JP7207518B2 - 認知症検知装置及び認知症検知方法 - Google Patents

認知症検知装置及び認知症検知方法 Download PDF

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Description

本開示は、人の認知機能の低下症状を検知する認知症検知装置及び認知症検知方法に関する。
特許文献1には、軽度認知機能障害(Mild Cognitive Impairment、MCI)を早期に発見するためには、認知症の症状のうち比較的早期に現れやすい非健忘症状に着目する必要があるという知見が開示されている。非健忘症状の一つには、視空間認知機能の障害がある。この知見に基づき、特許文献1に開示された診断支援システムでは、視空間認知機能の障害を評価するために、メンタル・ローテーション課題を用いる。メンタル・ローテーション課題とは、視覚対象を頭の中でさまざまな方向に回転させる操作過程を行わせることにより、被験者の視空間認知機能の状態を評価する手法である。
特許文献1の診断支援システムは、メンタル・ローテーション課題を遂行している被験者の視線の動きを測定する測定手段と、測定手段により測定された被験者の視線の動きに基づいて、固視点を検出する固視点検出手段と、固視点検出手段により検出された固視点の分布に基づいて、被験者が軽度認知機能障害であるかどうかを判定する判定手段と、を備える。この診断支援システムは、視空間認知機能の障害を評価し、認知症の兆候を早期に判定することを目的としている。
特開2018-175052号公報
特許文献1では、被験者がメンタル・ローテーション課題を遂行する必要がある。しかしながら、メンタル・ローテーション課題を遂行するに至るには、被験者やその家族等が被験者の非健忘症状等の認知症の症状を認識し、診断を受けるために通院することを決定し、診断のために医師等の専門家がメンタル・ローテーション課題の遂行を決定するという流れを経ることが通常である。したがって、通常は、被験者やその家族等が認知症の症状を認識して診断を希望しない限り、特許文献1の診断支援システムは用いられず、認知症及び軽度認知障害に対応する認知機能の低下症状を早期に発見することは困難であった。
さらに、特許文献1の診断支援システムでは、メンタル・ローテーション課題を遂行している被験者の視線の動きを測定する測定手段として、撮像部のサンプリングレートが1000Hzである眼球運動解析装置が用いられている。サンプリングレートが1000Hzである高速カメラを使用することは一般家庭では稀であり、特許文献1の診断支援システムは病院等の専門機関でしか実施できないのが通常である。したがって、特許文献1においてサンプリングレートが1000Hzである高速カメラを使用することが、例えば家庭で手軽に使用して認知機能の低下症状を早期に発見することの妨げとなっている。
本開示の目的は、人の認知機能の低下症状を早期に発見することを可能にする認知症検知装置及び認知症検知方法を提供することにある。
本開示の一態様は、人の認知機能の低下症状を検知する認知症検知装置を提供する。認知症検知装置は、人の目を含む画像を撮像して画像データを生成する撮像部と、撮像部から画像データを順次、取得して、取得した画像データに基づいて人の目の動きを検出する制御部とを備える。制御部は、判定対象の期間に検出された目の動きに基づいて、目がサッカードを生じるサッカード頻度を測定し、検出した目の動きに基づいて、目の動きが停留する停留期間を測定し、測定したサッカード頻度及び停留期間に基づいて、人の認知機能の低下症状を検知する。
本開示の他の態様は、人の認知機能の低下症状を検知する認知症検知方法を提供する。認知症検知方法は、制御部が、人の目を含む画像を撮像して生成された画像データを順次、取得するステップと、制御部が、取得した画像データに基づいて人の目の動きを検出するステップと、制御部が、判定対象の期間に検出された目の動きに基づいて、目がサッカードを生じるサッカード頻度を測定するステップと、制御部が、検出した目の動きに基づいて、目の動きが停留する停留期間を測定するステップと、制御部が、測定したサッカードの発生頻度及び停留期間に基づいて、人の認知機能の低下症状を検知するステップとを含む。
本開示に係る認知症検知装置及び認知症検知方法によると、人の認知機能の低下症状を早期に発見することができる。
本開示に係る認知症検知装置の適用例を説明するための図 本開示の実施形態に係る認知症検知装置の構成を例示する図 認知症検知装置の動作の流れを例示するフローチャート サッカードの検出方法の一例を説明するための図 眼球停留期間の測定方法の一例を説明するための図 認知症検知装置の動作の流れを例示するフローチャート 本開示の変形例1におけるサッカードの検出方法の一例を説明するための図 本開示の変形例2に係る認知症検知装置の動作の流れを例示するフローチャート
以下、添付の図面を参照して本開示に係る認知症検知装置及び認知症検知方法の実施の形態を説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
[1.適用例]
本開示に係る認知症検知装置及び認知症検知方法を適用可能な一例について、図1を用いて説明する。図1は、本開示に係る認知症検知装置100の適用例を説明するための図である。
認知症検知装置100は、人の認知機能の低下症状を検知する。ここで、人の認知機能の低下症状とは、人の認知機能が低下した症状をいい、認知症に対応する症状と、軽度認知障害に対応する症状とを含む。
認知症は、世界保健機関による国際疾病分類第10版においては、「通常、慢性あるいは進行性の脳疾患によって生じ、記憶、思考、見当識、理解、計算、学習、言語、判断等多数の高次脳機能の障害からなる症候群」とされている。人が認知症に罹患すると、普段の生活を送る上でトラブルにつながるほど認知機能が低下する。認知症の一種であるアルツハイマー型認知症に罹患すると、血流低下や糖代謝低下が楔前部から帯状回後部に広がり、右下頭頂小葉に軽度の萎縮が生じる。アルツハイマー型認知症が進行すると、両側海馬傍回での血流の低下及び顕著な灰白質での萎縮が見られる。
軽度認知障害は、認知症の前段階等の、認知症に至らない認知機能の低下症状を示す障害である。軽度認知障害に罹患した人においては、一例として、日常生活に支障をきたすほどの認知機能の低下は見られないものの、本人や家族が、年齢や教育レベルの影響だけでは説明できない記憶障害を認識することがある。この時点では脳の楔前部のみに血流低下や糖代謝低下が見られる。
本開示に係る認知症検知装置100は、例えばテレビ通話システム1に適用可能である。図1では、テレビ通話システム1は、認知症検知装置100とネットワーク50と他者51の端末200とを介して、対象者2と他者51との間の音声及び画像を利用したテレビ通話を可能とするシステムである。端末200は、例えば汎用コンピュータ、スマートフォン、及びタブレットの情報処理装置である。端末200は、電話機であってもよい。
認知症検知装置100は、対象者2の顔を撮像するカメラ3を備える。カメラ3によって撮像された画像は、ネットワーク50を介して端末200に送信され、端末200の液晶ディスプレイ等の表示装置に表示される。これにより、音声及び画像を利用したテレビ通話を実現できる。
発明者は、鋭意研究の結果、レビー小体型認知症やアルツハイマー型認知症の患者等の認知症患者、及び軽度認知障害を有する人においては、サッカード頻度及び眼球停留期間が増加することを見出した。
認知症検知装置100は、テレビ通話の際に使用されるカメラ3を、対象者2の認知機能の低下症状の検知にも利用する。具体的には、認知症検知装置100は、カメラ3によって撮像された画像に基づいて、対象者2のサッカード頻度及び眼球停留期間等の眼球運動を測定する。
テレビ通話は、対象者2とその家族との間、祖父母や孫との間、知人との間等で日常的に使用されるコミュニケーション手段である。このように認知症検知装置100は、日常生活における対象者2の眼球運動を測定することにより、対象者2が認知機能の低下症状を自認するより前の段階で、対象者2の認知機能の低下症状を検知することができる。
対象者2の認知機能の低下症状を検知した場合、認知症検知装置100は、通話相手である他者51の端末200や、対象者2のかかりつけ医が所属する病院の病院サーバ52に対して、対象者2の認知機能の低下症状を知らせるための警告データを送信してもよい。また、認知症検知装置100は、ネットワーク50を介して、病院サーバ52内のデータベース53に検知結果を格納してもよい。認知症検知装置100は、対象者2の認知機能の低下症状を検知しなかった場合であっても、例えば定期的に測定データをデータベース53に送信してもよい。
認知症検知装置100は、テレビ通話システム1に限らず、カメラが搭載されたテレビに適用されてもよい。テレビへの適用は、対象者2が例えばテレビドラマ等を日常的に見るためにテレビを利用する場合に有利である。この場合、テレビドラマ等を見ている対象者2の眼球運動が、カメラによって監視される。
このように、認知症検知装置100は、日常生活における対象者2の眼球運動を測定することによって、対象者2の認知機能の低下症状が発現した場合に、これを早期に検知することができる。
なお、認知症検知装置100は、人の認知機能の低下症状として認知症又は軽度認知障害に対応する症状のみを検知することに限定されない。例えば、認知症検知装置100は、認知機能の低下症状を含む症状として眼球運動の変化を生じる精神疾患に対応する症状を検知することに適用されてもよい。
[2.構成例]
本開示の実施形態に係る認知症検知装置100の構成例及び動作例について、以下説明する。
図2は、認知症検知装置100の構成を例示する図である。認知症検知装置100は、図2に例示するように、カメラ3と、記憶部5と、制御部10とを備える。
カメラ3は、対象者の顔、特に目を撮像して撮像画像を形成する撮像装置である。カメラ3は、例えば、CMOS(Complementary MOS)、CCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像素子によって撮像画像を形成するカメラである。カメラ3は、例えば約20~60fps、例えば30fpsのフレームレートを有する。カメラ3は、100fps以上のフレームレートを有する高速カメラであってもよい
認知症検知装置100は、赤外線照射器4を備えてもよい。赤外線照射器4は、対象者の顔、特に目に向けて赤外線を照射する光源装置である。対象者の顔及び角膜等で反射された赤外線は、カメラ3に入射する。この場合、カメラ3は、赤外域に感度を有するように構成される。
認知症検知装置100の構成は上記のものに限定されず、対象者の顔で反射された光の波長と同じ波長域に感度を有するカメラ3を備えればよい。例えば、認知症検知装置100は、可視光照射器と可視光カメラ、又は、紫外線照射器と紫外線カメラを備える構成であってもよい。あるいは、認知症検知装置100は、赤外線照射器4、可視光照射器及び紫外線照射器等の光源装置を備えず、対象者の顔で反射された太陽光や蛍光灯の光等をカメラ3で撮像するものであってもよい。
記憶部5は、コンピュータその他装置、機械等が記録されたプログラム等の情報を読み取り可能なように、当該プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。記憶部5は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置を含む。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行う。制御部10は、例えば、ECU(電子制御ユニット)により構成される。制御部10は、例えば、RAMに展開されたプログラムをCPUにより解釈及び実行する。このように実現されるソフトウェアモジュールとして、制御部10は、例えば、画像処理部11、測定部12、及び状態判定部13を備える。
認知症検知装置100は、例えば表示部6を備えてもよい。表示部6は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、及びプロジェクタ等の表示装置である。認知症検知装置100が車載用途に適用される場合には、表示部6は、例えば、車両のフロントガラスや専用のガラスパネルに映像を投影するヘッドアップディスプレイであってもよい。表示部6は、本開示の「報知部」の一例である。
認知症検知装置100は、例えば通信インタフェース(I/F)14を備えてもよい。通信I/F14は、ネットワークを介して認知症検知装置100と外部機器との通信接続を可能とするためのインタフェース回路又はモジュールである。通信I/F14は、IEEE802.3、IEEE802.11又はWi-Fi、LTE、3G、4G、5G等の規格に従って通信を行う。通信I/F14は、本開示の「報知部」の一例である。
[3.動作例]
以下、図3~6を参照しながら、認知症検知装置100の動作について説明する。認知症検知装置100の動作は、例えば、初回起動時の初回動作(図3参照)と、2回目以降の起動時の通常動作(図6参照)とで異なる。
[3-1.初回動作]
図3は、認知症検知装置100の初回動作の流れを例示するフローチャートである。図3のフローチャートの各処理は、認知症検知装置100の制御部10によって実行される。図3に示した動作は、例えば、テレビ通話プログラムの起動に連動して開始される。
まず、制御部10は、カメラ3によって撮像された対象者の目の画像を取得する(S1)。ステップS1は、画像取得の前に、赤外線照射器4によって対象者の目に向けて赤外線を照射することを含んでもよい。
次に、画像処理部11として動作する制御部10は、取得した目の画像に対して画像処理を行い、瞳孔中心の位置を検出する(S2)。検出された瞳孔中心の位置を示すデータは、記憶部5に格納される。
瞳孔中心の位置は、眼球の動静として観測されるサッカード及び停留の検出に用いられる。ここで、停留は、固視と呼ばれる場合もある。
対象者の顔全体が大きく動いた場合であっても、顔に対する眼球の相対的な位置が変化しないときは、サッカード等の眼球運動は行われていない。したがって、制御部10は、対象者の顔全体が大きく動いた場合であっても、顔に対する眼球の相対的な位置が変化していないときに、サッカード等の眼球運動を検出しないように、対象者の顔等の上の基準点に対する相対的な位置を、瞳孔中心の位置として検出する。この意味で、画像処理部11として動作する制御部10が行う瞳孔中心の位置の検出は、対象者の視線の検出であるといってもよい。
具体的には、例えば、制御部10は、角膜反射法を用いて瞳孔中心の位置を検出する。角膜反射法を用いた場合、点光源である赤外線照射器4から照射された赤外線が対象者の角膜で反射され、カメラ3に入射する。角膜から反射された赤外線は、プルキニエ像と呼ばれる。プルキニエ像は、瞳孔中心の位置の検出のための基準点として機能する。すなわち、眼球運動が発生すると、プルキニエ像に対する瞳孔中心の相対的な位置が変化する。これを利用して、制御部10は、プルキニエ像の位置に基づいて対象者の瞳孔中心の位置を決定できる。
あるいは、制御部10は、対象者の目頭(内眼角)及び目尻(外眼角)の少なくとも一方を基準点として、対象者の瞳孔中心の相対的な位置を検出してもよい。この場合、赤外線照射器4を用いなくてもよい。
ステップS1及びS2は、初回動作の開始から所定期間T0が経過するまで繰り返される(S3)。これにより、対象者の瞳孔中心の位置を示すデータが記憶部5に蓄積される。
初回動作の開始から所定期間T0が経過した後(S3でYes)、測定部12として動作する制御部10は、対象者のサッカード頻度nの初期値n0(S4)と、眼球停留期間tの平均値taの初期値ta0(S5)とを算出する。算出の際には、記憶部5に格納された瞳孔中心の位置を示すデータが用いられる。ステップS4とS5とは順不同である。ステップS4及びS5で算出された初期値n0、ta0は、記憶部5に格納される(S6)。
上記のように、ステップS4では、サッカード頻度nの初期値n0が算出される。ここで、サッカード頻度nは、単位時間当たりのサッカードの回数である。初回動作の開始から所定期間T0が経過するまでに発生したサッカードの数をYとすると、サッカード頻度の初期値n0は、例えば次の式(1)で表される。
n0=Y/T0 …(1)
図4は、サッカードの検出方法の一例を説明するための図である。図4には、ステップS2において検出された瞳孔中心の位置を表す点p~pi+2が示されている。図4は、瞳孔中心の位置が、時刻tに測定されたpから、そのΔt秒後である時刻ti+1にpi+1に、更にそのΔt秒後である時刻ti+2にpi+2に移動したことを示している。ここで、Δtは、カメラ3のフレームレートFを用いて、例えばΔt=1/Fで表される。
例えば、制御部10は、ある時刻(現フレーム)における瞳孔中心の位置と、その直前のフレーム(すなわち、現フレームのΔt秒前のフレーム)における瞳孔中心の位置と、の距離が所定の閾値d1thを超える場合、前フレームと現フレームとの間にサッカードが発生したと判断する。図4に示した例では、時刻ti+1における瞳孔中心の位置pi+1と、時刻ti+2における瞳孔中心の位置pi+2との距離が閾値d1thを超えているため、時刻ti+1と時刻ti+2との間にサッカードが発生したと判断される。上記の、ある時刻(現フレーム)における瞳孔中心の位置と、その直前のフレーム(すなわち、現フレームのΔt秒前のフレーム)における瞳孔中心の位置と、の距離は、本開示の「目の動きの大きさ」の一例である。時刻ti+1における瞳孔中心の位置pi+1と、時刻ti+2における瞳孔中心の位置pi+2との距離も、本開示の「目の動きの大きさ」の一例である。
次のステップS5では、眼球停留期間の平均値の初期値ta0が算出される。
眼球停留期間の測定方法について説明する。例えば、制御部10は、ある時刻(現フレーム)における瞳孔中心の位置と、その直前のフレーム(すなわち、現フレームのΔt秒前のフレーム)における瞳孔中心の位置と、の距離が所定の閾値d2th以下である期間tが所定の閾値tthを超える場合、「停留」が発生したと判断する。「停留」が発生したと判断した場合、制御部10は、この期間tを眼球停留期間として計上する。
言い換えれば、現フレームにおける瞳孔中心の位置と、その直前のフレームにおける瞳孔中心の位置と、の距離が所定の閾値d2th以下である状態が、連続するXフレームにわたって検出された場合であって、X/Fが所定の閾値tthを超えるとき、制御部10は、X/Fを眼球停留期間として計上する。
眼球停留期間の平均値の初期値ta0は、初回動作の開始から所定期間T0が経過するまでに発生した眼球停留期間の総和を、停留の回数で除した値である。
図5は、眼球停留期間の測定方法の一例を説明するための図である。図5には、ステップS2において時刻t~tj+11にそれぞれ検出された瞳孔中心の位置p~pj+11が示されている。
図5に示した例において、カメラ3のフレームレートFが30fpsであり、所定の時間tthが250msecに設定されていたとする。また、図5に示した例では、pとpj+1との間の距離、及びpj+10とpj+11との間の距離は所定の閾値d2thを超えているが、それ以外のフレーム間の瞳孔中心の位置間の距離は、いずれも所定の閾値d2th以下であるものとする。すなわち、pj+2とpj+3との間j+3とpj+4との間j+4とpj+5との間j+5とpj+6との間j+6とpj+7との間j+7とpj+8との間j+8とpj+9との間及びpj+9とpj+10との間の距離は、いずれも所定の閾値d2th以下である。
図5に示した例では、フレーム間の瞳孔中心の位置間の距離が所定の閾値d2th以下である期間tは、時刻tj+1から時刻tj+10までの300msecであり、所定の閾値tth=250msecを超えている。したがって、制御部10は、「停留」が発生したと判断し、眼球停留期間を300msecと算出する。
サッカードの発生の有無についての判断基準である所定の閾値d1thと、停留についての判断基準である所定の閾値d2thとは、同一の値であってもよい。この場合、図5では、時刻tと時刻tj+1との間、及び時刻tj+10とtj+11との間に、サッカードが発生していると判断される。d1thとd2thとは、異なる値であってもよい。
図3に戻り、状態判定部13として動作する制御部10は、ステップS4で得られたサッカード頻度の初期値n0が、閾値Nより大きいか否かを判定する(S7)。
レビー小体型認知症やアルツハイマー型認知症の患者等の認知症患者においては、注視対象のない不要なサッカードの回数が増加するため、認知症に罹患していない人(以下、「非罹患者」という。)に比べて、サッカード頻度が増加する。このような知見から、閾値Nは、例えば認知症患者のサッカード頻度に基づいて決定される。例えば、閾値Nは、内部又は外部のデータベースに格納された多数(M人)の認知症患者のサッカード頻度の平均値(サッカード頻度の総和/M)である。閾値Nは、本開示の「第1閾値」の一例である。
n0が閾値N以下であると判定した場合(S7でNo)、制御部10は、図3の初回動作を終える。この場合、対象者は認知症を患っていないと判断されたことになる。
n0が閾値Nより大きいと判定した場合(S7でYes)、状態判定部13として動作する制御部10は、ステップS5で得られた眼球停留期間の平均値の初期値ta0が、閾値Taより大きいか否かを判定する(S8)。
認知症患者の眼球停留期間は、非罹患者の眼球停留期間より長いことが知られている。例えば、非罹患者の眼球停留期間の平均値は約250msecであるのに対し、レビー小体型認知症患者の眼球停留期間の平均値は約400msecであり、アルツハイマー型認知症患者の眼球停留期間の平均値は約400msecであることが知られている。このような知見から、閾値Taは、例えば認知症患者の眼球停留期間に基づいて決定される。例えば、閾値Taは、内部又は外部のデータベースに格納された多数(L人)の認知症患者の眼球停留期間の平均値(眼球停留期間の総和/L)である。閾値Taは、本開示の「第2閾値」の一例である。
ta0が閾値Ta以下であると判定した場合(S8でNo)、制御部10は、図3のフローを終える。この場合、制御部10は、対象者は認知症を患っていないと判断したことになる。
ta0が閾値Taより大きいと判定した場合(S8でYes)、ステップS9に進む。この場合、制御部10は、対象者の認知機能の低下症状が認知症に対応すること、例えば対象者が認知症に罹患しているおそれがあることを検知したことになる。
図3に示したフローチャートでは、ステップS7でYesであった場合にステップS8が実行されるが、本開示はこれに限定されない。すなわち、ステップS6の次にステップS8が実行され、ステップS8でYesであった場合にステップS7が実行されてもよい。
ステップS9では、制御部10は、検知結果に関する報知を行う。例えば、制御部10は、通信I/F14及びネットワークを介して、対象者のかかりつけ医が所属する病院の病院サーバ52又は情報処理端末にアクセスし、対象者が認知症に罹患しているおそれがあることを報知する。あるいは、制御部10は、通信I/F14及びネットワークを介して、対象者の家族やテレビ通話相手のスマートフォン等の情報処理端末にアクセスし、対象者が認知症に罹患しているおそれがあることを報知する。
また、ステップS9において、制御部10は、対象者自身に対して検知結果に関する報知を行ってもよい。例えば、制御部10は、液晶ディスプレイ等の認知症検知装置100の表示部6に、検知結果を示す画像を表示する。表示部6に表示される画像は、検知結果を示すものでなくてもよく、例えば対象者に対して受診を勧める旨の文章を示す画像であってもよい。
[3-2.通常動作]
次に、2回目以降の起動時の通常動作について説明する。図6は、認知症検知装置100の通常動作の流れを例示するフローチャートである。図6の通常動作は、例えばテレビ通話アプリケーションが実行される度に実行される。あるいは、図6の通常動作は、1日に1回、2日に1回、又は1週間に1回の割合で実行されてもよい。
まず、制御部10は、図3の初回動作のステップS1~S5と同様の動作を行う。すなわち、制御部10は、カメラ3によって撮像された対象者の目の画像を取得し(S11)、取得した目の画像に対して画像処理を行って瞳孔中心の位置を検出する(S12)。ステップS11及びS12は、通常動作の開始から所定期間T1が経過するまで繰り返される(S13)。その後、制御部10は、対象者のサッカード頻度nの現在値n1(S14)と、眼球停留期間tの平均値taの現在値ta1(S15)とを算出する。
次に、状態判定部13として動作する制御部10は、ステップS14で得られたサッカード頻度の現在値n1が、所定の値nxと図3のステップS4で得られた初期値n0との積nx×n0より大きいか否かを判定する(S16)。nx×n0は、本開示の「第3閾値」の一例である。nxは、例えば1より大きく、例えば1.1~2.0である。
n1がnx×n0以下であると判定した場合(S16でNo)、制御部10は、例えば通信I/F14及びネットワークを介して、対象者のかかりつけ医が所属する病院の病院サーバ52及び情報処理端末等の外部機器に測定データを送信する(S19)。送信された測定データは、例えば対象者の認知機能の現状把握や経過診断等に用いられる。この場合、対象者は軽度認知障害でないと判断されたことになる。
n1がnx×n0より大きいと判定した場合(S16でYes)、状態判定部13として動作する制御部10は、ステップS15で得られた眼球停留期間の平均値の現在値ta1が、所定の値taxと図3のステップS5で得られた初期値ta0との積tax×ta0より大きいか否かを判定する(S17)。tax×ta0は、本開示の「第4閾値」の一例である。taxは、例えば1より大きく、例えば1.1~2.0、例えば1.6である。
ta1がtax×ta0以下であると判定した場合(S17でNo)、ステップS19に進む。
ステップS17においてta1がtax×ta0より大きいと判定した場合(S17でYes)、ステップS18に進む。この場合、制御部10は、対象者の認知機能の低下症状が軽度認知障害に対応すること、例えば対象者が軽度認知障害であるおそれがあることを検知したことになる。
図6に示したフローチャートでは、ステップS16でYesであった場合にステップS17が実行されるが、本開示はこれに限定されない。すなわち、ステップS15の次にステップS17が実行され、ステップS17でYesであった場合にステップS16が実行されてもよい。
また、図6に示したフローチャートでは、ta1を算出するステップS15がステップS16の前に実行されているが、ステップS15はステップS16でYesであった場合に実行されてもよい。これにより、ステップS16でNoであった場合にはta1を算出しないため、制御部10の処理負荷を低減することができる。
ステップS18は、図3のステップS9と同様の動作を行うステップであり、制御部10は、検知結果に関する報知を行う。例えば、制御部10は、病院サーバ52や、対象者の家族やテレビ通話相手の情報処理端末に対して、対象者が軽度認知障害であるおそれがあることを報知する。この報知の代わりに、又はこれと同時に、制御部10は、表示部6を介して、対象者自身に対して検知結果に関する報知を行ってもよい。
[4.まとめ]
以上のように、本実施形態に係る認知症検知装置100は、人の認知機能の低下症状を検知する。認知症検知装置100は、対象者の目を含む画像を撮像して画像データを生成するカメラ3と、制御部10とを備える。制御部10は、判定対象の期間T0又はT1に検出された目の動きに基づいて、目がサッカードを生じるサッカード頻度を測定する。制御部10は、検出した目の動きに基づいて、目の動きが停留する眼球停留期間を測定する。制御部10は、測定したサッカード頻度及び眼球停留期間に基づいて、人の認知機能の低下症状を検知する。
認知症検知装置100によると、サッカード頻度及び眼球停留期間に基づいて、対象者の認知機能の低下症状を検知できる。サッカード頻度及び眼球停留期間は、主としてカメラ3と制御部10とを含む簡易な構成と簡易な処理によって測定できる。このような簡易な構成は対象者の日常環境において準備し易いため、対象者の日常的な生活における目の動きを測定することができ、認知機能の低下症状を早期に発見することが可能となる。
例えば、制御部10は、所定の時間幅Δtにおける目の動きの大きさが所定値d1thを超えた場合に、当該目の動きをサッカードとして検出する。例えば、制御部10は、判定対象の期間T0又はT1に検出されたサッカードに基づいて、サッカード頻度を測定する。このように、サッカードは、簡易な構成と簡易な処理によって測定できる。カメラ3は、例えば100fps以上のフレームレートを有する高速カメラである必要はない。
例えば、制御部10は、時間幅Δtにおける目の動きの大きさが所定値d2th以下である状態が、時間幅Δtより長い所定期間tthを超えて継続した期間を、眼球停留期間として測定する。d2th=d1thであってもよい。このように、眼球停留期間は、簡易な構成と簡易な処理によって測定できる。
制御部10は、サッカード頻度n0が第1閾値Nより大きく、かつ、判定対象の期間T0における眼球停留期間の平均値ta0が第2閾値Taより大きい場合に、対象者の認知機能の低下症状が認知症に対応することを検知するものであってもよい。第1閾値N及び第2閾値Taは、認知症若しくは精神疾患の患者、又は非罹患者に関する統計情報によって規定される
制御部10は、サッカード頻度n1が第3閾値nx×n0より大きく、かつ、判定対象の期間T1における眼球停留期間の平均値ta1が第4閾値tax×ta0より大きい場合に、人の認知機能の低下症状が軽度認知障害に対応することを検知するものであってもよい。
第3閾値nx×n0は、過去の一定期間における対象者のサッカードの頻度n0によって規定され、第4閾値tax×ta0は、当該過去の一定期間における対象者の眼球停留期間ta0によって規定されてもよい。これにより、その対象者に適した属人的な閾値を決定することができる。したがって、対象者毎に適切に認知機能の低下症状を検知することができる。
認知症検知装置100は、過去の一定期間における、対象者のサッカードの頻度n0及び眼球停留期間ta0を記憶する記憶部5を更に備えてもよい。
認知症検知装置100は、情報を外部に報知する通信I/F14を更に備えてもよい。制御部10は、通信I/F14が対象者の認知機能の低下症状に関する検知結果を報知するように制御してもよい。
[5.変形例]
以上、本開示の実施形態を詳細に説明したが、前述までの説明はあらゆる点において本開示の例示に過ぎない。本開示の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができる。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略する。以下の変形例は適宜組み合わせることができる。
[5-1.変形例1]
上記の実施形態では、制御部10が瞳孔中心の位置の移動を距離として検出する例を説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されず、制御部10は、瞳孔中心の位置の移動を検出できればよい。例えば、制御部10は、瞳孔中心の位置の移動を、視線の角度変換に対応する視点(gaze point)の移動として検出してもよい。
図7は、変形例1におけるサッカードの検出方法の一例を説明するための図である。図7では、説明の便宜上、θx軸とθy軸を設けている。θxは水平方向の視線の角度を表し、θxに直交するθyは垂直方向の視線の角度を表している。対象者の視点は、紙面左下の座標(0,0)から、右上の座標(1,1)まで動き得るものとする。ここで、(0,0)は、視線の角度が、座標(0.5,0.5)を正面(0度,0度)とした場合に、左方向に約34.5度、下方向に約34.5度になっている状態に対応する。(1,1)は、視線の角度が右方向に約34.5度、上方向に約34.5度になっている状態に対応する。
図7には、図4のステップS2において検出された視点の位置を表す点q~qi+2が示されている。図7は、視点が、時刻tに測定された視点qから、そのΔt秒後である時刻ti+1に視点qi+1に、更にそのΔt秒後である時刻ti+2に視点qi+2に移動したことを示している。ここで、Δtは、カメラ3のフレームレートFを用いて、例えばΔt=1/Fで表される。
例えば、制御部10は、ある時刻(現フレーム)における視点と、その直前のフレーム(すなわち、現フレームのΔt秒前のフレーム)における視点と、の間の角度差が所定の閾値e1thを超える場合、前フレームと現フレームとの間にサッカードが発生したと判断する。閾値e1thは、例えば0.25であり、視線の角度変化が約15度~約19度、例えば17.25度である場合に対応する。例えば図7に示した例では、時刻ti+1における視点qi+1と、時刻ti+2における視点qi+2との間の角度差が閾値e1thを超えているため、時刻ti+1と時刻ti+2との間にサッカードが発生したと判断される。
[5-2.変形例2]
上記の実施形態では、図3に示した初回動作において、制御部10は、サッカード頻度の初期値n0が閾値Nより大きいか否かを判定し(S7)、眼球停留期間の平均値の初期値ta0が閾値Taより大きいか否かを判定する(S8)と説明した。閾値Nは例えば認知症患者のサッカード頻度に基づいて決定され、閾値Taは例えば認知症患者の眼球停留期間に基づいて決定される。しかしながら、本開示はこれに限定されず、対象者の認知機能の低下症状が認知症に対応するか否かは、非罹患者のサッカード頻度及び眼球停留期間に基づいて検知されてもよい。
図8は、変形例2に係る認知症検知装置100の初回動作の流れを例示するフローチャートである。図8のフローチャートは、図3のステップS7及びS8の代わりにステップS27及びS28を含むこと以外は、図3のフローチャートと同様である。
ステップS27では、制御部10は、N0<n0<N1を満たすか否かを判定する。ここで、N0及びN1は、非罹患者のサッカード頻度に基づいて決定される値である。例えば、N0は、内部又は外部のデータベースに格納された多数(M人)の非罹患者のサッカード頻度の最小値によって規定され、N1は最大値によって規定される。あるいは、N0は、内部又は外部のデータベースに格納された多数(M人)の非罹患者のサッカード頻度の平均値Na(サッカード頻度の総和/M)を用いて、N0=Na-σと規定され、N1=N+σと規定されてもよい。ここで、σは標準偏差を表す。あるいは、N0=Na-2σ、かつN1=N+2σ、又は、N0=Na-3σ、かつN1=N+3σと規定されてもよい。
ステップS28では、制御部10は、Ta0<ta0<Ta1を満たすか否かを判定する。ここで、Ta0及びTa1は、非罹患者のサッカード頻度に基づいて決定される値である。例えば、Ta0は、内部又は外部のデータベースに格納された多数(M人)の非罹患者の眼球停留期間の第1平均値(眼球の総停留期間/停留回数)の最小値によって規定され、Ta1は最大値によって規定される。あるいは、Ta0は、内部又は外部のデータベースに格納された多数(M人)の非罹患者の眼球停留期間の第1平均値(眼球の総停留期間/停留回数)の第2平均値Taa(第1平均値/M)を用いて、Ta0=Taa-σと規定され、Ta1=Taa+σと規定されてもよい。ここで、σは標準偏差を表す。あるいは、Ta0=Taa-2σ、かつTa1=Ta+2σ、又は、Ta0=Taa-3σ、かつTa1=Ta+3σと規定されてもよい。
[5-3.変形例3]
本開示に係る認知症検知装置100は、車載用途に適用されてもよい。車載用途に適用されると、対象者が日常的に自動車等の車両を運転する場合、定期的に対象者の目を撮像できるため有利である。車載用途では、カメラ3は、例えばステアリングコラムカバー、ダッシュボード、及びルームミラー付近等の運転者の前方に取り付けられる。カメラ3の位置はこれに限定されず、運転者の顔を撮像できる位置であればよい。例えば、カメラ3は、眼鏡型のカメラや、運転者の頭部に装着されたヘッドマウント型のカメラであってもよい。
車載用途では、図3に示した報知ステップS9及び図6に示した報知ステップS18の代わりに、制御部10は、車両を停止させてもよい。これにより、運転者の認知機能の低下症状に起因する衝突事故等を未然に防ぐことができる。
(付記)
以下、本開示に係る各種態様を付記する。
本開示に係る第1の態様は、人の認知機能の低下症状を検知する認知症検知装置(100)である。前記認知症検知装置は、前記人の目を含む画像を撮像して画像データを生成する撮像部(3)と、前記撮像部から前記画像データを順次、取得して、取得した画像データに基づいて前記人の目の動きを検出する制御部(10)とを備える。前記制御部(10)は、判定対象の期間(T0、T1)に検出された目の動きに基づいて、前記目がサッカードを生じるサッカード頻度を測定し、前記検出した目の動きに基づいて、前記目の動きが停留する停留期間を測定し、測定したサッカード頻度及び停留期間に基づいて、前記人の認知機能の低下症状を検知する。
第2の態様では、第1の態様の認知症検知装置において、前記制御部(10)は、所定の時間幅における前記目の動きの大きさが所定値を超えた場合に、当該目の動きをサッカードとして検出し、前記判定対象の期間(T0、T1)に検出されたサッカードに基づいて、前記サッカード頻度を測定する。
第3の態様では、第2の態様の認知症検知装置において、前記制御部(10)は、前記時間幅における前記目の動きの大きさが前記所定値以下である状態が、前記時間幅より長い所定期間を超えて継続した期間を、前記停留期間として測定する。
第4の態様では、第1~第3のいずれかの態様の認知症検知装置において、前記制御部(10)は、前記サッカード頻度(n0)が第1閾値(N)より大きく、かつ、前記判定対象の期間(T0)における前記停留期間の平均値(ta0)が第2閾値(Ta)より大きい場合に、前記人の認知機能の低下症状として認知症に対応する症状を検知する。
第5の態様では、第1~第4のいずれかの態様の認知症検知装置において、前記制御部(10)は、前記サッカード頻度(n1)が第3閾値(nx・n0)より大きく、かつ、前記判定対象の期間(T1)における前記停留期間の平均値(ta1)が第4閾値(tax・ta0)より大きい場合に、前記人の認知機能の低下症状として軽度認知障害に対応する症状を検知する。
第6の態様では、第5の態様の認知症検知装置において、前記第3閾値は、過去の一定期間における前記人のサッカードの頻度(n0)によって規定され、前記第4閾値は、当該過去の一定期間における前記人の停留期間(ta0)によって規定される。
第7の態様では、第6の態様の認知症検知装置は、前記過去の一定期間における、前記人のサッカードの頻度(n0)及び前記停留期間(ta0)を記憶する記憶部(5)を更に備える。
第8の態様では、第1~第7のいずれかの態様の認知症検知装置は、情報を外部に報知する報知部を更に備え、前記制御部(10)は、前記報知部が前記人の認知機能の低下症状に関する検知結果を報知するように制御する。
第9の態様は、人の認知機能の低下症状を検知する認知症検知方法である。認知症検知方法は、制御部(10)が、前記人の目を含む画像を撮像して生成された画像データを順次、取得するステップ(S1、S11)と、前記制御部(10)が、取得した画像データに基づいて前記人の目の動きを検出するステップ(S2、S12)と、前記制御部(10)が、判定対象の期間(T1)に検出された目の動きに基づいて、前記目がサッカードを生じるサッカード頻度を測定するステップ(S4、S14)と、前記制御部(10)が、前記検出した目の動きに基づいて、前記目の動きが停留する停留期間を測定するステップ(S5、S16)と、前記制御部(10)が、測定したサッカードの発生頻度及び停留期間に基づいて、前記人の認知機能の低下症状を検知するステップ(S7、S8、S16、S17)とを含む。
第10の態様は、第9の認知症検知方法を制御部に実行させるためのプログラムである。
1 テレビ通話システム
3 カメラ
4 赤外線照射器
5 記憶部
6 表示部
10 制御部
11 画像処理部
12 測定部
13 状態判定部
14 通信I/F
21 表示部
100 認知症検知装置

Claims (9)

  1. 人の認知機能の低下症状を検知する認知症検知装置であって、
    前記人の目を含む画像を撮像して画像データを生成する撮像部と、
    前記撮像部から前記画像データを順次、取得して、取得した画像データに基づいて前記人の目の動きを検出する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    所定の時間幅における前記目の動きの大きさが所定値を超えた場合に、当該目の動きをサッカードとして検出し、
    判定対象の期間に検出されたサッカードに基づいて、前記目がサッカードを生じるサッカード頻度を測定し、
    前記検出した目の動きに基づいて、前記目の動きが停留する停留期間を測定し、
    測定したサッカード頻度及び停留期間に基づいて、前記人の認知機能の低下症状を検知する、認知症検知装置。
  2. 前記制御部は、前記時間幅における前記目の動きの大きさが前記所定値以下である状態が、前記時間幅より長い所定期間を超えて継続した期間を、前記停留期間として測定する、請求項に記載の認知症検知装置。
  3. 前記制御部は、前記サッカード頻度が第1閾値より大きく、かつ、前記判定対象の期間における前記停留期間の平均値が第2閾値より大きい場合に、前記人の認知機能の低下症状として認知症に対応する症状を検知する、請求項1又は2に記載の認知症検知装置。
  4. 前記制御部は、前記サッカード頻度が第3閾値より大きく、かつ、前記判定対象の期間における前記停留期間の平均値が第4閾値より大きい場合に、前記人の認知機能の低下症状として軽度認知障害に対応する症状を検知する、請求項1~のいずれかに記載の認知症検知装置。
  5. 前記第3閾値は、過去の一定期間における前記人のサッカードの頻度によって規定され、
    前記第4閾値は、当該過去の一定期間における前記人の停留期間によって規定される、請求項に記載の認知症検知装置。
  6. 前記過去の一定期間における、前記人のサッカードの頻度及び前記停留期間を記憶する記憶部を更に備える、請求項に記載の認知症検知装置。
  7. 情報を外部に報知する報知部を更に備え、
    前記制御部は、前記報知部が前記人の認知機能の低下症状に関する検知結果を報知するように制御する、
    請求項1~のいずれかに記載の認知症検知装置。
  8. 人の認知機能の低下症状を検知する認知症検知方法であって、
    制御部が、前記人の目を含む画像を撮像して生成された画像データを順次、取得するステップと、
    前記制御部が、取得した画像データに基づいて前記人の目の動きを検出するステップと、
    前記制御部が、所定の時間幅における前記検出した目の動きの大きさが所定値を超えた場合に、当該目の動きをサッカードとして検出し、判定対象の期間に検出されたサッカードに基づいて、前記目がサッカードを生じるサッカード頻度を測定するステップと、
    前記制御部が、前記検出した目の動きに基づいて、前記目の動きが停留する停留期間を測定するステップと、
    前記制御部が、測定したサッカードの発生頻度及び停留期間に基づいて、前記人の認知機能の低下症状を検知するステップとを含む、
    認知症検知方法。
  9. 請求項に記載の認知症検知方法を制御部に実行させるためのプログラム。
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