以下、添付図面を適宜参照しながら、本開示に係る通信装置及び通信信号生成方法を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
図1は、実施の形態1に係る有線通信システム1000の構成例を示すブロック図である。有線通信システム1000は、例えば3台のPLC(Power Line Communication:電力線通信)装置10A,10B,10Cと、制御装置50とを含む構成である。なお、有線通信システム1000において、通信装置の一例としてのPLC装置10の配置数は3台に限定されない。
制御装置50は、3台のPLC装置10A,10B,10Cのうち、電力線通信の親機としての役割を有するPLC装置10(例えばPLC装置10A)と通信ケーブルLN1を介して接続され、親機のPLC装置10と有線通信(例えば、LAN(Local Area Network)通信)を行える。一方、図1に示す有線通信システム1000において、制御装置50は、3台のPLC装置10A,10B,10Cのうち、電力線通信の子機としての役割を有するPLC装置10(例えばPLC装置10B,10C)と通信ケーブルLN1を介して接続されないため、子機のPLC装置10と有線通信(上述参照)を行えない。なお、子機として動作するPLC装置(例えばPLC装置10B,10C)も、親機と同様に、制御装置50と通信するために通信ケーブルLN1で接続されてもよい。又は、制御装置50は無線通信によって3台のPLC装置10A,10B,10Cの一部又は全てと通信してもよい。
有線通信システム1000では、有線媒体(例えば電力線1A)に、複数台のPLC装置10が電力線通信を実行可能に接続される。例えば図1では、3台のPLC装置10A,10B,10Cのそれぞれは、他のPLC装置10(他の通信装置の一例)との間で電力線通信を行える。それぞれのPLC装置10A,10B,10Cの内部構成はいずれも同一であり、詳細には図2を参照して後述する。また、以下の説明において、PLC装置10A,10B,10Cの動作(処理)を特に区別しない場合、PLC装置10と総称する。PLC装置10は、例えばIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)1901の通信規格に準拠して電力線通信を行える。
PLC装置10は、例えばPLCモデム、又はPLCモデムを内蔵した電気機器である。この電気機器は、例えばテレビジョン装置、電話機、ビデオデッキ、セットトップボックス等の家電機器、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)、ファクシミリ、プリンタ等の事務機器のいずれを含んでもよい。また、PLC装置10は、インターホン、扉のオートロックシステム、スマートメータ、建物内のエネルギー管理システム、工場内のエネルギー管理システム、デマンドレスポンス対応機器等のインフラ機器、スマートストリートライト、セキュリティカメラ(言い換えると、監視カメラ)、空調制御機器、照明制御機器、センサ機器等のIoT(Internet of Things)機器を含んでもよい。
従って、実施の形態1に係るPLC装置10のユースケースとして、PLC装置10を利用するユーザ(例えば顧客)のニーズに合わせて、高速な電力線通信が必要なユースケースと、長距離に対応可能な電力線通信が必要なユースケースと、それら両方を満たす電力線通信が必要なユースケースとが想定される。実施の形態1に係るPLC装置10は、上述した各種のユースケースのいずれにも対応可能な電力線通信を行え、ユーザのニーズを満たした快適でスケーラビリティに優れた有線通信を実現可能である。
制御装置50は、詳細は後述するが、それぞれのPLC装置10が行う電力線通信時に用いる通信用チャネル(以下、単に「チャネル」という)を決定する。制御装置50は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)を用いて構成され、ユーザの操作を受付可能なマウスもしくはキーボードから送られた信号に基づくデータを入力可能である。制御装置50は、通信インターフェース51と、メモリ52と、プロセッサ53と、入出力インターフェース54と、ストレージ55とを含む構成である。
通信インターフェース51は、PLC親機としてのPLC装置10Aとの間の有線通信を行う通信用回路を用いて構成され、PLC装置10Aとの間でデータもしくは情報の送受信を行う。なお、図1では、記載を簡易化するために「通信I/F」と略記している。
メモリ52は、例えばRAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)とを用いて構成され、制御装置50の動作の実行に必要なプログラムやデータ、更には、動作中に生成されたデータ又は情報を一時的に保持する。RAMは、例えば制御装置50の動作時に使用されるワークメモリである。ROMは、例えば制御装置50を制御するためのプログラム及びデータを予め記憶して保持する。ROMは、例えば後述するPLC装置10が電力線通信を行う時に用いるチャネルを決定するためのアルゴリズムのプログラム(言い換えると、そのアルゴリズムが規定されたプログラム)を保持する。
プロセッサ53は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)もしくはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成される。プロセッサ53は、制御装置50の動作を司るコントローラとして機能し、制御装置50の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、制御装置50の各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理及びデータの記憶処理を行う。プロセッサ53は、メモリ52に記憶されたプログラム及びデータに従って動作する。プロセッサ53は、動作時にメモリ52を使用し、プロセッサ53が生成又は取得したデータもしくは情報をメモリ52に一時的に保存してよい。
入出力インターフェース54は、上述したユーザの操作を受付可能なマウスもしくはキーボードから送られた信号に基づくデータを入力したり、メモリ52に保持しているデータを制御装置50に接続された外部機器(図示略)に出力したりする。なお、図1では、記載を簡易化するために「入出力I/F」と略記している。
ストレージ55は、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)を用いて構成され、プロセッサ53が生成又は取得したデータもしくは情報を記録する。制御装置50の動作の詳細については、図14A、図14B及び図14Cを参照して後述する。
図2は、実施の形態1に係るPLC装置10のハードウェア構成例を示すブロック図である。PLC装置10は、スイッチング電源20と、回路モジュール30とを含む構成である。
スイッチング電源20は、回路モジュール30内の各種の負荷への駆動電源として適合する直流電圧(例えば、+1.2V、+3.3V、+12V)を回路モジュール30内の該当する負荷にそれぞれ供給する。スイッチング電源20は、例えばスイッチングトランス(図示略)及びDC-DCコンバータ(図示略)を含む。スイッチング電源20への電源は、電源コネクタ21からインピーダンスアッパー27、交流直流変換器24を介して供給される。なお、図2では、記載を簡易化するために交流直流変換器24を「AC/DC」と略記している。電源コネクタ21は、例えばPLC装置10が有する筐体100の背面に設けられる。
回路モジュール30は、メインIC(Integrated Circuit)11と、AFE・IC(Analog Front END ・Integrated Circuit)12と、ローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)13と、ドライバIC15と、カプラ16と、バンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)17と、メモリ18とを含む構成である。また、回路モジュール30は、イーサネット(登録商標)等の有線通信に対応可能な有線PHY・IC(Physical layer・Integrated Circuit)19と、ACサイクル検出器60とを含む。
カプラ16は、第1通信部の一例としての電源コネクタ21に接続され、更に、電源ケーブル1B、電源プラグ25、コンセント2を介して電力線1Aに接続される。LED(Light Emitting Diode)23は、PLC装置10の表示部として動作し、メインIC11に接続される。第2通信部の一例としてのモジュラージャック22には、各種機器(例えば制御装置50等のパーソナルコンピュータ)に接続するためのLANケーブル26が接続される。モジュラージャック22は、例えば筐体100の背面に設けられる。LED23は、例えば筐体100の前面に設けられる。
通信装置の一例としてのメインIC11は、CPU11A、PLC・MAC(Power Line Communication・Media Access Control layer)ブロック11C1,11C2と、PLC・PHY(Power Line Communication・Physical layer)ブロック11B1,11B2とを含む。
CPU11Aは、例えば32ビットのRISC(Reduced Instruction Set Computer)型のプロセッサを実装する。PLC・MACブロック11C2は、送信信号のMAC(Media Access Control layer)層を管理(例えば、後述するチャネルの選択(決定)の実行を管理)する。PLC・MACブロック11C1は、受信信号のMAC層を管理する。PLC・PHYブロック11B2は、送信信号のPHY層(Physical layer:物理層)を管理(例えば、後述するクロック周波数の逓倍、リサンプリングの実行を管理)する。PLC・PHYブロック11B1は、受信信号のPHY層(物理層)を管理する。
AFE・IC12は、DA変換器(DAC:Digital to Analog Converter)12Aと、AD変換器(ADC:Analog to Digital Converter)12Dと、可変増幅器(VGA:Variable Gain Amplifier)12B,12Cとを含む。
カプラ16は、コイルトランス16Aと、カップリング用コンデンサ16B,16Cとを含む。なお、CPU11Aは、メモリ18に記憶されたデータもしくは情報を参照し、PLC・MACブロック11C1,11C2、及びPLC・PHYブロック11B1,11B2の動作を制御し、PLC装置10の全体を制御する。
図2では、PLC装置10が、PLC・MACブロック11C1及びPLC・PHYブロック11B1を受信用ブロックとして有し、更に、PLC・MACブロック11C2及びPLC・PHYブロック11B2を送信用ブロックとして有することを例示した。この代わりに、PLC装置10が、送受共通のPLC・MACブロック11C及びPLC・PHYブロック11Bを含んでもよい(図2の点線参照)。
なお、PLC・MACブロック11C1,11C2を纏めてPLC・MACブロック11Cと称し、PLC・PHYブロック11B1,11B2を纏めてPLC・PHYブロック11Bと称してよい。
メインIC11は、一般的な公知のモデムと同様に、例えばデータ通信のための基本的な制御又は変復調を含む信号処理を行う電気回路(LSI:Large Scale Integration)である。例えば、メインIC11は、モジュラージャック22を介して通信端末(例えばPC)から出力されたデータに対する各種のデジタル信号処理(例えば、後述するクロック周波数の逓倍、リサンプリング、周波数移動のうちリサンプリング)を実行して変調し、そのデジタル信号処理によって生成されたデジタル送信信号(通信フレームの一例)をAFE・IC12に出力する。また、メインIC11は、電力線1AからAFE・IC12を介して入力された信号にデジタル信号処理を施すことで受信信号を復調し、モジュラージャック22を介して通信端末(例えばPC)に出力する。
ACサイクル検出器60は、それぞれのPLC装置10が時間的に同期して動作するために必要な同期信号を生成する。ACサイクル検出器60は、ダイオードブリッジ60aと、抵抗60b,60cと、DC(Direct Current)電源供給部60eと、コンデンサ60dとを含む。
ダイオードブリッジ60aは、抵抗60bに接続される。抵抗60bは、抵抗60cと直列に接続される。抵抗60b,60cは、コンデンサ60dの一方の端子に並列に接続される。DC電源供給部60eは、コンデンサ60dの他方の端子に接続される。
ACサイクル検出器60による同期信号の生成は、具体的には、次のように行われる。ACサイクル検出器60は、電力線1Aに供給される商用電源の交流電力波形AC(つまり、50Hz又は60Hzの正弦波からなる交流波形)のゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点のタイミングを基準とする同期信号を生成する。同期信号の一例としては、交流電力波形のゼロクロス点に同期した複数のパルスからなる矩形波が挙げられる。なお、ACサイクル検出器60は省略されてもよい。この場合には、PLC装置10間の動作を同期させるために、例えば外部装置から送信される通信信号に含まれる同期信号が用いられる。
PLC装置10による電力線通信の概略としては、例えば次のように行われる。
例えば送信の際、モジュラージャック22から入力されたデータは、イーサネット(登録商標)等に対応可能な有線PHY・IC19を介してメインIC11に送られ、デジタル信号処理(例えば、上述したクロック周波数の逓倍、リサンプリング、周波数移動のうち少なくともリサンプリング)が施されてデジタル送信信号が生成される。この生成されたデジタル送信信号は、AFE・IC12のDA変換器12Aによってアナログ送信信号に変換される。変換されたアナログ送信信号は、ローパスフィルタ13、ドライバIC15、カプラ16、電源コネクタ21、電源ケーブル1B、電源プラグ25、コンセント2を介して電力線1Aに出力される。
また例えば受信の際、電力線1Aから供給されて入力された受信信号は、カプラ16を経由してバンドパスフィルタ17に送られ、AFE・IC12の可変増幅器12Cによりゲイン調整された後、AD変換器12Dによりデジタル受信信号に変換される。変換されたデジタル受信信号は、メインIC11に送られ、デジタル信号処理が施されてデジタルデータに変換される。変換されたデジタルデータは、イーサネット(登録商標)等に対応可能な有線PHY・IC19を介してモジュラージャック22から出力される。
次に、PLC装置10内のメインIC11によって実行されるデジタル信号処理(例えば、クロック周波数の逓倍、リサンプリング、周波数移動)の概要例について、図3~図12のそれぞれを参照して説明する。
図3は、クロック周波数の逓倍に伴うリサンプリング用データの時間軸上及び周波数軸上の分布例を模式的に示す説明図である。実施の形態1に係るPLC装置10(例えばPLC装置10A)は、他のPLC装置10(例えばPLC装置10B)との間の電力線1Aを介した有線通信に、IEEE1901の通信規格において規定されている所定の周波数帯(具体的には、2MHzから30MHzまで)を用いる。IEEE1901の通信規格によると、2MHzから30MHzまでの周波数帯域を1つのチャネルとして用いる(つまり、標準モードとして使用する)ことで、PLC装置10は、例えば240Mbps程度のスループットが得られる電力線通信を行える。
実施の形態1に係るPLC装置10は、上述した標準モード(言い換えると、クロック周波数の逓倍を行わないで1倍のクロック周波数(例えば62.5MHz)を使用するモード)時のクロック周波数(言い換えると、サンプリング周波数)の逓倍を行うことで、より高速な電力線通信を行える。
以下の説明では、説明を簡単にするために、PLC装置10が行う電力線通信に使用可能な周波数帯域として2MHz~28MHzを例示して説明し、その使用可能な周波数帯域の下限を便宜的にf1=2MHzとし、同様に同周波数帯域の上限を便宜的にf2=28MHzとする。なお、以下の説明において、f2=30MHzと読み替えてもよい。
図3において、紙面左側の縦一列の4つのグラフの横軸は時間であり、紙面右側の縦一列の4つのグラフの横軸は周波数である。つまり、紙面左側の縦一列の4つのグラフは、メインIC11のPLC・PHYブロック11B2により実行されるリサンプリング用のデータ(以下、「リサンプリング用データ」という)の時間軸上の成分を示す。同様に、紙面右側の縦一列の4つのグラフは、メインIC11のPLC・PHYブロック11B2により実行されるリサンプリング用のデータ(リサンプリング用データ)の周波数軸上の成分を示す。
つまり、図3の第2段には、クロック周波数の逓倍が行われていないクロック周波数1倍時のリサンプリング用データの時間軸上及び周波数軸上の各成分が紙面左右方向に対比的に示されている。同様に、図3の第3段には、クロック周波数の逓倍(2倍)が行われた時のリサンプリング用データの時間軸上及び周波数軸上の各成分が紙面左右方向に対比的に示されている。同様に、図3の第4段(最下段)には、クロック周波数の逓倍(4倍)が行われた時のリサンプリング用データの時間軸上及び周波数軸上の各成分が紙面左右方向に対比的に示されている。
図3の最上段及び第2段に示されるように、クロック周波数の逓倍が行われていない場合(つまり、クロック周波数が1倍の62.5MHzである場合)、リサンプリング用データDt1は周波数f11(=fr11=2MHz)から周波数f21(=fr21=28MHz)までの成分を有する。このリサンプリング用データDt1は、ナイキスト周波数(fs1/2)未満の周波数成分を有する。fs1はクロック周波数の逓倍が行われていない場合のサンプリング周波数であり、62.5MHzである。fr11は、クロック周波数の逓倍が行われていない場合のリサンプリング用データDt1の周波数成分の下限値であり、例えば2MHzである。fr21は、クロック周波数の逓倍が行われていない場合のリサンプリング用データDt1の周波数成分の上限値であり、例えば28MHzである。
同様に、図3の第3段に示されるように、クロック周波数の逓倍(2倍)が行われた場合(つまり、クロック周波数(62.5MHz)の2倍となる125MHzである場合)、リサンプリング用データDt2は周波数fr12(=2*fr11=4MHz)から周波数fr22(=2*fr21=56MHz)までの成分を有する。このリサンプリング用データDt2は、ナイキスト周波数(fs2/2)未満の周波数成分を有する。fs2はクロック周波数の逓倍(2倍)が行われた場合のサンプリング周波数であり、125MHzである。fr12は、クロック周波数の逓倍(2倍)が行われた場合のリサンプリング用データDt2の周波数成分の下限値であり、例えば4MHzである。fr22は、クロック周波数の逓倍(2倍)が行われた場合のリサンプリング用データDt2の周波数成分の上限値であり、例えば56MHzである。なお、電力線通信において使用されるサブキャリアは予め決められているため、クロック周波数の逓倍(2倍)により、f12,f22のように、周波数帯域の下限の周波数だけでなく上限の周波数も変更される。
同様に、図3の最下段に示されるように、クロック周波数の逓倍(4倍)が行われた場合(つまり、クロック周波数(62.5MHz)の4倍となる250MHzである場合)、リサンプリング用データDt4は周波数fr13(=4*fr11=8MHz)から周波数fr23(=4*fr21=112MHz)までの成分を有する。このリサンプリング用データDt3は、ナイキスト周波数(fs3/2)未満の周波数成分を有する。fs3はクロック周波数の逓倍(4倍)が行われた場合のサンプリング周波数であり、250MHzである。fr13は、クロック周波数の逓倍(4倍)が行われた場合のリサンプリング用データDt4の周波数成分の下限値であり、例えば8MHzである。fr23は、クロック周波数の逓倍(4倍)が行われた場合のリサンプリング用データDt4の周波数成分の上限値であり、例えば112MHzである。同様に、電力線通信において使用されるサブキャリアは予め決められているため、クロック周波数の逓倍(4倍)により、f13,f23のように、周波数帯域の下限の周波数だけでなく上限の周波数も変更される。
図4Aは、クロック周波数の逓倍に伴う、使用可能周波数帯域(f1~f2)、各チャネルの周波数帯域(fc1~fc2)及びリサンプリング用データの周波数帯域(fr1~fr2)の一例を示すテーブルである。図4Bは、クロック周波数が1倍かつ(1/2モード)、クロック周波数が1倍かつ(1/4モード)のそれぞれの場合に対応するfc1、fc2、fr1、fr2の一例を示すテーブルである。図4Cは、クロック周波数が2倍かつ(1/2モード)、クロック周波数が2倍かつ(1/4モード)のそれぞれの場合に対応するfc1、fc2、fr1、fr2の一例を示すテーブルである。図4Dは、クロック周波数が4倍かつ(1/2モード)、クロック周波数が4倍かつ(1/4モード)のそれぞれの場合に対応するfc1、fc2、fr1、fr2の一例を示すテーブルである。
図4A,図4B,図4C,図4Dに示すそれぞれのテーブルTBL1,TBL2,TBL3,TBL4は、例えばメモリ18に予め保持されてもよい。図4Aに示すように、クロック周波数の逓倍が行われていない場合、電力線通信において使用可能な周波数帯域はf1(=2MHz)~f2(=28MHz)であり、チャネルの周波数帯域の下限をfc11、上限をfc21、リサンプリング用データの周波数帯域の下限をfr11、上限をfr21とする。
クロック周波数の逓倍(2倍)が行われた場合の電力線通信において使用可能な周波数帯域はf1(=2MHz)~f2(=56MHz)であり、チャネルの周波数帯域の下限をfc12、上限をfc22、リサンプリング用データの周波数帯域の下限をfr12、上限をfr22とする。
クロック周波数の逓倍(4倍)が行われた場合の電力線通信において使用可能な周波数帯域はf1(=2MHz)~f2(=112MHz)であり、チャネルの周波数帯域の下限をfc13、上限をfc23、リサンプリング用データの周波数帯域の下限をfr13、上限をfr23とする。
また、図4Bに示されるように、クロック周波数の逓倍が行われず、更に、長距離化に対応可能な電力線通信を行うためのモード(1/2モード)又は(1/4モード)である場合、それぞれのモードにおけるチャネル毎の周波数帯域の下限及び上限、並びにリサンプリング用データの周波数帯域の下限及び上限はそれぞれ後述する数式(1)及び数式(2)により算出可能となる。この算出は、例えばPLC・PHYブロック11B2により実行される。それぞれの算出結果は、図4Bに示すテーブルTBL2内に保持されてもよい。数式(1)及び数式(2)において、fs1=62.5MHzである。数式(1)~数式(6)において、Xはモードを示す数値であり、Yはチャネルの序数である。例えば(1/2モード)において形成される2チャネルのうち1番目のチャネルCH1であれば、X=2であり、Y=1となる。
以下の説明において、(1/2モード)は、標準モードよりも電力線通信の通信距離を改善する(例えば、標準モードを1倍とすると1.5倍に改善する)ために、電力線通信で使用可能な周波数帯域(f1~f2)内に2つのチャネルを形成するモードである。同様に、(1/4モード)は、標準モードよりも電力線通信の通信距離(例えば、標準モードを1倍とすると2倍に改善する)をより改善するために、電力線通信で使用可能な周波数帯域(f1~f2)内に4つのチャネルを形成するモードである。
また、図4Cに示されるように、クロック周波数の逓倍(2倍)が行われ、更に、長距離化に対応可能な電力線通信を行うためのモード(1/2モード)又は(1/4モード)である場合、それぞれのモードにおけるチャネル毎の周波数帯域の下限及び上限、並びにリサンプリング用データの周波数帯域の下限及び上限はそれぞれ後述する数式(3)及び数式(4)により算出可能となる。この算出は、例えばPLC・PHYブロック11B2により実行される。それぞれの算出結果は、図4Cに示すテーブルTBL3内に保持されてもよい。数式(3)及び数式(4)において、fs2=125(=2*62.5)MHzである。
また、図4Dに示されるように、クロック周波数の逓倍(4倍)が行われ、更に、長距離化に対応可能な電力線通信を行うためのモード(1/2モード)又は(1/4モード)である場合、それぞれのモードにおけるチャネル毎の周波数帯域の下限及び上限、並びにリサンプリング用データの周波数帯域の下限及び上限はそれぞれ後述する数式(5)及び数式(6)により算出可能となる。この算出は、例えばPLC・PHYブロック11B2により実行される。それぞれの算出結果は、図4Dに示すテーブルTBL4内に保持されてもよい。数式(5)及び数式(6)において、fs3=250(=4*62.5)MHzである。
次に、実施の形態1に係るPLC装置10によるデジタル信号処理の動作手順について、図5を参照して説明する。図5は、実施の形態1に係るPLC装置10の全体的な動作手順の一例を示すフローチャートである。
図5において、PLC装置10は、サンプリング周波数(X倍:X=1,2,4のうちいずれか)を選択する(St1)。つまり、PLC装置10は、サンプリング周波数(X倍)の決定によって、そのサンプリング周波数に対応するクロック周波数を決定する。PLC装置10は、この決定されたクロック周波数に従って、後述するステップSt4の各種のデジタル信号処理を実行する。ここで、X=1,2,4のいずれかとしているが、これらの数値はあくまで一例である。ステップSt1の選択は、例えばPLC・MACブロック11C2において実行される。
PLC装置10は、詳細は後述するが、例えば他のPLC通信装置から送信される伝送路情報に基づいて、電力線通信の中で用いるモードを選択する(St2)。つまり、PLC装置10は、電力線通信で使用可能な周波数帯域内で何個のチャネル(Y個:Y=1,2,4のいずれか)を用意(つまり、形成)するかを決定する。ここで、Y=1,2,4のいずれかとしているが、これらの数値はあくまで一例である。ステップSt2の選択は、例えばPLC・MACブロック11C2において実行される。
PLC装置10は、ステップSt2において選択されたモード(例えば(1/4モード))に基づいて、他のPLC装置との間の電力線通信に用いるチャネル(例えば、チャネルCH1,2,3,4のうちいずれか)を選択する(St3)。つまり、PLC装置10は、ステップSt2において選択されたモードに対応して用意される個数のチャネルのうち、どのチャネルを選択して電力線通信を行うかを決定する。ステップSt3の選択は、例えばPLC・MACブロック11C2において実行される。
ステップSt3の後、PLC装置10は、ステップSt1において選択されたサンプリング周波数を用いて、ステップSt2,St3においてそれぞれ選択されたモード及びチャネルに応じた各種のデジタル信号処理を実行する(St4)。ステップSt4のデジタル信号処理は、例えばPLC・PHYブロック11B2において実行される。
具体的には、PLC装置10は、ステップSt1において選択されたサンプリング周波数(言い換えると、クロック周波数)を逓倍し、その逓倍後のサンプリング周波数(言い換えると、クロック周波数)に基づいて動作する。PLC装置10は、ステップSt2において選択されたモードに応じて、上述した逓倍後のデータ(つまり、メインIC11に入力されたリサンプリング用データ)をサンプリングするためのサンプリング周期を逓倍する(St4-1)。
PLC装置10は、ステップSt2において選択されたモードに応じて、ステップSt4-1においてサンプリング周期が逓倍された後のリサンプリング用データをアップサンプリング(例えば2倍のアップサンプリング)する(St4-2)。
PLC装置10は、ステップSt3において選択されたチャネルに応じて、ステップSt4-2においてアップサンプリングされた後のリサンプリング用データに対し、フィルタ処理を施し、選択されたチャネルの周波数帯域の成分のリサンプリング用データを取得する(St4-3)。実施の形態1において、ステップSt4-2,St4-3の処理を纏めてリサンプリングという。
PLC装置10は、ステップSt4-3の処理の後、必要に応じて、ステップSt4-3において取得されたリサンプリング用データの周波数成分を、ステップSt3において選択されたチャネルの周波数帯域となるように周波数移動(言い換えると、周波数変換)の処理を行う(St4-4)。なお、ステップSt4-4の後に、PLC装置10は、ステップSt2,St3においてそれぞれ選択されたモード及びチャネルに応じて、ステップSt4-4の処理後のリサンプリング用データに対してリサンプリング(つまり、ステップSt4-2,St4-3の処理と同一の処理)を実行してもよい。
PLC装置10は、ステップSt4に示されるデジタル信号処理を施すことで、電力線通信に用いられる所定のフォーマットに準拠した通信フレームを生成できる。なお、PLC装置10の電力線通信に用いられる通信フレームは、例えばプリアンブル(Preamble)とフレームコントロール(Frame Control)とフレームボディ(Frame Body)とを含む構成である。通信フレームは、時間領域及び周波数領域において任意の配列で形成される。プリアンブルのデータは、固定値であり、例えば全て1である。プリアンブルのデータは、例えばキャリア検出や同期や復調のために用いられる。フレームコントロール及びフレームボディのデータはそれぞれ不定値である。
図6は、リサンプリング用データに対する周波数移動の方法の一例を示す説明図である。実施の形態1に係るPLC装置10は、リサンプリング用データに対する周波数移動として、例えばヒルベルト変換(つまり、負の周波数成分を削除)した後に搬送波と乗算する処理を用いる。図6に示すヒルベルト変換の処理は、例えばPLC・PHYブロック11B2において実行される。
図6に示すように、ヒルベルト変換では、実数成分を有する実信号x(t)の位相がπ/2遅延処理されて信号y(t)が生成される(St11)。実信号x(t)と、ステップSt11において生成された信号y(t)に複素係数jが乗算され(St12)、その乗算結果に対応する信号jy(t)と実信号x(t)との加算により複素信号z(t)が生成される(St13)。この複素信号z(t)は解析信号とも呼ばれ、負の周波数成分が無い。
ステップSt13において生成された複素信号z(t)と搬送波exp(jωt)との乗算結果から実成分が抽出される(St14)。これにより、周波数移動がなされた後の実数成分だけからなるリサンプリング用データである実信号が生成される。なお、ステップSt14では、図6に詳細を示すように、実信号x(t)と搬送波exp(jωt)の実成分との乗算結果(St14-1参照)と、信号y(t)と搬送波exp(jωt)の虚成分との乗算結果(St14-2参照)とが加算される(St14-3)。これにより、周波数移動がなされた後の実数成分だけからなるリサンプリング用データである実信号が生成される。
なお、PLC装置10は、図6に示すヒルベルト変換に限らず、周波数移動の方法として、例えば通常の無線通信における高周波信号の生成時に用いる方法(例えば、ベースバンド信号に搬送波を乗算した結果をフィルタ処理する)と同様の方法を実行することで、不要な周波数成分を削除してステップSt3において選択されたチャネルの周波数帯域に対応したリサンプリング用データを生成してもよい。
図7は、(1/2モード)かつチャネルCH1の場合に対応するステップSt4の処理概要例を示す説明図である。図8は、(1/2モード)かつチャネルCH2の場合に対応するステップSt4の処理概要例を示す説明図である。
図7及び図8において、紙面最左側のフローチャートは図5の対応するフローチャートの一部を抜粋して示しており、紙面中央は図3と同様の縦一列の4つのリサンプリング用データの時間軸上成分を示すグラフ、紙面最右側は図3と同様の縦一列の4つのリサンプリング用データの周波数軸上の成分を示すグラフであり、それぞれ対比的に示される。
図7の例では、クロック周波数の逓倍は行われていないため、サンプリング周波数fs4=62.5MHzである。なお、クロック周波数の逓倍(例えば2倍)が行われた場合には、サンプリング周波数fs4=62.5MHz*2=125MHzとなり、クロック周波数の逓倍(例えば4倍)が行われた場合には、サンプリング周波数fs4=62.5MHz*4=250MHzとなり、以下同様である。
図7において、サンプリング周期が2倍にされると(St4-1)、ナイキスト周波数(=fs4/2)未満となる周波数帯域(具体的には、fr1(=4MHz、図4B参照)~fr2(=f2=28MHz))を有するリサンプリング用データReD2は、f1(=2MHz、図4B参照)~fc2(=14MHz、図4B参照)の周波数成分を有するリサンプリング用データReD21となる。また、ナイキスト周波数も(fs5/2)となる。fs5(=fs4/2)=31.25MHzである。このリサンプリング用データReD21は、例えばサブキャリア番号10~100に対応するデータを有する。
ステップSt4-1の後、2倍のアップサンプリングがなされる(St4-2)。例えば、PLC・PHYブロック11B2により、リサンプリング用データReD21に対してゼロ挿入の処理が実行される。これにより、リサンプリング用データReD21に対する折り返しリサンプリング用データReD215mがナイキスト周波数(fs5/2)を挟んだ反対側(つまり、高周波側)に生成される。図7~図12に示される「データ*」は、そのデータが折り返しリサンプリング用データであることを示している。また、ナイキスト周波数は(fs4/2)となる。この折り返しリサンプリング用データReD215mは、リサンプリング用データReD21が有するサブキャリア番号10~100の配列が左右方向に反転された配列のデータ(つまり、サブキャリア番号100~10に対応するデータ)を有する。
ステップSt4-2の後、ローパスフィルタを用いたフィルタ処理がなされる(St4-3)。例えば、PLC・PHYブロック11B2が有するローパスフィルタ(図示略)によって、高域側の折り返しリサンプリング用データReD215mがカットされる。これにより、チャネルCH1の周波数帯域(fc1~fc2)に含まれるリサンプリング用データReD21が生成される。また、ナイキスト周波数は、(fs4/2)のまま維持されており、ステップSt4-1の開始前のナイキスト周波数(fs4/2)と同一となっている。これにより、PLC装置10は、ステップSt4-1,St4-2,St4-3の処理によって、電力線通信に用いるナイキスト周波数未満の周波数帯である条件を満たしながら、ステップSt2,St3においてそれぞれ選択されたモード及びチャネルに適合するリサンプリング用データを生成できるので、ユーザのニーズに適した所望の電力線通信を実行可能なデジタル送信信号を生成できる。
図8の例では、クロック周波数の逓倍は行われていないため、サンプリング周波数fs4=62.5MHzである。
図8において、サンプリング周期が2倍にされると(St4-1)、ナイキスト周波数(=fs4/2)未満となる周波数帯域(具体的には、fr1(=4MHz、図4B参照)~fr2(=f2=28MHz))を有するリサンプリング用データReD2は、f1(=2MHz、図4B参照)~fc2(=14MHz、図4B参照)の周波数成分を有するリサンプリング用データReD21となる。また、ナイキスト周波数も(fs5/2)となる。このリサンプリング用データReD21は、例えばサブキャリア番号10~100に対応するデータを有する。
ステップSt4-2の後、2倍のアップサンプリングがなされる(St4-2)。例えば、PLC・PHYブロック11B2により、リサンプリング用データReD21に対してゼロ挿入の処理が実行される。これにより、リサンプリング用データReD21に対する折り返しリサンプリング用データReD215mがナイキスト周波数(fs5/2)を挟んだ反対側(つまり、高周波側)に生成される。また、ナイキスト周波数は(fs4/2)となる。
ステップSt4-2の後、ローパスフィルタを用いたフィルタ処理がなされる(St4-3)。例えば、PLC・PHYブロック11B2が有するローパスフィルタ(図示略)によって、高域側の折り返しリサンプリング用データReD215mがカットされる。これにより、チャネルCH1の周波数帯域(fc1~fc2)に含まれるリサンプリング用データReD21が生成される。また、ナイキスト周波数は、(fs4/2)のまま維持されており、ステップSt4-1の開始前のナイキスト周波数(fs4/2)と同一となっている。
更に、ステップSt4-3の後、図6を参照して説明したような周波数移動(周波数変換)の処理がなされる(St4-4)。例えば、PLC・PHYブロック11B2は、数式(1)又は数式(2)を用いた算出又は図4Bに示すテーブルTBL2を用いて、ステップSt3において選択されたチャネルCH2の使用周波数帯域(fc1~fc2)が得られるように、リサンプリング用データReD21の周波数成分を周波数変換したリサンプリング用データReD21fを生成する。これにより、PLC装置10は、ステップSt4-1,St4-2,St4-3,St4-4の処理によって、電力線通信に用いるナイキスト周波数未満の周波数帯である条件を満たしながら、ステップSt2,St3においてそれぞれ選択されたモード及びチャネルに適合するリサンプリング用データを生成できるので、ユーザのニーズに適した所望の電力線通信を実行可能なデジタル送信信号を生成できる。
図9は、(1/4モード)かつチャネルCH1の場合に対応するステップSt4の処理概要例を示す説明図である。図10は、(1/4モード)かつチャネルCH2の場合に対応するステップSt4の処理概要例を示す説明図である。図11は、(1/4モード)かつチャネルCH3の場合に対応するステップSt4の処理概要例を示す説明図である。図12は、(1/4モード)かつチャネルCH4の場合に対応するステップSt4の処理概要例を示す説明図である。
図9~図12において、紙面最左側のフローチャートは図5の対応するフローチャートの一部を抜粋して示しており、紙面中央は図3と同様の縦一列の4つのリサンプリング用データの時間軸上成分を示すグラフ、紙面最右側は図3と同様の縦一列の4つのリサンプリング用データの周波数軸上の成分を示すグラフであり、それぞれ対比的に示される。
図9の例では、クロック周波数の逓倍は行われていないため、サンプリング周波数fs4=62.5MHzである。
図9において、サンプリング周期が4倍にされると(St4-1)、ナイキスト周波数(=fs4/2)未満となる周波数帯域(具体的には、fr1(=4MHz、図4B参照)~fr2(=f2=28MHz))を有するリサンプリング用データReD4は、f1(=2MHz、図4B参照)~fc2(=7MHz、図4B参照)の周波数成分を有するリサンプリング用データReD41となる。また、ナイキスト周波数も(fs6/2)となる。fs6(=fs4/4)=15.625MHzである。このリサンプリング用データReD41は、図示を省略しているが、例えばサブキャリア番号10~100に対応するデータを有する。
ステップSt4-1の後、2倍のアップサンプリングがなされる(St4-2)。例えば、PLC・PHYブロック11B2により、リサンプリング用データReD41に対してゼロ挿入の処理が実行される。これにより、リサンプリング用データReD41に対する折り返しリサンプリング用データReD416mがナイキスト周波数(fs6/2)を挟んだ反対側(つまり、高周波側)に生成される。また、ナイキスト周波数は(fs5/2)となる。この折り返しリサンプリング用データReD416mは、リサンプリング用データReD41が有するサブキャリア番号10~100の配列が左右方向に反転された配列のデータ(つまり、サブキャリア番号100~10に対応するデータ)を有する。
ステップSt4-2の後、ローパスフィルタを用いたフィルタ処理がなされる(St4-3)。例えば、PLC・PHYブロック11B2が有するローパスフィルタ(図示略)によって、高域側の折り返しリサンプリング用データReD416mがカットされる。これにより、チャネルCH1の周波数帯域(fc1~fc2)に含まれるリサンプリング用データReD41が生成される。しかし、ナイキスト周波数は、(fs5/2)のまま維持されており、ステップSt4-1の開始前のナイキスト周波数(fs4/2)と同一となっていない。
そこで、ナイキスト周波数をステップSt4-1の開始前のナイキスト周波数(fs4/2)に戻すため、ステップSt4-3の後、再度、ステップSt4-2,St4-3からなる第2回目のリサンプリングがなされる。例えば、PLC・PHYブロック11B2により、リサンプリング用データReD41に対してゼロ挿入の処理が実行される。これにより、リサンプリング用データReD41に対する折り返しリサンプリング用データReD415mがナイキスト周波数(fs5/2)を挟んだ反対側(つまり、高周波側)に生成される。また、ナイキスト周波数は(fs4/2)となる。この折り返しリサンプリング用データReD415mは、リサンプリング用データReD41が有するサブキャリア番号10~100の配列が左右方向に反転された配列のデータ(つまり、サブキャリア番号100~10に対応するデータ)を有する。
第2回目のステップSt4-2の後、ローパスフィルタを用いた第2回目のフィルタ処理がなされる(St4-3)。例えば、PLC・PHYブロック11B2が有するローパスフィルタ(図示略)によって、高域側の折り返しリサンプリング用データReD415mがカットされる。これにより、チャネルCH1の周波数帯域(fc1~fc2)に含まれるリサンプリング用データReD41が生成される。これにより、PLC装置10は、ステップSt4-1,St4-2,St4-3,St4-2,St4-3の処理によって、電力線通信に用いるナイキスト周波数未満の周波数帯である条件を満たしながら、ステップSt2,St3においてそれぞれ選択されたモード及びチャネルに適合するリサンプリング用データを生成できるので、ユーザのニーズに適した所望の電力線通信を実行可能なデジタル送信信号を生成できる。
図10の例では、クロック周波数の逓倍は行われていないため、サンプリング周波数fs4=62.5MHzである。
図10において、サンプリング周期が4倍にされると(St4-1)、ナイキスト周波数(=fs4/2)未満となる周波数帯域(具体的には、fr1(=4MHz、図4B参照)~fr2(=f2=28MHz))を有するリサンプリング用データReD4は、f1(=2MHz、図4B参照)~fc2(=7MHz、図4B参照)の周波数成分を有するリサンプリング用データReD41となる。また、ナイキスト周波数も(fs6/2)となる。このリサンプリング用データReD41は、図示を省略しているが、例えばサブキャリア番号10~100に対応するデータを有する。
ステップSt4-1の後、2倍のアップサンプリングがなされる(St4-2)。例えば、PLC・PHYブロック11B2により、リサンプリング用データReD41に対してゼロ挿入の処理が実行される。これにより、リサンプリング用データReD41に対する折り返しリサンプリング用データReD416mがナイキスト周波数(fs6/2)を挟んだ反対側(つまり、高周波側)に生成される。また、ナイキスト周波数は(fs5/2)となる。この折り返しリサンプリング用データReD416mは、リサンプリング用データReD41が有するサブキャリア番号10~100の配列が左右方向に反転された配列のデータ(つまり、サブキャリア番号100~10に対応するデータ)を有する。
ステップSt4-2の後、ローパスフィルタを用いたフィルタ処理がなされる(St4-3)。例えば、PLC・PHYブロック11B2が有するローパスフィルタ(図示略)によって、高域側の折り返しリサンプリング用データReD416mがカットされる。これにより、チャネルCH1の周波数帯域(fc1~fc2)に含まれるリサンプリング用データReD41が生成される。しかし、図10の例はステップSt3においてチャネルCH2が選択された例であるため、ステップSt4-3の後に周波数移動が行われる。また、ナイキスト周波数は、(fs5/2)のまま維持されており、ステップSt4-1の開始前のナイキスト周波数(fs4/2)と同一となっていない。
更に、ステップSt4-3の後、図6を参照して説明したような周波数移動(周波数変換)の処理がなされる(St4-4)。例えば、PLC・PHYブロック11B2は、数式(1)又は数式(2)を用いた算出又は図4Bに示すテーブルTBL2を用いて、ステップSt3において選択されたチャネルCH2の使用周波数帯域(fc1~fc2)が得られるように、リサンプリング用データReD41の周波数成分を高域側に周波数変換したリサンプリング用データReD41fを生成する。
また、ナイキスト周波数をステップSt4-1の開始前のナイキスト周波数(fs4/2)に戻すため、ステップSt4-4の後、再度、ステップSt4-2,St4-3からなる第2回目のリサンプリングがなされる。例えば、PLC・PHYブロック11B2により、リサンプリング用データReD41fに対してゼロ挿入の処理が実行される。これにより、リサンプリング用データReD41fに対する折り返しリサンプリング用データReD41f5mがナイキスト周波数(fs5/2)を挟んだ反対側(つまり、高周波側)に生成される。また、ナイキスト周波数は(fs4/2)となる。この折り返しリサンプリング用データReD41f5mは、リサンプリング用データReD41が有するサブキャリア番号10~100の配列が左右方向に反転された配列のデータ(つまり、サブキャリア番号100~10に対応するデータ)を有する。
第2回目のステップSt4-2の後、ローパスフィルタを用いた第2回目のフィルタ処理がなされる(St4-3)。例えば、PLC・PHYブロック11B2が有するローパスフィルタ(図示略)によって、高域側の折り返しリサンプリング用データReD41f5mがカットされる。これにより、チャネルCH2の周波数帯域(fc1~fc2)に含まれるリサンプリング用データReD41fが生成される。これにより、PLC装置10は、ステップSt4-1,St4-2,St4-3,St4-4,St4-2,St4-3の処理によって、電力線通信に用いるナイキスト周波数未満の周波数帯である条件を満たしながら、ステップSt2,St3においてそれぞれ選択されたモード及びチャネルに適合するリサンプリング用データを生成できるので、ユーザのニーズに適した所望の電力線通信を実行可能なデジタル送信信号を生成できる。
図11の例では、クロック周波数の逓倍は行われていないため、サンプリング周波数fs4=62.5MHzである。
図11において、サンプリング周期が4倍にされると(St4-1)、ナイキスト周波数(=fs4/2)未満となる周波数帯域(具体的には、fr1(=4MHz、図4B参照)~fr2(=f2=28MHz))を有するリサンプリング用データReD4は、f1(=2MHz、図4B参照)~fc2(=7MHz、図4B参照)の周波数成分を有するリサンプリング用データReD41となる。また、ナイキスト周波数も(fs6/2)となる。このリサンプリング用データReD41は、図示を省略しているが、例えばサブキャリア番号10~100に対応するデータを有する。
ステップSt4-1の後、2倍のアップサンプリングがなされる(St4-2)。例えば、PLC・PHYブロック11B2により、リサンプリング用データReD41に対してゼロ挿入の処理が実行される。これにより、リサンプリング用データReD41に対する折り返しリサンプリング用データReD416mがナイキスト周波数(fs6/2)を挟んだ反対側(つまり、高周波側)に生成される。また、ナイキスト周波数は(fs5/2)となる。この折り返しリサンプリング用データReD416mは、リサンプリング用データReD41が有するサブキャリア番号10~100の配列が左右方向に反転された配列のデータ(つまり、サブキャリア番号100~10に対応するデータ)を有する。
ステップSt4-2の後、ハイパスフィルタを用いたフィルタ処理がなされる(St4-3)。例えば、PLC・PHYブロック11B2が有するハイパスフィルタ(図示略)によって、低域側のリサンプリング用データReD41がカットされる。これにより、チャネルCH2の周波数帯域に含まれる折り返しリサンプリング用データReD416mが生成される。しかし、折り返しリサンプリング用データReD416mを含むデジタル送信信号が送信されると、サブキャリア番号の配列がメインIC11に入力されたリサンプリング用データの配列と逆であるために、受信側のPLC装置10における受信処理が煩雑となり好ましくない。また、ナイキスト周波数は、(fs5/2)のまま維持されており、ステップSt4-1の開始前のナイキスト周波数(fs4/2)と同一となっていない。
そこで、ナイキスト周波数をステップSt4-1の開始前のナイキスト周波数(fs4/2)に戻すため、ステップSt4-3の後、再度、ステップSt4-2,St4-3からなる第2回目のリサンプリングがなされる。例えば、PLC・PHYブロック11B2により、折り返しリサンプリング用データReD416mに対してゼロ挿入の処理が実行される。これにより、折り返しリサンプリング用データReD416mに対する折り返しリサンプリング用データ(つまり、リサンプリング用データReD416m5m)がナイキスト周波数(fs5/2)を挟んだ反対側(つまり、高周波側)に生成される。また、ナイキスト周波数は(fs4/2)となる。このリサンプリング用データReD416m5mは、折り返しリサンプリング用データReD416mが有するサブキャリア番号100~10の配列が左右方向に反転された配列のデータ(つまり、サブキャリア番号10~100に対応するデータ)を有する。
第2回目のステップSt4-2の後、ハイパスフィルタを用いた第2回目のフィルタ処理がなされる(St4-3)。例えば、PLC・PHYブロック11B2が有するハイパスフィルタ(図示略)によって、低域側の折り返しリサンプリング用データReD416mがカットされる。これにより、チャネルCH3の周波数帯域(fc1~fc2)に含まれるリサンプリング用データReD416m5mが生成される。これにより、PLC装置10は、ステップSt4-1,St4-2,St4-3,St4-2,St4-3の処理によって、電力線通信に用いるナイキスト周波数未満の周波数帯である条件を満たしながら、ステップSt2,St3においてそれぞれ選択されたモード及びチャネルに適合するリサンプリング用データを生成できるので、ユーザのニーズに適した所望の電力線通信を実行可能なデジタル送信信号を生成できる。
図12の例では、クロック周波数の逓倍は行われていないため、サンプリング周波数fs4=62.5MHzである。
図12において、サンプリング周期が4倍にされると(St4-1)、ナイキスト周波数(=fs4/2)未満となる周波数帯域(具体的には、fr1(=4MHz、図4B参照)~fr2(=f2=28MHz))を有するリサンプリング用データReD4は、f1(=2MHz、図4B参照)~fc2(=7MHz、図4B参照)の周波数成分を有するリサンプリング用データReD41となる。また、ナイキスト周波数も(fs6/2)となる。このリサンプリング用データReD41は、図示を省略しているが、例えばサブキャリア番号10~100に対応するデータを有する。
ステップSt4-1の後、2倍のアップサンプリングがなされる(St4-2)。例えば、PLC・PHYブロック11B2により、リサンプリング用データReD41に対してゼロ挿入の処理が実行される。これにより、リサンプリング用データReD41に対する折り返しリサンプリング用データReD416mがナイキスト周波数(fs6/2)を挟んだ反対側(つまり、高周波側)に生成される。また、ナイキスト周波数は(fs5/2)となる。この折り返しリサンプリング用データReD416mは、リサンプリング用データReD41が有するサブキャリア番号10~100の配列が左右方向に反転された配列のデータ(つまり、サブキャリア番号100~10に対応するデータ)を有する。
ステップSt4-2の後、ハイパスフィルタを用いたフィルタ処理がなされる(St4-3)。例えば、PLC・PHYブロック11B2が有するハイパスフィルタ(図示略)によって、低域側のリサンプリング用データReD41がカットされる。これにより、チャネルCH2の周波数帯域に含まれる折り返しリサンプリング用データReD416mが生成される。
更に、ステップSt4-3の後、図6を参照して説明したような周波数移動(周波数変換)の処理がなされる(St4-4)。例えば、PLC・PHYブロック11B2は、数式(1)又は数式(2)を用いた算出又は図4Bに示すテーブルTBL2を用いて、ステップSt3において選択されたチャネルCH1の使用周波数帯域が得られるように、折り返しリサンプリング用データReD416mの周波数成分を低域側に周波数変換した折り返しリサンプリング用データReD416mfを生成する。
ここで、上述したように、折り返しリサンプリング用データReD416mfを含むデジタル送信信号が送信されると、サブキャリア番号の配列がメインIC11に入力されたリサンプリング用データの配列と逆であるために、受信側のPLC装置10における受信処理が煩雑となり好ましくない。また、ナイキスト周波数は、(fs5/2)のまま維持されており、ステップSt4-1の開始前のナイキスト周波数(fs4/2)と同一となっていない。
そこで、ナイキスト周波数をステップSt4-1の開始前のナイキスト周波数(fs4/2)に戻すため、ステップSt4-4の後、再度、ステップSt4-2,St4-3からなる第2回目のリサンプリングがなされる。例えば、PLC・PHYブロック11B2により、折り返しリサンプリング用データReD416mfに対してゼロ挿入の処理が実行される。これにより、折り返しリサンプリング用データReD416mfに対する折り返しリサンプリング用データ(つまり、リサンプリング用データReD416mf5m)がナイキスト周波数(fs5/2)を挟んだ反対側(つまり、高周波側)に生成される。また、ナイキスト周波数は(fs4/2)となる。このリサンプリング用データReD416mf5mは、折り返しリサンプリング用データReD416mfが有するサブキャリア番号100~10の配列が左右方向に反転された配列のデータ(つまり、サブキャリア番号10~100に対応するデータ)を有する。
第2回目のステップSt4-2の後、ハイパスフィルタを用いた第2回目のフィルタ処理がなされる(St4-3)。例えば、PLC・PHYブロック11B2が有するハイパスフィルタ(図示略)によって、低域側の折り返しリサンプリング用データReD416mfがカットされる。これにより、チャネルCH4の周波数帯域(fc1~fc2)に含まれるリサンプリング用データReD416fm5mが生成される。これにより、PLC装置10は、ステップSt4-1,St4-2,St4-3,St4-4,St4-2,St4-3の処理によって、電力線通信に用いるナイキスト周波数未満の周波数帯である条件を満たしながら、ステップSt2,St3においてそれぞれ選択されたモード及びチャネルに適合するリサンプリング用データを生成できるので、ユーザのニーズに適した所望の電力線通信を実行可能なデジタル送信信号を生成できる。なお、チャネルCH4の周波数帯域が狭い場合には、PLC・PHYブロック11B2は、他のチャネル(例えばチャネルCH4に隣接するチャネルCH3)の周波数帯域を減らしてチャネルCH4の周波数帯域を増やしてもよい。
次に、実施の形態1に係るPLC装置10の電力線通信に用いるチャネルの選択(決定)の動作手順について、図13A,図13B,図14A,図14B,図14Cを参照して説明する。図13Aは、実施の形態1に係るPLC親機のチャネル選択に関する動作手順の第1例を説明するフローチャートである。図13Bは、実施の形態1に係るPLC子機のチャネル選択に関する動作手順の第1例を説明するフローチャートである。図14Aは、実施の形態1に係る制御装置50のチャネル選択に関する動作手順の一例を説明するフローチャートである。図14Bは、実施の形態1に係るPLC親機のチャネル選択に関する動作手順の第2例を説明するフローチャートである。図14Cは、実施の形態1に係るPLC子機のチャネル選択に関する動作手順の第2例を説明するフローチャートである。
実施の形態1に係るPLC装置10は、他のPLC装置10との間の電力線通信に用いるチャネルの選択に際し、PLC装置10同士で帯域推定してチャネルを選択(決定)する第1パターン(図13A,図13B参照)と、制御装置50と複数台のPLC装置10を用いてチャネルを選択(決定)する第2パターン(図14A,図14B,図14C参照)とのうちいずれかを行う。
実施の形態1に係るPLC装置10と他のPLC装置10との間が電力線1Aで接続されている場合、電力線通信にて使用する周波数帯域が高域であればある程、減衰特性が顕著になる。一方で、電力線通信にて使用する周波数帯域が低域であればある程、ノイズ特性が顕著になる。また、電力線通信の有線媒体に電力線(例えば電力線1A)が使用されると、同軸線が使用される場合とは異なり、電力線の配線状況、ノイズを発生する負荷の有無、電力線に接続される負荷等によって伝送路の状況が変動する。従って、従来のように単一のチャネル(周波数帯域:例えば2~28MHz)だけを使用する場合には、伝送路の状況が変動する場合、上述した減衰特性やノイズ特性の影響を受けて、良好な通信環境が得られない場合があった。このため、電力線通信において使用されるチャネルは伝送路の状況に応じて適応的に選択されると考えられる。
第1パターンでは、実施の形態1に係るPLC親機(例えばPLC装置10A)は、PLC子機(例えばPLC装置10B)がチャネルをスキャン(走査)しながら観測して得た伝送路情報を取得し、この取得されたチャネル毎の伝送路情報を基に、電力線通信において使用するチャネルを選択(決定)する。第1パターンでは、モードは予め選択されており、それぞれのPLC装置10においてモードに関する情報は既知である。以下の説明において、伝送路情報は、例えばそれぞれのチャネルに対応するキャリア(搬送波)のSNR(Signal Noise Ratio)、SNRの結果から得られる物理層における通信速度(PHY速度)である。なお、このPHY速度は、シンボル単位で送信可能なビット数から算出が可能である。また、マルチホップ通信の場合には、伝送路情報は、マルチホップの通信経路を求めるために算出されるリンクコストを用いることが可能である。
第2パターンでは、実施の形態1に係るPLC親機(例えばPLC装置10A)は、PLC子機(例えばPLC装置10B)がチャネルをスキャン(走査)しながら観測して得た伝送路情報を取得し、この取得されたチャネル毎の伝送路情報を制御装置50(図1参照)に送信する。制御装置50は、PLC親機から送信されたチャネル毎の伝送路情報を基に、電力線通信において使用するチャネル及びモードを選択(決定)し、その選択結果をPLC親機に送信する。PLC親機は、制御装置50から送信された選択結果をPLC子機(複数台のPLC子機を含む。以下同様。)に送信して共有する。
図13Aの説明の前提として、例えばユーザはPLC親機(例えばPLC装置10A)とPLC子機(例えばPLC装置10B)とを把持した状態でそれぞれの筐体100に設けられた所定のボタン(図示略)を長押しすることで、PLC子機がPLC親機に登録される(簡単接続)。又は、簡単接続に代わりに、PLC親機及びPLC子機のモードが予め選択されていてもよい(自動接続)。以下の説明では、モードは長距離化の電力線通信に対応可能な(1/4モード)とする。つまり、チャネルは2MHz~28MHzの間に最大4つ形成(生成)される。また、以下の図13Aに示されるそれぞれの処理は、例えばPLC・MACブロック11C2において実行される。
図13Aにおいて、PLC親機(例えばPLC装置10A)は、(1/4モード)のチャネルCH1として起動する(St21)。PLC親機(例えばPLC装置10A)は、それぞれのPLC子機(例えばPLC装置10B,10C)に制御信号(例えばビーコン信号又はハロー信号)を送信して所定の認証(例えば互いしか知り得ない情報の保持の確認等)を行う。つまり、PLC親機(例えばPLC装置10A)は、制御信号の受信に対する応答信号を返してきた相手がそれぞれ正規のPLC子機であるかどうかを判断する(St22)。PLC親機(例えばPLC装置10A)は、PLC子機の認証を開始してから所定秒(例えば60秒)が経過したかを判断する(St23)。所定秒が経過するまでPLC子機の認証が継続される(St23、NO)。
一方、PLC親機(例えばPLC装置10A)は、PLC子機の認証を開始してから所定秒(例えば60秒)が経過したと判断した場合に(St23、YES)、PLC子機から送信されたチャネルCH1の伝送路情報(上述参照)とチャネルCH1の認証台数(つまり、チャネルCH1で認証されたPLC子機の台数)とを取得してメモリ18に記録する(St24)。
PLC親機(例えばPLC装置10A)は、全てのチャネルのスキャンが完了したかどうか(言い換えると、(1/4モード)の全てのチャネルCH1,CH2,CH3,CH4)について、認証台数とチャネル毎の伝送路情報とを取得したかどうか)を判断する(St25)。全てのチャネルのスキャンが完了していないと判断された場合には(St25、NO)、PLC親機(例えばPLC装置10A)は、ステップSt22におけるチャネルCH1におけるPLC子機の認証を取り消し(St26)、現在のチャネル(例えばチャネルCH1)を他のチャネル(例えばチャネルCH2)に変更して設定する(St27)。ステップSt27の後、PLC親機(例えばPLC装置10A)の処理はステップSt22に戻る。つまり、全てのチャネルのスキャンが完了するまで、PLC親機(例えばPLC装置10A)は、ステップSt22~St27の処理を繰り返す。
PLC親機(例えばPLC装置10A)は、全てのチャネルのスキャンを完了したと判断した場合には(St25、YES)、全てのチャネル毎の認証台数及び伝送路情報に基づいて、電力線通信に良好なチャネル(例えば、認証台数が多いチャネル、PHY速度の最大値が得られたチャネル、リンクコストの最小値が得られたチャネル)を決定して選択する(St28)。PLC親機(例えばPLC装置10A)は、ステップSt28において選択されたチャネルに関する情報をそれぞれのPLC子機に送信して共有し、その後は通常動作としてPLC子機との間で電力線通信を行う(St29)。
図13Bの説明の前提として、PLC子機は、周波数帯域の最も小さいチャネルCH1から順にスキャン(走査)を開始し、周波数帯域の最も大きいチャネルCH4の後はループして周波数帯域の最も小さいチャネルCH1に戻ってスキャンを継続する。また、以下の図13Bに示されるそれぞれの処理は、例えばPLC・MACブロック11C2において実行される。
図13Bにおいて、PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)は、(1/4モード)のチャネルCH1として起動し(St31)、チャネルCH1における伝送路情報を計算等して取得し、メモリ18に保持している。
PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)は、PLC親機(例えばPLC装置10A)から送信された制御信号を検出したかどうかを判断する(St32)。PLC親機(例えばPLC装置10A)から送信された制御信号が検出されない場合には(St32、NO)、PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)は、ステップSt31においてチャネルCH1として起動してから所定秒(例えば60秒)が経過したかどうかを判断する(St33)。つまり、PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)は、ステップSt33の所定秒が経過するまで、PLC親機(例えばPLC装置10A)から送信される制御信号の検出ができるまで待機する。
PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)は、ステップSt33の所定秒が経過するまで制御信号を検出できなかった場合には、現在のチャネル(例えばチャネルCH1)を他のチャネル(例えばチャネルCH2)に変更して設定する(St34)。ステップSt34の後、PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)の処理はステップSt32に戻る。つまり、ステップSt33の所定秒を単位としてチャネル(言い換えると、利用帯域)を変更して全てのチャネル毎にPLC親機(例えばPLC装置10A)からの制御信号の検出ができたかどうかが繰り返して判断される。
PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)は、PLC親機(例えばPLC装置10A)から送信された制御信号を検出したと判断した場合には(St32、YES)、PLC親機(例えばPLC装置10A)との間で所定の認証(例えば互いしか知り得ない情報の保持の確認等)を行う(St35)。PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)は、ステップSt35の認証後、現在のチャネルにおいて取得した伝送路情報(上述参照)をPLC親機(例えばPLC装置10A)に送信する(St36)。
図14Aの説明の前提として、PLC親機(例えばPLC装置10A)の通信相手としてのPLC子機(例えばPLC装置10B,10C)の登録処理は予め行われているとする。また、説明を簡単にするために、スキャン(走査)されるモードの初期値は(1/4モード)とする。また、以下の図14Aに示されるそれぞれの処理は、例えばプロセッサ53において実行される。
図14Aにおいて、制御装置50は、(1/4モード)のチャネルCH1として起動する(St41)。制御装置50は、(1/4モード)のチャネルCH1として起動してから所定秒(例えば60秒)が経過したかを判断する(St42)。所定秒が経過するまで制御装置50の処理は待機される(St42、NO)。制御装置50は、所定秒が経過したと判断した場合には(St42、YES)、PLC親機(例えばPLC装置10A)に対し、(1/4モード)のチャネルCH1における認証台数及び伝送路情報の取得を要求する(St43)。
制御装置50は、全てのチャネルのスキャンが完了したかどうか(言い換えると、(1/4モード)の全てのチャネルCH1,CH2,CH3,CH4、(1/2モード)の全てのチャネルCH1,CH2、標準モードのチャネルCH1のそれぞれ)について、認証台数とチャネル毎の伝送路情報とを取得したかどうか)を判断する(St44)。全てのチャネルのスキャンが完了していないと判断された場合には(St44、NO)、制御装置50は、チャネル、又はモード及びチャネルのいずれかを変更するための要求をPLC親機(例えばPLC装置10A)に送信する(St45)。ステップSt45の後、制御装置50の処理はステップSt42に戻る。つまり、全てのチャネルのスキャンが完了するまで、制御装置50は、ステップSt42~St45の処理を繰り返す。
制御装置50は、全てのチャネルのスキャンが完了したと判断した場合には(St44、YES)、全てのチャネル毎の認証台数及び伝送路情報に基づいて、電力線通信に良好なチャネル(例えば、認証台数が多いチャネル、PHY速度の最大値が得られたチャネル、リンクコストの最小値が得られたチャネル)を決定して選択する(St46)。制御装置50は、ステップSt46において選択されたモード及びチャネルに関する情報の設定指示を生成してPLC親機(例えばPLC装置10A)に送信する(St47)。
図14Bの説明の前提として、図14Bに示されるそれぞれの処理は、例えばPLC・MACブロック11C2において実行される。
図14Bにおいて、PLC親機(例えばPLC装置10A)は、起動した後(St51)、制御装置50から送信されるチャネル、又はモード及びチャネルのいずれかを変更するための要求(ステップSt45参照)を受信すると、現在のチャネル、又は現在のモード及びチャネルを変更する(St52)。例えば、PLC親機(例えばPLC装置10A)は、(1/4モード)のチャネルCH2に変更する。
PLC親機(例えばPLC装置10A)は、それぞれのPLC子機(例えばPLC装置10B,10C)に制御信号(例えばビーコン信号又はハロー信号)を送信して所定の認証(例えば互いしか知り得ない情報の保持の確認等)を行う。つまり、PLC親機(例えばPLC装置10A)は、制御信号の受信に対する応答信号を返してきた相手がそれぞれ正規のPLC子機であるかどうかを判断する(St53)。PLC親機(例えばPLC装置10A)は、PLC子機の認証が正常に行われたと判断した場合に、PLC子機から送信されたチャネルCH1の伝送路情報(上述参照)とチャネルCH1の認証台数(つまり、チャネルCH1で認証されたPLC子機の台数)とを取得してメモリ18に記録する(St54)。
PLC親機(例えばPLC装置10A)は、ステップSt42において変更された現在のチャネルにおけるPLC子機の認証を取り消しの要求を制御装置50に送信する(St55)。PLC親機(例えばPLC装置10A)は、制御装置50から送信されるチャネル、又はモード及びチャネルのいずれかを変更するための要求(ステップSt45参照)を受信すると、現在のチャネル、又は現在のモード及びチャネルを変更する(St56)。例えば、PLC親機(例えばPLC装置10A)は、(1/4モード)のチャネルCH2に変更する。ステップSt56の後、PLC親機(例えばPLC装置10A)の処理はステップSt53に戻る。つまり、全てのチャネルのスキャンが完了するまで、PLC親機(例えばPLC装置10A)は、ステップSt43~St46の処理を繰り返す。
図14Cの説明の前提として、PLC子機は、(1/4モード)のチャネルCH1,CH2,CH3,CH4、(1/2モード)のCH1,CH2、標準モードのチャネルCH1の順に、チャネル、又はモード及びチャネルのスキャン(走査)を開始し、標準モードの後はループして(1/4モード)のチャネルCH1に戻ってスキャンを継続する。また、以下の図14Cに示されるそれぞれの処理は、例えばPLC・MACブロック11C2において実行される。
図14Cにおいて、PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)は、(1/4モード)のチャネルCH1として起動し(St61)、チャネルCH1における伝送路情報を計算等して取得し、メモリ18に保持している。
PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)は、PLC親機(例えばPLC装置10A)から送信された制御信号を検出したかどうかを判断する(St62)。PLC親機(例えばPLC装置10A)から送信された制御信号が検出されない場合には(St62、NO)、PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)は、ステップSt61においてチャネルCH1として起動してから所定秒(例えば15秒)が経過したかどうかを判断する(St63)。つまり、PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)は、ステップSt63の所定秒が経過するまで、PLC親機(例えばPLC装置10A)から送信される制御信号の検出ができるまで待機する。ここでの所定秒は、上述したステップSt23でPLC親機(例えばPLC装置10A)がカウントしたPLC子機の認証を開始してからの所定秒(例えば60秒)よりも短い。これは、PLC子機がPLC親機と同じ周期でチャネルを切り替えると、PLC親機が全てのチャネルを精査できないためである。なお、PLC子機のチャネル切り替え周期(すなわち、ステップSt63における“所定秒”)は、PLC親機の周期(すなわち、ステップSt23における“所定秒”)/チャネル数以下とすることがより好ましい。これにより、PLC親機は全てのチャネルを精査する時間をより確実に確保することができる。例えば、PLC親機の周期が60秒で、チャネル数が4の場合、PLC子機の周期は15秒以下することが好ましい。
PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)は、ステップSt63の所定秒が経過するまで制御信号を検出できなかった場合には、現在のチャネル(例えばチャネルCH1)を他のチャネル(例えばチャネルCH2)に変更して設定する(St64)。ステップSt64の後、PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)の処理はステップSt62に戻る。つまり、ステップSt63の所定秒を単位としてチャネル(言い換えると、利用帯域)を変更して全てのチャネル毎にPLC親機(例えばPLC装置10A)からの制御信号の検出ができたかどうかが繰り返して判断される。
PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)は、PLC親機(例えばPLC装置10A)から送信された制御信号を検出したと判断した場合には(St62、YES)、PLC親機(例えばPLC装置10A)との間で所定の認証(例えば互いしか知り得ない情報の保持の確認等)を行う(St65)。PLC子機(例えばPLC装置10B,10C)は、ステップSt65の認証後、現在のチャネルにおいて取得した伝送路情報(上述参照)をPLC親機(例えばPLC装置10A)に送信する(St66)。
以上により、実施の形態1に係る有線通信システム1000では、PLC装置10は、他のPLC装置10(他の通信装置の一例)との間の有線媒体(例えば電力線1A)を介した通信に用いる所定の周波数帯内(例えば、2MHz~30MHz)に用意される1以上のチャネルの個数を規定するモードと、そのモードにおいて通信に用いるチャネルとをPLC・MACブロック11C2(選択部の一例)において選択する。PLC装置10は、選択されたモード及びチャネルに応じて、メインICに入力された入力データ(例えば、リサンプリング用データ)をデジタル信号処理して通信に用いる通信フレームをPLC・PHYブロック11B2(信号処理部の一例)において生成する。
これにより、実施の形態1に係るPLC装置10は、従来の電力線通信のように使用可能な周波数帯域(例えば2MHz~30MHz)を単一のチャネルで使用する場合に比べて、ノイズ特性や信号の減衰特性の特徴を考慮した上で、上述した周波数帯域から電力線通信に適するチャネルを複数のチャネルの中から適応的に選択でき、その選択されたチャネルを用いて伝送路の状況に応じた良好な電力線通信を行える。従って、実施の形態1に係るPLC装置10は、ユーザの要求(例えば、長距離化、高速性、又はその両方)に応える程度の所望の通信特性が得られる有線を用いた電力線通信を適応的に行える。また、PLC装置10は、例えば2MHz~30MHzの周波数帯に複数のチャネルを形成できるので、そのPLC装置10と接続される他のPLC装置(例えば複数台のセキュリティカメラ)のそれぞれとの間で非同期に、長距離化、高速性、又はその両方に応えた通信性能を実現した上で良好な電力線通信を行えるので、リアルタイムな監視等を容易に実現できる。また、PLC装置10は、PLC・MACブロック11C及びPLC・PHYブロック11Bを1チップで搭載したメインIC11を実装可能であるため、高速化に対応した有線通信を行うこともできるし、長距離化に対応した電力線通信を行うこともできるので、スケーラブルな集積回路(IC)の搭載により簡易に構成可能となる。
また、PLC装置10は、デジタル信号処理として、入力データのサンプリング周期を逓倍してサンプリングし、そのサンプリング後の入力データをリサンプリングする。これにより、PLC装置10は、リサンプリング前にサンプリング周期の逓倍によってナイキスト周波数を変更するので、リサンプリングを行ってもリサンプリング前の通信に用いる元のナイキスト周波数(例えばfs4/2)に戻すことができ、選択されたモード及びチャネルに応じてチャネルを容易に形成できる。
また、PLC装置10は、デジタル信号処理として更に、リサンプリング後の入力データの周波数帯を、選択されたチャネルに対応する周波数帯に変換する。これにより、PLC装置10は、電力線通信において使用可能な周波数帯域(例えば2MHz~30MHz)内で選択されたチャネルの周波数帯域(例えばより高域側の周波数帯)を満たすようにチャネルを形成できる。
また、PLC装置10は、デジタル信号処理として更に、周波数変換後(周波数移動後)の入力データをリサンプリングする。これにより、PLC装置10は、電力線通信において使用可能な周波数帯域(例えば2MHz~30MHz)内で選択されたチャネルの周波数帯域(例えばより高域側又は低域側の周波数帯)を満たすようにチャネルを形成できる。
また、PLC装置10は、逓倍可能な自装置のクロック周波数を更に選択し、その選択されたクロック周波数に基づいて入力データの信号処理を行う。これにより、PLC装置10は、クロック周波数が逓倍されていない標準モードに比べて、より高速なクロック周波数の下で動作可能となるので、より高速性に順応した電力線通信を行える。例えば、PLC装置10は、クロック周波数が2倍に逓倍された場合には、2倍モードとして500Mbps程度のスループットが得られる有線通信(例えば有線媒体には同軸線が使用)を行える。また、PLC装置10は、クロック周波数が4倍に逓倍された場合には、4倍モードとして1Gbps程度のスループットが得られる有線通信(例えば有線媒体には同軸線が使用)を行える。
また、PLC装置10は、他のPLC装置10との間の有線媒体を介した通信を行う通信部(例えば電源コネクタ21)を更に備える。PLC装置10は、1以上のチャネルのそれぞれを用いて他のPLC装置10から送信された伝送路情報を受信し、その受信されたチャネル毎の伝送路情報に基づいて、自装置と他のPLC装置10との間の通信に用いるチャネルを選択する。これにより、PLC装置10(PLC親機)は、他のPLC装置10(PLC子機)との間の電力線1Aの状況(つまり、伝送路の状況)に応じて、伝送路の状態が良好なチャネルを適応的に選択できて電力線通信を行える。
また、PLC装置10は、他のPLC装置10との間の有線媒体を介した通信を行う第1通信部(例えば電源コネクタ21)と、自装置と他のPLC装置10との間の通信に用いるチャネルを決定する制御装置50(外部装置の一例)との間の有線媒体を介した通信を行う第2通信部(例えばモジュラージャック22)とを更に備える。PLC装置10は、1以上のチャネルのそれぞれを用いて他のPLC装置10から送信された伝送路情報を受信し、その受信された他のPLC装置10から送信されたチャネル毎の伝送路情報を制御装置50に送信する。PLC装置10(PLC親機)は、制御装置50により決定された通信に用いるチャネル、又はモード及びチャネルに関する情報を制御装置50から受信し、その受信された通信に用いるチャネル、又はモード及びチャネルに関する情報に応じて、自装置と他のPLC装置10との間の通信に用いるチャネルを選択する。これにより、PLC装置10(PLC親機)は、自装置が判断することなく、制御装置50により決定されたチャネル、又はモード及びチャネルに関する情報に応じて、他のPLC装置10(PLC子機)との間の電力線1Aの状況(つまり、伝送路の状況)に適したチャネルを適応的に選択できて電力線通信を行える。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
なお、上述した実施の形態1では、モードの例示として、標準モード、(1/2モード)、(1/4モード)、2倍モード、4倍モードを挙げて説明したが、モードはこれらに限定されない。例えば、(1/8モード)や8倍モードも実現可能であり、PLC装置10は、他のPLC装置10との間の伝送路の状況に基づいて選択されたモード及びチャネルを満たすようにチャネルを形成できる。