以下に添付図面を参照して、本実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面では、実質的に同一の機能を有する構成要素は、原則として同一の符号で表す。そして、これらの構成要素についての重複説明は、適宜省略する。
<本発明の一実施形態にかかる印刷システムの概略構成>
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態にかかる印刷処理プログラムが実行される印刷システムの概略構成について説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形態にかかる印刷処理プログラムが実行される印刷システムを示す図である。
図1に示すように、本実施形態にかかる印刷処理プログラムが実行される印刷システムは、印刷装置1と、操作端末X1を有する。なお、図1では、開閉カバー5が閉じた印刷装置1の外観を斜視図で示しており、図2では、ロールシートホルダ3が装着された印刷装置1の開閉カバー5が開いた状態を斜視図で示している。
印刷装置1は、搬送される被印字媒体に対して印字解像度に区分してなる各印字ライン上にドットをそれぞれ形成する、複数の発熱素子を備えたサーマルラインヘッドと、印字データに応じて、前記複数の発熱素子の駆動を選択的に制御する通電手段と、を有する。
操作端末X1は、印刷装置1を操作するための端末であり、汎用又は専用のコンピュータにプログラムを実行させることにより、本発明の一実施形態にかかる手順を実現する。その結果、操作端末X1は、印字データを印刷装置1に送信し、印刷装置1に印字データを印字させる。そのために、操作端末X1は、演算手段X2を有する。
演算手段X2は、CPU(Central Processing Unit)と、HDD(Hard Disk Drive)・ROM(Read Only Memory)・RAM(Random Access Memory)等の記録装置と、LAN(Local Area Network)・インターネット等のネットワークに接続された通信装置と、マウス・キーボード等の入力装置と、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、各種のCD(Compact Disc)・MO(Magneto Optical)ディスク・DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体等を読み書きするドライブと、モニタなどの表示装置・スピーカやヘッドホンなどの音声出力装置などの出力装置等と、を有してもよい。そして、この演算手段X2は、記録装置・リムーバブル記憶媒体に記録されたプログラム、又はネットワークを介して取得したプログラムを実行することにより、本発明の一実施形態にかかる一連の手順を実行してもよい。この際、記録装置には、例えば、ユーザがワードプロセッサ等の各種アプリケーションを用いて作成したテキスト文書(区点コード)等を含む印字データを格納するテキストメモリ領域、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンを格納する印字バッファ領域、各種演算データを格納するパラメータ記憶領域等が設けられている。
なお、演算手段X2は、本発明の一実施形態にかかる印刷処理プログラムにより、一連の手順として、電圧取得手順及び第1しきい値設定手順、及び/又は、機種取得手順及び第2しきい値設定手順と、ラベリング手順と、ドット群特定手順と、濃度低下処理手順とを実行する。ここでは、本発明の一実施形態の理解を容易にするために、まず本印刷システムが有する印刷装置1の一例について詳しく説明することとし、これらの手順については詳しく後述する。
<印刷装置の概略構造>
ここでは印刷装置1の例として、サーマル印字方式の印字ラベル作成装置(「サーマルラベルプリンタ」とも言う。)について説明する。ただし、ここで説明する印刷装置1は、あくまで本発明の一実施形態にかかる印刷処理プログラムが実行されることにより操作される印刷装置の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
図1及び図2に示すように、印刷装置1は、印刷装置1の外郭の一部を構成する樹脂製の筐体2を備える。筐体2は、所定幅のロールシート3A(被印字媒体に相当)が巻回されたロールシートホルダ3を収納するロールシートホルダ収納部4を備える。シートホルダ収納部4の上側は、後部側左右一対のヒンジ部60を介して開閉自在に取り付けられた透明樹脂製の開閉カバー5によって開閉可能となっている。
ロールシート3Aは、長さ方向に複数のページを備えた長尺状のシート等で構成され、ロールシートホルダ3に巻回されている。ロールシート3Aは、特にこの例では、剥離紙3a(後述の図4参照)の一方側の面に、予め所定の大きさにそれぞれ分離され自己発色性を有する感熱層3cを備えた複数のラベル台紙Sを、長さ方向に互いに離間させつつ連続的に配列した、いわゆるダイカットテープである(後述の図4参照)。
開閉カバー5は、回動可能となるようにヒンジ部60を介して筐体2に支持され、当該回動によりロールシートホルダ収納部4上方の開口部OPを開閉する。
また、開閉カバー5の前側のフロントカバー6には、印刷処理(印字処理)が実施(以下、単に「印刷」とも言う。)されたロールシート3Aを外部に排出するシート排出口6Aが形成されている。また、このシート排出口6Aの上側の前面部には電源ボタン7A、押下することによってシート排出口6Aの内側に設けられたカッターユニット80(後述の図3参照)を駆動させてロールシート3Aを切断し印字ラベル(図示せず)を生成するカットボタン7B、押下している間ロールシート3Aを搬送方向に排出するフィードボタン7C、その他の制御ボタン7Dの合計4個のボタンが略水平に配置されている(以下適宜、これらを単に「操作部7」と言う。)。さらに、フロントカバー6における電源ボタン7Aと制御ボタン7Dそれぞれの近傍には、例えばLEDからなる表示部8が配置されている。
また、筐体2の背面部には外部電源装置に接続されるACアダプタ207(後述の図4参照)からの電源コード9(後述の図4参照)が接続されるインレット10が配設されると共に、その横側には操作端末X1としてのコンピュータ等が接続されるUSBコネクタ11が設けられている。なお、操作端末X1との通信として、USBコネクタ11に変えて、他の有線(メモリカード等のダイレクト挿入を含む)又は無線通信によって印字データの送受信が可能なものであれば、その形態は限定されるものではない。
<ロールシートホルダ収納部の詳細>
ロールシートホルダ収納部4の底面部には、例えば、プッシュ式のマイクロスイッチ等から構成されて、ロールシート3Aの種別、材質、ロールシート幅等を判別するための複数個のシート判別センサ(図示せず)が設けられている。この各シート判別センサは、プランジャーとマイクロスイッチ等から構成される公知の機械式スイッチをからなり、そのオン・オフ信号によりロールシートホルダ3に装着されたロールシート3Aの種別、材質、ロールシート幅等を検出する。
<サーマルラインヘッド・カッターユニット等の内部機器>
図3は、ロールシートホルダを印刷装置に装着した状態を示す側断面図である。
図3に示すように、開口部OPのロールシート搬送方向奥側には、プラテンローラ35(搬送手段に相当)が回転自在に軸支されている。また、サーマルラインヘッド32(印字手段に相当)が、押圧バネ36によって上方に付勢されているヘッド支持部材37の上面に固定されている。
また、プラテンローラ35及びサーマルラインヘッド32から、ロールシート3Aの搬送方向下流側(図3中左側)には、カッターユニット80が設けられている。このカッターユニット80は、図3に示すように、固定刃80Aと可動刃80Bとを有している。前述したカットボタン7Bが押下された場合には、可動刃80BがDCモータ等で構成される切断用モータ80Cにより上下方向に往復移動される。これにより、サーマルラインヘッド32による印字がなされた後のロールシート3Aが固定刃80Aと可動刃80Bとによって所望の長さに切断されて印字ラベルが生成され、シート排出口6Aから排出される。
一方、ロールシートホルダ収納部4の下側には、制御基板(電源基板等を含む)40、後述の電池BTを収納する電池収納部(図示省略)等が設けられている。制御基板40には、外部の操作端末X1等からの指令によりサーマルラインヘッド32等の各機構部を駆動制御する制御回路210(後述の図4参照)が配置されると共に、上記シート判別センサが電気的に接続されている。制御基板40は、例えば、電源回路211A、通信回路211B(後述の図4参照)等が配置されている。
<印刷装置の制御系>
次に、印刷装置1の制御系を図4を用いて説明する。図4は、印刷装置の制御系を表す機能ブロック図である。
図4において、印刷装置1には、ロールシート3Aをシート排出口6Aへと搬送し送出するプラテンローラ35と、プラテンローラ35を駆動するプラテンローラ用モータ208(駆動手段に相当)を制御するプラテンローラ駆動回路209と、サーマルラインヘッド32の複数の発熱素子に対して選択的に通電制御を行う印刷駆動回路205(通電手段に相当)と、カッターユニット80を駆動する切断用モータ80Cを制御する切断駆動回路206と、印刷駆動回路205、プラテンローラ駆動回路209、切断駆動回路206、等を介し、印刷装置1の全体動作を制御するための制御回路210と、が設けられている。
制御回路210は、いわゆるマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラム(アプリケーション)に従って信号処理を行う。また、制御回路210は、表示部8、操作部7、及び通信回路211Bに接続されている。制御回路210は、通信回路211Bを介し適宜の通信回線に接続されることで、この通信回線に接続された操作端末X1、ルートサーバ、他の端末、汎用コンピュータ、及び情報サーバ等との間で情報のやりとりが可能となっている。
なお、RAMには、例えば、テキストメモリ領域、印字バッファ領域、パラメータ記憶領域等が設けられている。テキストメモリ領域には、操作端末X1から送信された印字データが格納される。印字バッファ領域には、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンがドットパターンデータ(印字データ)として格納され、サーマルラインヘッド23はこの印字バッファに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字(印刷処理)を実施する。パラメータ記憶領域には、各種演算データが記憶される。
また、制御回路210は、電源回路211Aに接続されている。この電源回路211Aは、外部電源装置に接続されるACアダプタ207に接続され、印刷装置1の電源のオン・オフ処理を行う。またこのとき、制御回路210には、上記電池収納部に収納された電池BT(例えばリチウムイオン充電池)に接続され、電池BTの出力電圧値を測定(検出)するためのA/D入力回路219が設けられている。これにより、プラテンローラ駆動回路209、印刷駆動回路205、切断駆動回路206は、ACアダプタ207を介した外部電源による給電又は電池BTによる給電のいずれかが選択的に実行可能となっている。
なお、この例では、上記電池収納部に電池BTが収納された状態で、電源コード9及びACアダプタ207により外部電源に接続された場合は公知の手法により自動的に外部電源による給電が選択され、外部電源への接続が解消された(電源コード9やACアダプタ207が抜かれた等)場合には公知の手法により自動的に電池BTによる給電となる。
一方、図4に示すように、ロールシートホルダ3に巻回されたロールシート3Aは、前述したように、各ラベル台紙Sの感熱層3c側が、サーマルラインヘッド32により印字Rが形成される印字領域となっている。このとき、各ラベル台紙Sの感熱層3c側には、印字形成後の各ラベル台紙Sを剥離紙3aから引き剥がすための略矩形状のハーフカットラインHCが形成されている。すなわち、ハーフカットラインHCに囲まれた各ラベル台紙Sに、印字データに基づく所望の印字Rが印刷される。印刷後は、ハーフカットラインHCを介してラベル台紙Sが剥離紙3aから剥離され、各ラベル台紙Sの裏面の粘着剤層によって被着体に接着される。
この例では、剥離紙3aの(感熱層3cとは反対側の)表面に、各ラベル台紙Sにそれぞれ対応した複数のマークMが形成されている。このマークMは、光学センサ110によって検出され、この検出結果を利用してラベル台紙Sの搬送時の位置決めが行われる。なお、本実施形態では、上記印刷時において、プラテンローラ駆動回路209を介した制御回路210のCPUの制御により、プラテンローラ用モータ208は、複数ページのラベル台紙Sに対する印刷を途中停止することなく行う(ノンストップ印刷)。また、マークMに代えて、ラベル台紙Sの端面を構成するハーフカットラインHCでのエッジを検出するようにしてもよい。上記のようにして印字Rが形成されたロールシート3Aは前述のようにカットボタン7Bが操作されることでカッターユニット80にて切断され、印字ラベルが生成される。
<サーマルラインヘッドの通電制御>
ここで、印刷駆動回路205によるサーマルラインヘッド32の通電制御について詳細に説明する。サーマルラインヘッド32は、搬送方向と直交する方向に配列された上記複数の発熱素子(図示省略)を備えている。それら複数の発熱素子は、ロールシート3Aの各印字ライン上に上記印字データに対応したドットを形成することにより、印字Rを形成する。
具体的には、制御回路210のCPUが、操作部7を介したユーザ(操作者)の操作により取得された例えば文字列情報から、発熱素子でドットを形成するための上記印字データを生成する。すなわち、CPUは入力された文字列とROM内のCG-ROM(図示せず)等に予め格納されていたドットパターンとに基づいて、印刷対象とする印字データ(ドット単位のデータで構成されたイメージデータ)を生成し、更にその印字データを、サーマルラインヘッド32に列設された上記発熱素子で印刷される1ライン単位に分割する。例えば、印刷解像度が360dpiに設定されている場合には1インチ当たり360ラインに分割したライン印字データが生成される。なお、本発明の一実施形態では、印刷処理プログラムが操作端末X1で実行され、印字データが生成される。したがって、制御回路210は、印字データを通信回路211Bを介して取得し、ライン印字データを生成する。
そして、印刷駆動回路205が、CPUからの上記ライン印字データに基づき、サーマルラインヘッド32に駆動信号を供給し、サーマルラインヘッド32の駆動態様を制御する。すなわち、印刷駆動回路205は、発熱素子毎に対応付けられたデータレジスタに上記ライン印字データを書き込んだ後、ストローブ信号に基づいて、各発熱素子の通電の時間と周期を制御することで、サーマルラインヘッド32の1ライン単位での各発熱素子の発熱態様をオン・オフ制御する。なお、以下の説明において、発熱素子が通電されている状態を「オンドット」、発熱素子が通電されていない状態を「オフドット」とも言う。
ここで、サーマルラインヘッド32への通電により、ロールシート3Aの各印字ライン上にドットが形成される過程について詳述する。ここで印字ラインとは、一列の発熱素子に一印刷周期の通電がなされることによりロールシート3Aの幅方向に一列のドットが形成されるラインであり、ロールシート3Aの搬送方向の単位長さを解像度により分割した間隔ごとにある。また、一印刷周期とは、ロールシート3Aの幅方向(以下、「ラスター方向」とも言う。)に一列のドットを形成するために必要な時間である。なお、一印刷周期の長さは解像度とテープ103等の搬送速度により変わる。例えば、360dpi、40mm/sでの印刷時の一印刷周期は、360dpiでの印字ライン間(例えば約0.07mm)を40mm/sで通過するのに必要な時間(例えば約1.8ms)である。
したがって、ロールシート3Aの幅方向に1列のドットを形成するに当たり、サーマルラインヘッド32にはCPUが生成した1印字ライン分のライン印字データが転送され、転送された1印字ライン分のライン印字データに基づいて、対応する発熱素子が通電される。1印字ライン分のライン印字データとは、一列の発熱素子に一印刷周期の通電がなされることによりロールシート3Aの幅方向に一列のドットが形成されるための印字データである。よって1印字ライン分のライン印字データに基づいて通電された発熱素子は感熱層3cを発色させるのに必要な発色温度まで発熱する。その結果、感熱層3cのうちサーマルラインヘッド32と接触する箇所が発熱素子の加熱により発色し、1印字ライン分のドットがロールシート3A上において形成される。そして、ロールシート3Aを予め定められた所定の搬送速度で搬送しつつ、上記加熱発色の処理を1印字ラインずつ繰り返し実行する。サーマルラインヘッド32に配列された多数の発熱素子はその都度、CPUから転送される各印字ライン分の印字データに基づいて選択的かつ間欠的に通電される。その結果、ロールシート3Aには、上述した、操作部7を介したユーザの操作に対応した、ユーザが所望するドット画像(テキスト文字など)が印字Rとして形成される。
上記のようにして、ロールシート3Aが搬送されて発熱素子の位置をロールシート3Aの印字ラインが順次通過していくのに対応して、発熱素子の通電態様がライン印字データごとに順次切り替えられる。これにより、サーマルラインヘッド32は、ロールシート3Aの搬送速度に合わせた印刷周期(言いかえれば印刷速度)で、印刷を行うことができる。
上記ドットパターンデータの印字が終了したら、ロールシート3Aの搬送が停止され、切断用モータ80Cが切断駆動回路206を介して駆動されることでカッターユニット80によりロールシート3Aの切断が行われ、印字ラベルが生成される。
<印字パラメータ>
本実施形態の印刷装置1においては、各印字ライン上に、印字手段の発熱素子によりドットが形成されることで、所望の画像の印刷が行われる。そのドット形成時に使用される印字パラメータ(例えば印刷速度や、上記発熱素子の通電時間等)は、制御回路210のCPUによって算出される。
ここで、印刷装置1は、前述したように、電池収納部に収納された電池BTによる通電状態(第1通電状態)、及び、ACアダプタ207を介した外部電源による通電状態(第2通電状態)、のいずれにおいても動作可能である。印字パラメータは、電池BTによる第1通電状態用と上記外部電源による第2通電状態用とで大きく値が異なる。図5は、印刷装置1による印刷処理を表す説明図であり、複数の印字ラベルを作成する際のラベル作成挙動を表す説明図である。図5(a)、図5(b)は、連続的にロールシート3Aの複数のラベル台紙Sに同一の印字オブジェクト(印字R)が形成される場合を示したものである。すなわちこの場合、幅方向であるラスター方向と直交する直交方向である長さ方向に搬送(白矢印参照)されるロールシート3Aにおいて、サーマルラインヘッド32によって、図5(a)に示すように1番目(すなわち1ページ目。以下同様)のラベル台紙S1に対し印字Rが形成される。その後さらに、図5(b)に示すように、2番目(2ページ目)のラベル台紙S2、3番目(3ページ目)のラベル台紙S3、・・に対しても同一の印字Rが形成される。
<黒割合と消費電力及びバンディング>
次に、図6を参照しつつ、印字率が比較的小さいテキスト文字「III」の印字Rが印字形成されて印字ラベルLが作成される場合の、消費電力量の変動挙動の一例について説明する。図6は、印刷装置による印刷処理を表す説明図である。
図6に示すように、前余白((図6(b)中(ア)~(イ)の区間)、1番目と2番目のアルファベット「I」と「I」との間の文字間余白(図6(b)中(ウ)~(エ)の区間)、2番目と3番目のアルファベット「I」と「I」との間の文字間余白(図6(b)中(オ)~(カ)の区間)、及び、後余白(図6(b)中の(キ)~(ク)の区間)では、上記搬送による消費電力量のみが生じる。
また、1番目のアルファベット「I」((図6(b)中の(イ)~(ウ)の区間)、2番目のアルファベット「I」((図6(b)中の(エ)~(オ)の区間)、3番目のアルファベット「I」((図6(b)中の(エ)~(オ)の区間)では、印字による消費電力量が生じる。
アルファベット「I」は、図6に示すとおり、ラスター方向にしめる黒塗りの割合が比較的多い。したがって、サーマルラインヘッド32は、1印字ラインを形成する際のオンドット数の割合(つまり、黒割合。搬送方向の単位長さを解像度により分割した間隔における印字率に相当。)が高くなり、当該アルファベット「I」を印字している際の消費電力は、他の印字を行っている際の消費電力の平均値よりも急増することになる。このような消費電力の急増は、電池BTによる第1通電状態では、駆動時間の低下を招く。外部電源による第2通電状態であっても、瞬間最大消費電力が許容量の上限を超えてしまうことがある。そこで、瞬間最大消費電力を抑えるために、オンドット数の割合が高い印字ライン(このようなラインを「全黒ライン(一定割合以上の黒画素のあるライン)」)を印字する際に、搬送速度(つまり印刷速度)を落とすことも考えられる。搬送速度の低下としては、例えば、「速度優先モード」であれば、上記の容易、オンドット数の割合が高い印字ラインを印字する際は搬送速度を低下させ、それ以外を印字する際は搬送速度を低下させない印刷を行い、「品質優先モード」であれば、印字R全域に渡って搬送速度を低下させた印刷を行う。
このようにオンドット数の割合に応じて搬送速度を低下させた場合には、品質優先モードであれば印刷時間が長くなる一方、速度優先モードであれば印刷時間の長さはある程度抑えられるが、図7に示すように、搬送方向の濃度ムラである「バンディング」が発生して、印刷ムラが生じ印字結果の美観を損なうことがある。
そこで、本発明の一実施形態にかかる印刷処理プログラムでは、電力負担が重い黒ベタ領域のみ、印刷を薄くすることで、印刷速度を遅くする必要をなくし、印字R全部にわたって均一な速度で印刷を行うことができる。したがって、このような濃度ムラ(印字ムラ)を抑えて、印刷結果の美観を維持しつつ、印刷速度をも維持することを可能にすることができる。そのための本実施形態の要部は、上記の基本構成において、操作端末X1に備えられた演算手段X2に、印字データの生成のために各種手順を実行させるプログラムである。以下、その詳細を順を追って説明する。
<本発明の一実施形態にかかる印刷処理プログラムによる印刷処理>
図8~図11を参照して、本発明の一実施形態にかかる印刷処理プログラムによる印刷処理について説明する。図8は、本発明の一実施形態にかかる印刷処理プログラムによる印刷処理を表すフローチャートである。図9A~図9C、図10~図12は、本発明の一実施形態にかかる印刷処理プログラムによる印刷処理について説明するための説明図である。
図8示すように、演算手段X2は、本発明の一実施形態にかかる印刷処理プログラムにより、一連の手順として、ドットパターン生成手順S10と、電池電圧取得手順S20と、しきい値設定手順S30と、ライン特定手順S40と、ラベリング手順S50と、ドット群特定手順S60と、濃度低下処理手順S70と、を実行する。
ドットパターン生成手順S10では、操作端末X1の演算手段X2により、印字データに対応した、印字形成するオンドットと印字形成しないオフドットとを含む2値化ドットパターンが生成される。図9Aに、印字ラベルの印字データの例を図示し、図10に、印字領域をX25/Y25サイズの2値画像として簡略化した2値化ドットパターンを図示する。図9Aに示す印字データは、図10に示すように、印字解像度に区分してなる各印字ライン上にドットとして表される。なお、図10では、黒ドット及び灰色ドット(後述する)が、オンドットであり、白ドットがオフドットを表す。ドットパターン生成手順S10の処理後は、電池電圧取得手順S20が処理される。
電池電圧取得手順S20では、演算手段X2により、印刷装置1に装着された電池BTの実電圧値が取得される。続いて、しきい値設定手順S30(第1しきい値設定手順に相当)が処理され、このしきい値設定手順S30では、演算手段X2により、電圧取得手順S20で取得した実電圧値に応じて、しきい値が可変に設定される。このしきい値の設定方法は、様々な態様が考えられるが、例えば、実電圧値が比較的高ければ(電池BTの残充電量が十分にある場合)、しきい値を比較的高く設定し、実電圧値が比較的低ければ(電池BTの残充電量が少ない場合)、しきい値を比較的低く設定することも可能である。そして、ライン特定手順S40に進む。
ライン特定手順S40では、演算手段X2により、ドットパターン生成手順S10で生成した2値化ドットパターンにおいて、各印字ラインごとに、オンドット数/(オンドット数+オフドット数)で表されるオンドット比率若しくはオンドット数が、しきい値設定手順S30で設定されたしきい値以上であるか否かを判定し、しきい値以上となる印字ラインを特定する。このしきい値は、印字ラインにおけるオンドット数又はその割合(総称して「黒率」とも言う。)の許容値を表すため、黒率許容値ともいい、ここでは、実電圧値に応じて、例えば、70%に設定される。図10を参照して、このライン特定手順S40の処理をより具体的に説明する。図10において、上下方向が搬送方向に相当し、左右方向がラスター方向に相当する。つまり、印字ラインとしてX座標0~24の25ドットある。そして、Y座標9の印字ラインは、25ドット中、オンドットが25となり、オンドット比率は100%となり、Y座標21の印字ラインも、25ドット中、オンドットが18となり、オンドット比率は72%となる。したがって、Y座標9,21の印字ラインは、ライン特定手順S40において、しきい値以上になるラインとして特定される。同様に、図10では、Y座標9,21に加えて、Y座標19,22,23が、しきい値以上になるラインとして特定される。このようにライン特定手順S40が処理されることにより、図9Aに示した印字データは、図9Bに示すように、印字ラインが特定される。ライン特定S40の処理後は、ラベリング手順S50が処理される。
ラベリング手順S50では、演算手段X2により、ドットパターン生成手順S10で生成した2値化ドットパターンに対し、互いに隣接するオンドットどうしが、1つのドット群としつつ、複数のドット群に分けて識別される。図10に、このラベリング手順S50で、複数のドット群に分けて識別した場合の2値化ドットパターンを示している。図10では、2値化ドットパターンが、アルファベットa~mまでの13個のドット群に分けて識別されている。例えば、アルファベットbをみると、(X座標,Y座標)のセットにおいて、(8,3)のドットは、(9,3)、(8,4)のドットとラスター方向又は搬送方向に1ドットずれて相互に隣接している。更に、(8,3)のドットは、(9,4)のドットとは、斜め45度に1ドットずれて相互に隣接している。したがって、これらは同一のドット群として識別され、同一のラベルbが付されている。更にラベルbのドット群には、同様に、(9,5)、(10,6)及び(11,7)のドットが含まれる。同様にして、図10の例では、アルファベットa~mまでの13個のドット群に分けて識別される。このラベリング手順S50の処理後は、ドット群特定手順S60が処理される。
ドット群特定手順S60では、演算手段X2により、ラベリング手順S50で識別した複数のドット群(孤立ドット群ともいう)のうち、ライン特定手順S40で特定された印字ラインを含む第1ドット群が特定される。第1ドット群以外のドット群を、第2ドット群と呼ぶ。図10の例では、ライン特定手順S40において、Y座標9,19,21,22,23が、しきい値以上になるラインとして特定されていた。したがって、このドット群特定手順S60では、複数のドット群a~mにおいて、Y座標9,19,21,22,23を含むドット群d,e,g,h,i,j,k,l,mが、第1ドット群として特定される。したがって、図9Bに示す印字ラインが特定された印字データでは、図9Cに示すように、灰色部分が第1ドット群として特定される。このドット群特定手順S60の処理後は、濃度低下処理手順S70が処理される。
濃度低下処理手順S70では、演算手段X2により、ドット群特定手順S60で特定した第1ドット群(図10における灰色ドット群)に含まれるオンドットの印字形成時における濃度を、第1ドット群以外の第2ドット群(図10における黒色ドット群)に含まれるオンドットの印字形成時における濃度よりも低くする、所定の濃度低下処理が行われる。
所定の濃度低下処理手順S70としては、様々な方法が使用可能である。本実施形態においては、濃度低下処理手順S70として、例えば、所定の間引き率でオンドットを間引くマスキング処理が行われる。図11には、2値画像を50%マスクで濃度を半減するマスキング処理の例を示している。例えば、ここでは、図11(a)に示す2値化ドットパターン(「F」の文字)が、上記一連の処理により、第1ドット群と特定されている場合について説明する。この場合、濃度低下処理手順S70では、図11(b)に示すマスクが使用される。マスキングとして、図11(b)では、間引き率50%のマスクを示している。濃度低下処理手順S70では、演算手段X2が、図11(a)の2値化ドットパターンのオンドットと、図11(b)のマスクのオンドットとのand処理を行い、図11(c)のような2値化ドットパターンを生成する。このような処理をディザ処理とも言う。ディザ処理後の2値化ドットパターンは、濃度が半減しているが、実際には例えば300dpi等の解像度の画像が形成されるため、視覚的には灰色に見えることになる。なお、この濃度低下処理手順S70で行われる処理は、この例に限定されるものではなく、様々な方法が使用可能である。
このような濃度低下処理手順S70が処理されることにより、図9Aの印字データは、図9Cに示すように、黒率が高い印字ラインと、その印字ラインに含まれるドット群とに、濃度低下処理が施される。ここで、例えば、図10(a)に示すように、印字データが、枠線とその枠線内に配置されるオブジェクト(文字A,B,C,D,E,F)とを形成するための印字データである場合について説明する。この場合、ドットパターン生成手順S10では、上記印字データに対応した、2値化ドットパターンが生成され、ドット群特定手順S60では、枠線を構成する第1ドット群が特定され、濃度低下処理手順S70では、枠線を構成する第1ドット群に含まれるオンドットに対して、濃度低下処理が行われる。したがって、図10(b)に示すように、印字データにおいて、第1ドット群として特定される枠線のみ濃度低下処理が施され、第2ドット群にあたるオブジェクト(文字A,B,C,D,E,F)には濃度低下処理が施されないことにある。
この濃度低下処理手順S70の処理後は、一連の処理が施された印字データが、印刷装置1に送信され、印刷装置1で通常の印刷がなされる。この際、印刷装置1では、黒率が高い印字ラインに濃度低下処理が施されているため、瞬間最大消費電力を低減させることができるため、この瞬間最大消費電力を抑えるために、搬送速度を低減させる必要がなく、通常の速度で搬送し印刷することが可能である。
<本発明の一実施形態のまとめ>
以上、本発明の一実施形態にかかる印刷処理プログラムについて説明した。上述のように、上記一実施形態においては、搬送手段により搬送される被印字媒体に対し、搬送方向に直交する直交方向に配設されたサーマルラインヘッド32によって印字データに基づく印字が行われる。詳細には、印字データに対応したドットパターンのうち、オフドットでは通電手段による発熱素子への通電を行わずオンドットでは通電手段による発熱素子への通電を行うことで、被印字媒体の各印字ラインごとにドットを形成する。これにより、被印字媒体に印字が形成された、印刷物(例えば印字テープ、印字ラベル)が完成する。
このとき、印刷装置1において、印刷装置1自体の性能・モード等による制限により、1つの印字ラインにおけるオンドット数の割合がある程度以上になると印字速度(搬送速度、印刷速度)を低下させなければならない場合(例えば印刷装置が電池駆動である場合の過電流値防止ため)がある。この場合、上記のようにオンドット数の割合が高い印字ラインになると印字速度が低下し、そのような印字ラインを抜けると印字速度が上昇する、ということを繰り返すことから、搬送方向に沿って印字ムラ(いわゆるバンディング)が生じて印刷物の美観を損ねるおそれがある。
そこで本発明の一実施形態においては、印刷処理プログラムが演算手段X2で実行されると、ドットパターン生成手順S10、ライン特定手順S40、ラベリング手順S50、ドット群特定手順S60、濃度低下処理手順S70、が実行される。
すなわち、上記ドットパターン生成手順S10で印字データに対応した2値化ドットパターンが生成されると、その2値化ドットパターンにおいて各印字ラインごとにオンドット比率(若しくはオンドット数)が算出され、そのオンドット比率(若しくはオンドット数)が所定のしきい値以上となる特定の印字ライン(前述した、そのままでは印字速度を低下させなければならなくなる、印刷装置にとって印字負荷が大きい印字ライン)が上記ライン特定手順S40で特定される。
その一方、上記ラベリング手順S50で、上記2値化ドットパターンを、互いに隣接するオンドットどうしを1つのドット群として区別して識別する処理(ラベリング)が行われる。そして、識別された各ドット群のうち、上記特定の印字ラインを含むドット群(第1ドット群)がドット特定手順S60で特定される。これにより、上述のようにして特定された印字負荷が大きい印字ラインを一部でも含むような上記第1ドット群が特定される。
そして、その後の濃度低下処理手順S70で所定の濃度低下処理が行われることで、上記特定された第1ドット群の印字形成時の濃度が、それ以外の第2ドット群よりも低くなるように制御される。
以上の結果、上記第1ドット群に含まれる、印刷装置1にとって印字負荷の大きい印字ラインにおけるドットの印字形成時の濃度が低下することから、印字速度を低下させる必要がなくなり、前述の印字ムラの形成が防止される。またその際、上記印字負荷の大きい印字ラインにおけるドットだけが濃度が低下するのではなく、その印字ラインを含む第1ドット群中のオンドット全体について濃度低下が図られることにより、全体としての見た目に大きな影響や違和感が生じるのを防止できる。したがって、従来構造において生じていたような印刷物の美観の低下を防止することができる。
また、本発明の一実施形態にかかる印刷処理プログラムによって、演算手段X1は、印刷装置1に装着された電池BTの実電圧値を取得する電圧取得手順S20と、電圧取得手順S20で取得した実電圧値に応じて、上記しきい値を可変に設定する第1しきい値設定手順S30と、を実行してもよい。これにより、特に印刷装置1が電池BT駆動である場合に、その時点での電池出力電圧、言い換えれば電池BTの消耗度(満充電直後であるか、充電後ある程度使用した後であるか、等)に応じて、オンドット比率(若しくはオンドット数)がしきい値以上となる印字ラインの特定を、きめ細かく行うことができる。
また、本発明の一実施形態にかかる印刷処理プログラムによって、演算手段X1は、ドットパターン生成手順S10では、枠線と枠線内に配置されるオブジェクトとを形成するための印字データに対応した、2値化ドットパターンを生成し、ドット群特定手順S60では、枠線を構成する第1ドット群を特定し、濃度低下処理手順S70では、枠線を構成する第1ドット群に含まれるオンドットに対して、濃度低下処理を行ってもよい。これにより、見た目上発色が薄くなってもあまり目立たない枠形状のみ濃度を低下させることで、美観の低下を防止しつつ印字速度の低下をなくし、印字ムラの形成を防止することができる。
更に、本発明の一実施形態にかかる印刷処理プログラムによって、演算手段X1は、濃度低下処理手順S70における濃度低下処理として、所定の間引き率でオンドットを間引くマスキング処理を行ってもよい。これにより、第1ドット群全体で、見た目の濃度を均一に薄くすることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明した。しかしながら、本発明の技術的思想の範囲は、ここで説明した実施の形態に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想の範囲内において、様々な変更や修正、組み合わせなどを行うことに想到できることは明らかである。従って、これらの変更や修正、組み合わせなどの後の技術も、当然に本発明の技術的思想の範囲に属するものである。
<本発明の一実施形態の第1の変形例にかかる印刷処理プログラムによる印刷処理>
例えば、印刷処理プログラムにより演算手段X2が実行する一連の手順のうち、上記一実施形態では、濃度低下処理手順S70において、ドット群特定手順S60において特定された第1ドット群のみの濃度低下処理が行われた。しかし、例えば、この濃度低下処理手順S70では、いずれかの第1ドット群に取り囲まれている第2ドット群に対しても、濃度低下処理を行うことも可能である。
つまり、例えば、図10に示す2値化ドットパターンの場合、ドット群fは、第1ドット群ではなく第2ドット群であるため、濃度低下処理は行われない。しかし、ドット群eとドット群fとで、文字、図形又は記号等を表している場合、第1ドット群として特定されるドット群eは濃度低下処理される一方、ドット群fが濃度低下処理されないと、視認者に違和感を与えることがある。しかしながら、この第1の変形例によれば、上述の通り、第1ドット群に取り囲まれている第2ドット群に対しても、濃度低下処理が施される。したがって、図10に示す2値化ドットパターンの場合、第1ドット群であるドット群eに取り囲まれたドット群fにも濃度低下処理が施される。したがって、例えば、枠形状の第1ドット群の中に別の第2ドット群が存在しているような場合には、どちらも濃度を低下させることで見た目状の違和感をなくすことができる。
<本発明の一実施形態の第2の変形例にかかる印刷処理プログラムによる印刷処理>
例えば、印刷処理プログラムにより演算手段X2が実行する一連の手順のうち、上記一実施形態では、電池電圧取得手順S20と、しきい値設定手順S30とが実行される場合について説明した。しかし、しきい値は、一律に固定値として設定されてもよい。この場合、電池電圧取得手順S20と、しきい値設定手順S30とは、実行されなくてもよい。また、他の変形例として、電池電圧取得手順S20と、しきい値設定手順S30との処理に変えて、図13に示すように、機種取得手順S120と、しきい値設定手順S130とが実行されてもよい。図13は、本発明の一実施形態の第2の変形例にかかる印刷処理プログラムによる印刷処理を表すフローチャートである。
この場合、機種取得手順S120では、演算手段X2が、印刷装置1の機種情報を取得する。そして、しきい値設定手順S130(第2しきい値設定手順に相当)では、演算手段X2が、機種取得手順S120で取得した機種情報に応じて、しきい値を可変に設定してもよい。これにより、印刷装置1の機種に応じた仕様・性能に応じて、オンドット比率(若しくはオンドット数)がしきい値以上となる印字ラインの特定を、きめ細かく行うことが可能である。
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
但し、例えばしきい値や基準値等、所定の判定基準となる値あるいは区切りとなる値の記載がある場合は、それらに対しての「同一」「等しい」「異なる」等は、上記とは異なり、厳密な意味である。
なお、以上において、図4等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図8及び図13に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。