JP7220047B2 - プラントの運転支援装置 - Google Patents

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Description

本開示は、プラントの運転支援に関し、特にプラントの運転条件の評価による運転支援に関する。
例えば火力発電所などのプラントでは、その運転の最適化のために、例えばNOxやCOの濃度、過熱器などの伝熱管のメタル温度などの各種のプロセス値を計測し、各種のプロセス値が目標値を満たすように、プラントを構成する各種の機器(設備)の運転パラメータ(制御変数)の調整が行われる。例えばボイラを備えるプラントでは、バーナのノズル角度によって排ガスのNOx濃度が異なる。よって、バーナノズル角度を下げることにより排ガス中のNOx濃度をより低下させられる場合には、排ガス中の脱硝を行うための脱硝装置で用いるアンモニア量もその分だけ低減させることが可能となるので、運用コスト面での最適化が図られる。
このようなプラントの運転の最適化に関して、例えば特許文献1には、プラントの排出物流量、温度、圧力などの状態量である運転特性値を用いて運用コストを評価し、コスト評価値が最適になるようなプラントの制御信号(運転条件)を決定することが開示されている。また、特許文献2には、各運転条件をスコアにより評価し、最適な運転条件を選定する手法が開示されている。特許文献3には、発電設備のプロセス値のシミュレーション手法が開示されている。
特開2012-53505号公報 特開2018-128999号公報 特開2018-128995号公報
しかしながら、運転パラメータの変更によりプラントの運転条件を変更すると、運用コストを下げられる一方で、ボイラの運用性を低下させるなどのデメリットも生じ得る場合がある。例えば、上述した例においては、バーナノズル角度を下げることにより運用コストの低減を図れる一方で、伝熱管のメタル温度が低下することから、ボイラが生成する蒸気の蒸気温度を一定値に調整するための温度低減器におけるスプレイ噴射による蒸気温度の調整範囲の低下を招く場合がある。つまり、ボイラでは、主蒸気の蒸気温度を一定にするために例えば1次過熱器と2次過熱器との間で温度低減器により蒸気を冷却するが、ボイラの負荷変化(負荷低下)時に温度低減器による冷却が不要なほど蒸気温度が低下すると、蒸気温度が目標値よりも小さくなるなど、プラントの適切な運転ができない場合が生じ得る。
このため、本発明者らは、プラントの運転を最適化するためには、コストのみならず、各種のプロセス値も考慮して、総合的にプラントの運転条件を評価する必要性に思い至った。一般に、プラント(ボイラ)の要求出力を満たすことが可能な運転条件は複数通りあるが、本発明者らは、複数の運転条件をそれぞれ評価した評価結果を相互に比較することができるようにすれば、複数の運転条件を比較しつつ、より適切な運転条件を選択するといったことが可能になると考えた。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、複数の運転条件の各々の評価結果に基づいた運転条件の適切な選択を可能とするプラントの運転支援装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るプラントの運転支援装置は、
プラントを運転するための複数の運転パラメータをそれぞれ含む複数の運転条件を取得するよう構成される運転条件取得部と、
前記複数の運転条件の各々により前記プラントを運転した場合のコスト指標値をそれぞれ取得するよう構成されるコスト指標値取得部と、
前記複数の運転条件の各々により前記プラントを運転した場合の少なくとも1つのプロセス値の予測値に基づく前記運転条件の評価値であるスコアをそれぞれ取得するよう構成されるスコア取得部と、
前記複数の運転条件の各々毎に得られる前記スコアおよび前記コスト指標値の組合せを含む出力情報を生成するよう構成される出力情報生成部と、を備える。
上記(1)の構成によれば、プラントの運転支援装置は、例えば所望の出力(定格出力など)が得られるようにプラントを運転することが可能となるような複数の運転条件について、各運転条件でプラントを運転した場合のスコアおよびコスト指標値をそれぞれ求めることにより、スコアおよびコスト指標値の複数の組合せの情報(出力情報)を生成する。これによって、スコアによる複数の運転パラメータの評価に加えて、スコアおよびコスト指標値の観点から複数の運転条件の各々の評価が可能となる。このためプラントを運転した場合のスコアおよびコスト指標値の両面の観点からの評価により、複数の運転条件の中からより適切な運転条件を選択することを可能にすることができる。
例えば、出力情報をディスプレイなどの表示装置に出力するようにすれば、オペレータなどは複数の運転条件をスコアおよびコスト指標値の観点で視覚的に比較することが可能となる。また、例えば、出力情報の中から選択された1つの運転条件をプラントの制御装置(DCS)などに送信するようにすれば、スコアおよびコスト指標値の観点からプラントの運転の最適化を図ることが可能となる。したがって、スコアおよびコスト指標値の観点に基づいて、複数の運転条件から適切な運転条件を求めることを支援することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記出力情報生成部が生成した前記出力情報に基づいて、前記複数の運転条件に対応する複数の前記組合せから得られる前記スコアおよび前記コスト指標値の相関のグラフを表示装置に出力する第1出力部を、さらに備える。
上記(2)の構成によれば、第1出力部は、複数の運転条件に対応したスコアおよびコスト指標値の複数の組合せに基づいて、スコアとコスト指標値との相関のグラフを表示装置に出力する。これによって、オペレータなどは、スコアおよびコスト指標値の観点から複数の運転条件を視覚的に比較することができるようになり、適切な運転条件の選択を支援することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記グラフは、前記複数の組合せの散布図を構成するプロット点の集合の外周を縁取りした図である。
例えばスコア(x軸)およびコスト指標値(y軸)を2軸とするグラフ上に各運転条件に対応するスコアおよびコスト指標値の複数の組合せをプロットした画面表示(散布図)上には、一例として選択した各運転条件に対して、プロット点の密集度合いに応じたプロット点の重なりなどの濃淡が生じる。この際、コスト指標値あるいはスコアのいずれかが最大となるプロット点が、画面表示上の濃淡の偏りなどによって判別しづらい場合が生じ得る。
上記(3)の構成によれば、スコアおよびコスト指標値の相関のグラフは、散布図ではなく、複数の組合せの散布図を構成するプロット点の集合の外周を縁取りした図である。これによって、散布図においてコスト指標値あるいはスコアの少なくともいずれか一方が最大もしくは最大の範囲となる座標の判別の容易化を図ることができる。したがって、コスト指標値あるいはスコアのいずれか一方が最大もしくは最大の範囲となるスコアおよびコスト指標値の組合せを容易に把握することができる。ここで、最大の範囲とは、コスト指標値あるいはスコアの最大値とほぼ同等と見做せる値であり、最大値の100%から80%まで、さらに好ましくは最大値の100%から90%までの範囲とする。これによりコスト指標値あるいはスコアの微小な値の差異を許容する。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)~(3)の構成において、
前記複数の運転条件のうち、前記表示装置を介した選択操作に応じて入力される前記スコアおよび前記コスト指標値の組合せに対応する前記運転条件を出力する第2出力部を、さらに備える。
上記(4)の構成によれば、第2出力部は、例えばオペレータが画面上で行う選択操作によって選択された任意のスコアおよびコスト指標値の組合せに対応した(関連付けられた)運転条件を例えばプラントの制御装置(DCS)などの外部に出力する。これによって、第2出力部の出力先に対して、選択された運転条件を伝送することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(2)~(4)の構成において、
前記出力情報に含まれる複数の前記組合せの中から選定条件を満たす少なくとも1つの組合せを選定する選定部を、さらに備え、
前記出力情報は、前記選定部によって選定された前記少なくとも1つの組合せを前記表示装置に表示させるための情報をさらに含む。
上記(5)の構成によれば、出力情報には、所定の選定条件を満たす組合せを例えばグラフに重ねて表示させるなど、グラフと共に表示装置16で表示させるための情報が含まれる。これによって、選定部により選定されたコスト指標値およびスコアの組合せを他の組合せと対比できるように表示することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)~(5)の構成において、
前記出力情報に含まれる複数の前記組合せの中から選定条件を満たす少なくとも1つの組合せを選定する選定部と、
前記選定部が選定した前記少なくとも1つの組合せのうちの、前記プラントの運転モードに合致した1つの前記組合せに対応する前記運転条件を出力する第3出力部と、をさらに備える。
上記(6)の構成によれば、第3出力部は、運転モードで指示される選定条件を満たすスコアおよびコスト指標値の組合せに対応する運転条件を、例えばプラントの制御装置などの外部に出力する。これによって、運転モードに応じた運転条件でプラントの運転などを行うことができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(5)~(6)の構成において、
前記選定部は、
前記複数の運転条件の各々毎に得られる前記スコアおよび前記コスト指標値の組合せのうちの前記スコアが下限値以上となる前記組合せの中から、前記コスト指標値が最良もしくは最良の範囲となる前記組合せを選定する第1選定部を含む。
上記(7)の構成によれば、スコアおよびコスト指標値の複数の組合せの中から、スコアに関する最低限の要求を満たしつつ、コスト指標値が最良もしくは最良の範囲となる組合せを選定する。これによって、スコアSの下限値以上となることによって例えば排出規制の達成度や、所定のプロセス値に基づいて評価されるプラントの運用性などの要求を満たしつつ、コスト指標値が最良もしくは最良の範囲となることによって経済性が最も高くなるような運転条件を、複数の運転条件の中から選択することができる。
ここで、コスト指標値が最良とは、削減コストの場合には、値が大きいほど費用が小さくなるので最大値もしくは最大値の範囲であり、コスト指標値が、運用コスト自体である場合には、値が大きいほど費用が高くなるので最小値もしくは最小値の範囲となる。従い、最良の範囲とは、コスト指標値の最良とほぼ同等と見做せる値であり、削減コストの場合、最大となる値の100%から80%まで、さらに好ましくは最大値の100%から90%までの範囲とする。これによりコスト指標値の微小な値の差異を許容する。なお、最小値の範囲とは、コスト指標値の最良値とほぼ同等と見做せる値であり、運用コストの場合、最小値の100%から120%まで、さらに好ましくは最小値の100%から110%までの範囲とする。これによりコスト指標値の微小な値の差異を許容する。
(8)幾つかの実施形態では、上記(5)~(7)の構成において、
前記選定部は、
前記複数の運転条件の各々毎に得られる前記スコアおよび前記コスト指標値の組合せの中から、前記コスト指標値に係わらずに前記スコアが最大もしくは最大の範囲となる前記組合せを選定する第2選定部を含む。
上記(8)の構成によれば、スコアおよびコスト指標値の複数の組合せの中から、コスト指標値に関する評価を必ずしも選定条件とすることなく、スコアが最大もしくは最大の範囲となる組合せを選定する。これによって、スコアによって評価される例えば排出規制の達成度や、所定のプロセス値に基づいて評価されるプラントの運用性を最優先した運転条件を、複数の運転条件の中から選択することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(5)~(8)の構成において、
前記選定部は、
前記複数の運転条件の各々毎に得られる前記スコアおよび前記コスト指標値の組合せのうちの前記スコアが下限値よりも大きい第1値以上となる前記組合せの中から、前記コスト指標値が最良もしくは最大の範囲となる前記組合せであるバランス組合せを選定する第3選定部を含む。
上記(9)の構成によれば、所定の選定条件を満たすコスト指標値およびスコアの組合せを例えばグラフに重ねて表示させるなど、複数の運転条件の組合せの評価結果と共に選定条件を満たす組合せをグラフに関連付けた形で表示装置に表示させるための情報が含まれる。これによって、選定部により選定されたスコアおよびコスト指標値の組合せを他の組合せと容易に対比できるように表示したり、最適な運転条件の抽出を自動で行うことができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、
前記スコアは、複数のプロセス値の各々の予測値をそれぞれ評価した個別スコアの合計であり、
前記選定部は、
前記バランス組合せの前記スコアの値を基準としたスコア範囲内の前記スコアの値を有し、かつ、前記バランス組合せの前記コスト指標値の値を基準としたコスト範囲内の前記コスト指標値の値を有する他の1以上の前記組合せのうち、特定の前記プロセス値に関する前記個別スコアが最大もしくは最大の範囲となる前記組合せを選定する第4選定部を、さらに含む。
スコアを、複数のプロセス値の予測値の評価値(個別スコア)を合計して算出する場合には、スコアの値が同一となる複数の個別スコアの値の組合せは複数存在する。
上記(10)の構成によれば、スコアとコスト指標値とがバランス(両立)するような組合せを基準に、スコアの算出に用いる複数のプロセス値のうちの所望のプロセス値の予測値の個別スコアがより高くなるような運転条件を選定する。これによって、バランス組合せ付近で、所望する特定のプロセス値の予測値の評価がより高くなるような運転条件を選定することができ、特定のプロセス値を優先した運転条件を選定することができる。
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係るプラントの運転支援方法は、
プラントを運転するための複数の運転パラメータをそれぞれ含む複数の運転条件を取得するよう構成される運転条件取得ステップと、
前記複数の運転条件の各々により前記プラントを運転した場合のコスト指標値をそれぞれ取得するよう構成されるコスト指標値取得ステップと、
前記複数の運転条件の各々により前記プラントを運転した場合の少なくとも1つのプロセス値の予測値に基づく前記運転条件の評価値であるスコアをそれぞれ取得するよう構成されるスコア取得ステップと、
前記複数の運転条件の各々毎に得られる前記スコアおよび前記コスト指標値の組合せを含む出力情報するよう構成される出力情報生成ステップと、を備える。
上記(11)の構成によれば、上記(1)と同様の効果を奏する。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、複数の運転条件の各々の評価結果に基づいた運転条件の適切な選択を可能とするプラントの運転支援装置が提供される。
本発明の一実施形態に係るプラントが備えるボイラの構成を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るプラントの運転支援装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るコスト指標値の算出項目の内訳を例示する図である。 本発明の一実施形態に係るスコアの算出項目の内訳を例示する図である。 本発明の一実施形態に係るプロセス値の予測値と個別スコアとの関係を示す図であり、値が小さいほど望ましいプロセス値の例を示す。 本発明の一実施形態に係るプロセス値の予測値と個別スコアとの関係を示す図であり、目標範囲が定められるプロセス値の例を示す。 本発明の一実施形態に係るプロセス値とスコアとの関係を定めるフローを示す図である。 本発明の一実施形態に係る複数の運転条件の評価結果となるグラフの表示例であり、グラフは散布図である。 本発明の一実施形態に係る複数の運転条件の評価結果となるグラフの表示例であり、グラフは図7の散布図の外周を縁取りした図である。 本発明の一実施形態に係る選定部により選定された組合せを含むグラフの表示例であり、図7に対応する。 本発明の一実施形態に係るプラントの運転支援方法を示すフロー図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るプラント7が備えるボイラ71の構成を概略的に示す図である。
プラントの運転支援装置1(以下、単に、運転支援装置1)は、プラント7の運転を支援するための装置である。この運転支援装置1が運転支援の対象とするのは、運転パラメータPにより制御可能な複数の機器(設備。以下同様)を備えるプラント7であり、例えば火力発電所などの発電プラントや化学プラント、ごみ焼却場などとなる。例えば火力発電所は、図1に示すようなボイラ71を備えており、ボイラ71で生成した過熱蒸気(主蒸気)を蒸気タービン(不図示)に供給して回転軸を回転駆動させ、蒸気タービンの回転軸に連結した発電機(不図示)を回転駆動して発電を行う。
この図1に示すボイラ71は、例えば石炭を粉砕した微粉炭燃料を火炉71fの内部で燃焼させることにより発生させた熱を給水や蒸気と熱交換して、蒸気タービンなどに供給する過熱蒸気(主蒸気)を生成するよう構成された微粉炭焚きボイラである。以下、微粉炭炊きボイラを例に図1に示すボイラ71を説明すると、図1に示すように、ボイラ71(ボイラ本体)は、火炉71fと、燃焼装置72と、煙道73と、を有する。
火炉71fは、内部に燃焼室を有し、例えば四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置される(図1参照)。燃焼室を形成する火炉71fの壁(火炉壁)の内壁面は、不図示の蒸発管(伝熱管)と蒸発管を接続するフィンとで構成され、蒸発管に供給された給水や蒸気と熱交換することにより火炉壁の温度上昇を抑制するように構成される。より詳細には、例えば鉛直方向に沿って配置される蒸発管が水平方向に並んで複数配置されると共に、これら複数の蒸発管における隣接する蒸発管と蒸発管との間をフィンが閉塞するように配置される。また、火炉71fは、炉底に傾斜面が設けられており、傾斜面に炉底蒸発管が設けられて底面となる。
燃焼装置72は、上記の火炉71fの内部に燃料を供給して燃焼させるための装置であり、火炉壁に設置される1以上の燃焼バーナ74と、風箱77eとを備える。そして、燃焼装置72は、火炉71fの内部に燃焼バーナ74を介して燃料を供給すると共に、風箱77eを介して燃焼用空気(2次空気)を供給することにより、燃料を燃焼させるように構成される。図1に示すように、燃焼装置72は、火炉壁に設置されるアディショナルエア(AA)を供給するためのAAポート77pを、さらに備えていても良い。この場合、燃焼バーナ74に燃料を供給するための後述する搬送用空気(1次空気)、及び風箱77eを介して火炉71fに供給される燃焼用空気(2次空気)によって、燃焼用空気の供給量が微粉炭燃料の供給量に対して理論空気量未満となるように設定されることで、内部が還元雰囲気に保持されて、微粉炭燃料を還元燃焼した後、新たに燃焼用空気(AA)を供給して微粉炭燃料の酸化燃焼が完結され、燃焼バーナ74側でのNOx発生量の低減が可能となっている(2段燃焼方式)。
図1に示す実施形態では、燃焼装置72は複数の燃焼バーナ74を備えている。そして、火炉壁には、火炉71fの周方向に沿って例えば均等間隔などで1以上(図1では複数)の燃焼バーナ74が設置されると共に、このような周方向に沿って設置された1以上の燃焼バーナ74が鉛直方向に沿って1以上の段数(図1では74a~74eの5段)で設置されている。これら複数の燃焼バーナ74は、それぞれ、微粉炭供給管75を介して複数の粉砕機76(図1では76a~76e。微粉炭機/ミル)のいずれかに連結されており、各粉砕機76で生成された微粉炭が搬送用空気(1次空気)によって微粉炭供給管75を介して燃焼バーナ74に供給されるようになっている。なお、上記の粉砕機76は、図示しない原炭搬送系統により供給される石炭を所定の微粉の大きさに粉砕することで、微粉炭を生成するようになっている。
また、上記の風箱77eは、火炉71fにおける各燃焼バーナ74の設置位置に設けられており、空気(燃焼用空気)を導く空気ダクト77aの一端部が連結されている。この空気ダクト77aの他端部は送風機78に接続されており、送風機78によって押し込まれた空気が空気ダクト77aを通って風箱77eに供給されるようになっている。また、空気ダクト77aに設けられた分岐部77bから分岐ダクト77cが分岐して上記のAAポート77pに接続されることで、分岐ダクト77cに設置されたAAダンパ77dの開度に応じたAAをAAポート77p(火炉71fの内部)に供給することが可能に構成されている。つまり、送風機78から空気ダクト77aに供給された空気は、エアヒータ82(後述)で温められた後、分岐部77bにおいて風箱77eへ導かれる2次空気と、分岐ダクト77cを経由してAAポート77pへと導かれるAAとに分配されるようになっている。
他方、煙道73は、火炉71fにおける燃料の燃焼により生じた燃焼ガスを導くダクトであり、図1に示すように火炉71fの鉛直方向上方に連結される。この煙道73には、蒸気を生成し過熱するための複数の熱交換器79(図1では79a~79g)や、熱交換器79の伝熱面に付着する付着物(灰など)を除去するためのスーツブロワなどの除灰装置(不図示)などが設置される。そして、火炉71fから煙道73に流入した燃焼ガスにより火炉壁及び熱交換器79を流れる給水や蒸気を加熱して、主蒸気などの過熱蒸気を生成するようになっている。
より詳細には、例えば循環型ボイラの場合には、蒸発管の内部の水が沸騰して生成された水(飽和水)と蒸気(飽和蒸気)が混合した気液混合流体が蒸気ドラム(不図示)に流入し、気液混合流体が蒸気(気相)と水(液相)に分離される。その後、蒸気ドラムで分離された過熱蒸気(主蒸気)は、過熱蒸気の流路を形成する蒸気管7p(過熱蒸気管)を通って蒸気タービンなどに送られる際に、蒸気管7pに設置された過熱器(熱交換器79a,79b,79e)による加熱と、温度低減器7cによる必要に応じた冷却とを受けて、過熱蒸気(主蒸気)は目標温度で一定になるように温度調整がなされる。具体的には、温度低減器7cは、例えば1次過熱器79eと2次過熱器79aとの間の蒸気管7pに設置されても良い。図1に示す実施形態では、2次過熱器79aを通過した後の過熱蒸気と、3次過熱器79bを通過した後の過熱蒸気とが合流した後の過熱蒸気の温度が目標温度(定格蒸気温度)で一定になるように、温度低減器7cによって蒸気管7pを流れる過熱蒸気に冷却水や相対的に低温の蒸気を必要に応じて混ぜる(スプレイする)ことにより、蒸気管7pを流れる過熱蒸気を冷却する。
また、煙道73の下流側には排ガス処理装置が接続されることにより、上記の熱交換器79を通過した後の燃焼ガス(排ガス)は、排ガス処理装置により無害化された後、大気に放出される。より詳細には、排ガス処理装置は、煙道73に連結される排ガス通路8と、排ガス通路8に設置される複数の機器で構成される。図1に示す実施形態では、排ガス通路8には、排ガスの上流側から下流側に向けて、順番に、脱硝装置81、送風機78から空気ダクト77aへ供給される空気と排ガス通路8を流れる排ガスとの間で熱交換を行うエアヒータ82、煤塵処理装置83、誘引送風機84などが設けられ、下流端部に煙突85が設けられている。なお、脱硝装置81では、触媒にアンモニア等を供給することで、触媒を通過する排ガスに含まれるNOxを浄化する。
このように、プラント7は、例えば火力発電所であれば各々が複数の機器で構成されるボイラ71や排ガス処理装置、蒸気タービンなどを備えるというように、複数の機器を備えている。そして、プラント7(ボイラ71)の例えば電力需要などに基づく出力要求を満たしつつ、プラント7の運転が最適となるように、これらの複数の機器の各々で設定可能な、例えばボイラ71における燃焼状態に影響を与える制御変数や、排ガスの処理に影響を与える制御変数などの運転パラメータPの調整がなされる。
ところで、こうしたプラント7の運転の際には、プラント7(ボイラ71)の出力要求を満たすような複数の運転パラメータPのセット(運転条件R)は複数通り存在する場合がある。そして、プラント7の運転条件Rに応じて、燃料消費量や、空燃比(空気量)、NOxやCO濃度などの測定値(プロセス値V)が変化するので、燃料費や、排ガスの脱硝に用いるアンモニア量の費用、灰処理のための費用、各種の機器の動力費などが異なり、運転費(コスト)も変化する。例えば、燃焼バーナ74のバーナノズル角度を下げることによりNOx濃度を低下させることができれば、その分だけ脱硝装置81で使用するアンモニア量の節約が可能である。しかし、その一方で、バーナノズル角度を下げることにより熱交換器79の伝熱管のメタル温度が低下されることで、ボイラが生成する過熱蒸気の蒸気温度を下げる(一定値に調整)ための温度低減器7cにおけるスプレイ噴射による蒸気管7pを流れる蒸気温度の調整範囲の低下を招来する。
このため、本発明者らは、プラント7の運転を最適化するためには、コストのみならず、各種のプロセス値Vも考慮して、総合的にプラント7の運転条件Rを評価する必要性に思い至った。一般に、プラント(ボイラ)の要求出力を満たすことが可能な運転条件Rは複数通りあるが、本発明者らは、複数の運転条件Rをそれぞれ評価した評価結果を相互に比較することができるようにすれば、複数の運転条件Rを比較しつつ、より適切な運転条件を選択するといったことが可能になると考えた。
以下、複数の運転条件Rからより適切な運転条件Rの選択が行えるように支援することが可能なプラントの運転支援装置1について、図2~図5Aを用いて説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係るプラントの運転支援装置1の構成を示すブロック図である。図3は、本発明の一実施形態に係るコスト指標値Cの算出項目の内訳を例示する図である。図4は、本発明の一実施形態に係るスコアSの算出項目の内訳を例示する図である。図5Aは、本発明の一実施形態に係るプロセス値Vの予測値と個別スコアSiとの関係を示す図であり、値が小さいほど望ましいプロセス値Vの例を示す。図5Bは、本発明の一実施形態に係るプロセス値Vの予測値と個別スコアSiとの関係を示す図であり、目標範囲が定められるプロセス値Vの例を示す。図6は、本発明の一実施形態に係るプロセス値VとスコアSとの関係を定めるフローを示す図である。
図2に示すように、プラントの運転支援装置1は、運転条件取得部12と、コスト指標値取得部2と、スコア取得部3と、出力情報生成部4と、を備える。なお、運転支援装置1はコンピュータで構成されており、図示しないCPU(プロセッサ)や、ROMやRAMといったメモリ、外部記憶装置などの記憶装置mなどを備えている。そして、主記憶装置にロードされたプログラム(運転支援プログラム)の命令に従ってCPUが動作(データの演算など)することで、運転支援装置1の各機能部を実現する。運転支援装置1が備える上記の各機能部について、それぞれ説明する。
運転条件取得部12は、上述したようなプラント7を運転するための複数の運転パラメータPをそれぞれ含む複数の運転条件Rを取得するよう構成される。つまり、運転条件Rは、複数(複数種類)の運転パラメータPの各々の設定値を定めた情報セットであり、上記の複数の運転条件Rは、互いに、複数の運転パラメータPのセットにおける少なくとも1つの運転パラメータPの値が異なることにより、運転条件Rの内容が相互に異なる。例えば、運転パラメータPは、火炉71fへ供給する燃料の供給量や空気量、燃焼バーナ74のバーナノズル角度、AAダンパ77dの開度、送風機78の回転数、脱硝装置81で用いるアンモニアの供給量、温度低減器7cでのスプレイ量など、様々なものがある。なお、運転条件取得部12が取得する各運転条件Rには、プラント7で変更可能な全ての運転パラメータPのうちの少なくとも一部が含まれていれば良い。
コスト指標値取得部2は、上述した運転条件取得部12が取得した複数の運転条件Rの各々によりプラント7を運転した場合のコスト指標値Cをそれぞれ取得するよう構成される。このコスト指標値Cは、運転条件Rを運用コストの観点で評価した評価結果であり、運用コスト(ランニングコスト)の予測値であっても良いし、例えば現在の運転条件Rなどの基準となる運転条件R(以下、基準運転条件)からの運用コストの削減量(以下、削減コスト)の予測値であっても良い。図3に示すように、コスト指標値Cは、複数の費用項目の各々を運転条件Rに応じて算出し、それらを合計することにより算出しても良い。図3の例示では、コスト指標値Cを、プラント7の所定期間の運転で生じると予測される燃料費、アンモニア費、補助動力費、灰処理費などの費用項目を合計することにより、算出するようになっている。なお、各費用項目は、単位量当たりの単価と消費量とに基づいて算出しても良い。
また、上記のコスト指標値Cである運用コストまたは削減コストの予測値は、複数の運転条件Rの各々によりプラント7を運転した場合の少なくとも1つのプロセス値の予測値に基づいて、それぞれ算出することが可能である。例えば、ある運転条件RにおけるNOx濃度の予測値から、脱硝装置81で必要となるアンモニア量が予測できるので、その予測結果からアンモニア費が予測できる。また、燃料供給量や空気量が予測できるので、燃料費や、燃焼装置72の運転費用などの費用が予測できる。なお、各運転条件でプラント7を運転した場合のプロセス値の予測値は、図2に示すように予測モデルMを用いて算出しても良く、詳細については後述する。
図2に示す実施形態では、コスト指標値取得部2は、各運転条件Rの削減コストの予測値を算出し、コスト指標値Cとして取得するよう構成されている。これによって、基準運転条件のコスト指標値Cを直接に計算することなく、削減コストを算出しようとする運転条件Rと基準運転条件とにおける各種の運転パラメータPの値やプロセス値Vの差異に基づいて、コスト指標値C(削減コスト)を算出することが可能となる。具体的には、基準運転条件における削減コストを0として、これに対して、例えばバーナノズル角度を下げた運転条件Rによって削減されるアンモニア費やファンの動力にかかる補機動力などの費用項目の予測値を加算し、逆に増大が予測される燃料費用など費用項目の予測値を減算することにより、削減コストを算出する。
ただし、本実施形態に本発明は限定されない。他の幾つかの実施形態では、例えば、コスト指標値取得部2は、運転条件Rに応じたコスト指標値Cを算出可能な他の装置(不図示のコスト指標値算出装置)から取得するようしても良い。例えば、上記のコスト指標値取得部2などからコスト指標値算出装置に対して運転条件Rを送信するなどによって、その応答として、送信した運転条件Rに対応するコスト指標値Cを受信するようにしても良い。
スコア取得部3は、複数の運転条件Rの各々によりプラント7を運転した場合のスコアSをそれぞれ取得するよう構成される。このスコアSは、少なくとも1つのプロセス値Vの予測値に基づく運転条件Rの評価値である。つまり、スコアSは、任意の運転条件Rを、その任意の運転条件Rでプラント7を運転した場合に予測される1以上のプロセス値Vに基づいて評価した評価結果に相当する。また、各プロセス値Vの例としては、NOx濃度、CO濃度などの排出規制が定められたものや、熱交換器79が備える伝熱管のメタル温度、温度低減器7cによる過熱蒸気の温度低減量(スプレイ噴射による蒸気温度調整範囲)、蒸気温度などの各種温度、蒸気圧力などの各種圧力、空燃比、空気量などの計測値などが挙げられる。
また、上記のスコアSの算出を複数のプロセス値Vの評価結果に基づいて行う場合には、図4に示すように、n個(nは1以上の整数)のプロセス値Vの予測値をそれぞれ評価することで得られるn個の個別のスコアS(以下、それぞれを個別スコアSiと呼ぶ)を合計(E=ΣEi)などすることにより、スコアSを算出しても良い。個別スコアSiを、プロセス値Vが望ましい値であるほど大きくなり、逆に各プロセス値Vが望ましくない値であるほど小さくなるように定めることで、スコアSによって運転条件Rをプロセス値Vの観点から評価することが可能となる。
より詳細には、個別スコアSiは、幾つかの実施形態では、図5A~図5Bに示すように、プロセス値Vの目標値Vtを満たしている範囲ではプラス値(正の値)になるようにし、それ以外の範囲ではマイナス値(負の値)になるようにしても良い。さらに、個別スコアSiは、目標の達成度に応じた値になるようにしても良い。具体的には、NOx濃度など排出規制の定められているものなど、小さい値であるほど良いようなプロセス値V(例えばNOx濃度など排出規制のあるもの)の場合には、図5Aに示すように、プロセス値Vが大きいほど個別スコアSiが小さくなるように定めても良い。逆に、大きい値であるほど良いようなプロセス値Vの場合には、プロセス値Vが大きいほど個別スコアSiが大きくなるように定めても良い。また、目標範囲(所定範囲)に値を収める必要があるようなプロセス値Vの場合には、図5Bに示すように、プロセス値Vの予測値が目標範囲内に設定された目標値Vtから離れるにしたがって、個別スコアSiが小さくなるように定めても良い。
図5Aの例示では、目標値Vtを、プラント7を運転する上で満たすことが必須となる規制値(Vmax)よりも小さい値に定めている。また、個別スコアSiを、プロセス値Vの予測値が目標値Vtよりも小さい範囲である第1範囲a1でプラス値になり、目標値Vtよりも大きい範囲(第2範囲a2、第3範囲a3)でマイナス値になるように定めている。この種のプロセス値Vは、目標値Vtよりも大きくなると望ましくはないが、目標値Vtよりも大きく、規制値(Vmax)以下の範囲である第2範囲a2ではプラント7の運転が可能である。このため、この第2範囲a2での傾きよりも、規制値より大きい範囲である第3範囲a3での傾きを大きく設定している。これによって、プロセス値Vの予測値が第3範囲a3に位置する場合の個別スコアSiが、第2範囲a2に位置する場合よりも顕著に減少するようにし、運転条件RのスコアSがより小さく算出されるようにしている。
他方、図5Bの例示では、下限値(Vmin)と上限値(Vmax)とで規定される目標範囲となる第1範囲a1内に目標値Vtが設定されている。そして、個別スコアSiを、プロセス値Vの予測値と目標値Vtとの差の絶対値が大きくなるほど小さくなるように定めている。換言すれば、個別スコアSiは、目標値Vtから遠ざかるほど小さくなる(目標値Vtに近づくほど大きくなる)ように定められている。また、目標範囲外となる第3範囲a3での傾きは、第1範囲a1内(目標範囲内)の傾きよりも大きくなっており、第3範囲a3での個別スコアSiは、第1範囲a1のものよりも、プロセス値Vの予測値が大きくなるほどより急激に減少するように設定している。これによって、プロセス値Vの予測値が第3範囲a3に位置する場合の個別スコアSiが、第1範囲a1に位置する場合よりも顕著に減少するようにし、運転条件RのスコアSがより小さく算出されるようにしている。
そして、図5A~図5Bに示すような各プロセス値Vの予測値と個別スコアSiとの関係(図5A~図5B参照)を予め定めておくことにより、各プロセス値Vの予測値から個別スコアSiを算出することが可能となる。そして、図2に示す実施形態では、スコア取得部3は、運転条件Rに応じたプロセス値Vの予測値に対応する個別スコアSiを算出可能なプロセス値V毎のスコア変換関数Fを用いて、各プロセス値Vの個別スコアSiをそれぞれ算出すると共に、算出した個別スコアSiを合計することにより、スコアSを取得するようになっている。
具体的には、図2に示す実施形態では、運転支援装置1は、所望のプロセス値Vの予測値を、予測モデルMを用いて算出するプロセス値予測部14を、さらに備えている。そして、スコア取得部3は、プロセス値予測部14から入力される運転条件R毎の1以上プロセス値Vの予測値に基づいて、各運転条件RのスコアSを算出するようになっている。より具体的には、スコア取得部3は、個別スコア算出部31と、合計部32と、を備えている。そして、スコア取得部3は、プロセス値予測部14から運転条件R毎のプロセス値Vの予測値が入力されると、個別スコア算出部31によって運転条件R毎に各プロセス値Vの予測値の個別スコアSiを算出した後、合計部32によって、個別スコア算出部31により算出された運転条件R毎の1以上の個別スコアSiの合計値を算出することにより、スコアSを取得するようになっている。
また、上記の予測モデルMは、幾つかの実施形態では、プラント7を実際に運転することにより得られる運転データに基づいて、運転条件Rとプロセス値Vとの関係を学習することにより作成(構築)されても良い。具体的には、図6に示すように、例えば燃焼調整試験において、複数の運転条件Rの各々でプラント7を運転した際の所望のプロセス値Vをそれぞれ計測する(図6のステップS61)。そして、運転条件Rと所望のプロセス値Vの計測値とを対応付けた複数のデータで構成される学習データを生成すると共に、生成した学習データに対して、例えばニューラルネットワークなどの周知の手法を用いて機械学習を行うことにより、入力となる運転条件Rに対応する所望のプロセス値Vの予測値を算出(出力)する予測モデルMを作成する(図6のステップS62)。なお、上記の学習データの少なくとも一部は、プラント7の過去の運用時に得られた運転条件Rおよび所望のプロセス値Vの計測値で構成されていても良い。
そして、その後は、予測モデルMを用いて仮想的な複数の運転条件Rによるプロセス値Vをシミュレーションし(図6のステップS63)、シミュレーションにより得たプロセス値Vに対してスコアリングし、図5A~図5Bに示すような、各プロセス値Vの予測値と個別スコアSiとの関係を定める(図6のステップS64)ことになる。
このように、運転条件Rに対する所望のプロセス値Vの予測値を算出可能な予測モデルMを作成することにより、プラント7の運転で実際に用いていない運転条件Rであっても、その際の所望のプロセス値V(予測値)も求めることが可能となる。但し、本実施形態に本発明は限定されず、他の幾つかの実施形態では、理論的にプロセス値Vを算出するなど、他の手法を用いて予測モデルMを作成しても良い。
出力情報生成部4は、複数の運転条件Rの各々毎に得られるスコアSおよびコスト指標値Cの組合せを含む出力情報Iを生成するよう構成される。図2に示すように、出力情報生成部4は、コスト指標値取得部2が取得した各運転条件Rに対応するコスト指標値Cと、スコア取得部3が取得した各運転条件Rに対応するスコアSとを取得することにより、上記の出力情報Iを生成する。出力情報Iは、運転条件Rまたは運転条件Rの識別情報(IDなど)と、その評価結果であるスコアSおよびコスト指標値Cとを関連付けたデータのリストや、そのようなデータがHTMLやXMLなどのマークアップ言語で記述されたものであっても良い。
このような出力情報Iを、図2に示すように、例えば後述する第1出力部61によりディスプレイなどの表示装置16に出力するようにすれば、オペレータなどは複数の運転条件RをスコアSおよびコスト指標値Cの観点で視覚的に比較することが可能となる。また、例えば、後述する第2出力部62や第3出力部63により、出力情報Iの中から選択された1つの運転条件Rをプラント7の制御装置(DCS)などに送信するようにすれば、スコアSおよびコスト指標値Cの観点からプラント7の運転の最適化を図ることが可能となる。したがって、スコアおよびコスト指標値の観点に基づいて、複数の運転条件Rから適切な運転条件を求めることを可能とすることができる。
なお、図2には、運転条件取得部12が取得した複数の運転条件Rは、コスト指標値取得部2およびプロセス値予測部14にそれぞれ入力されるようになっているが、コスト指標値取得部2およびプロセス値予測部14やスコア取得部3による処理は、並列に行われても良いし、順次(シーケーンシャル)に行われても良い。後者の場合には、運転条件取得部12が取得した複数の運転条件Rがプロセス値予測部14に入力されて処理された後、コスト指標値取得部2およびプロセス値予測部14が行われても良い。
上記の構成によれば、プラントの運転支援装置1は、例えば所望の出力(定格出力など)が得られるようにプラント7を運転することが可能となるような複数の運転条件Rについて、各運転条件Rでプラント7を運転した場合のスコアSおよびコスト指標値Cをそれぞれ求めることにより、スコアSおよびコスト指標値Cの複数の組合せの情報(出力情報I)を生成する。これによって、スコアSによる複数の運転パラメータPの評価に加えて、スコアSおよびコスト指標値Cの観点から複数の運転条件Rの各々の評価が可能となる。このためプラント7を運転した場合のスコアSおよびコスト指標値Cの両面の観点からの評価により、複数の運転条件Rの中から適切な運転条件Rを選択する(求める)ことを支援することができる。
次に、上述した出力情報Iを出力する出力部に関する実施形態について、図7~図8を用いて説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る複数の運転条件Rの評価結果となるグラフGの表示例であり、グラフGは散布図である。散布図のプロット点の数量、すなわち運転条件Rの数は一例であり、限定されるものではない。また、図8は、本発明の一実施形態に係る複数の運転条件Rの評価結果となるグラフGの表示例であり、グラフGは図7の散布図の外周を縁取りした図である。
幾つかの実施形態では、図2に示すように、上述した運転支援装置1は、出力情報生成部4が生成した出力情報Iに基づいて、運転条件取得部12によって取得された複数の運転条件Rに対応する複数の組合せから得られるスコアSおよびコスト指標値Cの相関のグラフG(図7~図9参照)をディスプレイなどの表示装置16に出力する第1出力部61を、さらに備えても良い。つまり、第1出力部61は、上記のグラフGを表示装置16の画面上に表示させるためのデータを出力情報Iに基づいて作成するなどして、表示装置16に送信する。これによって、複数の運転条件Rの各々をスコアSおよびコスト指標値Cで評価した評価結果が、グラフGとして画面上に表示される。なお、グラフGの画面表示上で、マウス等の操作に連動したカーソルで示される部分や、タッチ操作(ポインティング操作)で指定された部分に対応付けられた運転条件Rの内容などの詳細情報が、画面上に表示されるようになっていても良い。
図7に示す実施形態のグラフGは、横軸(x軸)がスコアS、縦軸(y軸)が削減コスト(コスト指標値C)であり、その2軸上に複数の運転条件Rの各々を、その評価結果(スコアSおよびコスト指標値Cの組合せ)でプロットした散布図である。図7のグラフGにおいて各プロット点は丸印で示されており、各プロット点が複数の運転条件Rのいずれかに該当する。また、グラフGの原点が比較用に仮選定している基準運転条件に該当するようにしている(図8も同様)。
また、図8に示す実施形態では、上記のグラフGは、上述した複数の運転条件Rについての複数のスコアSおよびコスト指標値Cの組合せの散布図を構成するプロット点の集合(図7参照)の外周を縁取りした図(図形。以下、外形図Gs)となっている。例えば図7に示すような散布図の画面表示上には、一例として選択した各運転条件に対して、プロット点の密集度合いに応じたプロット点の重なりなどの濃淡が生じる。本実施形態では、濃淡自体による評価は実施していない。この際、コスト指標値CあるいはスコアSのいずれかが最大もしくは最大の範囲となるプロット点が、画面表示上のプロット点の重なりなどの濃淡の偏りなどによって判別しづらい場合が生じ得る。そこで、散布図に代えて、散布図の外形図Gsを画面上に表示することにより、例えば散布図におけるピークを判別し易くするように図っている。したがって、コスト指標値CあるいはスコアSのいずれかが最大もしくは最大の範囲となるスコアSおよびコスト指標値Cの組合せを容易に把握することが可能となる。
上記の散布図の外形図Gsは、散布図を構成する複数のプロット点の一部を通る直線などで結ばれた図形であって、散布図を構成する他のプロット点の全てがその図形の内側に収まっているような図形である。ただし、外れ値と判断可能なプロット点は、図形の内部に収まっていなくても良い。なお、このような図形は、例えば、x軸(またはy軸)を複数の区間に分割した上で、分割した各区間に含まれる1以上のプロット点のうちからy値(x値)が最大もしくは最大の範囲のプロット点および最小もしくは最小の範囲のプロット点をそれぞれ判別し、判別した複数のプロット点同士を、例えば直線で結んだ内側に散布図を構成する全てのプロット点が含まれるように結ぶことにより、作成しても良い。あるいは、x値(あるいはy値)が最大もしくは最大の範囲または最小もしくは最小の範囲なるプロット点など、任意の起点となるプロット点からx軸(またはy軸)上を一方向に進んだときに進行方向で隣接するプロット点を結んでいくことにより、散布図の外形図Gsを作成しても良い。その他の手法により作成しても良い。なお、最小の範囲とは、コスト指標値Cの最小とほぼ同等と見做せる値であり、最小の100%から120%まで、さらに好ましくは最小の100%から110%までの範囲とする。これによりコスト指標値Cの微小な値の差異を許容する。
上記の構成によれば、第1出力部61は、複数の運転条件Rに対応したスコアSおよびコスト指標値Cの複数の組合せに基づいて、スコアSとコスト指標値Cとの相関のグラフ(散布図など)を表示装置16に出力する。これによって、オペレータなどは、スコアSおよびコスト指標値Cの観点から複数の運転条件Rを視覚的に比較することができるようになり、適切な運転条件の選択を支援することができる。
また、幾つかの実施形態では、図2に示すように、上述した運転支援装置1は、複数の運転条件Rのうち、表示装置16を介したオペレータなどによる選択操作に応じて入力されるスコアSおよびコスト指標値Cの組合せに対応する運転条件Rを出力する第2出力部62を、さらに備えても良い。具体的には、第2出力部62の出力先は、プラント7の制御装置であっても良いし、表示装置16であっても良い。
つまり、第1出力部61により表示装置16に表示されたグラフGは、オペレータなどによるマウスの操作、タッチ操作などによって選択可能に構成される。そして、図2に示す実施形態では、表示装置16の画面上で選択操作がなされることにより、選択されたグラフG上のプロット点あるいは位置の情報(選択情報)が運転支援装置1に送信されることで、第2出力部62は、受信した選択情報に対応付けられている運転条件Rを、プラント7の制御装置または表示装置16の少なくとも一方に出力するようになっている。
上記の構成によれば、第2出力部62は、例えばオペレータが画面上で行う選択操作によって選択された任意のスコアSおよびコスト指標値Cの組合せに対応した(関連付けられた)運転条件Rを例えばプラント7の制御装置(DCS)などの外部に出力する。これによって、第2出力部62の出力先に対して、選択された運転条件Rを伝送することができる。
次に、所定の選定条件を満たす運転条件Rを複数の運転条件Rから選定する選実施形態について、図9を用いて説明する。図9は、本発明の一実施形態に係る選定部5により選定された組合せを含むグラフGの表示例であり、図7に対応する。
すなわち、幾つかの実施形態では、図2に示すように、上述した運転支援装置1は、出力情報Iに含まれる、複数の運転条件Rに対応したスコアSおよびコスト指標値Cの複数の組合せの中から選定条件(後述)を満たす少なくとも1つの組合せを選定する選定部5を、さらに備えても良い。この場合、出力情報Iは、上記の選定部5によって選定された少なくとも1つの組合せを表示装置16に表示させるための情報(選定情報)をさらに含んでも良い。換言すれば、第1出力部61は、複数の運転条件Rの各々毎に得られる複数のスコアSおよびコスト指標値Cの組合せおよび上記の選定情報を含む出力情報Iを出力する。
上記の選定部5は、幾つかの実施形態では、図2に示すように、複数の運転条件Rの各々毎に得られるスコアSおよびコスト指標値Cの組合せのうちのスコアSが下限値Smin以上(図9参照。図9では0)となる組合せの中から、コスト指標値Cが最良もしくは最良の範囲となる組合せ(図9のコスト最良)を選定する第1選定部51を含んでも良い。ここで、コスト指標値Cが最良とは、削減コストの場合には、値が大きいほど費用が小さくなるので最大値もしくは最大値の範囲であり、コスト指標値Cが、運用コスト自体である場合には、値が大きいほど費用が高くなるので最小値もしくは最小値の範囲となる。また、最良の範囲とは、コスト指標値Cの最良とほぼ同等と見做せる値であり、最良となる値の100%から80%まで、さらに好ましくは最大値の100%から90%までの範囲とする。これによりコスト指標値Cの微小な値の差異を許容するものである。つまり、第1選定部51は、S≧Smin、かつ、C(削減コスト)=最大もしくは最大の範囲、あるいは、S≧Smin、かつ、C(運用コスト)=最小もしくは最小の範囲、との選定条件(コスト最良条件)を満たす上記の組合せを選定する。図9に示す実施形態では、上記のスコアSの下限値Sminは0であるが、他の幾つかの実施形態では、上記のスコアSの下限値Sminは0よりも大きい値でも良いし、0よりも小さい値でも良い。これによって、スコアSの下限値Smin以上となることによって例えば排出規制の達成度や、所定のプロセス値Vに基づいて評価されるプラント7の運用性などの要求を満たしつつ、コスト指標値Cが最良もしくは最良の範囲となることによって経済性が最も高くなるような運転条件Rを、複数の運転条件Rの中から選択することが可能となる。
また、他の幾つかの実施形態では、選定部5は、図2に示すように、複数の運転条件Rの各々毎に得られるスコアSおよびコスト指標値Cの組合せの中から、コスト指標値Cにかかわらず、スコアSが最大もしくは最大の範囲となる組合せ(図9のスコア最大)を選定する第2選定部52を含んでも良い。つまり、第2選定部52は、コスト指標値Cを必ずしも選定条件とすることなく、S=最大もしくは最大の範囲、との選定条件(スコア最大条件)を満たす組合せを選定する。これによって、スコアSによって評価される例えば排出規制の達成度や、所定のプロセス値Vに基づいて評価されるプラント7の運用性を最優先した運転条件Rを、複数の運転条件Rの中から選択することが可能となる。
その他の幾つかの実施形態では、選定部5は、図2に示すように、複数の運転条件Rの各々毎に得られるスコアSおよびコスト指標値Cの組合せのうちのスコアSが第1値S以上となる組合せの中から、コスト指標値Cが最良もしくは最良の範囲となる組合せである組合せ(以下、バランス組合せ。図9のバランス)を選定する第3選定部53を含んでも良い。ここで、第1値Sは前述の下限値Sminよりも大きい(S>Smin)。つまり、第3選定部53は、S≧S、かつ、C(削減コスト)=最大もしくは最大の範囲、あるいはS≧S、かつ、C(コスト)=最小もしくは最小の範囲との選定条件(バランス条件)を満たす組合せを選定する。図9に示す実施形態では、第1値Sは0よりも大きい値となっているが(S>0)、第1値Sは0であっても良いし、0よりも小さい値であっても良い(S≦0)。これによって、スコアSとコスト指標値Cとがバランス(両立)するような運転条件Rを、複数の運転条件Rの中から選択することが可能となる。
この際、上述したように、スコアSを、複数のプロセス値Vの各々の予測値をそれぞれ評価した個別スコアSiに基づいて算出(合計)する場合には、スコアSの値が同一となる複数の個別スコアSiの値の集合が複数存在する場合がある。よって、そのような個別スコアSiの集合の中で、所望の個別スコアSiの値をより大きくしたい場合がある。例えば、同じスコアSとなる運転条件Rであっても、温度低減器7cにおけるスプレイ噴射による蒸気温度の調整範囲に関する個別スコアSiが比較的高い場合や、NOx濃度に関する個別スコアSiが比較的高い場合などがあり得るが、スコアSが最大値もしくは最大値の範囲として、概ね同じとなる運転条件Rのうちから例えばスプレイ噴射による蒸気温度の調整範囲に優れた運転条件Rを見出したいといった場合がある。
そこで、その他の幾つかの実施形態では、選定部5は、図2に示すように、上記のバランス組合せ(バランス条件を満たすスコアSおよびコスト指標値Cの組合せ)のスコアSの値を基準としたスコアSの所定の範囲(スコア範囲Sr)内のスコアSの値を有し、かつ、そのバランス組合せのコスト指標値Cの値を基準としたコスト指標値Cの所定の範囲(コスト範囲Cr)内のコスト指標値Cの値を有する他の1以上のスコアSおよびコスト指標値Cの組合せのうち、特定のプロセス値Vに関する個別スコアSiが最大値もしくは最大値の範囲として、組合せ(図9のバランス周辺)を選定する第4選定部54を、さらに含んでも良い。
上記のスコア範囲Srは、例えば、バランス組合せの有するスコアSから+α1までの範囲、-α2までの範囲、-α2から+α1までの範囲のいずれかであっても良い(α1、α2≧0の所定値)。この際、α1=α2、α1≠α2であっても良い。同様に、上記のコスト範囲Crは、例えば、バランス組合せのコスト指標値Cから+β1までの範囲、-β2までの範囲、-β2から+β1までの範囲のいずれかであっても良い(β1、β2≧0の所定値)。この際、β1=β2、β1≠β2であっても良い。つまり、第4選定部54は、Sがスコア範囲Sr内、Cがコスト範囲Cr内にあり、かつ、特定の個別スコアSi=最大もしくは最大の範囲との選定条件(バランス周辺条件)を満たす組合せを選定する。上記のα1,α2の所定値およびβ1,β2の所定値は、スコアSの値およびコスト指標値Cの値の発生状況などから適切な範囲を設定する。もしくは簡略方法として、スコアSの値およびコスト指標値Cの値の±20%、さらに好ましくは値の±10%の範囲としてもよい。
これによって、バランス組合せ付近で、所望する特定のプロセス値Vの予測値の評価(個別スコアSi)がより高くなるような運転条件Rを選定することができ、特定のプロセス値Vを優先した運転条件Rを選定することが可能となる。
上記の構成によれば、出力情報Iには、所定の選定条件を満たすコスト指標値CおよびスコアSの組合せを例えばグラフGに重ねて表示させるなど、複数の運転条件Rの組合せの評価結果と共に選定条件を満たす組合せをグラフGに関連付けた形で表示装置16に表示させるための情報が含まれる。これによって、選定部5により選定されたスコアSおよびコスト指標値Cの組合せを他の組合せと容易に対比できるように表示したり、最適な運転条件Rの抽出を自動で行うことができる。
他方、他の幾つかの実施形態では、上述した運転支援装置1は、上記の選定部5に加えて、上記の選定条件に基づいて選定部5が選定した少なくとも1つの組合せのうちの、プラント7の運転モードに合致した1つの組合せに対応する運転条件Rを出力する第3出力部63をさらに備えても良い。第3出力部63は例えばプラント7の制御装置に接続されていても良く、第3出力部63が出力した運転条件Rを指令値として、プラント7の制御装置がプラント7の制御を行っても良い。
また、運転モードは、選定部5が選定した1以上の組合せに対応する運転条件Rの中から、どの運転条件Rを実際に採用すべきかを指示する情報である。具体的には、運転モードによって、コスト最良条件、スコア最大条件、バランス条件、バランス周辺条件のいずれを満たす運転条件Rの指示が可能であっても良い。よって、第3出力部63は、運転モードで指示されている選定条件を満たすスコアSおよびコスト指標値Cの組合せに対応した運転条件Rを出力する。
上記の構成によれば、第3出力部63は、運転モードで指示される選定条件を満たすスコアSおよびコスト指標値Cの組合せに対応する運転条件Rを、例えばプラント7の制御装置などの外部に出力する。これによって、運転モードに応じた運転条件Rでプラント7の運転などを行うことができる。
なお、他の幾つかの実施形態では、運転支援装置1は、上述した選定部5を備えていなくても良い。この場合には、出力情報生成部4と出力部6とが直接接続されることになる。
以下、上述した運転支援装置1が実行する処理に対応するプラントの運転支援方法について、図10を用いて説明する。図10は、本発明の一実施形態に係るプラントの運転支援方法を示すフロー図である。
図10に示すように、プラントの運転支援方法(以下、単に、運転支援方法)は、運転条件取得ステップ(S1)と、コスト指標値取得ステップ(S2)と、スコア取得ステップ(S3)と、出力情報生成ステップ(S4)と、を備える。
図10のステップ順に運転支援方法を説明する。
図10のステップS1において、運転条件取得ステップを実行する。運転条件取得ステップ(S1)は、上述した複数の運転条件Rを取得するステップである。運転条件取得ステップ(S1)は、既に説明した運転条件取得部12が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
ステップS2において、コスト指標値取得ステップを実行する。コスト指標値取得ステップ(S2)は、運転条件取得ステップ(S1)によって取得された複数の運転条件Rの各々によりプラント7を運転した場合のコスト指標値C(前述)をそれぞれ取得するステップである。コスト指標値取得ステップ(S2)は、既に説明したコスト指標値取得部2が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
ステップS3において、スコア取得ステップを実行する。スコア取得ステップ(S3)は、運転条件取得ステップ(S1)によって取得された複数の運転条件Rの各々によりプラント7を運転した場合のスコアS(前述)をそれぞれ取得するステップである。スコア取得ステップ(S3)は、既に説明したスコア取得部3が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
ステップS4において、出力情報生成ステップを実行する。出力情報生成ステップ(S4)は、上述した出力情報Iを生成するステップである。出力情報生成ステップ(S4)は、既に説明した出力情報生成部4が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
図10に示す実施形態では、ステップS5において、上述した出力情報Iに含まれる、複数の運転条件Rに対応したスコアSおよびコスト指標値Cの複数の組合せの中から選定条件を満たす少なくとも1つの組合せを選定する選定ステップ(S5)を実行する。選定ステップ(S5)は、既に説明した選定部5が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略するが、上述したコスト最良条件、スコア最大条件、バランス条件、バランス周辺条件のいずれかの条件を満たす少なくとも1つの運転条件Rを選定しても良い。
そして、選定ステップ(S5)で選定された運転条件Rを含むグラフGを表示装置16に画面表示する場合には、ステップS61において、上述した第1出力部61の処理内容に相当する第1出力ステップ(S61)を実行することにより、上記のグラフG(図7~図9参照)を表示装置16に画面表示させるようにしている。また、ステップS62において、上述した第2出力部62の処理内容に相当する第2出力ステップを実行することにより、オペレータにより選択されたグラフGにおけるプロット点あるいは位置に対応する運転条件Rを、プラント7の制御装置に設定するようにしている。逆に、上記の画面表示をしない場合には、上述した第3出力部63の処理内容に相当する第3出力ステップ(S63)を実行することにより、選定ステップ(S5)で選定された1つの運転条件Rをプラント7の制御装置に設定するようにしている。
上記の構成によれば、スコアSおよびコスト指標値Cの観点から複数の運転条件Rの各々を評価することにより、複数の運転条件Rの中から適切な運転条件Rを選択する(求める)ことを支援することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 運転支援装置
m 記憶装置
12 運転条件取得部
14 プロセス値予測部
16 表示装置
2 コスト指標値取得部
3 スコア取得部
31 個別スコア算出部
32 合計部
4 出力情報生成部
5 選定部
51 第1選定部(コスト最良条件)
52 第2選定部(スコア最大条件)
53 第3選定部(バランス条件)
54 第4選定部(バランス周辺条件)
6 出力部
61 第1出力部
62 第2出力部
63 第3出力部
7 プラント
7c 温度低減器
7p 蒸気管
71 ボイラ
71f 火炉
72 燃焼装置
73 煙道
74 燃焼バーナ
75 微粉炭供給管
76 粉砕機
77a 空気ダクト
77b 分岐部
77c 分岐ダクト
77d ダンパ
77e 風箱
77p ポート
78 送風機
79 熱交換器
79a 2次過熱器
79b 3次過熱器
79e 1次過熱器
8 排ガス通路
81 脱硝装置
82 エアヒータ
83 煤塵処理装置
84 誘引送風機
85 煙突

R 運転条件
P 運転パラメータ
V プロセス値
Vt 目標値
C コスト指標値
Cr コスト範囲
G グラフ
Gs 外形図
I 出力情報
M 予測モデル
S スコア
Si 個別スコア
min 下限値
S1 第1値
Sr スコア範囲
F スコア変換関数
a1 プロセス値の第1範囲
a2 プロセス値の第2範囲
a3 プロセス値の第3範囲

Claims (9)

  1. プラントを運転するための複数の運転パラメータをそれぞれ含む複数の運転条件を取得するよう構成される運転条件取得部と、
    前記複数の運転条件の各々により前記プラントを運転した場合の少なくとも1つのプロセス値の予測値を用いて、前記複数の運転条件についてコスト指標値をそれぞれ算出するよう構成されるコスト指標値取得部と、
    前記複数の運転条件の各々により前記プラントを運転した場合の前記予測値に基づく前記運転条件の評価値であるスコアをそれぞれ算出するよう構成されるスコア取得部と、
    前記複数の運転条件の各々毎に得られる前記スコアおよび前記コスト指標値の組合せを含む出力情報を生成するよう構成される出力情報生成部と、
    前記出力情報生成部が生成した前記出力情報に基づいて、前記複数の運転条件に対応する複数の前記組合せから得られる前記スコアおよび前記コスト指標値の相関のグラフをオペレータ側の表示装置に出力する第1出力部と、
    前記複数の運転条件にそれぞれ対応する前記スコアおよび前記コスト指標値の複数の前記組合せの中から、前記スコア又は前記コスト指標値の優先度が異なる複数種の選定条件をそれぞれ満たす複数種の組合せを選定する選定部と、
    を備え
    前記出力情報は、前記選定部によって選定された前記複数種の組合せを前記表示装置に表示させるための情報をさらに含む
    ことを特徴とするプラントの運転支援装置。
  2. 前記グラフは、前記複数の組合せの散布図を構成するプロット点の集合の外周を縁取りした図であることを特徴とする請求項1に記載のプラントの運転支援装置。
  3. 前記複数の運転条件のうち、前記表示装置を介した選択操作に応じて入力される前記スコアおよび前記コスト指標値の組合せに対応する前記運転条件を出力する第2出力部を、さらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラントの運転支援装置。
  4. 記選定部が選定した前記複数種の組合せのうちの、前記プラントの運転モードに合致した1つの前記組合せに対応する前記運転条件を出力する第3出力部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のプラントの運転支援装置。
  5. 前記選定部は、
    前記複数の運転条件の各々毎に得られる前記スコアおよび前記コスト指標値の組合せのうちの前記スコアが下限値以上となる前記組合せの中から、前記コスト指標値が最良もしくは最良の範囲となる前記組合せを選定する第1選定部を含むことを特徴とする請求項4に記載のプラントの運転支援装置。
  6. 前記選定部は、
    前記複数の運転条件の各々毎に得られる前記スコアおよび前記コスト指標値の組合せの中から、前記コスト指標値に係わらずに前記スコアが最大もしくは最大の範囲となる前記組合せを選定する第2選定部を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載のプラントの運転支援装置。
  7. 前記選定部は、
    前記複数の運転条件の各々毎に得られる前記スコアおよび前記コスト指標値の組合せのうちの前記スコアが下限値よりも大きい第1値以上となる前記組合せの中から、前記コスト指標値が最良もしくは最良の範囲となる前記組合せであるバランス組合せを選定する第3選定部を含むことを特徴とする請求項4~のいずれか1項に記載のプラントの運転支援装置。
  8. 前記スコアは、複数のプロセス値の各々の予測値をそれぞれ評価した個別スコアの合計であり、
    前記選定部は、
    前記バランス組合せの前記スコアの値を基準としたスコア範囲内の前記スコアの値を有し、かつ、前記バランス組合せの前記コスト指標値の値を基準としたコスト範囲内の前記コスト指標値の値を有する他の1以上の前記組合せのうち、特定の前記プロセス値に関する前記個別スコアが最大もしくは最大の範囲となる前記組合せを選定する第4選定部を、さらに含むことを特徴とする請求項に記載のプラントの運転支援装置。
  9. プラントを運転するための複数の運転パラメータをそれぞれ含む複数の運転条件を取得するよう構成される運転条件取得ステップと、
    前記複数の運転条件の各々により前記プラントを運転した場合の少なくとも1つのプロセス値の予測値を用いて、前記複数の運転条件についてコスト指標値をそれぞれ算出するよう構成されるコスト指標値取得ステップと、
    前記複数の運転条件の各々により前記プラントを運転した場合の前記予測値に基づく前記運転条件の評価値であるスコアをそれぞれ算出するよう構成されるスコア算出ステップと、
    前記複数の運転条件の各々毎に得られる前記スコアおよび前記コスト指標値の組合せを含む出力情報を生成するよう構成される出力情報生成ステップと、
    前記出力情報生成ステップにおいて生成した前記出力情報に基づいて、前記複数の運転条件に対応する複数の前記組合せから得られる前記スコアおよび前記コスト指標値の相関のグラフをオペレータ側の表示装置に出力する第1出力ステップと、
    前記複数の運転条件にそれぞれ対応する前記スコアおよび前記コスト指標値の複数の前記組合せの中から、前記スコア又は前記コスト指標値の優先度が異なる複数種の選定条件をそれぞれ満たす複数種の組合せを選定する選定ステップと、
    を備え
    前記出力情報は、前記選定ステップにおいて選定された前記複数種の組合せを前記表示装置に表示させるための情報をさらに含む
    ことを特徴とするプラントの運転支援方法。
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