JP7207724B2 - 着色レンズ付き眼鏡の要否判断システム及び要否判断方法 - Google Patents

着色レンズ付き眼鏡の要否判断システム及び要否判断方法 Download PDF

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本発明は、スポーツする際に、例えばサングラスのような、着色されたレンズが眼鏡フレームに取り付けられている眼鏡(以下、着色レンズ付き眼鏡)をしたほうがよいかどうかを判断するための着色レンズ付き眼鏡の要否判断システム及び要否判断方法等に関するものである。
まぶしさを軽減するために例えば野外で行うスポーツではしばしば着色レンズ付き眼鏡を装用する。また、野外でなくとも夜間や室内において行うスポーツでは照明がまぶしければ着色レンズ付き眼鏡を装用する。このような着色レンズ付き眼鏡の一例としてサングラスの特許文献1を示す。
特開2012-220852号公報 図1
しかし、サングラスのような着色レンズ付き眼鏡を装用することでまぶしさが軽減されるとしても、場合によってはサングラスを装用することがスポーツの競技上好ましくない場合がある。例えば、球技においてはサングラスを通して球をゲーム対象として目で追うわけであるが、かえって球が見えにくくなってしまうことがある。出願人は視覚機能においてサングラスをすることでプレーする者が一律に球が見えにくくなってしまうわけではなく、スポーツをする環境の色調によってサングラスを装用すると球が見えにくくなったり、逆にサングラスを装用した方が球が見えやすくなる場合もあるという知見を得た。本発明は、着色レンズ付き眼鏡を装用することでまぶしさを軽減すると同時にゲーム対象が見やすくなるケースと、着色レンズ付き眼鏡を装用しないことでまぶしさは軽減できなくともゲーム対象はかえって見やすくなるケースを着色レンズ付き眼鏡毎に判断することができる着色レンズ付き眼鏡の要否判断システム及び要否判断方法を提供することにある。
上記課題を解決するための第1の手段として、被験者に着色されたレンズが眼鏡フレームに取り付けられている眼鏡(以下、着色レンズ付き眼鏡)を装用させた状態と着色レンズ付き眼鏡を装用させない状態とで、それぞれタッチパネルの画面の上のランダムな位置で繰り返し所定時間だけ表示されるマークをタッチするテストをさせ、それらのタッチ回数の差に基づいて着色レンズ付き眼鏡の必要性を判断する着色レンズ付き眼鏡の及び要否判断システムであって、制御手段によって前記マークが表示されるタッチパネルの画面の背景色を、スポーツをする環境の色調に模すようにした。
このように実際のスポーツをする環境の周囲の背景と同調した色調のタッチパネルを背景とし、被験者に着色レンズ付き眼鏡を装用させた状態と着色レンズ付き眼鏡を装用させない状態でタッチパネルの画面上にランダムに出没するマークをタッチさせてその数をチェックすることで、当該スポーツをする被験者においてその着色レンズ付き眼鏡が実際に必要かどうかを判断することが客観的に可能となる。つまり、実際に被験者がスポーツをする環境で動き回ることを想定してタッチパネルの画面前で動作をさせ、着色レンズ付き眼鏡を装用する場合と装用しない場合とを比較する際にマークの見やすさをタッチ数のカウント数の多さとしてそれを指標として判断するものである。
ここに「被験者」は、その着色レンズ付き眼鏡を装用してあるスポーツをすることを検討している者を想定している。
「着色レンズ付き眼鏡」は、例えばサングラスのように日差しや照明から眼を守るために着用するレンズを透過する光量や波長を制御した保護眼鏡のことである。サングラスには例えば度つきサングラスやいわゆるミラーグラスや、光によって濃度が変わる調光レンズや、レンズが移動したり取り外したりできるタイプのサングラス等も含める。また、着色レンズ付き眼鏡はサングラス以外に色覚補正レンズも含む概念である。
「タッチパネル」は、例えば液晶パネルのような画面の模様や色が変化する表示部を備えたり、マーク部分が画面背後で点灯・消灯するようになっており、画面の表面に接触、あるいは押圧することでタッチされたことをセンサが認識する表示装置と位置入力装置を組み合わせた電子デバイスである。タッチスクリーン、タッチ画面、接触画面とも呼称する場合がある。タッチパネルの画面のタッチ動作検出原理としてはいくつかの手法があるが、特に限定されるものではない。例えば、マトリクス・スイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等がある。これら以外の方式が開発された場合も本発明における「タッチパネル」となりうる。タッチパネルは起立して同様に起立したり座った状態の被験者の顔の前に対面させるように配置することがよい。タッチパネルの大きさは被験者の手が届く程度の大きさであることがよい。例えば横方向であれば100~180cm程度の幅で、上下方向であれ50~100cmくらいの幅がよい。もっとも、例えタッチパネルが大きすぎて物理的に届かない領域にマークを出現させても着色レンズ付き眼鏡を装用させた状態と着色レンズ付き眼鏡を装用させない状態とのテストを繰り返すことで「タッチできない」確率は平均化される。つまり、着色レンズ付き眼鏡を装用する場合と装用しない場合とで同じ条件であれば被験者の手が届かないような大きなものでもよい。タッチパネルの上縁の高さは被験者の身長に合わせて変更できるとよい。
「制御手段」は例えばコンピュータ装置のCPU(中央処理装置)である。CPUはROM及びRAM等の記憶装置を備えるが、記憶装置はコンピュータ装置と一体ではなくクラウド上に記憶手段があってもよい。
「マーク」は、タッチパネルの画面の背景とは異なる色調を有する目視可能な一定の領域を占める部分としてタッチパネルの画面にランダムに点灯した後消灯して表示されるものである。タッチパネルが表示部を備えた表示装置である場合にはマークはタッチパネルの画面上に一種の画像として表示される。マークの出現した位置をマークが表示されている間に手でタッチすることでカウントされる。マークは大きすぎれば簡単にタッチできてしまうし、あまり小さいマークであれば見逃しが多くなってしまい被験者に着色レンズ付き眼鏡を装用させた状態と着色レンズ付き眼鏡を装用させない状態との差が明瞭でなくなりテストの効率が悪くなる。そのため、マークは例えば円形であれば2cm程度から5cm程度であることがよい。マークの形状は特に限定されない。明瞭な輪郭があることは必要ではない。円形であることがマークの中心から縁までの距離が均等になるためよいが、円形でなくともよい。例えば、方形や星形や棒状であってもよい。色は当該スポーツでのゲーム対象の色調と同等であることがよい。例えば、野球を対象スポーツと考えるのであればボールの色である白色としたり、テニスであればボールの色である黄色にしたりするごとくである。
「スポーツ」はゲーム対象を目で追うような動体視力が重要であるスポーツがよく、例えば野球、テニス、ソフトボール、スカッシュ、ホッケー、バドミントン、卓球等をする者が被験者であることが特によい。もちろん、ゴルフのような動かないゲーム対象をゲーム対象とするようなスポーツや人の動きを追うようなスポーツであってもこのようなマークをタッチするテストで着色レンズ付き眼鏡の要否を判断することができる。
テスト方法としては、片手でタッチしても両手でタッチしても着色レンズ付き眼鏡を装用する場合と装用しない場合とで同じ条件であればよい。
「背景色」は、マークとは異なる色で表示される明度又は明度と彩度を有するタッチパネルの画面の所定の色彩である。例えば背景が白で行われるゲームを想定する場合には彩度のない「白」の場合もある。背景色は単色に限られない。例えば視覚に入る景色が明確に異なる上下2色の色で分けられているのであれば、2色で構成するようにしてもよい。例えば空の青(曇りなら白)と芝の緑のツートンであってもよい。但し、背景色があまりに多色で構成されることはテストとしてよくない。
また、第2の手段として、前記マークは1つだけが前記タッチパネルの画面上に表示されるようにした。
同時に2以上のマークが出てしまう場合に、あせってどちらもタッチできないというような可能性があり、テストの不確定要素となりやすい。そのため、被験者が1つのだけマークを追うことでマークへの集中度も上がるためテストとしてよい。
また、第3の手段として、繰り返し表示される前記マークの表示時間は常に同じであるようにした。
ランダムな時間でマークが出現していると、着色レンズ付き眼鏡を装用させた状態と着色レンズ付き眼鏡を装用させない状態との条件が同じにならず、どちらがよいかのテスト結果として判断しにくくなるためである。マークの表示時間は変更可能であることがよい。
また、第4の手段として、前記マークはスポーツで使用される目で追うゲーム対象の色調を模しているようにした。例えば野球を対象スポーツと考えるのであればボールの色である白色としたり、テニスであればボールの色である黄色にしたりするごとくである。これによって特にゲーム対象を目で追うような動体視力が重要であるスポーツでのサングラスの要否を判断することができる。
また、第5の手段として、被験者に着色レンズ付き眼鏡を装用させた状態と着色レンズ付き眼鏡を装用させない状態でのテストは、それぞれ複数回数実行され、実行したデータ群に基づいて無作為化した結果を用いて判断するようにした。
これによって、例えば先にテストするよりも後からテストするケースにおいて「慣れ」が生じてよりタッチ数が増えてしまったりするような条件が同一でないことを極力排除することができる。
ここで「無作為化」とは着色レンズ付き眼鏡を装用させた状態と着色レンズ付き眼鏡を装用させない状態での2つの状態の比較性を保つため複数回数テストした群を取得し、それらの群の性質を同一なものにすることである。ランダム化ともいう。例えば、2つのテストを交互に十分繰り返すことでこのような無作為化が実現される。
上述した第1~第5の手段の各発明は、任意に組み合わせることができる。第1~第5の手段の各発明の任意の構成要素を抽出し、他の構成要素と組み合わせてもよい。
また、 また、第6の手段として、被験者に着色されたレンズが眼鏡フレームに取り付けられている眼鏡(以下、着色レンズ付き眼鏡)を装用させた状態と着色レンズ付き眼鏡を装用させない状態とで、それぞれタッチパネルの画面の上のランダムな位置で繰り返し所定時間だけ表示されるマークをタッチするテストをさせ、それらのタッチ回数の差に基づいて着色レンズ付き眼鏡の必要性を判断する着色レンズ付き眼鏡要否判断方法であって、 前記マークが表示されるタッチパネルの画面の背景色を、スポーツをする環境の色調に模すようにした。
本発明によれば、あるスポーツをする被験者においてテストした着色レンズ付き眼鏡が実際に必要かどうかを判断することが客観的に可能となる。
本発明の実施の形態のタッチパネルと、タッチパネルが接続されたコンピュータ装置の模式図。 タッチパネルとコンピュータ装置の電気的構成を説明するブロック図。 実施の形態のタッチパネルの画面の正面図。 (a)~(d)は被験者がタッチパネルの画面に現れるマークを追ってタッチする様子を模式的に説明した説明図。
以下、本発明の具体的な実施例を図面に基づいて説明する。
(実施の形態)
図1は実施例で使用するタッチパネル1と、タッチパネル1がケーブルCで接続されたコンピュータ装置2の模式図である。タッチパネル1は公知のタッチ式液晶モニター(ディスプレイ)が使用される。本実施の形態では55インチのサイズのタッチパネル1を使用する。タッチパネル1はモニターアーム3に片持ち梁状に支持され、モニターアーム3はスタンド4に支持されている。タッチパネル1はスタンド4に対してモニターアーム3とともに上下移動可能とされている。
次に図2に基づいてタッチパネル1とコンピュータ装置2の電気的構成について説明する。
タッチパネル1の電気的構成は制御手段としてのCPU(中央処理装置)5やROM及びRAM等の記憶装置6、画面7、タッチセンサ8及びその周辺装置によって構成されている。CPU5は記憶装置6に保存されているプログラムに基づいて演算処理を行う。記憶装置6にはCPU5の動作を制御するためのプログラム、外部からの入力信号に基づいてモニター画面に画像を表示させるプログラム、画面へのタッチに基づくタッチセンサ8からの出力を処理するプログラム等が格納されている。
コンピュータ装置2の電気的構成はCPU(中央処理装置)10やROM及びRAM等の記憶装置11及びその周辺装置によって構成されている。CPU10は記憶装置11に保存されているプログラムに基づいて演算処理を行う。記憶装置11にはCPU5の動作を制御するためのプログラム、複数のプログラムに共通して適用できる機能を管理するOA処理プログラム(例えば、日本語入力機能や印刷機能等)等の基本プログラムが格納されている。更に、コンピュータ装置2を制御するためのプログラム、本発明に関してタッチパネル1の画面7に前もって作製されたマークタッチテストのための表示画面を表示させるタッチテスト用プログラム、マークをランダムに設定した時間で出現させるマーク表示プログラム、タッチパネル1の画面7の背景の色を設定するためのプログラム、表示画面を表示されるマークとタッチパネル1の画面7上の座標位置とを同期させるプログラム、タッチテスト用プログラムでカウントされた被験者のタッチ回数をカウントしタッチパネル1にカウント数を表示させるプログラム等が格納されている。CPU5には入力装置12(マウス、キーボード等)、及び出力手段としてのモニター13とプリンター14が接続されている。
コンピュータ装置2側のCPU10は入力装置12への入力に基づいてタッチパネル1の画面7にマークタッチテストのためのデータを出力し、タッチパネル1側のCPU5はモニター画面にマークタッチテストのための画像を表示させる。また、タッチパネル1へのタッチがあった場合にはタッチパネル1側のCPU5はそのデータをコンピュータ装置2側のCPU10に出力する。コンピュータ装置2側のCPU10はタッチした時間と座標位置データに基づいてマークへのタッチの有無を判断する。
このような構成において、操作する者は、例えば次のようにコンピュータ装置2を操作してタッチパネル1にマークタッチテストのための表示画面を表示させる。操作手順は一例である。また、例えば他のコンピュータ装置を使用すればタッチパネルの画面7も以下とは異なる場合がある。
(1)操作者はコンピュータ装置2の入力装置12を操作する。操作に関する命令はCPU10からタッチパネル1側のCPU5に出力され、CPU5は操作に基づいてタッチパネル1の画面7にマークタッチテストをするための画面を表示させる。
ここで、実施の形態で表示される画面の一例を図3として示す。画面7には縦横に方眼16が表示される。方眼16の一目盛りは本実施の形態では縦3cm×横4cmとした。マークMは方眼16のマス目内に表示される。マークMを円形で表示させる場合の大きさ(直径)は一例としてここでは2.5cmである。他の形状のマークMも見た目この大きさに近く表示される。また、後述するマークMの目視の手法として「A.」を採用する場合には中央のマス目に黄色の光点17が表示される。「B.」を採用する場合には光点17は表示されない。
尚、図3及び図4では、作図上の制限から実際の液晶画面とは異なり背景色が表示される部分を白背景として示している。また、マークMと光点17は黒の塗り潰しで示している。
(2)操作者は入力装置12を操作し、当該被験者のスポーツをする環境の色調に応じたタッチパネル1の画面7の背景色の情報を入力する。具体的には環境の色調は前もって市販の測色計を用いてXYZ表色系の数値を取得しておき、この数値と同じ、あるいは近いと判断した背景色のR(赤)G(緑)B(青)の彩度に対応した数値を入力する。一般にモニターの相対色は8ビット256パターンで再現するようになっているため、この実施の形態でもそれに倣い予定しているスポーツでの環境の色調に応じた当該モニター(タッチパネル1)での人が同等とみなせるRGB数値を前もって入手するようにする。CPU5は操作に基づいてタッチパネル1の画面7に数値に応じた所定の背景色を表示させる。
(3)操作者は入力装置12を操作し、マークMの種類(例えば丸、三角、角、ダイヤ等)、マークMの色、1つのマークMの出現している時間、マークMをランダムに出現させるトータルの時間を設定する。尚、(3)は(2)の前に行うことも可能である。
(4)操作者が入力装置12を操作し、図示しないスタートスイッチをON操作することによってマークタッチテストが開始される。
被験者はタッチパネル1の画面7の面前に動きやすいような姿勢で起立し、テスト開始と同時にタッチパネル1に表示されるマークMを目で追って左右いずれかの手先でタッチするように動作する。具体的には図4(a)のように画面上ランダムに出現して設定時間で消灯するマークMを視認した被験者は同(b)のようにタッチを試みる。CPU5はマークMが表示されている時間内のマークMの領域へのタッチがあったと判断するとタッチできたとしてカウントする。一方、タッチが時間に間に合わなかったりマークMの出現位置ではない位置をタッチした場合にはカウントされない。
マークMが消灯すると同時に同(c)のように他のランダムな位置に次のマークMが出現する。同時に2つのマークMが出現することはない。被験者は同(d)のようにタッチを試みる。設定された回数又は時間が来ると一回のテストは終了する。これを着色レンズ付き眼鏡としてのサングラスを装用した状態と装用してない状態を交互に繰り返して実行する。テストの「慣れ」と「疲れ」の影響をキャンセルするために、十分な回数が交互に繰り返される。各テストのカウント数はコンピュータ装置2にアドレス付けされたテスト毎に記憶される。
ここで、被験者のマークMの目視の手法として2種類を挙げる。すなわち、
A.タッチパネル1の画面7中央に表示される常時表示される注視用のマークMを注視した状態で視野に入るマークMをタッチする方法
B.タッチパネル1の画面7にランダムに表示されるマークMを目で追いながらタッチする方法
である。
A.は視野の周囲に入った動くものを認識するもので、いわゆる武道における「八方目」のような目視での能力が必要なスポーツ等を念頭においたテスト手法である。動きの速いゲーム対象を注視しなくとも認識しなければならないような場合である。例えば被験者が卓球の選手のようなケースである。
一方、B.は移動するゲーム対象を注視するようなスポーツを念頭においている。例えば、被験者がテニスや野球の外野の選手のようなケースである。これらは状況に応じて手法を選択したり、同じ野球選手でも外野と内野を同時にこなすような場合に両方でテストしたりすることが想定される。
上記のような実施の形態では、次のような効果が奏される。
(1)被験者がスポーツをする環境でそのサングラスを装用してプレーすることがよいか悪いかを客観的に判断することができる。
(2)被験者が特に球技をする場合ではマークMを目で追うことと実際の球技でゲーム対象としてのボールを追うこととが非常に近い視認行為となるため、テスト結果がサングラスを装用してプレーすることがよいか悪いか判断した結果によく一致することとなる。
(3)被験者の年齢や運動能力等の条件に合わせてマークMが出現する時間や回数を設定できるので無理がない。
(4)マークMは常にタッチパネル1の画面7に1つだけ表示されるため、マークMが見えているのにどれをタッチするか戸惑うというような不確定要素がテスト結果に影響を及ぼすことがなく、テスト結果の公平性が担保される。
(5)方眼16を設けることで、その記録を残すことでどの位置にマークMが出現したか後からチェックすることが可能である。
次に、上記のシステムを使用した実施例を説明する。
(実施例1)
視覚機能について屋外で野球をすることを想定した場合を想定し、実施例1では「空に上がったボールをキャッチする」際の視認性を評価した。
・実施タッチパネル
上記タッチパネル1に対応するディスプレイ装置として株式会社KOUZIRO製55インチタッチパネル兼用液晶モニターを用いた。
・空の色の数値
コニカミノルタ製分光放射輝度計「CS-2000」を使用した。
XYZ表色系で(X、Y)=(0.28、0.31)であった。
・タッチパネルの設定画面のRGBの数値
RGB=(215、255、255)とした。これはXYZ表色系で(X、Y)=(0.27、0.29)相当であり、XYZ表色系と近似している。
・マークのRGBの数値
ここでは野球の白球をイメージして白色の丸いマークとした。
XYZ表色系で(X、Y)=(0.30、0.30)であった。これはXYZ表色系で(X、Y)=(0.29、0.30)相当であり、XYZ表色系と近似している。
・テスト手法
上記A.に従ってテストした。1つのマークの表示時間は0.75秒とし、80個のマークを一分間連続的に呈示した。「サングラスあり」と「サングラスなし」を交互に8回ずつ、各テストのインターバルとして10秒を挟むように実施してその平均を取った。サングラスは茶色系可視光透過率50%のものを使用した。これらを8人の被験者に実施した結果を表1に示す。実施環境としては、晴天を想定した500ルクスの照明下で行った。
また、テストの追認として、て同じ被験者に晴天・屋外において野球のフライ飛球の捕球時のボールの見え方を裸眼とテストで使用したサングラスありで主観的に評価した。その結果を表1に示す。
(実施例2)
視覚機能について屋外で野球をすることを想定した場合を想定し、実施例2では「土のグラウンドでゴロのボールをキャッチする」際の視認性を評価した。
・実施タッチパネル
実施例1と同じディスプレイ装置を用いた。
・空の色の数値
実施例1と同じ分光放射輝度計を使用した。
XYZ表色系で(X、Y)=(0.36、0.37)であった。
・タッチパネルの設定画面のRGBの数値
RGB=(255、255、255)とした。これはXYZ表色系で(X、Y)=(0.36、0.37)相当である。
・マークのRGBの数値
実施例1と同じ白色の丸いマークであり、同じ数値を用いた。
・テスト手法
上記A.に従ってテストした。1つのマークの表示時間は0.75秒とし、80個のマークを一分間連続的に呈示した。「サングラスあり」と「サングラスなし」を交互に8回ずつ、各テストのインターバルとして10秒を挟むように実施してその平均を取った。サングラスは茶色系可視光透過率50%のものを使用した。これらを8人の被験者に実施した結果を表1に示す。実施環境としては、晴天を想定した500ルクスの照明下で行った。
また、テストの追認として、同じ被験者に晴天・屋外において野球のゴロの捕球時のボールの見え方を裸眼とテストで使用したサングラスありで主観的に評価した。その結果を表1に示す。
結果
実施例1では全体の平均の結果として、テストによるスコアはサングラスの装用によって向上するという傾向が見られている。また、屋外での主観によるフライ捕球でもサングラスがあったほうがよいという傾向になった。
一方、実施例2では全体の平均の結果として、サングラスの装用によってスコアは低下するという傾向が見られている。サングラスを装用することで同等か若干のスコアの低下する例が見られた。実際のゴロを捕球する追認試験では全体としてサングラスを装用して捕球しやすさの向上は見られず、むしろ見づらくなったというケースもあり、テストとよく照合している。
Figure 0007207724000001
(実施例3)
屋外で野球をする場合の視覚機能を想定し、例えば空と芝を同時に目視するような位置にいる選手(例えば外野手)が「空に上がったボールをキャッチする」あるいは「芝のグランドを転がるボールをキャッチする」際の視認性を評価することにした。
・実施タッチパネル
実施例1、2と同じディスプレイ装置を用いた。
・空の色と芝の色の数値
実施例1、2と同じ分光放射輝度計を使用した。
空の色は、XYZ表色系で(X、Y)=(0.28、0.31)であった。
芝の色は、XYZ表色系で(X、Y)=(0.35、0.41)であった。
・タッチパネルの設定画面のRGBの数値
空の色はRGB=(215、255、255)とした。これはXYZ表色系で(X、Y)=(0.27、0.29)相当である。
芝の色はRGB=(100、180、100)とした。これはXYZ表色系で(X、Y)=(0.34、0.41)相当であり、XYZ表色系と近似している。
・マークのRGBの数値
実施例1と同じ白色の丸いマークであり、同じ数値を用いた。
・テスト手法
上記A.に従ってテストした。
タッチパネル背景色を画面中心を通る水平線を境に上下に分けた。マークの色は1つに統一した。
上半分の背景を空の色とし、下半分の背景を芝の色とした。1つのマークの表示時間は0.75秒とし、80個のマークを一分間連続的に呈示した。「サングラスあり」と「サングラスなし」を交互に8回ずつ、各テストのインターバルとして10秒を挟むように実施してその平均を取った。マークは一回のテスト毎に画面の上半分と下半分に同数(40個ずつ)出現するよう設定した。テストは、60秒間続き、上半分に出現した視標をタッチできた回数と、下半分に出現した視標をタッチできた回数をスコアとしてカウントした。
サングラスは茶色系可視光透過率50%のものを使用した。これらを5人の被験者に実施した結果を表2に示す。実施環境としては、晴天を想定した500ルクスの照明下で行った。
また、テストの追認として、同じ被験者に晴天・屋外において野球のフライとゴロの捕球時のボールの見え方を裸眼とテストで使用したサングラスありで主観的に評価した。その結果を表2に示す。
結果
画面の上半分に出現するマークに対するスコアは、サングラスの装用によりUPしている。加えて、競技中のフライ捕球時の主観的な見え方においても、「見やすくなった」という意見が多い。
一方、画面の下半分に出現するマークに対するスコアは、サングラスの装用による若干低下している。加えて、競技中の芝でのゴロ捕球時の主観的な見え方においても、「見やすくなった」という意見が、フライ捕球時よりも減っている。
これらの結果を踏まえ最適なサングラスを考えるならば、上半分が着色され、下半分にかけて着色度が漸減するグラデーションサングラスが望ましいと考えられる。
Figure 0007207724000002
上記は本発明の原理およびその概念を例示するための具体的な実施の形態・実施例として記載したにすぎない。つまり、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば次のように実施してもよい。
・上記実施の形態のシステムの構成は一例であって、他の機構で構成して実現するようにしてもよい。例えば、タッチパネルの画面7のタッチ動作検出原理の異なるものを使用したり、コンピュータ装置が内蔵されたタッチパネルを用いるようにしてもよい。タッチパネルの大きさも適宜変更可能である。
・タッチパネル1の画面7の方眼16を表示させずにマークMを表示するようにしてもよい。
・色や可視光透過率の違う様々な種類のサングラスを装用させてテストをするようにしてもよい。
・実施例は青い空と土をイメージであったが、他の背景、例えば曇天や芝生の緑、観客席でもよい。単色ではなく、例えば背景をスタジアムの観客席をイメージしたランダムな混色で構成するようにしてもよい。野球以外のスポーツを想定してもよい。
・上下二段での色は上記以外の組み合わせであってもよい。また、上記実施例3では画面中央にて上下に区分したが、この境界線はスポーツをする環境の色調に応じて上下に移動させた位置にあるようにしてもよい。例えばテニスであればクレーコートの褐色と空の青色を組み合わせてもよい。
・上記実施例でのマークの出現する時間設定は0.75秒であったが、他の時間に設定してもよい。また、テスト時間は80個のマークを一分間であったが、例えばマークを1秒呈示させて60回で1分としたり、30秒としたり様々に変更してもよい。
・テストは、晴天を想定した500ルクスの照明下で行ったが、曇天を想定する場合には照明をもっと落とすようにしてもよい。
・上記実施例では無作為化を図るために「サングラスあり」と「サングラスなし」を交互に8回又は5回ずつテストを実行したが、この回数は適宜変更可能である。また、インターバルと長く取って「サングラスあり」と「サングラスなし」の開始順序を入れ替える等他の無作為化を図る手法を取り入れるようにしてもよい。
本願発明は上述した実施の形態や実施例に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や実施例や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
1…タッチパネル、7…画面7、M…マーク。

Claims (6)

  1. 被験者に着色されたレンズが眼鏡フレームに取り付けられている眼鏡(以下、着色レンズ付き眼鏡)を装用させた状態と着色レンズ付き眼鏡を装用させない状態とで、それぞれタッチパネルの画面の上のランダムな位置で繰り返し所定時間だけ表示されるマークをタッチするテストをさせ、それらのタッチ回数の差に基づいて着色レンズ付き眼鏡の必要性を判断する着色レンズ付き眼鏡の要否判断システムであって、
    制御手段によって前記マークが表示されるタッチパネルの画面の背景色を、スポーツをする環境の色調に模すようにしたことを特徴とする着色レンズ付き眼鏡の要否判断システム。
  2. 前記マークは1つだけが前記タッチパネルの画面上に表示されることを特徴とする請求項1に記載のサングラス要否判断システム。
  3. 繰り返し表示される前記マークの表示時間は常に同じであることを特徴とする請求項1又は2に記載の着色レンズ付き眼鏡の要否判断システム。
  4. 前記マークはスポーツで使用される目で追うゲーム対象の色調を模していることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の着色レンズ付き眼鏡の要否判断システム。
  5. 被験者に着色レンズ付き眼鏡を装用させた状態と着色レンズ付き眼鏡を装用させない状態でのテストは、それぞれ複数回数実行され、実行したデータ群に基づいて無作為化した結果を用いて判断するようにしたことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の着色レンズ付き眼鏡の要否判断システム。
  6. 被験者に着色されたレンズが眼鏡フレームに取り付けられている眼鏡(以下、着色レンズ付き眼鏡)を装用させた状態と着色レンズ付き眼鏡を装用させない状態とで、それぞれタッチパネルの画面の上のランダムな位置で繰り返し所定時間だけ表示されるマークをタッチするテストをさせ、それらのタッチ回数の差に基づいて着色レンズ付き眼鏡の必要性を判断する着色レンズ付き眼鏡要否判断方法であって、
    前記マークが表示されるタッチパネルの画面の背景色を、スポーツをする環境の色調に模したことを特徴とする着色レンズ付き眼鏡の要否判断方法。
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