以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る浴室用プロジェクタスクリーンおよび浴室構造を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで一例であり、本発明に係る浴室用プロジェクタスクリーンおよび浴室構造は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1~図3に示されるように、本実施形態に係る浴室用プロジェクタスクリーン1(以下、プロジェクタスクリーン1とも称する)は、浴室の隣り合う複数の壁面WS(図2および図3参照)に沿って設けられ、プロジェクタPR(図3参照)から投映された映像を映すように構成されている。なお、本明細書において、浴室の上下方向を「上下方向」(図2に参照符号Xで示す方向)と称する。また、プロジェクタスクリーン1において、プロジェクタスクリーン1が浴室内に配置されたときに浴室の上下方向Xに沿う方向を、プロジェクタスクリーン1の「上下方向」(図1に参照符号Xで示す方向)と称する(プロジェクタスクリーン1が浴室内に配置されていない状態においても同様とする)。また、プロジェクタスクリーン1において、プロジェクタスクリーン1の「上下方向」と直交する方向を、プロジェクタスクリーン1の「左右方向」(図1に参照符号Yで示す方向)と称する。
本明細書における「浴室」とは、入浴または水浴のための部屋である。入浴用の「浴室」は、浴槽BA(図2参照)と、洗い場WPとを有している。また、入浴用の「浴室」は、隣り合う複数の壁面WSを有し、隣り合う壁面WSが交わる位置にコーナー部CPを有している。本実施形態では、入浴用の「浴室」は、4つの壁面WS(図3参照。なお、図2には2つの壁面WSのみを示す)と、4つの壁面WSによって囲まれる、平面視で四角形状の空間SPとを有している。なお、入浴用の「浴室」は、壁面WSに、窓等が設けられる開口部OPと、シャワー、鏡等の浴室用器具(図示せず)とを有していてもよい。水浴用の「浴室」(図示せず)は、シャワーによる水浴を行うための洗い場を有しており、浴槽を有していない。また、水浴用の「浴室」は、入浴用の「浴室」と同様に、隣り合う複数の壁面(たとえば4つの壁面)を有し、隣り合う壁面が交わる位置にコーナー部を有している。また、水浴用の「浴室」は、入浴用の「浴室」と同様に、壁面に、窓等が設けられる開口部と、シャワー、鏡等の浴室用器具とを有していてもよい。以下、浴室を使用し、プロジェクタスクリーン1に映る映像を鑑賞する者を、入浴者または鑑賞者と称する。
本明細書において、「コーナー部」とは、浴室の隣り合う壁面WSが交わる部分であり、浴室の隅の部分を意味する。「コーナー部」は、浴室の上下方向X(図2参照)に沿って延びている。また、隣り合う壁面WSが交わる角度は、本実施形態では略90°である(図3参照)。本実施形態では、浴室は、4つのコーナー部CPを有する。4つのコーナー部CPのうちの2つのコーナー部CPは、四角形状の浴室の1つの対角線上に位置する。また、他の2つのコーナー部CPは、四角形状の浴室の他の対角線上に位置する。
プロジェクタスクリーン1(図1参照)は、複数の面状部材2を備えている。複数の面状部材2は、互いに着脱可能に連結され、かつ、連結された状態で映像の投映面21を構成する。面状部材2は、映像の投映面21を構成することができるのであれば、大きさおよび形状は特に限定されない。本実施形態では、面状部材2は、四角形状に形成されている。また、複数の面状部材2は、大きさおよび形状が同じであってもよいし、異なっていてもよい。図1に示される複数の面状部材2は、大きさおよび形状が略同じに統一されている。また、面状部材2は、映像の投映面21を構成することができるのであれば、材質および色彩は特に限定されない。本実施形態では、面状部材2は、投映面21を構成する後述の本体22を有している。本実施形態では、本体22は、発泡ポリウレタン等の軟質かつ軽量の材料により構成されている。本体22を軟質かつ軽量の材料で構成することにより、面状部材2が入浴者に接触した場合であっても、入浴者を傷つけることがなく、安全性を確保することができる。また、本実施形態では、本体22の表面は、映像を鮮明に映し易い色、たとえば、白色または白色に近い色とされている。
本実施形態では、面状部材2(図1参照)は、隣り合う面状部材2と着脱可能に連結することが可能な連結部23を有している。連結部23は、面状部材2同士を着脱可能に連結することが可能であれば、具体的な構造は特に限定されない。本実施形態では、連結部23は、面状部材2の周縁部に形成された凹部231および凸部232である。隣り合う面状部材2のうちの一方の面状部材2の凸部232と、他方の面状部材2の凹部231とが嵌合するとともに、一方の面状部材2の凹部231と、他方の面状部材2の凸部232とが嵌合することにより、隣り合う面状部材2が互いに連結される。また、隣り合う面状部材2における、凹部231と凸部232の嵌合を解除することにより、隣り合う面状部材2の連結を解除することができる。また、本実施形態では、隣り合う面状部材2の連結が入浴者の意図に反して解除されるのを抑制するように構成されている。具体的には、凸部232は、根本側から先端側に向かって次第に幅が大きくなるように形成されている。また、凹部231は、凸部232と対応するような形状、すなわち、凹部231の底側から開口側に向かって次第に幅が小さくなるように形成されている。このような構成とすることにより、隣り合う面状部材2が連結されている状態において、隣り合う面状部材2に対して映像面21と平行な方向の外力(隣り合う面状部材2を映像面21と平行な方向に引き離す方向の外力)が作用しても、凹部231および凸部232の形状が抜け止めとして機能する。したがって、隣り合う面状部材2の連結が、映像面21と平行な方向の外力によって解除されるのを防止することができる。なお、凹部231と凸部232との嵌合を解除する際には、映像面21に対して直交する方向に凹部231と凸部232とを引き離す方向に外力を与えることにより、凹部231と凸部232との嵌合を解除することができる。また、凹部231と凸部232とを嵌合させる際には、凹部231と凸部232とを位置合わせした状態において、映像面21に対して直交する方向に凹部231と凸部232を近づける方向に外力を与えることにより、凹部231と凸部232とを嵌合させることができる。
なお、隣り合う面状部材2を着脱可能に連結する構造は、上述した構造に限定されない。たとえば、隣り合う面状部材2のうちの一方の面状部材2の周縁部に設けられた鉤状の係合片(図示せず)と、他方の面状部材2の周縁部に設けられた鉤状の係合片(図示せず)とが、着脱可能に係合するように構成されてもよい。
本明細書において、「投映面」とは、プロジェクタPRからの映像光が投映されて、映像を映す面である。「投映面」は、複数の面状部材2のうちの後述の第1の面状部24(図1参照)が、浴室のコーナー部CPに対応する位置に配置されている状態(図2および図3参照)において、コーナー部CPに沿って湾曲している。第1の面状部24において、投映面21は、上下方向Xに対して直交する方向に延びる、或る程度の湾曲長さL1(図2参照。図1には湾曲していない状態で示す)を有する。図2に示される例では、第1の面状部24は、湾曲長さL1に対応する部分が、上下方向X全体において、壁面WSから離間するように配置される。
複数の面状部材2(図1参照)は、第1の面状部24と、第2の面状部25とを有する。第1の面状部24(図2および図3参照)は、浴室の隣り合う壁面WSが交わるコーナー部CPに対応する位置に配置される部分である。本明細書において、「コーナー部CPに対応する位置」とは、コーナー部CPに対向する領域を含み、かつ、コーナー部CPを挟む両側へある程度の空間的広がりを有する領域を意味する。第1の面状部24は、1つの面状部材2で構成されていてもよいし、複数の面状部材2が連結されることにより構成されていてもよい(図1には、3つの面状部材2で構成された例を示す)。第1の面状部24が複数の面状部材2により構成されている場合、第1の面状部24は、上下方向および左右方向の少なくともいずれか一方において、複数の面状部材2により構成することができる。図1には、第1の面状部24が、左右方向Yに1つ、上下方向Xに3つの面状部材2で構成された例を示す。
第1の面状部24は、コーナー部CPに沿って湾曲可能に構成されている。本明細書において、「コーナー部CPに沿って湾曲可能」とは、第1の面状部24が、コーナー部CPを挟んで隣り合う壁面WSに沿うように平面視で略L字状に湾曲可能であることを意味する。第1の面状部24の湾曲の曲率(単位:1/m)および曲率半径(単位:m)は、湾曲面においてプロジェクタPRからの映像光を、入浴者が視認できるように映すことが可能であれば、特に限定されない。第1の面状部24が、コーナー部CPに沿って湾曲可能に構成されていることにより、第1の面状部24および第2の面状部25が、コーナー部CPを挟んで隣り合う壁面WSに沿うように、第1の面状部24を略L字状に湾曲させることができる。したがって、隣り合う複数の壁面WSに沿って配置された、第1の面状部24および第2の面状部25(一方の壁面WSに沿って配置された第2の面状部25、他方の壁面WSに沿って配置された第2の面状部25、および、両方の第2の面状部25を繋ぐ第1の面状部24)によって、映像が投映される面積を大きく確保することが可能なプロジェクタスクリーン1を構成することができる。
本実施形態では、第1の面状部24は、コーナー部CPに沿った湾曲形状を保持し得るように構成されている。このような構成により、第1の面状部24と、第2の面状部25とを滑らかに連結することができる。すなわち、プロジェクタスクリーン1を、隣り合う複数の壁面WSに沿って配置する際に、第1の面状部24の湾曲形状が保持されることにより、第1の面状部24における左側の縁部および右側の縁部を、それぞれ、左側の第2の面状部25および右側の第2の面状部25に対して平行に配置して、第1の面状部24と左右両側の第2の面状部25とを連結することができる。したがって、第1の面状部24と左右両側の第2の面状部25とが面一となるように連結することができる。
図1に示される例では、第1の面状部24は、コーナー部CPに沿った湾曲形状を保持可能な第1の構造材241を有する。すなわち、第1の面状部24を構成する面状部材2は、第1の構造材241を有する。第1の構造材241は、コーナー部CPに沿った湾曲形状を保持可能な骨組みである。第1の構造材241は、コーナー部CPに沿った湾曲形状を保持可能であれば、具体的な構造は特に限定されない。図1に示される例では、第1の面状部24は、投映面21を構成する本体22をさらに有する。すなわち、第1の面状部24を構成する面状部材2は、本体22を有する。本体22は、投映面21を構成するのであれば、形状、大きさ、および材質は特に限定されないが、本実施形態では、発泡ポリウレタン等の軟質性を有しかつ軽量の材質により、四角形状に構成されている。本体22の大きさは、具体的には、たとえば、一辺が20cm~50cmの正方形状に形成されている。また、第1の構造材241は、本体22に取り付けられている。本体22に対する第1の構造材241の取付構造は、特に限定されないが、たとえば、第1の構造材241が本体22の中に挿入され、または、埋め込まれている。第1の構造材241は、第1の面状部24がコーナー部CPに対応する位置に配置された状態で、水平方向に延びるように配置される1または複数の第1細長部材を含む。第1細長部材は、湾曲形状を保持できるのであれば、具体的な形状および材質は限定されない。本実施形態では、たとえば、第1細長部材は、人の力で任意の曲率に曲げて伸ばすことが可能な金属製の線材または棒状部材により構成されている。第1細長部材は、本実施形態では、第1の面状部24を構成する1または複数の面状部材2において、面状部材2毎に、上下方向Xに沿って間隔をあけて並ぶように複数(たとえば2つ~4つ)の第1細長部材が設けられている(図1には2つの第1細長部材を破線で図示する)。第1の構造材241を細長部材で構成することにより、第1の構造材241を軽量に構成することができる。
本実施形態では、第1の面状部24(図1参照)は、投映面21を構成する本体22を有し、第1の構造材241は、本体22に対して着脱可能に構成されている。具体的には、たとえば、本体22は、第1の構造材241の挿入および取り出しが可能な孔部(図示せず)を有している。第1の構造材241を孔部に対して出し入れすることで、第1の構造材241を本体242に対して着脱することができる。第1の構造材241を本体22に対して着脱することにより、第1の面状部24の大きさおよび第2の面状部25の大きさを調節することができる。具体的には、たとえば、第1の面状部24および第2の面状部25を、共通の面状部材2によって構成する。共通の面状部材2は、たとえば、同じ大きさを有するとともに、第1の構造材241である第1細長部材を挿入および取り出し可能な孔部(図示せず)を有する。このような共通の面状部材2に対して、第1細長部材を挿入したものを、第1の面状部24を構成する面状部材2とする。また、共通の面状部材2に対して、第1細長部材を挿入しないものを、第2の面状部25を構成する面状部材2とする。このように、共通の面状部材2に対する第1細長部材の挿入の有無によって、第1の面状部24用の面状部材2と、第2の面状部25用の面状部材2とを構成することができる。したがって、第1の面状部24用の面状部材2の数と、第2の面状部25用の面状部材2の数とを調節して、第1の面状部24の大きさ、および、第2の面状部25の大きさを調節することができる。第1の面状部24の大きさを調節することにより、第1の面状部24を湾曲させたときの曲率および曲率半径を調節することができる。たとえば、第1の面状部24の左右方向Yの長さを長くすることにより、第1の面状部24の曲率を小さく(曲率半径を大きく)することができ、第1の面状部24の湾曲の度合いを緩くすることができる。第1の面状部24の湾曲の度合いを緩くすることにより、映像の鑑賞者(入浴者)から見て第1の面状部24の投映面21の湾曲の度合いが緩くなり、鑑賞者は映像をより鑑賞しやすくなる。
なお、第1の面状部24は、第1の構造材241以外の構成によって湾曲形状を保持し得るように構成されていてもよい。たとえば、第1の面状部24は、投映面を構成する本体(図示せず)自体が、湾曲形状を保持し得るように構成されていてもよい。具体的には、たとえば、第1の面状部24は、投映面を構成する本体自体が、人の力で任意の曲率に曲げて伸ばすことが可能な材料(たとえば、そのような特性を有する合成樹脂)により構成されていてもよい。この場合、本体の他に別途構造材を設ける必要がないので、第1の面状部24を構成する部品点数を減らして、第1の面状部24を簡素に構成することができる。
第2の面状部25(図1参照)は、第1の面状部24の両側に配置される部分である。本明細書において、「第1の面状部24の両側」とは、第1の面状部24がコーナー部CPに対応する位置に配置された状態における、第1の面状部24に対する左右方向Yの両側を意味する。第2の面状部25は、1つの面状部材2で構成されていてもよいし、複数の面状部材2が連結されることにより構成されていてもよい。第2の面状部25が複数の面状部材2により構成されている場合、第2の面状部25は、上下方向Xおよび左右方向Yの少なくともいずれか一方において、複数の面状部材2により構成され得る。図1に示される例では、第1の面状部24に対して左側の第2の面状部25は、上下方向Xに3つ、左右方向Yに2つの面状部材2により構成されている(合計6つの面状部材2)。第1の面状部24に対して右側の第2の面状部25についても同様である。
第2の面状部25は、第1の面状部24の左右方向Yの両側に連続して配置される。具体的には、第1の面状部24と第2の面状部25とは、上述の連結部23によって連結される。第1の面状部24と第2の面状部25とが連結された状態において、第1の面状部24と第2の面状部25との境界部で折り目が生じないように滑らかに連結されている(互いが面一となる角度、つまり互いに平行な状態で連結されている)ことが好ましいが、折り目が生じるような角度で連結されていても構わない。第1の面状部24と第2の面状部25とが滑らかに連結されている場合、第1の面状部24と第2の面状部25との境界部に隙間や段差が生じにくく、境界部が目立ちにくいので、境界部に映る映像をより鮮明に映すことができる。
本実施形態では、プロジェクタスクリーン1は、浴室の壁面WSに着脱可能に構成されている。プロジェクタスクリーン1を浴室の壁面WSに着脱可能に取り付ける構造(以下、スクリーン取付構造とも称する)は、プロジェクタPRからの映像光がプロジェクタスクリーン1の投映面21に映り、かつ、映った映像を入浴者が鑑賞することができるような位置および姿勢にプロジェクタスクリーン1を取り付けることができるのであれば、特に限定されない。本実施形態では、スクリーン取付構造は、プロジェクタスクリーン1に取り付けられ、かつ、壁面WSに着脱可能に固定される固定部材3を含む。図2に示される例では、固定部材3は、壁面WSに着脱可能に固定される吸盤31を有する。吸盤31は、プロジェクタスクリーン1に直接的に取り付けられていてもよいし、紐およびワイヤ等の線状部材32を介してプロジェクタスクリーン1に取り付けられていてもよい。図1に示される例では、プロジェクタスクリーン1の上部に位置する複数の面状部材2が貫通孔221を有している。線状部材32の一端を貫通孔221に固定し、線状部材32の他端を吸盤31に固定し、吸盤31を吸着力によって壁面WSに固定することにより、プロジェクタスクリーン1を壁面WSに着脱可能に取り付けることができる。なお、吸盤31がプロジェクタスクリーン1に直接的に取り付けられる場合において、プロジェクタスクリーン1に対する吸盤31の位置は所定の位置に予め定められていてもよいし、プロジェクタスクリーン1に対する吸盤31の位置は変更可能であってもよい。プロジェクタスクリーン1に対する吸盤の位置が変更可能である構成としては、たとえば、プロジェクタスクリーン1を構成する面状部材2に対して、吸盤(図示せず)が左右方向Yにスライド移動可能に構成される。具体的には、たとえば、面状部材2を左右方向にスライド移動させることが可能なレール(図示せず)が、面状部材2における壁面WS側の面に設けられる。
本実施形態に係るプロジェクタスクリーン1は、図1~図3に示される形態以外に、たとえば、図4~図11に示されるような形態であってもよい。図4~図11に示されるプロジェクタスクリーン1は、基本的な構造は、図1~図3に示されるプロジェクタスクリーン1と同様であるが、一部の構成が異なっている。以下、図4~図11に示されるプロジェクタスクリーン1について、図1~図3に示されるプロジェクタスクリーン1とは異なる点を中心に説明する。なお、図1~図3に示されるプロジェクタスクリーン1と同様の構成については、説明を省略する。
図4および図5に示されるプロジェクタスクリーン1は、第1の面状部24の位置が、図1~図3に示されるプロジェクタスクリーン1とは異なっている。図4および図5に示されるプロジェクタスクリーン1は、第1の面状部24が、プロジェクタスクリーン1の左右方向Yの中央部ではなく、左右方向Yにおける中央部から一方側(図4に示される例では左側)にずれた位置に設けられている。すなわち、プロジェクタスクリーン1のうち、コーナー部CPに対応する位置に配置される第1の面状部24の位置を、任意に変更することが可能である。このような変更により、たとえば、入浴者にとって映像を見やすい位置にプロジェクタスクリーン1を配置することができる。また、壁面WSの状態に応じてプロジェクタスクリーン1の配置位置を変更することが可能である。たとえば、壁面WSに窓等の開口部OPや鏡等の浴室用器具(図示せず)が設けられている場合に、プロジェクタスクリーン1の壁面WSへの取り付け易さ、窓の開閉のし易さ、浴室用器具の使用のし易さ等の観点から、開口部OPおよび浴室用器具に対するプロジェクタスクリーン1の相対的な位置を変更することが可能である。
図6および図7に示されるプロジェクタスクリーン1は、第2の面状部25の大きさが、図1~図3に示されるプロジェクタスクリーン1とは異なっている。図6および図7に示されるプロジェクタスクリーン1は、第2の面状部25の左右方向Yの長さが、図1~図3に示されるプロジェクタスクリーン1とは異なっている。具体的には、図6および図7に示されるプロジェクタスクリーン1の左右方向Yの長さは、図1~図3に示されるプロジェクタスクリーン1よりも短い。プロジェクタスクリーン1の左右方向Yの長さは、左右方向Yにおける面状部材2の数を変更することにより、変更することが可能である。たとえば、図6に示されるように、第2の面状部24の左右方向における面状部材2の数を減らすことにより、プロジェクタスクリーン1の左右方向Yの長さを短くすることができる。このような変更は、たとえば、入浴者にとって映像を見やすい大きさにプロジェクタスクリーン1の左右方向Yの長さを変更するために行うことができる。また、壁面WSの状態に応じてプロジェクタスクリーン1の大きさを変更することが可能である。たとえば、壁面WSに窓等の開口部OPや鏡等の浴室用器具(図示せず)が設けられている場合に、プロジェクタスクリーン1の壁面WSへの取り付け易さ、窓の開閉のし易さ、浴室用器具の使用のし易さ等の観点から、プロジェクタスクリーン1の大きさを変更することが可能である。
図8および図9に示されるプロジェクタスクリーン1は、第1の面状部24の大きさが、図1~図3に示されるプロジェクタスクリーン1とは異なっている。図8および図9に示されるプロジェクタスクリーン1は、第1の面状部24の左右方向Yの長さが、図1~図3に示されるプロジェクタスクリーン1とは異なっている。具体的には、図8および図9に示されるプロジェクタスクリーン1における第1の面状部24の左右方向Yの長さが、図1~図3に示されるプロジェクタスクリーン1よりも長い。より具体的には、図8および図9に示される第1の面状部24を構成する面状部材2の左右方向Yの長さが、図1~図3に示される第1の面状部24を構成する面状部材2よりも長い。このような変更は、たとえば、入浴者にとって映像を見やすい大きさに第1の面状部24の左右方向の長さを調節するために行うことができる。第1の面状部24の大きさを調節することにより、第1の面状部24を湾曲させたときの曲率および曲率半径を調節することができる。たとえば、第1の面状部24の左右方向Yの長さを長くすることにより、第1の面状部24の曲率を小さく(曲率半径を大きく)することができ、第1の面状部24の湾曲の度合いを緩くすることができる。第1の面状部24の湾曲の度合いを緩くすることにより、入浴者から見て第1の面状部24の投映面21の湾曲の度合いが緩くなり、入浴者は映像をより鑑賞しやすくなる。
図10および図11に示されるプロジェクタスクリーン1は、コーナー部CP(図2参照)に対応する位置で湾曲するように構成されていることに加えて、プロジェクタスクリーン1の上部が、壁面WSから離れる方向に湾曲するように構成されている。
図10および図11に示されるプロジェクタスクリーン1における、第1の面状部24が浴室のコーナー部に対応する位置に配置された状態で、第1の面状部24および第2の面状部25は、各々、上部が壁面WS(図11参照)から離れる方向に湾曲可能に構成されている。具体的には、図11に示されるように、第1の面状部24および第2の面状部25は、上部が壁面WSから離れる方向に(上端に近い部分程、壁面WSからの距離が大きくなるように)傾斜し、かつ、当該上部の壁面WSとは反対側の面が凹面となるように湾曲可能に構成されている。なお、図10に示される第1の面状部24は、コーナー部CP(図2参照)に対応する位置では、上下方向Xの全体にわたってコーナー部CPから離間するようにコーナー部CPに沿って湾曲して配置される。また、図10に示される左右の第2の面状部25は、コーナー部CPを挟んで隣り合う壁面WSに沿って配置される。第2の面状部25は、上部より下側の部分(中央部および下部)が壁面WSに接触するように配置されてもよいし(図11参照)、上部より下側の部分が壁面WSから離間するように配置されてもよい。
さらに、図10および図11に示されるプロジェクタスクリーン1は、第1の面状部24および第2の面状部25が、各々、壁面WS(図11参照)から離れる方向への湾曲形状を保持し得るように構成されている。このような構成により、入浴者Hは、プロジェクタスクリーン1の上部の投映面21に投映される映像をより見やすくなる。具体的には、たとえば、入浴者H(図11参照)は、浴槽BAに入っている状態、および、洗い場WPに設置された椅子(図示せず)に座っている状態では、頭部H1がプロジェクタスクリーン1の上部に対して低い位置にあることが想定される。このような場合、入浴者Hは、プロジェクタスクリーン1の上部を斜め上向きに見上げるように映像を鑑賞する。プロジェクタスクリーン1の上下方向Xの長さが長くなると、入浴者Hの視線の方向D1と、プロジェクタスクリーン1の投映面21とがなす角度θ(視線の方向D1と投映面21に対する法線L2とがなす角度)は、プロジェクタスクリーン1の下部よりも上部の方が、大きくなりやすい。すなわち、プロジェクタスクリーン1の投映面21を斜めから見る度合いは、プロジェクタスクリーン1の下部よりも上部の方が大きくなるため、プロジェクタスクリーン1の上下方向Xの長さが長くなると、プロジェクタスクリーン1の上部に映る映像を、見にくくなる可能性がある。しかしながら、第1の面状部24の上部および第2の面状部25の上部が、各々、図11に示されるように、壁面WSから離れる方向への湾曲形状を保持した状態とされることにより、入浴者Hの視線の方向D1と、プロジェクタスクリーン1の投映面21とがなす角度θは、プロジェクタスクリーン1の上部が湾曲していない場合(図11に二点鎖線で示す)よりも小さくなる。すなわち、プロジェクタスクリーン1の上部の投映面21を斜めから見る度合いは、プロジェクタスクリーン1の上部が湾曲していない場合よりも小さくなる(プロジェクタスクリーン1の上部の投映面21を正面から見る状態に近くなる)。したがって、プロジェクタスクリーン1の上下方向Xの長さが長くても、プロジェクタスクリーン1の上部に映る映像を見やすくすることができる。
図10に示される例では、プロジェクタスクリーン1の上部に位置するすべての面状部材2が、壁面WSから離れる方向への湾曲形状を保持し得るように構成されている。すなわち、第1の面状部24の上部および第2の面状部25の上部は、壁面WSから離れる方向への湾曲形状を保持可能に構成されている。具体的には、第1の面状部24および第2の面状部25は、壁面WSから離れる方向への湾曲形状を保持可能な第2の構造材251を有する。第2の構造材251は、壁面WSから離れる方向への湾曲形状を保持可能な骨組みである。第2の構造材251は、壁面WSから離れる方向への湾曲形状を保持可能であれば、具体的な構造は特に限定されない。図10に示される例では、第1の面状部24および第2の面状部25は、それぞれ、投映面21を構成する本体(第1の面状部24の本体22および第2の面状部25の本体22)を有する。本体22は、投映面21を構成するのであれば、形状、大きさ、および材質は特に限定されないが、本実施形態では、発泡ポリウレタン等の軟質性を有しかつ軽量の材質により、四角形状に構成されている。本体22の大きさは、具体的には、たとえば、一辺が20cm~50cmの正方形状に形成されている。第2の構造材251は、本体22に取り付けられている。本体22に対する第2の構造材251の取付構造は、特に限定されないが、たとえば、第2の構造材251が本体22の中に挿入され、または、埋め込まれている。第2の構造材251は、第1の面状部24がコーナー部CPに対応する位置に配置された状態で、上下方向に延びるように配置される1または複数の第2細長部材を含む。第2細長部材は、湾曲形状を保持できるのであれば、具体的な形状および材質は限定されない。本実施形態では、たとえば、第2細長部材は、人の力で任意の曲率に曲げて伸ばすことが可能な金属製の線材または棒状部材により構成されている。本実施形態では、第1の面状部24を構成する1または複数の面状部材2において、面状部材2毎に、左右方向Yに間隔をあけて並ぶように複数(たとえば2つ~4つ)の第2細長部材が設けられている。第2構造材251を細長部材で構成することにより、第2構造材251を軽量に構成することができる。
本実施形態では、第1の面状部24は、投映面21を構成する本体242をさらに有し、第2の構造材251は、本体22に対して着脱可能に構成されている。具体的には、たとえば、本体22は、第2の構造材251の挿入および取り出しが可能な孔部(図示せず)を有している。第2の構造材251を孔部に対して出し入れすることで、第2の構造材251を本体22に対して着脱することができる。第2の構造材251を本体22に対して着脱することにより、壁面WSから離れる方向への湾曲形状を保持可能な部分26(図10参照。以下、湾曲形状保持部分26とも称する)の大きさを調節することができる。湾曲形状保持部分26の大きさを調節することにより、壁面WSから離れる方向への湾曲形状を保持可能な部分26を湾曲させたときの曲率および曲率半径を調節することができる。たとえば、湾曲形状保持部分26の上下方向Xの長さを長くすることにより、湾曲形状保持部分26の曲率を小さく(曲率半径を大きく)することができ、湾曲形状保持部分26の湾曲の度合い(曲がり具合)を緩くすることができる。湾曲形状保持部分26の湾曲の度合いを緩くすることにより、入浴者は映像をより鑑賞しやすくなる。
なお、第1の面状部24の上部および第2の面状部25の上部は、第2の構造材251以外の構成によって、壁面WSから離れる方向への湾曲形状を保持し得るように構成されていてもよい。たとえば、第1の面状部24の上部および第2の面状部25の上部は、投映面を構成する本体(図示せず)自体が、壁面WSから離れる方向への湾曲形状を保持し得るように構成されていてもよい。具体的には、たとえば、第1の面状部24の上部および第2の面状部25の上部は、投映面を構成する本体自体が、人の力で任意の曲率に曲げて伸ばすことが可能な材料(たとえば、そのような特性を有する合成樹脂)により構成されていてもよい。この場合、本体の他に別途構造材を設ける必要がないので、第1の面状部24および第2の面状部25を構成する部品点数を減らして、第1の面状部24および第2の面状部25を簡素に構成することができる。
次に、本実施形態に係るプロジェクタスクリーン1が使用される浴室構造6の一例について、図1~図3を参照しつつ説明する。本実施形態に係る浴室構造6(図2および図3参照)は、浴室の隣り合う複数の壁面WSに沿って上述のプロジェクタスクリーン1が配置された状態で、プロジェクタスクリーン1に対してプロジェクタPR(図3参照)から映像光を照射することにより、プロジェクタスクリーン1に映像を映すことが可能な浴室構造である。プロジェクタスクリーン1は、上述のように、浴室のコーナー部CPに対応する位置に配置されている。
浴室構造6(図3参照)は、プロジェクタスクリーン1と、映像光透過部611とを備えている。プロジェクタスクリーン1は、上述したような様々な態様のプロジェクタスクリーン1を採用することができる。また、本実施形態では、浴室構造6は、後述の他のコーナー部CP(プロジェクタスクリーン1の位置に対応するコーナー部CPに対して対角線上に位置するコーナー部CP)付近に設けられた出入口を開閉する戸61を備えている。戸61は、出入口を閉じている状態において、他のコーナー部CP付近に位置するのであれば、具体的な構造は特に限定されない。戸61は、たとえば、開き戸、引き戸、および折れ戸のうちのいずれであってもよい。戸61としては、たとえば、図12に示されるような開き戸型の戸61を採用することができる。
映像光透過部611は、プロジェクタスクリーン1が配置される領域に対応する、浴室のコーナー部CPに対して対角線上に位置する他のコーナー部CP付近に設けられている。本明細書において、「対角線」とは、平面視で見た浴室の内周を多角形(たとえば四角形)と考えたときに、多角形の異なる2つの頂点(コーナー部CP)同士を結ぶ線分のうち辺を除く線分を意味する。対角線の長さは、辺の長さよりも長くすることが容易である。このため、コーナー部CPに対応する位置に設置されたプロジェクタスクリーン1に対して、対角線上に位置する他のコーナー部CP付近に配置されたプロジェクタPR(図3参照)から映像光LIを投射(照射)する(光軸OAが対角線に沿っている)ことにより、辺に沿った方向に映像光を投射する(光軸が辺に沿っている)場合と比べて、映像光の光路長を長くすることが容易となる。プロジェクタPRは、映像光LIを錐状(たとえば四角錐状)に投射するので、光路長が長い程、プロジェクタスクリーン1に映る映像は大きくなる。したがって、コーナー部CPに対応する位置に設置されるプロジェクタスクリーン1に対して、対角線上に位置する他のコーナー部CP付近から映像光LIを投射することにより、プロジェクタスクリーン1において映像を大きく映すことが容易となる。
映像光透過部611(図3参照)は、浴室の外側に配置されたプロジェクタPRからの映像光LIを、プロジェクタスクリーン1に向けて透過させるように構成されている。映像光透過部611は、浴室の外側に配置されたプロジェクタPRからの映像光を、プロジェクタスクリーン1に向けて透過させることができるのであれば、位置および構造など、具体的な態様は特に限定されない。本実施形態では、映像光透過部611は、戸61(図12参照)の上部に設けられている。映像光透過部611が戸61の上部に設けられていることにより、入浴者の姿が映像光透過部611を通じて浴室の外から視認される可能性を低減することができる。また、本実施形態では、映像光透過部611は、透明な板材により構成されている。透明な板材は、たとえば、ガラス、合成樹脂などにより構成することができる。また、本実施形態では、戸61(図12参照)は、枠体613と、枠体613の内側に固定されたすりガラス板612と、枠体613の内側に固定された映像光透過部611とを備えている。映像光透過部611は、すりガラス板612の上方に配置されている。また、映像光透過部611とすりガラス板612とは、止水機能(シール機能)を有する仕切り部材614によって仕切られている。なお、映像光透過部611は、戸61に設けられていなくてもよい。たとえば、映像光透過部611は、他のコーナー部CP付近において、浴室を構成する周壁に設けられた貫通孔(図示せず)と、当該貫通孔を塞ぐように(浴室内の湿気が貫通孔を通じて浴室外へ出ないように)設けられた透明な板材とを備えた構成であってもよい。この場合には、浴室の外側に配置されたプロジェクタPRからの映像光を、貫通孔および透明な板材を通じて浴室内へ投射することができる。
次に、図1~図3に示されるプロジェクタスクリーン1の使用方法の一例について、図面を参照しつつ説明する。ここでは、プロジェクタスクリーン1(図1参照)は、初期状態において、分解された状態で準備されているものとする。すなわち、プロジェクタスクリーン1は、初期状態において、複数の面状部材2と、複数の第1の構造材241と、複数の固定部材3との組み合わせである組み立て材料一式(プロジェクタスクリーン1の組立用キット)が準備されているものとする。また、プロジェクタスクリーン1が設置される浴室の外側には、脱衣室(洗面室)等の隣の部屋RMが設けられているものとする。また、隣の部屋RMには、プロジェクタPRが配置されているものとする。また、組立用キットは、所定の大きさを有する複数の面状部材2(たとえば、一辺の長さが20cm~50cmの略正方形の形状)を構成要素として含んでいるものとする。また、各面状部材2は、同じ大きさであるものとする。以下では、図1に示されるプロジェクタスクリーン1が使用される場合について説明する。
まず、プロジェクタスクリーン1の組立用キットを用いた、プロジェクタスクリーン1の組立作業が行われる。具体的には、たとえば、浴室の大きさ、プロジェクタスクリーン1に投映される映像の大きさ、および、入浴者が望む映像の大きさ等に応じて、プロジェクタスクリーン1の大きさが決められる。具体的には、図1に示されるプロジェクタスクリーン1を組み立てる場合、15個の面状部材2を用いて、上下方向Xに沿って3つの面状部材2が連結され、左右方向Yに沿って5つの面状部材2が連結されたプロジェクタスクリーン1が組み立てられる。また、図1に示される例では、15個の面状部材2が連結された連結体の周縁部に、周縁部材26が連結される。周縁部材26は、面状部材2の一辺に対応する長さを有する複数の周縁片261により、環状(図1に示される例では四角形状)に構成される。周縁片261は、直線状に延びる部材である。周縁片261は、面状部材2側に連結部262を有し、面状部材2とは反対側が平坦に構成されている。連結部262は、面状部材2の連結部23と着脱可能に連結されるように構成されている。複数の面状部材2が連結された連結体の周縁部全体に周縁部材26を連結することにより、プロジェクタスクリーン1の周縁部を平坦に構成することができる。
詳細には、15個の面状部材2のうちの一部の面状部材2(図1に示される例では3つの面状部材2)を第1の面状部24用の面状部材2に構成する作業が行われ、その後、15個の面状部材2が組み立てられる。第1の面状部24を構成する作業は、第1の構造材241が取り付けられていない状態の面状部材2に対して第1の構造材241を取り付ける作業である。図1に示される例では、面状部材2に設けられている図示しない貫通孔(左右方向Yに沿って延びている)に第1の構造材241(たとえば第1細長部材)を挿入することに行われる。これにより、第1の面状部24用の面状部材2が構成される。第1の面状部24用の3つの面状部材2を上下方向Xに沿って連結することによって第1の面状部24が構成される。また、第1の構造材241を有していない6つの面状部材2(第2の面状部25用の面状部材2)を、上下方向Xに3つ、左右方向Yに2つ連結することにより、第1の面状部24の左側縁部に連結される第2の面状部25が構成される。同様に、第1の構造材241を有していない6つの面状部材2を連結することにより、第1の面状部24の右側縁部に連結される第2の面状部25が構成される。2つの第2の面状部25が、それぞれ、第1の面状部24の左側縁部および右側縁部に連結されることにより、プロジェクタスクリーン1が構成される。
プロジェクタスクリーン1の第1の面状部24を、浴室のコーナー部CPに沿って湾曲させる。これにより、プロジェクタスクリーン1をコーナー部CPに沿って配置することが可能となる。具体的には、たとえば、第1の面状部24を左右方向Xの少なくとも一部(好ましくは全体)にわたって円弧状に湾曲させる。円弧状の湾曲は、円弧の中心角が略90°となるように行われる。円弧の中心角が略90°となるように湾曲させることにより、第1の面状部24の両側に位置する2つの第2の面状部25を、それぞれ、コーナー部CPを挟む2つの壁面WSに対して略平行に配置することができる。これにより、たとえば、第1の面状部24の両側に位置する2つの第2の面状部25を、それぞれ、コーナー部CPを挟む2つの壁面WSに対して大きな面積で接触した状態に配置することができる。したがって、プロジェクタスクリーン1を壁面WSに対して安定して配置することができる。
プロジェクタスクリーン1の上部に固定部材3が取り付けられる。具体的には、プロジェクタスクリーン1の上部に設けられた貫通孔221に、線状部材32の一端が固定され、線状部材32の他端に吸盤31が取り付けられる。プロジェクタスクリーン1において吸盤31が取り付けられる位置および取り付けられる吸盤31の数は、吸盤31がプロジェクタスクリーン1を支持できる位置および数であれば特に限定されない。図2に示される例では、2個の吸盤31がプロジェクタスクリーン1に取り付けられている。また、2個の吸盤31が、それぞれ、プロジェクタスクリーン1の上部の左側部分および右側部分に取り付けられている。
固定部材3によって、プロジェクタスクリーン1が壁面WSに着脱可能に固定される。具体的には、プロジェクタスクリーン1の第1の面状部24が浴室のコーナー部CPに対応する位置(コーナー部CPに対向する位置)に配置された状態で、吸盤31を壁面WSに吸着させる。壁面WSにおいて吸盤31が吸着する位置は、吸盤31がプロジェクタスクリーン1を支持できる位置であれば特に限定されない。図2に示される例では、左側の吸盤31は、コーナー部CPを挟む2つの壁面WSのうちの左側の壁面WSにおいて、左側の窓(開口部OP)の上方部分に吸着されている。右側の吸盤31は、コーナー部CPを挟む2つの壁面WSのうちの右側の壁面WSにおいて、右側の窓(開口部OP)の側方部分に吸着されている。
浴室の外側に配置されたプロジェクタPR(図3参照)から映像光LIが投射される。プロジェクタPRは、映像光LIを、映像光透過部611を通じてプロジェクタスクリーン1に向けて投射する。具体的には、プロジェクタPRは、映像光LIを、戸61の映像光透過部611(たとえば、透明なアクリル板などの合成樹脂板)を通じてプロジェクタスクリーン1に向けて投射する。
投射された映像光LIは、プロジェクタスクリーン1に投映され、プロジェクタスクリーン1の投映面21に映像が映る。入浴者は、プロジェクタスクリーン1の投映面21に映った映画等の映像を鑑賞することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るプロジェクタスクリーン1(図1参照)は、複数の面状部材2を着脱可能に連結することにより構成されている。このため、入浴者が所望する大きさにプロジェクタスクリーン1の大きさを調節することができる。したがって、入浴者は、自己が所望する大きさの映像を鑑賞することができる。特に、入浴者が迫力のある大画面で映像を鑑賞したいという要望を有している場合には、その要望に応じて、連結される面状部材2の数を調節して、要望に応じた大きさの大画面を構成することができる。
また、プロジェクタスクリーン1(図2および図3参照)は、浴室の隣り合う複数の壁面WSに沿って設けられ、プロジェクタPRから投映された映像を映すように構成されている。さらに、複数の面状部材2(図1参照)は、浴室の隣り合う壁面WS(図2および図3参照)が交わるコーナー部CPに対応する位置に配置される第1の面状部24と、第1の面状部24の両側に配置される第2の面状部25とを含む。第1の面状部24は、コーナー部CPに沿って湾曲可能に構成されている。このため、プロジェクタスクリーン1は、浴室のコーナー部CPに対応する位置において平面視で略L字状に湾曲した状態で複数の壁面WSに沿って配置され得る。すなわち、隣り合う複数の壁面WSに沿った領域を1つのプロジェクタスクリーン1の配置領域とすることができる。このため、浴室の大きさや構造(たとえば、壁面WSが窓用の開口部OPを有しているか否か、および、壁面WSに設けられるシャワーや鏡等の入浴用機器の位置等)にかかわらず、プロジェクタスクリーン1の投映面21の面積を大きく確保することができる。したがって、入浴者は、大画面に映った大きな映像を鑑賞することができ、迫力のある映像を鑑賞することができる。また、平面視で略L字状に湾曲したプロジェクタスクリーン1に映像を映すことにより、入浴者は映像に囲まれたような感覚を受けるため、映像の臨場感および映像への没入感を高めることができる。
また、第1の面状部24(図1~図3参照)は、コーナー部CPに沿った湾曲形状を保持し得るように構成されている。第1の面状部24が、コーナー部CPに沿った湾曲形状を保持することにより、第1の面状部24と第2の面状部25との境界部分において、第1の面状部24と第2の面状部25とが面一となるように、互いを連結することができる。詳細には、第1の面状部24の両側の第2の面状部25を、それぞれ、隣り合う壁面WSに沿わせるためには、両側の第2の面状部25の間で、プロジェクタスクリーン1の方向を変える必要がある。上述のように、第1の面状部24が、コーナー部CPに沿った湾曲形状を保持することにより、両側の第2の面状部25の間で、プロジェクタスクリーン1の方向を変えることができる。したがって、第1の面状部24と第2の面状部25とが面一となるように、互いを連結することができる。このように面一となるように連結することにより、第1の面状部24と第2の面状部25との間に隙間が生じないようにすることができる。また、第1の面状部24と第2の面状部25との間の境界部の存在を目立たなくすることができる。したがって、第1の面状部24と第2の面状部25との間の隙間が生じないようにするとともに、境界部の存在を目立たなくすることにより、境界部においても映像を鮮明に映すことができる。これに対し、第1の面状部24が、コーナー部CPに沿った湾曲形状を保持するように構成されていない場合には、図13に示されるように、第1の面状部24と第2の面状部25の境界部に隙間が生じたり、当該境界部の存在が目立つようになる可能性がある。このため、湾曲形状を保持可能に構成されている場合と比べて、境界部において映像を鮮明に映すことができない可能性がある。したがって、第1の面状部24が、コーナー部CPに沿った湾曲形状を保持し得るように構成されることは、鮮明な映像を映す上で有効である。
本実施形態に係る浴室構造6(図2および図3参照)は、プロジェクタスクリーン1と、映像光透過部611とを備えている。映像光透過部611は、プロジェクタスクリーン1が配置される領域に対応する、浴室のコーナー部CPに対して対角線上に位置する他のコーナー部CP付近に設けられている。コーナー部CPに対応する位置に設置されたプロジェクタスクリーン1に対して、対角線上に位置する他のコーナー部CP付近に配置されたプロジェクタPR(図3参照)から映像光LIを照射(投射)する(光軸OAが対角線に沿っている)ことにより、浴室の壁と平行な方向に映像光を投射する(光軸が壁と平行)場合と比べて、映像光LIの光路長を長くすることが容易となる。プロジェクタPRは、映像光LIを錐状(たとえば四角錐状)に投射するので、光路長が長い程、プロジェクタスクリーン1に映る映像は大きくなる。したがって、コーナー部CPに対応する位置に設置されるプロジェクタスクリーン1に対して、対角線上に位置する他のコーナー部CP付近から映像光LIを投射することにより、プロジェクタスクリーン1において映像を大きく映すことが容易となる。さらに、映像光透過部611は、浴室の外側に配置されたプロジェクタPRからの映像光LIを、プロジェクタスクリーン1に向けて透過させるように構成されている。このため、浴室の外側に配置されたプロジェクタPRからの映像光LIを、映像光透過部611を通じて浴室内へ投射することができる。したがって、浴室の大きさにかかわらず、浴室の外側に配置されたプロジェクタPRからの映像光LIを、浴室のコーナー部CPに対応する位置に設置されたプロジェクタスクリーン1(大画面を有する)に投映して、プロジェクタスクリーン1に大きな映像を映すことができる。これにより、入浴者は、浴室内に設けられた大画面のプロジェクタスクリーン1に映る、迫力があって臨場感および没入感のある大きな映像を鑑賞することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。なお、上記した実施形態は、以下の構成を有する発明を主に説明するものである。
(1)浴室の隣り合う複数の壁面に沿って設けられ、プロジェクタから投映された映像を映す浴室用プロジェクタスクリーンであって、
前記浴室用プロジェクタスクリーンは、
互いに着脱可能に連結され、かつ、連結された状態で映像の投映面を構成する複数の面状部材を備え、
前記複数の面状部材は、
浴室の隣り合う壁面が交わるコーナー部に対応する位置に配置される第1の面状部と、
前記第1の面状部の両側に配置される第2の面状部とを含み、
前記第1の面状部は、前記コーナー部に沿って湾曲可能に構成されている、浴室用プロジェクタスクリーン。
(2)前記第1の面状部は、前記コーナー部に沿った湾曲形状を保持し得るように構成されている、(1)に記載の浴室用プロジェクタスクリーン。
(3)前記第1の面状部は、前記コーナー部に沿った湾曲形状を保持可能な第1の構造材を有する、(1)または(2)に記載の浴室用プロジェクタスクリーン。
(4)前記第1の面状部は、前記投映面を構成する本体をさらに有し、
前記第1の構造材は、前記本体に取り付けられており、
前記第1の構造材は、
前記第1の面状部が前記コーナー部に対応する位置に配置された状態で、水平方向に延びるように配置される1または複数の第1細長部材を含む、(1)~(3)のいずれか1つに記載の浴室用プロジェクタスクリーン。
(5)前記第1の面状部は、前記投映面を構成する本体をさらに有し、
前記第1の構造材は、前記本体に対して着脱可能に構成されている、(1)~(4)のいずれか1つに記載の浴室用プロジェクタスクリーン。
(6)前記第1の面状部が前記コーナー部に対応する位置に配置された状態で、前記第1の面状部および前記第2の面状部は、各々、上部が前記壁面から離れる方向に湾曲可能に構成され、
前記第1の面状部および前記第2の面状部は、各々、前記壁面から離れる方向への湾曲形状を保持し得るように構成されている、(1)~(5)のいずれか1つに記載の浴室用プロジェクタスクリーン。
(7)前記第1の面状部および前記第2の面状部は、前記壁面から離れる方向への湾曲形状を保持可能な第2の構造材を有する、(1)~(6)のいずれか1つに記載の浴室用プロジェクタスクリーン。
(8)前記第1の面状部および前記第2の面状部は、前記投映面を構成する本体をさらに有し、
前記第2の構造材は、前記本体に取り付けられており、
前記第2の構造材は、
前記第1の面状部が前記コーナー部に対応する位置に配置された状態で、上下方向に延びるように配置される1または複数の第2細長部材を含む、(1)~(7)のいずれか1つに記載の浴室用プロジェクタスクリーン。
(9)前記第1の面状部は、前記投映面を構成する本体をさらに有し、
前記第2の構造材は、前記本体に対して着脱可能に構成されている、(1)~(8)のいずれか1つに記載の浴室用プロジェクタスクリーン。
(10)前記浴室用プロジェクタスクリーンは、前記浴室の壁面に着脱可能に構成されている、(1)~(9)のいずれか1つに記載の浴室用プロジェクタスクリーン。
(11)浴室の隣り合う複数の壁面に沿って(1)~(10)のいずれか1つに記載の浴室用プロジェクタスクリーンが配置された状態で、前記浴室用プロジェクタスクリーンに対してプロジェクタから映像光を照射することにより、前記浴室用プロジェクタスクリーンに映像を映すことが可能な浴室構造であって、
前記浴室構造は、
(1)~(10)のいずれか1つに記載の浴室用プロジェクタスクリーンと、
前記浴室用プロジェクタスクリーンが配置される領域に対応する、前記浴室のコーナー部に対して対角線上に位置する他のコーナー部付近に設けられた映像光透過部とを備え、
前記映像光透過部は、前記浴室の外側に配置されたプロジェクタからの映像光を、前記浴室用プロジェクタスクリーンに向けて透過させるように構成されている、浴室構造。
(12)前記浴室構造は、前記他のコーナー部付近に設けられた出入口を開閉する戸を備え、
前記戸は、前記映像光が透過可能な透明部材である前記映像光透過部を有する、(11)に記載の浴室構造。
(13)前記映像光透過部は、前記戸の上部に設けられている、(11)または(12)に記載の浴室構造。