JP7220440B2 - 通信調停装置、コンピュータに実行させるためのプログラム、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体およびデータ構造 - Google Patents

通信調停装置、コンピュータに実行させるためのプログラム、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体およびデータ構造 Download PDF

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Description

この発明は、通信調停装置、コンピュータに実行させるためのプログラム、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体およびデータ構造に関する。
第5世代移動通信システムにおける様々な通信性能に対する要求を満足するために、更なる周波数資源が必要になっている。その中で、時間や場所において利用のない周波数を共用する技術が注目を集めている(非特許文献1)。周波数を共用するためには、既存の無線システム(1次利用者)に干渉を与えないように、1次利用者の利用状況を逐次把握する必要がある。これに対して、移動機をセンサ端末として1次利用者の利用状況(電力分布)を推定するシステムが提案されている(非特許文献2)。また、移動機がデータをサーバに送る際のデータ量を軽減するために、移動機のすれ違い通信を利用したデータ集約方式についても提案されている(非特許文献3)。
総務省,"電波政策 2020懇談会報告書",June 2016. 松野,他,"第5世代移動通信システムにおける異無線システム間の周波数共用に向けた取り組み,"信学技法,RCS116,Oct.2016. 玉井,他,"参加型センシングにおけるセルラ通信の負荷軽減のための端末間データ収集方式,"第24回マルチメディ ア通信と分散処理ワークショップ論文集,pp.84-91,Oct. 2016.
しかし、従来の周波数を共用する技術においては、1次利用者に干渉を与えない通信条件を2次利用者側で判定し、1次利用者に干渉を与えないように2次利用者の通信条件を調停することが行われていない。その結果、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避することが困難である。
そこで、この発明の実施の形態によれば、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の通信条件を調停する通信調停装置を提供する。
また、この発明の実施の形態によれば、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の通信条件の調停をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
更に、この発明の実施の形態によれば、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の通信条件の調停をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
更に、この発明の実施の形態によれば、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の通信条件を調停するためのデータ構造を提供する。
(構成1)
この発明の実施の形態によれば、通信調停装置は、判定手段と、調停手段とを備える。判定手段は、1次利用者の通信範囲と2次利用者の通信範囲とに基づいて、2次利用者の無線通信が1次利用者の無線通信と干渉するか否かを判定する。調停手段は、判定手段が2次利用者の無線通信が前記1次利用者の無線通信と干渉すると判定したとき、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の無線通信の通信条件を調停する。
(構成2)
構成1において、1次利用者の通信範囲の中心と2次利用者の通信範囲の中心とを結んだ直線に平行であり、かつ、1次利用者の通信範囲の中心から2次利用者の通信範囲の中心へ向かう方向において1次利用者の通信範囲の中心から1次利用者の通信範囲を規定する線までの距離を第1の距離とし、直線に平行であり、かつ、2次利用者の通信範囲の中心から1次利用者の通信範囲の中心へ向かう方向において2次利用者の通信範囲の中心から2次利用者の通信範囲を規定する線までの距離を第2の距離とし、1次利用者の通信範囲の中心と2次利用者の通信範囲の中心との距離を第3の距離としたとき、判定手段は、第3の距離が、第1の距離と第2の距離との和以下であるか否かを判定する第1の判定処理を行い、第1の判定処理において、第3の距離が、第1の距離と第2の距離との和以下であると判定したとき、2次利用者の無線通信が1次利用者の無線通信と干渉すると判定する。
(構成3)
構成2において、判定手段は、1次利用者の無線通信に用いられる第1の周波数帯域と2次利用者の無線通信に用いられる第2の周波数帯域とが少なくとも一部で重なるか否かを判定する第2の判定処理を更に行い、第1の判定処理において、第3の距離が、第1の距離と第2の距離との和以下であると判定し、かつ、第2の判定処理において、第1の周波数帯域と第2の周波数帯域とが少なくとも一部で重なると判定したとき、2次利用者の無線通信が1次利用者の無線通信と干渉すると判定する。
(構成4)
構成2または構成3において、第1の距離は、1次利用者の通信範囲を規定する円の半径であり、第2の距離は、2次利用者の通信範囲を規定する円の半径である。
(構成5)
構成1から構成4のいずれかにおいて、1次利用者の通信範囲の中心と2次利用者の通信範囲の中心とを結んだ直線に平行であり、かつ、1次利用者の通信範囲の中心から2次利用者の通信範囲の中心へ向かう方向において1次利用者の通信範囲の中心から1次利用者の通信範囲を規定する線までの距離を第1の距離とし、直線に平行であり、かつ、2次利用者の通信範囲の中心から1次利用者の通信範囲の中心へ向かう方向において2次利用者の通信範囲の中心から2次利用者の通信範囲を規定する線までの距離を第2の距離とし、1次利用者の通信範囲の中心と2次利用者の通信範囲の中心との距離を第3の距離としたとき、調停手段は、第3の距離が、第1の距離と第2の距離との和以下であるか否かを判定し、その判定結果に応じて、2次利用者の無線通信の停止、2次利用者の無線通信における送信電力の調整および2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整のいずれかによって2次利用者の無線通信の通信条件を調停する。
(構成6)
構成5において、調停手段は、第3の距離が、第1の距離と第2の距離との和以下であると判定したとき、2次利用者の無線通信の停止によって2次利用者の無線通信の通信条件を調停し、第3の距離が、第1の距離と第2の距離との和以下でないと判定したとき、1次利用者の通信範囲の時間による軌跡が2次利用者の通信範囲の中心を通過するか否かを更に判定し、その判定結果に応じて、2次利用者の無線通信における送信電力の調整および2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整のいずれかによって2次利用者の無線通信の通信条件を調停する。
(構成7)
構成6において、調停手段は、1次利用者の通信範囲の時間による軌跡が2次利用者の通信範囲の中心を通過すると判定したとき、2次利用者の無線通信における送信電力の調整によって2次利用者の無線通信の通信条件を調停し、1次利用者の通信範囲の時間による軌跡が2次利用者の通信範囲の中心を通過しないと判定したとき、2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整によって2次利用者の無線通信の通信条件を調停する。
(構成8)
構成6または構成7において、調停手段は、2次利用者の無線通信における送信電力の調整および2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整のいずれかによって2次利用者の無線通信の通信条件を調停したとき、更に、マルチホップによる無線通信への変更によって2次利用者が1次利用者と周波数帯域を共用した無線通信を行えるように調停し、2次利用者の無線通信の停止によって2次利用者の無線通信の通信条件を調停したとき、更に、無線通信網の変更によって2次利用者が1次利用者と周波数帯域を共用した無線通信を行えるように調停する。
(構成9)
また、この発明の実施の形態によれば、プログラムは、判定手段が、1次利用者の通信範囲と2次利用者の通信範囲とに基づいて、2次利用者の無線通信が1次利用者の無線通信と干渉するか否かを判定する第1のステップと、調停手段が、判定手段が2次利用者の無線通信が1次利用者の無線通信と干渉すると判定したとき、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の無線通信の通信条件を調停する第2のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
(構成10)
構成9において、1次利用者の通信範囲の中心と2次利用者の通信範囲の中心とを結んだ直線に平行であり、かつ、1次利用者の通信範囲の中心から2次利用者の通信範囲の中心へ向かう方向において1次利用者の通信範囲の中心から1次利用者の通信範囲を規定する線までの距離を第1の距離とし、直線に平行であり、かつ、2次利用者の通信範囲の中心から1次利用者の通信範囲の中心へ向かう方向において2次利用者の通信範囲の中心から2次利用者の通信範囲を規定する線までの距離を第2の距離とし、1次利用者の通信範囲の中心と2次利用者の通信範囲の中心との距離を第3の距離としたとき、
判定手段は、第1のステップにおいて、第3の距離が、第1の距離と第2の距離との和以下であるか否かを判定する第1の判定処理を行い、第1の判定処理において、第3の距離が、第1の距離と第2の距離との和以下であると判定したとき、2次利用者の無線通信が1次利用者の無線通信と干渉すると判定する。
(構成11)
構成10において、判定手段は、第1のステップにおいて、1次利用者の無線通信に用いられる第1の周波数帯域と2次利用者の無線通信に用いられる第2の周波数帯域とが少なくとも一部で重なるか否かを判定する第2の判定処理を更に行い、第1の判定処理において、第3の距離が、第1の距離と第2の距離との和以下であると判定し、かつ、第2の判定処理において、第1の周波数帯域と第2の周波数帯域とが少なくとも一部で重なると判定したとき、2次利用者の無線通信が1次利用者の無線通信と干渉すると判定する。
(構成12)
構成10または構成11において、第1の距離は、1次利用者の通信範囲を規定する円の半径であり、第2の距離は、2次利用者の通信範囲を規定する円の半径である。
(構成13)
構成9から構成12のいずれかにおいて、1次利用者の通信範囲の中心と2次利用者の通信範囲の中心とを結んだ直線に平行であり、かつ、1次利用者の通信範囲の中心から2次利用者の通信範囲の中心へ向かう方向において1次利用者の通信範囲の中心から1次利用者の通信範囲を規定する線までの距離を第1の距離とし、直線に平行であり、かつ、2次利用者の通信範囲の中心から1次利用者の通信範囲の中心へ向かう方向において2次利用者の通信範囲の中心から2次利用者の通信範囲を規定する線までの距離を第2の距離とし、1次利用者の通信範囲の中心と2次利用者の通信範囲の中心との距離を第3の距離としたとき、
調停手段は、第2のステップにおいて、第3の距離が、第1の距離と第2の距離との和以下であるか否かを判定し、その判定結果に応じて、2次利用者の無線通信の停止、2次利用者の無線通信における送信電力の調整および2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整のいずれかによって2次利用者の無線通信の通信条件を調停する。
(構成14)
構成13において、調停手段は、第2のステップにおいて、第3の距離が、第1の距離と第2の距離との和以下であると判定したとき、2次利用者の無線通信の停止によって2次利用者の無線通信の通信条件を調停し、第3の距離が、第1の距離と第2の距離との和以下でないと判定したとき、1次利用者の通信範囲の時間による軌跡が2次利用者の通信範囲の中心を通過するか否かを更に判定し、その判定結果に応じて、2次利用者の無線通信における送信電力の調整および2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整のいずれかによって2次利用者の無線通信の通信条件を調停する。
(構成15)
構成14において、調停手段は、第2のステップにおいて、1次利用者の通信範囲の時間による軌跡が2次利用者の通信範囲の中心を通過すると判定したとき、2次利用者の無線通信における送信電力の調整によって2次利用者の無線通信の通信条件を調停し、1次利用者の通信範囲の時間による軌跡が2次利用者の通信範囲の中心を通過しないと判定したとき、2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整によって2次利用者の無線通信の通信条件を調停する。
(構成16)
構成14または構成15において、調停手段は、第2のステップにおいて、2次利用者の無線通信における送信電力の調整および2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整のいずれかによって2次利用者の無線通信の通信条件を調停したとき、更に、マルチホップによる無線通信への変更によって2次利用者が1次利用者と周波数帯域を共用した無線通信を行えるように調停し、2次利用者の無線通信の停止によって2次利用者の無線通信の通信条件を調停したとき、更に、無線通信網の変更によって2次利用者が1次利用者と周波数帯域を共用した無線通信を行えるように調停する。
(構成17)
更に、この発明の実施の形態によれば、記録媒体は、構成9から構成16のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
(構成18)
更に、この発明の実施の形態によれば、データ構造は、p(pは正の整数)個の1次利用者のp個の送信電力と、q(qは正の整数)個の2次利用者のq個の位置情報と、q個の2次利用者において検出された電波のq個の受信電力と、q個の2次利用者のq個のアンテナ利得と、q個の2次利用者のq個の送信電力とを含むデータ構造であって、q個の位置情報およびq個の受信電力は、演算手段が受信電力を重みとしたq個の位置情報の加重平均からなる1次利用者の位置を演算するのに用いられ、q個の位置情報および1次利用者の位置は、演算手段が1次利用者の通信範囲の中心とq個の2次利用者のq個の通信範囲の中心との距離を演算するのに用いられ、p個の送信電力およびq個の受信電力は、演算手段がp個の1次利用者のp個の通信範囲を演算するのに用いられ、q個のアンテナ利得およびq個の送信電力は、演算手段がq個の2次利用者のq個の通信範囲を演算するのに用いられ、距離、p個の通信範囲およびq個の通信範囲は、判定手段が、距離が相互に干渉するp個の通信範囲のいずれかとq個の通信範囲のいずれかとの和以下であるか否かを判定する第1の判定処理を実行するために用いられ、判定手段は、第1の判定処理において距離が相互に干渉するp個の通信範囲のいずれかとq個の通信範囲のいずれかとの和以下であると判定したとき、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉すると判定する。
(構成19)
構成18において、p個の通信範囲およびq個の通信範囲の各々は、円形形状を有する通信範囲の半径からなる。
(構成20)
構成18または構成19において、距離、p個の通信範囲およびq個の通信範囲は、更に、調停手段が1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の無線通信の通信条件を調停するのに用いられる。
(構成21)
構成18から構成20のいずれかにおいて、データ構造は、更に、p個の1次利用者から送信された電波のp個の周波数帯域と、q個の2次利用者から送信された電波のq個の周波数帯域とを含み、p個の周波数帯域およびq個の周波数帯域は、判定手段が、p個の周波数帯域のいずれかとq個の周波数帯域のいずれかとの少なくとも一部が重なるか否かを判定する第2の判定処理を更に実行するのに用いられ、判定手段は、第1の判定処理において距離が相互に干渉するp個の通信範囲のいずれかとq個の通信範囲のいずれかとの和以下であると判定し、かつ、第2の判定処理においてp個の周波数帯域のいずれかとq個の周波数帯域のいずれかとの少なくとも一部が重なると判定したとき、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉すると判定する。
1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避して2次利用者が無線通信を行うことができる。
この発明の実施の形態による無線通信システムの概略図である。 図1に示す通信調停装置の概略図である。 受信電力と波源からの距離との関係を示す図である。 1次利用者の電力状況の推定結果を示す表の概念図である。 2次利用者の決定情報を示す表の概略図である。 1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉するか否かを判定する方法を説明するための図である。 1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉するか否かを判定する別の方法を説明するための図である。 1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉するか否かを判定する更に別の方法を説明するための図である。 1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉の有無の判定結果を示す表の概念図である。 2次利用者の通信条件を調停する方法を説明するための図である。 2次利用者の通信条件を調停する方法を説明するための図である。 2次利用者の通信方法の変更を示す模式図である。 図1に示す通信調停装置の動作を説明するためのフローチャートである。 図13に示すステップS1の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 図13に示すステップS2の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 1次利用者および2次利用者の他の通信範囲の別の形状を示す図である。 1次利用者および2次利用者の通信範囲が任意の形状を有する場合における1次利用者および2次利用者の通信範囲を示す指標を説明するための図である。 この発明の実施の形態によるデータ構造を示す概略図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による無線通信システムの概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による無線通信システム10は、通信調停装置1と、複数の端末装置2,6と、基地局3,4と、複数のセンサ5と、複数のロボット7と、有線ケーブル8とを備える。
複数の端末装置2,6、基地局3,4、複数のセンサ5および複数のロボット7は、無線通信空間に配置される。図1において、波源Sは、既に周波数帯域が割り当てられている1次利用者であり、例えば、レーダおよび放送局等からなる。複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7は、2次利用者である。端末装置2は、例えば、スマートフォン等の携帯端末である。端末装置6は、例えば、テレメトリングを行う端末装置であり、より具体的には、遠隔地にある計測器などのデータを通信回線を使って収集する。センサ5は、例えば、固定センサである。
通信調停装置1は、有線ケーブル8を介して基地局3に接続される。通信調停装置1は、複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7の各々における位置情報および電波の受信電力等を含む端末情報を有線ケーブル8を介して基地局3から受信する。
そして、通信調停装置1は、複数の端末情報に基づいて、後述する方法によって、2次利用者の無線通信が1次利用者の無線通信と干渉するか否かを判定する。通信調停装置1は、2次利用者の無線通信が1次利用者の無線通信と干渉すると判定したとき、後述する方法によって、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の無線通信の通信条件を調停する。
複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7の各々は、定期的に、GPS(Global Positioning System)を用いて自己の位置を示す位置情報[x,y](iは、正の整数)を検出し、波源Sからの電波を受信したときの周波数帯域bw_S、下限周波数f_S_lowおよび受信電力RSSIを検出するとともに周波数帯域bw_S、下限周波数f_S_lowおよび受信電力RSSIを検出したときの時刻tを検出する。また、複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7の各々は、無線通信を行ったとき、位置情報[x,y]、送信開始時刻t_start、送信時間t_RF、送信電力POW_t、周波数帯域bw_Cおよび下限周波数f_C_lowを検出する。
位置情報[x,y]のxは、経度を表し、yは、緯度を表す。時刻tおよび送信開始時刻t_startは、YYYY/MM/DD/h/m/sによって表され、送信時間t_RFは、h/m/sによって表される。
複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7の各々は、自己の識別情報ID、位置情報[x,y]、周波数帯域bw_S、下限周波数f_S_low、受信電力RSSI、および時刻tを含む端末情報INFO_i=[ID/[x,y]/bw_S/f_S_low/RSSI/t]を生成し、その生成した端末情報INFO_i=[ID/[x,y]/bw_S/f_S_low/RSSI/t]を基地局3(または基地局4)へ送信する。
また、複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7の各々は、無線通信を行ったとき、自己の識別情報ID、自己の送信アンテナの利得g、位置情報[x,y]、送信開始時刻t_start、送信時間t_RF、送信電力POW_t,周波数帯域bw_Cおよび下限周波数f_C_lowを含む通信情報COM_i=[ID/g/[x,y]/t_start/t_RF/POW_t/bw_C/f_C_low]を生成し、その生成した通信情報COM_i=[ID/g/[x,y]/t_start/t_RF/POW_t/bw_C/f_C_low]を基地局3(または基地局4)へ送信する。
複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7の各々は、基地局3(または基地局4)を介して通信調停装置1から調停された通信条件を受信する。そして、例えば、複数の端末装置2および複数のロボット7は、その受信した通信条件に基づいて、領域REG1において共用周波数f1で無線通信を行い、複数の端末装置2およびセンサ5は、その受信した通信条件に基づいて、領域REG2において共用周波数f2で無線通信を行う。共用周波数f1は、共用周波数f2と同じであっても異なっていてもよい。
基地局3は、複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7の各々から端末情報INFO_iおよび通信情報COM_iを受信し、その受信した端末情報INFO_iおよび通信情報COM_iを有線ケーブル8を介して通信調停装置1へ送信する。また、基地局3は、基地局4から端末情報INFO_iおよび通信情報COM_iを受信し、その受信した端末情報INFO_iおよび通信情報COM_iを有線ケーブル8を介して通信調停装置1へ送信する。
基地局4は、複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7の各々から端末情報INFO_iおよび通信情報COM_iを受信し、その受信した端末情報INFO_iおよび通信情報COM_iを有線ケーブル(図示せず)を介して基地局3へ送信する。
図2は、図1に示す通信調停装置1の概略図である。図2を参照して、通信調停装置1は、受信手段11と、記憶手段12と、作成手段13と、判定手段14と、調停手段15と、送信手段16とを含む。
受信手段11は、有線ケーブル8を介して基地局3から端末情報INFO_iおよび通信情報COM_iを受信し、その受信した端末情報INFO_iおよび通信情報COM_iを記憶手段12に格納する。
記憶手段12は、受信手段11から受けた端末情報INFO_iおよび通信情報COM_iを記憶する。
作成手段13は、記憶手段12に記憶された端末情報INFO_iに基づいて、後述する方法によって、1次利用者の電力分布を推定し、その推定した電力分布推定結果を記憶手段12に格納する。
また、作成手段13は、記憶手段12に記憶された通信情報COM_iに基づいて、後述する方法によって、2次利用者の無線通信に関する決定情報を作成し、その作成した決定情報を記憶手段12に格納する。
判定手段14は、記憶手段12に記憶された1次利用者の電力分布推定結果および2次利用者の決定情報に基づいて、後述する方法によって、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉するか否かを判定し、その判定結果を調停手段15へ出力する。
調停手段15は、干渉の有無の判定結果を判定手段14から受ける。そして、調停手段15は、判定結果と、記憶手段12に記憶された1次利用者の電力分布推定結果および2次利用者の決定情報とに基づいて、後述する方法によって、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の通信条件を調停する。そうすると、調停手段15は、その調停結果を送信手段16へ出力する。
送信手段16は、調停結果を調停手段15から受け、その受けた調停結果を有線ケーブル8および基地局3(および基地局4)を介して複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7へ送信する。
1次利用者の電力分布を推定する方法について説明する。作成手段13は、複数の端末情報INFO_iを記憶手段12から読み出し、その読み出した複数の端末情報INFO_iに含まれる複数の位置情報[x,y]および複数の受信電力RSSIに基づいて波源位置を推定する。
波源位置の推定方法について説明する。
作成手段13は、次式によって、複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7の重心[x,y]を算出する。
Figure 0007220440000001
式(1)において、wは、i番目の端末装置(複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7のいずれか)のウェイトを表し、i番目の端末装置における受信電力RSSIからなる。
そして、作成手段13は、式(1)によって演算した重心(x,y)を波源位置として推定する。即ち、作成手段13は、受信電力RSSIによって重み付けされた複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7の重心[x,y]を波源位置として推定する。
図3は、受信電力と波源からの距離との関係を示す図である。図3において、縦軸は、受信電力を表し、横軸は、波源Sからの距離を表す。
図3を参照して、受信電力RSSIは、波源Sからの距離に反比例して減衰する。その結果、受信電力RSSIは、波源Sに近づくほど大きくなるので、波源Sの近傍の方が受信電力RSSIによる重み付けの効果が大きい。従って、重心[x,y]を波源位置とする推定法によって推定された推定値は、波源近傍に近づく。
作成手段13は、波源位置[x,y]を推定すると、その推定した波源位置[x,y]を用いて1次利用者の通信範囲を推定する。
より具体的には、作成手段13は、1次利用者から送信された電波の受信電力がある値(設定値)以下となる最大半径を1次利用者の通信範囲として推定する。設定値は、許容干渉電力および干渉マージン等を考慮して設定される。作成手段13は、記憶手段12に記憶された複数の端末情報INFO_iに含まれる複数の受信電力RSSIのうち、設定値以下となる受信電力RSSI_lowを検出し、その検出した受信電力RSSI_lowを有する端末装置(複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7のうちの少なくとも1つ)の位置と、波源位置[x,y]との距離を演算し、その演算した距離の最大値を1次利用者の通信範囲として推定する。
また、作成手段13は、1次利用者の送信電力が既知である場合、電波の伝搬モデルを用いて1次利用者の通信範囲を推定する。例えば、作成手段13は、電波の伝搬モデルとして自由空間伝搬モデルを用いる場合、次式に基づいて距離dprimaryを演算し、その演算した距離dprimaryを1次利用者の通信範囲として推定する。
Figure 0007220440000002
式(2)において、Pは、1次利用者の送信電力であり、Pは、端末装置(複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7のいずれか)の受信電力RSSIであり、λは、電波の波長である。なお、式(2)は、等方性アンテナを用いたときの関係式である。
作成手段13は、複数の端末情報INFO_iに含まれる複数の受信電力RSSIと1次利用者の送信電力とをそれぞれ式(2)のP,Pに代入し、複数の距離dprimaryを演算し、その演算した複数の距離dprimaryのうちの最大の距離を1次利用者の通信範囲として推定する。
図4は、1次利用者の電力状況の推定結果を示す表の概念図である。図4を参照して、表TBL-1は、1次利用者IDと、時刻と、下限周波数と、帯域幅と、経度と、緯度と、半径とを含む。1次利用者ID、時刻、下限周波数、帯域幅、経度、緯度および半径は、相互に対応付けられる。
作成手段13は、1次利用者の通信範囲の推定に用いた端末装置(複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7のいずれか)の端末情報INFO_i=[ID/[x,y]/bw_S/f_S_low/RSSI/t]を記憶手段12から読み出し、その読み出した端末情報INFO_i=[ID/[x,y]/bw_S/f_S_low/RSSI/t]から時刻t、下限周波数f_S_lowおよび帯域幅bw_Sを検出し、その検出した時刻t、下限周波数f_S_lowおよび帯域幅bw_Sをそれぞれ表TBL-1の時刻、下限周波数および帯域幅に格納する。
また、作成手段13は、1次利用者IDを表TBL-1の1次利用者IDに格納し、推定した波源位置[x,y]を表TBL-1の経度および緯度に格納し、推定した1次利用者の通信範囲(複数の距離dprimaryのうちの最大の距離)を表TBL-1の半径に格納する。
作成手段13は、全ての1次利用者について上記の処理を行い、表TBL-1を作成し、その作成した表TBL-1を記憶手段12に格納する。
図5は、2次利用者の決定情報を示す表の概略図である。図5を参照して、表TBL-2は、2次利用者IDと、送信開始時刻と、送信時間と、下限周波数と、帯域幅と、送信電力と、経度と、緯度と、送信アンテナ利得と、半径とを含む。2次利用者ID、送信開始時刻、送信時間、下限周波数、帯域幅、送信電力、経度、緯度、送信アンテナ利得および半径は、相互に対応付けられる。
作成手段13は、複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7の各々の通信情報COM_iを記憶手段12から読み出し、その読み出した通信情報COM_iから2次利用者ID、送信開始時刻t_start、送信時間t_RF、下限周波数f_C_low、帯域幅bw_C、送信電力POW_t、位置情報[x,y](=経度、緯度)、および送信アンテナ利得gを検出する。
そして、作成手段13は、次式に基づいて、複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7の各々から送信された電波の受信電力Rが設定値になる距離を演算する。
Figure 0007220440000003
式(3)において、Pは、端末装置(複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7のいずれか)の送信電力を表し、gは、アンテナ利得を表し、rは、端末装置(複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7のいずれか)からの距離を表し、λは、電波の波長を表す。
作成手段13は、受信電力の設定値、送信電力POW_tおよび送信アンテナ利得gをそれぞれ式(3)のR、Pおよびgに代入して受信電力Rが設定値になる距離rを演算する。そして、作成手段13は、その演算した距離rを2次利用者の通信範囲を表す半径とする。
そうすると、作成手段13は、2次利用者ID、送信開始時刻t_start、送信時間t_RF、下限周波数f_C_low、帯域幅bw_C、送信電力POW_t、位置情報[x,y]、送信アンテナ利得gおよび半径(=距離r)をそれぞれ表TBL-2の2次利用者ID、送信開始時刻、送信時間、下限周波数、帯域幅、送信電力、経度、緯度、送信アンテナ利得および半径に格納する。
作成手段13は、複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7の全てについて上記の処理を行い、表TBL-2を作成し、その作成した表TBL-2を記憶手段12に格納する。
なお、式(3)の右辺の第3項は、電波の自由空間伝搬モデルに従ったときの電波の伝搬損失を示す項である。この発明の実施の形態においては、作成手段13は、自由空間伝搬モデル以外の伝搬モデルに従った伝搬損失を用いて距離rを求めてもよい。従って、自由空間伝搬モデル以外の伝搬モデルに従った伝搬損失が用いられる場合、式(3)の右辺の第3項は、実際に使用する伝搬モデルに従った伝搬損失に変えられる。
干渉の有無を判定する方法について説明する。図6は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉するか否かを判定する方法を説明するための図である。
判定手段14は、記憶手段12に記録された表TBL-1の経度および緯度を1次利用者の通信範囲の中心Center1として検出し、表TBL-1の半径を1次利用者の通信範囲を表す半径rとして検出する。また、判定手段14は、記憶手段12に記録された表TBL-2の経度および緯度を2次利用者の通信範囲の中心Center2として検出し、表TBL-2の半径を2次利用者の通信範囲を表す半径rとして検出する。そして、判定手段14は、中心Center1と中心Center2との距離Dを演算する。
そうすると、判定手段14は、次式が成立するか否かを判定することによって、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉するか否かを判定する。
Figure 0007220440000004
より具体的には、判定手段14は、式(4)が成立すると判定したとき、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉すると判定し、式(4)が成立しないと判定したとき、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉しないと判定する。
式(4)が成立するとき、1次利用者の通信範囲は、2次利用者の通信範囲と接するか交差する(図6の(a)参照)。1次利用者の通信範囲が2次利用者の通信範囲と接した場合、1次利用者の通信範囲と2次利用者の通信範囲との接点に位置する端末装置(複数の端末装置2,6.複数のセンサ5および複数のロボット7のいずれか)は、1次利用者から送信された電波と、2次利用者から送信された電波との両方を受信可能である。
また、1次利用者の通信範囲が2次利用者の通信範囲と交差した場合、1次利用者の通信範囲と2次利用者の通信範囲との両方に存在する端末装置(複数の端末装置2,6.複数のセンサ5および複数のロボット7のいずれか)は、1次利用者から送信された電波と、2次利用者から送信された電波との両方を受信可能である。
このように、1次利用者の通信範囲が2次利用者の通信範囲と接するか交差する場合、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉する。
従って、式(4)が成立するとき、即ち、距離Dが半径rと半径rとの和(=r+r)以下であるとき、判定手段14は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉すると判定する。
一方、式(4)が成立しないとき、1次利用者の通信範囲は、2次利用者の通信範囲と接することがなく、交差することもない(図6の(b)参照)。その結果、1次利用者の通信範囲内に存在する端末装置(複数の端末装置2,6.複数のセンサ5および複数のロボット7のいずれか)は、2次利用者から送信された電波を受信せず、2次利用者の通信範囲内に存在する端末装置(複数の端末装置2,6.複数のセンサ5および複数のロボット7のいずれか)は、1次利用者から送信された電波を受信しない。
このように、1次利用者の通信範囲が2次利用者の通信範囲と接することがなく、交差することもない場合、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とは干渉しない。
従って、式(4)が成立しない場合、即ち、距離Dが半径rと半径rとの和(=r+r)よりも大きいとき、判定手段14は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉しないと判定する。
判定手段14は、全ての1次利用者および全ての2次利用者(複数の端末装置2,6.複数のセンサ5および複数のロボット7の全て)について、上述した方法によって、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉するか否かを判定する。
上述した干渉の有無の判定方法は、1次利用者と2次利用者とが同じ周波数帯域を共用していることを前提とした場合の判定方法である。
1次利用者と2次利用者とが同じ周波数帯域を共用していることを前提としない場合、判定手段14は、上記の判定方法に加え、次の判定方法を実行し、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉するか否かを判定する。
図7は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉するか否かを判定する別の方法を説明するための図である。
図7を参照して、1次利用者の周波数帯域bw1が2次利用者の周波数帯域bw2内の一部の周波数帯域である場合、1次利用者の周波数帯域bw1と2次利用者の周波数帯域bw2とは、一部において重なる(図7の(a)参照)。
また、2次利用者の周波数帯域bw2が1次利用者の周波数帯域bw1内の一部の周波数帯域である場合も、1次利用者の周波数帯域bw1と2次利用者の周波数帯域bw2とは、一部において重なる(図7の(b)参照)。
更に、1次利用者の周波数帯域bw1が2次利用者の周波数帯域bw2と異なる周波数帯域である場合、1次利用者の周波数帯域bw1と2次利用者の周波数帯域bw2とは、重ならない(図7の(c)参照)。
従って、判定手段14は、図6において説明した干渉の有無の判定方法において、距離Dが半径rと半径rとの和(=r+r)以下であると判定したとき、更に、1次利用者の周波数帯域bw1および2次利用者の周波数帯域bw2が少なくとも一部で重なるか否かを判定する。そして、判定手段14は、1次利用者の周波数帯域bw1および2次利用者の周波数帯域bw2が少なくとも一部で重なると判定したとき、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉すると判定する。
一方、判定手段14は、1次利用者の周波数帯域bw1および2次利用者の周波数帯域bw2が少なくとも一部で重ならないと判定したとき、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉しないと判定する。1次利用者の周波数帯域bw1および2次利用者の周波数帯域bw2が相互に異なるので、距離Dが半径rと半径rとの和(=r+r)以下であっても、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉は、生じないからである。
図8は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉するか否かを判定する更に別の方法を説明するための図である。
図8を参照して、図7において説明した干渉の有無の判定方法において、1次利用者の周波数帯域bw1および2次利用者の周波数帯域bw2が少なくとも一部で重なると判定されたとき、判定手段14は、更に、その重なった周波数帯域bw_overlap内において、1次利用者が使用しているサブ周波数帯域bw_sub_1,bw_sub_2が、2次利用者が使用しているサブ周波数帯域bw_sub_3と重なるか否かを判定する。
そして、判定手段14は、1次利用者が使用しているサブ周波数帯域bw_sub_1,bw_sub_2が、2次利用者が使用しているサブ周波数帯域bw_sub_3と重なると判定したとき(図8の(a)参照)、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉すると判定する。一方、判定手段14は、1次利用者が使用しているサブ周波数帯域bw_sub_1,bw_sub_2が、2次利用者が使用しているサブ周波数帯域bw_sub_3と重ならないと判定したとき(図8の(b)参照)、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉しないと判定する。
複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の通信方式によって無線通信を行うこともあり、そのような場合、図8に示す判定方法によって1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉の有無を判定する意義がある。
図6から図8において説明した干渉の有無の判定方法をそれぞれ判定方法1~判定方法3とした場合、判定手段14は、1次利用者と2次利用者とが同じ周波数帯域を共用していることを前提とするとき、判定方法1のみを用いて1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉するか否かを判定する。また、判定手段14は、1次利用者と2次利用者とが同じ周波数帯域を共用していることを前提としないとき、判定方法1,2を用いて1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉するか否かを判定してもよく、判定方法1~3を用いて1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉するか否かを判定してもよい。
なお、図7に示す周波数帯域bw1,bw2および図8に示すサブ周波数帯域bw_sub_1~bw_sub_3は、無線通信を行う周波数帯域を表す意味において同じである。従って、この発明の実施の形態においては、図7に示す周波数帯域bw1,bw2および図8に示すサブ周波数帯域bw_sub_1~bw_sub_3は、「第1の周波数帯域」または「第2の周波数帯域」を構成する。
図9は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉の有無の判定結果を示す表の概念図である。図9を参照して、表TBL-3は、1次利用者IDと2次利用者IDとを含む。そして、“1”は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉することを表し、“0”は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉しないことを表す。
従って、“0”の1次利用者IDを有する1次利用者の無線通信は、“2”の2次利用者IDを有する2次利用者(複数の端末装置2,6.複数のセンサ5および複数のロボット7のいずれか)の無線通信と干渉し、“3”の2次利用者IDを有する2次利用者(複数の端末装置2,6.複数のセンサ5および複数のロボット7のいずれか)の無線通信と干渉しない。
また、“1”の1次利用者IDを有する1次利用者の無線通信は、“2”の2次利用者IDを有する2次利用者(複数の端末装置2,6.複数のセンサ5および複数のロボット7のいずれか)の無線通信と干渉せず、“3”の2次利用者IDを有する2次利用者(複数の端末装置2,6.複数のセンサ5および複数のロボット7のいずれか)の無線通信と干渉する。
判定手段14は、上述した方法によって、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉するか否かを判定し、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉の有無の判定結果を示す表TBL-3を作成し、その作成した表TBL-3を調停手段15へ出力する。
1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉すると判定された場合における干渉を回避するための調停方法について説明する。
調停手段15は、干渉の有無の判定結果を示す表TBL-3を判定手段14から受ける。そして、調停手段15は、表TBL-3を参照して、無線通信が干渉する1次利用者と2次利用者とを検出する。
そして、調停手段15は、無線通信が相互に干渉すると判定された1次利用者および2次利用者について、記憶手段12に記録された表TBL-1の経度および緯度を1次利用者の通信範囲の中心Center1として検出し、表TBL-1の半径を1次利用者の通信範囲を表す半径rとして検出する。また、判定手段14は、記憶手段12に記録された表TBL-2の経度および緯度を2次利用者の通信範囲の中心Center2として検出し、表TBL-2の半径を2次利用者の通信範囲を表す半径rとして検出する。そして、判定手段14は、中心Center1と中心Center2との距離Dを演算する。
図10は、2次利用者の通信条件を調停する方法を説明するための図である。図10を参照して、調停手段15は、距離Dが半径rおよび半径rよりも大きいか否かを判定する。そして、調停手段15は、距離Dが半径rおよび半径rよりも大きいと判定したとき(図10の(a)参照)、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の通信パラメータを変更する。より具体的には、調停手段15は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の電力を調整し、または2次利用者から送信される電波の指向性を調整する。距離Dが半径rおよび半径rよりも大きいとき、2次利用者の中心位置が1次利用者の通信範囲外に存在しているので、2次利用者の電力または電波の指向性を調整することにより、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とを干渉を回避できるからである。
一方、調停手段15は、距離Dが半径rまたは半径rよりも小さいと判定したとき(図10の(b)参照)、2次利用者の無線通信を停止するように調停する。距離Dが半径rまたは半径rよりも小さいとき、2次利用者の中心位置が1次利用者の通信範囲内に存在しているので、2次利用者の電力または電波の指向性を調整しても、2次利用者の通信範囲が1次利用者の通信範囲と一部で重なり、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避できない。従って、距離Dが半径rまたは半径rよりも小さいとき、2次利用者の無線通信を停止するように調停することにしたものである。
図11は、2次利用者の通信条件を調停する方法を説明するための図である。図11を参照して、距離Dが半径rおよび半径rよりも大きいと判定されたとき、調停手段15は、一定時間観察して得られる1次利用者の通信範囲の軌跡(r(t)→r(t))が2次利用者の通信範囲の中心を含むか否かを判定する。この場合、一定時間は、1次利用者の移動速度に依存するが、例えば、30秒である。
調停手段15は、1次利用者の通信範囲の軌跡が2次利用者の通信範囲の中心を含むと判定したとき、2次利用者の通信範囲が狭くなるように2次利用者の電力(送信電力)を低下させる(図11の(a)参照)。これにより、2次利用者の通信範囲の半径は、半径rから半径r’に小さくなる。その結果、距離Dが半径r(t)と半径r’との和(=r(t)+r’)よりも大きくなり、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉が回避される。
図11の(a)に示す調停方法によって調停することにより、2次利用者は、自己の電力の調整によって、できる限り長い時間、共用周波数を利用して無線通信を行うことができる。
一方、調停手段15は、1次利用者の通信範囲の軌跡が2次利用者の通信範囲の中心を含まないと判定したとき、2次利用者から送信される電波の指向性を調整する。これによって、2次利用者から送信される電波の形状は、円形状CIRから楕円形状ELLIPに変更される(図11の(b)参照)。その結果、距離Dが半径r(t)と半径r”との和(=r(t)+r”)よりも大きくなり、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉が回避される。
従って、2次利用者の電波の指向性の調整によって、ある方向に電波を送信する2次利用者は、自己の無線通信を維持したまま1次利用者への干渉を回避できる。
なお、指向性の調整方法としては、DCMP(Directionally Constrained Minimization of Power)法等のアダプティブアレー技術を利用できる。このDCMP法は、受信時に電波の到来方向の推定を行い、方向拘束付出力電力最小化法により最適ウェイトの導出を行い、ビーム形成を行う方法である。
図12は、2次利用者の通信方法の変更を示す模式図である。図12を参照して、上述した方法によって、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉すると判定されたとき、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避する方法として、2次利用者の通信条件の変更(電力または指向性の調整)と、2次利用者の無線通信の停止(停波)とがある。
2次利用者の通信条件を変更した場合、2次利用者は、マルチホップによる無線通信が可能である場合、マルチホップによって基地局3と無線通信を行う。この場合、マルチホップに利用する周波数帯域は、Wi-Fi等のUnlicensed Bandまたは異なる共用周波数帯域である。マルチホップを利用することにより、既存の通信網への負荷の増大を軽減できる。
2次利用者が停波した場合、またはマルチホップを利用できない場合、2次利用者は、既存の通信網(共用周波数帯域を用いた通信網、例えば、LTE(Long Term Evolution))に収容網を変更する。収容網を変更することにより、2次利用者は、できるだけ周波数を共用して無線通信を行うことができる。
図13は、図1に示す通信調停装置1の動作を説明するためのフローチャートである。図13を参照して、通信調停装置1の動作が開始されると、通信調停装置1の判定手段14は、上述した方法によって、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉の有無を判定する(ステップS1)。
そして、判定手段14は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉の有無の判定結果を調停手段15へ出力する。
調停手段15は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉の有無の判定結果を判定手段14から受け、その受けた判定結果に基づいて、無線通信が相互に干渉すると判定された1次利用者と2次利用者について、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の通信条件を調停する(ステップS2)。そして、通信調停装置1は、その調停結果を基地局3を介して複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7へ送信する。これによって、通信調停装置1の動作が終了する。
図14は、図13に示すステップS1の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図14を参照して、通信調停装置1の動作が開始されると、通信調停装置1の判定手段14は、記憶手段12に記憶された表TBL-1から1次利用者の通信範囲の中心を検出し、記憶手段12に記憶された表TBL-2から2次利用者の通信範囲の中心を検出する。そして、判定手段14は、その検出した1次利用者の通信範囲の中心と2次利用者の通信範囲の中心との距離Dを演算する(ステップS11)。
その後、判定手段14は、表TBL-1から1次利用者の通信範囲を表す半径rを検出し、表TBL-2から2次利用者の通信範囲を表す半径rを検出する(ステップS12)。
そうすると、判定手段14は、距離Dが半径rと半径rとの和(r+r)以下であるか否かを判定する(ステップS13)。
ステップS13において、距離Dが半径rと半径rとの和(r+r)以下であると判定されたとき、判定手段14は、記憶手段12に記憶された表TBL-1から1次利用者の無線通信の周波数帯域bw1を検出し、記憶手段12に記憶された表TBL-2から2次利用者の無線通信の周波数帯域bw2を検出する(ステップS14)。
そして、判定手段14は、周波数帯域bw1および周波数帯域bw2が少なくとも一部で重なるか否かを判定する(ステップS15)。
ステップS15において、周波数帯域bw1および周波数帯域bw2が少なくとも一部で重なると判定されたとき、判定手段14は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉すると判定する(ステップS16)。
一方、ステップS13において、距離Dが半径rと半径rとの和(r+r)以下でないと判定されたとき、またはステップS15において、周波数帯域bw1および周波数帯域bw2が少なくとも一部で重ならないと判定されたとき、判定手段14は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉しないと判定する(ステップS17)。
ステップS16またはステップS17の後、判定手段14は、全ての2次利用者について干渉の有無を判定したか否かを判定する(ステップS18)。
ステップS18において、全ての2次利用者について干渉の有無を判定していないと判定されたとき、判定手段14は、記憶手段12に記憶された表TBL-2から別の2次利用者の通信範囲の中心と半径rとを検出する(ステップS19)。
その後、一連の動作は、ステップS13へ移行し、ステップS18において、全ての2次利用者について干渉の有無を判定したと判定されるまで、ステップS13~ステップS19が繰り返し実行される。
そして、ステップS18において、全ての2次利用者について干渉の有無を判定したと判定されると、判定手段14は、全ての1次利用者について干渉の有無を判定したか否かを判定する(ステップS20)。
ステップS20において、全ての1次利用者について干渉の有無を判定していないと判定されたとき、判定手段14は、記憶手段12に記憶された表TBL-1から別の1次利用者の通信範囲の中心と半径rとを検出する(ステップS21)。
その後、一連の動作は、ステップS13へ移行し、ステップS20において、全ての1次利用者について干渉の有無を判定したと判定されるまで、ステップS13~ステップS21が繰り返し実行される。
そして、ステップS20において、全ての1次利用者について干渉の有無を判定したと判定されると、判定手段14は、全ての1次利用者および2次利用者について干渉の有無の判定結果(表TBL-3)を作成し(ステップS22)、その作成した判定結果(表TBL-3)を調停手段15へ出力する。その後、一連の動作は、図13のステップS2へ移行する。
ステップS13において距離Dが半径rと半径rとの和(r+r)以下でないと判定されたとき、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉しないと判定する(ステップS17参照)のは、距離Dが半径rと半径rとの和(r+r)以下でない場合、1次利用者の周波数帯域bw1と2次利用者の周波数帯域bw2とが少なくとも一部で重なっていても重なっていなくても、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉しないからである。
なお、図14に示すフローチャートは、1次利用者と2次利用者とが同じ周波数帯域を共用していることを前提としない場合における図13のステップS1の詳細な動作を示すが、1次利用者と2次利用者とが同じ周波数帯域を共用していることを前提とする場合には、図14のステップS14およびステップS15は、実行されず、ステップS13において、距離Dが半径rと半径rとの和(r+r)以下であると判定されたとき、一連の動作は、ステップS16へ移行する。
図15は、図13に示すステップS2の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図15を参照して、図13のステップS1の後、通信調停装置1の調停手段15は、干渉の有無の判定結果(表TBL-3)を判定手段14から受け、その受けた判定結果(表TBL-3)に基づいて、互いに干渉する1次利用者と2次利用者とを検出する(ステップS31)。
そして、調停手段15は、その検出した互いに干渉する1次利用者と2次利用者について、記憶手段12に記憶された表TBL-1から1次利用者の通信範囲の中心を検出し、記憶手段12に記憶された表TBL-2から2次利用者の通信範囲の中心を検出する。その後、調停手段15は、その検出した1次利用者の通信範囲の中心と2次利用者の通信範囲の中心との距離Dを演算する(ステップS32)。
引き続いて、調停手段15は、互いに干渉する1次利用者と2次利用者について、表TBL-1から1次利用者の通信範囲を表す半径rを検出し、表TBL-2から2次利用者の通信範囲を表す半径rを検出する(ステップS33)。
その後、調停手段15は、1次利用者の通信範囲と2次利用者の通信範囲とを推定する(ステップS34)。より具体的には、調停手段15は、半径rを有する円を1次利用者の通信範囲と推定し、半径rを有する円を2次利用者の通信範囲と推定する。
そして、調停手段15は、1次利用者の通信範囲と2次利用者の通信範囲とが交差するか否かを判定する(ステップS35)。より具体的には、調停手段15は、距離Dが半径rと半径rとの和(r+r)以下であるとき、1次利用者の通信範囲と2次利用者の通信範囲とが交差すると判定し、距離Dが半径rと半径rとの和(r+r)以下でないとき、1次利用者の通信範囲と2次利用者の通信範囲とが交差しないと判定する。
ステップS35において、1次利用者の通信範囲と2次利用者の通信範囲とが交差しないと判定されたとき、一連の動作は、別の調停時へ移行し(ステップS36)、別の調停時になると、ステップS31へ移行する。
一方、ステップS35において、1次利用者の通信範囲と2次利用者の通信範囲とが交差すると判定されたとき、調停手段15は、距離Dが半径rまたは半径rよりも小さいか否かを判定する(ステップS37)。
ステップS37において、距離Dが半径rまたは半径rよりも小さいと判定されたとき、調停手段15は、2次利用者の無線通信を停止するように調停する(ステップS38)。その後、調停手段15は、利用可能な別の通信網が有るか否かを判定する(ステップS39)。
ステップS39において、利用可能な別の通信網が無いと判定されたとき、一連の動作は、ステップS38へ移行する。一方、ステップS39において、利用可能な別の通信網が有ると判定されたとき、2次利用者を別の通信網へ接続するように調停する(ステップS40)。
一方、ステップS37において、距離Dが半径rまたは半径rよりも小さくないと判定されたとき(即ち、、距離Dが半径rおよび半径rよりも大きいと判定されたとき)、調停手段15は、一定期間における1次利用者の通信範囲の軌跡が2次利用者の通信範囲の中心を通るか否かを更に判定する(ステップS41)。
ステップS41において、1次利用者の通信範囲の軌跡が2次利用者の通信範囲の中心を通ると判定されたとき、調停手段15は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の電力を調整するように調停する(ステップS42)。
一方、ステップS41において、1次利用者の通信範囲の軌跡が2次利用者の通信範囲の中心を通らないと判定されたとき、調停手段15は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の電波の指向性を調整するように調停する(ステップS43)。
そして、ステップS42またはステップS43の後、調停手段15は、2次利用者がマルチホップによる無線通信を利用可能か否かを判定する(ステップS44)。より具体的には、調停手段15は、調停対象の2次利用者の位置情報と、他の2次利用者の位置情報とに基づいて、他の2次利用者が調停対象の2次利用者の周囲に存在する場合、2次利用者がマルチホップによる無線通信を利用可能であると判定し、他の2次利用者が調停対象の2次利用者の周囲に存在しない場合、2次利用者がマルチホップによる無線通信を利用可能でないと判定する。また、調停手段15は、Wi-Fi等のUnlicensed Bandまたは異なる共用周波数帯域が有る場合、2次利用者がマルチホップによる無線通信を利用可能であると判定し、Wi-Fi等のUnlicensed Bandまたは異なる共用周波数帯域が無い場合、2次利用者がマルチホップによる無線通信を利用可能でないと判定する。
ステップS44において、マルチホップによる無線通信を利用可能であると判定されたとき、調停手段15は、マルチホップによる無線通信を行うように調停する(ステップS45)。
一方、ステップS44において、マルチホップによる無線通信を利用可能でないと判定されたとき、調停手段15は、利用可能な別の通信網が有るか否かを判定する(ステップS46)。
ステップS46において、利用可能な別の通信網が無いと判定されたとき、調停手段15は、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者が電力または指向性を調整して無線通信を行うように調停する(ステップS47)。
一方、ステップS46において、利用可能な別の通信網が有ると判定されたとき、一連の動作は、ステップS40へ移行する。
そして、ステップS40、ステップS45およびステップS47のいずれかの後、調停結果を複数の端末装置2,6、複数のセンサ5および複数のロボット7へ送信した後、一連の動作は、図13の“終了”へ移行する。
通信調停装置1が、上述した図13に示すフローチャート(図14および図15に示すフローカートを含む)に従って、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉の有無の判定と、その干渉の有無の判定結果に基づく調停とを実行することによって、1次利用者に干渉を与えない2次利用者の通信条件を判定でき、1次利用者に干渉を与えないように2次利用者の通信条件を調停できる。その結果、2次利用者が1次利用者に干渉を与えないように無線通信を行うことができる。また、共用周波数帯域が用いられる場合、2次利用者が1次利用者に干渉を与えないように共用周波数帯域を用いて無線通信を行うことができる。
図16は、1次利用者および2次利用者の他の通信範囲の別の形状を示す図である。上記においては、1次利用者および2次利用者の通信範囲は、円形形状を有すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、1次利用者および2次利用者の通信範囲は、楕円形状であってもよく(図16の(a)参照)、四角形および五角形等の多角形であってもよく(図16の(b),(c)参照)、一般的には、任意の形状であってもよい(図16の(d)参照)。
図17は、1次利用者および2次利用者の通信範囲が任意の形状を有する場合における1次利用者および2次利用者の通信範囲を表す指標を説明するための図である。
図17を参照して、1次利用者の通信範囲CM_REG1および2次利用者の通信範囲CM_REG2は、任意の形状を有する。1次利用者の通信範囲CM_REG1は、中心O1を有し、2次利用者の通信範囲CM_REG2は、中心O2を有する。
そして、中心O1と中心O2とを結ぶ線分Lineの長さが距離Dとして求められる。また、線分Lineと平行であり、かつ、中心O1から中心O2へ向かう方向において中心O1から、1次利用者の通信範囲CM_REG1を規定する線までの距離dを1次利用者の通信範囲CM_REG1を表す指標とする。
また、線分Lineと平行であり、かつ、中心O2から中心O1へ向かう方向において中心O2から、2次利用者の通信範囲CM_REG2を規定する線までの距離dを2次利用者の通信範囲CM_REG2を表す指標とする。
そして、指標d,dは、それぞれ、上述した半径r,rに代えて用いられ、図14に示すフローチャートにおいて、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉の有無の判定に用いられ、図15に示すフローチャートにおいて、2次利用者の通信条件の調停に用いられる。
また、好ましくは、中心O1から1次利用者の通信範囲CM_REG1を規定する線までの最大距離d1_maxを1次利用者の通信範囲CM_REG1を表す指標とし、中心O2かr2次利用者の通信範囲CM_REG2を規定する線までの最大距離d2_maxを2次利用者の通信範囲CM_REG2を表す指標する。最大距離d1_max,d2_maxをそれぞれ1次利用者の通信範囲CM_REG1および2次利用者の通信範囲CM_REG2を表す指標として用いることによって、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉の有無を正確に判定できる。なお、最大距離d1_max,d2_maxは、それぞれ、上述した半径r,rに代えて用いられ、図14に示すフローチャートにおいて、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉の有無の判定に用いられ、図15に示すフローチャートにおいて、2次利用者の通信条件の調停に用いられる。
なお、1次利用者の通信範囲CM_REG1および2次利用者の通信範囲CM_REG2は、相互に同じ形状を有していてもよく、相互に異なる形状を有していてもよい。
この発明の実施の形態においては、通信調停装置1の動作は、ソフトウェアによって実行されてもよい。この場合、通信調停装置1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備える。
ROMは、図13(図14に示すフローチャートおよび図15に示すフローチャートを含む)に示すフローチャートからなるプログラムProg_Aを格納する。そして、CPUは、プログラムProg_AをROMから読み出し、その読み出したプログラムProg_Aを実行して1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉の有無の判定と、その干渉の有無の判定結果に基づく2次利用者の通信条件の調停とを実行する。RAMは、半径r,r(指標d,d)、受信電力RSSIおよび距離D等を一時的に記憶する。
また、プログラムProg_Aは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。この場合、CPUは、装着された記録媒体からプログラムProg_Aを読み出して実行し、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉の有無の判定と、その干渉の有無の判定結果に基づく2次利用者の通信条件の調停とを行う。従って、プログラムProg_Aを記録したCD,DVD等の記録媒体は、コンピュータ(CPU)が読み取り可能な記録媒体である。
図18は、この発明の実施の形態によるデータ構造を示す概略図である。図18を参照して、この発明の実施の形態によるデータ構造D-STRは、1次利用者IDと、1次利用者の送信電力と、2次利用者IDと、2次利用者の位置情報と、2次利用者の受信電力と、2次利用者のアンテナ利得と、2次利用者の送信電力とを含む。
1次利用者IDおよび1次利用者の送信電力は、相互に対応付けられる。2次利用者ID、2次利用者の位置情報、2次利用者の受信電力、2次利用者のアンテナ利得および2次利用者の送信電力は、相互に対応付けられる。
1次利用者IDは、P(Pは正の整数)個の識別情報ID1_1~ID1_Pからなり、1次利用者の送信電力は、P個の送信電力P1_1~P1_Pからなる。
2次利用者IDは、Q(Qは正の整数)個の識別情報ID2_1~ID2_Qからなり、2次利用者の位置情報は、Q個の位置情報Ps2_1~Ps2_Qからなり、2次利用者の受信電力は、Q個の受信電力P2_1~P2_Qからなり、2次利用者のアンテナ利得は、Q個のアンテナ利得g_1~g_Qからなり、2次利用者の送信電力は、Q個の送信電力P2_1~P2_Qからなる。
通信調停装置1の作成手段13は、上述した表TBL-1,TBL-2に基づいてデータ構造D-STRを作成し、その作成したデータ構造D-STRを記憶手段12に記憶する。
判定手段14は、データ構造D-STRに基づいて、上述した方法によって1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉の有無を判定し、相互に干渉すると判定されたp(pは、1≦p≦Pを満たす整数)個の1次利用者およびq(qは、1≦q≦Qを満たす整数)個の2次利用者を検出する。
そして、1次利用者と干渉すると判定された2次利用者のq個の位置情報Ps2_1~Ps2_qおよびq個の受信電力P2_1~P2_qは、判定手段14が受信電力P2_1~P2_qを重みとしたq個の位置情報Ps2_1~Ps2_qの加重平均(式(1)参照)からなる1次利用者の位置を演算するのに用いられる。ここで、1次利用者の位置を演算する判定手段14は、「演算手段」を構成する。
また、q個の位置情報Ps2_1~Ps2_qおよび1次利用者の位置は、判定手段14が1次利用者の通信範囲の中心とq個の2次利用者のq個の通信範囲の中心との距離D1~Dqを演算するのに用いられる。ここで、1次利用者の通信範囲の中心は、式(1)によって演算された1次利用者の位置からなり、q個の2次利用者のq個の通信範囲の中心は、それぞれq個の位置情報Ps2_1~Ps2_qからなる。また、距離D1~Dqを演算する判定手段14は、「演算手段」を構成する。
更に、2次利用者と干渉すると判定されたp個の1次利用者のp個の送信電力P1_1~P1_p、および1次利用者と干渉すると判定されたq個の2次利用者のq個の受信電力P2_1~P2_qは、判定手段14がp個の1次利用者のp個の通信範囲(半径r1_1~r1_p(=指標d1_1~d1_p))を演算するのに用いられる。ここで、p個の通信範囲(半径r1_1~r1_p(=指標d1_1~d1_p))を演算する判定手段14は、「演算手段」を構成する。
更に、1次利用者と干渉すると判定されたq個の2次利用者のq個のアンテナ利得g_1~g_qおよびq個の送信電力P2_1~P2_qは、判定手段14が式(3)を用いてq個の2次利用者のq個の通信範囲(指標d2-1~d2-q)を演算するのに用いられる。ここで、q個の通信範囲(指標d2-1~d2-q)を演算する判定手段14は、「演算手段」を構成する。
更に、距離D1~Dq、p個の通信範囲(半径r1_1~r1_p(=指標d1_1~d1_p))およびq個の通信範囲(指標d2-1~d2-q)は、判定手段14が、距離(D1~Dqのいずれか)が相互に干渉するp個の通信範囲(半径r1_1~r1_p(=指標d1_1~d1_p))のいずれかとq個の通信範囲(指標d2-1~d2-q)のいずれかとの和以下であるか否かを判定する第1の判定処理を実行するのに用いられる。
そして、判定手段14は、第1の判定処理において、相互に干渉するp個の通信範囲(半径r1_1~r1_p(=指標d1_1~d1_p))のいずれかとq個の通信範囲(指標d2-1~d2-q)のいずれかとの和以下であると判定したとき、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉すると判定する。
好ましくは、p個の通信範囲およびq個の通信範囲の各々は、円形形状の半径(r1_1~r1_pのいずれか)からなる。
好ましくは、距離D1~Dq、p個の通信範囲(半径r1_1~r1_p(=指標d1_1~d1_p))およびq個の通信範囲(指標d2-1~d2-q)は、調停手段15が、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の通信条件を調停するのに用いられる。
好ましくは、データ構造D-STRは、p個の1次利用者から送信された電波のp個の周波数帯域と、q個の2次利用者から送信された電波のq個の周波数帯域とを更に含む。そして、p個の周波数帯域およびq個の周波数帯域は、判定手段14が、p個の周波数帯域のいずれかとq個の周波数帯域のいずれかとの少なくとも一部が重なるか否かを判定する第2の判定処理を実行するのに用いられる。
そして、判定手段14は、第1の判定処理において距離(D1~Dqのいずれか)が相互に干渉するp個の通信範囲(半径r1_1~r1_p(=指標d1_1~d1_p))のいずれかとq個の通信範囲(指標d2-1~d2-q)のいずれかとの和以下であると判定し、かつ、第2の判定処理においてp個の周波数帯域のいずれかとq個の周波数帯域のいずれかとの少なくとも一部が重なると判定したとき、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信とが干渉すると判定する。
上述した実施の形態によれば、この発明の実施の形態による通信調停装置は、1次利用者の通信範囲と2次利用者の通信範囲とに基づいて、2次利用者の無線通信が1次利用者の無線通信と干渉するか否かを判定する判定手段と、判定手段が2次利用者の無線通信が1次利用者の無線通信と干渉すると判定したとき、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の無線通信の通信条件を調停する調停手段とを備えていればよい。
判定手段および調停手段を備えていれば、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避して2次利用者が無線通信を行うことができるからである。
また、この発明の実施の形態によるプログラムは、判定手段が、1次利用者の通信範囲と2次利用者の通信範囲とに基づいて、2次利用者の無線通信が1次利用者の無線通信と干渉するか否かを判定する第1のステップと、調停手段が、判定手段が2次利用者の無線通信が1次利用者の無線通信と干渉すると判定したとき、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避するように2次利用者の無線通信の通信条件を調停する第2のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムであればよい。
第1および第2のステップをコンピュータに実行させれば、1次利用者の無線通信と2次利用者の無線通信との干渉を回避して2次利用者が無線通信を行うことができるからである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、通信調停装置、コンピュータに実行させるためのプログラム、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体およびデータ構造に適用される。
1 通信調停装置、2,6 端末装置、3,4 基地局、5 センサ、7 ロボット、8 有線ケーブル、10 無線通信システム、11 受信手段、12 記憶手段、13 作成手段、14 判定手段、15 調停手段、16 送信手段。

Claims (11)

  1. 基地局以外の通信調停装置であって、
    1次利用者の通信範囲と、基地局以外の通信装置であって前記基地局と無線通信を行う通信装置からなる2次利用者の通信範囲とに基づいて、前記2次利用者の無線通信が前記1次利用者の無線通信と干渉するか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段が前記2次利用者の無線通信が前記1次利用者の無線通信と干渉すると判定したとき、前記1次利用者の無線通信と前記2次利用者の無線通信との干渉を回避するように前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停する調停手段とを備え
    前記1次利用者の通信範囲の中心と前記2次利用者の通信範囲の中心とを結んだ直線に平行であり、かつ、前記1次利用者の通信範囲の中心から前記2次利用者の通信範囲の中心へ向かう方向において前記1次利用者の通信範囲の中心から前記1次利用者の通信範囲を規定する線までの距離を第1の距離とし、前記直線に平行であり、かつ、前記2次利用者の通信範囲の中心から前記1次利用者の通信範囲の中心へ向かう方向において前記2次利用者の通信範囲の中心から前記2次利用者の通信範囲を規定する線までの距離を第2の距離とし、前記1次利用者の通信範囲の中心と前記2次利用者の通信範囲の中心との距離を第3の距離としたとき、
    前記判定手段は、前記第3の距離が、前記第1の距離と前記第2の距離との和以下であるか否かを判定する第1の判定処理を行い、
    前記調停手段は、前記判定手段による前記第1の判定処理における判定結果に応じて、前記2次利用者の無線通信の停止、前記2次利用者の無線通信における送信電力の調整および前記2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整のいずれかによって前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停し、前記判定手段が、前記第1の判定処理において、前記第3の距離が、前記第1の距離と前記第2の距離との和以下であると判定したとき、前記2次利用者の無線通信の停止によって前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停し、前記判定手段が、前記第1の判定処理において、前記第3の距離が、前記第1の距離と前記第2の距離との和以下でないと判定し、前記1次利用者の通信範囲の時間による軌跡が前記2次利用者の通信範囲の中心を通過するか否かを更に判定したとき、その判定結果に応じて、前記2次利用者の無線通信における送信電力の調整および前記2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整のいずれかによって前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停する、通信調停装置。
  2. 前記判定手段は、前記1次利用者の無線通信に用いられる第1の周波数帯域と前記2次利用者の無線通信に用いられる第2の周波数帯域とが少なくとも一部で重なるか否かを判定する第2の判定処理を更に行い、前記第1の判定処理において、前記第3の距離が、前記第1の距離と前記第2の距離との和以下であると判定し、かつ、前記第2の判定処理において、前記第1の周波数帯域と前記第2の周波数帯域とが少なくとも一部で重なると判定したとき、前記2次利用者の無線通信が前記1次利用者の無線通信と干渉すると判定する、請求項に記載の通信調停装置。
  3. 前記第1の距離は、前記1次利用者の通信範囲を規定する円の半径であり、前記第2の距離は、前記2次利用者の通信範囲を規定する円の半径である、請求項または請求項に記載の通信調停装置。
  4. 前記調停手段は、前記判定手段が前記第1の判定処理において前記1次利用者の通信範囲の時間による軌跡が前記2次利用者の通信範囲の中心を通過すると判定したとき、前記2次利用者の無線通信における送信電力の調整によって前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停し、前記判定手段が前記第1の判定処理において前記1次利用者の通信範囲の時間による軌跡が前記2次利用者の通信範囲の中心を通過しないと判定したとき、前記2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整によって前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の通信調停装置。
  5. 前記調停手段は、前記2次利用者の無線通信における送信電力の調整および前記2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整のいずれかによって前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停したとき、更に、マルチホップによる無線通信への変更によって前記2次利用者が前記1次利用者と周波数帯域を共用した無線通信を行えるように調停し、前記2次利用者の無線通信の停止によって前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停したとき、更に、無線通信網の変更によって前記2次利用者が前記1次利用者と周波数帯域を共用した無線通信を行えるように調停する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の通信調停装置。
  6. 基地局以外の通信調停装置においてコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    判定手段が、1次利用者の通信範囲と、基地局以外の通信装置であって前記基地局と無線通信を行う通信装置からなる2次利用者の通信範囲とに基づいて、前記2次利用者の無線通信が前記1次利用者の無線通信と干渉するか否かを判定する第1のステップと、
    調停手段が、前記判定手段が前記2次利用者の無線通信が前記1次利用者の無線通信と干渉すると判定したとき、前記1次利用者の無線通信と前記2次利用者の無線通信との干渉を回避するように前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停する第2のステップとをコンピュータに実行させ
    前記1次利用者の通信範囲の中心と前記2次利用者の通信範囲の中心とを結んだ直線に平行であり、かつ、前記1次利用者の通信範囲の中心から前記2次利用者の通信範囲の中心へ向かう方向において前記1次利用者の通信範囲の中心から前記1次利用者の通信範囲を規定する線までの距離を第1の距離とし、前記直線に平行であり、かつ、前記2次利用者の通信範囲の中心から前記1次利用者の通信範囲の中心へ向かう方向において前記2次利用者の通信範囲の中心から前記2次利用者の通信範囲を規定する線までの距離を第2の距離とし、前記1次利用者の通信範囲の中心と前記2次利用者の通信範囲の中心との距離を第3の距離としたとき、
    前記判定手段は、前記第1のステップにおいて、前記第3の距離が、前記第1の距離と前記第2の距離との和以下であるか否かを判定する第1の判定処理を行い、
    前記調停手段は、前記第2のステップにおいて、前記第1のステップにおける前記判定手段による前記第1の判定処理の判定結果に応じて、前記2次利用者の無線通信の停止、前記2次利用者の無線通信における送信電力の調整および前記2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整のいずれかによって前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停し、前記判定手段が、前記第1のステップの前記第1の判定処理において、前記第3の距離が、前記第1の距離と前記第2の距離との和以下であると判定したとき、前記2次利用者の無線通信の停止によって前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停し、前記判定手段が、前記第1のステップの前記第1の判定処理において、前記第3の距離が、前記第1の距離と前記第2の距離との和以下でないと判定し、前記1次利用者の通信範囲の時間による軌跡が前記2次利用者の通信範囲の中心を通過するか否かを更に判定したとき、その判定結果に応じて、前記2次利用者の無線通信における送信電力の調整および前記2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整のいずれかによって前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停する、コンピュータに実行させるためのプログラム。
  7. 前記判定手段は、前記第1のステップにおいて、前記1次利用者の無線通信に用いられる第1の周波数帯域と前記2次利用者の無線通信に用いられる第2の周波数帯域とが少なくとも一部で重なるか否かを判定する第2の判定処理を更に行い、前記第1の判定処理において、前記第3の距離が、前記第1の距離と前記第2の距離との和以下であると判定し、かつ、前記第2の判定処理において、前記第1の周波数帯域と前記第2の周波数帯域とが少なくとも一部で重なると判定したとき、前記2次利用者の無線通信が前記1次利用者の無線通信と干渉すると判定する、請求項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  8. 前記第1の距離は、前記1次利用者の通信範囲を規定する円の半径であり、前記第2の距離は、前記2次利用者の通信範囲を規定する円の半径である、請求項または請求項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  9. 前記調停手段は、前記第2のステップにおいて、前記判定手段が前記第1のステップの前記第1の判定処理において前記1次利用者の通信範囲の時間による軌跡が前記2次利用者の通信範囲の中心を通過すると判定したとき、前記2次利用者の無線通信における送信電力の調整によって前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停し、前記判定手段が前記第1のステップの前記第1の判定処理において前記1次利用者の通信範囲の時間による軌跡が前記2次利用者の通信範囲の中心を通過しないと判定したとき、前記2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整によって前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停する、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  10. 前記調停手段は、前記第2のステップにおいて、前記2次利用者の無線通信における送信電力の調整および前記2次利用者の無線通信における電波の指向性の調整のいずれかによって前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停したとき、更に、マルチホップによる無線通信への変更によって前記2次利用者が前記1次利用者と周波数帯域を共用した無線通信を行えるように調停し、前記2次利用者の無線通信の停止によって前記2次利用者の無線通信の通信条件を調停したとき、更に、無線通信網の変更によって前記2次利用者が前記1次利用者と周波数帯域を共用した無線通信を行えるように調停する、請求項6から請求項9のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  11. 請求項から請求項10のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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