図1に示されるように、本実施形態に係る遊技機10は、図2に示される遊技盤11を前面枠10Zで覆ってなり、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、遊技盤11の前面に形成された略円形の遊技領域R(図2参照)の全体が視認可能となっている。遊技領域Rは、遊技盤11の前面から突出したガイドレール12に囲まれている。なお、以下の説明において、特記しない限り「右」及び「左」とは、遊技機10を前方から見た場合の「右」及び「左」を指すものとする。
図1に示されるように、前面枠10Zのうちガラス窓10Wの周囲には、装飾ランプ22が設けられている。また、前面枠10Zのうちガラス窓10Wの上方の両側には、スピーカー25,25が備えられている。
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射用ハンドル28が備えられている。そして、発射用ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が発射装置(図示せず)によって1球ずつ遊技領域Rに向けて弾き出される。
図2に示すように、遊技盤11のうち遊技領域Rの中央には、異形の表示開口11Hが貫通形成され、その表示開口11Hに表示装飾枠20が前側から嵌め込まれている。そして、表示装飾枠20を通して、遊技盤11の裏面側の表示装置30の表示画面30Gが前方に臨んでいる。また、表示装飾枠20は遊技盤11の前面から突出していて、表示画面30Gの前方を遊技球が流下することを禁止している。そして、遊技領域Rが表示装飾枠20により、左右方向で左側流下領域Raと右側流下領域Rbとに分けられ、上下方向で上部連絡通路23と下部流下領域Rcとに分けられている。
表示装飾枠20の下辺部の上面は、左右方向の両端部から中央に向かって下り傾斜したステージ20Sになっており、表示装飾枠20の左側辺には、左側流下領域Raを流下する遊技球を、表示装飾枠20の内側に取り込むためのワープ路20Wが形成されている。ワープ路20Wを通過した遊技球は、ステージ20Sの左端から放出されて、ステージ20S上を左右に転動する。また、ステージ20S上で転動し終えた遊技球は、ステージ20Sの中央部から下部流下領域Rcに流下する。
左側流下領域Raの上部には、発射装置(図示せず)から発射された遊技球を、遊技領域Rに進入させるための球打出口13が設けられている。また、表示装飾枠20の上端面は、ガイドレール12に沿って円弧状に延びており、上部連絡通路23は、ガイドレール12と表示装飾枠20の上端面との間に挟まれて円弧状をなし、左側流下領域Raの上部と右側流下領域Rbの上部とを連絡している。
比較的弱い発射強度で発射された遊技球は、表示装飾枠20や左側流下領域Raに設けられた障害釘に衝突し、上部連絡通路23に進入することなく左側流下領域Raを流下する。一方、比較的強い発射強度で発射された遊技球は、球打出口13からそのままガイドレール12に沿って上部連絡通路23を通過し、右側流下領域Rbを流下する。以下、遊技球が左側流下領域Raを流下するように発射強度を調整して行う遊技のことを「左打ち」といい、遊技球が右側流下領域Rbを流下するように発射強度を調整して行う遊技のことを「右打ち」という。
<左側流下領域Raについて>
左側流下領域Raには、全体的に障害釘が配設されると共に、下部に、風車11Kと、一般入賞口17と、サイドアウト口19Sと、が設けられている。一般入賞口17はポケット構造をなし、遊技球が1球ずつ入賞可能になっている。左側流下領域Raには、一般入賞口17が3つ配されている。詳細には、左側流下領域Raにおける左下隅部に、上方に開放した一般入賞口17がガイドレール12に沿って2つ並べて配され、その右方に離して、右上方に開放した一般入賞口17が1つ配されている。
サイドアウト口19Sは、3つの一般入賞口17のうち左端の一般入賞口17の左上隣に配されている。また、サイドアウト口19Sは、ポケット構造をなし、遊技球が1球ずつ通過可能な幅で右上方へ開放している。
<下部流下領域Rcについて>
図3に示すように、下部流下領域Rcには、ステージ20Sの中央部の真下に第1始動入賞口14が設けられている。第1始動入賞口14は、常時開放し、遊技球が1つずつ入球可能な大きさの開口を上部に有するポケット構造をなしている。また、下部流下領域Rcには、風車11K(図2参照)から第1始動入賞口14に向かって複数の障害釘が一列に配設されており、その障害釘列によって、左側流下領域Raを流下した遊技球の一部が、第1始動入賞口14に向かうように構成されている。また、右側流下領域Rbを流下した遊技球は、第1始動入賞口14に入賞しないように表示装飾枠20等によって流下方向が規制されている。
下部流下領域Rcのうち第1始動入賞口14の下方には、始動入賞装置15Zが設けられている。始動入賞装置15Zは、右側に開放した第2始動入賞口15と、第2始動入賞口15の右側に配置された可変部材15Kと、を備えている。可変部材15Kは、左下がりに傾斜し、遊技盤11の前面から突出した突出位置と、突出位置より突出が抑えられた退避位置と、の間をスライド可能に構成されている。そして、可変部材15Kが突出位置に配置されたときに、可変部材15Kを案内にして遊技球が第2始動入賞口15に入球可能となり、可変部材15Kが退避位置に配置されたときに、遊技球が第2始動入賞口15に入球困難となる。
第1始動入賞口14の右隣には、後に詳説する第1及び第2の排出用入球口31A,31Bが並んで設けられ、第1始動入賞口14の左側面からは左下がりに傾斜した第1ガイド壁32が延びている。また、第2始動入賞口15は、左下がりに傾斜した第2ガイド壁33により上方から覆われている。これら排出用入球口31A,31B、第1ガイド壁32及び第2ガイド壁33により、左側流下領域Raを流下した遊技球は、殆ど第2始動入賞口15に入賞しないように構成されている。
また、下部流下領域Rcの下端部には、中央アウト口19Cと、左アウト口19Lと、右アウト口19Rと、が設けられている。中央アウト口19Cは、始動入賞装置15Zの可変部材15Kの下方に配され、左アウト口19L及び右アウト口19Rは、中央アウト口19Cの左右に始動入賞装置15Zや壁を隔てて配されている。各アウト口19C,19L,19R,19Sに入球した遊技球は、遊技盤11の後側へ回収される。この入球に起因しては、賞球の払い出しも当否判定も行われない。また、4つのアウト口19C,19L,19R,19Sのうち、中央アウト口19C以外のサイドアウト口19S(図2参照)、左アウト口19L、右アウト口19Rには、「OUT」と記載された排出目印19Mが付けられている。
<右側流下領域Rbについて>
図2に示すように、右側流下領域Rbは、上部連絡通路23を通過した遊技球が全て通過する右側基幹通路24を有している。右側基幹通路24は、遊技球が1球ずつ通過可能な幅で、上部連絡通路23の下流側端部から表示装飾枠20の右辺部の下端までガイドレール12に沿って延びている。なお、右側基幹通路24は左右方向で蛇行したり、一部が後方へ屈曲している。
図3に示すように、右側流下領域Rbのうち右側基幹通路24の出口24Aより下流側には、始動ゲート18が設けられている。始動ゲート18は、門形状をなし、遊技球が1球ずつ潜って通過可能になっている。
始動ゲート18の下方には、大入賞装置16Zが設けられている。大入賞装置16Zは、上側に開放した大入賞口16と、大入賞口16を開閉する可変部材16Kと、を備えている。可変部材16Kは、遊技盤11の前面から突出した突出位置と、突出位置より突出が抑えられた退避位置と、の間をスライド可能に構成されている。そして、可変部材16Kが突出位置に配置されたときに、大入賞口16が閉塞されて遊技球が大入賞口16に入球困難となり、可変部材16Kが退避位置に配置されたときに、大入賞口16が開放されて遊技球が大入賞口16に入球可能となる。
大入賞口16の内部には、通常口16UとV確定口16Vとが設けられている。V確定口16Vは可動扉16Tにより開閉され、大入賞口16に入球した遊技球は、可動扉16Tが開いていれば、ほとんどがV確定口16Vから遊技盤11の後側に取り込まれる。また、可動扉16Tが閉じていると、大入賞口16に入球した遊技球は、通常口16Uから遊技盤11の後側に取り込まれる。可動扉16Tは、例えば、大入賞口16の開放後、通常口16Uに遊技球が2球入球すると開き、その後V確定口16Vに遊技球が1球入球すると閉じる。
また、大入賞装置16Zの左下方には、一般入賞口17が配されている。右側流下領域Rbを流下して大入賞口16に入賞しなかった遊技球は、この一般入賞口17に入賞するか、一般入賞口17の右方を通って右アウト口19Rから排出されるか、下部流下領域Rcの第2始動入賞口15へ向けてさらに流下する(図10参照)。下部流下領域Rc及び右側流下領域Rbの構成については後にさらに詳説する。
<始動ゲート及び各入賞口について>
次に始動ゲート18及び各入賞口14~17について詳説する。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定(以下、「普図判定」という。)が行われる。普図判定が行われると、普図判定表示部(図示せず)にて普通図柄が変動表示され、所定時間経過後に、停止表示される。そして、停止した普通図柄によって普図判定の結果が表示される。普図判定の結果が当りとなると、上述した始動入賞装置15Zの可変部材15Kが突出位置に配され、遊技球が第2始動入賞口15に入球可能となる(図11参照)。普図判定の結果が当りでない場合は、可変部材15Kが退避位置に配され、可変部材15Kの上方から流下した遊技球は可変部材15Kに受け止められずに、中央アウト口19Cに取り込まれる(図10参照)。
普通図柄の変動中に始動ゲート18を遊技球が通過した場合、その通過に起因した普図判定に関する情報(具体的には、普図判定の結果表示とそれに伴う図柄変動)は、予め設定された保留上限数まで保留される。そして、実行中の普通図柄の変動が終了すると、保留が1つ消化されて、保留されていた普通図柄の変動と判定結果の表示が行われる。普図判定に関する情報の保留(以下、「普図保留」と呼ぶ。)の保留上限数は、例えば、4つである。なお、複数の普図保留がある場合、普図保留は、発生順に消化される。
一般入賞口17へ遊技球が入球すると、所定数(例えば、4球)の遊技球が賞球として上皿26(図1参照)に払い出される。
第1又は第2の始動入賞口14,15に遊技球が入球すると、所定数(例えば、4球)の遊技球が賞球として上皿26(図1参照)に払い出されると共に、特別図柄当否判定(以下、「特図判定」という。)が行われる。特図判定が行われると、表示画面30Gにて3つの特別図柄が変動表示され、所定時間経過後に、停止表示される。そして、停止した特別図柄の組合せによって特図判定の結果が表示される。以下では、第1始動入賞口14に基づく特図判定と第2始動入賞口15に基づく特図判定を、第1特図判定と第2特図判定と称して適宜区別することにする。
表示画面30Gに特図判定の結果が大当りであることが表示されると、大当り遊技が実行され、大入賞口16に遊技球が入球可能となる。大入賞口16に遊技球が入球すると、所定数(例えば、10球)の遊技球が賞球として上皿26(図1参照)に払い出される。
詳細には、大当り遊技が実行されると、可変部材16Kが所定期間に亘って退避位置に駆動されて大入賞口16が開放される。ここで、大入賞口16が開放されてから閉じられるまでの動作を「ラウンド」と称すると、1回の大当り遊技は、所定回数のラウンドが実行されるまで継続する。1回のラウンドは、大入賞口16の開放時間が所定時間(例えば、29秒)に達したこと、又は、大入賞口16に遊技球が所定個数(例えば、10個)入賞したこと、の何れかが先に成立したときに終了する。
また、表示画面30Gに特図判定の結果が小当りであることが表示されると、小当り遊技が実行される。小当り遊技においても、大入賞口16が開放される。小当り遊技における大入賞口16の開放時間は、大当り遊技における大入賞口16の開放時間よりも短くなっていて、1回の小当り遊技での出玉は、1回の大当り遊技での出玉よりも少なくなっている。
特別図柄の変動中、小当り遊技中又は大当り遊技中に第1始動入賞口14又は第2始動入賞口15に遊技球が入球した場合、その入球に起因した特図判定に関する情報(具体的には、特図判定の結果表示とそれに伴う図柄変動)は、予め設定された保留上限数まで保留される。そして、実行中の図柄変動、小当り遊技又は大当り遊技が終了すると、保留が1つ消化されて、保留されていた図柄変動と結果表示が行われる。なお、第1特図判定に係る保留の保留上限数と第2特図判定に係る保留の保留上限数とはそれぞれ別個に設定されていて、例えば、第1特図判定に係る保留の保留上限数は、4つであり、第2特図判定に係る保留の保留上限数は、1つである。
<遊技の流れについて>
図4には、遊技機10における遊技の流れが示されている。同図に示されるように、遊技機10では、通常遊技状態と時短遊技状態の2種類の遊技状態が存在する。時短遊技状態では、通常遊技状態よりも第2始動入賞口15に遊技球を入球させ易くなる。詳細には、可変部材15Kを突出位置に配置する契機となる普図判定の当りには、ショート普図当りとロング普図当りの2種類が設けられている。ロング普図当りとなったときに可変部材15Kが突出位置に配置される時間は、ショート普図当りとなったときに可変部材15Kが突出位置に配置される時間よりも長くなっている。なお、遊技機10では、ショート普図当りの場合には、第2始動入賞口15に実質的に遊技球を入球させることが不可能であり、ロング普図当りの場合にしか、第2始動入賞口15に遊技球を入球させることができないようになっている。
ここで、時短遊技状態では、通常遊技状態よりも普図判定の当選確率が高くなっていると共に、ロング普図当りとなる割合が高く設定されている。その結果、通常遊技状態においては、普図判定で当りとなっても第2始動入賞口15への入球が困難であって、時短遊技状態では、普図判定で当りとなったときに第2始動入賞口15への入球が容易となる。従って、遊技者は、通常遊技状態では、遊技領域Rの左側流下領域Raに遊技球を流下させて(左打ちして)、第1始動入賞口14への入球により第1特図判定を受け、時短遊技状態では、遊技領域Rの右側流下領域Rbに遊技球を流下させて(右打ちして)、第2始動入賞口15への入球により第2特図判定を受ける。
遊技機10の最初の遊技状態は、通常遊技状態となっている。通常遊技状態から時短遊技状態への状態移行は、大当りを契機にして行われる。具体的には、大当りには、大当り遊技の終了後に時短遊技状態となる時短付き大当りと、大当り遊技の終了後に時短遊技状態とならない(即ち、通常遊技状態となる)時短無し大当りと、の2種類が存在する。時短付き大当りであるか時短無し大当りであるかは、特図判定の判定値(大当り乱数)によって決定される。
本実施形態では、第1特図判定での大当りには、時短付き大当りと時短無し大当りの2種類が存在し、第2特図判定での大当りは、時短付き大当りの1種類のみとなっている。即ち、遊技機10では、時短遊技状態での大当りが全て時短付き大当りとなっているので、いったん時短遊技状態になると、遊技状態が通常遊技状態へ移行し難くなる。時短遊技状態は、時短遊技状態になってからの特図判定の実行回数が予め設定された上限回数に達すると終了する。時短遊技状態が終了すると、遊技状態が通常遊技状態に移行する。
なお、本実施形態において、第1特図判定での大当りが時短付き大当りの1種類のみであってもよいし、第2特図判定での大当りに、時短付き大当りと時短無し大当りの2種類が存在してもよい。
遊技機10では、第1特図判定と第2特図判定の間では、遊技状態が通常遊技状態であるか時短遊技状態であるかに関係なく、大当りの当選確率は同じになっている。また、第1特図判定と第2特図判定の間では、遊技状態が通常遊技状態であるか時短遊技状態であるかに関係なく、第2特図判定の方が第1特図判定よりも小当りの当選確率が高くなっている。第1特図判定での大当り確率と小当り確率は、1/200と1/50になっていて、第2特図判定での大当り確率と小当り確率は、1/200と1/2になっている。
遊技機10では、小当り遊技が実行されると、大入賞口16に遊技球が入球可能となる。ここで、大入賞口16内の可動扉16Tは、大当り遊技では一切開かず、小当り遊技においてのみ、上述したように大入賞口16の開放後、通常口16Uに遊技球が2球入球すると開き、その後V確定口16Vに遊技球が1球入球すると閉じるように設定されている。そして、小当り遊技において、大入賞口16に入球した遊技球がV確定口16Vに入球する(即ち、V入賞する)と、大当りが確定し、遊技状態が小当り遊技状態から大当り遊技状態に変化して、大当り遊技が実行される。V入賞により大当りが確定した場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態は再び時短遊技状態に設定される。
遊技機10では、時短遊技状態で小当りになったときの小当り遊技は、通常遊技状態で小当りになったときの小当り遊技よりも、大入賞口16の開放時間が長くなっていて、時短遊技状態で小当りになったときの小当り遊技では、普通に右打ちしていると、遊技球が大入賞口16へ10球は入球する一方、通常遊技状態で小当りになったときの小当り遊技では、遊技球が大入賞口16へほとんど入らないようになっている。なお、遊技機10では、第2特図判定の小当り確率が第1特図判定及び第2特図判定の大当り確率より高くなっているので、時短遊技状態では、第1特図判定で大当りになる場合よりも、第2特図判定で小当りとなって、その小当り遊技でのV入賞によって大当りになる場合の方が発生しやすくなっている。
このように、遊技機10では、時短遊技状態になると、第2始動入賞口15に遊技球が入り易くなり、小当りに当選し易くなる。小当り遊技の実行中に、遊技球がV確定口16Vに入球する(即ち、V入賞する)と、大当りが確定する。そして、遊技機10では、V入賞により大当りになった場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態が時短遊技状態になるので、いったん時短遊技状態になると通常遊技状態へ移行し難くなっていて、通常遊技状態へ移行することなく大当りが連続(連チャン)し易くなっている。
<入賞口ユニットについて>
図3に示すように、本実施形態の遊技機10では、遊技領域Rの右側流下領域Rbの下部に、大入賞口16及び始動ゲート18を一体に備えた入賞口ユニット35が配置されている。図5に示される入賞口ユニット35は、ユニット本体35Bにユニット蓋35Aを取り付けてなる。
具体的には、図6に示すように、ユニット蓋35Aは、カバー壁50から各種部分が後方に突出形成されてなり、その突出した部分にビス受容孔35Hが複数形成されている。一方、ユニット本体35Bには、ユニット蓋35Aのカバー壁50と対向する基準壁35Zのうちユニット蓋35Aのビス受容孔35Hに相当する位置にビス孔35Gが形成されている。
これらのビス受容孔35Hとビス孔35Gとを合わせて、ユニット本体35Bの裏側からビス止めすることで、ユニット本体35Bにユニット蓋35Aが固定されている。なお、ユニット本体35Bには、ユニット蓋35Aを固定するためのビス孔35G以外にも複数のビス孔35Gが形成されていて、基準壁35Zを遊技盤11(図3参照)の前面に重ねた状態で、それらのビス孔35Gと遊技盤11に形成されたビス孔(図示せず)とを表側からビス止めすることで、入賞口ユニット35が遊技盤11に固定されている。ユニット蓋35Aを固定するためのビス孔35Gは、ビスの頭部を受容する凹部35G1を裏側に有し(図6参照)、遊技盤11に固定するためのビス孔35Gは、ビスの頭部を受容する凹部35G1を表側に有する(図7参照)。
図8に示すように、ユニット本体35Bは、その全体形状が、右上端部から左下端部にかけてガイドレール12(図3参照)に沿うように湾曲した本体側湾曲部36と、本体側湾曲部36の右上端部から左方に延びた本体側上辺部37と、本体側湾曲部36の左下端部から左上方に延びた本体側左辺部38と、本体側上辺部37と本体側左辺部38とを右上がりに延びて接続する本体側傾斜部39と、を有する形状となっている。
詳細には、本体側上辺部37は、全体的に左下がりに傾斜して、左部にクランク状に屈曲した屈曲部37Aを有している。また、本体側上辺部37の右端寄り位置には、下方へ陥没した陥没部37Bが形成されている。本体側左辺部38は、本体側湾曲部36の左下端部から左下方に膨出しながら左上がりに延びた第1構成部38Aと、第1構成部38Aの上端から左方へ直線状に延びた第2構成部38Bと、そこから左上がりに直線状に延びた第3構成部38Cと、第3構成部38Cの左端から僅かに右に寄りながら上方へ延びた第4構成部38Dと、そこから右上方へ僅かに湾曲しながら延びた第5構成部38Eと、第5構成部38Eの右端から上方へ延び、本体側傾斜部39に接続する第6構成部38Fと、を有している。ユニット本体35Bの左端部(第2~第5の構成部38B~38Eにより突出した部分)には、釘Nを受容するための釘受容貫通孔35Nが形成されている。
そして、ユニット本体35Bには、右上部に、始動ゲート18として機能するセンサ18Sが取り付けられている。センサ18Sは、始動ゲート18が本体側上辺部37の陥没部37Bの下方に位置するように配されている。ユニット本体35Bの中央部には、大入賞装置16Zの可変部材16Kが配されている。なお、可変部材16Kは、基準壁35Zの裏面に固定された駆動ユニット16K1(図6参照)に内蔵されていて、ユニット本体35Bに貫通形成された貫通孔16Hから突出する。また、ユニット本体35Bのうち可変部材16Kの下方には大入賞口16に入賞した遊技球を検出するセンサ16Sが取り付けられている。
ユニット本体35Bの右上端部には、前方に突出した端部突出部40が形成されている。端部突出部40は、本体側湾曲部36の上端と、本体側湾曲部36の上端寄り位置と、本体側上辺部37の右端寄り位置と、の3点を結ぶ略三角形状の平面形状をなし、ユニット蓋35Aのカバー壁50の後面の延長面まで突出している。
図8に示すように、ユニット蓋35Aのカバー壁50は、ユニット本体35Bの本体側湾曲部36、本体側上辺部37、本体側左辺部38及び本体側傾斜部39に対応して、カバー側湾曲部51、カバー側上辺部52、カバー側左辺部53及びカバー側傾斜部54を有している。
詳細には、カバー側湾曲部51は、本体側湾曲部36の右上端寄り位置から左下端寄り位置までの間と同じ形状をなしている。カバー側上辺部52は、カバー側湾曲部51の右上端部から下方へ湾曲しながら左上がりに延びた第1構成部52Aと、本体側上辺部37の陥没部37Bの底部と同じ高さから上方へ突出した第2構成部52Bと、第2構成部52Bの左端部から本体側上辺部37に沿って左方へ延びたのち本体側上辺部37の屈曲部37Aの上端部へ向けて上方へ斜めに延びる第3構成部52Cと、下方へ屈曲して本体側上辺部37の屈曲部37Aの下端部より遊技球1球分程下方の高さまで延びる第4構成部52Dと、第4構成部52Dの下端部から本体側上辺部37に沿って左下がりに延びる第5構成部52Eと、を有している。
また、カバー側左辺部53は、カバー側湾曲部51の左下端部とその左上部との間を上方へ湾曲して連絡した第1構成部53Aと、本体側左辺部38の第1構成部38Aの内側で本体側左辺部38の第1構成部38Aに沿って延びた第2構成部53Bと、第2構成部53Bの上端部から僅かに左方へ延びた第3構成部53Cと、カバー壁50の左端まで上方へ膨出しながら延びた第4構成部53Dと、第4構成部53Dの左端から僅かに右に寄りながら上方へ延びた第5構成部53Eと、第5構成部53Eの上端からビス孔35Gを避けるように湾曲して右上方へ延びた第6構成部53Fと、を有している。カバー側傾斜部54は、本体側傾斜部39の左下方で本体側傾斜部39に沿って延びている。
図6及び図8に示すように、ユニット蓋35Aには、複数の突壁55がカバー壁50の裏面から後方へ突出形成されている。具体的には、ユニット蓋35Aは、突壁55として、カバー壁50の外縁の下部(カバー側湾曲部51における上下方向の中央部からカバー側左辺部53の第4構成部53Dの左端部までの間)から突出する下縁突壁55Aと、カバー側上辺部52の第3構成部52Cの右端から本体側上辺部37に沿って左下がりに延びたのち左下方へ延びた第1上壁55Bと、第1上壁55Bの下端部より遊技球1球分左下方からカバー側上辺部52の第5構成部52Eに沿って延びたのち左下方へ折れてカバー側傾斜部54の途中部分まで延びた第2上壁55Cと、を有している。
さらに、ユニット蓋35Aは、大入賞装置16Zの可変部材16Kを挟んで右左に配された第1転動壁55Dと第2転動壁55Eとを有していて、これら第1転動壁55Dの左端部と第2転動壁55Eの右端部との間が大入賞口16の開口となっている。
第1転動壁55Dは、下縁突壁55Aの右上端部から可変部材16Kに隣接する位置まで延びている。詳細には、第1転動壁55Dは、下縁突壁55Aの右上端部から左下方へ湾曲して延びた湾曲部55D1と、左下がりに直線状に延びた直線部55D2と、可変部材16K側端部を直線部55D2より急勾配で傾斜させた傾斜部55D3と、を有している。傾斜部55D3の左下端部は、可変部材16Kの右上端部より僅かに上方に位置している。第2転動壁55Eは、可変部材16Kの左端の左下方からカバー側左辺部53の第4構成部53Dの左端部まで左下がりに延びている。第2転動壁55Eの右上端部と可変部材16Kの左下端部との間の隙間は遊技球1球分未満となっている。なお、第1転動壁55Dの直線部55D2と可変部材16Kと第2転動壁55Eとは、略同じ勾配になっている。
ユニット蓋35Aは、始動ゲート18を挟んで左右に配され、上下方向に延びた1対のゲート横突壁55F,55Gを有している。左側のゲート横突壁55Fは、第1上壁55Bの右端部から下方へ延びている。右側のゲート横突壁55Gは、右方へ膨出し、ユニット本体35Bの端部突出部40との間に遊技球1球分程の隙間を形成している。また、第1上壁55Bの左下端部と第2上壁55Cの右端部とからは、互いに対向する1対の通路構成壁55L,55Mが右下方へ延びている。これら突壁55は、ユニット本体35Bの前面に当接している。
上記突壁55により、入賞口ユニット35を含む右側流下領域Rbには、以下のように通路が形成されている。まず、図9に示すように、入賞口ユニット35の右上端部には、1対のゲート横突壁55F,55Gの間の(即ち、始動ゲート18を通過する)ゲート通路56Aと、右側のゲート横突壁55Gと端部突出部40との間のゲート右通路56Bと、第1上壁55B上(即ち、左側のゲート横突壁55Fの左方)のユニット上右通路56Cと、が配されている。また、入賞口ユニット35の左上部には、第2上壁55C上のユニット上左通路56Dと、1対の通路構成壁55L,55Mの間の(即ち、ユニット上右通路56Cとユニット上左通路56Dとの間から分岐した)分岐通路56Eと、を有している。
また、第1転動壁55D及び大入賞装置16Zの可変部材16K上は、ゲート通路56A、ゲート右通路56B又は分岐通路56Eの何れかを通過した遊技球を受け止めて転動させる第1転動路56Fとなっていて、第2転動壁55E上は、第1転動路56Fを終端まで転動した遊技球及びユニット上左通路56Dを通過した遊技球を受け止めて転動させる第2転動路56Gとなっている。
<始動口ユニットについて>
図2に示すように、遊技機10では、遊技領域Rの左側流下領域Ra及び下部流下領域Rcの下部に、始動口ユニット60が設けられている。図12に示すように、始動口ユニット60は、遊技盤11の下部に貫通形成された開口部11Mを前側から閉塞するように開口部11M(図13参照)の開口縁に取り付けられている。図14に示すように、始動口ユニット60は、遊技盤11の開口部11Mの開口縁に宛がわれて固定されるプレート部60Pと、プレート部60Pの前側に張り出した前側張出部60Fと、プレート部60Pの後側に張り出して開口部11Mに受容される後側張出部60Bと、を有する。
前側張出部60Fは、上述の第1始動入賞口14、第2始動入賞口15、排出用入球口31A,31Bを、遊技盤11との間にそれぞれ形成するポケット部14P,15P,31AP,31BPを有すると共に、上述した2つの一般入賞口17(第1始動入賞口の左右両側の一般入賞口17)を、遊技盤11との間にそれぞれ形成するポケット部17Pも有している。また、前側張出部60Fは、遊技球が1個分、通過可能な間隔をあけてプレート部60Pに前側から対向する前側壁60Hを有し、前側壁60Hとプレート部60Pの間には、上述の第3転動路61(図10参照)等、遊技球が通過可能な通路が複数形成される。
ポケット部14P,31AP(即ち、第1始動入賞口14と排出用入球口31A)は、左右方向で隣接している。なお、ここでいう隣接とは、ポケット部14Pとポケット部31APの間に遊技球が通過可能な通路が形成されていないということである。
図10に示すように、排出用入球口31A,31B用のポケット部31AP,31BPには、下方から第3転動路61が隣接している。第3転動路61は、左斜め下に延びてからさらに下方に曲がった形状となっている。第3転動路61は、プレート部60Pと前側壁60Hとの間に差し渡された転動壁62と天井壁63との間に形成される。具体的には、転動壁62は、左側に下る直線状をなしている。天井壁63は、転動壁62に対して遊技球1個分だけ通過可能な間隔をあけて上側から対向していて、転動壁62と略平行に延びた直線部と、その直線部の左端から下方に曲がって転動壁62の左端よりもやや下側にまで延びた湾曲部と、からなる。なお、天井壁63の直線部は、ポケット部31BPの下部と一体化していて、天井壁63の湾曲部は、ポケット部31APの下部と一体化している。
プレート部60Pには、上述の入賞口14,15,17や排出用入球口31A,31Bで取り込んだ遊技球を通過させるため等の切欠き部や貫通孔が設けられる(図14参照)。このような切欠き部として、例えば、プレート部60Pの下端部には、中央アウト口19Cと右側アウト口19Rを、ガイドレール12との間にそれぞれ形成する切欠き部19CK,切欠き部19RKが形成されている。また、プレート部60Pのうち転動壁62の真下となる部分には、貫通開口60Kが形成されている。貫通開口60Kは、遊技球が一度に2つ通過可能な大きさで横長形状になっている。なお、プレート部60Pと前側壁60Hとの間には、貫通開口60Kから下方に切欠き部19RKまで(即ち、右側アウト口19Rまで)延びて右側アウト口19Rに遊技球を案内する流下路が設けられると共に、貫通開口60Kから左側に遊技球が通過して可変部材15Kの上方に抜け出ることが可能な側方通路65が延びている。なお、プレート部60Pのうち、側方通路65と、中央アウト口19C用の切欠き部19CKとの間には、可変部材15Kが貫通する可変部材挿通孔15KKが形成されている。
後側張出部60Bには、遊技盤11の後側の遊技球回収路に連絡する回収路連絡部や、第1始動入賞口15で受け入れた遊技球を検出する検出センサ等が設けられる。また、後側張出部60Bの後面には、後面視略Y字状のY字凹部60Yが形成されている(図14参照)。Y字凹部60Yのうち二股に分かれた上端部は、排出用入球口31A,31B用のポケット部31AP,31BPに連絡し、上方に開放されている。Y字凹部60Yの下端部は、上述の貫通開口60Kに連絡している。
図13に示すように、遊技盤11の開口部11Mは、後側から遊技盤11に取り付けられた後側ユニット69に覆われている。後側ユニット69は、開口部11Mを通して始動口ユニット60の後側張出部60Bと重ね合わされる。後側ユニット69には、始動入賞装置15Zの可変部材15Kが設けられると共に、第1始動入賞口14、第2始動入賞口15、一般入賞口17に入球した遊技球をそれぞれ後側に排出するための各排出路等が設けられている。また、後側ユニット69の前面のうち、始動口ユニット60の後面のY字凹部60Yと前後方向で重ね合わされる部分には、前面視略Y字状のY字凹部70Yが形成されている。
<右打ちされた遊技球の流下経路について>
次に、右打ちされた遊技球の流下経路について説明する。上述したように、右打ちされた遊技球は、上部連絡通路23及び右側基幹通路24を通過する。図9に示すように、右側基幹通路24を通過した遊技球は、右側基幹通路24の出口24Aと入賞口ユニット35との間の第1振分部34Aに放出される。第1振分部34Aには、複数の障害釘Nが配されていて、第1振分部34Aに到達した遊技球は、ゲート通路56Aと、ゲート右通路56Bと、ユニット上右通路56Cと、に振り分けられる。
ゲート通路56Aに振り分けられた遊技球は、始動ゲート18を通過したのち第1転動路56F(第1転動壁55D上)に受け止められて大入賞口16へ向けて転動する。ゲート右通路56Bに振り分けられた遊技球は、始動ゲート18を通過せずに第1転動路56F(第1転動壁55D上)に受け止められて大入賞口16へ向けて転動する。ユニット上右通路56Cに振り分けられた遊技球は、右方へ転動し、さらに、ユニット上左通路56Dと、分岐通路56Eと、に振り分けられる。分岐通路56Eに振り分けられた遊技球は大入賞口16へ向けて流下する一方、ユニット上左通路56Dに振り分けられた遊技球は、大入賞口16に入賞しないように案内されて、第2転動路56Gへ向けて流下する。なお、ユニット上左通路56Dを通過して大入賞口16に入賞する遊技球があってもよい。
第1転動路56Fを転動する遊技球は、大入賞装置16Zの可変部材16Kが開いている場合は、大入賞口16に入賞可能となり、可変部材16Kが開いている場合は、可変部材16K上を転動して第2転動路56Gへ向かう。そして、第2転動路56Gを転動した遊技球は、第2転動路56Gと第3転動路61との間の第2振分部34Bに放出される。第2振分部34Bにも第1振分部34Aと同様に複数の障害釘Nが配されていて、第2振分部34Bに到達した遊技球は、第3転動路61と、一般入賞口17と、右アウト口19Rへ通じる右アウト通路19Aと、に振り分けられる(図10参照)。
図3に示すように、第3転動路61に振り分けられた遊技球は、第2始動入賞口15へ向けて転動する。そして、可変部材15Kが突出位置に配されている場合、可変部材15Kに案内されて第2始動入賞口15へ入賞可能となり、可変部材15Kが退避位置に配されている場合、第2始動入賞口15に入賞せずに、中央アウト口19Cに取り込まれる。なお、第3転動路61を転動した遊技球が、可変部材15Kより右方へ流動し、右アウト口19Rに取り込まれることがあってもよい。
<第1振分部について>
図9に示すように、第1振分部34Aには、障害釘Nとして、左側のゲート横突壁55Fと右側のゲート横突壁55Gとの上方に、第1及び第2の釘N1,N2が配され、右側基幹通路24の出口24Aの右端部と端部突出部40の左上端部との間に、第3の釘N3が配され、右側基幹通路24の出口24Aの下方に、上下に並んだ第4及び第5の釘N4,N5が配されている。そして、第1の釘N1と第2の釘N2との間がゲート通路56Aへの入口となっていて、第2の釘N2と第3の釘N3との間がゲート右通路56Bへの入口となっていて、第1の釘N1と第5の釘N5との間がユニット上右通路56Cへの入口となっている。
ここで、図15~図17に示すように、本実施形態の遊技機10では、第1振分部34Aのうち、ユニット上右通路56Cへの入口(第1の釘N1と第5の釘N5との間)の奥方に、枠突部20Tが配されている。枠突部20Tは、表示装飾枠20の右下隅部から右下方に張り出し、遊技盤11の前面に重ねられる張出壁20Hの外縁から前方に突出していて、第1、第4及び第5の釘N1,N4,N5に左方から近接する第1突壁20T1と、第1突壁20T1の下端から上方へ湾曲しながら左方へ延びる第2突壁20T2と、を有している。
図17及び図19に示すように、枠突部20Tの前後方向の幅は、遊技盤11の前面とガラス窓10Wの後面との間の間隔の1/3~1/4程をなしていて、枠突部20Tとガラス窓10Wとの間隔Lは、遊技球1球がギリギリ通過可能な寸法になっている。また、枠突部20Tの右側面は、遊技盤11の前面に対して直交して延びている。
これに対して、図15に示すように、ゲート右通路56Bへの入口(第2の釘N2と第3の釘N4との間)近傍及びゲート通路56Aへの入口(第1の釘N1と第2の釘N2との間)近傍は、前後方向の幅Mが枠突部20Tとガラス窓10Wとの間の間隔Lよりも大きくなっていると共に、それら入口近傍の入賞口ユニット35の基準壁35Z及びカバー壁50の外縁が傾斜している。よって、第1振分部34Aに到達した遊技球は、ユニット上右通路56Cよりも、ゲート通路56Aやゲート右通路56Bへ振り分けられやすくなっている(図18参照)。
なお、図20(A)に示すように、枠突部20Tの遊技盤11の前面からの突出高さは、遊技球の半径未満となっているので、遊技球が第1突壁20T1と第2突壁20T2の間に到達した場合でも、遊技球を第2突壁20T2上に留まらせずにスムーズに流下させることができる。しかも、本実施形態では、遊技盤11の前面に張出壁20Hが重ねられているので、遊技盤11の前面からの第2突壁20T2の突出量よりも、張出壁20Hの前面からの第2突壁20T2の突出量の方が小さくなり、遊技球が第2突壁20T2上により留まり難くなる。
また、図6、図7及び図9に示すように、入賞口ユニット35のうち、ユニット上右通路56Cと、ユニット上左通路56Dと、分岐通路56Eと、が交わる部分には、ユニット蓋35Aに形成された蓋側分岐誘導突部57Aと、ユニット本体35Bに形成された本体側分岐誘導突部41と、が形成されている。蓋側分岐誘導突部57Aは、ユニット蓋35Aのカバー壁50から後方へ突出し、第1上壁55Bの下流側端部に相当する位置で上下方向に延びていて、本体側分岐誘導突部41は、ユニット本体35Bの基準壁35Zから前方に突出し、第2上壁55Cの上流側端部に相当する位置で上下方向に延びている。また、図21に示すように、本体側分岐誘導突部41の基準壁35Zからの突出量は、蓋側分岐誘導突部57Aのカバー壁50からの突出量よりも大きくなっている。
ユニット上右通路56Cへ振り分けられた遊技球は、これら蓋側分岐誘導突部57A及び本体側分岐誘導突部41により、勢いが抑制される。また、本体側分岐誘導突部41が第2上壁55Cの上流側端部に配されているので、勢いが抑えられた遊技球は、この本体側分岐誘導突部41に沿って分岐通路56Eへ振り分けられやすくなる。しかも、本体側分岐誘導突部41の上流側に、蓋側分岐誘導突部57Aが配されているので、ユニット上右通路56Cを前側に寄って転動する遊技球を後側へ寄せることができ、本体側分岐誘導突部41に当接しやすくすることができる。つまり、ユニット上右通路56Cへ振り分けられた遊技球は、蓋側分岐誘導突部57A及び本体側分岐誘導突部41により、分岐通路56Eへ振り分けられやすく(即ち、大入賞口16へ向かいやすく)なっている(図18参照)。なお、本体側分岐誘導突部41とガラス窓10Wとの間は、遊技球1球がギリギリ通過可能な寸法になっている(図20(B)参照)。
<第1転動路周辺について>
次に、図9及び図22を参照して、第1転動路56F周辺について詳説する。上述したように、ゲート通路56Aを通過した遊技球及びゲート右通路56Bを通過した遊技球は、第1転動路56Fのうち第1転動壁55Dに受け止められて大入賞口16へ向けて転動する。本実施形態では、ゲート通路56A及びゲート右通路56Bと第1転動壁55Dとの間に、規制突条42,57Bと、第1ガイド突部43,57Cと、が設けられている。
具体的には、入賞口ユニット35は、規制突条42,57Bとして、ユニット本体35Bから前方に突出した第1及び第2の本体側規制突条42A,42Bと、ユニット蓋35Aから後方に突出した第1及び第2の蓋側規制突条57B1,57B2と、を有している。第1の本体側規制突条42Aは、右側のゲート横突壁55Gの下方に配され、第2の本体側規制突条42Bは、左側のゲート横突壁55Fの右下方に配されている。第1の蓋側規制突条57B1は、第1の本体側規制突条42Aとガイドレール12との真ん中に配され、第2の蓋側規制突条57B2は、第1の本体側規制突条42Aと第2の本体側規制突条42Bとの真ん中に配されている。これら規制突条42,57Bは、全て上下方向に延び、始動ゲート18より遊技球1~1.5球分下方の高さから第1転動壁55Dの上面より遊技球0.5~1球分上方の高さまで延びている。規制突条42,57Bと基準壁35Z又はカバー壁50との間、及び、本体側規制突条42A,42Bと蓋側規制突条57B1,57B2との間は、遊技球が通過可能になっている。
図9に示すように、入賞口ユニット35は、第1ガイド突部43,57Cとして、ユニット本体35Bから前方に突出した本体側第1ガイド突部43と、ユニット蓋35Aから後方に突出した蓋側第1ガイド突部57Cと、を有している。本体側第1ガイド突部43は、始動ゲート18の左端部より遊技球0.5球分程下方の位置から、第2の本体側規制突条42Bの上端より少し右方の位置まで、やや湾曲しながら右下がりに延びている。蓋側第1ガイド突部57Cは、本体側第1ガイド突部43の上端から中央部までと略同じ形状で、本体側第1ガイド突部43の前方に形成されている。蓋側第1ガイド突部57Cと本体側第1ガイド突部43との間は、遊技球が通過不可能な幅になっていて、始動ゲート18を通過した遊技球は、これら第1ガイド突部43,57Cにより右方へ誘導される。また、図22に示すように、蓋側第1ガイド突部57Cのカバー壁50からの突出量は、本体側第1ガイド突部43の基準壁35Zからの突出量よりも大きくなっていて、蓋側第1ガイド突部57Cと本体側第1ガイド突部43との端部同士の間に突き当たる遊技球は、後側に寄って流動する。
第1転動路56Fにおける第1転動壁55D上には、第1転動壁55Dに沿って左右方向に延びた本体側転動路規制レール44及び蓋側転動路規制レール57Dが設けられている。これら本体側転動路規制レール44及び蓋側転動路規制レール57Dは、第1転動壁55Dの湾曲部55D1の右端部の位置から、転動壁55Dの直線部55D2と平行に左方へ延びていて、本体側転動路規制レール44の左端は第2の本体側規制突条42Bの下方に位置し、蓋側転動路規制レール57Dの左端は、本体側転動路規制レール44の左端よりも左方に位置している。図22に示すように、本体側転動路規制レール44及び蓋側転動路規制レール57Dは、第1転動壁55Dから遊技球0.2~0.4球分程上方に位置していて、第1転動壁55Dに下端が当接する遊技球の下部を受容可能な間隔で対向している。また、蓋側転動路規制レール57Dの前後方向の先端部は、全体的に円弧状をなしている一方、本体側転動路規制レール44の前後方向の先端部は、下方に向かうにつれて前方へ傾斜している。
図9に示すように、第1転動路56Fにおける第1転動壁55Dの下流側端部の近傍には、上下方向に延びた本体側下流側突条45と蓋側下流側突条57Eとが備えられている。蓋側下流側突条57Eは、蓋側転動路規制レール57Dの左端に配され、本体側下流側突条45は、蓋側転動路規制レール57Dよりも左方でかつ、転動壁55Dの直線部55D2の下流側端部近傍に位置している。これら本体側下流側突条45及び蓋側下流側突条57Eは、分岐通路56Eの延長線上に位置する構成となっている。
なお、規制突条42,57B、第1ガイド突部43,57C、下流側突条45,57Eの前後方向の先端部は、断面が円弧状になっている。
第1転動路56Fにおける可変部材16K上には、遊技球を蛇行させるための蛇行突部46A,57F及び蛇行凹部46Bが備えられている。具体的には、ユニット本体35Bの基準壁35Zのうち、第1転動壁55Dの傾斜部55D3から可変部材16Kの上流側端部にかかる範囲の上方部分に、奥方向へ陥没した蛇行凹部46Bが形成されている。さらに、ユニット本体35Bの基準壁35Zには、蛇行凹部46Bの下流側端部と、可変部材16Kの下流側端部の上方部分との間に、前方に突出した4つの蛇行突部46Aが略等間隔に並んで形成されている。そして、ユニット蓋35Aのカバー壁50には、蛇行凹部25Dと対向する部分と、各蛇行突部46A同士の間に、後方側へ突出した蛇行突部57Fが計4つ形成されている。これらの蛇行突部46A,57F及び蛇行凹部46Bにより、可変部材16K上を通過する遊技球は、前後方向に蛇行しながら進行する。
<第2転動路周辺について>
次に、第2転動路56G周辺について詳説する。図9に示すように、第2転動壁55Eの上流側端部の上方には、第2ガイド突部47,57Gが備えられている。詳細には、入賞口ユニット35は、第2ガイド突部47,57Gとして、ユニット本体35Bから前方に突出した本体側第2ガイド突部47と、ユニット蓋35Aから後方に突出した蓋側第2ガイド突部57Gと、を有している。本体側第2ガイド突部47は、可変部材16Kの左端部寄り遊技球0.8球分程左方に配され、可変部材16Kの左端より遊技球0.5~0.8球分上方の高さから第2転動壁55E寄り位置まで、僅かに右側に倒れるように上下方向に延びている。蓋側第2ガイド突部57Gは、本体側第2ガイド突部47より僅かに左方で、本体側第2ガイド突部47と平行に延びていて、その上端は、本体側第2ガイド突部47の上端より僅かに上方に位置し、下端は第2転動壁55Eの上面より遊技球1球分上方に位置している。
図23に示すように、本体側第2ガイド突部47と蓋側第2ガイド突部57Gとの間は、遊技球が通過不能になっている。これにより、第1転動路56Fを終端まで転動した遊技球は、第2ガイド突部47,57Gにより左方へ飛び跳ねることが規制されて、下方へ落下する。そして、蓋側第2ガイド突部57Gより下方の領域で左方へ流動することが許容され、第2転動壁55E上を第2振分部34Bへ向けて転動していく。
第2転動路56Gのうち左右方向の中央部には、ユニット蓋35Aから後方に突出した小突部57Hが備えられている。この小突部57Hにより、本体側第2ガイド突部47の前方を通過して前側に寄った遊技球が後ろ側に寄って転動する。また、図24に示すように、第2転動壁55Eの左端の左上方には、表示装飾枠20に形成された天井壁20Uが配されている。天井壁20Uは、第2転動壁55Eの左端より遊技球1~1.2球分上方の位置から左下がりに延びていて、第2転動路56Gを転動した遊技球は、第2転動壁55Eの左端と天井壁20Uとの間を通過して第2振分部34Bへ移動する。
<第2振分部について>
図24に示すように、第2振分部34Bには、障害釘Nとして、天井壁20Uの延長線上に、右上、左下、と並んだ第6及び第7の釘N6,N7が配され、第2転動壁55Eの左端の少し左方と、その右下とに、第8及び第9の釘N8,N9が配され、一般入賞口17の左側開口縁と右側開口縁との右上方に、第10及び第11の釘N10,N11が配されている。そして、第7の釘N7と第10の釘N10との間が第3転動路61への入口となっていて、第10の釘N10と第11の釘N11との間が一般入賞口17への入口となっていて、第9の釘N9と第11の釘N11との間が右アウト通路19Aへの入口となっている。
ここで、第2振分部34Bには、球詰まり規制突部48が備えられている。球詰まり規制突部48は、ユニット本体35Bの左端部に一体形成されている。詳細には、球詰まり規制突部48は、ユニット本体35Bの左端部(本体側左辺部38の第2~第5の構成部38B~38Eにより突出した部分)のうち釘受容貫通孔35Nの左上方部に配され、基準壁35Zから突出形成されていて、傾斜部48Aと、延長部48Bと、球詰まり規制突条48Cと、を有している。傾斜部48Aは、第2転動壁55Eの左端から右方へ延び、前面が左方へ向かうにつれて前方に傾斜している。延長部48Bは、傾斜部48Aの端部から本体側左辺部38の第5の構成部38E及び第4の構成部38Dの上部2/3の部分に沿って湾曲して延びており、その前面は、傾斜部48Aの右端部から平坦に延びている。球詰まり規制突条48Cは、延長部48Bの下端部から下方に延びた突条をなしている。図25に示すように、球詰まり規制突条48Cの前端部は、断面が円弧状になっていて、その前端は、延長部48Bの前面と面一になっている。また、図24に示すように、この球詰まり規制突条48Cの下端は、第10の釘N10の真上に配されていて、両者の間隔は、遊技球0.5球分程である。
<迂回路について>
上述のように、遊技機10では、左打ちにより遊技球が左側流下領域Ra及び下部流下領域Rcを流下し、右打ちにより遊技球が右側流下領域Rb及び下部流下領域Rcを流下する。そして、左打ちと右打ちとの両方で、右側アウト口19Rに遊技球が入球可能となっている(図10及び図26参照)。なお、このように左打ち時と右打ち時とで使用されるアウト口を兼用することで、遊技球の流下領域をコンパクトにすることが可能となり、表示画面30Gを大きくすることが可能となる。
ここで、左打ちされた遊技球は、排出用入球口31A,31Bに入球すると、右側アウト口19Rに入球可能となっている。具体的には、図26及び図27に示すように、排出用入球口31Aと31Bに入った遊技球を、第3転動路61に対して後側に迂回させて第3転動路61よりも下方に流下させる迂回路70が設けられていて、迂回路70を出た遊技球が、右側アウト口19Rへと流下可能となっている。このように、迂回路70と第3転動路61は、前後に重なって立体交差している。また、前後に重なる迂回路70と第3転動路61は、前側から視認可能となっている(例えば、迂回路70の前方には透明な部材が配置される)。
迂回路70は、排出用入球口31A,31Bを入口として有すると共に、始動口ユニット60のプレート部60Pに形成された上述の貫通開口60Kを出口として有し、側方視略コの字状をなして遊技盤11の前側に遊技球を流出させ、右側アウト口19Rへと案内する(図27参照)。そして、迂回路70は、遊技盤11の開口部11Mに受容されている。また、迂回路70は、排出用入球口31Aからの遊技球が流下する通路と、排出用入球口31Bからの遊技球が流下する通路とを、合流させる合流部を有し、この合流した通路が貫通開口60Kにつながった前方視略Y字状をなしている。詳細には、迂回路70は、上述の始動口ユニット60のY字凹部60Yと、上述の後側ユニット69のY字凹部70Yとが合わさって形成される。また、迂回路70では、この合流部が第3転動路61に前後方向で重なっている。なお、本実施形態では、第1始動口14に入球した遊技球を遊技盤11の後側に排出すると共に下側に延びる排出路14R(図13参照)が設けられ、この排出路14Rも、迂回路70に後側から重なっている。
<作用効果について>
本実施形態の遊技機10の構成は以上である。次に、遊技機10の作用効果について説明する。上述したように、本実施形態の遊技機は、通常遊技状態では左打ちされ、時短遊技状態や小当り遊技、大当り遊技では右打ちされる。
ところで、一般的に、この種の遊技機においては、小当り遊技において大入賞口16に入球した遊技球がV確定口16Vに入球する(即ち、V入賞する)確率は1/10程度未満であることが好ましいとされる(例えば規則などで決まっている場合もある)。よって、時短遊技状態での小当り遊技中に右打ちを行っている際に、第1振分部34Aでユニット上右通路56Cに振り分けられる遊技球が多くなると、大入賞口16に入球する遊技球が少なくなり、V入賞する確率が1/10を大きく上回ってしまうことが考えられる。これに対して本実施形態の遊技機10では、枠突部20Tが設けられているので、遊技球がユニット上右通路56Cに振り分けられにくくなり、ゲート通路56Aやゲート右通路56Bを通過して大入賞口16に入球する遊技球が多くなるので、V入賞する確率を1/10程度未満にすることができる。また、逆に、大入賞口16へ遊技球が流下し難い構成では、V入賞し難くなり、遊技者に不満を感じさせ易くなる。これに対し、本実施形態の遊技機10では、上述のように遊技球の通路の分岐部において大入賞口16側に遊技球を誘導し易くなるので、遊技者の意欲低下を抑制可能となる。
さらに、枠突部20Tよりも下流側では、入賞口ユニット35に蓋側分岐誘導突部57Aや本体側分岐誘導突部41が設けられており、これらによっても、遊技球を分岐通路56Eに案内することが容易となっている。従って、枠突部20Tにより大入賞口16側に遊技球が誘導されずにチャンスを逸したと落胆した遊技者に、再チャンスを与えることが可能となり、その遊技球でV入賞した場合の遊技者の達成感を高めることが可能となる。また、蓋側分岐誘導突部57によって、遊技球が本体側分岐誘導突部41側(後側)に誘導されるので、遊技球を本体側分岐誘導突部41でせき止めて、大入賞口16へと向かう分岐通路56Eに遊技球をより誘導し易くすることができる。
本実施形態の遊技機10では、遊技球が通過可能に分岐した通路のうち、一方の通路の入口部分の前後方向の幅を狭くする進入規制部(例えば、枠突部20T、本体側分岐誘導突部41)により、一方の通路への遊技球の進入を規制して、他方の通路へ遊技球を進入させ易くするという、今までにない分岐通路を有する遊技機を提供することが可能となる。しかも、本実施形態の遊技機10では、これら進入規制部が、通路の前後方向の幅を狭くするので、前側から見た遊技球の軌道からでは遊技球がどの通路に進入するかどうか予想し難くなり、趣向性の向上を図ることが可能となる。また、規則等により、始動ゲート18等の左右両隣に遊技球が通過可能な通路を設ける必要が生じる場合があるが、この場合でも、進入規制部(例えば、枠突部20T、本体側分岐誘導突部41)を設けることで、分岐した複数の通路のうち一部の通路に遊技球を誘導することが可能となる。
また、右打ちされて第1振分部34Aでゲート通路56Aに振り分けられた遊技球は、第1ガイド突部43,57C(適宜、「誘導部」という)に受け止められて(当接して)、右方に誘導される。これにより、遊技球が始動ゲート18から鉛直下方へ落下したり、左方へ寄りながら落下する場合よりも、遊技球が左方へ跳ねて大入賞口16を飛び越えてしまうことを防いだり、第1転動路56Fを転動する遊技球の勢いを抑えることができる。
さらに、遊技球を誘導する「誘導部」が突条(第1ガイド突部43,57C)により構成されていて、その突条が遊技球に側方(進行方向と交差する方向)から当接することによって遊技球を受け止めて誘導するので、遊技球を受け止めたいところ(遊技球の通過を妨げたいところ)よりも手前に「誘導部」を配置することが可能となり(「誘導部」を板状にする場合よりも手前に「誘導部」を配置することが可能となり)、「誘導部」の配置の自由度を高めることができる。
ところで、「誘導部」が板状の場合、始動ゲート18を通過した1つ目の遊技球が、その板と基準壁35Z又はカバー壁50とに当接し、その隣に2つ目の遊技球がカバー壁50又は基準壁35Zに当接した状態で並ぶと、2つの遊技球は前後方向で力が掛かりあい、球詰まりが発生すると考えられる。これに対して、遊技機10によれば、「誘導部」が2本の突条(第1ガイド突部43,57C)により構成されていて、遊技球がその間に配されやすくなる。これにより、2球の遊技球の並びが鉛直方向に近づき、前後方向で力が掛かりにくくなるので、球詰まりの発生が防がれる。
また、ゲート通路56Aとゲート右通路56Bとは横並びになっているため、ゲート通路56Aを通過した遊技球とゲート右通路56Bを通過した遊技球とが衝突すると、例えば、始動ゲート18を通過した遊技球が始動ゲート18側へ跳ね返り、再びセンサ18Sに検出されたり、左方へ大きく跳ねた遊技球が大入賞口16を飛び越えたしまったり等、不具合が発生することが考えられる。これに対して、本実施形態の遊技機10では、ゲート通路56A及びゲート右通路56Bの下方に、カバー壁50及び基準壁35Zからそれぞれ突出した4本の規制突条42,57Bが備えられていて、ゲート通路56Aを通過した遊技球とゲート右通路56Bを通過した遊技球とが衝突してもこれら規制突条42,57Bに当接して勢いが抑えられるので、遊技球が大きく跳ねることが防がれ、上述した不具合の発生が防がれる。規制突条42,57Bは、カバー壁50と基準壁35Zとのそれぞれに設けられているので、前に寄った遊技球と後ろに寄った遊技球との両方に対して遊技球の勢いを抑えることができる。
また、4本の規制突条42,57Bのうち第1の本体側規制突条42Aは、ゲート通路56Aの真下とゲート右通路56Bの真下との間に配されているので、ゲート通路56Aを通過した遊技球とゲート右通路56Bを通過した遊技球とが互いに近づいたときに、先に第1の本体側規制突条42Aに当接して遊技球同士の衝突が発生しにくくなる。または、遊技球同士の衝突の前に第1の本体側規制突条42Aに当接することで勢いが抑えられ、遊技球の跳ね返りが小さくなる。また、第1ガイド突部43,57Cによりゲート通路56Aを通過した遊技球は左方へ(即ち、第1の本体側規制突条42Aへ)誘導されるので、ゲート通路56Aを通過した遊技球が第1の本体側規制突条42Aに当接することに対する確実性が増す。さらに、蓋側第1ガイド突部57Cのカバー壁50からの突出量は、本体側第1ガイド突部43の基準壁35Zからの突出量よりも大きくなっていて、蓋側第1ガイド突部57Cと本体側第1ガイド突部43との端部同士の間に突き当たる遊技球は、後側に寄って流動するので、より、ゲート通路56Aを通過した遊技球を第1の本体側規制突条42Aに当接させやすくすることができる。
ここで、規制突条42,57Bに沿って2つの遊技球が上下に並び、そのまま第1転動路56Fの転動面(第1転動壁55Dの上面)に当接すると球詰まりが発生することが考えられる。これに対し、遊技機10では、規制突条42,57Bの下端と第1転動路56Fの転動面との間が遊技球1球分以上離れているので、上下に並んだ2つの遊技球のうち下方の遊技球が第1転動路56Fの転動面上に配されると、規制リブとの当接が解消され、そのまま下流側へ転動しやすくなり、球詰まりが防がれる。しかも、第1転動路56Fが蓋側転動路規制レール57Dと本体側転動路規制レール44とにより幅狭になっていて、第1転動路56Fの転動面上に到達した遊技球は前後方向の中央に配されるので、2つの遊技球の並び方向が鉛直方向に近くなり、前後方向で力がかかりにくくなるので、球詰まりがより防がれる。
また、遊技球が第1転動路56Fの転動面に衝突して跳ね返ったときに、これら蓋側転動路規制レール57D及び本体側転動路規制レール44に当接することで跳ね返りを小さくすることができる。また、蓋側転動路規制レール57Dの前後方向の先端部は、全体的に円弧状をなし、かつ、本体側転動路規制レール44の前後方向の先端部は、下方に向かうにつれて前方へ傾斜しているので、落下してきた遊技球はスムーズに転動壁55D上へ誘導される。
第1転動路56Fを可変部材16Kの左端部まで転動した遊技球は第2転動路56Gに到達する。ここで、第1転動路56Fを転動した遊技球が勢いよく左方へ飛び出すと、第2転動路56Gの転動面と天井壁20Uとの間で球詰まりが発生したり、その先の流動態様に不具合が生じることが考えられる。これに対して、遊技機10では、第1転動路56Fから飛び出した遊技球は、第2ガイド突部47,57G(適宜、「規制部」という)に当接して第2転動路56Gへ向けて下方へ跳ね返される。これにより、遊技球が第1転動路56Fから大きく飛び出したすことが防がれたり、第2転動路56Gを転動する遊技球の勢いが抑えられ、球詰まりや不具合の発生が防がれる。
また、第2ガイド突部47,57Gは、突条(本体側第2ガイド突部47及び蓋側第2ガイド突部57G)からなるので、その突条が遊技球に側方(進行方向と交差する方向)から当接することによってその遊技球の通過を妨げるので、遊技球の通過を妨げたいところよりも手前に「規制部」を配置することが可能となり(「規制部」を板状にする場合よりも手前に「規制部」を配置することが可能となり)、「規制部」の配置の自由度を高めることができる。
また、「規制部」が板状の場合、1つ目の遊技球が、その板と基準壁35Z又はカバー壁50とに当接し、その隣に2つ目の遊技球がカバー壁50又は基準壁35Zに当接した状態で並ぶと、2つの遊技球は前後方向で力が掛かりあい、球詰まりが発生すると考えられる。これに対して、遊技機10によれば、「規制部」が2本の突条(本体側第2ガイド突部47及び蓋側第2ガイド突部57G)により構成されていて、遊技球がその間に配されやすくなる。これにより、2球の遊技球の並びが鉛直方向に近づき、前後方向で力が掛かりにくくなるので、球詰まりの発生が防がれる。また、本体側第2ガイド突部47及び蓋側第2ガイド突部57Gの前後方向での先端部が円弧状になっているので、遊技球が円弧に沿って逃げやすくなり、球詰まりがより防がれる。
また、2本の突条(本体側第2ガイド突部47及び蓋側第2ガイド突部57G)を互いにずらして配置することも可能であり、規制部の配置の自由度がさらに増す。さらにずらして配置することで、遊技球が手前側の突条(本実施形態では、本体側第2ガイド突部47)に当たってから2つの突条(本体側第2ガイド突部47及び蓋側第2ガイド突部57G)の間に流動してくるので、遊技球の勢いが抑制される。また、本体側第2ガイド突部47の下端は蓋側第2ガイド突部57Gの下端よりも下方に位置しているので、本体側第2ガイド突部47及び蓋側第2ガイド突部57Gに規制された遊技球は、本体側第2ガイド突部47の前方を通過して転動する(即ち、前に寄った状態で転動する)。
第2転動路56Gを転動して第2転動壁55Eの左端と天井壁20Uとの間を通過した遊技球は、第2振分部34Bに到達する。第2振分部34Bでは、第7の釘N7と第8の釘N8との間(通過部)を通過したのち、第10の釘N10により左右へ振り分けられる。ここで、図28に示すように、釘N10Wの上方に2つの遊技球が上下に並ぶ際に、例えば、下側の遊技球が釘N10Wと遊技盤11の前面とに当接し、上側の遊技球がガラス窓10Wに当接した状態になると、2つの遊技球は前後方向で力が掛かりあい、球詰まりが発生すると考えられる。これに対して、遊技機10によれば、遊技盤11側に、第10の釘N10の上方に球詰まり規制突部48の球詰まり規制突条48Cが配されていて、第10の釘N10の上方の空間の前後方向の幅が狭くなり、2球の遊技球の並びが鉛直方向に近づくので、前後方向で力が掛かりにくくなるので、球詰まりの発生が防がれる。
また、球詰まり規制突部48は、傾斜部48Aと、延長部48Bと、を有していて、第2転動壁55E上を転動した遊技球は、傾斜部48Aによって前側に誘導された状態で延長部48B及び球詰まり規制突条48Cの前方を通過するので、スムーズに球詰まり規制突条48Cとガラス窓10Wとの間に誘導される。さらに、球詰まり規制突条48Cの前端部は断面が円弧状になっているので、遊技球が円弧に沿って逃げやすくなり、球詰まりが防がれる。
第2振分部34Bで第3転動路61に振り分けられた遊技球は、可変部材15Kが突出位置に配置されている場合には、第2始動入賞口15に入球可能となる。ここで、遊技機10では、第3転動路61に、後側から遊技球が通過可能な通路が重なっている。具体的には、この通路は、左打ちされた遊技球が排出用入球口31A,31Bに入球すると通過可能な迂回路70となっている。従って、左打ちされた遊技球の通路と右打ちされた遊技球の通路とが重なるという今までにない遊技球の流下態様を提供することが可能となる。また、本実施形態では、例えば始動口ユニット60が透明な材料で構成されていて、第3転動路61及び迂回路70が前側から視認可能となっている。従って、遊技球の流下態様の趣向性向上を図ることが可能となる。また、前後に重なる通路同士が左打ち用と右打ち用とに分かれているので、通路同士が前後に重なっていても、何れの通路を遊技球が通過するかを遊技者が間違いにくくなる。
また、本実施形態では、このように遊技球が通過可能な通路同士が前後に重なることで、遊技球の通過可能な通路の配置の自由度を高めることが可能となる。これにより、遊技球の通過可能な領域をコンパクトにして表示画面13G等の演出用の領域を大きくすることも可能となる。しかも、前後に重なった遊技球の通路同士の一方が、他方に対して迂回しているので、これらの通路同士を嵩張り難い構成とすることが可能となる。さらに、この迂回路70が、遊技盤11に形成された開口部11Mに受容されるので、迂回路70と第3転動路63が重なった通路重なり部が、前後方向で嵩張ることを抑制可能となる。なお、本実施形態では、第3転動路61が、第3転動路61に上流側と下流側から連絡する遊技球通路に対して若干前側にシフトしているので、迂回路70が第3転動路61の後側を迂回し易くなっている。
ここで、仮に、迂回路70及び排出用入球口31A,31Bが設けられていない場合、左打ちされた遊技球が、第1始動入賞口14と第3転動路61の天井壁63との間まで流下可能となる。この場合、本実施形態の遊技盤11の構成では、第1始動入賞口14のポケット部14Pと天井壁63の間には、遊技球1個分が通過できる隙間しか確保できないため、この部分で球詰まりが発生し易くなるという事態が生じる。そのため、この場合、第3転動路61の天井壁63を無くすことが考えられるが、この構成では、右打ちにより第3転動路61上を転動してきた遊技球が、第3転動壁62上を大きく跳ね易くなる。その結果、仮に可変部材15Kが突出位置に配置されて第2始動入賞口15へ入球可能となったときでも、遊技球が可変部材15K上を大きく跳ね、第2始動入賞口15を飛び越えて左アウト口19L側に向かってしまうという問題が生じ得る。また、このように突出位置の可変部材15K上を跳ねる遊技球と、右打ちにより後続する遊技球が衝突して、当該後続する遊技球が、右アウト口19R側へと向かって第2始動入賞口15に入球しなくなるという問題も生じ得る。
これに対し、本実施形態の遊技機10では、右打ち時に遊技球が通過可能な第3転動路61(詳細には、天井壁63)が、斜め下側に傾斜してからさらに下方に曲がった構成となっているので、第3転動路61で遊技球の勢いを抑えることができ、突出位置となった可変部材15K上での遊技球の跳ね上がりが抑えられる。さらに、迂回路70及び排出用入球口31A,31Bを設けることで、左打ちにより第3転動路61の天井壁63と第1始動入賞口14との間に球詰まりが発生する事態を防ぐことができる。
本実施形態の遊技機10は、右側アウト口19Rへと遊技球を案内する排出用入球口31Aが、第1始動入賞口14と左右方向で隣接しているという、今までにない構成を有している。これにより、排出用入球口31Aと第1始動入賞口14の間に流下してきた遊技球が、何れの入口に入球するかという今までにないドキドキ感を提供することが可能となり、遊技の趣向性向上を図ることが可能となる。また、本実施形態では、排出用入球口31A,31Bに取り入れられた遊技球は、迂回路70から出ると、ほとんどが右側アウト口19へと流下するが、側方通路65から左側へ抜け出ることも可能である。この場合、この遊技球は、通常は中央アウト口19Cへと流下することとなるが、可変部材15Kが突出位置にある場合には第2始動入賞口15へ入球することも可能である。このように、排出用入球口31A,31Bに入球した全ての遊技球が必ずアウト口19C,19Rに入球するわけではないので、排出用入球口31A,31Bがアウト口19C,19Rと全く同じ機能を果たすわけではない。従って、排出用入球口31A,31Bに排出目印19Mを付けなくてもよくなり、第1始動入賞口14のすぐ隣に排出目印19Mを付けるという事態を避けることができる。
[他の実施形態]
(1)第1ガイド突部43,57Cを有しない構成であってもよい。
(2)上記実施形態では、第10の釘N10の上方に球詰まり規制突条48Cが配された構成であったが、基準壁35Zの該当箇所が肉厚になった構成であってもよい。
(3)球詰まり規制突条48Cの断面は円弧状ではなくてもよく、例えば、左右の側縁が傾斜面になっていてもよい。
(4)第10の釘N10ではなく、樹脂ブロックや樹脂製の突部等で遊技球を振り分ける構成であってもよい。
(5)第2ガイド突部47,57Gは左右方向で同じ位置に配されていてもよい。また、本体側第2ガイド突部47の下端は蓋側第2ガイド突部57Gの下端と同じ位置に配されていてもよい。
(6)第1ガイド突部43,57C同士の間や第2ガイド突部47,57G同士の間を遊技球が通過可能な構成であってもよい。
(7)本体側第2ガイド突部47と蓋側第2ガイド突部57Gとは、どちらか一方のみであってもよい。その場合、カバー壁50又は基準壁35Zとの間を遊技球が通過不可能な突出量であることが好ましい。
(8)本体側第1ガイド突部43と蓋側第1ガイド突部57Cとは、どちらか一方のみであってもよい。その場合、カバー壁50又は基準壁35Zとの間を遊技球が通過不可能な突出量であることが好ましい。
(9)本体側第1ガイド突部43と蓋側第1ガイド突部57Cとは突出量が同じであってもよい。
(10)本体側転動路規制レール44と蓋側転動路規制レール57Dとが設けられていなくてもよい。
(11)本体側転動路規制レール44の前後方向の先端部と蓋側転動路規制レール57Dの前後方向の先端部との両方が円弧状であってもよいし、傾斜していてもよい。
(12)第1転動壁55Dや第2転動壁55Dが第1ガイド突部43,57Cのように突条により構成されていてもよい。
(13)上記実施形態では、遊技球が通過可能な通路同士が前後に重なった通路重なり部(第3転動路61及び迂回路70)が、立体交差していたが、立体交差せずに単に重なっただけであってもよい。また、この通路重なり部を構成する通路同士のうち一方の通路のみが迂回していてもよいし、両方の通路が互いに迂回していてもよいし、両方の通路とも迂回せずに例えば直線状であってもよい。また、一方の通路が他方の通路に対して前側に迂回していてもよい。
(14)上記実施形態では、右打ちで遊技球が通過可能な通路が、左打ちで遊技球が通過可能な通路に後側から重なっていたが、前側から重なっていてもよい。
(15)上記実施形態では、遊技球が通過可能な通路が前後に重なる通路重なり部を構成する通路同士が、発射された遊技球が流下し終わるまでに何れか一方の通路のみ通過可能となっていたが、両方の通路を通過可能となっていてもよい。例えば、これら両方の通路に、遊技球が左打ちされたときに遊技球が通過可能となっていてもよいし、右打ちされたときに通過可能となっていてもよい。また、例えば、遊技球の発射通路と遊技球の流下通路とが前後に重なっていてもよい。また、通路重なり部のうち一方の通路に左打ちしたときのみ遊技球が通過可能で、他方の通路に右打ちしたときのみ通過可能としてもよいし、左打ち又は右打ちのときに、一方の通路を通過する可能性と他方の通路を通過する可能性との何れの可能性もある構成としてもよい。
(16)上記実施形態では、遊技球の通路の分岐部で分岐した一方の通路の入口部分の前後方向の幅を狭くする進入規制部(例えば、枠突部20T、本体側分岐誘導突部41)により、大入賞口16へ向わない通路への遊技球の進入が規制されたが、逆に、大入賞口16へ向かう通路への遊技球の進入が規制されてもよい。
(17)上記実施形態では、遊技球の通路の分岐部で分岐した一方の通路の入口部分の前後方向の幅を狭くする進入規制部が、壁状の凸部であったが、棒状の凸部であってもよい。また、進入規制部は、通路の分岐部を前後に挟んで対向する対向部材のうち少なくとも一方の対向部材から分岐部側に張り出すように構成されていてもよい。この場合、他方の対向部材のうち進入規制部よりも上流側の部分から一方の対向部材側に張り出して、遊技球を前後方向で一方の対向部材側に誘導可能な誘導張出部を設けてもよい。また、進入規制部は、通路の分岐部を前後に挟んで対向する対向部材のうち少なくとも一方の対向部材(例えば、遊技盤11等)を分岐部側に張り出すように厚肉にすることで形成してもよい。また、進入規制部は、透明な材料(例えば無色透明な材料)や視認困難な材料で構成されていてもよい。
(18)上記実施形態では、遊技盤11のうち第1突壁20T1と第2突壁20T2との間の部分に、張出壁20Hが重ねられていたが、張出壁20Hが重ねられていなくてもよい。
(19)上記実施形態では、進入規制部(例えば、枠突部20T、本体側分岐誘導突部41)が、始動ゲート18の左側の通路側に設けられていたが、始動ゲート18の右側の通路側に設けられてもよい。
(20)上記実施形態において、始動ゲート18の位置に入賞口(例えば、一般入賞口17又は第2始動入賞口15)を配置して、始動ゲート18を別の位置に配置してもよい。
(21)上記実施形態では、迂回路70が、遊技盤11の貫通孔(開口部11M)に受容されていたが、遊技盤11の前面に開口する凹部に受容されていてもよい。なお、迂回路70は、遊技盤11の開口部11Mに挿入されて後側にはみ出していてもよい。迂回路70の少なくとも一部が、遊技盤11の貫通孔又は凹部からなる開口部11Mに受容されていることが好ましい。
(22)上記実施形態では、排出用入球口31Aに横方向で隣接する入賞口が、第1始動入賞口14であったが、第2始動口15であってもよい。
<付記>
以下、上述した実施形態から抽出される第1~第6の発明群について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
(第1の発明群)
第1の発明群は、「遊技球が流下可能な遊技領域を前後方向で挟む前方対向面及び後方対向面を備える遊技機」に関し、「この種の遊技機として、流下する遊技球に衝突されることでその遊技球の流下方向を変える衝突部材を備えるものが知られている(例えば、特開2016-123881号公報(図2)参照)」という背景技術について、「衝突部材に当接した遊技球に別の遊技球が隣接すると球詰まりが発生することがあり、その球詰まりの発生を防ぐことが求められている。」という課題をもってなされたものと考えることができる。
[発明1]
遊技球が流下可能な遊技領域を前後方向で挟む前方対向面及び後方対向面と、
流下する遊技球に衝突されることでその遊技球の流下方向を変える衝突部材と、を備える遊技機であって、
前記衝突部材から遊技球1球未満分上流側に配され、前記前方対向面と前記後方対向面との一方から突出した突出部を有する遊技機。
例えば、1球の遊技球が衝突部材と前方対向面又は後方対向面とに当接し、その隣に後方対向面又は前方対向面に当接した遊技球が並ぶと、2つの遊技球は前後方向で力が掛かりあい、球詰まりが発生すると考えられる。これに対して、発明1の遊技機によれば、突出部により前後方向の幅が狭まり、2球の遊技球の並びが鉛直方向に近づき、前後方向で力が掛かりにくくなるので、球詰まりの発生が防がれる。
[発明2]
前記衝突部材と、前記突出部と、は上下方向に並んでいる発明1に記載の遊技機。
自重が突出部に掛かり、球詰まりが発生しやすくなるところ、発明2の遊技機によれば、それが防がれるので、効果をより享受することができる。
[発明3]
前記衝突部材の上流側に、遊技球を1球ずつ通過させる通過部を備え、
前記突出部は、前記衝突部材と前記通過部との間に配されている発明1又は2に記載の遊技機。
通過部により遊技球が並びやすくなり、球詰まりが発生しやすくなるところ、発明3の遊技機によれば、それが防がれるので、効果をより享受することができる。
[発明4]
左右方向の一方から他方へ遊技球を転動させる転動路と、前記転動路の下流側端部から湾曲して下方に延びる流下通路と、を備え、
前記通過部は、前記転動路と前記流下通路との連絡部に配され、
前記衝突部材及び前記突出部は、前記流下通路に配されている発明3に記載の遊技機。
転動路を転動することにより遊技球が並びやすくなり玉詰まりが発生しやすくなるところ、発明4の遊技機によれば、それが防がれるので、効果をより享受することができる
[発明5]
前記突出部は、前記通過部近傍から前記衝突部材へ向けて延びた突条であり、
前記突条の上流側端部から上流側に延びた延長突部を備え、
前記延長突部は、前記突条側から上流側へ向かうにつれて、前記前方対向面と前記後方対向面との前記一方へ近づくように傾斜した傾斜面を有している発明4に記載の遊技機。
発明5の遊技機によれば、傾斜面があるので遊技球がスムーズに突出部と前記前方対向面又は前記後方対向面との間に誘導される。
[発明6]
前記突出部の前後方向での先端部は、前記衝突部材と前記突出部とが並ぶ方向と直交する面での断面が円弧状になっている発明1から5の何れか1の発明に記載の遊技機。
発明6の遊技機によれば、突出部の前後方向での先端部が円弧状になっているので、遊技球が円弧に沿って逃げやすくなり、球詰まりが防がれる。
[発明7]
遊技領域を流下する遊技球に衝突されることでその遊技球の流下方向を変える衝突部材を備える遊技機であって、
遊技領域における、前記衝突部材に上流側から隣接する遊技球1~3球分程の領域の前後方向の幅が、それより上流側部分の前後方向の幅より小さくなっている遊技機。
例えば、1球の遊技球が衝突部材と、遊技領域を挟む前方対向面と後方対向面との一方と、に当接し、その隣に前方対向面と後方対向面との他方に当接した遊技球が並ぶと、前後方向で力が掛かりあい、球詰まりが発生すると考えられる。これに対して、発明1の遊技機によれば、衝突部材に上流側から隣接する遊技球1~3球分程の領域の前後方向の幅が小さくなっていて、2球の遊技球の並びが鉛直方向に近づき、前後方向で力が掛かりにくくなるので、球詰まりの発生が防がれる。
(第2の発明群)
第2の発明群は、遊技機に関し、「従来より、流下する遊技球の通路が分岐する遊技機が知られている(例えば、特開2003-062208号公報(図2)参照)。このような遊技機として、遊技盤に植設された障害釘が遊技球の通路の分岐部に設けられ、障害釘により、分岐した何れかの通路に遊技球を進入させ易くするものがある。」という背景技術について、「上述した従来の構成は、登場してから久しく新鮮味に欠けるため、新たな遊技機が望まれる。」という課題をもってなされたものと考えることができる。
[発明1]
遊技球が通過可能な通路の分岐部を有する遊技機であって、
前記分岐部で分岐する一方の通路の入口部分の前後方向の幅を狭くすることで、前記一方の通路への遊技球の進入を規制して、前記分岐部で分岐する他方の通路へ遊技球を進入させ易くする進入規制部を、有する遊技機。
発明1では、遊技球が通過可能な通路の分岐部で分岐した一方の通路の入口部分の前後方向の幅を狭くする進入規制部により、一方の通路への遊技球の進入を規制して、他方の通路へ遊技球を進入させ易くするという、今までにない分岐通路を有する遊技機を提供することが可能となる。また、本発明では、進入規制部が一方の通路の入口部分の前後方向の幅を狭くするので、前側から見た遊技球の軌道からでは遊技球が一方の通路に進入するかどうか予想し難くなり、趣向性の向上を図ることが可能となる。
[発明2]
前記進入規制部により遊技球の進入が規制された前記通路の先に、さらに前記分岐部が設けられ、その分岐部に対しても前記進入規制部が設けられている、発明1に記載の遊技機。
発明2のように、進入規制部により遊技球の進入が規制された通路の先に、さらに分岐部を設けてもよく、その分岐部に対しても進入規制部を設けてもよい。
[発明3]
始動口への遊技球の入球に起因して実行される特図当否判定の結果に応じて開放される大入賞口を有し、
前記他方の通路は、前記大入賞口へと遊技球を案内可能となっている、発明1又は2に記載の遊技機。
発明3では、他方の通路が大入賞口側へ遊技球を案内可能となっているので、遊技球を大入賞口へ入球させたい遊技者を喜ばせることが可能となり、遊技の趣向性を高めることが可能となる。
[発明4]
所定の始動領域への遊技球の進入に起因して実行される普図当否判定で当りになると閉状態から開状態になる可変始動口を前記始動口として備え、
前記他方の通路として、前記始動領域を含む通路と、その通路に対して前記一方の通路と反対側に配置され、前記始動領域を含まない通路と、が備えられている、発明3に記載の遊技機。
発明4ように、始動領域を含む通路を設けて、その両側に始動領域を含まない通路を設けてもよい。
[発明5]
前記分岐部に前側又は後側から対向する第1対向部材を備え、
前記進入規制部は、前記第1対向部材から前記分岐部側に張り出してなる、発明1から4の何れか1の発明に記載の遊技機。
発明5では、進入規制部を分岐部に前側又は後側から対向する第1対向部材から張り出させるので、進入規制部の形成を容易にすることが可能となる。
[発明6]
前記分岐部を前記第1対向部材とによって前後方向で挟む第2対向部材を備え、
前記第2対向部材のうち前記進入規制部より上流側の部分から前記第1対向部材側に張り出して、前記遊技球を前後方向で前記第1対向部材側に誘導可能な誘導張出部を備えている、発明5に記載の遊技機。
発明6のように、分岐部を第1対向部材とによって前後に挟む第2対向部材を備え、その第2対向部材に、遊技球を第1対向部材側に誘導可能な誘導張出部を設ければ、遊技球を進入規制部に衝突させ易くなり、他方の通路に進入させることをより容易にすることが可能となる。
[発明7]
前記進入規制部は、遊技球をせき止め可能な突壁からなる、発明5又は6に記載の遊技機。
発明7では、進入規制部が突壁からなるので、遊技球をせき止め易くすることが可能となり、遊技球を一方の通路により進入させ難くすることが可能となる。
[発明8]
前記進入規制部は、透明な材料で構成されている、発明1から7の何れか1の発明に記載の遊技機。
発明8では、進入規制部が透明な材料で構成されているので、進入規制部を目立ちにくくすることができ、分岐部で分岐する何れの通路に遊技球が進入し易いかを把握させ難くすることが可能となる。
(第3の発明群)
第3の発明群は、「遊技球が流下可能な遊技領域を前後方向で挟む前方対向面及び後方対向面を備える遊技機」に関し、「従来、この種の遊技機として、遊技球の通過を妨げてその遊技球の流動方向又は転動方向を規制する規制部を備えるものが知られている(例えば、特開2016-123881号公報(図2)参照)」という背景技術について、「規制部の配置の自由度を高めることが求められている。」という課題をもってなされたものと考えることができる。
[発明1]
遊技球が流下可能な遊技領域を前後方向で挟む前方対向面及び後方対向面と、
前記前方対向面と前記後方対向面との間に配され、遊技球の通過を妨げてその遊技球の流動方向又は転動方向を規制する規制部と、を備える遊技機であって、
前記規制部は、前記前方対向面と前記後方対向面との少なくとも一方から突出した突条を有する遊技機。
発明1の遊技機によれば、規制部の少なくとも一部が前方対向面と後方対向面との少なくとも一方から突出した突条により構成されているので、突条が遊技球に側方(進行方向と交差する方向)から当接することによってその遊技球の通過を妨げることが可能となる。これによれば、規制部(突条)を、遊技球の通過を妨げたいところよりも手前に配置することが可能となり、規制部の配置の自由度を高めることができる。
[発明2]
前記規制部は、前記前方対向面から突出した前側突条と、前記後方対向面から突出した後側突条と、を備える発明1に記載の遊技機。
規制部が板状の場合、1球の遊技球が、その板と前方対向面又は後方対向面とに当接し、その隣に後方対向面又は前方対向面に当接した遊技球が並ぶと、2つの遊技球は前後方向で力が掛かりあい、球詰まりが発生すると考えられる。これに対して、発明2の遊技機によれば、規制部が2本の突条により構成されていて、その間に遊技球が配されやすくなり、2球の遊技球の並びが鉛直方向に近づき、前後方向で力が掛かりにくくなるので、球詰まりの発生が防がれる。
[発明3]
前記前側突条と前記後側突条とは前後方向から見て、互いにずれて配されている発明2に記載の遊技機
発明3の遊技機のように、2本の突条を互いにずらして配置することも可能であり、規制部の配置の自由度がさらに増す。また、遊技球によっては、手前側に当たってから2つの突条の間に流動してくるので、遊技球の勢いが抑制される。
[発明4]
前記突条は、上下方向に又は上下方向に対して傾斜して延び、左右方向から流動してきた遊技球を下方に誘導する発明1から3の何れか1の発明に記載の遊技機。
発明4の遊技機のように、規制部が、左右方向から流動してきた遊技球を下方に誘導する構成であってもよい。
[発明5]
遊技球を左右方向の一方へ転動させる第1転動路と、
前記第1転動路の下流側端部の側方下方へ配され、遊技球をさらに左右方向の前記一方へ転動させる第2転動路と、を備え、
前記規制部は、前記第1転動路から飛び出す遊技球を前記第2転動路へ跳ね返す発明4に記載の遊技機。
発明5の遊技機によれば、第1転動路から飛び出す遊技球が規制部によって第2転動路へ跳ね返され、遊技球が第1転動路から大きく飛び出したすことが防がれたり、第2転動路を転動する遊技球の勢いが抑えられる。
[発明6]
前記規制部は、前記突条として、前記前方対向面から突出した前側突条と、前記後方対向面から突出した後側突条と、を備え
前記前側突条と前記後側突条との一方の下端は前記第2転動路の転動面より遊技球1球分以上上方に配され、前記前側突条と前記後側突条との他方の下端は、前記第2転動路の転動面から遊技球0.5球分未満の高さに配されている発明5に記載の遊技機。
発明6の遊技機によれば、前側突条と後側突条とで下端の位置が異なっているので、遊技球は、第2転動路上をどちらかに寄せた状態(前側突条の下端が転動面に近い場合は後ろに寄った状態、後側突条の下端が転動面に近い場合は前に寄った状態)で転動させることができる。
[発明7]
前記第2転動路の下流側の上方には、前記第2転動路の転動面との間に遊技球1球が通過可能な間隔を有する天井面が配されている発明5又は6に記載の遊技機。
第2転動路の下流側の上方に天井面が配されていて、遊技球が第1転動路から勢いよく飛び出すと、第2転動路の転動面と天井面との間で球詰まりが発生することが考えられるところ、発明7の遊技機によれば、それが防がれるので、効果をより享受することができる。
[発明8]
前記突条の前後方向での先端部は、延在方向と直交する面での断面が円弧状になっている発明1から7の何れか1の発明に記載の遊技機。
発明8の遊技機によれば、突出部の前後方向での先端部が円弧状になっているので、遊技球が円弧に沿って逃げやすくなり、球詰まりが防がれる。
[発明9]
遊技球が流下可能な遊技領域を前後方向で挟む前方対向面及び後方対向面と、
前記前方対向面と前記後方対向面との間に配され、遊技球の通過を妨げてその遊技球の流動方向又は転動方向を規制する規制部と、を備える遊技機であって、
前記規制部は、遊技球に前方又は後方から当接する遊技機。
発明9の遊技機によれば、規制部は遊技球に前方又は後方から当接するので、進行方向から当接する構成よりも規制部を手前に配置することができ、規制部の配置の自由度を高めることができる。
(第4の発明群)
第4の発明群は、「遊技球が流下可能な遊技領域を前後方向で挟む前方対向面及び後方対向面を備える遊技機」に関し、「従来、この種の遊技機として、互いに横並びに配され、それぞれ遊技球が1球ずつ通過可能な第1通過部及び第2通過部を備えるものが知られている(例えば、特開2016-123881号公報(図2)参照)。」という背景技術について、「上述した遊技機では、第1通過部を通過した遊技球と第2通過部を通過した遊技球とが衝突して大きく跳ねることにより不具合が生じることがあり、その不具合の発生を防ぐことが求められている。」という課題をもってなされたものと考えることができる。
[発明1]
遊技球が流下可能な遊技領域を前後方向で挟む前方対向面及び後方対向面と、
互いに横並びに配され、それぞれ遊技球が1球ずつ通過可能な第1通過部及び第2通過部と、を備える遊技機において、
前記第1通過部及び前記第2通過部の下方に配され、前記前方対向面と前記後方対向面との一方から突出して上下方向に延び、かつ、前記前方対向面と前記後方対向面との他方との間を遊技球が通過可能な1又は複数の規制リブを有する遊技機。
発明1の遊技機によれば、第1通過部を通過した遊技球と第2通過部を通過した遊技球とが衝突して跳ねても規制リブにより勢いが抑制されるので遊技球が大きく跳ねることが防がれ、遊技球が衝突して大きく跳ねることによる不具合の発生が防がれる。
[発明2]
前記第1通過部及び前記第2通過部を通過して落下した遊技球を受け止めて転動させる転動路を備え、
前記規制リブの下端と前記転動路の転動面との間が遊技球1球分以上離れている発明1に記載の遊技機。
第1通過部及び第2通過部の下方に転動路がある場合、規制リブに沿って上下に並んだ2つの遊技球がそのまま転動路の転動面に当接して球詰まりが発生することが考えられる。これに対し、発明2の遊技機によれば、規制リブの下端と転動路の転動面との間が遊技球1球分以上離れているので、上下に並んだ2つの遊技球のうち下方の遊技球が転動路の転動面上に配されると、規制リブに阻害されず、そのまま下流側へ転動しやすくなるので、球詰まりが防がれる。
[発明3]
前記1の規制リブ又は前記複数の規制リブのうちの1の前記規制リブは、前記第1通過部の真下と前記第2通過部の真下との間に配されている発明1又は2に記載の遊技機。
発明3の遊技機によれば、1の規制リブが第1通過部の真下と第2通過部の真下との間に配されているので、第1通過部を通過した遊技球と第2通過部を通過した遊技球とが互いに近づいたときに、先に規制リブに当接して遊技球同士の衝突が発生しにくくなる。または、遊技球同士の衝突の前に規制リブに当接することで勢いが抑えられ、跳ね返りが小さくなる。
[発明4]
前記規制リブとして、前記前方対向面から突出した前側の前記規制リブと、前記後方対向面から突出した後側の前記規制リブと、を有し、
前記前側の規制リブと、前記後側の規制リブと、が左右方向でずれて並んでいる発明1から3の何れか1の発明に記載の遊技機。
発明4の遊技機によれば、前側の規制リブと、後側の規制リブとを有することにより、前に寄った遊技球と後ろに寄った遊技球との両方に対して遊技球の勢いを抑えることができる。
[発明5]
前記第1通過部と前記第2通過部との一方は、ゲートである発明1から4の何れか1の発明に記載の遊技機。
発明5の遊技機のように、第1通過部と第2通過部との一方は、ゲートであってもよい。この場合、例えば、衝突した遊技球がゲート側へ跳ね返り、再びゲートが反応するといった事態の発生を防ぐことができる。
[発明6]
前記第1通過部及び前記第2通過部を通過して落下した遊技球を受け止めて転動させる転動路を備え、
前記転動路の途中又は末端に開口して、スライド蓋によって開閉される開閉入賞口を備え、
通常は、前記スライド蓋により前記開閉入賞口が閉状態にされかつそのスライド蓋の上面が前記転動路の一部を構成し、遊技が大当り状態になると前記スライド蓋が閉位置から開位置へとスライドして前記開閉入賞口が開状態になり、前記転動路を転動する遊技球が前記開閉入賞口に入賞可能になる発明1から5の何れか1の発明に記載の遊技機。
転動路の途中又は末端にスライド蓋によって開閉される開閉入賞口が配されている場合、遊技球同士が衝突して大きく跳ねると、遊技球によっては、開閉入賞口を飛び越えてしまうことがあると考えられるところ、発明6の遊技機によれば、そのような事態が防がれ、効果をより享受することができる。
[発明7]
前記転動路のうち前記開閉入賞口よりも上流側に配され、前記前方対向面と前記後方対向面とからそれぞれ突出し、前記転動路の上面から遊技球0.5球分以下の高さで左右方向に延びた1対のレール部を備える発明6に記載の遊技機。
発明7の遊技機によれば、遊技球が転動路の転動面に衝突したときの跳ね返りが抑制される。
(第5の発明群)
第5の発明群は、「遊技球が流下可能な遊技領域を前後方向で挟む前方対向面及び後方対向面を備える遊技機」に関し、「従来、この種の遊技機として、上方から流下する遊技球を受け止めて誘導する誘導部を備えるものが知られている(例えば、特開2016-123881号公報(図2)参照)。」という背景技術について、「誘導部の配置の自由度を高めることが求められている。」という課題をもってなされたものと考えることができる。
[発明1]
遊技球が流下可能な遊技領域を前後方向で挟む前方対向面及び後方対向面と、
上方から流下する遊技球を受け止めて誘導する誘導部と、を備える遊技機であって、
前記誘導部は、前記前方対向面と前記後方対向面との少なくとも一方から突出した突条を有する遊技機。
発明1の遊技機によれば、誘導部の少なくとも一部が前方対向面と後方対向面との少なくとも一方から突出した突条により構成されているので、突条が遊技球に側方(進行方向と交差する方向)から当接することによってその遊技球を受け止めて誘導することが可能となる。これによれば、誘導部(突条)を、遊技球を受け止めたいところ(遊技球の通過を妨げたいところ)よりも手前に配置することが可能となり、誘導部の配置の自由度を高めることができる。
[発明2]
前記誘導部は、前記突条として、前記前方対向面から突出した前側突条と、前記後方対向面から突出した後側突条と、を有する発明1に記載の遊技機。
誘導部が板状の場合、1球の遊技球が、その板と前方対向面又は後方対向面とに当接し、その隣に後方対向面又は前方対向面に当接した遊技球が並ぶと、2つの遊技球は前後方向で力が掛かりあい、球詰まりが発生すると考えられる。これに対して、発明2の遊技機によれば、誘導部が2本の突条により構成されていて、その間に遊技球が配されやすくなり、2球の遊技球の並びが鉛直方向に近づき、前後方向で力が掛かりにくくなるので、球詰まりの発生が防がれる。
[発明3]
前記前側突条の前記前方対向面からの突出量と前記後側突条の前記後方対向面からの突出量とは異なっている発明2に記載の遊技機。
発明1の遊技機によれば、突出量が異なっているので、遊技球をどちらかに寄せた状態(前側突条の突出量の方が大きい場合は後ろに寄った状態、後側突条の突出量の方が大きい場合は前に寄った状態)にすることができる。
[発明4]
遊技球が一球ずつ通過可能な通過部を備え、
前記誘導部は、前記通過部の左右方向の一端より遊技球1球未満分下方の位置から、下方へ、前記通過部の左右方向の他端側へ寄りながら斜めに延びている発明2又は3に記載の遊技機。
通過部を1球ずつ通過して並んだ遊技球同士が球詰まりしやすくなるところ、発明4の遊技機によれば、そのような事態が防がれるので、効果をより享受することができる。
[発明5]
互いに横並びに配され、それぞれ遊技球が1球ずつ通過可能な第1通過部及び第2通過部と、
前記前方対向面と前記後方対向面との一方から突出し、前記第1通過部の真下と前記第2通過部の真下との間で上下方向に延びた規制リブと、を備え、
前記誘導部は、前記第1通過部における第2通過部と反対側の端部より遊技球1球未満分下方の位置から、下方へ、前記第2通過部側へ寄りながら斜めに延び、
前記前方対向面と前記後方対向面との該一方からの前記前側突条又は前記後側突条の突出量が、前記前方対向面と前記後方対向面との他方からの前記前側突条又は前記後側突条の突出量よりも小さくなっている発明3に記載の遊技機。
発明5の遊技機によれば、第1通過部を通過した遊技球と第2通過部を通過した遊技球とが衝突して跳ねても規制リブにより勢いが抑制される。そして、誘導部により、遊技球が規制リブに向けて誘導されることへの確実性が増す。
[発明6]
前記第1通過部及び前記第2通過部を通過して落下した遊技球を受け止めて転動させる転動路を備え、
前記第1通過部が前記転動路の下流側の上方に配されると共に、前記第2通過部が前記転動路の上流側の上方に配されている発明5に記載の遊技機。
発明6の遊技機によれば、第1通過部を通過した遊技球が転動路における上流側へ誘導されてから下流側へ転動するので、転動の勢いを抑えることができる。
(第6の発明群)
第6の発明群は、遊技機に関し、「従来より、 発射された遊技球が遊技盤の前面を流下する遊技機が知られている(例えば、特開2003-062208号公報(段落[0027]、[0028]、図2等)参照)。」という背景技術について、「上述した従来の遊技機では、例えば表示画面や可動演出部材を備える場合等に、遊技球が通過可能な領域が制限され易いため、遊技球の通路の配置の自由度が低くなるという問題があった。」という課題をもってなされたものと考えることができる。
[発明1]
発射された遊技球が通過可能な通路が前後に重なった通路重なり部を有する遊技機。
発明1によれば、遊技球の通路の配置の自由度を高めることが可能となる。
[発明2]
前記通路重なり部は、前記通路同士が立体交差してなる、発明1に記載の遊技機。
発明2によれば、遊技球の新たな流下態様を提供することが可能となる。
[発明3]
前記通路重なり部は、一方の前記通路が他方の前記通路に対して後側に迂回してなる迂回部を有する、発明1又は2に記載の遊技機。
発明3では、通路重なり部が、一方の通路が他方の通路に対して後側に迂回してなる迂回部を有するので、前後に重なる通路同士の嵩張りを抑制可能となる。
[発明4]
遊技盤に形成された貫通孔又は凹部からなり、前記遊技盤の前面に開口する開口部を備え、
前記迂回部の少なくとも一部が、前記開口部に受容されている、発明3に記載の遊技機。
発明4では、通路重なり部のうち後側に迂回した通路の迂回部が、遊技盤の開口部に受容されるので、通路重なり部が前後方向で嵩張ることを抑制可能となる。
[発明5]
遊技盤の前面には、遊技球が入球すると賞球の払い出しも当否判定も行われずに遊技球が前記遊技盤の後側に回収されるアウト口が設けられ、
前記迂回部を有する前記一方の通路は、前記迂回部から流出した遊技球を前記アウト口へ案内するように構成されている、発明3又は4に記載の遊技機。
発明5では、通路重なり部の一方の通路を通過する遊技球を、他方の通路に進入させずに一旦後側に迂回させてアウト口に案内させることが可能となる。
[発明6]
前記遊技盤の前側には、遊技球が入球することで賞球の払い出し又は当否判定が行われる特定入球部と、遊技球を受け入れて前記迂回部へ遊技球を案内する球受入部と、が設けられ、
前記特定入球部の入口と前記球受入部の入口とが、横方向で隣接している、発明5に記載の遊技機。
発明6では、遊技球が入球することで賞球の払い出し又は当否の抽選が行われる特定入球部が設けられ、特定入球部の入口と、アウト口へ遊技球を案内する球受入部の入口とが、横方向で隣接しているので、遊技球が何れの入口に入球するかドキドキ感を提供することが可能となり、遊技の趣向性向上を図ることが可能となる。
[発明7]
遊技盤の開口を通して視認可能な表示部と、
前記表示部を囲むように設けられ、遊技球が流下可能な遊技領域と、を備え、
前記通路重なり部の一方の前記通路は、前記遊技領域のうち前記表示部よりも左側を通過してきた遊技球のみが通過可能であり、前記通路重なり部の他方の前記通路は、前記遊技領域のうち前記表示部よりも右側を通過してきた遊技球のみが通過可能となっている、発明1から6の何れか1の発明に記載の遊技機。
通路重なり部を構成する通路同士は、例えば、一方の通路は表示部の左側を通過してきた遊技球のみが通過可能で、他方の通路は表示部の右側を通過してきた遊技球のみが通過可能としてもよい。
[発明8]
遊技盤の前面に設けられ、遊技球が入球すると賞球の払い出しも当否判定も行われずに遊技球が前記遊技盤の後側に回収されるアウト口と、
遊技球が入球すると当否判定が行われると共に、入球容易状態と入球困難状態とに変化する可変入球部と、が設けられ、
一方の前記通路は、遊技球を前記アウト口に案内し、他方の前記通路は、遊技球を前記可変入球部に案内する、発明1から7の何れか1の発明に記載の遊技機。
特定入球部が設けられる場合、通路重なり部を構成する一方の通路が遊技球をアウト口に案内し、他方の通路が遊技球を特定入球部に案内する構成であってもよい。
[発明9]
前記通路重なり部では、前記通路同士が前側から視認可能になっている、発明1から8の何れか1の発明に記載の遊技機。
発明9では、通路重なり部を構成する通路同士が通路重なり部で前側から視認可能となるので、遊技球の流下態様の趣向性の向上を図ることが可能となる。
[発明10]
前記通路重なり部を構成する前記通路同士は、遊技球が発射されてから流下し終わるまでに前記通路同士のうち何れか一方のみを通過可能となるように構成されている、発明1から9の何れか1の発明に記載の遊技機。
通路重なり部を構成する通路同士は、遊技球が発射されてから流下し終わるまでに両方の通路を通過可能に構成されていてもよいし、何れか一方の通路のみを通過可能に構成されていてもよい。
[発明11]
前記通路重なり部は、遊技球の通路同士の合流部に、遊技球の他の通路が前後方向で重なってなる、発明1から10の何れか1の発明に記載の遊技機。
[発明12]
発射されて流下した遊技球を、遊技盤の前面に設けた球受入口で取り込んで前記遊技盤の後側に回収すると共に、発射されてから前記球受入口に取り込まれるまでの遊技球の通路を複数備えた遊技機であって、
前記通路同士が前後に重なった通路重なり部を備えた遊技機。
発明12によれば、遊技球の通路の配置の自由度を高めることが可能となる。
[発明13]
遊技球が入球すると当否の抽選が行われる始動部と、
遊技球が入球すると賞球の払い出しも当否の抽選も行われずに遊技球が遊技盤の裏側に回収されるアウト口と、
遊技球を前記アウトへと案内する案内流下路と、を備え、
前記始動部と前記誘導流下路との遊技球を受け入れる入口が、横方向で隣接している遊技機。
発明13では、遊技球が入球することで賞球の払い出し又は当否の抽選が行われる特定入球部が設けられ、特定入球部の入口と、アウト口へ遊技球を案内する球受入部の入口とが、横方向で隣接しているので、遊技球が何れの入口に入球するかドキドキ感を提供することが可能となり、遊技の趣向性向上を図ることが可能となる。
[発明14]
前記始動部とは別に設けられ、遊技球が入球すると賞球の払い出し又は当否の抽選が行われる特定入球部と、
前記案内流下路から側方に分岐し、前記特定入球部へ向かって遊技球が通過可能な分岐路と、を備える、発明13に記載の遊技機。