JP7217528B2 - 処理装置、システム、x線測定方法およびプログラム - Google Patents

処理装置、システム、x線測定方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、フォトン・カウンティング型の半導体検出器による処理装置、システム、X線測定方法およびプログラムに関する。
放射線測定に用いられるフォトン・カウンティング型の半導体検出器は、所定の時間に検出されたパルス信号の強度が閾値を超えた回数をパルス信号の個数として計数することにより、X線の強度を測定する。しかしながら、パルス信号の強度が閾値を超えている状態で次のパルス信号が発生すると、そのパルス信号を計数することができず、数え落としが生じる。X線の強度が強すぎる場合、数え落としが頻発し、その結果、測定されたX線の強度が、実際のX線の強度よりも低く見積もられてしまう。
このような数え落としの影響を減らす方法として、測定した計数値を補正する方法が検討されている(例えば特許文献1)。また、測定時に計数値が真のカウントに近くなるようにパルスを計数する方法も考えられる(例えば特許文献2)。
特許文献1は、放射線検出器1により出力されたアナログパルス信号が所定の条件を満たす場合にデジタルパルス信号を出力する波高弁別器3とシグナルチャンネル波高分析器4を備える放射線測定装置が開示されている。特許文献1記載の放射線測定装置は、第1のカウンタ5と第2のカウンタ6のそれぞれから出力されたデジタルパルス信号を計数し、計数値M、Pを出力し、演算器7は、計数値M、Pから得られる計数率m、pに対して、メモリ8に格納された数え落とし補正テーブル81、82を参照して数え落とし補正および誤計数補正を行っている。補正テーブルは、実験的に発生させた擬似信号パルスでダブルパルスを近接させてパイルアップの分解時間t1、および誤計数が発生する近接時間t2を求めて、1次補正計数率nおよび2次補正計数率(n-q)を求めている。
特許文献2は、検出器アレイのセル内に調整可能な不感時間を備えた即時リトリガ能力を適用することによって改善された高率計数性能を備えた光子計数イメージングのための方法および装置が開示されている。すなわち、特許文献2記載の方法および装置は、信号パルスが最初に閾値を上回ったあと閾値を上回る限り、その信号パルスの閾値を上回っている時間に含まれる所定の幅の不感時間間隔の数を計数し、それを、その信号パルスの閾値を上回っている時間に到着した光子の数とみなすことで、数え落としの影響を低減している。
特開2012-013563号公報 特表2014-527162号公報
しかしながら、特許文献1の放射線測定装置は、補正テーブルが、実験的に発生させた擬似信号パルスでダブルパルスを近接させてパイルアップの分解時間t1、および誤計数が発生する近接時間t2を求めて補正しているため、3つ以上のパルスの近接が頻発する程度まで計数率が上昇したときに、補正の精度が十分でなくなる。また、特許文献2の方法は、計数率の上昇に対して不感時間が一定であるため、計数率の上昇に伴い、補正の精度が十分でなくなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来の方法でカバーできなかった高い計数率に対しても数え落としの影響を減殺できる処理装置、システム、X線測定方法およびプログラムを提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の処理装置は、フォトン・カウンティング型の半導体検出器により、入射X線のパルス信号をカウントして読み出された出力値を記憶する記憶部と、前記読み出された出力値に基づいて計数値を算出する算出部と、を備え、前記算出部は、露光に対するパルス検出率の増加に対し、前記パルス信号の見かけ上の時定数が単調減少するモデルを用いることを特徴としている。
このようなパルス検出率の増加に対しパルス信号の見かけ上の時定数が単調減少するモデルでは、どれだけ高い計数率であっても対応する見かけ上の時定数が得られる。その結果、従来の方法でカバーできなかった高い計数率に対しても数え落としの影響を減殺できる。
(2)また、本発明の処理装置において、前記パルス検出率は、前記露光に対し前記パルス信号が検出された合計時間と前記露光の合計時間との比に相当することを特徴としている。これにより、短い周期で短い単位時間で露光できる検出器を用いて容易にパルス検出率を算出できる。
(3)また、本発明の処理装置において、前記見かけ上の時定数は、前記パルス検出率がゼロである場合に本来の時定数であることを特徴としている。これにより、モデル上で露光に対するパルスの重複がない場合には数え落としへの影響がなく、モデルが現実に即したものとなる。
(4)また、本発明の処理装置において、前記見かけ上の時定数は、前記パルス検出率が1である場合に本来の時定数と1より小さい定数との積であることを特徴としている。これにより、モデル上は計測可能な最大の出力値に対しても計数を算出できる。
(5)また、本発明の処理装置において、前記記憶部は、前記パルス信号の時定数を記憶し、前記算出部は、前記モデルを用いる際に、前記記憶された時定数を読み出して利用することを特徴としている。これにより、計数値の算出の際に時定数を読み出し利用することができる。
(6)また、本発明のシステムは、前記半導体検出器と、上記(1)から(5)のいずれかに記載の処理装置と、を備えることを特徴としている。これにより、半導体検出器から得られる出力値を用いて処理装置で計数値を算出できる。
(7)また、本発明のシステムにおいて、前記半導体検出器が、前記パルス信号の時定数より短い時間で露光することを特徴としている。これにより、高い時間分解能で、物理現象を観察できる。また、一回の露光で3以上のパルスを検出することがなくなり、読み出しの負担が軽減される。また、出力値の読み出しは、2ビットのモードで十分となり、読み出し時間を短縮できる。
(8)また、本発明の処理装置において、前記計数値の算出では、前記パルス信号の時定数と前記露光の単位時間とを足した時間で前記パルス信号をカウントしたものとして、前記計数値を補正することを特徴としている。これにより、実質的な露光時間で検出された計数値を得ることができる。
(9)また、本発明のX線測定方法は、フォトン・カウンティング型の半導体検出器により、入射X線のパルス信号をカウントし出力値を読み出すステップと、前記読み出された出力値に基づいて計数値を算出するステップと、を含み、前記計数値の算出では、露光に対するパルス検出率の増加に対し、前記パルス信号の見かけ上の時定数が単調減少するモデルを用いることを特徴としている。これにより、高い計数率に対しても数え落としの影響を減殺できる。
(10)また、本発明のプログラムは、フォトン・カウンティング型の半導体検出器により、入射X線のパルス信号をカウントし出力値を読み出す処理と、前記読み出された出力値に基づいて計数値を算出する処理と、をコンピュータに実行させ、前記計数値の算出処理では、露光に対するパルス検出率の増加に対し、前記パルス信号の見かけ上の時定数が単調減少するモデルを用いることを特徴としている。これにより、高い計数率に対しても数え落としの影響を減殺できる。
本発明によれば、従来の方法でカバーできなかった高い計数率に対しても数え落としの影響を減殺できる。
本発明のX線検出システムの構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係るX線検出器の構成を示す概略図である。 実施形態に係る処理装置の機能的な構成を示すブロック図である。 本発明のX線測定方法における、パルスの入力に対する出力値のカウントタイミングを示す概略図である。 パルスが重なった場合のパルス高さを示すグラフである。 露光時間δtと時定数τとの関係を示す概念図である。 蓄積リング中のフィリングパターンの一例を示す図である。 時間に対して検出電流を示す図である。 時定数の測定における蓄積リング中のフィリングパターンおよび露光開始位置を示す図である。 露光時間に対する各カウントのイベントの単位時間当たりの回数を表すグラフである。 Rising Edgeをカウントする方法を示す概略図である。 露光時間δt、時定数τ、および読み出し時間の関係を示す概念図である。 シミュレーションの結果を表すグラフである。 大型放射光施設での実験の結果を表すグラフである。 X線反射率法による実験の結果を表すグラフである。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
[実施形態]
(検出システムの構成)
図1は、X線検出システム10の構成の一例を示す概略図である。図1に示すようにX線検出システム10は、X線源20、試料S、X線検出器100および処理装置200で構成されている。
X線源20は、例えば、陰極であるフィラメントから放射された電子束を対陰極であるロータターゲットに衝突させてX線を発生させる。ロータターゲットの外周面には、例えば、MoまたはCuのような金属が設けられている。Moターゲットに電子が衝突したとき、特性線であるMoKα線(波長0.711Å)を含むX線が放射される。Cuターゲットに電子が衝突したとき、特性線であるCuKα線(波長1.542Å)を含むX線が放射される。X線源20から放射されるX線は、いわゆるポイントフォーカスのX線ビームである。
試料Sは、試料支持装置により支持されている。X線検出器100は、例えば試料Sで回折された回折線のようなX線を検出する。処理装置200は、検出された出力値を処理し、計数値を算出する。X線検出器100および処理装置200の詳細については、後述する。なお、露光に対するパルス検出率の増加に対し、パルス信号の見かけ上の時定数が単調減少するモデルを用いた計数値の算出が、本発明において特徴的な工程である。以下の説明では、この工程を基本的に処理装置200内で行うことを前提に説明しているが、X線検出器100内で行うこともできる。
(X線検出器の構成)
図2は、X線検出器100の構成を示す概略図である。X線検出器100は、フォトン・カウンティング型の半導体検出器であり、2次元のデータバッファ機能を有する。X線検出器100は、X線を検出し、検出データをフレームごとに外部へ転送する。なお、X線検出器100は、1次元検出器または0次元検出器であってもよい。
図2に示すように、X線検出器100は、センサ110、読み出し回路120、メモリ150、転送回路160および制御回路170を備えている。なお、図2では便宜上一つのセンサ110に対する構成を示しているが、X線検出器100は、基本的に複数のセンサを備えている。読み出し回路120は、パルスの読み出しの機能を有し、ゲート125、検出回路130およびカウンタ140を備えている。
センサ110は、露光によりX線の粒子が検出されたときにパルスを発生させる。センサ110は、受光面に入射するX線束の強度を、面情報として検出できる。
ゲート125は、ゲート開放時間の間だけパルスを検出回路130へ通過させる。本明細書では、ゲート125の開放時間を露光時間δtという。ゲート125の開閉は、電子シャッターで行なう。露光時間δtを短くすると時間分解能が上がり、より精度よく測れるため、露光時間δtは短いほうがよい。例えば、露光時間δtを後述するパルス信号の時定数τより短くすると、一回の露光で3以上のパルスを検出することがなくなり、読み出しの負担が軽減されるため好ましい。露光時間δtはハードウェアの機能の限界により下限が定まるが、例えば、クロック周波数を高くすることや、ゲート制御の命令系をその他の制御とは別系統にして、1ビットで命令をすること、CPUの内部でゲート制御だけクロックをn倍(例えば10倍)にすることなどで、下限を下げることができる。
検出回路130は、パルスが閾値より高いか否かを判定し、高い場合には電圧信号としてカウンタ140へ送出する。カウンタ140は、送出された電圧信号をパルスの個数として計数し出力値として出力することができる。メモリ150は、カウンタ140で計数された出力値をカウンタ140から読み出し記憶する。読み出しのタイミングは、基本的にゲート125を閉じた直後でよいが、待ち時間をおいて読み出すことも可能である。メモリ150は、読み出された整列していないデータを実空間配置へ変換し、後段へデータの転送を可能にする。また、メモリ150は、露光の合計時間または露光回数を記憶する。
なお、検出回路は1つのセンサに対して複数存在してもよい。複数の検出回路を備える場合、検出回路ごとにカウンタを備える。また、複数の検出回路を備える場合、パルスの判定に用いる閾値を、検出回路ごとに異なるものとすることもできる。
また、メモリは1つのセンサに対して書き込み用に切り換え可能な複数のメモリがあってもよい。複数のメモリを備える場合、1のメモリを読み出している間にも、ゲートを開放し、露光することができるため、デューティー比を高くすることができる。また、複数のセンサを備える場合に、それぞれのセンサに対して独立に複数のメモリを設けてもよいが、複数のメモリは共用であってもよい。例えば、2つのセンサに対して2つのメモリのみを設け、各センサからの書き込みに対してその2つのメモリが切り換え可能に存在すれば十分である。
転送回路160は、メモリ150に記憶された出力値および露光時間の合計または露光回数を処理装置200へ転送する。制御回路170は、露光の合計時間または露光回数を、メモリ150に記憶させる。また、制御回路170は、ゲート125の開閉を制御し、出力値の読み出しおよび記憶を制御し、記憶された出力値および露光の合計時間または露光回数の処理装置200への転送を制御する。
(処理装置の構成)
図3は、処理装置200の構成を示すブロック図である。処理装置200は、測定データ管理部210、記憶部220、算出部230、補正部240を備えており、X線検出器100で検出されたX線の出力値、および、露光の合計時間または露光回数に基づいて計数値または計数率を算出する。
測定データ管理部210は、記憶部220、算出部230、および補正部240で扱われるデータを管理する。測定データ管理部210は、X線検出器100のメモリ150に記憶された出力値、および、露光の合計時間または露光回数を、転送回路160を通じて受け取り、記憶部220に記憶させる。
記憶部220は、受け取った出力値、および、露光の合計時間または露光回数を記憶する。また、記憶部220は、出力値、および、露光の合計時間または露光回数に基づいて算出された計数値または計数率を記憶する。また、記憶部220は、補正部240で補正された露光の合計時間を記憶する。また、記憶部220は、パルス信号の時定数を記憶する。
時定数は、記憶部220から読み出され、計数値の算出や露光時間の設定に用いられる。時定数は、スレッショルド等の設定値によって値が変わるため、予めテーブルの形式などで記憶しておけば、いずれの処理にも適応できる。なお、X線検出器100側にテーブルを記憶しておいて、読み出して使うこともできる。
算出部230は、出力値および露光時間の合計に基づいて計数値または計数率を算出する。このとき、露光に対するパルス検出率の増加に対し、パルス信号の見かけ上の時定数が単調減少するモデルを用いる。モデルの詳細は後述する。また、パルス検出率は、露光に対しパルス信号が検出された合計時間と露光の合計時間との比に相当する値とすることができる。相当する値とは、露光に対しパルス信号が検出された合計時間を、出力値に置き換えてもよいことをいい、露光の合計時間を、露光回数または補正された露光の合計時間に置き換えてもよいことをいう。
補正部240は、露光の合計時間を補正する。露光の合計時間の補正は、例えば、1回の露光時間を、パルス信号の時定数τと露光の単位時間(露光時間δt)とを足した時間として、露光の合計時間を算出するようにしてもよい。これにより、実質的な露光時間で検出された計数値を得ることができる。
処理装置200は、例えばパーソナルコンピュータである。パーソナルコンピュータは、例えば、演算制御するためのCPU、データを記憶するためのメモリ、メモリ内の所定領域に記憶されたシステムソフト、およびメモリ内の他の所定領域に記憶されたアプリケーションプログラムソフト、等によって構成されている。
処理装置200には、ユーザの入力を受け付ける入力部300としてキーボード等が接続されている。また、処理装置200には、ディスプレイやプリンタ等の出力部400が接続されている。出力部400は、処理装置200からの指示に従って計数値等を出力する。
(X線測定方法)
次に、X線の検出から計数値の算出までのX線測定方法の概略を説明する。検出面に入ったX線がセンサにより検出されるとパルスが発生する。パルスは露光によりゲートが開放されている間に検出回路へ通過する。パルスは、検出回路においてそれぞれの閾値より高いか否かを判定され、高い場合には電圧信号としてカウンタへ送出される。パルスは、カウンタで計数される。カウンタの出力値は、メモリで読み出され、転送回路により処理装置に転送される。処理装置では、読み出された出力値に基づいて計数値が算出される。その際には、露光に対するパルス検出率の増加に対し、パルス信号の見かけ上の時定数が単調減少するモデルが用いられる。
(パルス信号の時定数)
パルス信号の時定数τとは、単一のパルス信号の強度が閾値を超えている時間をいう。フォトン・カウンティング型の半導体検出器の場合、ROIC回路に依存する。本発明では、本来のパルス信号の時定数τを、露光条件の設定に用いることができる。また、計数値の算出において使用する補正式にも用いることができる。なお、時定数の測定方法は、実施例として後述する。
(本発明のパルス信号のカウント方法)
図4は、本発明のX線測定方法における、パルスのカウントタイミングを示す概略図である。図4のt1からt10は、ゲートが開放された露光時間δtを示す。これら複数の露光時間δtのそれぞれに対し、その間にパルスの強度が閾値を超えていた場合、カウントをプラス1する。これは、当初から閾値を超えていた場合も、露光時間δtの間に閾値を超えた場合も同様にカウントをプラス1する。また、露光時間δtの間に、閾値を超えていたものが一旦閾値を下回り、再度閾値を超えた場合は、カウントをプラス2する。それ以上の場合も同様である。図4の例では、t3、t6、t7、t10はプラスされず、t1、t2、t5、t8、t9はプラス1、t4はプラス2で合計7カウントされることになる。なお、露光時間と露光時間の間の間隔は、等間隔でなくてもよい。
このカウント方法では、露光時間δtを時定数τよりも短く設定することが好ましい。露光時間δtを、時定数τよりも短くすると、露光時間δtの間に、閾値を超えていたものが一旦閾値を下回り、再度閾値を超える事象は、1回以下になる。つまり、露光時間δtの間のカウントは2以下になる。また、露光時間δtを十分に短くすると、パルスの強度の増減におけるV字の間隔を捉えられなくなるため、露光時間δtの間に数えられるカウントは1以下になる。露光時間δtを短くしていくことで、単位露光時間にカウントされるパルスの数が少なくなるため、誤計数が少なくなる。露光時間δtをパルス信号の時定数τより短くすると、一回の露光で3以上のパルスを検出することがなくなるため、転送情報量を2ビット以下に設定することができる。そのため、読み出し時間の短縮ができる。
また、X線計数値を解析等に使用する場合には、統計変動の影響が無視できる程度の計数値が必要である。例えば、相対標準偏差1%を得るためには、10,000カウントの計数が必要である。露光時間δtあたりのパルス信号のカウント回数が0,1,2のいずれかであるため、10,000~30,000カウントを目安に露光を繰り返して、露光の合計時間当たりのパルス信号のカウントが統計的に有意な値となるように露光回数を設定することが好ましい。
いずれのカウント方法においても、高計数領域、例えば10Mcps以上の領域では、少なからず数え落としの影響を受ける。後段の処理では、数え落としの影響を補正することにより、本来のパルスの数に近づけるための補正を行う。
上記の本発明のパルス信号のカウント方法でカウントした結果を出力値として使用するのが好ましいが、Rising Edgeをカウントする方法(後述)や検出器の回路上で時間トリガをかけ直す方法などで得られた結果を出力値としてもよい。
具体的には、パルス信号が検出されている合計時間を出力値として読み出し、読み出された出力値に基づいて本来のパルスの計数値を算出する。なお、パルス信号が検出されている合計時間(出力値)は、パルス信号が閾値を超えている時間を直接読み出して使用するか、パルス信号の合計のカウントに基づいて推定してもよい。計数値の算出では、露光に対するパルス検出率の増加に対し、パルス信号の見かけ上の時定数が単調減少するモデルを用いる。
(パルス信号の見かけ上の時定数が単調減少するモデルによる補正方法)
センサにX線が連続して到達すると、パルス信号が重なり、重なったパルス信号の高さが閾値を超えると、閾値を超えている時間が長くなる。しかし、閾値を超えている時間は、パルスの重なりの分、時定数τにパルスの個数をかけた値よりも短くなる。例えば、2つのパルス信号が重なった場合でも、閾値を超えている時間はτの2倍より短く、3つのパルス信号が重なった場合でもτの3倍より短い。
本明細書では、閾値を超えている時間をパルス信号1つ当たりの時間に換算した値をパルス信号の見かけ上の時定数τaという。パルス信号の個数と見かけ上の時定数τaの関係は、式(1)で表される。
Figure 0007217528000001
図5は、パルスが重なった場合のパルス高さを示すグラフである。図5に示すように、パルスが検出されている時間(Tup)当たりに重なるパルス信号の個数(N)が増加すると、見かけ上の時定数τaは徐々に短くなる。
このような傾向は、パルス信号が重なる確率に関連する。そして、パルス検出率(計数率)が増加するとパルス信号の個数(N)が増加し、パルス信号が重なる確率も高くなる。つまり、いくつの信号が重なっていたかを区別しなくとも見かけ上の時定数τaを確率から算出することは可能である。1つのパルス信号当たりの時間(見かけ上の時定数τa)は、パルス検出率(計数率)が増加するにつれて、時定数τよりも徐々に短くなる。すなわち、見かけ上の時定数τaは、時定数τと計数率の単調減少関数fとの積で表せる。その結果、閾値を超えている時間Tupとパルス検出率(計数率)に対する見かけの時定数τaの関係から、真の計数値(N)を算出することができる。
(モデルの条件)
上記の計数値および計数率を算出するモデルは、以下の条件を有する必要がある。(1)パルス検出率の増加に対して、パルス信号の見かけ上の時定数が単調減少する。(2)パルス検出率が0のとき、パルス信号の見かけ上の時定数は、時定数τに一致する。(3)パルス検出率が1のとき、パルス信号の見かけ上の時定数は、時定数τより小さい。好ましくは、パルス検出率が1に近づくとき、パルス信号の見かけ上の時定数は0に近づく。(4)モデルによって作成される計数値を算出する式は、無次元量である。なお、計数値を露光の合計時間で割ったものが、計数率である。
(モデルの例)
モデルとして、以下の例のような計数値Nを算出する式(2)を用いることができる。Nは算出された計数値、τはパルス信号の時定数、Tupは露光に対しパルス信号が検出された合計時間、Ttоtは露光の合計時間を表す。また、τ・f(Tup,Ttоt)はパルス信号の見かけ上の時定数を表す。f(Tup,Ttоt)は、Tupが0のとき1になり、Tup/Ttоtが0より大きく1より小さい範囲で増加するとき単調減少する。f(Tup,Ttоt)は、Tup/Ttоtが1に近づくとき、0に近づくことが好ましいが、0より大きく1より小さい定数となってもよい。
Figure 0007217528000002
Figure 0007217528000003
式(1)に示す計数値Nを露光の合計時間Ttotで割ることで、式(3)に示す計数率nが得られる。引数Tup/Ttotの増加につれて関数値f(Tup/Ttot)が常に減少することを単調減少という。f(Tup/Ttot)は、そのような性質を持つ単調減少関数であればよい。f(Tup/Ttot)は、n次関数や指数関数であってもよく関数の種類は問わない。
見かけの時定数τa(=τ・f)は、時定数τとこの単調減少関数の積であるから、言い換えれば、パルス検出率(Tup/Ttot)の増加につれて、見かけの時定数τaも単調減少することになる。
下記の実施例では、単調減少関数f(Tup,Ttot)として、以下の式(4)を採用した。この関数は、0<k≦1の範囲でkを定めることによって、単調減少関数となる。例えば、実験やシミュレーションを行い、計数率の範囲やシステムによって、さらに最適な定数mを定めることで、理論的には計数率無限大まで補正を行うことができる。この場合の計数率nは、式(5)の通りである。
Figure 0007217528000004
Figure 0007217528000005
上記の補正式において、時定数τは検出回路やピクセルの設定値によって値が変わる。そのため、対応する検出器や測定条件によって、更新されることが好ましい。例えば、条件を変えて時定数τを測定し、ピクセルの設定値と対応するテーブル形式として記憶させた値を読み出して使用する。
実施形態に記載の検出器では、パルス信号が検出された時間すなわちパルス信号が閾値を超えている時間を直接読み出すことが難しいため、露光に対しパルス信号が検出された合計時間Tupを推定して値を出力値とすることができる。
例えば、引用文献2記載の技術のように、回路上のハードウェアで時間トリガをかけ直し、計数されるカウントを真のカウントに近づける方法では、時定数τは一定であるため、時定数τに不感時間の回数をかけた値をTupと推定することができる。
本発明のカウント方法では、露光時間δtにパルス信号のカウント数の合計をかけた値をTupとしている。露光の合計時間Ttotは、露光時間δtに露光回数をかけた値となる。また、パルスの検出率(Tup/Ttot)は、パルス信号のカウント数の合計と露光回数の比に相当する。
露光に対しパルス信号が検出された合計時間Tupは、露光時間δtとカウント数の積で表され、露光の合計時間Ttotは、露光時間δtと露光回数(フレーム数)との積で表される。したがって、パルスの検出率は、Tup/Ttot=カウント数/露光回数である。このような理由から、パルス信号のカウント数の合計と露光回数を出力値として扱うことで扱う数値が簡素化され、処理の負担が減る。
(露光時間と時定数との関係)
なお、露光時間δtが時定数τよりも短い場合、露光の合計時間Ttotは、露光時間δtと時定数τを足した値に露光回数をかけた値を使用することが好ましい。図6は、露光時間δtと時定数τとの関係を示す概念図である。露光時間δt内にカウントされる事象は、図6に示すように露光時間δtに対し、時定数τの分だけ前に発生したパルスから、露光時間δtの終了間際に発生したパルスまでである。そうすると、露光時間δt内にカウントされる事象は、(露光時間δt)+(時定数τ)の間に発生した事象である。したがって、複数の撮影画像を積算して出力するときなどは、この効果を考慮して補正をする必要がある場合がある。
(まとめ)
以上のように、パルスが閾値を上向きに切ったタイミングでカウントするのではなく、露光を複数回繰り返し、多数のサンプリングの結果得られた出力値およびパルス検出率に基づいて、露光に対するパルス検出率の増加に対し、パルス信号の見かけ上の時定数が単調減少するモデルを用いて計数値を算出する。サンプリングでは、時定数τよりも短い露光時間δtの間にパルスが閾値を超えていたか否かの判定を、統計的に有意な数になるまで行う。これにより、従来の方法補正でカバーできなかった高い計数率に対しても数え落としの影響を減殺できる。
[実施例]
(大型放射光施設での時定数τの測定)
電子を加速・貯蔵するための加速器群と発生した放射光を利用するための実験施設および各種付属施設を備えるSpring-8のトレインバンチを利用して、実施例のX線検出器の時定数τを測定した。Spring-8の放射光検出装置の一部としてX線検出器を組み込んで、以下の測定を行なった。
例えば、Spring-8では、電子銃から発生した電子ビームを、線型加速器により1GeVまで加速した後、シンクロトロンに導入して8GeVまで加速する。この電子ビームを蓄積リングに導入し、8GeVのエネルギーを維持させながら、偏向電磁石や挿入光源により放射光を発生させる。発生した放射光は、ビームラインを通して、蓄積リング棟内外に設けられた実験ステーションに導かれる。なお、電子ビームは、基本的にリングの中に連続的に存在するのではなく、バンチと呼ばれる塊となって存在している。
図7は、蓄積リング中のフィリングパターンの一例を示す図である。また、図8は、時間に対してバンチの検出電流を示す図である。具体的にはSpring-8の2018A(2018年前期)セベラルバンチ運転モード(Eモード)のフィリングパターンを示している。図7に示すフィリングパターンには、点状の電子の塊であるシングルバンチSB1と線状に電子の塊が連なったトレインバンチTB1が現れている。この運転モードでのバンチの飛来間隔は165.2nsecであり、図8に示すように、上記の時間間隔で台形状のトレインバンチとピーク状のシングルバンチが表れている。
今回の時定数τの測定では、Hモードバンチ構造のトレインバンチを利用した。Hモードバンチ構造による実験では、バンチが飛来しない間隔がある。図9に示すように、バンチが飛来する位置からスタートして測定すると、最初の40nsecのゲートオープンより前にはX線が飛来しないため、これに基づいて時定数τが測れる。トレイン起点部から露光をし、その露光時間を40nsから4ns単位で800nsまで延ばし、それぞれ10000回の検出を行い、イベントの単位時間当たりの回数を算出することで、ROIC内部の回路動作時間を確認した。
図10のp1、p2、p3の曲線は、それぞれ1カウント、2カウント、3カウントのイベントの単位時間当たりの回数を表している。すなわち、40nsで10000回測定しそのうちの何回が1カウントで、何回が2カウント、何回が3カウントかを数えて、単位時間当たりの回数を算出し、プロットした。次に44nsで同様の測定を繰り返した。
図10に示されるように、徐々に露光時間を延ばすとp2の曲線が立ち上がり2カウントのイベントが出てきた。この測定では、時定数τより短い時間しか露光していないときは2カウント目が生じないため、2カウントが出始める位置が時定数τを表す。図10によれば、2カウントのグラフが0に向かって落ち込んでいくところが約100nsなので、実施例のX線検出器の時定数τは約100nsと分かった。なお、時定数τの測定は、上記の方法に限られず、例えば、カウント・レートを変えて読み出したときのカウントから推定することもできる。
(実施例1)
本発明のX線測定方法は、X線反射率法で利用するのに適している。X線反射率法では、反射X線の強度が大きいところから小さいところまである。したがって、強度が大きいところでは本発明の方法を適用し、強度が小さいところでは従来の方法を適用することが好ましい。例えば、40nsec露光を100回入れて測定し、それとは別に1msec露光1回を入れて測定すると、面内に強度の分布があっても、弱いところは1msec露光によりデータをとることができ、強いところは40nsec露光によりデータをとることができる。
高計数率のX線に対してアッテネータをいれて、例えば、1/10にX線強度を減衰させて測定する方法がある。これに対し、本発明ではアッテネータを入れずに測ることができる。したがって、アッテネータの出し入れがない分、システム全体の機構が簡単になる。なお、上記のように切り替える場合、切り換える動作をソフトウェアで行うことが好ましい。
(実施例2)
本発明のX線測定方法は、Spring-8のような大型放射光施設で利用するのに適している。その場合には、大型放射光施設の放射光検出装置に付属する一般的なX線検出器から得られたデータを、本発明のX線測定方法、処理装置、またはプログラムを利用して処理する。
(その他の実施例)
上記の他、単結晶X線回折法のうち金属錯体試料による全反射、X線小角散乱法等は、測定すべきX線の強度が大きくなるため、本発明のX線測定方法の利用が好適である。
[シミュレーション]
本発明のX線測定方法とRising Edgeをカウントする方法との比較を、計算機実験によりシミュレーションした。図11は、Rising Edgeをカウントする方法を示す概略図である。この方法では、図11に示すグラフ上の黒丸の位置、すなわちパルスが閾値を上向きに切ったタイミングでカウントし、これから単位時間あたりの観測計数率を求める。0Mcpsより大きく20Mcps以下のいくつかの計数率に対し、入力される計数率ごとに計算機でランダムにパルスを発生させ、Rising Edgeをカウントする方法、出力値から得られる計数率に単純な数え落とし補正をする方法、および本発明のX線測定方法を使用して得られる計数率をそれぞれ計算した。出力値から得られる計数率に単純な数え落とし補正をする方法では、以下の式(6)を用いて計数率nを算出した。なお、Iは、測定により得られた計数率を表す。図12は露光時間δt、時定数τおよび読み出し時間の関係を示す概念図である。
Figure 0007217528000006
また、本発明のX線測定方法では、上記の式(4)を用いて計数率nを算出した。なお、露光時間δtおよび時定数τは、上記実施例と同様とし、時定数τの影響を考慮して計数率nを補正した。図13は、その結果を表すグラフである。
図13に表されるように、Rising Edgeをカウントする方法は、入力されるパルスの計数率が2Mcpsを超えると、得られる計数率とリニアとの乖離が徐々に大きくなり、6Mcpsを超えると得られる計数率が減少した。これは、入力されるパルスの計数率が大きくなると、パルスの重なりが頻発し、パルスが閾値を上向きに切るという事象が生じ難くなるためである。Rising Edgeをカウントした結果に数え落とし補正をする方法は、得られる計数率が従来の方法よりも若干リニアに近くなっているが、補正の基とする値が従来の方法によりカウントされた値であるため、入力されるパルスの計数率が大きくなると、得られる計数率が減少する点に変わりはない。
これに対し、本発明のX線測定方法は、入力されるパルスの計数率が12Mcps程度まで、リニアとの乖離が大きくならなかった。また、12Mcpsを超えるとリニアとの乖離が多少大きくなったが、得られる計数率が減少することはなかった。本発明のX線測定方法は、モデルおよび式ごとに、信頼できる計数率の範囲は異なるが、理論上は無限大まで計算できる。
[実験]
(大型放射光施設での実験)
Spring-8のトレインバンチを使用した10keVのX線に対して、露光時間40nsと露光時間1600nsによるThScanを行ない、プロファイル形状の違いを確認した。ThScanとは、測定の際に設定する閾値(Threshold)を変化させながらX線強度を測定する方法である。光学系について同一露光条件下で、閾値に対する強度の変化を測定できる。
図14は、その結果を表すグラフである。図14に表されるように、明らかに異なるプロファイルが得られた。このグラフから、時定数以下の露光時間に設定して計数することによる有効性が確かめられた。なお、図は、露光時間40nsのときは、時定数分、実質的な露光時間が延びるので、Threshold5keV時の露光時間延長分を考慮して、2.5で割った値のグラフである。露光時間延長分の考慮とは、露光の合計時間として露光時間と時定数の和を用いることを意味している。
(X線反射率法による実験)
X線反射率法による実験として、ガラス基板上の酸化亜鉛膜(ZnO)の反射X線を測定した。図15は、その結果を表すグラフである。40ns露光し、算出した結果を25000枚加算したグラフでは、X線検出器の時定数τが100nsであるため、実質的な露光時間の合計は、3.5msとなる。これに対し、1、2、3、4ms露光した方法では、ほぼ露光時間の補正は不要である。40ns露光した場合は、実質的に3.5ms露光しているが、4msのグラフよりも計数率が高くなった。これにより、短時間の露光を繰り返すことにより、長時間の露光をしたときよりも数え落としの影響を減殺できることが分かった。
10 X線検出システム
20 X線源
S 試料
100 X線検出器
110 センサ
120 読み出し回路
125 ゲート
130 検出回路
140 カウンタ
150 メモリ
160 転送回路
170 制御回路
200 処理装置
210 測定データ管理部
220 記憶部
230 算出部
240 補正部
300 入力部
400 出力部
SB1 シングルバンチ
TB1 トレインバンチ

Claims (10)

  1. フォトン・カウンティング型の半導体検出器により、入射X線のパルス信号をカウントして読み出された出力値を記憶する記憶部と、
    前記読み出された出力値に基づいて計数値を算出する算出部と、を備え、
    前記算出部は、露光に対するパルス検出率の増加に対し、前記パルス信号の見かけ上の時定数が単調減少するモデルを用いることを特徴とする処理装置。
  2. 前記パルス検出率は、前記露光に対し前記パルス信号が検出された合計時間と前記露光の合計時間との比に相当することを特徴とする請求項1記載の処理装置。
  3. 前記見かけ上の時定数は、前記パルス検出率がゼロである場合に本来の時定数であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の処理装置。
  4. 前記見かけ上の時定数は、前記パルス検出率が1である場合に本来の時定数と1より小さい定数との積であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の処理装置。
  5. 前記記憶部は、前記パルス信号の時定数を記憶し、
    前記算出部は、前記モデルを用いる際に、前記記憶された時定数を読み出して利用することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の処理装置。
  6. 前記半導体検出器と、
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の処理装置と、を備えることを特徴とするシステム。
  7. 前記半導体検出器が、前記パルス信号の時定数より短い時間で露光することを特徴とする請求項6記載のシステム。
  8. 前記計数値の算出では、前記パルス信号の時定数と前記露光の単位時間とを足した時間で前記パルス信号をカウントしたものとして、前記計数値を補正することを特徴とする請求項7記載のシステム。
  9. フォトン・カウンティング型の半導体検出器により、入射X線のパルス信号をカウントし出力値を読み出すステップと、
    前記読み出された出力値に基づいて計数値を算出するステップと、を含み、
    前記計数値の算出では、露光に対するパルス検出率の増加に対し、前記パルス信号の見かけ上の時定数が単調減少するモデルを用いることを特徴とするX線測定方法。
  10. フォトン・カウンティング型の半導体検出器により、入射X線のパルス信号をカウントし出力値を読み出す処理と、
    前記読み出された出力値に基づいて計数値を算出する処理と、をコンピュータに実行させ、
    前記計数値の算出処理では、露光に対するパルス検出率の増加に対し、前記パルス信号の見かけ上の時定数が単調減少するモデルを用いることを特徴とするプログラム。
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