載の揚鉱装置であって、
前記第1位置決め部よりも上流側で前記第1連結管に設けられ、通過する前記カプセルを、前記第1開口部を下に向けた下向き姿勢で位置決め可能な第3位置決め部と、
前記第3位置決め部で位置決めされたカプセルの前記蓋体を前記第1開口部を閉塞したり開放したりするように移動可能な第3駆動部と、
開放した状態の前記第1開口部から前記不要物質を放出する第2放出部と、
を備える。
また、本発明(14)の揚鉱装置は、(13)記載の揚鉱装置であって、
前記第3位置決め部は、前記第1連結管の内面に前記カプセルと係合する第4係合部を有し、
前記第2係合部は、前記第4係合部と係合することで前記第2放出部に対して前記第1開口部を位置合わせ可能である。
また、本発明(15)の揚鉱装置は、(14)記載の揚鉱装置であって、
前記第2放出部は、第3シャッターを含み、前記第3シャッターは、前記管路内と周囲環境とを遮断した第5位置と、前記管路内と前記周囲環境とを連通した第6位置と、の間で移動可能である。
また、本発明(16)の揚鉱装置は、(15)記載の揚鉱装置であって、
前記第3駆動部は、前記第3シャッターを前記第5位置と前記第6位置との間で移動させることが可能である。
また、本発明(17)の揚鉱装置は、(14)記載の揚鉱装置であって、
前記第1連結管の内面にらせん状に設けられ、前記第4係合部と前記第1係合部とを接続する第1接続部であって、前記第2係合部と係合して前記第3位置決め部から前記第1位置決め部に向かう前記カプセルを前記下向き姿勢から前記上向き姿勢に回転させつつ案内可能な第1接続部を備える。
また、本発明(18)の揚鉱装置は、(14)~(17)のいずれか1項に記載の揚鉱装置であって、
前記カプセル本体は、円筒状をなし、
前記蓋体は、環状をなして前記カプセル本体の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ前記第1開口部に対応する貫通孔部を有するとともに、前記貫通孔部が前記第1開口部に重なった第1開放位置と、前記貫通孔部が前記第1開口部から外れた閉塞位置と、の間で前記第3駆動部により回転可能である。
また、本発明(19)の揚鉱装置は、(2)記載の揚鉱装置であって、
前記第1位置決め部よりも上流側で前記第1連結管に設けられ、通過する前記カプセルを位置決め可能な第3位置決め部と、
前記第3位置決め部で位置決めされたカプセルの前記蓋体を開閉可能な第3駆動部と、
前記カプセルの第1開放位置にある第1開口部又は第2開放位置にある第2開口部から前記不要物質を放出する第2放出部と、
を備え、
前記カプセル本体は、円筒状をなし、
前記カプセルは、前記カプセル本体の前記第1開口部とは反対側に設けられた前記第2開口部を有し、
前記蓋体は、環状をなして前記カプセル本体の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ前記第1開口部および前記第2開口部に対応する貫通孔部を有するとともに、前記貫通孔部が前記第1開口部に重なった第1開放位置と、前記貫通孔部が前記第2開口部に重なった前記第2開放位置と、前記貫通孔部が前記第1開口部および前記第2開口部から外れた閉塞位置と、の間で前記第3駆動部により回転可能である。
また、本発明(20)の揚鉱装置は、(13)記載の揚鉱装置であって、
前記第2位置決め部よりも下流側で前記第2連結管に設けられ、通過する前記カプセルを前記第1開口部を上に向けた上向き姿勢で位置決め可能な第4位置決め部と、
前記第4位置決め部で位置決めされたカプセルの前記蓋体を開閉可能な第4駆動部と、
前記第2連結管に設けられ、開放した状態の前記第1開口部を介して前記カプセル内に前記不要物質を投入する第2投入部と、
を備える。
また、本発明(21)の揚鉱装置は、(20)記載の揚鉱装置であって、
前記第4位置決め部は、前記第2連結管の内面に前記カプセルと係合する第5係合部を有し、
前記第2係合部は、前記第5係合部と係合することで前記第2投入部に対して前記第1開口部を位置合わせ可能である。
また、本発明(22)の揚鉱装置は、(21)記載の揚鉱装置であって、
前記第2投入部は、第4シャッターを含み、前記第4シャッターは、前記管路内と周囲環境とを遮断した第7位置と、前記管路内と前記周囲環境とを連通した第8位置と、の間で移動可能である。
また、本発明(23)の揚鉱装置は、(22)記載の揚鉱装置であって、
前記第4駆動部は、前記第4シャッターを前記第7位置と前記第8位置との間で移動させることが可能である。
また、本発明(24)の揚鉱装置は、(21)記載の揚鉱装置であって、
前記第2連結管の内面にらせん状に設けられ、前記第3係合部と前記第5係合部とを接続する第2接続部であって、前記第2係合部と係合して前記第2位置決め部から前記第4位置決め部に向かう前記カプセルを前記下向き姿勢から前記上向き姿勢に回転させつつ案内可能な第2接続部を備える。
また、本発明(25)の揚鉱装置は、(21)~(24)のいずれか1項に記載の揚鉱装置であって、
前記カプセル本体は、円筒状をなし、
前記蓋体は、環状をなして前記カプセル本体の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ前記第1開口部に対応する貫通孔部を有するとともに、前記貫通孔部が前記第1開口部に重なった第1開放位置と、前記貫通孔部が前記第1開口部から外れた閉塞位置と、の間で前記第4駆動部により回転可能である。
また、本発明(26)の揚鉱装置は、(13)記載の揚鉱装置であって、
前記第2位置決め部よりも下流側で前記第2連結管に設けられ、通過する前記カプセルを位置決め可能な第4位置決め部と、
前記第4位置決め部で位置決めされたカプセルの前記蓋体を開閉可能な第4駆動部と、
前記カプセルの第1開放位置にある第1開口部又は第2開放位置にある第2開口部から前記不要物質を投入する第2投入部と、
を備え、
前記カプセル本体は、円筒状をなし、
前記カプセルは、前記カプセル本体の前記第1開口部とは反対側に設けられた前記第2開口部を有し、
前記蓋体は、環状をなして前記カプセル本体の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ前記第1開口部および前記第2開口部に対応する貫通孔部を有するとともに、前記貫通孔部が前記第1開口部に重なった第1開放位置と、前記貫通孔部が前記第2開口部に重なった前記第2開放位置と、前記貫通孔部が前記第1開口部および前記第2開口部から外れた閉塞位置と、の間で前記第4駆動部により回転可能である。
また、本発明(27)の揚鉱装置は、(2~4)、(6~10)、(13~17)、(20~24)のいずれか1項に記載の揚鉱装置であって、
前記カプセル本体は、卵形又は楕円体をなしている。
本発明によれば、海上におけるキャリア物質と海底物質の分離を簡単に行うことができ、且つ、海底物質の管路内への取り込み時に多量の海水を取り込んでしまうことを防止できるとともに、揚鉱条件を一定にして輸送効率を高めることができる揚鉱装置を提供できる。
第1実施形態の揚鉱装置の全体像を示す模式図である。 図1に示す揚鉱装置の第1位置決め部および第3位置決め部周りを拡大して示す模式図である。 図1に示す揚鉱装置の第2位置決め部および第4位置決め部周りを拡大して示す模式図である。 図1に示す揚鉱装置のカプセルを示す斜視図である。 図1に示す揚鉱装置の第1接続部を拡大して示す模式図である。 第1変形例のカプセルを示す斜視図である。 第2変形例のカプセルを示す斜視図である。 第3変形例のカプセルを示す斜視図である。 第4変形例のカプセルを示す斜視図である。 第2実施形態の揚鉱装置のカプセルを模式的に示す斜視図であり、蓋体を閉塞位置にした状態を示す斜視図である。 図10に示すカプセルにおいて、蓋体を第1開放位置にした状態を示す斜視図である。 第2実施形態の揚鉱装置の第1位置決め部周りを拡大して模式的に示した模式図である。 図12に示す揚鉱装置のF12-F12線の位置に沿った断面図である。 第3実施形態の揚鉱装置の第3位置決め部を拡大して模式的に示した模式図である。
以下図面を参照して、本発明の揚鉱装置の実施形態について説明する。本発明の揚鉱装置は、海底の海底物質(有価物質)を海上まで圧送することができるものである。また、本発明の揚鉱装置は、海上に圧送された海底物質のうち、有価物質を選別した後の残滓である不要物質を再び海底の処分場に戻すことができるものである。
[第1実施形態]
図1~図4を参照して、第1実施形態の揚鉱装置11について説明する。揚鉱装置11は、台船12と、台船12上で海底物質13から選別された有価物質14を輸送するための輸送船15と、台船12から海中16に投入されてループ状をなした管路17と、管路17内に充填されたキャリア物質21と、キャリア物質21内に混入された複数のカプセル22と、管路17内でキャリア物質21を循環させるためのポンプ23と、管路17内に注ぎ足すキャリア物質21を調整する調整槽24と、管路17の後述する第1連結管25に設けられた第1位置決め部26と、第1位置決め部26に設けられカプセル22の蓋体27を開閉可能な第1駆動部31と、第1位置決め部26に設けられカプセル22内に海底物質13を投入する第1投入部32と、を有する。ポンプ23および調整槽24のそれぞれは、例えば、海上33で管路17から枝分かれするように台船12上に設けられた分岐管17Aの途中に設けられている。ポンプ23の設置位置は、台船12上に限られず、管路17系内のいずれかの箇所に分岐管17Aを設ける形であれば、どのような位置にあってもよい。
管路17の各部は、例えば鋼材料により形成された円筒形の管によって構成されている。管路17は、例えば海上33から海底34に至り、再び海底34から海上33に戻るようなループ状をなしている。或いは、管路17は、海上33から海底34に至り、再び海底34から海上33に戻るような「U」字状をなしていてもよい。
図1に示すように、管路17は、海上33より海底34に達する下降管35と、海底34から海上33に達する上昇管36と、下降管35の下端と上昇管36の下端とを連結する第1連結管25と、上昇管36の上端と下降管35の上端とを連結する第2連結管37と、を有する。下降管35の大部分および上昇管36の大部分は、海中16に設けられている。第1連結管25は、海底34に設けられている。第2連結管37は、海上33に設けられている。管路17は、全体として可撓性を有していてもよい。
図2に示すように、第1位置決め部26は、第1連結管25の他の部分よりも内径が小さくなった第1狭窄部38と、第1狭窄部38の内面に設けられた第1係合部41と、を有する。第1係合部41は、例えば、第1狭窄部38の内面に一対に設けられた突条として形成されている。一対の突条は、第1狭窄部38を通るカプセル22を間に挟んだ両側に設けられる。第1係合部41に含まれる突条のそれぞれは、第1連結管25(第1狭窄部38)の軸方向にレール状に延びている。第1狭窄部38は、例えば、後述するように、第1位置決め部26よりも上流側に設けられる第3位置決め部58の第3狭窄部74と一体になるように設けられている。
第1駆動部31は、例えば、海上33の台船12ないし海底34に設置された大容量バッテリ等又は発電機等の電源から電力供給を受けて動作可能な、多機能で複合的なロボットで構成されている。第1駆動部31は、各部の制御を行う第1制御部42と、第1制御部42からの制御を受けてカプセル22の蓋体27を開閉するための第1スクリュー部43と、カプセル22が第1投入部32に接近したことを感知できる第1センサ44と、を有する。第1制御部42は、例えば、CPU、ROM、RAM、その他の記憶媒体を含むコンピューターで構成されている。第1制御部42は、例えば、後述する第3駆動部61の各部を制御する制御部を兼ねている。
第1センサ44は、カプセル22の位置を感知できる任意のセンサを用いることができる。第1センサ44は、例えば、水中で使用可能な近接センサで構成されている。或いは、第1センサ44は、物理的なスイッチで構成されても良く、第1制御部42は、カプセル22が当該スイッチを押し込むことでカプセル22が第1投入部32に接近したことを感知してもよい。第1センサ44は、管路17内に設けられているが、管路17外に設けられていてもよい。
第1スクリュー部43は、例えば、カプセル22の前方に突出したり、カプセル22の前方から退避したりする腕型のロボットで構成されている。第1スクリュー部43は、モータ等の駆動源と、先端部に設けられ駆動源からの駆動力によって回転される電動ドライバーと、を有する。カプセル22は、蓋体27と連動する図示しないねじ部を有しており、第1駆動部31の第1スクリュー部43(電動ドライバー)からの入力によって、第1開口部52を開放したり閉塞したりするように蓋体27を移動させることができる。第1制御部42は、第1投入部32の第1シャッター弁48(シャッター)の開閉を制御することができる。
第1駆動部31は、第1保持装置45を有する。第1保持装置45は、第1制御部42からの制御で動作するとともに、第1位置決め部26および後述する第3位置決め部58にあるカプセル22をその位置で保持可能である。第1保持装置45は、例えば、第1位置決め部26および第3位置決め部58にあるカプセル22を前後から直接挟んで保持したり、カプセル22の長軸回りの角度を微調整したりできる一対の腕型のロボットで構成される。第1駆動部31は、管路17内(第1狭窄部38内)に設けられ、第1開口部52および蓋体27の角度を視認できる第1カメラ46を有する。第1カメラ46は、深海における高圧力下で使用可能な水中カメラで構成される。第1カメラ46は、取得した画像情報を第1制御部に送ることができる。
なお、第1カメラ46については必須ではない。第1投入部32に対する第1開口部52の位置決めを機械的な係合関係を用いて確実に行うようにすれば、第1カメラ46を省略することができる。すなわち、第1カメラ46を省略する場合には、第1投入部32に対して第1開口部52が反対側にはならないように、その向きのカプセル22を受け入れを禁止するように係合関係ないし嵌合関係を設定することができる。
或いは、第1カメラ46以外のセンサ(近接センサ、物理的なスイッチ等)によって、カプセル22の第1開口部52が第1投入部32に正対するか、或いは、第1投入部32とは反対側になっているかを検出してもよい。この場合にも、第1カメラ46を省略することができる。
第1投入部32は、管路17(第1位置決め部26、第1狭窄部38)よりも上側に設けられている。第1投入部32は、海底物質13を内部に貯留する漏斗状の第1投入部本体47と、第1投入部本体47の下端と第1位置決め部26の管路17内とを連通状態にしたり、連通状態を遮断したり可能な第1シャッター弁48(第1シャッター)と、を有する。第1シャッター弁48は、例えば、電磁弁で構成され、第1制御部42からの制御によって、管路17内と周囲環境(海中、第1投入部本体)とを遮断した第1位置と、管路17内と周囲環境とを連通した第2位置と、の間で移動可能である。なお、本実施形態では、第1投入部32は、第1シャッター弁48を有しているが、物理的な隔壁としてのシャッターを有していてもよい。その場合、物理的な隔壁としてのシャッターは、カプセル22の蓋体27と連動して動作するように構成してもよい。
第1投入部32は、第1位置決め部26よりも上側に設けられている。このため、第1シャッター弁48を第2位置にすることで、重力の作用で第1投入部本体47内の海底物質13をカプセル22内に投入することができる。
揚鉱装置11は、さらに、海底34で使用可能な図示しない重機を有する。重機は、第1制御部42の制御下で、海底34に存在する海底物質13を第1投入部本体47に対して所定の分量を投入できる。
揚鉱装置11は、さらに、台船12上で使用可能な図示しない第2重機を有する。第2重機は、後述する第2制御部67の制御下で、海底物質13から有価物質14が選別された後の不要物質18を第2投入部本体86に対して所定の分量を投入できる。
複数のカプセル22のそれぞれは、例えば、金属材料によって形成されている。図4に示すように、カプセル22は、例えば、卵形をなした中空のカプセル本体51と、カプセル本体51に設けられた第1開口部52と、第1開口部52を閉塞したり開放したりするようにカプセル本体51に対して移動可能な蓋体27と、カプセル本体51に設けられ第1係合部41が差し込まれる溝状の第2係合部53と、カプセル本体51の外面に設けられた図示しないねじ部と、を有する。
第1開口部52は、任意の形状であってよく、円形又は四角形等で形成されている。第1開口部52は、カプセル22の側面を貫通しており、第1開口部52を介してカプセル22内に海底物質13又は不要物質18を収納したり、或いは、第1開口部52を介してカプセル22内から海底物質13又は不要物質18を取り出したりできる。ねじ部は、カプセル22の外周面で、蓋体27の移動する領域および第1開口部52から外れた位置に設けられている。蓋体27は、例えば、カプセル22の長軸方向Lに沿ってスライド移動可能である。
第2係合部53は、卵形のカプセル本体51の長軸方向Lに沿って延びている一対の溝部54を有する。第2係合部53を構成する一対の溝部54の一方は、カプセル本体51の側面の一か所に設けられ、一対の溝部54の他方は、それとは反対側に設けられている。すなわち、一対の溝部54は、例えば第1開口部52を間に挟んだ両側に設けられている。
一対の溝部54のそれぞれは、カプセル本体51の長軸方向の両端部又は一方の端部に、カプセル本体51の中心から遠ざかるにつれてラッパ状に拡開した拡開部分54Aを有していてもよい(図4では、一方の端部にのみ拡開部分54Aを設けた例を示す。)。したがって、カプセル22が第1~第4位置決め部63に差し掛かる際に、カプセル22の第2係合部53が、第1係合部41および第3~第5係合部41のいずれかと円滑に係合することができる。なお、本実施形態では、カプセル22に溝状の第2係合部53を設け、第1~第4位置決め部26、55、58、63に第2係合部53に係合する突条として形成された第1係合部41、第3~第5係合部41を設けているが、これに限るものではない。カプセル22に突条として形成された第2係合部53を設け、第1~第4位置決め部26、55、58、63に第2係合部53に係合する溝状の第1係合部41、第3~第5係合部41を設けても当然によい。
ねじ部は、例えば、カプセル22内部に収納された図示しないウォームギヤと一体に設けられている。蓋体27の内面には、ウォームギヤと噛み合う図示しないラックが設けられている。ねじ部の回転によって、ラック・ピニオン(ウォームギヤ)の機構によって、第1開口部52に対して蓋体27を第1開放位置P1と閉塞位置P3との間で移動できる。カプセル22は、卵形以外にも、楕円体(回転楕円体、長球、扁球)であってもよい。
図1~図3に示すように、揚鉱装置11は、第2連結管37に設けられる第2位置決め部55と、第2位置決め部55に設けられカプセル22の蓋体27を開閉可能な第2駆動部56と、第2位置決め部55に設けられ開放した状態の第1開口部52から海底物質13の放出を受ける第1放出部57と、第1位置決め部26よりも上流側で第1連結管25に設けられる第3位置決め部58と、第3位置決め部58に設けられカプセル22の蓋体27を開閉可能な第3駆動部61と、第3位置決め部58に設けられ開放した状態の第1開口部52から不要物質18の放出を受ける第2放出部62と、第2位置決め部55よりも下流側で第2連結管37に設けられる第4位置決め部63と、第4位置決め部63に設けられカプセル22の蓋体27を開閉可能な第4駆動部64と、第4位置決め部63に設けられ開放した状態の第1開口部52を介してカプセル22内に不要物質18を投入する第2投入部65と、を備える。
図3を参照して、第2位置決め部55について説明する。第2位置決め部55は、第1位置決め部26とほぼ同様の構造を有する。第2位置決め部55は、第2連結管37の他の部分よりも内径が小さくなった第2狭窄部66と、第2狭窄部66の内面に設けられた第3係合部41と、を有する。第3係合部41は、第1係合部41と同様に、例えば、第2狭窄部66の内面に一対に設けられた突条として形成されている。一対の突条は、第2狭窄部66を通るカプセル22を間に挟んだ両側に設けられる。第3係合部41に含まれる突条のそれぞれは、第2連結管37(第2狭窄部66)の軸方向にレール状に延びている。第2狭窄部66は、例えば、後述する第4位置決め部63の第4狭窄部81と連続するように設けられている。
第2駆動部56は、第1駆動部31と同様の構成を有する。第2駆動部56は、例えば、海上33の台船12に設置された大容量バッテリ等又は発電機等の電源から電力供給を受けて動作可能な、多機能で複合的なロボットで構成されている。第2駆動部56は、各部の制御を行う第2制御部67と、第2制御部67からの制御を受けてカプセル22の蓋体27を開閉するための第2スクリュー部43と、カプセル22が第1放出部57に接近したことを感知できる第2センサ68と、管路17内(第2狭窄部66内)に設けられ第1開口部52および蓋体27の角度を視認できる第2カメラ71と、を有する。
第2制御部67は、例えば、CPU、ROM、RAM、その他の記憶媒体を含むコンピューターで構成されている。第2制御部67は、例えば、後述する第4駆動部64の各部を制御する制御部を兼ねている。第2センサ68の構成は、第1センサ44と同様であり、物理的なスイッチで構成されても良いことは第1センサ44と同様である。第2カメラ71の構成は、第1カメラ46と同様である。
第2スクリュー部43は、第1スクリュー部43と同様の構成を有する。第2スクリュー部43からの入力によって、蓋体27は、第1開口部52を開放したり閉塞したりするようにカプセル本体51に対して移動できる。第2制御部67は、第1放出部57の第2シャッター弁72(シャッター)の開閉を制御することができる。
第2駆動部56は、第2保持装置73を有する。第2保持装置73は、第2制御部67からの制御で移動し、第2位置決め部55および第4位置決め部63にあるカプセル22をその位置で保持できる。第2保持装置73は、例えば、第2位置決め部55および第4位置決め部63にあるカプセル22を上流側と下流側から直接挟んで保持したり、カプセル22の長軸回りの角度を微調整したりできる一対の腕型のロボットで構成される。
第1放出部57は、管路17(第2位置決め部55、第2狭窄部66)よりも下側に設けられている。第1放出部57は、第2シャッター弁72(第2シャッター)を有する。第2シャッター弁72(第2シャッター)は、周囲環境(大気)と第2位置決め部55の管路17内とを連通状態にしたり、連通状態を遮断したり可能である。第2シャッター弁72は、第2制御部67からの制御によって、管路17内と周囲環境(大気)とを遮断した第3位置と、管路17内と周囲環境とを連通した第4位置と、の間で移動可能である。なお、本実施形態では、第1放出部57は、第2シャッター弁72を有しているが、物理的な隔壁としてのシャッターを有していてもよい。その場合、物理的な隔壁としてのシャッターは、カプセル22の蓋体27と連動して動作するように構成してもよい。
図2を参照して、第3位置決め部58について説明する。第3位置決め部58は、第1位置決め部26とほぼ同様の構造を有する。第3位置決め部58は、第1連結管25の他の部分よりも内径が小さくなった第3狭窄部74と、第3狭窄部74の内面に設けられた第4係合部41と、を有する。第4係合部41は、第1係合部41と同様に、例えば、第3狭窄部74の内面に一対に設けられた突条として形成されている。一対の突条は、第3狭窄部74を通るカプセル22を間に挟んだ両側に設けられる。第3係合部41に含まれる突条のそれぞれは、第1連結管25(第3狭窄部74)の軸方向にレール状に延びている。
さらに、揚鉱装置11は、第3狭窄部74と第1狭窄部38とに跨るように設けられる第1接続部75を備える。第1接続部75は、第4係合部41と第1係合部41とを接続するように第1連結管25の内面から突出した一対の突条で構成されている。図5に第1接続部75の一方の突条を示す。一対の突条のそれぞれは、第3狭窄部74から第1狭窄部38に行くにつれて、例えば反時計回りに180°回転する螺旋状をなしている。したがって、図5に示すように、第3狭窄部74から第1狭窄部38に移動するカプセル22は、第1接続部75の案内によって、第1連結管25の軸方向を中心に、第1開口部52を下に向けた下向き姿勢から第1開口部52を上に向けた上向き姿勢に180°回転することができる。
第1接続部75(一対の突条)は、第1係合部41(一対の突条)との間に、突条同士が途切れた所定の隙間を有していてもよい。第1投入部32に対するカプセル22の長軸L回りの角度が180°ずれてしまった場合には、第1保持装置45の腕型のロボットは、この隙間の位置にカプセル22を戻し、カプセル22を180°回転させて、カプセル22を正しい角度で第1狭窄部38に侵入させることができる。
第3駆動部61は、第1駆動部31と同様の構成を有する。第3駆動部61は、例えば、海上33の台船12ないし海底34に設置された大容量バッテリ等又は発電機等の電源から電力供給を受けて動作可能な、多機能で複合的なロボットで構成されている。第3駆動部61は、各部の制御を行うとともに第1駆動部31と共有される第1制御部42と、第1制御部42からの制御を受けてカプセル22の蓋体27を開閉するための第3スクリュー部43と、カプセル22が第2放出部62に接近したことを感知できる第3センサ76と、管路17内(第3狭窄部74内)に設けられ第1開口部52および蓋体27の角度を視認できる第3カメラ77と、を有する。
第3スクリュー部43は、第1スクリュー部43と同様の構成を有する。第3スクリュー部43からの入力によって、蓋体27は、第1開口部52を開放したり閉塞したりするようにカプセル本体51に対して移動できる。第1制御部42は、第2放出部62の第3シャッター弁78(第3シャッター)の開閉を制御することができる。第3センサ76の構成は、第1センサ44と同様であり、物理的なスイッチで構成されても良いことは第1センサ44と同様である。第3カメラ77の構成は、第1カメラ46と同様である。
第3駆動部61は、第1保持装置45を第1駆動部31と共有する。
第2放出部62は、管路17(第3位置決め部58、第3狭窄部74)よりも下側に設けられている。第2放出部62は、第3シャッター弁78(第3シャッター)と、を有する。第3シャッター弁78(第3シャッター)は、周囲環境(海中16)と第3位置決め部58の管路17内とを連通状態にしたり、連通状態を遮断したり可能である。第3シャッター弁78は、第1制御部42からの制御によって、管路17内と周囲環境(海中)とを遮断した第5位置と、管路17内と周囲環境とを連通した第6位置と、の間で移動可能である。なお、本実施形態では、第2放出部62は、第3シャッター弁78を有しているが、物理的な隔壁としてのシャッターを有していてもよい。その場合、物理的な隔壁としてのシャッターは、カプセル22の蓋体27と連動して動作するように構成してもよい。
図3を参照して、第4位置決め部63について説明する。第4位置決め部63は、第1位置決め部26とほぼ同様の構造を有する。第4位置決め部63は、第2連結管37の他の部分よりも内径が小さくなった第4狭窄部81と、第4狭窄部81の内面に設けられた第5係合部41と、を有する。第5係合部41は、第1係合部41と同様に、例えば、第4狭窄部81の内面に一対に設けられた突条として形成されている。一対の突条は、第4狭窄部81を通るカプセル22を間に挟んだ両側に設けられる。第5係合部41に含まれる突条のそれぞれは、第2連結管37(第2狭窄部66)の軸方向にレール状に延びている。
さらに、揚鉱装置11は、第2狭窄部66と第4狭窄部81とに跨るように設けられる第2接続部82を備える。第2接続部82は、第3係合部41と第5係合部41とを接続するように第2連結管37の内面から突出した一対の突条で構成されている。一対の突条は、図5に示す第1接続部75の一対の突条と同様の形態を有する。一対の突条のそれぞれは、第2狭窄部66から第4狭窄部81に行くにつれて、例えば反時計回りに180°回転する螺旋状をなしている。したがって、第2狭窄部66から第4狭窄部81に移動するカプセル22は、第2接続部82の案内によって、第2連結管37の軸方向を中心に、第1開口部52を下に向けた下向き姿勢から第1開口部52を上に向けた上向き姿勢に180°回転することができる。
第4駆動部64は、第1駆動部31と同様の構成を有する。第4駆動部64は、例えば、海上33の台船12に設置された大容量バッテリ等又は発電機等の電源から電力供給を受けて動作可能な、多機能で複合的なロボットで構成されている。第4駆動部64は、各部の制御を行うとともに第2駆動部56と共有される第2制御部67と、第2制御部67からの制御を受けてカプセル22の蓋体27を開閉するための第4スクリュー部43と、カプセル22が第2投入部65に接近したことを感知できる第4センサ83と、管路17内(第4狭窄部81内)に設けられ第1開口部52および蓋体27の角度を視認できる第4カメラ84と、を有する。
第4スクリュー部43は、第1スクリュー部43と同様の構成を有する。第4スクリュー部43からの入力によって、蓋体27は、第1開口部52を開放したり閉塞したりするようにカプセル本体51に対して移動できる。第2制御部67は、第2投入部65の第4シャッター弁85(第4シャッター)に対して電力供給するとともに、これの開閉を制御することができる。第4センサ83の構成は、第1センサ44と同様であり、物理的なスイッチで構成されても良いことは第1センサ44と同様である。第4カメラ84の構成は、第1カメラと同様である。
第4駆動部64は、第2保持装置73を第2駆動部56と共有する。
第2投入部65は、不要物質18を内部に貯留する漏斗状の第2投入部本体86と、第2投入部本体86の下端と第4位置決め部63の管路17内とを連通状態にしたり、連通状態を遮断したり可能な第4シャッター弁85(第4シャッター)と、を有する。第4シャッター弁85は、例えば、電磁弁で構成され、第2制御部67からの制御によって、管路17内と周囲環境(大気中、第2投入部本体86)とを遮断した第7位置と、管路17内と周囲環境とを連通した第8位置と、の間で移動可能である。なお、本実施形態では、第2投入部65は、第4シャッター弁85を有しているが、物理的な隔壁としてのシャッターを有していてもよい。その場合、物理的な隔壁としてのシャッターは、カプセル22の蓋体27と連動して動作するように構成してもよい。
海底物質13(有価物質14)としては、深さ数百から数千メートルの海底に存在するマンガンクラスト、マンガンノジュール、コバルトリッチクラスト、硫化物鉱床(熱水鉱床)、レアアース泥又はメタンハイドレードYから採取される粒状又は粉状の鉱石Xが挙げられる。粒状又は粉状の鉱石Xは0.75mm以上の粗粒であってもよく、粒子密度が3g/cm以上の高密度なものであってもよい。鉱石Xは、任意の鉱物であるが、例えば、マンガンクラストであってもよいし、或いは、マンガン団塊であってもよい。
本実施形態のキャリア物質21は、海底物質13の揚鉱に使用するものであり、粘性流動体である。粘性流動体としては、特許657000号公報に記載された粘性流動体が使用できる。すなわち、粘性流動体は、5℃の粘度(JIS Z8803;液体の粘度測定方法)が、1000mPa・s以上、好ましくは1300mPa・s以上、特に好ましくは2000mPa・s以上、更に好ましくは3000mPa・s以上である。また、5℃の塑性粘度は、100Pa・s以下であり、5℃の降伏応力は5Pa以上である。降伏応力と塑性粘度は、回転式及び振動式の粘度計を使用し、JIS Z8803に準拠する方法で測定することができる。5℃の粘度としたのは、海水温度が海水表面から数十m以上の深度においては、概ね5℃と安定しており、下降管及び上昇管のほとんどは、5℃の環境下に晒されるためである。なお、粘性流動体の5℃の粘度の上限値は、10万mPa・sである。これ以上粘度が高くなると固体に近くなり、現実的に圧送が困難となる。
粘性流動体は、水系、油系及びエマルジョン系であってもよいが、水系及びエマルジョン系が好ましく、特に高分子溶液等の水系が、安価で済み、取り扱いにおいて都合がよい点で好ましい。高分子溶液は、懸濁液を含む。高分子溶液における高分子は、天然物又は合成物いずれも使用できるが、合成物とすることが、少ない配合量で流動化物を得ることができる点で好ましい。また、エマルジョン系としては、油又は水と乳化剤の混合物であるマヨネーズが挙げられる。
高分子溶液における高分子としては、一般に増粘剤、増粘材、吸水剤と称されるものが使用でき、例えば、ベントナイト、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ヒドロキシエチルセルロースナトリウム(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリアクリル酸ナトリウム、デンプン、ガム類、ペクチン、アルギン酸金属塩、アルギン酸エステル等が挙げられる。ガム類としては、グアーガム、キンサンタンガム、ジェランガム、ダイユータンガム等が挙げられる。また、アルギン酸金属塩としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸カリウム等が挙げられる。これらの化合物は、1種類又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態において、粘性流動体は、粒状体を含んでいてもよい。粒状体は、特許657000号公報に記載された粒状体が使用できる。粒状体は、海底有価物質以外のものであり、使用する前に予め粘性流動体に含有されるものである。粒状体としては、平均粒径が0.01mm~10mm、好ましくは、0.1~8mmであり、真密度が0.01~8g/cmである。平均粒径は、粒度分布から求められる公知の算出方法を用いて算出される。このような粒状体としては、岩石由来、植物・生物由来、樹脂素材、繊維素材のいずれでもよく、また、その混合物であってもよい。具体的には、発泡ビーズ、ガラスビーズ、珪砂などの砂、シルト・礫、木材、鉄粉などの金属粉が挙げられる。粒状体の配合量としては、粘性流動体100重量部に対して、0.1~80重量部、好ましくは、0.3~60重量部、更に好ましくは0.5~50重量部である。
本発明のキャリア物質21が海底有価物質の沈降を抑制する作用力としては、粘性抵抗、浮力及び有効支持力が挙げられる。この内、浮力及び粘性抵抗は、粘性流動体が担い、有効支持力は、粒状体が担うことになる。流送時には、粘性抵抗が主体となり、停止時には、粘性抵抗の不足分を有効支持力が補うことになる。停止時とは、揚鉱装置稼働中、種々の理由による停止状態となる場合のことである。通常、1時間以内の復帰とするため、有価物質は数十m沈降することになるが、この程度の沈降であれば、再度の復帰で大部分の有価物質が上昇流に乗ることができる。
続いて、図1~図5を参照して、本実施形態の揚鉱装置11を用いた揚鉱方法につて説明する。
最初に、揚鉱を行う海底34に対して海上33から管路17を設置する設置工程を行う。
海上33の台船12から海底34に向けて、順次管路17を組み立てて沈降させる。その際、管路17の適切な位置に対して、第1~第4駆動部31、56、61、64、第1・第2投入部32、65、および第1・第2放出部57、62を予め組み込んでおく。また、管路17には、台船12上で分岐管17Aを設置し、分岐管17Aに対して調整槽24とポンプ23を介在させる。組み立てられた管路17内に、予め管路17内にキャリア物質21を充填し、その状態で管路17を海底34に向けて徐々に沈降させる。管路17が完成し、管路17の第1接続部75が海底34付近に到達すれば、管路17の設置が完了する。
海底34で使用する重機、電源などは、台船12からロープなどを用いて海底34の所望の場所に向けて投下する。
続いて、ポンプ23を駆動して管路17内でキャリア物質21を循環させるとともに、管路17(第2連結管37)の台船12上の任意の位置に設けた開口(ポート)からカプセル22を所定の間隔で投入して、キャリア物質21に対してカプセル22を混入させる。キャリア物質21に対して均一にカプセル22が行きわたった状態で、海底物質13の揚鉱を開始する。また、調整槽24においてキャリア物質21の調整を開始して、運転中の管路17に対して適宜に新たに調整したキャリア物質21を注ぎ足すようにする。これによって、キャリア物質21の濃度がある一定の範囲内になるように調整する。
続いて、海底34での海底物質13の取り込み工程および海上33での海底物質13の回収工程について説明する。図2に示すように、第1位置決め部26に差し掛かったカプセル22は、第1位置決め部26(第1狭窄部38)において位置決めされる。その際、カプセル22の第2係合部53に対して第1位置決め部26の第1係合部41が差し込まれて係合することで、第1投入部32に対して第1開口部52が位置合わせされる。その際、第2係合部53に拡開部分54Aが設けられているため、第1係合部41に対する第2係合部53の係合が円滑になされる。もし、第1狭窄部38の入口付近でカプセル22の詰まりを生じ、第1センサ44又は第1カメラ46でカプセル22の詰まりを検出した場合には、第1制御部42は、第1保持装置45の腕型のロボットを作動させて、詰まりを適宜に解消する。
第1制御部42は、第1カメラ44によって、カプセル22の長軸回りの角度を認識する。もし、第1投入部32に対して第1開口部52の位置が180°反対側になってしまった場合には、第1制御部42は、第1保持装置45の腕型のロボットを作動させて、カプセル22を第1狭窄部38に入る直前の位置(第1接続部75の一対の突条と第1係合部41の一対の突条とが途切れた位置)まで戻して、カプセル22をその長軸回りに180°回転させる。カプセル22は、再び、第2係合部53を介して第1係合部41に係合する。
第1制御部42は、第1センサ44を介してカプセル22が第1投入部32に最も近接したことを感知したときに、第1保持装置45の一対の腕型のロボットで、カプセル22を上流側および下流側から掴んで保持するとともに、カプセル22を第1投入部32に対して密着させる。
第1制御部42は、第1投入部32の第1シャッター弁48を、管路17内と周囲環境とを遮断した第1位置から、管路17内と周囲環境とを連通した第2位置に移動させる。これと同時に、第1制御部42は、第1スクリュー部43を作動させて、カプセル22のねじ部を第1方向に回転させる。それによって、図4に示すように、蓋体27を第1開口部52を閉塞した閉塞位置P3から、第1開口部52を開放した第1開放位置P1に移動させる。これによって、第1投入部本体47とカプセル22の内部が連通し、重力の作用によってカプセル22内に海底物質13が投入される。これと同時に、後述するように第2放出部62でカプセル22内に取り込まれた海水が第1投入部32経由で排出される。このとき、カプセル22の第2係合部53が第1位置決め部26の第1係合部41に係合しているために、第1スクリュー部43からの回転力によってカプセル22が共回りすることがない。
なお、カプセル22内に海底物質13を投入すると、第1投入部本体47から海底物質13が減少することになるが、図1に示すように、第1制御部42は、海底34に設置した重機を一定の時間間隔で作動させて、あるいは揚鉱装置11から独立した重機を稼働させて第1投入部本体47内に海底物質13を補充する。
所定時間を経てカプセル22内に対する海底物質13の投入が完了した後、第1制御部42は、第1スクリュー部43を作動させて、ねじ部を第1方向とは反対の第2方向に回転させる。これによって、蓋体27を閉塞位置P3に移動させ、海底物質13が投入されたカプセル22を密封する。これと同時に、第1制御部42は、第1シャッター弁48を第2位置から第1位置に移動させる。
カプセル22の密封が完了した後、第1制御部42は、第1保持装置45を駆動して、カプセル22を解放状態にする。それによって、カプセル22は、キャリア物質21の流れに乗って、海底34の第1位置決め部26から海上33の第2位置決め部55にまで圧送される。
図3に示すように、第2位置決め部55にカプセル22が差し掛かると、カプセル22は、第1位置決め部26での位置決めと同様に、第2位置決め部55(第2狭窄部66)において位置決めされる。すなわち、カプセル22の第2係合部53に対して第2位置決め部55の第3係合部41が差し込まれて係合することで、第1放出部57に対して第1開口部52が位置合わせされる。その際、第2係合部53に拡開部分54Aが設けられているため、第3係合部41に対する第2係合部53の係合が円滑になされる。なお、第1位置決め部26においてカプセル22は、管路17のループの中心側(すなわち、上側)に蓋体27が位置する上向き姿勢であるため、第2位置決め部55においても、かなりの確率で管路17のループの中心側(すなわち、下側)に蓋体27が位置する下向き姿勢で第2狭窄部66に侵入する。
もし、第2狭窄部66の入口付近でカプセル22の詰まりを生じ、第2センサ68又は第2カメラ71でカプセル22の詰まりを検出した場合には、第2制御部67は、第2保持装置73の腕型のロボットを作動させて、詰まりを適宜に解消する。
第2制御部67は、第2カメラ71によって、カプセル22の長軸回りの角度を認識する。もし、第1放出部57に対して第1開口部52の位置が180°反対側になってしまった場合には、第2制御部67は、第2保持装置73の腕型のロボットを作動させて、カプセル22を第2狭窄部66に入る直前の位置まで戻して、カプセル22をその長軸回りに180°回転させる。カプセル22は、再び、第2係合部53を介して第3係合部41に係合する。
第2制御部67は、第2センサ68を介してカプセル22が第1放出部57に最も近接したことを感知したときに、第2保持装置73の一対の腕型のロボットで、カプセル22を上流側および下流側から掴んで保持するとともにカプセル22を第1放出部57に密着させる。第2制御部67は、第1放出部57の第2シャッター弁72を、管路17内と周囲環境とを遮断した第3位置から、管路17内と周囲環境とを連通した第4位置に移動させる。この状態で、第2スクリュー部43を作動させて、蓋体27を第1開口部52を閉塞した閉塞位置P3から第1開口部52を開放した第1開放位置P1に移動させる。これによって、図1に示すように、重力の作用によって、第1放出部57に向けてカプセル22内の海底物質13を放出させる。このとき、カプセル22内には、第1放出部57を介して空気が取り込まれる。
所定時間を経て第1放出部57への海底物質13の放出が完了した後、第2制御部67は、第2シャッター弁72を第4位置から第3位置に移動させるとともに、第2スクリュー部43を駆動して、蓋体27を第1開放位置P1から閉塞位置P3に移動させる。第2制御部67は、第2保持装置73を駆動してカプセル22を開放状態にする。
台船12上において、海底物質13から有価物質14を選別する。有価物質14は、輸送船15で輸送される。海底物質13から有価物質14を選別した後の残滓である不要物質18は、後述するようにカプセル22で海底に向けて圧送される。
続いて、海上33での不要物質18の取り込み工程および海底34での不要物質18の廃棄工程について説明する。
カプセル22は、キャリア物質21の流れに乗って、第2位置決め部55から第4位置決め部63に移動する。このとき、第4位置決め部63の第4狭窄部81は、第2位置決め部55の第2狭窄部66と連続しているため、カプセル22の移動が円滑になされる。第2位置決め部55から第4位置決め部63に移動するカプセル22の第2係合部53は、第2接続部82と係合されて案内される。すなわち、カプセル22は、らせん状の第2接続部82の案内によって、第1開口部52を下に向けた下向き姿勢から第1開口部52を上に向けた上向き姿勢に180°回転され、上向き姿勢で第4狭窄部81に侵入することとなる。第4狭窄部81において、カプセル22の第2係合部53は、第5係合部41に係合する。
もし、第4狭窄部81の入口付近でカプセル22の詰まりを生じ、第4センサ83又は第4カメラ84でカプセル22の詰まりを検出した場合には、第2制御部67は、第2保持装置73の腕型のロボットを作動させて、詰まりを適宜に解消する。
第2制御部67は、第4カメラ84によって、カプセル22の長軸回りの角度を認識する。もし、第2投入部65に対して第1開口部52の位置が180°反対側になってしまった場合には、第2制御部67は、第2保持装置73の腕型のロボットを作動させて、カプセル22を第4狭窄部81に入る直前の位置(第2接続部82の一対の突条と第5係合部41の一対の突条とが途切れた位置)まで戻して、カプセル22をその長軸回りに180°回転させる。カプセル22は、再び、第2係合部53を介して第5係合部41に係合する。
第2制御部67は、第4センサ83を介してカプセル22が第2投入部65に最も近接したことを感知したときに、第2保持装置73の一対の腕型のロボットで、カプセル22を上流側および下流側から掴んで保持するとともに、カプセル22を第2投入部65に密着させる。第2制御部67は、第2投入部65の第4シャッター弁85を、管路17内と周囲環境とを遮断した第7位置から、管路17内と周囲環境とを連通した第8位置に移動させる。この状態で、第4スクリュー部43を作動させて、蓋体27を第1開口部52を閉塞した閉塞位置P3から第1開口部52を開放した第1開放位置P1に移動させる。これによって、第2投入部本体86とカプセル22の内部が連通し、重力の作用によってカプセル22内に不要物質18が投入される。これと同時に、カプセル22内の空気が大気中に放出される。このとき、カプセル22の第2係合部53が第4位置決め部63の第5係合部41に係合しているために、第4スクリュー部43からの回転力によってカプセル22が共回りすることがない。
なお、カプセル22内に不要物質18を投入すると、第2投入部本体86から不要物質18が減少することになるが、図1に示すように、第2制御部67は、台船12上の重機を一定の時間間隔で作動させて、第2投入部本体86内に不要物質18を補充する。
所定時間を経てカプセル22内に対する不要物質18の投入が完了した後、第2制御部67は、第4スクリュー部43を作動させて、ねじ部を第1方向とは反対の第2方向に回転させる。これによって、蓋体27を閉塞位置P3に移動させ、不要物質18が投入されたカプセル22を密封する。これと同時に、第2制御部67は、第4シャッター弁85を第8位置から第7位置に移動させる。
カプセル22の密封が完了した後、第2制御部67は、第2保持装置73を駆動して、カプセル22を解放状態にする。それによって、カプセル22は、キャリア物質21の流れに乗って、海上33の第4位置決め部63から海底34の第3位置決め部58にまで送られる。
第3位置決め部58にカプセル22が差し掛かると、カプセル22は、第1位置決め部26での位置決めと同様に、第3位置決め部58(第3狭窄部74)において位置決めされる。すなわち、カプセル22の第2係合部53に対して第3位置決め部58の第4係合部41が差し込まれて係合することで、第2放出部62に対して第1開口部52が位置合わせされる。その際、第2係合部53に拡開部分54Aが設けられているため、第4係合部41に対する第2係合部53の係合が円滑になされる。なお、第4位置決め部63においてカプセル22は、管路17のループの中心側とは反対側(すなわち、上側)に蓋体27が位置する上向き姿勢であるため、第3位置決め部58においても、かなりの確率で管路17のループの中心側とは反対側(すなわち、下側)に蓋体27が位置する下向き姿勢で第3狭窄部74に侵入する。
もし、第3狭窄部74の入口付近でカプセル22の詰まりを生じ、第3センサ76又は第3カメラ77でカプセル22の詰まりを検出した場合には、第1制御部42は、第1保持装置45の腕型のロボットを作動させて、詰まりを適宜に解消する。
第1制御部42は、第3カメラ77によって、カプセル22の長軸回りの角度を認識する。もし、第2放出部62に対して第1開口部52の位置が180°反対側になってしまった場合には、第1制御部42は、第1保持装置45の腕型のロボットを作動させて、カプセル22を第3狭窄部74に入る直前の位置まで戻して、カプセル22をその長軸回りに180°回転させる。カプセル22は、再び、第2係合部53を介して第4係合部41に係合する。
第1制御部42は、第3センサ76を介してカプセル22が第2放出部62に最も近接したことを感知したときに、第1保持装置45の一対の腕型のロボットで、カプセル22を上流側および下流側から掴んで保持するとともに、カプセル22を第2放出部62に密着させる。第1制御部42は、第2放出部62の第3シャッター弁78を、管路17内と周囲環境とを遮断した第5位置から、管路17内と周囲環境とを連通した第6位置に移動させる。この状態で、第3スクリュー部43を作動させて、蓋体27を第1開口部52を閉塞した閉塞位置P3から第1開口部52を開放した第1開放位置P1に移動させる。これによって、図1に示すように、重力の作用によって、第2放出部62に向けてカプセル22内の不要物質18が放出される。このとき、カプセル22内には、第2放出部62を介して海水が取り込まれる。海底34に放出された不要物質18は、重機等で処分場に埋め立てられる。
所定時間を経て第2放出部62への不要物質18の放出が完了した後、第1制御部42は、第3シャッター弁78を第6位置から第5位置に移動させるとともに、第3スクリュー部43を駆動して、蓋体27を第1開放位置P1から閉塞位置P3に移動させる。第1制御部42は、第1保持装置45を駆動してカプセル22を開放状態にしてカプセル22の移動を再開させる。
カプセル22は、第3位置決め部58から第1位置決め部26に移動する。このとき、第3位置決め部58の第3狭窄部74は、第1位置決め部26の第1狭窄部38と連続しているため、カプセル22の移動が円滑になされる。図5に示すように、第3位置決め部58から第1位置決め部26に移動するカプセル22の第2係合部53は、第1接続部75と係合されて案内される。すなわち、カプセル22は、らせん状の第1接続部75の案内によって、第1開口部52を下に向けた下向き姿勢から第1開口部52を上に向けた上向き姿勢に180°回転され、上向き姿勢で第1狭窄部38に侵入することとなる。第1狭窄部38において、カプセル22の第2係合部53は、第1係合部41に係合する。
カプセル22の第2係合部53が第1係合部41に係合した後は、上記した「海底34での海底物質13の取り込み工程および海上33での海底物質13の回収工程」および「海上33での不要物質18の取り込み工程および海底34での不要物質18の廃棄工程」の繰り返しである。
本実施形態によれば、以下のことがいえる。揚鉱装置11は、海上33より海底34に達する下降管35と、海底34から海上33に達する上昇管36と、下降管35の下端と上昇管36の下端とを連結する第1連結管25と、を有する管路17と、管路17内に充填されるとともに下降管35の上端から上昇管36の上端に至るまで管路17内を送られるキャリア物質21と、キャリア物質21中に混入され内部に海底物質13又は不要物質18を収納可能なカプセル22であって、カプセル本体51と、カプセル本体51の外周面の一部に設けられ海底物質13又は不要物質18を出し入れ可能な第1開口部52と、第1開口部52を閉塞したり開放したりするようにカプセル本体51に対して移動可能な蓋体27と、を有するカプセル22と、第1連結管25に設けられ、通過するカプセル22を第1開口部52を上に向けた上向き姿勢で位置決め可能な第1位置決め部26と、第1位置決め部26に設けられ第1位置決め部26で位置決めされたカプセル22の蓋体27を開閉可能な第1駆動部31と、第1位置決め部26に設けられ、開放した状態の第1開口部52を介してカプセル22内に海底物質13を投入する第1投入部32と、を備える。
この構成によれば、海底物質13を揚鉱する際に海底物質13がキャリア物質21と混ざってしまうことがないため、海上33において海底物質13とキャリア物質21とを分離する工程を不要にして、海底物質13から有価物質14を回収するのに必要なトータルコストを低減できる。また、管路17の内壁の摩耗を少なくして、揚鉱装置11の信頼性を向上できる。また、海底物質13をカプセル22内に取り込む際には、海水はカプセル22内に入るのみであり、管路17内に海水が進入することが極力防止される。これによって、キャリア物質21が海水によって薄められてしまうことが防止され、揚鉱効率が低下してしまう不具合を生じることを防止できる。さらに、キャリア物質21に対して海底物質13が直接に混ざり込むことがないために、揚鉱時に揚鉱条件(混入した海底物質13の粒度、密度、混入率)が変動してしまうことがなく、安定して一定の速度での海底物質の揚鉱を行うことができる。
この場合、第1位置決め部26は、第1連結管25の内面にカプセル22と係合する第1係合部41を有し、カプセル22は、第1係合部41と係合することで第1投入部32に対して第1開口部52を位置合わせ可能な第2係合部53を有する。
この構成によれば、第1投入部32に対して第1開口部52を正しく位置合わせすることができる。また、第1開口部52を開閉するために第1駆動部31から操作力を付与する際に、第1係合部41と第2係合部53との係合によって、カプセル22が共回りしてしまうことを防止できる。
第1投入部32は、第1シャッターを含み、第1シャッターは、管路17内と周囲環境とを遮断した第1位置と、管路17内と前記周囲環境とを連通した第2位置と、の間で移動可能である。
この構成によれば、海底34において海底物質13をカプセル22内に取り込む際に、カプセル22内又は管路17内に浸入する海水の量を最小限にすることができる。これによって、特に、キャリア物質21に対して海水が混入することを極力防止して、効率的な揚鉱を実現できる。
第1駆動部31は、第1シャッターを前記第1位置と前記第2位置との間で移動させることが可能である。
この構成によれば、カプセル22の蓋体27を開閉する第1駆動部31によって第1シャッターを動作させることができる。これによって、動力源の数を少なくすることで、揚鉱装置11の構造を簡略化して、揚鉱装置11を構成するのに必要なコストを低減できる。
管路17は、上昇管36の上端と下降管35の上端とを連結する第2連結管37を有し、キャリア物質21は、第2連結管37内を上昇管36の上端から下降管35の上端まで送られる。
この構成によれば、管路17を環状に構成することができ、これによって、キャリア物質21およびカプセル22を循環させることができる。これによって、キャリア物質21およびカプセル22を再利用することができ、さらに効率的でコスト面でも優れた揚鉱を実現できる。
揚鉱装置11は、第2連結管37に設けられ、通過するカプセル22を第1開口部52を下に向けた下向き姿勢で位置決め可能な第2位置決め部55と、第2位置決め部55で位置決めされたカプセル22の蓋体27を開閉可能な第2駆動部56と、第2位置決め部55に設けられ、開放した状態の第1開口部52から海底物質13を放出する第1放出部57と、を備える。
この構成によれば、カプセル22で圧送された海底物質13を海上33の第1放出部57において回収することができる。その際、海底物質13に対してキャリア物質21が混入することがなく、海上33における海底物質13から有価物質14を選別する作業を容易に行うことができる。
第2位置決め部55は、第2連結管37の内面にカプセル22と係合する第3係合部41を有し、第2係合部53は、第3係合部41と係合することで第1放出部57に対して第1開口部52を位置合わせ可能である。
この構成によれば、第1放出部57に対して第1開口部52を正しく位置合わせすることができる。また、第1開口部52を開閉するために第2駆動部56から操作力を付与する際に、第3係合部41と第2係合部53との係合によって、カプセル22が共回りしてしまうことを防止できる。
第1放出部57は、第2シャッターを含み、前記第2シャッターは、管路17内と周囲環境とを遮断した第3位置と、管路17内と前記周囲環境とを連通した第4位置と、の間で移動可能である。
この構成によれば、海底物質13をカプセル22内から取り出す際に、カプセル22内又は管路17内に浸入する空気の量を最小限にしたり、或いは、管路17内から漏れ出すキャリア物質21の量を最小限にしたりできる。これによって、効率的な揚鉱を実現できる。
第2駆動部56は、第2シャッターを前記第3位置と前記第4位置との間で移動させることが可能である。
この構成によれば、カプセル22の蓋体27を開閉する第2駆動部56によって第2シャッターを動作させることができる。これによって、動力源の数を少なくすることで、揚鉱装置11の構造を簡略化して、揚鉱装置11を構成するのに必要なコストを低減できる。
揚鉱装置11は、第1位置決め部26よりも上流側で第1連結管25に設けられ、通過するカプセル22を、第1開口部52を下に向けた下向き姿勢で位置決め可能な第3位置決め部58と、第3位置決め部58で位置決めされたカプセル22の蓋体27を第1開口部52を閉塞したり開放したりするように移動可能な第3駆動部61と、開放した状態の第1開口部52から不要物質18の放出を受ける第2放出部62と、を備える。
この構成によれば、カプセル22に収納された不要物質18を海底34の第2放出部62において廃棄することができる。その際、キャリア物質21に混入する海水の量を最小限にして、揚鉱作業を効率的に行うことができる。
第3位置決め部58は、第1連結管25の内面にカプセル22と係合する第4係合部41を有し、第2係合部53は、第4係合部41と係合することで第2放出部62に対して第1開口部52を位置合わせ可能である。
この構成によれば、第2放出部62に対して第1開口部52を正しく位置合わせすることができる。また、第1開口部52を開閉するために第3駆動部61から操作力を付与する際に、第4係合部41と第2係合部53との係合によって、カプセル22が共回りしてしまうことを防止できる。
第2放出部62は、第3シャッターを含み、前記第3シャッターは、管路17内と周囲環境とを遮断した第5位置と、管路17内と前記周囲環境とを連通した第6位置と、の間で移動可能である。
この構成によれば、不要物質18をカプセル22内から取り出す際に、管路17内に浸入する海水の量を最小限にしたり、或いは、管路17内から漏れ出すキャリア物質21の量を最小限にしたりできる。これによって、効率的な揚鉱を実現できる。
第3駆動部61は、前記第3シャッターを前記第5位置と前記第6位置との間で移動させることが可能である。
この構成によれば、カプセル22の蓋体27を開閉する第3駆動部61によって第3シャッターを動作させることができる。これによって、動力源の数を少なくすることで、揚鉱装置11の構造を簡略化して、揚鉱装置11を構成するのに必要なコストを低減できる。
第1連結管25の内面にらせん状に設けられ、第4係合部41と第1係合部41とを接続する第1接続部75であって、第2係合部53と係合して第3位置決め部58から第1位置決め部26に向かうカプセル22を前記下向き姿勢から前記上向き姿勢に回転させつつ案内可能な第1接続部75を備える。
この構成によれば、第3位置決め部58で下向き姿勢にあるカプセル22を第1位置決め部26において上向き姿勢にするように、第1接続部75によってカプセル22を回転させることができる。これによって、第3位置決め部58における不要物質18の廃棄と、第1位置決め部26における海底物質13の回収と、を円滑に行うことができる。
揚鉱装置11は、第2位置決め部55よりも下流側で第2連結管37に設けられ、通過するカプセル22を第1開口部52を上に向けた上向き姿勢で位置決め可能な第4位置決め部63と、第4位置決め部63で位置決めされたカプセル22の蓋体27を開閉可能な第4駆動部64と、第2連結管37に設けられ、開放した状態の第1開口部52を介してカプセル22内に不要物質18を投入する第2投入部65と、を備える。
この構成によれば、海底物質13から有価物質14を回収した後に発生する残滓である不要物質18を海上33の第2投入部65においてカプセル22内に収納できる。その際、キャリア物質21中に不要物質18が混入してしまうことがなく、海底34での不要物質18の廃棄作業を円滑に行うことができる。
第4位置決め部63は、第2連結管37の内面にカプセル22と係合する第5係合部41を有し、第2係合部53は、第5係合部41と係合することで第2投入部65に対して第1開口部52を位置合わせ可能である。
この構成によれば、第2投入部65に対して第1開口部52を正しく位置合わせすることができる。また、第1開口部52を開閉するために第4駆動部64から操作力を付与する際に、第5係合部41と第2係合部53との係合によって、カプセル22が共回りしてしまうことを防止できる。
第2投入部65は、第4シャッターを含み、前記第4シャッターは、管路17内と周囲環境とを遮断した第7位置と、管路17内と前記周囲環境とを連通した第8位置と、の間で移動可能である。
この構成によれば、不要物質18をカプセル22内に収納する際に、管路17内に浸入する空気の量を最小限にしたり、或いは、管路17内から漏れ出すキャリア物質21の量を最小限にしたりできる。これによって、効率的な揚鉱を実現できる。
第4駆動部64は、前記第4シャッターを前記第7位置と前記第8位置との間で移動させることが可能である。
この構成によれば、カプセル22の蓋体27を開閉する第4駆動部64によって第4シャッターを動作させることができる。これによって、動力源の数を少なくすることで、揚鉱装置11の構造を簡略化して、揚鉱装置11を構成するのに必要なコストを低減できる。
第2連結管37の内面にらせん状に設けられ、第3係合部41と第5係合部41とを接続する第2接続部82であって、第2係合部53と係合して第2位置決め部55から第4位置決め部63に向かうカプセル22を前記下向き姿勢から前記上向き姿勢に回転させつつ案内可能な第2接続部82を備える。
この構成によれば、第2位置決め部55で下向き姿勢にあるカプセル22を第4位置決め部63において上向き姿勢にするように、第2接続部82によってカプセル22を回転させることができる。これによって、第2位置決め部55における海底物質13の放出と、第4位置決め部63における不要物質18の収納と、を円滑に行うことができる。
カプセル本体51は、卵形又は楕円体をなしている。この構成によれば、カプセル22に角部を設けないように構成できる。このため、管路17の狭窄部にさしかかった際に、カプセル22が狭窄部の入口に引っ掛かる可能性を極力少なくできる。
続いて、本実施形態の揚鉱装置11に含まれるカプセル22の変形例について説明する。以下の変形例では、主として上記実施形態と異なる部分について説明し、上記実施形態と共通する部分については説明を省略する。
図6に第1変形例のカプセル22を示す。同図に示すように、複数のカプセル22のそれぞれは、中空の円筒形(円柱形)であってもよい。カプセル22は、例えば、金属材料によって形成されている。カプセル22は、例えば、円筒形(円柱形)をなした中空のカプセル本体51と、カプセル本体51に設けられた第1開口部52と、第1開口部52を閉塞した閉塞位置P3と第1開口部52を開放した第1開放位置P1との間でカプセル本体51に対して移動可能な蓋体27と、カプセル本体51に設けられ第1係合部41が差し込まれる溝状の第2係合部53と、カプセル本体51の外面に設けられた図示しないねじ部と、を有する。
第2係合部53は、円筒形(円柱形)のカプセル本体51の長軸方向Lに沿って(蓋体27の移動方向に平行に)延びている一対の溝部54を有する。一対の溝部54の構成は、上記実施形態と同様である。
本変形例によれば、カプセル本体51が円柱形をなしているため、カプセル本体51の容積(体積)を極力大きくすることができる。これによって、輸送物(海底物質13や不要物質18)の搭載量を極力増やすことができる。
図7に第2変形例のカプセル22を示す。同図に示すように、複数のカプセル22のそれぞれは、中空の砲弾形であってもよい。カプセル22は、例えば、金属材料によって形成されている。カプセル22は、例えば、円筒形(円柱形)をなした中空のカプセル本体51と、カプセル本体51に設けられた第1開口部52と、第1開口部52を閉塞した閉塞位置P3と第1開口部52を開放した第1開放位置P1との間でカプセル本体51に対して移動可能な蓋体27と、カプセル本体51に設けられ第1係合部41が差し込まれる溝状の第2係合部53と、カプセル本体51の外面に設けられた図示しないねじ部と、を有する。
第2係合部53は、砲弾形のカプセル本体51の長軸方向Lに沿って(蓋体27の移動方向に平行に)延びている一対の溝部54を有する。一対の溝部54の構成は、上記実施形態と同様である。
本変形例によれば、カプセル本体51が砲弾形をなしているため、カプセル本体51の先端側に角部を設けない構造にできる。これによって、管路17の狭窄部にさしかかった際に、カプセル22が狭窄部の入口に引っ掛かってしまうような不具合を生じることを極力防止できるとともに、輸送物(海底物質13や不要物質18)の搭載量を極力増やすことができる。
図8に第3変形例のカプセル22を示す。同図に示すように、複数のカプセル22のそれぞれは、中空の球形であってもよい。カプセル22は、例えば、金属材料によって形成されている。カプセル22は、例えば、球形をなした中空のカプセル本体51と、カプセル本体51に設けられた第1開口部52と、第1開口部52を閉塞した閉塞位置P3と第1開口部52を開放した第1開放位置P1との間でカプセル本体51に対して移動可能な蓋体27と、カプセル本体51に設けられ第1係合部41が差し込まれる溝状の第2係合部53と、カプセル本体51の外面に設けられた図示しないねじ部と、を有する。
第2係合部53は、球形のカプセル本体51の蓋体27の移動方向に平行に延びている一対の溝部54を有する。一対の溝部54の構成は、上記実施形態と同様である。
本変形例によれば、カプセル本体51が球形をなしているため、カプセル本体51に角部を設けない構造にできる。これによって、管路17の狭窄部にさしかかった際に、カプセル22が狭窄部の入口に引っ掛かってしまうような不具合を生じることを極力防止できる。
図9に第4変形例のカプセル22を示す。同図に示すように、複数のカプセル22のそれぞれは、中空の多角柱形であってもよい。カプセル22は、例えば、六角柱形をなしているが、五角柱形でもよいし、八角以上の多角柱形であってもよい。カプセル22は、例えば、金属材料によって形成されている。カプセル22は、例えば、多角柱形をなした中空のカプセル本体51と、カプセル本体51に設けられた第1開口部52と、第1開口部52を閉塞した閉塞位置P3と第1開口部52を開放した第1開放位置P1との間でカプセル本体51に対して移動可能な蓋体27と、カプセル本体51に設けられ第1係合部41が差し込まれる溝状の第2係合部53と、カプセル本体51の外面に設けられた図示しないねじ部と、を有する。
第2係合部53は、多角柱形のカプセル本体51の長軸方向Lに沿って(蓋体27の移動方向に平行に)延びている一対の溝部54を有する。一対の溝部54の構成は、上記実施形態と同様である。
本変形例によれば、カプセル本体51が多角柱形をなしているため、頂点の数を増やすことでカプセル本体51の角部の角度を鈍化することができる。これによって、管路17の狭窄部に引っ掛かり難い構造のカプセル22を実現できる。このため、管路17の狭窄部にさしかかった際に、カプセル22が狭窄部の入口に引っ掛かってしまうような不具合を生じることを極力防止できる。また、側面が平面になるため、蓋体27の構造を単純な平面形状にでき、カプセル22の製造コストを低減できるとともに、カプセル22の密閉性を向上できる。
[第2実施形態]
図10~図13を参照して、第2実施形態の揚鉱装置11について説明する。本実施形態の揚鉱装置11は、カプセル22の形態、第1~第4位置決め部26、55、58、63の形態、第1接続部75および第2接続部82の形態、および第1~第4駆動部31、56、61、64の形態が第1実施形態とは異なっているが、他の部分は第1実施形態と共通している。本実施形態では、主として第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と共通する部分については、図示又は説明を省略する。
図10、図11に示すように、複数のカプセル22のそれぞれは、例えば、金属材料によって形成されている。カプセル22は、例えば、砲弾形をなした中空のカプセル本体51と、カプセル本体51に設けられ第1係合部41又は第3~第5係合部41と係合可能な突条をなした第2係合部53と、カプセル本体51に設けられた第1開口部52と、第1開口部52を閉塞したり開放したりするようにカプセル本体51に対して移動可能な蓋体27と、を有する。カプセル本体51の形状は、砲弾形に限られるものではなく、例えば円筒形(円柱形)であってもよい。
第1開口部52は、任意の形状であってよく、円形又は四角形等で形成されている。第1開口部52は、カプセル22の側面を貫通しており、第1開口部52を介してカプセル22内に海底物質13又は不要物質18を収納したり、或いは、第1開口部52を介してカプセル22内から海底物質13又は不要物質18を取り出したりできる。第1開口部52は、カプセル本体51の側面の一か所、例えば、カプセル本体51の頂部に設けられている。なお、図10では、第1開口部52を見やすくするために、第1開口部52の位置を頂部から下側にずらした位置に模式的に示しているが、実際の第1開口部52はカプセル本体51の頂部にある。
第2係合部53は、例えば、カプセル22の長軸方向Lに延びる一対の突条で構成されている。第2係合部53は、蓋体27から外れた位置で、例えば、カプセル本体51の先端部の近傍に設けられている。図10に示すように、第2係合部53を構成する一対の突条の一方は、カプセル本体51の側面の一か所(例えば、カプセル本体51の頂部)に設けられ、一対の突条の他方は、それとは反対側(例えば、カプセル本体51の底部)に設けられている。
蓋体27は、カプセル22の長軸方向Lに関して所定の幅を有する環状をなしている。蓋体27は、カプセル本体51の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められている。蓋体27は、第1開口部52を覆う位置に設けられている。蓋体27は、第1開口部52に対応する貫通孔部87を有する。貫通孔部87の形状および内径寸法は、第1開口部52の形状および内径寸法と同様であり、第1開口部52が円形であれば貫通孔部87も円形であり、第1開口部52が四角形であれば貫通孔部87も四角形である。なお、蓋体27の形状は、上記環状に限られるものではなく、カプセル本体51の後端又は先端を覆う有底筒状であっても当然によい。その際、第2係合部53は、蓋体27と緩衝しない位置で適宜に設けることができる。
蓋体27は、外周面にギヤ部27Aを有する。ギヤ部27Aは、第1~第4駆動部31、56、61、64の後述する第1~第4駆動ギヤ部91と噛み合うことができる。第1~第4駆動ギヤ部91が回転することによって、蓋体27は、カプセル本体51に対して回転することができる。蓋体27は、図10に示すように貫通孔部87が第1開口部52から外れた閉塞位置P3と、図11に示すように貫通孔部87が第1開口部52に重なった第1開放位置P1と、の間で第1~第4駆動部31、56、61、64により回転可能である。
図13に示すように、第1位置決め部26の第1係合部41は、一対の突条で構成される第2係合部53を差し入れ可能な一対の溝部54で構成される。第1係合部41の上流側の端部は、例えば、上流側に行くにつれて幅広になるようにラッパ状に拡開した拡開部分を有する。第2~第4位置決め部55、58、63の第3~第5係合部41のそれぞれは、第1係合部41と同様に、一対の突条で構成される第2係合部53を差し入れ可能な一対の溝部54で構成される。第3~第5係合部41のそれぞれの上流側の端部は、例えば、上流側に行くにつれて幅広になるようにラッパ状に拡開した拡開部分を有する。したがって、カプセル22が第1~第4位置決め部63に差し掛かる際に、カプセル22の第2係合部53が、第1係合部41および第3~第5係合部41のいずれかと円滑に係合することができる。
第1接続部75は、第1係合部41および第3~第5係合部41と同様に、一対の突条で構成される第2係合部53を差し入れ可能な一対の溝部54で構成される。第1接続部75は、第3位置決め部58の第4係合部41と第1位置決め部26の第1係合部41とを接続するように第1連結管25の内面に設けられた一対の溝部54で構成されている。一対の溝部54のそれぞれは、第3狭窄部74から第1狭窄部38に行くにつれて、例えば反時計回りに180°回転する螺旋状をなしている。したがって、第3狭窄部74から第1狭窄部38に移動するカプセル22は、第1連結管25の軸方向を中心に、第1開口部52を下に向けた下向き姿勢から第1開口部52を上に向けた上向き姿勢に180°回転することができる。
第1接続部75(一対の溝部54)は、第1係合部41(一対の溝部54)との間に、溝部54同士が途切れた所定の隙間を有していてもよい。第1投入部32に対するカプセル22の長軸回りの角度が180°ずれてしまった場合には、第1保持装置45の腕型のロボットは、この隙間の位置にカプセル22を戻し、カプセル22を180°回転させて、カプセル22を正しい角度で第1狭窄部38に侵入させることができる。
第2接続部82は、第1係合部41および第3~第5係合部41と同様に、一対の突条で構成される第2係合部53を差し入れ可能な一対の溝部54で構成される。第2接続部82は、第2位置決め部55の第3係合部41と第4位置決め部63の第5係合部41とを接続するように第2連結管37の内面に設けられた一対の溝部54で構成されている。一対の溝部54のそれぞれは、第2狭窄部66から第4狭窄部81に行くにつれて、例えば反時計回りに180°回転する螺旋状をなしている。したがって、第2狭窄部66から第4狭窄部81に移動するカプセル22は、第2連結管37の軸方向を中心に、第1開口部52を下に向けた下向き姿勢から第1開口部52を上に向けた上向き姿勢に180°回転することができる。
第2接続部82(一対の溝部54)は、第5係合部41(一対の溝部54)との間に、溝部54同士が途切れた所定の隙間を有していてもよい。第2投入部65に対するカプセル22の長軸回りの角度が180°ずれてしまった場合には、第2保持装置73の腕型のロボットは、この隙間の位置にカプセル22を戻し、カプセル22を180°回転させて、カプセル22を正しい角度で第4狭窄部81に侵入させることができる。
第1~第4駆動部31、56、61、64は、第1~第4スクリュー部43に代えて、第1~第4駆動ギヤ部91を有する。第1~第4駆動ギヤ部91は、進退可能な腕状のロボットで構成され、管路17の中心に対して近づいたり管路17の中心から遠ざかったりするように進退移動可能である。第1~第4駆動ギヤ部91は、自転可能な駆動ギヤをその先端に有する。
第1、第2駆動ギヤ部91、91は、第1制御部42によって制御されるとともに内蔵するアクチュエータ(流体シリンダ、モータ等)によって進退移動の駆動および自転の駆動がなされる。第3、第4駆動ギヤ部91、91は、第2制御部67によって制御されるとともに内蔵するアクチュエータ(流体シリンダ、モータ等)によって進退移動の駆動および自転の駆動がなされる。
第1駆動ギヤ部91は、第1位置決め部26の第1狭窄部38で、第1投入部32とは反対側に設けられている。第2駆動ギヤ部91は、第2位置決め部55の第2狭窄部66で、第1放出部57とは反対側に設けられている。第3駆動ギヤ部91は、第3位置決め部58の第3狭窄部74で、第2放出部62とは反対側に設けられている。第4駆動ギヤ部91は、第4位置決め部63の第4狭窄部81で、第2投入部65とは反対側に設けられている。
続いて、図10~図13を参照して、本実施形態の揚鉱装置11を用いた揚鉱方法につて説明する。
設置工程については第1実施形態と同様である。海底34での海底物質13の取り込み工程および海上33での海底物質13の回収工程について説明する。
図12に示すように、第1位置決め部26に差し掛かったカプセル22は、第1位置決め部26(第1狭窄部38)において位置決めされる。その際、第1位置決め部26の第1係合部41に対してカプセル22の第2係合部53が差し込まれて係合することで、第1投入部32に対して第1開口部52が位置合わせされる。その際、第1係合部41に拡開部分が設けられているため、第1係合部41に対する第2係合部53の係合が円滑になされる。
もし、第1狭窄部38の入口付近でカプセル22の詰まりを生じ、第1センサ44又は第1カメラ46でカプセル22の詰まりを検出した場合には、第1制御部42は、第1保持装置45の腕型のロボットを作動させて、詰まりを適宜に解消する。
第1制御部42は、第1カメラ46によって、カプセル22の長軸回りの角度を認識する。もし、第1投入部32に対して第1開口部52の位置が180°反対側になってしまった場合には、第1制御部42は、第1保持装置45の腕型のロボットを作動させて、カプセル22を第1狭窄部38に入る直前の位置(第1接続部75の一対の突条と第1係合部41の一対の突条とが途切れた位置)まで戻して、カプセル22をその長軸回りに180°回転させる。カプセル22は、再び、第2係合部53を介して第1係合部41に係合する。
第1制御部42は、第1センサ44を介してカプセル22が第1投入部32に最も近接したことを感知したときに、第1保持装置45を構成する一対の腕型のロボットによってカプセル22を上流側および下流側から掴んで保持するとともに、カプセル22を第1投入部32に密着させる。
第1制御部42は、第1投入部32の第1シャッター弁48を、管路17内と周囲環境とを遮断した第1位置から、管路17内と周囲環境とを連通した第2位置に移動させる。これと同時に、図12に示すように、第1制御部42は、第1駆動ギヤ部91を前進させて、その駆動ギヤをカプセル22の蓋体27のギヤ部27Aに噛み合わせる。さらに、第1駆動ギヤ部91の駆動ギヤを回転させて、カプセル22の蓋体27を第1方向に回転させる。それによって、蓋体27を、図10に示すように貫通孔部87が第1開口部52から外れた閉塞位置P3から、図11に示すように貫通孔部87が第1開口部52に重なった第1開放位置P1に移動させる。これによって、第1投入部本体47とカプセル22の内部が連通し、重力の作用によってカプセル22内に海底物質13が投入される。これと同時に、後述するように第2放出部62でカプセル22内に取り込まれた海水が第1投入部32経由で排出される。なお、第1制御部42は、蓋体27が正しく第1開放位置P1に移動したか否かを第1カメラ46で確認し、回転角度が不足又は過剰な場合には適宜にフィードバック制御をかけて回転角度を微調整する。このとき、カプセル22の第2係合部53が第1位置決め部26の第1係合部41に係合しているために、第1駆動ギヤ部91からの回転力によってカプセル22が共回りすることがない。
なお、カプセル22内に海底物質13を投入すると、第1投入部本体47から海底物質13が減少することになるが、第1制御部42は、海底34に設置した重機を一定の時間間隔で作動させて、第1投入部本体47内に海底物質13を補充する。
所定時間を経てカプセル22内に対する海底物質13の投入が完了した後、第1制御部42は、第1駆動ギヤ部91を作動させて、蓋体27を第1方向とは反対の第2方向に所定の角度分回転させる。これによって、蓋体27を第1開放位置P1から閉塞位置P3に移動させ、海底物質13が投入されたカプセル22を密封する。これと同時に、第1制御部42は、第1シャッター弁48を第2位置から第1位置に移動させる。さらに第1制御部42は、第1駆動ギヤ部91をカプセル22から退避させる。
カプセル22の密封が完了した後、第1制御部42は、第1保持装置45を駆動して、カプセル22を解放した状態にする。それによって、カプセル22は、キャリア物質21の流れに乗って、海底34の第1位置決め部26から海上の第2位置決め部55にまで圧送される。
第2位置決め部55にカプセル22が差し掛かると、カプセル22は、第1位置決め部26での位置決めと同様に、第2位置決め部55(第2狭窄部66)において位置決めされる。すなわち、第2位置決め部55の第3係合部41に対してカプセル22の第2係合部53が差し込まれて係合することで、第1放出部57に対して第1開口部52が位置合わせされる。その際、第3係合部41に拡開部分が設けられているため、第3係合部41に対する第2係合部53の係合が円滑になされる。なお、第1位置決め部26においてカプセル22は、管路17のループの中心側(すなわち、上側)に第1開口部52が位置する上向き姿勢であるため、第2位置決め部55においても、かなりの確率で管路17のループの中心側(すなわち、下側)に第1開口部52が位置する下向き姿勢で第2狭窄部66に侵入する。
もし、第2狭窄部66の入口付近でカプセル22の詰まりを生じ、第2センサ68又は第2カメラ71でカプセル22の詰まりを検出した場合には、第2制御部67は、第2保持装置73の腕型のロボットを作動させて、詰まりを適宜に解消する。
第2制御部67は、第2カメラ71によって、カプセル22の長軸回りの角度を認識する。もし、第1放出部57に対して第1開口部52の位置が180°反対側になってしまった場合には、第2制御部67は、第2保持装置73の腕型のロボットを作動させて、カプセル22を第2狭窄部66に入る直前の位置まで戻して、カプセル22をその長軸回りに180°回転させる。カプセル22は、再び、第2係合部53を介して第3係合部41に係合する。
第2制御部67は、第2センサ68を介してカプセル22が第1放出部57に最も近接したことを感知したときに、第2保持装置73の一対の腕型のロボットを作動させてカプセル22を上流側および下流側から掴んで保持するとともにカプセル22を第1放出部57に密着させる。第2制御部67は、第1放出部57の第2シャッター弁72を、管路17内と周囲環境とを遮断した第3位置から、管路17内と周囲環境とを連通した第4位置に移動させる。これと同時に、第2制御部67は、第2駆動ギヤ部91を前進させて、その駆動ギヤをカプセル22の蓋体27のギヤ部27Aに噛み合わせる。さらに、第2駆動ギヤ部91の駆動ギヤを回転させて、カプセル22の蓋体27を第1方向に回転させる。それによって、蓋体27を、貫通孔部87が第1開口部52から外れた閉塞位置P3から、貫通孔部87が第1開口部52に重なった第1開放位置P1に移動させる。これによって、重力の作用によって、第1放出部57に向けてカプセル22内の海底物質13を放出させる。このとき、カプセル22内には、第1放出部57を介して空気が取り込まれる。
なお、第2制御部67は、蓋体27が正しく第1開放位置P1に移動したか否かを第2カメラ71で確認し、回転角度が不足又は過剰な場合には適宜にフィードバック制御をかけて回転角度を調整する。このとき、カプセル22の第2係合部53が第2位置決め部55の第3係合部41に係合しているために、第2駆動ギヤ部91からの回転力によってカプセル22が共回りすることがない。
所定時間を経て第1放出部57への海底物質13の放出が完了した後、第2制御部67は、第2駆動ギヤ部91を作動させて、蓋体27を第1方向とは反対の第2方向に所定の角度分回転させる。これによって、蓋体27を第1開放位置P1から閉塞位置P3に移動させ、海底物質13を放出したカプセル22を密封する。これと同時に、第2制御部67は、第2シャッター弁72を第4位置から第3位置に移動させる。さらに第2制御部67は、第2駆動ギヤ部91をカプセル22から退避させる。第2制御部67は、第2保持装置73を駆動して、カプセル22を解放した状態にする。
続いて、海上での不要物質18の取り込み工程および海底での不要物質18の廃棄工程について説明する。
カプセル22は、キャリア物質21の流れに乗って、第2位置決め部55から第4位置決め部63に移動する。このとき、第4位置決め部63の第4狭窄部81は、第2位置決め部55の第2狭窄部66と連続しているため、カプセル22の移動が円滑になされる。第2位置決め部55から第4位置決め部63に移動するカプセル22の第2係合部53は、第2接続部82と係合されて案内される。すなわち、カプセル22は、らせん状の第2接続部82の案内によって、第1開口部52を下に向けた下向き姿勢から第1開口部52を上に向けた上向き姿勢に180°回転され、上向き姿勢で第4狭窄部81に侵入することとなる。第4狭窄部81において、カプセル22の第2係合部53は、第5係合部41に係合する。
もし、第4狭窄部81の入口付近でカプセル22の詰まりを生じ、第4センサ83又は第4カメラ84でカプセル22の詰まりを検出した場合には、第2制御部67は、第2保持装置73の腕型のロボットを作動させて、詰まりを適宜に解消する。
第2制御部67は、第4カメラ84によって、カプセル22の長軸回りの角度を認識する。もし、第2投入部65に対して第1開口部52の位置が180°反対側になってしまった場合には、第2制御部67は、第2保持装置73の腕型のロボットを作動させて、カプセル22を第4狭窄部81に入る直前の位置(第2接続部82の一対の溝部54と第5係合部41の一対の溝部54とが途切れた位置)まで戻して、カプセル22をその長軸回りに180°回転させる。カプセル22は、再び、第2係合部53を介して第5係合部41に係合する。
第2制御部67は、第4センサ83を介してカプセル22が第2投入部65に最も近接したことを感知したときに、第2保持装置73の一対の腕型のロボットによってカプセル22を上流側および下流側から掴んで保持するとともに、カプセル22を第2投入部65に密着させる。第2制御部67は、第2投入部65の第4シャッター弁85を、管路17内と周囲環境とを遮断した第7位置から、管路17内と周囲環境とを連通した第8位置に移動させる。これと同時に、第2制御部67は、第4駆動ギヤ部91を前進させて、その駆動ギヤをカプセル22の蓋体27のギヤ部27Aに噛み合わせる。さらに、第4駆動ギヤ部91の駆動ギヤを回転させて、カプセル22の蓋体27を第1方向に回転させる。それによって、蓋体27を、貫通孔部87が第1開口部52から外れた閉塞位置P3から、貫通孔部87が第1開口部52に重なった第1開放位置P1に移動させる。これによって、第2投入部本体86とカプセル22の内部が連通し、重力の作用によってカプセル22内に不要物質18が投入される。これと同時に、カプセル22内の空気が大気中に放出される。
なお、第2制御部67は、蓋体27が正しく第1開放位置P1に移動したか否かを第4カメラ84で確認し、回転角度が不足又は過剰な場合には適宜にフィードバック制御をかけて回転角度を調整する。このとき、カプセル22の第2係合部53が第4位置決め部63の第5係合部41に係合しているために、第4駆動ギヤ部91からの回転力によってカプセル22が共回りすることがない。
なお、カプセル22内に不要物質18を投入すると、第2投入部本体86から不要物質18が減少することになるが、第2制御部67は、台船12上の重機を一定の時間間隔で作動させて、第2投入部本体86内に不要物質18を補充する。
所定時間を経てカプセル22内に対する不要物質18の投入が完了した後、第2制御部67は、第4駆動ギヤ部91を作動させて、蓋体27を第1方向とは反対の第2方向に所定の角度分回転させる。これによって、蓋体27を閉塞位置P3に移動させ、不要物質18が投入されたカプセル22を密封する。これと同時に、第2制御部67は、第4シャッター弁85を第8位置から第7位置に移動させる。さらに第2制御部67は、第4駆動ギヤ部91をカプセル22から退避させる。第2制御部67は、第2保持装置73を駆動して、カプセル22を解放した状態にする。それによって、カプセル22は、キャリア物質21の流れに乗って、海上33の第4位置決め部63から海底34の第3位置決め部58にまで送られる。
第3位置決め部58にカプセル22が差し掛かると、カプセル22は、第1位置決め部26での位置決めと同様に、第3位置決め部58(第3狭窄部74)において位置決めされる。すなわち、第3位置決め部58の第4係合部41に対してカプセル22の第2係合部53が差し込まれて係合することで、第2放出部62に対して第1開口部52が位置合わせされる。その際、第4係合部41に拡開部分が設けられているため、第4係合部41に対する第2係合部53の係合が円滑になされる。なお、第4位置決め部63においてカプセル22は、管路17のループの中心側とは反対側(すなわち、上側)に第1開口部52が位置する上向き姿勢であるため、第3位置決め部58においても、かなりの確率で管路17のループの中心側とは反対側(すなわち、下側)に第1開口部52が位置する下向き姿勢で第3狭窄部74に侵入する。
もし、第3狭窄部74の入口付近でカプセル22の詰まりを生じ、第3センサ76又は第3カメラ77でカプセル22の詰まりを検出した場合には、第1制御部42は、第1保持装置45の腕型のロボットを作動させて、詰まりを適宜に解消する。
第1制御部42は、第3カメラ77によって、カプセル22の長軸回りの角度を認識する。もし、第2放出部62に対して第1開口部52の位置が180°反対側になってしまった場合には、第1制御部42は、第1保持装置45の腕型のロボットを作動させて、カプセル22を第3狭窄部74に入る直前の位置まで戻して、カプセル22をその長軸回りに180°回転させる。カプセル22は、再び、第2係合部53を介して第4係合部41に係合する。
第1制御部42は、第3センサ76を介してカプセル22が第2放出部62に最も近接したことを感知したときに、第1保持装置45の一対の腕型のロボットを作動させてカプセル22を上流側および下流側から掴んで保持するとともに、カプセル22を第2放出部62に密着させる。第1制御部42は、第2放出部62の第3シャッター弁78を、管路17内と周囲環境とを遮断した第5位置から、管路17内と周囲環境とを連通した第6位置に移動させる。これと同時に、第1制御部42は、第3駆動ギヤ部91を前進させて、その駆動ギヤをカプセル22の蓋体27のギヤ部27Aに噛み合わせる。さらに、第3駆動ギヤ部91の駆動ギヤを回転させて、カプセル22の蓋体27を第1方向に回転させる。それによって、蓋体27を、貫通孔部87が第1開口部52から外れた閉塞位置P3から、貫通孔部87が第1開口部52に重なった第1開放位置P1に移動させる。これによって、重力の作用によって、第2放出部62に向けてカプセル22内の不要物質18が放出される。このとき、カプセル22内には、第2放出部62を介して海水が取り込まれる。
なお、第1制御部42は、蓋体27が正しく第1開放位置P1に移動したか否かを第3カメラ77で確認し、回転角度が不足又は過剰な場合には適宜にフィードバック制御をかけて回転角度を調整する。このとき、カプセル22の第2係合部53が第3位置決め部58の第4係合部41に係合しているために、第3駆動ギヤ部91からの回転力によってカプセル22が共回りすることがない。
所定時間を経て第2放出部62への不要物質18の放出が完了した後、第1制御部42は、第3駆動ギヤ部91を作動させて、蓋体27を第1方向とは反対の第2方向に所定の角度分回転させる。これによって、蓋体27を第1開放位置P1から閉塞位置P3に移動させ、不要物質18を放出したカプセル22を密封する。これと同時に、第1制御部42は、第3シャッター弁78を第6位置から第5位置に移動させる。さらに第2制御部67は、第2駆動ギヤ部91をカプセル22から退避させる。第1制御部42は、第1保持装置45を駆動して、カプセル22を解放した状態にする。
カプセル22は、キャリア物質21の流れに乗って、第3位置決め部58から第1位置決め部26に移動する。このとき、第3位置決め部58の第3狭窄部74は、第1位置決め部26の第1狭窄部38と連続しているため、カプセル22の移動が円滑になされる。第3位置決め部58から第1位置決め部26に移動するカプセル22の第2係合部53は、第1接続部75と係合されて案内される。すなわち、カプセル22は、らせん状の第1接続部75の案内によって、第1開口部52を下に向けた下向き姿勢から第1開口部52を上に向けた上向き姿勢に180°回転され、上向き姿勢で第1狭窄部38に侵入することとなる。第1狭窄部38において、カプセル22の第2係合部53は、第1係合部41に係合する。
カプセル22の第2係合部53が第1係合部41に係合した後は、上記した「海底34での海底物質13の取り込み工程および海上33での海底物質13の回収工程」および「海上33での不要物質18の取り込み工程および海底34での不要物質18の廃棄工程」の繰り返しである。
本実施形態によれば、以下のことがいえる。揚鉱装置11は、カプセル本体51は、円筒状をなし、蓋体27は、環状をなしてカプセル本体51の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ第1開口部52に対応する貫通孔部87を有するとともに、貫通孔部87が第1開口部52に重なった第1開放位置P1と、貫通孔部87が第1開口部52から外れた閉塞位置P3と、の間で第1駆動部31により回転可能である。
この構成によれば、第1開放位置P1と閉塞位置P3との間で移動可能な蓋体27の構造と、蓋体27を第1開放位置P1と閉塞位置P3との間で移動させる第1駆動部31の構造と、を簡略化することができる。これによって、揚鉱装置11を構成するのに必要なコストを低減できる。
[第3実施形態]
図14を参照して、第3実施形態の揚鉱装置11について説明する。本実施形態の揚鉱装置11は、カプセル22の形態が第2実施形態とは異なっているが、他の部分は第1実施形態と共通している。また、本実施形態の揚鉱装置11には、第1接続部75および第2接続部82が設けられない。本実施形態では、主として第2実施形態と異なる部分について説明し、第2実施形態と共通する部分については、図示又は説明を省略する。
図14に示すように、複数のカプセル22のそれぞれは、例えば、金属材料によって形成されている。カプセル22は、例えば、砲弾形をなした中空のカプセル本体51と、カプセル本体51に設けられ第1係合部41又は第3~第5係合部41と係合可能な突条をなした第2係合部53と、カプセル本体51に設けられた第1開口部52と、カプセル本体51の第1開口部52とは反対側の位置に設けられた第2開口部92と、第1開口部52および第2開口部92を閉塞したり開放したりするようにカプセル本体51に対して移動可能な蓋体27と、を有する。カプセル本体51の形状は、砲弾形に限られるものではなく、例えば円筒形(円柱形)であってもよい。
第1開口部52および第2開口部92は、任意の形状であってよく、円形又は四角形等で形成されている。第1開口部52および第2開口部92は、カプセル22の側面を貫通しており、第1開口部52および第2開口部92を介してカプセル22内に海底物質13又は不要物質18を収納したり、或いは、第1開口部52および第2開口部92を介してカプセル22内から海底物質13又は不要物質18を取り出したりできる。第2開口部92は、第1開口部52と同形態かつ同寸法であってよい。第1開口部52および第2開口部92は、カプセル本体51の側面(外周面)の対角位置2か所に設けられている。第1開口部52および第2開口部92の区別は、便宜的なものであり、2個の第1開口部の一方を第1開口部52としたとき、第1開口部の他方が第2開口部92となりえる。
第2係合部53は、例えば、カプセル22の長軸方向Lに延びる一対の突条で構成されている。第2係合部53は、蓋体27から外れた位置で、例えば、カプセル本体51の先端部の近傍に設けられている。図14に示すように、第2係合部53を構成する一対の突条は、カプセル本体51の側面(外周面)の対角位置2か所で、例えば第1開口部52および第2開口部92に対応する位置に設けられている。
蓋体27は、カプセル22の長軸方向Lに関して所定の幅を有する環状をなしている。蓋体27は、カプセル本体51の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められている。蓋体27は、第1開口部52および第2開口部92を覆う位置に設けられている。蓋体27は、第1開口部52および第2開口部92に対応する貫通孔部87を有する。貫通孔部87の形状および内径寸法は、第1開口部52の形状および内径寸法と同様であり、第1開口部52が円形であれば貫通孔部87も円形であり、第1開口部52が四角形であれば貫通孔部87も四角形である。なお、蓋体27の形状は、上記環状に限られるものではなく、カプセル本体51の後端又は先端を覆う有底筒状であっても当然によい。その際、第2係合部53は、蓋体27と緩衝しない位置で適宜に設けることができる。
蓋体27は、外周面にギヤ部27Aを有する。ギヤ部27Aは、第1~第4駆動部31、56、61、64の第1~第4駆動ギヤ部91と噛み合うことができる。第1~第4駆動ギヤ部91が回転することによって、蓋体27は、カプセル本体51に対して回転することができる。蓋体27は、貫通孔部87が第1開口部52および第2開口部92から外れた閉塞位置P3と、貫通孔部87が第1開口部52に重なった第1開放位置P1と、貫通孔部87が第1開口部52に重なった第2開放位置P2と、の間で第1~第4駆動ギヤ部91により回転可能である。
続いて、図14を参照して、本実施形態の揚鉱装置11を用いた揚鉱方法について説明する。
設置工程については第2実施形態と同様である。海底34での海底物質13の取り込み工程および海上33での海底物質13の回収工程について説明する。
第1位置決め部26に差し掛かったカプセル22は、第1位置決め部26(第1狭窄部38)において位置決めされる。その際、第1位置決め部26の第1係合部41に対してカプセル22の第2係合部53が差し込まれて係合することで、第1投入部32に対して第1開口部52が位置合わせされる。その際、第1係合部41に拡開部分が設けられているため、第1係合部41に対する第2係合部53の係合が円滑になされる。
もし、第1狭窄部38の入口付近でカプセル22の詰まりを生じ、第1センサ44又は第1カメラ46でカプセル22の詰まりを検出した場合には、第1制御部42は、第1保持装置45の腕型のロボットを作動させて、詰まりを適宜に解消する。
第1制御部42は、第1センサ44を介してカプセル22が第1投入部32に最も近接したことを感知したときに、第1保持装置45を構成する一対の腕型のロボットによってカプセル22を上流側および下流側から掴んで保持するとともに、カプセル22を第1投入部32に密着させる。
第1制御部42は、第1投入部32の第1シャッター弁48を、管路17内と周囲環境とを遮断した第1位置から、管路17内と周囲環境とを連通した第2位置に移動させる。これと同時に、第1制御部42は、第1駆動ギヤ部91を前進させて、その駆動ギヤをカプセル22の蓋体27のギヤ部27Aに噛み合わせる。さらに第1制御部42は、第1カメラ46で第1投入部32に対して対向しているのが第1開口部52であるのか、第2開口部92であるのかを認識する。
第1制御部42は、第1駆動ギヤ部91の駆動ギヤを回転させて、カプセル22の蓋体27を第1方向に回転させる。このとき、第1投入部32に第1開口部52が対向している場合には、蓋体27を、貫通孔部87が第1開口部52および第2開口部92から外れた閉塞位置P3から、貫通孔部87が第1開口部52に重なった第1開放位置P1に移動させる。一方、第1投入部32に第2開口部92が対向している場合には、蓋体27を、貫通孔部87が第1開口部52および第2開口部92から外れた閉塞位置P3から、貫通孔部87が第2開口部92に重なった第2開放位置P2に移動させる。
これによって、第1投入部本体47とカプセル22の内部が連通し、重力の作用によってカプセル22内に海底物質13が投入される。これと同時に、後述するように第2放出部62でカプセル22内に取り込まれた海水が第1投入部32経由で排出される。なお、第1制御部42は、蓋体27が正しく第1開放位置P1又は第2開放位置P2に移動したか否かを第1カメラ46で確認し、回転角度が不足又は過剰な場合には適宜にフィードバック制御をかけて回転角度を微調整する。このとき、カプセル22の第2係合部53が第1位置決め部26の第1係合部41に係合しているために、第1駆動ギヤ部91からの回転力によってカプセル22が共回りすることがない。
なお、カプセル22内に海底物質13を投入すると、第1投入部本体47から海底物質13が減少することになるが、第1制御部42は、海底34に設置した重機を一定の時間間隔で作動させて、第1投入部本体47内に海底物質13を補充する。
所定時間を経てカプセル22内に対する海底物質13の投入が完了した後、第1制御部42は、第1駆動ギヤ部91を作動させて、蓋体27を第1方向とは反対の第2方向に所定の角度分回転させる。これによって、蓋体27を第1開放位置P1又は第2開放位置P2から閉塞位置P3に移動させ、海底物質13が投入されたカプセル22を密封する。
これと同時に、第1制御部42は、第1シャッター弁48を第2位置から第1位置に移動させる。さらに第1制御部42は、第1駆動ギヤ部91をカプセル22から退避させるとともに管路17内からも退避させる。
カプセル22の密封が完了した後、第1制御部42は、第1保持装置45を駆動して、カプセル22を解放した状態にする。それによって、カプセル22は、キャリア物質21の流れに乗って、海底34の第1位置決め部26から海上33の第2位置決め部55にまで圧送される。
第2位置決め部55にカプセル22が差し掛かると、カプセル22は、第1位置決め部26での位置決めと同様に、第2位置決め部55(第2狭窄部66)において位置決めされる。すなわち、カプセル22の第2係合部53に対して第2位置決め部55の第3係合部41が差し込まれて係合することで、第1放出部57に対して第1開口部52が位置合わせされる。その際、第3係合部41に拡開部分が設けられているため、第3係合部41に対する第2係合部53の係合が円滑になされる。
もし、第2狭窄部66の入口付近でカプセル22の詰まりを生じ、第2センサ68又は第2カメラ71でカプセル22の詰まりを検出した場合には、第2制御部67は、第2保持装置73の腕型のロボットを作動させて、詰まりを適宜に解消する。
第2制御部67は、第2センサ68を介してカプセル22が第1放出部57に最も近接したことを感知したときに、第2保持装置73の一対の腕型のロボットを作動させてカプセル22を上流側および下流側から掴んで保持するとともにカプセル22を第1放出部57に密着させる。第2制御部67は、第1放出部57の第2シャッター弁72を、管路17内と周囲環境とを遮断した第3位置から、管路17内と周囲環境とを連通した第4位置に移動させる。これと同時に、第2制御部67は、第2駆動ギヤ部91を前進させて、その駆動ギヤをカプセル22の蓋体27のギヤ部27Aに噛み合わせる。さらに第2制御部67は、第2カメラ71で第1放出部57に対して対向しているのが第1開口部52であるのか、第2開口部92であるのかを認識する。
さらに、第2駆動ギヤ部91の駆動ギヤを回転させて、カプセル22の蓋体27を第1方向に回転させる。このとき、第1放出部57に第1開口部52が対向している場合には、蓋体27を、貫通孔部87が第1開口部52および第2開口部92から外れた閉塞位置P3から、貫通孔部87が第1開口部52に重なった第1開放位置P1に移動させる。一方、第1放出部57に第2開口部92が対向している場合には、蓋体27を、貫通孔部87が第1開口部52および第2開口部92から外れた閉塞位置P3から、貫通孔部87が第2開口部92に重なった第2開放位置P2に移動させる。
これによって、重力の作用によって、第1放出部57に向けてカプセル22内の海底物質13を放出させる。このとき、カプセル22内には、第1放出部57を介して空気が取り込まれる。なお、第2制御部67は、蓋体27が正しく第1開放位置P1又は第2開放位置P2に移動したか否かを第2カメラ71で確認し、回転角度が不足又は過剰な場合には適宜にフィードバック制御をかけて回転角度を微調整する。このとき、カプセル22の第2係合部53が第2位置決め部55の第3係合部41に係合しているために、第2駆動ギヤ部91からの回転力によってカプセル22が共回りすることがない。
所定時間を経て第1放出部57への海底物質13の放出が完了した後、第2制御部67は、第2駆動ギヤ部91を作動させて、蓋体27を第1方向とは反対の第2方向に所定の角度分回転させる。これによって、蓋体27を第1開放位置P1又は第2開放位置P2から閉塞位置P3に移動させ、海底物質13を放出したカプセル22を密封する。
これと同時に、第2制御部67は、第2シャッター弁72を第4位置から第3位置に移動させる。さらに第2制御部67は、第2駆動ギヤ部91をカプセル22から退避させるとともに管路17内からも退避させる。第2制御部67は、第2保持装置73を駆動して、カプセル22を解放した状態にする。
続いて、海上33での不要物質18の取り込み工程および海底34での不要物質18の廃棄工程について説明する。
カプセル22は、キャリア物質21の流れに乗って、第2位置決め部55から第4位置決め部63に移動する。このとき、第4位置決め部63の第4狭窄部81は、第2位置決め部55の第2狭窄部66と連続しているため、カプセル22の移動が円滑になされる。本実施形態において、第2位置決め部55と第4位置決め部63との間に、らせん状をなした第2接続部82は存在しない。しかしながら、第2接続部82の代替として、第2位置決め部55の第3係合部41と第4位置決め部63の第5係合部41とを直線的に接続する接続部を設けてもよい。
第4狭窄部81において、カプセル22の第2係合部53は、第5係合部41に係合する。その際、第5係合部41に拡開部分が設けられているため、第5係合部41に対する第2係合部53の係合が円滑になされる。
もし、第4狭窄部81の入口付近でカプセル22の詰まりを生じ、第4センサ83又は第4カメラ84でカプセル22の詰まりを検出した場合には、第2制御部67は、第2保持装置73の腕型のロボットを作動させて、詰まりを適宜に解消する。
第2制御部67は、第4センサ83を介してカプセル22が第2投入部65に最も近接したことを感知したときに、第2保持装置73の一対の腕型のロボットによってカプセル22を上流側および下流側から掴んで保持するとともにカプセル22を第2投入部65に密着させる。第2制御部67は、第2投入部65の第4シャッター弁85を、管路17内と周囲環境とを遮断した第7位置から、管路17内と周囲環境とを連通した第8位置に移動させる。これと同時に、第2制御部67は、第4駆動ギヤ部91を前進させて、その駆動ギヤをカプセル22の蓋体27のギヤ部27Aに噛み合わせる。さらに第2制御部67は、第4カメラ84で第2投入部65に対して対向しているのが第1開口部52であるのか、第2開口部92であるのかを認識する。
さらに、第4駆動ギヤ部91の駆動ギヤを回転させて、カプセル22の蓋体27を第1方向に回転させる。このとき、第2投入部65に第1開口部52が対向している場合には、蓋体27を、貫通孔部87が第1開口部52および第2開口部92から外れた閉塞位置P3から、貫通孔部87が第1開口部52に重なった第1開放位置P1に移動させる。一方、第2投入部65に第2開口部92が対向している場合には、蓋体27を、貫通孔部87が第1開口部52および第2開口部92から外れた閉塞位置P3から、貫通孔部87が第2開口部92に重なった第2開放位置P2に移動させる。
これによって、第2投入部本体86とカプセル22の内部が連通し、重力の作用によってカプセル22内に不要物質18が投入される。これと同時に、カプセル22内の空気が大気中に放出される。なお、第2制御部67は、蓋体27が正しく第1開放位置P1又は第2開放位置P2に移動したか否かを第4カメラ83で確認し、回転角度が不足又は過剰な場合には適宜にフィードバック制御をかけて回転角度を微調整する。このとき、カプセル22の第2係合部53が第4位置決め部63の第5係合部41に係合しているために、第4駆動ギヤ部91からの回転力によってカプセル22が共回りすることがない。
なお、カプセル22内に不要物質18を投入すると、第2投入部本体86から不要物質18が減少することになるが、第2制御部67は、台船12上の重機を一定の時間間隔で作動させて、第2投入部本体86内に不要物質18を補充する。
所定時間を経てカプセル22内に対する不要物質18の投入が完了した後、第2制御部67は、第4駆動ギヤ部91を作動させて、蓋体27を第1方向とは反対の第2方向に所定の角度分回転させる。これによって、蓋体27を第1開放位置P1又は第2開放位置P2から閉塞位置P3に移動させ、不要物質18が投入されたカプセル22を密封する。
これと同時に、第2制御部67は、第4シャッター弁85を第8位置から第7位置に移動させる。さらに第2制御部67は、第4駆動ギヤ部91をカプセル22から退避させるとともに管路17内からも退避させる。第2制御部67は、第2保持装置73を駆動して、カプセル22を解放した状態にする。それによって、カプセル22は、キャリア物質21の流れに乗って、海上33の第4位置決め部63から海底34の第3位置決め部58にまで送られる。
図14に示すように、第3位置決め部58にカプセル22が差し掛かると、カプセル22は、第1位置決め部26での位置決めと同様に、第3位置決め部58(第3狭窄部74)において位置決めされる。すなわち、第3位置決め部58の第4係合部41に対してカプセル22の第2係合部53が差し込まれて係合することで、第2放出部62に対して第1開口部52が位置合わせされる。その際、第4係合部41に拡開部分が設けられているため、第4係合部41に対する第2係合部53の係合が円滑になされる。
第1制御部42は、第3センサ76を介してカプセル22が第2放出部62に最も近接したことを感知したときに、第1保持装置45の一対の腕型のロボットを作動させてカプセル22を上流側および下流側から掴んで保持するとともに第2放出部62に対してカプセル22を密着させる。第1制御部42は、第2放出部62の第3シャッター弁78を、管路17内と周囲環境とを遮断した第5位置から、管路17内と周囲環境とを連通した第6位置に移動させる。これと同時に、第1制御部42は、第3駆動ギヤ部91を前進させて、その駆動ギヤをカプセル22の蓋体27のギヤ部27Aに噛み合わせる。さらに第1制御部42は、第3カメラ77で第2放出部62に対して対向しているのが第1開口部52であるのか、第2開口部92であるのかを認識する。
第1制御部42は、第3駆動ギヤ部91の駆動ギヤを回転させて、カプセル22の蓋体27を第1方向に回転させる。このとき、第2放出部62に第1開口部52が対向している場合には、蓋体27を、貫通孔部87が第1開口部52および第2開口部92から外れた閉塞位置P3から、貫通孔部87が第1開口部52に重なった第1開放位置P1に移動させる。一方、第2放出部62に第2開口部92が対向している場合には、蓋体27を、貫通孔部87が第1開口部52および第2開口部92から外れた閉塞位置P3から、貫通孔部87が第2開口部92に重なった第2開放位置P2に移動させる。
これによって、重力の作用によって、第2放出部62に向けてカプセル22内の不要物質18を放出させる。このとき、カプセル22内には、第2放出部62を介して海水が取り込まれる。
なお、第1制御部42は、蓋体27が正しく第1開放位置P1又は第2開放位置P2に移動したか否かを第3カメラ77で確認し、回転角度が不足又は過剰な場合には適宜にフィードバック制御をかけて回転角度を調整する。このとき、カプセル22の第2係合部53が第1位置決め部26の第1係合部41に係合しているために、第1駆動ギヤ部91からの回転力によってカプセル22が共回りすることがない。
所定時間を経て第2放出部62への不要物質18の放出が完了した後、第1制御部42は、第3駆動ギヤ部91を作動させて、蓋体27を第1方向とは反対の第2方向に所定の角度分回転させる。これによって、蓋体27を第1開放位置P1又は第2開放位置P2から閉塞位置P3に移動させ、不要物質18を放出したカプセル22を密封する。
これと同時に、第1制御部42は、第3シャッター弁78を第6位置から第5位置に移動させる。さらに第1制御部42は、第3駆動ギヤ部91をカプセル22から退避させるとともに管路17内からも退避させる。第1制御部42は、第1保持装置45を駆動して、カプセル22を解放した状態にする。
カプセル22は、キャリア物質21の流れに乗って、第3位置決め部58から第1位置決め部26に移動する。このとき、第3位置決め部58の第3狭窄部74は、第1位置決め部26の第1狭窄部38と連続しているため、カプセル22の移動が円滑になされる。本実施形態において、第3位置決め部58と第1位置決め部26との間に、らせん状をなした第1接続部75は存在しない。しかしながら、第1接続部75の代替として、第3位置決め部58の第4係合部41と第1位置決め部26の第1係合部41とを直線的に接続する接続部を設けてもよい。
第1狭窄部38において、カプセル22の第2係合部53は、第1係合部41に係合する。カプセル22の第2係合部53が第1係合部41に係合した後は、上記した「海底34での海底物質13の取り込み工程および海上33での海底物質13の回収工程」および「海上33での不要物質18の取り込み工程および海底34での不要物質18の廃棄工程」の繰り返しである。
本実施形態によれば、以下のことがいえる。揚鉱装置11は、第2連結管37に設けられ、通過するカプセル22を位置決め可能な第2位置決め部55と、第2位置決め部55で位置決めされたカプセル22の蓋体27を開閉可能な第2駆動部56と、カプセル22の第1開放位置P1にある第1開口部52又は第2開放位置P2にある第2開口部92から海底物質13を放出する第2放出部62と、を備え、カプセル本体51は、円筒状をなし、カプセル22は、カプセル本体51の第1開口部52とは反対側に設けられた第2開口部92を有し、蓋体27は、環状をなしてカプセル本体51の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ第1開口部52および第2開口部92に対応する貫通孔部87を有するとともに、貫通孔部87が第1開口部52に重なった第1開放位置P1と、貫通孔部87が第2開口部92に重なった第2開放位置P2と、貫通孔部87が第1開口部52および第2開口部92から外れた閉塞位置P3と、の間で第2駆動部56により回転可能である。
この構成によれば、第1開口部52が2個設けられるために、海底物質13の投入と放出の両方に対応すべくカプセル22を上向き姿勢と下向き姿勢との間で回転させる必要がない。このため、管路17の構造を簡略化して、揚鉱装置11を構成するコストを低減できる。
上記した実施形態は、種々の置き換えや変形を加えて実施できる。例えば、上記実施形態では、第1~第5係合部41、53を用いた構造的な係合関係によって第1~第4位置決め部26、55、58、63に対するカプセル22の位置決めをしているが、これに限るものではない。電磁石や磁石を用いた電磁的な位置決めによって、第1~第4位置決め部26、55、58、63に対するカプセル22の位置決めを行ってもよい。その他、上記実施形態および変形例のいずれか同士を適宜に組み合わせて発明を構成することも当然にできる。
11 揚鉱装置
12 台船
13 海底物質
14 有価物質
17 管路
18 不要物質
21 キャリア物質
22 カプセル
25 第1連結管
26 第1位置決め部
27 蓋体
31 第1駆動部
32 第1投入部
33 海上
34 海底
35 下降管
36 上昇管
37 第2連結管
41 第1係合部
41 第3係合部
41 第4係合部
41 第5係合部
48 第1シャッター弁
51 カプセル本体
52 第1開口部
53 第2係合部
P1 第1開放位置
P2 第2開放位置
P3 閉塞位置
55 第2位置決め部
56 第2駆動部
57 第1放出部
58 第3位置決め部
61 第3駆動部
62 第2放出部
63 第4位置決め部
64 第4駆動部
65 第2投入部
72 第2シャッター弁
75 第1接続部
78 第3シャッター弁
82 第2接続部
85 第4シャッター弁
L 長軸方向
87 貫通孔部
92 第2開口部

Claims (27)

  1. 海上より海底に達する下降管と、前記海底から前記海上に達する上昇管と、前記下降管の下端と前記上昇管の下端とを連結する第1連結管と、を有する管路と、
    前記管路内に充填されるとともに前記下降管の上端から前記上昇管の上端に至るまで前記管路内を送られるキャリア物質と、
    前記キャリア物質中に混入され内部に海底物質又は不要物質を収納可能なカプセルであって、カプセル本体と、前記カプセル本体の外周面の一部に設けられ前記海底物質又は前記不要物質を出し入れ可能な第1開口部と、前記第1開口部を閉塞したり開放したりするように前記カプセル本体に対して移動可能な蓋体と、を有するカプセルと、
    前記第1連結管に設けられ、通過する前記カプセルを前記第1開口部を上に向けた上向き姿勢で位置決め可能な第1位置決め部と、
    前記第1位置決め部に設けられ前記第1位置決め部で位置決めされたカプセルの前記蓋体を開閉可能な第1駆動部と、
    前記第1位置決め部に設けられ、開放した状態の前記第1開口部を介して前記カプセル内に前記海底物質を投入する第1投入部と、
    を備える揚鉱装置。
  2. 前記第1位置決め部は、前記第1連結管の内面に前記カプセルと係合する第1係合部を有し、
    前記カプセルは、前記第1係合部と係合することで前記第1投入部に対して前記第1開口部を位置合わせ可能な第2係合部を有する請求項1に記載の揚鉱装置。
  3. 前記第1投入部は、第1シャッターを含み、前記第1シャッターは、前記管路内と周囲環境とを遮断した第1位置と、前記管路内と前記周囲環境とを連通した第2位置と、の間で移動可能である請求項2に記載の揚鉱装置。
  4. 前記第1駆動部は、前記第1シャッターを前記第1位置と前記第2位置との間で移動させることが可能である請求項3に記載の揚鉱装置。
  5. 前記カプセル本体は、円筒状をなし、
    前記蓋体は、環状をなして前記カプセル本体の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ前記第1開口部に対応する貫通孔部を有するとともに、前記貫通孔部が前記第1開口部に重なった第1開放位置と、前記貫通孔部が前記第1開口部から外れた閉塞位置と、の間で前記第1駆動部により回転可能である請求項2~4のいずれか1項に記載の揚鉱装置。
  6. 前記管路は、前記上昇管の上端と前記下降管の上端とを連結する第2連結管を有し、
    前記キャリア物質は、前記第2連結管内を前記上昇管の上端から前記下降管の上端まで送られる請求項2に記載の揚鉱装置。
  7. 前記第2連結管に設けられ、通過する前記カプセルを前記第1開口部を下に向けた下向き姿勢で位置決め可能な第2位置決め部と、
    前記第2位置決め部で位置決めされたカプセルの前記蓋体を開閉可能な第2駆動部と、
    前記第2位置決め部に設けられ、開放した状態の前記第1開口部から前記海底物質を放出する第1放出部と、
    を備える請求項6に記載の揚鉱装置。
  8. 前記第2位置決め部は、前記第2連結管の内面に前記カプセルと係合する第3係合部を有し、
    前記第2係合部は、前記第3係合部と係合することで前記第1放出部に対して前記第1開口部を位置合わせ可能である請求項7に記載の揚鉱装置。
  9. 前記第1放出部は、第2シャッターを含み、前記第2シャッターは、前記管路内と周囲環境とを遮断した第3位置と、前記管路内と前記周囲環境とを連通した第4位置と、の間で移動可能である請求項8に記載の揚鉱装置。
  10. 前記第2駆動部は、前記第2シャッターを前記第3位置と前記第4位置との間で移動させることが可能である請求項9に記載の揚鉱装置。
  11. 前記カプセル本体は、円筒状をなし、
    前記蓋体は、環状をなして前記カプセル本体の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ前記第1開口部に対応する貫通孔部を有するとともに、前記貫通孔部が前記第1開口部に重なった第1開放位置と、前記貫通孔部が前記第1開口部から外れた閉塞位置と、の間で前記第2駆動部により回転可能である請求項7~10のいずれか1項に記載の揚鉱装置。
  12. 第2連結管に設けられ、通過する前記カプセルを位置決め可能な第2位置決め部と、
    前記第2位置決め部で位置決めされたカプセルの前記蓋体を開閉可能な第2駆動部と、
    前記カプセルの第1開放位置にある第1開口部又は第2開放位置にある第2開口部から前記海底物質を放出する第1放出部と、
    を備え、
    前記カプセル本体は、円筒状をなし、
    前記カプセルは、前記カプセル本体の前記第1開口部とは反対側に設けられた前記第2開口部を有し、
    前記蓋体は、環状をなして前記カプセル本体の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ前記第1開口部および前記第2開口部に対応する貫通孔部を有するとともに、前記貫通孔部が前記第1開口部に重なった第1開放位置と、前記貫通孔部が前記第2開口部に重なった前記第2開放位置と、前記貫通孔部が前記第1開口部および前記第2開口部から外れた閉塞位置と、の間で前記第2駆動部により回転可能である請求項2に記載の揚鉱装置。
  13. 前記第1位置決め部よりも上流側で前記第1連結管に設けられ、通過する前記カプセルを、前記第1開口部を下に向けた下向き姿勢で位置決め可能な第3位置決め部と、
    前記第3位置決め部で位置決めされたカプセルの前記蓋体を前記第1開口部を閉塞したり開放したりするように移動可能な第3駆動部と、
    開放した状態の前記第1開口部から前記不要物質を放出する第2放出部と、
    を備える請求項2に記載の揚鉱装置。
  14. 前記第3位置決め部は、前記第1連結管の内面に前記カプセルと係合する第4係合部を有し、
    前記第2係合部は、前記第4係合部と係合することで前記第2放出部に対して前記第1開口部を位置合わせ可能である請求項13に記載の揚鉱装置。
  15. 前記第2放出部は、第3シャッターを含み、前記第3シャッターは、前記管路内と周囲環境とを遮断した第5位置と、前記管路内と前記周囲環境とを連通した第6位置と、の間で移動可能である請求項14に記載の揚鉱装置。
  16. 前記第3駆動部は、前記第3シャッターを前記第5位置と前記第6位置との間で移動させることが可能である請求項15に記載の揚鉱装置。
  17. 前記第1連結管の内面にらせん状に設けられ、前記第4係合部と前記第1係合部とを接続する第1接続部であって、前記第2係合部と係合して前記第3位置決め部から前記第1位置決め部に向かう前記カプセルを前記下向き姿勢から前記上向き姿勢に回転させつつ案内可能な第1接続部を備える請求項14に記載の揚鉱装置。
  18. 前記カプセル本体は、円筒状をなし、
    前記蓋体は、環状をなして前記カプセル本体の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ前記第1開口部に対応する貫通孔部を有するとともに、前記貫通孔部が前記第1開口部に重なった第1開放位置と、前記貫通孔部が前記第1開口部から外れた閉塞位置と、の間で前記第3駆動部により回転可能である請求項14~17のいずれか1項に記載の揚鉱装置。
  19. 前記第1位置決め部よりも上流側で前記第1連結管に設けられ、通過する前記カプセルを位置決め可能な第3位置決め部と、
    前記第3位置決め部で位置決めされたカプセルの前記蓋体を開閉可能な第3駆動部と、
    前記カプセルの第1開放位置にある第1開口部又は第2開放位置にある第2開口部から前記不要物質を放出する第2放出部と、
    を備え、
    前記カプセル本体は、円筒状をなし、
    前記カプセルは、前記カプセル本体の前記第1開口部とは反対側に設けられた前記第2開口部を有し、
    前記蓋体は、環状をなして前記カプセル本体の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ前記第1開口部および前記第2開口部に対応する貫通孔部を有するとともに、前記貫通孔部が前記第1開口部に重なった第1開放位置と、前記貫通孔部が前記第2開口部に重なった前記第2開放位置と、前記貫通孔部が前記第1開口部および前記第2開口部から外れた閉塞位置と、の間で前記第3駆動部により回転可能である請求項2に記載の揚鉱装置。
  20. 第2位置決め部よりも下流側で第2連結管に設けられ、通過する前記カプセルを前記第1開口部を上に向けた上向き姿勢で位置決め可能な第4位置決め部と、
    前記第4位置決め部で位置決めされたカプセルの前記蓋体を開閉可能な第4駆動部と、
    前記第2連結管に設けられ、開放した状態の前記第1開口部を介して前記カプセル内に前記不要物質を投入する第2投入部と、
    を備える請求項13に記載の揚鉱装置。
  21. 前記第4位置決め部は、前記第2連結管の内面に前記カプセルと係合する第5係合部を有し、
    前記第2係合部は、前記第5係合部と係合することで前記第2投入部に対して前記第1開口部を位置合わせ可能である請求項20に記載の揚鉱装置。
  22. 前記第2投入部は、第4シャッターを含み、前記第4シャッターは、前記管路内と周囲環境とを遮断した第7位置と、前記管路内と前記周囲環境とを連通した第8位置と、の間で移動可能である請求項21に記載の揚鉱装置。
  23. 前記第4駆動部は、前記第4シャッターを前記第7位置と前記第8位置との間で移動させることが可能である請求項22に記載の揚鉱装置。
  24. 前記第2連結管の内面にらせん状に設けられ、第3係合部と前記第5係合部とを接続する第2接続部であって、前記第2係合部と係合して前記第2位置決め部から前記第4位置決め部に向かう前記カプセルを前記下向き姿勢から前記上向き姿勢に回転させつつ案内可能な第2接続部を備える請求項21に記載の揚鉱装置。
  25. 前記カプセル本体は、円筒状をなし、
    前記蓋体は、環状をなして前記カプセル本体の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ前記第1開口部に対応する貫通孔部を有するとともに、前記貫通孔部が前記第1開口部に重なった第1開放位置と、前記貫通孔部が前記第1開口部から外れた閉塞位置と、の間で前記第4駆動部により回転可能である請求項21~24のいずれか1項に記載の揚鉱装置。
  26. 第2位置決め部よりも下流側で第2連結管に設けられ、通過する前記カプセルを位置決め可能な第4位置決め部と、
    前記第4位置決め部で位置決めされたカプセルの前記蓋体を開閉可能な第4駆動部と、
    前記カプセルの第1開放位置にある第1開口部又は第2開放位置にある第2開口部から前記不要物質を投入する第2投入部と、
    を備え、
    前記カプセル本体は、円筒状をなし、
    前記カプセルは、前記カプセル本体の前記第1開口部とは反対側に設けられた前記第2開口部を有し、
    前記蓋体は、環状をなして前記カプセル本体の円筒状の外周面に対して回転可能に嵌められ、且つ前記第1開口部および前記第2開口部に対応する貫通孔部を有するとともに、前記貫通孔部が前記第1開口部に重なった第1開放位置と、前記貫通孔部が前記第2開口部に重なった前記第2開放位置と、前記貫通孔部が前記第1開口部および前記第2開口部から外れた閉塞位置と、の間で前記第4駆動部により回転可能である請求項13に記載の揚鉱装置。
  27. 前記カプセル本体は、卵形又は楕円体をなしている請求項2~4、6~10、13~17、20~24のいずれか1項に記載の揚鉱装置。
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