JP7217778B2 - 基板処理装置、および基板処理方法 - Google Patents
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Description
ここで、基板の表面に付着したパーティクルなどの汚染物を除去する方法として、超音波洗浄法や二流体スプレー洗浄法などが知られている。しかしながら、基板に超音波を加えたり、基板の表面に流体を噴射したりすれば、基板の表面に形成された微細な凹凸部が破損するおそれがある。また、近年においては凹凸部の微細化が進み、凹凸部がさらに破損しやすくなっている。
凍結洗浄法においては、以下の様にして、基板の表面を洗浄する。まず、回転させた基板の表面に純水を供給し、供給された純水の一部を排出して基板の表面に水膜を形成する。次に、水膜が形成された基板に冷却ガスを供給して水膜を凍結させる。水膜が凍結して氷膜が形成される際に汚染物が氷膜に取り込まれることで、汚染物が基板の表面から分離される。次に、氷膜に純水を供給して氷膜を融解し、純水とともに汚染物を基板の表面から除去する。次に、純水および汚染物が除去された基板を回転させて、基板を乾燥させる。
また、載置台により載置台の周囲の空気が冷却され、冷却された空気によって基板が冷却される場合もある。
基板が冷却されると、基板の表面や裏面に結露が発生して汚染やウォーターマークなどが発生するおそれがある。
そこで、基板に結露が発生するのを抑制することができる技術の開発が望まれていた。
以下に例示をする基板100は、例えば、半導体ウェーハ、インプリント用テンプレート、フォトリソグラフィ用マスク基板、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)に用いられる板状体などとすることができる。
ただし、基板100の用途はこれらに限定されるわけではない。
図1に示すように、基板処理装置1には、載置部2、冷却部3、第1液体供給部4、第2液体供給部5、筐体6、送風部7、排気部8、移動部9、およびコントローラ10が設けられている。
載置台2aは、筐体6の内部に回転可能に設けられている。載置台2aは、板状を呈している。載置台2aの一方の主面には、基板100を保持する複数の保持部2a1が設けられている。基板100を複数の保持部2a1に保持させる際には、基板100の表面100b(洗浄を行う側の面)が、載置台2a側とは反対の方を向くようにする。
また、駆動部2cは、回転の開始と回転の停止のみならず、回転数(回転速度)を変化させることができる。駆動部2cは、例えば、サーボモータなどの制御モータを備えたものとすることができる。
冷却部3は、冷却液部3a、フィルタ3b、流量制御部3c、および冷却ノズル3dを有する。冷却液部3a、フィルタ3b、および流量制御部3cは、筐体6の外部に設けられている。
供給部4bは、配管を介して、液体収納部4aに接続されている。供給部4bは、液体収納部4aに収納されている液体101を液体ノズル4dに向けて供給する。
流量制御部4cは、配管を介して、供給部4bに接続されている。流量制御部4cは、供給部4bにより供給された液体101の流量を制御する。流量制御部4cは、例えば、流量制御弁とすることができる。また、流量制御部4cは、液体101の供給の開始と供給の停止をも行うことができる。
液体収納部5aは、前述した液体収納部4aと同様とすることができる。供給部5bは、前述した供給部4bと同様とすることができる。流量制御部5cは、前述した流量制御部4cと同様とすることができる。
移動部9は、支持部9aと昇降部9bを有することができる。
支持部9aは、ベース9a1(第1のベースの一例に相当する)と支柱9a2を有することができる。
ベース9a1は、例えば、環状を呈し、載置台2aの、複数の保持部2a1が設けられる側とは反対側に設けることができる。ベース9a1は、載置台2aに略平行に設けることができる。例えば、ベース9a1の中央領域において、ベース9a1を厚み方向に貫通する孔には、所定の隙間を介して回転軸2bが設けられている。なお、環状のベース9a1を例示したが、ベース9a1の形状はこれに限定されるわけではない。例えば、ベース9a1を厚み方向に貫通する孔が、ベース9a1の側面に開口していてもよい。例えば、ベース9a1の平面形状は、C字状やU字状などであってもよい。ベース9a1は、所定の隙間を介して回転軸2bの外側に設けられていればよい。
昇降部9bは、例えば、ベース9b1(第2のベースの一例に相当する)と駆動部9b2を有することができる。
図3は、ベース9a1が下降した状態を例示するための模式図である。
前述したように、ベース9b1とベース9a1との間には斥力が発生しているので、図2に示すように、ベース9b1が上昇すると、ベース9a1がベース9b1に押されて上昇する。ベース9a1が上昇すると、複数の保持部2a1に保持された基板100が上昇して、基板100と載置台2aとの間の距離L1が大きくなる。この場合、図2に示すように、ベース9a1と載置台2aとを接触させれば、基板100と載置台2aとの間の距離L1を一定に保つことができる。なお、載置台2aは、回転軸2bを介して駆動部2cと接続されている。そして、駆動部2cは、前述の通り、筐体6に固定されている。したがって、載置台2aは、筐体6に回転可能に固定されている。つまり、ベース9a1が接触しても、載置台2aの位置に変化は無い。また、複数の保持部2a1から基板100が落下しないよう、載置台2aとベース9a1を接触させる。
そして、コントローラ10は、第1の工程において、移動部9を制御して、載置台2aと、複数の保持部2a1に保持された基板100と、の間の距離を第1の距離とし、第2の工程において、移動部9を制御して、前記距離を第1の距離よりも長い第2の距離にすることができる。なお、第1の距離は、例えば、図3に示す距離L2である。第2の距離は、例えば、図2に示す距離L1である。
なお、各工程における基板100の昇降位置と、その効果に関する詳細は後述する。
図4は、基板処理装置1の作用を例示するためのタイミングチャートである。
図5は、凍結洗浄工程における温度変化を例示するためのグラフである。
なお、図4および図5は、基板100が6025クオーツ(Qz)基板(152mm×152mm×6.35mm)、液体101が純水の場合である。
なお、固液相とは、液体101と液体101が凍結したものとが、同時に存在している状態を意味する。
行する。凍結工程(固液相)においては、基板100の表面100bに、液体101と液
体101が凍結したものが存在する。前述したように、過冷却状態の液体101において
は、汚染物が凍結開始の起点となる場合があり、汚染物が固体に取り込まれると考えられ
る。また、液体101が固体に変化した際の体積変化に伴う圧力波や、体積増加に伴う物
理力などにより、基板100の表面100bに付着している汚染物が分離されると考えら
れる。そのため、汚染物が固体に取り込まれたり、液体101の一部が凍結した際に生じ
た圧力波や物理力などにより、基板100の表面100bに付着している汚染物が分離さ
れたりして、洗浄が行われると考えられる。
なお、コントローラ10が、駆動部9b2を制御して、ベース9b1を上昇させるタイミングは、第3の回転数にする前でもよいし、後でもよい。
乾燥工程においては、コントローラ10が、供給部4bおよび流量制御部4cを制御して、液体101の供給を停止させる。なお、液体101と液体102が異なる液体の場合には、コントローラ10が、供給部5bおよび流量制御部5cを制御して、液体102の供給を停止させる。
第1の距離、第2の距離、第3の距離、第4の距離を制御する場合、駆動部9b2は、多段のエアシリンダとするか、エアシリンダを複数組み合わせたもの、エアシリンダとサーボモータを複数組み合わせたものとすればよい。
以上の様にすることで、1回の凍結洗浄工程を行うことができる。なお、凍結洗浄工程は、複数回行うこともできる。
移動部19は、載置台2aに対する複数の保持部2a1の位置、ひいては、載置台2aに対する基板100の位置を移動させる。
図6に示すように、移動部19は、支持部9aと昇降部19bを有することができる。
なお、ベース9a1は、昇降部19bと接触しない。ベース9a1が昇降部19bと接触しないようにするには、「t3>t1+t2」を満たすようにすればよい。
この場合、t3は、昇降部19bの上面から載置台2aの上面までの距離、t1は、支柱9a2の長さ、t2は、ベース9a1の厚みである。
移動部29は、載置台2aに対する複数の保持部2a1の位置、ひいては、載置台2aに対する基板100の位置を移動させる。
図7に示すように、移動部29は、支持部9aと昇降部29bを有することができる。
ベース29b1は、例えば、基部29b1aと支持部材29b1bを有することができる。
図8に示すように、前述した保持部2a1に代えて、保持部2a1aを設けることができる。例えば、保持部2a1aは、保持部2a1の載置台2a側の面に、少なくとも1つの凸部2a1b(第2の撥液部の一例に相当する)を加えたものとすることができる。凸部2a1bは、載置台2aよりも液体101をはじきやすい性質(撥液性)を有している。凸部2a1bは、例えば、前述した撥液性を有する材料を含んでいる。
凸部2a1bが設けられていれば、保持部2a1aと載置台2aとの接触面積を小さくすることができるので、保持部2a1aと載置台2aが凍り付いたとしても、ベース9b1を上昇させた際に、保持部2a1aと載置台2aが剥がれやすくなる。
図9に示すように、載置台2aの表面に、撥液部2a3(第1の撥液部の一例に相当する)を設けることができる。また、保持部2a1の載置台2a側の面に撥液部2a4を設けることができる。撥液部2a4は、板状を呈し、載置台2a側の面に凸部2a4aを有する。凸部2a4aは、撥液部2a4の周縁の近傍に設けることができる。凸部2a4aは、環状を呈するものとすることができる。撥液部2a4は、載置台2aよりも液体101をはじきやすい性質(撥液性)を有している。撥液部2a4は、例えば、前述した撥液性を有する材料を含んでいる。
予備工程や液膜の形成工程において、液体101が、基板100から保持部2a1を伝って載置台2a側に流れたとしても、撥液部2a4が設けられているので、載置台2aの表面に液体101が到達するのを抑制することができる。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、基板処理装置1が備える各要素の形状、寸法、数、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
例えば、凍結工程(固液相)の後、凍結工程(固相)を実行すること無く、解凍工程を行うようにしてもよい。
また、高さ方向において、凸部2a4aおよび凸部2a5の、互いの先端部の一部がオーバーラップするようにしてもよい。この場合、凸部2a5の高さを、液体101と載置台2aの表面との接触角以上の高さ(例えば、5mm以上)とし、オーバーラップする長さも接触角以上の長さとすることで、ラビリンス構造となるようにすることができる。ラビリンス構造とすれば、保持部2a1と載置台2aとの間に液体101がより入りこまないようにすることができる。そのため、保持部2a1が載置台2aに凍り付くのをより抑制することができる。
Claims (12)
- 回転可能に設けられた載置台と、
前記載置台の一方の側に設けられ、基板を保持する複数の保持部と、
前記基板の、前記載置台側とは反対側の面に凝固点よりも高い温度の液体を供給する液体供給部と、
前記載置台と、前記基板と、の間の空間に、冷却ガスを供給する冷却部と、
前記載置台と、前記複数の保持部に保持された基板と、の間の距離を変化させる移動部と、
前記冷却部と、前記移動部と、を制御するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
少なくとも前記基板上の前記液体を凝固点よりも高い温度から過冷却状態とする過冷却工程および過冷却状態から凍結が完了するまでの間の凍結工程(固液相)を有する冷却工程と、前記冷却工程の後に解凍工程を実行し、
前記冷却工程において、前記移動部を制御して、前記距離を第1の距離とし、
前記解凍工程において、前記移動部を制御して、前記距離を前記第1の距離よりも長い第2の距離にする基板処理装置。 - 回転可能に設けられた載置台と、
前記載置台の一方の側に設けられ、基板を保持する複数の保持部と、
前記基板の、前記載置台側とは反対側の面に凝固点よりも高い温度の液体を供給する液体供給部と、
前記載置台と、前記基板と、の間の空間に、冷却ガスを供給する冷却部と、
前記載置台と、前記複数の保持部に保持された基板と、の間の距離を変化させる移動部と、
前記冷却部と、前記移動部と、を制御するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記冷却部を制御して、前記冷却ガスの供給を行う第1の工程と、前記冷却ガスの供給を停止させる第2の工程と、を切り替え、
前記コントローラは、
前記第1の工程において、前記移動部を制御して、前記距離を第1の距離とし、
前記第2の工程において、前記移動部を制御して、前記距離を前記第1の距離よりも長い第2の距離にする基板処理装置。 - 前記移動部は、
前記複数の保持部が設けられた支持部と、
前記支持部と斥力により連結され、前記支持部を昇降可能な昇降部と、
を有する請求項1または2に記載の基板処理装置。 - 前記支持部は、磁性を有する第1のベースを有し、
前記昇降部は、前記第1のベースと対向し、前記第1のベースと同じ極性の磁性を有する第2のベースを有する請求項3記載の基板処理装置。 - 膜状を呈し、前記載置台の表面、および前記保持部の前記載置台側の少なくともいずれかに設けられ、前記載置台よりも前記液体をはじきやすい第1の撥液部をさらに備えた請求項1~4のいずれか1つに記載の基板処理装置。
- 前記第2の距離は、10mm以上である請求項1~4のいずれか1つに記載の基板処理装置。
- 凸状を呈し、前記保持部の前記載置台側に設けられ、前記載置台よりも前記液体をはじきやすい第2の撥液部をさらに備えた請求項1~4のいずれか1つに記載の基板処理装置。
- 前記保持部の前記載置台側に設けられ、前記載置台よりも前記液体をはじきやすい第3の撥液部と、
前記載置台の表面に設けられ、前記載置台よりも前記液体をはじきやすい第4の撥液部と、
をさらに備え、
前記第3の撥液部は、板状を呈し、前記載置台側の面に凸部を有し、
前記第4の撥液部は、凸状を呈し、前記第3の撥液部と対向している請求項1~4のいずれか1つに記載の基板処理装置。 - 一方の面に液膜を有し回転している基板の、他方の面に冷却ガスを供給する冷却工程と、
前記冷却工程において凍結した液体を解凍する解凍工程と、
を備え、
前記冷却工程において、前記基板と、前記基板が載置される載置台と、の間の距離を第1の距離とし、
前記解凍工程において、前記距離を前記第1の距離よりも長い第2の距離にする基板処理方法。 - 前記解凍工程において、前記冷却ガスの供給を停止させる請求項9に記載の基板処理方法。
- 前記液体が解凍された基板を乾燥させる乾燥工程をさらに備え、
前記乾燥工程において、前記冷却ガスの供給を停止させ、前記距離を前記第2の距離、または、前記第1の距離よりも長く、前記第2の距離とは異なる第3の距離にする請求項9または10に記載の基板処理方法。 - 前記乾燥させた基板を搬出する搬出工程をさらに備え、
前記搬出工程において、前記冷却ガスの供給を停止させ、前記距離を前記第2の距離、または、前記第2の距離よりも長い第4の距離にする請求項11記載の基板処理方法。
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