JP7209408B1 - オープントップコンテナの側壁補強構造 - Google Patents
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Abstract
Description
従来のオープントップコンテナは、例えば特許文献1に示すように、それぞれ床、前壁、後壁、左右一対の側壁を有し、天井部分が開口された箱体で構成されている。
このうちの床は、前後方向に長い矩形状の床枠にさらに床枠の上に耐摩耗鋼板製で前後方向に長い矩形状の床板が溶接されたものである。
後壁は、それぞれが普通鋼製である下方配置のリアレール、上方配置のリアはり、左右一対のフロント側柱からなる略正方形の前枠に、耐摩耗鋼板製の後板が溶接され、後板の外面に、格子状の後板用補強板が溶接されている。
左右一対の側壁は、それぞれが普通鋼製からなる前後方向に長い矩形状の左右一対の側枠に、耐摩耗鋼板からなる左右一対の側板が溶接されて、各側板の外面に、複数の縦長な傾斜補強板(チャンネル材)が、前後方向に所定ピッチで平行に溶接されている。
なお、トラックタイプ、脱着コンテナタイプ、ウォーキングフロア、トレーラタイプが該当するコンテナとなる。
このオープントップコンテナにおいては、左右一対の側壁の外面にそれぞれ補強はり材(横方向に延びる長尺材)が溶接されている。
補強はり材は断面コの字形状の長尺材とされる。例えば矩形側壁の上端縁でその横辺と平行にその長さ方向の全長に亘り設けられている。
補強はり材の溶着した高さ位置は、例えば側壁上端、下端、中間部とすることができる。補強はり材は1本に限られず、上下2本とすることもできる。なお、側壁については垂直方向に延びるか、所定角度傾斜した縦補強材(または傾斜補強材)により同時に補強されている。
断面コの字でチャネル形状の補強はり材は、そのフランジ端が側壁外面に溶接されることにより側壁外面に固着されて、側壁外面に対して垂直に作用する外力を受けてこの外力に対して側壁を補強・支持する。
各部分はり材は、そのウェブおよびフランジの端縁同士が突き合わされ、この突き合わせ端縁部分が溶接されて接合されている。このとき、部分はり材のウェブ端縁は、ウェブを正面視して凹凸形状であって、これらの凹凸が嵌め合わされている。突き合わされる端縁同士にて、いずれか一方を凹に、残りの他方を凸に、例えばあり溝とありとの如く、嵌め合い形状に構成する。
そして、この突き合わせ端縁同士を溶接して上記1本の補強はり材が構成されている。
複数の部分はり材は突き合わせ溶接で一体化し、1本の補強はり材として形成される。なお、その溶接線はウェブを正面視して非直線となる(幅方向に延びる1本の直線ではなく、屈曲した直線の組み合わせなど)。
スクラップの種類は限定されない。例えば、廃自動車や建築廃材などの破砕物である。もちろん、オープントップコンテナによって輸送可能な積載物は限定されない。例えば、金属スクラップを除く他の産業廃棄物でもよい。
オープントップコンテナとは、床、前壁、後壁、左右一対の側壁を有し、天井部分が常時開口された金属製の箱体である。
具体的には、隣接する横根太と縦根太とを溶接するとともに、これらの根太を床板の下面にそれぞれ溶接する。横根太と縦根太との断面形状は任意である。断面コの字状または断面矩形状である。
横根太および縦根太の本数は、一般的に複数である。
前壁は、前板の外面に前板用補強材を溶接してある。
後壁は、後板の外面に後板用補強材を溶接してある。後壁は、上記左右一対の側壁のうちの片方の側壁の後端に、上下方向に延びる回動軸を有したヒンジを介して開閉自在に設けてもよい。そうでない密閉式(固着式)でもよい。
耐摩耗鋼板は、鉄を主成分とし、これに炭素(C;0.21重量%以上)、ケイ素(Si:0.70重量%以上)、マンガン(Mn:2.00重量%以上)、リン(P:0.015重量%以上)、イオウ(S:0.010重量%以上)、ニッケル(Ni:1.00重量%以上)、クロム(Cr:120重量%以上)、モリブデン(Mo:0.60重量%以上)、ホウ素(B:0.005重量%以上)が添加されたものである。
耐摩耗鋼板としては、例えば新日鐵住金社製のアブレックス(旧新日鐵社製のウェルハード、旧住友金属社製のスミハード)、JFEスチール社製のエバーハード、スウェーデンスチール社製のハルドックス(スウェーデン鋼)などを使用することができる。
耐摩耗鋼板の耐摩耗性は、ブリネル硬さで300~700HBWである。300HBW未満では、130HBW前後の普通鋼と比較して、耐摩耗性にそれほど顕著性がない。また、700HBWを超えれば硬すぎて、コンテナにスクラップを投入した衝撃等で側壁が破損するおそれがある。特に、耐摩耗鋼板の耐摩耗性は、ブリネル硬さで400~500HBWが好ましい。
この場合の補強はり材(部分はり材)は、耐摩耗鋼板をプレス機による押圧曲げ加工で形成したチャンネル材(断面コの字材、溝形材)として構成されている。
この場合において、各突き合わせ溶接部には、断面コの字形状の補強はり材の内部空間(側壁外面と左右のフランジとウェブとの間の断面矩形の空間)に、断面コの字形状で所定長さ(両方の部分はり材の端部を支持する長さ)の裏当て金が固着・内装されている。裏当て金の両フランジ端は内部空間にて側壁外面に溶接されている。また、そのウェブは上記突き合わせ溶接(アーク溶接など)の下地とされる。すなわち、嵌め合い構造とされ、この嵌め合い部が溶接で一体化されて接合される一対の部分はり部材に、裏当て金は溶着されている。
さらに、この突き合わせ溶接部における内部空間には、側壁外面に対して垂直な補強板が部分はり材のフランジと平行に所定長さで配置・固着されている。この補強板(スチフナ)は、側壁外面に基端部が、部分はり材のウェブにその先端部がそれぞれ溶着されており、補強はり材を補強するものとなる。
突き合わせ溶接部はスチフナでチャンネル材の内側から補強された構造である。この接合部分は完全溶け込み溶接とされ、部分はり材端部の開先(切り取り)により形成された溝(嵌め合い形状である凹凸状)に、この溝を溶接金属(溶融した母材と溶接材)で埋め込み、一体化してある。裏当て金は突き合わせ溶接の開先部の下地となる。
このように、突き合わせ溶接部において裏当て金、補強板によりその内部より補強した構造としたため、上記凹凸、波形ないし屈曲した溶接線を有する溶接部をさらに補強することとなる。なお、補強はり材、補強板、側壁を耐摩耗鋼板で構成した場合でも、裏当て金はSS400などの一般構造用圧延鋼材で対応することもできる。SS鋼材による場合、そのプレス機による折り曲げ加工が耐摩耗鋼材のそれよりも容易となる。
なお、補強はり材にあって、突き合わせ溶接部以外の中間部(非溶接部)には、補強板を配置しない場合も含まれる。
また、補強板は単数に限られず、複数枚設置することもできる。
オープントップコンテナの側壁を補強する補強はり材の突き合わせ溶接部における補強構造であって、コンテナ側壁に横方向に延びる補強はり材を溶着し、この補強はり材は耐摩耗鋼材をプレス曲げ加工した断面コの字形状のチャンネル材で構成することができる。
また、このチャンネル材である補強はり材は、複数の部分はり材を突き合わせ溶接で一体化してある。断面コの字形状の長尺材である補強はり材は、同一形状、同一長さの複数の部分はり材を長さ方向に突き合わせて接合して形成されている。よって、1本の補強はり材は、複数の突き合わせ溶接部と、これら突き合わせ溶接部の間の複数の中間部とで構成されていることとなる。
複数の突き合わせ溶接部を有する場合、隣接する溶接部同士の間の中間部であるチャンネル材(部分はり材)にあっては、その内部には補強板が配設されていない。突き合わせ溶接部は、上述のように、その内部空間には裏当て金および補強板を有している。各突き合わせ溶接部には、部分はり材の内部空間に補強板が配置・固着され、部分はり材の溶接部を支持することとしている。
以上の結果、側壁の外面で横方向の全長に亘り固着された1本の補強はり材にあっては、その長さ方向において突き合わせ溶接部(補強板あり)と補強板のない中間部とが交互に配設される構造となる。その結果として耐荷重(水平方向の外力)の支持強度は突き合わせ溶接部で基本的に支持されるが、中間部ではその弾性変形量が該溶接部のそれよりも大となり、外力の一部が弾性変形として吸収、消費される。
したがって、もし1の側壁にその上端、下端にそれぞれ2本の補強はり材を固着したとき、上側の補強はり材の突き合わせ溶接部とその下側に配置する補強はり材のそれとを横方向でずらして配置することもできる。この結果として、突き合わせ溶接部が上下のはり材で横方向の位置が異なる構成とし、側壁補強構造全体としてバランスのとれた配置を実現できる。外力支持構造として側壁全面での支持力の均等化に資することとなる。このような全面での支持により、作用する外力(圧力)を面全体で分散化した支持とすることにもつながる。
突き合わされた部分はりの端縁同士はウェブを正面視して凹凸が嵌め合わされた形状、例えば波形端縁、屈曲端縁、非直線の端縁、折曲線(幅直線と軸直線との組み合わせ)端縁などで構成される。すなわち、接合する溶接線を、不定形の屈曲線、ギザギザ(ジグザグ)線、凹凸線、波形線などの非直線で構成することとなる。
この結果、突き合わせ溶接部では裏当て金、スチフナによる補強がなされ、外力に対する受圧面積、すなわち2本のスチフナ、波形などの溶接ラインによる受圧面積の増加がなされる。よって、溶接部への応力集中による溶接線に沿った亀裂発生を阻止することができる。
併せて、補強はり材の内部空間では2本のスチフナをそのウェブの幅の3等分位置に配置することで、作用する外力に対してバランスされた受圧支持を行うことができる。これら2枚の補強板は突き合わせ溶接部の内方空間にてフランジと平行に配置されている。
特に、例えば普通鋼より硬い耐摩耗鋼板で側壁および補強はり材を形成した場合、各側壁の中央部の変形は抑制される。しかも、耐摩耗鋼板は普通鋼に比べて弾性限界点が高いため、搬送先でスクラップを荷降ろしすれば、床および各壁への応力が取り除かれ、これらは塑性変形することなく、元の平坦な床や各壁に復元する。その結果、各壁等が多量のスクラップ投入による繰り返し応力を受けても、これらの中央部の機械的強度はほとんど低下せず、床、前壁、後壁および各側壁の疲労破壊が抑制される。
この結果、上記作用効果に付加して、補強はり材はその長さ方向位置において支持強度に差異が生じている。中間部が弱く、突き合わせ溶接部が強くなる。側壁面に垂直に外力が作用したとき、前者における弾性変形量は大、後者は小となる。よって、補強はり材において中間部が弾性変形大となり、外力を変形により吸収する構造となる。
なお、コンテナには、トラックタイプ、脱着コンテナタイプ、ウォーキングフロア、トレーラタイプなどがあり、この発明はこれらのいずれについても適用することができる。
オープントップコンテナは、水平で矩形の床板12と、床板12の縦横の4辺縁にそれぞれ垂直に起立して設けられた前壁13、後壁14、および左右一対の側壁15,16とを有して構成されている。
また、オープントップコンテナ11は、上記床板12および4つの垂直壁により箱体を形成し、その天井部分が開口しており、その内部空間にスクラップ等を積載することができる。なお、後壁14はヒンジにより垂直軸を中心として開閉するタイプに構成してあるが、非開閉式とすることもできる。
上記各板材は、それぞれ外面に補強材を固着することにより、その搭載したスクラップなどを上方から押し付けることで発生する水平方向の外力を受けることとしている。例えば床板12にはその下面(裏面)に横根太と縦根太とを固着している。前壁13および後壁14についても同様にその外面に断面コの字の長尺材である補強材を固着してある。
前壁13、後壁14に比較すると大面積となる左右一対の側壁15,16にあっては、その矩形を構成する4辺に沿って断面コの字形状の側板用補強材(上下の補強はり材21および左右の補強柱材で構成される矩形フレーム)を各側壁15,16の外面に、溶着してある。さらに、側壁15,16を形成する平面板は、2枚の板材に分割されて、これらを溶接で接合して1枚の側壁15,16としてそれぞれ構成されている。そして、これらの突き合わせ接合部分については、断面コの字形状の傾斜させた長尺材を当該位置の外面に固着してある。
床板12(フロアパネル)は、左右幅より前後方向長さが長い矩形状をした厚さ4.5mmの耐摩耗鋼板(新日鐵住金社製ABREX400)で、その下面に溶着した根太材(クロスメンバ)も耐摩耗鋼板(ABREX400)製のチャンネル材である。
各根太およびフレーム類は、それぞれ所定サイズの耐摩耗鋼板をプレス成型して断面コの字形状の補強材として作製される。
コンテナの前側の壁部分を構成する前壁13およびその補強用の枠材も同様に耐摩耗鋼板(ABREX400)で形成されている。
後壁14および補強枠についても同様に耐摩耗鋼板(ABREX400)で構成されている。
さらに、左右一対の矩形の側壁15,16についても同じく耐摩耗鋼板(ABREX400)で構成されている。
この補強はり材21について以下説明する。以下側壁15についてのみ説明する。側壁16は側壁15と同じ構成とされる。
側壁15の外面の上縁全長に亘り固着された断面コの字形の横方向に延びる長尺材である補強はり材21は、上記耐摩耗鋼材(鋼板)をプレス機による押圧曲げ加工にてチャンネル材として形成してある。すなわち、ウェブおよびその両端から屈曲して立ち上がる一対のフランジで断面コの字形状の長尺材としてある。この各フランジ端(厚み幅の部分)が上記側壁15外面に溶接で固着されている。
したがって、補強はり材21にあっては、部分はり材22同士の突き合わせ溶接部21Aと、これら突き合わせ溶接部21Aと隣合う突き合わせ溶接部21Aとの間の中間部21B(非突き合わせ溶接部)とで構成されている。その一端から他端に向かっては、端部、中間部21B、突き合わせ溶接部21A、中間部21B、突き合わせ溶接部21A、中間部21B、・・・・端部の順に1本の補強はり材21は、分割して構成されることとなる。
補強はり材21の突き合わせ溶接部21Aには、その内部空間において後述する補強板23,24(スチフナ)が配置されているが、中間部21Bのそれには補強板23,24は配置されていない。補強はり材21で、その長さ方向において、補強板23,24は断続的に配置されている。
この結果としてウェブ22A,22Bの溶接線31は幅方向に延びる一直線ではなく凹凸線を形成することとなる。凹凸線は、波形線、ジグザグ線、ありとあり溝との場合の境界線などを含む。要は、幅方向に一直線の突き合わせとはならず、屈曲線、湾曲線、曲線などを含むものとする。
この補強はり材21は、複数の部分はり材22の端縁同士を突き合わせて接合され、突き合わされた部分はり材22の端縁同士はウェブ22A,22Bを正面視して凹凸が嵌め合わされた形状、非直線の嵌め込み、この結果として溶接線31が一直線ではなく所定の屈曲線、湾曲線となる。
すなわち、上記補強はり材21はその突き合わせ溶接部21Aにおいて、断面コの字状で所定長さの裏当て金25を有し、この裏当て金25を上記突き合わせた端縁同士の下方に当接させて配置してその溶接の下地として作用させる。
裏当て金25は例えばSS400鋼材であって、その両フランジが側壁15の外面に直接溶接され、そのウェブが部分はり材22のウェブ裏面に当接して上記溶接の下地とされる。
さらに、この突き合わせ溶接部21Aにおいては、部分はり材22のフランジに対して平行な第1の補強板23および第2の補強板24が溶接されて起立している。これらの補強板23,24(耐摩耗鋼板製のスチフナ)はいずれも同一幅、同一厚さ、同一長さの耐摩耗鋼板で形成され、補強はり材21の突き合わせ溶接部21Aの内部空間でかつ裏当て金25の内方で下端面が側壁15外面に、上端面の一部が補強はり材21のウェブに溶接されて固着されている。なお、部分はり材22のウェブ22A,22Bのスチフナ対応位置には一対の長孔27が貫通している。これらの長孔27(図4では4個が線対象位置)を介して各補強板23,24は部分はり材22に溶接されることとなる。
これら補強板23,24の長さは裏当て金25の長さより長く形成されている。また、これらの第1の補強板23および第2の補強板24は、上記部分はり材22のフランジと平行であってかつそのウェブ22A,22Bの全幅を3等分する位置にそれぞれ配設されている。
この結果、溶接部への応力集中による亀裂(溶接線31にそって生じる直線状の亀裂)の発生を防止することが可能となる。
コンテナ11へのスクラップ搭載時に発生する外力(均等荷重)がビーム(補強はり材21)に作用すると、ビーム溶接部(弱い部分)にき裂が発生することを、上記突き合わせ溶接部21Aへの補強で防止することとなる。第1,第2の補強板23,24およびウェブ端縁の突き合わせ形状の変更による補強である(側壁15自体の面剛性を高めている)。
したがって、側壁15の上端部である補強はり材21にあっては、スクラップ搭載時などに作用する水平方向の外力については、中間部21B(非溶接部ないし補強板なし)ではその補強はり材21が側壁15とともに比較して大きく弾性変形することでその外力の一部を消費することとし、突き合わせ溶接部21Aにあっては裏当て金25および補強板23,24さらには溶接ビード31の面積が増大しているため、外力受圧面積が増大することでの支持強度の増大で、亀裂発生の防止を図ることができる。
なお、側壁15には傾斜した補強材(耐摩耗鋼製の断面コの字状溝形材)が側壁15面を所定角度(例えば垂直線に対して15°)傾斜した複数本の傾斜補強材での支持を行っている。
このコンテナ11は、上述したように、フロアパネル(床板12)、フロントパネル(前壁13)、リアゲート(後壁14)、左サイドパネル(左側壁15)および右サイドパネル(右側壁16)を備えている。コンテナのサイズは、前後長が12.9m、左右幅が2.5m、高さが2.0~2.45mである。
各サイドパネル15,16は、高さが1.8m、長さが6m、厚さが4.5mmの耐摩耗鋼板(新日鐵住金社製ABREX400)からなる前後2枚のフロントサイドパネル、リアサイドパネルを、それぞれコンテナの長さ方向(前後方向)に突き合わせ溶接してある。
また、左サイドパネル15および右サイドパネル16の各前後の辺部の外面には、それぞれ耐摩耗鋼板(新日鐵住金社製ABREX400)からなるフロントサイドポストとリアサイドポストとが溶接されている。これらのフロントサイドポストおよびリアサイドポストは、溶接側が開口面となった断面コの字状の帯状カバーを縦長に配置した幅広の枠体である。
各側板用補強板は、対応するフロントサイドパネル,リアサイドパネルとの溶接面が開口側となった断面コの字状の帯状カバーを傾斜配置した、新日鐵住金社製ABREX400からなる枠体である。
左サイドパネル15のうち、リアサイドポストによって被われた後端部は、リアゲートヒンジの支持部である。これにより、左サイドパネルのリアゲートヒンジの支持部が、外方に反らないように補強されるとともに、右サイドパネルの後端部も補強されている。
これにより、材料使用量が減少し、オープントップコンテナ11の軽量化が図れて、その分だけスクラップの積載量を増大させることができるとともに、フロアパネル、フロントパネル、リアゲートおよび各サイドパネルの疲労破壊を防止することができる。
また、上述したように、このスクラップ積載時の外力は補強はり材21に対して作用し、その部分はり材22の突き合わせ溶接部21Aにも大きな応力を生じさせることとなる。しかしながら、この溶接部にあっては上述の補強構造を新規に採用したため、また、その一部にあっては弾性変形能を増大させてあるため、溶接線31に沿った亀裂が発生するおそれを解消することができた。
12 床板、
13 前壁、
14 後壁、
15 左サイドパネル(側壁)、
16 右サイドパネル(側壁)、
21 補強はり材、
21A 突き合わせ溶接部、
21B 中間部、
22 部分はり材、
22A,22B ウェブ、
23 第1の補強板(スチフナ)、
24 第2の補強板(スチフナ)、
25 裏当て金、
31 溶接線。
Claims (3)
- 矩形の床板、床板の4辺縁にそれぞれ起立して設けられた前壁、後壁、および左右一対の側壁を有し、天井部分が開口してその内部空間にスクラップ等を積載するオープントップコンテナの側壁補強構造において、
ウェブおよび左右一対のフランジからなる断面コの字形状の長尺の補強はり材が、そのフランジ端が上記側壁外面に溶接されることにより、側壁外面の横方向に延びて固着され、
この補強はり材は、複数の部分はり材の端縁同士を突き合わせて接合され、
各部分はり材のウェブ端縁はウェブを正面視して凹凸形状であって、突き合わされた部分はり材の端縁同士はその凹凸が嵌め合わされ、
これらの部分はり材の嵌め合わされた端縁同士を溶接して上記補強はり材とし、
上記補強はり材はその突き合わせ溶接部において、断面コの字状の裏当て金を有し、この裏当て金を上記突き合わせた端縁同士の溶接の下地として作用させるとともに、
この突き合わせ溶接部の内方にて、補強板を上記部分はり材のフランジと平行に配置し、その基端を上記側壁外面に、その先端を上記部分はり材のウェブ内面にそれぞれ当接させて設けたオープントップコンテナの側壁補強構造。 - 上記補強はり材は、上記部分はり材同士が突き合わせ溶接された突合せ接合部と、隣接する突合せ接合部との間の中間部とで構成され、
この中間部には上記補強板が配置されていない請求項1に記載のオープントップコンテナの側壁補強構造。 - 上記補強板は、第1の補強板および第2の補強板を有し、これらの第1の補強板および第2の補強板は、上記部分はり材のフランジと平行で、ウェブの全幅を3等分する位置にそれぞれ配設された請求項2に記載のオープントップコンテナの側壁補強構造。
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