JP7212922B2 - フィルムスキャナ装置及びフィルムスキャン方法 - Google Patents
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Description
1990年代初頭に、米イーストマン・コダック社によりデジタルデータとして画像を取得する方式と装置(Cineon)が実用化された。取得される画像はコンピュータで扱うことを前提としているため、テレビ規格に縛られず、またスキャンにかかる時間にも制限がなかった。
当初、テレシネ装置とフィルムスキャナ装置とは、設計思想も用途も違うものとして明確に区別されていた。おおまかに、撮影されたフレームをリアルタイムでビデオ信号に変換するものはテレシネ装置、デジタルデータに変換するものはフィルムスキャナ装置と呼ばれるが、現在では両方に対応する機種などもあり、区分けは曖昧になっている。
多くに共通するのは、異なる幅(フォーマット)のフィルムや、経年劣化により変形、退縮したフィルムに対応することが困難な場合が想定されるという点である。例えば、35mmフィルムと16mmフィルムとに対し、どちらも4K解像度でスキャンする場合には光学的な工夫(フィルムとレンズとの距離の変更やズームレンズの使用等)が必要となる。
この方式では、映画カメラや映写機と同様の機構でフィルムを1コマずつ停止させ、デジタルカメラで撮影する。
独ARRI社のARRISCANのような高級機でも用いられるが、既存の映写機を改造して制作することができるため、多くの安価な装置で採用されている。
デメリットとしては、機械部品に高い精度と十分なメンテナンスを要し、連続走行に比べ速度面で不利なため、運用コストが高くなる点である。映写機の機構をそのまま流用した安価な装置では、フィルムにかかるストレスが強く、破断の可能性がある。特殊な機構を備えた高級機以外では、経年により変形、退縮したフィルムに対応することが難しい。また、異なる幅のフィルムに対して同一又は同程度の解像度を得るには、光学的な工夫を要する。
2.FSS方式
この方式では、光源としてブラウン管を用いる。電子ビームで走査するブラウン管のラスター像(全面同輝度)をフィルム上に結像させる。その透過光を光電変換装置で受け、映像信号を得る。連続走行するフィルムにラスター像を追跡させるための機構として、振動ミラー式(仏トムソン社)、ジャンプ・スキャン式(英シンテル)、デジスキャン式(英シンテル)などがある。
得られる解像度はフィルム上に結像させるラスター像の解像度に依存するため、異なる幅のフィルムに対して同一又は同程度の解像度を得るには光学的な工夫を要する。
3.レーザー方式
この方式では、FSS方式でのブラウン管のラスター像にかわり、レーザー光で直接フィルム上を走査し、その光を光電変換装置で受け、映像信号を得る。
レーザー光を用いることによる調整や運用の困難さを伴うことが想定される。
この方式では、ラインセンサを用い、フィルムを連続走行させて画像を得る。高級機では複数のラインセンサを用いて高解像度を得るものもある。
異なる幅のフィルムに対して同一又は同程度の解像度を得るには光学的な工夫を要する。
5.高速シャッター方式
この方式では、エリアセンサのカメラを用いる。フィルムの背景には面光源を用いる。フィルムは連続走行させる。フィルム上の1コマがカメラの撮影範囲に入ったタイミングにあわせてカメラで撮影する。タイミングを合わせるためにカメラとは別に設置したセンサでフィルムの走行状態を検知する。カメラのシャッタースピードを高速にする、あるいは面光源を高速に明滅させて撮影することでモーションブラーのない画像を得る。
異なる幅のフィルムに対して同一又は同程度の解像度を得るには光学的な工夫を要する。
6.回転プリズム方式
この方式では、連続走行するフィルムにあわせてプリズムを回転させることによって、光学的に1コマを停止させ、それを撮影する。プリズムを用いた同様の機構は、フィルム編集機のスタインベック等でも用いられている。
複数のフィルムフォーマットや、経年により変形、退縮したフィルムに対応することは非常に困難であると想定される。
例えば、特許文献1には、「画像フィルムの各色の光成分の透過特性の相違に起因する色ずれを解消できるフィルムスキャナ装置」(要約)が記載されている。
特許文献2には、「色成分信号を生成するスキャナであって、画像を照明ないしは透過照明するための照明装置と、複数の単色光源と、複数の走査素子とを有し、該走査素子は、照明ないしは透過照明された前記画像から得られた光を色成分信号に変換する形式のスキャナにおいて、前記照明装置を、前記複数の単色光源がフィルムフレームの相互に異なる位置を照明するように構成し、前記センサは、それぞれ対応する前記光源によって照明されるように配置されたスキャナ」(要約参照)が記載されている。
また、特許文献3には、「「映画フィルム材をファイリングするためのシステムであり、事後の段での表示又は処理中に可能な技術手段を利用することができるために、スキャンニング装置により、画像情報とフィルム上で供給される少なくとも別の情報を光学的にスキャンして、情報をデジタル化データとして利用可能にされ、スキャンされた情報は、元の情報内容に変換されず、記憶装置は、フィルムスキャナーからデジタルデータとして得られたデータを記憶し、表示装置は、記憶装置によって再生されたデータを、該データの元のフィルム上の元の位置に応じて分離して、当該データを分離データ信号として利用できる」(要約)ようにしたフィルムスキャナーが記載されている。
特許文献4には、簡単で安価な構成で、複数種類の映画用フィルム等の画像フィルムをスキャンしてデジタルデータとして記憶するためのフィルムスキャナ装置及びフィルムスキャン方法」(要約)が記載されている。
映画用フィルムには、例えば上述のような様々な規格のものがあり、フィルムスキャナにおいて、幅の異なるフィルムを、どちらも同一又は同程度解像度でデジタル化するという要望がある。そのためには、例えば、イメージセンサに装着するレンズにズーム機構をつければよい。しかし、このようなズーム機構は、光学系が複雑化し、高価になる。
一方、フィルムをスキャンするセンサにおいて高解像度を得るための単純な方法としては、例えば、センサを大型化すればよい。しかし、センサを大型化すると、センサと光学系とが複雑化し、高価になる。
間欠走行方式
(1)一部の超高級機では対応可能。それ以外では不可能
(2)一部の超高級機では対応可能。それ以外では不可能
FSS方式
(1)スプロケットを使用しないフィルム送り機構であれば可能。
(2)不可能ではないが電気的光学的にかなりの工夫を要する。
レーザー方式
(1)スプロケットを使用しないフィルム送り機構であれば可能。
(2)不可能ではないが電気的光学的にかなりの工夫を要する。
ラインセンサ方式
(1)スプロケットを使用しないフィルム送り機構であれば可能。
(2)光学的な工夫を要する。
高速シャッター方式
(1)スプロケットを使用しないフィルム送り機構であれば可能。
(2)光学的な工夫を要する。
回転プリズム方式
(1)通常回転プリズムとスプロケットとは一体となっているので不可能。
(2)不可能ではないが光学的にかなりの工夫を要する。
フィルムスキャナ装置であって、
面光源又は拡散板を通した光源により内容画像を取得するための第1の光源と、点光源又は平行光源又は赤外光源によりダメージ画像を取得するための第2の光源と、前記第1の光源又は前記第2の光源による照射を切り替える切替部とを有し、前記切替部により前記第1の光源又は前記第2の光源を同一照射エリアで時分割切替して、搬送される画像フィルムを照射する光源部と、
搬送される画像フィルムの透過光又は反射光を検出して画像フィルムをスキャンするためのセンサ部と、
画像フィルムを前記光源部と前記センサ部の光学的な位置の間に送るためのガイド部と、
前記ガイド部に沿って画像フィルムを、一定速度又は予め定められた速度パターンで連続的に送る搬送部と、
記憶部と、
処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記第1及び前記第2の光源を時分割に照射し、画像フィルム1コマに対して、4枚又はn枚(nは4以上の偶数)の速度で検出する前記センサ部により交互に4倍又n倍の画像を時分割で検出し、検出された前記第1の光源による2枚又は(n/2)枚の内容画像及び前記第2の光源による2枚又は(n/2)枚のダメージ状況画像を、前記センサ部から入力し、
1コマに対する2枚又は(n/2)枚の内容画像及び2枚又は(n/2)枚のダメージ状況画像を基に、複数画像の位置合わせ処理及び複数画像から1コマの画像を構成する再構成処理を実行することにより、1コマの内容画像及び1コマのダメージ状況画像を形成し、1コマの内容画像と1コマのダメージ状況画像を対応付けた出力デジタル画像データを前記記憶部に記憶する、
フィルムスキャナ装置が提供される。
フィルムスキャナ装置であって、
面光源又は拡散板を通した光源により内容画像を取得するための第1の光源と、点光源又は平行光源又は赤外光源によりダメージ画像を取得するための第2の光源とを有し、前記第1の光源及び前記第2の光源が画像フィルムの搬送方向に対して空間分割して配置され、搬送される画像フィルムを照射する光源部と、
搬送される画像フィルムの透過光又は反射光を検出して画像フィルムをスキャンし、前記第1の光源の照射エリア及び前記第2の光源の照射エリアを空間分割で検出するためのセンサ部と、
画像フィルムを前記光源部と前記センサ部の光学的な位置の間に送るためのガイド部と、
前記ガイド部に沿って画像フィルムを、一定速度又は予め定められた速度パターンで連続的に送る搬送部と、
記憶部と、
処理部と、
を備え、
前記処理部は、
フィルム1コマに対して、複数枚の速度で検出する前記センサ部により画像フィルムの搬送方向に対して空間分割で検出し、検出された前記第1の光源による複数枚の内容画像及び前記第2の光源による複数枚のダメージ状況画像を、前記センサ部から入力し、
1コマに対する複数枚の内容画像及び複数枚のダメージ状況画像を基に、複数画像の位置合わせ処理及び複数画像から1コマの画像を構成する再構成処理を実行することにより、1コマの内容画像及び1コマのダメージ状況画像を形成し、1コマの内容画像と1コマのダメージ状況画像を対応付けた出力デジタル画像データを前記記憶部に記憶する、
フィルムスキャナ装置が提供される。
フィルムスキャナ装置であって、
光源部と、
搬送される画像フィルムの透過光又は反射光を検出して画像フィルムをスキャンするための、エリアセンサを用いたセンサ部と、
画像フィルムを前記光源部と前記センサ部の光学的な位置の間に送るためのガイド部と、
前記ガイド部に沿って画像フィルムを、一定速度又は予め定められた速度パターンで連続的に送る搬送部と、
手動又は自動により、フィルム面に平行な面においてフィルム走行方向に対して角度をつけて又は回転して前記センサ部の角度を固定して設定し、設定した角度情報を出力するための角度設定部と、
記憶部と、
処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記角度設定部により、、前記センサ部のスキャン範囲又は幅が、画像フィルムの両側のパーフォレーション又は一方のみのパーフォレーションを含むエリアをカバーするように、スキャン範囲又は幅を画像フィルムのフィルム幅に合わせるように角度をつけて又は回転して設定された前記センサ部の角度情報を、前記角度設定部から入力し、
前記搬送部による画像フィルムの搬送速度及び前記センサ部による検出速度を設定することにより、前記センサ部で連続搬送された画像フィルム上の1コマを複数回検出し、前記センサ部による検出画像がデジタル化された1コマに対して複数の入力デジタル画像データを、前記センサ部から入力し、
1コマに対する複数の入力デジタル画像データを基に、画像の傾きを角度情報に従い元に戻すための傾き補正処理を実行し、複数画像の位置合わせ処理及び複数画像から1コマの画像を構成する再構成処理を実行することにより、それぞれの1コマの出力デジタル画像データを形成及び前記記憶部に記憶する、
フィルムスキャン装置が提供される。
フィルムスキャナ装置におけるフィルムスキャナ方法であって、
前記フィルムスキャナ装置は、
面光源又は拡散板を通した光源により内容画像を取得するための第1の光源と、点光源又は平行光源又は赤外光源によりダメージ画像を取得するための第2の光源と、前記第1の光源又は前記第2の光源による照射を切り替える切替部とを有し、前記切替部により前記第1の光源又は前記第2の光源を同一照射エリアで時分割切替して、搬送される画像フィルムを照射する光源部と、
搬送される画像フィルムの透過光又は反射光を検出して画像フィルムをスキャンするためのセンサ部と、
画像フィルムを前記光源部と前記センサ部の光学的な位置の間に送るためのガイド部と、
前記ガイド部に沿って画像フィルムを、一定速度又は予め定められた速度パターンで連続的に送る搬送部と、
記憶部と、
処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記第1及び前記第2の光源を時分割に照射し、画像フィルム1コマに対して、4枚又はn枚(nは4以上の偶数)の速度で検出する前記センサ部により交互に4倍又n倍の画像を時分割で検出し、検出された前記第1の光源による2枚又は(n/2)枚の内容画像及び前記第2の光源による2枚又は(n/2)枚のダメージ状況画像を、前記センサ部から入力し、
1コマに対する2枚又は(n/2)枚の内容画像及び2枚又は(n/2)枚のダメージ状況画像を基に、複数画像の位置合わせ処理及び複数画像から1コマの画像を構成する再構成処理を実行することにより、1コマの内容画像及び1コマのダメージ状況画像を形成し、1コマの内容画像と1コマのダメージ状況画像を対応付けた出力デジタル画像データを前記記憶部に記憶する、
フィルムスキャナ方法が提供される。
フィルムスキャナ装置におけるフィルムスキャナ方法であって、
前記フィルムスキャナ装置は、
面光源又は拡散板を通した光源により内容画像を取得するための第1の光源と、点光源又は平行光源又は赤外光源によりダメージ画像を取得するための第2の光源とを有し、前記第1の光源及び前記第2の光源が画像フィルムの搬送方向に対して空間分割して配置され、搬送される画像フィルムを照射する光源部と、
搬送される画像フィルムの透過光又は反射光を検出して画像フィルムをスキャンし、前記第1の光源の照射エリア及び前記第2の光源の照射エリアを空間分割で検出するためのセンサ部と、
画像フィルムを前記光源部と前記センサ部の光学的な位置の間に送るためのガイド部と、
前記ガイド部に沿って画像フィルムを、一定速度又は予め定められた速度パターンで連続的に送る搬送部と、
記憶部と、
処理部と、
を備え、
前記処理部は、
フィルム1コマに対して、複数枚の速度で検出する前記センサ部により画像フィルムの搬送方向に対して空間分割で検出し、検出された前記第1の光源による複数枚の内容画像及び前記第2の光源による複数枚のダメージ状況画像を、前記センサ部から入力し、
1コマに対する複数枚の内容画像及び複数枚のダメージ状況画像を基に、複数画像の位置合わせ処理及び複数画像から1コマの画像を構成する再構成処理を実行することにより、1コマの内容画像及び1コマのダメージ状況画像を形成し、1コマの内容画像と1コマのダメージ状況画像を対応付けた出力デジタル画像データを前記記憶部に記憶する、
フィルムスキャナ方法が提供される。
フィルムスキャナ装置におけるフィルムスキャナ方法であって、
前記フィルムスキャナ装置は、
光源部と、
搬送される画像フィルムの透過光又は反射光を検出して画像フィルムをスキャンするためのセンサ部と、
画像フィルムを前記光源部と前記センサ部の光学的な位置の間に送るためのガイド部と、
前記ガイド部に沿って画像フィルムを、一定速度又は予め定められた速度パターンで連続的に送る搬送部と、
手動又は自動により、フィルム面に平行な面においてフィルム走行方向に対して角度をつけて又は回転して前記センサ部の角度を固定して設定し、設定した角度情報を出力するための角度設定部と、
記憶部と、
処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記角度設定部により、、前記センサ部のスキャン範囲又は幅が、画像フィルムの両側のパーフォレーション又は一方のみのパーフォレーションを含むエリアをカバーするように、スキャン範囲又は幅を画像フィルムのフィルム幅に合わせるように角度をつけて又は回転して設定された前記センサ部の角度情報を、前記角度設定部から入力し、
前記搬送部による画像フィルムの搬送速度及び前記センサ部による検出速度を設定することにより、前記センサ部で連続搬送された画像フィルム上の1コマを複数回検出し、前記センサ部による検出画像がデジタル化された1コマに対して複数の入力デジタル画像データを、前記センサ部から入力し、
1コマに対する複数の入力デジタル画像データを基に、画像の傾きを角度情報に従い元に戻すための傾き補正処理を実行し、複数画像の位置合わせ処理及び複数画像から1コマの画像を構成する再構成処理を実行することにより、それぞれの1コマの出力デジタル画像データを形成及び前記記憶部に記憶する、
フィルムスキャン方法が提供される。
本実施形態のひとつでは、例えば、エリアセンサを用いて連続走行させたフィルムをスキャンする。その際、スキャン範囲又は幅を斜めに設定し、ズームレンズを使わず角度の調整によってセンサ幅をフィルム幅に合わせる。この方法であれば、センサのサイズを気にする必要もなく、光学系が複雑になることも避けられる。また、取得された画像を画像処理し、フィルムの1コマを得る。例えば、センサを斜めに設定した場合、得られたデータは斜めの角度がついた状態であるので、そのスキャン角度をメタデータ(付加データ)として記録し、それをもとに補正し、正しい画像を得る。これにより、撮影距離を変更したりズームレンズを使用したりすることなく、簡素な装置で映画フィルムを任意の解像度でスキャンできる。
また、本実施形態のひとつでは、例えば、画像処理でコマを特定するため、劣化で変形したフィルムにも対応できる。
また、本実施形態のひとつでは、例えば、光源の種類の違いにより、フィルムの画像の内容とダメージの状況とを一度に取得する。これにより、映画フィルムのどこに、どのようなダメージが生じているかを把握し、保存・修復の計画に役立てることができる。
さらに、本実施形態のひとつでは、例えば、クリーニング部を設けることで、フィルムをスキャンする前にフィルムの付着物(ホコリ、ゴミ、塵等)を除去することができる。
図1に、第1の実施形態のフィルムスキャナの構成図を示す。
フィルムスキャナ100-1は、センサ部1、制御部2、光源部3、ガイド部4、搬送部5、クリーニング部6を備え、画像フィルム200をスキャンしてデジタル画像データを取得する。なお、クリーニング部6を省略することもできる。
画像フィルム200は、例えば、撮影用フィルムや映写用フィルム等の映像用フィルム、その他の画像フィルムを含む。また、画像フィルム200としては、様々なフィルム幅、長さ、厚さ、材質等の映画用フィルムや、映画用以外のフィルムを用いることができる。画像フィルム200としては、様々なスクリーン比率(4:3、16:9(ワイド)、さらにワイド等)、縦横比等のものを用いることができる。さらに、画像フィルム200としては、パーフォレーションが一方の側にある画像フィルム、パーフォレーションが両側にある画像フィルム、パーフォレーションがない画像フィルムを用いることができる。
ガイド部4は、画像フィルム200を、光源部3とセンサ部1との間(光学的な間の位置)に送るための機構である。ガイド部4は、変形・縮退したフィルムを幾分平らにして撮影するための構成である。例えば、撮影部分は自由に回転するローラーで安定化を図る。
搬送部5は、ガイド部4に沿って、画像フィルム200を連続的に送る機構である。この図では、一例として、リール型のものを示すが、これに限らずドラム型や適宜の構造の搬送装置を用いることができる。ガイド部4により、例えば、画像フィルム200を平らに抑える又は歪みを抑えることができる。
光源部3は、ガイド部4を搬送される画像フィルム200に光を照射する。なお、図では、画像フィルム200の上側にセンサ部1、下側に光源部3が備えられているが、逆に、画像フィルム200の下側にセンサ部1、上側に光源部3が備えられるようにしてもよい。
クリーニング部6は、画像取得エリア(主に、センサ部1、光源部3、ガイド部4)の前に設置される。これにより、フィルム表面についたホコリやゴミを除去する。クリーニング部6は交換可能で、フィルムのコンディションに合わせて、粘着ローラー、薬品と吸着材などの組み合わせを選択する。
センサ部1は、センサ1aと、角度設定部1bと、光学系(図示せず)、信号処理部(図示せず)を有する。なお、図中、センサ1aのセンサ領域1cが示される。
センサ1aは、エリアセンサを備える。センサ1aは、一部分を用いて連続走行させたフィルムをスキャンする。その際、フィルム幅に応じてスキャン範囲又は幅を直角又は斜めに設定する。取得された画像を画像処理し、フィルムの1コマを得る。イメージセンサには内部回路の構成により、CMOS、CCDなどがあり、カラー/モノクロ、画素数など多種多様にあるが、この方式の装置に用いるにあたっては、種類は問わない。
角度設定部1bは、センサ1aをフィルム面と平行な面においてフィルム走行方向に対して斜めに角度をつけて固定する又は回転させて固定することができる。角度固定部1bは、例えば、支持部分1b-1によりフィルムスキャナ100-1の本体に固定され、センサ1aを備えた回転部分1b-2を回転又は角度をつけて支持部分1b-1により固定する機構を有する。なお、角度設定部1bは、ノッチや固定ネジ等の固定手段により、角度を離散的にセットできるようにした構成でもよいし、連続的に可変設定できるようにした構成でもよい。また、他にも、センサ1aの一端を回転軸として、他端がその周りに回転するような構成としてもよい。
センサ1aは、ガイド部4を通って搬送される画像フィルム200を、光源部3の照射により透過した光を検出する。その際、センサ1aは、搬送部5による画像フィルム200の搬送により、画像フィルム200を予め定められた走査周期でスキャンする。センサ1aは、例えば、スキャンするための複数種類の画像フィルム200のうち、予め定められた(又は、予めスキャンの対象とされた)最大のフィルム幅をカバーできる幅とすることができる。また、センサ1aの解像度は、所望の予め定められた解像度に対応して予め定められた画素数のものを用いることができる。一例として、フィルム幅を最大70mm、解像度を4K(4096ピクセル×2016ピクセル)を対象として想定した場合、センサ1aとしては、例えば、幅70mm、画素数4096のスキャン範囲又は幅を有するものを用いることができる。
例えば、図4(A)及び(B)に示すように、それより幅の狭い35mmフィルム、16mmフィルム等のスキャンでは、角度設定部1bにより、同じセンサ1aの幅をフィルム幅に合わせて回転して固定・設定すればよい。図中、エリアセンサ(センサ1a)のセンサ領域1cが示される。
センサ1aの検出信号は、センサ部1の内部の信号処理部によりA/D変換され、センサ部1は、デジタル画像データを出力する。なお、信号処理回路は、センサ部1の外部又は制御部2内等に適宜設けるようにしてもよい。
なお、センサ部1は、白黒又はグレーのデジタル画像データを検出する構成でもよいし、カラーのデジタル画像データを検出する構成でもよい。カラーのデジタル画像データを検出する場合のセンサ部1及び光源部3等の構成は、例えば、特許文献1又は2に記載されたように、カラーフィルタ、分光ミラー、レンズ等の光学系と、複数の検出器等を用いて構成することができる。
また、センサ1aは、スキャン範囲、長さ、幅、画素数、白黒・グレー又はカラーの検出素子等の所望の条件を備えた複数の種類のものを用意しておき、交換可能にする構成としてもよい。
また、光源部3及び/又はセンサ部1の光学系としては、例えば、物体側テレセントリック、像側テレセントリック、両側テレセントリック等を採用してもよい。
以上の例では、センサ部及び光源部3は、画像フィルム200の透過光をスキャンする構成について説明したが、これに限らず、画像フィルム200の反射光をスキャンする構成にすることもできる。
なお、エリアセンサの動作イメージとしては、沢山のラインセンサが並んでいるものと考えることもできる。エリアセンサは、ラインセンサと比較した場合、撮影速度としては不利な場合があるかもしれないが、面積でカバーし、十分に高速なシャッタースピードとフレームレートで撮影すると、フィルム上の1コマを複数回撮影することができる。撮影は、例えば、エリアセンサの撮影範囲の幅いっぱいに映るサイズで角度をつけると端の方が欠けてしまうので、少し内側の部分で収まるようにするとよい。
また、例えば、図4(A)では、35mmの画像フィルムの方がカバーしている領域が2コマではなく1.5コマ程度になっている場合を示したが、これは一例にすぎず、2コマ以上の複数コマをカバーするようにしてもよい。仮に1.5コマ程度をカバーする場合でも、例えば後述の図9(A)又は図9(B)で示すようにして複数枚をつなぎ合わせることで完全な1コマを得ることができる。このように、画像フィルム200撮影範囲としては、例えば、フィルム幅さえカバーできていれば、搬送方向の撮影範囲としては、まるまる1コマカバーされていなくてもよいし(1コマ以下でもよいし)、また、1コマ以上カバーするようにしてもよい。
本実施形態のひとつでは、特定の光源部3及び画像処理により、内容画像とダメージ状況画像とを取得することができる。内容画像とは、例えば、画像フィルムの各コマの内容・コンテンツを表す画像であり、ダメージ状況画像とは、例えば、画像フィルムの各コマのキズ等のダメージを表す画像である。
ダメージ状況画像では比較的浅いキズも表示される場合が想定される。どうして内容画像では見えないキズをわざわざ可視化するかというと、特に深いキズを探すためである。深いキズは内容画像にも影響を及ぼす。キズの入った画像に対しては、ある程度自動で修復するソフトウェアもあるが、必ずしも完全ではない。例えば、雪のシーンで降っている雪がゴミと判定され全て消されたなどという笑い話もあるようである。そこで、深刻なダメージがある部分は物理的に何らかの事故があったのだろうから他と比べて浅いキズも同時に増加しているのではないか、と仮定して深いキズを探すことができるように、内容画像には映らない浅いキズを探すというわけである。
内容画像を取得する際の光源は、例えば、面光源(拡散板とLEDや有機ELなど)とする。これにより比較的浅いキズは見えにくくなる。一方、ダメージ画像を取得する際の光源は、例えば、点光源あるいは平行光線の光源とする。これによりキズ、ホコリ、カビなど、写真像以外の要素をはっきり見ることができる。また、ダメージ状況画像の撮影に際しては、例えば、カラーフィルムの場合は赤外線を用いると内容画像の透過率が高くなるため、キズ等の状況がよりわかりやすくなる。
内容画像とダメージ状況画像の撮影に関しては、光源の使い分けについて、以下の方式がある。
図5に、1台のカメラによる位置を変える方式についての構成図を示す。
図5では、光源を2箇所、カメラを1つとしてフィルムをスキャンする場合についてご説明する。
光源部3は、拡散板とLEDや有機ELなどの光源を有し、内容画像を取得するため面光源の光源3bと、LEDや有機ELなどの光源を有し、ダメージ画像を取得する際の点光源又は平行光線光源の光源3aを備える。
撮影を1台のカメラを備えたセンサ部1で行う場合、エリアセンサのカメラを用い、スキャン範囲がフィルムの1コマより大きい範囲又は2コマ以上になるよう設定し、その1コマより大きい範囲又は2コマでそれぞれ異なる光源が背景になる位置で撮影する。この場合の画像取得方法は、基本的に後述の図7が示すエリアセンサでの方法と同じである。例えば、2つのエリアセンサが密着して並んでいるものと考えることができる。
図17に、2台のカメラによる位置を変える方式についての構成図を示す。
図5では、センサ部1は1台のカメラを備えていたが、図17は、この変形例であり、センサ部1は2台のカメラ1-a及び1-bを備える。撮影を行う場合、それぞれのカメラ1-a及び1-bのスキャン範囲がフィルムの1コマより大きい範囲又は2コマ以上になるよう設定し、カメラ1-aが光源3aを背景として撮影し、カメラ1-bが光源3bを背景として撮影する。この場合の画像取得方法は、例えば後述の図7が示すエリアセンサでの方法と同じである。
図6に、1台のカメラによる時間差方式についての構成図を示す。
光源3a及び3bからの光は切替部(例えば、ミラー)3cを介してフィルム上の同じ場所・エリアに照射される。処理部により、連続走行するフィルムがスキャン範囲内を通過するよりも短い時間で、光源を切り替える。エリアセンサのカメラ(センサ部1)を用いる場合は、十分に高速なシャッタースピードと毎秒コマ数に設定して撮影することで、フィルム上の同じコマに対して、異なる種類の光源による画像を取得する。
図6のような方式において、エリアセンサを用いる方式では、例えば次のようなメリットがある。
まずエリアセンサの方がラインセンサよりも製品ラインナップが豊富であること、特にカラーセンサについては安価であることが挙げられる。また、より高い画素数を得ようとした場合、どちらの方式でもフィルムの走行速度を落としてサンプリングを細かくすることができるが、ラインセンサでは、画像の縦横どちらかは必ずラインセンサ自体の画素数が最大値となる。エリアセンサは、画素密度ではラインセンサに劣る場合があるが、最大値に制限はない。角度を浅くとり、撮影枚数を増やせば画素数を増やすことができる(もっとも、画素を増やしても解像能力が無限に上がるというわけではない。)。
また、照明方式については、図6の方式が、図5の方式に比べ、おそらく装置をコンパクトにできると考えられる。
変形・退縮フィルムに対して、どのように、どうして対応することができるか、以下に説明する。
一般に、映画用フィルムは、フィルム自体の幅のほか、パーフォレーションのサイズ、パーフォレーション間の距離、画像の縦横のサイズなど、すべて規格が定められている。経年劣化で変形・退縮したものであっても、元々はそのようなサイズであったと考えることができるので、撮影時は変形していても画像処理で規格通りのサイズに戻してやればよいというのが基本的な考え方である。この際の課題は、他の装置で用いられるフィルム送り装置のスプロケット(歯車)やピン(フィルムを送ったり止めたりするツメ)などは規格のサイズにあわせて設計されているので、劣化して形が変わってしまったものには対応困難な場合があるという点である。例えばパーフォレーションの無い部分にスプロケットの歯やピンが触れて傷をつけたり破れたりといったことが起こる場合がある。既存の装置は、いわば歯車やピンによってコマを確定してから画像を取得するのに対し、この装置ではまず画像を取得して、あとから画像上でコマを確定する。そのためスプロケットもピンも使用しない。
エリアセンサを用いる方式の場合には、走行速度の変化にも柔軟に対応できる。フィルム現物がひどく変形していても、少なくとも巻き取れて、人の目で見てコマがわかるのであればスキャンすることができる。
エリアセンサは斜め又は直角に画像を取得していく。以下に示す、図7、図8において、いずれもスキャン対象となる映画フィルム200は左から右へと流れる。実物の映画フィルム200は図のような正方形ではなく、帯状の極端に横長の長方形であるが、ここでは説明のため便宜上、フィルム上の正方形のフィルム領域A~Iを仮定して注目する。映画フィルムの1コマと考えも構わない。また、各図において、上図は、フィルムに対して、センサが直交する場合、下図はフィルムに対してセンサが斜めに角度がついている場合をそれぞれ示す。なお、説明を簡略化するため、一例として、斜めの角度は45度程度としている。
図7の上図では、右側の上表のように、時刻(n,n+1,n+2)の各時刻での映画フィルム200-1(例えば、70mm幅等)のフィルム領域A~Iを検出するセンサ領域1~9を表す。表では、例えば、時刻nでは、フィルム領域C,F,Iが、それぞれセンサ領域1,4,7で検出されることを表す。時刻n+1では、フィルム領域A~Iが、それぞれセンサ領域1~9で検出されることを表す。また、時刻n+2では、フィルム領域A,D,Gが、それぞれセンサ領域3,6,9で検出されることを表す。このようにして、フィルム200の各フィルム領域A~Iの全データが取得される。
図7の下図では、右側の下表のように、時刻(n,n+1,n+2)の各時刻での映画フィルム200-2(例えば、35mm幅、16mm幅等)のフィルム領域A~Iを検出するセンサ領域1~9を表す。もしも、図7の上図のように、フィルムに対してセンサ領域(又はスキャン範囲若しくは幅)を直角にして検出すると、センサ領域の一部によってのみ検出されることになり、解像度は落ちてしまうことが想定される。そこで、本実施形態では、図7の下図のように、センサ領域をフィルムの進行方向に対して斜めに設定する。表では、例えば、時刻nでは、フィルム領域Fが、センサ領域7で検出されることを表す。なお、カッコは、フィルム領域C、Iが、それぞれ、センサ領域4と7,7と8で検出されることを表す。時刻n+1では、フィルム領域C,E,Iが、それぞれ、センサ領域4,7,8で検出されることを表す。なお、フィルム領域B,F,Hが、それぞれセンサ領域4と7,4と5と7と8,7と8で検出されることを表す。時刻n+2では、フィルム領域A,C,E,G,Iが、それぞれセンサ領域4,2,5,8,6で検出されることを表す。なお、フィルム領域B,D,F,Hが、それぞれ、センサ領域1と2と4と5,4と5と7と8,2と3と5と6,5と6と8と9で検出されることを表す。このようにして、フィルム200-2の各フィルム領域A~Iの全データが、センサ領域(又はスキャン範囲若しくは幅)の全体(又は、ほぼ全体)により検出され、フィルム200-2の画像が高解像度(例えば、図7の上図と同一又は同程度の解像度)で取得される。
この図は、図5の構成「(1)位置を変える構成」を採用した場合の説明図である。
エリアセンサはセンサ領域1cの範囲を撮影する(なお、エリアセンサのセンサ領域1c上に、映画フィルム200の像が結像する様子と考えてもよい。)。映画フィルム200が撮像範囲を通過する間に(あるいは映画フィルム200の像がセンサ上を通過する間に)、センサは高速で何枚もの写真を撮影する。それらを画像処理でつなぎ合わせ(例えば、デジカメのパノラマ写真のようなもの)、画像内からフィルムに空けられたパーフォレーションを探し出し、それをもとに1コマを見つけ出すことで、撮影時には1コマ全部を捉えていなくても、あとで完全な1コマを得ることができる。
図8において、フィルムを撮影する際の光源は、左側はダメージ状況画像用の光源3a、右側は内容画像用の光源3bで、それぞれ別の種類である。光源3aにより映画フィルム200が結像されるエリアセンサの領域には「a」の文字を、光源3b)なる方には「b」の文字を入れて示す。
図8の上図は、センサに角度をつけていない。そのため、aの領域とbの領域とは、センサの真ん中で真っ二つに左右に分かれている。センサを回転させて角度をつけると、左下の図のように、センサを斜めに横切る形でaとbとに分けられる。また、図8の下図は、センサに角度がつけられている。
フィルムが移動されると、領域aのセンサによりダメージ状況画像を取得し、領域bのセンサにより内容画像を取得することができる。
図9(B)は、エリアセンサを用いた場合の内容画像及びダメージ状況画像の画像処理(2)についての説明図を示す。図9(B)は、図6の構成「(3)時間で変更する構成」を採用した場合の説明図である。
以下、一例として、映画フィルムの走行速度を、上映時と同じ、毎秒24コマ(24FPS)と仮定して説明する。また、一例として、イメージセンサ(エリアセンサ)の撮影はその4倍の96FPSに設定する。
この場合、フィルムの走行速度とセンサの駆動速度の関係は下記のように式が立てられる。
フィルムの走行速度(FPS) × 光源の数(取得したい画像の種類) × 2 = センサ駆動速度(FPS)
図9(A)では、光源を1種類と想定しているが、例えばRGBの3種類の光源を順次切り替え、モノクロセンサでカラー画像を得ることも可能である。光源の切り替え周波数はセンサ駆動速度に準じる。今回仮定した設定では、1種類の光源が、1/96秒 毎に切り替わる。図9(A)は、フィルム1コマに対して、4倍の速度で駆動するセンサにより4枚の画像を取得する様子を示す。フィルム1コマに対して1枚~4枚が撮影される。フィルムは連続走行するため、取得画像(生)にはフィルムの1コマが部分的にしか捉えられていないので、画像処理でつなぎ合わせて1つの完全なコマ、取得画像(完成)を得る。その際、複数画像の位置合わせ処理及び複数画像から1コマの画像を構成する再構成処理を実行することにより、1コマの内容画像及び1コマのダメージ状況画像を形成する。
取得画像(生)の整理には、例えば、連番画像のファイル名「cap_000」から「cap_003」までとしてもよいし、DPXのようにタイムコード(TC)に対応するフォーマットの場合は、「TC00:00:00:00」から「TC 00:00:00:03」までとしてもよいし、適宜定めることができる。(なお、TCは映像編集ソフトとの親和性があるが、連番のファイル名で処理を組んだ方がシンプルであると想定される。)
取得画像(完成)は、例えば、取得画像(生)とは別名を与えて保存する(例えば、cap_000, cap_002 からdst_a_000を、cap_001, cap_003 からdst_b_000を生成して保存)。
上述のように走行速度24FPSの設定では、1秒間のフィルム映像を、1秒間でスキャンする。時間をかけて超解像のためにサンプリング回数を稼ぎたいという場合は、フィルムの走行速度を落とし、フィルムとセンサの速度比を広げてやればよい、ということになる。
また、得られた複数画像から解像度を向上させる技術としては、既存の超解像技術と同様の技術を採用することができる(例、https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej/62/3/62_3_337/_pdf、参照)。
すなわち、本実施形態では、撮影した画像を複数用いて、処理部が、各画像の位置合わせ処理及び再構成処理を実行することにより、フィルムのコマの画像を構成することができ、周知又は公知の適宜の技術を採用することができる。複数の低解像度画像からひとつの高解像度画像を得るための技術は超解像技術とも呼ばれる。位置合わせ処理は、例えば、領域ベースマッチング処理や特徴点を抽出して対応させる処理等、周知又は公知の適宜の技術を採用することができる。また、再構成処理は、例えば、MAP法(Maximum A Projection 法)等、周知又は公知の技術を採用することができる。
つぎに、内容画像とダメージ状況画像の各データの対応付けの一例について、以下に説明する。
図5では、隣の画像となる。すなわち、内容画像のコマ識別データ(以下、IDという。)をID=nとすると、ダメージ状況画像のIDは、ID=n+1となる。
図6では、例えば、ハーフミラーを用い、点灯する照明を高速に切り替え、一方の照明が点灯している間はもう一方は消灯するよう制御する。
エリアセンサの場合、切り替えの速さ(点灯時間)はセンサ側のフレームレートから決定される。
( 点灯時間 = 1/フレームレート×2 )
十分に高速なシャッタースピードとフレームレートで撮影すると、連続走行するフィルム上の1コマを複数回撮影することができる。
これにより、異なる照明による2種類の画像が得られる。
なお、装置内部には、取得したフィルムのコマ数(および長さ。通常35ミリフィルムでは16コマ=1フィート、16ミリフィルムでは40コマ=1フィート)を数えるカウンターがある。それをもとに、内容画像のデータとダメージ状況画像のデータとを関連づけ、コマ識別データを得ることができる。
取得したコマにユニークなID(コマ識別データ)を割り当てる方法として、まず1枚ずつの静止画像として保存する場合について説明する。
方法1: 静止画像ファイル名を連番として、プレフィクスまたはサフィックスで識別する。
例:
image_00000...image_00001...image_00002...image_00003...
damage_00000...damage_00001...damage_00002...damage_00003...
方法2: 静止画像ファイルのメタデータとして、タイムコードを記録する
次に、動画として保存する場合について説明する。
方法3: 動画ファイル「image」と動画ファイル「damage」の2つの動画ファイルにそれぞれ記録し、その両者のタイムコードは同一のものを記録する。
動画を再生する際には2つのファイルをオーバーラップさせることで、あるコマのキズの様子を確認できる。
図10に、第1の実施形態の制御部の構成図を示す。
制御部2は、処理部21、入力部22、インタフェース(I/F)部23、記憶部24、を備える。記憶部24は、入力画像ファイル24a、出力画像ファイル24bを含む。制御部2は、I/F部23により、センサ部1、光源部3、搬送部5等と接続され、各部を制御することができる。また、制御部2は、I/F部23を介して、センサ部1、入力部22及び/又は表示部・出力部とデータのやり取りをして、以下のような画像処理等の処理を実行することができる。
処理部21は、I/F部23を介して、センサ部1の角度設定部1bからセンサ1aを斜めにセットした角度情報を入力する。また、処理部21は、センサ1aからスキャンした検出信号による入力デジタル画像データ(内容画像及びダメージ状況画像)を入力して、記憶部22の入力画像ファイル24aに記憶する。つぎに、処理部21は、以下に説明するような画像処理を実行し、出力デジタル画像データ(内容画像及びダメージ状況画像、内容画像からダメージ画像の影響を除くように処理した補正画像)を記憶部24の出力画像ファイル24bに記憶する。また、処理部21は、入力画像ファイル24a及び/又は出力画像ファイル24bに記憶した各デジタル画像データ(内容画像及びダメージ状況画像、補正画像)等のデータをI/F部23を介して、表示部に表示させること及び/又は外部装置に出力することができる。
図11に、フィルムスキャナの処理部による画像処理についてのフローチャートを示す。
以下に、処理部21の画像処理の詳細手順を説明する。ここでは、一例として、センサ1aとして、フィルム幅の70mm以下の70mmフィルム、35mmフィルム、16mmフィルム等を画像フィルム200のスキャン対象とし、解像度(フィルム幅)を画素数4096ピクセルのデジタル画像データを対象とする場合について説明するが、これに限られない。
準備段階として、ユーザは、予め定められたスキャン範囲(又は、幅)及び解像度のセンサ1aがセットされたフィルムスキャナ100-1に、搬送部5及びガイド部4等により、画像フィルム200をセットする(S101)。つぎに、センサ部1の角度設定部1bにより、画像フィルム200に対するセンサ1aの角度を設定する(S103)。ここでは、一例として、ユーザが、マニュアルで角度を設定することができる。なお、駆動部により処理部21が自動で角度を設定してもよい。角度の固定・設定については、例えば、図3及び図4を参照して上述した通り、センサ1aのスキャン範囲(又は、幅)をスキャンする画像フィルム200のフィルム幅に合わせる(一致させる又は整合させる)ように、フィルム走行方向と直交又は斜めにセンサ部1aを回転又は角度をつけて固定・設定する。センサ部1は、設定した角度情報を処理部21に送る。
なお、パーフォレーションが、一方の側にある画像フィルムにも、両側にある画像フィルムでも、本実施形態を適用することができる。センサ1aの検出幅が、両側のパーフォレーションを含むエリアをカバーするようにしてもよいし、一方のみのパーフォレーションを含むエリアをカバーするようにしてもよいし、パーフォレーションを除いたエリアをカバーするようにしてもよい。
ユーザが、適宜のスイッチ等で実行開始を行うようにするなど入力部22等によりスキャン開始を指示すること、又は、処理部21が、適宜のタイミングで自動的にフィルムスキャナ100-1の動作を開始させることにより、画像フィルム200のスキャンを実行する(S107)。処理部21は、スキャンを実行すると、搬送部5を制御して画像フィルム200を一定速度又は予め定められた速度パターンで連続搬送させながら、センサ1aでスキャンした検出信号をデジタル化した入力デジタル画像データを取得し、入力画像ファイル24aに記憶する(S109)。なお、処理部21は、入力デジタル画像データに、コマ識別データ及び/又は角度情報を付加して入力画像ファイル24aに記憶するようにしてもよい。この際、コマ識別データは、ユーザが入力部22により予め定めるようにしてもよいし、処理部21が付与してもよい。
ここで、ステップS103でセンサ1aの幅とフィルム幅を合わせてあるので、どのようなフィルム幅であっても、得られるデジタル画像データの短辺(フィルム幅の方向)の解像度はエリアセンサの画素(例えば、センサ1aの4096画素)として、デジタル画像データが得られる。
なお、ユーザが、適宜のスイッチ等で実行停止を指示するなど入力部22等によりスキャン停止を指示してもよいし、処理部21が、適宜のタイミング又は時間で自動的にスキャンを停止させるようにしてもよい。
得られた入力デジタル画像データは、ステップS103でセンサ部1の角度設定部1bによりラインスキャナ1aを斜めに設定した場合、画像に角度がついた状態(傾き画像)になっている。処理部21は、入力画像ファイル24aから入力デジタル画像データを読み出し、このような傾き画像に対して、図7下図、図8下図及びこれらの説明箇所で上述したように、メタデータとして内部メモリ等に記録された角度情報をもとに傾きを元に戻すための傾き補正処理を行い、元の状態(例えば、傾きのない長方形・正方形の状態)に戻し、傾きのないデジタル画像データを形成する。なお、このような傾き補正処理は、一般的な公知又は周知の画像変換処理を用いることができる。
処理部21は、傾きのないデジタル画像データに対して、図9で説明したように、画像位置合わせ処理及び再構成処理を行う。処理部21は、撮影した傾きのないデジタル画像データを複数用いて、各画像の位置合わせ処理及び再構成処理を実行することにより、フィルムのコマの画像を構成することができる。これらの処理は、周知又は公知の適宜の技術を採用することができる。複数の低解像度画像からひとつの高解像度画像を得るための技術は超解像技術とも呼ばれる。位置合わせ処理は、例えば、領域ベースマッチング処理や特徴点を抽出して対応させる処理等、周知又は公知の適宜の技術を採用することができる。また、再構成処理は、例えば、MAP法(Maximum A Projection 法)等、周知又は公知の技術を採用することができる。
この例では、出力画像ファイル24bは、コマ識別データ241毎に、角度情報242、出力デジタル画像データ243(内容画像、ダメージ状況画像、補正画像等を含む。)、付加情報244を含む。なお、コマ識別データ241、角度情報242、付加情報244等は適宜省略されてもよい。このフォーマットは、一例であり、適宜のフォーマットを用いることができる。
付加情報244としては、例えば、ユーザにより入力部等から入力又は指定された情報(例えば、フィルム番号、タイトル、撮影日時、データ記憶日時、その他の日時、等)、取得した入力デジタル画像データから処理部21が認識した情報等の適宜の情報を含むようにしてもよい。なお、入力デジタル画像データ及び出力デジタル画像データには、画像フィルム200に書き込まれた文字情報、エッジナンバー等のスキャンされたデータが含まれる場合もある。
各種のフィルム幅の画像フィルムについて、図13は35mmフィルム、図14は16mmフィルム、の場合の一例をそれぞれ示す。本実施形態は、他にも70mmフィルム等の各種のフィルムに適用することができる。図示のように、各フィルム幅についてスキャンし、補正処理及び記憶されたそれぞれの出力デジタル画像データは、センサ1aのフィルム幅の解像度(上述の例では、画素数4096ピクセル)で全て同一又は同程度の解像度で記憶部24に記憶される。また、処理部21は、適宜、出力画像ファイル24bから出力デジタル画像データを読み出し、表示部に表示及び/又は出力部に出力することができる。
(1)内容画像とダメージ状況画像を並べて1画面で表示して、比較することができる。
(2)内容画像からダメージ状況画像の影響を除いて内容の画像をより鮮明にし補正画像を形成し、補正画像を表示する。処理部21は、補正画像を形成する処理には、例えば、内容画像からダメージの画像の差し引く処理、適宜の重みづけをつけて差し引く処理等適宜のノイズ除去等の処理を行うことができる。なお、処理部21は、内容画像、ダメージ状況画像、補正画像を適宜選択して表示部に表示することができる。また、内容画像とダメージ状況画像を、1画面で並べて表示して比較することもできる。さらに、内容画像とダメージ状況の画像とともに、補正画像も1画面で並べて表示して比較することもできる。
多くの場合、映画フィルムのダメージは複数のコマにまたがる連続した範囲に現れる。また、深刻なダメージは単体で現れるのではなく、その周辺に無数の小さなダメージを伴うことが多いと考えられる。さらに、巻かれた状態で生じたカビ、融着、転写などは、出現頻度に周期性を持つ。これらの特徴を踏まえ、データを取得し整理することにより、映画フィルムのどこに、どのようなダメージが生じているかを把握し、保存・修復の計画に役立てることができる。
ここで、上述の「出現頻度に周期性を持つ」ことについて、どのように把握して、どのようにダメージ把握に適用する処理を実行するかなどについて、以下補足説明する。長期間放置されたフィルムにはカビや融着などが生じることが想定されるが、それらは巻かれた状態で発生する。巻かれて円柱状になったフィルムに「ある範囲」として広がる。フィルムは渦巻状になっているが、厚みはとても薄いので、すぐ上下の外周と内周との差はほとんどないと考えられる。例えば、16ミリフィルムでは大きくてもフィルムの巻かれたリールは直径40cm弱である。そのため、仮に2度、125cm以内に似たようなダメージが現れた場合、3度目がほぼ同じ間隔で来る確率は高く、実際に3度目が来たとしたら、4度目はほぼ確実視できると考えられる。装置は内部のカウンターでコマ数を数えており、16ミリフィルムの場合は40コマ=1フィートなどとコマ数と長さの対応はフォーマットごとに定められているので、処理部21は、画像上でダメージの特徴点をとらえて前後のコマで似たようなものを発見すれば、そのダメージ間の長さを計測することが可能である。フィルムの厚みのため直径はだんだんと小さくなっていき、直径が小さくなるほど直径の変化は大きくなるが、処理部21は、計測と計算で「次のダメージ出現位置」を予測することができ、例えば出力画像ファイルの付加情報244にフラグ等の情報情報を記憶することができる。これにより、前述したような「ダメージなのか元画像の特徴なのか」の判断を助けたり、修復作業時の基礎情報とすることができる。
例えば、処理部21は、複数のダメージ状況画像を元に、予め定められた閾値以上のダメージの出現頻度に周期性を持つか否かを判定し、周期性を持つと判定した場合、出力デジタル画像データにフラグを付加して記憶部24に記憶することができる。
以下に、センサ部の角度調整を自動に設定するための構成を説明する。
図15に、第2の実施形態のフィルムスキャナの構成図を示す。また、図16に、第2の実施形態の制御部の構成図を示す。
第2の実施形態のフィルムスキャナ100-2は、センサ部1、制御部2、光源部3、ガイド部4、搬送部5、クリーニング部6に加え、角度調整部7、フィルム幅検出部8、を備える。
制御部2は、処理部21、入力部22、インタフェース(I/F)部23、記憶部24、を備える。記憶部24は、入力画像ファイル24a、出力画像ファイル24bを含み、さらに、フィルム幅に対するセンサ部1を設定する傾き角度を予め定め記憶した角度ファイル24cを含む。制御部2は、I/F部23により、センサ部1、光源部3、搬送部5等と接続され、さらに、フィルム幅検出部8、角度調整部7と接続され、各部を制御することができる。また、制御部2は、I/F部23を介して、センサ部1、入力部22及び/又は表示部・出力部に加え、さらにフィルム幅検出部8、角度調整部7とデータのやり取りをして、以下のような画像処理等の処理を実行することができる。
なお、第1の実施形態と同一の符号の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様である。
また、第2の実施形態では、処理部21は、図5に示した第1の実施形態のフローチャートと同様に、画像処理を実行する。ただし、ステップS103における角度設定部1bによるセンサ1aの角度の設定を、第1の実施形態ではマニュアルで行うのに対し、第2の実施形態では、以下のように、処理部21が、フィルム幅検出部8及び角度調整部7により、自動で行う点が、主に異なる。
角度調整部7は、処理部21が求めた角度情報に従い、角度設定部1bを駆動制御して、センサ1aを斜めにセットする。
あるいは、角度ファイル24cを省力し、処理部21は、フィルム幅検出部8が検出したフィルム幅情報と予め定められたセンサ1aのスキャン範囲(又は、幅)とにより、センサ1aのスキャン範囲(又は、幅)がフィルム幅と整合する又は一致するような角度を計算することにより角度情報を設定するようにしてもよい。
なお、フィルム幅検出部8及び/又は角度調整部7は、センサ部1と一体となっていてもよく、また、処理部21によらず角度調整部7がフィルム幅検出部8からの情報に従い直接角度情報を求めるようにしてもよい。また、角度設定部1bは、角度調整部7により、設定角度を離散的にセットできるようにしてもよいし、連続的に可変とする構成でもよい。
本実施形態によると、さらに、以下のような格別な効果を奏する。
・本発明のひとつの実施形態のひとつによると、簡単で安価な構成で、変形・退縮した及び異なる幅の映画用フィルム等の画像フィルムをスキャンしてデジタルデータとして記憶するためのフィルムスキャナ装置及びフィルムスキャン方法を提供することができる。
・本発明の他のひとつの実施形態によると、簡単で安価な構成で、変形・退縮した映画用フィルム等の画像フィルムをスキャンして、画像フィルムの劣化の状態を取得してデジタルデータとして記憶するためのフィルムスキャナ装置及びフィルムスキャン方法を提供することができる。
・本実施形態のひとつによると、エリアセンサのスキャン範囲をフィルム幅に応じて画像フィルムに対して斜めに設定することで、ズームレンズを使わず、異なる幅の画像フィルムでも同一又は同程度の解像度・所望の解像度の画像データを得ることができる。また、エリアセンサの画素数及び/又は角度の調整によって、任意の解像度を得ることができる。
・本実施形態のひとつによると、スキャンにおいて、画像フィルムを駒単位の画像や動画としてではなく、パーフォレーション部分も含め、ひと続きの長い画像としてキャプチャし、後からコマの位置を特定することができる。これにより、スキャンの際に、コマ位置等を調整して巻き返す等の手間が省ける。
・また、例えば、35ミリフィルムは4パーフォレーションが広く使用されるが、8パーフォレーション、3パーフォレーション、2パーフォレーション、等も存在する。本実施形態によると、スキャンの時点でそれらを区別してフィルムスキャナの設定を操作する必要がない。・
本実施形態によると、画像フィルムに書き込まれた文字・数字・ロゴ・マークや、画像フィルムの端に記されたエッジナンバー等もスキャンして記憶することができる。
・本実施形態のひとつによると、あらゆる方式の光学サウンドトラックに対応することができる。
・本実施形態の他のひとつによると、「スキャン装置」としての機能を有すると同時に「フィルムの劣化状態をある程度判別可能する」という機能も有することができる。また、装置を扱う人物自身がフィルムに関する豊富な経験を持っていなくても構わないし、また、状態不明なものでもスキャンすることができるという強みがある。
・本実施形態のさらに他のひとつによると、例えば、クリーニング部を設けることで、フィルムをスキャンする前にフィルムの付着物(ホコリ、ゴミ、塵等)を除去することができる。
なお、上述の実施形態において、角度設定のための構成及び動作を備えないようにすることができる。その場合、フィルムスキャナの構成図では、例えば、角度設定部1b、角度調整部7、フィルム幅検出部8、角度ファイル24c、角度情報242等を、適宜省略することができる。また、フローチャートでは、例えば、ステップS103、S105等、及び、傾き補正処理等を、適宜省略することができる。
また、上述の実施形態において、ダメージ状況画像の取得のための構成及び処理を備えないようにすることもできる。その場合、フィルムスキャナの構成図では、例えば、光源3a、ミラー3c等を、適宜省略することができる。また、フローチャートでは、例えば、ダメージ状況画像に関する処理、ダメージ状況画像の出力画像ファイルのフォーマット等を、適宜省略することができる。
また、上述の各数値は一例でありこれらに限られず、フィルム幅スクリーン比率(4:3、16:9(ワイド)、さらにワイド等)、縦横比、画素数、解像度、画像フィルムの長さ、画像フィルムの搬送速度、走査周期等は、適宜のものを用いることができる。
また、センサ部1としては、エリアセンサを用いる実施形態について説明したが、ラインセンサや他の適宜のセンサを用いるようにしても良い。
200 画像フィルム
1 センサ部
2 制御部
3 光源部
4 ガイド部
5 搬送部
6 クリーニング部
7 角度調整部
8 フィルム幅検出部
Claims (14)
- フィルムスキャナ装置であって、
面光源又は拡散板を通した光源により内容画像を取得するための第1の光源と、点光源又は平行光源又は赤外光源によりダメージ画像を取得するための第2の光源と、前記第1の光源又は前記第2の光源による照射を切り替える切替部とを有し、前記切替部により前記第1の光源又は前記第2の光源を同一照射エリアで時分割切替して、搬送される画像フィルムを照射する光源部と、
搬送される画像フィルムの透過光又は反射光を検出して画像フィルムをスキャンするためのセンサ部と、
画像フィルムを前記光源部と前記センサ部の光学的な位置の間に送るためのガイド部と、
前記ガイド部に沿って画像フィルムを、一定速度又は予め定められた速度パターンで連続的に送る搬送部と、
記憶部と、
処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記第1及び前記第2の光源を時分割に照射し、画像フィルム1コマに対して、4枚又はn枚(nは4以上の偶数)の速度で検出する前記センサ部により交互に4倍又n倍の画像を時分割で検出し、検出された前記第1の光源による2枚又は(n/2)枚の内容画像及び前記第2の光源による2枚又は(n/2)枚のダメージ状況画像を、前記センサ部から入力し、
1コマに対する2枚又は(n/2)枚の内容画像及び2枚又は(n/2)枚のダメージ状況画像を基に、複数画像の位置合わせ処理及び複数画像から1コマの画像を構成する再構成処理を実行することにより、1コマの内容画像及び1コマのダメージ状況画像を形成し、1コマの内容画像と1コマのダメージ状況画像を対応付けた出力デジタル画像データを前記記憶部に記憶する、
フィルムスキャナ装置。
- フィルムスキャナ装置であって、
面光源又は拡散板を通した光源により内容画像を取得するための第1の光源と、点光源又は平行光源又は赤外光源によりダメージ画像を取得するための第2の光源とを有し、前記第1の光源及び前記第2の光源が画像フィルムの搬送方向に対して空間分割して配置され、搬送される画像フィルムを照射する光源部と、
搬送される画像フィルムの透過光又は反射光を検出して画像フィルムをスキャンし、前記第1の光源の照射エリア及び前記第2の光源の照射エリアを空間分割で検出するためのセンサ部と、
画像フィルムを前記光源部と前記センサ部の光学的な位置の間に送るためのガイド部と、
前記ガイド部に沿って画像フィルムを、一定速度又は予め定められた速度パターンで連続的に送る搬送部と、
記憶部と、
処理部と、
を備え、
前記処理部は、
フィルム1コマに対して、複数枚の速度で検出する前記センサ部により画像フィルムの搬送方向に対して空間分割で検出し、検出された前記第1の光源による複数枚の内容画像及び前記第2の光源による複数枚のダメージ状況画像を、前記センサ部から入力し、
1コマに対する複数枚の内容画像及び複数枚のダメージ状況画像を基に、複数画像の位置合わせ処理及び複数画像から1コマの画像を構成する再構成処理を実行することにより、1コマの内容画像及び1コマのダメージ状況画像を形成し、1コマの内容画像と1コマのダメージ状況画像を対応付けた出力デジタル画像データを前記記憶部に記憶する、
フィルムスキャナ装置。
- 請求項2に記載のフィルムスキャナ装置において、
前記センサ部は、ひとつのエリアセンサを備え、前記エリアセンサにより前記第1の光源及び前記第2の光源の照射エリアを空間分割で検出することを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項2に記載のフィルムスキャナ装置において、
前記センサ部は、第1及び第2のエリアセンサを前記画像フィルムの搬送方向に空間分割で配置され、前記第1のエリアセンサ及び前記第2のエリアセンサにより、それぞれ前記第1の光源及び前記第2の光源の照射エリアを空間分割で検出することを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のフィルムスキャナ装置において、
手動又は自動により、フィルム面に平行な面においてフィルム走行方向に対して角度をつけて又は回転して前記センサ部の角度を固定して設定し、設定した角度情報を出力するための角度設定部と、
をさらに備え、
前記処理部は、
前記角度設定部により、前記センサ部のスキャン範囲又は幅が、画像フィルムの両側のパーフォレーション又は一方のみのパーフォレーションを含むエリアをカバーするように、スキャン範囲又は幅を画像フィルムのフィルム幅に合わせるように角度をつけて又は回転して設定された前記センサ部の角度情報を、前記角度設定部から入力し、
前記記憶部に記憶された1コマに対する複数枚の内容画像及び複数枚のダメージ状況画像を基に、画像の傾きを角度情報に従い元に戻すための傾き補正処理を実行し、前記位置合わせ処理及び前記再構成処理を実行することにより、1コマの内容画像及び1コマのダメージ状況画像を形成する、
ことを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載のフィルムスキャナ装置において、
前記処理部は、複数のダメージ状況画像を元に、予め定められた閾値以上のダメージの出現頻度に周期性を持つか否かを判定し、周期性を持つと判定した場合、出力デジタル画像データにフラグを付加して前記記憶部に記憶することを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載のフィルムスキャナ装置において、
前記処理部は、
内容画像とダメージ状況画像を並べて1画面で表示部に表示する、及び/又は、
内容画像からダメージ状況画像を差し引いた補正画像を表示部に表示する
ことを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載のフィルムスキャナ装置において、
前記センサ部による画像取得エリアの前に設けられ、画像フィルム表面についた付着物を除去するためのクリーニング部をさらに備えたことを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項5に記載のフィルムスキャナ装置において、
前記角度設定部は、
予め定められたフィルム幅の画像フィルムのスキャンでは、フィルム面に平行な面においてフィルム走行方向と直交するように前記センサ部を固定するように設定し、
前記予め設定されたフィルム幅より幅の狭い画像フィルムのスキャンでは、フィルム面に平行な面において前記センサ部のスキャン範囲又は幅をフィルム幅に一致又は整合するように角度をつけ又は回転して固定するように設定する、
構成であることを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項5又は9に記載のフィルムスキャナ装置において、
画像フィルムのフィルム幅を表すフィルム幅情報を検出するフィルム幅検出部と、
フィルム幅情報に基づき求められた前記センサ部を設定する傾きを表す角度情報に従い、前記角度設定部を駆動制御して前記センサ部を斜めにセットする角度調整部と、
をさらに備えたことを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項10に記載のフィルムスキャナ装置において、
前記記憶部は、フィルム幅に応じた角度情報を予め定め記憶した角度ファイルをさらに含み、
前記処理部は、前記角度ファイルを参照して角度情報を設定する、
ことを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項10に記載のフィルムスキャナ装置において、
前記処理部は、フィルム幅情報と前記センサ部のスキャン範囲又は幅に基づき、前記センサ部のスキャン範囲又は幅がフィルム幅と整合する又は一致するように、角度情報を計算することを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- フィルムスキャナ装置におけるフィルムスキャナ方法であって、
前記フィルムスキャナ装置は、
面光源又は拡散板を通した光源により内容画像を取得するための第1の光源と、点光源又は平行光源又は赤外光源によりダメージ画像を取得するための第2の光源と、前記第1の光源又は前記第2の光源による照射を切り替える切替部とを有し、前記切替部により前記第1の光源又は前記第2の光源を同一照射エリアで時分割切替して、搬送される画像フィルムを照射する光源部と、
搬送される画像フィルムの透過光又は反射光を検出して画像フィルムをスキャンするためのセンサ部と、
画像フィルムを前記光源部と前記センサ部の光学的な位置の間に送るためのガイド部と、
前記ガイド部に沿って画像フィルムを、一定速度又は予め定められた速度パターンで連続的に送る搬送部と、
記憶部と、
処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記第1及び前記第2の光源を時分割に照射し、画像フィルム1コマに対して、4枚又はn枚(nは4以上の偶数)の速度で検出する前記センサ部により交互に4倍又n倍の画像を時分割で検出し、検出された前記第1の光源による2枚又は(n/2)枚の内容画像及び前記第2の光源による2枚又は(n/2)枚のダメージ状況画像を、前記センサ部から入力し、
1コマに対する2枚又は(n/2)枚の内容画像及び2枚又は(n/2)枚のダメージ状況画像を基に、複数画像の位置合わせ処理及び複数画像から1コマの画像を構成する再構成処理を実行することにより、1コマの内容画像及び1コマのダメージ状況画像を形成し、1コマの内容画像と1コマのダメージ状況画像を対応付けた出力デジタル画像データを前記記憶部に記憶する、
フィルムスキャナ方法。
- フィルムスキャナ装置におけるフィルムスキャナ方法であって、
前記フィルムスキャナ装置は、
面光源又は拡散板を通した光源により内容画像を取得するための第1の光源と、点光源又は平行光源又は赤外光源によりダメージ画像を取得するための第2の光源とを有し、前記第1の光源及び前記第2の光源が画像フィルムの搬送方向に対して空間分割して配置され、搬送される画像フィルムを照射する光源部と、
搬送される画像フィルムの透過光又は反射光を検出して画像フィルムをスキャンし、前記第1の光源の照射エリア及び前記第2の光源の照射エリアを空間分割で検出するためのセンサ部と、
画像フィルムを前記光源部と前記センサ部の光学的な位置の間に送るためのガイド部と、
前記ガイド部に沿って画像フィルムを、一定速度又は予め定められた速度パターンで連続的に送る搬送部と、
記憶部と、
処理部と、
を備え、
前記処理部は、
フィルム1コマに対して、複数枚の速度で検出する前記センサ部により画像フィルムの搬送方向に対して空間分割で検出し、検出された前記第1の光源による複数枚の内容画像及び前記第2の光源による複数枚のダメージ状況画像を、前記センサ部から入力し、
1コマに対する複数枚の内容画像及び複数枚のダメージ状況画像を基に、複数画像の位置合わせ処理及び複数画像から1コマの画像を構成する再構成処理を実行することにより、1コマの内容画像及び1コマのダメージ状況画像を形成し、1コマの内容画像と1コマのダメージ状況画像を対応付けた出力デジタル画像データを前記記憶部に記憶する、
フィルムスキャナ方法。
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