以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の概略構成
図1は本実施例の画像形成装置100の断面の概略を示す。図1を用いて本実施例の画像形成装置100の構成及び動作を説明する。
画像形成装置100は、第1~第4(a~d)の画像形成ステーション(画像形成部)Ua~Udを有する。ここで、第1はイエロー(以下、Yと称する)、第2はマゼンタ(以下、Mと称する)、第3はシアン(以下、Cと称する)、第4はブラック(以下、Bkと称する)である。なお、色ごとに説明する必要がある場合を除き適宜a~dの符号は省略する。本実施例では、画像形成ステーションUは、後述する感光ドラム1、帯電ローラ2、露光装置31、現像器4、1次転写ローラ14、ドラムクリーナ5などを有して構成される。また、各画像形成ステーションUは、感光ドラム1の残り寿命に関する情報として感光ドラム1の積算回転数を記憶する記憶部材(メモリタグ)17をそれぞれ備えている。また、各画像形成ステーションUを構成する要素の少なくとも一部は、画像形成装置100の装置本体に対して交換可能になっている。なお、各画像形成ステーションUにおける交換可能な要素には、少なくとも感光ドラム1が含まれていれば良く、どの部材までを交換可能とするかについては特に限定されるものでない。
以下においては各画像形成ステーションUの代表として第1(Y)の画像形成ステーションUaの動作を例に説明を行う。画像形成ステーションUaは、感光体として感光ドラム1aを備え、この感光ドラム1aは図中矢印方向に所定の周速度(以下、プロセススピードとする)で回転駆動される。この感光ドラム1aの周速度(表面の移動速度)は、略中間転写ベルト10の表面の移動速度と等しく、転写速度などとも換言できる。また、2次転写ローラ20の周速度や、記録材(記録媒体、シート)Pの移動速度とも換言することができる。感光ドラム1aはこの回転過程で、帯電手段としての帯電ローラ2aにより所定の極性の帯電電位Vdに一様に帯電処理される。次いで外部から供給される画像データ(画像信号)に基づく、光照射手段(露光手段)としての露光装置31aのレーザ光6aの走査を行う。これによって、感光ドラム1a表面の画像部を露光量E[μJ/cm2]で露光(通常露光)して電荷を除電し、感光ドラム1a表面に露光電位Vlを形成する。また、露光装置31aは、レーザ光6aの走査により、感光ドラム1a表面の非画像部を露光量Ebg[μJ/cm2](Ebg<E)で露光(微少露光)して、微少露光後(補正後)の帯電電位Vd_bgを形成する。これにより、トナーを付着させる画像部とトナーを付着させない非画像部とを含む静電像(静電潜像)が感光ドラム1上に形成される。次いで、画像部である露光電位Vl部には、現像手段としての現像器(イエロー現像器)4aに印加される現像電位Vdcと露光電位Vlとの電位差によりトナーが付着し、現像(可視化)される。非画像部である電位Vd_bgの部分は、現像電位Vdcとの関係でトナーが付着しにくい電位(正かぶり、反転かぶりの発生しにくい電位)となっているため、トナーは付着しない。具体的に帯電電位Vdは大凡-700V~-600V、微少露光後の帯電電位Vd_bgは大凡-550V~-400V、現像電位Vdcは大凡-350V、露光電位Vlは大凡-150Vに設定される。なお、本実施例の画像形成装置100は、露光装置31aによりイメージ露光を行い、露光部にトナーを現像する反転現像方式の画像形成装置である。
中間転写体としての無端状のベルトで構成された中間転写ベルト10は、張架部材11、12、13により張架され、感光ドラム1aと当接している。この中間転写ベルト10は、その当接位置において感光ドラム1aと同方向且つ略同一の周速度で回転するように回転駆動される。感光ドラム1a上に形成されたイエロートナー像は、次のようにして転写される。すなわち、イエロートナー像が感光ドラム1aと中間転写ベルト10との当接部(以下、1次転写ニップ部と称す)を通過する。この過程で、1次転写電源15aより1次転写手段としての1次転写ローラ14aに印加した1次転写電圧によって、イエロートナー像が中間転写ベルト10の上に転写(1次転写)される。感光ドラム1a表面に残留した1次転写残トナーは、クリーニング手段としてのドラムクリーナ5aにより清掃、除去される。それ以後、上に説明した帯電以下の画像形成プロセスが繰り返し行われる。同様にして第2色のマゼンタトナー像(M)、第3色のシアントナー像(C)、第4色のブラックトナー像(Bk)が形成され、中間転写ベルト10上に順次重ねて転写されて、合成カラー画像が得られる。
中間転写ベルト10上の4色のトナー像が中間転写ベルト10と2次転写ローラ20との当接部(以下、2次転写ニップ部と称す)を通過する過程で、2次転写電源21は2次転写手段としての2次転写ローラ20に2次転写電圧を印加する。これにより、中間転写ベルト10上の4色のトナー像は、給紙ローラ50によって給紙された紙などの記録材Pの表面に一括して転写(2次転写)される。その後、4色のトナー像を担持した記録材Pは定着手段としての定着器30に導入され、そこで加熱及び加圧されることで4色のトナーが溶融混色して記録材Pに固定される。以上の動作により、フルカラーのトナー像が記録媒体上に形成される。また、中間転写ベルト10の表面に残留した2次転写残トナーは、クリーニング手段としての中間転写ベルトクリーニング装置16により清掃・除去される。
2.感光ドラムの断面構成
図2に感光ドラム1aの断面の一例を示す。感光ドラム1aは、導電性支持基体22a上に電荷発生層23a、電荷輸送層24aを積層して構成されている。導電性支持基体22aは例えば外径30mm、厚み1mmのアルミシリンダーである。電荷発生層23aは、例えば厚み0.2μmのフタロシアニン系顔料である。電荷輸送層24aは、例えば厚みが20μmであり、結着樹脂としてポリカーボネイトを使用し、電荷輸送物質としてアミン化合物を配合したものである。勿論、図2は感光ドラム1aの一例であり、寸法及び材質などは、ここに説明するものに限定されない。
3.感光ドラムの感度特性
図3は感光ドラムの感度特性(感光特性、EV特性、EVカーブ)の一例であり、表面をVに帯電させた帯電後の感光ドラムに対して、感光ドラム表面上で露光量がE[μJ/cm2]となるように、レーザ光で露光した場合の電位減衰を示している。この感度特性では、露光量Eを増やすことで、より大きな電位減衰が得られることを示している。また、高電位部では強電界の環境であり、露光により発生した電荷キャリア(電子-正孔対)の再結合が発生しにくいため小さな露光量でも大きな電位減衰を示す。他方、低電位部では発生キャリアが再結合しやすいため大きな露光量の露光に対しても電位減衰が小さいという現象が見られる。また、同図においては、感光ドラムを使用し始めた初期の段階の感度特性と、感光ドラムを使用し続け寿命に到達しつつあるときの感度特性と、がそれぞれ示されている。図3中、破線のカーブが、感光ドラムが寿命に到達しつつあるときの感度特性である。なお、図3に示される感光ドラムの感度特性は一例であり、様々な感度特性を持つ感光ドラムの適用が本実施例において想定される。
4.帯電・現像高圧電源
図4(a)、(b)は帯電・現像高圧電源の一例を示す。図4(a)の例では、複数色のそれぞれに対応した帯電ローラ2a~2d及び複数色のそれぞれに対応した現像ローラ43a~43dが帯電・現像高圧電源52に接続されている。帯電・現像高圧電源52は、一のトランスから出力された帯電電圧Vcdc(電源電圧)を帯電ローラ2a~2dに供給し、また2個の抵抗素子で分圧した現像電圧Vdcを現像ローラ43a~43dに供給する。図4(a)の電源回路においては、電源システムを簡略化しているため、各ローラへ入力(印加)する電圧を所定の関係を維持させたまま一括して調整することができる。一方で、色間で独立した個別調整(個別制御)を行うことができない。また、帯電ローラ2と現像ローラ43とに入力(印加)する電圧についても同様に個別調整(個別制御)を行うことができない。本実施例では、帯電電圧Vcdcが-1100V、現像電圧Vdcが-350Vになるように、帯電・現像高圧電源52は後述するエンジンコントローラ101のCPUによりフィードバック制御される。そしてこの制御のもと、帯電ローラ2a~2dが、感光ドラム1a~1d表面を、帯電電位Vdに一様に帯電処理する。
また、図4(b)に別の帯電・現像高圧電源例を示す。図4(b)の例ではYMC色の画像形成ステーションUa~Uc用の帯電・現像高圧電源90とBk色の画像形成ステーションUd用の帯電・現像高圧電源91のように電源を少なくとも2つに分けている。そして、フルカラーモードで画像形成を行っている場合は、帯電・現像高圧電源90及び91をオンとする。一方、モノカラーモードでの画像形成を行っている場合は、YMC色の画像形成ステーションUa~Uc用の帯電・現像高圧電源90は動作せず(オフ)、一方、Bk色の画像形成ステーションUd用の帯電・現像高圧電源91はオンとなる。図4(b)の例の場合、YMC色の画像形成ステーションUa~Uc用の帯電・現像高圧電源90について図4(a)の例と同様のことがいえる。
このように、図3(a)、(b)の帯電・現像高圧電源によれば、複数の帯電ローラや現像ローラに関して、高圧電源が共通化されており、より一層の装置の小型化を実現できる。また、色ごとに出力電圧が可変のトランスを設け、各帯電ローラや各現像ローラへの入力電圧を個別に制御する場合に比べてコストを抑えることができる。また、各帯電ローラや各現像ローラに対してDC-DCコンバータ(可変レギュレータ)を設け、それにより一のトランスからの出力を各帯電ローラや現像ローラ向けに個別に制御する場合と比べてもコストを抑えることができる。
なお、本発明は、複数の画像形成部Uの帯電ローラ2及び現像ローラ43aに共通の電源から電圧が供給される構成の他、複数の画像形成部Uの帯電ローラ2に共通の電源から電圧が供給される構成とされている場合にも特に有効である。
5.露光装置の概略構成
次に、本実施例における露光装置31の概略構成について説明する。ここでは、代表して1つの画像形成ステーションUについて説明するが、本実施例では全ての画像形成ステーションUで露光装置31の構成は実質的に同じである。
図5に本実施例における露光装置(光走査装置、光学装置、レーザスキャナ)31の要部の概略斜視図を示す。露光装置31は、発光素子(発光部、光源)としてのレーザダイオード107(以下、LD107と称する)を有する。本実施例では、LD107は、独立して発光可能な複数の発光部として2つの発光部107A、107Bを内蔵した2ビーム半導体レーザダイオードである。この2つの発光部107A、107Bは、それぞれが発光素子(発光部、光源)としてのレーザダイオードで構成されており、それぞれを第1発光部107A(或いはLD107A)、第2発光部107B(或いはLD107B)と称する。レーザ駆動システム回路(LDドライバ)130は、LD107の第1、第2発光部107A、107Bにそれぞれ駆動電流を供給するための回路である。LD107の第1、第2発光部107A、107Bは、それぞれその駆動電流に応じた発光量(発光輝度、発光強度、発光レベル、チップ面光量)でレーザ光を出射する。レーザ駆動システム回路130は、後述するエンジンコントローラ101、ビデオコントローラ102に対して、電気的に接続されている。
LD107より出射されたレーザ光は、コリメータレンズ134によりビーム形状が整形され、且つ、平行ビームとされる。その平行ビームは、シリンドリカルレンズ135により、走査手段としてのポリゴンミラー(回転多面鏡)133のポリゴン面(走査面)133-1上に結像されるように整形される。シリンドリカルレンズ135により整形されたレーザ光は、アパーチャ136によりレーザ光の幅が制限された後、ポリゴンミラー133のポリゴン面133-1上に結像される。そして、そのレーザ光は、回転するポリゴンミラー133により、fθレンズ132に露光(走査)される。露光(走査)されたレーザ光は、fθレンズ132を透過して、図中矢印R方向に回転する感光ドラム1の表面上に後述する所定のスポット径のドット状のビームスポットとして結像され、且つ、感光ドラム1の水平方向(回転軸線方向)に露光(走査)される。このとき、ポリゴンミラー133によってレーザ光が偏向走査される方向を主走査方向といい、この主走査方向と直交する方向であって、ポリゴンミラー133の回転軸と平行な方向を副走査方向という。
図6にビームスポットの一例を示す。感光ドラム1の表面に結像されるビームスポットのスポット径は、アパーチャ136の形状によって決定される。本実施例では、図6に示すように、ビームスポットの主走査方向の幅(スポット径)は80μm、副走査方向の幅(スポット径)は90μmである。ここで、ビームスポットのスポット径の測定方法について説明する。図7は、スポット径の測定方法を説明するための模式的なグラフ図である。ビームスポットのスポット径は、ピーク強度をAとすると、強度がA×1/e2に減少するまでの部分の幅で表される。なお、強度分布については、ガウス分布、ローレンツ分布などがある。また、スポット径の測定は、画像形成領域を長手方向に8分割した9点について行い、9点の平均値をスポット径[μm]とした。また、一般的に、ビームスポットの形状は楕円形であることが多い。ここでは、各測定点におけるスポット径は、長手方向(本実施例では副走査方向)のスポット径D1と短手方向(本実施例では主走査方向)のスポット径D2の最小値とした。また、これらスポット径D1及びスポット径D2の測定は、例えばメレスグリオ(株)製のビームアナライザーを用いて行うことができる。
一方、感光ドラム1の回転軸線方向の一端側の露光(走査)位置に対応して反射ミラー131が設けられ、露光(走査)開始位置に投射されるレーザ光をBD検出素子(同期信号検出素子)121に向けて反射させている。そして、このBD検出素子121の出力(走査同期信号、BD信号)に基づいて、レーザ光の露光(走査)の開始タイミングを決定する。また、後述するように、このBD検出素子121の出力に基づいて、レーザ光量を所望の光量にする自動光量制御であるところの、APC(Auto Power Control)が行われ、レーザの発光レベルが調整される。
6.レーザ駆動システム回路
次に、レーザ駆動システム回路130を用いてLD107を通常発光量及び微少発光量にて発光させる方法について説明する。本実施例では、この方法は、特許文献2に記載されるものと同様であるため、以下概略について説明する。ここでは、代表して1つの画像形成ステーションUについて説明するが、本実施例では全ての画像形成ステーションUでこの方法は実質的に同じであり、画像形成ステーションUごとに独立した発光量の制御が可能である。
図8は、LD107を通常発光量及び微少発光量にて発光させるための回路を示す模式図である。ここでは、理解を容易とするために、まずLD107の1つの発光部107Aを発光させるための回路について説明する。図9は、LD107の2つの発光部107A、107Bを発光させるための回路を示しているが、これについては後述する。また、図8においては、便宜上LD107AをLD107として説明する。図8において、概略、点線130枠内で囲まれた部分が、図5に示したレーザ駆動システム回路130に相当する。
レーザ駆動システム回路130は、第1電流調整部としての第1光強度調整部103、第2電流調整部としての第2光強度調整部104、第1、第2スイッチング回路105、106、電流電圧変換回路109、画像信号供給部124などを有する。通常発光量(第1発光量)、微少発光量(第2発光量)は、それぞれの発光量を調整する調整手段としての第1光強度調整部103、第2光強度調整部104により独立して制御可能である。
制御手段としてのエンジンコントローラ101は、ASIC、CPU、記憶手段としてのRAM及びEEPROMなどを内蔵している。また、エンジンコントローラ101は、プリンタエンジン(図1を参照して説明した、画像を形成するための機構部)の制御のみならず、ビデオコントローラ102との通信制御なども行う。エンジンコントローラ101は、第1光強度調整部103に、基準電圧Vref11を入力する。ここでは、図示を省略しているが、基準電圧Vref11は、PWM信号PWM1の信号のパルス幅によって決定され、エンジンコントローラ101によって制御される。また、エンジンコントローラ101は、第2光強度調整部104に、基準電圧Vref21を入力する。ここでは、図示を省略しているが、基準電圧Vref21は、PWM信号PWM2の信号のパルス幅によって決定され、エンジンコントローラ101によって制御される。なお、基準電圧Vref11、Vref21は、エンジンコントローラ101からPWM信号を指示せずに、直接出力してもよい。
画像信号供給部124は、エンジンコントローラ101のLdrv信号とビデオコントローラ102からのVIDEO信号が入力されており、Data信号を第1スイッチング回路105へ出力されている。なお、VIDEO信号は、外部に接続されたリーダースキャナや、ホストコンピュータなどの外部機器から送られてくるプリントデータに基づく信号である。VIDEO信号は、例えば8ビット(=256階調)の多値信号(0~255)の画像データで駆動され、レーザ発光時間を決めるための信号である。なお、LD107を制御するための画像データが8ビット(=256階調)である場合は一例であり、画像データを例えば中間調処理後の4ビット(=16階調)や2ビット(4階調)の多値信号としてもよい。また、中間調処理後の画像データは二値化された信号であってもよい。
基準電圧Vref11は、通常発光量でLD107を発光させるための目標電圧として設定されている。また、基準電圧Vref21は、微少発光量の目標電圧として設定されている。第1スイッチング回路105は、パルス変調データ信号であるData信号によりオン・オフ動作する。第2スイッチング回路106は、エンジンコントローラ101からの入力信号Baseによりオン・オフ動作する。第1、第2スイッチング回路105、106は、LD107に接続されており、それぞれ第1、第2光強度調整部103、104からの駆動電流Idrv、IbをLD107に供給する。LD107の光量をモニターするフォトダイオード108(以下、PD108と称する)は電流電圧変換回路109に接続されており、受光量に応じたモニター電流Imを電流電圧変換回路109に流す。これにより、電流電圧変換回路109は、モニター電流Imをモニター電圧Vmに変換する。このモニター電圧Vmは第1、第2光強度調整部103、104に入力されている。
なお、図8では、エンジンコントローラ101とビデオコントローラ102とを別々に示しているが、その形態に限定されるわけではない。例えば、エンジンコントローラ101とビデオコントローラ102との一部或いは全部を同じコントローラで構築してもよい。また、図中点線枠で囲まれたレーザ駆動システム回路130についても、例えば、エンジンコントローラ101に一部或いは全てを内蔵させてもよい。
エンジンコントローラ101は、第2光強度調整部104を非サンプリング状態に設定するとともに、第2スイッチング回路106を入力信号Baseによりオフ動作状態にする。また、エンジンコントローラ101は、第1光強度調整部103をサンプリング状態に設定し、第1スイッチング回路105をData信号によりオンとし、LD107が通常発光状態になるように設定する。この第1光強度調整部103がサンプリング状態にある期間が、通常発光量のAPC動作中に相当する。この状態で、LD107が全面発光状態になると、電流電圧変換回路109がモニター電流Im1をモニター電圧Vm1に変換する。また、このモニター電圧Vm1が、目標値である第1の基準電圧Vref11と一致するように、第1光強度調整部103が駆動電流Idrvを制御する。非APC動作中、すなわち通常の画像形成時(画像信号が送られている時間)には、第1光強度調整部103が非サンプリング状態になり、Data信号に応じて第1スイッチング回路105がオン・オフ動作し、駆動電流Idrvにパルス幅変調を与える。
一方、エンジンコントローラ101は、第1光強度調整部103を非サンプリング状態に設定するとともに、第1スイッチング回路105をData信号によりオフ動作状態にする。また、エンジンコントローラ101は、第2光強度調整部104をサンプリング状態に設定し、第2スイッチング回路106を入力信号Baseによりオンとし、LD107が微少発光状態となるように設定する。この第2光強度調整部104がサンプリング状態にある期間が、微少発光量のAPC動作中に相当する。この状態で、LD107が光量の弱い状態での全面微少発光状態(点灯維持状態)になると、電流電圧変換回路109がモニター電流Im2(Im1>Im2)をモニター電圧Vm2に変換する。また、このモニター電圧Vm2が、目標値である第2の基準電圧Vref21と一致するように、第2光強度調整部104が駆動電流Ibを制御する。そして、非APC動作中、すなわち通常の画像形成時(画像信号が送られている時間)には、第2光強度調整部104が非サンプリング状態になり、光量が弱い状態での全面微少発光状態が維持される。
全面微少発光状態時の駆動電流Ibは、微少発光量P(Ib)となるように設定される。なお、微少発光量P(Ib)は、その発光量でレーザ照射されても感光ドラム1にトナーが実質的に付着しない発光量で、且つ、トナーかぶり状態を良好にするための発光量である。つまり、微少発光量P(Ib)は、感光ドラム1の表面の非画像部を露光量Ebg[μJ/cm2]で微少露光することにより、微少露光後の帯電電位Vd_bgを形成するためのLD107の発光量[W](単位時間当たりに発する光量)である。また、微少発光量P(Ib)は、LD107がレーザ発光する発光量であるものとする。仮に、微少発光量P(Ib)がレーザ発光に満たないLED発光の発光量であった場合、スペクトルの波長分布が大きく拡がり、レーザの定格の波長に対して広い波長分布になる。このため、感光ドラムの感度が乱れ、表面電位が不安定になってしまう。したがって、微少発光量P(Ib)は、LD107がレーザ発光する発光量である必要がある。
一方、通常の画像形成時の駆動電流Idrv+Ibは、通常発光量P(Idrv+Ib)となるように設定される。なお、通常発光量P(Idrv+Ib)は、その発光量でレーザ照射すると感光ドラム1へのトナーの付着が飽和状態となる発光量である。つまり、通常発光量P(Idrv+Ib)は、感光ドラム1の表面の画像部を露光量E[μJ/cm2]で露光することにより、露光電位Vlを形成するためのLD107の発光量[W](単位時間当たりに発する光量)である。
ここで、図4を参照して説明した帯電電圧Vcdcは、環境や感光ドラム1の劣化(使用状況)などによって可変に設定される。そして、画質維持の観点から、目標とする微少発光量P(Ib)もそれに応じて可変に設定する必要がある。例えばVdcdの値が大きくなったら、微少発光量も大きくなり、他方、Vdcdの値が小さくなったら微少発光量も小さくなる。そして、通常発光量でLD107を発光させるときには、以下のように図8の回路を動作させる。すなわち、第2光強度調整部104を非サンプリング状態に設定し、第2スイッチング回路106をオン動作させるとともに、第1光強度調整部103を非サンプリング状態に設定し、第1スイッチング回路105をオン動作させる。これによりLD107に駆動電流Idrv+Ibが供給される。また、第1スイッチング回路105のオフ状態とすることで駆動電流IbをLD107に供給することができる。このように、通常発光量P(Idrv+Ib)は、微少発光量P(Ib)に対して、パルス幅変調によるPWM発光量(加算発光量)P(Idrv)を重畳した発光量となる。これにより駆動電流でIb~Idrv+Ib間、すなわち発光量でP(Ib)~P(Idrv+Ib)間の2水準の発光が可能となる。さらに、通常発光量P(Idrv+Ib)においては、パルスデューティーに従う時間でのレーザ発光が微少発光量P(Ib)をベースに行われる。
以上、図8を参照して、LD107の1つの発光部107Aを発光させるための回路について説明した。本実施例では、LD107は2つの発光部107A、107Bを備える所謂マルチビーム構成である。図9は、LD107の2つの発光部107A、107Bを発光させるための回路を示している。図8におけるものと同一又は対応する機能を有する要素には同一の符号を付している(第1発光部107Aのための要素の符号にはA、第2発光部107Bのための要素の符号にはBを付している)。図9に示す回路は、基本的には、図8の点線130枠内で囲まれた部分が、第1、第2発光部107A、107Bに対して1つずつ設けられた構成を有する。ただし、PD108、電流電圧変換回路109は共通である。図9において、概略、点線130A、130B枠内で囲まれた部分が、それぞれ第1、第2発光部107A、107Bに対するレーザ駆動システム回路に相当する。したがって、図9の点線130A、130B枠内で囲まれた回路の、それぞれ第1、第2発光部107A、107Bに対する動作は、図8を参照して説明したものと同じである。
7.LDの発光量の補正の必要性
感光ドラムの使用量が増加すると感光ドラム表面は帯電手段の放電により劣化し、また、感光ドラム表面はクリーニング手段と摺擦することにより削れ、その表層の膜厚(本実施例では電荷輸送層の厚み)が薄くなる。このとき、使用状況(例えば累積回転数)の異なる感光ドラムが混在すると、各感光ドラムの膜厚はばらつく。この状態で、図4に例示したような共通化高圧電源により、複数の感光ドラムに一定の帯電電圧Vcdcを印加すると、帯電ローラと感光ドラムとの間のエアギャップに生じる電位差が異なるため、帯電電位Vdがばらつく。具体的には、画像形成回数の少ない感光ドラムは膜厚が厚く、帯電ローラと感光ドラムとの間のエアギャップに生じる電位差が小さいため、帯電電位Vdの絶対値が小さくなる。他方、累積回転数の多い感光ドラムは膜厚が薄く、帯電ローラと感光ドラムとの間のエアギャップに生じる電位差が大きいため、帯電電位Vdの絶対値が大きくなる。
そして、例えば膜厚の厚い感光ドラムにおいて、現像電位Vdcと帯電電位VdのコントラストであるバックコントラストVback(=Vd-Vdc)が所望状態となるよう現像電位Vdcと帯電電位Vdを設定すると、次のような問題がある。すなわち、図10(a)に示すように、膜厚の薄い感光ドラムを有する画像形成ステーションでは、帯電電位Vdの絶対値が大きくなり、バックコントラストVbackが大きくなってしまう。バックコントラストVbackが大きくなると正規の極性に帯電できなかったトナー(本実施例のように反転現像の場合は、負極性にならず0~正極性に帯電したトナー)が現像ローラから感光ドラム上の非画像部に転移して、かぶりが発生する。また、感光ドラムの膜厚が薄い画像形成ステーションは、帯電電位Vdが上昇するため露光量(露光強度)が一定の構成では、露光電位Vlも上昇する。そのため、現像電位Vdcと露光電位Vlの差分値である現像コントラストVcont(=Vdc-Vl)が小さくなり、現像ローラから感光ドラム上の画像部に静電的にトナーを十分に転移させることができず、ベタ黒画像の濃度薄が発生し易くなる。
一方、図10(b)に示すように現像電圧、帯電電圧を固定し、露光量をE1からE2に変化させると、各露光量の個別制御により現像電位Vdcと露光電位Vlの差分値である現像コントラストVcontを略一定に制御できる。したがって、濃度を一定に保つことができる。しかしながら、現像電位Vdcと帯電電位VdのコントラストであるバックコントラストVbackが広がってしまい、上述したようにかぶり発生の問題が残ってしまう。
そこで、本実施例では、図10(c)に示すように、各LD107a~107dの微少発光量及び通常発光量を、各感光ドラム1a~1dの残り寿命に関連させて変更することで補正する。これにより、微少露光量Ebg1を微少露光量Ebg2に補正し、通常露光量E1を通常露光量E2に補正する。その結果、図4に例示したような電源構成とした場合においても、簡易な構成で各感光ドラム1a~1dの非画像部の帯電量(Vd_bg)及び画像部の帯電量(Vl)を適切に制御することでき、かぶりや濃度薄の発生を抑制することができる。
8.LDの発光量の補正
次に、図11のフローチャートを用いてLD107の発光量の補正を行う処理を説明する。図11に示す処理は、エンジンコントローラ101のCPUによって実行される。ここでは、LD107の発光量の補正の基本的な動作を説明するため、後述する微少発光間引き制御を行わないものとする。
まず、ステップ(以下、Sとする)101にて、エンジンコントローラ101は、各画像形成ステーションUの記憶部材17から、感光ドラム1の残り寿命に関する情報として感光ドラム1の積算回転数の情報を読み込む。なお、本実施例では、各画像形成ステーションUの記憶部材17は、各画像形成ステーションUa~Udに設けられたメモリタグである。なお、この情報の記憶手段は、必要な情報を記憶することができれば、例えばエンジンコントローラ101内のRAMやEEPROMでもよい。
ここで、感光ドラム1の残り寿命に関する情報は、感光ドラム1がどれ程回転したか又は使用されたかの使用状況(使用量)に関する情報と言いかえることもできる。したがって、感光ドラム1の残り寿命に関する情報としては、典型的には感光ドラム1の積算回転数を挙げることができる。また、感光ドラム1の残り寿命に関する情報は、感光ドラム1の感度特性に関する情報とも言いかえることもできる(図3)。また、感光ドラム1の残り寿命に関する情報の変形例として、感光ドラム1の膜厚に関する情報を挙げることができる。感光ドラム1の膜厚に関する情報としては、上記感光ドラム1の積算回転数の他、例えば、中間転写ベルト10の回転数、帯電ローラ2の回転数、用紙サイズを加味したプリント枚数の情報を挙げることができる。また、直接感光ドラム1の膜厚を検知する手段を各感光ドラム1に対応させて設け、その検出結果を各感光ドラム1の残り寿命に関する情報としてもよい。また、帯電ローラ2に流れる帯電電流値や、感光ドラム1を駆動するモータのモータ駆動時間、帯電ローラ2を駆動するモータの駆動時間などを感光ドラム1の残り寿命に関する情報としてもよい。
S102にて、エンジンコントローラ101は、感光ドラム1の積算回転数(感光ドラム1の使用状況)と通常露光量のパラメータとの対応関係が定められた図12に示すようなテーブルを参照する。図12のテーブルについては後述して更に説明する。感光ドラム1ごとにS101で取得された情報は異なり得る。したがって、エンジンコントローラ101は、感光ドラム1ごとに、図12のテーブルを参照する。そして、エンジンコントローラ101は、S101で取得した積算回転数の情報に基づいて、LD107a~107dの通常露光量のパラメータとして、通常発光量(mW)に対応する前述の基準電圧Vref11を設定する。S102の処理により、エンジンコントローラ101は、各感光ドラム1の露光電位Vlを各感光ドラム1の感度特性によらず、目標電位、或いは許容される範囲の電位にするための通常発光量の設定を取得する。そして、この取得した設定で、LD107a~107dを通常発光させることで、複数の感光ドラム1のそれぞれにおける通常露光後の露光電位Vlのばらつきを少なくとも小さくすることができ、所望の電位を実現できる。なお、各感光ドラム1の目標露光電位(Vref11に対応)は典型的には略同一であるが、場合によっては各感光ドラム1の特性に応じて個別に設定してもよい。
S102でのエンジンコントローラ101による動作を更に詳しく説明する。エンジンコントローラ101は、まず、取得された各感光ドラム1の積算回転数の情報に対応する発光量(mW)を、PWM信号指示によりVref11a~Vref11dとして設定する。なお、図12では説明のために発光量(mW)を示しているが、実際にはエンジンコントローラ101は、PWM信号指示によりこの発光量(mW)に相当する電圧値/信号を、Vref11a~Vref11dとして設定する。また、エンジンコントローラ101は、画像濃度0%の場合の通常露光のPWM値をPWMINに設定し、画像濃度100%の場合の通常露光のPWM値をPW255に設定する。そして、エンジンコントローラ101は、以下の式(1)により、任意の階調値n(=0~255)の画像データに対するパルス幅を設定する。
PWn=n×(PW255―PWMIN)/255+PWMIN・・・式(1)
式(1)によれば、n=0でPW0=PWMINとなり、n=255でPW255となる。そして、エンジンコントローラ101は、以後において、任意の階調値nの画像データによる発光を外部から指示されたときに、ここで設定した対応するパルス幅(PWn)に相当する電圧値/信号を、VIDEO信号aとして指示する。また、VIDEO信号b~dについても同様である。
次のステップの説明を行うと、S103にて、エンジンコントローラ101は、感光ドラム1の積算回転数に基づいて、微少露光量のパラメータとして、微少発光量(mW)に対応する前述の基準電圧Vref21を設定する。このS103でも、エンジンコントローラ101は感光ドラム1ごとに図12のテーブルを参照する。より具体的には、エンジンコントローラ101は、感光ドラム1ごとにS101で取得された積算回転数の情報に対応するVref21値(PWM値)を読み出し、Vref21a~Vref21dに設定する。S103の処理により、エンジンコントローラ101は、各感光ドラム1の帯電電位Vdを感光ドラムの感度特性によらず、目標電位(補正後帯電電位Vd_bgの値)、或いは許容される範囲の電位にするための微少発光量の設定を取得できる。そして、レーザ駆動システム回路130が、取得した設定でAPCを行い、その制御のもと、LD107a~107dを微少発光させることで、複数の感光ドラム1のそれぞれにおける背景部(非画像部)の補正後帯電電位のばらつきを少なくとも小さくできる。なお、各感光ドラム1の目標微少露光電位(Vref21値に対応)は典型的には略同一であるが、場合によっては各感光ドラム1の特性に応じて個別に設定してもよい。
このように、S102及びS103の処理により、感光ドラム1ごとにその残り寿命に関連して、適切に微少露光用の微少発光量及び通常露光用の通常発光量を設定することで、感光ドラム1の非画像部及び画像部の露光量を適切に設定することが可能となる。
なお、S102、S103においては、エンジンコントローラ101が図12のテーブルを参照するものとして説明したが、必ずしもその形態に限定されない。例えばエンジンコントローラ101におけるCPUが計算式を演算する構成としてもよい。つまり、CPUが演算を行い、感光ドラム1の残り寿命に関するパラメータ(例えば感光ドラムの積算回転数)から所望の設定値(Vref11a~Vref11dやVref21a~Vref21d)を得るようにしてもよい。また、例えば式(1)で演算した値の全てを予めテーブルに記憶保持しておくようにし、そのテーブルをエンジンコントローラ101がその都度参照するようにしてもよい。また、記憶部材17に、図3に示したような、感光ドラム1の各使用状況に対応させた感度特性を複数通り記憶保持しておいてもよい。この場合、エンジンコントローラ101が、取得された感光ドラム1の使用状況に関する情報に応じて感度特性を特定し、更に特定された感度特性と所望とする感光ドラム電位とから必要な露光量[μJ/cm2]を演算する。そして、エンジンコントローラ101が、その都度求められた露光量[μJ/cm2]から、上記S102、S103で設定したものに対応する発光量のパラメータを設定する。
図11の説明に戻ると、S104において、エンジンコントローラ101の制御指示のもと、図1で説明した一連の画像形成動作及び制御を各部材が実行する。また、S105にて、エンジンコントローラ101は、一連の画像形成で回転させた感光ドラム1a~1dの回転数をそれぞれ計測する。なお、この計測の処理は感光ドラム1の使用状況を更新するために行われる。また、このS105は実際にはS104の処理に並行して行われている。
エンジンコントローラ101は、画像形成が終了したか否かをS106で判断し、S106で画像形成が終了したと判断するとS107へ処理を移行させる。S107にて、エンジンコントローラ101は、S105で計測された各感光ドラム1の計測結果を、対応する積算回転数に加算し、S108にて、それら更新後の積算回転数を各画像形成ステーションUの不揮発性の記憶部材17に保存する。このS108の処理で、感光ドラム1の残り寿命に関する情報が更新される。なお、ここでの保存先としては、S101で説明したように記憶部材17とは別の記憶部でもよい。
ここで、図12の補正テーブルについて更に説明する。図12は、エンジンコントローラ101が、図11のS102及びS103にて参照するテーブルの一例を示した図である。図12のテーブルは、感光ドラム1の残り寿命に関する情報(図中では感光ドラム1の積算回転数)と、微少発光量や通常発光量の設定と、が対応付けられたテーブルである。図12中では、発光量の設定として、便宜上発光量(mW)を示しているが、前述のように、この発光量(mW)に相当する基準電圧Vref11a~Vref11d、或いはこの基準電圧を指定するPWM値が設定されていてよい。また、図12中の発光量は、図3に例示したような感度特性に基づいて感光ドラム1の表面を所望の帯電量とするの必要な微少露光量[μJ/cm2]、通常露光量[μJ/cm2]に応じて、予め設定されている。図12中では、微少発光量や通常発光量は、LD107の全体(すなわち、第1、第2発光部107A、107Bの両方)で必要な発光量を示している。本実施例では、詳しくは後述する微少発光間引きを行わない場合は図12に示す発光量を2等分した発光量がそれぞれ第1、第2発光部107A、107Bに必要となるものとする。また、図12中では、通常発光量は、微少発光量に重畳する分の発光量(加算発光量)を加算した値を示している。実際には、通常露光時の発光量でLD107を発光させるための加算発光量に対応した設定が、Vref11或いはそれに対応するPWM値で設定されている。そして、この図12に示すようなテーブルをエンジンコントローラ101が参照することで、帯電後の複数の感光ドラム1のそれぞれにおける背景部の表面電位のばらつきを無くす又は少なくとも小さくできる。また、通常露光後の複数の感光ドラム1のそれぞれにおける露光電位Vlのばらつきも無くす又は少なくとも小さくできる。図12に示すようなテーブルの情報は、予め設定されてエンジンコントローラ101のEEPROMに記憶されている。
なお、図12に例示するテーブルにおいては、微少発光量と通常発光量との双方が変化している。エンジンコントローラ101が、図12のテーブルを参照することで、感光ドラム1の累積回転数に連動し、微少発光量のみならず通常発光量をも適切に設定できる。微少発光量及び通常発光量は、感光ドラム1の特性に鑑み、感光ドラム1の積算回転数に応じて線形に増加させてもよいし、非線形に増加させてもよい。
9.微少発光間引き制御
前述のように、レーザ素子を通常発光量と微少発光量とで使用する場合、レーザ素子のチップ面光量(発光輝度、発光強度、発光量、発光レベル)の使用範囲は大きくなる。そして、感光ドラム1の膜厚や材質、寿命、或いはレーザスキャナの光学効率などの条件によって、微少発光量の使用範囲の最小値がレーザ素子のチップ面光量の下限保証値を下回ってしまう場合がある。その場合、感光ドラム1の表面の帯電量を最適化することができない。
そこで、本実施例では、2ビーム半導体レーザダイオードの各発光部を微少発光量で発光させる際に、各発光部のチップ面光量の下限保証値未満を使用する必要がある場合に、2ビーム半導体レーザダイオードの任意の発光部ごとに微少発光の間引きを行う。これにより、感光ドラム1の表面の帯電量を最適化することを可能とする。
微少発光間引き制御について、画像形成における解像度が600dpi×600dpiである場合における一例を説明する。このとき、画像形成における1dot幅(主走査方向、副走査方向のそれぞれ)は42.3μmであり、レーザスポットのスポット径は図6に示した通り(主走査方向80μm、副走査方向90μm)であるものとする。
図13は、本実施例の画像形成装置100において微少発光間引きを行った場合の、露光装置31によるレーザ走査のタイミングチャートの一例である。図13において、横軸は時間(t)、縦軸は第1発光部107A及び第2発光部107Bの発光量(チップ面光量)を示している。
図13における画像領域とは、通常発光量にてポリゴンミラー133のポリゴン面133-1に露光されたレーザ光が、感光ドラム1の表面へと露光され得るタイミング(領域)のことである。また、図13における微少発光領域とは、微少発光量にてポリゴンミラー133のポリゴン面133-1に露光されたレーザ光が、感光ドラム1の表面へと露光され得るタイミング(領域)のことである。
図13において、時刻t0~t1及びt10~t11は、第1発光部107Aにおける通常発光用APCタイミングである。また、時刻t1~t3及びt11~t13は、第2発光部107Bにおける通常発光用APCタイミングである。
また、図13において、時刻t2~t3及びt12~t13は、BD信号検出タイミングである。このとき、時刻t2~t3のBD検出タイミングから、時刻t12~t13のBD検出タイミングまでを1走査とする。より詳細には、時刻t2~t12、或いは時刻t3~t13を1走査とする。
また、図13において、時刻t3~t4は、第1発光部107Aにおける微少発光用APCタイミングである。また、時刻t9~t10は、第2発光部107Bにおける微少発光用APCタイミングである。
さらに、図13において、時刻t4~t5及びt8~t9は、無発光タイミング(無発光領域)である。また、時刻t5~t8は、微少発光タイミング(微少発光領域)である。また、時刻t6~t7は、通常発光タイミング(画像領域)である。
そして、以上の1走査における各動作(領域)が、画像形成が完了するまで繰り返し行われる。
主走査方向において、微少発光領域は、画像領域よりも広く、画像領域は微少発光領域の内側に収まる。また、本実施例では、主走査方向において、微少発光領域は、記録材Pの端部間に対応する領域よりも広く、該記録材Pの端部間の領域は微少発光領域の内側に収まる。また、本実施例では、主走査方向における微少発光領域の幅は、主走査方向における感光ドラム1の感光領域(有効領域)と同等である。また、本実施例では、APCは、微少発光領域の外側の領域、特に本実施例では無発光領域を挟んで微少発光領域とは反対側の領域において行われる。また、本実施例では、微少発光間引き制御によって、微少発光領域内且つ画像領域外の領域、及び画像領域内の非画像部に対応する領域において消灯する発光部(第1発光部107A又は第2発光部107B)についても、微少発光用APCは行われる。これは、本実施例では微少発光量に加算発光量分を重畳させて通常発光量を得ているため、通常発光量を安定させるためである。このとき、微少発光間引き制御によって消灯する発光部(第1発光部107A又は第2発光部107B)の微少発光用APCは、チップ面光量の下限保証値より大きい発光量(典型的には微少発光間引き制御によって消灯しない発光部と同じ発光量)で行われる。
なお、APCの実行頻度は、第1、第2発光部107A、107Bごとの通常発光用、微少発光用のそれぞれについて独立して、次のように設定することができる。つまり、レーザ走査ごとであってもよいし、ページごと(ページの最初の1走査のみ)であってもよいし、或いは所定数(2以上)のレーザ走査ごとであってもよい。ただし、特に微少発光用APCを1ジョブの中で複数回実行することで、1ジョブの中を通して帯電電位Vdをより適切に維持でき、反転かぶりや正かぶりをより良好に抑制することができる。
ここで、例えば図11を参照して説明したLD107の発光量の制御において、LD107の全体の通常発光量を8.0[mW]、微少発光量を0.30[mW]としてレーザ駆動制御を行う必要があると判断されたものとする。また、本実施例では、2ビーム半導体レーザダイオードであるLD107の第1、第2発光部107A、107Bのそれぞれのチップ面光量の下限保証値は0.20[mW]であるものとする。前述のように、本実施例では、微少発光間引きを行わない場合は、上記LD107の発光量の制御において図12のテーブルを参照して求められたLD107の発光量を2等分した発光量が、それぞれ第1、第2発光部107A、107Bに必要になる。したがって、この例の場合、LD107の第1、第2発光部107A、107Bは、それぞれ通常発光量を4.0[mW]、微少発光量を0.15[mW]としてレーザ駆動制御を行う必要がある。この例の場合、上述のように、LD107の第1、第2発光部107A、107Bのそれぞれのチップ面光量の下限保証値は0.20[mW]である。そのため、この例の場合、上記求められた値では、微少発光時にLD107の第1、第2発光部107A、107Bをチップ面光量の下限保証値未満で使用することになる。
なお、チップ面光量とは、レーザ光を出射するレーザ素子の端面における光量である。ここでは、レーザ素子の発光量とはこのチップ面光量のことをいう。また、チップ面光量の下限保証値とは、レーザ光を出射するレーザ素子(或いは各発光部)が出射可能なレーザ光の光量の下限値(最も小さい光量値)である。典型的にはメーカーが保証している発光量の下限値が該当する。図12のテーブルからわかるように、本実施例では、感光ドラム1の使用初期において、LD107を微少発光させる場合に必要となる合計の微少発光量を2等分した光量は0.15[mW]となる。そのため、本実施例では、感光ドラム1の使用初期において、各発光部107A、107Bの発光量がチップ面光量の下限保証値未満となってしまう。なお、各発光部のチップ面光量の下限保証値は典型的には略同一であるが、場合によっては各発光部の特性に応じて異なっていてもよい。その場合、発光部ごとに下限保証値未満で使用しないようにしたり、複数の異なる下限保証値のうち最も大きい下限保証値未満で使用しないようにしたりすることができる。
そこで、本実施例では、上記例の場合、図13に示すように、第1発光部107Aについては、微少発光量を0.30[mW]に設定して、上述のようにLD107の全体で必要とされる微少発光量を2等分した微少発光量0.15[mW]の2倍とする。そして、第2発光部107Bについては、時刻t5~t8の微少発光領域において微少発光を行わないようにして(微少発光を間引いて)、レーザ駆動制御を行う。一方、通常発光量は、第1、第2発光部107A、107Bのいずれについても4.0[mW]に設定する。すなわち、第2発光部107Bでは、微少発光領域内且つ画像領域外の領域での微少発光、及び画像領域内の非画像部に対応する領域での微少発光を行わない。これにより、微少発光領域内におけるLD107の全体での微少発光量は0.30[mW]となり、1走査ごとの平均微少発光量は上述のように求められたLD107の全体で必要とされる微少発光量と同じとなる。つまり、LD107を各発光部107A、107Bのチップ面光量の下限保証値以上の発光量で発光させつつ、1走査ごとの平均微少発光量としては、上述のように求められた必要な微少発光量と略等しい発光量が得られる。そのため、感光ドラム1の表面の帯電量(表面電位)を最適な帯電量に設定することができる。なお、前述のように、微少発光領域で微少発光を停止する第2発光部107Bについても、微少発光用APCは行われる。
このように、微少発光間引きを行う場合に微少発光領域で微少発光する第1発光部107Aの微少発光量は、チップ面光量の下限保証値以上であり、かつ、微少発光間引きを行わない場合における微少発光量よりも大きい。また、微少発光間引きを行わない場合と微少発光間引きを行う場合とで、LD107の全体での微少発光量は略等しい。特に、本実施例では、LD107は2つの発光部107A、107Bを有しているので、微少発光間引きを行う場合は、微少発光領域で微少発光する発光部の微少発光量は、微少発光間引きを行わない場合の微少発光量の整数倍である2倍の発光量とする。
図14(a)、(b)は、微少発光間引きを行わない場合と行う場合とでの、感光体上に結像するビームスポットの模式図である。図14(a)、(b)の横軸方向は主走査方向、縦軸方向は副走査方向に対応する。図14(a)は、微少発光間引きを行わない場合における1dot幅とスポット径との関係を示す。また、図14(b)は、微少発光間引きを行う場合における1dot幅とスポット径との関係を示す。本実施例では、副走査方向の1dot幅(1ライン幅)は42.3μmである。また、本実施例では、感光ドラム1上でのビームスポットの副走査方向の幅(スポット径)は90μである。したがって、微少発光領域において第2発光部107Bの微少発光を行わない場合でも、副走査方向において隣接する微少発光によるビームスポット同士は一部が重なる。これにより、微少発光間引きを行う場合でも、感光ドラム1の回転方向(副走査方向)における微少露光量のムラを低減して、微少露光による感光ドラム1の表面の帯電量の均一性を高めることができる。
図15は、本実施例における、微少発光間引き制御を含むLD107の発光量の補正を行う処理のフローチャート図である。図15に示す処理において、図11を参照して説明したLD107の発光量の補正を行う処理の基本的な動作と実質的に同じ動作(処理)については、同一のステップ番号を付して、詳しい説明は省略する。図15に示す処理は、エンジンコントローラ101のCPUによって実行される。
エンジンコントローラ101は、S103の処理により微少発光量の設定を取得した後、取得した設定においてLD107の各発光部107A、107Bの微少発光量が、該各発光部107のチップ面光量の下限保証値以上であるか否かを判断する(S201)。このとき、本実施例では、前述のように図12のテーブルでは微少発光量の設定はLD107の全体での微少発光量として設定されている。そのため、その微少発光量を2等分した各発光部107A、107Bに必要な微少発光量とチップ面光量の下限保証値とが比較される。下限保証値に関する情報は、エンジンコントローラ101のEEPROMに予め記憶されている。
そして、エンジンコントローラ101は、S201において下限保証値以上であると判断した場合は、処理をS104に進めて、以後微少発光間引きを行わずに図11を参照して説明したのと同様の処理を行う。
一方、エンジンコントローラ101は、S201において下限保証値未満であると判断した場合は、微少発光間引きを行うことを決定する(S202)。また、このとき、エンジンコントローラ101は、微少発光領域で微少発光を停止する発光部と、微少発光領域で微少発光する発光部における微少発光量と、を決定する。本実施例では、微少発光領域で微少発光を停止する発光部は第2発光部107Bとする。また、本実施例では、微少発光領域で微少発光する発光部の微少発光量は、S201で下限保証値と比較した各発光部107A、107Bに必要な微少発光量の2倍、すなわち、S103で取得したLD107の全体で必要な微少発光量とする。その後、エンジンコントローラ101は、微少発光間引きを行って図11を参照して説明したのと同様の処理を行う。
なお、本実施例では、LD107の各発光部107A、107Bに必要な微少発光量を求めて、その微少発光量と下限保証値とを比較することで、微少発光間引きを行うか否か、及び微少発光領域で微少発光する発光部の微少発光量を求めた。しかし、本発明は斯かる態様に限定されるものではない。例えば、図16に示すような感光ドラム1の残り寿命(使用状況)に関する情報と、微少発光間引きを加味したLD107の各発光部107A、107Bの微少発光量、通常発光量の設定との関係を示すテーブルなどを参照して、各発光量を決定してもよい。
また、本実施例では、画像形成装置100は、感光ドラム1の残り寿命(使用状況)に関する情報(感光ドラム1の膜厚と相関する情報)に応じて、通常発光量及び微少発光量を変化させる構成とされている。そして、本実施例では、斯かる構成において、感光ドラム1の残り寿命に応じて微少発光時にLD107の各発光部107A、107Bをチップ面光量の下限保証値未満で使用する必要がある場合にのみ、微少発光間引きを行った。しかし、本発明は斯かる態様に限定されるものではない。例えば、複数の発光部を用いて全体の発光量を増加したいものの、複数の発光部を用いた場合には感光ドラムの使用状況などの要因によらず各発光部の微少発光量の使用範囲の最小値がチップ面光量の下限保証値を下回ってしまう構成などが考えられる。このような構成の場合、感光ドラムの使用状況などの要因によらず、常に本実施例と同様の微少発光間引きを行ってレーザ駆動制御を行ってもよい。
このように、本実施例では、制御手段101は、走査手段133による発光素子107からの光の1回の走査において、第1発光部107Aを、画像部に照射するための通常発光量で通常発光させると共に、該通常発光量よりも小さい非画像部に照射するための微少発光量で微少発光させ、第2発光部107Bを、画像部に照射するための通常発光量で通常発光させる一方、該通常発光量よりも小さい非画像部に照射するための微少発光量での微少発光は行わせない制御(微少発光間引き制御)を行うことが可能である。本実施例では、制御手段101は、非画像部に照射するための発光素子107の発光量を得るために第1発光部107A及び第2発光部107Bの両方を発光させた場合の第2発光部107Bの発光量を求める。そして、制御手段101は、該発光量が所定の発光量未満の場合に微少発光間引き制御を行う。このとき、微少発光間引き制御を行う場合の第1発光部107Aの微少発光量は、上記求められた第2発光部107Bの発光量よりも大きい。換言すると、本実施例では、制御手段101は、非画像部に照射するための発光素子107の発光量を発光素子107が備える発光部の数で等分した発光量が所定の発光量未満の場合に微少発光間引き制御を行う。このとき、微少発光間引き制御を行う場合の第1発光部107Aの微少発光量は、上記等分した発光量よりも大きい。また、本実施例では、上記所定の発光量は、発光素子107が備える各発光部の下限保証値である。また、本実施例では、微少発光間引き制御を行う場合に、上記所定の方向(主走査方向)と直交する方向(副走査方向)において隣接する、非画像部に照射される光のスポット同士は、一部が重なる。また、本実施例では、画像形成装置100は、感光体1の残り寿命に関する情報を取得する取得手段17を有する。そして、制御手段101は、取得手段の取得結果に基づいて、非画像部に照射するための発光素子107の発光量を変更可能である。換言すると、画像形成装置100は、感光体1の表層の膜厚に関する情報を取得する取得手段を有していてよい。そして、制御手段101は、この取得手段の取得結果に基づいて、非画像部に照射するための発光素子107の発光量を変更可能であってよい。また、本実施例では、画像形成装置100は、感光体1と、帯電手段2と、光照射手段31と、現像手段4と、をそれぞれが備えた複数の画像形成部Uを有している。この場合、複数の画像形成部Uの帯電手段2、又は複数の画像形成部Uの帯電手段2及び現像手段4には、共通の電源から電圧が供給されてよい。そして、この場合、制御手段101は、その複数の画像形成部Uの光照射手段31をそれぞれ独立して制御可能であるものとする。
以上のように、本実施例によれば、2ビーム半導体レーザダイオード107の各発光部107A、107bをチップ面光量の下限保証値以上のチップ面光量にて駆動することができる。したがって、感光ドラム1の表面の帯電量を最適値に設定することが可能となる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能或いは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例1では、露光装置31のレーザ素子であるLD107は2つの発光部107A、107Bを有していたが、レーザ素子が有する発光部の数は2つに限定されるものではない。レーザ素子が有する発光部の数は3つ以上であってもよい。
図17は、LD107が3つの発光部、すなわち、第1、第2、第3発光部107A、107B、107Cを有する場合の、微少発光間引きを行わない場合と行う場合とでの、感光体上に結像するビームスポットの模式図である。図17(a)は、微少発光間引きを行わない場合における1dot幅とスポット径との関係を示す。また、図17(b)は、微少発光間引きを行う場合における1dot幅とスポット径との関係を示す。ここでは、微少発光間引き制御において、第1、第2、第3発光部107A、107B、107Cのうち第2発光部107Bの微少発光を停止した場合を示している。なお、本実施例における1dot幅とスポット径は実施例1と同じであるものとする。
この場合も、微少発光間引きを行う場合に微少発光領域で微少発光する第1、第3発光部107A、107Cのそれぞれの微少発光量は、チップ面光量の下限保証値以上であり、かつ、微少発光間引きを行わない場合における微少発光量よりも大きい。また、微少発光間引きを行わない場合と微少発光間引きを行う場合とで、LD107の全体での微少発光量は略等しい。なお、微少発光間引きを行う場合に微少発光領域で微少発光する発光部が複数ある場合には、典型的にはこれら複数の発光部の微少発光量は略同一であるが、所望により異ならせてもよい。
また、この場合も、副走査方向において中央の第2発光部107Bの微少発光を停止することなどにより、副走査方向において隣接する微少発光によるビームスポット同士は一部が重なるようにする。これにより、微少発光間引きを行う場合でも、感光ドラム1の回転方向(副走査方向)における微少露光量のムラを低減して、微少露光による感光ドラム1の表面の帯電量の均一性を高めることができる。微少発光間引きにおいて各発光部の微少発光を行うか否かは、感光ドラム1上でのビームスポットのスポット径と、画素数から算出される副走査方向の1ライン幅に応じて決定することができる。
以上のように、本実施例によれば、レーザ素子が3つの発光部107A、107B、107Cを有する構成においても、実施例1と同様の微少発光間引き制御を行うことで、実施例1と同様の効果を得ることができる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
例えば、上述の実施例では、本発明を所謂タンデム方式のカラー画像形成装置に適用した。本発明は、タンデム方式のカラー画像形成装置において、例えば複数の画像形成部の帯電手段、又は帯電手段及び現像手段に共通の電源から電圧が供給され、各画像形成部で感光体の帯電量を個別制御できない場合などに、特に有効であると言える。しかし、本発明は、例えば感光体を1つだけ有するモノクロ画像形成装置において、複数の発光部を備えた発光素子を有する光照射手段を用いる場合にも適用できるものである。これにより、例えば帯電手段や現像手段に電圧を供給する電源の制御能力によらず、適切な露光制御によって感光体の帯電量を適切に制御することが可能となる。
また、上述の実施例では、微少発光間引き制御において微少発光領域で微少発光を行わない発光部の発光は停止して発光量を0とした。しかし、例えば発光素子や駆動回路の構成などに応じて、微少発光間引き制御において微少発光領域で微少発光を行わない発光部の発光量が完全に0ではなく、適切な微少露光を行うのには満たない程度のわずかな発光が行われる場合があってもよい。この場合も、微少発光間引き制御において微少発光領域で微少発光を行わないことに含まれる。