JP7209420B2 - 非水電解質二次電池用電極 - Google Patents
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Description
一般にリチウムイオン二次電池は、正極、負極及び電解質を備える。以下、正極と負極を合わせて単に「電極」と呼ぶ。電極は、集電体上に電極活物質層が形成されてなり、該電極活物質層は、活物質粒子、バインダー及び導電性を付与する炭素材料(以下、導電助剤と呼ぶ)等を配合した電極材からなる。
これまでは、電極活物質層の薄い電極を複数枚積層することで電池の容量と出力特性の両立を図ってきた。しかしながら、近年の二次電池用正極活物質の新規材料の開発、および既存活物質の改良に伴い、正極材料の高容量化が進行し、対向させる負極の高容量化が必要とされている。負極を高容量化する手法として、より単位質量当りの容量が大きい活物質を用いることが挙げられる。この活物質としてはケイ素系の材料が挙げられるが、ケイ素系材料は、充放電に伴う大きな膨潤、収縮による活物質の崩壊や集電体からの脱離などが原因でサイクル耐久性が低く、大きな課題となっている。
他の手法としては、従来と同じ活物質を用いつつ、電極活物質層の塗布量(目付)を大きくすることが挙げられる。ここで言う目付とは、電極活物質層における、集電体投影単位面積当たりの電極活物質層の質量を指し、目付けが大きいほど、面積あたりの容量が大きくなる。しかしながら、電極活物質層を単純に高目付化すると、電極活物質層の密着性が不足し、サイクル耐久性が低下してしまう。そこで密着性を確保するためバインダーの添加量を増加すると、電極材中の活物質含有率の低下によりエネルギー密度が低下するとともに、絶縁体であるバインダー添加量の増加に伴う電気抵抗の上昇により入出力特性の低下が生じる。この電極活物質層の密着性の確保と電気抵抗の上昇抑制は相反しており、両方を同時に解決する手法が求められていた。
特許文献2については、負極活物質層の目付は3~46mg/cm2と、高目付電極も含まれており、目付21.4mg/cm2の負極も例示されている。しかしながら、出力特性の評価は容量発現率40%以上を良好の基準としており、現在求められているような、例えば70%以上などの高い容量維持率とはかけ離れている。確かに電解質層のイオン伝導度の向上による抵抗低減の効果も認められるものの、特に高目付電極を用いた電池では、電極材中の電子移動の抵抗が大きく寄与しており、当該技術では依然求められる入出力特性が得られないという課題がある。
このように、先行技術では高目付を前提とした課題の解決はなされておらず、依然、高目付において高入出力特性と高サイクル耐久性とを両立できる電極が求められている。
本発明は、前記要求を満たすためになされたものであり、高目付においても高い密着性を有し、優れた入出力特性及び高耐久性を両立する非水系電解質二次電池用電極を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]
集電体上に、少なくともリチウムイオンを吸蔵・脱離可能な炭素粒子を含む活物質と、バインダーとを含有する電極活物質層を備えた電極において、前記バインダーが、酸性官能基と主鎖としてポリフッ化ビニリデン骨格とを有する重量平均分子量50~200万の高分子化合物を含み、かつ、電極活物質層中のバインダーの含有率が2~8質量%であることを特徴とする、非水系二次電池用電極。
[2]
前記高分子化合物の有する酸性官能基がカルボキシル基である、[1]に記載の非水系二次電池用電極。
[3]
前記バインダーの酸価が0.1~15mgKOH/gである、[1]又は[2]に記載の非水系二次電池用電極。
[4]
前記リチウムイオンを吸蔵・脱離可能な炭素粒子のメジアン径が10~30μmである、[1]~[3]のいずれか1項に記載の非水系二次電池用電極。
[5]
電極の片面に形成される前記電極活物質層の目付量が10mg/cm2~35mg/cm2であることを特徴とする[1]~[4]のいずれかに記載の非水系二次電池用電極。
[6]
前記電極活物質層の密度が0.7~1.7g/cm3である、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載の非水系二次電池用電極。
電極活物質には、リチウムイオン等の吸蔵及び放出が可能な炭素材料を1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。前記炭素材料の形状は特に制限されず、球状、薄片状、繊維状、不定形粒子などから適宜選択して用いることが出来るが、好ましくは球状である。前記活物質の種類としてはハードカーボン、ソフトカーボン、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質炭素等が挙げられるが、容量と粒子径の観点から、天然黒鉛または人造黒鉛が好ましく、天然黒鉛がより好ましい。
本実施形態において、バインダーは、酸性官能基と主鎖としてポリフッ化ビニリデン骨格とを有する重量平均分子量50~200万の高分子化合物を含有する。バインダーが含有する高分子化合物の分子量は小さいほど密着力は低く、また大きいほど抵抗が高くなる傾向がある。前記高分子化合物は重量平均分子量(以下「分子量」を示す)が50~200万であり、70~190万であることがより好ましく、90~170万であることが更に好ましい。かかる範囲では、高分子量バインダーを用いることによる密着力の向上と、抵抗の増加のバランスがとれ、良好な入出力特性とサイクル耐久性が両立し得る。
バインダーの分子量はポリスチレン標準物質を使用した公知のゲル濾過クロマトグラフ法(GPC法)によって測定することが出来る。
本実施形態において、電極活物質層の導電性向上を目的に、導電助剤を電極活物質層の5質量%以下添加しても良い。導電助剤としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラックに代表されるカーボンブラック、ならびにカーボンナノチューブに代表される炭素繊維が挙げられる。
本実施形態の電極は、少なくとも活物質及びバインダーとを含む電極材を集電体上に塗布した後、乾燥することによって電極活物質層を形成してなる。前記電極材は、少なくとも活物質及びバインダーとを、攪拌子、攪拌翼、ボールミル、スターラー、超音波分散機、ホモジナイザー、自公転ミキサー、ニーダー、高速せん断撹拌装置等を使用する公知の方法を用いて、N-メチルピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等の溶媒中に分散させることで得られる。前記電極材はドクターブレード等の手動塗布装置、及び自動塗布装置等の公知の装置を用いて集電体上に塗布した後、25~150℃で乾燥することで電極活物質層を形成することができる。また、乾燥の際の圧力は特に限定はないが、通常は、大気圧下または減圧下で行われる。
集電体の形状は特に制限されないが、シート状であることが好ましい。また、必要に応じて表面処理等を施すことが出来る。厚みは特に制限されないが、例えば5~20μmの厚みが挙げられる。
前記電極は、ロールプレス装置等を用いてプレスを行うことが出来る。前記プレス処理をした電極の密度は0.7~1.7g/cm3であることが好ましく、0.8~1.6 g/cm3であることがより好ましい。電極密度は用途により異なるが、0.7g/cm3より密度が低いと、活物質間の接触抵抗が低減せず、導電性が保てず単位堆積当りの電極容量が必ずしも十分でない場合がある。また、1.7g/cm3以上の密度では、電極活物質層内の空隙が少なくなり、電解液の含浸性の低下や電解液量の不足が発生する。その結果、電池内部抵抗が増大するとともに、充放電を繰り返した際の電極深部での液枯れが促進され、更なる抵抗の増大と寿命の低下を引き起こす。
〔バインダーA〕
内容量2リットルのオートクレーブに、イオン交換水1040g、メチルセルロース0.8g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート3.0g、フッ化ビニリデン399.6gおよびマレイン酸モノメチルエステル0.4gを仕込み、28℃で45時間懸濁重合を行った。この間の最高圧力は4.2MPaに達した。重合完了後、重合体スラリーを脱水、水洗後80℃で20時間乾燥を行い、官能基としてカルボキシル基を含有する、粉末状の官能基含有フッ化ビニリデン高分子化合物(1)を得た。高分子化合物(1)の重量平均分子量は55万であり、酸価は0.5mgKOH/gであった。
内容量2リットルのオートクレーブに、イオン交換水1040g、メチルセルロース0.8g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート2.5g、フッ化ビニリデン398.1gおよびマレイン酸モノメチルエステル1.9gを仕込み、30℃で60時間懸濁重合を行った。この間の最高圧力は4.2MPaに達した。重合完了後、重合体スラリーを脱水、水洗後80℃で20時間乾燥を行い、官能基としてカルボキシル基を含有する、粉末状の官能基含有フッ化ビニリデン高分子化合物(2)を得た。高分子化合物(2)の重量平均分子量は118万であり、酸価は2.3mgKOH/gであった。
内容量2リットルのオートクレーブに、イオン交換水1030g、メチルセルロース0.8g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート2.2g、フッ化ビニリデン392.1gおよびマレイン酸モノメチルエステル7.9gを仕込み、34℃で70時間懸濁重合を行った。この間の最高圧力は4.2MPaに達した。重合完了後、重合体スラリーを脱水、水洗後80℃で20時間乾燥を行い、官能基としてカルボキシル基を含有する、粉末状の官能基含有フッ化ビニリデン高分子化合物(3)を得た。高分子化合物(3)の重量平均分子量は158万であり、酸価は9.6mgKOH/gであった。
内容量2リットルのオートクレーブに、イオン交換水1030g、メチルセルロース0.8g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート2.2g、フッ化ビニリデン387.1gおよびマレイン酸モノメチルエステル12.9gを仕込み、34℃で70時間懸濁重合を行った。この間の最高圧力は4.2MPaに達した。重合完了後、重合体スラリーを脱水、水洗後80℃で20時間乾燥を行い、官能基としてカルボキシル基を含有する、粉末状の官能基含有フッ化ビニリデン高分子化合物(4)を得た。高分子化合物(4)の重量平均分子量は159万であり、酸価は15.6mgKOH/gであった。
内容量2リットルのオートクレーブに、イオン交換水1020g、メチルセルロース0.8g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート2.1g、フッ化ビニリデン398.1gおよびマレイン酸モノメチルエステル1.9gを仕込み、38℃で80時間懸濁重合を行った。この間の最高圧力は4.2MPaに達した。重合完了後、重合体スラリーを脱水、水洗後80℃で20時間乾燥を行い、官能基としてカルボキシル基を含有する、粉末状の官能基含有フッ化ビニリデン高分子化合物(5)を得た。高分子化合物(5)の重量平均分子量は212万であり、酸価は2.3mgKOH/gであった。
内容量2リットルのオートクレーブに、イオン交換水1040g、メチルセルロース0.8g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート3.0g、フッ化ビニリデン398.1gおよびマレイン酸モノメチルエステル1.9gを仕込み、27℃で40時間懸濁重合を行った。この間の最高圧力は4.2MPaに達した。重合完了後、重合体スラリーを脱水、水洗後80℃で20時間乾燥を行い、官能基としてカルボキシル基を含有する、粉末状の官能基含有フッ化ビニリデン高分子化合物(6)を得た。高分子化合物(6)の重量平均分子量は42万であり、酸価は2.3mgKOH/gであった。
内容量2リットルのオートクレーブに、イオン交換水1040g、メチルセルロース0.8g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート2.5g、フッ化ビニリデン400gを仕込み、30℃で60時間懸濁重合を行った。この間の最高圧力は4.2MPaに達した。重合完了後、重合体スラリーを脱水、水洗後80℃で20時間乾燥を行い、官能基としてカルボキシル基を含有する、粉末状の官能基含有フッ化ビニリデン高分子化合物(7)を得た。高分子化合物(7)の重量平均分子量は120万であり、酸価は0mgKOH/gであった。
(参考例1)
メジアン径18μmの天然黒鉛とバインダーAとを質量比95:5の割合で、ホモジナイザーを用いてNMPに分散させ、電極材スラリーを得た。得られた電極材スラリーは、集電体である厚み10μmの銅箔上の片面に、ドクターブレード法で目付18mg/cm2になるよう塗布し、120℃で30分間乾燥し溶剤を除去した。乾燥後の電極は、ロールプレス機を用いて密度1.4g/cm3になるよう圧延した。
負極の製造において、前記バインダーAの代わりに前記バインダーBを用いた以外は、参考例1と同様に作製を行った。
負極の製造において、前記バインダーAの代わりに前記バインダーCを用いた以外は、参考例1と同様に作製を行った。
負極の製造において、前記バインダーAの代わりに前記バインダーDを用いた以外は、参考例1と同様に作製を行った。
メジアン径18μmの天然黒鉛とバインダーAとを質量比93:7の割合で、ホモジナイザーを用いてNMPに分散させ、電極材スラリーを得た。得られた電極材スラリーは、集電体である厚み10μmの銅箔上の片面に、ドクターブレード法で目付18mg/cm2になるよう塗布し、120℃で30分間乾燥し溶剤を除去した。乾燥後の電極は、ロールプレス機を用いて密度1.4g/cm3になるよう圧延した。
負極の製造において、前記バインダーAの代わりに前記バインダーBを用いた以外は、参考例3と同様に作製を行った。
負極の製造において、前記バインダーAの代わりに前記バインダーDを用いた以外は、参考例3と同様に作製を行った。
メジアン径18μmの天然黒鉛とバインダーBとを質量比93:7の割合で、ホモジナイザーを用いてNMPに分散させ、電極材スラリーを得た。得られた電極材スラリーは、集電体である厚み10μmの銅箔上の片面に、ドクターブレード法で目付27mg/cm2になるよう塗布し、120℃で30分間乾燥し溶剤を除去した。乾燥後の電極は、ロールプレス機を用いて密度1.4g/cm3になるよう圧延した。
負極の製造において、前記バインダーBの代わりに前記バインダーCを用いた以外は、実施例4と同様に作製を行った。
負極の製造において、前記バインダーBの代わりに前記バインダーDを用いた以外は、実施例4と同様に作製を行った。
メジアン径18μmの天然黒鉛とバインダーBとを質量比97:3の割合で、ホモジナイザーを用いてNMPに分散させ、電極材スラリーを得た。得られた電極材スラリーは、集電体である厚み10μmの銅箔上の片面に、ドクターブレード法で目付18mg/cm2になるよう塗布し、120℃で30分間乾燥し溶剤を除去した。乾燥後の電極は、ロールプレス機を用いて密度1.4g/cm3になるよう圧延した。
メジアン径8μmの天然黒鉛とバインダーBとを質量比93:7の割合で、ホモジナイザーを用いてNMPに分散させ、電極材スラリーを得た。得られた電極材スラリーは、集電体である厚み10μmの銅箔上の片面に、ドクターブレード法で目付18mg/cm2になるよう塗布し、120℃で30分間乾燥し溶剤を除去した。乾燥後の電極は、ロールプレス機を用いて密度1.4g/cm3になるよう圧延した。
負極の製造において、バインダーBの代わりにバインダーDを用いた以外は、参考例7と同様に作製を行った。
メジアン径18μmの天然黒鉛とバインダーBとを質量比99:1の割合で、ホモジナイザーを用いてNMPに分散させ、電極材スラリーを得た。得られた電極材スラリーは、集電体である厚み10μmの銅箔上の片面に、ドクターブレード法で目付18mg/cm2になるよう塗布し、120℃で30分間乾燥し溶剤を除去した。乾燥後の電極は、ロールプレス機を用いて密度1.4g/cm3になるよう圧延した。
メジアン径18μmの天然黒鉛とバインダーBとを質量比90:10の割合で、ホモジナイザーを用いてNMPに分散させ、電極材スラリーを得た。得られた電極材スラリーは、集電体である厚み10μmの銅箔上の片面に、ドクターブレード法で目付18mg/cm2になるよう塗布し、120℃で30分間乾燥し溶剤を除去した。乾燥後の電極は、ロールプレス機を用いて密度1.4g/cm3になるよう圧延した。
負極の製造において、前記バインダーAの代わりに前記バインダーEを用いた以外は、参考例3と同様に作製を行った。
負極の製造において、前記バインダーAの代わりに前記バインダーFを用いた以外は、参考例3と同様に作製を行った。
負極の製造において、バインダーBの代わりにバインダーGを用いた以外は、参考例3と同様に作製を行った。
得られた負極の剥離強度を測定した。デジテック製のDTC-FX300、ASM-1000を用いて、180°テープ剥離強度を測定した。テープはニチバン製LP-18(18mm幅)を用い、50mm剥離した時の平均値を剥離強度とした。
<正極の製造>
活物質としてメジアン径10.6μmのマンガン酸リチウム(LMO)、導電助剤として数平均粒子径48nmのアセチレンブラック粉末、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを質量比94:3:3の割合で、ホモジナイザーを用いてNMPに分散させ、電極材スラリーを得た。得られた電極材スラリーは、集電体である厚み20μmのアルミニウム箔上の片面に、ドクターブレード法で塗布し、120℃で30分間乾燥し溶剤を除去した。目付は、正極、負極の同面積での容量比(AC比)が1.1になるよう設計した。乾燥後の電極は、ロールプレス機を用いて密度2.9g/cm3になるよう圧延した。
エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)が体積比1:1の混合溶液を溶媒とし、電解質としてヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を1mol/Lの濃度で溶解した。溶解した溶液100質量部に対して1質量部のビニレンカーボネート(VC)を添加し、電解液を得た。
前記で得た負極を直径14mmの円盤状に、ポリプロピレン(PP)からなるセパレータを直径16mmの円盤状に、前記で得た正極を直径13mmの円盤状にそれぞれ打抜いた。SUS製の電池容器(CR2032)内に、負極、セパレータ、正極の順で互いに電極の塗布面がセパレータ側を向くように積層・対向させ、前記で得た電解液を添加し電極及びセパレータを含浸させた。更に電極上にSUS製の板(厚さ1mm、直径16mm)、及びウェーブワッシャー(直径15mm)を載せ、ガスケットを装着したキャップをはめ込み、カシメ機でかしめることでコイン型非水系二次電池を得た。
各実施例で作製した電池について、25℃において0.1Cレートの定電流充電を上限電圧4.2Vとして電流値が0.05Cに収束するまで行った後、0.1Cの定電流放電を下限電圧2.8Vになるまで行った。次いで、充電は前記と同条件で行った後、1Cレートの定電流放電を2.8Vになるまで行い、下記の式(1)から、放電容量発現率(%)を算出した。
(1C放電容量/0.1C放電容量)×100 ・・・・・(1)
各実施例で作製した電池について、25℃において0.1Cの定電流充電を上限電圧4.2Vまで行った後、0.1Cの定電流放電を下限電圧2.8Vまで行った。次いで、1 Cの定電流充電を上限電圧4.2Vまで行った後、放電は前記と同条件で行い、下記の式(2)から、充電容量発現率(%)を算出した。
(1C充電容量/0.1C充電容量)×100 ・・・・・(2)
各実施例で作製した電池について、25℃において0.5Cの定電流充電を上限電圧4.2Vまで行った後、0.1Cの定電流放電を下限電圧2.8Vまで行った。この充放電100サイクル繰り返し、下記の式(3)から放電容量維持率(%)を算出した。
(100サイクル目放電容量 / 1サイクル目放電容量)×100 ・・・・・(3)
(判定基準)
剥離強度:◎200N/m以上、○150N/m以上、×150N/m未満
放電容量発現率:◎95%以上、○90%以上、△85%以上、×85%未満
充電容量発現率:◎80%以上、○70%以上、△60%以上、×60%未満
100サイクル放電容量維持率:◎90%以上、○80%以上、△70%以上、
×70%未満
Claims (3)
- 集電体上に、少なくともリチウムイオンを吸蔵・脱離可能な炭素粒子を含む活物質と、バインダーとを含有する電極活物質層を備えた電極において、
前記リチウムイオンを吸蔵・脱離可能な炭素粒子のメジアン径が10~25μmであり、前記バインダーが、酸性官能基と主鎖としてポリフッ化ビニリデン骨格とを有する重量平均分子量50~200万の高分子化合物を含み、
前記バインダーの酸価が2~10mgKOH/gであり、
かつ、電極活物質層中のバインダーの含有率が5~7質量%であり、
前記電極活物質層の密度が0.8~1.6g/cm 3 であることを特徴とする、非水系二次電池用負極。 - 前記高分子化合物の有する酸性官能基がカルボキシル基である、請求項1に記載の非水系二次電池用負極。
- 電極の片面に形成される前記電極活物質層の目付量が10mg/cm2~35mg/cm2である、請求項1又は2に記載の非水系二次電池用負極。
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