JP7220607B2 - 位相損失算出プログラム及び電界強度算出装置 - Google Patents

位相損失算出プログラム及び電界強度算出装置 Download PDF

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本発明は、送信点から送出される電波を受信点で受信する際の位相損失を算出するプログラム、及び受信点の電界強度を算出する装置に関する。
従来、放送波の電波伝搬の受信点における電界強度を算出する方法として、郵政省告示640号の規定が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。この規定は、無線局免許手続規則の規定に従い、計算による電界強度に基づき放送区域等を定める場合において、その電界強度の算出方法を定めるものである。
また、この規定に準拠し、かつ精度の高い電界強度を算出するための方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。さらに、電界強度を算出する際に必要となる都市減衰損失を算出する方法も提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
一般に、電波伝搬の受信点の電界強度を算出するためには、自由空間電界強度を算出すると共に、位相損失、近接リッジ付加損失及び都市減衰損失等を算出することが必要である。自由空間電界強度からこれらの損失を減算することにより、電界強度が得られる。
このような電界強度算出処理において、特許文献1の方法は、都市減衰領域における伝搬損失をマスクすることで、回折損失、近接リッジ付加損失及び位相損失を求めるものである。これにより、都市減衰領域内において、1つの電波減衰の要因から生じる伝搬損失と都市減衰との2重の損失が加味されることなく電界強度が算出されるため、電界強度の算出精度を向上させることができる。
特許文献2の方法は、土地利用状況及び世帯数から建造物による減衰量を求め、電波通路上の障害距離内の土地利用区分及び地形データから減衰量を補正することで、都市減衰損失を算出するものである。これにより、建築構造物の高さデータが存在しない場合であっても、都市減衰損失を算出することができる。
特開2011-223486号公報 特開2002-16556号公報
"無線局免許手続規則第七条第二項の規定に基づく放送区域等を計算による電界強度に基づいて定める場合における当該電界強度の算出の方法"、[online]、郵政省告示第六百四十号、[平成31年2月15日検索]、インターネット<URL:https://www.tele.soumu.go.jp/horei/reiki_honbun/a720730001.html>
前述のとおり、受信点の電界強度を算出するためには、自由空間電界強度に加え、位相損失、近接リッジ付加損失、都市減衰損失等の各種損失のデータを得る必要がある。これらの損失のうち位相損失は、送信点と受信点との間の直接波及び大地反射波の干渉により生じる損失である。電界強度を算出する際には、送信点と受信点との間が見通しの場合(遮る物がない場合)、位相損失が加味される。
位相損失を精度高く算出するためには、送信点と受信点との間の地形面で電波が反射する大地反射点(以下、「反射点」という。)に関するデータを得る必要がある。
しかしながら、反射点は地形により変化するため、反射点に関するデータを精度高く算出するには、地形の影響を考慮する必要がある。反射点に関するデータを精度高く算出することで、精度の高い位相損失を算出することができ、結果として精度の高い電界強度を算出することができる。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、送信点から送出される電波を受信点で受信する際の位相損失を、精度高く算出可能な位相損失算出プログラム、及び受信点の電界強度を精度高く算出可能な電界強度算出装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項の位相損失算出プログラムは、送信点から送出される電波を受信点で受信する際の位相損失を算出する位相損失算出プログラムにおいて、コンピュータを、前記送信点の緯度、経度及び送信高を含む送信点情報、前記受信点の緯度、経度及び受信高を含む受信点情報、並びに所定距離毎の各地点の標高値を含む標高データに基づいて、前記電波が地形面に反射する反射点の緯度及び経度を示す反射点位置を算出すると共に、前記反射点の高さを示す反射点高を含む反射点情報を算出する反射点算出手段、前記反射点算出手段により算出された前記反射点位置の土地利用区分に基づいて、前記反射点位置の反射係数を設定する反射係数設定手段、及び、前記送信点情報、前記受信点情報、及び前記反射点算出手段により算出された前記反射点情報に基づいて、前記送信点から前記受信点までの第1電波通路長、前記送信点から前記反射点までの第2電波通路長、及び前記反射点から前記受信点までの第3電波通路長を算出し、前記第1電波通路長、前記第2電波通路長、前記第3電波通路長、前記電波の周波数、及び前記反射係数設定手段により設定された前記反射係数に基づいて、前記位相損失を算出する位相損失算出手段、として機能させることを特徴とする。
また、請求項の位相損失算出プログラムは、請求項に記載の位相損失算出プログラムにおいて、前記反射係数設定手段が、所定距離毎の前記土地利用区分を含む土地利用データを用いて、前記反射点算出手段により算出された前記反射点位置の前記土地利用区分を特定し、前記土地利用区分と前記反射係数との間の関係が定義されたテーブルを用いて、前記反射点位置の前記土地利用区分に対応する前記反射係数を設定する、ことを特徴とする。
また、請求項の位相損失算出プログラムは、送信点から送出される電波を受信点で受信する際の位相損失を算出する位相損失算出プログラムにおいて、コンピュータを、前記送信点の緯度、経度及び送信高を含む送信点情報、前記受信点の緯度、経度及び受信高を含む受信点情報、並びに所定距離毎の各地点の標高値を含む標高データに基づいて、前記電波が地形面に反射する反射点の緯度及び経度を示す反射点位置を算出すると共に、前記反射点の高さを示す反射点高を含む反射点情報を算出する反射点算出手段、及び、前記送信点情報、前記受信点情報、及び前記反射点算出手段により算出された前記反射点情報に基づいて、前記送信点から前記受信点までの第1電波通路長、前記送信点から前記反射点までの第2電波通路長、及び前記反射点から前記受信点までの第3電波通路長を算出し、前記第1電波通路長、前記第2電波通路長、前記第3電波通路長及び前記電波の周波数に基づいて、前記位相損失を算出する位相損失算出手段、として機能させ、前記反射点算出手段が、前記送信点情報、前記受信点情報及び前記標高データに基づいて、前記送信点と前記受信点との間の前記地形面に、前記標高データの前記地点に対応するサンプル点を設定し、前記送信高及び前記受信高の比率に基づいて、前記送信点と前記受信点との間を内分することで、前記反射点位置を算出し、前記反射点位置の最も近くに存在する2つの前記サンプル点を特定し、前記反射点位置、2つの前記サンプル点の前記地点及び前記標高値に基づいて、前記反射点情報を算出する、ことを特徴とする。
また、請求項の位相損失算出プログラムは、送信点から送出される電波を受信点で受信する際の位相損失を算出する位相損失算出プログラムにおいて、コンピュータを、前記送信点の緯度、経度及び送信高を含む送信点情報、前記受信点の緯度、経度及び受信高を含む受信点情報、並びに所定距離毎の各地点の標高値を含む標高データに基づいて、前記電波が地形面に反射する反射点の緯度及び経度を示す反射点位置を算出すると共に、前記反射点の高さを示す反射点高を含む反射点情報を算出する反射点算出手段、及び、前記送信点情報、前記受信点情報、及び前記反射点算出手段により算出された前記反射点情報に基づいて、前記送信点から前記受信点までの第1電波通路長、前記送信点から前記反射点までの第2電波通路長、及び前記反射点から前記受信点までの第3電波通路長を算出し、前記第1電波通路長、前記第2電波通路長、前記第3電波通路長及び前記電波の周波数に基づいて、前記位相損失を算出する位相損失算出手段、として機能させ、前記反射点算出手段が、前記送信点情報、前記受信点情報及び前記標高データに基づいて、前記送信点と前記受信点との間の前記地形面に、前記標高データの前記地点に対応するサンプル点を設定し、前記送信高及び前記受信高の比率に基づいて、前記送信点と前記受信点との間を内分することで、第1反射点位置を算出し、前記第1反射点位置の最も近くに存在する2つの前記サンプル点を第1サンプル点として特定し、前記第1反射点位置、2つの前記第1サンプル点の前記地点及び前記標高値に基づいて、第1反射点情報を算出し、前記送信高から前記第1反射点情報に含まれる前記反射点高を減算し、新たな送信高を求め、前記受信高から前記第1反射点情報に含まれる前記反射点高を減算し、新たな受信高を求め、前記新たな送信高及び前記新たな受信高の比率に基づいて、前記送信点と前記受信点との間を内分することで、前記反射点位置を算出し、前記反射点位置の最も近くに存在する2つの前記サンプル点を第2サンプル点として特定し、前記反射点位置、2つの前記第2サンプル点の前記地点及び前記標高値に基づいて、前記反射点情報を算出する、ことを特徴とする。
また、請求項の位相損失算出プログラムは、送信点から送出される電波を受信点で受信する際の位相損失を算出する位相損失算出プログラムにおいて、コンピュータを、前記送信点の緯度、経度及び送信高を含む送信点情報、前記受信点の緯度、経度及び受信高を含む受信点情報、並びに所定距離毎の各地点の標高値を含む標高データに基づいて、前記電波が地形面に反射する反射点の緯度及び経度を示す反射点位置を算出すると共に、前記反射点の高さを示す反射点高を含む反射点情報を算出する反射点算出手段、及び、前記送信点情報、前記受信点情報、及び前記反射点算出手段により算出された前記反射点情報に基づいて、前記送信点から前記受信点までの第1電波通路長、前記送信点から前記反射点までの第2電波通路長、及び前記反射点から前記受信点までの第3電波通路長を算出し、前記第1電波通路長、前記第2電波通路長、前記第3電波通路長及び前記電波の周波数に基づいて、前記位相損失を算出する位相損失算出手段、として機能させ、前記反射点算出手段が、前記送信点情報、前記受信点情報及び前記標高データに基づいて、前記送信点と前記受信点との間の前記地形面に、前記標高データの前記地点に対応するサンプル点を設定し、前記送信高及び前記受信高の比率に基づいて、前記送信点と前記受信点との間を内分することで、仮反射点位置を算出し、前記仮反射点位置の最も近くに存在する2つの前記サンプル点を特定し、前記仮反射点位置、2つの前記サンプル点の前記地点及び前記標高値に基づいて、仮反射点情報を算出し、前記仮反射点位置を含む所定領域内で、所定高低差未満のフラットな領域を有する前記サンプル点を、フラットサンプル点として特定し、前記フラットサンプル点における入射角と反射角との間の差を入反射角度差として算出し、前記入反射角度差が最小となる前記フラットサンプル点の位置を前記反射点位置として決定し、前記フラットサンプル点の高さを含む情報を前記反射点情報として決定する、ことを特徴とする。
また、請求項の位相損失算出プログラムは、送信点から送出される電波を受信点で受信する際の位相損失を算出する位相損失算出プログラムにおいて、コンピュータを、前記送信点の緯度、経度及び送信高を含む送信点情報、前記受信点の緯度、経度及び受信高を含む受信点情報、並びに所定距離毎の各地点の標高値を含む標高データに基づいて、前記電波が地形面に反射する反射点の緯度及び経度を示す反射点位置を算出すると共に、前記反射点の高さを示す反射点高を含む反射点情報を算出する反射点算出手段、及び、前記送信点情報、前記受信点情報、及び前記反射点算出手段により算出された前記反射点情報に基づいて、前記送信点から前記受信点までの第1電波通路長、前記送信点から前記反射点までの第2電波通路長、及び前記反射点から前記受信点までの第3電波通路長を算出し、前記第1電波通路長、前記第2電波通路長、前記第3電波通路長及び前記電波の周波数に基づいて、前記位相損失を算出する位相損失算出手段、として機能させ、前記反射点算出手段が、前記送信点情報、前記受信点情報及び前記標高データに基づいて、前記送信点と前記受信点との間の前記地形面に、前記標高データの前記地点に対応するサンプル点を設定し、前記送信高及び前記受信高の比率に基づいて、前記送信点と前記受信点との間を内分することで、仮反射点位置を算出し、前記仮反射点位置の最も近くに存在する2つの前記サンプル点を特定し、前記仮反射点位置、2つの前記サンプル点の前記地点及び前記標高値に基づいて、仮反射点情報を算出し、前記送信点の地球球面地点と前記受信点の地球球面地点との間の距離を送受信点間距離として、前記送受信点間距離が所定距離未満の場合、前記仮反射点位置を前記反射点位置として決定し、前記送受信点間距離が所定距離以上である場合、前記仮反射点位置を含む所定領域内で、所定高低差未満のフラットな領域を有する前記サンプル点をフラットサンプル点として、前記フラットサンプル点が存在するか否かを判定し、前記フラットサンプル点が存在する場合、前記フラットサンプル点における入射角と反射角との間の差を入反射角度差として算出し、前記入反射角度差が最小となる前記フラットサンプル点の位置を前記反射点位置として決定し、前記フラットサンプル点の高さを含む情報を前記反射点情報として決定し、前記フラットサンプル点が存在しない場合、前記仮反射点位置を前記反射点位置として決定し、前記仮反射点情報を前記反射点情報として決定する、ことを特徴とする。
さらに、請求項の電界強度算出装置は、送信点から送出される電波を受信する受信点の電界強度を算出する電界強度算出装置において、前記送信点の緯度、経度及び送信高を含む送信点情報、並びに前記受信点の緯度、経度及び受信高を含む受信点情報に基づいて、前記送信点から送出された前記電波が障害のない状態で空間を伝搬したときの前記受信点の自由空間電界強度を算出する自由空間電界強度算出部と、前記送信点と前記受信点との間の直接波及び反射波の干渉により生じる損失を、位相損失として算出する位相損失算出部と、前記自由空間電界強度算出部により算出された前記自由空間電界強度から、前記位相損失算出部により算出された前記位相損失を含む損失を減算し、前記受信点の前記電界強度を求める電界強度算出部と、を備え、前記位相損失算出部が、前記送信点情報、前記受信点情報、並びに所定距離毎の各地点の標高値を含む標高データに基づいて、前記電波が地形面に反射する反射点の緯度及び経度を示す反射点位置を算出すると共に、前記反射点の高さを示す反射点高を含む反射点情報を算出する反射点算出手段、前記反射点算出手段により算出された前記反射点位置の土地利用区分に基づいて、前記反射点位置の反射係数を設定する反射係数設定手段、及び、前記送信点情報、前記受信点情報、及び前記反射点算出手段により算出された前記反射点情報に基づいて、前記送信点から前記受信点までの第1電波通路長、前記送信点から前記反射点までの第2電波通路長、及び前記反射点から前記受信点までの第3電波通路長を算出し、前記第1電波通路長、前記第2電波通路長、前記第3電波通路長前記電波の周波数、及び前記反射係数設定手段により設定された前記反射係数に基づいて、前記位相損失を算出する位相損失算出手段、を備えたことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、送信点から送出される電波を受信点で受信する際の位相損失を、精度高く算出することができる。また、受信点の電界強度を精度高く算出することができる。
本発明の実施形態による電界強度算出装置の構成例を示すブロック図である。 電界強度算出装置の処理例を示すフローチャートである。 位相損失算出処理例(ステップS204)を示すフローチャートである。 回折判定及び回折損失等算出処理例(ステップS206)を示すフローチャートである。 位相損失算出部の構成例を示すブロック図である。 テーブルのデータ構成例を示す図である。 反射点算出手段の処理例を示すフローチャートである。 送信高h1、受信高h2、送受信点間距離dst、送信反射点間距離d11等を説明する図である。 送受信高内分方式を用いた反射点算出処理例(ステップS702)を示すフローチャートである。 h1,h2の比率に基づいた内分方式処理例(ステップS901)及び地形高h’算出処理例(ステップS902)を説明する図である。 h1-h’,h2-h’の比率に基づいた内分方式処理例(ステップS903)を説明する図である。 h1,h2の比率に基づいた内分方式処理例(ステップS901)を示すフローチャートである。 h1,h2の比率に基づいた送信反射点間距離d11算出処理例(ステップS1201)の演算式を説明する図である。 d1,d2算出処理例(ステップS1203)及び補間による反射点高glp算出処理例(ステップS1204)を示すフローチャート及び演算式を説明する図である。 補間による反射点高glp算出処理例(ステップS1204)を説明する図である。 フラットサンプル点特定処理例(ステップS705)を説明する図である。 フラットサンプル点特定処理例(ステップS705)を示すフローチャートである。 地形面αがフラットな場合の入射角θa及び反射角θbを説明する図である。 入反射角度差算出処理例(ステップS706)を示すフローチャートである。 入反射角度差算出処理例(ステップS706)を説明する図である。 反射係数設定手段の処理例を示すフローチャートである。 位相損失算出手段の処理例を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明は、地形データを用いて反射点の位置(緯度、経度)及び情報(反射点の高さ等)を算出し、反射点の情報等を用いて位相損失を算出することを目的とする。また、本発明は、このようにして求めた位相損失を用いて、受信点の電界強度を算出する。
これにより、地形の影響を考慮して反射点の位置及び情報が算出されるから、精度の高い位相損失を得ることができる。また、精度の高い電界強度を得ることができる。
〔電界強度算出装置1〕
まず、電界強度算出装置1の全体構成及び処理について説明する。図1は、本発明の実施形態による電界強度算出装置の構成例を示すブロック図であり、図2は、電界強度算出装置の処理例を示すフローチャートである。
この電界強度算出装置1は、自由空間電界強度算出部10、回折判定部11、位相損失算出部12、回折損失算出部13、近接リッジ付加損失算出部14、都市減衰損失算出部15及び電界強度算出部16を備えている。
電界強度算出装置1は、送信点から送出される電波を受信する受信点の電界強度Eh2を算出する装置である。電界強度算出装置1は、送信点情報、受信点情報等の各種情報を入力し、これらの情報に基づいて、自由空間電界強度E0、位相損失ls等を算出し、受信点の電界強度Eh2を算出し、電界強度Eh2を出力する。
電界強度算出装置1は、ユーザの操作に従い、送信点情報及び受信点情報を入力すると共に、予め設定された50mメッシュ標高データ及び100mメッシュ土地利用データを入力する(ステップS201)。
送信点情報は、電波を送出する送信点の送信高(海抜高)h1、緯度及び経度等により構成される。受信点情報は、電波を受信する受信点の受信高(海抜高)h2、緯度及び経度等により構成される。50mメッシュ標高データは、50mメッシュを基準とした各地点の標高(海抜高)を示すデータであり、地形高、緯度及び経度等により構成される。100mメッシュ土地利用データは、100mメッシュを基準とした各地点の土地利用区分(田、森林、荒地、建物用地、幹線交通用地、河川・湖沼等)を示すデータであり、土地利用区分、緯度及び経度等により構成される。
自由空間電界強度算出部10は、送信点情報及び受信点情報に基づいて、既知の処理にて自由空間電界強度E0を算出する(ステップS202)。自由空間電界強度E0は、電波の伝搬に障害のない無限に広がる空間における受信点の電界強度、すなわち、送信点からの電波伝搬が障害のない状態で空間を伝搬した際の、受信点の電界強度をいう。
回折判定部11は、送信点情報、受信点情報及び50mメッシュ標高データに基づいて、既知の処理にて送受信点間における電波の回折回数を算出する(ステップS203)。
回折判定部11は、ステップS203において、回折回数が0回折である(見通し)と判定した場合(ステップS203:0回折)、ステップS204へ移行する。一方、回折判定部11は、ステップS203において、回折回数が1回折以上である(見通しでない)と判定した場合(ステップS203:1回折以上)、ステップS206へ移行する。
位相損失算出部12は、ステップS203(0回折(見通し))から移行して、位相損失lsを算出し(ステップS204)、ステップS205へ移行する。位相損失lsは、伝搬路の大地反射波を考慮した大地反射による伝搬損失である。
具体的には、位相損失算出部12は、送信点情報、受信点情報及び50mメッシュ標高データに基づいて、反射点の位置を算出する。そして、位相損失算出部12は、100mメッシュ土地利用データを用いて、反射点の位置に対応する土地区分の反射係数krを設定し、反射点の情報等に基づいて位相損失lsを算出する。位相損失算出部12によるステップS204の処理の詳細については後述する。
近接リッジ付加損失算出部14は、送信点情報、受信点情報及び50mメッシュ標高データに基づいて、送信点と受信点との間の所定領域内の電波遮蔽物を特定する。そして、近接リッジ付加損失算出部14は、所定の演算により、近接リッジ付加損失lrを算出し(ステップS205)、ステップS207へ移行する。近接リッジ付加損失lrは、伝搬路途中の山、丘陵、構造物等の電波遮蔽物による伝搬損失である。近接リッジ付加損失lrの算出処理は既知である。
一方、回折判定部11は、ステップS203(1回折以上(見通しでない))から移行して、回折判定等の処理を行い、回折損失算出部13等は、回折損失lf等の算出処理を行い(ステップS206)、ステップS207またはステップS208へ移行する。ステップS206の処理の詳細については後述する。
都市減衰損失算出部15は、ステップS205またはステップS206から移行して、都市減衰損失Γを算出し(ステップS207)、ステップS208へ移行する。都市減衰損失Γの算出処理は既知である。
具体的には、都市減衰損失算出部15は、送信点情報、受信点情報及び100mメッシュ土地利用データに基づいて、遮蔽物係数を算出し、遮蔽物係数を所定の都市減衰計算式に代入することで、都市減衰損失Γを算出する。尚、都市減衰損失算出部15は、前述の特許文献2の方法を用いて、都市減衰損失Γを算出するようにしてもよい。
電界強度算出部16は、ステップS206またはステップS207から移行して、受信点の電界強度Eh2を算出し(ステップS208)、電界強度Eh2を出力する(ステップS209)。
具体的には、電界強度算出部16は、ステップS202にて算出した自由空間電界強度E0から、ステップS204等にて算出した位相損失ls等を減算し、電界強度Eh2を算出する。例えば、ステップS203において、回折回数が0回折(見通し)の場合、電界強度Eh2は、以下の式にて算出される。
[数1]
h2=E0-ls-lr-Γ ・・・(1)
(位相損失算出処理例:ステップS204)
次に、図2に示したステップS204の処理について詳細に説明する。図3は、図2に示した位相損失算出処理例(ステップS204)を示すフローチャートである。
位相損失算出部12は、図2のステップS203(0回折(見通し))から移行して、送信点情報、受信点情報及び50mメッシュ標高データに基づいて、送信点と受信点との間の距離dst(以下、「送受信点間距離dst」という。)を求める。また、位相損失算出部12は、サンプル点の大地(サンプル点を含む所定領域)がフラット(所定高低差未満の領域)であるか否かを判定し、サンプル点の入反射角度差(入射角度と反射角度との間の差)を求める。
位相損失算出部12は、これらの情報に基づいて、後述する送受信高内分方式を用いて反射点を算出するか、または、後述する入反射角度最小方式を用いて反射点を算出する(ステップS301)。
具体的には、位相損失算出部12は、送受信点間距離dstが所定長未満の場合、または、送受信点間距離dstが所定長以上であるが、サンプル点の大地がフラットでない場合、送受信高内分方式を用いて反射点を算出する。一方、位相損失算出部12は、送受信点間距離dstが所定長以上であり、かつサンプル点の大地が概ねフラットである場合、入反射角度最小方式を用いて反射点を算出する。
ここで、反射点は、反射点の位置(緯度、経度)及び情報(送信点と反射点との間の距離d11(以下、「送信反射点間距離d11」という。)、反射点と受信点との間の距離d12(以下、反射受信点間距離d12という。)、送受信点間距離dst、反射点高(反射点の地球球面高+地形高)glpからなるデータである。位相損失算出部12によるステップS301の処理、及び反射点の情報の詳細については後述する。
位相損失算出部12は、100mメッシュ土地利用データを用いて、反射点の位置に対応する反射係数krを設定する(ステップS302)。位相損失算出部12によるステップS302の処理の詳細については後述する。
位相損失算出部12は、送信点情報、受信点情報、反射点の情報及び反射係数krに基づいて、位相損失lsを算出し(ステップS303)、図2のステップS205へ移行する。位相損失算出部12によるステップS303の処理の詳細については後述する。
(回折判定及び回折損失等算出処理例:ステップS206)
次に、図2に示したステップS206の処理について詳細に説明する。図4は、回折判定及び回折損失等算出処理例(ステップS206)を示すフローチャートである。
回折判定部11は、図2のステップS203(1回折以上(見通しでない))から移行して、送信点情報、受信点情報及び50mメッシュ標高データに基づいて、送受信点間における回折点の種類(大地回折、海面回折)を求め、海面回折の有無を判定する(ステップS401)。
回折判定部11は、ステップS401において、海面回折がないと判定した場合(ステップS401:なし)、回折回数を判定する(ステップS402)。回折判定部11は、ステップS402において、回折回数が1回折であると判定した場合(ステップS402:1回折)、ステップS403へ移行する。一方、回折判定部11は、ステップS402において、回折回数が2回折以上であると判定した場合(ステップS402:2回折以上)、ステップS406へ移行する。
一方、回折判定部11は、ステップS401において、海面回折があると判定した場合(ステップS401:あり)、ステップS408へ移行する。
回折損失算出部13は、ステップS402(1回折)から移行して、1個の反射点を算出し(ステップS403)、反射点の反射係数krを設定する(ステップS404)。そして、回折損失算出部13は、回折損失lfを算出し、近接リッジ付加損失算出部14は、近接リッジ付加損失lrを算出し(ステップS405)、図2のステップS207へ移行する。回折損失lfは、伝搬路途中の山、丘陵、構造物等の電波遮蔽物による伝搬損失である。回折損失lfの算出処理は既知である。
回折損失算出部13は、ステップS402(2回折以上)から移行して、n個(2個以上)の反射点を算出し(ステップS406)、それぞれの反射点の反射係数krを設定する(ステップS407)。そして、回折損失算出部13は、回折損失lfを算出し、近接リッジ付加損失算出部14は、近接リッジ付加損失lrを算出し(ステップS405)、図2のステップS207へ移行する。
尚、回折損失算出部13は、ステップS403,S406において反射点を算出する際に、図3に示した位相損失算出部12によるステップS301の処理を適用することができる。また、回折損失算出部13は、ステップS404,S407において反射係数krを設定する際に、図3に示した位相損失算出部12によるステップS302の処理を適用することができる。
回折損失算出部13は、ステップS401(あり)から移行して、回折損失lfを算出し、近接リッジ付加損失算出部14は、近接リッジ付加損失lrを算出し(ステップS408)、図2のステップS208へ移行する。
〔位相損失算出部12〕
次に、図1に示した位相損失算出部12について詳細に説明する。図5は、位相損失算出部12の構成例を示すブロック図である。この位相損失算出部12は、反射点算出手段20、反射係数設定手段21、テーブル22及び位相損失算出手段23を備えている。
反射点算出手段20は、送信点情報、受信点情報及び50mメッシュ標高データを入力し、これらの情報に基づいて、送信点と受信点との間の地形面αに、50mメッシュ標高データの各地点に対応するサンプル点ptを設定する。そして、反射点算出手段20は、図3に示したステップS301の処理にて、送受信高内分方式または入反射角度最小方式を用いて反射点を算出する。前述のとおり、反射点のデータは、反射点の位置(緯度、経度)及び情報(d11,d12,dst,glp)からなる。
反射点算出手段20は、反射点の位置を反射係数設定手段21に出力すると共に、反射点の情報を位相損失算出手段23に出力する。
反射係数設定手段21は、反射点算出手段20から反射点の位置を入力すると共に、100mメッシュ土地利用データを入力する。そして、反射係数設定手段21は、図3に示したステップS302の処理にて、100mメッシュ土地利用データ及びテーブル22を用いて、反射点の位置の土地利用区分に対応する反射係数krを設定する。反射係数設定手段21は、反射係数krを位相損失算出手段23に出力する。
図6は、テーブル22のデータ構成例を示す図である。このテーブル22には、土地利用区分(の識別子)と反射係数krとの間の関係が定義されており、土地利用区分及び当該土地利用区分に対応する反射係数krにより構成される。例えば、土地利用区分0の土地利用状況は「指定なし」を示し、土地利用区分1の土地利用状況は「田」を示す。
図5に戻って、位相損失算出手段23は、反射点算出手段20から反射点の情報を入力すると共に、反射係数設定手段21から反射係数krを入力し、さらに、送信点情報及び受信点情報を入力する。
位相損失算出手段23は、図3に示したステップS303の処理にて、送信点情報、受信点情報、反射点の情報及び反射係数krに基づいて、位相損失lsを算出し、位相損失lsを出力する。
(反射点算出手段20)
次に、図5に示した反射点算出手段20の処理について説明する。図7は、反射点算出手段20の処理例を示すフローチャートであり、図8は、送信高h1、受信高h2、送受信点間距離dst、送信反射点間距離d11等を説明する図である。
図7に示す反射点算出手段20の処理例を説明する前に、図8を参照して、反射点算出手段20の扱う送信高h1、受信高h2、送受信点間距離dst、送信反射点間距離d11等について説明する。
図8において、左上の丸点が送信点であり、右下の丸点が受信点であり、中央右側の丸点が反射点である。送信点に対応する(から最も近い)地球球面βの地点をaとし、受信点に対応する(から最も近い)地球球面βの地点をbとし、送信点の地点aから受信点の地点bまでの線を送受信点基準線γする。また、反射点に対応する(から最も近い)送受信点基準線γの地点をcとする。送信点と地点aとの間における地形面αの地点をeとし、受信点と地点bとの間における地形面αの地点をfとする。
送信点の地点eと受信点の地点fとの間の地形面αにおいて、サンプル点ptが設定される。このサンプル点ptは、50mメッシュ標高データの示すサンプル間隔から、緯度及び経度が算出される。サンプル点ptに対応する(から最も近い)送受信点基準線γの地点をdとする。
送信点の地点aから受信点の地点bまでの送受信点基準線γの距離が送受信点間距離dstである。送信点の地点aから反射点の地点cまでの距離が送信反射点間距離d11であり、反射点の地点cから受信点の地点bまでの距離が反射受信点間距離d12である。所定の基準地点(送信点)からサンプル点ptの地点dまでの距離がサンプル点距離pr_dist[pt]である。
地点cから反射点までの高さが反射点高glpであり、反射点の地形高h’及び反射点の地球球面高からなる。地点dからサンプル点ptまでの高さがサンプル点高pr_data[pt]であり、サンプル点ptの地形高及びサンプル点ptの地球球面高からなる。
ここで、送信点の地点eと受信点の地点fとの間のサンプル点ptの位置(経度、緯度)は、送信点情報、受信点情報及び50mメッシュ標高データに基づいて設定される。サンプル点距離pr_dist[pt]、サンプル点高pr_data[pt]、サンプル点ptの地形高及びサンプル点ptの地球球面高も同様である。尚、反射点は、必ずしもサンプル点ptの位置に一致するとは限らない。
図7を参照して、反射点算出手段20は、送信点情報、受信点情報及び50mメッシュ標高データを入力する(ステップS701)。そして、反射点算出手段20は、まず、送受信高内分方式を用いて、送信点の地点eと受信点の地点fとの間の地形面αにおける反射点(の位置及び情報)を算出する(ステップS702)。ステップS702により算出された反射点は仮のものであり、後述するステップS708にて新たな反射点が算出されることがあり得る。ステップS702の処理の詳細については後述する。
反射点算出手段20は、送信点情報及び受信点情報に基づいて、送受信点間距離dst、送信点と受信点との間の俯角、ステップS702にて算出した反射点が海であるか否か、及び反射点の入反射角度差を求める。ここで、反射点の入反射角度差は、後述するステップS706と同様の処理にて求められる。
反射点算出手段20は、所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS703)。所定の条件とは、以下の(A)または(B)または(C)の条件をいう。
(A)送受信点間距離dstが2km未満であること。
(B)俯角が0.1度以下であり、かつ反射点が海でないこと。
(C)入反射角度差が0.1度以下であること。尚、入反射角度差は、後述するステップS706と同様の処理にて算出される。
(A)~(C)のいずれか一つの条件を満たす場合、ステップS703における所定の条件を満たすこととなる。また、(A)~(C)の全ての条件を満たさない場合、ステップS703における所定の条件を満たさないこととなる。
反射点算出手段20は、ステップS703において、所定の条件を満たすと判定した場合(ステップS703:Y)、ステップS702にて算出済みの反射点を、当該反射点算出手段20の算出対象の反射点に決定する(ステップS704)。
これにより、(A)送受信点間距離dstが2km未満であり、または、(B)俯角が0.1度以下であり、かつ反射点が海でなく、または、(C)入反射角度差が0.1度以下である場合、反射点は、送受信高内分方式を用いて決定される。
反射点算出手段20は、ステップS703において、所定の条件を満たさないと判定した場合(ステップS703:N)、反射点の位置前後の所定領域において、フラットなサンプル点pt(フラットサンプル点)を特定する(ステップS705)。
具体的には、反射点算出手段20は、反射点を中心とした送受信点間距離dstの20%の距離の範囲内において、当該範囲内の全てのサンプル点ptのそれぞれにつき、その前後約500m(50mメッシュ標高データを用いる場合は500m(前後10ポイント))の高低差が3m未満であるか否かを判定する。サンプル点ptの前後約500mとは、サンプル点ptを中心とした約1kmに相当する。
そして、反射点算出手段20は、高低差が3m未満であると判定したサンプル点ptを、フラットなサンプル点に特定する。これにより、0個以上のフラットなサンプル点が特定される。ステップS705の処理の詳細については後述する。
反射点算出手段20は、ステップS705にて特定したフラットなサンプル点ptについて、入反射角度差を算出する(ステップS706)。ステップS706の処理の詳細については後述する。
反射点算出手段20は、サンプル点ptがフラットであり、かつ入反射角度差が0.3度以下のサンプル点ptが有るか否か(所定の条件を満たすか否か)を判定する(ステップS707)。ここで、入反射角度差は、前述のステップS706と同様の処理にて求められる。
所定の条件とは、以下の(D)かつ(E)の条件をいう。
(D)ステップS705にて特定したフラットなサンプル点ptが存在すること。
(E)ステップS706にて算出した入反射角度差について0.3度以下のサンプル点ptが存在すること。
(D)及び(E)の両方の条件を満たす場合、ステップS707における所定の条件を満たすこととなる。また、(D)及び(E)のいずれか一方の条件または両方の条件を満たさない場合、ステップS707における所定の条件を満たさないこととなる。
反射点算出手段20は、ステップS707において、サンプル点ptがフラットであり、かつ入反射角度差が0.3度以下のサンプル点ptが有ると判定した場合(ステップS707:Y)、入反射角度最小方式を用いて反射点を決定する(ステップS708)。
具体的には、反射点算出手段20は、前記(E)の条件を満たすフラットなサンプル点ptのうち、入反射角度差が最小の(最もフラットな)サンプル点ptを特定し、これを反射点に決定する。ステップS708の処理の詳細については後述する。
これにより、(A)送受信点間距離dstが2km未満であり、または、(B)俯角が0.1度以下であり、かつ反射点が海でなく、または、(C)入反射角度差が0.1度以下であるという条件を満たさず、(D)フラットなサンプル点ptが存在し、かつ(E)ステップS706にて算出した入反射角度差について0.3度以下のサンプル点ptが存在するという条件を満たす場合、反射点は、入反射角度最小方式を用いて算出される。
一方、反射点算出手段20は、ステップS707において、サンプル点ptがフラットでない、または、入反射角度差が0.3度以下のサンプル点ptがないと判定した場合(ステップS707:N)、ステップS702にて算出済みの反射点を、当該反射点算出手段20の算出対象の反射点に決定する(ステップS709)。
これにより、(A)送受信点間距離dstが2km未満であり、または、(B)俯角が0.1度以下であり、かつ反射点が海でなく、または、(C)入反射角度差が0.1度以下であるという条件を満たさず、(D)フラットなサンプル点ptが存在し、かつ(E)ステップS706にて算出した入反射角度差について0.3度以下のサンプル点ptが存在するという条件を満たさない場合、反射点は、送受信高内分方式を用いて算出される。
反射点算出手段20は、ステップS704、ステップS708またはステップS709から移行して、反射点の位置(緯度、経度)を反射係数設定手段21に出力する。また、反射点算出手段20は、反射点の情報(d11,d12,dst,glp)を位相損失算出手段23に出力する(ステップS710)。
(送受信高内分方式を用いた反射点算出処理:ステップS702)
次に、図7に示したステップS702の送受信高内分方式を用いた反射点算出処理例について説明する。前述のとおり、反射点算出手段20は、ステップS702において、送受信高内分方式を用いて、送信点の地点eと受信点の地点fとの間の地形面αにおける反射点を算出する。
図9は、送受信高内分方式を用いた反射点算出処理例(ステップS702)を示すフローチャートである。
反射点算出手段20は、図7のステップS701から移行して、最初に、反射点の海抜を0mと仮定して、送信高h1及び受信高h2の比率に基づいた内分方式にて、送信点と受信点との間を内分し、反射点の位置及び情報を求める(ステップS901)。ステップS901の処理の詳細については後述する。
反射点算出手段20は、次に、ステップS901にて求めた反射点の情報に含まれる反射点高glpから、反射点の地形高h’を算出する(ステップS902)。前述のとおり、反射点高glpは、反射点の地球球面高及び地形高h’からなる。また、反射点の地球球面高は、送信点の緯度及び経度、受信点の緯度及び経度、並びに反射点の緯度及び経度から算出することができる。したがって、反射点の地形高h’を算出することができる。
図10は、h1,h2の比率に基づいた内分方式処理例(ステップS901)及び地形高h’算出処理例(ステップS902)を説明する図である。送信高h1=100m、受信高h2=20mとすると、ステップS901の内分方式により、反射点の位置が反映される送信反射点間距離d11及び反射受信点間距離d12の比率は、送信高h1及び受信高h2と同じ比率となる。
送信高h1:受信高h2=10:2であるため、送信反射点間距離d11:反射受信点間距離d12=10:2となる。送信点の緯度及び経度、並びに受信点の緯度及び経度から、送受信点間距離dstが算出されるため、送信反射点間距離d11及び反射受信点間距離d12を算出することができ、結果として、反射点の位置である緯度及び経度も算出することができる。この場合、反射点の地形高h’=10mとなる。
このように、送信高h1=100m及び受信高h2=20mの比率(10:2)に基づいた内分方式により、反射点の位置及び情報を得ることができ、さらに反射点の地形高h’=10mを得ることができる。
図9に戻って、反射点算出手段20は、次に、送信高h1及び受信高h2から反射点の地形高h’を減算して、新たな送信高h1-h’及び受信高h2-h’を算出する。そして、反射点算出手段20は、送信高h1-h’及び受信高h2-h’の比率に基づいた内分方式にて、送信点と受信点との間を内分し、反射点の位置及び情報を求め(ステップS903)、図7のステップS703へ移行する。
このように、反射点算出手段20のステップS702の処理(ステップS901~ステップS903の処理)により、送受信高内分方式を用いて、反射点の位置及び情報が算出される。
図11は、h1-h’,h2-h’の比率に基づいた内分方式処理例(ステップS903)を説明する図であり、図10に対応した図である。送信高h1-h’=90m、受信高h2-h’=10mであるため、ステップS903の内分方式により、反射点の位置が反映される送信反射点間距離d11及び反射受信点間距離d12の比率は、送信高h1-h’及び受信高h2-h’と同じ比率となる。つまり、送信高h1-h’:受信高h2-h’=9:1であるため、送信反射点間距離d11:反射受信点間距離d12=9:1となる。
このように、送信高h1-h’=90m及び受信高h2-h’=10mの比率(9:1)に基づいた内分方式により、反射点の位置及び情報を得ることができる。
これにより、反射点算出手段20にて算出される反射点の位置及び情報について、ステップS901,S903の2回の内分方式処理が行われるため、反射点の地形高h’による誤差を少なくすることができる。つまり、精度の高い反射点の位置及び情報を得ることができる。
(h1,h2の比率に基づいた内分方式処理例:ステップS901)
次に、図9に示したステップS901の、h1,h2の比率に基づいた内分方式処理例について説明する。図12は、h1,h2の比率に基づいた内分方式処理例(ステップS901)を示すフローチャートである。
反射点算出手段20は、反射点の海抜を0mとして、送信点情報及び受信点情報を用いて、送信高h1及び受信高h2の比率に基づいた内分方式にて、送信反射点間距離d11、反射受信点間距離d12、送受信点間距離dst、及び反射点の位置(緯度、経度)を算出する(ステップS1201)。
図13は、h1,h2の比率に基づいた送信反射点間距離d11算出処理例(ステップS1201)の演算式を説明する図である。反射点算出手段20は、反射点高glp=0として、図13に示す式を用いて、送信高h1と受信高h2の比率に基づき、送信反射点間距離d11と反射受信点間距離d12を内分することで、送信反射点間距離d11を算出する。
図12に戻って、反射点算出手段20は、反射点前後の(反射点の位置に対して最も近くに存在する2つの)サンプル点pt,pt-1を特定する(ステップS1202)。内分方式では、反射点の位置とサンプル点ptの位置とが一致するとは限らない。ここでは、内分方式にて算出される反射点の位置を基準として、最も近いサンプル点pt,pt-1が特定される。
反射点算出手段20は、サンプル点pt,pt-1のサンプル点距離pr_dist[pt],pr_dist[pt-1]及び送信反射点間距離d11等に基づいて、後述する図15に示すサンプル点pt-1と反射点との間の距離d1(以下、「サンプル反射点距離d1」という。)、及び反射点とサンプル点ptとの間の距離d2(以下、「サンプル反射点距離d2」という。)を算出する(ステップS1203)。
反射点算出手段20は、サンプル反射点距離d1,d2及びサンプル点pt,pt-1のサンプル点高pr_data[pt],pr_data[pt-1]を用いた補間処理を行い、反射点高glpを算出する(ステップS1204)。
反射点算出手段20は、ステップS1201にて算出した送信反射点間距離d11、反射受信点間距離d12及び送受信点間距離dst、並びにステップS1204にて算出した反射点高glpから、反射点の情報(d11,d12,dst,glp)を生成する(ステップS1205)。
図14は、d1,d2算出処理例(ステップS1203)及び補間による反射点高glp算出処理例(ステップS1204)を示すフローチャート及び演算式を説明する図である。また、図15は、補間による反射点高glp算出処理例(ステップS1204)を説明する図である。
図15を参照して、サンプル点pt-1に対応する(から最も近い)送受信点基準線γの地点をgとし、サンプル点ptに対応する(から最も近い)送受信点基準線γの地点をhとする。また、サンプル反射点距離d1は、サンプル点pt-1の地点gと反射点の地点cとの間の距離であり、サンプル反射点距離d2は、反射点の地点cとサンプル点ptの地点hとの間の距離である。
図14を参照して、反射点算出手段20は、送信点のポイント番号であるnitxに1を加算した結果(送信点の隣(受信点側)のサンプル点の番号)を、サンプル点pt(のポイント番号)に設定する(ステップS1401)。
反射点算出手段20は、サンプル点ptのサンプル点距離pr_dist[pt]が、送信反射点間距離d11に送信点のサンプル点距離pr_dist[nitx]を加算した結果以下であり、かつサンプル点ptのポイント番号が受信点のポイント番号nitrよりも小さい条件を満たすか否かを判定する(ステップS1402)。
反射点算出手段20は、ステップS1402において、この条件を満たすと判定した場合(ステップS1402:Y)、サンプル点pt(のポイント番号)をインクリメントし(ステップS1403)、ステップS1402へ移行する。
一方、反射点算出手段20は、ステップS1402において、この条件を満たさないと判定した場合(ステップS1402:N)、ステップS1404へ移行する。
つまり、反射点算出手段20は、ステップS1402,S1403において、サンプル点pt(のポイント番号)をインクリメントしながら、サンプル点ptのサンプル点距離pr_dist[pt]が、送信反射点間距離d11に送信点のサンプル点距離pr_dist[nitx]を加算した結果を超えるサンプル点ptを特定する。
これにより、図15に示すサンプル点pt、すなわち、反射点がサンプル点pt-1とサンプル点ptとの間に存在するサンプル点pt(のポイント番号)が特定される。
反射点算出手段20は、サンプル反射点距離d1,d2を算出する(ステップS1404)。具体的には、反射点算出手段20は、送信反射点間距離d11に送信点のサンプル点距離pr_dist[nitx]を加算し、加算結果からサンプル点pt-1のサンプル点距離pr_dist[pt-1]を減算することで、サンプル反射点距離d1を求める。また、反射点算出手段20は、送信反射点間距離d11に送信点のサンプル点距離pr_dist[nitx]を加算し、サンプル点ptのサンプル点距離pr_dist[pt]から加算結果を減算することで、サンプル反射点距離d2を求める。
反射点算出手段20は、所定の式にて、サンプル点pt-1のサンプル点高pr_data[pt-1]及びサンプル点ptのサンプル点高pr_data[pt]を用いて、サンプル反射点距離d1,d2に比例した位置の反射点における反射点高glpを算出する(ステップS1405)。
(フラットサンプル点特定処理:ステップS705)
次に、図7に示したステップS705のフラットサンプル点特定処理例について説明する。前述のとおり、反射点算出手段20は、ステップS705において、反射点前後の所定領域において、フラットなサンプル点ptを特定する。前述のとおり、フラットとは、所定領域において所定高低差未満であることをいう。
図16は、フラットサンプル点特定処理例(ステップS705)を説明する図である。図16に示すように、反射点算出手段20により、反射点を中心とした送受信点間距離dstの20%の距離の範囲内において、当該範囲内の全てのサンプル点pt(サンプル点pt-0,・・・,pt-m)のそれぞれについて、前後約500mの高低差が3m未満であるか否かが判定される。そして、前後約500mの高低差が3m未満であるサンプル点ptが、フラットなサンプル点として特定される。
図17は、フラットサンプル点特定処理例(ステップS705)を示すフローチャートである。反射点算出手段20は、pに、フラットかどうかを確認するサンプル点ptのポイント番号を設定する(ステップS1701)。ポイント番号pは、反射点を中心とした送受信点間距離dstの20%の距離の範囲内におけるサンプル点ptのポイント番号である。
反射点を中心とした送受信点間距離dstの20%の距離の範囲内における全てのポイント番号pのそれぞれについて、ステップS1701~ステップS1706の処理が行われる。
反射点算出手段20は、ポイント番号pのサンプル点ptのサンプル点高pr_data[p]から、当該サンプル点ptの地球球面高を減算し、ポイント番号pにおける地形高の最大値max及び最小値minの初期値を設定する(ステップS1702)。前述のとおり、サンプル点ptの地球球面高は、送信点情報、受信点情報及び50mメッシュ標高データに基づいて設定される。
反射点算出手段20は、ポイント番号pのサンプル点ptの前後約500m内に含まれる全てのサンプル点において(ii:= -10 to 10)、地形高の最大値max及び最小値minを求める(ステップS1703)。そして、反射点算出手段20は、最大値maxから最小値minを減算した減算結果の絶対値を求め、その減算結果の絶対値が3m未満であるか否かを判定する(ステップS1704)。
反射点算出手段20は、ステップS1704において、減算結果の絶対値が3m未満であると判定した場合(ステップS1704:Y)、そのポイント番号pのサンプル点ptはフラットであると判定する(ステップS1705)。
一方、反射点算出手段20は、ステップS1704において、減算結果の絶対値が3m未満でないと判定した場合(ステップS1704:N)、そのポイント番号pのサンプル点ptはフラットでないと判定する(ステップS1706)。
このように、反射点算出手段20のステップS705の処理(ステップS1701~ステップS1706の処理)により、反射点を中心とした送受信点間距離dstの20%の距離の範囲内において、前後約500mの高低差が3m未満であるサンプル点ptが、フラットなサンプル点ptとして特定される。
(入反射角度差算出処理:ステップS706)
次に、図7に示したステップS706の入反射角度差算出処理例について説明する。前述のとおり、反射点算出手段20は、ステップS706において、サンプル点ptの入反射角度差を算出する。この処理は、図7に示したステップS703の(C)を判断する際にも用いられる。
図18は、地形面αがフラットな場合の入射角θa及び反射角θbを説明する図である。図18に示すように、地形面αがフラットな場合、送信高h1及び受信高h2が同じとき、サンプル点ptの入射角θa及び反射角θbは同じになる。
図19は、入反射角度差算出処理例(ステップS706)を示すフローチャートであり、図20は、入反射角度差算出処理例(ステップS706)を説明する図である。
図20を参照して、iをサンプル点ptのポイント番号とする。θ2は、送信点からポイント番号iのサンプル点ptへの直線と、送受信点基準線γに平行なサンプル点ptを通る直線との間の角度である。θ4は、受信点からポイント番号iのサンプル点ptへの直線と、送受信点基準線γに平行なサンプル点ptを通る直線との間の角度である。
θ1_i-1は、ポイント番号i-1のサンプル点からポイント番号iのサンプル点ptへの直線と、送受信点基準線γに平行なサンプル点ptを通る直線との間の角度である。θ1_i-10は、ポイント番号i-10のサンプル点からポイント番号iのサンプル点ptへの直線と、送受信点基準線γに平行なサンプル点ptを通る直線との間の角度である。
θ3_i+1は、ポイント番号i+1のサンプル点からポイント番号iのサンプル点ptへの直線と、送受信点基準線γに平行なサンプル点ptを通る直線との間の角度である。θ3_i+10は、ポイント番号i+10のサンプル点からポイント番号iのサンプル点ptへの直線と、送受信点基準線γに平行なサンプル点ptを通る直線との間の角度である。
図19を参照して、反射点算出手段20は、ポイント番号iのサンプル点ptから1ポイント前のポイント番号i-1のサンプル点についての角度θ1_i-1に、ポイント番号nitxの送信点についての角度θ2を加算し、入射角θin=θ1_i-1+θ2を求める(ステップS1901)。入射角θinは、ポイント番号iのサンプル点ptからみた、送信点とポイント番号i-1のサンプル点との間の角度である。
反射点算出手段20は、ポイント番号iのサンプル点ptから1ポイント後のポイント番号i+1のサンプル点についての角度θ3_i+1に、ポイント番号nitrの受信点についての角度θ4を加算し、反射角θout=θ3_i+1+θ4を求める(ステップS1902)。反射角θoutは、ポイント番号iのサンプル点ptからみた、受信点とポイント番号i+1のサンプル点との間の角度である。
反射点算出手段20は、入射角θinと反射角θoutの角度差θd=|θin-θout|を求める(ステップS1903)。
反射点算出手段20は、ポイント番号iのサンプル点ptから10ポイント前のポイント番号i-10のサンプル点についての角度θ1_i-10に、ポイント番号nitxの送信点についての角度θ2を加算し、入射角θin’=θ1_i-10+θ2を求める(ステップS1904)。入射角θin’は、ポイント番号iのサンプル点ptからみた、送信点とポイント番号i-10のサンプル点との間の角度である。
反射点算出手段20は、ポイント番号iのサンプル点ptから10ポイント後のポイント番号i+10のサンプル点についての角度θ3_i+10に、ポイント番号nitrの受信点についての角度θ4を加算し、反射角θout’=θ3_i+10+θ4を求める(ステップS1905)。反射角θout’は、ポイント番号iのサンプル点ptからみた、受信点とポイント番号i+10のサンプル点との間の角度である。
反射点算出手段20は、入射角θin’と反射角θout’の角度差θd’=|θin’-θout’|を求める(ステップS1906)。
反射点算出手段20は、角度差θdと角度差θd’の平均値である角度差平均θave=(θd+θd’)/2を求める(ステップS1907)。
反射点算出手段20は、角度差θd’及び角度差平均θaveの大きい方を、ポイント番号iのサンプル点ptの入反射角度差に決定する(ステップS1908)。
このように、反射点算出手段20のステップS706の処理(ステップS1901~ステップS1908の処理)により、サンプル点ptの入反射角度差が算出される。
〔反射係数設定手段21の処理〕
次に、図5に示した反射係数設定手段21の処理について詳細に説明する。前述のとおり、反射係数設定手段21は、100mメッシュ土地利用データ及びテーブル22を用いて、反射点の位置の土地利用区分に対応する反射係数krを設定する。図21は、反射係数設定手段21の処理例を示すフローチャートである。
反射係数設定手段21は、反射点算出手段20から反射点の位置を入力すると共に、100mメッシュ土地利用データを入力する(ステップS2101)。そして、反射係数設定手段21は、100mメッシュ土地利用データから、反射点の位置に対応する土地利用区分を特定する(ステップS2102)。
反射係数設定手段21は、図6に示したテーブル22から、その土地利用区分に対応する反射係数krを読み出し、これを位相損失算出手段23が用いる反射係数krに設定する(ステップS2103)。反射係数設定手段21は、反射係数krを位相損失算出手段23に出力する(ステップS2104)。
このように、反射係数設定手段21のステップS2101~ステップS2104の処理により、100mメッシュ土地利用データ及びテーブル22を用いて、反射点の反射係数krが設定される。
〔位相損失算出手段23の処理〕
次に、図5に示した位相損失算出手段23の処理について詳細に説明する。前述のとおり、位相損失算出手段23は、送信点情報、受信点情報、反射点の情報及び反射係数krに基づいて、位相損失lsを算出する。図22は、位相損失算出手段23の処理例を示すフローチャートである。
位相損失算出手段23は、反射点算出手段20から反射点の情報を入力すると共に、反射係数設定手段21から反射係数krを入力し、さらに、送信点情報及び受信点情報を入力する(ステップS2201)。
位相損失算出手段23は、以下の式にて、送受信点電波通路長dld、送信反射点電波通路長dld1及び反射受信点電波通路長dld2を算出する(ステップS2202)。
[数2]
dld=√((h1-h2)2+dst2) ・・・(2)
[数3]
dld1=√(h12+dll2) ・・・(3)
[数4]
dld2=√(h22+dl22) ・・・(4)
送受信点電波通路長dldは、送信点から受信点までの間の直接波の電波通路長であり、前記式(2)のとおり、送信高h1、受信高h2及び送受信点間距離dstに基づいて算出される。
送信反射点電波通路長dld1は、送信点から反射点までの間の電波通路長であり、前記式(3)のとおり、送信高h1及び送信反射点間距離d11に基づいて算出される。厳密には、反射点高glpも用いて、以下の式にて算出される。
[数5]
dld1=√((h1-glp)2+dll2) ・・・(5)
反射受信点電波通路長dld2は、反射点から受信点までの間の電波通路長であり、前記式(4)のとおり、受信高h2及び反射受信点間距離d12に基づいて算出される。厳密には、反射点高glpも用いて、以下の式にて算出される。
[数6]
dld2=√((h2-glp)2+dl22) ・・・(6)
位相損失算出手段23は、送信反射点電波通路長dld1に反射受信点電波通路長dld2を加算し、加算結果から送受信点電波通路長dldを減算することで、直接波と反射波の通路差(dld1+dld2-dld)を求める。
位相損失算出手段23は、以下の式にて、電波の周波数λ及び通路差(dld1+dld2-dld)に基づいて、位相θを算出する(ステップS2203)。
[数7]
θ=(2π/λ)(dld1+dld2-dld) ・・・(7)
位相損失算出手段23は、以下の式にて、反射係数kr及び位相θに基づいて、位相損失lsを算出し(ステップS2204)、位相損失lsを出力する(ステップS2205)。
[数8]
ls=-20*log(√(1+kr2-(2kr*cosθ)))[dB] ・・・(8)
このように、位相損失算出手段23のステップS2201~ステップS2205の処理により、送信点情報、受信点情報、反射点の情報及び反射係数krに基づいて、位相損失lsが算出される。
以上のように、本発明の実施形態の電界強度算出装置1によれば、位相損失算出部12の反射点算出手段20は、送信点情報、受信点情報及び50mメッシュ標高データに基づいて、送信点と受信点との間の地形面αに、50mメッシュ標高データの各地点に対応するサンプル点ptを設定する。
反射点算出手段20は、送受信高内分方式を用いて、送信高h1及び受信高h2等から反射点の位置を算出し、反射点前後のサンプル点pt,pt-1を特定し、サンプル点距離pr_dist[pt],pr_dist[pt-1]及びサンプル点高pr_data[pt],pr_data[pt-1]等から反射点高glpを算出することで、反射点の情報を求める。
反射点算出手段20は、送受信点間距離dstが2km未満であること等の条件を満たす場合(前述の(A)~(C)のいずれかの条件を満たす場合)、送受信高内分方式を用いて算出した位置及び情報を、反射点の位置及び情報に決定する。
一方、反射点算出手段20は、送受信点間距離dstが2km未満であること等の条件を満たさない場合(前述の(A)~(C)の全ての条件を満たさない場合)、反射点前後の所定領域において、フラットなサンプル点を特定する。そして、反射点算出手段20は、フラットかつ入反射角度差が0.3度以下のサンプル点ptが有ることの条件を満たす場合(前述の(D)かつ(E)の条件を満たす場合)、入反射角度最小方式を用いて、当該条件を満たすフラットなサンプル点ptのうち、入反射角度差が最小のサンプル点ptを特定し、これを反射点に決定し、反射点の位置及び情報を決定する。
また、反射点算出手段20は、フラットかつ入反射角度差が0.3度以下のサンプル点ptが有ることの条件を満たさない場合(前述の(D)かつ(E)の条件を満たさない場合)、送受信高内分方式を用いて算出した位置及び情報を、反射点の位置及び情報に決定する。
反射係数設定手段21は、100mメッシュ土地利用データから、反射点の位置に対応する土地利用区分を特定し、テーブル22から、特定した土地利用区分に対応する反射係数krを読み出し、これを反射係数krに設定する。
位相損失算出手段23は、送信点情報、受信点情報、反射点の情報及び反射係数krに基づいて、送受信点電波通路長dld、送信反射点電波通路長dld1及び反射受信点電波通路長dld2を算出する。そして、位相損失算出手段23は、直接波と反射波の通路差(dld1+dld2-dld)を求め、電波の周波数λ及び通路差(dld1+dld2-dld)に基づいて位相θを算出し、反射係数kr及び位相θに基づいて位相損失lsを算出する。
これにより、地形の影響を考慮して反射点の位置及び情報が算出されるから、精度の高い位相損失lsを得ることができる。また、結果として、郵政省告示640号の規定に準拠し、かつ精度の高い電界強度Eh2を得ることができる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば前記実施形態では、電界強度算出装置1は、予め設定された50mメッシュ標高データを用いるようにしたが、50m以外のメッシュ長の標高データを用いるようにしてもよい。要するに、所定距離毎の各地点の標高値を含む標高データであれば何でもよい。
また、電界強度算出装置1は、予め設定された100mメッシュ土地利用データを用いるようにしたが、100m以外のメッシュ長の土地利用データを用いるようにしてもよい。要するに、所定距離毎の土地利用区分を含む土地利用データであれば何でもよい。
また、前記実施形態では、電界強度算出装置1の位相損失算出部12は、反射点算出手段20、反射係数設定手段21、テーブル22及び位相損失算出手段23を備えるようにした。これに対し、位相損失算出部12は、反射点算出手段20及び位相損失算出手段23のみを備え、反射係数設定手段21及びテーブル22を備えないようにしてもよい。この場合、位相損失算出手段23は、前記反射点の反射係数krを1とし、前記式(8)にて位相損失lsを算出する。
また、前記実施形態では、位相損失算出部12による位相損失lsの算出処理を、電界強度Eh2を算出する電界強度算出装置1の一部の処理に適用するようにした。これに対し、位相損失算出部12による処理は、電界強度算出装置1以外の装置の一部に適用するようにしてもよい。
尚、本発明の実施形態による電界強度算出装置1のハードウェア構成としては、通常のコンピュータを使用することができる。電界強度算出装置1は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、及びインターフェース等を備えたコンピュータによって構成される。
電界強度算出装置1に備えた自由空間電界強度算出部10、回折判定部11、位相損失算出部12、回折損失算出部13、近接リッジ付加損失算出部14、都市減衰損失算出部15及び電界強度算出部16の各機能は、これらの機能を記述した電界強度算出プログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。
また、位相損失算出部12に備えた反射点算出手段20、反射係数設定手段21、テーブル22及び位相損失算出手段23の各機能も、これらの機能を記述した位相損失算出プログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。
これらのプログラムは、前記記憶媒体に格納されており、CPUに読み出されて実行される。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもでき、ネットワークを介して送受信することもできる。
1 電界強度算出装置
10 自由空間電界強度算出部
11 回折判定部
12 位相損失算出部
13 回折損失算出部
14 近接リッジ付加損失算出部
15 都市減衰損失算出部
16 電界強度算出部
20 反射点算出手段
21 反射係数設定手段
22 テーブル
23 位相損失算出手段
E0 自由空間電界強度
ls 位相損失
lr 近接リッジ付加損失
lf 回折損失
Γ 都市減衰損失
h2 電界強度
h1 送信高(送信点の海抜高)
h2 受信高(受信点の海抜高)
dst 送受信点間距離
d11 送信反射点間距離
d12 反射受信点間距離
glp 反射点高(反射点の地球球面高+地形高)
h’ 反射点の地形高
pt サンプル点
pr_dist[pt] サンプル点距離
pr_data[pt] サンプル点高(サンプル点ptの地球球面高+地形高)
d1,d2 サンプル反射点距離
α 地形面
β 地球球面
γ 送受信点基準線
kr 反射係数
dld 送受信点電波通路長
dld1 送信反射点電波通路長
dld2 反射受信点電波通路長
θa,θin,θin’ 入射角
θb,θout,θout’ 反射角
θd,θd’ 角度差
θave 角度差平均
i ポイント番号
nitx 送信点のポイント番号
nitr 受信点のポイント番号

Claims (7)

  1. 送信点から送出される電波を受信点で受信する際の位相損失を算出する位相損失算出プログラムにおいて、
    コンピュータを、
    前記送信点の緯度、経度及び送信高を含む送信点情報、前記受信点の緯度、経度及び受信高を含む受信点情報、並びに所定距離毎の各地点の標高値を含む標高データに基づいて、前記電波が地形面に反射する反射点の緯度及び経度を示す反射点位置を算出すると共に、前記反射点の高さを示す反射点高を含む反射点情報を算出する反射点算出手段、
    前記反射点算出手段により算出された前記反射点位置の土地利用区分に基づいて、前記反射点位置の反射係数を設定する反射係数設定手段、及び、
    前記送信点情報、前記受信点情報、及び前記反射点算出手段により算出された前記反射点情報に基づいて、前記送信点から前記受信点までの第1電波通路長、前記送信点から前記反射点までの第2電波通路長、及び前記反射点から前記受信点までの第3電波通路長を算出し、前記第1電波通路長、前記第2電波通路長、前記第3電波通路長、前記電波の周波数、及び前記反射係数設定手段により設定された前記反射係数に基づいて、前記位相損失を算出する位相損失算出手段、として機能させるための位相損失算出プログラム。
  2. 請求項に記載の位相損失算出プログラムにおいて、
    前記反射係数設定手段は、
    所定距離毎の前記土地利用区分を含む土地利用データを用いて、前記反射点算出手段により算出された前記反射点位置の前記土地利用区分を特定し、前記土地利用区分と前記反射係数との間の関係が定義されたテーブルを用いて、前記反射点位置の前記土地利用区分に対応する前記反射係数を設定する、ことを特徴とする位相損失算出プログラム。
  3. 送信点から送出される電波を受信点で受信する際の位相損失を算出する位相損失算出プログラムにおいて、
    コンピュータを、
    前記送信点の緯度、経度及び送信高を含む送信点情報、前記受信点の緯度、経度及び受信高を含む受信点情報、並びに所定距離毎の各地点の標高値を含む標高データに基づいて、前記電波が地形面に反射する反射点の緯度及び経度を示す反射点位置を算出すると共に、前記反射点の高さを示す反射点高を含む反射点情報を算出する反射点算出手段、及び、
    前記送信点情報、前記受信点情報、及び前記反射点算出手段により算出された前記反射点情報に基づいて、前記送信点から前記受信点までの第1電波通路長、前記送信点から前記反射点までの第2電波通路長、及び前記反射点から前記受信点までの第3電波通路長を算出し、前記第1電波通路長、前記第2電波通路長、前記第3電波通路長及び前記電波の周波数に基づいて、前記位相損失を算出する位相損失算出手段、として機能させ、
    前記反射点算出手段は、
    前記送信点情報、前記受信点情報及び前記標高データに基づいて、前記送信点と前記受信点との間の前記地形面に、前記標高データの前記地点に対応するサンプル点を設定し、
    前記送信高及び前記受信高の比率に基づいて、前記送信点と前記受信点との間を内分することで、前記反射点位置を算出し、前記反射点位置の最も近くに存在する2つの前記サンプル点を特定し、
    前記反射点位置、2つの前記サンプル点の前記地点及び前記標高値に基づいて、前記反射点情報を算出する、ことを特徴とする位相損失算出プログラム。
  4. 送信点から送出される電波を受信点で受信する際の位相損失を算出する位相損失算出プログラムにおいて、
    コンピュータを、
    前記送信点の緯度、経度及び送信高を含む送信点情報、前記受信点の緯度、経度及び受信高を含む受信点情報、並びに所定距離毎の各地点の標高値を含む標高データに基づいて、前記電波が地形面に反射する反射点の緯度及び経度を示す反射点位置を算出すると共に、前記反射点の高さを示す反射点高を含む反射点情報を算出する反射点算出手段、及び、
    前記送信点情報、前記受信点情報、及び前記反射点算出手段により算出された前記反射点情報に基づいて、前記送信点から前記受信点までの第1電波通路長、前記送信点から前記反射点までの第2電波通路長、及び前記反射点から前記受信点までの第3電波通路長を算出し、前記第1電波通路長、前記第2電波通路長、前記第3電波通路長及び前記電波の周波数に基づいて、前記位相損失を算出する位相損失算出手段、として機能させ、
    前記反射点算出手段は、
    前記送信点情報、前記受信点情報及び前記標高データに基づいて、前記送信点と前記受信点との間の前記地形面に、前記標高データの前記地点に対応するサンプル点を設定し、
    前記送信高及び前記受信高の比率に基づいて、前記送信点と前記受信点との間を内分することで、第1反射点位置を算出し、前記第1反射点位置の最も近くに存在する2つの前記サンプル点を第1サンプル点として特定し、
    前記第1反射点位置、2つの前記第1サンプル点の前記地点及び前記標高値に基づいて、第1反射点情報を算出し、
    前記送信高から前記第1反射点情報に含まれる前記反射点高を減算し、新たな送信高を求め、前記受信高から前記第1反射点情報に含まれる前記反射点高を減算し、新たな受信高を求め、
    前記新たな送信高及び前記新たな受信高の比率に基づいて、前記送信点と前記受信点との間を内分することで、前記反射点位置を算出し、前記反射点位置の最も近くに存在する2つの前記サンプル点を第2サンプル点として特定し、
    前記反射点位置、2つの前記第2サンプル点の前記地点及び前記標高値に基づいて、前記反射点情報を算出する、ことを特徴とする位相損失算出プログラム。
  5. 送信点から送出される電波を受信点で受信する際の位相損失を算出する位相損失算出プログラムにおいて、
    コンピュータを、
    前記送信点の緯度、経度及び送信高を含む送信点情報、前記受信点の緯度、経度及び受信高を含む受信点情報、並びに所定距離毎の各地点の標高値を含む標高データに基づいて、前記電波が地形面に反射する反射点の緯度及び経度を示す反射点位置を算出すると共に、前記反射点の高さを示す反射点高を含む反射点情報を算出する反射点算出手段、及び、
    前記送信点情報、前記受信点情報、及び前記反射点算出手段により算出された前記反射点情報に基づいて、前記送信点から前記受信点までの第1電波通路長、前記送信点から前記反射点までの第2電波通路長、及び前記反射点から前記受信点までの第3電波通路長を算出し、前記第1電波通路長、前記第2電波通路長、前記第3電波通路長及び前記電波の周波数に基づいて、前記位相損失を算出する位相損失算出手段、として機能させ、
    前記反射点算出手段は、
    前記送信点情報、前記受信点情報及び前記標高データに基づいて、前記送信点と前記受信点との間の前記地形面に、前記標高データの前記地点に対応するサンプル点を設定し、
    前記送信高及び前記受信高の比率に基づいて、前記送信点と前記受信点との間を内分することで、仮反射点位置を算出し、前記仮反射点位置の最も近くに存在する2つの前記サンプル点を特定し、
    前記仮反射点位置、2つの前記サンプル点の前記地点及び前記標高値に基づいて、仮反射点情報を算出し、
    前記仮反射点位置を含む所定領域内で、所定高低差未満のフラットな領域を有する前記サンプル点を、フラットサンプル点として特定し、前記フラットサンプル点における入射角と反射角との間の差を入反射角度差として算出し、前記入反射角度差が最小となる前記フラットサンプル点の位置を前記反射点位置として決定し、前記フラットサンプル点の高さを含む情報を前記反射点情報として決定する、ことを特徴とする位相損失算出プログラム。
  6. 送信点から送出される電波を受信点で受信する際の位相損失を算出する位相損失算出プログラムにおいて、
    コンピュータを、
    前記送信点の緯度、経度及び送信高を含む送信点情報、前記受信点の緯度、経度及び受信高を含む受信点情報、並びに所定距離毎の各地点の標高値を含む標高データに基づいて、前記電波が地形面に反射する反射点の緯度及び経度を示す反射点位置を算出すると共に、前記反射点の高さを示す反射点高を含む反射点情報を算出する反射点算出手段、及び、
    前記送信点情報、前記受信点情報、及び前記反射点算出手段により算出された前記反射点情報に基づいて、前記送信点から前記受信点までの第1電波通路長、前記送信点から前記反射点までの第2電波通路長、及び前記反射点から前記受信点までの第3電波通路長を算出し、前記第1電波通路長、前記第2電波通路長、前記第3電波通路長及び前記電波の周波数に基づいて、前記位相損失を算出する位相損失算出手段、として機能させ、
    前記反射点算出手段は、
    前記送信点情報、前記受信点情報及び前記標高データに基づいて、前記送信点と前記受信点との間の前記地形面に、前記標高データの前記地点に対応するサンプル点を設定し、
    前記送信高及び前記受信高の比率に基づいて、前記送信点と前記受信点との間を内分することで、仮反射点位置を算出し、前記仮反射点位置の最も近くに存在する2つの前記サンプル点を特定し、
    前記仮反射点位置、2つの前記サンプル点の前記地点及び前記標高値に基づいて、仮反射点情報を算出し、
    前記送信点の地球球面地点と前記受信点の地球球面地点との間の距離を送受信点間距離として、前記送受信点間距離が所定距離未満の場合、前記仮反射点位置を前記反射点位置として決定し、
    前記送受信点間距離が所定距離以上である場合、前記仮反射点位置を含む所定領域内で、所定高低差未満のフラットな領域を有する前記サンプル点をフラットサンプル点として、前記フラットサンプル点が存在するか否かを判定し、
    前記フラットサンプル点が存在する場合、前記フラットサンプル点における入射角と反射角との間の差を入反射角度差として算出し、前記入反射角度差が最小となる前記フラットサンプル点の位置を前記反射点位置として決定し、前記フラットサンプル点の高さを含む情報を前記反射点情報として決定し、
    前記フラットサンプル点が存在しない場合、前記仮反射点位置を前記反射点位置として決定し、前記仮反射点情報を前記反射点情報として決定する、ことを特徴とする位相損失算出プログラム。
  7. 送信点から送出される電波を受信する受信点の電界強度を算出する電界強度算出装置において、
    前記送信点の緯度、経度及び送信高を含む送信点情報、並びに前記受信点の緯度、経度及び受信高を含む受信点情報に基づいて、前記送信点から送出された前記電波が障害のない状態で空間を伝搬したときの前記受信点の自由空間電界強度を算出する自由空間電界強度算出部と、
    前記送信点と前記受信点との間の直接波及び反射波の干渉により生じる損失を、位相損失として算出する位相損失算出部と、
    前記自由空間電界強度算出部により算出された前記自由空間電界強度から、前記位相損失算出部により算出された前記位相損失を含む損失を減算し、前記受信点の前記電界強度を求める電界強度算出部と、を備え、
    前記位相損失算出部は、
    前記送信点情報、前記受信点情報、並びに所定距離毎の各地点の標高値を含む標高データに基づいて、前記電波が地形面に反射する反射点の緯度及び経度を示す反射点位置を算出すると共に、前記反射点の高さを示す反射点高を含む反射点情報を算出する反射点算出手段、
    前記反射点算出手段により算出された前記反射点位置の土地利用区分に基づいて、前記反射点位置の反射係数を設定する反射係数設定手段、及び、
    前記送信点情報、前記受信点情報、及び前記反射点算出手段により算出された前記反射点情報に基づいて、前記送信点から前記受信点までの第1電波通路長、前記送信点から前記反射点までの第2電波通路長、及び前記反射点から前記受信点までの第3電波通路長を算出し、前記第1電波通路長、前記第2電波通路長、前記第3電波通路長前記電波の周波数、及び前記反射係数設定手段により設定された前記反射係数に基づいて、前記位相損失を算出する位相損失算出手段、を備えたことを特徴とする電界強度算出装置。
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