以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の実施形態であるパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について図1~図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠に対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、下方に押下操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、下方に押下操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に図2~図5を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2抽選」という)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。
第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。なお、誘導ステージ12gの上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第2始動口12へ入賞することはできない。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでいる。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口15への入球が可能となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば16R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。
特定領域16と非特定領域17には、各領域16、17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。
また、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。図4に示すように、表示器類8には、特図1を可変表示する特図1表示器81a、特図2を可変表示する特図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器81aによる特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器81bによる特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器81aおよび特図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特図1保留表示器83aと特図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。
次に、図5を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイで構成され、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。
盤上可動装置55は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に、図6~図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6~図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出)、客待ち演出、通常ボタン40や特殊ボタン41の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のONOFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。また、遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。
また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118、および遊技用RAM104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ119が実装されている。RAMクリアスイッチ119は、遊技機枠2が閉状態であるとき、外部からは操作できない位置に設けられている。このため、RAMクリアスイッチ119は、遊技機枠2の開状態にて操作可能である。つまり、RAMクリアスイッチ119は、遊技場の従業員等の設定者が操作可能であり、通常、遊技者が操作することはない。
主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類Msや各種アクチュエータ類Maが接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類Msが出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類Maに信号を出力する。
主制御基板100に接続されている各種センサ類Msには、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する第1始動口センサ、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する第2始動口センサ、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する一般入賞口センサ、ゲート13を通過した遊技球を検知するゲートセンサ、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する第1大入賞口センサ、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する第2大入賞口センサ15a、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する特定領域センサ16a、および、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する非特定領域センサ17aが含まれている。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類Maには、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する電チューソレノイド、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する第2大入賞口ソレノイド、および、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sが含まれている。なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のための賞球センサにより検知されて、賞球センサによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイドを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140との接続は、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類Sa、各種ランプ類Slが接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエータ類Saに信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類Slの点灯制御を行う。
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40aおよび特殊ボタン検出スイッチ41aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエータ類Saには、盤上可動装置55,盤下可動装置56,枠可動装置58等を駆動するモータが含まれ、モータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類Slには、枠ランプ53,盤ランプ54等が含まれ、各ランプを発光させる。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図8~図15を用いて説明する。
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、図9(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。また、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-1-2.普図変動
普図変動パターン判定は、図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)、すなわち、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、図9(C)に示すような補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。また、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.00秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。なお、乱数を判定情報と言うこともある。
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、図10(A)に示すような大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図10(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。また、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
例えば、図10(B)に示すように、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Aが50%、大当たり図柄Bが50%にし、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Cが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図10(C)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3-2-4.特図変動
特図変動パターン判定は、図11~図12に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることが可能である。特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図11)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図12)とがある。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンには、図11~図12の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローに関連付けることが可能である。
なお、図11~図12の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」といい。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」という。
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、図13に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行う。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、がある。
また、先読み判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。なお、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
3-3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、図14に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎に大当たり遊技構成要素が格納されている。大当たり遊技として、1種類又は複数種類の大当たり遊技を制御することが可能である。
例えば、図14に示すように、1Rから15Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、16R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサに入賞すると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
また、各要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。このように、振分部材16kが一定の作動態様(特定領域16が一定の開閉態様)で制御されるが、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)が設定されることになる。なお、以下において、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいう。
第2大入賞口の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、大当たり遊技には、当該大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、を実行することが可能である。このように、Vロング開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vロング大当たり」という。一方、Vショート開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vショート大当たり」という。
3-4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、図15に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することができる。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.0秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われるようにすることも可能である(図11~図12参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くすることが可能である。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くすることが可能である。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、当たり判定は行われるが大当たり判定は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図16~図22を用いて説明する。
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図16(A―1)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常ボタン40が操作されると、図16(A―2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、実行される演出の頻度設定などがある。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、図16(B―1)に示すように、表示部50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、図16(B―2)に示すように、表示部50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、図16(B―3)に示すように、表示部50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1~第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示部50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、図16(B―4)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示部50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、図16(B―5)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示部50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、図16(C―1)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、図16(C―2)に示すように、表示部50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、図16(C―3)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、特図の可変表示の開始に伴って演出図柄が変動し、特図の可変表示の終了に伴って演出図柄が停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40、特殊ボタン41などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
4-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図17(A)に示すように、表示部50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
また、図17(A)に示すように、表示部50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。
なお、図17(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
4-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特図の可変表示が開始されると、例えば、図17(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、図17(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、図17(C―1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、図17(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、図17(C―2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様(所謂リーチ目)で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図18(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図18(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図18(C―1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、図18(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大あり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図19(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図19(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、図19(C―1)に示すように、表示部50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、図19(C―2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とした場合、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%とした場合、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%とすれば、SPリーチBの大当たり期待度を、SPリーチAの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
4-3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図20(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特図1保留数または特図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特図1保留数が『1』の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、図20(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じまたは異なる当該アイコンTAを表示することが可能である。
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特図1保留数および特図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。
4-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特図1保留または特図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
保留演出では、特図1保留数が『0』のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、図20(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、図20(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特図1保留数が『1』であることが遊技者に報知される。
4-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、入力装置40,41等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
4-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、図21(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、表示部50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示部50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、図21(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40や特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者が通常ボタン40や特殊ボタン41を操作する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、特殊ボタン41の押下操作が有効な期間(ボタン操作有効期間)が発生し、このボタン操作有効期間の発生に伴って、図22(A)に示すように、特殊ボタン41の操作を促す演出(ボタン操作促進演出)が行われる。ボタン操作促進演出において、表示部50aに、ボタン操作促進画像G3が表示される。ボタン操作促進画像G3は、特殊ボタン41を模した画像(特殊ボタン画像G31)と、特殊ボタン41の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像G32)と、ボタン操作有効期間の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像G33)と、を含む。なお、操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、ボタン操作有効期間において特殊ボタン41が押下操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において特殊ボタン41が操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、図22(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、盤上可動体55kが表示部50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
先読み演出では、例えば、特図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、図20(A)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4-5.機能設定
次に、機能設定について説明する。機能設定は、演出内容に係る基本的な設定である。本形態では、機能設定の変更時には、表示部50aに、図23(A)に示す「機能設定メニュー」の画像が表示される。機能設定には、ホールコードに関する設定、RTC演出に関する設定、禁則演出に関する設定が含まれている。「機能設定メニュー」の画像が表示されているときに各設定項目を選択することで、ホールコードに関する設定、RTC演出に関する設定、禁則演出に関する設定等を行うことができる。各設定項目の選択は、通常ボタン40等を用いて行うことができる。そして、例えば、ホールコードに関する設定を選択することで、パチンコ遊技機PY1を設置する遊技場(ホール)に応じた画像を表示すること等の設定が可能となる。また、RTC演出に関する設定を選択することで、暦や時刻に応じた内容の演出を行うこと等の設定が可能となる。
また、「機能設定メニュー」の画像にて禁則演出の設定を選択すると、本形態では、表示部50aに、図23(B)に示す「禁則演出設定メニュー」の画面が表示される。禁則演出に関する設定では、本パチンコ遊技機PY1で実行可能な演出に登場する複数の対象のうち、遊技者が認識することが困難となるようにする対象(禁則対象)を選択することが可能となる。具体的には、禁則演出設定の設定内容が通常設定(禁則なし)である場合には、第1人物、第2人物、第3人物が通常通り、演出に出現可能である。これに対し、禁則対象として選択された対象(ONとされた対象)がある場合には、禁則演出設定の設定内容が禁則設定となる。禁則演出設定の設定内容が禁則設定(禁則あり)である場合には、その禁則対象が出現する演出にて、禁則対象の視認性が通常設定の場合よりも低く設定されることがある。また、禁則対象が出現する演出の実行頻度が、通常設定の場合よりも低く設定されることもある。この点、後に詳述する。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
次に図24~図27に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。
[1.主制御メイン処理]
主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から図24に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、後述する電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図8(A)および図8(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[2.電源投入時処理]
図25に示すように電源投入時処理(S001)では、まず遊技用RAM104へのアクセスの許可設定を行う(S011)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ119が操作されたか否か(ONか否か)を判定する(S012)。RAMクリアスイッチ119がONであれば(S012でYES)、ステップS018に進む。これに対して、ONでなければ(S012でNO)、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する(S013)。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理(図27参照)でONにされるフラグである。
電源断フラグがONでなければ(S013でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS018に進む。一方、電源断フラグがONであれば(S013でYES)、チェックサムを算出して(S014)、これを電断時に算出しておいたチェックサム(図27のステップS2902参照)と比較する(S015)。チェックサムの値が一致しなければ(S015でNO)、遊技用RAM104の記憶内容が正常ではないため、ステップS018に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S015でYES)、遊技用RAM104の記憶内容が正常であると判断し、ステップS016に進む。
ステップS016では、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定処理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグをOFFして(S017)、ステップS021に進む。
また、ステップS018では、遊技用RAM104に記憶されている全ての遊技情報をクリアする(S018)。その後、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う(S019)。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン101は、RAMクリアを行ったことを通知するためのRAMクリア通知コマンドをサブ制御基板120に対して出力する(S020)。そして、ステップS021に進む。ステップS021ではその他の初期設定として、例えば、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行う。
[3.メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図26に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図24の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図8(A)および図8(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
特別動作処理(S106)に次いで、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理を行う(S107)。
次に、遊技制御用マイコン101は、後述する電源断監視処理(S108)を行い、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S109)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し(図24参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[3-1.センサ検出処理]
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図2関係乱数を取得し、取得した特図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図2保留記憶部105bに記憶する。特図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特図2関係乱数と第2先読み判定テーブル(図13参照)とを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図1関係乱数を取得し、取得した特図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図1保留記憶部105aに記憶する。特図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特図1関係乱数と第1先読み判定テーブル(図13参照)とを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
特定領域センサ処理では、特定領域センサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
[3-2.普通動作処理]
普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
[3-3.特別動作処理]
特別動作処理(S106)では、特別図柄待機処理、特別図柄変動処理、特別図柄確定処理、大当たり遊技制御処理、遊技状態設定処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[3-3-1.特別図柄待機処理]
特別図柄待機処理は、大当たり遊技状態ではなく、特図の可変表示が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数に基づいて、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理を行うとともに、特図2保留記憶部シフト処理を行う。また、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数に基づいて、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理を行うとともに、特図1保留記憶部シフト処理を行う。
特図2判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A)参照)と、を用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図2関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と特図2大当たり図柄種別判定テーブル(図10(B)参照)とを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。
特図2変動パターン判定処理は、特図2判定処理の後に行われる処理である。特図2変動パターン判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図2変動パターンテーブル(図12参照)と、を用いて、特図2変動パターンを判定する。なお、特図2変動パターンの判定は、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)にも関連付けられる。そして、判定された特図2変動パターンを表す特図2変動開始コマンドを生成する。特図2変動開始コマンドには、特図2であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の可変表示を開始させる。
特図2保留記憶部シフト処理は、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図2保留記憶部シフト処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されていた特図2関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図2関係乱数を特図2保留記憶部105bからクリアする。このようにして、特図2関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図2保留数を表す特図2保留数コマンドを生成する。
特図1判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A)参照)と、を用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図1関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と特図1大当たり図柄種別判定テーブル(図10(B)参照)とを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。
特図1変動パターン判定処理は、特図1判定処理の後に行われる処理である。特図1変動パターン判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図1変動パターンテーブル(図11参照)と、を用いて、特図1変動パターンを判定する。なお、特図1変動パターンの判定は、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)にも関連付けられる。そして、判定された特図1変動パターンを表す特図1変動開始コマンドを生成する。特図1変動開始コマンドには、特図1であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、大当たり種別判定の結果に関する情報、特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の可変表示を開始させる。
特図1保留記憶部シフト処理は、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図1保留記憶部シフト処理では、特図1保留記憶部105aに記憶されていた特図1関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図1関係乱数を特図1保留記憶部105aからクリアする。このようにして、特図1関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図1保留数を表す特図1保留数コマンドを生成する。
なお、特図2保留数および特図1保留数の何れも存在する場合、特図2判定処理が優先して行われ、特図2の可変表示と特図1の可変表示とが並行して行われないようになっている。
[3-3-2.特別図柄変動処理]
特別図柄変動処理は、特図の可変表示中に行われる処理である。特別図柄変動処理では、特図変動時間が経過することに応じて、特図表示器81に、特図の可変表示を終了させるとともに、大当たり判定の結果に応じた特図を停止表示させる。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たりを示す大当たり図柄を停止表示させ、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを示すハズレ図柄を停止表示させる。そして、特図の可変表示の終了を示す特図変動停止コマンドを生成する。
[3-3-3.特別図柄確定処理]
特別図柄確定処理は、特図が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理では、現在停止表示している特図が大当たり図柄である場合には、大当たり遊技状態に移行させる。そして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドには、大当たり種別判定の結果に関する情報が含まれる。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ高確率状態を終了させる場合には、通常確率状態を設定する。そして、通常確率状態への移行を示す高確率終了コマンドを生成する。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ時短状態を終了させる場合には、非時短状態を設定する。そして、非時短状態への移行を示す時短終了コマンドを生成する。なお、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ特図2保留数および特図1保留数が「0」の場合には、パチンコ遊技機PY1が待機状態であることを示す客待ちコマンドを生成する。
[3-3-4.大当たり遊技制御処理]
大当たり遊技制御処理は、大当たり遊技状態において行われる処理である。大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技制御テーブル(図14参照)を用いて、大当たり遊技を行う。大当たり遊技状態への移行後、オープニング時間または閉鎖時間の経過に応じて、各ラウンド遊技を開始する。そして、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技コマンドを生成する。また、最終のラウンド遊技を終了させることに応じて、エンディングを開始する。そして、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドには、大当たり種別判定の結果に関する情報が含まれる。
[3-3-5.遊技状態設定処理]
遊技状態設定処理は、大当たり遊技状態が終了する際に行われる処理である。遊技状態設定処理では、通常確率状態から高確率状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に高確率状態を設定する。高確率状態の継続期間を制限する場合には、高確率状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく高確率状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、高確率状態の設定を示す高確率設定コマンドを生成する。また、非時短状態から時短状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に時短状態を設定する。時短状態の継続期間を制限する場合には、時短状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく時短状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、時短状態の設定を示す時短設定コマンドを生成する。
なお、遊技制御用マイコン101が各処理において生成するコマンドは、適宜に追加または変更することが可能である。
[3-4.電源断監視処理]
図27に示すように、電源断監視処理(S108)ではまず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2901)、入力がなければ(S2901でNO)この処理を終了する。電源断信号は、電断により電源電圧が低下し始めたときに遊技制御用マイコン101に入力される信号である。ステップS2901において電源断信号の入力があれば(S2901でYES)、チェックサムを算出して遊技用RAM104の所定の記憶領域に格納するとともに(S2902)、電源断フラグをONする(S2903)。そして、遊技用RAM104へのアクセスの禁止設定を行う(S2904)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが不可能になる。その後はメイン側タイマ割り込み処理(図26)に戻ることなくループ処理をする。
6.演出制御用マイコン121による演出の制御
次に、図28~図33に基づいて演出制御用マイコン121による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン121による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
[1.サブ制御メイン処理]
サブ制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図28に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた処理を行う(S4001~S4005)。具体的には、サブ側電源断フラグ(電断時にONにされるフラグ)がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4001)。そしてこの判定結果がNOであれば、つまり、サブ側電源断フラグがONでない場合、又はサブ側電源断フラグがONであっても演出用RAM124内容が正常でない場合には、演出用RAM124の初期化をして(S4002)、ステップS4005に進む。
一方、判定結果がYESであれば(S4001でYES)、つまり、電断によりサブ側電源断フラグがONとなったが演出用RAM124内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S4003)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S4003でYES)、主制御基板100の遊技用RAM104はクリアされている。そのため、RAMクリアフラグをONするとともに(S4004)、サブ制御基板120の演出用RAM124をクリアして(S4002)、ステップS4005に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S4003でNO)、ステップS4004及びS4002を実行せずにステップS4005に進む。
ステップS4005では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONであればOFFにする。
次に、割り込みを禁止し(S4006)、乱数更新処理を実行する(S4007)。乱数更新処理(S4007)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4008)。コマンド送信処理では、サブ制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、サブ制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53、および盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4009)。以降、ステップS4006~ステップS4009をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[2.1msタイマ割り込み処理]
1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図29に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理では、通常ボタン検出スイッチ40aや特殊ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、その検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。発光データ出力処理では、後述する演出データ作成処理で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データをランプ制御回路151に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動装置制御処理では、演出データ作成処理で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58などの可動装置を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[3.10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図30に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4012)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)を行う。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、後述する機能設定処理(S4303)、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示部50aの表示内容等を設定するスイッチ処理(S4304)を行う。
その後、演出制御用マイコン121は、ランプデータ(盤ランプ54や枠ランプ53の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成及びその出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[3-1.受信コマンド解析処理]
図31に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば変動演出開始処理(S4402)を行う。変動演出開始処理(S4402)では、変動開始コマンドを解析し、その解析結果に基づいて変動演出パターンを選択する。また、停止図柄としての演出図柄や、予告演出も選択する。そして、選択した演出内容にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出終了処理(S4404)を行う。変動演出終了処理(S4404)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していればオープニング演出選択処理(S4406)を行う。オープニング演出選択処理(S4406)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればラウンド演出選択処理(S4408)を行う。ラウンド演出選択処理(S4408)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればエンディング演出選択処理(S4410)を行う。エンディング演出選択処理(S4410)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、RAMクリアフラグ(電源投入時にRAMクリアがあったことを示すフラグ)がONか否かを判定する(S4412)。RAMクリアフラグがONでなければ、ステップS4415に進む。一方、RAMクリアフラグがONであれば、機能設定の設定期間の計測を開始して(S4413)、RAMクリアフラグをOFFする(S4414)。機能設定の設定期間とは、遊技場の従業員等が禁則演出の設定画面を呼び出すことが可能な期間である。言い換えれば、機能設定の設定期間とは、演出制御用マイコン121が禁則演出の設定画面の表示指示を受け付けている期間である。本形態では、この設定期間は、30秒に設定されている。つまり、本形態では、機能設定の設定期間は、電源投入後の所定期間内である。なお、機能設定の設定期間の長さは適宜変更可能である。
ステップS4415では、その他の処理として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、V通過を示すV通過コマンドに基づいてV通過報知を行う処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理を終える。
[3-2.機能設定処理]
図32に示すように、機能設定処理(S4303)ではまず、演出制御用マイコン121は、設定画面表示中フラグがONか否かを判定する(S5001)。設定画面表示中フラグは、「機能設定メニュー」の画面(図23(A))や「禁則演出設定」の画面(図23(B))といった設定画面の表示中であることを示すフラグであり、後述のステップS5005でONにされるフラグである。
設定画面表示中フラグがONでなければ(S5001でNO)、続いて、RAMクリア後の所定期間(機能設定の設定期間)中か否かを判定する(S5002)。上述した通り、本形態ではこの期間は30秒に設定されている。RAMクリア後の所定期間内でなければ(S5002でNO)、直ちに本処理を終える。一方、RAMクリア後の所定期間内であれば(S5002でYES)、続いて、所定の設定画面呼出操作(表示操作ともいう)がなされたか否かを判定する(S5003)。本形態では、設定画面呼出操作は、通常ボタン40を連続して5回押下することである。勿論、設定画面呼出操作をどのような操作とするかは適宜変更可能である。
ステップS5003において設定画面呼出操作がなされていなければ、直ちに本処理を終える。これに対して、設定画面呼出操作がなされていれば(S5003でYES)、設定画面表示処理(S5004)を行う。設定画面表示処理(S5004)では、表示部50aを「機能設定メニュー」の画面に制御するための表示コマンドを出力バッファにセットする。その後、演出制御用マイコン121は、設定画面表示中フラグをONにして(S5005)、本処理を終える。
なお、ステップS5004でセットされた表示コマンドを受信した画像制御基板140は、表示部50aに「機能設定メニュー」の画像を表示させる。「機能設定メニュー」の画像が表示部50aに表示されているときには、遊技場の従業員等の設定者は、種々の設定項目の中から任意の設定項目を選択することが可能である。この設定項目の中には、禁則演出に関する設定をするための「禁則演出設定」の項目が含まれている。
機能設定処理(図32)のステップS5001において、設定画面表示中フラグがONであれば、図33に示すように、「禁則演出設定」の項目が選択されたか否かを判定する(S5006)。つまり、図23(A)に示す機能設定メニュー画面の表示中に「禁則演出設定」の設定項目を選択する操作がなされたか否かを判定する。この選択操作は、カーソル画像を移動させる所定の操作部(操作手段)の操作により、禁則演出設定の「設定画面へ」の選択欄の画像(選択用アイコン)にカーソル画像を合わせ、カーソル画像が合った選択欄の画像を選択する所定の操作部(操作手段)により行うものである。なお、これら選択操作については、通常ボタン40等、遊技者も操作可能な操作部により行うことができるようにしておくことが可能である。
ステップS5006において選択操作がなされていなければ、直ちにステップS5008に進む。一方、なされていれば(S5006でYES)、禁則演出設定画面表示処理(S5007)を行って、ステップS5008に進む。禁則演出設定画面表示処理(S5007)では、表示部50aを図23(B)に示す禁則演出設定の画面に制御するための表示コマンドを出力バッファにセットする。なお、ステップS5007でセットされた表示コマンドを受信した画像制御基板140は、表示部50aに図23(B)に示す画像を表示させる。
図23(B)に示す禁則演出設定の画像が表示部50aに表示されているときには、遊技場の従業員等の設定者は、禁則演出に関する設定を行うことが可能である。具体的には、本パチンコ遊技機PY1の演出に出現し得る第1人物、第2人物、第3人物についてそれぞれ、禁則対象とする(ON)か禁則対象としないか(OFF)の設定が可能である。禁則対象とされない人物(OFF設定)は、通常通りに演出に出現可能であり、禁則対象とされた人物(ON設定)は、演出への露出度が通常時よりも低下するように演出が実行される。
ステップS5008では、第1人物のON設定が選択されたか否かを判定する。つまり、図23(B)に示す禁則演出設定画面の表示中に「第1人物」の設定項目を「ON」にする操作がなされたか否かを判定する。ステップS5008において第1人物のON設定を選択する操作がなされていなければ、直ちにステップS5010に進む。これに対して、第1人物のON設定を選択する操作がなされていれば、第1人物が禁則対象であることを示す第1人物ON設定情報を所定の記憶領域にセットして(S5009)、ステップS5010に進む。
ステップS5010では、第1人物のOFF設定が選択されたか否かを判定する。つまり、図23(B)に示す禁則演出設定画面の表示中に「第1人物」の設定項目を「OFF」にする操作がなされたか否かを判定する。ステップS5010において第1人物のOFF設定を選択する操作がなされていなければ、直ちにステップS5012に進む。これに対して、第1人物のOFF設定を選択する操作がなされていれば、第1人物が禁則対象でないことを示す第1人物OFF設定情報を所定の記憶領域にセットして(S5011)、ステップS5012に進む。
ステップS5012では、第2人物のON設定が選択されたか否かを判定する。つまり、図23(B)に示す禁則演出設定画面の表示中に「第2人物」の設定項目を「ON」にする操作がなされたか否かを判定する。ステップS5012において第2人物のON設定を選択する操作がなされていなければ、直ちにステップS5014に進む。これに対して、第2人物のON設定を選択する操作がなされていれば、第2人物が禁則対象であることを示す第2人物ON設定情報を所定の記憶領域にセットして(S5013)、ステップS5014に進む。
ステップS5014では、第2人物のOFF設定が選択されたか否かを判定する。つまり、図23(B)に示す禁則演出設定画面の表示中に「第2人物」の設定項目を「OFF」にする操作がなされたか否かを判定する。ステップS5014において第2人物のOFF設定を選択する操作がなされていなければ、直ちにステップS5016に進む。これに対して、第2人物のOFF設定を選択する操作がなされていれば、第2人物が禁則対象でないことを示す第2人物OFF設定情報を所定の記憶領域にセットして(S5015)、ステップS5016に進む。
ステップS5016では、第3人物のON設定が選択されたか否かを判定する。つまり、図23(B)に示す禁則演出設定画面の表示中に「第3人物」の設定項目を「ON」にする操作がなされたか否かを判定する。ステップS5016において第3人物のON設定を選択する操作がなされていなければ、直ちにステップS5018に進む。これに対して、第3人物のON設定を選択する操作がなされていれば、第3人物が禁則対象であることを示す第3人物ON設定情報を所定の記憶領域にセットして(S5017)、ステップS5018に進む。
ステップS5018では、第3人物のOFF設定が選択されたか否かを判定する。つまり、図23(B)に示す禁則演出設定画面の表示中に「第3人物」の設定項目を「OFF」にする操作がなされたか否かを判定する。ステップS5018において第3人物のOFF設定を選択する操作がなされていなければ、直ちにステップS5020に進む。これに対して、第3人物のOFF設定を選択する操作がなされていれば、第3人物が禁則対象でないことを示す第3人物OFF設定情報を所定の記憶領域にセットして(S5019)、ステップS5020に進む。これら第1人物、第2人物、第3人物のON/OFF操作は、所定の操作部(操作手段)の操作により、各人物についての禁則対象の欄の画像を「OFF」の画像又は「ON」の画像のいずれかに切り替えるという操作である。
ステップS5020では、第1人物、第2人物、第3人物のすべてを禁則対象から外す、禁則対象のリセットが選択されたか否かを判定する。つまり、図23(B)に示す禁則演出設定画面の表示中に禁則対象の「リセット」の設定項目を選択する操作がなされたか否かを判定する。ステップS5020において禁則対象のリセットを選択する操作がなされていなければ、直ちにステップS5022に進む。これに対して、禁則対象のリセットを選択する操作がなされていれば、第1人物が禁則対象でないことを示す第1人物OFF設定情報、第2人物が禁則対象でないことを示す第2人物OFF設定情報、第3人物が禁則対象でないことを示す第3人物OFF設定情報を所定の記憶領域にセットして(S5021)、ステップS5022に進む。この禁則対象のリセット操作は、所定の操作部(操作手段)の操作により、図23(B)に示す禁則対象の欄の「リセット」画像を選択するという操作である。
ステップS5022では、禁則演出の設定を終了させる設定終了操作が行われたか否かを判定する。この禁則演出設定の終了操作は、所定の操作部(操作手段)の操作により、図23(B)に示す「キャンセル」又は「決定」の欄を選択するという操作である。
ステップS5022において禁則演出の設定終了操作がなされていなければ、直ちにステップS5025に進む。これに対して、禁則演出の設定終了操作がなされていれば、続いて、禁則演出の設定が更新されたか否か(すなわち図23(B)に示す画面で「決定」が選択されたか否か)を判定する(S5023)。禁則演出の設定が更新されていなければ、直ちにステップS5025に進む。一方、更新されていれば(S5023でYES)、第1人物ON/OFF設定情報、第2人物ON/OFF設定情報、第3人物ON/OFF設定情報を、演出用RAM124の所定領域に格納して(S5024)、ステップS5025に進む。なお上述したように、演出用RAM124には、本パチンコ遊技機PY1の電断時であっても電力が供給される。従って、電断時においても第1人物ON/OFF設定情報、第2人物ON/OFF設定情報、第3人物ON/OFF設定情報は保持される。また、禁則演出の設定終了操作がなされると、再び図23(A)に示す「機能設定メニュー」の画面が表示される。
ステップS5025では、機能設定メニュー画面の表示を終了させる設定終了操作が行われたか否かを判定する。この操作は、所定の操作部(操作手段)の操作により、図23(A)に示す「設定終了」の欄を選択するという操作である。
ステップS5025において機能設定メニューの終了操作がなされていなければ、直ちに本処理を終える。これに対して、機能設定メニューの終了操作がなされていれば、設定画面終了処理(S5026)を行うとともに、設定画面表示中フラグをOFFして(S5027)、本処理を終える。設定画面終了処理(S5026)では、図23(A)に示す機能設定メニューの画像表示を終了させるための表示コマンドを出力バッファにセットする。なお、ステップS5026でセットされた表示コマンドを受信した画像制御基板140は、機能設定メニューの画像表示を終了して、通常の遊技演出の画像を表示部50aに表示させる。なお、本形態では、設定画面表示中フラグがONである期間には、通常の遊技演出が制限される。具体的には、例えば、設定画面表示中フラグがONである期間に遊技球が第1始動口11に入賞した場合には、表示部50aにて、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示等を実行することはない。すなわち、設定画面表示中フラグがONである期間には、表示部50aの表示として、「機能設定メニュー」の画像や「禁則演出設定メニュー」の画像が、通常の遊技演出に係る画像よりも優先的に表示される。これにより、機能設定や禁則演出設定を適切に行うことが可能である。
7.パチンコ遊技機PY1の特徴部
以下、パチンコ遊技機PY1の特徴部について、詳細に説明する。
まず、遊技制御用マイコン101が決定可能な特図1変動パターンについて説明する。遊技制御用マイコン101は、図34に示す特図1変動パターン判定テーブルを用いて、特図1変動パターンを決定可能である。
遊技制御用マイコン101は、非時短状態を設定しているときの特図1変動パターン判定処理において、特図1判定処理で行った大当たり判定の結果、リーチ判定の結果および特図変動パターン乱数に基づいて、特図1変動パターンを決定する。図34に示すように、特図1変動パターンとして、「THP001」~「THP008」の8種類の特図1変動パターンを決定することが可能である。何れの特図1変動パターンに決定するかは、特図変動パターン乱数によって振り分けられる。
大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合は、特図1変動パターンとして、「THP001」~「THP003」の3種類を決定することが可能である。3種類の特図1変動パターンのうち「THP001」が、他の特図1変動パターンよりも決定され易くなっている。
大当たり判定の結果が「ハズレ」であり、リーチ判定の結果が「リーチ有り」であった場合は、特図1変動パターンとして、「THP004」~「THP006」の3種類を決定することが可能である。3種類の特図1変動パターンのうち、「THP006」が最も決定され易くなっている。
大当たり判定の結果が「ハズレ」であり、リーチ判定の結果が「リーチ無し」であった場合は、特図1変動パターンとして、「THP007」、「THP008」23種類を決定することが可能である。2種類の特図1変動パターンのうち何れに決定するかは、特図1保留数によって割り振られている。特図1保留数が0~2個の場合には、特図変動時間が比較的長い13000msの「THP007」が決定され易く、特図1保留数が3~4個の場合には、特図変動時間が比較的短い4000msの「THP008」が決定され易くなっている。
次に、図34~図38を用いて、遊技制御用マイコン101が決定した特図1変動パターンに応じて、演出制御用マイコン121が実行可能な特図変動演出について説明する。最初に、演出制御用マイコン121が特図変動演出において実行可能な主要な演出について説明する。
A.通常変動
特図の可変表示の開始に応じて行われることがある演出である。特図変動演出において最初に行われるため、特図変動演出が開始されたことを示唆する演出として機能する。
B.リーチ
「通常変動」の後に、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一の図柄で仮停止表示される演出である。大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合に行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性がある演出として機能する。また、その後に「Lリーチ」や「ダンスリーチ」などのリーチ演出に発展することがあるため、リーチ演出が行われる可能性があることを示唆する演出としても機能する。
C.Nリーチ
「リーチ」が成立した後に行われることがある演出である。大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合に行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。
D.発展演出
「Nリーチ」の後に行われることがある演出である。その後に、「Lリーチ」や「ダンスリーチ」に発展することがあるため、「Lリーチ」や「ダンスリーチ」が行われることを示唆する演出として機能する。また、特図変動演出が「Nリーチ」で終了する場合よりも、大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合に行われやすいため、「Nリーチ」で終了する場合よりも大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。
E.Lリーチ
「Nリーチ」の後に行われることがある演出である。「Nリーチ」の後、発展演出を経て実行されることがある。大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合に行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。また、特図変動演出が「Nリーチ」で終了する場合よりも、大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合に行われやすいため、「Nリーチ」で終了する場合よりも大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。
F.ダンスリーチ
「Nリーチ」の後に行われることがある演出である。「Nリーチ」の後、発展演出を経て実行されることがある。複数の人物が登場し、ダンスを披露するダンス演出と、その後に行われる当落演出とにより構成され、当落演出にて、大当たりであるか否かが示唆される。大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合に行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。また、「Lリーチ」よりも、大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合に行われやすいため、「Lリーチ」よりも大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。
G.コイン演出
「ダンスリーチ」のダンス演出において行われることがあり、コイン画像が出現する演出である。コイン演出の種類として、通常コイン演出と禁則コイン演出とがある。通常コイン演出は、大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合に行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。禁則コイン演出は、「ダンスリーチ」のダンス演出の登場人物に、禁則対象が含まれる場合に行われることがある。つまり、禁則コイン演出は、禁則演出設定が、禁則対象の設定されていない通常設定である場合には行われない。一方、禁則コイン演出は、禁則演出設定が、禁則対象が設定された禁則設定である場合において、禁則対象が登場している際に行われることがある。
H.カットイン演出
「ダンスリーチ」のダンス演出の終盤において行われることがあり、所定の登場人物を強調した態様の画像が、ダンス演出の画像に重なるように差し込まれる演出である。大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合に行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。
次に、主要な特図変動演出の演出フローを説明する。演出制御用マイコン121は、演出フローを構成する各演出において、表示部50aに演出画像を表示するとともに、演出画像の表示に応じて、枠ランプ53や盤ランプ54を用いた発光演出と、スピーカ52を用いた音演出と、を実行可能である。
図34に示すように、特図1変動パターンには、ダンスリーチが行われる「ダンス大当たり変動」,「ダンスハズレ変動」がある(まとめて「ダンスリーチ変動」ということがある)。また、特図1変動パターンには、Lリーチが行われる「L大当たり変動」,「Lハズレ変動」がある(以下、まとめて「Lリーチ変動」ということがある)。また、特図1変動パターンには、最後にNリーチが行われる「N大当たり変動」,「Nハズレ変動」がある(以下、まとめて「Nリーチ変動」ということがある)。
特図1変動パターンが「ダンスリーチ変動」の特図変動演出では、図35(A)に示すように、「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」→「発展演出」→「ダンスリーチ」で構成される演出フローが実行される。
特図1変動パターンが「Lリーチ変動」の特図変動演出では、図35(B)に示すように、「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」→「発展演出」→「Lリーチ」で構成される演出フローが実行される。
特図1変動パターンが「Nリーチ変動」の特図変動演出では、図35(C)に示すように、「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」で構成される演出フローが実行される。
特図1変動パターンが「通常Aハズレ変動」の特図変動演出では、図35(D)に示すように、「通常変動」のみで構成される演出フローが実行される。
また、「ダンスリーチ変動」の「ダンスリーチ」では、「ダンス演出」、「当落演出」がこの順で行われる。さらに、「ダンスリーチ」では、「コイン演出」と「カットイン演出」とが行われることがある。本形態では、「コイン演出」および「カットイン演出」はそれぞれ、パチンコ遊技機PY1での演出に登場する人物について禁則対象が設定されていない通常設定のときと、禁則対象が設定されている禁則設定のときとで内容が異なることがある。
「コイン演出」には、「通常コイン演出」と「禁則コイン演出」とがある。「通常コイン演出」は、禁則対象が設定されていない通常設定のとき(図36(A))のダンス演出においても、禁則対象が設定されている禁則設定のとき(図36(B))のダンス演出においても行われることがある。「禁則コイン演出」は、通常設定時のダンス演出では行われることはないが、禁則設定時のダンス演出では行われることがある。つまり、禁則演出設定が通常設定であるときには、「通常コイン演出」が行われることがある。これに対し、禁則演出設定が禁則設定であるときには、「禁則コイン演出」が行われることがあるとともに、「通常コイン演出」についても行われることがある。また、「通常コイン演出」は、ダンス演出中に複数回、行われることがある。
次に、図37を用いて、通常コイン演出選択テーブルについて説明する。演出制御用マイコン121は、図37に示す通常コイン演出選択テーブルを用いて、「通常コイン演出」を実行するか否かの選択が可能である。また、「通常コイン演出」は、複数回、実行されることがある。本形態では、多いパターンで3回、実行可能である。すなわち、3回の「通常コイン演出」を行うパターンと、2回の「通常コイン演出」を行うパターンと、1回の「通常コイン演出」を行うパターンとがある。そして、演出制御用マイコン121は、図37に示す通常コイン演出選択テーブルを用いて、「通常コイン演出」をいずれのパターンで実行するか(実行回数)を決定可能である。
演出制御用マイコン121は、特図1変動パターンを参照して、「通常コイン演出」についての選択が可能である。具体的には、特図1変動パターンが「ダンス大当たり変動」(THP001)の場合、3回の「通常コイン演出」の実行を35%、2回の「通常コイン演出」の実行を30%、1回の「通常コイン演出」の実行を25%、「通常コイン演出」の非実行を10%の割合でそれぞれ選択する。一方、特図1変動パターンが「ダンスハズレ変動」(THP004)の場合、3回の「通常コイン演出」の実行を15%、2回の「通常コイン演出」の実行を20%、1回の「通常コイン演出」の実行を25%、「通常コイン演出」の非実行を40%の割合でそれぞれ選択する。
つまり、特図1変動パターンが「ダンス大当たり変動」であるときには、「ダンスハズレ変動」のときよりも、「通常コイン演出」が実行されやすい設定となっている。このため、「通常コイン演出」は、大当たりである可能性が高いことを示唆する演出として機能する。さらに、実行回数が多い「通常コイン演出」のパターンほど、特図1変動パターンが「ダンスハズレ変動」のときよりも、「ダンス大当たり変動」であるときに実行されやすい設定となっている。このため、「通常コイン演出」の実行回数が多いほど、大当たりである可能性が高いことを示唆可能である。なお、図37に示す通常コイン演出選択テーブルによって示される選択割合については、適宜に変更することも可能である。
次に、図38を用いて、カットイン演出選択テーブルについて説明する。演出制御用マイコン121は、図38に示すカットイン演出選択テーブルを用いて、「カットイン演出」を実行するか否かの選択が可能である。また、「カットイン演出」には、複数の種類がある。具体的には、「カットイン演出」は、種類により、それぞれ異なる人物が出現し得る。そして、演出制御用マイコン121は、図38に示すカットイン演出選択テーブルを用いて、「カットイン演出」の種類を決定可能である。
演出制御用マイコン121は、特図1変動パターンを参照して、「カットイン演出」についての選択が可能である。また、本形態の演出制御用マイコン121は、禁則演出設定の設定内容に応じて、異なるカットイン演出選択テーブルを参照する。
具体的に、演出制御用マイコン121は、禁則演出設定が通常設定であるときには、図38(A)に示すカットイン演出選択テーブル(通常設定)を参照する。そして、通常設定であるとき、特図1変動パターンが「ダンス大当たり変動」(THP001)の場合、第1人物の「カットイン演出」の実行を40%、第2人物の「カットイン演出」の実行を35%、第3人物の「カットイン演出」の実行を15%、「カットイン演出」の非実行を10%の割合でそれぞれ選択する。一方、特図1変動パターンが「ダンスハズレ変動」(THP004)の場合、第1人物の「カットイン演出」の実行を5%、第2人物の「カットイン演出」の実行を10%、第3人物の「カットイン演出」の実行を20%、「カットイン演出」の非実行を65%の割合でそれぞれ選択する。
つまり、特図1変動パターンが「ダンス大当たり変動」であるときには、「ダンスハズレ変動」のときよりも、「カットイン演出」が実行されやすい設定となっている。このため、「カットイン演出」は、大当たりである可能性が高いことを示唆する演出として機能する。さらに、通常設定において、第1人物の「カットイン演出」>第2人物の「カットイン演出」>第3人物の「カットイン演出」順で、特図1変動パターンが「ダンスハズレ変動」のときよりも、「ダンス大当たり変動」であるときに実行されやすい設定となっている。このため、第1人物の「カットイン演出」>第2人物の「カットイン演出」>第3人物の「カットイン演出」順で、大当たりである可能性が高いことを示唆可能である。また、第2人物の「カットイン演出」により示唆される大当たりの期待度は、第3人物の「カットイン演出」により示唆される大当たり期待度よりも、第1人物の「カットイン演出」により示唆される大当たり期待度に近いものとなっている。
図38(B)~(D)は、禁則演出設定が禁則設定であるときに用いられるカットイン演出選択テーブルである。具体的に、演出制御用マイコン121は、第1人物を禁則対象とする禁則設定であるときには、図38(B)に示すカットイン演出選択テーブル(禁則設定:第1人物)を参照する。そして、第1人物を禁則対象とする禁則設定であるとき、特図1変動パターンが「ダンス大当たり変動」(THP001)の場合、第2人物の「カットイン演出」の実行を75%、第3人物の「カットイン演出」の実行を15%、「カットイン演出」の非実行を10%の割合でそれぞれ選択する。一方、特図1変動パターンが「ダンスハズレ変動」(THP004)の場合、第2人物の「カットイン演出」の実行を15%、第3人物の「カットイン演出」の実行を20%、「カットイン演出」の非実行を65%の割合でそれぞれ選択する。
つまり、第1人物を禁則対象とする禁則設定であるときには、第1人物の「カットイン演出」を選択して実行することはない。また、第1人物を禁則対象とする禁則設定であるときには、第2人物の「カットイン演出」の選択割合が、通常設定における第1人物の「カットイン演出」の選択割合の分だけ、通常設定のときよりも高くされている。すなわち、第1人物を禁則対象とする禁則設定であるときには、第1人物の「カットイン演出」の替わりに第2人物の「カットイン演出」が実行されるような構成となっている。
また、演出制御用マイコン121は、第2人物を禁則対象とする禁則設定であるときには、図38(C)に示すカットイン演出選択テーブル(禁則設定:第2人物)を参照する。そして、第2人物を禁則対象とする禁則設定であるとき、特図1変動パターンが「ダンス大当たり変動」(THP001)の場合、第1人物の「カットイン演出」の実行を75%、第3人物の「カットイン演出」の実行を15%、「カットイン演出」の非実行を10%の割合でそれぞれ選択する。一方、特図1変動パターンが「ダンスハズレ変動」(THP004)の場合、第1人物の「カットイン演出」の実行を15%、第3人物の「カットイン演出」の実行を20%、「カットイン演出」の非実行を65%の割合でそれぞれ選択する。
つまり、第2人物を禁則対象とする禁則設定であるときには、第2人物の「カットイン演出」を選択して実行することはない。また、第2人物を禁則対象とする禁則設定であるときには、第1人物の「カットイン演出」の選択割合が、通常設定における第2人物の「カットイン演出」の選択割合の分だけ、通常設定のときよりも高くされている。すなわち、第2人物を禁則対象とする禁則設定であるときには、第2人物の「カットイン演出」の替わりに第1人物の「カットイン演出」が実行されるような構成となっている。
また、演出制御用マイコン121は、第3人物を禁則対象とする禁則設定であるときには、図38(D)に示すカットイン演出選択テーブル(禁則設定:第3人物)を参照する。そして、第3人物を禁則対象とする禁則設定であるとき、特図1変動パターンが「ダンス大当たり変動」(THP001)の場合、第1人物の「カットイン演出」の実行を40%、第2人物の「カットイン演出」の実行を50%、「カットイン演出」の非実行を10%の割合でそれぞれ選択する。一方、特図1変動パターンが「ダンスハズレ変動」(THP004)の場合、第1人物の「カットイン演出」の実行を5%、第2人物の「カットイン演出」の実行を30%、「カットイン演出」の非実行を65%の割合でそれぞれ選択する。
つまり、第3人物を禁則対象とする禁則設定であるときには、第3人物の「カットイン演出」を選択して実行することはない。また、第3人物を禁則対象とする禁則設定であるときには、第2人物の「カットイン演出」の選択割合が、通常設定における第3人物の「カットイン演出」の選択割合の分だけ、通常設定のときよりも高くされている。すなわち、第3人物を禁則対象とする禁則設定であるときには、第3人物の「カットイン演出」の替わりに第2人物の「カットイン演出」が実行されるような構成となっている。
このように、禁則設定であるときには、禁則対象の出現する「カットイン演出」が、禁則対象が出現しない「カットイン演出」によって代替される構成とされている。また、代替として実行される「カットイン演出」は、禁則対象が出現しないカットイン演出のうち、大当たり期待度が、禁則対象の出現する「カットイン演出」と比較的近いものが選択される構成とされている。これにより、禁則設定であることで、禁則対象が出現する演出が他の演出に差し替えられた場合にも、大当たり期待度について違和感の少ない演出構成とすることが可能である。なお、図38に示す各カットイン演出選択テーブルによって示される選択割合については、適宜に変更することも可能である。
次に、特図変動演出において実行される「ダンスリーチ」について説明する。演出制御用マイコン121は、特図1変動パターンが「ダンス大当たり変動」,「ダンスハズレ変動」の場合に、「ダンスリーチ」を実行可能である。「ダンスリーチ」では、複数の人物(第1人物、第2人物、第3人物)がダンスを行い、動作を揃えられるか否かが示唆される。
図39は、「ダンスリーチ」が行われる様子を示す図である。「ダンスリーチ」が開始されると、図39(A)に示すように、ダンスリーチ専用背景画像GHにて、リーチ態様の演出図柄EZ1,EZ3とともに、複数の人物(第1人物X,第2人物Y、第3人物Z)がダンスを開始するシーンが表示部50aに表示される。これにより、ダンス演出が開始される。また、表示部50aには、ダンス演出では、登場する第1人物X,第2人物Y、第3人物Zの全員がダンスの動作を揃えることを目的としていることが示される。開始されたダンス演出では、複数の登場人物が、複数のダンス動作を揃えつつ行う様子が示される。
そして、特図1変動パターンが「ダンス大当たり変動」である場合、ダンス演出の最終段階では、図39(B)に示すように、第1人物X,第2人物Y、第3人物Zの全員が最後のダンス動作を揃えて行う様子が表示部50aに示される。その後、当落演出では、図39(C)に示すように、表示部50aに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。
一方、特図1変動パターンが「ダンスハズレ変動」である場合、ダンス演出の最終段階では、図39(D)に示すように、第1人物X,第2人物Y、第3人物Zの少なくとも一人が最後のダンス動作を間違えて行う様子が表示部50aに示される。その後、当落演出では、図39(E)に示すように、表示部50aに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する態様(所謂バラケ目)で停止表示する。
次に、ダンス演出において実行される「コイン演出」について説明する。演出制御用マイコン121は、特図1変動パターンが「ダンス大当たり変動」,「ダンスハズレ変動」の場合の「ダンスリーチ」において、「通常コイン演出」、「禁則コイン演出」を実行可能である。前述したように、演出制御用マイコン121は、「通常コイン演出」を、禁則演出設定が「通常設定」に設定されている場合、「禁則設定」に設定されている場合のどちらの場合においても、実行することがある。これに対し、演出制御用マイコン121は、「禁則コイン演出」を、禁則演出設定が「禁則設定」に設定されている場合には実行する一方、「通常設定」に設定されている場合には実行しない。ここでは、図40により、ダンス演出にて「通常コイン演出」、「禁則コイン演出」がともに行われる様子について説明する。つまり、禁則演出設定が「禁則設定」とされている場合のダンス演出にて、「通常コイン演出」が行われる様子について説明する。また、「禁則設定」における禁則対象が第1人物Xであり、3回の「通常コイン演出」が行われる場合について説明する。
図40(A)、図40(B)、図40(C)には、この順でダンス演出が進行する様子を示している。演出制御用マイコン121は、3回の「通常コイン演出」を、図40(A)、図40(B)、図40(C)の3つの場面において行う。図40(A)は1回目の「通常コイン演出」が行われている様子であり、図40(B)は2回目の「通常コイン演出」が行われている様子であり、図40(C)は3回目の「通常コイン演出」が行われる様子である。
1回目の「通常コイン演出」では、表示部50aに、通常コイン画像GT1が表示される(図40(A))。2回目の「通常コイン演出」では、表示部50aに、通常コイン画像GT2が表示される(図40(B))。3回目の「通常コイン演出」では、表示部50aに、通常コイン画像GT3が表示される(図40(C))。「通常コイン演出」では、登場人物に重ならない位置に、通常コイン画像が表示されている。また、本形態では、3回の「通常コイン演出」でそれぞれ、異なる位置に通常コイン画像が表示される。さらに、本形態では、3回の「通常コイン演出」にて表示される通常コイン画像の大きさはいずれも同じである。なお、2回の「通常コイン演出」を行うパターンにおいては、図40(A)、図40(B)、図40(C)の3つの場面での「通常コイン演出」のうち、いずれか2つを行うこととすればよい。また、1回の「通常コイン演出」を行うパターンにおいては、図40(A)、図40(B)、図40(C)の3つの場面での「通常コイン演出」のうち、いずれか1つを行うこととすればよい。
演出制御用マイコン121は、「禁則コイン演出」を、禁則対象である第1人物Xが出現している間、第1人物Xについて行う。すなわち、図40(A)、図40(B)、図40(C)の場面のすべてにおいて、禁則対象である第1人物Xが出現している。そして、「禁則コイン演出」では、禁則対象である第1人物Xの顔を覆い隠す位置に、禁則コイン画像GKが表示される。そして、表示部50a内にて第1人物Xの顔の位置が移動すると、その移動に追従するように、禁則コイン画像GKについても移動する。具体的には、図40(A)の場面では中央に位置する第1人物Xの顔の位置に禁則コイン画像GKを表示し、図41(B)の場面では左側に位置する第1人物Xの顔の位置に禁則コイン画像GKを表示する。これにより、禁則対象である第1人物Xを、遊技者が認識しにくい状態とすることが可能である。よって、例えば、禁則対象である第1人物Xを認識した遊技者が不快になってしまうことを抑制可能である。従って、興趣性の低下を抑制可能である。
また、本形態のダンス演出では、第1人物Xは、常に一定の大きさで表示されているわけではなく、大きく表示されたり、小さく表示されたりすることがある。すなわち、表示部50aに占める第1人物Xの顔の面積は、ダンス演出中に異なることがある。そして、本形態の「禁則コイン演出」では、表示部50aに占める第1人物Xの顔の面積に応じて、禁則コイン画像GKの大きさを異なる大きさとすることが可能である。つまり、表示部50aに占める第1人物Xの顔の面積が大きな場合には、その大きな第1人物Xの顔を隠すために大きな禁則コイン画像GKを表示し、表示部50aに占める第1人物Xの顔の面積が小さな場合には、その小さな第1人物Xの顔を隠すことができるだけの小さな禁則コイン画像GKを表示する。これにより、禁則コイン画像GKにより隠れてしまう領域をできるだけ小さくすることが可能である。よって、ダンス演出が禁則コイン画像GKによって阻害されてしまうことを抑制可能である。なお、第1人物Xが表示されているものの、第1人物Xの顔が認識できないような場合、具体的には、例えば、第1人物の顔が極めて小さく出現している場面や、帽子等によって顔の大半が隠れているような場面、後ろ姿が表示されているような場面等では、禁則コイン画像GKを表示しないこととしてもよい。
なお、ここでは第1人物Xを禁則対象とする禁則設定のときの例について具体的に説明したが、第2人物Yを禁則対象とする禁則設定のとき、第3人物Zを禁則対象とする禁則設定のときにもそれぞれ、禁則コイン画像GKの表示対象をそれぞれ禁則対象として「禁則コイン演出」を実行可能である。また、禁則コイン画像GKは、見かけ上、通常コイン画像GT1~GT3と同種のものである。そして、禁則コイン画像GKと通常コイン画像GT1~GT3とが同種のコイン画像であることで、禁則コイン画像GKが人物の顔の位置に表示されることにより生じる違和感を低減することが可能である。よって、遊技者に、禁則対象が出現していることを意識させずに遊技を行わせることが可能であり、遊技者が禁則対象を意識することで興趣性が低下してしまうことを抑制可能である。
次に、ダンス演出において実行される「カットイン演出」について説明する。演出制御用マイコン121は、特図1変動パターンが「ダンス大当たり変動」,「ダンスハズレ変動」の場合の「ダンスリーチ」において、「カットイン演出」を実行可能である。前述したように、演出制御用マイコン121は、「カットイン演出」として、第1人物の「カットイン演出」、第2人物の「カットイン演出」、第3人物の「カットイン演出」の3パターンを実行可能である。
図41は、「カットイン演出」が行われる様子を示す図である。本形態の「カットイン演出」は、ダンス演出の終盤にて実行されることがある。なお、異なるタイミングで「カットイン演出」を実行することとしてもよい。第1人物の「カットイン演出」では、ダンス演出の終盤(図40(A))において、図41(B)に示す、第1カットイン画像GC1が表示部50aに表示される。第1カットイン画像GC1は、第1人物Xが出現する画像である。第2人物の「カットイン演出」では、ダンス演出の終盤(図40(A))において、図41(C)に示す、第2カットイン画像GC2が表示部50aに表示される。第2カットイン画像GC2は、第2人物Yが出現する画像である。第3人物の「カットイン演出」では、ダンス演出の終盤(図40(A))において、図41(D)に示す、第3カットイン画像GC3が表示部50aに表示される。第3カットイン画像GC3は、第3人物Zが出現する画像である。なお、「カットイン演出」は行われないこともある。
演出制御用マイコン121は、禁則演出設定が通常設定であるとき、第1カットイン画像GC1が表示される第1人物の「カットイン演出」、第2カットイン画像GC2が表示される第2人物の「カットイン演出」、第3カットイン画像GC3が表示される第3人物の「カットイン演出」をいずれも実行可能である(図38(A)参照)。これに対し、禁則演出設定が禁則設定であるときには、その禁則設定に係る禁則対象に応じて、複数のパターンがある「カットイン演出」の実行割合を、通常設定から異なるものとすることが可能である。具体的には、第1人物Xを禁則対象とする禁則設定のときには、通常設定であるときよりも、第1人物の「カットイン演出」を実行する可能性が低く、第2人物の「カットイン演出」を実行する可能性が高くされている(図38(B)参照)。また、禁則対象が第2人物Yである禁則設定のときには、通常設定であるときよりも、第2人物の「カットイン演出」を実行する可能性が低く、第1人物の「カットイン演出」を実行する可能性が高くされている(図38(C)参照)。また、禁則対象が第3人物Zである禁則設定のときには、通常設定であるときよりも、第3人物の「カットイン演出」を実行する可能性が低く、第2人物の「カットイン演出」を実行する可能性が高くされている(図38(C)参照)。よって、「カットイン演出」においても、禁則対象である人物を認識した遊技者が、不快になってしまうことを抑制可能である。従って、興趣性の低下を抑制可能である。
次に、図42を用いて、表示部50aに表示される画像について説明する。演出制御用マイコン121は、第1レイヤ~第5レイヤを含む複数層のレイヤにそれぞれ異なる画像を表示することで、表示部50aに画像同士を重ねて表示することが可能である。ここでは、「ダンスリーチ」を例に説明する。第1レイヤ~第5レイヤのうち、最下層に位置する第1レイヤには、背景画像であるダンスリーチ専用背景画像GH等を表示することが可能である。第1レイヤよりも上位層の第2レイヤには、ダンス演出にてダンス動作を行う第1人物X、第2人物Y、第3人物Zの画像等を表示することが可能である。第2レイヤよりも上位層の第3レイヤには、通常コイン画像GT3、禁則コイン画像GK等の「コイン演出」に係るコイン画像等を表示することが可能である。第3レイヤよりも上位層の第4レイヤには、第1カットイン画像GC1等の「カットイン演出」に係る画像等を表示することが可能である。第4レイヤよりも上位層の第5レイヤには、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3等を表示することが可能である。
そして、「コイン演出」を行う場合には、コイン画像が第3レイヤに表示される。具体的には、例えば、第3レイヤに通常コイン画像GT3や禁則コイン画像GKが表示される。「通常コイン演出」のみを行う場合には、第3レイヤに、通常コイン画像GT1~GT3のいずれかを表示し、禁則コイン画像GKを表示しないこととすればよい。また、「禁則コイン演出」のみを行う場合には、第3レイヤに、禁則コイン画像GKを表示し、通常コイン画像GT1~GT3を表示しないこととすればよい。なお、「通常コイン演出」に係る画像と、「禁則コイン演出」にかかる画像とを、異なるレイヤに表示することとしてもよい。また、「カットイン演出」を行う場合には、第4レイヤに、第1カットイン画像GC1、第2カットイン画像GK2、第3カットイン画像GK3のいずれかを表示する。
8.実施形態の効果
以上詳細に説明したように、上記の実施形態に係るパチンコ遊技機PY1は、表示部50aに演出画像を表示可能な画像表示装置50を用いて演出を実行可能な演出制御用マイコン121を備える。演出制御用マイコン121は、演出の基本的な設定のひとつである禁則演出設定について、禁則対象が設定されていない通常設定と、第1人物、第2人物、第3人物のうちのいずれかの人物が禁則対象として設定された禁則設定とを設定可能である。そして、禁則演出設定の設定内容に基づいて、表示部50aにて演出を実行可能である。また、通常設定であるときには、第1人物、第2人物、第3人物の画像を表示可能なダンス演出を、禁則コイン演出を伴わない態様で実行することがある。禁則設定であるときには、禁則対象として設定された人物の画像の顔部分を、通常設定でのダンス演出よりも視認困難とする禁則コイン演出を伴うダンス演出を実行することがある。例えば、パチンコ遊技機PY1の製造後に生じた事情により、ダンス演出に出現する所定の人物が、遊技者に不快な印象を与えてしまうようなNG対象となってしまうことがある。このような場合、本パチンコ遊技機PY1では、禁則演出設定にてNG対象を禁則対象に設定変更することで、遊技者が、禁則対象に設定されたNG対象を、ダンス演出にて認識しにくいようにすることが可能である。よって、NG対象が出現する演出が実行されてしまうことにより興趣性が低下してしまうことを抑制可能である。
また、演出制御用マイコン121は、禁則コイン演出を伴うダンス演出では、禁則対象の画像の顔部分を隠す隠伏画像として、禁則コイン画像GKを表示する。これにより、遊技者が禁則対象の出現を認識してしまうことを、より確実に抑制することが可能である。
また、演出制御用マイコン121は、禁則設定下におけるダンス演出では、必ず、禁則コイン画像GKを表示する。つまり、禁則設定下におけるダンス演出では、禁則コイン演出を伴わないダンス演出を実行することがない。よって、禁則設定により、遊技者が禁則対象の出現を認識してしまうことを、より確実に抑制することが可能である。
また、演出制御用マイコン121は、禁則設定であるときには、通常設定であるときよりも、禁則対象とされた人物が出現するカットイン演出を選択して実行する可能性が低いものである。一方、禁則対象とされた人物が出現するカットイン演出以外のカットイン演出を選択して実行する可能性が高いものである。具体的に、禁則対象が第1人物である禁則設定であるとき、第1人物のカットイン演出の実行割合を低く、それ以外の人物のカットイン演出の実行割合を高くする。よって、遊技者が、禁則対象に設定されたNG対象を、カットイン演出にて認識しにくいようにすることが可能である。よって、NG対象が出現する演出が実行されてしまうことにより興趣性が低下してしまうことを抑制可能である。
また、パチンコ遊技機PY1は、大当たり判定を行う遊技制御用マイコン101を備えている。さらに、演出制御用マイコン121は、カットイン演出として、第1人物のカットイン演出、第2人物のカットイン演出、第3人物のカットイン演出を実行可能である。そして、第2人物のカットイン演出は、大当たり期待度について、第1人物のカットイン演出との差が、第3人物のカットイン演出よりも大きいものである。さらに、第2人物のカットイン演出の通常設定であるときの選択確率と第1人物を禁則対象とする禁則設定であるときの選択確率との差は、第3人物の通常設定であるときの選択確率と第1人物を禁則対象とする禁則設定であるときの選択確率との差よりも大きいものである。すなわち、第1人物、第2人物、第3人物のいずれかが禁則対象とされた禁則設定では、その禁則対象のカットイン演出の選択確率を低くした分、禁則対象のカットイン演出以外のカットイン演出のうち、大当たり期待度が禁則対象のカットイン演出と近いものの選択確率が高くなるように構成されている。よって、禁則設定と通常設定とで、カットイン演出の大当たり期待度が大きく異なってしまうことがないようにすることが可能である。よって、禁則設定にて実行されるカットイン演出が、大当たり期待度について違和感の少ないものとなるようにすることが可能である。
また、演出制御用マイコン121は、禁則設定であるときには、禁則対象とされた人物が出現するカットイン演出を選択することがないものである。これにより、NG対象が出現する演出が実行されてしまうことにより興趣性が低下してしまうことを、より確実に抑制可能である。
また、演出制御用マイコン121は、禁則設定であるときには、通常設定であるときよりも、禁則対象の顔の箇所に、禁則コイン画像GKを表示しやすい。さらに、通常設定であるときには、登場人物の顔と異なる箇所に通常コイン画像GT1~GT3を表示することがある。そして、禁則コイン画像GKと通常コイン画像GT1~GT3とは、見かけ上、同種のコイン画像である。これにより、通常コイン画像GT1~GT3を、禁則コイン画像GKが目立ってしまうことを抑制可能なカモフラージュ用の画像として機能させることが可能である。よって、禁則設定において、禁則対象が出現していることを意識させずに遊技を行わせることが可能であり、遊技者が禁則対象を意識することで興趣性が低下してしまうことを抑制可能である。
また、演出制御用マイコン121は、禁則設定であるときにも、通常コイン画像GT1~GT3を表示することがある。これにより、禁則コイン画像GKが目立ってしまうことを抑制し、興趣性が低下してしまうことを抑制可能である。
また、演出制御用マイコン121は、ダンス演出を、通常設定であるときには禁則コイン画像GKを表示しない態様で実行可能である。一方。禁則設定であるときには禁則コイン画像GKを表示しない態様で実行することがない。これにより、遊技者が禁則対象を意識することで興趣性が低下してしまうことを、より確実に抑制可能である。
また、演出制御用マイコン121は、禁則対象の人物の顔のサイズの変化に応じて、禁則コイン画像GKのサイズ変化することがある。これにより、遊技者が禁則対象を意識することで興趣性が低下してしまうことを抑制可能であるとともに、ダンス演出における興趣性が、ダンス演出が隠れすぎてしまうことにより低下してしまうことを抑制することが可能である。
また、演出制御用マイコン121は、禁則コイン画像GKの位置を、禁則対象の人物の顔の位置に追従させつつ表示することが可能である。これにより、遊技者が禁則対象を意識することで興趣性が低下してしまうことを抑制可能である。
また、演出制御用マイコン121は、大当たり期待度が高いときほど、通常コイン画像GKを表示しやすいものである。これにより、コイン画像がダンス演出中に表示されることに対する違和感を低減させることが可能である。すなわち、禁則コイン画像GKが表示されることに対する違和感を低減することが可能である。よって、禁則設定においても、禁則対象が出現していることを意識させずに遊技を行わせることが可能であり、遊技者が禁則対象を意識することで興趣性が低下してしまうことを抑制可能である。
また、演出制御用マイコン121は、「禁則演出設定メニュー」の画像が表示された禁則演出設定中の状態では、通常変動等の遊技演出を制限する。よって、禁則演出設定中に第1始動口11への入賞があったような場合にも、禁則演出設定を適切に行うことが可能である。
また、演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1の電源投入時にRAMクリアスイッチ119の操作がなされ、遊技用RAM104の記憶がクリアされたコマンドを遊技制御用マイコン101から受信した後の所定期間(機能設定の設定期間)内に(機能設定処理(S4303)のステップS5002でYES)通常ボタン40を連続して5回押下する操作が行われた場合に(S5003でYES)、禁則演出設定の設定変更が可能な状態へと移行可能である。すなわち、電源投入後の所定期間内に、所定の操作がなされることに基づいた所定の信号入力があった場合に、禁則演出設定の設定変更が可能な状態へと移行可能である。これにより、パチンコ遊技機PY1の所有者や管理者等が意図しない者、例えば、通常の遊技を行う遊技者が、禁則演出設定の設定変更を容易にできない構成とされている。例えば、禁則設定では禁則対象が認識困難になってしまうため、NG対象が存在しない場合にはできるだけ通常設定であることが望ましい。ダンス演出を適切に楽しめるからである。また例えば、NG対象が存在するために禁則設定とされていた場合に、遊技者によって通常設定へと設定変更されてしまうことは好ましくない。よって、パチンコ遊技機PY1の所有者や管理者等が意図しない設定変更等がなされてしまうことで興趣性が低下してしまうことを抑制可能である。
9.変更例
以下、実施形態で説明したパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
例えば、上記実施形態では、パチンコ遊技機PY1の演出における登場人物が、第1人物、第2人物、第3人物の3人である例について説明した。しかし、例えば、登場人物の人数は、2人であってもよいし4人以上であってもよい。また上記実施形態では、パチンコ遊技機PY1の演出に登場する対象が、人物である例について説明した。しかし、禁則対象として設定できる対象は、人物に限られるものではない。例えば、演出に登場する対象が、所定のキャラクタを含むものであり、そのキャラクタを禁則対象として設定できる構成であってもよい。また上記実施形態では、禁則対象とした人物の顔を隠伏する隠伏画像としてコイン画像(禁則コイン画像)を表示する例について説明した。しかし、例えば、隠伏画像としては、コイン画像に限らず、他の種の画像を用いることとすることもできる。また例えば、コイン画像(禁則コイン画像、通常コイン画像)は、1種類に限らず、複数の種類があってもよい。また例えば、禁則設定では、禁則対象とした人物の顔を視認困難とできればよく、必ずしも隠伏画像で隠す必要はない。また例えば、隠伏画像は、必ずしも禁則対象の顔の箇所を隠す必要はない。すなわち、隠伏画像は、禁則対象を認識しにくいようにできればよく、禁則対象を禁則対象として認識できる、禁則対象の特徴的な箇所を視認しにくいようにできればよい。また例えば、通常設定であるときにも、人物の顔の箇所にコイン画像を表示することがあってもよい。また上記の実施形態では、コイン画像を、人物の画像が表示されるレイヤと異なるレイヤに表示することとして説明した。しかし、コイン画像は、例えば、人物の画像が表示されるレイヤに表示されるものであってもよい。すなわち、例えば、コイン画像および人物の画像をともに有する画像と、人物の画像を有し、コイン画像を有していない画像とのうち、演出にて表示する画像を、禁則演出設定の設定内容に基づいて選択可能な構成であってもよい。
また、上記実施形態では、禁則設定では必ず、禁則対象の顔の箇所に隠伏画像を表示することとして説明した。しかし、例えば、禁則設定では、禁則対象の顔の箇所に隠伏画像を表示する頻度が通常設定のときよりも高くなっていればよく、必ずしも、常に禁則対象の顔の箇所に表示されている必要はない。また上記実施形態では、禁則設定がなされているときのダンス演出において、隠伏画像(禁則コイン画像GK)を表示することとして説明した。しかし、禁則設定がなされているときには、その他の演出においても、隠伏画像を表示することとしてもよい。またこの場合、他の演出で表示される隠伏画像の種類を、ダンス演出にて表示される隠伏画像と異なるものとしてもよい。例えば、ダンス演出では隠伏画像として禁則コイン画像GKを表示し、Lリーチでは隠伏画像として禁則コイン画像GKとは異なる所定のアイコンを表示することとしてもよい。また、通常コイン画像についても、ダンス演出以外の演出にて表示することとしてもよい。これにより、隠伏画像がカモフラージュ用の画像としての機能をより強く発揮することがある。また上記実施形態では、通常コイン画像が表示されるほど、大当たり期待度が高いことを示唆することとして説明した。すなわち、通常コイン画像に、大当たり期待度を示唆可能な機能を付加することとして説明した。しかし、例えば、通常コイン画像には、他の機能を付加することとしてもよい。例えば、通常コイン画像には、表示されることによりポイントを取得可能な機能を付加してもよい。さらに、取得ポイントに応じて、遊技者が所定の利益を受けることができる構成としてもよい。具体的には、例えば、取得ポイントに基づいて、演出の種類や演出にて流れる楽曲の種類が異なるものとなったり、演出や楽曲の種類が増える等の機能を付加することとしてもよい。また、このような場合には、禁則コイン画像GKにも、取得ポイントが加算される機能を付加してもよい。
また上記実施形態では、禁則設定であるときには、禁則対象の人物が出現するカットイン演出を実行しないこととして説明した。しかし、禁則演出であるときには、通常設定であるときよりも、禁則対象の人物が出現するカットイン演出の実行頻度を低くして実行してもよい。また上記実施形態では、1人の人物だけが出現するカットイン演出を例に挙げて説明したが、カットイン演出は、複数の人物が出現するものであってもよい。また例えば、上記の実施形態ではカットイン演出を例に挙げて説明したが、カットイン演出以外についても適用可能である。すなわち、複数のパターンがある演出について、禁則設定であるときには、禁則対象の人物が出現するパターンでの実行頻度を低くし、禁則対象の人物が出現するパターン以外のパターンでの実行頻度を高くすることが可能である。具体的には、例えば、ダンス演出に、出現する人物の異なる複数のパターンがある場合、禁則設定であるときには、禁則対象の人物が出現するダンス演出の実行頻度を低くし、禁則対象の人物が出現しないダンス演出の実行頻度を高くすることとしてもよい。
また例えば、禁則設定であるときには、カットイン演出について、隠伏画像を適用することとしてもよい。ただし、カットイン演出のように出現する人物が大きく表示される場合、隠伏画像についても大きくなってしまい、演出における違和感がでてしまう可能性がある。また、カットイン演出のように同時に出現する人物の数が少ない場合、隠伏画像が表示されることで演出における違和感がでてしまう可能性がある。よって、出現する人物が大きな演出や、同時に出現する人物の数が少ない演出については、禁則対象が出現するパターンでの実行頻度を低くし、他のパターンの実行頻度を高くすることが好ましい傾向にある。これに対し、出現する人物が小さな演出や、同時に出現する人物の数が多い演出については、出現する禁則対象の視認性を隠伏画像により低下させることが好ましい傾向にある。また、上記実施形態では、禁則対象を1人だけ、設定する例について具体的に説明した。しかし、例えば、禁則対象を複数、設定できるようにしてもよい。
また上記実施形態では、禁則演出設定中には、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示など、表示部50aにて行われる遊技演出を完全に制限することとして説明した。しかし、例えば、禁則演出設定中には、「禁則演出設定メニュー」の画像を、表示部50aにおける最も前面側のレイヤに表示し、後方側のレイヤにて遊技演出を表示することとしてもよい。ただし、このような場合にも、演出制御用マイコン121は、禁則演出設定中には、例えば、遊技演出にて通常ボタン40の操作を促す操作演出が行われたとしても、遊技演出における通常ボタン40の操作演出を制限し、通常ボタン40の操作入力を禁則演出設定に係る入力として制御を行うことが好ましい。禁則演出設定を適切に行うことが可能だからである。すなわち、禁則演出設定中には、遊技球の入賞等に伴う遊技に応じて実行される遊技演出のすべてを制限してもよいし、少なくとも一部を制限することとしてもよい。なお、遊技演出は、例えば、遊技に応じて表示部50aにて行われる演出、遊技に応じて通常ボタン40の操作を促す操作演出、遊技に応じて所定の可動体を動作させる可動体演出等が含まれる。また上記実施形態では、遊技演出を、特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出等、遊技制御用マイコン101による遊技の進行に応じた演出であることとして説明した。しかし、遊技演出には、演出制御用マイコン121が行う禁則演出設定に係るもの以外の演出が含まれていてもよい。具体的には、例えば、特図1保留および特図2保留がいずれもない状態であるときに実行可能な客待ち演出や、特図変動演出の終了後、客待ち演出が開始されるまで表示されている背景画像等、通常の遊技が可能な状態にて実行可能な演出についても遊技演出とし、禁則演出設定中には、遊技演出の少なくとも一部を制限することとしてもよい。このため、具体的には、例えば、演出制御用マイコン121は、禁則演出設定中には、禁則演出設定に係る処理以外のすべての処理を制限するものであってもよい。また例えば、演出制御用マイコン121は、禁則演出設定中には、禁則演出設定に係る処理と、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動、停止表示に係る処理とを実行し、それ以外のすべての処理を制限するものであってもよい。
また上記実施形態では、禁則演出設定の設定変更を、パチンコ遊技機PY1の所有者や管理者等が可能な構成例について説明した。しかし、禁則演出設定の設定変更は、パチンコ遊技機PY1の製造者が可能であってもよい。すなわち、演出制御用マイコン121は、製造者が入力可能な所定の信号が入力されたことに応じて、禁則演出設定の設定変更が可能であってもよい。具体的には、例えば、パチンコ遊技機PY1は、出荷前において、製造者がサブ制御基板120に禁則演出設定の設定変更を行うことが可能な基板を接続し、その基板からサブ制御基板120の演出制御用マイコン121に、禁則演出設定の設定変更を開始する信号を入力可能な構成であってもよい。また例えば、パチンコ遊技機PY1は、出荷前において、製造者がサブ制御基板120に禁則演出設定の設定変更を行うことが可能な基板を接続し、その基板からサブ制御基板120の演出制御用マイコン121に、禁則対象を指定する信号を入力可能な構成であってもよい。
また、実施形態では、特図2判定処理が優先的に行われるが、特図1判定処理が優先的に行われるように構成しても良い。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とについて、保留記憶部に記憶された順番で特図判定処理が行われるようにしても良い。また、実施形態では、特図1の可変表示と特図2の可変表示とが並行して行われないが、特図1の可変表示と特図2の可変表示とが並行して行われるように構成しても良い。また、実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機などに適用することも可能である。
10.上記の実施形態に開示されている発明
上記の実施形態には、以下の発明(発明A1~A6、発明B1~B6、発明C1~C8)が示されている。以下に記す発明の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
発明A1に係る遊技機は、
表示部(表示部50a)に所定の画像を表示可能な画像表示手段(画像表示装置50)を用いて演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)であって、
前記演出実行手段は、
第1演出設定(通常設定)および第2演出設定(禁則設定)を含む複数の演出設定のうち、設定された演出設定に基づいて、前記表示部にて演出を実行可能であり、
前記第1演出設定であるときには、特定対象(第1人物、第2人物、第3人物)の画像を表示可能な第1特定演出(通常設定でのダンス演出)を実行することがあり、
前記第2演出設定であるときには、前記特定対象(第1人物、第2人物、第3人物のうちの禁則対象)の画像の少なくとも一部が前記第1特定演出よりも視認困難な第2特定演出(禁則設定でのダンス演出)を実行することがあることを特徴とする。
従来より遊技機では、演出実行手段により所定の演出が行われていることがある。例えば、特開2016-96970号公報には、複数のバレーボール選手が登場するような演出を行うことが記載されている。しかし、遊技機の開発工程または製造工程における後期や、販売後等の演出内容の変更が困難な時期に発生した事象によって、現状の演出内容に不都合が生じ、そのような演出が実行されてしまうことで興趣性が低下してしまう可能性があり、改善の余地があった。そして、本構成の遊技機は、特開2016-96970号公報に記載の遊技機に対して、「第1演出設定および第2演出設定を含む複数の演出設定のうち、設定された演出設定に基づいて、表示部にて演出を実行可能であり、第1演出設定であるときには、特定対象の画像を表示可能な第1特定演出を実行することがあり、第2演出設定であるときには、特定対象の画像の少なくとも一部が第1特定演出よりも視認困難な第2特定演出を実行することがある」という点で相違している。すなわち、演出設定の変更により、興趣性が低下してしまう要因となる部分を視認困難とし、遊技者が特定対象の出現を認識しにくいようにすることが可能である。これにより、本構成の遊技機は、「遊技興趣の低下を抑制可能である」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。さらには、本構成の遊技機は、契約等の変更により特定の対象を演出に出現させることができなくなってしまったような事態についても、適切に対処することが可能である。
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記第2特定演出では、前記特定対象の画像の少なくとも一部を隠す画像(コイン画像)を表示することで視認困難とすることが可能であることを特徴とする。
この構成では、第2特定演出において、遊技者が特定対象の出現を認識してしまうことを、より確実に抑制することが可能である。
発明A3に係る遊技機は、
発明A2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記第2演出設定であるときには、前記第1特定演出を実行することがないことを特徴とする。
この構成では、第2演出設定により、遊技者が特定対象の出現を認識してしまうことを、より確実に抑制することが可能である。
発明A4に係る遊技機は、
発明A1から発明A3までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記特定対象の画像は、特定の人物または特定のキャラクタの画像であることを特徴とする。
この構成では、演出内容に不都合が生じる事象が生じやすい特定対象について対応することが可能である。
発明A5に係る遊技機は、
発明A1から発明A4までのいずれかに記載の遊技機であって、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を有し、
前記演出実行手段は、
前記演出設定に基づいて、前記遊技に応じた演出である遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出等)を実行可能であり、
前記演出設定の設定変更が可能な特定状態(禁則演出設定中)では、前記遊技演出の少なくとも一部を制限することがあり、
前記特定状態でない非特定状態では、前記遊技演出を制限することなく実行可能であることを特徴とする。
この構成では、遊技機の所有者や管理者等が意図しない設定変更等がなされてしまうことで興趣性が低下してしまうことを抑制可能である。
発明A6に係る遊技機は、
発明A1から発明A5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、製造者が入力可能な所定の信号が入力されたことに応じて、前記演出設定の設定変更が可能である。
この構成では、製造者が容易に設定変更を可能である。
発明B1に係る遊技機は、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)であって、
前記演出実行手段は、
第1演出設定(通常設定)および第2演出設定(禁則設定)を含む複数の演出設定のうち、設定された演出設定に基づいて演出を実行可能であり、
前記第2演出設定であるときには、前記第1演出設定のときよりも、
特定演出(禁則対象が出現するカットイン演出)を選択して実行する可能性が低く、
前記特定演出とは異なる非特定演出(禁則対象が出現するカットイン演出とは異なるカットイン演出)を選択して実行する可能性が高いことを特徴とする。
従来より遊技機では、演出実行手段により所定の演出が行われていることがある。例えば、特開2016-96970号公報には、複数のバレーボール選手が登場するような演出を行うことが記載されている。しかし、遊技機の開発工程または製造工程における後期や、販売後等の演出内容の変更が困難な時期に発生した事象によって、現状の演出内容に不都合が生じ、そのような演出が実行されてしまうことで興趣性が低下してしまう可能性があり、改善の余地があった。そして、本構成の遊技機は、特開2016-96970号公報に記載の遊技機に対して、「第1演出設定および第2演出設定を含む複数の演出設定のうち、設定された演出設定に基づいて演出を実行可能であり、第2演出設定であるときには、第1演出設定のときよりも、特定演出を選択して実行する可能性が低く、特定演出とは異なる非特定演出を選択して実行する可能性が高い」という点で相違している。すなわち、演出設定の変更により、興趣性が低下してしまう要因となる演出の実行頻度を低くし、他の演出の実行頻度を高くすることが可能である。これにより、本構成の遊技機は、「遊技興趣の低下を抑制可能である」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。さらには、本構成の遊技機は、契約等の変更により特定の対象を演出に出現させることができなくなってしまったような事態についても、適切に対処することが可能である。
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に記載の遊技機であって、
前記特定演出は、特定対象が出現する演出であり、
前記非特定演出は、前記特定対象が出現しない演出であることを特徴とする。
この構成では、第2演出設定により、遊技者が特定対象を認識してしまうことを抑制可能である。
発明B3に係る遊技機は、
発明B1または発明B2に記載の遊技機であって、
遊技者に有利な特別遊技状態にするかの判定を行う判定手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記非特定演出として、第1非特定演出と第2非特定演出とを実行可能であり、
前記第1非特定演出は、前記特別遊技状態になる期待度について、前記特定演出との差が、前記第2非特定演出よりも小さく、
前記第1非特定演出の前記第1演出設定であるときの選択確率と前記第2演出設定であるときの選択確率との差は、前記第2非特定演出の前記第1演出設定であるときの選択確率と前記第2演出設定であるときの選択確率との差よりも大きいことを特徴とする。
この構成では、第1演出設定と第2演出設定とで、第1非特定演出、第2非特定演出の大当たり期待度が大きく異なってしまうことがないようにすることが可能である。よって、第2演出設定にて実行される第1非特定演出、第2非特定演出が、大当たり期待度について違和感の少ないものとなるようにすることが可能である。
発明B4に係る遊技機は、
発明B1から発明B3までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記第2演出設定であるときには、前記特定演出を選択しないことを特徴とする。
この構成では、第2演出設定において興趣性が低下してしまう要因となる演出が実行されないことにより、より確実に遊技興趣の低下を抑制可能である。
発明B5に係る遊技機は、
発明B1から発明B4までのいずれかに記載の遊技機であって、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を有し、
前記演出実行手段は、
前記演出設定に基づいて、前記遊技に応じた演出である遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出等)を実行可能であり、
前記演出設定の設定変更が可能な特定状態(禁則演出設定中)では、前記遊技演出の少なくとも一部を制限することがあり、
前記特定状態でない非特定状態では、前記遊技演出を制限することなく実行可能であることを特徴とする。
この構成では、遊技機の所有者や管理者等が意図しない設定変更等がなされてしまうことで興趣性が低下してしまうことを抑制可能である。
発明B6に係る遊技機は、
発明B1から発明B5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、製造者が入力可能な所定の信号が入力されたことに応じて、前記演出設定の設定変更が可能である。
この構成では、製造者が容易に設定変更を可能である。
発明C1に係る遊技機は、
表示部(表示部50a)に所定の画像を表示可能な画像表示手段(画像表示装置50)を用いて演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)であって、
前記演出実行手段は、
第1演出設定(通常設定)および第2演出設定(禁則設定)を含む複数の演出設定のうち、設定された演出設定に基づいて、前記表示部にて演出を実行可能であり、
前記第2演出設定であるときには、前記第1演出設定であるときよりも、特定箇所(人物の顔の部分)に特定画像(コイン画像)を表示しやすく、
前記第1演出設定であるときには、前記特定箇所と異なる非特定箇所に前記特定画像を表示することがあることを特徴とする。
従来より遊技機では、演出実行手段により所定の演出が行われていることがある。例えば、特開2016-96970号公報には、複数のバレーボール選手が登場するような演出を行うことが記載されている。しかし、遊技機の開発工程または製造工程における後期や、販売後等の演出内容の変更が困難な時期に発生した事象によって、現状の演出内容に不都合が生じ、そのような演出が実行されてしまうことで興趣性が低下してしまう可能性があり、改善の余地があった。そして、本構成の遊技機は、特開2016-96970号公報に記載の遊技機に対して、「第1演出設定および第2演出設定を含む複数の演出設定のうち、設定された演出設定に基づいて、表示部にて演出を実行可能であり、第2演出設定であるときには、第1演出設定であるときよりも、特定箇所に特定画像を表示しやすく、第1演出設定であるときには、特定箇所と異なる非特定箇所に特定画像を表示することがある」という点で相違している。すなわち、非特定箇所に表示される特定画像を、特定箇所に表示される特定画像が目立ってしまうことを抑制可能なカモフラージュ用の画像として機能させることが可能である。よって、第2演出設定において、特定箇所の出現を意識させずに遊技を行わせることが可能である。これにより、本構成の遊技機は、「遊技興趣の低下を抑制可能である」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。さらには、本構成の遊技機は、契約等の変更により特定の対象を演出に出現させることができなくなってしまったような事態についても、適切に対処することが可能である。
発明C2に係る遊技機は、
発明C1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記第2演出設定であるときにも、前記非特定箇所に前記特定画像を表示することがあることを特徴とする。
この構成では、特定箇所に表示される特定画像が目立ってしまうことを抑制することが可能である。
発明C3に係る遊技機は、
発明C1または発明C2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記特定箇所が出現する特定演出を、前記第1演出設定であるときには前記特定箇所に前記特定画像を表示しない非特定態様で実行可能である一方、前記第2演出設定であるときには前記非特定態様で実行することがないことを特徴とする。
この構成では、第2演出設定であるとき、遊技者が特定箇所を意識することで興趣性が低下してしまうことを、より確実に抑制可能である。
発明C4に係る遊技機は、
発明C1から発明C3までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記特定箇所は、そのサイズが異なることがあり、
前記演出実行手段は、前記特定画像を、前記特定箇所のサイズに応じたサイズで表示可能であることを特徴とする。
この構成では、遊技者が特定箇所を意識することで興趣性が低下してしまうことを抑制可能であるとともに、演出内容が隠れすぎてしまうことにより、その演出における興趣性が低下してしまうことを抑制可能である。
発明C5に係る遊技機は、
発明C1から発明C4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記特定箇所は、その位置が異なることがあり、
前記演出実行手段は、前記特定画像を、前記特定箇所の位置に応じた位置に表示可能であることを特徴とする。
この構成では、遊技者が特定箇所を意識することで興趣性が低下してしまうことを抑制可能である。
発明C6に係る遊技機は、
発明C1から発明C5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記非特定箇所に表示される前記特定画像の表示回数が多いときほど、遊技者が利益を得る可能性が高いことを特徴とする。
この構成では、特定画像が演出中に表示されることに対する違和感を低減させることが可能である。すなわち、特定箇所に特定画像が表示されることに対する違和感を低減することが可能である。
発明C7に係る遊技機は、
発明C1から発明C6までのいずれかに記載の遊技機であって、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を有し、
前記演出実行手段は、
前記演出設定に基づいて、前記遊技に応じた演出である遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出等)を実行可能であり、
前記演出設定の設定変更が可能な特定状態(禁則演出設定中)では、前記遊技演出の少なくとも一部を制限することがあり、
前記特定状態でない非特定状態では、前記遊技演出を制限することなく実行可能であることを特徴とする。
この構成では、遊技機の所有者や管理者等が意図しない設定変更等がなされてしまうことで興趣性が低下してしまうことを抑制可能である。
発明C8に係る遊技機は、
発明C1から発明C7までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、製造者が入力可能な所定の信号が入力されたことに応じて、前記演出設定の設定変更が可能である。
この構成では、製造者が容易に設定変更を可能である。