以下、図面を参照して、本実施形態に係る遊技機について説明する。なお、本実施形態では、遊技機としてパチスロ機を例に挙げて説明する。
[1.パチスロ機の構造]
まず、図1及び図2を参照して、パチスロ機1の構造について説明する。なお、図1は、パチスロ機1の外部構造を示す図であり、図2は、パチスロ機1の内部構造を示す図である。また、説明の便宜上、以下の外部構造の説明において、内部構造の一部を説明する場合があり、内部構造の説明において、外部構造の一部を説明する場合がある。
[1-1.外部構造]
[1-1-1.筐体]
パチスロ機1は、矩形箱状の筐体2により構成されている。また、筐体2は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
キャビネットGは、中間支持板G1と、左右一対の側面壁G2と、背面壁G3と、上面壁G4と、底面壁G5とを有している。なお、図1及び図2においては、背面壁G3及び底面壁G5の図示を省略している。また、キャビネットGの上面壁G4には、左右方向に所定の間隔を空けて、上下方向に貫通する2つの開口G4aが形成されている。そして、この2つの開口G4aそれぞれを塞ぐように木製の板部材G4bが上面壁G4に取付けられている。
なお、板部材G4bは、パチスロ機1を遊技店に設置する際に遊技島(不図示)に固定するために用いられるが、このような固定の方法が確保される限り、金属材や樹脂材で構成することもできるし、上面壁G4と一体に形成することもできる。また、キャビネットGについて一定の強度が確保される限り、各構成部材の一部又は全部を木材や樹脂材で構成することもできる。
また、キャビネットGは、その内部において、中間支持板G1を挟んで上側に、前方に開口する上側開口部G101が形成されており、中間支持板G1を挟んで下側に、前方に開口する下側開口部G102が形成されている。すなわち、キャビネットG内は、中間支持板G1を挟んで上部空間と下部空間とに仕切られており、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、後述のメイン表示装置210等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、後述のリールユニットRUや主制御基板71等が収容される。
なお、キャビネットGは、必ずしも中間支持板G1を含んで構成されていなくともよい。すなわち、キャビネットG内において各装置等が適切に収容される限り、上部空間と下部空間を仕切らない構成としてもよい。また、キャビネットGは、単に「箱体」や「本体」と称することもできるし、上ドア機構UD及び下ドア機構DDを支持、あるいは固定する枠体として機能するため、「本体枠」、「支持体」、「支持枠」、あるいは「固定枠」等と称することもできる。
[1-1-2.前面扉]
上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成され、キャビネットGにおける開口の上部空間及び下部空間を閉塞可能に設けられている。すなわち、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、パチスロ機1の前面側に設けられた前面扉(フロントドア)として機能している。
また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのそれぞれは、例えば、左側の側面壁G2に設けられたヒンジ等の開閉機構(不図示)によって、キャビネットGに対して開閉自在に取付けられている。なお、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのいずれか一方については上述の開閉機構によって開閉自在とし、他方については一方のドア機構が開放状態となったときにのみ着脱可能となるように構成することもできる。
上ドア機構UDは、その中央部に設けられた演出表示窓UD1と、演出表示窓UD1の上部に設けられた上部ランプ23とを有している。演出表示窓UD1は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、その背面側に設けられた後述のメイン表示装置210を構成するスクリーン装置Cに表示された演出画像を視認可能としている。なお、本実施形態では、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を、メイン演出表示部21として説明する場合がある。
下ドア機構DDは、その上部の略中央部に設けられたメイン表示窓4と、メイン表示窓4の背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたリールユニットRUとを有している。
リールユニットRUは、3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。各リール3L,3C,3Rは、例えば、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のリール帯から構成され、リール帯には、複数(例えば、20個)の図柄がリールの回転方向に沿って所定の間隔を空けて描かれている。また、各リール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。メイン表示窓4は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、各リール3L,3C,3Rの周面上の図柄について少なくとも一部(例えば、3個)を視認可能としている。また、各リール3L,3C,3Rの内部には、少なくともメイン表示窓4から図柄が視認される位置に光源(後述のランプ・LED類に含まれるリールランプ)が設けられ、少なくとも各リール3L,3C,3Rが回転中であるときにはこれらを内部から一定の輝度で照明することで、図柄の視認性を確保している。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の左側に設けられたサブ演出表示部22と、メイン表示窓4の右側に設けられた演出用ボタン10bとを有している。サブ演出表示部22は、後述のサブ表示装置220に表示された演出画像を表示する。なお、サブ演出表示部22をタッチパネルとして構成し、演出表示を行う機能のみならず、演出用ボタンの1つとして機能させることもできる。演出用ボタン10bは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の下方に形成された略水平面の台座部において、左側に設けられたMAXベットボタン6a,1ベットボタン6b,精算ボタン9と、略中央部に設けられた演出用ボタン10aと、右側に設けられたメダル投入口5とを有している。
MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bは、パチスロ機1の内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者の遊技操作(ベット操作。「投入操作」や「掛け操作」等と称することもできる)を受付ける操作部である。MAXベットボタン6aが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数(例えば、3枚)未満であり、クレジットされているメダルがその差分以上ある場合には、最大ベット数のメダルがベットされる。一方、クレジットされているメダルがその差分以上ない場合には、メダルはベットされない。また、1ベットボタン6bが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数未満であり、クレジットされているメダルが1枚以上ある場合には、1枚のメダルがベットされる。
精算ボタン9は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の遊技操作(精算操作)を受付ける操作部である。なお、クレジットされているメダルがない状態で精算ボタン9が操作された場合、投入され、あるいは払出されるメダルに関し、クレジット可能数(例えば、50枚)の範囲内において、当該メダルをクレジットするクレジットモード(Cモード)と、当該メダルをクレジットしないペイモード(Pモード)とのいずれかのモードを選択可能とするための遊技者の遊技操作(C/Pモード選択操作)を受付可能としてもよい。すなわち、精算ボタン9をいわゆるC/Pボタンとして機能させることもできる。演出用ボタン10aは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
メダル投入口5は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受入れる。受入れたメダルは、後述のセレクタ31によって検出されるとともに、適正なメダルであるか否かが判定される。受入れた1枚のメダルが適正なものでない場合、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。また、受入れた1枚のメダルが適正なものである場合、現在のベット数が最大ベット数未満である場合には、1枚のメダルがベットされる。現在のベット数が最大ベット数であり、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達していない場合には、1枚のメダルがクレジットされる。一方、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達している場合には、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4と上述の台座部との間に設けられた情報表示装置14を有している。情報表示装置14は、複数のランプ(LED)や7セグメントLEDを含んで構成され、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する。
また、下ドア機構DDは、上述の台座部の下方において、左側に設けられたスタートレバー7と、略中央部に設けられた3個のストップボタン8L,8C,8Rと、右側に設けられた施錠機構15とを有している。スタートレバー7は、所定の角度範囲で傾動自在に取付けられ、遊技を開始させるための遊技者の遊技操作(開始操作)を受付ける操作部である。各ストップボタン8L,8C,8Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の遊技操作(停止操作)を受付ける操作部である。
施錠機構15は、例えば、キーシリンダー錠から構成され、下ドア機構DDが閉鎖状態であるとき、遊技店側の管理者(例えば、遊技店の店員等。以下同じ)が鍵穴にドアキー(不図示)を挿入した状態で右に回すと解錠し、下ドア機構DDが開放状態となる。なお、施錠機構15には、ドア機構の開閉を管理する機能のみならず、リセットスイッチとしての機能をもたせてもよい。例えば、遊技店側の管理者が鍵穴にドアキーを挿入した状態で左に回した場合には、後述のリセットスイッチ53と同様のリセット操作を検出可能としてもよい。また、本実施形態では、下ドア機構DDが開放状態となったとき、これに連動して上ドア機構UDも開放状態となるように構成することもできるし、上ドア機構UDに対応する施錠機構を別途設けるようにし、それぞれ独立して開閉を管理可能とすることもできる。
また、下ドア機構DDは、その下部の中央部に設けられた腰部パネル13と、腰部パネル13の下方に設けられたメダル受皿12と、メダル受皿12の上方に設けられたメダル払出口11と、メダル払出口11の左右に設けられた透音孔24a,24bとを有している。
腰部パネル13は、例えば、機種の名称を表すロゴやモチーフを表すキャラクタ等の機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光源(後述のランプ・LED類に含まれる腰部ランプ)から構成される。メダル受皿12は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留する。メダル払出口11は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出する。なお、メダル払出口11から排出されるメダルは、後述のホッパー装置32から払出されたものと、後述のセレクタ31からキャンセルシュート(不図示)を通って返却されたものとがある。透音孔24a,24bは、それぞれの背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたスピーカ35a,35b(スピーカ35aは図2において符号省略)から出力される効果音やBGM等の音声をパチスロ機1の前面側に向かって透過する。
なお、本実施形態では、キャビネットG内が上部空間と下部空間とに仕切られていることに対応して上ドア機構UD及び下ドア機構DDを設けることとしているが、キャビネットGにおける開口を適切に開閉可能とする限り、単一のドア機構として構成することもできるし、3つ以上のドア機構として構成することもできる。また、前後方向に二重に構成されたドア機構(例えば、外扉と内扉等)として構成することもできる。また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、単に「扉」や「ドア」と称することもできるし、キャビネットGにおける開口を開閉可能とする部材として機能するため、「開閉部材」、「扉部材」、あるいは「ドア部材」等と称することもできる。
[1-1-3.変動表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4を備える。各リール3L,3C,3Rは、スタートレバー7が操作されると(遊技者によって開始操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることにより回転を開始する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が変動表示される。また、各リール3L,3C,3Rは、各ストップボタン8L,8C,8Rが操作されると(遊技者によって停止操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることによりそれぞれの回転を停止する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が停止表示される。
すなわち、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4は、複数の図柄を複数列に変動表示(及び停止表示)可能な変動表示部(手段)、あるいは複数の図柄を変動表示(及び停止表示)可能な複数の変動表示部(手段)を構成する。なお、変動表示部(手段)は、「図柄表示部(手段)」や「可変表示部(手段)」等と称することもできる。また、図柄は、「絵柄」や「柄」等と称することもできるし、遊技者が視認により識別可能な情報であればよいことから、その意味において「識別情報」等と称することもできる。
また、メイン表示窓4は、各リール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、それぞれについて連続して配置された3個の図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、メイン表示窓4は、各列において上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する(メイン表示窓4の枠内には、3行×3列の態様で図柄が表示される)。なお、メイン表示窓4は、「図柄表示領域」や「窓部」等と称されることがある。
また、メイン表示窓4には、有効ラインが定義される。有効ラインは、遊技者の停止操作に応じて全ての列の図柄が停止表示されたときに、規定された図柄の組合せが表示されたか否かを判定するためのラインである。その意味において、有効ラインは、「入賞ライン」や「判定ライン」等と称することもできる。また、有効ラインは、各列の各領域のいずれかを結ぶラインとして構成される。すなわち、メイン表示窓4が3行×3列の態様で図柄を表示するように構成される場合、最大27通りの有効ラインを定義することが可能である。もっとも、実際には、そのうちの一又は複数通りのラインを有効ラインとして定義し、他のラインは有効ラインではない無効ラインとして定義することができる。
なお、例えば、リール3Lの中段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの中段領域を結ぶラインは「センターライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの上段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「トップライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの下段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「ボトムライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「クロスアップライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「クロスダウンライン」等と称され、これらは各列の各領域を一直線で結ぶラインであることから、これらのうちの一又は複数通りのラインが有効ラインとして定義されることが多い。もっとも、上述のとおり、各列の各領域を折れ線で結ぶ、いわゆる変則ラインを有効ラインとして定義することもできる。
また、有効ラインが有効化されるためには、遊技者の開始操作に先立って、今回の遊技に必要な分の(遊技開始可能枚数分の)メダルがベットされている必要があるが、有効化される有効ライン数は、ベット数にかかわらず同じであってもよいし、ベット数に応じて変動してもよい。例えば、上述の「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」の3通りのラインが有効ラインとして定義されているとした場合、前者の場合には、ベット数が1~3のいずれであっても「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。一方、後者の場合には、ベット数が1であれば「センターライン」のみが有効化され、ベット数が2であれば「センターライン」及び「トップライン」が有効化され、ベット数が3(最大ベット数)であれば「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。
なお、本実施形態では、変動表示部が、3個のリール3L,3C,3Rと、各列において3個ずつの図柄を表示可能とするメイン表示窓4とを有することで、3行×3列の態様で図柄を表示するものとしていたが、変動表示部における図柄表示態様はこれに限られない。例えば、リール数を1個、2個、あるいは4個以上とし、また、例えば、各列における図柄の表示数を1個、2個、あるいは4個以上とすることで上述の態様とは異なる態様で図柄を表示することもできる。また、この場合、定義可能な有効ライン数も適宜増減する。
また、本実施形態では、変動表示部が、各リール3L,3C,3Rを回転させることによって図柄を変動表示するものとしていたが、変動表示部の構成はこれに限られない。例えば、後述のメイン表示装置210やサブ表示装置220と同様の画像表示装置を用いた構成としてもよいし、その他の表示装置(例えば、有機ELや7セグメントLED等)を用いた構成としてもよい。また、例えば、その他の物理的装置(例えば、ベルト等)を用いた構成としてもよい。また、変動表示部の配置や大きさ等は適宜変更可能である。
また、本実施形態では、変動表示部が、後述の主制御回路100によって制御される、遊技に直接関連するメイン側表示部として機能とするものとしていたが、これとともに、後述の副制御回路200によって制御される、遊技に直接関連しない演出に関連するサブ側表示部としての変動表示部を設けるようにしてもよい。なお、サブ側表示部は、例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220を用いた構成とすることができる。すなわち、遊技者の開始操作(あるいは、その他開始条件の成立)に応じて図柄を変動表示させ、遊技者の停止操作(あるいは、その他停止条件の成立)に応じて図柄を停止表示させる変動表示部として、メイン側表示部のみならず、サブ側表示部を設けるようにしてもよい。なお、この場合、遊技者が変動表示部について遊技に直接関連するものであるか否かを識別可能とするため、メイン側表示部の近傍には、「回胴」ないし「メインリール」といった文字が表示された識別表示を付しておき、当該変動表示部がメイン側表示部であることを識別可能とすればよい。なお、このような識別表示は、メイン表示装置210やサブ表示装置220において表示されるようにしてもよい。
[1-1-4.メダル投入口]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受け入れるメダル投入口5を備える。なお、メダル投入口5及び後述のセレクタ31は、MAXベットボタン6aや1ベットボタン6bと同様に、1回の遊技に必要なメダル数をベットする機能を有することから、このような投入動作は、例えば、ベット操作と換言することもできる。したがって、メダル投入口5は、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)であるともいえる。なお、メダル投入口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
なお、本実施形態では、遊技に使用し、あるいは遊技結果に応じて付与される遊技価値として、遊技媒体としてのメダルを用いることを一例として説明しているが、このように用いられる遊技価値はこれに限られない。例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を用いることもできる。また、遊技価値は、単に「価値」、あるいは「遊技用価値」等と称することもできる。
[1-1-5.操作部]
パチスロ機1は、遊技者が操作可能な操作部として、例えば、以下に示す各操作部を備える。なお、以下に示す各操作部はあくまで一例であって、これらとは異なる操作部を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない操作部については、これを備えない構成としてもよい。
[1-1-5-1.ベットボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、その内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者のベット操作を受付けるMAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを備える。また、このようなベット操作は、後述のベットスイッチ6Sによって検出される。したがって、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6b、並びにベットスイッチ6Sは、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)を構成する。なお、ベットボタンは、あくまで遊技者のベット操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを設けているが、1ベットボタン6bを設けることなくMAXベットボタン6aのみを設けるようにしてもよい。また、2枚のメダルがベットされる2ベットボタンを別途設けるようにしてもよい。
[1-1-5-2.スタートレバー]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を開始させるための遊技者の開始操作を受付けるスタートレバー7を備える。また、このような開始操作は、後述のスタートスイッチ7Sによって検出される。したがって、スタートレバー7及びスタートスイッチ7Sは、遊技者の開始操作を検出可能な開始操作検出部(手段)を構成する。なお、スタートレバーは、あくまで遊技者の開始操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-3.ストップボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の停止操作を受付ける各ストップボタン8L,8C,8Rを備える。また、このような停止操作は、後述のストップスイッチ8Sによって検出される。したがって、各ストップボタン8L,8C,8R及びストップスイッチ8Sは、遊技者の停止操作を検出可能な停止操作検出部(手段)を構成する。なお、ストップボタンは、あくまで遊技者の停止操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-4.精算ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の精算操作(返却操作)を受付ける精算ボタン9を備える。また、このような精算操作は、後述の精算スイッチ9Sによって検出される。したがって、精算ボタン9及び精算スイッチ9Sは、遊技者の精算操作を検出可能な精算操作検出部(手段)を構成する。なお、精算ボタンは、あくまで遊技者の精算操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-5.演出用ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者の演出操作を受付ける演出用ボタン10a,10bを備える。なお、このような演出操作は、それぞれの演出用ボタンに対応して設けられた検出スイッチ(不図示)によって検出される。したがって、演出用ボタン10a,10b及び当該検出スイッチは、遊技者の演出操作を検出可能な演出操作検出部(手段)を構成する。なお、演出用ボタンは、あくまで遊技者の演出操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、2個の演出用ボタン10a,10bを設けているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出用ボタンを設けるように構成することもできる。
なお、演出用ボタンの主な用途としては、特定の演出(例えば、後述の操作連動演出)実行時に演出態様を変化させること、後述のユーザーメニューにおいて選択・決定操作を行うこと等である。したがって、用途に応じた演出用ボタンを設けるように構成することもできる。例えば、前者の用途では演出用ボタン10a,10bが使用されるものとし、後者の用途では上述のタッチパネルを使用するように構成することもできる。なお、後者の用途で用いるために、別の演出用ボタンとして、選択・決定操作を受付可能なジョグダイヤルや十字キー等を設けるように構成することもできる。
[1-1-6.メダル払出口]
上述のとおり、パチスロ機1は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出するメダル払出口11を備える。なお、入賞が発生してメダルを払出す場合、メダル払出口11は、後述のホッパー装置32から払出されたメダルを遊技者に付与するものであることから、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、メダル払出口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-7.メダル受皿]
上述のとおり、パチスロ機1は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留するメダル受皿12を備える。すなわち、メダル受皿12は、付与された遊技価値を貯留可能な貯留部(手段)を構成する。なお、メダル受皿の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-8.腰部パネル]
上述のとおり、パチスロ機1は、例えば、機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための腰部ランプから構成される腰部パネル13を備える。なお、腰部パネル13は、基本的にはそのパチスロ機1がどういった機種であるかを遊技者にわかりやすく示すものであるが、例えば、腰部ランプの点灯態様により、あるいは、腰部パネル13そのものを画像表示装置等で構成することにより演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成することもできる。
[1-1-9.情報表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する情報表示装置14を備える。すなわち、情報表示装置14は、遊技に関する情報を表示可能な情報表示部(手段)を構成する。
情報表示装置14は、例えば、インサートランプと、スタートランプと、リプレイランプと、ベット数ランプと、クレジットランプと、払出数ランプと、指示モニタと、リミットランプ等を含んで構成される。
インサートランプは、点灯することでメダルの投入が可能であることを表示する。スタートランプは、点灯することでスタートレバー7の操作にともなって遊技の開始が可能であることを表示する。リプレイランプは、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを表示する。ベット数ランプは、点灯することでベットされたメダル数を表示する。クレジットランプは、その点灯態様によりクレジットされているメダル数を表示する。払出数ランプは、その点灯態様により遊技結果に応じて払出されたメダル数(払出数)を表示する。
また、指示モニタは、報知ランプ(停止操作表示部)と、区間ランプ(状態表示部)と、を含んで構成される。報知ランプは、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下(例えば、AT状態)において、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で点灯することで、停止操作の情報を表示する。なお、「報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様」とは、例えば、押し順(本実施形態では、これを「打順」として説明する場合がある)「1st(第1停止操作をリール3Lに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作をリール3Cに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作をリール3Rに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「3」を表示する等の態様のことである。なお、報知ランプは、クレジットランプや払出数ランプとは必ずしも別に設けられていなくともよい。例えば、クレジットランプ又は払出数ランプのいずれかを用いて、停止操作の情報を表示してもよい。
このように、本実施形態では、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下においては、後述の副制御回路200によって制御されるサブ側報知手段(例えば、メイン演出表示部21)のみならず、後述の主制御回路100によって制御されるメイン側報知手段としての指示モニタにおいても停止操作の情報が報知される。なお、メイン側報知手段における報知の態様と、サブ側報知手段における報知の態様とは、互いに異なる態様であってもよい。すなわち、メイン側報知手段では、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない。例えば、押し順「1st」を報知する場合、指示モニタにおいて数値「1」が表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もある。一方、サブ側報知手段では、停止操作の情報を直接的に報知すればよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合、メイン演出表示部21では、リール3Lに対して第1停止操作を行わせるための指示情報を直接的に報知すればよい。
また、区間ランプは、点灯することで現在の状態が後述の有利区間中であることを表示する。区間ランプは、例えば、後述の非有利区間から有利区間に移行するとき、当該有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯し、当該有利区間が終了して非有利区間に移行するとき、当該非有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで消灯する。なお、区間ランプの点灯タイミングはこれに限られない。例えば、非有利区間又は有利区間における後述の演出区間(通常有利区間)から最初に有利区間における後述の増加区間(AT状態)に移行するとき、当該増加区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯するものとしてもよい。すなわち、区間ランプは、演出区間であるか増加区間であるかを問わず有利区間中であることを報せるものであってもよいし、少なくとも最初の増加区間の開始からこれを含めた有利区間が終了するまでの期間を報せるものであってもよい。
また、リミットランプは、その点灯態様により後述のリミット処理が実行されたこと、あるいはその可能性を表示する。例えば、リミット処理が実行された場合に点灯することで遊技者に有利な状態(例えば、AT状態)がリミット処理の実行によって強制的に終了されたことを報せる。また、例えば、リミット処理の実行が近い場合に点滅することで当該有利な状態がリミット処理の実行によって強制的に終了される可能性が高いことを報せる。なお、これら以外にも点灯、点滅又は消灯の契機を設けることで、リミット処理に関するその他の情報を適宜報せることもできる。
[1-1-10.演出表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、演出画像を表示するメイン演出表示部21及びサブ演出表示部22を備える。メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22は、演出表示を行うことが可能な演出表示部(手段)を構成する。また、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。
メイン演出表示部21は、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を含んで構成される。また、メイン表示装置210は、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置された表示ユニットAと、画像表示用の照射光を出射する照射ユニットBと、照射ユニットBからの照射光が照射されることにより画像を出現させるスクリーン装置Cとを有するいわゆるプロジェクションマッピング装置として構成される。なお、本実施形態では、メイン表示装置210をこのように構成することで、高度で、かつ迫力のある演出表示を可能としているが、メイン表示装置210の構成はこれに限られない。すなわち、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能であればよく、液晶表示装置や有機EL等の画像表示装置や7セグメントLED等の表示装置として構成することもできるし、サブリール等の変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、例えば、いわゆる出目によって楽しませることを主体とする遊技性である等の場合には、メイン演出表示部21を設けないように構成することもできる(サブ演出表示部22も同様)。
サブ演出表示部22は、サブ表示装置220を含んで構成される。また、サブ表示装置220は、液晶表示装置として構成される。なお、サブ表示装置220もメイン表示装置210と同様に、他の画像表示装置や表示装置として構成することができるし、変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、メイン演出表示部21は、大画面で構成されていることから、押し順の報知や当り報知、あるいは連続演出等といった今回の遊技と密接に関連する演出を主として表示し、サブ演出表示部22は、小画面で構成されていることから、遊技履歴等といった今回の遊技とはそこまで密接に関連しない演出を主として表示するといったように、目的に応じて表示内容を分けて表示することが可能である。また、本実施形態では、メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22の2個の演出表示部を設けるように構成しているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出表示部を設けるように構成することもできる。
[1-1-11.ランプ]
上述のとおり、パチスロ機1は、一例として挙げた上部ランプ23のように、その発光態様(点灯、点滅、あるいは消灯のみならず、フルカラーLEDとして構成される場合にはその輝度や発光色を含む)によって演出を行うことが可能な一又は複数のランプ(発光手段)を備える。また、このような発光手段は、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
なお、後述のランプ・LED類に含まれるその他のランプとしては、例えば、上ドア機構UDの両側端面や下ドア機構DDの両側端面に設けられたサイドランプや各操作部内に設けられた操作部ランプ等を挙げることができる。なお、後者は、それぞれの操作部が操作可能であるか否かを遊技者に報せる機能を含むことから、このような機能を発揮させる場合には演出内容に応じて発光態様を変動させず、一義的な発光態様によって発光するように制御することができる。
[1-1-12.スピーカ]
上述のとおり、パチスロ機1は、効果音やBGM等の音声を出力するスピーカ35a,35bを備える。スピーカ35a,35bは、音声の出力によって演出を行うことが可能な音声出力手段を構成する。また、遊技者に対し聴覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
[1-1-13.その他演出装置]
なお、パチスロ機1では、上述の各種演出装置(演出実行手段)以外の演出装置を設けることもできる。例えば、いわゆる役物といった可動演出装置、振動により演出を行う振動演出装置、あるいは空気を噴射することで演出を行うエアー演出装置等の演出装置を設け、演出を実行することも可能である。すなわち、遊技者の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のいずれかに訴えかけることができる(遊技者に演出が実行されていることを認識可能とさせる)演出を実行可能な演出装置であれば、それらのうちいずれを用いることもできる。したがって、本実施形態において「演出を実行する」とは、特段の説明がない限り、上述の各種演出装置(演出実行手段)のうち、一又は複数の演出装置のいずれの演出装置を用いて演出を実行してもよいこと示している。
[1-2.内部構造]
[1-2-1.セレクタ]
セレクタ31(図2において符号省略)は、メダル投入口5から投入されたメダルの流下路であって、下ドア機構DDの背面側に設けられている。セレクタ31は、例えば、後述のメダルセンサ31Sと、振分装置とを有している。
メダルセンサ31Sは、メダル投入口5から投入されたメダルを検出するとともに、検出されたメダルが適切なメダルであるか否かを判定する。振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルであると判定された場合であって、メダルの受入れが可能な状態である場合、当該メダルが後述のホッパー装置32側に案内されるように駆動制御される。なお、この場合、ベット数あるいはクレジット数が1加算される。一方、振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルでないと判定された場合、及びメダルの受入れが可能な状態でない場合、当該メダルがキャンセルシュートを通ってメダル払出口11から返却されるように駆動制御される。メダルセンサ31Sによるメダルの検出に異常が発生した場合にはセレクタエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、セレクタ31は、投入された遊技媒体を検出可能な遊技媒体検出部(手段)を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正であるか否かを判定可能な判定手段を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正である場合には内部に貯留する一方、投入された遊技媒体が適正でない場合には外部に排出する振分手段を構成する。また、セレクタ31の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-2.ホッパー装置]
ホッパー装置32は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。ホッパー装置32は、例えば、メダル投入口5から投入され、セレクタ31によって案内されたメダルを貯留するバケット部と、バケット部の底部に設けられ、バケット部に貯留されたメダルを撹拌するとともに、1枚ずつ排出部に案内するディスク部と、ディスク部によって案内されたメダルを1枚ずつ排出する排出部と、排出部から排出されたメダルをカウントするカウントセンサとを有している。
バケット部は、一定数のメダルを貯留可能に構成される。一定数を超えたメダルは、上面側に設けられた案内通路を通って後述のメダル補助収納庫33に案内される。なお、バケット部に貯留されたメダルが空となった場合にはホッパーエンプティエラーが発生する。なお、この場合、メダルを補充した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
ディスク部は、中心から放射状にメダル形状のくり抜き部が複数形成され、駆動信号にしたがって中心軸が回転駆動されることで、くり抜き部に嵌ったメダルを1枚ずつ排出部に案内する。なお、ディスク部が回転することでバケット部に貯留されたメダルが撹拌される。また、ディスク部の回転に異常が発生した場合にはホッパージャムエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
カウントセンサは、排出部から排出されたメダルを検出するとともに、その枚数をカウントする。例えば、1枚のメダルを払出す場合、ディスク部が回転を開始し、続いてカウントセンサが1枚のメダルの払出をカウントしたことに応じてディスク部の回転が停止する。このようにして、適正枚数のメダルが払出されるようにしている。
すなわち、ホッパー装置32は、遊技媒体を払出可能な遊技媒体払出部(手段)を構成する。また、上述のとおり、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、ホッパー装置32の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-3.メダル補助収納庫]
メダル補助収納庫33は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。メダル補助収納庫33は、例えば、ホッパー装置32のバケット部から案内されたメダルを収納する収納部と、収納部の近傍に設けられ、収納部に収納されたメダルの容量を検出するメダル補助収納庫スイッチ33Sとを有している。
収納部は、一定数のメダルを収納可能に構成される。メダル補助収納庫スイッチ33Sにより、当該一定数以上のメダルが収納されたと判定された場合にはメダル補助収納庫エラーが発生する。なお、この場合、収納部に収納されたメダルを少なくとも一定数未満に減らした上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、メダル補助収納庫33は、余剰の遊技媒体を貯留可能な余剰遊技媒体貯留部(手段)を構成する。なお、メダル補助収納庫33の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-4.電源装置]
電源装置34は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。電源装置34は、例えば、電源基板34aと、電源スイッチ34bとを有しており、電源スイッチ34bがオンされることに応じてパチスロ機1に電力を供給する。なお、電源装置34は、家庭用電気製品等と同じく電源ケーブル(不図示)から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。すなわち、電源装置34は、必要な電力を遊技機に供給可能な電源部(手段)を構成する。なお、電源装置34の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
なお、本実施形態では、後述の設定用鍵型スイッチ52やリセットスイッチ53が主制御基板71(より詳細には後述の主制御基板ケース上)に設けられるように構成しているが、これらのスイッチを電源装置34に設けるように構成することもできる。
[1-2-5.基板]
パチスロ機1は、各種制御に必要な基板として、例えば、以下に示す各基板を備える。なお、以下に示す各基板はあくまで一例であって、これらとは異なる基板を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない基板については、これを備えない構成としてもよい。
[1-2-5-1.主制御基板]
主制御基板71は、キャビネットG内において、リールユニットRUの背面側に取付けられている。なお、主制御基板71は、遊技に関する制御を行う遊技制御基板であり、その状態が視認可能となるように透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製の主制御基板ケース(不図示)内に収容されている。主制御基板71の電気的構成については後述する。
なお、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、基本的に各種電子部品がDIP実装されて構成されるものとなっているが、各種電子部品の一部又は全部についてSMT実装(表面実装)されて構成されるものとしてもよい。また、この場合、テスターやオシロスコープを用いて動作確認を行うためのテストポイントを設けるようにしてもよい。また、各種電子部品の一部又は全部について6平方mmを超えない小さい電子部品を使用してもよい。また、主制御基板71の基板面を多層化して構成してもよい。
[1-2-5-2.副制御基板]
副制御基板72は、キャビネットG内において、中間支持板G1の裏面側に取付けられている。なお、副制御基板72は、演出に関する制御を行う演出制御基板であり、樹脂製の副制御基板ケース(不図示)内に収容されている。なお、副制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成することもできるし、不透明(あるいは略不透明)に構成された他の材料を用いたケースとして構成することもできる。副制御基板72の電気的構成については後述する。
[1-2-5-3.その他基板]
(主中継基板)
主中継基板73(図2において符号省略)は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、主中継基板73に接続された各種デバイス等と主制御基板71との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、主中継基板73は、制御効率や配線効率の便宜から主制御基板71とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ主中継基板73の機能を全て主制御基板71にもたせ、主中継基板73を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、主中継基板73をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、主中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(副中継基板)
副中継基板74は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、副中継基板74に接続された各種デバイス等と副制御基板72との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、副中継基板74は、制御効率や配線効率の便宜から副制御基板72とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ副中継基板74の機能を全て副制御基板72にもたせ、副中継基板74を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、副中継基板74をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、副中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(外部集中端子板)
外部集中端子板55は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下部空間の奥側)に取付けられており、例えば、メダル投入信号、メダル払出信号、外部信号1~4及びセキュリティ信号等の信号をパチスロ機1の外部へ出力する。なお、外部信号1~4は、その出力開始条件及び出力終了条件を適宜設定可能であり、その遊技性に応じてパチスロ機1の内部状態(例えば、ボーナス状態やAT状態)の遷移を外部に報せることを可能としている。そして、外部集中端子板55は、通常、外部のデータ表示機やホールコンピュータに接続されることから、これらの機器においても、パチスロ機1におけるメダルの投入・払出状況やエラーの発生状況のみならず、そのような内部状態の遷移状況が認識可能となっている。
(試験機用インターフェースボード)
試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302は、ともにパチスロ機1の検定試験(試射試験)において、遊技に関する各種信号を試験機に出力する際に用いられる中継基板である(なお、販売用のリリース製品としてのパチスロ機1にはこれらの中継基板は搭載されていないので、販売用の主制御基板71には、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302に接続するために必要な各種電子部品もまた実装されていない)。例えば、遊技に係る主要な動作(例えば、内部抽籤、リール停止制御等)を制御するための試験信号は、試験機用第1インターフェースボード301を介して出力され、また、主制御基板71で決定された押し順ナビに係る試験信号等は、試験機用第2インターフェースボード302を介して出力される。
[2.パチスロ機の電気的構成]
続いて、図3を参照して、パチスロ機1の電気的構成について説明する。なお、図3は、パチスロ機1の電気的構成を示すブロック図である。
上述のとおり、パチスロ機1は、主制御基板71と、副制御基板72と、主中継基板73と、副中継基板74とを有している。主制御基板71と主中継基板73、主中継基板73と副中継基板74、及び副中継基板74と副制御基板72は、それぞれ電気的に接続されている。また、主制御基板71と副制御基板72は、主中継基板73及び副中継基板74を介して、主制御基板71から副制御基板72に対して一方向のシリアル通信が可能となるように電気的に接続されている。
主制御基板71には、遊技に関する制御を行う遊技制御部としての主制御回路100が実装されている。主制御回路100は、例えば、メインCPU101、メインROM102、メインRAM103、クロックパルス発生回路(不図示)、乱数回路(不図示)等を含んで構成される。メインROM102には、メインCPU101により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、副制御回路200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM103には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。クロックパルス発生回路は、メインCPU101作動用のクロックパルス信号を生成する。乱数回路は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~65535又は0~255等)を発生させる。メインCPU101は、生成されたクロックパルス信号に基づいて各種制御プログラムを実行する。また、発生された乱数の中から必要に応じて一又は複数の値を乱数値として抽出する。このようにして、遊技動作全般に係る制御を行う。
副制御基板72には、演出に関する制御を行う演出制御部としての副制御回路200が実装されている。副制御回路200は、例えば、サブCPU201、サブRAM203等を含んで構成される。また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202が接続されている。ロムカートリッジ基板202には、サブCPU201により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、各種演出データ(例えば、メイン表示装置210に係る映像データや駆動データ、サブ表示装置220に係る映像データ、ランプ・LED群に係るランプデータ、スピーカ群に係るサウンドデータ等)等が記憶される。サブRAM203には、制御プログラムの実行により決定された演出内容や各種演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される各種制御指令(コマンド)に係るデータを格納する格納領域等が設けられる。なお、演出に係る演出用乱数値については、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~32767等)の中から、サブCPU201内で発生及び抽出が行われるようにしてもよいし、主制御回路100と同様に乱数回路を設けることでその発生及び抽出が行われるようにしてもよい。また、ロムカートリッジ基板202ではなく、副制御回路200内にサブROMが含まれるようにし、各種制御プログラム等はサブROMに記憶されるように構成してもよい。また、ロムカートリッジ基板202に各種演出データを記憶させ、副制御回路200内のサブROMに各種制御プログラム及び各種データテーブルを記憶させるように構成してもよい。また、副制御回路200には、GPU等の画像専用のマイクロプロセッサ(例えば、「VDP」とも称される)が含まれるようにし、これによってメイン表示装置210やサブ表示装置220で表示される映像を生成(編集)するように構成してもよい。
主制御基板71には、ステッピングモータ51L,51C,51R、設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、役比モニタ装置54、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34が電気的に接続されている。また、主制御基板71には、主中継基板73を介して、ドア開閉監視スイッチ56、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14が電気的に接続されている。なお、仮に試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302が搭載される場合には、例えば、主中継基板73を介して主制御基板71に電気的に接続される。
なお、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
各ステッピングモータ51L,51C,51Rは、それぞれ所定の減速比をもったギアを介して各リール3L,3C,3Rに接続され、その駆動により各リール3L,3C,3Rを回転及び停止させる。なお、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、各リール3L,3C,3Rが一定の角度で回転することから、メインCPU101は、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対してパルスを出力した回数をカウントし、このカウント結果に基づいて各リール3L,3C,3Rの図柄位置を管理する。また、各リール3L,3C,3Rには、このような管理を行うための初期位置を定めるリールインデックス(不図示)と、リールインデックスの位置を検出するためのインデックスセンサ(不図示)が設けられる。
設定用鍵型スイッチ52は、パチスロ機1の設定値(例えば、6段階の設定1~設定6)を変更するとき(設定変更)、もしくは、パチスロ機1の設定を確認するとき(設定確認)に使用される。ここで、設定値は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示すものであり、通常は、設定値が低いほど(例えば、設定1に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に低くなり、設定値が高いほど(例えば、設定6に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に高くなる。設定用鍵型スイッチ52は、例えば、遊技店側の管理者が鍵穴に設定キー(不図示)を挿入して初期位置から左に回すとオン状態となり、左に回した状態から初期位置に戻すとオフ状態となる。なお、パチスロ機1の電源がオフ状態のとき、設定用鍵型スイッチ52をオン状態としてから電源をオン状態とすると設定変更が可能な状態となり、パチスロ機1の電源がオン状態のままで設定用鍵型スイッチ52をオン状態とすると設定確認が可能な状態となる。
リセットスイッチ53は、遊技店側の管理者によるリセット操作を検出可能としている。リセット操作は、各種のエラー状態を解除するための操作である。また、リセットスイッチ53は、設定変更が可能な状態において、遊技店側の管理者による設定値決定操作を検出可能としている。なお、設定変更が可能な状態においてリセットスイッチ53が操作されると、操作される度に設定値が順次1ずつ増加する(設定6まで到達すると次は設定1に戻る)。このようにして、設定値決定操作が行えるようになっている。また、このように決定された設定値は、その後スタートレバー7が1回操作されると確定する。すなわち、スタートスイッチ7Sは、遊技店側の管理者による設定値確定操作を検出可能としている。このように、設定変更を行う場合には、設定用鍵型スイッチ52をオン状態とし、リセットスイッチ53を操作して設定値を選択し、スタートレバー7を操作して選択した設定値を確定させた後、設定用鍵型スイッチ52をオフ状態とするといった設定変更操作が必要となっている。なお、これは、設定変更操作の一例であり、他の操作によって設定変更を行い得るように構成することもできる。また、設定変更や設定確認に際しては、例えば、上述のクレジットランプあるいは払出数ランプにおいて現在の設定値が表示されるものすればよい。
役比モニタ装置54は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、主制御基板ケースの内部に設けられる。役比モニタ装置54は、メインCPU101によって集計・算出された遊技に関する各種割合情報を順次表示する。これらの割合情報は、遊技店の管理者がパチスロ機1に不正改造がないかを確認する際等に使用される。なお、役比モニタ装置54は、主制御基板71上に実装されるようにしてもよいし、主制御基板71に接続された他の基板(例えば、割合表示基板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、主制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、役比モニタ装置54における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に上述の各種割合情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14を役比モニタ装置54と兼用して用いる構成としてもよい。また、電源投入直後又は電源投入から所定時間(例えば、10秒程度。主制御回路100及び副制御回路200の立ち上げに要する時間を考慮したバッファとなる時間)の経過後に、役比モニタ装置54の4桁の7セグメントLEDが正常に機能していることを確認可能とするため、例えば、「8.8.」といったようなテストパターン(全てのセグ及びデシマルのLEDが点灯するパターン)で所定期間点灯(ないし点滅)させる構成とすることが望ましい。
役比モニタ装置54では、例えば、上位2桁にはその割合情報の種類が表示され、下位2桁にはその割合情報を示す値(%)が表示される。ここで、役比モニタ装置54に表示される各種割合情報には、例えば、累計の特定区間割合情報、直近6000ゲーム間の連続役物割合情報及び役物割合情報、累計の連続役物割合情報及び役物割合情報等がある。
特定区間割合情報とは、対象の遊技数(例えば、「累計」であれば175000ゲーム。「直近6000ゲーム」であれば6000ゲーム。以下同じ)の遊技区間のうち、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)の遊技数(あるいは、単に有利区間中の遊技数であってもよい)の割合を示す情報である。また、連続役物割合情報とは、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)の作動中(第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む)に払出されたメダル数の割合を示す情報である。また、役物割合情報は、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)、第二種特別役物(CB)、及び普通役物(SB)の作動中に払出されたメダル数の割合を示す情報であり、ここでの第一種特別役物(RB)の作動中とは、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む概念であり、また、第二種特別役物(CB)の作動中とは、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)が作動している状態における第二種特別役物(CB)の作動中を含む概念である。
なお、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)を役物の作動中、あるいは役物連続作動装置の作動中としてとらえ、それぞれの割合情報において集計・算出の対象とすることもできる。すなわち、役比モニタ装置54は、必要な割合情報を適切に表示するものであればよく、表示可能な各種割合情報はこれらに限定されない。また、例えば、第一種特別役物(RB)が搭載されていない機種において連続役物割合情報を表示する場合、あるいは有利区間機能(AT機能)が搭載されていない機種において特定区間割合情報を表示する場合等、該当する数値情報(対応情報)が存在しない機種においては、当該項目の表示時に、4桁の7セグメントLEDのうちの数値情報(割合を示す%情報)を表示する下2桁の7セグメントLEDにおいて、例えば、「- -」といったように、中央の縦棒2本を点灯表示させる等の非対応情報用識別表示を行うことで、対応情報が存在しない機種である点を確認者が一目で認識可能とすることが望ましい。
ドア開閉監視スイッチ56は、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの背面側に設けられるように構成してもよいし、キャビネットG側に設けられるように構成してもよい。また、上ドア機構UDにも同様のドア開閉監視スイッチが設けられるように構成してもよい。ドア開閉監視スイッチ56は、下ドア機構DDが開放状態となったときにオン状態となり、閉鎖状態となったときにオフ状態となることで、下ドア機構DDの開閉を監視する。なお、ドア開閉監視スイッチ56がオン状態となるとドア開放エラーが発生する。この場合、下ドア機構DDを閉鎖状態とすると当該エラー状態が解除される。
副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220が電気的に接続されている。また、副制御基板72には、副中継基板74を介して、24hドア監視ユニット61、演出用ボタン10a,10b等の演出用ボタン群、上部ランプ23等のランプ・LED類、スピーカ35a,35b等のスピーカ群が電気的に接続されている。
なお、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220、演出用ボタン群、ランプ・LED類及びスピーカ群についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
24hドア監視ユニット61は、ドア開閉監視スイッチ56と同様に、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの開閉を監視するという機能を有する点においてはドア開閉監視スイッチ56と同じであるが、このような監視を副制御回路200側でも行い得るようにすることで、さらに下ドア機構DDの開閉履歴を一定期間保存することができるようにしている。なお、この開閉履歴は、後述のホールメニューから確認することができる。したがって、例えば、営業時間外であって、遊技店の管理者が退出した後に開放履歴があった場合や、営業時間内において長時間にわたって開放された開閉履歴があった場合には、これにより不正行為が行われた可能性が高いことを認識できるようになっている。
[3.パチスロ機の機能フロー]
続いて、図4を参照して、パチスロ機1の機能フローについて説明する。なお、図4は、パチスロ機1の機能フローを説明するための図である。
遊技者によりパチスロ機1にメダルが投入され(ベット操作が行われ)、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、予め定められた範囲(例えば、0~65535)の乱数から1つの乱数値(本実施形態では、これを「内部抽籤用乱数値」として説明する場合がある)が抽出される。
内部抽籤手段(後述の内部抽籤処理を行うメインCPU101)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、有効ライン上に表示されることが許可される図柄の組合せが事前に決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられる。なお、メダルの払い出しに係る役を「小役」と称し、再遊技(リプレイ)の作動に係る役を「リプレイ役」と称し、ボーナス(ボーナス状態)の作動に係る役を「ボーナス役」と称する。また、内部当籤し得る役(すなわち、成立が許可される図柄の組合せ)は、単に「役」と称されることがある。また、内部当籤役は、「当籤役」、「事前決定結果」、あるいは「導出許容条件」等と称されることがある。また、内部抽籤手段は、「役決定手段」、「当籤役決定手段」、「事前決定手段」、あるいは「導出許容条件決定手段」等と称されることがある。
また、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者によりリール(各リール3L,3C,3R)に対応するストップボタン(各ストップボタン8L,8C,8R)が操作される(停止操作が行われる)と、リール停止制御手段(後述のリール停止制御処理を行うメインCPU101)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミング(あるいはその押し順を含む)とに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。なお、開始操作を行うための操作手段は、スタートレバー7のようにレバー形状をしたものに限られず、遊技者が開始操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。また、停止操作を行うための操作手段は、各ストップボタン8L,8C,8Rのようにボタン形状をしたものに限られず、遊技者が停止操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。
パチスロ機1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転にともなって移動する図柄の数を「滑り駒数」という。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ライン上に極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ライン上に表示されないようにリールの回転を停止させる。なお、リールの回転が停止したときに表示された図柄は、「停止表示」、あるいは「表示結果」等と称されることがある。また、リールの回転が停止したときに図柄が表示されることは、「停止表示の導出」、あるいは「表示結果の導出」等と称されることがある。
また、リール停止制御手段は、リールが回転してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合には、遊技者が停止操作を行っていない場合でも、自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の停止操作を介さずにリールが停止することとなるため、いずれかの内部当籤役が決定されている場合であっても、いずれの入賞に係る図柄の組合せも有効ラインに沿って表示されていないようにリールの回転を停止させることが望ましい。
このようにして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述の入賞作動判定処理を行うメインCPU101)は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)であるか否かの判定を行う。すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立したか否かの判定を行う。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)である(すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立した)と判定されると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられ、あるいは、それを契機として各種の制御が行われる。パチスロ機1では、一例として、以上のような一連の流れで1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、入賞判定手段は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、単に予め定められた複数の図柄の組合せのうちのいずれかの図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよいし、内部抽籤手段によって決定された内部当籤役に係る図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよい。すなわち、前者では、内部当籤役と切り離して、入賞に係る図柄の組合せであるか否かを判定するものであってもよい。この場合、リール停止制御手段によって適切に停止制御が行われる限り、誤入賞の発生の防止は十分に担保され得ることから、誤入賞検知に係る制御負担を低減させることが可能となる。一方、後者では、入賞に係る図柄の組合せが、入賞が許可されていた図柄の組合せであるか否かも判定可能とすることで、リールの不具合等により誤入賞が発生した場合に、その誤入賞を検知することができるため、セキュリティ性を向上させることが可能となる。
また、パチスロでは、前述した一連の遊技動作の流れの中で、表示装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220等)による映像の表示、各種ランプ(例えば、上部ランプ23等)による光の出力、スピーカ(例えば、スピーカ35a,35b等)による音の出力、或いは、これらの組合せを利用して様々な演出が行われる。すなわち、これらは演出を実行する演出実行手段である。なお、演出実行手段により実行される演出の内容は、主制御回路100側(メイン側)で決定される場合もあれば、副制御回路200側(サブ側)で決定される場合もある。すなわち、これらはそのいずれもが演出内容決定手段となり得る。
例えば、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、内部抽籤用乱数値とは別に、演出用乱数値が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応付けられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤によって(あるいは予め定められた決定条件にしたがって)決定する。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、例えば、内部当籤役に対応付けられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(狙うべき図柄の組合せや操作すべき押し順等と換言することもできる)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[4.パチスロ機の遊技性に関する基本仕様]
続いて、パチスロ機1の遊技性に関する基本仕様について説明する。
[4-1.図柄配置]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数の図柄が変動表示及び停止表示されることで遊技が行われる仕様となっている。したがって、主制御回路100は、各リール3L,3C,3Rにおいて、どの図柄がどの位置に配置されているかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、少なくとも各リール3L,3C,3Rそれぞれの各図柄位置にある図柄の種類を識別するためのデータが記憶されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄配置テーブル(図9参照)を用いている。
図柄配置テーブルには、各リール3L,3C,3Rそれぞれの回転方向における各図柄位置を示す図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)が規定されている。また、各図柄位置データに対して図柄の種類を特定するためのデータ(例えば、図柄コード)が対応付けられている。また、図柄配置テーブルでは、リールインデックスが検出されたときにメイン表示窓4の枠内における各リールの中段領域に位置する図柄の位置を「0」と規定している。なお、各列の図柄数、図柄の種類数、あるいは最大滑り駒数等は適宜変更して規定可能である。
[4-2.図柄組合せ]
上述のとおり、パチスロ機1では、表示された図柄の組合せが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、表示された図柄の組合せに応じて、各種特典を付与したり、現在の状態から相対的に有利な状態に移行させたり、現在の状態から相対的に不利な状態に移行させたりすることを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような図柄の組合せについて把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような図柄の組合せを特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄組合せテーブル(図11~図14参照)を用いている。
図柄組合せテーブルには、有効ライン上に表示され得る図柄の組合せのうちで予め定められた複数の図柄の組合せの種類を示すデータ(例えば、「表示役」あるいは「入賞作動フラグ」)が規定されている。なお、それぞれの図柄の組合せを構成する図柄は、例えば、上述の図柄コード等を用いて特定することができる。また、各図柄の組合せに対して特典等の種類を示すデータ(例えば、「払出等」)が対応付けられている。また、図柄組合せテーブルは、基本的に後述の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域(図17参照)と対応するデータ構成となっている。なお、図柄の組合せの種類数、あるいは特典の付与内容等は適宜変更して規定可能である。
[4-3.内部当籤役]
上述のとおり、パチスロ機1では、いずれの図柄の組合せが表示されることが許可されるか(事前に決定されるか)が遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、遊技者の停止操作に先立って(事前に)、内部当籤役(すなわち、表示され得る図柄の組合せの種類(あるいは、付与され得る特典の種類))を決定することを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような内部当籤役について把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような内部当籤役を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の内部抽籤テーブル(図10参照)を用いている。
内部抽籤テーブルには、予め定められた複数の内部当籤役の種類を示すデータ(例えば、「No.」あるいは「当籤番号」)と、各遊技状態において各内部当籤役が決定される抽籤値とが規定される。なお、抽籤値は、設定された設定値によっても変動する場合がある。また、各内部当籤役に対して表示が許可される(対応する)図柄の組合せの種類が対応付けられている。なお、パチスロ機1では、1つの内部当籤役に対して複数の図柄の組合せを対応付けることを可能としており、このような内部当籤役が決定された場合、いずれの図柄の組合せが表示されるかは停止制御によって決定されるものとなっている。
ここで、例えば、本実施形態の後述の内部抽籤処理(図26参照。より詳細には、S64の内部当籤役決定処理)では、まず、乱数回路によって予め定められた数値の範囲(例えば、0~65535)から抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次加算更新する。次いで、抽籤結果(抽籤値+乱数値)が65535を超えたか否か(抽籤結果がオーバーフローしたか否か)の判定を行う。そして、所定の内部当籤役において、当該判定の結果が65535を超えた場合、当該内部当籤役に当籤させる(当該内部当籤役を決定する)。もっとも、全ての内部当籤役について当該判定を行っても65535を超えるものがなかった場合、今回の遊技における内部当籤役は「はずれ」となる。なお、これはあくまで内部抽籤処理の一例であり、抽籤値(当籤確率)に応じて適切な抽籤が行われる限り、その抽籤処理の手法は種々の手法を採用することができる。例えば、抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次減算更新し、次いで、減算結果(抽籤結果)が0を下回ったか否か(抽籤結果がアンダーフローしたか否か)を判定して、内部当籤役を決定してもよい。
このように、内部抽籤テーブルにおいては、規定されている抽籤値の数値が大きい内部当籤役ほど決定される確率(当籤確率)が高くなる。なお、各内部当籤役の当籤確率は、「各当籤番号に規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:65536)」によって表すことができる。
[4-4.停止制御]
上述のとおり、パチスロ機1では、内部当籤役の決定によって表示されることが許可された図柄の組合せのうち、遊技者の停止操作によって最終的にいずれの図柄の組合せを表示させるかが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、決定された内部当籤役の種類のみならず、遊技者の停止操作タイミングや押し順(「停止操作態様」や「停止操作手順」とも称される)によって最終的に表示される図柄の組合せの種類を変動させる(決定する)制御(停止制御)を行うことを可能としている。したがって、主制御回路100は、各内部当籤役に対して、遊技者の停止操作態様に応じてどのような態様で停止制御を行うかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような停止制御の態様を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として停止テーブルや引込優先順位テーブル(不図示)等を用いている。
停止テーブルには、各リール3L,3C,3Rの各図柄位置データに対して、図柄の移動量を示すデータ(例えば、「滑り駒数」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の停止テーブルが選択されたとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置(停止操作が行われたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データ)が「0」であったとする。そして、所定の停止テーブルにおいて、図柄位置データ「0」に規定された滑り駒数が「4」であったとする。そうすると、主制御回路100は、4図柄分移動した図柄位置(図柄位置データ「4」の位置)でリール3Lを停止させる(停止予定位置が「4」となる)ように制御を行う。このように、停止テーブルには、停止させる位置を直接的に決定することを可能とするデータ(滑り駒数)が規定されている。なお、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような停止テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「テーブル制御」と称される。
引込優先順位テーブルには、表示されることが許可された図柄の組合せが複数ある場合に、いずれの図柄の組合せを優先的に表示させるか(引込むか)を示すデータ(例えば、「引込優先順位」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の引込優先順位テーブルが選択されたとする。ここで、所定の内部当籤役は、図柄組合せAと図柄組合せBの表示を許可するものとし、所定の引込優先順位テーブルは、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるように引込優先順位が規定されているものとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置が「0」であったとする。
そうすると、主制御回路100は、停止開始位置を含めた最大滑り駒数(例えば、「4」)の範囲内の各図柄位置について、図柄組合せAを構成する図柄と図柄組合せBを構成する図柄があるかどうかを検索する。双方の図柄がなければ、予め定められたルール(例えば、より近い位置で停止させる、より遠い位置で停止させる等)にしたがって停止させる位置を決定する。図柄組合せAを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。図柄組合せBを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。双方の図柄があれば、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるのであるから、図柄組合せBを構成する図柄に対応する位置で停止させることを決定する。なお、引込優先順位は、選択された引込優先順位テーブルにしたがって、対象となるリールの回転中に全図柄位置について格納されるようにしてもよいし、対象となるリールに対して停止操作が行われたときに、停止開始位置を含めた最大滑り駒数の範囲内の各図柄位置について格納されるようにしてもよい。また、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような引込優先順位テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「コントロール制御」と称される。
なお、本実施形態では、「テーブル制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできるし、「コントロール制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできる。あるいは、まず「テーブル制御」を行うことによって停止させる位置を仮決定し、次に「コントロール制御」を行うことによってより適切な停止位置があるかを検索し、検索結果によっては停止させる位置を変更することを可能とする停止制御を実行する構成とすることもできる。
このように、パチスロ機1では、最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せがどの図柄の組合せとなるかは、例えば、以下の3つの要素に基づいて決定される。
第1の要素は、決定された内部当籤役(内部抽籤処理の抽籤結果)である。例えば、内部抽籤処理の結果が「はずれ」であった場合、いずれかのリプレイ役に係る図柄の組合せ、小役に係る図柄の組合せ又はボーナス役に係る図柄の組合せが最終的に有効ライン上に表示されることはない。なお、「はずれ」は、内部当籤役の1つであると捉えることもできるし、内部当籤役が決定されなかった抽籤結果であると捉えることもできる。
第2の要素は、遊技者の停止操作タイミング(遊技者がいずれかのストップボタンを操作したときの図柄の位置(押下位置))である。例えば、本実施形態においては、最大滑り駒数として図柄4個分が定められているため、内部抽籤処理の結果、いずれかの内部当籤役に当籤していたとしても、表示が許可されている図柄の組合せを構成する図柄が有効ライン(複数ある場合には各有効ライン)に対して図柄4個分を超えて配置されていた場合には、遊技者の停止操作タイミングによっては当該図柄の組合せが表示されない場合がある。これをいわゆる「取りこぼし」という。
第3の要素は、遊技者の押し順(遊技者がストップボタンを操作した順番)である。例えば、本実施形態においては、複数の図柄の組合せが対応付けられた内部当籤役が決定される場合があり、この場合には、遊技者の押し順に応じて最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せが変動する場合がある。なお、このような内部当籤役を「押し順役」といい、それがリプレイ役の場合には「押し順リプレイ」と称されることがあり、小役の場合には「押し順小役」と称されることがある。
[4-5.遊技状態]
パチスロ機1では、遊技者の有利度合いを変動させるため、あるいは企図した遊技性とするために、遊技を行う状態として種々の遊技状態を設けることが可能となっている。以下、その遊技状態の一例について説明する。
[4-5-1.ボーナス状態]
パチスロ機1では、ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、ボーナス状態に移行させる(ボーナス状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなボーナス状態を設けないように構成することもできる。また、複数種類のボーナス役を設けることで、複数のボーナス状態を設けるように構成することもできる。ボーナス役に当籤すると、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまで複数回の遊技にわたって当該ボーナス役が内部当籤役として持越された状態(持越状態)が発生する。このようなボーナス役は「持越役」と称されることがある。また、このような持越状態は「(ボーナス)フラグ間」や「(ボーナス)内部中」等と称されることがある。
ボーナス状態は、ボーナス状態が作動していない状態(非ボーナス状態)に対して小役の抽籤態様(当籤確率やその内容、あるいは停止制御の態様等も含む。以下同じ)を変動させることが可能な状態となっている(リプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態ともなっているため、ボーナス状態を後述のRT状態の一態様として捉えることもできる)。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも不利な遊技状態となる。
ボーナス役としては、例えば、第一種特別役物(RB)、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)、第二種特別役物(CB)(ただし持越役ではない)、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)、及び普通役物(SB)(ただし持越役ではない)等を挙げることができる。また、例えば、各ボーナス役に対応するボーナス状態は以下のように構成される。RB状態は、予め定められた任意の入賞回数(例えば、上限は8回)又は予め定められた任意の遊技回数(例えば、上限は12回)の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。BB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は285枚)を超えるメダルの払出があった場合に終了する遊技状態として構成される。
CB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。MB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は153枚)を超えるメダルの払出があった場合、あるいはMB状態中にRBやSBに当籤した場合に終了する遊技状態として構成される。SB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。
なお、ボーナス状態の作動条件は、ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことのみに限られない。例えば、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動中においては、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動開始時、第一種特別役物の作動中ではない場合の遊技開始時、あるいは第一種特別役物の作動終了時等において自動的に第一種特別役物(RB)を作動させるように構成することもできる。すなわち、RBに係る図柄の組合せを規定することなく、BBの作動中は常にRBの作動中となるように制御することもできる。ここで、BB作動中のRBは「JAC」等と称されることがあり、このように自動的にBB作動中のRBが作動する仕様は「オートJAC」等と称されることがある。また、BBの作動中においては、規定されたRBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってRBの作動中となるように制御することもできる。このように対応する図柄の組合せの表示に基づいてRBが作動する仕様は「マニュアルJAC」等と称されることがある。また、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)と、第二種特別役物(CB)との関係も同様である。すなわち、CBに係る図柄の組合せを規定することなく、MBの作動中は常にCBの作動中となるように制御することもできるし、MBの作動中においては、規定されたCBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってCBの作動中となるように制御することもできる。
[4-5-2.RT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、RT状態に移行させる(RT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなRT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のRT状態を設けるように構成することもできる。RT状態は、RT状態が作動していない状態(非RT状態)に対してリプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態となっている。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも不利な遊技状態となる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。なお、この場合、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に有利なRT状態は「高RT状態」や「高確率再遊技状態」等と称され、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に不利なRT状態は「低RT状態」や「低確率再遊技状態」等と称されることがある。
RT状態は、例えば、以下のいずれの移行条件の成立によって移行させることができる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。
(1)RB、BB又はMBに当籤したとき
(2)RB、BB又はMBに係る図柄の組合せが表示されたとき
(3)RB状態、BB状態又はMB状態が終了したとき
(4)RB、BB又はMBに当籤しておらず(持越されておらず)、RB状態、BB状態又はMB状態中でもない場合において、特定の図柄の組合せが表示されたとき
(5)(3)又は(4)の移行条件成立後に予め定められた回数の遊技が行われたとき
[4-5-3.AT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、AT状態に移行させる(AT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなAT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のAT状態を設けるように構成することもできる。AT状態は、例えば、上述の押し順役に当籤したときに、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されることにより、AT状態が作動していない状態(非AT状態)よりも有利な状態として構成される遊技状態である。
なお、複数のAT状態を設ける場合、それぞれのAT状態の遊技期間(当該期間の延長(あるいは「上乗せ」ともいう。以下同じ)を可能とする場合には延長のされやすさ等を含む)、停止操作の情報が報知される報知対象役の種類、あるいは停止操作の情報の報知が発生する発生確率等をそれぞれ異なるものとすることで、遊技者の有利度合いを変動させることができる。また、AT状態の移行条件及び終了条件は、遊技性に応じて適宜設定可能である(ただし後述のリミット処理の実行による終了を除く)。また、AT状態は、あたかも上述のボーナス状態と同様に扱われる場合があり、この場合には「疑似ボーナス状態」等と称されることがある。
また、AT状態の遊技期間は、当該期間が適切に管理される限り、ゲーム数(遊技回数)によって管理されるようにしてもよく(ゲーム数管理)、所定ゲーム数を1セットとし、セット数によって管理されるようにしてもよい(セット数管理)。また、AT状態中の払出数や純増数(差枚数)によって管理されるようにしてもよい(払出数管理、差枚数管理)。また、AT状態においてメダルの払出に影響を与える報知(例えば、押し順小役当籤時の押し順ナビ)を行った回数(ナビ回数)によって管理されるようにしてもよい(ナビ回数管理)。また、AT状態が延長される場合も同様である。また、AT状態に移行したときに付与される遊技期間と、AT状態が延長されるときに付与される遊技期間とは異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。また、複数のAT状態を設ける場合、同じ管理手法によって管理されるようにしてもよく、異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。
[4-5-4.ART状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、上述の高RT状態とAT状態を組合せたART状態に移行させる(ART状態を作動させる)ことが可能となっている。すなわち、ART状態とは、高RT状態において行われるAT状態を意味するものであるから、RT状態として少なくとも低RT状態と高RT状態とを設け、高RT状態に移行させる(あるいは低RT状態に移行することが回避される)制御が行われる点でAT状態と相違するものの、基本的な制御はAT状態と同様である(遊技者に有利な停止操作の情報が報知される結果として高RT状態に移行する(あるいは低RT状態に移行することが回避される)ものであれば、AT状態と同義であるともいえる)。なお、ART状態の移行条件が成立した場合、まずAT状態に移行し、その後高RT状態に移行することでART状態に移行するものであってもよいし、高RT状態及びAT状態に同時(あるいは略同時)に移行することでART状態に移行するものであってもよい。
[4-5-5.その他遊技状態]
なお、パチスロ機1では、上述の各種遊技状態以外の遊技状態を設けることもできる。例えば、後述の有利区間中の各モード(図5及び図6参照)であるが、これらも遊技者が遊技を行う状態であって、疑似ボーナス状態としてのAT状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得るものであることから、これらを遊技状態として捉えることができる。また、同様の観点より、例えば、ボーナス状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得る遊技状態を設けることができる。例えば、ボーナス役に当籤している(持越されている)場合に、停止制御によってボーナス役に係る図柄の組合せが表示されやすい遊技状態と、これよりも当該ボーナス役に係る図柄の組合せが相対的に表示されにくい遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。また、例えば、ボーナス役が所定の確率で当籤する(当籤しやすい)遊技状態と、当該ボーナス役が当該所定の確率よりも低い確率で当籤する(相対的に当籤しにくい)遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。
また、AT状態に移行するか否か(AT状態において当該AT状態の遊技期間を延長するか否かも含み得る。以下同じ)の有利度合いを変動させ得る手法としては、以下のような手法を採用することもできる。例えば、内部当籤役として「特定役」が決定され得るようにする。当該特定役は、遊技者の停止操作態様(停止操作タイミングであってもよいし、押し順であってもよいし、これらの組合せであってもよい)に応じて付与されるメダル数が変動するものとする(例えば、停止操作態様が適切(正解)であれば8枚の払出、不適切(不正解)であれば1枚の払出又は払出なし)。
そして、特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技においてAT状態に移行するか否かの有利度合いを有利なものに変動させるか否かの決定(直接AT状態に移行させるか否か、あるいは直接当該AT状態の遊技期間を延長するか否かの決定も含み得る。以下「有利決定」として説明する)を行わない。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。あるいは、上述の特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行わない。
このように、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行った場合に、その遊技結果として今回の遊技において有利決定が行われる場合と、当該有利決定が行わない(有利決定が行われることが制限される)場合とがあるように構成することもできる。なお、今回の遊技と次回の遊技で遊技者が替わる場合もあり、このような制限が次回の遊技以降も継続する場合には、(次の)遊技者が著しい不利益を被るおそれがあることから、このような制限は今回の遊技限りとし、次回の遊技以降には継続しないものとすることが望ましい。また、このような制限は「ペナルティ」と称されることがある。
[4-6.遊技区間]
パチスロ機1では、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、上述の遊技状態とは異なる概念で遊技を行う状態として種々の遊技区間を設けることが可能となっている。以下、その遊技区間の一例について説明する。なお、遊技区間は、大別すると非有利区間と有利区間から構成される。
(非有利区間)
非有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能でない遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことはできない。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することはできない。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、初期状態として非有利区間が設定される。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合(すなわち、有利区間中の遊技の進行にともなって更新される所定値(例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタや有利区間払出数カウンタの値)が規定値(例えば、1500ゲームや2400枚)となった場合)、初期状態として非有利区間が設定される。なお、当該所定値を参照し、当該所定値が規定値となる前であっても特定の更新値となっている場合にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。また、有利区間中に所定終了条件が成立して終了決定された場合(例えば、有利区間終了抽籤が行われるように構成した場合であって、これに当籤した場合等)にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。
(4)非有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間に移行させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能であって、導出された結果表示(図柄の組合せ)や非有利区間(あるいは移行前の有利区間)中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことはできない。なお、いずれの内部当籤役が決定されたかは、当籤番号等の直接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできるし、内部当籤役のデータから生成あるいは変換されたサブフラグ(複数の役を1つの判定対象データとしたもの)等の間接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできる。
(5)非有利区間は基本的に1の状態であり、非有利区間内で複数の状態を設定することはできない。例えば、有利区間終了後の非有利区間を非有利区間A、設定変更後の非有利区間を非有利区間Bというように異なる状態として設定することはできない。
(有利区間)
有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能である遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことができる。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することができる。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、その初期状態として有利区間を設定することはできない。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合、当該有利区間を終了させる必要がある。
(4)有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間中に遊技状態(モード)を移行させるか否か、あるいは特定の遊技状態(モード)を延長させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみならず、導出された結果表示(図柄の組合せ)や有利区間中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことができる。なお、参照可能な各種パラメータの他の例としては、例えば、上述の各種パラメータに応じて付与可能なポイント等の特典情報、ボーナス状態の種類、RT状態の種類、いずれかのリールの停止操作タイミング、あるいは押し順等を挙げることができる。
(5)有利区間内で複数の状態を設定することができる。例えば、遊技者にとって不利な通常状態、AT状態へ移行しやすいCZ状態、あるいは報知にしたがって停止操作を行った場合にメダル増加の期待値がプラスとなるAT状態等の状態を設定可能である。また、例えば、通常状態においてCZ状態移行が決定されたことに応じ、実際にCZ状態に移行するまでの待機状態として設定され、CZ状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るCZ前兆状態、あるいは通常状態若しくはCZ状態においてAT状態移行が決定されたことに応じ、実際にAT状態に移行するまでの待機状態として設定され、AT状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るAT前兆状態等の状態も遊技性に応じて設定可能である。
(6)非有利区間及び有利区間のいずれの区間であるかを報知可能な区間ランプ(状態表示部)の点灯により、有利区間中であることを報知することができる(区間ランプが消灯していれば非有利区間中であることを報知することができる)。なお、区間ランプの点灯開始タイミングについては、上述のとおり、ある程度任意のタイミングに設定することが可能である。基本的に非有利区間から有利区間に移行したときに点灯を開始し、非有利区間に移行するまで点灯を継続するものとしてもよいし、非有利区間から有利区間に移行した(有利区間が開始された)が、移行した有利区間が通常状態であれば点灯を開始せず、最初にAT状態となったときから点灯を開始するものとしてもよい。なお、移行した有利区間がAT状態であれば、そのときから点灯を開始すればよい。
[4-7.リミッタ]
パチスロ機1では、有利区間が長く継続し過ぎることに起因して射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、有利区間が連続して継続する期間について上限(制限)を設けることが可能となっている。このような上限は「リミッタ」と称される。また、本実施形態では、このようなリミッタにより有利区間を終了することを、リミット処理の実行、あるいはリミッタの作動として説明している。以下、そのリミッタの一例について説明する。
(ゲーム数リミッタ)
ゲーム数リミッタは、有利区間中のゲーム数(遊技回数)が「1500」回となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、1回の遊技が消化される度に1ずつカウントを加算していく。そして、有利区間ゲーム数カウンタの値が規定値(例えば、「1500」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、ゲーム数リミッタが作動するゲーム数は、上限である「1500」回以下のゲーム数であれば任意のゲーム数を設定可能である。また、このようなゲーム数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のゲーム数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
(払出数リミッタ)
払出数リミッタは、有利区間中のメダルの払出数が「2400」枚となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、メダルの払出がある度に対応する枚数分(より詳細には、払出数からベット数を減じた純増数分)カウントを加算していく。そして、有利区間払出数カウンタの値が規定値(例えば、「2400」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、払出数リミッタが作動する払出数は、上限である「2400」枚以下の払出数であれば任意の払出数を設定可能である。また、このような払出数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のメダルの払出数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間の開始時から最もメダル数の絶対値が減った地点を最下点(起点)として、直近の最下点からのプラス分をカウントする(すなわち、払出がなかった場合にはカウントを減算していく等)ように構成してもよい。すなわち、払出数リミッタは、有利区間中においてメダルが増加することとなったとき(例えば、AT状態が開始されたとき)から最大「2400」枚のメダルの払出があったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成することもできる。また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、上述の純増数ではなく、単に実払出数(すなわち、払出数からベット数を減じないもの)をカウントするものであってもよい。
なお、パチスロ機1は、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、払出数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、ゲーム数リミッタと払出数リミッタの双方を用いて有利区間のリミット処理を実行してもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタの作動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。
また、リミッタの種類も、上述のゲーム数リミッタ及び払出数リミッタのみに限られない。例えば、AT状態中の押し順小役のナビ回数(すなわち、メダルの払出に係る役について遊技者に有利な停止操作の情報が報知された回数)が所定回数(例えば、「400」回)となったときにリミット処理が実行されるナビ回数リミッタを設けるようにしてもよい。すなわち、射幸性を適切に抑制することができる限り、遊技に関する各種の条件を用いてリミット処理を実行することが可能である。
[4-8.外部信号]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類の外部信号を外部に出力可能な仕様となっている。例えば、ボーナス状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、ボーナス状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したボーナス状態中演出を行うことができる。また、例えば、BB状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、BB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、MB状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、MB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のボーナス状態中演出を行うのみならず、ボーナス回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、AT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したAT状態中演出を行うことができる。また、例えば、所定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、所定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、特定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、特定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のAT状態中演出を行うのみならず、AT回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態をセット数管理のAT状態として構成し、最初の1セット目のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、2セット目以降は当該セットが開始される度に外部信号2をオン状態とすれば、外部のデータ表示機においてもAT状態の初当り回数と、AT状態の延長回数とをカウントすることができる。なお、各外部信号についてオン状態とするタイミングとオフ状態とするタイミングは適宜設定可能である。すなわち、外部のデータ表示機やホールコンピュータ等によって状況が適切に認識される限り、各外部信号の出力態様は適宜設定可能である。例えば、オフ状態からオン状態となって再度オフ状態なるまでの期間は、所定時間、1回の遊技の間、状態が変化するまで等の種々の条件を採用することができる。
[4-9.コマンド]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類のコマンドを主制御回路100から副制御回路200に送信可能な仕様となっている。なお、パチスロ機1では、主制御回路100と副制御回路200とが相互に通信を行うことはできず、主制御回路100から副制御回路200の一方向にのみ通信を行うことが要件となっている。したがって、主制御回路100は、パチスロ機1における状態の変化等を報せるための情報(コマンド)を適時副制御回路200に送信する必要がある。以下にこのようなコマンドの一例について説明する。
主制御回路100は、副制御回路200に対し、例えば、設定変更操作が行われたときには初期化コマンドを送信する。初期化コマンドは、設定値や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ベット操作が行われたときにはメダル投入コマンドを送信する。メダル投入コマンドは、ベット数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。また、例えば、開始操作が行われたときにはスタートコマンドを送信する。スタートコマンドは、内部当籤役や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ロック演出が行われるときにはロックコマンドを送信する。ロックコマンドは、ロック演出の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、各リール3L,3C,3Rの回転が開始するときにはリール回転開始コマンドを送信する。リール回転開始コマンドは、リールの回転が開始されたこと等を特定するパラメータを含んで構成される。
また、例えば、停止操作が行われたときにはリール停止コマンドを送信する。リール停止コマンドは、停止されるリールや当該リールが停止される位置等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、全てのリールが停止され、表示役(入賞作動フラグ)が確定したときには入賞作動コマンドを送信する。入賞作動コマンドは、表示役の種類や付与される特典の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を開始するときには有利区間開始コマンドを送信する。有利区間開始コマンドは、有利区間を開始することやモード(遊技状態)等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を終了するときには有利区間終了コマンドを送信する。有利区間終了コマンドは、有利区間を終了することやその終了要因等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、精算操作が行われたときには精算コマンドを送信する。精算コマンドは、返却数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。なお、これらはあくまで一例であり、これら以外のコマンドを必要に応じて送信することもできるし、これらのうち不要なコマンドについては送信しないようにすることもできる。
[4-10.演出]
上述のとおり、パチスロ機1では、遊技の興趣を高めるため、有益な情報を遊技者に報せるため、あるいは企図した遊技性とするために、種々の演出を種々の演出装置を用いて実行することが可能となっている。以下、そのような演出の一例について説明する。
[4-10-1.メイン側演出]
パチスロ機1では、主制御回路100側(メイン側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、指示モニタによって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(ロック演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技の進行を所定期間停止させる(遊技者の遊技操作を所定期間無効にする)演出を行い得る。このような演出は、「ロック演出(あるいは単に「ロック」)」と称される他、「フリーズ演出(あるいは単に「フリーズ」)」等とも称される。なお、このようなロック演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のロック演出を行い得るように構成することもできる。
また、無効とする対象の遊技操作は、例えば、開始操作であってもよいし、停止操作であってもよいし、他の操作であってもよい。例えば、開始操作が所定期間無効にされる場合には、全ての停止操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、例えば、停止操作が所定期間無効にされる場合には、開始操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、複数種類のロック演出を設ける場合には、ロック演出ごとに、遊技の進行が停止される期間(遊技者の遊技操作を無効にする期間)や無効とする遊技操作の種類等が設定されるようにすればよい。
(リール演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において各リール3L,3C,3Rの演出表示態様(変動表示態様のみならず、停止表示態様との組合せを含む)による演出を行い得る。このような演出は、「リール演出」と称される他、「図柄演出」等とも称される。なお、このようなリール演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のリール演出を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えてリール演出が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれるものとする。
リール演出は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作によらずして各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。したがって、回転速度や最大滑り駒数等を考慮することなく、このような演出動作を行わせる動作パターンを設定することができる。また、動作パターンを複数設定すれば、複数種類のリール演出を設けることができる。また、複数種類のリール演出と複数種類のロック演出との組合せによって、さらに多岐にわたる演出パターンを設定することができる。なお、リール演出に用いられるのは、各リール3L,3C,3Rのうちの任意の1個のみでもよいし、任意の2個であってもよいし、3個全てであってもよい。
(疑似遊技)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において疑似的な遊技を行わせる演出を行い得る。このような演出は、「疑似遊技」と称される。なお、このような疑似遊技が行われないように構成することもできるし、複数種類の疑似遊技を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えて疑似遊技が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれる。
疑似遊技は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作を疑似的に受付け、これによって各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。すなわち、上述のリール演出について、さらに遊技者の遊技操作を介在させて演出を行うものである。なお、例えば、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、スタートレバー7、各ストップボタン8L,8C,8R、及び精算ボタン9等は、基本的に遊技操作に使用されること目的として設けられるものであることから、これ以外の目的で使用されることは本来的には望ましくない。しかしながら、疑似遊技においては、実際の遊技中であると遊技者が誤認しないための措置がなされることを前提として、これらの操作を受付けることを可能としている。
ここで、疑似遊技の流れについて、一例を挙げて説明する。疑似遊技は、例えば、以下のような流れで行われる。
(1)遊技者の実際の開始操作(ここで実行条件が成立して疑似遊技開始)
(2)疑似的に各リールが回転(疑似遊技中)
(3)疑似的に停止操作を受付け、これによって各リールが仮停止(疑似遊技中)
(4)ランダム遅延処理を経てから実際に各リールが回転開始(疑似遊技が終了して実際の遊技開始)
なお、ランダム遅延処理とは、例えば、上述の(3)の状況で特定の図柄が並んで表示された状態となり、そのまま上述の(4)の状況で各リールが通常回転を開始すると、遊技者が特定の図柄を目印として停止操作しやすくなってしまう(いわゆる「目押し」の補助となってしまう)場合があることから、これを是正するために各リールそれぞれに対してランダムに遅延期間を発生させてから回転を開始させるための処理である(このような遅延期間は「再配置期間」とも称される)。また、上述の(3)及び(4)の状況で各リールが仮停止している場合には、完全に停止していると誤認されないように、各ステッピングモータの励磁制御における位相信号は必ず所定時間(例えば、500ms)未満としてリールを順方向と逆方向とに交互に変化させるようにすることが望ましい。
上述の措置の1つとしては、例えば、上述の(3)の状況で任意の図柄の組合せが仮停止した場合(3個目のリールが仮停止して全てのリールが仮停止した場合)、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、各リールを上下に微振動させる(揺動させる)ことが挙げられる。なお、位相信号が上述の所定時間未満で変化するものである限り、1個目のリールが仮停止したとき、2個目のリールが仮停止したときには、このような揺動は行われないようにしてもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技ランプを設け、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、当該疑似遊技ランプを点灯させることが挙げられる。なお、疑似遊技ランプは、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に設置されることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、他の用途に使用しない独立したランプであり、当該疑似遊技ランプの表示部全体は単色の縁で覆われていることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、当該疑似遊技ランプの説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超え、かつ表面積が642平方mmを超えること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技ランプの説明部分は、当該疑似遊技ランプが疑似遊技中であることを報せるためのランプであることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、このような記載部分は、表面積の1/3以上を占めることが望ましい。なお、疑似遊技ランプを制御するのは、主制御回路100であってもよいし、副制御回路200であってもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技中表示を、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、メイン表示装置210又はサブ表示装置220(あるいはその双方)で行うことが挙げられる。なお、疑似遊技中表示は、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に表示されることが望ましい(本実施形態では、メイン表示装置210及びサブ表示装置220のいずれもが操作部よりも上方となっているため、いずれを使用してもよい)。また、疑似遊技中表示は、その説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超えること、表示画面が7インチ未満である場合には表面積が642平方mmを超えること、表示画面が7インチ以上である場合には表面積が画面全体の8.2%以上となること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技中表示の説明部分は、当該疑似遊技中表示が疑似遊技中であることを報せるための表示であることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、隠蔽等されることなく遊技者が読み取れる大きさであることが望ましい。
また、例えば、疑似遊技中(例えば、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間)は、指示モニタにおいて停止操作の情報が報知されないように構成する(当該遊技で指示モニタに停止操作の情報を表示する必要がある場合には、ランダム遅延処理が開始されるタイミングで表示を開始する)ことが望ましい。このようにすれば、疑似遊技中において実際の遊技中であると遊技者が誤認してしまうことをさらに抑制することができる。なお、上述のいずれかの措置がなされていれば、疑似遊技中において、サブ側の演出装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220)では停止操作の情報が報知されるようにしてもよい。また、同様に、疑似遊技中において、サブ側の演出装置では疑似遊技の遊技結果にしたがった(疑似的な遊技操作に連動した)演出が行われるようにしてもよい。
また、実際の遊技では、試験機用第1インターフェースボード301を介して遊技者の遊技操作、あるいは当該遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号が出力されるが、疑似遊技中は、遊技者の疑似的な遊技操作あるいは当該疑似的な遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号は出力されない。したがって、疑似遊技中は、試験機側で疑似遊技中であることを認識可能とするための試験信号(疑似遊技信号)が出力されるようにしてもよい。なお、試験機用第1インターフェースボード301は、主制御基板71から疑似遊技信号を受信した場合、疑似遊技進行制御用の信号を主制御基板71に出力することで、主制御基板71側で疑似遊技が進行されるようにしてもよい(すなわち、試験機用第1インターフェースボード301に疑似遊技進行機能をもたせてもよい)。また、試験機用第1インターフェースボード301にこのような疑似遊技進行機能をもたせる場合、当該機能のオン・オフを切替え可能な切替スイッチを設けるようにしてもよい。これにより、パチスロ機1の検定試験(試射試験)において、疑似遊技の演出内容を確認するか否かを任意に設定することが可能となる。
[4-10-2.サブ側演出]
パチスロ機1では、副制御回路200側(サブ側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、メイン表示装置210等によって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(通常演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、今回の遊技において完結する(すなわち、1ゲームで終了する)演出を行い得る。このような演出は、「通常演出」と称される他、「単発演出」等とも称される。なお、このような通常演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の通常演出を行い得るように構成することもできる。
(連続演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、複数回の遊技にわたって連続する(すなわち、複数ゲームの間継続する)演出を行い得る。このような演出は、「連読演出」と称される他、「継続演出」等とも称される。なお、このような連続演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の連続演出を行い得るように構成することもできる。
(操作連動演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技者の演出操作に応じて演出内容を変化させることが可能な演出を行い得る。このような演出は、「操作連動演出」と称される他、「ボタン演出」等とも称される。なお、このような操作連動演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の操作連動演出を行い得るように構成することもできる。また、操作連動演出は、通常演出として構成することもできるし、連続演出として構成することもできる。また、演出操作は、演出用ボタン群に対する操作のみならず、各種遊技操作を含むものとすることができる。
なお、上述の各種演出は、種々の用途に用いることができる。例えば、設定値、内部当籤役、遊技状態、遊技区間、特典の付与内容、特典が付与されるまでの期間等の示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの有利度合いの示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの用途もあくまで一例である。
(その他演出)
パチスロ機1では、上述の各種演出以外の演出を行うこともできる。例えば、上述の用途以外に用いられるものとして、遊技者又は遊技店に対する各種の報知(例えば、のめり込み防止報知や忘れ物防止報知、エラー状態報知、デモ状態報知等)も広義の意味において演出に含まれる。なお、のめり込み防止報知は、例えば、有利区間が終了したときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、忘れ物防止報知は、例えば、有利区間が終了したときや精算操作が行われたときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、エラー状態報知は、エラーが発生してから解消されるまで、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、デモ状態報知は、遊技されていない期間が所定期間となったときや精算操作が行われたときに、空き台であること等が報知されるものとすることができる。
[5.第1の遊技機]
続いて、図5~図22を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の一具体例について、これを「第1の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第1の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第1の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
まず、第1の遊技機では、有効ラインが、上述の「センターライン」の1ラインのみと定義される。また、第1の遊技機では、遊技状態として、非ボーナス状態と、ボーナス状態とが設けられる。また、非ボーナス状態は、後述の「F_2BB」(2枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「2BB」として説明する場合がある)が持越されている2BBフラグ間と、後述の「F_3BB」(3枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「3BB」として説明する場合がある)が持越されている3BBフラグ間と、いずれのボーナス役も当籤していない(持越されていない)非フラグ間とを含んで構成される。また、ボーナス状態は、2BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する2BB状態と、3BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する3BB状態とを含んで構成される。
また、第1の遊技機では、2枚のメダルをベットした状態(2枚ベット状態)と、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)とで遊技を行うことが可能となっている。なお、「ベット」とは、遊技に供するため、遊技者が2枚又は3枚のメダルをメダル投入口5に対して投入すること、遊技者がMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してクレジットから2枚又は3枚分のメダルを掛けること、及びリプレイ役の入賞によって自動的に2枚又は3枚分のメダルが掛けられることのいずれもが含まれる。
[5-1.第1の遊技機の遊技性]
続いて、図5~図8を参照して、第1の遊技機における遊技の流れについて説明する。なお、図5は、第1の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図であり、図6は、第1の遊技機における各モードの一例を説明するための図であり、図7及び図8は、第1の遊技機における各種テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、第1の遊技機では、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間及び有利区間に大別され、有利区間には、さらに演出区間(有利区間・通常遊技)及び増加区間(有利区間・疑似ボーナス)が設けられる。非有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。演出区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である点は非有利区間と同様であるが、後述するように、モード移行が行われる点において非有利区間とは異なる。
すなわち、非有利区間は、有利区間での遊技が終了したとき、設定変更操作が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に制御される初期状態としての制御状態であり、演出区間は、モード移行等によって増加区間移行(付与)の期待度を変動可能とし、遊技者が通常遊技を行う通常状態としての制御状態である。
一方、増加区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。すなわち、増加区間は、遊技者がメダルを増加させることができる有利状態としての制御状態である。なお、演出区間と増加区間とはともに有利区間であり、これらの区間を相互に移行することで一連の有利区間として構成されるものである。
なお、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、非有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての非有利区間サブフラグが決定される。なお、サブフラグは、主制御回路100による遊技性に関する各種抽籤(有利区間に関連する各種処理)において、同様の役割(抽籤対象役であるか否かやその当籤確率等)を担う内部当籤役をグループ化して同じ情報を割り当てることで、そのグループを識別可能とするための情報である。これにより、内部当籤役ごとに各種データテーブルを設ける必要がなくなることから、データ量を圧縮することができ、メインROM102の容量の圧迫を回避することができる。非有利区間では、この非有利区間サブフラグを用いた抽籤が行われる。
非有利区間サブフラグ「リプベル」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)、「F_リプレイB」(No.「4」)、及び「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。なお、非有利区間においても、有利区間と同様に、当籤時サブフラグと入賞時サブフラグが決定され得るように構成することもできる。また、これらの対応関係も上述のものに限られない。
また、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間当籤時サブフラグが決定される。さらに、有利区間においては、表示された図柄の組合せに応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間入賞時サブフラグが決定される。有利区間では、これらの有利区間当籤時サブフラグ及び有利区間入賞時サブフラグを用いた抽籤が行われる。
有利区間当籤時サブフラグ「ベル」は、内部当籤役が「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。
有利区間入賞時サブフラグ「通リプ1」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「右上がりリプ」である場合)に決定される。有利区間入賞時サブフラグ「通リプ2」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「平行リプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「平行リプ」である場合)に決定される。
ここで、第1の遊技機では、後述するように、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示され、2BBフラグ間及び非フラグ間では、「平行リプ」の図柄の組合せが表示されるようになっている。
すなわち、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定され、2BBフラグ間及び非フラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定されるようになっている。そして、第1の遊技機では、このように有利区間入賞時サブフラグが異なる場合、後述する各種抽籤(例えば、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルを用いた疑似ボーナス移行抽籤や図8(f)に示すモード移行抽籤テーブルを用いたモード移行抽籤)における有利度合いを変動させるようにしている。
なお、第1の遊技機では、例えば、3BBフラグ間であるか、あるいは2BBフラグ間であるかに応じて、有利区間入賞時サブフラグが変動する役として「F_リプレイA」(No.「3」)を例に挙げて説明しているが、有利区間入賞時サブフラグが変動する態様はこれに限られない。例えば、後述するように、内部当籤役が「F_ベル123B1」(No.「12」)であるとき、3BBフラグ間である場合と、2BBフラグ間である場合とで停止制御を異ならせることにしているので、このような役に当籤した場合、メダルの払出数を変動させず(あるいは変動させるようにしてもよい)、表示される図柄の組合せが異なるようにし、これによって異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、後述するように、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるとき、いずれのフラグ間(非フラグ間)であるかにかかわらず、押下位置(停止操作タイミング)が適切であれば「スイカ」の図柄の組合せが表示され、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生して「スイカこぼし」の図柄の組合せが表示されるようにしているので、このような役に当籤した場合、取りこぼしが発生することなく入賞させることができた場合と、取りこぼしが発生した場合とで異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、停止操作が特定の態様(この特定の態様は、例えば、停止操作が予め定義された打順(正解押し順)で行われる態様、押下位置(停止操作のタイミング)が適切である態様、及びこれらの組合せの態様、いずれの態様であってもよい)で行われた場合には「平行リプ」の図柄の組合せが表示され、特定の態様で行われなかった場合には「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示されるようにし、これにより異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
すなわち、第1の遊技機では、特定役に関し、ベット数、遊技状態、停止操作の態様、あるいはこれらのうちいずれかの組合せによって、最終的な停止表示態様が異なる場合があることを可能とし、異なった停止表示態様に応じて異なる二次情報を決定可能とし、それによって有利度合いを変動可能とする態様全てを適用することができる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。非有利区間では、遊技毎に、有利区間移行抽籤が行われる。具体的には、図7の(b)に示す有利区間移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて非有利区間サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、非有利区間サブフラグに応じて、移行先モード等が決定される。なお、この決定に際しては、有利区間に移行した際のモードの種別のみが決定される場合(図5中、「有利区間開始」)と、当該モードの種別のみならず疑似ボーナスに移行することも決定される場合(図5中、「有利区間開始+疑似ボーナス開始」)とがある。もっとも、非有利区間においては、疑似ボーナスに移行することが決定されない仕様とすることもできる。
ここで、図6を参照して、第1の遊技機における各モードについて説明する。第1の遊技機において、モードは、演出区間(通常遊技)における増加区間(疑似ボーナス)移行(付与)の期待度を変動させるための制御情報(遊技状態や制御状態と言い換えてもよい)であり、演出区間(通常遊技)においては、このモードにしたがって、疑似ボーナス移行の有無が決定されたり、有利区間を維持させたり、有利区間を終了させて非有利区間に移行させることが決定されたりするようになっている。
スタートモードは、非有利区間から有利区間(演出区間)に移行するときに滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、図示は省略しているが、スタートモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。天井ゲーム数は、疑似ボーナスに移行しない期間が一定期間となったとき、強制的に疑似ボーナスに移行させるために用いられる。それゆえ、天井ゲーム数が少ないほど遊技者に有利であり、天井ゲーム数が多いほど遊技者に不利となる。
通常Aモードは、遊技者が遊技を行う上で最も滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Aモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。また、図6中、「疑似ボーナス後約999G」とあるのは、疑似ボーナス終了後に、後述の終了Aモード又は終了Bモードに移行し、当該モードにて疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われ、一度非有利区間に移行した後、非有利区間から有利区間に移行する際にこの通常Aモードが選択された場合、見かけ上の天井ゲーム数は、「965ゲーム」+終了Aモード又は終了Bモードでの遊技期間「32ゲーム」+非有利区間から有利区間に移行するのに要したゲーム数となるため、これを表現したものである。以下、通常Bモード、天国準備モード、チャンスモードにおいても同様である。
通常Bモードは、遊技者が遊技を行う上で比較的滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、通常Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Bモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。
天国準備モードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低い(後述の図7の(c)参照)ものの、天井ゲーム数は「466ゲーム」に設定され、また、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後は天国モードに移行することが確定するため(後述の図8の(f)参照)、その意味において相対的に有利なモードとなっている。
チャンスモードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「222ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。
終了Aモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は最も低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Aモードでは、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。
終了Bモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、終了Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Bモードでは、終了Aモードと同様、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。なお、終了Aモード及び終了Bモードは、「終了モード」と総称することもできる。
保障モードは、天国Cモードが終了した場合に滞在するモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。すなわち、天国Cモードが終了したとき、それによる興趣の低下を防止するため、一定期間は相対的に有利な状態を維持(保障)しようするモードとして位置付けられる。
天国Aモードは、疑似ボーナスが連荘する(AT状態が、AT状態中に延長(上乗せ)の決定が行われることによって継続する仕様の場合には、当該延長(上乗せ)することも含み得る。以下同じ)ことが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が中程度に設定された相対的に有利なモードとなっている。なお、図6においては図示を省略しているが、例えば、この天井モードループ率には設定差を設けるようにすることもできる。例えば、設定値が奇数(1,3,5)であるとき、天井モードループ率が75%程度となり、設定値が偶数(2,4,6)であるとき、天井モードループ率が67%程度となるように抽籤値を設定することもできるし、単に設定値が高いほど天井モードループ率も高くなるように抽籤値を設定することもできる。後述の天国Bモード及び天国Cモードにおいても同様であり、天井モードループ率に設定差を設けることもできる。
天国Bモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモードよりもさらに有利なモードとなっている。
天国Cモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)がかなり高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモード及び天国Bモードよりもさらに有利なモードとなっている。なお、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードは、「天国モード」と総称することができる。
なお、上述の各モードは、あくまでも一例を示すものであり、モードの構成はこれに限られない。上述の各モード以外のモードを設定することもできるし、上述の各モードのうち一部のモードを設定しないようにすることもできる。
また、ここまで、非有利区間は有利区間に比べて相対的に有利度が低い状態として説明したが、非有利区間と有利区間との関係はこのような態様に限定されない。例えば、非有利区間である場合のほうが、有利区間において少なくとも1つ以上のモードが設定されている場合よりも増加区間への移行割合が高かったり、増加区間への移行に要する平均ゲーム数が短くしたりする等の仕様、あるいは非有利区間が最も増加区間にしやすい仕様とすることもできる。このようにすることで、設定変更後等の非有利区間であることが確定する状態においても遊技を行うインセンティブが生まれるため、開店時からでも遊技を開始する動機づけとなる。また、疑似ボーナス終了後32ゲームを経過したときに区間ランプの点灯が終了した場合であっても、最も不利な状態となることが確定しないため、このようなときでも遊技が継続される動機づけとなる。また、ここまで、演出区間は遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態であるとして説明したが、増加区間と比べて不利な態様(例えば、報知の頻度を下げたり、報知の対象となる役を変更したりする等)であれば、停止操作の情報が報知される遊技状態とすることもできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。演出区間(通常遊技)では、まず、遊技毎に、有利区間当籤時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて有利区間当籤時サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、有利区間当籤時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。なお、図7の(c)中、「非当籤」は、疑似ボーナスに移行させないことを意味し、「当籤(今回遊技)」は、今回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味し、「当籤(次回遊技)」は、次回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味する。
なお、第1の遊技機では、「当籤(今回遊技)」が決定された場合には今回遊技の開始時に、「当籤(次回遊技)」が決定された場合には次回遊技の開始時に、遊技操作(停止操作)が一定期間無効とされるとともに、当該無効期間において、メイン表示窓4に「赤7」図柄が揃って表示されるリール演出(「赤7揃い」演出)が行われた後、疑似ボーナスが開始され、「赤7揃い」演出が行われた遊技で、停止操作の情報を報知する必要がある場合には、少なくとも当該無効期間が終了して遊技操作(停止操作)が有効となるとき(それ以前でもよいが、上述のランダム遅延処理が開始されるよりも前のタイミングではないとき)に、停止操作の情報の報知が行われるようになっている。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(当籤時)が行われた場合、後述の疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)、モード移行抽籤(入賞時)、及びモード移行抽籤(天井時)は行われない。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、有利区間入賞時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、入賞役が決定され、当該入賞役に応じて有利区間入賞時サブフラグが決定された以降の当該遊技中(次回遊技開始前)の所定のタイミングで、有利区間入賞時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。
なお、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、疑似ボーナスに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で疑似ボーナスに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(入賞時)が行われた場合、後述のモード移行抽籤(天井時)は行われない。
なお、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、天井ゲーム数を更新し(加算方式でも減算方式でもよい)、天井ゲーム数が現在のモードに対応付けられた(あるいは、有利区間移行時等において予め決定された)天井ゲーム数に達した場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定される。この場合、必ず「当籤(今回遊技)」が決定されるようにすることもできるし、必ず「当籤(次回遊技)」が決定されるようにすることもできる。また、抽籤によりこれらのいずれが決定されるようにすることもできる。
演出区間(通常遊技)において、天井ゲーム数の到達により、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(天井時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。
なお、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)及び疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。また、モード移行抽籤(当籤時)及びモード移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。
また、仮に、疑似ボーナスの当籤の種類として「当籤(今回遊技)」を設けないのであれば、有利区間入賞時サブフラグが決定されるタイミングでは、有利区間当籤時サブフラグも決定済みであり、また、天井ゲーム数も更新済みとすることができるため、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)及び天井到達時の疑似ボーナス移行処理を1回の処理でまとめて行うこともできる。また、同様に、モード移行抽籤(当籤時)、モード移行抽籤(入賞時)及びモード移行抽籤(天井時)を1回の処理でまとめて行うこともできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナスに移行させることが決定され、疑似ボーナスが開始された場合(図5中、「疑似ボーナス開始」)、増加区間(疑似ボーナス)に移行する。また、上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、終了Aモード又は終了Bモードに制御され、疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が消化された場合(図5中、「有利区間終了(終了A・B経由)」)、非有利区間に移行する。また、後述の図16に示すリミット処理の条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「有利区間終了(リミット処理)」)、その結果、非有利区間に移行する。
増加区間(疑似ボーナス)では、当該疑似ボーナスが開始されるときに、天井短縮抽籤が行われる。具体的には、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、当該疑似ボーナス終了後の天井ゲーム数を短縮するか否かが決定される。なお、図8の(e)中、「非当籤」は、天井ゲーム数を短縮させないことを意味し、「当籤(天井ゲーム数=0更新)」は、当該疑似ボーナス終了後、モードにかかわらず、セットされる天井ゲーム数を「0」とする(短縮させる)ことを意味する。なお、天井短縮抽籤は、疑似ボーナスが開始されるときのみならず、疑似ボーナス中は毎遊技行われるようにすることもできる。
天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させないことが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、後述の1G連ストックも保有していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。一方、天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させることが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、天井ゲーム数として「0ゲーム」がセットされる。これにより、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、天井ゲーム数の到達により疑似ボーナスが開始されたことになるため、上述のモード移行抽籤(天井時)が行われる。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」又は「中チェ」が決定された遊技において)、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、上記以外の有利区間当籤時サブフラグが決定された場合にも、移行先モードが決定されるようにしてもよいが、この場合、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この場合、上記と同様、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに、1G連抽籤が行われる。具体的には、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグ又は有利区間入賞時サブフラグに応じて、1G連を発生させるか否かが決定される。なお、図7の(d)中、「非当籤」は、1G連を発生させないことを意味し、「当籤(1G連+1)」は、1G連を発生させる権利(1G連ストック)が1個付与される(1G連ストックカウンタが1加算される)ことを意味する。なお、1G連ストックは、1G連ストックカウンタによって複数個(最大255個)ストック(貯留)されることが可能となっている。したがって、1回の疑似ボーナス中に複数個の1G連ストックが付与される場合もある。また、1回の1G連抽籤で、複数個の1G連ストックが付与され得るように、1G連抽籤テーブルを構成することもできる。
疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上である場合(すなわち、1G連ストックを保有している場合)には、1G連ストックが1つ消化され(1G連ストックカウンタが1減算され)、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、1G連ストックという権利に応じた疑似ボーナスの開始となるため、上述のモード移行抽籤は行われない。一方、疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上でない場合(すなわち、1G連ストックを保有していない場合)、上述の天井短縮抽籤にも当籤していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。
なお、天井短縮抽籤に当籤し、1G連ストックも保有している場合、天井短縮抽籤の結果が優先され、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行された後、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよいし、1G連ストックが優先され、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行された後、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよい。後者の場合、天井短縮があることを持越せる情報を別途記憶しておけばよい。
第1の遊技機では、増加区間(疑似ボーナス)の構成として、「55ゲーム」間継続し、最大275枚獲得可能としたものを一例として挙げているが、疑似ボーナスの構成はこれに限られない。例えば、当該疑似ボーナスを「疑似BB(ビッグボーナス)」として構成し、他に「22ゲーム」間継続し、最大110枚獲得可能とした疑似ボーナスである「疑似RB(レギュラーボーナス)」を搭載するようにしてもよい。この場合、上述の疑似ボーナス移行抽籤、天井到達時、1G連抽籤において、疑似ボーナスに移行させること(権利を付与すること)が決定される際には、その種類(例えば、「疑似BB」とするのか、「疑似RB」とするのか)が所定確率(例えば、50%ずつ)で決定されるようにすればよい。なお、「疑似RB」は、「疑似BB」との間で価値が異なる(より詳細には、「疑似BB」よりも価値が低い)ものとすればよいため、例えば、継続ゲーム数は「疑似BB」と同じであるが、ベルナビ率(停止操作の情報が報知される報知確率)を低いものとすることで、最大獲得可能枚数に差をつけ、価値が異なるようにすることもできる。また、「疑似RB」を開始させる際には、メイン表示窓4に「BAR」図柄が揃って表示されるリール演出、あるいは「赤7-赤7-BAR」が表示されるリール演出が行われるようにすればよい。さらに、増加区間は疑似ボーナスとして構成されるものに限られない。例えば、継続する遊技数(遊技期間)を変化させることが可能なAT状態やART状態として構成することもできる。
また、疑似ボーナス中に、後述の図16に示すリミット処理の実行条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「リミット処理による有利区間終了」)、その結果、非有利区間に移行する。
なお、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に3枚ベット状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合、2枚ベット状態ではメダルが増加しないように構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない。すなわち、第1の遊技機では、2枚ベット状態で遊技を行うと基本的に遊技者は不利となるように構成されている。
ここで、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、有利区間(AT)に関する抽籤(例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤)や処理(例えば、天井ゲーム数の更新等)は行われないものの、上述のゲーム数リミッタ用の有利区間ゲーム数カウンタや、上述の払出数リミッタ用の有利区間払出数カウンタの更新は行われるものとすることが望ましい。これらのリミッタは、有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を制限することで射幸性を適切に抑制する機能を有するものであることから、仮に、2枚ベット状態ではこれらのカウンタが更新されないものとすると、2枚ベット状態での遊技が介在することで設定された有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を超えてしまう場合が生じ、その結果適切に射幸性を抑制できない場合が生じ得るためである。それゆえ、リミッタ用のカウンタは、ベット数不問で毎ゲーム更新可能に構成されることが望ましい。
また、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に非ボーナス状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、ボーナス状態(2BB状態及び3BB状態)で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中にボーナス状態となった場合、ボーナス状態は非ボーナス状態(より詳細には非ボーナス状態の3枚ベット状態)よりもメダルの増加期待値が低い状態として構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない場合もある。すなわち、第1の遊技機では、ボーナス状態で遊技を行うと遊技者は不利となる場合があるように構成されている。
それゆえ、第1の遊技機では、2BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行うことが推奨される構成となっている(本実施形態では、2BBフラグ間の3枚ベット状態を「推奨遊技状態」として説明し、その他の状態を「非推奨遊技状態」として説明する場合がある)。すなわち、第1の遊技機では、2BBは2枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、2BBフラグ間において2BBに係る図柄の組合せは2枚ベット状態でのみ入賞し、3枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、3BBは3枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、3BBフラグ間において3BBに係る図柄の組合せは3枚ベット状態でのみ入賞し、2枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、2BBフラグ間では3BBが当籤する場合はなく、3BBフラグ間では2BBが当籤する場合はない構成となっている。
そして、第1の遊技機では、これらの構成を用いて、例えば、非フラグ間の2枚ベット状態で2BBを当籤させて(2BBを入賞させず)2BBフラグ間とした後、3枚ベット状態で遊技を行えば、ボーナス役を入賞させるか否かを気にすることなく、上述の推奨遊技状態で遊技を行うことが可能となっている。
上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、天井短縮抽籤が行われる。ここで、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルをみると、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるとき、1/8(32/256)の確率で天井短縮抽籤に当籤する一方、その他のモードであるときには天井短縮抽籤に当籤しないようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合には、その「32ゲーム」が「0ゲーム」に短縮される場合があり、天井ゲーム数がそれよりも多いモードの場合には、天井ゲーム数が短縮される場合がないようになっている。
なお、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードの場合であっても、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合よりも低い確率(例えば、1/64)で、天井ゲーム数が短縮されることが決定されるようにしてもよい。
また、天井ゲーム数を短縮する態様も上述のものに限られない。例えば、「32ゲーム」をそれより少ない所定ゲーム(0~31ゲーム)に短縮すれば、同様の作用効果を発揮できることから、天井短縮抽籤に当籤したときに短縮するゲーム数がさらに決定されるようにしてもよいし、天井短縮抽籤において、何ゲーム分短縮するのかを予め決定するようにしてもよい。
また、天井短縮抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス中には、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。また、有利区間(通常遊技)において、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるときには、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。これらの場合には、有利区間当籤時サブフラグや有利区間入賞時サブフラグが参照されて、天井短縮抽籤に当籤するか否かが決定されるようにすればよい。
また、上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、1G連抽籤が行われる。ここで、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルをみると、現在のモードがいずれのモードであっても、1G連ストックが付与される場合があるようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるか否かにかかわらず、疑似ボーナスを継続させるための権利が付与可能となっている。
なお、当該権利を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるときには、天井短縮抽籤が行われることを考慮して1G連抽籤が行われないようにし、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードであるときに1G連抽籤が行われるようにすることで、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制してもよい。
また、1G連抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス以外の有利区間(演出区間)においても、1G連抽籤が行われるようにし、その結果ストックされた1G連ストックは、次の疑似ボーナスにおいて消化されるようにしてもよい。
なお、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、疑似ボーナスの開始時、あるいは疑似ボーナス中において、現在のモードが天国モードであるとき、有利な状態であることを示唆するための特別ボーナス中演出が所定確率で実行されるようになっている。したがって、特別ボーナス中演出が実行された場合、天井短縮抽籤が実行されることを期待させることができる。また、この特別ボーナス中演出は、天井短縮抽籤に当籤したときには100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、疑似ボーナスの開始時に特別ボーナス中演出が実行された場合、少なくとも天国モードに滞在していることが示唆され、さらに天井短縮抽籤にも当籤したかもしれないとの期待感を抱かせることができる。また、この特別ボーナス中演出は、疑似ボーナス中に1G連抽籤に当籤したときにも、所定確率であるいは100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、(1)天国モードのみ、(2)天国モード+天井短縮当籤、(3)天国モード+1G連当籤、(4)天国モード+天井短縮当籤+1G連当籤、(5)1G連当籤のみ、等の様々な可能性を示唆することでき、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)が終了してから所定期間(例えば、32ゲーム)内に再度有利状態に制御されることが確定している場合(例えば、天国モードの場合)、その期間をさらに短縮できる場合があることから、一連の有利区間の遊技期間が制限される場合(例えば、リミット処理が実行される場合)であっても、遊技者がなるべく有利度合いの高い状態で遊技を行えるようにして遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態が終了してから所定期間内に再度有利状態に制御されることが確定していない場合(例えば、終了モードの場合)であっても、権利(例えば、1G連ストック)の付与によって再度有利状態が開始される場合があることから、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
また、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合(すなわち、「F_確定チェリー」又は「F_リーチ目」が内部当籤役として決定された場合)であって、上述のモード移行抽籤の結果、天国Cモードに移行することが決定された場合には、1/2の確率(この確率は任意である)で特別ロック演出が実行可能となっている。なお、遊技者は、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合(すなわち、「F_中段チェリー」が内部当籤役として決定された場合)にも、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様の恩恵を受けることができることから、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様に、特別ロック演出を実行可能としてもよい。
ここで、「確定役」は、疑似ボーナス移行も確定する役であることから(図7の(c)参照)、遊技者は特別ロック演出が実行されると、疑似ボーナス移行及び天国Cモード移行があったことが認識できるようになっており、遊技者にとって非常に興趣が高まるようになっている。特別ロック演出は、例えば、遊技開始時に約20秒間にわたって遊技操作(停止操作)が無効とされる演出として構成される。なお、この間には、各リールが振動したり、逆回転したりする特別リール演出が行われるようにしてもよいし、メイン演出表示部21において、通常は表示されない特別映像等が表示されるようにしてもよい。また、通常は出力されない特別楽曲が出力されるようにしてもよい。むろん、これらの組合せによって演出を行うこともできる。また、遊技操作は無効とされないが、遊技者が次の遊技操作を行うまで、これらの演出が行われるようにすることもできる(すなわち、演出を最後まで実行させるか、あるいは中途でキャンセルして遊技を進行させるかの決定を遊技者に委ねることもできる)。
ただし、第1の遊技機では、後述の図16に示すように、例えば、天国Cモードに滞在していたとしても、リミット処理の実行によって有利区間が強制的に終了される場合があることから、上述の特別ロック演出を何度も実行することが望ましくない場合もある。
そこで、第1の遊技機では、同じ一連の有利区間内では、特別ロック演出は一度しか実行されないようになっている。具体的には、一連の有利区間内において、最初に特別ロック演出を実行することが決定された場合には特別ロック演出が実行されるが、それ以降同じ一連の有利区間内では、同じ条件が成立した場合であっても特別ロック演出が実行されないように制御する。なお、手法としては、一度特別ロック演出が実行された場合、その旨を示す情報を格納しておき、それ以降同じ一連の有利区間内において当該情報が格納されている場合には、そもそも特別ロック演出を実行するか否かの決定が行われないようにしてもよいし、当該決定は行われるが、当該情報が格納されている場合にはその決定結果が実行することを示すものであっても、実行しないことを示すものに書き換えるようにしてもよい。そして、格納された当該情報は、有利区間が終了するときにクリアされるようにすればよい。
なお、特別ロック演出の実行が制限される態様は上述のものに限られない。例えば、特別ロック演出の実行が制限される上限の回数を「1回」ではなく、「2回」や「3回」として定めてもよい。すなわち、特別ロック演出の実行は制限されるが、その上限は複数回として定めてもよい。これは、特別ロック演出1回あたりの出玉の期待値に応じて適宜設定することができる。
また、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件も上述のものに限られない。すなわち、上記では、「確定役」の当籤を契機として、モード移行が行われ、当該モードが天国Cモードであったことを条件として、特別ロック演出が実行されるか否かの決定を行うようにしているが、例えば、「確定役」の当籤以外の契機によっても天国Cモードに移行する場合があることから(図8の(f)参照)、これらの場合にも特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、所定確率(「確定役」の当籤を契機とする場合と同じ確率であってもよいし、異なる確率であってもよい)で特別ロック演出が実行されることが決定されるようにしてもよい。
また、例えば、「確定役」の当籤を契機として、まず、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、特別ロック演出が実行されることが決定された場合に、天国Cモードに移行させるようにしてもよい。すなわち、天国Cモードに移行することが決定されたことに応じて特別ロック演出が実行されるようにしてもよいし、特別ロック演出が実行されることが決定されたことに応じて天国Cモードに移行させるようにしてもよい。
また、例えば、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件として、有利区間中の遊技の進行度合いを採用してもよい。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」未満であるとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」未満であるときには、上記のように特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われ、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」以上となったとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」以上となったときには、以降同じ一連の有利区間においては、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われないようにすることもできる。
このように、第1の遊技機では、一連の有利区間の遊技期間が一定期間に制限される(後述の図16参照)。そして、同じ一連の有利区間内においては、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が複数回設定される場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、一連の有利区間内においては、特定役(例えば、「確定役」)の当籤を契機として、有利状態(例えば、疑似ボーナス)に制御されることが確定するとともに、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が設定される場合がある。そして、同じ一連の有利区間内においては、このような場合が複数回発生する場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に応じた二次情報(例えば、有利区間当籤時サブフラグ)を決定可能であるとともに、表示される図柄の組合せに応じた二次情報(例えば、有利区間入賞時サブフラグ)を決定可能とし、それぞれ決定された二次情報に応じて、遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、疑似ボーナス)を付与するか否かを決定可能としている。
このように、第1の遊技機では、内部当籤役が決定された際のみならず、図柄の組合せが表示された際にも有利状態の付与に関する期待感を与えることができるため、有利状態の付与に関する遊技性を多様化することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に対応する情報と、表示された図柄の組合せに対応する情報と、をともに共通の二次情報として管理しているため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制することができる。
また、第1の遊技機では、ベットされた遊技価値が第1の量(例えば、3枚)である場合、第1特別役(例えば3BB)を当籤可能とする一方、第2特別役(例えば、2BB)を当籤可能としない。また、ベットされた遊技価値が第2の量(例えば、2枚)である場合、第2特別役を当籤可能とする一方、第1特別役を当籤可能としない。また、特定役(例えば、「F_リプレイA」)に当籤した場合、第1特別許可状態(例えば3BBフラグ間)であれば所定図柄の組合せ(例えば、「右上がりリプ」)を表示させ、第2特別許可状態(例えば2BBフラグ間)であれば特定図柄の組合せ(例えば、「平行リプ」)を表示させることを可能としている(後述の図15参照)。
そして、第1の遊技機では、所定図柄の組合せが表示された場合と、特定図柄の組合せが表示された場合と、で異なる二次情報を決定可能としている。すなわち、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性をさらに多様化することができる。
また、第1の遊技機では、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能とする。
ここで、第1の遊技機では、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとは、ともに再遊技に係る図柄の組合せであることから、いずれが表示された場合であっても再遊技の作動という同じ特典が付与されることとなる。
なお、同じ特典を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、特定役を遊技価値の付与に係る特定小役として構成する。そして、特定小役に当籤した場合、例えば、第1特別許可状態であれば、1枚(この値は任意であり、ベットされた遊技価値以下の他の値であってもよいし、ベットされた遊技価値を超える値であってもよい)の遊技価値が付与される所定図柄の組合せ(「右上がりリプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させ、第2特別許可状態であれば、所定図柄の組合せが表示された場合と同数の遊技価値が付与される特定図柄の組合せ(「平行リプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させるようにしてもよい。
また、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとをともに「はずれ」の図柄の組合せ(もっとも、有利状態を付与するか否かを決定可能とするため、純粋な「はずれ」の場合とは異なる図柄の組合せであることは識別可能な図柄の組合せとする)として構成するようにしてもよい。この場合であっても、価値が同じである点にかわりはない。
このように、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性を多様化することができる。また、特定役が決定された遊技では、いずれの特別許可状態となっていても同じ特典が付与されることから、遊技性を変動させる場合であっても、遊技者が直接的な不利益を被ってしまうこと防止することができる。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させることを可能とし、特定の態様で停止操作が行われないときには特定図柄の組合せを表示させることを可能しないように構成してもよい。
そして、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能としてもよい。特定役が内部当籤役として決定された場合、特定図柄の組合せが表示されたときと、特定図柄の組合せが表示されなかったときとで有利状態の付与に関する有利度を異ならせることを可能としてもよい。
また、特定役に当籤した場合、第1特別許可状態である場合には、停止操作態様にかかわらず所定図柄の組合せを表示させ、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させ、特定の態様で停止操作が行われないときには所定図柄の組合せを表示させるようにしてもよい。
この場合、特定役は、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(本実施形態では、これを「押下位置○」や「押下位置正解」等として説明する場合がある)に特定図柄の組合せが表示され、停止操作のタイミングが適切でない場合(本実施形態では、これを「押下位置×」や「押下位置不正解」等として説明する場合がある)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述のとおり、特定役は特定小役として構成することも可能であり、この場合、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(押下位置○の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、停止操作のタイミングが適切でない場合(押下位置×の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、停止操作のタイミングが適切となるタイミングも限定されてしまうため、停止操作のタイミングが適切となるタイミングが異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが第1のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第1のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミングとは異なる第2のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第2のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミング及び第2のタイミングとは異なる第3のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第3のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役と、が設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
また、この場合、特定役は、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役は、上述のとおり特定小役として構成することも可能であり、この場合、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを、取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、適切となる打順も限定されてしまうため、適切となる打順が異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、左第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、中・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、中第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、右第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・中第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役とが設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
ここまで、特定役に当籤した単位遊技において、停止操作態様(停止操作のタイミングや打順のうち、少なくとも一方又は両方)に起因して、非有利区間における有利区間への移行判定処理や、有利区間における有利状態の付与に関する判定処理(疑似ボーナス移行抽籤やモード移行抽籤、その他有利区間における遊技状況の有利度を変化させるための処理を含む)を変化させることを述べたが、このような変化のうち、遊技者に相対的に不利となる(結果的に不利となる場合がある)変化は上述のペナルティと捉えることができる。したがって、そのような変化が発生した場合には、注意喚起をするための任意の演出(警告報知)を発生可能な構成としてもよい。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、所定図柄の組合せが表示された場合よりも、特定図柄の組合せが表示された場合のほうが、有利状態が付与される可能性が高くなっている。すなわち、3枚ベットすることを前提とすれば、第2特別許可状態(例えば、2BBフラグ間)は、第1特別許可状態(例えば、3BBフラグ間)よりも有利状態の付与が優遇される状態である。
また、第1の遊技機では、所定役(例えば、後述の「押し順ベルB」)に当籤した場合、第1特別許可状態であれば打順不問で付与図柄の組合せ(例えば、8枚の払出となる図柄の組合せ)が表示される一方、第2特別許可状態であれば、打順が予め定義された正解押し順であった場合には付与図柄の組合せが表示されるが、打順が予め定義された正解押し順でなかった場合には付与図柄の組合せは表示されず、遊技価値が付与されない取りこぼしとなるか、又は付与図柄の組合せが表示された場合よりも少ない量の遊技価値しか付与されない図柄の組合せ(例えば、1枚の払出となる図柄の組合せ)が表示されるように構成されている。すなわち、有利状態の作動を考慮しなければ、第1特別許可状態は、第2特別許可状態よりも遊技価値の付与が優遇される状態である。
すなわち、遊技者が、非推奨遊技状態であっても3BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されないものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されるため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に少ない状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は少なくなるものの、遊技者の遊技価値が減りにくいといった状態は、例えば、「安定状態」と定義することができる。
一方、遊技者が、推奨遊技状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されるものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されないため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に多い状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすいといった状態は、例えば、「荒波状態」と定義することができる。
ここで、安定状態と荒波状態の2つの状態を創出する手法は上述のものに限られない。例えば、「安定状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「荒波状態」よりも高める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「荒波状態」よりも低める。また、「荒波状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「安定状態」よりも低める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「安定状態」よりも高める。このようにすれば、「安定状態」では、疑似ボーナスに初当りしやすいが、連荘しにくいという状態を創出でき、「荒波状態」では、疑似ボーナスに初当りしにくいが、連荘しやすいという状態を創出できる。なお、所定役の停止制御については、上述のとおり、2BBフラグ間と3BBフラグ間とで変動するものとしてもよいし、これとは異なる(すなわち、3BBフラグ間で優遇しない)ものとしてもよい。
[5-2.第1の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図9を参照して、第1の遊技機の図柄配置構成について説明する。図9は、第1の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図9に示すように、第1の遊技機では、「赤7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「赤ブランク」、「黄ブランク」、「白ブランク1」及び「白ブランク2」の10種類の図柄が、各リール3L,3C,3Rそれぞれにおいて図9に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1~10が割り当てられている。
[5-3.第1の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図10~図15を参照して、第1の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図10は、第1の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図11~図14は、第1の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図15は、第1の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。すなわち、以下では、第1の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
まず、第1の遊技機では、後述の内部抽籤処理(図26参照)において、図10に示す各内部当籤役が、図10に示す確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に表示が許可される図柄の組合せは、図10中、「対応する図柄組合せ」に示したとおりである。また、図11~図14中、「BB」はボーナス役に係る図柄の組合せを示し、「REP」は、リプレイ役に係る図柄の組合せを示し、「FRU」は、小役に係る図柄の組合せを示している。
「F_2BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、2枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、3枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。2枚ベット状態で、「F_2BB」が当籤した遊技、あるいは2BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB01」が表示され、2BB状態(2BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、2BBフラグ間であっても3枚ベット状態では「BB01」が表示される場合はない。
「F_3BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、3枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、2枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。3枚ベット状態で、「F_3BB」が当籤した遊技、あるいは3BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB02」が表示され、3BB状態(3BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、3BBフラグ間であっても2枚ベット状態では「BB02」が表示される場合はない。
なお、2BB状態及び3BB状態では、図10中、「ボーナス状態」の列の抽籤値が参照され、内部当籤役が決定される(遊技開始可能枚数は3枚ベットのみ)。2BB状態及び3BB状態中は、常に第一種特別役物であるRBが作動している状態(RB状態)に制御される。なお、RB状態は、作動してから2回の入賞が発生又は2回の遊技が行われた場合に一旦終了して再び作動するといった制御が繰り返される。また、第1の遊技機において、2BB状態の終了条件は、2BB状態において1枚を超えるメダルが払出されたことと規定されており、3BB状態の終了条件は、3BB状態において176枚を超えるメダルが払出されたことと規定されている。
ここで、2BB状態又は3BB状態が終了したときには、特殊モード移行処理が行われる。例えば、ボーナス状態に移行したとき(ボーナス状態中は、モード移行が行われないため、ボーナス状態が終了したときと同義)のモード、すなわち、現在のモードが「スタートモード」であれば、移行先のモードは「スタートモード」となる。また、現在のモードが「通常Aモード」「通常Bモード」「天国準備モード」「チャンスモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「通常Aモード」となる。また、現在のモードが「終了Aモード」「終了Bモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「終了Aモード」となる。また、現在のモードが「保障モード」「天国Aモード」「天国Bモード」「天国Cモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「保障モード」となる。
「F_リプレイA」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、非フラグ間及び2BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP64」~「REP72」のいずれか(これらは、「リプレイ」図柄を下段一直線、あるいは中段一直線に表示させるものであることから、これらを「平行リプ」と総称することができる。また、「REP64」~「REP71」は、「下段リプ」と総称することができ、「REP72」は、「中段リプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、3BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP73」(これは、「リプレイ」図柄を右上がりに表示させるものであることから、これを「右上がりリプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。
「F_リプレイB」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、いずれの状態であっても停止操作態様にかかわらず「平行リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP28」、「REP60」~「REP63」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであることから、これらを「チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP57」~「REP59」)が表示され、再遊技が付与される。
「F_確定チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP42」~「REP56」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであって、例えば、「REP42」のように、他のリールにおいて遊技者が期待を高めることができる図柄も表示されることから、これらを「確定チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、上述の「チェリーリプ」や「REP29」~「REP41」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_中段チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP15」~「REP19」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を中段に表示させるものであることから、これらを「中段チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP20」~「REP27」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_リーチ目」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「REP01」~「REP14」のいずれか(これらは、慣習上、遊技者にとって有利な状態への移行を確定報知する(ないし示唆する)ことが可能な図柄の組合せとして構成されており、これらを「リーチ目リプ」を総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_スイカ」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、各リールについて押下位置○であれば、「FRU10」~「FRU12」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示させるものであることから、これらを「スイカ」と総称することができる)が表示され、3枚ベット状態であれば3枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば、「FRU08」及び「FRU09」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示されるものでないため、これらを「スイカこぼし」と総称することができる)が表示され、1枚のメダルが払出される。なお、押下位置×の場合、取りこぼしを発生させてメダルの払出が0枚となるように構成することもできる。
「F_ベル123A1」、「F_ベル123A2」、「F_ベル132A1」、「F_ベル132A2」、「F_ベル213A1」、「F_ベル213A2」、「F_ベル231A1」、「F_ベル231A2」、「F_ベル312A1」、「F_ベル312A2」、「F_ベル321A1」、及び「F_ベル321A2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルA」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルA」は6択(「打順1」~「打順6」のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、「右下がりベル」(「FRU03」)、「上段ベル」(「FRU01」及び「FRU02」)、「中段ベル」(「FRU04」)、「右上がりベル」(「FRU05」)、「小山ベル」(「FRU06」)、及び「下段ベル」(「FRU07」)のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」(「FRU13」~「FRU116」)のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_ベル123B1」、「F_ベル123B2」、「F_ベル132B1」、「F_ベル132B2」、「F_ベル213B1」、「F_ベル213B2」、「F_ベル231B1」、「F_ベル231B2」、「F_ベル312B1」、「F_ベル312B2」、「F_ベル321B1」、及び「F_ベル321B2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルB」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルB」は、2枚ベット状態、及び3枚ベット状態の3BBフラグ間においては押し順小役となっていない。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。
また、図15に示すように、「押し順ベルB」は、3枚ベット状態の3BBフラグ間以外の状態(3枚ベット状態の非フラグ間、3枚ベット状態の2BBフラグ間)においては押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_RB役8枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。
「F_RB役1枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「1枚役」(より詳細には、「FRU117」~「FRU120」が追加されている)が表示され、1枚のメダルが払出される。
なお、図10に示す内部抽籤テーブル、図11~図14に示す図柄組合せテーブル、及び図15に示す内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係はあくまで一例であり、これらに示した態様に限定されるものではない。
例えば、第1の遊技機では、純粋な「はずれ」のとき、「BB01」が表示可能な2ベット状態において、「BB01」を取りこぼして「はずれ」となったとき、「BB02」が表示可能な3ベット状態において、「BB02」を取りこぼして「はずれ」となったとき、2BBフラグ間において3ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、3BBフラグ間において2ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、「押し順小役」を取りこぼして「はずれ」となったとき等、様々な状態で「はずれ」が発生することがある。そこで、これらのうち一部又は全部の場合にそれぞれ「はずれ」として表示される図柄の組合せを異ならせるため、これら異なる図柄の組合せを図柄組合せテーブルにおいて予め規定しておき、決定された内部当籤役に応じてこれらも「対応する図柄の組合せ」として表示が許可されるようにすることで、状態等に応じて表示される「はずれ」に係る図柄の組合せを異ならせるようにすることもできる。
[5-4.第1の遊技機のリミット処理構成]
続いて、図16を参照して、第1の遊技機のリミット処理構成について説明する。図16は、第1の遊技機における各リミット処理の一例を説明するための図である。図16に示すように、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)、通常リミット処理(払出数)、特殊リミット処理(ゲーム数)、特殊リミット処理(払出数)、準リミット処理(ゲーム数)、及び準リミット処理(払出数)の各リミット処理が実行されるようになっている。なお、これは、実行可能なリミット処理の一例であり、これらの各リミット処理以外のリミット処理が実行されるようにすることもできるし、これらの各リミット処理のうち一部のリミット処理は実行されないようにすることもできる。
通常リミット処理(ゲーム数)は、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1500回行われたとき)に実行される。なお、有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間ゲーム数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚のいずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間ゲーム数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。
通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、有利区間に関する情報(例えば、演出区間や増加区間に制御するための情報、現在のモードに係る情報、疑似ボーナスの遊技期間に係る情報、天井ゲーム数や天井短縮の有無に係る情報、1G連ストックカウンタの値等の当該有利区間中に得られた各種情報や当該有利区間を制御するために必要であった各種情報)も全てクリア(初期化)される。
通常リミット処理(払出数)は、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2400枚を超えたとき)に実行される。なお、有利区間払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間払出数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚いずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、例えば、有利区間中に「はずれ」や「取りこぼし」が発生した際、実払出数(例えば、「-2枚」又は「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。したがって、有利区間が開始してからメダルが増加せず減少していった等の場合には、負の値となることもある(あるいは、負の値となる場合には常に「0」が維持されるように構成することもできる)。すなわち、有利区間払出数カウンタは、有利区間中の払出されたメダル数の最下点から定義された最高点(差枚数:2400枚)までを計数することが可能となっている。
通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
特殊リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1445回行われたとき)に実行される。なお、制御用ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用ゲーム数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用ゲーム数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。もっとも、制御用ゲーム数カウンタを、有利区間ゲーム数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(ゲーム数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)有利区間ゲーム数カウンタの値は「1500」であるのに対し、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「1445」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大遊技数(継続可能期間)は「55ゲーム」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の遊技可能期間が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(ゲーム数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制期間分の遊技が行われた場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(ゲーム数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感等を抱き、遊技の興趣を低下させてしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間2回あたりの継続可能期間(55ゲーム×2セット=110ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+猶予期間(2ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、疑似ボーナスに移行する前に前兆状態を経由する等の仕様の場合であって、この前兆状態の最大遊技数が「4ゲーム」である場合、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+最大前兆期間(4ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(ゲーム数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
特殊リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2125枚を超えたとき)に実行される。なお、制御用払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用払出数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用払出数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。
また、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「はずれ」が発生した際、実払出数(例えば、「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。もっとも、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「取りこぼし」発生した際(少なくとも、メダルの払出数の最大値から差分が発生した際)には、「取りこぼし」(あるいは、差分)が生じなかったものとして、メダルの払出数を計数する。具体的には、例えば、3枚ベットで「押し順ベルA」に当籤した遊技において、打順が適切である場合にはメダルの払出数(最大値)は「8枚」(差枚数としては「+5枚」)となる一方、打順が適切でない場合、押下位置が適切であればメダルの払出数は「1枚」(差枚数としては「-2枚」)となり、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生してメダルの払出数は「0枚」(差枚数としては「-3枚」)となるが、制御用払出数カウンタは、当該遊技においていずれの場合であっても、差枚数「+5枚」を計数する。
また、例えば、2BB状態や3BB状態が作動する等して、有利区間払出数カウンタの値が制御用払出数カウンタの値よりも大きくなった場合には、制御用払出数カウンタの値は、有利区間払出数カウンタの値に補正される。なお、制御用払出数カウンタを、有利区間払出数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(払出数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)有利区間払出数カウンタの値は「2401」であるのに対し、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「2126」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大獲得枚数(付与可能遊技価値量)は「275枚」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の付与可能遊技価値量が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(払出数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制遊技価値量分の遊技価値が付与された場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(払出数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感を抱き、遊技の興趣が低下してしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間2回あたりの付与可能遊技価値量(275枚×2セット=550枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)+猶予期間に相当する遊技価値量(8枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(払出数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
準リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「55」(すなわち、疑似ボーナスの継続可能期間)を乗じた値を加算し、加算結果が「1390」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「55×2=110」となるから、制御用ゲーム数カウンタの値が「1280」となったときに準リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)こととなる。
準リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「275」(すなわち、疑似ボーナスの付与可能遊技価値量)を乗じた値を加算し、加算結果が「1851」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「275×2=550」となるから、制御用払出数カウンタの値が「1301」となったときに準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)こととなる。なお、準リミット処理(ゲーム数)と準リミット処理(払出数)とは、ともに同じ内容の規制を行うものであるから、一方の作動条件が成立して作動した後は、もう一方の作動条件が成立したとしても重複して作動する必要ないものとなっている。
準リミット処理(ゲーム数)、又は準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、疑似ボーナス中は、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤が実行されなくなる。すなわち、増加区間における遊技期間の延長が抑制される。なお、増加区間における遊技期間の延長が抑制される手法はこれに限られない。例えば、上述の1G連抽籤において、1G連の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよいし、上述の天井短縮抽籤において、天井短縮の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよい。すなわち、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤そのものは実行されるが、これらの抽籤に当籤しにくくなるようにしてもよい。また、例えば、準リミット処理(ゲーム数)の実行後の演出区間では、疑似ボーナス移行抽籤において当籤となる抽籤値を低くして、疑似ボーナスに移行しにくくしてもよい。あるいは、モード移行抽籤において遊技者に有利なモード移行が決定される抽籤値を低くして、疑似ボーナスが連荘しにくくしてもよい。
また、準リミット処理(ゲーム数)、又は準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、演出区間中は、「確定役」(図7の(a)参照)の当籤時に特殊処理が行われるようになっている。以下、この特殊処理について、「確定役」が「F_確定チェリー」(以下、単に「確定チェリー」として説明する場合がある)である場合を例に挙げて説明する。
準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において「当籤(次回遊技)」が決定される(図7の(c)参照)。また、第1の遊技機では、左リール3Lの「チェリー」図柄が遊技者にとって期待度の高い図柄となっているので、停止操作の情報が報知されない遊技にあっては、遊技者は左第1停止で、かつ「チェリー」図柄を狙って(目安として「BAR」図柄を狙って)停止操作を行うことが一般的な手順となっている。したがって、一般的な手順で遊技が行われる場合、「確定チェリー」当籤時には、まず、左第1停止で左リール3Lの下段に「チェリー」図柄が停止される。なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」が当籤した場合には、左第1停止(「打順1」及び「打順2」)をすべき旨の報知が行われるようにしてもよい。また、「当籤(次回遊技)」は、次回遊技から疑似ボーナスが開始されるものに限られず、次回遊技以降の遊技から疑似ボーナスが開始されるものであってもよい。
ここで、技量のある遊技者は、さらに「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別するために、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいても「BAR」図柄を狙って停止操作を行う。その結果、各リールの中段に「BAR」図柄が揃い、「確定チェリー」に当籤したことが認識できる(例えば、図11中、「REP42」参照)。一方、技量のない遊技者は、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいて「BAR」図柄を狙って停止操作を行わない、あるいは行えないことにより、停止表示態様からは「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別できない場合がある(例えば、図11中、「REP28」参照)。
なお、第1の遊技機では、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合、特別入賞音が出力されるようになっている。また、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せは表示されなかったが、「チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合にも、特別入賞音が出力されるようになっている。なお、特別入賞音の出力は、100%の確率で行われるようにしてもよいし、所定確率(例えば、50%の確率)で行われるようにしてもよい。
いずれにしても、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合には、次回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
一方、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において一旦、「当籤(次回遊技)」は決定されるものの(図7の(c)参照)、特殊処理の実行により、この決定結果が「当籤(今回遊技)」に書き換えられる。そして、今回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
このとき、今回遊技においては、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せ(「チェリーリプ」の図柄の組合せを含む)を表示させず、「中段リプ」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報の報知(特殊報知)が行われる。例えば、第1の遊技機では、右第1停止(「打順5」及び「打順6」)をすべき旨の特殊報知が行われる(図15参照)。これにより、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないときには、「確定チェリーリプ」表示→次回遊技から疑似ボーナス開始といった遊技の流れであったものが、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかの作動後にあっては、今回遊技から疑似ボーナス開始→特殊報知にしたがって停止操作が行われることにより「中段リプ」表示という遊技の流れに変更される。なお、特殊報知は、メイン(主制御基板71)側の制御によって行われるようにしてもよいし、結果として疑似ボーナスに移行することにかわりなく遊技者が不利益を被らないという観点から、サブ(副制御基板72)側のみの制御によって行われるようにしてもよい。
なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、「確定チェリー」に当籤した場合であって、特殊報知が行われたにもかかわらず、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合には、特別入賞音は出力さない。
また、第1の遊技機では、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合、基本的には停止操作の手順が報知されない。このため、停止操作の手順が報知されて「中段リプ」が表示されるのが上述の特殊報知が行われた場合のみであるとすると、このような状態が発生した場合には、いずれかの準リミット処理が作動したことを遊技者に明確に認識されてしまい、その結果遊技の興趣を低下させてしまう可能性もある。したがって、有利区間中においては、いずれかの準リミット処理が作動しているか否かにかかわらず(あるいは、いずれかの準リミット処理の作動後からであってもよい)、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に、所定確率で特殊報知と同様の報知が行われるようにしてもよい。このようにすれば、特殊報知が行われることに対して遊技者が不自然に感じてしまうこと防止することができる。また、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に特殊報知と同様の報知が行われるのは、疑似ボーナス移行抽籤に当籤した場合としてもよい。また、この場合、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合の疑似ボーナス移行抽籤では、所定確率で「当籤(今回遊技)」が決定され得るようにしてもよい。
ここまで、通常リミット処理、特殊リミット処理、及び準リミット処理を作動させるため、「ゲーム数」及び「払出数」を用いて有利区間の遊技期間を監視することを例に挙げて説明したが、各リミット処理が実行される条件は上述のものに限られず、適宜変更可能であるものとする。例えば、各リミット処理が実行されるとした、有利区間ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値、並びに1G連カウンタの値及び天井短縮の有無(すなわち、準リミット処理を作動させるための変数)等は、遊技仕様や市場動向等に応じて適宜変更可能である。
また、有利区間の遊技期間を監視するための手法も上述のものに限られない。例えば、有利区間の遊技期間を監視するために「ナビ回数」を用いるとしたならば、上記と同様に、通常リミット処理(ナビ回数)や特殊リミット処理(ナビ回数)、あるいは準リミット処理(ナビ回数)が実行されるようにすることもできる。すなわち、有利区間の遊技期間を監視するために値を計数可能な要素(パラメータ)であればどのような要素も採用することができ、採用した要素に対して、通常リミット処理が実行される値と、特殊リミット処理が実行される値と、準リミット処理が実行される値と、を規定することで、上述のものと同様に、各リミット処理が実行されるものとすることができる。
上述のとおり、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態である場合には、特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態でない場合には有利状態に移行させ、移行させた有利状態が終了して特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。また、このようにして一連の有利区間を終了させる際には、有利状態でなければ有利状態に移行させた上で終了させるようにしている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、特定期間又は特定量は、有利状態の継続可能期間(例えば、「55ゲーム」)又は付与可能遊技価値量(例えば、「275枚」)を考慮して設定されているため、遊技者の感情に配慮しつつも、遊技者に付与される遊技価値量が極端に規制されることを防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態は付与された権利(例えば、「1G連ストック」及び「天井短縮」)によって延長される場合があるが、一連の有利区間における遊技期間が、特定期間よりも短く、付与された権利数に応じて設定された特別期間となったとき(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が準リミット処理(ゲーム数)が実行される値となったとき)、又は一連の有利区間において付与された遊技価値量が、特定量よりも少なく、付与された権利数に応じて設定された特別量となったとき(例えば、制御用払出数カウンタの値が準リミット処理(払出数)が実行される値となったとき)には、以後の一連の有利区間において権利の付与が抑制されるようになっている。これにより、例えば、遊技者が消費しきれないほどの権利が付与され、このような状態で一連の有利区間が強制的に終了される結果、遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止できるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、上述の「特定量」や「特別量」を計数する上では、例えば、遊技者の操作ミスや指示の無視等に起因して、本来付与されるはずであった遊技価値量と実際に付与された遊技価値量との間で差分が生じた場合であっても、この差分を考慮せず、本来付与されるはずであった遊技価値量を基準として計数が行われるようになっている。これにより、このような遊技者の行為によって一連の有利区間が必要以上に延長されてしまうことや、このような行為を行った遊技者と行っていない遊技者との間で不公平が生じてしまうことを防止することができるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されている状態(例えば、準リミット処理作動後の状態)において有利状態への移行が確定する確定役(例えば、「確定チェリー」)に当籤したときには、この確定役の当籤が明確に認識できる特別図柄の組合せ(例えば、「確定チェリーリプ」)を表示させないための特殊報知が行われるようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特殊報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、特殊報知が行われる場合、本来次回遊技から開始されるはずであった有利状態を、今回遊技から開始するようにしている。これにより、遊技者に自然な流れで特殊報知にしたがった停止操作を行わせることができるので、このような特殊報知を行う場合であっても、遊技者が違和感等を抱いてしまうことを防止できる。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されていない状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知(例えば、特別入賞音の出力)を行うことを可能とする一方、権利の付与が抑制されている状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知を行うことを可能としないようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特別報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、確定役に当籤したか否か、特別図柄の組合せが表示されたか否か、及び特殊報知が行われたか否かに応じて、特別報知を行うか否かを決定するようにしている。これにより、特別報知が行われる状況をより適切に管理することができる。
また、第1の遊技機では、有利区間ゲーム数カウンタ及び有利区間払出数カウンタは、ベットされた遊技価値量にかかわらず計数を行う結果、3枚ベット状態のみならず2枚ベット状態においても、通常リミット処理(ゲーム数)及び通常リミット処理(払出数)が実行されることを可能としている。
また、第1の遊技機では、制御用ゲーム数カウンタ及び制御用払出数カウンタは、3枚ベット状態では計数を行うが、2枚ベット状態では計数を行わない。したがって、3枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としているが、2枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としていない。したがって、2枚ベット状態では、通常リミット処理(ゲーム数)又は通常リミット処理(払出数)の実行によって、疑似ボーナス中であっても一連の有利区間が強制的に終了してしまう場合がある。
なお、第1の遊技機では、3枚ベット状態と2枚ベット状態とでは、例えば、小役の当籤確率、及びメダルの払出数が異なる結果(図10~図15参照)、3枚ベット状態で遊技を行う場合よりも2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが、遊技者に不利となっている。もっとも、このように、2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが遊技者に不利となる手法はこれに限られない。例えば、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合には、停止操作の手順が報知されないようすることで、遊技者に不利となるように構成してもよい。
このように、第1の遊技機では、第1の量(例えば、「3枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。一方、第2の量(例えば、「2枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了される場合があることから、これによって遊技者に企図された遊技方法で遊技を行わなかったことを気付かせることができるので、遊技者に対して企図された遊技方法で遊技を行うことを促すことができる。
なお、一連の有利区間において、第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合よりも、第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合のほうが、遊技者にとって不利となっているので、このような注意喚起を可能にすることで、遊技者により有利な状態で遊技を行うべきであることも促すことができ、遊技者が企図しない遊技方法で遊技を行うことに起因して遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
[5-5.第1の遊技機の格納領域構成]
続いて、図17~図22を参照して、第1の遊技機の格納領域構成について説明する。図17は、第1の遊技機の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域の一例を示す図である。また、図18は、第1の遊技機の持越役格納領域の一例を示す図である。また、図19は、第1の遊技機の遊技状態フラグ格納領域の一例を示す図である。また、図20は、第1の遊技機のモードフラグ格納領域の一例を示す図である。また、図21は、第1の遊技機の作動ストップボタン格納領域の一例を示す図である。また、図22は、第1の遊技機の押下順序格納領域の一例を示す図である。
(当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域)
まず、図17を参照して、当籤フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)、入賞作動フラグ格納領域(表示役格納領域)、及び図柄コード格納領域の構成について説明する。なお、第1の遊技機では、当籤フラグ格納領域と、入賞作動フラグ格納領域と、図柄コード格納領域とが同じデータ構成となっている。
上述の各格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1~26で構成される。なお、各格納領域に格納されるデータは、図17中の「データ」欄の1バイトデータのみであるが、図17では、説明の便宜上、各格納領域のビットに対応付けられた図柄組合せを示す「コンビネーション」(図17中では、リール3Lの図柄、リール3Cの図柄及びリール3Rの図柄の順で記載)及びその内容(図11~図14参照)も併せて記載する。
当籤フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、内部当籤役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において表示されることが許可された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに当籤した場合(持越されている場合)、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
入賞作動フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、表示役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において有効ライン上に表示された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
図柄コード格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、少なくともいずれかのリールの回転中において、今回の遊技において未だ有効ライン上に表示可能となっている図柄の組合せの種類を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において少なくともいずれかのリールが回転しているときに、2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示され得るものとなっている場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
(持越役格納領域)
続いて、図18を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。持越役格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。
内部抽籤処理の結果、「F_2BB」(2BB)又は「F_3BB」(3BB)のボーナス役が内部当籤役として決定されたときには、これらのボーナス役は、持越役として持越役格納領域に格納される(対応するビットに「1」が格納される)。持越役格納領域に格納された持越役は、対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまでクリアされずに保持される。また、持越役格納領域に持越役が格納されている間、内部抽籤処理によって決定された内部当籤役(小役・リプレイ役)に加えて、持越役(ボーナス役)が当籤フラグ格納領域に格納される。
(遊技状態フラグ格納領域)
続いて、図19を参照して、遊技状態フラグ格納領域の構成について説明する。遊技状態フラグ格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。例えば、現在の遊技状態が2BB状態である場合、格納領域のビット0に「1」が格納される。
なお、第1の遊技機では、RT状態が設けられていないので、図19に示す遊技状態フラグ格納領域にはRT状態の種類を示す領域は設けられていないが、例えば、RT状態が設けられている場合には、現在のRT状態に対応する格納領域のビットに「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、有利区間中の遊技状態(モード)の種類を示すデータを別途後述のモードフラグ格納領域に格納するものとしているが、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、非有利区間及び有利区間の遊技区間についても同様である。図示しない有利区間フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、AT状態やART状態等の遊技状態についても同様である。図示しないAT状態(ART状態)フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。
(モードフラグ格納領域)
続いて、図20を参照して、モードフラグ格納領域の構成について説明する。モードフラグ格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1及び格納領域2で構成される。例えば、現在のモードがスタートモードである場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。また、例えば、現在のモードが天国Aモードである場合、格納領域2のビット0に「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、疑似ボーナス状態もモードの1つとして管理している。
(作動ストップボタン格納領域)
次に、図21を参照して、作動ストップボタン格納領域の構成について説明する。作動ストップボタン格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、作動ストップボタン格納領域のビット0~2は、すでに操作されたストップボタンの種類(停止したリールの種類)を示すデータを格納し、ビット4~6は、未だ操作されていないストップボタンの種類(回転中のリールの種類)を示すデータを格納する。
例えば、ストップボタン8Lが今回押されたストップボタン、すなわち、作動ストップボタンである場合には、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納される。また、例えば、ストップボタン8Lが未だ押されていないストップボタン、すなわち、有効ストップボタンである場合には、ビット4に「1」が格納される。メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタンと未だ押されていないストップボタンとを識別する。
(押下順序格納領域)
次に、図22を参照して、押下順序格納領域の構成について説明する。押下順序格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、押下順序は、ストップボタンが押された順序、すなわち、押し順(打順)を示すものである。
例えば、全てのリールが回転中であるときには、押下順序格納領域のビット0~5に「1」が格納される。次いで、ストップボタン8Lが押されたときには(「左」第1停止であるから)、ビット0及び1には「1」が格納されたままとなるが、ビット2~5には「0」が格納されるようになる。次いで、ストップボタン8Cが押されたときには(「左」第1停止、「中」第2停止であることから)、ビット0には「1」が格納されたままとなるが、ビット1には「0」が格納されるようになる。メインCPU101は、押下順序格納領域に格納されているデータに基づいて、今回の遊技の押し順を識別する。
[6.主制御回路による処理]
続いて、図23~図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101が各プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。なお、以下に示す各種処理の説明では、第1の遊技機の仕様を用いてその処理内容の一具体例を説明する場合があるが、以下に示す各種処理の処理内容はこれに限定されるものではない。
[6-1.メイン処理]
まず、図23を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行されるメイン処理(主要動作処理)について説明する。なお、図23は、メイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。また、図23においては、メイン処理の開始に先立って実行される電源投入時処理についても併せて示している。
まず、メインCPU101は、パチスロ機1に電力が供給されると(電源が投入されると)、電源投入時処理を行う(S1)。この処理では、電源投入時に必要な各種処理を行う。なお、電源投入時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、当籤フラグ格納領域や入賞作動フラグ格納領域等の1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、例えば、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、及びスタートスイッチ7S等の入力状態をチェックし、遊技開始時に必要な各種処理を行う。なお、メダル受付・スタートチェック処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、乱数値取得処理を行う(S4)。この処理では、内部抽籤用乱数値(例えば、0~65535の範囲)や遊技性に関する各種抽籤で用いられる演出用乱数値(その他抽籤用乱数値)(例えば、0~65535の範囲、あるいは0~255の範囲)等を抽出し、抽出した各種乱数値をメインRAM103に設けられた乱数値格納領域(不図示)に格納する。なお、各種乱数値の取得態様は上述のものに限られない。それぞれ予め定められた数値範囲(例えば、0~65535の範囲、0~32767の範囲、0~255の範囲、あるいは0~127の範囲等)から必要な個数の乱数値を適宜取得することができる。
続いて、メインCPU101は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、現在の遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルや内部抽籤用乱数値に基づいて内部当籤役を決定するために必要な各種処理を行う。なお、内部抽籤処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時状態制御処理を行う(S6)。この処理では、各種遊技状態について、遊技を開始するときに、(例えば、決定された内部当籤役等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技開始時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、スタートコマンド生成格納処理を行う(S7)。この処理では、副制御回路200に送信するスタートコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域(不図示)に格納する。なお、通信データ格納領域に格納されたデータは、後述の通信データ送信処理(図32のS204参照)において主制御回路100から副制御回路200に送信される。また、その他のコマンドのデータの生成、格納、及び送信手法も基本的に同様である。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時メイン側演出制御処理を行う(S8)。この処理では、遊技を開始するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技開始時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、例えば、AT状態であって指示モニタによって停止操作の情報を報知する場合にはその報知態様を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理では、内部当籤役や遊技状態等に基づいて、今回の遊技で使用する停止テーブルの種類や引込優先順位テーブルの種類等の停止制御に必要な各種情報を設定する。
続いて、メインCPU101は、リール回転開始処理を行う(S10)。この処理では、全てのリールの回転開始を要求する。そして、全てのリールの回転開始が要求されると、後述のリール制御処理(図32のS203参照)により、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。回転を開始した各リールは、その回転速度が一定速度に達するまで加速制御され、その後、当該一定速度が維持される。また、詳細は省略するが、この処理においてはリール回転開始コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S11)。この処理では、回転中のリール(この場合は全てのリール)の各図柄(図柄位置)に対して、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域(不図示)に格納する。なお、図示は省略するが、この処理に先立って後述の図柄コード格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、決定された内部当籤役(あるいはこれに応じて設定された各種停止制御に係る情報)と各ストップボタン8L,8C,8Rの停止操作態様と基づいて該当するリールの回転を停止させるために必要な各種処理を行う。なお、リール停止制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、入賞作動判定処理を行う(S13)。この処理では、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されたいずれかの図柄の組合せであるか否かを判定する。例えば、入賞作動フラグ格納領域において「1」が格納されているビットがあるか否かを判定する。また、詳細は省略するが、この処理においては入賞作動コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、メダル払出・再遊技作動処理を行う(S14)。この処理では、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せが、小役に係る図柄の組合せであればこれに対応するメダル数を払出し、リプレイ役に係る図柄の組合せであれば次回の遊技において再遊技を作動させるために必要な各種処理を行う。なお、例えば、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せがリプレイ役に係る図柄の組合せである場合には、今回の遊技におけるベット数と同数の値を後述の自動投入メダルカウンタにセットする処理を行う。また、この処理では、払出すメダル数に応じたメダル払出信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時状態制御処理を行う(S15)。この処理では、各種遊技状態について、遊技が終了するときに、(例えば、表示された図柄の組合せ等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技終了時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時メイン側演出制御処理を行う(S16)。この処理では、遊技が終了するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技終了時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
このように、パチスロ機1では、上述のS2~S16の処理が行われることで1回の単位遊技が制御され、また、これらの処理が繰り返されることで遊技の進行が制御される。なお、必要に応じてこれらの処理以外の処理が適宜行われるように構成することもできるし、これらの処理のうち一部の処理については行われないように構成することもできる。すなわち、上述の各種処理はあくまで一例である。
(電源投入時処理)
続いて、図24を参照して、上述のメイン処理のS1において行われる電源投入時処理について説明する。なお、図24は、電源投入時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、図示しない電源投入時の初期化処理を行った後、メインRAM103の書込みテストを行い、当該テストの結果、メインRAM103への書込みが正常に行われたか否かを判定する(S21)。すなわち、メインCPU101は、メインRAM103に異常が発生していないか否かを判定する。
メインCPU101は、メインRAM103への書込みが正常に行われたと判定した場合(S21がYES)、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であるか否かを判定する(S22)。すなわち、メインCPU101は、設定変更が可能な状態であるか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であると判定した場合(S22がYES)、設定変更時の初期化処理を行う(S23)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、持越役格納領域、遊技状態フラグ格納領域やモードフラグ格納領域等の設定変更時にデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、初期化コマンド生成格納処理を行う(S24)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が開始されたことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。
続いて、メインCPU101は、設定変更処理を行う(S25)。この処理では、上述の設定値決定操作や設定値確定操作を受付けることにより、メインRAM103が初期化された後、新たな設定値がメインRAM103の設定値格納領域(不図示)に設定(格納)される。続いて、メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったか否かを判定する(S26)。すなわち、メインCPU101は、新たに設定値が設定された後、設定変更が可能な状態が終了したか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となっていないと判定した場合(S26がNO)、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となるまで処理を待機する。一方、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったと判定した場合(S26がYES)、初期化コマンド生成格納処理を行う(S27)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S22において、設定用鍵型スイッチ52がオン状態でないと判定した場合(S22がNO)、バックアップデータが正常であるか否かを判定する(S28)。すなわち、メインCPU101は、パチスロ機1への電力の供給が断たれたとき(電断時)にバックアップされた各種情報が正常であるか否かを判定する。
メインCPU101は、バックアップデータが正常であると判定した場合(S28がYES)、遊技復帰処理を行う(S29)。この処理では、パチスロ機1を電断前の状態に復帰させる処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S21において、メインRAM103への書込みが正常に行わなかったと判定した場合(S21がNO)、及びS28において、バックアップデータが正常でないと判定した場合(S28がNO)、電源投入時エラー処理を行う(S30)。なお、この電源投入時エラー処理によって発生したエラーは、上述のリセット操作によっては解消されず、新たに設定値が設定されたことに応じて解消するものとなっている。したがって、メインCPU101は、電源投入時エラー処理の後、一度パチスロ機1の電源がオフとなり、その後、新たに設定値が設定されるまで(上述のS22~S26の処理が行われるまで)通常の処理(図23のS2以降)に移行しない。
(メダル受付・スタートチェック処理)
続いて、図25を参照して、上述のメイン処理のS3において行われるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。なお、図25は、メダル受付・スタートチェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S41)。すなわち、メインCPU101は、前回の単位遊技でリプレイ役に入賞したか(再遊技が作動したか)否かを判定する。
メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S41がNO)、自動投入処理を行う(S42)。この処理では、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルが自動投入される。また、詳細は省略するが、自動投入が行われる場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
メインCPU101は、S41において、自動投入メダルカウンタの値が「0」であると判定した場合(S41がYES)、及びS42の処理の後、メダル補助収納庫スイッチチェック処理を行う(S43)。この処理では、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっているか(すなわち、メダル補助収納庫33に一定数以上のメダルが収納されているか)否かを判定し、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていると判定した場合にはメダル補助収納庫エラーを発生させる。この場合、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。また、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていないと判定した場合には、この処理を終了する。
続いて、メインCPU101は、メダル投入状態チェック処理を行う(S44)。この処理では、現在のベット数やクレジット数のチェックを行うとともに、メダルの受付が禁止されているか、あるいはセレクタエラーが発生しているか等も判定し、メダルの受付が可能であれば、メダルの受付が可能な状態(ベット操作を受付可能な状態)とする(メダルの受付を許可する)。なお、セレクタエラーが発生している場合には、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。
続いて、メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であるか否かを判定する(S45)。メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であると判定した場合(S45がYES)、メダル投入チェック処理を行う(S46)。この処理では、メダルセンサ31Sの検出結果やベットスイッチ6Sの検出結果に基づいてベット数やクレジット数を更新する。また、詳細は省略するが、ベット操作が行われた場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であるか否かを判定する(S47)。すなわち、メインCPU101は、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっていないか否かを判定する。メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態でない(すなわち、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっている)と判定した場合(S49がNO)、メダルの受付を禁止する(S48)。すなわち、メインCPU101は、メダルの受付が可能でない状態(ベット操作を受付可能としない状態)とする。
メインCPU101は、S45において、メダルの受付が可能な状態でないと判定した場合(S45がNO)、S47において、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であると判定した場合(S47がYES)、及びS48の処理の後、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判定する(S49)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、現在のベット数が「2」又は「3」枚であるか否かが判定される。
メインCPU101は、投入枚数が遊技開始可能枚数であると判定した場合(S49がYES)、スタートスイッチ7Sがオン状態となったか否かを判定する(S50)。すなわち、メインCPU101は、遊技者によって開始操作が行われたか否かを判定する。
メインCPU101は、スタートスイッチ7Sがオン状態となったと判定した場合(S50がYES)、メダルの受付を禁止する(S51)。そして、メインCPU101は、この処理の後、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
メインCPU101は、S49において、投入枚数が遊技開始可能枚数でないと判定した場合(S49がNO)、及びS50において、スタートスイッチ7Sがオン状態となっていないと判定した場合(S50がNO)、処理をS44に戻す。
(内部抽籤処理)
続いて、図26を参照して、上述のメイン処理のS5において行われる内部抽籤処理について説明する。なお、図26は、内部抽籤処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、設定値・メダル投入枚数チェック処理を行う(S61)。この処理では、今回の単位遊技における設定値及びベット数のチェックを行う。続いて、メインCPU101は、設定値、ベット数及び遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S62)。続いて、メインCPU101は、乱数値格納領域から内部抽籤用乱数値を取得する(S63)。すなわち、メインCPU101は、上述のメイン処理のS4で取得した内部抽籤用乱数値のデータを取得する。なお、この処理において、設定値が「1」~「6」以外又はベット数が「1」~「3」以外であると判定された場合には、メインCPU101は、重篤なエラーが発生したと判断し、上述の電源投入時エラー処理(図24のS30参照)を実行する。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役決定処理を行う(S64)。この処理では、取得した内部抽籤用乱数値を、セットされた内部抽籤テーブルに規定された各内部当籤役の抽籤値を用いて順次更新(例えば、加算更新)し、更新結果が所定結果となったか(例えば、オーバーフローしたか)否かを判定する。所定結果となった場合にはその内部当籤役を今回の単位遊技の内部当籤役として決定する。なお、全ての内部当籤役について判定しても所定結果とならなかった場合には、今回の単位遊技の結果は「はずれ」となる(内部当籤役として「はずれ」が決定される)。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役が決定されたか否かを判定する(S65)。メインCPU101は、内部当籤役が決定されなかったと判定した場合(S65がNO)、処理をS64に戻す。すなわち、メインCPU101は、判定対象となる内部当籤役を順次更新し(内部抽籤用乱数値も順次更新し)、全ての内部当籤役について判定が行われるまで(あるいは、その中途で内部当籤役が決定されるまで)S64の処理を繰り返す。
メインCPU101は、内部当籤役が決定されたと判定した場合(S65がYES)、決定された内部当籤役が持越非対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役でなく、小役又はリプレイ役であるか)否かを判定する(S66)。メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越非対象役であると判定した場合(S66がYES)、当籤フラグ格納領域を更新する(S67)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて当籤フラグ格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、当籤フラグ格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S66において、決定された内部当籤役が持越非対象役でないと判定した場合(S66がNO)、及びS67の処理の後、決定された内部当籤役が持越対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役であるか)否かを判定する(S68)。
メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越対象役であると判定した場合(S68がYES)、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S69)。すなわち、メインCPU101は、未だいずれのボーナス役も持越されていないか否かを判定する。メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S69がYES)、持越役格納領域を更新する(S70)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて持越役格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、持越役格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S68において、決定された内部当籤役が持越対象役でないと判定した場合(S68がNO)、S69において、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S69がNO)、及びS70の処理の後、再度、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S71)。
メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S71がNO)、当籤フラグ格納領域を更新する(S72)。この処理では、持越役格納領域に格納されているデータを当籤フラグ格納領域のデータに反映させる。すなわち、メインCPU101は、ボーナス役が持越されている(あるいは今回の単位遊技で当籤した)場合、当籤フラグ格納領域において、当該ボーナス役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S71において、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S71がYES)、及びS72の処理の後、サブフラグ等設定処理を行う(S73)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、内部当籤役に基づいて非有利区間サブフラグや有利区間当籤時サブフラグが設定される。なお、この処理では、例えば、AT状態であるとき、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報等が設定されるようにしてもよい。そして、メインCPU101は、この処理の後、内部抽籤処理を終了する。
(遊技開始時状態制御処理)
続いて、図27を参照して、上述のメイン処理のS6において行われる遊技開始時状態制御処理について説明する。なお、図27は、遊技開始時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S81)。この処理では、遊技を開始するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定のボーナス役に当籤したことに基づいて所定のRT状態としてのフラグ間に移行させる場合、この処理において所定のボーナス役に当籤したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、フラグ間はRT状態として(すなわち、遊技状態フラグ格納領域に格納される遊技状態として)構成されていないため、ここでのチェックは不要となる。また、例えば、特定の移行条件の成立から特定の遊技数の遊技を行ったことにより開始又は終了する特定のRT状態がある場合、この処理においてこの特定の遊技数を管理することもできる。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S82)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S82がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S83)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S84)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。
メインCPU101は、S82において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S82がNO)、及びS84の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S85)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S85がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S86)。この処理では、遊技を開始するときに、非有利区間から有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の開始条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤を行い、この抽籤結果が有利区間を開始させるものであるか否かがチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S87)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S87がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S87がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S88)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を開始させる(セットする)。この処理では、有利区間が開始したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)のカウントを開始する(すなわち、一連の有利区間の遊技期間の監視を開始する)等の設定処理を適宜行う。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S89)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S90)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、セットされた移行先モードにしたがい、疑似ボーナスに移行する場合にはその遊技期間として「55ゲーム」が設定され、終了モードに移行する場合にはその遊技期間として「32ゲーム」が設定され、それ以外のモードに移行する場合にはそれぞれに対応する天井ゲーム数が設定される。また、各種抽籤(図7及び図8等参照)における抽籤値(抽籤テーブル)が設定される。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。
メインCPU101は、S85において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S85がNO)、有利区間中遊技開始時処理を行う(S91)。なお、有利区間中遊技開始時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S92)。この処理では、遊技を開始するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S93)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S93がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S94)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S93がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技開始時処理)
続いて、図28を参照して、上述の遊技開始時状態制御処理のS91において行われる有利区間中遊技開始時処理について説明する。なお、図28は、有利区間中遊技開始時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技開始時)を行う(S101)。この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、1ゲームにつき1ずつ減算(加算)する等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S102)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S102がYES)、AT期間管理処理(遊技開始時)を行う(S103)。この処理では、例えば、遊技開始時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS101の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、ナビ設定処理を行う(S104)。この処理では、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報やスタートコマンドに含ませる停止操作の情報に対応する情報等を設定する。なお、この処理では、ナビを発生させるか否かを決定可能としてもよい。すなわち、AT状態において報知対象役が当籤した場合に、必ずしもナビが発生しない場合があってもよく、この処理においてナビ発生の可否を所定条件(例えば、報知対象役の種類や予め定められたナビ発生確率)にしたがって決定するようにしてもよい。
メインCPU101は、S102において、特定モード中でないと判定した場合(S102がNO)、及びS104の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S105)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S105がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S106)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S107)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS90の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技開始時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S105がNO)、有利区間中遊技開始時処理を終了する。
なお、図27に示す遊技開始時状態制御処理と図30に示す遊技終了時状態制御処理、及び図28に示す有利区間中遊技開始時処理と図31に示す有利区間中遊技終了時処理は、基本的にほとんど同様の処理構成となっている。これは、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで処理を行ってもよいもの(例えば、遊技状態やモードの移行等、決定された内部当籤役を参照する処理であるが、処理結果が今回の遊技が終了するまで(あるいは、次回の遊技が開始されるまで)に反映されればよい処理等)については、いずれか一方で行われればよいことを意味し、双方で同様の処理が重複して行われることを意味するものではない。したがって、このような処理については、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで行われるようにしてもよい。
これに対し、遊技を開始するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、上述のナビ設定処理等)については、遊技を開始するときに行われるものとし、また、遊技が終了するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、表示された図柄の組合せを参照する処理等)については、遊技が終了するときに行われるものとすればよい。また、例えば、遊技開始後であって遊技終了前の所定時期に処理が行われる必要があるもの、あるいは処理を行ったほうがよいもの(例えば、第1停止操作の停止操作態様を参照する処理等)については、そのときに行われるものとすればよい。
(リール停止制御処理)
続いて、図29を参照して、上述のメイン処理のS12において行われるリール停止制御処理について説明する。なお、図29は、リール停止制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、全てのリールの回転速度が所定の一定速度(例えば、80回転/1分)に到達したか(すなわち、定速回転しているか)否かを判定する(S111)。メインCPU101は、全てのリールが定速回転していないと判定した場合(S111がNO)、全てのリールが定速回転するまで処理を待機する。一方、全てのリールが定速回転していると判定した場合(S111がYES)、各リールの停止を許可する(S112)。すなわち、メインCPU101は、各ストップボタンを有効化する。また、これにともなって作動ストップボタン格納領域が更新される(第1の遊技機の場合、例えば、作動ストップボタン格納領域のビット4~6に「1」が格納される)。
続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたか否かを判定する(S113)。メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されていないと判定した場合(S113がNO)、有効なストップボタンが操作されるまで処理を待機する。なお、自動停止制御を行う場合には、この待機時間を計測し、計測結果が所定時間となったときに自動停止制御を行うように構成することができる。
メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたと判定した場合(S113がYES)、作動ストップボタン格納領域及び押下順序格納領域を更新する(S114)。なお、第1の遊技機の場合、例えば、リール3Lに対して第1停止操作が行われた場合(ストップボタン8Lが押された場合)には、この処理では、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納され、ビット4が「0」に更新される。また、押下順序格納領域のビット2~5が「0」に更新される。
続いて、メインCPU101は、作動ストップボタンから制御対象リールを決定する(S115)。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、リール3Lを制御対象リールとして決定する。
続いて、メインCPU101は、図柄カウンタから停止開始位置を格納する(S116)。図柄カウンタは、図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)を把握するためのカウンタとして構成される。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、ストップボタン8Lが押されたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データを停止開始位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、滑り駒数決定処理を行う(S117)。この処理では、例えば、上述の停止テーブルに規定された滑り駒数や上述の引込優先順位データ格納領域のデータ等を参照し、最も適切な滑り駒数(図柄の移動量)を決定する。
続いて、メインCPU101は、停止開始位置及び滑り駒数から停止予定位置を格納する(S118)。この処理では、上述のS116の処理で格納された停止開始位置と、上述のS117の処理で決定された滑り駒数から最終的に図柄が停止する位置の図柄位置データを停止予定位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、リール停止コマンド生成格納処理を行う(S119)。この処理では、副制御回路200に送信するリール停止コマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に格納する。なお、リール停止コマンドは、停止予定位置のみならず、停止開始位置や滑り駒数が特定できるパラメータを含んで構成することができる。
続いて、メインCPU101は、図柄コード格納処理を行う(S120)。この処理では、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類(図柄コード)も参照しながら、図柄コード格納領域を更新する。続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンがあるか否かを判定する(S121)。すなわち、メインCPU101は、未だ回転中のリールがあるか(全てのリールに対して停止操作が行われていないか)否かを判定する。
メインCPU101は、有効なストップボタンがあると判定した場合(S121がYES)、制御変更処理を行う(S122)。この処理では、ここまでの遊技者の停止操作態様に応じて、例えば、上述のリール停止初期設定処理で設定された停止テーブルや引込優先順位テーブル等の変更が必要である場合に、このような停止制御に必要な各種情報を再設定する。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S123)。この処理では、回転中のリールの各図柄(図柄位置)に対して、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類も参照しながら、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、処理をS113に戻す。また、メインCPU101は、有効なストップボタンがないと判定した場合(S121がNO)、リール停止制御処理を終了する。
(遊技終了時状態制御処理)
続いて、図30を参照して、上述のメイン処理のS15において行われる遊技終了時状態制御処理について説明する。なお、図30は、遊技終了時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S131)。この処理では、遊技が終了するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定の図柄の組合せが表示されたことに基づいて所定のRT状態や所定のボーナス状態に移行させる場合、この処理において所定の図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、所定のRT状態や所定のボーナス状態である場合、この処理においてこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合、メダルの払出によってこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S132)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S132がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S133)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示された場合、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1に「1」を格納し、2BB状態又は3BB状態をセットする。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合に、これらの遊技状態の終了条件が成立した場合には、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1を「0」に更新する。
続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S134)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「1」を設定し、3BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「176」を設定する。
メインCPU101は、S132において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S132がNO)、及びS134の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S135)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S135がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S136)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS86の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S137)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S137がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S137がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S138)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS88の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S139)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS89の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S140)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS90の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
メインCPU101は、S135において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S135がNO)、有利区間中遊技終了時処理を行う(S141)。なお、有利区間中遊技終了時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S142)。この処理では、遊技が終了するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S143)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S143がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S144)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S143がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技終了時処理)
続いて、図31を参照して、上述の遊技終了時状態制御処理のS141において行われる有利区間中遊技終了時処理について説明する。なお、図31は、有利区間中遊技終了時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技終了時)を行う(S151)。この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、払出数、所定の図柄の組合せの表示回数や停止操作態様等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S152)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S152がYES)、AT期間管理処理(遊技終了時)を行う(S153)。この処理では、例えば、遊技終了時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS151の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
メインCPU101は、特定モード中でないと判定した場合(S152がNO)、及びS153の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S154)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S154がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S155)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S156)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS140の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技終了時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S154がNO)、有利区間中遊技終了時処理を終了する。
[6-2.定期割込処理]
まず、図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行される定期割込処理について説明する。なお、図32は、定期割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ここで、本実施形態では、定期割込処理の周期(1割込時間)を「1.1172ms」としている。もっとも、定期割込処理の周期はこれに限られない。例えば、これとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよいし、あるいは、これと同じ周期が設定されていても、一部又は全部の処理について実際に処理が行われる割込回数を「2」以上とすることにより、結果的にこれとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよい。
まず、メインCPU101は、レジスタの退避処理を行う(S201)。続いて、メインCPU101は、入力ポートチェック処理を行う(S202)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)各種センサやスイッチの入力状態(オン状態又はオフ状態)のチェックを行う。例えば、前回の割込時の入力状態と今回の割込時の入力状態とを比較し、入力状態に変化があったか否かのチェックを行い、入力状態に変化があった場合、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)にその変化を格納し、変化にかかわらない入力状態についてはそのままメインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)に格納する。
続いて、メインCPU101は、リール制御処理を行う(S203)。この処理では、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動を制御し、各リール3L,3C,3Rの回転及び停止を制御する。続いて、メインCPU101は、通信データ送信処理を行う(S204)。この処理では、通信データ格納領域に格納された各コマンドの各パラメータを副制御回路200に送信する。なお、この処理では、通信データ格納領域にコマンドデータが格納されていない場合、入力ポート格納領域0及び入力ポート格納領域1に格納されているデータを入力状態コマンドとして副制御回路200に送信する。
なお、本実施形態では、各種コマンドデータが一旦通信データ格納領域に格納された後、定期割込処理において副制御回路200に送信する構成としているが、例えば、各種コマンドデータを通信データ格納領域に格納することなく、主制御回路100内に設けられた通信回路(不図示)に直接格納して副制御回路200に送信する構成としてもよい。また、本実施形態では、詳細な説明は省略しているが、各種コマンドデータがシリアル通信によって副制御回路200に送信される構成としているが、例えば、各種コマンドデータがパラレル通信によって副制御回路200に送信される構成としてもよい。
続いて、メインCPU101は、7セグLED駆動処理を行う(S205)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)、例えば、情報表示装置14等の表示内容を制御する。続いて、メインCPU101は、タイマ更新処理を行う(S206)。この処理では、主制御回路100で管理される各種タイマを更新する。
続いて、メインCPU101は、エラー検知処理を行う(S207)。この処理では、上述のS202でチェックされた入力状態等に基づいて、各種エラー状態が発生しているか否かを検知する。続いて、メインCPU101は、ドア開閉チェック処理を行う(S208)。この処理では、例えば、ドア開閉監視スイッチ56の入力状態に基づいて、下ドア機構DD開閉状態のチェックを行う。なお、各種エラー状態が発生している場合、及びドア開閉監視スイッチ56の入力状態が開状態(オフ状態)の場合、外部集中端子板55からセキュリティ信号が出力される。
続いて、メインCPU101は、レジスタの復帰処理を行う(S209)。そして、メインCPU101は、この処理の後、定期割込処理を終了する。
[7.副制御回路による処理]
続いて、図33を参照して、副制御回路200のサブCPU201が各プログラムを用いて実行するサブ側制御処理の概要について説明する。図33は、サブ側制御処理の概要の一例を示すフローチャートである。
なお、パチスロ機1では、不正行為や不正改造防止の観点より、主制御回路100側(主制御基板71及び主制御基板ケースを含む)には種々の制約が設けられているが、副制御回路200側(副制御基板72及び副制御基板ケースを含む)にはそれほどの制約は設けられていない。したがって、副制御基板72(及び副制御回路200)は、接続される演出装置の種類、その数、あるいはその演出装置によって行われる演出の種類等と、製造コスト等との兼ね合いに応じて種々の構成を用いることが可能となっている。図33において「概要」としているのはそのためである。
まず、サブCPU201は、電源投入時にはメインCPU101と同様、電源投入時処理を行う(S301及びS302)。この処理では、電源投入時に異常が発生しているか否かを検知したり、サブRAM203に格納されているデータを初期化したり、また、後述の各種演出実行制御処理を行うために必要な各種タスクを起動させたりする等の処理が行われる。
また、サブCPU201は、主制御回路100から送信されたコマンドを受信した場合、コマンド受信時演出実行制御処理を行う(S303及びS304)。この処理では、例えば、初期化コマンドを受信した場合、受信した初期化コマンドのパラメータの情報を参照し、設定変更がされていればサブ側でも適宜初期化処理が実行され、設定変更されていなければサブ側でも電断前の状態に復帰させる処理が実行される。
また、例えば、スタートコマンドを受信した場合、受信したスタートコマンドのパラメータの情報を参照し、非AT状態であれば、内部当籤役や遊技状態等を示唆ないし報知する演出の内容を(必要に応じて抽籤により)決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、AT状態であれば、これに加え、有利な停止操作態様を報知する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、例えば、ロックコマンドを受信した場合、受信したロックコマンドのパラメータの情報を参照し、ロック演出の内容と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、リール停止コマンドを受信した場合、受信したリール停止コマンドのパラメータの情報を参照し、停止開始位置や停止予定位置(あるいは、単に何番目の停止操作が行われたか等)と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、入賞作動コマンドを受信した場合、受信した入賞作動コマンドのパラメータの情報を参照し、特典が付与される場合に、付与される特典と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、サブCPU201は、副制御基板72に接続された(副中継基板74を介して接続されたものを含む)、例えば、演出用ボタン10a,10bが操作された場合、演出ボタン操作時演出実行制御処理を行う(S305及びS306)。この処理では、例えば、操作連動演出の実行中に、当該演出に沿った演出用ボタンが操作された場合、操作連動演出の内容が変化するように各種演出装置を制御する。また、例えば、非遊技中に、後述のユーザーメニュー呼出のために演出用ボタンが操作された場合、ユーザーメニューを表示するための制御を行う。また、ユーザーメニューの表示中に、選択・決定操作のために演出用ボタンが操作された場合、これらの操作にしたがった制御を行う。
また、サブCPU201は、上述の契機以外の契機が成立した場合、その他演出実行制御処理を行う(S307)。この処理では、例えば、遊技に関する操作及びユーザーメニューに関する操作が行われていない非操作期間が所定期間(例えば、30秒程度)となった場合、デモ状態報知に係る演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
[8.パチスロ機のその他の機能]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を制御する各種機能及び演出を制御する各種機能、並びにこれらの機能を実現するための各種構成を備えるものであるが、例えば、以下に示すようなその他の機能を備えることもできる。なお、以下では、遊技者側のその他の機能の一例と、遊技店側のその他の機能の一例について説明する。
[8-1.遊技者側]
例えば、遊技者の演出操作によってユーザーメニューが表示され、当該ユーザーメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「配列・配当表」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における図柄配列と、規定された図柄組合せ及びその入賞時の配当(特典の内容)等を示す遊技情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「音量・光量調整」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種表示装置の輝度、スピーカ群から出力される音の音量、あるいはランプ・LED群の光量等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「カスタム」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における演出態様(例えば、演出に用いられるキャラクタの種類(当該キャラクタ(表示態様)自体の種類、当該キャラクタに対応する音声の種類、あるいは当該キャラクタに係る衣装やアイテム(個別表示態様)の種類等も含む)、演出発生確率(演出発生時の期待度の種類等も含む)、あるいは示唆ないし報知の態様(演出実行タイミング等も含む)等)が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「ユニメモ」が選択・決定された場合には、遊技者の携帯端末(例えば、携帯電話やスマートフォン等)を利用した情報提供サービスを受けること可能となっている。このような情報提供サービスでは、例えば、遊技者がログイン操作して遊技を開始し(ログイン操作なしに遊技を開始させた場合でもよい)、遊技終了時にログアウト操作することで、遊技履歴情報(例えば、累計何ゲーム遊技したか、有利な遊技状態を何回発生させたか、最高獲得枚数は何枚かなど種々の遊技の結果に応じた情報)を確認、あるいは取得できる。
また、例えば、遊技履歴情報には、遊技の結果(開放条件の成立)に応じて、遊技中に表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報、遊技者の携帯端末上で表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報など、付帯する特典に関する情報も含まれる。
なお、このような情報提供サービスにおけるログイン・ログアウトの手法は種々の手法を採用することができる。例えば、遊技者の端末を利用し、遊技者に演出表示部上に表示される二次元コードを読み取らせることでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよいし、また、遊技者にパスワードを入力させ、あるいはパスワードを記憶させる(具体的には、例えば、遊技終了時のログアウト時には、二次元コードにかえて、4ケタ~10ケタ程度の文字列を次回入力用パスワードとして表示可能とし、それを遊技者が紙媒体でメモしたり、携帯端末で写真として撮影したり等によって取得可能とし、次回の遊技開始前のログイン時には、このようにして取得されたパスワードを入力可能とする)ことでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよい。また、これらの手法を適宜組み合わせてログイン・ログアウトが行われるようにすることもできる。
[8-2.遊技店側]
例えば、遊技店側の管理者の設定確認操作(設定変更操作、あるいは遊技店側の管理者によるその他の操作であってもよい)によってホールメニューが表示され、当該ホールメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技店側の管理者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「時刻設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における日時等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、日時は、例えば、上述のサブ側電源投入時処理(図33のS302参照)において自動的に更新されるように構成することもできる。
また、例えば、「トータルメダル情報」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の投入枚数及び払出枚数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。
また、例えば、「設定変更・確認履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の設定変更操作及び設定確認操作回数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「エラー情報履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のエラー発生日時やその内容等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「監視履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のドア開放日時やその期間等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「警告設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種警告報知の態様や頻度等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「省電力モード設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における省電力機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。また、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「打ち止め設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における打ち止め機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、打ち止め機能は、所定の作動条件が成立した場合に、遊技店の管理者の解除操作(例えば、リセット操作)がなされるまで遊技不能状態とする機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、打ち止め機能がオン状態に設定された場合、これに連動して後述の自動精算機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
また、例えば、「自動精算設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における自動精算機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、自動精算機能は、所定の作動条件が成立した場合に、自動的にクレジットが精算される(すなわち、クレジットされていた遊技価値全てが自動的に返却される)機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、自動精算機能がオン状態に設定された場合、これに連動して上述の打ち止め機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
なお、打ち止め機能や自動精算機能の設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。もっとも、この場合、いたずらに受付可能とする操作部を増加させることも望ましくないので、特定の操作部(例えば、ストップボタン)のみを当該設定に係る操作を受付ける操作部の一部として使用することができるものとしてもよい。
[9.拡張例]
ここまで、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機として、パチスロ機1を一例に挙げて説明したが、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機はこれに限定されない。例えば、いわゆる「パチンコ機」や「スロットマシン」等と称される遊技機にも適用可能であり、同様の作用効果が得られる。すなわち、本実施形態に係る発明は、遊技者の遊技動作(操作)に応じて遊技を行う(遊技制御を行う)ことが可能な遊技機であれば、その全てに適用することができる。また、パチスロ機1を含む遊技機について、その構成やその機能等も上述のものに限定されず、種々の変更・拡張が可能である。以下、あくまで一例であるが、このような拡張例について説明する。
(パチンコ機)
パチンコ機は、例えば、遊技球が転動流下可能な遊技領域を有する遊技盤、遊技領域を外部から視認可能としつつ保護する保護ガラスを含むガラスドア、遊技領域の所定領域に設けられる演出表示装置(遊技領域外に設けられるものであってもよい)、遊技球を払出す払出ユニット、及び、遊技や演出に関する各種制御を行う各種制御基板を含む基板ユニット等を有し、これらは枠体(単に「枠」等と称される場合もある)によって支持される。
また、パチンコ機の前面側には、例えば、遊技者の操作手段の一つとしての発射ハンドル、遊技に供する遊技球を貯留可能な上皿、及び、払出された遊技球を貯留可能な下皿等が設けられている。なお、上述した演出用ボタンや可動演出装置が設けられているものも多い。また、遊技領域には、例えば、遊技球が通過可能な始動領域(「始動口」等と称される場合もある)や特定領域(「V入賞口」等と称される場合もある)、遊技球が入賞しやすい状態と入賞しにくい状態との間で変移可能な可変入賞装置(「大入賞口」等と称される場合もある)、及び、識別情報(「図柄」等と称される場合があり、「特別図柄」と「普通図柄」を含む)を可変表示可能な可変表示装置等が設けられる。
そして、パチンコ機では、遊技者は発射ハンドルを操作し、遊技球を遊技領域に発射することで遊技を行う。例えば、発射された遊技球が始動領域を通過すると、可変表示が開始される。また、このとき、現在の状態(例えば、当り確率が相対的に高い確変遊技状態であるか等)や始動領域の種類等に応じた確率で、遊技状態を移行させるか否か(例えば、遊技者に有利な大当り遊技状態や小当り遊技状態に移行させるか否か)が決定される(すなわち、遊技状態を移行させるか否かが抽籤(あるいは、判定)される)。その後、可変表示の停止条件(例えば、設定された変動時間が終了したこと)が成立すると、上記決定結果に応じた停止態様で可変表示が停止する。このとき、上記決定結果が遊技状態を移行させるもの(当り)であれば、停止される停止態様も当該当りに対応する表示結果となり、当該表示結果が表示されたことに応じて当該当りに対応する遊技状態に移行する。一方、上記決定結果が遊技状態を移行させないもの(はずれ)であれば、停止される停止態様もはずれに対応する表示結果となり、遊技状態は移行しない。なお、例えば、発射された遊技球が特定領域を通過すると(特定領域は、通常は遊技球の通過が困難な状態におかれていることが多い)、可変表示装置によらず、遊技状態を移行させることが決定される。
すなわち、パチスロ機1は、必要なメダルをベットし、遊技者が開始操作することを開始契機として遊技が開始されるのに対し、パチンコ機は、遊技者が必要な遊技球を発射ハンドルの操作によって発射し、例えば、これによって始動領域を遊技球が通過したことを開始契機として遊技が開始される点においては異なるものの、ともに遊技者の遊技動作によって遊技が開始される点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、その開始契機が成立したときに、最終的に表示が許可される停止態様(換言すれば、付与される特典の内容)が決定される点において共通する。
また、パチスロ機1は、基本的には遊技者の停止操作によって可変表示が停止されるのに対し、パチンコ機は、停止条件が成立したことによって(遊技者の停止操作によらずして)可変表示が停止される点においては異なるものの、ともに事前の決定結果にしたがって可変表示を停止させ、停止した停止態様に応じた特典を付与する点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、遊技に関連する演出を実行可能な点において共通する。例えば、上記演出表示装置は、上述した演出表示部や情報表示部として機能する。また、パチンコ機においても、上述したランプ、スピーカ、あるいはその他演出装置等の演出実行手段を設け、これらによって演出を実行してもよいことはもちろんである。
なお、パチンコ機では、上記演出表示装置において、装飾図柄(これも「識別情報」等と称される場合がある)が変動表示されるものが多い。上述のとおり、本来の遊技結果は上記可変表示装置にて表示されるものであるが、上記可変表示装置は小型に構成され、また、その表示結果も複数個のLEDの点灯パターンで表示されるため、遊技者が遊技結果を認識し難くなっているものが多い。このため、パチンコ機では、上記可変表示装置の可変表示に連動するように、上記演出表示装置上で装飾図柄を変動表示(及び停止表示)させることで遊技を行うようにしたものが主流である。そして、このような装飾図柄の変動表示は、(演出上、開始契機が成立したときに一定期間遅延してから変動表示を開始したり、あるいは停止条件の成立前に仮停止したりする場合もあるが)基本的には上記可変表示装置と同様、遊技の進行にしたがって識別情報を変動表示あるいは停止表示するものである(例えば、当りの場合には装飾図柄が特別停止態様(例えば、図柄揃い)で停止表示される一方、はずれの場合には装飾図柄が非特別停止態様(例えば、バラケ目)で停止表示される)ことから、これを上述した変動表示部の一態様であるとして、本実施形態に係る発明を適用することも可能である。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の外部構造あるいは内部構造の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、メダルを必須とし、遊技球には置き換えできないもの等)を除き、パチンコ機の外部構造あるいは内部構造の構成として適用することができる。
また、パチンコ機においても、遊技に関する各種制御は、主制御基板に実装された遊技制御部としての主制御回路によって行われ(一部、払出に関する制御は、主制御基板に電気的に接続された払出制御基板に実装された払出制御回路によって行われる場合があるが、これを含む)、演出に関する各種制御は、副制御基板に実装された演出制御部としての副制御回路によって行われることから、パチスロ機1の電気的構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、停止操作に関するもの等)を除き、パチンコ機の電気的構成として適用することができる。
また、パチスロ機1においては、上述のとおり、遊技者に相対的に有利な(あるいは、その構成内容によっては不利となる場合もあり得るが)遊技状態として、ボーナス状態、RT状態、AT状態、これらを組み合わせたART状態等を設けることが可能となっている。例えば、ボーナス状態では、小役の抽籤態様を非ボーナス状態よりも有利とすることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能とし、RT状態では、リプレイ役の抽籤態様を非RT状態よりも有利とすることで、はずれが発生しにくい(結果として、メダルが減少しにくい)状態を一定期間継続させることを可能とし、AT状態では、有利な停止操作態様が報知されることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。
これに対し、パチンコ機においても、これらと同様の性質を有する各種遊技状態を設けることが可能となっている。例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、上記可変入賞装置について通常とは異なる制御が行われることで、遊技球が入賞しやすい状態に変移することを可能とし、これによって遊技球が付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、時短遊技状態(「電サポ状態」等と称される場合がある)では、普通図柄について通常とは異なる制御が行われることで、始動領域を遊技球が通過しやすい状態とすることを可能とし、これによって上記可変表示装置による抽籤頻度を高めるとともに、遊技球が減少しにくい状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、確変遊技状態では、特別図柄について通常とは異なる制御が行われることで、上記可変表示装置による当籤確率が高まる(結果として、遊技球が増加しやすい)状態を一定期間継続させることを可能としている。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の遊技性として、遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、遊技区間の移行をともなうもの等)を除き、パチンコ機の遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として適用することができる。また、パチスロ機1の遊技性として他に説明する各種事項についても同様である。
なお、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中の遊技回数が規定回数となったことに応じて、時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、天井機能(有利状態(例えば、大当り遊技状態)に移行することなく不利状態(例えば、通常遊技状態)が所定期間(例えば、900ゲーム(回転))継続した場合に、ハマリ救済として有利状態(例えば、時短遊技状態)に移行させることができる機能)を搭載することができるため、パチスロ機1の天井機能に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の天井機能に関する構成として適用することができる。
また、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中において、上記可変表示装置の停止態様が特定のはずれに対応する表示結果となった場合には、これを契機として時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、特定の表示結果(特定の図柄の組合せ)の表示による(大当り遊技状態等への移行を契機としない)遊技状態の遷移(移行)が可能となっているため、例えば、パチスロ機1の特定の図柄の組合せの表示によるRT状態の遷移(移行)に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の特定の表示結果の表示による時短遊技状態の遷移(移行)に関する構成として適用することができる。
(メダルレス遊技機)
本実施形態のパチスロ機1では、遊技者のベット操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口5に対して投入してベットする操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してベットする操作)があることを開始条件の1つとして遊技を開始し、遊技が終了したときにメダルの払出がある場合には、ホッパー装置32を駆動させてメダル払出口11からメダルを払出し、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、パチスロ機1の構成はこれに限られない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技価値がベットされ、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与される(例えば、遊技価値が付与される)形態全てについて、本実施形態に係る発明を適用可能である。すなわち、遊技者の動作によって物理的にメダルが投入され(掛けられ)、メダルが払出される形態のみならず、パチスロ機1の内部で、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理し(あるいは、電磁的でなくとも、少なくとも遊技者が遊技価値に直接接触できない態様で管理し)、メダルレスで遊技を可能とするものにも適用可能である。ここでは、このようなパチスロ機1を「メダルレス遊技機」と称する。なお、メダルレス遊技機は、「管理遊技機」や「封入式遊技機」等と称されることがある。
なお、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理するのは、主制御回路100(主制御基板71)自体であってもよいし、主制御回路100(主制御基板71)に装着される(接続される)遊技価値管理装置(以下では、このような管理装置を「メダル数制御基板」として説明する場合がある)であってもよい。以下では、この遊技価値管理装置が設けられる一例を説明する。
遊技価値管理装置は、少なくともROM及びRWM(あるいは、RAM)を備え、パチスロ機1に設けられる装置であって、通信装置(以下では、このような通信装置を「接続端子板」として説明する場合がある)を介して外部の遊技価値提供装置(以下では、このような遊技価値提供装置を「通信専用ユニット」として説明する場合がある)と双方向通信可能に接続される。遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置との間で必要な通信を行うことにより、遊技価値の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技価値のベット操作を行う上で必要な遊技価値を提供する動作)、遊技価値の付与動作(すなわち、遊技価値の付与に係る役に入賞(当該役が成立)した等の場合に遊技者に対して付与に係る遊技価値を提供する動作)、及びこれらの動作によって提供された遊技価値を電磁的に記録する動作等を行い得るものとする。なお、遊技価値提供装置は、「遊技価値(遊技媒体)取扱装置」、「遊技価値(遊技媒体)貸出装置」あるいは「サンド」等と称されることがある
また、外部の遊技価値提供装置は、外部の出玉管理装置(出玉管理サーバ)に接続されており、遊技価値管理装置は、外部の出玉管理装置に対し、通信装置及び外部の遊技価値提供装置を介して出玉管理情報を送信可能に構成される。ここで、出玉管理情報は、外部の出玉管理装置が出玉の管理を可能とするために必要な各種の情報で構成される。なお、出玉管理情報の一例については後述する。また、外部の遊技価値提供装置と外部の出玉管理装置との間は、例えば、インターネット回線によって接続される。
ここで、「出玉」とは、直接的には払出された遊技媒体数を意味するものであるが、本実施形態では、例えば、払出数からベット数を減じた差枚数(純増数)等の遊技者に対する特典の付与度合い(例えば、遊技者がどの程度プラスとなったか(遊技店がどの程度マイナスとなったか)、あるいは遊技者がどの程度マイナスとなったか(遊技店がどの程度プラスとなったか等))や、有利状態(例えば、ボーナス状態、AT状態、あるいは一連の有利区間等)の継続度合い、あるいはこれらの組合せによって想定される射幸性の程度等も含む概念となっている。
また、例えば、パチスロ機1の前面側に、保有する遊技価値数を表示する保有遊技価値数表示装置(不図示)を設けることとし、遊技価値管理装置は、その遊技価値数の管理結果に基づいてこの保有遊技価値数表示装置に表示される遊技価値数を管理するようにしてもよい。すなわち、遊技価値管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技価値の総数を電磁的方法により記録するのみならず、当該記録結果の表示を制御可能なものとして構成してもよい。なお、この場合、遊技価値管理装置は、遊技者が、記録された遊技価値数を示す信号を外部の遊技価値提供装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合以外には記録された遊技価値数を減ずることができない性能を有し、また、記録された遊技価値数を示す信号は、通信装置を介してでなければ送信できない性能を有することが望ましい。
なお、遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置を用いて遊技者の遊技価値を電磁的に管理する機能のみならず、遊技者の物理的動作によってベットされる遊技価値数やパチスロ機1の物理的動作によって払出される遊技価値数を管理する機能を有していてもよい。すなわち、従来のパチスロ機1における実際のメダルの投入や払出の管理をも可能とするものであってもよい。このようにすれば、パチスロ機1を従来の手法によって制御することもできるし、上述のメダルレス遊技機のような手法によって制御することもできるため、パチスロ機1がいずれの仕様となった場合であっても共通の構成とすることができる。また、この場合、遊技価値管理装置が、上述のセレクタ31やホッパー装置32を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路100(主制御基板71)によって制御され、その制御結果が送信されることにより間接的に制御する方式を採用することもできる。
また、パチスロ機1には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却(精算)操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい。また、遊技価値提供装置には、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等の各種装置に加え、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい(いずれも不図示)。なお、挿入可能な記録媒体には、遊技店で当日発行される非会員記録媒体のみならず、遊技店の会員が保有する会員記録媒体も含まれる。非会員記録媒体に記録された遊技価値は当日限り有効となる(翌日以降は無効となる)が、会員記録媒体に記録された遊技価値は翌日以降も有効となる。
この場合の遊技の流れの一例を説明する。例えば、まず、遊技者は遊技価値提供装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金する。遊技価値提供装置は、遊技者のいずれかの貸出操作手段への操作に応じて、所定数の有価価値を減算し、減算した有価価値に対応する遊技価値をパチスロ機1に提供する。そして、遊技者は遊技を行い、さらに遊技価値が必要となった場合には上記操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果によって所定数の遊技価値を獲得してから遊技を終了する際には、遊技者はいずれかの返却操作手段を操作する。遊技価値管理装置は、遊技者のいずれかの返却操作手段への操作に応じて、遊技価値提供装置に対し遊技価値数を送信する。遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録した記録媒体を排出する。遊技価値管理装置は、遊技価値数を送信したときに自身が記憶する遊技価値数をクリアする。遊技者は、排出された記録媒体を景品に交換するために景品交換所等に持っていくこともできるし、また、排出された記録媒体を他のパチスロ機1に対応する遊技価値提供装置に挿入することで、台移動して遊技を続けることもできる。また、排出された記録媒体が会員記録媒体であれば、翌日以降も有効であるため、ここで遊技をやめることもできる。
なお、上記の一例では、遊技者の返却操作に応じて、遊技価値管理装置が遊技価値提供装置に対して全遊技価値数を送信するものとしていたが、遊技者の返却操作の態様により、遊技者が所望する遊技価値数のみを送信可能に構成してもよい。すなわち、遊技者が保有する遊技価値を分割できるようにしてもよい。また、遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録媒体に記録して排出するものとしていたが、上述の非接触通信アンテナ等を用いて遊技者の携帯端末にこれと同様の価値となる情報を送信してもよいし、また、同等の価値となるものを遊技者に提供するものである限り、例えば、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよい。
また、パチスロ機1が遊技価値提供装置(通信専用ユニット)と正常に接続されていない場合に、遊技者の返却操作に応じて遊技価値数に対応する情報が通信専用ユニットに送信されてしまうと、当該情報が消失してしまうおそれがある。そこで、主制御回路100(主制御基板71)は、通信専用ユニットと正常に接続されていない状態では、例えば、遊技が開始されるときにエラー状態に制御し、当該エラー状態では、遊技を行うことが不可能な状態(例えば、ベット操作、返却操作、開始操作などを受付不能とする状態)とすることで遊技が進行しないように制御し得るものとしてもよい。これにより、遊技価値数に対応する情報が消失してしまうことを未然に防止することが可能となる。
また、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、遊技者が操作可能なロック操作手段を設け、このロック操作手段への操作に応じて、遊技価値管理装置と遊技価値提供装置との間で通信できない状態(ロック状態)に制御可能としてもよい。なお、この場合、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、例えば、暗証番号の設定(及び設定した暗証番号の入力)、ワンタイムパスワードの発行(及び発行したワンタイムパスワードの入力)、あるいは生体認証等の認証処理が行い得るようにし、当該認証処理の結果が正常である場合に当該ロック状態が解除されるように構成すればよい。
ここまで説明したメダルレス遊技機によれば、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、例えば、メダル投入口5やメダル払出口11等の一部の外部構造、あるいはセレクタ31やホッパー装置32等の一部の内部構造についてはこれを設ける必要がなくなることから、遊技機の原価や製造コストを削減することができるのみならず、遊技機の消費電力を減らすことができる。また、遊技機の内部にアクセスすることがより困難となることから、遊技機に対する不正行為を防止することができる。さらに、遊技者が遊技媒体に直接的に接触しないことから、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
(メダルレス遊技機の構成例)
続いて、図34を参照して、パチスロ機1をメダルレス遊技機として構成した場合の構成例について説明する。図34は、メダルレス遊技機の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、メダル数制御基板(遊技価値管理装置)が設けられた場合の構成例について説明する。
上述のとおり、メダル数制御基板は、主制御基板71に接続され、遊技者が保有するメダル数(遊技価値数)を管理する。また、メダル数制御基板は、接続端子板(通信装置)を介して通信専用ユニット(遊技価値提供装置)に接続される。また、メダル数制御基板は、接続端子板及び通信専用ユニットを介し、出玉管理装置に対して出玉管理情報を送信する。また、メダル数制御基板には、メダル数制御回路(不図示)が搭載される。また、メダル数制御回路は、例えば、メダル数制御CPU(不図示)と、メダル数制御ROM(不図示)と、メダル数制御RWM(不図示)とを含んで構成される。
なお、出玉管理装置は、例えば、遊技機メーカが加入する組合(の情報センタ)が管理する出玉管理用のサーバであり、送信された出玉管理情報が出玉管理装置に蓄積されることで、各遊技機の射幸性が適切なものであるか否か(出玉性能)を監視可能にする目的で設けられるものである。
したがって、このような観点より、メダル数制御基板及び接続端子板は、主制御基板71と同様にパチスロ機1において重要な機能を担うものであることから、不正行為や不正改造を防止できる態様でパチスロ機1の内部に設けられている必要がある。図34に示す構成例1及び構成例2は、そのような態様の一例を示している。
<構成例1>
図34に示す構成例1は、メダル数制御基板及び接続端子板が、主制御基板71と同様に、主制御基板ケース内に収容されていることを示している。ここで、主制御基板ケースには、通常、その開放(あるいは取り外し)を困難とするため、あるいは開放された痕跡(あるいは開放された回数)を認識できるようにするための種々の封印処理が施されている(例えば、かしめによる封印や封印シールの貼付、あるいはかしめを切断した記録を記載するかしめシールの貼付等)。
したがって、メダル数制御基板及び接続端子板を主制御基板ケース内に収容すれば、主制御基板71と同様のセキュリティ効果を得ることができ、不正行為や不正改造を適切に防止できる。
<構成例2>
図34に示す構成例2は、メダル数制御基板及び接続端子板が、上述の構成例1とは異なり、主制御基板ケースとは別体に設けられたメダル数制御基板ケース内に収容されていることを示している。なお、メダル数制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成されるものとし、その内部に収容されたメダル数制御基板及び接続端子板が、容易に視認可能な状態で収容されるものとする。
ここで、構成例2のメダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様の封印処理が施される構成とすることもできるし、少なくともその一部の封印処理のみが施される構成とすることもできる。例えば、メダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様にかしめによる封印は行われるが、封印シールは貼付されないといった構成としてもよい。また、例えば、主制御基板ケースでは、予め定められたかしめシールを使用することが義務付けられるが、メダル数制御基板ケースでは、かしめシールとして任意のシールを使用することができるようにしてもよい。
<蓄積データ例>
図34に示す蓄積データ例は、出玉管理装置に蓄積される各種データの一例を示している。すなわち、メダル数制御基板が、接続端子板及び通信専用ユニットを介して出玉管理装置に送信する出玉管理情報の一例を示している。なお、これはあくまで一例であり、図34に示す各種の情報のうち、その一部を送信しない構成とすることもできるし、図34に示す各種の情報以外の情報を送信する構成とすることもできる。
また、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングも任意であるし、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングも任意である。出玉管理装置により、少なくとも一単位(例えば、遊技店の1営業日)ごとに各遊技機の出玉性能を監視可能とする態様であれば、いずれのタイミングで送信されるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングと、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングとは異なるタイミングであってもよい。また、例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングは、情報の種類に応じて異なるタイミングであってもよい。
蓄積データ「総投入枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積投入枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によってベットされたものを除き、遊技者のベット操作によってベットされた遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によって付与されたものを除き、遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「MY」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位中に発生した最大差枚数(要するに、一単位中において最も遊技価値が増加した期間で得られた差枚数。これを「MY」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、このような最大差枚数を算出し、算出した情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、各種役物の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、各種役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、各種役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「連続役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、連続役物(RB。BB作動中のRBを含む)の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、連続役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、連続役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
また、メダル数制御基板は、役比モニタ装置54に表示可能な各種の情報を所定のタイミング(例えば、役比モニタ装置54での算出時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、メダル数制御基板からの送信時点)で出玉管理装置に送信する。なお、蓄積データ「役物比率」は、例えば、上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「連続役物比率」は、例えば、上述の連続役物割合情報に相当し、蓄積データ「有利区間比率」は、例えば、上述の特定区間割合情報に相当し、蓄積データ「指示込役物比率」は、例えば、AT状態中も集計・算出の対象とした上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「役物等状態比率」は、例えば、各種役物の作動中も集計・算出の対象とした上述の特定区間割合情報に相当するものである。
蓄積データ「遊技回数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積遊技回数である。例えば、メダル数制御基板は、遊技が行われた遊技数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「主制御チップID番号」は、各遊技機の主制御回路100の個体識別番号(「CPUID」ともいう。これを「チップID番号」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップメーカコード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップ製品コード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。
蓄積データ「メダル数制御チップID番号」は、各遊技機のメダル数制御回路の個体識別番号である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップメーカコード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップ製品コード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
このように、出玉管理装置は、遊技機から送信された各種の情報(出玉管理情報)を蓄積可能としている。また、出玉管理情報には、遊技機の個体を識別可能な複数の個体識別情報(例えば、上述の「主制御チップID番号」~「メダル数制御チップ製品コード」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの個体識別情報によって送信元の遊技機を特定することができるとともに、例えば、あるときから、「主制御チップID番号」と「メダル数制御チップID番号」との対応関係が異なるものとなった場合には、いずれかの制御基板が交換された可能性(すなわち、不正行為や不正改造が行われた可能性)を認識することができる。
また、出玉管理情報には、一単位あたりの出玉性能を識別可能な複数の出玉情報(例えば、上述の「総投入枚数」~「遊技回数」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの出玉情報によって送信元の遊技機の射幸性が適切な範囲のものとなっているかを認識することができる。例えば、あるときから、「総払出枚数」や「指示込役物比率」が著しく高い値となった場合には、不正行為や不正改造が行われた可能性、あるいはそもそもの仕様設計に何らかの不備があった可能性等を認識することができる。
そして、出玉管理装置によって上述のような可能性が認識された場合には、遊技店あるいは遊技機メーカ等にその結果が知らされ、適切な対処が行われることが期待できる。すなわち、複数の管理遊技機と、管理遊技機から送信された出玉管理情報を出玉管理装置に送信する遊技価値提供装置(通信専用ユニット)と、送信された出玉管理情報に基づいて各管理遊技機の出玉性能を管理する出玉管理装置とを含む管理システムが構築されることで、管理下にある全ての管理遊技機を適切に管理することを可能としている。
<変形例1>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板によって、遊技者の保有する遊技価値数が管理されるように構成することができる。したがって、このような管理状況、あるいはその他の情報を遊技店の管理者が把握できるように、メダル数制御基板には、メダル数モニタ装置(不図示)が設けられるようにしてもよい。
メダル数モニタ装置は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、メダル数制御基板ケースの内部に設けられる。メダル数モニタ装置は、メダル数制御CPU(あるいは、メインCPU101であってもよい)によって集計・算出された遊技価値数に関する各種の情報(例えば、上述の出玉管理情報の一部又は全部)を順次表示する。なお、メダル数モニタ装置によって役比モニタ装置54の表示内容が全て表示されるのであれば、役比モニタ装置54を設けないようにしてもよい。あるいは、役比モニタ装置54をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
また、メダル数モニタ装置は、メダル数制御基板上に実装されるようにしてもよいし、メダル数制御基板に接続された他の基板(例えば、接続端子板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、メダル数モニタ装置における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に各種の情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
なお、メダル数モニタ装置は、自身に関連する各種エラー状態が発生したとき、発生したエラー状態の種類を表示するものとしてもよい。例えば、主制御基板71との通信エラーが発生した場合、接続端子板との通信エラーが発生した場合、遊技価値提供装置との通信エラーが発生した場合、あるいはメダル数制御RWMに異常が発生した場合等の場合には、これに対応する数値を表示するものとしてもよい。なお、この場合、表示された数値がいずれのエラー状態に対応するものであるかを遊技店の管理者が容易に認識可能とするため、メダル数制御基板ケース又はその近傍に、その対応関係を示す説明部(シールの貼付や印字等)を設けるようにすればよい。
<変形例2>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板は接続端子板を介して外部に出玉管理情報を送信するように構成することができる。ここで、本実施形態では、外部に情報を送信するものとして他に外部集中端子板55が設けられている。したがって、接続端子板と外部集中端子板55とを、例えば、以下のように構成することができる。
例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを共通の端子板として構成する。これにより、部品点数を削減することができるのみならず、外部に向けた配線も削減することができるため、セキュリティ効果を高めることができる。
また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを1つのユニットとして構成する。また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを少なくともキャビネットG内において近傍に配置する。これにより、接続時の作業効率を高めることができる。また、配線の長さを一定のものとすることができ、また、配線箇所を限定することもできるため、セキュリティ効果を高めることができる。
<変形例3>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、出玉管理装置に対して出玉管理情報が送信されるように構成することができる。また、出玉管理装置では、送信された出玉管理情報によって各メダルレス遊技機の出玉性能を適切に管理することができる。したがって、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
また、出玉性能を適切に管理する機能をメダル数制御基板にもたせるようにし、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
例えば、メダル数制御基板が、出玉監視用RWM(上述のメダル数制御RWMであってもよいし、別のRWMであってもよい)を含んで構成されるようにする。出玉監視用RWMは、例えば、設定変更時には初期化されるが、有利区間終了時には初期化されないようにして出玉を監視する。そして、監視した出玉が一定の閾値を超えた場合には、例えば、有利区間自体は強制的に終了させないが、ナビ発生確率を低下させたり、AT状態が延長される確率を低下させたり、あるいはAT状態自体は終了させたりして出玉性能を低下させる制御を行い得るものとする。このようにしても、出玉性能を適切に管理することが可能となる。なお、この場合、このような制御結果を出玉管理情報として出玉管理装置に送信可能としてもよい。すなわち、メダル数制御基板と出玉管理装置との双方において、各メダルレス遊技機の出玉性能を管理し得る構成としてもよい。
(パチスロ機の主制御基板の構成例)
続いて、図35を参照して、パチスロ機1の主制御基板71の構成例について説明する。図35は、主制御基板71の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、主制御基板71のリユース(再利用)の構成例について説明する。
上述のとおり、パチスロ機1では、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、その1つとして、主制御基板71上には、製造業者名及び基板管理番号を印字することが必要となっている。製造業者名は、パチスロ機1を製造する遊技機メーカ名であり、管理番号は、主制御基板71の型式を特定するための番号である。
<構成例1>
図35に示す構成例1は、主制御基板71において、製造業者名及び基板管理番号を従来のように文字にて印字していることを示している。ここで、図35に示す構成例1では、まず、株式会社BBによって当該主制御基板71が搭載されたパチスロ機1(以下、「機種A」として説明する)が製造されたものとする。このとき、当初は、下段の製造業者名「株式会社BB」及び基板管理番号「BB-00-11-22」しか印字されていない。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種B」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社AAは、印字されていた下段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号(例えば、図35に示す構成例1の上段の製造業者名「株式会社AA」及び基板管理番号「AA-00-11-22」)を新たに印字しなければならない。
そして、その後、機種Bが遊技店から撤去され、仮に、例えば、株式会社BBが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種C」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社BBは、印字されていた上段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号を新たに印字しなければならないわけであるが、図35に示す構成例1ではもう空きスペースがないため、ハードウェア的にはまだ十分にリユースが可能であるにもかかわらず、上述のような制約のために当該主制御基板71をリユースできない場合があるという問題があった。
なお、これは、当初から複数の製造業者名及び基板管理番号を印字していた場合であっても同様である。例えば、株式会社AAと株式会社BBの双方に係る製造番号及び基板管理番号が予め印字されていたとしても、機種Aを製造する時点で株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号はレーザー刻印で削除されてしまうからである。よって、株式会社BBではリユースできる可能性はあるものの、株式会社AAではリユースできなくなってしまう。これに対し、以下の構成例2及び構成例3では上述のような問題を解消することが期待できる。すなわち、主制御基板71のような遊技の制御に用いる基板について、そのリユース性を高めることができる。
<構成例2>
図35に示す構成例2は、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号の一例として、二次元コードであるQRコード(登録商標)を用いているが、JANコード(バーコード)や他のコードを用いることができる。すなわち、符号(コード)は、確認者が何らかの手段(例えば、携帯端末等)によって一義的に製造業者名及び基板管理番号を特定可能な情報を含むものであれば、どのようなものであってもよい。
図35に示す構成例2では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号が印刷される。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号が印刷され、右から1番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号が印刷され、右から2番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から3番目の符号をレーザー刻印で削除し、右から4番目の符号を印刷し、右から4番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれるようにすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
すなわち、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することで、主制御基板71の表面において、製造業者名及び基板管理番号の1個あたりの印字(印刷)スペースを節約することができるので、図35に示す構成例1と比べて、そのリユース性を高めることが可能となっている。
<構成例3>
図35に示す構成例3は、上述の構成例2と同様に、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例3では、当初から複数(例えば、4個)の符号が印刷されている。例えば、株式会社AA分及び株式会社BB分がそれぞれ2個ずつ印刷されているものとする。また、主制御基板71の表面(あるいは、これに対応する主制御基板ケース上であってもよい)において、各符号に対応する箇所を、例えば、帯状部材等によってかしめることにより、符号を読み取り不可能な状態に固定することを可能としている。また、例えば、帯状部材等を切断することにより、固定を解除して符号を読み取り可能な状態とすることを可能としている。
図35に示す構成例3では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から2番目~4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、3番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、2番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から4番目の符号のみを読み取り可能な状態とし、右から1番目~3番目の符号を読み取り不可能な状態とすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
また、図35に示す構成例3では、少なくとも1つの符号を読み取り可能な状態とし、それ以外の符号読み取り不可能な状態とすればよいのであるから、さらなるリユースも可能であり、また、より多くの遊技機メーカでリユースすることも可能である。なお、図35に示す構成例3においても、かしめ穴だけを設けておき、リユースの度にかしめ穴に対応する箇所に符号を印刷していくように構成することもできる。
[10.第2の遊技機]
続いて、図36~図61を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の他の一具体例について、これを「第2の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第2の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第2の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
また、第2の遊技機は、第1の遊技機とはその遊技性に関する仕様が異なる点があるが、遊技の進行に関する基本的な制御や演出の実行に関する基本的な制御は第1の遊技機と同様である。すなわち、第2の遊技機においても、主制御回路100のメインCPU101は、図23~図32にその一例を示した各種処理を実行することで、各リールの回転、停止、遊技価値の付与、遊技状態の移行、各種制御に必要な各種カウンタや各種フラグの情報の更新、メイン側での演出実行や情報報知に関する各種制御等を行う。また、副制御回路200のサブCPU201は、図33にその一例を示した各種処理を実行することで、サブ側での演出実行や情報報知に関する各種制御等を行う。なお、メインCPU101及びサブCPU201は、以下に説明する遊技性を実現するために必要な制御処理を適宜行えばよく、また、その手法も発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であることから、第2の遊技機では、このような各種処理に関する個別の詳細な説明についてはこれを省略している。
第2の遊技機では、有効ラインが、リール3Lの中段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶ所定の変則ラインの1ラインのみと定義される。また、第2の遊技機では、内部当籤役の抽籤確率に係る遊技状態(後述の図48及び図49参照)として、非ボーナス状態である、後述の「F_2BB」が持越されている2BBフラグ間と、後述の「F_3BB」が持越されている3BBフラグ間と、いずれのボーナス役も当籤していない(持越されていない)非フラグ間と、ボーナス状態であるRB遊技状態(BB遊技状態)とを含んで構成される。
なお、BB遊技状態中は常にRB遊技状態に制御されるため、例えば、後述の図49に示す「RB」は、RB遊技状態を示すとともにBB遊技状態を示すものである。また、ボーナス状態は、2BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する2BB状態と、3BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する3BB状態とを含んで構成される。2BB状態は、当該状態中に1枚を超えるメダルの払出があった場合に終了し、3BB状態は、当該状態中に53枚を超えるメダルの払出があった場合に終了するように構成される。また、2BBフラグ間において設定変更が行われた場合には、2BBが持越されていることを示す情報(2BBに係る持越役格納領域の情報)はクリアされないため、設定変更後も2BBフラグ間が継続する。一方、3BBフラグ間において設定変更が行われた場合には、3BBが持越されている情報(3BBに係る持越役格納領域の情報)はクリアされるため、設定変更後は非フラグ間となる。
また、第2の遊技機では、2枚のメダルをベットした状態(2枚ベット状態)と、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)とで遊技を行うことが可能となっている。なお、より詳細には、非ボーナス状態では、2枚ベット状態でも3枚ベット状態でも遊技を行うことが可能であり、ボーナス状態では、3枚ベット状態でのみ遊技を行うことが可能であるように構成される。また、第2の遊技機では、第1の遊技機と同様、2BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行うことが推奨される構成となっている。すなわち、2BBフラグ間の3枚ベット状態が「推奨遊技状態」となる。したがって、特段の説明がない限り、以下では当該推奨遊技状態で遊技が行われることを前提として説明する。
[10-1.第2の遊技機の遊技性]
続いて、図36~図46を参照して、第2の遊技機における遊技の流れについて説明する。図36~図39は、第2の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図であり、図40は、CZ2状態の詳細な遊技の流れの一例を説明するための図であり、図41は、AT状態~ジャッジ状態の詳細な遊技の流れの一例を説明するための図であり、図42~図46は、第2の遊技機における各種テーブルの一例を示す図である。
第2の遊技機では、第1の遊技機と同様、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間及び有利区間に大別され、図36~図39に示すように、非有利区間の遊技性に係る遊技状態として、待機状態が設けられており、有利区間の遊技性に係る遊技状態として、通常状態、前兆状態、CZ状態、RB状態、BB状態、AT状態、ジャッジ状態、及びエンディング状態が設けられている。
まず、図36を参照して、第2の遊技機における大まかな遊技性について説明する。遊技者はほとんどの場合、通常状態から遊技を開始する。通常状態では、まず、疑似ボーナス状態であるRB状態又はBB状態に移行することを目指して遊技を行う。そして、その間には、前兆状態やCZ状態に移行する場合がある。移行した疑似ボーナス状態がRB状態である場合、そのままRB状態が終了してしまうと有利区間も終了し、非有利区間の待機状態に移行する。待機状態は、有利区間に移行する(すなわち、有利区間中の遊技性が発揮される)ことが待機される状態として位置付けられる。すなわち、待機状態に移行することは、再度また同様の流れで疑似ボーナス状態であるRB状態又はBB状態に移行することを目指して遊技を行う必要があることを意味する。
移行した疑似ボーナス状態がBB状態である場合、あるいはRB状態からBB状態に昇格した場合、BB状態が終了するとAT状態に移行する。AT状態は、1セット(1単位)30ゲームで構成され、1セット分の遊技を消化するとジャッジ状態に移行する。ジャッジ状態では、AT状態を延長するか否かを決定するための延長可否決定が行われる。ジャッジ状態でAT状態を延長することが決定された場合、BB状態を経由してAT状態が次セットに延長される場合と、そのままAT状態が次セットに延長される場合がある。一方、ジャッジ状態でAT状態を延長しないことが決定された場合、有利区間が終了し、非有利区間の待機状態に移行する。すなわち、BB状態とAT状態とで構成された一連の有利状態が終了する。
なお、第2の遊技機においても、ゲーム数リミッタ「1500(回)」と払出数リミッタ「2400(枚)」が搭載されており、有利区間中の遊技数(有利区間ゲーム数カウンタの値)が1500ゲーム以上となったとき、又は有利区間中の純増枚数(有利区間払出数カウンタの値)が2400枚を超えるものとなったときには強制的に有利区間が終了し、非有利区間の待機状態に移行する。もっとも、BB状態、AT状態、及びジャッジ状態において、有利区間中の純増枚数が1800枚以上となったときにはエンディング移行条件が成立してエンディング状態に移行し、強制的に有利区間が終了されるまでエンディング状態が継続する。そして、エンディング状態でいずれかのリミッタが作動すると、有利区間が終了し、非有利区間の待機状態に移行する。
すなわち、遊技者は、BB状態に移行させ、その終了後はAT状態が連荘(延長)される(BB状態を経由して延長される場合にはさらに好ましい遊技結果となる)ことを目指す。また、AT状態が連荘した結果としてエンディング状態に移行した場合には、リミッタが作動するまでメダルを獲得することができるようになる。以上が大まかな遊技性である。
(待機状態)
続いて、図36及び図37を参照して、第2の遊技機における待機状態について説明する。上述のとおり、待機状態は、非有利区間の遊技状態として構成される。
待機状態では、例えば、有利区間移行抽籤、天井ボーナス種別抽籤、天井ゲーム数抽籤、初期NP抽籤が行われる。なお、これらの抽籤は一例であり、これら以外の抽籤が行われるように構成することもできるし、これらのうちいずれかの抽籤は行われないように構成することもできる。
<有利区間移行抽籤>
待機状態では、毎遊技、有利区間に移行するか否かを決定するための有利区間移行抽籤が行われる。なお、後述の図42~図46では、当該抽籤に係る具体的な抽籤テーブルの記載を省略しているが、当該抽籤では、例えば、内部当籤役が後述の「はずれ」、「リプレイ」及び「特殊」のいずれかであるときには有利区間に移行することが決定されず、内部当籤役がその他であるときには必ず有利区間に移行することが決定されるようになっている。また、有利区間に移行することが決定される場合には、さらに移行先の有利区間を通常状態とするか、あるいは前兆状態とするか(すなわち、それぞれの前兆状態を経由して、後述のCZ状態、RB状態、又はBB状態に移行させるか)を決定可能としている。むろん、当該抽籤において、前兆状態を経由することなく、CZ状態、RB状態、又はBB状態に移行させることが決定され得るように構成することもできる。
なお、あくまで一例であるが、当該抽籤では、例えば、内部当籤役が後述の「押し順ベル」及び「共通ベル」のいずれかであるときには有利区間の通常状態に移行することが決定され、内部当籤役が後述の「チェリー」、「スイカ」及び「チャンス目」のいずれかであるときには有利区間のCZ状態に移行することが決定され、内部当籤役が後述の「強ベル」であるときには有利区間のRB状態に移行することが決定され、内部当籤役が後述の「確定役」であるときには有利区間のBB状態に移行することが決定されるように構成することができる。また、この場合、前兆状態を経由するか否かも決定されるようにしてもよい。また、いずれの場合にも、予め定められた確率による抽籤によっていずれかの状態に移行することが決定されるようにしてもよい。また、いずれの場合にも、前兆状態における前兆遊技数は、当該抽籤(あるいは別抽籤である前兆ゲーム数抽籤)によって所定の遊技数(例えば、最大32ゲーム)の範囲内から一の遊技数が決定されるようにしてもよいし、予め定められた遊技数が設定されるようにしてもよい。
<天井ボーナス種別抽籤>
待機状態において、有利区間移行抽籤の結果、有利区間に移行することが決定された場合、天井ボーナス種別抽籤が行われる。第2の遊技機においても、いわゆる天井機能が搭載されており、有利区間において疑似ボーナス状態に移行することなく行われた遊技数が天井ゲーム数に到達した場合には、疑似ボーナス状態に移行するものとなっている。当該抽籤は、この場合の移行先の疑似ボーナス状態の種別を決定するものである。天井ゲーム数は、例えば、有利区間に移行したときからカウントが開始され、疑似ボーナス状態に移行したときにカウントがクリアされる。なお、後述の図42~図46では、当該抽籤に係る具体的な抽籤テーブルの記載を省略しているが、当該抽籤では、予め定められた確率にしたがい、例えば、50%の確率で天井到達時の疑似ボーナス状態の種別がRB状態と決定され、残り50%の確率で天井到達時の疑似ボーナス状態の種別がBB状態と決定されるようになっている。
<天井ゲーム数抽籤>
待機状態において、天井ボーナス種別抽籤が行われた場合、天井ゲーム数抽籤が行われる。なお、後述の図42~図46では、当該抽籤に係る具体的な抽籤テーブルの記載を省略しているが、当該抽籤では、例えば、所定の遊技数(例えば、最大640ゲーム)の範囲内から一の遊技数が決定されるようになっている。また、当該抽籤では、天井ボーナス種別抽籤の結果が参照されるようにしてもよい。例えば、この結果がRB状態であるときには、BB状態であるときと比べて相対的に短い遊技数が決定されやすくしてもよい。また、当該抽籤では、遊技者が期待度の目安をつけやすくなるように、例えば、1~128ゲーム、129~256ゲーム、257~384ゲーム、385~512ゲーム、513~640ゲーム等の複数のゾーンを定義し、所定のゾーン(例えば、129~256ゲームや385~512ゲーム)内の遊技数が天井ゲーム数として相対的に決定されやすくしてもよい。
<初期NP抽籤>
待機状態において、有利区間移行抽籤の結果、有利区間に移行することが決定された場合、初期NP抽籤が行われる。第2の遊技機では、通常状態においてより有利な状態(例えば、CZ状態や疑似ボーナス状態)に移行させるか否かの決定に寄与する情報(換言すれば、通常状態における有利度合いを変動させるための情報)として「NP」というポイントの付与を可能としている。そして、有利区間が開始されるときには、NPの初期値の付与を可能としている。当該抽籤は、このNPの初期値を決定するものである。なお、後述の図42~図46では、当該抽籤に係る具体的な抽籤テーブルの記載を省略しているが、当該抽籤では、例えば、内部当籤役に応じた確率で抽籤が行われ、「30」、「50」、「70」、又は「99」のいずれかのNPが付与される。もっとも、抽籤結果として「0」(すなわち、NPが付与されない)が決定され得るようにすることもできる。また、抽籤結果として「100」(すなわち、NPの最大値が付与されること)が決定され得るようにすることもできる。
以上のように、待機状態において有利区間に移行することが決定されると、移行先が通常状態である場合(有利区間開始(通常))には次遊技から通常状態に移行し、移行先が前兆状態である場合(有利区間開始(前兆))には次遊技から前兆状態に移行する(上述のとおり、前兆状態を経由しないで移行可能とする場合には、次遊技から対象の遊技状態に移行する)。
(通常状態)
続いて、図36及び図37を参照して、第2の遊技機における通常状態について説明する。上述のとおり、通常状態は、有利区間の遊技状態として構成される。
通常状態では、例えば、NP付与抽籤、NPMAX時抽籤、成立役別抽籤、前兆ゲーム数抽籤、通常中状態移行抽籤が行われる。なお、これらの抽籤は一例であり、これら以外の抽籤が行われるように構成することもできるし、これらのうちいずれかの抽籤は行われないように構成することもできる。
上述のとおり、通常状態は、遊技者が通常最も多く滞在する遊技状態であり、遊技者に有利な停止操作の情報は報知されない遊技状態である。このように、有利区間であっても遊技者にとって不利な遊技状態(換言すれば、停止操作の情報の報知によってメダルが増加しない、あるいは増加しにくい遊技状態)は、有利区間の「演出区間」、あるいは「通常有利区間」等とも称されることがある。
<NP付与抽籤>
通常状態では、毎遊技、NPを付与するか否かを決定するためのNP付与抽籤が行われる。上述のとおり、NPは、通常状態における有利度合いを変動させるための情報としてのポイントであり、第2の遊技機では、付与されたNPの累積値が「100」以上となった場合、後述のNPMAX時抽籤が行われ、他の有利な遊技状態への移行が決定される場合があるようになっている。なお、後述の図42~図46では、当該抽籤に係る具体的な抽籤テーブルの記載を省略しているが、当該抽籤では、例えば、内部当籤役に応じた確率で抽籤が行われ、「0」~「99」の範囲でいずれかのNPの付与値が決定される。もっとも、抽籤結果として「0」(すなわち、NPが付与されない)は決定され得ないようにすることもできる。また、抽籤結果として「100」(すなわち、NPの最大値が付与されること)が決定され得るようにすることもできる。また、当該抽籤では、内部当籤役のみならず、例えば、後述の「ベル連数」(すなわち、「ベル」の連続表示回数(1回表示された場合を含む))を用い、当該「ベル連数」に応じてNPの付与値が決定され得るようにすることもできる。
<NPMAX時抽籤>
通常状態において、NP付与抽籤の結果、NPの累積値が「100」以上となった場合、NPMAX時抽籤が行われる。ここで、当該抽籤が行われると、その抽籤結果にかかわらずNPは初期化(0クリア)される。すなわち、通常状態では、付与されたNPが所定値(100以上)に達するごとに、遊技者に特典を付与するか否かの決定が行われるものとしている。なお、後述の図42~図46では、当該抽籤に係る具体的な抽籤テーブルの記載を省略しているが、当該抽籤では、予め定められた確率にしたがい、例えば、いずれの遊技状態にも移行しないこと、前兆状態を経由してBB状態に移行すること(前兆状態を経由しない場合があってもよいことは上述のとおりである)、前兆状態を経由してCZ2状態に移行すること(前兆状態を経由しない場合があってもよいことは上述のとおりである)のいずれかが決定されるようになっている。
なお、付与されたNPが所定値(100以上)に達することに応じて移行するCZ状態は、基本的にCZ2状態が対応するものとなっているが、当該抽籤において、前兆状態を経由してCZ1状態に移行すること(前兆状態を経由しない場合があってもよいことは上述のとおりである)が決定され得るようにしてもよい。また、当該抽籤では、前兆状態を経由してRB状態に移行すること(前兆状態を経由しない場合があってもよいことは上述のとおりである)は決定されないものとしているが、これが決定され得るようにしてもよい。
<成立役別抽籤>
通常状態では、毎遊技、決定された内部当籤役(成立役)に応じて特典を付与するか否かを決定するための成立役別抽籤が行われる。なお、後述の図42~図46では、当該抽籤に係る具体的な抽籤テーブルの記載を省略しているが、当該抽籤では、成立役ごとに予め定められた確率にしたがい、例えば、いずれの遊技状態にも移行しないこと、前兆状態を経由してBB状態に移行すること(前兆状態を経由しない場合があってもよいことは上述のとおりである)、前兆状態を経由してCZ1状態に移行すること(前兆状態を経由しない場合があってもよいことは上述のとおりである)のいずれかが決定されるようになっている。
なお、成立役別抽籤で当籤したことに応じて移行するCZ状態は、基本的にCZ1状態が対応するものとなっているが、当該抽籤において、前兆状態を経由してCZ2状態に移行すること(前兆状態を経由しない場合があってもよいことは上述のとおりである)が決定され得るようにしてもよい。また、当該抽籤では、前兆状態を経由してRB状態に移行すること(前兆状態を経由しない場合があってもよいことは上述のとおりである)は決定されないものとしているが、これが決定され得るようにしてもよい。
<前兆ゲーム数抽籤>
通常状態において、上述のNPMAX時抽籤や成立役別抽籤で前兆状態を経由していずれかの遊技状態に移行することが決定された場合、前兆ゲーム数抽籤が行われる。すなわち、前兆状態の遊技期間が決定される。なお、後述の図42~図46では、当該抽籤に係る具体的な抽籤テーブルの記載を省略しているが、当該抽籤では、例えば、所定の遊技数(例えば、最大32ゲーム)の範囲内から一の遊技数が決定されるようになっている。また、当該抽籤では、移行先の遊技状態が参照されるようにしてもよい。例えば、前兆状態を経由して移行するのがCZ状態であるときには、BB状態であるときと比べて相対的に短い遊技数が決定されやすくしてもよい。
<通常中状態移行抽籤>
通常状態では、CZ状態への移行確率を変動させるため、CZ1状態への移行確率が優遇されるCZ1高確状態と、当該CZ1高確状態よりもCZ1状態への移行確率が低いCZ1低確状態と、CZ2状態への移行確率が優遇されるCZ2高確状態と、当該CZ2高確状態よりもCZ2状態への移行確率が低いCZ2低確状態とが設けられている。
なお、CZ1高確状態においてCZ1状態への移行確率が優遇される態様は、種々の態様を採用することができる。例えば、CZ1高確状態では、成立役別抽籤においてCZ1状態に移行することが決定される確率がCZ1低確状態よりも優遇されるようにしてもよいし、NPMAX時抽籤においてCZ1状態に移行することが決定される確率がCZ1低確状態よりも優遇されるようにしてもよい。
また、CZ2高確状態においてCZ2状態への移行確率が優遇される態様は、種々の態様を採用することができる。例えば、CZ2高確状態では、NP付与抽籤においてNPの付与が優遇される(NPの付与に当籤しやすくなる、あるいは当籤したときに付与されるNPが相対的に多くなる)ようにしてもよいし、NPMAX時抽籤においてCZ2状態に移行することが決定される確率がCZ2低確状態よりも優遇されるようにしてもよいし、成立役別抽籤においてCZ2状態に移行することが決定される確率がCZ2低確状態よりも優遇されるようにしてもよい。
また、CZ1低確・高確状態と、CZ2低確・高確状態とは別々に管理される状態となっている。したがって、通常状態では、(a)CZ1低確状態+CZ2低確状態、(b)CZ1高確状態+CZ2低確状態、(c)CZ1低確状態+CZ2高確状態、(d)CZ1高確状態+CZ2高確状態のいずれかの状態となる可能性がある。そして、通常状態では、CZ1低確・高確状態とCZ2低確・高確状態のそれぞれについて、個別に、あるいは複合的に状態が示唆ないし報知されるようにしてもよい。すなわち、通常状態では、上述の(a)~(d)について、いずれの状態であるかを推測ないし認識可能となる演出が実行されるようにしてもよいし、少なくとも上述の(a)の場合と、上述の(b)~(d)の場合とで演出内容を異ならせることで、いずれかの有利な状態に滞在していることは推測ないし認識可能となるが、上述の(b)~(d)のいずれに滞在しているかは推測ないし認識し難い演出が実行されるようにしてもよい。
また、CZ1高確状態及びCZ2高確状態は、それぞれ予め決定された遊技数の間は継続するように構成してもよいし、それぞれに滞在しているときには通常中状態移行抽籤において転落抽籤が行われるようにしてその継続期間が決定されるように構成してもよい。以下では、前者である場合を一例に挙げて説明する。
通常状態では、CZ1低確状態であるとき、CZ1高確状態に移行させるか否かを決定するための抽籤として、通常中状態移行抽籤が行われる。なお、後述の図42~図46では、当該抽籤に係る具体的な抽籤テーブルの記載を省略しているが、当該抽籤では、例えば、成立役ごとに予め定められた確率にしたがい、CZ1高確状態に移行させるか否かが決定されるとともに、移行させることが決定された場合には、滞在遊技数(例えば、「10」、「20」又は「30」ゲームのいずれか)が決定される。また、通常状態では、CZ2低確状態であるとき、CZ2高確状態に移行させるか否かを決定するための抽籤として、通常中状態移行抽籤が行われる。なお、後述の図42~図46では、当該抽籤に係る具体的な抽籤テーブルの記載を省略しているが、当該抽籤では、例えば、成立役ごとに予め定められた確率にしたがい、CZ2高確状態に移行させるか否かが決定されるとともに、移行させることが決定された場合には、滞在遊技数(例えば、「10」、「20」又は「30」ゲームのいずれか)が決定される。
以上のように、通常状態において、CZ状態や疑似ボーナス状態に移行することが決定されると、それぞれに対応する前兆状態に移行する(前兆移行)。なお、上述のとおり、前兆状態を経由しないで移行可能とする場合には、次遊技から対象の遊技状態に移行する。
ここで、通常状態から他の遊技状態に移行する契機を再度列挙して説明する。
(1)疑似ボーナス状態に移行することなく行われた遊技数が天井ゲーム数に到達した場合(この場合、天井ゲーム数に到達する前の所定遊技数の間は前兆状態に移行させるようにしてもよい)
(2)NPMAX時抽籤において遊技状態の移行に当籤した場合
(3)成立役別抽籤において遊技状態の移行に当籤した場合(なお、後述の「確定役」に当籤した場合には、必ずBB状態に移行することが決定される)
すなわち、第2の遊技機では、通常状態において上述の(1)~(3)の契機が成立する可能性が常にあり、また、CZ1状態やCZ2状態への移行確率が変動する場合もあることから、遊技者は常に期待をもって遊技を行うことが可能となっている。
(前兆状態)
続いて、図36及び図37を参照して、第2の遊技機における前兆状態について説明する。上述のとおり、前兆状態は、有利区間の遊技状態として構成される。
前兆状態では、例えば、NP付与抽籤、NPMAX時抽籤、成立役別抽籤が行われる。なお、これらの抽籤は一例であり、これら以外の抽籤が行われるように構成することもできるし、これらのうちいずれかの抽籤は行われないように構成することもできる。
上述のとおり、前兆状態は、CZ1状態、CZ2状態、RB状態、又はBB状態への移行は決定されているが、当該移行が待機されている遊技状態であり、遊技者に有利な停止操作の情報は報知されない遊技状態である。すなわち、上述の「演出区間」、あるいは「通常有利区間」を構成する遊技状態である。なお、CZ1前兆状態は、CZ1状態の前兆状態を示し、CZ2前兆状態は、CZ2状態の前兆状態を示し、RB前兆状態は、RB状態の前兆状態を示し、BB前兆状態は、BB状態の前兆状態を示している。
前兆状態におけるNP付与抽籤、NPMAX時抽籤、成立役別抽籤は、基本的に通常状態におけるものと同様であるため、ここでの説明は省略するが、例えば、前兆状態において、上述の(1)~(3)の契機が成立し、現在決定されている移行先よりも有利な移行先が決定された場合、当該前兆状態がその移行先に対応する前兆状態に書き換わるようになっている。なお、この場合、前兆ゲーム数は新たに決定されるようにしてもよいし、そのまま引き継がれるようにしてもよい。
例えば、CZ1前兆状態やCZ2前兆状態において、RB状態やBB状態に移行することが決定された場合、当該前兆状態が、RB前兆状態やBB前兆状態に書き換わる。また、例えば、RB前兆状態において、BB状態に移行することが決定された場合、当該前兆状態が、BB前兆状態に書き換わる。このような場合には、前兆状態では前兆演出が実行されているので、そこでより有利な状態に昇格したことが示唆される昇格演出が実行されるようにして遊技者に報せるようにしてもよい。
また、CZ1状態とCZ2状態との間では優劣をつけるようにしてもよいし、つけないようにしてもよい。例えば、CZ1前兆状態において、CZ2状態に移行することが決定された場合、CZ2状態のほうがCZ1状態よりも有利であるとしたならば、当該前兆状態が、CZ2前兆状態に書き換わるようにしてもよいし、CZ2状態とCZ1状態とでは優劣がない、あるいはCZ2状態のほうがCZ1状態よりも不利であるとしたならば、CZ2状態に移行することが決定された結果は破棄されて、CZ1前兆状態のままとしてもよい。また、この場合、CZ2状態に移行することが決定された結果は権利として貯留(ストック)されるようにして、仮に、CZ1前兆状態から移行したCZ1状態において疑似ボーナス状態に移行しなかった場合、貯留された当該権利が消費されてCZ2状態が開始されるようにしてもよい。
また、RB前兆状態において、BB状態に移行することが決定された場合、前兆状態を書き換える場合にはRB状態に移行することが決定された結果が破棄されることになるが、これに限られず、BB状態に移行することが決定された結果は権利として貯留(ストック)されるようにして、RB状態が実行された後、貯留された当該権利が消費されてBB状態が開始されるようにしてもよい。また、BB前兆状態において、BB状態に移行することが決定された場合、書き換えは発生せず、後にBB状態に移行することが決定された結果が破棄されることになるが、これに限られず、後にBB状態に移行することが決定された結果は権利として貯留(ストック)されるようにして、BB状態が実行された後、貯留された当該権利が消費されてBB状態が開始されるようにしてもよい。
以上のように、前兆状態において、決定された前兆ゲーム数分の遊技が行われると(前兆G数=0)、それぞれの前兆状態に対応する遊技状態に移行する(CZ開始、RB開始、又はBB開始)。
(CZ1状態)
続いて、図36及び図38を参照して、第2の遊技機におけるCZ1状態について説明する。上述のとおり、CZ1状態は、有利区間の遊技状態として構成される。
CZ1状態の基本的な遊技性は以下のとおりである。
(1)7ゲームを1セット(1単位)とし、これをCZ1通常状態とする。
(2)CZ1通常状態では、CZ1中BB抽籤が行われる。CZ1中BB抽籤は、毎遊技、成立役ごとに予め定められた確率にしたがってBB状態に移行するか否かが決定される抽籤であり、当該抽籤に当籤した場合、CZ成功となってCZ1状態が終了し、次遊技からBB状態に移行する。
(3)CZ1通常状態では、CZ1中ナビ抽籤が行われる。CZ1中ナビ抽籤は、毎遊技、成立役ごとに予め定められた確率にしたがってCZ1最終状態でナビを実行するか否か、及びナビを実行する場合にはそのナビの種類(4択ナビ、2択ナビ、全ナビ)が決定される。すなわち、CZ1通常状態では、CZ1最終状態におけるナビの権利を付与するか否かが決定される。
(4)CZ1通常状態で7ゲームを消化した後、後述の「押し順ベル」に当籤した場合(押し順ベル成立の場合)には、CZ1最終状態(1ゲーム)に移行する。
(5)CZ1最終状態では、CZ1ナビ抽籤によってナビを実行することが決定されている場合には、決定された内容でナビが実行され、ナビを実行することが決定されていない場合にはナビ無しとなり、いずれの場合であっても「ベル」が表示された場合にはCZ成功となって、少なくとも疑似ボーナス状態に移行することは決定される。ここで、CZ1状態では、上述したCZ1通常状態→CZ1最終状態の流れを最大3回ループさせることが可能となっており、最初の1回目が「ランク1」、次の2回目が「ランク2」、最後の3回目が「ランク3」として定義されている。
(6)CZ1最終状態でCZ成功となった場合、CZ1報酬抽籤が行われる。CZ1報酬抽籤は、CZ1状態においてCZ成功となった場合の特典の内容(移行する疑似ボーナス状態の種別)を決定するための抽籤であり、ランクが高いほど遊技者にとって有利な特典が付与されるようになっている。
(7)ランク1でCZ成功となった場合、CZ1報酬抽籤が行われて移行先の疑似ボーナス状態の種別は決定されるものの、直ちに疑似ボーナス状態には移行せず、ランクアップしてランク2となった状態で再度CZ1通常状態に移行する(2回目が開始される)。一方、ランク1でCZ失敗となった場合(すなわち、CZ1最終状態で「ベル」が表示されなかった場合)には、疑似ボーナス状態に移行することなくCZ1状態が終了し、通常状態に移行する(すなわち、CZ1状態が失敗して終了する)。なお、この場合、移行先の通常状態における状態(CZ1低確・高確状態、CZ2低確・高確状態)を決定するための通常中状態移行抽籤が行われる。なお、通常中状態移行抽籤は、基本的に通常状態におけるものと同様であるため、ここでの説明は省略するが、例えば、CZ1状態における当該抽籤では、CZ1状態が失敗して終了したことを救済するため、所定遊技数のCZ1高確状態となることが必ず(あるいは高確率で)決定されるようにしてもよい。
(8)ランク2でCZ成功となった場合、ランク1よりも有利な抽籤確率でCZ1報酬抽籤が行われて移行先の疑似ボーナス状態の種別が決定される。もっとも、この場合もランク1の場合と同様、直ちに疑似ボーナス状態には移行せず、ランクアップしてランク3となった状態で再度CZ1通常状態に移行する(3回目が開始される)。一方、ランク2でCZ失敗となった場合には、ランク1のCZ1報酬抽籤で決定されていた疑似ボーナス状態に移行する(すなわち、CZ1状態がランク1成功で終了する)。
(9)ランク3でCZ成功となった場合、ランク2よりも有利な抽籤確率でCZ1報酬抽籤が行われて移行先の疑似ボーナス状態の種別が決定される。そして、ランク3のCZ1報酬抽籤で決定された疑似ボーナス状態に移行する(すなわち、CZ1状態がランク3成功で終了する)。一方、ランク3でCZ失敗となった場合には、ランク2のCZ1報酬抽籤で決定されていた疑似ボーナス状態に移行する(すなわち、CZ1状態がランク2成功で終了する)。
<CZ1中BB抽籤>
CZ1状態では、毎遊技、決定された内部当籤役(成立役)に応じてBB状態に移行させるか否かを決定するためのCZ1中BB抽籤が行われる。なお、後述の図42~図46では、当該抽籤に係る具体的な抽籤テーブルの記載を省略しているが、当該抽籤では、例えば、弱レア役(後述の「チェリー」又は「スイカ」)に当籤したときは低確率でBB状態に移行することが決定され、強レア役(後述の「チャンス目」又は「強ベル」)に当籤したときには中確率でBB状態に移行することが決定され、確定役(後述の「確定役」)に当籤したときには100%(あるいは高確率)でBB状態に移行することが決定されるようになっている。なお、BB状態に移行することが決定された場合、前兆状態を経由してもよいし、経由することなくBB状態に移行させるようにしてもよい。前者の場合には、前兆ゲーム数消化後にBB前兆状態に移行し、後者の場合には、次遊技からBB状態に移行させるようにすればよい。
<CZ1ナビ抽籤>
CZ1状態では、毎遊技(CZ1最終状態を除く)、決定された内部当籤役(成立役)に応じてCZ1最終状態でナビを実行するか否か(及びその種類)を決定するためのCZ1ナビ抽籤が行われる。なお、後述の図42~図46では、当該抽籤に係る具体的な抽籤テーブルの記載を省略しているが、当該抽籤では、例えば、成立役ごとに予め定められた確率にしたがい、「ナビ無し」、「4択ナビ」、「2択ナビ」、又は「全ナビ」のいずれかが決定されるようになっている。なお、例えば、「2択ナビ」の権利が付与されている場合には、「4択ナビ」の権利は付与されず(あるいは、付与決定されても破棄され)、「全ナビ」の権利が付与されている場合には、「4択ナビ」や「2択ナビ」の権利は付与されない(あるいは、付与決定されても破棄される)ようになっている。すなわち、CZ1通常状態では、遊技ごとにCZ1ナビ抽籤は行われるものの、最終的にはその遊技期間の間で付与された最も有利なナビの権利がCZ1最終状態で使用されることとなる。
<CZ1報酬抽籤>
CZ1最終状態において「ベル」が表示された場合には、CZ1報酬抽籤が行われる。上述のとおり、当該抽籤では、現在のランクに応じて移行先の疑似ボーナス状態の種別が決定される。なお、後述の図42~図46では、当該抽籤に係る具体的な抽籤テーブルの記載を省略しているが、当該抽籤では、例えば、ランク1であるときには、CZ2報酬抽籤(後述の図42参照)の累積CP「5」のときと同様の確率で報酬の種別が決定され、ランク2であるときには、CZ2報酬抽籤の累積CP「8」のときと同様の確率で報酬の種別が決定され、ランク3であるときには、CZ2報酬抽籤の累積CP「15~19」のときと同様の確率で報酬の種別が決定されるものとすることができる。
このように、CZ1状態では、例えば、CZ1通常状態においてはCZ1中BB抽籤、CZ1中ナビ抽籤が行われ、CZ1最終状態においてはCZ1報酬抽籤、通常中状態移行抽籤が行われるものとしているが、これらの抽籤は一例であり、これら以外の抽籤が行われるように構成することもできるし、これらのうちいずれかの抽籤は行われないように構成することもできる。また、BB状態やAT状態からもCZ1状態に移行する場合があるようにし、当該CZ1状態では、BB状態やAT状態を延長するための権利が付与され得るようにすることもできる(当該CZ1状態の終了後はもとの状態に戻る)。
また、CZ1状態は、CZ1報酬抽籤が行われることで、通常状態よりも疑似ボーナス状態に移行する期待度が高い遊技状態であるが、基本的に遊技者に有利な停止操作の情報は報知されない遊技状態である。したがって、CZ1状態は、その全体構成としては、上述の「演出区間」、あるいは「通常有利区間」を構成する遊技状態である。もっとも、CZ1最終状態では、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されることによりメダルが増加する可能性もあることから、当該状態のみであれば、有利区間であって遊技者にとって有利な遊技状態(換言すれば、停止操作の情報の報知によってメダルが増加する、あるいは増加しやすい遊技状態)である「増加区間」であるとも言い得る。
以上のように、CZ1状態が開始されるとCZ1通常状態となり、CZ1通常状態では、CZ1中BB抽籤に当籤するとBB状態に移行することが決定される。また、CZ1ナビ抽籤に当籤するといずれかのナビ実行権利が付与される。こうして、CZ1通常状態において7ゲームを消化した後、後述の「押し順ベル」に当籤するとCZ1最終状態となり、CZ1最終状態ではナビ実行権利が付与されていた場合には、権利の内容に沿ってナビが実行され、付与されていない場合にはナビは実行されない。いずれの場合にも「ベル」が表示された場合にはCZ成功となり、CZ1報酬抽籤によって移行する疑似ボーナス状態の種別が決定される。なお、ランク3の場合にはそのままCZ1状態が終了するが、ランク1・ランク2の場合には、CZ1状態がランクアップされ、次セットに継続する。また、CZ1最終状態で「ベル」が表示されない場合、ランク1の場合にはそのままCZ失敗となってCZ1状態が終了する。また、1回でもCZ成功となっていた場合(ランク2・ランク3の場合)には、それまでに決定されている種別の疑似ボーナス状態に移行する。なお、この場合、前兆状態を経由してから疑似ボーナス状態に移行することが決定された場合には、対応する前兆状態に移行する。一方、CZ1状態が終了したときに、1回もCZ成功とならず、CZ失敗となっていた場合には、通常状態に移行する。
なお、CZ1最終状態では、最終的に「ベル」が表示されれば特典が付与されることを遊技者に示唆するためのCZ1チャレンジ演出が行われるようになっている。CZ1チャレンジ演出は、基本的には第3停止操作時まで継続し、第3停止操作によって最終的に「ベル」が表示されれば、チャレンジ成功演出が行われるものとなっている。もっとも、第1停止操作時や第2停止操作時において、押し順が不正解であり、停止されたリールの停止表示態様が、もはや「ベル」が表示され得ないものとなった場合(例えば、メイン表示窓4内に「ベル」図柄が停止しなかった場合、あるいは、特定のライン上に「ベル」図柄が停止しなかった場合など、もはや「ベル」が表示され得なくなったと遊技者に認識される態様で停止表示された場合)には、その時点でチャレンジ失敗演出が行われてCZ1チャレンジ演出が終了するものとなっている。一方、第1停止操作時や第2停止操作時において、押し順が不正解であるが、停止されたリールの停止表示態様が、未だ「ベル」が表示され得るものである場合(例えば、メイン表示窓4内に「ベル」図柄が停止した場合、あるいは、特定のライン上に「ベル」図柄が停止した場合など、未だ「ベル」が表示され得ると遊技者に認識される態様で停止表示された場合)には、その時点ではチャレンジ失敗演出は行われず、CZ1チャレンジ演出が継続し、「ベル」が表示され得ないものとなった時点(例えば、第2停止操作時に当該状況となった場合には第2停止操作時、第3停止操作時に当該状況となった場合には第3停止操作時)でチャレンジ失敗演出が行われるものとなっている。
すなわち、所定の期待感演出(CZ1チャレンジ演出)においては、いわゆる出目上の観点より、特典が付与される可能性がなくなった場合にはその段階で失敗演出が実行される(所定の期待感演出が終了する)が、特典が付与される可能性が残る場合には、その可能性がなくなるまで失敗演出は実行されない(所定の期待感演出が終了しない)構成となっている。これにより、遊技の進行にともなって適切な期待感演出を実行することが可能となっている。なお、このような期待感演出の演出仕様は、CZ1最終状態のみならず、他の状態において実行される演出においても適用することができる。例えば、他の状態において、特定の押し順役(例えば、「押し順ベル」)に当籤したときに、特定の出目(例えば、「ベル」)が表示されれば何らか特典が付与され、かつ、「全ナビ」が発生しない場合がある状態(例えば、CZ2通常状態、AT状態、あるいはジャッジ状態)においては、同様のチャレンジ演出が、上述の仕様を用いて実行されるようにしてもよい。
(CZ2状態)
続いて、図36、図38、図40及び図42を参照して、第2の遊技機におけるCZ2状態について説明する。上述のとおり、CZ2状態は、有利区間の遊技状態として構成される。
CZ2状態の基本的な遊技性は以下のとおりである。
(1)後述の「押し順ベル」に当籤した遊技で「ベル」が表示されなかった回数(ベルこぼし回数)をカウントし、ベルこぼし回数が7回となるまでを1セット(1単位)とし(CZ2状態はCZ1状態とは異なり、1セットで終了)、これをCZ2通常状態とする。
(2)CZ2通常状態では、CP付与抽籤が行われる。第2の遊技機では、CZ2状態においてより有利な状態(例えば、疑似ボーナス状態)に移行させるか否かの決定に寄与する情報(換言すれば、CZ2状態における有利度合いを変動させるための情報)として「CP」というポイントの付与を可能としている。CP付与抽籤では、このCPを付与するか否かを決定する。CZ付与抽籤には、後述のとおり、初期CP付与抽籤、通常CP付与抽籤、特殊CP付与抽籤が含まれるが、当該抽籤の詳細については後述する。
(3)CZ2通常状態では、CZ2中ナビ抽籤が行われる。CZ2状態では、基本的に、CZ2通常状態においてCPを貯め、ベルこぼし回数が7回となってCZ2最終状態に移行するときに、CPの付与状況が所定状況(5ポイント以上)となっていれば、CZ成功となって疑似ボーナス状態に移行するものとなっている。そして、CZ2通常状態でCPが付与される付与条件の一つが、後述の「押し順ベル」に当籤した遊技で「ベル」が表示されたこととなっている。CZ2中ナビ抽籤では、CZ2通常状態で「押し順ベル」が内部当籤役として決定されたとき、「ベル」の表示に有利となる停止操作の情報を報知するか否かを決定する。なお、当該抽籤の詳細については後述する。
(4)CZ2通常状態において1セットが消化される前に疑似ボーナス状態に移行することが決定された場合には、移行することが決定された疑似ボーナス状態に移行するが、当該決定が行われることなく1セットが消化された場合には、1ゲームで構成されるCZ2最終状態に移行する。CZ2最終状態では、CP付与抽籤が行われる。すなわち、CZ2通常状態で累積加算されたCPが、CZ2最終状態においてもさらに加算される場合がある。
(5)CZ2最終状態において、当該状態におけるCP付与抽籤の結果も加味され、累積加算されたCPが5ポイント以上となっている場合には、CZ2報酬抽籤が行われる。CZ2報酬抽籤は、CZ2状態においてCZ成功となった場合の特典の内容(移行する疑似ボーナス状態の種別)を決定するための抽籤であり、CPのポイント数が多いほど遊技者にとって有利な特典が付与されるようになっている。一方、CZ2最終状態において、当該状態におけるCP付与抽籤の結果を加味しても、累積加算されたCPが5ポイント未満となっている場合には、CZ2報酬抽籤が行われず、CZ失敗となってCZ2状態が終了する(この場合、CZ1状態においてCZ失敗となって終了する場合と同様に、移行先の通常状態における各状態を決定するための通常中状態移行抽籤が行われる。また、この場合、CZ2状態における当該抽籤では、CZ2状態が失敗して終了したことを救済するため、所定遊技数のCZ2高確状態となることが必ず(あるいは高確率で)決定されるようにしてもよい)。
<CP付与抽籤>
CP付与抽籤は、上述のとおり、初期CP付与抽籤、通常CP付与抽籤、特殊CP付与抽籤を含む。初期CP付与抽籤は、CZ2状態が開始されるとき(例えば、CZ2通常状態の開始遊技、あるいはCZ2状態に移行するとき)に行われ、当該CZ2状態におけるCPの初期値を決定する。また、通常CP付与抽籤は、CZ2状態中(CZ2通常状態のみならず、CZ2最終状態も含む)の毎遊技で行われる。また、特殊CP付与抽籤は、CZ2最終状態において行われる。
初期CP付与抽籤は、例えば、図42に示す初期CP付与抽籤テーブルを参照して行われ、128/256の確率で初期CPとして「0」が決定され(すなわち、CPの初期値は付与されないことが決定され)、32/256の確率で初期CPとして「1」~「3」がそれぞれ決定され、32/256の確率で初期CPとして「5」が決定される(すなわち、CZ2報酬抽籤によって疑似ボーナス状態に移行することが確定する)ものとなっている。なお、これらの決定確率や決定内容は一例である。例えば、当該抽籤の抽籤結果として、所定確率で5ポイントを超えるCPを付与することが決定されるようにしてもよい。
通常CP付与抽籤は、例えば、図42に示す態様にて行われ、表示結果が「ベル」である場合(すなわち、遊技者の停止操作によって「ベル」の図柄組合せが停止表示された場合)と、当該遊技の内部当籤役が後述の「強ベル」である場合には、必ずCP「1」が付与される。なお、これらの場合には、さらにCPの付与値が別途抽籤によって決定されるようにしてもよい。例えば、表示結果が「ベル」である場合には、128/256の確率でCP「1」を付与することが決定され、128/256の確率でCP「2」を付与することが決定され、また、当該遊技の内部当籤役が「強ベル」である場合には、64/256の確率でCP「1」を付与されることが決定され、192/256の確率でCP「2」を付与することが決定されるようにしてもよい。
また、当該遊技の内部当籤役が後述の「確定役」である場合には、必ずCP「10」が付与される。なお、この場合、さらにCPの付与値が別途抽籤によって決定されるようにしてもよい。例えば、当該遊技の内部当籤役が「確定役」である場合には、128/256の確率でCP「10」を付与されることが決定され、128/256の確率でCP「20」を付与することが決定されるようにしてもよい。
また、通常CP付与抽籤では、CP付与の対象役が、後述の「押し順ベル」、「共通ベル」、「強ベル」及び「確定役」となっているが、これに限られず、例えば、「チェリー」、「スイカ」及び「チャンス目」等が内部当籤役として決定された場合にも、所定確率でCPが付与される場合があるように構成することもできる。また、ここで示した内部当籤役以外の内部当籤役が決定された場合も同様であるし、ここで示した図柄組合せ以外の図柄組合せが停止表示された場合も同様である。また、後述の「ベル連数」(すなわち、「ベル」の連続表示回数(1回表示された場合を含む))を用い、当該「ベル連数」に応じてCPの付与値が決定され得るようにする(すなわち、「ベル」が連続で表示された回数が多くなるほど、CPの付与値が大きくなるようにする)こともできる。
特殊CP付与抽籤は、例えば、図42に示す特殊CP付与抽籤テーブルを参照して行われ、現在のCPが4以下の場合(すなわち、CZ2報酬抽籤が行われず、疑似ボーナス状態に移行することが決定され得ない場合)と、5以上の場合(すなわち、CZ2報酬抽籤が行われて、疑似ボーナス状態に移行することは決定され得る場合)とで、異なる付与確率となる場合を含むようにしてCPの付与値が決定される。なお、付与CP「=5をセット」とは、現在のCPの累積付与結果にかかわらず、CPが「5」に更新されることを示し、付与CP「+5」や「+10」は、現在のCPの累積付与結果に、それぞれの値が加算されることを示している。
すなわち、例えば、現在のCPが4以下であるときに、CZ2最終状態に移行し、通常CP付与抽籤の結果によってこれが5以上とはならない場合でも、後述の「チェリー」や「スイカ」を当籤させることができれば、232/256の確率で「=5をセット」が決定され、16/256の確率で「+5」が決定され、8/256の確率で「+10」が決定されるので、CZ2報酬抽籤が行われ得る状態とすることができる。また、例えば、現在のCPが5以上であるときに、CZ2最終状態に移行した場合、このままでもCZ2報酬抽籤が行われる状態となっているが、後述の「チェリー」や「スイカ」を当籤させることができれば、16/256の確率で「+5」が決定され、8/256の確率で「+10」が決定されるので、CZ2報酬抽籤によって得られる報酬(特典)がより有利なものとなる可能性を高めることができる。つまり、CZ2通常状態における遊技結果を問わず、CZ2最終状態は、遊技者の期待感を格段に向上させ得る状態として構成されている。
なお、図示は省略しているが、CZ2状態では、現在のCPの付与状況を示唆ないし報知するための付与状況報知が行われる(上述のNP及び後述のAPも基本的に同様である)。例えば、メイン演出表示部21の所定領域に、ゲージ状の表示がなされ、CZ2状態であれば、当該ゲージが5つに区分され、例えば、現在のCPが「1」であれば、1つ分のゲージの表示態様が変化し、現在のCPが「2」であれば、2つ分のゲージの表示態様が変化することでCPの付与状況を報知するものとすることができる。また、現在のCPが「5」以上であれば、5つ分のゲージの表示態様が変化し、さらに、現在のCPが「5」~「9」であるか、「10」~「14」であるか、あるいは「15」~「19」であるか等に応じて、その表示態様を異ならせる(点灯、点滅、色変化等)ことでCPの付与状況を示唆するものとすることができる。また、当該付与状況報知においては、初期CP付与抽籤の結果は加味されることなく、通常CP付与抽籤の結果のみが報知ないし示唆されるようにしてもよいし、初期CP付与抽籤の結果も全て加味されて報知ないし示唆されるようにしてもよいし、初期CP付与抽籤の結果が一部加味されて(例えば、付与値の1/2分のみが報知される等)報知ないし示唆されるようにしてもよい。
また、CZ2最終状態では、当該付与状況報知において、現在のCPの付与状況は4ポイント以下であると報知されているが、報知されていないCPの付与値があり、それを加味するとCPが5ポイント以上となる場合には、CZ2最終状態におけるCP付与抽籤の結果が、CPが付与されないものであったとしても、あたかもCZ2最終状態においてCPが付与されて5ポイント以上となったかのような報知が行われるようにしてもよい。むろん、現在のCPの付与状況は4ポイント以下であると報知され、実際のCPの付与状況も4ポイント以下である場合に、CZ2最終状態におけるCP付与抽籤の結果によってCPが5ポイント以上となる場合には、同様の報知が行われるようにすればよい。
<CZ2中ナビ抽籤>
CZ2中ナビ抽籤は、上述のとおり、CZ2通常状態中の毎遊技で行われ、後述の「押し順ベル」に当籤したときに、「ベル」の表示に有利となる停止操作の情報(正解押し順の全部又は一部を示す情報)を報知するか否かが決定される。なお、当該決定は、当該抽籤において後述のナビ状態を決定することにより行われる。また、後述の「共通ベル」に当籤したときにも後述のナビ状態に応じて同様の報知が行われる。
図42に示すように、CZ2通常状態では、ナビ状態として、ナビ無し状態であるナビ状態0、4択ナビ状態であるナビ状態1、2択ナビ状態であるナビ状態2、全ナビ状態であり、全ナビが1回発生し得る状態であるナビ状態3(全ナビが2回発生し得る状態は全ナビ状態4、全ナビが3回発生し得る状態は全ナビ状態5といったように、全ナビの個数で末尾の数値が加算される)のいずれかが設定される。
ここで、第2の遊技機において「押し順ベル」は、6択(第1停止操作3択×第2停止操作2択×第3停止操作1択)として構成されており、「4択ナビ」とは、第1停止操作を2択とし、第2停止操作を2択とするナビが発生することを示している。例えば、正解押し順が「左中右(123)」であるとき、4択ナビが発生する場合には、第1停止操作前においては正解の「左」を含む「左or中」あるいは「左or右」のいずれかの停止操作を促す報知(すなわち、2択となる)が行われ、第2停止操作前においては停止操作の情報は報知されない(すなわち、2択となる)といったナビが実行されるものとなっている。すなわち、確率上は、正解押し順に自力正解する可能性が、ナビ無し状態では1/6となるのに対し、4択ナビ状態では(ナビにしたがうことで)1/4に向上する点で有利となる。
また、「2択ナビ」とは、第2停止操作を2択とするナビが発生することを示している。例えば、正解押し順が「左中右(123)」であるとき、2択ナビが発生する場合には、第1停止操作前においては「左」が正解押し順であることを示す停止操作の情報が報知され、第2停止操作前においては停止操作の情報は報知されない(すなわち、2択となる)といったナビが実行されるものとなっている。すなわち、確率上は、正解押し順に自力正解する可能性が、2択ナビ状態では(ナビにしたがうことで)1/2に向上する点で有利となる。また、「全ナビ」とは、正解押し順の全てを報知するナビが発生することを示している。例えば、正解押し順が「左中右(123)」であるとき、全ナビが発生する場合には、第1停止操作前においては「左」が正解押し順であることを示す停止操作の情報が報知され、第2停止操作前においては「中」が正解押し順であることを示す停止操作の情報が報知されるといったナビが実行されるものとなっている。すなわち、確率上は、正解押し順に自力正解する可能性が、全ナビ状態では(ナビにしたがうことで)1/1に向上する点で有利となる。
そして、CZ2通常状態では、例えば、図42に示す各CZ2中ナビ抽籤テーブルを参照し、現在のナビ状態(「0」、「1」、「≧2」)と、内部当籤役(「当籤役」)とに応じてナビの付与結果を決定する。例えば、ナビ無し状態(ナビ状態0)において、当該遊技の内部当籤役が「はずれ」となったとき、214/256の確率で「非当籤」(すなわち、ナビ状態0を維持すること)が決定され、24/256の確率で「4択ナビ」(すなわち、ナビ状態1を設定すること)が決定され、12/256の確率で「2択ナビ」(すなわち、ナビ状態2を設定すること)が決定され、6/256の確率で「全ナビ1個」(すなわち、ナビ状態3を設定すること)が決定される。
また、例えば、4択ナビ状態(ナビ状態1)において、当該遊技の内部当籤役が「はずれ」となったとき、214/256の確率で「非当籤」(すなわち、ナビ状態1を維持すること)が決定され、24/256の確率で「2択ナビ」(すなわち、ナビ状態2を設定すること)が決定され、12/256の確率で「全ナビ1個」(すなわち、ナビ状態3を設定すること)が決定され、6/256の確率で「全ナビ3個」(すなわち、ナビ状態5を設定すること)が決定される。
なお、ナビ状態1(4択ナビ状態)が設定されているときに、後述の「押し順ベル」又は「共通ベル」が内部当籤役として決定された場合、4択ナビが実行され、最終的に「ベル」が表示された場合には、当該ナビ状態1が維持される一方、最終的に「ベル」が表示されなかった場合には、当該ナビ状態1は終了し、ナビ状態0(ナビ無し状態)が設定される。
また、ナビ状態2(2択ナビ状態)が設定されているときに、後述の「押し順ベル」又は「共通ベル」が内部当籤役として決定された場合、2択ナビが実行され、最終的に「ベル」が表示された場合には、当該ナビ状態2が維持される一方、最終的に「ベル」が表示されなかった場合には、当該ナビ状態2は終了し、ナビ状態0(ナビ無し状態)が設定される。もっとも、ナビ状態2が設定されているときに、最終的に「ベル」が表示されなかった場合には、ナビ状態を1つ転落させる(ナビ状態を1減算し、ナビ状態1に移行させる)ようにすることもできる。
また、ナビ状態3(全ナビ状態で全ナビ回数1個)が設定されているときに、後述の「押し順ベル」又は「共通ベル」が内部当籤役として決定された場合、全ナビが実行され、最終的に「ベル」が表示される否かにかかわらず、1回全ナビが実行されたことをもって、ナビ状態を1減算し、ナビ状態2に移行させる(すなわち、ナビ状態を1つ転落させる)。もっとも、ナビ状態3が設定されているときに、全ナビが実行された場合には、当該ナビ状態3は終了し、ナビ状態0(ナビ無し状態)が設定されるようにすることもできる。
また、ナビ状態4(全ナビ状態で全ナビ回数2個)が設定されているときに、後述の「押し順ベル」又は「共通ベル」が内部当籤役として決定された場合、全ナビが実行され、最終的に「ベル」が表示される否かにかかわらず、1回全ナビが実行されたことをもって、ナビ状態を1減算し、ナビ状態3に移行させる(すなわち、ナビ状態を1つ転落させる)。ナビ状態5以上の場合も同様である。これにより、例えば、ナビ状態3では全ナビの実行が1回保障され、ナビ状態4では全ナビの実行が2回保障され、ナビ状態5では全ナビの実行が3回保障されるものとなる。もっとも、ナビ状態4以上が設定されているときに、対応する回数の全ナビが実行された場合には、当該ナビ状態は終了し、ナビ状態0(ナビ無し状態)が設定されるようにすることもできる。
また、各ナビ状態は、設定されてから、少なくとも後述の「押し順ベル」又は「共通ベル」が内部当籤役として決定されるまでは転落しないように構成されている。すなわち、例えば、一度ナビ状態1が設定されると、4択ナビが少なくとも1回実行されるまでは当該ナビ状態1が維持される(もっとも、CZ2中ナビ抽籤によってナビ状態が上昇した場合にはこの限りではない)。
なお、CZ2中ナビ抽籤の態様は、上述したものに限られない。例えば、後述の「押し順ベル」又は「共通ベル」が内部当籤役として決定された遊技において、ナビを実行するか否か、実行するならばどのナビを実行するかが決定されるようにしてもよい。また、例えば、後述のAT状態における全ナビ状態抽籤と同様、4択ナビが発生し得る遊技数、2択ナビが発生し得る遊技数、全ナビが発生し得る遊技数を、ゲーム数あるいはセット数によって管理し、CZ2中ナビ抽籤では、このようなゲーム数やセット数の付与抽籤が行われるようにしてもよい。
<CZ2報酬抽籤>
CZ2報酬抽籤は、上述のとおり、CZ2最終状態において、当該CZ2状態におけるCPの最終的な累積値が5ポイント以上となっている場合に行われ、移行する疑似ボーナス状態の種別を決定が決定される。CZ2報酬抽籤は、例えば、図42に示すCZ2報酬抽籤テーブルを参照して行われ、CPの累積値(累積CP)に応じた確率で疑似ボーナス状態の種別が決定される。
例えば、累積CPが「5」であるとき、244/256の確率で移行先の疑似ボーナス状態が「RB状態」となることが決定され、8/256の確率で移行先の疑似ボーナス状態が「弱BB状態」となることが決定され、4/256の確率で移行先の疑似ボーナス状態が「強BB状態」となることが決定される。
また、例えば、累積CPが「8」であるとき、232/256の確率で移行先の疑似ボーナス状態が「弱BB状態」となることが決定され、24/256の確率で移行先の疑似ボーナス状態が「強BB状態」となることが決定される。また、例えば、累積CPが「10」~「14」であるとき、254/256の確率で移行先の疑似ボーナス状態が「強BB状態」となることが決定され、2/256の確率で移行先の疑似ボーナス状態が「フリーズBB状態」となることが決定される。
ここで、第2の遊技機における、疑似ボーナス状態について説明する。第2の遊技機では、大別すると、疑似ボーナス状態としてRB状態とBB状態とが設けられている。BB状態は、「弱BB状態」、「強BB状態」、「フリーズBB状態」を含む。RB状態及びBB状態は、ともに21ゲーム間継続する(遊技期間が21ゲームに設定された)遊技状態として構成されているが、RB状態は、後述の「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で、必ずしも正解押し順が報知されない(一部のみ報知される場合を含む)遊技状態であるのに対し、BB状態は、後述の「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で、必ず正解押し順が報知される(あるいは、少なくともRB状態よりも高い確率で正解押し順が報知されるものとしてもよい)遊技状態である点で、RB状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
また、詳細は省略するが、強BB状態は弱BB状態よりも遊技者にとって有利に構成され、フリーズBB状態は強BB状態よりも遊技者にとって有利に構成されている。すなわち、遊技者の有利度合いは、フリーズBB状態が高程度、強BB状態が中程度、弱BB状態が低程度となるように構成されている。なお、各BB状態において、遊技者の有利度合いを変動させる手法は、種々の手法を採用することができる。例えば、有利度合いが高いほどその遊技期間が長くなるように設定することもできるし、有利度合いが高いほど全ナビが発生する確率が高くなるように設定することもできる。また、第2の遊技機では、BB状態終了後は、必ずAT状態に移行するものとしているので、当該AT状態における後述の各種抽籤において、AT状態が延長されやすくなる、AT状態が延長されたときBB状態を経由する確率が高くなる、AT状態において全ナビが発生する確率が高くなる等適宜有利となる条件を設定することもできる。また、第2の遊技機において、単に「BB状態に移行することが決定される」と説明している場合には、上述のBB状態の種別のうちいずれかが、予め定められた条件にしたがって決定されているものとする。
また、第2の遊技機では、後述の図58に示すように、弱BB状態は、「赤7」図柄揃いが停止表示されるリール演出(例えば、ロック中赤7揃い演出)が実行されてから開始されるものとなっており、強BB状態及びフリーズBB状態は、「青7」図柄揃いが停止表示されるリール演出(例えば、ロック中青7揃い演出)が実行されてから開始されるものとなっている。したがって、この観点より、赤7揃いとなって開始される赤7BB状態(弱BB状態)と、青7揃いとなって開始される青7BB状態(強BB状態及びフリーズBB状態)との間で有利度合いを異ならせるようにしてもよい。この場合、上述した手法の他、例えば、赤7BB状態においては、AT状態の実行権利は1つしか付与されない(すなわち、その終了後にAT状態には移行するものの、当該AT状態が延長されるか否かについてはその後の遊技結果次第となる)のに対し、青7BB状態においては、AT状態の実行権利が複数個付与される(すなわち、その終了後にAT状態に移行し、また、当該AT状態は少なくとも1セットは延長することが確定する)ようにして、赤7BB状態よりも青7BB状態のほうが有利度合いが高くなるように構成してもよい。
また、青7BB状態によって付与されるAT状態の実行権利は、例えば、赤7BB状態によって付与されるAT状態の実行権利が1つであれば、少なくとも2つ以上付与されればよく、その付与数の決定方法も適宜設定することができる。例えば、青7BB状態では、予め規定された付与数(例えば、2つ)のAT状態の実行権利が付与されるようにしてもよいし、付与抽籤(例えば、付与数として「2」~「11」のいずれかが決定される)が行われ、抽籤結果に応じた付与数のAT状態の実行権利が付与されるようにしてもよい。また、当該付与抽籤が赤7BB状態においても行われるようにし(この場合、例えば、付与数として「1」~「11」のいずれかが決定される)、赤7BB状態における当該付与抽籤よりも、青7BB状態における当該付与抽籤のほうがより有利な抽籤結果が得られやすいようにして、両者の有利度合いを異ならせるようにしてもよい。また、強BB状態とフリーズBBとの間で同様の差異を生じさせることで、両者の有利度合いを異ならせるようにしてもよい。要するに、BB状態が開始されるときに、赤7揃いとなったときには、AT状態が延長される期待度が相対的に低く、青7揃いとなったときには、赤7揃いとなったときよりもAT状態が延長される期待度が相対的に高くなるようにする。さらに、青7揃いとなるときに、ロングフリーズが発生した場合には、ロングフリーズが発生しない場合よりもAT状態が延長される期待度が相対的に高くなるようにすることもできる。
そして、CZ2報酬抽籤では、上述のとおり、CZ2状態において付与されたCPの累積値が多いほど、遊技者にとってより有利な疑似ボーナス状態が決定されやすくなっている。
このように、CZ2状態では、例えば、CZ2通常状態においてはCP付与抽籤、CZ2中ナビ抽籤が行われ、CZ2最終状態においてはCP付与抽籤、CZ2報酬抽籤、通常中状態移行抽籤が行われるものとしているが、これらの抽籤は一例であり、これら以外の抽籤が行われるように構成することもできるし、これらのうちいずれかの抽籤は行われないように構成することもできる。また、BB状態やAT状態からもCZ2状態に移行する場合があるようにし、当該CZ2状態では、BB状態やAT状態を延長するための権利が付与され得るようにすることもできる(当該CZ2状態の終了後はもとの状態に戻る)。
また、CZ2状態は、CZ2報酬抽籤が行われることで、通常状態よりも疑似ボーナス状態に移行する期待度が高い遊技状態であるとともに、遊技者に有利な停止操作の情報が報知される遊技状態である。したがって、上述の「増加区間」として構成される遊技状態であるとも言い得るが、ナビが実行される頻度を勘案するとメダルが増加する可能性は必ずしも高くないことから、その全体構成としては、上述の「演出区間」、あるいは「通常有利区間」を構成する遊技状態である。もっとも、ナビが実行される頻度を調整して、CZ2状態の全体構成を「増加区間」として構成することは可能である。
以上のように、CZ2状態が開始されるとCZ2通常状態となり、CZ2通常状態では、CP付与抽籤(CZ2状態開始時の初期CP付与抽籤、CZ2状態中の通常CP付与抽籤)が行われる。また、CZ2中ナビ抽籤に当籤するといずれかのナビ実行権利(ナビ状態)が付与され、付与されたナビ実行権利に応じた停止操作の情報が報知される。そして、これによってCP付与抽籤の結果も変動する。CZ2通常状態において、後述の「押し順ベル」に当籤したが「ベル」を表示できなかった回数が7回となると、CZ2最終状態となる。CZ2最終状態において、最終的にCPを5ポイント以上獲得している場合にはCZ成功となり、CZ2報酬抽籤によって移行する疑似ボーナス状態の種別が決定され、決定された種別の疑似ボーナス状態に移行する。なお、この場合、前兆状態を経由してから疑似ボーナス状態に移行することが決定された場合には、対応する前兆状態に移行する。一方、CZ2最終状態において、最終的にCPを5ポイント以上獲得していなかった場合にはCZ失敗となり、通常状態に移行する。
<CZ2状態における遊技の流れの一例>
続いて、図40を参照して、CZ2状態における遊技の流れの一例について説明する。図40の(a)は、CZ2状態においてCZ失敗となる場合の一例であり、図40の(b)~(d)は、CZ2状態においてCZ成功となる場合の一例である。
なお、図40の(a)~(d)において、「ゲーム数経過」は、純粋な遊技数の経過を示すものであり、「残りゲーム数」は、ベルこぼし回数の増加によってCZ2状態に滞在可能な遊技数が減少することを示すものであり、「当籤役」は、対応する遊技において決定された内部当籤役を示すものであり、「表示結果」は、遊技者の停止操作に応じて最終的に表示された停止表示態様(図柄組合せ)を示すものであり、「CP」は、CPの累積値を示すものであり、遊技状態は、対応する遊技が、CZ2通常状態とCZ2最終状態のいずれの遊技状態であるかを示すものである。
図40の(a)では、まず、初期CP付与抽籤によってCP「2」が付与されたものとしている。また、2ゲーム目(2G)において、「押し順ベル」に当籤したが「ベル」は表示されず(ベルこぼしとなり)、残りゲーム数が減少している。また、3ゲーム目(3G)、6ゲーム目(6G)、7ゲーム目(7G)、9ゲーム目(9G)、10ゲーム目(10G)、及び11ゲーム目(11G)も同様である。また、5ゲーム目(5G)において、「押し順ベル」に当籤して「ベル」が表示されたので、通常CP付与抽籤によってCP「1」が付与されたものとしている。また、8ゲーム目(8G)では、「共通ベル」に当籤して「ベル」が表示されたので、通常CP付与抽籤によってCP「1」が付与されたものとしている。
なお、図40の(a)(以下の(b)~(d)についても特に示す場合を除き同様)では図示を省略しているが、「押し順ベル」又は「共通ベル」に当籤した遊技では、4択ナビ、2択ナビ、全ナビのいずれかのナビが実行されている場合があり、また、いずれも実行されていない場合がある。
そして、図40の(a)では、CPの初期値として「2」が付与されたものの、CZ2通常状態では、5ゲーム目(5G)及び8ゲーム目(8G)でそれぞれCPが「1」ずつ付与されたのみであり、また、11ゲーム目(11G)でベルこぼし回数が7回となってCZ2最終状態に移行し(12ゲーム目(12G))、CZ2最終状態でもCPは付与されず、最終的なCPは「4」となるので、CZ2報酬抽籤は行われず(疑似ボーナス状態には移行せず)、CZ失敗となっている。
図40の(b)では、まず、初期CP付与抽籤によってCP「2」が付与されたものとしている。また、2ゲーム目(2G)において、「押し順ベル」に当籤したが「ベル」は表示されず(ベルこぼしとなり)、残りゲーム数が減少している。また、3ゲーム目(3G)、6ゲーム目(6G)、7ゲーム目(7G)、9ゲーム目(9G)、10ゲーム目(10G)、及び11ゲーム目(11G)も同様である。また、4ゲーム目(4G)において、「押し順ベル」に当籤して「ベル」が表示されたので、通常CP付与抽籤によってCP「1」が付与されたものとしている。また、5ゲーム目(5G)も同様である。また、8ゲーム目(8G)では、「共通ベル」に当籤して「ベル」が表示されたので、通常CP付与抽籤によってCP「1」が付与されたものとしている。
そして、図40の(b)では、CPの初期値として「2」が付与され、CZ2通常状態では、4ゲーム目(4G)、5ゲーム目(5G)及び8ゲーム目(8G)でそれぞれCPが「1」ずつ付与されており、11ゲーム目(11G)でベルこぼし回数が7回となってCZ2最終状態に移行し(12ゲーム目(12G))、CZ2最終状態ではCPは付与されなかったものの、最終的なCPは「5」となるので、CZ2報酬抽籤が行われる(疑似ボーナス状態に移行することが決定される)こととなり、CZ成功となっている。
図40の(c)では、まず、初期CP付与抽籤によってCPは付与されなかったものとしている。また、2ゲーム目(2G)において、「押し順ベル」に当籤したが「ベル」は表示されず(ベルこぼしとなり)、残りゲーム数が減少している。また、3ゲーム目(3G)、6ゲーム目(6G)、7ゲーム目(7G)、9ゲーム目(9G)、10ゲーム目(10G)、及び11ゲーム目(11G)も同様である。また、5ゲーム目(5G)において、「押し順ベル」に当籤して「ベル」が表示されたので、通常CP付与抽籤によってCP「1」が付与されたものとしている。また、8ゲーム目(8G)では、「共通ベル」に当籤して「ベル」が表示されたので、通常CP付与抽籤によってCP「1」が付与されたものとしている。
そして、図40の(c)では、CPの初期値は付与されておらず、CZ2通常状態では、5ゲーム目(5G)及び8ゲーム目(8G)でそれぞれCPが「1」ずつ付与されたのみであり、また、11ゲーム目(11G)でベルこぼし回数が7回となってCZ2最終状態に移行し(12ゲーム目(12G))、ここまでのCPは「2」であったが、CZ2最終状態で「スイカ」に当籤したことによってCPが「5」付与されたことにより、最終的なCPは「7」となったので、CZ2報酬抽籤が行われる(疑似ボーナス状態に移行することが決定される)こととなり、CZ成功となっている。
図40の(d)では、まず、初期CP付与抽籤によってCP「5」が付与されたものとしている。すなわち、この時点で、CZ成功となることは確定しているが、CZ2状態は直ちには終了しない。また、図40の(d)では、1ゲーム目(1G)において、「スイカ」に当籤したことにより、CZ2中ナビ抽籤で「全ナビ3個」に当籤したものとしている。また、2ゲーム目(2G)において、「押し順ベル」に当籤し、全ナビが実行され(全ナビは残り2個に減少)、「ベル」が表示されて通常CP付与抽籤によってCP「1」が付与されたものとしている。また、3ゲーム目(3G)において、「押し順ベル」に当籤し、全ナビが実行され(全ナビは残り1個に減少)、「ベル」が表示されて通常CP付与抽籤によってCP「1」が付与されたものとしている。
また、4ゲーム目(4G)において、「強ベル」に当籤し、通常CP付与抽籤によってCP「1」が付与されたものとしている。なお、ここでも、「強ベル」に当籤したことによってCZ2中ナビ抽籤が行われ、例えば、当該抽籤で「全ナビ1個」に当籤したものとしている(全ナビは残り2個に増加)。また、5ゲーム目(5G)において、「押し順ベル」に当籤し、全ナビが実行され(全ナビは残り1個に減少)、「ベル」が表示されて通常CP付与抽籤によってCP「1」が付与されたものとしている。また、6ゲーム目(6G)において、「押し順ベル」に当籤し、全ナビが実行され(全ナビは残り0個に減少)、「ベル」が表示されて通常CP付与抽籤によってCP「1」が付与されたものとしている。ここまでのCPの累積値は「10」となる。
そして、図40の(d)では、7ゲーム目(7G)において、「確定役」に当籤し、通常CP付与抽籤によってCP「10」が付与されたものとしている。第2の遊技機では、CZ2通常状態においてCPの累積値が「20」以上となった場合には、残りゲーム数が残存する場合であっても例外的に当該遊技でCZ2状態を終了させ、疑似ボーナス状態の種別として最も有利度合いの高い「フリーズBB状態」が決定されるようにし、次遊技からフリーズBB状態が開始されるものとしている。
<CZ2状態の遊技性を用いた遊技機>
第2の遊技機では、上述のCZ2状態の遊技性を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
例えば、遊技者に有利な停止操作の情報が報知される疑似ボーナス状態(例えば、RB状態やBB状態)と、疑似ボーナス状態の移行条件が成立する期待度が通常状態よりも高いCZ2状態とを有し、CZ2状態の規定終了条件は、「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で「ベル」が表示されなかった回数(ベルこぼし回数)が7回に達することを含む遊技機である。
なお、規定終了条件となるベルこぼし回数は7回に限られず、適宜設定可能であるものとする。また、「押し順ベル」以外の役(例えば、「スイカ」や「チェリー」等)の取りこぼしが発生した場合にも、当該回数がカウントされるようにしてもよい。
また、例えば、「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で、正解押し順で停止操作が行われた場合には「ベル」を表示させる一方、正解押し順とは異なる不正解押し順で停止操作が行われた場合には「ベル」とは異なる図柄組合せを表示させ、CZ2状態において「押し順ベル」が内部当籤役として決定された場合、「ベル」の表示に有利となる停止操作の情報(例えば、4択ナビ、2択ナビや全ナビ)を報知可能とする遊技機である。
なお、「押し順ベル」は、その押し順が6択で構成されているが、3択(第1停止操作の種別のみ)で構成してもよいし、12択や24択(押し順以外に、停止操作のタイミング(押下位置)にも正解位置、不正位置を設けて構成する)で構成してもよい。また、後者の場合、一部ナビは、押し順としては正解押し順を報知するが、押下位置(目印となる赤7、青7あるいは黒BAR等の位置(すなわち、狙うべき特定図柄の種別))は報知しないナビとするなどのように構成することができる。
また、規定終了条件の対象役を小役である「押し順ベル」としているが、これをリプレイ役である「押し順リプレイ」として構成することもできる。この場合、例えば、正解押し順で停止操作が行われた場合には「ベルリプレイ」を表示させる一方、正解押し順とは異なる不正解押し順で停止操作が行われた場合には「ベルリプレイ」とは異なる図柄組合せ(例えば、「通常リプレイ」)を表示させる等のように構成することができる。
また、例えば、「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で「ベル」の表示に有利となる停止操作の情報を報知する場合、正解押し順のすべてが報知される「全ナビ」を行う場合と、正解押し順の一部が報知される一部ナビとしての「4択ナビ」や「2択ナビ」を行う場合とがある遊技機である。
また、例えば、実行されるナビの報知態様を決定する場合、一部ナビが行われた遊技で、「ベル」が表示された場合には当該一部ナビが行われ得る状態(例えば、ナビ状態1やナビ状態2)を継続させ、「ベル」が表示されなかった場合には当該一部ナビが行われ得る状態を終了させる遊技機である。
なお、一部ナビが行われ得る状態を終了させる終了条件は、これに限られない。例えば、保障ゲーム数の間は継続し、当該保障ゲーム数が消化されたことを終了条件とすることもできる。また、「ベル」に係る内部当籤役が決定されるか否かにかかわらず、毎遊技、継続抽籤(終了抽籤)を行い、継続が決定された場合には継続し、終了が決定された場合にはこれを終了条件とすることもできる。また、これらの終了条件は、そのいずれかが用いられるようにすることもできるし、複合的に用いられるようにすることもできる。
また、例えば、停止操作の態様にかかわらず「ベル」が表示可能となる「共通ベル」を内部当籤役として決定可能である遊技機である。
また、例えば、「ベル」が表示される場合、疑似ボーナス状態への移行に寄与する特典である「CP」を付与可能である遊技機である。
また、例えば、CZ2状態が開始されることに応じて「CP」を付与可能である遊技機である。
また、例えば、「ベル」が表示され得ない「確定役」が内部当籤役として決定された場合にも「CP」を付与可能である遊技機である。
なお、「CP」の付与条件は、これに限られない。例えば、CZ2前兆状態においてもCP付与抽籤(例えば、通常CP付与抽籤と同様)が行われるようにし、CZ2前兆状態からCZ2状態(CZ2通常状態)に移行する際には、CZ2前兆状態で付与された「CP」がCZ2状態に引き継がれるようにすることもできる。また、例えば、CZ2通常状態においても「確定役」以外のレア役が内部当籤役として決定された場合に、通常CP付与抽籤とは異なるCP付与抽籤(例えば、特殊CP付与抽籤と同様)が行われるようにすることもできる。また、CZ2状態では、フリーズ発生抽籤が行われ、当該フリーズ発生抽籤に当籤してフリーズが実行される場合に、所定値(例えば、5ポイント)の「CP」が付与されるようにすることもできる。すなわち、何らかの遊技結果に応じて、予め定められた条件が成立した場合には、予め定められた確率で「CP」が付与されるようにすればよい。
また、例えば、CZ2状態において、「CP」の付与状況が所定状況である5ポイント以上となった場合に、疑似ボーナス状態への移行が決定される遊技機である。
なお、疑似ボーナス状態への移行が決定されることとなる「CP」のポイント数は、これに限らず、適宜設定可能であるものとする。また、CZ2状態が開始されるときに、当該ポイント数が抽籤によって決定されるようにして、当該ポイント数が変動するものとしてもよい。
また、例えば、CZ2状態は、「CP」の付与状況が所定状況となった後も、規定終了条件を満たすまでは継続可能に構成されるとともに、規定終了条件を満たしたときに「CP」の付与状況が所定状況となっている場合に疑似ボーナス状態に移行するように構成され、「CP」の付与状況が所定状況となった後も「CP」を付与可能であり、疑似ボーナス状態には、有利度が異なる複数種類(例えば、RBやBB)があり、規定終了条件を満たしたときに、「CP」の付与状況がより多くなっている場合のほうが、有利度の高い疑似ボーナス状態に移行しやすい遊技機である。
また、例えば、CZ2状態において、「CP」の付与状況が所定状況となる前に規定終了条件を満たした場合、CZ2最終状態において、少なくとも「CP」の付与状況を所定状況とするか否かを決定可能な遊技機である。
なお、「CP」の付与状況が所定状況となる前に規定終了条件を満たした場合であっても疑似ボーナス状態に移行させることが決定される条件は、これに限られない。例えば、CZ2状態において「CP」の累積値が「0」のままCZ2最終状態が終了した場合には、疑似ボーナス状態に移行させることが決定されるようにしてもよい。
(RB状態)
続いて、図36及び図39を参照して、第2の遊技機におけるRB状態について説明する。上述のとおり、RB状態は、有利区間の遊技状態として構成されるとともに、1セット21ゲームである、上述の「増加区間」として構成された遊技状態である。
なお、RB状態の開始遊技では、開始操作が行われたことに応じて、「白BAR」図柄揃いが表示されるリール演出(後述の図58に示す、ロック番号「6」の「RB用リールアクション1」、又はロック番号「7」の「RB用リールアクション2」参照)が行われてから、当該RB状態の遊技が開始されるものとなっている。
RB状態では、例えば、BB昇格抽籤、RB中ナビ抽籤が行われる。なお、これらの抽籤は一例であり、これら以外の抽籤が行われるように構成することもできるし、これらのうちいずれかの抽籤は行われないように構成することもできる。
<BB昇格抽籤>
RB状態では、毎遊技、疑似ボーナス状態をBB状態に昇格させるか(より詳細には、RB状態からBB状態に移行させるか)否かを決定するためのBB昇格抽籤が行われる。なお、後述の図42~図46では、当該抽籤に係る具体的な抽籤テーブルの記載を省略しているが、当該抽籤では、例えば、後述の「特殊」、又は弱レア役(後述の「チェリー」又は「スイカ」)に当籤したときは低確率でBB状態に移行することが決定され、強レア役(後述の「チャンス目」又は「強ベル」)に当籤したときには中確率でBB状態に移行することが決定され、確定役(後述の「確定役」)に当籤したときには100%(あるいは高確率)でBB状態に移行することが決定されるようになっている。
ここで、RB状態においてBB昇格抽籤に当籤して次遊技からBB状態に移行する場合には、BB状態の遊技期間は最初から開始されるようになっている。例えば、RB状態において10ゲーム消化した後、11ゲーム目でBB状態に移行することが決定された場合、次遊技は、BB状態の12ゲーム目ではなく、1ゲーム目となる(すなわち、RB状態とBB状態とで当該セットのゲーム数は引き継がれない)。なお、これに限られず、RB状態とBB状態とで当該セットのゲーム数が引き継がれるように構成することもできる。すなわち、例えば、RB状態において10ゲーム消化した後、11ゲーム目でBB状態に移行することが決定された場合、次遊技は、BB状態の12ゲーム目となるように構成することもできる。
<RB中ナビ抽籤>
RB状態では、後述の「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技において、「ベル」の表示に有利となる停止操作の情報(正解押し順の全部又は一部を示す情報)を報知するか否かを決定するためのRB中ナビ抽籤が行われる。なお、後述の図42~図46では、当該抽籤に係る具体的な抽籤テーブルの記載を省略しているが、当該抽籤では、例えば、AT中ナビ抽籤テーブル(後述の図45参照)における、現在のAPが「80未満」であって、「押し順ベル」が内部当籤役として決定されたときと同様の確率(異なる確率であってもよいが、「増加区間」であることが維持される確率とする)で実行されるナビの種別が決定される。
上述のとおり、RB状態は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される「増加区間」を構成する遊技状態であるものの、「押し順ベル」に当籤した遊技で必ずしも「全ナビ」が発生しない場合がある遊技状態として構成されている。なお、必ず「全ナビ」は発生するが、BB状態よりも遊技期間が短い(1セットあたりのゲーム数が少ない)遊技状態として構成することで、BB状態との間で差が出るようにすることもできるし、BB状態は延長され得る遊技状態であるが、RB状態は延長され得ない遊技状態として構成することで、BB状態との間で差が出るようにすることもできる。
以上のように、RB状態において、当該RB状態が終了する前にBB状態に移行することが決定された場合にはBB状態に移行し(BB昇格)、BB状態に移行することなく当該RB状態が21ゲームの消化によって終了した場合にはRB終了となり、有利区間も終了して非有利区間の待機状態に移行する(RB終了)。
なお、RB状態では、ナビの発生状況に偏りが生じることで、遊技者が期待していた、あるいは設計上企図していたメダル数が払出されない場合も生じ得る。このため、RB状態において払出されたメダル数が特定量(閾値)以下となってRB状態が終了した場合には、例外的にBB状態に移行することが決定されるものとしている。また、当該特定量は任意に設定することができるが、一例として「0枚」に設定されるものとする。また、他の例として、RB状態中の純増枚数が1ゲームあたり1枚以下であったことを示す「21枚」(2枚以下であれば「42枚」)等としても、同様の趣旨で遊技者を救済し、興趣の低下を抑制することが可能である。
(BB状態)
続いて、図36、図39及び図43を参照して、第2の遊技機におけるBB状態について説明する。上述のとおり、BB状態は、有利区間の遊技状態として構成されるとともに、1セット21ゲームである、上述の「増加区間」として構成された遊技状態である。
なお、BB状態の開始遊技では、開始操作が行われたことに応じて、「赤7」図柄揃いが表示されるリール演出(後述の図58に示す、ロック番号「9」の「弱BB用リールアクション」)、又は「青7」図柄揃いが表示されるリール演出(後述の図58に示す、ロック番号「11」の「強BB用リールアクション2」参照)が行われてから、当該BB状態の遊技が開始されるものとなっている。
BB状態では、例えば、初期AP抽籤、特殊AT抽籤が行われる。なお、これらの抽籤は一例であり、これら以外の抽籤が行われるように構成することもできるし、これらのうちいずれかの抽籤は行われないように構成することもできる。
<初期AP抽籤>
第2の遊技機では、AT状態において、当該AT状態を延長させるか否かの決定に寄与する情報(換言すれば、AT状態における有利度合いを変動させるための情報)として「AP」というポイントの付与を可能としている。そして、当該AT状態の開始に先立って滞在するBB状態においても、「AP」の初期値を付与可能としている。なお、初期AP抽籤は、いわゆる初当たり時に行われる初回APモード抽籤と、BB状態からAT状態に移行する度に行われる初期AP付与抽籤とを含む。
初回APモード抽籤は、例えば、前兆状態、CZ状態、又はRB状態から移行した(ジャッジ状態からAT状態の延長の結果としてBB状態に移行した場合を含まない)初回のBB状態が開始されるとき(例えば、BB状態の開始遊技、あるいはBB状態に移行するとき)に、後述の初期AP付与抽籤の有利度合いを変動させるためのAPモードを決定するために行われる。なお、一度決定されたAPモードは、ジャッジ状態で延長なしとなって有利区間が終了するまで維持される。すなわち、APモードは、BB状態とAT状態(ジャッジ状態を含む)とで構成される一連の有利状態における「AP」付与の有利度合いを決定するための情報の一つを構成する。
初回APモード抽籤は、例えば、図43に示す初回APモード抽籤テーブルを参照して行われ、現在の有利区間モードに応じた確率で、「モード1」~「モード9」のいずれかのAPモードが決定されるものとなっている。
ここで、有利区間モードについて説明する。有利区間モードは、非有利区間から有利区間に移行するときに、上述の有利区間移行抽籤の抽籤要素の一つとして決定される情報であり、当該有利区間が開始されてから、終了して非有利区間に移行するまでの当該有利区間の有利度合い(特に、AT状態における有利度合い)を変動させるための情報として構成されている。第2の遊技機では、その一例として、有利区間モードA、有利区間モードB、有利区間モードCの3種類のモードが設けられており、有利区間移行抽籤においては、予め定められた確率でいずれかのモードが設定されるものとなっている。なお、いずれのモードが有利となるかはそれぞれの抽籤(後述の図43~図46参照)によって変動するものとなっているが、相対的には有利区間モードAが最も有利なモードであるようになっている(これは、図示した抽籤値に限定されない。どの抽籤でどの有利区間モードが有利となるかは適宜変更可能である)。
続いて、APモードについて説明する。図43に示すように、各APモードは、ATセット数ごとに、初期AP付与抽籤における抽籤パターンの情報(「1」~「4」)が対応付けられている。なお、後述のとおり、初期AP付与抽籤においては抽籤パターン「4」の場合が最も有利であり、抽籤パターン「3」の場合が次に有利であり、抽籤パターン「2」の場合は抽籤パターン「3」の場合よりは不利であるが、抽籤パターン「1」の場合よりも有利であり、抽籤パターン「1」の場合が最も不利となっている。このため、各APモードは、抽籤パターンとしてより有利なものが対応付けられているもののほうが、遊技者にとって有利となる。
例えば、「APモード1」は、「5セット目」において抽籤パターン「3」が対応付けられているものの、その他のATセット数では抽籤パターン「1」が対応付けられているため、AT状態が4セット継続し、当該4セット目終了後のジャッジ状態においてBB状態を経由してAT状態が延長させることが決定された場合には、(次回が5セット目として)抽籤パターン「3」による初期AP付与抽籤を受けることができるが、その他の場合には抽籤パターン「1」による初期AP付与抽籤しか受けることができないものとなっている。また、最初にBB状態からAT状態に移行するとき(1セット目)には、必ず初期AP付与抽籤を受けることができるようになっているが、ここでも、抽籤パターン「1」による初期AP付与抽籤しか受けることができないものとなっている。
一方、例えば、「APモード9」は、抽籤パターン「1」が対応付けられているATセット数はなく、奇数セット目では抽籤パターン「3」が対応付けられているため、AT状態が複数セット継続し、偶数セット目終了後のジャッジ状態においてBB状態を経由してAT状態が延長させることが決定された場合には、(次回が奇数セット目として)抽籤パターン「3」による初期AP付与抽籤を受けることができるものとなっている。また、最初にBB状態からAT状態に移行するとき(1セット目)には、必ず初期AP付与抽籤を受けることができるようになっているが、ここでも、抽籤パターン「3」による初期AP付与抽籤を受けることができるものとなっている。
また、ATセット数に着目すると、各APモードでは、相対的に奇数セット目の抽籤パターンが有利となっているものが多い。したがって、AT状態が連荘する場合、奇数セット目をBB状態込みで延長させることができれば、(APの初期値の付与により)AT状態をさらに連荘できる期待度が高まるようになっている。このように、APの初期値の付与に起伏を生じさせることで、遊技者のAT状態継続の期待感がより高まる状態を創出することが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。なお、このような観点からは、相対的に有利となるATセット数は必ずしも奇数セット目に限られない。例えば、1セット目(あるいは前半のATセット数)は抽籤パターン「3」や「4」が対応付けられる(あるいは対応付けが多い)ことで有利となるが、2セット目以降(あるいは後半のATセット数)は抽籤パターン「3」や「4」の対応付けが少ない(あるいは対応付けられない)ようにして、少なくともAT状態が2セット以上継続しやすくなるようにしてもよい。また、例えば、後半のATセット数は抽籤パターン「3」や「4」の対応付けが多いことで有利となるが、前半のATセット数は抽籤パターン「3」や「4」の対応付けが少ないようにして、少なくともAT状態が一定セット継続した以降は継続しやすくなるようにしてもよい。
初期AP付与抽籤は、上述のようにして決定されたAPモードを参照し、BB状態が終了するとき(例えば、BB状態の最終遊技、あるいはAT状態に移行するとき)に、当該BB状態の終了後に移行するAT状態における「AP」の初期値を決定するために行われる。
初期AP付与抽籤は、例えば、図43に示す初期AP付与抽籤テーブルを参照して行われ、設定されているAPモードに対応付けられた、現在のATセット数に応じた抽籤パターンに基づき、APの初期値(初期AP)として、「0」(すなわち、初期APは付与されないこと)、「20」、又は「40」のいずれが決定されるものとなっている。なお、初期APはこれに限られず、例えば、AT状態の延長が確定する「80」が所定確率で決定されるようにすることもできる。
<特殊AT抽籤>
第2の遊技機では、AT状態において、当該AT状態を延長させることが決定された場合、延長されるAT状態が、1セット30ゲームで常に「全ナビ」が発生する特殊AT状態(換言すれば、遊技期間が30ゲームと規定され、常に「全ナビ」が発生する疑似ボーナス状態(特殊BB状態)であるとも言い得る)となる場合があるようになっている。なお、特殊AT状態の終了後は、必ず次セットの通常のAT状態に移行する(AT状態の延長が確定する)ものとなっている。また、以後のジャッジ状態では、後述のジャッジ中ナビ抽籤の抽籤結果が1段階優遇される(例えば、「ナビ無し」が決定された場合にはこれが一段階優遇されて「4択ナビ」となり、「4択ナビ」が決定された場合にはこれが一段階優遇されて「2択ナビ」となり、「2択ナビ」が決定された場合にはこれが一段階優遇されて「全ナビ」となる)ようになっている。
そして、特殊AT状態に移行するか否かが決定される直前のAT状態(及びジャッジ状態)では、延長されれば特殊AT状態に移行することを示唆するため、通常では出現しない特別キャラクタが出現する特別キャラ演出が実行されるようになっている。
そして、特殊AT抽籤では、BB状態とAT状態(ジャッジ状態を含む)とで構成される一連の有利状態において、上述の特別キャラ演出が実行されるAT状態(すなわち、特別AT状態に移行するか否かの決定が可能となるAT状態)が現出するか(発動するか)否かと、現出する(発動する)としたならば何セット目のAT状態とするかが決定されるようにしている。なお、上述の初回APモード抽籤と同様、これらの抽籤(発動抽籤及び発動セット抽籤)はいわゆる初当たり時に行われるようにしている。
発動抽籤は、例えば、図43に示す発動抽籤テーブルを参照して行われ、現在の有利区間モードに応じた確率で、発動すること(「当籤」)、又は発動しないこと(「非当籤」)のいずれかが決定される。発動抽籤の結果、発動することが決定されると、発動セット抽籤が行われることとなる。
発動セット抽籤は、例えば、図43に示す発動セット抽籤テーブルを参照して行われ、何セット目で発動するか(ATセット数)が決定される。そして、例えば、4セット目で発動することが決定され、AT状態を4セット目まで延長することができた場合には、当該AT状態が上述の特別キャラ演出が実行されるAT状態となり、さらに、当該AT状態消化後のジャッジ状態においてAT状態が延長されることが決定されると、特殊AT状態に移行できるようになる。
以上のように、BB状態において、当該BB状態が21ゲームの消化によって終了した場合にはAT状態に移行する(BB終了)。なお、第2の遊技機では、BB状態の終了後は必ずAT状態に移行するものとしているが、AT状態に移行しない場合もあるように構成することもできる。また、BB状態における遊技期間は変動しないものとしているが、例えば、BB状態中に延長抽籤等が行われ、これに当籤した場合にはBB状態のゲーム数が延長されるようにすることもできるし、1セット21ゲームとして捉え、セット数単位でBB状態が延長されるようにすることもできる。
(AT状態及びジャッジ状態)
続いて、図36、図39、図41及び図44~図46を参照して、第2の遊技機におけるAT状態及びジャッジ状態について説明する。上述のとおり、AT状態は、有利区間の遊技状態として構成されるとともに、1セット30ゲームである、上述の「増加区間」として構成された遊技状態である。また、ジャッジ状態は、AT状態を延長するか否かを決定可能な遊技状態である。
AT状態では、例えば、昇格状態抽籤、AT状態抽籤、AP付与抽籤、Lv.5昇格抽籤、全ナビ状態抽籤、AT中ナビ抽籤が行われる。なお、これらの抽籤は一例であり、これら以外の抽籤が行われるように構成することもできるし、これらのうちいずれかの抽籤は行われないように構成することもできる。
また、ジャッジ状態では、例えば、ジャッジ中ナビ抽籤、ジャッジ報酬抽籤、ジャッジ最終復活抽籤、全ナビ状態抽籤が行われる。なお、これらの抽籤は一例であり、これら以外の抽籤が行われるように構成することもできるし、これらのうちいずれかの抽籤は行われないように構成することもできる。
AT状態及びジャッジ状態の基本的な遊技性は以下のとおりである。
(1)まず、AT状態の当該セットが開始されるときに、当該セットにおける昇格抽籤(Lv.5昇格抽籤)が優遇される状態とするか(昇格高確状態とするか)、優遇されない状態とするか(昇格通常状態とするか)が、昇格状態抽籤の抽籤結果に応じて決定される。なお、当該抽籤は、上述の初期AP付与抽籤と同様のタイミングにて行うことが可能である。
(2)また、AT状態の当該セットが開始されるときに、当該セットにおけるAP付与に係る各種抽籤が優遇される状態とするか(AP高確状態とするか)、優遇されない状態とするか(AP通常状態とするか)が、AT状態抽籤の抽籤結果に応じて決定される。なお、当該抽籤は、上述の初期AP付与抽籤と同様のタイミングにて行うことが可能である。
(3)また、AT状態では、AP付与抽籤が行われる。AP付与抽籤には、上述の初期AP付与抽籤、後述のAP付与抽籤(ベル表示時)、AP付与抽籤(強ベル時追加抽籤)、AP付与抽籤(自力ベル表示時追加抽籤)が含まれるが、当該抽籤の詳細については後述する。AT状態では、基本的に、「ベル」が表示されたときにAPが付与され、当該セットが終了したときに、APの初期値を含め、APの累積値が「80」以上の場合、ジャッジレベルとして「Lv.4」が設定され、APの累積値が「60」~「79」の場合、ジャッジレベルとして「Lv.3」が設定され、APの累積値が「40」~「59」の場合、ジャッジレベルとして「Lv.2」が設定され、APの累積値が「20」~「39」の場合、ジャッジレベルとして「Lv.1」が設定され、APの累積値が「0」~「19」の場合、ジャッジレベルとして「Lv.0」が設定されるようになっている。なお、ジャッジレベルについては後述する。また、APの累積値が「80」以上の場合、一律にジャッジレベルとして「Lv.4」が設定されるものとし、ジャッジレベル「Lv.5」は、APの累積値に応じては設定されないものとしているが、これに限られない。例えば、APの累積値が「80」~「99」の場合には、ジャッジレベルとして「Lv.4」が設定され、APの累積値が「100」以上の場合には、ジャッジレベルとして「Lv.5」が設定されるようにしてもよい。
(4)また、AT状態では、Lv.5昇格抽籤が行われる。Lv.5昇格抽籤は、現在のAPの累積値にかかわらず、ジャッジレベルとして「Lv.5」が設定されるか否か(すなわち、一発抽籤によってジャッジレベルを最も高い段階とするか否か)を決定するための抽籤となっている。なお、当該抽籤を、APを「100」付与するか否かの抽籤として構成することもできる。すなわち、AP付与抽籤の一つとして構成することもできる。
(5)また、AT状態では、全ナビ状態抽籤が行われる。全ナビ状態抽籤は、AT状態において、「押し順ベル」の当籤時に「全ナビ」を実行可能とする状態(全ナビ状態)を発生させるか否か、及び発生させる場合にはどのくらいの期間とするかを決定するための抽籤となっている。上述のとおり、AT状態では、「ベル」が表示されたときにAPが付与されるものとしているため、全ナビ状態が発生すると必然的にAPが付与されやすくなる。すなわち、全ナビ状態は、メダルが獲得しやすくなる状態として構成されるとともに、AT状態が延長されやすくなる状態として構成される。なお、当該抽籤の詳細については後述する。
(6)また、AT状態では、AT中ナビ抽籤が行われる。AT中ナビ抽籤は、上述の全ナビ状態でない場合であっても、「全ナビ」又は一部ナビ(例えば、「2択ナビ」)を実行するか否かを決定するための抽籤となっている。なお、当該抽籤の詳細については後述する。
(7)このようにして、AT状態では、全ナビ状態であるときには「ベル」の表示に有利となる停止操作の情報が報知され、また、全ナビ状態でないときにも「ベル」の表示に有利となる停止操作の情報が報知される場合があり、このような停止操作の情報の報知の有無によって、APの付与状況が変動する。むろん、遊技者が自力で正解押し順を選択し「ベル」が表示された場合にもAPの付与状況が変動する。そして、AT状態において、当該セットの30ゲームが消化されると、APの累積値に応じたジャッジレベルが設定されて、ジャッジ状態に移行する。なお、当該セットの30ゲームが消化されたときに全ナビ状態の遊技数が残存している場合には、全ナビ状態の遊技数が0となるまで当該セットのAT状態が延長され(ジャッジ状態に移行せず)、延長されている間もAPがさらに追加される場合がある。また、Lv.5昇格抽籤に当籤している場合にはAPの累積値にかかわらず、ジャッジレベルとして「Lv.5」が設定される。
(8)ジャッジ状態において、ジャッジレベルとして「Lv.4」又は「Lv.5」が設定されている場合にはAT状態が延長されることが確定する。また、ジャッジレベルとして「Lv.3」が設定されている場合には、「ジャッジ回数」が3回に設定され、ジャッジレベルとして「Lv.2」が設定されている場合には、「ジャッジ回数」が2回に設定され、ジャッジレベルとして「Lv.1」が設定されている場合には、「ジャッジ回数」が1回に設定される。なお、「ジャッジ回数」は、ジャッジ状態おいてAT状態を延長するか否かの延長可否決定が行われる回数を意味する。また、ジャッジレベルとして「Lv.0」が設定されている場合にも「ジャッジ回数」は1回に設定されるが、この場合、後述のジャッジ中ナビ抽籤においてジャッジレベルが「Lv.1」の場合よりも不利な抽籤が行われるようになっており、「Lv.1」の場合と「Lv.0」の場合とで有利度合いに差が出るように構成されている。
(9)ジャッジ状態では、基本的に、後述の「押し順ベル」に当籤した遊技で延長可否決定が行われ、当該遊技で「ベル」を表示できた場合には延長成功となり(延長することが決定され)、ジャッジ報酬抽籤が行われて、延長される態様(例えば、後述の「継続種別」やBB状態を経由すること等)が決定される。なお、後述の「共通ベル」や「強ベル」等を含むレア役に当籤した場合にも延長成功となるように延長可否決定が行われ、同様にジャッジ報酬抽籤が行われて、延長される態様が決定される。また、ジャッジレベルとして「Lv.4」又は「Lv.5」が設定されている場合には、全役で延長成功となるように延長可否決定が行われ、同様にジャッジ報酬抽籤が行われて、延長される態様が決定される。すなわち、ジャッジ状態では、当該ジャッジ状態が延長なしとなって終了する前に、延長可否決定の決定結果が延長成功となった場合にはAT状態が延長されるものとなっている。
(10)一方、ジャッジ状態において、後述の「押し順ベル」に当籤した遊技で延長可否決定が行われ、当該遊技で「ベル」を表示できなかった場合には、当該延長可否決定の決定結果は延長失敗となる。この場合、ジャッジ回数が「1」減算される。そして、ジャッジ回数が「0」となると、1ゲームのジャッジ最終状態に移行する。すなわち、ジャッジレベルが「Lv.3」の場合には延長可否決定の機会が3回付与され、ジャッジレベルが「Lv.2」の場合には延長可否決定の機会が2回付与されるが、ジャッジレベルが「Lv.1」及び「Lv.0」の場合には延長可否決定の機会は1回しか付与されない。
(11)また、ジャッジ状態において、後述の「押し順ベル」に当籤した遊技で「ベル」を表示できるか否かは、当該遊技でナビが実行されるか否かによっても変動する。そこで、ジャッジ状態では、ジャッジ中ナビ抽籤が行われる。ジャッジ中ナビ抽籤は、例えば、後述の「押し順ベル」に当籤した遊技で「全ナビ」又は一部ナビ(例えば、「4択ナビ」や「2択ナビ」)を実行するか否かを決定するための抽籤となっている。なお、当該抽籤の詳細については後述する。
(12)ジャッジ最終状態では、ジャッジ最終復活抽籤が行われる。ジャッジ最終復活抽籤は、ジャッジ最終状態において所定のレア役が内部当籤役として決定された場合に、AT状態が延長される態様が決定される抽籤となっている。すなわち、ジャッジ状態における延長可否決定の結果が全て延長失敗となってしまった場合であっても、最終遊技で所定のレア役を当籤させることができれば、AT状態の延長が決定される(AT状態が復活継続する)ようになっている。なお、当該抽籤の詳細については後述する。
(13)また、ジャッジ状態(ジャッジ最終状態を含む)において、AT状態が延長されることが決定された場合、その報酬の種別によっては、次セットのAT状態において用いられる全ナビ状態(のセット数)を決定するための全ナビ状態抽籤が行われる場合がある。なお、当該抽籤の詳細については後述する。
<昇格状態抽籤>
昇格状態抽籤は、例えば、AT状態の当該セットが開始されるとき(例えば、AT状態の当該セットの開始遊技、あるいはAT状態の次セットに移行するとき)に、当該セットの昇格状態(例えば、昇格通常状態又は昇格高確状態のいずれか)を決定するために行われる。
昇格状態抽籤は、例えば、図44に示す昇格状態抽籤テーブルを参照して行われ、現在の有利区間モードと、初期AP付与抽籤の結果(初期AP)とに応じた確率で、いずれかの昇格状態が決定されるものとなっている。なお、図44に示す昇格状態は一例であり、後述のLv.5昇格抽籤における有利度合いについて少なくとも一部が異なる昇格状態として、3種類以上の昇格状態を設けることも可能である。
<AT状態抽籤>
AT状態抽籤は、例えば、AT状態の当該セットが開始されるとき(例えば、AT状態の当該セットの開始遊技、あるいはAT状態の次セットに移行するとき)に、当該セットのAT状態(例えば、AP通常状態又はAP高確状態のいずれか)を決定するために行われる。
AT状態抽籤は、例えば、図44に示すAT状態抽籤テーブルを参照して行われ、現在の有利区間モードと、AT移行種別とに応じた確率で、いずれかのAT状態(AP通常状態又はAP高確状態)が決定されるものとなっている。なお、AT移行種別において、「1セット目」は、いわゆる初当たりとなったBB状態が終了してAT状態が開始された最初のセットであることを示し、「BB」は、後述のジャッジ報酬抽籤及びジャッジ最終復活抽籤において、報酬「弱BB」又は「強BB」が決定され、当該BB状態が終了してAT状態が開始されたセットであることを示している。また、図44に示すAT状態(AP通常状態又はAP高確状態)は一例であり、AP付与に係る各種抽籤における有利度合いについて少なくとも一部が異なるAT状態として、3種類以上のAT状態を設けることも可能である。
<AP付与抽籤>
上述のとおり、AT状態中のAP付与抽籤は、AP付与抽籤(ベル表示時)、AP付与抽籤(強ベル時追加抽籤)、AP付与抽籤(自力ベル表示時追加抽籤)を含む。AT状態中は、「ベル」が連続で表示された回数(ベル連数)をカウントしており、AP付与抽籤(ベル表示時)では、このベル連数に応じて付与されるAPが決定される。なお、このベル連数は、後述の「押し順ベル」のみならず、「共通ベル」や「強ベル」によってもカウントが加算されるものとなっている。また、このベル連数は、所定のレア役(例えば、後述の「チェリー」、「スイカ」、「チャンス目」、「確定役」)に当籤した場合にはそのカウントがクリアされず、その他の場合で最終的に「ベル」が表示されなかった場合にそのカウントがクリアされるものとなっている。
例えば、AT状態中における、ある1ゲームを起点として、1ゲーム目に「押し順ベル」、「共通ベル」又は「強ベル」に当籤し「ベル」が表示された場合、ベル連数は「1」となる。2ゲーム目に「リプレイ」に当籤した場合(当然ながら「ベル」は表示されないので)、ベル連数はクリアされて「0」となる。また、2ゲーム目に「押し順ベル」、「共通ベル」又は「強ベル」に当籤し「ベル」が表示された場合、ベル連数は1加算されて「2」となる。また、2ゲーム目に「スイカ」に当籤した場合(「ベル」は表示されないのであるが)、所定のレア役なのでベル連数はクリアされず「1」のままとなり、その後、3ゲーム目に「押し順ベル」、「共通ベル」又は「強ベル」に当籤し「ベル」が表示された場合、ベル連数は1加算されて「2」となる。
AP付与抽籤(ベル表示時)は、例えば、毎遊技の遊技終了時に、ベル連数が「1」以上であったこと(すなわち、「ベル」が表示されたこと)に応じて付与するAPを決定するために行われる。なお、当該抽籤は、ベル連数を用いることなく、単に、当該遊技で「ベル」が表示された場合に付与するAPを決定する(付与されない場合があってもよい)ための抽籤として構成することもできる。
AP付与抽籤(ベル表示時)は、例えば、図44に示すAP付与抽籤の「ベル表示時」テーブルを参照して行われ、現在のAT状態と、ベル連数とに応じた確率でAPの付与値(付与AP)が決定されるものとなっている。なお、図44に示す付与APは一例であり、加算される値は適宜設定可能である。例えば、目安として、「+20」でジャッジレベルの段階が1段落上昇することから、他に「+40」や「+60」といったAPの付与値が設定されるようにしてもよい。
AP付与抽籤(強ベル時追加抽籤)は、例えば、当該遊技において「ベル」が表示されたのが、後述の「強ベル」の当籤に応じたものであった場合に、AP付与抽籤(ベル表示時)の抽籤結果に加え、追加的にAPを付与することを決定するために行われる。
AP付与抽籤(強ベル時追加抽籤)は、例えば、図44に示す強ベル時追加抽籤テーブルを参照して行われ、現在のAT状態に応じた確率でAPの付与値(付与AP)が決定されるものとなっている。
AP付与抽籤(自力ベル表示時追加抽籤)は、例えば、当該遊技において、ナビは実行されなかったにもかかわらず、最終的に「ベル」が表示された場合(すなわち、遊技者が自力で正解押し順を選択した場合)に、AP付与抽籤(ベル表示時)の抽籤結果に加え、追加的にAPを付与することを決定するために行われる。
AP付与抽籤(自力ベル表示時追加抽籤)は、例えば、図44に示す自力ベル表示時追加抽籤テーブルを参照して行われ、現在のAT状態に応じた確率でAPの付与値(付与AP)が決定されるものとなっている。
<Lv.5昇格抽籤>
Lv.5昇格抽籤は、例えば、AT状態中に対象役に当籤した場合に、当該セットで設定されるジャッジレベルを「Lv.5」とするか否かを決定するために行われる。
Lv.5昇格抽籤は、例えば、図44に示すLv.5昇格抽籤テーブルを参照して行われ、現在の昇格状態と、現在のAPの累積値と、当該遊技で決定された内部当籤役とに応じた確率で、「Lv.5」が設定されること(「当籤」)、又は「Lv.5」が設定されないこと(「非当籤」)のいずれかが決定されるようになっている。なお、上述のベル連数が所定値(例えば、5以上)である場合にも、(例えば、当該Lv.5昇格抽籤テーブルにおける「チャンス目」当籤時と同様の確率で)当該抽籤が行われるようにしてもよい。
<全ナビ状態抽籤>
上述のとおり、AT状態は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される「増加区間」を構成する遊技状態であるものの、「押し順ベル」に当籤した遊技で必ずしも「全ナビ」が発生しない場合がある遊技状態として構成されている。全ナビ状態抽籤は、当該AT状態中において「全ナビ」が実行可能となる状態を一定の期間(例えば、5ゲームを1セットとする期間)にわたって発生させるか否かを決定するために行われる。
なお、「全ナビ状態」は、1セット5ゲームを1単位とし、複数単位が一度に付与される可能もある。なお、ゲーム数によって1単位が管理されるため、5ゲーム間で5回「押し順ベル」に当籤した場合には「全ナビ」が5回実行される一方、1回も「押し順ベル」に当籤しなかった場合には「全ナビ」は1回も実行されない。このようにして、APやメダルの付与状況に起伏を生じさせ、遊技の興趣を高めるようにしている。もっとも、「全ナビ状態」の管理手法はこれに限られない。例えば、「全ナビ」が実行される回数によって管理されるようにしてもよい。すなわち、1セットが付与されると、少なくとも「全ナビ」が5回実行されるまでは「全ナビ状態」が継続するものとしてもよい。あるいは、セット数の概念がないゲーム数で管理されるようにしてもよいし、いわゆる差枚数で管理されるようにしてもよい。
全ナビ状態抽籤は、例えば、図45に示す全ナビ状態抽籤テーブルを参照して行われ、現在のAT状態と、当該遊技で決定された内部当籤役とに応じた確率で、全ナビ状態の遊技数(全ナビ遊技数)を付与しないこと(「非当籤」)、1セット分の全ナビ遊技数を付与すること(「1セット」)、2セット分の全ナビ遊技数を付与すること(「2セット」)、3セット分の全ナビ遊技数を付与すること(「3セット」)、5セット分の全ナビ遊技数を付与すること(「5セット」)、前兆状態(2ゲーム)を経由してから1セット分の全ナビ遊技数を付与すること(「1セット+前兆」)、前兆状態(2ゲーム)を経由してから2セット分の全ナビ遊技数を付与すること(「2セット+前兆」)、前兆状態(2ゲーム)を経由してから3セット分の全ナビ遊技数を付与すること(「3セット+前兆」)、前兆状態(2ゲーム)を経由してから5セット分の全ナビ遊技数を付与すること(「5セット+前兆」)のいずれかが決定される。
なお、全ナビ状態の前兆状態は予め定められた2ゲームとして規定されているが、前兆ゲーム数は抽籤によって決定されるようにしてもよいし、前兆状態を設けないようにしてもよい。また、全ナビ状態抽籤は、全ナビ状態の滞在中においても行われ、これに当籤した場合には全ナビ遊技数が上乗せされて全ナビ状態が延長されるようになっているが、一度全ナビ状態抽籤に当籤して全ナビ状態となった場合、全ナビ遊技数が0となって当該全ナビ状態が終了するまで、当該全ナビ状態抽籤は行われないようにしてもよい。
また、AT状態中に、複数セット分の全ナビ遊技数が付与された場合、基本的に当該AT状態は全ナビ遊技数が全て消化されるまで終了しない(ジャッジ状態への移行が待機される)ものとなっているが、当該AT状態において、AT状態の1セット分(30ゲーム)を超える全ナビ遊技数(例えば、7セット以上の全ナビ遊技数)が付与された場合には、全ナビ遊技数が全て消化されるまで当該セットのAT状態からジャッジ状態への移行が待機されるのではなく、当該セットのAT状態における規定ゲーム数(30ゲーム)が消化されたとき(あるいは、現在消化中の全ナビ状態の当該セットが終了したとき)にAT状態を疑似的に終了させ、その後移行したジャッジ状態においては、必ずAT状態が延長されることが決定される(例えば、必ず「全ナビ」が発生するようにする。あるいは、全役でジャッジ成功となるようにする等)ようにし、AT状態が次セットに延長されるようにしてもよい。また、この場合、当該セットで付与された全ナビ遊技数のうちの未消化のものは、次セットに持ち越されて消化され得るようにすればよい。
また、AT状態中に、全ナビ遊技数が付与された場合には、基本的に現在の残りの全ナビ遊技数(セット数を含んでいてもよい)が遊技者に報知(ないし示唆)されるものとなっているが、例えば、複数セット分の全ナビ遊技数が付与されている場合、当該報知においては、全ての全ナビ遊技数が合算されて遊技者に示される(例えば、2セット分の全ナビ遊技数が付与されている場合、「残り10ゲーム」と表示され、1ゲーム消化されるごとに当該表示が順次1ずつ減算される等)ようにすることもできるし、1セットごとに全ナビ遊技数が遊技者に示される(例えば、2セット分の全ナビ遊技数が付与されている場合、まず、1セット目について、「残り5ゲーム」と表示され、1ゲーム消化されるごとに当該表示が1ずつ減算され、「残り0ゲーム」と表示されたとき、次に、2セット目について、再度「残り5ゲーム」と表示され、その後は順次同様の減算表示が行われる)ようにすることもできる。なお、このような報知は、カウントダウン方式の表示に限られず、カウントアップ方式の表示であってもよい。
<AT中ナビ抽籤>
上述のとおり、AT状態では、全ナビ状態である場合には必ず「全ナビ」が実行されるようになっているが、全ナビ状態でない場合にも、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される場合があるようになっている。AT中ナビ抽籤は、全ナビ遊技数が1以上でないとき、「全ナビ」又は一部ナビ(例えば、「2択ナビ」)を実行するか否かを決定するために行われる。
AT中ナビ抽籤は、例えば、図45に示すAT中ナビ抽籤テーブルを参照して行われ、現在のAT状態と、現在のAPの累積値と、当該遊技で決定された内部当籤役とに応じた確率で、「全ナビ」を実行するか、一部ナビ(例えば、「2択ナビ」)を実行するか、ナビ無しとするかのいずれかが決定される。なお、AT中ナビ抽籤では、「4択ナビ」が決定されないようになっているが、これが決定され得るように構成することもできる。
<ジャッジ中ナビ抽籤>
ジャッジ中ナビ抽籤は、ジャッジ状態において、後述の「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で、「ベル」の表示に有利となる停止操作の情報(正解押し順の全部又は一部を示す情報)を報知するか否かを決定するために行われる。すなわち、上述の延長可否決定において、延長成功となる確率を向上させるか否かが決定される。
ジャッジ中ナビ抽籤は、ジャッジレベルが「Lv.1」~「Lv.3」であるときには、例えば、図45に示すジャッジ中ナビ抽籤の「Lv.1~Lv.3時」テーブルを参照して行われ、現在の有利区間モードと、ジャッジ回数とに応じた確率で、「全ナビ」を実行するか、一部ナビ(例えば、「4択ナビ」や「2択ナビ」)を実行するかのいずれかが決定される。なお、ジャッジ中ナビ抽籤の「Lv.1~Lv.3時」では、「ナビ無し」が決定されないようになっているが、これが決定され得るように構成することもできる。
ここで、ジャッジ回数に着目すると、「1回目」よりも「2回目」のほうが有利なナビが実行されやすく、「2回目」よりも「3回目」のほうが有利なナビが実行されやすくなっている。また、上述のとおり、ジャッジレベルが「Lv.1」の場合には延長可否決定は1回しか行われないので、「1回目」に規定された確率でしかジャッジ中ナビ抽籤を受けることができない。一方、ジャッジレベルが「Lv.2」の場合には延長可否決定が2回行われるので、「1回目」に規定された確率でジャッジ中ナビ抽籤を受け、仮にここで延長成功とならなかった場合でも、次は「2回目」に規定された確率でジャッジ中ナビ抽籤を受けることができる。また、ジャッジレベルが「Lv.3」の場合には延長可否決定が3回行われるので、「1回目」に規定された確率でジャッジ中ナビ抽籤を受け、仮にここで延長成功とならなかった場合でも、次は「2回目」に規定された確率でジャッジ中ナビ抽籤を受けることができ、また仮にここで延長成功とならなかった場合でも、次は「3回目」に規定された確率でジャッジ中ナビ抽籤を受けることができるようになっている。すなわち、ジャッジレベルの変動は、単に延長可否決定の回数の変動にとどまらず、延長可否決定の期待度の変動にもつながるものとなっている。
また、ジャッジ中ナビ抽籤は、ジャッジレベルが「Lv.0」であるときには、例えば、図45に示すジャッジ中ナビ抽籤の「Lv.0時」テーブルを参照して行われ、「全ナビ」を実行するか、ナビを実行しない(「ナビ無し」とする)かのいずれかが決定される。なお、ジャッジ中ナビ抽籤の「Lv.0時」では、「4択ナビ」や「2択ナビ」が決定されないようになっているが、これが決定され得るように構成することもできる。
<ジャッジ報酬抽籤>
ジャッジ報酬抽籤は、ジャッジ状態において行われた延長可否決定の決定結果が、延長成功であったとき、その延長の態様(遊技者に付与される特典の内容)を決定するために行われる。なお、延長の態様は、大別すると、AT状態の次セットへの延長と、BB状態を経由したAT状態の次セットへの延長となる。「継続種別1」~「継続種別4」は前者であることを示し、「弱BB」及び「強BB」は後者であることを示している。
また、「継続種別1」~「継続種別4」は、上述のAT状態抽籤において、AP高確状態が設定される確率が異なるものとなる。すなわち、延長される次セットにおける有利度合いを変動させることが可能な情報として設定されている。もっとも、延長される次セットにおける有利度合いを変動させる態様はこれに限られない。AT状態において行われるその他の各種抽籤においても、個別に継続種別が参照され、これに応じた抽籤値によって抽籤が行われることで、延長される次セットにおける有利度合いを変動させるものとしてもよい。また、「弱BB」と「強BB」との有利度合いは、上述したように適宜差を持たせるようにして設定可能であるが、例えば、上述のAT状態抽籤において、「弱BB」の場合と、「強BB」の場合とでAP高確状態が設定される確率を異ならせる(例えば、「強BB」の場合のほうがAT高確状態が設定される確率が高くなる)ことでその有利度合いを変動させるようにしてもよい。
ジャッジ報酬抽籤は、ジャッジレベルが「Lv.0」~「Lv.3」であって、後述の「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で「ベル」が表示されたこと応じて延長可否決定の決定結果が延長成功となった場合には、例えば、図46に示すジャッジ報酬抽籤の「Lv.0~Lv.3ジャッジ成功時」テーブルを参照して行われ、現在の有利区間モードと、現在のジャッジレベル(例えば、ジャッジ状態移行時のジャッジレベルが「Lv.2」であって、1回目のジャッジで成功した場合には「Lv.2」のままであるが、1回目のジャッジで失敗し、2回目のジャッジで成功した場合には「Lv.1」となる)とに応じた確率で、いずれかの延長の態様が決定される。
また、ジャッジ報酬抽籤は、ジャッジレベルが「Lv.4」又は「Lv.5」である場合には、例えば、図46に示すジャッジ報酬抽籤の「Lv.4・Lv.5確定時」テーブルを参照して行われ、現在の有利区間モードと、当該遊技の内部当籤役とに応じた確率で、いずれかの延長の態様が決定される。
また、ジャッジ報酬抽籤は、ジャッジレベルが「Lv.0」~「Lv.3」であって、所定のレア役が内部当籤役として決定されたこと応じて延長可否決定の決定結果が延長成功となった場合には、例えば、図46に示すジャッジ報酬抽籤の「Lv.0~Lv.3当籤役成功時」テーブルを参照して行われ、当該遊技の内部当籤役と、現在のジャッジレベル(上記と同様)とに応じた確率で、いずれかの延長の態様が決定される。
<ジャッジ最終復活抽籤>
ジャッジ最終復活抽籤は、ジャッジ最終状態において行われ、いわゆる一発逆転や引き戻しの機会を与えることを可能にするために行われる。なお、抽籤の結果として決定され得る延長の態様(遊技者に付与される特典の内容)は、ジャッジ報酬抽籤におけるものと同様である。
ジャッジ最終復活抽籤は、例えば、図46に示すジャッジ最終復活抽籤テーブルを参照して行われ、当該遊技の内部当籤役に応じた確率で、いずれかの延長の態様が決定される。
なお、図46に示すジャッジ最終復活抽籤テーブルにおいては、当該遊技の内部当籤役が特定の内部当籤役(「チェリー」、「スイカ」、「チャンス目」、「強ベル」及び「確定役」等のいわゆるレア役)であった場合にのみAT状態が延長され得るものとしているが、これは一例であり、これらの特定の内部当籤役以外の内部当籤役(例えば、「リプレイ」や「押し順ベル」等の通常役)であっても、任意の確率でAT状態が延長され得るようにしてもよい。これは、本実施形態において、抽籤対象役がいわゆるレア役のみとして記載している他の抽籤においても同様である。
<全ナビ状態抽籤>
全ナビ状態抽籤は、ジャッジ状態において延長可否決定の決定結果が延長成功となった場合に、決定された延長の態様(報酬)に応じて、さらに、延長される次セットのAT状態において付与される全ナビ遊技数を決定するために行われる。なお、図46に示す全ナビ状態抽籤テーブルでは、特定の延長の態様が決定された場合に全ナビ遊技数を付与することを決定するものとしているが、いずれの延長の態様が決定された場合も、(付与されないことを含めて)全ナビ遊技数を付与するか否かが決定されるようにしてもよい。
全ナビ状態抽籤は、例えば、図46に示す全ナビ状態抽籤テーブルを参照して行われ、決定された延長の態様(報酬)に応じた確率で、いずれかの全ナビ遊技数が決定される。
以上のように、AT状態の当該セットが開始されるとき、昇格状態とAT状態(AP通常状態又はAP高確状態)が決定され、AT状態中は、全ナビ遊技数の付与結果、又はAT中ナビ抽籤の結果に応じて停止操作の情報が報知されるとともに、これらの結果も加味して、APが付与される。そして、APの累積値が「80」以上となった場合には、ジャッジレベルが「Lv.4」に設定されるので、当該セット消化後のジャッジ状態においてAT状態の(次セットへの)延長が確定する。また、ジャッジレベルが「Lv.5」に昇格した場合にも、当該セット消化後のジャッジ状態においてAT状態の(次セットへの)延長が確定する。AT状態の延長が確定することなく、当該セットのゲームが消化されると、全ナビ遊技数も0であれば、ジャッジ状態に移行する。ジャッジ状態では、APの累積値に応じて設定される段階(「Lv.0」~「Lv.3」)に応じた回数(ジャッジ回数)分、延長可否決定が行われ、延長成功となれば、延長の態様が決定され、決定された態様でAT状態が延長される。一方、ジャッジ回数分、延長可否決定が行われても延長成功とならなかった場合には、ジャッジ最終状態に移行するが、ここでジャッジ最終復活抽籤に当籤することができれば、AT状態は延長される。ジャッジ最終復活抽籤に当籤することができなかった場合には、AT状態が延長なしで終了し、有利区間も終了して非有利区間の待機状態に移行する。
なお、BB状態、AT状態、及びジャッジ状態において、有利区間中の純増枚数が1800枚以上となったとき(すなわち、有利区間払出数カウンタの値が「1800」以上となった場合)には、常に「全ナビ」が発生する上述の「増加区間」を構成するエンディング状態に移行し、リミッタ作動によって有利区間が終了して非有利区間の待機状態に移行するまで、当該エンディング状態が継続する。エンディング状態は、リミッタ作動待ちの専用の遊技状態であるため、後述の「押し順ベル」に当籤した遊技で必ず「全ナビ」は発生するものの、上述の遊技性に関する各種抽籤は行われなくなる。
また、BB状態及びAT状態において、例えば、有利区間中の純増枚数が1770枚以上となったとき(すなわち、有利区間払出数カウンタの値が「1770」以上となった場合)には、エンディング状態への移行を予告するエンディング予告状態に移行し、専用のエンディング予告演出を行うことで、エンディング状態に移行することを予め遊技者に報せるようにしてもよい。
また、エンディング移行条件も上述したもの限られない。例えば、AT状態のセット数(ATセット数)が所定回数(例えば、11回)となった場合(すなわち、AT状態が所定期間(例えば、360ゲーム)継続した場合)にエンディング状態に移行するようにしてもよい。具体的には、例えば、ATセット数が11セット目となった場合、当該11セット目のセットが終了したときにエンディング状態に移行するようにしてもよい。なお、この場合、当該11セット目のセットが終了したことをもってエンディング状態に移行するようにしてもよいし、当該11セット目のセット終了後は疑似的にジャッジ状態に移行させ、当該ジャッジ状態において、後述の「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で必ず「全ナビ」が発生するようにし、「ベル」が表示されたことをもってエンディング状態に移行するようにしてもよい。また、例えば、ATセット数が11セット目となり、当該11セット目のセットが終了してジャッジ状態に移行し、当該ジャッジ状態における延長可否決定でAT状態を延長することが決定されたことをもってエンディング状態に移行させるようにしてもよい。
また、エンディング状態の終了条件も上述したものに限られない。例えば、エンディング状態が開始されてから予め規定された固定ゲーム数(例えば、101ゲームなど任意のゲーム数)が消化されたことをもって当該エンディング状態が終了し、非有利区間(待機状態)に移行するようにしてもよい。また、上述した一例の如く、エンディング状態への移行条件を複数設けるようにし、複数の移行条件のうちで最も早く成立した移行条件にしたがってエンディング状態に移行させるものしてもよい。また、成立した移行条件に応じてエンディング状態の終了条件が設定されるものとしてもよい。例えば、有利区間中の純増枚数が1800枚以上となることに応じて移行条件が成立したエンディング状態ではリミッタ作動が終了条件として設定され、ATセット数が11回となることに応じて移行条件が成立したエンディング状態では上述の固定ゲーム数消化が終了条件として設定されるものとしてもよい。
<AT状態及びジャッジ状態における遊技の流れの一例>
続いて、図41を参照して、AT状態及びジャッジ状態における遊技の流れの一例について説明する。図41の(a)及び(b)は、AT状態からジャッジ状態に移行し、ジャッジ状態において延長失敗となる場合の一例であり、図40の(c)~(e)は、AT状態からジャッジ状態に移行し、ジャッジ状態において延長成功となる場合の一例である。
なお、図41の(a)~(e)において、「ゲーム数経過」は、純粋な遊技数の経過を示すものであり、「残りゲーム数」は、AT状態及びジャッジ状態において、滞在可能な遊技数が減少することを示すものであり、「当籤役」は、対応する遊技において決定された内部当籤役を示すものであり、「表示結果」は、遊技者の停止操作に応じて最終的に表示された停止表示態様(図柄組合せ)を示すものであり、「AP」は、APの累積値を示すものであり、遊技状態は、対応する遊技が、AT状態とジャッジ状態のいずれの遊技状態であるかを示すものである。
図41の(a)では、まず、例えば、AT状態の当該セットが1~27ゲーム目まで消化され、27ゲーム目まででAPの累積値が「69」となっているものとしている。そして、28ゲーム目を「ゲーム数経過」の1ゲーム目(1G)として、以降の流れを説明している。2ゲーム目(2G)において、「共通ベル」に当籤して「ベル」が表示されたので、ベル連数が「1」となり、AP付与抽籤(ベル表示時)によってAP「1」が付与されたものとしている。また、3ゲーム目(3G)において、「押し順ベル」に当籤して「ベル」が表示されたので、ベル連数が「2」となり、AP付与抽籤(ベル表示時)によってAP「3」が付与されたものとしている。そして、3ゲーム目(3G)で当該セットの遊技期間が終了するので、現在のAPの累積値「73」に応じたジャッジレベル「Lv.3」が設定され、次ゲームからジャッジ状態に移行している。
4ゲーム目(4G)において、内部当籤役は「リプレイ」であるため、延長可否決定は行われず、ジャッジレベルも「Lv.3」のままである。また、5ゲーム目(5G)において、内部当籤役は「押し順ベル」であるため、延長可否決定が行われ、当該遊技では「ベル」が表示されなかった(ベルこぼしとなった)ため、延長失敗となり、ジャッジ回数も1回消化されたため、ジャッジレベルが「Lv.2」に下降している。また、6ゲーム目(6G)において、内部当籤役は「押し順ベル」であるため、延長可否決定が行われ、当該遊技では「ベル」が表示されなかった(ベルこぼしとなった)ため、延長失敗となり、ジャッジ回数も1回消化されたため、ジャッジレベルが「Lv.1」に下降している。
また、7ゲーム目(7G)において、内部当籤役は「押し順ベル」であるため、延長可否決定が行われ、当該遊技では「ベル」が表示されなかった(ベルこぼしとなった)ため、延長失敗となり、ジャッジ回数も1回消化され、ジャッジ回数が0となってジャッジ最終状態に移行する(ジャッジレベルが「Lv.1」の場合、「Lv.1」から「Lv.0」への下降は行われない)。そして、8ゲーム目(8G)において、内部当籤役は「リプレイ」であるため、ジャッジ最終復活抽籤は行われず、最終的に延長なし(延長失敗)となることが確定したものとしている。
図41の(b)では、まず、例えば、AT状態の当該セットが1~27ゲーム目まで消化され、27ゲーム目まででAPの累積値が「9」となっているものとしている。そして、28ゲーム目を「ゲーム数経過」の1ゲーム目(1G)として、以降の流れを説明している。2ゲーム目(2G)において、「共通ベル」に当籤して「ベル」が表示されたので、ベル連数が「1」となり、AP付与抽籤(ベル表示時)によってAP「1」が付与されたものとしている。また、3ゲーム目(3G)において、「押し順ベル」に当籤して「ベル」が表示されたので、ベル連数が「2」となり、AP付与抽籤(ベル表示時)によってAP「3」が付与されたものとしている。そして、3ゲーム目(3G)で当該セットの遊技期間が終了するので、現在のAPの累積値「13」に応じたジャッジレベル「Lv.0」が設定され、次ゲームからジャッジ状態に移行している。
4ゲーム目(4G)において、内部当籤役は「リプレイ」であるため、延長可否決定は行われない。また、5ゲーム目(5G)において、内部当籤役は「押し順ベル」であるため、延長可否決定が行われ、当該遊技では「ベル」が表示されなかった(ベルこぼしとなった)ため、延長失敗となり、もともとジャッジレベルは「Lv.0」であるので、そのままジャッジ最終状態に移行する。そして、6ゲーム目(6G)において、内部当籤役は「リプレイ」であるため、ジャッジ最終復活抽籤は行われず、最終的に延長なし(延長失敗)となることが確定したものとしている。
図41の(c)では、まず、例えば、AT状態の当該セットが1~27ゲーム目まで消化され、27ゲーム目まででAPの累積値が「69」となっているものとしている。そして、28ゲーム目を「ゲーム数経過」の1ゲーム目(1G)として、以降の流れを説明している。2ゲーム目(2G)において、「共通ベル」に当籤して「ベル」が表示されたので、ベル連数が「1」となり、AP付与抽籤(ベル表示時)によってAP「1」が付与されたものとしている。また、3ゲーム目(3G)において、「押し順ベル」に当籤して「ベル」が表示されたので、ベル連数が「2」となり、AP付与抽籤(ベル表示時)によってAP「3」が付与されたものとしている。そして、3ゲーム目(3G)で当該セットの遊技期間が終了するので、現在のAPの累積値「73」に応じたジャッジレベル「Lv.3」が設定され、次ゲームからジャッジ状態に移行している。
4ゲーム目(4G)において、内部当籤役は「リプレイ」であるため、延長可否決定は行われず、ジャッジレベルも「Lv.3」のままである。また、5ゲーム目(5G)において、内部当籤役は「押し順ベル」であるため、延長可否決定が行われ、当該遊技では「ベル」が表示されなかった(ベルこぼしとなった)ため、延長失敗となり、ジャッジ回数も1回消化されたため、ジャッジレベルが「Lv.2」に下降している。
また、6ゲーム目(6G)において、内部当籤役は「押し順ベル」であるため、延長可否決定が行われ、当該遊技では「ベル」が表示されたため、延長成功となってジャッジ報酬抽籤が行われ、決定された延長の態様にしたがってAT状態が延長されることが確定したものとしている。
図41の(d)では、まず、例えば、AT状態の当該セットが1~27ゲーム目まで消化され、27ゲーム目まででAPの累積値が「9」となっているものとしている。そして、28ゲーム目を「ゲーム数経過」の1ゲーム目(1G)として、以降の流れを説明している。2ゲーム目(2G)において、「共通ベル」に当籤して「ベル」が表示されたので、ベル連数が「1」となり、AP付与抽籤(ベル表示時)によってAP「1」が付与されたものとしている。また、3ゲーム目(3G)において、「押し順ベル」に当籤して「ベル」が表示されたので、ベル連数が「2」となり、AP付与抽籤(ベル表示時)によってAP「3」が付与されたものとしている。そして、3ゲーム目(3G)で当該セットの遊技期間が終了するので、現在のAPの累積値「13」に応じたジャッジレベル「Lv.0」が設定され、次ゲームからジャッジ状態に移行している。
4ゲーム目(4G)において、内部当籤役は「リプレイ」であるため、延長可否決定は行われない。また、5ゲーム目(5G)において、内部当籤役は「押し順ベル」であるため、延長可否決定が行われ、当該遊技では「ベル」が表示されなかった(ベルこぼしとなった)ため、延長失敗となり、もともとジャッジレベルは「Lv.0」であるので、そのままジャッジ最終状態に移行する。しかしながら、6ゲーム目(6G)において、内部当籤役が「スイカ」であるため、ジャッジ最終復活抽籤が行われ、最終的には延長成功となり、決定された延長の態様にしたがってAT状態が延長されることが確定したものとしている。
図41の(e)では、まず、例えば、AT状態の当該セットが1~28ゲーム目まで消化され、28ゲーム目まででAPの累積値が「79」となっているものとしている。そして、29ゲーム目を「ゲーム数経過」の1ゲーム目(1G)として、以降の流れを説明している。2ゲーム目(2G)において、「共通ベル」に当籤して「ベル」が表示されたので、ベル連数が「1」となり、AP付与抽籤(ベル表示時)によってAP「1」が付与されたものとしている。そして、2ゲーム目(2G)で当該セットの遊技期間が終了するので、現在のAPの累積値「80」に応じたジャッジレベル「Lv.4」が設定され、次ゲームからジャッジ状態に移行している。
3ゲーム目(3G)において、内部当籤役は「リプレイ」であるが、ジャッジレベルが「Lv.4」であるため、延長成功となってジャッジ報酬抽籤が行われ、決定された延長の態様にしたがってAT状態が延長されることが確定したものとしている。
<AT状態及びジャッジ状態の遊技性を用いた遊技機>
第2の遊技機では、上述のAT状態及びジャッジ状態の遊技性を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
例えば、遊技者に有利な停止操作の情報が報知可能なAT状態と、AT状態を延長するか否かを決定する延長可否決定を行うことが可能なジャッジ状態とを有し、AT状態において1単位(例えば、1セット30ゲーム)分の遊技が行われるとジャッジ状態に移行させ、ジャッジ状態においてAT状態を延長することが決定された場合にはAT状態を次単位に移行させ、ジャッジ状態においてAT状態を延長することが決定されない場合にはAT状態を当該単位で終了させることが可能であり、AT状態では、「AP」を付与することが可能であり、ジャッジ状態では、少なくとも当該単位のAT状態で付与された「AP」に応じた回数分、AT状態を延長するか否かを決定するための延長可否決定を行うことが可能である遊技機である。
なお、第2の遊技機では、「AP」(上述の「BP」や「CP」も同様)の付与確率や延長可否決定の実行回数の期待値は上述したものに限られない。例えば、「押し順ベル」の当籤確率、「ベル」の表示確率(例えば、正解となる押し順の択数や押下位置の範囲)、「共通ベル」の当籤確率、一部ナビや全ナビの実行確率等を総合的に勘案し、射幸性が過度に高くなり過ぎない範囲において適宜設定することが可能である。
また、例えば、「AP」の付与条件は、「ベル」が表示されることを含み、「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で、正解押し順で停止操作が行われた場合には「ベル」を表示させる一方、正解押し順とは異なる不正解押し順で停止操作が行われた場合には「ベル」とは異なる図柄組合せを表示させ、AT状態において「押し順ベル」が内部当籤役として決定された場合、「ベル」の表示に有利となる停止操作の情報(例えば、2択ナビや全ナビ)を報知可能とする遊技機である。
また、例えば、「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で「ベル」の表示に有利となる停止操作の情報を報知する場合、正解押し順のすべてが報知される「全ナビ」を行う場合と、正解押し順の一部が報知される一部ナビとしての「2択ナビ」を行う場合とがある遊技機である。
また、例えば、実行されるナビの報知態様を決定する場合、AT状態において複数回の遊技にわたって「全ナビ」が行われ得る状態(例えば、全ナビ状態)を継続させることが可能な遊技機である。
また、例えば、停止操作の態様にかかわらず「ベル」が表示可能となる「共通ベル」を内部当籤役として決定可能である遊技機である。
また、例えば、AT状態において「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で、ナビが実行されることなく自力で「ベル」を表示できた場合には、「AP」が追加で付与される場合がある遊技機である。
また、例えば、ジャッジ状態における延長可否決定は、「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で行われ、当該遊技で「ベル」が表示された場合にAT状態を延長することが決定されるものであり、ジャッジ状態において「押し順ベル」が内部当籤役として決定された場合にも、ナビの実行が可能である遊技機である。
また、例えば、AT状態において「AP」が付与されると、累積した付与結果に応じた段階であるジャッジレベル(例えば、Lv.0~Lv.5)が設定可能となり、ジャッジ状態では、設定されたジャッジレベルに応じた回数(ジャッジ回数)分、延長可否決定を行うことが可能となる遊技機である。
また、例えば、ジャッジ状態において、設定されたジャッジレベルが「Lv.4」以上である場合には、AT状態を延長することが必ず決定される遊技機である。
また、例えば、AT状態では、「AP」の累積値にかかわらず、設定されるジャッジレベルを最も高い「Lv.5」とするか否かを決定可能な遊技機である。
なお、ジャッジレベル(APの累積値であってもよい)は、AT状態及びジャッジ状態において示唆ないし報知されることが望ましい。これは、例えば、上述のゲージ状の表示によって実現されてもよいし、あるいは、ジャッジ回数に相当する獲得権利表示がなされることで実現されてもよい。具体的には、AT状態において、APの累積値が0~19であるときには、権利数「0」、あるいは延長期待度「白」を表示し、APの累積値が20~39であるときには、権利数「1」、あるいは延長期待度「青」を表示し、APの累積値が40~59であるときには、権利数「2」、あるいは延長期待度「黄」を表示し、APの累積値が60~79であるときには、権利数「3」、あるいは延長期待度「緑」を表示し、APの累積値が80以上であるときには、権利数「4(延長確定)」、あるいは延長期待度「赤」を表示し、Lv.5昇格抽籤に当籤したときには、権利数「MAX(延長確定)」、あるいは延長期待度「金」を表示する等してもよい。
また、例えば、遊技者に有利な停止操作の情報が報知可能な遊技状態であって、AT状態とは異なるBB状態をさらに有し、ジャッジ状態においてAT状態を延長することが決定された場合に、BB状態に移行させてからAT状態を次単位に移行させることが可能である遊技機である。
なお、第2の遊技機では、AT状態において1単位分の遊技が行われるとジャッジ状態に移行し、当該ジャッジ状態において、AT状態中に付与された「AP」に応じた回数分の延長可否決定が行われるものとしているが、AT状態を延長させるか否かを決定する手法はこれに限られない。例えば、ジャッジ状態は複数回の遊技にわたって滞在可能な状態としているが、ジャッジ状態は1ゲームのみ滞在可能な状態として構成されるようにしてもよい。この場合、当該1ゲームにおいて、「AP」に応じた回数分の延長可否決定が行われるようにしてもよい。あるいは、「ジャッジ状態」という固有の遊技状態を定義することなく、AT状態の最終遊技(あるいは、例えば、AT状態の残り3ゲーム~1ゲームの間等)において、「AP」に応じた回数分の延長可否決定が行われるようにしてもよい。すなわち、1単位分のAT状態が終了するとき(あるいは、終了間際)から次単位のAT状態が開始されるまでの間において、延長可否決定が行われ得る遊技が少なくとも1ゲーム以上あればよく、その仕様は上述したものに限られない。
また、例えば、AT状態中に付与された「AP」に応じて延長可否決定の回数を変動させるものとしているが、回数以外の要素を変動させることで延長可否決定の有利度合いを変動させるようにしてもよい。例えば、AT状態中に付与された「AP」に応じて、延長可否決定において延長成功となる当籤確率が異なるように構成してもよい。一例として、ジャッジレベルが「Lv.0」~「Lv.3」のいずれであっても延長可否決定の回数は1回とし、ジャッジレベル「Lv.0」のときは5%の確率で延長成功に当籤するものとし、ジャッジレベル「Lv.1」のときは10%の確率で延長成功に当籤するものとし、ジャッジレベル「Lv.2」のときは25%の確率で延長成功に当籤するものとし、ジャッジレベル「Lv.3」のときは50%の確率で延長成功に当籤するものとしてもよい(この場合、内部当籤役を参照し、内部当籤役間で当籤確率に差はあるものの、合算確率として上述の当籤確率となるようにしてもよいし、(「確定役」のみは100%の確率で当籤となるが)基本的に内部当籤役を参照せず、一律に上述した確率で抽籤が行われるものとしてもよい)。
また、例えば、AT状態中に付与された「AP」に応じて、延長可否決定が行われる遊技において「全ナビ」が発生する(結果として延長成功となる)確率が異なるように構成してもよい。一例として、ジャッジレベルが「Lv.0」~「Lv.3」のいずれであっても延長可否決定の回数は1回とし、ジャッジレベル「Lv.0」のときは5%の確率で「全ナビ」が発生するものとし、ジャッジレベル「Lv.1」のときは10%の確率で「全ナビ」が発生するものとし、ジャッジレベル「Lv.2」のときは25%の確率で「全ナビ」が発生するものとし、ジャッジレベル「Lv.3」のときは50%の確率で「全ナビ」が発生するものとしてもよい。
すなわち、例えば、遊技者に有利な停止操作の情報が報知可能なAT状態を有し、AT状態を延長するか否かを決定する延長可否決定を行うことが可能であり、延長可否決定は、AT状態において1単位(例えば、1セット30ゲーム)分の遊技が行われたことに応じて実行可能であり、延長可否決定によりAT状態を延長することが決定された場合にはAT状態を次単位に移行させ、延長可否決定によりAT状態を延長することが決定されなかった場合にはAT状態を当該単位で終了させることが可能であり、AT状態では、「AP」を付与することが可能であり、少なくとも当該単位のAT状態で付与された「AP」に応じて延長可否決定を行うことが可能である遊技機を提供することも可能である。
[10-2.第2の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図47を参照して、第2の遊技機の図柄配置構成について説明する。図47は、第2の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図47に示すように、第2の遊技機では、「赤7」、「青7」、「黒BAR」、「白BAR」、「スイカ」、「チェリー」、「ブランク」、「リプレイ」、「ベル1」及び「ベル2」の10種類の図柄が、各リール3L,3C,3Rそれぞれにおいて図47に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1~10が割り当てられている。
[10-3.第2の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図48~図55を参照して、第2の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図48及び図49は、第2の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図50は、第2の遊技機の内部当籤役と図柄組合せとの対応関係の一例を示す図である。また、図51~図53は、第2の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図54及び図55は、第2の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。すなわち、以下では、第2の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
第2の遊技機では、上述の内部抽籤処理(図26参照)において、図48及び図49に示す各内部当籤役が、2枚ベット状態にあっては図48に示す確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤し、3枚ベット状態にあっては図49に示す確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に表示が許可される図柄の組合せは、図50中、「対応する図柄組合せ」に示したとおりである。また、図50~図53中、「BB」はボーナス役に係る図柄の組合せを示し、「REP」はリプレイ役に係る図柄の組合せを示し、「FRU」は小役に係る図柄の組合せを示し、「HZR」は特定のはずれに係る図柄の組合せを示している。
「F_2BB」は、非フラグ間において、2枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定される場合がある一方、3枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定される場合はないように構成されている。2枚ベット状態で、「F_2BB」が当籤した遊技において、各リールについて押下位置○(対応する図柄を停止可能なタイミングで停止操作が行われた場合)であれば、「BB01」が表示され、2BB状態(2BBに基づくボーナス状態)に移行する一方、押下位置×(対応する図柄を停止可能なタイミングで停止操作が行われない場合)であれば、「BB01」は表示されない。また、2BBフラグ間においては「はずれ」となる場合はなく、また、ボーナス役に係る図柄の組合せよりもリプレイ役や小役に係る図柄の組合せが優先的に停止する制御が行われるため、2BBフラグ間であっても2枚ベット状態では「BB01」が表示される場合はない。また、「F_2BB」は、2枚ベット状態専用のボーナス役であるため、2BBフラグ間であっても3枚ベット状態では「BB01」が表示される場合はない。
「F_3BB」は、非フラグ間において、3枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定される場合がある一方、2枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定される場合はないように構成されている。3枚ベット状態で、「F_3BB」が当籤した遊技、3BBフラグ間の3枚ベット状態で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば、「BB02」が表示され、3BB状態(3BBに基づくボーナス状態)に移行する一方、押下位置×(対応する図柄を停止可能なタイミングで停止操作が行われない場合)であれば、「BB02」は表示されない。また、また、「F_3BB」は、3枚ベット状態専用のボーナス役であるため、3BBフラグ間であっても2枚ベット状態では「BB02」が表示される場合はない。
「F_ベルA123」、「F_ベルA132」、「F_ベルA213」、「F_ベルA231」、「F_ベルA312A」、「F_ベルA312B」、「F_ベルA321A」、及び「F_ベルA321B」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定される場合があるように構成されている。なお、これらは、第2の遊技機において「押し順ベル」として説明する内部当籤役であるが、後述の「押し順ベルB」として説明するものと区別するために、ここでは「押し順ベルA」として説明している。
図54及び図55に示すように、「押し順ベルA」は6択(「打順1」~「打順6」のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、停止操作のタイミングにかかわらず、表示が許可されている「ベル」の図柄組合せ(「FRU01」~「FRU08」のいずれか)が表示され、3枚ベット状態であれば9枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば3枚のメダルが払出される。
一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合、第1停止操作の押し順に正解している場合には、停止操作のタイミングにかかわらず、表示が許可されている「1枚役」の図柄組合せ(「FRU14」~「FRU63」のいずれか)が表示され、ベット数にかかわらず1枚のメダルが払出される。また、第1停止操作の押し順にも正解していない場合には、第2停止操作及び第3停止操作のそれぞれで1/2の確率(トータルで1/4の確率)で押下位置○となり、押下位置○であれば表示が許可されている「1枚役」の図柄組合せが表示され、ベット数にかかわらず1枚のメダルが払出されるが、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_ベルB123」、「F_ベルB132」、「F_ベルB213」、「F_ベルB231」、「F_ベルB312A」、「F_ベルB312B」、「F_ベルB321A」、及び「F_ベルB321B」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定される場合があるように構成されている。なお、これらは、第2の遊技機において「押し順ベル」として説明する内部当籤役であるが、ここでは「押し順ベルB」として説明する。
図54及び図55に示すように、「押し順ベルB」は6択(「打順1」~「打順6」のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、停止操作のタイミングにかかわらず、表示が許可されている「ベル」の図柄組合せが表示され、3枚ベット状態であれば9枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば3枚のメダルが払出される。
一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合、第1停止操作の押し順に正解している場合には、停止操作のタイミングにかかわらず、表示が許可されている「1枚役」の図柄組合せが表示され、ベット数にかかわらず1枚のメダルが払出される。また、第1停止操作の押し順にも正解していない場合には、第2停止操作及び第3停止操作のそれぞれで1/2の確率(トータルで1/4の確率)で押下位置○となり、押下位置○であれば表示が許可されている「1枚役」の図柄組合せが表示され、ベット数にかかわらず1枚のメダルが払出されるが、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
ただし、「押し順ベルB」は、「押し順ベルA」とは異なり、2枚ベット状態の2BBフラグ間及び3BBフラグ間、並びに3枚ベット状態の3BBフラグ間では、3択の押し順小役となる(すなわち、第1停止操作が正解であれば、これが正解押し順となる)ように構成されているため、第1停止操作の押し順に正解している場合には、停止操作のタイミングにかかわらず、表示が許可されている「ベル」の図柄組合せが表示され、3枚ベット状態であれば9枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば3枚のメダルが払出されるようになる。
なお、「ベル」の図柄組合せであるが、例えば、「FRU01」の「リプレイ-ベル1-黒BAR」が有効ライン(中-中-上)上に表示された場合、クロスダウンラインに「ベル(ベル1又はベル2)」図柄が揃って表示される。すなわち、第2の遊技機において「「ベル」が表示される」とは、必ずしも有効ラインではないが、遊技者が認識可能なラインに「ベル」図柄が揃って表示されることが含まれることを意味する。もっとも、有効ラインを変則ラインとすることなく構成し、有効ライン上に「ベル」図柄が揃って表示されることが可能なように図柄組合せを構成し、これが、「「ベル」が表示される」ことに含まれるように構成することもできる。また、このような構成は、他の図柄についても同様である。また、「図柄が揃う」とは、各リールに同一の図柄が揃うことのみならず、異なる図柄であるが、遊技者が同一視できる(あるいはそのような観念を抱くことができる)図柄が揃うことも含まれるものとする。
「F_共通ベルA」、「F_共通ベルB」、及び「F_共通ベルC」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定される場合があるように構成されている。なお、これらは、第2の遊技機において「共通ベル」として説明する内部当籤役である。「共通ベル」が内部当籤役として決定された場合、停止操作の態様にかかわらず、表示が許可されている「ベル」の図柄組合せが表示され、3枚ベット状態であれば9枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば3枚のメダルが払出される。
「F_チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定される場合があるように構成されている。なお、これは、第2の遊技機において「チェリー」として説明する内部当籤役である。「チェリー」が内部当籤役として決定された場合、リール3Lについて押下位置○であれば、「チェリー」の図柄組合せ(「FRU11」)が表示され、ベット数にかかわらず2枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば、「チェリーこぼし」の図柄組合せ(「HZR05」)が表示される。なお、「チェリーこぼし」の図柄組合せは、「はずれ」に係る図柄組合せであるため、メダルは払出されない。
「F_スイカ」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定される場合があるように構成されている。なお、これは、第2の遊技機において「スイカ」として説明する内部当籤役である。「スイカ」が内部当籤役として決定された場合、リール3Cについて押下位置○であれば、「スイカ」の図柄組合せ(「FRU09」又は「FRU10」のいずれか)が表示され、ベット数にかかわらず3枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば、「スイカこぼし」の図柄組合せ(「FRU12」又は「FRU13」)が表示され、ベット数にかかわらず1枚のメダルが払出される(取りこぼしが発生するように構成することもできる)。
「F_リプレイA」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定される場合があるように構成されている。なお、これは、第2の遊技機において「リプレイ」として説明する内部当籤役である。「リプレイ」が内部当籤役として決定された場合、停止操作の態様にかかわらず、「リプ揃い」の図柄組合せ(「REP21」)が表示され、再遊技が付与される。
「F_リプレイB」、「F_リプレイC」、及び「F_リプレイD」は、非ボーナス状態において、3枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定される場合がある一方、2枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定される場合はないように構成されている。なお、これらは、第2の遊技機において「特殊」として説明する内部当籤役である。「特殊」が内部当籤役として決定された場合、各リールについて押下位置○であれば、表示が許可されている「BAR揃い」(「黒BAR」図柄及び「白BAR」図柄の組合せを含む)の図柄組合せ(「REP25」~「REP34」のうちで「BAR揃い」となる図柄組合せのいずれか)が表示され、押下位置×であれば、表示が許可されているその他のリプレイ役の図柄組合せ(「REP21」~「REP24」のいずれか、あるいは、「REP25」~「REP34」のうちで「BAR」揃いとはならない図柄組合せ)が表示され、再遊技が付与される。
「F_チャンス目A」、「F_チャンス目B」、「F_チャンス目C」、「F_チャンス目D」、及び「F_リプレイE」は、非ボーナス状態において、3枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定される場合がある一方、2枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定される場合はないように構成されている。なお、これらは、第2の遊技機において「チャンス目」として説明する内部当籤役である。「チャンス目」が内部当籤役として決定された場合、「打順1」~「打順4」のいずれかで停止操作が行われた場合には、表示が許可されている「チャンスリプ」の図柄組合せ(「REP03」~「REP15」のいずれか)が表示され、「打順5」又は「打順6」のいずれかで停止操作が行われた場合には、「リプ揃い」の図柄組合せ(「REP21」)が表示され、再遊技が付与される。
「F_強ベルA」及び「F_強ベルB」は、非ボーナス状態において、3枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定される場合がある一方、2枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定される場合はないように構成されている。なお、これらは、第2の遊技機において「強ベル」として説明する内部当籤役である。「強ベル」が内部当籤役として決定された場合、「打順1」~「打順4」のいずれかで停止操作が行われた場合には、表示が許可されている「ベル揃いリプ」の図柄組合せ(「REP01」又は「REP02」のいずれか)が表示され(すなわち、「ベル」が表示され)、「打順5」又は「打順6」のいずれかで停止操作が行われた場合には、「リプ揃い」の図柄組合せ(「REP21」)が表示され、再遊技が付与される。
「F_SP役」は、非ボーナス状態において、3枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定される場合がある一方、2枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定される場合はないように構成されている。なお、これは、第2の遊技機において「確定役」として説明する内部当籤役である。「確定役」が内部当籤役として決定された場合、「打順1」~「打順4」のいずれかで停止操作が行われた場合には、表示が許可されている「SPリプ」の図柄組合せ(「REP16」~「REP20」のいずれか)が表示され、「打順5」又は「打順6」のいずれかで停止操作が行われた場合には、「リプ揃い」の図柄組合せ(「REP21」)が表示され、再遊技が付与される。
「F_RB役A」は、ボーナス状態においては内部当籤役として決定される場合がある一方、非ボーナス状態においては内部当籤役として決定される場合はないように構成されている。「F_RB役A」が内部当籤役として決定された場合、停止操作の態様にかかわらず、表示が許可されている「ベル」の図柄組合せが表示され、9枚のメダルが払出される。「F_RB役B」は、ボーナス状態においては内部当籤役として決定される場合がある一方、非ボーナス状態においては内部当籤役として決定される場合はないように構成されている。「F_RB役B」が内部当籤役として決定された場合、停止操作の態様にかかわらず、表示が許可されている「1枚役」の図柄組合せが表示され、1枚のメダルが払出される。なお、上述のとおり、推奨遊技状態で遊技が行われた場合には、基本的にボーナス状態には移行しないため、これらの内部当籤役に当籤する場合はない。
なお、図48及び図49に示す内部抽籤テーブル、図50に示す内部当籤役と図柄組合せとの対応関係、図51~図53に示す図柄組合せテーブル、並びに図54及び図55に示す内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係はあくまで一例であり、第2の遊技機の仕様は、これらに示した態様に限定されるものではない。
[10-4.第2の遊技機の指示モニタ構成]
続いて、図56及び図57を参照して、第2の遊技機の指示モニタ構成(すなわち、停止操作の情報の報知態様)について説明する。上述のとおり、本実施形態では、停止操作の情報の報知に関し、その実行の有無や態様の決定が主制御回路100側によって制御されるものとなっている。なお、第2の遊技機では、メイン側報知手段及びサブ側報知手段によって停止操作の情報が報知されるものとしているが、いずれか一方のみによって停止操作の情報の報知が行われるようにすることもできる。もっとも、いずれの場合も、制御主体が主制御回路100であることにかわりはない。第2の遊技機では、遊技状態等によって報知される停止操作の情報の内容が変動する場合があるので、以下ではこれについて説明する。
図56に示すように、「押し順ベル」が内部当籤役として決定された場合、「CZ1最終状態」、「CZ2通常状態」、「RB状態」、「AT状態」、及び「ジャッジ状態のジャッジレベルLv.1~Lv.3時」では、ナビ抽籤の結果にしたがって、一部ナビの実行、全ナビの実行、又はナビ無しのいずれかが決定される(「ジャッジ状態のジャッジレベルLv.0時」は、全ナビの実行又はナビ無しのいずれかが決定される)。また、「BB状態」、「ジャッジ状態のジャッジレベルLv.4・Lv.5時」、「エンディング状態」、及び「有利区間1500ゲーム目」では、必ず全ナビの実行が決定される。また、これ以外の遊技状態である場合には、必ずナビ無しが決定される。
なお、「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で一部ナビを実行する場合には複数の選択肢が生じることがある。例えば、「F_ベルA123」が内部当籤役として決定された遊技で「4択ナビ」を実行する場合、第1停止操作においては、「左or中」(図57の指示情報に示す指示番号「10」参照)、あるいは「左or右」(図57の指示情報に示す指示番号「11」参照)のいずれの情報を報知してもよいことになる。したがって、このように複数の選択肢が生じたときには、図57に示す振分テーブルを参照し、抽籤によっていずれかの指示番号を決定し、決定された指示番号に応じた停止操作の情報の報知を実行するものとしている。
また、図56に示すように、「共通ベル」が内部当籤役として決定された場合、「CZ1最終状態」、「CZ2通常状態」、「AT状態」、及び「ジャッジ状態のジャッジレベルLv.1~Lv.3時」では、ナビ抽籤の結果にしたがって、一部ナビの実行、全ナビの実行、又はナビ無しのいずれかが決定される(「ジャッジ状態のジャッジレベルLv.0時」は、全ナビの実行又はナビ無しのいずれかが決定される)。また、これ以外の遊技状態である場合には、必ずナビ無しが決定される。
なお、「共通ベル」が内部当籤役として決定された遊技で一部ナビ又は全ナビを実行する場合には複数の選択肢が生じることがある。例えば、「F_共通ベルA」が内部当籤役として決定された遊技で「4択ナビ」を実行する場合、第1停止操作においては、「左or中」(図57の指示情報に示す指示番号「10」参照)、「左or右」(図57の指示情報に示す指示番号「11」参照)、あるいは「中or右」(図57の指示情報に示す指示番号「12」参照)のいずれの情報を報知してもよいことになる。また、例えば、「F_共通ベルA」が内部当籤役として決定された遊技で「2択ナビ」を実行する場合、第1停止操作においては、「左第1停止」(図57の指示情報に示す指示番号「7」参照)、「中第1停止」(図57の指示情報に示す指示番号「8」参照)、あるいは「右第1停止」(図57の指示情報に示す指示番号「9」参照)のいずれの情報を報知してもよいことになる。
また、例えば、「F_共通ベルA」が内部当籤役として決定された遊技で「全ナビ」を実行する場合、「左-中-右」(図57の指示情報に示す指示番号「1」参照)、「左-右-中」(図57の指示情報に示す指示番号「2」参照)、「中-左-右」(図57の指示情報に示す指示番号「3」参照)、「中-右-左」(図57の指示情報に示す指示番号「4」参照)、「右-左-中」(図57の指示情報に示す指示番号「5」参照)、あるいは「右-中-左」(図57の指示情報に示す指示番号「6」参照)のいずれの情報を報知してもよいことになる。したがって、このように複数の選択肢が生じたときには、図57に示す振分テーブルを参照し、抽籤によっていずれかの指示番号を決定し、決定された指示番号に応じた停止操作の情報の報知を実行するものとしている。
また、図56に示すように、「チェリー」、「スイカ」、あるいは「特殊」が内部当籤役として決定された場合、いずれの遊技状態であっても、必ずナビ無しが決定される。
また、図56に示すように、「リプレイ」が内部当籤役として決定された場合、「AT状態」、「ジャッジ状態のジャッジレベルLv.4・Lv.5時」、「エンディング状態」、及び「有利区間1500ゲーム目」では、必ず全ナビの実行が決定される。また、これ以外の遊技状態である場合には、必ずナビ無しが決定される。なお、この場合、指示番号「1」~「6」のいずれが決定されてもよいので、上述のとおり、図57に示す振分テーブルを参照し、抽籤によっていずれかの指示番号を決定し、決定された指示番号に応じた停止操作の情報の報知を実行するものとしている。
また、図56に示すように、「チャンス目」、「強ベル」、あるいは「確定役」が内部当籤役として決定された場合、「AT状態」では、APが付与されることが決定される場合、及び全ナビ遊技数が加算される場合にはナビ無しが決定される一方、これら以外の場合には全ナビの実行が決定される。また、「ジャッジ状態のジャッジレベルLv.4・Lv.5時」、「エンディング状態」、及び「有利区間1500ゲーム目」では、必ず全ナビの実行が決定される。また、これ以外の遊技状態である場合には、必ずナビ無しが決定される。なお、この場合、本来的には指示番号「1」~「6」のいずれが決定されてもよいのであるが、「チャンスリプ」、「ベル揃いリプ」、若しくは「SPリプ」が表示されてこれらの当籤が認識されてしまい難くするという遊技性の下、指示番号「5」又は「6」のいずれかが決定されるように、図57に示す振分テーブルによる振分抽籤が行われるものとなっている。
[10-5.第2の遊技機のロック演出構成]
続いて、図58を参照して、第2の遊技機のロック演出構成について説明する。上述のとおり、本実施形態では、主制御回路100の制御により、遊技の進行が一定期間停止ないし遅延するロック演出が実行可能であり、第2の遊技機においても、図58にその一例を示す種々のロック演出(リール演出が実行されるものも含む)が実行されるものとなっている。
なお、図58において、「時間(ms)」は、対応するロック演出の実行期間を示し、「発生契機」は、対応するロック演出が開始される契機を示し、「動作説明」は、対応するロック演出の内容を示している。また、「発生契機」において、「レバー」とは、開始操作が行われたこと(すなわち、スタートレバー7が操作されたこと)を示し、「3停OFF」とは、第3停止操作が行われ、当該停止操作が完了したこと(すなわち、第3停止操作目のストップボタンが操作され、当該ストップボタンに対する押圧操作が解除されたこと)を示している。また、「動作説明」において、「遊技停止」とは、リール演出は行われず、遊技の進行が「時間(ms)」に規定された期間にわたって停止(遅延・待機)することを示している。
例えば、「ベルリプ」(上述の「ベル揃いリプ」)、「チャンスリプ」、又は「SPリプ」の図柄組合せが表示されたときには「強レア役ロック」(ロック番号「1」)のロック演出が実行される。
また、例えば、CZ1最終状態に移行した遊技で開始操作が行われたとき、指示番号(図57参照)が「0」又は「10」~「12」のいずれかであった場合には「CZ1中押し順チャレンジ1」(ロック番号「2」)のロック演出が実行され、指示番号が「7」~「9」のいずれかであった場合には「CZ1中押し順チャレンジ2」(ロック番号「3」)のロック演出が実行され、指示番号が「1」~「6」のいずれかであった場合には「CZ1中押し順チャレンジ3」(ロック番号「4」)のロック演出が実行される。
また、例えば、CZ状態において、BB抽籤に当籤した(「確定役」に当籤してBB状態への移行が確定した場合を含む)遊技で第3停止操作が完了したときには「CZ中直当たりロック」(ロック番号「5」)のロック演出が実行される。
また、例えば、RB状態の開始遊技で開始操作が行われたときには「RB用リールアクション1」~「RB用リールアクション3」(ロック番号「6」~「8」)のいずれかのロック演出が実行される。なお、これらのうちいずれを実行するかは、抽籤によって決定されるようにしてもよいし、例えば、RB状態について、遊技者の有利度合いが異なる3種類を設けるようにした場合には、開始されるRB状態の種別に応じて、それぞれに対応するロック演出が実行されるものとしてもよい。
また、例えば、BB状態(弱BB)の開始遊技で開始操作が行われたときには「弱BB用リールアクション」(ロック番号「9」)のロック演出が実行される。
また、例えば、BB状態(強BB)の開始遊技で開始操作が行われたときには「強BB用リールアクション1」又は「強BB用リールアクション2」(ロック番号「10」又は「11」)のいずれかのロック演出が実行される。なお、これらのうちいずれを実行するかは、抽籤によって決定されるようにしてもよいし、例えば、その前後におけるAT状態の有利度合いに応じて決定される割合を異ならせるようにしてもよい。例えば、有利区間モードAであれば、ロック番号「11」が決定されやすく、有利区間モードA以外であれば、ロック番号「10」が決定されやすくなるようにして、有利区間モードを示唆可能としてもよい。
また、例えば、BB状態(フリーズBB)の開始遊技で開始操作が行われたときには「フリーズ用リールアクション」(ロック番号「12」)のロック演出が実行される。
また、例えば、特殊AT状態の開始遊技で開始操作が行われたときには「特殊AT用リールアクション」(ロック番号「13」)のロック演出が実行される。
また、例えば、エンディング状態に移行したとき(例えば、エンディング状態の開始遊技で開始操作が行われたとき)には「ED用リールアクション」(ロック番号「14」)のロック演出が実行される。
また、例えば、RB状態が終了した遊技で第3停止操作が完了したときには「疑似RB終了ロック」(ロック番号「15」)が実行され、BB状態が終了した遊技で第3停止操作が完了したときには「疑似BB終了ロック」(ロック番号「16」)が実行される。
また、例えば、ジャッジ状態のジャッジレベル「Lv.0」~「Lv.3」滞在時の遊技で「押し順ベル」に当籤したとき(すなわち、延長可否決定が行われる遊技で)、指示番号が「10」~「12」のいずれかであった場合には「ジャッジ中押し順チャレンジ1」(ロック番号「17」)のロック演出が実行され、指示番号が「7」~「9」のいずれかであった場合には「ジャッジ中押し順チャレンジ2」(ロック番号「18」)のロック演出が実行され、指示番号が「1」~「6」のいずれかであった場合には「ジャッジ中押し順チャレンジ3」(ロック番号「19」)のロック演出が実行され、指示番号が「0」であった場合には「ジャッジ中押し順チャレンジ4」(ロック番号「20」)のロック演出が実行される。
また、例えば、AT状態でAP「3」以上が付与されることが決定され、かつ指示番号が「1」~「6」のいずれかであった場合(すなわち、全ナビが実行されることが決定されている場合)には「全ナビベルショートロック」(ロック番号「21」)のロック演出が実行される。なお、当該ロック演出は、上記条件を満たす場合であっても、抽籤によって実行されるか否かが決定されるようにしてもよい。
また、例えば、エンディング状態の開始直前遊技で第3停止操作が完了したときには「リミッターロック」(ロック番号「22」)のロック演出が実行される。なお、当該ロック演出は、リミッタ作動時(すなわち、有利区間がリミッタの作動によって強制的に終了させるとき)に実行されるものとしてもよい。
また、例えば、AT状態の当該セットが終了する遊技で第3停止操作が完了したときには「AT終了時ロック」(ロック番号「23」)のロック演出が実行される。
また、例えば、ジャッジ状態において、AT状態を延長させることが決定された遊技で第3停止操作が完了したときには「ジャッジ成功時ロック」(ロック番号「24」)のロック演出が実行される。
なお、主制御回路100は、各種ロック演出を実行する場合、少なくとも実行するロック演出の種別を副制御回路200側(サブ側)で認識可能とする情報が含まれるロックコマンドを副制御回路200に送信する。したがって、サブ側では、メイン側で実行されるロック演出と連動する演出を実行することができる。
[10-6.第2の遊技機のRB状態開始時に実行される開始時演出]
続いて、図59及び図60を参照して、第2の遊技機においてRB状態開始時に実行される開始時演出の一例について説明する。本実施形態では、種々のメイン側演出や種々のサブ側演出、あるいはこれらを組み合わせた演出を実行可能に構成されており、この点は第2の遊技機も同様であるが、以下では、特にRB状態開始時に実行される開始時演出について説明する。
なお、図59及び図60において、左側の列はメイン側演出(ロック演出)の流れの一例を示したものであり、右側の列はサブ側演出としての演出表示部における表示態様の流れの一例を示したものである。また、図59は、RB状態の開始遊技においてBB昇格抽籤に当籤しなかった場合の演出の流れの一例を示したものであり、図60は、RB状態の開始遊技においてBB昇格抽籤に当籤した場合の演出の流れの一例を示したものである。
例えば、図59の「1G目」は、CZ1最終状態に滞在しているものとしている。上述のとおり、CZ1最終状態では、当該遊技にて「ベル」が表示されれば疑似ボーナス状態に移行するという遊技性(ランクアップについてはここでは考慮しないものとする)となっており、ここでは、当該遊技終了時に「ベル」が表示され、CZ1報酬抽籤が行われて報酬が「RB」に決定され、次遊技からRB状態に移行するものとしている。また、このとき、演出表示部では、疑似ボーナス状態(ここではRB状態)に移行することが確定したことを示す確定演出(例えば、図59中、「ボーナス確定」の表示)が実行されるものとしている。なお、確定演出は、RB状態に移行することを確定的に報知するものであってもよいし、疑似ボーナス状態に移行することは確定的に報知するが、その種別(RBであるかBBであるか)までは報知しないものであってもよい。
続いて、図59の「2G目」は、RB状態の開始遊技(最初の遊技)に滞在しているものとしている。上述のとおり、RB状態の開始遊技では、まず、「白BAR」図柄揃いが表示されるリール演出(ここでは、ロック番号「6」の「RB用リールアクション1」)が実行されてから当該遊技が開始されるものとなっている。また、このとき、遊技の進行自体は停止(遅延)されているものの、当該遊技の開始操作が行われたことに応じて、内部当籤役が決定され、BB昇格抽籤が行われ、また、RB中ナビ抽籤は行われている。したがって、当該遊技において、次遊技からBB状態に移行することが決定されることがあり、また、当該遊技で一部ナビや全ナビが実行されることがある。
また、演出表示部では、上記リール演出の実行によって「白BAR」図柄揃いが停止表示されたタイミングでRB状態が開始されることを示す開始演出(例えば、図59中、「RB開始」の表示)が実行されるものとしている。その後、上記リール演出に係るロック期間が終了すると各リールは通常回転を開始する。また、このとき、演出表示部では、RB状態中の演出態様を複数の演出態様から遊技者に選択させる選択演出(例えば、図59中、「告知タイプ選択 A B C」の表示)が実行されるものとしている。また、このとき、演出表示部では、当該遊技で一部ナビ又は全ナビが実行される場合には、当該ナビに係る報知が実行されるものとしている。
ここで、第2の遊技機では、RB状態中のBB昇格抽籤の抽籤結果を示唆するための告知タイプとして、チャンス告知パターンである告知タイプAと、完全告知パターンである告知タイプBと、リール告知パターンである告知タイプCとが設定されている。なお、これらはあくまで一例であり、これらのうち一部の告知タイプについてはこれを設定しないようにすることもできるし、これら以外の告知パターンを構成する他の告知タイプを設定することもできる。
告知タイプAは、BB昇格抽籤の抽籤結果が当籤である場合のみならず、BB昇格抽籤の抽籤結果が非当籤である場合にも一定確率でBB昇格を示唆する演出(昇格示唆演出)が実行されることで、当該演出がチャンス告知となる告知パターンとなっている。したがって、当該演出が実行される頻度は(少なくとも告知タイプBと比較すれば)高くなることから、演出の実行回数が多くなることで期待度を高めることができるというメリットがある一方、いわゆるガセ告知も実行されることから、演出の信頼度(実行された場合に、実際に当籤している確率)は低くなるというデメリットがある告知タイプとなっている。このような点をメリットと捉える遊技者は当該告知タイプを選択する可能性が高い。
また、告知タイプBは、BB昇格抽籤の抽籤結果が当籤である場合にのみ昇格示唆演出が実行されることで、当該演出が確定告知となる告知パターンとなっている。したがって、いわゆるガセ告知は実行されないことから、演出の信頼度が高くなるというメリットがある一方、当該演出が実行される頻度は(少なくとも告知タイプAと比較すれば)低くなることから、演出の実行回数は少なくなり、この点において期待度を高めることができないというデメリットがある告知タイプとなっている。このような点をメリットと捉える遊技者は当該告知タイプを選択する可能性が高い。
また、告知タイプCは、BB昇格抽籤の抽籤結果は昇格示唆演出の実行によっては告知されない告知パターンとなっている。上述のとおり、あるいは、以下に説明するとおり、RB状態でBB昇格抽籤に当籤すると(BB状態に移行することが決定されると)、次遊技が開始されるとき(BB状態の開始遊技)において、「赤7」あるいは「青7」図柄揃いが表示されるリール演出(図58のロック番号「9」~「12」参照)が実行されるようになっている。このため、当該告知タイプは、このリール演出の実行によってBB状態の移行がはじめて告知されるようにした告知パターンとなっている。したがって、あたかも突然リール演出が実行されてBB状態に移行したかのような告知が実行されるのでそのような告知によって興趣を高めることができるというメリットがある一方、やはり演出の実行回数自体は告知タイプBと同様に少なくなるので、この点において期待度を高めることができないというデメリットがある告知タイプとなっている。このような点をメリットと捉える遊技者は当該告知タイプを選択する可能性が高い。
なお、告知タイプA~Cは、それぞれ異なる告知パターンによってBB状態への昇格を遊技者に告知するものであるが、いずれもBB昇格抽籤に当籤した遊技の次遊技で「赤7」あるいは「青7」が揃うリール演出が発生するというメイン側の制御は共通している。したがって、メイン側の制御負担やデータ量を節約しつつも、告知パターンとリール演出との組合せによって多様な告知を実現することが可能となっている。
そして、選択演出を実行した後、当該遊技(図59中、「2G目」)の遊技中に遊技者によって演出用ボタンが操作(選択操作)されて、所望の告知タイプが決定されると、演出表示部では、遊技者の告知タイプの選択結果を示す結果演出(図59中、選択操作後の「A」の表示)が実行されるものとしている。また、選択演出を実行した後、遊技者によって選択操作されることなく第3停止操作まで行われた場合(すなわち、全てのリールが停止した場合)には、予め定められた一の告知タイプ(ここでは、例えば、告知タイプA)が自動的に決定されるものとしている。この場合にも、上述の結果演出が実行される。
なお、遊技者によって選択された告知タイプによる演出は次遊技以降から実行され、当該遊技では実行されない(もっとも、当該遊技から実行されるように構成することも可能である)。すなわち、当該遊技における上述の一連の演出は、RB状態が開始されるときの導入時演出であるとも言い得る。また、このようにしても、RB状態の開始遊技では、他の遊技と同様にBB昇格抽籤やRB中ナビ抽籤が行われるので、遊技者にとって何ら不利益とはならない。
もっとも、第2の遊技機では、RB状態の開始遊技で上述したような導入時演出を実行し、選択された告知タイプによる演出は次遊技以降から実行されるようにしているので、当該遊技においてBB昇格抽籤に当籤した場合、これをどのようなタイミングや態様によって示唆ないし報知をするべきかについては工夫をなす余地があるものと考えられる。後述の図60では、このような工夫の一例について説明する。
図60において、「1G目」及び「2G目」の通常回転開始までの流れは、図59におけるものと同様である。ただし、図60では、「2G目」におけるBB昇格抽籤において、BB状態に移行することが決定されたものとしている。
この場合、図60では、選択演出を実行した後、当該遊技(図60中、「2G目」)の遊技中に遊技者によって演出用ボタンが操作(選択操作)されて、所望の告知タイプが決定されると、演出表示部では、上述の結果演出とは異なる特定演出(図60中、「? ?
?」の表示)が実行されるようにしている。すなわち、遊技者が告知タイプを選択し、本来であれば選択結果に応じた選択演出が実行されるところ、これにかえて特定演出が実行されるようにしているのである。また、同様に、選択演出を実行した後、遊技者によって選択操作されることなく第3停止操作まで行われた場合(すなわち、全てのリールが停止された場合)にも、上述の結果演出にかえて特定演出が実行される。もっとも、遊技者によって選択操作されることなく第3停止操作まで行われた場合には、特定演出でなく通常どおり結果演出が実行されるようにし、選択操作に対するインセンティブを与えるようにしてもよい。
なお、特定演出は、例えば、図60に示すように、少なくとも通常とは異なる状態であることが示唆ないし報知されるような演出であればよく、例えば、上述したチャンス告知としての昇格示唆演出と同じ、若しくは少なくとも一部が同じ演出であってもよいし、あるいは上述した確定告知としての昇格示唆演出と同じ、若しくは少なくとも一部が同じ演出であってもよい。また、例えば、通常では実行されないいわゆるプレミアム演出であってもよい。また、例えば、告知タイプAや告知タイプBを選択したとき、あえて告知タイプCの結果演出が実行される等、選択した演出態様とは異なる演出態様の結果演出が行われることで特定演出が実行されるようにしてもよい。
そして、「2G目」の遊技が終了し(図示は省略)、図60に示すように「3G目」の遊技が開始されると、当該遊技はBB状態(ここでは、「弱BB」としている)の開始遊技となっているので、まず、「赤7」図柄揃いが表示されるリール演出(ここでは、ロック番号「9」の「弱BB用リールアクション」)が実行されてから当該遊技が開始されるようになる。また、演出表示部では、上記リール演出の実行によって「赤7」図柄揃いが停止表示されたタイミングでBB状態が開始されることを示す開始演出(例えば、図60中、「BB開始」の表示)が実行されるものとしている。
なお、上述のとおり、告知タイプCは、昇格示唆演出が実行されない告知パターンとなっているので、仮に、図60において、選択演出の実行後に、遊技者の選択操作によって告知タイプCが選択された場合には、あえて当該選択結果に応じた結果演出をそのまま実行し、次遊技で突然上記リール演出が実行されることでBB状態への移行が遊技者に示されるようにしてもよい。
<RB状態(及びその演出仕様)の遊技性を用いた遊技機>
第2の遊技機では、上述のRB状態(及びその演出仕様)の遊技性を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
例えば、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されるRB状態を有し、RB状態は、その移行条件が成立した遊技の次遊技が開始されるときに、「白BAR」図柄揃いが停止表示されるリール演出(例えば、ロック中白BAR揃い演出)が実行されてから開始されるものであり、演出表示部は、RB状態の開始遊技において、RB状態中の演出態様(例えば、告知タイプ)を複数の演出態様の中から選択させるための選択演出を実行可能であり、選択演出を実行した後、遊技者の演出操作(例えば、選択操作)によって一の演出態様が選択されると、選択された演出態様に応じた演出をRB状態中に実行する遊技機である。
なお、第2の遊技機では、演出態様を選択可能な状態をRB状態として説明しているが、このような状態はRB状態に限られない。例えば、CZ1状態においてもCZ1中BB抽籤が行われており、これに当籤した場合には次遊技からBB状態に移行するという同様の遊技性をもつことから、CZ1状態を、演出態様を選択可能な状態として構成してもよい。
また、第2の遊技機では、選択演出、後述の結果演出や特定演出を実行する演出実行手段を演出表示部として説明しているが、遊技者がこれらの演出を認識可能である限り、その他の演出実行手段を用いることもできる。
また、第2の遊技機では、遊技者が選択可能な演出態様を告知タイプとして説明しているが、このような演出態様は告知タイプに限られない。例えば、遊技者がキャラクタ、背景や楽曲(あるいはこれらの組合せ)を選択すると、選択したキャラクタ、背景や楽曲による演出がRB状態で実行されるようにするといった態様で演出態様を選択できるようにしてもよい。
また、演出態様を選択するための選択操作は、遊技者の意思が反映される遊技操作であればよく、演出用ボタンに対する演出操作のみならず、例えば、スタートレバー7が傾動操作される時間や、いずれかの停止操作時におけるストップボタン8L,8C,8Rが押圧操作される時間等によって行われ得るようにすることもできる。
また、例えば、演出表示部は、選択演出を実行した後、遊技者の演出操作によって一の演出態様が選択されると、当該遊技では演出態様の選択結果を示す結果演出を実行し、当該遊技の次遊技から選択された演出態様に応じた演出を実行する遊技機である。
また、例えば、RB状態中に特典(例えば、BB状態への移行)を付与するか否かを決定可能とし、これはRB状態の開始遊技においても同様であり、演出表示部は、RB状態の開始遊技において、特典を付与することが決定された場合、選択演出を実行した後、遊技者の演出操作によって一の演出態様が選択されると、当該遊技において結果演出とは異なる特定演出(例えば、昇格示唆演出)を実行可能である遊技機である。
なお、第2の遊技機では、RB状態中に付与される特典をBB状態への移行として説明しているが、このような特典はBB状態への移行に限られない。例えば、RB状態中に全ナビ遊技数が付与されるか否かを決定可能とし、これを上記特典として構成してもよい。また、例えば、RB状態中にAT状態に移行するか否かを決定可能とし、これを上記特典として構成してもよい。また、例えば、RB状態中に当該RB状態の遊技期間が延長され得る(上乗せゲーム数が付与される、あるいはセット数が上乗せされる等)ようにし、これを上記特典として構成してもよい。すなわち、RB状態の開始遊技で、結果演出にかえて特定演出が実行されるようになる特典は、種々の特典とすることが可能である。
また、例えば、RB状態の開始遊技において、選択演出が実行された後、遊技者の演出操作によって一の演出態様が選択されることなく全てのリールが停止された場合、当該遊技で特典を付与しないことが決定されている場合には、予め定められた一の演出態様が決定され、これに応じた結果演出が実行される一方、当該遊技で特典を付与することが決定されている場合には、特定演出が実行される遊技機である。
また、例えば、RB状態の開始遊技の次遊技以降の遊技において、特典を付与することが決定された場合、選択演出を実行することなく特定演出を実行可能である遊技機である。
また、例えば、遊技者が選択可能な複数の演出態様は、例えば、完全告知パターンである告知タイプBと、リール告知パターンである告知タイプCとを含み、前記告知タイプBは、RB状態の開始遊技の次遊技以降の遊技において、特典を付与することが決定された場合に必ず特定演出が実行される演出態様であり、告知タイプCは、RB状態の開始遊技の次遊技以降の遊技において、特典を付与することが決定された場合であっても特定演出が実行されない演出態様である遊技機である。
また、例えば、RB状態とは異なる遊技状態である、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されるBB状態を有し、BB状態は、その移行条件が成立した遊技の次遊技が開始されるときに、「赤7」図柄揃いが停止表示されるリール演出(例えば、ロック中赤7揃い演出)が実行されてから開始されるものであり、RB状態で特典を付与することが決定された場合、BB状態への移行条件が成立する遊技機である。
また、例えば、RB状態及びBB状態とは異なる遊技状態である、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されるAT状態を有し、RB状態は、その終了後にAT状態に移行しない場合がある遊技状態であり、BB状態は、その終了後に必ずAT状態に移行する遊技状態である遊技機である。
なお、第2の遊技機では、RB状態は、BB状態に昇格しなければ原則としてその終了後はAT状態に移行しないものとしているが、上述のとおり、RB状態中にAT抽籤を行い、これに当籤した場合にはRB状態の終了後にAT状態に移行する場合があるように構成してもよい。また、BB状態は、原則としてその終了後は必ずAT状態に移行するものとしているが、BB状態中にもAT抽籤を行い、これに当籤した場合にはBB状態の終了後にAT状態に移行するが、これに当籤しない場合にはBB状態の終了後にAT状態に移行しない場合があるように構成してもよい。もっとも、RB状態とBB状態との間で有利度合いに差をもたせるため、BB状態におけるAT抽籤の当籤確率は、RB状態におけるAT抽籤の当籤確率よりも高く構成することが望ましい。
また、例えば、「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で、正解押し順で停止操作が行われた場合には9枚のメダルが払出される「ベル」を表示させる一方、正解押し順とは異なる不正解押し順で停止操作が行われた場合には「ベル」を表示させず、RB状態は、「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で正解押し順が報知されない場合がある遊技状態であり、BB状態は、「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で正解押し順が必ず報知される遊技状態である遊技機である。
また、例えば、RB状態においてBB状態への移行条件が成立することなく規定終了条件(例えば、21ゲームの遊技が行われたこと)を満たした場合、RB状態中に付与されたメダル量が特定量(例えば、0枚)以下である場合にはBB状態に移行させる遊技機である。
なお、第2の遊技機では、上記特定量を「0枚」としているが、このカウントについては、実際の払出量に基づいて判定するようにしてもよいが、予め定められたカウント条件にしたがってカウントし、このカウント結果に基づいて判定するようにしてもよい。例えば、実際の払出量に基づいて判定するようにした場合、ナビが実行されてもこれとは異なる停止操作を意図的に行うことで、RB状態中の払出量を恣意的に少なくすれば、企図しないかたちでBB状態が獲得されてしまう場合も生じ得る。そこで、カウント条件を、「押し順ベル」の当籤時にナビ無し又は一部ナビの場合には実際の払出量(9枚or1枚or0枚)をカウントし、「押し順ベル」の当籤時に全ナビの場合には(実際の払出量にかかわらず)「9枚」をカウントし、「スイカ」の当籤時には(実際の払出量にかかわらず)「3枚」をカウントし、「チェリー」の当籤時には(実際の払出量にかかわらず)「2枚」をカウントするように構成してもよい。
また、RB状態においてBB状態への移行条件が成立することなく規定終了条件を満たした場合に、救済としてBB状態に移行させるのは、RB状態において一度も全ナビが実行されなかった場合、あるいはRB状態において規定回数(例えば、3回)以下の回数しか全ナビが実行されなかった場合等の条件が成立したこととしてもよい。
また、例えば、RB状態においてBB状態への移行条件が成立した場合、RB状態の規定終了条件を満たす前であってもRB状態が終了し、次遊技からBB状態に移行する遊技機である。
[10-7.第2の遊技機におけるその他の工夫]
以上説明したものに限られず、第2の遊技機では、遊技の興趣を高めるためにさらなる工夫をなすことができる。そのような一例について、以下に説明する。
(押し順履歴表示)
上述のとおり、第2の遊技機では、「押し順ベル」が内部当籤役として決定された遊技で「ベル」が表示されたか(すなわち、正解押し順で停止操作が行われたか)によって、実際に付与されるメダル数が変動するのみならず、遊技者にとって有利な状態の移行(付与)や継続(延長)に関する有利度合いも変動するものとなっている。したがって、「押し順ベル」が当籤したときに、どの押し順が正解となったのかは遊技者にとって非常に関心のある情報である。
そこで、第2の遊技機では、「押し順ベル」の正解押し順に関する情報を遊技者に提供可能にするといった工夫をなすことができる。すなわち、遊技者が所望する任意の時期において、過去の一定期間の正解押し順に関する情報を提供すれば、特に、遊技者にとって有利な状態の移行(付与)や継続(延長)が可能となる(これらが行われるか否かが決定される)遊技においては、遊技者は当該情報を手掛かりとして自己の押し順を選択することができるため、正解押し順を推測する楽しみや戦略性を与えることができ、遊技の興趣をさらに高めることが可能となる。
その具体例として、図61を参照して、第2の遊技機における押し順履歴表示の一例について説明する。図61は、メイン演出表示部21における表示態様を示すものであり、押し順履歴表示として、本日の正解押し順累計数を示す第1履歴表示(図61における上方の表示)と、直近6回の正解押し順の内容を示す第2履歴表示(図61における右下方の表示)とを表示している様子を示している。
なお、第1履歴表示及び第2履歴表示は、いずれもメイン演出表示部21に表示されるものであってもよいし、いずれもサブ演出表示部22に表示されるものであってもよいし、一方はメイン演出表示部21に表示され、他方はサブ演出表示部22に表示されるものであってもよい。また、これらは同時に表示されるものであってもよいし、遊技者の選択操作によっていずれか一方のみが選択されて表示されるものであってもよい(あるいは、いずれか一方のみが表示されるが、遊技者の切替操作によって他方が表示されるものであってもよい)。
また、遊技中であるか、非遊技中であるかを問わず(例えば、リールの回転中であっても)、例えば、演出用ボタン10a,10bのいずれかに対して所定操作(例えば、いずれかのボタンを3秒以上長押しする等)が行われた際には表示されるものであってもよいし、押し順履歴表示が特に必要と思われる時期(例えば、CZ1最終状態やジャッジ状態、あるいはCZ2通常状態やAT状態の「押し順ベル」に当籤した遊技が開始されるとき等)には、遊技者が何ら操作を行わなくとも自動的に表示されるものであってもよい。また、ユーザーメニューにおいて(あるいは、上記の所定操作が行われることにより)、押し順履歴表示が自動的に表示されるかどうかを設定可能としてもよい。
また、第1履歴表示は、本日の正解押し順累計数を示すものとしているが、具体的には、パチスロ機1の電源がオンとなってからオフとなるまでの間、「押し順ベル」に当籤した遊技の正解押し順(換言すれば、押し順ベルの種類)をカウントして記憶し(電源オフでクリアされるまで、例えば、順次加算更新される)、このカウント結果を表示するものである(すなわち、遊技店の営業日単位で「押し順ベル」に関する履歴情報を表示するものである)。
なお、正解押し順累計数は、メイン側に設けられたカウンタによってカウントされる(すなわち、メイン側で管理される)ものとし、このカウント結果がサブ側に送信されることで、サブ側が押し順履歴表示を行えるようにしてもよいし、サブ側に設けられたカウンタによってカウントされる(すなわち、サブ側で管理される)ものとし、いずれの遊技状態であるかを問わず、メイン側からサブ側には少なくとも「押し順ベル」に当籤した遊技で正解押し順に関する情報が送信されることで、サブ側が押し順履歴表示を行えるようにしてもよい。また、後者の場合、上述の「指示番号」として正解押し順に関する情報がサブ側に送信されるようにしてもよいし、当該「指示番号」とは異なる情報として正解押し順に関する情報がサブ側に送信されるようにしてもよい。もっとも、第2の遊技機において上述の「指示番号」は、ナビが実行されない通常状態、あるいは「2択ナビ」や「4択ナビ」が実行されるAT状態では、必ずしも正解押し順そのものを示す情報をなさない場合があるし(図56及び図57参照)、また、正解押し順が報知されない遊技でも、遊技開始時には毎回正解押し順がサブ側に送信されるとなれば、その情報が不正に読み取られる等といったゴト行為が行われる危険性も高まる。したがって、例えば、正解押し順に関する情報は、上述の「指示番号」とは異なる情報とし、また、遊技終了時に送信される入賞作動コマンドに含まれる情報とするといったように構成されることが望ましい。
また、第2履歴表示は、直近6回の正解押し順の内容を示すものとしているが、具体的には、直近の所定遊技期間(一例として6回としているが、これ以外の任意の回数に設定可能であるし、例えば、30ゲーム等といった遊技数とすることも可能である)における、「押し順ベル」に当籤した遊技の正解押し順(換言すれば、押し順ベルの種類)の内容を記憶し(電源オフでクリアされるまで、例えば、FIFO形式にて記憶内容が順次更新される)、この内容を表示するものである(すなわち、所定遊技期間単位で「押し順ベル」に関する履歴情報を表示するものである)。なお、当該情報に関しても上記と同様、メイン側で管理されるものとしてもよいし、サブ側で管理されるものとしてもよい。
また、第2履歴表示においては、遊技者が実際に正解押し順で停止操作したか否かが認識可能となるような表示態様で表示されるようにしてもよい。例えば、図61において、「1回前」、「4回前」及び「5回前」の履歴はともに「中左右」であるが、「4回前」には正解押し順で停止操作できており、「1回前」及び「5回前」には正解押し順で停止操作できていなかった(不正解押し順で停止操作されていた)場合、「4回前」の「中左右」の表示態様を、「1回前」及び「5回前」の表示態様とは異なる表示態様で表示するようにしてもよい。例えば、「4回前」の「中左右」を大きい文字で表示する一方、「1回前」及び「5回前」の「中左右」を小さい文字で表示する。また、例えば、「4回前」の「中左右」を黄色で表示する一方、「1回前」及び「5回前」の「中左右」を灰色で表示する等である。このようにすれば、遊技者は、実際に正解押し順で停止操作できていたか否かを含めて情報を知ることができるようになる。また、それぞれで示されている正解押し順に対して、実際に停止操作が行われた押し順(正解、不正解を問わず)が表示されるものとしてもよい。
また、第2履歴表示においては、ナビが実行されたか否か(及び実行されたナビの内容)が認識可能となるような表示態様で表示されるようにしてもよい。例えば、図61において、「1回前」、~「3回前」では「全ナビ」が実行されており、「4回前」では「ナビ無し」であり、「5回前」では「4択ナビ」が実行されており、「6回前」では「2択ナビ」が実行されていた場合、例えば、「1回前」の履歴を「中左右(全ナビ)」とし、「2回前」の履歴を「右左中(全ナビ)」とし、「3回前」の履歴を「左右中(全ナビ)」とし、「4回前」の履歴を「中左右(ナビ無し)」とし、「5回前」の履歴を「中左右(4択ナビ)」とし、「6回前」の履歴を「左中右(2択ナビ)」等といったように表示してもよい。このようにすれば、遊技者は、ナビが実行されていたか否かを含めて情報を知ることができるようになる。
なお、第1履歴表示及び第2履歴表示は、あくまで押し順履歴表示の一例である。これらのうち、いずれか一方のみが表示されるようにしてもよいし、これらとともに、あるいはこれらに替えて、別の条件にしたがって記憶される押し順履歴表示が表示されるようにしてもよい。
ここで、押し順履歴表示を用いた遊技性の一例について説明する。例えば、ジャッジ状態において「押し順ベル」に当籤し、「2択ナビ」が発生して「中第1停止」がナビされた状態であるとし、このとき、第1履歴表示及び第2履歴表示が表示されたとする。この場合、図61に示す第2履歴表示では「中左右」の履歴が多い。したがって、或る遊技者は、次も「中左右」であろうと予測するし、別の遊技者は、次こそは「中右左」であろうと予測する。また、この場合、例えば、第1履歴表示でも「中左右」の履歴が多かったとする。この場合、前者は自己の推測が正しいであろうといった期待を持って停止操作を行うことができるし、後者はそろそろ確率が収束するであろうといった期待を持って停止操作を行うことができる。すなわち、このような押し順履歴表示を行うことにより、そのような状況において、遊技者が予測する楽しみを飛躍的に向上させることが可能となる。
以上のように、第2の遊技機では、例えば、「押し順ベル」に当籤した遊技で、正解押し順で停止操作が行われた場合には「ベル」を表示させる一方、正解押し順とは異なる不正解押し順で停止操作が行われた場合には「ベル」とは異なる図柄組合せを表示させ、特定の状況(例えば、ジャッジ状態)において、「押し順ベル」に当籤した遊技で、正解押し順で停止操作が行われた場合には特定特典(例えば、AT状態の延長)が付与され得るものとし、所定の条件にしたがって「押し順ベル」に当籤したときの正解押し順に関する履歴情報を記憶可能とし、当該履歴情報を特定の条件にしたがって表示可能とする遊技機を提供することができる。
(BAR揃い回避用特殊演出)
上述のとおり、第2の遊技機では、「特殊」として説明する内部当籤役(「F_リプレイB」、「F_リプレイC」及び「F_リプレイD」)が設けられている。そして、この「特殊」は、順押し(左第1停止)で押下位置が適切であれば、所定のラインに「白BAR」図柄が並んで表示され(図55中、「BAR2揃い」)、少なくとも逆押し(右第1停止)で押下位置が適切であれば、所定のラインに「黒BAR」図柄が並んで表示される(図55中、「BAR1揃い」)ように構成されている。
そして、例えば、RB状態では、告知パターンAやBが選択されているとき、「特殊」に当籤したことに起因してBB昇格抽籤に当籤した場合には、順押しで「白BAR」を狙わせる告知演出が発生し、「白BAR」図柄が揃えば、BB昇格が確定するものとなっている(なお、告知パターンAの場合、「白BAR」図柄が揃わない別の役に当籤し、BB昇格抽籤に当籤していない場合であっても当該告知演出がガセ演出として発生する場合がある)。
また、例えば、上記では記載を省略していたが、BB状態では、AT状態の継続セット数(上述の「AT状態の実行権利」と同義)を上乗せする(要するに、延長確定となるセット数を増加させる)ためのセット数上乗せ抽籤が行われるものとなっており、当該セット数上乗せ抽籤では、少なくとも「特殊」に当籤したことに起因して所定確率でセット数を上乗せすることが可能となっており、「特殊」に当籤したことに起因してセット数上乗せ抽籤に当籤した場合には、逆押しで「黒BAR」図柄を狙わせる告知演出が発生し、「黒BAR」図柄が揃えば、セット数の上乗せが確定するものとなっている(なお、「黒BAR」図柄が揃わない別の役に当籤し、セット数上乗せ抽籤に当籤していない場合であっても当該告知演出がガセ演出として発生する場合がある)。
このように、「特殊」は、少なくともRB状態及びBB状態では、いわゆるチャンス役として機能するものであり、また、その告知演出の態様(告知演出を実行するか否かを含む)を異ならせることにより、RB状態とBB状態との間で、同一の内部当籤役であるにもかかわらず、あたかも別のチャンス役であるかのように機能させることが可能となっている。
しかしながら、例えば、通常状態のように、このような役がチャンス役として機能しない(あるいは、機能させたくない)遊技状態もあるが、「特殊」は、このような遊技状態にあっても当然内部当籤役として決定され得るものであるし(例えば、図49参照)、また、RB状態において「特殊」に当籤したがBB昇格抽籤に当籤しない場合や、BB状態において「特殊」に当籤したがセット数上乗せ抽籤に当籤しない場合もあるが、このようなときでも順押しで「白BAR」を狙ったり、逆押しで「黒BAR」を狙ったりすれば、「白BAR」図柄や「黒BAR」図柄が揃って表示されてしまうことになり、遊技者は困惑してしまうことになる。
そこで、第2の遊技機では、そのような状況下で「特殊」が内部当籤役として決定されたときには、「チェリー」や「スイカ」が内部当籤役として決定された場合にも実行され得る特殊演出が実行されるようにするといった工夫をなすことができる。すなわち、特殊演出が実行された場合には、「チェリー」や「スイカ」に当籤している可能性があることが示唆されるようにしている。
ここで、リール3Lの図柄配置に着目すると(図47参照)、リール3Lにおいて、「チェリー」図柄を表示させたい場合には、通常は「黒BAR」図柄付近を狙うので、「白BAR」図柄は表示されず、「白BAR」図柄を表示させたい場合には、当該「白BAR」図柄付近を狙うので、「チェリー」図柄は表示されない(最大滑り駒数が図柄4個分のため)。また、第2の遊技機では、「チェリー」は取りこぼしが発生し得る役として構成されている(図55参照)。したがって、特殊演出が実行された場合には、遊技者は「チェリー」の取りこぼしが発生しないようにと「黒BAR」図柄付近を狙って停止操作を行うであろうし、また、それが実際に適切な遊技方法でもある。すなわち、遊技者が順押しで停止操作を行っている場合、特殊演出の実行にしたがって適切な遊技方法で遊技を行おうとすれば、結果として「白BAR」図柄揃いとなることが回避できる。
また、リール3Cの図柄配置に着目すると(図47参照)、リール3Cにおいて、「スイカ」図柄を表示させたい場合には、通常は「黒BAR」図柄以外の特別図柄(「赤7」図柄、「青7」図柄、「白BAR」図柄)付近を狙うので、「黒BAR」図柄は表示されず、「黒BAR」図柄を表示させたい場合には、当該「黒BAR」図柄付近を狙うので、「スイカ」図柄は表示されない(最大滑り駒数が図柄4個分のため)。また、第2の遊技機では、「スイカ」は取りこぼしが発生し得る役として構成されている(図55参照)。したがって、特殊演出が実行された場合には、遊技者は「スイカ」の取りこぼしが発生しないようにと「黒BAR」図柄以外の特別図柄付近を狙って停止操作を行うであろうし、また、それが実際に適切な遊技方法でもある。すなわち、遊技者が順押し以外で停止操作を行っている場合、特殊演出の実行にしたがって適切な遊技方法で遊技を行おうとすれば、結果として「黒BAR」図柄揃いとなることが回避できる。
なお、遊技者が逆押しで停止操作を行っている場合、リール3Rにおいて、「黒BAR」図柄付近を狙っているとしたならば、第1停止の停止表示態様(要するに、「黒BAR」図柄が表示されるか、あるいは「スイカ」図柄が表示されるか)によって「スイカ」の当籤の有無は判別可能となるが、一方で、「チャンス目」や「強ベル」に当籤したことは判別できなくなる(図55参照。右第1停止では「リプ揃い」しか停止表示されなくなる)。すなわち、逆押しで遊技を行っていると、好機が到来していることが判別できなくなる可能性が高くなる。したがって、適切な遊技方法で遊技を行おうとすれば、必然的に逆押しで遊技が行われる可能性は低くなるため、結果として「黒BAR」図柄揃いとなることが回避できる。もっとも、上述したリール3Cのような図柄配置をリール3Rにも適用するようにして、さらに、「黒BAR」図柄揃いとなることが回避できるようにしてもよい。
(第1特別演出)
上述のとおり、第2の遊技機では、「青7」図柄揃いのリール演出が実行されて開始されるBB状態は、強BB状態となり、弱BB状態よりも遊技者の有利度合いが高いものとなっている。したがって、強BB状態中には、遊技者の有利度合いが高いことを示唆するため、通常演出とは異なる第1特別演出が行われるものとなっている。
第1特別演出は、例えば、いわゆる「エピソード演出」(あるいは、「ストーリー演出」等)と称されるような、複数回の遊技にわたって一連の物語が(映像や音声を用いて)流れる連続演出として構成することができる。また、このような演出は、それぞれ少なくとも一部の内容(エピソード)が異なる複数種類を実行可能であり、このようにして遊技者を飽きさせないようにすることが可能である。
第2の遊技機では、いずれの内容の第1特別演出を実行するかについて、強BB状態に移行する前の直前の状況に沿ったもの(関連するもの)が決定され得るようにするといった工夫をなすことができる。
第2の遊技機では、CZ1状態、CZ2状態、RB状態、あるいはAT状態(ジャッジ状態を介して)のいずれの状態からも強BB状態に移行可能となっているので、例えば、CZ1状態から強BB状態に移行した場合、CZ1状態において主として登場するキャラクタに関連するエピソードが流れる第1特別演出が決定され、CZ2状態から強BB状態に移行した場合、CZ2状態において主として登場するキャラクタに関連するエピソードが流れる第1特別演出が決定され、RB状態から強BB状態に移行した場合、RB状態において主として登場するキャラクタに関連するエピソードが流れる第1特別演出が決定されるようにすることができる。
また、例えば、AT状態では、そのセットごとに異なる敵キャラクタが登場可能な演出が行われるようにし、セット消化後のジャッジ状態では、登場した敵キャラクタとのバトル演出が行われ、延長成功となった場合にはバトル演出の結果がバトル勝利として示され、延長失敗となった場合にはバトル演出の結果がバトル敗北として示される等といった演出が行われ得るようにし、ジャッジ状態から強BB状態に移行した場合、登場していた敵キャラクタ(と味方キャラクタ)に関連するエピソードが流れる第1特別演出が決定されるようにすることができる。
また、例えば、AT状態においても、複数セット間(例えば、1セット目~11セット目)にわたって順次物語が進行していくエピソード演出を実行可能とし、セット消化後のジャッジ状態から強BB状態に移行した場合、実行されていたエピソード演出に関連するエピソード(あるいは、AT状態におけるエピソード演出の進行状況に応じて適宜要約されたエピソード)が流れる第1特別演出が決定されるようにすることができる。このようにすれば、AT状態におけるエピソード演出がある程度進行してから強BB状態に移行した場合であっても、その関連性に齟齬が生じることなく、また、違和感を与えることなく、有利状態(強BB状態)中の第1特別演出を楽しませることができる。
(第2特別演出)
上述のとおり、第2の遊技機では、1セット30ゲームのAT状態において、ジャッジレベルが「Lv.4」や「Lv.5」となった場合には、当該AT状態が次セットまで延長されることが確定するものとなっている。また、AT状態においては、1セット5ゲームの全ナビ状態を複数セット付与することが可能となっている。
ここで、AT状態は1セット30ゲームであるため、全ナビ状態が複数セット付与されたとしても、1セットのAT状態で消化できる全ナビ状態は基本的に6セットとなる。そこで、第2の遊技機では、全ナビ状態において5ゲーム間で実行可能な連続演出(例えば、上述した「エピソード演出」として構成されるものでもよいし、異なる演出として構成されるものでもよい)を6種類用意し(「連続演出1~6」とする)、AT状態では、全ナビ状態が1セット分実行されることに応じて、当該演出が順次実行されるものとしている。また、連続演出1~6は、それぞれを順番につなげた場合、一連の演出を構成するものとなっている(もともと一つの演出であり、これを6分割したものであってもよい)。
そして、この連続演出1~6を順番につなげた一連の演出(一部、始期や終期が異なっていてもよく、基本的に同様の演出であればよい)を第2特別演出とし、これを他の用途に用いることができるようにしている。また、その際には、その内容に齟齬等を生じさせない工夫をなすようにしている。
具体的には、AT状態の当該セットにおいて、ジャッジレベルが「Lv.4」や「Lv.5」となった場合(これに相当する「AP」付与された場合)には、当該セットの以降の遊技では第2特別演出が実行されるようにする。このようにすれば、AT状態において次セット確定となった場合と、全ナビが発生する全ナビ状態となった場合とで、それぞれ有利さの内容は異なるものの、同様の演出が行われるようにすることができるため、遊技者に有利であることをわかりやすく示すことが可能となるとともに、演出のデータ量を削減することも可能となる。
なお、ジャッジレベルが「Lv.4」や「Lv.5」となったことに応じて第2特別演出を実行する場合、例えば、当該セットの残りゲーム数が少ないにもかかわらず第2特別演出が最初から実行されるとなると、遊技者は第2特別演出を最後まで観ることができず、その内容に齟齬が生じ、興趣が低下してしまうおそれがある。そこで、全ナビ状態において連続演出1~6を実行する場合には、(5ゲームごとに区切られていることもあって)当該セットの残りゲーム数は考慮しないが、第2特別演出として実行する場合には、当該セットの残りゲーム数が考慮されるようにする。例えば、当該セットの21ゲーム目でジャッジレベルが「Lv.4」となり、22ゲーム目から第2特別演出が実行されるものとなった場合、22~25ゲームの間は、連続演出5の2~5ゲーム目と同様の演出が実行され、26~30ゲームの間は、連続演出6の1~5ゲーム目と同様の演出が実行されるようにしている。
すなわち、同様の演出であっても、それが連続演出1~6のそれぞれとして用いられる場合には、それぞれいわゆる頭出しで実行されるものである一方、第2特別演出としても用いられる場合には、連続演出1~6としての区分にかかわらずその中途から実行されることを可能としている。このようにすれば、異なる状況において実行される演出の演出データを共通化してそのデータ量を削減しつつも、齟齬が生じることなく、また、違和感を与えることなく、有利状態(AT状態)中の第2特別演出を楽しませることができる。
[10-8.第2の遊技機に係る発明のまとめ(付記)]
以上説明したように、第2の遊技機では以下のような構成の遊技機を提供することができる。
(第1の発明群)
従来の遊技機において、遊技者に有利な停止操作の情報が報知される特別遊技状態(例えば、AT状態)と、この特別遊技状態への移行期待度が通常遊技状態よりも高い特殊遊技状態(例えば、CZ(チャンスゾーン)状態)とを設けるようにしたものが提案されている(例えば、特開2015-104445号公報参照)。
ところで、このような特殊遊技状態は、遊技者が遊技の興趣を高める状態の一つであることから、例えば、その継続期間や抽籤内容等に関連する遊技性が単調であると、遊技の興趣が低下してしまうおそれがあるという問題があった。
第1の発明群は、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
複数の図柄を複数列に変動表示可能な変動表示手段(例えば、変動表示部)と、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに応じて図柄の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、特別条件が成立した場合に、遊技者に有利な停止操作の情報が報知される特別遊技状態(例えば、第2の遊技機におけるRB状態やBB状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、第2の遊技機において各遊技状態を制御するメインCPU101)と、特殊条件が成立した場合に、前記特別条件が成立する期待度が通常遊技状態(例えば、第2の遊技機における通常状態)よりも高い特殊遊技状態(例えば、第2の遊技機におけるCZ2状態)に制御可能な特殊遊技状態制御手段(例えば、第2の遊技機において各遊技状態を制御するメインCPU101)と、を備え、前記特殊遊技状態の規定終了条件は、所定役(例えば、第2の遊技機における押し順ベル)が内部当籤役として決定された遊技で所定図柄組合せ(例えば、第2の遊技機におけるベル)が表示されなかった回数が規定回数(例えば、7回)に達することを含むことを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態への移行期待度が通常遊技状態よりも高い特殊遊技状態においては、所定役が当籤した遊技で所定図柄組合せが表示されたか否かに応じてその継続期間が変動する。すなわち、遊技者の遊技結果に応じて特殊遊技状態の遊技期間に起伏を生じさせることが可能となっている。それゆえ、特殊遊技状態の遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記停止制御手段は、前記所定役が内部当籤役として決定された遊技で、所定態様(例えば、正解押し順)の停止操作が行われた場合には前記所定図柄組合せを表示させる一方、前記所定態様とは異なる停止操作が行われた場合には前記所定図柄組合せとは異なる図柄組合せを表示させ、前記特殊遊技状態において前記所定役が内部当籤役として決定された場合、前記所定図柄組合せの表示に有利となる停止操作の情報(例えば、4択ナビ、2択ナビや全ナビ)を報知可能な特殊報知手段(例えば、指示モニタや演出表示部)をさらに備えることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特殊遊技状態において、所定役が当籤した遊技で所定図柄組合せが表示されるか否か(すなわち、特殊遊技状態の遊技期間が進行するか否か)は、さらに停止操作の情報が報知されるか否かによっても変動する。すなわち、停止操作の情報が報知されるか否かによっても特殊遊技状態の遊技期間に起伏を生じさせることが可能となっている。それゆえ、特殊遊技状態の遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記特殊報知手段は、前記所定態様のすべてが報知される第1報知(例えば、全ナビ)を行う場合と、前記所定態様の一部が報知される第2報知(例えば、4択ナビや2択ナビ)を行う場合とがあることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特殊遊技状態において、所定役が当籤した遊技で所定図柄組合せが表示されるか否か(すなわち、特殊遊技状態の遊技期間が進行するか否か)は、さらに停止操作の情報の報知態様によっても変動する。すなわち、停止操作の情報の報知態様によっても特殊遊技状態の遊技期間に起伏を生じさせることが可能となっている。それゆえ、特殊遊技状態の遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記特殊報知手段により行われる報知の態様を決定する報知態様決定手段(例えば、CZ2中ナビ抽籤を行うメインCPU101)をさらに備え、前記報知態様決定手段は、前記第2報知が行われた遊技で、前記所定図柄組合せが表示された場合には前記第2報知が行われ得る状態(例えば、ナビ状態1やナビ状態2)を継続させ、前記所定図柄組合せが表示されなかった場合には前記第2報知が行われ得る状態を終了させることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特殊遊技状態において、所定図柄組合せが表示される停止操作態様の一部が報知された場合、最終的に所定図柄組合せが表示されたか否かによって当該報知が行われ得る状態が継続するか否かが決定される。すなわち、遊技者の遊技結果(停止操作態様の選択結果)に応じて当該報知の継続期間が変動し、その結果、特殊遊技状態の遊技期間に起伏を生じさせることが可能となっている。それゆえ、特殊遊技状態の遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記内部当籤役決定手段は、停止操作の態様にかかわらず前記所定図柄組合せが表示可能となる特定役(例えば、第2の遊技機における共通ベル)を内部当籤役として決定可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特殊遊技状態において特定役が当籤した場合、遊技者の停止操作態様にかかわらず所定図柄組合せが表示されることから、例えば、遊技者に、(所定役に当籤したが)自らの停止操作によって特殊遊技状態の遊技期間が進行することを回避できた、あるいは後述のように所定特典が付与された等の印象を与えることができる場合がある。それゆえ、特殊遊技状態の遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記特殊遊技状態において前記所定図柄組合せが表示される場合、前記特別条件の成立に寄与する所定特典(例えば、第2の遊技機におけるCP)を付与可能な特典付与手段(例えば、CP付与抽籤を行うメインCPU101)をさらに備えることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、例えば、所定役が当籤した遊技で所定図柄組合せが表示された場合には、特殊遊技状態の遊技期間が進行することを回避できるのみならず、特別遊技状態への移行に寄与する所定特典を付与することが可能となっている。それゆえ、特殊遊技状態の遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記特典付与手段は、前記特殊条件が成立したことに応じて前記所定特典を付与可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特殊遊技状態が開始されるときにも所定特典を付与することが可能となっている。すなわち、特殊遊技状態が開始されるときにも、当該特殊遊技状態の期待度を変動させることが可能となっている。それゆえ、特殊遊技状態の遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記特典付与手段は、前記所定図柄組合せが表示され得ない特別役(例えば、第2の遊技機における確定役)が内部当籤役として決定された場合にも前記所定特典を付与可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特殊遊技状態において所定図柄組合せが表示されない場合であっても、所定特典が付与される場合があるようになっている。すなわち、所定図柄組合せが表示されなくとも遊技者の期待感を維持することが可能となっている。それゆえ、特殊遊技状態の遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記特殊遊技状態において、前記所定特典の付与状況が所定状況(例えば、累積CPが5)となった場合に、前記特別条件の成立を可能とすることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特殊遊技状態において、例えば、所定役に当籤した場合に、所定図柄組合せを表示できれば、特殊遊技状態が継続し、かつ所定特典も付与され、しかもその累積結果として特別遊技状態への移行が可能となるという特典も付与される場合がある。それゆえ、特殊遊技状態の遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記特殊遊技状態は、前記所定特典の付与状況が前記所定状況となった後も、前記規定終了条件を満たすまでは継続可能に構成されるとともに、前記規定終了条件を満たしたときに前記所定特典の付与状況が前記所定状況となっている場合に前記特別条件が成立して前記特別遊技状態に移行するように構成され、前記特典付与手段は、前記所定特典の付与状況が前記所定状況となった後も前記所定特典を付与可能であり、前記特別遊技状態には、有利度が異なる複数種類(例えば、第2の遊技機におけるRBやBB)があり、前記特殊遊技状態において前記規定終了条件を満たしたときに、前記所定特典の付与状況が前記所定状況となっている場合よりも、前記所定状況からさらに前記所定特典が付与された特定状況(例えば、累積CPが6以上)となっている場合のほうが、有利度の高い前記特別遊技状態に移行しやすいことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定特典の付与状況が所定状況となって特別遊技状態への移行が決定されたとしても、特殊遊技状態はその規定終了条件が満たされるまでは継続するものとし、さらに所定特典が付与された場合には、有利度の高い特別遊技状態に移行しやすくなる。すなわち、特殊遊技状態は、特別遊技状態への移行決定後もその残りの遊技期間においてさらなる恩恵を与えることが可能となるように構成される。それゆえ、特殊遊技状態の遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記特殊遊技状態において、前記所定特典の付与状況が前記所定状況となる前に前記規定終了条件を満たした場合、少なくとも前記所定特典の付与状況を前記所定状況とするか否かを決定可能な特殊決定手段(例えば、特殊CP付与抽籤を行うメインCPU101)をさらに備えることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特殊遊技状態において、所定特典の付与状況が所定状況とならずにその規定終了条件を満たした場合であっても、最終的には所定特典の付与状況が所定状況となって特別遊技状態への移行が決定される場合がある。すなわち、特殊遊技状態は、開始してから終了するまでの間、常に遊技者に期待感を与えることが可能となるように構成される。それゆえ、特殊遊技状態の遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
(第2の発明群)
従来の遊技機において、遊技者に有利な停止操作の情報が報知される特別遊技状態(例えば、AT遊技状態)を設け、当該特別遊技状態の遊技期間を、所定遊技数を1単位(セット)として管理し、予め決定された継続率にしたがって継続抽籤を行い、この単位ごとに当該特別遊技状態を継続させるか否かを決定するようにしたものが提案されている(例えば、特開2008-272233号公報参照)。
しかしながら、このような遊技機では、単に予め決定された継続率にしたがって特別遊技状態が継続するか否かが決定されるため、その遊技性は単調であり、遊技の興趣が低下してしまうおそれがあるという問題があった。
第2の発明群は、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
複数の図柄を複数列に変動表示可能な変動表示手段(例えば、変動表示部)と、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに応じて図柄の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、遊技者に有利な停止操作の情報が報知可能な特別遊技状態(例えば、第2の遊技機におけるAT状態)を少なくとも含む複数の遊技状態間の移行を制御する遊技状態制御手段(例えば、第2の遊技機において各遊技状態間の移行を制御するメインCPU101)と、前記特別遊技状態を延長するか否かを決定する延長可否決定(例えば、ジャッジ報酬抽籤を行うか否かの決定)を行うことが可能な延長決定手段(例えば、第2の遊技機におけるジャッジ状態を制御するメインCPU101)と、を備え、前記延長決定手段は、前記特別遊技状態において1単位(例えば、1セット30ゲーム)分の遊技が行われたことに応じて前記延長可否決定を行うことが可能であり、前記遊技状態制御手段は、前記延長可否決定により前記特別遊技状態を延長することが決定された場合には前記特別遊技状態を次単位に移行させ、前記延長可否決定により前記特別遊技状態を延長することが決定されなかった場合には前記特別遊技状態を当該単位で終了させることが可能であり、前記特別遊技状態では、特定付与条件が成立したことに応じて特定値(例えば、AP)を付与することが可能であり、前記延長決定手段は、少なくとも当該単位の前記特別遊技状態で付与された前記特定値に応じて前記延長可否決定を行うことが可能であることを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態が延長されるか否かの延長期待度が、特定値の付与状況や延長可否決定の結果などに応じて1単位ごとに変動する。すなわち、1単位ごとに、遊技者の遊技結果に応じて特別遊技状態の延長期待度に起伏を生じさせることが可能となっている。それゆえ、特別遊技状態の延長に関する遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記特定付与条件は、所定図柄組合せ(例えば、第2の遊技機におけるベル)が表示されることを含み、前記停止制御手段は、所定役(例えば、第2の遊技機における押し順ベル)が内部当籤役として決定された遊技で、所定態様(例えば、正解押し順)の停止操作が行われた場合には前記所定図柄組合せを表示させる一方、前記所定態様とは異なる停止操作が行われた場合には前記所定図柄組合せとは異なる図柄組合せを表示させ、前記特別遊技状態において前記所定役が内部当籤役として決定された場合、前記所定図柄組合せの表示に有利となる停止操作の情報(例えば、2択ナビや全ナビ)を報知可能な情報報知手段(例えば、指示モニタや演出表示部)をさらに備えることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態において、所定役が当籤した遊技で所定図柄組合せが表示されることを特定値が付与される特定付与条件の一つとし、この所定図柄組合せが表示されるか否かは停止操作の情報が報知されるか否かによって変動するものとなっている。すなわち、特別遊技状態において、所定役に関して停止操作の情報が報知されるか否かによって特定値の付与状況を変動させ、また、これによってその後の延長可否決定の有利度合いも変動させることが可能となっている。それゆえ、特別遊技状態の延長に関する遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記情報報知手段は、前記所定態様のすべてが報知される第1報知(例えば、全ナビ)を行う場合と、前記所定態様の一部が報知される第2報知(例えば、2択ナビ)を行う場合とがあることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態において、所定役が当籤した遊技で所定図柄組合せが表示されるか否かは、さらに停止操作の情報の報知態様によっても変動する。すなわち、特別遊技状態において、所定役に関する停止操作の情報の報知態様によっても特定値の付与状況を変動させ、また、これによってその後の延長可否決定の有利度合いも変動させることが可能となっている。それゆえ、特別遊技状態の延長に関する遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記情報報知手段により行われる報知の態様を決定する報知態様決定手段(例えば、全ナビ状態抽籤やAT中ナビ抽籤を行うメインCPU101)をさらに備え、前記報知態様決定手段は、前記特別遊技状態において複数回の遊技にわたって前記第1報知が行われ得る状態(例えば、全ナビ状態)を継続させることが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態において、所定図柄組合せが表示される停止操作態様の全部が報知され得る状態が複数回の遊技にわたって継続する場合がある。すなわち、制御負荷をいたずらに増加させることなく、停止操作の情報の報知態様によって特定値の付与が優遇される状態を創出することが可能となっている。それゆえ、特別遊技状態の延長に関する遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記内部当籤役決定手段は、停止操作の態様にかかわらず前記所定図柄組合せが表示可能となる特定役(例えば、第2の遊技機における共通ベル)を内部当籤役として決定可能であり、前記特別遊技状態において前記特定役が内部当籤役として決定された場合にも、前記情報報知手段による報知を行うことが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態において特定役が当籤した場合、遊技者の停止操作態様にかかわらず所定図柄組合せが表示される。この場合、例えば、停止操作の情報が報知されなかった場合(あるいは、例えば、一部のみが報知された場合を含む)には、遊技者に、(所定役に当籤したが)自らの停止操作によって特定値が付与された等の印象を与えることができる場合があり、また、例えば、停止操作の情報が報知された場合には、これによって特定値が付与された等の印象を与えることができる場合がある。すなわち、所定役の当籤時に、遊技者にとって望ましくない遊技結果や抽籤結果が続いてしまうことに起因して遊技の興趣が低下してしまうことを抑制できるとともに、停止操作の報知の有無と相俟ってその遊技性をさらに多様なものとすることが可能となっている。それゆえ、特別遊技状態の延長に関する遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記特別遊技状態において前記所定役が内部当籤役として決定された遊技で、前記情報報知手段による報知が行われることなく前記所定図柄組合せが表示された場合には、前記特定値が追加で付与される場合がある(例えば、自力ベル表示時追加抽籤が行われる)ことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、停止操作の情報の報知が行われないことが遊技者にとって必ずしも不利に作用しない場合がある。すなわち、停止操作の報知が行われない場合には、停止操作の報知が行われる場合と比べて、遊技者に特定値が追加で付与される場合があることから、停止操作の報知が行われないことに起因して遊技の興趣が低下してしまうことを抑制できる。それゆえ、特別遊技状態の延長に関する遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記延長可否決定は、前記所定役が内部当籤役として決定された遊技で行われ、当該遊技で前記所定図柄組合せが表示された場合に前記特別遊技状態を延長することが決定されるものであり、前記延長可否決定が行われる遊技においても、前記情報報知手段による報知を行うことが可能である(例えば、ジャッジ中ナビ抽籤が行われる)ことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定役がさらに延長可否決定にも用いられ、所定役の当籤時に行われる延長可否決定においても停止操作の情報が報知されるか否かを決定可能としている。すなわち、所定役は、特別遊技状態にあっては特定値の付与状況を変動させ、延長可否決定にあっては当該決定結果を変動させるものであり、さらに、所定役に関して停止操作の情報が報知されるか否かによって特別遊技状態の延長期待度に起伏を生じさせることも可能となっている。それゆえ、特別遊技状態の延長に関する遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、このようにしても、役構成や遊技状態を増加させる必要がないので、データ量や制御負荷が増加してしまうことを抑制できる。
前記複数の遊技状態は、前記延長可否決定を行うことが可能な延長決定状態(例えば、第2の遊技機におけるジャッジ状態)をさらに含み、前記遊技状態制御手段は、前記特別遊技状態において1単位分の遊技が行われると前記延長決定状態に移行させ、前記延長決定状態において、前記延長可否決定により前記特別遊技状態を延長することが決定された場合には前記特別遊技状態を次単位に移行させ、前記延長可否決定により前記特別遊技状態を延長することが決定されなかった場合には前記特別遊技状態を当該単位で終了させることが可能であり、前記特別遊技状態において前記特定値が付与されると、累積した付与結果に応じた段階(例えば、Lv.0~Lv.5)が設定可能となり、前記延長決定状態では、設定された前記段階に応じた回数分、前記延長可否決定を行うことが可能となることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、延長決定状態では、付与された特定値に応じて設定された段階に応じた回数分の延長可否決定が行われる。これにより、例えば、特別遊技状態では抽籤によって特定値を小分けに付与することができるため、特別遊技状態中の特定値付与の期待感を高めることができ、また、延長決定状態では延長可否決定の実行回数をわかりやすくできるため、遊技性がわかりにくくなってしまうことを防止することが可能となっている。また、例えば、付与された特定値やこれによって設定された段階を示唆する情報を遊技者に示して期待感を高めることも可能となる。それゆえ、特別遊技状態の延長に関する遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記延長決定状態において、設定された前記段階が特定段階(例えば、Lv.4)以上である場合には、前記特別遊技状態を延長することが必ず決定されることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態において付与された特定値が特定状況となって特定段階以上の段階が設定される場合には、特別遊技状態が延長されることが必ず決定される。すなわち、特別遊技状態中の特定値の付与状況によっても特別遊技状態の延長が決定される場合があるため、遊技性をさらに多様なものとすることができ、また、特別遊技状態中の期待感をさらに高めることが可能となっている。それゆえ、特別遊技状態の延長に関する遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記特別遊技状態では、前記特定値の累積した付与結果にかかわらず、設定される前記段階を最も高い段階とするか否かを決定可能である(例えば、Lv.5昇格抽籤が行われる)ことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、例えば、特別遊技状態において現在の特定値の付与状況が遊技者にとって望ましくない状況であったとしても遊技の興趣が低下してしまうことを抑制できる。それゆえ、特別遊技状態の延長に関する遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記複数の遊技状態は、遊技者に有利な停止操作の情報が報知可能な遊技状態であって、前記特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(例えば、第2の遊技機におけるBB状態)をさらに含み、前記遊技状態制御手段は、前記延長可否決定により前記特別遊技状態を延長することが決定された場合に、前記特定遊技状態に移行させてから前記特別遊技状態を次単位に移行させることが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態が次単位に延長される際、同じく遊技者にとって有利な特定遊技状態を経由してから移行する場合があるようになっている。すなわち、延長可否決定に際しては、単に特別遊技状態を延長するか否かのみが決定されるのではなく、特定遊技状態に移行してから特別遊技状態が延長される場合もあるようになっているため、遊技性をさらに多様なものとすることができ、また、延長可否決定の期待感をさらに高めることが可能となっている。それゆえ、特別遊技状態の延長に関する遊技性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
(第3の発明群)
従来の遊技機において、遊技者が好みのキャラクタを選択することで、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、ボーナスゲーム)中に実行される演出の内容を選択できるようにしたものが提案されている(例えば、特開2008-148810号公報参照)。
ところで、このような遊技機では、様々な種類の特別遊技状態を設けることができるようになっており、その開始契機や時期等の仕様も多様なものとなっている。このため、特別遊技状態の種類によっては、遊技者の演出選択が円滑に行い得ない場合があり、演出に関する興趣が低下してしまうおそれがあるという問題があった。
第3の発明群は、演出に関する興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
複数の図柄を複数列に変動表示可能な変動表示手段(例えば、変動表示部)と、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに応じて図柄の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、特別条件が成立した場合に、遊技者に有利な停止操作の情報が報知される特別遊技状態(例えば、第2の遊技機におけるRB状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、第2の遊技機において各遊技状態を制御するメインCPU101)と、演出を実行する演出実行手段(例えば、演出表示部)と、前記演出実行手段により実行される演出に関する遊技者の演出操作を受付け可能な演出操作手段(例えば、演出用ボタン)と、を備え、前記特別遊技状態は、前記特別条件が成立した遊技の次遊技が開始されるときに、前記変動表示手段に特別図柄組合せを停止表示させる特別図柄演出(例えば、ロック中白BAR揃い演出)が実行されてから開始されるものであり、前記演出実行手段は、前記特別遊技状態が開始された遊技において、前記特別遊技状態中の演出態様(例えば、告知タイプ)を複数の演出態様の中から選択させるための選択演出を実行可能であり、前記選択演出を実行した後、遊技者の演出操作によって一の演出態様が選択されると、選択された演出態様に応じた演出を前記特別遊技状態中に実行することを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態が、その移行条件が成立した遊技の次遊技が開始されるときに特別図柄演出が実行されてから開始されるように構成し、その開始遊技では、当該特別遊技状態中の演出態様を遊技者が選択可能となる選択演出が実行される。すなわち、特別遊技状態が、その最初の遊技で対応する図柄演出が実行されてから開始されるものであっても、遊技の流れの中で円滑に演出態様を選択させることが可能となっている。それゆえ、このような構成の特別遊技状態においても演出選択を円滑に行わせることができ、演出に関する興趣を高めることができる。
前記演出実行手段は、前記選択演出を実行した後、遊技者の演出操作によって一の演出態様が選択されると、当該遊技では演出態様の選択結果を示す結果演出を実行し、当該遊技の次遊技から選択された演出態様に応じた演出を実行することを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態の開始遊技において、特別図柄演出が実行され、選択演出が実行された後、遊技者が演出態様を選択すると、当該遊技でこの選択結果に対応する結果演出が実行され、次遊技から選択された演出態様で演出が実行される。すなわち、特別遊技状態の開始遊技を、特別遊技状態中の恩恵(例えば、有利な停止操作の情報が報知されることや後述の特定特典が付与されること等)はそのままに、その導入時演出を行い得る状態として構成することが可能となっている。それゆえ、このような構成の特別遊技状態においても演出選択を含む導入時演出を円滑に実行することができ、演出に関する興趣を高めることができる。
前記特別遊技状態中に特定特典を付与するか否かを決定可能な特典付与手段(例えば、BB昇格抽籤を行うメインCPU101)をさらに備え、前記特典付与手段は、前記特別遊技状態が開始された遊技においても前記特定特典を付与するか否かを決定可能であり、前記演出実行手段は、前記特別遊技状態が開始された遊技において、前記特典付与手段により前記特定特典を付与することが決定された場合、前記選択演出を実行した後、遊技者の演出操作によって一の演出態様が選択されると、当該遊技において前記結果演出とは異なる特定演出(例えば、昇格示唆演出)を実行可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態の開始遊技においても特定特典が付与される場合があり、この場合には、遊技者の演出選択に係る演出操作時に結果演出とは異なる特定演出を実行可能とする。すなわち、本来的には、演出選択の選択結果を示す状況において、これとは異なる内容の演出が実行されることで遊技者に特定特典の付与結果を示唆することが可能となっている。それゆえ、このような構成の特別遊技状態における導入時演出の興趣を飛躍的に高めることができ、演出に関する興趣を高めることができる。
前記特別遊技状態が開始された遊技において、前記演出実行手段により前記選択演出が実行された後、遊技者の演出操作によって一の演出態様が選択されることなく全ての列の図柄の変動表示が停止した場合、前記特典付与手段により前記特定特典を付与しないことが決定されている場合には、予め定められた一の演出態様が決定され、前記演出実行手段により前記結果演出が実行される一方、前記特典付与手段により前記特定特典を付与することが決定されている場合には、前記演出実行手段により前記特定演出が実行されることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、遊技者が、例えば、演出選択にさほどの興味がない、あるいは遊技を早く進めたい等の意向であり、演出選択が行われなったとしても、当該遊技の終了時には結果演出が実行される場合があり、さらには特定演出が実行される場合があるようになっている。それゆえ、遊技者の意向にも配慮しつつ、このような構成の特別遊技状態における導入時演出の興趣を飛躍的に高めることができ、演出に関する興趣を高めることができる。
前記演出実行手段は、前記特別遊技状態が開始された遊技の次遊技以降の遊技において、前記特典付与手段により前記特定特典を付与することが決定された場合、前記選択演出を実行することなく前記特定演出を実行可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特定特典の付与結果を示唆する特定演出が、特別遊技状態の開始遊技にあっては遊技者の演出操作によってその態様が変化する操作連動演出の一つとして機能し、その後の遊技にあっては示唆演出の一つとして機能するようになっている。それゆえ、演出に関する興趣を高めることができるのみならず、演出に関するデータ量を抑制することもできる。
前記複数の演出態様は、第1の演出態様(例えば、完全告知パターンである告知タイプB)と、第2の演出態様(例えば、リール告知パターンである告知タイプC)とを含み、前記第1の演出態様は、前記特別遊技状態が開始された遊技の次遊技以降の遊技において、前記特典付与手段により前記特定特典を付与することが決定された場合に必ず前記特定演出が実行される演出態様であり、前記第2の演出態様は、前記特別遊技状態が開始された遊技の次遊技以降の遊技において、前記特典付与手段により前記特定特典を付与することが決定された場合であっても前記特定演出が実行されない演出態様であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態の開始遊技後の遊技においては、選択された演出態様に応じて、特定演出によって特定特典の付与結果が示唆される場合と、示唆されない場合とがあるようになっている。なお、後者の場合には、例えば、後述の特定図柄演出が実行されることによって特定特典の付与結果を遊技者に報せることもできる。すなわち、選択された報知態様に応じて、特定特典の付与結果を多様な手法で遊技者に報せることが可能となっている。それゆえ、遊技者の意向に沿った、バリエーションに富んだ示唆演出を行うことができ、演出に関する興趣を高めることができる。
特定条件が成立した場合に、前記特別遊技状態とは異なる遊技状態である、遊技者に有利な停止操作の情報が報知される特定遊技状態(例えば、第2の遊技機におけるBB状態)に制御可能な特定遊技状態制御手段(例えば、第2の遊技機において各遊技状態を制御するメインCPU101)をさらに備え、前記特定遊技状態は、前記特定条件が成立した遊技の次遊技が開始されるときに、前記変動表示手段に特定図柄組合せを停止表示させる特定図柄演出(例えば、ロック中赤7揃い演出)が実行されてから開始されるものであり、前記特典付与手段により前記特定特典を付与することが決定された場合、前記特定条件が成立することを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特定特典は、特定遊技状態に移行するという特典であり、また、特定遊技状態は、その移行条件が成立した遊技の次遊技が開始されるときに特定図柄演出が実行されてから開始されるように構成される。すなわち、例えば、特別遊技状態に移行するときには、その開始遊技において特別図柄演出が実行されてから開始されるが、当該遊技において特定特典が付与された場合には、次遊技が特定遊技状態の開始遊技となり、その開始遊技では特定図柄演出が実行されてから特定遊技状態が開始されることとなる。そして、この場合には、特別遊技状態の開始遊技で遊技者の演出操作に応じて特定演出が実行されたうえで特定遊技状態の開始遊技が始まることとなるので、これらの演出が遊技の流れの中で高い連動性をもって実行されることとなる。それゆえ、このように特別遊技状態及び特定遊技状態が構成される場合においても演出の連動性や整合性を飛躍的に高めることができ、演出に関する興趣を高めることができる。
前記特別遊技状態及び前記特定遊技状態とは異なる遊技状態である、遊技者に有利な停止操作の情報が報知される所定遊技状態(例えば、第2の遊技機におけるAT状態)に制御可能な所定遊技状態制御手段(例えば、第2の遊技機において各遊技状態を制御するメインCPU101)をさらに備え、前記特別遊技状態は、その終了後に前記所定遊技状態に移行しない場合がある遊技状態であり、前記特定遊技状態は、その終了後に必ず前記所定遊技状態に移行する遊技状態であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態と特定遊技状態とは、ともに遊技者に有利な停止操作の情報が報知される点では類似する遊技状態であるが、特別遊技状態が、その終了後に所定遊技状態に移行しない場合がある遊技状態である一方、特定遊技状態が、その終了後に所定遊技状態に必ず移行する遊技状態である点で遊技者に有利となっている。そして、特定演出は、このような遊技性のもとに、当該特定遊技状態への移行を示唆するものである。それゆえ、演出に関する興趣を高めることができる。
前記停止制御手段は、所定役(例えば、第2の遊技機における押し順ベル)が内部当籤役として決定された遊技で、所定態様(例えば、正解押し順)の停止操作が行われた場合には所定量(例えば、9枚)の遊技価値が付与される所定図柄組合せ(例えば、第2の遊技機におけるベル)を表示させる一方、前記所定態様とは異なる停止操作が行われた場合には前記所定図柄組合せを表示させず、前記特別遊技状態は、前記所定役が内部当籤役として決定された遊技で前記所定態様の停止操作が報知されない場合がある遊技状態であり、前記特定遊技状態は、前記所定役が内部当籤役として決定された遊技で前記所定態様の停止操作が必ず報知される遊技状態であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態と特定遊技状態とは、ともに遊技者に有利な停止操作の情報が報知される点では類似する遊技状態であるが、特別遊技状態が、所定役の当籤時に有利な停止操作の情報が報知されない場合がある遊技状態である一方、特定遊技状態が、所定役の当籤時に有利な停止操作の情報が必ず報知される遊技状態である点で遊技者に有利となっている。そして、特定演出は、このような遊技性のもとに、当該特定遊技状態への移行を示唆するものである。それゆえ、演出に関する興趣を高めることができる。
前記特別遊技状態において前記特定条件が成立することなく規定終了条件(例えば、21ゲームの遊技が行われたこと)を満たした場合、前記特別遊技状態中に付与された遊技価値量が特定量(例えば、0枚)以下である場合には前記特定遊技状態に移行させることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態中の遊技結果が遊技者にとって望ましくない結果であった場合には、特別条件が成立せずともその終了後に特定遊技状態に移行させることが可能となっている。それゆえ、演出に関する興趣を高めることができるのみならず、遊技の興趣が低下してしまうことも抑制できる。
前記特別遊技状態において前記特定条件が成立した場合、規定終了条件を満たす前であっても前記特別遊技状態が終了し、次遊技から前記特定遊技状態に移行することを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態中に特定遊技状態への移行が決定された場合には、その途中であっても特別遊技状態を終了させることが可能となっている。それゆえ、演出に関する興趣を高めることができるのみならず、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことも抑制できる。
[11.第3の遊技機]
続いて、図62~図96を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の他の一具体例について、これを「第3の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第3の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第3の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
また、第3の遊技機は、第1の遊技機とはその遊技性に関する仕様が異なる点があるが、遊技の進行に関する基本的な制御や演出の実行に関する基本的な制御は第1の遊技機と同様である。すなわち、第3の遊技機においても、主制御回路100のメインCPU101は、図23~図32にその一例を示した各種処理を実行することで、各リールの回転、停止、遊技価値の付与、遊技状態の移行、各種制御に必要な各種カウンタや各種フラグの情報の更新、メイン側での演出実行や情報報知に関する各種制御等を行う。また、副制御回路200のサブCPU201は、図33にその一例を示した各種処理を実行することで、サブ側での演出実行や情報報知に関する各種制御等を行う。なお、メインCPU101及びサブCPU201は、以下に説明する遊技性を実現するために必要な制御処理を適宜行えばよく、また、その手法も発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であることから、第3の遊技機では、このような各種処理に関する個別の詳細な説明についてはこれを省略している。
第3の遊技機では、第1の遊技機とは異なり(第1の遊技機では、変動表示部を3列(左リール3L、中リール3C、右リール3R)の表示列によって構成している)、変動表示部を4列の表示列で構成するものとしている(図示は省略)。ここで、第3の遊技機では、最も左側のリールを「第1リール」(リール3L)、左から2番目のリールを「第2リール」(リール3CL)、左から3番目(右から2番目)のリールを「第3リール」(リール3CR)、最も右側のリールを「第4リール」(リール3R)として説明している。
また、第3の遊技機では、4列の表示列にそれぞれ対応するように、4個のストップボタン8L(リール3Lに対応),8CL(リール3CLに対応),8CR(リール3CRに対応),8R(リール3Rに対応)が設けるものとしている(図示は省略)。
なお、これは、第3の遊技機において、押し順役(例えば、後述の押し順ベル)の択数(停止操作順序(打順)の最大数)を通常(3列であれば、3択×2択×1択の6通り)よりも増加させる(4列であれば、4択×3択×2択×1択の24通り)ことにより、遊技性を通常よりも多様なものとし、あるいは、遊技者への還元率を通常よりも変動させやすくすることを意図したものに過ぎない。したがって、第3の遊技機として説明する各種事項は、いずれも変動表示部を4列で構成したものには限定されず、変動表示部を3列で構成したものに適宜変形して適用可能である。
また、第3の遊技機では、有効ラインが、リール3Lの中段領域、リール3CLの中段領域、リール3CRの中段領域及びリール3Rの中段領域を結ぶセンターラインの1ラインのみと定義される。もっとも、定義される有効ラインはこれに限定されず、他の一又は複数のラインを有効ラインとして定義することが可能である。
なお、第3の遊技機におけるメイン表示窓4であるが、第1~第3リールの表示列においては3個(上段・中段・下段)の図柄を表示し、第4リールの表示列においては1個(中段)の図柄を表示するように構成している(後述の図91~図93参照)。もっとも、メイン表示窓4の構成はこれに限定されず、例えば、第4リールの表示列においても3個(上段・中段・下段)の図柄が表示されるように構成することができる。
また、第3の遊技機では、全ての遊技状態において、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)でのみ遊技を行うことが可能となっている(すなわち、遊技開始可能枚数は「3枚」のみが設定される)。もっとも、第1の遊技機と同様に、2枚のメダルをベットした状態(2枚ベット状態)でも遊技を行うことが可能となるように構成することもできる。また、この場合、第1の遊技機と同様に、2枚ベット状態でのみ当籤可能な2BBと、3枚ベット状態でのみ当籤可能な3BBとを設け、2BBフラグ間の3枚ベット状態が「推奨遊技状態」となるように構成することもできる。
第3の遊技機では、内部当籤役の抽籤確率に係る遊技状態(後述の図72参照)として、非ボーナス状態である、後述の「F_BB」が持越されているBBフラグ間と、「F_BB」が当籤していない(持越されていない)非フラグ間と、ボーナス状態であるBB(BB遊技状態)とを含んで構成される。なお、BB遊技状態中は常にRB遊技状態に制御される。また、これらの遊技状態は、リプレイ役の当籤確率が変動することから(後述の図72参照)、それぞれ異なるRT状態であるとも言い得る。
非フラグ間において、「F_BB」に当籤した遊技でこれに対応する後述の「C_BB」が表示された場合にはBB遊技状態に移行する。BB遊技状態は、当該状態中に104枚を超えるメダルの払出があった場合に終了するように構成される。BB遊技状態が終了した場合、再度非フラグ間に移行する。
なお、「F_BB」は、単独で内部当籤役として決定される場合(後述の図72中、当籤番号「1」(No.1)に当籤した場合)と、小役(後述の「F_特殊役」)と重複して内部当籤役として決定される場合(後述の図72中、当籤番号「2」(No.2)に当籤した場合)とがあるが、本実施形態では、ボーナス役に係る図柄の組合せよりもリプレイ役や小役に係る図柄の組合せが優先的に停止する制御が行われるため、後者の場合には「C_BB」が表示される場合はない。前者の場合には、各リールで押下位置正解であれば「C_BB」が表示される場合があるが、いずれかのリールで押下位置不正解であれば「C_BB」は表示されない。「F_BB」に当籤した遊技で「C_BB」が表示されない場合にはBBフラグ間に移行する。
BBフラグ間は、「はずれ」となる(換言すれば、持越役としての「F_BB」のみが内部当籤役として決定される)確率が「0」となるように構成され(後述の図72参照)、また、本実施形態では、上述のとおり、ボーナス役に係る図柄の組合せよりもリプレイ役や小役に係る図柄の組合せが優先的に停止する制御が行われるように構成されることから、一度BBフラグ間となった場合には、(「C_BB」が表示される場合がなくなることに起因して)基本的に他の遊技状態には移行しなくなる。第3の遊技機では、このBBフラグ間が「推奨遊技状態」として構成される。したがって、特段の説明がない限り、以下では当該推奨遊技状態で遊技が行われることを前提として説明する。なお、BBフラグ間であるときに設定変更が行われた場合にも「F_BB」が持越されていることを示す情報(BBに係る持越役格納領域の情報)はクリアされないため、設定変更後もBBフラグ間が継続するように構成される(上述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合にはクリアされるため、この場合には非フラグ間に移行する)。
[11-1.第3の遊技機の遊技性]
続いて、図62~図70を参照して、第3の遊技機における遊技の流れについて説明する。図62~図64は、第3の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図であり、図65~図70は、第3の遊技機における各種テーブルの一例を示す図である。
第3の遊技機では、第1の遊技機と同様、遊技者が遊技を行う状態(遊技区間)として、まず、非有利区間及び有利区間に大別される。また、図62~図64に示すように、非有利区間の遊技性に係る遊技状態として、通常中(非有利区間)が設けられており、有利区間の遊技性に係る遊技状態として、通常中(有利区間)、連チャン中、終了準備中、PBB中、及びボーナス中が設けられている。また、ボーナス中は、さらにBB中及びRB中に区別される。また、通常中(有利区間)、連チャン中、及び終了準備中は、通常有利区間(演出区間)として構成される状態であり、PBB中及びボーナス中は、増加区間(AT状態)として構成される状態である。
まず、図62を参照して、第3の遊技機における大まかな遊技性について説明する。遊技者はほとんどの場合、通常中から遊技を開始し、疑似ボーナス状態であるPBB中やボーナス中に移行することを目指して遊技を行う。なお、通常中には、非有利区間である場合と、有利区間である場合とがあるが、非有利区間においては、その単位遊技における内部当籤役が「はずれ」である場合と、「F_CDリプ」である場合とを除き、必ず有利区間に移行することが決定されるため、通常中(非有利区間)の滞在期間はわずか(1~2ゲーム程度)となっている。よって、「通常中」とはほとんどの場合、通常中(有利区間)を示すものである。したがって、通常中(有利区間)は、「通常遊技(状態)」や「一般遊技(状態)」等と定義することもできる。また、通常中(非有利区間)は、「待機状態」や「初期状態」等と定義することもできる。
通常中(非有利区間)において、有利区間に移行することが決定される(有利区間移行抽籤に当籤する)と、決定結果に応じて該当の状態に移行する(条件A)。なお、第3の遊技機では、通常中(非有利区間)からの移行先は通常中(有利区間)のみとなっているが、非有利区間から有利区間に移行する態様はこれに限られない。例えば、通常中(非有利区間)における有利区間移行抽籤の結果として、PBB中やボーナス中に移行することが決定され得るようにし、当該決定結果となった場合には直接PBB中やボーナス中に移行する場合があるようにしてもよい。また、その他の状態についても同様である。また、通常中(非有利区間)における種々の決定や抽籤の内容については後で詳述する。
通常中(有利区間)において遊技が行われ、後述の天井ポイント又は後述の天井ゲーム数が消化された場合(遊技の結果に応じてこれらが更新され、更新結果が設定された値に対応する数値となった場合)には、PBB中又はボーナス中に移行する(条件B)。PBB中及びボーナス中は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されることにより、1ゲームあたりのメダルの増加期待値が約5.5枚程度に設定された増加区間となっている。なお、通常中(有利区間)における種々の決定や抽籤の内容については後で詳述する。
ボーナス中は、BB中と、当該BB中よりも相対的に有利度合いが低いRB中とがあり、BB中に移行した場合には、押し順ベルについて30回分のナビが発生し得ることで、遊技者が当該BB中に約207枚程度のメダルを獲得できるように構成される。また、RB中に移行した場合には、押し順ベルについて10回分のナビが発生し得ることで、遊技者が当該RB中に約69枚程度のメダルを獲得できるように構成される。それぞれの状態において、上述の規定回数分のナビが発生すると、ボーナス中が終了する。なお、ボーナス中における種々の決定や抽籤の内容については後で詳述する。
なお、第3の遊技機では、BB中とRB中でナビの発生回数(ナビ回数)を異ならせることで有利度合いを異ならせるようにしているが、有利度合いを異ならせる態様はこれに限られない。例えば、BB中は40ゲームの間継続するように構成し、RB中は15ゲームの間継続するように構成し、継続期間中は、押し順ベルが当籤したゲームでナビが発生するように構成することで、有利度合いを異ならせるようにしてもよい。また、例えば、BB中は差枚数が210枚を超えるまで継続するように構成し、RB中は差枚数が70枚を超えるまで継続するように構成し、継続期間中は、押し順ベルが当籤したゲームでナビが発生するように構成することで、有利度合いを異ならせるようにしてもよい。すなわち、BB中とRB中の継続期間は、種々の手法によって管理することが可能である。
ボーナス中が終了したとき(ボーナス終了時)、後述のボーナスストックが0であって、かつ、後述の引き戻しモードに移行することが決定されている場合には、通常中(有利区間)に移行する(条件C)。そして、通常中(有利区間)において、再度条件Bが成立した場合には、PBB中やボーナス中に移行する。
また、ボーナス中が終了したとき(ボーナス終了時)、後述のボーナスストックが1以上である場合には、連チャン中に移行する(条件D)。そして、連チャン中において、再度条件Bが成立した場合には、PBB中やボーナス中に移行する。なお、連チャン中は、ボーナス終了から所定期間(32ゲーム)内に再度PBB中やボーナス中に移行することが確定する状態であり、そのような意味において、それが確定しない通常中(有利区間)よりも遊技者にとって有利な(期待度が高い)状態となっている。また、連チャン中における種々の決定や抽籤の内容については後で詳述する。
また、ボーナス中が終了したとき(ボーナス終了時)、後述のボーナスストックが0であって、かつ、後述の引き戻しモードに移行することが決定されていない場合には、終了準備中に移行する(条件E)。なお、終了準備中は、基本的に再度PBB中やボーナス中に移行せず、規定期間の遊技消化後(天井ポイント「32」又は天井ゲーム数「50」を消化後)に通常中(非有利区間)に移行する状態として構成される。終了準備中において、上述の規定期間の遊技が消化されると、通常中(非有利区間)に移行する(条件F)。また、終了準備中における種々の決定や抽籤の内容については後で詳述する。
また、ボーナス中が終了したとき(ボーナス終了時)、後述の次回PBBフラグがオンである場合、制御用払出数カウンタの値が2100を超える場合、又は制御用ゲーム数カウンタの値の1399を超える場合には、PBB中に移行する(条件G)。
なお、ここで、第3の遊技機における制御用払出数カウンタについて説明すると、基本的な構成は有利区間払出数カウンタと同様であるが、押し順ベルに当籤した遊技で、指示情報として「1」~「18」のいずれかが設定された場合(後述の図86参照)、最終的な遊技結果として10枚入賞とならなかった場合であっても、10枚(差枚数としては7枚)が加算されたものとしてカウントされ、また、「F_スイカ」に当籤した遊技で、最終的な遊技結果として5枚入賞とならなかった場合であっても、5枚(差枚数としては2枚)が加算されたものとしてカウントされ、また、「C_BB」の表示によって作動するBB遊技状態中はカウントを行わない点で有利区間払出数カウンタとは異なるように構成される。また、制御用払出数カウンタの値が有利区間払出数カウンタの値よりも大きな値となった場合には、制御用払出数カウンタの値を有利区間払出数カウンタの値に補正するように構成される。
また、第3の遊技機における制御用ゲーム数カウンタについて説明すると、基本的な構成は有利区間ゲーム数カウンタと同様であるが、連チャン中において、押し順ベルに当籤した遊技で、後述のSR情報としてSR2が設定された場合にはカウントを行わず、また、終了準備中はカウントを行わず、また、「C_BB」の表示によって作動するBB遊技状態中はカウントを行わない点で有利区間ゲーム数カウンタとは異なるように構成される。
PBB中は、有利区間払出数カウンタの値が2400を超えるまで(すなわち、払出数リミッタが作動するまで)、又は有利区間ゲーム数カウンタの値が1500となるまで(すなわち、ゲーム数リミッタが作動するまで)押し順ベルについてナビが発生し得る状態として構成される。PBB状態において、これらのうちいずれかのリミッタが作動した場合には、有利区間が強制的に終了され、通常中(非有利区間)に移行する(条件H)。
すなわち、PBB中は、通常中(有利区間)や連チャン中から移行した場合、あるいはボーナス中から移行した場合であって、各リミッタが作動するまでの残り期間が長い場合には、プレミアム的な要素をもつ最も有利な状態として機能し、各リミッタが作動するまでの残り期間が短い場合には、リミッタ作動までの期間を例外的に有利とするエンディング状態として機能とするものとして構成される。なお、後者の機能を発揮させるために、例えば、通常中(有利区間)や連チャン中においても、制御用払出数カウンタの値が2100を超える場合、又は制御用ゲーム数カウンタの値の1399を超える場合には、PBB中に移行させるようにしてもよい。
また、図62においては図示を省略しているが、ボーナス中が終了したとき(ボーナス終了時)、再度すぐにボーナス中に移行する(換言すれば、ボーナス中が継続する(延長される))場合がある。これについては後で詳述する。また、図62においては図示を省略しているが、有利区間のPBB中以外の状態においても、有利区間払出数カウンタの値が2400を超えた場合、又は有利区間ゲーム数カウンタの値が1500となった場合には、リミッタが作動して有利区間が強制的に終了され、通常中(非有利区間)に移行する。
このように、遊技者が通常中から遊技を開始した後、遊技が進行していき、疑似ボーナス状態の移行条件が最初に成立したとき(初当たりとなったとき)において、PBB中に移行した場合には、リミッタが作動して有利区間が強制的に終了されるまで疑似ボーナス状態がずっと継続することとなる。このような状態となった場合には、遊技者は有利区間が終了するまで間断なくメダルを増加させることができるようになる。また、これは、ボーナス中に移行し、当該ボーナス中の消化後にPBB中に移行した場合、あるいは、当該ボーナス中の消化後に連チャン中に移行し、当該連チャン中からPBB中に移行した場合も同様である。
また、初当たりとなったときにおいて、ボーナス中に移行した場合、当該ボーナス中の消化後に、所定期間(32ゲーム)内に再度ボーナス中に移行する(連チャンする)ことが確定している場合には連チャン中に移行し、連チャンすることが確定しなくなるまで、連チャン中とボーナス中を相互に移行し、連チャン中というインターバルをはさみながらもメダルを増加させることができるようになる。
また、ボーナス中の消化後に、連チャンすることが確定していない場合には、再度ボーナス中に移行する可能性がある通常中(有利区間)に移行する場合と、基本的に再度ボーナス中に移行する可能性はない終了準備中に移行する場合がある。通常中(有利区間)に移行した場合には、当該状態において、再度初当たりを目指して遊技を行うことになる。一方、終了準備中に移行した場合には、規定期間(例えば、32ゲーム)の経過後に当該一連の有利区間が一旦終了して通常中(非有利区間)に移行した後、これを経由してまた通常中(有利区間)に移行し、当該状態において、再度初当たりを目指して遊技を行うことになる。以上が大まかな遊技性である。
(通常中(非有利区間))
続いて、図63及び図64を参照して、第3の遊技機における通常中(非有利区間)について説明する。上述のとおり、通常中(非有利区間)は、非有利区間の遊技状態として構成される。
通常中(非有利区間)では、例えば、有利区間移行抽籤(有利区間レベル抽籤)、モード抽籤、ストックランク抽籤、天井ポイント抽籤、天井ゲーム数設定等が行われる。なお、これらは一例であり、これら以外の抽籤や決定が行われるように構成することもできるし、これらのうちいずれかの抽籤や決定は行われないように構成することもできる。
<有利区間移行抽籤(有利区間レベル抽籤)>
通常中(非有利区間)では、毎遊技、有利区間に移行するか否かを決定するための有利区間移行抽籤が行われる。なお、上述のとおり、第3の遊技機では、内部当籤役が「はずれ」及び「F_CDリプ」以外である場合には、有利区間移行抽籤において必ず有利区間に移行することが決定されるように構成される。また、第3の遊技機では、有利区間に移行することが決定される場合、開始される有利区間中の有利度合いを決定する(変動させる)ための情報の一つである、有利区間レベルが決定されるようになっている。すなわち、当該抽籤は、この有利区間レベルを決定するための制御処理でもある。
有利区間移行抽籤(有利区間レベル抽籤)は、例えば、図65に示す有利区間移行抽籤テーブルを参照して行われ、現在の設定値(設定1~6)に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、有利区間レベルとして、レベル1~6のいずれかが決定され、決定されたレベルが当該有利区間の有利区間レベルとして設定される。なお、これらの決定確率や決定内容は一例である。例えば、設定値にかかわらず共通の当籤確率で一の有利区間レベルが決定されるようにしてもよい。また、例えば、当該抽籤が行われる遊技の内部当籤役の種類に応じて設定された当籤確率で一の有利区間レベルが決定されるようにしてもよい。
<モード抽籤>
通常中(非有利区間)において、有利区間に移行することが決定された遊技では、さらにモード抽籤が行われる。第3の遊技機では、有利区間に移行することが決定される場合、開始される有利区間中の有利度合いを決定する(変動させる)ための情報の一つである、モードが決定されるようになっている。すなわち、当該抽籤は、このモードを決定するための制御処理である。
モード抽籤は、例えば、図65に示すモード抽籤テーブルを参照して行われ、基本的に設定された有利区間レベル(レベル1~6)に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、モードとして、モードA~Eのいずれかが決定され、決定されたモードが当該有利区間のモードとして設定される。また、当該抽籤が行われる遊技の内部当籤役が「F_チェリー」(チェリー当籤)及び「F_スイカ」(スイカ当籤)のいずれかであった場合には、設定された有利区間レベルにかかわらず(レベル不問)、それぞれの内部当籤役に応じて設定された当籤確率で、モードとして、モードA~Eのいずれかが決定され、決定されたモードが当該有利区間のモードとして設定される。すなわち、通常中(非有利区間)において、特定役(「F_チェリー」及び「F_スイカ」のいずれか)に当籤して通常中(有利区間)に移行する場合には、設定された有利区間レベルによることなくモードが設定される場合がある。
なお、これらの決定確率や決定内容は一例である。例えば、有利区間レベルや内部当籤役の種類にかかわらず共通の当籤確率で一のモードが決定されるようにしてもよい。また、例えば、有利区間レベルにかかわらず、当該抽籤が行われる遊技の内部当籤役の種類に応じて設定された当籤確率で一のモードが決定されるようにしてもよい。
<ストックランク抽籤>
通常中(非有利区間)において、有利区間に移行することが決定された遊技では、さらにストックランク抽籤が行われる。第3の遊技機では、有利区間に移行することが決定される場合、開始される有利区間中の有利度合いを決定する(変動させる)ための情報の一つである、ストックランクが決定されるようになっている。すなわち、当該抽籤は、このストックランクを決定するための制御処理である。
ストックランク抽籤は、例えば、図65に示すストックランク抽籤テーブルを参照して行われ、基本的に設定された有利区間レベル(レベル1~6)に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、ストックランクとして、ランク0~10のいずれかが決定され、決定されたランクが当該有利区間のストックランクとして設定される。また、当該抽籤が行われる遊技の内部当籤役が「F_チェリー」(チェリー当籤)及び「F_スイカ」(スイカ当籤)のいずれかであった場合には、設定された有利区間レベルにかかわらず(レベル不問)、それぞれの内部当籤役に応じて設定された当籤確率で、ストックランクとして、ランク0~10のいずれかが決定され、決定されたランクが当該有利区間のストックランクとして設定される。すなわち、通常中(非有利区間)において、特定役(「F_チェリー」及び「F_スイカ」のいずれか)に当籤して通常中(有利区間)に移行する場合には、設定された有利区間レベルによることなくストックランクが設定される場合がある。なお、引き戻しモード2の場合については、ストックランク抽籤(ボーナス終了時)の項において後で詳述する。
<天井ポイント抽籤>
通常中(非有利区間)において、有利区間に移行することが決定された遊技では、さらに天井ポイント抽籤が行われる。第3の遊技機では、有利区間に移行することが決定される場合、開始される有利区間中(より詳細には、初当たりとなるまで)の有利度合いを決定する(変動させる)ための情報の一つである、天井ポイントが決定されるようになっている。すなわち、当該抽籤は、この天井ポイントを決定するための制御処理である。
天井ポイント抽籤は、例えば、まず、図65に示す天井ポイント抽籤テーブル1を参照して行われ、設定されたモード(モードA~E)に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、パラメータ1が決定される。パラメータ1は、天井ポイントにおける、百の位(三桁目)の数値を決定するための情報となっている。なお、引き戻しモード1及び引き戻しモード2の場合については、天井ポイント抽籤(ボーナス終了時)の項において後で詳述する。
また、例えば、次に、図65に示す天井ポイント抽籤テーブル2を参照して行われ、設定されたモード(モードA~E)に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、パラメータ2が決定される。パラメータ2は、天井ポイントにおける、十の位(二桁目)及び一の位(一桁目)の数値を決定するための情報であり、より詳細には、パラメータ2が決定された後、それぞれが属する数値範囲内において一の数値が決定される(決定されたパラメータ2が「0~49」であれば、0~49のうちの一の数値が決定され、決定されたパラメータ2が「50~99」であれば、50~99のうちの一の数値が決定される)。なお、引き戻しモード1及び引き戻しモード2の場合については、天井ポイント抽籤(ボーナス終了時)の項において後で詳述する。
第3の遊技機では、上述のとおり、2段階の抽籤によって天井ポイントが決定され得るように構成される。例えば、天井ポイント抽籤1の結果決定されたパラメータ1が「100」であり、天井ポイント抽籤2の結果決定されたパラメータ2が「0~49」であり、これに基づいて決定された数値が「0」である場合、これらを加算する処理が行われて、最終的な天井ポイントが「100」に決定される。また、例えば、天井ポイント抽籤1の結果決定されたパラメータ1が「100」であり、天井ポイント抽籤2の結果決定されたパラメータ2が「0~49」であり、これに基づいて決定された数値が「49」である場合、これらを加算する処理が行われて、最終的な天井ポイントが「149」に決定される。
また、例えば、天井ポイント抽籤1の結果決定されたパラメータ1が「900」であり、天井ポイント抽籤2の結果決定されたパラメータ2が「50~99」であり、これに基づいて決定された数値が「50」である場合、これらを加算する処理が行われて、最終的な天井ポイントが「950」に決定される。また、例えば、天井ポイント抽籤1の結果決定されたパラメータ1が「900」であり、天井ポイント抽籤2の結果決定されたパラメータ2が「50~99」であり、これに基づいて決定された数値が「99」である場合、これらを加算する処理が行われて、最終的な天井ポイントが「999」に決定される。
なお、詳しくは後述するが、第3の遊技機では、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行う限り、天井ポイントは1ゲームにつき必ず1ずつ減算されていくため、天井ポイントは、ボーナス中等の有利状態に移行するまでの遊技期間(ゲーム数)そのものを示す情報であるとも言い得る。以下、この項では、後述の天井ポイント減算抽籤や天井ポイント短縮抽籤は一旦考慮せず、天井ポイント抽籤の多段階抽籤について説明していく。
第3の遊技機において、上述の如く2段階の抽籤によって天井ポイントを決定しているのは、遊技者が幅広く期待感を抱けるようにするためである。例えば、上述のモード抽籤によってモードCが決定された場合、天井ポイントを消化してボーナス中等の有利状態に移行するのは、「700」ゲーム台か、「800」ゲーム台となるわけであるが(図65の天井ポイント抽籤テーブル1参照)、このとき、一度の抽籤で下二桁の値も決めようとすると、通常は、それぞれのうちの前半(「700~749」若しくは「800~849」)又は後半(「750」~「799」若しくは「850」~「899」)のいずれか一方は遊技者にとって期待感の高い遊技期間となるが、他方は遊技者にとって期待感の低い遊技期間となる場合が多い。さらに、仮に前半が遊技者にとって期待感が高い遊技期間とした場合、前半のうちの特定ゲーム数(例えば、「732」や「832」等)までの遊技期間は遊技者にとって期待感の高い遊技期間となるが、その他は遊技者にとって期待感の低い遊技期間となる場合もある。
このように、遊技者にとって期待感の高い遊技期間と、そうでない遊技期間を設けることも遊技性の一態様ではあるが、例えば、上記の例において、天井ポイントの消化となるゲーム数が「832」であるとした場合、遊技者は、まず、「700」ゲーム台に突入することで期待感を高めるが、「732」ゲームまでに「当たり」とならなかった場合には、その後「733」~「799」ゲームの間は、期待感の低い状態で遊技を行うこととなる。このような状態での遊技期間が長くなる場合、遊技の興趣が低下してしまうおそれがある。
そこで、第3の遊技機では、まず、天井ポイント抽籤1によって天井ポイントの百の位(三桁目)の数値を決定可能とし、次に、これとは別の抽籤である天井ポイント抽籤2によって天井ポイントの十の位(二桁目)及び一の位(一桁目)の数値を決定可能に構成している。これにより、第3の遊技機によれば、決定される天井ポイント(ゲーム数)のランダム性を高めることができるため、遊技者に幅広く期待感を抱かせることができ、遊技の興趣が低下してしまうことを抑制できる。
なお、このような観点によれば、天井ポイント抽籤2で決定されたパラメータ2に基づく一の数値の決定に際しては、なるべく同程度の決定確率にて各数値が決定されることが望ましい。もっとも、抽籤値を均等に割り当てられない場合もあろうし、この場合には、一定の偏りが生じることとしても差し支えない。また、極端な偏りを生じさせないのであれば、遊技性向上を目的として、特定の値(例えば、奇数若しくは偶数、あるいは一の位が「7」となる値等)の決定確率が高くなるように構成することもできる。
また、第3の遊技機では、天井ポイント抽籤を2段階の抽籤で行うこととしているが、多段階で抽籤を行う態様はこれに限られない。例えば、天井ポイント抽籤1では天井ポイントの百の位(三桁目)の数値を決定可能とし、天井ポイント抽籤2では天井ポイントの十の位(二桁目)の数値を決定可能とし、天井ポイント抽籤3では天井ポイントの一の位(一桁目)の数値を決定可能とするといった3段階の抽籤によって天井ポイントが決定されるようにしてもよい。むろん、4段階以上の段階的な抽籤によって天井ポイントを決定することも可能である。
また、それぞれの位を決定するためのパラメータも上述したものに限られない。例えば、2段階の抽籤で行う場合、パラメータ2を「0~9」、「10~19」・・・「80~89」、「90~99」の10個に設定し、モードに応じて設定された当籤確率によって一のパラメータ2が決定されるようにしてもよい。また、例えば、3段階の抽籤で行う場合、十の位(二桁目)を決定するためのパラメータを「0」、「10」・・・「80」、「90」の10個に設定し、一の位(一桁目)を決定するためのパラメータを「0」、「1」・・・「8」、「9」の10個に設定し、モードに応じて設定された当籤確率によって一のそれぞれが決定されるようにしてもよい。また、例えば、3段階の抽籤で行う場合、十の位(二桁目)を決定するためのパラメータ「0」、「50」の2個に設定し、さらに、十の位(二桁目)及び一の位(一桁目)を決定するためのパラメータを「0~49」の範囲内のうちの任意の範囲とした任意の個数のパラメータとして設定し(すなわち、十の位については重畳して抽籤が行われるものとし)、これらが加算されることによって天井ポイントが決定されるようにしてもよい。
<天井ゲーム数設定>
通常中(非有利区間)において、有利区間に移行することが決定された遊技では、さらに天井ゲーム数設定が行われる。第3の遊技機では、有利区間に移行することが決定される場合、開始される有利区間中(より詳細には、初当たりとなるまで)の有利度合いを決定する(変動させる)ための情報の一つである、天井ゲーム数が決定されるようになっている。すなわち、当該設定は、この天井ゲーム数を決定するための制御処理である。
なお、天井ゲーム数は、上述の天井ポイント抽籤によって決定された天井ポイントに基づいて設定されるように構成される。具体的には、決定された天井ポイントに対し、下二桁を50単位で切り上げた数値が天井ゲーム数として設定される。
例えば、決定された天井ポイントが「101」である場合、あるいは「149」である場合、いずれも天井ゲーム数は「150」に設定される。また、例えば、天井ポイントが「951」である場合、あるいは「999」である場合、いずれも天井ゲーム数は「1000」に設定される。また、決定された天井ポイントが「100」である場合、天井ゲーム数は「100」に設定される。すなわち、天井ゲーム数は、天井ポイント未満の数値となる場合はなく、必ず天井ポイント以上の数値となるが、天井ポイントと同じ数値となる場合もあるように構成されている。
なお、天井ポイントに基づく天井ゲーム数の設定態様については、上述したものに限られない。例えば、決定された天井ポイントに対して所定の数値(例えば、「32」あるいは「50」等)を加算することによって天井ゲーム数が設定されるようにしてもよい。また、例えば、上記の所定の数値が抽籤によって(例えば、「0」~「50」の範囲で)決定されるようにし、決定された所定の数値を加算することによって天井ゲーム数が設定されるようにしてもよい。
ここで、天井ポイントと天井ゲーム数との大まかな相違点について説明する。
<天井ポイント>
・遊技者が特定の遊技方法で遊技を行わない場合、後述の天井ポイント減算抽籤の結果によっては、1ゲームにつき1減算されない場合がある。
・後述の天井ポイント短縮抽籤の結果によっては、現在の数値が「1」に短縮される場合がある。
・天井ポイントの消化によってボーナス中に移行した場合、以後の遊技において、天井ゲーム数の消化によってボーナス中に移行した場合よりも有利となる場合がある。
<天井ゲーム数>
・遊技者が特定の遊技方法で遊技を行うか否かにかかわらず、1ゲームにつき必ず1減算される(一方で、短縮される場合もない)。
・天井ゲーム数の消化によってボーナス中に移行した場合、以後の遊技において、天井ポイント数の消化によってボーナス中に移行した場合よりも不利となる場合がある。
すなわち、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行う限り、基本的に天井ゲーム数の消化が天井ポイントの消化よりも先に到来する可能性はなく、したがって、ボーナス中に移行した以後の遊技において不利となる可能性もないが、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行わなかった場合には、これらの可能性が生じることとなる。なお、これらについての具体的な制御処理については後で詳述する。
また、第3の遊技機では、天井ポイントや天井ゲーム数は、対応するカウンタ(天井ポイントカウンタや天井ゲーム数カウンタ)が減算更新されることによって更新結果が「0」となったときに、設定された天井ポイントや天井ゲーム数に到達したと判別されるように構成しているが、これらの値を管理する手法はこれに限られない。例えば、対応するカウンタが(初期値0から)加算更新されることによって更新結果が設定された天井ポイントや天井ゲーム数の値となったときに設定された天井ポイントや天井ゲーム数に到達したと判別されるように構成してもよい。本実施形態における他のカウンタについても同様である。
このように、通常中(非有利区間)において、有利区間に移行することが決定されると、次ゲームから通常中(有利区間)に移行する(有利区間移行)。
(通常中(有利区間))
続いて、図63及び図64を参照して、第3の遊技機における通常中(有利区間)について説明する。上述のとおり、通常中(有利区間)は、有利区間の遊技状態として構成される。
通常中(有利区間)では、例えば、天井ポイント短縮抽籤、ストックランク昇格抽籤(天井ポイント短縮時)、フリーズ抽籤、ストックランク昇格抽籤、天井ポイント減算抽籤、天井ゲーム数更新、天井ポイント到達時ストック数抽籤、天井ゲーム数到達時ストック数抽籤、ボーナスストック加算抽籤、ボーナス種別抽籤等が行われる。なお、これらは一例であり、これら以外の抽籤や決定が行われるように構成することもできるし、これらのうちいずれかの抽籤や決定は行われないように構成することもできる。
<天井ポイント短縮抽籤>
通常中(有利区間)において、天井ポイントが残り「33」となった場合、後述の短縮有効カウンタに「32」がセットされる(後述の図88参照)。なお、この短縮有効カウンタは、1ゲームにつき必ず1ずつ減算されるように構成される。そして、この短縮有効カウンタが1以上である(かつ、値がセットされている)場合には、毎遊技、天井ポイント短縮抽籤が行われる。当該抽籤に当籤した場合には、現在の天井ポイントの値にかかわらず、天井ポイントが「1」に更新される。すなわち、当該抽籤は、ボーナス中等の有利状態に移行するまでの遊技期間(待機期間)を短縮するか否かを決定するための制御処理である。
天井ポイント短縮抽籤は、例えば、図66に示す天井ポイント短縮抽籤テーブルを参照して行われ、内部当籤役の種類に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、当籤(天井ポイントを短縮する)、又は非当籤(天井ポイントを短縮しない)のいずれかが決定される。なお、第3の遊技機では、内部当籤役が「F_チェリー」及び「F_スイカ」のいずれかであった場合に当該抽籤が行われるものとしているが、これ以外の内部当籤役が決定された場合にも設定された当籤確率により当該抽籤が行われるようにすることもできる。例えば、押し順ベルが内部当籤役として決定された場合に、後述のSR情報としてSR1が設定された場合には当該抽籤が行われ、後述のSR情報としてSR2が設定された場合には当該抽籤が行われないものとすることもできる。
また、第3の遊技機では、後述のとおり、連チャン中においても当該抽籤が行われるものとし、かつ、通常中(有利区間)とはその当籤確率が異なるものとしているが、当該抽籤の態様はこれに限られない。例えば、連チャン中においては、当該抽籤は行われないものとしてもよいし、あるいは、連チャン中において当該抽籤は行われるが、通常中(有利区間)においては当該抽籤が行われないものとしてもよい。また、通常中(有利区間)と連チャン中とで当該抽籤の当籤確率を共通の確率としてもよい。
なお、第3の遊技機において、天井ポイント短縮抽籤を天井到達前の所定時期から行うこととしているのは、遊技者が過度に有利となることを抑制しつつ、決定される天井ポイント(ゲーム数)のランダム性をさらに高めて、遊技性を向上させるためである。
例えば、現在のモードがモードCで、天井ポイントが「716」に設定されていたとする。ここで、天井ポイントが短縮されずに遊技が消化され、天井ポイントが「716」に到達したときにボーナス中に移行したとすると、遊技者は現在のモードがモードCであることを予測できてしまう。ところが、天井ポイントが「690」の時点(残り「26」の時点)で天井ポイントが短縮されて「1」となり、次ゲームでボーナス中に移行したとすると、遊技者は、現在のモードがモードCで、天井ポイントが短縮されてボーナス中に移行したのか、あるいは、現在のモードがモードBで、天井ポイントが短縮されずにボーナス中に移行したのかわからず、現在のモードを簡単には予測できないようになる。このようにすれば、遊技者に予測する楽しみを与えることができるため、遊技性を向上させて、遊技の興趣を高めることが可能となる。
もっとも、遊技者に幅広く期待感を抱かせて遊技性を向上させることを重視するのであれば、天井到達前の所定時期のみではなく、通常中(有利区間)が開始されたときから、天井ポイントが残り「1」となる前までの全遊技において、天井ポイント短縮抽籤が行われるものとしてもよい。また、この場合、当該抽籤の当籤結果として、さらに、天井ポイントを残り「32」とすることや、現在の天井ポイントに対して所定の演算を行うこと(例えば、2で除する等)等を設定し、天井ポイントの短縮態様がより多様化するようにしてもよい。
<ストックランク昇格抽籤(天井ポイント短縮時)>
通常中(有利区間)において、天井ポイント短縮抽籤に当籤した遊技では、さらにストックランク昇格抽籤(天井ポイント短縮時)が行われる。第3の遊技機では、ストックランクは有利区間移行時に決定されるが(上述のストックランク抽籤参照)、その後の遊技結果によっては、さらにストックランクが昇格する場合があるようになっている。すなわち、当該抽籤は、ストックランクをより有利なものとするか否かを決定するための制御処理である。
ストックランク昇格抽籤(天井ポイント短縮時)は、例えば、図66に示すストックランク昇格抽籤テーブル(天井ポイント短縮時)を参照して行われ、現在のランクに応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、昇格先のランクが決定される(現在のランクが維持される場合もある)。なお、第3の遊技機では、当該抽籤は、「F_スイカ」に当籤したことに基づいて行われた天井ポイント短縮抽籤に当籤した場合にのみ行われるものとなっているが、「F_チェリー」に当籤したことに基づいて行われた天井ポイント短縮抽籤に当籤した場合にも行われるようにすることもできる。
<フリーズ抽籤>
通常中(有利区間)において、「F_2134ベル_1」に当籤した遊技において、後述のSR情報がSR1であった場合、フリーズ抽籤が行われる(後述のSR情報がSR2であった場合には行われない)。第3の遊技機では、基本的に天井ポイントや天井ゲーム数を消化したときに後述のボーナス種別抽籤が行われて移行先の有利状態の種別が決定されるものとなっているが、当該抽籤に当籤していた場合には、必ず移行先の有利状態がPBB中となるようになっている。すなわち、当該抽籤は、PBB中に移行する権利を付与するか否かを決定するための制御処理でもある。
フリーズ抽籤は、例えば、図66に示すフリーズ抽籤テーブルを参照して行われ、当籤(フリーズを実行する)、又は非当籤(フリーズを実行しない)のいずれかが決定される。なお、当該抽籤についても多段階の抽籤を行うようにしてもよい。例えば、「F_2134ベル_1」に当籤した遊技で、まず、当該抽籤テーブルを用いて1段階目の抽籤を行い、これに当籤した場合のみ、再度当該抽籤テーブルを用いて2段階目の抽籤を行う。そして、2段階目の抽籤に当籤した場合に、最終的な抽籤結果が当籤(フリーズを実行する)となるようにしてもよい。このようにすれば、テーブル数や確率分母を増加させることなく、より適正な確率でフリーズの実行可否を決定することができる。
また、第3の遊技機では、押し順ベルのうちの特定のもの(「F_2134ベル_1」)に当籤した場合のみ当該抽籤を行うものとしているが、これはあくまで一例である。例えば、他の押し順ベル(例えば、「F_○○○○ベル_1」といったように末尾が「1」であるもの、第2リール第1停止が正解打順となるもの、あるいは、全ての押し順ベル等)に当籤した場合においても当該抽籤を行うようにしてもよいし、押し順ベル以外の役に当籤した場合においても当該抽籤を行うようにしてもよい。また、これらの場合、その当籤確率は当該抽籤テーブルに示したものに限られず適宜設定することが可能である。
<ストックランク昇格抽籤>
通常中(有利区間)において、「F_2134ベル_1」に当籤した遊技において、後述のSR情報がSR1であった場合、ストックランク昇格抽籤が行われる(後述のSR情報がSR2であった場合には行われない)。なお、当該抽籤の基本的な構成は、ストックランク昇格抽籤(天井ポイント短縮時)におけるものと同様である。ストックランク昇格抽籤は、例えば、図66に示すストックランク昇格抽籤テーブルを参照して行われ、現在のランクに応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、昇格先のランクが決定される(現在のランクが維持される場合もある)。
また、第3の遊技機では、押し順ベルのうちの特定のもの(「F_2134ベル_1」)に当籤した場合のみ当該抽籤を行うものとしているが、これはあくまで一例である。例えば、他の押し順ベル(例えば、「F_○○○○ベル_1」といったように末尾が「1」であるもの、第2リール第1停止が正解打順となるもの、あるいは、全ての押し順ベル等)に当籤した場合においても当該抽籤を行うようにしてもよいし、押し順ベル以外の役に当籤した場合においても当該抽籤を行うようにしてもよい。また、これらの場合、その当籤確率は当該抽籤テーブルに示したものに限られず適宜設定することが可能である。
<天井ポイント減算抽籤>
通常中(有利区間)では、毎遊技、天井ポイント減算抽籤が行われる。第3の遊技機では、各役に対してSR情報が設定される。SR情報は、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行ったかを識別するための情報として構成される。具体的には、押し順ベルに当籤した遊技において、左第1停止で停止操作が行われたか(第1リールに対して最初に停止操作が行われたか)を識別する。押し順ベルに当籤した遊技において、左第1停止で停止操作が行われた場合には、SR情報として「SR1」が設定される。一方、押し順ベルに当籤した遊技において、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には、SR情報として「SR2」が設定される。また、押し順ベル以外の役に当籤した遊技においては、押し順にかかわらず「SR0」が設定される。
そして、当該抽籤では、設定されたSR情報に基づいて天井ポイントを減算するか否かが決定される。例えば、図69に示す天井ポイント減算抽籤テーブルを参照して行われ、当籤(天井ポイントを1減算する)、又は非当籤(天井ポイントを減算しない)のいずれかが決定される。なお、当該抽籤テーブルに示すとおり、SR情報がSR0又はSR1である場合には、設定値にかかわらず(設定不問)、必ず当籤となり、天井ポイントを1減算することが決定される。一方、SR情報がSR2である場合には、現在の設定値(設定1~6)に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で当籤又は非当籤が決定され、非当籤となった場合には天井ポイントが減算されないことが決定される。すなわち、当該抽籤は、ボーナス中等の有利状態に移行するまでの遊技期間(待機期間)を更新(短縮)するための制御処理であるとともに、ボーナス中等の有利状態への移行に関し、これを有利とするか不利とするかを決定するための制御処理でもある。
ここで、第3の遊技機では、押し順ベルは、左第1停止で停止操作が行われた場合には10枚入賞が発生することがなく、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には10枚入賞が発生する場合があるように構成されている(後述の図82~図85参照)。すなわち、左第1停止の停止操作態様は、左第1停止以外の停止操作態様よりもメダルの付与期待値が低くなるように構成されている。これに対し、上述のとおり、押し順ベルに当籤した遊技では、左第1停止で停止操作が行われた場合には必ず天井ポイントが1減算されるが、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には天井ポイントが減算されない場合があるように構成されている。すなわち、左第1停止以外の停止操作態様は、左第1停止の停止操作態様よりも天井ポイントの更新が不利となるように構成されている。
そして、第3の遊技機では、このような仕様をもって、遊技者の停止操作態様の選択の結果に応じて有利度合いを変動させ得るようにすることを可能とし、これによって、遊技性を多様化して遊技の興趣を高めることを可能としている。なお、これについては、図87を用いて後で詳述する。
<天井ゲーム数更新>
通常中(有利区間)では、毎遊技、天井ゲーム数の更新が行われる。上述のとおり、第3の遊技機では、天井ポイントと天井ゲーム数の2つの情報を管理しており、天井ポイントについては減算されない場合があるが、天井ゲーム数については1ゲームにつき必ず1ずつ減算されるように構成される。すなわち、当該処理は、天井ゲーム数を1ゲームにつき1減算し、ボーナス中等の有利状態に移行するまでの遊技期間を更新するための制御処理である。
<天井ポイント到達時ストック数抽籤>
通常中(有利区間)において、天井ポイントが更新されていき、設定された天井ポイントに到達する(天井ポイントが0となる)と、天井ポイント到達時ストック数抽籤が行われる。第3の遊技機では、通常中(有利区間)で初当たりとなったとき、疑似ボーナス状態がどの程度継続(連チャン)するのかを、ストック数(ボーナスストック)として予め決定するように構成される。例えば、ストック数として「1」が決定された場合、通常中(有利区間)から一度ボーナス中に移行し、当該ボーナス中が終了した場合には(ボーナスストックが0となるので)連チャン中には移行せず、基本的に疑似ボーナス状態が連チャンすることはない。一方、例えば、ストック数として「2」が決定された場合、通常中(有利区間)から一度ボーナス中に移行し、当該ボーナス中が終了した場合には(ボーナスストックがまだ1あるので)連チャン中に移行し、少なくともあと1回は疑似ボーナス状態が連チャンすることとなる。すなわち、当該抽籤は、有利状態の継続度合いを決定するための制御処理である。
天井ポイント到達時ストック数抽籤は、例えば、図67に示す天井ポイント到達時ストック数抽籤テーブルを参照して行われ、基本的に、設定された天井ポイントの範囲と、設定された有利区間レベル(レベル1~6)とに応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、ストック数(ボーナスストック)として、ストック数1~25のいずれかが決定され、決定されたストック数が今回のボーナスストックとして設定される。
なお、ボーナス終了時において、後述の引き戻しモード移行抽籤に当籤し、ボーナス中から通常中(有利区間)に移行し、引き戻しモード中の通常中(有利区間)において設定された天井ポイントに到達した場合には、設定された引き戻しモード(引き戻しモード1又は引き戻しモード2)の種類に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、ストック数(ボーナスストック)として、ストック数1~25のいずれかが決定され、決定されたストック数が今回のボーナスストックとして設定される。
<天井ゲーム数到達時ストック数抽籤>
通常中(有利区間)において、天井ゲーム数が更新されていき、設定された天井ポイントに到達する(天井ポイントが0となる)前に、設定された天井ゲーム数に到達する(天井ゲーム数が0となる)と、天井ゲーム数到達時ストック数抽籤が行われる。なお、当該抽籤の目的は、基本的に天井ポイント到達時ストック数抽籤におけるものと同様である。
天井ゲーム数到達時ストック数抽籤は、例えば、図68に示す天井ゲーム数到達時ストック数抽籤テーブルを参照して行われ、基本的に、設定された天井ゲーム数の範囲と、設定された有利区間レベル(レベル1~6)とに応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、ストック数(ボーナスストック)として、ストック数1~25のいずれかが決定され、決定されたストック数が今回のボーナスストックとして設定される。
なお、ボーナス終了時において、後述の引き戻しモード移行抽籤に当籤し、ボーナス中から通常中(有利区間)に移行し、引き戻しモード中の通常中(有利区間)において設定された天井ゲーム数に到達した場合には、設定された引き戻しモード(引き戻しモード1又は引き戻しモード2)の種類に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、ストック数(ボーナスストック)として、ストック数1~25のいずれかが決定され、決定されたストック数が今回のボーナスストックとして設定される。
ここで、天井ポイント到達時ストック数抽籤と天井ゲーム数到達時ストック数抽籤とを比較すると、天井ゲーム数到達時ストック数抽籤よりも天井ポイント到達時ストック数抽籤のほうが、より多くのストック数を得られる可能性が高くなっている。すなわち、天井ポイント到達によって疑似ボーナス状態に移行させた場合のほうが、天井ゲーム数到達によって疑似ボーナス状態に移行させた場合よりも、有利状態の継続度合いが相対的に高くなる結果、遊技者にとって有利となりやすくなっている。換言すれば、天井ゲーム数到達によって疑似ボーナス状態に移行させた場合のほうが、天井ポイント到達によって疑似ボーナス状態に移行させた場合よりも、遊技者にとって不利となりやすくなっている。したがって、上述の特定の遊技方法で遊技を行うか否かによって、結果として、疑似ボーナス状態(AT状態)に関連する処理(AT関連処理)が有利となるか不利となるかが変動し得るようになっている。
なお、第3の遊技機では、天井ポイント到達時ストック数抽籤は、天井ポイントが0となる遊技(換言すれば、ボーナス中等の有利状態が開始される遊技)が開始されるときに行われるようにしてもよいし、天井ポイントが1である遊技において、遊技の結果、天井ポイントが0となることが確定した場合の当該遊技(換言すれば、ボーナス中等の有利状態が開始される遊技の1ゲーム前の遊技)が終了するときに行われるようにしてもよい。天井ゲーム数到達時ストック数抽籤も同様である。
<ボーナスストック加算抽籤>
通常中(有利区間)において、天井ポイント到達時ストック数抽籤又は天井ゲーム数到達時ストック数抽籤が行われる遊技では、さらにボーナスストック加算抽籤が行われる。第3の遊技機では、通常中(有利区間)で初当たりとなったとき、疑似ボーナス状態がどの程度継続(連チャン)するのかを、天井ポイント到達時ストック数抽籤又は天井ゲーム数到達時ストック数抽籤によって予め決定することに加え、さらに当該抽籤によっても決定するように構成される。すなわち、当該抽籤は、有利状態の継続度合いを決定するための制御処理である。
なお、天井ポイント到達時ストック数抽籤又は天井ゲーム数到達時ストック数抽籤においては、基本的に有利区間移行時に最初に設定された有利区間レベルに応じて設定された当籤確率でストック数が決定されるのに対し、当該抽籤では、有利区間移行後も変動し得る(昇格し得る)ストックランクに応じて設定された当籤確率で加算されるストックが決定される点で異なる。すなわち、例えば、有利区間レベルが相対的に不利なものであったとしても、ストックランクが昇格していれば、連チャンする可能性が高まるため、いずれの状況であったとしても、遊技者は期待感をもって遊技を行うことが可能となる。
ボーナスストック加算抽籤は、例えば、図69に示すボーナスストック加算抽籤テーブルを参照して行われ、設定されたストックランク(ランク0~10)に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、ストック加算(ボーナスストックに加算される加算値)として、加算値1~20のいずれかが決定され、決定された加算値が今回のボーナスストックに加算される。
<ボーナス種別抽籤>
通常中(有利区間)において、天井ポイント到達時ストック数抽籤又は天井ゲーム数到達時ストック数抽籤が行われる遊技では、さらにボーナス種別抽籤が行われる。また、これは、ボーナス終了時において、後述の天井ポイント抽籤(ボーナス終了時)の結果、天井ポイントが0に決定された場合(図64に示す、ボーナス中のボーナス種別抽籤(ボーナス終了時)が行われる場合)、連チャン中において、天井ポイントが0となった場合、あるいは天井ゲーム数が0となった場合(図64に示す、連チャン中のボーナス種別抽籤)も同様である。
なお、上述のフリーズ抽籤に当籤していた場合には、当該抽籤は行われず(あるいは当該抽籤が行われるがその結果として必ず)、ボーナス種別としてPBBが決定され、PBB中に移行することが決定される。
また、「F_チェリー」に当籤したことに基づいて行われた上述の天井ポイント短縮抽籤に当籤し、天井ポイントが0となった場合には、当該抽籤は行われず(あるいは当該抽籤が行われるがその結果として必ず)、ボーナス種別としてBBが決定され、BB中に移行することが決定される。
ボーナス種別「RB」は、ボーナス中のRB中に移行することが決定されるものであり、ボーナス種別「BB」は、ボーナス中のBB中に移行することが決定されるものである。また、ボーナス種別「PBB」は、PBB中に移行することが決定されるものであり、ボーナス種別「BB+次回PBBフラグ」は、ボーナス中のBB中に移行した後、当該BB中が終了するとすぐにPBB中に移行することが決定されるものである。
ボーナス種別抽籤は、例えば、図69に示すボーナス種別抽籤テーブルを参照して行われ、通常中(有利区間)からの移行であれば当たり種別「初当たり」の欄のデータが参照され、その他(例えば、ボーナス中や連チャン中)からの移行であれば当たり種別「その他」の欄のデータが参照され、現在のMYランク(MYランク1~5)と、現在の設定値(設定1~6)とに応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、上述のボーナス種別のいずれかが決定され、決定された種別の有利状態に移行する。すなわち、当該抽籤(その他のボーナス種別の決定を含む)は、有利状態中の有利度合いを決定するための制御処理である。
なお、ボーナス種別としてBBが決定された場合(ボーナス種別抽籤の抽籤結果のみならず、その他のボーナス種別の決定時を含む)に、制御用払出数カウンタの値が1900を超えていた場合には、ボーナス種別が「BB+次回PBBフラグ」に変更される。
ここで、MYランクについて説明する。MYランクは、図69に示すように、有利区間ゲーム数カウンタの値と、制御用払出数カウンタの値とに応じて一のランクが設定されるものとなっている。すなわち、MYランクは、当該有利区間における遊技の進行状況と、当該有利区間におけるメダルの付与状況とを総合し、これを図69に示す条件で区分した遊技状況を示す情報として構成される。また、MYランクは、有利区間移行時の初期値としてMYランク1が設定された後、ボーナス終了時に現在の遊技状況に応じて更新される。
なお、図69中、有利区間ゲーム数カウンタの値が「901以上」とは、当該カウンタの値が「901~1200」である場合を示し、「1201以上」とは、当該カウンタの値が「1201~1500」である場合を示し、「その他」とは、上記に該当しない場合を示している。また、制御用払出数カウンタの値が「400以下」とは、当該カウンタの値が「0~400」である場合を示し、「800以下」とは、当該カウンタの値が「401~800」である場合を示し、「1200以下」とは、当該カウンタの値が「801~1200」である場合を示し、「1600以下」とは、当該カウンタの値が「1201~1600」である場合を示し、「2000以下」とは、当該カウンタの値が「1601~2000」である場合を示し、「その他」とは、上記に該当しない場合を示している。
このように、通常中(有利区間)において、天井ポイント又は天井ゲーム数を消化し、ボーナス種別としてPBBが決定された場合には、当該ゲーム(あるいは次ゲーム)からPBB中に移行する(天井P、又は天井G数消化/種別:PBB)。また、天井ポイント又は天井ゲーム数を消化し、ボーナス種別としてPBB以外が決定された場合には、ボーナスストックを1減算した上で、当該ゲーム(あるいは次ゲーム)からボーナス中に移行する(天井P、又は天井G数消化/種別:ボーナス)。
(PBB中)
続いて、図63及び図64を参照して、第3の遊技機におけるPBB中について説明する。上述のとおり、PBB中は、有利区間の遊技状態として構成され、有利区間がリミッタの作動によって強制的に終了するまで継続するAT状態として構成される。したがって、PBB中には、特段の抽籤や決定は行われないものとなっている。
PBB中において、ゲーム数リミッタ又は払出数リミッタが作動した場合には、通常中(非有利区間)に移行する(リミッタ作動)。
(ボーナス中)
続いて、図63及び図64を参照して、第3の遊技機におけるボーナス中について説明する。上述のとおり、ボーナス中は、有利区間の遊技状態として構成され、規定された終了条件を満たすまで(BB中であれば押し順ベルのナビが30回発生するまで、RB中であれば押し順ベルのナビが10回発生するまで)継続するAT状態として構成される。
ボーナス中では、例えば、天井ポイント短縮抽籤(ボーナス開始時)、ボーナス中1G連抽籤、ボーナス種別抽籤(ボーナス終了時)、引き戻しモード移行抽籤、ストックランク抽籤(ボーナス終了時)、天井ポイント抽籤(ボーナス終了時)、天井ゲーム数設定(ボーナス終了時)等が行われる。なお、これらは一例であり、これら以外の抽籤や決定が行われるように構成することもできるし、これらのうちいずれかの抽籤や決定は行われないように構成することもできる。
<天井ポイント短縮抽籤(ボーナス開始時)>
ボーナス中において、当該ボーナス中が開始された遊技では、ボーナスストックから後述の1G連カウンタの値を減じた値が1以上である場合、天井ポイント短縮抽籤(ボーナス開始時)が行われる。なお、当該抽籤は、単に、当該ボーナス中が開始された遊技において、ボーナスストックが1以上である場合に行われるものであってもよい。また、当該ボーナス中が、ボーナス種別「BB+次回PBBフラグ」が決定された場合のBB中であるときには、当該抽籤は行われない。第3の遊技機では、基本的にボーナス中が連チャンすることが確定している場合(例えば、複数個のボーナスストックが付与されている場合)であっても、一回のボーナス中が終了した後は一旦連チャン中に移行し、当該連チャン中に所定期間の遊技を行ってから再度ボーナス中が開始されるようになっているが、当該抽籤では、例外的に、ボーナス中の終了後すぐに(間断なく連続して)ボーナス中が開始されることが決定可能となっている。すなわち、当該抽籤は、有利状態の延長を決定するための制御処理であるとも言い得る。
天井ポイント短縮抽籤(ボーナス開始時)は、例えば、図70に示す天井ポイント短縮抽籤テーブル(ボーナス開始時)を参照して行われ、当籤(ボーナス終了時に天井ポイントを0に設定する)、又は非当籤(ボーナス終了時に天井ポイントを0に設定しない)のいずれかが決定される。なお、当該抽籤で非当籤となった場合であっても、後述の天井ポイント抽籤(ボーナス終了時)の抽籤結果によっては、天井ポイントが0に設定される場合がある。
<ボーナス中1G連抽籤>
ボーナス中では、現在のMYランクがMYランク4未満であれば、毎遊技、ボーナス中1G連抽籤が行われる。なお、当該抽籤は、現在のMYランクにかかわらず行われるものであってもよい。また、当該ボーナス中が、ボーナス種別「BB+次回PBBフラグ」が決定された場合のBB中であるときには、当該抽籤は行われない。第3の遊技機では、ボーナスストックとは別に、ボーナス1G連カウンタが設けられ、当該ボーナス1G連カウンタの値が1以上となった場合には、ボーナス中はその終了条件が満たされると一旦疑似的に終了するものの、その終了後すぐに(間断なく連続して)ボーナス中が開始されることが決定可能となっている(すなわち、見た目上は、疑似ボーナス状態が1ゲームで連チャンしたようにみえるが、実際には当該ボーナス中が延長されている)。当該抽籤では、このボーナス1G連カウンタを加算するか否の抽籤が行われるものとなっている。すなわち、当該抽籤は、有利状態の延長を決定するための制御処理である。なお、ボーナス1G連カウンタが加算されたときには、ボーナスストックにも対応する値が加算される。すなわち、当該抽籤は、有利状態の継続度合いを決定するための制御処理であるとも言い得る。
ボーナス中1G連抽籤は、例えば、まず、図70に示すボーナス中1G連抽籤テーブル1を参照して行われ、現在の設定値(設定1~6)と、内部当籤役の種類とに応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、当籤(引き続き、ボーナス中1G連抽籤2が実行される)、又は非当籤(ボーナス中1G連抽籤2は実行されない)のいずれかが決定される。続いて、上述のボーナス中1G連抽籤1に当籤した場合には、図70に示すボーナス中1G連抽籤テーブル2を参照して行われ、現在の設定値(設定1~6)と、内部当籤役の種類とに応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、当籤個数(すなわち、ボーナス1G連カウンタの加算値)が決定される。なお、当該抽籤では、当籤個数「0」(すなわち、ボーナス1G連カウンタは加算されないこと)が決定される場合もある。
<ボーナス種別抽籤(ボーナス終了時)>
<引き戻しモード移行抽籤>
<ストックランク抽籤(ボーナス終了時)>
<天井ポイント抽籤(ボーナス終了時)>
<天井ゲーム数設定(ボーナス終了時)>
このように、ボーナス中1G連抽籤が毎遊技行われつつ、ボーナス中の遊技が進行していき、当該ボーナス中において上述の終了条件を満たした場合、ボーナス終了時の制御処理として、まず、MYランクが更新され、また、ストックランクに0がセットされる。
続いて、当該ボーナス中が、ボーナス種別「BB+次回PBBフラグ」が決定された場合のBB中であるとき(すなわち、次回PBBフラグがオンである場合)には、PBB中に移行する(ボーナス終了即PBB中移行)。また、当該遊技において、制御用払出数カウンタの値が2100を超える場合、又は制御用ゲーム数カウンタの値の1399を超える場合には、PBB中に移行する(ボーナス終了即PBB中移行)。
また、上述の天井ポイント短縮抽籤(ボーナス開始時)に当籤していた場合には、ボーナスストックを1減算した上で、BB中に移行する(ボーナス終了即ボーナス中移行)。また、天井ポイント短縮抽籤(ボーナス開始時)に当籤しておらず、ボーナス1G連カウンタが1以上である場合には、ボーナスストックを1減算し、また、ボーナス1G連カウンタを1減算した上で、BB中に移行する(ボーナス終了即ボーナス中移行)。なお、天井ポイント短縮抽籤(ボーナス開始時)に当籤し、かつ、ボーナス1G連カウンタが1以上でもある場合には、ボーナス1G連カウンタに基づく当該ボーナス中の延長処理のほうが優先して行われるようにしてもよい。
上記のようにPBB中やBB中に移行しない場合、ボーナスストックが1以上であるかが判別される。ボーナスストックが1以上である場合には、天井ポイント抽籤(ボーナス終了時)が行われる。なお、当該抽籤は、連チャン中に移行する場合の制御処理である。具体的には、図70に示す天井ポイント抽籤テーブル(ボーナス終了時)を参照して行われ、ボーナスストックの個数が4の倍数であるか否かに応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、まず、天井ポイントの範囲を示すパラメータが決定された後、その範囲内から一の数値が決定される(決定確率は同確率とすることができる)。なお、このとき、天井ポイントとして0が決定された場合には、次ゲームから新たなボーナス中が開始されるため、ボーナスストックを1減算した上で、ボーナス種別抽籤(ボーナス終了時)が行われ、当該抽籤の結果決定された種別のボーナス中に移行する(ボーナス終了即ボーナス中移行)。
また、天井ポイントとして0以外が決定された場合には、次ゲームから連チャン中に移行する(ボーナス終了(ボーナスストック≧1))。なお、この場合、天井ゲーム数には32が設定される。
一方、ボーナスストックが1以上でない(ボーナスストックが0である)場合には、引き戻しモード移行抽籤が行われる。なお、当該抽籤は、連チャン中に移行しない場合の制御処理である。具体的には、まず、図70に示す引き戻しモード1移行抽籤テーブルを参照して行われ、現在の設定値(設定1~6)に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、当籤(少なくとも引き戻しモード1には移行し、引き続き、引き戻しモード2移行抽籤が実行される)、又は非当籤(引き戻しモード1には移行しない)のいずれかが決定される。
引き戻しモード1移行抽籤で非当籤となった場合には、次ゲームから終了準備中に移行する(ボーナス終了(ボーナスストック=0、引き戻し非当籤))。なお、この場合、天井ポイントには32が設定され、天井ゲーム数には50が設定される。
また、引き戻しモード1移行抽籤で当籤となった場合には、続いて、図70に示す引き戻しモード2移行抽籤テーブルを参照して行われ、現在のMYランク(MYランク1~5)に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、当籤(引き戻しモード2に移行する)、又は非当籤(引き戻しモード2には移行せず、引き戻しモード1に移行する)のいずれかが決定される。
続いて、引き戻しモード2に移行する場合には、ストックランク抽籤(ボーナス終了時)が行われる。なお、引き戻しモード2に移行しない場合(引き戻しモード1に移行する場合)には、ストックランクは0のままとなる。ストックランク抽籤(ボーナス終了時)は、図65に示すストックランク抽籤テーブルを参照して行われ(引き戻しモード2の列を参照)、設定された当籤確率(抽籤値/256)で、ストックランク(ランク0又はランク1)が決定される。
続いて、引き戻しモード1に移行する場合、及び引き戻しモード2に移行する場合のいずれの場合にも、天井ポイント抽籤(ボーナス終了時)が行われる。天井ポイント抽籤(ボーナス終了時)は、図65に示す天井ポイント抽籤テーブル1及び天井ポイント抽籤テーブル2を参照して行われ(引き戻しモード1及び引き戻しモード2の列を参照)、設定された当籤確率(抽籤値/256)で、パラメータ1及びパラメータ2が決定された後、一の天井ポイントが設定される。また、設定された天井ポイントに基づく天井ゲーム数の設定については、通常中(非有利区間)の項で述べたものと同様の手法によって行われる。
そして、引き戻しモード1に移行する場合、及び引き戻しモード2に移行する場合のいずれの場合にも、次ゲームから通常中(有利区間)に移行する(ボーナス終了(ボーナスストック=0、引き戻し当籤))。
(連チャン中)
続いて、図64を参照して、第3の遊技機における連チャン中について説明する。上述のとおり、連チャン中は、有利区間の遊技状態として構成される。
連チャン中では、例えば、天井ポイント短縮抽籤、天井ポイント減算抽籤、天井ゲーム数更新、ボーナス種別抽籤等が行われる。なお、これらは一例であり、これら以外の抽籤や決定が行われるように構成することもできるし、これらのうちいずれかの抽籤や決定は行われないように構成することもできる。
なお、上記の各種抽籤や決定は、基本的に通常中(有利区間)におけるものと同様であるため、この項での説明は省略する。連チャン中において、天井ポイント又は天井ゲーム数を消化し、ボーナス種別としてPBBが決定された場合には、当該ゲーム(あるいは次ゲーム)からPBB中に移行する(天井P、又は天井G数消化/種別:PBB)。また、天井ポイント又は天井ゲーム数を消化し、ボーナス種別としてPBB以外が決定された場合には、ボーナスストックを1減算した上で、当該ゲーム(あるいは次ゲーム)からボーナス中に移行する(天井P、又は天井G数消化/種別:ボーナス)。
(終了準備中)
続いて、図64を参照して、第3の遊技機における終了準備中について説明する。上述のとおり、終了準備中は、有利区間の遊技状態として構成される。
終了準備中では、例えば、天井ポイント減算抽籤のみが行われる。なお、これは一例であり、これら以外の抽籤や決定が行われるように構成することもできる。例えば、終了準備中においても、再度、ボーナス中に移行することが可能となる抽籤や決定が行われるようにしてもよい。なお、天井ポイント減算抽籤は、基本的に通常中(有利区間)におけるものと同様であるため、この項での説明は省略する。終了準備中において、天井ポイント又は天井ゲーム数を消化した場合には、通常中(非有利区間)に移行する(天井P、又は天井G数消化)。なお、通常中(非有利区間)に移行するときには、有利区間に関する情報が全てクリア(初期化)される(他の状態から通常中(非有利区間)に移行する場合も同様)。
[11-2.第3の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図71を参照して、第3の遊技機の図柄配置構成について説明する。図71は、第3の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図71に示すように、第3の遊技機では、「赤7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル1」、「ベル2」、「チェリー」、「リプレイ」、「ブランク1」、「ブランク2」及び「ブランク3」の10種類の図柄が、各リール3L(第1リール),3CL(第2リール),3CR(第3リール),3R(第4リール)それぞれにおいて図71に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1~10が割り当てられている。
[11-3.第3の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図72~図85を参照して、第3の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図72は、第3の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図73~図76は、第3の遊技機の内部当籤役と図柄組合せとの対応関係の一例を示す図である。また、図77~図81は、第3の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図82~図85は、第3の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。すなわち、以下では、第3の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
第3の遊技機では、上述の内部抽籤処理(図26参照)において、図72に示す各内部当籤役が、遊技状態に応じて設定された抽籤確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、図72に示す内部抽籤テーブルは、設定値が「設定1」である場合の内部抽籤テーブルの一例を示したものであり、設定値が「設定2~6」についての図示は省略している。
ここで、設定値間で抽籤確率(すなわち、抽籤値)が異なる役について、その一例を説明する。例えば、非フラグ間及びBBフラグ間において、押し順ベル(「F_2134ベル_1」~「F_4321ベル_2」)の抽籤値は、設定1ではそれぞれ「1261」となっており、設定2でも同様であるが、設定3ではそれぞれ「1257」となり、設定4ではそれぞれ「1251」となり、設定5及び設定6ではそれぞれ「1247」となる。また、例えば、非フラグ間及びBBフラグ間において、共通ベル(「F_共通ベルA」及び「F_共通ベルB」)の抽籤値は、設定1ではそれぞれ「3433」となっており、設定2でも同様であるが、設定3ではそれぞれ「3505」となり、設定4ではそれぞれ「3613」となり、設定5及び設定6ではそれぞれ「3685」となる。
また、例えば、BB(遊技状態)において、「F_RBMAXP」の抽籤値は、設定1では「3433」となっており、設定2でも同様であるが、設定3では「3505」となり、設定4では「3613」となり、設定5及び設定6では「3685」となる。また、例えば、BB(遊技状態)において、「F_RB1枚」の抽籤値は、設定1では「52543」となっており、設定2でも同様であるが、設定3では「52471」となり、設定4では「52363」となり、設定5及び設定6ではそれぞれ「52291」となる。なお、その他の役は、設定値間で共通の抽籤確率である。
また、図72に示す各内部当籤役に当籤した場合、それぞれにおいて、図73~図76に示す対応関係によって表示が許可される図柄組合せが決定される。例えば、「F_BB」が内部当籤役として決定された場合には、図柄組合せ「C_BB」の表示が許可される。また、例えば、「F_特殊役」が内部当籤役として決定された場合には、図柄組合せ「C_1st2KBA_1~4」、「C_1st2KBB_1~4」、「C_1st2KBC_1~4」、「C_1st2KBD_1~4」、「C_2143KBA_1~4」、及び「C_2143KBB_1~4」の表示が許可される。すなわち、図73~図76中において、該当する内部当籤役に対して「○」となっているものが、当該内部当籤役に当籤したときに表示が許可される図柄組合せとなっている。
なお、図73~図76中の「F_特殊役」であるが、図72に示すとおり、非フラグ間においては「F_BB」と重複して当籤するように構成されている(当籤番号「2」参照)が、BBフラグ間においては、「F_BB」がすでに持越されており、「F_BB」が新たに内部当籤役として決定されることはない。すなわち、抽籤結果として当籤番号「2」(「F_BB+F_特殊役」)が決定された場合には、実質的には「F_特殊役」のみに当籤したこととなるため、それを示したものとなっている(もっとも、「F_BB+F_特殊役」に当籤した場合であっても「F_特殊役」に係る図柄組合せのほうを優先的に停止する制御が行われるので、最終的な遊技結果に変動はなく、結論としては同じものを示している)。
また、図73~図76中の「F_疑似ハズレ」であるが、図72に示すとおり、非フラグ間においては「F_BB」が単独で当籤する場合があるように構成されている(当籤番号「1」参照)が、この場合、遊技者の停止操作タイミングによっては(押下位置に応じて)、「C_BB」が表示されない場合がある。このとき、特定のはずれ出目が表示され得るように、疑似的な内部当籤役である「F_疑似ハズレ」にも当籤したこととして、対応する図柄組合せ(「T_1stANY」~「T_4thANY_1~2」)を定めるようにしているのである。すなわち、抽籤結果として当籤番号「1」(「F_BB」)が決定された場合には、「F_疑似ハズレ」も重複して内部当籤役として決定されるようにし、「C_BB」が表示され得なくなった場合には、「F_疑似ハズレ」に対応する特定のはずれ出目を表示させる制御が行われ得ることを示している。
また、図73~図76中に示す各図柄組合せは、図77~図81に示すとおりである。なお、図77~図81中、「表示役」の「内容」欄において、「BB」はボーナス役に係る図柄組合せであることを示し、「HZR」は特定のはずれに係る図柄組合せであることを示し、「REP」はリプレイ役に係る図柄組合せであることを示し、「FRU」は小役に係る図柄組合せであることを示している。
また、図77~図81中、「図柄の組合せ」欄において、「(ANY)」はいずれの図柄でもよいことを示し、「○○/○○」は複数種類の図柄が規定されることを示している。例えば、「C_CDリプ_1~2」(REP02)は、「図柄の組合せ」欄において、「ベル1-リプレイ-ベル1/ベル2-(ANY)」と規定されている。これは、第4リールの図柄はいずれの図柄が停止しても当該図柄組合せとなることを示している。また、これは、第3リールについては2種類の図柄が規定されており、「ベル1-リプレイ-ベル1-(ANY)」及び「ベル1-リプレイ-ベル2-(ANY)」の2種類の図柄組合せのいずれもが「C_CDリプ_1~2」(REP02)の図柄組合せとなることを示している。他の図柄組合せについても同様である。すなわち、「表示役」の「名称」欄において末尾の「1~○」は、規定される図柄組合せ数を示している。
また、図72に示す各内部当籤役に当籤した場合、それぞれにおいて、図82~図85に示す停止操作態様(打順)との対応関係によって最終的に表示される図柄組合せが決定される。なお、図82~図85において、図77~図81中に示す図柄組合せ「C_共通ベルA_1~2」(FRU04)~「C_4321ベル」(FRU24)は、「ベル」と総称する場合があり、これらのうちいずれかの図柄組合せが表示されることを「10枚入賞」として説明する場合がある。また、図77~図81中に示す図柄組合せ「C_SG1st3KBA_1~2」(FRU25)~「C_43××KBB_1~2」(FRU120)は、「1枚役」と総称する場合があり、これらのうちいずれの図柄組合せが表示されることを「1枚入賞」として説明する場合がある。
また、図82~図85において、例えば、打順「1234」における「1」は、第1リールが第1停止されることを示し、「2」は、第2リールが第2停止されることを示し、「3」は、第3リールが第3停止されることを示し、「4」は、第4リールが第4停止されることを示している。すなわち、例えば、打順「1234」は、第1リール→第2リール→第3リール→第4リールの順で停止操作が行われることを示している。
また、同様に、例えば、打順「2134」は、第2リール→第1リール→第3リール→第4リールの順で停止操作が行われることを示している。また、同様に、例えば、打順「3124」は、第3リール→第1リール→第2リール→第4リールの順で停止操作が行われることを示している。また、同様に、例えば、打順「4123」は、第4リール→第1リール→第2リール→第3リールの順で停止操作が行われることを示している。その他の打順についても同様である。
非フラグ間で「F_BB」が当籤した場合、各リールについて押下位置正解(対応する図柄を停止可能なタイミングで停止操作が行われた場合)であれば、「BB01」が表示され、BB遊技状態(「F_BB」に基づくボーナス状態)に移行する一方、いずれかのリールについて押下位置不正解(対応する図柄を停止可能なタイミングで停止操作が行われない場合)であれば、「BB01」は表示されず、特定のはずれ出目(「HZR10」~「HZR13」)が表示される。また、これにともなって、非フラグ間からBBフラグ間に移行する。
非フラグ間で「F_BB+F_特殊役」が当籤した場合、あるいはBBフラグ間で「F_特殊役」が当籤した場合、打順(押し順)及び押下位置にかかわらず(停止操作態様にかかわらず)、表示が許可されている「1枚役」の図柄組合せのうちのいずれかが表示され、1枚入賞となる。また、非フラグ間である場合には、これにともなって、非フラグ間からBBフラグ間に移行する。
「F_TPリプ」が当籤した場合、停止操作態様にかかわらず、表示が許可されているリプレイ役の図柄組合せのうちのいずれかが表示され、リプレイ(再遊技)が付与される。なお、「TP」とは「トップ」ラインの略であり、例えば、リール3Lの上段領域、リール3CLの上段領域、及びリール3CRの上段領域を結ぶラインに「リプレイ」図柄が表示され得る(「上段リプ」となる)ことを意味する。
「F_CDリプ」が当籤した場合、停止操作態様にかかわらず、表示が許可されているリプレイ役の図柄組合せのうちのいずれかが表示され、リプレイ(再遊技)が付与される。なお、「CD」とは「クロスダウン」ラインの略であり、例えば、リール3Lの上段領域、リール3CLの中段領域、及びリール3CRの下段領域を結ぶラインに「リプレイ」図柄が表示され得る(「右下がりリプ」となる)ことを意味する。
「F_チェリー」が当籤した場合、停止操作態様にかかわらず、表示が許可されているリプレイ役の図柄組合せのうちのいずれかが表示され、リプレイ(再遊技)が付与される。なお、「F_チェリー」が当籤した場合、例えば、少なくとも第4リールの中段領域に相当する領域においては必ず「チェリー」図柄が表示され、また、第1リールについて押下位置正解である場合には、第1リールの下段領域に「チェリー」図柄が表示され得るようになっている。なお、「F_チェリー」は、例えば、小役として構成することも可能である。
押し順ベル(「F_2134ベル_1」~「F_4321ベル_2」)が当籤した場合、それぞれで打順正解となる態様で停止操作が行われた場合には、表示が許可されている「ベル」の図柄組合せのうちのいずれかが表示され、10枚入賞となる。なお、疑似ボーナス状態においては、この10枚入賞となる打順が有利な停止操作の情報として報知(ナビ)される。
また、第1停止操作の打順は打順正解であったが、第2停止操作以降の停止操作が打順不正解であった場合には、以降の停止操作のうちのいずれか一つの停止操作(例えば、第4停止操作)において、1/2の確率で押下位置正解となり、押下位置正解となった場合には、表示が許可されている「1枚役」の図柄組合せのうちのいずれかが表示され、1枚入賞となる。一方、残り1/2の確率で押下位置不正解となった場合には、取りこぼしが発生してメダルは払出されない。なお、この場合には、所定のこぼし出目(「HZR01」~「HZR04」)のうちのいずれかが表示される。なお、第1停止操作の打順が打順正解であった場合には、第2停止操作以降の停止操作が打順不正解であった場合であっても、押下位置にかかわらず、表示が許可されている「1枚役」の図柄組合せのうちのいずれかが表示され、1枚入賞となるように構成してもよい(すなわち、取りこぼしを発生させないように構成してもよい)。
また、第1停止操作の打順から打順不正解であった場合であって、左第1停止以外(第2リール第1停止、第3リール第1停止、又は第4リール第1停止)であった場合には、以降の停止操作のうちのいずれか二つの停止操作(例えば、第3停止操作及び第4停止操作)において、それぞれ1/2の確率(トータルで1/4の確率)で押下位置正解となり、押下位置正解となった場合には、表示が許可されている「1枚役」の図柄組合せのうちのいずれかが表示され、1枚入賞となる。一方、残り3/4の確率で押下位置不正解となった場合には、取りこぼしが発生してメダルは払出されない。なお、この場合には、所定のこぼし出目(「HZR05」)のうちのいずれかが表示される。
なお、押下位置正解となる確率は適宜設定可能である。例えば、上述の如く、1/2の確率となるように構成してもよいし、第2停止操作以降の停止操作全てにおいて、それぞれ1/2の確率(トータルで1/8の確率)で押下位置正解となるように構成してもよい。あるいは、押下位置にかかわらず、表示が許可されている「1枚役」の図柄組合せのうちのいずれかが表示され、1枚入賞となるように構成してもよい(すなわち、取りこぼしを発生させないように構成してもよい)。これは、左第1停止の場合も同様である。また、左第1停止の場合と、左第1停止以外の場合とで、当該確率(取りこぼしを発生させないことも含む)は同じ確率であってもよいし、異なる確率であってもよい。
また、第1停止操作の打順から打順不正解であった場合であって、左第1停止(第1リール第1停止)であった場合には、以降の停止操作のうちのいずれか二つの停止操作(例えば、第3停止操作及び第4停止操作)において、それぞれ1/2の確率(トータルで1/4の確率)で押下位置正解となり、押下位置正解となった場合には、表示が許可されている「1枚役」の図柄組合せのうちのいずれかが表示され、1枚入賞となる。一方、残り3/4の確率で押下位置不正解となった場合には、取りこぼしが発生してメダルは払出されない。なお、この場合には、特定のこぼし出目(「HZR06」~「HZR08」)のうちのいずれかが表示される。
このように、第3の遊技機において、押し順ベルは、左第1停止の場合に正解打順が規定されておらず、18択(第1停止3択×第2停止3択×第3停止2択×第4停止1択)の押し順小役として構成されている。もっとも、第3の遊技機では、最大24択(第1停止4択×第2停止3択×第3停止2択×第4停止1択)まで設定可能であることから、左第1停止の場合にも正解打順を規定するようにして、押し順ベルを24択の押し順小役として構成することもできる。
「F_スイカ」が当籤した場合、各リールについて押下位置正解であれば、「FRU01」が表示され、スイカ5枚入賞となる。一方、いずれかのリールについて押下位置不正解であれば、「FRU01」は表示されず、「FRU02」及び「FRU03」のいずれかが表示され、スイカこぼし目1枚入賞となる。なお、押下位置によっては、取りこぼしが発生してメダルが払出されないように構成してもよい(この場合、「HZR09」が表示されるようにすればよい)。
共通ベル(「F_共通ベルA」及び「F_共通ベルB」)が当籤した場合、BBフラグ間であれば、停止操作態様にかかわらず、表示が許可されている「ベル」の図柄組合せのうちのいずれかが表示され、10枚入賞となる。また、非フラグ間であれば、停止操作態様にかかわらず、表示が許可されている「1枚役」の図柄組合せのうちのいずれかが表示され、1枚入賞となる。
BB遊技状態で「F_RBMAXP」が当籤した場合、停止操作態様にかかわらず、表示が許可されている「ベル」の図柄組合せのうちのいずれかが表示され、10枚入賞となる。また、BB遊技状態で「F_RB1枚」が当籤した場合、停止操作態様にかかわらず、表示が許可されている「1枚役」の図柄組合せのうちのいずれかが表示され、1枚入賞となる。
なお、図72に示す内部抽籤テーブル、図73~図76に示す内部当籤役と図柄組合せとの対応関係、図77~図81に示す図柄組合せテーブル、及び図82及び図85に示す内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係はあくまで一例であり、第3の遊技機の仕様は、これらに示した態様に限定されるものではない。
[11-4.第3の遊技機の指示モニタ構成]
続いて、図86を参照して、第3の遊技機の指示モニタ構成(すなわち、停止操作の情報の報知態様)について説明する。上述のとおり、本実施形態では、停止操作の情報の報知に関し、その実行の有無や態様の決定が主制御回路100側によって制御されるものとなっている。なお、第3の遊技機では、メイン側報知手段及びサブ側報知手段によって停止操作の情報が報知されるものとしているが、いずれか一方のみによって停止操作の情報の報知が行われるようにすることもできる。もっとも、いずれの場合も、制御主体が主制御回路100であることにかわりはない。第3の遊技機では、遊技状態等によって報知される停止操作の情報の内容が変動する場合があるので、以下ではこれについて説明する。
なお、第3の遊技機では、例えば、AT状態であれば、決定された内部当籤役(あるいは、決定された内部当籤役が属するグループ)を特定するための内部当籤情報と、停止操作の情報を報知するための指示情報とをスタートコマンドに含ませて副制御回路200側に送信する。また、例えば、非AT状態であれば、上記内部当籤情報を含み、上記指示情報を含まないスタートコマンドを副制御回路200側に送信する。このようにして、メイン側報知手段のみならずサブ側報知手段によっても遊技状態に応じた適切な報知が行われるものとしている。もっとも、情報の送信態様はこれに限られない。例えば、内部当籤情報はスタートコマンドで送信される一方、指示情報はこれとは異なる指示コマンドで(略同時期に)送信されるようにしてもよい。また、内部当籤情報に相当する情報を、事実上指示情報に相当する情報も含む(指示なしの場合には当該情報(指示情報「0」)も含む)ように細分化して構成し、一の情報で決定された内部当籤情報と指示情報とが送信されるようにしてもよい。
図86に示すように、まず、押し順ベル以外の役が内部当籤役として決定された場合には、現在の状態にかかわらず、指示情報として「0」(指示なし)が決定される。これにより、メイン側報知手段では停止操作の情報は報知されず、サブ側報知手段でも停止操作の情報は報知されない。なお、内部当籤情報としては、個別に内部当籤役を特定可能な情報(あるいは、内部当籤役が属するグループを特定可能な情報)が送信されるようにし、サブ側で当該情報に基づく種々の演出(ただし、停止操作の情報を報知するものでない)が実行されるようにすればよい。
また、押し順ベルが内部当籤役として決定された場合、現在の状態が非有利区間(通常中(非有利区間))であれば、指示情報として「0」(指示なし)が決定される。これにより、メイン側報知手段では停止操作の情報は報知されず、また、サブ側報知手段でも停止操作の情報は報知されない。なお、内部当籤情報としては、例えば、押し順ベルのグループを示すベルグループ情報が送信されるようにすればよい。なお、このベルグループ情報は、共通ベルが内部当籤役として決定された場合にも送信されるものとしてもよい。
また、押し順ベルが内部当籤役として決定された場合、現在の状態が増加区間(PBB中又はボーナス中)であれば、各役の正解打順(18択のうちの一の打順)に対応する指示情報(指示情報「1」(打順「2134」指示)~「18」(打順「4321」指示))が決定される。これにより、メイン側報知手段では停止操作の情報が報知され、また、サブ側報知手段でも停止操作の情報が報知される。例えば、「F_2134ベル_1~2」が内部当籤役として決定された場合、現在の状態が増加区間であれば、指示情報として「1」(打順「2134」指示)が決定される。そして、メイン側報知手段では当該指示情報に応じた報知(打順「2134」と一義的に対応する報知)が実行されるとともに、サブ側報知手段では当該指示情報に応じた報知(打順2134ナビ)が実行される。
また、押し順ベルが内部当籤役として決定された場合、現在の状態が増加区間以外の有利区間(通常中(有利区間)、連チャン中、又は終了準備中)であれば、指示情報として「19」(押し順ベル当籤)が決定される。なお、指示情報「19」は、特定の打順を報知可能に構成された情報ではないので、当該情報が送信されても、メイン側報知手段では停止操作の情報は報知されず、また、サブ側報知手段でも停止操作の情報は報知されない。このような観点からすれば、当該状態においても指示情報として「0」(指示なし)が送信されるようにしてもよい。
あるいは、第3の遊技機において、押し順ベルは、その停止操作態様(左第1停止であるか)によってAT関連処理の有利度合いが変動するものとなっていることから、当該状態において押し順ベルに当籤した場合には、あえて指示情報「0」とは異なる指示情報「19」を決定することで、メイン側報知手段及びサブ側報知手段のいずれか一方又は双方において、それを遊技者に認識可能とさせるための特定報知態様の報知が実行されるようにしてもよい。なお、これについては、後述の押し順ベルの変形例の説明とあわせて後で詳述する。
[11-5.第3の遊技機の押し順ベルの構成例]
続いて、図87を参照して、第3の遊技機の押し順ベルの構成例について説明する。上述のとおり、第3の遊技機の押し順ベルは、左第1停止にて停止操作が行われた場合には、10枚入賞が発生する可能性はなく、押下位置正解の場合に1枚入賞が発生し、押下位置不正解の場合に取りこぼし(0枚)が発生するように構成されている。
また、左第1停止以外にて停止操作が行われた場合には、打順正解であれば10枚入賞が発生する可能性があり、打順不正解であれば、押下位置正解の場合に1枚入賞が発生し、押下位置不正解の場合に取りこぼし(0枚)が発生するように構成されている。
このように、第3の遊技機では、押し順ベルに当籤したときに、特定態様(左第1停止)にて停止操作が行われた場合には、10枚入賞が発生する可能性がないため、当該特定態様とは異なる所定態様(左第1停止以外)にて停止操作が行われた場合よりも、付与される遊技価値(メダル)の期待値が低くなるように構成されている。
なお、特定態様及び所定態様となる停止操作は、上述したものに限られない。例えば、第4リール第1停止が特定態様となり、第4リール第1停止以外が所定態様となるように構成することもできる(すなわち、4つのリールのうち、特定リールについて第1停止した場合が特定態様となり、特定リール以外について第1停止した場合が所定態様となるように構成してもよい)。また、例えば、4つのリールのうち、2つの特定リールについて第1停止した場合が特定態様となり、特定リール以外について第1停止した場合が所定態様となるように構成してもよい。また、例えば、4つのリールのうち、3つの特定リールについて第1停止した場合が特定態様となり、特定リール以外について第1停止した場合が所定態様となるように構成してもよい。
また、例えば、第1リールにおいて、規定範囲の押下位置にて停止操作が行われたことが特定態様となり、規定範囲外の押下位置にて停止操作が行われたことが所定態様となるように構成してもよい(第2~第4リールにおいて、規定範囲の押下位置にて停止操作が行われたことを特定態様とする場合も同様。また、複数の特定リールにおいて、規定範囲の押下位置を定め、いずれのリールにおいても規定範囲の押下位置にて停止操作が行われたことが特定態様となるように構成することもできる)。
また、特定態様にて停止操作が行われた場合、所定態様にて停止操作が行われた場合よりも確率は低いものの、10枚入賞が発生する可能性がある(0ではない)ようにしてもよい。また、所定態様にて停止操作が行われた場合、必ず10枚入賞が発生するようにしてもよい。すなわち、特定態様にて停止操作が行われた場合には、結果的に、所定態様にて停止操作が行われた場合よりも、付与される遊技価値(メダル)の期待値が低くなるように構成されていればよく、その手法は適宜変更可能である。
また、第3の遊技機の押し順ベルは、左第1停止にて停止操作が行われた場合であって、1枚入賞が発生する場合には、1枚入賞出目として「C_1st4KBAA_1~C_1st2KBD_4(FRU33~FRU56)」(図77~図81参照)が表示されるように構成され、取りこぼし(0枚)が発生する場合には、とりこぼし0枚出目として「T_1stKBA_1~T_1stKBC_4(HZR06~HZR08)」(図77~図81参照)が表示されるように構成される。また、これらの出目が表示される場合には、SR情報として「SR1」が設定されるように構成される。
また、左第1停止以外にて停止操作が行われた場合であって、10枚入賞が発生する場合には、10枚入賞出目として「C_2134ベル~C_4321ベル(FRU07~FRU24)」(図77~図81参照)が表示されるように構成され、1枚入賞が発生する場合には、1枚入賞出目として「C_4KBA_1~C_43××KBB_2(FRU57~FRU120)」(図77~図81参照)が表示されるように構成され、取りこぼし(0枚)が発生する場合には、とりこぼし0枚出目として、第1停止正解の場合には「T_正解後KBA_1~T_正解後KBD_2(HZR01~HZR04)」(図77~図81参照)が表示され、第1停止不正解の場合には「T_234KB_1~8(HZR05)」(図77~図81参照)が表示されるように構成される。また、これらの出目が表示される場合には、SR情報として「SR2」が設定されるように構成される。
そして、押し順ベルに当籤した遊技で、SR情報として「SR1」が設定された場合には、天井ポイントが必ず減算されるようにし、SR情報として「SR2」が設定された場合には、天井ポイントが減算されない場合があるように構成される。
上述のとおり、天井ポイントが減算されない場合には、天井ポイントが減算された場合よりも疑似ボーナス状態(AT状態)に移行するまでの遊技期間が長くなる場合がある。すなわち、押し順ベルに当籤した遊技において、所定態様にて停止操作が行われた場合、SR情報として「SR2」が設定されることに起因して、特定態様にて停止操作が行われた場合よりもAT状態の移行決定に関連する情報(例えば、天井ポイント)が不利となる場合がある(AT関連処理を不利とすることが可能である)ように構成される。一方、押し順ベルに当籤した遊技において、特定態様にて停止操作が行われた場合には、SR情報として「SR1」が設定されることに起因して、所定態様にて停止操作が行われた場合よりもAT関連処理を有利とすることが可能であるように構成される。
また、上述のとおり、天井ポイントが減算されない結果、天井ポイントに到達するよりも前に天井ゲーム数に到達し、これに基づいて疑似ボーナス状態に移行する場合、天井ポイントに到達して疑似ボーナス状態に移行した場合よりも疑似ボーナス状態の継続度合い(ボーナスストックのストック数)が不利となる場合がある(図67及び図68参照)。また、天井ポイントが減算されない結果、後述の天井ポイント短縮抽籤期間となることなく疑似ボーナス状態に移行する場合があり、この場合、上述の天井ポイント短縮抽籤を受けられず、その結果、ストックランク昇格抽籤(天井ポイント短縮時)を受けられない場合がある。ストックランクは、基本的に昇格するほど有利となることから(上述のボーナスストック加算抽籤参照)、この場合にも疑似ボーナス状態の継続度合い(ボーナスストックの加算値)が不利となる場合がある。
また、上述のとおり、押し順ベルに当籤した遊技で、SR情報として「SR1」が設定された場合には、上述のフリーズ抽籤やストックランク昇格抽籤が行われるが、SR情報として「SR2」が設定された場合には、これらの抽籤が行われないように構成される。
すなわち、押し順ベルに当籤した遊技において、所定態様にて停止操作が行われた場合、SR情報として「SR2」が設定されることに起因して、特定態様にて停止操作が行われた場合よりもAT状態の継続決定に関連する情報(例えば、ストックランク)が不利となる場合がある(AT関連処理を不利とすることが可能である)ように構成される。一方、押し順ベルに当籤した遊技において、特定態様にて停止操作が行われた場合には、SR情報として「SR1」が設定されることに起因して、所定態様にて停止操作が行われた場合よりもAT関連処理を有利とすることが可能であるように構成される。
このように、第3の遊技機では、押し順ベルに当籤したときに、所定態様(左第1停止以外)にて停止操作が行われた場合には、SR情報として「SR2」が設定されることに起因して、特定態様(左第1停止)にて停止操作が行われた場合よりも、疑似ボーナス状態(AT状態)の決定に関連する所定情報(例えば、天井ポイントやストックランク)を不利とすることが可能であるように構成されている。
なお、特定態様にて停止操作が行われた場合に、所定態様にて停止操作が行われた場合よりもAT関連処理を有利とし、所定態様にて停止操作が行われた場合に、特定態様にて停止操作が行われた場合よりもAT関連処理を不利とする態様は上述したものに限られない。
例えば、天井ポイントについて、押し順ベルに当籤したときに、SR情報として「SR2」が設定された場合には、さらに天井ポイント加算抽籤が行われ、これに当籤した場合には天井ポイントが1加算されるように構成してもよい。また、例えば、ストックランクについて、押し順ベルに当籤したときに、SR情報として「SR2」が設定された場合には、さらにストックランク降格抽籤が行われ、これに当籤した場合にはストックランクが降格するように構成してもよい。
例えば、通常中(有利区間)では、AT移行抽籤が行われ得るものとし、当該抽籤に当籤した場合にAT状態に移行させる制御が行われるものとする。この場合に、押し順ベルに当籤した遊技では、特定態様にて停止操作が行われた場合(SR1が設定された場合)には当該抽籤が行われるが、所定態様にて停止操作が行われた場合(SR2が設定された場合)には当該抽籤が行われないように構成する。このようにして、AT関連処理を有利あるいは不利とすることが可能となるように構成してもよい。
また、上記の場合に、押し順ベルに当籤した遊技では、特定態様にて停止操作が行われた場合(SR1が設定された場合)には、下記のAT移行抽籤テーブル2よりも当籤確率が高いAT移行抽籤テーブル1を用いてAT移行抽籤が行われるが、所定態様にて停止操作が行われた場合(SR2が設定された場合)には、AT移行抽籤テーブル2を用いてAT移行抽籤が行われるように構成する。このようにして、AT関連処理を有利あるいは不利とすることが可能となるように構成してもよい。
また、例えば、通常中(有利区間)よりもAT状態移行の期待度が高いCZ状態を設けることとし、通常中(有利区間)では、CZ移行抽籤が行われ得るものとし、当該抽籤に当籤した場合にCZ状態に移行させる制御が行われるものとする。この場合に、押し順ベルに当籤した遊技では、特定態様にて停止操作が行われた場合(SR1が設定された場合)には当該抽籤が行われるが、所定態様にて停止操作が行われた場合(SR2が設定された場合)には当該抽籤が行われないように構成する。このようにして、AT関連処理を有利あるいは不利とすることが可能となるように構成してもよい。
また、上記の場合に、押し順ベルに当籤した遊技では、特定態様にて停止操作が行われた場合(SR1が設定された場合)には、下記のCZ移行抽籤テーブル2よりも当籤確率が高いCZ移行抽籤テーブル1を用いてCZ移行抽籤が行われるが、所定態様にて停止操作が行われた場合(SR2が設定された場合)には、CZ移行抽籤テーブル2を用いてCZ移行抽籤が行われるように構成する。このようにして、AT関連処理を有利あるいは不利とすることが可能となるように構成してもよい。
また、例えば、上記のCZ状態を設けることとし、通常中(有利区間)では、CZ状態に移行するまでの遊技期間を決定するためのCZポイントを付与可能とし、付与されたCZポイントの累積値が所定値となった場合にCZ状態に移行させる制御が行われるものとする。そして、通常中(有利区間)では、CZポイントを付与するかを決定可能なCZポイント抽籤が行われるものとする。この場合に、押し順ベルに当籤した遊技では、特定態様にて停止操作が行われた場合(SR1が設定された場合)には当該抽籤が行われるが、所定態様にて停止操作が行われた場合(SR2が設定された場合)には当該抽籤が行われないように構成する。このようにして、AT関連処理を有利あるいは不利とすることが可能となるように構成してもよい。
また、上記の場合に、押し順ベルに当籤した遊技では、特定態様にて停止操作が行われた場合(SR1が設定された場合)には、下記のCZポイント抽籤テーブル2よりも付与期待値が高いCZポイント抽籤テーブル1を用いてCZポイント抽籤が行われるが、所定態様にて停止操作が行われた場合(SR2が設定された場合)には、CZポイント抽籤テーブル2を用いてCZポイント抽籤が行われるように構成する。このようにして、AT関連処理を有利あるいは不利とすることが可能となるように構成してもよい。
また、例えば、AT状態(例えば、ボーナス中)では、延長抽籤が行われ得るものとし、当該抽籤に当籤した場合には、抽籤結果に応じた遊技期間分、当該AT状態を延長(上乗せ、あるいは継続)する制御が行われるものとする。この場合に、押し順ベルに当籤した遊技では、特定態様にて停止操作が行われた場合(SR1が設定された場合)には当該抽籤が行われるが、所定態様にて停止操作が行われた場合(SR2が設定された場合)には当該抽籤が行われないように構成する。このようにして、AT関連処理を有利あるいは不利とすることが可能となるように構成してもよい。
また、上記の場合に、押し順ベルに当籤した遊技では、特定態様にて停止操作が行われた場合(SR1が設定された場合)には、下記の延長抽籤テーブル2よりも延長される遊技期間の期待値が高い延長抽籤テーブル1を用いて延長抽籤が行われるが、所定態様にて停止操作が行われた場合(SR2が設定された場合)には、延長抽籤テーブル2を用いて延長抽籤が行われるように構成する。このようにして、AT関連処理を有利あるいは不利とすることが可能となるように構成してもよい。
なお、AT状態では、基本的に所定態様に含まれる正解打順がナビされるため、AT状態においてはSR情報を設定せず、このような処理は行われないようにしてもよいが、例えば、AT状態であっても、押し順ベルに当籤した遊技で必ずしも正解打順がナビされない場合があるように構成し、正解打順のナビが発生しない遊技ではSR情報が設定され、これがSR1であった場合には延長抽籤を有利とし、SR2であった場合には延長抽籤を不利とするなどの処理が行われるようにしてもよい。
以上のように、AT関連処理を有利とする態様として、例えば、所定の数値が減る(若しくは減りやすい)、又は増える(若しくは増えやすい)ように構成できること、あるいは、所定の抽籤が必ず実行される(若しくは当該抽籤が有利となる)ように構成できる点について説明し、また、AT関連処理を不利とする態様として、例えば、所定の数値が減らない(若しくは減りにくい)、又は増えない(若しくは増えにくい)ように構成できること、あるいは、所定の抽籤が実行されない(若しくは当該抽籤が不利となる)ように構成できる点について説明したが、これらはあくまで一例である。すなわち、単位遊技の結果として、最終的にAT関連処理を有利あるいは不利とすることが可能となる態様であれば、これら以外の態様を採用することも可能である。
もっとも、第3の遊技機では、いずれの態様を採用する場合であっても、当該結果が当該ゲームのみを対象とするように構成されることが望ましい。これは、遊技の公平性を担保し、遊技者が著しく不利益を被らないようにするとの観点による。例えば、押し順ベルに当籤した遊技で、所定態様にて停止操作が行われた場合、当該ゲームのみならず、次ゲーム以降も(例えば、数ゲームにわたって)不利な状態が継続する仕様とすることは望ましくない。したがって、第3の遊技機では、例えば、ある一のゲームにおいて押し順ベルに当籤し、所定態様にて停止操作が行われた場合には、当該一のゲームではAT関連処理を不利とするが、次ゲームにおいて押し順ベルに当籤し、特定態様にて停止操作が行われた場合には、当該次ゲームではAT関連処理を不利とはしない(有利とする)ように構成される。
(SR情報の設定に関する制御手法)
また、SR情報の設定に関する制御手法の一例であるが、第3の遊技機では、例えば、押し順ベル以外の役に当籤した遊技では、当該遊技が開始されるときにSR0を設定し、押し順ベルに当籤した遊技では、最終的な(全てのリールが停止したときの)停止出目(停止態様)を判別し、SR1又はSR2のいずれかを設定するようにすればよい。
上述のとおり、第3の遊技機では、押し順ベルに当籤したときに、特定態様(左第1停止)にて停止操作された場合の「1枚入賞出目」及び「とりこぼし0枚出目」と、所定態様(左第1停止以外)にて停止操作された場合の「10枚入賞出目」、「1枚入賞出目」及び「とりこぼし0枚出目」とはそれぞれ異なるものとなるように構成されている。したがって、最終的な遊技結果(何枚のメダルが付与されたか)にかかわらず、停止出目によって一律に判別することが可能となっている。
具体的には、例えば、メインCPU101は、今回の単位遊技における内部当籤役が押し順ベルであった場合、入賞作動判定処理(図23のS13参照)において、入賞作動フラグ格納領域(図17参照)に格納されたデータを判定した際に、図87に示した左第1停止に対応する停止出目が停止したと判別した場合には、SR情報としてSR1を設定する処理を行う一方、図87に示した左第1停止以外に対応する停止出目が停止したと判別した場合には、SR情報としてSR2を設定する処理を行うようにすればよい。
なお、SR情報の設定に関する制御手法はこれに限られない。例えば、押し順ベル以外の役に当籤した遊技では、当該遊技が開始されるときにSR0を設定し、押し順ベルに当籤した遊技では、遊技中のいずれかのタイミング(例えば、第1停止操作時)で停止操作の打順を判別し、SR1又はSR2のいずれかを設定するようにすればよい。
具体的には、例えば、メインCPU101は、今回の単位遊技における内部当籤役が押し順ベルであった場合、リール停止制御処理(図23のS12参照)において、押下順序格納領域(図22参照)に格納されたデータを判別し、左第1停止に対応するデータが格納されていた場合には、SR情報としてSR1を設定する処理を行う一方、左第1停止以外に対応するデータが格納されていた場合には、SR情報としてSR2を設定する処理を行うようにすればよい。
(押し順ベル以外の役への適用)
上述のとおり、第3の遊技機では、押し順ベルが当籤した場合に、特定態様にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を有利とし、所定態様にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を不利とする仕様について説明したが、当該仕様は押し順ベル以外の他の役に当籤した場合にも適用することが可能である。
例えば、打順によって付与される遊技価値の期待値が変動しない通常役(例えば、「共通ベル」)についても、当該通常役に当籤した遊技で、特定態様にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を有利とし、所定態様にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を不利とするように構成することができる。例えば、「共通ベル」が当籤した遊技で、左第1停止にて停止操作が行われた場合にはSR情報としてSR1が設定され、左第1停止以外にて停止操作が行われた場合にはSR情報としてSR2が設定されるように構成することができる(なお、この場合、払出されるメダル数は同じである)。
また、上記を前提とした上で、通常役の中で、押下位置によって付与される遊技価値が変動し得る特定役(例えば、「F_スイカ」)については、さらに、当該特定役に当籤した遊技で、特定態様にて停止操作が行われた場合であって、特定出目(例えば、「スイカこぼし目1枚」)が表示された場合と、所定出目(例えば、「スイカ5枚」)が表示された場合とでAT関連処理の有利度合いを異ならせる(例えば、特定出目が表示された場合のほうが有利となる)ように構成することができる。例えば、「F_スイカ」が当籤した遊技で、左第1停止にて停止操作が行われた場合であって、「スイカこぼし目1枚」が表示された場合にはSR情報としてSR1が設定され、それ以外の場合にはSR情報としてSR2が設定される(あるいは、「F_スイカ」が当籤した遊技で、左第1停止にて停止操作が行われた場合であって、「スイカ5枚」が表示された場合にはSR情報としてSR3(SR2よりも有利となるが、SR1よりも不利となる)が設定される)ように構成することができる。
もっとも、すでに説明したように、通常役については、一律にSR0(これをSR1と等価値としてもよいし、SR2よりは有利となるが、SR1よりも不利となるようにしてもよい)が設定されるように構成してもよい。
(押し順ベル間での有利度合いの変動)
上述のとおり、第3の遊技機では、押し順ベルが当籤した場合に、特定態様にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を有利とし、所定態様にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を不利とする仕様について説明したが、押し順ベル間においてもさらに有利度合いを変動させる仕様とすることが可能である。
例えば、押し順ベルのうち、「F_○○○○ベル_1」といったように末尾が「1」であるもの(例えば、「F_2134ベル_1」や「F_4321ベル_1」等)を「押し順ベルA」と定義する。また、押し順ベルのうち、「F_○○○○ベル_2」といったように末尾が「2」であるもの(例えば、「F_2134ベル_2」や「F_4321ベル_2」等)を「押し順ベルB」と定義する。
そして、押し順ベルAに当籤したときに、特定態様にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を有利とし、所定態様にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を不利とし、また、押し順ベルBに当籤したときに、特定態様にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を有利とし、所定態様にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を不利とする点についてかわりはないが、押し順ベルAに当籤して特定態様にて停止操作が行われた場合と、押し順ベルBに当籤して特定態様にて停止操作が行われた場合とでAT関連処理の有利度を異ならせる。
例えば、押し順ベルAに当籤して特定態様にて停止操作が行われた場合にはSR情報としてSR1が設定され、押し順ベルBに当籤して特定態様にて停止操作が行われた場合にはSR情報としてSR3(SR2よりも有利となるが、SR1よりも不利となる)が設定されるようにし、押し順ベルAに当籤して特定態様にて停止操作が行われた場合に実行される各種抽籤や決定を、押し順ベルBに当籤して特定態様にて停止操作が行われた場合に実行されるものよりも有利とする。なお、この場合、押し順ベルAと押し順ベルBとは、少なくとも特定態様で停止操作が行われた場合には同じ出目が表示される(すなわち、1枚入賞出目やとりこぼし0枚出目が同じ出目に設定されている)ように構成すればよい。
また、第3の遊技機では、押し順ベルAと押し順ベルBとが同じ当籤確率となっているが(図72参照)、これが異なる当籤確率となるようにしてもよい。この場合、例えば、押し順ベルAの当籤確率を押し順ベルBの当籤確率よりも低くして、押し順ベルAがいわゆるレア役となるように構成してもよいし、押し順ベルBの当籤確率を押し順ベルAの当籤確率よりも低くして、押し順ベルBがいわゆるレア役となるように構成してもよい。前者の場合には、例えば、他に新たにレア役を設けることなく、遊技性をより多様化できるし、後者の場合には、例えば、遊技者が押し順ベルBに当籤にしたときに、10枚入賞を得ることをチャレンジするために、あえて所定態様にて停止操作を行うかを選択できるといった遊技性を提供することもできる。
(非有利区間への適用)
上述のとおり、第3の遊技機では、有利区間(通常有利区間)において押し順ベルが当籤した場合に、特定態様にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を有利とし、所定態様にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を不利とする仕様について説明したが、例えば、通常中(非有利区間)において、次ゲームから通常中(有利区間)に移行することが決定された場合、当該決定が行われた遊技(非有利区間の最終遊技)において同様の仕様が適用できるかについて検討する。
上述のとおり、非有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、ここでいうAT関連処理)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能であって、導出された結果表示(図柄の組合せ)を参照した処理を行うことはできない(打順についても同様)。したがって、非有利区間の最終遊技において押し順ベルが当籤した場合、たとえ次ゲームから有利区間に移行するものであったとしても、当該遊技では当該仕様を適用できないと解すべきである。すなわち、有利区間移行抽籤が行われる遊技にあっては、当該仕様を適用しない。
(遊技期間の進行処理との関係)
例えば、第3の遊技機においても、押し順ベルに当籤した遊技で所定態様にて停止操作が行われた場合に、天井ポイントについては減算されない場合があるが、天井ゲーム数については必ず1減算されるものとしている。すなわち、一律に同じ条件で遊技期間の進行処理を行うものについては、いずれのSR情報が設定されるかにかかわらず、当該処理が行われるものとすることができる。
例えば、AT当籤確率が優遇される高確状態(あるいはCZ状態)が設けられ、当該状態は、一律で10ゲーム継続するものとして構成された場合、当該状態中は、SR情報としてSR2が設定された単位遊技においても一律にゲーム数を進行させる処理(例えば、ゲーム数カウンタを1加算、あるいはゲーム数カウンタを1減算等)が行われる。そして、例えば、10ゲーム目に押し順ベルに当籤し、SR情報としてSR2が設定された場合であっても当該処理が行われ、ゲーム数が消化されたことに基づいて当該状態を終了させることができる。
また、例えば、AT状態(あるいはCZ状態)に移行することが決定された場合に、実際に移行するまでの待機状態(前兆状態)が設けられ、当該状態は、1~32ゲームの範囲内で一のゲーム数が決定されるものとして構成された場合(ここでは、10ゲームが決定されたものとする)、当該状態中は、SR情報としてSR2が設定された単位遊技においても一律にゲーム数を進行させる処理(例えば、ゲーム数カウンタを1加算、あるいはゲーム数カウンタを1減算等)が行われる。そして、例えば、10ゲーム目に押し順ベルに当籤し、SR情報としてSR2が設定された場合であっても当該処理が行われ、当該状態を終了させ、該当の状態に移行させる処理を行うことができる。
(権利の仮付与)
例えば、押し順ベルに当籤した遊技では、遊技が開始されるときに、AT関連処理を有利とするための権利を仮付与しておく(例えば、SR情報としてSR1を仮セットしておく)ようにし、その後、特定態様にて停止操作が行われた場合には、当該権利を正式に付与し、所定態様にて停止操作が行われた場合には、当該権利を消滅させるようにしてもよい。このようにすれば、押し順ベルに当籤した遊技では、遊技が開始されるときに、当該権利に基づいて遊技者に所定の期待感演出を行うことができ、また、その後、停止操作が進行した所定のタイミングにて、当該所定の期待感演出の結果報知を行うことができる。例えば、押し順ベルに当籤した遊技では、遊技開始時に「CHANCE!」などの表示とともに「宝箱」を表示させ、左第1停止であれば、以後の所定のタイミングで「宝箱が開いて宝石が出現する」などといった表示を行う一方、左第1停止以外であれば、以後の所定のタイミングで「宝箱が開いたが中身は空っぽ」などといった表示を行う。このようにすれば、遊技性と相俟って演出の興趣をより高めることが可能となる。
(特定の遊技方法の示唆)
上述のとおり、第3の遊技機では、例えば、左第1停止の場合が特定態様の停止操作となり、左第1停止以外の場合が所定態様の停止操作となるように構成される。そして、特定態様にて停止操作が行われた場合には、AT関連処理が有利となるように構成される。すなわち、特定の遊技方法にて遊技を行うことが推奨されるものである。したがって、このような推奨される遊技方法については、遊技者に示唆されることが望ましい。
したがって、例えば、押し順ベルに当籤した遊技で、所定態様にて停止操作が行われた場合には、「AT移行が不利となります」や「左第1停止が推奨される遊技方法です」などといった示唆表示が行われるものとして、遊技者が不利益を被ることを抑制してもよい。なお、このような示唆表示は、押し順ベルの当籤と離れて、例えば、通常役が当籤したときに表示されるものであってもよいし、非遊技中のデモ画面やメニュー画面に表示されるものであってもよい。また、例えば、示唆表示は、左第1停止は、「AT移行は有利、メダルの付与期待値は不利」、左第1停止以外は、「AT移行は不利、メダルの付与期待値は有利」などといったように、遊技者がその遊技性を選択できるような表示であってもよい。
(押し順ベルの構成例を用いた遊技機)
第3の遊技機では、上述の押し順ベルの構成例を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
例えば、所定役(例えば、押し順ベル)は、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合、これとは異なる所定態様(例えば、左第1停止以外)にて停止操作が行われた場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、AT状態(例えば、疑似ボーナス状態)の決定に関連する所定情報(例えば、天井ポイント)は、所定役に当籤したときに、所定態様にて停止操作が行われた場合、特定態様にて停止操作が行われた場合よりも不利となる場合がある遊技機である。
また、例えば、特定態様及び所定態様は、停止操作の打順(押し順)であり、所定態様は、10枚入賞となる正解打順と、10枚入賞とならない不正解打順とを含み、所定役(例えば、押し順ベル)は複数種類あり、特定態様となる打順はそれぞれで同じである左第1停止であり、所定態様において正解打順となる打順はそれぞれで異なるように構成される遊技機である。
また、例えば、所定役(例えば、押し順ベル)に当籤したときに、停止操作の打順を判別して所定情報を不利とするか決定可能である遊技機である。
また、例えば、所定役(例えば、押し順ベル)は、特定態様となる打順で停止操作が行われた場合、10枚入賞とならない第1停止態様(図87中、左第1停止時の「1枚入賞出目」及び「とりこぼし0枚出目」参照)が表示され、所定態様において正解打順となる打順で停止操作が行われた場合、10枚入賞となる第2停止態様(図87中、左第1停止以外時の「10枚入賞出目」参照)が表示され、不正解打順となる打順で停止操作が行われた場合、10枚入賞とならず、かつ、第1停止態様とは異なる第3停止態様(図87中、左第1停止以外時の「1枚入賞出目」及び「とりこぼし0枚出目」参照)が表示されるように構成され、所定役に当籤したときに、停止態様を判別して所定情報を不利とするか決定可能である遊技機である。
また、例えば、上記の第1停止態様は、1枚入賞となる第1付与停止態様(図87中、左第1停止時の「1枚入賞出目」参照)と、取りこぼし0枚となる第1非付与停止態様(図87中、左第1停止時の「とりこぼし0枚出目」参照)とを含み、上記の第3停止態様は、1枚入賞となる第3付与停止態様(図87中、左第1停止以外時の「1枚入賞出目」参照)と、取りこぼし0枚となる第3非付与停止態様(図87中、左第1停止以外時の「とりこぼし0枚出目」参照)とを含む遊技機である。
また、例えば、一のゲームにおいて、所定情報を不利とすることを決定した場合、当該決定結果は当該ゲームのみを対象とする遊技機である。
また、例えば、所定情報は、AT状態(例えば、疑似ボーナス状態)の移行決定に関連する第1情報(例えば、天井ポイント)と、AT状態の継続決定に関連する第2情報(例えば、ストックランク)とを含む遊技機である。
また、例えば、上記の第1情報は、AT状態に移行するまでの待機期間(例えば、通常中(有利区間)の遊技期間)を決定するための情報であり、所定役(例えば、押し順ベル)に当籤したときに、特定態様にて停止操作が行われた場合には待機期間を短縮し(例えば、天井ポイントを1減算し)、所定態様にて停止操作が行われた場合には待機期間を短縮しない場合がある遊技機である。
また、例えば、上記の第2情報は、AT状態の継続度合いを決定するための情報であり、所定役(例えば、押し順ベル)に当籤したときに、特定態様にて停止操作が行われた場合には第2情報を有利なものとする(例えば、昇格させる)ことがあり、所定態様にて停止操作が行われた場合には第2情報を有利なものとすることがない遊技機である。
また、例えば、非有利区間において所定の開始条件が成立した(例えば、有利区間移行抽籤に当籤した)ことに応じて有利区間に移行させ、有利区間において所定の終了条件が成立した(例えば、終了準備中を消化した、あるいはリミッタが作動した)ことに応じて非有利区間に移行させ、所定の開始条件が成立した場合に、有利区間における有利度合いを決定するための特定情報(例えば、有利区間レベル)を決定し、決定した特定情報に応じて、上記の第1情報及び第2情報の初期情報を決定する遊技機である。
また、例えば、所定役(例えば、押し順ベル)に当籤したときに、有利区間であってAT状態である場合には、正解打順が認識可能となる第1報知情報(図86中、指示情報「1」~「18」参照)を設定し、有利区間であってAT状態でない場合には、正解打順は認識可能としないが所定役に当籤したことは認識可能となる第2報知情報(図86中、指示情報「19」参照)を設定し、非有利区間である場合には、正解打順も所定役に当籤したことも認識可能としない第3報知情報(図86中、指示情報「0」参照)を設定可能な遊技機である。
[11-6.第3の遊技機の天井ポイント及び天井ゲーム数によるボーナス移行の制御例]
続いて、図88を参照して、第3の遊技機の天井ポイント及び天井ゲーム数によるボーナス移行の制御例について説明する。上述のとおり、第3の遊技機では、通常中(有利区間)又は連チャン中において、設定された天井ポイント又は天井ゲーム数に到達した場合、ボーナス中等の有利状態に移行するものとなっている。以下では、その遊技の流れについて、一例を挙げて説明する。
なお、上述のとおり、この実施形態では、天井ポイント及び天井ゲームは、更新される場合には基本的に1ゲームにつき1ずつ減算され、それぞれの値(カウンタの値)が0になったときに、それぞれに到達したとしてボーナス等の有利状態に移行する態様を一例に挙げて説明しているが、これらの更新態様はこれに限られない。例えば、天井ポイント及び天井ゲームは、更新される場合には基本的に1ゲームにつき1ずつ加算され(初期値は0)、それぞれの値(カウンタの値)が設定された値となったときに、それぞれに到達したとしてボーナス等の有利状態に移行する態様とすることもできる。すなわち、これらの値の更新は、減算更新に限られず、加算更新であってもよい(あるいは、他の演算を用いてもよい)。これは、天井ポイント短縮抽籤有効期間を管理するための短縮有効カウンタについても同様である。
まず、図88に示す(a)制御例1について説明する。制御例1は、遊技者が特定の遊技方法(左第1停止)で遊技を行い(これを図88中では「変則押しなし」としている)、また、天井ポイント短縮抽籤に当籤せず(これを図88中では「天井ポイント短縮なし」としている)、天井ポイントが0になって天井ポイントに到達し、ボーナス中等の有利状態に移行する(これを図88中では「ボーナス移行」としている)場合の制御例である。
例えば、天井ポイントが「199」、天井ゲーム数が「200」であるゲームでは、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは左第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR1が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。また、次ゲーム(天井ポイントが「198」、天井ゲーム数が「199」となったゲーム)では、当籤役はTPリプ(「F_TPリプ」)であったとする。当該ゲームではSR情報としてSR0が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。そして、遊技期間がさらに進行していくものとする。
天井ポイントが「33」、天井ゲーム数が「34」となったゲームでは、当籤役はTPリプであったとする。当該ゲームではSR情報としてSR0が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。なお、当該ゲームでは、天井ポイントが「33」となっているので、短縮有効カウンタには「32」がセットされ、天井ポイント短縮抽籤期間が開始される。また、短縮有効カウンタは、一律に、1ゲームにつき1ずつ減算されるように構成されているので、短縮有効カウンタも1減算される。
また、次ゲーム(天井ポイントが「32」、天井ゲーム数が「33」となったゲーム)では、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは左第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR1が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。また、次ゲーム(天井ポイントが「31」、天井ゲーム数が「32」となったゲーム)では、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは左第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR1が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。そして、遊技期間がさらに進行していくものとする。
天井ポイントが「3」、天井ゲーム数が「4」となったゲームでは、当籤役はTPリプであったとする。当該ゲームではSR情報としてSR0が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。また、次ゲーム(天井ポイントが「2」、天井ゲーム数が「3」となったゲーム)では、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは左第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR1が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。ここで、天井ポイント短縮抽籤は、当籤した場合に天井ポイントを「1」に短縮することが決定されるものであるため、天井ポイントが「1」となったゲームでは基本的に当該抽籤を行う必要がなくなる。したがって、短縮有効カウンタが「1」から「0」に更新される場合には、当該ゲームで天井ポイント短縮抽籤期間を終了させる。
また、短縮有効カウンタは、以下の用途にも用いることができる。例えば、仮に実行された演出の内容等によって、遊技者が、天井ポイントが「32」以下であることが察知できる場合があったとする。この場合に、その遊技者が、以降の遊技において、押し順ベルが当籤した遊技であえて左第1停止以外の停止操作を行い続けたとする。すると、(天井ポイントが減算されない遊技が発生する結果として)意図的に通常中(有利区間)を延長させることができる場合がある。
ここで、ボーナス移行が発生するまでずっと天井ポイント短縮抽籤を受け得るとするならば、その遊技者は、その延長した遊技期間でスイカ(「F_スイカ」)やチェリー(「F_チェリー」)の当籤を待ち、これに当籤した場合には、天井ポイント短縮抽籤のみならず、ストックランク昇格抽籤(天井ポイント短縮時)が受けられるようになる可能性が生じることになる。これを許容すれば、企図した遊技性に反する恩恵を受けられる場合があることとなり、遊技の公平性を担保し得ず、また、遊技店が不測の不利益を被る可能性も生じることになる。そこで、短縮有効カウンタを上記のように構成し、少なくとも、通常中(有利区間)を意図的に延長させても、天井ポイント短縮抽籤期間が延長されることがない構成とすれば、そのような状況が発生することを防止することも可能となる。
なお、そのような観点からすれば、短縮有効カウンタを、天井ポイントが「32」となったゲームで「32」がセットされるものとして構成し、その後の遊技で、天井ポイントが減算されない場合があったとしても、短縮有効カウンタは必ず1減算されるものとし、短縮有効カウンタが0となった場合には、(天井ポイントが「1」以上であったとしても)天井ポイントに到達したとして、ボーナス移行を行い得るように構成することも可能である。
制御例1の説明に戻る。次ゲーム(天井ポイントが「1」、天井ゲーム数が「2」となったゲーム)では、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは左第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR1が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。そして、次ゲームでは、天井ポイントが「0」となったので、天井ポイントに到達してボーナス移行が発生し、決定された種別の疑似ボーナス状態が開始されるものとしている。
次に、図88に示す(b)制御例2について説明する。制御例2は、「変則押しなし」であり、また、天井ポイント短縮抽籤に当籤し(これを図88中では「天井ポイント短縮あり」としている)、天井ポイントが0になって天井ポイントに到達し、「ボーナス移行」する場合の制御例である。
例えば、天井ポイントが「199」、天井ゲーム数が「200」であるゲームでは、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは左第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR1が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。また、次ゲーム(天井ポイントが「198」、天井ゲーム数が「199」となったゲーム)では、当籤役はTPリプであったとする。当該ゲームではSR情報としてSR0が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。そして、遊技期間がさらに進行していくものとする。
天井ポイントが「33」、天井ゲーム数が「34」となったゲームでは、当籤役はTPリプであったとする。当該ゲームではSR情報としてSR0が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。なお、当該ゲームでは、天井ポイントが「33」となっているので、短縮有効カウンタには「32」がセットされ、天井ポイント短縮抽籤期間が開始される。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。
また、次ゲーム(天井ポイントが「32」、天井ゲーム数が「33」となったゲーム)では、当籤役はスイカであったとする。当該ゲームは、天井ポイント短縮抽籤期間であるので、天井ポイント短縮抽籤が行われる。制御例2では、この天井ポイント短縮抽籤に当籤したものとしている。そして、天井ポイント短縮抽籤に当籤したので、当該ゲームにおいて、天井ポイントが「1」に更新される。なお、天井ゲーム数は通常どおり1減算されている。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。
また、次ゲーム(天井ポイントが「1」、天井ゲーム数が「32」となったゲーム)では、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは左第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR1が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。そして、次ゲームでは、天井ポイントが「0」となったので、天井ポイントに到達してボーナス移行が発生し、決定された種別の疑似ボーナス状態が開始されるものとしている。
次に、図88に示す(c)制御例3について説明する。制御例1は、遊技者が特定の遊技方法(左第1停止)で遊技を行わなかった場合があり(これを図88中では「変則押しあり」としている)、また、「天井ポイント短縮なし」であり、天井ポイントが0となるよりも前に天井ゲーム数が0になって天井ゲーム数に到達し、「ボーナス移行」する場合の制御例である。
例えば、天井ポイントが「199」、天井ゲーム数が「200」であるゲームでは、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは右第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR2が設定され、天井ポイント減算抽籤の結果、天井ポイントが減算されないことが決定されたため、天井ポイントについては減算されず、天井ゲーム数のみ1減算されている。また、次ゲーム(天井ポイントが「199」、天井ゲーム数が「199」となったゲーム)では、当籤役はTPリプであったとする。当該ゲームではSR情報としてSR0が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。そして、遊技期間がさらに進行していくものとする。
天井ポイントが「33」、天井ゲーム数が「33」となったゲームでは、当籤役はTPリプであったとする。当該ゲームではSR情報としてSR0が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。なお、当該ゲームでは、天井ポイントが「33」となっているので、短縮有効カウンタには「32」がセットされ、天井ポイント短縮抽籤期間が開始される。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。
また、次ゲーム(天井ポイントが「32」、天井ゲーム数が「32」となったゲーム)では、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは右第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR2が設定され、天井ポイント減算抽籤の結果、天井ポイントが減算されないことが決定されたため、天井ポイントについては減算されず、天井ゲーム数のみ1減算されている。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。また、次ゲーム(天井ポイントが「32」、天井ゲーム数が「31」となったゲーム)では、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは左第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR1が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。そして、遊技期間がさらに進行していくものとする。
天井ポイントが「4」、天井ゲーム数が「3」となったゲームでは、当籤役はTPリプであったとする。当該ゲームではSR情報としてSR0が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。また、次ゲーム(天井ポイントが「3」、天井ゲーム数が「2」となったゲーム)では、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは左第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR1が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。ここで、天井ポイント短縮抽籤期間が終了する。
また、次ゲーム(天井ポイントが「2」、天井ゲーム数が「1」となったゲーム)では、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは左第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR1が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。そして、次ゲームでは、天井ゲーム数が「0」となったので、天井ゲーム数に到達してボーナス移行が発生し、決定された種別の疑似ボーナス状態が開始されるものとしている。
次に、図88に示す(d)制御例4について説明する。制御例4は、「変則押しあり」であり、また、「天井ポイント短縮あり」であり、天井ポイントが0になって天井ポイントに到達し、「ボーナス移行」する場合の制御例である。
例えば、天井ポイントが「199」、天井ゲーム数が「200」であるゲームでは、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは右第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR2が設定され、天井ポイント減算抽籤の結果、天井ポイントが減算されないことが決定されたため、天井ポイントについては減算されず、天井ゲーム数のみ1減算されている。また、次ゲーム(天井ポイントが「199」、天井ゲーム数が「199」となったゲーム)では、当籤役はTPリプであったとする。当該ゲームではSR情報としてSR0が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。そして、遊技期間がさらに進行していくものとする。
天井ポイントが「33」、天井ゲーム数が「33」となったゲームでは、当籤役はTPリプであったとする。当該ゲームではSR情報としてSR0が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。なお、当該ゲームでは、天井ポイントが「33」となっているので、短縮有効カウンタには「32」がセットされ、天井ポイント短縮抽籤期間が開始される。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。
また、次ゲーム(天井ポイントが「32」、天井ゲーム数が「32」となったゲーム)では、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは右第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR2が設定され、天井ポイント減算抽籤の結果、天井ポイントが減算されないことが決定されたため、天井ポイントについては減算されず、天井ゲーム数のみ1減算されている。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。また、次ゲーム(天井ポイントが「32」、天井ゲーム数が「31」となったゲーム)では、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは左第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR1が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。そして、遊技期間がさらに進行していくものとする。
天井ポイントが「4」、天井ゲーム数が「3」となったゲームでは、当籤役はスイカであったとする。当該ゲームは、天井ポイント短縮抽籤期間であるので、天井ポイント短縮抽籤が行われる。制御例4では、この天井ポイント短縮抽籤に当籤したものとしている。そして、天井ポイント短縮抽籤に当籤したので、当該ゲームにおいて、天井ポイントが「1」に更新される。なお、天井ゲーム数は通常どおり1減算されている。さらに、短縮有効カウンタも1減算される。
また、次ゲーム(天井ポイントが「1」、天井ゲーム数が「2」となったゲーム)では、当籤役は押し順ベルであったとする。当該ゲームでは左第1停止で遊技が行われた結果、SR情報としてSR1が設定されたため、天井ポイント及び天井ゲーム数が1ずつ減算される。そして、次ゲームでは、天井ポイントが「0」となったので、天井ポイントに到達してボーナス移行が発生し、決定された種別の疑似ボーナス状態が開始されるものとしている。
なお、上述のとおり、第3の遊技機では、天井ゲーム数に到達してボーナス移行が発生した場合、天井ポイントに到達してボーナス移行が発生した場合よりも遊技者が不利となる場合がある(例えば、図67及び図68等参照)。したがって、例えば、制御例1と制御例3とを比較すると、仮に天井ポイントや天井ゲーム数の設定、あるいは途中の遊技経過等が概ね同じであれば、制御例3でボーナス移行が発生した場合、制御例1でボーナス移行が発生した場合よりも遊技者が相対的に不利となる可能性が高い。
もっとも、あるゲームにて、押し順ベルに当籤し、特定の遊技方法(例えば、左第1停止)にて遊技が行われなかったからといって、直ちに遊技者が不利となるわけではない。例えば、設定される天井ポイントの値がいずれの値であったか、また、これにともなって設定される天井ゲーム数の値がいずれの値であったか(例えば、天井ポイントが「101」に設定された場合も、天井ポイントが「149」に設定された場合も天井ゲーム数は「150」に設定されるため、同じ天井ゲーム数が設定される場合であっても天井ポイントとの差には開きが生じる)によっても変動が生じ得るものとなっている。
また、例えば、有利区間開始時の状態(例えば、有利区間レベル抽籤の抽籤結果、ストックランク抽籤の抽籤結果、天井ポイント抽籤の抽籤結果等)や途中の遊技経過(例えば、天井ポイント減算抽籤の抽籤結果、ストックランク昇格抽籤の抽籤結果、天井ポイント短縮抽籤の抽籤結果等)によっても変動が生じ得るものとなっている。
したがって、遊技者は、上記の種々の要素を予測したり、現在のメダルの獲得状況を考えたりしながら、ときには、特定の遊技方法で遊技を行うことを優先したり、また、ときには、特定の遊技方法で遊技を行わず、10枚入賞の可能性を高めることを優先したりしながら遊技を行っていくことができる。すなわち、第3の遊技機では、このようにして遊技性を多様化させ、遊技の興趣を高めることを可能としているのである。
なお、これらはあくまで一例であり、上記の種々の要素のうち、一部の要素についてはこれを採用しないで第3の遊技機を構成することも可能であるし、さらに要素を追加して第3の遊技機を構成することも可能である。
(確定演出)
第3の遊技機では、天井ポイントや天井ゲーム数が0となり得る(1から0に更新され得る)遊技(例えば、図88では、制御例1~4のそれぞれにおいて「ボーナス移行」となる直前の遊技)において、特別演出が実行可能に構成されている。なお、第3の遊技機において、当該特別演出は、次ゲームから疑似ボーナス状態に移行する旨を確定的に報知する確定演出として構成されているので、以下、この項では確定演出として説明する。
もっとも、第3の遊技機において、特別演出は必ずしも疑似ボーナス状態に移行する旨を確定的に報知する演出でなくともよい。例えば、天井ポイントや天井ゲーム数が0となり得る(1から0に更新され得る)遊技以外の遊技でも実行される場合があるものとし、次ゲームから疑似ボーナス状態に移行する可能性(期待度)は高いが、これが確定しない演出(期待感演出)として構成されるものであってもよい。
また、確定演出は、上述のいずれの演出実行手段(複数の演出実行手段で実行されるものを含む)で実行されるものであってもよく、また、その演出実行時期(例えば、遊技開始時、第1~第4停止操作時、全停止後)も問わないものであるが、以下、この項では、メイン演出表示部21上で行われる演出であって、遊技開始時に行われる演出であるものとして説明する。
<確定演出の制御例>
図89を参照して、第3の遊技機の確定演出の制御例について説明する。なお、図89では、天井ポイントが0となって疑似ボーナス状態に移行する場合を一例に挙げて説明している。
まず、図89中、(a)通常の流れについて説明する。ボーナス移行となる遊技の3ゲーム前(天井ポイントが「3」)の遊技では、例えば、「?」を表示するといった煽り演出(小)が実行されている。なお、当該遊技では、天井ポイントが1減算されたものとする。
続いて、ボーナス移行となる遊技の2ゲーム前(天井ポイントが「2」)の遊技では、例えば、「??」を表示するといった煽り演出(中)が実行されている。なお、当該遊技では、天井ポイントが1減算されたものとする。そして、ボーナス移行となる遊技の1ゲーム前(天井ポイントが「1」)の遊技では、例えば、「ボーナス確定!」といった文字を表示する確定演出が実行され、遊技者に疑似ボーナス状態が開始されることが確定的に報知されている。当該遊技にて、さらに天井ポイントが1減算されれば、実際に次の遊技からは疑似ボーナス状態に移行することとなる。
なお、煽り演出(小)、煽り演出(中)、及び確定演出は、一連の連続演出として構成されるものであってもよいし、それぞれ独立したとして単発演出として構成されるものであってもよい。後者の場合、例えば、ボーナス移行となる遊技の3ゲーム前(天井ポイントが「3」)の遊技、及びボーナス移行となる遊技の2ゲーム前(天井ポイントが「2」)の遊技では特段の演出が行われず、ボーナス移行となる遊技の1ゲーム前(天井ポイントが「1」)の遊技において確定演出が行われる場合があるようにしてもよい。図89は、あくまでも演出の流れの一例である。
ここで、(a)通常の流れの場合において、ボーナス移行となる遊技の1ゲーム前(天井ポイントが「1」)の遊技に着目すると、ここで、押し順ベル以外の役に当籤した場合には、(SR情報がSR0に設定されるので)必ず天井ポイントが1減算され、次の遊技から疑似ボーナス状態が開始されることとなるが、押し順ベルに当籤した場合には、左第1停止であれば(SR情報がSR1に設定されるので)必ず天井ポイントが1減算されるものの、左第1停止以外であれば(SR情報がSR2に設定されるので)天井ポイントが1減算されない場合もある。すなわち、当該遊技で押し順ベルが当籤した場合にも通常どおり確定演出が実行されるものとすると、実際の遊技内容と齟齬が生じてしまう場合がある。
また、確定演出が実行されることで、遊技者は、疑似ボーナス状態にすぐに移行することを認識できることから、当該遊技では、メダルの付与期待値が高まるように左第1停止以外で停止操作を行ったほうがよいと考えるかもしれない。そして、実際に左第1停止以外で停止操作を行った場合、10枚入賞が発生し、さらに結局天井ポイントも減算されてしまう場合もある。かかる状況の発生を許容してしまうと、特に、特定の遊技方法で遊技を行っていた遊技者との間で公平性を担保し得ず、また、遊技店が不測の不利益を被る可能性も生じることになる。
そこで、第3の遊技機では、図89の(b)1G前が押し順ベルのときに示すように、ボーナス移行となる遊技の1ゲーム前(天井ポイントが「1」)の遊技において、押し順ベルに当籤した場合には、確定演出を実行しないように構成している。
なお、図89に示すように、ボーナス移行となる遊技の1ゲーム前(天井ポイントが「1」)の遊技において、押し順ベルに当籤した場合であって、例えば、ボーナス移行となる遊技の3ゲーム前(天井ポイントが「3」)の遊技から連続演出が行われていた場合には、ボーナス移行となる遊技の1ゲーム前(天井ポイントが「1」)の遊技においては確定演出に替えて煽り演出(例えば、煽り演出(大)が実行されるようにしているが、煽り演出(小)や煽り演出(中)が実行されるようにしてもよい)が実行されるものとしている。
また、上記の場合、及び単発演出が実行されている場合に、ボーナス移行となる遊技の1ゲーム前(天井ポイントが「1」)の遊技においては、単に特段の演出が行われないように構成することもできる。すなわち、少なくとも、ボーナス移行となる遊技の1ゲーム前(天井ポイントが「1」)の遊技において、押し順ベル以外に当籤した場合には特別演出が実行可能であり、押し順ベルに当籤した場合には当該特別演出を実行可能としない態様であれば、どのような態様を採用することも可能である。
なお、図89の(b)の場合であっても、例えば、ボーナス移行となる遊技の1ゲーム前(天井ポイントが「1」)の遊技において、遊技開始時には確定演出は行われないが、左第1停止にて停止操作が行われた場合には、当該第1停止操作時に確定演出が行われるように構成してもよい。あるいは、この場合には、全停止後に確定演出が行われるように構成してもよい。すなわち、(b)の場合には、遊技状況(停止操作態様が左第1停止であったか、SR情報としてSR2以外が設定されたか、天井ポイントは減算されたか等)を判別し、次回の遊技から疑似ボーナス状態に移行することが確定したタイミング以降の所定のタイミングにおいて、確定演出が行われるように構成してもよい。
(疑似遊技演出)
第3の遊技機では、ボーナス移行となる遊技が開始されるときに、疑似遊技演出が実行されてから、当該遊技が開始されるように構成されている。以下、図90~図93を参照して、この疑似遊技演出について説明する。なお、疑似遊技演出は、上述の疑似遊技を行わせる演出であり、遊技の進行が待機される期間(ロック期間)において、遊技者の遊技操作(例えば、開始操作(疑似開始操作)や停止操作(疑似停止操作))に応じて各リールを所定の演出態様によって疑似的に変動(回転や停止)させる演出として構成されている。
まず、図90を参照して、第3の遊技機の疑似遊技演出の種類について説明する。図90に示す「ボーナス入賞演出」は、基本的に、遊技者の開始操作(疑似開始操作を含む)に応じて各リールを回転させ、遊技者の疑似停止操作に応じて各リールを疑似的に停止することによって「赤7揃い」等を疑似遊技中に見せる演出として構成されている。また、図90に示す「確定役入賞演出」は、基本的に、遊技者の開始操作(疑似開始操作を含む)に応じて各リールを回転させ、遊技者の疑似停止操作に応じて各リールを疑似的に停止することによって「リーチ目停止」等を疑似遊技中に見せる演出として構成されている。なお、これらの疑似遊技演出は、例えば、遊技者の開始操作(疑似開始操作を含む)によらずして開始されるものであってもよいし、遊技者の疑似停止操作によらずして各リールが疑似的に停止するものであってもよい。すなわち、少なくともその一部が上述のリール演出として構成されるものであってもよい。
ボーナス入賞演出1(RB・4thベル)は、移行するボーナス種別がRB中であるときに実行される疑似遊技演出である。例えば、開始操作が行われると、回転前のロック期間において、全てのリールが回転し、疑似停止操作に応じて、第1リール及び第2リールの中段領域に「赤7」図柄が停止し(赤7中段テンパイし)、第3リールの中段領域に「BAR」図柄が停止し、第4リールに「ベル」(例えば、「ベル2」)図柄が停止し、「赤7-赤7-BAR-ベル」の停止形で停止する演出として構成される。なお、当該演出が終了した後は、(開始操作(疑似開始操作)が行われるか、所定時間(例えば、約20秒)経過後に)上述のランダム遅延処理を経て、各リールの本来の回転が開始される(他の疑似遊技演出についても同様)。また、例えば、第4リールの演出停止位置が「0」、「5」、「10」、及び「15」と規定されているが、これは、第4リールを疑似遊技中に停止させる場合、当該制御が開始されるときにこれらのうちで最も近い位置となる演出停止位置で停止させることを意味する(他の疑似遊技演出において、該当するリールの演出停止位置が複数規定されている場合も同様)。
また、ボーナス入賞演出2(BB・4thベル)は、移行するボーナス種別がBB中(次回PBBフラグがオンである場合を含む)であるときに実行される疑似遊技演出である。例えば、開始操作が行われると、回転前のロック期間において、全てのリールが回転し、疑似停止操作に応じて、第1リール及び第2リールの中段領域に「赤7」図柄が停止し(赤7中段テンパイし)、第3リールの中段領域に「赤7」図柄が停止し(赤7が3リール揃いし)、第4リールに「ベル」図柄が停止し、「赤7-赤7-赤7-ベル」の停止形で停止する演出として構成される。また、ボーナス入賞演出3(BB・4thBAR)は、ボーナス入賞演出2(BB・4thベル)において、第4リールに「ベル」図柄ではなく「BAR」図柄が停止し、「赤7-赤7-赤7-BAR」の停止形で停止する演出として構成される。
また、ボーナス入賞演出4(BB・4th7)は、移行するボーナス種別がPBB中(フリーズが実行される場合を含まない)であるときに実行される疑似遊技演出である。例えば、開始操作が行われると、回転前のロック期間において、全てのリールが回転し、疑似停止操作に応じて、第1リール及び第2のリールの中段領域に「赤7」図柄が停止し(赤7中段テンパイし)、第3リールの中段領域に「赤7」図柄が停止し(赤7が3リール揃いし)、第4リールに「赤7」図柄が停止し(赤7が4リール揃いし)、「赤7-赤7-赤7-赤7」の停止形で停止する演出として構成される。
また、ボーナス入賞演出5(BB・4thベル)は、移行するボーナス種別がBB中(次回PBBフラグがオンである場合を含む)であるときに実行される疑似遊技演出である。例えば、開始操作が行われると、回転前のロック期間において、全てのリールが回転し、疑似停止操作に応じて、第1リールの上段領域に「赤7」図柄が停止するとともに、第2のリールの中段領域に「赤7」図柄が停止し(赤7右下がりテンパイし)、第3リールの下段領域に「赤7」図柄が停止し(赤7が3リール揃いし)、第4リールに「ベル」図柄が停止し、「赤7-赤7-赤7-ベル」の停止形で停止する演出として構成される。また、ボーナス入賞演出6(BB・4thBAR)は、ボーナス入賞演出5(BB・4thベル)において、第4リールに「ベル」図柄ではなく「BAR」図柄が停止し、「赤7-赤7-赤7-BAR」の停止形で停止する演出として構成される。
また、ボーナス入賞演出7(BB・4th7)は、移行するボーナス種別がPBB中(フリーズが実行される場合を含まない)であるときに実行される疑似遊技演出である。例えば、開始操作が行われると、回転前のロック期間において、全てのリールが回転し、疑似停止操作に応じて、第1リールの上段領域に「赤7」図柄が停止するとともに、第2のリールの中段領域に「赤7」図柄が停止し(赤7右下がりテンパイし)、第3リールの下段領域に「赤7」図柄が停止し(赤7が3リール揃いし)、第4リールに「赤7」図柄が停止し(赤7が4リール揃いし)、「赤7-赤7-赤7-赤7」の停止形で停止する演出として構成される。
また、ボーナス入賞演出8(BB・4th7+フリーズ)は、移行するボーナス種別がPBB中(フリーズが実行される場合)であるときに実行される疑似遊技演出である。基本的には、ボーナス入賞演出4と同様の演出となるが、各リールの停止演出が行われる前に、フリーズ演出が実行される点において異なる。
また、確定役入賞演出1(中段チェリー)~確定役入賞演出6(確定役6)は、それぞれ、通常の遊技では表示されない停止形であって、遊技者が、期待度が極めて高いと感得し得る停止形(これを「リーチ目」と称している。また、「中段チェリー」もこれに含まれるものとしている)で停止する演出として構成される。
なお、確定役入賞演出は、ボーナス移行となる遊技が開始されるときに、ボーナス入賞演出とともに実行される場合と、ボーナス中において、特別条件が成立した場合に、単独で実行される場合があるように構成される。
例えば、ボーナス入賞演出とともに実行される場合には、開始操作が行われると、回転前のロック期間(適時設定可能である)において、全てのリールが回転し、疑似停止操作に応じて、決定されている確定役入賞演出の種類に応じて規定された演出停止位置にて第1~第4リールが停止し、規定された停止形が表示されて1回目の疑似遊技が終了する。続いて、開始操作(疑似開始操作)が行われるか、所定時間(例えば、約20秒)経過後に、再度全てのリールが回転し、疑似停止操作に応じて、決定されているボーナス入賞演出の種類に応じて規定された演出停止位置にて第1~第4リールが停止し、規定された停止形が表示されて2回目の疑似遊技が終了する。その後、開始操作(疑似開始操作)が行われるか、所定時間(例えば、約20秒)経過後に、ランダム遅延処理が行われた後、各リールの本来の回転が開始されるものとなっている。
また、例えば、ボーナス中に単独で実行される場合には、開始操作が行われると、回転前のロック期間(適時設定可能である)において、全てのリールが回転し、疑似停止操作に応じて、決定されている確定役入賞演出の種類に応じて規定された演出停止位置にて第1~第4リールが停止し、規定された停止形が表示される。その後、開始操作(疑似開始操作)が行われるか、所定時間(例えば、約20秒)経過後に、ランダム遅延処理が行われた後、各リールの本来の回転が開始されるものとなっている。
ここで、まず、ボーナス入賞演出2及び5と、ボーナス入賞演出3及び6とに着目とすると、ボーナス入賞演出2及び5では、第1~第3リールで赤7図柄揃いとなった後、第4リールでベル図柄が表示され得る演出として構成されるのに対し、ボーナス入賞演出3及び6では、第1~第3リールで赤7図柄揃いとなった後、第4リールでBAR図柄が表示され得る演出として構成される点で異なるものとなっているが、このような場合、一般的には、ベル図柄よりもBAR図柄のほうが、有利度合いが高いと感得されることが多い。したがって、第3の遊技機では、例えば、BB中に移行する場合に、ボーナス入賞演出の種類を決定するに際しては、上述のボーナスストックのストック数が多いほど、ボーナス入賞演出5又は6が決定される確率が高くなるように構成される。
例えば、BB中に移行する場合であって、ボーナスストックのストック数が「1」である場合には、抽籤により、ボーナス入賞演出2が「192/256」の確率で決定され、ボーナス入賞演出5が「64/256」の確率で決定され、ボーナス入賞演出3及び6は決定されないように構成する。
また、例えば、BB中に移行する場合であって、ボーナスストックのストック数が「2~9」である場合には、抽籤により、ボーナス入賞演出2が「180/256」の確率で決定され、ボーナス入賞演出3が「12/256」の確率で決定され、ボーナス入賞演出5が「60/256」の確率で決定され、ボーナス入賞演出6が「4/256」の確率で決定されるように構成する。
また、例えば、BB中に移行する場合であって、ボーナスストックのストック数が「10以上」である場合には、抽籤により、ボーナス入賞演出2が「144/256」の確率で決定され、ボーナス入賞演出3が「48/256」の確率で決定され、ボーナス入賞演出5が「48/256」の確率で決定され、ボーナス入賞演出6が「16/256」の確率で決定されるように構成する。
このようにすれば、RB中に移行する場合にはボーナス入賞演出1が決定されること、PBB中に移行する場合にはボーナス入賞演出4、7又は8が決定されることを含め、実行されるボーナス入賞演出の種類によって以後の有利状態の有利度合い(継続度合い)を示唆することができるようになる。
また、これに加え、第3の遊技機では、ボーナス移行となる遊技が開始されるときに、ボーナス入賞演出の実行に先立って確定役入賞演出が実行される場合があるように構成される。そして、これも同様に、ボーナスストックのストック数が多いほど、確定役入賞演出が実行される確率が高くなるように構成されるものとすればよい。
例えば、BB中に移行する場合であって、ボーナスストックのストック数が「1~4」である場合には、抽籤により、確定役入賞演出は実行されないことが「238/256」の確率で決定され、確定役入賞演出2が「5/256」の確率で決定され、確定役入賞演出3が「5/256」の確率で決定され、確定役入賞演出4が「3/256」の確率で決定され、確定役入賞演出5が「2/256」の確率で決定され、確定役入賞演出6が「3/256」の確率で決定され、確定役入賞演出1は決定されないように構成する。
また、例えば、BB中に移行する場合であって、ボーナスストックのストック数が「5~9」である場合には、抽籤により、確定役入賞演出は実行されないことが「180/256」の確率で決定され、確定役入賞演出1が「4/256」の確率で決定され、確定役入賞演出2が「20/256」の確率で決定され、確定役入賞演出3が「20/256」の確率で決定され、確定役入賞演出4が「12/256」の確率で決定され、確定役入賞演出5が「8/256」の確率で決定され、確定役入賞演出6が「12/256」の確率で決定されるように構成する。
また、例えば、BB中に移行する場合であって、ボーナスストックのストック数が「10以上」である場合には、抽籤により、確定役入賞演出は実行されないことが「144/256」の確率で決定され、確定役入賞演出1が「40/256」の確率で決定され、確定役入賞演出2が「20/256」の確率で決定され、確定役入賞演出3が「20/256」の確率で決定され、確定役入賞演出4が「12/256」の確率で決定され、確定役入賞演出5が「8/256」の確率で決定され、確定役入賞演出6が「12/256」の確率で決定されるように構成する。
なお、RB中に移行する場合には、確定役入賞演出は実行されないようにしてもよいし、例えば、上記と同じ確率にて実行され得るようにしてもよい。また、PBB中に移行する場合には、確定役入賞演出は実行されないようにしてもよいし、所定の確率(例えば、ボーナスストックのストック数が「10以上」の場合と同じ確率)にて実行され得るようにしてもよい。
このように、第3の遊技機では、ボーナス中(例えば、BB中)に移行する場合に、ボーナス入賞演出のみが行われる場合と、確定役入賞演出+ボーナス入賞演出が行われる場合とがあり、これによって、以後の有利状態の有利度合い(継続度合い)を示唆することが可能であるとともに、さらに、ボーナス入賞演出の種類、及び確定役入賞演出の種類のそれぞれによって、以後の有利状態の有利度合い(継続度合い)を示唆することが可能となっている。また、確定役入賞演出+ボーナス入賞演出が行われる場合には、1回目の遊技(疑似遊技)でリーチ目が表示され、2回目の遊技(疑似遊技)でボーナスが入賞するといった従来の遊技の流れに沿った疑似遊技演出を行うことが可能となっている。したがって、有利状態が開始されるときの興趣を高めることができるとともに、このような演出の興趣を高めることができるようになっている。
なお、ボーナス移行となる遊技が開始されるときに、遊技者に示唆することを可能とする対象は上述したもの(ストック数)に限られない。例えば、有利区間レベル、モード、ストックランク、MYランク、あるいは、移行契機となったのが、天井ポイント到達であったのか、天井ゲーム数到達であったのか等、これらのうち一又は複数の情報を参照して、疑似遊技演出の実行に係る抽籤が行われるようにすることで、種々の情報が示唆可能となるように構成してもよい。すなわち、遊技者にとって有益な情報であれば、いずれが示唆されるものであってもよい。
また、上述のとおり、確定役入賞演出は、ボーナス中にも行われる場合があるので、これについて説明する。ボーナス中では、上述のボーナス中1G連抽籤に当籤した場合に、ボーナスストックのストック数が増加する場合があるようになっているが、第3の遊技機では、このようにボーナス中にストック数が増加することが決定された場合に、特別条件が成立したとして確定役入賞演出が実行されるように構成される。
例えば、ボーナス中のある遊技において、遊技開始時にボーナス中1G連抽籤が行われ、これに当籤し、ボーナスストックのストック数が加算されたとする。この場合、現在のストック数(あるいは、今回の遊技で加算されたストック数のみを対象としてもよい)が、「1~4」であれば、抽籤により、確定役入賞演出2が「80/256」の確率で決定され、確定役入賞演出3が「80/256」の確率で決定され、確定役入賞演出4が「32/256」の確率で決定され、確定役入賞演出5が「16/256」の確率で決定され、確定役入賞演出6が「48/256」の確率で決定され、確定役入賞演出1は決定されないように構成する。
また、上記の場合、現在のストック数(あるいは、今回の遊技で加算されたストック数のみを対象としてもよい)が、「5以上」であれば、抽籤により、確定役入賞演出1が「80/256」の確率で決定され、確定役入賞演出2が「54/256」の確率で決定され、確定役入賞演出3が「54/256」の確率で決定され、確定役入賞演出4が「21/256」の確率で決定され、確定役入賞演出5が「11/256」の確率で決定され、確定役入賞演出6が「32/256」の確率で決定されるように構成する。
このように、第3の遊技機では、ボーナス中において、特別条件が成立した場合には、確定役入賞演出が行われる場合があり、また、確定役入賞演出の種類によって、以後の有利状態の有利度合い(継続度合い)を示唆することが可能となっている。したがって、有利状態中の興趣を高めることができるとともに、このような演出の興趣を高めることができるようになっている。また、有利状態が開始されるときに実行され得る演出と、有利状態中に実行され得る演出とで、演出に係るデータを共通化できるため、興趣を高めつつも、演出に係るデータ量が増大してしまうことを抑制できる。
<疑似遊技演出の演出例>
続いて、図91~93を参照して、第3の遊技機の疑似遊技演出の演出例について説明する。なお、図91は、ボーナス移行となる遊技(ボーナス中移行遊技)が開始されるときに、ボーナス入賞演出3のみが実行される演出例(その1)であり、図92は、ボーナス移行となる遊技(ボーナス中移行遊技)が開始されるときに、確定役入賞演出1+ボーナス入賞演出3が実行される演出例(その2)であり、図93は、ボーナス中に特別条件が成立した場合に、確定役入賞演出1のみが実行される演出例(その3)である。
図91に示すように、例えば、ボーナス中移行遊技にてボーナス入賞演出3が実行される場合、遊技者が開始操作(レバーオン)を行うと、ボーナス入賞演出3が実行される。全リールが回転し、疑似停止操作に応じて、例えば、第1リール及び第2リールで赤7図柄が中段テンパイとなるように順次停止表示された後、第3リールで赤7図柄が停止表示されて第1~第3リールで赤7図柄揃いとなり、その後、第4リールでBAR図柄が停止表示される。そして、遊技者が再度開始操作(疑似開始操作)を行うか、所定時間(例えば、約20秒)が経過すると、全リールが回転し、本来の遊技が開始される。
また、図92に示すように、例えば、ボーナス中移行遊技にて確定役入賞演出1+ボーナス入賞演出3が実行される場合、遊技者が開始操作(レバーオン)を行うと、まず、確定役入賞演出1が実行される。全リールが回転し、疑似停止操作に応じて、例えば、第1~第4リールでそれぞれ図90に示した演出停止位置となるように、第1~第4リールが順次停止表示される。なお、図92の一例では、第1リールの中段領域及び第4リールの表示領域においてチェリー図柄が表示されるとともに、第1~第3リールにおいて、BAR図柄が右下がりに揃っているように表示されている。すなわち、遊技者にとって期待度が極めて高いと感得し得る停止形で停止されるものとなっている。ここで、遊技者が再度開始操作(疑似開始操作)を行うか、所定時間(例えば、約20秒)が経過すると、確定役入賞演出1は終了し、続いて、ボーナス入賞演出3が実行される。なお、ボーナス入賞演出3の実行態様は、図91におけるものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、図93に示すように、例えば、ボーナス中に特別条件が成立して確定役入賞演出1が実行される場合、遊技者が開始操作(レバーオン)を行うと、確定役入賞演出1が実行される。なお、確定役入賞演出1の実行態様は、図92におけるものと同様であるため、ここでの説明は省略する。確定役入賞演出1が実行された後、遊技者が再度開始操作(疑似開始操作)を行うか、所定時間(例えば、約20秒)が経過すると、全リールが回転し、本来の遊技が開始される。
(その他の示唆演出)
第3の遊技機では、上述のとおり、例えば、ボーナス中移行遊技の疑似遊技演出の演出内容によって、所定の情報(例えば、ストック数)を示唆することを可能としていたが、所定の情報を示唆する手法はこれに限られない。
例えば、通常中(有利区間)において、いずれかの役に入賞したとき(あるいは、いずれかの遊技の全停止後)に、上述の上部ランプ23が所定確率で種々の発光態様によって発光することで、遊技者に有益な情報が示唆されるようにしてもよい。ここでは、例えば、ストックランクが示唆されるものとして説明する。例えば、上部ランプ23が、第1発光態様(例えば、白点灯)で点灯した場合には、ストックランク1以上が確定するものとする。また、例えば、上部ランプ23が、第2発光態様(例えば、橙点灯)で点灯した場合には、ストックランク6以上が確定するものとする(なお、ストックランク6は、ボーナス移行となると、50%の確率で5連チャン以上となるランクである)。
また、例えば、上部ランプ23が、第3発光態様(例えば、紫点灯)で点灯した場合には、ストックランク8以上が確定するものとする(なお、ストックランク8は、ボーナス移行となると、5連チャン以上が確定するランクである)。また、例えば、上部ランプ23が、第4発光態様(例えば、虹点灯)で点灯した場合には、ストックランク10が確定するものとする(なお、ストックランク10は、ボーナス移行となると、8連チャン以上が確定するランクである)。なお、例えば、設定6である場合には、これらの発光態様が、上記の条件以外でも出現するようにしてもよい。この場合、例えば、第3発光態様で点灯したが、ボーナスが5連チャン未満で終了することとなれば、設定6が確定する等といったように、設定値も示唆可能とするものであってもよい。
また、例えば、通常中(有利区間)において、特定の役(例えば、リプレイ役)に入賞したときに、上述のリールランプが所定確率で種々の発光態様によって発光することで、遊技者に有益な情報が示唆されるようにしてもよい。ここでは、例えば、モードが示唆されるものとして説明する。例えば、リプレイ役(例えば、TPリプ)の入賞時に、リールランプが、第1発光態様(例えば、フラッシュパターン1)で点灯した場合には、モードB又はモードCが確定するものとする(モードB及びモードCは、相対的にモードAよりも有利なモードである)。また、例えば、リプレイ役(例えば、TPリプ)の入賞時に、リールランプが、第2発光態様(例えば、フラッシュパターン2)で点灯した場合には、モードCが確定するものとする(モードCは、天井ポイントは多いが、ボーナス連チャンが確定するモードである)。なお、例えば、設定6である場合には、これらの発光態様が、上記の条件以外でも出現するようにしてもよい。この場合、例えば、第1発光態様で点灯したが、有利区間開始から100ゲーム以内にボーナス中に移行した場合には、(モードB又はモードCでは、100ゲーム以内にボーナス中に移行する場合がないので)設定6が確定する等といったように、設定値も示唆可能とするものであってもよい。
なお、上記では、上部ランプ23やリールランプを用いて示唆演出を行うことを一例として挙げて説明しているが、このような示唆演出を行う演出実行手段の種類はこれに限らず、また、演出実行時期も上述したものに限られない。
(天井ポイント及び天井ゲーム数によるボーナス移行の制御例を用いた遊技機)
第3の遊技機では、上述の天井ポイント及び天井ゲーム数によるボーナス移行の制御例を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
例えば、所定条件が成立した場合に所定値(例えば、天井ポイント)を決定可能とし、所定値に対応する数値が所定の数値(例えば、「0」)となった場合にAT状態(例えば、疑似ボーナス状態)に制御することを可能とし、当該数値は、所定役(例えば、押し順ベル)に当籤したときに、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合には1減算され、これとは異なる所定態様(例えば、左第1停止以外)にて停止操作が行われた場合には1減算されない場合がある遊技機である。
また、例えば、所定役(例えば、押し順ベル)は、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合、これとは異なる所定態様(例えば、左第1停止以外)にて停止操作が行われた場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成される遊技機である。
また、例えば、特定態様及び所定態様は、停止操作の打順(押し順)であり、所定態様は、10枚入賞となる正解打順と、10枚入賞とならない不正解打順とを含み、所定役(例えば、押し順ベル)は複数種類あり、特定態様となる打順はそれぞれで同じである左第1停止であり、所定態様において正解打順となる打順はそれぞれで異なるように構成され、特定態様となる打順で停止操作が行われた場合、10枚入賞とならない第1停止態様(図87中、左第1停止時の「1枚入賞出目」及び「とりこぼし0枚出目」参照)が表示され、所定態様において正解打順となる打順で停止操作が行われた場合、10枚入賞となる第2停止態様(図87中、左第1停止以外時の「10枚入賞出目」参照)が表示され、不正解打順となる打順で停止操作が行われた場合、10枚入賞とならず、かつ、第1停止態様とは異なる第3停止態様(図87中、左第1停止以外時の「1枚入賞出目」及び「とりこぼし0枚出目」参照)が表示されるように構成され、所定役に当籤したときに、停止態様を判別して所定値を更新するか否かが決定可能である遊技機である。
また、例えば、所定値に対応する数値が所定の数値となる(例えば、「1」から「0」となる)遊技の次の遊技からAT状態(例えば、疑似ボーナス状態)が開始されるものであり、所定値に対応する数値が所定の数値となり得る遊技が開始されるときに、特別演出(例えば、確定演出)を実行可能であるが、所定値に対応する数値が所定の数値となり得る遊技において、所定役(例えば、押し順ベル)に当籤したときには、当該特別演出を実行しない遊技機である。
また、例えば、所定の開始条件が成立した(例えば、有利区間移行抽籤に当籤した)場合に、有利区間における有利度合いを決定するための特定情報(例えば、有利区間レベル)を決定し、決定した特定情報に応じて所定値を決定する遊技機である。
また、例えば、所定の開始条件が成立した(例えば、有利区間移行抽籤に当籤した)場合に、有利区間における有利度合いを決定するための特定情報(例えば、有利区間レベル)を決定し、決定した特定情報に応じて、AT状態(例えば、疑似ボーナス状態)の継続度合いを決定するための継続度合情報(例えば、ストックランク)を決定可能であり、当該継続度合情報は、所定役(例えば、押し順ベル)に当籤したときに、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合には(ストックランク昇格抽籤に当籤することで)より有利なものとなることがあるが、所定態様(例えば、左第1停止以外)にて停止操作が行われた場合には(ストックランク昇格抽籤が行われないことで)有利なものとなることがない遊技機である。
また、例えば、AT状態(例えば、疑似ボーナス状態)が開始される場合、疑似遊技演出を実行可能であり、上記継続度合情報に基づいてAT状態の実行可能回数が決定可能であり、疑似遊技演出は、例えば、ボーナス入賞演出のみが実行される第1疑似遊技演出と、確定役入賞演出+ボーナス入賞演出が実行される第2疑似遊技演出とを含み、第2疑似遊技演出は、決定された実行可能回数が所定回数以上の場合に実行されやすい遊技機である。
また、例えば、疑似ボーナス状態中に特別条件が成立した場合(例えば、ボーナス中1G連抽籤に当籤してボーナスストックが加算された場合)にもAT状態の実行可能回数を増加させることが可能であり、疑似遊技演出は、例えば、確定役入賞演出のみが実行される第3疑似遊技演出を含み、第3疑似遊技演出は、疑似ボーナス状態中に特別条件が成立したときに実行され得る遊技機である。
また、例えば、所定条件が成立した場合に所定値(例えば、天井ポイント)とは異なる特定値(例えば、天井ゲーム数)を決定可能とし、特定値に対応する数値が所定の数値(例えば、「0」)となった場合にAT状態(例えば、疑似ボーナス状態)に制御することを可能とし、当該数値は、所定役(例えば、押し順ベル)に当籤したときに、停止操作態様にかかわらず1減算される遊技機である。
また、例えば、特定値(例えば、天井ゲーム数)は、必ず所定値(例えば、天井ポイント)以上となるように決定され、特定値が所定の数値となってAT状態に制御された場合、所定値が所定の数値となってAT状態に制御された場合よりも、遊技者を相対的に不利とすることが可能である遊技機である。
また、例えば、所定値は、複数回の抽籤(例えば、天井ポイント抽籤1及び天井ポイント抽籤2)の結果、それぞれで決定された数値を加算して決定されるものであり、特定値は、決定された所定値の下二桁を50単位で切り上げることで、所定値以上の値に決定される遊技機である。
[11-7.第3の遊技機の押し順ベルの変形例]
続いて、図94~図96を参照して、第3の遊技機の押し順ベルの変形例の構成について説明する。なお、図94及び図95は、第3の遊技機の押し順ベルの変形例1を示すものであり、図96は、第3の遊技機の押し順ベルの変形例2を示すものである。また、第3の遊技機では、変動表示部として、第1~第4リールの4つのリールを具備するものとして説明していたが、この変形例においては説明をわかりやすくするため、本実施形態のとおり、3つのリール(左リール3L,中リール3C,右リール3R)を具備するものとして説明する。
(押し順ベルの変形例1)
図94に示す変形例1では、押し順ベルに関し、押し順ベルAと押し順ベルBを設けるようにしている。この変形例1では、択数が通常の6択(3択×2択×1択)となっており、押し順ベルAでは、それぞれ、このうちの一つの打順が正解打順として規定され、残りの打順が不正解打順として規定されるように構成される。すなわち、押し順ベルAは、通常の押し順小役である。一方、押し順ベルBでは、それぞれ、このうちの一つの打順が不正解打順として規定され、残りの打順が正解打順として規定されるように構成される。すなわち、押し順ベルBは、押し順ベルAとは正解打順及び不正解打順が逆となった押し順小役である。
なお、この変形例1では、上述の構成例で説明したものとは異なり、押し順ベルAについて、左第1停止(図94中、打順「123」及び「132」)についても正解打順が規定されるように構成しているが、上述の構成例と同様に、左第1停止には正解打順が規定されないように構成することもできる。例えば、左第1停止はいずれも不正解打順として規定され、残りの打順(図94中、打順「213」、「231」、「312」、及び「321」)のうちの一つの打順が正解打順として規定され、その他の打順が不正解打順として規定される(すなわち、正解打順の択数が4択(2択×2択)となる)ように構成することもできる。
また、押し順ベルAについて、変形例1のように、左第1停止についても正解打順が規定されるように構成する場合、この場合であっても、押し順ベルAが当籤した遊技で、左第1停止で停止操作が行われたときには(10枚入賞が発生した場合でも)SR情報としてSR1が設定され、左第1停止以外で停止操作が行われたときにはSR情報としてSR2が設定されるように構成することができる。また、押し順ベルAが当籤した遊技で、単に正解打順で停止操作が行われたときにはSR情報としてSR2が設定され、不正解打順で停止操作が行われたときにはSR情報としてSR1が設定されるように構成することもできる。また、押し順ベルAが当籤した遊技では、停止操作態様にかかわらず、SR情報としてSR0が設定されるように構成することもできる。また、上述の構成例のように構成する場合には、上述の構成例と同様、左第1停止で停止操作が行われたときには(10枚入賞が発生する可能性はないので)SR情報としてSR1が設定され、左第1停止以外で停止操作が行われたときには(10枚入賞が発生する可能性があるので)SR情報としてSR2が設定されるように構成することができる。
また、この変形例1では、押し順ベルBについて、左第1停止(図94中、打順「123」及び「132」)についても不正解打順が規定されるように構成しているが、左第1停止には不正解打順が規定されないように構成することもできる。例えば、左第1停止はいずれも正解打順として規定され、残りの打順(図94中、打順「213」、「231」、「312」、及び「321」)のうちの一つの打順が不正解打順として規定され、その他の打順が正解打順として規定される(すなわち、不正解打順の択数が4択(2択×2択)となる)ように構成することもできる。
また、押し順ベルBについては、不正解打順(例えば、1/6の確率)で停止操作が行われたときにはSR情報としてSR1が設定され、正解打順(例えば、5/6の確率)で停止操作が行われたときにはSR情報としてSR2が設定されるものとすればよい。すなわち、択数が少ないほうの不正解打順で停止操作が行われた場合にはAT関連処理が有利となり、択数が多いほうの正解打順で停止操作が行われた場合にはAT関連処理が不利となるように構成することができる。
この場合、例えば、上記のとおり、左第1停止では不正解打順が規定されないようにすれば、左第1停止で遊技を行う限り、押し順ベルBに当籤した遊技では、AT関連処理が有利となる場合はないものの、必ず10枚入賞が発生することとなるので、特定の遊技方法で遊技を行っている場合の還元率を高めることが可能となる。もっとも、左第1停止でも不正解打順があるように規定した場合であっても、不正解打順の択数は少ないことから、この場合も同様に還元率を高めることが可能である。
なお、この変形例1では、上述の構成例と同様の確率(図72に示す押し順ベルの抽籤値の合算確率)で押し順ベルが当籤するものとし、このうち、押し順ベルAについて、押し順ベルBよりもその当籤確率が高くなるように構成しているが、この変形例1では種々の変形が可能である。まず、押し順ベルの当籤確率は、上述の構成例よりも高い確率であってもよいし、低い確率であってもよい。また、押し順ベルAの当籤確率は、押し順ベルBの当籤確率と同じ(すなわち、押し順ベルAと押し順ベルBの振り分けが1:1)であってもよいし、押し順ベルAの当籤確率が、押し順ベルBの当籤確率よりも低い確率であってもよい。
また、この変形例1では、上述の構成例と同様に(図82~図85参照)、押し順ベルに当籤した場合、正解打順で停止操作が行われた場合には「10枚入賞」となり、不正解打順で停止操作が行われた場合には「1/4で1枚入賞」となるように構成しているが、この変形例1では種々の変形が可能である。まず、正解打順で停止操作が行われた場合には、10枚に限られず、ベット数(3枚)以上15枚以下で規定された任意の枚数のメダルが付与されるように構成することができる(上述の構成例も同様である)。
また、押し順ベルAが当籤して正解打順となった場合の付与態様と、押し順ベルBが当籤して正解打順となった場合の付与態様とを異ならせることもできる。例えば、押し順ベルAが当籤して正解打順となった場合には5枚のメダルを付与し、押し順ベルBが当籤して正解打順となった場合には15枚のメダルを付与する等を規定してもよい。あるいは、押し順ベルAが当籤して正解打順となった場合には15枚のメダルを付与し、押し順ベルBが当籤して正解打順となった場合には5枚のメダルを付与する等を規定してもよい。また、例えば、押し順ベルAが当籤して正解打順となった場合には8枚のメダルを付与し、押し順ベルBが当籤して正解打順となった場合には3枚のメダルを付与する等を規定してもよい。あるいは、押し順ベルAが当籤して正解打順となった場合には3枚のメダルを付与し、押し順ベルBが当籤して正解打順となった場合には8枚のメダルを付与する等を規定してもよい。なお、これらもあくまで一例である。
また、不正解打順で停止操作が行われた場合には、「1/4で1枚入賞」に限られず、種々の付与態様を規定して構成することができる(上述の構成例も同様である)。なお、上述の構成例では、「1/4で1枚入賞」となる場合と、「1/2で1枚入賞」となる場合とがあったが、さらに、「1/4で3枚入賞」、「1/2で3枚入賞」、「1枚入賞」(すなわち、停止操作態様にかかわらず1枚役の図柄組合せが表示される)、あるいは「3枚入賞」(すなわち、停止操作態様にかかわらず3枚役の図柄組合せが表示される)となる場合のいずれかを規定してもよい。なお、不正解打順の付与態様として、「1/4で3枚入賞」、「1/2で3枚入賞」、及び「3枚入賞」のいずれかを規定する場合には、正解打順では4枚以上のメダルが付与されるように構成されることが望ましい。
また、押し順ベルAが当籤して正解打順となった場合の付与態様と、押し順ベルBが当籤して正解打順となった場合の付与態様とを異ならせることもできる(上述の付与態様について、それぞれ組み合わせて規定することができる)。例えば、押し順ベルAが当籤して不正解打順となった場合には「1/4で1枚入賞」となり(あるいは、第1停止のみ正解の場合には「1/2で1枚入賞」となってもよい)、押し順ベルBが当籤して不正解打順となった場合には「1枚入賞」となる等を規定してもよい。また、例えば、押し順ベルAが当籤して不正解打順となった場合には「1枚入賞」となり、押し順ベルBが当籤して不正解打順となった場合には「1/4で1枚入賞」(あるいは、「1/2で1枚入賞」)となる等を規定してもよい。なお、これらもあくまで一例である。
また、押し順ベルBが当籤したときに、不正解打順で停止操作が行われたことによってAT関連処理を有利とする態様、及び正解打順で停止操作が行われたことによってAT関連処理を不利とする態様については、上述の構成例で説明した種々の態様を採用することができる。
また、この変形例1では、押し順ベルBについて、6択の打順のうち、1つの打順を不正解打順とし、残り5つの打順を正解打順として規定しているが、それぞれを規定する手法も上述したものに限られない。例えば、6択の打順のうち、2つの打順を不正解打順とし、残り4つの打順を正解打順として規定するようにしてもよい。例えば、押し順ベルBについて、「押し順ベルB_1×」、「押し順ベルB_2×」、及び「押し順ベルB_3×」という役を規定し、「押し順ベルB_1×」は、左第1停止(打順「123」及び「132」)のとき不正解打順となり、左第1停止以外のとき正解打順となる役として構成し、また、「押し順ベルB_2×」は、中第1停止(打順「213」及び「231」)のとき不正解打順となり、中第1停止以外のとき正解打順となる役として構成し、また、「押し順ベルB_3×」は、右第1停止(打順「312」及び「321」)のとき不正解打順となり、右第1停止以外のとき正解打順となる役として構成することもできる。
また、6択の打順のうち、3つの打順を不正解打順とし、残り3つの打順を正解打順として規定するようにしてもよい。例えば、押し順ベルBについて、「押し順ベルB_左から3つ×」及び「押し順ベルB_右から3つ×」という役を規定し、「押し順ベルB_左から3つ×」は、左から3つの打順(打順「123」、「132」、及び「213」)のとき不正解打順となり、残り3つの打順のとき正解打順となる役として構成し、また、「押し順ベルB_右から3つ×」は、右から3つの打順(打順「231」、「312」、及び「321」)のとき不正解打順となり、残り3つの打順のとき正解打順となる役として構成することもできる。
すなわち、押し順ベルBにおいて、正解打順となる打順の択数が、不正解打順となる打順の択数以上となる構成であれば、そのいずれを採用することも可能である。
また、この変形例1の押し順ベルBにおいて、不正解打順となる打順は、AT関連処理が有利となる打順であることから、例えば、「AT優遇打順」(あるいは、「抽籤優遇打順」)等と称することもできる。また、これは、上述の構成例、あるいは、後述の変形例2の偏りベルにおいて、左第1停止の場合も同様である。また、この変形例1の押し順ベルBにおいて、正解打順となる打順は、多くのメダルを獲得できる(あるいは、その可能性がある)打順であることから、例えば、「獲得優遇打順」(あるいは、「多枚数獲得打順」)等と称することができる。また、これは、上述の構成例、あるいは、後述の変形例2の偏りベルにおいて、左第1停止以外の場合も同様である。
<変形例1の指示情報の構成例>
続いて、この変形例1の押し順ベルについて、その指示情報の構成例を説明する。状態に応じて設定される指示情報の一例は、図94に示すとおりである。また、この変形例1では、特殊ナビを実行するか否かを制御するための特殊ナビ制御カウンタが設けられるものとしている。
まず、特殊ナビ制御カウンタについて説明する。特殊ナビ制御カウンタは、例えば、非有利区間から有利区間に移行したとき(あるいは、有利区間中において、増加区間が終了し、通常有利区間に移行したとき)に、初期値として所定値(例えば、128)が設定されるものとする。なお、この所定値は、規定される払出数等に応じて適宜その値を変更可能である。
そして、特殊ナビ制御カウンタは、有利区間中の単位遊技において、メダルの払出があった場合には、払出数-1の値が加算されるものとする。なお、加算の態様もこれに限られない。例えば、払出数の値が加算されるものであってもよいし、払出数-3(ベット数)の値が加算されるものであってもよい。また、例えば、払出数-3(ベット数)の値が加算されるものとする場合であって、1枚入賞が発生した場合には、加算値として「0」が決定される(すなわち、加減算が生じない)ものとしてもよいし、-2が加算される(すなわち、特殊ナビ制御カウンタが-2減算される)ものとしてもよい。また、特殊ナビ制御カウンタは、押し順ベルのみをそのカウント対象とするものであってもよい。
また、特殊ナビ制御カウンタは、有利区間中の単位遊技において、メダルの払出がなかった場合には、1が減算されるものとする。なお、減算の態様もこれに限られない。例えば、3(ベット数)が減算されるものであってもよい。このように、特殊ナビ制御カウンタは、有利区間中において、単位遊技ごとにその値が更新されていくものとして構成される。
ここで、特殊ナビ制御カウンタの値が上記所定値よりも多い(加算されている)ということは、遊技者のメダルの獲得状況が相対的に良い(いわゆる、ベースが高い)ことを意味している。また、特殊ナビ制御カウンタの値が上記所定値よりも少ない(減算されている)ということは、遊技者のメダルの獲得状況が相対的に悪い(いわゆる、ベースが低い)ことを意味している。
そして、押し順ベルBに当籤した遊技で、特殊ナビ制御カウンタの値が上記所定値以上である場合には、特殊ナビを発生させ(「特殊ナビあり」状態とし)、特殊ナビ制御カウンタの値が上記所定値未満である場合には、特殊ナビを発生させない(「特殊ナビなし」状態とする)ように構成している。
具体的には、図94に示すように、有利区間中において、押し順ベルBに当籤した遊技で、「特殊ナビなし」状態である場合には、指示情報「0」(指示なし)が設定されるようにし、「特殊ナビあり」状態である場合には、当籤した押し順ベルBの種類に応じて、指示情報「7」(選択指示1)~指示情報「12」(選択指示6)のいずれかが設定されるものとしている。
指示情報「7」(選択指示1)は、まず、左第1停止を行うことを促し、その後、中第2停止又は右第2停止のいずれを選択するのかを遊技者に選択させることが可能な報知演出を行い得る指示情報(すなわち、打順「123」又は「132」を選択させるための指示情報)として構成される。なお、指示情報「7」(選択指示1)は、さらに、打順「123」が「AT優遇打順」となり、打順「132」が「獲得優遇打順」となることが認識可能な指示情報として構成される。
指示情報「8」(選択指示2)は、まず、左第1停止を行うことを促し、その後、右第2停止又は中第2停止のいずれを選択するのかを遊技者に選択させることが可能な報知演出を行い得る指示情報(すなわち、打順「132」又は「123」を選択させるための指示情報)として構成される。なお、指示情報「8」(選択指示2)は、さらに、打順「132」が「AT優遇打順」となり、打順「123」が「獲得優遇打順」となることが認識可能な指示情報として構成される。
指示情報「9」(選択指示3)は、まず、中第1停止を行うことを促し、その後、左第2停止又は右第2停止のいずれを選択するのかを遊技者に選択させることが可能な報知演出を行い得る指示情報(すなわち、打順「213」又は「231」を選択させるための指示情報)として構成される。なお、指示情報「9」(選択指示3)は、さらに、打順「213」が「AT優遇打順」となり、打順「231」が「獲得優遇打順」となることが認識可能な指示情報として構成される。
指示情報「10」(選択指示4)は、まず、中第1停止を行うことを促し、その後、右第2停止又は左第2停止のいずれを選択するのかを遊技者に選択させることが可能な報知演出を行い得る指示情報(すなわち、打順「231」又は「213」を選択させるための指示情報)として構成される。なお、指示情報「10」(選択指示4)は、さらに、打順「231」が「AT優遇打順」となり、打順「213」が「獲得優遇打順」となることが認識可能な指示情報として構成される。
指示情報「11」(選択指示5)は、まず、右第1停止を行うことを促し、その後、左第2停止又は中第2停止のいずれを選択するのかを遊技者に選択させることが可能な報知演出を行い得る指示情報(すなわち、打順「312」又は「321」を選択させるための指示情報)として構成される。なお、指示情報「11」(選択指示5)は、さらに、打順「312」が「AT優遇打順」となり、打順「321」が「獲得優遇打順」となることが認識可能な指示情報として構成される。
指示情報「12」(選択指示6)は、まず、右第1停止を行うことを促し、その後、中第2停止又は左第2停止のいずれを選択するのかを遊技者に選択させることが可能な報知演出を行い得る指示情報(すなわち、打順「321」又は「312」を選択させるための指示情報)として構成される。なお、指示情報「12」(選択指示6)は、さらに、打順「321」が「AT優遇打順」となり、打順「312」が「獲得優遇打順」となることが認識可能な指示情報として構成される。
なお、図94においては、通常有利区間のみならず、増加区間においても、特殊ナビ制御カウンタの値が上記所定値以上である場合には、特殊ナビを発生させ得るものとしているが、これ以外の態様を採用することもできる。例えば、通常有利区間においては、図94に示す態様にて指示情報を設定するが、増加区間においては、押し順ベルBに当籤した遊技では常に指示情報「0」(指示なし)が設定されるものとして、増加区間中は特殊ナビが実行されないように構成することもできる。また、これにともない、増加区間中は特殊ナビ制御カウンタが更新されないように構成することもできる。また、同様に、通常中(有利区間)においては特殊ナビが発生し得るが、連チャン中や終了準備中においては特殊ナビが発生し得ないように構成してもよい。
また、通常有利区間中(例えば、通常中(有利区間))を、「特殊ナビなし」状態とするか、「特殊ナビあり」状態とするかを決定する態様も上述したものに限られない。例えば、遊技結果が特定の結果となった場合(例えば、「スイカ」や「チェリー」当籤時の移行抽籤で当籤した場合、あるいは、押し順ベル当籤時に10枚入賞となることが3連続以上となった場合(の抽籤で当籤した場合)等)には、所定期間(例えば、10ゲーム間等の固定ゲーム数の間としてもよいし、滞在ゲーム数が変動するものであってもよい。また、所定の延長決定の結果によっては当初ゲーム数が延長されるものであってもよい。また、特殊ナビが規定回数(例えば、3回)実行されるまでの間としてもよい)、「特殊ナビあり」状態に制御されるように構成してもよい。
<変形例1の特殊ナビの演出例>
ここで、図95を参照して、押し順ベルBのうち、「F_押し順ベルB_213×」に当籤した遊技において、特殊ナビ(指示情報「9」(選択指示3)に基づく報知演出)が実行される場合の一例について説明する。
図95に示すとおり、「F_押し順ベルB_213×」に当籤した遊技において、「特殊ナビなし」状態である場合には、指示情報「0」(指示なし)が設定されるため、特段の報知演出が実行されない。なお、この場合でも、「F_押し順ベルB_213×」は、5/6の確率で正解打順となって10枚が付与されるものであることから、停止操作の情報が報知されないことによる不利益は少ない(むしろ、停止操作の情報が報知されないことによってベースが高くなりやすい)と考えられる。
すなわち、この変形例1において、特殊ナビ制御カウンタの値が上記所定値未満である場合に特殊ナビを発生させない(「特殊ナビなし」状態とする)ように構成しているのは、メダルの獲得状況が相対的に悪い(ベースが低い)遊技者に対しては、あえて特殊ナビを実行しないことで、メダルの獲得を優先させようとしているのである。
一方、図95に示すとおり、「F_押し順ベルB_213×」に当籤した遊技において、「特殊ナビあり」状態である場合には、指示情報「9」(選択指示3)が設定されるため、これに基づく特殊ナビが実行される。なお、図95では、メイン演出表示部21において特殊ナビが実行されることを一例に挙げて説明しているが、その他の演出実行手段によって特定ナビが実行されてもよいことはもちろんである。また、メイン側報知手段においても、当該指示情報と一義的に対応する態様にて報知が行われているものとする。
図95に示す特殊ナビの一例では、まず、中第1停止を行うことを促す表示が行われている。続いて、中第1停止後には、左第2停止を選択すれば「AT優遇打順」となること(図95中、「←チャンス」)、右第2停止を選択すれば「獲得優遇打順」となること(図95中、「→10枚」)が表示されている。なお、右第2停止を選択すれば「獲得優遇打順」となること(図95中、「→10枚」)は表示されないようにしてもよい。すなわち、少なくとも「AT優遇打順」が認識可能となるのであれば、どのような態様で報知が行われるようにしてもよい。
そして、遊技者が左第2停止を選択した場合には、10枚入賞は発生しないが、AT関連処理が有利となる。一方、遊技者が右第2停止を選択した場合には、10枚入賞は発生するが、AT関連処理は不利となる。遊技者は、このような特殊ナビが実行された場合には、現在の自己の状況(例えば、AT移行を優先させるのか、獲得メダルを優先されるのか等)に応じた停止操作を行い得ることとなる。
なお、この変形例1において、特殊ナビ制御カウンタの値が上記所定値以上である場合に特殊ナビを発生させる(「特殊ナビあり」状態とする)ように構成しているのは、メダルの獲得状況が相対的に良い(ベースが高い)遊技者に対しては、あえて特殊ナビを実行することで、AT移行を優先させ得る機会を与えようとしているのである。
<押し順ベルの変形例1を用いた遊技機>
第3の遊技機では、押し順ベルの変形例1の構成を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
例えば、所定役(例えば、変形例1の押し順ベルB)は、AT優遇打順にて停止操作が行われた場合、これとは異なる獲得優遇打順にて停止操作が行われた場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、また、AT優遇打順にて停止操作が行われた場合にはAT状態(例えば、疑似ボーナス状態)に関する決定が有利となり、獲得優遇打順にて停止操作が行われた場合には当該決定が不利となるように構成され、獲得優遇打順となる打順の択数がAT優遇打順となる打順の択数以上となるようにそれぞれの打順が規定される遊技機である。
また、例えば、特別の報知条件が成立した場合(例えば、特殊ナビ制御カウンタが所定値以上である場合)、所定役(例えば、変形例1の押し順ベルB)に当籤した遊技でAT優遇打順を認識可能とする特殊ナビ演出を実行可能な遊技機である。
また、例えば、遊技価値の付与に応じて変動可能な特殊ナビ制御カウンタの値が特定の状況(例えば、128以上)となったときに特定ナビ演出を実行可能な遊技機である。
(押し順ベルの変形例2)
図96に示す変形例2では、押し順ベルに関し、偏りベルと押し順ベルAとを設けるようにしている。まず、押し順ベルAは、基本的に上述の構成例の押し順ベルと同様であり、左第1停止が正解打順となる場合はなく、左第1停止以外で正解打順(獲得優遇打順)となる場合があり(4択で構成)、左第1停止がAT優遇打順となるように構成されたものである。また、偏りベルであるが、左第1停止が正解打順となる場合はない点は同じであるが、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には、必ず正解打順(獲得優遇打順)となるように構成されたものである。なお、左第1停止がAT優遇打順となる点も同様である。
なお、この変形例2は、要するに、上述の構成例や変形例1に対して、「偏りベル」として構成された役(図96に示す「F_偏りベル」)をさらに設けてもよいことを説明するためのものである。また、後述するように、この偏りベルを設けた場合に、押し順ベルと、共通ベルとの間で、どのようにグルーピングして内部当籤情報を構成するかについて説明するためのものである。
したがって、図96には、それぞれの役についての抽籤値や、打順ごとの付与態様の一例を挙げているが、これらは、上述の構成例や変形例1ですでに説明したものと同様のものを適用することができ、図96で示したものには限定されない。
この変形例2で説明する「偏りベル」であるが、要するに、一の遊技機の特性として、遊技価値の付与に関し一方的に有利となる打順(例えば、左第1停止以外の打順)が規定されている場合に、一方的に有利となる打順以外の打順(例えば、左第1停止の打順)で停止操作が行われた場合のみ、遊技価値の付与が不利となる小役として構成されたものを示している。なお、有利とする場合の付与態様、不利とする場合の付与態様は、それぞれ上述の種々の態様を適用することが可能である。
そして、内部当籤役として、停止操作態様にかかわらず一定の遊技価値(図96に示す一例では10枚)が付与される共通ベル(図96に示す「F_共通ベル」)と、上述の偏りベル(図96に示す「F_偏りベル」)と、押し順ベル(図96に示す「F_押し順ベルA_213」~「F_押し順ベルA_321」)とが設けられる場合、内部当籤役を示す内部当籤情報の設定態様として、以下の設定態様のいずれかを適用することができる。なお、内部当籤情報は、例えば、スタートコマンドによって副制御回路200側に送信される。
<AT状態における設定態様>
まず、AT状態(例えば、疑似ボーナス状態である増加区間)では、共通ベルに当籤した場合には内部当籤情報「1」が設定される(指示情報としては「0」(指示なし)が設定される)。この場合、メイン側報知手段及びサブ側報知手段のいずれでも停止操作の情報は報知されない(指示なしとなる)が、副制御回路200側では、内部当籤情報「1」によって共通ベルに当籤したことが認識可能となるため、これに応じた演出を演出実行手段によって実行することは可能となる。
また、偏りベルに当籤した場合には内部当籤情報「2」が設定される(指示情報としては「0」(指示なし)が設定される)。この場合、メイン側報知手段及びサブ側報知手段のいずれでも停止操作の情報は報知されない(指示なしとなる)が、副制御回路200側では、内部当籤情報「2」によって偏りベルに当籤したことが認識可能となるため、これに応じた演出を演出実行手段によって実行することは可能となる。なお、当該演出は、偏りベルに当籤したことを示唆ないし報知するのみならず、左第1停止以外の打順が遊技価値の付与に有利な打順であることを報知するものであってもよい。すなわち、この場合には、メイン側報知手段では、停止操作の情報は報知されないが、サブ側報知手段では、停止操作の情報が報知されるように構成してもよい。また、メイン側報知手段において、内部当籤情報「2」が設定されることに応じて、これと一義的に対応する態様にて報知が行われるようにしてもよい。
また、押し順ベルに当籤した場合には、その種類に応じて内部当籤情報「3」~「6」のいずれかが設定される(指示情報としてはそれぞれの正解打順に対応する指示情報が設定される)。なお、この場合、メイン側報知手段及びサブ側報知手段のいずれでも停止操作の情報が報知される。また、副制御回路200側では、内部当籤情報「3」~「6」によって押し順ベル(その種類を含む)に当籤したことが認識可能となるため、これに応じた演出を演出実行手段によって実行することも可能となる。
<非AT状態における設定態様1>
この態様1では、非AT状態(例えば、通常有利区間及び非有利区間を含むものであってもよいし、通常有利区間のみを示すものであってもよい)において、共通ベルに当籤した場合には内部当籤情報「1」が設定される(指示情報としては「0」(指示なし)が設定される)。この場合、メイン側報知手段及びサブ側報知手段のいずれでも停止操作の情報は報知されない(指示なしとなる)が、副制御回路200側では、内部当籤情報「1」によって共通ベルに当籤したことが認識可能となるため、これに応じた演出を演出実行手段によって実行することは可能となる。
また、偏りベルに当籤した場合には内部当籤情報「2」が設定される(指示情報としては「0」(指示なし)が設定される)。この場合、メイン側報知手段及びサブ側報知手段のいずれでも停止操作の情報は報知されない(指示なしとなる)が、副制御回路200側では、内部当籤情報「2」によって偏りベルに当籤したことが認識可能となるため、これに応じた演出を演出実行手段によって実行することは可能となる。なお、当該演出は、例えば、通常有利区間であれば、偏りベルに当籤したことを示唆ないし報知するのみならず、左第1停止以外の打順が遊技価値の付与に有利な打順であることを報知するものであってもよい。すなわち、この場合には、メイン側報知手段では、停止操作の情報は報知されないが、サブ側報知手段では、停止操作の情報が報知されるように構成してもよい。また、例えば、通常有利区間であれば、メイン側報知手段において、内部当籤情報「2」が設定されることに応じて、これと一義的に対応する態様にて報知が行われるようにしてもよい。
また、押し順ベルに当籤した場合には内部当籤情報「97」が設定される(指示情報としては「0」(指示なし)が設定される)。なお、内部当籤情報「97」は、押し順ベルのみをグルーピングしたベルグループ情報として構成される。この場合、メイン側報知手段及びサブ側報知手段のいずれでも停止操作の情報は報知されない(指示なしとなる)。もっとも、副制御回路200側では、内部当籤情報「97」によって押し順ベルのいずれか(その種類は含まない)に当籤したことが認識可能となるため、例えば、押し順ベルのいずれかに当籤したことのみを示唆ないし報知する演出を演出実行手段によって実行することは可能となる。
<非AT状態における設定態様2>
この態様2では、非AT状態(例えば、通常有利区間及び非有利区間を含むものであってもよいし、通常有利区間のみを示すものであってもよい)において、共通ベルに当籤した場合には内部当籤情報「1」が設定される(指示情報としては「0」(指示なし)が設定される)。この場合、メイン側報知手段及びサブ側報知手段のいずれでも停止操作の情報は報知されない(指示なしとなる)が、副制御回路200側では、内部当籤情報「1」によって共通ベルに当籤したことが認識可能となるため、これに応じた演出を演出実行手段によって実行することは可能となる。
また、偏りベルに当籤した場合には、押し順ベルに当籤した場合と同様の内部当籤情報「98」が設定される(指示情報としては「0」(指示なし)が設定される)。なお、内部当籤情報「98」は、偏りベル及び押し順ベルをグルーピングしたベルグループ情報として構成される。この場合、メイン側報知手段及びサブ側報知手段のいずれでも停止操作の情報は報知されない(指示なしとなる)。もっとも、副制御回路200側では、内部当籤情報「98」によって偏りベル及び押し順ベルのいずれか(その種類は含まない)に当籤したことが認識可能となるため、例えば、偏りベル及び押し順ベルのいずれかに当籤したことのみを示唆ないし報知する演出を演出実行手段によって実行することは可能となる(種類に応じて異なる演出を演出実行手段によって実行することはできない)。
また、押し順ベルに当籤した場合には、上述の内部当籤情報「98」が設定される(指示情報としては「0」(指示なし)が設定される)。この場合、メイン側報知手段及びサブ側報知手段のいずれでも停止操作の情報は報知されない(指示なしとなる)。もっとも、副制御回路200側では、内部当籤情報「98」によって偏りベル及び押し順ベルのいずれか(その種類は含まない)に当籤したことが認識可能となるため、例えば、偏りベル及び押し順ベルのいずれかに当籤したことのみを示唆ないし報知する演出を演出実行手段によって実行することは可能となる。
<非AT状態における設定態様3>
この態様3では、非AT状態(例えば、通常有利区間及び非有利区間を含むものであってもよいし、通常有利区間のみを示すものであってもよい)において、共通ベル、偏りベル及び押し順ベルのいずれに当籤した場合であっても、内部当籤情報「99」が設定される(指示情報としては「0」(指示なし)が設定される)。この場合、メイン側報知手段及びサブ側報知手段のいずれでも停止操作の情報は報知されない(指示なしとなる)し、副制御回路200側では、内部当籤情報「99」によってベルの小役のいずれかに当籤したことのみが認識可能となるため、単にベルに当籤した旨の演出を演出実行手段によって実行することは可能であるが、種類に応じた演出を演出実行手段によって実行することはできない。
なお、上述の態様1~3であるが、例えば、偏りベルについて、一方的に有利となる打順(例えば、左第1停止以外の打順)と、一方的に有利となる打順以外の打順(例えば、左第1停止の打順)とが規定されているとしても、必ずしも停止操作の情報を報知する必要がない(非AT状態では停止操作の情報を報知しない)との観点にたてば、態様2や態様3のような態様でグルーピングしてベルグループ情報を構成することが望ましいと考えられる。また、態様1においても、停止操作の情報そのもの(指示情報)は副制御回路200側には送信されないのであるから、態様1のようにグルーピングしてベルグループ情報を構成するようにしても差し支えないものと考えられる。
一方、偏りベルについて、必ず停止操作の情報を報知する(非AT状態であっても停止操作の情報を報知する必要がある)、ないし、少なくとも偏りベルが当籤した旨は報知する必要があるとの観点にたてば、態様1のような態様でグルーピングしてベルグループ情報を構成することが望ましいと考えられる。もっとも、偏りベルについて、非AT状態で、停止操作の情報(ないし、当籤した旨)を報知する必要があるかについては、その遊技仕様に応じて適宜設定可能であることから、いずれの態様にて内部当籤情報を構成するかについても設定された遊技仕様にしたがって適宜選択して採用することとすればよい。
また、この変形例2において、例えば、左第1停止にて停止操作が行われた場合に10枚入賞となり、左第1停止以外にて停止操作が行われた場合に10枚入賞とはならない(1枚入賞又はとりこぼし0枚となる)押し順ベル(説明の便宜上、変形例2において押し順ベルBとする)をさらに内部当籤役として決定可能に構成してもよい。この場合、押し順ベルBは、上述の態様1~3のいずれにおいても、押し順ベル(押し順ベルA)と同じベルグループでグルーピングしても差し支えない。
[11-8.第3の遊技機に係る発明のまとめ(付記)]
以上説明したように、第3の遊技機では以下のような構成の遊技機を提供することができる。
(第1の発明群)
従来の遊技機において、特殊役が当籤し、当該特殊役の図柄組合せが表示された場合に、遊技者に有利な停止操作の情報が報知され得る特別遊技状態(例えば、AT遊技状態)に制御されるようにしたものが提案されている(例えば、特開2010-29494号公報参照)。
ところで、このような遊技機では、例えば、上記特殊役のような特定の役に当籤しなければ特別遊技状態の期待感を得られないため、特に、特別遊技状態に制御されていないときの遊技性が単調となってしまい、遊技の興趣が低下してしまうおそれがあるという問題があった。
第1の発明群は、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
複数の図柄を複数列に変動表示可能な変動表示手段(例えば、変動表示部)と、所定役(例えば、第3の遊技機における押し順ベル)を含む複数の役の中から当籤役を決定する当籤役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、決定された当籤役と遊技者の停止操作とに応じて図柄の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、前記変動表示手段の停止態様に応じて遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(例えば、メダル払出・再遊技作動処理を行うメインCPU101)と、遊技者に有利な停止操作の情報が報知され得る特別遊技状態(例えば、第3の遊技機におけるボーナス中)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、第3の遊技機において各遊技状態を制御するメインCPU101)と、前記特別遊技状態の決定に関連する所定情報を決定する所定情報決定手段(例えば、第3の遊技機においてAT関連処理を行うメインCPU101)と、を備え、前記所定役は、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合、前記特定態様とは異なる所定態様(例えば、左第1停止以外)にて停止操作が行われた場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、前記所定情報決定手段は、前記所定役に当籤したときに、前記所定態様にて停止操作が行われた場合、前記特定態様にて停止操作が行われた場合よりも前記所定情報を不利とすることが可能であることを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、所定役に当籤したときに、遊技者が特定態様の停止操作を選択した場合には、遊技価値の付与期待値は低いが、特別遊技状態の決定に関連する所定情報は有利とし、遊技者が所定態様の停止操作を選択した場合には、遊技価値の付与期待値は高いが、当該所定情報は不利とすることが可能となる。したがって、遊技性を多様なものとすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記特定態様及び前記所定態様は、停止操作の打順であり、前記所定態様は、所定数(例えば、10枚)の遊技価値が付与される第1打順(例えば、正解打順)と、前記所定数の遊技価値は付与されない第2打順(例えば、不正解打順)とを含み、前記所定役は複数種類あり、特定態様となる打順(例えば、左第1停止)はそれぞれで同じであり、前記第1打順となる打順はそれぞれで異なるように構成されることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、複数種類ある所定役では、それぞれで特定態様となる打順が同じとなっているので、遊技者が特定態様を選択したい場合には迷うことなくこれを選択できる一方、所定態様を選択した場合であっても必ずしも所定数の遊技価値が付与されないことから、遊技性をより多様なものとすることができる。
前記所定情報決定手段は、前記所定役に当籤したときに、停止操作の打順を判別して前記所定情報を不利とするか決定可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定情報の決定に関し、例えば、表示される図柄組合せの種類などを判別する必要がなくなるため、そのような意味においてその制御負荷を軽減することができ、また、設計の自由度を高めることができる。
前記所定役は、前記特定態様となる打順で停止操作が行われた場合、前記所定数の遊技価値は付与されない第1停止態様(例えば、図87中、左第1停止時の「1枚入賞出目」及び「とりこぼし0枚出目」)が表示され、前記第1打順となる打順で停止操作が行われた場合、前記所定数の遊技価値が付与される第2停止態様(例えば、図87中、左第1停止以外時の「10枚入賞出目」)が表示され、前記第2打順となる打順で停止操作が行われた場合、前記所定数の遊技価値は付与されず、かつ、前記第1停止態様とは異なる第3停止態様(例えば、図87中、左第1停止以外時の「1枚入賞出目」及び「とりこぼし0枚出目」)が表示されるように構成され、前記所定情報決定手段は、前記所定役に当籤したときに、停止態様を判別して前記所定情報を不利とするか決定可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定情報の決定に関し、最終的な停止態様さえ判別すれば適切な制御を行い得るようになるため、そのような意味においてその制御負荷を軽減することができ、また、確実な制御を実現することができる。
前記第1停止態様は、前記所定数よりも少ない特定数(例えば1枚)の遊技価値が付与される第1付与停止態様(例えば、図87中、左第1停止時の「1枚入賞出目」)と、遊技価値は付与されない第1非付与停止態様(例えば、図87中、左第1停止時の「とりこぼし0枚出目」)とを含み、前記第3停止態様は、前記特定数の遊技価値が付与される第3付与停止態様(例えば、図87中、左第1停止以外時の「1枚入賞出目」)と、遊技価値は付与されない第3非付与停止態様(例えば、図87中、左第1停止以外時の「とりこぼし0枚出目」)とを含むことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特に、所定態様にて停止操作が行われた場合の遊技性をより多様なものとしつつ、所定情報の決定に関して確実な制御を実現することができる。
一のゲームにおいて、前記所定情報決定手段が前記所定情報を不利とすることを決定した場合、当該決定結果は当該ゲームのみを対象とすることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、遊技者の選択結果が所定情報を不利とするものであったとしても、これを長引かせて遊技者が著しく不利益を被ってしまうことを防止でき、また、遊技の公平性を担保することができる。
前記所定情報は、前記特別遊技状態の移行決定に関連する第1情報(例えば、天井ポイント)と、前記特別遊技状態の継続決定に関連する第2情報(例えば、ストックランク)とを含むことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定情報の内容を多様化することで、遊技性をより多様なものとすることができる。
前記第1情報は、前記特別遊技状態に移行するまでの待機期間(例えば、通常中(有利区間)の遊技期間)を決定するための情報であり、前記所定情報決定手段は、前記所定役に当籤したときに、前記特定態様にて停止操作が行われた場合には前記待機期間を短縮し(例えば、天井ポイントを1減算し)、前記所定態様にて停止操作が行われた場合には前記待機期間を短縮しない場合があることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、遊技者は、所定役に当籤するたびに、特別遊技状態への移行を優先するか、あるいはより多くの遊技価値が付与される可能性を優先するかを選択することができるため、より戦略性に富んだ遊技性を提供することができる。
前記第2情報は、前記特別遊技状態の継続度合いを決定するための情報であり、前記所定情報決定手段は、前記所定役に当籤したときに、前記特定態様にて停止操作が行われた場合には前記第2情報を有利なものとする(例えば、昇格させる)ことがあり、前記所定態様にて停止操作が行われた場合には前記第2情報を有利なものとすることがないことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、遊技者は、所定役に当籤するたびに、特別遊技状態の継続の有利度合いを優先するか、あるいはより多くの遊技価値が付与される可能性を優先するかを選択することができるため、より戦略性に富んだ遊技性を提供することができる。
遊技区間として、前記特別遊技状態を実行可能としない初期区間(例えば、非有利区間)と、前記特別遊技状態を実行可能とする所定区間(例えば、有利区間)とを有し、前記初期区間において所定の開始条件が成立したことに応じて前記所定区間に移行させ、前記所定区間において所定の終了条件が成立したことに応じて前記初期区間に移行させる遊技区間制御手段(例えば、第3の遊技機において各遊技区間を制御するメインCPU101)と、前記所定の開始条件が成立した場合に、前記所定区間における有利度合いを決定するための特定情報(例えば、有利区間レベル)を決定する特定情報決定手段(例えば、第3の遊技機において有利区間レベル抽籤処理を行うメインCPU101)と、を備え、前記所定情報決定手段は、前記特定情報決定手段が決定した前記特定情報に応じて、前記第1情報及び前記第2情報の初期情報を決定することを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定情報の初期情報は、所定区間が開始されるときの特定情報の有利度合いによっても変動し得るため、遊技性をより多様なものとすることができる。
前記所定役に当籤したときに、前記所定区間であって前記特別遊技状態である場合には、所定数(例えば、10枚)の遊技価値が付与される打順(例えば、正解打順)が認識可能となる第1報知情報(例えば、図86中、指示情報「1」~「18」)を設定し、前記所定区間であって前記特別遊技状態でない場合には、当該打順は認識可能としないが前記所定役に当籤したことは認識可能となる第2報知情報(例えば、図86中、指示情報「19」)を設定し、前記初期区間である場合には、当該打順も前記所定役に当籤したことも認識可能としない第3報知情報(例えば、図86中、指示情報「0」)を設定可能な報知情報設定手段(例えば、第3の遊技機において指示情報を設定するメインCPU101)を備えたことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、遊技を行う状態ごとに適切な報知情報を設定することができるため、遊技の公平性を担保しつつ、確実な制御を実現することができる。
(第2の発明群)
従来の遊技機において、特殊役が当籤し、当該特殊役の図柄組合せが表示された場合に、遊技者に有利な停止操作の情報が報知され得る特別遊技状態(例えば、AT遊技状態)に制御されるようにしたものが提案されている(例えば、特開2010-29494号公報参照)。
ところで、このような遊技機では、例えば、上記特殊役のような特定の役に当籤しなければ特別遊技状態の期待感を得られないため、特に、特別遊技状態に制御されていないときの遊技性が単調となってしまい、遊技の興趣が低下してしまうおそれがあるという問題があった。
第2の発明群は、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
複数の図柄を複数列に変動表示可能な変動表示手段(例えば、変動表示部)と、所定役(例えば、第3の遊技機における押し順ベル)を含む複数の役の中から当籤役を決定する当籤役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、決定された当籤役と遊技者の停止操作とに応じて図柄の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、遊技者に有利な停止操作の情報が報知され得る特別遊技状態(例えば、第3の遊技機におけるボーナス中)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、第3の遊技機において各遊技状態を制御するメインCPU101)と、遊技区間として、前記特別遊技状態を実行可能としない初期区間(例えば、非有利区間)と、前記特別遊技状態を実行可能とする所定区間(例えば、有利区間)とを有し、前記初期区間において所定の開始条件が成立したことに応じて前記所定区間に移行させ、前記所定区間において所定の終了条件が成立したことに応じて前記初期区間に移行させる遊技区間制御手段(例えば、第3の遊技機において各遊技区間を制御するメインCPU101)と、前記特別遊技状態の移行決定に関連する所定値(例えば、天井ポイント)を決定する所定値決定手段(例えば、第3の遊技機において天井ポイント抽籤処理を行うメインCPU101)と、前記所定値に対応する数値を所定の更新態様(例えば、1減算)にて更新する所定値更新手段(例えば、第3の遊技機において天井ポイント更新処理を行うメインCPU101)と、前記所定値更新手段による更新結果を記憶する所定値記憶手段(例えば、天井ポイントカウンタ)と、を備え、前記所定値決定手段は、前記所定の開始条件が成立した場合に前記所定値を決定可能であり、前記所定値更新手段は、前記所定役に当籤したときに、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合には前記所定値を更新し、前記特定態様とは異なる所定態様(例えば、左第1停止以外)にて停止操作が行われた場合には前記所定値を更新しない場合があり、前記特別遊技状態制御手段は、前記所定値記憶手段によって記憶された更新結果が前記所定値決定手段によって決定された前記所定値に対応する数値となった場合(例えば、天井ポイントに到達した場合)に前記特別遊技状態に制御することが可能であることを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態の移行決定に関連する所定値について、所定役が当籤した場合にはその停止操作態様に応じて更新されるか否かを決定することが可能となる。したがって、遊技性を多様なものとすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記変動表示手段の停止態様に応じて遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(例えば、メダル払出・再遊技作動処理を行うメインCPU101)を備え、前記所定役は、前記特定態様にて停止操作が行われた場合、前記所定態様にて停止操作が行われた場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成されることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定役に当籤したときに、遊技者が特定態様の停止操作を選択した場合には、遊技価値の付与期待値は低いが、特別遊技状態の決定に関連する所定値は有利となり、遊技者が所定態様の停止操作を選択した場合には、遊技価値の付与期待値は高いが、当該所定値は不利となる場合がある。したがって、遊技性をより多様なものとすることができる。
前記特定態様及び前記所定態様は、停止操作の打順であり、前記所定態様は、所定数(例えば、10枚)の遊技価値が付与される第1打順(例えば、正解打順)と、前記所定数の遊技価値は付与されない第2打順(例えば、不正解打順)とを含み、前記所定役は複数種類あり、特定態様となる打順(例えば、左第1停止)はそれぞれで同じであり、前記第1打順となる打順はそれぞれで異なるように構成され、前記所定役は、前記特定態様となる打順で停止操作が行われた場合、前記所定数の遊技価値は付与されない第1停止態様(例えば、図87中、左第1停止時の「1枚入賞出目」及び「とりこぼし0枚出目」)が表示され、前記第1打順となる打順で停止操作が行われた場合、前記所定数の遊技価値が付与される第2停止態様(例えば、図87中、左第1停止以外時の「10枚入賞出目」)が表示され、前記第2打順となる打順で停止操作が行われた場合、前記所定数の遊技価値は付与されず、かつ、前記第1停止態様とは異なる第3停止態様(例えば、図87中、左第1停止以外時の「1枚入賞出目」及び「とりこぼし0枚出目」)が表示されるように構成され、前記所定値更新手段は、前記所定役に当籤したときに、停止態様を判別して前記所定値を更新するか否かを決定可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、複数種類ある所定役では、それぞれで特定態様となる打順が同じとなっているので、遊技者が特定態様を選択したい場合には迷うことなくこれを選択できる一方、所定態様を選択した場合であっても必ずしも所定数の遊技価値が付与されないことから、遊技性をより多様なものとすることができる。また、所定値の更新に関し、最終的な停止態様さえ判別すれば適切な制御を行い得るようになるため、そのような意味においてその制御負荷を軽減することができ、また、確実な制御を実現することができる。
前記特別遊技状態制御手段は、前記所定値記憶手段によって記憶された更新結果が前記所定値決定手段によって決定された前記所定値に対応する数値となる(例えば、「1」から「0」となる)遊技の次の遊技から前記特別遊技状態を開始するものであり、前記所定値記憶手段によって記憶された更新結果が前記所定値決定手段によって決定された前記所定値に対応する数値となり得る遊技が開始されるときに、特別演出(例えば、第3の遊技機の確定演出)を実行可能な特別演出実行手段(例えば、メイン演出表示部21)を備え、前記特別演出実行手段は、前記所定値記憶手段によって記憶された更新結果が前記所定値決定手段によって決定された前記所定値に対応する数値となり得る遊技において、前記所定役に当籤したときは、前記特別演出を実行しないことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別演出が実行されたにもかかわらず次の遊技から特別遊技状態が開始されない等のように、実際の遊技内容と演出との間で齟齬が生じてしまうことを防止でき、また、遊技の公平性を担保することができる。
前記所定の開始条件が成立した場合に、前記所定区間における有利度合いを決定するための特定情報(例えば、有利区間レベル)を決定する特定情報決定手段(例えば、第3の遊技機において有利区間レベル抽籤処理を行うメインCPU101)を備え、前記所定値決定手段は、前記特定情報決定手段が決定した前記特定情報に応じて、前記所定値を決定することを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定値の初期情報は、所定区間が開始されるときの特定情報の有利度合いによっても変動し得るため、遊技性をより多様なものとすることができる。
前記特別遊技状態の継続度合いを決定するための継続度合情報(例えば、ストックランク)を決定する継続度合情報決定手段(例えば、第3の遊技機においてストックランク抽籤処理を行うメインCPU101)を備え、前記継続度合情報決定手段は、前記特定情報決定手段が決定した前記特定情報に応じて、前記継続度合情報の初期情報を決定するとともに、前記所定役に当籤したときに、前記特定態様にて停止操作が行われた場合には前記継続度合情報をより有利なものとすることがあり、前記所定態様にて停止操作が行われた場合には前記継続度合情報を有利なものとすることがないことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、継続度合情報の初期情報は、所定区間が開始されるときの特定情報の有利度合いによっても変動し、また、所定役が当籤したときに特定態様が選択されたか否かによっても変動し得るため、遊技性をより多様なものとすることができる。
遊技の進行が待機されている期間において、疑似遊技演出を実行可能な疑似遊技演出実行手段(第3の遊技機において疑似遊技演出を行うメインCPU101)と、前記所定区間において前記特別遊技状態に制御される場合に、前記継続度合情報に基づいて前記特別遊技状態の実行可能回数(例えば、ボーナスストックのストック数)を決定可能な回数決定手段(例えば、第3の遊技機において、ボーナスストック加算抽籤処理を行うメインCPU101)と、を備え、前記疑似遊技演出は、特定停止態様(例えば、「赤7揃い」等)を表示可能な第1疑似遊技演出(例えば、ボーナス入賞演出)と、前記特定停止態様とは異なる特別停止態様(例えば、「リーチ目停止」等)を表示した後、前記特定停止態様を表示可能な第2疑似遊技演出(例えば、確定役入賞演出+ボーナス入賞演出)とを含み、前記疑似遊技演出実行手段は、前記所定区間において前記特別遊技状態に制御される遊技が開始されるときに、前記第1疑似遊技演出又は前記第2疑似遊技演出を実行可能であり、前記第2疑似遊技演出は、前記回数決定手段によって決定された実行可能回数が所定回数以上である場合に実行されやすいことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態が開始されるときの興趣を高めることができるとともに、このような演出の興趣を高めることができる。
前記回数決定手段は、前記特別遊技状態中に特別条件が成立した場合(例えば、ボーナス中1G連抽籤に当籤してボーナスストックが加算された場合)に、前記特別遊技状態の実行可能回数を増加させる特別決定を行うことが可能であり、前記疑似遊技演出は、前記特定停止態様を表示することなく前記特別停止態様を表示可能な第3疑似遊技演出(例えば、確定役入賞演出)を含み、前記疑似遊技演出実行手段は、前記特別遊技状態中に前記特別条件が成立したときに、前記第3疑似遊技演出を実行可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別遊技状態中もその実行可能回数の増加を期待させることができ、また、増加した場合の興趣を高めることができる。また、特別遊技状態が開始されるときに実行され得る演出と、特別遊技状態中に実行され得る演出とで、演出に係るデータを共通化できるため、興趣を高めつつも、演出に係るデータ量が増大してしまうことを抑制できる。
前記特別遊技状態の移行決定に関連する、前記所定値とは異なる特定値(例えば、天井ゲーム数)を決定する特定値決定手段(例えば、第3の遊技機において天井ゲーム数設定処理を行うメインCPU101)と、前記特定値に対応する数値を前記所定の更新態様にて更新する特定値更新手段(例えば、第3の遊技機において天井ゲーム数更新処理を行うメインCPU101)と、前記特定値更新手段による更新結果を記憶する特定値記憶手段(例えば、天井ゲーム数カウンタ)と、を備え、前記特定値決定手段は、前記所定の開始条件が成立した場合に前記特定値を決定可能であり、前記特定値更新手段は、前記所定役に当籤したときに、停止操作態様にかかわらず前記特定値を更新し、前記特別遊技状態制御手段は、前記特定値記憶手段によって記憶された更新結果が前記特定値決定手段によって決定された前記特定値に対応する数値となった場合(例えば、天井ゲーム数に到達した場合)に前記特別遊技状態に制御することが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、例えば、遊技者が、所定役に当籤するたびに所定態様を選択し続けたとしても、これによって更新態様が変動しない特定値によって特別遊技状態に制御され得るため、遊技性を多様化しつつも、遊技者が著しく不利益を被ってしまうことを防止できる。
前記特定値決定手段は、前記特定値を、必ず前記所定値決定手段によって決定された前記所定値以上の数値となるように決定し、前記特定値記憶手段によって記憶された更新結果が前記特定値決定手段によって決定された前記特定値に対応する数値となったことに応じて前記特別遊技状態に制御された場合、前記所定値記憶手段によって記憶された更新結果が前記所定値決定手段によって決定された前記所定値に対応する数値となったことに応じて前記特別遊技状態に制御された場合よりも遊技者を相対的に不利とすることが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定値によって特別遊技状態に制御される場合と、特定値によって特別遊技状態に制御される場合とで有利度合いが異なる場合があることから、遊技者は、所定役に当籤するたびに、どのような停止操作を行うかについて、強い関心をもつことになる。したがって、遊技性をより多様なものとすることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、より戦略性に富んだ遊技性を提供することができる。
前記所定値決定手段は、少なくとも、複数回の異なる抽籤(例えば、天井ポイント抽籤1及び天井ポイント抽籤2)を行い、それぞれで決定された数値を加算して前記所定値を決定し、前記特定値決定手段は、前記所定値決定手段によって決定された前記所定値を特定の更新態様(例えば、下二桁を50単位で切り上げる)にて更新することで、前記特定値が前記所定値以上の数値となるように前記特定値を決定可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定値及び特定値のそれぞれについて、よりランダム性に富んだ決定結果とすることができるため、遊技者に偏りなく期待感を与えることができるとともに、より戦略性に富んだ遊技性を提供することができる。
(第3の発明群)
従来の遊技機において、特殊役が当籤し、当該特殊役の図柄組合せが表示された場合に、遊技者に有利な停止操作の情報が報知され得る特別遊技状態(例えば、AT遊技状態)に制御されるようにしたものが提案されている(例えば、特開2010-29494号公報参照)。
ところで、このような遊技機では、例えば、上記特殊役のような特定の役に当籤しなければ特別遊技状態の期待感を得られないため、特に、特別遊技状態に制御されていないときの遊技性が単調となってしまい、遊技の興趣が低下してしまうおそれがあるという問題があった。
第3の発明群は、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
複数の図柄を複数列に変動表示可能な変動表示手段(例えば、変動表示部)と、所定役(例えば、第3の遊技機の変形例1における押し順ベルB)を含む複数の役の中から当籤役を決定する当籤役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、決定された当籤役と遊技者の停止操作とに応じて図柄の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、前記変動表示手段の停止態様に応じて遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(例えば、メダル払出・再遊技作動処理を行うメインCPU101)と、遊技者に有利な停止操作の情報が報知され得る特別遊技状態(例えば、第3の遊技機におけるボーナス中)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、第3の遊技機において各遊技状態を制御するメインCPU101)と、を備え、前記所定役は複数種類あり、それぞれで特別打順(例えば、AT優遇打順)が規定されるとともに、前記特別打順以外の打順は所定打順(例えば、獲得優遇打順)として規定され、前記特別打順にて停止操作が行われた場合、前記所定打順で停止操作が行われた場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、前記所定役に当籤したときに、前記特別打順にて停止操作が行われた場合、前記所定打順にて停止操作が行われた場合よりも前記特別遊技状態に関する決定(例えば、AT関連処理)が有利となるように構成され、前記所定打順となる打順の択数が前記特別打順となる打順の択数以上となるようにそれぞれの打順が規定されることを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、所定役に当籤したときに、遊技者が特別打順の停止操作を選択した場合には、遊技価値の付与期待値は低いが、特別遊技状態の決定に関する決定は有利となり、遊技者が所定打順の停止操作を選択した場合には、遊技価値の付与期待値は高いが、特別遊技状態の決定に関する決定は不利となるため、遊技性を多様なものとすることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、遊技者が打順を意識せずに遊技を行った場合であっても、特定の遊技者のみが不利となるわけではないため、遊技の公平性を高めることもできる。さらに、所定打順の択数は、特別打順の択数以上となるように規定されているため、遊技価値の付与期待値を一定のものに維持しつつ、特別遊技状態に関する期待度も一定のものに抑制できるため、射幸性が著しく高くなってしまうことも防止できる。
特別の報知条件が成立した場合(例えば、特殊ナビ制御カウンタが所定値以上である場合)、前記所定役に当籤した遊技で前記特別打順を認識可能とする特殊演出(例えば、第3の遊技機における特殊ナビ演出)を実行可能な特殊演出実行手段(例えば、メイン演出表示部21)をさらに備えたことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特殊演出が実行された場合には、遊技者は特別打順と所定打順が認識可能となることから、特別遊技状態に関する決定を有利とすることを優先するか、あるいはより多くの遊技価値が付与されることを優先するかを選択することができるため、より戦略性に富んだ遊技性を提供することができる。
前記特別の報知条件は、遊技価値の付与に応じて変動可能な所定情報(例えば、特殊ナビ制御カウンタの値)が特定の状況(例えば、128以上)となったときに成立することを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、現在の遊技価値の付与状況に応じて特殊演出が実行されるか否かが決定されることで、遊技の公平性をより高めることができるとともに、遊技性をより適切に管理することができる。
[12.第4の遊技機]
続いて、図97~図130を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の他の一具体例について、これを「第4の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第4の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第4の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
また、第4の遊技機は、第1の遊技機とはその遊技性に関する仕様が異なる点があるが、遊技の進行に関する基本的な制御や演出の実行に関する基本的な制御は第1の遊技機と同様である。すなわち、第4の遊技機においても、主制御回路100のメインCPU101は、図23~図32にその一例を示した各種処理を実行することで、各リールの回転、停止、遊技価値の付与、遊技状態の移行、各種制御に必要な各種カウンタや各種フラグの情報の更新、メイン側での演出実行や情報報知に関する各種制御等を行う。また、副制御回路200のサブCPU201は、図33にその一例を示した各種処理を実行することで、サブ側での演出実行や情報報知に関する各種制御等を行う。なお、メインCPU101及びサブCPU201は、以下に説明する遊技性を実現するために必要な制御処理を適宜行えばよく、また、その手法も発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であることから、第4の遊技機では、このような各種処理に関する個別の詳細な説明についてはこれを省略している。
第4の遊技機では、第1の遊技機とは異なり(第1の遊技機では、変動表示部を3列(左リール3L、中リール3C、右リール3R)の表示列によって構成している)、変動表示部を4列の表示列で構成するものとしている(後述の図116等参照)。ここで、第4の遊技機では、最も左側のリールを「第1リール」(リール3L)、左から2番目のリールを「第2リール」(リール3CL)、左から3番目(右から2番目)のリールを「第3リール」(リール3CR)、最も右側のリールを「第4リール」(リール3R)として説明している。
また、第4の遊技機では、4列の表示列にそれぞれ対応するように、4個のストップボタン8L(リール3Lに対応),8CL(リール3CLに対応),8CR(リール3CRに対応),8R(リール3Rに対応)が設けるものとしている(後述の図119等参照)。
なお、これは、第4の遊技機において、押し順役(例えば、後述の打順役)の択数(停止操作順序(打順)の最大数)を通常(3列であれば、3択×2択×1択の6通り)よりも増加させる(4列であれば、4択×3択×2択×1択の24通り)ことにより、遊技性を通常よりも多様なものとし、あるいは、遊技者への還元率を通常よりも変動させやすくすることを意図したものに過ぎない。したがって、第4の遊技機として説明する各種事項は、いずれも変動表示部を4列で構成したものには限定されず、変動表示部を3列で構成したものに適宜変形して適用可能である。
また、第4の遊技機では、有効ラインが、リール3Lの中段領域、リール3CLの中段領域、リール3CRの中段領域及びリール3Rの中段領域を結ぶセンターラインの1ラインのみと定義される。もっとも、定義される有効ラインはこれに限定されず、他の一又は複数のラインを有効ラインとして定義することが可能である。
なお、第4の遊技機におけるメイン表示窓4であるが、メイン表示窓4自体は、第1~第4リールの表示列においてそれぞれ3個(上段・中段・下段)の図柄が表示可能となっているものの、通常は後述の可動シャッター装置(後述の図116等参照)によりそれぞれの上段及び下段に表示された図柄が視認できない(あるいは、視認しにくい)ように構成されている。
すなわち、第4の遊技機におけるメイン表示窓4は、可動シャッター装置が全て閉鎖状態である場合には、実質的に第1~第4リールの表示列においてそれぞれ1個(中段)の図柄が表示されるものとして構成され、可動シャッター装置が全て開放状態である場合には、第1~第4リールの表示列においてそれぞれ3個(上段・中段・下段)の図柄が表示されるものとして構成される。
なお、可動シャッター装置は、それぞれのリールについて個別に閉鎖状態・開放状態を切替えることが可能となっていることから、例えば、第1・第3リールについてはそれぞれ3個(上段・中段・下段)の図柄を表示し、第2・第4リールについてはそれぞれ1個(中段)の図柄を表示することも可能である。また、例えば、第1リールについては2個(上段・中段)の図柄を表示し、第2リールについては1個(中段)の図柄を表示し、第3リールについては2個(中段・下段)の図柄を表示し、第4リールについては3個(上段・中段・下段)の図柄を表示することも可能である。すなわち、第4の遊技機では、後述する各種状態に応じて、各リールに対応する図柄の表示領域を変動させる(増減させる)ことが可能となっている。その具体例については後述する。
また、各リールの中段に対応する表示領域は、当該表示領域が有効ラインとして定義されていることから、可動シャッター装置が閉鎖状態・開放状態のいずれの状態であっても基本的に視認可能となるように構成されているが、例えば、遊技者が遊技操作を行い得ない期間(例えば、ロックの実行中)においては、可動シャッター装置によって閉鎖状態とする(図柄が視認できない(あるいは、視認しにくい)状態とする)ことが可能となるように構成してもよい。
また、第4の遊技機では、全ての遊技状態において、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)でのみ遊技を行うことが可能となっている(すなわち、遊技開始可能枚数は「3枚」のみが設定される)。もっとも、第1の遊技機と同様に、2枚のメダルをベットした状態(2枚ベット状態)でも遊技を行うことが可能となるように構成することもできる。また、この場合、第1の遊技機と同様に、2枚ベット状態でのみ当籤可能な2BBと、3枚ベット状態でのみ当籤可能な3BBとを設け、2BBフラグ間の3枚ベット状態が「推奨遊技状態」となるように構成することもできる。
第4の遊技機では、内部当籤役の抽籤確率に係る遊技状態(後述の図103参照)として、非ボーナス状態である、後述の「F_BB」が持越されているBBフラグ間と、「F_BB」が当籤していない(持越されていない)非フラグ間と、ボーナス状態であるBB(BB遊技状態)とを含んで構成される。なお、BB遊技状態中は常にRB遊技状態に制御される。また、これらの遊技状態は、リプレイ役の当籤確率が変動することから(後述の図103参照)、それぞれ異なるRT状態であるとも言い得る。
非フラグ間において、「F_BB」に当籤した遊技でこれに対応する後述の「C_BB」が表示された場合にはBB遊技状態に移行する。BB遊技状態は、当該状態中に135枚を超えるメダルの払出があった場合に終了するように構成される。BB遊技状態が終了した場合、再度非フラグ間に移行する。
なお、「F_BB」は、単独で内部当籤役として決定される場合(後述の図103中、当籤番号「51」(No.51)に当籤した場合)と、小役(後述の「F_共通3枚1」~「F_強レア役」)と重複して内部当籤役として決定される場合(後述の図103中、当籤番号「44」~「50」(No.44~50)に当籤した場合)とがあるが、本実施形態では、ボーナス役に係る図柄の組合せよりもリプレイ役や小役に係る図柄の組合せが優先的に停止する制御が行われるため、後者の場合には「C_BB」が表示される場合はない。前者の場合には、各リールで押下位置正解であれば「C_BB」が表示される場合があるが、いずれかのリールで押下位置不正解であれば「C_BB」は表示されない。「F_BB」に当籤した遊技で「C_BB」が表示されない場合にはBBフラグ間に移行する。
BBフラグ間は、「はずれ」となる(換言すれば、持越役としての「F_BB」のみが内部当籤役として決定される)確率が「0」となるように構成され(後述の図103参照)、また、本実施形態では、上述のとおり、ボーナス役に係る図柄の組合せよりもリプレイ役や小役に係る図柄の組合せが優先的に停止する制御が行われるように構成されることから、一度BBフラグ間となった場合には、(「C_BB」が表示される場合がなくなることに起因して)基本的に他の遊技状態には移行しなくなる。第4の遊技機では、このBBフラグ間が「推奨遊技状態」として構成される。したがって、特段の説明がない限り、以下では当該推奨遊技状態で遊技が行われることを前提として説明する。なお、BBフラグ間であるときに設定変更が行われた場合にも「F_BB」が持越されていることを示す情報(BBに係る持越役格納領域の情報)はクリアされないため、設定変更後もBBフラグ間が継続するように構成される(上述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合にはクリアされるため、この場合には非フラグ間に移行する)。
[12-1.第4の遊技機の遊技性]
続いて、図97~図101を参照して、第4の遊技機における遊技の流れについて説明する。図97~図99は、第4の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図であり、図100及び図101は、第4の遊技機における各種テーブルの一例を示す図である。
第4の遊技機では、第1の遊技機と同様、遊技者が遊技を行う状態(遊技区間)として、まず、非有利区間及び有利区間に大別される。また、図97~図99に示すように、非有利区間の遊技性に係る遊技状態として、初期状態が設けられており、有利区間の遊技性に係る遊技状態として、通常中、CZ1、CZ2、バトルゾーン、及びATが設けられている。また、ATは、さらに、AT1(基本)、AT2(継続決定)、AT3(バトル)、特化1(特化2CZ)、特化2(上乗せ)、特化3(ループ)及びエンディングに区別される。
なお、通常中、CZ1、CZ2及びバトルゾーンは、基本的に、通常有利区間(演出区間)として構成される状態である。もっとも、後述のとおり、バトルゾーン中はナビ区間となる場合があり、当該ナビ区間は、増加区間(AT状態)として構成される状態となっている。また、バトルゾーン中自体を増加区間(AT状態)として構成することも可能である。また、AT1(基本)、AT2(継続決定)、AT3(バトル)、特化1(特化2CZ)、特化2(上乗せ)、特化3(ループ)及びエンディングは、基本的に、増加区間(AT状態)として構成される状態である。また、AT中における1ゲームあたりのメダルの増加期待値は約9.5枚程度に設定されている。
まず、図97を参照して、第4の遊技機の遊技性について説明する。遊技者はほとんどの場合、通常中から遊技を開始し、ATに移行することを目指して遊技を行う。なお、非有利区間の初期状態においては、その単位遊技における内部当籤役が「はずれ」である場合と、「F_通常リプ」である場合とを除き、有利区間移行抽籤の抽籤結果として必ず有利区間に移行することが決定されるため、初期状態の滞在期間はわずか(1~2ゲーム程度)となっている。よって、有利区間の通常中は、「通常遊技(状態)」や「一般遊技(状態)」等と定義することもできる。また、非有利区間の初期状態は、「待機状態」や「通常中(非有利区間)」等と定義することもできる。
非有利区間の初期状態において、有利区間に移行することが決定される(有利区間移行抽籤に当籤する)と、有利区間の通常中に移行する(有利区間移行)。なお、第4の遊技機では、初期状態からの移行先は通常中のみとなっているが、非有利区間から有利区間に移行する態様はこれに限られない。例えば、初期状態における有利区間移行抽籤の結果として、CZ1、CZ2、あるいはバトルゾーン等の通常有利区間の他の状態に移行することが決定され得るようにし、当該決定結果となった場合には直接該当の状態に移行する場合があるようにしてもよい。また、例えば、初期状態における有利区間移行抽籤の結果として、AT1、特化1、あるいは特化3等の増加区間の各種状態に移行することが決定され得るようにし、当該決定結果となった場合には直接該当の状態に移行する場合があるようにしてもよい。
初期状態から通常中に移行することが決定された場合、天井ゲーム数として「750」が設定される。なお、天井ゲーム数は、抽籤によって(あるいは、後述の有利区間モードの種別によって)決定された天井ゲーム数が設定されるようにしてもよい。すなわち、天井ゲーム数は変動し得るものとすることができる。また、天井ゲーム数は、ゲーム数によって管理されるものではなく、例えば、CZ(CZ1・CZ2)の失敗回数によって管理されるものであってよい。あるいは、バトルゾーンの失敗回数によって管理されるものであってもよい。すなわち、天井到達を何らかのかたちで管理し得るものであればよく、その管理手法は種々の手法を採用することができる。
また、図示は省略しているが、有利区間移行時のポイント加算モード抽籤(抽籤内容は後述の図100参照)が行われる。なお、このポイント加算モード抽籤は、図100に示すものと同様の抽籤テーブルを参照して行われるようにしてもよいし、これとは異なる有利区間移行時専用の抽籤テーブルを参照して行われるようにしてもよい。後者の場合、有利区間移行時の当該抽籤を、通常中の当該抽籤よりも有利となる(当籤しやすくする)ように構成することもできるし、不利となる(当籤しにくくなる)ように構成することもできる。
また、図示は省略しているが、有利区間移行時のCZ1ポイント及びCZ2ポイント(詳細は後述する)の初期値が抽籤により決定される。なお、当該抽籤を行わないように構成することもできる。すなわち、CZ1ポイント及びCZ2ポイントの初期値をともに「0」とすることもできる。また、例えば、移行した有利区間における有利度合いを決定するための複数の有利区間モードを設けるようにし、有利区間移行時には、有利区間モード抽籤を行うことで一の有利区間モードが決定されるように構成することで、移行した有利区間中の有利度合いを変動させ得るようにしてもよい(一度決定された有利区間モードは当該有利区間が終了するまで維持される)。
また、この場合の「有利度合い」とは、例えば、CZ(CZ1・CZ2)への移行のしやすさ(ポイントの付与確率や付与割合等)、バトルゾーンへの移行のしやすさ(CZ成功確率等)、ATへの移行のしやすさ(バトル勝利確率等)、ATの継続のしやすさ(シャッター開放確率やバトル勝利確率、あるいは特化(特化1~3)への移行のしやすさ等)等について、一又は複数の要素を変動させ得るものとすることができる。例えば、一の有利区間モードが決定された場合、総合的にATには移行しやすいが、ATは継続しにくいといった有利度合いが設定され、他の有利区間モードが決定された場合、総合的にATには移行しにくいが、ATは継続しやすいといった有利度合いが設定されるようにすることができる。
通常中において遊技が行われ、付与されたCZ1ポイントが設定された規定値に到達すると、通常中からCZ1に移行する(CZ1移行条件成立)。なお、第4の遊技機では、通常中に付与されたCZ1ポイントが設定された規定値に到達したことをCZ1移行条件の一例として採用しているが、CZ1移行条件はこれに限られない。例えば、特定の役に当籤したことをCZ1移行条件とすることもできるし、規定ゲーム数を抽籤により設定可能とし、当該規定ゲーム数分の遊技が消化されたことをCZ1移行条件とすることもできる。また、これらも一例であり、所定の遊技期間の遊技の結果として遊技者が獲得し得る各種の条件を採用することが可能である。
また、通常中において遊技が行われ、付与されたCZ2ポイントが設定された規定値に到達すると、通常中からCZ2に移行する(CZ2移行条件成立)。なお、第4の遊技機では、通常中に付与されたCZ2ポイントが設定された規定値に到達したことをCZ2移行条件の一例として採用しているが、CZ2移行条件はこれに限られない。例えば、特定の役に当籤したことをCZ2移行条件とすることもできるし、規定ゲーム数を抽籤により設定可能とし、当該規定ゲーム数分の遊技が消化されたことをCZ2移行条件とすることもできる。また、これらも一例であり、所定の遊技期間の遊技の結果として遊技者が獲得し得る各種の条件を採用することが可能である。
ここで、第4の遊技機では、CZ1移行条件とCZ2移行条件とが同時に成立する場合があるので、この場合の制御の一例について説明する。CZ1ポイントが設定された規定値に到達した遊技で、CZ2ポイントも設定された規定値に到達した場合、第4の遊技機では、よりポイント数が少ないかたちで規定値に到達した(すなわち、現在のポイントカウンタの値が小さい)ほうのCZに移行するようになっている。例えば、CZ1ポイントの規定値が「40」で、CZ2ポイントの規定値が「50」である場合に、ある遊技で、CZ1ポイントが「45」となり、CZ2ポイントが「52」となった場合、より少ないかたちで規定値に到達したのはCZ1ポイントであることから、この場合にはCZ1に移行することとなる。
なお、これはあくまで一例であり、例えば、CZ1よりもCZ2のほうがバトルモードに移行する期待度が高く設定されている場合、あるいは、現在の有利区間モードがCZ1よりもCZ2のほうを優遇するものである場合等、有利度合いに差が設けられている(生じている)場合には、相対的に有利度合いが高いほうのCZに移行させるように制御してもよい。あるいは、相対的に有利度合いの低いほうのCZに移行させるように制御してもよい。
ちなみに、CZ1ポイントが設定された規定値に到達してCZ1に移行した場合、CZ1ポイントはクリアされる(あるいは、現在のポイントカウンタの値から規定値を減じた残りの値はクリアされず持越されることとしてもよい)が、CZ2ポイントは(初期状態に移行しない限り)クリアされない構成となっている。また、CZ2ポイントが設定された規定値に到達してCZ2に移行した場合、CZ2ポイントはクリアされる(あるいは、現在のポイントカウンタの値から規定値を減じた残りの値はクリアされず持越されることとしてもよい)が、CZ1ポイントは(初期状態に移行しない限り)クリアされない構成となっている。すなわち、第4の遊技機では、CZ1とCZ2とで別々のポイントを規定しているが、貯まったそれぞれのポイントは基本的に無駄とならないように構成されている。
したがって、CZ1ポイントが設定された規定値に到達した遊技で、CZ2ポイントも設定された規定値に到達した場合であって、例えば、CZ1に移行させることとなった場合には、CZ1に移行させるためのCZ1移行権利(規定値に到達したCZ1ポイント)は消費されるが、CZ2に移行させるためのCZ2移行権利(規定値に到達したCZ2ポイント)は消費されず持越されるので、仮に、移行したCZ1が失敗した場合には、一旦通常中に戻るものの、すぐにまたCZ2移行権利を消費してCZ2に移行することができるようになっている。
一方、移行したCZ1が成功し、バトルゾーンに移行したが、バトルゾーンにおいてバトル敗北となって初期状態に移行した場合には、CZ2移行権利は消滅するため、通常中において再度移行権利を得ることが必要となる。もっとも、バトルゾーンにおいてバトル敗北となった場合にも初期状態ではなく、通常中に戻る(すなわち、有利区間が終了しない)場合があるようにし、この場合には、CZ2移行権利が消滅しないようにしてもよい。
また、通常中からCZ1に移行するとき、あるいは、通常中からCZ2に移行するときには、CZ前兆状態(この遊技期間は一律であってもよいし、抽籤によって決定されるものであってもよい)を経由してから移行するものとしてもよい。また、図97では図示は省略しているが、通常中からバトルゾーンやATに移行する場合もある。なお、通常中における種々の決定や抽籤の内容の詳細については後述する。
CZ1は、バトルゾーンへの移行確率が通常中よりも優遇された状態であり、16~20ゲーム程度継続する。なお、図示は省略しているが、CZ1に移行することが決定されたときにバトルゾーン移行抽籤が行われ、当該抽籤に当籤したときは、CZ1の遊技期間が消化されたときにバトルゾーンに移行する(CZ1成功)。一方、当該抽籤に当籤しなかったときは、CZ1中は、毎ゲーム結果書換抽籤(すなわち、バトルゾーン移行抽籤の抽籤結果を非当籤から当籤に書き換えるか否かを決定するための抽籤)が行われ、これに当籤したときは、CZ1の遊技期間が消化されたときにバトルゾーンに移行する(CZ1成功)。いずれの抽籤にも当籤せず、CZ1の遊技期間が消化されたときには通常中に移行する(CZ1失敗)。なお、CZ1中は、バトルゾーンに移行するか否かを期待させ、また、その期待度を示唆するような前兆演出が実行される。
CZ2は、バトルゾーンへの移行確率が通常中よりも優遇された状態であり、16ゲーム間継続する。なお、図示は省略しているが、CZ2に移行することが決定されたときには、まず、各リール(第1~第4リール)のそれぞれについて、リール信頼度(有利度情報の一例である)が設定される。リール信頼度は、「10%」(ランク1)、「33%」(ランク2)、「66%」(ランク3)、「82%」(ランク5)及び「100%」(ランク6)のいずれかが決定されるようになっており、これはそのままバトルゾーンの当籤確率を示すものとなっている。
そして、CZ2において、特殊図柄が表示されると、表示されたリールのリール信頼度を参照してバトルゾーン移行抽籤が行われる。例えば、第1リールのリール信頼度がランク1に設定され、第2リールのリール信頼度がランク2に設定されているときに、第1リールと第2リールに特殊図柄が表示されたとする。このときには、2回のバトルゾーン移行抽籤が行われる。
1回目は、第1リールに対応する抽籤で、第1リールのリール信頼度はランク1であるから、10%で当籤が決定され、90%で非当籤が決定される。当籤した場合には、バトルゾーンに移行することが決定される。一方、当籤しなかった場合には、第1リールのリール信頼度がランクアップする。具体的には、第1リールのリール信頼度がランク1からランク2に上昇する。
2回目は、第2リールに対応する抽籤で、第2リールのリール信頼度はランク2であるから、33%で当籤が決定され、67%で非当籤が決定される。このとき、例えば、前回までの抽籤(例えば、ここでは1回目の抽籤)ですでにバトルゾーンに移行することが決定されている場合であって、当該抽籤で当籤となった場合には、移行したバトルゾーンが有利となる期待度上昇権利が付与される。一方、当籤しなかった場合には、第2リールのリール信頼度がランクアップする。具体的には、第2リールのリール信頼度がランク2からランク3に上昇する。なお、未だバトルゾーンに移行することが決定されていない場合の流れは、上述の1回目の場合と同様である。
このように、CZ2では、各リールに対応する有利度情報(リール信頼度)がそれぞれ決定され、特殊図柄が表示されるという条件を満たすと、それぞれの有利度情報に応じた有利度にて有利状態(バトルゾーン)を付与するかが決定される。また、有利状態を付与することが決定されない場合には、有利度情報の有利度合いを上昇させる。すなわち、特殊図柄が表示されればされるほど、CZ2における有利状態の付与期待度が高まることとなる。
なお、後述のとおり、CZ2においても、シャッター閉鎖状態(通常)と、シャッター開放状態(高確)とに制御可能とし、シャッター開放状態では特殊図柄の表示可能領域が拡大することにともなって、より有利状態の付与期待度が高まるように構成することもできる。具体的には、例えば、後述のポイント加算モード抽籤(図100参照)と同様の抽籤をCZ2中も行い得るものとし、これに当籤した場合には、シャッター開放状態が当籤した期間継続するようにしてもよい。あるいは、例えば、後述のシャッター開放抽籤(図101参照)と同様の抽籤をCZ2中も行い得るものとし、これに当籤した場合には、当籤したリールについて当籤した期間、シャッター開放状態が継続するようにしてもよい。
CZ2の遊技期間が消化されたときに、バトルゾーンに移行することが決定されている場合にはバトルゾーンに移行する(CZ2成功)。一方、バトルゾーンに移行することが決定されていない場合には通常中に移行する(CZ2失敗)。なお、図示は省略しているが、CZ(CZ1・CZ2)中に、天井ゲーム数に到達した場合やAT直当たりとなった場合には、通常中と同様、直接特化3やAT1に移行する場合もある。
バトルゾーンは、ATへの移行確率が通常中や各CZよりも優遇された状態であり、ナビ区間と、非ナビ区間であるバトル準備中及びバトル中とから構成される。バトルゾーンに移行すると、まず、打順役について15枚入賞となる打順が5回報知されるまでナビ区間に滞在する。このナビ区間は、AT中と同様に有利な停止操作の情報が報知されるため、この区間のみをみれば増加区間となるように構成された状態である。すなわち、バトルゾーンが開始されたときには、一定期間、メダルが増加する状態とすることで、その後のバトル準備中やバトル中では一定数のメダルを獲得した状態で遊技を行い得ることを可能としている。
また、ナビ区間では、内部当籤役に応じた確率で、期待度上昇権利の付与抽籤が行われる。例えば、レア役(例えば、弱レア役や強レア役)や特殊表示可能役(例えば、特殊1個~4個)に当籤した場合、所定確率で期待度上昇権利が付与され得る。なお、期待度上昇権利であるが、例えば、バトル中において、1回のバトルで勝利が確定する権利や、その勝率をアップさせる権利等があり、これらのうち、一又は複数が付与されることとなる。
ナビ区間が終了すると、バトル準備中に移行する。バトル準備中は、10ゲーム間継続する。バトル準備中には、内部当籤役に応じた確率で、バトル勝率UP抽籤が行われる。なお、バトル勝率であるが、例えば、初期値は「51%」に設定されており、バトル準備中に突入したときに、その勝率をアップさせる権利を獲得していれば、当該権利に対応する数値が加算される。例えば、獲得している権利が「3%UP権利」であれば、バトル勝率が「54%」に補正され、獲得している権利が「10%UP権利」であれば、バトル勝率が「61%」に補正される。そして、バトル勝率UP抽籤では、例えば、当籤した場合に、「3%UP」、「5%UP」、あるいは「10%UP」のいずれかが決定されるように構成され、ここで仮に「5%UP」が決定されたとすると、バトル勝率が「66%」に補正される。すなわち、このバトル準備中では、バトル中の勝率をアップさせるか否かの決定が行われる。
バトル準備中が終了すると、バトル中に移行する。このとき、バトル勝率が確定する。バトル中では、3回のバトルが発生し、1回のバトルは最大7ゲーム間継続する。すなわち、バトル中全体としては、最大21ゲーム間継続する。バトル中に突入したときに、例えば、1回のバトルで勝利が確定する権利を1個獲得していれば、1回目のバトルにおいて勝利が確定する。また、当該権利を2個獲得していれば、1回目及び2回目のバトルにおいて勝利が確定する。また、当該権利を3個獲得していれば、1回目~3回目のバトルにおいて勝利が確定する(すなわち、AT移行が確定する)。
バトルで勝利が確定する権利を獲得していない場合、あるいは、これが全て消費された場合には、バトル準備中で獲得したバトル勝率が用いられ、バトルが実行される。なお、バトル中には、バトル勝率や獲得権利等に応じた確率で敵キャラクタが抽籤により決定され、決定された敵キャラクタと味方キャラクタとのバトル演出が実行される。バトル演出では、例えば、バトル勝利となった場合には、各バトルにおいて最終的に味方キャラクタが勝利する様子が示され、バトル敗北となった場合には、当該バトルにおいて最終的に味方キャラクタが敗北する様子が示される。ここで、バトルで勝利が確定する権利を獲得していない場合を例に挙げて、バトル中の進行の一例を説明する。なお、この例では、バトル勝率が「66%」となっていることとして説明する。
まず、1回目のバトルが開始される。1回目のバトルでは、7ゲームトータルのバトル勝率が「66%」となる確率で、バトル抽籤が行われる。なお、バトル勝率は、毎ゲームあたりの当籤確率として構成されるものであってもよい。1回目のバトルにおいて、7ゲームの間にバトル抽籤に当籤した場合、1回目のバトルが勝利となり、当籤した遊技の次ゲーム(あるいは、7ゲーム消化後であってもよい)から2回目のバトルに移行する(すなわち、バトル中が継続する)。一方、7ゲームの間にバトル抽籤に当籤しなかった場合、1回目のバトルが敗北となり、バトル中が終了する。この場合には、基本的に初期状態に移行する(すなわち、一連の有利区間が終了して非有利区間に移行する)こととなる(バトル敗北)。
続いて、2回目のバトルが開始されたとする。バトル抽籤の態様は1回目におけるものと同様である。2回目のバトルにおいて、7ゲームの間にバトル抽籤に当籤した場合、2回目のバトルが勝利となり、当籤した遊技の次ゲーム(あるいは、7ゲーム消化後であってもよい)から3回目のバトルに移行する(すなわち、バトル中が継続する)。一方、7ゲームの間にバトル抽籤に当籤しなかった場合、2回目のバトルが敗北となり、バトル中が終了する。この場合には、基本的に初期状態に移行する(すなわち、一連の有利区間が終了して非有利区間に移行する)こととなる(バトル敗北)。
続いて、3回目のバトルが開始されたとする。バトル抽籤の態様は1回目におけるものと同様である。3回目のバトルにおいて、7ゲームの間にバトル抽籤に当籤した場合、3回目のバトルが勝利となり、この時点でATに移行することが決定され、当籤した遊技の次ゲーム(あるいは、7ゲーム消化後であってもよい)からAT(ほとんどの場合はAT1、特別条件を満たしている場合には特化1)に移行する(バトル勝利)。一方、7ゲームの間にバトル抽籤に当籤しなかった場合、3回目のバトルが敗北となり、バトル中が終了する。この場合には、基本的に初期状態に移行する(すなわち、一連の有利区間が終了して非有利区間に移行する)こととなる(バトル敗北)。
通常中からCZ(CZ1・CZ2)やバトルゾーンを経由してATに移行する場合、基本的にはAT1から開始されることとなる(AT1への移行がメインルートとなる)。AT1は、AT滞在中の基本的な状態(基本状態)であり、10~30ゲーム間継続する(初回は20ゲーム間)。AT1のゲーム数を消化すると、AT2に移行する(AT1消化)。なお、AT1における種々の決定や抽籤の内容の詳細については後述する。
AT2は、ATを継続させるか否か、あるいは継続させる場合の有利度合い等を決定するための各種情報が決定される状態(継続決定状態)であり、8ゲーム間継続する。AT2のゲーム数を消化すると、AT3に移行する(AT2消化)。なお、AT2における種々の決定や抽籤の内容の詳細については後述する。
AT3は、AT2で決定された各種情報にしたがって、最終的にATが継続するか否かがバトル演出によって示される状態(バトル状態)であり、5ゲーム間継続する。AT3においてバトル勝利となった場合には、最終的に決定された報酬内容にしたがってATが継続する(バトル勝利)。なお、基本的には再度AT1に戻る場合が多く、AT1→AT2→AT3→継続する場合には再度AT1という流れがメインルートとなる。一方、AT3においてバトル敗北となった場合には、AT終了となり、基本的には初期状態に移行することとなる(AT終了条件成立)。もっとも、この場合、有利区間が終了せず、通常中に移行する場合もある。なお、AT3における種々の決定や抽籤の内容の詳細については後述する。
バトルゾーンでバトル勝利となって、さらに特別条件を満たしている場合、あるいは、AT3において最終的に決定された報酬内容が該当するものである場合には、特化1に移行する(特化1開始)。特化1は、特化2への移行確率が他の状態よりも優遇された状態(特化2CZ状態)であり、10ゲーム間継続する。
なお、特化1の基本的な遊技性としては、後述の「共通3枚」、「弱レア役」又は「強レア役」に当籤したときに、特化1では、後述の「青特別ナビ」(逆押し特別(青)図柄狙えナビ)又は「赤特別ナビ」(逆押し特別(赤)図柄狙えナビ)が発生し得るようになっており、当該ナビが発生して特別(青)図柄揃い又は特別(赤)図柄揃いが発生すると(実際には、当該ナビが発生すれば、最終的に該当する図柄が揃わなくとも条件は満たされる)、特化2に移行するものとなっている。すなわち、特化1中に、特別図柄狙えナビが発生して特別図柄揃いとなった場合には、特化1は終了するが(特化1終了)、特化2に移行することとなる。一方、特別図柄狙えナビが発生することなく10ゲームを消化した場合には、特化1は終了し(特化1終了)、AT1に移行する。なお、この場合、AT1のゲーム数は固定ゲーム数(10ゲーム)が決定されるようにしてもよいし、抽籤によって10~30ゲームのいずれかが決定されるようにしてもよい。
ここで、特別図柄揃いに着目すると、これは、後述の「C_眼術」の図柄組合せに相当するものであるが、「特別(青)図柄揃い」と「特別(赤)図柄揃い」はともに同じ図柄組合せとして規定される(換言すれば、同じ内部当籤役として構成される)ものである(後述の図109等参照)。しかしながら、第4の遊技機では、特化1を、「青特別ナビ」は発生し得るが、「赤特別ナビ」は発生し得ない「モードA」と、「赤特別ナビ」は発生し得るが、「青特別ナビ」は発生し得ない「モードB」との二つの異なる状態として構成し得るようになっている。なお、例えば、モードAの特化1よりも、モードBの特化1のほうが特別ナビの発生確率が高くなるようにして両者の状態の有利度を異ならせるようにしてもよいし、基本的に特別ナビの発生確率は同じとして両者の状態の有利度が同じとなるようにしてもよい。
特化1において、特化2の開始条件を満たした場合には、特化2に移行する(特化2開始)。特化2は、AT1の遊技期間が上乗せされ得る状態(上乗せ状態)であり、10ゲーム程度継続する。特化2では、毎ゲーム、AT1の上乗せゲーム数が抽籤により決定され(5ゲーム、10ゲーム、20ゲーム、30ゲームのいずれか)、これらが全て特化2終了後のAT1のゲーム数に上乗せされる。特化2のゲーム数を消化すると、AT1に移行する(特化2終了)。このとき、AT1のゲーム数としては、例えば、固定ゲーム数(10ゲーム)に、特化2中に上乗せされたゲーム数が加算される。
通常中のAT直当たり抽籤に当籤した場合、AT1中の特化3移行抽籤に当籤した場合、又はAT3において最終的な報酬内容が該当するものである場合には、特化3に移行する(特化3開始)。特化3は、8ゲームが1セットとなっており、8ゲーム間で継続抽籤を行い、これに当籤した場合には特化3が次セットに継続し、当籤しなかった場合には特化3が当該セットで終了する、といったようにそれ自体が一定のループ性をもち、これが繰り返されることで実質的にATの遊技期間を延長することを可能とする状態(ループ状態)となっている。特化3がループせず終了する場合には、AT1に移行する(特化3終了)。なお、この場合、AT1のゲーム数は固定ゲーム数(10ゲーム)が決定されるようにしてもよいし、抽籤によって10~30ゲームのいずれかが決定されるようにしてもよい。
エンディングを除くAT中の各状態において、リミッタ(例えば、払出数リミッタ)が作動する前の所定時期となると、エンディングに移行する(エンディング開始条件成立)。エンディングに移行すると、その後はリミッタが作動するまで状態が遷移することはなく、リミッタの作動によってATが終了すると、有利区間が終了して必ず初期状態に移行する(AT終了条件成立)。
ここで、第4の遊技機では、ATに移行すると、「打順役」及び「共通15枚」のいずれかに当籤する度に1ずつ加算される1バイトの管理カウンタが設けられており、この管理カウンタの値によってリミッタが作動する前の所定時期となったかが判定される。例えば、有利区間が開始されてから最初にATに移行した場合には、この管理カウンタの判定値に「180」がセットされる。そして、ATでの遊技が進行し、管理カウンタの値が判定値となった場合には、所定時期となったと判定し、エンディングに移行させる制御が行われる。もっとも、第1の遊技機と同様に、制御用払出数カウンタの値又は制御用ゲーム数カウンタの値によってリミッタが作動する前の所定時期となったかが判定されるように構成することもできる。
なお、上述の各状態における継続期間はあくまで一例であり、示した期間よりも長い、あるいは短い遊技期間を設定することもむろん可能であるし、変動しない遊技期間は変動し得るように構成することも可能であり、また、変動し得る遊技期間は変動しないように構成することも可能である。また、遊技期間の管理手法も上述したものに限られない。例えば、ゲーム数によって管理されるとして説明したものも、ナビ回数によって管理されるものとしてもよいし、差枚数によって管理されるものとしてもよい。すなわち、該当の状態においてその遊技期間が適切に管理され得る限り、どのような管理手法も採用することが可能である。
このように、遊技者は一度ATに移行させた場合には、このATがより長く継続する(延長される)ことを目指して遊技を行う。上述のとおり、第4の遊技機では種々の要素によってATの遊技期間が変動する。そして、ATが終了した場合には、基本的に有利区間自体も終了し、有利区間終了時の初期化処理が行われて初期状態に移行する。その後、再度通常中に移行させて次の有利区間を開始させた後、また、ATに移行することを目指して遊技を行うこととなる。以上が第4の遊技機の遊技性である。
(通常中)
続いて、図98及び図100を参照して、第4の遊技機における通常中の遊技性の一例についてさらに詳しく説明する。上述のとおり、通常中は、遊技者にとって相対的に不利な状態であり、また、遊技者が最も多く滞在する状態である。
通常中では、例えば、AT直当たり抽籤、天井ゲーム数関連処理、CZ1ポイント規定値抽籤、CZ2ポイント規定値抽籤、ポイント加算モード抽籤、CZ1ポイント加算抽籤、CZ2ポイント加算抽籤等が行われる。なお、これらは一例であり、これら以外の抽籤や決定が行われるように構成することもできるし、これらのうちいずれかの抽籤や決定は行われないように構成することもできる。
<AT直当たり抽籤>
通常中において、「特殊4個」(「F_特殊4個リプ」)に当籤した場合、AT直当たり抽籤が行われる。当該抽籤に当籤した場合には、特別フリーズ演出が実行され、ATの特化3に移行することが決定される。すなわち、当該抽籤は、通常中からATに移行させるか否かを決定するための制御処理であり、また、特別フリーズ演出を実行するか否かを決定するための制御処理でもある。なお、当該抽籤に当籤したときの移行先は、特化3に限られない。例えば、特化1や特化2に移行する場合があってもよいし、AT1に移行する場合があってもよい。また、上記以外の役に当籤した場合にも、当該抽籤が行われ得るようにしてもよい。
AT直当たり抽籤は、例えば、図100に示すAT直当たり抽籤テーブルを参照して行われ、当該テーブルに示す確率(抽籤値/256)で、当籤(AT当籤)、又は非当籤(AT非当籤)のいずれかが決定される。当該抽籤に当籤した場合には、次ゲームから特化3に移行する(AT直当たり)。
<天井ゲーム数関連処理>
通常中においては、1ゲームにつき1ずつ天井ゲーム数(カウンタ)を加算する処理が行われる。なお、これは、CZ(CZ1・CZ2)においても同様である。また、第4の遊技機では、天井ゲーム数が加算処理によって更新されることとしているが、減算処理によって更新されるようにしてもよい。すなわち、初期状態から通常中に移行するときに設定された天井ゲーム数に対して、0からカウントを開始して加算更新していき、設定された天井ゲーム数と同じ値となったときに天井ゲーム数に到達したと判定するものであってもよいし、設定された天井ゲーム数からカウントを開始して減算更新していき、0となったときに天井ゲーム数に到達したと判定するものであってもよい。
続いて、通常中においては、天井ゲーム数に到達したか否かを判定する処理が行われる。なお、これは、CZ(CZ1・CZ2)においても同様である。天井ゲーム数に到達したと判定された場合には、移行先として、バトルゾーン又はAT1のいずれかが決定される(天井ゲーム数到達)。この場合、移行先はバトルゾーンのみとすることもできるし、AT1のみとすることもできる。また、バトルゾーンでバトル敗北となったが初期状態には移行せず、通常中に戻った場合、あるいは、AT3でバトル敗北となったが初期状態には移行せず、通常中に戻った場合、有利区間ゲーム数カウンタの値を加味しながら、再度天井ゲーム数が設定される(例えば、リミッタ作動までの残りの遊技期間が短い場合には、少ない天井ゲーム数が設定される)。
<CZ1ポイント規定値抽籤>
初期状態から通常中に移行したとき、CZ1でCZ1失敗となって通常中に移行したとき、CZ1ポイント規定値抽籤が行われる。当該抽籤は、CZ1ポイントの規定値を決定するための制御処理であり、通常中におけるCZ1移行の有利度合い(CZ1移行条件の難易度)を決定するための制御処理でもある。なお、バトルゾーンでバトル敗北となったが初期状態には移行せず、通常中に戻った場合、あるいは、AT3でバトル敗北となったが初期状態には移行せず、通常中に戻った場合にも当該抽籤が行われるようにしてもよい。
CZ1ポイント規定値抽籤は、例えば、図100に示すCZ1ポイント規定値抽籤テーブルを参照して行われ、当該テーブルに示す確率(抽籤値/256)で、規定値として「20」~「80」のいずれかが決定される。
<CZ2ポイント規定値抽籤>
初期状態から通常中に移行したとき、CZ2でCZ2失敗となって通常中に移行したとき、CZ2ポイント規定値抽籤が行われる。当該抽籤は、CZ2ポイントの規定値を決定するための制御処理であり、通常中におけるCZ2移行の有利度合い(CZ2移行条件の難易度)を決定するための制御処理でもある。なお、バトルゾーンでバトル敗北となったが初期状態には移行せず、通常中に戻った場合、あるいは、AT3でバトル敗北となったが初期状態には移行せず、通常中に戻った場合にも当該抽籤が行われるようにしてもよい。
CZ2ポイント規定値抽籤は、例えば、図100に示すCZ2ポイント規定値抽籤テーブルを参照して行われ、当該テーブルに示す確率(抽籤値/256)で、規定値として「20」~「80」のいずれかが決定される。
<ポイント加算モード抽籤>
通常中では、毎遊技(ただし、すでに高確ロング中である場合を除く)、ポイント加算モード抽籤が行われる。第4の遊技機では、通常中にCZポイントが規定値に到達することが、CZ移行条件となっていることから、当該抽籤では、そのCZポイントの付与確率を優遇するか否かが決定される。すなわち、当該抽籤は、CZへの移行確率を優遇する(あるいは、CZに移行するまでの遊技期間を短縮する)か否かを決定するための制御処理でもある。
ポイント加算モード抽籤は、例えば、図100に示すポイント加算モード抽籤テーブルを参照して行われ、内部当籤役の種類に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、通常(高確に移行しない)、高確ショート(相対的に短い遊技期間の高確に移行する)、又は高確ロング(相対的に長い遊技期間の高確に移行する)のいずれかが決定される。
現在のポイント加算モードが通常であるときに、高確ショートに当籤した場合には、図示は省略しているが、高確滞在ゲーム数抽籤が行われる。当該抽籤では、例えば、3~5ゲームの中から一の高確滞在ゲーム数が決定され、決定された高確滞在ゲーム数が設定される。また、現在のポイント加算モードが通常であるときに、高確ロングに当籤した場合には、高確滞在ゲーム数として15ゲームが設定される。なお、有利区間移行時のポイント加算モード抽籤で高確ロングに当籤した場合には、高確滞在ゲーム数として30ゲームが設定される。また、現在のポイント加算モードが高確ショートであるときに、高確ロングに当籤した場合には、高確滞在ゲーム数に10ゲームが加算される。
高確滞在ゲーム数は、1ゲームにつき1ずつ減算されるように構成され、高確滞在ゲーム数が1以上である場合には、少なくとも通常には転落しない(高確が維持される)ように構成される。また、高確である場合には、シャッター開放状態となって、各リールの見た目上も高確であることが示されるようになっている。
なお、第4の遊技機では、「F_共通3枚1」~「F_共通3枚3」の内部当籤役を「共通3枚」、「F_特殊役1」及び「F_特殊役2」の内部当籤役を「特殊役」、「F_弱レア役」の内部当籤役を「弱レア役」、「F_強レア役」の内部当籤役を「強レア役」、「F_1特殊リプ」~「F_4特殊リプ」の内部当籤役を「特殊1個」、「F_12特殊リプ」~「F_34特殊リプ」の内部当籤役を「特殊2個」、「F_123特殊リプ」~「F_234特殊リプ」の内部当籤役を「特殊3個」、「F_特殊4個特殊リプ」の内部当籤役を「特殊4個」と表記して説明する場合がある。また、「右記以外」とはこれらとは異なる内部当籤役を意味する。
<CZ1ポイント加算抽籤>
通常中では、毎遊技、CZ1ポイント加算抽籤が行われる。第4の遊技機では、基本的に、第1リール及び第2リールにおいて特殊図柄が表示された場合(換言すれば、これらに特殊図柄が表示され得る内部当籤役が決定された場合)に、CZ1ポイントが加算されるように構成されている。図100に示す基本加算値は、その対応関係を示したものである。なお、図100に示すとおり、基本加算値は、抽籤を行うことなく、特殊図柄が表示された場合には規定される加算値のポイントが付与されるように構成されているが、加算されることは決定された上で、実際に付与するポイントの値については抽籤により決定されるものとしてもよい。
ここで、CZ1ポイントに着目すると、例えば、「F_1特殊リプ」又は「F_2特殊リプ」に当籤した場合には、CZ1ポイントとして1ポイントが付与されるように構成されている。「F_1特殊リプ」は、第1リールに特殊図柄が表示され得るものとして構成され、「F_2特殊リプ」は、第2リールに特殊図柄が表示され得るものとして構成された役である(後述の図110~図113等参照)。すなわち、CZ1ポイントは、基本的に第1リール及び第2リールに特殊図柄が表示された場合に付与されるように構成されている(第1リール及び第2リールに対応付けられている)。
また、特殊図柄が複数表示された場合には、付与されるCZ1ポイントも増加するように構成されている。例えば、「F_12特殊リプ」に当籤した場合には、CZ1ポイントとして4ポイントが付与されるように構成されている。「F_12特殊リプ」は、第1リール及び第2リールに特殊図柄が表示され得るものとして構成された役である(後述の図110~図113等参照)。なお、この場合には、特殊図柄の表示数は2であるが、さらなる特典が付与されるように、これを2倍した数のポイントが付与されるようになっている。もっとも、あくまで表示数に対応するものとして、2ポイントが付与されるように基本加算値を構成することも可能である。特殊図柄の表示数が、第3リール及び第4リールを含めて3となる場合や4となる場合も同様である。
また、現在のポイント加算モードが高確である場合には、さらに、図100に示す高確時ポイント加算抽籤テーブルを参照して、追加のポイント付与抽籤(高確時ポイント加算抽籤)が行われる。高確時ポイント加算抽籤では、内部当籤役の種類に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、追加加算値0(ポイントを加算しない)、又は追加加算値1~4(対応するポイントが加算される)のいずれかが決定される。
なお、当該抽籤は、CZ1ポイント及びCZ2ポイントに共通して行われ、抽籤結果として1以上の追加加算値が決定された場合には、それぞれについてポイントが加算されるように構成することもできるし、CZ1ポイント及びCZ2ポイントのそれぞれについて別個に行われ、例えば、CZ1ポイントについて1以上の追加加算値が決定された場合にはCZ1ポイントが加算されるが、CZ2ポイントについて追加加算値0が決定された場合にはCZポイントは加算されないように構成することもできる。
また、上述のとおり、現在のポイント加算モードが高確である場合にはシャッター開放状態となることから、実際の特殊図柄の表示数に応じて追加加算値が決定されるようにすることもできる。例えば、「F_1特殊リプ」に当籤した場合、現在のポイント加算モードが通常であれば、第1リールに特殊図柄が表示され、第2~第4リールには特殊図柄が表示されないので、特殊図柄の表示数は第1リールの1のみとなってCZ1ポイントが1加算されるだけであるが、現在のポイント加算モードが高確であれば、第1~第4リールにそれぞれ1個ずつ特殊図柄が表示されるので、この場合の特殊図柄の表示数は4となる(例えば、後述の図117等参照)。この場合には、上述の基本加算値にしたがって、例えば、CZ1ポイント及びCZ2ポイントのそれぞれに追加加算値10が加算されるようにしてもよい。あるいは、基本加算値として、まずCZ1ポイントに1が加算された上で、追加加算値として、CZ1ポイントについては1が加算され、CZ2ポイントについては2が加算されるようにしてもよい。
CZ1ポイント加算抽籤の結果、付与されたCZ1ポイントの累積値が規定値以上となった場合には、CZ1に移行する(CZ1ポイント≧規定値)。
<CZ2ポイント加算抽籤>
通常中では、毎遊技、CZ2ポイント加算抽籤が行われる。第4の遊技機では、基本的に、第3リール及び第4リールにおいて特殊図柄が表示された場合(換言すれば、これらに特殊図柄が表示され得る内部当籤役が決定された場合)に、CZ2ポイントが加算されるように構成されている。図100に示す基本加算値は、その対応関係を示したものである。なお、図100に示すとおり、基本加算値は、抽籤を行うことなく、特殊図柄が表示された場合には規定される加算値のポイントが付与されるように構成されているが、加算することは決定された上で、実際に付与するポイントの値については抽籤により決定されるものとしてもよい。
ここで、CZ2ポイントに着目すると、例えば、「F_3特殊リプ」又は「F_4特殊リプ」に当籤した場合には、CZ2ポイントとして1ポイントが付与されるように構成されている。「F_3特殊リプ」は、第3リールに特殊図柄が表示され得るものとして構成され、「F_4特殊リプ」は、第4リールに特殊図柄が表示され得るものとして構成された役である(後述の図110~図113等参照)。すなわち、CZ2ポイントは、基本的に第3リール及び第4リールに特殊図柄が表示された場合に付与されるように構成されている(第3リール及び第4リールに対応付けられている)。
なお、特殊図柄が複数表示された場合の態様は、基本的にCZ1ポイントにおけるものと同様であるため、ここでの説明は省略する。また、追加のポイント付与抽籤(高確時ポイント加算抽籤)における態様も、基本的にCZ1ポイントにおけるものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
CZ2ポイント加算抽籤の結果、付与されたCZ2ポイントの累積値が規定値以上となった場合には、CZ2に移行する(CZ2ポイント≧規定値)。
なお、通常中においては、その滞在ゲーム数(初期状態から移行した場合)が所定の閾値(例えば、250ゲーム)を超えるか否かで、CZへの移行確率やCZ中のCZ成功確率が変動し得るように構成してもよい。例えば、滞在ゲーム数が所定の閾値以下である場合には、通常よりもCZポイントが付与されにくくなる、あるいは、CZポイントの規定値として大きな値が決定されやすくなる等が行われるようにすればよい。また、例えば、滞在ゲーム数が所定の閾値以下である場合には、通常よりもCZ1中のバトルゾーン移行抽籤が当籤しにくくなる、あるいは、CZ2中のリール信頼度として低いランクが設定されやすくなる等が行われるようにすればよい。
(AT1~AT3)
続いて、図99及び図101を参照して、第4の遊技機におけるAT1~AT3の遊技性の一例についてさらに詳しく説明する。上述のとおり、AT1~AT3は、AT状態であり、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されることから、遊技者にとって相対的に有利な状態である。
AT1では、例えば、遊技期間設定処理、シャッター開放抽籤、特化3移行抽籤等が行われる。また、AT2では、初期参戦キャラ抽籤、シャッター開放設定処理、参戦キャラ更新処理、特別キャラ参戦抽籤、報酬レベルUP抽籤等が行われる。また、AT3では、結果書換抽籤、報酬決定抽籤等が行われる。なお、これらは一例であり、これら以外の抽籤や決定が行われるように構成することもできるし、これらのうちいずれかの抽籤や決定は行われないように構成することもできる。
<遊技期間設定処理>
AT1が開始される場合、AT1の遊技期間を設定するための遊技期間設定処理が行われる。当該処理では、例えば、いわゆる初当たりの場合(バトルゾーンや通常中(CZを含む)からAT1に最初に移行した場合)には20ゲームが設定され、AT3から移行した場合には報酬内容(図101に示す報酬パラメータ「1」~「3」参照)に応じたゲーム数が設定される。また、特化1~3から移行した場合には上述のゲーム数が設定される。
<シャッター開放抽籤>
AT1において、特殊図柄が表示される場合(換言すれば、特殊図柄が表示され得る内部当籤役が決定された場合)、特殊図柄が表示されるリール毎にシャッター開放抽籤が行われる。例えば、AT1において、「F_14特殊リプ」に当籤した場合には、第1リールについて当該抽籤が行われるとともに、第4リールについても当該抽籤が別途行われる。
第4の遊技機では、AT1における当該抽籤によって、各リールにおけるシャッター開放権利(有利度情報の一例である)の有利度合い(ここでは、「権利数」として説明する)を決定し、その後のAT2において、ここで決定された当該有利度情報を用いてAT付与(延長)に関する決定が行われるといった遊技性となっている。
シャッター開放抽籤は、例えば、図101に示すシャッター開放抽籤テーブルを参照して行われ、当該テーブルに示す確率(抽籤値/256)で、当籤(権利数1加算)、又は非当籤(権利数加算なし)のいずれかが決定される。
シャッター開放権利は、リール毎に複数個獲得することが可能となっている。例えば、AT1が開始されるときに、「第1リール権利数:0、第2リール権利数:0、第3リール権利数:0、第4リール権利数:0」であるとした場合であって、AT1が10ゲーム継続するものであったとする。ここで、AT1の1ゲーム目に「F_14特殊リプ」に当籤したとし、それぞれのシャッター開放抽籤の結果がいずれも当籤であったとする。そうすると、当該ゲームの結果によって権利数は「第1リール権利数:1、第2リール権利数:0、第3リール権利数:0、第4リール権利数:1」となる。
続いて、AT1の5ゲーム目に「F_123特殊リプ」に当籤したとし、第1リールのシャッター開放抽籤の結果は当籤であったが、第2リール及び第3リールのシャッター開放抽籤の結果は非当籤であったとする。そうすると、当該ゲームの結果によって権利数は「第1リール権利数:2、第2リール権利数:0、第3リール権利数:0、第4リール権利数:1」となる。
続いて、AT1の8ゲーム目に「F_1特殊リプ」に当籤したとし、第1リールのシャッター開放抽籤の結果が当籤であったとする。そうすると、当該ゲームの結果によって権利数は「第1リール権利数:3、第2リール権利数:0、第3リール権利数:0、第4リール権利数:1」となる。
続いて、AT1の10ゲーム目に「F_24特殊リプ」に当籤したとし、それぞれのシャッター開放抽籤の結果がいずれも当籤であったとする。そうすると、当該ゲームの結果によって権利数は「第1リール権利数:3、第2リール権利数:1、第3リール権利数:0、第4リール権利数:2」となる。そして、AT1のゲーム数が消化されたので、各リールのシャッター開放権利の有利度合いが確定し、これをもってAT2に移行することとなる。なお、AT2におけるシャッター開放権利の用い方については後述する。
AT1では、毎遊技、特化3移行抽籤が行われる。当該抽籤に当籤した場合には、ATの特化3に移行することが決定される。すなわち、当該抽籤は、AT1から特化3に移行させるか否かを決定するための制御処理であり、換言すれば、AT状態を延長するか否かを決定するための制御処理でもある。なお、当該抽籤に当籤したときの移行先は、特化3に限られない。例えば、特化1や特化2に移行する場合があってもよい。
特化3移行抽籤は、例えば、図101に示す特化3移行抽籤テーブルを参照して行われ、内部当籤役の種類に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、当籤(特化3当籤)、又は非当籤(特化3非当籤)のいずれかが決定される。当該抽籤に当籤した場合には、次ゲームから特化3に移行する(特化3当籤)。
AT1において、遊技期間設定処理で設定されたゲーム数分の遊技を消化するとAT2に移行する(ゲーム数消化)。このとき、上述のとおり、各リールの有利度情報(シャッター開放権利)の有利度合い(権利数)が確定する。
続いて、AT2の基本的な遊技性について説明する。AT2では、各リールについて、それぞれ最大値を「2」とする継続決定情報(これが「参戦キャラ」に対応し、また、有利度情報の一例である)を付与するか否かを決定する。このとき、上述のシャッター開放権利がある場合には、継続決定情報が付与されやすくなる。少なくとも一のリールについて継続決定情報が最大値となった場合には、ATが継続することが決定されるように構成されている。また、AT継続が決定された上で、さらに他のリールについて継続決定情報が最大値となった場合には、ATの継続に関する有利度合いが上昇する(報酬レベルがアップする)ように構成されている。そして、このような遊技性を実現するために、以下の各処理が実行される。
<初期参戦キャラ抽籤>
AT2が開始される場合、当該AT2の継続決定情報の初期情報を決定するための初期参戦キャラ抽籤が行われる。すなわち、AT2開始時の継続決定情報は、基本的に「第1リール継続決定情報:0、第2リール継続決定情報:0、第3リール継続決定情報:0、第4リール継続決定情報:0」となるが、当該抽籤によって開始当初に継続決定情報を付与するか否かが決定される。
初期参戦キャラ抽籤は、例えば、図101に示す初期参戦キャラ抽籤テーブルを参照して行われ、当該テーブルに示す確率(抽籤値/256)で、非当籤(継続決定情報付与なし)、第1リール当籤(第1リール継続決定情報1加算)、第2リール当籤(第2リール継続決定情報1加算)、第3リール当籤(第3リール継続決定情報1加算)、又は第4リール当籤(第4リール継続決定情報1加算)のいずれかが決定される。なお、当該抽籤は、リール毎に行われるようにしてもよい。
<シャッター開放設定処理>
AT2では、シャッター開放権利の権利数が1以上であるリールがある場合、対象リールがシャッター開放状態に設定される。また、シャッター開放権利の権利数が0であるリールについてはシャッター閉鎖状態が設定される。例えば、遊技が開始されるときに、シャッター開放権利の権利数が「第1リール権利数:3、第2リール権利数:1、第3リール権利数:0、第4リール権利数:2」である場合、第1リール、第2リール及び第4リールにはシャッター開放状態が設定され、第3リールにはシャッター閉鎖状態が設定される。なお、シャッター開放権利は、各リールのそれぞれで最大9個保持することが可能となっている。
<参戦キャラ更新処理>
AT2において、特殊図柄が表示される場合(換言すれば、特殊図柄が表示され得る内部当籤役が決定された場合)、特殊図柄が表示されるリール毎に参戦キャラ更新処理が行われる。なお、シャッター開放状態が設定されたリールについては、上段・中段・下段の3つの表示領域が有効であり、このうちのいずれかに特殊図柄が表示される場合に当該処理が行われる。一方、シャッター閉鎖状態が設定されたリールについては、中段の表示領域のみが有効であり、中段の表示領域に特殊図柄が表示される場合でなければ当該処理は行われない。
当該処理では、有効な表示領域に特殊図柄が表示される場合、対象リールに対応する継続決定情報が1加算される。例えば、上記の例の如く、第1リール、第2リール及び第4リールにはシャッター開放状態が設定され、第3リールにはシャッター閉鎖状態が設定されている場合に、「F_1特殊リプ」に当籤した場合、第1リールの中段に特殊図柄が表示され、第2リールの上段に特殊図柄が表示され、第3リールの中段には特殊図柄は表示されず、第4リールの上段に特殊図柄が表示される(例えば、後述の図117等参照)。
このとき、継続決定情報が「第1リール継続決定情報:0、第2リール継続決定情報:0、第3リール継続決定情報:0、第4リール継続決定情報:0」であるとすると、第1リール継続決定情報、第2リール継続決定情報、及び第4リール継続決定情報のそれぞれに1が加算されるので、当該遊技後の継続決定情報は「第1リール継続決定情報:1、第2リール継続決定情報:1、第3リール継続決定情報:0、第4リール継続決定情報:1」に更新される。上述のとおり、継続決定情報は、参戦キャラと同義であるから、このようにして参戦キャラ(継続決定情報)が更新されるようになっている。なお、AT2では、参戦キャラが更新されるのにともなって、これを示す演出が実行されるようになっているが、これについては、図126~図130を参照しながら後で説明する。
また、AT2では、中段以外(上段又は下段)に特殊図柄が表示されることに応じて継続決定情報が加算された場合には、対象リールに対応するシャッター開放権利が1減算されるように構成されている。一方、特殊図柄が表示されなかった場合、及び中段に特殊図柄が表示されることに応じて継続決定情報が加算された場合には、対象リールに対応するシャッター開放権利は減算されないように構成されている。再度、上記の例を用いて説明する。
シャッター開放権利の権利数が「第1リール権利数:3、第2リール権利数:1、第3リール権利数:0、第4リール権利数:2」である場合に、例えば、「F_1特殊リプ」に当籤した場合、第1リールの中段に特殊図柄が表示され、第2リールの上段に特殊図柄が表示され、第3リールの中段には特殊図柄は表示されず、第4リールの上段に特殊図柄が表示されるので、当初の継続決定情報が「第1リール継続決定情報:0、第2リール継続決定情報:0、第3リール継続決定情報:0、第4リール継続決定情報:0」であるとした場合、更新後の継続決定情報は「第1リール継続決定情報:1、第2リール継続決定情報:1、第3リール継続決定情報:0、第4リール継続決定情報:1」となる。
ここで、第1リールでは中段に特殊図柄が表示されるので、第1リール権利数は減算されず3のままとなる。第2リールでは上段に特殊図柄が表示されるので、第2リール権利数は1減算され0となる。第3リールでは特殊図柄が表示されない(そもそも0でもあるので)第3リール権利数は減算されず0のままとなる。第4リールでは上段に特殊図柄が表示されるので、第4リール権利数は1減算され1となる。したがって、当該遊技後のシャッター開放権利の権利数は「第1リール権利数:3、第2リール権利数:0、第3リール権利数:0、第4リール権利数:1」となる。
そして、次遊技が開始される際には、シャッター開放権利の権利数は「第1リール権利数:3、第2リール権利数:0、第3リール権利数:0、第4リール権利数:1」となっていることから、第1リール及び第4リールにはシャッター開放状態が設定され、第2リール及び第3リールにはシャッター閉鎖状態が設定されることとなる。すなわち、前遊技と比較すると、第2リールにシャッター開放状態が設定されないことに応じて、相対的に継続決定情報が付与されにくくなる。
参戦キャラ更新処理の結果、いずれかのリールについて継続決定情報が2となった場合(これが「タッグ成立」に対応する)には、少なくとも、その後に移行するAT3ではATは終了しないことが決定される(ATの継続(延長)が決定される)。また、この状態で、さらに他のリールについて継続決定情報が2となった場合(同時に二つ以上のリールについて継続決定情報が2となった場合を含む)には、AT継続(延長)の態様がより有利となる場合がある。これについては、後述の報酬レベルUP抽籤の項で説明する。
なお、AT2において、すでに継続決定情報が2となったリールについては、シャッター開放権利の権利数が未だ1以上の場合であっても、当該AT2ではシャッター開放状態とはならず、シャッター閉鎖状態が設定される。未使用のシャッター開放権利については、(同じ有利区間中の)次回のAT2まで持ち越される。
なお、遊技状況によっては、シャッター開放権利を保持したままエンディングに移行し、エンディングでリミッタが作動してATが終了する(有利区間が終了して非有利区間である初期状態に移行する)場合がある。この場合には、有利区間終了時の初期化処理においてシャッター開放権利はクリアされてしまうこととなる。そこで、シャッター開放権利を保持したままエンディングに移行した場合には、例えば、当該エンディング状態において、設定値を示唆する演出が実行される、若しくは、通常は実行されないプレミアム演出が実行される等の他の特典が付与されるように構成してもよい。また、あるいは、上述の管理カウンタの値や有利区間ゲーム数カウンタの値を参照し、ATにおける遊技期間が、エンディングに移行する前の所定時期(例えば、管理カウンタの値が120以上)となったときは、以降の遊技期間では、シャッター開放権利が付与されにくくする等の抑制制御が行われ得るようにして、(シャッター開放権利が無駄となったことに起因する)遊技者の興趣低下が防止できるようにしてもよい。なお、これは、例えば、継続決定情報についても同様である。
<特別キャラ参戦抽籤>
AT2において、すでに継続決定情報が2となったリールにおいて、さらに特殊図柄が中段に表示される場合(換言すれば、これが許容される内部当籤役が決定された場合)、特別キャラを参戦させるか否かを決定するための特別キャラ参戦抽籤が行われる。なお、当該抽籤は、上記条件を満たしたリール毎に行われる。
特別キャラ参戦抽籤は、例えば、図101に示す特別キャラ参戦抽籤テーブルを参照して行われ、当該テーブルに示す確率(抽籤値/256)で、非当籤(特別キャラ参戦なし)、又は当籤(特別キャラ参戦あり)のいずれかが決定される。
当該抽籤に当籤すると、AT2の終了時に報酬レベルとして15が設定されるようになる。すなわち、遊技者にとって最も有利な態様でATが継続(延長)することが決定される(図101の「報酬パターンによる報酬決定」参照)。
なお、図示は省略しているが、当該抽籤に当籤して特別キャラ参戦状態となった場合、及び全てのリールにおいて継続決定情報が2となった場合、以降の当該AT2中では、特化3ストック抽籤が行われる。この特化3ストック抽籤は、抽籤自体は上述の特化3移行抽籤(図101参照)と同様である(これよりも全体の当籤確率を上昇させて抽籤が行われるようにしてもよい)が、これに当籤した場合には、特化3の移行権利が一旦ストックされるかたちで付与される。当該移行権利は、AT3の終了時に特化3に移行しない場合、及びAT3の終了時に特化3に移行したが、この特化3が終了した場合に、当該権利が消費されて特化3に移行することを可能とするものである。
<報酬レベルUP抽籤>
AT2において、いずれかのリールについて継続決定情報が2となった場合、ATの継続に関する有利度合いである報酬レベルを決定する(上昇させる)ための報酬レベルUP抽籤が行われる。なお、当該抽籤は、上記条件を満たす度に行われる。また、報酬レベルの初期値はレベル0である。
報酬レベルUP抽籤は、例えば、図101に示す報酬レベルUP抽籤テーブルを参照して行われ、何タッグ目の成立であるか(すなわち、継続決定情報が2となったのが何個目のリールであるか)と、当該テーブルに示す確率(抽籤値/256)で、報酬レベルを何段階(1~5段階)アップさせるのかが決定される。
例えば、最初に第1リールで継続決定情報が2となった場合、「1タッグ目」の欄が参照され、ここで「1段階UP」が決定された場合には報酬レベルはレベル1となる。次いで第2リールで継続決定情報が2となった場合、「2タッグ目」の欄が参照され、ここで「3段階UP」が決定された場合には報酬レベルはレベル4となる。次いで第3リールで継続決定情報が2となった場合、「3タッグ目」の欄が参照され、ここで「1段階UP」が決定された場合には報酬レベルはレベル5となる。次いで第4リールで継続決定情報が2となった場合、「4タッグ目」の欄が参照され、ここで「3段階UP」が決定された場合には報酬レベルはレベル8となる。そして、当該AT2中の最終的な報酬レベルがレベル8に決定されるようになる。なお、同時に二つ以上のリールについて継続決定情報が2となった場合にも同様である。
AT2において、設定されたゲーム数(8ゲーム)分の遊技を消化するとAT3に移行する(ゲーム数消化)。このとき、上述のとおり、1タッグ以上成立している場合(いずれかのリールについて継続決定情報が2となっている場合)には、ATの継続(延長)が決定されている状態(これを「勝利状態」とする)でAT3に移行することとなる。一方、1タッグも成立していない場合(いずれのリールについても継続決定情報が2となっていない場合)には、ATの継続(延長)が決定されていない状態(これを「敗北状態」とする)でAT3に移行することとなる。
<結果書換抽籤>
AT3においては、毎遊技、結果書換抽籤が行われる。上記の勝利状態である場合には、当該抽籤に当籤すると、報酬レベルが3段階アップされる。すなわち、当該抽籤は、上記の勝利状態の場合にあっては、ATの継続に関する有利度合いを変動(上昇)させるための制御処理となる。一方、上記の敗北状態である場合には、当該抽籤に当籤すると、現在の状態が敗北状態から勝利状態に書き換わる。すなわち、当該抽籤は、上記の敗北状態の場合にあっては、ATを継続させるか否かを決定するための制御処理となる。
結果書換抽籤は、例えば、図101に示す結果書換抽籤テーブルを参照して行われ、内部当籤役の種類に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、当籤(上述の如く結果を書き換える)、又は非当籤(結果を書き換えない)のいずれかが決定される。
<報酬決定抽籤>
AT3の所定回目の遊技(例えば、最終遊技である5ゲーム目であってもよいし、最終遊技の1回前の遊技である4ゲーム目であってもよい。後者の場合には、上述の結果書換抽籤は最終遊技では行われないようにすればよい)において、現在の状態が勝利状態である場合、報酬決定抽籤が行われる。当該抽籤は、AT継続が決定されている場合に、最終的なその継続の態様(有利度合い)を決定するための制御処理である。
報酬決定抽籤は、例えば、図101に示す報酬決定抽籤テーブルを参照して行われ、内部当籤役の種類に応じて設定された当籤確率(抽籤値/256)で、報酬パターン(パターン0~3)のいずれかが決定される。
そして、当該抽籤によって決定された報酬パターンと、最終的に確定した報酬レベルとによって報酬パラメータ(報酬内容)が決定される。具体的には、図101の「報酬パターンによる報酬決定」に示す対応関係となっている。例えば、報酬レベルがレベル3であるとき、報酬パターンがパターン0であれば、報酬パラメータは0が決定されるが、報酬パターンがパターン1であれば、報酬パラメータは1が決定される。すなわち、同じ報酬レベルであっても、報酬パターンが異なる場合には異なる報酬内容が決定される場合があるように構成されている。
報酬パラメータ0が決定された場合、AT3から再度AT2に移行するといったAT継続の態様となる。報酬パラメータ1が決定された場合、AT3からAT1に移行し、当該AT1の遊技期間が10ゲームとなるといったAT継続の態様となる。報酬パラメータ2が決定された場合、AT3からAT1に移行し、当該AT1の遊技期間が20ゲームとなるといったAT継続の態様となる。報酬パラメータ3が決定された場合、AT3からAT1に移行し、当該AT1の遊技期間が30ゲームとなるといったAT継続の態様となる。報酬パラメータ4が決定された場合、AT3から特化1に移行し、当該特化1のモードがモードAとなるといったAT継続の態様となる。報酬パラメータ5が決定された場合、AT3から特化1に移行し、当該特化1のモードがモードBとなるといったAT継続の態様となる。報酬パラメータ6が決定された場合、AT3から特化3に移行するといったAT継続の態様となる。
AT3において、設定されたゲーム数(5ゲーム)分の遊技を消化すると、勝利状態である場合には、次遊技から決定された報酬パラメータ(報酬内容)に応じた移行先の状態に移行する(ゲーム数消化)。一方、敗北状態である場合には、基本的に当該有利区間が終了し、非有利区間である初期状態に移行する。もっとも、上述のとおり、有利区間を終了させることなく、通常中に移行する場合もある。
この場合、例えば、まず、有利区間ゲーム数カウンタの値が900以上であるか否かを判定する。有利区間ゲーム数カウンタの値が900以上であると判定した場合には、必ず初期状態に移行させる。一方、有利区間ゲーム数カウンタの値が900以上でないと判定した場合には、次いで、上述の管理カウンタの値が148以上であるか否かを判定する。管理カウンタの値が148以上であると判定した場合には、必ず初期状態に移行させる。一方、管理カウンタの値が148以上でないと判定した場合には、有利区間継続抽籤を行う。当該抽籤では、所定確率で、有利区間を継続させることが決定されるものとする。そして、当該抽籤において、有利区間を継続させることが決定された場合に、通常中に移行させるように構成することができる。すなわち、当該有利区間の残りの遊技可能期間を加味しながら、通常中に移行させるか、初期状態に移行させるかを決定することができる。
[12-2.第4の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図102を参照して、第4の遊技機の図柄配置構成について説明する。図102は、第4の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図102に示すように、第4の遊技機では、「特別(赤)」、「特別(青)」、「特殊」、「黄」、「青」、「緑」、「オレンジ」及び「ピンク」の8種類の図柄が、各リール3L(第1リール),3CL(第2リール),3CR(第3リール),3R(第4リール)それぞれにおいて図102に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1~8が割り当てられている。
[12-3.第4の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図103~図113を参照して、第4の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図103は、第4の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図104~図106は、第4の遊技機の内部当籤役と図柄組合せとの対応関係の一例を示す図である。また、図107~図109は、第4の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図110~図113は、第4の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。すなわち、以下では、第4の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
第4の遊技機では、上述の内部抽籤処理(図26参照)において、図103に示す各内部当籤役が、遊技状態に応じて設定された抽籤確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、図103に示す内部抽籤テーブルは、設定値が「設定1」である場合の内部抽籤テーブルの一例を示したものであり、設定値が「設定2~6」についての図示は省略している。
ここで、第4の遊技機では、AT関連処理(AT状態に関連する処理であって、例えば、AT移行に関する各種制御処理やAT継続(延長)に関する各種制御処理)において、例えば、その一部の処理の有利度合いを設定値に応じて変動させ得る(例えば、設定値が高いほどATに移行しやすい、あるいは、奇数設定は偶数設定と比較してATが継続しやすい等)ものとし(図示は省略)、内部当籤役の抽籤確率は、各設定値間で共通となるように構成されているが、設定値間で遊技者の有利度合いを変動させる態様はこれに限られない。例えば、一部の役について、設定値間で抽籤確率(すなわち、抽籤値)を異ならせることで、遊技者の有利度合いを変動させるように構成することもできる。
また、図103に示す各内部当籤役に当籤した場合、それぞれにおいて、図104~図106に示す対応関係によって表示が許可される図柄組合せが決定される。例えば、「F_BB」が内部当籤役として決定された場合には、図柄組合せ「C_BB」の表示が許可される。また、例えば、「F_1特殊リプ」が内部当籤役として決定された場合には、図柄組合せ「C_リプ」、「C_眼術Fリプ」、及び「C_1特殊リプ」の表示が許可される。すなわち、図104~図106中において、該当する内部当籤役に対して「○」となっているものが、当該内部当籤役に当籤したときに表示が許可される図柄組合せとなっている。
なお、例えば、「F_共通3枚1」であるが、図103~図106中に示すとおり、非フラグ間においては「F_BB」と重複して当籤するように構成されている(当籤番号「44」参照)ため、「F_共通3枚1+BB」と表記しているが、BBフラグ間においては、「F_BB」がすでに持越されており、「F_BB」が新たに内部当籤役として決定されることはないため、BBフラグ間では単に「F_共通3枚1」のみが当籤する内部当籤役となっている(より正確には、持越役としての「F_BB」は重複当籤しているが、停止制御によって「C_BB」が表示され得ないものとなっているので、外形上は「F_共通3枚1」のみが決定されたようになる)。また、BBにおいては、「F_BB」が新たに内部当籤役として決定されることはないため、BBにおいても単に「F_共通3枚1」のみが当籤する内部当籤役となっている。
したがって、抽籤結果として当籤番号「44」(「F_共通3枚1+BB」)が決定された場合、非フラグ間においては、表記どおり「F_共通3枚1+BB」の内部当籤役となるが、BBフラグ間及びBBにおいては、実質的に「F_共通3枚1」の内部当籤役となる。もっとも、非フラグ間において「F_共通3枚1+BB」に当籤した場合であっても、「F_共通3枚1」に係る図柄組合せのほうを優先的に停止する制御が行われるので、最終的な遊技結果に変動はなく、結論としては同じものを示している。
上記の点は、「F_共通3枚2+BB」(当籤番号「45」参照)、「F_共通3枚3+BB」(当籤番号「46」参照)、「F_特殊枚1+BB」(当籤番号「47」参照)、「F_特殊枚2+BB」(当籤番号「48」参照)、「F_弱レア役+BB」(当籤番号「49」参照)、及び「F_強レア役+BB」(当籤番号「50」参照)についても同様である。なお、非フラグ間において「F_BB」のみ(当籤番号「51」参照)に当籤した場合には、後述のとおり、各リールで押下位置正解であれば、「C_BB」が表示される場合がある。
また、図104~図106中に示す各図柄組合せは、図107~図109に示すとおりである。なお、図107~図109中、「表示役」の「内容」欄において、「BB」はボーナス役に係る図柄組合せであることを示し、「REP」はリプレイ役に係る図柄組合せであることを示し、「FRU」は小役に係る図柄組合せであることを示している。
また、図107~図109中、「図柄の組合せ」欄において、「○○/○○」は複数種類の図柄が規定されることを示している。例えば、「C_1特殊リプ」(REP03)は、「図柄の組合せ」欄において、「特殊-緑/オレンジ-緑/オレンジ-緑/オレンジ」と規定されている。これは、第2~第4リールについてはそれぞれ2種類の図柄が規定されており、「特殊-緑-緑-緑」、「特殊-緑-緑-オレンジ」、「特殊-緑-オレンジ-緑」、「特殊-緑-オレンジ-オレンジ」、「特殊-オレンジ-緑-緑」、「特殊-オレンジ-緑-オレンジ」、「特殊-オレンジ-オレンジ-緑」、及び「特殊-オレンジ-オレンジ-オレンジ」の8種類の図柄組合せのいずれもが「C_1特殊リプ」(REP03)の図柄組合せとなることを示している。他の図柄組合せについても同様である。
また、図103に示す各内部当籤役に当籤した場合、それぞれにおいて、図110~図113に示す停止操作態様(打順)との対応関係によって最終的に表示される図柄組合せが決定される。なお、図110~図113において、「通常リプ」は、「C_通常リプ」(REP01)に対応するものであり、「眼術フェイク」は、「C_眼術Fリプ」(REP02)に対応するものである(図107~図109参照)。
また、「特殊1個(第1)」~「特殊1個(第4)」は、それぞれ「C_1特殊リプ」(REP03)~「C_4特殊リプ」(REP06)に対応するものであり、「特殊2個(第1・第2)」~「特殊2個(第3・第4)」は、それぞれ「C_12特殊リプ」(REP07)~「C_34特殊リプ」(REP12)に対応するものであり、「特殊2個(第1~第3)」~「特殊2個(第2~第4)」は、それぞれ「C_123特殊リプ」(REP13)~「C_234特殊リプ」(REP16)に対応するものであり、「特殊4個(第1~第4)」は、「C_特殊揃いリプ」(REP17)に対応するものである(図107~図109参照)。すなわち、これらは、特殊図柄について、表示可能な個数とリールの種類を表している。
また、「15枚入賞」は、「C_共通15枚」(FRU01)及び「C_打順1_15枚」(FRU02)~「C_打順24_15枚」(FRU25)のうち(図107~図109参照)、内部当籤役の種類に応じて表示が許可されたいずれかの図柄組合せが表示されることを表している。また、「1枚入賞」は、「C_打順ミス_1」(FRU26)~「C_打順ミス_28」(FRU53)及び「C_調整1枚_1」(FRU65)~「C_調整1枚_10」(FRU73)のうち(図107~図109参照)、内部当籤役の種類に応じて表示が許可されたいずれかの図柄組合せが表示されることを表している。
また、「通常3枚入賞」は、「C_共通3枚_1」(FRU54)~「C_共通3枚_3」(FRU56)のうち(図107~図109参照)、内部当籤役の種類に応じて表示が許可されたいずれかの図柄組合せが表示されることを表している。また、「眼術3枚入賞」は、「C_眼術」(FRU57)及び「C_眼術F」(FRU58)のうち(図107~図109参照)、内部当籤役の種類に応じて表示が許可されたいずれかの図柄組合せが表示されることを表している。また、「特殊3枚入賞」は、「C_特殊役A1」(FRU59)~「C_特殊役B2」(FRU62)のうち(図107~図109参照)、内部当籤役の種類に応じて表示が許可されたいずれかの図柄組合せが表示されることを表している。また、「強レア3枚入賞」は、「C_レア3枚強」(FRU63)の図柄組合せが表示されることを表している(図107~図109参照)。また、「弱レア3枚入賞」は、「C_レア3枚弱」(FRU64)の図柄組合せが表示されること表している(図107~図109参照)。
また、図110~図113において、例えば、打順「1234」における「1」は、第1リールが第1停止されることを示し、「2」は、第2リールが第2停止されることを示し、「3」は、第3リールが第3停止されることを示し、「4」は、第4リールが第4停止されることを示している。すなわち、例えば、打順「1234」は、第1リール→第2リール→第3リール→第4リールの順で停止操作が行われることを示している。
また、同様に、例えば、打順「2134」は、第2リール→第1リール→第3リール→第4リールの順で停止操作が行われることを示している。また、同様に、例えば、打順「3124」は、第3リール→第1リール→第2リール→第4リールの順で停止操作が行われることを示している。また、同様に、例えば、打順「4123」は、第4リール→第1リール→第2リール→第3リールの順で停止操作が行われることを示している。その他の打順についても同様である。
「F_通常リプ」が当籤した場合、停止操作態様にかかわらず「通常リプ」が表示され、リプレイ(再遊技)が付与される。
「F_1特殊リプ」が当籤した場合、第1リール第1停止又は第2リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「特殊1個(第1)」が表示され、第3リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常リプ」が表示され、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「眼術フェイク」が表示される。なお、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合に、押下位置に応じて「眼術フェイク」が表示されない場合には「通常リプ」が表示されるように構成してもよい。いずれの場合にもリプレイ(再遊技)が付与される。
「F_2特殊リプ」が当籤した場合、第1リール第1停止又は第2リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「特殊1個(第2)」が表示され、第3リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常リプ」が表示され、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「眼術フェイク」が表示される。なお、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合に、押下位置に応じて「眼術フェイク」が表示されない場合には「通常リプ」が表示されるように構成してもよい。いずれの場合にもリプレイ(再遊技)が付与される。
「F_3特殊リプ」が当籤した場合、第1リール第1停止又は第2リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「特殊1個(第3)」が表示され、第3リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常リプ」が表示され、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「眼術フェイク」が表示される。なお、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合に、押下位置に応じて「眼術フェイク」が表示されない場合には「通常リプ」が表示されるように構成してもよい。いずれの場合にもリプレイ(再遊技)が付与される。
「F_4特殊リプ」が当籤した場合、第1リール第1停止又は第2リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「特殊1個(第4)」が表示され、第3リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常リプ」が表示され、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「眼術フェイク」が表示される。なお、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合に、押下位置に応じて「眼術フェイク」が表示されない場合には「通常リプ」が表示されるように構成してもよい。いずれの場合にもリプレイ(再遊技)が付与される。
「F_12特殊リプ」が当籤した場合、第4リール第1停止以外の態様で停止操作が行われた場合には「特殊2個(第1・第2)」が表示され、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常リプ」が表示される。いずれの場合にもリプレイ(再遊技)が付与される。
「F_13特殊リプ」が当籤した場合、第4リール第1停止以外の態様で停止操作が行われた場合には「特殊2個(第1・第3)」が表示され、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常リプ」が表示される。いずれの場合にもリプレイ(再遊技)が付与される。
「F_14特殊リプ」が当籤した場合、第3リール第1停止以外の態様で停止操作が行われた場合には「特殊2個(第1・第4)」が表示され、第3リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常リプ」が表示される。いずれの場合にもリプレイ(再遊技)が付与される。
「F_23特殊リプ」が当籤した場合、第4リール第1停止以外の態様で停止操作が行われた場合には「特殊2個(第2・第3)」が表示され、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常リプ」が表示される。いずれの場合にもリプレイ(再遊技)が付与される。
「F_24特殊リプ」が当籤した場合、第3リール第1停止以外の態様で停止操作が行われた場合には「特殊2個(第2・第4)」が表示され、第3リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常リプ」が表示される。いずれの場合にもリプレイ(再遊技)が付与される。
「F_34特殊リプ」が当籤した場合、第3リール第1停止以外の態様で停止操作が行われた場合には「特殊2個(第3・第4)」が表示され、第3リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常リプ」が表示される。いずれの場合にもリプレイ(再遊技)が付与される。
「F_123特殊リプ」が当籤した場合、第4リール第1停止以外の態様で停止操作が行われた場合には「特殊3個(第1~第3)」が表示され、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常リプ」が表示される。いずれの場合にもリプレイ(再遊技)が付与される。
「F_124特殊リプ」が当籤した場合、第3リール第1停止以外の態様で停止操作が行われた場合には「特殊3個(第1・第2・第4)」が表示され、第3リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常リプ」が表示される。いずれの場合にもリプレイ(再遊技)が付与される。
「F_134特殊リプ」が当籤した場合、第4リール第1停止以外の態様で停止操作が行われた場合には「特殊3個(第1・第3・第4)」が表示され、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常リプ」が表示される。いずれの場合にもリプレイ(再遊技)が付与される。
「F_234特殊リプ」が当籤した場合、第4リール第1停止以外の態様で停止操作が行われた場合には「特殊3個(第2~第4)」が表示され、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常リプ」が表示される。いずれの場合にもリプレイ(再遊技)が付与される。
「F_特殊4個リプ」が当籤した場合、第4リール第1停止以外の態様で停止操作が行われた場合には「特殊4個(第1~第4)」が表示され、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常リプ」が表示される。いずれの場合にもリプレイ(再遊技)が付与される。
「F_共通15枚」が当籤した場合、停止操作態様にかかわらず「15枚入賞」となる。なお、これは推奨遊技状態であるBBフラグ間においてであり、非フラグ間においては停止操作態様にかかわらず「1枚入賞」となる。また、「F_15枚ALL」が当籤した場合(BB中のみ)、停止操作態様にかかわらず「15枚入賞」となる。
打順役(「F_打順役_1」~「F_打順役_24」)が当籤した場合、それぞれで打順正解となる態様で停止操作が行われた場合には「15枚入賞」となり、打順正解となる態様で停止操作が行われない場合には「1枚入賞」となる。なお、これは推奨遊技状態であるBBフラグ間においてであり、非フラグ間においては停止操作態様にかかわらず「1枚入賞」となる。また、AT状態(バトルゾーン中のナビ区間を含む)では、この「15枚入賞」となる打順が有利な停止操作の情報として報知(ナビ)される(後述の図114及び図115参照)。
なお、打順役(「押し順小役」等とも称する)の構成は適宜変更可能である。第4の遊技機では、打順正解となる打順が24択(第1停止4択×第2停止3択×第3停止2択×第4停止1択)で構成されているが、これよりも少ない択数(例えば、第1停止の4択のみ、あるいは、第1リール第1停止の場合には正解打順とならず、18択(第1停止3択×第2停止3択×第3停止2択×第4停止1択)とする等)で構成することもできる。
また、打順正解時に付与される遊技価値数も、少なくともベット数(3枚)以上であれば、上限(15枚)の範囲内において適宜設定することが可能である。また、打順不正解時には、一又は複数のリールにおいて押下位置正解となった場合には1枚以上3枚以下の遊技価値数を付与するが、押下位置不正解となった場合には取りこぼしを発生させて遊技価値は付与されないように構成することもできる。
「F_1枚ALL」が当籤した場合(BB中のみ)、停止操作態様にかかわらず「1枚入賞」となる。また、共通3枚(「F_共通3枚1」~「F_共通3枚3」(上述のとおり、「+BB」の場合と同義である))が当籤した場合、第4リール第1停止以外の態様で停止操作が行われた場合には「通常3枚入賞」となり、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「眼術3枚入賞」となる。なお、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合に、押下位置に応じて「眼術3枚入賞」とならない場合には「通常3枚入賞」となるように構成してもよい。
特殊役(「F_特殊役1」及び「F_特殊役2」(上述のとおり、「+BB」の場合と同義である))が当籤した場合、停止操作態様にかかわらず、例えば、第3リール又は第4リールにおいて押下位置正解であれば「特殊3枚入賞」となり、押下位置不正解であれば取りこぼしが発生する(「取りこぼし0枚」)。
「F_弱レア役」(上述のとおり、「+BB」の場合と同義である)が当籤した場合、第1リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には、押下位置に応じて「弱レア3枚入賞」又は「通常3枚入賞」となり、第2リール第1停止又は第3リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常3枚入賞」となり、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「眼術3枚入賞」となる。なお、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合に、押下位置に応じて「眼術3枚入賞」とならない場合には「通常3枚入賞」となるように構成してもよい。
「F_強レア役」(上述のとおり、「+BB」の場合と同義である)が当籤した場合、第1リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には、押下位置に応じて「強レア3枚入賞」、「弱レア3枚入賞」又は「通常3枚入賞」となり、第2リール第1停止又は第3リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「通常3枚入賞」となり、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合には「眼術3枚入賞」となる。なお、第4リール第1停止の態様で停止操作が行われた場合に、押下位置に応じて「眼術3枚入賞」とならない場合には「通常3枚入賞」となるように構成してもよい。
非フラグ間で「F_BB」が当籤した場合、各リールについて押下位置正解(対応する図柄を停止可能なタイミングで停止操作が行われた場合)であれば、「C_BB」が表示され、BB遊技状態(「F_BB」に基づくボーナス状態)に移行する一方、いずれかのリールについて押下位置不正解(対応する図柄を停止可能なタイミングで停止操作が行われない場合)であれば、「C_BB」は表示されず、はずれ目(いずれの入賞も発生しないはずれに係る図柄組合せ)が表示される。また、これにともなって、非フラグ間からBBフラグ間に移行する。
なお、図103に示す内部抽籤テーブル、図104~図106に示す内部当籤役と図柄組合せとの対応関係、図107~図109に示す図柄組合せテーブル、及び図110~図113に示す内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係はあくまで一例であり、第4の遊技機の仕様は、これらに示した態様に限定されるものではない。
[12-4.第4の遊技機の指示モニタ構成]
続いて、図114及び115を参照して、第4の遊技機の指示モニタ構成(すなわち、停止操作の情報の報知態様)について説明する。上述のとおり、本実施形態では、停止操作の情報の報知に関し、その実行の有無や態様の決定が主制御回路100側によって制御されるものとなっている。なお、第4の遊技機では、メイン側報知手段及びサブ側報知手段によって停止操作の情報が報知されるものとしているが、いずれか一方のみによって停止操作の情報の報知が行われるようにすることもできる。もっとも、いずれの場合も、制御主体が主制御回路100であることにかわりはない。第4の遊技機では、遊技状態等によって報知される停止操作の情報の内容が変動する場合があるので、以下ではこれについて説明する。
なお、第4の遊技機では、例えば、AT状態であれば、決定された内部当籤役(あるいは、決定された内部当籤役が属するグループ)を特定するための内部当籤情報と、停止操作の情報を報知するための指示情報とをスタートコマンドに含ませて副制御回路200側に送信する。また、例えば、非AT状態であれば、上記内部当籤情報を含み、上記指示情報を含まないスタートコマンドを副制御回路200側に送信する。このようにして、メイン側報知手段のみならずサブ側報知手段によっても遊技状態に応じた適切な報知が行われるものとしている。もっとも、情報の送信態様はこれに限られない。例えば、内部当籤情報はスタートコマンドで送信される一方、指示情報はこれとは異なる指示コマンドで(略同時期に)送信されるようにしてもよい。また、内部当籤情報に相当する情報を、事実上指示情報に相当する情報も含む(指示なしの場合には当該情報(指示情報「0」)も含む)ように細分化して構成し、一の情報で決定された内部当籤情報と指示情報とが送信されるようにしてもよい。
図114及び図115に示すように、決定された内部当籤役に対して、各状態に応じた各指示情報が決定される。例えば、打順役が内部当籤役として決定された場合、現在の状態がAT状態(バトルゾーン中のナビ区間も含む)であれば、各役の正解打順(24択のうちの一の打順)に対応する指示情報(指示情報「1」(打順「1234」指示)~「24」(打順「4321」指示))が決定される。これにより、メイン側報知手段では停止操作の情報が報知され、また、サブ側報知手段でも停止操作の情報が報知される。なお、現在の状態が非AT状態(バトルゾーン中の非ナビ区間を含まない)である場合には、いずれの内部当籤役が決定された場合にも指示情報「0」(指示なし)が決定される。
ここで、第4の遊技機では、決定された内部当籤役によっては複数種類の指示情報の中から一の指示情報が決定される場合があるので、以下、これについての一例を説明する。
例えば、「F_共通15枚役」は、停止操作態様にかかわらず「15枚入賞」となる内部当籤役である(図110~図113参照)が、バトルゾーンの非ナビ区間以外の状態では、打順役と同様の打順ナビが発生するように構成されている。この場合、メインCPU101は、ナビ抽籤を行い、指示情報「1」~「24」のうち、いずれの指示情報とするかを決定することができる。なお、いずれの打順ナビが発生しても遊技者の利益は変動しないため、当該ナビ抽籤においては、抽籤値を略同じとして各指示情報が平均的に決定され得るものとすればよい。なお、これは、例えば、AT2における「F_通常リプ」も同様である。
また、例えば、「F_1特殊リプ」~「F_4特殊リプ」は、第1リール又は第2リール第1停止の場合には「特殊1個」となり、第3リール第1停止の場合には「通常リプ」となり、第4リール第1停止の場合には「眼術フェイク」となる内部当籤役である(図110~図113参照)が、AT2では、特殊図柄の停止が遊技性に作用するので、「特殊1個」となる指示情報のうちいずかの指示情報が決定されるように構成されている(いずれの指示情報とするかは上述のようなナビ抽籤を行って決定すればよい)。また、AT1においても同様に指示情報を決定するようにしてもよい。
また、特化1では、特別図柄揃いの停止が遊技性に作用する(特化1では特別図柄揃いで特化2移行となる)ので、「眼術フェイク」となる指示情報のうちいずれかの指示情報が決定されるように構成されている(いずれの指示情報とするかは上述のようなナビ抽籤を行って決定すればよい)。「眼術フェイク」は、逆押しで停止操作を行った場合に途中まで特別図柄テンパイとなるので、特化1では、上記内部当籤役が決定された場合に、当該指示情報に基づいてチャンス演出(フェイク)を実行することが可能となる。
また、特化2では、特別図柄揃いの停止が遊技性に作用する(特化2では特別図柄揃いで多くのゲーム数が上乗せされやすい)ので、「眼術フェイク」となる指示情報のうちいずれかの指示情報が決定される場合があるように構成されている(いずれの指示情報とするかは上述のようなナビ抽籤を行って決定すればよい)。この場合、同様に、当該指示情報に基づいてチャンス演出(フェイク)を実行することが可能となる。一方、このようなチャンス演出(フェイク)を実行しない場合、「通常リプ」となる指示情報のうちいずれかの指示情報が決定されるように構成されている(いずれの指示情報とするかは上述のようなナビ抽籤を行って決定すればよい)。また、エンディングでは、基本的に上乗せや状態移行は行われないので、「通常リプ」となる指示情報のうちいずれかの指示情報が決定されるように構成されている(いずれの指示情報とするかは上述のようなナビ抽籤を行って決定すればよい)。
また、例えば、「F_12特殊リプ」~「F_特殊4個リプ」は、所定のリール第1停止の場合には「通常リプ」となり、所定のリール以外第1停止の場合には「特殊2個」~「特殊4個」となる内部当籤役である(図110~図113参照)。したがって、上記と同様に、特殊図柄の停止が遊技性に作用する状態にあっては、「特殊2個」~「特殊4個」となる指示情報のうちいずかの指示情報が決定されるように構成され、特殊図柄の停止が遊技性に作用しない状態にあっては、「通常リプ」となる指示情報のうちいずれかの指示情報が決定されるように構成されている。
また、例えば、「F_共通3枚1」~「F_共通3枚3」は、第4リール第1停止の場合には「眼術3枚入賞」(特別図柄揃い)となり、第4リール以外第1停止の場合には「通常3枚入賞」となる内部当籤役である(図110~図113参照)。したがって、上記と同様に、特別図柄揃いの停止が遊技性に作用する状態にあっては、「眼術3枚入賞」となる指示情報のうちいずれかの指示情報が決定される場合があるように構成され、特別図柄揃いの停止が遊技性に作用しない状態にあっては、「通常3枚入賞」となる指示情報のうちいずれかの指示情報が決定されるか、あるいは、指示情報「0」が決定されるように構成されている。なお、上述のとおり、「通常3枚入賞」となった場合には、上段又は下段に特殊図柄が停止可能となっていることから、特殊図柄の停止が遊技性に作用する状態(例えば、AT2)においては、「通常3枚入賞」となる指示情報のうちいずれかの指示情報が決定されるように構成されている。また、エンディングでは、特別図柄揃いとなって遊技者が困惑しないように、あえて「通常3枚入賞」となる指示情報のうちいずれかの指示情報が決定されるように構成されている。
また、例えば、「F_弱レア役」及び「F_強レア役」は、第4リール第1停止の場合には「眼術3枚入賞」(特別図柄揃い)となり、第2リール又は第3リール第1停止の場合には「通常3枚入賞」となり、第1リール第1停止の場合には「弱レア3枚入賞」若しくは「強レア3枚入賞」となる場合がある内部当籤役である(図110~図113参照)。したがって、上記と同様に、特別図柄揃いの停止が遊技性に作用する状態にあっては、「眼術3枚入賞」となる指示情報のうちいずれかの指示情報が決定される場合があるように構成され、特別図柄揃いの停止が遊技性に作用しない状態にあっては、「通常3枚入賞」となる指示情報のうちいずれかの指示情報が決定されるか、あるいは、指示情報「0」が決定されるように構成されている。なお、上述のとおり、「通常3枚入賞」となった場合には、上段又は下段に特殊図柄が停止可能となっていることから、特殊図柄の停止が遊技性に作用する状態(例えば、AT2)においては、「通常3枚入賞」となる指示情報のうちいずれかの指示情報が決定されるように構成されている。また、エンディングでは、特別図柄揃いとなって遊技者が困惑しないように、あえて「通常3枚入賞」となる指示情報のうちいずれかの指示情報が決定されるように構成されている。また、レア役に当籤したことを遊技者に報せたい状態においては、あえて指示情報「0」が決定されるようにして、遊技者が順押しで遊技を行えば、レア役に当籤したことが認識できるようにしている。
なお、図114及び図115に示したものは、あくまで一例であり、遊技性に沿った指示情報が決定され得る(換言すれば、遊技性に沿って適切な停止操作の情報が報知され得る)限り、内部当籤役と決定され得る指示情報との関係は上述したものに限られない。
[12-5.第4の遊技機の可動シャッター装置構成]
続いて、図116~図118を参照して、第4の遊技機の可動シャッター装置の構成例について説明する。上述のとおり、第4の遊技機では、メイン表示窓4において、第1~第4リールの前面側(遊技者側)に可動シャッター装置が設けられている。なお、図116は、第4の遊技機の可動シャッター装置の構成例を示す図であり、図117及び図118は、上記構成例を用いた、第4の遊技機の特殊図柄の表示例を示す図である。
図116に示すとおり、可動シャッター装置は、第1リールの上段の表示領域を、閉鎖状態にあっては被覆し、開放状態にあっては露出させるように構成された3LTSと、第1リールの下段の表示領域を、閉鎖状態にあっては被覆し、開放状態にあっては露出させるように構成された3LBSとを含む(以下、これらを「第1リールシャッター」と総称して説明する場合がある)。
また、第2リールの上段の表示領域を、閉鎖状態にあっては被覆し、開放状態にあっては露出させるように構成された3CLTSと、第2リールの下段の表示領域を、閉鎖状態にあっては被覆し、開放状態にあっては露出させるように構成された3CLBSとを含む(以下、これらを「第2リールシャッター」と総称して説明する場合がある)。
また、第3リールの上段の表示領域を、閉鎖状態にあっては被覆し、開放状態にあっては露出させるように構成された3CRTSと、第3リールの下段の表示領域を、閉鎖状態にあっては被覆し、開放状態にあっては露出させるように構成された3CRBSとを含む(以下、これらを「第3リールシャッター」と総称して説明する場合がある)。
また、第4リールの上段の表示領域を、閉鎖状態にあっては被覆し、開放状態にあっては露出させるように構成された3RTSと、第4リールの下段の表示領域を、閉鎖状態にあっては被覆し、開放状態にあっては露出させるように構成された3RBSとを含む(以下、これらを「第4リールシャッター」と総称して説明する場合がある)。
図116の(a)は、第1~第4リールシャッターのいずれもが閉鎖状態である場合の一例を示している。この場合、各リール上段の表示領域(TL1~TL4)及び各リール下段の表示領域(BL1~BL4)が被覆され、該当する表示領域に表示される図柄が視認できない(あるいは、視認しにくい)状態となる。一方、各リール中段の表示領域(CL1~CL4)については、該当する表示領域に表示される図柄が視認できる(あるいは、視認しやすい)状態が維持される。
これに対し、図116の(b)は、第1~第4リールシャッターのいずれもが開放状態である場合の一例を示している。この場合、各リール上段の表示領域(TL1~TL4)及び各リール下段の表示領域(BL1~BL4)が露出され、各リール中段の表示領域(CL1~CL4)のみならず、各リール上段の表示領域(TL1~TL4)及び各リール下段の表示領域(BL1~BL4)についても、該当する表示領域に表示される図柄が視認できる(あるいは、視認しやすい)状態となる。
なお、可動シャッター装置は、上述の状態変動を実現可能な構成であればどのような構成を採用してもよい。例えば、リールの周面に沿って回動可能に構成された半円筒状の部材であってもよいし、メイン表示窓4の上下端において、それぞれ上下方向に移動可能に構成された平板状の部材であってもよい。
また、符号は省略しているが、3LTS~3RTS,3LTS~3RTSのそれぞれには、その前面側に報知LED(例えば、図116の(a)中、3LTS~3RTS,3LTS~3RTSのそれぞれにおいて略中央に位置する菱形の領域)が設けられ、閉鎖状態であるときには、これらが複数種類の発光色や発光パターンで個別に点灯することで、種々の情報を報知する(若しくは示唆する、又は演出を実行する)ことが可能となるように構成されている。
また、図示は省略しているが、可動シャッター装置は、それぞれの閉鎖状態・開放状態がシャッター駆動回路によって切り替えられるように構成され、また、シャッター駆動回路は、副制御基板72に接続され、副制御回路200(サブCPU201)によってその駆動が制御されるように構成されている(各シャッター上の各報知LEDも同様)。なお、上述のとおり、可動シャッター装置は、通常の状態では閉鎖状態が維持されるように制御される。
例えば、サブCPU201は、通常中において、メインCPU101から送信されたコマンド(例えば、スタートコマンド)に、高確滞在ゲーム数が1以上であることを示す情報が含まれる場合には、第1~第4リールシャッターを開放状態とする制御を行う。一方、当該情報が含まれない場合には、第1~第4リールシャッターを閉鎖状態に維持する制御を行う。
また、例えば、サブCPU201は、AT2中において、メインCPU101から送信されたコマンド(例えば、スタートコマンド)に、シャッター開放権利の権利数が1以上であることを示す情報が含まれる場合には、(対応するリールの継続決定情報がすでに2となっていなければ)対応するリールのリールシャッターを開放状態とする制御を行う。一方、当該情報が含まれない場合には、対応するリールのリールシャッターを閉鎖状態に維持する制御を行う。
続いて、図117を参照して、上記構成例を用いた特殊図柄の表示例1について説明する。なお、この表示例1では、「F_1特殊リプ」に当籤した場合の一例について説明する。また、図117の(a)は、第1~第4リールシャッターのいずれもが閉鎖状態である場合に、「F_1特殊リプ」に当籤した場合の表示例であり、図117の(b)は、第1~第4リールシャッターのいずれもが開放状態である場合に、「F_1特殊リプ」に当籤した場合の表示例である。
図117の(a)に示すとおり、「F_1特殊リプ」に当籤した場合、第1~第4リールシャッターのいずれもが閉鎖状態である場合には、特殊図柄は、第1リール中段の表示領域(CL1)には表示され得るが、他の表示領域には表示され得ない。すなわち、この場合には、特殊図柄の表示数は1個となる。
これに対し、図117の(b)に示すとおり、「F_1特殊リプ」に当籤した場合、第1~第4リールシャッターのいずれもが開放状態である場合には、特殊図柄は、第1リール中段の表示領域(CL1)に表示され得るとともに、第2リール上段の表示領域(TL2)、第3リール下段の表示領域(BL3)、及び第4リール上段の表示領域(TL4)にも表示され得るようになる。すなわち、この場合には、特殊図柄の表示数は1個から4個に増加することとなる。
続いて、図118を参照して、上記構成例を用いた特殊図柄の表示例2について説明する。なお、この表示例2では、「F_共通3枚1」に当籤した場合の一例について説明する。また、図118の(a)は、第1~第4リールシャッターのいずれもが閉鎖状態である場合に、「F_共通3枚1」に当籤した場合の表示例であり、図118の(b)は、第1~第4リールシャッターのいずれもが開放状態である場合に、「F_共通3枚1」に当籤した場合の表示例である。
図118の(a)に示すとおり、「F_共通3枚1」に当籤した場合、第1~第4リールシャッターのいずれもが閉鎖状態である場合には、特殊図柄は、いずれの表示領域にも表示され得ない。すなわち、この場合には、特殊図柄の表示数は0個となる。
これに対し、図118の(b)に示すとおり、「F_共通3枚1」に当籤した場合、第1~第4リールシャッターのいずれもが開放状態である場合には、特殊図柄は、第1リール下段の表示領域(BL1)、第2リール上段の表示領域(TL2)、第3リール下段の表示領域(BL3)、及び第4リール上段の表示領域(TL4)に表示され得るようになる。すなわち、この場合には、特殊図柄の表示数は0個から4個に増加することとなる。
そして、第4の遊技機では、上述のとおり、このようにして特殊図柄の表示数を変動させ得るものとして、遊技者に付与される特典を変動させ得るようにしている。
なお、第4の遊技機では、上段及び下段の表示領域は有効ラインとして定義されていないため、メインCPU101は、上段及び下段の表示領域に特殊図柄が停止したかを実際に判別するものではなく、開放状態に制御され得る状態(例えば、AT2において、シャッター開放権利の権利数が1以上である状態)であるか否かと、決定された内部当籤役の種類によって特殊図柄の表示数を判定している(換言すれば、特典の付与内容を決定している)わけであるが、開放状態における制御はこれに限られない。例えば、開放状態に制御され得ない状態にあっては、中段の表示領域に停止した図柄の種類のみを判別する一方、開放状態に制御され得る状態にあっては、これのみならず、上段及び下段の表示領域に停止した図柄の種類も判別するようにし、特殊図柄が停止したかを実際に判別することで、特殊図柄の表示数が判定される(換言すれば、特典の付与内容が決定される)ように構成することもできる。
[12-6.第4の遊技機の通常中の演出例]
続いて、図119~図125を参照して、第4の遊技機の通常中の演出例について説明する。なお、図119は、第4の遊技機の通常中の画面表示例を示す図であり、図120~図125は、第4の遊技機の通常中の演出例を示す図である。
まず、図119を参照して、通常中の画面表示例について説明する。図119に示すとおり、第4の遊技機では、例えば、通常中の基本的な表示画面が、メイン演出表示部21の表示領域を略中央で縦方向に境界して区画することで、第1演出表示領域と第2演出表示領域とが含まれるように構成される。また、第1演出表示領域には第1情報表示領域が含まれ、第2演出表示領域には第2情報表示領域が含まれるように構成される。
第1演出表示領域では、基本的に、上述のCZ1ポイントに関連する演出表示が行われる。例えば、「F_1特殊リプ」や「F_2特殊リプ」のように、第1リールや第2リールに特殊図柄が停止表示され得る内部当籤役が決定された場合(換言すれば、CZ1ポイントが加算され得る条件が成立した場合)には、これに応じて期待感が高まるような演出表示等が行われ、また、実際に特殊図柄が停止表示された場合には、CZ1ポイントが加算されたことを示す演出表示等が行われる。また、第1情報表示領域では、現在のCZ1ポイントの値や、規定値への到達期待度の目安等が表示される。
これに対し、第2演出表示領域では、基本的に、上述のCZ2ポイントに関連する演出表示が行われる。例えば、「F_3特殊リプ」や「F_4特殊リプ」のように、第3リールや第4リールに特殊図柄が停止表示され得る内部当籤役が決定された場合(換言すれば、CZ2ポイントが加算され得る条件が成立した場合)には、これに応じて期待感が高まるような演出表示等が行われ、また、実際に特殊図柄が停止表示された場合には、CZ2ポイントが加算されたことを示す演出表示等が行われる。また、第2情報表示領域では、現在のCZ2ポイントの値や、規定値への到達期待度の目安等が表示される。
また、第1演出表示領域には、基本的に、第1リール(リール3L)に対応するストップボタン8Lと、第2リール(リール3CL)に対応するストップボタン8CLとが対応付けられており、第1演出表示領域に表示される演出表示は、これらのストップボタンが押下(操作)された場合にその表示態様が変化するものとなっている。すなわち、第1演出表示領域では、ストップボタン8Lや8CLへの操作に連動した演出表示が行われるものとなっている。
これに対し、第2演出表示領域には、基本的に、第3リール(リール3CR)に対応するストップボタン8CRと、第4リール(リール3R)に対応するストップボタン8Rとが対応付けられており、第2演出表示領域に表示される演出表示は、これらのストップボタンが押下(操作)された場合にその表示態様が変化するものとなっている。すなわち、第2演出表示領域では、ストップボタン8CRや8Rへの操作に連動した演出表示が行われるものとなっている。
なお、サブCPU201は、第1演出表示領域に表示される演出表示によって行われ得る演出の演出内容と、第2演出表示領域に表示される演出表示によって行われ得る演出の演出内容とについて、それぞれ異なる演出抽籤(あるいは演出決定)を行うことでそれぞれの演出内容を決定できるように構成される。すなわち、第1演出表示領域に表示される演出表示によって行われ得る演出の演出内容と、第2演出表示領域に表示される演出表示によって行われ得る演出の演出内容とを別々に決定可能であるように構成される。
例えば、第1演出表示領域に表示される演出表示によって行われ得る演出として、第1リール及び第2リールに特殊図柄が停止表示される期待度が低い(基本的に0個に対応する)第1低期待度演出と、第1リール及び第2リールに特殊図柄が停止表示される期待度が中程度である(基本的に1個に対応する)第1中期待度演出と、第1リール及び第2リールに特殊図柄が停止表示される期待度が高い(基本的に2個に対応する)第1高期待度演出とがあるとする。
また、例えば、第2演出表示領域に表示される演出表示によって行われ得る演出として、第3リール及び第4リールに特殊図柄が停止表示される期待度が低い(基本的に0個に対応する)第2低期待度演出と、第3リール及び第4リールに特殊図柄が停止表示される期待度が中程度である(基本的に1個に対応する)第2中期待度演出と、第3リール及び第4リールに特殊図柄が停止表示される期待度が高い(基本的に2個に対応する)第2高期待度演出とがあるとする。
そして、例えば、「F_13特殊リプ」に当籤したとする。この場合、サブCPU201は、第1演出表示領域に表示される演出表示によって行われ得る演出の演出抽籤において、所定確率で第1中期待度演出を行うことを決定するが、一方で、第1低期待度演出や第1高期待度演出が決定される場合もあるようにする。また、サブCPU201は、第2演出表示領域に表示される演出表示によって行われ得る演出の演出抽籤において、所定確率で第2中期待度演出を行うことを決定するが、一方で、第2低期待度演出や第2高期待度演出が決定される場合もあるようにする。
このようにすれば、全体として一つの演出パターンを決定する場合と比べて、演出のランダム性を高めることもできるし、また、各演出の組合せを全て演出パターンとして規定しておく必要もなくなる。さらには、その遊技性と相まって遊技者の期待感を高めることにもつながると考えられる。
また、例えば、第1演出表示領域では第1中期待度演出を行うことが決定され、第2演出表示領域では第2高期待度演出を行うことが決定されたとする。これらは同時に表示されるため、遊技者は、例えば、通常の遊技の流れから、まず、ストップボタン8Lや8CLから操作し、第1中期待度演出を楽しみながら第1リールや第2リールに特殊図柄が停止表示されるかをみた後、ストップボタン8CRや8Rを操作し、今度は第2高期待度演出を楽しみながら第3リールや第4リールに特殊図柄が停止表示されるかをみることもできるし、また、例えば、第2高期待度演出のほうを先にみたいと考えれば、まず、ストップボタン8CRや8Rを操作し、第2高期待度演出を楽しみながら第1リールや第2リールに特殊図柄が停止表示されるかをみた後、ストップボタン8Lや8CLを操作し、今度は第1中期待度演出を楽しみながら第1リールや第2リールに特殊図柄が停止表示されるかをみることもできる。
また、例えば、まず、ストップボタン8Lを操作し、第1演出表示領域の表示態様の変化をみつつ、第1リールで停止表示された図柄を確認し、次に、ストップボタン8Rを操作し、第2演出表示領域の表示態様の変化をみつつ、第4リールで停止表示された図柄を確認し、期待度が高いほうから、あるいは期待度が低いほうから、次の停止操作を選択して行うこともできる。例えば、遊技者が、第2演出表示領域の表示態様のほうが期待度が高いと感じた場合であって、こちらを先にみたいと考えれば、次は、ストップボタン8CRを操作し、第2演出表示領域の表示態様の変化をみつつ、第3リールで停止表示された図柄を先に確認することもできるし、後にみたいと考えれば、次は、ストップボタン8CLを操作し、第1演出表示領域の表示態様の変化をみつつ、第2リールで停止表示された図柄を先に確認することもできる。
そして、最後のストップボタンを操作すると、残ったほうの演出表示領域の表示態様も確定し、また、残ったほうのリールで停止表示された図柄も確定する。すなわち、第1演出表示領域及び第2演出表示領域のそれぞれで遊技結果が示され、第1リール及び第2リール、並びに第3リール及び第4リールのそれぞれにおいても遊技結果が示されることとなる。
(演出例1)
続いて、図120及び図121を参照して、このような演出の演出例1について説明する。なお、この演出例1では、一例として、以下の演出内容(演出データ)が決定されているものとしている。
<第1演出表示領域の演出内容>
・開始操作時(レバーオン)→第1基本画面から表示態様Aに変化(「?」の表示)
・第1停止操作時→表示態様Aから表示態様Bに変化(「??」の表示)
・第2停止操作時→表示態様Bから表示態様Cに変化(「チャンス」の表示)
<第2演出表示領域の演出内容>
・開始操作時(レバーオン)→変化なし(第2基本画面のまま)
・第1停止操作時→変化なし(第2基本画面のまま)
・第2停止操作時→変化なし(第2基本画面のまま)
なお、上記の第1演出表示領域の演出内容において、「第1停止操作時」とは、ストップボタン8L及び8CLのいずれであるかを問わず(すなわち、停止順にかかわらず)、これらのストップボタンのうちでいずれかのストップボタンが最初に操作されたことを示し、「第2停止操作時」とは、これらのストップボタンのうちの残りのストップボタンが次に操作されたことを示している。これは、他の演出例の場合も同様である。
また、上記の第2演出表示領域の演出内容において、「第1停止操作時」とは、ストップボタン8CR及び8Rのいずれであるかを問わず(すなわち、停止順にかかわらず)、これらのストップボタンのうちでいずれかのストップボタンが最初に操作されたことを示し、「第2停止操作時」とは、これらのストップボタンのうちの残りのストップボタンが次に操作されたことを示している。これは、他の演出例の場合も同様である。
まず、図120を参照して、この演出例1において、順押しで停止操作が行われた場合について説明する。
最初に、開始操作時には、第1演出表示領域における演出表示が、第1基本画面から表示態様Aに変化している。また、このとき、第2演出表示領域の演出内容は変化なしであるため、第2演出表示領域における演出表示は第2基本画面のままとなる。
次に、第1演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8Lが操作されたので、第1演出表示領域における演出表示が、表示態様Aから表示態様Bに変化している。また、このとき、ストップボタン8Lは、第2演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第2演出表示領域における演出表示は変化しない。
次に、第1演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8CLが操作されたので、第1演出表示領域における演出表示が、表示態様Bから表示態様Cに変化している。また、このとき、ストップボタン8CLは、第2演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第2演出表示領域における演出表示は変化しない。
次に、第2演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8CRが操作されたが、第2演出表示領域の演出内容は変化なしであるため、第2演出表示領域における演出表示は第2基本画面のままとなる。また、このとき、ストップボタン8CRは、第1演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第1演出表示領域における演出表示はそのままとなる。
最後に、第2演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8Rが操作されたが、第2演出表示領域の演出内容は変化なしであるため、第2演出表示領域における演出表示は第2基本画面のままとなる。また、このとき、ストップボタン8Rは、第1演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第1演出表示領域における演出表示はそのままとなる。
続いて、図121を参照して、この演出例1において、逆押しで停止操作が行われた場合について説明する。
最初に、開始操作時には、第1演出表示領域における演出表示が、第1基本画面から表示態様Aに変化している。また、このとき、第2演出表示領域の演出内容は変化なしであるため、第2演出表示領域における演出表示は第2基本画面のままとなる。
次に、第2演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8Rが操作されたが、第2演出表示領域の演出内容は変化なしであるため、第2演出表示領域における演出表示は第2基本画面のままとなる。また、このとき、ストップボタン8Rは、第1演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第1演出表示領域における演出表示はそのままとなる。
次に、第2演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8CRが操作されたが、第2演出表示領域の演出内容は変化なしであるため、第2演出表示領域における演出表示は第2基本画面のままとなる。また、このとき、ストップボタン8CRは、第1演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第1演出表示領域における演出表示はそのままとなる。
次に、第1演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8CLが操作されたので、第1演出表示領域における演出表示が、表示態様Aから表示態様Bに変化している。また、このとき、ストップボタン8CLは、第2演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第2演出表示領域における演出表示は変化しない。
最後に、第1演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8Lが操作されたので、第1演出表示領域における演出表示が、表示態様Bから表示態様Cに変化している。また、このとき、ストップボタン8Lは、第2演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第2演出表示領域における演出表示は変化しない。
(演出例2)
続いて、図122及び図123を参照して、このような演出の演出例2について説明する。なお、この演出例2では、一例として、以下の演出内容(演出データ)が決定されているものとしている。
<第1演出表示領域の演出内容>
・開始操作時(レバーオン)→第1基本画面から表示態様Aに変化(「?」の表示)
・第1停止操作時→表示態様Aから表示態様Bに変化(「??」の表示)
・第2停止操作時→表示態様Bから表示態様Cに変化(「チャンス」の表示)
<第2演出表示領域の演出内容>
・開始操作時(レバーオン)→第2基本画面から表示態様Aに変化(「?」の表示)
・第1停止操作時→表示態様Aから表示態様Bに変化(「??」の表示)
・第2停止操作時→表示態様Bから表示態様Cに変化(「チャンス」の表示)
なお、説明の便宜のため、第1演出表示領域の演出内容の変化態様を、第1基本画面→表示態様A→表示態様B→表示態様Cとし、また、第2演出表示領域の演出内容の変化態様を、第2基本画面→表示態様A→表示態様B→表示態様Cとしているが、各基本画面や各表示態様の具体的な表示内容はそれぞれで少なくとも一部が異なるものであってもよく、全く異なるものであってもよい。すなわち、具体的な表示内容は、図122及び図123で示したものには限定されない。これは、他の演出例についても同様である。
まず、図122を参照して、この演出例2において、順押しで停止操作が行われた場合について説明する。
最初に、開始操作時には、第1演出表示領域における演出表示が、第1基本画面から表示態様Aに変化している。また、このとき、第2演出表示領域における演出表示が、第2基本画面から表示態様Aに変化している。
次に、第1演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8Lが操作されたので、第1演出表示領域における演出表示が、表示態様Aから表示態様Bに変化している。また、このとき、ストップボタン8Lは、第2演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第2演出表示領域における演出表示は変化しない。
次に、第1演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8CLが操作されたので、第1演出表示領域における演出表示が、表示態様Bから表示態様Cに変化している。また、このとき、ストップボタン8CLは、第2演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第2演出表示領域における演出表示は変化しない。
次に、第2演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8CRが操作されたので、第2演出表示領域における演出表示が、表示態様Aから表示態様Bに変化している。また、このとき、ストップボタン8CRは、第1演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第1演出表示領域における演出表示は変化しない。
最後に、第2演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8Rが操作されたので、第2演出表示領域における演出表示が、表示態様Bから表示態様Cに変化している。また、このとき、ストップボタン8Rは、第1演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第1演出表示領域における演出表示は変化しない。
続いて、図123を参照して、この演出例2において、逆押しで停止操作が行われた場合について説明する。
最初に、開始操作時には、第1演出表示領域における演出表示が、第1基本画面から表示態様Aに変化している。また、このとき、第2演出表示領域における演出表示が、第2基本画面から表示態様Aに変化している。
次に、第2演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8Rが操作されたので、第2演出表示領域における演出表示が、表示態様Aから表示態様Bに変化している。また、このとき、ストップボタン8Rは、第1演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第1演出表示領域における演出表示は変化しない。
次に、第2演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8CRが操作されたので、第2演出表示領域における演出表示が、表示態様Bから表示態様Cに変化している。また、このとき、ストップボタン8CRは、第1演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第1演出表示領域における演出表示は変化しない。
次に、第1演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8CLが操作されたので、第1演出表示領域における演出表示が、表示態様Aから表示態様Bに変化している。また、このとき、ストップボタン8CLは、第2演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第2演出表示領域における演出表示は変化しない。
最後に、第1演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8Lが操作されたので、第1演出表示領域における演出表示が、表示態様Bから表示態様Cに変化している。また、このとき、ストップボタン8Lは、第2演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第2演出表示領域における演出表示は変化しない。
(演出例3)
続いて、図124及び図125を参照して、このような演出の演出例3について説明する。なお、この演出例3では、一例として、以下の演出内容(演出データ)が決定されているものとしている。
<第1演出表示領域の演出内容>
・開始操作時(レバーオン)→第1基本画面から拡大状態に変化
・第1停止操作時→拡大状態で表示態様Aに変化(「?」の表示)
・第2停止操作時→拡大状態で表示態様Aから表示態様Bに変化(「??」の表示)
・第3停止操作時→拡大状態で表示態様Bから表示態様Cに変化(「チャンス」の表示)<第2演出表示領域の演出内容>
・開始操作時(レバーオン)→第2基本画面から縮小状態に変化
・第1停止操作時→変化なし(縮小状態のまま)
この演出例3では、当初、第1演出表示領域がストップボタン8L及び8CLに対応し、第2演出表示領域がストップボタン8CL及び8Rに対応するという対応関係が変動するものとなっている。具体的には、第1演出表示領域の領域が拡大する(拡大状態となる)のにともなって、第1演出表示領域がストップボタン8L、8CL及び8CRに対応するものとなり、また、第2演出表示領域の領域が縮小する(縮小状態となる)のにともなって、第2演出表示領域がストップボタン8Rのみに対応するものとなっている。
なお、これはあくまで一例であり、表示画面全てが第1演出表示領域となるように拡大され、これにともなって第1演出表示領域が全てのストップボタン8L~8Rに対応するものとなる演出内容があってもよい。
また、上述のものとは逆で、第2演出表示領域の領域が拡大する(拡大状態となる)のにともなって、第2演出表示領域がストップボタン8CL、8CR及び8Rに対応するものとなり、また、第1演出表示領域の領域が縮小する(縮小状態となる)のにともなって、第1演出表示領域がストップボタン8Lのみに対応するものとなる演出内容があってもよいし、表示画面全てが第2演出表示領域となるように拡大され、これにともなって第2演出表示領域が全てのストップボタン8L~8Rに対応するものとなる演出内容があってもよい。
また、第1演出表示領域が拡大状態となる演出は、例えば、その遊技でCZ1ポイントが規定値に到達する(換言すれば、CZ1移行条件成立となる)等の第1演出表示領域に関連する事象が発生する場合に行われるものとすればよいし、第2演出表示領域が拡大状態となる演出は、例えば、その遊技でCZ2ポイントが規定値に到達する(換言すれば、CZ2移行条件成立となる)等の第2演出表示領域に関連する事象が発生する場合に行われるものとすればよい。むろん、これら以外の場合(例えば、天井ゲーム数に到達した場合や、AT直当たり抽籤に当籤した場合等)にもいずれかの演出が行われ得るようにして、遊技者の期待感を高めてもよい。
まず、図124を参照して、この演出例3において、順押しで停止操作が行われた場合について説明する。
最初に、開始操作時には、第1演出表示領域における演出表示が、第1基本画面から拡大状態に変化している。また、このとき、第2演出表示領域における演出表示が、第2基本画面から縮小状態に変化している。
次に、第1演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8Lが操作されたので、第1演出表示領域における演出表示が、拡大状態で表示態様Aに変化している。また、このとき、ストップボタン8Lは、第2演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第2演出表示領域における演出表示は変化しない。
次に、第1演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8CLが操作されたので、第1演出表示領域における演出表示が、拡大状態で表示態様Aから表示態様Bに変化している。また、このとき、ストップボタン8CLは、第2演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第2演出表示領域における演出表示は変化しない。
次に、第1演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8CRが操作されたので、第1演出表示領域における演出表示が、拡大状態で表示態様Bから表示態様Cに変化している。また、このとき、ストップボタン8CRは、第2演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第2演出表示領域における演出表示は変化しない。
最後に、第2演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8Rが操作されたが、第2演出表示領域の演出内容は変化なしであるため、第2演出表示領域における演出表示は縮小状態でそのままとなる。また、このとき、ストップボタン8Rは、第1演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第1演出表示領域における演出表示は変化しない。
続いて、図125を参照して、この演出例3において、逆押しで停止操作が行われた場合について説明する。
最初に、開始操作時には、第1演出表示領域における演出表示が、第1基本画面から拡大状態に変化している。また、このとき、第2演出表示領域における演出表示が、第2基本画面から縮小状態に変化している。
次に、第2演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8Rが操作されたが、第2演出表示領域の演出内容は変化なしであるため、第2演出表示領域における演出表示は縮小状態でそのままとなる。また、このとき、ストップボタン8Rは、第1演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第1演出表示領域における演出表示は変化しない。
次に、第1演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8CRが操作されたので、第1演出表示領域における演出表示が、拡大状態で表示態様Aに変化している。また、このとき、ストップボタン8CRは、第2演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第2演出表示領域における演出表示は変化しない。
次に、第1演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8CLが操作されたので、第1演出表示領域における演出表示が、拡大状態で表示態様Aから表示態様Bに変化している。また、このとき、ストップボタン8CLは、第2演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第2演出表示領域における演出表示は変化しない。
最後に、第1演出表示領域に対応するストップボタンであるストップボタン8Lが操作されたので、第1演出表示領域における演出表示が、拡大状態で表示態様Bから表示態様Cに変化している。また、このとき、ストップボタン8Lは、第2演出表示領域に対応しないストップボタンであるため、第2演出表示領域における演出表示は変化しない。
[12-7.第4の遊技機の通常中の仕様を用いた遊技機]
第4の遊技機では、上述の通常中の仕様を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
例えば、演出表示手段(例えば、メイン演出表示部21)は、第1演出表示(例えば、CZ1ポイントに関連する演出表示)を行う第1演出表示部(例えば、第1演出表示領域)と、第2演出表示(例えば、CZ2ポイントに関連する演出表示)を行う第2演出表示部(例えば、第2演出表示領域)とを含み、複数のストップボタンのうちの所定のストップボタン(例えば、ストップボタン8L,8CL)は、第1演出表示部に対応付けられ、特定のストップボタン(例えば、ストップボタン8CR,8R)は、第2演出表示部に対応付けられ、第1演出表示部は、所定のストップボタンが操作された場合に第1演出表示による演出を進行させることが可能であり、第2演出表示部は、特定のストップボタンが操作された場合に第2演出表示による演出を進行させることが可能である遊技機である。
なお、第4の遊技機では、例えば、図120~図125を用いて説明したように、第1演出表示と第2演出表示のそれぞれにおいて、その表示態様を順次変化させる(あるいは変化させない)ことで演出を進行させる(あるいは進行させない)ものとしていたが、演出を進行させる(あるいは進行させない)態様はこれに限られない。例えば、あるキャラクタが表示されていて、そのキャラクタの表示態様自体は変化しないが、当該キャラクタの台詞の吹き出し部分の表示のみが遊技者の遊技操作にしたがって順次変化する場合、これは演出を進行させる態様に含まれる。また、同様の観点からすれば、例えば、あるキャラクタが表示されていて、そのキャラクタの表示態様自体は変化しないが、出力される台詞の音声のみが遊技者の遊技操作にしたがって順次変化する場合、これも演出を進行させる態様に含まれるものとすることができる。すなわち、演出を進行させる態様には、少なくとも演出表示手段をみていた遊技者が、自己の遊技操作にしたがって演出が進行したと感得し得る態様全てが含まれる。したがって、「演出を進行させる」とは、必ずしも表示態様について必ず変化が生じるものに限られない。
また、例えば、あるキャラクタが表示されていて、そのキャラクタの表示態様自体は予め定められたパターン(例えば、走っている様子がループ再生される等)によって順次変化している(あるいは、背景画像が表示されていて、その背景画像自体は、同様に予め定められたパターンによって順次変化している)が、遊技者の遊技操作によってそのパターンが変更されない場合、これは演出が進行しない態様に含まれる。すなわち、演出を進行させない態様には、少なくとも演出表示手段をみていた遊技者が、演出が進行していないと感得し得る態様全てが含まれる。したがって、「演出を進行させない」とは、必ずしも表示態様について一切の変化が生じないものに限られない。
なお、第4の遊技機では、基本状態において、第1演出表示部にストップボタン8L,8CLを対応付け、第2演出表示部にストップボタン8CR,8Rを対応付けるものとしているが、その対応関係はこれに限られない。例えば、基本状態において、第1演出表示部にストップボタン8L,8CL,8CRを対応付け、第2演出表示部にストップボタン8Rのみを対応付けるものとしてもよい。また、第1演出表示部にストップボタン8Lのみを対応付け、第2演出表示部にストップボタン8CL,8CR,8Rを対応付けるものとしてもよい。
また、例えば、基本状態では、第2演出表示部(又は第1演出表示部)にはストップボタンを対応付けず、第1演出表示部(又は第2演出表示部)に全てのストップボタンを対応付けるようにして、特定の演出(例えば、上述の演出例1~3のような演出)の実行時にのみ、それぞれの対応関係となるように適宜ストップボタンが対応付けられるように構成してもよい。すなわち、演出表示手段は、通常は、第1演出表示部と第2演出表示部とに分割されることなく、一つの演出表示手段として種々の演出を実行し、上記特定の演出が実行される場合に、その演出の一態様として、第1演出表示部と第2演出表示部とに分割され、それぞれで独立した演出が実行され得るように構成してもよい。
また、いずれの場合であっても、第1演出表示部に対応するのはどのストップボタンであるのか(換言すれば、どのリールであるのか)や、第2演出表示部に対応するのはどのストップボタンであるのか(換言すれば、どのリールであるのか)が遊技者に示されるように構成してもよい。なお、この場合、メイン演出表示部21の下方の領域においてその対応関係が示されるようにしてもよいし、サブ演出表示部22においてその対応関係が示されるようにしてもよい。また、可動シャッター装置の各報知LEDによってその対応関係が示されるようにしてもよい。
また、第4の遊技機では、メイン演出表示部21について、その表示領域の略中央で縦方向に境界して区画し、向かって左側の領域が第1演出表示部(第1演出表示領域)となるように構成する一方で、向かって右側の領域が第2演出表示部(第2演出表示領域)となるように構成しているが、その構成はこれに限られない。例えば、メイン演出表示部21について、その表示領域の略中央で横方向に境界して区画し、上側の領域が第1演出表示部(第1演出表示領域)となるように構成する一方で、下側の領域が第2演出表示部(第2演出表示領域)となるように構成してもよい。また、これらの境界は、メイン演出表示部21内のいずれの場所であってもよい。
また、例えば、第1演出表示部と第2演出表示部とは別々の表示装置であってもよい。例えば、二つのメイン演出表示部を設け、これらを行方向に並んで設けることで、向かって左側の表示装置が第1演出表示部となり、向かって右側の表示装置が第2演出表示部となるように構成してもよい。また、これらを列方向に並んで設けることで、上側の表示装置が第1演出表示部となり、下側の表示装置が第2演出表示部となるように構成してもよい。また、メイン演出表示部21を第1演出表示部とし、サブ演出表示部22を第2演出表示部として用いてもよい。また、可動シャッター装置の各報知LEDを各演出表示部としても用いてもよい。すなわち、第1演出表示部と第2演出表示部とは、それぞれ映像や画像を表示するものに限られない。例えば、少なくともこのうちの一つ(双方であってもよい)が、ランプ(発光手段)の発光パターン(例えば、色)や点灯パターン(例えば、点灯、点滅、あるいは消灯)、又は、7セグメントLED、変動表示装置やドット表示装置の表示パターン等によって演出を進行させる(あるいは進行させない)ものであってもよいし、可動演出装置の動作パターン(例えば、動き)によって演出を進行させる(あるいは進行させない)ものであってもよい。したがって、例えば、第1演出表示や第2演出表示等として説明した「演出表示」とは、少なくともその一部の態様で遊技者の視覚に訴えて(視覚的に作用して)演出が行われ得るものであれば、どのような演出も含み得るものとする。また、第1演出表示部と第2演出表示部とは、一体であるものを区分けして(あるいは役割を分割して)構成されるようにしてもよいし、別体で構成されるようにしてもよい。また、第1演出表示部と第2演出表示部とを、それぞれ異なる種類の表示装置、あるいはその他の演出実行手段となるように組み合わせて構成することもできる。これらによっても、各ストップボタンとの間で同様の対応付けを行うことが可能である。
また、第4の遊技機では、同じ対応付けがなされるストップボタンを、基本的に隣接するストップボタン(例えば、ストップボタン8Lに隣接するストップボタン8CL、あるいはストップボタン8Rに隣接するストップボタン8CR等)としているが、ストップボタンを対応付ける態様はこれに限られない。少なくとも一部では、隣接しないストップボタンについて同じ対応付けがなされるようにしてもよい。例えば、ストップボタン8Lと8CRとが第1演出表示部に対応付けられ、ストップボタン8CLと8Rとが第2演出表示部に対応付けられるようにしてもよいし、また、ストップボタン8Lと8Rとが第1演出表示部に対応付けられ、ストップボタン8CLと8CRとが第2演出表示部に対応付けられるようにしてもよい。
また、第4の遊技機では、演出表示部の数を二つ(第1演出表示部及び第2演出表示部)としているが、その構成はこれに限られない。例えば、1個のストップボタンに対して、それぞれ1個の演出表示部が設けられるようにしてもよい(例えば、ストップボタンが8L,8C,8Rの3個であれば、それぞれに対応するように3個の演出表示部を設ける、また、ストップボタンが8L,8CL,8CR,8Rの4個であれば、それぞれに対応するように4個の演出表示部を設ける等)。
また、例えば、第1演出表示部は、特定のストップボタンが操作された場合には第1演出表示による演出を進行させないことが可能であり、第2演出表示部は、所定のストップボタンが操作された場合には第2演出表示による演出を進行させないことが可能である遊技機である。
なお、第4の遊技機では、基本的に、各演出表示部において、対応付けられていないストップボタンが操作された場合には演出を進行させないものとしているが、その構成はこれに限られない。例えば、対応付けられていないストップボタンが操作された場合にも、何らかの表示態様の変化(演出の進行)があるようにしてもよい。もっとも、この場合、注目すべきは操作されたストップボタンに対応する演出表示部であることから、これに対応しない演出表示部では相対的に少ない表示態様の変化(演出の進行)となるように構成することが望ましい。
また、例えば、第1演出表示及び第2演出表示は、同時に表示可能な演出表示である遊技機である。もっとも、必ずしも同時である必要はない。すなわち、一回の遊技においてこれらの演出表示が行われればよく、例えば、演出表示が開始される時期や表示態様の変化する時期等は各演出表示手段で異なっていてもよい。
また、例えば、サブCPU201は、第1演出表示の内容と、第2演出表示の内容とを別々に決定可能である遊技機である。もっとも、これらが一括で決定されるものとしてもよいし、例えば、一方において複数回の遊技にわたって行われる連続演出が実行されている等の場合には、他方の内容のみが決定されるものとしてもよい。また、演出決定主体もサブCPU201のみに限られず、メインCPU101がそれぞれの演出内容を決定するものとしてもよい。
また、例えば、少なくとも所定のストップボタン又は前記特定のストップボタンとして2個以上のストップボタンが対応付けられている場合であって、第1演出表示又は第2演出表示による演出を進行させる場合、ストップボタンの操作順にかかわらず、何個目のストップボタンが操作されたかによって演出を進行させることが可能である遊技機である。
なお、演出を進行させる場合に、ストップボタンの操作順を考慮することも可能である。例えば、「F_14特殊リプ」が当籤した場合であって、上述の演出例2のような演出が行われることが決定されたとする。そして、ストップボタン8Rが最初に操作されたとすると、この場合には、最終的な遊技結果が「特殊2個(第1・第4)」となるので(例えば、図110~図113参照)、そのまま第2演出表示による演出を進行させるようにすればよい。しかしながら、ストップボタン8CRが最初に操作されたとすると、この場合には、最終的な遊技結果が「通常リプ」となる(例えば、図110~図113参照)。すなわち、実行されている演出で示唆したい内容と、遊技結果が一致しなくなる場合がある。したがって、このような場合には、ストップボタンの操作順を考慮し、演出を進行させないようにすることとしてもよい。
また、例えば、複数のストップボタンは、4個以上のストップボタンで構成され、所定のストップボタン及び特定のストップボタンは、それぞれ複数個のストップボタンとすることが可能である遊技機である。
第4の遊技機では、4個のリールと、これに対応する4個のストップボタンとを備えるものとして構成しているが、上述のとおり、3個のリールと、これに対応する3個のストップボタンとを備えるものとして構成することもできるし、また、例えば、5個以上のリールと、これに対応する5個以上のストップボタンとを備えるものとして構成することもできる。すなわち、各演出表示部のそれぞれに複数個のストップボタンを対応付けるようにする手法は上述のものに限られない。
また、例えば、第1演出表示は、第1情報(例えば、CZ1ポイント)に関連する演出表示であり、第2演出表示は、第2情報(例えば、CZ2ポイント)に関連する演出表示であり、第1情報は、第1状態(例えば、CZ1)の付与に関連する情報であり、第2情報は、第2状態(例えば、CZ2)の付与に関連する情報である遊技機である。
なお、第1情報は、現在のCZ1ポイントの値であってもよいし、CZ1ポイントの規定値までの残りのポイント数であってもよい。また、第2情報は、現在のCZ2ポイントの値であってもよいし、CZ2ポイントの規定値までの残りのポイント数であってもよい。また、第1情報は、第1リール及び第2リールにおける特殊図柄の表示数であってもよいし、第2情報は、第3リール及び第4リールにおける特殊図柄の表示数であってもよい。
また、第1演出表示や第2演出表示によって報知ないし示唆される情報は、上述のものに限られない。例えば、CZ2において当該表示が行われるものとし、CZ2においては、第1リール及び第2リールのリール信頼度を第1情報とし、第3リール及び第4リールのリール信頼度を第2情報として第1演出表示や第2演出表示が行われるものとしてもよい。また、CZ2においては、演出表示手段が、第1~第4演出表示部(第1~第4演出表示領域)を含むように構成し、第1リールのリール信頼度に関連する情報(例えば、ランクや期待度)を第1演出表示部で表示し、第2リールのリール信頼度に関連する情報(例えば、ランクや期待度)を第2演出表示部で表示し、第3リールのリール信頼度に関連する情報(例えば、ランクや期待度)を第3演出表示部で表示し、第4リールのリール信頼度に関連する情報(例えば、ランクや期待度)を第4演出表示部で表示するようにしてもよい。また、この場合、表示態様の変化(演出の進行)によって、特殊図柄が表示される期待度、あるいは、特殊図柄が表示された場合の特典等が示唆ないし報知されるものとすればよい。また、例えば、CZ1において複数の情報を表示する場合には、CZ1においても当該表示が行われるものとしてもよい。また、バトルゾーンにおいて複数の情報を表示する場合には、バトルゾーンにおいても当該表示が行われるものとしてもよい。
また、例えば、AT1において当該表示が行われ得るものとし、AT1においては、第1リール及び第2リールのシャッター開放権利の権利数を第1情報とし、第3リール及び第4リールのシャッター開放権利の権利数を第2情報として第1演出表示や第2演出表示が行われるものとしてもよい。また、AT1においては、第1リール及び第2リールに対応するシャッター開放権利が得られる期待度を第1演出表示によって報知ないし示唆し、第3リール及び第4リールに対応するシャッター開放権利が得られる期待度を第2演出表示によって報知ないし示唆してもよい。
また、AT1においては、第1~第4演出表示部(第1~第4演出表示領域)を含むように構成し、第1リールのシャッター開放権利に関連する情報(例えば、権利数や期待度)を第1演出表示部で表示し、第2リールのシャッター開放権利に関連する情報(例えば、権利数や期待度)を第2演出表示部で表示し、第3リールのシャッター開放権利に関連する情報(例えば、権利数や期待度)を第3演出表示部で表示し、第4リールのシャッター開放権利に関連する情報(例えば、権利数や期待度)を第4演出表示部で表示するようにしてもよい。また、この場合、表示態様の変化(演出の進行)によって、特殊図柄が表示される期待度、あるいは、特殊図柄が表示された場合の特典等が示唆ないし報知されるものとすればよい。
また、例えば、AT2において当該表示が行われ得るものとし、AT2においては、第1リール及び第2リールの継続決定情報の値を第1情報とし、第3リール及び第4リールの継続決定情報の値を第2情報として第1演出表示や第2演出表示が行われるものとしてもよい。また、AT2においては、第1リール及び第2リールに対応する継続決定情報が加算される期待度を第1演出表示によって報知ないし示唆し、第3リール及び第4リールに対応する継続決定情報が加算される期待度を第2演出表示によって報知ないし示唆してもよい。
また、AT2においては、第1~第4演出表示部(第1~第4演出表示領域)を含むように構成し、第1リールの継続決定状態に関連する情報(例えば、値や期待度)を第1演出表示部で表示し、第2リールの継続決定状態に関連する情報(例えば、値や期待度)を第2演出表示部で表示し、第3リールの継続決定状態に関連する情報(例えば、値や期待度)を第3演出表示部で表示し、第4リールの継続決定状態に関連する情報(例えば、値や期待度)を第4演出表示部で表示するようにしてもよい。また、この場合、表示態様の変化(演出の進行)によって、特殊図柄が表示される期待度、あるいは、特殊図柄が表示された場合の特典等が示唆ないし報知されるものとすればよい。
また、例えば、遊技結果に応じて第1情報及び第2情報を更新可能とし、第1情報が所定の更新結果(例えば、規定値以上)となった場合に第1状態を付与可能であり、第2情報が所定の更新結果(例えば、規定値以上)となった場合に第2状態を付与可能であり、1回の遊技でそれぞれの情報を別々に更新可能である遊技機である。
もっとも、これらの更新自体は別々で行われるとしても、これらを更新するか否かの決定自体は必ずしも別々で行われないようにしてもよい。また、例えば、第1情報については更新され得るが、第2情報については更新され得ない制御状態、また、第2情報については更新され得るが、第1情報については更新され得ない制御状態、あるいは、第1情報及び第2情報のいずれもが更新され得ない制御状態等を設け、それぞれの制御条件が成立した場合には、所定の遊技期間(1ゲームであってもよいし、複数ゲーム間であってもよい)、いずれかの制御状態に制御されるようにしてもよい。
また、例えば、所定のストップボタンに対応する所定の表示列(例えば、リール3L,3CL)に特殊図柄が停止する場合に第1情報を更新可能であり、特定のストップボタンに対応する特定の表示列(例えば、リール3CR,3R)に特殊図柄が停止する場合に第2情報を更新可能である遊技機である。
なお、第1情報や第2情報が更新される条件がこれに限られないことは上述のとおりであるし、特殊図柄が表示され得る内部当籤役が決定された場合には、実際に特殊図柄が表示されなくとも第1情報や第2情報が更新されるように構成することもできる。
また、例えば、第1演出表示部及び第2演出表示部は、それぞれメイン演出表示部21の表示領域を区画して構成された第1演出表示領域及び第2演出表示領域であり、それぞれで別々に演出を進行させることが可能である遊技機である。
なお、第1演出表示と第2演出表示で、少なくとも一部の演出内容では、それぞれの演出内容が連動する、あるいは関連する演出内容となるように構成することもできるし、いずれか一方の演出表示の進行度合いに応じて、他方の演出表示の進行度合いが変化し得るように構成することもできる。
また、例えば、第1演出表示領域又は第2演出表示領域のいずれか一方が拡張し、他方が縮小する領域変動演出(例えば、演出例3による演出)を実行可能であり、当該領域変動演出を実行する場合、変動内容にしたがって所定のストップボタン及び特定のストップボタンの対応関係も変動させることが可能である遊技機である。
なお、ストップボタンの対応関係を変動させる態様は上述したものに限られない。例えば、必ずしも拡張状態となる側で対応するストップボタンが増加しなくともよく、縮小状態となる側で対応するストップボタンが増加するものとなってもよい。
例えば、通常中において、AT直当たり抽籤に当籤した遊技では、上述の演出例3の如く、第1演出表示領域が拡大し、第2演出表示領域が縮小する演出が行われ得るものとする。このとき、第1演出表示領域にはストップボタン3Lのみが対応付けられ、第2演出表示領域にはストップボタン3CL,3CR,3Rが対応付けられるものとする。そして、第1演出表示領域には、第1演出表示として、例えば「第1リールを押して下さい」等のメッセージが表示されるか、あるいは、ストップボタンを模した大きなプッシュボタン表示が行われるものとする。そして、ストップボタン3Lが操作された場合には、第1演出表示領域において、ATに移行することが確定された旨が表示されるものとする。このようにして、領域変動演出を用いた確定演出が行われるように構成することもできる。
[12-8.第4の遊技機のAT2中の演出例]
続いて、図126~図130を参照して、第4の遊技機のAT2中の演出例について説明する。なお、図126は、第4の遊技機のAT2中の画面表示例を示す図であり、図127~図130は、第4の遊技機のAT2中の演出例を示す図である。
上述のとおり、第4の遊技機では、AT1中に、有利度情報であるシャッター開放権利をリール毎に獲得し、その後のAT2において、有利度情報である継続決定情報をリール毎に獲得し、獲得した継続決定情報のそれぞれに応じてATを継続(延長)させるか否か(すなわち、状態を有利とするか否か)が決定される。また、AT2では、AT1で獲得したシャッター開放権利の有利度合い(権利数)に応じて、継続決定情報の有利度合い(付与されやすさ)が変動し、これにともなって付与される状態の有利度合い(報酬内容)も変動し得るものとなっている。
図126~図130の演出例では、このような遊技性において、特に、AT2中に行われ得る演出表示例を説明している。
なお、図示は省略しているが、AT1中においては、リール毎のシャッター開放権利の有利度合いの段階が報知され得るものとなっている。具体的には、シャッター開放権利の権利数が0である(最も低い段階である)場合には、対応する可動シャッター装置の報知LEDが白色に発光し、シャッター開放権利の権利数が1である(次の段階である)場合には、対応する可動シャッター装置の報知LEDが青色に発光し、シャッター開放権利の権利数が2である(次の段階である)場合には、対応する可動シャッター装置の報知LEDが赤色に発光し、シャッター開放権利の権利数が3以上である(最も高い段階を含む次の段階以上である)場合には、対応する可動シャッター装置の報知LEDが紫色に発光する。これによって、AT1中においても、シャッター開放権利の有利度合いが示されることとなっている。
まず、図126を参照して、AT2中の画面表示例について説明する。図126に示すとおり、第4の遊技機では、継続決定情報は、AT2中には、参戦キャラとして示されるものとなっており、各リールについて継続決定情報が加算されると、これにともなって表示される味方キャラクタ(以下、「味方キャラ」として説明する)が増加していく(バトルに参戦していく)様子が示される。
図126中、メイン演出表示部21の第1リール対応領域は、第1リールの継続決定情報に対応する演出表示が行われる領域である。「1」の表示は味方キャラ1に対応するものであり、「2」の表示は味方キャラ2に対応するものである。図126に示す状態では、第1リールの継続決定情報が0であることを示している。すなわち、味方キャラ1も味方キャラ2も参戦キャラとなっていないことを示している。
また、図126中、メイン演出表示部21の第2リール対応領域は、第2リールの継続決定情報に対応する演出表示が行われる領域である。「3」の表示は味方キャラ3に対応するものであり、「4」の表示は味方キャラ4に対応するものである。図126に示す状態では、第2リールの継続決定情報が0であることを示している。すなわち、味方キャラ3も味方キャラ4も参戦キャラとなっていないことを示している。
また、図126中、メイン演出表示部21の第3リール対応領域は、第3リールの継続決定情報に対応する演出表示が行われる領域である。「5」の表示は味方キャラ5に対応するものであり、「6」の表示は味方キャラ6に対応するものである。図126に示す状態では、第3リールの継続決定情報が0であることを示している。すなわち、味方キャラ5も味方キャラ6も参戦キャラとなっていないことを示している。
また、図126中、メイン演出表示部21の第4リール対応領域は、第4リールの継続決定情報に対応する演出表示が行われる領域である。「7」の表示は味方キャラ7に対応するものであり、「8」の表示は味方キャラ8に対応するものである。図126に示す状態では、第4リールの継続決定情報が0であることを示している。すなわち、味方キャラ7も味方キャラ8も参戦キャラとなっていないことを示している。
なお、図126に示す各味方キャラの表示態様はあくまで一例である。例えば、味方キャラ毎に異なる表示態様とすることができる。また、例えば、必ずしも味方キャラが各リールに対応するように表示されていなくともよい。例えば、第1~第4リール対応領域を定めることなく、「1」~「8」の表示がバラバラに、あるいはランダムに表示されるものとしてもよい。また、図示が省略しているが、メイン演出表示部21には、上述の特別キャラ参戦状態となった場合に、当該特別キャラが参戦キャラとなったことが示される領域が設けられているものとする。
(演出例1)
続いて、図127を参照して、AT2中の表示変化の一例を演出例1として説明する。なお、この演出例1は、現在の継続決定情報が「第1リール継続決定情報:0、第2リール継続決定情報:0、第3リール継続決定情報:0、第4リール継続決定情報:0」であり、シャッター開放権利はなく、いずれのリールもシャッター閉鎖状態であり、「F_1特殊リプ」に当籤した場合の一例である。
上述のとおり、「F_1特殊リプ」は、「特殊1個(第1)」となる内部当籤役であるため、当該遊技では、第1リール継続決定情報が1加算される。したがって、この演出例1では、第1リール継続決定情報が0から1となったことを示すために、参戦キャラとして味方キャラ1を獲得した様子が示されることとなっている。
(演出例2)
続いて、図128を参照して、AT2中の表示変化の一例を演出例2として説明する。なお、この演出例2は、現在の継続決定情報が「第1リール継続決定情報:1、第2リール継続決定情報:0、第3リール継続決定情報:0、第4リール継続決定情報:0」であり、シャッター開放権利はなく、いずれのリールもシャッター閉鎖状態であり、「F_12特殊リプ」に当籤した場合の一例である。
上述のとおり、「F_12特殊リプ」は、「特殊2個(第1・第2)」となる内部当籤役であるため、当該遊技では、第1リール継続決定情報が1加算されるとともに、第2リール継続決定情報が1加算される。したがって、この演出例2では、第1リール継続決定情報が1から2となったことを示すために、参戦キャラとして味方キャラ2を獲得した様子が示されることとなっている。また、このとき、第1リールでタッグ成立となったことに応じて上述の報酬レベルUP抽籤が行われる。
また、この演出例2では、第1リール継続決定情報が最大値2となった(タッグ成立となった)ことを示すために、「タッグ成立!」といった表示がなされることとなっている。なお、これによって基本的にATが継続する(延長される)ことが決定されることから、ここでは「AT継続」といった表示が行われるようにしてもよい。また、この演出例2では、第2リール継続決定情報が0から1となったことを示すために、参戦キャラとして味方キャラ3を獲得した様子が示されることとなっている。
なお、この演出例では、第1リール継続決定情報が0から1となったときに味方キャラ1が参戦する様子が示され、第2リール継続決定情報が1から2となったときに味方キャラ2が参戦する様子が示されるものとなっているが、参戦する味方キャラは、ランダムに決定されるものとしてもよいし、例えば、報酬レベルUP抽籤の抽籤結果等を加味しながら、参戦される味方キャラが、複数の味方キャラの中から抽籤で決定されるようにし、それぞれの対応領域に表示されるようにしてもよい。
(演出例3)
続いて、図129を参照して、AT2中の表示変化の一例を演出例3として説明する。なお、この演出例3は、現在の継続決定情報が「第1リール継続決定情報:0、第2リール継続決定情報:0、第3リール継続決定情報:0、第4リール継続決定情報:0」であり、各シャッター開放権利がいずれも1以上であって、全てのリールがシャッター開放状態であり、「F_1特殊リプ」に当籤した場合の一例である。
上述のとおり、「F_1特殊リプ」は、「特殊1個(第1)」となる内部当籤役であるが、各リールがシャッター開放状態であることから、第2~第4リールにおいても上段又は下段に特殊図柄が停止表示され得るため、当該遊技では、各リール継続決定情報がそれぞれ1加算される。したがって、この演出例3では、第1リール継続決定情報が0から1となったことを示すために、参戦キャラとして味方キャラ1を獲得した様子が示され、第2リール継続決定情報が0から1となったことを示すために、参戦キャラとして味方キャラ3を獲得した様子が示され、第3リール継続決定情報が0から1となったことを示すために、参戦キャラとして味方キャラ5を獲得した様子が示され、第4リール継続決定情報が0から1となったことを示すために、参戦キャラとして味方キャラ7を獲得した様子が示されることとなっている。
なお、この演出例3では、第1リールでは中段に特殊図柄が停止表示されるため、シャッター開放権利の権利数が1減算されないが、第2~第4リールでは上段又は下段に特殊図柄が停止表示されるため、シャッター開放権利の権利数が1減算される。したがって、この結果、シャッター開放権利の権利数が0となったリールについては、次遊技ではシャッター開放状態とならず、シャッター閉鎖状態に制御される。
(演出例4)
続いて、図130を参照して、AT2中の表示変化の一例を演出例4として説明する。なお、この演出例4は、現在の継続決定情報が「第1リール継続決定情報:1、第2リール継続決定情報:1、第3リール継続決定情報:1、第4リール継続決定情報:1」であり、各シャッター開放権利がいずれも1以上であって、全てのリールがシャッター開放状態であり、「F_12特殊リプ」に当籤した場合の一例である。
上述のとおり、「F_12特殊リプ」は、「特殊1個(第1・第2)」となる内部当籤役であるが、各リールがシャッター開放状態であることから、第3リール及び第4リールにおいても上段又は下段に特殊図柄が停止表示され得るため、当該遊技では、各リール継続決定情報がそれぞれ1加算される。したがって、この演出例4では、第1リール継続決定情報が1から2となったことを示すために、参戦キャラとして味方キャラ2を獲得した様子が示され、第2リール継続決定情報が1から2となったことを示すために、参戦キャラとして味方キャラ4を獲得した様子が示され、第3リール継続決定情報が1から2となったことを示すために、参戦キャラとして味方キャラ6を獲得した様子が示され、第4リール継続決定情報が1から2となったことを示すために、参戦キャラとして味方キャラ8を獲得した様子が示されることとなっている。
また、このとき、第1~第4リールのぞれぞれでタッグ成立となったことに応じて、上述の報酬レベルUP抽籤が行われる。また、演出例2と同様に、第1~第4リール対応領域のそれぞれにおいて、継続決定情報が最大値2となった(タッグ成立となった)ことを示すために、「タッグ成立!」といった表示がなされることとなっている。
なお、この演出例4では、第1リール及び第2リールでは中段に特殊図柄が停止表示されるため、シャッター開放権利の権利数が1減算されないが、第3リール及び第4リールでは上段又は下段に特殊図柄が停止表示されるため、シャッター開放権利の権利数が1減算される。もっとも、各リールですでに継続決定情報が最大値2となったため、基本的に次遊技では全てのリールでシャッター開放状態とならず、シャッター閉鎖状態に制御される。
[12-9.第4の遊技機のAT1・AT2の仕様を用いた遊技機]
第4の遊技機では、上述のAT1・AT2の仕様を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
例えば、各リールのそれぞれに対応した所定情報(例えば、有利度情報であるシャッター開放権利)を決定可能とし、決定された所定情報のそれぞれを用いて、制御される状態を有利とするかに関連する有利決定を実行可能とする遊技機である。
なお、第4の遊技機では、AT1においてシャッター開放権利を獲得し得るものとし、獲得したシャッター開放権利はその後のAT2において用いられ、その結果に応じた有利決定が実行され得るものとしているが、有利決定に関する手法はこれに限られない。例えば、CZにおいてシャッター開放権利を獲得し得るものとし、獲得したシャッター開放権利はその後のバトルゾーンにおいて、バトルゾーン中のAT移行抽籤(AT状態に移行させるか否かの決定)に用いられるものとしてもよい。また、例えば、CZ(あるいは、バトルゾーン)の前半部分の遊技期間においてシャッター開放権利を獲得し得るものとし、獲得したシャッター開放権利はその後のCZ(あるいは、バトルゾーン)の後半部分において、バトルゾーン移行抽籤(あるいは、AT移行抽籤)に用いられるものとしてもよい。
すなわち、所定情報を決定可能とする状態はAT1に限られず、また、所定情報を用いて有利決定を実行可能とする状態はAT2に限られない。また、同一の状態において、所定情報を決定可能としつつ、有利決定を実行可能とするものであってもよい。また、有利決定は、非AT状態からAT状態に移行させるか否かを決定するもの、AT状態においてAT状態を継続させるか否かを決定するもの、あるいは、AT状態に移行させること(若しくは、AT状態を継続させること)が決定された場合に、決定されたAT状態の有利度合い(例えば、継続度合いや増加期待値等)を決定するもの等の全てを含むものである。
したがって、例えば、第4の遊技機では、AT1において獲得されたシャッター開放権利は、AT2においてシャッター開放状態とするか否かを決定するために用いられ、シャッター開放状態では、シャッター閉鎖状態と比較して継続決定情報が付与されやすくなり、これによって間接的にAT状態が継続することが決定されやすくなっているが、シャッター開放権利によってAT2の有利度合いを変動させる態様はこれに限られない。
例えば、シャッター開放権利は、その有利度合いを権利数とするのではなく、当籤期待度(例えば、0個→10%、1個→25%、2個→50%、3個→75%、4個以上→100%に相当する等)として構成し、AT2においては、その当籤期待度にしたがって、リール毎に直接的にAT継続抽籤を行い、1個のリールについて当該抽籤に当籤した場合には報酬レベルUP抽籤の「1タッグ目」の抽籤を行い、2個のリールについて当該抽籤に当籤した場合には報酬レベルUP抽籤の「1タッグ目」及び「2タッグ目」の抽籤を行い、3個のリールについて当該抽籤に当籤した場合には報酬レベルUP抽籤の「1タッグ目」~「3タッグ目」の抽籤を行い、4個のリールについて当該抽籤に当籤した場合には報酬レベルUP抽籤の「1タッグ目」~「4タッグ目」の抽籤を行うようにして、AT状態を継続させるか否かが決定されるようにしてもよい。また、AT状態に移行させるか否かを決定するようにした場合も同様である。
すなわち、所定情報は、少なくともリール毎の有利決定の有利度合いを決定可能に構成されていればよく、上述したものに限られない。また、所定情報は、有利度合いを段階的に定め得るものであればよく、その手法も上述したものに限られない。
また、第4の遊技機では、AT2において、例えば、上述の参戦キャラ設定処理や報酬レベルUP抽籤が行われることによって有利決定が実行されるものとなっているが、有利決定の態様として他の態様を採用することも可能である。例えば、AT2においては、基本的にいずれかのリールの継続決定情報が2となった場合にはATを継続させることが決定されるものとなっているが、当該AT2では、AT継続期待度としての継続決定情報の有利度合い(例えば、タッグ成立数が多いほどAT継続の期待度が高まる)を決定することは可能としながらも、ATを継続させるか否か自体は決定しないこととし、その後のAT3において、当該継続決定情報の有利度合いを参照しながらAT継続抽籤が行われ、これに当籤した場合にはじめてATを継続させることが決定されるものとしてもよい。なお、この場合には、例えば、AT3において、継続決定情報の有利度合いに応じた期待度演出(例えば、連続演出や発展演出)等が実行されるものとして、継続決定情報が演出の決定にも用いられるものとすればよい。すなわち、有利決定は、AT2において実行され得るものとしてもよいし、AT3において実行され得るものとしてもよいし、あるいは、AT2及びAT3の双方において総合的に実行され得るものとしてもよい。
また、第4の遊技機では、AT1、AT2及びAT3のそれぞれが、例えば、AT1については10~30ゲームの間継続可能に構成され、AT2については8ゲームの間継続可能に構成され、AT3については5ゲームの間継続可能に構成されるものとしていたが、これについても他の態様を採用することが可能である。例えば、これらのうち少なくともいずれかは1ゲームで完結するものであってもよい。あるいは、これらのうち全てが1ゲームで完結するものであってもよい。
すなわち、所定情報が決定され得る遊技期間(例えば、AT1の遊技期間)は任意に設定可能であり、また、有利決定が実行され得る遊技期間(例えば、AT2、AT3、あるいはAT2及びAT3の遊技期間)も任意に設定可能である。また、上述の如く、これらは必ずしも異なる状態である必要はない。すなわち、遊技が行われ得る遊技期間において、ある一定の期間を所定情報が決定され得る第1期間とし、また、それ以後のある一定の期間を有利決定が実行され得る第2期間として定め得る態様であれば、その全てを適用することが可能である。
また、この場合、例えば、所定情報の決定と、有利決定とが同じ遊技期間で行われ得るものであれば、第1期間と第2期間とは同じ遊技期間とすることができる。また、同じ遊技期間とする場合に、上述の如く、例えば、当該遊技期間を1ゲームとするならば、同じ1回の遊技をそれぞれの期間とすることができる。
また、同じ1回の遊技をそれぞれの期間とする場合、例えば、1回の遊技内において、遊技の進行度合いに応じて、それぞれの遊技期間を定めることもできる。例えば、開始操作が行われたときを第1期間として定め、全ての停止操作が終了したとき(例えば、第4の遊技機において、第4停止操作時としてもよいし、第4停止操作後の表示役確定時としてもよい)を第2期間として定めることもできる。
そして、例えば、開始操作が行われたときに、所定情報が決定される(例えば、上述のシャッター開放抽籤が行われる)ものとし、全ての停止操作が終了したときに、決定された所定情報を用いて有利決定が実行される(例えば、上述の参戦キャラ更新処理や報酬レベルUP抽籤が行われる)ものとすることができる。これによっても同様の仕様を実現することが可能である。
なお、後述の如く、ある一定の期間を後述の特定情報(例えば、継続決定情報)が決定され得る期間とするならば、遊技が行われ得る遊技期間において、ある一定の期間を所定情報が決定され得る第1期間とし、また、それ以後のある一定の期間を特定情報が決定され得る第2期間とし、また、それ以後のある一定の期間を有利決定が実行され得る第3期間として定めることが可能であり、また、これらの期間を定め得る態様であれば、同様に、その全てを適用することが可能である。
また、この場合、例えば、特定情報の決定と、有利決定とが同じ遊技期間で行われ得るものであれば、第2期間と第3期間とは同じ遊技期間とすることができる。また、例えば、所定情報の決定と、特定情報の決定とが同じ遊技期間で行われ得るものであれば、第1期間と第2期間とは同じ遊技期間とすることができる。また、所定情報の決定と、特定情報の決定と、有利決定とが同じ遊技期間で行われ得るものであれば、第1期間~第3期間は同じ遊技期間とすることができる。また、同じ遊技期間とする場合に、上述の如く、例えば、当該遊技期間が1ゲームであるならば、同じ1回の遊技をそれぞれの期間とすることができる。
また、同じ1回の遊技をそれぞれの期間とする場合、例えば、1回の遊技内において、遊技の進行度合いに応じて、それぞれの遊技期間を定めることもできる。例えば、開始操作が行われたときを第1期間として定め、全ての停止操作が終了したとき(例えば、第4の遊技機において、第4停止操作時としてもよいし、第4停止操作後の表示役確定時としてもよい)を第2期間及び第3期間として定めることもできる。
そして、例えば、開始操作が行われたときに、所定情報が決定される(例えば、上述のシャッター開放抽籤が行われる)ものとし、全ての停止操作が終了したときに、決定された所定情報を用いて、まず、特定情報が決定され(例えば、上述の継続決定情報が更新され)、次いで、有利決定が実行される(例えば、更新された継続決定情報に応じて上述の参戦キャラ更新処理や報酬レベルUP抽籤が行われる)ものとすることができる。これによっても同様の仕様を実現することが可能である。
また、例えば、開始操作が行われたときを第1期間として定め、例えば、第1停止操作が行われたとき(あるいは、第1~第3停止操作が行われたとき)を第2期間として定め、全ての停止操作が終了したとき(例えば、第4の遊技機において、第4停止操作時としてもよいし、第4停止操作後の表示役確定時としてもよい)を第3期間として定めることもできる。
そして、例えば、開始操作が行われたときに、所定情報が決定される(例えば、上述のシャッター開放抽籤が行われる)ものとし、第1停止操作が行われたとき(あるいは、第1~第3停止操作が行われたとき)に、決定された所定情報を用いて、特定情報が決定される(例えば、上述の継続決定情報が更新される)ものとし、全ての停止操作が終了したときに、決定された特定情報を用いて、有利決定が実行される(例えば、更新された継続決定情報に応じて上述の参戦キャラ更新処理や報酬レベルUP抽籤が行われる)ものとすることができる。これによっても同様の仕様を実現することが可能である。
また、例えば、少なくとも第1期間(例えば、AT1)及び第2期間(例えば、AT2)において遊技を行うことを可能とし、第1期間から第2期間に移行させることが可能であり、第1期間において、所定情報のそれぞれについて有利度合いを決定可能であり、第2期間において、所定情報のそれぞれの有利度合いに応じて有利決定を実行可能である遊技機である。
なお、第1期間において、所定情報の有利度合いが決定される時期、頻度及び契機等は上述したものに限られない。特殊図柄が停止表示され得るときのみならず、毎ゲーム抽籤が行われ、抽籤結果に応じた有利度合いが決定されるようにしてもよいし、第1期間が開始するとき、あるいは終了するときに決定されるようにしてもよい。
また、第2期間において、有利決定が実行される時期、頻度及び契機等は上述したものに限られない。タッグ成立となったときのみならず、毎ゲーム抽籤が行われて決定されるようにしてもよいし、第2期間が開始するとき、あるいは終了するときに決定されるようにしてもよい。あるいは、第2期間(AT2)では実行されず、第2期間(AT2)が終了したときに移行する第3期間(AT3)において実行されるようにしてもよい。
また、例えば、所定情報は、第1期間において、それぞれの有利度合いの段階を昇格させるか否かを決定可能であり、第1期間において、所定情報のそれぞれについて現在の段階を報知可能とした遊技機である。
なお、第4の遊技機では、可動シャッター装置3LTS~3RTS,3LBS~3RBS上の各報知LEDの発光色によって所定情報の現在の段階が報知されるものとしていたが、当該報知手段はこれに限られない。例えば、メイン演出表示部21にそれぞれに対応する現在の段階(あるいは段階の目安)が表示され得るようにして、所定情報の現在の段階を報知ないし示唆するものとしてもよいし、サブ演出表示部22にそれぞれに対応する現在の段階(あるいは段階の目安)が表示され得るようにして、所定情報の現在の段階を報知ないし示唆するものとしてもよい。また、その他の報知手段を用いることも可能である。
また、例えば、所定情報は、特殊図柄が停止表示されるときにその段階が昇格される遊技機である。なお、特定図柄が停止表示されるときであってもその段階が昇格されない場合があるように構成することもできるし、特殊図柄が停止表示されないときであってもその段階が昇格する場合があるように構成することもできる。
また、例えば、決定された所定情報のそれぞれを用いて、各リールのそれぞれに対応した特定情報(例えば、有利度情報である継続決定情報)を決定可能とし、決定された特定情報のそれぞれを用いて有利決定を実行可能である遊技機である。
なお、第4の遊技機では、AT1においてシャッター開放権利を獲得し得るものとし、獲得したシャッター開放権利はその後のAT2において用いられ、これを用いて、AT2において継続決定情報を獲得し得るものとし、その結果に応じた有利決定が実行され得るものとしているが、有利決定に関する手法はこれに限られない。例えば、CZにおいてシャッター開放権利を獲得し得るものとし、その後のバトルゾーンにおいて、獲得したシャッター開放権利に応じた有利度合いで継続決定情報を獲得し得るものとし、獲得した継続決定情報が用いられてバトルゾーン中のAT移行抽籤(AT状態に移行させるか否かの決定)が行われるものとしてもよい。また、例えば、CZ(あるいは、バトルゾーン)の前半部分の遊技期間においてシャッター開放権利を獲得し得るものとし、その後のCZ(あるいは、バトルゾーン)の後半部分において、獲得したシャッター開放権利に応じた有利度合いで継続決定情報を獲得し得るものとし、獲得した継続決定情報が用いられてバトルゾーン移行抽籤(あるいは、AT移行抽籤)が行われるものとしてもよい。
すなわち、所定情報を決定可能とする状態はAT1に限られず、また、特定情報を決定可能とする状態はAT2に限られず、また、特定情報を用いて有利決定を実行可能とする状態はAT2に限られない。また、同一の状態において、所定情報を決定可能としつつ、特定情報を決定とし、さらに有利決定を実行可能とするものであってもよい。
また、シャッター開放権利の有利度合いによって継続決定情報の有利度合いを変動させる態様は上述したものに限られない。例えば、シャッター開放権利は、その有利度合いを権利数とするのではなく、当籤期待度(例えば、0個→10%、1個→25%、2個→50%、3個→75%、4個以上→100%に相当する等)として構成し、AT2においては、その当籤期待度にしたがって、リール毎に継続決定情報をより有利なものに更新するか否かが決定されるようにしてもよい。
すなわち、所定情報と特定情報との間で、有利度合いに所定の相関関係があるように定め得る態様であれば、どのような態様を採用することも可能である。また、特定情報は、少なくともリール毎の有利決定の有利度合いを決定可能に構成されていればよく、上述したものに限られない。また、特定情報は、有利度合いを段階的に定め得るものであればよく、その手法も上述したものに限られない。
また、例えば、少なくとも第1期間(例えば、AT1)及び第2期間(例えば、AT2)において遊技を行うことを可能とし、第1期間から第2期間に移行させることが可能であり、第1期間において、所定情報のそれぞれについて有利度合いを決定可能であり、第2期間において、所定情報のそれぞれの有利度合いに応じて、特定情報のそれぞれについて有利度合いを決定可能であり、特定情報のそれぞれの有利度合いに応じて有利決定を実行可能である遊技機である。
なお、第2期間において、特定情報の有利度合いが決定される時期、頻度及び契機等は上述したものに限られない。特殊図柄が停止表示され得るときのみならず、毎ゲーム抽籤が行われ、抽籤結果に応じた有利度合いが決定されるようにしてもよいし、第2期間が開始するとき、あるいは終了するときに決定されるようにしてもよい。
また、例えば、第1期間において、所定情報のそれぞれについて現在の有利度合いを報知可能し、第2期間において、特定情報のそれぞれについて現在の有利度合いを報知可能とした遊技機である。
なお、第4の遊技機では、メイン演出表示部21の表示態様によって特定情報の現在の有利度合いが報知されるものとしていたが、当該報知手段はこれに限られない。例えば、サブ演出表示部22にそれぞれに対応する現在の有利度合い(あるいは有利度合いの目安)が表示され得るようにして、特定情報の現在の有利度合いを報知ないし示唆するものとしてもよい。また、その他の報知手段を用いることも可能である。
また、例えば、特定情報は、特殊図柄が停止表示されるときにその有利度合いを高めることが可能である遊技機である。なお、特定図柄が停止表示されるときであってもその有利度合いが高まらない場合があるように構成することもできるし、特殊図柄が停止表示されないときであってもその有利度合いが高まる場合があるように構成することもできる。
また、例えば、所定情報の有利度合いに応じて、第2期間における特殊図柄の停止表示のされやすさを変動させることが可能である遊技機である。なお、第4の遊技機では、シャッター開放状態とシャッター閉鎖状態との間で、状態を変動させ得るように構成することで第2期間における特殊図柄の停止表示のされやすさを変動させ得るものとしているが、その手法はこれに限られない。
例えば、特殊図柄が停止表示され得る特殊リール演出を、リール毎に実行可能な構成とする。そして、第2期間において、シャッター開放権利の権利数が0であるリールについては特殊リール演出が実行されない(あるいは、実行されにくい)ように構成することで、特殊図柄が停止表示されにくくする。一方、シャッター開放権利の権利数が1以上であるリールについては、権利数1個につき、少なくとも1回以上の特殊リール演出が実行され得る(あるいは、実行されやすい)ように構成することで、特殊図柄が停止表示されやすくする。このように構成することで、特殊図柄の停止表示のされやすさを変動させ得るものとしてもよい。
また、この場合、特殊リール演出について、中段に特殊図柄が停止表示される第1特殊リール演出と、上段に特殊図柄が停止表示される第2特殊リール演出と、下段に特殊図柄が停止表示される第3特殊リール演出とを実行可能とし、特殊リール演出が実行される際には、いずれの特殊リール演出を実行するかが抽籤により(あるいは、内部当籤役の種類に応じて)決定されるものとする。そして、第1特殊リール演出が実行された場合には、シャッター開放権利の権利数は減算されず、第2特殊リール演出又は第3特殊リール演出が実行された場合には、シャッター開放権利の権利数が減算されるように構成する。このようにすれば、上述したものと同様に、第2期間において、シャッター開放状態(特殊リール演出高確率状態)と、シャッター閉鎖状態(特殊リール演出低確率状態)との間を変動させることが可能となる。
また、例えば、各リールは、所定数(例えば、1個)の特殊図柄が停止表示され得るシャッター閉鎖状態と、これよりも多い特定数(例えば、3個)の特殊図柄が停止表示され得るシャッター開放状態との間でそれぞれ変動可能に構成され、所定情報のそれぞれは、各リールのそれぞれをシャッター開放状態に変動させ得る情報として構成される遊技機である。
なお、シャッター開放状態では、必ずしも上段及び下段の双方が開放状態とならなくともよい。例えば、上段のみが開放される第1開放状態と、下段のみが開放される第2開放状態と、上段及び下段が開放される第3開放状態とを設けておき、シャッター開放状態での遊技が開始されるときに、抽籤により(あるいは、内部当籤役の種類に応じて)いずれかの開放状態が設定されるようにしてもよい。
また、例えば、各リールは、シャッター閉鎖状態であるとき、所定領域(例えば、中段の領域)で特殊図柄を停止表示可能とし、シャッター開放状態であるとき、所定領域及び特定領域(例えば、上段及び下段の領域)で特殊図柄を停止表示可能とし、所定情報の有利度合いは、対応するリールをシャッター開放状態に変動させる権利数であり、シャッター開放状態であるリールに特殊図柄が停止表示される場合に、特定領域に特殊図柄が停止表示される場合には権利数を減じ、所定領域に特殊図柄が停止表示される場合には権利数を減じない遊技機である。
なお、特定領域に特殊図柄が停止表示される場合には、権利数を1減算するか否かの抽籤を行い、当該抽籤に当籤しなかった場合には権利数が1減算される一方で、当該抽籤に当籤した場合には権利数が1減算されないようにして、必ずしも権利数を減じない場合があるように構成してもよい。
[12-10.第4の遊技機に係る発明のまとめ(付記)]
以上説明したように、第4の遊技機では以下のような構成の遊技機を提供することができる。
(第1の発明群)
従来の遊技機において、液晶表示部などの演出表示手段を備え、遊技の進行に応じて表示画像を変化させることで演出を行うようにしたものが提案されている(例えば、特開2000-135303号公報参照)。
しかしながら、近年、このような遊技機では、遊技性の多様化にともない、演出についてもより多様化させて遊技の興趣をさらに高めることが求められている。
第1の発明群は、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
複数の表示列(例えば、リール3L,3CL,3CR,3R)で図柄の変動表示を可能とし、決定された当籤役と遊技者の停止操作とに応じて図柄の変動表示を停止することで遊技を行う遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、前記複数の表示列のそれぞれに対応して設けられた複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン8L,8CL,8CR,8R)と、演出表示を行う演出表示手段(例えば、メイン演出表示部21)と、を備え、前記演出表示手段は、第1演出表示を行う第1演出表示部(例えば、第1演出表示領域)と、第2演出表示を行う第2演出表示部(例えば、第2演出表示領域)とを含み、前記複数の停止操作手段のうちの所定の停止操作手段(例えば、ストップボタン8L,8CL)は、前記第1演出表示部に対応付けられ、前記複数の停止操作手段のうちの特定の停止操作手段(例えば、ストップボタン8CR,8R)は、前記第2演出表示部に対応付けられ、前記第1演出表示部は、前記所定の停止操作手段が操作された場合に前記第1演出表示による演出を進行させることが可能であり、前記第2演出表示部は、前記特定の停止操作手段が操作された場合に前記第2演出表示による演出を進行させることが可能であることを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、異なる演出表示を行うことが可能な複数の演出表示部があり、それぞれについて、演出を進行させる契機となり得る停止操作手段が対応付けられているため、遊技者の遊技操作に連動したより多様性のある演出を行うことが可能となる。それゆえ、遊技の興趣を高めることができる。
前記第1演出表示部は、前記特定の停止操作手段が操作された場合には前記第1演出表示による演出を進行させないことが可能であり、前記第2演出表示部は、前記所定の停止操作手段が操作された場合には前記第2演出表示による演出を進行させないことが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、複数の演出表示部のそれぞれにおいて、対応付けられた停止操作手段が操作された場合には演出を進行させる一方、対応付けられていない停止操作手段が操作された場合には演出を進行させないため、演出変化と遊技者の遊技操作との連動性をより高めることができ、演出に関する興趣を向上させて遊技の興趣をさらに高めることができる。
前記第1演出表示及び前記第2演出表示は、同時に表示可能な演出表示であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定の停止操作手段への操作によって演出が進行し得る第1演出表示と、特定の停止操作手段への操作によって演出が進行し得る第2演出表示とが同時に表示され得るため、演出の多様性をより高めることができ、演出に関する興趣を向上させて遊技の興趣をさらに高めることができる。
前記演出表示手段に表示される演出表示の内容を決定する演出決定手段(例えば、サブCPU201)を備え、前記演出決定手段は、前記第1演出表示の内容と、前記第2演出表示の内容とを別々に決定可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、第1演出表示の内容と、第2演出表示の内容とが別々に決定され得るため、演出の多様性をより高めることができ、演出に関する興趣を向上させて遊技の興趣をさらに高めることができる。
少なくとも前記所定の停止操作手段又は前記特定の停止操作手段として2個以上の停止操作手段が対応付けられている場合であって、前記第1演出表示又は前記第2演出表示による演出を進行させる場合、停止操作手段の操作順にかかわらず、何個目の停止操作手段が操作されたかによって演出を進行させることが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、2個以上の停止操作手段が対応付けられている場合であって、対象となる演出表示部の演出を進行させる場合、その進行タイミングを、操作順にかかわらず、何個目の停止操作手段が操作されたかによって定めることができることから、遊技者の操作順に一定の自由度を与えつつ、対象となる演出表示部の演出変化の態様に一定の法則性を与えることができるため、演出変化と遊技者の遊技操作との連動性をより高めつつ、演出の多様性をより高めることができ、演出に関する興趣を向上させて遊技の興趣をさらに高めることができる。
前記複数の停止操作手段は、4個以上の停止操作手段で構成され、前記所定の停止操作手段及び前記特定の停止操作手段は、それぞれ複数個の停止操作手段とすることが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定の停止操作手段と、特定の停止操作手段とを、それぞれ複数個の停止操作手段とすることで、遊技性自体も高めつつ、それぞれが対応付けられた複数の演出表示部があることの価値をより高めることができるため、遊技性と演出の双方の観点から遊技の興趣をさらに高めることができる。
前記第1演出表示は、第1情報(例えば、第4の遊技機におけるCZ1ポイント)に関連する演出表示であり、前記第2演出表示は、第2情報(例えば、第4の遊技機におけるCZ2ポイント)に関連する演出表示であり、前記第1情報は、第1状態(例えば、第4の遊技機におけるCZ1)の付与に関連する情報であり、前記第2情報は、第2状態(例えば、第4の遊技機におけるCZ2)の付与に関連する情報であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、第1演出表示及び第2演出表示は、それぞれ異なる態様で遊技性に作用する第1情報及び第2情報に関連する演出表示であることから、遊技性自体も高めつつ、それぞれの演出表示に対する遊技者の関心を高めることができるため、遊技性と演出の双方の観点から遊技の興趣をさらに高めることができる。
遊技結果に応じて前記第1情報を更新可能な第1情報更新手段(例えば、CZ1ポイント加算抽籤を行うメインCPU101)と、遊技結果に応じて前記第2情報を更新可能な第2情報更新手段(例えば、CZ2ポイント加算抽籤を行うメインCPU101)と、を備え、前記第1情報が所定の更新結果(例えば、規定値以上)となった場合に前記第1状態を付与可能であり、前記第2情報が所定の更新結果(例えば、規定値以上)となった場合に前記第2状態を付与可能であり、前記第1情報更新手段と、前記第2情報更新手段とは、1回の遊技でそれぞれの情報を別々に更新可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、第1情報及び第2情報は、それぞれ1回の遊技で別々に更新される場合があることから、特に、このような場合には、遊技者は、第1演出表示の内容と第2演出表示の内容のそれぞれにより大きな関心をもつようになるため、遊技性と演出の双方の観点から遊技の興趣をさらに高めることができる。
前記第1情報更新手段は、前記複数の表示列のうちの前記所定の停止操作手段に対応する所定の表示列(例えば、リール3L,3CL)に特殊図柄(例えば、第4の遊技機における特殊図柄)が停止する場合に前記第1情報を更新可能であり、前記第2情報更新手段は、前記複数の表示列のうちの前記特定の停止操作手段に対応する特定の表示列(例えば、リール3CR,3R)に前記特殊図柄が停止する場合に前記第2情報を更新可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定の停止操作手段に対応する第1演出表示部の演出のみならず、さらにこれに対応する所定の表示列の表示態様によっても遊技者の期待感や特典内容(有利度合い)が変動する場合があり、特定の停止操作手段に対応する第2演出表示部の演出のみならず、さらにこれに対応する特定の表示列の表示態様によっても遊技者の期待感や特典内容(有利度合い)が変動する場合があることから、より多岐にわたる要素によって遊技性や演出の多様性をより高めることができ、遊技の興趣をさらに高めることができる。
前記演出表示手段は、1個の演出表示部(例えば、図119に示すメイン演出表示部21)で構成され、前記第1演出表示部及び前記第2演出表示部は、それぞれ前記演出表示部の表示領域を区画して構成された第1演出表示領域(例えば、図119に示す第1演出表示領域)及び第2演出表示領域(例えば、図119に示す第2演出表示領域)であり、前記第1演出表示領域及び前記第2演出表示領域のそれぞれで別々に演出を進行させることが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、複数の演出表示領域と停止操作手段とを対応付け、遊技者の遊技操作に連動した多様性のある演出を行うことを可能としつつ、例えば、演出表示部などは既存の構成をそのまま用いることが可能となるため、遊技の興趣を高めつつ、コストが増大してしまうことも抑制できる。
前記演出表示手段は、前記第1演出表示領域又は前記第2演出表示領域のいずれか一方が拡張し、他方が縮小する領域変動演出(例えば、図124及び図125に示す演出例3による演出)を実行可能であり、前記領域変動演出を実行する場合、変動内容にしたがって前記所定の停止操作手段及び前記特定の停止操作手段の対応関係も変動させることが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、それぞれの演出表示領域の領域を変動可能とし、さらに、これにともなって停止操作手段との対応関係も変動可能としたことから、より多岐にわたる要素によって演出の多様性をより高めることができ、遊技の興趣をさらに高めることができる。
(第2の発明群)
従来の遊技機において、遊技者に有利な停止操作の情報が報知される特別遊技状態(例えば、AT遊技状態)を設け、当該特別遊技状態の遊技期間を、所定遊技数を1単位(セット)として管理し、予め決定された継続率にしたがって継続抽籤を行い、この単位ごとに当該特別遊技状態を継続させるか否かを決定するようにしたものが提案されている(例えば、特開2008-272233号公報参照)。
しかしながら、このような遊技機では、単に予め決定された継続率にしたがって特別遊技状態が継続するか否かが決定されるため、その遊技性は単調であり、遊技の興趣が低下してしまうおそれがあるという問題があった。
第2の発明群は、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
複数の表示列(例えば、リール3L,3CL,3CR,3R)で図柄の変動表示を可能とし、決定された当籤役と遊技者の停止操作とに応じて図柄の変動表示を停止することで遊技を行う遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、複数の状態を有し、各状態を制御する状態制御手段(例えば、図97に示す各状態を制御するメインCPU101)と、前記複数の表示列のそれぞれに対応した所定情報(例えば、有利度情報であるシャッター開放権利)を決定可能な所定情報決定手段(例えば、図99に示すシャッター開放抽籤等を行うメインCPU101)と、前記所定情報決定手段により決定された前記所定情報のそれぞれを用いて、前記状態制御手段により制御される状態を有利とするかに関連する有利決定を実行可能な有利決定手段(例えば、図99に示す参戦キャラ更新処理や報酬レベルUP抽籤等を行うメインCPU101)と、を備えたことを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、複数の表示列のそれぞれに対応した所定情報を決定可能とし、それらがそれぞれ用いられて有利決定が行われ得るため、より多様性のある有利決定を行うことが可能となり、遊技性を高めることが可能となる。それゆえ、遊技の興趣を高めることができる。
少なくとも第1期間(例えば、AT1)及び第2期間(例えば、AT2)において遊技を行うことを可能とし、前記第1期間から前記第2期間に移行させることが可能であり、前記所定情報決定手段は、前記第1期間において、前記所定情報のそれぞれについて有利度合いを決定可能であり、前記有利決定手段は、前記第2期間において、前記所定情報のそれぞれの有利度合いに応じて前記有利決定を実行可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定情報の有利度合いが決定され得る遊技期間(第1期間)から有利決定が実行され得る遊技期間(第2期間)に移行するといった流れで遊技が行われ得るため、遊技者にとって興趣の高い状態を一定期間継続させることができ、また、遊技性をより高めることが可能となる。それゆえ、遊技の興趣をさらに高めることができる。
前記所定情報には、複数段階の有利度合いがあり、前記所定情報決定手段は、前記第1期間において、前記所定情報のそれぞれについて段階を昇格させるか否かを決定可能であり、前記第1期間において、前記所定情報のそれぞれについて現在の段階を報知可能な所定情報報知手段(例えば、可動シャッター装置3LTS~3RTS,3LBS~3RBS上の各報知LED)をさらに備えたことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定情報は、それぞれについて有利度合いの段階が決定され得るように構成され、また、第1期間では、決定された段階のそれぞれが報知され得るように構成されているので、第1期間における遊技性や遊技者の期待感をより高めることができ、遊技の興趣をさらに高めることができる。
前記所定情報決定手段は、前記複数の表示列のうち、特殊図柄(例えば、第4の遊技機における特殊図柄)が停止表示される表示列に対応する前記所定情報の段階を昇格させることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、表示列に特殊図柄が停止表示されるときに、対応する所定情報の段階が昇格することから、表示列それぞれの表示態様と、それぞれに対応する所定情報の更新態様との間に連動性を与えることができるため、所定情報の更新に対する遊技性や興趣をより高めることができ、遊技の興趣をさらに高めることができる。
前記所定情報決定手段により決定された前記所定情報のそれぞれを用いて、前記複数の表示列のそれぞれに対応した特定情報(例えば、有利度情報である継続決定情報)を決定可能な特定情報決定手段(例えば、図99に示す参戦キャラ更新処理等を行うメインCPU101)をさらに備え、前記有利決定手段は、前記特定情報決定手段により決定された前記特定情報のそれぞれを用いて前記有利決定を実行可能であることを特徴とする上記の記載の遊技機である。
この遊技機によれば、複数の表示列のそれぞれに対応した所定情報を決定可能とし、さらに、それぞれの所定情報が用いられて複数の表示列のそれぞれに対応した特定情報を決定可能とし、そして、それぞれの特定情報が用いられて有利決定が行われ得るため、より多様性のある有利決定を行うことが可能となり、遊技性を高めることが可能となる。それゆえ、遊技の興趣を高めることができる。
少なくとも第1期間(例えば、AT1)及び第2期間(例えば、AT2)において遊技を行うことを可能とし、前記第1期間から前記第2期間に移行させることが可能であり、前記所定情報決定手段は、前記第1期間において、前記所定情報のそれぞれについて有利度合いを決定可能であり、前記特定情報決定手段は、前記第2期間において、前記所定情報のそれぞれの有利度合いに応じて、前記特定情報のそれぞれについて有利度合いを決定可能であり、前記有利決定手段は、前記特定情報のそれぞれの有利度合いに応じて前記有利決定を実行可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定情報の有利度合いが決定され得る遊技期間(第1期間)から特定情報の有利度合いが決定され得る遊技期間(第2期間)に移行し、決定された特定情報の有利度合いに応じて有利決定が実行され得るといった流れで遊技が行われ得るため、遊技者にとって興趣の高い状態を一定期間継続させることができ、また、遊技性をより高めることが可能となる。それゆえ、遊技の興趣をさらに高めることができる。
前記第1期間において、前記所定情報のそれぞれについて現在の有利度合いを報知可能な所定情報報知手段(例えば、可動シャッター装置3LTS~3RTS,3LBS~3RBS上の各報知LED)と、前記第2期間において、前記特定情報のそれぞれについて現在の有利度合いを報知可能な特定情報報知手段(例えば、メイン演出表示部21)と、をさらに備えたことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、第1期間では、それぞれの所定情報の有利度合いが報知され、第2期間では、それぞれの特定情報の有利度合いが報知され得るように構成されているので、一連の遊技期間における遊技性や遊技者の期待感をより高めることができ、遊技の興趣をさらに高めることができる。
前記特定情報決定手段は、前記複数の表示列のうち、特殊図柄(例えば、第4の遊技機における特殊図柄)が停止表示される表示列に対応する前記特定情報の有利度合いを高めることが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、表示列に特殊図柄が停止表示されるときに、対応する特定情報の有利度合いが高まることから、表示列それぞれの表示態様と、それぞれに対応する特定情報の更新態様との間に連動性を与えることができるため、特定情報の更新に対する遊技性や興趣をより高めることができ、遊技の興趣をさらに高めることができる。
前記所定情報の有利度合いに応じて、前記第2期間における前記特殊図柄の停止表示のされやすさを変動させることが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定情報の有利度合いに応じて、第2期間における特殊図柄の停止表示のされやすさを変動させ得ることから、所定情報それぞれの有利度合いと、表示列それぞれの表示態様と、特定情報それぞれの有利度合いとの間に連動性を与えることができるため、一連の遊技期間における遊技性や興趣を斬新な手法で向上させることができ、遊技の興趣をさらに高めることができる。
前記複数の表示列は、所定数(例えば、1個)の前記特殊図柄が停止表示され得る閉鎖状態(例えば、シャッター閉鎖状態)と、前記所定数よりも多い特定数(例えば、3個)の前記特殊図柄が停止表示され得る開放状態(例えば、シャッター開放状態)との間でそれぞれ変動可能に構成され、前記所定情報のそれぞれは、前記複数の表示列のそれぞれを前記開放状態に変動させ得る情報として構成されることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定情報が作用して特殊図柄を停止表示されやすくする場合、これが、表示され得る図柄数を実際に増加させることで実現されることから、遊技者が感得しやすく、かつ興趣の高まる態様でこのような状態とすることができるため、遊技の興趣をさらに高めることができる。
前記複数の表示列のそれぞれは、前記閉鎖状態であるとき、所定領域(例えば、中段の領域)で前記特殊図柄を停止表示可能とし、前記開放状態であるとき、前記所定領域及び特定領域(例えば、上段及び下段の領域)で前記特殊図柄を停止表示可能とし、前記所定情報の有利度合いは、対応する表示列を前記開放状態に変動させる開放回数(例えば、権利数)であり、前記開放状態である表示列に前記特殊図柄が停止表示される場合に、前記特定領域に前記特殊図柄が停止表示される場合には前記開放回数を減じ、前記所定領域に前記特殊図柄が停止表示される場合には前記開放回数を減じないことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、付与された所定情報は、第2期間において必要となったときには消費されるが、必要とならなかったときには消費されないように構成されているので、遊技者が獲得した所定情報が無駄に消費されることはないため、これによって遊技の興趣が低下してしまうことを抑制でき、遊技の興趣をさらに高めることができる。
[13.第3の遊技機の変形例]
続いて、図131~図143を参照して、本実施形態において第3の遊技機として説明したものについて、さらなる変形例(拡張例)を説明する。なお、本実施形態において第3の遊技機の変形例として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第3の遊技機の変形例として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
上述の第3の遊技機では、所定役(例えば、押し順ベル)が当籤役として決定されたときに、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を有利とし、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には当該AT関連処理を不利とする仕様について説明した(例えば、図87等参照)。
そして、上述の第3の遊技機では、その仕様を適用した一例として、所定役が当籤役として決定されたときに、特定態様にて停止操作が行われた場合にはSR情報としてSR1が設定される一方、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合にはSR情報としてSR2が設定され、SR1が設定された場合には天井ポイントが必ず1減算されるのに対し、SR2が設定された場合には天井ポイントが1減算されない場合があるように構成することで、AT関連処理を有利・不利とすることについて説明した(例えば、図88等参照)。
もっとも、このような仕様は、上述のものとは異なる遊技性においても適用可能であるし、また、上述の第3の遊技機の項で説明した点以外にも、さらに種々の工夫をなす余地もあると考えられることから、本変形例ではそれらについて説明する。
なお、このような仕様では、所定役が、特定態様にて停止操作が行われた場合には付与される遊技価値の期待値が低くなる一方、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には付与される遊技価値の期待値が高くなるように構成されることで、結果として、その遊技機全体の特性としても、特定態様にて停止操作が行われた場合には遊技価値の付与が不利となる一方、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には遊技価値の付与が一方的に有利となるように構成されるものとなる。
したがって、本変形例では、基本的に、所定役が当籤役として決定されたか否かにかかわらず、所定の制御条件が満たされるときには、特定態様にて停止操作が行われた場合にはATに関連する決定(AT関連処理)が優遇され得る制御が行われ、特定態様にて停止操作が行われなかった場合にはATに関連する決定(AT関連処理)が優遇され得る制御が行われないものとして説明する。
<第3の遊技機(変形例)の遊技性>
まず、図131を参照して、本変形例における遊技の流れについて説明する。図131は、本変形例における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図である。
遊技者が遊技を行う状態(遊技区間)として、非有利区間及び有利区間が設けられている点は上述の第3の遊技機と同様である。また、上述の第3の遊技機では、非有利区間の遊技性に係る遊技状態として、通常中(非有利区間)が設けられていたが、この点は本変形例も同様である。上述の第3の遊技機と異なる点は、有利区間の遊技性に係る遊技状態として、CZ中、ST中、第1ボーナス中及び第2ボーナス中が設けられている点である。
CZ中及びST中は、通常有利区間(演出区間)として構成される状態であるが、例えば、上述の第3の遊技機における連チャン中と同様、通常中(有利区間)よりもAT状態に移行しやすい(あるいは、通常中(有利区間)とは異なる条件でAT状態に移行するか否かを決定可能とする)点で、通常中(有利区間)よりも有利な遊技状態となっている。また、第1ボーナス中及び第2ボーナス中は、増加区間(AT状態)として構成される状態であり、基本的には、上述の第3の遊技機におけるボーナス中と同様の遊技状態となっている。また、本変形例では、ST中及び第2ボーナス中は、双方の遊技状態で連チャンゾーンを構成している。これについては後述する。
通常中(非有利区間)において、有利区間に移行することが決定される(有利区間移行抽籤に当籤する)と、通常中(有利区間)に移行する(有利区間移行)。すなわち、有利区間が開始される。なお、有利区間移行抽籤の結果として、CZ中や第1ボーナス中に移行することが決定され得るようにし、当該決定結果となった場合には直接該当の状態に移行する場合があるようにしてもよい。
通常中(有利区間)において遊技が行われ、CZ移行条件が成立すると、CZ中に移行する(CZ移行条件成立)。なお、CZ移行条件は、例えば、当籤役に応じて設定された当籤確率でCZ移行抽籤が行われ、当該抽籤に当籤した場合に成立するように構成してもよいし、当籤役(あるいは、遊技期間の進行)に応じてポイントが付与されるようにし、付与されたポイントが規定値となった(周期到達となった)場合に成立する(あるいは、周期到達となったときにCZ移行抽籤が行われ、当該抽籤に当籤した場合に成立する)ように構成してもよい。すなわち、CZ中に移行させるか否かが所定契機ごとに決定され得るようにすればよく、上述のものもあくまで一例である。
また、通常中(有利区間)において遊技が行われ、AT移行条件が成立すると、第1ボーナス中に移行する(AT移行条件成立)。なお、AT移行条件は、例えば、当籤役に応じて設定された当籤確率でAT移行抽籤が行われ、当該抽籤に当籤した場合に成立するように構成してもよいし、上述の周期到達となったときにAT移行抽籤が行われ、当該抽籤に当籤した場合に成立する(あるいは、CZ移行抽籤の一部の決定結果としてAT当籤が決定される)ように構成してもよい。また、例えば、設定された天井ゲーム数やCZ失敗回数が規定値となった場合に成立するように構成してもよい。すなわち、第1ボーナス中に移行させるか否かが所定契機ごとに決定され得るようにすればよく、上述のものもあくまで一例である。
なお、本変形例では、基本的に、通常中(有利区間)からCZ中に移行し、CZ中にAT移行条件が成立して第1ボーナス中に移行するというルートが遊技性のメインルートとなっているため、通常中(有利区間)から直接第1ボーナス中に移行する確率は必ずしも高いものではない。また、AT移行条件が成立した場合、その一部では第2ボーナス中に移行することが決定され得るように構成してもよい。
なお、通常中(有利区間)では、例えば、CZ移行条件が成立するか否かに関連する決定、あるいは、AT移行条件が成立するか否かに関連する決定においては、現在の状態が優遇状態であるか、あるいは非優遇状態であるかによってその決定確率に差異が生じるように構成されている。具体的には、現在の状態が優遇状態であれば、上述の決定が優遇され、現在の状態が非優遇状態であれば、上述の決定が優遇されないものとなっている。
例えば、通常中(有利区間)において、現在の状態が優遇状態であるときは、少なくとも非優遇状態と比べてCZ移行抽籤に当籤しやすくし、現在の状態が非優遇状態であるときは、少なくとも優遇状態と比べてCZ移行抽籤に当籤しにくくする。なお、「当籤しにくくする」ことには、当該抽籤自体が行われなくなる(あるいは、当該抽籤は行われるが、当籤の抽籤値に「0」が設定されることによって実質的に当籤しなくなる(若しくは、当籤の抽籤値に極めて小さい値(例えば「1」など)が設定されることによって現実的にほぼ当籤しなくなる))ことが含まれるものとする。
また、例えば、通常中(有利区間)において、現在の状態が優遇状態であるときは、少なくとも非優遇状態と比べてポイントが付与されやすくし、現在の状態が非優遇状態であるときは、少なくとも優遇状態と比べてポイントが付与されにくくする。なお、「付与されにくくする」ことには、当該付与決定自体が行われなくなる(あるいは、当該付与決定は行われるが、決定結果が必ず「0」となることによって実質的に付与されなくなる(若しくは、決定結果が「1」以上となる確率が極めて低くなることによって現実的にほぼ付与されなくなる))ことが含まれるものとする。むろん、例えば、「スイカ」に当籤したときに、優遇状態であれば「5」ポイントが付与されるが、非優遇状態であれば「1」ポイントしか付与されないといった態様で差異を生じさせることも可能である。また、例えば、1ゲームにつき1ポイント付与されるものである場合、優遇状態であれば当該付与処理が行われるが、非優遇状態であれば当該付与処理は行われないといった態様で差異を生じさせることも可能である。
また、例えば、通常中(有利区間)において、現在の状態が優遇状態であるときは、少なくとも非優遇状態と比べてAT移行抽籤に当籤しやすくし、現在の状態が非優遇状態であるときは、少なくとも優遇状態と比べてAT移行抽籤に当籤しにくくする。なお、「当籤しにくくする」ことには、当該抽籤自体が行われなくなる(あるいは、当該抽籤は行われるが、当籤の抽籤値に「0」が設定されることによって実質的に当籤しなくなる(若しくは、当籤の抽籤値に極めて小さい値(例えば「1」など)が設定されることによって現実的にほぼ当籤しなくなる))ことが含まれるものとする。
また、例えば、通常中(有利区間)において、現在の状態が優遇状態であるときは、CZ移行条件が成立するか否かに関連する決定については非優遇状態よりも優遇するが、AT移行条件が成立するか否かに関連する決定については非優遇状態と同様とする(すなわち、優遇しない)といった態様を採用することもできるし、通常中(有利区間)において、現在の状態が優遇状態であるときは、AT移行条件が成立するか否かに関連する決定については非優遇状態よりも優遇するが、CZ移行条件が成立するか否かに関連する決定については非優遇状態と同様とする(すなわち、優遇しない)といった態様を採用することもできる。
CZ中は、例えば、規定期間(例えば、16ゲーム)継続可能に構成され、その間にAT移行条件が成立した場合に第1ボーナス中に移行するものとなっている(CZ成功・AT当籤)。一方、その間にAT移行条件が成立しなかった場合には通常中(有利区間)に移行するものとなっている(CZ失敗・AT非当籤)。なお、CZ中のAT移行条件は、例えば、通常中(有利区間)におけるものと同様のものを採用することもできるし、後述のST中におけるものと同様のものを採用することもできる。
また、後述の優遇制御に関し、例えば、CZ中において、通常中(有利区間)におけるものと同様のAT移行条件を採用する場合(あるいは、少なくともST中におけるものとは異なるAT移行条件を採用する場合)には、通常中(有利区間)と同様の優遇制御が行われるものとすることができるし、ST中におけるものと同様のAT移行条件を採用する場合(あるいは、少なくとも通常中(有利区間)におけるものとは異なるAT移行条件を採用する場合)には、ST中と同様の優遇制御が行われるものとすることができる。
また、CZ中のAT移行条件は、これらとは異なるものを採用することもできる。例えば、CZ中においては、その前半期間(例えば、1~10ゲーム)で所定契機ごと(例えば、特定役に当籤するごと、あるいは一遊技ごと)にAT当籤期待度を決定する(あるいは、昇格させる)ための期待度抽籤が行われ、その後半期間(例えば、11~15ゲーム)で決定されたAT当籤期待度を用いたAT抽籤が所定契機ごと(例えば、特定役に当籤するごと、あるいは一遊技ごと)に行われ、これに当籤した場合には最終ゲーム(例えば、16ゲーム目)でAT当籤(CZ成功)が告知された上で次ゲームから第1ボーナス中に移行し、これに当籤しなかった場合には最終ゲーム(例えば、16ゲーム目)でAT非当籤(CZ失敗)が告知された上で次ゲームから通常中(有利区間)に戻るなどといった遊技性を採用することができる。
この場合、例えば、前半期間において、現在の状態が優遇状態であるときは、少なくとも非優遇状態と比べて期待度抽籤に当籤しやすくし、現在の状態が非優遇状態であるときは、少なくとも優遇状態と比べて期待度抽籤に当籤しにくくするようにすればよい。また、後半期間において、現在の状態が優遇状態であるときは、少なくとも非優遇状態と比べてAT抽籤に当籤しやすくし、現在の状態が非優遇状態であるときは、少なくとも優遇状態と比べてAT抽籤に当籤しにくくするようにすればよい。なお、「当籤しにくくする」の態様は上述のものと同様である。
なお、CZ中の規定期間はあくまで例示であり、その期間は上述のものに限られない。例えば、ゲーム数管理とする場合、その期間は変動しない他の期間(例えば、32ゲーム)であってもよいし、変動し得る他の期間(例えば、16~32ゲームのうちで抽籤により決定されたもの)であってもよい。また、例えば、AT抽籤が行われる回数が規定されている(あるいは、抽籤によって決定される)ものとし、この規定回数(例えば、3回)のAT抽籤が行われるまでは継続するものとしてもよい。また、例えば、規定回数(例えば、3回)の継続抽籤が行われるものとし、途中の継続抽籤で非当籤となった場合にはCZ失敗となって終了し、全ての継続抽籤で当籤となった場合にはCZ成功となって終了するものとしてもよい。
また、CZ中においては、一又は複数の抽籤や決定結果にしたがい、第1ボーナス中に移行させるか否かが最終的に決定され得るようにすればよく、その態様も上述のものに限られない。また、CZ中から第1ボーナス中に移行させる時期も上述のものに限られない。例えば、最終ゲームを待つことなく、AT移行条件が成立したゲームの次ゲームから第1ボーナス中に移行させるようにしてもよい。
また、CZ中は、基本的に非AT状態である通常有利区間として構成されるものとしているが、少なくとも一部の期間(例えば、開始から押し順ベルが3回当籤するまでなど)においてはAT状態(増加区間)となるようにしてもよいし、あるいは、全期間をAT状態である増加区間として構成してもよい。
第1ボーナス中は、例えば、規定期間(例えば、20ゲーム)継続可能に構成されるAT状態(増加区間)であり、規定期間の遊技が消化されると連チャンゾーンに移行する(第1ボーナス終了条件成立)。なお、第1ボーナス中は、少なくとも所定契機ごと(例えば、特定役に当籤するごと、あるいは一遊技ごと)に第2ボーナスストック抽籤が行われ、これに当籤した場合には第2ボーナスカウンタの値が1加算される。そして、規定期間の遊技が消化されたときに、第2ボーナスカウンタの値が1以上である場合には第2ボーナスカウンタの値を1減算した上で第2ボーナス中に移行し、第2ボーナスカウンタの値が0である場合にはST中に移行するものとなっている。
なお、第1ボーナス中の規定期間はあくまで例示であり、その期間は上述のものに限られない。例えば、ゲーム数管理とする場合、その期間は変動しない他の期間(例えば、25ゲーム)であってもよいし、変動し得る他の期間(例えば、20・25・30ゲームのうちで抽籤により決定されたもの)であってもよい。また、押し順ベル当籤時にナビが発生する回数(ナビ回数)によって管理されるもの(例えば、ナビ回数が「10」回となったときに終了するなど)であってもよいし、差枚数によって管理されるもの(例えば、差枚数が「100」枚を超えるものとなったときに終了するなど)であってもよい。
第2ボーナス中は、例えば、規定期間(例えば、10ゲーム)継続可能に構成されるAT状態(増加区間)であり、規定期間の遊技が消化されると1セットが終了する。また、第2ボーナス中は、少なくとも所定契機ごと(例えば、特定役に当籤するごと、あるいは一遊技ごと)に第2ボーナスストック抽籤が行われ、これに当籤した場合には第2ボーナスカウンタの値が1加算される。そして、規定期間の遊技が消化されたとき(1セットが終了したとき)に、第2ボーナスカウンタの値が1以上である場合(第1ボーナス中やST中で加算されていたものも含む)には第2ボーナスカウンタの値を1減算した上で第2ボーナス中の次セットが開始されるものとなっている。なお、このとき(第1ボーナス中から最初に移行するとき、ST中から移行するときを含む)、規定期間を抽籤し(例えば、10・20・40ゲームのうちから一のゲーム数を決定し)、当該抽籤結果にしたがった規定期間が設定されるようにしてもよい。
また、第2ボーナス中において、規定期間の遊技が消化されたとき(1セットが終了したとき)に、第2ボーナスカウンタの値が0である場合にはST中に移行するものとなっている(第2ボーナス終了条件成立)。なお、第2ボーナス中の規定期間の管理手法は、第1ボーナス中の説明で述べたものと同様、種々の管理手法を採用することができる。
ST中は、例えば、規定期間(例えば、16ゲーム)継続可能に構成され、その間に第2ボーナス移行条件が成立した場合には第2ボーナス中に移行するものとなっている(第2ボーナス移行条件成立)。一方、その間に第2ボーナス移行条件が成立しなかった場合には、連チャンゾーンの終了(すなわち、有利区間の終了)となり、有利区間終了時の初期化処理が行われるとともに、通常中(非有利区間)に移行するものとなっている(連チャンゾーン終了)。
ST中は、基本的に非AT状態である通常有利区間として構成され、所定契機ごと(例えば、特定役に当籤するごと、あるいは一遊技ごと)に、当籤役と後述の抽籤MAPの種類とに応じて設定された当籤確率でAT移行抽籤(第2ボーナス移行抽籤)が行われるとともに、所定契機ごと(例えば、特定役に当籤するごと、あるいは一遊技ごと)に第2ボーナスストック抽籤が行われる。また、これらの抽籤(決定)に際しては、現在の状態が優遇状態であるか、あるいは非優遇状態であるかによってその決定確率に差異が生じるように構成されている。具体的には、現在の状態が優遇状態であれば、上述の決定が優遇され、現在の状態が非優遇状態であれば、上述の決定が優遇されないものとなっている。なお、これについては、図133を用いて後で詳述する。
ST中において、第2ボーナス移行抽籤に当籤した場合には次ゲームから(規定期間の遊技が消化されたときとしてもよい)第2ボーナス中に移行する(第2ボーナス移行条件成立)。また、第2ボーナス移行抽籤に当籤することなく規定期間の遊技が消化されたときに、第2ボーナスカウンタの値が1以上である場合には第2ボーナスカウンタの値を1減算した上で第2ボーナス中に移行する(第2ボーナス移行条件成立)。一方、第2ボーナス移行抽籤に当籤することなく規定期間の遊技が消化されたときに、第2ボーナスカウンタの値も0である場合には上述のとおり連チャンゾーンが終了し、通常中(非有利区間)に移行する(連チャンゾーン終了)。なお、ST中の規定期間の管理手法は、CZ中の説明で述べたものと同様、種々の管理手法を採用することができる。
このように、本変形例では、第1ボーナス中の終了後は、第2ボーナス中とST中とを相互に行き来(ループ)可能とし、ST中自体は増加区間として構成されていないが、第2ボーナス中に移行する期待度が高い(第2ボーナスが連チャンしやすい)状態として構成することで、遊技者にとって興趣の高い遊技期間である連チャンゾーンとして構成することを可能としている。また、第2ボーナス中はそれ単体で連チャンする(延長される)場合もあることから、これによっても興趣を高めることを可能としている。
なお、このような連チャンゾーンをさらに複数設けるようにしてもよい。例えば、上述の連チャンゾーンを第1連チャンゾーンとし、この第1連チャンゾーンにおいて、特定の移行条件が成立した場合にはこれよりも有利な第2連チャンゾーンに移行させるようにしてもよい。この場合、特定の移行条件は、例えば、第1連チャンゾーンにおいて、規定回数(例えば、累計5セット)の第2ボーナスが実行された場合に成立するなどとすればよい。また、例えば、第1連チャンゾーンにおいて、規定期間(例えば、累計100ゲーム)の第2ボーナスが実行された場合に成立するなどとしてもよい。むろんこれらも一例であり、遊技者の遊技結果によって成立し得る各種の条件を採用することができる。
また、第2連チャンゾーンを有利とする態様であるが、例えば、第1連チャンゾーンにおいては、第2ボーナスが連チャンする(ループする)確率がトータル50~75%程度に設定されるのに対し、第2連チャンゾーンにおいては、当該確率がトータル85%程度に設定されるものとして、相対的に第2ボーナス中に移行しやすくなる(連チャンゾーンが終了しにくくなる)といった態様を採用することもできるし、また、例えば、第1連チャンゾーンにおいては、第2ボーナス中の規定期間として40ゲームが所定確率で決定されるのに対し、第2連チャンゾーンにおいては、これによりも40ゲームが決定されやすくなる、あるいは、第1連チャンゾーンにおいては、第2ボーナスストック抽籤の当籤確率が所定確率であるのに対し、第2連チャンゾーンにおいては、これによりも当籤しやすくなることで、一回あたりの第2ボーナス中の継続度合いが有利となるといった態様を採用することもできる。むろんこれらも一例であり、結果として遊技者に有利となるのであればどのような態様も採用することができる。
なお、図示は省略しているが、本変形例においても、各種リミット処理が作動するものとなっており、例えば、第1ボーナス中、第2ボーナス中及びST中のいずれかの状態において、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1420」以上となった場合、又は有利区間払出数カウンタの値が「2064」以上となった場合にはエンディング状態に移行する。なお、エンディング状態は、上述の第3の遊技機におけるPBB中と同様に構成された状態である。
また、いずれの状態であっても、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上となった場合にはゲーム数リミッタが作動し、有利区間払出数カウンタの値が「2400」以上となった場合には払出数リミッタが作動する。この場合には、上述の如く、有利区間は強制的に終了となり、有利区間終了時の初期化処理が行われるとともに、通常中(非有利区間)に移行することとなる。
なお、ゲーム数リミッタは、ゲーム数の消化のみによって作動し得るものであるため、例えば、作動直前から遊技を開始した遊技者が(すぐにリミッタが作動して)興趣を低下させてしまう可能性があり、また、有利区間移行抽籤の抽籤内容などによっては、一度有利区間を終了させて非有利区間に移行させたときのほうが遊技者に有利となる場合があることから、有利区間を頻繁に終了させることがかえって射幸性の適切な管理に資することとならない可能性もある。したがって、このような観点より、リミッタとしては払出数リミッタのみを搭載し、ゲーム数リミッタについては搭載しないように構成してもよい。
<第3の遊技機(変形例)の優遇制御例(通常中)>
続いて、図132を参照して、本変形例における通常中(有利区間)の優遇制御例について説明する。なお、図132では、通常中(有利区間)の優遇制御例を説明するために、当該処理の一例を示す概要的なフローチャートを示している。したがって、当該優遇制御における具体的な制御処理は必ずしも図132に示すものに限られない。
まず、メインCPU101は、遊技が開始されるとき(例えば、開始操作が行われたとき)に、優遇カウンタは1以上であるか否かを判定する(S1001)。優遇カウンタは、当該遊技を優遇状態とするか、非優遇状態とするかを管理するためのカウンタであり、遊技開始時に、優遇カウンタが1以上であれば当該遊技は優遇状態に制御され、優遇カウンタが0であれば当該遊技は非優遇状態に制御されるものとなっている。
メインCPU101は、優遇カウンタは1以上であると判定した場合(S1001がYES)、当該遊技の状態を優遇状態にセットする(S1002)。次いで、優遇カウンタを1減算する(S1003)。その後、処理をS1005に移す。
一方、メインCPU101は、優遇カウンタは1以上でない(すなわち、0である)と判定した場合(S1001がNO)、当該遊技の状態を非優遇状態にセットする(S1004)。その後、処理をS1005に移す。
なお、図132では図示を省略しているが、S1001~S1004の処理によって、当該遊技の状態として優遇状態又は非優遇状態が設定されると、メインCPU101は、当該設定結果を参照して、CZ移行条件が成立するか否かに関連する決定やAT移行条件が成立するか否かに関連する決定などのAT状態(例えば、第1ボーナス中)に関連する決定を行う。
例えば、メインCPU101は、優遇状態が設定されていれば、当該遊技においてCZ移行抽籤を行ったり、AT移行抽籤を行ったりするなどの処理を行う。また、当該遊技において、ポイントを付与したり、天井ゲーム数を進行させたりするなどの処理を行う。一方、メインCPU101は、非優遇状態が設定されていれば、当該遊技においてCZ移行抽籤を行ったり、AT移行抽籤を行ったりするなどの処理を行わない。また、当該遊技において、ポイントを付与したり、天井ゲーム数を進行させたりするなどの処理を行わない。なお、優遇状態を非優遇状態と比べてどのように有利とするかの態様、あるいは、非優遇状態を優遇状態と比べてどのように不利とするかの態様については、これらに限られないことは上述のとおりである。
次いで、メインCPU101は、当該遊技の停止操作が左第1停止であるか否かを判定する(S1005)。すなわち、メインCPU101は、当該遊技において特定態様にて停止操作が行われたかを判定する。なお、この判定は、第1停止操作が行われたときに実行されるものであってもよいし、第3停止操作後に実行されるものであってもよい。
メインCPU101は、当該遊技の停止操作が左第1停止であると判定した場合(S1005がYES)、優遇カウンタ加算抽籤を行い、当該抽籤に当籤なら優遇カウンタを1加算する(S1006)。その後、当該処理を終了させる。一方、メインCPU101は、当該遊技の停止操作が左第1停止でないと判定した場合(S1005がNO)、そのまま当該処理を終了させる。
優遇カウンタ加算抽籤では、例えば、確率分母を「65536」とし、「優遇カウンタ1加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「65535」が割り当てられ、「優遇カウンタ加算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられた優遇カウンタ加算抽籤テーブルが参照され、抽出された乱数値に基づいて当該抽籤が行われる。この場合、「65535/65536」の確率で優遇カウンタが1加算されることが決定され、「1/65536」の確率で優遇カウンタは加算されないことが決定される。すなわち、本変形例では、優遇状態の遊技において、左第1停止にて停止操作が行われた場合であっても優遇カウンタの値を1加算しないときがあるように構成されている。
なお、上記の優遇カウンタ加算抽籤テーブルの構成はあくまで一例である。例えば、確率分母を「256」とし、「優遇カウンタ1加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「255」が割り当てられ、「優遇カウンタ加算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられるものであってもよい。すなわち、2バイト乱数でなく、1バイト乱数を用いて当該抽籤が行われるものとしてもよい。
また、例えば、「優遇カウンタ加算せず」が決定される確率を上記のものよりも増加させてもよい。例えば、1バイト乱数の例で説明すると、「優遇カウンタ1加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「192」や「128」が割り当てられるものとし、「優遇カウンタ加算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「64」や「128」が割り当てられるものとしてもよい。すなわち、優遇状態の有利の程度(あるいは、非優遇状態の不利の程度)などに応じて、適宜確率が設定されるようにすればよい。これは、他の例についても同様である。
また、例えば、確率分母を「65536」とし、「優遇カウンタ1加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「65536」が割り当てられ、「優遇カウンタ加算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「0」が割り当てられるものであってもよい。すなわち、抽籤処理自体は行われるが、当該遊技の停止操作が左第1停止である場合には実質的に必ず優遇カウンタが1加算されるものとしてもよい。なお、これに付随して、例えば、S1005の処理において、メインCPU101が当該遊技の停止操作が左第1停止であると判定した場合には、S1006の処理においては単に優遇カウンタを1加算する処理が行われるものとし、抽籤は行われないものとしてもよい。
また、S1005の処理において、メインCPU101が当該遊技の停止操作が左第1停止であると判定した場合には、S1006の処理において次遊技を対象として優遇状態がセットされる処理が行われるものとし、メインCPU101が当該遊技の停止操作が左第1停止以外であると判定した場合には、その後の処理(仮にS1007とする)において次遊技を対象として非優遇状態がセットされる処理が行われるものとして、優遇カウンタを用いることなくこのような制御が行われ得るものとしてもよい。
また、例えば、確率分母を「65536」とし、「優遇カウンタ1加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「65534」が割り当てられ、「優遇カウンタ2加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられ、「優遇カウンタ加算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられるものであってもよい。すなわち、一回の遊技で優遇カウンタの値が2以上加算される場合があるものとして、一回の遊技の結果に応じて複数の遊技分、優遇状態が継続することが決定され得るものとしてもよい。
このように、メインCPU101は、S1005及びS1006の処理によって、当該遊技の停止操作が左第1停止である場合には、原則として優遇カウンタを1加算する。そうすると、次遊技においては優遇状態が設定されることとなる(S1001及びS1002参照)。一方、当該遊技の停止操作が左第1停止でない場合には、原則として優遇カウンタを加算しない。そうすると、次遊技においては非優遇状態が設定されることとなる(S1001、S1003及びS1004参照)。
すなわち、本変形例では、上述のような優遇制御が行われることで、遊技者が左第1停止で遊技を行うと、少なくともその次遊技は優遇状態となることから、遊技者がずっと左第1停止で遊技を行えば、基本的にずっと優遇状態で遊技が行われることとなる。一方、遊技者が左第1停止以外で遊技を行うと、少なくともその次遊技は非優遇状態となることから、遊技者がずっと左第1停止以外で遊技を行えば、基本的にずっと非優遇状態で遊技が行われることとなる。
なお、上述の一例では、特定態様にて停止操作が行われた場合、S1006の処理において優遇カウンタが加算更新されることで、次遊技が優遇状態とされるようにしていたが、優遇カウンタの制御手法はこれに限られない。例えば、S1003又はS1004の処理後、S1005の処理前に、優遇カウンタを1加算する処理が行われるものとし、S1005がYESの場合にはそのまま処理を終了する一方、S1005がNOの場合には優遇カウンタ減算抽籤を行い、当該抽籤に当籤なら優遇カウンタを1減算し、当該処理を終了させるようにしてもよい。この場合、例えば、「優遇カウンタ1減算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「65535」が割り当てられ、「優遇カウンタ減算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられた優遇カウンタ減算抽籤テーブルが参照され、抽出された乱数値に基づいて当該抽籤が行われるものとすればよい。
また、この場合、優遇カウンタ減算抽籤テーブルは、例えば、確率分母を「65536」とし、「優遇カウンタ1減算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「65534」が割り当てられ、「優遇カウンタ2減算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられ、「優遇カウンタ減算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられるものであってもよい。すなわち、一回の遊技で優遇カウンタの値が実質的に2以上減算される場合があるものとして、一回の遊技の結果に応じて複数の遊技分、非優遇状態が継続することが決定され得るものとしてもよい。
なお、本変形例では、上述のような優遇制御は、少なくとも通常中(有利区間)においてはいずれの当籤役が決定されたとしても行われ得るように構成されている。すなわち、本変形例では、通常中(有利区間)における全ての遊技で上述のような優遇制御を実行可能であるものとしている。また、これは、CZ中も同様の優遇制御を行うように構成する場合には当該CZ中も同様であるし、ST中も同様の優遇制御を行うように構成する場合には当該ST中も同様である。すなわち、本変形例では、少なくともAT状態(第1ボーナス中又は第2ボーナス中)に制御されていないときには、上述のような優遇制御を実行可能である。
もっとも、AT状態においても上述のような優先制御を実行可能としてもよい。例えば、AT状態であるか否かで処理が分岐することで制御負荷が増加する可能性がある場合には、上述のような優先制御は常に実行されることとしてもよい。この場合、例えば、AT状態である場合には優遇カウンタの値を参照することなく各種の決定や抽籤が行われるようにすればよい。あるいは、AT状態では固有の処理として、遊技ごとに優遇カウンタを1加算する処理が行われるものとし、これによってAT状態中は優遇カウンタの値が常に1以上となるようにしてもよい。なお、この場合には、ST中に移行することとなったときに、優遇カウンタの値の初期値として「1」がセットされるようにすればよい。
ここで、上述の第3の遊技機では、例えば「押し順ベル」のように、停止操作態様(打順)によって付与される遊技価値の期待値が変動する押し順小役と、この押し順小役以外の停止操作態様(打順)によって付与される遊技価値の期待値は変動しない不問役(例えば各リプレイ役やその他の各小役)とを有し(例えば、図82~図85、図94や図96等参照)、押し順小役が当籤役として決定された遊技で、特定態様(例えば左第1停止)にて停止操作が行われた場合を、AT関連処理は有利となるが、付与される遊技価値の期待値は低くなるAT優遇打順とし、特定態様とは異なる態様(例えば左第1停止以外)にて停止操作が行われた場合を、AT関連処理は不利となるが、付与される遊技価値の期待値は高くなる獲得優遇打順(換言すれば、AT非優遇打順)としていたが、本変形例では、これとは異なる態様にてこれらの打順を構成するものとしている。
具体的には、上述の如く、遊技機全体の特性として、特定態様にて停止操作が行われた場合には遊技価値の付与が不利となる一方、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には遊技価値の付与が一方的に有利となると捉え、遊技ごとの当籤役にかかわらず、特定態様にて停止操作が行われた場合には、これをAT優遇打順とし(すなわち、優遇状態に制御可能とし)、特定態様とは異なる態様にて停止操作が行われた場合には、これをAT非優遇打順とする(すなわち、非優遇状態に制御可能とする)ものとしている。換言すれば、全ての役をこのような優遇制御の対象としているのである。
もっとも、このような優遇制御は、基本的に推奨遊技状態で遊技が行われることを前提としていることから、例えば、推奨遊技状態では原則として当籤することがないボーナス役(例えば、「F_BB」など)については対象外としてもよい。
また、例えば、「F_チェリー」や「F_スイカ」など、当籤確率は低いが遊技者にとって期待度の高い態様にて各種の抽籤や決定が行われ得る、いわゆるレア役については対象外としてもよい。なお、レア役を対象外とする態様であるが、例えば、現在の状態が優遇状態でレア役が当籤役として決定された場合には対象外とする一方、現在の状態が非優遇状態でレア役が当籤役として決定された場合には対象外とはしないといった態様を採用することもできる。
また、例えば、現在の状態が優遇状態でレア役が当籤役として決定された場合に、例えば、CZ移行抽籤やAT移行抽籤に当籤するなどして有利状態に移行することが決定された場合には対象外とする一方、有利状態に移行することが決定されなかった場合には対象外とはしないといった態様を採用することもできる。
また、通常役のみを優遇制御の対象とするように構成してもよい。なお、ここでいう「通常役」は、例えば、上述の如く、ボーナス役を除く全ての役として定義することもできるし、ボーナス役及びレア役を除く全ての役として定義することもできる。また、ボーナス役の持越状態(フラグ間)で遊技が進行する場合においては、フラグ間におけるレア役以外の役として定義することもできる。例えば、押し順ベル等の小役とフラグ間のボーナス役との重複役や、リプレイ役とフラグ間のボーナス役との重複役をまとめて「通常役」として扱うものとしてもよい。また、これらとは異なる捉え方によって定義することもできる。例えば、全ての役のうちで、優遇制御の対象とする役と、優遇制御の対象外としない役とを予め定めておき(役種は問わない)、優遇制御の対象とする役は全て通常役であるとして定義することもできる。なお、このように、優遇制御の対象とする役は「ペナルティくじ」等と称されることがある。
また、例えば、リプレイ役について、押し順リプレイを設けるようにし、当該押し順リプレイは、特定態様にて停止操作が行われた場合には特定の図柄組合せが表示される一方、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には当該特定の図柄組合せが表示されないように構成し(ただし、最終的に付与されるのはともに再遊技である)、この押し順リプレイと押し順小役とを通常役として定義し、その他の不問役は対象外とするとして定義することもできる。
<第3の遊技機(変形例)の優遇制御例(ST中)>
続いて、図133を参照して、本変形例におけるST中の優遇制御例について説明する。図133では、ST中の優遇制御例を説明するために、ST中の遊技の流れの一部の概要を示している。なお、各遊技を優遇状態又は非優遇状態のいずれに制御するかは、図132を用いて説明したものと同様の手法を採用することもできるし、これとは異なる手法を採用することもできる。
(ST中の仕様例)
まず、ST中の仕様例について説明する。上述のとおり、また、図133に示すように、ST中は、例えば、規定期間(例えば、16ゲーム)継続可能に構成される。この規定期間は、期間管理情報であるSTゲーム数カウンタによって管理される。STゲーム数カウンタの値は、その遊技における停止操作態様が順押し(左第1停止)であるか、変則押し(左第1停止以外)であるかにかかわらず(換言すれば、優遇状態に制御されるか、非優遇状態に制御されるかにかかわらず)、1ゲームにつき1ずつ加算される。すなわち、ST状態の遊技期間(期間管理情報)は、打順不問で進行する。なお、STゲーム数カウンタは減算更新によって対応する情報を管理するものであってもよい。
また、例えば、変動表示部を3つのリール(左リール3L,中リール3C,右リール3R)で構成する場合、より詳細には、「左→中→右」の順に停止操作を行う場合は「順押し」、「左→右→中」の順に停止操作を行う場合は「ハサミ打ち」などともいうが、図133の説明(他において左第1停止を「順押し」と説明している場合も同様)においては、左第1停止(左→中→右、及び、左→右→中の両方)を含めて「順押し」と表記している。そして、少なくとも本例では、左第1停止の場合は、左→中→右の順で停止操作する場合と、左→右→中の順で停止操作する場合とで特に差を設けない(処理の上でも同じ扱い)として、第1停止時点で優遇状態に関する処理を可能としている。もっとも、左→中→右の順で停止操作する場合と、左→右→中の順で停止操作する場合とで優遇状態とするか否かの処理に関して差を設けるものとしてもよく、例えば、左→中→右の順で停止操作した場合は優遇状態となる推奨打法(特定態様となる停止操作)がなされたとして扱い、左→右→中の順で停止操作した場合は第2停止の時点で、変則押し(中第1停止、右第1停止)と同じく非推奨打法(特定態様とならない停止操作)がなされたと扱うものとしてもよい。
また、ST中の有利度合いを管理する抽籤管理情報であるMAPゲーム数カウンタが設けられる。MAPゲーム数カウンタの値は、その遊技における停止操作態様が順押しである場合には1加算され、変則押しである場合には加算されないように構成される。なお、MAPゲーム数カウンタの値は、抽籤MAPを設定するために用いられ、基本的にその値が大きいほど、第2ボーナス移行抽籤に当籤する確率が高くなるように構成される。すなわち、ST中の有利度合い(抽籤管理情報)は、順押しの場合には有利なものに変動し(進行し)、変則押しの場合には有利なものに変動しない(進行しない)。なお、MAPゲーム数カウンタは減算更新によって対応する情報を管理するものであってもよい。
また、少なくとも変則押しの場合よりも確率は低いが、順押しの場合にもMAPゲーム数カウンタの値が加算されない場合があるようにしてもよい。この場合、例えば、確率分母を「65536」とし、「MAPゲーム数カウンタ1加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「65535」が割り当てられ、「MAPゲーム数カウンタ加算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられたMAPゲーム数カウンタ加算抽籤テーブルが参照され、抽出された乱数値に基づいて当該抽籤が行われるものとすればよい。
また、少なくとも順押しの場合よりも確率は低いが、変則押しの場合にもMAPゲーム数カウンタの値が加算される場合があるようにしてもよい。この場合、例えば、「MAPゲーム数カウンタ加算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「65535」が割り当てられ、「MAPゲーム数カウンタ1加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられたMAPゲーム数カウンタ加算抽籤テーブルが参照され、抽出された乱数値に基づいて当該抽籤が行われるものとすればよい。
また、MAPゲーム数カウンタの値と抽籤MAPとの関係であるが、MAPゲーム数カウンタの値が大きいほど抽籤MAPが有利となるという基本的な関係性はそのままに、例えば、MAPゲーム数カウンタの値と抽籤MAPとが一義的に対応するものとして、MAPゲーム数カウンタの値に応じた抽籤MAPが設定されるものとしてもよいし、MAPゲーム数カウンタの値に応じた抽籤値で複数の抽籤MAPの中から一の抽籤MAPが抽籤によって決定されるものとしてもよい。
また、抽籤MAPであるが、例えば、単に第2ボーナス移行抽籤に当籤する確率が進行するのに応じて高くなる(当籤が決定される抽籤値が大きくなる)といった態様で有利度合いを有利なものに変動可能とするものであってもよいし、第2ボーナス移行抽籤が行われる対象役が進行するのに応じて増加する(結果として当籤確率が高くなる)といった態様で有利度合いを有利なものに変動可能とするものであってもよい。また、これらを組み合わせて有利度合いを有利なものに変動可能とするものであってもよい。なお、これらもあくまで一例であり、これら以外の態様にて有利度合いを有利なものに変動可能とするものであってもよい。
図133に示すもので例示すると、例えば、抽籤MAP「A」であるときは、抽籤対象役は「スイカ」及び「チェリー」であり、確率分母を「256」とし、それぞれで当籤が決定される抽籤値に「1」が割り当てられ、非当籤が決定される抽籤値に「255」が割り当てられるものとする。また、抽籤MAP「B」であるときは、抽籤対象役は「スイカ」及び「チェリー」であり、確率分母を「256」とし、それぞれで当籤が決定される抽籤値に「2」が割り当てられ、非当籤が決定される抽籤値に「254」が割り当てられるものとする。また、抽籤MAP「C」であるときは、抽籤対象役は「スイカ」及び「チェリー」であり、確率分母を「256」とし、それぞれで当籤が決定される抽籤値に「3」が割り当てられ、非当籤が決定される抽籤値に「253」が割り当てられるものとする。
また、抽籤MAP「D」であるときは、抽籤対象役は「スイカ」、「チェリー」及び「特殊役」であり、確率分母を「256」とし、それぞれで当籤が決定される抽籤値に「1」が割り当てられ、非当籤が決定される抽籤値に「255」が割り当てられるものとする。また、抽籤MAP「E」であるときは、抽籤対象役は「スイカ」、「チェリー」及び「特殊役」であり、確率分母を「256」とし、それぞれで当籤が決定される抽籤値に「2」が割り当てられ、非当籤が決定される抽籤値に「254」が割り当てられるものとする。また、抽籤MAP「F」であるときは、抽籤対象役は「スイカ」、「チェリー」及び「特殊役」であり、確率分母を「256」とし、それぞれで当籤が決定される抽籤値に「3」が割り当てられ、非当籤が決定される抽籤値に「253」が割り当てられるものとする。例えば、このようにして順次有利度合いが高めるように構成することができる。
(制御例1)
続いて、ST中の1~6ゲーム目において、全て順押しで遊技を行った場合を制御例1として説明する(図133の(a)参照)。
1ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「A」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
2ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「B」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
3ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「C」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
4ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「D」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
5ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「E」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
6ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「F」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
(制御例2)
続いて、ST中の1~6ゲーム目において、1ゲーム目に変則押しで遊技を行い、残りを順押しで遊技を行った場合を制御例2として説明する(図133の(b)参照)。
1ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「A」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
2ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
3ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「B」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
4ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「C」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
5ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「D」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
6ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「E」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
ここで、制御例1と比較してみると、制御例1では、6ゲーム目において抽籤MAPが「F」まで進行しているのに対し、制御例2では、6ゲーム目において抽籤MAPが「E」までしか進行していない。また、制御例2では、2ゲーム目が非優遇状態に制御されたため、当該遊技では第2ボーナス移行抽籤や第2ボーナスストック抽籤が行われていない(一例として、無抽籤としている)。すなわち、制御例2では、1ゲーム目において、例えば、「押し順ベル」に当籤し、偶々正解打順となって多くの遊技価値が付与される場合があったとしても、少なくともAT関連処理は制御例1よりも不利となっており、しかも、ST中の遊技期間が延長されるわけでもないため、全体としてみれば、制御例1よりも遊技者に不利となり得るものとなっている。
(制御例3)
続いて、ST中の1~6ゲーム目において、1~4ゲーム目に変則押しで遊技を行い、残りを順押しで遊技を行った場合を制御例3として説明する(図133の(c)参照)。
1ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「A」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
2ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
3ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
4ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
5ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
6ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「B」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
ここで、制御例1と比較してみると、制御例1では、6ゲーム目において抽籤MAPが「F」まで進行しているのに対し、制御例3では、6ゲーム目において抽籤MAPが「B」までしか進行していない。また、制御例3では、2~5ゲーム目が非優遇状態に制御されたため、当該遊技では第2ボーナス移行抽籤や第2ボーナスストック抽籤が行われていない(一例として、無抽籤としている)。すなわち、制御例3では、1~4ゲーム目において、例えば、「押し順ベル」に当籤し、偶々正解打順となって多くの遊技価値が付与される場合があったとしても、少なくともAT関連処理は制御例1よりも不利となっており、しかも、ST中の遊技期間が延長されるわけでもないため、全体としてみれば、制御例1よりも遊技者に不利となり得るものとなっている。
(制御例4)
続いて、ST中の1~6ゲーム目において、全て変則押しで遊技を行った場合を制御例4として説明する(図133の(d)参照)。
1ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「A」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
2ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
3ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
4ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
5ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
6ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
なお、このような制御例4において、仮にST中の全期間において変則押しで遊技が行われたとした場合、7~15ゲーム目までは同様の制御が行われる。そして、16ゲーム目においては、当該遊技がST中に第2ボーナスが付与されるか否かが決定され得る最終ゲームとなるが、当該遊技も非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
そして、次ゲームでは(例えば、1ゲーム目で第2ボーナスストック抽籤に当籤していれば第2ボーナス中に移行する場合はあるとしても)、基本的に第2ボーナスが付与されるか否かの決定は行われず、連チャンゾーンの結果表示(例えば、連チャンゾーン中に、第2ボーナスが何セット実行されたかや何枚獲得できたか等)を行うための1ゲームのST終了準備状態に制御され、当該遊技でST中が終了し、また、これによって連チャンゾーンも終了する(すなわち、有利区間が終了する)こととなる。
<第3の遊技機(変形例)の期待感演出の制御例>
続いて、図134~図141を参照して、本変形例の期待感演出の制御例について説明する。なお、図134及び図135は、演出データ1が決定された場合の制御例(制御例1)を示す図であり、図136及び図137は、演出データ2が決定された場合の制御例(制御例2)を示す図であり、図138~図141は、演出データ3が決定された場合の制御例(制御例3)を示す図である。また、この制御例においては説明をわかりやすくするため、本実施形態のとおり、変動表示部が3つのリール(左リール3L,中リール3C,右リール3R)を具備するものとして説明する。
また、ここでいう「期待感演出」は、遊技者に何らかの期待感を与えることが可能な演出を意味するものであり、例えば、通常中(有利区間)において、レア役に当籤した遊技で実行され得る(レア役でない役に当籤した遊技でも実行され得る)演出や、CZ中(あるいは、第1ボーナス中)に移行することが決定されているが未だCZ中(あるいは、第1ボーナス中)に移行していない前兆状態で実行され得る(いわゆるガセ前兆状態でも実行され得る)演出である。
すなわち、遊技者に有利な状況が発生すること(あるいは、発生しないこと)を報知したり、遊技者に有利な状況が発生し得る可能性(例えば、その高低ないし期待度など)を示唆したりすることを可能とする演出として定義することもできる。また、そのような報知ないし示唆は、遊技の進行に応じて演出内容が変化する(演出が進行する)ことによって行われるものとなっている。
なお、上述の用途はあくまで一例であり、むろん他の用途で用いることもできる。例えば、CZ中やST中に、AT状態移行の期待感を報知ないし示唆するものであってもよいし、第1ボーナス中や第2ボーナス中に、AT状態延長の期待感を報知ないし示唆するものであってもよい。また、この例では、期待感演出の一例として、メイン演出表示部21における表示内容の変化(表示内容の進行)によって報知ないし示唆を行うものとしているが、これに限られず、例えば、ランプやスピーカ等の他の演出実行手段の演出態様によって演出を進行させ、そのような報知ないし示唆を行うものであってもよい。
(制御例1)
まず、図134及び図135を参照して、期待感演出の一例として演出データ1が決定された場合の制御例(制御例1)を説明する。なお、図134は、この例において、順押し(左第1停止)で停止操作が行われて遊技が進行した場合の表示内容の進行を模式的に示した図であり、図135は、この例において、順押し以外(左第1停止以外)で停止操作が行われて遊技が進行した場合の表示内容の進行を模式的に示した図である。
この例では、最初に、開始操作時において、演出内容や期待度を示す導入表示(図134及び図135中、「宝を見つけろ!」の表示画面)が行われた後、演出の進行が開始されている(図134及び図135中、「どこだ?」の表示画面)。
このとき、図134に示すように、左第1停止で停止操作が行われたとする。この場合には、第1停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図134中、「どこだ?どこだ?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第2停止操作が行われた場合、第2停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図134中、「どこだ?どこだ?どこだ?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第3停止操作が行われた場合、第3停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する。この場合、有利な状況の発生を報知ないし示唆する場合には、有利結果表示を行う(図134中、「GET!CHANCE!」の表示画面)。一方、有利な状況の発生を報知ないし示唆しない場合には、不利結果表示を行う(図134中、「残念・・・」の表示画面)。このように、順押しである場合には、最終的な表示内容(あるいは、中途の表示内容によって予測可能な場合があってもよい)によって、遊技者に所定の期待感が示されるものとなっている。
一方、演出の進行が開始された後、図135に示すように、左第1停止以外で停止操作が行われたとする。この場合には、演出の進行が停止され、その後は、当該演出に対応する待機表示が行われるものとなっている(図135中、「宝ステージ待機中」の表示画面)。この待機表示は、第2停止操作や第3停止操作が行われて遊技が進行した場合にも継続して行われるものとなっている。すなわち、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には、以後当該演出が進行しないものとなり、遊技者に所定の期待感は示されなくなる。
(制御例2)
まず、図136及び図137を参照して、期待感演出の一例として演出データ2が決定された場合の制御例(制御例2)を説明する。なお、図136は、この例において、順押し(左第1停止)で停止操作が行われて遊技が進行した場合の表示内容の進行を模式的に示した図であり、図137は、この例において、順押し以外(左第1停止以外)で停止操作が行われて遊技が進行した場合の表示内容の進行を模式的に示した図である。
この例では、最初に、開始操作時において、演出内容や期待度を示す導入表示(図136及び図137中、「敵から逃げろ!」の表示画面)が行われた後、演出の進行が開始されている(図136及び図137中、「急げ!」の表示画面)。
このとき、図136に示すように、左第1停止で停止操作が行われたとする。この場合には、第1停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図136中、「急げ!急げ!」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第2停止操作が行われた場合、第2停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図136中、「急げ!急げ!急げ!」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第3停止操作が行われた場合、第3停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する。この場合、有利な状況の発生を報知ないし示唆する場合には、有利結果表示を行う(図136中、「成功!」の表示画面)。一方、有利な状況の発生を報知ないし示唆しない場合には、不利結果表示を行う(図136中、「失敗・・・」の表示画面)。このように、順押しである場合には、最終的な表示内容(あるいは、中途の表示内容によって予測可能な場合があってもよい)によって、遊技者に所定の期待感が示されるものとなっている。
一方、演出の進行が開始された後、図137に示すように、左第1停止以外で停止操作が行われたとする。この場合には、演出の進行が停止され、その後は、当該演出に対応する待機表示が行われるものとなっている(図137中、斜線で示す表示画面。なお、これは、制御例1とは異なる待機表示が行われることを示したものに過ぎず、例えば、「逃亡ステージ待機中」といったように当該演出に対応することが認識しやすい表示画面が表示されるものとしてもよい)。この待機表示は、第2停止操作や第3停止操作が行われて遊技が進行した場合にも継続して行われるものとなっている。すなわち、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には、以後当該演出が進行しないものとなり、遊技者に所定の期待感は示されなくなる。
なお、上述の制御例1及び制御例2では、それぞれにおいて、第1停止操作が左第1停止以外であった場合、そのときからそれぞれの演出に対応する待機表示が行われるものとしていたが、待機表示が開始される時期はこれに限られない。例えば、第2停止操作が行われたときとしてもよいし、第3停止操作が行われたときとしてもよい。また、それぞれで待機表示が開始される時期が異なるものであってもよい。これは、後述の制御例3についても同様である。
また、上述の制御例1及び制御例2では、異なる種類の期待感演出が複数あることを例示するために、制御例1における期待感演出と、制御例2における期待感演出とがあることを説明したが、むろん、このような演出の種類は2種類に限られない。少なくとも一部の表示内容が異なるそれ以上の種類があるように構成することが可能である。また、この場合、それぞれの演出に対応する待機表示が設けられるようにすればよい。また、後述の制御例3では、上述の制御例1が連続演出の一部である場合を例示するために、制御例3における期待感演出があることを説明したが、むろん、このような演出の種類は1種類に限られない。少なくとも一部の表示内容が異なるそれ以上の種類があるように構成することが可能である。また、この場合、それぞれの演出に対応する待機表示が設けられるようにすればよい。
また、上述の制御例1及び制御例2では、待機表示を行う場合に、それぞれの演出の演出内容とできる限り齟齬が生じないように、それぞれの演出に対応する固有の待機表示が行われるものとしていたが、例えば、データ量の削減等を図るために共通の待機表示が行われるものとしてもよい。これは、後述の制御例3についても同様である。
また、上述の制御例1及び制御例2では、第1停止操作が左第1停止以外であるときは一律に待機表示が行われるものとしていたが、例えば、実行される演出が最終的に有利結果表示を行うものである場合には待機表示を行わず、最終的に不利結果表示を行うものである場合に待機表示を行うものとしてもよい。すなわち、左第1停止以外で遊技が行われ、非優遇状態に制御される場合であっても、それが遊技状況に影響を与えない(あるいは、与えにくい)場合(例えば、すでにAT抽籤に当籤していて、次遊技からAT状態に移行することが予定されている場合など)には、待機表示を行わないものとしてもよい。これは、後述の制御例3についても同様である。
一方、例えば、実行される演出が最終的に不利結果表示を行うものである場合には待機表示を行わず、最終的に有利結果表示を行うものである場合に待機表示を行うものとしてもよい。すなわち、当該演出がもともとガセ演出であり、最終的な結果表示を行わなくとも、それが必ずしも遊技者にとって不利とならない場合には、待機表示を行わないものとしてもよい。これは、後述の制御例3についても同様である。
また、上述の制御例1及び制御例2における期待感演出は、単発演出として構成されるものであってもよいし、連続演出の一部として構成されるものであってもよい。例えば、単発演出として構成されるものである場合、当該演出が行われ、待機表示が行われた当該遊技の次遊技においては、当該演出と同じ演出が再度実行されるものとしてもよい。あるいは、当該演出が行われ、待機表示が行われた当該遊技の次遊技においては、演出抽籤は実行されず、演出無し(基本的な表示画面は除く)となるようにしてもよい。また、待機表示は、その表示が開始された後、次遊技を開始するための開始操作が行われたときにその表示が終了されるものとしてもよい。この場合、待機表示の表示が終了すると、予定されていた演出の表示が開始ないし再開されるものとすればよい。なお、待機表示の表示が終了するのは、開始操作が行われたときではなく、次遊技のためのベット操作が行われたときとしてもよい。
また、あるいは、当該演出が行われ、待機表示が行われた当該遊技の次遊技においては、当該遊技で表示された待機表示がそのまま継続して行われるものとしてもよい。この場合、当該次遊技において順押しで停止操作が行われた場合には、その次の遊技(最初に待機表示が行われた遊技の2ゲーム後の遊技)において、当該演出と同じ演出が再度実行されるものとしてもよいし、特段の制御を行うことなく、通常のルールにしたがって演出が決定され得るものとしてもよい。また、当該演出が行われ、待機表示が行われた当該遊技の次遊技においては、特段の制御を行うことなく、通常のルールにしたがって演出が決定され得るものとしてもよい。
また、例えば、連続演出として構成されるものである場合、当該演出が行われ、待機表示が行われた当該遊技の次遊技においては、待機表示が行われた遊技で実行されたものと同じ演出が再度実行されるものとすればよい。例えば、連続演出が、1ゲーム目で第1演出が実行され、2ゲーム目で第2演出が実行され得る2ゲーム構成であったとする。このとき、全ての遊技が順押しで行われた場合には、1ゲーム目で第1演出が実行され、2ゲーム目で第2演出が実行される。
一方、例えば、1ゲーム目が変則押しで行われた場合、当該遊技では第1演出の途中から待機表示が行われることとなる。このとき、2ゲーム目では第1演出が再度実行されるようにし、2ゲーム目が順押しで行われた場合、当該遊技では第1演出が最後まで実行され、3ゲーム目で第2演出が実行されるようにする。また、このとき、2ゲーム目が変則押しで行われた場合、当該遊技では1ゲーム目と同様の制御が行われるものとすればよい。すなわち、2ゲーム目では第1演出の途中から待機表示が行われ、3ゲーム目では第1演出が再度実行されるようにし、3ゲーム目が順押しで行われた場合、当該遊技では第1演出が最後まで実行され、4ゲーム目で第2演出が実行されるようにすればよい。
また、例えば、1ゲーム目は順押しで行われ、2ゲーム目が変則押しで行われた場合、当該遊技では第2演出の途中から待機表示が行われることとなる。このとき、3ゲーム目では第2演出が再度実行されるようにし、3ゲーム目が順押しで行われた場合、当該遊技では第2演出が最後まで実行されるようにする。また、このとき、3ゲーム目が変則押しで行われた場合、当該遊技では2ゲーム目と同様の制御が行われるものとすればよい。すなわち、3ゲーム目では第2演出の途中から待機表示が行われ、4ゲーム目では第2演出が再度実行されるようにし、4ゲーム目が順押しで行われた場合、当該遊技では第2演出が最後まで実行されるようにすればよい。
もっとも、ずっと変則押しが行われることで、同じ演出がずっと繰り返されることに支障がある場合には、そのような制御が行われ得る遊技数に上限(例えば、10ゲームなど)を設けるようにし、上限の遊技数が消化されても演出が完結していなかった場合には、演出が途中で終了する制御が行われるようにしてもよい。なお、連続演出として構成される場合の制御例は、後述の制御例3を用いて後で詳述する。
また、順押しで遊技が行われなかった場合に待機表示を行う制御は、期待感演出とは異なる演出が実行される場合にも行われるようにしてもよい。すなわち、このような制御が行われる対象となる演出は期待感演出に限られない。例えば、演出がその後も継続するか(発展するか)否かを報知ないし示唆可能な発展演出が実行される場合にもこのような制御が行われ得るものとしてもよい。また、例えば、CZ中やST中において、AT状態に移行するか否かを報知ないし示唆可能なバトル演出が実行される場合にもこのような制御が行われ得るものとしてもよい。また、例えば、当籤役や状態などを報知ないし示唆可能な一般演出が実行される場合にもこのような制御が行われ得るものとしてもよい。すなわち、このような制御が行われる対象となる演出は、全ての演出のうちの任意の演出とすることができる。
(制御例3)
続いて、図138~図141を参照して、期待感演出の一例として演出データ3が決定された場合の制御例(制御例3)を説明する。なお、図138及び図139は、この例において、1ゲーム目及び2ゲーム目に順押し(左第1停止)で停止操作が行われて遊技が進行した場合の表示内容の進行を模式的に示した図であり、図140及び図141は、この例において、1ゲーム目に順押し以外(左第1停止以外)で停止操作が行われて遊技が進行し、2ゲーム目に順押し(左第1停止)で停止操作が行われて遊技が進行した場合の表示内容の進行を模式的に示した図である。
この例では、1ゲーム目の開始操作時において、演出内容や期待度を示す導入表示(図138及び図140中、「宝を見つけろ!」の表示画面)が行われた後、演出の進行が開始されている(図138及び図140中、「どこだ?」の表示画面)。
このとき、図138に示すように、左第1停止で停止操作が行われたとする。この場合には、第1停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図138中、「どこだ?どこだ?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第2停止操作が行われた場合、第2停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図138中、「どこだ?どこだ?どこだ?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第3停止操作が行われた場合、第3停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図138中、「NEXT・・・」の表示画面)。すなわち、当該演出が1ゲーム目では終了せず、2ゲーム目に継続することが示される。
次いで、2ゲーム目の開始操作が行われた場合、開始操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図139中、「どこだー!?」の表示画面)。
このとき、図139に示すように、左第1停止で停止操作が行われたとする。この場合には、第1停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図139中、「どこだー!?どこだー!?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第2停止操作が行われた場合、第2停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図139中、「どこだー!?どこだー!?どこだー!?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第3停止操作が行われた場合、第3停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する。この場合、有利な状況の発生を報知ないし示唆する場合には、有利結果表示を行う(図139中、「GET!CHANCE!」の表示画面)。一方、有利な状況の発生を報知ないし示唆しない場合には、不利結果表示を行う(図139中、「残念・・・」の表示画面)。このように、1ゲーム目、2ゲーム目ともに順押しである場合には、2ゲーム目の最終的な表示内容(あるいは、中途の表示内容によって予測可能な場合があってもよい)によって、遊技者に所定の期待感が示されるものとなっている。
一方、1ゲーム目で演出の進行が開始された後、図140に示すように、左第1停止以外で停止操作が行われたとする。この場合には、演出の進行が停止され、その後は、1ゲーム目では当該演出に対応する待機表示が行われるものとなっている(図140中、「宝ステージ待機中」の表示画面)。この待機表示は、第2停止操作や第3停止操作が行われて遊技が進行した場合にも継続して行われるものとなっている。すなわち、左第1停止以外で停止操作が行われた遊技では、以後当該演出が進行しないものとなる。
もっとも、2ゲーム目が開始されると、図141に示すように、当該2ゲーム目においては、1ゲーム目の演出が再度実行されるものとなっている。具体的には、2ゲーム目の開始操作が行われた場合、開始操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出の進行が開始(再開)される(図141中、「どこだ?」の表示画面)。なお、図141においては、導入表示は行われないものとなっているが、導入表示も含めて演出が最初から再度実行されるように構成することも可能である。
このとき、図141に示すように、左第1停止で停止操作が行われたとする。この場合には、第1停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図141中、「どこだ?どこだ?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第2停止操作が行われた場合、第2停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図141中、「どこだ?どこだ?どこだ?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第3停止操作が行われた場合、第3停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図141中、「NEXT・・・」の表示画面)。すなわち、当該演出が2ゲーム目では終了せず、3ゲーム目に継続することが示される。
その後、3ゲーム目において、左第1停止で停止操作が行われた場合には、図139に示したものと同様に演出を進行させる制御が行われる一方、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には、図139に示した開始操作までの演出が再度実行されたのち、図140に示したものと同様に演出の進行を待機させる制御が行われることとなる。
なお、2ゲーム目において、仮に左第1停止以外で停止操作が行われたとした場合には、再度1ゲーム目(図140参照)と同様の制御が行われ、3ゲーム目において、再度2ゲーム目(図141参照)と同様の制御が行われることとなる。
(電断復帰時の制御例)
電源装置34の電源スイッチ(不図示)がオフにされる(電源がオフ状態とされる)か、停電などのその他の要因の発生によってパチスロ機1への電力の供給が断たれて電断が発生し、その後、電力の供給が再開されて当該電断状態から復帰する場合、基本的に遊技状態及び演出状態は電断前の状態に復帰することとなる。ここで、電断時に上述の待機表示が行われていた場合、その復帰の態様としては以下の態様を挙げることができる。
第1の態様は、電断復帰時にはそのまま待機表示が行われる(再開される)という態様である。例えば、待機表示が行われたまま遊技店が閉店して電源がオフ状態とされ、設定変更が行われることなく翌日の開店に合わせて電断がオン状態とされた場合、待機表示が解除されるとすると、最初に遊技を行う遊技者は、最初の遊技が非優遇状態に制御であることを知らないまま遊技を行うことになり、遊技者が不測の不利益を被ってしまう場合がある。この第1の態様によれば、このような問題が生じることを抑制できる。
第2の態様は、電断復帰時には待機表示ではなく、他の表示(例えば、初期画面を表示する)が行われるという態様である。例えば、待機表示が行われたまま遊技店が閉店して電源がオフ状態とされ、設定変更が行われることなく翌日の開店に合わせて電断がオン状態とされた場合には待機表示が再開されるが、設定変更が行われた場合には初期画面が表示されるものとした場合、開店時に待機表示が表示されているか否かで設定変更が行われたか否かが簡単に見抜けるようになってしまい、遊技店が不測の不利益を被ってしまう場合がある。この第2の態様によれば、このような問題が生じることを抑制できる。なお、上述の第1の態様の場合も同様であるが、少なくとも、電断復帰時の表示態様と後述の設定変更時の表示態様とが同じ表示態様となるように表示制御を行うことが望ましいと考えられる。このようにすれば、いずれの態様であっても上述の問題が生じることを抑制できる。また、ここでいう初期画面とは、例えば、いわゆる通常時の滞在ステージを表示する画面などが該当する。なお、非有利区間専用の表示画面を設け、これを初期画面としてもよいし、非有利区間と有利区間のいずれでも表示され得るステージ表示画面などを設け、これを初期画面としてもよい。
(設定変更時の制御例)
設定用鍵型スイッチ52などへの操作によって、パチスロ機1の設定値が変更されたとき(設定変更が行われたとき)、設定変更前の遊技において上述の待機表示が行われていた場合、その復帰の態様としては以下の態様を挙げることができる。
第1の態様は、設定変更後もあえてそのまま待機表示が行われるという態様である。上述のとおり、設定変更が行われることなく電断のオフ・オンがされた場合には待機表示が再開されるが、設定変更が行われた場合には初期画面が表示されるものとした場合、開店時に待機表示が表示されているか否かで設定変更が行われたか否かが簡単に見抜けるようになってしまい、遊技店が不測の不利益を被ってしまう場合がある。この第1の態様によれば、このような問題が生じることを抑制できる。
第2の態様は、設定変更後は待機表示ではなく、他の表示(例えば、初期画面を表示する)が行われるという態様である。直前の遊技において変則押しで停止操作が行われたとしても、設定変更時の初期化処理によって、設定変更後の最初の遊技が非優遇状態となることはなく(この場合、最初の遊技では固定処理で優遇カウンタが1加算されることとすればよい)、また、そもそも演出データも初期化されるため、最初に遊技を行う遊技者が不利益を被る可能性はないからである。
また、例えば、パチスロ機1を、設定用鍵型スイッチ52などを用いた設定変更手順と異なる初期化手順として、電源オフ状態において、主制御基板71に設けられたリセットボタン(不図示)を押しながら(すなわち、初期化操作手段に対して所定の初期化操作を行い)、電源オン状態とする(すなわち、所定の電源投入操作を行う)と、設定値はそのままで有利区間がリセット(初期化される)される(すなわち、有利区間が終了し、有利区間終了時の初期化処理が行われた上で非有利区間に移行する)といった特別リセット操作が可能となるように構成することもできるが、この場合、特別リセット操作が行われる前に上述の待機表示が行われていた場合には、特別リセット操作後(有利区間のリセット後)は待機表示でなく、例えば、上述のものと同様の初期画面が表示されるものとすればよい。むろん、このような特別リセット操作が行われたことを見抜かれにくくするため、特別リセット操作後(有利区間のリセット後)もあえてそのまま待機表示が行われるものとしてもよい。なお、特別リセット操作が行われると、有利区間に関する状態が初期化され、初期状態としての非有利区間が設定されるが、ボーナス役の持越状態が推奨遊技状態となる仕様の場合には、持越中のボーナス役に関する情報(持越役格納領域の情報)は維持されるものとすればよい。
(その他の制御例)
開始操作が行われた後に、所定の演出用操作を伴う操作演出(例えば、上述の操作連動演出)を行う場合がある。チャンスボタン(例えば、上述の演出用ボタン10a,10b)やタッチパネル(例えば、上述のサブ演出表示部22)など所定の演出用操作手段に対する操作に応じて期待度示唆などの応答演出が発生する演出である。この場合、演出用操作の受付開始後に対象となる演出用操作手段に対する操作を行わない場合は、操作待ち状態となるが、この操作待ち状態でも変則押しが行われた場合は待機表示へと切り替わり、演出用操作の操作待ち状態も終了し、それ以後に演出用操作手段を操作しても当該操作演出で予定されていた応答演出は発生しないものとすることが望ましい。このようにすることで、待機表示中に期待度示唆などの役割を持つ応答演出が発生するという遊技者にとって分かりにくい状況の発生を抑制できる。
また、リール回転中及びリール停止中のいずれであっても演出状態設定(例えば、音量調整、光量調整等の)が可能な仕様の場合は、変則押しに伴う待機表示の表示中であっても適時演出状態設定ができるものとしてもよい。また、リール回転中は演出状態設定ができないが、リール停止中は演出状態設定(音量調整、光量調整等)が可能な仕様の場合には、変則押しに伴う待機表示の表示中であってもリール停止中であれば演出状態設定ができるものとしてもよい。また、遊技履歴の表示、携帯連動メニューの表示、一部の配当表の表示、ゲームフローの表示などが可能となるユーザーメニュー画面の表示についても同様であり、変則押しに伴う待機表示の表示中であっても、仕様上、これらを表示可能な状態であれば通常時と同じく所定操作にしたがってこれらを表示可能としてもよい。また、演出状態設定は、例えば、上述の操作演出における操作待ち状態においても、仕様上、これを設定可能な状態であれば適時行えるものとすることができる。
また、開始操作が行われた後に、リールの回転開始から定速回転に至るまでの期間において、リール回転動作を行いストップボタン押下に基づいてリールを仮停止させるといった上述の疑似遊技を行う場合がある。このような疑似遊技においては、変則押しで停止操作が行われたとしても非推奨打法とはならないため、待機表示は行われず、AT関連処理が不利とならないようにすればよい。また、疑似遊技中は、上述の如く、疑似遊技中であることを明確にするために「FREEPLAY」等の疑似遊技中表示が行われるとすることが望ましい。なお、仮に、待機表示の表示中において疑似遊技が行われるものとなったときは、待機表示とともに疑似遊技中表示が行われるものとすればよい。
<第3の遊技機(変形例)の押し順ベルの変形例及び送信情報制御例>
続いて、図142及び図143を参照して、本変形例の押し順ベルの変形例の構成、及びサブ側に送信する送信情報の制御例について説明する。なお、例えば、第3の遊技機の押し順ベルの変形例1及び変形例2の構成については、すでに図94~図96を参照しながら説明したとおりであるが、本変形例の押し順ベルの変形例では、これとは少なくとも一部が異なるようにさらに変形した構成について説明している。したがって、本変形例の押し順ベルの変形例は、そのまま第3の遊技機の押し順ベルの変形例3であるともいい得るため、以下では押し順ベルの変形例3として説明する。
また、例えば、押し順ベルの変形例1及び変形例2の構成を用いたサブ側への情報の送信態様(送信情報の設定態様)については、すでに図94~図96を参照しながら説明したとおりであるが、本変形例では、押し順ベルの変形例3を用いて、これとは少なくとも一部が異なるように送信情報を設定する一例について説明している。したがって、本変形例の送信情報の制御例は、そのまま第3の遊技機の送信情報の制御例であるともいい得る。もっとも、本変形例では、図142に示すものを送信情報制御例1として説明し、図143に示すものを送信情報制御例2として説明している。
また、本変形例においても、第3の遊技機の変形例1や変形例2と同様に説明をわかりやすくするため、本実施形態のとおり、変動表示部が3つのリール(左リール3L,中リール3C,右リール3R)を具備するものとして説明する。また、押し順ベルの変形例3においては、押し順ベル以外の役についてもこれと同様にグルーピングされる場合を説明するため、第3の遊技機とは一部の役構成を変更している。これについては後で詳述する。
(押し順ベルの変形例3の役構成)
図142に示す変形例3では、例えば、内部当籤役として、リプレイ役である「F_通常リプ」及び「F_チェリー」と、小役である「F_共通ベル」、「F_押し順ベルA_123」~「F_押し順ベルA_321」(変形例3の「押し順ベルA」)、「F_押し順ベルB_213」~「F_押し順ベルB_321」(変形例3の「押し順ベルB」)、「F_2択1枚役A」、「F_2択1枚役B」、「F_共通1枚役A」、「F_共通1枚役B」、及び「F_スイカ」とを含んで構成される。
「F_通常リプ」は、例えば、第3の遊技機における「F_TPリプ」や「F_CDリプ」と同様に構成されたリプレイ役であり、打順及び押下位置不問で対応する図柄組合せが表示されて再遊技が付与されるものとなっている。また、「F_チェリー」は、例えば、第3の遊技機における「F_チェリー」と同様に構成されたリプレイ役であり、打順及び押下位置不問で対応する図柄組合せが表示されて再遊技が付与されるものとなっている。
「F_共通ベル」は、例えば、第3の遊技機における「F_共通ベルA」や「F_共通ベルB」と同様に構成された小役であり、打順及び押下位置不問で対応する図柄組合せが表示されて13枚入賞が発生するものとなっている。
変形例3の「押し順ベルA」は、6択の押し順小役となっており、正解打順で停止操作が行われた場合には対応する図柄組合せが表示されて13枚入賞が発生し、不正解打順で停止操作が行われた場合であって、第1停止操作は正解打順であった場合には、押下位置不問で対応する図柄組合せが表示されて1枚入賞が発生し、不正解打順で停止操作が行われた場合であって、第1停止操作も不正解打順であった場合には、所定のリールに対する押下位置が適切であれば(1/2のタイミングで押下位置正解となる)、対応する図柄組合せが表示されて1枚入賞が発生し、所定のリールに対する押下位置が適切でなければ(残りの1/2のタイミングで押下位置不正解となる)、取りこぼしが発生して入賞は発生しない(0枚となる)ものとなっている。
変形例3の「押し順ベルB」は、左第1停止が正解打順として規定されない4択の押し順小役となっており、正解打順で停止操作が行われた場合には対応する図柄組合せが表示されて13枚入賞が発生し、不正解打順で停止操作が行われた場合であって、第1停止操作は正解打順であった場合には、押下位置不問で対応する図柄組合せが表示されて1枚入賞が発生し、不正解打順で停止操作が行われた場合であって、第1停止操作も不正解打順であった場合には、所定のリールに対する押下位置が適切であれば(1/2のタイミングで押下位置正解となる)、対応する図柄組合せが表示されて1枚入賞が発生し、所定のリールに対する押下位置が適切でなければ(残りの1/2のタイミングで押下位置不正解となる)、取りこぼしが発生して入賞は発生しない(0枚となる)ものとなっている。
なお、変形例3の「押し順ベルB」は、左第1停止では正解打順となる場合がなく、左第1停止以外で正解打順となる場合があるように構成されたものであり、左第1停止が遊技価値の付与が不利となる打順として規定され、左第1停止以外が遊技価値の付与に関し一方的に有利となる打順として規定された、上述の偏りベルを構成する押し順小役となっている。
また、図142に示すとおり、変形例3の「押し順ベルB」がこのように構成されることで、遊技機全体としてみた場合も、打順「123」又は「132」で停止操作が行われたと仮定した場合の獲得期待値が「1.1612」枚となるのに対し、打順「213」、「231」、「312」又は「321」で停止操作が行われたと仮定した場合の獲得期待値は「2.716」枚となる。すなわち、左第1停止で停止操作が行われた場合、左第1停止以外で停止操作が行われた場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成されている。
もっとも、上述の獲得期待値は、非AT状態(すなわち、有利な停止操作態様が報知されない状況下)における1ゲームあたりの獲得期待値であり、また、1ゲームを行うために必要なベット数は3枚であることから、非AT状態ではいずれの打順で遊技を行ったとしても獲得期待値が「3」を超えない(換言すれば、出玉率が「1」を超えない)ように構成されている。したがって、例えば、非AT状態において、ずっと左第1停止以外で停止操作を行っていたとしても、それによって、少なくとも確率上は、遊技者が遊技価値を増加させ続けることが可能となるようには構成されていない。
「F_2択1枚役A」及び「F_2択1枚役B」は、打順ではなく、押下位置2択の小役となっており、例えば、「F_2択1枚役A」が当籤役として決定された場合、所定のリールに対する押下位置が適切であれば(1/2のタイミング(第1のタイミング)で押下位置正解となる)、対応する図柄組合せが表示されて1枚入賞が発生し、所定のリールに対する押下位置が適切でなければ(残りの1/2のタイミング(第2のタイミング)で押下位置不正解となる)、取りこぼしが発生して入賞は発生せず(0枚となる)、また、「F_2択1枚役B」が当籤役として決定された場合、所定のリールに対する押下位置が適切であれば(1/2のタイミング(第2のタイミング)で押下位置正解となる)、対応する図柄組合せが表示されて1枚入賞が発生し、所定のリールに対する押下位置が適切でなければ(残りの1/2のタイミング(第1のタイミング)で押下位置不正解となる)、取りこぼしが発生して入賞は発生しない(0枚となる)ものとなっている。
「F_共通1枚役A」及び「F_共通1枚役B」は、例えば、第3の遊技機における「F_特殊役」と同様に構成された小役であり、打順及び押下位置不問で対応する図柄組合せが表示されて1枚入賞が発生するものとなっている。
「F_スイカ」は、例えば、第3の遊技機における「F_スイカ」と同様に構成された小役であり、打順及び押下位置不問で対応する図柄組合せが表示されて5枚入賞が発生するものとなっている。なお、この「F_スイカ」については、さらに第3の遊技機におけるものと同様、所定のリールに対する押下位置が適切であれば5枚入賞が発生する一方、所定のリールに対する押下位置が適切でなければ1枚入賞が発生するものとして構成してもよい。
(押し順ベルの変形例3の送信情報制御例(その1))
続いて、図142を参照して、押し順ベルの変形例3を用いた内部当籤情報及び指示情報の設定態様を説明する。なお、これを送信情報制御例(その1)としているのは、図143を参照して後で説明する送信情報制御例(その2)と区別するためである。
送信情報制御例(その1)は、非AT状態であっても、遊技ごとに、内部当籤役に関する何らかの情報をサブ側に送信するものとして構成された制御例である。これに対し、送信情報制御例(その2)は、非AT状態であるときには、基本的にサブ側には内部当籤役に関する情報を送信しないものとして構成された制御例である。
(非AT状態(有利区間)における設定態様1)
図142に示す態様1は、有利区間の非AT状態(通常有利区間)における内部当籤情報及び指示情報の設定態様の一例を示したものである。
この態様1では、「F_通常リプ」、「F_チェリー」、「F_共通1枚役A」、「F_共通1枚役B」、又は「F_スイカ」に当籤した場合、それぞれの当籤がサブ側で特定可能となる内部当籤情報(「1」、「2」、「16」、「17」、又は「18」)が設定される。
また、「F_共通ベル」及び変形例3の「押し順ベルA」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「99」)が設定される。すなわち、「F_共通ベル」及び変形例3の「押し順ベルA」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。
また、変形例3の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、又は「F_2択1枚役B」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「98」)が設定される。すなわち、変形例3の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、及び「F_2択1枚役B」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。
また、いずれの役に当籤した場合であっても、打順がサブ側で特定可能とならない指示情報(「99」)が設定される。すなわち、全ての役がグルーピングされた指示情報が設定される。
(非AT状態(有利区間)における設定態様2)
図142に示す態様2は、有利区間の非AT状態(通常有利区間)における内部当籤情報及び指示情報の設定態様の他の例を示したものである。
この態様2では、「F_通常リプ」、「F_チェリー」、「F_共通ベル」、「F_共通1枚役A」、「F_共通1枚役B」、又は「F_スイカ」に当籤した場合、それぞれの当籤がサブ側で特定可能となる内部当籤情報(「1」、「2」、「3」、「16」、「17」、又は「18」)が設定される。
また、変形例3の「押し順ベルA」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「80」)が設定される。すなわち、変形例3の「押し順ベルA」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。
また、変形例3の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、又は「F_2択1枚役B」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「98」)が設定される。すなわち、変形例3の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、及び「F_2択1枚役B」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。
また、いずれの役に当籤した場合であっても、打順がサブ側で特定可能とならない指示情報(「指示なし」となる指示情報)が設定される点は上述の態様1と同様であるが、この態様2では、変形例3の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、又は「F_2択1枚役B」に当籤した場合には指示情報として「99」が設定され、その他の役に当籤した場合には指示情報として「0」が設定される。
なお、この態様2では、変形例3の「押し順ベルA」に当籤した場合に、内部当籤情報に「80」が設定され、指示情報に「99」ではなく、「0」が設定されることで、例えば、サブ側で「押し順チャレンジ演出」(例えば、表示画面で「?-?-?」といったような表示がなされ、少なくとも押し順役に当籤していることが示唆される演出)を行うこと可能となっている。これについては後で詳述する。
(非AT状態(有利区間)における設定態様3)
図142に示す態様3は、有利区間の非AT状態(通常有利区間)における内部当籤情報及び指示情報の設定態様の他の例を示したものである。
この態様3では、「F_チェリー」、「F_共通1枚役B」、又は「F_スイカ」に当籤した場合、それぞれの当籤がサブ側で特定可能となる内部当籤情報(「2」、「17」、又は「18」)が設定される。
また、「F_通常リプ」、「F_共通ベル」、変形例3の「押し順ベルA」、変形例3の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、「F_2択1枚役B」、又は「F_共通1枚役A」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「97」)が設定される。すなわち、「F_通常リプ」、「F_共通ベル」、変形例3の「押し順ベルA」、変形例3の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、「F_2択1枚役B」、及び「F_共通1枚役A」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。
また、いずれの役に当籤した場合であっても、打順がサブ側で特定可能とならない指示情報(「指示なし」となる指示情報)が設定される点は上述の態様1と同様であるが、この態様3では、「F_チェリー」、「F_共通1枚役B」、又は「F_スイカ」に当籤した場合には指示情報として「0」が設定され、その他の役に当籤した場合には指示情報として「99」が設定される。
なお、上述の態様1~態様3のいずれについても、その目的とするところは、変形例3の「押し順ベルB」のような偏りベルが内部当籤役に含まれるように構成する場合に、非AT状態にあっては、サブ側での演出を含め、その当籤を遊技者に認識可能な状態としないことにある。
例えば、非AT状態であるから正解打順自体は報知されないとしても、変形例3の「押し順ベルB」のような偏りベルが当籤したことを遊技者が認識可能となれば、遊技者が、このような認識をした遊技では、(遊技性が左第1停止を行ってAT関連処理を有利としていくものであったとしても)意図的に左第1停止以外で停止操作を行う場合も出てくることになる。この場合、当初企図していた出玉率と乖離する出玉率となる可能性が高まり、結果として遊技の公平性を害するおそれが生じることになる。
また、変形例3の「押し順ベルB」のような偏りベルが当籤したことを遊技者が認識可能となるということは、実質的に遊技価値の付与に関し有利な打順の絞り込みが可能となるのと同じであることから、換言すれば、このように認識可能となる状態にすることはAT状態の一態様であるともいい得る。してみると、現状の規則上は、例えば、上述の指示モニタにおいてもこれと対応する指示情報を表示する必要が生じ、また、このような状態で得られた出玉は、上述の「指示込役物比率」(例えば、AT状態中も集計・算出の対象とした役物割合情報)に算入される必要が生じることとなる。
そして、このような必要が生じるとすれば、出玉設計が困難を極め、また、非AT状態からAT状態に移行させることで飛躍的に出玉を増加させることができるようになるといった遊技性を担保し得なくなり、遊技者の興趣も著しく低下させてしまうことになる。
そこで、本変形例では、以下の要件を満たすことを前提として、上述の態様1~態様3のように各情報を設定することで、AT状態と解釈される余地がなくなるようにしている。
例えば、第1の要件は、内部当籤情報に関し、変形例3の「押し順ベルB」のような偏りベルが含まれる(グルーピングされる)内部当籤情報が設定される遊技では、左第1停止以外(変則押し)のいずれの打順で停止操作が行われた場合あっても出玉率が1未満(あるいは、1以下)とするというものである。
例えば、上述の態様1及び態様2では、変形例3の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、及び「F_2択1枚役B」がグルーピングされ、内部当籤情報「98」が設定されている。そして、内部当籤情報「98」が設定された遊技(換言すれば、当該グループ役に当籤した遊技)では、打順「123」又は「132」で停止操作が行われたと仮定した場合の獲得期待値が「0.500」枚となるのに対し、打順「213」、「231」、「312」又は「321」で停止操作が行われたと仮定した場合の獲得期待値は「2.702」枚となるように構成されている。すなわち、いずれの打順で停止操作を行ったとしても、獲得期待値が「3」を超えない(換言すれば、出玉率が「1」を超えない)ものとなっている。
また、例えば、上述の態様3では、「F_通常リプ」、「F_共通ベル」、変形例3の「押し順ベルA」、変形例3の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、「F_2択1枚役B」、及び「F_共通1枚役A」がグルーピングされ、内部当籤情報「97」が設定されている。そして、内部当籤情報「97」が設定された遊技(換言すれば、当該グループ役に当籤した遊技)では、打順「123」又は「132」で停止操作が行われたと仮定した場合の獲得期待値が「1.601」枚となるのに対し、打順「213」、「231」、「312」又は「321」で停止操作が行われたと仮定した場合の獲得期待値は「2.708」枚となるように構成されている。すなわち、いずれの打順で停止操作を行ったとしても、獲得期待値が「3」を超えない(換言すれば、出玉率が「1」を超えない)ものとなっている。
このようにすることで、例えば、仮に、内部当籤役情報「98」や「97」が設定されたことを遊技者が認識可能となり、変則押しで遊技が行われたとしても、それによって、遊技者が遊技価値を増加させることができるようになるといった攻略の余地が生じることはなくなる。なお、グルーピングの手法しだいでは、獲得期待値が「3」を超える場合も出てくると思われるが、遊技の公平性を害さないことが担保される限り、このような場合があっても差し支えない。もっとも、上述の観点からすれば、やはり獲得期待値が「3」を超えないように構成することが望ましい。
例えば、第2の要件は、変形例3の「押し順ベルB」のような偏りベルが含まれる(グルーピングされる)内部当籤情報が設定される遊技では、サブ側において、例えば、上述の「押し順チャレンジ演出」のように、押し順役に当籤したことが認識可能な(あるいは、遊技者が打順ナビと認識してしまう可能性がある)演出(打順関連演出)を行わないというものである。
そこで、例えば、上述の態様1では、全ての役について指示情報「99」が設定されている。また、例えば、上述の態様2では、内部当籤情報「98」が設定される遊技では指示情報「99」が設定されている。また、例えば、上述の態様3では、内部当籤情報「97」が設定される遊技では指示情報「99」が設定されている。すなわち、サブ側では、指示情報「0」を受信した遊技では、上述の打順関連演出を行い得るように制御することが可能となる一方で、指示情報「99」を受信した遊技では、上述の打順関連演出を行い得ないように制御することが可能となる。
なお、サブ側が指示情報「99」を受信した遊技においても、例えば、白ナビや黄色ナビなどの色ナビで小役の当籤を示唆する演出や、左第1停止で停止操作が行われた場合にチャンス予告を行う演出など、少なくとも打順と関連しない演出であれば、これを行うことは差し支えない。また、例えば、上述の態様1の場合に、内部当籤情報「99」の場合と、内部当籤情報「98」の場合と、内部当籤情報「0」(はずれ)の場合とで、同じ演出が行われるようにしてもよいし、異なる演出が行われるようにしてもよい。
このようにすることで、遊技者が偏りベルの当籤を意識せず、AT関連処理が有利となる特定態様(左第1停止)で遊技を行いやすくなる。また、上述のように内部当籤情報や指示情報が設定されることで、偏りベルを含んで構成されるグルーピング情報がサブ側に送信されたとしても、これによって有利な打順の絞り込みが可能とはならないため、そのような遊技での払出は、指示による払出には該当せず、また、上述の「指示込役物比率」に算入される必要もなくなるものと考えられる。そして、これにより、AT状態及び役物作動中の実質的な有利状態の払出を正確にカウントすることが可能となり、遊技店側も上述の役比モニタ装置54で当該遊技機の挙動を把握しやすくなると考えられる。
なお、さらに以下の要件(第3の要件)を追加することも考えられる。例えば、第3の要件は、指示情報「99」が設定される遊技では、メイン側で制御される報知手段によってその旨が報知されるようにするというものである。
例えば、情報表示装置14において、特別ランプを新たに設けるようにし、指示情報「99」が設定される遊技では、この特別ランプを点灯させる(あるいは、所定の表示態様を表示させる)ようにする。あるいは、指示情報「99」が設定される遊技では、指示モニタで「-」などの指示非発生を示唆する表示を行うようにする。なお、これらはあくまで一例であって、何らかの表示態様で遊技者に指示非発生を示唆することが可能であれば、別の報知手段を用いることもできる。
このようにすることで、例えば、特別ランプが点灯した(あるいは、指示モニタに「-」が表示された)遊技では、ナビが発生しない(停止操作態様が報知されない、指示が行われない)ことを遊技者に報知ないし示唆できるため、遊技者が偏りベルの当籤を意識せず、AT関連処理が有利となる特定態様(左第1停止)で遊技を行いやすくなる。また、このように推奨される遊技方法にて遊技を行うように促すことができる。
なお、特別ランプを用いる場合、サブ側に対して、特別ランプの点灯/非点灯の情報をさらに送信するようにしてもよい。そして、サブ側では、当該情報を参照して、特別ランプの点灯を認識した場合には上述の打順関連演出を行わない制御が実行されるものとしてもよい。もっとも、このような情報を送信することなく、内部当籤情報及び指示情報を総合的に判断して(あるいは、指示情報「99」が送信されたかを判断して)、上述の打順関連演出を行わない制御が実行されるものとしてもよい。
また、指示モニタを用いる場合、例えば、指示情報「0」が設定される場合には、指示モニタには「0」が表示されるようにしてもよいし、あるいは、指示モニタには何らの情報も表示されない(非表示となる)ようにしてもよい。いずれの場合であってもメイン側での指示は発生しないものとなる。もっとも、この場合、サブ側では、上述の打順関連演出を行うことが許容されるものとする。一方、指示情報「99」が設定される場合には、指示モニタに「-」(あるいは、少なくとも上述の「0」や非表示とは異なる態様であって、かつ、各指示とも異なる態様となる別の識別情報)が表示されるようにすればよい。この場合にも同様に、メイン側での指示は発生しないものとなる。もっとも、この場合、サブ側では、上述の打順関連演出を行うことが禁止されるものとする。
指示モニタに「0」が表示される(あるいは、非表示となる)場合には、例えば、押し順リプレイなどに当籤したときに、上乗せ報知として7を揃わせるための7揃いナビ(ナビにしたがわなくとも出玉に影響を与えない)のような演出用の打順関連演出がサブ側で行われるようにすることは可能となる。もっとも、このような演出用の打順関連演出は行われず、打順に関連しない期待感演出を行うことは当然ながら可能である。
また、指示モニタに「1」~「6」が表示される場合には、それぞれに対応する打順(例えば、図94参照)ナビがサブ側で行われるようにすればよい。また、指示モニタに「-」が表示される場合には、上述のとおり、サブ側で打順関連演出が行われないようにすればよい。
続いて、AT状態における内部当籤情報及び指示情報の設定態様、並びに非有利区間における内部当籤情報及び指示情報の設定態様についても説明する。
(AT状態(有利区間)における設定態様1)
図142に示す態様1は、有利区間のAT状態(増加区間)における内部当籤情報及び指示情報の設定態様の一例を示したものである。
この態様1では、「F_通常リプ」、「F_チェリー」、「F_共通ベル」、「F_共通1枚役A」、「F_共通1枚役B」、又は「F_スイカ」に当籤した場合、それぞれの当籤がサブ側で特定可能となる内部当籤情報(「1」、「2」、「3」、「16」、「17」、又は「18」)が設定される。
また、変形例3の「押し順ベルA」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「80」)が設定される。すなわち、変形例3の「押し順ベルA」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。もっとも、それぞれの正解打順がサブ側で特定可能となる指示情報「1」~「6」が設定されるため、このように構成されていても有利な停止操作態様の報知を行うことが可能になる。
また、変形例3の「押し順ベルB」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「81」)が設定される。すなわち、変形例3の「押し順ベルB」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。もっとも、それぞれの正解打順がサブ側で特定可能となる指示情報「3」~「6」が設定されるため、このように構成されていても有利な停止操作態様の報知を行うことが可能になる。
また、「F_2択1枚役A」又は「F_2択1枚役B」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「82」)が設定される。すなわち、「F_2択1枚役A」及び「F_2択1枚役B」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。もっとも、これらは押し順小役でないため、このように構成されていてもAT状態に影響は与えない。なお、それぞれで異なる指示情報が設定されるようにし、正解となる押下位置が報知され得るものとしてもよい。
(AT状態(有利区間)における設定態様2)
図142に示す態様2は、有利区間のAT状態(増加区間)における内部当籤情報及び指示情報の設定態様の他の例を示したものである。
この態様2では、「F_通常リプ」、「F_チェリー」、「F_共通ベル」、「F_共通1枚役A」、「F_共通1枚役B」、又は「F_スイカ」に当籤した場合、それぞれの当籤がサブ側で特定可能となる内部当籤情報(「1」、「2」、「3」、「16」、「17」、又は「18」)が設定される。
また、変形例3の「押し順ベルA」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「80」)が設定される。すなわち、変形例3の「押し順ベルA」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。なお、この態様2では、「F_押し順ベルA_123」及び「F_押し順ベルA_132」に当籤した場合には指示情報「10」が設定されるものとなっている。この指示情報「10」は、例えば、「1-?-?」といったように、第1停止操作(左第1停止)のみ正解打順が報知される指示情報として構成される。すなわち、この態様2では、変形例3の「押し順ベルA」に当籤した場合に、第2停止操作の2択チャレンジ演出が行われるものなっている。これはあくまで一例である。
また、同様に、指示情報「20」は、例えば、「?-1-?」といったように、第1停止操作(中第1停止)のみ正解打順が報知される指示情報として構成され、指示情報「30」は、例えば、「?-?-1」といったように、第1停止操作(右第1停止)のみ正解打順が報知される指示情報として構成される。
また、変形例3の「押し順ベルB」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「81」)が設定される。すなわち、変形例3の「押し順ベルB」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。もっとも、それぞれの正解打順がサブ側で特定可能となる指示情報「3」~「6」が設定されるため、このように構成されていても有利な停止操作態様の報知を行うことが可能になる。
また、「F_2択1枚役A」又は「F_2択1枚役B」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「82」)が設定される。すなわち、「F_2択1枚役A」及び「F_2択1枚役B」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。もっとも、これらは押し順小役でないため、このように構成されていてもAT状態に影響は与えない。なお、それぞれで異なる指示情報が設定されるようにし、正解となる押下位置が報知され得るものとしてもよい。
(非有利区間における設定態様)
図142に示す態様は、非有利区間(非AT状態)における内部当籤情報及び指示情報の設定態様の一例を示したものである。
この態様では、「F_通常リプ」、「F_チェリー」、「F_共通ベル」、「F_共通1枚役A」、「F_共通1枚役B」、又は「F_スイカ」に当籤した場合、それぞれの当籤がサブ側で特定可能となる内部当籤情報(「1」、「2」、「3」、「16」、「17」、又は「18」)が設定される。
また、変形例3の「押し順ベルA」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「80」)が設定される。
また、変形例3の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、又は「F_2択1枚役B」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「98」)が設定される。すなわち、変形例3の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、及び「F_2択1枚役B」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。
また、この態様では、変形例3の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、又は「F_2択1枚役B」に当籤した場合には指示情報として「99」が設定され、その他の役に当籤した場合には指示情報として「0」が設定される。
(押し順ベルの変形例3の送信情報制御例(その2))
続いて、図143を参照して、押し順ベルの変形例3を用いた送信情報制御例(その2)を説明する。なお、上述のとおり、この送信情報制御例(その2)は、非AT状態であるときには、基本的にサブ側には内部当籤役に関する情報を送信しないものとして構成された制御例である。また、図143では、この送信情報制御例(その2)を説明するために、当該処理の一例を示す概要的なフローチャートを示している。したがって、当該送信情報制御における具体的な制御処理は必ずしも図143に示すものに限られない。
まず、メインCPU101は、遊技が開始されるとき(例えば、開始操作が行われたとき)に、AT中であるか否かを判定する(S1011)。すなわち、メインCPU101は、現在の状態がAT状態であるか否かを判定する。メインCPU101は、AT中であると判定した場合(S1011がYES)、処理をS1013に移す。
一方、メインCPU101は、AT中でないと判定した場合(S1011がNO)、レア役に当籤したか否かを判定する(S1012)。メインCPU101は、レア役に当籤していないと判定した場合(S1012がNO)、そのまま当該処理を終了させる。
一方、メインCPU101は、レア役に当籤したと判定した場合(S1012がYES)、処理をS1013に移す。メインCPU101は、S1011がYESの場合、又はS1012がYESの場合、送信情報設定処理を行う(S1013)。その後、当該処理を終了させる。
なお、送信情報設定処理では、AT状態である場合(S1011がYESの場合)、例えば、図142に示したAT状態のいずれかの設定態様により、内部当籤情報及び指示情報を送信する。また、非AT状態であるが(S1011がNOであるが)、レア役に当籤した場合(S1012がYESの場合)、例外的に当籤したレア役に対応する内部当籤情報を送信する。また、この場合、当籤したレア役に対応する指示情報が「0」であれば、指示情報も送信されるようにしてもよい。
一方、非AT状態であり(S1011がNOであり)、レア役にも当籤していない場合(S1012もNOである場合)には、そもそも内部当籤役に関連する情報が設定されず(S1013の処理が行われないようにし)、いずれの情報もサブ側に送信されないようにしている。なお、ここでいう「レア役」は、例えば、「F_チェリー」や「F_スイカ」等の役を示すものである。
このようにすれば、例えば、変形例3の「押し順ベルB」のような偏りベルが含まれるものとしても、AT状態以外では、この当籤をサブ側で認識することはできなくなるので、遊技者が偏りベルの当籤を意識せず、AT関連処理が有利となる特定態様(左第1停止)で遊技を行いやすくなる。しかも、非AT状態の内部当籤情報や指示情報をどのような構成するかを考慮する必要がなくなることから、制御負荷やデータ量を少なくすることができるとともに、遊技機の設計のしやすさも向上させることができる。
もっとも、いかなる役についても内部当籤役に関連する情報が送信されないとすれば、サブ側では内部当籤役の種類に応じた期待感演出などの演出が何ら行われなくことから、遊技の興趣が著しく低下するおそれがある。そこで、この例においては、レア役に当籤したときは、非AT状態であっても例外的に送信情報設定処理が行われるものとしている。
なお、上述の趣旨からすれば、S1012の処理を設けることなく、S1011でAT状態であると判定された場合にはS1013の処理を行うが、S1011でAT状態でない(非AT状態である)と判定された場合にはそのまま当該処理を終了させるようにし、レア役についても例外とせずに送信情報設定処理が行われないようにしてもよい。
また、このような構成とした上で、例えば、レア役、あるいは少なくとも偏りベル以外(あるいは、偏りベルが含まれるグループ以外)の他の役について、これに当籤した場合には、それぞれ異なる種別のロック演出が実行されるようにし、ロック演出の種別がロックコマンドでサブ側に送信されるようにして、偏りベルについて打順関連演出が行われないことを担保しつつ、これと関連しない役については、内部当籤役に関連する演出が行われ得るようにしてもよい。
<第3の遊技機(変形例)の仕様を用いた遊技機>
第3の遊技機(変形例)によれば、その仕様を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
例えば、AT状態に関連する決定が優遇される優遇状態と、当該優遇状態でない非優遇状態とを有し、少なくともAT状態に制御されていないときに、いずれかの状態に制御可能であり、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、当該特定態様にて停止操作が行われた場合に少なくとも次遊技を優遇状態に制御可能とし、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合に少なくとも次遊技を非優遇状態に制御可能とする優遇制御を実行可能であり、遊技の進行に応じて表示内容が進行する特定演出(例えば、期待感演出)において、優遇状態の遊技において当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には、実行されている特定演出の種類に応じた特定待機表示(例えば、待機表示)を行うことが可能である遊技機である。
なお、特定態様となる停止操作は、打順が左第1停止である態様に限られない。例えば、その他のリールに対して第1停止操作を行うことが特定態様の停止操作となるように構成してもよい。また、例えば、変動表示部を4つのリールで構成する場合、そのうちの二つの特定のリールに対して特定の順番にて停止操作を行うことが特定態様の停止操作となるように構成してもよい。また、特定のリール(例えば、左リール)に対して特定の押下位置で停止操作を行うことが特定態様の停止操作となるように構成してもよい。
また、優遇状態に制御される停止操作態様は、非優遇状態に制御される停止操作態様よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成されるものしているが、遊技価値の期待値が同じであってもこのような優遇制御が行われるものとしてもよい。すなわち、偏りベルが含まれないように役構成した場合であっても、優遇状態に制御され得る停止操作の特定態様を定め、当該特定態様にて停止操作が行われた場合には優遇状態に制御可能とし、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には非優遇状態に制御可能とするように構成してもよい。
また、特定待機表示は、種々の用途に用いることができる。例えば、演出の進行が待機されることを報知ないし示唆するために用いることができるし、非優遇状態に制御されることを報知ないし示唆するために用いることができる。また、例えば、演出が中途で終了したことを報知ないし示唆するために用いることができる。また、例えば、特定態様にて停止操作が行われないことによって遊技者に不利となったことを報知ないし示唆するために用いることができる。また、推奨される遊技方法で遊技を行う(例えば、特定態様にて停止操作を行う)べきことを報知ないし示唆するために用いることができる。すなわち、優遇制御に関連する種々の情報、あるいは演出の進行に関連する種々の情報を報知ないし示唆するために用いることができる。
また、例えば、優遇制御は、通常役を当籤役として決定した場合に実行可能である遊技機である。
また、例えば、優遇制御は、いずれの役を当籤役として決定した場合にも実行可能である遊技機である。
優遇制御が行われ得る遊技は、所定の制御条件にしたがって任意に設定可能である。例えば、通常中(有利区間)と、CZ中と、ST中とでそれぞれ異なる条件で優遇制御が行われ得るものとしてもよい。例えば、これらのうちいずかの状態では、いずれの役を当籤役として決定した場合にも実行されるものとし、その他の状態では、通常役を当籤役として決定した場合に実行されるものとしてもよい。また、例えば、同じ状態であっても、ある遊技期間ではいずれの役を当籤役として決定した場合にも実行されるものとし、他の遊技期間では通常役を当籤役として決定した場合に実行されるものとしてもよい。
また、例えば、優遇状態又は非優遇状態のいずれとするかを一遊技単位で制御可能である遊技機である。もっとも、上述の如く、複数遊技単位でそのような優遇制御を行う場合があるようにしてもよいし、一遊技の中の、停止操作単位でもそのような優遇制御を行う場合があるようにしてもよい。
例えば、優遇状態の遊技において、特定態様にて第1停止操作が行われた場合には優遇状態に制御することを決定可能とするが、第2停止操作においてさらに優遇状態に制御するか否かを決定可能とし、ここで優遇状態に制御しないことが決定された場合には非優遇状態に制御されるものとしてもよい。また、例えば、優遇状態の遊技において、特定態様にて第1停止操作が行われなかった場合には非優遇状態に制御することを決定可能とするが、第2停止操作において、例えば、獲得優遇打順とならなかったなどの所定の条件を満たす場合には、優遇状態に制御することを決定可能とし、ここで優遇状態に制御することが決定された場合には優遇状態に制御されるものとしてもよい。
また、例えば、優遇状態の遊技において優遇カウンタの値を1減算し、当該遊技において、特定態様にて停止操作が行われた場合には優遇カウンタの値を1加算する一方、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には優遇カウンタの値を1加算せず、優遇カウンタの値が1以上である遊技を優遇状態に制御する遊技機である。
また、例えば、優遇状態の遊技において、特定態様にて停止操作が行われた場合であっても優遇カウンタの値を1加算しないときがある遊技機である。
なお、優遇カウンタに替えて、非優遇状態の遊技期間を管理する非優遇カウンタを設けるようにし、優遇状態の遊技において非優遇カウンタの値を1加算し、当該遊技において、特定態様にて停止操作が行われた場合には非優遇カウンタの値を1減算する一方、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には非優遇カウンタの値を1減算せず、非優遇カウンタの値が1以上である遊技を非優遇状態に制御するように構成してもよい。
また、この場合、優遇状態の遊技において、特定態様にて停止操作が行われた場合であっても非優遇カウンタの値を1減算しないときがあるように構成してもよい。
また、例えば、特定待機表示が行われているときに電断が発生した場合、当該電断からの復帰後も特定待機表示を行うことが可能である遊技機である。
また、例えば、特定待機表示が行われているときに設定変更が行われた場合、当該設定変更後も特定待機表示を行うことが可能である遊技機である。
なお、一の状況から他の状況に遷移した場合に特定待機表示を継続させる態様は上述のものに限られない。例えば、遊技が終了され、そのまま所定時間(例えば、30秒)が経過して非遊技状態であると判定された場合、通常であればデモンストレーション画面が表示されることとなるが、特定待機表示が行われていた場合には、デモンストレーション画面に替えて、特定待機表示が継続して表示されるように構成してもよい。また、この場合、例えば、非遊技状態であると判定されてからさらに所定時間(例えば、2時間)が経過した場合には、特定待機表示を行うことを終了し、通常のデモンストレーション画面が表示されるようにしてもよい。
また、例えば、特定演出は、複数遊技にわたって実行される連続演出を含み、優遇状態の遊技において連続演出が実行されているときに、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には、当該遊技において特定待機表示を行った後、当該遊技における表示内容の演出を次遊技において再度実行可能である遊技機である。
なお、再度実行するとは、最初から全て実行することのみならず、一部を実行することも含む。また、再度実行する際に調整が必要な場合には、演出の全体構成は変えずに実行時間のみを変えて調整することもできるし、一部について演出内容を省略するあるいは追加するなどして調整することもできる。すなわち、遊技者に違和感を与えることなく、同じ演出が再度実行されたと認識される演出が実行されればよく、必ずしも全く同じ演出でなくともよい。
また、連続演出は、少なくとも関連する演出が複数遊技にわたって実行されるものであればよく、複数遊技を1セットとして所定の情報が報知ないし示唆されるもののみならず、一遊技ごとに所定の情報が報知ないし示唆される演出が複数遊技にわたって実行され得るものを含む。また、必ずしも連続する遊技で実行されるものでなくともよく、例えば、前兆状態などの特定の遊技期間では演出傾向を制御するための演出シナリオ(演出制御状態)が決定され得るものとし、連続しない遊技間においても関連する演出が実行され得るようにした場合には、連続しない遊技間であっても、ある遊技で実行された演出を、その後の遊技で再度実行され得るようにすることもできる。
また、例えば、最初に停止操作が検出されたときに、当該停止操作が特定の表示列(例えば、左リール)に対するものである場合には特定態様となり、当該停止操作が特定の表示列に対するものでない場合には特定態様とならないように構成され、特定演出は、遊技が開始されるときから実行される期待感演出であり、優遇状態の遊技において特定演出が実行される場合に、最初の停止操作が特定の表示列に対するものでなかったときは、そのときから特定待機表示を行う遊技機である。
なお、最初に停止操作が検出されたときとは、第1停止操作が行われたまさにそのとき(ストップボタンが操作されてオン状態となったとき、あるいはストップボタンが操作された後、これがオフ状態となったとき)であってもよいし、第1停止操作後、第2停止操作前の任意のタイミングであってもよい。
また、例えば、AT状態に関連する決定が優遇される優遇状態と、当該優遇状態でない非優遇状態とを有し、少なくともAT状態に制御されていないときに、いずれかの状態に制御可能であり、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、非AT状態であるST中は、通常中(有利区間)よりも遊技者にとって有利であり、かつ、規定期間(例えば、16ゲーム)は継続されるように構成され、当該特定態様にて停止操作が行われた場合に少なくとも次遊技を優遇状態に制御可能とし、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合に少なくとも次遊技を非優遇状態に制御可能とする優遇制御を実行可能であり、規定期間は、優遇状態であるか否かにかかわらず、1回の遊技が行われることに応じて進行し、ST中の有利度合いは、優遇状態での遊技が行われた場合には有利なものに変動する場合がある一方、非優遇状態での遊技が行われた場合には有利なものに変動する場合はない遊技機である。
なお、ST中は、必ずしも通常中(有利区間)よりも有利な状態でなくともよい。また、このような制御は、通常中(有利区間)やCZ中において行われるものであってもよい。また、この遊技機においても、むろん、上述のものと同様に特定待機表示を行うことが可能であるし、これに関連する種々の制御を行うことが可能である。また、例えば、通常中(有利区間)とST中とで同じ期待感演出が実行され得るように構成したときに、特定待機表示を行う場合には、通常中(有利区間)とST中とで異なる内容の特定待機表示を行うように構成してもよい。
<第3の遊技機(変形例)に係る発明のまとめ(付記)>
以上説明したように、第3の遊技機(変形例)では以下のような構成の遊技機を提供することができる。
従来の遊技機において、液晶表示部などの演出表示手段を備え、遊技の進行に応じて表示画像を変化させることで演出を行うようにしたものが提案されている(例えば、特開2000-135303号公報参照)。
しかしながら、近年、このような遊技機では、遊技性の多様化にともない、遊技状況に応じてより適切な遊技制御を行うことが求められている。
本発明は、遊技状況に応じた適切な遊技制御を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
複数の識別情報を複数の表示列で変動表示可能な可変表示手段(例えば、変動表示部)と、複数の役の中から当籤役を決定可能な役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、前記可変表示手段の変動表示を停止させるための停止操作を検出可能な停止操作検出手段(例えば、停止操作検出部)と、前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作検出手段により検出された停止操作態様とに応じて、前記可変表示手段の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、遊技者にとって有利な停止操作態様が報知される特別遊技状態(例えば、第3の遊技機(変形例)における第1ボーナス中や第2ボーナス中などのAT状態)に制御可能な遊技状態制御手段(例えば、第3の遊技機(変形例)において各遊技状態を制御するメインCPU101)と、前記特別遊技状態に関連する決定が優遇される優遇状態(例えば、第3の遊技機(変形例)における優遇状態)と、当該優遇状態でない非優遇状態(例えば、第3の遊技機(変形例)における非優遇状態)とを有し、少なくとも前記特別遊技状態に制御されていないときに、いずれかの状態に制御可能な優遇制御手段(例えば、第3の遊技機(変形例)において優遇制御を行うメインCPU101)と、特定演出(例えば、第3の遊技機(変形例)における期待感演出)を含む複数の演出を実行可能な演出実行手段(例えば、メイン演出表示部21)と、を備え、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、前記優遇制御手段は、前記特定態様にて停止操作が行われた場合に少なくとも次遊技を前記優遇状態に制御可能とし、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合に少なくとも次遊技を前記非優遇状態に制御可能とする優遇制御を実行可能であり、前記特定演出は、遊技の進行に応じて表示内容が進行する演出であり、少なくとも一部の表示内容が異なる複数種類があり、前記演出実行手段は、前記優遇状態の遊技において前記特定演出が実行されているときに、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合には、実行されている前記特定演出の種類に応じた特定待機表示を行うことが可能であることを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、遊技価値の付与期待値が低くなる特定態様にて停止操作が行われた場合には優遇状態に制御され、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には非優遇状態に制御されることを可能とし、特定演出が実行されているときに、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には実行されている特定演出の種類に応じた特定待機表示を行うことを可能としている。したがって、特に演出面において、遊技状況に応じた適切な遊技制御を行うことができる。
前記優遇制御手段は、少なくとも前記役決定手段が通常役を当籤役として決定した場合に前記優遇制御を実行可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、遊技機の特性をふまえ、適切な遊技状況において優遇制御を行うことを可能としている。したがって、遊技性を多様なものとして遊技の興趣を高めつつ、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記優遇制御手段は、前記役決定手段がいずれの役を当籤役として決定した場合にも前記優遇制御を実行可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、遊技機の特性をふまえ、適切な遊技状況において優遇制御を行うことを可能としている。したがって、遊技性を多様なものとして遊技の興趣を高めつつ、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記優遇制御手段は、前記優遇状態又は前記非優遇状態のいずれとするかを一遊技単位で制御可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、遊技者が過度に有利又は不利となる状況の発生を抑制し、よりきめ細かい優遇制御を行うことを可能としている。したがって、遊技性を多様なものとして遊技の興趣を高めつつ、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記優遇制御手段は、前記優遇状態とする遊技期間を管理するカウンタ(例えば、優遇カウンタ)を有し、前記優遇状態の遊技において前記カウンタの値を1減算し、当該遊技において、前記特定態様にて停止操作が行われた場合には前記カウンタの値を1加算する一方、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合には前記カウンタの値を1加算せず、前記カウンタの値が1以上である遊技を前記優遇状態に制御することを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、よりきめ細かい優遇制御を行うことを可能としつつ、これによって制御負荷が過度に増大してしまうことを防止できるようにしている。したがって、遊技性を多様なものとして遊技の興趣を高めつつ、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記優遇制御手段は、前記優遇状態の遊技において、前記特定態様にて停止操作が行われた場合であっても前記カウンタの値を1加算しないときがあることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、よりきめ細かい優遇制御を行うことを可能としつつ、遊技性が単調となってしまうことを防止できるようにしている。したがって、遊技性を多様なものとして遊技の興趣を高めつつ、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記特定待機表示が行われているときに電断が発生した場合、当該電断からの復帰後も前記特定待機表示を行うことが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、電断が発生し、これから復帰した場合であっても、特定待機表示によって非優遇状態に制御されることを遊技者に示すことができるため、特に演出面において、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記特定待機表示が行われているときに設定変更が行われた場合、当該設定変更後も前記特定待機表示を行うことが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、設定変更が行われた場合であっても、特定待機表示によってこれを見抜きにくくすることができるため、特に演出面において、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記特定演出は、複数遊技にわたって実行される連続演出を含み、前記演出実行手段は、前記優遇状態の遊技において前記連続演出が実行されているときに、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合には、当該遊技において前記特定待機表示を行った後、当該遊技における表示内容の演出を次遊技において再度実行可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特定態様にて停止操作が行われずに特定待機表示が行われた場合であっても、その後特定態様にて停止操作が行われた場合には当該演出が再度進行されるように制御することを可能としている。したがって、優遇制御によって遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、特に演出面において、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記停止操作検出手段により最初に停止操作が検出されたときに、当該停止操作が特定の表示列(例えば、左リール)に対するものである場合には前記特定態様となり、当該停止操作が前記特定の表示列に対するものでない場合には前記特定態様とならないように構成され、前記特定演出は、遊技が開始されるときから実行される期待感演出であり、前記演出実行手段は、前記優遇状態の遊技において前記特定演出が実行される場合に、最初の停止操作が前記特定の表示列に対するものでなかったときは、そのときから前記特定待機表示を行うことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には、それが確定したときから特定待機表示が行われ得るため、遊技者の期待感を無用に引き延ばして興趣の低下につながってしまうことを防止しつつ、遊技者に優遇状態に制御されない停止操作であったことをより適切な態様で報せることを可能としている。したがって、特に演出面において、より適切な遊技制御を行うことができる。
複数の識別情報を複数の表示列で変動表示可能な可変表示手段(例えば、変動表示部)と、複数の役の中から当籤役を決定可能な役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、前記可変表示手段の変動表示を停止させるための停止操作を検出可能な停止操作検出手段(例えば、停止操作検出部)と、前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作検出手段により検出された停止操作態様とに応じて、前記可変表示手段の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、遊技者にとって有利な停止操作態様が報知される特別遊技状態(例えば、第3の遊技機(変形例)における第1ボーナス中や第2ボーナス中などのAT状態)と、遊技者にとって有利な停止操作態様が報知されない通常遊技状態(例えば、第3の遊技機(変形例)における通常中(有利区間))及び特定遊技状態(例えば、第3の遊技機(変形例)におけるST中)とを有し、いずれかの遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段(例えば、第3の遊技機(変形例)において各遊技状態を制御するメインCPU101)と、前記特別遊技状態に関連する決定が優遇される優遇状態(例えば、第3の遊技機(変形例)における優遇状態)と、当該優遇状態でない非優遇状態(例えば、第3の遊技機(変形例)における非優遇状態)とを有し、少なくとも前記特別遊技状態に制御されていないときに、いずれかの状態に制御可能な優遇制御手段(例えば、第3の遊技機(変形例)において優遇制御を行うメインCPU101)と、を備え、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、前記特定遊技状態は、前記通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として構成されるとともに、前記特定遊技状態に制御された場合、特定の遊技期間(例えば、規定期間)は当該特定遊技状態が継続されるように構成され、前記優遇制御手段は、前記特定態様にて停止操作が行われた場合に少なくとも次遊技を前記優遇状態に制御可能とし、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合に少なくとも次遊技を前記非優遇状態に制御可能とする優遇制御を実行可能であり、前記特定の遊技期間を管理する第1管理手段(例えば、STゲーム数カウンタ)と、前記特定遊技状態の有利度合いを管理する第2管理手段(例えば、MAPゲーム数カウンタ)と、をさらに備え、前記第1管理手段は、前記特定遊技状態において、前記優遇状態であるか否かにかかわらず、1回の遊技が行われることに応じて前記特定の遊技期間を進行させ、前記第2管理手段は、前記特定遊技状態において、前記優遇状態での遊技が行われた場合には前記特定遊技状態の有利度合いを有利なものに変動可能とする一方、前記非優遇状態での遊技が行われた場合には前記特定遊技状態の有利度合いを有利なものに変動可能とはしないことを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、遊技価値の付与期待値が低くなる特定態様にて停止操作が行われた場合には優遇状態に制御され、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には非優遇状態に制御されることを可能とし、特定遊技状態においては、優遇状態であるか否かにかかわらずその遊技期間を進行させる一方、その有利度合いについては優遇状態での遊技が行われた場合にのみ有利となり得るように構成している。すなわち、例えば、遊技者が敢えて特定態様にて停止操作を行わないようにしたとしても、それによって特定遊技状態が引き延ばされたり、そのような遊技者が有利となったりする状況が発生することを防止できるようになっている。したがって、遊技状況に応じた適切な遊技制御を行うことができる。
[14.試験機との接続構成の変形例]
続いて、図144~図153を参照して、本実施形態における試験機との接続構成の変形例(拡張例)を説明する。なお、本実施形態における試験機との接続構成の変形例として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において各遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において各遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態おける試験機との接続構成の変形例として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
本実施形態では、主制御基板71は、遊技機に関する所定の試験(型式試験、試射試験、あるいは検定試験などとも称される)を実施する際には、主中継基板73を介して(主中継基板73を介することなく直接的に接続されるものであってもよい)、試験機用第1インターフェースボード301(以下、「IF1」として説明する)及び試験機用第2インターフェースボード302(以下、「IF2」として説明する)と接続可能となるように構成されていた(図3等参照)。
また、IF1及びIF2は、遊技に関する各種試験信号(試験用情報)を試験機(試射試験機)に出力する際に用いられる中継基板として機能し、例えば、これらが搭載された場合には、IF1は、パチスロ機1(遊技機)から出力された情報に応じて、主たる遊技状況(例えば、当籤役や遊技状態など)を示す情報を試験機に出力可能に構成され、また、IF2は、パチスロ機1(遊技機)から出力された情報に応じて、停止操作の報知に係る遊技状況(例えば、押し順ナビの種類など)を示す情報を試験機に出力可能に構成されていた。
本変形例では、主制御基板71に対し、IF1及びIF2を接続可能とすることに加え、IF3(例えば、これを「試験機用第3インターフェースボード303」とする)をIF2に替えて接続可能とし(すなわち、IF1及びIF3を接続可能とし)、さらに、IF2とIF3のいずれを接続する場合にも、試験機に対して適切に情報が伝達されるように工夫をなしている。以下、その具体的態様について説明する。なお、例えば、試験機の仕様、あるいはこのような試験の実施方法などが変更され、IF1、IF2及びIF3が同時に接続可能となった場合には、これらが同時に接続され得るものであってもよく、この場合でも遊技機側の制御としては本変形例で示すものと同様の制御を行うことができる。
<試験機との接続構成(変形例)の構成例>
図144を参照して、本変形例における試験機との接続構成の構成例について説明する。図144は、本実施形態に係る遊技機と試験機との接続構成(変形例)の構成例を示す図である。
(遊技機→IF1→試験機)
まず、遊技機とIF1の間の接続構成について説明する。遊技機とIF1は、試験が実施されるときに、複数の信号線(回路)で接続可能に構成される。なお、これは専用のパラレル通信回路によって接続されるように構成されるが、これを専用のシリアル通信回路によって接続されるように構成することもできる。すなわち、通信方式はどのような方式であってもよいし、信号線の数も上述のものに限られない。
遊技機からIF1には、例えば、遊技が開始されるときに、決定された当籤役を特定可能とする当籤役情報(例えば、上述の当籤番号(No.)に相当する情報であってもよいし、あるいは、上述の内部当籤情報に相当する情報であってもよい)や、遊技状態を特定可能とする遊技状態情報(例えば、非ボーナス状態においては、非フラグ間であるか、フラグ間(その種類を含む)であるかを識別可能な情報、また、ボーナス状態においては、いずれのボーナスの作動中であるかを識別可能な情報、また、前回の遊技でリプレイ役が入賞していた場合には、今回の遊技が再遊技の作動中であることを識別可能な情報など)などの遊技情報が出力される。また、遊技が終了するときに、停止した図柄組合せに応じて付与される遊技価値量を特定可能とする付与情報などの遊技情報が出力される。なお、これらはあくまで一例であり、試験機の仕様などに応じて、その他の必要な情報も出力することができる。
次に、IF1と試験機の間の接続構成について説明する。IF1と試験機は、試験が実施されるときに、複数の信号線(回路)で接続可能に構成される。なお、これは専用のパラレル通信回路によって接続されるように構成されるが、これを専用のシリアル通信回路によって接続されるように構成することもできる。すなわち、通信方式はどのような方式であってもよいし、信号線の数も上述のものに限られない。
IF1は、遊技機から出力された情報を、そのままのデータ構成で試験機に出力可能であれば、そのまま試験機に出力することもできるし、データ構成上、変換が必要であれば、試験機の入力側に応じたデータ構成にデータ変換した上で当該変換データを試験機に出力することもできる。なお、この場合、接続方式上の変換(例えば、パラレル→シリアル、シリアル→パラレルなど)のみが行われるようにすることもできるし、遊技機側から出力されたデータから新たに出力用のデータを生成して、生成したデータを出力することもできる。すなわち、IF1は、能動的に制御を実行可能な制御回路(CPU)を搭載せず、遊技機から出力されたデータをそのまま中継し、試験機に出力するものとして構成することもできるし、能動的に制御を実行可能な制御回路(CPU)を搭載して、遊技機から出力されたデータを適宜変換した上で中継し、試験機に出力するものとして構成することもできる。
(遊技機→IF2→試験機)
続いて、遊技機とIF2の間の接続構成について説明する。遊技機とIF2は、試験が実施されるときに、単一の信号線(回路)で接続可能に構成される。なお、これは専用のシリアル通信回路によって接続されるように構成されるが、これを専用のパラレル通信回路によって接続されるように構成することもできる。すなわち、通信方式はどのような方式であってもよいし、信号線の数も上述のものに限られない。
遊技機からIF2には、例えば、遊技者にとって有利な停止操作態様を報知可能なAT状態にあっては、報知に対応する停止操作順序(押し順、打順)を特定するための有利順序特定情報(例えば、上述のナビ設定処理で直接的に設定される情報であってもよいし、上述の指示情報に相当する情報であってもよい)や、少なくとも決定された当籤役に対して不利とならない停止操作時期(停止操作タイミング)を特定するための有利時期特定情報などが出力される。なお、これらの情報は、後述の「IF2用停止操作態様情報」を構成するものであるが、その具体的なデータ構成については後で詳述する。
ここで、有利時期特定情報であるが、これは、遊技機単位で予め設定された停止操作時期を特定可能とする情報であってもよいし、当籤役単位で予め設定された停止操作時期を特定可能とする情報であってもよい。例えば、遊技機において、「チェリー」の小役と、「スイカ」の小役が設けられており、「チェリー」の小役は、左リールにおいて、所定の停止操作時期で停止操作が行われた場合には取りこぼしなく入賞が成立して規定の遊技価値が付与されるが、所定の停止操作時期以外の停止操作時期で停止操作が行われた場合には取りこぼしが発生して規定の遊技価値は付与されないものとして構成されていたとする。
また、「スイカ」の小役は、中リールにおいて、特定の停止操作時期で停止操作が行われた場合には取りこぼしなく入賞が成立して規定の遊技価値が付与されるが、特定の停止操作時期以外の停止操作時期で停止操作が行われた場合には取りこぼしが発生して規定の遊技価値は付与されないものとして構成されていたとする。
この場合、有利時期特定情報を、当籤役の種類にかかわらず、遊技機単位で、左リールにあっては所定の停止操作時期とし、中リールにあっては特定の停止操作時期として予め規定しておけば、取りこぼしが発生し得る役を全てフォローした(すなわち、取りこぼしを発生させず、獲得可能な遊技価値の最大値を得られる)有利時期特定情報を出力することができる。
また、この場合、「チェリー」の小役に当籤した遊技では、少なくとも左リールにおいて所定の停止操作時期となる有利時期特定情報が出力されるようにし、「スイカ」の小役に当籤した遊技では、少なくとも中リールにおいて特定の停止操作時期となる有利時期特定情報が出力されるようにすれば、同様に、取りこぼしが発生し得る役を全てフォローした有利時期特定情報を出力することができる。すなわち、結果として、遊技者にとって不利とならない停止操作時期が出力可能であれば、有利時期特定情報としてどのような情報が出力されるものであってもよい。
また、例えば、遊技者にとって有利な停止操作態様を報知可能としない非AT状態にあっては、所定の停止操作順序を特定するための所定順序特定情報や、上述の有利時期特定情報などが出力される。なお、これらの情報は、後述の「IF2用停止操作態様情報」を構成するものであるが、その具体的なデータ構成については後で詳述する。
ここで、所定順序特定情報であるが、これは、遊技機単位で予め設定された停止操作順序を特定可能とする情報であってもよいし、当籤役単位で予め設定された停止操作順序を特定可能とする情報であってもよい。例えば、上述の第3の遊技機(変形例含む)のように、AT優遇打順が定められている場合、少なくともこのうちの一の停止操作順序(例えば、打順「1234」、あるいは打順「123」など)を特定可能とする情報とすればよい。なお、このようにしているのは、それが遊技者の多くが採る停止操作態様(換言すれば、推奨される遊技方法)であり、試験を実施する目的にも合致するからである。
もっとも、試験上、AT非優遇打順で試験を行いたい場合には、少なくともこのうちの一の停止操作順序(例えば、打順「4321」、あるいは打順「321」など)を特定可能とする情報とすることもできる。すなわち、得たい試験結果に応じて、適宜特定可能な停止操作順序を定めることが可能である。
また、この場合、遊技機全体の特性として、ある停止操作順序をAT優遇打順とし、その他の停止操作順序をAT非優遇打順として規定するのであれば、所定順序特定情報で特定する停止操作順序を、遊技機単位で一のAT優遇打順に相当する停止操作順序とすればよいし、所定役に当籤した遊技において、ある停止操作順序をAT優遇打順とし、その他の停止操作順序をAT非優遇打順として規定するのであれば、所定順序特定情報で特定する停止操作順序を、少なくとも所定役に当籤した遊技では一のAT優遇打順に相当する停止操作順序とすればよい(換言すれば、所定役に当籤しない遊技では、これとは異なる停止操作順序を所定順序特定情報で特定してもよい)。すなわち、結果として、試験を適切に行うことができる(遊技者が実際に遊技を行う場合と乖離しない)停止操作順序が出力可能であれば、所定順序特定情報としてどのような情報が出力されるものであってもよい。
次に、IF2と試験機の間の接続構成について説明する。IF2と試験機は、試験が実施されるときに、単一の信号線(回路)で接続可能に構成される。なお、これは専用のシリアル通信回路によって接続されるように構成されるが、これを専用のパラレル通信回路によって接続されるように構成することもできる。すなわち、通信方式はどのような方式であってもよいし、信号線の数も上述のものに限られない。
IF2は、遊技機から出力された情報を、そのままのデータ構成で試験機に出力可能であれば、そのまま試験機に出力することもできるし、データ構成上、変換が必要であれば、試験機の入力側に応じたデータ構成にデータ変換した上で当該変換データを試験機に出力することもできる。なお、この場合、接続方式上の変換(例えば、パラレル→シリアル、シリアル→パラレルなど)のみが行われるようにすることもできるし、遊技機側から出力されたデータから新たに出力用のデータを生成して、生成したデータを出力することもできる。すなわち、IF2は、能動的に制御を実行可能な制御回路(CPU)を搭載せず、遊技機から出力されたデータをそのまま中継し、試験機に出力するものとして構成することもできるし、能動的に制御を実行可能な制御回路(CPU)を搭載して、遊技機から出力されたデータを適宜変換した上で中継し、試験機に出力するものとして構成することもできる。
例えば、遊技機からIF2に、上述の当籤役情報や遊技状態情報と、有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)が出力され、有利時期特定情報は出力されないものとし、IF2は、これらの情報を参照しながら、自己で有利時期特定情報を生成した上で、有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)及び有利時期特定情報を試験機に出力するように構成することもできる。なお、生成に際しては、上述の如く、遊技機単位でこれを生成することもできるし、当籤役単位でこれを生成することもできる。
また、例えば、遊技機からIF2に、上述の当籤役情報や遊技状態情報が出力され、有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)や有利時期特定情報は出力されないものとし、IF2は、これらの情報を参照しながら、自己で有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)及び有利時期特定情報を生成した上で、有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)及び有利時期特定情報を試験機に出力するように構成することもできる。なお、生成に際しては、上述の如く、遊技機単位でこれを生成することもできるし、当籤役単位でこれを生成することもできる。
また、例えば、遊技機からIF2に、上述の当籤役情報や遊技状態情報と、有利時期特定情報が出力され、有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)は出力されないものとし、IF2は、これらの情報を参照しながら、自己で有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)を生成した上で、有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)及び有利時期特定情報を試験機に出力するように構成することもできる。なお、生成に際しては、上述の如く、遊技機単位でこれを生成することもできるし、当籤役単位でこれを生成することもできる。
(遊技機→IF3→試験機)
上述のとおり、本変形例では、試験が実施されるときに、IF2に替えて、IF3を接続可能に構成される。なお、遊技機とIF3の間の接続構成、及びIF3と試験機の間の接続構成は、基本的にIF2におけるものと同様であるため、ここでの説明は省略する。もっとも、IF2とIF3とで、異なる接続構成を採用することもできる。
遊技機からIF3には、例えば、遊技者にとって有利な停止操作態様を報知可能なAT状態にあっては、上述の有利順序特定情報などが出力される。また、この場合、後述の方式1(図147参照)を採用する場合には、停止操作時期(停止操作タイミング)をランダムとする旨の時期不特定情報も出力される。一方、後述の方式2(図148参照)を採用する場合には、時期不特定情報は出力されない。なお、これらの情報は、後述の「IF3用停止操作態様情報」を構成するものであるが、その具体的なデータ構成については後で詳述する。
上述のとおり、IF2が接続される場合には、獲得可能な遊技価値の最大値を得られる(少なくとも当籤役に対して不利とならない)停止操作時期が試験機側で特定可能となるように、有利時期特定情報が出力される。これは、例えば、当籤役を予測し、適切に目押し(当籤役に対応する図柄組合せが表示され得る(取りこぼしが発生しない)適切な停止操作時期で停止操作を行うこと)を行うなど遊技に長けた(遊技の技量が高い)遊技者(例えば、熟練者)を想定した試験を行うために用いられる。
もっとも、全ての遊技者がこのような技量を持ち合わせているわけではない。そもそも目押しを行わない、あるいは、目押しを行うが、不慣れなために望む停止操作時期で停止操作を行うことができない(その頻度が高い)遊技者(例えば、初心者)も一定数存在する。したがって、かかる実情を鑑みると、獲得可能な遊技価値の最大値を得られる(少なくとも当籤役に対して不利とならない)停止操作時期のみを想定して試験を行うと、実際に市場に提供された際に、想定したよりも遊技者が不利となる場合も生じることになる。そこで、本変形例では、そのような想定のもとでも試験を行い得るように、IF3を接続可能としているのである。
上述のとおり、IF3が接続される場合には、有利時期特定情報は出力されない。そして、試験機側は、例えば、後述の方式1(図147参照)の場合のように、IF3を介して、遊技機から時期不特定情報を受信した場合には、ランダムに(乱数抽籤を行って)停止操作時期を決定する。また、例えば、後述の方式2(図148参照)の場合のように、IF3を介して、遊技機から停止操作時期を特定可能とする情報を受信しなかった場合には、ランダムに(乱数抽籤を行って)停止操作時期を決定する。このようにすれば、上述のような初心者を想定した試験も行うことが可能となる。
また、例えば、遊技者にとって有利な停止操作態様を報知可能としない非AT状態にあっては、上述の所定順序特定情報などが出力される。また、この場合、後述の方式1(図147参照)を採用する場合には、上述の時期不特定情報も出力される。一方、後述の方式2(図148参照)を採用する場合には、時期不特定情報は出力されない。なお、これらの情報は、後述の「IF3用停止操作態様情報」を構成するものであるが、その具体的なデータ構成については後で詳述する。
IF3は、遊技機から出力された情報を、そのままのデータ構成で試験機に出力可能であれば、そのまま試験機に出力することもできるし、データ構成上、変換が必要であれば、試験機の入力側に応じたデータ構成にデータ変換した上で当該変換データを試験機に出力することもできる。なお、この場合、接続方式上の変換(例えば、パラレル→シリアル、シリアル→パラレルなど)のみが行われるようにすることもできるし、遊技機側から出力されたデータから新たに出力用のデータを生成して、生成したデータを出力することもできる。すなわち、IF3は、能動的に制御を実行可能な制御回路(CPU)を搭載せず、遊技機から出力されたデータをそのまま中継し、試験機に出力するものとして構成することもできるし、能動的に制御を実行可能な制御回路(CPU)を搭載して、遊技機から出力されたデータを適宜変換した上で中継し、試験機に出力するものとして構成することもできる。
例えば、後述の方式1の場合に、遊技機からIF3に、上述の当籤役情報や遊技状態情報と、有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)が出力され、時期不特定情報は出力されないものとし、IF3は、これらの情報を参照しながら、時期不特定情報を生成した上で、有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)及び時期不特定情報を試験機に出力するように構成することもできる。なお、生成に際しては、上述の如く、遊技機単位でこれを生成することもできるし、当籤役単位でこれを生成することもできる。
また、例えば、後述の方式1の場合に、遊技機からIF3に、上述の当籤役情報や遊技状態情報が出力され、有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)や時期不特定情報は出力されないものとし、IF3は、これらの情報を参照しながら、自己で有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)及び時期不特定情報を生成した上で、有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)及び時期不特定情報を試験機に出力するように構成することもできる。また、後述の方式2の場合に、遊技機からIF3に、上述の当籤役情報や遊技状態情報が出力され、有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)は出力されないものとし、IF3は、これらの情報を参照しながら、自己で有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)を生成した上で、有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)を試験機に出力するように構成することもできる。なお、生成に際しては、上述の如く、遊技機単位でこれを生成することもできるし、当籤役単位でこれを生成することもできる。
また、例えば、後述の方式1の場合に、遊技機からIF3に、上述の当籤役情報や遊技状態情報と、時期不特定情報が出力され、有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)は出力されないものとし、IF3は、これらの情報を参照しながら、自己で有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)を生成した上で、有利順序特定情報(あるいは、所定順序特定情報)及び時期不特定情報を試験機に出力するように構成することもできる。なお、生成に際しては、上述の如く、遊技機単位でこれを生成することもできるし、当籤役単位でこれを生成することもできる。
(試験機→IF1→遊技機)
上述のとおり、本変形例では、試験が実施されるときに、試験機とIF1の間、及びIF1と遊技機の間が、複数の信号線(回路)で接続可能に構成され、少なくともそのうちの一部の信号線が用いられ、IF1を介して、試験機から遊技機に遊技動作を制御するための試験用遊技制御情報が出力される。
試験用遊技制御情報としては、例えば、試験において遊技価値をベットさせる(すなわち、遊技者の遊技操作(ベット操作)を介することなく試験用のベット動作を行わせる)ためのベット指示情報、試験において遊技を開始させる(すなわち、遊技者の遊技操作(開始操作)を介することなく試験用の開始動作を行わせる)ための開始操作指示情報、試験において各リールを停止させる(すなわち、遊技者の遊技操作(停止操作)を介することなく試験用の停止動作を行わせる)ための停止操作指示情報などが出力される。すなわち、IF1は、試験機からの指示にしたがい、遊技者の遊技操作を介することなく遊技機において遊技を実行させる機能を有する。また、遊技機は、IF1が接続されている場合には、IF1から出力された情報に基づいて遊技を実行する機能を有する。
この場合、IF1は、試験機から出力された情報を、そのままのデータ構成で遊技機に出力可能であれば、そのまま遊技機に出力することもできるし、データ構成上、変換が必要であれば、遊技機の入力側に応じたデータ構成にデータ変換した上で当該変換データを遊技機に出力することもできる。なお、この場合、接続方式上の変換(例えば、パラレル→シリアル、シリアル→パラレルなど)のみが行われるようにすることもできるし、試験機側から出力されたデータから新たに出力用のデータを生成して、生成したデータを出力することもできる。すなわち、IF1は、能動的に制御を実行可能な制御回路(CPU)を搭載せず、試験機から出力されたデータをそのまま中継し、遊技機に出力するものとして構成することもできるし、能動的に制御を実行可能な制御回路(CPU)を搭載して、試験機から出力されたデータを適宜変換した上で中継し、遊技機に出力するものとして構成することもできる。
<IF2を介して試験機と接続する場合の情報伝達の流れ>
続いて、図145を参照して、本変形例において、IF2を介して試験機と接続する場合の情報伝達の流れの一例を説明する。なお、図145においては、試験機から上述の停止操作指示情報が出力される場面について説明している。
遊技機において遊技が開始される(上述の開始操作指示情報が遊技機に入力される)と、遊技機では、通常の遊技と同様、遊技状態に応じた確率(例えば、内部抽籤テーブルで定められた当籤確率)で当籤役が決定されるとともに、各リールの回転が開始される。また、この場合、AT状態であれば、報知される停止操作態様が決定される。なお、これらは、上述のとおり、メインCPU101の制御により行われる。
遊技開始時の各種処理が終了した後、遊技機からIF1に対し、上述の当籤役情報や遊技状態情報などの遊技情報が出力される。これは、IF1において、必要があれば適宜データ変換が行われた上で試験機に出力される。
また、遊技機からIF2に対し、IF2用停止操作態様情報及びIF3用停止操作態様情報が出力される。なお、これらの情報は、後述の停止実行指定コマンド(図147及び図148参照)によって出力されるものとなっている。ここで、IF2は、停止実行指定コマンドのデータからIF2用停止操作態様情報を抽出し、必要があれば適宜データ変換が行われた上でこれを試験機に出力する。すなわち、送信側の遊技機では、接続されているのがIF2であるかIF3であるかにかかわらず、IF2用停止操作態様情報及びIF3用停止操作態様情報のいずれも含むコマンドを送信し、受信側のIF2で必要な情報のみが抽出されて試験機に出力される仕組みとなっている。
試験機は、IF2から出力されたIF2用停止操作態様情報に基づいて、停止操作順序や停止操作時期を指示するための停止操作指示(情報)をIF1に出力する。そして、これは、IF1において、必要があれば適宜データ変換が行われた上で遊技機に出力され、遊技機は、当該指示(情報)に基づいて各リールを停止させる。
<IF3を介して試験機と接続する場合の情報伝達の流れ>
続いて、図146を参照して、本変形例において、IF3を介して試験機と接続する場合の情報伝達の流れの一例を説明する。なお、図146においては、試験機から上述の停止操作指示情報が出力される場面について説明している。また、IF1における情報伝達の流れについては、図145におけるものと同様であるため、ここでの説明は省略している。
遊技機からIF3に対し、IF2用停止操作態様情報及びIF3用停止操作態様情報が出力される。なお、これらの情報は、後述の停止実行指定コマンド(図147及び図148参照)によって出力されるものとなっている。ここで、IF3は、停止実行指定コマンドのデータからIF3用停止操作態様情報を抽出し、必要があれば適宜データ変換が行われた上でこれを試験機に出力する。すなわち、送信側の遊技機では、接続されているのがIF2であるかIF3であるかにかかわらず、IF2用停止操作態様情報及びIF3用停止操作態様情報のいずれも含むコマンドを送信し、受信側のIF3で必要な情報のみが抽出されて試験機に出力される仕組みとなっている。
試験機は、IF3から出力されたIF3用停止操作態様情報に基づいて、停止操作順序や停止操作時期を指示するための停止操作指示(情報)をIF1に出力する。そして、これは、IF1において、必要があれば適宜データ変換が行われた上で遊技機に出力され、遊技機は、当該指示(情報)に基づいて各リールを停止させる。
<停止実行指定コマンドの構成例>
続いて、図147及び図148を参照して、本変形例における停止実行指定コマンドの構成例について説明する。図147は、停止実行指定コマンドの構成例1(方式1)を示す図であり、図148は、停止実行指定コマンドの構成例2(方式2)を示す図である。
なお、上述のとおり、停止実行指定コマンドの構成例1(方式1)は、IF3用停止操作態様情報として時期不特定情報を含む態様の一例を示すものであり、停止実行指定コマンドの構成例2(方式2)は、IF3用停止操作態様情報として時期不特定情報を含まない態様の一例を示すものである。また、これらもあくまで一例であり、遊技機から出力される試験用情報の内容はこれに限られない。
(停止実行指定コマンドの構成例1(方式1))
図147に示すように、方式1の停止実行指定コマンドは、コマンド番号、パラメータ1~8、及びチェックサム値から構成され、また、それぞれの情報が格納される格納領域が設けられているものとする。また、パラメータ1~4に格納される情報は、IF2用停止操作態様情報を構成し、パラメータ5~8に格納される情報は、IF3用停止操作態様情報を構成している。
また、パラメータ1及びパラメータ5に格納される情報は、有利順序特定情報又は所定順序特定情報を構成し、パラメータ2~4に格納される情報は、有利時期特定情報を構成し、パラメータ6~8に格納される情報は、時期不特定情報を構成している。
コマンド番号は、コマンドの種類を少なくともIF2又はIF3側で特定可能とするための情報である。なお、遊技機では、この場面において複数種類のコマンド(コマンド番号が異なるコマンド)を送信可能に構成されているが、実際には、仕様に応じて、必要な範囲において必要なコマンドが送信されるようにプログラム上で設定がなされる。
例えば、図147に示す方式1の停止実行指定コマンドは、3つのリールが設けられている場合に送信されるコマンドとして構成されている。ここで、仮に、4つのリールが設けられている場合には、コマンド番号を「02H」とし、パラメータ1には、24通りの押し順指定データ(0~23)のうちの一のデータが格納され得るようにし、パラメータ2~5には、第1~第4リールのそれぞれについて停止実行位置指定データ(1~1023)が格納され得るようにし、パラメータ6には、24通りの押し順指定データ(0~23)のうちの一のデータが格納され得るようにし、パラメータ7~10には、第1~第4リールのそれぞれについて停止実行位置指定データ(1~1023)が格納され得るようにし、それに続いて、チェックサム値が格納され得るようにした停止実行指定コマンドが送信されるものとすればよい。それ以上のリールを設ける場合も同様である。
パラメータ1は、停止操作順序の種類を少なくともIF2側で特定可能とするための情報(押し順指定データ)である。パラメータ1には、6通りの押し順指定データ(0~5)のうちの一のデータが格納され得る。押し順指定データ0は「1→2→3」(左→中→右)の停止操作順序に対応し、押し順指定データ1は「1→3→2」(左→右→中)の停止操作順序に対応し、押し順指定データ2は「2→1→3」(中→左→右)の停止操作順序に対応し、押し順指定データ3は「2→3→1」(中→右→左)の停止操作順序に対応し、押し順指定データ4は「3→1→2」(右→左→中)の停止操作順序に対応し、押し順指定データ5は「3→2→1」(右→中→左)の停止操作順序に対応している。
パラメータ2は、左リール(第1回胴)の停止操作時期を少なくともIF2側で特定可能とするための情報(第1回胴停止実行位置指定データ)である。また、パラメータ3は、中リール(第2回胴)の停止操作時期を少なくともIF2側で特定可能とするための情報(第2回胴停止実行位置指定データ)である。また、パラメータ4は、右リール(第3回胴)の停止操作時期を少なくともIF2側で特定可能とするための情報(第3回胴停止実行位置指定データ)である。なお、パラメータ2~4及びパラメータ6~8の格納領域は同様の構成となっており、「1(0)」~「1023」までのいずれかの値が格納可能に構成されている。
ここで、パラメータ2~4に格納される値について説明する。本実施形態の遊技機では、メインCPU101が、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動を制御することで、各リール3L,3C,3Rの回転及び停止が制御されるものとしていた。ここでは、各ステッピングモータが一回転するのに必要なパルス数が0~335(336ステップ)であるとする。また、各リールの周面に配された図柄の数が21個であるとする。そうすると、一図柄あたりのパルス数は「16パルス(ステップ)」となる。
また、各リールには、上述のとおり、各リールの基準位置(初期位置)を定めるリールインデックスと、当該位置を検出可能なインデックスセンサが設けられており、この検出結果と現在のパルス数とによって現在の図柄位置(例えば、図柄位置データ「0」~「20」)が把握される。なお、この場合、各リール(メイン表示窓4)において中段に位置する図柄位置が把握されるものとする。
例えば、基準位置が検出されてから最初の図柄の図柄位置データ(例えば、図柄カウンタの値)を「0」番と定義した場合、パルス数が「0~15」であるときは「0」番の図柄が対象リールの中段に位置し、パルス数が「16~31」であるときは「1」番の図柄が対象リールの中段に位置し、・・・パルス数が「304~319」であるときは「19」番の図柄が対象リールの中段に位置し、「320~335」であるときは「20」番の図柄が対象リールの中段に位置するものとして把握される。
そして、パラメータ2~4には、停止させる(位置指定する)図柄位置に相当するパルス数(ステップ数)に対応する数値情報が格納される。例えば、上述の如く図柄位置が把握される場合に、停止操作時期として図柄位置「1」番(パルス数「16~31」に対応)を格納したい場合には、「23」(ないし「24」)などの数値情報を格納する。なお、ここで格納される数値情報は、結果的に図柄位置「1」番で停止可能とする数値情報である限り、任意の値を格納することができる。例えば、図柄位置「1」番の始期となるパルス数である「16」が格納されるものとしてもよいし、始期と中央位置(略中央位置)との中間となるパルス数である「19」(ないし「20」)が格納されるものとしてもよい。
また、上述の如く、ここに格納される情報は、最終的に試験機からIF2やIF3を介して、停止操作指示として遊技機に入力されるものであることから、遊技機側で指定された図柄位置にてリールを停止させることが可能となる情報であれば、どのような情報であってもよい。例えば、停止すべき図柄位置を特定可能な図柄位置データに対応する数値情報(例えば、21コマの場合には「0」~「20」、20コマの場合には「0」~「19」など)が格納されるものであってもよい。あるいは、停止開始位置(停止制御を開始する図柄位置。通常の遊技では遊技者がストップボタンを押下したときの図柄位置)を特定可能な図柄位置データに対応する数値情報と、停止予定位置(滑り駒数を考慮して実際に停止させる図柄位置)を特定可能な図柄位置データに対応する数値情報(あるいは、滑り駒数を特定可能な数値情報)とが格納されるものであってもよい。
なお、パラメータ2~4及びパラメータ6~8の格納領域において、使用されるステッピングモータのパルス数(ステップ数)よりも多い値が格納可能とされているのは、例えば、機種変更時にステッピングモータを交換し、これよりもパルス数の多いステッピングモータを用いたとしても、当該格納領域の構成を変更することなく、そのまま使用可能として汎用性を高められるようにするためである。したがって、当該格納領域には、基準位置からのパルス数(0~335)に対応しない数値情報も格納可能に構成されるが、これは基本的に、パラメータ6~8において、停止操作時期をランダムとする(ランダム指定する)旨の情報を格納する以外の目的には用いられない。これについては後述する。
パラメータ5は、停止操作順序の種類を少なくともIF3側で特定可能とするための情報(押し順指定データ)である。なお、格納可能なデータは、基本的にパラメータ1におけるものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
パラメータ6は、左リール(第1回胴)の停止操作時期を少なくともIF3側で特定可能せず、ランダムとする旨の情報(第1回胴停止実行位置指定データ)である。また、パラメータ7は、中リール(第2回胴)の停止操作時期を少なくともIF3側で特定可能せず、ランダムとする旨の情報(第2回胴停止実行位置指定データ)である。また、パラメータ8は、右リール(第3回胴)の停止操作時期を少なくともIF3側で特定可能せず、ランダムとする旨の情報(第3回胴停止実行位置指定データ)である。
上述の如く、パラメータ6~8には、基準位置からのパルス数(0~335)に対応しない数値情報のうちで特定数値情報(「1023」)が格納される。格納される「1023」という情報自体は、ランダム指定することを具体的に示すデータではないが、これは位置指定する際に用いられるデータでもないため、これが出力された場合には、少なくとも具体的な特定の図柄位置で停止させないことは認識可能となる。したがって、パラメータ6~8の格納領域を、パラメータ2~4の格納領域と同様に構成し、パラメータ2~4では格納され得ない値を格納することで、停止操作時期をランダムとする旨を特定可能としているのである。したがって、この例では、当該格納領域に格納され得る値の最大値である「1023」が格納されるものとしているが、パラメータ2~4では格納され得ない値であれば、このうちの任意の値を格納することができる。
また、例えば、値が格納される際に、パラメータ2~4では格納され得ない値の中からランダムに一の値が決定される(乱数を用いた抽籤により決定される)ものとし、試験機側で最終的に停止操作指示する図柄位置が決定される際には、この値も参照されて、一の図柄位置が決定されるものとしてもよい。
また、上述の如く、ここに格納される情報は、最終的に試験機でランダムに図柄位置が決定され得るものであればよいことから、例えば、パラメータ6~8の格納領域を、パラメータ2~4の格納領域とは異なる構成とし、パラメータ2~4に格納される値とは関連しない値(値に限られず、ランダムとする旨を具体的に指定する情報であってもよい)が格納されるようにすることで、ランダムとする旨の情報が出力されるようにしてもよい。また、例えば、停止すべき図柄位置を特定可能としない図柄位置データに対応する数値情報(例えば、21コマの場合には相当する図柄位置が存在しない「22」、20コマの場合には相当する図柄位置が存在しない「21」など)が格納されるものであってもよい。
チェックサム値は、当該コマンドの整合性や真正性を、IF2又はIF3側(ないし試験機側)で判定可能とするための情報である。具体的には、コマンド番号及び各パラメータの値の総和が、対応する格納領域に格納される。これにより、IF2やIF3、あるいは試験機側では、送信時に欠落したパラメータがないかなどを判定することができ、異常と判定した場合には、試験を中断ないし中止する処理を行うことが可能となる。
(停止実行指定コマンドの構成例2(方式2))
図148に示すように、方式2の停止実行指定コマンドは、コマンド番号、パラメータ1~5、及びチェックサム値から構成され、また、それぞれの情報が格納される格納領域が設けられているものとする。また、パラメータ1~4に格納される情報は、IF2用停止操作態様情報を構成し、パラメータ5に格納される情報は、IF3用停止操作態様情報を構成している。
また、パラメータ1及びパラメータ5に格納される情報は、有利順序特定情報又は所定順序特定情報を構成し、パラメータ2~4に格納される情報は、有利時期特定情報を構成している。
なお、方式1と対比すると、方式2ではパラメータ6~8がない構成となっており、その他の構成は方式1と同様の構成となっている。上述のとおり、IF3用停止操作態様情報では、各リールの停止位置をランダムとする旨がIF3及び試験機に伝達されればよい。したがって、この方式2では、あえて時期不特定情報に対応する情報を送信しないように構成している。例えば、IF3が接続され、IF3から試験機にIF3用停止操作態様情報が送信された際に、パラメータ2~4に相当する情報(すなわち、パルス数に対応する数値情報)が何ら含まれていなかった場合、試験機側では、この場合でもランダムとする旨を認識可能である。したがって、方式2は、そのような特性を利用して、方式1よりもデータ量を削減できるようにしたものである。
また、方式1と方式2は、選択的に採用することができる。すなわち、IF3や試験機が方式2に対応可能な仕様であれば、遊技機上で方式2の停止実行指定コマンドが送信されるプログラム設計とすればよいし、方式2に対応可能でない仕様であれば、遊技機上で方式1の停止実行指定コマンドが送信されるプログラム設計とすればよい。もっとも、データ容量に余裕があれば、いずれのコマンドも異なるコマンドとして出力可能としておき、受信側(IF3側)でいずれを抽出するのかが選択されるものとしてもよい。
(停止実行指定コマンドの格納例)
続いて、遊技機の仕様の一例を挙げて、停止実行指定コマンドにおける各情報の格納例について説明する。なお、この例では、方式1を採用した場合を一例として、その格納例を説明する。
この例では、上述の如く、3つのリール(3L,3C,3R)を有し、各リールには21個の図柄が付され、これらを駆動する各ステッピングモータ(51L,51C,51R)は、一回転するのに必要なパルス数が0~335(336ステップ)であるとする。また、所定の条件が成立した場合にはAT状態に制御され、AT状態では少なくとも遊技者に有利な停止操作順序が報知されるものとする。なお、AT状態に制御する具体的態様は、本実施形態で説明する各遊技機の仕様のいずれでも採用することが可能である。
また、この例では、少なくとも非AT状態において、特定態様(左第1停止)にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理が有利となり、特定態様にて停止操作が行われなかった場合にはAT関連処理が有利とならない優遇制御が実行されるものとしているが、上述の如く、このような優遇制御が実行されない場合であっても、同様の情報を格納可能であるものとする。
また、この例では、少なくともAT状態における停止操作順序の報知対象役として、6択の押し順小役が設けられているものとする。なお、6択の押し順小役の具体的態様は、本実施形態で説明する各遊技機の仕様のいずれでも採用することが可能である。いずれにしても、正解打順(例えば、1/6)で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず所定数(例えば、13枚)の遊技価値が付与され、不正解打順(例えば、5/6)で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず当該所定数の遊技価値は付与されないように構成されている。
また、この例では、取りこぼしが発生し得る小役として、「チェリー」の小役と、「スイカ」の小役とが設けられているものとする。「チェリー」の小役は、例えば、左リールにおいて、図柄位置「1」番又は「11」番が停止可能な位置で停止操作が行われた場合には取りこぼしは発生せず、所定数(例えば、3枚)の遊技価値が付与され、図柄位置「1」番又は「11」番が停止可能な位置で停止操作が行われなかった場合には取りこぼしが発生し、当該所定数の遊技価値は付与されないように構成されているものとする。
また、「スイカ」の小役は、例えば、中リールにおいて、図柄位置「1」又は「11」番が停止可能な位置で停止操作が行われた場合には取りこぼしは発生せず、所定数(例えば、5枚)の遊技価値が付与され、図柄位置「1」番又は「11」が停止可能な位置で停止操作が行われなかった場合には取りこぼしが発生し、当該所定数の遊技価値は付与されないように構成されているものとする。
このように構成した遊技機において、AT状態中に、押し順小役に当籤したとする。この場合、パラメータ1には、当籤した押し順小役の正解打順に相当する押し順指定データが格納される。例えば、「1→2→3」が正解打順である押し順小役に当籤した場合、押し順指定データ「0」(例えば、指示情報「1」に相当)が格納される。
また、この場合、パラメータ2には、例えば、第1回胴停止実行位置指定データ「23」が格納される。上述のとおり、これは、左リールを図柄位置「1」番で停止すべき旨を示す情報である。また、パラメータ3には、例えば、第2回胴停止実行位置指定データ「23」が格納される。上述のとおり、これは、中リールを図柄位置「1」番で停止すべき旨を示す情報である。また、パラメータ4には、例えば、第3回胴停止実行位置指定データ「23」が格納される。上述のとおり、これは、右リールを図柄位置「1」番で停止すべき旨を示す情報である。
なお、当該遊技における当籤役は押し順小役であるため、押下位置にかかわらず、停止操作順序が正解打順であれば最も多くの遊技価値が付与されるわけであるが、この例では、上述の「チェリー」及び「スイカ」の小役について常に取りこぼしが発生しない(不利とならない)一の停止操作時期を予め定め、これが毎回格納されるようにしている。もっとも、上述の如く、当籤役を参照し、例えば、このような押し順小役である場合には、パラメータ2~4に「1023」が格納されるようにして、試験機側でランダムな停止位置が決定されるものとしてもよい。
また、右リールにおいては取りこぼしが発生しないため、第3回胴停止実行位置指定データは上述したものでなくともよいが、この例では、左リールや中リールと同様に、一の停止操作時期を予め定め、これが毎回格納されるようにしている。なお、右リールにおいて取りこぼしが発生し得る役が設けられている場合には、当然ながら、その取りこぼしが発生しない一の停止操作時期が規定されることとなる。また、取りこぼしが発生し得る左リール(第1回胴停止実行位置指定データ)及び中リール(第2回胴停止実行位置指定データ)については、具体的な停止操作時期を規定するが、右リール(第3回胴停止実行位置指定データ)については、パラメータ4に「1023」が格納されるようにして、試験機側でランダムな停止位置が決定されるものとしてもよい。
また、この場合、パラメータ5には、パラメータ1と同様に、押し順指定データ「0」が格納される。また、この場合、パラメータ6には、例えば、第1回胴停止実行位置指定データ「1023」が格納され、パラメータ7には、例えば、第2回胴停止実行位置指定データ「1023」が格納され、パラメータ8には、例えば、第3回胴停止実行位置指定データ「1023」が格納される。そして、これらの総和がチェックサム値に格納される。
また、このように構成した遊技機において、AT状態中に、「スイカ」の小役に当籤したとする。この場合、パラメータ1には、押し順指定データ「0」が格納される。なお、当該遊技における当籤役は「スイカ」の小役であるため、停止操作順序にかかわらず、押下位置(停止操作時期)が適切であれば最も多くの遊技価値が付与されるわけであるが、この例では、このような場合も、一の停止操作順序を予め定め、これが毎回格納されるようにしている。もっとも、上述の如く、当籤役を参照し、例えば、このような「スイカ」の小役である場合には、ランダムに停止操作順序が格納されるようにしてもよい。
また、この場合、上述の如く、パラメータ2には、例えば、第1回胴停止実行位置指定データ「23」が格納され、パラメータ3には、例えば、第2回胴停止実行位置指定データ「23」が格納され、パラメータ4には、例えば、第3回胴停止実行位置指定データ「23」が格納される。
また、この場合、パラメータ5には、パラメータ1と同様に、押し順指定データ「0」が格納される。また、この場合、パラメータ6には、例えば、第1回胴停止実行位置指定データ「1023」が格納され、パラメータ7には、例えば、第2回胴停止実行位置指定データ「1023」が格納され、パラメータ8には、例えば、第3回胴停止実行位置指定データ「1023」が格納される。そして、これらの総和がチェックサム値に格納される。
また、このように構成した遊技機において、非AT状態中に、押し順小役に当籤したとする。この場合、パラメータ1には、押し順指定データ「0」が格納される。なお、これは、AT関連処理が有利となる(不利とならない)停止操作順序に対応するものとなっている。ここで、例えば、「1→2→3」が正解打順である押し順小役に当籤していた場合には所定数の遊技価値が付与される場合もあるが、その他が正解打順である押し順小役に当籤していた場合には所定数の遊技価値が付与されない。すなわち、非AT状態中の通常の制御が行われ得るものとなっている。
また、この場合、上述の如く、パラメータ2には、例えば、第1回胴停止実行位置指定データ「23」が格納され、パラメータ3には、例えば、第2回胴停止実行位置指定データ「23」が格納され、パラメータ4には、例えば、第3回胴停止実行位置指定データ「23」が格納される。
また、この場合、パラメータ5には、パラメータ1と同様に、押し順指定データ「0」が格納される。また、この場合、パラメータ6には、例えば、第1回胴停止実行位置指定データ「1023」が格納され、パラメータ7には、例えば、第2回胴停止実行位置指定データ「1023」が格納され、パラメータ8には、例えば、第3回胴停止実行位置指定データ「1023」が格納される。そして、これらの総和がチェックサム値に格納される。
また、このように構成した遊技機において、非AT状態中に、「スイカ」の小役に当籤したとする。この場合、パラメータ1には、押し順小役に当籤した場合と同様に、押し順指定データ「0」が格納される。
また、この場合、上述の如く、パラメータ2には、例えば、第1回胴停止実行位置指定データ「23」が格納され、パラメータ3には、例えば、第2回胴停止実行位置指定データ「23」が格納され、パラメータ4には、例えば、第3回胴停止実行位置指定データ「23」が格納される。これにより、上述の如く、IF2が接続されていた場合には、試験機から取りこぼしが発生しない停止操作指示が出力されることとなる。
また、この場合、パラメータ5には、パラメータ1と同様に、押し順指定データ「0」が格納される。また、この場合、パラメータ6には、例えば、第1回胴停止実行位置指定データ「1023」が格納され、パラメータ7には、例えば、第2回胴停止実行位置指定データ「1023」が格納され、パラメータ8には、例えば、第3回胴停止実行位置指定データ「1023」が格納される。これにより、上述の如く、IF3が接続されていた場合には、試験機から取りこぼしが発生し得る停止操作指示が出力されることとなる。そして、これらの総和がチェックサム値に格納される。
<主制御回路の他の構成例>
続いて、図149を参照して、主制御回路100の他の構成例について説明する。図149は、本変形例に係る主制御回路100のメモリマップを示す図である。
主制御回路100は、上述のとおり、例えば、遊技に関する各種処理を実行するメインCPU101と、メインCPU101が各種処理を実行するために必要な情報が記憶されたメインROM102と、メインCPU101が各種処理を実行するために必要な情報が記憶されるメインRAM103とを含んで構成され(図3等参照)、メインCPU101は、例えば、メインROM102に記憶された各種プログラムや各種データテーブルなどを用いて各種処理を実行し、その結果などがメインRAM103に記憶されることで、遊技動作全般に係る制御を行うものとなっている。
ここで、メインROM102及びメインRAM103を含む主制御回路100内の記憶領域(アドレス空間)は、例えば、図149に示すように構成することができる。なお、図149Aは、全体のメモリマップを示す図であり、図149Bは、メインROM102のメモリマップを示す図であり、図149Cは、メインRAM103のメモリマップを示す図である。
図149Aに示すように、全体のメモリマップでは、アドレスの先頭(0000H)側から、メインROM102のメモリ領域、メインRAM103のメモリ領域、内蔵レジスタエリア及びXCSデコードエリアが、未使用エリアを間に挟んでこの順でそれぞれ所定のアドレスに配置される。
また、図149Bに示すように、メインROM102のメモリマップでは、メインROM102のアドレスの先頭(0000H)側から、プログラムエリア、データエリア、規定外エリア、商標記録エリア、プログラム管理エリア及びセキュリティ設定エリアが、この順でそれぞれ所定のアドレスに配置される。
なお、プログラムエリアには、遊技者による遊技の進行に関連する各種処理(遊技者により実施される遊技の遊技性に関連する各種処理)において、メインCPU101により実行される各種処理の制御プログラムが記憶される。データエリアには、遊技者による遊技の進行に関連する各種処理(遊技者により実施される遊技の遊技性に関連する各種処理)において、メインCPU101により使用される各種データ(例えば、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等)が記憶される。すなわち、プログラムエリアとデータエリアとからなる遊技用ROM領域(遊技用記憶領域)には、遊技店で遊技者が実際に遊技を行う上で必要な各種プログラム及び各種データが格納される。
また、規定外エリアには、遊技者による遊技の進行に関連しない各種処理(遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理(遊技性に影響を与えない処理))の制御プログラム及びデータが記憶される。例えば、遊技機に関する所定の試験で使用されるプログラム及びデータ、電断時のチェックサム生成処理や電源復帰時のサムチェック処理などで使用される制御プログラム及びデータ、並びに、不正対策プログラム及びそれに必要なデータ等が、規定外エリアに格納される。すなわち、規定外エリアからなる規定外ROM領域(規定外記憶領域)には、遊技店で遊技者が実際に遊技を行う上では必ずしも必要とならない各種プログラム及び各種データが格納される。
また、図149Cに示すように、メインRAM103のメモリマップでは、メインRAM103のアドレスの先頭(F000H)側から、遊技用RAM領域(遊技用格納領域)及び規定外RAM領域(規定外格納領域)が、この順でそれぞれ所定のアドレスに配置される。
遊技用RAM領域には、遊技者による遊技の進行に関連する(遊技者により実施される遊技の遊技性に関連する)制御プログラムの実行により決定された各種データ(例えば、内部当籤役に関するデータ等)を一時的に格納する遊技用作業領域及びスタックエリアが設けられる。そして、各種データのそれぞれは、遊技用RAM領域内の所定アドレスの作業領域に格納される。
また、規定外RAM領域には、遊技者による遊技の進行に関連しない(遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない)各種処理の作業領域となる規定外作業領域と及び規定外スタックエリアが設けられる。本変形例では、この規定外RAM領域を使用して、例えば、IF1~IF3の制御処理(後述の図150~図153等参照)が実行されるように構成される。
この構成例では、メインROM102内において、遊技者による遊技の進行に関連しない各種処理に使用される各種プログラム及び各種データ(例えば、データテーブル等)を、遊技用ROM領域とは異なるアドレスに配置された規定外ROM領域(規定外記憶領域)に記憶する。また、そのような遊技者による遊技の進行に関連しない各種処理は、メインRAM103内において、遊技用RAM領域とは異なるアドレスに配置された規定外RAM領域を使用して行われる。
このようなメインROM102の構成では、規定外ROM領域(規定外記憶領域)に、遊技者が実際に行う遊技そのものには不要なプログラム及びデータを配置することができる。それゆえ、遊技用ROM領域(遊技用記憶領域)の容量の圧迫を回避することができる。また、このようなメインRAM103の構成では、規定外RAM領域(規定外格納領域)に、遊技者が実際に行う遊技そのものには不要なデータを記憶することができる。それゆえ、遊技用RAM領域(遊技用格納領域)の容量の圧迫を回避することができる。すなわち、遊技制御に関する記憶容量を確保し(増大させ)、確保した(増大させた)記憶容量を活用して遊技性を高めることが可能になる。
<メイン処理の他の構成例>
続いて、図150を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行されるメイン処理(主要動作処理)の他の構成例について説明する。図150は、本変形例に係るメイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態に係るメイン処理の手順の一例は、図23を参照してすでに説明したとおりであり、これと同様の処理についてはここでの説明を省略している。ここでは、主としてその差分の処理(図150のS401に示すIF2・IF3制御処理)について説明する。
メインCPU101は、リール停止初期設定処理(S9)を行った後、IF2・IF3制御処理(規定外)を行う(S401)。この処理では、停止実行指定コマンドの各情報(図147及び図148等参照)を生成・格納するための処理を実行し、IF2又はIF3が接続されている場合には、格納した停止実行指定コマンドの各情報をIF2又はIF3に出力するための処理を実行する。なお、この処理は、IF2又はIF3が接続されていない場合であっても実行され得る。もっとも、この場合には停止実行指定コマンドの各情報が出力されることはない。この処理の詳細については後述する。
また、この処理に係る制御プログラムや各種データは、メインROM102の規定外ROM領域(図149B参照)に記憶されており、また、この処理によって格納されるデータは、規定外RAM領域(図149C)に記憶される。
また、この処理が実行される時期は上述したものに限られない。停止実行指定コマンドの各情報を生成可能な時期であれば、任意の時期とすることができる。例えば、開始操作が行われた後、当籤役の種類や停止操作態様の報知内容(有無を含む)が決定された後(例えば、図150のS6の処理後)であって、停止操作が可能となる前(例えば、図150のS12の処理前)であればいずれの時期に実行されるものであってもよい。
また、メイン処理の一部とせず、後述のIF1制御処理(規定外)と同様に、定期割込処理(図153参照)において実行されるものとしてもよい。すなわち、IF2又はIF3が接続された場合に、これに対して必要な情報が適切に送信可能となる限りにおいて、どのような処理の手順(時期)で実行されるものであってもよい。
<IF2・IF3制御処理(規定外)>
続いて、図151を参照して、メイン処理(図150参照)中のS401で行うIF2・IF3制御処理について説明する。図151は、本変形例に係るIF2・IF3制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。また、図151では、方式1(図147参照)の場合のIF2・IF3制御処理の手順の一例を示している。なお、この処理は、例えば、メインRAM103内の規定外作業領域(図149C参照)で行われる。また、この処理で用いられるプログラムはメインROM102内の規定外エリアに記憶されている(図149B参照)。
まず、メインCPU101は、設定ナビデータがあるか否かを判定する(S411)。すなわち、メインCPU101は、例えば、AT状態中において、ナビ設定処理(図28のS104参照)で特定の停止操作態様の報知を行うことが決定されたか(ナビデータが設定されたか)否かを判定する。なお、この処理では、メインCPU101は、指示情報の種類を判定するようにしてもよいし、遊技状態及び内部当籤情報の種類を判定するようにしてもよい。いずれしても、メインCPU101は、今回の遊技で、停止操作態様の報知が行われる否かを判定する。
メインCPU101は、設定ナビデータがあると判定した場合(S411がYES)、設定ナビデータに応じた押し順指定情報を取得する(S412)。例えば、上述の例において、設定ナビデータが「2→1→3」で停止操作を行うことを報知するものであった場合、押し順指定情報として押し順指定データ「2」を取得する。その後、処理をS414に移す。
一方、メインCPU101は、設定ナビデータはないと判定した場合(S411がNO)、規定された押し順指定情報を取得する(S413)。例えば、上述の例において、押し順指定情報として押し順指定データ「0」(「1→2→3」に対応)を取得する。その後、処理をS414に移す。
続いて、メインCPU101は、取得した押し順指定情報を停止実行指定コマンドのパラメータ1及びパラメータ5に格納する(S414)。すなわち、メインCPU101は、IF2及びIF3用に生成した停止操作順序に係る情報を対応する格納領域に格納する。
続いて、メインCPU101は、規定されたIF2用の各リールの位置指定情報を取得する(S415)。例えば、上述の例において、各リールの位置指定情報として第1~第3回胴停止実行位置指定データ「23」(図柄位置「1」番を指定に対応)をそれぞれ取得する。
続いて、メインCPU101は、取得した位置指定情報を停止実行指定コマンドのパラメータ2~4に格納する(S416)。すなわち、メインCPU101は、IF2用に生成した停止操作時期に係る情報を対応する格納領域に格納する。
続いて、メインCPU101は、規定されたIF3用の各リールのランダム指定情報を取得する(S417)。例えば、上述の例において、各リールのランダム指定情報として第1~第3回胴停止実行位置指定データ「1023」(図柄位置ランダムを指定に対応)をそれぞれ取得する。
続いて、メインCPU101は、取得したランダム指定情報を停止実行指定コマンドのパラメータ6~8に格納する(S418)。すなわち、メインCPU101は、IF3用に生成した停止操作時期に係る情報を対応する格納領域に格納する。
なお、方式2(図148参照)の場合には、S416の処理後、S417及びS418の処理を行うことなくS419の処理が行われるものとすればよい。
続いて、メインCPU101は、格納したパラメータ1~8の情報(上述のとおり、コマンド番号の情報を含む。もっとも、コマンド番号の情報を含むことなく、チェックサム値が生成されるものとしてもよい)からチェックサム値を生成して格納する(S419)。なお、方式2(図148参照)の場合には、この処理で、格納したパラメータ1~5の情報からチェックサム値を生成して格納されるものとすればよい。
続いて、メインCPU101は、IF2・IF3出力処理(規定外)を行う(S420)。この処理では、IF2又はIF3が接続されている場合に、格納した停止実行指定コマンドの各情報をIF2又はIF3に出力する。メインCPU101は、この処理の終了後、IF2・IF3制御処理を終了させる。なお、IF2・IF3出力処理(規定外)の詳細については後述する。
<IF2・IF3出力処理(規定外)>
続いて、図152を参照して、IF2・IF3制御処理(図151参照)中のS420で行うIF2・IF3出力処理について説明する。図152は、本変形例に係るIF2・IF3出力処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお、この処理は、例えば、メインRAM103内の規定外作業領域(図149C参照)で行われる。また、この処理で用いられるプログラムはメインROM102内の規定外エリアに記憶されている(図149B参照)。
まず、メインCPU101は、IF2又はIF3に情報を送信する専用シリアル通信回路の状態は送信中であるか否かを判定する(S431)。すなわち、メインCPU101は、専用シリアル通信回路が使用不可能であるか否かを判定する。なお、ここで、IF2又はIF3が接続されていない場合には、専用シリアル通信回路の状態が送信中となるようにしておけばよい。メインCPU101は、専用シリアル通信回路の状態が送信中であると判定した場合(S431がYES)、IF2・IF3出力処理を終了させる。
一方、メインCPU101は、専用シリアル通信回路の状態が送信中でないと判定した場合(S431がNO)、停止実行指定コマンドの先頭データから送信を開始する(S432)。すなわち、コマンド番号~チェックサム値までの各情報を順番に送信する。
続いて、メインCPU101は、停止実行指定コマンドの全情報の送信が完了したか否かを判定する(S433)。メインCPU101は、停止実行指定コマンドの全情報の送信が完了していないと判定した場合(S433がNO)、送信する情報を順次更新した上で、送信完了まで処理を待機する。
一方、メインCPU101は、停止実行指定コマンドの全情報の送信が完了したと判定した場合(S433がYES)、IF2・IF3出力処理を終了させる。
<定期割込処理の他の構成例>
続いて、図153を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行される定期割込処理の他の構成例について説明する。図153は、本変形例に係る定期割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態に係る定期割込処理の手順の一例は、図32を参照してすでに説明したとおりであり、これと同様の処理についてはここでの説明を省略している。ここでは、主としてその差分の処理(図153のS441に示すIF1制御処理)について説明する。
メインCPU101は、ドア開閉チェック処理(S208)を行った後、IF1制御処理(規定外)を行う(S441)。この処理では、例えば、当籤役情報、遊技状態情報などの遊技情報を生成・格納するための処理を実行し、IF1が接続されている場合には、格納した各遊技情報をIF1に出力するための処理を実行する。なお、この処理は、IF1が接続されていない場合であっても実行され得る。もっとも、この場合には各遊技情報が出力されることはない。
また、この処理に係る制御プログラムや各種データは、メインROM102の規定外ROM領域(図149B参照)に記憶されており、また、この処理によって格納されるデータは、規定外RAM領域(図149C)に記憶される。
また、定期割込処理の一部とせず、上述のIF2・IF3制御処理(規定外)と同様に、メイン処理(図150参照)において、遊技状況に変化が生じるごとに実行されるものとしてもよい。すなわち、IF1が接続された場合に、これに対して必要な情報が適切に送信可能となる限りにおいて、どのような処理の手順(時期)で実行されるものであってもよい。
<その他の変形例(拡張例)>
(遊技中断コマンド)
本変形例では、遊技機はIF2又はIF3に対し、停止実行指定コマンドを送信(出力)するものとして説明したが、IF2又はIF3に対して送信可能とするコマンドはこれに限られない。その他の必要なコマンドも送信することが可能である。その一例として、遊技中断コマンドについて説明する。
遊技中断コマンドは、例えば、コマンド番号(1バイト):04H、パラメータ1(1バイト):遊技中断要求を示す情報(01H)、及びチェックサム値(1バイト):コマンド番号及びパラメータ1の総和(05H)といった情報から構成され、例えば、試験が実施されているときに、一度試験上の遊技を中断したほうがよい事象が発生した場合に出力されるものとなっている。
例えば、非AT状態中において、特殊リプレイ役に当籤したとき、左第1停止をした場合には、AT状態への移行確率(AT当籤期待度)が高いが、移行したAT状態での継続確率(AT延長期待度)は低い第1制御状態のCZ状態に移行し、右第1停止をした場合には、AT状態への移行確率(AT当籤期待度)は低いが、移行したAT状態での継続確率(AT延長期待度)が高い第2制御状態のCZ状態に移行し、中第1停止をした場合には、いずれもが中程度となる第3制御状態のCZ状態に移行し得るといった遊技性を具備するものとする。
この場合、通常のとおり停止実行指定コマンドを送信すると、押し順指定データは「0」となるので、試験上は常に第1制御状態のCZ状態に移行することになり、適切な試験を実施できない可能性が生じることになる。そこで、このような遊技性を具備する場合、例えば、非AT状態において特殊リプレイ役に当籤したときには、この遊技中断コマンドを送信し、試験上の遊技が自動的に進行しないものとすればよい。
なお、上記はあくまで試験上の遊技を中断したほうがよい事象の一例であり、他の事象が発生した場合にも遊技中断コマンドを送信するようにしてもよい。例えば、AT状態において、同様の遊技性(例えば、第1制御状態となった場合には延長することは決定されやすいが、当該決定時に延長される期間は短くなりやすい、第2制御状態となった場合には延長することは決定されにくいが、当該決定時に延長される期間が長くなりやすいなど)を具備する場合であって、押し順指定データではこれを把握し得ない(例えば、「?(安定)-or-?(荒波)」のような態様の報知(選択ナビ)を発生させるナビデータが設定されるなどの)場合にも、この遊技中断コマンドが送信されるものとしてもよい。
また、AT状態において、6択の押し順小役に当籤したときに、第1停止操作については正解打順が報知されるが、第2停止操作については正解打順が報知されない場合がある(例えば、正解打順が「2→1→3」の場合に、中第1停止のみが報知される「?-1-?」のような態様の報知(一部ナビ)を発生させるナビデータが設定される場合があるなど)の遊技性を具備するものであれば、このような場合にも、この遊技中断コマンドが送信されるものとしてもよい。
また、上記では、遊技中断コマンドが、遊技機からIF2又はIF3を介して試験機に出力されるものとしていたが、遊技機からIF1を介して試験機に出力されるものとしてもよい。
(疑似遊技コマンド)
本変形例では、遊技機はIF1に対し、当籤役情報や遊技状態などの遊技情報(コマンド)を送信(出力)するものとして説明したが、IF1に対して送信可能とするコマンドはこれに限られない。その他の必要なコマンドも送信することが可能である。その一例として、疑似遊技コマンドについて説明する。
疑似遊技コマンドは、例えば、コマンド番号(1バイト):05H、パラメータ1(1バイト):疑似遊技の種類を示す情報、及びチェックサム値(1バイト):コマンド番号及びパラメータ1の総和といった情報から構成され、例えば、試験が実施されているときに、遊技機側で疑似遊技が開始されるときに出力されるものとなっている。なお、上述のとおり、これを疑似遊技信号として、疑似遊技の実行期間中は当該疑似遊技信号が出力されるものとしてもよい。
そして、IF1は、疑似遊技コマンドを受信した場合、疑似遊技コマンドに含まれる疑似遊技の種類を示す情報に応じて、あるいは疑似遊技信号を受信したタイミングに応じて、疑似的な遊技操作(疑似遊技中のベット操作、開始操作、停止操作など)に対応する指示情報を必要な順番で生成し、遊技機側に出力するようにすればよい(すなわち、IF1が疑似遊技進行機能を具備するようにしてもよい)。あるいは、このような指示情報は、試験機側で出力され、IF1を介して遊技機側に出力されるものとしてもよい(すなわち、試験機が疑似遊技進行機能を具備するようにしてもよい)。
また、疑似遊技コマンドは、遊技機からIF2又はIF3に出力されるものとしてもよい。この場合、IF2又はIF3で疑似的な遊技操作に対応する指示情報が生成され、これが試験機に出力され、試験機を介してIF1に入力され、IF1から遊技機に出力されるものとしてもよいし、疑似遊技コマンドがそのまま試験機に出力され、試験機を介してIF1に入力され、IF1で疑似的な遊技操作に対応する指示情報が生成され、これがIF1から遊技機に出力されるものとしてもよい。
なお、疑似遊技は、例えば、本実施形態の各遊技機として一例を説明したように、種々の用途及び時期において実行することができる。例えば、AT状態(疑似ボーナス)が開始されるときに実行され、疑似遊技中に「7揃い」などの特別図柄組合せが表示されることで、当該状態の開始を報知ないし示唆するものとしてもよいし、ここで複数種類の図柄組合せが表示され得るようにすることで、さらに、当該状態の有利度合いなどが報知ないし示唆されるものとしてもよい。
また、レア役に当籤した遊技が終了したとき、あるいはその次遊技が開始されるときに実行され、疑似遊技中にレア役に対応する図柄組合せ(あるいは、これと関連する、若しくは同様の期待度を与えることができる図柄組合せ)が表示されることで、AT状態への移行や、AT状態中の期間の上乗せ(延長)の期待度を報知ないし示唆するものとしてもよい。また、疑似遊技が実行されることに伴って、実際にそのような特典が付与されるものとしてもよい。
また、疑似遊技は、ベット操作のみを用いるもの、開始操作のみを用いるもの、停止操作のみを用いるもの、若しくは、これらのうちの複数を用いるもの、又は、これらと演出用ボタンとを用いるものなど、遊技者の遊技操作に連動してその演出態様が変化するものであれば、そのいずれをも含む。なお、例えば、疑似遊技の種類に応じてIF1から出力される指示情報の種類を変動させる必要がある場合には、IF1は、疑似遊技コマンドに含まれる疑似遊技の種類を示す情報に応じて異なる種類の指示情報を出力するものとすればよい。
(IF2・IF3切替機能)
本変形例では、IF2とIF3とを物理的に交換しても、遊技機側ではこれを識別できない(遊技機からIF2又は1F3へは一方向通信である)ため、どちらが接続された場合も適切な情報が送信され得るように、IF2用停止操作態様情報及びIF3用停止操作態様情報のいずれもが含まれる停止実行指定コマンドを出力するようにしていた。
もっとも、適切な情報が送信され得るようにする態様はこれに限られない。例えば、IF2又はIF3のいずれに接続するのかを遊技機側で設定可能としてもよい。具体的には、遊技機側で所定の切替操作を検出可能な切替操作手段を設けるものとし、この切替操作手段に対してIF2に対応する切替操作が行われた場合には、IF2に接続することが設定され(IF2モードが設定され)、IF3に対応する切替操作が行われた場合には、IF3に接続することが設定される(IF3モードが設定される)ものとすればよい。
ここで、切替操作手段は、例えば、主制御基板71上に新たに設けられた専用の物理スイッチであってもよいし、既存の操作手段(例えば、設定キー、リセットボタン、あるいはストップボタンなど)への操作の組み合わせ(少なくとも遊技者が遊技中に行えない操作であればよい)によって所定の切替操作を検出可能とするものであってもよい。
なお、IF2モード及びIF3モードのいずれが設定されたかは、モード表示手段によって表示されることが望ましい。ここで、モード表示手段は、例えば、主制御基板71上に新たに設けられた専用の表示装置(7セグメントLEDなど)であってもよいし、情報表示装置14を、新たにIF2・IF3用ランプを含んで構成するものとし、このIF2・IF3用ランプが、IF2モードであるときと、IF3モードであるときとで異なる表示態様で表示されるものとしてもよい。また、既存の表示装置(例えば、情報表示装置14内の既存の表示部や役比モニタ装置54など、あるいは、これとメイン演出表示部21やサブ演出表示部22との組み合わせなど)を用いてもよい。
そして、遊技機側では、IF2モードが設定された場合、IF2用停止操作態様情報を含み、IF3用停止操作態様情報を含まない停止実行指定コマンドが出力され、IF3モードが設定された場合、IF3用停止操作態様情報を含み、IF2用停止操作態様情報を含まない停止実行指定コマンドが出力されるものとすればよい。
例えば、方式1(図147参照)の停止実行指定コマンドを例に挙げて説明すると、IF2モードが設定された場合、コマンド番号(例えば、「01H」)、パラメータ1~4に格納される情報、及びチェックサム値がそれぞれ格納された停止実行指定コマンドが出力され、IF3モードが設定された場合、コマンド番号(例えば、「02H」)、パラメータ5~8に格納される情報(これが、パラメータ1~4で使用したものと同じ格納領域に格納される)、及びチェックサム値がそれぞれ格納された停止実行指定コマンドが出力されるものとすればよい。この場合、停止実行指定コマンドの格納領域の構成を共通化できるため、記憶容量の削減を図ることも可能となるし、データ送信時の制御負担の軽減を図ることも可能となる。
また、仮に、遊技機側で各情報が生成され、IF2・IF3で能動的な制御処理が不要な構成であれば、少なくともIF2・IF3で制御回路(CPU)を搭載する必要がなくなる。また、これを言い換えれば、IF2・IF3を取り換えることなく、共通の一のインターフェースボードで試験を行ったとしても、適切な試験を行うことが可能となる。
<本変形例の仕様を用いた遊技機>
本変形例によれば、その仕様を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
例えば、複数の試験用情報を生成して外部に出力可能とし、試験用情報は、IF2用停止操作態様情報と、IF3用停止操作態様情報と、を含み、IF2用停止操作態様情報は、停止操作順序及び停止操作時期を特定可能とする情報(例えば、図147及び図148に示すパラメータ1~4に格納された情報)として構成され、IF3用停止操作態様情報は、停止操作順序を特定可能とする一方、停止操作時期を特定可能としない情報(例えば、図147に示すパラメータ5~8に格納された情報、あるいは、図148に示すパラメータ5に格納された情報)として構成され、AT状態であるとき、報知に対応する停止操作順序を特定するための有利順序特定情報と、少なくとも決定された当籤役に対して不利とならない停止操作時期を特定するための有利時期特定情報と、を含むIF2用停止操作態様情報を生成可能とし、少なくとも有利順序特定情報を含むIF3用停止操作態様情報を生成可能とする遊技機である。
また、例えば、AT状態であるとき、IF3用停止操作態様情報として、有利順序特定情報と、停止操作時期をランダムとする旨の時期不特定情報と、が含まれるようにしてもよい。
なお、IF2用停止操作態様情報及びIF3用停止操作態様情報の出力態様は上述したものに限られない。例えば、ともに同時期に出力されるものであるが、別コマンドして送信されるものであってもよい。この場合、例えば、コマンド構成(各パラメータ)は同様のものとし、コマンド番号を別として(例えば、IF2用停止操作態様情報のコマンド番号を「01H」とし、IF2用停止操作態様情報のコマンド番号を「02H」とするなど)各コマンドを構成してもよい。また、例えば、上述の如く、遊技機側でIF2又はIF3のいずれが接続されるのかを識別可能とした上で、いずれかのコマンドが選択的に出力されるようにしてもよい。
また、例えば、AT状態でない(非AT状態である)とき、所定の停止操作順序を特定するための所定順序特定情報と、有利時期特定情報と、を含むIF2用停止操作態様情報を生成可能とし、少なくとも所定順序特定情報を含むIF3用停止操作態様情報を生成可能とする遊技機である。
また、例えば、AT状態でない(非AT状態である)とき、IF3用停止操作態様情報として、所定順序特定情報と、停止操作時期をランダムとする旨の時期不特定情報と、が含まれるようにしてもよい。
また、例えば、AT状態に関連する決定が優遇される優遇状態と、当該優遇状態でない非優遇状態とを有し、少なくともAT状態でない(非AT状態である)ときに、いずれかの状態に制御可能な優遇制御(例えば、第3の遊技機(変形例)など参照)を実行可能とし、所定順序特定情報で特定される停止操作順序は、少なくとも優遇状態に制御され得る停止操作順序である遊技機である。
なお、所定順序特定情報で特定される停止操作順序は上述のものに限られない。上述の優遇制御が実行され得る遊技機であっても、これを考慮しない停止操作順序が特定されるものであってもよい。あるいは、非AT状態であることを鑑み、押し順指定データがランダムに決定される(あるいは、ランダム指定データが格納される)ことで、遊技ごとに特定される停止操作順序が変動するものであってもよい。
あるいは、例えば、図142等を用いて説明したように、停止操作態様が報知されない場合であっても、指示情報が「0」となるときと、「99」となるときとがあるような場合には、指示情報「0」が決定される遊技では押し順指定データがランダムに決定される一方、指示情報「99」が決定される遊技では押し順指定データ「0」が必ず決定されるものとしてもよい。
また、例えば、IF2用停止操作態様情報及びIF3用停止操作態様情報を一の停止実行指定コマンドで出力可能である遊技機である。なお、停止実行指定コマンド内の各パラメータの構成は上述のものに限られない。各情報が、試験用基板(例えば、IF2やIF3)や試験機において識別可能に構成されている限り、どのような構成を採用することも可能である。
また、例えば、停止実行指定コマンドには、IF2用停止操作態様情報及びIF3用停止操作態様情報を用いて生成されたチェックサム値が含まれる遊技機である。なお、チェックサム値を生成するときの演算は加算に限られない。予め規定された値から各情報の数値を減算することでこのようなチェック情報が生成されるようにしてもよいし、各情報の数値を乗算ないし除算することでこのようなチェック情報が生成されるようにしてもよい。また、種々の演算を組み合わせてこのようなチェック情報が生成されるようにしてもよい。
また、例えば、停止実行指定コマンドの出力に係る処理(例えば、IF2・IF3制御処理やIF2・IF3出力処理)は、遊技者による遊技の進行に関連しない処理の実行に必要な情報を記憶する記憶領域(例えば、規定外ROM領域や規定外RAM領域)に記憶される遊技機である。なお、記憶容量に余裕があれば、当該処理は、遊技者による遊技の進行に関連する処理の実行に必要な情報を記憶する記憶領域(例えば、遊技用ROM領域や遊技用RAM領域)に記憶されてもよい。
また、例えば、有利時期特定情報は、各リールにおける所定の基準位置(例えば、インデックスセンサによって検出される初期位置)からの、各ステッピングモータのステップ数(例えば、パルス数)に対応する対応数値情報である遊技機である。
なお、対応数値情報は、ステップ数(パルス数)と同じ値であってもよいし、対応関係を認識可能とする限り、異なる値であってもよい。例えば、ステップ数(パルス数)に対して、「1」や「512」といった所定の数値を加算することによって算出したものを対応数値情報としてもよいし、「2」といった所定の数値を乗算することによって算出したものを対応数値情報としてもよい。あるいは、「6」といった所定の数値で除算し、商及び余りの値を対応数値情報としてもよい。
また、例えば、対応数値情報は、複数のリールごとに予め規定される遊技機である。なお、当籤役に対して不利とならない位置が複数ある場合には、そのいずれか一つのみを予め規定してもよいし、複数位置のそれぞれを予め規定してもよい。後者の場合には、それに応じて、パラメータの数を増加させるようにしてもよいし、一のパラメータにおいて、それぞれが識別可能となるようにデータが格納されるものとしてもよい。
また、例えば、IF3用停止操作態様情報は、停止操作時期をランダムとする旨の時期不特定情報(例えば、図147に示すパラメータ6~8に格納された情報)をさらに含んで構成され、時期不特定情報には、所定の基準位置からのステップ数に対応しない非対応数値情報のうちで特定数値情報(例えば、「1023」)が用いられる遊技機である。なお、特定数値情報として用いられる値は、有利時期特定情報と区別可能である限り、どのような値であってもよい。また、上述の如く、非対応数値情報を用いることなく時期不特定情報のデータを構成してもよい。
また、例えば、試験用情報は、当籤役を特定可能とする当籤役情報をさらに含み、当籤役情報は、IF2用停止操作態様情報及びIF3用停止操作態様情報とは異なる態様で(例えば、IF1制御処理の実行によって)出力可能である遊技機である。
また、例えば、試験用情報は、特殊遊技の実行を特定可能とする特殊遊技情報(例えば、疑似遊技コマンド)をさらに含み、特殊遊技情報は、IF2用停止操作態様情報及びIF3用停止操作態様情報とは異なる態様で(例えば、IF1制御処理の実行によって)出力可能である遊技機である。
なお、当籤役情報や遊技状態情報などの遊技情報、あるいは特殊遊技状態の出力態様は上述のものに限られない。各情報が、試験用基板(例えば、IF2やIF3)や試験機において識別可能に構成されている限り、どのような出力態様を採用することも可能である。例えば、これらが出力される試験用基板はいずれを用いてもよいし、そのデータ構成も適宜変形可能である。
<本変形例に係る発明のまとめ(付記)>
以上説明したように、本変形例では以下のような構成の遊技機を提供することができる。
従来の遊技機において、所定の条件が成立した場合に、遊技者に有利な停止操作の情報が報知され得る有利状態(例えば、AT状態)に制御可能にしたものが提案されている(例えば、特開2010-29494号公報参照)。
このような遊技機では、例えば、有利状態に制御されると、所定役(例えば、押し順小役)について遊技価値の付与期待値が高まる停止操作順序などが報知されることで、これにしたがって停止操作を行えば、遊技者は遊技価値量を増加させることができるものとなっている。
ところで、このような遊技機は、射幸性を適切な範囲内のものとするため、遊技機に関する所定の試験を経てから市場に提供されるものとなっている。それゆえ、そのような試験においては、例えば、出玉率などの遊技状況は適切に把握されることが求められる。
しかしながら、このような遊技機では、有利状態に制御されている場合であっても、例えば、遊技者の技量(例えば、目押しの技量)などによって付与される遊技価値量に差が生じる可能性がある。したがって、そのような試験においても、そのような可能性について把握できることが望ましいと考えられる。
本発明は、遊技機に関する所定の試験に用いられる情報をより適切に出力することができる遊技機を提供することを目的とする。
複数の識別情報がそれぞれの周面に配された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、複数の役の中から当籤役を決定可能な役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、遊技者の開始操作に応じて前記複数のリールを回転させるとともに、前記役決定手段により決定された当籤役と遊技者の停止操作とに応じて前記複数のリールの回転を停止させるリール制御手段(例えば、リール回転開始処理、リール停止制御処理及びリール制御処理などを行うメインCPU101)と、遊技者にとって有利な停止操作態様を報知可能な報知手段(例えば、メイン演出表示部21)と、前記報知手段による報知が行われる有利状態(例えば、AT状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、複数の試験用情報を生成可能な情報生成手段(例えば、IF2・IF3制御処理を行うメインCPU101)と、前記情報生成手段により生成された情報を外部に出力可能な情報出力手段(例えば、IF2・IF3出力処理を行うメインCPU101)と、を備え、前記試験用情報は、第1停止操作態様情報(例えば、IF2用停止操作態様情報)と、第2停止操作態様情報(例えば、IF3用停止操作態様情報)と、を含み、前記第1停止操作態様情報は、停止操作順序及び停止操作時期を特定可能とする情報として構成され、前記第2停止操作態様情報は、停止操作順序を特定可能とする一方、停止操作時期を特定可能としない情報として構成され、前記情報生成手段は、前記有利状態であるとき、前記報知手段による報知に対応する停止操作順序を特定するための有利順序特定情報と、少なくとも前記役決定手段により決定された当籤役に対して不利とならない停止操作時期を特定するための有利時期特定情報と、を含む前記第1停止操作態様情報を生成可能とし、少なくとも前記有利順序特定情報を含む前記第2停止操作態様情報を生成可能とする、ことを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、遊技者にとって有利な停止操作態様が報知される有利状態であるときには、停止操作時期を含めて最も有利となる停止操作態様と、停止操作時期については有利とならない場合がある停止操作態様とで試験が実施されることを可能としている。したがって、遊技機に関する所定の試験に用いられる情報をより適切に出力することができる。
前記情報生成手段は、前記有利状態でないとき、所定の停止操作順序を特定するための所定順序特定情報と、前記有利時期特定情報と、を含む前記第1停止操作態様情報を生成可能とし、少なくとも前記所定順序特定情報を含む前記第2停止操作態様情報を生成可能とする、ことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、有利状態でないときには、少なくとも停止操作時期については有利となる停止操作態様と、停止操作時期についても有利とならない場合がある停止操作態様とで試験が実施されることを可能としている。したがって、有利状態であるか否かを含め、遊技機に関する所定の試験に用いられる情報をより適切に出力することができる。
前記有利状態に関連する決定が優遇される優遇状態と、当該優遇状態でない非優遇状態とを有し、少なくとも前記有利状態でないときに、いずれかの状態に制御可能な優遇制御手段(例えば、メインCPU101)をさらに備え、前記所定の停止操作順序は、少なくとも前記優遇制御手段によって前記優遇状態に制御され得る停止操作順序であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、有利状態でないときに、停止操作時期については有利となり、また、停止操作順序については少なくとも有利状態に関連する決定が不利とならない停止操作態様と、停止操作時期については有利とならない場合があるが、停止操作順序については少なくとも有利状態に関連する決定が不利とならない停止操作態様とで試験が実施されることを可能としている。したがって、そのような優遇制御が行われることを含め、遊技機に関する所定の試験に用いられる情報をより適切に出力することができる。
前記情報出力手段は、前記第1停止操作態様情報及び前記第2停止操作態様情報を一の特定コマンド(例えば、停止実行指定コマンド)で出力可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、第1停止操作態様情報及び第2停止操作態様情報が一括して出力されることから、接続される試験用基板(例えば、IF2やIF3)の種類に応じて出力する内容や制御を変更する必要がなくなる。したがって、制御負荷を増大させることなく、簡易な構成で、遊技機に関する所定の試験に用いられる情報をより適切に出力することができる。
前記特定コマンドには、前記第1停止操作態様情報及び前記第2停止操作態様情報を用いて生成されたチェックサム情報(例えば、チェックサム値)が含まれることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、例えば、試験用基板や試験機側で当該コマンドの整合性や真正性を確認することが可能となる。したがって、より高い精度で遊技機に関する所定の試験を実施させることができる。
遊技者による遊技の進行に関連する処理の実行に必要な情報を記憶する第1記憶領域(例えば、遊技用ROM領域や遊技用RAM領域)と、遊技者による遊技の進行に関連しない処理の実行に必要な情報を記憶する第2記憶領域(例えば、規定外ROM領域や規定外RAM領域)と、をさらに備え、前記特定コマンドの出力に係る処理の実行に必要な情報は、前記第2記憶領域に記憶されることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、試験用情報の出力に係る処理は、遊技者による遊技の進行に関連しない記憶領域を用いて実行されるため、このような処理が多様化しても遊技者による遊技の進行に関連する記憶領域には影響を与えることがない。したがって、遊技者による遊技の進行に関連する記憶領域の空き容量を増大させ、これを利用して遊技性を高めることができる。
前記複数のリールは、それぞれに対応する複数のステッピングモータ(例えば、ステッピングモータ51L,51C,51R)の駆動によってその回転及び停止が制御されるものであり、それぞれで所定の基準位置(例えば、インデックスセンサによって検出される初期位置)を検出可能に構成され、前記有利時期特定情報は、前記所定の基準位置からのステップ数(例えば、パルス数)に対応する対応数値情報であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定の試験においては、ステッピングモータのステップ数を用いて各リールを適切な位置で停止させることが可能となるため、遊技機側のみならず、試験用基板や試験機側においても制御負荷を軽減することが可能となる。また、例えば、試験用基板や試験機側で、当籤役などの情報から停止操作時期を特定する必要がなくなることから、それらの仕様に拡張性を与えることも可能となる。したがって、制御負荷を増大させることなく、簡易な構成で、遊技機に関する所定の試験に用いられる情報をより適切に出力することができる。
前記対応数値情報は、前記複数のリールごとに予め規定されることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、有利時期特定情報に対応する対応数値情報が予め規定されているため、所定の試験においてその都度停止操作時期を特定する必要がなくなる。また、このようにしても試験結果には何ら問題は生じない。したがって、制御負荷を増大させることなく、簡易な構成で、遊技機に関する所定の試験に用いられる情報をより適切に出力することができる。
前記第2停止操作態様情報は、停止操作時期をランダムとする旨の時期不特定情報をさらに含んで構成され、前記時期不特定情報には、前記所定の基準位置からのステップ数に対応しない非対応数値情報のうちで特定数値情報(例えば、「1023」)が用いられることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、時期不特定情報を出力する場合には、当該情報を、有利時期特定情報と同様のデータ構成としつつ、そこでは使用されない非対応数値情報の一部を用いたものとしているため、遊技機側のみならず、試験用基板や試験機側においても、当該情報を用いた試験を行う上で、その利便性や汎用性を向上させることができる。
前記試験用情報は、前記役決定手段により決定された当籤役を特定可能とする当籤役情報をさらに含み、前記情報出力手段は、前記当籤役情報を、前記第1停止操作態様情報及び前記第2停止操作態様情報とは異なる態様で(例えば、IF1制御処理の実行によって)出力可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定の試験を行う上で必要な他の試験用情報である、例えば、当籤役情報については、第1停止操作態様情報及び第2停止操作態様情報とは異なる態様で出力されるため、試験機側に送られる情報量を増加させるとともに、より確実に各情報を送ることも可能となる。したがって、より適切に試験を実施させることができる。
遊技の進行を所定期間停止させるロック期間中において、遊技者の開始操作に応じて前記複数のリールを回転させ、又は遊技者の停止操作に応じて前記複数のリールの回転を停止させることを可能とする特殊遊技(例えば、疑似遊技)を実行可能な特殊遊技実行手段(例えば、メインCPU101)をさらに備え、前記試験用情報は、前記特殊遊技の実行を特定可能とする特殊遊技情報(例えば、疑似遊技コマンド)をさらに含み、前記情報出力手段は、前記特殊遊技情報を、前記第1停止操作態様情報及び前記第2停止操作態様情報とは異なる態様で(例えば、IF1制御処理の実行によって)出力可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、所定の試験を行う上で必要な他の試験用情報である、例えば、特殊遊技情報については、第1停止操作態様情報及び第2停止操作態様情報とは異なる態様で出力されるため、試験機側に送られる情報量を増加させるとともに、より確実に各情報を送ることも可能となる。したがって、より適切に試験を実施させることができる。
[15.第5の遊技機]
続いて、図154~図167を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の他の一具体例について、これを「第5の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第5の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第5の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
また、第5の遊技機は、第1の遊技機とはその遊技性に関する仕様が異なる点があるが、遊技の進行に関する基本的な制御や演出の実行に関する基本的な制御は第1の遊技機と同様である。すなわち、第5の遊技機においても、主制御回路100のメインCPU101は、図23~図32にその一例を示した各種処理を実行することで、各リールの回転、停止、遊技価値の付与、遊技状態の移行、各種制御に必要な各種カウンタや各種フラグの情報の更新、メイン側での演出実行や情報報知に関する各種制御等を行う。また、副制御回路200のサブCPU201は、図33にその一例を示した各種処理を実行することで、サブ側での演出実行や情報報知に関する各種制御等を行う。なお、メインCPU101及びサブCPU201は、以下に説明する遊技性を実現するために必要な制御処理を適宜行えばよく、また、その手法も発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であることから、第5の遊技機では、このような各種処理に関する個別の詳細な説明についてはこれを省略している。
第5の遊技機では、第1の遊技機と同様に、変動表示部が3列(左リール3L、中リール3C、右リール3R)の表示列によって構成され、有効ラインが、リール3Lの中段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの中段領域を結ぶセンターラインの1ラインのみと定義される。もっとも、定義される有効ラインはこれに限定されず、他の一又は複数のラインを有効ラインとして定義することが可能である。
また、第5の遊技機では、全ての遊技状態において、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)でのみ遊技を行うことが可能となっている(すなわち、遊技開始可能枚数は「3枚」のみが設定される)。もっとも、第1の遊技機と同様に、2枚のメダルをベットした状態(2枚ベット状態)でも遊技を行うことが可能となるように構成することもできる。また、この場合、第1の遊技機と同様に、2枚ベット状態でのみ当籤可能な2BBと、3枚ベット状態でのみ当籤可能な3BBとを設け、2BBフラグ間の3枚ベット状態が「推奨遊技状態」となるように構成することもできる。
第5の遊技機では、内部当籤役の抽籤確率に係る遊技状態(後述の図159参照)として、非ボーナス状態である、後述の「RB」が持越されているRBフラグ間と、「RB」が当籤していない(持越されていない)非フラグ間と、ボーナス状態であるRB(RB遊技状態)とを含んで構成される。なお、これらの遊技状態は、リプレイ役の当籤確率が変動することから(後述の図159参照)、それぞれ異なるRT状態であるとも言い得る。
非フラグ間において、「RB」に当籤した遊技でこれに対応する後述の「C_RB」が表示された場合にはRB遊技状態に移行する。RB遊技状態は、当該状態中に8回の入賞が発生するか、12回の遊技が行われた場合に終了するように構成される。RB遊技状態が終了した場合、再度非フラグ間に移行する。
なお、「RB」は、単独で内部当籤役として決定される場合(後述の図159中、当籤番号「38」(No.38)に当籤した場合)と、小役(後述の「F_特殊ベル3A」~「F_共通1枚」)と重複して内部当籤役として決定される場合(後述の図159中、当籤番号「29」~「37」(No.29~37)に当籤した場合)とがあるが、本実施形態では、ボーナス役に係る図柄の組合せよりもリプレイ役や小役に係る図柄の組合せが優先的に停止する制御が行われるため、後者の場合には「C_RB」が表示される場合はない。前者の場合には、各リールで押下位置正解であれば「C_RB」が表示される場合があるが、いずれかのリールで押下位置不正解であれば「C_RB」は表示されない。「RB」に当籤した遊技で「C_RB」が表示されない場合にはRBフラグ間に移行する。
RBフラグ間は、「はずれ」となる(換言すれば、持越役としての「RB」のみが内部当籤役として決定される)確率が「0」となるように構成され(後述の図159参照)、また、本実施形態では、上述のとおり、ボーナス役に係る図柄の組合せよりもリプレイ役や小役に係る図柄の組合せが優先的に停止する制御が行われるように構成されることから、一度RBフラグ間となった場合には、(「C_RB」が表示される場合がなくなることに起因して)基本的に他の遊技状態には移行しなくなる。第5の遊技機では、このRBフラグ間が「推奨遊技状態」として構成される。したがって、特段の説明がない限り、以下では当該推奨遊技状態で遊技が行われることを前提として説明する。
なお、RBフラグ間であるときに設定変更が行われた場合には、「RB」が持越されていることを示す情報(RBに係る持越役格納領域の情報)はクリアされ、非フラグ間に移行するように構成される。また、上述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合にもクリアされるため、この場合にも非フラグ間に移行するように構成される。したがって、設定変更が行われた場合には、基本的に、非フラグ間であって後述の非有利区間の状態となるように制御される。もっとも、RBフラグ間であるときに設定変更が行われた場合、「RB」が持越されていることを示す情報(RBに係る持越役格納領域の情報)をクリアせず、設定変更後もRBフラグ間が継続するように構成することもできる。
また、例えば、設定用鍵型スイッチ52がオン状態、かつ、リセットスイッチ53がオフ状態で電源が立ち上げられた(電源がオン状態となった)場合には、「RB」が持越されていることを示す情報(RBに係る持越役格納領域の情報)をクリアしないようにしてもよい。なお、この場合、設定用鍵型スイッチ52がオン状態、かつ、リセットスイッチ53もオン状態で電源が立ち上げられた(電源がオン状態となった)場合には、「RB」が持越されていることを示す情報(RBに係る持越役格納領域の情報)をクリアするようにしてもよい。すなわち、例えば、設定変更が行われるときに、ボーナスの持越状態を維持するか、ボーナスの持越状態を初期化して非持越状態とするかが選択可能に構成されるものとしてもよい。
[15-1.第5の遊技機の遊技性]
続いて、図154~図157を参照して、第5の遊技機における遊技の流れについて説明する。図154~図156は、第5の遊技機における、非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図であり、図157は、第5の遊技機における各種テーブルの一例を示す図である。
第5の遊技機では、第1の遊技機と同様、遊技者が遊技を行う状態(遊技区間)として、まず、非有利区間及び有利区間に大別される。また、図154~図156に示すように、非有利区間の遊技性に係る遊技状態として、通常状態(初期状態)が設けられており、有利区間の遊技性に係る遊技状態として、通常状態、CZ状態、前兆状態、及び有利状態(AT)が設けられている。また、CZ状態は、さらに、CZ1~CZ4に区別され、有利状態(AT)は、さらに、AT1~AT4及びED(エンディング)に区別される。なお、以下では、非有利区間の通常状態と、有利区間の通常状態とを区別するため、非有利区間の通常状態を「初期状態」として説明し、有利区間の通常状態を「通常状態」として説明する。また、有利区間の有利状態を「AT状態」として説明する。
なお、通常状態、CZ状態、及び前兆状態は、基本的に、通常有利区間(演出区間)として構成される状態であり、少なくとも状態全体としてはナビにより遊技価値が増加しない(増加しにくい)状態である。また、AT状態は、増加区間として構成される状態であり、少なくとも状態全体としてはナビにより遊技価値が増加する(増加しやすい)状態である。また、AT状態中における1ゲームあたりの遊技価値の増加期待値は約3枚程度に設定されている。
まず、図154を参照して、第5の遊技機の遊技性について説明する。遊技者はほとんどの場合、通常状態から遊技を開始し、AT状態に移行することを目指して遊技を行う。なお、初期状態においては、その単位遊技における内部当籤役が「はずれ」である場合、「F_通常リプ1」である場合、「F_RB中1枚」である場合、「F_RB中ALL」である場合、及び「RB」(単独当籤)である場合を除き、有利区間移行抽籤の抽籤結果として必ず有利区間に移行することが決定される(有利区間開始条件が成立する)ため、非ボーナス状態であれば(後述の図159参照)、初期状態の滞在期間はわずか(1~2ゲーム程度)となっている。
非有利区間の初期状態において、有利区間に移行することが決定された場合(有利区間移行抽籤に当籤した場合)、当該抽籤結果として、あるいは、有利区間移行時のAT抽籤の結果として、AT状態に移行することが決定された場合には、AT状態に移行する。なお、このとき、前兆状態を経由してAT状態に移行してもよいし、前兆状態を経由することなくAT状態に移行してもよい。
また、AT状態に移行することが決定されなかった場合には、有利区間移行抽籤の抽籤結果として、あるいは、有利区間移行時のCZ抽籤の抽籤結果として、また、あるいは制御処理の結果として、CZ状態に移行する。すなわち、基本的に、非有利区間から有利区間に移行する場合には、少なくともCZ状態以上(CZ状態又はこれよりも有利度の高いAT状態)の特典が付与されるものとなっている。なお、これは、必ずCZ状態以上の特典が付与されるものであってもよいし、通常状態よりも高い当籤確率(例えば、50%以上の確率)にてCZ状態以上の特典が付与されるが、CZ状態以上の特典の付与が確定するわけではなく、通常状態に移行する場合もあるものであってもよい。また、基本的に、初期状態からAT状態に移行する場合はない(あるいは、5%程度の極めて低い確率でしか移行しない)が、CZ状態へは必ず移行する(あるいは、90%程度の極めて高い確率で移行する)ものとしてもよい。
また、初期状態から有利区間移行を契機としてCZ状態に移行する場合、初期状態がRBフラグ間であれば、所定のCZ状態に移行する一方、初期状態が非フラグ間であれば、所定のCZ状態よりもAT当籤期待度が低い特定のCZ状態に移行するものとなっている。ここでは、例えば、CZ4について、AT当籤期待度が相対的に低い(例えば、AT当籤期待度が約5%の)CZ4(弱)と、AT当籤期待度が相対的に高い(例えば、AT当籤期待度が約25%の)CZ4(強)とが設けられているものとして説明する。
例えば、遊技店の開店前に設定変更がなされ、遊技店が開店し、設定変更後すぐに本例の遊技仕様となっている遊技機にて遊技を開始したとする。このとき、当該遊技機は、非フラグ間、かつ、非有利区間(初期状態)となっている。遊技者が、有利区間に移行するよりも前にRBを当籤させ、RBフラグ間とした後に有利区間に移行した場合であって、CZ状態に移行する場合には、移行先はCZ4(強)となる。一方、遊技者が、RBを当籤させるよりも前に有利区間に移行した場合であって、CZ状態に移行する場合には、移行先はCZ4(弱)となる。なお、初期状態の遊技において、RB+小役に当籤した場合には、有利区間移行処理を先にし、RBフラグ間であるかの判別処理を後として、CZ状態に移行する場合の移行先がCZ4(弱)となるようにしてもよいし、RBフラグ間であるかの判別処理を先にし、有利区間移行処理を後として、CZ状態に移行する場合の移行先がCZ4(強)となるようにしてもよい。
すなわち、第5の遊技機では、設定変更後は、非フラグ間、かつ、非有利区間となり、また、有利区間移行時は、基本的にCZ状態に移行する仕様とし、有利区間移行時に非フラグ間である場合には、RBフラグ間である場合と比べて当該CZ状態の有利度が低くなる(換言すれば、有利区間移行時にRBフラグ間である場合には、非フラグ間である場合と比べて当該CZ状態の有利度が高くなる)ように構成している。このようにすれば、設定変更によって遊技者が過度に有利となり、遊技店が不測の不利益を被ることを防止できる。さらに、例えば、リミット処理の実行などによって有利区間が終了して非有利区間に移行する場合、このときはRBフラグ間であることがほとんどであることから、その非有利区間から移行するCZ状態の有利度が不利となることはほとんどない。すなわち、遊技中に非有利区間に移行した場合には、CZ状態の有利度が低くなることを遊技者が懸念することがなく、CZ状態移行の期待感のみを高めて遊技の興趣を向上させることができる。
なお、設定変更後に、非有利区間から有利区間に移行したときのCZ状態の有利度を変動させる態様は上述のものに限られない。例えば、CZ状態が、CZ1、CZ2、CZ3の順で順次有利度が高くなるものとした場合、有利区間移行時に非フラグ間であればCZ1に移行し(あるいは、CZ1に移行する割合がRBフラグ間である場合よりも高く)、RBフラグ間であればCZ2ないしCZ3に移行する(あるいは、これらに移行する割合が非フラグ間である場合よりも高い)ものとしてもよい。また、同じCZ状態に移行するとしても、これが非フラグ間で移行したCZ状態である場合には、RBフラグ間で移行したCZ状態である場合よりも、AT抽籤が行われる抽籤対象役の数を少なくしたり、あるいは、AT抽籤が行われるゲーム数を少なくしたりすることで、有利度を変動させるものであってもよい。
また、例えば、設定変更後に、非有利区間から有利区間に移行したとき、非フラグ間である場合には、RBフラグ間である場合よりもCZ状態に移行する割合が低く、通常状態に移行する割合が高いもの(例えば、RBフラグ間であれば50%の確率でCZ状態に移行するが、非フラグ間であれば10%の確率でしかCZ状態に移行しないなど)として、両者の有利度に差を設けるようにしてもよい。
通常状態では、AT抽籤やCZ抽籤などが行われる。すなわち、AT状態に移行させるか否か(AT状態を付与するか否か)の決定が各種の条件にしたがって行われ、また、CZ状態に移行させるか否か(CZ状態を付与するか否か)の決定が各種の条件にしたがって行われる。なお、通常状態における各種制御の一例については、図155を説明しながら後で説明する。
通常状態においてCZ移行条件が成立する(CZ抽籤に当籤する)と、CZ状態に移行し、また、通常状態においてAT抽籤に当籤する(AT移行条件が成立する)と、前兆期間が設定されない場合にはAT状態に移行し、前兆期間が設定される場合には前兆状態に移行する。なお、通常状態においてCZ移行条件が成立した場合に、前兆期間(CZ前兆期間)を設定可能としてもよい。この場合、通常状態においてCZ移行条件が成立した場合に、CZ前兆期間が設定されない場合にはCZ状態に移行し、CZ前兆期間が設定される場合にはCZ前兆状態に移行する(CZ前兆期間を消化したらCZ状態に移行する)ものとすればよい。また、通常状態においてAT移行条件は成立していないが、所定の演出条件が成立した場合(例えば、AT抽籤が行われ得るいずれかの役に当籤した場合)には、偽の(ガセ)前兆状態に移行する(当該前兆期間を消化したら通常状態に戻る)ようにしてもよい。
CZ状態は、通常状態よりもAT当籤期待度が高い(あるいは、少なくとも通常状態とはAT抽籤の態様が異なる)状態であり、AT抽籤やCZ状態の継続抽籤などが行われる。
CZ1は、例えば、AT1の当籤期待度が高い状態であり、5~15ゲーム(例えば、保障ゲーム数が5ゲームで、6ゲーム以降は継続抽籤に当籤したら継続する)の間にわたって継続可能に構成されている。また、CZ1は、1回あたりのAT当籤期待度が約20%程度となっている。
CZ2は、例えば、AT2の当籤期待度が高い状態であり、5~15ゲーム(例えば、保障ゲーム数が5ゲームで、6ゲーム以降は継続抽籤に当籤したら継続する)の間にわたって継続可能に構成されている。また、CZ2は、1回あたりのAT当籤期待度が約20%程度となっている。
CZ3は、例えば、AT3の当籤期待度が高い状態であり、5~15ゲーム(例えば、保障ゲーム数が5ゲームで、6ゲーム以降は継続抽籤に当籤したら継続する)の間にわたって継続可能に構成されている。また、CZ3は、1回あたりのAT当籤期待度が約20%程度となっている。
CZ4は、例えば、AT1~4の当籤期待度が高い状態であり、20ゲーム(例えば、保障ゲーム数が20ゲーム)の間にわたって継続可能に構成されている。また、CZ4は、1回あたりのAT当籤期待度が約25%程度となっている。なお、CZ4においても、21ゲーム以降は継続抽籤に当籤したら継続するように構成することもできる。
なお、図示は省略しているが、CZ1~4のいずれに制御されるかは、基本的にCZ状態に移行することが決定された際のCZ種別抽籤の抽籤結果に基づいて決定される。また、例えば、非有利区間から有利区間に移行した際はCZ4に移行する、あるいは、AT状態が終了してCZ状態に移行することが決定された際はCZ4に移行するなど、所定の移行条件が成立した際には予め定められた種別のCZ状態に移行させることもできる。また、上述のCZ1~4のそれぞれの態様はあくまで一例であり、AT当籤期待度を高める態様やその継続期間に関する態様などについては、上述のものとは異なる態様を採用することも可能である。
CZ状態においてAT抽籤に当籤する(AT移行条件が成立する)と、CZ成功となってAT状態に移行する。なお、CZ状態においてAT移行条件が成立した場合に、前兆期間を設定可能としてもよい。この場合、CZ状態においてAT移行条件が成立した場合に、前兆期間が設定されない場合にはAT状態に移行し、前兆期間が設定される場合には前兆状態に移行する(前兆期間を消化したらAT状態に移行する)ものとすればよい。また、CZ状態においてAT移行条件は成立していないが、所定の演出条件が成立した場合(例えば、AT抽籤が行われ得るいずれかの役に当籤した場合)には、偽の(ガセ)前兆状態に移行する(当該前兆期間を消化したら通常状態に戻る)ようにしてもよい。また、CZ状態においてAT抽籤に当籤することなく(AT移行条件が成立することなく)CZ状態の遊技期間を消化すると、CZ失敗となって通常状態に戻る。
前兆状態では、AT抽籤やCZ抽籤、AT昇格抽籤などが行われる。すなわち、AT状態に移行させるか否か(AT状態を付与するか否か)の決定が各種の条件にしたがって行われ、また、CZ状態に移行させるか否か(CZ状態を付与するか否か)の決定が各種の条件にしたがって行われる。また、移行が決定されているAT状態に関し、その種別を有利なものとするか否かの決定が各種の条件にしたがって行われる。なお、前兆状態における各種制御の一例については、図156を説明しながら後で説明する。前兆状態において設定された前兆期間を消化すると、AT状態に移行する。
AT状態は、上述のとおり、遊技者にとって有利な停止操作態様が報知され得る有利状態であり、ここでの滞在期間が長くなればなるほど、獲得できる遊技価値量も多くなる。なお、図示は省略しているが、AT状態では、当該AT状態をどの程度の期間にわたって継続させるかの決定(これには、最初に付与する遊技期間の決定のみならず、当該AT状態の遊技期間を延長(上乗せ)するか否かの決定も含まれる)などが行われる。
なお、AT状態は、他の例でも示したとおり、その遊技期間が適切に管理され得る限り、どのような管理手法で管理されるものであってもよい。すなわち、例えば、ゲーム数によって管理されるものとしてもよいし、ナビ回数によって管理されるものとしてもよいし、差枚数によって管理されるものとしてもよい。もっとも、ここでは、一例として、ゲーム数によって管理されるものとして説明する。
AT1は、例えば、初期ゲーム数として平均80ゲーム程度(保障ゲーム数は50ゲーム)が付与され得るように構成され、例えば、最初の5ゲーム間で保障ゲームに追加して付与されるゲーム数が決定される遊技性となっている。
AT2は、例えば、初期ゲーム数として平均150ゲーム程度(保障ゲーム数は50ゲーム)が付与され得るように構成され、例えば、最初の10ゲーム間で保障ゲームに追加して付与されるゲーム数が決定される遊技性となっている。
AT3は、例えば、初期ゲーム数として平均300ゲーム程度(保障ゲーム数は100ゲーム)が付与され得るように構成され、例えば、最初の10ゲーム間で保障ゲームに追加して付与されるゲーム数が決定される遊技性となっている。
AT4は、例えば、初期ゲーム数として平均600ゲーム程度(保障ゲーム数は100ゲーム)が付与され得るように構成され、例えば、最初の10ゲーム間で保障ゲームに追加して付与されるゲーム数が決定される遊技性となっている。
いずれのAT状態においても、各種の付与条件が成立した場合には延長されるゲーム数が決定され、決定されたゲーム数分、当該AT状態が延長されるように構成される。なお、これは、AT状態中用の専用抽籤(延長抽籤)によって行われてもよいし、他の状態と同様にAT抽籤が行われ、これに当籤するとその権利がストックされ、当該権利が適時放出されることで実質的にAT状態の延長が決定されるようにしてもよい。
なお、図示は省略しているが、本例においても、各種リミット処理が作動するものとなっており、例えば、AT1~4において、有利区間ゲーム数カウンタの値が「2970」以上となった場合、又は有利区間払出数カウンタの値が「2300」以上となった場合にはエンディング状態(ED)に移行する。なお、EDは、各種リミット処理が作動して有利区間が終了するまで継続する。
また、いずれの状態であっても、有利区間ゲーム数カウンタの値が「3000」以上となった場合にはゲーム数リミッタが作動し、有利区間払出数カウンタの値が「2400」以上となった場合には払出数リミッタが作動する。この場合には、上述の如く、有利区間は強制的に終了となり、有利区間終了時の初期化処理が行われるとともに、非有利区間の初期状態に移行することとなる。なお、リミット処理は、払出数リミッタのみを搭載し、ゲーム数リミッタについては搭載しないように構成してもよい。
また、これに加え、AT状態中のゲーム数をカウントし、AT状態中のゲーム数が所定ゲーム数(例えば、「1000」)以上となった場合に(有利区間ゲーム数カウンタや有利区間払出数カウンタの値が上記の値未満であったとしても)、EDに移行させる制御が行われるようにしてもよい。
なお、図示は省略しているが、AT1~4のいずれに制御されるかは、基本的にAT状態に移行することが決定された際のAT種別抽籤の抽籤結果(あるいは、AT抽籤においてその種別も決定される場合にはその抽籤結果)に基づいて決定される。また、例えば、所定の確定契機が成立した際はAT4に移行するなど、所定の移行条件が成立した際には予め定められた種別のAT状態に移行させることもできる。また、例えば、所定の確定契機が成立した際はAT4に移行するとともに、さらにAT1~4のいずれかに移行する権利が複数個付与される(ストックされる)など、種々の特典の付与態様を採用することもできる。また、上述のAT1~4のそれぞれの態様もあくまで一例であり、初期ゲーム数の付与期待度や延長されるゲーム数の付与期待度の態様などについては、上述のものとは異なる態様を採用することも可能である。
AT状態が、リミッタの作動ではなく、ゲーム数の消化によって終了した場合に、AT状態の権利がストックされていて、かつ、これが前兆状態を経由してから放出されるものである場合には、前兆状態に移行することがある。また、AT状態の権利がストックされていない場合には、CZ4に移行する。この場合、CZ4は、AT状態終了後の引き戻し状態として機能する。なお、AT状態の権利がストックされていない場合、CZ4に移行する場合と、非有利区間の初期状態に移行する場合とがあるようにしてもよい。例えば、リミッタの作動まで未だ十分な遊技期間を確保できる場合(一例として、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1000」未満である場合)には、有利区間を終了させることなくCZ4に移行させ、これが確保できない場合には、一度有利区間を終了させ、初期状態経由でCZ4に移行させるなどの制御を行い得るものとしてもよい。
また、あるいは、AT状態の権利がストックされていない場合、CZ4に移行する場合と、通常状態に移行する場合とがあるようにしてもよい。例えば、AT状態が終了したときに状態移行抽籤を行い、これに当籤したときはCZ4に移行させ、当籤しなかったときは通常状態に移行させるようにしてもよい。また、AT状態が終了したときに状態移行抽籤を行う場合には、移行先のCZ状態の種別を含めて抽籤を行うようにし、当籤した場合には、当籤した種別のCZ状態に移行させるようにしてもよい。
また、AT状態が終了したときにAT状態の権利がストックされていない場合には、一律に有利区間を終了させ(有利区間終了条件が成立するようにし)、非有利区間に移行させるようにしてもよい。
(通常状態)
続いて、図155及び図157を参照して、第5の遊技機における通常状態の遊技性の一例についてさらに詳しく説明する。上述のとおり、通常状態は、遊技者にとって相対的に不利な状態であり、また、遊技者が最も多く滞在する状態である。
通常状態では、CZ状態やAT状態に移行させるか否かを決定するための各種の抽籤や決定の処理が行われる。ここでは、それらの一例について説明する。また、第5の遊技機においても、本実施形態において他の遊技機として説明したものと同様に、少なくとも非AT状態においては、例えば、CZ状態に関連する決定、あるいは、AT状態に関連する決定などにおいて、現在の状態が優遇状態であるか、あるいは非優遇状態であるかによってその決定確率に差異が生じるように構成されている。すなわち、現在の状態が優遇状態であれば、上述の決定が優遇され、現在の状態が非優遇状態であれば、上述の決定が優遇されないものとなっている。
通常状態において、遊技者による開始操作が行われた(遊技開始条件が成立した)とき(図155中「レバーON」と表記。後述の図156においても同様)、まず、確定契機が成立したか否かが判別される。ここで、確定契機とは、AT状態への移行が確定する条件であり、これが成立した場合には次回遊技からAT状態に移行する。
なお、本例においては、例えば、後述の「F_GODリプ」の当籤、「F_冥王リプ」の当籤、及び「F_紫7リプ」の当籤が確定契機となる。「F_GODリプ」が当籤した場合、例えば、AT1~4のいずれかに移行し、さらに、AT状態の権利が3個ストックされることが決定される(ストックされた権利については、ストックされた際、あるいは、これが放出される際にAT1~4のいずれに移行するかが決定される)。また、「F_冥王リプ」が当籤した場合、例えば、AT3又はAT4に移行することが決定される。また、「F_紫7リプ」が当籤した場合、例えば、AT2又はAT4に移行することが決定される。
なお、当該遊技が非優遇状態であっても、上述の確定契機が成立した場合にはAT状態に移行させるものとしているが、例えば、当該遊技が優遇状態であれば、上述の如くAT状態に移行させる一方、当該遊技が非優遇状態であれば、上述の確定契機が成立したとしても、これを確定契機としないようにし(確定契機の成立を無効とし)、AT状態に移行させないようにしてもよい。
確定契機が成立していない場合には、「中段ベル」(後述の「F_CLベル」)が当籤したか否かが判別される。そして、「中段ベル」が当籤した場合、中段ベル確定抽籤が行われる。当該抽籤は、「中段ベル」に当籤したことに応じて、AT状態に移行させるか否かを決定するための抽籤である。
中段ベル確定抽籤は、例えば、図157に示す中段ベル確定抽籤テーブルを参照して行われ、当該テーブルに示す確率(抽籤値/256)で、当籤(AT当籤)、又は非当籤(AT非当籤)のいずれかが決定される。当該抽籤に当籤した場合には、少なくとも遊技者による停止操作が行われる前に特別演出が実行され、前兆期間を管理するための前兆ゲーム数(前兆ゲーム数カウンタの値)が決定され、次回遊技から前兆状態に移行する。
ここで、本例では、押し順小役である偏りベル(例えば、後述の「F_打順ベル3A」~「F_打順ベル6B」や「F_特殊ベル3A」~「F_特殊ベル6B」)に当籤した場合、左第1停止にて停止操作が行われたか否かによって処理を分岐させる場合があることから、例えば、CZ抽籤やAT抽籤については、基本的に、第3停止操作後(図155中「全停止後」と表記。より詳細には、第3停止操作において、ストップボタンがON状態となった後、OFF状態に変移したとき。後述の図156においても同様)に行われるものとなっている。
しかしながら、そうすると(当該遊技で上述の抽籤が行われるか否かは遊技開始時には不明となる場合もあることから)、「レバーON」時の演出の頻度が低くなり、遊技の興趣が低下してしまう可能性がある。そこで、「中段ベル」が当籤した場合には、第3停止操作を待つことなく、AT抽籤が行われるものとし、しかもこれに当籤した場合には特別演出がすぐに実行されるようにしているのである。なお、特別演出実行の一例については、図164及び図165を参照しながら後で詳述する。
なお、当該遊技が非優遇状態であっても、「中段ベル」が当籤した場合には中段ベル確定抽籤が行われるものとし、これに当籤した場合にはAT状態に移行させ得るようにすることもできるし、当該遊技が優遇状態であれば、そのようにAT状態に移行させ得る一方、当該遊技が非優遇状態であれば、「中段ベル」が当籤した場合であっても中段ベル確定抽籤は行われないものとし、少なくとも当該抽籤に基づいてAT状態に移行する場合がないようにすることもできる。あるいは、当該遊技が非優遇状態であっても当該抽籤は行われるが、当籤する確率を優遇状態よりも低いものとしてもよい。
通常状態において、第3停止操作後は、未だAT状態に移行することが決定されていなければ、AT抽籤が行われる(すでにAT状態に移行することが決定されていても、AT状態の権利をさらにストックするか否かを決定するために当該抽籤が行われるものとしてもよい)。当該抽籤は、当籤役等に基づきAT状態に移行させるか否かを決定するための抽籤である。
AT抽籤では、例えば、まず、図157に示すAT抽籤実行抽籤テーブルを参照し、当該遊技でAT付与抽籤が実行されるか否かが決定される。当該抽籤では、当該テーブルに示す確率(抽籤値/65536)で、当籤(AT付与抽籤を実行する)、又は非当籤(AT付与抽籤を実行しない)のいずれかが決定される。なお、当該抽籤では、例えば、優遇状態であるか又は非優遇状態であるかに応じて当籤となる抽籤値(当籤割合)を異ならせるようにしてもよい。
例えば、優遇状態においては、当籤となる抽籤値を「65536」として、優遇状態では必ずAT付与抽籤が行われるようにしてもよいし、当籤となる抽籤値を「65535」とし、非当籤となる抽籤値を「1」として、優遇状態ではほぼAT付与抽籤が行われるが、AT付与抽籤が行われない場合があるようにしてもよい。
また、例えば、非優遇状態においては、当籤となる抽籤値を「0」として、非優遇状態ではAT付与抽籤が行われなくなるようにしてもよいし、当籤となる抽籤値を「1」とし、非当籤となる抽籤値を「65535」として、非優遇状態ではほぼAT付与抽籤は行われないが、AT付与抽籤が行われる場合があるようにしてもよい。
なお、このようにする場合、結果として優遇状態が非優遇状態よりも優遇される(有利となる)ようにすればよく、その限りにおいて、それぞれの抽籤値は任意の値を設定することが可能である。
AT抽籤実行抽籤の結果、AT付与抽籤を実行することが決定された場合、続いて、AT付与抽籤が行われる。AT付与抽籤は、例えば、図157に示すAT付与抽籤テーブルを参照して行われ、当該テーブルに示す、当籤役ごとに規定された確率(抽籤値/256)で、当籤(AT当籤)、又は非当籤(AT非当籤)のいずれかが決定される。
なお、当該テーブルにおいて、「中段リプ」は後述の「F_中段リプ」を表したものであり、「チャンスリプ」は後述の「F_チャンスリプ」を表したものであり、「右上ベル」は後述の「F_XUベル」を表したものであり、「中段ベル」は後述の「F_CLベル」を表したものである。なお、これらの抽籤対象役はあくまで一例であり、これらの役以外に当籤した場合であっても、AT抽籤に当籤する場合があるように構成することもできる。また、それぞれの抽籤値についても任意の値を設定することが可能である。
AT付与抽籤に当籤した場合には、前兆ゲーム数(前兆ゲーム数カウンタの値)が決定され、次回遊技から前兆状態に移行する。なお、優遇状態であるか又は非優遇状態であるかに応じて上述のAT抽籤実行抽籤の抽籤値を変動させない場合には、AT付与抽籤において、優遇状態であれば当該抽籤を行うが、非優遇状態であれば当該抽籤を行わない、あるいは、優遇状態では非優遇状態よりも当該抽籤が優遇される(有利となる)ものとすればよい。
続いて、未だAT状態に移行することが決定されていなければ、CZ抽籤が行われる(すでにAT状態に移行することが決定されていても、CZ状態の権利をさらにストックするか否かを決定するために当該抽籤が行われるものとしてもよい)。当該抽籤は、当籤役等に基づきCZ状態に移行させるか否かを決定するための抽籤である。なお、図157に示すCZ抽籤テーブルでは、説明を簡潔なものとするために、当該テーブルに示す確率(抽籤値/256)で、当籤(CZ当籤)、又は非当籤(CZ非当籤)のいずれかが決定されるものとしているが、これをAT付与抽籤などと同様に、当籤役ごとに規定された確率(抽籤値/256)で、当籤(CZ当籤)、又は非当籤(CZ非当籤)のいずれかが決定されるものとすることができる。
また、CZ抽籤は、遊技ごとに行われるものではなく、通常状態のゲーム数(後述の通常ゲーム数カウンタの値)が所定ゲーム数(例えば、100ゲーム、300ゲーム、500ゲームなど)となったときに、図157に示すCZ抽籤テーブルを用いて行われるものとしてもよい。この場合、特定ゲーム数(例えば、700ゲーム)となったときには、必ずCZ抽籤が当籤となるようにしてもよい。
CZ抽籤に当籤した場合には、次回遊技からCZ状態に移行する。なお、CZ抽籤に当籤した場合に、CZ前兆ゲーム数(CZ前兆ゲーム数カウンタの値)が決定され、次回遊技からCZ前兆状態に移行するものとしてもよい。
また、CZ抽籤においても、例えば、優遇状態であれば当該抽籤を行うが、非優遇状態であれば当該抽籤を行わない、あるいは、優遇状態では非優遇状態よりも当該抽籤が優遇される(有利となる)ものとすることができる。
なお、図示は省略しているが、通常状態では、例えば、AT当籤期待度(有利度)やCZ当籤期待度(有利度)を変動させるためのモード(例えば、通常モードと、当該通常モードよりも有利度が高い高確モードとがあるなど)が設定可能となっており、いずれのモードが設定されるかを決定するためのモード移行抽籤なども行われる。
また、このモード移行抽籤においても、優遇状態であれば当該抽籤を行うが、非優遇状態であれば当該抽籤を行わない、あるいは、優遇状態では非優遇状態よりも当該抽籤が優遇される(有利となる)ものとすることができる。
続いて、打順や当籤役の種類にかかわらず、優遇カウンタを1減算する。本例においても、優遇カウンタは、当該遊技を優遇状態とするか、非優遇状態とするかを管理するためのカウンタであり、遊技開始時に、優遇カウンタが1以上であれば当該遊技は優遇状態に制御され、優遇カウンタが0であれば当該遊技は非優遇状態に制御されるものとなっている。
続いて、偏りベル以外の役に当籤した場合、及び偏りベルに当籤して左第1停止で停止操作が行われた場合には、優遇カウンタを1加算する。すなわち、偏りベルは、基本的に、特定態様(左第1停止)にて停止操作が行われた場合、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成されており(換言すれば、左第1停止が遊技価値の付与が不利となる打順として規定され、左第1停止以外が遊技価値の付与に関し一方的に有利となる打順として規定されており)、遊技価値の付与期待値が相対的に低い態様で停止操作が行われた場合には、結果として優遇状態に制御され、遊技価値の付与期待値が相対的に高い態様で停止操作が行われた場合には、非優遇状態に制御されるものとしている。なお、この優遇制御の態様はあくまで一例であり、他の遊技機においてすでに説明した種々の制御手法を採用することも可能である。
続いて、偏りベル以外の役に当籤した場合、及び偏りベルに当籤して左第1停止で停止操作が行われた場合には、通常ゲーム数カウンタを1加算する。通常ゲーム数カウンタは、非AT状態(有利区間)の遊技期間を管理するためのカウンタであり、例えば、有利区間が開始されるときに初期値(例えば、「0」)が設定され、上述の条件を満たしたときに加算更新される(AT状態が開始されたとき、あるいは有利区間が終了したときにクリアされるものとすればよい)。
なお、図示は省略しているが、本例においても、有利区間移行時(あるいは、AT状態が終了しても有利区間が継続する場合にはAT状態終了時)に天井ゲーム数が設定されるものとなっており、通常ゲーム数カウンタは、この天井ゲーム数に到達したか否かを判別するために用いられる。
例えば、天井ゲーム数として「1400」が設定され、通常ゲーム数カウンタの値が「1400」となったときに、天井ゲーム数に到達してAT状態に移行するものとした場合、少なくとも、偏りベルが当籤した遊技において常に左第1停止で停止操作されていたとすれば、実際の通常状態の消化ゲーム数と通常ゲーム数カウンタの値とが一致するので、1400ゲームを消化すれば、その間のAT抽籤に一度も当籤していなくともAT状態に移行させることができる。しかしながら、偏りベルが当籤した遊技において左第1停止以外で停止操作されていたとすれば、その遊技では通常ゲーム数カウンタの値は加算されないため、天井ゲーム数の到達は、実際の通常状態の消化ゲーム数よりも遅くなる。本例では、優遇状態・非優遇状態の制御に加え、このようにして、特定態様(左第1停止)にて停止操作が行われた場合を優遇するようにしている。
なお、本例においては、所定役(例えば、偏りベル)に当籤した遊技において、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合には優遇状態に制御可能とし、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には非優遇状態に制御可能としているが、例えば、遊技機全体の特性として、特定態様にて停止操作が行われた場合には遊技価値の付与が不利となる一方、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には遊技価値の付与が一方的に有利となると捉え、当籤役にかかわらず、遊技ごとに特定態様にて停止操作が行われた場合には優遇状態に制御可能とし、特定態様とは異なる態様にて停止操作が行われた場合には、これを非優遇状態に制御可能としてもよい。すなわち、全ての役をこのような優遇制御の対象としてもよい。
(前兆状態)
続いて、図156及び図157を参照して、第5の遊技機における前兆状態の遊技性の一例についてさらに詳しく説明する。上述のとおり、前兆状態は、遊技者にとって相対的に不利な状態ではあるものの、AT状態に移行することが確定している点において通常状態よりも有利な状態である。
前兆状態では、通常状態においても同様に行われる各種の抽籤や決定の処理に加え、移行するAT状態の有利度合いを更新するか否か(AT状態の有利度合いを昇格させるか否か)を決定するための処理が行われる。ここでは、それらの一例について説明する。
前兆状態においても、通常状態と同様、遊技者による開始操作が行われた(遊技開始条件が成立した)ときに、確定契機の成立に応じた処理が行われる。ただし、すでにAT状態に移行することは決定されているので、前兆状態において確定契機が成立した場合には、すでに得ていたAT状態の権利はストックされ、確定契機の成立によって新たに得たAT状態の権利に基づき、次回遊技からAT状態に移行させる。
なお、前兆状態において確定契機が成立した場合、すでに得ていたAT状態の権利はストックされずに消滅するようにして、遊技者に過度な利益が付与されることを抑制することもできる。また、すでに得ていたAT状態の権利と、確定契機の成立によって新たに得たAT状態の権利とを比較し、より有利なもののみを残すようにしてもよい。また、前兆状態において確定契機が成立した場合には、確定契機の成立によって新たにAT状態の権利を付与しない(無効とする)ようにしてもよい。なお、この場合には、例えば、「TLリプ」が表示される打順が報知されるようにして(後述の図163参照)、確定契機の成立が遊技者に認識されにくくするなどの制御を行うことが望ましい。
続いて、前兆状態においても、通常状態と同様、「中段ベル」が当籤した場合、中段ベル確定抽籤が行われる。ただし、すでにAT状態に移行することは決定されているので、前兆状態において中段ベル確定抽籤に当籤した場合には、新たに得たAT状態の権利はストックされる。もっとも、すでに得ていたAT状態の権利のほうがストックされるものとしてもよい。
前兆状態において当該抽籤に当籤した場合に、例えば、特別演出が実行されたが、現在の残りの前兆ゲーム数が多い(例えば、残り16ゲーム以上の場合など)、あるいは、現在の残りの前兆ゲーム数が少ない(例えば、残り3ゲーム以下の場合など)などの場合には、必要に応じて前兆ゲーム数を減算ないし加算して更新するものとすればよい。あるいは、現在の残りの前兆ゲーム数に応じて、特別演出を実行するか否かが決定されるようにしてもよい(例えば、特別演出が実行された後、平均4ゲーム程度でAT当籤が告知される(前兆ゲーム数が4ゲーム程度となることが多い)仕様である場合、現在の残りの前兆ゲーム数が5ゲーム以下であれば特別演出を実行し、6ゲーム以上であれば特別演出が実行されないようにするなど)。
前兆状態においても、通常状態と同様、第3停止操作後は、AT抽籤が行われる。もっとも、すでにAT状態に移行することが決定されているので、AT状態の権利がさらにストックされることがないよう、前兆状態ではAT抽籤が行われないようにしてもよい。なお、当該抽籤に当籤した場合は、すでに述べたものと同様に、AT状態の権利が適宜ストックされるものとし、また、必要に応じて前兆ゲーム数が適宜減算ないし加算されて更新されるものとすればよい。
続いて、前兆状態においても、通常状態と同様、CZ抽籤が行われる。もっとも、すでにAT状態に移行することが決定されているので、CZ状態の権利がさらにストックされることがないよう、前兆状態ではCZ抽籤が行われないようにしてもよい。なお、当該抽籤に当籤した場合は、AT権利の付与時と同様に、CZ状態の権利が適宜ストックされるものとすればよい。
続いて、前兆状態においては、AT昇格抽籤が行われる。当該抽籤は、当籤役等に基づき付与されているAT状態の有利度合いを更新するか否か(AT状態の有利度合いを昇格させるか否か)を決定するための抽籤である。AT昇格抽籤は、例えば、図157に示すAT昇格抽籤テーブルを参照して行われ、当該テーブルに示す、当籤役ごとに規定された確率(抽籤値/256)で、当籤(AT状態を昇格させる)、又は非当籤(AT状態を昇格させない)のいずれかが決定される。
AT昇格抽籤に当籤した場合、現在決定されているAT状態の段階が1段階昇格するようにAT状態の有利度合いを更新する。上述のとおり、本例のAT状態はAT1~4があり、AT1が相対的に最も不利で、そこからAT4まで段階的に有利度合いが高まるようになっているので、例えば、現在決定されているAT状態がAT1であるときに当該抽籤に当籤した場合には、そのAT状態がAT2に昇格する。また、現在決定されているAT状態がAT2であるときに当該抽籤に当籤した場合には、そのAT状態がAT3に昇格する。また、現在決定されているAT状態がAT3であるときに当該抽籤に当籤した場合には、そのAT状態がAT4に昇格する。
なお、AT状態の有利度合いを更新する態様はこれに限られない。例えば、ATの種別はそのままに、移行したAT状態における保障ゲーム数を上乗せする(換言すれば、AT状態の遊技期間を延長する)ことで、AT状態の有利度合いが更新されるようにしてもよい。あるいは、移行したAT状態におけるATゲーム数が追加される状態(例えば、AT1であれば最初の5ゲーム間、AT2~4であれば最初の10ゲーム間)の遊技期間を上乗せする(換言すれば、上乗せ状態の遊技期間を延長する)ことで、ATゲーム数が追加され得る機会を多く与えるようにする、といった態様でAT状態の有利度合いが更新されるようにしてもよい。すなわち、AT昇格抽籤によってAT状態の有利度合いを更新する(昇格させる)態様は、実質的に遊技者にとって有利度合いが高まる態様であれば、いずれの態様を採用することも可能である。
また、現在決定されているAT状態がAT4であるときには、最も高い段階であることから、この場合には基本的に当該抽籤が行われないものとしてもよいし、当該抽籤が行われ、これに当籤した場合であっても、実質的にこれを無効としてAT4から変動させないものとしてもよい。あるいは、これに当籤した場合には、AT1の権利を1つ付与するようにして、当該抽籤結果に基づく特典が遊技者に付与されるようにしてもよい。
また、AT昇格抽籤は、当該遊技が優遇状態であれば行われる一方、当該遊技が非優遇状態であれば行われないものとなっている。もっとも、非優遇状態であっても当該抽籤が行われるが、非優遇状態では優遇状態よりも当該抽籤が冷遇される(不利となる)ようにしてもよい。
また、優遇状態においてはAT昇格抽籤でAT状態を昇格させる(有利度合いを高める)か否かの決定を行う一方、非優遇状態においては当該抽籤がAT降格抽籤となるようにし、AT降格抽籤に当籤してしまった場合には、現在決定されているAT状態の段階が1段階降格するようにAT状態が更新されるものとしてもよい。すなわち、非優遇状態においてはAT降格抽籤でAT状態を降格させる(有利度合いを低める)か否かの決定が行われるものとしてもよい。
また、AT抽籤と同様、このAT昇格抽籤を、AT昇格抽籤実行抽籤と、AT昇格付与抽籤とに分けて抽籤を行うようにし、AT昇格付与抽籤は、AT昇格抽籤実行抽籤に当籤した場合にのみ行われるものとしてもよい。この場合、優遇状態と非優遇状態とで有利度合いを異ならせる手法は、AT抽籤と同様の手法を採用することができる。
続いて、前兆状態においても、通常状態と同様、打順や当籤役の種類にかかわらず、優遇カウンタを1減算する。また、前兆状態において、前兆ゲーム数カウンタの値が「1」である場合(すなわち、前兆状態の最終遊技である場合)、打順や当籤役の種類にかかわらず、前兆ゲーム数カウンタを1減算する(すなわち、前兆期間を進行させる)。また、これにより、次回遊技からAT状態に移行させる。
続いて、前兆状態においても、通常状態と同様、偏りベル以外の役に当籤した場合、及び偏りベルに当籤して左第1停止で停止操作が行われた場合には、優遇カウンタを1加算する。なお、前兆状態において、前兆ゲーム数カウンタの値が「1」である場合(すなわち、前兆状態の最終遊技である場合)には、次回遊技からAT状態に移行し、移行したAT状態では、基本的に優遇カウンタの値を用いた処理(優遇カウンタにかかわる処理)は行われないことから、この場合には、優遇カウンタを1加算する処理を行わないようにしてもよい。続いて、前兆状態においても、通常状態と同様、偏りベル以外の役に当籤した場合、及び偏りベルに当籤して左第1停止で停止操作が行われた場合には、通常ゲーム数カウンタを1加算する。
また、前兆状態において、偏りベル以外の役に当籤した場合、及び偏りベルに当籤して左第1停止で停止操作が行われた場合であって、前兆ゲーム数カウンタの値が「2」以上である場合(すなわち、前兆状態の最終遊技でない場合)、前兆ゲーム数カウンタを1減算する(すなわち、前兆期間を進行させる)。
すなわち、前兆状態においては、基本的に(最終遊技でない場合)、所定役(偏りベル)が当籤役として決定された遊技で特定態様(左第1停止)にて停止操作が行われた場合、及び当該所定役とは異なる役が当籤役として決定された場合に前兆状態の遊技期間を進行させ、当該所定役(偏りベル)が当籤役として決定された遊技で当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には前兆状態の遊技期間を進行させないものとしているが、最終遊技である場合には、当該所定役(偏りベル)が当籤役として決定された遊技で当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合であっても、前兆状態の遊技期間を進行させるものとしている。
なお、上述のとおり、遊技機全体の特性として、特定態様にて停止操作が行われた場合には遊技価値の付与が不利となる一方、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には遊技価値の付与が一方的に有利となると捉え、前兆状態においては、当籤役にかかわらず、基本的に(最終遊技でない場合)、特定態様(左第1停止)にて停止操作が行われた場合には前兆ゲーム数カウンタを1減算し、前兆状態の遊技期間を進行させる一方、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には前兆ゲーム数カウンタを1減算せず、前兆状態の遊技期間を進行させないものとしてもよい。また、この場合も、最終遊技である場合には、当該特定態様にて停止操作が行われたか否かにかかわらず前兆ゲーム数カウンタを1減算し、前兆状態の遊技期間を進行させるものとすればよい。
また、前兆状態において、偏りベル以外の役に当籤した場合、及び偏りベルに当籤して左第1停止で停止操作が行われた場合であって、前兆ゲーム数カウンタの値が「0」である場合(すなわち、前兆状態の最終遊技である場合)、最終ゲームAT昇格抽籤が行われる。当該抽籤は、前兆状態の最終遊技で行われ、AT状態の有利度合いを更新するか否か(AT状態の有利度合いを昇格させるか否か)を決定するための抽籤である。最終ゲームAT昇格抽籤は、例えば、図157に示す最終ゲームAT昇格抽籤テーブルを参照して行われ、現在のAT状態に応じて、当該テーブルに示す確率(抽籤値/256)で、AT状態の昇格先(AT2~4のいずれかへ昇格させること)、又は非当籤(AT状態を昇格させないこと)のいずれかが決定される。
なお、前兆状態においては、上述のとおり、優遇状態であればAT昇格抽籤が行われるものとなっているが、前兆状態の最終遊技では、通常のAT昇格抽籤とは異なる態様のAT昇格抽籤(最終ゲームAT昇格抽籤)がさらに行われ得るものとしている。すなわち、遊技者は、前兆状態において、少なくとも特定態様(左第1停止)にて停止操作を行っていれば、遊技ごとに通常のAT昇格抽籤をうけることができ、また、最終遊技では最終ゲームAT昇格抽籤をうけることができるようになっている。
もっとも、通常のAT昇格抽籤についてはこれを行わず、前兆状態において最終ゲームAT抽籤のみが行われるようにしてもよい。また、最終ゲームAT昇格抽籤を、最終遊技専用のAT昇格抽籤として構成せず、最終遊技において、偏りベル以外の役に当籤した場合、及び偏りベルに当籤して左第1停止で停止操作が行われた場合には、(優遇状態であるか否かにかかわらず)通常のAT昇格抽籤が行われるものとしてもよい。また、最終遊技においては、当籤役にかかわらず、左第1停止で停止操作が行われた場合には最終ゲームAT昇格抽籤が行われる一方、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には最終ゲームAT昇格抽籤が行われないものとしてもよい。
また、最終ゲームAT昇格抽籤は、例えば、AT当籤を報知する連続演出を設けた場合、当該連続演出中に、偏りベル以外の役に当籤した場合、及び偏りベルに当籤して左第1停止で停止操作が行われた場合には行われるものであってもよい(すなわち、連続演出中は毎ゲーム当該抽籤が行われ得るものとして、最終遊技以外であっても当該抽籤が行われ得るようにしてもよい)。
例えば、連続演出が4ゲームの間行われ得る(最終遊技でAT状態への移行が報知される)ものとした場合、前兆ゲーム数カウンタの値が「3」以下であれば、当該抽籤が行われ得るものし、また、この場合、前兆ゲーム数カウンタの値が「3」以下である場合には、打順や当籤役の種類にかかわらず、前兆ゲーム数カウンタが1減算されるように構成してもよい(前兆ゲーム数カウンタの値が「4」以上である場合には、偏りベル以外の役に当籤した場合、及び偏りベルに当籤して左第1停止で停止操作が行われた場合に前兆ゲーム数カウンタを1減算する)。すなわち、最終ゲームAT昇格抽籤が行われ、また、打順や当籤役の種類にかかわらず、前兆ゲーム数カウンタが1減算され得る処理が行われるのは最終遊技に限られず、最終遊技を含む一定の遊技期間(例えば、4ゲーム前など)であってもよいし、最終遊技を含まない一定の遊技期間(例えば、前兆開始から4ゲーム間など)であってもよい。
また、最終ゲームAT昇格抽籤においても、通常のAT昇格抽籤と同様に、当該抽籤によってAT状態の有利度合いを更新する(昇格させる)態様は、実質的に遊技者にとって有利度合いが高まる態様であれば、いずれの態様を採用することも可能である。
[15-2.第5の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図158を参照して、第5の遊技機の図柄配置構成について説明する。図158は、第5の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図158に示すように、第5の遊技機では、「黒BAR」、「赤BAR」、「紫7」、「上半円」、「下半円」、「ベル」、「リプ1」、「リプ2」、「リプ3」及び「リプ4」の10種類の図柄が、各リール(左リール3L,中リール3C,右リール3R)それぞれにおいて図158に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1~10が割り当てられている。
[15-3.第5の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図159~図163を参照して、第5の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図159は、第5の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図160は、第5の遊技機の内部当籤役と図柄組合せとの対応関係の一例を示す図である。また、図161及び図162は、第5の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図163は、第5の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。すなわち、以下では、第5の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
第5の遊技機では、上述の内部抽籤処理(図26参照)において、図159に示す各内部当籤役が、遊技状態に応じて設定された抽籤確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、図159に示す内部抽籤テーブルは、設定値が「設定1」である場合の内部抽籤テーブルの一例を示したものである。
ここで、第5の遊技機では、AT関連処理(AT状態に関連する処理であって、例えば、AT移行に関する各種制御処理やAT継続(延長)に関する各種制御処理)において、例えば、その一部の処理の有利度合いを設定値に応じて変動させ得る(例えば、設定値が高いほどATに移行しやすい、あるいは、奇数設定は偶数設定と比較してATが継続しやすい等)ものとし(図示は省略)、内部当籤役の抽籤確率は、各設定値間で共通となるように構成されているが、設定値間で遊技者の有利度合いを変動させる態様はこれに限られない。例えば、一部の役について、設定値間で抽籤確率(すなわち、抽籤値)を異ならせることで、遊技者の有利度合いを変動させるように構成することもできる。
また、図159に示す各内部当籤役に当籤した場合、それぞれにおいて、図160に示す対応関係によって表示が許可される図柄組合せが決定される。例えば、「F_共通リプ」が内部当籤役として決定された場合には、図柄組合せ「S_TLリプ」(RP01)の表示が許可される。また、例えば、「F_中段リプ」が内部当籤役として決定された場合には、図柄組合せ「S_TLリプ」(RP01)及び「S_中段リプ」(RP02)の表示が許可される。
なお、例えば、「F_特殊ベル3A」であるが、図159及び図160中に示すとおり、非フラグ間においては「RB」と重複して当籤するように構成されている(当籤番号「29」参照)ため、「RB+F_特殊ベル3A」と表記しているが、RBフラグ間においては、「RB」がすでに持越されており、「RB」が新たに内部当籤役として決定されることはないため、RBフラグ間では単に「F_特殊ベル3A」のみが当籤する内部当籤役となっている(より正確には、持越役としての「RB」は重複当籤しているが、停止制御によって「C_RB」(RB)が表示され得ないものとなっているので、外形上は「F_特殊ベル3A」のみが決定されたようになる)。
したがって、抽籤結果として当籤番号「29」(「RB+F_特殊ベル3A」)が決定された場合、非フラグ間においては、表記どおり「RB+F_特殊ベル3A」の内部当籤役となるが、RBフラグ間においては、実質的に「F_特殊ベル3A」の内部当籤役となる。もっとも、非フラグ間において「RB+F_特殊ベル3A」に当籤した場合であっても、「F_特殊ベル3A」に係る図柄組合せのほうを優先的に停止する制御が行われるので、最終的な遊技結果に変動はなく、結論としては同じものを示している。
上記の点は、「RB+F_特殊ベル3B」(当籤番号「30」参照)、「RB+F_特殊ベル4A」(当籤番号「31」参照)、「RB+F_特殊ベル4B」(当籤番号「32」参照)、「RB+F_特殊ベル5A」(当籤番号「33」参照)、「RB+F_特殊ベル5B」(当籤番号「34」参照)、「RB+F_特殊ベル6A」(当籤番号「35」参照)、「RB+F_特殊ベル6B」(当籤番号「36」参照)、及び「RB+F_共通1枚」(当籤番号「37」参照)についても同様である。なお、非フラグ間において「RB」のみ(当籤番号「38」参照)に当籤した場合には、後述のとおり、各リールで押下位置正解であれば、「C_RB」が表示される場合がある。
また、図160中に示す各図柄組合せは、図161及び図162に示すとおりである。なお、図161及び図162中、「表示役」の「内容」欄において、「RB」はボーナス役に係る図柄組合せであることを示し、「RP」はリプレイ役に係る図柄組合せであることを示し、「NM」は小役に係る図柄組合せであることを示している。
また、図161及び図162中、「図柄の組合せ」欄において、「○○/○○」は複数種類の図柄が規定されることを示している。例えば、「S_HDSリプBL」(RP19)は、「図柄の組合せ」欄において、「紫7-紫7-リプ1/リプ2(/)リプ3/リプ4」と規定されている。これは、右リールについては4種類の図柄が規定されており、「紫7-紫7-リプ1」、「紫7-紫7-リプ2」、「紫7-紫7-リプ3」、及び「紫7-紫7-リプ4」の4種類の図柄組合せのいずれもが「S_HDSリプBL」(RP19)の図柄組合せとなることを示している。他の図柄組合せについても同様である。
また、図159に示す各内部当籤役に当籤した場合、それぞれにおいて、図163に示す停止操作態様(打順)との対応関係によって最終的に表示される図柄組合せが決定される。なお、図163において、例えば、「TLリプ」は、「S_TLリプ」(RP01)に対応するものであり、「CLリプ」は、「S_中段リプ」(RP02)に対応するものである(図161及び図162参照)。
また、例えば、「チャンスリプ」は、「S_チャンスリプ」(RP03)に対応するものであり、「GODリプ」は、「C_GODリプ」(RP04)に対応するものであり、「フェイクリプ(弱)」は、「S_フェイクリプA1」(RP05)~「S_フェイクリプA4」(RP08)に対応するものであり、「フェイクリプ(強)」は、「S_フェイクリプB」(RP09)に対応するものである(図161及び図162参照)。
また、例えば、「紫7リプ」は、「S_紫7リプCL」(RP12)~「S_紫7リプTL」(RP14)及び「S_紫7リプBL」(RP23)に対応するものであり、「HDSリプ」は、「S_HDSリプBL」(RP19)~「S_HDSリプXU」(RP22)に対応するものである(図161及び図162参照)。なお、「S_共通A」(RP10)、「S_共通B」(RP11)、及び「S_ミリリプBBT」(RP15)~「S_ミリリプT2」(RP18)は、例えば、「紫7リプ」や「HDSリプ」を停止させるべき場面でこれらの図柄組合せを引き込めないときに、代わりに表示される図柄組合せとなっており、これらと同様の役割が付与された図柄組合せとなっている。
また、例えば、「BLベル」は、「S_BLベル」(NM01)に対応するものであり、「XDベル」は、「S_XDベル」(NM02)に対応するものであり、「CLベル」は、「C_CLベル」(NM03)に対応するものであり、「TLベル」は、「S_TLベル」(NM04)に対応するものであり、「XUベル」は、「C_XUベル」(NM05)に対応するものである(図161及び図162参照)。また、これらの図柄組合せが表示された場合、払出は8枚となることから、これらは「8枚入賞」に対応する図柄組合せであるとも言い得る。
なお、「BL」は「ボトムライン」(下段ライン)、「XD」は「クロスダウン(ライン)」(右下がりライン)、「CL」は「センターライン」(中段ライン)、「TL」は「トップライン」(上段ライン)、「XU」は「クロスアップ(ライン)」(右上がりライン)、をそれぞれ表したものである。すなわち、例えば、「CLベル」とは、各リールの中段に「ベル」図柄が表示可能であることを示している。このような観点より、「BLベル」は「下段ベル」と称することもでき、「XDベル」は「右下ベル」と称することもでき、「CLベル」は「中段ベル」と称することもでき、「TLベル」は「上段ベル」と称することもでき、「XUベル」は「右上ベル」と称することもできる。
また、「3枚入賞」は、「S_小Vベル」(NM06)の図柄組合せが表示されること表している(図161及び図162参照)。また、「紫7フェイク」は、「S_3rdテンパイ1」(NM31)及び「S_3rdテンパイ2」(NM32)のうち、いずれかの図柄組合せが表示されることを表している(図161及び図162参照)。また、「HDSフェイク」は、「S_HDSテンパイA」(NM33)及び「S_HDSテンパイB」(NM34)のうち、いずれかの図柄組合せが表示されることを表している(図161及び図162参照)。
また、「1枚入賞」は、「S_1st1」(NM07)~「C_通常1枚」(NM37)のうち、内部当籤役の種類に応じて表示が許可されたいずれかの図柄組合せが表示されることを表している(図161及び図162参照)。
また、「1/2で1枚入賞」とは、例えば、第2停止操作又は第3停止操作において、全体の停止操作タイミングのうちの1/2の停止操作タイミングが押下位置正解となり、当該停止操作タイミングで停止操作が行われた場合に「1枚入賞」が発生する一方、押下位置不正解となる残り1/2の停止操作タイミングで停止操作が行われた場合には取りこぼしが発生して払出が0枚となることを表している。
また、「1/4で1枚入賞」とは、例えば、第2停止操作及び第3停止操作のそれぞれにおいて、全体の停止操作タイミングのうちの1/2の停止操作タイミングが押下位置正解となり、当該停止操作タイミングでそれぞれの停止操作が行われた場合に「1枚入賞」が発生する一方、いずれかの停止操作で押下位置不正解となる残り1/2の停止操作タイミングで停止操作が行われた場合には取りこぼしが発生して払出が0枚となることを表している。
また、図163において、例えば、打順1は「1→2→3」(左→中→右)の押し順に対応し、打順2は「1→3→2」(左→右→中)の押し順に対応し、打順3は「2→1→3」(中→左→右)の押し順に対応し、打順4は「2→3→1」(中→右→左)の押し順に対応し、打順5は「3→1→2」(右→左→中)の押し順に対応し、打順6は「3→2→1」(右→中→左)の押し順に対応している。また、打順1及び打順2を「順押し」と総称する場合があり、打順3~6を「変則押し」として総称する場合がある。
なお、第5の遊技機においては、例えば、指示情報(換言すれば、報知される停止操作の情報の内容)として、指示情報「0」(指示なし)、指示情報「1」(「左→中→右」を報知)、指示情報「2」(「左→右→中」を報知)、指示情報「3」(「中→左→右」を報知)、指示情報「4」(「中→右→左」を報知)、指示情報「5」(「右→左→中」を報知)、及び指示情報「6」(「右→中→左」を報知)が規定されており、少なくともAT状態においては、必要に応じてこれらのいずれかの指示情報が決定される。
「F_通常リプ1」又は「F_通常リプ2」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「TLリプ」が表示され、打順3又は打順4で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「HDSリプ」が表示され、打順5又は打順6で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「紫7リプ」が表示される。いずれの場合にも、リプレイ(再遊技)が付与される。
また、「F_通常リプ1」又は「F_通常リプ2」が当籤した場合、ED以外のAT状態においては、指示情報として「0」又は「1」が決定され、EDであるAT状態においては、指示情報として「2」が決定されるものとすることができる。
「F_共通リプ」が当籤した場合、停止操作態様にかかわらず「TLリプ」が表示され、リプレイ(再遊技)が付与される。また、「F_共通リプ」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「0」~「6」のうちいずれかが決定されるものとすることができる。
「F_GODリプ」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「GODリプ」が表示され、打順3~6のいずれかで停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「TLリプ」が表示される。いずれの場合にも、リプレイ(再遊技)が付与される。また、「F_GODリプ」が当籤した場合、ED以外のAT状態においては、指示情報として「1」又は「2」が決定され(あるいは、指示情報「0」が決定されるものとしてもよい)、EDであるAT状態においては、指示情報として「6」が決定されるものとすることができる。
「F_冥王リプ」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「HDSリプ」が表示され、打順3~6のいずれかで停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「TLリプ」が表示される。いずれの場合にも、リプレイ(再遊技)が付与される。また、「F_GODリプ」が当籤した場合、ED以外のAT状態においては、指示情報として「1」又は「2」が決定され(あるいは、指示情報「0」が決定されるものとしてもよい)、EDであるAT状態においては、指示情報として「6」が決定されるものとすることができる。
「F_紫7リプ」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「紫7リプ」が表示され、打順3~6のいずれかで停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「TLリプ」が表示される。いずれの場合にも、リプレイ(再遊技)が付与される。また、「F_紫7リプ」が当籤した場合、ED以外のAT状態においては、指示情報として「1」又は「2」が決定され(あるいは、指示情報「0」が決定されるものとしてもよい)、EDであるAT状態においては、指示情報として「6」が決定されるものとすることができる。
「F_フェイクリプA」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「フェイクリプ(弱)」が表示され、打順3~6のいずれかで停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「TLリプ」が表示される。いずれの場合にも、リプレイ(再遊技)が付与される。また、「F_フェイクリプA」が当籤した場合、ED以外のAT状態においては、指示情報として「1」又は「2」が決定され(あるいは、指示情報「0」が決定されるものとしてもよい)、EDであるAT状態においては、指示情報として「6」が決定されるものとすることができる。
「F_フェイクリプB」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「フェイクリプ(強)」が表示され、打順3~6のいずれかで停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「TLリプ」が表示される。いずれの場合にも、リプレイ(再遊技)が付与される。また、「F_フェイクリプB」が当籤した場合、ED以外のAT状態においては、指示情報として「1」又は「2」が決定され(あるいは、指示情報「0」が決定されるものとしてもよい)、EDであるAT状態においては、指示情報として「6」が決定されるものとすることができる。
「F_中段リプ」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「CLリプ」が表示され、打順3~6のいずれかで停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「TLリプ」が表示される。いずれの場合にも、リプレイ(再遊技)が付与される。また、「F_中段リプ」が当籤した場合、ED以外のAT状態においては、指示情報として「1」又は「2」が決定され(あるいは、指示情報「0」が決定されるものとしてもよい)、EDであるAT状態においては、指示情報として「6」が決定されるものとすることができる。
「F_チャンスリプ」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「チャンスリプ」が表示され、打順3~6のいずれかで停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「TLリプ」が表示される。いずれの場合にも、リプレイ(再遊技)が付与される。また、「F_チャンスリプ」が当籤した場合、ED以外のAT状態においては、指示情報として「1」又は「2」が決定され(あるいは、指示情報「0」が決定されるものとしてもよい)、EDであるAT状態においては、指示情報として「6」が決定されるものとすることができる。
「F_RB中1枚」が当籤した場合、停止操作態様にかかわらず「1枚入賞」となる。なお、AT状態においてRB遊技状態となることは想定されていないため、指示情報は決定されない(あるいは、指示情報として「0」が決定されるものとしてもよい)。また、これは、以下の「F_RB中ALL」やRB遊技状態において他の役が当籤した場合についても同様である。
「F_RB中ALL」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「BLベル」が表示され、打順3で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「XDベル」が表示され、打順4で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「CLベル」が表示され、打順5で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「TLベル」が表示され、打順6で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「XUベル」が表示される。
「F_XUベル」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「XUベル」が表示され、打順3で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「XDベル」が表示され、打順4で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「CLベル」が表示され、打順5で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「TLベル」が表示され、打順6で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「XUベル」が表示される。
また、「F_XUベル」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「0」~「6」のうちいずれかが決定されるものとすることができる。なお、ED以外のAT状態においては、指示情報として「1」又は「2」が決定され(あるいは、指示情報「0」が決定されるものとしてもよい)、EDであるAT状態においては、指示情報として「3」又は「5」が決定されるものとしてもよい。
「F_CLベル」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「CLベル」が表示され、打順3で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「XDベル」が表示され、打順4で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「CLベル」が表示され、打順5で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「TLベル」が表示され、打順6で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「XUベル」が表示される。
また、「F_CLベル」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「0」~「6」のうちいずれかが決定されるものとすることができる。なお、ED以外のAT状態においては、指示情報として「1」又は「2」が決定され(あるいは、指示情報「0」が決定されるものとしてもよい)、EDであるAT状態においては、指示情報として「3」又は「5」が決定されるものとしてもよい。
「F_共通ベル」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「BLベル」が表示され、打順3で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「XDベル」が表示され、打順4で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「CLベル」が表示され、打順5で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「TLベル」が表示され、打順6で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「XUベル」が表示される。
また、「F_共通ベル」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「0」~「6」のうちいずれかが決定される(あるいは、指示情報「0」が決定されるものとしてもよい)ものとすることができる。なお、ED以外のAT状態においては、指示情報として「1」又は「2」が決定され(あるいは、指示情報「0」が決定されるものとしてもよい)、EDであるAT状態においては、指示情報として「3」又は「5」が決定されるものとしてもよい。
「F_3択ベル1」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「BLベル」が表示され、打順3~6で停止操作が行われた場合には「1/2で1枚入賞」となる。また、「F_3択ベル1」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「1」が決定される(あるいは、指示情報として「1」又は「2」が決定される)ものとすることができる。
「F_3択ベル2」が当籤した場合、打順3又は打順4で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「XDベル」が表示され、打順1、打順2、打順5又は打順6で停止操作が行われた場合には「1/2で1枚入賞」となる。また、「F_3択ベル2」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「3」が決定される(あるいは、指示情報として「3」又は「4」が決定される)ものとすることができる。
「F_3択ベル3」が当籤した場合、打順5又は打順6で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「TLベル」が表示され、打順1~4で停止操作が行われた場合には「1/2で1枚入賞」となる。また、「F_3択ベル3」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「5」が決定される(あるいは、指示情報として「5」又は「6」が決定される)ものとすることができる。
「F_打順ベル3A」又は「F_打順ベル3B」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には「1枚入賞」となり、打順3で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「XDベル」が表示され、打順4で停止操作が行われた場合には「1/2で1枚入賞」となり、打順5又は打順6で停止操作が行われた場合には「1/4で1枚入賞」となる。また、「F_打順ベル3A」又は「F_打順ベル3B」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「3」が決定されるものとすることができる。
「F_打順ベル4A」又は「F_打順ベル4B」が当籤した場合、打順1~3で停止操作が行われた場合には「1/2で1枚入賞」となり、打順4で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「CLベル」が表示され、打順5又は打順6で停止操作が行われた場合には「1/4で1枚入賞」となる。また、「F_打順ベル4A」又は「F_打順ベル4B」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「4」が決定されるものとすることができる。
「F_打順ベル5A」又は「F_打順ベル5B」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には「1枚入賞」となり、打順3又は打順4で停止操作が行われた場合には「1/4で1枚入賞」となり、打順5で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「TLベル」が表示され、打順6で停止操作が行われた場合には「1/2で1枚入賞」となる。また、「F_打順ベル5A」又は「F_打順ベル5B」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「5」が決定されるものとすることができる。
「F_打順ベル6A」又は「F_打順ベル6B」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には「1枚入賞」となり、打順3又は打順4で停止操作が行われた場合には「1/4で1枚入賞」となり、打順5で停止操作が行われた場合には「1/2で1枚入賞」となり、打順6で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「XUベル」が表示される。また、「F_打順ベル6A」又は「F_打順ベル6B」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「6」が決定されるものとすることができる。
「F_排他1枚1」又は「F_排他1枚2」が当籤した場合には「1/2で1枚入賞」となる。また、「F_排他1枚1」又は「F_排他1枚2」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「0」が決定されるものとすることができる。
「(RB+)F_特殊ベル3A」又は「(RB+)F_特殊ベル3B」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には「1枚入賞」となり、打順3で停止操作が行われた場合には「3枚入賞」となり、打順4で停止操作が行われた場合には「1/2で1枚入賞」となり、打順5又は打順6で停止操作が行われた場合には「1/4で1枚入賞」となる。また、「(RB+)F_特殊ベル3A」又は「(RB+)F_特殊ベル3B」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「3」が決定されるものとすることができる。
「(RB+)F_特殊ベル4A」又は「(RB+)F_特殊ベル4B」が当籤した場合、打順1~3で停止操作が行われた場合には「1/2で1枚入賞」となり、打順4で停止操作が行われた場合には「3枚入賞」となり、打順5又は打順6で停止操作が行われた場合には「1/4で1枚入賞」となる。また、「(RB+)F_特殊ベル4A」又は「(RB+)F_特殊ベル4B」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「4」が決定されるものとすることができる。
「(RB+)F_特殊ベル5A」又は「(RB+)F_特殊ベル5B」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には「1枚入賞」となり、打順3又は打順4で停止操作が行われた場合には「1/4で1枚入賞」となり、打順5で停止操作が行われた場合には「3枚入賞」となり、打順6で停止操作が行われた場合には「1/2で1枚入賞」となる。また、「(RB+)F_特殊ベル5A」又は「(RB+)F_特殊ベル5B」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「5」が決定されるものとすることができる。
「(RB+)F_特殊ベル6A」又は「(RB+)F_特殊ベル6B」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には「1枚入賞」となり、打順3又は打順4で停止操作が行われた場合には「1/4で1枚入賞」となり、打順5で停止操作が行われた場合には「1/2で1枚入賞」となり、打順6で停止操作が行われた場合には「3枚入賞」となる。また、「(RB+)F_特殊ベル6A」又は「(RB+)F_特殊ベル6B」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「6」が決定されるものとすることができる。
「(RB+)F_共通1枚」が当籤した場合、打順1又は打順2で停止操作が行われた場合には「1枚入賞」となり、打順3又は打順4で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「HDSフェイク」が表示され(あるいは、「HDSフェイク」以外の「1枚入賞」が発生する場合があってもよい)、打順5又は打順6で停止操作が行われた場合には、押下位置にかかわらず「紫7フェイク」が表示される(あるいは、「紫7フェイク」以外の「1枚入賞」が発生する場合があってもよい)。また、「(RB+)F_共通1枚」が当籤した場合、AT状態においては、指示情報として「0」が決定されるものとすることができる。
なお、第5の遊技機においては、押し順小役(例えば、「F_打順ベル3A」~「F_打順ベル6B」や「F_特殊ベル3A」~「F_特殊ベル6B」)を、左第1停止に正解打順がないいわゆる偏りベルとして構成しているが、左第1停止に正解打順がある6択の押し順小役として構成することもできる。また、正解打順となる打順数(択数)や打順正解時に付与される遊技価値数も適宜変形可能である。なお、打順正解時に付与される遊技価値数は、少なくともベット数(3枚)以上で、上限(15枚)以下の範囲内において設定されることが望ましい。
また、図163において、「1枚入賞」となるところは、適宜「1/2で1枚入賞」や「1/4で1枚入賞」となるように変形可能であり、「1/2で1枚入賞」となるところは、適宜「1枚入賞」や「1/4で1枚入賞」となるように変形可能であり、「1/4で1枚入賞」となるところは、適宜「1枚入賞」や「1/2で1枚入賞」となるように変形可能である。
また、図159に示す内部抽籤テーブル、図160に示す内部当籤役と図柄組合せとの対応関係、図161及び図162に示す図柄組合せテーブル、及び図163に示す内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係はあくまで一例であり、第5の遊技機の仕様は、これらに示した態様に限定されるものではない。
[15-4.第5の遊技機の遊技開始時の特別演出の演出例]
続いて、図164及び図165を参照して、第5の遊技機の遊技開始時の特別演出の演出例について説明する。なお、図164は、例えば、通常状態において「中段ベル」に当籤し、中段ベル確定抽籤に当籤しなかった(非当籤であった)場合の演出例を示す図であり、図165は、例えば、通常状態において「中段ベル」に当籤し、中段ベル確定抽籤に当籤した場合の演出例を示す図である。
ここで、本例においては、例えば、メイン演出表示部21において、演出図柄(例えば、「0」~「9」の数字。これはあくまで一例であり、アルファベットやキャラクタなどであってもよい)が変動表示する様子が示される変動演出が行われ得るものとなっている。変動演出は、遊技者の開始操作に応じて各表示列の変動表示が開始され、遊技者の停止操作に応じて対応する表示列の変動表示が停止し、最終的に停止した演出図柄の組合せによって種々の情報を遊技者に報知ないし示唆することを可能とするものである。
例えば、次回遊技からCZ状態に移行する場合には、今回遊技において、第1停止時に対応する表示列で「0」が停止し、第2停止時に対応する表示列で「0」が停止し(「0」がテンパイし)、第3停止時に対応する表示列で「0」が停止する(「0」揃いとなる)ことで、CZ状態に移行することが報知される。なお、CZ前兆状態を設ける場合、CZ前兆状態においては、「0」テンパイが複数回表示されるなどとして、CZ状態への移行期待度を示唆することが可能である。また、これは「9」の演出図柄を用いて行うこともできる。この場合、例えば、「0」揃いよりも「9」揃いのほうが、移行するCZ状態の有利度合いが高くなりやすいなどとしてCZ状態の有利度合いを示唆することも可能である。また、CZ前兆状態においては、「0」テンパイよりも「9」テンパイの回数が多いほうがCZ状態の有利度合いが高くなりやすいなどとして、CZ状態の有利度合いを含むCZ状態への移行期待度を示唆することも可能である。
また、例えば、次回遊技からAT状態に移行する場合には、今回遊技において、第1停止時に対応する表示列で「7」が停止し、第2停止時に対応する表示列で「7」が停止し(「7」がテンパイし)、第3停止時に対応する表示列で「7」が停止する(「7」揃いとなる)ことで、AT状態に移行することが報知される。
ここで、本例では、前兆状態を経てAT状態に移行する場合、前兆ゲーム数カウンタが「1」である遊技で、必ず上述のように演出図柄が所定態様で揃って(例えば、「7」揃いとなって)、AT状態に移行することが報知されるように構成されている。そして、本例では、前兆ゲーム数カウンタが「1」である遊技においては、打順や当籤役の種類にかかわらず、全停止後の処理として前兆ゲーム数カウンタを1減算するようにしている(図156参照)。これは、前兆ゲーム数カウンタが「1」である場合にも、左第1停止以外で停止操作が行われて前兆ゲーム数カウンタの更新が行われないとすると、演出図柄が所定態様で揃っているのに(あるいは、演出の流れ上、今回遊技で演出図柄が所定態様で揃うはずであるのに)、AT状態には移行しないといった状況が発生してしまう可能性があるので、これを防止するためである。このようにすることで、変動演出によってAT状態に移行することを報知しつつ、適切にAT状態への移行処理を行うことが可能となっている。
なお、前兆状態においては、「7」テンパイが複数回表示されるなどとして、AT状態への移行期待度を示唆することが可能である。また、これらの報知ないし示唆は、「1」、「3」、及び「5」の演出図柄を用いて行うこともできる。この場合、例えば、「1」揃い、「3」揃い、「5」揃い、「7」揃いの順で、順次移行するAT状態の有利度合いが高くなりやすいなどとしてAT状態の有利度合いを示唆することも可能である。また、前兆状態においては、「1」テンパイ、「3」テンパイ、「5」テンパイ、「7」テンパイの順で、順次期待度が高くなるようにし、相対的に表示された回数が多かったものによって、AT状態の有利度合いを含むAT状態への移行期待度を示唆することも可能である。
また、「1」、「3」、「5」及び「7」の演出図柄が表示されやすくなることによって、前兆状態中である可能性が高くなる、高確モード中である可能性が高くなる、あるいは、天井ゲーム数の到達が近い可能性が高くなるなど、遊技者の種々の有利度合いを示唆することも可能である。また、「7-5-3」(「シチゴサン」といった語呂合わせ)、「5-3-5」(ハサミテンパイ)や「1-3-3」(中右テンパイ)といった一定の法則性をもった演出図柄の組合せが表示される(表示される頻度が高くなる)ことで、これらの可能性がより高くなることが推測可能となるといったように構成することも可能である。
また、例えば、「8枚入賞」や「3枚入賞」、あるいは「1枚入賞」などが発生した場合、「2」揃い、「4」揃い、「6」揃い、及び「8」揃いのいずれかが表示されることで、小役の入賞を報知することも可能である(リプレイ役についても同様)。また、この場合、例えば、揃う演出図柄の種類によって、当籤役や付与された遊技価値量などを報知ないし示唆することも可能である。
なお、例えば、偶数の演出図柄でテンパイや揃いなどが発生しない場合(「2-4-6」や「8-4-2」などのバラケ目、「8-4-8」などのハサミテンパイ、あるいは、「6-2-2」などの中右テンパイ形を含む)、基本的には、遊技者にとって有益な情報は報知ないし示唆されないものとなっている。
このような法則性の下、本例においては、少なくとも通常状態や前兆状態においては、例えば、遊技ごとに変動演出を実行可能とし、変動演出の演出内容が現在の遊技状況に応じて予め決定されるようにする。
そして、偏りベルが当籤役として決定された遊技において、左第1停止で停止操作が行われた場合には、決定された演出内容にしたがって各表示列の演出図柄が停止表示され、最終的に表示された演出図柄の組合せによって上述のような有益な情報が報知ないし示唆され得るようにする。すなわち、変動演出の演出内容によって、遊技者の有利度合いが示唆可能となるようにする。
一方、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には、最終的に表示される演出図柄の組合せを変更し(すなわち、演出内容を書き換え)、上述のような有益な情報が報知ないし示唆され得る演出図柄の組合せは表示されないようにする。すなわち、変動演出の演出内容によって、遊技者の有利度合いが示唆可能とならないようにする。
なお、変動演出を実行可能な遊技であっても、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には変動演出が実行されないようにすることで、遊技者の有利度合いが示唆可能とならないようにしてもよい。
例えば、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には、メイン演出表示部21の表示画面全体を暗転させて変動演出を実行しないようにしてもよい。また、メイン演出表示部21の表示画面全体を暗転させるとともに、「変則押しされました」などの注意喚起表示を出すようにしてもよい。また、メイン演出表示部21の表示画面の明るさを通常の明るさよりも暗くするようにしてもよい。すなわち、変動演出が実行されるときとは異なる演出表示が行われるようにしてもよい。
また、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には、遊技者の有利度合いが示唆可能とならないように、変動演出における最終的に表示される演出図柄の組合せを変更することに加え、メイン演出表示部21の表示画面の明るさを通常の明るさよりも暗くし、「変則押しされました」などの注意喚起表示を出すようにしてもよい。すなわち、遊技者の有利度合いが示唆可能とならないように演出を制御する態様は、どのような態様を採用することもできる。
なお、例えば、メイン演出表示部21の表示画面全体を暗転させる、あるいは、明るさを暗くするタイミングは、第1停止操作時(第1停止操作において、ストップボタンがON状態となったとき、又は、ストップボタンがON状態となった後OFF状態に変移したとき)であることが望ましい。
また、例えば、メイン演出表示部21の表示画面全体を暗転させた、あるいは、明るさを暗くした後(すなわち、示唆不能状態とした後)、通常の表示画面に(すなわち、示唆可能状態に)復帰させるタイミングは、当該遊技の第3停止操作後(第3停止操作において、ストップボタンがON状態となった後OFF状態に変移したとき)であってもよいし、当該遊技の第3停止操作後から所定時間を経過したときであってもよい。また、次回遊技のベット操作時(当該遊技で再遊技が発生していた場合には自動投入時)であってもよいし、次回遊技の開始操作時であってもよい。
また、当該遊技で偏りベルが当籤役として決定され、左第1停止以外で停止操作が行われたことに応じて示唆不能状態とした後、次回遊技が開始され、その次回遊技で偏りベルが当籤役として決定された場合には示唆不能状態を継続させ、その次回遊技において左第1停止で停止操作が行われた場合には示唆可能状態に復帰させる一方、その次回遊技において左第1停止以外で停止操作が行われた場合にはさらに次回の遊技まで示唆不能状態を継続させるようにしてもよい。なお、当該遊技で偏りベルが当籤役として決定され、左第1停止以外で停止操作が行われたことに応じて示唆不能状態とした後、次回遊技が開始され、その次回遊技で偏りベル以外が当籤役として決定された場合には、それをもって(開始操作時に)示唆可能状態に復帰させるようにしてもよい。
また、BGMについても、左第1停止以外で停止操作が行われた場合にはこれが出力されない(あるいは、出力していたBGMを停止する)ようにしてもよいし、BGMの出力パターンが変更されることで、通常とは異なる態様のBGMが出力されるようにしてもよい。また、ランプ(例えば、上部ランプ23や腰部パネル13など)についても、左第1停止以外で停止操作が行われた場合にはこれが発光されない(あるいは、発光が停止して消灯する)ようにしてもよいし、ランプの発光パターンが変更されることで、通常とは異なる態様でランプが発光されるようにしてもよい。また、BGMの出力や、ランプの発光を復帰させるタイミングは、表示画面を復帰させるタイミングと同じであってもよいし、異なるタイミングであってもよい。
また、左第1停止以外で停止操作が行われて「8枚入賞」が発生した(すなわち、打順正解となってベルが入賞した)場合には、入賞音を出力しないようにしてもよいし、これが通常のものよりも小さい音量で出力されるようにしてもよい。また、入賞音を出力しない場合、「変則押しされました」などの音声が出力されるようにしてもよい。また、例えば、入賞の発生によって発光する入賞ランプなどが設けられている場合、左第1停止以外で停止操作が行われて「8枚入賞」が発生した場合には、その入賞ランプを発光させないようにしてもよいし、通常とは異なる態様(例えば、異なる表示色とするなど)で発光させる(発光の態様を変更する)ようにしてもよい。
すなわち、左第1停止で停止操作が行われ、当該遊技を示唆可能状態とする場合、当該遊技においては各種の演出実行手段のうちの少なくともいずれかを用いて各種演出を実行可能とすればよく、また、左第1停止以外で停止操作が行われ、当該遊技を示唆不能状態とする場合、当該遊技においては各種の演出実行手段のうちの少なくともいずれかで演出を実行しない、あるいはその演出内容が変更されるようにすればよい。
このようにすれば、実際の遊技状況(例えば、偏りベルが当籤役として決定された遊技において、左第1停止で停止操作が行われた場合には優遇状態に制御され、あるいは、上述の各種抽籤が実行されることを可能とする一方、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には非優遇状態に制御され、あるいは、上述の各種抽籤が実行されない場合があるなど)に沿って適切な演出(例えば、変動演出)を行うことが可能となる。
その一例について説明する。例えば、偏りベルに当籤した遊技において、すでに述べたもののうち、いずれかの有利な遊技状況が発生していたとする。そこで、変動演出では、それを報知ないし示唆するため、変動演出の演出内容として「7-5-3」が表示されることが決定されていたとする。この場合、左第1停止で停止操作が行われた場合には、例えば、図164に示すような流れで最終的に「7-5-3」が表示される。
一方、ここで、左第1停止以外で停止操作が行われたとする。このとき、例えば、「右→中→左」の順で停止操作が行われるとした場合、演出内容は、第1停止時に対応する表示列(右表示列)で「6」が停止し、第2停止時に対応する表示列(中表示列)で「4」が停止し、第3停止時に対応する表示列(左表示列)で「2」が停止するといったものに変更される。
なお、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合に遊技者の有利度合いを示唆可能とし、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合に遊技者の有利度合いを示唆可能としない演出は、上述の変動演出のような演出に限られない。上述のものはあくまで一例であり、実行可能なその他の単発演出、連続演出、あるいは操作連動演出などの種々の演出についても同様に制御することが可能である。
遊技開始時の特別演出の演出例の説明に戻る。図164に示すように、「中段ベル」に当籤したが、中段ベル確定抽籤に当籤しなかった(非当籤であった)場合には、例えば、遊技者による開始操作が行われた(遊技開始条件が成立した)場合に、各リールの回転開始と連動して、変動演出の変動表示も開始される。
続いて、例えば、左第1停止で第1停止操作が行われた場合、リール3Lが停止するのと連動して、変動演出における左表示列も停止表示される。ここでは、「7」の演出図柄が停止表示されている。また、中第2停止で第2停止操作が行われた場合、リール3Cが停止するのと連動して、変動演出における中表示列も停止表示される。ここでは、「5」の演出図柄が停止表示されている。また、右第3停止で第3停止操作が行われた場合、リール3Rが停止するのと連動して、変動演出における右表示列も停止表示される。ここでは、「3」の演出図柄が停止表示されている。
そして、メイン演出表示部21では、「7-5-3」が表示された後(あるいはこれと並んで表示されるように)、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状況であることを示唆可能な表示(図164中、「CHANCE!」の表示)が行われている。
一方、図165に示すように、「中段ベル」に当籤し、中段ベル確定抽籤に当籤した場合には、図164に示した演出進行の流れに加え、遊技者による開始操作が行われた(遊技開始条件が成立した)ときに(少なくとも、遊技者による停止操作が行われる前に)、特別演出が実行されるものとなっている。
なお、図165に示す一例では、例えば、遊技者による開始操作が行われた(遊技開始条件が成立した)場合には、変動演出の変動表示が行われる前に(あるいはこれと並んで表示されるように)、特別演出としての、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状況であることを示唆する表示(図165中、「激熱!?」の表示)が行われている。
このように、本例では、図165に示す一例の如く、通常の演出の流れに加え、遊技が開始されるときには、さらに特別演出を実行可能としたことから、上述のとおり、基本的に、遊技が終了するとき(第3停止後)に各種の抽籤が行われるように構成した場合であっても、遊技が開始されるときの演出の頻度が低くなることに起因して遊技の興趣が低下してしまうことを防止でき、むしろ遊技の興趣を向上させることを可能としているのである。
なお、例えば、中段ベル確定抽籤に当籤した場合に、次回遊技からAT状態に移行させる場合には、遊技開始時の表示(特別演出)によってそれが確定的に報知されてもよいし、第3停止後の表示によってそれが確定的に報知されてもよい。また、双方によってそれが確定的に報知されてもよい。また、遊技開始時の表示(特別演出)では、例えば、「第3停止後に注目」といった表示が行われ、第3停止後の表示によってAT状態の移行が確定的に報知されるものとしてもよい。すなわち、特別演出は、単体によって遊技者の有利度合いを報知ないし示唆するものであってもよいし、他の演出(変動演出も含む)と連動して遊技者の有利度合いを報知ないし示唆するものであってもよい。
[15-5.第5の遊技機の遊技性の変形例]
続いて、図166及び図167を参照して、第5の遊技機の遊技性の変形例について説明する。
(第5の遊技機の遊技性の変形例1:CZ抽籤)
本例においては、例えば、通常状態や前兆状態において、遊技ごとにCZ抽籤が行われ、これに当籤した場合には、CZ状態が付与されることについて説明した(図155~図157等参照)。また、例えば、非有利区間から有利区間に移行する場合には、基本的にCZ状態に制御されるといったように、所定のCZ移行条件が成立した場合にもCZ状態が付与されることについて説明した。また、非優遇状態に制御されている場合には、優遇状態に制御されている場合よりもCZ状態の付与を不利とすることが可能である点についても説明した。
本変形例1では、特定態様(左第1停止)にて停止操作が行われた場合、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合、当該特定態様にて停止操作が行われた場合よりも遊技者の有利度合いを不利とすることが可能であるとの基本的な遊技性はそのままに、上述のものとは異なる手法を用いてこれを実現可能としたものである。
なお、本変形例1では、そのような手法を用いた制御の対象をCZ抽籤としているが、例えば、AT抽籤やAT昇格抽籤などの他の各種抽籤をその対象とすることも可能である。すなわち、本変形例1は、上述の優遇制御の別制御例であるとも言い得るし、優遇する(あるいは非優遇とする)対象は種々の特典とすることも可能である。もっとも、基本的な優遇制御は上述のものをそのまま適用し、CZ抽籤に係る優遇制御のみ本変形例1の仕様を採用することも可能である。
図166に示すように、本変形例1では、制御用カウンタを設ける。制御用カウンタは、例えば、ある時点からある時点までの遊技価値量の推移を管理するものであり、本変形例1では、その一例として、初期値が「4500」に設定され、有利区間中の100ゲーム間の遊技価値量の推移を管理可能とする。なお、初期値は、例えば、有利区間が開始したときにセットされ、有利区間が終了したときにクリアされるものとする。また、この値はあくまで一例であり、任意の値が設定可能である。また、有利区間払出数カウンタを、負の値についてもカウント可能となるように構成し、これを制御用カウンタとして用いることも可能である。
例えば、有利区間が開始してから(ゲーム数「0」から)、100ゲームを経過するまで、遊技者が全て順押し(ここでは「左第1停止」とする)で遊技を行ったとする。この場合、各役の当籤確率や払出数などを総合してシミュレーションすると、カウンタ値(期待値)は、約「4347」となり、初期値からの差分は「-153」(枚)となる。
また、同様の状況で、遊技者が打順均等で遊技を行ったとする。なお、「打順均等」とは、全ての打順(打順1~6)を均等(略均等を含む)に選択して停止操作を行ったことを意味する。この場合、同様に、各役の当籤確率や払出数などを総合してシミュレーションすると、カウンタ値(期待値)は、約「4401」となり、初期値からの差分は「-99」(枚)となる。
また、同様の状況で、遊技者が全て変則押し(ここでは「左第1停止以外」とする)で遊技を行ったとする。この場合、同様に、各役の当籤確率や払出数などを総合してシミュレーションすると、カウンタ値(期待値)は、約「4428」となり、初期値からの差分は「-72」(枚)となる。
すなわち、遊技者が全て順押しで遊技を行った場合、偏りベルについて「8枚入賞」や「3枚入賞」が発生する場合がないため、遊技価値量は減りやすくなる。一方、遊技者が打順均等や全て変則押しで遊技を行った場合、偏りベルについて「8枚入賞」や「3枚入賞」が発生する可能性はこれよりも高くなるため、これよりも遊技価値量は減少しにくくなる。
本変形例1では、このような特性を利用し、CZ抽籤に差を設けるようにしている。具体的には、上述のシミュレーション結果を参照し、差分の値を閾値として用い、特定の遊技状況において、制御用カウンタの値が当該閾値以上に減少していればCZ抽籤を優遇し、制御用カウンタの値が当該閾値よりも減少していなければCZ抽籤を優遇しないといった制御を行うものとしている。その一例について、さらに図166を用いて説明する。
まず、例えば、本変形例1では、有利区間中のゲーム数(例えば、通常ゲーム数カウンタの値)が、特定ゲーム数(100ゲーム、300ゲーム、500ゲーム)となったときにCZ抽籤が行われるものとする。なお、上記のゲーム数は一例であり、100ゲーム経過ごと、あるいは200ゲーム経過ごとにCZ抽籤が行われるものとしてもよいし、上述の閾値をさらに細分化して、例えば、10ゲームごとや1ゲームごとにCZ抽籤が行われるものとしてもよい。
また、特定ゲーム数経過から所定期間内(例えば、10ゲーム程度)をCZ抽籤高確ゾーンとして位置付け、CZ抽籤高確ゾーンにおける有利度合いが、特定ゲーム数経過時点の閾値に応じて決定されるものとしてもよい。
ここで、上述のとおり、全て順押しの場合の閾値は「-153」であり、打順均等の場合の閾値は「-99」であり、全て変則押しの場合の閾値は「-72」であり、そのいずれを用いてCZ抽籤の有利度合いを決定することも可能であるが、以下では、一例として、打順均等の場合の閾値と、全て変則押しの場合の閾値を用いて説明する。なお、以下において、全て順押しの場合の閾値を除外しているのは、全て順押しの場合には、なるべくCZ状態の付与が優遇される状態としたいからである。
パターン1は、CZ抽籤の実行の有無を制御するパターンである。例えば、特定ゲーム数となったとき、制御用カウンタの値を参照し、これが打順均等の期待値以下となっている場合にはCZ抽籤を行う一方、これが打順均等の期待値を超えている場合にはCZ抽籤を行わないように制御する。具体的には、例えば、100ゲームとなったとき、制御用カウンタの値が「4401」以下であればCZ抽籤を行う一方、制御用カウンタの値が「4401」を超えていればCZ抽籤を行わないように制御する。
また、例えば、特定ゲーム数となったとき、制御用カウンタの値を参照し、これが全て変則押しの期待値以下となっている場合にはCZ抽籤を行う一方、これが全て変則押しの期待値を超えている場合にはCZ抽籤を行わないように制御する。具体的には、例えば、100ゲームとなったとき、制御用カウンタの値が「4428」以下であればCZ抽籤を行う一方、制御用カウンタの値が「4428」を超えていればCZ抽籤を行わないように制御する。
パターン2は、CZ抽籤の有利度合いを制御するパターンである。例えば、特定ゲーム数となったとき、遊技状況にかかわらずCZ抽籤自体は行われるが、制御用カウンタの値を参照し、これが打順均等の期待値以下となっている場合にはCZ抽籤を優遇する(優遇しない場合よりも当籤確率を高くする)一方、これが打順均等の期待値を超えている場合にはCZ抽籤を優遇しない(非優遇とする)ように制御する。具体的には、例えば、100ゲームとなったとき、制御用カウンタの値が「4401」以下であればCZ抽籤を優遇する一方、制御用カウンタの値が「4401」を超えていればCZ抽籤を優遇しないように制御する。
また、例えば、特定ゲーム数となったとき、遊技状況にかかわらずCZ抽籤自体は行われるが、制御用カウンタの値を参照し、これが全て変則押しの期待値以下となっている場合にはCZ抽籤を優遇する一方、これが全て変則押しの期待値を超えている場合にはCZ抽籤を優遇しないように制御する。具体的には、例えば、100ゲームとなったとき、制御用カウンタの値が「4428」以下であればCZ抽籤を優遇する一方、制御用カウンタの値が「4428」を超えていればCZ抽籤を優遇しないように制御する。
パターン3は、CZ抽籤の実行回数を制御するパターンである。例えば、特定ゲーム数となったとき、制御用カウンタの値を参照し、これが打順均等の期待値以下となっている場合にはCZ抽籤を2回行う一方、これが打順均等の期待値を超えている場合にはCZ抽籤を1回しか行わないように制御する。具体的には、例えば、100ゲームとなったとき、制御用カウンタの値が「4401」以下であればCZ抽籤を2回行う一方、制御用カウンタの値が「4401」を超えていればCZ抽籤を1回しか行わないように制御する。
また、例えば、特定ゲーム数となったとき、制御用カウンタの値を参照し、これが全て変則押しの期待値以下となっている場合にはCZ抽籤を2回行う一方、これが全て変則押しの期待値を超えている場合にはCZ抽籤を1回しか行わないように制御する。具体的には、例えば、100ゲームとなったとき、制御用カウンタの値が「4428」以下であればCZ抽籤を2回行う一方、制御用カウンタの値が「4428」を超えていればCZ抽籤を1回しか行わないように制御する。
なお、閾値データであるが、これはどのような態様でも記憶可能である。ここで、打順均等の期待値の例に挙げて説明すると、例えば、ゲーム数「100」の場合には「4401」(4500-99)、ゲーム数「300」の場合には「4203」(4500-297)、ゲーム数「500」の場合には「4005」(4500-495)といったように、これをテーブルのデータとして記憶させておき、特定ゲーム数となったときは、当該テーブルのデータを参照して、いずれの制御を行うかを判別するようにしてもよい。
また、例えば、閾値「-99」のみを記憶しておき、ゲーム数「100」の場合には「4500(初期値)-99×(100(ゲーム数)/100)」、ゲーム数「300」の場合には「4500(初期値)-99×(300(ゲーム数)/100)」、ゲーム数「500」の場合には「4500(初期値)-99×(500(ゲーム数)/100)」の演算を行って比較対象となる期待値を算出し、制御用カウンタの値との比較を行うようにしてもよい。
(第5の遊技機の遊技性の変形例2:AT抽籤)
本例においては、例えば、通常状態や前兆状態において、所定役(偏りベル)が当籤した場合に、特定態様(左第1停止)にて停止操作が行われた場合には、優遇カウンタが1加算され得ることで少なくとも次回遊技が優遇状態に制御され、また、各種抽籤が実行され得ることで当該遊技においても優遇されるものとしていた(すなわち、これも優遇状態に制御されることの一例である)(図155~図157等参照)。一方、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には、優遇カウンタが1加算され得ないことで少なくとも次回遊技が非優遇状態に制御され、また、各種抽籤が実行され得ないことで当該遊技においても優遇されないものとしていた(すなわち、これも非優遇状態に制御されることの一例である)(図155~図157等参照)。
もっとも、そのような制御は、基本的に非ボーナス状態であるRBフラグ間において行われるものとなっており、ボーナス状態であるRB遊技状態は遊技性に関与していなかった。本変形例2は、ボーナス状態であるRB遊技状態も遊技性に関与させ、さらに遊技性を多様化させようというものである。なお、第5の遊技機においても同様であるが、ここでいうボーナス状態は、RB遊技状態に限られず、BB遊技状態やMB遊技状態、あるいはSB遊技状態であってもよいものとする。
すなわち、本変形例2は、少なくとも非ボーナス状態において、特定態様(左第1停止)にて停止操作が行われた場合、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合、当該特定態様にて停止操作が行われた場合よりも遊技者の有利度合いを不利とすることが可能であるとの基本的な遊技性はそのままに、ボーナス状態を遊技性に関与させ、上述のものとは異なる手法を用いてこれを実現可能としたものである。
なお、本変形例2では、そのような手法を用いた制御の対象をAT抽籤としているが、例えば、CZ抽籤やAT昇格抽籤などの他の各種抽籤をその対象とすることも可能である。すなわち、本変形例2は、上述の優遇制御の別制御例であるとも言い得るし、優遇する(あるいは非優遇とする)対象は種々の特典とすることも可能である。もっとも、基本的な優遇制御は上述のものをそのまま適用し、AT抽籤に係る優遇制御のみ本変形例2の仕様を採用することも可能である。
また、本変形例2の主たる変更点であるが、第5の遊技機では、非フラグ間において「RB」が単独で当籤した場合のみ、「RB」に係る図柄組合せが表示されてRB遊技状態に移行する場合があり、RBフラグ間においては基本的に「RB」に係る図柄組合せが表示されてRB遊技状態に移行する場合がないものとしていたが(図158~図163等参照)、本変形例2では、非フラグ間において「RB」が当籤した場合、及びRBフラグ間において所定の抽籤結果となった場合には、左第1停止で停止操作を行うと、「RB」に係る図柄組合せが表示されてRB遊技状態に移行する場合があるという点である。
これを実現するための一例として、本変形例2に係る図柄配置構成や内部当籤役構成を図167に示している。なお、図167においては、説明の便宜のため、第5の遊技機とはこれらの構成が異なるものを示しているが、上述の制御を行い得る限り、第5の遊技機における図柄配置構成や内部当籤役構成の一部又は全部をそのまま用いることも可能である。
また、同様に、本変形例2に係る有効ラインは、「中(中段)-中(中段)-上(上段)」及び「中(中段)-中(中段)-下(下段)」の変則2ラインとしているが、上述の制御を行い得る限り、第5の遊技機における有効ラインの構成をそのまま用いることも可能である。また、図167において、引込優先順位「再遊技>入賞>役物」は、リプレイ役や小役(入賞)に係る図柄組合せは、ボーナス(役物)に係る図柄組合せよりも優先して停止するように制御が行われることを示している。この点は、第5の遊技機と同様である。
図167に示すように、本変形例2では、図柄配置テーブル(変形例)に示すように各リールに各図柄が配置され、また、内部当籤役構成(変形例)に示すように各内部当籤役が規定されているものとする。以下では、特に「RB」及び「1枚役」に着目して詳述する。
「RB」は、対応する図柄組合せが「リプ-ベル-チェリー」(RB)と規定されている。また、「1枚役」は、対応する図柄組合せが「リプ-セブン-特図」(NM06)、「スイカ1-リプ-リプ」(NM07)、及び「スイカ2-リプ-リプ」(NM08)と規定されている。なお、NM06~08は、それぞれが別個の内部当籤役(例えば、「1枚役1」、「1枚役2」、及び「1枚役3」)に対応する図柄組合せであり、「1枚役」は、これらが同時に(重複して)当籤する内部当籤役であるとも言い得る。
そして、非フラグ間においては、「1枚役+RB」が「162/65536」の確率で内部当籤役として決定され得る。また、RBフラグ間においては、「1枚役」が「16019/65536」で内部当籤役として決定され得る。なお、RBフラグ間の「1枚役」は、「RB」が持ち越されている状態であることから、実質的には「1枚役+RB」と同義である。したがって、以下では、両者をともに「1枚役+RB」として説明する。
「1枚役+RB」が内部当籤役として決定された場合であって、左第1停止で停止操作が行われる場合、左リール3Lに着目すると、「1枚役」の図柄は、「リプ」、「スイカ1」、及び「スイカ2」のいずれかであり、いずれも1種類ずつであるから、これらの間に条件装置数による優先順位は存在しない。したがって、いずれを停止させることもできるが、ここでは、「リプ」を停止させることが予め定められているものとしている。
したがって、「1枚役+RB」が内部当籤役として決定された場合であって、左第1停止で停止操作が行われた場合、有効ライン上には「リプ」が停止する。この場合、もはや「NM07」や「NM08」が表示される可能性はなくなるが、未だ「RB」が表示される可能性は残る。
左1停止後、中第2停止で停止操作が行われる場合、中リール3Cに着目すると、「RB」の図柄は「ベル」であり、「1枚役」(NM06)の図柄は「セブン」であり、基本的には「セブン」が「ベル」よりも優先的に停止される。もっとも、「セブン」は図柄位置「1」にしか配置されていないことから、最大滑り駒数を4駒(4図柄分)とすると、図柄位置「17」~「1」までの範囲で停止操作が行われた場合には「セブン」が停止するが、その他の範囲で停止操作が行われた場合には「セブン」が停止しない。この場合には、「ベル」が停止することになる。
したがって、「1枚役+RB」が内部当籤役として決定された場合であって、左第1停止後、中第2停止で停止操作が行われた場合、所定の停止操作時期で停止操作が行われた場合には有効ライン上に「セブン」が停止する。この場合、もはや「RB」が表示される可能性はなくなる。一方、所定の停止操作時期以外で停止操作が行われた場合には有効ライン上に「ベル」が停止する。この場合、もはや「NM06」が表示される可能性はなくなる。
左1停止、中第2停止後、右第3停止で停止操作が行われる場合、右リール3Rに着目すると、「RB」の図柄は「チェリー」であり、「1枚役」(NM06)の図柄は「特図」である。ここで、中第2停止時において有効ライン上に「セブン」が停止していた場合、最大滑り駒数の範囲内で「特図」が停止される。すなわち、図柄位置「10」~「16」までの範囲で停止操作が行われた場合には「特図」が停止し、「NM06」の図柄組合せが表示されて「1枚入賞」となる。また、その他の範囲で停止操作が行われた場合には「特図」が停止せず、取りこぼしとなる。なお、この場合、取りこぼしが発生しないような図柄配置としてもよい。
一方、中第2停止時において有効ライン上に「ベル」が停止していた場合、最大滑り駒数の範囲内で「チェリー」が停止される。すなわち、図柄位置「1」~「19」までの範囲で停止操作が行われた場合には「チェリー」が停止し、「RB」の図柄組合せが表示される。また、その他の範囲で停止操作が行われた場合には「チェリー」が停止せず、取りこぼしとなる。なお、この場合、取りこぼしが発生しないような図柄配置としてもよい。
したがって、「1枚役+RB」が内部当籤役として決定された場合であって、左第1停止、中第2停止後、右第3停止で停止操作が行われた場合であって、「RB」が表示される可能性がある場合、所定の停止操作時期で停止操作が行われた場合には有効ライン上に「チェリー」が停止し、その結果、最終的に「RB」が表示されてRB遊技状態に移行する。
また、左1停止後、右第2停止で停止操作が行われる場合、右リール3Rに着目すると、「RB」の図柄は「チェリー」であり、「1枚役」(NM06)の図柄は「特図」であり、基本的には「特図」が「チェリー」よりも優先的に停止される。もっとも、「特図」は図柄位置「15」にしか配置されていないことから、最大滑り駒数を4駒(4図柄分)とすると、図柄位置「10」~「16」までの範囲で停止操作が行われた場合には「特図」が停止するが、その他の範囲で停止操作が行われた場合には「特図」が停止しない。この場合には、「チェリー」が停止することになる(図柄位置「0」のみは例外となってこの時点で取りこぼしとなるが、このような例外を設けないようにしてもよい)。
したがって、「1枚役+RB」が内部当籤役として決定された場合であって、左第1停止後、右第2停止で停止操作が行われた場合、所定の停止操作時期で停止操作が行われた場合には有効ライン上に「特図」が停止する。この場合、もはや「RB」が表示される可能性はなくなる。一方、所定の停止操作時期以外で停止操作が行われた場合には有効ライン上に「チェリー」が停止する。この場合、もはや「NM06」が表示される可能性はなくなる。
左1停止、右第2停止後、中第3停止で停止操作が行われる場合、中リール3Cに着目すると、「RB」の図柄は「ベル」であり、「1枚役」(NM06)の図柄は「セブン」である。ここで、右第2停止時において有効ライン上に「特図」が停止していた場合、最大滑り駒数の範囲内で「セブン」が停止される。すなわち、図柄位置「17」~「1」までの範囲で停止操作が行われた場合には「セブン」が停止し、「NM06」の図柄組合せが表示されて「1枚入賞」となる。また、その他の範囲で停止操作が行われた場合には「セブン」が停止せず、取りこぼしとなる。なお、この場合、取りこぼしが発生しないような図柄配置としてもよい。
一方、右第2停止時において有効ライン上に「チェリー」が停止していた場合、最大滑り駒数の範囲内で「ベル」が停止される。ここで、「ベル」はいずれの図柄位置で停止操作が行われても停止し得るように配置されていることから、この場合には「ベル」が停止し、「RB」の図柄組合せが表示される。
したがって、「1枚役+RB」が内部当籤役として決定された場合であって、左第1停止、右第2停止後、中第3停止で停止操作が行われた場合であって、「RB」が表示される可能性がある場合には有効ライン上に「ベル」が停止し、その結果、最終的に「RB」が表示されてRB遊技状態に移行する。
「1枚役+RB」が内部当籤役として決定された場合であって、中第1停止で停止操作が行われる場合、中リール3Cに着目すると、「1枚役」の図柄は、「セブン」、「リプ」、及び「リプ」のいずれかであり、「リプ」が2つあることから、「セブン」よりも「リプ」のほうが、条件装置数が多く優先順位は高くなる。したがって、有効ライン上には「リプ」が停止し、もはや「RB」や「NM06」が表示される可能性はなくなる。すなわち、RB遊技状態に移行する場合はないものとなる。
「1枚役+RB」が内部当籤役として決定された場合であって、右第1停止で停止操作が行われる場合、右リール3Rに着目すると、「1枚役」の図柄は、「特図」、「リプ」、及び「リプ」のいずれかであり、「リプ」が2つあることから、「特図」よりも「リプ」のほうが、条件装置数が多く優先順位は高くなる。したがって、有効ライン上には「リプ」が停止し、もはや「RB」や「NM06」が表示される可能性はなくなる。すなわち、RB遊技状態に移行する場合はないものとなる。
そして、本変形例2では、RB遊技状態に移行した場合、当該RB遊技状態をAT抽籤が優遇される優遇状態となるように構成する。なお、優遇する手法としては種々の手法を採用することができるが、例えば、図157に示すAT付与抽籤テーブルにおいて、RB遊技状態中にのみ当籤する「RB中1枚役」や「RB中ベル」を、「右上ベル」と同様の確率で当籤が決定され得るように構成したり、また、図157に示すAT昇格抽籤テーブルにおいて、RB遊技状態中にのみ当籤する「RB中1枚役」や「RB中ベル」を、「右上ベル」と同様の確率で当籤が決定され得るように構成したりしておけば、当該RB遊技状態中を優遇状態とすることが可能である。また、例えば、RB遊技状態中は専用のAT抽籤やAT昇格抽籤が行われるものとし、これらの当籤期待値が非ボーナス中におけるものよりも高く設定されることで、当該RB遊技状態中を優遇状態とすることも可能である。
また、これに替えて、あるいはこれとともに、RB遊技状態中は、上述の偏りベルが当籤役として決定されない(換言すれば、特定態様(左第1停止)にて停止操作が行われた場合と、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合とで付与される遊技価値の期待値が同じとなる)ので、基本的に優遇カウンタが0とならないことから、これを利用し、RB遊技状態中は基本的に優遇状態でのAT抽籤をうけ得るようにしてこれを優遇するようにしてもよい。
ここで、全て順押し(特定態様)で遊技が行われた場合と、全て変則押し(非特定態様)で遊技が行われた場合の出玉率(内訳)の対比の一例について説明する。なお、以下に示す出玉率はあくまで説明のための概念的な一例である。
<全て順押しで遊技が行われた場合>
(1)非ボーナス状態でのAT抽籤:30%
(2)非ボーナス状態での還元率:40%
(3)ボーナス状態でのAT抽籤及び還元率:25%
合計:95%
<全て変則押しで遊技が行われた場合>
(1)非ボーナス状態でのAT抽籤:30%
(2)非ボーナス状態での還元率:60%
(3)ボーナス状態でのAT抽籤及び還元率:0%
合計:90%
例えば、本例においては、基本的に順押しで遊技が行われた場合のほうが付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成されていることから、全て順押しで遊技が行われた場合、全て変則押しで遊技が行われた場合と比べると、非ボーナス状態での還元率は不利となる(上記(2)参照)。
一方、上述のとおり、順押しで遊技が行われた場合には優遇状態に制御され得るボーナス状態に移行可能となるのに対し、変則押しで遊技が行われた場合にはそのようなボーナス状態に移行可能とならないことから、全て順押しで遊技が行われた場合、全て変則押しで遊技が行われた場合と比べると、ボーナス状態でのAT抽籤及び還元率には有利となる(上記(3)参照)。
そして、総合的な出玉率を、全て順押しで遊技が行われた場合のほうが、全て変則押しで遊技が行われた場合よりも高くなるようにすれば、例えば、一時的な攻略として変則押しされ、企図した遊技が発揮できなくなることを防止でき、また、順押しにて停止操作を行うことが推奨される遊技性の下、このような遊技方法で遊技を行うことを促すこともできる。
[15-6.第5の遊技機の仕様を用いた遊技機]
第5の遊技機では、上述の仕様を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
例えば、通常状態において、遊技者にとって有利な打順が報知され得るAT状態を付与するか否かを決定可能とし、AT状態を付与することを決定した場合、AT状態に制御されるまでの期間を前兆状態に制御可能とし、非AT状態において、AT状態に関連する決定が優遇される優遇状態と、当該優遇状態でない非優遇状態のいずれかの状態に制御可能とし、左第1停止にて停止操作が行われた場合、左第1停止にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、左第1停止にて停止操作が行われた場合に少なくとも次遊技を優遇状態に制御可能とし、左第1停止にて停止操作が行われなかった場合に少なくとも次遊技を非優遇状態に制御可能とする優遇制御を実行可能であり、前兆状態において、優遇状態に制御されている場合にはAT状態を昇格させるか否かを決定可能とし、非優遇状態に制御されている場合にはAT状態を昇格させるか否かを決定可能としない遊技機である。
また、例えば、通常状態において、優遇状態に制御されている場合にはAT状態を付与するか否かを決定可能とし、非優遇状態に制御されている場合にはAT状態を付与するか否かを決定可能としない遊技機である。
また、例えば、前兆状態において、左第1停止にて停止操作が行われた場合には前兆状態の遊技期間を進行させ(例えば、前兆ゲーム数を1減算し)、左第1停止にて停止操作が行われなかった場合には前兆状態の遊技期間を進行させない(例えば、前兆ゲーム数を1減算しない)ことが可能である遊技機である。
また、例えば、前兆状態の最終遊技(例えば、前兆ゲーム数が「1」→「0」となり得る遊技)において、左第1停止にて停止操作が行われた場合にはAT状態を昇格させるか否かを決定可能とし、左第1停止にて停止操作が行われなかった場合にはAT状態を昇格させるか否かを決定可能としない遊技機である。
また、例えば、前兆状態の最終遊技(例えば、前兆ゲーム数が「1」→「0」となり得る遊技)において、左第1停止にて停止操作が行われたか否かにかかわらず前兆状態の遊技期間を進行させる(例えば、前兆ゲーム数を1減算する)遊技機である。
また、例えば、所定役(例えば、偏りベル)を当籤役として決定した場合に上述の優遇制御を実行可能であり、所定役とは異なる役を当籤役として決定した場合には、左第1停止にて停止操作が行われたか否かにかかわらず、少なくとも次遊技を優遇状態に制御可能とする遊技機である。
また、例えば、全てのリールが停止したことに応じて、AT状態を付与するか否かを決定可能であるとともに、少なくとも次遊技を優遇状態に制御するか否かを決定可能である遊技機である。
また、例えば、優遇状態の遊技において優遇カウンタの値を1減算し、当該遊技において所定役(例えば、偏りベル)を当籤役として決定した場合、左第1停止にて停止操作が行われた場合には優遇カウンタの値を1加算する一方、左第1停止にて停止操作が行われなかった場合には優遇カウンタの値を1加算せず、また、当該遊技において所定役とは異なる役を当籤役として決定した場合、左第1停止にて停止操作が行われたか否かにかかわらず優遇カウンタの値を1加算し、優遇カウンタの値が1以上である遊技を優遇状態に制御する遊技機である。
また、例えば、特別役(例えば、中段ベル)を当籤役として決定した遊技においては、当該遊技が開始されるときにAT状態を付与するか否かを決定可能とする遊技機である。
また、例えば、特別役(例えば、中段ベル)を当籤役として決定したことに応じて、AT状態を付与することを決定した遊技においては、当該遊技が開始されるときに特別演出を実行可能とする遊技機である。
また、例えば、少なくとも所定役(例えば、偏りベル)を当籤役として決定した遊技において、所定演出(例えば、変動演出)を実行可能とし、当該遊技において左第1停止にて停止操作が行われた場合には、その所定演出の演出内容によって遊技者の有利度合いを示唆可能とし、当該遊技において左第1停止にて停止操作が行われなかった場合には、その所定演出の演出内容によって遊技者の有利度合いを示唆可能としない遊技機である。
また、第5の遊技機では、上述の変形例1の仕様を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
例えば、制御用カウンタにより遊技価値の付与状況を管理可能とし、所定の条件を満たした場合(例えば、特定ゲーム数を経過した場合)に、所定の特典(例えば、CZ状態)を付与するか否かを決定可能とし、左第1停止にて停止操作が行われた場合、左第1停止にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、所定の条件を満たした場合に、制御用カウンタの値が特定の状況にある場合(例えば、打順均等の期待値以下となっている場合)には、所定の特典の付与が優遇される優遇状態とし、特定の状況にない場合には、所定の特典の付与が優遇されない非優遇状態とすることが可能である遊技機である。
また、例えば、所定の条件は、所定期間(例えば、100ゲーム)の遊技が行われた場合に満たされるものであり、特定の状況は、所定期間における遊技価値の付与状況が所定の閾値(例えば、打順均等の期待値)以下となったことである遊技機である。
また、例えば、所定の閾値は、所定期間の遊技において左第1停止にて停止操作が行われていた場合、所定の条件を満たしたときに特定の状況となりやすい値に設定される遊技機である。
また、第5の遊技機では、上述の変形例2の仕様を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
例えば、ボーナス(例えば、RB)の図柄組合せが表示されたことに応じてボーナス状態(例えば、RB遊技状態)に制御可能とし、非ボーナス状態においては、左第1停止にて停止操作が行われた場合、左第1停止にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、ボーナス役(例えば、RB)を当籤役として決定した場合、左第1停止にて停止操作が行われた場合にはボーナスの図柄組合せを表示可能とし、左第1停止にて停止操作が行われなかった場合にはボーナスの図柄組合せを表示可能とせず、ボーナス状態をAT状態の付与が優遇される優遇状態とし、非ボーナス状態をAT状態の付与が優遇されない非優遇状態とすることが可能である遊技機である。
また、例えば、ボーナス状態においては、左第1停止にて停止操作が行われた場合と、左第1停止にて停止操作が行われなかった場合とで付与される遊技価値の期待値が同じとなるように構成される遊技機である。
また、例えば、ボーナス役(例えば、RB)を当籤役として決定する場合、複数の所定役(例えば、図167に示す「1枚役」)も同時に当籤役として決定することが可能であり、ボーナス役と複数の所定役を同時に当籤役として決定した場合、左第1停止で停止操作が行われた場合には停止操作時期に応じてボーナスの図柄組合せを表示可能とし、左第1停止で停止操作が行われなかった場合には停止操作時期にかかわらずボーナスの図柄組合せを表示可能とせず、複数の所定役のいずれかに対応する図柄組合せを表示させる遊技機である。
[15-7.第5の遊技機に係る発明のまとめ(付記)]
以上説明したように、第5の遊技機では以下のような構成の遊技機を提供することができる。
従来の遊技機において、所定の条件が成立した場合に、遊技者に有利な停止操作の情報が報知され得る有利状態(例えば、AT状態)に制御可能にしたものが提案されている(例えば、特開2010-29494号公報参照)。
このような遊技機では、例えば、有利状態に制御されると、所定役(例えば、押し順小役)について遊技価値の付与期待値が高まる停止操作順序などが報知されることで、これにしたがって停止操作を行えば、遊技者は遊技価値量を増加させることができるものとなっている。
ところで、近年、このような遊技機では、遊技性の多様化にともない、特典の付与に関してより適切な遊技制御を行うことが求められる。
本発明は、特典の付与に関して適切な遊技制御を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
(第1の発明群)
複数の識別情報を複数の表示列で変動表示可能な可変表示手段(例えば、変動表示部)と、複数の役の中から当籤役を決定可能な役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、前記可変表示手段の変動表示を停止させるための停止操作を検出可能な停止操作検出手段(例えば、停止操作検出部)と、前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作検出手段により検出された停止操作態様とに応じて、前記可変表示手段の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、遊技者にとって有利な停止操作態様が報知され得る有利状態(例えば、AT状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、第5の遊技機において各遊技状態を制御するメインCPU101)と、通常状態において、前記有利状態を付与するか否かを決定可能な付与決定手段(例えば、第5の遊技機においてAT抽籤を行うメインCPU101)と、前記付与決定手段が前記有利状態を付与することを決定した場合、前記有利状態に制御されるまでの期間を前兆状態に制御可能な前兆状態制御手段(例えば、第5の遊技機において各遊技状態を制御するメインCPU101)と、前記前兆状態において、前記有利状態の有利度合いを更新するか否かを決定可能な更新決定手段(例えば、第5の遊技機においてAT昇格抽籤を行うメインCPU101)と、前記有利状態に関連する決定が優遇される優遇状態と、当該優遇状態でない非優遇状態とを有し、少なくとも前記有利状態に制御されていないときに、いずれかの状態に制御可能な優遇制御手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、前記優遇制御手段は、前記特定態様にて停止操作が行われた場合に少なくとも次遊技を前記優遇状態に制御可能とし、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合に少なくとも次遊技を前記非優遇状態に制御可能とする優遇制御を実行可能であり、前記更新決定手段は、前記優遇状態に制御されている場合には前記有利状態の有利度合いを更新するか否かを決定可能とし、前記非優遇状態に制御されている場合には前記有利状態の有利度合いを更新するか否かを決定可能としないことを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、有利状態への移行が決定されている前兆状態において、遊技価値の付与期待値が低くなる特定態様にて停止操作が行われていた場合には、優遇状態となって有利状態の有利度合いが更新可能となる一方、当該特定態様にて停止操作が行われてなかった場合には、非優遇状態となって有利状態の有利度合いが更新可能とならないように構成される。すなわち、有利状態への移行が決定されている状況下においても、遊技者が過度に有利となることを抑制できるものとなっている。それゆえ、特典の付与に関して適切な遊技制御を行うことができる。また、例えば、特定態様にて停止操作を行うことが推奨される遊技性とした場合に、前兆状態においても、このような遊技方法で遊技を行うことを促すことができる。
前記付与決定手段は、前記優遇状態に制御されている場合には前記有利状態を付与するか否かを決定可能とし、前記非優遇状態に制御されている場合には前記有利状態を付与するか否かを決定可能としないことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、通常状態において、遊技者が特定態様の停止操作を選択した場合には、遊技価値の付与期待値は低いが、有利状態の付与決定が可能となり、特定態様の停止操作を選択しなかった場合には、遊技価値の付与期待値は高いが、有利状態の付与決定が可能とならないように構成される。したがって、特典の付与に関して適切な遊技制御を行うことができるとともに、遊技性を多様なものとすることができ、遊技の興趣を高めることもできる。
前記前兆状態制御手段は、前記前兆状態の遊技期間(例えば、前兆ゲーム数)を管理する前兆状態管理手段(例えば、前兆ゲーム数カウンタ)を含み、前記前兆状態管理手段は、前記前兆状態において、前記特定態様にて停止操作が行われた場合には前記前兆状態の遊技期間を進行させ(例えば、前兆ゲーム数カウンタを1減算し)、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合には前記前兆状態の遊技期間を進行させない(例えば、前兆ゲーム数カウンタを1減算しない)ことが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、前兆状態において、特定態様にて停止操作が行われていた場合にはその遊技期間が進行する一方、特定態様にて停止操作が行われていなかった場合にはその遊技期間が進行しないことを可能としている。したがって、特定態様にて停止操作を行うことの有意性をより高めることができる。
前記更新決定手段は、前記前兆状態の最終遊技において、前記特定態様にて停止操作が行われた場合には前記有利状態の有利度合いを更新するか否かを決定可能とし(例えば、最終ゲームAT昇格抽籤を行うことが可能であり)、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合には前記有利状態の有利度合いを更新するか否かを決定可能としないことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、前兆状態の最終遊技では、特定態様にて停止操作を行えば、有利状態の有利度合いが更新される場合があることから、それまでの遊技状況にかかわらず、遊技者に期待感を与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記前兆状態管理手段は、前記前兆状態の最終遊技において、前記特定態様にて停止操作が行われたか否かにかかわらず前記前兆状態の遊技期間を進行させることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、前兆状態の最終遊技では、特定態様にて停止操作が行われたか否かにかかわらずその遊技期間を進行させるものとしたことから、例えば、前兆状態の最終遊技であるにもかかわらず、特定態様にて停止操作が行われなければ有利状態に移行しないといった事象が発生することに起因して、遊技の興趣が低下してしまうことを防止できる。
前記優遇制御手段は、前記役決定手段が所定役(例えば、偏りベル)を当籤役として決定した場合に前記優遇制御を実行可能であり、前記役決定手段が前記所定役とは異なる役を当籤役として決定した場合には、前記特定態様にて停止操作が行われたか否かにかかわらず、少なくとも次遊技を前記優遇状態に制御可能とすることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、優遇制御が行われ得るのを所定役が当籤した遊技とし、所定役とは異なる役が当籤した遊技ではこれを行わないものとしたことから、遊技者が著しく不利となってしまうことや、注意深く停止操作を行うあまり遊技の興趣が低下してしまうことなどを防止できる。
前記付与決定手段は、前記可変表示手段において、全ての前記表示列の変動表示が停止したことに応じて、前記有利状態を付与するか否かを決定可能であり、前記優遇制御手段は、前記可変表示手段において、全ての前記表示列の変動表示が停止したことに応じて、少なくとも次遊技を前記優遇状態に制御するか否かを決定可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、遊技者が全ての停止操作を行ってから有利状態に関連する各種の決定が行われ得るものとなっていることから、特典の付与に関してより適切な遊技制御を行うことができる。
前記優遇制御手段は、前記優遇状態とする遊技期間を管理するカウンタ(例えば、優遇カウンタ)を含み、前記優遇状態の遊技においては、前記カウンタの値を1減算し、当該遊技において前記役決定手段が前記所定役を当籤役として決定した場合、前記特定態様にて停止操作が行われた場合には前記カウンタの値を1加算可能とする一方、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合には前記カウンタの値を1加算可能とせず、当該遊技において前記役決定手段が前記所定役とは異なる役を当籤役として決定した場合、前記特定態様にて停止操作が行われたか否かにかかわらず前記カウンタの値を1加算可能とし、前記カウンタの値が1以上である遊技を前記優遇状態に制御することを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、よりきめ細かい優遇制御を行うことを可能としつつ、これによって制御負荷が過度に増大してしまうことを防止できるようにしている。したがって、遊技性を多様なものとして遊技の興趣を高めつつ、特典の付与に関してより適切な遊技制御を行うことができる。
前記付与決定手段は、前記役決定手段が特別役(例えば、第5の遊技機における「中段ベル」)を当籤役として決定した遊技においては、当該遊技が開始されるときに前記有利状態を付与するか否かを決定可能とする(例えば、「中段ベル確定抽籤」を行うことが可能である)ことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別の条件が成立した場合には、その後の(例えば、全停止後の)各種の決定結果にかかわらず、遊技が開始されるときに有利状態を付与するか否かを決定可能としたことから、処理を分散させて制御負荷を軽減することができるとともに、これを確実に実行することができるため、特典の付与に関してより適切な遊技制御を行うことができる。
前記役決定手段が前記特別役を当籤役として決定したことに応じて、前記付与決定手段が前記有利状態を付与することを決定した遊技においては、当該遊技が開始されるときに特別演出を実行可能とすることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特典の付与に関して適切な遊技制御を行うことを可能としつつも、遊技が開始されるときの期待感が失われてしまうことを防止できる。
少なくとも前記役決定手段が前記所定役を当籤役として決定した遊技において、所定演出(例えば、変動演出)を実行可能とし、当該遊技において前記特定態様にて停止操作が行われた場合には、前記所定演出の演出内容によって遊技者の有利度合いを示唆可能とし、当該遊技において前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合には、前記所定演出の演出内容によって遊技者の有利度合いを示唆可能としないことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、少なくとも所定役が当籤した遊技において所定演出が実行される場合に、特定態様にて停止操作が行われた場合には遊技者の有利度合いを示唆可能とし、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には遊技者の有利度合いを示唆可能としないことから、特定態様にて停止操作を行うことの有意性をより高めることができる。
(第2の発明群)
複数の識別情報を複数の表示列で変動表示可能な可変表示手段(例えば、変動表示部)と、複数の役の中から当籤役を決定可能な役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、前記可変表示手段の変動表示を停止させるための停止操作を検出可能な停止操作検出手段(例えば、停止操作検出部)と、前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作検出手段により検出された停止操作態様とに応じて、前記可変表示手段の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、前記可変表示手段の停止態様に応じて遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(例えば、メダル払出・再遊技作動処理を行うメインCPU101)と、前記遊技価値付与手段による遊技価値の付与状況を管理する付与状況管理手段(例えば、第5の遊技機における制御用カウンタ)と、所定の条件を満たした場合に、所定の特典を付与するか否かを決定可能な特典決定手段(例えば、第5の遊技機においてCZ抽籤を行うメインCPU101)と、を備え、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、前記特典決定手段は、前記所定の条件を満たした場合に、前記付与状況管理手段により管理された遊技価値の付与状況が特定の状況にある場合(例えば、打順均等の期待値以下となっている場合)には、前記所定の特典の付与が優遇される優遇状態とし、前記特定の状況にない場合には、前記所定の特典の付与が優遇されない非優遇状態とすることが可能であることを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、遊技価値の付与期待値が低くなる特定態様にて停止操作が行われていた場合には、所定の特典を付与するか否かの決定が行われるときに、これが優遇される優遇状態となりやすく、当該特定態様にて停止操作が行われていなかった場合には、所定の特典を付与するか否かの決定が行われるときに、これが優遇されない非優遇状態となりやすい。すなわち、遊技者のそれまでの遊技状況に応じて、所定の特典を付与するか否かの決定を適切に行うことが可能となる。それゆえ、特典の付与に関して適切な遊技制御を行うことができる。
前記所定の条件は、所定期間(例えば、100ゲーム)の遊技が行われた場合に満たされるものであり、前記特定の状況は、前記所定期間における遊技価値の付与状況が所定の閾値(例えば、打順均等の期待値)以下となったことであることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、優遇状態又は非優遇状態のいずれとするかが、所定の特典を付与するか否かの決定が行われるまでの期間における遊技状況と連動して決定され得るため、特典の付与に関してより適切な遊技制御を行うことができる。
前記所定の閾値は、前記所定期間の遊技において前記特定態様にて停止操作が行われていた場合、前記所定の条件を満たしたときに前記特定の状況となりやすい値に設定されることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、遊技者が特定態様にて停止操作を行っていれば、所定の特典を付与するか否かの決定が行われるときに優遇状態となりやすくなることから、特典の付与に関し、簡易な構成でより適切な遊技制御を行うことができる。また、例えば、特定態様にて停止操作を行うことが推奨される遊技性とした場合に、このような遊技方法で遊技を行うことを促すこともできる。
(第3の発明群)
複数の識別情報を複数の表示列で変動表示可能な可変表示手段(例えば、変動表示部)と、複数の役の中から当籤役を決定可能な役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、前記可変表示手段の変動表示を停止させるための停止操作を検出可能な停止操作検出手段(例えば、停止操作検出部)と、前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作検出手段により検出された停止操作態様とに応じて、前記可変表示手段の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、遊技者にとって有利な停止操作態様が報知され得る有利状態(例えば、AT状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、第5の遊技機において各遊技状態を制御するメインCPU101)と、前記有利状態を付与するか否かを決定可能な付与決定手段(例えば、第5の遊技機においてAT抽籤を行うメインCPU101)と、前記可変表示手段に特別停止態様(例えば、「RB」の図柄組合せ)が表示されたことに応じて特別状態(例えば、RB遊技状態)に制御可能な特別状態制御手段(例えば、第5の遊技機においてRB遊技状態に制御するメインCPU101)と、を備え、前記特別状態に制御されていない場合、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合には当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、前記停止制御手段は、前記役決定手段が特別役(例えば、図167に示す「RB」)を当籤役として決定した場合、前記特定態様にて停止操作が行われた場合には前記特別停止態様を表示可能とし、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合には前記特別停止態様を表示可能とせず、前記付与決定手段は、前記特別状態に制御されている場合を前記有利状態の付与が優遇される優遇状態とし、前記特別状態に制御されていない場合を前記有利状態の付与が優遇されない非優遇状態とすることが可能であることを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、遊技価値の付与期待値が低くなる特定態様にて停止操作が行われていた場合には特別停止態様が表示される場合があり、当該特定態様にて停止操作が行われていなかった場合には特別停止態様が表示される場合がないように構成される。そして、当該特別停止態様が表示されて特別状態に制御された場合には、有利状態の付与が優遇される優遇状態となり得る。すなわち、遊技者が特定態様にて停止操作を行っていれば、有利状態の付与が優遇される優遇状態となりやすくなる。それゆえ、特典の付与に関して適切な遊技制御を行うことができる。また、遊技者が優遇状態への移行を望む場合には特定態様にて停止操作を行っていく必要があることから、例えば、特定態様にて停止操作を行うことが推奨される遊技性とした場合に、このような遊技方法で遊技を行うことを促すこともできる。
前記特別状態に制御されている場合、前記特定態様にて停止操作が行われた場合と、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合とで付与される遊技価値の期待値が同じとなるように構成されることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別状態に制御されている場合、停止操作態様に応じて遊技価値の期待値は変動しないことから、遊技者は停止操作態様を迷うことなく優遇状態での遊技を行うことができるため、特に、優遇状態における遊技の興趣を高めることができる。また、遊技価値の期待値を考慮することなく特別状態中の有利状態付与に係る出玉設計や遊技制御を行い得るため、特典の付与に関してより適切な遊技制御を行うことができる。
前記役決定手段は、前記特別役を当籤役として決定する場合、複数の所定役(例えば、図167に示す「1枚役」)も同時に当籤役として決定することが可能であり、前記特定態様は、特定の打順(例えば、左第1停止)であり、前記停止制御手段は、前記役決定手段が前記特別役と前記複数の所定役を同時に当籤役として決定した場合、前記特定の打順で停止操作が行われた場合には停止操作時期に応じて前記特別停止態様を表示可能とし、前記特定の打順で停止操作が行われなかった場合には停止操作時期にかかわらず前記特別停止態様を表示可能とせず、前記複数の所定役のいずれかに対応する所定停止態様を表示させることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特別状態となって優遇状態に制御される場合、これが一義的な制御の結果として行われ得ることから、遊技の公平性を担保することができ、特典の付与に関してより適切な遊技制御を行うことができる。