JP7207924B2 - 温度検知装置及びこれを用いた画像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式等の画像形成装置として複写機やプリンタ等に用いられる電磁誘導加熱方式の画像加熱装置に用いられる温度検知装置及びこれを用いた画像加熱装置に関する。
近年、加熱回転体の発熱層を直接発熱させることができる電磁誘導加熱方式の画像加熱装置としての定着装置が提案されている。特許文献1には、加熱回転体の内部に励磁コイルと磁性体コアを配置し、加熱回転体の軸方向に交番磁界を発生させ、加熱回転体の周方向に発生する電流(周回電流)によって発熱する方式の定着装置が開示されている。
特開2014-26267号公報
ここで、電磁誘導加熱される回転体を用いる画像加熱装置の場合、他方式の画像加熱装置に比べて回転体の温度上昇が速い為、回転体の温度検知として応答性に優れた温度検知ができ、かつ記録材の巻き付けにも対応できることが望ましい。因みに、接触式のサーミスタは一般的に広く使用されている温度検知手段であるものの、応答性がやや劣る。また、非接触式のサーモパイルは応答性に優れているものの、回転体に記録材が巻き付くと正確な温度検知ができなくなる。
本発明の目的は、電磁誘導加熱される回転体の温度を応答性良く検知することができ、かつ記録材の巻き付けにも対応できる温度検知装置及びこれを用いた画像加熱装置を提供することにある。
また、本発明の一態様に係る温度検知装置は、発熱層を備える筒状の回転体と、前記回転体に挿通され、交流電流を流すことで前記回転体の回転軸方向に交番磁場を形成し、前記回転体の周方向に誘導電流を生じさせる磁場発生手段と、を備えた画像加熱装置に用いられる、前記回転体の表面温度を検知する温度検知装置であって、前記回転体の外側に配設される第1の磁性コアと、前記回転体の内側の前記第1の磁性コアと対向する位置に配設さる第2の磁性コアであって、前記回転体を通る磁路を前記第1の磁性コアと協働して形成する第2の磁性コア、前記第1の磁性コアもしくは前記第2の磁性コアに巻かれる検知コイルと、を備えており前記第1の磁性コアと前記第2の磁性コアの協働によって形成される前記磁路を通る磁束の、前記第1の磁性コアの出入り口と、前記第2の磁性コアの出入り口とが、前記回転軸方向に沿うように、前記第1の磁性コア及び前記第2の磁性コアが配置されていることを特徴とすることを特徴とする。
また、本発明に係る画像加熱装置は、上記温度検知装置を有することを特徴とする。
本発明によれば、電磁誘導加熱される回転体の温度を応答性良く検知することができ、かつ記録材の巻き付けにも対応できる温度検知装置及びこれを用いた画像加熱装置を提供することができる。
実施形態の画像加熱装置を搭載した画像形成装置の全体構成を示す横断面図 画像加熱装置としての定着装置Aの要部の横断側面図 定着装置Aの要部の斜視図 励磁コア部分の斜視図 励磁コイルに電流が増加している瞬間を示している概念図 CT方式の電流センサの測定原理の説明図 温度検知手段としての電流センサ構成を示した断面図 外側及び内側の磁性コアにより形成される磁路に磁束Φが発生することを表現した斜視図 磁性コアに磁束が発生しない場合の斜視図 外側及び内側の磁性コアとしてI字型コアを採用した場合の配置図 外側及び内側の磁性コアの一方にコの字型コアを採用した場合の配置図 外側及び内側の磁性コアとしてコの字型コアを採用した場合の配置図 外側及び内側の磁性コアを軸方向(長手方向)にずらした場合の配置図 検知コイルを磁性コアの中央部に配置した場合の配置図 検知コイルを磁性コアの端部に配置した場合の配置図 外側及び内側の磁性コアとしてクランク状の磁性コアを採用した場合の配置図 検知コイルをクランク状の磁性コアに配置した場合の配置図 定着フィルム温度と電流センサ出力の関係図 定着フィルム温度と定着フィルム抵抗の関係図 比較例としての接触式サーミスタを採用した場合の定着装置の横断側面図 比較例としての接触式サーミスタでの検知温度応答性を示す図 実施形態に係る電流センサでの検知温度応答性を示す図
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図1は、本発明の実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置を搭載した画像形成装置としてのカラーレーザービームプリンタ(以下、プリンタ)の全体構成を示す横断面図である。
プリンタ1の下部には、カセット2が引き出し可能に収納されている。カセット2は、記録材としてのシートPを積載収容する。カセット2からのシートPは分離ローラ3で1枚毎に分離され、レジストローラ4に給送される。プリンタ1は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応する画像形成ステーション5Y、5M、5C、5Kを、横一列に並設してある画像形成手段としての画像形成部5を備えている。
画像形成部5Yには、像担持体である感光ドラム6Y、その感光ドラム6Yの表面を均一に帯電する帯電手段7Yが設けられている。さらに、画像形成部5Yの下部にはスキャナユニット8が配設されている。スキャナユニット8は、画像情報に基づいて不図示のコンピュータ等の外部機器から入力され、画像処理手段によって生成されたデジタル画像信号に対応してオン/オフ変調されたレーザービームを照射して感光ドラム6Y上に静電潜像を形成する。
さらに、静電潜像にトナーを付着させてトナー像(トナー画像)として現像する現像手段9Y,感光ドラム6Y上のトナー像を静電転写ベルト10に転写する一次転写部11Yが配設されている。一次転写部11Yでトナー像が転写された静電転写ベルト10のトナー像は、画像形成部5M、画像形成部5C、画像形成部5Kで同様の工程を経て静電転写ベルト10上に重ね合わせられ、二次転写部12でシートPに転写される。その後、シートP上のトナー像は、定着装置Aを通過し、固着画像として定着される。さらにシートPは、排出搬送部13を通り、積載部14に排出・積載される。
なお、図1においてMは後に詳述する記憶手段であり、定着装置Aにおける定着フィルムの表面温度と電流センサの電流値とを対応付ける関数を記憶する。
(画像加熱装置)
本実施形態において、画像加熱装置としての定着装置Aは電磁誘導加熱方式の定着装置である。図2は本実施形態における定着装置A要部の横断側面図、図3は斜視図である。ここで、定着装置Aを構成する部材に関し、長手方向とは、記録材の搬送方向および記録材の厚さ方向に直交する方向である。
定着フィルム20は、基層20aの上に発熱体となる発熱層20bを設け、その上に弾性層20cと離型層20dを形成した可撓性を有する筒状の回転体である。基層20aとしては、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES等の絶縁性耐熱樹脂から作成される。本実施形態では、ポリイミド樹脂を型成型することにより、内径30mm、長手方向の長さ240mm、厚み約60μmの円筒状の基層20aを製造した。
発熱層20bとしては、以下に示すような材料が好ましい。すなわち、鉄、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、クロム、タングステン、これらを含むSUS304、ニクロム等の合金、または、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、カーボンナノチューブ樹脂等の導電体で、温度抵抗係数の絶対値が大きい材料である。形成方法としては、コート、メッキ、スパッタリング、蒸着等の手段がある。本実施形態では、無電解メッキ法でニッケルを約5μmの厚みで形成した。
弾性層20cとしては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性及び熱伝導率に優れた材質が好ましい。本実施形態では、厚み約200μmのシリコーンゴムで形成した。
離型層20dとしては、PFA、PTFE、FEP等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択することが好ましい。本実施形態では、厚み約15μmのPFA樹脂チューブを被覆する事で形成した。
定着フィルム20に対向する対向体で加圧部材としての加圧ローラ21は、芯金21aと、芯金周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた弾性層21bを備え、表層に離型層21cを設けてある。弾性層21bは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性がよい材質が好ましい。そして、芯金21aの長手方向における両端部は、装置の不図示のシャーシ側板金間に導電性軸受けを介して回転自由に保持させて配設してある。
また、図3に示すように、加圧用ステイ22の長手方向の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材23a、23bとの間に、それぞれ加圧バネ24a、24bを縮設することで、加圧用ステイ22に押し下げ力を作用させている。なお、本実施形態の定着装置Aでは、総圧約100N~300N(約10kgf~約30kgf)の押圧力を与えている。
これにより、耐熱性樹脂PPS等で構成されたスリーブガイド部材25の下面と加圧ローラ21の上面が、円筒形回転体である定着フィルム20を挟んで圧接して所定幅の定着ニップ部Nが形成される。スリーブガイド部材25は、加圧ローラ21と共に、定着フィルム20を介してトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成するニップ部形成部材として機能する。
加圧ローラ21は、不図示の駆動手段により反時計方向に回転駆動し、定着フィルム20の外面との摩擦力で定着フィルム20に時計方向の回転力が作用される。
図4は、図2の磁性コア26部分の長手方向を示す斜視図である。筒状の回転体である定着フィルム20の中空部に挿通されている磁性コア26は、その外周に励磁コイル27が巻かれている。磁性コア26は、円柱形状をしており、不図示の固定手段で定着フィルム20のほぼ中央に配置させている。
励磁コイル27の内部に設けられる磁性コア26は、励磁コイル27にて生成された交番磁界の磁力線(磁束)を定着フィルム20の発熱層20b内部に誘導し、磁力線の通路(磁路)を形成する役割がある。この磁性コア26の材質は、ヒステリシス損が小さく比透磁率の高い材料、例えば、焼成フェライト、フェライト樹脂等の高透磁率の強磁性体が好ましい。磁性コア26の断面形状は、定着フィルム20の中空部に収納可能な形状であれば良く、円形状である必要はないものの、断面積ができるだけ大きくできる形状が好ましい。本実施形態では磁性コア26の直径は10mmとし、長手方向の長さ280mmとした。
励磁コイル27は、耐熱性のポリアミドイミドで被覆した直径1~2mmの銅線材(単一導線)を、磁性コア26に20巻で螺旋状に巻いて形成した。励磁コイル27は、磁性コア26に定着フィルム20の軸方向に交差する方向に捲回されている。このため、この励磁コイル27に高周波電流を流すと、軸方向に平行な方向に交番磁界が発生し、定着フィルム20の発熱層20bに、後述する原理で誘導電流が流れて発熱する。
ここで、本実施形態における定着フィルム20の表面温度を検知する温度検知手段は、電流センサ30である。電流センサ30の構成及び原理の詳細については、後述する。定着フィルム20の温度は電流センサ30により電気信号として測定され、その電気的温度情報が不図示の制御回路部へ入力され、定着フィルム20の温度が所定の温度となるように制御される。
(加熱原理)
図5は、励磁コイル27に矢印I1の向きに電流が増加している瞬間を示している概念図である。励磁コイル27は、定着フィルム20に挿通され、交流電流を流すことで定着フィルム20の回転軸方向に交番磁場を形成し、定着フィルム20の周方向に誘導電流を生じさせる磁場発生手段として機能する。また、磁性コア26は、励磁コイル27にて生成された磁力線を誘導し、磁路を形成する部材として機能する。
図中Sは、定着フィルム20の一部分だけを模擬した回路の図である。定着フィルム20の発熱原理は、ファラデーの法則に従う。ファラデーの法則とは、「回路Sの中の磁界を変化させると、その回路の中に電流を流そうとする誘導起電力が生じ、誘導起電力は回路を垂直に貫く磁束の時間変化に比例する」というものである。
図5に示す磁性コア26の長手方向における中央部に回路Sを置き、励磁コイル27には高周波交流を流す場合を考える。高周波交流を流した場合、磁性コア26内部には交番磁界が形成される。その時、回路Sに発生する誘導起電力は以下の式に従い、垂直に貫く磁束の時間変化に比例する。
Figure 0007207924000001
V:誘導起電力
N:コイル巻き数
ΔΦ/Δt:微小時間Δtでの回路を垂直に貫く磁束の変化
この誘導起電力Vにより、定着フィルム20の発熱層20bに周回電流(誘導電流)Iが流れてジュール発熱する。このような加熱原理の本方式では、定着フィルム20自体が発熱する為、他方式の定着装置に比べて温度上昇が速い。よって、安定した温度制御を実施する為に、温度検知手段としては応答性に優れた方式が必要となる。
(本実施形態における温度検知手段の原理および構成)
1)温度検知手段の原理
以下、本実施形態における温度検知手段の原理について詳細説明する。定着フィルム20の発熱層20bは導電体で形成されているので、その抵抗値は温度依存性を有するのが一般的である。よって、抵抗値の変化を捉えることができれば、定着フィルム20の温度を推定することが可能となる。前述したように、発熱層20bには誘導起電力Vによる周回電流Iが流れるので、誘導起電力Vと周回電流Iの値が取得できれば、その比から定着フィルム20の抵抗値Rを算出することが可能となる。
ここで、誘導起電力の求め方について述べる。誘導起電力は、前述した式のように励磁コイル26によって発生される磁束Φの時間変化に比例する。磁束Φは励磁コイル26の電流量に比例するので、励磁コイル26に一般的な電流測定回路を接続して測定すれば誘導起電力Vを求めることができる。
一方、発熱層20bに流れる周回電流Iは、一般的な電流測定回路を接続して測定することができない。そこで、後述するように、本実施形態では非接触電流センサの一種であるCT方式電流センサの原理を応用する。図6は、CT方式電流センサの測定原理説明図である。測定導体に流れる交番電流I1によって、磁性コア内に磁束Φ1が発生する。発生した磁束Φ1を打ち消すように巻線には磁束Φ2が発生し、巻数比に応じた二次電流I2が流れてシャント抵抗両端に電圧が発生する。この電圧は、測定導体に流れている交番電流I1に比例するので、その電流量が判断できる。
ここで、誘導起電力Vを一定とする場合、定着フィルム20の温度を推定するにあたり、定着フィルムの抵抗値の変化を捉えることと、抵抗値の逆数に関連する定着フィルムの周回電流の変化を捉えることは、同じ技術的意味を持つこととなる。すなわち、図6に示したCT方式電流センサの原理を応用した非接触電流検出センサ(定着フィルムの表面温度に対応した電流値を取得する取得手段)を用いることで、定着フィルムの表面温度を応答性良く検知することができる。
なお、本実施形態とは測定原理が異なる非接触式のサーモパイルは応答性に優れているものの、回転体に記録材が巻き付くと正確な温度検知ができなくなる。これに対し、本実施形態に係る温度検知手段は、電磁誘導方式のため、回転体に記録材が巻き付いても正確な温度検知ができる。
2)温度検知手段の構成
次に、本実施形態における温度検知手段の構成について詳細説明する。図7、図8は、本実施形態における温度検知手段としての電流センサ30の構成を示した断面図である。
本実施形態において、誘導電流が形成される定着フィルム20の周方向の断面を、第1の断面とする。この第1の断面に対し交差する断面として、誘導電流の位置を取り囲む断面を第2の断面とする。そして、磁路形成手段により第2の断面において磁路を形成しておく。そして、この第2の断面に対し交差する断面として、第2の断面における磁路の一部を取り囲む断面を第3の断面とする。そして、電流値を取得する取得手段により、この第3の断面において定着フィルム20の表面温度に対応した電流値を取得する。
磁路形成手段としては、図8(図7)に示すように、定着フィルム20を挟んで定着フィルム20の外側に第1の検知用磁性コアとしての磁性コア30aを、定着フィルム20内側に第2の検知用磁性コアとしての磁性コア30bを配置する。同じ磁性コアであるが、磁性コア30a、30bは定着フィルム20の温度検知に係るものであり、一方、上述した磁性コア26は定着フィルム20の加熱に係るものである。
磁性コア30a、30bは、図10に示すように、定着フィルム20の長手方向に平行な形状(A形状)を備えるものでも良い。あるいは、図12に示すように、定着フィルム20の長手方向に平行な第1の領域と、定着フィルム20の長手方向に交差する第2の領域と、を有する形状(B形状)を備えるものでも良い。あるいは、磁性コア30a、30bの一方がA形状、他方がB形状を備えるものでも良い。
これより、磁性コア30a、30bの少なくとも一方はA形状を備える、あるいは磁性コア30a、30bの少なくとも一方はB形状を備えるものであれば良い。
本実施形態においては、磁性コア30aにはコの字型形状のものを採用し、磁性コア30bにはI字型形状のものを採用した。そして、磁性コア30aに検知コイル30cを巻いた。前述したCT方式電流センサと比較すると、本実施形態の構成は磁性コア部分が分割されている構成となっている。なお、本実施形態では磁性コア30aに検知コイル30cを形成したものの、原理的には検知コイル30cを磁性コア30bに形成しても良い。
そして、電流検知手段として、磁性コア30aに検知コイル30cを形成し、検知コイル30cの両端にシャント抵抗30dを接続する。前述したCT方式電流センサの原理により、検知コイル30cには発生した磁束を打ち消すように検知コイル30cの巻数比に応じた交番電流が流れ、シャント抵抗30d両端には電圧が発生する。この電圧は定着フィルム20に流れる周回電流に比例するので、シャント抵抗30d両端に出力される電圧値を一般的な電圧計で測定する事により、周回電流量が判断できる。
図8は、定着フィルム20に流れる周回電流Iによって、磁性コア30aと磁性コア30bで形成される磁路に磁束Φが発生することを表現した斜視図である。前述したCT方式電流センサの原理により、検知コイル30cには発生した磁束を打ち消すように検知コイル30cの巻数比に応じた交番電流が流れ、シャント抵抗30d両端には電圧が発生する。この電圧は定着フィルム20に流れる周回電流に比例するので、シャント抵抗30d両端に出力される電圧値を一般的な電圧計で測定することにより、周回電流量が判断できる。
磁性コア30a及び磁性コア30bに大きな磁束を発生させるには、定着フィルム20に流れる周回電流の向きと各磁性コアの向きの関係が重要である。図9に示すように、定着フィルム20の周方向に対して磁性コア30a及び磁性コア30bが平行配置されると、磁束はほぼ発生しないので、検知コイル30cにはほとんど電流が流れない。
また、磁性コア30a及び磁性コア30bに大きな磁束を発生させるには、磁性コア30aと磁性コア30bのギャップが狭い方が良い。つまり、磁性コア30a及び磁性コア30bは定着フィルム20に近い方が良い。これは、磁性コア30aと磁性コア30bのギャップが広いと、ギャップ部分から磁束が多く漏れて、検知コイル30cに発生する磁束が小さくなってしまう為である。
しかしながら、磁性コア30a及び磁性コア30bは定着フィルム20に接触しないような位置に配置する必要がある。そして、磁性コアに巻く検知コイル30cも定着フィルム20に接触しないように配置する必要がある(図10における距離H)。すなわち、メカ公差等の観点から、定着フィルム20の表面から検知コイル30cまで距離Hを確保する必要がある。このように、磁性コア30aとしてI字型コアを採用して検知コイル30cを巻いた場合、検知コイル30cの厚み分だけ磁性コア30aが定着フィルム面から遠ざける必要がある為、各磁性コアのギャップはg1となる。
一方、図11のように、検知コイル30cを巻く磁性コアとして、コの字型コアを採用し、検知コイル30cの厚みよりも長い足を持つコの字型コアにした場合、検知コイル30cの厚み分を考慮することなく配置できる。これにより、磁性コア30aと磁性コア30bのギャップはg2と小さくできる。定着フィルム20に接触しない一番近い位置に配置したということは同じであるものの、g1>g2となる為、コの字型コアを採用した場合の方が大きな磁束を発生させることが可能となり、より望ましい形状であると言える。
磁性コア30aと磁性コア30bのギャップを狭くするには、定着フィルム20との距離だけではなく、定着フィルム20の面方向における磁性コア30aと磁性コア30bの位置関係も重要である。図12に示すように、磁性コア30aと磁性コア30bとしてコの字型コアを用いた場合、各磁性コアの端面30a1、30a2、30b1、30b2が磁束の入口/出口となる。
図13のように、各磁性コアが定着フィルム20の軸方向(長手方向)にずれて配置されている場合、磁性コア30aと磁性コア30bのギャップは広くなり、磁束は大きくなりにくい。軸方向にずれた場合に限らず、周方向等にずれた場合も同様に磁束が大きくなりにくくなるのは言うまでもない。
また、磁性コア30aとして図14に示すようにI字型形状の磁性コアを採用した場合、検知コイル30cの位置も重要となる。例えば、図15に示すように検知コイル30cを磁性コア30aの端部に巻いてしまうと、検知コイル30cを巻いた側における磁束の出口/入口はI字型形状の端面30a3になってしまう。このため、各磁性コアの実質的にギャップが広い状態となり、磁束は大きくなりにくい。
一方、図14に示すように検知コイル30cを磁性コア30aの中央部に形成した場合は、磁束の出口/入口は定着フィルム20面に近い磁性コア側面30a5付近になるので、各磁性コア間の見かけ通りのギャップとなり、磁束は大きくなり易い。
各磁性コア30a、30bの磁束入口/出口が近くてギャップが狭くできるという観点では、図16に示すような形状の磁性コア30aを採用しても良い。すなわち、図12とは異なる形状で、定着フィルム20の長手方向に平行な第1の領域と、定着フィルム20の長手方向に交差する第2の領域と、を有する形状(C形状)を備えても良い。
図17は、図16で示した磁性コア30aを定着フィルム20上から見た図である。クランク状の中央部分に検知コイル30cを巻いた場合、検知コイル30cの向きは定着フィルム20に流れる電流と平行になるようになってしまう。しかしながら、磁路自体は磁性コア30aと磁性コア30bで形成されるので問題ない。
次に、定着フィルム20の表面温度と、本実施形態における電流センサ30の出力(図6の二次電流I2に相当)との関係を得る為の実験を行なった。励磁コイル27(図4)に一定の電流を流しつつ、赤外線サーモグラフィーカメラ(日本アビオニクス製TVS-8500)で定着フィルム20の表面温度を測定し、本実施形態における電流センサ30に流れる電流値をモニタした(図18)。
励磁コイル27に流れる電流は一定である為、発生する磁束も一定である。実験は、雰囲気温度25℃の環境下で実施した。励磁コイル27に電流を流し続ける為、定着フィルム20の表面温度は時間と共に上昇し、温度上昇するに伴って電流センサ30に流れる電流値は低下するという結果が得られた。なお、図18の縦軸である電流センサ30出力は、定着フィルム20表面温度が25℃時点での値で規格化してある。
横軸が定着フィルム20の表面温度であり、縦軸が電流センサ30の出力である図18に示す関数(定着装置Aにおける定着フィルムの表面温度と電流センサの電流値とを対応付ける関数)は、記憶手段M(図1)に記憶しておくことができる。
図18を基にして、定着フィルム20の抵抗値の温度依存性を求めたのが図19である。図18と図19の縦軸は、定着フィルムに係る電圧値を一定にしたときの電流値と抵抗値を示し、図18と図19において定着フィルムの温度と共に一方が上昇すれば他方は低下する関係を示している。
そして、図19のデータを基にして、定着フィルムの温調温度に対する定着フィルム抵抗を求め(例えば図19の縦軸の値として2)、電流センサ30の出力値が所定値(図18の縦軸の値として逆数の0.5)となるように励磁コイルへの電流量を制御する。すなわち、図18の縦軸であるセンサ出力の値が0.5の場合は定着フィルムが温調温度となり、センサ出力の値が0.5と異なる場合は定着フィルムが温調温度と異なる温度として検出されることとなる。このようにして、定着フィルム20の表面温度を所定温度に制御することが可能となる。
3)温度検知応答性の比較
本構成における向上した応答性を確認する為、温度検知手段として接触式サーミスタを採用した構成(比較例)と比較した。図20は、定着フィルム20の温度を検出する温度検知手段として接触式サーミスタを採用した構成(比較例)の定着器断面図である。温度検知手段が電流センサ30から接触式サーミスタ40に変更されているだけで、その他構成は同一である。
図20において、接触式サーミスタ40は、スリーブガイド部材25に固定して設置される。そして、接触式サーミスタ40は、定着フィルム20の内面に向かって延びているバネ弾性を有する支持部材としてのバネ板40aと、このバネ板40aの先端部に設置した温度検知素子としてのサーミスタ素子40bとからなる。
サーミスタ素子40bの表面は、電気絶縁性を確保する為に50μm厚ポリイミドテープで覆われている。そして、サーミスタ素子40bが、定着フィルム20の内面にバネ板40aのバネ弾性により押圧されて接触状態に保持される。サーミスタ素子40bは、定着フィルム20の内面温度を電気信号として測定し、その電気的温度情報が不図示の制御回路部へ入力され、定着フィルム20の温度が所定の温度となるように制御される。
ここで、励磁コイル27に流す交番電流を制御し、定着フィルム20表面温度を赤外線サーモグラフィーカメラで確認しつつ、温度検知手段として電流センサ30を採用した場合と、接触式サーミスタ40を採用した場合における温度検知の様子を比較した。図21は、比較例としての接触式サーミスタ40を採用した場合の実験結果である。横軸は時間で、縦軸は温度である。点線は赤外線サーモグラフィーカメラでの測定結果で、実線は接触式サーミスタ40での測定結果である。
比較例としての接触式サーミスタ40を用いた測定結果は、赤外線サーモグラフィーカメラの測定結果から時間遅れが生じており、応答速度が遅いと言える。一方、図22は本発明の実施形態の電流センサ30を採用した場合の実験結果である。点線は赤外線サーモグラフィーカメラでの測定結果で、実線は電流センサ30での測定結果である。接触式サーミスタ40の場合とは異なり、測定結果は赤外線サーモグラフィーカメラの測定結果とほぼ一致しており、本実施形態の電流センサ30を採用した場合の応答速度が速いことが確認できた。
上述した実施形態では、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。
上述した実施形態では、温度検知手段として、磁性コアを有するCT方式電流センサの原理を応用した例を説明したが、本発明はこれに限られず、原理的には、磁性コアを有しないロゴスキーコイル方式でも測定は可能である。また、CT方式ではなくホール素子方式の電流センサでも測定は可能であり、ホール素子と検知コイルを組み合わせたハイブリッドタイプの電流センサでも測定可能であることは言うまでもない。
20・・定着フィルム、27・・励磁コイル、30・・電流センサ、30a、30b・・磁性コア、30c・・検知コイル

Claims (8)

  1. 発熱層を備える筒状の回転体と、前記回転体に挿通され、交流電流を流すことで前記回転体の回転軸方向に交番磁場を形成し、前記回転体の周方向に誘導電流を生じさせる磁場発生手段と、を備えた画像加熱装置に用いられる、前記回転体の表面温度を検知する温度検知装置であって、
    記回転体の外側に配設される第1の磁性コアと、
    前記回転体の内側の前記第1の磁性コアと対向する位置に配設さる第2の磁性コアであって、前記回転体を通る磁路を前記第1の磁性コアと協働して形成する第2の磁性コア
    記第1の磁性コアもしくは前記第2の磁性コアに巻かれる検知コイルと、
    を備えており
    前記第1の磁性コアと前記第2の磁性コアの協働によって形成される前記磁路を通る磁束の、前記第1の磁性コアの出入り口と、前記第2の磁性コアの出入り口とが、前記回転軸方向に沿うように、前記第1の磁性コア及び前記第2の磁性コアが配置されていることを特徴とする温度検知装置。
  2. 前記第1の磁性コアおよび前記第2の磁性コアの少なくとも一方は、前記回転体の長手方向に平行な形状を備えることを特徴とする請求項に記載の温度検知装置。
  3. 前記第1の磁性コアおよび前記第2の磁性コアの少なくとも一方は、前記回転体の長手方向に平行な第1の領域と、前記回転体の長手方向に交差し且つ前記回転体の表面に垂直な第2の領域と、を有する形状を備えることを特徴とする請求項に記載の温度検知装置。
  4. 前記形状がコの字型であることを特徴とする請求項に記載の温度検知装置。
  5. 発熱層を備える筒状の回転体と、
    前記回転体に挿通され、交流電流を流すことで前記回転体の回転軸方向に交番磁場を形成し、前記回転体の周方向に誘導電流を生じさせる磁場発生手段と、
    前記回転体に対向する対向体と、
    前記対向体と共に、前記回転体を介してトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成するニップ部形成部材と、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載の温度検知装置と、を有することを特徴とする画像加熱装置。
  6. 前記磁場発生手段は、励磁コイルと、前記励磁コイルの内部に配置される磁性コアを備えることを特徴とする請求項に記載の画像加熱装置。
  7. 前記温度検知装置は、前記検知コイルからの出力に基づき前記回転体の温度を検知することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像加熱装置。
  8. 前記磁場発生手段は、励磁コイルと、前記励磁コイルの内部に配置される磁性コアを備え、
    前記温度検知装置は、前記検知コイルからの出力に基づき前記回転体の温度を検知し、
    前記検知コイルが検知する電流値が温調温度に対応した電流値となるように、前記励磁コイルに流れる電流が制御されることを特徴とする請求項に記載の画像加熱装置。
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