JP7216981B2 - 加湿装置、人工呼吸システム - Google Patents

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Description

本発明は加湿装置に係り、例えば人工呼吸器の呼吸回路に接続して、送気ガスに水分を付加する加湿装置に関する。
使用者の気道に接続して、換気を調節又は補助するように設計された自動的換気装置が医療の現場において広く使用されており、これを一般に人工呼吸器、人工呼吸システムという。人工呼吸システムには、睡眠時無呼吸症候群に対する治療であるCPAP療法(Continuous Positive Airway Pressure:経鼻的持続陽圧呼吸療法)に使用される呼吸補助装置も含まれる。
気道に乾燥したガスを送気し続けると使用者に不快感を引き起こし、場合によっては気道へ損傷を与えるきっかけにもなり得る。そこで人工呼吸システムには、送気ガスへ水分を付加する加湿装置を接続する。
従来、人工呼吸システムに使用される加湿装置は、ヒータープレートで貯水槽に入れた水全体を加熱して蒸発させる方式のものが多かった(例えば、特許文献1参照)。
図6は、加熱蒸発方式を採用する加湿装置300の断面図である。加湿装置300は、筐体360と、ガスを送気するブロワ(送風機)(図示省略)に接続される送気ガス入口340と、使用者に接続される呼吸回路(図示省略)へガスを送り出すための送気ガス出口350を備える。筐体360は底の部分に熱伝導部370を有し、水390を貯留する。ヒーター部380は、例えば電気抵抗体(図示省略)を有して電源(図示省略)から電流を流すことで加熱され、熱伝導部370を通じて水390を加熱蒸発させる。送気ガス入口340から流入する送気ガスは加湿室325において、水390の表面から蒸発した水蒸気を含み、加湿された後に送気ガス出口350から、呼吸回路を通じて使用者の気道へと送られる。
特表2009-504277号公報
しかし、特許文献1記載の技術では、貯水槽全体の水の温度を上昇させなければ、十分な量の水蒸気を発生させることができない。このためエネルギー消費量が多く、また熱水を多く貯留しなければならないので小型化も難しい。また多くの熱水を貯留する必要があるので、加湿装置を倒すことで熱水が漏れ、使用者等が熱傷を負う危険も大きい。将来、人工呼吸システム、呼吸補助器は在宅医療で用いられる機会が多くなると考えられており、その意味でも医療従事者以外の家族が扱うには不便である。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、小型化、軽量化、及び、低背化が可能であり、貯留させる水全体を熱することなく十分な加湿が可能な加湿装置、及び、人工呼吸システムの提供を目的とする。
本発明では、保持される水の表面に加熱された部材を接触させて加熱することで、効率よく水蒸気を発生させることとする。
(1)本発明は、液体状態の水を保持する保持部と、前記水に接触される接触部と、前記水を加熱する加熱部と、を備え、前記接触部は液体状態の前記水を通過させず、且つ、水蒸気は通過可能であることを特徴とする加湿装置を提供する。
上記(1)に記載の発明によれば、加湿装置が液体状態の水を通過させず、且つ、水蒸気を通過可能な接触部を有することで、保持部が保持する水を外部に漏らしにくく、加湿が可能な機構を可能にするという優れた効果を奏する。
(2)本発明は、前記接触部は、前記水蒸気を通過させることが可能な複数の貫通孔を有することを特徴とする上記(1)に記載の加湿装置を提供する。
上記(2)に記載の発明によれば、接触部が水蒸気を通過させることが可能な複数の貫通孔を有することで、加湿が可能な加湿装置を実現できるという効果を奏する。
(3)本発明は、前記接触部は前記保持部の少なくとも一部であることを特徴とする上記(1)又は上記(2)に記載の加湿装置を提供する。
上記(3)に記載の発明によれば、加熱蒸発させる水を保持する保持部の一部分が、接触部であるため、保持部とから生じる水蒸気を、接触部を介して送気ガスに付加することができるという優れた効果を奏する。
(4)本発明は、前記接触部が前記保持部において鉛直方向上向きの場所に配設されることを特徴とする上記(3)に記載の加湿装置を提供する。
温められた水は軽くなり鉛直方向上向きに移動する傾向がある。上記(4)に記載の発明によれば、水蒸気を生じ得る温かい水が接触部の近傍に存在することになるので、効率よく送気ガスを加湿することが可能になるという優れた効果を奏する。
(5)本発明は、前記接触部は薄いプレートであることを特徴とする上記(1)乃至上記(4)のうちのいずれかに記載の加湿装置を提供する。
上記(5)に記載の発明によれば、水蒸気を通過させる接触部が薄いプレート状なので、低背化が可能であり在宅医療でも用いやすい小型の加湿装置が実現できるという優れた効果を奏する。
(6)本発明は、前記接触部は網構造を有することを特徴とする上記(1)乃至上記(4)のうちのいずれかに記載の加湿装置を提供する。
上記(6)に記載の発明によれば、水蒸気を通過させる接触部が網構造を有するので、軽量化、低背化が可能であり在宅医療でも用いやすい小型軽量の加湿装置が実現できるという優れた効果を奏する。
(7)本発明は、前記接触部の少なくとも一部の表面は撥水性であることを特徴とする上記(5)又は上記(6)に記載の加湿装置を提供する。
上記(7)に記載の発明によれば、接触部の少なくとも一部の表面が撥水性を有するので、保持部に保持される水が、外部に漏れにくくなり安全性が高まるという優れた効果を奏する。
(8)本発明は、前記接触部は金属を素材とする金属部を有し、前記加熱部は前記金属部を加熱することで、前記水を加熱することを特徴とする上記(1)乃至上記(7)のうちのいずれかに記載の加湿装置を提供する。
上記(8)に記載の発明によれば、保持部に保持される水に接触する接触部が有する金属部が加熱されるので、水蒸気を通過させる接触部の近傍の水を加熱することが可能になり、エネルギー効率よく加湿が可能になるという優れた効果を奏する。
なお本明細書において金属を素材とするというのは、例えば酸化鉄などを主成分としたセラミックスを素材とする場合も含む。
(9)本発明は、前記加熱部は、電磁誘導により前記金属部に渦電流を生じさせる送電用のコイルを備えることを特徴とする上記(8)に記載の加湿装置を提供する。
上記(9)に記載の発明によれば、加熱部が渦電流により加熱される金属部と、金属部に送電するコイルを有するので、加熱部を自由な位置に配置でき、また加熱のためのエネルギー効率も良いという優れた効果を奏する。
(10)本発明は、前記金属部と前記送電用のコイルの距離が1cm以下であることを特徴とする上記(9)に記載の加湿装置を提供する。
電磁誘導は、送電側と受電側の距離が離れると、磁界の変化によるエネルギー伝達効率が距離の三乗に反比例して減少してしまう。上記(10)に記載の発明によれば、送電側コイルと、受電側の金属部の距離が1cm以下と小さいので効率の良い電力伝送が可能であるという優れた効果を奏する。
(11)本発明は、前記加熱部が送電用のコイルを備え、ヒステリシス損により前記金属部が加熱されることを特徴とする上記(8)に記載の加湿装置を提供する。
上記(11)に記載の発明によれば、磁力線に沿った方向に発生するヒステリシス損により、金属部を加熱することができるので、金属部は平面である必要がなく、磁性体のパイプを送電用のコイルの作る磁力線に沿って配置して、毛細管現象で水を吸い上げることだけでも加湿装置が構成できるという極めて優れた効果を奏する。
(12)本発明は、上記(1)乃至上記(11)のうちのいずれかに記載の加湿装置を備えた人工呼吸システムを提供する。
上記(12)に記載の発明によれば、加湿装置が液体状態の水を通過させず、且つ、水蒸気を通過可能な接触部を有することで、保持部が保持する水を外部に漏らしにくく、効率良く送気ガスを加湿することが可能な人工呼吸システムを実現できるという優れた効果を奏する。
本発明の請求項1~12記載の加湿装置、及び、人工呼吸システムによれば、小型軽量であり、安全でエネルギー効率の良い加湿器、人工呼吸システムが実現され得るという優れた効果を奏する。
本発明の第一実施形態に係る人工呼吸システムの説明図である。 本発明の第一実施形態に係る人工呼吸システムにおける加湿装置の説明図である。 (A)加湿装置における保持部、接触部、及び、コイルの断面図である。(B)加熱部の加熱原理を説明する説明図である。 (A)本発明の第二実施形態に係る加湿装置における保持部、接触部、及び、コイルの断面図である。(B)本発明の第三実施形態に係る加湿装置における保持部、接触部の断面図である。(C)本発明の第四実施形態に係る加湿装置の説明図である。 本発明の変形実施例に係る加湿装置の説明図である。 従来の加湿装置の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1~図4は発明を実施する形態の一例であって、図中、同一の符号を付した部分は同一物を表わす。なお、各図において一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る人工呼吸システム1の説明図である。人工呼吸システム1は、全体の制御等をおこなう制御部10等を有する本体5と、送気ガスに水分を付加する加湿装置50と、送気ガスを使用者100に導く呼吸回路70と、使用者100にガスを供給するマスク110を備える。本体5は、送気ガスの流量や温度を制御する制御部10と、送気ガスの流量を測定する流量センサ20と、送気するガスを吸入口30から吸い込んで呼吸回路70へ送り出すブロワ40を有する。加湿装置50以外の部材は、従来の人工呼吸システムと同様の構成なので詳細な記載は省略する。
なお制御部10はCPU、RAMおよびROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUはいわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて様々な機能を実現する。RAMはCPUの作業領域、記憶領域として使用され、ROMはCPUで実行されるオペレーティングシステムやプログラムを記憶する。
図2には、本発明の第一実施形態に係る人工呼吸システム1における加湿装置50の説明図を示す。加湿装置50は、液体状態の水190を保持する保持部170と、水190に接触される接触部160と、水を加熱する加熱部155(後述する図3(A)を参照)とを備え、接触部160は液体状態の水を通過させず、且つ、水蒸気は通過可能である。また接触部160は、保持部170の少なくとも一部であり、接触部160は、保持部170において鉛直方向上向きの場所に配設されることを特徴とする。
接触部160は、薄いプレート状の金属の金属部162であり、水蒸気が通過可能な複数の貫通孔を有することを特徴とする。材質としては例えばステンレスが望ましい。微細貫通孔はエッチングで形成してもよく、いわゆるパンチングメタルであってもよい。微細貫通孔の直径は0.3mm以下が望ましい。また接触部160の表面の少なくとも一部は撥水性を有し、例えばフッ素系の合成樹脂によりコーティングされていることが好ましい。このような構成にすることで、微細貫通孔を通じて接触部160から保持部170の水が外部に漏れ出しにくい。
保持部170は、合成樹脂製であることが望ましい。また保持部170は満水状態を維持されることが好ましい。保持部170には水を供給するために水供給口130が配設される。
接触部160には、水190が、常に直接接触することが望ましい。
保持部170の下部には接触部160と対向する位置に送電用のコイル180が配設される。コイル180は導線(図示省略)によりインバータ(図示省略)へ接続され、例えば20~90キロヘルツの交流電流が印加される。
次に、上記した加湿装置50の動作を説明する。
送気ガス入口140から流入した送気ガスは、加湿室125において接触部160から出る水蒸気を含んで加湿され、送気ガス出口150から呼吸回路70(図1参照)へと導かれる。
図3(A)は、加湿装置50における保持部170、接触部160、及び、コイル180の断面図である。接触部160は金属部162であり、金属部162にはコイル180からの磁場の変動による電磁誘導で渦電流が発生し、金属部162が持つ電気抵抗により金属部162そのものが加熱される。すなわち加熱部155は、金属部162と、コイル180と、コイル180に交流電流を印加する電源、インバータ(図示省略)を備える。
言い換えると、加湿装置50の加熱部155は、誘導加熱の原理を用いることで、保持部170内に保持され、162に接触する水190を加熱する。
なお金属部162と送電用のコイル180の距離は1cm以下であることが好ましい。
図3(B)は、加熱部155の加熱原理を説明する説明図である。金属部162は、この場合、網状である。インバータから交流電流がコイル180に印加され、磁力線Mがコイルの面に対して垂直に発生する。磁場の大きさが交流電流の変動により変動し、金属部162に渦電流Eを生じる。そして金属部162が持つ電気抵抗により金属部162そのものが加熱される。
図4(A)には、本発明の第二実施形態に係る加湿装置における保持部170、接触部160、及び、コイル180の断面図を示す。本実施形態においては、接触部160は、網状の金属部162と、水漏れ防止部164を有する。水漏れ防止部164の材質は、例えば和紙やシリコーンスポンジであり、汚れたら交換可能であることが好ましい。コイル180により誘導加熱された金属部162が、水190を加熱蒸発し、水漏れ防止部164を介して送気ガスを加湿する。なお水漏れ防止部164は、水蒸気を通過させ且つ液体状態の水を通さない、例えばゴアテックス(登録商標)のような布であってもよく、金属部162は布に蒸着された金属膜であってもよい。
図4(B)には、本発明の第三実施形態に係る加湿装置における保持部170、接触部160の断面図である。本実施形態において、接触部160は水蒸気を通過させる性質を持つ多孔質部166とヒーター部168を有する。ヒーター部168は、例えば電気抵抗体であり、電流を電源(図示省略)から印加することで水190を加熱する。そして発生した水蒸気は多孔質部166を通じて送気ガスを加湿する。
なお、いずれの実施形態においても、例えば接触部160近傍に温度測定をおこなう検出器を配置して、水切れ時に温度が上昇した際に、制御部10によってコイル180への電流印加を止める危険防止制御をおこなうことが好ましい。
図4(C)は、本発明の第四実施形態に係る加湿装置50の説明図である。加湿装置50自体の構成は図2と同様であるが、加湿装置50への水供給を、導管210を通じて水供給バッグ200でおこなう。このとき水供給バッグ200は伸縮性があり、常に保持部170の内部には圧力がかかり、水が接触部160に直接接触していることが好ましい。
本発明の実施形態に係る加湿装置50によれば、加湿装置50が液体状態の水190を通過させず、且つ、水蒸気を通過可能な接触部160を有することで、保持部170が保持する水190を外部に漏らしにくく、加湿が可能な機構を可能にするという優れた効果を奏する。
本発明の実施形態に係る加湿装置50によれば、接触部160が水蒸気を通過可能な複数の貫通孔を有することで、保持部170が保持する水190を外部に漏らしにくく、加湿が可能な加湿装置50を実現できるという優れた効果を奏する。
本発明の実施形態に係る加湿装置50によれば、加熱蒸発させる水を保持する保持部170の一部分が、接触部160であるため、保持部170とから生じる水蒸気を、接触部160を介して送気ガスに付加することができるという優れた効果を奏する。
温められた水は軽くなり鉛直方向上向きに移動する傾向がある。本発明の実施形態に係る加湿装置50によれば、水蒸気を生じ得る温かい水が接触部160の近傍に存在することになるので、効率よく送気ガスを加湿することが可能になるという優れた効果を奏する。
本発明の実施形態に係る加湿装置50によれば、水蒸気を通過させる接触部160が薄いプレートなので、低背化が可能であり在宅医療でも用いやすい小型の加湿装置50が実現できるという優れた効果を奏する。
本発明の実施形態に係る加湿装置50によれば、水蒸気を通過させる接触部160が網構造を有するので、軽量化、低背化が可能であり在宅医療でも用いやすい小型軽量の加湿装置50が実現できるという優れた効果を奏する。
本発明の実施形態に係る加湿装置50によれば、接触部160の少なくとも一部の表面が撥水性を有するので、保持部170に保持される水190が、外部に漏れにくくなり安全性が高まるという優れた効果を奏する。
本発明の実施形態に係る加湿装置50によれば、保持部170に保持される水190に接触する接触部160が有する金属部162が加熱されるので、水蒸気を通過させる接触部160の近傍の水を加熱することが可能になり、エネルギー効率よく加湿が可能になるという優れた効果を奏する。
本発明の実施形態に係る加湿装置50によれば、加熱部155が渦電流により加熱される金属部162と、金属部162に送電するコイル180を有するので、加熱部155を自由な位置に配置でき、また加熱のためのエネルギー効率も良いという優れた効果を奏する。
電磁誘導は、送電側と受電側の距離が離れると、磁界の変化によるエネルギー伝達効率が距離の三乗に反比例して減少してしまう。本発明の実施形態に係る加湿装置50によれば、送電側コイル180と、受電側の金属部162の距離が1cm以下と小さいので効率の良い電力伝送が可能であるという優れた効果を奏する。
本発明の実施形態に係る人工呼吸システム1によれば、加湿装置50が液体状態の水を通過させず、且つ、水蒸気を通過可能な接触部160を有することで、保持部170が保持する水170を外部に漏らしにくく、効率良く送気ガスを加湿することが可能な人工呼吸システム1を実現できるという優れた効果を奏する。
尚、本発明の加湿装置、及び、人工呼吸システムは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば変形実施例としては、コイル部180を、保持部170の下部ではなく、加湿室125側に設けてやることも考えられる。また保持部170全体が、接触部160であるバッグのような形状である態様も考えられる。コイル180も複数あってよく、また保持部170がヒダのような折りたたまれた形状を有して、その間を送気ガスが通過する際に加湿されるといった態様も考えられる。この場合、接触部160が大きな表面積を持つことで、効率の良い加湿が可能になるという効果を奏する。
また他の変形実施例としては、磁性体のヒステリシス損による加熱を利用する方法もある。図5は、本発明の変形実施例に係る加湿装置50の説明図である。加湿装置50は、交流電源195と、送電用のコイル180と、水190を保持する保持部170と、保持部170から水190を吸い上げる細径の磁性体パイプである金属部162を備える。金属部162の軸はコイルの軸方向と略一致していることが好ましい。金属部162は、コイル180が作る磁力線の向きの変化に応じて、軸方向にヒステリシス損失(ヒステリシス損)が発生して加熱され、磁性体パイプである金属部162の中にある水190を水蒸気197にする。発生する水蒸気197は、パイプである金属部162における保持部170とは逆側の端部から放出され、送気ガスを加湿する。金属部162は毛細管現象により水190を吸い上げられる程度の内径を持つことが望ましい。また金属部162の材料は、残留磁束が大きく,保磁力の小さい強磁性体、例えばフェライト等が望ましい。
本発明の実施形態に係る加湿装置50によれば、磁力線に沿った方向に発生するヒステリシス損により、金属部162を加熱することができるので、金属部162は平面である必要がなく、磁性体のパイプを送電用のコイル180発生する磁力線に沿って配置し、毛細管現象で水を吸い上げることだけで加湿装置50が構成できるという極めて優れた効果を奏する。
1 人工呼吸システム
5 本体
10 制御部
20 流量センサ
30 吸入口
40 ブロワ
50 加湿装置
70 呼吸回路
100 使用者
110 マスク
120 筐体
125 加湿室
130 水供給口
140 送気ガス入口
150 送気ガス出口
155 加熱部
160 接触部
162 金属部
164 水漏れ防止部
166 多孔質部
168 ヒーター部
170 保持部
180 コイル
190 水
195 交流電源
197 水蒸気
200 水供給バッグ
210 導管
300 加湿装置
325 加湿室
340 送気ガス入口
350 送気ガス出口
360 筐体
370 熱伝導部
380 ヒーター部
390 水
M 磁力線M
E 渦電流E

Claims (4)

  1. 液体状態の水を保持する樹脂製の保持部と、
    水蒸気が通過可能な複数の貫通孔を有するプレート状又は網状の金属製の部材であって自身の底面側が前記水の上面に接触するように配置されると共に、自身の上面側が外部に露出された金属部
    前記保持部を誘導加熱することなく、前記金属部を誘導加熱する加熱部と、
    を備え、
    前記加熱部により、前記金属部を誘導加熱することで、前記金属部と接触する水を水蒸気に変化させて、該水蒸気を自身の前記貫通孔を介して前記金属部の上面から放出することを特徴とする加湿装置。
  2. 前記加熱部は、電磁誘導により前記金属部に渦電流又はヒステリシス損を生じさせる送電用のコイルを備えることを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
  3. 請求項1または請求項2のうちのいずれか一項に記載の加湿装置を備えた人工呼吸システム。
  4. 人工呼吸システムにおける、使用者の気道に送気ガスを導く呼吸回路の途中に配置される加湿装置であって、
    前記呼吸回路内の前記送気ガスと接触する場所に配置され、加湿用の水を保持する保持部から前記水が供給されと共に、磁性体によってパイプ形状に構成される金属部と、
    前記水から離反する場所において前記金属部の前記パイプ形状と同軸状に配置され、電磁誘導により前記金属部に渦電流又はヒステリシス損を生じさせる送電用のコイルと、
    を備え、
    前記金属部の少なくとも一部は、前記送気ガス側に露出された状態となっており、
    前記コイルにより、前記金属部を誘導加熱することで、前記金属部の周面接触する水を水蒸気に変化させて、前記周面から放出される前記水蒸気によって前記送気ガスを加湿することを特徴とする、
    人工呼吸システム用の加湿装置。
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