JP7210910B2 - ガラス物品の製造方法及びガラス物品の製造装置 - Google Patents

ガラス物品の製造方法及びガラス物品の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス物品の製造方法及びガラス物品の製造装置に関する。
従来、特許文献1,2に開示されるように、レーザー光をガラスの内部に集光させてガラスの内部に改質された加工痕を形成した後、その加工痕を進展させてガラスを切断する方法が知られている。このようにガラスに形成した加工痕を進展させる方法としては、延伸性を有する樹脂フィルム(エキスパンド用のテープ)をガラスに貼り付けた後、その樹脂フィルムを延伸することでガラスに外力を加える方法が知られている。
特開2014-148454号公報 特開2013-157545号公報
上記のように、レーザー光を照射することでガラスの内部に加工痕を形成した後、その加工痕を進展させることでガラスを切断する方法によれば、ブレードを用いてガラスを切断する方法よりも、ガラスの切断面におけるチッピング等の発生を抑えることができる。ところが、加工痕を進展させるために延伸性を有する樹脂フィルムを用いることが必要である等、加工痕を進展させるために機械的な外力を加える工程が煩雑となっている。
本発明の目的は、ガラスを切断する工程を簡略化することのできるガラス物品の製造方法及びガラス物品の製造装置を提供することにある。
上記課題を解決するガラス物品の製造方法は、レーザー光を用いてガラスを切断してガラス物品を得るガラス物品の製造方法であって、前記ガラスの内部に加工痕を形成する第1のレーザー光を前記ガラスの切断予定線に沿って走査する第1工程と、前記ガラスを加熱する第2のレーザー光を前記第1工程後の前記切断予定線に沿って走査する第2工程とを備え、前記第2工程の加熱に基づく熱衝撃により前記加工痕を進展させることで前記ガラスを切断する。
この方法によれば、上記第2工程によって、第1工程後のガラスに機械的な外力を加えることなく、ガラスを切断することができる。また、ガラスにおける切断予定線を変更した場合であっても、第1工程における第1のレーザー光の走査制御、及び第2工程における第2のレーザー光の走査制御を変更することで、ガラスを切断することも容易となる。すなわち、異なる形状のガラス物品を得る場合であっても、第1のレーザー光及び第2のレーザー光の走査制御によって対応することが可能となる。
上記ガラス物品の製造方法は、前記第1工程において、前記第1のレーザー光の光軸方向に沿って複数の加工痕を前記ガラスに形成することが好ましい。
この方法によれば、第2工程において加工痕が所定の方向に進展し易くなる。
上記ガラス物品の製造方法は、前記第2工程において、前記第2のレーザー光の波長は、厚さが1mmのガラスを試験体とし、前記試験体の厚さ方向に沿って照射した場合の透過率が10%以上、50%以下の範囲内となる波長を含むことが好ましい。
例えば、上述した波長を含む第2のレーザー光をガラスの内部で集光させることで、ガラスの内部を効率的に加熱することが可能となる。
上記ガラス物品の製造方法において、前記ガラスは、板ガラスであることが好ましい。
このように、板ガラスから板状のガラス物品を得ることができる。
上記ガラス物品の製造方法において、前記ガラスの切断予定線を連続した環状に設定することもできる。
上記のように、ガラスの切断予定線を設定してガラス物品を得ることもできる。
上記ガラス物品の製造方法は、前記第2工程において、前記切断予定線に沿った前記第2のレーザー光の走査を複数回行うことが好ましい。
この方法によれば、ガラスの内部の加工痕を徐々に進展させることが可能となる。これにより、ガラスに過剰な熱衝撃が加わることを抑えることが可能となる。
上記ガラス物品の製造方法において、前記第2工程は、前記第2のレーザー光を第1集光点で前記切断予定線に沿って走査する第1走査段階と、前記第2のレーザー光を第2集光点で前記切断予定線に沿って走査する第2走査段階とを含み、前記第2のレーザー光の光軸方向において、前記第1集光点を前記第2集光点よりも入射側とし、前記第2集光点を前記第1集光点よりも前記ガラスの中央部に近い位置とすることが好ましい。
この方法によれば、ガラスに過剰な熱衝撃が加わることをより抑えることが可能となる。
上記ガラス物品の製造方法は、前記第1工程において、前記ガラスの切断予定線に沿って配列した複数の前記加工痕を形成し、前記加工痕の外径MDに対する前記第2のレーザー光の集光径LDが下記式(1):
LD≦MD・・・(1)
で表される関係を満たすように前記第2工程を行うことが好ましい。
この方法によれば、第2工程において、加工痕の周囲が局所的に加熱され易くなるため、ガラスにおいて不要な部分の加熱によるダメージを抑えることができる。
上記ガラス物品の製造方法は、前記第2工程において、前記第2のレーザー光を吸収する吸収剤を含む被覆層により覆われた前記切断予定線に沿って前記第2のレーザー光を走査することが好ましい。
この方法によれば、第2工程において、第2のレーザー光に基づくガラスの加熱効率を高めることができる。
上記課題を解決するガラス物品の製造装置は、レーザー光を用いてガラスを切断してガラス物品を得るガラス物品の製造装置であって、前記ガラスの内部に加工痕を形成する第1のレーザー光を前記ガラスの切断予定線に沿って走査する第1レーザー部と、前記ガラスを加熱する第2のレーザー光を前記第1のレーザー光を走査した後の前記切断予定線に沿って走査する第2レーザー部とを備え、前記第2のレーザー光を用いた加熱に基づく熱衝撃により前記加工痕を進展させることで前記ガラスを切断する。
本発明によれば、ガラスを切断する工程を簡略化することができる。
実施形態におけるガラス物品の製造装置を示す概略正面図である。 ガラス物品の製造装置を示す概略正面図である。 ガラス物品の製造方法を説明する概略側面図である。 ガラス物品の製造方法を説明する概略側面図である。 (a)~(c)は、ガラス及びガラス物品の具体例を示す概略平面図である。
以下、ガラス物品の製造方法及びガラス物品の製造装置の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際と異なる場合がある。
<ガラス物品の製造装置>
まず、本実施形態のガラス物品の製造装置について説明する。
図1及び図2に示すように、ガラス物品の製造装置10は、ガラスG1の内部に加工痕Mを形成する第1のレーザー光L1をガラスG1の切断予定線に沿って走査する第1レーザー部11と、ガラスG1を加熱する第2のレーザー光L2を第1のレーザー光L1を走査した後の切断予定線に沿って走査する第2レーザー部12とを備えている。ガラス物品の製造装置10は、第2のレーザー光L2を用いた加熱に基づく熱衝撃により加工痕Mを進展させることでガラスG1を切断する装置である。
ガラス物品の製造装置10における第1レーザー部11は、第1光源11aと、第1光源11aから発射された第1のレーザー光L1を集光する第1光学系11bと、ガラスG1を支持する支持台13とを備えている。第1のレーザー光L1としては、近赤外領域の波長を有する超短パルスレーザー光を好適に用いることができる。第1レーザー部11は、ガラスG1の内部に光軸方向(Z軸方向)に沿って複数の加工痕Mを形成可能に構成されていることが好ましい。複数の加工痕Mを形成可能な第1レーザー部11としては、集光点を光軸方向に沿った多点に設定することのできる市販のレーザーユニットを用いることができる。
第1のレーザー光L1の走査によって形成された加工痕M(変質領域)は、周知のように内部応力の開放の起点となる。
ガラス物品の製造装置10における第2レーザー部12は、第2光源12aと、第2光源12aから発射された第2レーザー光を集光する第2光学系12bと、ガラスG1を支持する支持台13とを備えている。第2のレーザー光L2は、ガラスG1に吸収し、熱に変換され得る波長を有する。第2のレーザー光L2は、ガラスG1の加熱効率の観点から、水酸基(水)の吸収波長を含むことが好ましい。第2のレーザー光L2としては、赤外領域の波長を含むCWレーザーを好適に用いることができる。このような第2レーザー部12としては、例えば、エルビウム(Er)含有ファイバーレーザーを用いた市販のレーザーユニットを用いることができる。
なお、ガラス物品の製造装置10は、第1レーザー部11と支持台13とをXYZ軸に沿った方向に相対移動可能とする第1移動機構を備えている。ガラス物品の製造装置10は、第2レーザー部12と支持台13とをXYZ軸に沿った方向に相対移動可能とする第2移動機構を備えている。ガラス物品の製造装置10は、予め定めた切断予定線に沿って第1のレーザー光L1及び第2のレーザー光L2を照射するように、第1移動機構、第2移動機構等を走査制御する制御部を備えている。
<ガラス物品の製造方法>
次に、ガラス物品の製造方法について説明する。
ガラス物品の製造方法は、レーザー光を用いてガラスG1を切断してガラス物品を得る方法である。ガラス物品の製造方法は、第1工程及び第2工程を備えている。第1工程では、ガラスG1の内部に加工痕Mを形成する第1のレーザー光L1をガラスG1の切断予定線に沿って走査する。第2工程では、ガラスG1を加熱する第2のレーザー光L2を第1工程後の切断予定線に沿って走査する。ガラス物品の製造方法では、第2工程の加熱に基づく熱衝撃により加工痕Mを進展させることでガラスG1を切断する。
本実施形態のガラス物品の製造方法は、板ガラスに適用しているが、例えば、管ガラスや柱状ガラスに適用することもできる。本実施形態のガラス物品の製造方法は、厚さが1mm以上の板ガラスから板状のガラス物品を得る方法として好適である。なお、板ガラスの厚みの上限は、例えば、10mm以下である。
ガラス物品の製造方法の第1工程において、第1のレーザー光L1の光軸方向(Z軸方向)に沿って一つ又は複数の加工痕MをガラスG1に形成する。ガラス物品の切断面の品位を高めるという観点から、第1工程において、第1のレーザー光L1の光軸方向(Z軸方向)に沿って複数の加工痕MをガラスG1に形成することが好ましい。このように複数の加工痕MをガラスG1I形成する場合、複数の加工痕Mの間隔(ピッチ)は、10μm以上、200μm以下の範囲であることが好ましい。
また、ガラス物品の製造方法における第1工程において、切断予定線(第1のレーザー光L1の走査方向)に沿って連続した加工痕MをガラスG1に形成してもよいし、切断予定線に沿って配列(点在)した複数の加工痕MをガラスG1に形成してもよい。例えば、第1工程の時間を短縮するという観点から、切断予定線に沿って配列した複数の加工痕MをガラスG1に形成することが好ましい。このように切断予定線に沿って複数の加工痕MをガラスG1に形成する場合、複数の加工痕Mの間隔(ピッチ)は、1μm以上、100μm以下の範囲であることが好ましい。
第1レーザー光の波長は、厚さ1mmのガラスを試験体とし、その試験体の厚さ方向に沿って照射した場合の透過率が70%以上となる波長を含むことが好ましい。なお、試験体のガラスの組成は、ガラス物品の製造方法で用いるガラスG1と同一組成とする。
図3及び図4に示すように、本実施形態のガラス物品の製造方法における第2工程では、切断予定線に沿った第2のレーザー光L2の走査を複数回行う。第2工程では、第2のレーザー光L2を第1集光点P1で切断予定線に沿って走査する第1走査段階と、第2のレーザー光L2を第2集光点P2で切断予定線に沿って走査する第2走査段階とを含む。第2のレーザー光L2の光軸方向(Z軸方向)において、第1集光点P1を第2集光点P2よりも入射側とし、第2集光点P2を第1集光点P1よりもガラスG1の中央部に近い位置とする。なお、図4は、第2のレーザー光L2の光軸方向(Z軸方向)において、ガラスG1の中央に第2集光点P2を合わせた一例を示している。
第1工程において、ガラスG1の切断予定線に沿って配列した複数の加工痕Mを形成し、加工痕Mの外径MDに対する第2のレーザー光L2の集光径LDが下記式(1)の関係を満たすように第2工程を行うことが好ましい。
LD≦MD・・・(1)
さらに、加工痕Mの外径MDと第2のレーザー光L2の集光径LDとは、下記式(2)で表される関係を満たすことがより好ましい。
0.5<LD/MD<1・・・(2)
第2のレーザー光L2の波長は、厚さが1mmのガラスを試験体とし、その試験体の厚さ方向に沿って照射した場合の透過率が10%以上、50%以下の範囲内となる波長を含むことが好ましい。なお、試験体のガラスの組成は、ガラス物品の製造方法で用いるガラスG1と同一組成とする。
但し、ガラスG1の厚さが比較的小さい場合(例えば、0.5mm以下の厚さのガラスG1の場合)、ガラスG1の厚さ方向においてレーザー光を透過し易いため、第2のレーザー光L2として、上記の試験体に基づく透過率が10%未満の波長のみを含むレーザー光も利用することが可能である。このレーザーとしては、例えば、レーザー媒質として一酸化炭素(CO)を用いたCOレーザー(中心波長:5.5μm)が挙げられる。
一方、ガラスG1の厚さが比較的大きい場合(例えば、5mm以上の厚さのガラスG1の場合)、ガラスG1の厚さ方向においてレーザー光を透過し難いため、第2のレーザー光L2として、上記の試験体に基づく透過率が50%を超える波長のみを含むレーザー光も利用することが可能である。このレーザーとしては、例えば、ツリウム(Tm)含有のファイバーレーザー(中心波長:1.95μm)が挙げられる。
第2工程において、第2のレーザー光L2に基づくガラスG1の加熱効率を高めるという観点から、第2のレーザー光L2を吸収する吸収剤を含む被覆層により覆われた切断予定線に沿って第2のレーザー光L2を走査することが好ましい。第2のレーザー光L2を吸収する吸収剤は、第2のレーザー光L2を吸収し、熱に変換し得る成分を含有する。吸収剤は、液体であってもよいし、固体(粉末)であってもよい。例えば、第2のレーザー光L2が水酸基の吸収波長を有する場合、水又はアルコールを含有する吸収剤を用いることが好ましい。
ガラス物品の製造方法で用いるガラスG1としては、例えば、ソーダガラス、ソーダライムガラス、硼珪酸ガラス、アルミノシリケートガラス、アルカリ含有ガラス、及び無アルカリガラスが挙げられる。ガラスG1には、機能性の被膜が積層されていてもよい。
図5(a)に示すように、ガラス物品の製造方法では、例えば、平面視(XY平面内)でガラスG1を横断するように延在する切断予定線PLに沿ってガラスG1(板ガラス)を切断することでガラス物品G2を得ることができる。なお、図5(b)に示すように、ガラスG1の切断予定線PLは、曲線を含んでいてもよい。また、図5(c)に示すように、ガラスG1の切断予定線PLは、連続した環状(無端状)に設定することもできる。この場合、例えば、貫通孔Hを有するガラス物品G2や円形のガラス物品G2を得ることができる。
ガラス物品G2の用途としては、例えば、ディスプレイ用途、タッチパネル用途、光電変換パネル用途、電子デバイス用途、窓ガラス用途、建材用途、及び車両用途が挙げられる。
(試験例)
次に、試験例について説明する。
ガラスとして、厚さ1mmの板ガラスを準備した。板ガラスの組成は、質量%でSiO:65.4、Al:8.0、B:8.9、CaO:3.2、ZnO:0.9、NaO:13.3、SnO:0.3である。
第1工程における第1のレーザー光としては、近赤外線領域の波長を有する超短パルスレーザー光を用いた。第1工程における第1のレーザー光の条件は、以下のとおりである。
発振波長:1.03μm
平均出力:2.5W
パルス幅:10ps
パルスエネルギー:250μJ
繰り返し周波数:10kHz
集光径:2μm
走査速度:30mm/s
第2工程における第2のレーザー光としては、赤外線のCWレーザー光を用いた。第2工程における第2のレーザー光の条件は、以下のとおりである。
発振波長:2.8μm
平均出力:6W
集光径:5μm
走査速度:20mm/s
板ガラスにおける透過率T:28.8%
以上の条件で、第1工程及び第2工程を行うことで、板ガラスを切断した。第1工程で形成した加工痕の外径MDは、5μmであった。第1工程では、第1のレーザー光の光軸方向(Z軸方向)に約70μmのピッチで複数の加工痕を形成することができた。また、第1工程では、XY平面内の切断予定線に沿って約3μmのピッチで複数の加工痕を形成することができた。第2工程では、チッピングが発生することなく、板ガラスを切断することができた。
以上詳述した実施形態によれば、次のような作用効果が発揮される。
(1)ガラス物品G2の製造方法は、レーザー光を用いてガラスG1を切断してガラス物品G2を得る方法である。ガラス物品G2の製造方法は、ガラスG1の内部に加工痕Mを形成する第1のレーザー光L1をガラスG1の切断予定線PLに沿って走査する第1工程と、ガラスG1を加熱する第2のレーザー光L2を第1工程後の切断予定線PLに沿って走査する第2工程とを備える。ガラス物品G2の製造方法は、第2工程の加熱に基づく熱衝撃により加工痕Mを進展させることでガラスG1を切断する。
この方法によれば、上記第2工程によって、第1工程後のガラスG1に機械的な外力を加えることなく、ガラスG1を切断することができる。また、ガラスG1における切断予定線PLを変更した場合であっても、第1工程における第1のレーザー光L1の走査制御、及び第2工程における第2のレーザー光L2の走査制御を変更することで、ガラスG1を切断することも容易となる。すなわち、異なる形状のガラス物品G2を得る場合であっても、第1のレーザー光L1及び第2のレーザー光L2の走査制御によって対応することが可能となる。従って、ガラスG1を切断する工程を簡略化することができる。
また、上記方法によれば、第1のレーザー光L1の出力及び第2のレーザー光L2の出力をいずれも10W以下の低出力とし、かつ比較的高速で切断することが可能となるため、ガラス物品G2の生産コストを抑えつつ、生産性を高めることができる。
(2)ガラス物品G2の製造方法の第1工程では、第1のレーザー光L1の光軸方向に沿って複数の加工痕MをガラスG1に形成することが好ましい。
この場合、第2工程において加工痕Mが所定の方向に進展し易くなる。従って、ガラス物品G2の切断面の品位を高めることが可能となる。
(3)ガラス物品G2の製造方法の第2工程において、第2のレーザー光L2の波長は、厚さが1mmのガラスを試験体とし、その試験体の厚さ方向に沿って照射した場合の透過率が10%以上、50%以下の範囲内となる波長を含むことが好ましい。
例えば、上述した波長を含む第2のレーザー光L2をガラスG1の内部で集光させることで、ガラスG1の内部を効率的に加熱することが可能となる。従って、第2のレーザー光L2の出力を抑えることで、ガラス物品G2の製造コストを抑えることが可能となる。
(4)ガラスG1の切断予定線PLを連続した環状に設定した場合、第1工程後のガラスG1の加工痕Mを従来のように延伸性を有する樹脂フィルム(エキスパンド用のテープ)を用いて進展させることができず、例えば、貫通孔Hを有するガラス物品G2や、連続した環状の切断部分を有するガラス物品G2を得ることができない。本実施形態のガラス物品G2の製造方法によれば、ガラスG1の切断予定線PLを連続した環状に設定したとしても、ガラスG1の加工痕Mを第2工程により進展させることで切断することができる。従って、切断予定線PLの設定についての自由度が増すことで、様々な形状のガラス物品G2を得ることが可能である。
(5)ガラス物品G2の製造方法の第2工程において、切断予定線PLに沿った第2のレーザー光L2の走査を複数回行うことが好ましい。
この場合、ガラスG1の内部の加工痕Mを徐々に進展させることが可能となる。これにより、ガラスG1に過剰な熱衝撃が加わることを抑えることが可能となる。従って、チッピングの発生をより抑えることが可能となる。
(6)ガラス物品G2の製造方法の第2工程は、第2のレーザー光L2を第1集光点P1で切断予定線PLに沿って走査する第1走査段階と、第2のレーザー光L2を第2集光点P2で切断予定線PLに沿って走査する第2走査段階とを含むことが好ましい。この第2工程では、第2のレーザー光L2の光軸方向において、第1集光点P1を第2集光点P2よりも入射側とし、第2集光点P2を前記第1集光点P1よりもガラスG1の中央部に近い位置とする。
この場合、上記(5)欄で述べた作用効果をより高めることが可能となる。
(7)ガラス物品G2の製造方法の第1工程において、ガラスG1の切断予定線PLに沿って配列した複数の加工痕Mを形成し、加工痕Mの外径MDに対する第2のレーザー光L2の集光径LDが上記式(1)で表される関係を満たすように第2工程を行うことが好ましい。
この場合、第2工程において、加工痕Mの周囲が局所的に加熱され易くなるため、ガラスG1において不要な部分の加熱によるダメージを抑えることができる。従って、ガラス物品G2の切断面やその周囲の物性を安定させることができる。
(8)ガラス物品G2の製造方法の第2工程において、第2のレーザー光L2を吸収する吸収剤を含む被覆層により覆われた切断予定線PLに沿って第2のレーザー光L2を走査することが好ましい。
この場合、第2工程において、第2のレーザー光L2に基づくガラスG1の加熱効率を高めることができる。従って、第2のレーザー光L2の出力を抑えることで、ガラス物品G2の製造コストを抑えることが可能となる。
(変更例)
上記実施形態を次のように変更してもよい。
・ガラス物品G2の製造方法の第1工程において、第1のレーザー光L1の光軸方向に沿って形成する加工痕Mの数は、単数であってもよい。
・ガラス物品G2の製造方法の第1工程において、切断予定線PLに沿った第1のレーザー光L1の走査を複数回行ってもよい。
・ガラス物品G2の製造方法の第2工程において、加工痕Mの外径MDよりも大きい集光径LDとなるように第2のレーザー光L2をガラスG1の内部で集光させてもよい。
・ガラス物品G2の製造方法の第2工程において、切断予定線PLに沿った第2のレーザー光L2の走査を1回のみ行ってもよいし、3回以上行ってもよい。
・ガラス物品G2の製造方法の第2工程において、第1走査段階の第1集光点P1と、第2走査段階の第2集光点P2とを第2のレーザー光L2の光軸方向(Z軸方向)において、任意の位置に変更してもよい。
・ガラス物品G2の製造方法におけるガラスG1は、強化ガラスであってもよいし、未強化ガラスであってもよい。ここで、未強化ガラスの内部に形成した加工痕Mは、機械的な外力を加えても所定の方向に進展し難い場合がある。このような未強化ガラスに対して上記実施形態のガラス物品G2の製造方法を適用することで、加工痕Mが所定の方向に進展し易く、ガラス物品G2の切断面の品位を高めることが可能となる。未強化ガラス(未強化板ガラス)の主面は、例えば、200MPa以下の圧縮応力値を有している。
10…ガラス物品の製造装置、11…第1レーザー部、12…第2レーザー部、G1…ガラス、G2…ガラス物品、L1…第1のレーザー光、L2…第2のレーザー光、LD…集光径、M…加工痕、MD…外径、P1…第1集光点、P2…第2集光点、PL…切断予定線。

Claims (8)

  1. レーザー光を用いてガラスを切断してガラス物品を得るガラス物品の製造方法であって、
    前記ガラスの内部に加工痕を形成する第1のレーザー光を前記ガラスの切断予定線に沿って走査する第1工程と、
    前記ガラスを加熱する第2のレーザー光を前記第1工程後の前記切断予定線に沿って走査する第2工程とを備え、
    前記第2工程の加熱に基づく熱衝撃により前記加工痕を進展させることで前記ガラスを切断し、
    前記第2工程において、前記切断予定線に沿った前記第2のレーザー光の走査を複数回行い、
    前記第2工程は、前記第2のレーザー光を第1集光点で前記切断予定線に沿って走査する第1走査段階と、前記第2のレーザー光を第2集光点で前記切断予定線に沿って走査する第2走査段階とを含み、前記第2のレーザー光の光軸方向において、前記第1集光点を前記第2集光点よりも入射側とし、前記第2集光点を前記第1集光点よりも前記ガラスの中央部に近い位置とすることを特徴とするガラス物品の製造方法。
  2. 前記第1工程において、前記第1のレーザー光の光軸方向に沿って複数の加工痕を前記ガラスに形成することを特徴とする請求項1に記載のガラス物品の製造方法。
  3. 前記第2工程において、前記第2のレーザー光の波長は、厚さが1mmのガラスを試験体とし、前記試験体の厚さ方向に沿って照射した場合の透過率が10%以上、50%以下の範囲内となる波長を含むことを特徴とする請求項1又は請求項に記載のガラス物品の製造方法。
  4. 前記ガラスは、板ガラスであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のガラス物品の製造方法。
  5. 前記ガラスの切断予定線を連続した環状に設定することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のガラス物品の製造方法。
  6. 前記第1工程において、前記ガラスの切断予定線に沿って配列した複数の前記加工痕を形成し、前記加工痕の外径MDに対する前記第2のレーザー光の集光径LDが下記式(1):
    LD≦MD・・・(1)
    で表される関係を満たすように前記第2工程を行うことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のガラス物品の製造方法。
  7. 前記第2工程において、前記第2のレーザー光を吸収する吸収剤を含む被覆層により覆われた前記切断予定線に沿って前記第2のレーザー光を走査することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のガラス物品の製造方法。
  8. レーザー光を用いてガラスを切断してガラス物品を得るガラス物品の製造装置であって、
    前記ガラスの内部に加工痕を形成する第1のレーザー光を前記ガラスの切断予定線に沿って走査する第1レーザー部と、
    前記ガラスを加熱する第2のレーザー光を前記第1のレーザー光を走査した後の前記切断予定線に沿って走査する第2レーザー部とを備え、
    前記第2のレーザー光を用いた加熱に基づく熱衝撃により前記加工痕を進展させることで前記ガラスを切断し、
    前記第2レーザー部は、前記切断予定線に沿った前記第2のレーザー光の走査を複数回行うように構成されるとともに、
    前記第2のレーザー光を第1集光点で前記切断予定線に沿って走査する第1走査段階と、前記第2のレーザー光を第2集光点で前記切断予定線に沿って走査する第2走査段階とを含むレーザー光の走査を行うように構成され、前記第2のレーザー光の光軸方向において、前記第1集光点を前記第2集光点よりも入射側とし、前記第2集光点を前記第1集光点よりも前記ガラスの中央部に近い位置とすることを特徴とするガラス物品の製造装置。
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