JP7209603B2 - 空調制御装置、空調システムおよびプログラム - Google Patents
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従来技術として、特許文献1には、予め定めた領域に位置する端末装置から第1の設定温度を受信し、これに基づいて領域の温度制御を行う空調装置、およびこの空調装置を制御する空調制御装置が開示されている。そして、この空調制御装置は、空調装置により温度制御を行う領域に複数の端末装置が存在する場合には、各端末装置の第1の設定温度および領域での滞在時間に基づいて、空調装置へ出力する第2の設定温度を決定している。
このような現在温度とそれ以前の周囲温度との差による空調装置の目標温度の頻繁な変更は、空調装置のエネルギー効率の低下につながる懸念がある。
請求項2に記載の発明は、前記温度設定部は、前記周囲温度と前記現在温度との差が予め定めた温度未満である場合には、前記目標温度を前記第1の温度に設定することを特徴とする請求項1に記載の空調制御装置である。
請求項3に記載の発明は、ある時刻における前記端末装置の位置情報に基いて当該端末装置が存在した位置の温度を取得し、当該温度と当該時刻とを対応付けた履歴情報を取得する取得部をさらに備え、前記温度設定部は、前記履歴情報から前記周囲温度を把握することを特徴とする請求項1に記載の空調制御装置である。
請求項4に記載の発明は、前記温度設定部は、前記周囲温度と前記現在温度との差が予め定めた温度以上である場合に、前記第1の温度に対し、予め定めた補正温度を加算又は減算することで前記第2の温度を算出することを特徴とする請求項1に記載の空調制御装置である。
請求項5に記載の発明は、前記温度設定部は、前記端末装置を操作するユーザに応じて前記補正温度を異ならせることを特徴とする請求項4に記載の空調制御装置である。
請求項6に記載の発明は、前記温度設定部は、前記第1の温度が前記現在温度と前記周囲温度との間である場合には、前記目標温度を当該第1の温度に設定することを特徴とする請求項1に記載の空調制御装置である。
請求項7に記載の発明は、冷気または暖気を生成する空調ユニットと、建物内の複数の空間のそれぞれに設けられ、当該空調ユニットで生成された冷気または暖気をそれぞれの空間に供給する複数の室内ユニットとを有し、予め定めた目標温度に向けてそれぞれの空間の温度調整を行う空調装置と、一の空間に位置する端末装置から、前記目標温度を第1の温度に変更する指示を受け付け、予め定めた期間の前に当該端末装置が存在した位置の周囲温度と当該一の空間の現在温度との差が予め定めた温度以上である場合に、当該目標温度を当該第1の温度と比べて当該現在温度に近い第2の温度に設定する空調制御装置と
を備える空調システムである。
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、空調装置により目標温度に向けて調整される空間に位置する端末装置を介して、当該目標温度を第1の温度に変更する指示を受け付ける機能と、予め定めた期間の前に前記端末装置が存在した位置の周囲温度と前記空間の現在温度との差が予め定めた温度以上である場合に、前記目標温度を前記第1の温度と比べて当該現在温度に近い第2の温度に設定する機能とを実現させるプログラムである。
(空調システム1)
図1は、本実施の形態が適用される空調システム1の概略構成を示した図である。空調システム1は、例えば複数(この例では3個)の居室Cを有する建物Bに設けられ、それぞれの居室Cに設定された目標温度に向けて居室Cの温度調整を行う。空調システム1は、後述する一つの空調ユニット10によって建物B内の複数の居室Cの温度調整を行う、所謂セントラル空調システムである。本実施の形態では、居室Cが、目標温度に向けて温度調整される空間に対応する。
なお、詳細については後述するが、空調システム1では、端末装置70から居室Cの温度調整を行うための目標温度を変更する指示を受け付け、これに基づいて目標温度を設定する。したがって、本実施の形態では、ユーザが端末装置70を使わずに操作部31により目標温度の入力を行ったり、端末装置70と操作部31とでユーザによる入力内容が食い違ったりすることを抑制するため、操作部31に対する目標温度の入力を制限したり、端末装置70に対する目標温度の入力を操作部31に対する入力に優先して受け付けたりしてもよい。
端末装置70は、建物B内に存在する場合には、例えば、BluetoothやWi-Fi等によって、空調制御装置50と通信可能に構成されている。また、端末装置70は、建物Bの外に存在する場合には、インターネット等のネットワークを介して、空調制御装置50と通信可能に構成されている。なお、端末装置70は、建物B内に存在する場合にも、ネットワークを介して空調制御装置50と通信してもよい。
なお、本実施の形態では、ユーザは、通常、建物Bの居室C内に滞在している期間のほか、建物Bの外へ出る場合にも端末装置70を携帯する。したがって、端末装置70によって検知される現在位置は、端末装置70を携帯するユーザの現在位置とみなすことができる。
続いて、空調制御装置50の構成について説明する。空調制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有している。ROMは、CPUにより実行される制御プログラムを記憶している。CPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、RAMを作業エリアにして制御プログラムを実行する。
なお、CPUによって実行される制御プログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネット等の通信手段を用いてダウンロードさせてもよい。
本実施の形態の空調制御装置50は、端末装置70等との通信を行う通信部51と、各種のデータを記憶する記憶部52と、後述するアカウント情報を管理するアカウント情報管理部53と、居室Cの温度調整に用いる目標温度を算出する目標温度設定部54と、空調ユニット10の動作を制御する空調ユニット制御部55と、室内ユニット20の動作を制御する室内ユニット制御部56とを備えている。
また、通信部51は、予め定めた時間間隔で、端末装置70に対して現在位置に関する情報の送信を要求する信号を出力する。そして、通信部51は、この信号に基づいて端末装置70で検知された現在位置に関する情報を、端末装置70から受信する。
また、記憶部52は、各種のデータの一つとして、建物Bを利用するユーザが携帯する端末装置70の連絡先を含むリストを記憶する。さらに、記憶部52は、各種のデータの一つとして、それぞれの端末装置70ごとに作成されたアカウント情報を記憶する。
アカウント情報には、対応する端末装置70を識別するための情報である識別ID(Identifier)が含まれる。
さらに、アカウント情報には、目標温度設定部54により目標温度を算出する際に用いられる温度である補正温度tc1、tc2が含まれる。ここで、補正温度tc1は、空調システム1において冷房運転を行っている場合に用いる補正温度であり、補正温度tc2は、空調システム1において暖房運転を行っている場合に用いる補正温度である。
なお、標準目標温度t0および補正温度tc1、tc2は、それぞれの端末装置70に固有の温度であり、端末装置70を携帯するユーザの体質や空調の性向(暑がりか、寒がりか等)、過去に設定した目標温度の履歴等に基づいて定められる。
本実施の形態では、アカウント情報管理部53は、予め定めた時間間隔で、通信部51を介して、記憶部52に連絡先が記憶されるそれぞれの端末装置70に対し現在位置に関する情報(以下、位置情報と表記する。)の送信を要求する信号を出力する。そして、アカウント情報管理部53は、それぞれの端末装置70から送信された位置情報を取得すると、取得した位置情報に基づいて、端末装置70が存在する地点の周囲温度を取得する。具体的には、位置情報が建物Bの居室C内である場合には、アカウント情報管理部53は、周囲温度として、温度センサ33で検知された居室C内の現在の温度をリモコン30から取得する。また、位置情報が建物Bの外である場合には、アカウント情報管理部53は、周囲温度として、位置情報に対応する地点の現在の温度を、インターネットを介して接続されるデータベース等から取得する。
なお、アカウント情報管理部53は、通信部51を介して上述した情報の送信および受信を行う。
そして、目標温度設定部54は、アカウント情報の履歴情報から、予め定めた期間の前の周囲温度taを取得する。なお、予め定めた期間の前の周囲温度taは、履歴情報に含まれる周囲温度のうちの特定の時間の温度(例えば、現在時刻から5分前の温度)としてもよく、履歴情報に含まれる周囲温度を平均した温度(例えば、現在時刻から15分前、10分前、5分前の温度の平均)としてもよい。
一方、目標温度設定部54は、取得した周囲温度tと居室Cの現在温度tnとの差の絶対値が温度差Δt未満である場合には、目標温度tを希望温度txに設定する。
なお、目標温度設定部54による目標温度tを設定する処理については、後段にて詳細に説明する。
信号を受信した端末装置70は、空調制御装置50との通信を確立し、位置検知機能により検知した位置情報を、空調制御装置50へ送信する。具体的には、端末装置70は、建物B内に存在する場合には、位置情報として、複数の居室Cのうち現在存在する居室Cを特定する情報を空調制御装置50へ送信する。また、端末装置70は、建物B外に存在する場合には、位置情報として、GPS機能等により特定した現在位置に関する情報を空調制御装置50へ送信する。
一方、アカウント情報管理部53は、端末装置70から位置情報を取得すると(ステップ102でYES)、取得した位置情報が建物B内であるか否かの判定を行う(ステップ103)。
アカウント情報が記憶されていない場合(ステップ106にてNO)、アカウント情報管理部53は、端末装置70について新たなアカウント情報を作成する(ステップ107)。
本実施の形態では、受付部および温度設定部が、目標温度設定部54により実現される。
そして、目標温度設定部54は、アカウント情報に含まれる履歴情報に基づき、現在時刻から予め定めた期間の前(この例では、T分前)の周囲温度taを取得する(ステップ203)。
そして、目標温度設定部54は、T分前の周囲温度taと居室Cの現在温度tnとの差の絶対値が予め定めた温度差Δt以上であるか否かの判定を行う(ステップ205)。
そして、希望温度txが居室Cの現在温度tnよりも低い場合(tx<tn、ステップ208でYES)、すなわち、ユーザが居室Cの温度を現在温度tnよりも下げようしている場合、目標温度設定部54は、希望温度txに冷房運転用の補正温度tc1を加算し、目標温度tとして設定する(t=tx+tc1、ステップ209)。ここでは、希望温度txに補正温度tc1を加算した温度が、第2の温度に相当する。これにより、目標温度tとして、希望温度txより高く、希望温度txと比べて現在温度tnに近い温度が設定される。
これに対し、本実施の形態では、希望温度txより現在温度tnに近い温度を目標温度tと設定することで、居室Cの温度を過度に低下させることが抑制され、目標温度tの短期的な変更が抑制される。
そして、希望温度txが居室Cの現在温度tnよりも高い場合(tx>tn、ステップ210でYES)、すなわち、ユーザが居室Cの温度を現在温度tnよりも上げようしている場合、目標温度設定部54は、希望温度txから暖房運転用の補正温度tc2を減算し、目標温度tとして設定する(t=tx-tc2、ステップ211)。ここでは、希望温度txから補正温度tc2を減算した温度が、第2の温度に相当する。これにより、目標温度tとして、希望温度txより低く、希望温度txと比べて現在温度tnに近い温度が設定される。
これに対し、本実施の形態では、希望温度txより現在温度tnに近い温度を目標温度tと設定することで、居室Cの温度を過度に上昇させることが抑制され、目標温度tの短期的な変更が抑制される。
その後、空調制御装置50の空調ユニット制御部55および室内ユニット制御部56は、居室C内の温度が目標温度tとなるように、それぞれ、空調ユニット10および室内ユニット20の動作を制御する。
Aさんは、周囲温度32℃の外出先から、現在温度26℃の居室Cへ入室し、端末装置70のアプリケーションによって居室Cの目標温度tを希望温度23℃に変更する指示を行った(ta=32℃、tn=26℃、tx=23℃)。
これにより、居室Cの温度が過度に下げられることが抑制され、その後にAさんが「寒い」と感じて目標温度tを変更することが抑制される。
上述した空調システム1では、空調制御装置50の目標温度設定部54が、周囲温度taと居室Cの現在温度tnとに基づいて目標温度tを設定する処理を行う構成としたが、目標温度tを設定する処理を、端末装置70で行ってもよい。例えば、ユーザにより居室Cの目標温度tを希望温度txに変更する指示がなされた場合、端末装置70は、空調制御装置50からアカウント情報を取得するとともに、リモコン30から居室Cの現在温度tnを取得する。次いで、端末装置70は、取得した情報を用い、周囲温度taと居室Cの現在温度tn等とに基づいて、目標温度tを算出する。そして、端末装置70は、算出した目標温度tを空調制御装置50の空調ユニット制御部55および室内ユニット制御部56へ出力する。これにより、上述した実施の形態と同様に、居室Cが目標温度tとなるように温度調整される。
Claims (8)
- 空調装置により目標温度に向けて温度調整される空間に位置する端末装置から、当該目標温度を第1の温度に変更する指示を受け付ける受付部と、
予め定めた期間の前に前記端末装置が存在した位置の周囲温度と前記空間の現在温度との差が予め定めた温度以上である場合に、前記目標温度を前記第1の温度と比べて当該現在温度に近い第2の温度に設定する温度設定部と
を備える空調制御装置。 - 前記温度設定部は、前記周囲温度と前記現在温度との差が予め定めた温度未満である場合には、前記目標温度を前記第1の温度に設定することを特徴とする請求項1に記載の空調制御装置。
- ある時刻における前記端末装置の位置情報に基いて当該端末装置が存在した位置の温度を取得し、当該温度と当該時刻とを対応付けた履歴情報を取得する取得部をさらに備え、
前記温度設定部は、前記履歴情報から前記周囲温度を把握することを特徴とする請求項1に記載の空調制御装置。 - 前記温度設定部は、前記周囲温度と前記現在温度との差が予め定めた温度以上である場合に、前記第1の温度に対し、予め定めた補正温度を加算又は減算することで前記第2の温度を算出することを特徴とする請求項1に記載の空調制御装置。
- 前記温度設定部は、前記端末装置を操作するユーザに応じて前記補正温度を異ならせることを特徴とする請求項4に記載の空調制御装置。
- 前記温度設定部は、前記第1の温度が前記現在温度と前記周囲温度との間である場合には、前記目標温度を当該第1の温度に設定することを特徴とする請求項1に記載の空調制御装置。
- 冷気または暖気を生成する空調ユニットと、建物内の複数の空間のそれぞれに設けられ、当該空調ユニットで生成された冷気または暖気をそれぞれの空間に供給する複数の室内ユニットとを有し、予め定めた目標温度に向けてそれぞれの空間の温度調整を行う空調装置と、
一の空間に位置する端末装置から、前記目標温度を第1の温度に変更する指示を受け付け、予め定めた期間の前に当該端末装置が存在した位置の周囲温度と当該一の空間の現在温度との差が予め定めた温度以上である場合に、当該目標温度を当該第1の温度と比べて当該現在温度に近い第2の温度に設定する空調制御装置と
を備える空調システム。 - コンピュータに、
空調装置により目標温度に向けて調整される空間に位置する端末装置を介して、当該目標温度を第1の温度に変更する指示を受け付ける機能と、
予め定めた期間の前に前記端末装置が存在した位置の周囲温度と前記空間の現在温度との差が予め定めた温度以上である場合に、前記目標温度を前記第1の温度と比べて当該現在温度に近い第2の温度に設定する機能と
を実現させるプログラム。
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